(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】放射エネルギーおよび染料を利用して生体硬組織および軟組織を切断するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/22 20060101AFI20240110BHJP
A61B 18/28 20060101ALI20240110BHJP
A61B 18/04 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
A61B18/22
A61B18/28
A61B18/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539942
(86)(22)【出願日】2021-12-31
(85)【翻訳文提出日】2023-08-01
(86)【国際出願番号】 US2021065838
(87)【国際公開番号】W WO2022147361
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508299485
【氏名又は名称】カオ グループ、インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ジェンセン、スティーブン ディー.
【テーマコード(参考)】
4C026
4C160
【Fターム(参考)】
4C026BB08
4C026DD03
4C026DD08
4C026DD10
4C026FF17
4C026FF22
4C160FF04
4C160MM32
(57)【要約】
【要約】
【解決手段】 硬組織および軟組織のためのレーザーシステムは、単一のハンドピース(200)内でレーザー(206)、染料噴霧装置(205)、および洗浄液噴霧装置(212)を連続的に利用して、制御された切除のための正確な手段を提供するコンピュータプログラム可能なシステムを提供する。前記ハンドピース(200)により、まず標的治療面(210)に染料(209)が適用される。次に、前記ハンドピース(200)により、染料が適用された治療面にレーザーが適用される。これに続いて、同一のハンドピースにより洗浄剤(215)が適用され、破片および燃焼副生成物が除去される。手術が完了するまで上記工程が繰り返される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザーシステムであって、
レーザー制御モジュールと、
ハンドピースと
を有し、前記ハンドピースは、さらに、
遠位端部と近位端部とを有するケーシングと、
前記ハンドピースの前記近位端部と前記レーザー制御モジュールとの間に延長する接続構造であって、前記ハンドピースのためのレーザー導波路を含むものである、前記接続構造と、
前記ハンドピースの前記遠位端部内に備えられたレーザー出力用出口と、
前記レーザー出力用出口に近接して前記遠位端部内に備えられた染料用ノズルと、
前記レーザー出力用出口および前記染料用ノズルに近接して前記遠位端部内に備えられた洗浄用ノズルと
を有し、
同一の前記ハンドピースにより、治療面への染料の適用、前記染料が適用された治療面へのレーザーの適用、および前記レーザー使用後の治療面への洗浄剤の適用が連続的に実行されるものである、
レーザーシステム。
【請求項2】
請求項1記載のレーザーシステムにおいて、前記染料用ノズルおよび前記洗浄用ノズルは、前記レーザー制御モジュールのリザーバから供給を受けるものであり、この供給は、前記染料用ノズルおよび前記洗浄用ノズルに延長する供給用管状部により行われるものである、レーザーシステム。
【請求項3】
請求項1記載のレーザーシステムにおいて、前記染料用ノズルおよび前記洗浄用ノズルは、前記ハンドピースの内部に備えられたリザーバから供給を受けるものである、レーザーシステム。
【請求項4】
組織を切断する方法であって、
染料、レーザー、および洗浄剤のための出口を有するハンドピースをレーザーシステムに提供する工程と、
前記ハンドピースにより、標的領域に染料を適用する工程と、
前記ハンドピースにより、前記標的領域に染料が適用された後、当該標的領域にレーザーを適用する工程と、
前記ハンドピースにより、前記標的領域にレーザーが適用された後、当該標的領域に洗浄剤を適用する工程と
