(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】リアルタイム表面温度マッピングを使用した処置領域内の領域についての線量決定および関連する方法
(51)【国際特許分類】
A61N 5/067 20060101AFI20240110BHJP
A61B 18/22 20060101ALN20240110BHJP
【FI】
A61N5/067
A61B18/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539861
(86)(22)【出願日】2021-12-29
(85)【翻訳文提出日】2023-08-22
(86)【国際出願番号】 US2021065486
(87)【国際公開番号】W WO2022147103
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521173878
【氏名又は名称】アキュア アクネ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホフヴァンダー, ヘンリク
(72)【発明者】
【氏名】エステス, マイケル ジョン
(72)【発明者】
【氏名】エック, オーブリー ジーン
【テーマコード(参考)】
4C026
4C082
【Fターム(参考)】
4C026AA04
4C026GG07
4C026HH02
4C026HH15
4C082RA01
4C082RE17
4C082RJ07
4C082RL15
(57)【要約】
エネルギーベースの皮膚科学的処置システムは、第1の処置領域に関連付けられた第1の温度測定値を取得するための温度センサを含む。システムはまた、第1の温度測定値を受信し、第1の温度測定値に基づいて温度マップを生成するための処理モジュールを含む。システムは、第1の温度マップに基づいて第1の処置パルスのパラメータを設定するための制御モジュールと、第1の処置領域に第1の処置パルスを送達するように構成されたエネルギー源と、をさらに含む。実施形態では、第1の温度センサは、非接触温度センサである。別の実施形態では、第1および第2の温度測定値に基づいて更新された温度マップを生成するための第2の処置領域の第2の温度測定値。更新された温度マップにしたがって第2の処置パルスのパラメータが設定され、第2の処置パルスが第2の処置領域に送達される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギーベースの皮膚科学的処置システムであって、
第1の処置領域に関連付けられた第1の温度測定値を取得するための温度センサと、
前記第1の温度測定値を受信し、前記第1の温度測定値に基づいて温度マップを生成するための処理モジュールと、
前記温度マップに基づいて第1の処置パルスのパラメータを設定するための制御モジュールと、
前記第1の処置パルスを前記第1の処置領域に送達するためのエネルギー源と、を備え、
前記温度センサが、非接触式の温度センサである、システム。
【請求項2】
前記非接触温度センサが赤外線温度センサを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記パラメータが、パルス強度、パルス持続時間、およびデューティサイクルのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記温度センサが、第2の処置領域に関連付けられた第2の温度測定値を取得するようにさらに構成され、
前記処理モジュールが、前記第1および第2の温度測定値に基づいて更新された温度マップを生成するようにさらに構成され、
前記制御モジュールが、前記更新された温度マップに基づいて第2の処置パルスのパラメータを設定するようにさらに構成され、
前記エネルギー源が、前記第2の処置パルスを前記第2の処置領域に送達するようにさらに構成されている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の処置領域からのを対流させるための冷却ユニットをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御モジュールが、前記冷却ユニットと動作可能に結合され、
前記制御モジュールが、前記温度マップに基づいて前記冷却ユニットの動作パラメータを設定するようにさらに構成されている、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
処置パルスを送達するためのエネルギー源を含むエネルギーベースの皮膚科学的処置システムを動作させるための方法であって、
第1の処置領域を選択することと、
前記第1の処置領域に関連付けられた第1の温度測定値を取得することと、
前記第1の温度測定値に基づいて前記第1の処置領域の温度マップを生成することと、
前記温度マップに基づいて第1の処置パルスのパラメータを設定することと、
前記第1の処置パルスを前記第1の処置領域に送達することと、を含む、方法。
【請求項8】
前記パラメータが、パルス強度、パルス持続時間、およびデューティサイクルのうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記パラメータの下限閾値を定義することと、
前記パラメータが前記下限閾値を下回って設定されたときに警告を生成することと、
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記パラメータの上限閾値を定義することと、
前記パラメータが前記上限閾値を上回って設定された場合に警告を生成することと、
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の処置領域に関連付けられた第2の温度測定値を取得することと、
前記第1および第2の温度測定値に基づいて前記第1の処置領域の更新された温度マップを生成することと、
前記更新された温度マップに基づいて第2の処置パルスのパラメータを調整することと、
前記第2の処置パルスを前記第1の処置領域に送達することと、
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
第2の処置領域を選択することと、
前記第2の処置領域に関連付けられた第2の温度測定値を取得することと、
前記第1および第2の温度測定値に基づいて前記第1および第2の処置領域の更新された温度マップを生成することと、
前記第2の温度マップに基づいて第2の処置パルスのパラメータを調整することと、
前記第2の処置パルスを前記第2の処置領域に送達することと、
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記第1および第2の処置パルスが順次送達される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1および第2の処置パルスが実質的に同時に送達される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第1および第2の処置領域が重複する場合に警告を生成することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記エネルギーベースの皮膚科学的処置システムが冷却ユニットをさらに含み、前記方法が、前記冷却ユニットを使用して前記第1の処置領域を冷却することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項17】
処置パルスを送達するためのエネルギー源を含むエネルギーベースの皮膚科学的処置システムを動作させるための方法であって、
第1の処置領域を選択することと、
第1の処置パルスを前記第1の処置領域に送達することと、
前記第1の処置領域に関連付けられた第1の温度測定値を取得することと、
前記第1の温度測定値に基づいて前記第1の処置領域の温度マップを生成することと、
前記温度マップに基づいて第2の処置パルスのパラメータを設定することと、を含む、方法。
【請求項18】
