(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】メロキシカムを含む医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/5415 20060101AFI20240110BHJP
A61K 31/4196 20060101ALI20240110BHJP
A61P 25/06 20060101ALI20240110BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240110BHJP
A61K 47/69 20170101ALI20240110BHJP
【FI】
A61K31/5415
A61K31/4196
A61P25/06
A61K47/02
A61K47/69
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539990
(86)(22)【出願日】2021-12-29
(85)【翻訳文提出日】2023-08-22
(86)【国際出願番号】 US2021065552
(87)【国際公開番号】W WO2022147155
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517279805
【氏名又は名称】アクスサム セラピューティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】タビュトー、ヘリオット
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076BB01
4C076CC01
4C076DD25
4C076EE39E
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC60
4C086BC89
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA06
4C086ZA08
4C086ZC20
(57)【要約】
本明細書において、シクロデキストリンおよび/または炭酸塩または重炭酸塩と組み合わせたメロキシカムおよび/またはリザトリプタンのようなNSAIDを含む組成物が開示される。これらの組成物は、たとえば、片頭痛、関節炎、および他の症状等の疼痛の治療のためのNSAIDの生物学的利用能または薬物動態を改善するために、経口投与することができる。また、本明細書に記載されるのは、メロキシカムおよびリザトリプタンを、片頭痛等の疼痛で苦しんでいるヒトに投与することを含む、片頭痛等の疼痛を治療する方法である。片頭痛について、これらの方法は、ヒトが片頭痛の急性発作または片頭痛の前兆で苦しんでいる間にメロキシカムおよびリザトリプタンを投与する場合、特に有用であり得る。いくつかの実施形態では、メロキシカムとリザトリプタンの組み合わせを、メロキシカムのTmaxが3時間以下になるように投与してもよい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
片頭痛患者に、少なくとも月に2回、少なくとも6カ月間、片頭痛発作の間に剤形を経口投与することを含む、片頭痛を治療する方法であって、前記剤形は、メロキシカムおよびリザトリプタンの組み合わせを含む、方法。
【請求項2】
少なくとも月に2回、少なくとも6カ月間の使用のための、片頭痛を治療するための医薬の製造における、メロキシカムおよびリザトリプタンの組み合わせの使用であって、前記医薬は、メロキシカムおよびリザトリプタンを含む剤形である、使用。
【請求項3】
前記ヒト片頭痛患者は、前記片頭痛患者への前記剤形の経口投与の結果として片頭痛の緩和を経験する、請求項1または2に記載の方法または使用。
【請求項4】
前記片頭痛患者は、片頭痛に関連する吐き気、羞明、または音声恐怖症を有する、請求項1、2、または3に記載の方法または使用。
【請求項5】
前記片頭痛患者は、前記片頭痛患者への前記剤形の経口投与の結果として吐き気の減少を経験する、請求項4に記載の方法または使用。
【請求項6】
前記片頭痛患者は、前記片頭痛患者への前記剤形の経口投与の結果として羞明の減少を経験する、請求項4に記載の方法または使用。
【請求項7】
前記片頭痛患者は、前記片頭痛患者への前記剤形の経口投与の結果として音声恐怖症の減少を経験する、請求項4に記載の方法または使用。
【請求項8】
前記剤形は、400mg~600mgの重炭酸塩をさらに含む、請求項1、2、3、4、5、6、または7に記載の方法または使用。
【請求項9】
前記剤形は、約5mg~約50mgのメロキシカムをさらに含む、請求項1、2、3、4、5、6、7、または8に記載の方法または使用。
【請求項10】
前記剤形は、約50mg~約200mgのSBEβCDをさらに含む、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、または9に記載の方法または使用。
【請求項11】
前記剤形は、ヒトにおけるメロキシカムのT
maxが、1)同量のメロキシカムを含み、2)SBEβCDを含まず、かつ3)重炭酸塩を含まない参照剤形より短い固体経口剤形である、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10に記載の方法または使用。
【請求項12】
遊離塩基形態のリザトリプタンの重量に基づいて約1mg~約50mgのリザトリプタンが前記経口剤形中に存在する、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11に記載の方法または使用。
【請求項13】
リザトリプタンは、約10mgの遊離塩基形態のリザトリプタンのモル当量である量で、塩形態で存在する、請求項12に記載の方法または使用。
【請求項14】
リザトリプタンは、リザトリプタン安息香酸塩として存在する、請求項12または13に記載の方法または使用。
【請求項15】
前記経口剤形は、約10mg~約30mgのメロキシカムを含む、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14に記載の方法または使用。
【請求項16】
前記経口剤形は、約20mgのメロキシカムを含む、請求項15に記載の方法または使用。
【請求項17】
SBEβCDは、β-シクロデキストリンの各分子について約6個~約7個のスルホブチルエーテル基を有する、請求項10、11、12、13、14、15、または16に記載の方法または使用。
【請求項18】
前記経口剤形は、約50mg~約150mgのSBEβCDを含む、請求項9、10、11、12、13、14、15、16、または17に記載の方法または使用。
【請求項19】
前記経口剤形は、約400mg~約600mgの重炭酸ナトリウムを含む、請求項8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、または18に記載の方法または使用。
【請求項20】
前記ヒト片頭痛患者は、治療を受けた後24時間以内に通常の活動に戻ることができる、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19に記載の方法または使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、2020年12月31日に出願された米国仮特許出願第63/133,125号に基づき優先権を主張し、この内容全体が参照により明確に援用される。
【背景技術】
【0002】
下記構造を有するメロキシカムは、抗炎症、鎮痛および解熱活性を示す非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)である。メロキシカムの作用機序は、アラキドン酸カスケードの初期段階に関与するプロスタグランジンシンテターゼ(シクロオキシゲナーゼ、COX)阻害に関連し得、プロスタグランジン、トロンボキサンおよびプロスタサイリンの形成を減少させる。
【0003】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
メロキシカムおよびいくつかの他のNSAIDは、水溶性に乏しく、それによって生物学的利用能を低下させ、その使用に起因する疼痛の緩和の開始を遅らせる可能性がある。メロキシカムの溶解性および生物学的利用能を増加させる1つの手段は、シクロデキストリンの使用によるものである。シクロデキストリン(シクロアミロースとしても知られている)は、一般に、バケット様の形状を形成する環状多糖類である。シクロデキストリンは、シクロデキストリンが内部で疎水性であり、分子の輸送を促進するのに役立つ内部で親水性であるため、他の分子の生物学的利用能を増加させるのに役立つ。天然に存在するシクロデキストリンには、6個、7個および8個のグルコース単位(それぞれα、βおよびγ-シクロデキストリン)が含まれる。しかし、多かれ少なかれグルコース単位を含む合成シクロデキストリンが可能である。水溶液中では、シクロデキストリンは、薬物をシクロデキストリン環の中心/疎水性部分に組み込むことによって、薬物と複合体(すなわち、包接複合体)を形成することができる。シクロデキストリン化合物は、ミセル型構造の薬物の周囲に凝集することも知られている。シクロデキストリンのこの能力は、それらが担体として作用して、より可溶性の低い薬物の生物学的利用能を増加させる可能性がある。
【0005】
いくつかの実施形態は、以前の片頭痛治療に対して不十分な応答をした履歴があるヒト片頭痛患者を選択すること、および該片頭痛患者に剤形を投与することを含む片頭痛を治療する方法を含み、剤形は、1)メロキシカムとスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(SBEβCD)の複合体、2)重炭酸塩、および3)リザトリプタンの組み合わせを含む。
【0006】
いくつかの実施形態は、シクロデキストリン中のメロキシカムの包接複合体を含む。
【0007】
いくつかの実施形態は、1)メロキシカムとシクロデキストリンとの包接複合体、または2)メロキシカムおよび炭酸塩もしくは重炭酸塩、を含む剤形を含む。
【0008】
いくつかの実施形態は、治療を必要とする患者に本明細書に記載の剤形を経口投与することを含む、メロキシカムを経口投与する方法を含む。
【0009】
いくつかの実施形態は、治療を必要とする患者に本明細書に記載の剤形を静脈内投与することを含む、メロキシカムを静脈内投与する方法を含む。
【0010】
シクロデキストリンとメロキシカムとの包接複合体を重炭酸塩と共に製剤化した製剤およびその使用方法が本明細書中に開示される。
【0011】
経口、経腸、静脈内、筋肉内、皮下、鼻腔内または他の非経口手段による、対象へシクロデキストリンと共にメロキシカムを送達するための製剤および方法が本明細書中に開示される。
【0012】
被験体への、経口、経腸、静脈内、筋肉内、皮下、鼻腔内または他の非経口手段による、メロキシカム、シクロデキストリンおよび重炭酸塩を含む剤形を送達することによる、疼痛および疼痛に関連する状態を治療する方法も開示される。
【0013】
リザトリプタンとメロキシカムの組み合わせ(本明細書では便宜上「主題の組み合わせ」ともいう)は、様々な疼痛症状を治療するために使用してもよい。
【0014】
リザトリプタンは以下に示す構造を有する。
【化2】
【0015】
いくつかの実施形態は、1)メロキシカムとシクロデキストリンの包接複合体、2)リザトリプタン、および3)重炭酸塩を含む、ヒトにおける片頭痛を治療するための組み合わせを含む。片頭痛は、治療抵抗性片頭痛であってもよい。ヒトは、以前の治療に対して不十分応答をした履歴があってもよい。
【0016】
いくつかの実施形態は、以前の治療に対して不十分な応答をした履歴がある患者の片頭痛の急性治療において、プラセボ、リザトリプタン、またはメロキシカムと比較して、迅速、持続的、実質的、かつ統計的に有意な有効性を有する、リザトリプタンおよびメロキシカムを含む主題の組み合わせを含む。
【0017】
いくつかの実施形態は、プラセボ、リザトリプタン、またはメロキシカムと比較して、救急薬の使用が著しく少ない、ザトリプタンおよびメロキシカムを含む主題の組み合わせを含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施例2に記載され、表6に含まれる結果の図である。
【
図2】実施例2に記載され、表6に含まれる結果の他の図である。
【
図3】実施例2に記載され、表6に含まれる結果の他の図である。
【
図4】実施例2に記載され、表6に含まれる結果の他の図である。
【
図5】実施例2に記載され、表6に含まれる結果の他の図である。
【
図6】実施例2に記載され、表6に含まれる結果の他の図である。
【
図7】実施例2に記載され、表6に含まれる結果の他の図である。
【
図8】実施例2に記載され、表6に含まれる結果の他の図である。
【
図9】実施例2に記載され、表6に含まれる結果の他の図である。
【
図10】実施例2に記載され、表6に含まれる結果の他の図である。
【
図11】本明細書に記載される剤形の一実施形態、および市販のメロキシカム剤形について、最初の24時間にわたる様々な時点でのメロキシカム血漿濃度のプロットである。
【
図12】実施例6に記載されるメロキシカム/リザトリプタン剤形、および市販のメロキシカム剤形について、最初の24時間にわたる様々な時点でのメロキシカム血漿濃度のプロットである。
【
図13】実施例6に記載されるメロキシカム/リザトリプタン剤形、および市販のメロキシカム剤形について、最初の12時間にわたる様々な時点でのリザトリプタン血漿濃度のプロットである。
【
図14】実施例11に記載されるメロキシカム/リザトリプタン剤形、リザトリプタン、MoSEICメロキシカム、およびプラセボの投与後最初の4時間にわたる様々な時点での、疼痛の緩和を報告した対象の割合のプロットを示す。
【
図14A】メロキシカム、リザトリプタン、およびメロキシカム/リザトリプタンについて、1.0時間および1.5時間においてプラセボに比べて疼痛の緩和を報告した対象の割合を示す。
【
図15】実施例11に記載されるメロキシカム/リザトリプタン剤形、リザトリプタン、MoSEICメロキシカム、およびプラセボの投与後2時間、4時間、12時間、および16時間で、疼痛から解放された対象の割合を示す。
【
図16A】実施例11に記載されるメロキシカム/リザトリプタン剤形、リザトリプタン、MoSEICメロキシカム、およびプラセボの投与後2~24時間で、持続的に疼痛から解放された対象の割合を示す。
【
図16B】実施例11に記載されるメロキシカム/リザトリプタン剤形、リザトリプタン、MoSEICメロキシカム、およびプラセボの投与後2~24時間で、持続的に疼痛が緩和された対象の割合を示す。
【
図17A】実施例11に記載されるメロキシカム/リザトリプタン剤形、リザトリプタン、MoSEICメロキシカム、およびプラセボの投与後2~48時間で、持続的に疼痛から解放された対象の割合を示す。
【
図17B】実施例11に記載されるメロキシカム/リザトリプタン剤形、リザトリプタン、MoSEICメロキシカム、およびプラセボの投与後2~48時間で、持続的に疼痛が緩和された対象の割合を示す。
【
図17C】メロキシカム/リザトリプタン剤形、リザトリプタン、およびメロキシカム/リザトリプタンについて、2~48時間で、持続的に疼痛から解放された対象の割合を示す。
【
図17D】メロキシカム/リザトリプタン剤形、リザトリプタン、およびメロキシカム/リザトリプタンについて、2~48時間で、持続的に疼痛が緩和された対象の割合を示す。
【
図18】実施例11に記載されるメロキシカム/リザトリプタン剤形、リザトリプタン、MoSEICメロキシカム、およびプラセボの投与後24時間までに、救急薬を服用した対象の割合を示す。
【
図19A】実施例12においてメロキシカム/リザトリプタンおよびプラセボを摂取した対象について、疼痛から解放され、最も煩わしい症状が解決した対象の割合を示す。
【
図19B】実施例12においてメロキシカム/リザトリプタンおよびプラセボを摂取した対象について、疼痛から解放され、最も煩わしい症状が解決した対象の割合を示す。
【
図20】実施例12においてメロキシカム/リザトリプタンおよびプラセボを摂取した対象について、疼痛から解放された対象の割合を示す。
【
図21】実施例12においてメロキシカム/リザトリプタンおよびプラセボを摂取した対象について、最も煩わしい症状から解放された対象の割合を示す。
【
図22A】実施例12においてメロキシカム/リザトリプタンおよびプラセボを摂取した対象について、2~24時間および2~48時間にわたって疼痛から解放された対象の割合を示す。
【
図22B】実施例12においてメロキシカム/リザトリプタンおよびプラセボを摂取した対象について、2~24時間および2~48時間にわたって疼痛から解放された対象の割合を示す。
【
図23】実施例12においてメロキシカム/リザトリプタンおよびプラセボを摂取した対象について、2~24時間にわたって疼痛の進行から解放された対象の割合を示す。
【
図24】実施例12においてメロキシカム/リザトリプタンおよびプラセボを摂取した対象について、救急薬を服用した対象の割合を示す。
【
図25】実施例12においてメロキシカム/リザトリプタンおよびプラセボを摂取した対象について、24時間で機能障害を有しない対象の割合を示す。
【
図26】実施例12においてメロキシカム/リザトリプタンおよびプラセボを摂取した対象について、2時間で変化の患者全般印象(PGI-C)が「非常に良く改善された」または「良く改善された」対象の割合を示す。
【
図27】実施例11においてメロキシカム/リザトリプタン、リザトリプタン、MoSEICメロキシカム、およびプラセボを摂取した対象について、投与後の様々な時点で疼痛緩和を経験する対象の確率を示す。
【
図28】実施例11においてメロキシカム/リザトリプタン、およびリザトリプタンを摂取した対象について、投与後48時間以内に疼痛再発を経験した対象の割合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書では、NSAID(たとえば、メロキシカム)およびシクロデキストリン(場合により包接複合体中に)、および/または重炭酸塩を含む剤形ならびにその剤形を使用する治療方法が提供される。
【0020】
剤形は、これらに限定されないが、経口、舌下もしくは直腸送達を含む経腸的、またはこれらに限定されずに静脈内、筋肉内、鼻腔内または皮下送達を含む非経口的に投与されてもよい。
【0021】
いくつかの方法は、a)シクロデキストリンおよび/またはb)緩衝剤とともに製剤化されたNSAIDを組み合わせた製品の投与を含む。いくつかの実施形態において、該方法は、患者を、メロキシカムおよびシクロデキストリンならびに/または炭酸塩/重炭酸塩を含む医薬製剤で治療することを含む。方法の実施形態はまた、患者におけるメロキシカムの生物学的利用能を増加させる、またはメロキシカムが生体利用可能になる割合を増加させるために患者を治療することを含むことができる。
【0022】
メロキシカム、シクロデキストリン(SBEβCD等)、および重炭酸塩(重炭酸ナトリウム等)の組み合わせは、経口投与後の溶解性、およびメロキシカムの吸収を実質的に増加させる一方、経口投与後のヒト等の哺乳類における血漿濃度の半減期は延長されたままである。
【0023】
メロキシカム、シクロデキストリン(SBEβCD等)、および重炭酸塩(重炭酸ナトリウム等)の組み合わせは、経口投与後のヒト等の哺乳類におけるメロキシカムの生物学的利用能を実質的に増加させる。
【0024】
別段の記載がない限り、構造、名前、または他の任意の手段による、メロキシカムまたはリザトリプタン等の本明細書の化合物への言及には、薬学的に許容される塩、多形体等の代替固体形態、溶媒和物、水和物、光学異性体、互変異性体、重水素修飾形態、または、前駆体、プロドラッグ、もしくは本明細書に記載されるように使用される条件下で急速に本明細書に記載される化合物に急速に変換され得る任意の他の化学種等の任意の化学種が含まれる。
【0025】
主題の組み合わせは、限定されないが、経口、舌下、もしくは直腸送達を含む経腸送達で、または、限定されないが、静脈内、筋肉内、鼻腔内、もしくは皮下送達を含む非経口送達で投与してもよい。いくつかの実施形態では、メロキシカムとリザトリプタンの両方が経口投与される。いくつかの実施形態では、メロキシカムは静脈内投与され、リザトリプタンは経口投与される。いくつかの実施形態では、メロキシカムは筋肉内投与され、リザトリプタンは経口投与される。
【0026】
通常、メロキシカムとリザトリプタンの組み合わせは、ヒトが、メロキシカムおよびリザトリプタンを互いに短い期間内に受け取るように投与される。たとえば、メロキシカムおよびリザトリプタンは、互いの約2時間以内、約1時間以内、約30分間以内、約20分間以内、約15分間以内、約10分間以内、約5分間以内、または約1分間以内に投与されてもよい。いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは同時に投与されるが、本開示の目的では約5分以内の投与を含む。いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、単一の剤形で投与される。
【0027】
「治療する」または「治療」という用語は、ヒトまたは他の動物における疾患の診断、治癒、軽減もしくは予防を含む任意の種類の治療活性、または、治療活性ではないが、ヒトまたは他の動物の体の構造もしくは任意の機能に影響を与える任意の活性を広く含む。
【0028】
剤形または主題の組み合わせは、片頭痛および他の種類の頭痛、炎症性疼痛、筋骨格痛、神経因性疼痛、慢性疼痛、急性疼痛、限局性疼痛、全身性疼痛、癌関連痛、急性疼痛、傷害による疼痛、病気による疼痛(たとえば、発熱)、術後疼痛などが含まれるがこれらに限定されない任意の種類の疼痛を治療する、またはそれらの緩和を提供するために使用され得る。いくつかの場合において、疼痛の緩和は、一時的であり得、あるいは疼痛の緩和は、疾患もしくは状態、または疾患もしくは状態の根底にある原因の改善とは無関係に提供され得る。たとえば、根底にある疾患は改善しないかもしれない、または進行し続けるかもしれないが、疾患を患っている個人が疼痛の緩和を感じることがある。いくつかの実施形態において、疼痛は、筋肉、神経、軟骨、骨、靭帯、腱、腱鞘、鼓膜または関節に影響を及ぼす。
【0029】
片頭痛は、吐き気および光と音に対する過敏性を伴う、拍動性の頭の痛みの発作が周期的に起こることを特徴とする、障害をもたらす神経疾患である。この疼痛は中度から重度であるが、重度で動けなくなり、ベッドでの休養が必要であることがよくある。頭痛は頭の半分に影響することがあり、脈動性があり、2時間から72時間続くことがある。関連する症状には、吐き気、嘔吐、光(羞明)、音(音声恐怖症)、または嗅覚に対する過敏症が含まれることがある。片頭痛は、視力障害を伴う場合がある。片頭痛は、身体活動により悪化し得る。片頭痛は前兆があることがあり、前兆は、まもなく頭痛が起こることを伝える短時間の視覚障害であり得る。片頭痛患者の一部は、前兆がない。
【0030】
いくつかの実施形態では、片頭痛の治療を受けているヒトは、皮膚アロディニア等の片頭痛発作を伴うアロディニアで苦しんでいる。皮膚アロディニア等のアロディニアは、通常は痛みのない刺激(髪をとかす、服を着る、シャワーを浴びる等)による痛みである。皮膚アロディニア等のアロディニアを有する患者は、トリプタン系医薬に反応し難いと考えられている。
【0031】
現在の治療法は最適ではなく、70%以上の患者が現在の急性治療に不満を訴えている。最も一般的な患者の不満の理由は、疼痛が緩和され始めるのが遅いこと、疼痛緩和に一貫性がないこと、およびその日のうちに痛みが再発することである。最適でない急性治療は、慢性片頭痛が新たに発症する危険性を有意に高めることに関連しており、急性治療の成果を改善することで予防され得る。
【0032】
片頭痛の急性発作または前兆等の片頭痛で苦しんでいるヒトに主題の組み合わせを投与することにより、痛み、吐き気、嘔吐、羞明、または音声恐怖症等の片頭痛の症状を、約5分間もしくは以内で(「5分間で」または「5分以内で」の略語として意図される)、約10分間もしくは以内で、約30分間もしくは以内で、約1時間もしくは以内で、約90分間もしくは以内で、約2時間もしくは以内で、約2.5時間もしくは以内で、または約3時間もしくは以内で減少させ得る。いくつかの実施形態では、ヒトは、約1時間もしくは以内で、約90分間もしくは以内で、約2時間もしくは以内で、約2.5時間もしくは以内で、または約3時間もしくは以内で、頭痛もしくは片頭痛、吐き気、嘔吐、羞明、および/または音声恐怖症等の疼痛の、減少または完全な緩和を経験する。いくつかの実施形態では、経験する緩和は、メロキシカムなしで同量のリザトリプタンを投与されることにより経験するよりも大きい。いくつかの実施形態では、経験する緩和は、リザトリプタンなしで同量のメロキシカムを投与されることにより経験するよりも大きい。
