(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】カテーテルおよびカテーテル遷移構造体を準備する方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/00 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
A61M25/00 624
A61M25/00 610
A61M25/00 620
A61M25/00 504
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539968
(86)(22)【出願日】2021-11-24
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 CN2021132608
(87)【国際公開番号】W WO2022142877
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】202011619560.7
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516346171
【氏名又は名称】マイクロポート・ニューロテック(シャンハイ)・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リン,ホン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ユンユン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,チンロン
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,シュエリー
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ユーメイ
(72)【発明者】
【氏名】スン,リー
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA02
4C267BB03
4C267BB05
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB13
4C267BB14
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4C267BB40
4C267CC12
4C267FF01
4C267GG04
4C267GG05
4C267GG06
4C267GG07
4C267HH03
4C267HH04
4C267HH17
(57)【要約】
カテーテル(100)およびカテーテルの遷移構造体(200)を作る方法。カテーテル(100)は、少なくとも一つのポリマー層を含み、少なくとも一つのポリマー層は、少なくとも一つの遷移構造体(200)を含む。各遷移構造体(200)は、管状構造体であり、均質材料区間(1)および不均質材料区間(2)を含む。均質材料区間(1)の任意の連続閉鎖領域を第1のサブ領域(1011)と呼び、不均質材料区間(2)の任意の連続閉鎖領域を第2のサブ領域(2001)と呼び、遷移構造体(200)の任意の軸方向区分は、少なくとも一つの第2のサブ領域(2001)を含む。遷移構造体(200)の先行区分および/または後続区分は、少なくとも一つの第1のサブ領域(1011)および少なくとも一つの第2のサブ領域(2001)を含む。カテーテルでは、可撓性/剛性および機械特性が平滑に遷移し、それによりカテーテルの送達性能が向上する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのポリマー層を備えるカテーテルであって、前記ポリマー層は、管状構造体である少なくとも一つの遷移構造体を備え、該遷移構造体は、均質材料区間および不均質材料区間を備え、前記均質材料区間の連続閉鎖領域を第1のサブ領域と呼び、前記不均質材料区間の連続閉鎖領域を第2のサブ領域と呼び、前記遷移構造体のうち軸に沿った任意の区分は、少なくとも一つの第2のサブ領域を備え、前記遷移構造体の先行区分および/または後続区分は、少なくとも一つの第1のサブ領域および少なくとも一つの第2のサブ領域を備える、カテーテル。
【請求項2】
前記遷移構造体の任意の軸方向区分は、少なくとも一つの第1のサブ領域および少なくとも一つの第2のサブ領域を備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記遷移構造体のそれぞれの端部の前記先行箇所および/または前記後続箇所から前記遷移構造体の中間区分まで軸方向に、前記不均質材料区間に対する前記均質材料区間の外側表面積比は、徐々に減少する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記遷移構造体の第1の端部から第2の端部まで、前記不均質材料区間に対する前記均質材料区間の外側表面積比は、最小値まで徐々に減少し、次いで徐々に増大する、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記不均質材料区間の少なくとも一つの端面は、前記カテーテルの軸に対してある角度で傾斜した平面を画定する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記平面は、前記カテーテルの前記軸に対して、5°から60°の範囲の角度で傾斜する、請求項5に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記不均質材料区間の少なくとも一つの縁部は、波形構造を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記不均質材料区間は、1から15mmの範囲内の一定の軸方向長さを有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記不均質材料区間は、最大値が3から20mmで、最小値が0.5から15mmの可変の軸方向長さを有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記均質材料区間は、前記不均質材料区間の両側に位置する第1のポリマー領域および第2のポリマー領域を備え、前記第1のポリマー領域は、第1のポリマー材料から作られ、前記第2のポリマー領域は、第2のポリマー材料から作られ、前記第1のポリマー材料の剛性は、前記第2のポリマー材料の剛性よりも大きい、請求項1から9のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記不均質材料区間の剛性は、前記第1のポリマー領域の前記剛性よりも小さく、前記第2のポリマー領域の前記剛性よりも大きい、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記不均質材料区間の少なくとも一つの端面は、前記カテーテルの軸に対してある角度で傾斜した平面を画定し、前記第1のポリマー材料と前記第2のポリマー材料との間の剛性差が大きければ大きいほど、形成される角度は小さくなる、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記不均質材料区間は、混合されて融合された前記第1および第2のポリマー材料から作られる、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記不均質材料区間は、積み重ねられてつなぎ合わされた前記第1および第2のポリマー材料から作られる、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記第1のポリマー材料は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ(エーテル-ブロック-アミド)、およびポリアミドのうちのいずれか一つであり、前記第2のポリマー材料は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ(エーテル-ブロック-アミド)、およびポリアミドのうちのいずれか一つである、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項16】