前記エネルギーベースの皮膚科学的処置システムが冷却ユニットをさらに含み、前記方法が、前記第1の処置パルスを送達する前に前記冷却ユニットを使用して前記第1の処置領域を冷却することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の処置パルスを前記第1の処置領域に送達することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記エネルギーベースの皮膚科学的処置システムが冷却ユニットをさらに含み、前記方法が、前記第1および第2の処置パルスの送達中に前記冷却ユニットを使用して前記第1の処置領域を冷却することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の処置領域に隣接する第2の処置領域を選択することと、
前記第2の処置パルスを前記第2の処置領域に送達することと、
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記エネルギーベースの皮膚科学的処置システムが冷却ユニットをさらに含み、前記方法が、前記第1および第2の処置パルスの送達中に前記冷却ユニットを使用して前記第1および第2の処置領域を冷却することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギーベースの処置に関し、より具体的には、処置領域について測定および推定された温度データを提供するためにリアルタイムで生成および更新されることができる皮膚温度マップに基づいてレーザパルスの線量測定値を決定および調整するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
真皮などの培地に埋め込まれた脂腺および他の発色団は、発色団をレーザなどの標的光源によって加熱することによる熱損傷を使用して処置されることができる。しかしながら、発色団を損傷するのに十分な熱エネルギーの印加はまた、周囲の真皮およびその上にある表皮に望ましくない損傷をもたらし、したがって処置中の患者に起こり得る表皮および真皮の損傷、ならびに痛みをもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
以下は、そのような態様の基本的な理解を提供するために、1つまたは複数の態様の簡略化された概要を提示する。この概要は、考えられる全ての態様の広範な概要ではなく、全ての態様の重要または重要な要素を特定することも、いずれかまたは全ての態様の範囲を描写することも意図されていない。その目的は、以下のより詳細な説明の前置きとして、1つまたは複数の態様のいくつかの概念を簡略化された形式で提示することである。
【0004】
実施形態では、エネルギーベースの皮膚科学的処置システムは、第1の処置領域に関連付けられた第1の温度測定値を取得するための温度センサと、第1の温度測定値を受信し、第1の温度測定値に基づいて温度マップを生成するための処理モジュールと、を含む。システムは、温度マップに基づいて第1の処置パルスのパラメータを設定するための制御モジュールと、第1の処置領域に第1の処置パルスを送達するためのエネルギー源と、をさらに含む。実施形態では、パラメータは、パルス強度およびパルス持続時間のうちの少なくとも1つを含む。実施形態では、温度センサは、非接触温度センサである。さらなる実施形態では、非接触温度センサは、赤外線センサを含む。またさらなる実施形態では、エネルギー源は、第1の処置領域に第1の処置パルスを放射し、次いで、第1の処置領域の第2の温度測定値が取得されて第2の温度マップが生成され、制御モジュールは、第2の温度マップに基づいて第2の処置パルスの少なくとも1つのパラメータを設定するようにさらに構成されている。いくつかの実施形態では、システムは、第1の処置領域からの熱を対流させるための冷却ユニットをさらに含む。制御モジュールは、冷却ユニットと動作可能に結合され、制御モジュールは、温度マップに基づいて冷却ユニットの動作パラメータを設定するようにさらに構成されている。
【0005】
別の実施形態では、処置パルスを送達するためのエネルギー源を含むエネルギーベースの皮膚科学的処置システムを動作させる方法が開示される。本方法は、第1の処置領域を選択することと、第1の処置領域に関連付けられた第1の温度測定値を取得することと、第1の温度測定値に基づいて第1の処置領域の温度マップを生成することと、を含む。本方法は、温度マップに基づいて第1の処置パルスのパラメータを設定することと、第1の処置領域に第1の処置パルスを送達することと、をさらに含む。実施形態では、パラメータは、パルス強度およびパルス持続時間のうちの少なくとも1つを含む。さらなる実施形態では、本方法は、パラメータの下限閾値および/または上限閾値を定義することと、パラメータが下限閾値未満にまたは上限閾値を超えて設定されたときに警告を生成することと、をさらに含む。さらなる実施形態では、本方法は、第1の処置領域に関連付けられた第2の温度測定値を取得することと、第1および第2の温度測定値に基づいて第1の処置領域の更新された温度マップを生成することと、更新された温度マップに基づいて第2の処置パルスのパラメータを調整することと、第2の処置パルスを第1の処置領域に送達することと、を含む。実施形態では、第2の温度測定は、第1の処置領域に隣接し得る第2の処置領域について行われる。第1および第2の処置パルスは、順次または実質的に同時に送達されてもよい。実施形態では、本方法は、第1および/または第2の処置パルスの送達前および/または送達中に第1および/または第2の処置領域を冷却することをさらに含む。
【0006】
別の実施形態では、エネルギーベースの皮膚科学的処置システムを動作させる方法が開示される。エネルギーベースの皮膚科学的処置システムは、処置パルスを送達するためのエネルギー源を含む。本方法は、第1の処置領域を選択することと、第1の処置領域に第1の処置パルスを送達することと、第1の処置領域に関連付けられた第1の温度測定値を取得することと、第1の温度測定値に基づいて第1の処置領域の温度マップを生成することと、温度マップに基づいて第2の処置パルスのパラメータを設定することと、を含む。実施形態では、本方法は、第1の処置パルスを送達する前に第1の処置領域を冷却することをさらに含む。別の実施形態では、本方法は、第2の処置パルスを第1の処置領域または代替的に第2の処置領域に送達することをさらに含む。第2の処置領域は、第1の処置領域に隣接していてもよい。さらに別の実施形態では、第2の処置はまた、第2の処置パルスの送達前および/または送達中に冷却される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付の図面は、一部の実施態様のみを示しており、したがって、範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【
図1】実施形態にかかる、リアルタイム皮膚温度マッピングならびに線量測定フィードバックおよび調整能力を提供するエネルギーベースの光処置システムを示すブロック図を示している。
【
図2A】実施形態にかかる、同時および逐次レーザパルス印加プロトコル、ならびに関連する温度マップ生成手順の例をそれぞれ示している。
【
図2B】実施形態にかかる、同時および逐次レーザパルス印加プロトコル、ならびに関連する温度マップ生成手順の例をそれぞれ示している。
【
図3】実施形態にかかる、患者の皮膚の異なる領域への光処置システムの移動および更新された皮膚温度マップの生成を示している。
【
図4】実施形態にかかる、リアルタイム線量測定フィードバック、マップ生成、および調整能力を提供する冷却および他の機能を含むエネルギーベースの光処置システムを示すブロック図を示している。
【
図5A】実施形態にかかる、皮膚温度測定値を取得し、リアルタイムで皮膚温度マップを生成するために光処置システムを動作させる方法を説明するプロセスフロー図を示している。
【
図5B】実施形態にかかる、皮膚温度測定値を取得し、リアルタイムで皮膚温度マップを生成するために光処置システムを動作させる方法を説明するプロセスフロー図を示している。
【
