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特表2024-502020フレキシブルな細長い医療要素のためのカテーテル並進モジュールを備えるカテーテルロボット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】フレキシブルな細長い医療要素のためのカテーテル並進モジュールを備えるカテーテルロボット
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/30 20160101AFI20240110BHJP
【FI】
A61B34/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539886
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-08-25
(86)【国際出願番号】 EP2021087250
(87)【国際公開番号】W WO2022144264
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】20217534.5
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517433614
【氏名又は名称】ロボカト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ブルーノ・フルニエ
(72)【発明者】
【氏名】マルク・ブーランジュ
(72)【発明者】
【氏名】アレクシス・ベルアン
【テーマコード(参考)】
4C130
【Fターム(参考)】
4C130AA13
4C130AB02
(57)【要約】
本発明は、ベース部(100)、ならびに前記ベース部(100)によって支持される少なくとも2つのカテーテル並進モジュール(1、2)であって、各カテーテル並進モジュール(1、2)が、一度にただ1つのフレキシブルな細長い医療要素を長手方向に並進させるような可動部分(71から74、81から84)のただ1つの組(7、8)と、その中でいくつかの対応するフレキシブルな細長い医療要素が前記カテーテル並進モジュール(1、2)を通って並進できるいくつかの交差トラック(3から6)のグループと、そこで前記対応するフレキシブルな細長い医療要素を長手方向に並進させるように、前記交差トラック(3から6)のいずれかに、可動部分(71から74、81から84)の前記単一の組(7、8)を向けるためのスイッチ(61、62)と、を備える、カテーテルロボットに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部(100)、ならびに
前記ベース部(100)によって支持される少なくとも2つのカテーテル並進モジュール(1、2)であって、各カテーテル並進モジュール(1、2)が、
一度にただ1つのフレキシブルな細長い医療要素を長手方向に並進させるような可動部分(71から74、81から84)のただ1つの組(7、8)と、
その中でいくつかの対応するフレキシブルな細長い医療要素が、前記カテーテル並進モジュール(1、2)を通って並進できるいくつかの交差トラック(3から6)のグループと、
そこで前記対応するフレキシブルな細長い医療要素を長手方向に並進させるように、前記交差トラック(3から6)のいずれかに、可動部分(71から74、81から84)の前記単一の組(7、8)を向けるためのスイッチ(61、62)と、
を備える、カテーテル並進モジュール(1、2)、を備え、
前記第1のカテーテル並進モジュール(1)と第2のカテーテル並進モジュール(2)とが互いに長手方向に離間され、その結果、
両方のカテーテル並進モジュール(1、2)の交差トラック(3から6)のそれぞれのグループが互いに面し、その結果、1つのグループの交差トラック(3から6)内を並進する所与のフレキシブルな細長い医療要素が、他のグループの交差トラック(3から6)内をやはり並進する、カテーテルロボット。
【請求項2】
互いに面する前記第1のグループと第2のグループとの交差トラック(3から6)中に、可動部分(71から74、81から84)のそれぞれの組(7、8)を向けないように、前記第1のカテーテル並進モジュール(1)および第2のカテーテル並進モジュール(2)の両方のスイッチ(61、62)が一緒に同期される、請求項1に記載のカテーテルロボット。
【請求項3】
前記第1のカテーテル並進モジュール(1)および第2のカテーテル並進モジュール(2)から長手方向に離間されるクランプデバイス(10)をやはり備え、前記クランプデバイス(10)が、
その中でいくつかの対応するフレキシブルな細長い医療要素が、前記カテーテル並進モジュール(1、2)を通って並進できるいくつかの交差トラック(3から6)のグループを備え、
交差トラック(3から6)の前記グループがカテーテル並進モジュール(1、2)の交差トラック(3から6)の前記グループのうちの少なくとも1つに面し、その結果、前記カテーテル並進モジュール(1、2)の両方のグループの交差トラック(3から6)内を並進する所与のフレキシブルな細長い医療要素が、前記クランプデバイス(10)の前記グループの交差トラック(3から6)内をやはり並進し、
前記クランプデバイス(10)が、
その中で2対の可動パッド(71から74、81から84)の前記組(7、8)のいずれかが前記スイッチ(61、62)のいずれかによって向けられる、前記カテーテル並進モジュール(1、2)の交差トラック(3から6)に面するいずれかの交差トラック(3から6)中でクランプせず、
その中で2対の可動パッド(71から74、81から84)の前記組(7、8)のいずれかが前記スイッチ(61、62)のいずれかによって向けられる、前記カテーテル並進モジュール(1、2)の交差トラック(3から6)に面していない1つ以上または全部の交差トラック(3から6)中でクランプする、
ように、前記カテーテル並進モジュール(1、2)と同期する、請求項1または2に記載のカテーテルロボット。
【請求項4】
前記クランプデバイス(10)が、
前記交差トラック(3から6)のいずれかの状態をクランプ状態から非クランプ状態または非クランプ状態からクランプ状態に変えるためのモータエネルギーを必要とし、
前記交差トラック(3から6)のいずれかの状態をクランプ状態または非クランプ状態のいずれかに維持するためにモータエネルギーを必要としない、
ように配設されるカム機構(29、49、59)を備える、請求項3に記載のカテーテルロボット。
【請求項5】
前記カム機構(29、49、59)が、
任意の回転角位置でただ2つの交差トラック(3から6)中でクランプし、
異なる回転角範囲についてそれぞれ2つの交差トラック(3から6)の異なる組合せでクランプし、2つの交差トラック(3から6)の各可能な組合せが関連する回転角範囲にそれぞれ対応する、
ような、その回転軸に沿って配設される異なる直径(41、42)を有する単一カム(59)を備える、請求項4に記載のカテーテルロボット。
【請求項6】
各カテーテル並進モジュール(1、2)が、前記フレキシブルな細長い医療要素を長手軸の周りに回転させるようなカテーテル回転モジュールでもある、請求項1から5のいずれか一項に記載のカテーテルロボット。
【請求項7】
各カテーテル並進モジュール(1、2)が、少なくとも1対の可動パッド(71から74、81から84)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のカテーテルロボット。
【請求項8】
ベース部(100)、ならびに
前記ベース部(100)によって支持される少なくとも2つのカテーテル並進モジュール(1、2)であって、各カテーテル並進モジュール(1、2)が、
2対の可動パッド(71から74、81から84)のただ1つの組(7、8)であって、
同じ対の前記パッド(71から74、81から84)が少なくとも部分的に互いに面し、
あるいはそこでフレキシブルな細長い医療要素を長手方向に並進させるように、前記2対の各々がそのパッド(71から74、81から84)間で前記フレキシブルな細長い医療要素をクランプする、可動パッドと、
その中でいくつかの対応するフレキシブルな細長い医療要素が前記カテーテル並進モジュール(1、2)を通って並進できるいくつかの交差トラック(3から6)のグループと、
