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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】ドレナージ装置およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/00 20060101AFI20240110BHJP
   A61M 29/00 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
A61M1/00 120
A61M29/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539856
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(85)【翻訳文提出日】2023-08-21
(86)【国際出願番号】 US2021064389
(87)【国際公開番号】W WO2022146750
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】63/131,381
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】フォラン、マーティン ジー.
【テーマコード(参考)】
4C077
4C267
【Fターム(参考)】
4C077AA20
4C077AA26
4C077CC02
4C077CC05
4C077DD21
4C077DD23
4C077DD24
4C077EE04
4C267AA39
4C267BB02
4C267BB03
4C267BB04
4C267BB06
4C267BB10
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB13
4C267BB19
4C267BB20
4C267BB26
4C267BB31
4C267BB32
4C267BB39
4C267BB40
4C267BB43
4C267BB63
4C267CC20
4C267CC22
4C267GG02
4C267GG03
4C267GG06
4C267GG21
4C267GG23
4C267GG24
4C267GG32
4C267HH01
4C267HH08
(57)【要約】
本開示は、折り返し設計を特徴とする医療装置、ステント、ドレナージ装置などに関する。本明細書に説明される様々な実施形態は、重複層を有する部分を有し、そのうちの少なくとも1つは、コーティングまたはカバーを含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部分および第2の端部分を有する長尺状の管状体を備える医療装置であって、前記長尺状の管状体は拘束された形態および拘束されていない形態を有し、
前記長尺状の管状体は、前記第2の端に向かって保持部材の中に折り返される前記長尺状の管状体の第1の端部分を有し、
前記長尺状の管状体は、前記第1の端部分を越えて前記第2の端部分に向かって前記医療装置の部分的な軸線方向の長さに沿って延在する、前記保持部材のコーティングまたはカバーを備える、医療装置。
【請求項2】
前記第1の端部分の被覆されていないセグメントは、前記保持部材を越えて前記第2の端部分に向かって延在する、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記被覆されていないセグメントは、前記保持部材を越えて前記カバーまたはコーティングの半径方向外側に延在する、請求項2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記第2の端部分は被覆されていない、請求項1~3のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項5】
前記保持部材は完全に被覆されている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項6】
前記保持部材は少なくとも1つのフランジを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項7】
前記保持部材は滑らかな端面を有し、前記滑らかな端面は、平らな、平坦な、湾曲した、またはカールした表面のうちの少なくとも1つを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項8】
前記コーティングまたはカバーは、前記第2の端部分に向かって前記医療装置の軸線方向の全長の少なくとも50%に沿って延在する、請求項1~7のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項9】
前記コーティングまたはカバーは、前記第2の端部分に向かって前記医療装置の軸線方向の全長の少なくとも70%に沿って延在する、請求項1~8のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項10】
前記拘束されていない形態の前記長尺状の管状体は、前記第2の端部分と前記保持部材との間の漏出がない流体流動を容易にするように構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項11】
前記医療装置は約8~10cmの軸線方向の全長を有し、前記保持部材は約8~10cmの直径を有し、またはその両方である、請求項1~10のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項12】
第2の保持部材をさらに備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項13】
前記第2の保持部材は、フレア、段部、球状部、隆起した編組セグメント、またはそれらの組み合わせを備える、請求項12に記載の医療装置。
【請求項14】
少なくとも1つの放射線不透過性、エコー源性、着色、または別様にイメージング可能なマーカをさらに備える、請求項1~13のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項15】
前記医療装置は自己拡張型ステントである、請求項1~14のいずれか一項に記載の医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般的に、医療装置および体管腔間の流体連通の確立の分野に関する。特に、本開示は、体管腔間の制御された流れまたはアクセス通路を確立するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2つの体管腔の間にアクセスを確立して一方から他方への流体連通を形成するという要望は、様々な状況および条件下で存在する。様々な医療装置(例えば、吻合装置、ドレナージステントなど)は、体管腔間の開放流またはアクセス通路を確立することができる。例えば、処置中に、吻合またはドレナージ装置が埋め込まれて、胆管から胃または十二指腸へのドレナージを容易にし得る。
【0003】
適切なドレナージを確立および維持するために、吻合またはドレナージ装置の移動は、体管腔内または体管腔間で最小限に抑えられ得る。さらに、ドレナージ装置からの漏出も最小限に抑えられ得る。例えば、吻合処置後のドレナージ装置から腹腔内への漏出は、患者に痛みまたは感染をもたらすことがある。例えば、ひどい出血後は、擦過傷および潜在的に危険な物質(例えば、消化液または壊死組織)へのその曝露を通じて、患者の痛みおよび感染リスクに寄与し得る。
【0004】
上記の考慮事項を考慮すると、本開示の装置および/または方法によって、様々な有利な医療結果が実現され得る。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様では、医療装置は、第1の端部分および第2の端部分を備える長尺状の管状体を備えてもよい。長尺状本体は、拘束された形態および拘束されていない形態を有してもよい。長尺状の管状体の第1の端部分は、第2の端に向かって保持部材の中に折り返されてもよい。長尺状の管状体は、保持部材のコーティングまたはカバーを備えてもよい。コーティングは、第1の端部分を越えて第2の端部分に向かって、医療装置の部分的な軸線方向の長さに沿って延在してもよい。
【0006】
上記および他の態様では、第1の端部分の被覆されていないセグメントは、保持部材を越えて第2の端部分に向かって延在してもよい。被覆されていないセグメントは、保持部材を越えてカバーまたはコーティングの半径方向外向きに延在してもよい。第2の端部分は被覆されていなくてもよい。保持部材は完全に被覆されてもよい。保持部材は、少なくとも1つのフランジを備えてもよい。保持部材は、滑らかな端面を備えてもよい。滑らかな端面は、平らな、平坦な、湾曲した、またはカールした表面のうちの少なくとも1つを備えてもよい。コーティングまたはカバーは、医療装置の軸線方向の全長の少なくとも50%に沿って、第2の端部分に向かって延在してもよい。コーティングまたはカバーは、医療装置の軸線方向の全長の少なくとも70%に沿って、第2の端部分に向かって延在してもよい。拘束されていない形態における長尺状の管状体は、第2の端部分と保持部材との間の漏出がない流体流動を容易にするように構成されてもよい。医療装置は、約8~10cmの軸線方向の全長を備えてもよく、保持部材は、約8~10mmの直径を備え、またはその両方である。医療装置は、拘束されていない形態で第2の保持部材を備えてもよい。第2の保持部材は、フレア、段部、球状部、隆起した編組セグメント、またはそれらの任意の組み合わせを備えてもよい。医療装置は、少なくとも1つの放射線不透過性、エコー源性、着色、または別様にイメージング可能なマーカを備えてもよい。医療装置は、自己拡張型ステントであってもよい。
【0007】
別の態様では、医療装置は、第1の端部分および第2の端部分を含む長尺状の管状体を備えてもよい。第1の端部分は、第2の端部分に向かって折り返されてもよい。第1の端部分は、保持部材を形成するために折り返されてもよい。保持部材は、第1の端部分を越えて第2の端部分に向かって長手方向に延在するコーティングを含んでもよい。医療装置は、拘束された形態および拘束されていない形態を有してもよい。
【0008】
上記および他の態様では、第1の端部分の被覆されていないセグメントは、保持部材を越えて第2の端部分に向かって延在してもよい。被覆されていないセグメントは、カバーまたはコーティングの半径方向外向きに保持部材を越えて延在してもよい。第2の端部分は被覆されていなくてもよい。保持部材は完全に被覆されてもよい。保持部材は、少なくとも1つのフランジを備えてもよい。保持部材は、滑らかな端面を備えてもよい。滑らかな端面は、平らな、平坦な、湾曲した、またはカールした表面のうちの少なくとも1つを備えてもよい。コーティングまたはカバーは、医療装置の軸線方向の全長の少なくとも50%に沿って、第2の端部分に向かって延在してもよい。コーティングまたはカバーは、医療装置の軸線方向の全長の少なくとも70%に沿って、第2の端部分に向かって延在してもよい。拘束されていない形態における長尺状の管状体は、第2の端部分と保持部材との間の漏出がない流体流動を容易にするように構成されてもよい。医療装置は、約8~10cmの軸線方向の全長を備えてもよく、保持部材は、約8~10mmの直径を備え、またはその両方である。医療装置は、拘束されていない形態で第2の保持部材を備えてもよい。第2の保持部材は、フレア、段部、球状部、隆起した編組セグメント、またはそれらの任意の組み合わせを備えてもよい。医療装置は、少なくとも1つの放射線不透過性、エコー源性、着色、または別様にイメージング可能なマーカを備えてもよい。医療装置は、自己拡張型ステントであってもよい。
【0009】
別の態様では、医療装置は、拘束された形態および拘束されていない形態を有する、長尺状本体を備えてもよい。拘束されていない形態では、長尺状本体は、第1の端および第2の端を備えてもよい。医療装置は、第1の端に保持部材を備えてもよく、保持部材は、折り返された織りフィラメントから形成される。医療装置は、保持部材から第2の端に向かって延在する第1の部分を備えてもよい。第1の部分は、第1の部分の軸線方向の長さに少なくとも部分的に沿って保持部材から第2の端に向かって延在するカバーを有してもよい。医療装置は、第1の部分の半径方向外側の表面に沿って保持部材から第2の端に向かって延在する第2の部分を備えてもよい。第2の部分は、第1の部分よりも短い軸線方向の長さを有してもよい。第2の部分は被覆されていなくてもよい。