図6】実施形態にかかる、光処置システムでの使用に適したスキャナ装置の一部の部分破断図を示している。
【
図7】実施形態にかかる、熱センサの視野(FoV)を示す図である。
【
図8】実施形態にかかる、光処置システムによって使用するための基準面の正面図である。
【
図9】実施形態にかかる、底部から斜めに見た基準面の等角図である。
【
図10】実施形態にかかる、皮膚表面の温度を検知する例示的な非接触方法を示すプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、本発明の実施形態が示されている添付の図面を参照して以下により十分に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的且つ完全であり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。図面において、層および領域のサイズおよび相対サイズは、明確にするために誇張されている場合がある。同様の符号は、全体を通して同様の要素を指す。
【0009】
第1、第2、第3などの用語は、様々な要素、構成要素、領域、層および/または部分を説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素、構成要素、領域、層および/または部分は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層または部分を別の領域、層または部分と区別するためにのみ使用される。したがって、以下に説明する第1の要素、構成要素、領域、層または部分は、本発明の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層または部分と呼ぶことができる。
【0010】
「真下(beneath)」、「下方(below)」、「下方(lower)」、「下方(under)」、「上方(above)」、「上方(upper)」などの空間的に相対的な用語は、本明細書では、図に示すように、1つの要素または特徴と別の要素または特徴との関係を説明するための説明を容易にするために使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示された向きに加えて、使用中または動作中のデバイスの異なる向きを包含することが意図されていることが理解されよう。例えば、図中のデバイスが反転された場合、他の要素または特徴の「下(below)」または「真下(beneath)」または「下方(under)」として説明される要素は、他の要素または特徴の「上方(above)」に向けられる。したがって、例示的な用語「下方(below)」および「下方(under)」は、上方および下方の双方の向きを包含することができる。デバイスは、他の方向に向けられ(90度または他の向きに回転され)てもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、それに応じて解釈される。さらに、層が2つの層の間にあると言及される場合、それは2つの層の間の唯一の層とすることができるか、または1つもしくは複数の介在層も存在し得ることも理解されよう。
【0011】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。「備える(comprises)」および/または「備えている(comprising)」という用語は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されよう。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つまたは複数のありとあらゆる組み合わせを含み、「/」と省略されることがある。
【0012】
ある要素または層が別の要素または層「の上にある」、別の要素または層「に接続される」、別の要素または層「に結合される」、または別の要素または層「に隣接する」と言及される場合、その要素または層は、他の要素または層の直上にある、他の要素または層に接続される、他の要素または層に結合される、または他の要素または層に隣接することができ、あるいは介在する要素または層が存在してもよいことが理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素または層「の上に直接ある」、「に直接接続されている」、「に直接結合されている」、または「に直接隣接している」と言及される場合、介在する要素または層は存在しない。同様に、光が1つの要素「から」受光または提供される場合、その要素または介在要素から直接受光または提供されることができる。一方、1つの要素から「直接」光が受光または提供される場合、介在する要素は存在しない。
【0013】
本発明の実施形態は、本発明の理想化された実施形態(および中間構造)の概略図である断面図を参照して本明細書で説明される。したがって、例えば製造技術および/または公差の結果としての図の形状からの変形が予想される。したがって、本発明の実施形態は、本明細書に示される領域の特定の形状に限定されると解釈されるべきではなく、例えば製造から生じる形状の偏差を含むべきである。したがって、図に示される領域は、本質的に概略的であり、それらの形状は、デバイスの領域の実際の形状を示すことを意図しておらず、本発明の範囲を限定することを意図していない。
【0014】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書において定義されているものなどの用語は、関連技術および/または本明細書の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそのように定義されない限り、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されないことがさらに理解されよう。
【0015】
座瘡のレーザ処置では、動作温度範囲は、一般に、約55℃の表皮および真皮損傷閾値温度で上端に、および約55℃の治療損傷閾値温度に皮脂腺をもたらすのに必要な温度で下端に拘束される。臨床データに基づいて、末端皮膚表面温度において表される座瘡処置のための操作温度範囲は、例として、約40℃から55℃である。40℃未満の皮膚表面温度では、皮脂腺への損傷がなく、したがって治療上の利益がないことが決定されている。皮膚表面温度が40℃から55℃である場合、様々な程度の皮脂腺損傷があり、表皮損傷はない。55℃を超える皮膚表面温度では、皮脂腺に対する効果的な治療的損傷に加えて、皮膚および表皮の損傷がある。
【0016】
最小限の患者不快感で特定の発色団の光熱標的化処置を成功させるための要件は、1)表皮節約、すなわち皮膚表面のピーク温度値が約55℃未満であることを確実にすること、2)真皮節約、すなわち、処置パルスの平均出力と冷却システムの熱抽出とのバランスをとることによって真皮の過熱を回避すること、および3)皮脂腺処理のための55℃を超えるピーク温度などの標的発色団の選択的加熱を含む。本明細書に記載の実施形態は、はるかに単純なシステムおよびプロトコルで、既存のシステムと同じ効果を達成する。
表皮および真皮の厚さなどの組織パラメータは、年齢、性別、および民族性などの要因に応じて、ならびに異なる皮膚位置の間で個体間で異なる。例えば、額は、同じ個人であっても、背中とは異なる組織特性を有し、したがって、異なる処置位置に対して異なる処置パラメータ設定を必要とする。特定の処置プロトコルを決定する際の組織特性のそのような変動の考慮は、レーザベースの処置、例えば座瘡の処置にとって重要である。さらに、例えば、製造のばらつきおよび動作条件に起因して、特定のレーザシステム間で正確なレーザ出力、スポットサイズ、および冷却能力にばらつきがある可能性がある。
【0017】