そこで前記対応するフレキシブルな細長い医療要素を長手方向に並進させるように、前記交差トラック(3から6)のいずれかに、2対の可動パッド(71から74、81から84)の前記単一の組(7、8)を向けるためのスイッチと、
を備える、カテーテル並進モジュール(1、2)、を備え、
前記第1のカテーテル並進モジュール(1)と第2のカテーテル並進モジュール(2)とが互いに長手方向に離間され、その結果、
両方のカテーテル並進モジュール(1、2)の交差トラック(3から6)のそれぞれのグループが互いに面し、その結果、1つのグループの交差トラック(3から6)内を並進する所与のフレキシブルな細長い医療要素が、他のグループの交差トラック(3から6)内をやはり並進し、
互いに面する前記第1のグループと第2のグループとの交差トラック(3から6)中に2対の可動部分(71から74、81から84)のそれぞれの組(7、8)を向けないように、前記第1のカテーテル並進モジュール(1)および第2のカテーテル並進モジュール(2)の両方のスイッチ(61、62)が一緒に同期される、カテーテルロボット。
【請求項9】
互いに面する前記第1のグループおよび第2のグループの、交差トラック(3から6)中の2対の可動部分(71から74、81から84)のそれぞれの組(7、8)を向けないように、前記第1のカテーテル並進モジュール(1)および第2のカテーテル並進モジュール(2)の両方のスイッチ(61、62)が一緒に同期される、請求項8に記載のカテーテルロボット。
【請求項10】
前記第1のカテーテル並進モジュール(1)および第2のカテーテル並進モジュール(2)から長手方向に離間されるクランプデバイス(10)をやはり備え、前記クランプデバイス(10)が、
その中でいくつかの対応するフレキシブルな細長い医療要素が前記カテーテル並進モジュール(1、2)を通って並進できるいくつかの交差トラック(3から6)のグループを備え、
交差トラック(3から6)の前記グループがカテーテル並進モジュール(1、2)の交差トラック(3から6)の前記グループのうちの少なくとも1つに面し、その結果、前記カテーテル並進モジュール(1、2)の両方のグループの交差トラック(3から6)内を並進する所与のフレキシブルな細長い医療要素が、前記クランプデバイス(10)の前記グループの交差トラック(3、6)内をやはり並進し、
前記クランプデバイス(10)が、
その中で2対の可動パッド(71から74、81から84)の前記組のいずれかが前記スイッチ(61、62)のいずれかによって向けられる、前記カテーテル並進モジュール(1、2)の交差トラック(3から6)に面するいずれかの交差トラック(3から6)中でクランプせず、
その中で2対の可動パッド(71から74、81から84)の前記組(7、8)のいずれかが前記スイッチ(61、62)のいずれかによって向けられる、前記カテーテル並進モジュール(1、2)の交差トラック(3から6)に面していない1つ以上の交差トラック(3から6)中でクランプする、
ように、前記カテーテル並進モジュール(1、2)と同期する、請求項8または9に記載のカテーテルロボット。
【請求項11】
前記クランプデバイス(10)が、
前記交差トラック(3から6)のいずれかの状態をクランプ状態から非クランプ状態または非クランプ状態からクランプ状態に変えるためのモータエネルギーを必要とし、
前記交差トラック(3から6)のいずれかの状態をクランプ状態または非クランプ状態のいずれかに維持するためにモータエネルギーを必要としない、
ように配設されるカム機構(29、49、59)を備える、請求項10に記載のカテーテルロボット。
【請求項12】
前記カム機構(29、49、59)が、
任意の回転角位置でただ2つの交差トラック(3から6)中でクランプし、
異なる回転角範囲についてそれぞれ2つの交差トラック(3から6)の異なる組合せでクランプし、2つの交差トラック(3から6)の各可能な組合せが関連する回転角範囲にそれぞれ対応する、
ような、その回転軸に沿って配設される異なる直径(41、42)を有する単一カム(59)を備える、請求項11に記載のカテーテルロボット。
【請求項13】
各カテーテル並進モジュール(1、2)がカテーテル回転モジュールでもあり、
あるいは、そこでフレキシブルな細長い医療要素をそれが面するパッド(71から74、81から84)間で回転させることによって、前記フレキシブルな細長い医療要素を長手軸の周りに回転させるように、前記2対の各々が、それが面するパッド(71から74、81から84)間で前記フレキシブルな細長い医療要素をクランプする、請求項8から12のいずれか一項に記載のカテーテルロボット。
【請求項14】
いくつかの交差トラック(3から6)の前記グループが、少なくとも4個の交差トラック(3から6)を備え、好ましくはただ4個の交差トラック(3から6)を備える、請求項1から13のいずれか一項に記載のカテーテルロボット。
【請求項15】
前記交差トラック(3から6)がそれぞれ、
第1のカテーテル、好ましくはカテーテルバルーンまたはカテーテルステント、
前記第1のカテーテルの第1のガイド、
第2のカテーテル、好ましくはカテーテルバルーンまたはカテーテルステント、
前記第2のカテーテルの第2のガイド、
を受け入れる、請求項14に記載のカテーテルロボット。
【請求項16】
前記第1のカテーテル並進モジュール(1)と第2のカテーテル並進モジュール(2)とが、互いに構造的に同一である、請求項1から15のいずれか一項に記載のカテーテルロボット。
【請求項17】
前記カテーテル並進モジュール(1、2)のうちの1つ以上または全部の各トラック(3から6)が、フレキシブルな細長い医療要素にとらわれず、前記トラックがカテーテルまたはガイドワイヤのいずれかを取り扱うことができる、請求項1から16のいずれか一項に記載のカテーテルロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つ以上のフレキシブルな細長い医療要素を並進させるように構築および配設されたカテーテル並進モジュールを備えるカテーテルロボットの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術によれば、カテーテルロボットは、たとえばカテーテルまたはガイドワイヤのいずれかといった、いくつかのフレキシブルな細長い医療要素を備える。このカテーテルロボットは、これらのフレキシブルな細長い医療要素を並進させるため、可動部分からできている内部機構を備える。しかし、1つのフレキシブルな細長い医療要素から他のものへの交換は、施術者が手動で実施しなければならない。この手動での交換は、資格のある施術者が実施するべき追加ステップを必要とし、それによって、時間およびエネルギーが失われる。
【0003】
実際に、簡単な経皮冠動脈インターベンションでは、通常、1つのガイドワイヤおよび1つのカテーテルまたはただ1つのバルーンカテーテルを必要とする。このカテーテルバルーンは、裸のバルーンまたはステントを有するバルーンであってよいが、ここで、両方を称するために、バルーンカテーテルという用語を使用することになる。これらのガイドワイヤおよびバルーンカテーテルは、同時に患者に挿入されるべきである。より複雑な場合には、同時に挿入される、さらなるフレキシブルな細長い医療要素を有することがさらに有益となる場合がある。たとえば、分岐の場合、2つのガイドワイヤおよび2つのバルーンカテーテルを使用することに関心が寄せられることになる場合がある。
【0004】
そのようなカテーテルロボットは、2つのフレキシブルな細長い医療要素を同時にロボット制御で操作することができる。さらなるフレキシブルな細長い医療要素を使用するために、そのようなカテーテルロボットは、フレキシブルな細長い医療要素が患者に挿入されたのを保つのを可能にするとともに、クランプを使用することによってそれらを固定したままにする一方で、もう2つのフレキシブルな細長い医療要素、たとえば、ガイドワイヤおよびバルーンカテーテルを同時にロボット化したトラックに挿入することを可能にする「パーキングロット」を有する。ユーザがパーキングロット中のフレキシブルな細長い医療要素を操作したい場合、このフレキシブルな細長い医療要素と、対応するフレキシブルな細長い医療要素をロボット化したトラックの中で交換する必要があり、ガイドワイヤはガイドワイヤと交換しなければならず、バルーンカテーテルはバルーンカテーテルと交換しなければならない。というのは、ガイドワイヤトラックとバルーントラックは異なっており、専用であるためである。
