(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】自動注射器および関連する使用方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/142 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
A61M5/142 522
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539858
(86)(22)【出願日】2021-12-29
(85)【翻訳文提出日】2023-08-24
(86)【国際出願番号】 US2021065567
(87)【国際公開番号】W WO2022147166
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597160510
【氏名又は名称】リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】REGENERON PHARMACEUTICALS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ハルビック、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】グリグス、ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ラングレー、トレバー
(72)【発明者】
【氏名】デュモン、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】バージェス、バート イー.
(72)【発明者】
【氏名】ポーズリー、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ケニヨン、ロス
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD11
4C066FF04
(57)【要約】
自動注射器は、薬剤を備えることができる容器と、容器に結合され、第1の状態および第2の状態を有する水平経路上にあるシャトルと、容器を移動させ、且つシャトルを移動させるためにエネルギーを解放するように構成されたエネルギー源であって、好ましくは、缶からの加圧流体である、エネルギー源と、自動注射器の始動前のシャトルの水平移動を防止する障害物と、針であって、自動注射器の外に延びるように構成された第1の端部と、容器内に延びるように構成された第2の端部であって、針の第2の端部および容器は、自動注射器の始動前は互いに流体連通していない、第2の端部とを有する針とを含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動注射器であって、
薬剤を備えることができる容器と、
該容器に結合され、第1の状態および第2の状態を有する水平経路上にあるシャトルと、
該容器を移動させ、且つ該シャトルを移動させるためにエネルギーを解放するように構成されたエネルギー源であって、好ましくは缶からの加圧流体である、エネルギー源と、
該自動注射器の始動前の該シャトルの水平移動を防止する障害物と、
針であって、
該自動注射器の外に延びるように構成された第1の端部と、
該容器内に延びるように構成された第2の端部であって、該針の該第2の端部および該容器は、該自動注射器の始動前は互いに流体連通していない、第2の端部とを有し、
該エネルギーは、
c.該自動注射器が始動された後、および
d.該シャトルがその経路に沿って移動した後に該エネルギー源から解放され、それによって
i.該容器および該針の該第2の端部は、互いに流体連通させられ、
ii.該針の該第1の端部は、該自動注射器の外に延びる、針とを備える自動注射器。
【請求項2】
前記自動注射器の始動が、アクチュエータのその第1の場所からその第2の場所への移動を可能にし、それによって、
該アクチュエータは、好ましくは加圧流体とするエネルギーを解放するために、前記エネルギー源、好ましくは缶の一部と接触する、請求項1に記載の自動注射器。
【請求項3】
前記アクチュエータが、前記自動注射器が始動される前に前記障害物によってインターロックされる、請求項2に記載の自動注射器。
【請求項4】
前記アクチュエータのその第1の場所からその第2の場所への移動が、水平であり、前記エネルギー源からのエネルギーの前記解放が、前記シャトルをその第1の状態からその第2の状態に水平に移動させる、請求項3に記載の自動注射器。
【請求項5】
前記自動注射器を鉛直に横切ることができ、前記針に結合され、第1の位置と第2の位置と第3の位置とを有するドライバと、
前記シャトルによって作動可能であるギヤであって、
前記シャトルのその第1の状態からその第2の状態に向かう水平移動によって、該ギヤを回転させ、該ドライバをその第1の位置からその第2の位置に鉛直に移動させ、該鉛直移動および水平移動が、互いに実質的に垂直である、ギヤとをさらに含む請求項4に記載の自動注射器。
【請求項6】
前記容器、前記シャトル、前記エネルギー源、および前記針の少なくとも一部を密封するハウジングをさらに含み、
前記針の前記第1の端部が、
前記ドライバが前記第1の位置にあるときに該ハウジング内に、
前記ドライバが前記第2の位置にあるときに該ハウジングの外側に、
前記ドライバが前記第3の位置にあるときに該ハウジング内に配置される、請求項5に記載の自動注射器。
【請求項7】
第1の場所にある前記アクチュエータが、
第1のエネルギー貯蔵状態から第1のエネルギー解放状態に移動可能であり、前記アクチュエータをその第1の場所からその第2の場所に移動させることができる弾性部材を備える、請求項5に記載の自動注射器。
【請求項8】
前記エネルギー、好ましくは前記エネルギー源からの加圧流体の解放時、前記弾性部材が、前記シャトルおよび前記アクチュエータによって、その第1のエネルギー解放状態から第2のエネルギー貯蔵状態に向かって移動されて、前記針の前記第1の端部を前記ハウジングの外側に鉛直に移動させる、請求項7に記載の自動注射器。
【請求項9】
エネルギーの閾値量が解放された後、前記弾性部材が、前記第2のエネルギー貯蔵状態から第2のエネルギー解放状態に向かって移動されて、前記針の前記第1の端部を前記ハウジング内に鉛直に移動させる、請求項8に記載の自動注射器。
【請求項10】
エネルギーの前記閾値量が解放された後、前記弾性部材の前記第2のエネルギー貯蔵状態から前記第2のエネルギー解放状態に向かう移動によって、前記シャトルを付勢してその第2の状態からその第1の状態に向かって前記水平方向に移動させて、前記ギヤを第1の回転方向の反対である第2の回転方向に回転させ、それによって前記ドライバを前記第2の位置から前記第3の位置に鉛直に移動させる、請求項9に記載の自動注射器。
【請求項11】
前記第1のエネルギー貯蔵状態および前記第2のエネルギー貯蔵状態が、前記ハウジング内の同じ場所である、請求項8に記載の自動注射器。
【請求項12】
前記第1のエネルギー貯蔵状態および前記第2のエネルギー貯蔵状態が、前記ハウジング内の異なる場所である、請求項8に記載の自動注射器。
【請求項13】
前記第1のエネルギー解放状態および前記第2のエネルギー解放状態が、前記ハウジング内の同じ場所である、請求項9に記載の自動注射器。
【請求項14】
前記第1のエネルギー解放状態および前記第2のエネルギー解放状態が、前記ハウジング内の異なる場所である、請求項9に記載の自動注射器。
【請求項15】
前記弾性部材が、ばねである、請求項7に記載の自動注射器。
【請求項16】
前記ばねが、前記自動注射器内に含まれる唯一のばねである、請求項15に記載の自動注射器。
【請求項17】
前記エネルギー貯蔵状態が、前記ばねの圧縮された位置であり、前記エネルギー解放状態が、前記ばねの拡張された位置である、請求項15に記載の自動注射器。
【請求項18】
エネルギー貯蔵状態からエネルギー解放状態に移動可能な弾性部材をさらに含み、該弾性部材は、前記エネルギー貯蔵状態から前記エネルギー解放状態に移動することによってアクチベータを前記第1の場所から前記第2の場所に移動させる、請求項2に記載の自動注射器。
【請求項19】
前記弾性部材が、エネルギー、好ましくは前記流体源からの加圧流体の解放時、前記シャトルおよび前記アクチベータによって前記エネルギー解放状態から別のエネルギー貯蔵状態に向かって移動される、請求項18に記載の自動注射器。
【請求項20】
加圧流体の閾値量が前記流体源から解放された後、前記弾性部材が、前記第2のエネルギー貯蔵状態からその第2のエネルギー解放状態に向かって移動されて、前記針の前記第1の端部を前記自動注射器の内部に移動させる、請求項19に記載の自動注射器。
【請求項21】
前記エネルギー源から解放されたエネルギーが、前記容器に対して作用し、前記容器を移動させて前記針と流体連通させる、請求項1に記載の自動注射器。
【請求項22】
前記自動注射器が始動される前、第1の停止部が、前記シャトルが移動することを防止し、前記容器が移動して前記針と流体連通することを防止する、請求項1に記載の自動注射器。
【請求項23】
前記第1の停止部が、前記自動注射器が始動される前に前記シャトルの表面に接する、請求項22に記載の自動注射器。
【請求項24】
前記自動注射器が、ユーザによって押し下げられるように構成されたボタンによって始動される、請求項1に記載の自動注射器。
【請求項25】
自動注射器であって、
薬剤を備えることができる容器と、
該容器およびシャトルを該自動注射器内で移動させるように構成されたエネルギー源であって、好ましくは加圧流体である、エネルギー源と、
該自動注射器の外に延びるように構成された第1の端部と、該容器内に延びるように構成された第2の端部とを有する針であって、該自動注射器の始動前、該針の該第2の端部および該容器は、互いに流体連通していない、針と、
エネルギー貯蔵状態とエネルギー解放状態との間で移動可能である弾性部材であって、1)該エネルギー貯蔵状態から該エネルギー解放状態への該弾性部材の第1の移動によって、該エネルギー源からの加圧流体の解放を引き起こし、その結果、2)該弾性部材のそのエネルギー解放状態から第2のエネルギー貯蔵状態に向かう第2の移動を生じさせ、その後、3)該弾性部材の第2のエネルギー解放状態に向かう第3の移動が続いて、該針の該第1の端部を該自動注射器の外側から該自動注射器内に後退させる、弾性部材とを備える自動注射器。
【請求項26】
前記弾性部材が、ばねである、請求項25に記載の自動注射器。
【請求項27】
前記ばねが、前記自動注射器内に含まれる唯一のばねである、請求項26に記載の自動注射器。
【請求項28】
前記シャトルによって動作可能である前記ギヤが、
同じ軸周りで回転する第1のギヤ部分および第2のギヤ部分を含み、該第1のギヤ部分および該第2のギヤ部分は、異なる直径を有する、請求項5に記載の自動注射器。
【請求項29】
前記第1のギヤ部分が、前記第2のギヤ部分より大きい直径を有する、請求項28に記載の自動注射器。
【請求項30】
前記第2のギヤ部分が、前記第1のギヤ部分より大きい直径を有する、請求項28に記載の自動注射器。
【請求項31】
前記ドライバが、前記第1のギヤ部分と係合するように構成されたドライバ・ラック・ギヤをさらに備える、請求項28に記載の自動注射器。
【請求項32】
前記シャトルが、前記第2のギヤ部分と係合するように構成されたシャトル・ラック・ギヤをさらに備える、請求項31に記載の自動注射器。
【請求項33】
前記自動注射器が始動される前、第2の停止部が、ユーザによって前記ボタンが押し下げられることを防止する、請求項22に記載の自動注射器。
【請求項34】
前記自動注射器が始動される前に前記自動注射器の外面に結合されているタブをさらに含み、該タブは、前記第2の停止部を含む、請求項33に記載の自動注射器。
【請求項35】
前記タブが、前記ユーザによって前記ボタンが押し下げられることを可能にするために前記自動注射器から取り外されなければならない、請求項34に記載の自動注射器。
【請求項36】
第1のインジケータをさらに含み、該第1のインジケータは、前記自動注射器が始動される前、前記ハウジングの外側から見える、請求項1に記載の自動注射器。
【請求項37】
前記第1のインジケータが、前記シャトル上に配置される、請求項36に記載の自動注射器。
【請求項38】
第2のインジケータをさらに含み、該第2のインジケータは、前記自動注射器が始動された後にのみ、前記ハウジングの外側から見える、請求項37に記載の自動注射器。
【請求項39】
前記第2のインジケータが、前記シャトル上に配置され、前記エネルギー源からのエネルギーの前記解放が前記シャトルを前記第1の状態から前記第2の状態に移動させた後にのみ、前記ハウジングの外側から見える、請求項38に記載の自動注射器。
【請求項40】
第3のインジケータをさらに含み、該第3のインジケータは、前記自動注射器によって実行された注射が完了した後にのみ、前記ハウジングの外側から見える、請求項38に記載の自動注射器。
【請求項41】
1)前記自動注射器の始動前に前記シャトルから結合解除されており、2)前記シャトルが前記第1の状態から前記第2の状態に移動するときに前記シャトルに結合されるようになるインジケータ・スライドをさらに含み、前記第3のインジケータが、該インジケータ・スライド上に配置される、請求項40に記載の自動注射器。
【請求項42】
前記シャトルの前記第2の状態から前記第1の状態に向かって戻る移動によって、前記インジケータ・スライドも同じ方向に移動させ、それにより、前記第3のインジケータは、前記自動注射器の外側から見える、請求項41に記載の自動注射器。
【請求項43】
前記シャトルのその第1の状態からその第2の状態への移動によって、
前記シャトルに前記アクチュエータと接触させ、前記アクチュエータを同じ方向に押させ、
前記弾性部材をその第1のエネルギー解放状態からその第2のエネルギー貯蔵状態に向かって移行させ、
前記ドライバを移動させ、前記針の第1の端部を前記ハウジングの外側に延ばす、請求項8に記載の自動注射器。
【請求項44】
前記弾性部材の前記第2のエネルギー貯蔵状態から前記第2のエネルギー解放状態に向かう移動によって、前記シャトルのその第2の状態からその第1の状態に向かう水平移動中に前記アクチュエータを付勢して前記シャトルに直接接触させて、前記ギヤを回転させ、前記針の前記第1の端部を前記自動注射器内に後退させる、請求項10に記載の自動注射器。
【請求項45】
前記自動注射器が、ユーザによって押し下げられるように構成されたボタンによって始動され、該ボタンは、前記第1の停止部を含む、請求項22に記載の自動注射器。
【請求項46】
前記ハウジングが、第3の停止部を含み、
前記自動注射器が、前記自動注射器の外側からインジケータが見えることを可能にするように構成されたインジケータ・スライドをさらに含み、
該第3の停止部が、前記シャトルの水平移動が前記シャトルを該インジケータ・スライドに対してロックするように該インジケータ・スライドの位置を維持する、請求項6に記載の自動注射器。
【請求項47】
前記容器に結合された弁アセンブリであって、一体型中央本体を有するダイヤフラムを含む弁アセンブリをさらに含み、外側リムが、該中央本体から外向きに、該中央本体の周囲周りを延びている、請求項1に記載の自動注射器。
【請求項48】
前記ダイヤフラムが、前記中央本体の径方向に中心位置に位置する隆起部分を含み、該隆起部分は、前記中央本体に対する前記外側リムの延長より大きい距離で前記中央本体から外向きに突起する厚さを有する、請求項47に記載の自動注射器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、たとえば、針および流体の注射を自動的に制御する加圧された媒体および/またはばねなどの機構を使用して、流体を針からユーザに送達するためのデバイスおよび方法に関する。より詳細には、本開示の実施形態は、注射針を自動的に展開し、後退させることによってユーザに薬剤の用量を送達するための自動注射器および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
利用可能なさまざまな自動注射器では、ユーザによる始動時、針が展開され、流体が針からユーザに送達される。流体の送達が完了した後、針は、ユーザの快適さ、針の安全性、および製品の良好な印象のために後退され得る。しかし、多くの自動注射器は、針を挿入し、取り外すために別々のユーザ動作を必要とする。加えて、多くの利用可能な自動注射器は、高いプロファイルを有する。たとえば、薬剤容器を注射軸に沿って位置合わせする既存のペン型注射器は、患者の皮膚に対して高いプロファイルを示す。特に、高いプロファイルは、実際の針長さは比較的低くなり得るのに、長い針長さに対応するように患者によって認識されることが多いため、患者は、そのような自動注射器に対して不安感を持って反応し得る。追加的に、多くの自動注射器は、長い時間期間の間ユーザに固定されなければならず、これは、ユーザにとって不便であり得る。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図は、さまざまな例示的な実施形態を示し、説明と一緒になって、開示される実施形態の原理を説明する役割を果たす。図は、本開示の異なる態様を示し、適宜、異なる図内の同じ構造、構成要素、材料、および/または要素を示す参照番号は、同様に標識される。具体的に示されるもの以外のさまざまな実施形態における構造、構成要素、および/または要素のさまざまな組み合わせが企図され、本開示の範囲内にあることが理解される。
【0004】
多くの実施形態が、本明細書に説明され、図示される。説明されるデバイスおよび方法は、いかなる単一の態様もしくはその実施形態にも、またはそのような態様および/または実施形態のいかなる組み合わせおよび/または置換にも限定されない。さらに、説明される本発明の態様の各々および/またはその実施形態は、単独で、または説明される本発明の他の態様および/またはその実施形態の1つまたは複数と組み合わせて使用されてもよい。簡潔にするために、特定の置換および組み合わせは、本明細書において別々には論じられず、および/または示されない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図2A】本開示の一例による、自動注射器の特徴の概略図。
【
図2B】本開示の一例による、自動注射器の特徴の別の概略図。
【
図2C】本開示の一例による、自動注射器の特徴の別の概略図。
【
図3】本開示の一例による、
図1の自動注射器の針機構の分解斜視図。
【
図4A】本開示の一例による、
図3の針機構の斜視図。
【
図4B】本開示の一例による、
図1の自動注射器の一部の断面斜視図。
【
図5】本開示の一例による、
図3の針機構の部分斜視図。
【
図6】本開示の一例による、
図3の針機構の別の部分斜視図。
【
図7】本開示の一例による、
図3の針機構の部分側面図。
【
図8】本開示の一例による、
図3の針機構の別の部分側面図。
【
図9】本開示の一例による、
図3の針機構の別の部分側面図。
【
図10】本開示の一例による、
図3の針機構の別の部分側面図。
【
図11A】本開示の一例による、
図3の針機構の一部の概略図。
【
図11B】本開示の一例による、
図3の針機構の一部の別の概略図。
【
図11C】本開示の一例による、
図3の針機構の一部の別の概略図。
【
図12】本開示の一例による、
図1の自動注射器のピール・タブの斜視図。
【
図13】本開示の一例による、
図1の自動注射器のピール・タブの別の斜視図。
【
図14】本開示の一例による、
図1の自動注射器に結合された
図12~13のピール・タブの断面図。
【
図15】本開示の一例による、
図1の自動注射器に結合された
図12~13のピール・タブの断面図。
【
図16】本開示の一例による、
図1の自動注射器に結合された
図12のピール・タブの部分斜視図。
【
図17】本開示の一例による、
図1の自動注射器に結合された
図13のピール・タブの部分斜視図。
【
図18】本開示の一例による、
図1の自動注射器に結合された
図12~13のピール・タブの断面図。
【
図19A】本開示の一例による、
図1の自動注射器のキャリアの斜視図。
【
図19B】本開示の一例による、
図1の自動注射器のキャリアの別の斜視図。
【
図20A】本開示の一例による、
図1の自動注射器のキャリアの別の斜視図。
【
図20B】本開示の一例による、
図1の自動注射器のキャリアの別の斜視図。
【
図21】本開示の一例による、
図1の自動注射器のギヤの斜視図。
【
図22】本開示の一例による、
図1の自動注射器の缶アクチュエータの斜視図。
【
図23】本開示の一例による、
図1の自動注射器の缶アクチュエータの別の斜視図。
【
図24】本開示の一例による、
図1の自動注射器のドライバの斜視図。
【
図25】本開示の一例による、
図1の自動注射器のドライバの別の斜視図。
【
図26】本開示の一例による、
図1の自動注射器のドライバの別の斜視図。
【
図27】本開示の一例による、
図1の自動注射器のボタンの斜視図。
【
図28】本開示の一例による、
図1の自動注射器のボタンの別の斜視図。
【
図29】本開示の一例による、
図1の自動注射器のボタンの別の斜視図。
【
図30】本開示の一例による、
図1の自動注射器のシャトル・アクチュエータおよびインジケータ・スライドの斜視図。
【
図31】本開示の一例による、
図1の自動注射器のシャトル・アクチュエータおよびインジケータ・スライドの別の斜視図。
【
図32】本開示の一例による、
図1の自動注射器のシャトル・アクチュエータおよびインジケータ・スライドの別の斜視図。
【
図33】本開示の一例による、
図1の自動注射器の流体導管の斜視図。
【
図34】本開示の一例による、滅菌コネクタに組み付けられた
図33の流体導管および
図30~32のドライバの斜視図。
【
図35】本開示の一例による、
図1の自動注射器の別の例示的な針機構の部分斜視図。
【
図36】本開示の一例による、
図1の自動注射器の別の例示的な針機構の別の部分斜視図。
【
図37】本開示の一例による、
図35~36の針機構の部分側面図。
【
図38】本開示の一例による、
図35~36の針機構のシャトル・アクチュエータの斜視図。
【
図39B】本開示の一例による、
図35~36の針機構の別の部分斜視図。
【
図39C】本開示の一例による、
図35~36の針機構の別の部分斜視図。
【
図40】本開示の一例による、
図1の自動注射器の別の例示的な針機構の部分斜視図。
【
図41B】本開示の一例による、
図33~34の針機構の一部の別の概略図。
【
図41C】本開示の一例による、
図33~34の針機構の一部の別の概略図。
【
図42】本開示の一例による、
図1の自動注射器の弁アセンブリの分解斜視図。
【
図43】本開示の一例による、
図42の弁アセンブリの斜視図。
【
図44】本開示の一例による、
図42の弁アセンブリの別の斜視図。
【
図45】本開示の一例による、
