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特表2024-502108改善したスパークリング効果を有する多重色相の真珠光沢顔料及びこの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】改善したスパークリング効果を有する多重色相の真珠光沢顔料及びこの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C09C 1/28 20060101AFI20240110BHJP
   C09C 3/06 20060101ALI20240110BHJP
   C09D 201/00 20060101ALI20240110BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20240110BHJP
   C03C 17/25 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
C09C1/28
C09C3/06
C09D201/00
C09D7/61
C03C17/25 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540952
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2023-07-04
(86)【国際出願番号】 KR2022009248
(87)【国際公開番号】W WO2023277541
(87)【国際公開日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】10-2021-0083971
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511153183
【氏名又は名称】CQV株式会社
【氏名又は名称原語表記】CQV CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】144 Seongjung-ro, Jincheon-eup Jincheon-gun Chungcheongbuk-do 365-802 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ジェ イル
(72)【発明者】
【氏名】カン,クワンチュン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ビョンギ
(72)【発明者】
【氏名】イム,クワンス
(72)【発明者】
【氏名】チャン,キルワン
【テーマコード(参考)】
4G059
4J037
4J038
【Fターム(参考)】
4G059AA01
4G059AC08
4G059EA05
4G059EA09
4G059EA13
4J037AA18
4J037CA05
4J037DD05
4J037DD10
4J037EE26
4J037EE28
4J037EE43
4J037EE46
4J037FF09
4J038HA446
4J038KA08
4J038MA14
4J038NA01
(57)【要約】
本発明は、ガラスフレーク基材上の高屈折率物質層らの間に低屈折率物質層を含む多層構造を有することによって、高い色強度、及び見る角度によって様々な色相を有すると共に改善したスパークリング効果を有する、真珠光沢顔料及びその製造方法について開示する。
本発明による真珠光沢顔料は、40~80μmのD10値、160~250μmのD50値、及び350~600μmのD90値を有し、500nm以上の厚さを有するガラスフレーク基材;前記基材上に第1金属酸化物層/MgO・SiOを含む中間酸化物層/第2金属酸化物層構造の金属酸化物層が被覆される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスフレーク基材;
前記基材の上部に被覆された第1金属酸化物層;
前記第1金属酸化物層の上部に被覆されたMgO・SiOを含む中間酸化物層;及び、
前記酸化物層の上部に被覆された第2金属酸化物層;を含み、
前記ガラスフレーク基材は、
40~80μmのD10値、160~250μmのD50値、及び350~600μmのD90値を有し、500nm以上の厚さを有する、
真珠光沢顔料。
【請求項2】
前記ガラスフレーク基材は、
ボロシリケイト、又はTi、Zn及びCaのうち1種以上がドープされたボロシリケイトを含む、
請求項1に記載の真珠光沢顔料。
【請求項3】
前記ガラスフレーク基材は、
1~6μm厚を有する、
請求項1に記載の真珠光沢顔料。
【請求項4】
前記中間酸化物層は、
SiO、MgO・Al、KO・SiO、及びMgSiOのうち選択された1つ又は2つ以上の混合物をさらに含む、
請求項1に記載の真珠光沢顔料。
【請求項5】
前記顔料は、