強化層をさらに備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記カテーテルは、内層、中間強化層、および外層を備える3層構造体であり、前記内層および前記外層は、ポリマー層であり、前記内層は、少なくとも一つの遷移構造体を備え、および/または前記外層は、少なくとも一つの遷移構造体を備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記内層は、少なくとも一つの遷移構造体を備える、請求項17に記載のカテーテル。
【請求項19】
前記内層の遠位区分は、前記少なくとも一つの遷移構造体を備える、請求項18に記載のカテーテル。
【請求項20】
前記外層は、少なくとも一つの遷移構造体を備える、請求項17に記載のカテーテル。
【請求項21】
カテーテルの遷移構造体を作る方法であって、第1のポリマー管の端部および第2のポリマー管の端部を切断することを含み、それによって前記第1のポリマー管の端部および/または前記第2のポリマー管の端部は、全円周より小さい円周方向範囲を有し、前記第1のポリマー管は、第1のポリマー材料から作られ、前記第2のポリマー管は、第2のポリマー材料から作られ、前記第1のポリマー材料の剛性は、前記第2のポリマー材料の剛性よりも大きく、前記第1のポリマー管の前記端部および前記第2のポリマー管の前記端部は、少なくとも部分的に積み重ねられてつなぎ合わされ、次いで熱収縮性プロセスにかけられる、方法。
【請求項22】
前記熱収縮性プロセスは、前記第1および第2のポリマー材料の融点よりも高い温度で実施される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記熱収縮性プロセスは、前記第1のポリマー材料の融点と前記第2のポリマー材料の融点との間の温度で実施される、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
積み重ねてつなぎ合わせる前に、前記第1のポリマー管の前記端部および/または前記第2のポリマー管の前記端部を伸張させることをさらに含み、それによって各管に対して、伸張させた端部の肉厚は、前記管の他の位置の肉厚よりも小さくなる、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療デバイスの分野に関し、具体的には、脳血管介入のためのカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
低侵襲性の介入処置では、病変部位の機械的または化学的治療を行いながら外傷を最小に抑えるように、撮像システムの支援を受けて、移植可能な医療デバイスまたは治療薬は、血管内に配備されたカテーテルに基づく送達システムを通って病変部位へ送達される。そのような送達システムの重要な構成要素として、カテーテルは様々な低侵襲性の介入処置で広く使用されてきた。
【0003】
現在の介入処置では、カテーテルは通常、細い血管(たとえば、大腿動脈または橈骨動脈)内に作られる切開を通って導入され、シースやガイドワイアなどの助けを借りて、血管を通って標的病変部位まで前進させられる。実際の臨床応用では、血管の蛇行した性質のため、外科医がそのようなアクセスシステムを作り出すにはある程度時間がかかるはずである。カテーテルが頭部の大動脈弓タイプIIIまたは眼動脈などの特に蛇行した血管部位をうまく通過することができる場合、必要とされる手術時間を大幅に低減させることができる。
【0004】
カテーテルは、典型的には、内層、強化層、および外層からなる3層構造体である。内層および外層は、ポリマー管から製作されることが多く、強化層は通常、金属線またはポリマー線から作られており、内層と外層との間に埋め込まれる。構造的に、そのようなカテーテルの可撓性は、内層の剛性、強化層内の線材の強度および被覆密度、ならびに外層の剛性という三つの要因に依存する。実際の臨床応用では、カテーテルが標的患部へ連続して送達されることを可能にするために、全体的にカテーテルの異なる部分は異なる剛性を有し、カテーテルは近位で剛性がより大きく、遠位で可撓性がより大きく、剛性は近位端から遠位端へ徐々に減少し、多くの場合、カテーテルの異なる部分における剛性度は、血管の解剖学的構造に従って設計される。この剛性プロファイルは、異なる剛性を有するポリマー材料によって、または異なる強度特性を有しもしくは異なるピッチで配置された金属線によって、カテーテル区分を製作することで、様々なカテーテル区分を区別することから実現可能である。カテーテルの主要区分を製作するために一般的に使用されるポリマー材料は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィンなどを含む。カテーテルの遠位端部は通常、可撓性ポリマー材料(たとえば、pebax25D)から作られ、カテーテルの近位端部は、多くの場合、剛性ポリマー材料(たとえば、Pebax72Dまたはナイロン)から作られる。構造的に、隣接するカテーテル区分が急に異なる剛性度を示す場合、カテーテルの順応性が劣化し、カテーテルが蛇行した血管を前進することが困難になり、血管の損傷を引き起こすリスクが生じる。
【0005】
良好な送達性能を実現するために、異なる剛性を有するポリマー材料からなるカテーテル部分をつなぎ合わせて、異なる脈管箇所でカテーテルが機械特性を満たすことを可能にする。カテーテルを作る従来の方法では、異なる部分間で機械特性が平滑に遷移しないため、送達および安全性能に影響する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、異なるカテーテル区分間で機械特性が平滑に遷移しないために送達および安全性能が不十分である従来の製作されたカテーテルに関連する問題を克服する、カテーテルおよびカテーテルの遷移構造体を作る方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的で、本発明は、
少なくとも一つのポリマー層を備えるカテーテルを提供し、ポリマー層は、管状構造体である少なくとも一つの遷移構造体を備え、遷移構造体は、均質材料区間および不均質材料区間を備え、均質材料区間の連続閉鎖領域を第1のサブ領域と呼び、不均質材料区間の連続閉鎖領域を第2のサブ領域と呼び、遷移構造体の任意の軸方向区分は、少なくとも一つの第2のサブ領域を備え、遷移構造体の先行区分および/または後続区分は、少なくとも一つの第1のサブ領域および少なくとも一つの第2のサブ領域を備える。
【0008】
任意選択で、遷移構造体の任意の軸方向区分は、少なくとも一つの第1のサブ領域および少なくとも一つの第2のサブ領域を備えることができる。
【0009】
任意選択で、遷移構造体のそれぞれの端部の先行箇所および/または後続箇所から遷移構造体の中間区分まで、不均質材料区間に対する均質材料区間の外側表面積比は、徐々に減少する。
【0010】
任意選択で、遷移構造体の第1の端部から第2の端部まで、不均質材料区間に対する均質材料区間の外側表面積比は、最小値まで徐々に減少し、次いで徐々に増大する。
【0011】
