(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】ステータ、モータ、圧縮機及び車両
(51)【国際特許分類】
H02K 3/34 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
H02K3/34 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541073
(86)(22)【出願日】2022-04-15
(85)【翻訳文提出日】2023-07-05
(86)【国際出願番号】 CN2022087020
(87)【国際公開番号】W WO2022242382
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】202110536641.9
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202121050468.3
(32)【優先日】2021-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522001448
【氏名又は名称】安徽威▲靈▼汽▲車▼部件有限公司
【氏名又は名称原語表記】ANHUI WELLING AUTO PARTS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.418 Caihong Road,High-Tech District Hefei,Anhui 230031,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】520496327
【氏名又は名称】▲広▼▲東▼威▲靈▼汽▲車▼部件有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG WELLING AUTO PARTS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building No.1, No.21 Gangqian Road, Beijiao Residential Council Industrial Park, Beijiao, Shunde Foshan, Guangdong 528311, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】劉海涛
(72)【発明者】
【氏名】孫国偉
(72)【発明者】
【氏名】張付彪
【テーマコード(参考)】
5H604
【Fターム(参考)】
5H604CC01
5H604CC05
5H604DB15
5H604PB03
(57)【要約】
本願は、ステータ、モータ、圧縮機及び車両を提供し、ステータは、ステータコアであって、複数の歯部を含み、複数の歯部はステータコアの周方向に沿って分布し、隣接する2つの歯部の間にステータスロットを有するステータコアと、歯部に巻き付けられ、且つステータスロットに伸びる巻線と、第1絶縁部材であって、少なくとも一部の第1絶縁部材は隣接する2つの歯部における巻線の間の隙間に位置し、第1絶縁部材は接続された第1絶縁部と第2絶縁部とを含み、同一のステータスロット内において、第1絶縁部は一組の巻線と接触し、第2絶縁部は別の一組の巻線と接触する第1絶縁部材と、を含み、ステータコアの軸線方向に垂直な断面において、第1絶縁部の長さは第2絶縁部の長さよりも大きい。本願にて提供されるステータは第1絶縁部材を最適化し、すなわち第1絶縁部と第2絶縁部の長さを最適化し、それに絶縁信頼性が高く、固定性に優れ、自動化生産しやすく且つコストが低いという特徴を有させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータコアであって、複数の歯部を含み、前記複数の歯部が前記ステータコアの周方向に沿って分布し、隣接する2つの前記歯部の間にステータスロットを有するステータコアと、
前記歯部に巻き付けられ、且つ前記ステータスロットに伸びる巻線と、
第1絶縁部材であって、少なくとも一部の前記第1絶縁部材は隣接する2つの前記歯部における前記巻線の間の隙間に位置し、前記第1絶縁部材は接続された第1絶縁部と第2絶縁部とを含み、同一の前記ステータスロット内において、前記第1絶縁部は一組の前記巻線と接触し、前記第2絶縁部は別の一組の前記巻線と接触する第1絶縁部材と、を含み、