【0005】
この操作には問題がある。というのは、これはカテーテルロボット上において手動で行わなければならないためである。実際に、この手動操作は、専用の人員を必要とし、手順に対して余分のステップが加わる。そのような専用の手動ステップは、全手順にかかる時間を増加させる不都合をもたらす。加えて、カテーテルロボットの設計がバルーンの曲率を含意する場合、これによって押す力が制限され、バルーンカテーテルの操縦性が低下する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】仏国特許出願第3022147号明細書
【特許文献2】仏国特許出願第3037269号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、少なくとも部分的に上述の欠点を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
より具体的には、本発明は、2つの異なるフレキシブルな細長い医療要素間のそのような交換を自動的に実施するのを可能にする、より自動化したカテーテルロボットを提案することを目的とする。したがって、本発明にしたがって、1つのフレキシブルな細長い医療要素を並進させるように構築された1組の可動部分でできている内部並進機構を各々が備え、そのようなフレキシブルな細長い医療要素を受け入れる1つより多いトラックを各々が備えるカテーテル並進モジュールを設けることが有益であって関心が寄せられる。
【0009】
実際には、この可動部分の組によってその瞬間に並進されるフレキシブルな細長い医療要素を含むトラックがロボット化したトラックである一方で、他のトラックはパーキングトラックである。その上、この可動部分の組は、自動的に1つのトラックから他のトラックに変わり、別のフレキシブルな細長い医療要素の並進を開始し、それによって、そのときに、ロボット化したトラックをパーキングトラックに変更し、パーキングトラックのうちの1つを新しいロボット化したトラックに変更することができる。
【0010】
次いで、いくつかのトラックがいくつかの対応するフレキシブルな細長い医療要素を受け入れることが可能であり、内部並進機構が1組の可動部分でできており、この可動部分の組が1つのトラックから他のトラックに動くことが可能であり、いくつかのフレキシブルな細長い医療要素の中で一方または他方を並進し、それが進む各トラックに新しいロボット化したトラックの状態を与える一方で、全部の他のトラックは、そのときにフレキシブルな細長い医療要素の並進を実施することができないパーキングトラックの状態を保つこと、または得ることが提案される。
【0011】
この目的は、ベース部、ならびに前記ベース部によって支持される少なくとも2つのカテーテル並進モジュールであって、各カテーテル並進モジュールが、一度にただ1つのフレキシブルな細長い医療要素を長手方向に並進させるような可動部分のただ1つの組と、その中でいくつかの対応するフレキシブルな細長い医療要素が前記カテーテル並進モジュールを通って並進できるいくつかの交差トラックのグループと、そこで前記対応するフレキシブルな細長い医療要素を長手方向に並進させるように、前記交差トラックのいずれかに、可動部分の前記単一の組を向けるためのスイッチと、を備え、両方のカテーテル並進モジュールの交差トラックのそれぞれのグループが互いに面し、その結果、1つのグループの交差トラック内を並進する所与のフレキシブルな細長い医療要素が、他のグループの交差トラック内をやはり並進するように、前記第1のカテーテル並進モジュールと第2のカテーテル並進モジュールが互いに長手方向に離間される、カテーテル並進モジュールを備える、カテーテルロボットで達成される。
【0012】
一実施形態によれば、互いに面する前記第1のグループおよび第2のグループの、交差トラック中に可動部分のそれぞれの組を向けないように、前記第1のカテーテル並進モジュールおよび第2のカテーテル並進モジュールの両方のスイッチが一緒に同期される。
【0013】
この目的は、ベース部、ならびに前記ベース部によって支持される少なくとも2つのカテーテル並進モジュールであって、各カテーテル並進モジュールが、2対の可動パッドのただ1つの組であって、同じ対の前記パッドが少なくとも部分的に互いに面し、あるいはそこで前記フレキシブルな細長い医療要素を長手方向に並進させるように、前記2対の各々がそのパッド間でフレキシブルな細長い医療要素をクランプする、可動パッドと、その中でいくつかの対応するフレキシブルな細長い医療要素が前記カテーテル並進モジュールを通って並進できるいくつかの交差トラックのグループと、そこで前記対応するフレキシブルな細長い医療要素を長手方向に並進させるように、前記交差トラックのいずれかに、2対の可動パッドの前記単一の組を向けるためのスイッチと、を備え、両方のカテーテル並進モジュールの交差トラックのそれぞれのグループが互いに面し、その結果、1つのグループの交差トラック内を並進する所与のフレキシブルな細長い医療要素が、他のグループの交差トラック内をやはり並進するように、前記第1のカテーテル並進モジュールと第2のカテーテル並進モジュールとが互いに長手方向に離間される、カテーテル並進モジュールを備える、カテーテルロボットでより正確に達成される。
【0014】
一実施形態によれば、互いに面する前記第1のグループおよび第2のグループの、交差トラック中に可動部分のそれぞれの組を向けないように、前記第1のカテーテル並進モジュールおよび第2のカテーテル並進モジュールの両方のスイッチが一緒に同期される。
【0015】
好ましくは、本発明によるカテーテルロボットは、前記第1のカテーテル並進モジュールおよび第2のカテーテル並進モジュールから長手方向に離間されるクランプデバイスをやはり備え、クランプデバイスは、その中でいくつかの対応するフレキシブルな細長い医療要素が前記カテーテル並進モジュールを通って並進できるいくつかの交差トラックのグループを備え、交差トラックの前記グループは、カテーテル並進モジュールの交差トラックの前記グループのうちの少なくとも1つに面し、その結果、前記カテーテル並進モジュールの両方のグループの交差トラック内を並進する所与のフレキシブルな細長い医療要素が、前記クランプデバイスの前記グループの交差トラック内をやはり並進し、2対の可動パッドの前記組のいずれかが前記スイッチのいずれかによって向けられる、前記カテーテル並進モジュールの交差トラックに面するいずれかの交差トラック中でクランプせず、2対の可動パッドの前記組のいずれかが前記スイッチのいずれかによって向けられる、前記カテーテル並進モジュールの交差トラックに面していない1つ以上または全部の交差トラック中でクランプするように、前記クランプデバイスが前記カテーテル並進モジュールと同期する。
【0016】
そのため、所与のときに、いくつかの対応するフレキシブルな細長い医療要素フレキシブルな細長い医療要素を受け入れることが可能ないくつかのトラックがあり、内部並進機構は1組の可動部分でできており、可動部分のこの組は、1つのトラックから他のトラックに動くことが可能であり、いくつかのフレキシブルな細長い医療要素の中の1つまたは他のものを並進させる。
【0017】
しかし、この所与のときに、可動部分のこの組がいくつかのフレキシブルな細長い医療要素の中の1つを並進させる1つのロボット化したトラックだけがある。すべての他のトラックは、この所与のときには、その瞬間にフレキシブルな細長い医療要素の並進を実施することができないパーキングトラックだけである。これらのパーキングトラックでは、フレキシブルな細長い医療要素は、それらが可動部分のこの組によってクランプされないために、クランプが外されている。
【0018】
しかし、その中の動脈または静脈にフレキシブルな細長い医療要素が挿入される患者にとって、これらのフレキシブルな細長い医療要素の1つ以上が完全に自由に動けるままであるのは危険な場合がある。したがって、この追加クランプデバイスは、非クランプである、すなわち、カテーテル並進モジュールの内部並進機構の可動部分の組によってクランプされない、1つ以上または好ましくはすべてのフレキシブルな細長い医療要素をクランプするために設けられる。それによって、この追加クランプデバイスは、簡単で効果的な方法で、追加の安全保障を実現する。