任意選択で、不均質材料区間の少なくとも一つの端面は、カテーテルの軸に対してある角度で傾斜した平面を画定することができる。
【0012】
任意選択で、平面は、カテーテルの軸に対して、5°から60°の範囲の角度で傾斜することができる。
【0013】
任意選択で、不均質材料区間の少なくとも一つの縁部は、波形構造を有することができる。
【0014】
任意選択で、不均質材料区間は、1から15mmの範囲内の一定の軸方向長さを有することができる。
【0015】
任意選択で、不均質材料区間は、最大値が3から20mmで、最小値が0.5から15mmの可変の軸方向長さを有することができる。
【0016】
任意選択で、均質材料区間は、不均質材料区間の両側に位置する第1のポリマー領域および第2のポリマー領域を備えることができ、第1のポリマー領域は、第1のポリマー材料から作られ、第2のポリマー領域は、第2のポリマー材料から作られ、第1のポリマー材料の剛性は、第2のポリマー材料の剛性よりも大きい。
【0017】
任意選択で、不均質材料区間の剛性は、第1のポリマー領域の剛性よりも小さくすることができ、第2のポリマー領域の剛性よりも大きくすることができる。
【0018】
任意選択で、不均質材料区間の少なくとも一つの端面は、カテーテルの軸に対してある角度で傾斜した平面を画定することができ、第1のポリマー材料と第2のポリマー材料との間の剛性差が大きければ大きいほど、形成される角度は小さくなる。
【0019】
任意選択で、不均質材料区間は、混合されて融合された第1および第2のポリマー材料から作ることができる。
【0020】
任意選択で、不均質材料区間は、積み重ねられてつなぎ合わされた第1および第2のポリマー材料から作ることができる。
【0021】
任意選択で、第1のポリマー材料は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ(エーテル-ブロック-アミド)、およびポリアミドのうちのいずれか一つとすることができ、第2のポリマー材料は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ(エーテル-ブロック-アミド)、およびポリアミドのうちのいずれか一つとすることができる。
【0022】
任意選択で、カテーテルは、強化層をさらに含むことができる。
【0023】
任意選択で、カテーテルは、内層、中間強化層、および外層を備える3層構造体とすることができ、内層および外層は、ポリマー層であり、内層は、少なくとも一つの遷移構造体を備え、および/または外層は、少なくとも一つの遷移構造体を備える。
【0024】
任意選択で、内層は、少なくとも一つの遷移構造体を備えることができる。
【0025】
任意選択で、内層の遠位区分は、少なくとも一つの遷移構造体を備えることができる。
【0026】
任意選択で、外層は、少なくとも一つの遷移構造体を備えることができる。
【0027】
本発明はまた、カテーテルの遷移構造体を作る方法を提供し、この方法は、第1および第2のポリマー管をそれらのそれぞれの端部で切断することを含み、それによって第1のポリマー管の端部および/または第2のポリマー管の端部は、全円周より小さい円周方向範囲を有し、第1のポリマー管は、第1のポリマー材料から作られ、第2のポリマー管は、第2のポリマー材料から作られ、第1のポリマー材料の剛性は、第2のポリマー材料の剛性よりも大きく、第1のポリマー管の端部および第2のポリマー管の端部は、少なくとも部分的に積み重ねられてつなぎ合わされ、次いで熱収縮性プロセスにかけられる。
【0028】
任意選択で、熱収縮性プロセスは、第1および第2のポリマー材料の融点よりも高い温度で実施することができる。
【0029】
任意選択で、熱収縮性プロセスは、第1のポリマー材料の融点と第2のポリマー材料の融点との間の温度で実施することができる。
【0030】
任意選択で、この方法は、積み重ねてつなぎ合わせる前に、第1のポリマー管の端部および/または第2のポリマー管の端部を伸張させることをさらに含むことができ、それによって各管に対して、伸張させた端部の肉厚は、管の他の位置の肉厚よりも小さくなる。
【0031】
要約すると、本発明は、少なくとも一つのポリマー層を備えるカテーテルを提供する。ポリマー層は、管状構造体である少なくとも一つの遷移構造体を備え、遷移構造体は、均質材料区間および不均質材料区間を備える。均質材料区間の任意の連続閉鎖領域を第1のサブ領域と呼び、不均質材料区間の任意の連続閉鎖領域を第2のサブ領域と呼び、遷移構造体の任意の軸方向区分は、少なくとも一つの第2のサブ領域を備え、遷移構造体の先行区分および/または後続区分は、少なくとも一つの第1のサブ領域および少なくとも一つの第2のサブ領域を備える。本発明はまた、そのような遷移構造体を作る方法を提供する。カテーテルおよび方法は、少なくとも次のような利点を提供する。
1.カテーテルにおいて、ポリマー材料間の境界面付近で可撓性/剛性および機械特性が平滑に遷移し、それによりカテーテルが良好な全体的な機械特性ならびに向上した送達および安全性能を有することが可能になる。
2.カテーテルは、様々な血管部位の機械特性要件を満たすことができ、機械特性が変化する箇所で容易にねじれることが回避される。
3.大幅な剛性差を示す二つの材料がつなぎ合わされたときでも、応力集中が容易に発生せず、カテーテルに使用される異なるポリマー材料およびつなぎ合わされる区分の数を低減させることが可能になる。
4.ポリマー管の端部を伸張させることができ、それによって伸張させた端部の肉厚は、管の他の位置の肉厚よりも小さくなる。これにより、つなぎ目の厚さ制御が可能になり、カテーテルが余分な外径を有することが回避される。
5.不均質材料区間の存在により、つなぎ目の強度をより大きくすることが可能になり、カテーテルの改善された安全性能がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の好ましい実施形態によるカテーテルの概略図である。
【
図2】本発明の好ましい実施形態によるカテーテルの遷移構造体の軸方向投影図である。
【
図3】本発明の好ましい実施形態によるカテーテルの一区分の断面図である。
【
図4】本発明の好ましい実施形態によるカテーテルの遷移構造体の展開図である。
【
図5】本発明の好ましい実施形態によるカテーテルの遷移構造体の展開図である。
【
図6】本発明の好ましい実施形態によるカテーテルの遷移構造体の展開図である。
【
図7】本発明の好ましい実施形態によるカテーテルの遷移構造体の軸方向投影図である。
【
図8】本発明の好ましい実施形態によるカテーテルの遷移構造体の展開図である。
【
図9】本発明の好ましい実施形態によるカテーテルの遷移構造体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の目的、利点、および特徴は、添付の図面を参照する本発明の以下のより詳細な説明を読めば、より明らかになるであろう。これらの図は、必ずしも厳密な縮尺通りに描かれたものではなく、非常に簡略化された形態で、実施形態の容易で明確な説明を促進することのみを目的として提供されることに留意されたい。
【0034】
本明細書では、単数形の「a」、「an」、および「the」は、複数の指示対象を含み、「複数(plurality)」という用語は、文脈上別途明白に指示しない限り、「二つ以上」という意味で用いられる。本明細書では、「または(or)」という用語は、文脈上別途明白に指示しない限り、概して「および/または(and/or)」という意味で用いられる。文脈上別途明白に指示しない限り、「近位端」という用語は、概して、手術者により近い端部を指し、「遠位端」という用語は、概して、患者の病変により近い端部を指す。本明細書に上述した用語の具体的な意味は、その文脈に応じて当業者には理解されよう。いくつかの図全体にわたって、同様の符号は同様の要素を示す。