前記ステータコアの軸線方向に垂直な断面において、前記第1絶縁部の長さは前記第2絶縁部の長さよりも大きい、ステータ。
【請求項2】
第2絶縁部材であって、前記ステータスロット内に設けられており、少なくとも一部の前記第2絶縁部材は前記ステータスロットのスロット壁に沿って延伸し、少なくとも一部の前記巻線は前記第2絶縁部材を介して前記歯部に接続される第2絶縁部材をさらに含む、請求項1に記載のステータ。
【請求項3】
前記第2絶縁部材は突起部を含み、前記第2絶縁部と前記突起部は前記第1絶縁部の同一側に位置し、前記第1絶縁部は前記突起部に接続され、
前記ステータコアの軸線方向に垂直な断面において、前記第1絶縁部の長さはH1であり、前記第2絶縁部の長さはH2であり、前記突起部の高さはH3であり、前記H1と前記H2との差は前記H3よりも大きい、請求項2に記載のステータ。
【請求項4】
絶縁フレームは、前記ステータコアの軸方向に沿って前記ステータコアの両端に設けられ、前記巻線は前記絶縁フレームと前記第2絶縁部材とで被覆された後の前記歯部に巻き付けられている、請求項2に記載のステータ。
【請求項5】
前記第1絶縁部材には折り畳み位置が設けられており、前記第1絶縁部材は少なくとも第1状態と第2状態とを有し、
前記第1状態では、前記第1絶縁部材が展開し、前記第1絶縁部と前記第2絶縁部が隣接して設置され、前記第2状態では、前記第1絶縁部材が前記折り畳み位置に沿って折り畳まれることによって前記第1絶縁部と前記第2絶縁部とを対向して設置させる、請求項1~4のいずれか一項に記載のステータ。
【請求項6】
前記ステータコアの軸方向に沿って、前記第1絶縁部材の第1端には凸部が設けられ、前記凸部を把持することによって前記第1絶縁部材を前記ステータスロット内に進入させる、請求項5に記載のステータ。
【請求項7】
前記ステータコアの軸線方向に沿って、前記ステータコアの長さはL1であり、前記第1絶縁部材の長さと前記凸部の長さとの差はL2であり、前記L2から前記L1を引いた長さは7mm以上である、請求項6に記載のステータ。
【請求項8】
前記第1状態において、前記凸部は台形を呈し、前記凸部の上底はL3であり、前記凸部の下底はL4であり、前記L4から前記L3を引いた差は1mm以上である、請求項6に記載のステータ。
【請求項9】
前記凸部の高さは2.5mm以上15mm以下である、請求項6に記載のステータ。
【請求項10】
前記ステータコアの軸方向に沿って、前記第1絶縁部材の第2端には凹部が設けられ、前記凹部と前記凸部とが対向して設置されている、請求項6に記載のステータ。
【請求項11】
前記凹部は前記凸部の中心線と重なり、及び/又は
前記凹部は前記凸部と同じ形状である、請求項10に記載のステータ。
【請求項12】
遷移部であって、前記第1絶縁部と前記第2絶縁部は前記遷移部によって接続され、前記折り畳み位置は前記遷移部に設けられる遷移部をさらに含む、請求項5に記載のステータ。
【請求項13】
前記ステータスロットの数は複数であり、少なくとも一部の前記ステータスロット内に前記第1絶縁部材が設けられている、請求項1~4のいずれか一項に記載のステータ。
【請求項14】
前記第1絶縁部材の厚さは0.25mm以上0.3mm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載のステータ。
【請求項15】
前記ステータコアは複数の分割コアを含み、前記複数の分割コアは前記ステータコアの周方向に沿って順次接続される、請求項1~4のいずれか一項に記載のステータ。
【請求項16】
いずれか1つの前記分割コアは複数のパンチングシートを含み、複数の前記パンチングシートは前記ステータコアの軸方向に沿って積層されて分布する、請求項15に記載のステータ。
【請求項17】
同一の前記分割コアでは、前記複数のパンチングシートは重なって設置された第1類のパンチングシートと第2類のパンチングシートを含み、
前記ステータコアの周方向に沿って、前記第1類のパンチングシートの第1側には重なり部が設けられており、前記第1類のパンチングシートの第2側には切り欠き部が設けられており、
前記第2類のパンチングシートの第2側には前記重なり部が設けられており、前記第2類のパンチングシートの第1側には前記切り欠き部が設けられており、