【0019】
より好ましくは、本発明によるカテーテルロボットは、前記第1のカテーテル並進モジュールおよび第2のカテーテル並進モジュールから長手方向に離間されるクランプデバイスをやはり備え、クランプデバイスは、その中でいくつかの対応するフレキシブルな細長い医療要素が前記カテーテル並進モジュールを通って並進できるいくつかの交差トラックのグループを備え、交差トラックの前記グループがカテーテル並進モジュールの交差トラックの前記グループのうちの少なくとも1つに面し、その結果、前記カテーテル並進モジュールの両方のグループの交差トラック内を並進する所与のフレキシブルな細長い医療要素が、前記クランプデバイスの前記グループの交差トラック内をやはり並進し、2対の可動パッドの前記組のいずれかが前記スイッチのいずれかによって向けられる、前記カテーテル並進モジュールの交差トラックに面するいずれかの交差トラック中でクランプせず、2対の可動パッドの前記組のいずれかが前記スイッチのいずれかによって向けられる、前記カテーテル並進モジュールの交差トラックに面していない1つ以上の交差トラック中でクランプするように、前記クランプデバイスが前記カテーテル並進モジュールと同期する。
【0020】
好ましい実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を備え、特徴は、別個に、または一緒に、部分的な組合せもしくは完全な組合せのいずれかで実施することができる。
【0021】
好ましくは、前記クランプデバイスが、前記交差トラックのいずれかの状態をクランプ状態から非クランプ状態または非クランプ状態からクランプ状態に変えるためのモータエネルギーを必要とし、前記交差トラックのいずれかの状態をクランプ状態または非クランプ状態のいずれかに維持するためにモータエネルギーを必要としないように配設されるカム機構を備える。
【0022】
したがって、クランプデバイス構造は、効率と簡略化ならびに動作コストの間のより良好な妥協を提案する。というのは、モータエネルギーは、クランプ状態と非クランプ状態との間で状態を交換するためにだけ必要であり、クランプ状態または非クランプ状態のいずれかの状態を維持するためには必要でないためである。
【0023】
好ましくは、前記カム機構は、任意の回転角位置でただ2つの交差トラック中でクランプし、異なる回転角範囲についてそれぞれ2つの交差トラックの異なる組合せでクランプし、2つの交差トラックの各可能な組合せが関連する回転角範囲にそれぞれ対応するような、その回転軸に沿って配設される異なる直径を有する単一カムを備える。
【0024】
したがって、クランプデバイス構造は、効率と簡略化ならびに動作コストとの間のより良好な妥協を提案する。というのは、単一の回転モータは、クランプ状態と非クランプ状態の間で全状態変換を行うため、およびクランプ状態または非クランプ状態のいずれかの全状態を維持するために必要であるためである。
【0025】
好ましくは、各カテーテル並進モジュールは、前記フレキシブルな細長い医療要素を長手軸の周りに回転させるようなカテーテル回転モジュールでもある。
【0026】
したがって、フレキシブルな細長い医療要素は、並進することができるだけでなく回転することもでき、その上有利なことに、可動部分の同じ組によって、フレキシブルな細長い医療要素を並進させることが可能であるだけでなく、このフレキシブルな細長い医療要素を回転させることも可能であり、このことによって、カテーテルロボットの簡略化と効率の間の妥協が改善される。
【0027】
好ましくは、前記クランプデバイスが、前記交差トラックのいずれかの状態をクランプ状態から非クランプ状態または非クランプ状態からクランプ状態に変えるためのモータエネルギーを必要とし、前記交差トラックのいずれかの状態をクランプ状態または非クランプ状態のいずれかに維持するためにモータエネルギーを必要としないように配設されるカム機構を備える。
【0028】
したがって、クランプデバイス構造は、効率と簡略化ならびに動作コストの間のより良好な妥協を提案する。というのは、モータエネルギーは、クランプ状態と非クランプ状態の間で状態を交換するためにだけ必要であり、クランプ状態または非クランプ状態のいずれかの状態を維持するためには必要でないためである。
【0029】
好ましくは、前記カム機構は、任意の回転角位置でただ2つの交差トラック中でクランプし、異なる回転角範囲についてそれぞれ2つの交差トラックの異なる組合せでクランプし、2つの交差トラックの各可能な組合せが関連する回転角範囲にそれぞれ対応するような、その回転軸に沿って配設される異なる直径を有する単一カムを備える。
【0030】
したがって、クランプデバイス構造は、効率と簡略化ならびに動作コストとの間のより良好な妥協を提案する。というのは、単一の回転モータは、クランプ状態と非クランプ状態の間で全状態変換を行うため、およびクランプ状態または非クランプ状態のいずれかの全状態を維持するために必要であるためである。
【0031】
好ましくは、各カテーテル並進モジュールは、カテーテル回転モジュールでもあり、あるいは、そこで、前記フレキシブルな細長い医療要素をそれが面するパッド間で回転させることによって、前記フレキシブルな細長い医療要素を長手軸の周りに回転させるように、前記2対の各々は、それが面するパッド間でフレキシブルな細長い医療要素をクランプする。
【0032】
したがって、フレキシブルな細長い医療要素は、並進することができるだけでなく回転することもでき、その上有利なことに、可動部分の同じ組によって、フレキシブルな細長い医療要素を並進させることが可能であるだけでなく、このフレキシブルな細長い医療要素を回転させることも可能であり、このことによって、カテーテルロボットの簡略化と効率の間の妥協が改善される。
【0033】
好ましくは、いくつかの交差トラックの前記グループは、少なくとも4個の交差トラックを備え、好ましくはただ4個の交差トラックを備える。
【0034】
したがって、単一のカテーテル並進モジュールが、代わりに多くのフレキシブルな細長い医療要素を管理することができる。
【0035】
好ましくは、前記交差トラックはそれぞれ、第1のカテーテル、好ましくはカテーテルバルーンまたはカテーテルステント、前記第1のカテーテルの第1のガイド、第2のカテーテル、好ましくはカテーテルバルーンまたはカテーテルステント、前記第2のカテーテルの第2のガイドを受け入れる。
【0036】
したがって、単一のカテーテル並進モジュールが、代わりに、フレキシブルな細長い医療要素の2つの完全な組を管理することができ、フレキシブルな細長い医療要素の各組は、カテーテルおよび前記カテーテルを案内するそのガイドワイヤを備える。
【0037】
好ましくは、前記第1のカテーテル並進モジュールと第2のカテーテル並進モジュールは互いに構造的に同一である。
【0038】
したがって、カテーテルロボットは、全体的により簡単に作られる一方で、要求されるような効率を依然として維持する。
【0039】
好ましくは、1つ以上または全部のカテーテル並進モジュールの各トラックは、フレキシブルな細長い医療要素にとらわれず、前記トラックがカテーテルまたはガイドワイヤのいずれかを取り扱うことができる。
【0040】
したがって、カテーテルロボットは、全体的により簡単に作られる一方で、要求されるような効率を依然として維持する。
【0041】
一実施形態によれば、各カテーテル並進モジュールは、少なくとも1対の可動パッドを備え、好ましくは、ただ1対の可動パッドを備える。
【0042】
本発明のさらなる特徴および利点は、下でリスト化される添付図面を参照して、非限定の例として与えられる本発明の実施形態の以下の説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本発明の一実施形態によるカテーテルロボットの部分の例を概略的に示す図である。
図2図2a、図2b、図2c、および図2dは、本発明の一実施形態によるカテーテルロボットの例の、内部並進機構の1つの異なる状態を概略的に平面で示す図である。の異なる状態を概略的に平面で示す図である。
図3図3a、図3b、図3c、および図3dは、本発明の一実施形態によるカテーテルロボットの例の、内部並進機構の1つの異なる状態を概略的に別の平面で示す図である。の異なる状態を概略的に別の平面で示す図である。