【0010】
本開示の上記および他の態様では、保持部材はカバーを備えてもよい。保持部材は、少なくとも1つのフランジを備えてもよい。カバーは、医療装置の軸線方向の長の少なくとも50%に沿って、第2の端に向かって延在してもよい。医療装置は、拘束されていない形態にある第2の保持部材を備えてもよい。第2の保持部材は、フレア、段部、球状部、隆起した編組セグメント、またはそれらの任意の組み合わせを備えてもよい。医療装置は、少なくとも1つの放射線不透過性、エコー源性、着色、または別様にイメージング可能なマーカを備えてもよい。
【0011】
本開示の一実施形態では、方法は、医療装置の被覆されていない第1の部分を、第1の体管腔内の開口部を通して第2の体管腔内に前進させるステップを含んでもよい。本方法は、第1の部分が拘束されずに第2の体管腔内に部分的に延在するように、医療装置の周囲に摺動可能に配置される外側シースを第1の体管腔内の第1の位置まで近位に後退させるステップを含んでもよい。本方法は、医療装置の第2の部分が拘束されていない形態に移動するように、外側シースを第1の体管腔内の第2の位置まで近位に後退させるステップを含んでもよい。第2の部分の拘束されていない形態は、第2の部分の折り返された部分を含む保持部材を備えてもよい。保持部材は、第1の体管腔内に位置付けられてもよい。第2の部分の拘束されていない形態は、第1の体管腔と第2の体管腔との間に延在するカバーを備えてもよい。
【0012】
本開示の別の態様では、ステントまたは他の医療装置は、拘束された形態および拘束されていない形態を有する長尺状の管状体を備えてもよい。拘束されていない形態では、長尺状の管状体の近位部分は、近位保持部材内に折り返されてもよい。長尺状の管状体は、拘束されていない形態において、長尺状の管状体の遠位部分に沿って近位部分を越えて遠位に延在する、コーティングまたはカバーを備えてもよい。長尺状の管状体は、それを通って延在する管腔を画定してもよい。
【0013】
本開示の態様では、ステントまたは他の医療装置は、拘束された形態および拘束されていない形態を有する長尺状の管状体を備えてもよい。長尺状の管状体の近位部分は、近位保持部材内に折り返されてもよい。長尺状本体は、拘束されていない形態において、近位保持部材を被覆し、近位部分を越えて遠位に延在する、コーティングまたはカバーを備えてもよい。コーティングまたはカバーは、長尺状の管状体の遠位部分の部分長さに沿って遠位に延在してもよい。
【0014】
本開示の別の態様では、医療装置は、拘束された形態および拘束されていない形態を有する、長尺状本体を備えてもよい。拘束された形態では、コーティングまたはカバーは、長尺状本体の部分的な軸線方向の長さに沿って延在してもよい。拘束されていない形態では、長尺状本体は、内側の円筒体を備えてもよい。内側の円筒体は、拘束されていない形態において、長尺状本体の軸線方向の長さの少なくとも一部に沿って、カバーまたはコーティングを備えてもよい。拘束されていない形態にある長尺状本体は、近位保持部材の中に折り返された近位部分を備えてもよい。近位部分は、内側円筒体と連続して形成されていてもよい。拘束されていない形態にある長尺状本体は、外側円筒体を備えてもよい。外側円筒体は、内側円筒体の外側の被覆された表面に沿って近位保持部材から遠位に延在してもよい。外側円筒体は被覆されていなくてもよい。外側円筒体は、近位部分と連続して形成されていてもよい。外側円筒体は、内側円筒体よりも短い軸線方向の長さを有してもよい。
【0015】
本開示のさらなる態様では、方法は、医療装置を第1の体管腔の中に前進させるステップを含んでもよい。医療装置は、拘束された形態および拘束されていない形態を有する長尺状の管状体を含んでもよい。少なくとも拘束されていない形態では、長尺状の管状体は、近位保持部材の中に折り返された近位部分を備えてもよい。第1の部分は、近位保持部材から遠位に延在してもよい。第1の部分は、近位の被覆されたセグメントおよび遠位の被覆されていないセグメントを有してもよい。第2の部分は、第1の部分の半径方向外側の表面に沿って近位保持部材から遠位に延在してもよい。第2の部分は被覆されていなくてもよい。第2の部分は、第1の部分の近位の被覆されたセグメントよりも短い軸線方向の長さを有してもよい。本方法は、第1の体管腔内の開口部を通して医療装置を前進させるステップを含んでもよい。本方法は、第1の体管腔と第2の体管腔との間の空間を横断して医療装置を前進させるステップを含んでもよい。本方法は、医療装置を第2の体管腔の中に前進させるステップを含んでもよい。本方法は、第2の体管腔内の遠位の被覆されていないセグメントを拘束解除するステップを含んでもよい。本方法は、第1の体管腔内で長尺状の管状体の近位部分を拘束解除するステップを含んでもよい。近位保持部材は、近位部分の拘束解除に基づいて、第1の体管腔内で設置されてもよい。第1の体管腔と第2の体管腔との間の空間に、近位の被覆されたセグメントの少なくとも一部が及んでもよい。
【0016】
本開示のさらに別の態様では、方法は、第1の体管腔内の開口部を通して第2の体管腔の中へ医療装置の一部を前進させるステップを含んでもよい。医療装置は、拘束された形態および拘束されていない形態を有してもよい。本方法は、医療装置の周囲に摺動可能に配置された外側シースを第1の体管腔内の第1の位置まで近位に後退させるステップを含んでもよい。第1の部分は、外側シースの後退に基づいて拘束解除されてもよい。第1の部分は、外側シースの後退に基づいて、第2の体管腔の中に部分的に延在してもよい。本方法は、医療装置の第2の部分が拘束されていない形態に移動するように、外側シースを第1の体管腔内の第2の位置まで近位に後退させるステップをさらに含んでもよい。第2の部分の拘束されていない形態は、保持部材を備えてもよい。保持部材は、第1の体管腔内に位置付けられてもよい。本方法はさらに、外側シースを近位に後退させることで医療装置の第3の部分を拘束解除し、それによって、第3の部分が折り返されて、第1の部分および第2の部分の管腔を通って第2の体管腔の中へ遠位に延在するステップを含んでもよい。
【0017】
本開示の上記および他の方法では、医療装置は、少なくとも1つの放射線不透過性、エコー源性、着色、または別様にイメージング可能なマーカを備えてもよい。本方法は、少なくとも1つの放射線不透過性、エコー源性、着色、または別様にイメージング可能なマーカの位置に基づいて、外側シースを第1の位置、第2の位置、または両方に後退させるステップを含んでもよい。医療装置は、カバーの少なくとも部分的な軸線方向の長さに沿って保持部材から遠位に延在する被覆されていない部分を備えてもよい。被覆されていない部分は、第1の体管腔の組織壁と相互作用するように構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本開示の非限定的な実施形態は、添付の図面を参照して例として説明され、添付の図面は概略的であり、縮尺通りに描かれることを意図していない。図において、図示された各同一またはほぼ同一の構成要素は、典型的には単一の数字によって表される。明確にする目的で、当業者が本開示を理解することを可能にするために図示が必要でない場合、すべての構成要素がすべての図においてラベル付けされているわけではなく、各実施形態のすべての構成要素が示されているわけでもない。図面は以下の通りである。
図1A図1A~1Bは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、医療装置の側面図および斜視図を示す。
図1B】同上。
図2A図2A~2Bは、本開示の少なくとも1つの実施形態による、医療装置の組み立てられていない医療装置および組み立てられた医療装置の側面図を示す。
図2B】同上。
図3A図3A~3Cは、本開示の様々な実施形態による、送達形態にある医療装置の側面図を示す。
図3B】同上。
図3C】同上。
図4A図4A~4Fは、本開示の様々な実施形態による、医療装置の送達の手順の側面図を示す。
図4B】同上。
図4C】同上。
図4D】同上。
図4E】同上。
図4F】同上。
図5図5は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、第1の体管腔と第2の体管腔とを横断して設置される医療装置の側面図を示す。
図6図6は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、医療装置および製造システムの断面図を示す。
図7図7は、本開示の少なくとも1つの実施形態による、いくつかのイメージング可能なマーカおよび保持特徴部の斜視図を示す。
図8A図8A~8Iは、本開示の様々な実施形態による、医療装置の様々な保持特徴部の側面図を示す。
図8B】同上。
図8C】同上。
図8D】同上。
図8E】同上。
図8F】同上。
図8G】同上。
図8H】同上。
図8I】同上。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示は、折り返し設計を特徴とする医療装置、ステント、ドレナージ装置などに関するものであり、代理人案件番号第8150.0710Z号の2020年9月14日に出願された「改善された保持部材を有するステントならびにステントの使用方法および製造方法(STENTS AND METHODS FOR USE AND MANUFACTURE OF STENTS WITH IMPROVED RETENTION MEMBERS)」という表題の現在係争中の米国仮特許出願(あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に援用される)に開示される様々な装置に類似し得る。本明細書に説明される様々な実施形態は、重複層を有する部分を有し、そのうちの少なくとも1つは、コーティングまたはカバーを含んでもよい。被覆されたステントのドレナージ能力と被覆されていないステントの保持強度との利点を組み合わせることで組織の内方成長を促進する、折り返された医療装置の設計が企図される。
【0020】
本開示は、説明される特定の実施形態に限定されない。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、添付の特許請求の範囲を超えて限定することを意図するものではない。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0021】
本開示の実施形態は、医療装置(例えば、吻合装置、ステント等)および胆管系のドレナージ(または胆管系へのアクセス)のための方法を具体的に参照して説明されるが、そのような医療装置および方法は、様々な身体器官、管、管腔、血管、瘻孔、および空間(例えば、真皮、胃、十二指腸内、胆嚢、膀胱、腎臓、被包化膵壊死(WOPN)、膿瘍等)の間の一時的または恒久的開放流路またはそこからのドレナージを確立および/または維持するために、様々な医療処置(例えば、外部胆管ドレーン変換、小腸小腸吻合、胃空腸吻合、胃十二指腸吻合、および胃回腸吻合等)において使用されてもよいことを理解されたい。装置は、異なるアクセスポイントおよびアプローチ(例えば、経皮的、内視鏡的、腹腔鏡的、またはいくつかの組み合わせ)を介して挿入され得る。説明される様々なステントは、自己拡張型ステントであるが、ステントが他の手段、例えば、バルーンカテーテルによって拡張可能である他の実施形態も可能であり得る。さらに、このような医療装置は、ドレナージに限定されず、他の目的(例えば、流体または固体をある位置から別の位置へと方向転換またはバイパスするための経路を作製すること、閉塞物を除去すること、および/または治療を送達すること(器官内の組織の非侵襲的操作および/または開放流路を介する薬剤の導入を含む))のために、器官、血管、または体管腔へのアクセスを容易にし得る。いくつかの実施形態では、装置、システム、および方法は、2019年2月19日に出願された現在係争中の米国出願第16/279,140号に対応する「ドレナージ装置(DRAINAGE DEVICE)」という表題の米国特許出願公開第2019/0254804号(現在あらゆる目的のために参照することによってその全体として本明細書に援用する)の図面および/または明細書に対する1つ以上の類似点を含み得る。