【0033】
主題の組み合わせは、片頭痛疼痛の早期兆候が表れたとき、または片頭痛の早期兆候後すぐに、たとえば約1分間以内、約5分間以内、約10分間以内、約15分間以内、約20分間以内、約30分間以内、または約1時間以内に投与してもよい。この早期段階では、疼痛はまだ穏やかであるか、または疼痛が中度もしくは重度に進行する前であるかもしれない。いくつかの方法では、片頭痛疼痛が中度または中度に達したときに主題の組み合わせはを投与してもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、メロキシカムとリザトリプタンの組み合わせは、機能障害を有する患者、または機能障害を有するために選択される患者に投与される。いくつかの実施形態では、治療により、ヒト片頭痛患者は、治療を受けてから24時間以内に通常の活動に戻ることができる。
【0035】
メロキシカムとリザトリプタンの組み合わせは、片頭痛の急性治療としての機能の2つの別個の機序を有し得る。メロキシカムは、強力な、COX-2優先的なNSAIDであり、吸収が遅いために制限される。リザトリプタンは、片頭痛に効果的であると考えられている、強力な5-HT1B/Dアゴニストである。
【0036】
「2時間」等の特定の時点での症状の緩和または減少の所見は、特定の、または一貫した時点で治療の効果を評価することができ、患者間の比較が容易になるため、有用である。症状の緩和または軽減ができるだけ早く起こることが望ましく、特定の時間内に緩和されることを明確にすることは、緩和されることが望ましいとされるガイドラインを設定することであるため、「2時間以内」等の特定の時間以内での症状の緩和または減少の所見は有用である。
【0037】
いくつかの方法のために、主題の組み合わせの投与により、痛み、吐き気、嘔吐、羞明、または音声恐怖症を、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約6時間、少なくとも約8時間、少なくとも約8~24時間、少なくとも約24時間、または24時間以上継続して軽減し得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の形態で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後2時間で、ヒトは、リザトリプタンなしで同量のメロキシカムを投与して2時間後に経験するよりも大きい疼痛緩和を経験する。
【0039】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の形態で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後24時間で、ヒトは、リザトリプタンなしで同量のメロキシカムを投与して24時間後に経験するよりも大きい疼痛緩和を経験する。
【0040】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の形態で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後2時間で、ヒトは、メロキシカムなしで同量のリザトリプタンを投与して2時間後に経験するよりも大きい疼痛緩和を経験する。
【0041】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の形態で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後24時間で、ヒトは、メロキシカムなしで同量のリザトリプタンを投与して24時間後に経験するよりも大きい疼痛緩和を経験する。
【0042】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の形態で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後2時間で、ヒトは、リザトリプタンなしで同量のメロキシカムを投与して2時間後に経験するよりも大きい吐き気の緩和を経験する。
【0043】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の形態で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後24時間で、ヒトは、リザトリプタンなしで同量のメロキシカムを投与して24時間後に経験するよりも大きい吐き気の緩和を経験する。
【0044】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の形態で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後2時間で、ヒトは、メロキシカムなしで同量のリザトリプタンを投与して2時間後に経験するよりも大きい吐き気の緩和を経験する。
【0045】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の形態で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後24時間で、ヒトは、メロキシカムなしで同量のリザトリプタンを投与して24時間後に経験するよりも大きい吐き気の緩和を経験する。
【0046】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の形態で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後2時間で、ヒトは、リザトリプタンなしで同量のメロキシカムを投与して2時間後に経験するよりも大きい嘔吐の緩和を経験する。
【0047】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の形態で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後24時間で、ヒトは、リザトリプタンなしで同量のメロキシカムを投与して24時間後に経験するよりも大きい嘔吐の緩和を経験する。
【0048】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の形態で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後2時間で、ヒトは、メロキシカムなしで同量のリザトリプタンを投与して2時間後に経験するよりも大きい嘔吐の緩和を経験する。
【0049】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の形態で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後24時間で、ヒトは、メロキシカムなしで同量のリザトリプタンを投与して24時間後に経験するよりも大きい嘔吐の緩和を経験する。いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の形態で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後2時間で、ヒトは、リザトリプタンなしで同量のメロキシカムを投与して2時間後に経験するよりも大きい羞明の緩和を経験する。
【0050】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の形態で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後24時間で、ヒトは、リザトリプタンなしで同量のメロキシカムを投与して24時間後に経験するよりも大きい羞明の緩和を経験する。
【0051】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の形態で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後2時間で、ヒトは、メロキシカムなしで同量のリザトリプタンを投与して2時間後に経験するよりも大きい羞明の緩和を経験する。
【0052】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の形態で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後24時間で、ヒトは、メロキシカムなしで同量のリザトリプタンを投与して24時間後に経験するよりも大きい羞明の緩和を経験する。
【0053】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の形態で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後2時間で、ヒトは、リザトリプタンなしで同量のメロキシカムを投与して2時間後に経験するよりも大きい音声恐怖症の緩和を経験する。
【0054】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の形態で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後24時間で、ヒトは、リザトリプタンなしで同量のメロキシカムを投与して24時間後に経験するよりも大きい音声恐怖症の緩和を経験する。
【0055】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の形態で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後2時間で、ヒトは、メロキシカムなしで同量のリザトリプタンを投与して2時間後に経験するよりも大きい音声恐怖症の緩和を経験する。
【0056】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の形態で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後24時間で、ヒトは、メロキシカムなしで同量のリザトリプタンを投与して24時間後に経験するよりも大きい音声恐怖症の緩和を経験する。
【0057】
いくつかの実施形態では、主題の組み合わせを投与されるヒトは、以前の片頭痛治療に不完全な応答をした履歴がある。たとえば、ほとんどの発作に対して治療の2時間以内に痛みがなくなったか否かをヒトに尋ね、「全くない」、「ほとんどない」、「半分未満」、または「半分以上」という選択肢が与えられ、ヒトが「全くない」、「ほとんどない」、または「半分未満」と答えた場合には、そのヒトは治療に対する不完全な応答を有する。同様に、1回の投与で大抵は頭痛が緩和され、少なくとも24時間は頭痛が起きないかどうかを尋ね、「全くない」、「ほとんどない」、「半分未満」、または「半分以上」という選択肢が与えられ、ヒトが「全くない」、「ほとんどない」、または「半分未満」と答えた場合には、そのヒトは治療に対する不完全な応答を有する。
【0058】
いくつかの実施形態では、主題の組み合わせを投与されるヒトは、ほとんどの発作について、治療の2時間以内に疼痛がなくなることが「全くなかった」ことを示している。いくつかの実施形態では、主題の組み合わせを投与されるヒトは、ほとんどの発作について、治療の2時間以内に疼痛がなくなることが「ほとんどなかった」ことを示している。いくつかの実施形態では、主題の組み合わせを投与されるヒトは、ほとんどの発作について、治療の2時間以内に疼痛がなくなったのが「半分未満」であることを示している。
【0059】
いくつかの実施形態では、主題の組み合わせを投与されるヒトは、1回の投与で回答者の頭痛が緩和され、少なくとも24時間は頭痛が起きないことが「全くなかった」ことを示している。いくつかの実施形態では、主題の組み合わせを投与されるヒトは、1回の投与で回答者の頭痛が緩和され、少なくとも24時間は頭痛が起きないことが「ほとんどなかった」ことを示している。いくつかの実施形態では、主題の組み合わせを投与されるヒトは、1回の投与で回答者の頭痛が緩和され、少なくとも24時間は頭痛が起きないことが「半分未満」であったことを示している。
【0060】
いくつかの実施形態では、主題の組み合わせを投与されるヒトは、片頭痛治療最適化質問票(mTOQ-4)における合計平均スコアが、7未満、6未満、5未満、4未満、3未満、2未満、1~2、2~3、3~4、4~5、5~6、または6~7であることにより評価されるように、以前の片頭痛治療に対して不十分な応答をした履歴がある。いくつかの実施形態では、ヒトは、メロキシカムおよびリザトリプタンを含む組み合わせ等の主題の組み合わせを投与される前に、トリプタンを使用したことがある。
【0061】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンを含む組み合わせ等の主題の組み合わせを投与されるヒトは、片頭痛を有しており、以前の片頭痛治療に対して不十分な応答をした履歴があってもよい。いくつかの実施形態では、片頭痛を有するヒトは、群発性頭痛または他のタイプの片頭痛を有していない。いくつかの実施形態では、片頭痛を有するヒトは、慢性連日性頭痛を有していない。いくつかの実施形態では、片頭痛を有するヒトは、1カ月あたり15日間超、15~20、20~25、25~28、28~30、または30~31日間、片頭痛がない日がない。いくつかの実施形態では、片頭痛を有するヒトは、重大な循環器系疾患の履歴がない。いくつかの実施形態では、片頭痛を有するヒトは、制御されていない高血圧症がない。
【0062】
いくつかの実施形態では、剤形は、関節炎の疼痛を和らげるために投与され得る。いくつかの実施形態において、剤形は、関節炎の他の徴候および/または症状を緩和するために投与され得る。関節炎の例は、これに限定されることはないが、関節リウマチ、若年性関節リウマチ(小関節および多関節)、骨関節炎、びらん性変形性関節症、血清陰性(非リウマチ様)、関節症、非関節リウマチ、関節周囲障害、軸索脊椎関節炎、股関節部の一過性変形性関節症、脊椎挫傷骨折、骨粗鬆症、およびシャルコー足を含む神経因性関節症、強直性脊椎炎を含む脊椎関節症ならびにSAPHO症候群を含む。他の実施形態において、関節炎の疼痛は、慢性または急性であり得る。いくつかの実施形態において、剤形は、変形性関節症を含むがこれに限定されない関節炎の徴候および/または症状を緩和するために投与され得る。
【0063】
いくつかの方法では、剤形の投与は、少なくとも約1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、少なくとも約8時間、約8時間~約24時間または約24時間続く疼痛の軽減を達成することができる。他の実施形態では、剤形の投与は、剤形の投与後、約10分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、15分未満、20分未満、30分、1時間未満、2時間未満、3時間未満、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50もしくは60分、またはこれらの範囲によって境界づけられる他の期間で観察される疼痛の軽減を達成することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、剤形は、糖尿病性末梢ニューロパチー、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、単尖神経痛、幻肢痛、坐骨神経痛、陰部神経痛および中枢痛を含む神経因性疼痛を緩和するために投与され得る。神経因性疼痛の他の原因としては、限定されることなく、癌関連疼痛、腰神経根圧迫、脊髄損傷、脳卒中後疼痛、中枢性多発性硬化症疼痛、HIV関連神経障害および放射線療法または化学療法治療に関連するニューロパチーを含み得る。治療される神経因性疼痛は、慢性または急性であり得る。
【0065】
いくつかの方法では、剤形は、炎症性筋骨格痛、傷害による疼痛、関節炎痛および複雑な局所疼痛症候群を含む炎症性疼痛を緩和するために投与され得る。他の実施形態において、炎症性疼痛は、慢性または急性であり得る。
【0066】
関節炎は、疼痛と関連し得る炎症性関節疾患を指す。関節炎の疼痛の例には、限定されることなく、変形性関節症、びらん性変形性関節症、慢性関節リウマチ、若年性関節リウマチ、血清陰性(非リウマチ性)関節症、非関節リウマチ、関節周囲障害、シャルコー足を含む神経障害性関節症、強直性脊椎炎を含む軸索状脊椎関節症、およびSAPHO症候群に関連する疼痛が挙げられる。治療される炎症性関節疾患は、慢性または急性であり得る。
【0067】
いくつかの方法では、メロキシカムを投与して筋骨格痛を緩和することができる。筋骨格痛の例には、限定されることなく、腰痛、背下部痛(たとえば、腰仙痛)、頸部痛、感染、痙攣、腱炎、甲状腺炎、手根管症候群、関節痛、線維筋痛、傷害による疼痛、手根管症候群、骨折に関連する疼痛、捻挫、線維性異形成、骨形成不全、骨のパジェット病、一過性骨粗鬆症および股関節の一過性骨粗鬆症が含まれ得る。他の実施形態において、筋骨格痛は、慢性または急性であり得る。
【0068】
いくつかの方法では、剤形または主題の組み合わせの投与により、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約6時間、少なくとも約8時間、約8~約24時間、または約24時間持続する疼痛の減少を達成し得る。別の実施形態では、主題の組み合わせの投与により、主題の組み合わせの投与後約10分間で、約30分間で、約1時間で、約2時間で、約3時間で、約4時間で、約5時間で、約6時間で、約5分間もしくは以内で、約10分間もしくは以内で、約15分間もしくは以内で、約20分間もしくは以内で、約25分間もしくは以内で、約30分間もしくは以内で、約35分間もしくは以内で、約40分間もしくは以内で、約45分間もしくは以内で、約50分間もしくは以内で、または約60分間もしくは以内で、2時間以下で、3時間以下で、これらの範囲によって境界づけられる他の期間でみられる、疼痛の減少を達成し得る。
【0069】
本明細書に記載の剤形で疾患または状態の治療を受けるヒトは、任意の年齢であり得る。たとえば、約10歳~約90歳、約20歳~約80歳、約30歳~約75歳、約40歳~約70歳、約1歳~約16歳、約80歳~約95歳、約18歳以上、約20歳以上、約25歳以上、約30歳以上、約40歳以上、約45歳以上、約50歳以上、約55歳以上、約60歳以上、約65歳以上、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の他の年齢であり得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、たとえば、メロキシカム、リザトリプタン、SBEβCD、および、重炭酸ナトリウム等の重炭酸塩を含む本明細書に記載される剤形で片頭痛の治療をされるヒトは、18歳から65歳、約18~20歳、約20~25歳、約25~30歳、約30~40歳、約40~45歳、約40~50歳、約50~60歳、約60~65歳、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の他の年齢であり得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、メロキシカム、リザトリプタン、SBEβCD、および、重炭酸ナトリウム等の重炭酸塩を含む剤形等の、本明細書に記載される剤形で片頭痛の治療をされるヒトは、白人、黒人もしくはアフリカ系アメリカ人、またはアジア人であり得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、メロキシカムまたは別のNSAIDを含む剤形で疾患または状態の治療を受けているヒトは、少なくとも1日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも6週間、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも6ヶ月、または少なくとも1年間、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の期間、疼痛に関連する疼痛または状態を患っている。
【0073】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンを含む剤形で片頭痛を治療されるヒトは、少なくとも3カ月間、少なくとも6カ月間、少なくとも1年間、少なくとも2年間、約1~2年間、2~3年間、もしくはさらに長い期間、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の期間、ICHD-3基準により定義された、前兆のある、または前兆のない片頭痛の診断を受けている。
【0074】
いくつかの実施形態では、ヒトは、平均2~8回、2~3回、3~4回、4~5回、5~6回、6~7回、7~8回の中度から重度の片頭痛が起こる。
【0075】
メロキシカムを含む剤形で使用されるシクロデキストリンは、シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体および/またはその塩を含むことができる。メロキシカムとシクロデキストリンとの包接複合体は、非複合体化メロキシカムに比してより水溶性であり得る。シクロデキストリンは、天然のシクロデキストリン(たとえば、α、βまたはγ-シクロデキストリン)または合成シクロデキストリンであり得る。 いくつかの実施形態では、α-シクロデキストリン、その誘導体または塩が使用され得る。α-シクロデキストリンには、限定されることなく、(2,3,6-トリ-O-アセチル)-α-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-メチル)-α-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-オクチル)-α-シクロデキストリン、6-ブロモ-6-デオキシ-α-シクロデキストリン、6-ヨード-6-デオキシ-α-シクロデキストリン、(6-O-tertブチル-ジメチルシリル)-α-シクロデキストリン、ブチル-α-シクロデキストリン、スクシニル-α-シクロデキストリン、(2-ヒドロキシプロピル)-α-シクロデキストリン、またはそれらの組み合わせが含まれ得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、β-シクロデキストリン、その誘導体または塩が使用され得る。β-シクロデキストリンは、限定されることなく、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、6-モノデオキシ-6-モノアミノ-β-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、6-O-α-D-グルコシル-β-シクロデキストリン、6-O-α-マルトシル-β-シクロデキストリン、6-アジド-6-デオキシ-β-シクロデキストリン、(2,3-ジ-O-アセチル-6-O-スルホ)-β-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、ジメチル-β-シクロデキストリン(DMβCD)、トリメチル-β-シクロデキストリン(TMβCD)、(2,3-ジ-O-メチル-6-O-スルホ)-β-シクロデキストリン、(2 、6-ジ-O-メチル)-β-シクロデキストリン、(2,6-ジ-O-エチル)-β-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-メチル)-β-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-アセチル)-β-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-ベンゾイル)-β-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-エチル)-β-シクロデキストリン、6-ヨード-6-デオキシ-β-シクロデキストリン、6-(ジメチル-tert-ブチルシリル)-6-デオキシ-β-シクロデキストリン、6-ブロモ-6-デオキシ-β-シクロデキストリン、モノアセチル-β-シクロデキストリン、ジアセチル-β-シクロデキストリン、トリアセチル-β-シクロデキストリン、(3-O-アセチル-2,6-ジ-O-メチル)-β-シクロデキストリン、(6-O-マルトシル)-β-シクロデキストリン、(6-O-スルホ)-β-シクロデキストリン、(6-O-t-ブチルジメチルシリル-2,3-ジ-O-アセチル)-β-シクロデキストリン、スクシニル-(2-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン、(2,6-ジ-O-)エチル-β-シクロデキストリン、(2-カルボキシエチル)-β-シクロデキストリン(CMEβCD)、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン(HEβCD)、(2-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン、(2-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン(HPβCD)、(3-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン(3HPβCD)、(2,3-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン(DHPβCD)、ブチル-β-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、シリル(6-O-tert-ブチルジメチル)-2,3,-ジ-O-アセチル)-β-シクロデキストリン、スクシニル-β-シクロデキストリン、(2-ヒドロキシイソブチル)-β-シクロデキストリン、ランダムにメチル化されたβ-シクロデキストリン、分枝-β-シクロデキストリンまたはそれらの組み合わせを含み得る。
