(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20240110BHJP
F25D 23/06 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
F25D23/00 307
F25D23/06 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540946
(86)(22)【出願日】2021-09-09
(85)【翻訳文提出日】2023-08-03
(86)【国際出願番号】 CN2021117342
(87)【国際公開番号】W WO2022148040
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】202110008736.3
(32)【優先日】2021-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522029969
【氏名又は名称】チンダオ ハイアール レフリジレーター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Haier Industry Park, Haier Road No. 1 Laoshan District Qingdao,Shandong 266101, China
(71)【出願人】
【識別番号】521161200
【氏名又は名称】ハイアール スマート ホーム カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】グオ レイ
(72)【発明者】
【氏名】リー ガオジエ
(72)【発明者】
【氏名】コウ ションナン
(72)【発明者】
【氏名】ユィ シァオファン
【テーマコード(参考)】
3L102
【Fターム(参考)】
3L102JA01
3L102LB10
(57)【要約】
本発明は、インナーライナーと製氷部材とを備えた冷蔵庫であって、前記インナーライナーは分室を備え、前記製氷部材は製氷機を備え、前記製氷機は相互に組み合わされた予備埋込部材とハンガーをさらに備え、前記予備埋込部材は前記インナーライナーの外側に設けられ、前記ハンガーは前記インナーライナーの分室に設けられ、前記ハンガーは本体からなり、前記本体の前記製氷機に向かう側の表面は平坦面であり、前記製氷機は前記平坦面に取り付けられる。本発明では、平坦面を有するハンガーを設けることで、製氷機能がない冷蔵庫のインナーライナーと製氷機能付きの冷蔵庫のインナーライナーとを共通に使用でき、製氷機の取り付けがより便利であり、製氷機能付きの冷蔵庫の全体コストを低減することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インナーライナーと製氷部材とを備えた冷蔵庫であって、前記インナーライナーは分室を備え、前記製氷部材は製氷機を備え、
前記製氷機は、相互に組み合わされた予備埋込部材とハンガーとをさらに備え、前記予備埋込部材は前記インナーライナーの外側に設けられ、前記ハンガーは前記インナーライナーの前記分室に設けられ、
前記ハンガーは本体からなり、前記本体の前記製氷機に向かう側の表面は平坦面であり、前記製氷機は前記平坦面に取り付けられる、ことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記予備埋込部材は前記インナーライナーの頂側壁の外側に設けられ、前記ハンガーは前記インナーライナーの頂側壁の内側に設けられ、前記頂側壁の内側と前記頂側壁の外側が背中合わせに設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記頂側壁に第1貫通孔および第2貫通孔が設けられ、前記予備埋込部材の前記頂側壁に向かう側に第1係合溝および第2係合溝が設けられ、前記本体の前記頂側壁に向かう側に第1係合フックおよび第2係合フックが設けられ、前記第1係合溝は前記第1貫通孔を貫通し、前記第2係合溝は前記第2貫通孔を貫通し、前記ハンガーの上下方向への変位を制限するために、前記第1係合フックは前記第1係合溝に係合され、前記第2係合フックは前記第2係合溝に係合される、ことを特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記第2係合溝の後端に第1ストッパーが設けられ、前記第2係合フックの前端に第2ストッパーが設けられ、前記第2係合フックは前記第2係合溝の前端から前記第2係合溝に挿入され、前記第2係合フックの後端は前記第1ストッパーによって遮断され、前記第2係合溝の前端は前記第2ストッパーによって遮断され、前記ハンガーの前後方向への変位を限制する、ことを特徴とする請