【0022】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。「備える(comprises)」および/または「備えている(comprising)」、または「含む(includes)」および/または「含んでいる(including)」という用語は、本明細書で使用される場合、述べられた特徴、領域、ステップ、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、領域、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しないことがさらに理解されよう。
【0023】
本明細書で使用される場合、「遠位」という用語は、装置を患者に導入するときに医療従事者から最も遠い端を指し、「近位」という用語は、装置を患者に導入するときに医療従事者に最も近い端を指す。
【0024】
本明細書で説明される様々な実施形態は、本明細書で論じられる1つ以上の特徴を含み得ることが理解されるであろう。例えば、本開示の任意の態様に関する概念の組合せが現在企図されている。
【0025】
図1A~1Bは、本開示の様々な実施形態による例示的な医療装置100の側面図および斜視図を示す。医療装置100(例えば、ステント、またはドレナージステント)は、第1の(例えば、拘束された、つぶされた、拡張されていない)形態と第2の(例えば、拘束されていない、拡張された)形態との間で移動するように構成された長尺状の管状体118を含み得る。簡潔にするために、本明細書で言及される「第1の形態」は、拘束された形態、つぶされた形態、拡張されていない形態などを集合的に指すものと理解される。本明細書で言及される「第2の形態」は、拘束された形態、つぶされた形態、圧縮された形態、拡張されていない形態などを集合的に指すものと理解される。実施形態はこの状況に限定されない。
【0026】
長尺状の管状体118は、ポリマー、金属、または他の材料から形成され得る、メッシュ、1つ以上の編組ワイヤ、または織りフィラメント120を備えてもよい。多くの実施形態では、長尺状の管状体118は、ニチノールまたは類似の合金等の形状記憶材料から形成されてもよい。簡単にするために、本開示は、ステントの材料を織りフィラメントまたは複数の織りフィラメントと呼ぶことがあるが、実施形態は、代替的におよび/または追加的に、他の材料および/またはフィラメントの構成を含んでもよい。
【0027】
長尺状の管状体118は、その軸線方向の長さに沿って少なくとも部分的に延在するコーティングまたはカバー210を備えてもよい。カバー210は、シリコーン、ウレタン、クロノフレックス(Chronoflex)、ポリテトラフルオロエチレン(pTFE)、または他の適切な材料を含んでもよい。
【0028】
第2の形態では、長尺状の管状体118は、第1の端部分116(例えば、近位または近位端部分、領域、または区域)と、反対側の第2の端部分108(例えば、遠位または遠位端部分、領域、または区域)と、それらの間に延在する中央部分106(例えば、サドルまたは中央サドル部分、領域、または区域)とを備えてもよい。第1の端部分116は、保持部材216と、保持部材216から第2の端部分108に向かって延在する重複部分104とを備えてもよい。重複部分104は、半径方向内側の壁124と半径方向外側の壁126とを含み得る。長尺状の管状体118は、それを通って長手方向に延在する管腔204を画定してもよい。
【0029】
中央部分106は、半径方向内側の壁124および第2の端部分108の一方または両方と連続的に形成されてもよい。保持部材216は、半径方向内側の壁124と連続して形成されてもよい。半径方向外の壁126は、保持部材216と連続的に形成されてもよい。多くの実施形態では、第1の端部分116、中央部分106、および第2の端部分108は、図2Aの長尺状本体200等の単一の長尺状フレームまたは部材から形成されてもよく、保持部材216および/または重複部分104が、単一の長尺状フレームまたは部材の一部を単一の長尺状フレームまたは部材の隣接する部分の上に折り返すことによって形成されることで、内側の円筒体(例えば、半径方向内側の壁124、または中央部分106とともに半径方向内側の壁124)は、外側の円筒体(例えば、半径方向外側の壁126)の一部内に配置され、および/またはそれを通って延在するように配置される。したがって、保持部材216は、折り返された織りフィラメントの一部によって形成されてもよい。
【0030】
重複部分104の折り返し構成は、従来の設計に勝る様々な利点を提供し得る。例えば、半径方向内側の壁124および半径方向外側の壁126の層化は、重複部分104に安定性または機械的剛性を提供することができる。保持部材216の折り返し構成は、そのような折り返し構成を含まない対応する保持部材と比較して、医療装置100の保持力を増加させることができる。例えば、医療装置100が移動するためには、半径方向内側の壁124および半径方向外側の壁126によって支持されるような保持部材216が変形する必要があり、それは、その折り返された幾何学形状に起因して、可能性がより低くなり得る。半径方向内側の壁124および半径方向外側の壁126の一方または両方は、保持部材216の変形に抵抗または対抗することができ、それによって、代替設計とは対照的に、保持部材216のより大きい引抜き力をもたらす。
【0031】
別の利点では、重複部分104の折り返し構成は、医療装置100の選択的製造を可能にし、医療装置100上の所望の場所へのカバー210の配置を可能にし得る。例えば、多くの実施形態では、カバー210は、中央部分106および半径方向内側の壁124の全長に沿って延在してもよい。したがって、管腔204は、そこを通る流れを防止するのに十分な距離だけ保持部材216から分離されてもよく、したがって、流体が保持部材216の内部に溜まることを防止する。したがって、嵌入およびその後の感染のリスクは、従来の設計と比較して低減され得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、カバー210は、第1の形態における保持部材216に対応する長尺状管状体118の一部分の上に延在してもよく、それにより、カバーは、第2の形態における保持部材の全部または一部を被覆してもよい。いくつかの実施形態では、カバー210は、保持部材216を越えて第2の端部108に向かって、医療装置100の部分的な軸線方向の長さに沿って延在してもよい。例えば、カバー210は、(第2の壁128を含む保持部材216の軸線方向の全長「L1」に沿って)保持部材216の周りに完全に延在するように図1A~1Bに示されているが、カバー210は、代替的に、第2の壁128の一部のみを被覆するように、または第2の壁128を被覆しないように、第1の壁122のみを被覆するように、または第1の壁122の一部のみを被覆するように延在してもよい。いくつかの実施形態(図示せず)では、カバー210は、保持部材216を越えて半径方向外側の壁126の部分的な軸線方向の長さまたは軸線方向の全長に沿って延在してもよい。したがって、様々な実施形態は、カバー210を採用することで、保持部材216を通してまたは保持部材216の周囲から、医療装置100が及ぶ組織壁の管腔(図示せず)を通して、流体が漏出することを防止し得る。しかしながら、多くの実施形態では、半径方向外側の壁126の少なくとも一部は被覆されていない。
【0033】
医療装置100の被覆されていない部分は、組織の内方成長を促進し得、これは、身体内に適切に位置付けられた後、医療装置100の移動を防止するために望ましい場合がある。したがって、重複部分104による保持部材216の機械的支持によって提示される移動に対する抵抗に加えて、本実施形態の折り返し構成は、第1の端部分116に沿った組織内方成長の選択的許容に基づいて、移動に対するさらなる抵抗を可能にし得る。多くの場合、重複部分104は、図5に図示されるように、医療装置100の織りフィラメント120の間隙の中へ、半径方向内側の壁124と半径方向外側の壁126との間の空間内へ、またはその両方への1つ以上の組織壁の内方成長を可能にし得る。医療装置100は、被覆されていないステントの保持の利点(例えば、重複部分104との組織の相互作用に基づく)と、被覆されたステントの流路完全性の利点(例えば、医療装置100の軸線方向または長手方向の長さに沿ったカバー210の範囲に基づく)との両方を提供することによって、従来の設計を超える利点を提示し得ることが認識されるであろう。
【0034】
保持部材216は、重複部分104の半径方向外側の壁126および/または半径方向内側の壁124から半径方向に(例えば、その外表に垂直に)延在してもよい。多くの実施形態では、保持部材216は、図示される二重壁フランジ等のフランジを備えてもよい。他の実施形態では、保持部材216は、膨らみ、球状部、または他の特徴(図示せず)を備えてもよい。保持部材216は、第1の壁122および対向する第2の壁128を備えてもよく、その一方または両方は、体管腔の関連組織壁に並置するように構成されてもよい。保持部材216の折り返し設計は、第1の壁122および/または第2の壁128に滑らかな組織係合表面を提供し得ることが理解されるであろう。そのような滑らかな表面を提供することにより、望ましくは、第1の壁122および/または第2の壁128によって係合される並置された組織の摩耗のリスクが減少され得る。本出願の目的のために、滑らかな表面は、特に、表面が相互作用する並置された組織を摩耗させ得る、表面を中断する溶接または材料終端等の1つ以上の不連続性がない、平らな、平坦な、湾曲した、またはカールした端面、表面等であってもよい。第1の壁122および第2の壁128は、簡略化のために平坦な縁部で示されているが、一方または両方が曲線、角度、または他の表面変化(図示せず)を含んでもよく、第1の壁122および第2の壁128が互いに平行であっても非平行であってもよいことが理解されるであろう。
【0035】
前述したように、第2の端部分108は、多くの場合、完全にまたは部分的に被覆されていなくてもよい。したがって、被覆されていない部分は、第2の端部分108への組織の内方成長を促進しすることでステントの移動を制限することができ、かつ/または流体の流れが、第2の端部分108の側部を通って管腔204内に、織りフィラメント120の織り目の孔もしくは開口部を通って、または以下により詳細に論じられるように図7の窓710などの専用の窓を通って可能になる。したがって、被覆された部分は、図5に示すような1つ以上の側管から第2の端部分108を通る流体流動を容易にするように構成されてもよい。
【0036】
第2の端部分108は、フレア112(または図8A~8Iに示されるような特徴)等の追加の保持部材を備えてもよく、または第2の端部分108は、図2Bの第2の部分224に関して示されるような直線縁部を備えてもよい。実施形態はこの状況に限定されない。第2の端部分108はまた、仕上げられたまたは仕上げられていないフィラメント端130を含んでもよい。例えば、フィラメント端130は、互いに溶接されてもよく、連続的に形成されてもよく、(図7に示されるように)外周リングを介して接続されてもよく、接着されてもよく、もしくは他の方法で仕上げられてもよく、または、ほつれてもよく、接続されなくてもよく、もしくは他の方法で仕上げられなくてもよい(図示せず)。いくつかの実施形態では、フィラメント端130は、図1Aに示されるように、第2の端部分108が長尺状の管状体118の中央部分の直径D1よりも大きい直径「D4」を有するように配置されてもよい。他の実施形態では、フィラメント端は、第2の端部分108の直径D4が中央部分118の直径D1と実質的に同じであり得るように構成されてもよい。代替的におよび/または追加的に、フィラメント端は、直径D4が中央部分118の直径D1よりも小さくなるように、半径方向内向きに曲がるかまたは湾曲してもよい。半径方向外向きに延在するフィラメント端130は、周囲組織(図示せず)への外傷を増加させることがあり、それは、第2の端部分108の中への組織成長を促進し得ることが認識されるであろう。半径方向内向きに延在するフィラメント端130は、周囲組織(図示せず)への外傷を減少させ得、これは、患者の不快感および/または感染リスクを低減させ得ることがさらに認識されるであろう。