臨床データはまた、最終皮膚表面温度が特定の個体の特定の処置領域における組織パラメータに強く依存することを示している。既存の処置プロトコルは、「1つの処置が全てに適合する」タイプのアプローチに基づいているが、脂腺損傷を効果的に引き起こしながら表皮損傷を回避するために、革新的な分析プロトコルが処置方法に組み込まれて、以前の処置中に到達したより低いレーザ出力での末端皮膚温度および/または末端皮膚表面温度の測定値から外挿する個々に調整された処置パラメータを直接決定することができる。このようにして、処置プロトコルは、特定の個体の特定の処置領域に合わせてカスタマイズされることができ、また、特定の機械のレーザ出力の変動、ならびに周囲湿度および温度などの処置条件の変動によって引き起こされ得る処置変動を緩和する。
【0018】
この分析プロトコルは、例えば、処置を患者に施すために医療専門家によって保持されるスキャナ(例えば、以下に説明する
図1および
図4の温度測定装置146を参照され)に組み込むことができる市販の既製の低コストIRカメラを使用して温度測定を組み込むことによって、または別個の市販の単画素または多画素の熱測定デバイスを使用することによって、実行されることができる。予測プロセスは、高度に局所化されたレベルで実行されることができ、したがって、処置プロトコルをオンザフライでまたは処置開始前に調整し、処置領域内の個々の領域ごとにプロトコルを調整することさえできる。このようにして、表皮および真皮損傷閾値温度未満に留まりながら必要な処置レーザ出力を提供するように処置プロトコルが指定されることができる。
【0019】
処置プロトコルによって標的とされる皮脂腺の温度を直接測定する良好な方法はないが、腺の直近領域の皮膚表面温度が皮脂腺温度の指標として使用されることができる。次いで、皮脂腺温度と皮膚表面温度との間の対応関係を提供する相関モデルが使用されて、表皮および真皮の損傷閾値を下回ったままで皮脂腺損傷を効果的に標的とするための皮膚表面温度測定値を使用して実際の処置プロトコルを調整することができる。相関モデルは、例えば、解析的熱伝達モデルを使用して、または特定の処置プロトコルの適用を考慮して、皮膚表面温度を皮脂腺損傷と相関させる臨床データ(例えば、生検を介して)を使用することによって開発されることができる。
【0020】
皮膚温度マップは、測定された皮膚温度に基づいて生成され得る。そのような皮膚温度マップは、オペレータによって提供される単一の入力(例えば、処置デバイスの1つの「トリガ」)に応答して2つまたはそれ以上のレーザパルスを患者の皮膚に送達する処置システムおよびプロトコルを使用する場合に特に有益であり得る。処置領域内の皮膚の特定の領域に対してレーザパルスを調整するための皮膚温度マップおよび相関モデルの使用について、本明細書で以下に詳細に説明する。
【0021】
図1は、実施形態にかかる、リアルタイム線量測定フィードバックおよび調整能力を提供するエネルギーベースの光処置システムを示すブロック図を示している。「光処置」、「光熱処置」、および「エネルギーベースの皮膚科学的処置」という用語は、本開示全体を通して互換的に使用され、これらの用語の全ては、皮膚科学的状態を処置するためのエネルギー(例えば、レーザパルス)の制御送達を指すことに留意されたい。
【0022】
図1に示すように、システム100は、光処置ユニット110を含み、光処置ユニットは、レーザ122を制御するためのコントローラ120を含む。レーザ122から出力されたレーザパワーは、光ファイバ124を介してスキャナ130に伝送される。スキャナ130は、例えば、処置位置にレーザ出力を印加するために使用される手持ち式デバイスである。光処置ユニットは、温度接続部144を介してスキャナ130と接続された温度監視ユニット142をさらに含む。例えば、サーミスタ、赤外線カメラ、または他の温度検知デバイスなどの温度測定装置146がスキャナ130に取り付けられるか、または一体化されて、処置位置での皮膚表面温度のリアルタイム温度測定を提供する。温度測定装置146によって測定された温度情報は、温度接続部144を介して温度監視ユニット142に送信され得る。次いで、コントローラ120は、温度情報をリアルタイム温度ディスプレイ150に送信してもよく、温度情報は、システム100のユーザによって視認可能である。
【0023】
代替的または追加的に、温度測定装置146によって測定された温度は、コントローラ120に送信されてもよく、皮膚温度マップは、処置領域内の既知の位置において行われた実際の温度測定に基づいて生成される。熱力学的方程式および/または経験的データが使用されて、皮膚温度マップを生成する際に温度測定装置146によって直接測定されない処置領域の部分の皮膚温度を近似してもよい。いくつかの実施形態では、推定値、方程式、および経験的データへの依存を低減するために、皮膚温度を処置領域全体のいくつかの場所において測定され得る。例えば、光処置システムから直接レーザパルスを受ける領域において温度測定を行い得る。他の実施形態では、温度測定は、グリッドまたは他のパターン化配置で増分的に行われてもよい。さらに別の実施形態では、温度測定装置146は、赤外線センサアレイなどのセンサのアレイを含んでもよく、したがって、単一点ではなく、処置領域の広い領域にわたって温度読み取り値を同時に取得することができる。より多くの皮膚温度測定値は、生成された皮膚温度マップの精度を向上させ得る。
【0024】
皮膚温度マップは、単一のオペレータ入力(例えば、単一トリガプル)に応答して複数のレーザパルスが生成される処置システムおよびプロトコルにとって特に有益であり得る。
図2Aおよび
図2Bは、そのようなプロトコルの2つの例を示している。最初に
図2Aを参照すると、処置領域200が示されている。処置領域200は、システムを再配置することなく、光処置システム100などの光処置システムによって処置されることができる領域を表す。システムが患者の皮膚に向けられると、処置領域200は、処置される患者の皮膚の領域を覆う。処置領域200は、正方形として示されているが、領域は、レーザ源の特定の構成および/または光処置システム内の遮蔽に応じて、楕円形、円形、長方形、または任意の他の規則的または不規則な形状とすることができる。
【0025】
処置領域200内には領域202~208がある。領域202~208のそれぞれは、光処置システムからの単一のレーザパルスによって影響を受け得る処置領域の一部を表す。いくつかの実施形態では、領域202~208のうちの複数に向けられたレーザパルスは、オペレータからの単一の入力に応答して光処置システムによって実質的に同時に放射されてもよい。4つの正方形領域が示されているが、関連する光処置システムの構成に応じて、任意の形状のより多くのまたはより少ない領域が処置領域200内に存在してもよい。領域202~208は、領域202~208間に隙間がなく、重複する領域がないように、互いに実質的に当接してもよい。いくつかの実施形態では、領域202~208のそれぞれは、約5mm×5mmのサイズであってもよい。しかしながら、他のサイズおよび格子配置(例えば、1×1、2×1、3×3、3×4など)も可能である。
【0026】
上述したように、皮膚温度は、いくつかの実施形態では約1cm×1cmのサイズであり得る比較的小さな処置領域200にわたってさえ変化することができる。真皮および表皮は、近くの皮脂腺を処置するために使用されるレーザパルスに対して感受性があるため、真皮および表皮を閾値末端温度を超えて加熱することなく、領域202~208のそれぞれの中の皮脂腺を治療的に加熱するのに必要なエネルギー量のみを閾値末端温度(例えば、55℃)に投射することが望ましい。領域ごとに光処置システムによって放射されるレーザパルスを調整することは、患者に対する望ましくない損傷および不快感を低減するのに役立ち得る。冷却システムはまた、熱を抽出するために皮膚表面上に冷気を通すように較正されてもよい。
【0027】