図4】本発明の一実施形態によるカテーテルロボットの例を概略的に示す図である。
図5】本発明の一実施形態によるカテーテルロボットのクランプデバイスの例を概略的に示す図である。
図6】本発明の一実施形態によるカテーテルロボットのクランプデバイスの内部クランプ機構の第1の例を概略的に示す図である。
図7】本発明の一実施形態によるカテーテルロボットのクランプデバイスの内部クランプ機構の第2の例を概略的に示す図である。
図8】本発明の一実施形態によるカテーテルロボットのクランプデバイスの内部クランプ機構の第3の例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1は、本発明の一実施形態によるカテーテルロボットの部分の例を概略的に示す。
【0045】
カテーテルロボットは、ベース部100を備え、少なくとも2つのカテーテル並進モジュール1および2がこのベース部100によって支持される。第1のカテーテル並進モジュール1と第2のカテーテル並進モジュール2は互いに構造的に同一である。
【0046】
いくつかの交差トラック3、4、5、および6のグループは、少なくとも4つの交差トラック3、4、5、および6を備え、好ましくはただ4つの交差トラック3、4、5、および6を備える。これらの交差トラックはそれぞれ、たとえば、交差トラック4に第1のカテーテル、好ましくはバルーンカテーテルまたはカテーテルステントを、交差トラック6に前記第1のカテーテルの第1のガイドを、交差トラック3に第2のカテーテル、好ましくはバルーンカテーテルまたはカテーテルステントを、交差トラック5に前記第2のカテーテルの第2のガイドを受け入れる。各トラック3から6は、デバイスにとらわれない。すなわち、各トラックは、ガイドワイヤまたはバルーンカテーテルのいずれかを同様に取り扱うことができる。
【0047】
カテーテル並進モジュール1は、2対の可動パッド71、72、73、および74のただ1つの組7を備え、同じ対のパッド71と72ならびに73と74が互いに少なくとも部分的に面する。あるいは、前記2対の各々は、そのパッド間、71と72または73と74のいずれかの間で、フレキシブルな細長い医療要素を、ここでは交差トラック4の中で、そこでこのフレキシブルな細長い医療要素を長手方向に並進させるようにクランプする。カテーテルモジュール1は、その中でいくつかの対応するフレキシブルな細長い医療要素がこのカテーテル並進モジュール1を通って並進できるいくつかの交差トラック3、4、5、および6のグループをやはり備える。カテーテルモジュール1は、そこでこの対応するフレキシブルな細長い医療要素を長手方向に並進させるように、前記交差トラック3から6のいずれかに、ここでは交差トラック4に、2対の可動パッド71から74のこの単一の組7を向けるためのスイッチ61をやはり備える。別の実施形態によれば、カテーテル並進モジュール1はただ1対の可動パッドを備える。
【0048】
カテーテル並進モジュール1は、カテーテル回転モジュールでもある。実際には代わりに、そこで、このフレキシブルな細長い医療要素をそれが面するパッド間、71と72の間または73と74の間のいずれかで、手の指の間でチューブまたはタバコが回転するように回転させることによって、このフレキシブルな細長い医療要素を長手軸の周りに回転させるように、前記2対の各々は、それが面するパッド間、71と72の間次いで73と74の間でフレキシブルな細長い医療要素をクランプする。
【0049】
カテーテル並進モジュール2は、2対の可動パッド81、82、83、および84のただ1つの組8を備え、同じ対のパッド81と82ならびに83と84が互いに少なくとも部分的に面する。あるいは、前記2対の各々は、そのパッド間、81と82または83と84のいずれかの間でフレキシブルな細長い医療要素を、ここでは交差トラック5の中で、または交差トラック3の中でその位置9において、そこでこのフレキシブルな細長い医療要素を長手方向に並進させるようにクランプする。カテーテルモジュール2は、その中でいくつかの対応するフレキシブルな細長い医療要素がこのカテーテル並進モジュール2を通って並進できる、いくつかの交差トラック3、4、5、および6のグループをやはり備える。カテーテルモジュール2は、そこでこの対応するフレキシブルな細長い医療要素を長手方向に並進させるように、前記交差トラック3から6のいずれかに、ここでは交差トラック5に、またはその位置9にあるときは交差トラック3に、2対の可動パッド81から84のこの単一の組8を向けるためのスイッチ62をやはり備える。
【0050】
カテーテル並進モジュール2は、カテーテル回転モジュールでもある。実際には代わりに、そこで、このフレキシブルな細長い医療要素をそれが面するパッド間、81と82の間または83と84の間のいずれかで、手の指の間でチューブまたはタバコが回転するように回転させることによって、このフレキシブルな細長い医療要素を長手軸の周りに回転させるように、前記2対の各々は、それが面するパッド間、81と82の間次いで83と84の間でフレキシブルな細長い医療要素をクランプする。
【0051】
第1のカテーテル並進モジュール1と第2のカテーテル並進モジュール2とは、両方のカテーテル並進モジュール1および2の交差トラック3から6のそれぞれのグループが互いに面し、その結果、1つのグループの交差トラック、3もしくは4または5もしくは6のいずれかの内を並進する所与のフレキシブルな細長い医療要素が、他のグループの同じ交差トラック、3もしくは4または5もしくは6のいずれかの内をやはり並進するように、互いに長手方向に離間される。
【0052】
互いに面するこれらの第1のグループと第2のグループの交差トラック3から6の中に2対の可動部分、それぞれ71から74と81から84のそれぞれの組7および8を向けないように、第1のカテーテル並進モジュール1および第2のカテーテル並進モジュール2の両方のスイッチ61および62が一緒に同期される。たとえば、第1のカテーテル並進モジュール1では、フレキシブルな細長い医療要素が交差トラック4の中に配置される一方で、第2のカテーテル並進モジュール2では、フレキシブルな細長い医療要素は交差トラック3および5の中にそれぞれ配置される。別の実施形態によれば、第1のカテーテル並進モジュール1および第2のカテーテル並進モジュール2のスイッチ61およびスイッチ62は、前記第1のカテーテル並進モジュール1および第2のカテーテル並進モジュール2が同じ交差トラック3から6にアドレス指定されるのを可能にする。そのような実施形態は、特に、第1のカテーテル並進モジュール1および第2のカテーテル並進モジュール2がただ1対の可動パッドを備えるときに有利である。
【0053】
カテーテル並進モジュール1およびカテーテル並進モジュール2は、むしろ、フレキシブルな細長い医療要素を迅速に交換する血管診療専用のカテーテルロボットで使用されるロボットモジュールであり、4つの直線的、すなわち、曲がっていない平行なトラック3から6のおかげで、ここでは最高で4つのフレキシブルな細長い医療要素を挿入することができ、ここで、4個のトラック3から6のいずれか、たとえば、図1のカテーテル並進モジュール1中のトラック4をロボット化したトラックとして選択し、たとえば図1のカテーテル並進モジュール1中のトラック3、トラック5、およびトラック6といった3つの他のトラックが「パーキング」モードであり、すなわち、フレキシブルな細長い医療要素が固定したままとすることができる。カテーテル並進モジュール2では、ロボット化したトラックがトラック5であり、可動パッド81から84の対の組8を有し、他のトラック3、4、および6がパーキングトラックであるか、または、ロボット化したトラックがトラック3になり、その位置9の可動パッドの対の組8を有し、他のトラック4、5、および6がここでパーキングトラックになるかのいずれかである。位置9への変更は、スイッチ62によって行われる。
【0054】
2つのモジュール1および2は、4トラックシステムを有するために組み合わせることができ、そのうちの2つのトラック、図1のトラック4およびトラック5がロボット化され、2つのトラック、図1のトラック3およびトラック6がパーキングモードである。
【0055】