【0037】
図1Aを参照すると、保持部材216は、軸線方向の長さL1によって特徴付けられてもよく、重複部分104は、軸線方向の長さ「L2」によって特徴付けられてもよい。中央部分106は、軸線方向の長さL3によって特徴付けられてもよく、第2の端部分108は、軸線方向の長さL4によって特徴付けられてもよい。多くの実施形態では、L1はL4より小さくてもよい。L2およびL3は併せて、第1の体管腔と第2の体管腔(図示せず)との間の距離に及ぶのに十分な長さを有してもよく、またはL2のみが、第1の体管腔と第2の体管腔との間の距離に及ぶのに十分であってもよい。いくつかの実施形態では、L2は、L3より小さくてもよく、L3に等しくてもよく、またはL3より大きくてもよい。例えば、L2は、L3の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、210%、220%、230%、240%、250%、260%、270%、280%、290%、300%であってもよい。いくつかの実施形態では、L2はL3の300%より大きくてもよい。1つの非限定的な例では、L3は、0mmであってもよい(例えば、重複部分104は、保持部材216と第2の端部分108との間の全長に延在してもよい)。多くの実施形態では、L2は、医療装置100の全長(例えば、L1+L2+L3+L4)の少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、または80%であってもよい。
【0038】
多くの実施形態では、カバー210は、L3、L2+L3、L1+L2+L3の長さを有してもよい。いくつかの実施形態では、カバー210は、L1+xL2+L3の長さを有してもよく、xは、カバー210が保持部材216を越えて半径方向外側の壁126(図示せず)に沿って延在するように、1~2の値を表す。カバーは、折り返された設計を有する医療装置100を形成するために使用される長尺状本体118の全長のより大きな部分に沿って延在し得ることが現在企図される。例えば、カバー210は、L1+L2+L3+L4の長さで医療装置100の全長に沿って、L2+L1+L1+L2+L3+L4の長さで保持部材216の周りおよび半径方向外側の壁126に沿って延在する折り返し長さを含む医療装置100の全長に沿って、またはカバー210が第2の端部分108と位置合わせされるそれらの間の長さで延在してもよい。多くの実施形態では、医療装置100の全長は、L1、L2、L3、およびL4を備えてもよく、5~20cm、または限定するものではないが、6~12cm、8~10cm、10~15cm、8~12cm等を含む、0.1cm増分を含むその中の任意の反復範囲であってもよい。いくつかの非限定的な実施形態では、医療装置100は、最大25cmの全長を有してもよい。
【0039】
長尺状の管状体118は、直径「D1」を画定してもよい。D1は、第1の形態におけるよりも第2の形態において大きくてもよい。多くの実施形態では、中央部分108、半径方向内側の壁124、またはその両方は、直径D1を有してもよい。半径方向外側の壁126は、D1よりも大きい直径「D2」を有してもよい。保持部材216は、D2よりも大きい直径「D3」を有してもよい。例えば、D3は、D1またはD2の1.5倍、2倍、または2.5倍であってもよい。様々な実施形態では、D3は、5~35mm、または限定するものではないが、6~12mm、8~10mm、10~15mm、8~12mm等を含む、0.1mm増分を含むその中の任意の反復範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の端部分108は、D1よりも大きい直径D4を備えてもよい。いくつかの実施形態では、D4はD1以上であってもよく、D4はD2以上であってもよく、またはD3以上であってもよい。
【0040】
図2A図2Bは、完全にまたは部分的に反転されて(例えば、折り畳まれて、折り返されて、再構成されて)医療装置214を形成するのに適した、完全に伸ばされた(例えば、折り畳まれていない、真っ直ぐにされた)長尺状本体200を示す。医療装置214は、図1A~1Bに関して議論されるような医療装置100に対する1つ以上の類似点を備えてもよい。例えば、医療装置214は、第1の形態(例えば、拘束された、拡張されていない、送達形態など)および第2の形態(例えば、拘束されていない、拡張された、設置された形態など)を有し得る。実施形態はこの状況に限定されない。
【0041】
図2Aに関して、長尺状本体200は、織りフィラメント120(図1A)から形成されてもよく、それを通って長手方向に延在する管腔204を画定してもよい。長尺状本体200は、第1の被覆されていない部分206と、カバー210を備える第2の被覆された部分208と、第3の被覆されていない部分212とを備えてもよい。図示の実施形態では、第2の被覆された部分208は、第1の被覆されていない部分206と第2の被覆されていない部分212との間に配置される。
【0042】
長尺状本体200は、医療装置214の形状を呈するように、反転され、折り畳まれ、折り返され、または別様に再構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1の被覆されていない部分206および第2の被覆された部分208の少なくとも一部は、第3の被覆されていない部分212を通って延在するように、折り返され、管腔204を通して引っ張られてもよい。
【0043】
他の実施形態では、第3の被覆されていない部分212は、第1の被覆われていない部分206および第2の被覆された部分208の少なくとも一部が第3の被覆されていない部分212を通って延在するように、第2の被覆された部分208の外部の周りに引っ張られるか、またはその周りに折り返されてもよい。換言すれば、第3の被覆されていない部分212は、第1の被覆されていない部分206に向かって第2の被覆された部分208の外面に沿って延在するように折り返されてもよい。第3の被覆されていない部分212は、第2の被覆された部分208の外径の周りに保持部材、例えば保持部材216を形成するように折り返されてもよい。したがって、図1Aに関して説明されるフィラメント端130は、もはや医療装置構造体の端に配置されず、図1Aに関して説明される第1の壁122、または図6に関して説明される、医療装置214の第1の端を形成し得るリップ630から離れて巻き付けられてもよい。換言すれば、長尺状本体200の折り返された端は、長尺状本体に沿って、対向するフランジまたは他の保持部材を形成するか、またはそうでなければそれを含み得る対向する部分または反対側の部分に向かって、保持部材216を越えて延びることができる。すなわち、長尺状本体200は、それぞれの端が保持部材216内に折り返されるように、保持部材216を越えて軸線方向外向きに延在してもよい。
【0044】
どちらの場合も、医療装置214は、第1の部分220(例えば、近位部分)および第2の部分224(例えば、遠位部分)を備えてもよく、その各々は、少なくとも部分的に被覆されていない半径方向外側の表面(例えば、第1の部分220の表面226および部分224の表面228)を含み得る。中央部分222(例えば、中央サドル部分または領域)は、第1の部分220と第2の部分224との間に延在してもよい。多くの実施形態では、中央部分222は、カバー210で完全にまたは部分的に被覆されてもよい。表面226は、長尺状本体200の折り返しの結果として、第3の被覆されていない部分212に対応し得ることが認識されるであろう。表面226は、カバー210の半径方向外向きに延在する、図1A~1Bに関して説明されるような重複部分104の被覆されていないセグメントであってもよく、またはそれを備えてもよい。
【0045】
多くの実施形態では、第1の部分220は、保持部材216(例えば、フランジ、二重壁フランジ)を備えてもよい。保持部材216は、内側層230が半径方向内向きに延びて管腔204を保持部材216構造から分離するように、折り返された長尺状本体200の一部で形成されてもよい。内側層230は、保持部材216の内部での糜粥などの物質の衝突または滞留、および/または保持部材216の構造を通した半径方向外向きの望ましくない流体漏出を制限し得るカバー210を備えてもよい。部分218は、保持部材216から長手方向に延在する医療装置214の被覆された部分を指す。部分218は、第1の部分220の内側層232または中央部分222を有する内側層232など、第2の被覆された部分208から形成された医療装置214の一部または全部を含み得る。多くの実施形態では、表面226は、部分218よりも短い軸線方向(長手方向)の長さを有してもよい。したがって、カバー210は、図1A図1Bに関して説明されるように、第1の端部分104を越えて第2の端部分に向かって、医療装置100、214の部分的な軸線方向の長さに沿って延びてもよい。
【0046】
長尺状本体200の様々な寸法は、医療装置214のそれぞれの寸法に対応し得ることが理解されるであろう。多くの場合、長尺状本体200の寸法は、医療装置214の対応する寸法と同じであるか、またはほぼ線形に関連付けられ得る。第3の被覆されていない部分212の長さ「L9a」は、表面226の長さ「L9b」に対応し得る。第2の被覆された部分208に沿った長さ「L10a」は、保持部材216の内側層230の長手方向または軸線方向の長さである長さ「L10b」に対応し得る。多くの実施形態では、L10bは、保持部材216の湾曲、折り畳み、または他の突出に適応するように、L10a未満であってもよい。第2の被覆された部分208に沿った長さ「L11a」は、組み合わせられた内側層230および部分218の長さ「L11b」に対応し得る。第1の覆われていない部分206の長さ「L12a」は、第2の部分224の長さ「L12b」に対応し得る。これらの寸法関係は単なる例示であり、他のものも考えられることが理解されるであろう。
【0047】
管腔204は、長尺状本体200の第1の形態において直径「D5a」を有し、医療装置214の第2の形態(例えば、設置された、折り返された、拡張された形態)において直径「D5b」を有し得る。D5bは、多くの実施形態では、D5aより大きくてもよく、例えば、D5aの長さの100~700%、いくつかの実施形態では、D5aの長さの500%であってもよい。表面226は、内層232よりも大きい直径「D6」を有してもよく(D5bは内層232の関連する厚さであり、図面では簡略化のために標識されていない)、これは、表面226の組織内方成長を可能にし得る。保持部材216は、D6よりも大きい半径方向の直径D7を有し得る。いくつかの実施形態では、D7はD6の長さの100~300%、例えば200%であってもよい。
【0048】
長尺状本体200は、第1の形態における医療装置214を表し得る。この場合、長手方向または軸線方向の長さL9a、L11a、およびL12aは、第2の形態への医療装置214の設置および/または拡張とともに、長さがそれぞれL9b、L11b、およびL12bに線形またはほぼ線形に減少し得る。
【0049】
図1A図1Bおよび図2A図2Bに関して説明される構成要素は、対応していてもよく、交換可能であってもよく、あるいは組み合わせ可能であってもよいことが理解されよう。例えば、図1Aに関して説明されるような保持部材216は、表面226のD6よりも大きい直径D7を有してもよく、組織壁に効果的に並置するのに十分な直径を有する第2の壁128を生成する。実施形態はこの状況に限定されない。
【0050】