を有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年12月31日付で出願した先願米国特許仮出願第63/133,057号に対して優先権および利益を主張するものであり、その内容がこの参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、外科用器具の分野に関し、具体的には、染料、および染料に同調するレーザーの双方を切断表面に適用する外科用切断器具に関する。
【背景技術】
【0003】
医療および歯科業界では、生体硬組織および生体軟組織の双方を効率的かつ正確に切断する能力を有する外科用器具のニーズがある。現在、当該分野における、メス、ドリル、のこぎり、エキスカベータ、およびその他様々な器具が市販されており、これらの器具によって様々な外科手術が行われている。レーザーは、このような目的における最新の発明の1つであり、様々な方法において、適切な出力の集束レーザーは、軟組織および硬組織を切断するために利用される。レーザーは医療使用目的において多くの利点がある。しかしながら、レーザーによる軟組織または硬組織の切断は、組織におけるレーザーエネルギーの吸収効率に依存しており、異なる組織は異なるレーザー波長に対して異なる吸収率を有するため、1つの波長によって、過度の熱を発生させることなく全種類の組織を切断することは不可能であり、これは良好な周辺組織に対して有害である。
【0004】
本発明は、高出力レーザーとともに、当該レーザーに適合する波長吸収染料、染色剤、または顔料を利用して、レーザーに対する組織の吸収率を調整し、過度の熱を発生させることなくより低エネルギーで効率的に切断を行う、当該分野における新規的および進歩的な発明である。
【0005】
本発明のレーザー切断システムは、同一の器具によって切断が望ましい組織に対して染料、レーザー、および洗浄液を直接適用できるという点で、従来技術とは一線を画すものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
既知タイプの切断システムに内在する上述した欠点に鑑みて、改良されたレーザー切断システムは、硬組織および軟組織の双方を切断でき、操作および製造が容易であり、従来のシステムよりも発熱が少ない、という目的を達成するシステムを提供する。すなわち、新規の改良されたレーザーシステムは、レーザービームを切断面に送達する機構と、切断面に染料を適用する機構と、標的組織の切断によって生じた破片を、切断面に対して洗浄液を供給することにより除去する機構とを有することができる。染料は、放射レーザーエネルギーに対して高吸収効率を有することが望ましい。標的組織構造の切断は、シンプルな方法によって行われる。まず、前記染料を適用する機構により、標的表面に染料溶液が適用される。次に、前記染料が適用された表面に適切な出力とパルス速度とを有するレーザービームが適用されて表面が切除される。この後に、染料および切除によって生じた破片を洗浄するために溶液が適用される。この連続的工程は、所望の切断が達成されるまで繰り返され、3つの工程のすべてが同一の器具とハンドピースによって完了される。本発明の方法では、加熱の問題が生じることが少なく、低レーザーエネルギーで全組織が効率的に切断される。
【0007】
以下のより詳細な説明、および本発明の当該技術分野への貢献に対する理解をより深めるために、本発明の顕著な特徴を概略的に説明してきた。以下、本発明の追加的特徴を説明する。また、このような追加的特徴は、以下の特許請求の範囲の発明特定事項を形成する。
【0008】
本発明の目的の多くは、本明細書の一部を構成する添付の図面を参照するとともに、以下の説明および添付の特許請求の範囲から明らかになると考えられる。ここで、同様の参照番号は、いくつかの図において対応する部分を示す。
【0009】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載、若しくは図面に示す構造の詳細および構成要素の配置に限定されるものではないことを理解されたい。本発明では、他の実施形態が可能であり、いくつかの態様で実行および実施することが可能である。また、本明細書で使用する表現および用語は説明を目的とするものであり、限定的なものであると見なすべきではないことを理解されたい。
【0010】
このように、当業者であれば、本開示の基礎となる概念は、本発明のいくつかの目的を実施するためのその他の構造、方法、およびシステムを設計するための基礎として容易に利用できることを理解すると考えられる。したがって、特許請求の範囲は、本発明の要旨および範囲から逸脱しない限り、そのような均等構造を含むものと見なすことが重要である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の1実施形態による、レーザー切断システムの概略図である。