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記第1係合フックは前記本体の前側セグメントに設けられ、前記第2係合フックは前記本体の後側セグメントに設けられる、ことを特徴とする請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記平坦面に摺動溝が設けられ、前記摺動溝は前記製氷機に向かって突出し、前記製氷機はハウジングを含み、前記ハウジングにスライドアームが設けられ、前記摺動溝の底部は前記平坦面に対向し、前記スライドアームは前記摺動溝に収容され、前記摺動溝の底部と前記平坦面によって前記製氷機の上下方向への変位を制限する、ことを特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記摺動溝の後端に第3ストッパーが設けられ、前記第3ストッパーの前側面に段差部が設けられ、前記スライドアームの後端に第4ストッパーが設けられ、前記第4ストッパーの前側面に凹部が設けられ、前記スライドアームは前記摺動溝に位置し、前記第3ストッパーは前記第4ストッパーの後側に位置して、前記第4ストッパーを遮断し、前記凹部は前記段差を乗り越えて前記段差部の後側に制限され、前記製氷機の前後方向への変位を制限する、ことを特徴とする請求項6に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記ハウジングの前側壁にノブがさらに設けられ、前記ノブはロック部を含み、前記ロック部は前記ハウジングの頂部から突出し、前記ハウジングの頂部は前記平坦面に近く、前記ロック部は前記本体の前端に結合されて前記製氷機の前後方向への変位を制限する、ことを特徴とする請求項6に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記本体は収納キャビティを有し、前記収納キャビティは前記本体から前記頂側壁に向かって突出し、前記ノブがロック状態にあるとき、前記ロック部は前記収納キャビティに挿入される、ことを特徴とする請求項8に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記ノブは回転軸と係合リングをさらに含み、前記回転軸は前記ロック部の後側から突出し、前記回転軸は前記ハウジングの前側壁の軸孔を貫通し、前記回転軸の外面に溝が設けられ、前記係合リングは前記溝に係合され、前記ロック部と前記係合リングはそれぞれ前記ハウジングの前側壁の対向する両側に位置し、前記係合リングはC字形のスナップであり、前記係合リングは、前記ノブをアンロック状態からロック状態に回復させるために作用力を提供する、ことを特徴とする請求項8に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍装置の分野に関し、特に、製氷部材を備えた冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫に取り付けられた既存の製氷部材は、一般に、順次接続された水タンク、水ポンプ、水ガイド機構および製氷機から構成され、前記水タンクおよび水ポンプは冷蔵室内に設けられ、前記製氷機は冷凍室内に設けられ、前記水ガイド機構は前記水ポンプと前記製氷機を接続して前記水タンク内の水を前記製氷機内に輸送して製氷するものである。
【0003】
製氷機中の氷箱が満水時にこぼれないようにするために、製氷機は通常、冷蔵庫の冷凍室インナーライナー上に水平に取り付けられている。製氷を必要としない冷蔵庫の場合、そのインナーライナーの頂部は通常円弧状、すなわち凹凸面になっており、円弧状頂部は冷蔵庫の全体容積を増加させる。従って、製氷機能のない冷蔵庫のインナーライナーの円弧状頂部に通常製氷機を取り付けることができず、製氷機能のない冷蔵庫中のインナーライナーを製氷機能付きの冷蔵庫中のインナーライナーと共通で使用することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする問題は、異なる形状のインナーライナーに製氷機をどのように水平に取り付けることができるか、特にインナーライナーの頂部が非平坦面ではない冷蔵庫に製氷機を取り付けることができるかである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の問題を解決するために、本発明の技術的解決策は、インナーライナーと製氷部材とを備えた冷蔵庫であって、前記インナーライナーは分室を備え、前記製氷部材は製氷機を備え、前記製氷機は、相互に組み合わされた予備埋込部材とハンガーをさらに備え、前記予備埋込部材は前記インナーライナーの外側に設けられ、前記ハンガーは前記インナーライナーの分室に設けられ、前記ハンガーは本体からなり、前記本体の前記製氷機に向かう側の表面は平坦面であり、前記製氷機は前記平坦面に取り付けられる。