図3A図3Cは、様々な設置形態で、本開示による設置チューブ(例えば、カテーテル、シースなど)内にある本開示による医療装置(例えば、ステント)を示す。多くの実施形態では、医療装置は、圧縮された形態で患者内の標的位置に送達されることができるように、形状記憶または他の適切な材料から形成される。標的位置で設置されると、医療装置は、所望の様式で患者組織に係合するように、予め成形された形態に戻ることができる。したがって、図2A図3Cに関して説明されるような医療装置は、現在説明される拘束された形態で(例えば、図示されない体管腔内の)目的の位置に送達されてもよい。いくつかの実施形態では、医療装置は、長尺状形態を採用してもよく、医療装置の幾何学的特徴のうちのいくつかまたは全ては、医療装置が設置チューブ内に収容されることを可能にするように、圧縮され、長手方向に伸長され、開かれ、または別様に調節される。図3A図3Cの医療装置の設置(例えば、設置チューブを医療装置の周りから後退させることなどによって、拘束、拡張などから解放すること)は、それぞれの医療装置に、図1A図1Bおよび/または図2Bに示すような拘束されていない(例えば、拡張など)形態をとらせてもよい(例えば、所定の熱設定された形状に戻す)。図3A図3Cの各々は、簡略化のために、図2A図2Bに関して説明されるような様々な要素とともに示されているが、設置形態は、上述したような医療装置100に同様に適用されてもよく、および/または、ここに示された医療装置は、図1A図1Bに関して説明されるような1つ以上の要素を代替的に含んでもよいことが理解されるであろう。実施形態はこの状況に限定されない。
【0051】
医療装置300、320、330の各々は、医療装置を設置するために使用され得る外側シース302(例えば、チューブ、カテーテル、送達シースなど)内に示されている。多くの実施形態では、内側部材304は、医療装置300、320、330の管腔204を通って延在してもよい。内側部材303は、その上に配置された(例えば、遠位に配置された)先端308を含んでもよい。先端308は、切断要素、例えば、ナイフ、電気焼灼先端、または組織を穿刺することが可能な他の切断要素(図示せず)であってもよく、および/または別様にそれを備えてもよい。様々な実施形態では、外側シース302および内側部材304は、互いに対して独立して後退可能および/または延長可能であってもよい。外側シース302および内側部材304は、互いに対して、および/または送達装置のハンドル(図示せず)に対して、ある位置に係止されてもよい。いくつかの実施形態は、その設置中および/または設置時に医療装置300、320、330を操作するために使用され得る、別個のプッシャ306を備えてもよい。プッシャ306は、内側部材304から分離されてもよく、内側部材304のまわりに周囲に配置されてもよく、または別様に外側シース302内に位置付けられてもよい。プッシャ306は、外側シース302および内側部材304のどちらかまたは両方に対して独立して後退可能、延長可能、および/または係止可能であってもよい。様々な実施形態は、内側部材304またはプッシャ306のうちの1つのみを備えてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、外側シース302は、内側部材304に対して後退させられて、医療装置300、320、330を拘束されないようにしてもよく、したがって、医療装置300、320、330の遠位部分は、自動的に半径方向にまたは別様に拡張してもよい(例えば、織りフィラメント202の熱設定された形状を呈するように)。
【0053】
いくつかの実施形態では、医療装置が部分的または完全に設置された後に、医療装置を再捕捉することが望ましい場合がある。そのような場合、外側シース302を、内側部材304に対して遠位に前進させて、設置されたおよび/または部分的に設置された医療装置300、320、330を外側シース302の遠位端によって再拘束および/または再捕捉させてもよい。医療装置300、320、330が外側シース302の遠位端によって(例えば、外側シース302を医療装置300、320、330上で長手方向に遠位に延長することによって)再拘束されると、医療装置300、320、330の遠位部分は、設置された(非圧縮、拡張)形態から拘束された(例えば、圧縮、非拡張等)形態へと半径方向に収縮し得る。医療装置300、320、330の再捕捉は、不適切な整列の場合、医療装置300、320、330の再配向および適切な再設置を可能にし得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、本開示の様々な医療装置の折り返された(例えば、拘束されていない、拡張された、折り畳まれた等)形態は、医療装置が設置されるときに、体管腔内で医療装置によって自動的に形成され得る。図3Aを参照すると、医療装置300は、医療装置214に関して説明されるようなステントであってもよい。医療装置300は、第1の拘束された(例えば、圧縮された、拡張されていない等)形態で、所望の位置(例えば、体管腔内、図示せず)に設置されてもよい。医療装置300の形状回復特徴に起因して、第1の被覆されていない部分206および第2の被覆された部分208は、第2の形態において第3の被覆されていない部分212を通って延在するように、設置時に管腔204を通って自動的に反転するように構成されてもよく、したがって、図2Bに示されるような拘束されていない形態の形状を形成する。したがって、第3の被覆されていない部分212は、図2A図2Bに関して説明されるように、表面226を形成し得る。
【0055】
内側部材304は、医療装置300が内側部材の周囲に配置されるとき、第2の形態への医療装置300の反転および/または遷移を防止し得ることが認識されるであろう。内側部材304の後退(例えば、近位後退)は、医療装置300の第2の形態への移動を容易にし得る。多くの実施形態では、外側シース302は、医療装置300に対する内側部材304の引き抜きまたは後退の前に、内側部材304および医療装置300に対して(近位に)引き抜かれてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、保持部材を形成するように構成された医療装置の一部分は、医療装置が第1の形態にあるとき、部分的にまたは完全に真っ直ぐにされるか、または伸長されてもよい(例えば、保持部材216を形成するように事前設定された織りフィラメント202は、完全に真っ直ぐである拘束された形態に適合することに抵抗する場合があり、したがって、膨らみ312は、図3Aに示されるように、医療装置300、330の拘束された形態に存在してもよい)。例えば、膨らみ312は、医療装置300が(例えば、外側シース302および内側部材304の一方または両方の近位後退を介して)外側シース302から拘束されておらず、および/または内側部材304から解放されたときに、保持部材216を形成する医療装置300の一部に対応してもよい。
【0057】
医療装置300は、いくつかの実施形態では、1つ以上の体管腔内の医療装置の所望の留置の可視化を容易にするために、1つ以上のイメージング可能なマーカ310a~fを含んでもよい。イメージング可能なマーカ310a~fのうちの1つ以上は、エコー源性、放射線不透過性、着色、視覚的、または別様に視認可能であってもよい。イメージング可能なマーカ310a~fは、医療装置300に沿って、その目的の位置に沿って配置されてもよい。イメージング可能なマーカは、カバー210に埋め込まれてもよいし、織りフィラメント120と一体化されてもよいし、医療装置300に結合されてもよい。
【0058】
例えば、イメージング可能なマーカ310aは、第1の形態における医療装置300の近位端、および第2の形態(図示せず)における医療装置300の遠位端をマークする。イメージング可能なマーカ310bは、第1の形態におけるカバー210の近位端、および第2の形態におけるカバー210の遠位端(例えば、部分218の遠位端)をマークする。イメージング可能なマーカ310cは、医療装置300が第2の形態に移動するとき、第3の被覆されていない部分212の遠位端(例えば、表面226として)に対応する、第2の被覆された部分208に沿った位置をマークする。イメージング可能なマーカ310dは、医療装置300が第2の形態に移動するとき、保持部材の近位端に対応する、第2の被覆された部分208に沿った位置をマークする。イメージング可能なマーカ310eは、医療装置300が第2の形態に移動するとき、保持部材の遠位端に対応する、第2の被覆された部分208に沿った位置をマークする。例えば、医療装置300が医療装置100と同じである場合、イメージング可能なマーカ310dは、第2の形態にあるときの第1の壁122に対応する第2の被覆されていない部分208に沿った位置をマークしてもよく、イメージング可能なマーカ310eは、第2の壁128に対応する位置をマークしてもよい。イメージング可能なマーカ310eは、追加的または代替的に、医療装置300が第1の形態にあるとき、遠位端であり得る、カバー210の端に対応してもよい。医療装置300が第2の形態にあるとき、イメージング可能なマーカ310eは、カバー210の近位端をマークしてもよく、カバー210は、図1A図1Bに関してカバー210および保持部材216に関して説明されるように、保持部材の周りに少なくとも部分的に巻き付けられてもよい(例えば、折り返される、折り畳まれるなど)。イメージング可能なマーカ310fは、第1の形態における医療装置300の遠位端、および医療装置300が第2の形態(図示せず)にあるときの折り返し部分(例えば、表面226)の端をマークする。図示されるように、イメージング可能なマーカ310cおよび310fは、第2の形態(図示せず)において整列し得る。
【0059】
イメージング可能なマーカ310a~fは、図示されるように、および/または、例えば、上述のように、第1の形態および第2の形態のどちらかまたは両方における医療装置300の設置および/または可視化に有用である、医療装置300に沿った他の場所に位置付けられてもよいことが理解されるであろう。医療装置300は、上述のように、6つのイメージング可能なマーカを備えてもよく、または医療装置300は、より多くのまたはより少ないイメージング可能なマーカを備えてもよい。医療従事者は、1つ以上のそのようなマーカを不連続的に(例えば、静止画像を介して)または連続的に(例えば、超音波フィードを介して)イメージングすることができる。上述のイメージング可能なマーカ310a~fのいずれかの相対位置および/または動きは、例えば、医療装置300の別の要素に対する、および/またはイメージング可能なマーカ310a~fの別のものに対する、医療装置300の配置、位置、および/または設置の完了を決定するために使用されてもよい。加えて、簡略化のために図示されないが、医療装置100、320、330または医療装置214のうちの1つ以上は、上記で説明されるようなイメージング可能なマーカ310a~fのうちの少なくとも1つを備えてもよい。
【0060】
理解されるように、1つ以上の体管腔に係合するように医療装置300を設置する目的で、医療装置は、半径方向に圧搾され、軸線方向に開かれ、圧縮され、または別様に変形されて、直径「D8」を有し得る外側シース302の中に嵌合し得る。例えば、医療装置300が、第2の形態にあるときの医療装置214に関して議論されるような寸法を有するとき、D8は、保持部材216の対応する直径D7未満、D6未満、および/またはD5b未満であってもよい。多くの実施形態では、D8は、外側シース302内に嵌合するように圧縮されていない長尺状本体200に対応し得る、D5a未満であってもよい。
【0061】
図3Bは、本明細書に記載される実施形態による医療装置320の第1の形態を示す。医療装置320は、医療装置214に関して説明されるようなステントであってもよく、部分218および第2の部分224は、表面226を通って延在する。理解されるように、図3Bに示される医療装置320の第1の形態は、第1の形態と第2の形態との間での医療装置320の反転または折り返しを可能にしない。むしろ、医療装置320は、この実施形態では、折り返された形態で予め成形されて外側シース302内に装填される。
【0062】
医療装置320は、半径方向に圧搾、圧縮、または別様に変形されて、直径D8を有し得る外側シース302の中に嵌合してもよい。例えば、医療装置320が、第2の形態にあるときに医療装置214に関して議論されるような寸法を有するとき、D8は、保持部材216の対応する直径D7未満、D6未満、および/またはD5b未満であってもよい。