図42の弁アセンブリの別の斜視図。
【
図46】本開示の一例による、
図42の弁アセンブリの別の斜視図。
【
図47】本開示の一例による、
図42の弁アセンブリの別の斜視図。
【
図48】本開示の一例による、
図42の弁アセンブリのダイヤフラムの斜視図。
【
図49】本開示の一例による、
図42の弁アセンブリのダイヤフラムの断面側面図。
【
図50】本開示の一例による、
図42の弁アセンブリ内に配設された
図48のダイヤフラムの断面側面図。
【
図51A】本開示の一例による、通気システムの概略側面図。
【
図51B】本開示の一例による、通気システムの別の概略側面図。
【
図52】本開示の一例による、別の自動注射器の斜視図。
【
図53】本開示の一例による、
図52の自動注射器の部分上面図。
【
図54】本開示の一例による、
図52の自動注射器の部分斜視図。
【
図55】本開示の一例による、
図52の自動注射器のプラグ・アセンブリの斜視図。
【
図56】本開示の一例による、
図52の自動注射器内に配設されたプラグ・アセンブリの部分側面図。
【
図57A】本開示の一例による、
図52の自動注射器の針シュラウド機構の部分底面図。
【
図57B】本開示の一例による、
図52の自動注射器の針シュラウド機構の別の部分底面図。
【
図57C】本開示の一例による、
図52の自動注射器の針シュラウド機構の別の部分底面図。
【
図58A】本開示の一例による、
図52の自動注射器のインジケータ・スライドの部分上面図。
【
図58B】本開示の一例による、
図52の自動注射器のインジケータ・スライドの別の部分上面図。
【
図58C】本開示の一例による、
図52の自動注射器のインジケータ・スライドの別の部分上面図。
【
図59】本開示の一例による、自動注射器の特徴の概略図。
【
図60A】本開示の一例による、自動注射器のさらなる追加の特徴の概略図。
【
図60B】本開示の一例による、自動注射器のさらなる追加の特徴の別の概略図。
【
図61A】本開示の一例による、自動注射器の追加の特徴の概略図。
【
図61B】本開示の一例による、自動注射器の追加の特徴の別の概略図。
【
図62】本開示の一例による、自動注射器のボリューム・アキュムレータの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0006】
多くの実施形態が、本明細書に説明され、図示される。本開示は、いかなる単一の態様もしくはその実施形態にも、またはそのような態様および/または実施形態のいかなる組み合わせおよび/または置換にも限定されない。本発明の態様の各々および/またはその実施形態は、単独で、または本開示の他の態様および/またはその実施形態の1つまたは複数と組み合わせて使用されてもよい。簡潔にするために、これらの組み合わせおよび置換の多くは、本明細書において別々には論じられない。
【0007】
特に、図を簡単および明確にするために、図の特定の態様は、さまざまな実施形態の全般的な構造および/または構築方法を示す。よく知られている特徴および技術の説明および詳細は、他の特徴を不必要に曖昧にすることを回避するために省略されることがある。図内の要素は、必ずしも正しい原寸比ではない。いくつかの特徴の寸法は、例示的な実施形態の理解を向上させるために他の要素よりも誇張されることがある。たとえば、断面図が正しい原寸比ではないこと、および異なる構成要素間の比例関係を表すものとして考えられてはならないことを当業者は理解する。断面図は、図示されるアセンブリのさまざまな構成要素を示すのを助け、互いに対するその相対的な配置を示すために提供される。
【0008】
次に、添付の図に示される本開示の例に対して詳細に参照がなされる。可能である場合、同じ参照番号が、同じまたは同様の部分を示すために全図を通じて使用される。本開示の実施形態は、液体薬物物質、液体プラセボ、または用量の形態で投薬され得る他の液体などの任意のタイプの流体含有生成物で使用されてもよい。後続の説明では、「約」、「およそ」、「実質的に」などの用語は、数値を説明する際に使用されるとき、別途明示されない限り、その値の+-10%の変動を示す。
【0009】
本明細書では、「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、またはその任意の他のバリエーションなどの用語は、非排他的な包含を対象とするように意図され、それにより、要素のリストを備えるプロセス、方法、物品、または装置は、これらの要素だけを含むのではなく、明示的にリストされないか、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置固有の他の要素を含んでもよい。「例示的」という用語は、「理想的」ではなく「例」の意味で使用される。特に、「例」または「例示的」として本明細書に説明される実施形態または実施態様は、たとえば他の実施形態または実施態様より好ましいか、または有利であるとして解釈されるものではない。そうではなく、これは、実施形態が、「理想的」ではなく1つの「例」であることを反映または表示するように意図される。
【0010】
本明細書では、「遠位」および「遠位に」という用語は、患者送達部位に比較的近いか、またはその方向にある場所(またはデバイスの部分)を指し、「近位」および「近位に」という用語は、デバイスの遠位の場所/部分とは反対のユーザ端部に比較的近いか、またはその方向にある場所(またはデバイスの部分)を指す。加えて、「第1」、「第2」などの用語は、本明細書では、いかなる順序、量、または重要性を示すものではなく、むしろ、要素、構造、工程または方法を他のものと区別するために使用される。さらに、本明細書の「1つ(a)」および「1つ(an)」という用語は、数量の限定を示すものではなく、むしろ、参照される項目の1つまたは複数の存在を示すものである。
【0011】
上記で説明されたように、既存の自動注射器は、たとえば、針を展開し、続いて薬物の送達後に針を後退させるための別個のユーザの相互作用を含んで、薬物を自己投与するために複数のユーザの相互作用を必要とする。これらの追加のステップは、薬物の自己投与の複雑性を増大させ、ユーザ・エラーを招き、ユーザの不快感を引き起こす可能性がある。したがって、本開示は、ユーザによる薬物または他の治療剤の自己投与を簡易化する注射デバイス(たとえば自動注射器)のさまざまな実施形態を対象とする。具体的には、特定の実施形態によれば、自動注射器は、一旦針がユーザに皮下挿入されると、針を引き出すためのいかなる追加のユーザの相互作用も必要としなくてよい。したがって、本開示の自動注射器は、誤使用またはユーザ・エラーを防止することを助けるために簡易化される。
【0012】
上記で説明されたように、既存の自動注射器は、さまざまなばねまたはモータ機構を含む、薬物を投与するための複数の構成要素およびユーザ動作を必要とする。これらの追加の構成要素は、製造の複雑性を増大させ、機械的不具合またはユーザ・エラーを招く可能性がある。したがって、本開示は、薬物または他の治療剤の投与を簡易化し、改善する注射デバイス(たとえば自動注射器)のさまざまな実施形態を対象とする。
【0013】
次に
図1を参照すれば、例示的な自動注射器100が、本開示の一例によって示される。自動注射器100は、底部カバー110と上部カバー(図示されず)とを有するハウジングを含んでもよい。底部カバー110は、第1の端部120および第2の端部130によって画定されてもよい。底部カバー110は、底部カバー110の外部インターフェースに沿って組織係合面を画定してもよく、この組織係合面を通して針が展開および後退されてもよい(
図33を参照)。上部カバーは、ユーザ・インターフェース面を画定してもよく、このユーザ・インターフェース面から、ユーザは、自動注射器100の1つまたは複数の内部構成要素の視覚化を提供する窓などを通して、自動注射器100を制御してもよい。
【0014】
自動注射器100は、ハウジングの底部カバー110と上部カバーとの間に収容された針機構200および弁アセンブリ300を含んでもよい。針機構200は、キャリア210と、缶アクチュエータ230(本明細書では「アクチュエータ」と呼ばれることもある)と、ボタン250と、シャトル・アクチュエータ260と、インジケータ・スライド270と、流体導管280と、針保持器または滅菌コネクタ290とを含んでもよい。弁アセンブリ300は、低圧本体部分310と、高圧本体部分330と、流体源350とを含んでもよい。弁アセンブリ300は、ストッパ380を有する容器370を介して流体導管280に動作可能に結合されてもよい。異なって言えば、流体導管280は、容器370と流体連通していてもよく、容器370は、弁アセンブリ300に動作可能に結合されてもよい。容器370は、弁アセンブリ300から容器370および/または流体導管280内への流体の受け入れを阻害するピストン378を含む。本明細書に詳細に説明されるように、針機構200および弁アセンブリ300は、互いに結合されてもよく、ユーザによる自動注射器100の1回だけの作動に応答して、底部カバー110を通して針(
図33)を展開し、容器370から薬剤の用量を送達し(
図2A~2C)、針を後退させて自動注射器100のハウジング内に戻すように共同的に構成されてもよい。
【0015】
自動注射器100は、ユーザによる持ち運びおよび自己取付けを可能にする任意の適切な寸法を有してもよい。たとえば、自動注射器100は、約1.27センチメートル(0.5インチ)から約12.7センチメートル(5.0インチ)の長さと、約1.27センチメートル(0.5インチ)から約7.62センチメートル(3.0インチ)の幅と、約1.27センチメートル(0.5インチ)から約5.08センチメートル(2.0インチ)の高さとを有してもよい。自動注射器100はまた、自動注射器100の外面が滑り止め表面となるようにグリップまたは摩擦コーティングを含んでもよい。自動注射器100は、長手方向軸10(たとえばX軸)、長手方向軸10に実質的に垂直である横方向軸12(たとえばY軸)、および長手方向軸10と横方向軸12の両方に実質的に垂直である横断方向軸14(たとえばZ軸)の周りに配向されてもよい。本開示の横断方向自動注射器は、いくつかの実施形態では、横方向軸12および/または横断方向軸14に沿うよりも、長手方向軸10に沿う寸法の方が長くなり得る。
【0016】
自動注射器100が着用型自動注射器であるなどの場合の、自動注射器100の特定の実施形態では、自動注射器100は、底部カバー110の外部に沿って配置された接着剤パッチを含んでもよい。接着剤パッチは、自動注射器100をユーザの体(たとえば皮膚)に固定することを助けるために、底部カバー110の外部(たとえば組織係合面)に結合されてもよい。接着剤パッチは、布または任意の他の適切な材料から形成されてもよく、接着剤を含んでもよい。接着剤は、水性もしくは溶媒系の接着剤であってもよく、または、たとえばホット・メルト接着剤であってもよい。適切な接着剤はまた、アクリル系、デキストリン系、およびウレタン系の接着剤、ならびに天然および合成エラストマーを含む。いくつかの例では、パッチ上に提供された接着剤は、ユーザの皮膚と接触したときに活性化されてもよい。さらに別の例では、接着剤パッチは、不織布ポリエステル基板と、アクリルまたはシリコーン接着剤とを含んでもよい。接着剤パッチは、たとえば両面接着剤によって、または超音波溶接などのような他の機構によって底部カバー110に接合されてもよい。接着剤パッチは、自動注射器100の幅(たとえば、横方向軸12に平行な寸法)より大きい長手方向寸法(たとえば、長手方向軸10に平行な寸法)を有してもよい。
【0017】
本開示の他の実施形態では、自動注射器100は、接着剤パッチを含まない。たとえば、自動注射器100は、着用型自動注射器ではなく、携帯型自動注射器であってもよい。少なくともいくつかの実施形態では、携帯型自動注射器は、注射処置全体にわたってユーザが自動注射器をユーザの皮膚に押し付けて保持することを必要とし得、その一方で着用型注射器は、着用型自動注射器を皮膚に固定するための特徴を含み得る。たとえば、着用型自動注射器は、ユーザに固定するための、たとえば、接着剤パッチ、ストラップなどの1つまたは複数の特徴を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本開示による携帯型自動注射器は、3.5mL未満の薬剤ボリューム(または約0.5mLから約4.0mL、約1.0mLから約3.5mL、約3.0mL、約3.1mL、約3.2mL、約3.3mL、約3.4mL、約3.5mLの薬剤ボリューム)を送達するように構成されてもよく、その一方で、着用型自動注射器は、3.5mL超、4.0mL超、または5.0mL超の薬剤ボリュームを送達するように構成されてもよい。
【0018】
さらに、本開示による携帯型自動注射器は、1)ユーザが自動注射器を皮膚上に置く時点から、2)ユーザが注射の完了後に皮膚から自動注射器を取り外す時点まで測定して、約30秒未満、約25秒未満、約20秒未満、約15秒未満、または約10秒未満で注射処置を完了するように構成されてもよい。着用型自動注射器は、上記で論じられたのと同じ工程1)および2)を完了するのに、すなわち1)自動注射器がユーザの皮膚上に置かれる時間点から、2)自動注射器が皮膚から取り外される時間点まで、30秒より長くかかる場合があり、または長くかかる。
【0019】
依然として
図1を参照すれば、容器370は、薬剤の公称ボリュームを貯蔵するようにサイズ設定および成形されてもよい。容器の「公称ボリューム」(「仕様ボリューム」または「仕様容量」とも呼ばれる)は、容器製造者または安全基準機関によって特定される容器の最大容量を指す。製造者または安全基準機関は、容器の公称ボリュームを明記し得、この公称ボリュームは、容器が、(無菌であるかないかに関わらず)流体のそのボリュームによって充填され閉じられ、閉栓され、滅菌され、パッケージ化され、輸送され、および/または容器の閉鎖完全性を維持しながら、そして内側に含まれた流体の安全性、滅菌性、および/または無菌性質を維持しながら使用されることが可能であることを表示する。容器の公称ボリュームを決定する際、製造者または安全基準機関はまた、通常の充填、閉鎖、閉栓、パッケージ化、輸送、および投与処置中に起こる変動を考慮に入れ得る。一例として、事前充填可能なシリンジは、手動または機械によって流体のその公称ボリュームまで充填されてもよく、次いで、シリンジの内容物に接触し、これを汚染する可能性がある充填および閉栓の機械およびツール無しに、ベント・チューブまたは真空で閉栓されてもよい。あるいは、閉栓機械およびツールは、滅菌性または無菌性であってもよく、シリンジの内容物およびシリンジ自体にいかなる汚染も生じさせずに接触することができる。
【0020】
容器370は、いくつかの例では約5.0mLの公称ボリュームを有し得るが、任意の他の適切な公称ボリューム(たとえば、約0.5mLから約50.0mL、または約2.0mLから約10.0mL、または約3.0mLから約6.0mL、または約1.0mLから約3.0mL、または約2.0mLから約5.0mL、または別の適切な範囲)もまた、送達される薬物に応じて利用されてもよい。他の例では、容器370は、約0.5mL以上、または約2.0mL以上、または約3.0mL以上、または約4.0mL以上、または約5.0mL以上の公称ボリュームを有してもよい。容器370は、ユーザに注射するための薬物を含み、保存してもよく、薬物の滅菌性を維持してもよい。1つの実施形態では、容器370は、薬剤の送達量(たとえば、約0.5mLから約4.0mL、約1.0mLから約3.5mL、約3.0mL、約3.1mL、約3.2mL、約3.3mL、約3.4mL、約3.5mL、約1.0mL超、約2.0mL超、約3.0mL超、約4.0mL超、約5.0mL超、約10.0mL超、約20.0mL超または別の送達量)を送達するように構成されてもよい。
【0021】
送達量は、容器370の公称ボリュームより少なくてもよい。さらに、ユーザに薬剤の送達量を送達するために、容器370自体は、送達量(すなわち充填量)とは異なる量の薬剤で充填されてもよい。充填量は、たとえば容器370または流体導管280内のデッド・スペースのために容器370からユーザに送達できない薬剤の量を考慮するために、送達量より多い薬剤の量であってもよい。したがって、容器370は5mLの公称値を有し得るが、薬剤の充填量および送達量は、5mL未満となり得る。
【0022】
1つの実施形態では、容器370が携帯型自動注射器において使用されるとき、容器370からの薬剤の送達量は、約0.5mLから約4.0mL、約1.0mLから約3.5mL、約3.0mL、約3.1mL、約3.2mL、約3.3mL、約3.4mL、約3.5mLであってもよい。薬剤の送達量は、薬剤の粘性および自動注射器100の携帯性に関連し得る。すなわち、少なくともいくつかの実施形態では、特定の粘性では、薬剤のボリュームが多くなると、自動注射器100が許容時間未満、たとえば約30秒未満で注射処置を完了する能力が阻害され得る。したがって、自動注射器100からの薬剤の送達量は、注射処置が、1)自動注射器100がユーザの皮膚上に置かれる時間点から、2)自動注射器100が皮膚から取り外される時間点まで測定して、約30秒未満、または別の時間期間未満(たとえば、約25秒未満、約20秒未満、約15秒未満、または約10秒未満)であるように設定され得る。
【0023】
薬剤の送達量および/または粘性が大きすぎるとき、注射処置を完了するのに必要とされる時間が、携帯型デバイスに商業上または臨床上許容されるものより長くなり得るため、自動注射器100は、携帯型自動注射器として機能できなくなり得る。ここでも、上記で述べられたように、容器370が携帯型自動注射器において使用される実施形態では、容器370の公称ボリュームに関係なく、容器370からの薬剤の送達量は、上記で定義されたような注射処置が、(自動注射器100が着用型自動注射器であるようにユーザに自動注射器100を取り付けるための追加の特徴の必要性を回避するために)、比較的短い時間期間内で完了するように設定され得る。
【0024】
しかし、本開示のさまざまな実施形態は、着用型自動注射器に関することが企図されており、着用型自動注射器は、比較的大量の薬剤(たとえば約3.5mL超)を送達し、および/または1)自動注射器がユーザの皮膚上に置かれる時間点から、2)自動注射器が皮膚から取り外される時間点まで測定された注射処置を完了するのに、携帯型自動注射器とは対照的に比較的長い注射処置時間(たとえば、約30秒超、約1分超、約2分超、約5分超、または約1時間超)を有する。
【0025】
容器370は、約13mm直径のネック部と、約45mmの長さと、約19.05mmの内径とを有してもよい。別の実施形態では、容器370は、8mmのクリンプ・トップと、9.7mmの内径と、64mmの長さとを有する標準の3mL容器であってもよい。さらなる実施形態では、容器370は、約64mmから74mm、たとえば約69.3mm+-0.15mmの長さ(第2の端部374における容器370のネック部の長さを除く)を有してもよい。ネック部を含む実施形態では、容器370は、約65mmから75mm、たとえば約70.8+-0.4mmの範囲の長さを有してもよい。これらの値は例示的にすぎず、他の適切な寸法が適宜利用されてもよい。いくつかの例では、容器370は、従来の材料を使用して形成されてもよく、既存のデバイスより短くてもよく、それによって自動注射器100のコスト効果性および小型化を維持することを助けることができる。いくつかの実施形態では、容器370は、短縮されたISO 10mLカートリッジであってもよい。
【0026】
本開示の自動注射器は、より高い粘性の液体を患者に対して送達するように構成されてもよい。たとえば、本開示の自動注射器は、約0cPから約100cP、約5cPから約45cP、約10cPから約40cP、約15cPから約35cP、約20cPから約30cP、または約25cPの粘性を有する液体を送達するように構成されてもよい。
【0027】
依然として
図1を参照すれば、容器370は、容器370の空洞内に移動可能に配設されたピストン378を含んでもよい。ピストン378は、流体源、たとえば流体源350(
図2A~2C)などから排出された加圧流体によって移動可能であり得る。本明細書にさらに説明されるように、流体源350から排出された加圧流体(たとえばガス)は、ピストン378および容器370を長手方向軸10に沿って第2の端部130に向かって水平に移動させてもよい。第2の端部130に向かうピストン378の移動は、ピストン378を容器370内の内容物(たとえば、薬物、医薬、薬剤など)に対して作用させてもよく、最終的には容器370に対して力を伝送し、それによって容器370を長手方向軸10に沿って移動させてもよい。いくつかの実施形態では、横断方向自動注射器は、流体源350およびピストン378がずらされるか、または別様で互いに長手方向に位置合わせされないように配向されてもよい。
【0028】
図2A~2Cを参照すれば、自動注射器100の駆動システム150が、概略的に示される。駆動システム150は、薬剤20を容器自動注射器100から患者に対して送達するために駆動力を提供するように構成されてもよい。駆動システム150は、自動注射器100の1つまたは複数の構成要素、たとえば針機構200および弁アセンブリ300に流体的に結合された流体源350を含んでもよい。駆動システム150は、高圧(第1の)ライン152と、低圧(第2のライン)154と、第3のライン156とをさらに含んでもよい。流体源350は、高圧ライン152および低圧ライン154を介して容器370に動作可能に結合されてもよい。さらに、流体源350は、高圧ライン152および低圧ライン154の1つまたは複数を介して弁アセンブリ300に流体的に結合されてもよい。駆動システム150は、高圧ライン152と低圧ライン154との間に配設された流れ制限器170をさらに含んでもよい。
【0029】
流れ制限器170は、(たとえば流体源350からの)加圧流体の圧力を低減するように構成された圧力制限システムを含んでもよい。流れ制限器170は、流れ制限器170の入口と出口との間に曲がりくねった、または蛇行した経路を画定し、それによって流体の減圧流を分岐させてもよい。流れ制限器170は、たとえばプラスチック(部分的に焼結されたプラスチック)、セラミックなどの多孔性材料(たとえば微小孔性またはマクロ多孔性)、または他の適切な材料を備えるフリット(frit)を含んでもよい。多孔性材料の平均孔サイズは、約0.5から約15ミクロン、約1ミクロンから約10ミクロン、約3ミクロンから約6ミクロン、または5ミクロンの直径であってもよい。多孔性材料は、これを流れ抜ける加圧ガスに圧力降下を生じさせ、減圧されたガスは、次いで、低圧ライン154および容器370に分岐される。
【0030】
依然として