各領域に必要なレーザパルス線量の調整量は、上述した皮膚温度マップを使用して決定され得る。いくつかの実施形態では、皮膚温度マップは、領域202に関連付けられた皮膚温度が領域204に関連付けられた皮膚温度よりも低いことを示し得る。したがって、領域202および204が同じ閾値末端温度に到達するために、領域202に送達されるレーザパルスの線量は、領域204に送達されるレーザパルスの線量よりも高くてもよい。例えば、領域202に供給されるレーザパルスは、100%の強度であってもよく、領域204に供給されるレーザパルスは、97%の強度であってもよい。さらなる例として、領域202に送達される後続のレーザパルスの強度およびパルス持続時間は、領域204に関連付けられた測定された皮膚温度にしたがって迅速に調整され得る。後続のレーザパルスは、ほぼ同時に、または時間的および距離的に近接して、例えば時系列的に送達されてもよい。皮膚の所与の領域について、皮膚表面温度を皮脂腺、真皮、および/または表皮温度に関連付ける相関モデルと組み合わせて、皮膚温度マップに基づいて領域206、208に対して同様の調整が行われてもよい。相関モデルは、処置領域が身体のどこに位置するか、ならびに患者の年齢、性別、および民族性を考慮に入れてもよい。
【0028】
図2Bを参照すると、レーザパルスが各領域に時系列的に送達される第2の例示的な処置プロトコルが示されている。処置領域210は、その中に領域212~218を含む。4つの正方形領域が示されているが、関連する光処置システムの構成に応じて、任意の形状のより多くのまたはより少ない領域が処置領域210内に存在してもよい。領域212~218は、領域212~218間に隙間がなく、重複する領域がないように、互いに実質的に当接してもよい。領域212~218は、サイズが約5mm×5mmであってもよい。しかしながら、領域202~208に関して上述したように、本開示の範囲から逸脱することなく、他のサイズおよび構成が可能である。
【0029】
図2Bにおいて、領域212~218は、異なる時間にレーザパルスを受信する。いくつかの実施形態では、処置領域200内の各領域212~218は、固有の時間にレーザパルスを受信し、各時間に連続するレーザパルスは、処置領域210内の固有の領域に向けられる。
図2Aのプロトコルと同様に、領域212~218のそれぞれに関連付けられたレーザパルス線量は、皮膚温度マップおよび相関モデルに基づいてカスタマイズされてもよい。光処置システムは、各領域212~218に送達されるレーザパルスの強度および/または持続時間を自動的に調整し得る。時系列構成のレーザパルスは、約1ミリ秒から約1秒の範囲の時間だけ離間されてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、実質的にリアルタイムで光処置全体の皮膚温度マップを更新する際に使用するために、追加の処置中温度測定値が取得される。処置中温度測定値は、元の温度測定値と同じ位置の1つまたは複数で取得されてもよく、および/または他の特定の位置(例えば、後続のレーザパルス線量を受ける領域の近く)で取得されてもよい。実質的にリアルタイムで皮膚温度マップを更新するためにこれらの追加の処置中温度測定値を使用することは、処置の前の部分の間に皮膚に伝達されるまたは皮膚から伝達される熱エネルギーを考慮することによって皮膚温度マップの精度を改善し得る。例えば、第1のレーザパルスが領域212に供給されると、熱エネルギーが隣接する領域214、216に消散し、それによってそれらの領域の皮膚温度を上昇させ得る。この熱クロストークが後続のレーザパルス線量の調整において考慮されない場合、初期皮膚温度マップのみに基づいて領域214、216に送達されるレーザパルスは高すぎる可能性があり、目標温度よりも高い末端皮膚温度をもたらす可能性があり、それによって安全マージンを減少させ、真皮および表皮を損傷し、および/または患者に痛みを引き起こす。
【0031】
レーザパルス線量を調整することに加えて、領域212~218の処置順序は、1つのレーザパルスと後続のレーザパルスとの間に可能な限り多くの空間が設けられるように調整されてもよい。例えば、
図2Bでは、領域212、領域218、領域214、領域216などに連続レーザパルスを送達することが有益であり得る。複数の領域の処置順序および/または配置は、オペレータによって手動で決定されてもよく、または光処置システムに対して局所的であってもよく、または光処置システムとリモートで結合されてもよいプロセッサモジュールによって自動的に提案または選択されてもよい。プロセッサはまた、特定の処置プロトコルを推奨するときに、処置が行われる身体の領域、および/または患者の年齢、性別、および民族性を考慮に入れてもよい。
【0032】
逐次処置プロトコルにおいて調整されることができるさらなる変数は、レーザパルス間の時間である。パルス間の時間を増加させることは、皮膚がより多くの熱を放散し、元の皮膚温度に近い温度まで冷却することを可能にし得る。しかしながら、経時的に、熱はまた、他の処置領域にさらに広がる可能性がある。処置中温度測定値およびリアルタイム皮膚温度マッピングは、経時的な温度の変化を追跡するのを助け得て、処置領域200内の次の領域がいつレーザパルスを受信する準備ができているかに関する情報を提供し得る。
【0033】
他の変数もまた、皮膚温度の変動をもたらし得る。例えば、皮膚の表面に冷気を吹き付けるなどの皮膚冷却プロセスが処置プロトコル中に実行されて、熱を皮膚から対流させ、表皮および真皮の過熱を防ぐことができる。空気流パターン、空気温度、湿度、および他の冷却変数の変動により、熱が皮膚から不均一に抽出され、それによって処置領域内に温かくて冷たいスポットが残る可能性がある。上述したように、温かい領域を構成できないと、過熱による周囲の組織の損傷につながる可能性がある。下方にある皮脂腺が閾値末端温度まで加熱されていない場合、より低温の領域を占めることができないと、光処置の有効性が低下する可能性がある。したがって、追加の測定値が収集されるときに皮膚温度を正確に表すために連続的に更新する皮膚温度マッピングを使用して実質的にリアルタイムの皮膚温度を識別することが有益である。リアルタイム皮膚温度マップに基づいてレーザパルス線量を増減する調整は、オペレータによって手動で行うことができ、および/または光処置システムによって自動的に提案または選択されることができる。
【0034】
図2Aに関して説明した同時処置プロトコルと
図2Bに関して説明した逐次処置プロトコルの双方について、光処置システムは、処置領域200が到達できるよりも患者の皮膚のより大きな部分にわたって処置を継続するために、患者の皮膚の異なる部分にわたって再配置されてもよい。一例が
図3に示されており、処置領域200’は、以前に処置された領域200の右側の第2の位置に移動した光処置デバイスを表す。第1の処置領域200と第2の処置領域200’との間の距離に応じて、1つまたは複数の以前に処置された領域202~208と未処置の領域202’~210’のうちの1つまたは複数との間で熱クロストークが発生し得る。したがって、即時処置領域よりも大きい領域にわたるリアルタイム皮膚温度測定および皮膚温度マッピングの継続は、処置の後続の段階に影響を及ぼし得る近くの皮膚の以前の熱変化を考慮に入れるために有益であり得る。更新されて拡張された皮膚温度マップが生成され、領域202’~210’の次の組のレーザパルスを決定するためのデータが利用可能である場合(同時か逐次かにかかわらず)、オペレータは、処置領域200’の処置プロトコルの準備ができていることを示すプロンプトを光処置システムから受信し得る。他の実施形態では、オペレータは、処置領域200’が以前の処置領域200と重複し、重複領域の過剰処理を防止するために光処置システムの位置を調整すべきであることを示すプロンプトを受信してもよい。
【0035】
オペレータによるトリガプルは、
図2Aおよび
図2Bに関して上述したように、領域202’~210’のうちの1つまたは複数に送達される複数のレーザパルスを含む処置を開始し得る。光処置プロセス中の皮膚温度の絶えず変化する性質のために、リアルタイム皮膚温度マップが更新され、パルス線量が決定された後、できるだけ早くレーザパルスを送達することが有益であり得る。例えば、選択された領域の線量を決定する10ミリ秒以内にレーザパルスを送達することが望ましい場合がある。
【0036】
図4は、実施形態にかかる、リアルタイム線量測定フィードバック、リアルタイム皮膚温度測定およびマッピング、ならびに調整能力を提供する冷却および他の機能を含むエネルギーベースの光処置システムのブロック図を示している。
【0037】