塗料、印刷用インク、オンドルの床マット、壁紙、特殊紙、プラスチック、皮革剤、アクセサリ、化粧品、セラミックス、及び人造大理石のうち少なくともいずれかに用いられる、
請求項1に記載の真珠光沢顔料。
【請求項6】
(a)40~80μmのD10値、160~250μmのD50値、及び350~600μmのD90値を有し、500nm以上の厚さを有する、ガラスフレークを含む基材を浄水(DIwater)に混合した後、攪拌及び分散して、懸濁液を形成するステップ;
(b)上記(a)ステップの懸濁液に第1可溶性無機金属塩溶液を滴定した後、前記第1可溶性無機金属塩溶液を加水分解して、前記フレークの表面に第1金属酸化物層が被覆されるようにするステップ;
(c)上記(b)ステップの懸濁液にMgO・SiOを含む可溶性無機塩溶液を滴定した後、前記可溶性無機塩溶液を加水分解して、前記第1金属酸化物層の表面に中間酸化物層が被覆されるようにするステップ;及び
(d)上記(c)ステップの懸濁液に第2可溶性無機金属塩溶液を滴定した後、前記第2可溶性無機金属塩溶液を加水分解して、前記中間酸化物層の表面に第2金属酸化物層が被覆されるようにするステップ;を含む、
真珠光沢顔料の製造方法。
【請求項7】
上記(a)ステップの懸濁液は、
固体含有量が5~20重量%である、
請求項6に記載の真珠光沢顔料の製造方法。
【請求項8】
上記(b)~(d)ステップの懸濁液は、
60~90℃を維持させることを特徴とする、
請求項6に記載の真珠光沢顔料の製造方法。
【請求項9】
前記第1可溶性無機金属塩溶液及び第2可溶性無機金属塩溶液は、
SnCl、TiCl、TiOCl、TiOSO、FeCl、FeSO、SiCl、ZrOCl、NaO・SiO・5HO、MnCl、MgCl、AlCl、及びCoClのうち選択された1つ又は2つ以上の混合物をさらに含む、
請求項6に記載の真珠光沢顔料の製造方法。
【請求項10】
前記可溶性無機塩溶液は、
水ガラス、MgCl、珪酸塩、AlCl、KCl、及びホウ酸のうち選択された1つ又は2つ以上の混合物をさらに含む、
請求項6に記載の真珠光沢顔料の製造方法。
【請求項11】
前記中間酸化物層は、
SiO、MgO・Al、KO・SiO、及びMgSiOのうち選択された1つ又は2つ以上の混合物をさらに含む、
請求項6に記載の真珠光沢顔料の製造方法。
【請求項12】
前記中間酸化物層は、
前記光沢顔料組成物の全体100重量%に対して5~35重量%を含む、
請求項6に記載の真珠光沢顔料の製造方法。
【請求項13】
上記(b)ステップ又は上記(d)ステップの懸濁液は、
pH値を1~9に調整して、溶液の滴定を完了した後、10~30分間還流させる、
請求項6に記載の真珠光沢顔料の製造方法。
【請求項14】
上記(c)ステップの懸濁液は、
pH4~14に調整して、溶液の滴定を完了した後、30~60分間還流させる、
請求項6に記載の真珠光沢顔料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真珠光沢顔料に関し、より詳細は、小板状基材に被覆された多層金属酸化物層の屈折率差を用いて高い色強度、及び見る角度によって様々な色相を有し、基材の物性によって改善したスパークリング効果を有する、真珠光沢顔料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
真珠光沢顔料は、種々の産業分野、特に、自動車、装飾用コーティング、プラスチック、ペイント、印刷インクの分野、および化粧用配合物において使用される。
【0003】
「明暗の対照が明らかな」金属性光沢を有していない透明な小板状基材に基づく光沢顔料は、雲母小板状の屈折率酸化金属層(例えば、TiO)及び選択的な吸収層でコーティングされる。これら顔料は、扁平な状態で観察するとき、TiO層の厚さに左右される特定の干渉色相を示すが、前記干渉色相は、視野角がより傾くことによって、ますます薄れて、結局、灰色又は黒色に変化する。このとき、干渉色相は、変化しないものの、色相飽和度が下がることが観測される。換言すれば、観測視野角の変化による色相の変更範囲が狭い。
【0004】
近年、不透明な金属層と交互にSiO及びTiO層でコーティングされるガラス小板又は雲母粒子に基づく真珠光沢顔料が開発されている。
【0005】
しかしながら、既存に公知の多層顔料は、幾つかの場合、光をほとんど透過することができないか、少量透過する層物質から製造され、よって、塗布時は、非常に制限した範囲のみで吸収顔料と組み合わせることができる。また、これら顔料の干渉色相は、視野角に非常に大きく依存し、よって、ほとんどの用途において望ましくない。また、幾つかの場合は、これら顔料を製造するか再生することがとても難しい。
【0006】