図2A~2Cを参照すれば、弁アセンブリ300は、低圧本体部分310と高圧本体部分330との間に配置されたダイヤフラム(diaphragm)320を含んでもよい。弁アセンブリ300内に、ダイヤフラム320は、高圧(第1の)空洞(キャビティ:cavity)161および低圧(第2の)空洞163を画定する。弁アセンブリ300は、高圧(第1の)入口160と、低圧(第2の)入口162と、導管164とをさらに含んでもよい。導管164が、弁アセンブリ300の内部、特に低圧空洞163内に延びる弁座(valve seat)166内に形成される。高圧空洞161は、高圧入口160を介して高圧ライン152と流体連通してもよく、低圧空洞163は、低圧入口162を介して低圧ライン154と、および導管164を介して第3のライン156と流体連通してもよい。
【0031】
駆動システム150は、いくつかの流体ラインまたは導管によって流体的に接続された通気システム172を含んでもよい。たとえば、通気システム172は、高圧ライン152を介して流体源350と、および第3のライン156を介して弁アセンブリ300と流体連通してもよい。通気システム172は、加圧流体を(たとえば、底部カバー110と上部カバーとの間に画定された)自動注射器の内部空洞内に、および/または大気中に解放することによって、駆動システム150を通気するように構成されてもよい。
【0032】
依然として
図2A~2Cを参照すれば、容器370は、第1の端部372と第2の端部374とを含んでもよい。容器370はまた、空洞376を含んでもよく、この空洞は、第1の端部372に開口部を有し、第2の端部374に向かって延びる。第2の端部374は、ストッパ380を含んでもよく、このストッパは、第2の端部374を閉鎖および/またはシールすることを支援し、針288(たとえばステーク(staked)針)を容器370に挿入することを可能にするように構成される。
図1に見られるように、ストッパ380は、ライン・シール(line seal)、(たとえば、デッド・ボリューム(dead volume)を低減するために)容器370のネック部内に配設された突起部、および/またはセプタム(septum)382を含んでもよい。セプタム382は、コーティングされていないブロモブチル材料、または別の適切な材料で形成されてもよい。空洞376は、ピストン378によって第1の端部372において閉鎖されてもよい。ピストン378は、フルオロポリマーでコーティングされたブロモブチル材料を含んでもよく、いくつかの実施形態では、容器370内のデッド・ボリュームを低減するのを助けるために円錐状ノーズを含んでもよい。ピストン378は、とりわけ、たとえばハロブチル(たとえば、ブロモブチル、クロロブチル、フロロブチル)、および/またはニトリルなどの1つまたは複数のゴム材料を含んでもよい。上記で詳細に説明されるように、容器370は、空洞376内に薬剤20(たとえば薬物、流体物質など)を貯蔵してもよい。
【0033】
流体源350は、ラッチ無し缶またはラッチ付き缶を含んでもよい。流体源350は、容器370内のピストン378上に作用する加圧ガス(蒸気圧力)を提供するために、流体源350の外側で沸騰するための液体推進剤を分注するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ラッチ付き缶は、一旦開かれると、推進剤の全内容物がそこから分注されるように開いてラッチ留めされてもよい。あるいは、いくつかの実施形態では、流体源350は、選択的に始動されるおよび作動停止されることを含んで、選択的に制御されてもよい。たとえば、代替の実施形態では、流体源350からの加圧ガスの流れは、流れが開始された後に停止されてもよい。
【0034】
流体源350からの流体は、容器370に対してピストン378を駆動させ、自動注射器100のハウジングに対して容器370を駆動させるための蒸気圧力を提供するための任意の適切な推進剤であってもよい。特定の実施形態では、推進剤は、蒸気圧力を提供するために蒸発する液化ガスであってもよい。特定の実施形態では、推進剤は、ヒドロフルオロアルカン(「HFA」)、たとえばHFA134a、HFA227、HFA422D、HFA507、もしくはHFA410Aであってもよく、またはそれを含んでもよい。特定の実施形態では、推進剤は、HFO1234yfもしくはHFO1234zeなどのヒドロフルオロオレフィン(「HFO」)、有機ガス(たとえば二酸化炭素(CO2)など)、極低温ガス(たとえば、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)など)、炭化水素ガス(たとえば、プロパン、ブタン、プロピレン、エタン、メタンなど)、または無機ガス(たとえばアンモニア、二酸化窒素(NO2)、亜酸化窒素(N2O)など)であってもよく、またはそれを含んでもよい。いくつかの実施形態では、流体源350は、圧縮されたガスを保持するように構成された高圧キャニスタ(canister)であってもよい。
【0035】
図2Aに示される自動注射器100の始動前状態において、針288は、容器370の第2の端部374から離間され得る。
図2Aの始動前状態から自動注射器100を移動させるために、流体源350は、容器370を長手方向軸10に沿って針288に向かって移動させるように始動されてもよい。流体源350は、開構成に移動するように作動されてもよく、この開構成では、推進剤は、加圧ガスとして流体源350を退出し得る。以下でさらに詳細に説明されるように、流体源350は、流体源350と接触する針機構200の1つまたは複数の構成要素(たとえば缶アクチュエータ230)に応答して作動されてもよい。いくつかの実施形態では、作動は、流体源350からの加圧ガスの流れが停止できないように不可逆的である。
【0036】
流体源350が作動されたとき、加圧ガスは、高圧ライン152および流れ制限器170を通り、次いで容器370まで流れてもよい。高圧ライン152からの一部の加圧ガスは、高圧入口160を介して高圧空洞161に分岐されてもよい。
図2Bに見られるように、これは、ダイヤフラム320を低圧空洞163内に、そして導管164に向かって移動させ、それによって弁座166をシールしてもよい。流れ制限器170の下流側では、減圧ガスが、低圧ライン154および低圧入口162を介して低圧空洞163に分岐されてもよい。高圧空洞161と低圧空洞163との間の圧力差により、ダイヤフラム320によって導管164をシールするのに必要とされる力が、提供され得る。低圧ライン154は、流れ制限器170からの減圧されたガスを容器370までさらに導いてもよい。減圧されたガスは、針288に向かう容器370の移動を開始してもよい。
【0037】
異なって言えば、針288が容器370とまだ流体連通していない状態で、流体源350の始動により、空洞376内に含まれる薬剤20に対して圧力がかけられてもよく、この圧力は、次いで、容器370自体にかけられ得る。この圧力は、容器370を針288に向かって移動させ、それによって針288を強制してストッパ(stopper)380のセプタム382に通してもよい。この場合、
図2Bに見られるように、針288は、容器370の内容物(たとえば薬剤20)と流体連通する。低圧ライン154からの減圧ガスは、その後、ピストン378を第2の端部374に向かって付勢して、ピストン378が第2の端部374に到達するまで(最も低い位置になるまで)容器370を通して薬剤20を排出してもよい。
【0038】
換言すれば、一旦針288が容器370と流体連通すると、第2の端部374に向かうピストン378のさらなる移動は、薬剤20を付勢して針288に通してもよい。本明細書にさらに説明されるように、流体源350からの加圧ガスはまた、針286のユーザへの注射を駆動するために、針機構200の1つまたは複数の構成要素(たとえば缶アクチュエータ230(can actuator)、シャトル・アクチュエータ(shuttle actuator)260、インジケータ・スライド(indicator slide)270など)の移動を駆動してもよい。
【0039】
次に
図2Cを参照すれば、ピストン378が第2の端部374において最も低い位置になったとき、高圧空洞161および低圧空洞163の圧力は、釣り合い、それによってダイヤフラム320を弁座166から持ち上げ、導管164を開いてもよい。これは、低圧ライン154からのガスが導管164および第3のライン156を介して通気システム172まで進行することを可能にしてもよく、ここでガスは、駆動システム150から外に通気され得る。流体源350は、加圧ガスの解放が、自動注射器100のハウジングに対する容器370の移動と空洞376に対するピストン378の移動の両方を作動させ得るように、十分な加圧流体を含むように構成されてもよいことを理解されたい。いくつかの場合、流体源350は、余分の加圧ガス、すなわち容器370からの薬剤20の送達を完了するのに必要なものより多くの流体を含んでもよい。駆動システム150内からの加圧流体の解放は、針機構200の1つまたは複数の構成要素の移動(たとえば、缶アクチュエータ230、シャトル・アクチュエータ260、インジケータ・スライド270など)が、自動注射器100内に戻る針286の後退を開始することを可能にし得る。
【0040】
次に
図3を参照すれば、針機構200の実装形態が示される。上記で簡単に説明されたように、針機構200は、キャリア210と、缶アクチュエータ230と、シャトル・アクチュエータ260と、ボタン250と、滅菌コネクタ290とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、シャトル・アクチュエータ260は、シャトル・アクチュエータ260および容器370が一緒に移動するように容器370に結合される。弾性部材239が、缶アクチュエータ230内に配設され、自動注射器100の始動前は缶アクチュエータ230とキャリア210との間で圧縮される。
【0041】
図4Aは、自動注射器100の始動前の組み立てられた状態の
図3の構成要素を示す。この状態では、ボタン250は、第1の(延長)位置に位置してもよく、缶アクチュエータ230は、キャリア210に対して第1の位置に配置されてもよい。缶アクチュエータ230は、キャリア210上に配置された第1の障害物(impediment)218によってその第1の位置に保持される。第1の障害物218は、缶アクチュエータ230の経路内にあり、缶アクチュエータ230の水平移動を防止する。特に、第1の障害物218は、缶アクチュエータ230の第1の脚部234A上の特徴と相互作用し、係合する。容器370は、ボタン250から延び、(容器370に結合された)シャトル・アクチュエータ260と係合する停止タブ252(たとえば障害物)によって、流体導管280との流体接続を確立することが防止される。停止タブ252は、シャトル・アクチュエータ260の経路内に(たとえばリッジ252bを介して)配置されて、滅菌コネクタ290および流体導管280に向かう方向のシャトル・アクチュエータ260(およびシャトル・アクチュエータ260に接続された容器370)の水平移動を防止してもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、停止タブ252は、(突起部252aにおいて)インジケータ・スライド270とさらに係合され、それによってインジケータ・スライド270の移動を同じ方向に妨害してもよい。他の実施形態では、停止タブ252は、突起部252aを完全に省略してもよく、自動注射器100のハウジングの上部(および/または外側)カバー118が、滅菌コネクタ290に向かう方向のインジケータ・スライド270の移動を妨害するための停止タブ119(たとえば障害物)を含んでもよい(
図4Bを参照)。停止タブ119は、横断方向軸14に平行な方向に上部カバー118の内部表面から径方向に内向きに延びてもよく、インジケータ・スライド270の第1の端部と位置合わせする場所において上部カバー118に沿って配置されてもよい。換言すれば、停止タブ119は、自動注射器100内に鉛直に延びてもよい。したがって、停止タブ119は、インジケータ・スライド270と係合し/接し、(滅菌コネクタ290に向かう)長手方向軸10に平行な方向のインジケータ・スライド270の移動を妨害するように構成されてもよい。停止タブ119は、ボタン250が第1の(作動されていない)位置にあるとき、また、ボタン250が作動された後でも、本体274に当接するようにサイズ設定および/または成形されてもよい。停止タブ119は、所定の場所でインジケータ・スライド270を保持してもよく、それにより、流体源350から解放された流体が容器370(およびシャトル・アクチュエータ260)を滅菌コネクタ290に向かって水平方向に駆動した後、インジケータ・スライドは、(インジケータ・スライド270の脚部254とシャトル・アクチュエータ260の締結機構263との間の係合を介して)シャトル・アクチュエータ260に対合/結合可能となる。さらなる実施形態では、自動注射器100は、停止タブ252上の突起部252aと、上部カバー118上の停止タブ119とを含んでもよいことを理解されたい。
【0043】
この状態では、自動注射器100の作動前、インジケータ・スライド270は、シャトル・アクチュエータ260に対する第1の位置にあってもよい。自動注射器100のハウジングが針機構200を視覚化するための窓を含む実施形態において、ユーザは、インジケータ・スライド270の第1の位置を視覚化することに基づいて、窓を通して自動注射器100の相対的状態を特定してもよい。本明細書にさらに詳細に説明されるように、いくつかの実施形態では、インジケータ・スライド270は、インジケータ・スライド270の相対位置および/または自動注射器100の状態を表示する、本体274上のグラフィカル・インターフェースを含んでもよい。さらに、第1の位置は、自動注射器の外面上の窓とインジケータ・スライド270の窓278の両方を通して自動注射器の外側から見えるシャトル260上に配置された、ステッカー、色、などに基づいて、ユーザに視覚的に表示されてもよい。
【0044】
作動前、インジケータ・スライド270の脚部272は、シャトル・アクチュエータ260の締結機構263に隣接して配置されるが、そこから係合解除され得る。本明細書にさらに詳細に説明されるように、シャトル・アクチュエータ260は、最初はインジケータ・スライド270から結合解除され得るが、最終的には、シャトル260およびインジケータ・スライド270が一緒に移動するようにインジケータ・スライド270に結合されるようになり得る。第2の障害物225が、キャリア210の反対側に配置されてもよく(
図6を参照)、缶アクチュエータ230の第2の脚部234Bの特徴と係合してもよい。
【0045】
ユーザは、底部カバー110の(底部の)組織係合面に沿って1つまたは複数の開口部を露出するために、また、ボタン250が押し下げられることを可能にするために、ピール・タブ(peel tab)140を底部カバー110(
図1を参照)から取り外してもよい(ピール・タブ140のさらなる説明は、以下で見出される)。ボタン250は、その本体251上に下向きの力をかけることによって作動され、それによってボタン250を第1の(延長)位置から第2の(押し下げられた)位置に移動させてもよい。自動注射器100の始動前、キャリア210に対するシャトル・アクチュエータ260の移動は、停止タブ252がシャトル・アクチュエータ260の一部に当接することによって阻害され得る。したがって、ボタン250を第2の位置まで移動させることにより、停止タブ252はシャトル・アクチュエータ260から係合解除され、それによってキャリア210に対する(たとえば水平にこれに向かう)シャトル・アクチュエータ260の移動を可能にし得る。上部カバー118が、インジケータ・スライド270と係合している停止タブ119を含む場合(
図4を参照)、滅菌コネクタ290に向かうインジケータ・スライド270の移動は、ボタン250の最初の作動時にシャトル・アクチュエータ260がキャリア210から離れるため、最初に阻害される。
【0046】
図5~6および10を参照すれば、ボタン250を下向きに鉛直方向に移動させることにより、ボタン250の第1の脚部256は、第1の脚部234Aを横方向に径方向に外向きに押して、第1の障害物218との係合から外してもよい。ボタン250の下向きの移動はまた、ボタン250の第2の脚部258に第2の脚部234Bを横方向または径方向に外向きに押させて、第2の障害物225との係合から外してもよい。図示される実施形態では、第1の脚部234Aおよび第2の脚部234Bは、ボタン250が下向きに押されたときに相反する方向に移動する。第1の脚部234Aおよび第2の脚部234Bの外向きの移動は、これらが障害物218および225それぞれをよけることを可能にする。
【0047】
次に
図7~8を参照すれば、弾性部材239が、缶アクチュエータ230内に配設されるか、または別様でこれに結合される。自動注射器100の始動前、弾性部材239は、缶アクチュエータ230とキャリア210との間で第1のエネルギー貯蔵状態に圧縮される。ボタン250が押し下げられ、缶アクチュエータ230が第1の障害物218および/または第2の障害物225からよけられた後、弾性部材239は、缶アクチュエータ230をキャリア210から押し離すために、その第1のエネルギー貯蔵状態(圧縮、
図9)から第1のエネルギー解放状態(拡張されている、
図10)に移動してもよい。弾性部材239からのエネルギーのこうした解放(拡張)は、たとえばエネルギー源の一部と直接接触することによってエネルギー源(たとえば流体源350)を始動させるために、缶アクチュエータ230をその第1の位置からその第2の位置に水平に移動させる。たとえば、缶アクチュエータ230は、流体源350からの流体/ガスの流れを可能にするために、流体源350の弁ステムと接触し、開構成に移動させてもよい。他の例では、流体源350の弁ステムは、弁アセンブリ300内にまたはこれに隣接して、静止して配置されてもよく、それにより、缶アクチュエータ230は、流体源350を開構成に移動させるために、静止した弁ステムを押し付け得る。いくつかの実施形態では、フィードバック(たとえば触知性、可聴性など)が、用量送達順序の開始をユーザに表示するために、缶アクチュエータ230が流体源350に接触することに応答して針機構200によって生成されてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、
図4Aに見られるように、缶アクチュエータ230の第1の端部上のタブ232は、ボタン250の作動前(缶アクチュエータ230が第1の位置にあるとき)に、シャトル・アクチュエータ260の停止部267から分離されてもよい。この場合、タブ232は、弾性部材239が拡張され、缶アクチュエータ230が第2の位置に水平に移動されるとき、停止部267に向かって移動してもよい。したがって、
図11Aに見られるように、シャトル・アクチュエータ260は、弾性部材239が拡張するときに静止したままであり、それによって缶アクチュエータ230を第1の位置から第2の位置に移動させる。他の実施形態では、
図9に見られるように、タブ232は、缶アクチュエータ230が第1の位置にあるときに停止部267と接触状態にあってもよく、それにより、缶アクチュエータ230は、第2の位置に移行するときにシャトル・アクチュエータ260を水平に移動させ得る。
【0049】
シャトル・アクチュエータ260は、缶アクチュエータ230のタブ232とシャトル・アクチュエータ260の停止部267との間に接続が確立された場合に、缶アクチュエータ230と共に第2の位置から第3の位置に移動するように構成されてもよい。したがって、シャトル・アクチュエータ260がその第1の状態からその第2の状態に水平方向に移動するとき、これは、缶アクチュエータ230を同じ水平方向に押す(
図11Bを参照)。すなわち、一旦エネルギーまたは流体がエネルギー源(たとえば流体源350)から解放されると、解放されたエネルギーまたは流体は、最初に上記で説明されたエネルギー解放状態まで弾性部材239が拡張されたときの缶アクチュエータ230の方向とは反対の水平方向に、容器370上に作用する。解放されたエネルギーまたは流体は、容器370、(容器370に結合された)シャトル・アクチュエータ260、および(現在、停止部267およびタブ232の係合を介してシャトル・アクチュエータ260に結合されている)缶アクチュエータ230を反対の水平方向に押して、弾性部材239を圧縮する。
【0050】
反対の水平方向の構成要素のこうした同じ移動は、容器370と流体導管280との間に流体連通を確立する。流体連通は、容器370が流体導管280の静止した第2の端部(針)288上に移動して(
図2Bを参照)、針288を強制して容器370のストッパ380に通したときに確立される。さらに、構成要素のこうした同じ反対方向の水平の移動は、流体導管280(
図33を参照)の第1の端部(針)286の、自動注射器100から患者内への注射を駆動するように構成されてもよい。
【0051】
特に、
図11Aおよび11Bを参照すれば、容器370およびシャトル・アクチュエータ260の反対の水平方向の移動は、シャトル・アクチュエータ260のラック265にギヤ229を第1の回転方向(たとえば時計回り方向)に回転させ、それによって、ギヤ229とドライバ240のラック246との間の接触を介して下向きの鉛直方向にドライバ240を強制する(針注射)。図示され、以下でさらに詳細に説明されるように、ギヤ229は、可変サイズの2つの本体部分を含んでもよく、それにより、各本体部分は、異なるピッチ比を有してもよい(
図21を参照)。たとえば、ギヤ229は、2つの本体部分間に4:3のピッチ比の相違を有してもよく、本体部分は、互いに対して異なる直径を有してもよく、それにより、ギヤ229は、第1の距離(たとえば約1mmから約6mmの範囲)に沿ってシャトル・アクチュエータ260を移動させると同時に、第1の距離とは異なる(これより大きい)第2の距離(たとえば、約6mmから10mmの範囲)に沿ってドライバ240を移動させ得る。たとえば、シャトル・アクチュエータ260の6mmの進行は、ドライバ240の8mmの進行に対応してもよい。本開示のギヤまたはギヤ部分が、特有のピッチ、直径、長さ、および/またはその組み合わせに限定されないことがさらに留意される。ギヤおよびギヤ部分は、調整可能であることができ、また、任意の患者の針挿入深さに対応するように変更されてもよい。上記で説明されたように、一旦容器370が流体導管280と流体連通し、流体導管280の第1の端部282が患者内に展開されると(
図11B)、流体源350からのエネルギーまたは流体のさらなる解放により、ピストン378は容器370を通って移動されて、薬剤20を患者内に排出する(
図2Cを参照)。
【0052】
いくつかの実施形態では、フィードバック(たとえば触知性、可聴性など)が、用量の送達をユーザに表示するために、(停止部267とタブ232との間の係合を介して)シャトル・アクチュエータ260が缶アクチュエータ230と接触することに応答して、針機構200によって生成されてもよい。ボタン250が、上記で説明した用量送達順序を開始するために第2の位置(