トラック3から6の間のロボット化されるトラックの選択は、たとえば、ボタン、タッチスクリーン、ジョイスティックなどといった任意のマンマシンインターフェースデバイスのおかげで、ユーザまたは施術者によって行われ、数秒またはそれよりさらに短時間でカテーテルロボットのカテーテル並進モジュール1およびカテーテル並進モジュール2のスイッチ61およびスイッチ62によって自動的に実行される。
【0056】
この2モジュール構成は図1に示される。本システムは、2つの同一のカテーテル並進モジュール1および2から構成される。各カテーテル並進モジュール1または2は、簡略化のためにここでは表されない電気機械システムを備え、4パッドの各組7または8、すなわち、組7用の71から74、または組8用の81から84が、x、y、およびz軸に沿って並進される一方で、それらの向きを一定に保つことを可能にする。
【0057】
パッド71から74および81から84の好適な動きが、それらがそれぞれクランプするフレキシブルな細長い医療要素の並進、回転、または組み合わせた回転を作り出すことができる。このことは、本明細書に参照によって組み込まれる、特許文献1および特許文献2に既に記載されている。
【0058】
図2a、図2b、図2c、および図2dは、本発明の一実施形態によるカテーテルロボットの例の、内部並進機構の4つの異なる状態をそれぞれ概略的に平面で示す。
【0059】
上述の文書、特許文献1および特許文献2に記載されたパッドの運動と比較して、ここで図2aから図2dに示されるように、y軸に沿ってより長いストロークを有する可能性、ならびに2つのパッド、71および72または73および74のいずれかを同時にz軸に沿って同じ方向に動かす可能性に新規性がある。代わりにこのことによって、図2aに示されるようにトラック3を選択すること、または図2bに示されるようにトラック4を選択すること、または図2cに示されるようにトラック5を選択すること、または図2dに示されるようにトラック6を選択すること、のいずれかが可能になる。
【0060】
図3a、図3b、図3c、および図3dは、本発明の一実施形態によるカテーテルロボットの例の、内部並進機構の4つの異なる状態をそれぞれ概略的に別の平面zxで示す。
【0061】
たとえば、図3は、図3a上のトラック6が選択される第1の状況から、図3d上のトラック4が選択される第2の状況へのパッドの運動を図示する。図3aのトラック6の選択から図3dのトラック4の選択へ変えるために、パッド73と74の対は、続けて、図3bの以前のトラック6の下、次いでx軸に沿って動いた後、図3cの新しいトラック4の下といった、2つの中間の状態を受ける。
【0062】
(簡略化のために表されない)動力化は、パッド73およびパッド74の下に配置するべきであり、これは、図3に示される軸にしたがうと、z軸に沿って負の方向であることを意味する。というのは、他の位置はシステムと干渉することになるためである。たとえば、動力化がx軸に沿ってパッド73およびパッド74の後に配置された場合、他のトラックと干渉することになる。たとえば、動力化がz軸に沿った正の方向でパッド73およびパッド74の上方に配置された場合、それらの挿入および/または除去をシステムの上部から行うことができず、これは実用的でない。たとえば、動力化がy軸に沿ってパッド73およびパッド74の側面に配置された場合、トラックとこのトラック内に配置されたフレキシブルな細長い医療要素とに干渉が存在することになる。
【0063】
図4は、本発明の一実施形態によるカテーテルロボットの例を概略的に示す。
【0064】
図1に戻ると、ロボット化されないトラックは自由である一方、これらのロボット化されないトラック内に配置されたフレキシブルな細長い医療要素を動かないように保持できる場合、より安全となることがわかる。
【0065】
これは、第1のカテーテル並進モジュール1、すなわち、患者に最も近い遠位カテーテル並進モジュールの前に配置された動力化クランプデバイス10のおかげで得ることができる。次いでカテーテルロボットは、順に、カテーテルガイド19、Yバルブ20、クランプデバイス10、遠位カテーテル並進モジュール1、および近位カテーテル並進モジュール2を備える。
【0066】
図5は、本発明の一実施形態によるカテーテルロボットのクランプデバイスの例を概略的に示す。
【0067】
カテーテルロボットは、クランプデバイス10を備える。このクランプデバイス10は、前記第1のカテーテル並進モジュール1および第2のカテーテル並進モジュール2から長手方向に離間される。
【0068】
このクランプデバイス10は、その中でいくつかの対応するフレキシブルな細長い医療要素が遠位カテーテル並進モジュール1および/または近位カテーテル並進モジュール2のいずれかを通って並進できるいくつかの交差トラック3、4、5、および6のグループを備える。
【0069】
交差トラック3、4、5、および6のこのグループがカテーテル並進モジュール1および2の交差トラック3、4、5、および6の前記グループのうちの少なくとも1つに面し、その結果、これらのカテーテル並進モジュール1および2の両方のグループの交差トラック3、4、5、および6内を並進する所与のフレキシブルな細長い医療要素が、このクランプデバイス10のグループの対応する交差トラック3、4、5、および6内をやはり並進する。
【0070】
このクランプデバイス10は、
第1に、2対の可動パッド71から74または81から84の前記組7または8のいずれかがスイッチ61またはスイッチ62によって向けられる、カテーテル並進モジュール1またはカテーテル並進モジュール2の対応する交差トラック3、4、5、または6に面するいずれかの交差トラック3、4、5、または6中でクランプせず、
第2に、2対の可動パッド71から74または81から84のこれらの組7または8のいずれかがスイッチ61またはスイッチ62によって向けられる、カテーテル並進モジュール1またはカテーテル並進モジュール2の交差トラック3、4、5、または6に面していない1つ以上の交差トラック3、4、5、または6中でクランプするように、
カテーテル並進モジュール1およびカテーテル並進モジュール2と同期する。
【0071】
クランプデバイス10に関して、いくつかの実施形態が可能である。第1の実施形態では、クランプデバイス10は、y軸に沿った運動をする4対のパッド11、12、13、および14から構成される。図5において、図示される状況は、フレキシブルな細長い医療要素はトラック3、5、および6内に配置されクランプされる一方で、トラック4内に配置されるフレキシブルな細長い医療要素はクランプされないことに対応する。
【0072】
クランプデバイス10は、
第1に、前記交差トラック3、4、5、または6のいずれかの状態をクランプ状態から非クランプ状態または非クランプ状態からクランプ状態に変えるためモータエネルギーを必要とし、
第2に、前記交差トラック3、4、5、または6のいずれかの状態をクランプ状態または非クランプ状態のいずれかに維持するためにモータエネルギーを必要としない
ように配設されるカム機構を備えることができる。
【0073】
図6は、本発明の一実施形態によるカテーテルロボットのクランプデバイスの内部クランプ機構の第1の例を概略的に示す。
【0074】
図6に示される実施形態では、カム機構29は、以下を備える。
リニアモータで構成される指がクランプするため各フレキシブルな細長い医療要素の下方に配置され、トラック3内に配置されるフレキシブルな細長い医療要素用のモータ23、トラック4内に配置されるフレキシブルな細長い医療要素用のモータ24、トラック5内に配置されるフレキシブルな細長い医療要素用のモータ25、およびトラック6内に配置されるフレキシブルな細長い医療要素用のモータ26が配置され、
一方で、クランプのための支持台として働く固定されるカウンタ形状、トラック3内に配置されるフレキシブルな細長い医療要素用のカウンタ形状33、トラック4内に配置されるフレキシブルな細長い医療要素用のカウンタ形状34、トラック5内に配置されるフレキシブルな細長い医療要素用のカウンタ形状35、トラック6内に配置されるフレキシブルな細長い医療要素用のカウンタ形状36が配置される。
【0075】
図6では、再び、トラック4内に配置されるフレキシブルな細長い医療要素がクランプされない一方で、トラック3、5、および6内に配置されるフレキシブルな細長い医療要素はクランプされる。