【0063】
医療装置300、320、330の外側シース302への装填は、その長手方向の伸長をもたらし得る。特に、1つ以上の要素は、第2の形態よりも第1の形態においてより長い長さを呈してもよい。例えば、折り返される前の第1の形態を有する医療装置214であり得る医療装置320に関して、表面226は、L9bよりも長手方向/軸線方向に長い長さ「L9c」を有してもよい。保持部材216は、長さ「L10c」を有してもよく、この長さ「L10c」は、図2Bに関して議論されるようなL10bよりも長手方向/軸線方向に長い。内側層230および部分218は併せて、第1の形態において、L11bよりも長手方向/軸線方向に長い長さ「L11c」を有してもよい。第2の部分224は、L12bよりも長手方向/軸線方向に長い長さ「L12c」を有してもよい。図面を簡単にするために図3Aおよび図3Cには示されていないが、医療装置300、330は、図2A図2Bに関して説明される寸法に同様に対応する寸法を有してもよいが、それぞれ半径方向に圧縮されているか、または長手方向に拡張されていることが現在考えられている。
【0064】
ここで図3Cを参照すると、医療装置330は、その設置時に折り返し形状をとるように構成されてもよい。例えば、前述したように、医療装置300は、分解され、直線状にされ、折り畳まれていない等の形態で送達されてもよく、その後、設置時に予め設定された形状(例えば、熱設定された形状)に再組み立てされ、折り返され、折り畳まれる等されてもよい。医療装置300は、第2の形態における医療装置214に対する1つ以上の類似点を有してもよい。しかしながら、医療装置214とは対照的に、設置時に、医療装置330は、医療装置214と関連付けられる内向きの反転とは反対に、半径方向外向きの折り畳み機構を採用して、折り返す(例えば、折り畳む、再組み立てする)ことができる。例えば、第3の被覆されていない部分212は、外側シース302から拘束されていないとき、膨らみ312に沿って外向きに折り畳まれるように構成されてもよい。医療装置330は、第2の被覆された部分208の少なくとも一部の上に第1の被覆されていない部分206(または第2の被覆された部分208の一部とともに第1の被覆されていない部分206)を折り返す(例えば、折り重ねる、反転させる等)ことによって、第1の形態から第2の形態に変換してもよい。したがって、医療装置330は、医療装置214に対する1つ以上の類似性を有する第2の形態を備えてもよい。図3Cに示されるような第1の形態における第3の被覆されていない部分212は、例えば、第2の形態において、図2Bに関して説明される表面226に対応してもよく、一方、図3Cの第1の形態における第1の被覆されていない部分206は、第2の形態において、図2Bに関して説明される第2の部分224に対応してもよい。
【0065】
同様に、図3Aに関して説明されるように、膨らみ312は、医療装置330が(例えば、外側シース302および内側部材304の一方または両方の近位後退によって)外側シース302から完全に拘束されておらず、および/または内側部材304から解放されたときに、保持部材216のような保持部材を形成する医療装置300の一部に対応してもよい。
【0066】
図4A~4Fは、図3A~3Cに記載されるような様々な拘束された形態を有する医療装置を体内の標的位置に送達するための方法に関連する、本明細書に説明される医療装置の様々な設置段階を示し、医療装置は、図1A~Bおよび/または図2Bに関して説明されるような送達(例えば、拘束されていない)形態をとるように設置され得る。特に、図4A~4Cは、医療装置300(図3A)を設置するための非限定的な例示的方法を示す。図4Cは、追加的または代替的に、医療装置320(図3B)の設置を示し得る。図4D~4Fは、上述したような医療装置330(図3C)の設置に関連し得る。図4A図4Fは、簡略化のために、上述した1つ以上の要素を参照する。参照される要素またはそれらの組み合わせのいずれかが、代替的に構成され得ることが理解されるであろう。実施形態はこの状況に限定されない。
【0067】
図4Aは、図3Aに関して上述したような医療装置300の送達の第1のステップまたは段階に関する。図4Aでは、医療装置300は、外側シース302内で長尺状の半径方向に圧縮された形態で示されている。この形態では、外側シース302および医療装置300は、所望の設置のために体管腔402、406内に位置付けられてもよい。特に、遠位先端308および/または内側部材304は、体管腔402と406との間の組織壁404に開口部を形成し得る。その中に配置された医療装置300を含む外側シース302の一部は、外側シース302の遠位端が第2の体管腔406内の位置「P1」をとるように、組織壁404を横切って第1の体管腔402から前進(例えば、遠位に前進または伸長)され得る。
【0068】
図4Aは、内側部材304ではなく、むしろ、第1の形態から第2の形態への医療装置300の設置前移動を防止するように、医療装置300の端408(例えば、近位端または第1の端)と結合するか、または別様にそれを支持するように構成される、プッシャ306を図示していることに留意されたい。様々な実施形態において、内側部材304は、組織壁404に開口部を形成するために使用され得、この開口部を通して、外側シース320および医療装置300が挿入され得ることが理解される。内側部材304は、医療装置300が前記開口部を横切って配置された後に後退させられてもよい。
【0069】
図4Bは、医療装置300の一部を露出させるために、医療装置300およびプッシャ306に対して矢印「A」の方向に後退させられた外側シース302を示す。図示される実施形態では、組織壁404に及ぶ、医療装置300の第3の被覆されていない部分212は、露出されている。したがって、第3の被覆されていない部分212は、第2の体管腔406内に部分的に位置付けられる。
【0070】
外側シース302は、次いで、外側シースの遠位端が第1の位置P1から第2の位置「P2」に移動するように、後退させられてもよい。P2は、医療装置300の保持部材(例えば、図1Aに示される第2の壁128)を留置するための所望の場所であってもよい。その後、外側シース302は、その遠位端が第3の位置「P3」に位置付けられるように後退させられてもよい。P3は、保持部材(例えば、図1Cの保持部材216)がその所定の形状を再びとる位置にあってもよい。
【0071】
図4Cは、外側シースの遠位端が第4の位置「P4」に移動することで医療装置300が外側シースから完全に解放されるように、外側シース302が矢印「A」の方向にさらに後退させられる、医療装置300の設置の次の段階を図示する。そのような解放は、第1の被覆されていない部分206が、その元の事前設定された形状を完全にとることを可能にし得、そのプロセスにおいて、第1の被覆されていない部分206は、保持部材216を完全に形成するように第3の被覆されていない部分212を通って折り返され、図4Cに示されるように、第2の体管腔406の中に戻るように延在する。完全に拘束されていない形態では、保持部材216は、第1の体管腔402内に位置付けられ、第3の被覆されていない部分212は、組織壁404に及び、第3の被覆されていない部分212は、図2Bに関して説明されるように、表面226に対応する(現在図示せず)。第1の被覆されていない部分206は、第2の体管腔406内に位置付けられ、第1の被覆されていない部分206は、図2Bに関して説明されるように、第2の部分224に対応する(現在は図示せず)。
【0072】
前述のように、本開示による医療装置は、様々な形態のうちのいずれかで標的組織部位に設置され得る。図4A図4Cに関連して説明した実施形態は、装置が設置される際に保持部材216が形成されるとともに装置の一部が装置の他の部分内に折り畳まれる医療装置300の設置を示す。代替として、医療装置(例えば、医療装置320)は、形成され、次いで、単純に圧縮されて外側シース内に嵌合してもよい。すなわち、医療装置320は、図3Bに示されるように、予め組み立てられた折り返された形状を有する拘束された形態を備える。この場合、医療装置320は、外側シース302内に位置付けられ、次いで、図4Cに示されるように、外側シース302および医療装置320の端部408が第2の体管腔406内の位置「P5」に位置付けられるまで、組織壁404に及ぶように、第1の体管腔402を通って第2の体管腔406の中へ遠位に延在される。次いで、シース302は、シース302の遠位端が位置「P6」を通過するまで、矢印Aの方向に後退させられ得、その時点で、シースは、医療装置320を解放し(例えば、拘束を解除し)、装置を所望の位置に固定する。
【0073】
本明細書に記載される様々な位置は単なる例示であり、他の位置が医療装置の所望の配置および設置に対応してもよいことが理解されるであろう。例えば、第1の形態から第2の形態に移動するときの医療装置320の特定の長手方向/軸線方向の収縮に応じて、P5は、医療装置320の端408の所望の端配置よりも遠位に位置することで、医療装置が長手方向/軸線方向に収縮するとき(すなわち、シース302が除去されるとき)、そのような収縮が第2の体管腔406内の端408の所望の整列をもたらすことを確実にしてもよい。
【0074】
図4D~4Fは、医療装置330(図3C)を設置するための非限定的な例示的方法を示す。先の実施形態と同様に、医療装置330は、図2Aに示されるような拘束されていない形状をとるように設置され得る、分解された(例えば、折り畳まれていない、引き伸ばされた、伸ばされた等)形状を有する拘束された形態を有してもよい。図4D図4Fは、外側シース302から設置されるときに、図2Aに関して説明されるような形状をとるように第3の被覆されていない部分212が膨らみ312の周りで外向きに折り畳まれる、医療装置330の例示的な設置を示す。これは、医療装置300の一部が別の部分内に折り返されて保持部材を形成する、図4A~4Cに関連して説明される設置方法とは対照的である。
【0075】
図4Dを参照すると、医療装置330の設置の第1段階が示されている。示されるように、医療装置330を含む外側シース302は、医療装置330の遠位端が第2の体管腔406内の位置「P7」に到達するように、遠位に前進させられてもよい。多くの実施形態では、この位置付けは、イメージング可能なマーカ310cが第1の体管腔402内に留まることを確実にする量であってもよい。例えば、医療装置320は、イメージング可能なマーカ310aが位置P2に到達するまで遠位に前進させられ得、位置P2は、組織壁404内の開口部にさらに対応し得る。
【0076】
図4Eは、医療装置330の設置の次の段階を示し、この段階で、外側シース302は、医療装置330に対して矢印Aの方向に近位に後退され得る。外側シース302は、医療装置330の端410が外側シースから解放されるように、外側シースの遠位端が位置「P8」に位置するまで後退させられてもよい。シース302から解放されると、端408は、図4Eに示される第2の拘束されていない形態に移動することができる。図から分かるように、端408が外側シース308から解放されると、端408が組織壁404に直接隣接して位置するように、第2の被覆された部分208の上に外側に折り返される。
【0077】
図4Fは、医療装置330の設置および/または位置決めの最終段階を示し、この段階で、プッシャ306は、矢印Bの方向に遠位に延ばされ、組織壁404に対して所望の位置に医療装置330を押動または他の方法で移動させるために使用される。図示の実施形態では、プッシャ306を使用して、保持部材216を組織壁404に直接隣接して接触する位置P2に配置する。いくつかの実施形態では、プッシャ306は、医療装置330の管腔204を通って延在し、例えば、把持具(図示せず)を介して、医療装置330の端412と結合することによって、医療装置330を操作してもよい。代替として、プッシャ306は医療装置330の保持部材216または他の要素に圧力を印加することで、医療装置330を所望の整列に移動させてもよい(方法は図示せず)。
【0078】