前記ステータコアの軸方向において、隣接する2つの前記重なり部は前記切り欠き部の両側に位置し、且つ前記切り欠き部を囲んで隙間を形成し、隣接する2つの前記分割コアにおいて、1つの前記分割コアの前記重なり部は他の前記分割コアの隙間内に挿入される、請求項16に記載のステータ。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載のステータと、
前記ステータと協働し且つ回転するロータと、を含む、モータ。
【請求項19】
請求項1~17のいずれか一項に記載のステータ、又は
請求項18に記載のモータを含む、圧縮機。
【請求項20】
請求項19に記載の圧縮機を含む、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年05月17日に中国特許庁に提出された、出願番号が202110536641.9であり、発明の名称が「ステータ、モータ、圧縮機及び車両」である中国特許出願の優先権、及び2021年05月17日に中国特許庁に提出された、出願番号が202121050468.3であり、発明の名称が「ステータ、モータ、圧縮機及び車両」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てを援用することにより本願に取り入れる。
【0002】
本願は、モータ技術分野に関し、具体的には、ステータ、モータ、圧縮機及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、永久磁石モータはエアコン、自動車圧縮機等の分野で幅広く応用されている。エネルギー効率等級の向上と機能需要の二重制約で、モータの電力密度、効率及び信頼性要求が徐々に向上している。モータ電力等級及び信頼性要求の段階的な向上に伴い、モータのステータの絶縁性能にも課題があり、ステータが集中巻線を採用する場合、モータの電力密度を向上させるためにステータスロット面積を十分に利用し、単一のステータスロット内の2つの歯に巻き付けられた銅線の隙間が小さく、電気的安全性を保証するために、相間絶縁を利用して同一スロット内の異なる歯における巻線を隔離する必要があり、それによってモータの絶縁性能を保証し、モータの帯電動作時に絶縁破壊による巻線焼損等の電気的故障を防止し、それによりモータの信頼性を確保する。
【0004】
従来技術において、相間絶縁構造はその両側のステータスロットの面積を非対称にさせ、スロット面積の浪費を引き起こし、且つ2箇所の折り曲げがあり、自動化の簡易性及び信頼性を低下させる。もう1つのモータ絶縁構造は、スロット絶縁と相間絶縁が一体型であるが、分割したステータコアを環状に形成する過程で絶縁フィルムを切断する工程が増え、絶縁形状が複雑になるとともに、分割コアを円に合わせる際の難易度が増す。また、相間絶縁の寸法が不合理であり、又は相間絶縁が破損、脱落する場合、巻線の相と相との間の沿面距離が不足になり、モータの負荷運転時に相間故障が発生するおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、少なくとも従来技術又は関連技術に存在する技術的問題の1つを解決することを目的とする。
【0006】
そのため、本願の第1の態様は、ステータを提供する。
【0007】
本願の第2の態様は、モータをさらに提供する。
【0008】
本願の第3の態様は、圧縮機をさらに提供する。
【0009】
本願の第4の形態は、車両をさらに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これに鑑みて、本願の第1の態様はステータを提供し、該ステータは、ステータコアであって、複数の歯部を含み、複数の歯部がステータコアの周方向に沿って分布し、隣接する2つの歯部の間にステータスロットを有するステータコアと、歯部に巻き付けられ、且つステータスロットに伸びる巻線と、第1絶縁部材であって、少なくとも一部の第1絶縁部材は隣接する2つの歯部における巻線の間の隙間に位置し、第1絶縁部材は接続された第1絶縁部と第2絶縁部とを含み、同一のステータスロット内において、第1絶縁部は一組の巻線と接触し、第2絶縁部は別の一組の巻線と接触する第1絶縁部材と、を含み、ステータコアの軸線方向に垂直な断面において、第1絶縁部の長さは第2絶縁部の長さよりも大きい。
【0011】