図10)に移動されたとき、停止タブ252は、ボタン250が第1の位置にあったとき(
図9)より比較的低い新しい平面に沿って配置されてもよい。したがって、停止タブ252は、このとき、シャトル・アクチュエータ260および/またはインジケータ・スライド270の1つまたは複数と、これらがボタン250に向かって水平に移動するときに係合してもよい。この状態では、脚部272は、締結機構263(
図4A)に向かって移動し、これと係合してもよく、それにより、シャトル・アクチュエータ260は、インジケータ・スライド270に結合され、この結合/ロッキングの後、インジケータ・スライド270と一緒に移動する。特に、停止タブ252(および/または停止タブ119)は、シャトル・アクチュエータ260がその第1の状態からその第2の状態に移動して、シャトル・アクチュエータ260がインジケータ・スライド270とインターロックすることを可能にする間、インジケータ・スライド270の水平位置を維持して(インジケータ・スライド270が滅菌コネクタ290に向かって移動することを防止して)もよい。
図4Aに見られ、上記で説明されたように、停止タブ252上の突起部252aは、インジケータ・スライド270に当接してもよく、その一方で停止タブ252のリッジ252bは、シャトル・アクチュエータ260と接触してもよい。この実施形態では、突起部252aは横断方向軸14に平行に延び、リッジ252bは長手方向軸10に平行に延び、それにより、突起部252aは、リッジ252bに対して垂直である。ボタン250の作動時、突起部252aは、インジケータ・スライド270との接触を維持して、シャトル・アクチュエータ260がリッジ262bから係合解除された後でも、インジケータ・スライド270が水平方向に滅菌コネクタ290に向かって移動することを防止してもよい。突起部252aは、第1の(作動されない)位置から第2の(作動される)位置へのボタン250の移動後にインジケータ・スライド270との接触を維持するのに十分な長さを有してもよいことを理解されたい。他の実施形態では、
図4Bに見られるように、停止タブ119が、突起部252aの代わりにおよび/またはこれに追加してインジケータ・スライド270との接触を維持してもよい。
【0053】
したがって、自動注射器100の作動時、シャトル・アクチュエータ260のその第1の状態からその第2の状態への移動により、(シャトル・アクチュエータ260の表面上に配置された)第2のインジケータが、自動注射器100のハウジングの窓および窓278を通して見える。この場合、窓は、本体274の一部および/またはインジケータ・スライド270の窓278と位置合わせしてもよく、それによって本体274の下に配設された(第2のインジケータを含む)第2のプラットフォーム266Bの一部を見せてもよい。本明細書にさらに詳細に説明されるように、第2のプラットフォーム266Bは、窓278を通してユーザに見えるときに自動注射器100の状態を示す1つまたは複数のグラフィカル・インターフェース(たとえば、色、テキスト、マーキングなど)を含んでもよい。第2のプラットフォーム266B上の第1および第2のインジケータは、異なった色および/またはパターンの材料片、ステッカー、エッチング、またはユーザに異なった視覚的手がかりを提供するのに適した任意の他の適切な機構であってもよい。
【0054】
薬剤20の送達の完了時(たとえばピストン378が第2の端部374において最も低い位置にあるとき)、容器370上に作用する圧力は、低減および/または解消され得る。たとえば、通気システム172(
図2C)が、流体導管280を通した薬剤20の送達時に弁アセンブリ300内で生成された圧力を解放してもよい。容器370上に作用する流体力が存在しないことにより、弾性部材239がその第2のエネルギー貯蔵状態(
図11Bに示される圧縮)から、その第2のエネルギー解放状態(拡張、
図11C)に移動することが可能になる。弾性部材239のこうした拡張または移動は、缶アクチュエータ230(およびこれに結合されたシャトル・アクチュエータ260)を第2の水平方向に駆動してもよい。シャトル・アクチュエータ260の水平の移動により、ラック265はギヤ229を、第1の回転方向の反対である第2の回転方向(たとえば反時計回り方向)に駆動する。こうした反対の回転は、ドライバ240を上向きの鉛直方向に強制することによって、針286を患者の外に後退させて自動注射器100内に入れる。したがって、弾性部材239は、ギヤ229を間接的に駆動する。
【0055】
シャトル・アクチュエータ260および缶アクチュエータ230が(タブ232とシャトル・アクチュエータ260との間の接触を介して)弾性部材239の拡張によって水平に移動されている状態で、インジケータ・スライド270も同様に、シャトル・アクチュエータ260と共に移動してもよい。したがって、インジケータ・スライド270は、自動注射器100の最終状態を表示するために自動注射器100のハウジングの窓を通して見える第3の位置まで移動してもよい。いくつかの実施形態では、フィードバック(たとえば、触知性、可聴性など)が、弾性部材239が拡張し、および/またはドライバ240が鉛直に移動して流体導管280を自動注射器100のハウジング内に後退させることに応答して針機構200によって生成され、それによって用量送達の完了をユーザに表示してもよい。いくつかの実施形態では、ドライバ240は、キャリア210の表面、または自動注射器100のハウジングの上部内部表面(たとえば上部カバー118)と接触し、それによって送達の完了を表示するフィードバック(たとえば触知性、可聴性)を生成してもよい。他の実施形態では、缶アクチュエータ230および/またはシャトル・アクチュエータ260は、(用量送達後に弾性部材239の第2のまたはその後の拡張によって提供される力によって)用量がユーザに送達されたときに対応するフィードバックを生成するために、自動注射器100内の1つまたは複数の構成要素および/または表面と接触してもよい。シャトル260を伴うインジケータ・スライド270のこうした移動は、窓278を移動させて、自動注射器100の外部の窓との位置合わせから外してもよい。その代わりに、(第1および第2のインジケータとは異なる)第3のインジケータを含むインジケータ・スライド270の表面が、このとき、自動注射器100の窓を通して見えていてもよい。
【0056】
個々の構成要素のさらなる詳細
ピール・タブ
図1に戻って参照すれば、自動注射器100は、底部カバー110に結合されたピール・タブ140をさらに含んでもよい。ピール・タブ140は、第1の端部142を含んでもよく、この第1の端部は、底部カバー110内の1つまたは複数の開口部の下に少なくとも部分的に配置され、その開口部を通って延びる。ピール・タブ140は、さまざまな適切な長さ、形状、サイズおよび/または構成で底部カバー110の端部から外方向に延びる第2の端部144をさらに含んでもよい。第2の端部144は、底部カバー110からピール・タブ140を取り外すためにユーザによって選択的に把持可能であり得る。ピール・タブ140は、底部カバー110に結合されたときにこの底部カバーに沿って1つまたは複数の開口部を密封するように構成されてもよいことを理解されたい。ピール・タブ140は、自動注射器100にピール・タブ140が結合されたときにボタン250の押し下げを防止するように構成されてもよい。
【0057】
第1の端部142は、ピール・タブ140が底部カバー110に結合されたときに底部カバー110を通り、自動注射器100の内部に延びるタブ146の対およびクラスプ(clasp)148を含んでもよい。ピール・タブ140は、底部カバー110の外部(組織係合)面の少なくとも一部上に配設されてもよい。
図12に最適に見られるように、タブ146の対は、第1の端部142の内部表面から外向きに(たとえば上向きに)延びる鉛直停止部および/または突出部を含んでもよい。本明細書において詳細に説明されるように、タブ146の対は、底部カバー110からのピール・タブ140の取り外しまでボタン250の作動(たとえば鉛直移動)を妨害する障害物を形成するように構成されてもよい(
図14~18を参照)。この実施形態では、タブ146の対は、ピール・タブ140が底部カバー110に結合されたときにタブ146が位置合わせされるボタン250の一部(たとえば、第1の脚部256、第2の脚部258)の高さに対応して、互いに対して可変のサイズ(たとえば長さ、高さ、幅)を有してもよい。クラスプ148は、フック、またはピール・タブ140を底部カバー110に固定することができる他の適切な締結機構を含んでもよい。
【0058】
図13は、ピール・タブ140Aの別の実施態様を示し、この実施態様は、上記で示され、説明されたものと実質的に同様のやり方で底部カバー110に適合可能であり得る。ピール・タブ140Aは、第1の端部142から外向きに延びるタブ146Aの対と、レッジ(ledge)149Aから外向きに延びるクラスプ148Aとを含んでもよい。この実施形態では、レッジ149Aは、第1の端部142に対して高い位置にある平面に沿って配置されてもよく、それにより、クラスプ148Aは、タブ146Aの対とは異なる表面に沿って位置してもよい。本明細書に示され、説明されるピール・タブ140、140Aのタブ146、146Aおよびクラスプ148、148Aの位置、サイズ、および配置は例示的にすぎず、それにより、さまざまな他の適切な構成が、本開示の範囲から逸脱することなく可能となり得ることを理解されたい。
【0059】
この実施形態では、
図14~15に見られるように、ピール・タブ140は、底部カバー110に結合されてもよく、タブ146の対は、底部カバー110を通って、ハウジングの空洞内に受け入れられてもよい。タブ146の対の少なくとも1つは、ボタン250の一部、たとえば脚部256、258に接してもよい。特に、タブ146は、脚部256、258の1つまたは複数の底端部に当接してもよく、それにより、ボタン250の押し下げは、ピール・タブ140がユーザによって取り外されるまで防止され得る。したがって、ピール・タブ140は、ピール・タブ140の取り外しまでボタン250の(下向きの)鉛直進行経路を妨害する障害物をタブ146が形成することによって、ボタン250の移動を阻害するように構成されてもよい。
図15に見られるように、クラスプ148は、ユーザが手動でピール・タブ140を取り外すまでピール・タブ140と底部カバー110との間の取付けを維持するために、底部カバー内に延び、ハウジングの少なくとも内部表面(および/または特徴)と係合してもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、
図16に見られるように、ボタン250は、第2の脚部258の底端部に延長部258Aを含んでもよい。延長部258Aは、タブ146の対の少なくとも1つに当接するようにサイズ設定、成形、および構成されてもよい。この場合、ピール・タブ140は、延長部258Aの(下向きの)進行経路を妨害する障害物をタブ146が形成することによって、ボタン250の移動を阻害するように構成されてもよい。ユーザは、ピール・タブ140を底部カバー110から分離するために、(たとえば、第2の端部144上に下向きの力をかけることによって)ピール・タブ140を取り外し、それによって延長部258Aに対する障害物を取り外し、ボタン250の作動を可能にしてもよい。
【0061】
他の実施形態では、
図17~18に見られるように、アクチュエータは、第2の脚部258の底端部上にフック258Bを含んでもよい。フック258Bは、タブ146の対の少なくとも1つと係合するようにサイズ設定、成形、および構成されてもよい。底部カバー110は、底部カバー110の内面から外向きに(上向きに)延びるリブ111を含んでもよい。リブ111は、フック258Bとの鉛直位置合わせで配置されてもよい。ピール・タブ140は、第2の脚部258の(下向きの)進行経路を妨害する障害物をタブ146が形成することによって、ボタン250の移動を阻害するように構成されてもよい。
【0062】
図18に見られるように、フック258Bは、ボタン250上に下向きの力をかけることに応答してリブ111に当接してもよい。ユーザは、ピール・タブ140を底部カバー110から取り外し、それによってタブ146による延長部258Aに対する障害物を取り外し、ボタン250の作動を可能にしてもよい。ピール・タブ140の取り外し時、リブ111の傾斜した表面は、ボタン250の下向きの鉛直移動を可能にするために、径方向に内向き方向(たとえば、取り外し前にタブ146がそれまで配置されていたところに向かって)フック258Bを柔軟に変形させるように構成されてもよい。
【0063】
キャリア
図3および19A~19Bを参照すれば、キャリア210は、キャリア210の第1の端部にある第1のフランジ211およびレッジ214と、第1の端部の反対側にあるキャリア210の第2の端部にある第2のフランジ216、および第2のフランジ216から外方に延びる脚部の対212A、212Bとを含んでもよい。第1のフランジ211は横断方向軸14に平行に延びてもよく、レッジ214は長手方向軸10に平行に延びてもよく、それにより、第1のフランジ211およびレッジ214は、互いに対して横断方向であり得る。この実施形態では、第1のフランジ211およびレッジ214は、互いに対して90度の接合部を形成してもよい。第1のフランジ211は、流体導管280の少なくとも一部を受け入れるようにサイズ設定および成形された第1の開口部213と、滅菌コネクタ290の少なくとも一部を受け入れるようにサイズ設定および成形された第2の開口部215とを含んでもよい。開口部213、215は、自動注射器100の事前に組み立てられた状態で、キャリア210が流体導管280および滅菌コネクタ290を受け入れることを可能にしてもよい。
【0064】
この実施形態では、そして
図19Aに最適に見られるように、第2のフランジ216は、開口部217と、開口部217内に少なくとも部分的に配置された障害物218とを含んでもよい。障害物218は、開口部217内に受け入れられた針機構200の構成要素と係合するように構成されてもよい。第2のフランジ216は、針機構200が組み立てられた状態(
図4Aを参照)にあるときに開口部217を通して缶アクチュエータ230の少なくとも一部(たとえば第1の脚部234A)を受け入れるように構成されてもよい。上記で詳細に説明されたように、障害物218は、缶アクチュエータ230の水平移動をブロックしてもよい。キャリア210の脚部212A、212Bの対は、長手方向軸10に平行に延びてもよい。第1の脚部212Aは、たとえば、第1の脚部212Aの外部周りなどに、弾性部材239(たとえば、ばね)を受け入れるようにサイズ設定および成形されてもよい。したがって、第1の脚部212aは、弾性部材239を通って延び、これを支持するマンドレル(mandrel)であってもよい。本明細書にさらに説明されるように、第1の脚部212Aは、針機構200が組み立てられた状態にあるとき、弾性部材239が第1の脚部212A上に配設された状態で、缶アクチュエータ230の少なくとも一部内に延びるように構成されてもよい。第2の脚部212Bは、シャトル・アクチュエータ260の進行経路を少なくとも部分的に画定するようにサイズ設定および成形されてもよく、この進行経路に沿って、シャトル・アクチュエータ260は移動してもよい。さらに、第2の脚部212は、シャトル・アクチュエータ260とキャリア210を位置合わせするように構成されてもよい。
【0065】
依然として
図19A~19Bを参照すれば、キャリア210は、第1のフランジ211と第2のフランジ216との間に配置されたポスト219をさらに含んでもよい。ポスト219は、ギヤ229を受け入れるようにサイズ設定および成形されてもよい。ギヤ229は、針機構200の1つまたは複数の特徴(たとえばドライバ240、シャトル・アクチュエータ260)の移動に応答して、ポスト219に対して回転するように構成されてもよい。本明細書にさらに詳細に説明されるように、ギヤ229は、自動注射器100の使用中、流体導管280の選択的な展開および後退をもたらしてもよい。
【0066】
図20A~20Bは、キャリア210と実質的に同様であり得る別のキャリア210Aを示し、それにより、キャリア210Aは、本明細書に明示的に留意される相違を除き、
図19A~19Bに示され、上記で説明されたキャリア210と同様に構成され、動作可能となり得る。キャリア210Aは、キャリア210Aのさまざまな表面および/または特徴に沿って1つまたは複数の補強リブ209を含んでもよい。この例では、キャリア210Aは、第1の脚部212A、第2のフランジ216、ポスト219などに沿っておよび/または隣接して配置された少なくとも1つの補強リブ209を含んでもよい。他の例では、本開示の範囲から逸脱することなく、追加のおよび/またはより少ない補強リブ209がキャリア210Aの他のさまざまな表面および/または特徴に沿って配置されてもよい。
【0067】
1つまたは複数の補強リブ209の各々は、キャリア210Aの、特に補強リブ209が配置されたキャリア210Aの表面および/または特徴の負荷強度を増大させるように構成されてもよい。したがって、補強リブ209は、自動注射器100の使用中、対応する表面および/または特徴がより大きい構造的負荷(たとえば、ばね力、挿入力など)を支持することを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の補強リブ209および/またはキャリア210全体は、キャリア210Aの構造的強度をさらに高めるために部分ガラス充填材料で形成されてもよい。さらなる実施形態では、1つまたは複数の補強リブ209は、キャリア210Aの成形し易さを可能にするように構成されてもよい。
【0068】
図21に見られるように、ギヤ229は、第1のギヤ部分229Aおよび第2のギヤ部分229Bを有する二重スプール・ギヤ(double-spur gear)を含んでもよく、これらのギヤの各々は、それぞれのギヤ部分の外周周りに配設された複数の歯部を含む。第1のギヤ部分229Aおよび第2のギヤ部分229Bの各々の複数の歯部のピッチ比が互いに対して変わり得ることを理解されたい。この実施形態では、第1のギヤ部分229Aおよび第2のギヤ部分229Bは、全体的に円形形状を有してもよく、このとき第1のギヤ部分229Aは、第2のギヤ部分229bより小さい外径を有し、または代替的には、第1のギヤ部分は、第2のギヤ部分より大きい外径を有してもよい。この例では、第1のギヤ部分229Aは、第2のギヤ部分229Bの第2のギヤ比とは異なる(たとえばより小さい)第1のギヤ比を有してもよい。第1のギヤ部分229Aは、第2のギヤ部分229Bに接してもよく、2つのギヤ部分は、同じ軸周りで回転してもよい。ギヤ229が、たとえば第1のギヤ部分229Aの各々上の少なくとも1つの構成要素(たとえば、ドライバ240)および第2のギヤ部分229B(たとえば、シャトル・アクチュエータ260)などの針機構200の複数の構成要素と噛み合い、相互作用するように構成されてもよいことを理解されたい。上記で説明されたように、シャトル・アクチュエータ260およびドライバ240は、2つのギヤ部分のサイズおよび/またはピッチ比の相違により、ギヤ229の同じ回転中、互いに対して異なる距離を移動するように構成されてもよい。ギヤ229は、ポスト219を、そこを通して受け入れるための開口部229Cをさらに含んでもよい。
【0069】
依然として
図19A~19Bを参照すれば、キャリア210は、ドライバ240およびボタン250の1つまたは複数と係合するための、第1のフランジ211と第2のフランジ216との間に配置された1つまたは複数の特徴(たとえば、壁、スロット、空洞、プラットフォームなど)を含んでもよい。たとえば、キャリア210は、ドライバ240のスロットと対合するようにサイズ設定および成形されたレール222を含んでもよい。レール222は、キャリア210に対するドライバ240の移動を案内、安定化、および制御するように構成されてもよい。たとえば、ドライバ240がキャリア210の対応するスロット内に受け入れられるように構成されたレールを含み得るなど、本開示のキャリア210およびドライバ240が特徴の任意の具体的な組み合わせに限定されないことが留意される。キャリア210は、中間ギャップが間に形成された突起部の対によって画定された第3の障害物220を含んでもよい。第3の障害物220は、第1のフランジ211に隣接して配置されてもよく、ボタン250の締結機構254(
図27~29を参照)と係合することによって、キャリア210をボタン250にしっかりと結合させるように構成されてもよい。たとえば、締結機構254は、ボタン250が第1の(作動されない)位置にあるときに、第3の障害物220の突起部の対間(たとえば、突起部によって画定されたギャップ内)に受け入れられてもよい。締結機構254は、ボタン250が第2の位置に移動されたときにギャップから取り外されてもよく、第3の障害物220の少なくとも最も底部の突起部によって係合されたままになり、それによってボタン250を第2の(作動される)位置に維持してもよい。この場合、締結機構254は、第1の(作動されない)位置に戻るなどのボタン250のさらなる移動をロックアウトし、阻害し得る。いくつかの実施形態では、締結機構254は、キャリア210に対してボタン250のバランスをとるように構成されてもよい。
【0070】
キャリア210は、キャリア210の側壁に沿って、缶アクチュエータ230の少なくとも一部(たとえば、第2の脚部234B)に対応する距離だけ互いにずらされたレッジ223A、223Bの対をさらに含んでもよい。レッジ223A、223Bは、第2の障害物225を含むキャリア210の側壁に沿って配置されてもよい。したがって、第2の障害物225は、レッジ223A、223B間に受け入れられた缶アクチュエータ230の部分(たとえば、第2の脚部234B)とインターフェースするように構成されてもよい。
【0071】
缶アクチュエータ
図3および22~23を参照すれば、缶アクチュエータ230は、缶アクチュエータ230の第1の端部にある1つまたは複数のタブ232と、缶アクチュエータ230の第2の反対側端部にある脚部234A、234Bの対と、脚部234A、234Bの対間に配設された中央本体236とを含んでもよい。1つまたは複数のタブ232は、シャトル・アクチュエータ260および缶アクチュエータ230の移動を制御するために、自動注射器100の使用中、シャトル・アクチュエータ260の少なくとも一部(たとえば停止部267)と係合するように構成されてもよい。この実施形態では、缶アクチュエータ230の第1の脚部234Aは、第2の脚部234Bより比較的小さい長手方向長さを有してもよい。さらに、脚部234A、234Bの対の各々は、開口部235A、235Bそれぞれを含んでもよく、その開口部は、針機構200が作動前の組み立てられた状態にあるときにキャリア210の対応する障害物(たとえば、第1の障害物218、第2の障害物225)と係合するように構成される。
【0072】