【0035】
実施形態1
実施形態1で、少なくとも一つの遷移構造体200を備える少なくとも一つのポリマー層を含むカテーテル100が提供される。
図1は、実施形態1によるカテーテル100の概略図である。
図1に示すように、遷移構造体200は管状構造体であり、先行箇所201から後続箇所202へ延びる。遷移構造体200において、先行箇所201と後続箇所202との間の部分を中間区分と呼ぶ。遷移構造体200は、均質材料区間1および不均質材料区間2を含む。
【0036】
図2は、特定の平面上のカテーテル100内の遷移構造体200の軸方向投影図を示す。
図2に示す投影図で、遷移構造体200は、前後方向に対称であるが、他の実施形態では、遷移構造体200は、前後方向に対称のそのような投影図を有していなくてもよい。
図2に示すように、均質材料区間1は、第1のポリマー領域101および第2のポリマー領域102をさらに含む。第1のポリマー領域101は、第1のポリマー材料から作られ、第2のポリマー領域102は、第2のポリマー材料から作られる。第1のポリマー材料の剛性は、第2のポリマー材料の剛性よりも大きい。いくつかの他の実施形態では、第1のポリマー材料の剛性は、第2のポリマー材料の剛性よりも小さくすることができる。
【0037】
遷移構造体200の任意の連続閉鎖領域をサブ領域と呼ぶことができる。遷移構造体200は、実際には管状構造体であり、そのサブ領域は、連続閉鎖部分として画定され、連続閉鎖部分は、管状構造体の外面上に任意の連続閉鎖形状を描く線に沿って、管をその壁に直交する方向に「切断することによって得る」ことができる。本明細書では、均質材料区間の連続閉鎖領域を第1のサブ領域1011(または1021)と呼び、不均質材料区間2の連続閉鎖領域を第2のサブ領域2001と呼ぶ。
【0038】
図2において、破線の円はサブ領域を示し、二つの斜線によって区切られた4辺形の領域は不均質材料区間2である。さらに、二つの3角形の領域は、均質材料区間1を構成する第1のポリマー領域101および第2のポリマー領域102をそれぞれ示す。第1のポリマー領域101内の任意の連続閉鎖領域を第1のサブ領域1011と呼び、第2のポリマー領域102内の任意の連続閉鎖領域を第1のサブ領域1021と呼ぶ。すなわち、各々の第1のサブ領域1011が第1のポリマー領域101に位置し、各々の第1のサブ領域1021が第2のポリマー領域102に位置する。さらに、不均質材料区間2内の任意の連続閉鎖領域を第2のサブ領域2001と呼ぶ。
図2から見ることができるように、図中で破線の直線によって区切られた区分など、遷移構造体200の任意の長さの軸方向区分は、少なくとも一つの第2のサブ領域2001を含む。さらに、第1のポリマー領域101によって提供される軸方向端(遷移構造体200の先行箇所201に位置する)から、第1のポリマー領域101の端部位置(遷移構造体200の中間区分内に位置する)まで延びる遷移構造体200の軸方向区分において、
図2の破線の直線によって区切られる区分など、任意の長さの軸方向区分は、少なくとも一つの第1のサブ領域1011および少なくとも一つの第2のサブ領域2001を含む。同様に、第2のポリマー領域102によって提供される軸方向端(遷移構造体200の後続箇所に位置する)から、第2のポリマー領域102の端部位置(遷移構造体200の中間区分内に位置する)まで延びる遷移構造体200の軸方向区分において、任意の長さの軸方向区分は、少なくとも一つの第1のサブ領域1021および少なくとも一つの第2のサブ領域2001を含む。実施形態1では、均質材料区間1は、遷移構造体200の両端に設けられる。いくつかの他の実施形態では、遷移構造体200は、第1のポリマー領域101のみを含むことができ、第1のポリマー領域101が、そのいずれかの端部を提供することができる。別法として、遷移構造体200は、第2のポリマー領域102のみを含むことができ、第2のポリマー領域102が、そのいずれかの端部を提供することができる。実施形態1では、先行箇所201は、第1のポリマー領域101によって提供される遷移構造体200の端部に位置し、先行区分210は、先行箇所201に隣接する部分として画定される。先行区分210は、先行箇所201に近接する比較的短い区分であり、先行箇所201から先行箇所201周辺の遷移構造体200の中間区分内に位置する選択された箇所まで延びることに留意されたい。後続箇所202は、第2のポリマー領域102によって提供される遷移構造体200の端部に位置し、後続区分220は、後続箇所202に隣接する部分として画定される。後続区分220は、後続箇所202に近接する比較的短い区分であり、後続箇所202から後続箇所202周辺の遷移構造体200の中間区分内に位置する選択された箇所まで延びることに留意されたい。実施形態1では、先行区分210および後続区分220の各々は、少なくとも一つの第1のサブ領域1011(および/または第1のサブ領域1021)および少なくとも一つの第2のサブ領域2001を含む。いくつかの他の実施形態では、遷移構造体200の先行区分210は、少なくとも一つの第1のサブ領域1011(または第1のサブ領域1021)および少なくとも一つの第2のサブ領域2001を含むことができ、後続区分220は、少なくとも一つの第2のサブ領域2001のみを含むことができる。別法として、いくつかの他の実施形態では、遷移構造体200の後続区分220は、少なくとも一つの第1のサブ領域1011(または第1のサブ領域1021)および少なくとも一つの第2のサブ領域2001を含むことができ、先行区分210は、少なくとも一つの第2のサブ領域2001のみを含むことができる。
【0039】
実施形態1では、不均質材料区間2は、斜めの管状構造体を形成する。すなわち、不均質材料区間2の両端面は、カテーテルの軸に対してある角度で傾斜した平面を画定し、これらの角度は、等しくても等しくなくてもよく、5°から60°の範囲とすることができる。いくつかの他の実施形態では、不均質材料区間2の端面によって画定される平面のうちの一方のみが、カテーテルの軸に対して傾斜していてもよく、他方の平面は、カテーテルの軸に直交することができる。
【0040】
不均質材料区間2は、第1および第2のポリマー材料の混合物から形成することができる。たとえば、カテーテルの製作は、熱収縮によって二つ以上の異なる材料から一体の管を形成することを伴うことができる。熱収縮プロセスでは、異なる材料のすべての融点よりも高い温度まで加熱されると、材料は、接触境界面を通って互いに拡散し、これらの材料の融合および混合をもたらす。別法として、不均質材料区間2は、第1および第2のポリマー材料の積層材からなる複合構造体とすることができる。たとえば、面取りされた端面を有する一つのポリマー材料の積層材を、面取りされた端面の有無にかかわらず他のポリマー材料の積層材間に挿入することができ、その結果得られる積層体を、熱収縮性プロセスにかけることができ、このプロセスは、材料の融点のうちの高い方の融点以下であるが、材料の融点のうちの低い方の融点よりも高い温度で実行される。そのような熱収縮性プロセスの結果、これらの材料は混合されないが、ともに接合されて複合構造体を形成する。いくつかの実施形態では、不均質材料区間2は、融合されて混合された第1および第2のポリマー材料から形成することができる。いくつかの他の実施形態では、不均質材料区間2は、ともに接合された第1および第2のポリマー材料の積層板からなる複合構造体とすることができる。
【0041】