本願にて提供されるステータはステータコア、巻線及び第1絶縁部材を含む。そのうち、ステータコアは複数の歯部を含み、且つ複数の歯部はステータコアの周方向に沿って分布し、隣接する2つの歯部の間にステータスロットが形成され、巻線は歯部に巻き付けられ、且つステータスロット内に位置する。また、第1絶縁部材が隣接する2つの歯部における巻線の間の隙間に挿設され、且つ少なくとも一部の第1絶縁部材が隣接する2つの歯部における巻線の間の隙間に位置するように設置し、このようにステータスロット内の巻線を効果的に物理的隔離し、絶縁信頼性を保証することができる。具体的には、第1絶縁部材は第1絶縁部及び第2絶縁部を含み、そのうち、第1絶縁部は第2絶縁部に接続され、且つステータコアの軸線方向に垂直な断面において、第1絶縁部の長さは第2絶縁部の長さよりも大きく、すなわち第1絶縁部材は折り畳まれた状態で、半分折りにした第1絶縁部の長さは半分折りにした第2絶縁部の長さよりも大きく、従来技術における両側の長さが同じである対称構造に比べ、第1絶縁部材の材料使用量を低減し、材料コストを低減することができる。また、同一のステータスロット内において、第1絶縁部は一組の巻線と接触し、第2絶縁部は他の群の巻線と接触し、すなわち第1絶縁部材は2群の隣接する巻線に同時に接続され、このように、第1絶縁部材は自身の折り曲げによって形成された弾性力によって2群の隣接する巻線に密着し、固定作用を補強し、従来技術において単一絶縁紙のみで相間隔離を行う時に絶縁脱落が発生する問題を効果的に解決し、第1絶縁部材の絶縁信頼性を保証すると同時に第1絶縁部材の固定作用を補強させる。
【0012】
より具体的には、第1絶縁部材を隣接する2つの歯部における巻線の間の隙間に挿入する過程において、少なくとも一部の第1絶縁部材は隣接する2つの歯部における巻線の間の隙間に位置し、それによってステータスロット内の隣接する巻線に対して隔離絶縁処理を実現する。さらに、第1絶縁部材が接続された第1絶縁部と第2絶縁部とを含み、且つ第1絶縁部材が半分折りの状態で、半分折りにした第1絶縁部の長さが半分折りにした第2絶縁部の長さよりも大きいように設置し、それによって第1絶縁部材は自体の半分折りにより有する弾性力構造を形成することを実現し、このように同一のステータスロット内で、半分折りの状態の第1絶縁部材は2つずつ隣接する巻線に密着して支持固定することができ、モータ運転時の絶縁信頼性、及びステータスロット内での位置固定の安定性を向上させる。従来技術において、第1絶縁部材の寸法設定が不合理であり又は第1絶縁部材が破損し、脱落する場合、巻線の相と相との間の沿面距離が不足になり、さらにモータの負荷運転のリスクが発生することを解決する。且つ、半分折りにした第1絶縁部の長さは半分折りにした第2絶縁部の長さよりも大きいように設置し、このように材料使用量が少なく、材料コストが低く、造形がシンプルで、生産加工しやすく、生産コストが低い。また、第1絶縁部材の材料をポリフェニレンサルファイド(PPS)に設定し、絶縁効果が高く、耐高温で、動作環境との互換性が高い。
【0013】
従って、本願にて提供されるステータは第1絶縁部材を最適化し、すなわち第1絶縁部と第2絶縁部の長さを最適化し、それに絶縁信頼性が高く、固定性に優れ、自動化生産しやすく且つコストが低いという特徴を有させる。
【0014】
本願にて提供される上記ステータに基づき、さらに以下の付加的な技術的特徴を有してもよい。
【0015】
上記技術的手段において、さらに、第2絶縁部材であって、ステータスロット内に設けられており、少なくとも一部の第2絶縁部材はステータスロットのスロット壁に沿って延伸し、少なくとも一部の巻線は第2絶縁部材を介して歯部に接続される第2絶縁部材をさらに含む。
【0016】
当該技術的手段において、ステータはさらに第2絶縁部材を含む。第2絶縁部材はステータスロット内に設置され、そのうち、第2絶縁部材はステータスロットのスロット壁に沿って延伸し、巻線は第2絶縁部材を介して歯部に接続される。すなわちステータスロットの内壁に沿って第2絶縁部材が設けられており、且つ第2絶縁部材によって巻線と歯部との接続を実現し、さらに第1絶縁部材がコアの軸方向に沿って隣接する2つのコアに限定されたステータスロット内に挿入しやすく、それによってステータスロット内の巻線を物理的隔離することを実現し、第1絶縁部材の使用過程における絶縁信頼性を向上させる。
【0017】