たとえば、
図22に最適に見られるように、第1の脚部234Aは、第1の開口部235Aを含んでもよく、第2の脚部234Bは、第2の開口部235Bを含んでもよい。本明細書に示され、さらに詳細に説明されるように、缶アクチュエータ230がキャリア210に結合されたとき、第1の脚部234Aは、第1の障害物218を第1の開口部235A内に受け入れるように構成されてもよく(
図5を参照)、第2の脚部234Bは、第2の障害物225を第2の開口部235B内に受け入れるように構成されてもよい(
図6を参照)。さらに、脚部234A、234Bの対の各々の第1の端部は、ボタン250の少なくとも一部と係合するように構成され、それによってボタン250を缶アクチュエータ230に固定してもよい。この実施形態では、第1の脚部234Aは、たとえば第1の開口部235Aに隣接して、第1の脚部234Aの長手方向長さに沿って径方向の曲がり部を含んでもよく、その一方で第2の脚部234Bは、実質的に線形プロファイルを含んでもよい。脚部234A、234Bは、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書に示され、説明される以外の他の適切なさまざまな形状、サイズ、および/または構成を含んでもよいことを理解されたい。
【0073】
さらに、
図7に示されるように、缶アクチュエータ230は、中央本体236の端部に、弾性部材239(
図3)を受け入れるための開口部237を含んでもよい。この実施形態では、中央本体236は、全体的に円筒状の形状を有してもよく、開口部237は、中央本体236の管腔内へのアクセスを提供してもよい。中央本体236は、脚部234A、234Bの対間に配設されてもよく、タブ232と第1の脚部234Aに沿った第1の開口部235Aの場所との間に長手方向長さを有してもよい。他の実施形態では、開口部237は、缶アクチュエータ230内に受け入れられたときに弾性部材239の位置合わせおよび/または支持を可能にするために、缶アクチュエータ230を通って延びるポスト(post)を含んでもよい。さらなる実施形態では、開口部237および中央本体236の管腔は、弾性部材239との密接な嵌合接続を形成するようにサイズ設定および成形され、それによって弾性部材239を支持し、中央本体236の管腔内で弾性部材239の曲がりが発生することを阻害し得る。
【0074】
中央本体236は、弾性部材239および第1の脚部212Aを受け入れるようにサイズ設定および成形されてもよい。弾性部材239は、針機構200が組み立てられた状態にあるときに、中央本体236と第2のフランジ216との間で(
図7~8を参照)、長手方向軸10(
図3)に平行な長手方向に圧縮されてもよい。本明細書に詳細に説明されるように、弾性部材239は、缶アクチュエータ230が第1の場所に配置される(
図7を参照)エネルギー貯蔵状態(たとえば圧縮された構成)から、缶アクチュエータ230が第1の場所とは異なる第2の場所に配置される(
図8を参照)エネルギー解放状態(たとえば、拡張された構成)に移動可能であり得る。異なって言えば、弾性部材239は、中央本体236上に、および第2のフランジ216に対して力をかけるように構成され、それによって缶アクチュエータ230をキャリア210に対して移動させてもよい。
【0075】
ドライバ
次に
図24~26を参照すれば、ドライバ240は、ドライバ240の長手方向長さを画定する第1の(底)端部242および第2の(上)端部244を含んでもよい。ドライバ240は、ドライバ240の側壁の1つの少なくとも一部に沿って配置されたラック246をさらに含んでもよい。ラック246は、複数の歯部を含んでもよく、第1の端部242と第2の端部244との間のドライバ240の長手方向長さのかなりの部分に沿って延びてもよい。ラック246は、ギヤ229(
図3)の対応する歯と係合し、噛み合うように構成されてもよい。ドライバ240は、流体導管280の一部を受け入れるようにサイズ設定および成形された、スロット248などの、ドライバ240の本体を通って配設された1つまたは複数のスロットをさらに含んでもよい。したがって、流体導管280は、スロット248においてドライバ240に結合されてもよく、それにより、自動注射器100に対するドライバ240の移動(たとえば鉛直移動)は、流体導管280の対応する移動をもたらし得る。
【0076】
ボタン
図3および27~29を参照すれば、ボタン250は、本体251と、停止タブ252(たとえば障害物)と、締結機構254と、第1の脚部256と、第2の脚部258とを有する押し下げ可能なボタンであってもよい。本体251は、ボタン250を作動させるための接触インターフェースを画定する上面を含んでもよい。停止タブ252は、本体251の第1の側から外向きに延びてもよく、締結機構254は、本体251の第2の反対側から外向きに延びてもよい。
【0077】
停止タブ252は、そこから外向きに延びる1つまたは複数のリッジおよび/または突起部を含んでもよい。停止タブ252の1つまたは複数のリッジは、ボタン250の作動前にキャリア210に対するシャトル・アクチュエータ260の移動を阻害するために、シャトル・アクチュエータ260(
図31を参照)の少なくとも一部に当接してもよい。停止タブ252の1つまたは複数の突起部は、インジケータ・スライド270の移動をブロックするか、または別様で妨害してもよい(
図4Aを参照)。上記で簡潔に説明されたように、
図3および5~6に見られるように、停止タブ252は、停止タブ252の本体から外向きに延びる突起部252aと、停止タブ252の、本体251とは反対側の末端部を画定するリッジ252bとを含んでもよい。他の実施形態では、停止タブ252は、停止タブ252のさまざまな他の側部に沿って追加のおよび/またはより少ないリッジおよび/または突起部を含んでもよい。たとえば、突起部252aは、停止タブ252から省略されてもよく、上部カバー118が、
図4Bに見られるように停止タブ119を含んでもよい。締結機構254は、第3の障害物220と係合するための柔軟なフックまたはクラスプを含んでもよい。上記で詳細に説明されたように、締結機構254は、ボタン250の作動前に、キャリア210に対する第1の位置にボタン250を配置し、ボタン250の作動後に第2の位置にボタン250を維持してもよい。
【0078】
図28に最適に見られるように、ボタン250は、本体251の底面に沿って突起部255を含んでもよい。突起部255は、キャリア210内に配設された弾性部材249(たとえば、ばね)と係合するように構成されてもよい。弾性部材249は、ユーザがボタン250を作動させたとき、本体251に対して触知性フィードバックを生成するためにボタン250に対して抵抗力をかけてもよい。他の実施形態では、弾性部材249は、全体的に省略されてもよく、それにより、ボタン250は、突起部255を排除してもよい。第1の脚部256は、本体251から外向き(たとえば下向き)に延びてもよく、第2の脚部258より大きい長手方向長さを有してもよい。上記で詳細に説明されたように、第1の脚部256は、針機構200が組み立てられた状態にあり、ボタン250の作動前であるとき、缶アクチュエータ230の少なくとも一部(たとえば第1の脚部234A)と係合するように構成されてもよい。ボタン250は、ボタン250の作動時に第1の脚部234Aをキャリア210から結合解除するように構成され得る、第1の脚部256の外部表面に沿って配置された傾斜面259をさらに含んでもよい。
【0079】
図4Aおよび5に見られるように、傾斜面259は、本体251から外向き(たとえば下向き)に延びてもよく、傾斜面259のスロープ付き表面がボタン250の作動前に第1の脚部234Aに隣接して位置するように、第1の脚部256に沿って配置されてもよい。上記で説明されたように、傾斜面259は、(たとえば、第1の開口部235Aから障害物218を係合解除することによって)缶アクチュエータ230をキャリア210から結合解除するために、キャリア210に対して第1の脚部234Aを移動させるように構成されてもよい。傾斜面259は、ユーザが本体251上に下向きの力をかけたときにボタン250の作動に応答して移動し得ることを理解されたい。
図29に戻って参照すれば、第2の脚部258は、本体251から外向き(たとえば下向き)に、締結機構254に隣接してボタン250の側部に沿って延びてもよい。第2の脚部258は、針機構200が組み立てられた状態にあり、作動前であるとき(
図6)、缶アクチュエータ230の少なくとも一部(たとえば、第2の脚部234B)と係合するように構成されてもよい。
【0080】
シャトル・アクチュエータ
図3および30~32を参照すれば、シャトル・アクチュエータ260は、第1の端部262と第2の端部264との間に画定された長手本体を含んでもよい。シャトル・アクチュエータ260の長手方向本体は、全体的に円筒状であってもよく、容器370を少なくとも部分的に受け入れるようにサイズ設定されてもよい。いくつかの実施形態では、シャトル・アクチュエータ260は、半円(たとえばC形状)などの不規則形状の本体を有してもよい。この場合、容器370の少なくとも一部は、(たとえば、自動注射器100のハウジングを通してシャトル・アクチュエータ260の下からの容器370の視覚化を可能にするために)第1の端部262と第2の端部264との間に受け入れられたときにシャトル・アクチュエータ260の下から露出されてもよい。本明細書にさらに説明されるように、シャトル・アクチュエータ260は、容器370に結合されてもよく、このとき第1の端部262は、第1の端部372を受け入れるようにサイズ設定および成形され、第2の端部264は、第2の端部374を受け入れるようにサイズ設定および成形されている。シャトル・アクチュエータ260は、容器370より短くても、等しくても、長くてもよい。シャトル・アクチュエータ260が容器370に結合された状態で、シャトル・アクチュエータ260および容器370は、使用中、自動注射器100のハウジング内で一緒におよび/または同時に移動するように構成されてもよいことを理解されたい。
【0081】
図30に最適に見られるように、シャトル・アクチュエータ260は、第1のプラットフォーム266Aと第2のプラットフォーム266Bとを含んでもよい。第1のプラットフォーム266Aは、第2のプラットフォーム266Bより第2の端部264に隣接して配置されてもよく、第1のプラットフォーム266Aの底面に沿って配設されたラック265を含んでもよい。本明細書にさらに詳細に説明されるように、シャトル・アクチュエータ260の移動は、(弾性部材239の拡張からの)缶アクチュエータ230の移動および流体源350から解放された加圧流体によって、少なくとも部分的に駆動されてもよい。さらに、第1のプラットフォーム266Aは、シャトル・アクチュエータ260に沿ってインジケータ・スライド270の進行経路を少なくとも部分的に画定してもよい。第2のプラットフォーム266Bは、第1のプラットフォーム266Aより第1の端部262に隣接して配置されてもよく、シャトル・アクチュエータ260上にインジケータ・スライド270を維持するための1つまたは複数のレールを含んでもよい。第2のプラットフォーム266Bは、シャトル・アクチュエータ260の位置をユーザに対して視覚化することを可能にするためにグラフィカル・インターフェースを提供することによって、さらにインジケータの役割を果たしてもよく、このインジケータは、使用中の自動注射器100の状態を示し得る。
【0082】
この実施形態では、第2のプラットフォーム266Bは、長手方向軸10(
図3を参照)に沿って、またはこれに平行に延びる第1のレール268Aおよび第2のレール268Bを含んでもよい。第1のレール268Aおよび第2のレール268Bは、プラットフォーム266Bの幅を画定し得るように、第2のプラットフォーム266Bの両側に沿って配置されてもよい。プラットフォーム266Bの幅がインジケータ・スライド270のサイズに対応し得ることを理解されたい。レール268A、268Bの各々は、自動注射器100の使用中、第2のプラットフォーム266B上にインジケータ・スライド270を維持するために、インジケータ・スライド270を超えて少なくとも部分的に延びるように構成された突起部および/または張り出し部分を含んでもよい。
【0083】
依然として
図30を参照すれば、シャトル・アクチュエータ260は、第2のプラットフォーム266Bに沿って凹状チャネル269Aを含んでもよい。凹状チャネル269Aは、第2のレール268Bに隣接して配置されてもよく、長手方向軸10(
図3を参照)に沿ってまたは平行に延びてもよい。凹状チャネル269Aは、インジケータ・スライド270の少なくとも一部(たとえば第1の縁部276)を受け入れるようにサイズ設定および成形されてもよい。凹状チャネル269Aは、自動注射器100の使用中、第2のプラットフォーム266B上にインジケータ・スライド270を維持するように構成されてもよい。
【0084】
次に
図31を参照すれば、シャトル・アクチュエータ260は、第1の端部262に隣接して配置された突出部261および締結機構263をさらに含んでもよい。突出部261は、シャトル・アクチュエータ260の長手方向本体から外向き(たとえば上向き)に延びるようにサイズ設定および成形されてもよく、第1のレール268Aと位置合わせして配置されてもよい。突出部261は、シャトル・アクチュエータ260上へのインジケータ・スライド270の受け入れ、およびインジケータ・スライド270と第2のプラットフォーム266Bの位置合わせを可能にするように構成されてもよい。この実施形態では、インジケータ・スライド270は、第1の縁部276をその側壁に沿って有する本体274を含んでもよい。第1の縁部276は、第1のレール268Aを通して受け入れられるようにサイズ設定および成形されてもよく、突出部261は、シャトル・アクチュエータ260上へのインジケータ・スライド270の受け入れ時、第1の縁部276と第1のレール268Aを位置合わせしてもよい。インジケータ・スライド270は、第1の縁部266とは反対側の本体274の側壁に沿って配置された第2の縁部277を含んでもよい。第2の縁部277は、第2のレール268Bの下を摺動するようにサイズ設定および成形されてもよい。この実施形態では、第2の縁部277は、第1の縁部276とは異なる平面に沿って延びるように、本体274に対して角度付けされてもよい。
【0085】
図32に最適に見られるように、第2の縁部277は、インジケータ・スライド270がシャトル・アクチュエータ260に結合されたとき、凹状チャネル269A内に受け入れられてもよい。締結機構263は、本体274をシャトル・アクチュエータ260に結合させるために、インジケータ・スライド270の脚部272と係合するように構成されてもよい。したがって、レール268A、268Bの対および締結機構263は共同して、自動注射器100の使用中、インジケータ・スライド270をシャトル・アクチュエータ260上に維持してもよい。いくつかの実施形態では、インジケータ・スライド270は、棚部269Bをさらに含んでもよく、この棚部は、レール268Aに隣接して配置され、第2のプラットフォーム266Bの第1の縁部を画定する。棚部269Bは、特に自動注射器100の組み立て中、インジケータ・スライド270をシャトル・アクチュエータ260にさらに結合するために、インジケータ・スライド270の少なくとも一部(たとえば、本体274の底面)と係合するように構成されてもよい。棚部269Bは、締結機構263と連動して、受け入れ時にシャトル・アクチュエータ260に対してインジケータ・スライド270を固定するように共同して構成されてもよい。インジケータ・スライド270は、本体274内に配置された窓278をさらに含んでもよい。窓278は、たとえば第2のプラットフォーム266Bの表面などの、本体274の下に配置された二次インジケータの視覚化を可能にしてもよい。上記で詳細に説明されたように、第2のプラットフォーム266Bは、グラフィカル・インターフェースを提供することによってインジケータとしての役割を果たしてもよい。したがって、窓278は、インジケータ・スライド270を通した第2のプラットフォーム266Bの視覚化を可能にし得る。シャトル・アクチュエータ260は、横断方向軸14(
図3を参照)に平行な方向に第2のプラットフォーム266Bから外向き(たとえば下向き)に延びる停止部267をさらに含んでもよい。本明細書に詳細に説明されるように、停止部267は、シャトル・アクチュエータ260に対する缶アクチュエータ230の移動を妨害する障害物を形成するために、缶アクチュエータ230の少なくとも一部(たとえばタブ232)と係合するように構成されてもよい(
図9~10を参照)。
【0086】
流体導管
図33を参照すれば、流体導管280は、本願明細書に援用する、国際公開第2021/003409として公開された、国際PCT出願のPCT/US2020/040729に説明された流体導管と実質的に同様であってもよい。この実施形態では、流体導管280は、第1の端部282から第2の端部284まで延びてもよい。第1の端部282は、ユーザに注射されるように構成された(第1の)針286を含んでもよい。針286は、鋭敏なおよび/またはベベル付きの先端(beveled tip)を含んでもよく、横断方向軸14に全体的に沿ってまたは平行に延びてもよい。第2の端部284は、針286と実質的に同様である(
図2A~2Cに関してこれまで説明された)(第2の)針288を含み得るが、ユーザに注射される薬剤20にアクセスするために容器370を貫通するために自動注射器100内に配置され得る。流体導管280は、横方向軸12に沿ってまたは平行に延びる第1のセグメント285と、長手方向軸10に沿ってまたは平行に延びる第2のセグメント287と、横方向軸12に沿ってまたは平行に延びる第3のセグメント289とを有する中間セクションを含んでもよい。第1のセグメント285および第3のセグメント289は、第2のセグメント287によって互いに接合されてもよい。
【0087】
流体導管280は、中間セクションの端部282、284および/またはセグメント285、287、289の1つまたは複数に沿って柔軟に変形可能であり得る。この場合、流体導管280は、たとえば、針286をユーザに対して展開または後退それぞれを行うときなどに撓むおよび/または移動してもよい。いくつかの実施形態では、流体導管280は、ユーザに対する展開および後退中、流体導管280の撓みおよび横断方向軸14に沿った針286の移動を可能にし得るコイル(図示されず)を含んでもよい。コイルについて、任意の適切な形状、たとえば曲がりくねった、湾曲した、または流体導管280の撓みを可能にする他の形状が含まれ得ることを理解されたい。コイルまたは同様の構造は、針286が展開および/または後退されたときにカンチレバーとしての役割を果たしてもよい。
【0088】
いくつかの例では、流体導管280は、金属のみまたは金属合金を含んでもよい。他の例では、流体導管280は、たとえばポリマーなどの任意の他の適切な材料を含んでもよい。針288および中間セクションは、22または23ゲージの薄肉針を画定してもよく、その一方で針286は、27ゲージ針であってもよい。換言すれば、流体導管280は、その長さにわたって可変の針ゲージを有してもよく、特に、針286および針288は、異なる針ゲージを有してもよい。たとえば、6ゲージから34ゲージの範囲の他の針サイズもまた、適宜利用されてもよい。流体導管280は、薬物と接触する材料の量を低減してもよく、ジョイントおよび組み立て工程を低減してもよく、従来のデバイスほど滅菌性を必要としなくてもよい。
【0089】
次に
図34を参照すれば、流体導管280は、第1のセグメント285に沿ってドライバ240に結合されてもよい。この実施形態では、第1のセグメント285は、スロット248内に受け入れられてもよく、ドライバ240に結合されてもよい。したがって、第1の端部282、針286、および第1のセグメント285は、自動注射器100に対するドライバ240の移動に応答して移動するように構成されてもよい。流体導管280の1つまたは複数の他の中間セグメント(たとえば、第2のセグメント287、第3のセグメント289)は、第1の端部282、針286、および第1のセグメント285の移動に適応するために、撓み、変形し、および/またはさらに多くの動作を行うように構成されてもよいことを理解されたい。針286は、ドライバ240から外向きに延びてもよく、第1の(底)端部242に隣接して配置されてもよい。
【0090】
流体導管280は、第2の端部284に沿って滅菌コネクタ290にさらに結合されてもよい。この実施形態では、第2の端部284は、滅菌コネクタ290の開口部296を通って延びてもよく、針288は、本体292内に配設されてもよい。第3のセグメント289の少なくとも一部は、座部294に沿って受け入れられ、それによって流体導管280を滅菌コネクタ290に固定してもよい。一旦針308が貫通し、容器370との流体連通を確立した後、容器370が針288および滅菌コネクタ290に対して(たとえばこれらに向かって)移動することに応答して(
図2Bを参照)、薬剤は、容器370から進行して、針308、中間セグメント285、287、289、および(ユーザの皮膚を貫いた)針306を通って、ユーザに入り得る。
図6に最適に見られるように、滅菌コネクタ290は、容器370の位置合わせおよび受け入れを可能にするために、本体292内に配設されたレール291を含んでもよい。いくつかの実施形態では、滅菌コネクタ290は、自動注射器100内での流体導管280の移動を可能にするために移動(たとえば回転)するように構成されてもよい。この場合、流体導管280の変形および/または偏向は、最小限にされ得る。
【0091】
次に
図35を参照すれば、針機構の別の実施態様が示される。針機構200Aは、本明細書に明示的に留意された相違を除いて、上記で示され、説明された針機構200と同様に構成され、動作可能であり得る。したがって、同じ参照記号が、同じ構成要素を特定するために使用される。この実施形態では、針機構200Aは、シャトル・アクチュエータ260Aとインジケータ・スライド270Aとを含んでもよい。シャトル・アクチュエータ260Aは、締結機構263Aを含んでもよく、この締結機構は、第1の端部262に隣接して配置され、インジケータ・スライド270Aの脚部272Aと係合して、本体274をシャトル・アクチュエータ260Aに結合するように構成される。締結機構263Aは、可撓性タブ261Aを含んでもよく、このとき突起部262Aが、可撓性タブ261Aの端部に沿って配置されている。
【0092】
脚部272Aは、第1のスナップ271Aと第2のスナップ273Aとを含んでもよく、このとき第1のスナップ271Aは、第2のスナップ273Aから外方に配置されている。さらに、第1のスナップ271Aは、本体274と同様である平面に沿って配置された第2のスナップ273Aより比較的低い平面に沿って配置されてもよい。