【0006】
技術的解決策として、前記予備埋込部材は前記インナーライナーの頂側壁の外側に設けられ、前記ハンガーは前記インナーライナーの頂側壁の内側に設けられ、前記頂側壁の内側と前記頂側壁の外側が背中合わせに設けられてもよい。
【0007】
技術的解決策として、前記頂側壁に第1貫通孔および第2貫通孔が設けられ、前記予備埋込部材の前記頂側壁に向かう側に第1係合溝および第2係合溝が設けられ、前記本体の前記頂側壁に向かう側に第1係合フックおよび第2係合フックが設けられ、前記第1係合溝は前記第1貫通孔を貫通し、前記第2係合溝は前記第2貫通孔を貫通し、前記ハンガーの上下方向への変位を制限するために、前記第1係合フックは前記第1係合溝に係合され、前記第2係合フックは前記第2係合溝に係合されてもよい。
【0008】
技術的解決策として、前記第2係合溝の後端に第1ストッパーが設けられ、前記第2係合フックの前端に第2ストッパーが設けられ、前記第2係合フックは前記第2係合溝の前端から前記第2係合溝に挿入され、前記第2係合フックの後端は前記第1ストッパーによって遮断され、前記第2係合溝の前端は前記第2ストッパーによって遮断され、前記ハンガーの前後方向への変位を限制してもよい。
【0009】
技術的解決策として、前記第1係合フックは前記本体の前側セグメントに設けられ、前記第2係合フックは前記本体の後側セグメントに設けられてもよい。
【0010】
技術的解決策として、前記平坦面に摺動溝が設けられ、前記摺動溝は前記製氷機に向かって突出し、前記製氷機はハウジングを含み、前記ハウジングにスライドアームが設けられ、前記摺動溝の底部は前記平坦面に対向し、前記スライドアームは前記摺動溝に収容され、前記摺動溝の底部と前記平坦面によって前記製氷機の上下方向への変位を制限してもよい。
【0011】
技術的解決策として、前記摺動溝の後端に第3ストッパーが設けられ、前記第3ストッパーの前側面に段差部が設けられ、前記スライドアームの後端に第4ストッパーが設けられ、前記第4ストッパーの前側面に凹部が設けられ、前記スライドアームは前記摺動溝に位置し、前記第3ストッパーは前記第4ストッパーの後側に位置して、前記第4ストッパーを遮断し、前記凹部は前記段差を乗り越えて前記段差部の後側に制限され、前記製氷機の前後方向への変位を制限してもよい。
【0012】
技術的解決策として、前記ハウジングの前側壁にノブがさらに設けられ、前記ノブはロック部を含み、前記ロック部は前記ハウジングの頂部から突出し、前記ハウジングの頂部は前記平坦面に近く、前記ロック部は前記本体の前端に結合されて前記製氷機の前後方向への変位を制限してもよい。
【0013】
技術的解決策として、前記本体は収納キャビティを有し、前記収納キャビティは前記本体から前記頂側壁に向かって突出し、前記ノブがロック状態にあるとき、前記ロック部は前記収納キャビティに挿入されてもよい。
【0014】
技術的解決策として、前記ノブは回転軸と係合リングをさらに含み、前記回転軸は前記ロック部の後側から突出し、前記回転軸は前記ハウジングの前側壁の軸孔を貫通し、前記回転軸の外面に溝が設けられ、前記係合リングは前記溝に係合され、前記ロック部と前記係合リングはそれぞれ前記ハウジングの前側壁の対向する両側に位置し、前記係合リングはC字形のスナップであり、前記係合リングは、前記ノブをアンロック状態からロック状態に回復させるために作用力を提供してもよい。
【発明の効果】
【0015】
先行技術と比較すると、本発明は製氷部材の製氷機はインナーライナーの分室に取り付けられ、分室中のハンガーの平坦面に結合され、ハンガーが提供する平坦面により、製氷機能がない冷蔵庫のインナーライナーの円弧状側壁にも製氷機を水平に取り付けることが可能な冷蔵庫を提供するものである。すなわち、本発明では、平坦面を有するハンガーを設けることで、製氷機能がない冷蔵庫のインナーライナーと製氷機能付きの冷蔵庫のインナーライナーとを共通で使用することができ、製氷機の取り付けがより便利であり、製氷機能付きの冷蔵庫の全体コストを削減することができる。
【0016】
以下、添付図面および具体的な実施例を参照しながら本発明を詳細に説明するが、本発明の限定として理解されない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の具体的な実施形態または先行技術における技術的解決策をより明確に説明するために、以下、具体的な実施形態または先行技術の説明において使用される必要のある図面を簡単に説明するが、明らかに、以下で説明される図面は本発明のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をすることなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【