だけでなく、現在、市場で広く使用されている小板状基材を用いた顔料は、光学的特性のうち、特に、スパークリングのような効果が不足している問題があり、上述したように、観測視野角の変化による色相変更の範囲が狭くて、様々な色相を具現することができないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、スパークリングのような光学的特性に優れ、観測視野角の変化による色相変更の範囲が広い、新規な真珠光沢顔料及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達するために、本発明の実施例による真珠光沢顔料は、ガラスフレーク基材;
前記基材の上部に被覆された第1金属酸化物層;
前記第1金属酸化物層の上部に被覆されたMgO・SiOを含む中間酸化物層;及び、
前記酸化物層の上部に被覆された第2金属酸化物層;を含み,
前記ガラスフレーク基材は、
40~80μmのD10値、160~250μmのD50値、及び350~600μmのD90値を有し、500nm以上の厚さを有することを構成上の特徴とする。
【0009】
さらに、上記目的を達するために、本発明の一実施例による真珠光沢顔料の製造方法は、(a)40~80μmのD10値、160~250μmのD50値、及び350~600μmのD90値を有し、500nm以上の厚さを有するガラスフレークを含む基材を浄水(DIwater)に混合した後、攪拌及び分散して、懸濁液を形成するステップ;(b)上記(a)ステップの懸濁液に第1可溶性無機金属塩溶液を滴定した後、前記第1可溶性無機金属塩溶液を加水分解して、前記フレークの表面に第1金属酸化物層が被覆されるようにするステップ;(c)上記(b)ステップの懸濁液にMgO・SiOを含む可溶性無機塩溶液を滴定した後、前記可溶性無機塩溶液を加水分解して、前記第1金属酸化物層の表面に中間酸化物層が被覆されるようにするステップ;及び(d)上記(c)ステップの懸濁液に第2可溶性無機金属塩溶液を滴定した後、前記第2可溶性無機金属塩溶液を加水分解して、前記中間酸化物層の表面に第2金属酸化物層が被覆されるようにするステップ;を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明による真珠光沢顔料は、サイズ分布が制限されたガラスフレークを基材として用いて、前記基材上に高屈折率物質層の間に低屈折率物質層を含む、多層構造の金属酸化物層が被覆して形成されることにより、高輝度、高光沢、高彩度のような特性と共に、改善したスパークリング効果を具現することができる。
【0011】
だけでなく、本発明の真珠光沢顔料は、サイズ分布が制限されたガラスフレークを基材として用いることによって、観測視野角の変化による色相変更の範囲が広い効果を具現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例による真珠光沢顔料の断面を示したSEM写真である。
図2】本発明の実施例と比較例による真珠光沢顔料の色差値の範囲を示したグラフである。
図3】本発明の実施例と比較例による真珠光沢顔料の色差値の範囲を示したグラフである。
図4】本発明の実施例と比較例による真珠光沢顔料の色差値の範囲を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達する方法は、詳細に後述する実施例及び図面を参照すれば明確になる。
【0014】
しかし、本発明は、以下で開示の実施例に限定されるものではなく、相異する様々な形態に具現することができる。但し、本実施例は、本発明の開示を完全にして、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるだけである。
【0015】
以下では、本発明の実施例に従って改善したスパークリング効果を有する、真珠光沢顔料及びその製造方法について詳説する。
【0016】
[真珠光沢顔料]
図1は、本発明の実施例による真珠光沢顔料の断面を示したSEM写真である。
【0017】
図1を参照すると、本発明の実施例による真珠光沢顔料100は、ガラスフレーク基材110と、前記基材110上に第1金属酸化物層120と、前記第1金属酸化物層120上にMgO・SiOで形成された中間酸化物層130と、前記中間酸化物層130上に第2金属酸化物層140と、を含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の真珠光沢顔料は、ガラスフレーク基材を用いて特に、前記ガラスフレーク基材は、40~80μmのD10値、160~250μmのD50値、及び350~600μmのD90値を有し、500nm以上の厚さを有する。
【0019】
ここで、D10、D50、D90は、それぞれ10%領域の平均粒子直径、50%領域の平均粒子直径(すなわち、全体の平均粒子直径)、90%領域における平均粒子直径を意味する。
【0020】
従来、真珠光沢顔料は、ガラスフレークと共に、合成雲母のような複数の小板状基材を用いていた。但し、従来、小板状基材は、一定した色強度の具現は可能であったものの、基材の特性、サイズ及び厚さに関する使用者の研究及び理解度が不足しており、従来、小板状基材を用いた顔料は、スパークリング効果が発現しておらず、観測視野角の変化による色相変更の範囲が狭いという問題があった。