【0077】
他の実施形態において、β-シクロデキストリンは、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン、その誘導体または塩であり得る。スルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体の例は、限定されることなく、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン(たとえば、SBEβCD、ベータデックス、CAPTISOL(登録商標))を含み得る。いくつかの実施形態において、SBEβCDは、シクロデキストリン分子当たり約4~8個、約5~8個、約4~7個、約6~7個または約6.5個のスルホブチルエーテル基を有し得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、γ-シクロデキストリン、その誘導体または塩が使用され得る。γ-シクロデキストリンは、カルボキシメチル-γ-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-アセチル)-γ-シクロデキストリン、(2,3,6-トリ-O-メチル)-γ-シクロデキストリン、(2,6-ジ-O-ペンチル)-γ-シクロデキストリン、6-(ジメチル-tert-ブチルシリル)-6-デオキシ-γ-シクロデキストリン、6-ブロモ-6-デオキシ-γ-シクロデキストリン、6-ヨード-6-デオキシ-γ-シクロデキストリン、(6-O-t-ブチルジメチルシリル)-γ-シクロデキストリン、スクシニル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン(2-ヒドロキシプロピル)-γ-シクロデキストリン、アセチル-γ-シクロデキストリン、ブチル-γ-シクロデキストリンまたはそれらの組み合わせを含み得る。
【0079】
いくつかの実施形態において、剤形は、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸マグネシウム、重炭酸カルシウム、重炭酸アンモニウムまたはそれらの組み合わせなどの重炭酸塩を含み得る。重炭酸塩は、メロキシカムの生物学的利用能を増加させるのに役立ち得る。
【0080】
他の実施形態において、剤形は、炭酸塩、その誘導体または塩を含み得る。炭酸塩の例は、炭酸アルミニウム、炭酸アンモニウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸コバルト(II)、炭酸ランタン、炭酸リチウム、炭酸マグネシウム、炭酸マンガン(II)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムまたはそれらの組み合わせを含み得る。
【0081】
いくつかの実施形態において、剤形の増強された生物学的利用能は、メロキシカムの塩形態を含む剤形を投与することによって、メロキシカムとシクロデキストリンとの包接複合体を生成することによって、および/または重炭酸塩を含むことによって、これらの状態の1つの治療において、達成され得る。これにより、他のメロキシカム剤形と比較して、使用するメロキシカムのモル量を低減することができる。
【0082】
他に示されない限り、構造、名称または他の任意の手段による本明細書の化合物、たとえばメロキシカムまたはシクロデキストリンは、医薬的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、鏡像異性体、互変異性体、重水素修飾形態または本明細書に記載の化合物が使用される条件下で、本明細書に記載の化合物に迅速に変換され得る任意の他の化学種といった他の固体形態を含む。
【0083】
いくつかの実施形態において、シクロデキストリン、炭酸塩または重炭酸塩の使用は、メロキシカムの経口生物学的利用能を、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、最大約100%、最大約200%、またはメロキシカム単独の投与と比較したこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の量だけ向上させ得る。
【0084】
改善された生物学的利用能に起因して、投薬形態は、別の方法で投与されるであろうメロキシカムよりも少ないモル基準で、メロキシカムを含有するか、または対象に投与することができる。たとえば、剤形は、別の方法で投与されるであろうメロキシカムに比べて、少なくとも約10モル%少ない、少なくとも約20モル%少ない、少なくとも約30モル%少ない、少なくとも約40モル%少ない、少なくとも約50モル%少ない、少なくとも約60モル%少ない、少なくとも約70モル%少ない、少なくとも約80モル%少ない、少なくとも約85モル%少ない、および/または最大約90モル%少ない、95モル%少ない、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の量のメロキシカムを含有するか、または哺乳動物に投与することができる。
【0085】
他の実施形態では、他のNSAID、オピオイド、または他の鎮痛薬の使用は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%、最大約100%まで、シクロデキストリン、炭酸塩および/または重炭酸塩と共にメロキシカムを投与しない、他のNSAID、オピオイドまたは他の鎮痛薬の使用と比較して、低減され得る。
【0086】
いくつかの実施形態において、剤形は、約1~50mg、約1~10mg、約1~5mg、約10~40mg、約1~35mg、約1~25mg、約1~15mg、約5~20mg、約5~10mg、約5~15mg、約10~20mg、約20~30mg、約30~40mg、約40~50mg、約5mg、約7.5mg、約10mg、約15mg、約30mg、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の量のメロキシカムを含み得る。これらの用量は、1時間に1回投与~1回投与、1日2回投与、1日1の~12回投与、1日3回、4回、5回または6回など、反復投与のための安全な用量であり得る。いくつかの実施形態において、メロキシカムは、1日2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14もしくは15回、1日約3から約10回、1日1回またはより少ない頻度、たとえば1週間に1回、2週間に1回、1ヶ月に1回などで安全に投与することができる。
【0087】
いくつかの剤形では、メロキシカムは、置換βシクロデキストリンまたは固体剤形に製剤化することができる他のシクロデキストリンと複合体を形成する。そのような剤形は、経口投与に適し得る。メロキシカム-シクロデキストリン包接複合体はまた、水または別の溶媒に溶解して、非経口製剤を形成してもよい。しかし、メロキシカムと置換β-シクロデキストリンまたは他のシクロデキストリンとの物理的混合物もまた、経口または非経口剤形で使用され得る。
【0088】
メロキシカムとシクロデキストリンとの包接複合体の形成は、剤形の特性を改善するのに役立ち得る。いくつかの包接複合体について、メロキシカムおよびシクロデキストリン(たとえば、SBEβCD)は、約0.5~2(0.5のモル比はシクロデキストリン1モルに対してメロキシカム0.5モル)、約0.5~0.7、約0.6~0.8、約0.7~0.9、約0.8~1、約0.9~1.1、約1~1.2、約1.1~1.3、約1.2~1.4、約1.3~1.5、約1.4~1.6、約1.5~1.7、約1.6~1.8、約1.7~1.9、約1.8~2、約0.8~1.2、約1、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意のモル比を有し得る。
【0089】
いくつかの剤形では、シクロデキストリン(たとえば、SBEβCD)を約1~1000(たとえば、1gのメロキシカム当たり1gのシクロデキストリンは1の重量比)、約1~20、約1~10、約1~15、約2~4、約3~5、約4~6、約5~7、約6~8、約7~9、約8~10またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意のメロキシカムに対する重量比で使用され得る。いくつかの剤形では、シクロデキストリン(たとえば、SBEβCD)を、約0.001~1(たとえば、1gのメロキシカム当たり0.1gのシクロデキストリンが0.1の重量比)、約0.01~1、約0.05~1、約0.1~1、約0.2~1、約0.3~1、約0.4~1、約0.5~1、約0.6~1、約0.7~1、約0.8~1またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意のメロキシカムに対する重量比で使用され得る。使用される各種類のシクロデキストリンは、異なる比を有し得る。
【0090】
いくつかの剤形では、シクロデキストリンは、約1~200mg、約25~175mg、約50~150mg、約25~100mg、約75~150mg、約100~175mg、約20~80mg、約25~50mg、約60~100mg、約80~100mg、約80~120mg、約100~120mg、約100~140mg、約120~160mg、約140~180mg、約30~90mg、約40~80mg、約50~70mg、約55~65mg、約60~62mgまたはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の量で存在し得る。
【0091】
いくつかの方法では、メロキシカムおよびシクロデキストリン(たとえば、置換β-シクロデキストリン)の包接複合体は、経口的に(たとえば、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤などによって)送達される。他の可能性のある投与経路には、静脈内、筋肉内、鼻腔内、凍結乾燥非経口、皮下、経皮、経粘膜または他の非経口手段が含まれる。メロキシカムは、単独で、またはシクロデキストリンとの非複合体として送達されてもよい。
【0092】
いくつかの剤形は、約1~2000mg、約1~1000mg、約100~1000mg、約200~800mg、約1~500mg、約1~200mg、約1~100mg、約50~750mg、約500~1000mg、約100~500mg、約100~300mg、約500~1000mg、約300~700mg、約400~600mg、約50~250mg、約250~750mg、約100~200mg、約200~300mg、約300~400mg、約400~500mg、約410~510mg、約420~520mg、約430~530mg、約440~540mg、約450~550mg、約460~560mg、約470~570mg、約480~580mg、約490~590mg、約500~600mg、約600~700mg、約700~800mg、約800~900mg、約150~650mg、約350~850mg、、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の量の重炭酸塩(たとえば、重炭酸ナトリウム)を含む。
【0093】
いくつかの剤形は、約1~1000mg、約1~500mg、約1~200mg、約1~100mg、約50~750mg、約500~1000mg、約100~500mg、約100~300mg、約200~800mg、約500~1000mg、約300~700mg、約400~600mg、約50~250mg、約250~750mg、約100~200mg、約200~300mg、約300~400mg、約400~500mg、約500~600mg、約600~700mg、約700~800mg、約800~900mg、約150~650mg、約350~850mg、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の量の炭酸塩を含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、メロキシカムの毎日の用量(たとえば、経口用量、非経口用量など)は、約2~5mg、約2~6mg、約2~7mg、約2~8mg、約2~9mg、約2~10mg、約2~11mg、約2~12mg、約2~13mg、約2~14mg、約2~15mg、約2~16mg、約2~17mg、約2~18mg、約2~19mg、約2~20mg、約2~21mg、約2~22mg、約2~23mg、約2~24mg、約2~25mg、約2~26mg、約2~27mg、約2~28mg、約2~29mg、約2~30mg、約2~35mg、約2~40mg、約5~10mg、約10~15mg、約15~20mg、約20~25mg、約25~30mg、約30~35mg、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の量である。
【0095】
いくつかの実施形態において、メロキシカムの毎週の用量(たとえば、経口用量)は、約1~1000mg、約1~500mg、約10~250mg、約100~300mg、約10~100mg、約10~150mg、約10~300mg、約20~150mg、約20~60mg、約30~70mg、約40~60mg、約50~70mg、約70~90mg、約90~110mg、約50mg、約55mg、約100~150mg、約30~100mgまたはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の量である。毎週の用量は、週に1回与えられる単回用量として与えられてもよく、または週に2、3、4、5、6または7回の別個の用量で与えられてもよい。
【0096】
いくつかの実施形態において、メロキシカムの毎月の用量(たとえば、経口用量)、または1ヶ月の期間にわたって投与される用量は、約5000mg以下、約4000mg以下、約3000mg以下、約2000mg以下、約1000mg以下、約700mg以下、約600mg以下、約1~4000mg、約1~1000mg、約10~1000mg、約50~1000mg、約10~600mg、約40~600mg、約50~600mg、約40~400mg、約50~200mg、約200~240mg、約240~280mg、約280~320mg、約320~360mg、約360~400mg、約400~450mg、約450~500mg、約500~600mg、約250~350mg、約100~600mg、約40~2000mg、約40~800mg、約100~900mg、約100~800mg、約40~1000mg、約50~1000mg、約100~1000mg、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の量である。毎月の用量は、単回投与として、またはその月に投与される2回以上の別個の投与として与えられ得る。いくつかの実施形態では、毎月の用量は、2回または3回の隔週毎の用量で投与される。いくつかの実施形態では、毎月の用量は、4回または5回の週用量で投与される。いくつかの実施形態では、毎月の用量は、28~31の毎日の用量で、または56~62の毎日の用量以上で投与される。いくつかの実施形態において、月間の用量は、月に5~15の別個の用量で投与される。毎月の用量は、1カ月間だけ投与してもよいし、2カ月以上繰り返し投与してもよい。
【0097】
片頭痛の治療のために、メロキシカムおよびリザトリプタンの組み合わせを投与して、月に少なくとも2回の片頭痛発作、月に少なくとも3回の片頭痛発作、月に少なくとも4回の片頭痛発作、月に少なくとも5回の片頭痛発作、月に少なくとも6回の片頭痛発作、月に少なくとも8回の片頭痛発作、月に少なくとも10回の片頭痛発作、および/または月に最大10回の片頭痛発作、月に最大20回の片頭痛発作、月に最大30回の片頭痛発作、月に2~5回の片頭痛発作、月に5~10回の片頭痛発作、月に10~15回の片頭痛発作、月に15~20回の片頭痛発作、または月に20~30回の片頭痛発作を治療し得る。治療は、少なくとも1カ月間、少なくとも2カ月間、少なくとも3カ月間、少なくとも4カ月間、少なくとも5カ月間、少なくとも6カ月間、少なくとも7カ月間、少なくとも8カ月間、少なくとも10カ月間、少なくとも12カ月間、少なくとも18カ月間、少なくとも24カ月間、および/または最大6カ月間、最大12カ月間、最大18カ月間、最大2年間、最大5年間、最大10年間、最大20年間、最大50年間、最大80年間、最大100年間、またはそれ以上の期間継続することができる。
【0098】
他の実施形態では、剤形は、約1、2、3、4またはそれ以上の連続週にわたって毎週、1週おき、すなわち隔週、または3週間に1回、投与することができる。このレジメンは、毎週1回、1ヶ月に2回、1ヶ月に3回、1ヶ月に1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、または医療従事者の指示に従って繰り返すことができる。
【0099】
特定の実施形態では、医薬組成物は、メロキシカムを含有するがシクロデキストリン、酸阻害剤または緩衝剤(たとえば、重炭酸塩)を含有しない剤形と比較して、剤形からのメロキシカムの向上した生物学的利用能(たとえば、Tmaxの低下、Cmaxの増加、AUCの増加など)をもたらす。いくつかの実施形態では、メロキシカムの生物学的利用能は複数回投与で増加する。たとえば、剤形中のメロキシカムの生物学的利用能は、シクロデキストリン、酸阻害剤または緩衝剤(たとえば、重炭酸塩)を含有しない剤形中のメロキシカムの生物学的利用能と比較して、投与の約1~10日後、投与の約2~6日、投与の約3~5日、投与の約4~6日、投与の約5~8日、投与の約5日、投与の約6日、投与の約7日、投与の約8日、投与の約10日、投与の約15日後、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の期間の後に増加し得る。
【0100】
剤形のいくつかは、メロキシカムの血漿濃度曲線(AUC)下の領域の所望の範囲をもたらし得る。たとえば、メロキシカムの用量は、約1~150μg・hr/mL、約10~30μg・hr/mL、約20~40μg・hr/mL、約30~50μg・hr/mL、約40~60μg・hr/mL、約50~70μg・hr/mL、約60~80μg・hr/mL、約70~90μg・hr/mL、約80~100μg・hr/mL、約10~100μg・hr/mL、約50~150μg・hr/mL、約25~125μg・hr/mL、約75~150μg・hr/mL、約20~50μg・hr/mL、約40~70μg・hr/mL、約60~90μg・hr/mL、約80~110μg・hr/mL、約100~130μg・hr/mL、約120~150μg・hr/mLのメロキシカムのAUC、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意のAUCをもたらし得る。
【0101】
別段の指示がない限り、AUCは、6時間の期間にわたるAUC(AUC0-6)、12時間の期間にわたるAUC(AUC0-12)、24時間の期間に渡るAUC(AUC0-24)等の最後に測定された濃度(AUC0-t)に対して計算されたAUC、または無限大に外挿されたAUC(AUC0-inf)を指す。
【0102】
以下の実施例3では、重炭酸ナトリウムおよびスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(SBEβCD)を含む経口剤形について、ヒトにおけるメロキシカムのAUC0-24は、約27μg・hr/mLであった。この剤形には、15mgのメロキシカムが含まれていた。
【0103】
15mgのIVおよび筋肉内投与でも、ヒトにおけるメロキシカムのAUC0-24は、約27μg・hr/mLであった。メロキシカムのAUCは、用量にほぼ比例すると考えられている。したがって、この経口剤形について、またはIVもしくは筋肉内剤形について、たとえば、約17mg~約30mgのメロキシカムの投与により、メロキシカムのAUC0-24は、約30~50μg・hr/mLになると考えられる。
【0104】
片頭痛または他のタイプの頭痛等の急性疼痛症状について、6時間にわたって測定されたAUC(AUC0-6)等の、投与後短期間でのAUCは特に興味深い。たとえば、いくつかの剤形は、少なくとも約6μg・hr/mL、少なくとも約7μg・hr/mL、少なくとも約8μg・hr/mL、少なくとも約9μg・hr/mL、約6~10μg・hr/mL、約7~11μg・hr/mL、約8~12μg・hr/mL、約9~13μg・hr/mLのメロキシカムのAUC、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意のAUCをもたらし得る。
【0105】
いくつかの実施形態において、剤形は、約10~2500ng/mL、約100-2250ng/mL、約500~2000ng/mL、約1000~2500ng/mL、約1000~2000ng/mL、約100~900ng /mL、約750~1500ng/mL、約1250~2000ng/mL、 約1500~2300ng/mL、約800-1200ng/mL、約1900~2400ng/mL、約50~500ng/mL、約400-950ng /mL、約900~1500ng/mL、約1100~2200ng/mL、約1300~1600ng/mL、約1200~1500ng/mL、約1400~2100ng/mL、約1500~1900ng/mL、約1600~2100ng/mL、約1700~2000ng/mL、約1800~2000ng/mL、約1900~2500ng/mL、約150~1700ng/mL、約1600-1800ng/mL、約1700~1900ng/mL、約1800~2000ng/mL、約1900~2100ng/mL、約2000~2200ng/mL、約2100~2300ng/mL、約2200~2400ng/mL、約2300~2500ng/mL、約2500~3000ng/mLのメロキシカムのCmax、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意のCmaxをもたらし得る。
【0106】