図36~37に最適に見られるように、脚部272Aは、突起部262Aを受け入れるようにサイズ設定および成形された、第1のスナップ271Aと第2のスナップ273Aとの間に画定された凹部275Aを含んでもよい。したがって、インジケータ・スライド270Aは、凹部275A内の突起部262Aの受け入れ時、シャトル・アクチュエータ260Aと結合するように構成されてもよい。
【0093】
次に
図38を参照すれば、インジケータ・スライド270Aは、使用中の自動注射器100の状態を示し得る、シャトル・アクチュエータ260Aに対するインジケータ・スライド270Aの位置の情報をユーザに提供するために、本体274の少なくとも一部に沿って配置されたグラフィカル・インターフェース274Aをさらに含んでもよい。グラフィカル・インターフェース274Aは、自動注射器100のハウジングを通して、たとえば、上部カバーまたは底部カバー110の1つまたは複数に沿った透明窓を介して見えてもよい。グラフィカル・インターフェース274Aは、それだけに限定されないが、色、テキスト、画像などを含むさまざまな適切なフォーマットを含んでもよい。シャトル・アクチュエータ260Aは、第2の端部264に、シャトル・アクチュエータ260Aを滅菌コネクタ290に結合するためのスナップ・コネクタ264Aをさらに含んでもよい。スナップ・コネクタ264Aは、たとえば、ボタン250が下向きに押さえられたときに突起部253Aなどからのこのコネクタに対する力の印加を受け入れたことに応答して、柔軟に変形可能であり得る。
【0094】
たとえば、
図39Aに見られるように、シャトル・アクチュエータ260Aが第1の状態にあるとき、第2の端部264は、スナップ・コネクタ264Aが本体292に当接し得るように、滅菌コネクタ290に隣接して配置されてもよい。この場合、シャトル・アクチュエータ260Aは、スナップ・コネクタ264Aと本体292の外縁部との間のインターフェースによって、滅菌コネクタ290と結合することからロックアウトされてもよい。ボタン250Aは、突起部253Aを含んでもよく、この突起部は、本体251から外向き(たとえば下向き)に延び、スナップ・コネクタ264Aと位置合わせされる。ボタン250Aを押し下げることに応答して、突起部253Aは、移動し、スナップ・コネクタ264Aと接触し、それによってスナップ・コネクタ264A上に下向きの力をかけ、それによってシャトル・アクチュエータ260Aを第1の状態から第2の状態に移動させてもよい。この状態において、第1のインジケータ(たとえば、グラフィカル・インターフェース274A)は、自動注射器100のハウジング上の窓を通して自動注射器100の外側から見えてもよい。
【0095】
図39Bは、用量送達中、第2の状態にあるシャトル・アクチュエータ260Aを示す。第2のインジケータ(たとえば第2のプラットフォーム266B)は、窓278および自動注射器100のハウジング上の窓から見えてもよい。
図39Cに見られるように、用量送達の完了時、シャトル・アクチュエータ260Aは、滅菌コネクタ290に対して移動し、それによってスナップ・コネクタ264Aを本体292内から取り外してもよい。この場合、シャトル・アクチュエータ260Aは、スナップ・コネクタ264Aが本体292の外縁部と係合することによって、滅菌コネクタ290に入ることからロックアウトされるような状態に戻ってもよい。この場合、グラフィカル・インターフェース274Aは、自動注射器100のハウジング上の窓と位置合わせされてもよく、この窓を通して見えてもよい。
【0096】
次に
図40を参照すれば、針機構200Aは、弾性部材249A(たとえば、ばね)が結合されたドライバ240Aをさらに含んでもよい。この実施形態では、弾性部材249Aは、ドライバ240Aの密封されたスロット243A内に配設されてもよく、それにより、弾性部材249Aは、エネルギー貯蔵状態からエネルギー解放状態に移行するとき、ドライバ240Aに力をかけるように構成されてもよい。他の実施形態では、弾性部材249A全体が省かれ得ることを理解されたい。
【0097】
例示的な使用において、
図41Aに見られるように、シャトル・アクチュエータ260Aは、第1の状態にあり得、ドライバ240Aは、弾性部材249Aがエネルギー解放状態に完全に拡張された第1の位置にあり得る。流体源50からの加圧流体の解放時(
図2Bを参照)、シャトル・アクチュエータ260は、ドライバ240Aおよびギヤ229に向かって第1の方向に移動してもよい。
図41Bに示されるように、ラック265は、シャトル・アクチュエータ260Aが第1の方向に進行にするときにギヤ229と噛み合い、それによってギヤ229を第1の回転方向(たとえば、時計回り、反時計回り)に回転させてもよい。ドライバ240Aは、ラック246とギヤ229との間の係合により、第1の位置(
図41A)から第2の位置に移動してもよい。この場合、弾性部材249Aは、ドライバ240Aが第2の位置に移動するにつれて密封されたスロット243A内で圧縮され、それによって弾性部材249Aをエネルギー解放状態からエネルギー貯蔵状態に移行させてもよい。第2の位置までドライバ240Aが移動することで、針286は展開されて、自動注射器100のハウジングから(たとえば、底部カバー110の開口部を通って)出て、ユーザに入り得る。
【0098】
薬剤20の送達の完了時(たとえば、ピストン378が第2の端部374において最も低い位置にあるとき)、容器370内に生成された圧力は、低減および/または解消され得る。たとえば、通気システム172(
図2C)は、流体導管280を通した薬剤20の送達時に弁アセンブリ300内に生成された圧力を解放してもよい。
図41Cに見られるように、弾性部材249Aによってドライバ240Aに対してかけられた対向する力は、ドライバ240Aを第3の位置に移動させ、それによってシャトル・アクチュエータ260Aを第1の状態および/または第1の状態とは異なる第3の状態に戻してもよい。異なって言えば、弾性部材249Aは、加圧流体の閾値量が流体源50から解放された後、エネルギー貯蔵状態からエネルギー解放状態に移行し、それによってシャトル・アクチュエータ260Aを移動させてもよい。
【0099】
この場合、ドライバ240Aは、シャトル・アクチュエータ260Aの移動に応答して、第2の位置から第3の位置に移動してもよい。シャトル・アクチュエータ260Aは、ラック265を介してギヤ229とインターフェースし、それによって第1の回転方向(たとえば、時計回り、反時計周り方向)とは反対の第2の回転方向のギヤ229の回転を引き起こしてもよい。ラック246がギヤ229に結合された状態で、ギヤ229の回転は、横断方向軸14(
図3を参照)に平行な方向の第2の位置から第3の位置までのドライバ240Aの対応する移動を引き起こし、それによって針286を後退させて自動注射器100のハウジング内に戻してもよい。したがって、針286は、ドライバ240Aが、ドライバ240Aの第1の位置と実質的に同様であり得る第3の位置にあるとき、底部カバー110内に配設されてもよい。
【0100】
次に
図42を参照すれば、弁アセンブリ300の実施態様が示される。弁アセンブリ300は、患者の皮膚の表面に平行であり得る長手方向軸を有する容器370に適合可能であり得る。弁アセンブリ300は、ダイヤフラム320の厚さおよび/またはデュロメータ(durometer)、弁座166の高さ、および/または高圧空洞161の直径を含む(
図2A~2Cを参照)1つまたは複数のパラメータのバランシングに基づいて、特有の圧力で動作するように設計されてもよい。いくつかの実施形態では、低圧入口162は、弁アセンブリ300に対するカートリッジ370の移動を可能にするための(たとえば50デュロメータから70デュロメータの範囲にある)シールを含んでもよい。高圧空洞161と低圧空洞163との間の圧力均等化中、導管164内の低圧は、ダイヤフラム320が中立段階(
図2A)に戻ることを防止し得る保持力を作り出し得る。これは、導管164の直径を低減することによって、および/またはダイヤフラム320の予張力、厚さ、および/または直径の1つまたは複数、または弁座166の高さを調整することによってダイヤフラム320の戻り力を増大することによって回避され得る。たとえば、平坦な、打ち抜きされたダイヤフラム320は、その戻り力を損失し得るように、偏向中、これに作用する力によって弁の残りの部分に対してシフトし得る。
【0101】
図43は、4部分構造の弁アセンブリ300(ダイヤフラム320を含む)を示す。
図43の実施形態は、構造が成形しやすく、簡単であり、1つのタイプの溶接しか必要としないことを示し得る。いくつかの実施形態では、プッシュ・ロッド・ポート(push rod port)は、省略されてもよい。弁アセンブリ300は、低圧本体部分310と高圧本体部分330とを含んでもよい。低圧本体部分310は、低圧空洞163を含んでもよく、高圧本体部分330は、高圧空洞161を含んでもよい(
図2A~2C)。いくつかの実施形態では、高圧本体部分330は、低圧空洞163を取り囲むテンティング・ボス(tenting boss)を含んでもよく、このテンティング・ボスは、低圧本体部分310および高圧本体部分330が互いに対合されたときにダイヤフラム320を(ドラム・ヘッドと同様のやり方で)伸張させる。
【0102】
弁座166は、
図2A~2Cに示され、上記で説明されたように、低圧空洞163内に配置されてもよい。加圧流体は、エネルギー源(たとえば流体源350)から、低圧本体部分310の高圧(第1の)入口160を通って流れ、低圧本体部分310のポート312および高圧本体部分330のチャネル332を介して高圧空洞161内に流れてもよい。低圧本体部分310は、流れ制限器170を含むポート313をさらに含んでもよい。低圧本体部分310は、容器370とインターフェースするための低圧入口162と、導管164とを含んでもよい。
【0103】
図44~47は、低圧本体部分310(
図44および46)、高圧本体部分330(
図45)、および底部カバー340(
図47)を含む、別個の構成要素に分解された4部分構造の弁アセンブリ300を示す。
図46は、低圧本体部分310の底面に沿って配置された1つまたは複数の圧力ライン314、316、318を示す。
図47は、底部カバー340の本体342に沿って形成された(たとえばエッチングされた)1つまたは複数の圧力空洞344、346、348を示す。底部カバー340は、圧力ライン314、316、318が圧力空洞344、346、348と位置合わせされ得るように、低圧本体部分310の底面に結合されてもよい。底部カバー340は、低圧本体部分310からのガスが1つまたは複数の圧力ライン314、316、318および圧力空洞344、346、348を介して弁アセンブリ300内の1つまたは複数の場所まで進行することを可能にし得ることを理解されたい。
【0104】
図48および49は、弁アセンブリ300内または本明細書に論じられるような任意の他の弁内に組み込まれ得る例示的なダイヤフラム320の異なる図を示す。
図48は、ダイヤフラム320の第1の側部の斜視図である。
図49は、ダイヤフラム320の一部の断面図である。ダイヤフラム320は、全体的に円形である一体型中央本体322を有してもよい。ダイヤフラム320は、本体322の周囲周りを延びる外側リムまたはグランド324を含んでもよい。グランド324は、本体322から相反する方向に延びてもよく、ダイヤフラム320の本体322より増大した厚さを含んでもよい。グランド324はまた、たとえば、グランド324の全面(たとえばダイヤフラム320の径方向から垂直に延びる表面)に沿って、円形面を含んでもよい。追加的に、ダイヤフラム320は、本体322上に配置されたおよび/または結合された、たとえば、ダイヤフラム320上の径方向に中心揃えされた位置にある隆起部分326を含んでもよい。隆起部分326は、円中心を有してもよく、(たとえば本体322から外方に延びる)厚さを含んでもよい。隆起部分326の厚さは、約1mm、約2mm、約0.5mmから約10mm、約1mmから約9mm、約3mmから約8mm、約4mmから約6mm、または約5mmであってもよい。いくつかの実施形態では、隆起部分326の厚さは、製造可能性を支援するために少なくとも1mmであってもよい。図示されるように、隆起部分326は、中心部分から径方向に外向きに突起する複数の指部を含んでもよい。
【0105】
ダイヤフラム320は、一体型、単一、もしくは複合材料、または任意の他の適切な材料で形成されてもよい。隆起部分326を有するダイヤフラム320は、たとえば、より大きい力および/または圧力を受け入れることができてもよく、それにより、ダイヤフラム320は、より均一に偏向し、および/または形状を変更し、より高い圧力における弁座からの持ち上げ時を助け得る。たとえば、ダイヤフラム320は、約30デュロメータから80デュロメータの範囲、たとえば40デュロメータなどの硬度を有する材料複合物を有してもよい。
図50は、組み立てられた部分310と330との間のダイヤフラム320を示す。初期構成では、ダイヤフラム320は、伸張されたおよび/または引っ張られた状態に配置されてもよく、このときグランド324は、高圧本体部分330の上側歯部と接触しており、低圧本体部分310の底面から距離を離してずらされている。この実施形態では、グランド324の(本体322に対して両方向の)サイズおよび/または形状は、指定された差圧においてダイヤフラム320が偏向し、持ち上げられることを可能にし得る。
図51A~51Bは、通気システム172、特に、通気システム172が第1の位置(
図51A)および第2の位置(
図51B)にあるときに弁アセンブリ300を通って進行する流路10と流体連通する弁アセンブリ300を示す。
【0106】
次に
図52を参照すれば、自動注射器の別の実施態様が示される。自動注射器400は、本明細書において明示的に留意された相違を除き、上記で示され、説明された自動注射器100と同様に構成され、動作可能であり得る。したがって、同じ参照番号が、同じ構成要素を特定するために使用される。この実施形態では、自動注射器400は、上部カバー402と、底部カバー404と、上部カバー402の側壁に沿って形成された窓406とを有するハウジングを含んでもよい。窓406は、透明または部分的に透明な材料を含んでもよく、ピストン378、容器370、およびその中に貯蔵された流体などの自動注射器400の1つまたは複数の内部構成要素の目視検査を可能にするための開口部を提供してもよい。他の実施形態では、窓406は、自動注射器400のさまざまな他の壁および/または表面に沿って配置されてもよく、そこから容器370が見えてもよい。たとえば、窓406は、底部カバー404の底面、上部カバー402の上面に沿って、および/またはハウジングの複数の表面に沿って配置されてもよい。自動注射器400は、プラグ・アセンブリ390をさらに含んでもよく、このプラグ・アセンブリは、容器370内に配設され、ピストン378に対して配置され、これは、本明細書においてさらに詳細に説明される。
【0107】
図53~54に見られるように、自動注射器400は、第1のフランジ408と第2のフランジ410との間に配設された弾性部材412(たとえば、ばね)を含んでもよい。第1のフランジ408は、上部カバー402の内部表面から外向き(たとえば下向き)に延びてもよく、第2のフランジ410は、シャトル・アクチュエータ260の第1の端部262の上面から外向き(たとえば上向き)に延びてもよい。第1のフランジ408は、シャトル・アクチュエータ260の第1の端部262と重なる場所において上部カバー402に対して配置されてもよい。第2のフランジ410は、シャトル・アクチュエータ260の移動に応答して、第1のフランジ408に対して移動するように構成されてもよい。この場合、シャトル・アクチュエータ260は、第2のフランジ410を第1のフランジ408に向けて移動させ、それによって弾性部材412を圧縮することによって、弾性部材412をエネルギー解放状態(拡張された構成)からエネルギー貯蔵状態(圧縮された構成)に移行させるように構成されてもよい。
【0108】
例示的な使用において、上記で示され、さらに詳細に説明されたように、弾性部材412は、針機構200の作動に応答してシャトル・アクチュエータ260が移動するときに圧縮されてもよい。したがって、シャトル・アクチュエータ260は、流体導管280が流体物質を患者に送達するために自動注射器400のハウジングから外向きに延びるとき、弾性部材412を圧縮してもよい。通気システム172に関して上記に示され、詳細に説明されたように、自動注射器400が加圧流体を解放する(すなわち通気する)ことに応答して、第1のフランジ408と第2のフランジ410との間に圧縮されたときに弾性部材412によって貯蔵された力は解放されて、弾性部材412を拡張された構成に戻し、シャトル・アクチュエータ260をその元の位置に移動させてもよい。この場合、流体導管280の針286は、それと同時に、自動注射器400のハウジング内に後退されてもよい。
【0109】
弾性部材412が、上記で示され、説明された弾性部材249Aと連動して自動注射器400内に組み込まれてもよいことを理解されたい。この場合、針286を展開し、後退させるのに十分な力を生成するための弾性部材249Aの構造的要件が、低減され得る。異なって言えば、弾性部材249Aは、針286の必要な延長(作動)力を生成するように構成されてもよく、その一方で弾性部材412は、別個の後退力を生成するように構成されてもよい。したがって、自動注射器400は、それぞれの力の各々を生成するために必要とされる構成要素を分離し、それによって各弾性部材の個々の要件を低減し得る。この実施形態では、それぞれの弾性部材の各々は、自動注射器400を動作させるための2つのエネルギー状態の1つを生成するためにのみ必要とされてもよい。他の実施形態では、弾性部材249Aは、完全に省略されてもよく、それにより、弾性部材412は、針286の挿入力と後退力の両方を生成するように構成されてもよい。
【0110】
次に
図55を参照すれば、プラグ・アセンブリ390が、本開示の一例によって示される。プラグ・アセンブリ390は、対向する端部394間に画定された長手方向長さを有する本体392を有してもよい。この例では、本体392は、容器370内に受け入れられるようにサイズ設定および成形された断面プロファイルを有してもよい。本体392は、本開示の範囲から逸脱することなくさまざまな適切な形状および/またはサイズを有してもよい。1つの実施形態では、本体392は、全体的に円筒状であってもよい。
【0111】
図56に最適に見られるように、プラグ・アセンブリ390は、容器370内に配設されてもよく、このとき端部394の1つは、ピストン378に当接しており、反対側の端部394は、高圧(第1の)入口160の弁ボス169に当接している。プラグ・アセンブリ390は、容器370内の空洞の少なくとも一部を占有するように構成されてもよい。本体392の長手方向長さおよび/または直径は、容器370の残りのボリュームが患者への送達のための流体物質によって充填され得るようにプラグ・アセンブリ390によって占有される容器370内のボリュームに対応してもよい。たとえば、本体392は、1ミリメートルの流体物質、2ミリメートル流体物質などに対応する長手方向長さおよび/または直径を有してもよい。
【0112】
この実施形態では、プラグ・アセンブリ390は、容器370の直径に従ってサイズ設定されてもよく、それにより、本体392は、容器370の内部表面と面一に配置され、それによって流体がプラグ・アセンブリ390の周りを進行することを阻害し得る。他の実施形態では、本体392は、加圧流体(たとえばガス)がプラグ・アセンブリ390の周りを進行することを可能にするために容器370の直径未満でサイズ設定されてもよい。さらなる実施形態では、プラグ・アセンブリ390は、対向する端部394の各々において開口部を有して、本体392の長手方向長さを通って延びる内部チャネル(図示されず)を有してもよい。本体392を通って延びる内部チャネルは、プラグ・アセンブリ390を通る加圧流体を送ることを可能にするように構成されてもよい。代替の実施形態では、プラグ・アセンブリのいくつかの部分は、多孔性であってもよく、これらの多孔性部分は、プラグ・アセンブリ390の長手方向長さに沿って延びてもよい。
【0113】
別の例では、プラグ・アセンブリ390は、ピストン378および/または弁ボス169の1つまたは複数と一体的であってもよい。プラグ・アセンブリ390が、容器370のより大きい部分を占有することによって、より低いボリュームの流体用量を患者に送達するための自動注射器400の使用を可能にするように動作可能であり得ることを理解されたい。プラグ・アセンブリ390は、容器370の空洞が、容器370の全容量未満である流体物質のボリュームによって充填されたとき、ピストン378と弁ボス169との間の容器370の空き部分を占有することによって、ボタン250の作動に対する、流体を容器370から送達するための遅延時間を最小化するように構成されてもよい。
【0114】
次に
図57A~57Cを参照すれば、自動注射器400は、底部カバー404に沿って開口部416を含んでもよい。上記で説明されたように、開口部416は、流体物質を患者に送達するとき、流体導管280の少なくとも一部が自動注射器400のハウジングから外向きに延びることを可能にするように構成されてもよい。初期構成では、
図57Aに見られるように、流体導管280は、針286が物質送達前に開口部416を通って延びないように、自動注射器400のハウジング内に完全に配設されてもよい。次に
図57Bを参照すれば、(上記で詳細に説明されたような)ボタン250(
図3を参照)による針機構200の作動に応答して、針286は、患者への流体物質の送達を可能にするために、開口部416を介して底部カバー404から外向き(たとえば下向き)に延びてもよい。
【0115】
図57Cに見られるように、自動注射器400は、自動注射器400のハウジング内に配設された内部弾性部材(たとえば、ばね)に結合された針シュラウド機構(needle shroud mechanism)418を含んでもよい。針シュラウド機構418は、1つまたは複数のトリガ事象に応答して、開口部416を介してハウジングから外向きに延びるようにばね留めされ、構成されてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のトリガ事象は、たとえば、自動注射器400との手の相互作用に応答するなどの、針シュラウド機構418による機械的応答であってもよい。トリガ事象の一例では、針シュラウド機構418は、流体物質の送達進行中、自動注射器400を患者との接触から手動で取り外したことに応答して、針286を覆うために開口部416を通って展開されてもよい。この場合、内部弾性部材は、自動注射器400の早期の取り外し時に開口部416から外向きに針シュラウド機構418を延ばし、それによって針286を密封して患者との不注意な接触の可能性を低減し得る。針シュラウド機構418は、トリガ事象が達成されていないときの流体物質の送達(および針286のハウジング内への後退)後、自動注射器400のハウジング内に配設されたままであり得ることを理解されたい。