【
図2】
図2は、
図1におけるレーザー切断システムのヘッド部の拡大概略図である
【
図3】
図3は、液体リザーバを内部に収容する代替的なヘッド部の設計を示す概略図である。
【
図4】
図4は、液体リザーバを内部に収容する代替的なヘッド部の設計を示す別の概略図である。
【
図5】
図5は、液体リザーバを内部に収容する代替的なヘッド部の設計を示す別の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明のレーザー切断システムの好適な実施形態を説明する。本明細書で使用される「a」、「an」、および「the」の冠詞は、その内容から明確でない限り、複数についても言及することに留意されたい。
【0013】
本発明は、レーザー、染料噴霧装置、および洗浄液噴霧装置を同時に利用して、制御された切除のための正確な手段を提供するコンピュータプログラム可能なシステムを提供する。これらのレーザーモジュール、染料噴霧装置、および洗浄液噴霧装置は、メインインターフェース、フットスイッチ、またはハンドピースによって作動される単一ユニットに組み込まれている。レーザー部は、光ファイバーケーブルまたは先端部に結合されたレーザーモジュールを有し、コヒーレント放射エネルギーが治療部位に直接送達される。染料噴霧作動装置は、液体染料貯蔵容器と、ポンプとを有し、このポンプは、光ファイバーからの放射エネルギーの到達範囲に最も適合する染料のパターンを治療部位に噴霧するように設計されたノズルに管状部によって接続されている。洗浄装置は、洗浄液貯蔵容器と、ポンプとを有し、このポンプは、治療部位を洗浄するように設計されたノズルに管状部によって接続されている。染料および洗浄液適用装置のノズルは、光ファイバーケーブルまたはハンドピースの端部に直接取り付けることができ、これにより、フットスイッチまたはその他の起動装置を起動させることによって、単にレーザーの照準を合わせるのみで、染料の適用、レーザーの始動、および洗浄の3つの工程のすべてを連続的に行うことが可能となり、操作者は、連続的に所望の切除を行うことができる。
【0014】
前記統合システムは、レーザー出力およびパルス持続時間を制御するプログラム可能なコンピュータモジュールによって制御され、また、このコンピュータモジュールは、染料適用装置および洗浄液適用装置の双方のポンプを制御することで、液体成分量および/または流体持続時間を正確に制御し、指定時間に当該液体成分量を送達する。
図1に示すように、硬組織および軟組織の双方を切断するレーザーシステム(100)は、レーザーシステム情報および制御のためのディスプレイ(102)を有するケーシング(101)を有する。任意の時点でレーザーに介入するために緊急停止ボタン(103)を設けてもよい。システムに電力を供給する電源(104)を示しているが、システムは充電式電池によっても動作可能である。レーザーシステム(100)は任意の手段で制御可能であるが、当該システムの照射を制御するためにワイヤレスフットスイッチ(108)が一般的に利用される。また、ハンドピース自体に制御装置を配置することもできる。レーザービーム用のファイバー導波路と、電気ワイヤーと、所望の液体を供給するための管状部とを含む多機能ケーブル(105)もまたシステムに接続され、この多機能ケーブルは、操作者によって保持されるハンドピース(106)の内部を通る。ハンドピース(106)は、多機能ケーブル(105)を支持し、レーザービームおよび液体(107)の出口を提供する。レーザービームは、レーザーシステムのケーシング内にあるレーザーモジュールによって生成される。液体は、システム内の液体リザーバからケーブル(105)を通して移送してもよいし、若しくはハンドピース(107)内に設置されたマイクロカートリッジに貯蔵してもよい。
【0015】
ハンドピースはヘッド部(200)を有し、当該ヘッド部は、多くの異なる実施形態の1つである。遠位端部(202)と、レーザー(206)および液体用出口(203)とを有するケーシング(201)を特徴とする1実施形態を