【0021】
本発明は、40~80μmのD10値、160~250μmのD50値、及び350~600μmのD90値を有し、500nm以上の厚さを有するガラスフレーク基材を用いることにより、真珠光沢顔料が改善したスパークリング効果を有することができることを確認した。
【0022】
本発明のガラスフレーク基材は、40~80μmのD10値、160~250μmのD50値、及び350~600μmのD90値を有する。これによって、本発明の顔料は、高い色強度とスパークリング効果を有し、見る角度によって様々な色相を具現することができる。
【0023】
さらに、本発明のガラスフレーク基材は、上述したサイズ分布と共に、500nm以上の厚さを有する。これによって、本発明の顔料は、高い色強度とスパークリング効果を有し、見る角度によって様々な色相を具現することができる。好ましくは、本発明のガラスフレーク基材は、1~6μmの厚さを有することができる。
【0024】
本発明のガラスフレーク基材は、ガラス成分のフレーク基材をいずれも用いることができる。好ましくは、前記ガラスフレーク基材は、ボロシリケイト、又はTi、Zn及びCaのうち1種以上がドープされたボロシリケイトを含むことができる。
【0025】
前記真珠光沢顔料100は、前記基材110上に第1金属酸化物層120/中間酸化物層130/第2金属酸化物層140が被覆して形成される。
【0026】
ここで、第1及び第2金属酸化物層120,140は、MgO・SiOで形成される中間酸化物層130に比べて高い屈折率を有する、高屈折率を有する金属酸化物層を意味し、好ましくは、TiO、Feを主成分とする酸化物層で形成されていてもよい。
【0027】
中間酸化物層130は、屈折率(n)が1.8以下の金属酸化物で形成し、本発明では、MgO・SiOを含む金属酸化物を用いて形成することができる。
【0028】
これにより、真珠光沢顔料100は、小板状基材110の表面に高屈折率/低屈折率/高屈折率の金属酸化物層が形成される。好ましくは、前記基材上に、(TiO又はFe)/(MgO・SiO)/(TiO又はFe)が被覆されていてもよい。
【0029】
一方、第1及び第2金属酸化物層120,140及び中間酸化物層130は、それぞれ20nm~500nmの厚さで被覆されるのが好ましい。
【0030】
より具体的に、第1及び第2金属酸化物層120,140の厚さは、30nm~130nmであるのが好ましく、中間酸化物層130の厚さは、120~300nmであるのが好ましい。
【0031】
真珠光沢顔料100は、第1及び第2金属酸化物層120,140及び中間酸化物層130の各々の厚さの和や、これら各々の厚さ比率によって目視確認される色相が異なる。しかし、上記した厚さ範囲を外れる場合、色相を具現し難い。
【0032】
本発明の実施例による真珠光沢顔料100は、真珠光沢顔料が用いられる用途、一例では、各種塗料、印刷用インク、オンドルの床マット、壁紙、特殊紙、プラスチック、皮革剤、アクセサリ、化粧品、セラミックス、人造大理石など、種々の産業分野における着色のような様々な目的で有利に使用されて、高彩度の色相と共に改善したスパークリング効果を有する。
【0033】
[真珠光沢顔料の製造方法]
本発明による真珠光沢顔料の製造方法は、
(a)40~80μmのD10値、160~250μmのD50値、及び350~600μmのD90値を有し、500nm以上の厚さを有するガラスフレークを含む基材を浄水(DIwater)に混合した後、攪拌及び分散して、懸濁液を形成するステップ;
(b)上記(a)ステップの懸濁液に第1可溶性無機金属塩溶液を滴定した後、前記第1可溶性無機金属塩溶液を加水分解して、前記フレークの表面に第1金属酸化物層が被覆されるようにするステップ;
(c)上記(b)ステップの懸濁液にMgO・SiOを含む可溶性無機塩溶液を滴定した後、前記可溶性無機塩溶液を加水分解して、前記第1金属酸化物層の表面に中間酸化物層が被覆されるようにするステップ;及び、
(d)上記(c)ステップの懸濁液に第2可溶性無機金属塩溶液を滴定した後、前記第2可溶性無機金属塩溶液を加水分解して、前記中間酸化物層の表面に第2金属酸化物層が被覆されるようにするステップ;を含む。
【0034】
[懸濁液の形成]
懸濁液の形成ステップでは、基質として用いられる一定した大きさのガラスフレーク基材を浄水(DIwater)に混合した後、攪拌及び分散して、懸濁液を形成する。
【0035】
前記ガラスフレーク基材の特性は、上述したとおりである。
【0036】
そして、懸濁液内には、前記基質の固体含有量が5~20重量%になるように混合するのが好ましい。
【0037】
固体の含有量が5重量%未満である場合になると、後続酸化層の形成反応が起こらないか、不十分に行われることがある。また、固体の含有量が20重量%を超える場合には、反応効率が落ち得る。