【0116】
トリガ事象の別の例では、針シュラウド機構418は、自動注射器400からの流体物質の送達を完了したことに応答して、開口部416の外に自動的に延びるように構成されてもよい。この場合、針286は、患者への流体物質の送達時にハウジングの外にあるままであるように構成されてもよく、それにより、針シュラウド機構418は、一旦自動注射器400が流体送達を完了し、患者の体から取り外されると、針286を覆うように展開され得る。いずれの例でも、針シュラウド機構418は、一旦展開されると、ハウジング内への針シュラウド機構418の後退を防止するために、延長状態にあるときにロックアウトするように構成されてもよいことを理解されたい。
【0117】
1つの実施形態では、針シュラウド機構418は、一旦自動注射器400のハウジングから展開されると、針シュラウド機構418を延長構成でロック(固定)するためにキャリアとインターフェースするように構成された1つまたは複数のスナップタブを含んでもよい。針シュラウド機構418がハウジングから外向きに展開されたことに応答して、1つまたは複数のタブは、針シュラウド機構418が移動してキャリア内に戻ることを阻害し、それによって針シュラウド機構418を針286上に維持してもよい。
【0118】
他の実施形態では、針シュラウド機構418は、初期の延長構成に維持されてもよい。たとえば、針シュラウド機構418は、使用前、自動注射器400から外に延び、ブリスター・パック内に配設されてもよい。別の例では、針シュラウド機構418は、ユーザが自動注射器400をブリスター・パックから取り外すときに自動注射器400の外に延びるようにばね留めされ、構成されてもよい。いずれの場合も、針シュラウド機構418は、自動注射器400の使用前、延長構成にあるように構成されてもよい。さらに、針286は、自動注射器400に対して、延長状態および/または密封状態に配置されてもよい。自動注射器400は、針286が延長状態に維持されるとき、使用前にユーザに針の場所を特定させることを可能にしてもよい。
【0119】
針シュラウド機構418が延長構成に維持されているとき、自動注射器400は、ユーザがハウジングを注射部位(たとえば本体)に押し付けて配置することに応答して、針シュラウド機構418が自動注射器400のハウジング内に圧縮されるように構成されてもよい。針シュラウド機構418は、ボタン250の移動を阻害するロックを解放することができるロッキング機構(図示されず)と相互作用にするように構成され、それによってボタン250は、自動注射器400からの流体の送達を開始するために作動するように動作可能になり得る。
【0120】
次に
図58A~58Cを参照すれば、自動注射器400のインジケータ・スライド270Bが示される。この例では、自動注射器400は、インジケータ・スライド270Bなどの自動注射器400の1つまたは複数の内部構成要素の視覚化を提供するための窓414を上部カバー402に沿って含んでもよい。インジケータ・スライド270Bは、上記で示され、説明されたインジケータ・スライド270と実質的に同様であってもよい。たとえば、インジケータ・スライド270Bは、脚部の対272Bと本体274Bとを含んでもよく、このとき脚部の対272Bは、本体274Bをシャトル・アクチュエータ260に結合するように構成されている。この例では、脚部の対272Bは、上記で詳細に説明された脚部272と同様に構成され、動作可能である。たとえば、脚部の対272Bは、シャトル・アクチュエータ260の突出部261Bを受け入れるようにサイズ設定および成形された空洞によって、互いに分離されてもよい。
【0121】
この例では、インジケータ・スライド270Bは、脚部の対272B間に配置された1つまたは複数のレリーフ・カット(relief cut)271Bを含んでもよい。レリーフ・カット271Bは、脚部の対272Bの各々の有効長手方向長さを増大させるように動作可能であり、それによって各脚部272Bの柔軟性を高め得る。換言すれば、脚部の対272Bに隣接して本体274B内にレリーフ・カット271Bを設けることにより、突起部261Bの受け入れ時、脚部272Bのより大きい横方向空間が撓むことが可能になり得る。脚部272Bの柔軟性を増大させることにより、インジケータ・スライド270Bは、シャトル・アクチュエータ260をインジケータ・スライド270Bに結合するために突出部261Bが脚部272Bの対間で移動されるときに、それらの対を偏向させるのに必要とされる力を低減するように構成されてもよい。シャトル・アクチュエータ260をインジケータ・スライド270Bに結合するために必要な力を低減することにより、比較的粘性の低い流体物質を自動注射器400から送達することが可能になり得る。
【0122】
具体的に
図58Aを参照すれば、インジケータ・スライド270Bは、本体274Bの上面上にグラフィカル・インジケータ275B(たとえば、色、テキスト、マーキングなど)を含んでもよい。グラフィカル・インジケータ275Bは、自動注射器400の現在の状態を示してもよく、窓414を通してユーザに見えてもよい。インジケータ・スライド270Bは、自動注射器400の使用中、2つの状態の表示を提供するように構成されてもよい。たとえば、インジケータ・スライド270Bがシャトル・アクチュエータ260に対して初期位置にある状態(たとえば、脚部272Bによる突出部261Bの係合前)において、グラフィカル・インジケータ275Bは、インジケータ・スライド270Bが、ユーザに自動注射器400の第1の(新しい)状態を特定させ得るように、窓414と位置ずれしてもよい。
【0123】
図58Bに見られるように、シャトル・アクチュエータ260をインジケータ・スライド270Bに対して移動させて針286を自動注射器400のハウジングから展開したとき、窓414に対するグラフィカル・インジケータ275Bの位置は変らないままであってもよく、それにより、インジケータ・スライド270Bは、ユーザに自動注射器400の第1の(新しい)状態を特定させ続け得る。異なって言えば、脚部の対272Bが突出部261Bを受け入れるときにインジケータ・スライド270Bが固定されたままである状態において、本体274Bの相対位置は、グラフィカル・インジケータ275Bが窓414から位置ずれし続けるように同じであってもよい。
【0124】
インジケータ・スライド270Bが脚部の対272Bと突出部261Bとの間の係合によってシャトル・アクチュエータ260に結合された状態で、シャトル・アクチュエータ260は、インジケータ・スライド270Bを移動させるように構成されてもよい。たとえば、シャトル・アクチュエータ260は、たとえば、シャトル・アクチュエータ260の対応する移動を引き起こす弾性部材412の拡張などに応答して、針286が自動注射器400のハウジング内に後退されたときにインジケータ・スライド270Bを移動させてもよい。
図58Cに見られるように、本体274Bは、上部カバー402に対して移動されて、窓414と位置合わせしたようになるようにグラフィカル・インジケータ275Bを移動させてもよい。この場合、インジケータ・スライド270Bは、窓414を通してユーザに自動注射器400の第2の(使用された)状態を特定させてもよい。
【0125】
他の実施形態では、自動注射器400は、上記で示され、説明されたインジケータ・スライド270(
図3を参照)を含んでもよい。インジケータ・スライド270は、窓278を含んでもよく、シャトル・アクチュエータ260は、上記でさらに詳細に説明されたような第2のプラットフォーム266B上に3つのインジケータを含んでもよい。この場合、第2のプラットフォーム266B上の第1および第2のインジケータは、同じであってもよく、自動注射器400の第1の(新しい)状態を示してもよい。第2のプラットフォーム266B上の第3のインジケータは、第1および第2のインジケータとは異なっていてもよく、第2の(使用された)状態を示してもよい。したがって、自動注射器400は、3つのグラフィカル・インジケータを含むインジケータ・スライド270によって、自動注射器400の使用中に2つの状態の表示を提供し続けてもよい。
【0126】
次に
図59を参照すれば、自動注射器400の弁アセンブリ300Aが示される。弁アセンブリ300Aは、上記で示され、説明された弁アセンブリ300と実質的に同様であってもよく、それにより、同じ参照番号が、同じ構成要素を特定するために使用される。たとえば、弁アセンブリ300Aは、低圧本体部分310と高圧本体部分330とを含んでもよい。弁アセンブリ300Aは、容器370を介して流体導管280に動作可能に結合されてもよい。この例では、弁アセンブリ300Aは、低圧本体部分310と高圧本体部分330との間に配置された調節器420およびダイヤフラム320を含んでもよい。調節器420は、中央本体422と、中央本体422周りに配設された外側リムまたはグランド424とを含んでもよい。調節器420は、中央本体422から外向き(たとえば下向き)に延びる脚部426をさらに含んでもよい。
【0127】
弁アセンブリ300A内に、調節器420は、ダイヤフラム320によって画定された高圧(第1の)空洞161および低圧(第2の)空洞163とは別個である第1の空洞331Aおよび第2の空洞333Aを画定する。弁アセンブリ300Aは、弾性部材430(たとえば、ばね)を含んでもよく、この弾性部材は、第1の空洞331A内に配設され、高圧本体部分330の内部(上)面と中央本体422との間に配置される。弾性部材430は、下向きの力を調節器420に対して第2の空洞333Aに向かってかけるように構成されてもよい。脚部426は、第2の空洞333A内に延びてもよく、中央本体422とは反対の脚部426の末端部においてフット(foot)428を含んでもよい。この例では、フット428は、脚部426より大きい断面プロファイルを有してもよい。たとえば、フット428は、第2の空洞333Aの下方に配置され、その中に通じる弁座336Aより比較的大きくサイズ設定された、拡大された(球根状)形状を有してもよい。本明細書に説明されるように、フット428は、高圧ライン152と第2の空洞333Aとの間の流体連通を選択的に阻害するために弁座336Aとインターフェースするように構成されてもよい。
【0128】
依然として
図59を参照すれば、第2の空洞333Aは、入口332Aを介して高圧ライン152と流体連通してもよく、出口334Aを介して低圧ライン154と流体連通してもよい。低圧ライン154は、高圧(第1の)入口160とさらに流体連通してもよい。調節器420は、流体物質を患者に送達するための加圧流体の使用からの自動注射器400内の高圧の堆積を最小化するように構成されてもよい。
【0129】
たとえば、自動注射器400の始動前状態において、流体源350から分注された推進剤(たとえば加圧ガス)は、高圧ライン152を通って流れてもよい。高圧ライン152からの一部の加圧ガスは、入口332Aに向かって、第2の空洞333A内へと分岐されてもよい。第2の空洞333Aに入ったとき、加圧ガスは、調節器420を第1の空洞331A内に移動させ、弾性部材430を圧縮してもよい。中央本体422が第1の空洞331A内に上向きに付勢されるとき、脚部426およびフット428は同時に、フット428が弁座336Aとインターフェースするまで上方向に移動され、それによって第1の空洞331Aおよび第2の空洞333Aをシールする。
【0130】
依然として
図59を参照すれば、弁座336Aがフット428によってシールされた状態で、調節器420を第1の空洞331A内に移動させた加圧ガスは、出口334Aにおいて第2の空洞333Aを退出し、それによって第2の空洞333A内の圧力を低減し得る。第1の空洞331Aと第2の空洞333Aとの間の圧力差は、弾性部材430によって(第1の空洞331A内のその圧縮から)貯蔵されたエネルギーが、弾性部材が拡張された構成に戻るときに調節器420を第2の空洞333Aに向かって移動させることを可能にし得る。弾性部材430は、中央本体422および脚部426を移動させ、それによってフット428を弁座336Aから結合解除してもよい。調節器420は、高圧ガスが第2の空洞333A内に(入口332Aを介して)受け入れられ、第2の空洞333Aから(出口334Aを介して)解放されるときに、第1の空洞331Aおよび第2の空洞333Aに対して移動(たとえば振動)し続け、それによって弾性部材430を圧縮させ、均等化状態が空洞間で達成されたときに拡張させてもよい。
【0131】
出口334Aにおいて第2の空洞333Aを退出した加圧ガスは、高圧(第1の)入口160まで進行するために低圧ライン154に導かれてもよい。この場合、高圧(第1の)入口160内に受け入れられた加圧ガスは、ダイヤフラム320を低圧空洞163内に、導管164に向かって移動させ、それによって弁座166をシールしてもよい。高圧空洞161内に受け入れられた加圧ガスは、上記で示され、詳細に説明された流れ制限器170と同様に構成され、動作可能であり得る流れ制限器172A(たとえばフリット(frit))に向かって導かれてもよい。流れ制限器172Aの材料は、これを通って高圧空洞161から流れる加圧ガス内に圧力降下を生じさせてもよく、この減圧されたガスは、次いで、第3のライン156に分岐され、ここでガスは、たとえば駆動システム150内に出て行ってもよい(
図2A~2Cを参照)。
【0132】
依然として
図59を参照すれば、低圧入口162を介して低圧空洞163内へと分岐された減圧されたガスは、高圧空洞161と低圧空洞163との間に圧力差を生じさせ得る。この圧力差は、ダイヤフラム320によって導管164をシールするのに必要とされる力を提供し得る。高圧空洞161および低圧空洞163にわたって圧力が均等であるとき、ダイヤフラム320は、弁座166から持ち上がり、導管164を開き、それによって低圧空洞163内のガスが第3のライン156まで進行することを可能にしてもよく、ここでガスは、駆動システム150内に出て行き得る(
図2A~2Cを参照)。
【0133】
次に
図60A~60Bを参照すれば、自動注射器400の弁アセンブリ500Aが示される。弁アセンブリ500Aは、本明細書に説明される弁アセンブリ300Aと実質的に同様であってもよい。たとえば、弁アセンブリ500Aは、低圧本体部分310と、高圧本体部分330とを含んでもよい。弁アセンブリ500Aは、容器370を介して流体導管280と動作可能に結合されてもよい。この例では、弁アセンブリ500Aは、低圧本体部分310と高圧本体部分330との間に配置された調節器520を含んでもよい。調節器520は、フランジ520Bから延びるロッド520Aを含むピストンであってもよい。フランジ520Bは、高圧本体部分330内にのみ配設されてもよく、それに対してロッド520Aは、高圧本体部分330と低圧本体部分310の両方を通って延びてもよい。
【0134】
弁アセンブリ500A内では、調節器520は、高圧本体部分330内に実質的にまたは全体的に配置された空洞533を通って延びてもよい。チャネル533Aが、低圧本体部分310内に実質的または全体的に配設されてもよく、フランジ520Bから最も遠くのロッド520Aの端部を受け入れてもよい。弁アセンブリ500Aは、弾性部材530(たとえば、ばね)を含んでもよく、この弾性部材は、第1の空洞533内に配設され、高圧本体部分330の(内向きに面する)内部表面と低圧本体部分310の(内向きに面する)上面との間に配置される。
図60Aに示されるように、弾性部材530は、静止時に拡張された状態にあるように構成されてもよい。調節器520は、フランジ520Bの円周方向外部に結合され、その周りに配設された第1のガスケット522Aと、ロッド520Aの円周方向外部に結合され、その周りに配設された第2のガスケット522Bと、フランジ520Bとは反対のロッド520Aの軸方向端面に結合された第3のガスケット522Cとをさらに含んでもよい。
【0135】
この例では、第1のガスケット522Aは、高圧本体部分330内に配置されてもよく、第3のガスケット522Cは、低圧本体部分310内に配置されてもよい。この例では、第2のガスケット522Bは、低圧本体部分310内に配置され得るように、ロッド520Aの軸方向端面に隣接するロッド520Aの部分に結合されてもよい。したがって、第1のガスケット522Aは、第1の空洞533の内部表面とインターフェースするように構成されてもよく、それに対して第2のガスケット522Bおよび第3のガスケット522Cは、チャネル533Aの内部表面とインターフェースするように構成されてもよい。調節器520は、ロッド520Aの軸方向端面にある開口部520Dと、フランジ520Bの反対側の端部にある開口部520Eとを有する、ロッド520Aおよびフランジ520Bを通って延びる導管520Cを含んでもよい。第3のガスケット522Cは、ロッド520Aの軸方端面において開口部520D周りを延びてもよい。
【0136】
依然として
図60Aを参照すれば、チャネル533Aは、入口532Aを介して高圧ライン152と流体連通してもよく、空洞533は、第1の出口534Aを介して大気圧と、そして第2の出口536Aを介して低圧ライン154と流体連通してもよい。チャネル533Aは、空洞533を介して低圧ライン153と連通してもよい。調節器520は、流体物質を患者に送達するための加圧流体の使用からの自動注射器400内の高圧の堆積を最小化するように構成されてもよい。
【0137】
たとえば、
図60Aに示されるような自動注射器400の始動前状態において、流体源350から分注された推進剤(たとえば加圧ガス)は、高圧ライン152を通って流れてもよい。高圧ライン152からの一部の加圧ガスは、入口532Aに向かって、第2のチャネル533A内へと分岐されてもよい。チャネル533Aに入ったとき、加圧ガスは、開口部520Dまたは導管520Cに入り、最終的には導管520Cの反対側端部において開口部520Eを出てもよい。ガスは、第1の方向(低圧本体部分310から高圧本体部分330)に導管520Cを通って進行してもよい。第2のガスケット522Bは、チャネル533Aの内部表面に対してシールを形成し、(入口532Aから受け入れられた)加圧ガスがロッド520Aの外部の周りを進行し、チャネル533Aから空洞533に向かって移動することを阻害するように構成されてもよい。
【0138】
次に
図60Bを参照すれば、加圧ガスは、導管520Cを通って進行し、開口部520Eを出た後、空洞533内に受け入れられ、フランジ520B(および全体的に調節器520)上に反対方向に(たとえば、高圧本体部分330から低圧本体部分310に向かって)作用してもよい。第1のガスケット522Aは、空洞533の内部表面に対してシールを形成し、(導管520Cから受け入れられた)加圧ガスがフランジ520Bの外部周りを進行し、空洞533から第1の出口534Aおよび/またはチャネル533Aに向かって移動することを阻害するように構成されてもよい。(第1のガスケット522Aの上方の)空洞533内に堆積し、第2の反対方向に作用する高圧ガスは、弾性部材530を圧縮してもよい。第1のガスケット522Aと第2のガスケット522Bとの間の空洞533内に配設されたいずれの空気および/またはガスも、弾性部材530が圧縮されるときに第1の出口534Aを介して高圧本体部分330を退出してもよい。
【0139】
図60Bに示されるように、調節器520が下降位置に移動された状態で、第3のガスケット522Cは、チャネル533Aの内部表面に対してシールを形成するように構成され、それによって(入口532Aから受け入れられた)さらなる加圧ガスが開口部520Dを通して導管520C内に受け入れられることを阻害し得る。弾性部材530が圧縮された状態で、圧縮を引き起こした加圧ガスは、第2の出口536Aにおいて空洞533を退出し、それによって空洞533内の圧力を低減し得る。フランジ520B(そして特に第1のガスケット522A)の両側の空洞533内の圧力差は、弾性部材530によって(空洞533内のその圧縮から)貯蔵されたエネルギーが、拡張された構成に弾性部材530が戻るときに調節器520を移動させてその初期構成(
図60Aを参照)に戻すことを可能にし得る。調節器520は、高圧ガスが空洞533内に(導管520Cを介して)受け入れられ、(第2の出口536Aを介して)空洞533から解放されるときに空洞533内で移動(たとえば振動)し続け、それによって弾性部材530を圧縮させ、均等化状態が達成されたときに拡張させてもよい。
【0140】
第2の出口536Aにおいて空洞533を退出した加圧ガスは、低圧ライン154に導かれてもよく、
図2A~2Cに関して説明されるのと実質的に同じやり方でシステムを通り抜けてもよい。
【0141】
次に
図61A~61Bを参照すれば、自動注射器400の代替の弁アセンブリ600Aが示される。弁アセンブリ600Aは、本明細書に説明される弁アセンブリ300Aと実質的に同様であってもよい。たとえば、弁アセンブリ600Aは、低圧本体部分310と、高圧本体部分330とを含んでもよい。弁アセンブリ600Aは、容器370を介して流体導管280に動作可能に結合されてもよい。この例では、弁アセンブリ600Aは、高圧本体部分330内に配置された調節器620を含んでもよい。調節器620は、本体620Aと、本体620Aから延びるロッド620Bとを含むピストンであってもよい。本体620Aおよびロッド620Bは、高圧本体部分330内に配設されてもよく、高圧本体部分に対して移動可能であり得る。
【0142】
調節器620は、本体620Aの上側部分周りに配設された第1のガスケット622Aと、本体620Aの中間部分周りに配設された第2のガスケット622Bとを含んでもよい。本体620Aの上側部分は、本体620Aの中間部分より、ロッド620Bに隣接して配置されてもよい。調節器620は、本体620Aの底部分から外向き(下向き)に延びる底部フランジ624をさらに含んでもよい。
【0143】
図61Aに見られるように、底部フランジ624は、調節器620が初期のデフォルト構成にあるとき、低圧本体部分310の(内向きに面する)上面に当接するように構成されてもよい。本明細書に詳細に説明されるように、底部フランジ624は、調節器620がデフォルト位置にあるときに低圧本体部分310のチャネル(第2のチャネル633B)の開口部を取り囲み、および/またはブロックするように構成され、それによって高圧本体部分330および低圧本体部分310との間の流体連通を阻害し得る。
【0144】
弁アセンブリ600A内で、調節器620は、高圧本体部分330内に全体的に配置された第1のチャネル633Aを通って延びてもよい。第1のガスケット622Aおよび第2のガスケット622Bは、各それぞれのガスケットが第1の直径を有する第1のチャネル633Aの上側部分と位置合わせされたとき、第1のチャネル633Aの内部表面とインターフェースするように構成されてもよい。高圧本体部分330は、低圧本体部分310に隣接する第1のチャネル633Aの下側部分に沿って延びる凹状壁602を含んでもよい。凹状壁602は、第1のチャネル633Aの側壁に沿って切欠部を画定してもよく、それにより、第1のチャネル633Aは、第1のチャネル633Aの上側部分の第1の直径より大きい、下側部分に沿った第2の直径を有してもよい。