システム400は、レーザ122と、レーザ出力をスキャナ130に伝送する光ファイバ124と、温度監視ユニット142と、温度接続部144と、スキャナ130に取り付けられた、または一体化された温度測定装置146と、リアルタイム温度ディスプレイ150とを含む、
図1のシステム100からの構成要素を含む。これらの構成要素のいくつかを含む光処置ユニット410はまた、レーザ122、温度監視ユニット142、リアルタイム温度ディスプレイ150、フットスイッチ440、任意のドアインターロック442、および緊急オン/オフスイッチ444の動作を制御するように構成されたコントローラ420を含む。システム400はまた、冷却ユニット430および冷却接続部432を含む追加の構成要素(必須および任意)を含む。
図1および
図4のシステムに関する追加の例および実験結果は、2019年3月27日に出願された米国仮特許出願第62/824,995号に記載されている。
【0038】
図5Aおよび
図5Bは、皮膚表面温度のリアルタイム測定およびマッピングを組み込んだエネルギーベースの皮膚科学的処置システムを動作させる方法を示すフローチャートを示している。最初に
図5Aを参照すると、処置方法500は、実施形態にしたがって、
図1および
図4に示すようなエネルギー源(例えば、レーザ)を組み込んだエネルギーベースの光処置システムを使用する。
【0039】
図5Aに示すように、処置方法500は、ステップ502において第1の処置領域で皮膚表面温度を測定することによって開始する。ステップ502の温度測定は、例えば、第1の処置領域内の様々な点における温度の逐次測定、またはアレイセンサもしくは赤外線カメラを使用するなどの領域にわたる温度の同時測定を含み得る。次に、ステップ504において、ステップ502からの測定された皮膚表面温度に基づいて、第1の処置領域の温度マップが生成される。実施形態では、温度マップは、本質的にリアルタイムで第1の処置領域の皮膚表面温度を示すように生成され、最後に測定された皮膚表面温度測定値を組み込む。
次いで、ステップ506において、温度マップが使用されてエネルギー源のパラメータを設定する。パラメータは、例えば、第1の処置領域においてエネルギー源によって送達されるエネルギー(例えば、レーザパルス)の1つまたは複数の強度または持続時間を含み得る。一例として、第1の処置領域が冷却ユニット(例えば、
図4の冷却ユニット430)を使用して十分に冷却されている場合、処置中の患者は、第1の処置領域においてより高いエネルギーのレーザパルスに耐えることができる。
【0040】
任意に、処置方法500は、処置システムのユーザへの推奨線量(すなわち、エネルギー源パラメータの設定)を計算して表示するステップ508を含んでもよい。処置されている患者の様々な設定オプションおよび疼痛閾値を経験した知識のあるユーザを想定すると、ユーザは、冷却ユニットによって提供される冷却を増加させる、または処置を終了するなど、処置プロトコルのさらなる調整を行うことを選択し得る。
【0041】
次いで、処置方法500は、ステップ510に進み、調整されたエネルギー源パラメータを用いて処置パルス(または複数のパルス)を第1の処置領域に送達する。次いで、処置を継続するかどうかの決定512が行われる。決定512は、例えば、ステップ510において送達された処置パルスに対する患者の反応、第1の処置領域における皮膚表面の状態の目視観察、または別の皮膚表面温度測定に基づいてもよい。決定512に対する答えがはいである場合、処置方法500は、ステップ502に戻り、皮膚表面温度の別のセットを取得し、温度マップを更新する。処置方法500の追加の反復では、ステップは、第1の処置領域または(第1の処置領域に隣接するかもしくは第1の処置領域から離れた)別の処置領域において再び実行されてもよい。決定512に対する答えがいいえである場合、処置は、終了ステップ520において終了する。
【0042】
ここで
図5Bを参照すると、実施形態にかかる代替的な処置方法が示されている。
図5Bに示すように、処置方法550は、ステップ552において、第1の処置領域のためのエネルギー源の初期設定で1つまたは複数の処置パルスを送達することによって開始する。例えば、エネルギー源の初期設定は、真皮および表皮の既知の損傷閾値よりも意図的に低く、または患者に痛覚を引き起こすことが知られているエネルギー設定よりもはるかに低く設定されてもよい。
【0043】
ステップ554において、皮膚表面温度が、第1の処置領域を有する少なくとも1つの位置において測定され、次いで、ステップ556において、測定された皮膚表面温度に基づいて、第1の処置領域の温度マップが生成される。
図5Aに関して上述したように、温度マップは、第1の処置領域についての最新の既知の皮膚表面温度情報を使用して、本質的にリアルタイムで生成され得る。
【0044】
温度マップから、ステップ558において、1つまたは複数の追加の処置パルスに対する推奨線量が生成される。推奨線量は、例えば、レーザ処置パルス強度、パルス持続時間、デューティサイクルなどのエネルギー源の様々なパラメータ設定、またはシステムコントローラによってエネルギー源の特定のパラメータ設定に変換され得る温度設定を含み得る。任意に、推奨線量は、ユーザが見るためのステップ560に表示される。
【0045】
次に、ステップ562において、第1の処置パルスセットの初期レーザ設定が高すぎたか低すぎたかについての決定が行われる。この決定は、ステップ560における推奨線量表示、初期処置パルス送達に対する患者の反応、第1の処置領域の目視検査、または他の要因に基づいて処置システムのユーザによって行われてもよい。あるいは、決定562は、測定された皮膚温度および/またはエネルギー源パラメータ設定に対する予め設定された下限および/または上限閾値にしたがって、処置システムによって自動的に行われてもよい。例えば、処置システムは、ユーザが既知の疼痛耐性よりも高いエネルギーによってレーザパルスを誤って送達することがないように、予め設定された閾値を含み得る。任意に、処置システムは、処置プロトコルのカスタマイズにおけるさらなる柔軟性をユーザに提供するために、エネルギー源パラメータを予め設定されたシステム閾値よりも上または下に設定することができるオーバーライドシーケンスを含み得る。
【0046】
エネルギー源の初期パラメータ設定が高すぎた、または低すぎたと決定562が結論付けた場合、パラメータ設定(例えば、レーザの出力設定)を調整するかどうかの決定564が行われる。決定564が、エネルギー源パラメータ設定(例えば、レーザ出力)の調整が必要であるとさらに結論付けた場合、ステップ566において必要な調整が行われる。次いで、処置を継続するかどうかの決定568が行われる。決定568が、さらなる処置が必要であると結論付けた場合、処置方法550は、ステップ552に戻る。さらなる処置が必要でないと考えられる場合、処置方法550は、終了ステップ570において終了する。決定562が初期パラメータ設定が適切であったと結論付けた場合、または決定564がパラメータ調整が必要ではないと結論付けた場合、処置プロセス550も決定568に進む。ステップ552に戻ると、処置方法550は、第1の処置領域に対して繰り返されてもよく、または第1の処置領域に隣接するもしくは第1の処置領域から離れた第2の処置領域に適用されてもよい。
【0047】
図5Aおよび
図5Bに記載されたプロセスは、皮膚表面温度を測定し、リアルタイムで皮膚温度マップを生成するプロセスと、例えばレーザ出力と皮膚表面温度との間の関係に基づく制御戦略とを組み合わせたプロセス制御の例であり、レーザ出力(またはエネルギー源の他のパラメータ設定)を増減する任意の制御動作を伴う。さらに、
図4の冷却ユニット430などの冷却機構がエネルギーベースの処置システム内に設けられている場合、空気流量および空気温度などの冷却ユニットの1つまたは複数のパラメータは、(温度マップに基づいて)測定または推定された皮膚表面温度に基づいて調整されることもできる。エネルギー源および/または冷却ユニットのパラメータの調整は、ユーザによって手動で、または
図1のコントローラ120もしくは