【0038】
以上のように、顔料を製造するため懸濁液が形成されると、先ず、懸濁液の温度を60~90℃に昇温させる。このように懸濁液を加熱する理由は、懸濁液の温度が60℃未満である場合、コーティング状態が均一でなく、コーティングされる物質の大きさ及び形態が非常に不規則になる。そして、懸濁液の温度が90℃を過えると、コーティングのため反応が激しく起こり、粗いコーティング層が形成され得る。
【0039】
ここで、上記のように、コーティング層の状態が不安定な場合、顔料は、高い彩度を有することができないため、上記のような温度範囲を維持するのが好ましい。さらに、これら温度範囲は、以下の第1、2金属酸化物層及び中間酸化物層を形成する、全ての反応に同様に適用することができるようにする。
【0040】
[第1金属酸化物層の形成]
以上のように、懸濁液の製造及び昇温ステップを終えると、その次に、懸濁液に第1可溶性無機金属塩溶液を滴定した後、第1可溶性無機金属塩溶液を加水分解して、前記フレークの表面に第1金属酸化物層が被覆されるようにするステップを行う。
【0041】
このとき、無機金属塩は、SnCl、TiCl、TiOCl、TiOSO、FeCl、FeSO、SiCl、ZrOCl、NaO・SiO・5HO、MnCl、MgCl、AlCl、及びCoClのうち選択された1つ又は1つ以上の混合物からなるものを含む。
【0042】
そして、前記無機金属塩が溶解されている第1可溶性無機金属塩溶液は、懸濁液に一滴ずつ落しながら、加水分解が行われるようにする。
【0043】
このとき、懸濁液のpH値が1~9になるようにする。pHが1未満になると、第1金属酸化物層のコーティングが正常に行われず、pHが9を超える場合には、コーティング物質が均一でない、かつ、非常に不規則な大きさと形態を有するようになる。よって、コーティング状態が非常に粗くなるため、顔料が高い彩度を有することができなくなる。
【0044】
さらに、前記pH値を一定に維持した状態で、溶液の注入を完了した後、懸濁液を10分から30分間還流させる工程を行う。
【0045】
このとき、pH値は、前記基質の表面に形成される第1金属酸化物層の被覆率が1~50%になる程度で一定に維持し、還流工程は、反応pHによる衝撃を減らし、コーティングされる物質が表面に十分コーティングされるようにする。
【0046】
よって、還流時間が10分未満になる場合、被覆率を十分得ることができないし、基質に衝撃が加わって、クラックを引き起こし得る。また、還流時間が30分を過える場合には、攪拌による基質自体の割れやコーティング層が分離される現象が現われ得る。
【0047】
[中間酸化物層:MgO・SiO層の形成]
上記のような工程によって、基質の表面に第1金属酸化物層の被覆された固体が混合されている懸濁液温度をさらに60~90℃に昇温させる。このとき、前記温度範囲は、上述したように、最適なコーティング層を形成するための温度範囲である。
【0048】
そして、次に、昇温した懸濁液にMgO・SiOを含む可溶性無機塩溶液を滴定した後、可溶性無機塩溶液を加水分解して、前記第1金属酸化物層の表面にMgO・SiOが被覆されるようにする。本発明では、MgO・SiOが単独で、或いはMgO・SiOと他の酸化物が共に被覆して形成された層を酸化物層と言う。
【0049】
このとき、前記可溶性無機塩溶液は、水ガラス、MgCl、珪酸塩、AlCl、KCl、及びホウ酸のうち選択された1つ又は1つ以上の混合物からなるものを用いる。
【0050】
そして、懸濁液のpH値が4~14になるようにする。pHが4未満になると、酸化物層のコーティングが正常に行われず、コーティング物質が均一でない、かつ、非常に不規則な大きさと形態を有するようになり、顔料が高い彩度を有することができなくなる。
【0051】
さらに、前記pH値を一定に維持した状態で、溶液の注入を完了した後、懸濁液を30分から60分間還流させる工程を行う。
【0052】
このとき、pH値は、前記基質の表面に形成される酸化物層の被覆率が、高彩度及び高光沢顔料の場合、1~30%になり、多重色相顔料の場合には、酸化物層の被覆率が30~90%になるまで調節するのが好ましい。
【0053】
多重色相を使用する場合には、光沢顔料の場合よりも、最大3倍まで酸化物層の被覆率が増加し得るが、これによって、高光沢及び高彩度の特性を有する顔料の場合と、多重色相を有する顔料の場合に対する酸化物層の全体重量比が変化し得る。
【0054】
高光沢及び高彩度の特性を有する顔料の場合は、全体完成した形態の顔料を基準に、総重量に対し5~10重量%の割合である場合に最適な性能を有する。すなわち、酸化物層が形成された割合が全体顔料の総重量の5重量%未満である場合には、高光沢特性が落ちており、酸化物層の割合が10重量%を超える場合には、高彩度特性が落ちていた。
【0055】