図4A図4Fに関して説明されるような要素の位置決めは、多くの場合、図3Aに関して説明されるような1つ以上のイメージング可能なマーカ310a~fのイメージングに基き得ることが理解されよう。例えば、図4A図4Fにはイメージング可能なマーカ310cのみが示されているが、図4Bに関して説明したように、イメージング可能なマーカ310eをP2に配置して、適切な医療装置の配置を決定してもよい。図4Fに関して、医療装置330は、イメージング可能なマーカ310dがP2に位置付けられるまで、プッシャ306を介して遠位に移動させられてもよい。
【0079】
図4A~4Fは、単一の組織壁404に及ぶような(上述のような)医療装置300、320、330を示すが、本開示の実施形態は、追加的または代替的に、複数の壁にわたる配置のために有利であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の折り返し設計を有する装置は、第1の体管腔と第2の体管腔との間の中間体管腔に及ぶために好適であり得る。例えば、図5は、第1の体管腔502、第2の体管腔504(例えば、中間体管腔)、および第3の体管腔506にわたって位置付けられた医療装置100、214、300、320、330を示す。HGS手術等のいくつかの実施例では、第1の体管腔502は、胃ゾーンであってもよく、第2の体管腔504は、腹腔であってもよく、第3の体管腔506は、肝臓ゾーンであってもよい。しかしながら、他の構成も現在想定されている。
【0080】
医療装置100、214、300、320、330は、複数の組織層、例えば、第1の組織層512および第2の組織層514にわたって位置付けられてもよい。多くの実施形態では、医療装置100、214、300、320、330の被覆されていない部分は、医療装置が及ぶ各組織層に並置するように位置付けられてもよい。例えば、表面226は、長さL9bが第1の組織層512および第2の組織層514に及ぶように構成されてもよく、医療装置100、214、300、320、330の中への組織の内方成長を促進し、従来の被覆されたステント設計を上回る保持強度を改善する。同時に、第1の組織層512および第2の組織層514にわたるカバー210の長さL11bの延在は、第2の体管腔504に及ぶ、第1の体管腔502と第2の体管腔506との間に漏出のない流体流路を確立する。
【0081】
いくつかの実施形態では、第1の被覆されていない部分206は、管508内に位置付けられてもよく、管508と第1の体管腔502との間の流体流動を可能にする。第3の体管腔506および/または管508内に第1の被覆されていない部分206を位置付けることの1つの利点は、第1の被覆されていない部分206内への組織の内方成長を可能にすることでステント移動のリスクを低減させることであり得る。第1の被覆されていない部分206を管508内に配置することの追加的または代替的な利点は、排液が、第1の被覆されていない部分206に隣接して位置づけられた1つ以上の側管510からステントの管腔204に入ることを可能にすることであり得る。
【0082】
図6は、本明細書に説明される様々な実施形態による、医療装置の製造に関連する構成要素および方法を示す。例えば、上述した医療装置100、214、300、320、330は、図6に関して説明される特徴を提供するように製造されてもよい。簡単にするために、図6では、図2A~2Bに関して説明される1つ以上の構成要素を参照する。しかしながら、実施形態は、この状況に限定されない(例えば、図6に関して説明される特徴および/または方法はまた、図7~8に関して説明される実施形態を製造するために使用されてもよい)。
【0083】
図6は、マンドレル602の周りに形成または配置された、図2Aに関して上述した長尺状本体200などの長尺状本体の外形を示す。多くの実施形態では、長尺状本体200は、破線矢印622によって示されるようなワイヤ経路に従う織りフィラメント202を用いて形成されてもよい。実施形態はこの状況に限定されない。
【0084】
したがって、マンドレル602は、長尺状本体200を通って延びる管腔204の内径を設定し得る。多くの実施形態では、マンドレル602は円筒形であってもよいが、そのようなことは必須ではなく、他の形状が使用されてもよい。いくつかの実施形態(図示せず)では、マンドレル602は、例えば、図8A~8Iに関して説明されるように、フレア、膨らみ、または他の表面特徴等の保持部材を有する長尺状本体200を画定するように、1つ以上の表面変動を有してもよい。サドルクリップ606は、長尺状本体200の外周(図示せず)の周りに部分的または全体的に延在してもよく、多くの場合、マンドレル602に対して長尺状本体の外径を拘束するように、折り返された第1の部分220の少なくとも一部を含む。
【0085】
多くの実施形態では、ワッシャ604等のワッシャを形成する保持部材は、長尺状本体200の外周の周囲に留置され、または別様に配置されてもよい。いくつかの実施形態(図示せず)では、複数のワッシャ604が長尺状本体200の周囲に配置されて、例えば、マルチフランジ保持部材または複数の保持部材を作成してもよい。
【0086】
多くの実施形態では、スペーシングクリップ608は、サドルクリップ606とマンドレル602との間、特に、上述のように表面226と内側層232との間に配置され、図2Bに関して参照されるような直径D5bおよびD6の差を提供してもよい。
【0087】
長尺状本体200は、ワッシャ604の幅618および直径624が、保持部材の対応する幅および/または直径を画定し得るように、ワッシャ604の上に折り返されてもよい。例えば、図2Aに関して説明されるように、長尺状本体200の第3の被覆されていない部分212は、ワッシャ604の幅618が長さL10bを画定し、直径624が保持部材216の直径D7を画定するように、ワッシャ604の上に折り返されてもよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、長尺状本体200は、内側層232と同軸に保持部材216から延在し得る、突出部またはリップ630を含むように、折り返されてもよい。リップ630は、保持部材216を形成するために折り返された長尺状本体200の部分の余分な長さから形成されてもよい。リップ630は、例えば、プッシャまたは把持具(図示せず)が保持するための場所を提供することによって、医療装置の除去に有用であり得る。いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、リップは、医療装置の変位を可能にするために変形されることが求められる織りフィラメント202の形状に加えられた歪みに基づいて、医療装置を除去するために必要な引き抜き力を増加させ得る。
【0089】
長尺状本体200が上述のように折り返された後、ワイヤの形状は、例えば、自己拡張型ステントまたは本体の第1の形態(例えば、拡張された拘束されていない形態)に設定されてもよい。例えば、織りフィラメント202は、ニチノールまたは類似の合金等の形状記憶材料を含んでもよい。形状は、例えば、熱設定によって固定されてもよい。熱設定後、織りフィラメント202は、装置の形状を弾性的に操作するのに十分な可撓性を保持し得ることが認識されるであろう。したがって、医療装置100、214、300、320、330の形状が設定された後、マンドレル602、サドルクリップ606、スペーシングクリップ608、および/またはワッシャ604は除去されてもよい(例えば、スペーシングクリップ608および/またはワッシャ604は、スペーシングクリップ608および/またはワッシャ604がそれらの間の介在空間から滑り出ることを可能にするように、外面226および/または内層232を互いに対して引き伸ばすことによって除去されてもよい)。
【0090】
多くの実施形態では、カバー210または他の層は、マンドレル602(図示せず)上で折り返される前または後に、医療装置に適用されてもよい。カバーは、例えば、シリコーン、他のポリマー材料、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。例えば、カバーは、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、芳香族ポリカーボネート系熱可塑性ウレタン、および/または別の材料などを含んでもよい。カバー210は、浸漬コーティング、塗装、噴霧、他の既知の堆積方法、スリーブの適用、またはそれらの組み合わせによって適用されてもよい。
【0091】
図7は、本明細書に記載される様々な実施形態による追加の保持、ドレナージ、および位置決め特徴部を有する医療装置700を示す。簡単にするために、医療装置700の様々な構成要素が、上記の要素に関して説明される。実施形態は、追加的または代替的に、他の要素を含んでもよく、上述されるような医療装置100、214、300、320、および/または330は、図7に関して現在説明される要素の任意の組み合わせをさらに含んでもよいことが理解されるであろう。例えば、フレア112を含む第2の端部分108を有する医療装置700が示されているが、同様の実施形態は、代替的に、先に説明したように、直線の外形を有する第2の部分224を含んでもよい。
【0092】
様々な実施形態は、組織(図示せず)に並置するように構成された場所に追加の保持要素を含んでもよく、これは、組織にしっかりと付着してもよく、または内方成長を支持するために組織における成長反応を刺激してもよい。例えば、外向きに突出するプロング702a~dは、保持部材216、重複部分104、および/もしくは表面226に沿った様々な位置のいずれかに、または本開示の医療装置に沿った他の場所に配置され得る。プロング702a~dは、それぞれの表面に(例えば、溶接、糊、または他の結合機構を介して)取り付けられてもよく、並置された組織(図示せず)と外傷的に接触するように、曲線、直線縁、または他の角度で延在してもよい。
【0093】
他の実施形態では、医療装置700の1つ以上の場所における被覆されていない部分は、1つ以上の隆起した編組セグメント704a~cを含んでもよく、これは、医療装置700の一部において編組または織り方を緩めることによって形成されてもよい。いかなる理論にも束縛されることを望むものではないが、隆起した編組セグメント704a~cは、並置された組織を刺激するか、または並置された組織の軽微な摩耗を引き起こすことで組織の成長反応を引き起こすことができ、次いで、組織は、医療装置700の被覆されていない部分内に成長し、医療装置が1つ以上の体管腔内にまたはそれを横切って配置された後に移動するリスクを低減することができる。
【0094】
本明細書に開示される実施形態はまた、窓710等の1つ以上の付加的なドレナージ特徴部を含んでもよい。窓710は、例えば、図5に関して説明されるように、側管510からの排液を収容することができる。窓710は、織りフィラメント202のパターン、編組、織り方、またはピッチにおける分離または拡幅、レーザ切断、他の切開、境界フレーム(図示せず)の組み込み、または他の方法によって形成されてもよい。任意のサイズおよび/または形状の任意の数の窓710が使用され得、医療装置100、214、300、320、330、および700の任意の所望の部分に配置され得ることが理解されるであろう。窓710は、医療装置700の裏側の編組を露出させるように図示されているが、他の実施形態では、窓710は、管腔204(図示せず)を横断する完全または部分的流路を提供するように、相互に整列されてもよい。
【0095】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの位置決め特徴部720は、医療装置700とともに提供される図に従って、医療装置100、214、300、320、330、および700に含まれてもよい。図示される実施形態では、位置決め特徴部720は、織りフィラメント202によって一体的に形成され得るか、または別様に医療装置700に結合され得る、延在ループである。位置決め特徴部720は、第2の端部分108から軸線方向に延在するように示されているが、同じまたは類似の位置決め特徴部が、追加的にまたは代替的に、医療装置700の構造に沿って配置されて、組織における医療装置700の位置決めを補助してもよい。例えば、位置決め特徴部720は、図3A~3Fに関して議論されるようなプッシャ306(または他の装置)が、医療装置300、320、330に結合することを可能にし、プッシャまたは他の装置を使用して、医療装置の操作、再位置付け、および/または除去を可能にし得る。