たとえば、本明細書に記載の方法は、メロキシカムのTmaxを低下させることができる。いくつかの実施形態では、この方法は、約10分、約20分、約30分、約40分、約50分、約60分、約70分、約80分、約90分、約100分、約110分、約120分、約180分、約1~10時間、約2~9時間、約3~7時間、約4~6時間、約1~5時間、約2~7時間、約3~8時間、約4~9時間、約1~4時間、約2~5時間、約3~6時間、約4~7時間、約5~8時間、約6~9時間、約7~10時間以内もしくはその投与後のメロキシカムのTmax、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意のTmaxを達成するために患者を治療することを含み得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、ある経口剤形は、筋肉内注射によるメロキシカムの投与により達成されるより短いメロキシカムのTmaxを有し得る。いくつかの実施形態では、経口剤形は、筋肉注射で観察されるものと比較して、少なくとも約1.5、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約12、約15、約20倍、もしくは約1.5~1000、約2~100、約3~100、約4~100、約5~100、約6~100、約7~100、約8~100、約9~100、約10~100、約12~100、約15~100、約20~100倍の速さ、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の倍率の速さで、より短いメロキシカムのTmaxを有し得、またはメロキシカムの血漿濃度を増加させ得る。
【0108】
後述する実施例3の経口剤形は、おおよそ30分間でメロキシカムのTmaxをもたらす。静脈注射メロキシカムのTmaxは、点滴ではおおよそ30分間、ボーラスではおおよそ3分間であることが報告されている。筋肉注射メロキシカムのTmaxは、おおよそ60~84分間であることが報告されている。
【0109】
いくつかの実施形態では、メロキシカムを含む剤形は、約0.01~0.5μg/ mL、約0.5~0.7μg/mL、約0.6~0.8μg/mL、約0.7~0.9μg/mL、約0.8~1μg/mL、約0.9~1.1μg/mL、約1~1.2μg/mL、約1.1~1.3μg/mL、約1.2~1.4μg/mL、約1.3~1.5μg/mL、約1.4~1.6μg/mL、約1.5~1.7μg/mL、約1.6~1.8μg/mL、約1.7~1.9μg/mL、約1.8~2μg/mL、約1.9~2.1μg/mL、約2-2.2μg/mL、約2.1~2.3μg/mL、約2.2~2.4μg/mL、 約2.3~2.5μg/mL、約2.4~2.6μg/mL、約2.5~2.7μg/mL、約2.6~2.8μg/mL、約2.7~2.9μg/mL、約2.8~3μg/mL、約2.9~3.1μg/mL、約3~3.2μg/mL、約3.1-3.3μg/mL、約3.2~3.4μg/mL、約3.3-3.5μg/mL、約3.4-3.6μg/mL、約3.5~3.7μg/mL、約3.6~3.8μg/mL、約3.7~3.9μg/mL、約3.8~4μg/mL、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の血漿濃度である、12時間でのメロキシカムの血漿濃度をもたらし得る。
【0110】
いくつかの実施形態では、メロキシカムは、約0.01~0.5μg/mL、約0.5~0.7μg/mL、約0.6~0.8μg/mL、約0.7~0.9μg/mL、約0.8~1μg/mL、約0.9~1.1μg/mL、約1~1.2μg/mL、約1.1~1.3μg/mL、約1.2~1.4μg/mL、約1.3~1.5μg/mL、約1.4~1.6μg/mL、約1.5~1.7μg/mL、約1.6~1.8μg/mL、約1.7~1.9μg/mL、約1.8~2μg/mL、約1.9~2.1μg/mL、約2~2.2μg/mL、約2.1~2.3μg/mL、約2.2~2.4μg/mL、約2.3~2.5μg/mL、約2.4~2.6μg/mL、約2.5~2.7μg/mL、約2.6~2.8μg/mL、約2.7~2.9μg/mL、約2.8~3μg/mL、約2.9~3.1μg/mL、約3~3.2μg/mL、約3.1~3.3μg/mL、約3.2~3.4μg/mL、約3.3~3.5μg/mL、約3.4~3.6μg/mL、約3.5~3.7μg/mL、約3.6~3.8μg/mL、約3.7~3.9μg/mL、約3.8~4μg/mL、約0.1~20μg/mL、約0.5~15μg/mL、約0.5~10μg/mL、約5~15μg/mL、約10~20μg/mL、約7.5~15μg/mL、約2~10μg/mL、約1~8μg/mL、約1~6μg/mL、約1~2μg/mL、約0.5~3.5μg/mL、約0.5~7μg/mL、約12~20μg/mL、約8~12μg/mL、約1~4μg/mL、約4~7μg/mL、約7~11μg/mL、約11~15μg/mL、約15~19μg/mL、約16~20μg/mL、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意のメロキシカム血漿レベル(たとえば、Cavgまたは平均血漿レベル)をもたらす用量で投与される。
【0111】
本明細書に記載される剤形の投与は、メロキシカムの治療血漿濃度到達時間を減少させ得る。治療血漿濃度は、15mgのMobic(登録商標)メロキシカムでのCavgである。いくつかの実施形態では、メロキシカムの治療血漿濃度到達時間(Tthera)は、約10~30分間、約10~15分間、約15~20分間、約20~25分間、約25~30分間、約10~20分間、約20~30分間、約16~18分間、または約17分間である。
【0112】
本明細書に記載される方法は、リザトリプタンのTmaxを減少させ得る。たとえば、方法は、投与後約50分間以内、約60分間以内、約70分間以内、約80分間以内、約90分間以内、約40~60分間、約40~45分間、約45~50分間、約50~55分間、もしくは約55~60分間の患者におけるリザトリプタンのTmax、またはこれらの値によって境界づけられる任意のTmaxを達成し得る。
【0113】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の剤形で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後2時間で、ヒトは、リザトリプタンなしで同量のメロキシカムを投与して2時間後に経験するよりも大きい、皮膚アロディニア等のアロディニアからの緩和を経験する。
【0114】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の剤形で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後24時間で、ヒトは、リザトリプタンなしで同量のメロキシカムを投与して24時間後に経験するよりも大きい、皮膚アロディニア等のアロディニアからの緩和を経験する。
【0115】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の剤形で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後2時間で、ヒトは、メロキシカムなしで同量のリザトリプタンを投与して2時間後に経験するよりも大きい、皮膚アロディニア等のアロディニアからの緩和を経験する。
【0116】
いくつかの実施形態では、メロキシカムおよびリザトリプタンは、同時に(たとえば、単一の経口剤形等の単一の剤形で)投与され、メロキシカムおよびリザトリプタンの投与後24時間で、ヒトは、メロキシカムなしで同量のリザトリプタンを投与して24時間後に経験するよりも大きい、皮膚アロディニア等のアロディニアからの緩和を経験する。
【0117】
1つの実施形態は、疼痛の緩和のために、および他の状態、特に慢性治療中にNSAIDを服用している人々における胃腸の副作用のリスクを低減し、NSAIDの生物学的利用能を改善する方法である。一実施形態では、この方法は、a)胃内pHを能動的に上昇させる薬剤、およびb)シクロデキストリンと製剤化されたNSAIDを組み合わせた製品の投与に関する。別の実施形態において、この方法は、a)胃内pHを能動的に上昇させる薬剤、b)シクロデキストリンと製剤化されたNSAID、およびc)緩衝剤を組み合わせた製品の投与に関する。短時間または長時間作用型の酸阻害剤のいずれも剤形に効果的に使用され得る。この方法は、NSAID療法に起因する胃保護的なプロスタグランジンの崩壊によってその効果が増強され得る他の胃腸潰瘍源から患者を保護することができるという追加の利点を有する。
【0118】
水性非経口形態のメロキシカム製剤は、水性製剤のpHを約2~約5、約3.5~約5、約5~約11、約6~約9、約6~約8、約6~約7、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の他のpHに調整するための緩衝剤を含み得る。経口形態のメロキシカム製剤は、約2~約5、約3.5~約5、約5~約11、約6~約9、約6~約8、約6~約7、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の他のpHの胃液のpHを調整するための緩衝剤を含み得る。本明細書での使用に適した緩衝液の例には、硫酸緩衝液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、炭酸緩衝液、クエン酸緩衝液などが含まれる。
【0119】
いくつかの実施形態では、剤形は、たとえば不活性希釈剤または食用担体と共に経口投与用に製剤化され得、または硬質または軟質シェルゼラチンカプセルに封入してもよく、錠剤に圧縮してもよく、あるいは食餌療法食に直接含められていてもよい。経口治療用投与の場合、活性化合物は賦形剤と共に取り込まれ、摂取可能な錠剤、頬側錠剤、被覆錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル剤、分散液、懸濁液、溶液、シロップ、ウエハース、パッチなどの形態で使用され得る。
【0120】
錠剤、トローチ剤、丸剤、カプセル剤などはまた、以下の1つ以上、すなわち、トラガカントゴム、アカシア、コーンスターチまたはゼラチンのような結合剤、リン酸二カルシウムのような賦形剤、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸などの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、スクロース、ラクトースまたはサッカリンのような甘味剤、あるいはペパーミント、ウィンターグリーン油またはチェリー香味料のような香味剤の1つ以上を含有してもよい。単位剤形がカプセルである場合、それは、上記タイプの材料に加えて、液体担体を含有してもよい。様々な他の材料がコーティングとして存在してもよく、たとえば、錠剤、丸剤、またはカプセル剤は、シェラック、糖または両方でコーティングされてもよい。シロップまたはエリキシル剤は、活性化合物、甘味剤としてのスクロース、防腐剤としてのメチルパラベンおよびプロピルパラベン、チェリーフレーバーまたはオレンジフレーバーのような色素および香味料を含み得る。剤形または医薬組成物中の物質は、薬学的に純粋であり、使用される量において実質的に非毒性であることが望ましい場合がある。
【0121】
いくつかの組成物または剤形は、液体であり得るか、または液体中に分散された固体相を含み得る。
【0122】
剤形は、制酸剤または鎮痛剤等の第2の治療活性剤を含み得る。
【0123】
いくつかの実施形態では、剤形は、1つ以上の単位剤形が投与される場合、患者の胃のpHを少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも3.5、少なくとも4、およびより高い少なくとも5に上昇させるのに有効な量で存在する酸阻害剤をさらに含むことができる。用語「酸阻害剤」は、胃酸分泌を阻害し、胃のpHを上昇させる薬剤を指す。特定のH2ブロッカーは、H2拮抗薬またはヒスタミンH2ブロッカーもしくは拮抗薬とも呼ばれ、限定されることなく、シメチジン、ラニチジン、エブロチジン、パブチジン、ラフチジン、ロクスチジン、ファモチジンまたはそれらの組み合わせが含まれる。
【0124】
酸阻害剤として効果的に使用され得る他の薬剤は、オメプラゾール、エソメプラゾール、パントプラゾール、ランソプラゾール、デクスランソプラゾール、ラベプラゾール、パリプラゾール、レミノプラゾールおよびテナトプラゾールなどのプロトンポンプ阻害剤である。いくつかの実施形態において、酸阻害剤の毎日の用量は、約1~200mg、約1~100mg、約1~50mg、約40~80mg、約5~50mg、約20~40mg、約10~50mg、約10~20mg、約20~40mg、約15~50mg、約30~60mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の量である。
【0125】
特定のプロトンポンプ阻害剤の例は、5mgと50mgとの間の量の単位剤形中に存在するエソメプラゾール、5mgと50mgとの間の量の単位剤形で存在するオメプラゾール、5mgと150mgとの間(好ましくは5mgと30mgとの間)の量の単位剤形で存在するランソプラゾール、および10mgと200mgとの間の量の単位剤形中に存在するパントプラゾールを含む。いくつかの実施形態では、プロトンポンプ阻害剤は、約10~30mg、約20~40mg、約30~50mg、約40~60mg、約50~70mg、約60~80mg、約70~90mg、または約80~100mgの量の剤形中に存在する。最近、酸ポンプでカリウムと競合する、より新しい種類の酸阻害剤が開発されている。このクラスの化合物は、「可逆性プロトンポンプ阻害剤」または「酸ポンプ拮抗薬」と呼ばれ、使用されてもよい。例には、AZD-0865、AR-H047108、CS-526、プマプラゾール、レバプラザンおよびソラプラザンが含まれる(国際公開第96/05177号および国際公開第96/05199号参照)。この群の他の化合物は、H-335/25(アストラゼネカ、ダイアログファイル128、受託番号020806)、Sch-28080(シェリングプラウ、ダイアログファイル128、受託番号009663)、 Sch-32651(シェリングプラウ、ダイアログファイル128、受託番号006883)およびSK&F-96067(CAS登録番号115607-61-9)である。
【0126】
第2の治療活性剤は、第2の非ステロイド抗炎症剤、オピオイド、ステロイド、トリプタン等の鎮痛剤を含み得る。いくつかの実施形態では、剤形または治療はまた、疼痛または炎症を軽減または排除するのに有効な量の第2の非ステロイド系抗炎症薬を投与することをさらに含む。NSAIDには、限定されることなく、セレコキシブ、ロフェコキシブ、ルミラコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、エトリコキシブ、CS-502、JTE-522、L-745,337、NS398、アスピリン、アセトアミノフェン(本開示の目的のためにNSAIDとみなされる)、イブプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、エトドラク、インドメタシン、ケトロラク、ロルノキシカム、メロキシカム、ピロキシカム、ドロキシカム、テノキシカム、ナブメトン、ジクロフェナク、メクロフェナム酸塩、メフェナム酸、ジフルニサル、スリンダク、トルメチン、フェノプロフェン、スプロフェン、ベノキサプロフェン、アセクロフェナク、トルフェナミン酸、オキシフェンブタゾン、アザプロパゾン、フェニルブタゾン、またはそれらの組み合わせが含まれる。本開示の目的のために、酸阻害剤、NSAIDまたは鎮痛剤は、これらの化合物の一般的形態のすべて、特にその薬学的に許容される塩を含むことが理解される。治療上有効なNSAIDの量は、酸阻害剤の存在下で、または緩衝剤の存在下で、潜在的な正の速度論的相互作用およびNSAID吸収のために、実際に他で見られるものよりも現在の実施形態においてはより低くなり得る。
【0127】
他の実施形態では、剤形または治療はさらに、疼痛または炎症を軽減または排除するのに有効な量のオピオイドを投与することをさらに含むことができる。オピオイドは、限定されることなく、(デキストロ)プロポキシフェン、A-メチルフェンタニル、アルフェンタニル、アリルプロジン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、カルフェンタニル、デスメチルプロジン、デキストロモラミド、デゾシン、ジアセチルモルヒネ、ジヒドロコデイノン、ジヒドロエトルフィン、ジモルホン、ジフェノキシレート、ジピパノン、エトルフィン、フェンタニル、ケトベミドン、レフェタミン、レバセチルメタドール、レボメトルファン、レボルファノール、ロペラミド、メペリジン、メプタジノール、メタドン、メチルモルフィン、モルヒネ、ナルブフィン、ナルメフェン、ナロキソン、ナルトレキソン、ニコモルヒネ、オメフェンタニル、オリパビン、オキシコドン、オキシモルフォン、PEPAP、パラモルヒネ、ペンタゾシン、フェナタゾシン、ピリトラミド、プロジン、レミフェンタニル、スフェンタニル、タペンタドール、チリジン、トラマドール、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0128】
有用なトリプタンは、スマトリプタン、リザトリプタン、ナラトリプタン、エレトリプタン、ドニトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、アルビトリプタン、ゾルミトリプタン等を含み得る。いくつかの実施形態では、トリプタンはリザトリプタンを含む。いくつかの実施形態では、剤形は、約1~5mg、約2~6mg、約3~7mg、約4~8mg、約5~10mg、約6~11mg、約7~12mg、約8~13mg、約9~14mg、約10~15mg、約15~20mg、もしくは約20~30mg、またはこれらの値によって境界づけられる範囲内の任意の量のリザトリプタン等のトリプタンを含み得る。
【0129】
いくつかの実施形態では、主題の組み合わせを含む剤形は、約1~50mg、約1~10mg、約10~20mg、約20~30mg、約30~40mg、または約40~50mg、約10~40mg、約1~35mg、約1~25mg、約1~15mg、約1~10mg、約5~20mg、約1~5mg、約2~6mg、約3~7mg、約4~8mg、約5~10mg、約6~11mg、約7~12mg、約8~13mg、約9~11mg、約9~14mg、約10~15mg、約11~16mg、約12~17mg、約13~18mg、約14~19mg、約15~20mg、約5~15mg、約0.5mg、約1mg、約1.5mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、約4.5mg、約5mg、約6mg、約7mg、約7.5mg、約8mg、約9mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、またはこれらの値によって境界づけられる、またはその間の範囲内の任意の量のリザトリプタンを含み得る。
【0130】
急性片頭痛について、単回投与におけるメロキシカムおよび/またはリザトリプタンの量、または単回投与に関連するメロキシカムおよび/またはリザトリプタンのAUCは、特に興味深い。たとえば、単回投与の後、短期間では繰り返しの投与が必要とされないような、長期間にわたって症状が緩和される場合がある。慢性の、継続的な、または頻繁な片頭痛症状を含むさらに継続的な症状についての、毎日、毎週、または毎月の投与量は、特に興味を引き得る。
【0131】
本明細書に記載されるリザトリプタンの量について、リザトリプタンの塩形態は、上記に記載された量、またはリザトリプタン遊離塩基についてのそれらの量のモル当量で存在し得る。たとえば、リザトリプタン遊離塩基の分子量が269.3g/molであるとすると、10mgのリザトリプタンは37.1mmolのリザトリプタンである。したがって、10mgのリザトリプタン遊離塩基のモル当量は、37.1mmolの塩形態の量である。たとえば、安息香酸塩(mw=391.2g/mol)について、10mgの遊離塩基(または37.1mmol)のモル当量は、14.5mgである。これらの用量は、1日1、2、3、もしくは4回、または2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、15日間、16日間、17日間、18日間、19日間、20日間、21日間、22日間、23日間、24日間、25日間、26日間、27日間、28日間、29日間、30日間、31日間、4週間、4~6週間、約1~2カ月間、約6週間、約2~3カ月間、約3~4カ月間、約4~5カ月間、約5~6カ月間、約6~7カ月間、約7~8カ月間、約8~9カ月間、約9~10カ月間、約10~11カ月間、約11~12カ月間等の間隔での繰り返し投与で安全であり得る。
【0132】
医薬組成物は、(a)酸阻害剤、および/または(b)緩衝剤、(c)前記単位剤形の1以上の投与時に患者の疼痛または炎症を軽減または排除するのに有効な量で存在する非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)を有する錠剤またはカプセルの形態であり得る。医薬組成物の成分は、個々にまたは全体として即時放出形態または持続放出形態であり得る。
【0133】
本明細書で使用される「単位剤形」という用語は、薬物投与のための単一の実体を指す。たとえば、酸阻害剤およびNSAIDの両方を組み合わせた単一の錠剤またはカプセル剤は、単位剤形であろう。「単位剤形」(または「単位用量剤形」)は、「固定剤形」(または「固定用量剤形」)または「固定剤形の組み合わせ」(または「固定用量剤形の組み合わせ」)とも呼ばれ、他の文献では交換可能である。一実施形態では、単位剤形は多層錠剤である。
【0134】
他の実施形態では、単位剤形は、患者への経口投与に適している。さらに別の実施形態において、単位剤形は錠剤である。さらに別の実施形態において、単位剤形は、単一のコアと、コアの外側の1つ以上の層とを含む多層錠剤である。
【0135】
いくつかの剤形は、メロキシカム、SBEβCD、および重炭酸塩を含む第1層、ならびに、第2治療活性剤、および重炭酸塩を含む第2層を含み得る。
【0136】
第1層は、たとえば、上述の1つの範囲の任意の量のメロキシカムを含み得る。たとえば、剤形中のすべてのメロキシカムは、第1層に存在し得る。第2治療活性剤に関する上述の範囲での任意の量が、第2層に適用され得るように、第2層は、すべての第2治療活性剤を含み得る。
【0137】
いくつかの実施形態では、第1層は、約10~200mg、約50~150mg、約50~100mg、約70~120mg、約90~140mg、もしくは約100mg、またはこれらの値によって境界づけられる範囲の任意の量の、重炭酸ナトリウム等の重炭酸塩を含む。
【0138】
いくつかの実施形態では、第2層は、約100~500mg、約200~500mg、約300~500mg、約350~450mg、約380~420mg、もしくは約400mg、またはこれらの値によって境界づけられる範囲の任意の量の、重炭酸ナトリウム等の重炭酸塩を含む。
【0139】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、メロキシカムの生物学的利用能を高めるために有効量のメロキシカム、シクロデキストリン、および炭酸塩または重炭酸塩を有することができる。他の実施形態では、医薬組成物は、メロキシカムの生物学的利用能を増加させるか、またはメロキシカムのTmaxを低下させるために、有効量のメロキシカム、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン(SBEβCD)、および重炭酸ナトリウムを有し得る。
【0140】
いくつかの経口剤形は、腸溶性コーティングまたはフィルムコーティングを有し得る。いくつかの実施形態では、剤形は、腸溶コーティングを有する錠剤またはカプセルを含み得る。いくつかの実施形態では、剤形は、フィルムコーティングを有する錠剤またはカプセルを含み得る。
【0141】
本開示の一実施形態は、患者への投与に適した単位剤形中の医薬組成物であって、
(a)腸溶性コーティングによって囲まれていてもいなくてもよいエソメプラゾール、
(b)重炭酸ナトリウムもしくは重炭酸カリウムおよび/または炭酸ナトリウムもしくは炭酸カリウム、ならびに
(c)シクロデキストリンと製剤化されていてもいなくてもよく、腸溶コーティングによって囲まれていてもいなくてもよいメロキシカム
を含む医薬組成物に関する。
【0142】
本開示の一実施形態は、片頭痛等の疾患、病状、または障害を治療するための、患者への投与に適した単位剤形中の、医薬組成物であって、
(1)メロキシカムとスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(SBEβCD)の包接複合体、