【0076】
図7は、本発明の一実施形態によるカテーテルロボットのクランプデバイスの内部クランプ機構の第2の例を概略的に示す。
【0077】
図7に示される実施形態では、カム機構49は、
第1に、交差トラック3、4、5、および6のうちの1つ以上の中の、平面zyにおける異なる回転角位置にクランプし、
第2に、交差トラック3、4、5、および6のうちの1つ以上の異なる組合せで、平面zyにおける異なる回転角範囲にそれぞれクランプし、場合によっては、可能な交差トラック3、4、5、および6のうちの任意の1つ以上の各可能な組合せでクランプすることが可能となり、
そのそれぞれの突起が、対応するカウンタ形状53、54、55、および56に対するそれぞれのフレキシブルな細長い医療要素をクランプすることが可能である、
ことを可能にするような、それらのそれぞれ平行な回転軸に沿った異なる角度位置に配設できるそれぞれの突起を有する、いくつかの別個のカム43、44、45、および46を備える。
【0078】
図7に示される実施形態では、図6のリニアモータは、カム43、カム44、カム45、またはカム46を回転させる回転モータによって置き換えられている。カム43、カム44、カム45、またはカム46の角度に応じて、デバイスはクランプされ、またはクランプされない。図7では、再び、トラック4内に配置されるフレキシブルな細長い医療要素がクランプされない一方で、トラック3、トラック5、およびトラック6内に配置されるフレキシブルな細長い医療要素はクランプされる。図6の設計と比較して、この設計は、クランプ状態または非クランプ状態を維持するためにエネルギーを必要としない。実際に、モータは、回転してクランプから非クランプに状態を変えるため、またはその逆のためにだけエネルギーを必要とする。
【0079】
図8は、本発明の一実施形態によるカテーテルロボットのクランプデバイスの内部クランプ機構の第3の例を概略的に示す。
【0080】
図8に示される実施形態では、カム機構59は、
第1に、トラック3、トラック4、トラック5、およびトラック6のうちのただ2つの交差トラック中で任意の回転角位置でクランプし、
第2に、異なる回転角範囲についてそれぞれトラック3、トラック4、トラック5、およびトラック6のうちの2つの交差トラックの異なる組合せでクランプし、トラック3、トラック4、トラック5、およびトラック6のうちの2つの交差トラックの各可能な組合せが関連する回転角範囲にそれぞれ対応する、
ように、その回転軸yに沿って配設される異なる直径41および42を有する単一のカム40を備える。
【0081】
図8に示される実施形態では、y軸に沿って回転するただ1つの長いカム40がある。カム40の形状は、モータ50のおかげで得られる回転角に応じて、クランプされる2つのフレキシブルな細長い医療要素/クランプされない2つのフレキシブルな細長い医療要素の任意の組合せを得ることができるやり方で構成される。区域42がより大きいシリンダ直径を有してクランプ位置に対応する一方で、より小さい直径を有する区域41は、クランプされない位置に対応する。簡略化のため、図7上のようにやはり必要な、対応するカウンタ形状53、54、55、および56は、ここでは示されない。
【0082】
図8に示される実施形態で、カム40を回転させるときに変わる、ただ1つのフレキシブルな細長い医療要素(表1中のFEME)を得るため、順番を変えることができる。
【0083】
【表1】
【0084】
本発明は、好ましい実施形態を参照して記載されている。しかし、本発明の範囲内で多くの変形形態が可能である。
【符号の説明】
【0085】
1 カテーテル並進モジュール、遠位カテーテル並進モジュール
2 カテーテル並進モジュール、近位カテーテル並進モジュール
3 交差トラック
4 交差トラック
5 交差トラック
6 交差トラック
7 組
8 組
9 位置
10 クランプデバイス
11 パッド
12 パッド
13 パッド
14 パッド
19 カテーテルガイド
20 Yバルブ
23 モータ
24 モータ
25 モータ
26 モータ
29 カム機構
33 カウンタ形状
34 カウンタ形状
35 カウンタ形状
36 カウンタ形状
40 カム
41 直径、区域
42 直径、区域
43 カム
44 カム
45 カム
46 カム
49 カム機構
50 モータ
53 カウンタ形状
54 カウンタ形状
55 カウンタ形状
56 カウンタ形状
59 カム機構、単一カム
61 スイッチ
62 スイッチ
71 可動パッド、可動部分
72 可動パッド、可動部分
73 可動パッド、可動部分
74 可動パッド、可動部分
81 可動パッド、可動部分
82 可動パッド、可動部分
83 可動パッド、可動部分
84 可動パッド、可動部分
100 ベース部
図1
図2a.2b.2c.2d】
図3a.3b.3c.3d】
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-08-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部(100)、ならびに
前記ベース部(100)によって支持される少なくとも2つのカテーテル並進モジュール(1、2)であって、各カテーテル並進モジュール(1、2)が、
一度にただ1つのフレキシブルな細長い医療要素を長手方向に並進させるような可動部分(71から74、81から84)のただ1つの組(7、8)と、
その中でいくつかの対応するフレキシブルな細長い医療要素フレキシブルな細長い医療要素が前記カテーテル並進モジュール(1、2)を通って並進できるいくつかの交差トラック(3から6)のグループと、
そこで前記対応するフレキシブルな細長い医療要素を長手方向に並進させるように、前記交差トラック(3から6)のいずれかに、可動部分(71から74、81から84)の前記単一の組(7、8)を向けるためのスイッチ(61、62)と、
を備える、カテーテル並進モジュール(1、2)を備え、
前記第1のカテーテル並進モジュール(1)と第2のカテーテル並進モジュール(2)とが互いに長手方向に離間され、その結果、
両方のカテーテル並進モジュール(1、2)の交差トラック(3から6)のそれぞれのグループが互いに面し、その結果、1つのグループの交差トラック(3から6)内を並進する所与のフレキシブルな細長い医療要素が、他のグループの交差トラック(3から6)内をやはり並進する、カテーテルロボット。
【請求項2】
互いに面する前記第1のグループと第2のグループとの交差トラック(3から6)中に、可動部分(71から74、81から84)のそれぞれの組(7、8)を向けないように、前記第1のカテーテル並進モジュール(1)および第2のカテーテル並進モジュール(2)の両方のスイッチ(61、62)が一緒に同期される、請求項1に記載のカテーテルロボット。
【請求項3】
前記第1のカテーテル並進モジュール(1)および第2のカテーテル並進モジュール(2)から長手方向に離間されるクランプデバイス(10)をやはり備え、前記クランプデバイス(10)が、
その中でいくつかの対応するフレキシブルな細長い医療要素が、前記カテーテル並進モジュール(1、2)を通って並進できるいくつかの交差トラック(3から6)のグループ
を備え、
交差トラック(3から6)の前記グループがカテーテル並進モジュール(1、2)の交差トラック(3から6)の前記グループのうちの少なくとも1つに面し、その結果、前記カテーテル並進モジュール(1、2)の両方のグループの交差トラック(3から6)内を並進する所与のフレキシブルな細長い医療要素が、前記クランプデバイス(10)の前記グループの交差トラック(3から6)内をやはり並進し、
前記クランプデバイス(10)が
その中で2対の可動パッド(71から74、81から84)の前記組(7、8)のいずれかが前記スイッチ(61、62)のいずれかによって向けられる、前記カテーテル並進モジュール(1、2)の交差トラック(3から6)に面するいずれかの交差トラック(3から6)中でクランプせず、
その中で2対の可動パッド(71から74、81から84)の前記組(7、8)のいずれかが前記スイッチ(61、62)のいずれかによって向けられる、前記カテーテル並進モジュール(1、2)の交差トラック(3から6)に面していない1つ以上または全部の交差トラック(3から6)中でクランプする、
ように、前記カテーテル並進モジュール(1、2)と同期する、請求項に記載のカテーテルロボット。