図2に示す。出口(203)には、送出用ノズル(205)を備えたマイクロバルブ(204)が設けられており、このマイクロバルブ(204)は、染料を供給する管状部(207)に接続されている。この実施形態では、染料はレーザーシステム内のリザーバに貯蔵される。マイクロバルブ(204)を接続し、システムによりマイクロバルブを制御するためのワイヤーハーネス(208)が設けられている。染料の放出は、ノズル(205)を通してマイクロバルブ(204)により制御され、染料噴流(209)が形成されて治療面に適用される。洗浄剤のノズル(212)を備えたマイクロバルブ(211)も設けられている。染料と同様に、管状部(213)によってレーザーシステム内のリザーバからマイクロバルブ(211)に洗浄液が供給される。マイクロバルブ(211)には、制御用のワイヤーハーネス(214)が接続されている。洗浄液は、ノズル(212)から洗浄液噴流(215)となって治療面に放出される。レーザー(206)、染料噴流(209)、および洗浄液噴流(215)は、
図2に示すように、治療部位の単一のスポット領域に集束させることができる。
【0016】
使用時において、レーザービームは、特定の波長と出力とを有する。この波長は、半導体レーザーによって生成可能な任意の波長、ダイオード励起レーザーによって生成可能な任意の波長、固体レーザーによって生成可能な任意の波長、ガスレーザーによって生成可能な任意の波長、のうちの1つであってよい。レーザービームの出力は、1W~100Wまで可能である。レーザーは、50%を超える効率でエネルギーを吸収する染料、特に、90%を超える効率でエネルギーを吸収する染料に適合する狭波長帯域のコヒーレント光を発生させるように選択される。上述したように、放射エネルギーは、様々な手段によって生成されるが、好適な放射エネルギー源はダイオードレーザーである。本発明による切断器具は、最低1ワット~約100ワットまでの出力のレーザー密度を利用することができる。レーザー出力は、レーザー出力および使用する染料の要件に応じて、連続またはパルス形式とすることができる。
【0017】
システム内の第1の液体は、放射エネルギーを効率的に吸収し、再度熱に変換する染料、染色剤、顔料である。これらを総称して「染料」と呼ぶ。本発明の教示に従って使用可能な染料の例としては、これらに限定されるものではないが、FD&C青色2号、ニグロシン、FD&C黒色調(FD&C black shade)、FD&C青色1号、メチレンブルー、FD&C青色2号、マラカイトグリーン、D&C緑色8号、D&C緑色6号、D&C緑色5号、エチルバイオレット、メチルバイオレット、FD&C緑色3号、FD&C赤色3号、FD&C赤色40号、D&C黄色8号、D&C黄色10号、D&C黄色11号、FD&C黄色5号、FD&C黄色6号、ニュートラルレッド、サフラニンO、FD&Cカルミン、ローダミンG、ナフトールブルーブラック、D&Cオレンジ4号、チモールブルー、オーラミンO、D&C赤色22号、D&C赤色6号、キシレノールブルー、クリソイジンY、D&C赤色4号、スダンブラックB、D&C紫色2号、D&C赤色33号、クレゾールレッド、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ブロモフェノールレッド、D&C赤色28号、D&C赤色17号、アマランス、サリチル酸メチル、エオシンY、ルシファーイエロー、チモール、フタル酸ジブチル、インドシアニングリーン等を含む。好適な染料は、生体適合性であるか、若しくは無毒性であるとみなされるものであり、最終溶液の成分として上記の染料のいずれかを含むことができる。現在存在する、または将来発見若しくは製造されると考えられるその他の染料も、本方法に容易に利用可能である。したがって、上記のリストは最終的なものではなく、開示された方法で利用される染料を例示するものであり、決して限定的なものと見なすべきではない。
【0018】
システム内の第2の液体は、レーザーとの相互作用の後に組織から染料を洗流すことができる液体である。本発明の1実施形態では、染料およびレーザー工程が開始され、染料およびレーザーが発射された後、残留物の分解および汚染成分を治療部位から除去するように設計された洗浄または洗流し工程を利用する。上記の作用により、治療部位から除去される必要のある、燃焼副生成物および熱分解された組織を含む残留汚染物質が生成される。これらの汚染物質が除去されない場合、次回のレーザー/染色サイクルの効率が著しく低下する。洗流しまたは洗浄工程は、次回のサイクルが開始される前に、これらの汚染物質を除去するように設計されている。洗浄溶剤および洗浄溶液の例としては、これらに限定されるものではないが、水、塩化ナトリウムなどの水中の塩溶液、アルコール溶液、ポリオール溶液、界面活性剤、およびその他有用な洗浄剤を含む。
【0019】