(2)重炭酸ナトリウム、または重炭酸カリウム等の重炭酸塩、ならびに、
(3)リザトリプタン等のトリプタン
を含む医薬組成物に関する。
【0143】
特定の実施形態では、医薬組成物は、メロキシカムを含有するが、酸阻害剤を含まないか、または緩衝剤を含まない剤形と比較して、剤形からのメロキシカムの放出または溶解を速くする。
【0144】
リザトリプタンとメロキシカムの組み合わせ(「主題の組み合わせ」)を含む剤形は、片頭痛を治療するために使用され得る。主題の組み合わせは、片頭痛の急性治療のために使用され得る。主題の組み合わせは、リザトリプタン、メロキシカム、またはプラセボと比較して、より大きく、より持続的な片頭痛の緩和をもたらし得る。主題の組み合わせは、片頭痛疼痛の迅速な緩和をもたらし得る。主題の組み合わせは、リザトリプタン、メロキシカム、またはプラセボと比較して、救急薬の使用を有意に減少させ得る。本明細書に記載されるリザトリプタンとメロキシカムの組み合わせで治療される片頭痛患者は、以前の急性治療に対して不十分な応答をした履歴があってもよい。本明細書に記載されるリザトリプタンとメロキシカムの組み合わせで治療される片頭痛患者は、皮膚アロディニア等のアロディニアを有していてもよい。本明細書に記載されるリザトリプタンとメロキシカムの組み合わせで治療される片頭痛患者は、重症の疼痛を有していてもよい。本明細書に記載されるリザトリプタンとメロキシカムの組み合わせで治療される片頭痛患者は、肥満であってもよい。本明細書に記載されるリザトリプタンとメロキシカムの組み合わせで治療される片頭痛患者は、朝の片頭痛を有していてもよい。本明細書に記載されるリザトリプタンとメロキシカムの組み合わせで治療される片頭痛患者は、片頭痛治療最適化質問票(mTOQ-4)における合計平均スコアが7未満、たとえば、1~2、2~3、3~4、4~5、5~6、または6~7であってもよい。本明細書に記載されるリザトリプタンとメロキシカムの組み合わせで治療される片頭痛患者は、皮膚アロディニア等のアロディニアを有し、重症の疼痛を有し、肥満であり、朝の片頭痛を有し、mTOQ-4における合計平均スコアが7未満であり、かつ以前の急性治療に対して不十分な応答をした履歴があってもよい。本明細書に記載されるリザトリプタンとメロキシカムの組み合わせを含む剤形は、治療される患者にとって、安全であり、かつ忍容性が良好である。
【0145】
本明細書に記載されるリザトリプタンとメロキシカムの組み合わせを含む剤形は、投与後15分間未満、約15分間、30分間未満、15~30分間、1時間未満、0.5~0.75時間、または0.75~1時間での、片頭痛疼痛の迅速な緩和をもたらし得る。本明細書に記載されるリザトリプタンとメロキシカムの組み合わせは、投与後15分間未満、約5分間、約5~10分間、約10~15分間、約15分間、約15~30分間、約30~45分間、約45~60分間、約1~1.5時間、約1.5~2時間、約2~2.5時間、約2.5~3時間、約3~3.5時間、約3.5~4時間、約4~5時間、約5~6時間、約6~8時間、約8~10時間、約10~12時間、約12~24時間、約24~48時間、またはさらに長く、リザトリプタンより数値的に大きい片頭痛疼痛の緩和をもたらし得る。本明細書に記載されるリザトリプタンとメロキシカムの組み合わせの治療での疼痛緩和を報告する片頭痛患者の割合は、1~100%、3~100%、4~100%、5~100%、3~5%、5~10%、10~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、60~70%、70~80%、80~90%、90~95%、または95~100%であり得る。
【0146】
本明細書に記載されるリザトリプタンとメロキシカムの組み合わせ(「主題の組み合わせ」)を含む剤形を投与される片頭痛患者は、投与後2時間未満、約2時間、約2~3時間、約3~4時間、約4~6時間、約6~8時間、約8~10時間、約10~12時間、約12~16時間、約16~20時間、約20~24時間、約24~30時間、約30~36時間、約36~40時間、約40~44時間、約44~48時間、またはさらに長く、疼痛からの解放を達成し得る。
【0147】
片頭痛患者が疼痛からの開放を達成する割合は、本明細書に記載されるリザトリプタンとメロキシカムの組み合わせの投与を投与した後、時間と共に増加する。たとえば、投与後2時間では、疼痛からの開放を達成する片頭痛患者の割合は、約15~25%、約15~20%、約20%、約約20~25%であり得る。投与後4時間では、疼痛からの開放を達成する片頭痛患者の割合は、約30~50%、約30~40%、約40%、約40~45%、約45~47%、約47~50%であり得る。投与後12時間では、疼痛からの開放を達成する片頭痛患者の割合は、約45~70%、約45~50%、約50~55%、約55~60%、約56~57%、約60~65%、約65~70%であり得る。投与後16時間では、疼痛からの開放を達成する片頭痛患者の割合は、約45~70%、約45~50%、約50~55%、約55~60%、約58~59%、約60~65%、約65~70%であり得る。本明細書に記載されるリザトリプタンとメロキシカムの組み合わせは、片頭痛患者の疼痛からの開放において、リザトリプタンに対して著しい改善をもたらし得る。本明細書に記載されるリザトリプタンとメロキシカムの組み合わせを投与した片頭痛患者の約2~10%、2~3%、3~5%、5~7%、6~7%、7~8%、8~9%、または9~10%以上が、投与後2~16時間で、リザトリプタンを投与された患者より約10~25%、10~15%、14~15%、15~16%、16~17%、17~18%、18~19%、19~20%、20~21%、または21~25%の改善で疼痛からの開放を達成し得る。たとえば、投与後4時間で、主題の組み合わせを投与された片頭痛患者の40%が疼痛からの開放を達成し、リザトリプタンを投与された片頭痛患者の33%が疼痛からの開放を達成した場合、主題の組み合わせの改善は約21%[((40ー33)/33)×100%]である。疼痛からの開放を達成している片頭痛患者にける、主題の組み合わせでの治療のメロキシカムに対する改善は、リザトリプタンに対する改善より大きくなり得る。たとえば、疼痛からの開放を達成している片頭痛患者にける、主題の組み合わせによるメロキシカムに対する改善は、投与後2~16時間で、約25~75%、25~30%、27~28%、28~29%、30~40%、40~50%、50~60%、55~50%、60~70%、65~75%、または70~75%であり得る。
【0148】
本明細書に記載されるリザトリプタンとメロキシカムの組み合わせ(「主題の組み合わせ」)を投与される片頭痛患者の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、約70~80%、約80~90%、約90~95%、約80%が、投与後2時間で疼痛から解放され、投与後24時間までそれを維持し得る。主題の組み合わせの投与後2~24時間で持続的な疼痛からの開放を達成する片頭痛患者数(または改善度)は、リザトリプタンの投与と比較して、約35~55%、約35~40%、約40~45%、約45~50%、または約50~55%増加し得る。主題の組み合わせの投与後2~24時間で持続的な疼痛からの開放を達成する片頭痛患者数(または改善度)は、メロキシカムの投与と比較して、約100~165%、約100~110%、約110~120%、約120~130%、約130~140%、約140~150%、約150~160%、または約160~165%増加し得る。
【0149】
主題の組み合わせの投与後2~24時間で持続的な痛みの緩和を達成する片頭痛患者数(または改善度)は、リザトリプタンの投与と比較して、約15~30%、約15~20%、約20~25%、約25~30%、約20~22%、または約21%増加し得る。主題の組み合わせの投与後2~24時間で持続的な痛みの緩和を達成する片頭痛患者数(または改善度)は、メロキシカムの投与と比較して、約20~35%、約20~25%、約25~30%、約30~35%、約25~26%、約26~27%、約27~28%、約28~30%、または約27%増加し得る。
【0150】
本明細書に記載されるリザトリプタンとメロキシカムの組み合わせ(「主題の組み合わせ」)を投与される片頭痛患者の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、約70~80%、約80~90%、約90~95%、または約77%が、投与後2時間で疼痛から解放され、投与後48時間までそれを維持し得る。主題の組み合わせの投与後2~48時間で持続的な疼痛からの開放を達成する片頭痛患者数(または改善度)は、リザトリプタンの投与と比較して、約60~90%、約60~70%、約70~75%、約75~80%、約80~90%、または約75%増加し得る。主題の組み合わせの投与後2~48時間で持続的な疼痛からの開放を達成する片頭痛患者数(または改善度)は、メロキシカムの投与と比較して、約70~110%、約70~80%、約80~90%、約90~100%、約100~110%、または約90%増加し得る。
【0151】
主題の組み合わせの投与後2~48時間で持続的な痛みの緩和を達成する片頭痛患者数(または改善度)は、リザトリプタンの投与と比較して、約20~35%、約20~25%、約25~30%、約30~35%、約25~26%、約26~27%、約27~28%、約28~20%、または約27%増加し得る。主題の組み合わせの投与後2~48時間で持続的な痛みの緩和を達成する片頭痛患者数(または改善度)は、メロキシカムの投与と比較して、約15~30%、約15~20%、約20~25%、約25~30%、約20~21%、約21~22%、約22~23%、約23~24%、約24~25%、または約23%増加し得る。
【0152】
本明細書に記載されるリザトリプタンとメロキシカムの組み合わせ(「主題の組み合わせ」)を投与される片頭痛患者の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、約60~65%、約65~70%、約70~75%、約75~80%、約80~85%、約85~90%、約90~95%、または約77%が、救急薬を必要としない場合がある。主題の組み合わせの投与後24時間までに救急薬を摂取する片頭痛患者の数は、プラセボの投与と比較して、約35~60%、約35~40%、約40~45%、約45~50%、約50~55%、約55~60%、約47~48%、または約47%減少し得る。主題の組み合わせの投与後24時間までに救急薬を摂取する片頭痛患者の数は、メロキシカムの投与と比較して、約25~45%、約25~30%、約30~35%、約35~40%、約40~45%、約34~36%、または約35%減少し得る。主題の組み合わせの投与後24時間までに救急薬を摂取する片頭痛患者の数は、リザトリプタンの投与と比較して、約25~40%、約25~30%、約30~35%、約35~40%、約33~35%、または約34%減少し得る。いくつかの実施形態では、片頭痛患者は、主題の組み合わせを投与された後の24時間で救急薬を摂取していない。
【0153】
以下の実施形態が意図される。
【0154】
実施形態1.
シクロデキストリン中のメロキシカムの包接複合体。
【0155】
実施形態2.
1)実施形態1の包接複合体、または2)メロキシカムと炭酸塩または重炭酸塩とを含む剤形。
【0156】
実施形態3.
シクロデキストリンが置換β-シクロデキストリンを含む、包接複合体を含む実施形態2の剤形。
【0157】
実施形態4.
置換β-シクロデキストリンがスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(SBEβCD)またはヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン(HPβCD)である、実施形態3の剤形。
【0158】
実施形態5.
シクロデキストリンがSBEβCDである、実施形態4の剤形。
【0159】
実施形態6.
SBEβCDが、β-シクロデキストリンの各分子について約6~約7個のスルホブチルエーテル基を有する、実施形態5の剤形。
【0160】
実施形態7.
メロキシカムおよびSBEβCDが約0.8~約1.2のモル比を有する、実施形態6の剤形。
【0161】
実施形態8.
メロキシカムおよびSBEβCDが約1のモル比を有する、実施形態6の剤形。
【0162】
実施形態9.
重炭酸塩を含む、実施形態2、3、4、5、6、7または8の剤形。
【0163】
実施形態10.
重炭酸塩が重炭酸ナトリウムを含む、実施形態9の剤形。
【0164】
実施形態11.
経口剤形である、実施形態2、3、4、5、6、7、8、9または10の剤形。
【0165】
実施形態12.
約50mg~約200mgのSBEβCDが剤形中に存在する、実施形態2、3、4、5、6、9、10または11に記載の剤形。
【0166】
実施形態13.
炭酸塩または重炭酸塩が、約400mg~約600mgの範囲の量で存在する、実施形態2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12の剤形。
【0167】
実施形態14.
メロキシカムのTmaxが、炭酸塩、重炭酸塩またはシクロデキストリンを有さない剤形と比較して減少する、実施形態2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13の剤形。
【0168】
実施形態15.
メロキシカムのTmaxが、投与後約10分~約180分の範囲の時点で患者において達成される、実施形態14の方法。
【0169】
実施形態16.
炭酸塩、重炭酸塩またはシクロデキストリンを有さない剤形よりも高いメロキシカムの経口生物学的利用能を有する実施形態2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15の剤形。
【0170】
実施形態17.
さらに酸阻害剤を含む、実施形態2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20の剤形。
【0171】
実施形態18.
酸阻害剤がプロトンポンプ阻害剤である、実施形態17の剤形。
【0172】
実施形態19.
プロトンポンプ阻害剤がエソメプラゾールである、実施形態18の剤形。
【0173】
実施形態20.
約30mg~約50mgのエソメプラゾールが剤形中に存在する、実施形態19の剤形。
【0174】
実施形態21.
実施形態2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20の剤形を、治療を必要とする患者に経口投与することを含む、メロキシカムを経口投与する方法。
【0175】
実施形態22.
剤形が疼痛を治療するために投与される、実施形態21の方法。
【0176】
実施形態23.
剤形が炎症性疼痛を治療するために投与される、実施形態21の方法。
【0177】
実施形態24.
剤形が、変形性関節症、関節リウマチまたは若年性関節リウマチを治療するために投与される、実施形態21の方法。
【0178】
実施形態25.
実施形態2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、13、14または15の剤形を、治療の必要な患者に静脈内投与することを含む、メロキシカムを静脈内投与する方法。
【0179】
実施形態26.
剤形が片頭痛を治療するために投与される、実施形態21の方法。
【0180】
実施形態27.
1)シクロデキストリン中のメロキシカムの包接複合体、2)重炭酸塩、および3)トリプタンを含む剤形。
【0181】
実施形態28.
トリプタンはリザトリプタンである、実施形態27の剤形。
【0182】
実施形態29.
重炭酸塩には重炭酸ナトリウムが含まれる、実施形態27の剤形。
【0183】
実施形態30.
シクロデキストリンはスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(SBEβCD)である、実施形態27の剤形。
【0184】
実施形態31.
SBEβCDは、β-シクロデキストリンの各分子について約6個~約7個のスルホブチルエーテル基を有する、実施形態30の剤形。
【0185】
実施形態32.
メロキシカムとSBEβCDのモル比は、約0.8~約1.2である、実施形態30の剤形。
【0186】
実施形態33.
メロキシカムとSBEβCDのモル比は、約1である、実施形態32の剤形。
【0187】
実施形態34.
経口剤形である、実施形態27、28、29、30、31、32、または33の剤形。
【0188】
実施形態35.
約50mg~約200mgのSBEβCDが剤形中に存在する、実施形態27、28、29、30、31、32、33、または34の剤形。
【0189】
実施形態36.
重炭酸塩が約400mg~約1000mgの量で存在する、実施形態27、28、29、30、31、32、33、34、または35の剤形。
【0190】
実施形態37.
メロキシカム、少なくとも400mgの重炭酸塩、およびリザトリプタンを含む剤形を片頭痛で苦しんでいるヒトに投与することを含む、片頭痛を治療する方法であって、剤形中のリザトリプタンのTmaxは、a)同量のリザトリプタンを含み、b)メロキシカムを含まず、かつc)重炭酸塩を含まない参照剤形のものより短い、方法。
【0191】
実施形態38.
メロキシカムと、遊離塩基形態のリザトリプタン重量に基づいて約8mg~約13mgのリザトリプタンを、片頭痛の急性発作または片頭痛の前兆で苦しんでいるヒトに投与することを含む、片頭痛を治療する方法であって、メロキシカムおよびリザトリプタンはお互いに30分以内に投与され、メロキシカムのヒトへの投与は、110分以下のメロキシカムのTmax、および約30μg/mL~約50μg/mLのメロキシカムのAUC0-24をもたらす、方法。
【0192】
実施形態39.
1)約0.028mmol~0.085mmolの遊離酸または塩形態のメロキシカム、2)約0.019mmol~0.056mmolの遊離塩基または塩形態のリザトリプタン、3)約100mg~約175mgのスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(SBEβCD)、および4)約400mg~約600mgの重炭酸ナトリウムを含む医薬剤形。
【0193】
実施形態40.
以前の片頭痛治療に対して不完全な応答をした履歴があるヒト片頭痛患者を選択すること、および片頭痛患者に剤形を経口投与することを含む、片頭痛を治療する方法であって、剤形は、1)メロキシカム(任意でスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(SBEβCD)との複合体)、2)重炭酸塩、および3)リザトリプタンの組み合わせを含む、方法。
【0194】
実施形態41.
ヒト片頭痛患者は、片頭痛患者への剤形の経口投与の結果として片頭痛の緩和を経験する、実施形態40の方法。
【0195】
実施形態42.
剤形がヒト片頭痛患者に経口投与された2時間後に、ヒト片頭痛患者は片頭痛疼痛がない状態である、実施形態40または41の方法。
【0196】
実施形態43.
片頭痛患者は、片頭痛患者への剤形の経口投与の結果として、吐き気の軽減を経験する、実施形態40、41、または42の方法。
【0197】
実施形態44.
剤形がヒト片頭痛患者に経口投与された2時間後に、ヒト片頭痛患者は吐き気がない状態である、実施形態40、41、42または43の方法。
【0198】
実施形態45.
片頭痛患者は、片頭痛患者への剤形の経口投与の結果として、羞明の軽減を経験する、実施形態40、41、42、43、または44の方法。
【0199】
実施形態46.
剤形がヒト片頭痛患者に経口投与された2時間後に、ヒト片頭痛患者は羞明がない状態である、実施形態40、41、42、43、44、または45の方法。
【0200】
実施形態47.
片頭痛患者は、片頭痛患者への剤形の経口投与の結果として、音声恐怖症の軽減を経験する、実施形態40、41、42、43、44、45、または46の方法。
【0201】
実施形態48.
剤形がヒト片頭痛患者に経口投与された2時間後に、ヒト片頭痛患者は音声恐怖症がない状態である、実施形態40、41、42、43、44、45、46、または47の方法。
【0202】
実施形態49.
剤形には400mg~600mgの重炭酸塩が含まれる、実施形態40、41、42、43、44、45、46、47、または48の方法。
【0203】
実施形態50.
剤形には約5mg~約50mgのメロキシカムが含まれる、実施形態40、41、42、43、44、45、46、47、48、または49の方法。
【0204】
実施形態51.
剤形には約50mg~約200mgのSBEβCDが含まれる、実施形態40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50の方法。
【0205】
実施形態52.
剤形は、ヒトにおけるメロキシカムのTmaxが、1)同量のメロキシカムを含み、2)SBEβCDを含まず、かつ3)重炭酸塩を含まない参照剤形より短い固体経口剤形である、実施形態40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、または51の方法。
【0206】
実施形態53.
遊離塩基形態のリザトリプタンの重量に基づいて約1mg~約50mgのリザトリプタンが経口剤形中に存在する、実施形態40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、または52の方法。
【0207】
実施形態54.
リザトリプタンは、約10mgの遊離塩基形態のリザトリプタンのモル当量である量で、塩形態で存在する、実施形態53の方法。
【0208】
実施形態55.
リザトリプタンは、リザトリプタン安息香酸塩として存在する、実施形態53または54の方法。
【0209】
実施形態56.
経口剤形は、約10mg~約30mgのメロキシカムを含む、実施形態40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、または55の方法。
【0210】
実施形態57.
経口剤形は、約20mgのメロキシカムを含む、実施形態56の方法。
【0211】
実施形態58.
経口剤形は、約15mgのメロキシカムを含む、実施形態56の方法。
【0212】
実施形態59.
SBEβCDは、β-シクロデキストリンの各分子について約6個~約7個のスルホブチルエーテル基を有する、実施形態40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、または58の方法。
【0213】
実施形態60.
経口剤形は、約50mg~約150mgのSBEβCDを含む、実施形態40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、または59の方法。
【0214】
実施形態61.
経口剤形は、約100mgのSBEβCDを含む、実施形態60の方法。
【0215】
実施形態62.
SBEβCD対メロキシカムのモル比が約0.5~約2である、実施形態40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60または61の方法。
【0216】
実施形態63.
SBEβCD対メロキシカムのモル比が約0.8~約1.2である、実施形態62の方法。
【0217】
実施形態64.
SBEβCD対メロキシカムのモル比が約1である、実施形態62の方法。
【0218】
実施形態65.
経口剤形は、約10mg~約40mgのメロキシカム、および約5mg~約50mgのリザトリプタンを含む、実施形態40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、または64の方法。
【0219】
実施形態66.
経口剤形は、SBEβCDのリザトリプタンに対する重量比が約1~約100の範囲でSBEβCDを含む、実施形態40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、または65の方法。
【0220】
実施形態67.
経口剤形は、リザトリプタンに対する重量比が約10であるSBEβCDを含む、実施形態66の方法。
【0221】
実施形態68.
重炭酸塩には重炭酸ナトリウムが含まれる、実施形態40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、または67の方法。
【0222】
実施形態69.