実施形態1では、不均質材料区間2の剛性は、第1のポリマー材料の剛性と、第2のポリマー材料の剛性との間である。いくつかの他の実施形態では、不均質材料区間2の剛性は、第1のポリマー材料の剛性および第2のポリマー材料の剛性よりもわずかに大きくすることができる。不均質材料区間2の存在により、カテーテルの異なる区分間のつなぎ目の強度をより大きくすることが可能になり、カテーテルの改善された安全性能がもたらされる。
【0042】
図2に示すように、実施形態1では、不均質材料区間2に対する第1のポリマー領域101または第2のポリマー領域102の外側表面積比は、先行箇所201または後続箇所202から遷移構造体200の中間区分まで徐々に減少し、不均質材料区間2のみによって提供される遷移構造体200の中間区分の軸方向部分が存在する。他の実施形態では、不均質材料区間2に対する第1のポリマー領域101(または第2のポリマー領域102)の外側表面積比は、遷移構造体200の一端から他端へ徐々に減少することができる。別法として、いくつかの他の実施形態では、不均質材料区間2に対する第1のポリマー領域101(または/および第2のポリマー領域102)の外側表面積比は、遷移構造体200の一端から他端へ最小まで減少し、次いで徐々に増大することができる。
【0043】
実施形態1では、カテーテル100のポリマー層において、遷移構造体200の存在により、カテーテル100の可撓性/剛性および機械特性が平滑に遷移することが可能になり、それによりカテーテル100には、より良好な全体的な機械特性ならびに向上した送達および安全性能が与えられる。
【0044】
さらに、様々な血管部位の機械特性要件を満たすために、カテーテル100は、異なる部分に異なる剛性度を有する必要がある。これにより、カテーテル100は、異なる剛性度および/または異なるタイプの複数のポリマー材料をつなぎ合わせて作られる必要がある。しかし、つなぎ合わせたポリマー材料のうちの二つが急な剛性差を示す場合、カテーテル100は、そのつなぎ目でねじれる傾向があり、管腔サイズの低減またはさらには恒久的な変形をもたらす。この問題を克服するために、カテーテル100内の少なくとも一つのポリマー層は、概して、様々な血管部位の機械特性要件を満たすために、複数のつなぎ目でつなぎ合わされた複数のポリマー材料から作られ、機械特性の平滑な遷移が可能になる。つなぎ目の各々では、つなぎ合わせされた二つの材料がかなり異なる剛性度を有するときでも、応力集中を回避するために、実施形態1に記載する遷移構造体200を用いることができる。これにより、カテーテルにおいて使用される異なるポリマー材料およびつなぎ合わされる区分の数を低減させることを可能にしながら、機械特性の望ましい平滑な遷移を可能にする。
【0045】
実施形態2
図3は、図に4角形で示す遷移構造体200を含むカテーテル100の部分的な軸方向断面図を示す。遷移構造体200の近位端に近位管3が位置し、遷移構造体200の遠位端に遠位管4が位置する。近位管3は、第1のポリマー材料から作られ、遠位管4は、第2のポリマー材料から作られる。第1のポリマー材料の剛性は、第2のポリマー材料の剛性よりも大きい。近位管3の遠位延長部分は、第1のポリマー領域101を形成し、遠位管4の近位延長部分は、第2のポリマー領域102を形成する。近位管3および遠位管4のうち、互いに接触する部分、または材料が混合される部分は、不均質材料区間2を形成する。区別を容易にするために、不均質材料区間2は、
図3で、一例として、互いに重ねられて接合された第1および第2のポリマー材料からなる複合材料層として示されている。他の実施形態では、不均質材料区間2では、第1および第2のポリマー材料を混合することもできる。遷移構造体200において、均質材料区間1に対向する不均質材料区間2の端面は、カテーテルの軸に対して傾斜した平面を画定する。第1のポリマー領域101に対向する不均質材料区間2の端面によって画定される平面は、カテーテルの軸に対して角度βで傾斜しており、第2のポリマー領域102に対向する不均質材料区間2の端面によって画定される平面は、カテーテルの軸に対して角度αで傾斜している。不均質材料区間2は、最小軸方向長さL1および最大軸方向長さL2を有する。βは、αに等しくても、等しくなくてもよい。L1は、L2に等しくても、等しくなくてもよい。βがαに等しいとき、L1はL2に等しい。カテーテル100が0.013"から0.029"の内径を有するとき、L1およびL2は、1mmから3mmの範囲であることが好ましく、αおよびβは、45°から60°の範囲内であることが好ましい。カテーテルの内径が0.055"から0.090"であるとき、L1およびL2は、6mmから15mmの範囲であることが好ましく、αおよびβは、5°から60°の範囲であることが好ましい。いくつかの他の実施形態では、L1およびL2は、0.5から20mmとすることができる。いくつかの実施形態では、不均質材料区間は、1mm、3mm、5mm、7.5mm、10mm、12mm、15mmなど、1から15mmの範囲内の一定の軸方向長さを有することができる(すなわち、L1=L2)。いくつかの実施形態では、不均質材料区間は、異なる軸方向長さを有することができる(すなわち、L1≠L2)。加えて、L1は、0.5mm、2mm、5mm、6mm、8mm、11mm、12.5mm、15mmなど、0.5から15mmの範囲内とすることができ、L2は、3mm、5mm、7mm、10mm、12mm、15mm、17.5mm、20mmなど、3から20mmの範囲内とすることができる。
【0046】
図4は、軸方向線に沿って切断されて平坦に展開された後の
図3の遷移構造体200を示す。
図4から、L1、L2、α、およびβの場所および関係がより直観的に理解されよう。
図4で、不均質材料区間2は、その最小軸方向長さに沿って切断される。実施形態2では、遷移構造体200は、対称構造体である。
図4から見ることができるように、軸方向に切断されて展開された遷移構造体200は、垂直方向に対称である。
図5に示すように、いくつかの他の実施形態では、遷移構造体200は、対称構造体でなくてもよい。たとえば、第1のポリマー領域101の後続箇所(
図5の左の3角形の右の頂点)と、第2のポリマー領域102の端部箇所(
図5の最も右の交点)とを接続する線は、カテーテルの軸に平行でなくてもよい。
図4からさらに見ることができるように、遷移構造体200の任意の長さの軸方向区分は、第2のサブ領域2001を含むはずである。第1のポリマー領域101によって提供される遷移構造体200の軸方向端(遷移構造体200の先行箇所201に位置する)から、第1のポリマー領域101の端部(遷移構造体200の中間区分内に位置する)まで延びる遷移構造体200の軸方向部分において、任意の長さの軸方向区分は、少なくとも一つの第1のサブ領域1011および少なくとも一つの第2のサブ領域2001を含む。同様に、第2のポリマー領域102によって提供される遷移構造体200の軸方向端(遷移構造体200の後続箇所に位置する)から、第2のポリマー領域102の端部(遷移構造体200の中間区分内に位置する)まで延びる遷移構造体200の軸方向部分において、任意の長さの軸方向区分は、少なくとも一つの第1のサブ領域1021および少なくとも一つの第2のサブ領域2001を含む。実施形態2では、αおよびβは、直角以外の異なる角度である。他の実施形態では、αおよびβは同じであってよく、各々直角以外の角度である。他の実施形態では、βは90°でないが、αは90°であってよく、この場合、遷移構造体200は、第1のポリマー領域101および不均質材料区間2のみを含む。第1のポリマー領域101によって提供される軸方向端(遷移構造体200の先行箇所201に位置する)から、第1のポリマー領域101の端部位置(遷移構造体200の中間区分内に位置する)まで延びる遷移構造体200の軸方向部分において、任意の長さの軸方向区分は、少なくとも一つの第1のサブ領域1011および少なくとも一つの第2のサブ領域2001を含む。同様に、αが90°ではないとき、βは90°であってもよい。この場合、遷移構造体200は、第2のポリマー領域102および不均質材料区間2のみを含み、第2のポリマー領域102によって提供される軸方向端(遷移構造体200の後続箇所に位置する)から、第2のポリマー領域102の端部位置(遷移構造体200の中間区分内に位置する)まで延びる遷移構造体200の軸方向部分において、任意の長さの軸方向区分は、少なくとも一つの第1のサブ領域1021および少なくとも一つの第2のサブ領域2001を含む。実施形態2では、αおよびβは、同じ方向に開いている。いくつかの他の実施形態では、αおよびβは、異なる方向に開いてもよい。たとえば、αは、遷移構造体200の後続箇所202の方へ開くことができ、βは、遷移構造体200の先行箇所201の方へ開くことができ、逆も同様である。実施形態2では、αおよびβは、不均質材料区間2の端面によって画定される平面と、カテーテルの軸との間に形成される鋭角を指し、それを補完する鈍角ではないことに留意されたい。