図1】本発明の一実施例におけるインナーライナーの頂部に取り付けられた製氷機の概略図である。
【
図2】
図1における製氷機とインナーライナーの概略分解図である。
【
図3】
図2における予備埋込部材の概略底面図である。
【
図6】
図1における製氷機とインナーライナーの概略断面図である。
【
図8】
図6における製氷機のノブ部材の概略分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の目的、技術的解決策および利点をより明らかにするために、以下、実施例および添付図面を参照しながら本発明をより詳細に説明する。なお、ここで説明される具体的な実施例は本発明を解釈する目的でのみ使用され、本発明を限定するものとして理解されない。
【0019】
本発明の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」などの用語によって示される方位または位置関係は図面に基づく方位または位置関係であり、本発明の説明および説明の簡略化の目的でのみ使用され、かかる装置またはデバイスは必ずしも特定の方位を有し、特定の方位で構成および操作することを指示または暗示するものではないので、本発明の制限として理解されない。
【0020】
図1~
図5に示すように、本発明は冷蔵庫100を提供し、それはインナーライナー110と製氷部材を備え、製氷部材は製氷機140を備え、製氷機140はインナーライナー110の分室150に位置し、製氷部材は、相互に組み合わされた予備埋込部材120とハンガー130をさらに備え、予備埋込部材120はインナーライナー110の外側に設けられ、ハンガー130はインナーライナー110の分室150に設けられ、ハンガー130は本体131からなり、本体131の製氷機140に向かう側の表面は平坦面1310であり、製氷機140は平坦面1310に取り付けられる。
【0021】
本発明が提供する冷蔵庫100において、製氷機140がハンガー130の平坦面1310に取り付けられ、ハンガー130が提供する平坦面1310により製氷機140を水平状態にして、製氷機140中の製氷盒内の水がこぼれないようにすることができる。また、ハンガー130はインナーライナー110の分室150に設けられ、インナーライナー110の側壁(例えば頂側壁)に円弧状などの凹凸部があっても、上記凹凸部を埋めることができ、製氷機140を平坦面1310に取り付けて常に水平状態を維持することができる。
【0022】
図1および
図2に示すように、予備埋込部材120はインナーライナー110の頂側壁111の外側に設けられ、ハンガー130はインナーライナー110の頂側壁111の内側に設けられ、すなわち、ハンガー130はインナーライナー110の分室150に位置する。ここで、冷蔵庫100のインナーライナー110が発泡した後、頂側壁111の外側の予備埋込部材120がインナーライナー110の外部の発泡層に設けられる。
【0023】
図2および
図3に示すように、頂側壁111の前端は第1斜面112を有し、第1斜面112の前端は第1斜面112の後端よりも低く、頂側壁111全体は前が低く、後が高い非平坦構造である。予備埋込部材120の前端は第1斜面112に対応して第2斜面121を有し、第2斜面121の前端は第2斜面121の後端よりも低く、予備埋込部材120全体は前が低く、後が高い非平坦構造である。
【0024】
図1および
図2に示すように、予備埋込部材120が頂側壁111の外側に結合されるときに、第2斜面121は第1斜面112の上方に重畳する。
【0025】
図2~
図6に示すように、ハンガー130はインナーライナー110の分室150に設けられて頂側壁111の内側に結合され、頂側壁111の内側と外側とが背中合わせに設けられる。ハンガー130の本体131の頂側壁111に向かう側の表面に一対の凸縁132が設けられ、凸縁132は本体131のエッジから頂側壁111に向かって突出し、凸縁132の前端は傾斜縁133を有し、傾斜縁133の前端が傾斜縁133の後端よりも低く、凸縁132全体は前が低く、後が高い非平坦構造である。ここで、ハンガー130が頂側壁111の内側に結合されたとき、凸縁132の頂部エッジが頂側壁111の内側に当接され、傾斜縁133は、傾斜縁133を第1斜面112下方の空間に埋めるように第1斜面112に対応している。
【0026】
本実施例では、一対の凸縁132はそれぞれ本体131の対向する左右の縁に設けられる。
【0027】