【0096】
前述の保持、ドレナージ、または位置決め特徴部のうちの1つ以上は、前述のような、イメージング可能なマーカでマークされてもよい。例えば、任意の前述のイメージ形成可能なマーカ310a~fに加えて、またはその代替として、イメージング可能なマーカ310gは、蛍光透視法または他のイメージング技法下で、延在するフィラメント片704aの場所を示してもよい。窓710は、少なくとも1つのイメージング可能なマーカ310hでマークされてもよく、および/または位置決め特徴部720は、少なくとも1つのイメージング可能なマーカ310iでマークされてもよい。
【0097】
図8A~8Gを参照すると、様々な実施形態では、本開示の医療装置100、214、300、320、330、および/または700のうちのいずれかは、医療装置の外表に沿って配置され、第2の体管腔の内壁に非外傷的に係合するように構成される、1つ以上の表面特徴(例えば、移動防止表面特徴部)等の第2の保持部材を含んでもよい。例えば、本明細書に記載されるような表面特徴は、図1A~1Bに関して説明されるような第2の端部分108のフレア112、または図2A~2Bに関して説明されるような第2の部分224に取って代わるか、またはそれに加えて配置され得る。他の実施形態では、表面特徴は、図2A~2Bに関して説明されるような部分218に沿って配置されてもよい。様々な実施形態では、そのような表面特徴は、長尺状本体200を形成する1つ以上の織られた、編組まれた、および/または編まれたフィラメントから一体的に形成されてもよい。追加的または代替的に、そのような表面特徴は、例えば、当技術分野で一般に知られているように、好適な溶接、はんだ、糊、接着剤、樹脂、または他の接合技法を使用して、医療装置の織られた、編組まれた、および/もしくは編まれたフィラメント、またはカバーに取り付けられるか、または別様に固定されてもよい。
【0098】
図8Aを参照すると、一実施形態では、表面特徴802は、第1の部分806から第2の部分808への半径方向段部804を含んでもよく、第2の部分は、第1の部分806よりも大きい直径を有する。段部804は、本明細書に説明される医療装置の全周にわたって延在してもよく、または外周の一部のみにわたって延在してもよい。
【0099】
図8Bを参照すると、一実施形態では、表面特徴810は、本明細書に説明される医療装置から半径方向に突出し、その全周にわたって延在する、単一の球状表面特徴部812(例えば、リングまたはループ)を含んでもよい。
【0100】
図8Cを参照すると、別の実施形態では、表面特徴814は、本明細書に説明される医療装置の傾斜部分818から半径方向に突出し、その全周にわたって延在する単一の球状表面特徴816を含んでもよく、傾斜部分818は、球状表面特徴部816の一方の側に他方の側よりも小さい直径を有する。
【0101】
図8Dを参照すると、別の実施形態では、表面特徴820は、図1Aに関して説明されるように、フレア112から半径方向に突出し、その全周にわたって延在する、単一の球状表面特徴822を含んでもよい。
【0102】
図8Eを参照すると、別の実施形態では、表面特徴824は、フレア112から半径方向に突出し、その全周にわたって延在する、一対の離間した球状表面特徴826を含んでもよい。
【0103】
図8Fを参照すると、別の実施形態では、表面特徴828は、フレア112の全周にわたって対称または非対称パターンで配置された一連の半径方向に配向された離間したバンプまたは突出部830を含んでもよい。
【0104】
図8Gを参照すると、別の実施形態では、表面特徴832は、フレア112の全周から半径方向に突出し、その全周にわたって渦巻または螺旋形で延在する、単一の球状表面特徴834を含んでもよい。
【0105】
図8Hを参照すると、別の実施形態では、表面特徴836は、例えば、第1の部分840と第2の部分842との間に延在する、延在傾斜部838を含んでもよく、第2の部分は、第1の部分840の直径より大きい、例えば、2倍大きい直径を有する。傾斜部838は、保持部材216の直径と同程度の長さ、管腔204の直径と同程度の長さ、管腔204の直径の2倍の長さ、または他の長さを含んでもよい。第2の部分842は、傾斜部838の長さの半分の長さ、傾斜部840と同じ長さ、または他の長さを有する円筒形部分であってもよい。第2の部分842は、非外傷性組織界面を提供し得る、内向きに湾曲する端844(例えば、カーリング端)を有してもよい。
【0106】
図8Iを参照すると、別の実施形態では、表面特徴846は、反転した端848を含んでもよく、これは、反転した端848の始まりおよび終わりから引かれた接線(「C」および「D」)が90度より大きい内角を形成し、それによって、本明細書に説明される医療装置の端において非外傷性組織界面および/または把持カールを提供するように、戻ってカールする。図示されるように、例えば、接線CおよびDは、180度の内角を形成する。
【0107】
本明細書に説明されるような表面特徴は、医療装置において単独で使用されてもよく、または複数の表面特徴が単一の医療装置において提供されるように所望の任意の組み合わせで使用されてもよいことが理解されるであろう。表面特徴のいずれかまたは全ては、様々な変曲点、曲線、直線等を含んでもよく、本明細書に開示されるような医療装置の移動リスクを低減するために、任意の組み合わせで対にされてもよく、または他の方法で組み合わされてもよいことも理解されるであろう。
【0108】
本明細書に開示される医療装置100、214、300、320、330、700は、全般的に、織られた、編まれた、または編組まれたフィラメント(例えば、ニチノール等)を含むように描写されるが、様々な実施形態では、医療装置は、医療装置が第1の形態から第2の形態に移動するときに、長さが変化(例えば、短縮)してもしなくてもよい、レーザ切断設計を含んでもよい。様々な形態の医療装置は、自己拡張型であってもよいし、バルーン拡張型などの拡張型であってもよい。
【0109】
本明細書で開示され、特許請求される装置および/または方法のすべては、本開示に照らして過度の実験を行うことなく作製および実行することができる。本開示の装置および方法を好適な実施形態に関して説明してきたが、本開示の概念、主旨、および範囲から逸脱することなく、本明細書に説明される装置および/または方法、ならびに方法のステップまたは一連のステップに変形を適用できることが当業者には明らかであろう。当業者に明らかな全てのこのような類似の代替品および修正品は、添付の特許請求の範囲によって規定されるような本開示の主旨、範囲、および概念内にあるとみなされる。
【0110】
前述の議論は、広範な用途を有し、例示および説明の目的で提示されており、本開示を本明細書に開示される1つまたは複数の形態に限定することを意図していない。本開示の概念、主旨、および範囲から逸脱することなく、本明細書に開示される実施形態に対して様々な追加、修正、および置換が行われ得ることが理解されるであろう。特に、本開示の原理は、その概念、主旨、もしくは範囲、または特性から逸脱することなく、他の形態、構造、配置、比率で、ならびに他の要素、材料、および構成要素を用いて具現化され得ることが当業者には明らかであろう。例えば、本開示の様々な特徴は、本開示を合理化する目的で、1つ以上の態様、実施形態、または構成において一緒にグループ化される。しかしながら、本開示の特定の態様、実施形態、または構成の様々な特徴は、代替の態様、実施形態、または構成において組み合わされ得ることを理解されたい。本開示は、実施形態に関して提示されるが、本主題の様々な別個の特徴は、本主題またはそのような個々の特徴の所望の特性および/または利点のうちの少なくともいくつかを達成するために、全てが存在する必要はないことを理解されたい。本開示は、本開示の原理または主旨または範囲から逸脱することなく、特定の環境および動作要件に特に適合される、本開示の実施において使用される構造、配置、比率、材料、構成要素などの多くの修正または修正とともに使用され得ることを、当業者は理解するであろう。例えば、一体的に形成されるものとして示される要素は、複数の部品から構成されてもよく、または複数の部品として示される要素は、一体的に形成されてもよく、要素の動作は、逆にされてもよく、または他の方法で変更されてもよく、要素のサイズまたは寸法は、変更されてもよい。同様に、操作または動作または手順が特定の順序で説明されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような特定の順序を必要とすると理解されるべきでなく、すべての操作または動作または手順が実行されるべきであると理解されるべきでもない。さらに、他の実装形態は、以下の特許請求の範囲内にある。場合によっては、特許請求の範囲に記載された動作は、異なる順序で実行することができ、それでも望ましい結果を達成することができる。したがって、現在開示されている実施形態は、すべての点で例示的であって限定的ではないと見なされるべきであり、特許請求される主題の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示されており、前述の説明、または本明細書で説明もしくは図示されている特定の実施形態もしくは構成に限定されない。前述を考慮して、任意の実施形態の個々の特徴が使用されてもよく、別個に、またはその実施形態もしくは任意の他の実施形態の特徴と組み合わせて特許請求することができ、主題の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示され、前述の説明に限定されない。
【0111】
前述の説明および以下の特許請求の範囲において、以下のことが理解されるであろう。本明細書で使用される「少なくとも1つ」、「1つ以上」、および「および/または」という語句は、作用において接続的および選言的の両方であるオープンエンドな表現である。「a」、「an」、「the」、「第1の」、「第2の」などの用語は、複数を除外しない。例えば、用語「a」または「an」実体は、本明細書で使用される場合、その実体の1つ以上を指す。したがって、「a」(または「an」)、「1つ以上」および「少なくとも1つ」という用語は、本明細書において互換的に使用することができる。全ての方向に関する言及(例えば、近位、遠位、上部、下部、上方、下方、左、右、横方向、長手方向、前部、後部、頂部、底部、上、下、垂直、水平、半径方向、軸線方向、時計回り、反時計回りなど)は、本開示の読み手の理解を助けるための識別目的でのみ使用され、および/または関連する要素の領域を互いに区別する役割を果たし、特に本開示の位置、向き、または使用に関して関連する要素を限定しない。接続に関する言及(例えば、取り付けられる、結合される、接続される、および接合される)は、広義に解釈されるべきであり、別段の指示がない限り、要素の集合の間の中間部材および要素間の相対移動を含み得る。したがって、接続に関する言及は、2つの要素が直接接続され、互いに固定された関係にあることを必ずしも暗示しない。識別に関する言及(例えば、一次、二次、第1、第2、第3、第4など)は、重要性または優先度を暗示することを意図するものではなく、1つの特徴を別の特徴から区別するために使用される。
【0112】
以下の特許請求の範囲は、参照によりこの詳細な説明に援用され、各請求項は、本開示の別個の実施形態として独立している。特許請求の範囲において、「含む/含んでいる」という用語は、他の要素またはステップの存在を除外しない。加えて、個々の特徴が異なる請求項に含まれ得るが、これらは、場合によっては有利に組み合わされてもよく、異なる請求項に含まれることは、特徴の組み合わせが実現可能でないことおよび/または有利でないことを暗示しない。加えて、単数に関する言及は複数を除外しない。特許請求の範囲における参照符号は、単に明確な例として提供されており、決して特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図8H
図8I
【国際調査報告】