【0047】
カテーテルの内径が一定である場合、αとβとの間の差が大きければ大きいほど、L1とL2との間の差も大きくなる。カテーテル100の可撓性/剛性が平滑に遷移することを可能にし、カテーテル100がそのような遷移部位でねじれることを防止するために、本発明の好ましい実施形態では、第1のポリマー材料と第2のポリマー材料との間の剛性差が大きければ大きいほど、角度αおよび/またはβは小さくなるため、制御される角度αおよび/またはβは小さくなり、遷移部位における材料の変動は穏やかになり、カテーテル100の機械特性の変動はより平滑になり、カテーテル100が蛇行した血管部位をより高い安全性で通過することが促進される。
【0048】
実施形態2では、遷移構造体200は、一切の第1のサブ領域1011(または1021)を含まず第2のサブ領域2001のみから構成された軸方向区分を有する。
図6に示すように、いくつかの他の実施形態では、遷移構造体200の軸方向区分は、少なくとも一つの第1のサブ領域1011(および/または第1のサブ領域1021)および少なくとも一つの第2のサブ領域2001を含む。
【0049】
実施形態3
実施形態3では、少なくとも一つの遷移構造体200を含むカテーテル100が提供される。
図7に概略的に示すように、実施形態3では、各遷移構造体200は、均質材料区間1および不均質材料区間2を含む。均質材料区間1は、第1のポリマー領域101および第2のポリマー領域102をさらに含む。第1のポリマー領域101は、第1のポリマー材料から作られ、第2のポリマー領域102は、第2のポリマー材料から作られる。第1のポリマー材料の剛性は、第2のポリマー材料の剛性よりも大きい。第1のポリマー領域101および第2のポリマー領域102は、不均質材料区間2の両側に位置する。
【0050】
特定の平面上の遷移構造体200の不均質材料区間2の軸方向投影図は、段状の縁部(方形の折線の形態)を有する。実施形態3では、不均質材料区間2の両軸方向端の縁部はどちらも段状である。他の実施形態では、遷移構造体200内の不均質材料区間2の縁部のうちの一方のみを段状とすることができる。
【0051】
実施形態3では、カテーテル100の遷移構造体200において、
図7に破線の直線で示す区分などの任意の軸方向区分は、少なくとも一つの第2のサブ領域2001を含む。さらに、第1のポリマー領域101によって提供される軸方向端(遷移構造体200の先行箇所に位置する)から、第1のポリマー領域101の端部位置(遷移構造体200の中間区分内に位置する)まで延びる遷移構造体200の軸方向部分において、図中に破線の直線で示す区分などの任意の長さの軸方向区分は、少なくとも一つの第1のサブ領域1011および少なくとも一つの第2のサブ領域2001を含む。同様に、第2のポリマー領域102によって提供される軸方向端(遷移構造体200の後続箇所に位置する)から、第2のポリマー領域102の端部位置(遷移構造体200の中間区分内に位置する)まで延びる遷移構造体200の軸方向部分において、任意の長さの軸方向区分は、少なくとも一つの第1のサブ領域1021および少なくとも一つの第2のサブ領域2001を含む。
【0052】
図8は、軸方向線に沿って切断されて平坦に展開された後の
図7の遷移構造体200を示す。
図8から見ることができるように、
図7の遷移構造体200は、水平方向に対称の管状構造体である。いくつかの他の実施形態では、遷移構造体200は、水平方向に対称でない管状構造体であってもよい。
【0053】
いくつかの他の実施形態では、不均質材料区間2の両端の縁部のうちの一方または両方は、折線の形状であってよい。折線の例は、それだけに限定されるものではないが、3角形、方形、正方形、正弦波、不規則、および他の折線を含むことができる。
【0054】
実施形態3の他の構造的特徴は、実施形態1のものに類似しており、したがって本明細書でさらに詳細に説明する必要はない。
【0055】
実施形態4
図9は、実施形態4によるカテーテル100の軸方向および径方向の断面図を示す。
図9に示すように、カテーテル100は、内側から外側へ径方向に配置された内層1001、中間強化層1002、および外層1003を含む。内層1001を覆うように強化層1002がスリーブ接続され、強化層1002を覆うように外層1003がスリーブ接続される。内層1001は、カテーテル100の管腔1004を画定する。内層1001および外層1003は、どちらもポリマー層である。いくつかの他の実施形態では、カテーテル100は、外層1003および内層1001を含むことができ、強化層1002を省略してもよい。別法として、カテーテル100は、単一のポリマー層のみを含んでもよい。さらに別法として、カテーテル100は、一つのポリマー層および強化層1002のみを含んでもよい。
【0056】
本発明の実施形態では、外層1003は、ポリマー層であり、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリ(エーテル-ブロック-アミド)、およびポリウレタンから選択された少なくとも一つから作ることができる。実施形態4では、外層1003は、ポリアミド、ポリ(エーテル-ブロック-アミド)、ポリウレタン、およびポリオレフィンから作られる。具体的には、外層1003は、つなぎ合わされた上記の材料から作ることができる。本発明の実施形態では、強化層1002は、金属またはポリマー材料から作ることができ、管腔の強度、支持性能、崩壊抵抗、力伝送およびトルク制御、ならびにカテーテル100の伝送を向上させるように機能する。実施形態4では、強化層1002は、金属材料から作られる。本発明の実施形態では、内層1001は、ポリマー層であり、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、およびポリ(エーテル-ブロック-アミド)から選択された少なくとも一つから作ることができる。実施形態4では、内層1001は、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリオレフィンを含む材料から作られる。さらに、内層1001は、これらの材料のつなぎ目に、第1から第3の実施形態のいずれか一つに記載の遷移構造体200を含む。本発明の実施形態では、カテーテル100は、少なくとも一つのポリマー層を含むことができ、少なくとも一つのポリマー層は、第1から第3の実施形態のいずれか一つに記載の遷移構造体200を含むことができる。いくつかの他の実施形態では、カテーテル100は、単一のポリマー層を含むことができ、単一のポリマー層は、第1から第3の実施形態のいずれか一つに記載の遷移構造体200を含むことができる。別法として、カテーテル100は、内層1001および外層1003という二つのポリマー層を含むことができ、二つのポリマー層のうちの一方または両方は、第1から第3の実施形態のいずれか一つに記載の遷移構造体200を含むことができる。さらに別法として、カテーテル100は、二つ以上のポリマー層を含むことができ、二つ以上のポリマー層のうちの少なくとも一つは、第1から第3の実施形態のいずれか一つに記載の遷移構造体200を含むことができる。