さらに、多重色相を有する顔料の場合は、全体完成した形態の顔料を基準に、総重量に対し5~35重量%の割合である場合に最適な性能を有する。すなわち、酸化物層が形成された割合が全体顔料の総重量の5重量%未満である場合には、単一色で表される問題があり、酸化物層の割合が35重量%を超える場合には、色変化の特性が落ちていた。
【0056】
よって、本発明による酸化層の好ましい含量の割合は、5~35重量%であるものの、常にこれに制限されるものではなく、基質の種類とコーティングされる物質、及びコーティングの厚さなどによって変化し得る。
【0057】
以上のように形成された本発明の酸化物層は、MgO・SiOを主な構成とし、SiO、MgO・Al、KO・SiO、及びMgSiOのうち選択された1つ又は1つ以上の混合物からなるものをさらに含むことができる。
【0058】
これら酸化物層は、顔料における低屈折層の役割を果たし、既存の低屈折率層としてSiOのみを形成する場合に発生していた、クラックなどの問題を解決することができる。また、MgO・SiO酸化物層を用いると、低屈折層の厚さ調節が容易であり、高光沢、高彩度、及び多重色相の特性を容易に示すことができる。
【0059】
[第2金属酸化物層の形成]
これに本発明では、前記中間酸化物層の保護及び高光沢など、特性の向上のため前記酸化物層の上部に第2金属酸化物層を被覆し、その過程は、前記第1金属酸化物の被覆過程と同様に行う。
【0060】
次に、最終に第2金属酸化物層の被覆が完了した懸濁液を濾過し、脱イオン水で洗浄及び乾燥した後、残余物をか焼して、スクリーン処理し、本発明による真珠光沢顔料の製造を完了する。
【0061】
以上のように、7層構造の多層でコーティングされる本発明の真珠光沢顔料は、透明な基質層の上部に形成される低屈折層及び高屈折層を含み、高光沢、高彩度、及び優れた多重色相の特性を有する。
【0062】
さらに、本発明は、40~80μmのD10値、160~250μmのD50値、及び350~600μmのD90値を有し、500nm以上の厚さを有するガラスフレーク基材を用いることにより、真珠光沢顔料は、改善したスパークリング効果を有することができる。
【0063】
以下では、前記ガラスフレーク基材と多層構造の使用による高光沢、高彩度、及び多重色相の特性と共にスパークリング効果を考察することとする。
【0064】
[実施例]
以下では、本発明の好ましい実施例によって、本発明の構成及び作用をさらに詳説することとする。但し、これは、本発明の好ましい例示として提示されたものであり、どのような意味でも、これによって本発明が制限されるものと解釈されてはならない。
【0065】
ここに記載していない内容は、この技術分野における熟練者であれば、技術的に十分類推することができるため、その説明を省略することとする。
【0066】
<実施例1>
1065.334μm、D50183.040μm、D90412.243μmのサイズ分布を有し、1.2μm厚のボロシリケイトフレーク100gを1.5Lの脱ミネラル水に投入した後、攪拌してスラーリを形成した。次に、スラーリを85℃まで加熱した後、85℃の温度に到達したとき、HCl溶液を添加して、スラーリのpHを2.5に調整した。
【0067】
前記ボロシリケイトフレークのサイズ分布は、粒度分析装置(Malvern InstrumentのMaster Sizer 2000)を用いて測定した。また、ボロシリケイトフレークの平均厚さは、電子顕微鏡で観察して測定した。
【0068】
次に、SnCl溶液(SnCl含量10.0重量%)を100g秤量して、スラーリに1時間にわたって一定速度で滴定しながら、10~50%のNaOH希釈液でpHを一定に維持した。滴定後、10分間還流させた。
【0069】
次に、TiCl溶液(TiCl含量30.0重量%)を120g秤量して、スラーリに4時間にわたって一定速度で滴定しながら、10~50%のNaOH希釈液でpHを一定に維持した。滴定後、10分間還流した後、10~30%のNaOH希釈液でpH 6.0に調整する。
【0070】
次に、MgO・SiO溶液(MgO・SiO含量15.0重量%)を2200g秤量して、スラーリに10時間にわたって一定速度で滴定しながら、HCl溶液でpH6.0を一定に維持した。HCl溶液を添加して、スラーリのpHを2.5に調整した後、さらに15分間攪拌して、還流させた。
【0071】
次に、SnCl溶液(SnCl含量10.0重量%)を200g秤量して、スラーリに2時間にわたって一定速度で滴定しながら、10~50%のNaOH希釈液でpHを一定に維持した。滴定後、10分間還流させた。
【0072】
次に、TiCl溶液(TiCl含量30.0重量%)を120g秤量して、スラーリに4時間にわたって一定速度で滴定しながら、10~50%のNaOH希釈液でpHを一定に維持した。滴定後、10分間還流させた。
【0073】
還流後、最終スラーリを濾過して脱水し、脱ミネラル水で2回にわたって洗浄し、120℃で、10時間乾燥して、粉末状の残留物である中間生成物を得た。
【0074】