経口剤形は、500mgの重炭酸ナトリウムを含む、実施形態68の方法。
【0223】
実施形態70.
経口剤形は、空腹時のヒト対象において、メロキシカムのTmaxの中央値が約90分間未満であることが示されている、実施形態40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、または69の方法。
【0224】
実施形態71.
経口剤形は、空腹時のヒト対象において、メロキシカムのTmaxの中央値が約2時間未満であることが示されている、実施形態70の方法。
【0225】
実施形態72.
経口剤形は、参照剤形と比較して、ヒトにおいて治療血漿濃度に到達するまでの時間が早いことが示されている、実施形態52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、または71の方法。
【0226】
実施形態73.
以前の片頭痛治療に対して不完全な応答をした履歴があるヒト片頭痛患者を選択すること、および片頭痛患者に剤形を経口投与することを含む、片頭痛を治療する方法であって、剤形は、1)メロキシカム(任意でスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(SBEβCD)との複合体)、2)重炭酸塩、および3)リザトリプタンの組み合わせを含み、ヒト片頭痛患者は、剤形の片頭痛患者へ経口投与の結果として片頭痛疼痛の緩和を経験する、方法。
【0227】
実施形態74.
以前の片頭痛治療に対して不完全な応答をした履歴があるヒト片頭痛患者を選択すること、および片頭痛患者に剤形を経口投与することを含む、片頭痛を治療する方法であって、剤形は、1)メロキシカム(任意でスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(SBEβCD)との複合体)、2)重炭酸塩、および3)リザトリプタンの組み合わせを含み、剤形がヒト片頭痛患者に投与された2時間後に、ヒト片頭痛患者は片頭痛疼痛がない状態である、方法。
【0228】
実施形態75.
以前の片頭痛治療に対して不完全な応答をした履歴があるヒト片頭痛患者を選択すること、および片頭痛患者に剤形を経口投与することを含む、片頭痛を治療する方法であって、剤形は、1)メロキシカム(任意でスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(SBEβCD)との複合体)、2)重炭酸塩、および3)リザトリプタンの組み合わせを含み、片頭痛患者は、剤形の片頭痛患者へ経口投与の結果として吐き気の減少を経験する、方法。
【0229】
実施形態76.
以前の片頭痛治療に対して不完全な応答をした履歴があるヒト片頭痛患者を選択すること、および片頭痛患者に剤形を経口投与することを含む、片頭痛を治療する方法であって、剤形は、1)メロキシカム(任意でスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(SBEβCD)との複合体)、2)重炭酸塩、および3)リザトリプタンの組み合わせを含み、剤形がヒト片頭痛患者に投与された2時間後に、ヒト片頭痛患者は吐き気がない状態である、方法。
【0230】
実施形態77.
以前の片頭痛治療に対して不完全な応答をした履歴があるヒト片頭痛患者を選択すること、および片頭痛患者に剤形を経口投与することを含む、片頭痛を治療する方法であって、剤形は、1)メロキシカム(任意でスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(SBEβCD)との複合体)、2)重炭酸塩、および3)リザトリプタンの組み合わせを含み、片頭痛患者は、剤形の片頭痛患者へ経口投与の結果として羞明の減少を経験する、方法。
【0231】
実施形態78.
以前の片頭痛治療に対して不完全な応答をした履歴があるヒト片頭痛患者を選択すること、および片頭痛患者に剤形を経口投与することを含む、片頭痛を治療する方法であって、剤形は、1)メロキシカム(任意でスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(SBEβCD)との複合体)、2)重炭酸塩、および3)リザトリプタンの組み合わせを含み、剤形がヒト片頭痛患者に投与された2時間後に、ヒト片頭痛患者は羞明がない状態である、方法。
【0232】
実施形態79.
以前の片頭痛治療に対して不完全な応答をした履歴があるヒト片頭痛患者を選択すること、および片頭痛患者に剤形を経口投与することを含む、片頭痛を治療する方法であって、剤形は、1)メロキシカム(任意でスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(SBEβCD)との複合体)、2)重炭酸塩、および3)リザトリプタンの組み合わせを含み、片頭痛患者は、剤形の片頭痛患者へ経口投与の結果として音声恐怖症の減少を経験する、方法。
【0233】
実施形態80.
以前の片頭痛治療に対して不完全な応答をした履歴があるヒト片頭痛患者を選択すること、および片頭痛患者に剤形を経口投与することを含む、片頭痛を治療する方法であって、剤形は、1)メロキシカム(任意でスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(SBEβCD)との複合体)、2)重炭酸塩、および3)リザトリプタンの組み合わせを含み、剤形がヒト片頭痛患者に投与された2時間後に、ヒト片頭痛患者は音声恐怖症がない状態である、方法。
【0234】
実施形態81.
1)メロキシカムとスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンの複合体、2)重炭酸塩、および3)リザトリプタンの組み合わせを、緩和を必要とするヒトに経口投与することを含む、リザトリプタン治療に関連する片頭痛疼痛緩和をより迅速に改善する方法であって、組み合わせが投与された1時間後に、ヒトは、同量のリザトリプタンを単独で投与された1時間後に該ヒトが経験するであろう減少よりも大きい片頭痛疼痛の減少を経験する、方法。
【0235】
実施形態82.
1)メロキシカムとスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンの複合体、2)重炭酸塩、および3)リザトリプタンの組み合わせを、緩和を必要とするヒトに経口投与することを含む、片頭痛疼痛を緩和する方法であって、組み合わせは、ヒトが急性片頭痛の中度から重度の片頭痛疼痛で苦しんでいる時に経口投与され、組み合わせが投与された2時間後に、ヒトは、同量のリザトリプタンを単独で投与された2時間後に該ヒトが経験するであろう減少よりも大きい、該ヒトにおける最も煩わしい症状の減少を経験する、方法。
【0236】
実施形態83.
1)メロキシカムとスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンの複合体、2)重炭酸塩、および3)リザトリプタンの組み合わせを、緩和を必要とするヒトに経口投与することを含む、片頭痛疼痛を緩和する方法であって、組み合わせは、ヒトが急性片頭痛の中度から重度の片頭痛疼痛で苦しんでいる場合に経口投与され、ヒトは皮膚アロディニアを伴う片頭痛で苦しんでおり、組み合わせが経口投与された2時間後に、ヒトは、同量のメロキシカムを単独で投与された2時間後に該ヒトが経験するであろう減少よりも大きい片頭痛疼痛の減少を経験する、方法。
【0237】
実施形態84.
1)メロキシカムとスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンの複合体、2)重炭酸塩、および3)リザトリプタンの組み合わせを、緩和を必要とするヒトに経口投与することを含む、片頭痛疼痛を緩和する方法であって、組み合わせは、ヒトが急性片頭痛の重度の片頭痛疼痛で苦しんでいる場合に経口投与され、組み合わせが経口投与された2時間後に、ヒトは、同量のメロキシカムを単独で投与された2時間後に該ヒトが経験するであろう減少よりも大きい片頭痛疼痛の減少を経験する、方法。
【0238】
実施形態85.
1)メロキシカムとスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンの複合体、2)重炭酸塩、および3)リザトリプタンの組み合わせを、緩和を必要とするヒトに経口投与することを含む、片頭痛疼痛を緩和する方法であって、組み合わせは、ヒトが急性片頭痛の中度から重度の片頭痛疼痛で苦しんでいる場合に経口投与され、ヒトは肥満であり、組み合わせが経口投与された2時間後に、ヒトは、同量のメロキシカムを単独で投与された2時間後に該ヒトが経験するであろう減少よりも大きい片頭痛疼痛の減少を経験する、方法。
【0239】
実施形態86.
1)メロキシカムとスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンの複合体、2)重炭酸塩、および3)リザトリプタンの組み合わせを、緩和を必要とするヒトに経口投与することを含む、片頭痛疼痛を緩和する方法であって、組み合わせは、ヒトが急性片頭痛の中度から重度の片頭痛疼痛で苦しんでいる場合に経口投与され、ヒトは朝の片頭痛があり、組み合わせが経口投与された2時間後に、ヒトは、同量のメロキシカムを単独で投与された2時間後に該ヒトが経験するであろう減少よりも大きい片頭痛疼痛の減少を経験する、方法。
【0240】
実施形態87.
1)メロキシカムとスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンの複合体、2)重炭酸塩、および3)リザトリプタンの組み合わせを、緩和を必要とするヒトに経口投与することを含む、片頭痛疼痛を緩和する方法であって、組み合わせは、ヒトが急性片頭痛の中度から重度の片頭痛疼痛で苦しんでいる場合に経口投与され、組み合わせがヒトに経口投与される少なくとも1年前に、該ヒトは、国際頭痛分類第3版(ICHD-3)により定義された前兆を伴う片頭痛または前兆を伴わない片頭痛を有するとして診断されており、組み合わせが経口投与された2時間後に、ヒトは、同量のメロキシカムを単独で投与された2時間後に該ヒトが経験するであろう減少よりも大きい片頭痛疼痛の減少を経験する、方法。
【0241】
実施形態88.
剤形をヒト片頭痛患者に経口投与することを含む片頭痛を治療する方法であって、経口剤形は、メロキシカムとスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(SBEβCD)の複合体、2)重炭酸塩、および3)リザトリプタンの組み合わせを含み、ヒト片頭痛患者は、剤形を投与された時に皮膚アロディニアを伴う片頭痛で苦しんでおり、剤形がヒト片頭痛患者に経口投与された2時間後に、ヒト片頭痛患者は、皮膚アロディニアから解放されている、方法。
【0242】
実施形態89.
片頭痛疼痛が視力障害を伴う、実施形態81、82、83、84、85、86、87、または88の方法。
【0243】
実施形態90.
組み合わせが投与された2時間後に、ヒトは視力障害がなくなる、実施形態89の方法。
【0244】
(実施例1)
酸性媒体のpHに対する種々の量の炭酸カリウム(K2CO3)および重炭酸ナトリウム(NaHCO3)の効果を試験した。酸性媒体は、胃の状態をシミュレートするように選択した。K2CO3またはNaHCO3を0.01N HCl溶液(pH2)50mLに加えた。K2CO3またはNaHCO3の添加後、溶液のpHを測定した。次いで、脱イオン水(240mL)を混合物に加え、pHを再び測定した。結果を表1~4に示す。
【0245】
【0246】
【0247】
【0248】
【0249】
(実施例2)
メロキシカム、および、スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(SBEβCD)(β-シクロデキストリンの各分子について約6個~約7個のスルホブチルエーテル基を含むシクロデキストリン)と、K2CO3またはNaHCO3との組み合わせを含む錠剤を製造し、溶解について試験した。メロキシカム単独(MOBIC(登録商標))を含有する錠剤を購入し、溶解についても試験した。試験した錠剤を表5に列挙する。メロキシカム/SBEβCD包接複合体の形態のメロキシカムを、メロキシカムおよびSBEβCDを含有する錠剤において使用した。包接複合体は、pH調整した水溶液中でメロキシカムとSBEβCDとを混合することによって形成された。緩衝剤を用いて溶液のpHを調整した。得られた可溶性メロキシカム/SBEβCD包接複合体をその後噴霧乾燥した。この噴霧乾燥した分散液を、SBEβCDを含有する錠剤の製造に使用した。
【0250】
【0251】
(胃の状態をシミュレートするように選択された)酸性媒体での溶解試験は、錠剤を0.01N HCl溶液中、75RPMの攪拌速度および約37℃の容器温度に置くことによって行われた。結果を表6および
図1~10に示す。種々の時点(0、15、30、45、60、90および120分)における結果は、溶解したメロキシカムのパーセント(%)として示される。
【0252】
【0253】
メロキシカムの溶解は、メロキシカムのみを含む錠剤と比較して、メロキシカムおよびSBEβCD、K2CO3、またはNaHCO3の様々な組み合わせを含有する錠剤で大きかった。たとえば、120分後、NaHCO3を含有するメロキシカム錠剤の溶解は、メロキシカム単独を含有する錠剤の2%と比較して、95%であった。
【0254】
メロキシカムの溶解は、SBEβCDの非存在下でのK2CO3の量の増加と共に増加した。しかし、SBEβCDの存在下では、K2CO3の量の増加は、メロキシカムの溶解を増加させないようであった。試験した炭酸カリウムの最高用量では、SBEβCDの存在下でのメロキシカムの溶解は、120分でのSBEβCDの非存在下でのメロキシカムの溶解と比較して、約50%減少した。
【0255】
メロキシカムのNaHCO3での溶解は、15分間(50%対30%)および120分(92%対23%)で最高用量のK2CO3で観察されたものよりも有意に大きかった。SBEβCDの存在下でのメロキシカムの溶解も、15分(85%対26%)および120分(86%対12%)の最高用量のK2CO3と比較して、NaHCO3で有意に大きかった。SBEβCDの存在下でのNaHCO3は、溶解が減少した炭酸カリウムと比較して、15分でメロキシカムの溶解をより増加させた。
【0256】
(実施例3)
1)下記の記載に従って調製されたメロキシカムを含むSBEβCDの包接複合体と、2)重炭酸ナトリウムとを含有する二層錠剤を調製した(SBEβCD-メロキシカム/重炭酸塩)。第1層は、メロキシカム15mgとSBEβCD100mgとの包接複合体、および、重炭酸ナトリウム100mgを含有していた。第2層は、エソメプラゾール40mgおよび重炭酸ナトリウム400mgを含有していた。
【0257】
合計20名のヒト対象を、上述のSBEβCD-メロキシカム/重炭酸塩錠剤による処置、または、Mobic(登録商標)錠剤(メロキシカム15mg)による処置(6日間、1日1回、絶食条件)のいずれかに1:1の割合で無作為に割り当てた。
【0258】
複数の時点でのメロキシカムの濃度分析を行うために、投薬初日に血漿サンプルを採取した。メロキシカムの濃度はLC-MS/MSを用いて求めた。薬物動態パラメータを算出した。結果を
図11に示す。
【0259】
試験の主要評価項目であるメロキシカムについてのTmaxの中央値は、Mobic(登録商標)に比べて、SBEβCD-メロキシカム/重炭酸塩錠剤が9倍ほど速かった(それぞれ0.5時間対4.5時間、p<0.0001)。
【0260】
また、SBEβCD-メロキシカム/重炭酸塩錠剤は、Mobic(登録商標)に比べて、最大血漿濃度(Cmax)のより高い平均値(p=0.0018)、より迅速な治療血漿濃度到達時間(p<0.0001)、およびより迅速な血漿濃度最大半分値到達時間(p<0.0001)を示した。
【0261】
メロキシカムとシクロデキストリンとを含有する錠剤では、メロキシカム/SBEβCDの包接複合体の形態のメロキシカムを用いた。この包接複合体は、メロキシカムとSBEβCDとをpH調整済水溶液中で混合することにより形成した。この溶液のpHは緩衝剤を用いて調整した。その後、得られた溶解性のメロキシカム/SBEβCDの包接複合体を、噴霧乾燥した。この噴霧乾燥分散物を、SBEβCDを含有する錠剤の作成に用いた。
【0262】
(実施例4)
1)メロキシカムを含むSBEβCDの包接複合体と、2)リザトリプタンと、3)重炭酸ナトリウムとを含有する単層錠剤を調整した(SBEβCD-メロキシカム/リザトリプタン/バイカーボネート)。この単層錠剤は、メロキシカム20mgと、リザトリプタン10mgと、重炭酸ナトリウム500mgとを含有していた。包接複合体は、実施例3の包接複合体と同様である。
【0263】
この錠剤の酸性培地(胃条件を模すよう選択)での溶解度試験は、錠剤を、75RPMの撹拌速度および約37℃の容器温度で0.01N HCl溶液中に置くことで、行われた。結果を、表7に示す。様々な時点(0、15、30、45、60、90、および120分)での結果を、溶解したメロキシカムのパーセント(%)および溶解したリザトリプタンのパーセント(%)として示す。
【0264】
【0265】
表7に示すように、実施例4の錠剤の溶解結果は、実施例3の溶解結果と非常に良く似ていた。そこで、発明者等は、実施例4の錠剤の薬物動態特性(生物学的利用能、メロキシカムのT
maxなど)が、実施例3および
図11に記載のものと類似していると考える。下記の実施例に示すように、この予想は正しいことがわかった。
【0266】
(実施例5)
実施例4の単層錠剤を6名の被験者に投与した。投与初日に、複数の時点でリザトリプタンの濃度分析のために血漿サンプルを採取した。リザトリプタンの濃度およびメロキシカムの濃度をLC-MS/MSを用いて求めた。薬物動態パラメータを計算した。メロキシカムについての結果は、実施例3の二層剤形について報告されたものに匹敵するほどであった。リザトリプタンのTmaxの中央値は、0.75時間であり、リザトリプタンのCmaxの平均値は、20.710ng/mLであった。これに対し、市販のリザトリプタン剤形であるMaxalt(登録商標)の報告されているTmaxは、1.0-1.5時間である。
【0267】
(実施例6)
第1相、ランダム化、単回投与、並行群臨床試験を行い、絶食条件下での経口投与後の健康なヒトボランティアにおける、2)Maxalt(登録商標)(10mgリザトリプタン)と比較した、1)メロキシカム(20mg)と、リザトリプタン(10mg)と、SBEβCDと、重炭酸ナトリウムとの組み合わせ(メロキシカム/リザトリプタン)のPK、安全性、および忍容性を評価した。合計20人の健康な成人の男性または女性ボランティアは、メロキシカム/リザトリプタンまたはMaxalt(登録商標)(10mgリザトリプタン)の単回投与群に1:1で無作為に割り当てられて投与された。
【0268】
PK解析のための血液サンプルは、投与前、および投与後の複数時点で採取された。事前に規定された主要評価項目は、標準メロキシカムの最大許容量(15mg)の投与後のメロキシカムのCavgとして定義されるTthera、メロキシカムの治療血漿濃度到達時間であり、おおよそ1000ng/mLである。メロキシカム/リザトリプタンのリザトリプタン成分についてのPKの結果を、Maxalt(登録商標)(/リザトリプタン)についての結果と比較した。
【0269】
メロキシカム/リザトリプタンのメロキシカム(20mg)成分についてのPKの結果を、実施例3のMobic(登録商標)(15mgメロキシカム)についてのPKの結果と比較した。
【0270】
(第1相の結果)
メロキシカムは、メロキシカム/リザトリプタン(20mgメロキシカム/10mgリザトリプタン)の経口投与後、迅速に吸収され、主要評価項目である治療血漿濃度到達時間(T
thera)の中央値は17分間であった(
図12および表8)。T
maxの中央値は、標準メロキシカム15mg(Mobic(登録商標))で4.5時間であるのと比較して、1時間である。非常に短いT
maxは、メロキシカム/リザトリプタンの片頭痛治療における迅速な作用発現の可能性を示唆している。メロキシカムについての平均血漿排泄半減期(T
1/2)は、標準メロキシカムでは21.5時間であるのと比較して、メロキシカム/リザトリプタンの投与後18.2時間であった。長い排泄半減期は、メロキシカム/リザトリプタンの効果を高めて持続させ、かつ片頭痛の痛みの再発を減少させる可能性を示唆している。
【0271】
【0272】
リザトリプタンは、メロキシカム/リザトリプタンの経口投与後、迅速に吸収され、T
maxは、同量の標準リザトリプタン(Maxalt(登録商標))で0.88時間であるのと比較して、0.64時間(38分)であった(
図13および表9)。C
maxおよびAUCを用いて測定した全身暴露は、標準リザトリプタンに対して、メロキシカム/リザトリプタン投与後のリザトリプタンのほうが数値的に大きかった。
【0273】
【0274】
メロキシカム/リザトリプタンは忍容性が良好であり、2つの治療群間で安全性プロファイルにおける関連性のある差はなかった。本試験では、深刻な有害事象はなかった。
【0275】
(実施例7)