【0057】
実施形態4では、内層1001は、近位端に位置する第1の内層区分および遠位端に位置する第2の内層区分から構成される。第1の内層区分は、第1のポリマー材料から作られ、第2の内層区分は、第2のポリマー材料から作られる。第1のポリマー材料の剛性は、第2のポリマー材料の剛性よりも大きい。本発明の実施形態では、第1のポリマー材料の剛性は、40Dから70Dの範囲とすることができる。材料は、それだけに限定されるものではないが、ポリテトラフルオロエチレンとすることができる。実施形態4では、第1のポリマー材料の剛性は、60Dであり、材料は、ポリテトラフルオロエチレンである。いくつかの他の実施形態では、第1のポリマー材料の剛性は、40D、45D、50D、54D、62D、65D、66D、68D、または70Dとすることができる。第2のポリマー材料の剛性は、30Aから55Dの範囲とすることができる。材料は、それだけに限定されるものではないが、ポリオレフィン、ポリ(エーテル-ブロック-アミド)、およびポリウレタン、またはこれらの混合物のうちのいずれか一つとすることができる。実施形態4では、第2のポリマー材料は、ポリオレフィンであり、その剛性は、35Dである。いくつかの他の実施形態では、第2のポリマー材料は、リニア低密度ポリエチレンもしくはポリオレフィンエラストマ、潤滑剤を含浸させたポリ(エーテル-ブロック-アミド)、または潤滑剤を含浸させたポリウレタンとすることができる。いくつかの他の実施形態では、第2のポリマー材料の剛性は、30A、40A、45A、60A、70A、80A、90A、30D、35D、38D、40D、50D、または55Dとすることができる。本発明の実施形態では、第1の内層区分は、1000から1550mmの長さを有することができ、第2の内層区分は、50から600mmの長さを有することができる。実施形態4では、第1の内層区分の長さは、1100mmであり、第2の内層区分の長さは、350mmである。
【0058】
他の実施形態では、第1の内層区分および/または第2の内層区分は各々、いくつかのポリマー材料の混合物、または放射線不透過性金属粉末などの無機物質と混合されたポリマーから作ることができる。いくつかの他の実施形態では、第1の内層区分および/または第2の内層区分は各々、1:1の比で混合されたポリオレフィンおよびポリ(エーテル-ブロック-アミド)から作ることができる。いくつかの他の実施形態では、第1の内層区分および/または第2の内層区分は各々、2:1の比で混合されたポリオレフィンおよびポリウレタンから作ることができる。いくつかの他の実施形態では、第1の内層区分および/または第2の内層区分は各々、1:2の比で混合されたポリ(エーテル-ブロック-アミド)およびポリウレタンから作ることができる。いくつかの他の実施形態では、第1の内層区分および/または第2の内層区分は各々、1:1:1の比で混合されたポリオレフィン、ポリ(エーテル-ブロック-アミド)、およびポリウレタンから作ることができる。いくつかの他の実施形態では、第1の内層区分および/または第2の内層区分は各々、1:1の比で混合されたリニア低密度ポリエチレンおよびポリオレフィンエラストマから作ることができる。いくつかの他の実施形態では、第1の内層区分および/または第2の内層区分は各々、カテーテル100の本体に放射線不透過性を与えることができるタングステン粉末が混合されたリニア低密度ポリエチレンから作ることができる。いくつかの他の実施形態では、第1の内層区分および/または第2の内層区分は各々、潤滑剤を含浸させたポリ(エーテル-ブロック-アミド)から作ることができる。いくつかの他の実施形態では、第1の内層区分および/または第2の内層区分は各々、潤滑剤を含浸させたポリ(エーテル-ブロック-アミド)およびポリウレタンの1:1の混合物から作ることができる。
【0059】
一実施形態では、第1の内層区分の長さは、1000mmとすることができ、第2の内層区分の長さは、170mmとすることができる。いくつかの他の実施形態では、第1の内層区分の長さは、1550mmとすることができ、第2の内層区分の長さは、50mmとすることができる。いくつかの他の実施形態では、第1の内層区分の長さは、1150mmとすることができ、第2の内層区分の長さは、600mmとすることができる。いくつかの他の実施形態では、第1の内層区分の長さは、200mmとすることができ、第2の内層区分の長さは、1200mmとすることができる。
【0060】
実施形態5
実施形態5では、第1から第4の実施形態のいずれか一つに記載の遷移構造体200を作る方法が提供される。第5の実施形態に提供する方法は、第1および第2のポリマー管をそれらの端部で切断することを含み、それによって第1のポリマー管および/または第2のポリマー管は各々、その端部に全円周より小さい軸方向範囲を有する。第1のポリマー管は、第1のポリマー材料から作られ、第2のポリマー管は、第2のポリマー材料から作られる。第1のポリマー材料の剛性は、第2のポリマー材料の剛性よりも大きい。第1および第2のポリマー管は、その端部で少なくとも部分的に積み重ねられてつなぎ合わされ、次いでこれらを熱収縮にかけることによって、遷移構造体200が得られる。
【0061】
第5の実施形態に提供する方法において、遷移構造体200は、別個に製作されて次いでカテーテル100内で組み立てられるのではない。そうではなく、遷移構造体200は、実際には、カテーテル100(またはそのポリマー層)の製作中に形成される。たとえば、第1のポリマー管は、実際には、カテーテルの内層1001の近位区分の前駆体とすることができ、第2のポリマー管は、実際には、カテーテルの内層1001の遠位区分の前駆体とすることができる。したがって、カテーテル100の内層1001は、最終的に、この方法において第1および第2のポリマー管で実行される上記のプロセスから得られ、遷移構造体200は、材料が互いに境界を接する内層1001に位置する。別法として、カテーテルは、多層構造体とすることができ、この場合、その構造体の任意のポリマー層のためのポリマー前駆体管を端部で切断し、その構造体内で組み立て、熱収縮にかけることができる。このようにして、ポリマー層の材料遷移部分として遷移構造体200を含む完全なカテーテル100を最終的に得ることができる。
【0062】
実施形態5では、熱収縮性プロセスは、第1のポリマー材料の融点と第2のポリマー材料の融点との間の温度で実行される。熱収縮性プロセスの結果、遷移構造体200の不均質材料区間2が、互いに重ねられてつなぎ合わされた第1および第2のポリマー材料の両方によって形成される。不均質材料区間2は、複合構造体として形成される。いくつかの他の実施形態では、収縮プロセスは、第1のポリマー材料の融点と第2のポリマー材料の融点との両方よりも高い温度で実行される。これらの場合、熱収縮性プロセスの結果、不均質材料区間2は、混合されて融合された第1および第2のポリマー材料から形成される。すなわち、不均質材料区間2は、二つの材料の混合物から形成される。
【0063】