最終に得られた中間生成物11gを800℃で、12分間か焼して、ゴールド-グリーントン(Gold-Green Tone)の粉末を得た。
【0075】
<実施例2>
1071.758μm、D50193.732μm、D90429.438μmのサイズ分布を有し、1.3μm厚のボロシリケイトフレーク100gを1.5Lの脱ミネラル水に投入した後、攪拌してスラーリを形成した。次に、スラーリを85℃まで加熱した後、85℃の温度に到逹したとき、HCl溶液を添加して、スラーリのpHを2.5に調整した。
【0076】
前記ボロシリケイトフレークのサイズ分布は、粒度分析装置(Malvern InstrumentのMaster Sizer 2000)を用いて測定した。また、ボロシリケイトフレークの平均厚さは、電子顕微鏡で観察して測定した。
【0077】
次に、SnCl溶液(SnCl含量10.0重量%)を100g秤量して、スラーリに1時間にわたって一定速度で滴定しながら、10~50%のNaOH希釈液でpHを一定に維持した。滴定後、10分間還流させた。
【0078】
次に、TiCl溶液(TiCl含量30.0重量%)を120g秤量して、スラーリに4時間にわたって一定速度で滴定しながら、10~50%のNaOH希釈液でpHを一定に維持した。滴定後、10分間還流した後、10~30%のNaOH希釈液でpH6.0に調整する。
【0079】
次に、MgO・SiO溶液(MgO・SiO含量15.0重量%)を1100g秤量して、スラーリに8時間にわたって一定速度で滴定しながら、HCl溶液でpH6.0を一定に維持した。HCl溶液を添加して、スラーリのpHを2.5に調整した後、さらに15分間攪拌して、還流させた。
【0080】
次に、SnCl溶液(SnCl含量10.0重量%)を200g秤量して、スラーリに2時間にわたって一定速度で滴定しながら、10~50%のNaOH希釈液でpHを一定に維持した。滴定後、10分間還流させた。
【0081】
次に、TiCl溶液(TiCl含量30.0重量%)を120g秤量して、スラーリに4時間にわたって一定速度で滴定しながら、10~50%のNaOH希釈液でpHを一定に維持した。滴定後、10分間還流させた。
【0082】
還流後、最終スラーリを濾過して脱水し、脱ミネラル水で2回にわたって洗浄し、120℃で、10時間乾燥して、粉末状の残留物である中間生成物を得た。
【0083】
最終に得られた中間生成物11gを800℃で12分間か焼して、レッド-ゴールドトン(Red-Gold Tone)の粉末を得た。
【0084】
<実施例3>
1075.708μm、D50177.288μm、D90384.897μmのサイズ分布を有し、1.1μm厚のボロシリケイトフレーク100gを1.5Lの脱ミネラル水に投入した後、攪拌してスラーリを形成した。次に、スラーリを85℃まで加熱した後、85℃の温度に到逹したとき、HCl溶液を添加して、スラーリをpH2.5に調整した。
【0085】
前記ボロシリケイトフレークのサイズ分布は、粒度分析装置(Malvern InstrumentのMaster Sizer 2000)を用いて測定した。また、ボロシリケイトフレークの平均厚さは、電子顕微鏡で観察して測定した。
【0086】
次に、SnCl溶液(SnCl含量10.0重量%)を100g秤量して、スラーリに1時間にわたって一定速度で滴定しながら、10~50%のNaOH希釈液でpHを一定に維持した。滴定後、10分間還流させた。
【0087】
次に、TiCl溶液(TiCl含量30.0重量%)を150g秤量して、スラーリに4時間にわたって一定速度で滴定しながら、10~50%のNaOH希釈液でpHを一定に維持した。滴定後、10分間還流した後、10~30%のNaOH希釈液でpH6.0に調整する。
【0088】
次に、MgO・SiO溶液(MgO・SiO含量15.0重量%)を3000g秤量して、スラーリに15時間にわたって一定速度で滴定しながら、HCl溶液でpH6.0を一定に維持した。HCl溶液を添加して、スラーリのpHを2.5に調整した後、さらに15分間攪拌して、還流させた。
【0089】
次に、SnCl溶液(SnCl含量10.0重量%)を200g秤量して、スラーリに2時間にわたって一定速度で滴定しながら、10~50%のNaOH希釈液でpHを一定に維持した。滴定後、10分間還流させた。
【0090】
次に、TiCl溶液(TiCl含量30.0重量%)を150g秤量して、スラーリに4時間にわたって一定速度で滴定しながら、10~50%のNaOH希釈液でpHを一定に維持した。滴定後、10分間還流させた。
【0091】
還流後、最終スラーリを濾過して脱水し、脱ミネラル水で2回にわたって洗浄し、120℃で、10時間乾燥して、粉末状の残留物である中間生成物を得た。
【0092】
最終に得られた中間生成物11gを800℃で、12分間か焼して、バイオレット-オレンジトン(Violoet-Orange Tone)の粉末を得た。
【0093】
[比較例1~3]
<比較例1>