第3相、ランダム化、二重盲検、多施設、陽性対照およびプラセボ対照試験を実施し、以前の急性治療に対して不完全な応答をした履歴気がある患者の、中度および重度の片頭痛の急性片頭痛治療におけるメロキシカム/リザトリプタンの有効性および安全性を評価した。適格患者は、メロキシカム/リザトリプタン(上記実施例4に記載の、20mgメロキシカム/10mgリザトリプタン、SBEβCD、および重炭酸ナトリウム)群、リザトリプタン(10mg)(リザトリプタン群)、メロキシカム(20mg)、SBEβCD、および重炭酸ナトリウム(メロキシカム群)、またはプラセボ群に、2:2:2:1で無作為に割り当てられて治療した。共主要評価項目は、メロキシカム/リザトリプタンについて、プラセボと比較して、投与後2時間での頭痛疼痛からの開放、および最も煩わしい片頭痛関連症状(吐き気、羞明、または音声恐怖症)からの開放である。
【0276】
リザトリプタン群およびメロキシカム群(成分の寄与)に対するメロキシカム/リザトリプタン群の優位性は、投与後2時間から24時間までの頭痛疼痛からの持続的な開放(重要な副次的評価項目)に基づいて確立されるであろう。
【0277】
適格患者は、片頭痛治療最適化質問票(mTOQ-4)を用いて評価された、以前の急性片頭痛治療に対して不十分な応答をした履歴を有していなければならない。mTOQ-4は、4つの観点(2時間で疼痛から解放、1回の投与で少なくとも24時間有効性があること、日々の活動を計画する能力、および日常生活への支障)に基づいて以前の急性治療に対する有効性の応答を評価する、検証済みの質問表である。
【0278】
メロキシカム/リザトリプタンは、迅速な吸収、および本明細書に記載されるメロキシカム/リザトリプタンの異なる2つの作用メカニズムのために、プラセボ群に対する有意な改善を示し、リザトリプタン群およびメロキシカム群に対する優位性を示すであろう。
【0279】
(実施例8)
女性の片頭痛患者が、片頭痛からの緩和を期待して彼女の主治医を訪ねた。彼女の医師は、彼女が次の急性片頭痛の間に摂取する10mgリザトリプタン(Maxalt(登録商標))を処方した。それにより、疼痛、吐き気、皮膚アロディニア等のアロディニア、羞明、および音声恐怖症が少し緩和されるが、それらの症状が完全に緩和されることはない。次回訪問時に、彼女の医師は、SBEβCDおよび500mg重炭酸ナトリウムも含有する錠剤で、彼女が次の急性片頭痛の間に摂取する20mgメロキシカムを処方した。それにより、疼痛、吐き気、皮膚アロディニア等のアロディニア、羞明、および音声恐怖症が少し緩和われるが、それらの症状が完全に緩和されることはない。次回訪問時に、彼女の医師は、上記の実施例4の錠剤を彼女に処方する。彼女は、錠剤の摂取後2時間および24時間で、疼痛、吐き気、皮膚アロディニア等のアロディニア、羞明、および/または音声恐怖症が、メロキシカムまたはリザトリプタン単独の摂取後に彼女が経験した少しの緩和に対して、約10~30%改善したことを報告した。
【0280】
(実施例9)
男性の片頭痛患者が、片頭痛からの緩和を期待して彼の主治医を訪ねた。彼の医師は、彼が次の急性片頭痛の間に摂取する10mgリザトリプタン(Maxalt(登録商標))を処方した。それにより、疼痛、吐き気、皮膚アロディニア等のアロディニア、羞明、および音声恐怖症が少し緩和されるが、それらの症状が完全に緩和されることはない。次回訪問時に、彼の医師は、SBEβCDおよび500mg重炭酸ナトリウムも含有する錠剤で、彼が次の急性片頭痛の間に摂取する20mgメロキシカムを処方した。それにより、疼痛、吐き気、皮膚アロディニア等のアロディニア、羞明、および音声恐怖症が少し緩和われるが、それらの症状が完全に緩和されることはない。次回訪問時に、彼の医師は、上記の実施例4の錠剤を彼に処方する。彼は、錠剤の摂取後2時間および24時間で、疼痛、吐き気、皮膚アロディニア等のアロディニア、羞明、および/または音声恐怖症が、メロキシカムまたはリザトリプタン単独の摂取後に彼が経験した少しの緩和に対して、約30~60%改善したことを報告した。
【0281】
(実施例10)
女性の片頭痛患者が、片頭痛からの緩和を期待して彼女の主治医を訪ねた。彼女の医師は、彼女が次の急性片頭痛の間に摂取する10mgリザトリプタン(Maxalt(登録商標))を処方した。それにより、疼痛、吐き気、皮膚アロディニア等のアロディニア、羞明、および音声恐怖症が少し緩和われるが、それらの症状が完全に緩和されることはない。次回訪問時に、彼女の医師は、SBEβCDおよび500mg重炭酸ナトリウムも含有する錠剤で、彼女が次の急性片頭痛の間に摂取する20mgメロキシカムを処方した。それにより、疼痛、吐き気、皮膚アロディニア等のアロディニア、羞明、および音声恐怖症が少し緩和われるが、それらの症状が完全に緩和されることはない。次回訪問時に、彼女の医師は、上記の実施例4の錠剤を彼女に処方する。彼女は、錠剤の摂取後2時間および24時間で、疼痛、吐き気、皮膚アロディニア等のアロディニア、羞明、および/または音声恐怖症が、メロキシカムまたはリザトリプタン単独の摂取後に彼女が経験した改善に対して、約60~100%改善したことを報告した。
【0282】
(実施例11)
疾病管理センターによると、3700万人のアメリカ人が片頭痛で苦しんでおり、米国片頭痛財団によると、米国における神経疾患の中で障害の原因の第1位となっている。片頭痛は、拍動性の発作、重度で障害を起こすことが多い眩暈に関連する疼痛、および光およびまたは音への過敏を特徴とする。米国では、片頭痛による直接費用(たとえば、受信、投薬)および間接(たとえば、欠勤、生産性の損失)は、毎年780億ドルに上ると推定されている[Gooch CL,Pracht E,Borenstein AR,The burden of neurological disease in the United States:A summary report and call to action.Ann Neurol.2017Apr;81(4):479-484]。片頭痛患者の公表された調査は、70%超が現在の治療に十分満足していないこと、80%近くが新しい治療を試す意思があること、より早く、より安定した効果が得られ、症状の再発が少ない治療を彼らが求めていることを示す[(1)Smelt AF,Louter MA,Kies DA,Blom JW,Terwindt GM,van der Heijden GJ,De Gucht V,Ferrari MD,Assendelft WJ,What do patients consider to be the most important outcomes for effectiveness studies on migraine treatment? Results of a Delphi study.PLoS One.2014Jun16;9(6):e98933,6、および(2)Lipton RB,Stewart WF,Acute migraine therapy: do doctors understand what patients with migraine want from therapy? Headache.1999;39(suppl2):S20-S26]。
【0283】
世界保健機関は、重度の片頭痛発作を、認知症、四肢麻痺、活動性精神病に匹敵する最も障害のある病気の1つとして分類している[(1)Menkenら、Arch Neurol.2000;57:418-420、および(2)Shapiro and Goadsby.Cephalalgia.2007;27:991-4]。衰弱させる痛み、および次の片頭痛発作の絶え間ない恐怖は、家庭生活、社会生活、および仕事を害する[Global Burden of Disease Study.Lancet.2017;390:1211-1259]。片頭痛のヒトは、健常者に比べて、憂鬱および不安が2倍である[Antonaciら、J Headache Pain.2011;12:115-125]。片頭痛の深刻さについての誤った認識が広がっていることが、片頭痛の認識不足と治療不足の一因となっている[Global Burden of Disease Study.Lancet.2017;390:1211-1259]。患者の大半は、現在の治療に十分満足していない。したがって、この深刻な神経疾患についての有効性の改善を提供する新しい治療が緊急に求められている。
【0284】
第3相、ランダム化、二重盲検、多施設、プラセボ対照および陽性対照試験を行い、中度および重度の片頭痛の急性治療におけるメロキシカムとリザトリプタンの組み合わせ(メロキシカム/リザトリプタン)の有効性および安全性を評価した。的確な患者は18~65歳であり、ICHD-3基準により前兆のあるまたはない片頭痛の診断が確定しており(少なくとも1年間)、1カ月あたり平均で2~8日の中度から重度の片頭痛があり、以前の急性片頭痛治療に対して不完全な応答をした履歴があり、以前の急性治療に対する乏しい反応に対応する、片頭痛治療最適化質問票(mTOQ-4)(平均スコアは3.6)を用いたスコア7で評価されていなければならない。除外基準に、群発性片頭痛または他のタイプの片頭痛、慢性的な毎日の頭痛(1カ月あたり15日以上の非片頭痛の日)、重大な心血管疾患の履歴、およびコントロールされていない高血圧が含まれる。不十分な応答の履歴に加えて、登録された患者は、皮膚アロディニア(75.4%)、重度の片頭痛疼痛(41.2%)、肥満(43.7%)、朝の片頭痛(36.6%)を含む、悪い治療成績と強く関連する特徴を高い比率で示した。合計1,594人の患者は、実施例4の単層錠剤(20mgメロキシカム/10mgリザトリプタンと、SBEβCDおよび重炭酸ナトリウム)、リザトリプタン(10mg)、メロキシカム(20mg)とSBEβCD(MoSEICメロキシカム)、またはプラセボに2:2:2:1の比率で無作為に割り当てられ、中度または重度の強度の単回片頭痛発作を治療した。本試験の2つの共主要評価項目は、プラセボと比較したメロキシカム/リザトリプタンについて、投与後2時間で頭痛疼痛から解放された患者の割合、および投与後2時間で最も煩わしい片頭痛関連症状(吐き気、羞明、または音声恐怖症)にもはや苦しまなくなった患者の割合である。リザトリプタンおよびメロキシカム群(成分の寄与)に対するメロキシカム/リザトリプタンの優位性は、投与後2~24時間で頭痛疼痛からの持続的な開放に基づいて確立されることになった(重要な副次的評価項目)。試験は、FDAの特別プロトコル評価(SPA)に基づいて実施された。本試験における活性比較物であるリザトリプタンは、最も早く作用する経口トリプタンであり、片頭痛の急性治療のために現在入手可能な最も効果的な医薬の1つである。(Ferrari MD,Roon KI,Lipton RB,Goadsby PJ.Oral triptans(serotonin 5-HT(1B/1D) agonists) in acute migraine treatment:a meta-analysis of 53 trials.Lancet.2001Nov17;358(9294):1668-75)
【0285】
メロキシカム/リザトリプタンは、片頭痛疼痛の迅速な緩和をもたらし、15分後から測定したすべての時点で、メロキシカム/リザトリプタンでの疼痛の緩和を達成した患者の割合が、リザトリプタンでのものより数値的に大きく、60分だけ統計的に有意であった(p=0.04)(
図14)。投与後1.5時間で疼痛の緩和を経験する患者の割合は、リザトリプタンでは52.5%、プラセボでは48.3%(対メロキシカム/リザトリプタンでそれぞれP=0.019、P=004)であったのと比較して、メロキシカム/リザトリプタンでは60.5%であった(
図14)。
図14Aは、メロキシカム、リザトリプタン、およびメロキシカム/リザトリプタンについて、1.0時間および1.5時間においてプラセボに比べて疼痛の緩和を報告した対象の割合を示す。
【0286】
メロキシカム/リザトリプタンは、投与2時間後に、プラセボと比較して、疼痛から解放された患者の高い割合(19.9%対6.7%、p<0.001、
図15)、および最も煩わしい症状がなくなった患者の高い割合(36.9%対24.4%、p=0.002)という高い統計的優位性を示すことにより、2つの既定の共主要評価項目を満たした。
【0287】
メロキシカム/リザトリプタンのリザトリプタン(活性比較物)およびMoSEIC(登録商標)メロキシカム(成分の寄与)に対する優位性は、投与後2時間~24時間で持続的な疼痛からの開放の達成が、リザトリプタン、MoSEIC(登録商標)メロキシカム、およびプラセボ(それぞれ16.1%、11.2%、6.8%、および5.3%、対メロキシカム/リザトリプタンでそれぞれp=0.038、p=0.001、およびp<0.001、
図16A)と比較して、メロキシカム/リザトリプタンを投与された患者の高い割合、成分の寄与を示す事前に設定された重要な副次的主要項目を示すことで、SPAで指定されているように確立された。メロキシカム/リザトリプタンで治療され、2時間で疼痛からの開放を達成した患者の約80%は、24時間を通じて疼痛からの開放を維持した。これらの結果から、片頭痛の治療における、疼痛からの開放の有意な改善、およびメロキシカム/リザトリプタンのリザトリプタンに対する優位性が示された。
【0288】
メロキシカム/リザトリプタンは、プラセボおよびリザトリプタンと比較して、実質的により大きい片頭痛疼痛のより持続的な緩和をもたらし、これは、プラセボおよびリザトリプタンと比較して、メロキシカム/リザトリプタンについて、救急薬の使用の著しい減少をもたらすと解釈できる。投与後2~24時間の持続的な疼痛の緩和を経験した患者の割合は、プラセボについて33.5%、リザトリプタンについて43.9%(対メロキシカム/リザトリプタンでそれぞれP<0.001、P=0.006))であったのと比較して、メロキシカム/リザトリプタンについて53.3%であった(
図16B)。
【0289】
2時間~48時間での持続的な疼痛緩和も、プラセボ(31.3%)およびリザトリプタン(36.5%)患者(対メロキシカム/リザトリプタンでそれぞれP<0.001、P=0.003)と比較して、メロキシカム/リザトリプタン患者(46.5%)は、統計的に有意に高い割合で経験した(
図17B)。
図17Dは、メロキシカム/リザトリプタン剤形、リザトリプタン、およびメロキシカム/リザトリプタンについて、2~48時間で、持続的に疼痛が緩和された対象の割合を示す。2時間~48時間での持続的な疼痛からの開放も、プラセボ(5.3%)、およびリザトリプタン(8.8%)、およびMoSEIC(登録商標)メロキシカム(8.1%)患者(対メロキシカム/リザトリプタンでそれぞれp<0.001、p=0.003、p<0.001)と比較してメロキシカム/リザトリプタン患者(15.4%)は、統計的に有意に高い割合で経験した(
図17A)。
図17Cは、メロキシカム/リザトリプタン剤形、リザトリプタン、およびメロキシカム/リザトリプタンについて、2~48時間で、持続的に疼痛から解放された対象の割合を示す。メロキシカム/リザトリプタンで治療され、2時間で疼痛からの開放を達成した患者の約77%は、48時間を通じて疼痛からの開放を維持した。
【0290】
プラセボを投与された患者の43%、およびリザトリプタンを投与された患者の34.7%(対メロキシカム/リザトリプタンで各群についてp<0.001)と比較して、メロキシカム/リザトリプタンを投与された患者の23.0%が救急薬を使用した(
図18)。メロキシカム/リザトリプタンを投与された患者の約77%は救急薬を要求しなかった。これらの結果は、片頭痛治療における、活性比較物であるリザトリプタンに対するメロキシカム/リザトリプタンの優位性を示した。
【0291】
メロキシカム/リザトリプタンは、変化の患者全般印象(PGI-C)(p=0.022)、および24時間での通常機能への復帰(p=0.027)を含む他のいくつかの副次的評価項目において、リザトリプタンより統計的に有意に優れていた。
【0292】
様々な評価項目について、メロキシカム/リザトリプタン対リザトリプタンのp値のいくつかを、片頭痛治療におけるメロキシカム/リザトリプタンのリザトリプタンに対する統計的に有意な優位性を示す以下の表10にリスト化した。
【0293】
【0294】
さらに、
図27に示すように、メロキシカム/リザトリプタンは、疼痛緩和のより高い確率を示し、メロキシカム/リザトリプタンを摂取した患者が、メロキシカム/リザトリプタンを摂取した24時間後におおよそ70%の確率で疼痛緩和を経験したのに対し、リザトリプタンまたはMoSEICメロキシカムを摂取した患者ではおおよそ60%、プラセボを摂取した患者ではおおよそ50%であった。メロキシカム/リザトリプタンで疼痛緩和を達成する確率は、投与後30分以内のリザトリプタンの場合より高く、メロキシカム/リザトリプタンは、リザトリプタンに比べて、疼痛緩和までの平均時間がそれぞれ1.5時間および4時間であり、3倍近く早くなった。
【0295】
さらに、リザトリプタンを摂取した患者に対して、メロキシカム/リザトリプタンを摂取した患者が疼痛再発を経験する確率が減少した。
図28に示すように、リザトリプタンを摂取した後に疼痛が再発した患者は45.2%であったのに対し、メロキシカム/リザトリプタンを摂取した後に疼痛が再発した患者は21.2%に過ぎず、メロキシカム/リザトリプタンは、リザトリプタンと比較して、投与後48時間にわたって疼痛再発を50%超減少させた。
【0296】
本試験の活性比較物であるリザトリプタンは、最も早く作用する経口トリプタンであり、片頭痛の急性治療のために現在入手可能な最も効果的な医薬の1つであると考えられること、および本試験では、治療が困難な片頭痛を有する患者を対象としたことを考えると、リザトリプタンよりも大きく、より持続的な片頭痛疼痛の緩和をもたらしたメロキシカム/リザトリプタンの治療効果が観察されたことは、非常に重要である。多くの患者は、頭痛に関連する障害および慢性片頭痛への進行のリスクが高くなり、医療費の増加に関連する要因になる、現在の急性片頭痛治療に対する準最適な応答を経験している。本試験の結果は、メロキシカム/リザトリプタンが、治療が困難な片頭痛を有する人々に重要な治療オプションを提供し得ることを示唆している。
【0297】
メロキシカム/リザトリプタンは、MOMENTUM第3相臨床試験の間に、一般的に安全であり、良好な忍容性であり、有害事象は患者の1~3%に起こった。患者の11.1%は、メロキシカム/リザトリプタンの摂取後に何らかの治療により生じた有害事象を経験し、2.7%、1.6%、および1.4%の患者がメロキシカム/リザトリプタン服用後にそれぞれ吐き気、めまい、傾眠を経験した(表11)。患者がメロキシカム/リザトリプタンの投与後に治療により生じた有害事象を経験した割合は、試験された他の治療法とほぼ同じであった(表11)。
【0298】
【0299】
この試験の結果は、治療が困難な片頭痛を有する患者で厳格に設計された試験において、メロキシカム/リザトリプタンが、強力な活性比較物であるリザトリプタンと比較して、片頭痛疼痛を迅速、強力、かつ持続的に緩和する独自の利益を片頭痛患者に提供することを示した。これらの結果は、これらの結果は、現在の治療に対する不十分な反応、および患者の不満の割合が高いことに基づいて、患者の治療にとって重要な意味を持つ可能性がある。
【0300】
メロキシカム/リザトリプタンは、複数の作用機序を組み込んで、様々な片頭痛プロセスに対処し、効果を高めることを目的としている。メロキシカム/リザトリプタンは、CGRP放出を阻害し、CGRPを介した血管拡張を逆転させ、神経炎症、疼痛信号伝達、および中枢性感作を阻害することにより作用すると考えられている。この試験の結果は、このアプローチを実証し、メロキシカム/リザトリプタンが、治療が困難な片頭痛を有する患者においてさえ、現在入手可能な治療の利益より有意に大きい利益をもたらし得ることを示している。メロキシカム/リザトリプタンは、前兆のある、またはない成人の片頭痛の急性治療のために効果的に使用され得る。
【0301】
(実施例12)
メロキシカム/リザトリプタンでの片頭痛の早期治療を評価する、第3相、ランダム化、二重盲検、多施設、プラセボ対照試験が行われた。片頭痛の最も早期の兆候で、疼痛が穏やかな間に、中度または重度の痛みに進行する前に、メロキシカム/リザトリプタン(20mgメロキシカム/10mgリザトリプタン、(上記実施例4に記載の、20mgメロキシカム/10mgリザトリプタン、SBEβCD、および重炭酸ナトリウム)、またはプラセボの単回用量で単回片頭痛発作を治療するために、合計302の患者1:1の比で無作為に振り分けられた。
【0302】
この臨床試験は、実施例11の臨床試験とは異なる。実施例11の臨床試験は、片頭痛疼痛が中度または重度の強度になっていた患者であり、以前の急性治療に対して不完全な応答をした履歴があり、発作の治療を待つ患者だけが登録された。実施例11の臨床試験は、すべての希望者が登録され、患者は、片頭痛の最も早期の兆候で、疼痛が、中度または重度の強度に進行する前の、穏やかな間に、メロキシカム/リザトリプタンを投与することを指示されたこの臨床試験とは対照的である。
【0303】
患者は、前兆のあるまたはない片頭痛の診断が確定している成人の対象である。
【0304】
共主要評価項目は、プラセボと比較したメロキシカム/リザトリプタンについて、投与後2時間での頭痛疼痛からの開放、および最も煩わしい片頭痛関連症状(吐き気、羞明、または音声恐怖症)からの開放である。
【0305】
副次的主要項目には、持続的な疼痛からの解放、片頭痛疼痛の進行からの解放、機能障害の変化、救急薬の使用が含まれる。
【0306】