図4のコントローラ420などのコントローラユニットによって自動的に実行されることができる。さらに、エネルギー源および/または冷却ユニットの調整は、処置位置特性、エネルギー源出力、および冷却ユニット出力の変動にかかわらず、所望の皮膚表面温度が維持されるように、処置プロトコル中に繰り返し連続的に実行されることができる。さらに、温度マップ生成は、初期処理パルスの印加の前または後に実行されてもよいことに留意されたい。
【0048】
上述したマッピングおよび相関モデルは、正確な皮膚表面温度測定について予測される場合、処置の有効性および安全性を高める。皮膚科学的処置などの間に皮膚表面温度を測定する様々な非接触方法がある。赤外線(IR)カメラ、高温計、ボロメータ、および二重波長センサなどのデバイスは、皮膚表面温度の読み取り値を提供することができる。しかしながら、皮下脂腺に熱損傷を引き起こすための光熱標的化処置などの処置では、皮膚表面温度の正確な較正された読み取りは、処置領域およびその周囲の表皮および真皮への損傷を防ぐことができる。
【0049】
米国仮特許出願第62/804,719号およびPCT特許出願第PCT/US20/12473号に記載されているシステムおよび関連する方法は、双方ともその全体が参照により本明細書に組み込まれており、非接触温度測定の精度を大幅に改善するための高速で安価でコンパクトなシステムおよび方法を提供する。処置領域のそのような正確なリアルタイム温度測定値を含めることは、これまで不可能であった処置線量測定値のリアルタイムのオンザフライ調整を可能にする新たなエネルギーベースの処置システムを可能にする。さらに、リアルタイム温度測定値の視覚的表示(例えば、
図1または
図4のリアルタイム温度ディスプレイ150)は、ユーザが光処置システムのエネルギー出力、または冷却システムの出力、またはその双方を制御するときに使用されることができるフィードバックをシステムのユーザに提供し、したがって、ユーザの満足度の向上、安全性の向上、および有効性の改善につながる。測定システムは、リアルタイム皮膚温度マップを生成するために、処置領域内の複数の点に対応するリアルタイム温度測定データを、処置システムに対してローカルまたはリモートであり得る処理モジュールにさらに送信し得る。処理モジュールと組み合わせた正確な測定システムは、所望の皮膚表面温度を達成する光源および冷却源のパラメータの安全動作範囲を計算または定義し得る。所望の皮膚表面温度は、処置される位置における望ましくない熱損傷が回避されるが、処置が有効であるように選択され得る。
【0050】
図6は、実施形態にかかる、光熱処置システム100とともに使用するのに適したスキャナ装置の一部の側面図を示している。スキャナ600は、処置位置に接触して配置された処置先端620に向かってレーザビーム経路610に沿って基地局(図示せず)からレーザビーム604を伝送するための光ファイバ602を含む。スキャナ600は、任意に、処置先端620において皮膚上に投射された光ビームを成形するための光学部品を含むことができる。
【0051】
処置先端620は、ユーザがスキャナ600を所望の処置位置に位置決めするための視覚的ガイドとして機能する。非接触温度測定を可能にするために、IRカメラ630は、スキャナ600に取り付けられ、IRカメラ630が光路635に沿って処置位置の温度を検出することができるように、処置先端620に向かって下方を向く。実施形態では、IRカメラ630は、連続する表面温度測定間に、例えば40ミリ秒未満の高速時間応答を有する。さらに、
図6に示す実施形態では、スキャナ600は、冷却空気ダクト640を含む。一例として、空気ホース(図示せず)が、ねじ付き開口部642を介して冷却空気ダクト640に取り付けられることができる。スキャナデバイスの代替構成は、レーザパルス送達およびIR温度測定のための追加の自由度を提供するために、レーザビーム経路610および/または光路635を一次元または二次元に向け直すように構成された1つまたは複数の走査光学部品を含むことができる。
【0052】
図7は、処置先端620に向かって見たIRカメラ630の視野(FoV)を示している。IRカメラのFoV710は、実施形態によれば、楕円によって表される。FoV710内には、処置先端620と、スキャナ600の内面に取り付けられた基準面730とが見える。したがって、IRカメラ630は、処置領域および基準面730内の皮膚の温度を同時に測定することができる。
【0053】
実施形態にかかる基準面のさらなる詳細が
図8および
図9に示されている。
図8は、実施形態にかかる、基準面の正面図であり、
図9は、底部から斜めに見た基準面の等角図である。
図8および
図9に示すように、基準面800の前面は、FoV710から離れるように、基準面自体以外の任意の表面からの反射および迷光を導くテクスチャ810を含む。例示的な実施形態では、基準面800はまた、
図6に示すように、基準面800が例えばスキャナ600の内面に取り付けられることができる1つまたは複数の取り付け孔(図示せず)を含む。あるいは、基準面800は、IRカメラのFoV内の適切な位置に捕捉的に取り付けられるか、そうでなければ取り付けられる。実施形態では、基準面は、測定された皮膚表面の測定された放射率値にほぼ等しい基準放射率値によって特徴付けられる。別の例では、基準面上の表面コーティングは、ほぼランバートであり、鏡面ではない光散乱特性を示す。基準面の構成に関するさらなる詳細は、2020年1月3日に出願された米国特許出願第16/734,280号に記載されている。
【0054】
図10は、実施形態にかかる、皮膚表面の温度を検知する例示的な非接触方法を示すフロー図である。
図10に示すように、プロセス1000は、温度検知プロトコルが起動される開始ステップ1010から始まる。次に、ステップ1020において、
図6に示すような設定におけるIRカメラが起動される。次いで、IRカメラは、ステップ1022において、皮膚表面温度および基準面温度を測定する。いくつかのIRカメラは、内部自己補正/較正/シャッタ機構を有する。そのような自己補正の1つは、いわゆる「フラットフィールド補正」であり、これは、カメラ内の各ピクセルが一定温度の表面の同じ温度を測定することを保証する。
図10に記載の方法は、IRカメラの外部に設けられた基準面を使用する。並行して、ステップ1024において、基準面内の接触センサを用いて基準面の温度読み取り値が取得される。ステップ1026において、ステップ1022においてIRカメラによって取得された基準表面温度は、ステップ1024において基準面内の接触センサによって取得された基準面の温度読み取り値と比較される。必要に応じて、ステップ1022において測定された温度とステップ1024において取得された読み取り値との間のオフセットが、ステップ1028において計算される。ステップ1030において、1028において計算されたオフセットは、IRカメラによって取得された皮膚表面温度測定値を補正するために使用される。プロセス1000は、終了ステップ1040において終了する。
【0055】
換言すれば、非接触センサによって測定された基準面温度を、同じ基準面で行われた既知の高精度の接触測定値と比較することによって、オフセットが計算され、これは皮膚表面の温度読み取り値を補正するために使用される。結果として、特定の処置プロトコル、皮膚冷却手順、患者パラメータ(例えば、年齢、性別、民族性、特定の処置位置)に関係なく、非接触測定の精度が大幅に改善される。プロセス1000のステップ1024において行われる接触温度測定は、1022において行われる全ての非接触温度測定によって行われる必要はないことに留意されたい。例えば、オフセットが一度計算された後、ステップ1024、1026、1028、および1030が定期的に実行されて、潜在的な較正誤差を補正することができる。非接触温度測定のこの方法は、例えば、多数の画素を有する赤外線カメラを使用することによって、温度マッピングの精度が接触温度測定よりも改善され得るため、温度マッピングに特に関連する。
【0056】
上記は本発明を例示するものであり、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。本発明のいくつかの例示的な実施形態を説明したが、当業者は、本発明の新規な教示および利点から実質的に逸脱することなく、例示的な実施形態において多くの変更が可能であることを容易に理解するであろう。