107.259μm 、D5018.366μm、D9036.876μmのサイズ分布を有し、0.35μm厚の合成雲母(Mica)フレークを100g用いたことを除いては、実施例1と同じ方式で比較例1による顔料粉末を得た。
【0094】
<比較例2>
107.4759μm、D5019.307μm、D9037.991μmのサイズ分布を有し、0.37μm厚の合成雲母(Mica)フレークを100g用いたことを除いては、実施例2と同じ方式で比較例2による顔料粉末を得た。
【0095】
<比較例3>
1010.672μm、D5021.476μm、D9039.665μmのサイズ分布を有し、0.39μm厚の合成雲母(Mica)フレークを100g用いたことを除いては、実施例3と同じ方式で比較例3による顔料粉末を得た。
【0096】
[実施例及び比較例の物性評価]
1.光沢度の評価
実施例及び比較例の光沢度を下記のように評価しており、この結果を下記の表1及び表2に記載した。
【0097】
光沢度は、下記のように2種の方式で測定した。
【0098】
1)実施例及び比較例による顔料を含むクリアコートを準備し、これをスプレーした後、実施例及び比較例による顔料の光沢値を評価した。評価結果を下記の表1に記載した。
【0099】
2)実施例及び比較例による顔料を含むNAクリアを準備し、隠蔽用紙にこれをドローダウン方式で塗布した後、実施例及び比較例による顔料の光沢値を評価した。評価の結果を下記の表2に記載した。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】
上記結果から分かるように、本発明の実施例による顔料は、比較例に対し光沢値が大きい。かかる結果は、基材(substrate)の相違から発生したものと把握することができる。
【0103】
2.スパークリング効果の評価
実施例及び比較例のスパークリング効果を確認するために、Dsparkle値を測定しており、この結果を下記の表3に記載した。
【0104】
Dsparkle値は、BYK-mac i 23mmを用いて測定した。
【0105】
実施例1による顔料のDsparkle値は、比較例1のDsparkle値である1を基準に測定され、実施例2による顔料のDsparkle値は、比較例2のDsparkle値である1を基準に測定され、実施例3による顔料のDsparkle値は、比較例3のDsparkle値である1を基準に測定される。
【0106】
【表3】
【0107】
上記結果から分かるように、本発明の実施例による顔料は、比較例に対しDsparkle値が非常に大きい。かかる結果は、基材(substrate)の相違から発生したものと把握することができ、Dsparkle値が大きいということは、実施例が比較例に対しスパークリング効果に優れていると言える。
【0108】
3.色差値の範囲の評価
実施例及び比較例の色差値の範囲を評価しており、この結果を下記の表4に記載した。また、実施例及び比較例の色差値の範囲の結果をグラフで示した(図1~3参照)。
【0109】
色差値は、BYK-mac i 23mmを用いて測定した。
【0110】
【表4】
【0111】
色差値の範囲の結果によって、該顔料は、見る角度によってどれ程様々な色を発現することができるかが分かる。
【0112】
表4と図1~3を参照すると、比較例による顔料の色差値の範囲は、実施例による顔料の色差値の範囲内に属することが確認できる。換言すれば、実施例による顔料は、比較例による顔料よりも広い範囲の色を示すものであり、実施例による顔料は、比較例による顔料よりも、見る角度によって様々な色を発現することができることが分かる。
【0113】
上記結果から分かるように、本発明の実施例による顔料は、比較例に対し色差値の範囲が広い。かかる結果は、基材(substrate)の相違から発生したものと把握することができ、色差値の範囲が広いということは、実施例が、見る角度によって様々な色を発現することができると言える。
【0114】
以上では、添付の図面を参照して、本発明の実施例を説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、相異する様々な形態に変更可能であり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須な特徴を変更することなく、他の具体的な形態に実施できることを理解することができる。よって、以上で述べた実施例は、すべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
【0115】
本発明は、忠清北道と(財)忠北科学技術革新院の2020忠北素材・部品・装備分野の技術開発支援事業におけるFlip Flop効果を有する、金属酸化物多層コーティングの技術開発及び製品化研究から想到した発明である。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】