本発明の方法の1実施形態では、まず、液体状の染料がパルスとして治療部位に体系的に微粒子状態で噴霧される。その直後にレーザーが作動されて放射エネルギーのパルスが治療部位に向けられ、当該治療部位において液体染料に吸収されることで超局所的な加熱が生じる。この加熱により急速な膨張が生じ、次いで微小な爆発が起こり、硬組織および軟組織の双方が切断される。最後に、パルス状の洗浄スプレーが治療部位に噴霧されて治療部位が洗浄された後、全工程が連続して繰り返され、生体組織を効率的かつ正確に切断するシステムが構築される。染料は、放射エネルギー源の出力に効率よく適合するように特に選択され、それによりエネルギー吸収が最大化される。この効率的な吸収により、エネルギーがより急速に熱変換され、切断効率が向上する。
【0020】
本発明による治療サイクルの一例は以下の通りである。
1.レーザーの出力に適合する放射エネルギー吸収染料(209)をレーザー治療部位に噴霧する。
2.レーザー(206)を照射する。ここで、染色部位は、表面(210)で切除が起こる程度に熱加熱される。
3.加圧洗浄液の噴流(215)を治療部位に直接噴射し、治療領域から残留汚染物質を洗浄する。
4.染料、レーザー、洗浄のサイクルを、所望の切断結果が得られるまで繰り返す。
【0021】
図3に代替的なハンドピースの構成を示す。(300)はレーザーシステム用のハンドピースであり、(301)は、近位端部と、レーザー(307)、染料(209)、および洗浄液(315)用の出口(303)を有する遠位端部(302)とを有するハンドピースのケーシングである。ハンドピース(301)の内部には、レーザーシステムからレーザービームを送出するためのファイバー(304)が設けられている。このファイバーケーブル(304)は90°回転され(305)、ハンドピースの出口の手前で終端する。レーザービーム(307)は、当該レーザービームを治療面(308)に送達するための交換自在なファイバー先端部(306)の形状に光学的に成形することができる。ハンドピースは、レーザー先端部(306)に近接して配置された2つの液体カートリッジ(309)、(313)を含む。カートリッジ(309)は染料溶液を含み、染料噴流(311)を治療面(308)に噴霧するように配置されたノズル(310)を有する。カートリッジ(309)をレーザーシステムに接続するワイヤー(312)があり、このワイヤーにより染料噴流(311)の放出が制御される。カートリッジから放出される溶液の量と速度は電子的に制御される。洗浄カートリッジ(313)は洗浄液を含み、染料カートリッジと同様に、洗浄液(315)を治療面(308)に噴霧するように配置されたノズル(314)を有する。カートリッジ(313)をレーザーシステムに接続するワイヤー(316)があり、このワイヤーにより洗浄液の表面への放出が制御される。カートリッジから放出される溶液の量と速度は電子的に制御される。カートリッジ(309)、(313)はいずれも、カートリッジ内の液体の消費後、交換自在である。
【0022】
別のシステムでは、
図4に示す実施形態のように、レーザーの送達態様を変更することができる。この実施形態(400)では、染料および洗浄液の供給態様は、
図3で説明したのと同じであり、(401)は、レーザービーム、染料、および洗浄液用の遠位端部(402)および出口(403)を有するハンドピースのケーシングである。しかしながら、ハンドピースの内部には、レーザービーム(405)を送達するためのファイバー(404)があり、ファイバー(404)の端部には、ビームを成形するためのレンズ(406)が配置されている。ビームは集光され、平行なコリメートされたビーム(407)に成形される。反射鏡(408)は、ビーム(407)を90°の角度で反射させ、ビーム(409)を治療面(410)に向けるために使用される。
【0023】
レーザーの方向に関するさらなる変形実施形態を
図5に示す。この実施形態(500)では、染料および洗浄液の供給態様は
図3で説明したのと同じであるが、レーザー(506)は90°屈曲されたファイバー(504)を通して供給され(505)、次にビーム(508)を調整するレンズ(507)に導かれる。ビーム(508)は、治療面(509)に入射する際に、集光ビームまたは平行ビームとなる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、産業界において製造可能であり、医療および歯科分野に関連する。本発明を好ましい実施形態を参照して説明したが、様々な変更および変形を行うことが可能であり、そのような変更実施形態および変形実施形態についても本発明の範囲内に含まれる。本明細書に開示する特定の実施形態については、限定を意図するものではなく、また限定が推論されるべきではない。
【国際調査報告】