対象患者基準には、ICHD-3基準による前兆のあるまたはない片頭痛の診断が確定しており(少なくとも1年)、1カ月あたり平均2~8回の片頭痛がある、18~65歳の男性または女性が含まれる。除外患者基準には、群発性頭痛、緊張性頭痛、または他のタイプの片頭痛、慢性的な毎日の頭痛(1カ月あたり15日以上の非片頭痛タイプの頭痛の日)、重大な心血管疾患の履歴、およびコントロールされていない高血圧が含まれる。
【0307】
片頭痛の早期治療でのメロキシカム/リザトリプタンの第3相試験において、メロキシカム/リザトリプタンは、実質的かつ有意に片頭痛疼痛を除去し、実質的かつ有意に片頭痛疼痛の強度の進行を予防した。本試験では、メロキシカム/リザトリプタンは、プラセボと比較した片頭痛疼痛からの解放および最も煩わしい症状からの解放の共主要評価項目を満たした。
【0308】
メロキシカム/リザトリプタンは、投与後2時間での疼痛からの解放(32.6%対16.3%、p=0.002)、および最も煩わしい症状からの解放(43.9%対26.7%、p=0.003)の両方の共主要評価項目において、プラセボと比較して統計的に有意な改善を示した(
図19Aおよび
図19B)。最も煩わしい症状は、吐き気、羞明、または音声恐怖症である。
【0309】
メロキシカム/リザトリプタンは、片頭痛疼痛からの解放(
図20)および最も煩わしい症状からの解放(
図21)について、30分という早期にプラセボより数値的に有意であり、90分(p=0.003)およびそれ以降のすべての時間において、片頭痛疼痛からの解放について統計的有意性を達成した(
図20)。12時間では、プラセボを投与された患者の42%と比較して、メロキシカム/リザトリプタンを投与された患者の64%が疼痛から解放された。24時間では、プラセボを投与された患者の47%と比較して、メロキシカム/リザトリプタンを投与された患者の69%が疼痛から解放された。
【0310】
メロキシカム/リザトリプタンは、プラセボと比較して、統計的に有意なより多くの割合の患者の片頭痛疼痛を緩和し、投与後2~24時間(22.7%対12.6%、p=0.030)、および投与後2~48時間(20.5%対9.6%、p=0.013)の持続的な疼痛からの解放を達成した(
図22Aおよび
図22B)。
【0311】
メロキシカム/リザトリプタンは、プラセボを摂取した患者では47.4%であったのに対し、73.5%の患者において、2~24時間で軽度を超える片頭痛疼痛強度の進行を予防した(p<0.001)(
図23)。メロキシカム/リザトリプタンの単回投与は片頭痛疼痛の軽度から先への進行を予防した。
【0312】
疼痛の進行における効果は、救急薬の使用の有意な減少をもたらし、プラセボを摂取した患者では42.2%であったのに対し、メロキシカム/リザトリプタンを摂取した患者の15.3%のみが、投与後24時間を通じて救急薬を要求した(p<0.001)(
図24)。
【0313】
メロキシカム/リザトリプタンは、実質的かつ有意に機能障害を減少させ、全体的な疾患の改善を示した。通常の活動を行う能力は、24時間で、プラセボを摂取した患者では47.4%であったのと比較して、メロキシカム/リザトリプタンを摂取した患者の73.5%に達した(p<0.001)(
図25)。
【0314】
変化の患者全般印象(PGI-C)尺度において、2時間で、プラセボを摂取した患者では27.7%であったのと比較して、メロキシカム/リザトリプタンを摂取した患者の52.4%が非常に大幅に、または大幅に改善された(p<0.001)(
図26)。
【0315】
メロキシカム/リザトリプタンは、試験において、一般的に安全かつ良好な忍容性であった。最も多く報告されたメロキシカム/リザトリプタンでの有害事象は、傾眠、めまい、および知覚障害であり、いずれも5%未満の割合で生じた(表12)。本試験では深刻な有害事象はなかった。
【0316】
【0317】
ダートマスのガイゼル医科大学の神経学の教授であるStewart Tepper博士は、「本研究は、メロキシカム/リザトリプタンでの治療により高い確率で片頭痛疼痛から解放されることを示し、片頭痛疼痛の進行を評価するための革新的なデザインが採用された。メロキシカム/リザトリプタンでの早期治療により大多数の患者において片頭痛疼痛の進行を予防し、同様に高い割合の患者が通常機能を回復できたことは驚くべきことである。」と語った。「メロキシカム/リザトリプタンの複数のメカニズムは、片頭痛発作に関与する多くの生理的プロセスの障害に対応する。これらの結果は、活性比較剤に対するメロキシカム/リザトリプタンの優位性を示すこれまでの臨床データと併せて、この相乗的でマルチメカニズム的なアプローチ、およびメロキシカム/リザトリプタンの迅速な吸収は、広範な患者に重要な利益をもたらし得る、臨床証拠を提供した。臨床医は、彼らの患者のために、現在利用できる治療法よりも効果が改善する選択肢を模索し続けているため、メロキシカム/リザトリプタンは、この日常生活に支障を来すほどの状態に対する重要な新規の治療を提示し得る。」
【0318】
この第3相試験は、メロキシカム/リザトリプタンの優位性および持続的な有効性を確認した。片頭痛疼痛進行の予防、および片頭痛疼痛から解放された割合の実質的な増加は、メロキシカム/リザトリプタンでの早期治療により片頭痛の急性治療のための差別化されたプロファイルを拡大および強化させることを示す。この第3相試験、および以前の急性治療に対して不十分な応答をした履歴のある患者での実施例11に記載された第3相試験とともに、メロキシカム/リザトリプタンは、現在、二重陽性対照試験で評価されている。これらの試験は、片頭痛の治療時期、疾患の重症度、またはベースラインの疼痛強度にかかわらず、さまざまな片頭痛発作の環境にわたって、強力な活性物質およびプラセボの比較物質に対するメロキシカム/リザトリプタンの有効性を示した。
【0319】
アクスサムの臨床開発および医務の上席副社長であるCedric O’Gorman医師は、「片頭痛は、患者から活動を奪い、家庭生活、社会活動、および働く能力に深刻な損害を与える、最も日常生活に支障を来すほどの障害の1つである。公表された調査は、患者が現在利用可能な治療方法の効果に不満を残していることを強調している。」と語った。「この試験の結果は、メロキシカム/リザトリプタンが、中度または重度の強度に達する前に片頭痛疼痛の進行を停止することができることを初めて示している。これらのデータは、メロキシカム/リザトリプタンが、現在の標準的な治療に対して優位な、有効な片頭痛のマルチメカニズム治療になる可能性を支持する臨床証拠を増やしており、迅速に、ロバストに、かつ持続的に症状を緩和することができ、患者を通常の日々の活動に戻すことができる。」
【0320】
(実施例13)
メロキシカム/リザトリプタン(上記実施例4に記載の、20mgメロキシカム/10mgリザトリプタンに、SBEβCD、および重炭酸ナトリウムを含む)の長期非盲検第3相試験を行った。この試験において、メロキシカム/リザトリプタンでの治療は、片頭痛疼痛および関連する症状を迅速に、大幅に、かつ耐久性をもって緩和した。メロキシカム/リザトリプタンは、以前に報告された対照試験で観察されたものと一致する安全性プロファイルで、長期治療にわたって忍容性が良好であった。
【0321】
この臨床試験は、片頭痛発作がある患者において最大12カ月間投与し、メロキシカム/リザトリプタン(20mgMoSEIC(商標)メロキシカム/10mgリザトリプタン)の長期安全性を評価した。本研究では実施例11または実施例12に記載された臨床試験を完了した患者を登録した。登録された患者は、片頭痛が起こるたびに1用量のメロキシカム/リザトリプタンで、最大12カ月間、月に10回までの片頭痛発作を治療することが許可された。試験の間、メロキシカム/リザトリプタンの安全性および効果を評価した。合計706名の患者が登録された。試験は、事前に規定されたように、少なくとも300名の患者が、月に少なくとも2回の片頭痛治療を6カ月間受け、おおよそ100名の患者が、月に少なくとも2回の片頭痛治療を12カ月間受けた時点で終了した。研究終了時点で、515名の患者が少なくとも6カ月間、155名の患者が少なくとも12カ月間の治療に達した。本試験の間に、21,000回超の片頭痛発作をメロキシカム/リザトリプタンで治療した。効果の測定には、片頭痛疼痛および最も煩わしい症状(羞明、音声恐怖症、吐き気)の緩和、および救急薬の使用が含まれた。
【0322】
この臨床試験では、メロキシカム/リザトリプタンの投与により、片頭痛疼痛および関連する症状が、迅速かつ大幅に緩和された。投与後1時間以内に、患者の39%(範囲:37~41%)が片頭痛疼痛の緩和を達成し、メロキシカム/リザトリプタンの速効性が示された。メロキシカム/リザトリプタンの投与後2時間で、片頭痛疼痛の緩和は患者の68%(範囲:65~71%)に達し、疼痛からの解放は患者の38%(範囲:37~40%)であった。最も煩わしい症状(羞明、音声恐怖症、吐き気)からの解放は、投与後2時間以内で患者の47%(範囲:46~49%)であった。
【0323】
メロキシカム/リザトリプタンは片頭痛の疼痛を持続的に緩和し、メロキシカム/リザトリプタンの単回投与後24時間を通して患者の85%(範囲:84~86%)、投与後48時間を通して患者の83%(範囲:82~85%)が救急薬の使用から解放された。2~24時間および2~48時間の持続的な疼痛の緩和率は、それぞれ60%(範囲:59~62%)および59%(58~60%)であった。2~24時間および2~48時間の持続的な疼痛からの解放率は、それぞれ33%(範囲:33~35%)および32%(32~34%)であった。
【0324】
メロキシカム/リザトリプタンは、長期間の投与で忍容性が良好である。12カ月間の治療期間にわたるメロキシカム/リザトリプタンの安全性プロファイルは、短期間の対照試験で以前報告されたものと一致していた。最も多く報告された有害事象(≧3%)は、吐き気、めまい、嘔吐であった。12カ月間の試験の間、患者の1.6%は、有害事象のために試験を中止した。
【0325】
別段の記載がない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量、量、百分率などの特性を表す数字は、すべての場合において、示されている正確な値と、「約」という用語により修正された値の両方を示すものとして理解されるべきである。したがって、反対に示されない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲に記載されている数値パラメータは、得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、等価物としての適用を特許請求の範囲に限定しようとするものではなく、各数値パラメータは、報告された有効数字の数に照らして、通常の丸め手段を適用することによって、少なくとも解釈されるべきである。
【0326】
実施形態を説明する文脈で(特に以下の請求項の文脈で)使用される用語「a」、「an」、「the」、および類似の言及は、別段の記載がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方をカバーすると解釈されるべきである。本明細書で提供されるあらゆる全ての実施例、または例示的な言語(たとえば、「等の」)の使用は、実施形態をよりよく明らかにすることを意図しており、特許請求の範囲に制限を設けるものではない。本明細書中の記載は、請求項の実施に不可欠な、請求項以外の要素を示すものと解釈されるべきではない。
【0327】
本明細書に開示した代替要素または実施形態のグループ化は、限定として解釈されるべきではない。各グループの構成要素は、個別に、またはグループの他の構成要素または本明細書で見られる他の要素との任意の組み合わせで参照され、主張され得る。利便性および/または実施促進の理由から、グループの1以上の構成要素が、グループに含まれるか、またはグループから削除されることが予想される。そのような包含または削除が発生した場合、本明細書は変更されたグループを含むものと見なされ、添付の特許請求の範囲で使用される場合、マーカッシュグループのすべての記載を満たす。
【0328】
本明細書では、発明者が知る請求項に記載された実施形態を実施するための最良の形態を含む、本発明のいくつかの実施形態について説明する。もちろん、これらの説明された実施形態の変形は、前述の説明を読めば当業者に明らかになるであろう。発明者は、当業者がそのような変形を適切に使用することを期待し、発明者は、本明細書に具体的に記載した以外の方法で請求項に記載された実施形態を実施することを意図している。したがって、特許請求の範囲は、適用される法律によって許可されるように、特許請求の範囲に記載された主題の変更および同等物の一切を含む。さらに、本明細書に別段の記載がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、あらゆる可能な変形をした上述の要素の組み合わせが考えられる。
【0329】
最後に、本明細書に開示された実施形態は、特許請求の範囲の原理を例示するものであることを理解すべきである。採用され得る他の変更は、特許請求の範囲の範囲内である。したがって、本発明の代替構成は、限定ではなく一実施例として、本明細書の教示に従って利用することができる。したがって、特許請求の範囲は、示され、記載されたとおりに正確に実施形態に限定されるものではない。
【0330】
(付記)
(付記1)
片頭痛患者に、少なくとも月に2回、少なくとも6カ月間、片頭痛発作の間に剤形を経口投与することを含む、片頭痛を治療する方法であって、前記剤形は、メロキシカムおよびリザトリプタンの組み合わせを含む、方法。
【0331】
(付記2)
少なくとも月に2回、少なくとも6カ月間の使用のための、片頭痛を治療するための医薬の製造における、メロキシカムおよびリザトリプタンの組み合わせの使用であって、前記医薬は、メロキシカムおよびリザトリプタンを含む剤形である、使用。
【0332】
(付記3)
前記ヒト片頭痛患者は、前記片頭痛患者への前記剤形の経口投与の結果として片頭痛の緩和を経験する、付記1または2に記載の方法または使用。
【0333】
(付記4)
前記片頭痛患者は、片頭痛に関連する吐き気、羞明、または音声恐怖症を有する、付記1、2、または3に記載の方法または使用。
【0334】
(付記5)
前記片頭痛患者は、前記片頭痛患者への前記剤形の経口投与の結果として吐き気の減少を経験する、付記4に記載の方法または使用。
【0335】
(付記6)
前記片頭痛患者は、前記片頭痛患者への前記剤形の経口投与の結果として羞明の減少を経験する、付記4に記載の方法または使用。
【0336】
(付記7)
前記片頭痛患者は、前記片頭痛患者への前記剤形の経口投与の結果として音声恐怖症の減少を経験する、付記4に記載の方法または使用。
【0337】
(付記8)
前記剤形は、400mg~600mgの重炭酸塩をさらに含む、付記1、2、3、4、5、6、または7に記載の方法または使用。
【0338】
(付記9)
前記剤形は、約5mg~約50mgのメロキシカムをさらに含む、付記1、2、3、4、5、6、7、または8に記載の方法または使用。
【0339】
(付記10)
前記剤形は、約50mg~約200mgのSBEβCDをさらに含む、付記1、2、3、4、5、6、7、8、または9に記載の方法または使用。
【0340】
(付記11)
前記剤形は、ヒトにおけるメロキシカムのTmaxが、1)同量のメロキシカムを含み、2)SBEβCDを含まず、かつ3)重炭酸塩を含まない参照剤形より短い固体経口剤形である、付記1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10に記載の方法または使用。
【0341】
(付記12)
遊離塩基形態のリザトリプタンの重量に基づいて約1mg~約50mgのリザトリプタンが前記経口剤形中に存在する、付記1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11に記載の方法または使用。
【0342】
(付記13)
リザトリプタンは、約10mgの遊離塩基形態のリザトリプタンのモル当量である量で、塩形態で存在する、付記12に記載の方法または使用。
【0343】
(付記14)
リザトリプタンは、リザトリプタン安息香酸塩として存在する、付記12または13に記載の方法または使用。
【0344】
(付記15)
前記経口剤形は、約10mg~約30mgのメロキシカムを含む、付記1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14に記載の方法または使用。
【0345】
(付記16)
前記経口剤形は、約20mgのメロキシカムを含む、付記15に記載の方法または使用。
【0346】
(付記17)
SBEβCDは、β-シクロデキストリンの各分子について約6個~約7個のスルホブチルエーテル基を有する、付記10、11、12、13、14、15、または16に記載の方法または使用。
【0347】
(付記18)
前記経口剤形は、約50mg~約150mgのSBEβCDを含む、付記9、10、11、12、13、14、15、16、または17に記載の方法または使用。
【0348】
(付記19)
前記経口剤形は、約400mg~約600mgの重炭酸ナトリウムを含む、付記8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、または18に記載の方法または使用。
【0349】
(付記20)
前記ヒト片頭痛患者は、治療を受けた後24時間以内に通常の活動に戻ることができる、付記1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19に記載の方法または使用。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト片頭痛患者における片頭痛を治療するための医薬の製造における、メロキシカムおよびリザトリプタンの組み合わせの使用であって、前記医薬は、
少なくとも月に2回、少なくとも6カ月間、前記ヒト片頭痛患者に投与され、前記医薬は、メロキシカムおよびリザトリプタンを含む剤形である、使用。
【請求項2】
前記ヒト片頭痛患者は、前記片頭痛患者への前記剤形の経口投与の結果として片頭痛の緩和を経験する、請求項
1に記載
の使用。
【請求項3】
前記
ヒト片頭痛患者は、片頭痛に関連する吐き気、羞明、または音声恐怖症を有する、請求項
1または
2に記載
の使用。
【請求項4】
前記
ヒト片頭痛患者は、前記片頭痛患者への前記剤形の経口投与の結果として吐き気の減少を経験する、請求項
3に記載
の使用。
【請求項5】
前記片頭痛患者は、前記片頭痛患者への前記剤形の経口投与の結果として羞明の減少を経験する、請求項
3に記載
の使用。
【請求項6】
前記片頭痛患者は、前記片頭痛患者への前記剤形の経口投与の結果として音声恐怖症の減少を経験する、請求項
3に記載
の使用。
【請求項7】
前記剤形は、
約400mg~
約600mgの重炭酸塩をさらに含む、請求項1、2、3、4、5
、または
6に記載
の使用。
【請求項8】
前記剤形は、約5mg~約50mgのメロキシカム
を含む、請求項1、2、3、4、5、6
、または
7に記載
の使用。
【請求項9】
前記剤形は、約50mg~約200mgのSBEβCDをさらに含む、請求項1、2、3、4、5、6、7
、または
8に記載
の使用。
【請求項10】
前記剤形は、ヒトにおけるメロキシカムのT
maxが、1)同量のメロキシカムを含み、2)SBEβCDを含まず、かつ3)重炭酸塩を含まない参照剤形より短い固体経口剤形である、請求項
9に記載
の使用。
【請求項11】
遊離塩基形態のリザトリプタンの重量に基づいて約1mg~約50mgのリザトリプタンが前記経口剤形中に存在する、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9
、または1
0に記載
の使用。
【請求項12】
リザトリプタンは、約10mgの遊離塩基形態のリザトリプタンのモル当量である量で、塩形態で存在する、請求項1
1に記載
の使用。
【請求項13】
リザトリプタンは、リザトリプタン安息香酸塩として存在する、請求項1
1または1
2に記載
の使用。
【請求項14】
前記経口剤形は、約10mg~約30mgのメロキシカムを含む、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12
、または1
3に記載
の使用。
【請求項15】
前記経口剤形は、約20mgのメロキシカムを含む、請求項1
4に記載
の使用。
【請求項16】
SBEβCDは、β-シクロデキストリンの各分子について約6個~約7個のスルホブチルエーテル基を有する、請求項
9、10、11、12、13、14
、または1
5に記載
の使用。
【請求項17】
前記経口剤形は、約50mg~約150mgのSBEβCDを含む、請求項9、10、11、12、13、14、15
、または1
6に記載
の使用。
【請求項18】
前記経口剤形は、約400mg~約600mgの重炭酸ナトリウムを含む、請求項
7、8、9、10、11、12、13、14、15、16
、または1
7に記載
の使用。
【請求項19】
前記ヒト片頭痛患者は、治療を受けた後24時間以内に通常の活動に戻ることができる、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17
、または1
8に記載
の使用。
【国際調査報告】