【0145】
デフォルト位置では、本体620Aは、低圧本体部分310に隣接して配置されてもよく、このとき、第1のガスケット622Aは入口632Aの比較的上方に配置され、第2のガスケット622Bは、凹状壁602と位置合わせして配置されている。第1のガスケット622Aは、第1のガスケット622Aが(第1の(より小さい)直径を有する)第1のチャネル633Aの上側部分と位置合わせして配置されることにより、本体620Aがデフォルト位置にあるときに第1のチャネル633Aの内部表面と係合され得る。第2のガスケット622Bは、第2のガスケット622Bが凹状壁602に沿って(第2の(より大きい)直径を有する)第1のチャネル633Aの下側部分と位置合わせして配置されることにより、本体620Aがデフォルト位置にあるときに第1のチャネル633Aの内部表面から係合解除され、離間され得る。
【0146】
第2のチャネル633Bが、低圧本体部分310内に完全に配設されてもよく、調節器620が隆起位置にあるとき(
図61B)に第1のチャネル633Aと流体連通してもよい。弁アセンブリ600Aは、第1のチャネル633A内に配設された弾性部材630(たとえば、ばね)を含んでもよい。弾性部材630は、ロッド620B周りに配設され、高圧本体部分330の(内向きに面する)内部表面と、低圧本体部分310の(内向きに面する)上面との間に配置されてもよい。弾性部材630は、
図61Aに示されるように、静止時に拡張された状態にあるように構成されてもよい。拡張された状態において、本体620Aは、デフォルト位置にあってもよく、このとき第2のガスケット622Bは、凹状チャネル602と位置合わせされ、底部フランジ624は、低圧本体部分310の(内向きに面する)上部面に対して係合されている。低圧本体部分310と係合されたとき、底部フランジ624は、第2のチャネル633B周りを延び、第2のチャネルを第1のチャネル633Aからシールするように構成されてもよい。
【0147】
依然として
図61Aを参照すれば、第1のチャネル633Aは、入口632Aを介して高圧ライン152と流体連通してもよく、第2のチャネル633Bは、調節器620を介した高圧ライン152との流体連通から阻害されてもよい。第2のチャネル633Bは、出口634Aを介して低圧ライン154と流体連通してもよい。調節器620は、流体物質を患者に送達するための加圧流体の使用からの自動注射器400内の高圧の堆積を最小化するように構成されてもよい。
【0148】
たとえば、自動注射器400の始動前状態では、流体源350から分注された推進剤(たとえば加圧ガス)は、高圧ライン152を通って流れてもよい。高圧ライン152からの一部の加圧ガスは、入口632Aに向かって、第1のチャネル633A内へと分岐されてもよい。第1のチャネル633Aに入ったとき、加圧ガスは、第1のガスケット622Aと第2のガスケット622Bとの間の本体620Aの外部周りを流れてもよい。調節器620がデフォルト位置にあり、弾性部材630が拡張された状態にあるとき、第2のガスケット622Bは、凹状チャネル602と位置合わせして配置されてもよい。したがって、加圧ガスは、第2のガスケット622Bを超え、凹状壁602を介して第2のチャネル633Bに向かって流れてもよい。
【0149】
加圧ガスは、第1(下向き)の方向に(たとえば高圧本体部分330から低圧本体部分310に向かって)進行してもよい。底部フランジ624が第2のチャネル633Bをシールしている状態で、加圧ガスは、第1のチャネル633Aの下側部分内および本体620Aの下に堆積してもよい。この場合、加圧ガスは、第2(上向き)の方向に(たとえば、低圧本体部分310から高圧本体部分330に向かって)本体620A(および全体的に調節器620)上に作用してもよい。第2の反対方向に作用する高圧は、調節器620を移動させ、それによって弾性部材630を圧縮してもよい。弾性部材630が圧縮され、調節器620が第1のチャネル633A内で上向きに移動するとき、ロッド620Bの少なくとも一部は、開口部604を通って高圧本体部分330から外向きに延びてもよい。
【0150】
第1のチャネル633A内に受け入れられた加圧ガスは、第1のガスケット622Aによって第1のチャネル633Aの内部表面に対して形成された連続的なシールにより、開口部604を退出することが阻害される。第1のガスケット622Aの上方に配置された第1のチャネル633Aの部分が、開口部604に与えられた大気圧に維持され得ることを理解されたい。加圧ガスは、底部フランジ624を低圧本体部分310の(内向きに面する)上面から係合解除させてもよい。この場合、第2のチャネル633Bは、
図61Bに見られるように、高圧本体部分330に対する底部フランジ624の上向きの移動時、第1のチャネル633Aとの流体連通を確立してもよい。さらに、第2のガスケット622Bは、上向きに移動し、第1のチャネル633Aの上側部分の内部表面とインターフェースしてもよい。したがって、第2のガスケット622Bは、第1のチャネル633A内にシールを形成することによって、入口632Aと低圧本体部分310との間の流体連通を阻害するように構成されてもよい。
【0151】
調節器620がデフォルト位置(
図61A)から隆起位置(
図61B)に移動された状態で、出口634Aは、第2のガスケット622Bの下方の第1のチャネル633A内に貯蔵され、堆積された高圧ガスと流体連通してもよい。弾性部材630が圧縮されている状態で、圧縮を引き起こした加圧ガスは、第2のチャネル633Bを介して出口634Aにおいて第1のチャネル633Aを退出し、それによって第1のチャネル633A内の圧力を低減し得る。本体620Aの両側の第1のチャネル633A内の圧力差は、弾性部材630によって(第1のチャネル633A内のその圧縮から)貯蔵されたエネルギーが、弾性部材630が拡張された構成に戻るときに調節器620を移動させてデフォルト位置(
図61A)に向かって戻すことを可能にし得る。調節器620は、高圧ガスが(入口632Aを介して)高圧本体部分330内に受け入れられ、(出口634Aを介して)低圧本体部分310から解放されるときに、第1のチャネル633A内で移動(たとえば振動)し続け、それによって、弾性部材630を圧縮させ、均等化状態が達成されたときに拡張させてもよい。
【0152】
第2のチャネル633Bを介して出口634Aにおいて第1のチャネル633Aを退出した加圧ガスは、低圧ライン154に導かれてもよく、
図2A~2Cに関して説明されるのと実質的に同じやり方でシステムを通り抜けてもよい。
【0153】
次に
図62を参照すれば、自動注射器400のボリューム・アキュムレータ・アセンブリ(volume accumulator assembly)700が示される。いくつかの実施形態では、ボリューム・アキュムレータ・アセンブリ700は、上記で示され、説明された弁アセンブリ300A、500A、600Aの1つまたは複数に加えて、および/またはこれらの代わりに自動注射器400内に含められてもよい。ボリューム・アキュムレータ・アセンブリ700は、高圧本体部分330と低圧本体部分310とを含んでもよく、このとき入口732Aは、高圧本体部分330と流体連通しており、出口734Aは、低圧本体部分310と流体連通している。
【0154】
ボリューム・アキュムレータ・アセンブリ700は、高圧本体部分330内に実質的にまたは完全に配設された第1のチャネル733Aおよび空洞733Bと、低圧本体部分310内に実質的にまたは完全に配設された第2のチャネル733Cとをさらに含んでもよい。第1のチャネル733Aは、入口732Aと流体連通してもよく、第2のチャネル733Cは、出口734Aと流体連通してもよい。空洞733Bは、第1のチャネル733Aと第2のチャネル733Cとの間に配置されてもよく、第1のチャネル733Aおよび第2のチャネル733Cの各々より大きい断面プロファイル(たとえば直径)を有してもよい。第1のチャネル733Aおよび第2のチャネル733Cは、互いに対して実質的に同様のおよび/または異なる断面プロファイルを有してもよい。
【0155】
ボリューム・アキュムレータ・アセンブリ700は、能動的な調節器を使用することなく、流体物質を患者に送達するための加圧流体の使用からの自動注射器400内の高圧の堆積(accumulation)を受動的に最小化するように構成されてもよい。換言すれば、ボリューム・アキュムレータ・アセンブリ700は、自動注射器400内の圧力を調節するように構成されてもよい。たとえば、自動注射器400の始動前状態において、流体源350から分注された推進剤(たとえば加圧ガス)は、高圧ライン152を通って流れてもよい。高圧ライン152からの一部の加圧ガスは、入口732Aに向かって、第1のチャネル733A内へと分岐されてもよい。高圧ガスは、第1のチャネル733Aの比較的狭い導管に入ったとき、第1のチャネル733Aより大きいボリュームを有し得る空洞733Bに向けて導かれてもよい。この場合、ガスは、空洞733Bに入り、拡張された空間を通って移動するときに比較的低い圧力に移行されてもよい。
【0156】
空洞733Bのボリュームが、ボリューム・アキュムレータ・アセンブリ700によってガスの圧力を低下させる速度および/または程度に影響を与え得ることを理解されたい。たとえば、そして例証的な目的のみのために、高圧ライン152からの加圧ガスは、約1100psiの圧力で入口732Aにおいて受け入れられ得るアルゴン(AR)を含んでもよい。空洞733Bが約3ミリリットルのボリュームを画定している状態で、ボリューム・アキュムレータ・アセンブリ700は、空洞733B内でガスの圧力を約350psiに低減するように構成されてもよい。この低圧ガスは、空洞733Bの第2の端部に向かって、第1のチャネル733Aに隣接する第1の端部の反対側に移動するとき、第2のチャネル733Cの比較的狭い導管内に、低圧ライン154に向かって導かれてもよい。
【0157】
いくつかの実施形態では、出口734Aを通って受け入れられた低圧ガスは、ガスが自動注射器400を通って進行するときにさらに低減されてもよい。たとえば、自動注射器400による注射処置の終了時、ガスの圧力は、約200psiまで低下していてもよい。
【0158】
上記で列挙された特徴は、特定の実施形態の文脈内で説明されてきた。しかし当業者に理解されるように、各実施形態の特徴および態様は、薬物の制御された調製および/または送達を支援するのに適した任意のやり方で、組み合わされ、他の実施形態に付加され、実施形態から差し引かれ、などがなされてもよい。
【0159】
いくつかの実施形態が本明細書に提示されてきたが、そのような実施形態に関する複数のバリエーション、および1つまたは複数の実施形態からの要素の組み合わせが可能であり、本開示の範囲内にあるように企図される。さらに、本開示が基づく概念が、本開示のいくつかの目的を実施するために他のデバイス、方法、およびシステムを設計するための基礎として容易に使用され得ることを、当業者は理解するであろう。
【0160】
本開示の実施形態は、以下の特徴を含んでもよい。
項目1。自動注射器であって、
薬剤を備えることができる容器と、
容器に結合され、第1の状態および第2の状態を有する水平経路上にあるシャトルと、
容器を移動させ、且つシャトルを移動させるためにエネルギーを解放するように構成されたエネルギー源であって、好ましくは缶(can)からの加圧流体である、エネルギー源と、
自動注射器の始動前のシャトルの水平移動を防止する障害物と、
針であって、
自動注射器の外に延びるように構成された第1の端部と、
容器内に延びるように構成された第2の端部であって、針の第2の端部および容器は、自動注射器の始動前は互いに流体連通していない、第2の端部とを有し、
エネルギーは、
a.自動注射器が始動された後、および
b.シャトルがその経路に沿って移動した後にエネルギー源から解放され、それによって
i.容器および針の第2の端部は、互いに流体連通させられ、
ii.針の第1の端部は、自動注射器の外に延びる、針とを備える、自動注射器。
【0161】
項目2。自動注射器の始動が、アクチュエータのその第1の場所からその第2の場所への移動を可能にし、それによって、
アクチュエータは、好ましくは加圧流体とするエネルギーを解放するために、エネルギー源、好ましくは缶の一部と接触する、項目1の自動注射器。
【0162】
項目3。アクチュエータが、自動注射器が始動される前に障害物によってインターロックされる、項目2の自動注射器。
項目4。アクチュエータのその第1の場所からその第2の場所への移動が、水平であり、エネルギー源からのエネルギーの解放が、シャトルをその第1の状態からその第2の状態に水平に移動させる、項目3の自動注射器。
【0163】
項目5。自動注射器を鉛直に横切ることができ、針に結合され、第1の位置と第2の位置と第3の位置とを有するドライバと、
シャトルによって作動可能であるギヤであって、
シャトルのその第1の状態からその第2の状態に向かう水平移動が、ギヤを回転させ、ドライバをその第1の位置からその第2の位置に鉛直に移動させ、鉛直移動および水平移動が、互いに実質的に垂直である、ギヤとをさらに含む、項目4の自動注射器。
【0164】
項目6。容器、シャトル、エネルギー源、および針の少なくとも一部を密封するハウジングをさらに含み、針の第1の端部が、
ドライバが第1の位置にあるときにハウジング内に、
ドライバが第2の位置にあるときにハウジングの外側に、
ドライバが第3の位置にあるときにハウジング内に配置される、項目5の自動注射器。
【0165】
項目7。第1の場所にあるアクチュエータが、
第1のエネルギー貯蔵状態から第1のエネルギー解放状態に移動可能であり、アクチュエータをその第1の場所からその第2の場所に移動させることができる弾性部材を備える、項目5の自動注射器。
【0166】
項目8。エネルギー、好ましくはエネルギー源からの加圧流体の解放時、弾性部材が、シャトルおよびアクチュエータによって、その第1のエネルギー解放状態から第2のエネルギー貯蔵状態に向かって移動されて、針の第1の端部をハウジングの外側に鉛直に移動させる、項目7の自動注射器。
【0167】
項目9。エネルギーの閾値量が解放された後、弾性部材が、第2のエネルギー貯蔵状態から第2のエネルギー解放状態に向かって移動されて、針の第1の端部をハウジング内に鉛直に移動させる、項目8の自動注射器。
【0168】
項目10。エネルギーの閾値量が解放された後、弾性部材の第2のエネルギー貯蔵状態から第2のエネルギー解放状態に向かう移動によって、シャトルを付勢してその第2の状態からその第1の状態に水平方向に移動させて、ギヤを第1の回転方向の反対である第2の回転方向に回転させ、それによってドライバを第2の位置から第3の位置に鉛直に移動させる、項目9の自動注射器。
【0169】
項目11。第1のエネルギー貯蔵状態および第2のエネルギー貯蔵状態が、ハウジング内の同じ場所である、項目8の自動注射器。
項目12。第1のエネルギー貯蔵状態および第2のエネルギー貯蔵状態が、ハウジング内の異なる場所である、項目8の自動注射器。
【0170】
項目13。第1のエネルギー解放状態および第2のエネルギー解放状態が、ハウジング内の同じ場所である、項目9の自動注射器。
項目14。第1のエネルギー解放状態および第2のエネルギー解放状態が、ハウジング内の異なる場所である、項目9の自動注射器。
【0171】
項目15。弾性部材が、ばねである、項目7の自動注射器。
項目16。ばねが、自動注射器内に含まれる唯一のばねである、項目15の自動注射器。
【0172】
項目17。エネルギー貯蔵状態が、ばねの圧縮された位置であり、エネルギー解放状態が、ばねの拡張された位置である、項目15の自動注射器。
項目18。エネルギー貯蔵状態からエネルギー解放状態に移動可能な弾性部材をさらに含み、弾性部材は、エネルギー貯蔵状態からエネルギー解放状態に移動することによってアクチベータを第1の場所から第2の場所に移動させる、項目2の自動注射器。
【0173】
項目19。弾性部材が、エネルギー、好ましくは流体源からの加圧流体の解放時、シャトルおよびアクチベータによってエネルギー解放状態から別のエネルギー貯蔵状態に向かって移動される、項目18の自動注射器。
【0174】
項目20。加圧流体の閾値量が流体源から解放された後、弾性部材が、第2のエネルギー貯蔵状態からその第2のエネルギー解放状態に向かって移動されて、針の第1の端部を自動注射器の内部に移動させる、項目19の自動注射器。
【0175】
項目21。エネルギー源から解放されたエネルギーが、容器に対して作用し、容器を移動させて針と流体連通させる、項目1の自動注射器。
項目22。自動注射器が始動される前、第1の停止部が、シャトルが移動することを防止し、容器が移動して針と流体連通することを防止する、項目1の自動注射器。
【0176】
項目23。第1の停止部が、自動注射器が始動される前にシャトルの表面に接する、項目22の自動注射器。
項目24。自動注射器が、ユーザによって押し下げられるように構成されたボタンによって始動される、項目1の自動注射器。
【0177】
項目25。自動注射器であって、
薬剤を備えることができる容器と、
容器およびシャトルを自動注射器内で移動させるように構成されたエネルギー源であって、好ましくは加圧流体である、エネルギー源と、
自動注射器の外に延びるように構成された第1の端部と、容器内に延びるように構成された第2の端部とを有する針であって、自動注射器の始動前、針の第2の端部および容器は、互いに流体連通していない、針と、
エネルギー貯蔵状態とエネルギー解放状態との間で移動可能な弾性部材であって、1)エネルギー貯蔵状態からエネルギー解放状態への弾性部材の第1の移動によって、エネルギー源からの加圧流体の解放を引き起こし、その結果、2)弾性部材のそのエネルギー解放状態から第2のエネルギー貯蔵状態に向かう第2の移動を生じさせ、その後、3)弾性部材の第2のエネルギー解放状態への第3の移動が続いて、針の第1の端部を自動注射器の外側から自動注射器内に後退させる、弾性部材とを備える、自動注射器。
【0178】
項目26。弾性部材が、ばねである、項目25の自動注射器。
項目27。ばねが、自動注射器内に含まれる唯一のばねである、項目26の自動注射器。
【0179】
項目28。シャトルによって作動可能なギヤが、
同じ軸周りで回転する第1のギヤ部分および第2のギヤ部分を含み、第1のギヤ部分および第2のギヤ部分は、異なる直径を有する、項目5の自動注射器。
【0180】
項目29。第1のギヤ部分が、第2のギヤ部分より大きい直径を有する、項目28の自動注射器。
項目30。第2のギヤ部分が、第1のギヤ部分より大きい直径を有する、項目28の自動注射器。
【0181】
項目31。ドライバが、第1のギヤ部分と係合するように構成されたドライバ・ラック・ギヤ(driver rack gear)をさらに備える、項目28の自動注射器。
項目32。シャトルが、第2のギヤ部分と係合するように構成されたシャトル・ラック・ギヤ(shuttle rack gear)をさらに備える、項目31の自動注射器。
【0182】
項目33。自動注射器が始動される前、第2の停止部が、ユーザによってボタンが押し下げられることを防止する、項目22の自動注射器。
項目34。自動注射器が始動される前に自動注射器の外面に結合されているタブをさらに含み、タブは、第2の停止部を含む、項目33の自動注射器。
【0183】
項目35。タブが、ユーザによってボタンが押し下げられることを可能にするために自動注射器から取り外されなければならない、項目34の自動注射器。
項目36。第1のインジケータをさらに含み、第1のインジケータは、自動注射器が始動される前、ハウジングの外側から見える、項目1の自動注射器。
【0184】
項目37。第1のインジケータが、シャトル上に配置される、項目36の自動注射器。
項目38。第2のインジケータをさらに含み、第2のインジケータは、自動注射器が始動された後にのみハウジングの外側から見える、項目37の自動注射器。
【0185】
項目39。第2のインジケータが、シャトル上に配置され、エネルギー源からのエネルギーの解放がシャトルを第1の状態から第2の状態に移動させた後にのみハウジングの外側から見える、項目38の自動注射器。
【0186】
項目40。第3のインジケータをさらに含み、第3のインジケータは、自動注射器によって実行された注射が完了した後にのみハウジングの外側から見える、項目38の自動注射器。
【0187】
項目41。1)自動注射器の始動前にシャトルから結合解除されており、2)シャトルが第1の状態から第2の状態に移動するときにシャトルに結合されるようになるインジケータ・スライドをさらに含み、第3のインジケータが、インジケータ・スライド上に配置される、項目40の自動注射器。
【0188】
項目42。シャトルの第2の状態から第1の状態に向かって戻る移動によって、インジケータ・スライドも同じ方向に移動させ、それにより、第3のインジケータは、自動注射器の外側から見える、項目41の自動注射器。
【0189】
項目43。シャトルのその第1の状態からその第2の状態への移動によって、
シャトルにアクチュエータと接触させ、アクチュエータを同じ方向に押させ、
弾性部材をその第1のエネルギー解放状態からその第2のエネルギー貯蔵状態に向かって移行させ、
ドライバを移動させ、針の第1の端部をハウジングの外側に延ばす、項目8の自動注射器。
【0190】
項目44。弾性部材の第2のエネルギー貯蔵状態から第2のエネルギー解放状態に向かう移動によって、シャトルのその第2の状態からその第1の状態に向かう水平移動中にアクチュエータを付勢してシャトルに直接接触させて、ギヤを回転させ、針の第1の端部を自動注射器内に後退させる、項目10の自動注射器。
【0191】
項目45。自動注射器が、ユーザによって押し下げられるように構成されたボタンによって始動され、ボタンは、第1の停止部を含む、項目22の自動注射器。
項目46。ハウジングが、第3の停止部を含み、
自動注射器が、自動注射器の外側からインジケータが見えることを可能にするように構成されたインジケータ・スライドをさらに含み、
第3の停止部が、シャトルの水平移動がシャトルをインジケータ・スライドに対してロックするようにインジケータ・スライドの位置を維持する、項目6の自動注射器。
【0192】
項目47。容器に結合された弁アセンブリであって、一体型中央本体を有するダイヤフラムを含む弁アセンブリをさらに含み、外側リムが、中央本体から外向きに、中央本体の周囲周りを延びている、項目1の自動注射器。
【0193】
項目48。ダイヤフラムが、中央本体の径方向に中心位置に位置する隆起部分を含み、隆起部分は、中央本体に対する外側リムの延長より大きい距離で中央本体から外向きに突起する厚さを有する、項目47の自動注射器。
【国際調査報告】