【請求項4】
前記クランプデバイス(10)が、
前記交差トラック(3から6)のいずれかの状態をクランプ状態から非クランプ状態または非クランプ状態からクランプ状態に変えるためのモータエネルギーを必要とし、
前記交差トラック(3から6)のいずれかの状態をクランプ状態または非クランプ状態のいずれかに維持するためにモータエネルギーを必要としない、
ように配設されるカム機構(29、49、59)を備える、請求項3に記載のカテーテルロボット。
【請求項5】
前記カム機構(29、49、59)が、
任意の回転角位置でただ2つの交差トラック(3から6)中でクランプし、
異なる回転角範囲についてそれぞれ2つの交差トラック(3から6)の異なる組合せでクランプし、2つの交差トラック(3から6)の各可能な組合せが関連する回転角範囲にそれぞれ対応する、
ような、その回転軸に沿って配設される異なる直径(41、42)を有する単一カム(59)を備える、請求項4に記載のカテーテルロボット。
【請求項6】
各カテーテル並進モジュール(1、2)が、前記フレキシブルな細長い医療要素を長手軸の周りに回転させるようなカテーテル回転モジュールでもある、請求項に記載のカテーテルロボット。
【請求項7】
各カテーテル並進モジュール(1、2)が、少なくとも1対の可動パッド(71から74、81から84)を備える、請求項に記載のカテーテルロボット。
【請求項8】
ベース部(100)、ならびに
前記ベース部(100)によって支持される少なくとも2つのカテーテル並進モジュール(1、2)であって、各カテーテル並進モジュール(1、2)が、
2対の可動パッド(71から74、81から84)のただ1つの組(7、8)であって、
同じ対の前記パッド(71から74、81から84)が少なくとも部分的に互いに面し、
あるいはそこでフレキシブルな細長い医療要素を長手方向に並進させるように、前記2対の各々がそのパッド(71から74、81から84)間で前記フレキシブルな細長い医療要素をクランプする、可動パッドと、
その中でいくつかの対応するフレキシブルな細長い医療要素が前記カテーテル並進モジュール(1、2)を通って並進できるいくつかの交差トラック(3から6)のグループと、
そこで前記対応するフレキシブルな細長い医療要素を長手方向に並進させるように、前記交差トラック(3から6)のいずれかに、2対の可動パッド(71から74、81から84)の前記単一の組(7、8)を向けるためのスイッチと、
を備える、カテーテル並進モジュール(1、2)、を備え、
前記第1のカテーテル並進モジュール(1)と第2のカテーテル並進モジュール(2)とが互いに長手方向に離間され、その結果、
両方のカテーテル並進モジュール(1、2)の交差トラック(3から6)のそれぞれのグループが互いに面し、その結果、1つのグループの交差トラック(3から6)内を並進する所与のフレキシブルな細長い医療要素が、他のグループの交差トラック(3から6)内をやはり並進し、
互いに面する前記第1のグループと第2のグループとの交差トラック(3から6)中に2対の可動部分(71から74、81から84)のそれぞれの組(7、8)を向けないように、前記第1のカテーテル並進モジュール(1)および第2のカテーテル並進モジュール(2)の両方のスイッチ(61、62)が一緒に同期される、カテーテルロボット。
【請求項9】
互いに面する前記第1のグループおよび第2のグループの、交差トラック(3から6)中の2対の可動部分(71から74、81から84)のそれぞれの組(7、8)を向けないように、前記第1のカテーテル並進モジュール(1)および第2のカテーテル並進モジュール(2)の両方のスイッチ(61、62)が一緒に同期される、請求項8に記載のカテーテルロボット。
【請求項10】
前記第1のカテーテル並進モジュール(1)および第2のカテーテル並進モジュール(2)から長手方向に離間されるクランプデバイス(10)をやはり備え、前記クランプデバイス(10)が、
その中でいくつかの対応するフレキシブルな細長い医療要素が前記カテーテル並進モジュール(1、2)を通って並進できるいくつかの交差トラック(3から6)のグループを備え、
交差トラック(3から6)の前記グループがカテーテル並進モジュール(1、2)の交差トラック(3から6)の前記グループのうちの少なくとも1つに面し、その結果、前記カテーテル並進モジュール(1、2)の両方のグループの交差トラック(3から6)内を並進する所与のフレキシブルな細長い医療要素が、前記クランプデバイス(10)の前記グループの交差トラック(3、6)内をやはり並進し、
前記クランプデバイス(10)が、
その中で2対の可動パッド(71から74、81から84)の前記組のいずれかが前記スイッチ(61、62)のいずれかによって向けられる、前記カテーテル並進モジュール(1、2)の交差トラック(3から6)に面するいずれかの交差トラック(3から6)中でクランプせず、
その中で2対の可動パッド(71から74、81から84)の前記組(7、8)のいずれかが前記スイッチ(61、62)のいずれかによって向けられる、前記カテーテル並進モジュール(1、2)の交差トラック(3から6)に面していない1つ以上の交差トラック(3から6)中でクランプする、
ように、前記カテーテル並進モジュール(1、2)と同期する、請求項に記載のカテーテルロボット。
【請求項11】
前記クランプデバイス(10)が、
前記交差トラック(3から6)のいずれかの状態をクランプ状態から非クランプ状態または非クランプ状態からクランプ状態に変えるためのモータエネルギーを必要とし、
前記交差トラック(3から6)のいずれかの状態をクランプ状態または非クランプ状態のいずれかに維持するためにモータエネルギーを必要としない、
ように配設されるカム機構(29、49、59)を備える、請求項10に記載のカテーテルロボット。
【請求項12】
前記カム機構(29、49、59)が、
任意の回転角位置でただ2つの交差トラック(3から6)中でクランプし、
異なる回転角範囲についてそれぞれ2つの交差トラック(3から6)の異なる組合せでクランプし、2つの交差トラック(3から6)の各可能な組合せが関連する回転角範囲にそれぞれ対応する、
ような、その回転軸に沿って配設される異なる直径(41、42)を有する単一カム(59)
を備える、請求項11に記載のカテーテルロボット。
【請求項13】
各カテーテル並進モジュール(1、2)がカテーテル回転モジュールでもあり、
あるいは、そこでフレキシブルな細長い医療要素をそれが面するパッド(71から74、81から84)間で回転させることによって、前記フレキシブルな細長い医療要素を長手軸の周りに回転させるように、前記2対の各々が、それが面するパッド(71から74、81から84)間で前記フレキシブルな細長い医療要素をクランプする、請求項に記載のカテーテルロボット。
【請求項14】
いくつかの交差トラック(3から6)の前記グループが、少なくとも4個の交差トラック(3から6)を備え、好ましくはただ4個の交差トラック(3から6)を備える、請求項1または8に記載のカテーテルロボット。
【請求項15】
前記交差トラック(3から6)がそれぞれ、
第1のカテーテル、好ましくはカテーテルバルーンまたはカテーテルステント、
前記第1のカテーテルの第1のガイド、
第2のカテーテル、好ましくはカテーテルバルーンまたはカテーテルステント、
前記第2のカテーテルの第2のガイド、
を受け入れる、請求項14に記載のカテーテルロボット。
【請求項16】
前記第1のカテーテル並進モジュール(1)と第2のカテーテル並進モジュール(2)が互いに構造的に同一である、請求項1または8に記載のカテーテルロボット。
【請求項17】
前記カテーテル並進モジュール(1、2)のうちの1つ以上または全部の各トラック(3から6)が、フレキシブルな細長い医療要素にとらわれず、前記トラックがカテーテルまたはガイドワイヤのいずれかを取り扱うことができる、請求項1または8に記載のカテーテルロボット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正の内容】
図5
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正の内容】
図7
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8
【国際調査報告】