【0057】
したがって、多くの異なる実施形態は、上記の説明および図面に由来する。これらの実施形態の全ての組み合わせおよび部分的な組み合わせを文字通り説明および例示することは、過度に繰り返して難読化することになることが理解されよう。したがって、図面を含む本明細書は、本明細書に記載の実施形態の全ての組み合わせおよび部分的組み合わせ、ならびにそれらを製造および使用する方法およびプロセスの完全な書面による説明を構成すると解釈されるべきであり、任意のそのような組み合わせまたは部分的組み合わせに対する特許請求の範囲をサポートするものとする。
【0058】
例えば、以下の項目などの実施形態が考えられる。
1.エネルギーベースの皮膚科学的処置システムであって、
第1の処置領域に関連付けられた第1の温度測定値を取得するように構成された温度センサと、
第1の温度測定値を受信し、第1の温度測定値に基づいて温度マップを生成するように構成された処理モジュールと、
第1の処置領域に第1の処置パルスを放射するように構成されたエネルギー源と、
第1の温度マップに基づいて第1の処置パルスの少なくとも1つのパラメータを設定するように構成された制御モジュールと、を含み、
第1の温度センサが、非接触式温度センサである、システム。
【0059】
2.非接触温度センサが赤外線温度センサを含む、項目1に記載のシステム。
【0060】
3.少なくとも1つのパラメータが、パルス強度およびパルス持続時間からなる群から選択される少なくとも1つを含む、項目1に記載のシステム。
【0061】
4.温度センサが、第2の処置領域に関連付けられた第2の温度測定値を取得するようにさらに構成され、処理モジュールが、第1および第2の温度測定値に基づいて更新された温度マップを生成するように構成され、エネルギー源が、第2の処置領域に第2の処置パルスを放射するようにさらに構成されている、項目1に記載のシステム。
【0062】
5.制御モジュールが、更新された温度マップに基づいて第2の処置パルスの少なくとも1つのパラメータを設定するように構成されている、項目4に記載のシステム。
【0063】
6.制御モジュールが、第1および第2の温度測定値に基づいて第1および第2の処置パルスの少なくとも1つのパラメータを設定するように構成されている、項目4に記載のシステム。
【0064】
7.第1の処置領域からの熱を対流させるように構成された冷却ユニットをさらに備える、項目1に記載のシステム。
【0065】
8.制御モジュールが、冷却ユニットと動作可能に結合され、制御モジュールが、温度マップに基づいて冷却ユニットの少なくとも1つの動作パラメータを調整するように構成されている、項目7に記載のシステム。
【0066】
9.エネルギーベースの皮膚科学的処置システムを動作させる方法であって、
エネルギーベースの皮膚科学的処置システムを第1の処置領域の第1の領域に向けることと、
第1の処置領域の第1の領域に関連付けられた第1の温度測定値を取得することと、
第1の温度測定値に少なくとも部分的に基づいて第1の処置領域の温度マップを生成することと、
温度マップに基づいて第1の処置パルスの少なくとも1つのパラメータを設定することと、
エネルギー源から第1の処置パルスを第1の処置領域のうちの第1の領域に選択的に放射することと、を含む、方法。
【0067】
10.第2の処置領域に関連付けられた第2の温度測定値を取得することをさらに含む、項目9に記載の方法。
【0068】
11.第1および第2の温度測定値に少なくとも部分的に基づいて、第1の処置領域の第1の更新された温度マップを生成することをさらに含む、項目9に記載の方法。
【0069】
12.第1の処置パルスの少なくとも1つのパラメータを設定することが、第1の更新された温度マップに基づく、項目11に記載の方法。
【0070】
13.少なくとも1つのパラメータが、パルス強度およびパルス持続時間からなる群から選択されるものを含む、項目12に記載の方法。
【0071】
14.エネルギー源から第2の処置パルスを第2の処置領域に選択的に放射することをさらに含む、項目12に記載の方法。
【0072】
15.第1および第2の処置パルスが連続的に放射される、項目14に記載の方法。
【0073】
16.第1および第2の処置パルスが同じパラメータを有し、実質的に同時に放射される、項目15に記載の方法。
【0074】
17.エネルギーベースの皮膚科学的処置システムを第3の処置領域に向けることと、
第3の処置領域に関連付けられた第3の温度測定値を取得することと、
第1、第2、および第3の温度測定値に少なくとも部分的に基づいて、第1および第2の処置領域の第2の更新された温度マップを生成することと、
第2の更新された温度マップに基づいて第3の処置パルスの少なくとも1つのパラメータを設定することと、
エネルギー源から第3の処置パルスを第3の処置領域に選択的に放射することと、
をさらに含む、項目9に記載の方法。
【0075】
18.第2の処置領域が第1の処置領域と重複する場合に警告を生成することをさらに含む、項目17に記載の方法。
【0076】
19.第3の処置パルスの少なくとも1つのパラメータが有効処置値を下回る値に設定された場合に警告を生成することをさらに含む、項目17に記載の方法。
【0077】
20.第1の処置領域からの熱を対流させるように構成された冷却ユニットによって少なくとも第1の処置領域を冷却することをさらに含む、項目9に記載の方法。
【0078】
21.第1の温度測定値を取得することが、非接触温度センサを使用して第1の処置領域内の第1の領域を測定することを含む、項目9に記載の方法。
22.非接触温度センサが赤外線センサを含む、項目21に記載の方法。
【0079】
23.エネルギーベースの皮膚科学的処置システムであって、
第1の処置領域に第1の処置パルスを放射するように構成されたエネルギー源と、
第1の処置領域に関連付けられた第1の温度測定値を取得するように構成された温度センサと、
第1の温度測定値を受信し、第1の温度測定値に基づいて第1の処置領域の温度マップを生成するように構成された処理モジュールと、
第1の温度マップに基づいて、エネルギー源によって放射される第2の処置パルスの少なくとも1つのパラメータを調整するように構成された制御モジュールと、を備え、
第1の温度センサが、非接触式温度センサである、システム。
【0080】
24.制御モジュールが、エネルギー源に、第2の処置パルスを第1の処置領域に放射するように指示するようにさらに構成されている、項目23に記載のシステム。
【0081】
25.制御モジュールが、エネルギー源を第2の処置領域において第2の処置パルスを放射するように向け直すようにさらに構成されている、項目24に記載のシステム。
【0082】
26.エネルギーベースの皮膚科学的処置システムを動作させる方法であって、
エネルギーベースの皮膚科学的処置システムを第1の処置領域に向けることと、
エネルギー源から第1の処置パルスを第1の処置領域に選択的に放射することと、
第1の処置領域に関連付けられた第1の温度測定値を取得することと、
第1の温度測定値に少なくとも部分的に基づいて第1の処置領域の温度マップを生成することと、
温度マップに基づいて、エネルギー源によって放射される第2の処置パルスの少なくとも1つのパラメータを調整することと、を含む、方法。
【0083】
27.エネルギー源から第2の処置パルスを第1の処置領域に選択的に放射することをさらに含む、項目26に記載の方法。
【0084】
28.エネルギーベースの皮膚科学的処置システムを第2の処置領域に向けることと、
エネルギー源から第2の処置パルスを第2の処置領域に選択的に放射することと、
をさらに含む、項目26に記載の方法。
【0085】
したがって、本開示は、示された実施態様にしたがって提供されているが、当業者であれば、実施形態に変形例が存在することができ、それらの変形例が本開示の範囲内にあることを容易に認識するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、当業者によって多くの変更が行われ得る。
【国際調査報告】