いくつかの他の実施形態では、第1および第2のポリマー管が端部で切断される前に、または第1および第2のポリマー管が端部で切断された後、第1および第2のポリマー管が積み重ねられてつなぎ合わされる前に、前記端部の肉厚を低減させるように、第1のポリマー管および/または第2のポリマー管を伸張させることができる。管が端部でつなぎ合わされた後、伸張させた端部の厚さは管の他の位置の肉厚よりも小さいため、カテーテル100は、つなぎ目において比較的小さい肉厚を有することができる。これにより、カテーテル100は、その長さ全体にわたって全体的に均一のサイズを有することが可能になり、その外径の急な変化は生じない。したがって、カテーテル100では、全体的な機械特性がさらにより平滑に遷移し、したがってさらに向上した送達性能を有することができる。一部の特定の材料は、管を適切に伸張させることで、その強度を増大させることができる。その結果、つなぎ目はより大きい強度を示し、管が引っ張られたときにつなぎ目で容易に分離することを防止する。
【0064】
本発明について上記で開示したが、本発明は上記の開示に限定されるものではない。当業者であれば、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、本発明に様々な変更および修正を加えることができる。したがって、あらゆるそのような変更および修正は、添付の特許請求の範囲およびその均等物に記載の本発明の範囲に入ることが意図される。
【符号の説明】
【0065】
100 カテーテル
200 遷移構造体
201 先行箇所
202 後続箇所
210 先行区分
220 後続区分
1 均質材料区間
2 不均質材料区間
101 第1のポリマー領域
102 第2のポリマー領域
1011 第1のサブ領域
1021 第1のサブ領域
2001 第2のサブ領域
3 近位管
4 遠位管
1001 内層
1002 強化層
1003 外層
1004 管腔
【手続補正書】
【提出日】2023-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのポリマー層を備えるカテーテルであって、前記ポリマー層は、管状構造体である少なくとも一つの遷移構造体を備え、該遷移構造体は、均質材料区間および不均質材料区間を備え、前記均質材料区間の連続閉鎖領域を第1のサブ領域と呼び、前記不均質材料区間の連続閉鎖領域を第2のサブ領域と呼び、前記遷移構造体のうち軸に沿った任意の区分は、少なくとも一つの第2のサブ領域を備え、前記遷移構造体の先行区分および/または後続区分は、少なくとも一つの第1のサブ領域および少なくとも一つの第2のサブ領域を備える、カテーテル。
【請求項2】
前記遷移構造体の任意の軸方向区分は、少なくとも一つの第1のサブ領域および少なくとも一つの第2のサブ領域を備え
、
前記遷移構造体の第1の端部から第2の端部まで、前記不均質材料区間に対する前記均質材料区間の外側表面積比は、最小値まで徐々に減少し、次いで徐々に増大する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記遷移構造体のそれぞれの端部の前記先行箇所および/または前記後続箇所から前記遷移構造体の中間区分まで軸方向に、前記不均質材料区間に対する前記均質材料区間の外側表面積比は、徐々に減少する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記不均質材料区間の少なくとも一つの端面は、前記カテーテルの軸に対してある角度で傾斜した平面を画定
し、
前記平面は、前記カテーテルの前記軸に対して、5°から60°の範囲の角度で傾斜する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記不均質材料区間の少なくとも一つの縁部は、波形構造を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記不均質材料区間は、1から15mmの範囲内の一定の軸方向長さを有する
か、または、前記不均質材料区間は、最大値が3から20mmで、最小値が0.5から15mmの可変の軸方向長さを有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記均質材料区間は、前記不均質材料区間の両側に位置する第1のポリマー領域および第2のポリマー領域を備え、前記第1のポリマー領域は、第1のポリマー材料から作られ、前記第2のポリマー領域は、第2のポリマー材料から作られ、前記第1のポリマー材料の剛性は、前記第2のポリマー材料の剛性よりも大きい、請求項1から
6のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記不均質材料区間の剛性は、前記第1のポリマー領域の前記剛性よりも小さく、前記第2のポリマー領域の前記剛性よりも大きい
、または、
前記不均質材料区間の少なくとも一つの端面は、前記カテーテルの軸に対してある角度で傾斜した平面を画定し、前記第1のポリマー材料と前記第2のポリマー材料との間の剛性差が大きければ大きいほど、形成される角度は小さくなる、または、
前記不均質材料区間は、混合されて融合された前記第1および第2のポリマー材料から作られる、または、
前記不均質材料区間は、積み重ねられてつなぎ合わされた前記第1および第2のポリマー材料から作られる、または、
前記第1のポリマー材料は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ(エーテル-ブロック-アミド)、およびポリアミドのうちのいずれか一つであり、前記第2のポリマー材料は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ(エーテル-ブロック-アミド)、およびポリアミドのうちのいずれか一つである、請求項
7に記載のカテーテル。
【請求項9】
強化層をさらに備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記カテーテルは、内層、中間強化層、および外層を備える3層構造体であり、前記内層および前記外層は、ポリマー層であり、前記内層は、少なくとも一つの遷移構造体を備え、および/または前記外層は、少なくとも一つの遷移構造体を備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記内層は、少なくとも一つの遷移構造体を備え
、
前記内層の遠位区分は、前記少なくとも一つの遷移構造体を備える、請求項
10に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記外層は、少なくとも一つの遷移構造体を備える、請求項
10に記載のカテーテル。
【請求項13】
カテーテルの遷移構造体を作る方法であって、第1のポリマー管の端部および第2のポリマー管の端部を切断することを含み、それによって前記第1のポリマー管の端部および/または前記第2のポリマー管の端部は、全円周より小さい円周方向範囲を有し、前記第1のポリマー管は、第1のポリマー材料から作られ、前記第2のポリマー管は、第2のポリマー材料から作られ、前記第1のポリマー材料の剛性は、前記第2のポリマー材料の剛性よりも大きく、前記第1のポリマー管の前記端部および前記第2のポリマー管の前記端部は、少なくとも部分的に積み重ねられてつなぎ合わされ、次いで熱収縮性プロセスにかけられる、方法。
【請求項14】
前記熱収縮性プロセスは、前記第1および第2のポリマー材料の融点よりも高い温度で実施される、
または、
前記熱収縮性プロセスは、前記第1のポリマー材料の融点と前記第2のポリマー材料の融点との間の温度で実施される、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
積み重ねてつなぎ合わせる前に、前記第1のポリマー管の前記端部および/または前記第2のポリマー管の前記端部を伸張させることをさらに含み、それによって各管に対して、伸張させた端部の肉厚は、前記管の他の位置の肉厚よりも小さくなる、請求項
13に記載の方法。
【国際調査報告】