製氷機140を本体130の平坦面1310に取り付ける場合、製氷機140を平坦面1310に沿って水平にインナーライナー150に押し込んで取り付け、このとき、インナーライナー110の頂側壁111の前端の第1斜面112が製氷機140を遮断することがないので、ハンガー130により頂側壁111の第1斜面112による異形空間を埋め、さらに製氷機140の取付に平坦面を提供することにより、頂部に非平坦面がある既存のインナーライナーに製氷機を取り付けることができないという問題を解決し、頂部に非平坦面がある既存のインナーライナーの汎用性を向上させることができる。
【0028】
なお、冷蔵庫100を使用するとき、インナーライナー110の分室150の前側に扉体(図示せず)が設けられ、扉体はユーザの手前にあり、上記前端とはユーザに近い端を指し、後端とはユーザから離れた端を指す。
【0029】
本発明の他の実施例では、製氷機はインナーライナーの他の非平坦面の側壁に取り付けてもよく、ここでもハンガーを導入することができ、ハンガーの非平坦面に向かう側壁は非平坦面の側壁に適合した構造を有し、ハンガーの製氷機に向かう側の表面は平坦面であり、製氷機を取り付ける平坦面を確保し、製氷機の水平取付を実現することができる。
【0030】
図3~
図5に示すように、予備埋込部材120とハンガー130は例えば係合されて接続される。本発明の他の実施例では、予備埋込部材とハンガーはネジロックなどの手段で固定的に接続されてもよい。
【0031】
予備埋込部材120の頂側壁111に向かう側に第1係合溝122および第2係合溝123が設けられ、ハンガー130の頂側壁111に向かう側に第1係合フック134および第2係合フック135が設けられ、頂側壁111に第1貫通孔113および第2貫通孔114が設けられ、第1係合溝122は第1貫通孔113を貫通し、第2係合溝123は第2貫通孔114を貫通し、第1係合フック134は第1係合溝122に係合され、第2係合フック135は第2係合溝123に係合されて、予備埋込部材120とハンガー130が上下方向に係合して接続される。
【0032】
第1貫通孔113および第2貫通孔114はそれぞれ頂側壁111の外側と内側を貫通する。
【0033】
さらに、第2係合溝123の後端に第1ストッパー1231が設けられ、第2係合フック135の前端に第2ストッパー1351が設けられ、第2係合フック135は第2係合溝123の前端から第2係合溝123に挿入され、第2係合フック135の後端は第1ストッパー1231によって遮断され、第2係合溝123の前端は第2ストッパー1351によって遮断され、第2係合フック135が第2係合溝123に留まって予備埋込部材120とハンガー130の前後方向への変位を制限する。
【0034】
好ましい実施形態では、第2係合フック135は本体131の後側セグメントに設けられ、第1係合フック134は本体131の前側セグメントに設けられ、本体131の後側セグメントとはユーザから離れた側を指し、本体131の前側セグメントとはユーザに近い側を指す。
【0035】
本実施例では、予備埋込部材120とハンガー130の装着工程は、
予備埋込部材120を用意して頂側壁111の外側に移動させ、予備埋込部材120の下側を頂側壁111に密着させ、第2斜面121を第1斜面112の上方に重畳させ、第1係合溝122が第1貫通孔113を貫通し、第2係合溝123が第2貫通孔114を貫通することと、ハンガー130を用意し、本体131の後側セグメント中の第2係合フック135を第2係合溝123に挿入させることと、第2係合フック135および第2係合溝123の接続部を支点として、本体131の前端を上方に押し上げ、前側セグメント中の第1係合フック134を第1係合溝122に係合させ、予備埋込部材120とハンガー130の相互装着を完了することと、を含む。
【0036】
予備埋込部材120とハンガー130を係合して接続することにより、その後の製氷部材のメンテナンスの際に、両者を容易に分解することができる。
【0037】
図2および
図5に示すように、ハンガー130の本体131の製氷機140に向かう平坦面1310に一対の摺動溝136が突出し、各摺動溝136の後端に第3ストッパー137が設けられ、第3ストッパー137の前側面に段差部1371が設けられる。本実施例では、一対の摺動溝は平坦面1310対向する左右の縁に設けられ、製氷機140側に向かって突出する。
【0038】
製氷機140はハウジング141を含み、ハウジング141の左側壁と右側壁にそれぞれスライドアーム142が設けられ、スライドアーム142の後端に第4ストッパー143が設けられ、第4ストッパー143の前側面に凹部1431が設けられる。ここで、スライドアーム142は摺動溝136に収容され、摺動溝136の底部1361が平坦面1310に対向しており、底部1361と平坦面1310により製氷機140の上下方向への変位を制限する。また、平坦面1310における左右に対称に配置された一対の摺動溝136間の空間により、製氷機140の左右方向への変位を制限する。
【0039】
本実施例では、製氷機140とハンガー130の装着工程は以下のことを含む。
【0040】
ハウジング141の前側壁144を押し付け、ハウジング141の頂部を平坦面1310に沿って移動させ、スライドアーム142を摺動溝136に摺動させ、第3ストッパー137が第4ストッパー143の後方への継続的な移動を遮断し、このとき、凹部1431が段差部1371を乗り越え、凹部1431を段差部1371の後側に制限し、スライドアーム142の摺動溝136での摺動を停止し、このとき、製氷機140とハンガー130の装着を完了する。
【0041】
凹部1431が段差部1371を乗り越えて段差部1371の後側に制限されるので、段差部1371が凹部1431の前側に位置し、凹部1431の前方への摺動を遮断し、すなわち、段差部1371はスライドアーム142の摺動溝136での前後方向への変位を制限し、さらに製氷機140とハンガー130の前後方向への変位を制限することができる。
【0042】
好ましい実施形態では、摺動溝136は実質的にL字形の構造である。
【0043】
好ましい実施形態では、スライドアーム142はハウジング141の頂部に近い。
【0044】
図2、
図6~
図9に示すように、製氷機140のハウジング141の前側壁144にノブ160がさらに設けられ、ノブ160はロック部161を含み、ロック状態において、ロック部161はハウジング141の頂部から突出し、ロック部161がハンガー130の本体131の前端に結合されて、製氷機140の前後方向への変位を制限し、ここで、ハウジング141の頂部は平坦面1310に近い。
【0045】
ロック部161に対応して、ハンガー130の本体131の前端に収納キャビティ138が設けられ、収納キャビティ138は本体131の頂側壁111に向かう側の表面から突出する。ロック状態において、ロック部161が収納キャビティ138に入って製氷機140とハンガー130の前後方向への変位を制限し、外力振動などによるスライドアーム142の第4ストッパー143の前側面上の凹部1431が第3ストッパー137の前側面上の段差部1371を乗り越えて、スライドアーム142と摺動溝136の前後方向への制限が不安定であるという問題を回避することができる。
【0046】
ノブ160は回転軸162と係合リング170をさらに含み、回転軸162はロック部161の後側に向かって突出し、回転軸162の外面に溝163が設けられ、係合リング170は溝163に係合される。
【0047】
本実施例では、ハウジング141の前側壁144に軸孔145が設けられ、回転軸162は軸孔145を貫通し、回転軸162の後端は軸孔145から突出し、ここで、係合リング170とロック部161は前側壁144の反対側に位置し、ロック部161は前側壁144のユーザに近い側に位置し、係合リング170は前側壁144のユーザから離れた側に位置する。
【0048】
係合リング170は係合孔171と切り欠き172を有し、係合孔171は溝163に係合され、係合リング170が回転軸162に結合される。また、切り欠き172と係合孔171は連通し、係合リング170はC字形のスナップとなる。
【0049】
係合リング170は回転軸162に結合され、ノブ160を回転すると、回転軸162は係合孔171で回転し、ロック部161は収納キャビティ138からターンアウトされ、ノブ160は非ロック状態となり、係合リング170は切り欠き172を有するため、係合リング170は回転軸162の回転中変形して変形力が発生し、ノブ160に加えられた回転作用力がなくなると、係合リング170の変形力を利用してノブ160をアンロック状態からロック状態に回復させる。
【0050】
以上のように、本発明は以下の冷蔵庫を提供し、製氷部材の製氷機はインナーライナーの分室に取り付けられ、分室中のハンガーの平坦面に結合され、ハンガーが提供する平坦面により、製氷機能がない冷蔵庫のインナーライナーの円弧状側壁にも製氷機を取り付けることができ、製氷機を水平に維持することができる。すなわち、本発明は、平坦面を有するハンガーを利用して、製氷機能がない冷蔵庫のインナーライナーと製氷機能付きの冷蔵庫のインナーライナーとを共通で使用でき、製氷機の取付がより便利であり、製氷機能付きの冷蔵庫の全体コストを削減することができる。
【0051】
本発明は上記の関連実施例により説明されたが、上記の実施例は本発明の例示的な実施例に過ぎない。さらに、構造上に矛盾しない限り互いに、上記した本発明の異なる実施形態に関わる技術特徴を組み合わせることができる。なお、本発明は他の様々な形態で実施され得、本発明の精神および本質から逸脱することなく、当業者は本発明に基づいて得られた様々な変更や変形は、すべて本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【国際調査報告】