具体的な応用において、第1絶縁部材は相間絶縁であり、第2絶縁部材はスロット絶縁であり、理解されるように、隣接する2つの歯部に異なる相の巻線が巻回され、相間絶縁すなわち隣接する2つの歯部における異なる相の巻線の間に設置され、異なる相の巻線を絶縁するために用いられ、スロット絶縁すなわちステータスロットの内壁面を絶縁し、それにより巻線はスロット絶縁によって歯部に巻回され、絶縁の役割を果たす。
【0018】
上記いずれか1つの技術的手段において、さらに、第2絶縁部材は突起部を含み、第2絶縁部と突起部は第1絶縁部の同一側に位置し、第1絶縁部は突起部に接続され、ステータコアの軸線方向に垂直な断面において、第1絶縁部の長さはH1であり、第2絶縁部の長さはH2であり、突起部の高さはH3であり、H1とH2との差はH3よりも大きい。
【0019】
当該技術的手段において、第2絶縁部材は突起部を含む。そのうち、突起部と第2絶縁部を第1絶縁部の同一側に設置し、且つ第1絶縁部は突起部に接続される。そのうち、第1絶縁部の長さと第2絶縁部の長さとの差は突起部の高さよりも大きく、すなわち第2絶縁部の長さと突起部の長さとの和は第1絶縁部より小さく、このように、第1絶縁部材をステータスロット内に取り付ける時に、上記長さの設定により、第2絶縁部と突起部との干渉を回避し、組み立ての信頼性を保証する。
【0020】
具体的な応用において、ステータを組み立てる時、まず第2絶縁部材をステータスロット内に取り付け、続いて第1絶縁部材をステータスロット内に挿入し、さらに上記寸法の設定は第1絶縁部材と第2絶縁部材との干渉を回避することができる。
【0021】
さらに、第1絶縁部材の第1絶縁部と第2絶縁部はそれぞれ第2絶縁部材の突起部の両側に位置し、第1絶縁部と第2絶縁部の半分折りにした長さが異なるため、すなわち半分折りにした第1絶縁部の長さは半分折りにした第2絶縁部の長さよりも大きく、このように第1絶縁部は突起部と接触して接続する時、第2絶縁部は突起部と接触して接続することができず、このようにステータスロット内の底部において隣接する巻線の間に第1絶縁部、突起部の3層の絶縁層が形成され、巻線間の絶縁信頼性を効果的に向上させる。
【0022】
具体的には、ステータコアの軸線方向に垂直な断面において、第1絶縁部、第2絶縁部、突起部の高さがそれぞれH1、H2、H3であり、且つH1とH2との差がH3よりも大きいように設定することにより、一方では、第1絶縁部材をステータスロットに挿入する過程において、半分折りにした第1絶縁部の長さは半分折りにした第2絶縁部の長さよりも大きく、且つ第1絶縁部の長さと第2絶縁部の長さとの差は突起部の高さよりも大きいように設定し、このように第1絶縁部材をステータスロットに挿入する時、第2絶縁部と突起部との干渉を回避し、それによって組み立ての効率を向上させる。他方では、半分折りにした第1絶縁部の長さは半分折りにした第2絶縁部の長さよりも大きく、第1絶縁部が突起部と接触して接続する時、第2絶縁部は突起部と接触して接続することができず、このようにステータスロット内の底部において隣接する巻線の間に第1絶縁部、突起部の3層の絶縁層が形成され、さらに第1絶縁部材の巻線間での絶縁信頼性を向上させる。
【0023】
上記のいずれか1つの技術的手段において、さらに、絶縁フレームは、ステータコアの軸方向に沿ってステータコアの両端に設けられ、巻線は絶縁フレームと第2絶縁部材とで被覆された歯部に巻き付けられている。
【0024】
当該技術的手段において、ステータコアの軸線方向に沿って、絶縁フレームがステータコアの両端に設置される。そのうち、巻線は絶縁フレームと第2絶縁部材とで被覆された歯部に巻き付けられる。このように巻線の巻回により、ステータの作業領域を形成し、且つステータスロット内に位置し、さらに第1絶縁部材を介して隣接する2つの歯部における巻線の間の隙間に挿設され、ステータスロット内の巻線に対する物理的隔離を実現し、モータ作業過程における絶縁信頼性を向上させる。
【0025】
同時に、第1絶縁部材と第2絶縁部材はステータスロット内の巻線を効果的に隔離し、ステータコアの両端に設置された絶縁フレームはさらにステータコアの端部の巻線を隔離し、巻線とステータコアとの接続の信頼性を向上させる。
【0026】
具体的な応用では、絶縁フレームは絶縁材料で製造される。
【0027】
上記いずれか1つの技術的手段では、さらに、第1絶縁部材に折り畳み位置が設けられており、第1絶縁部材は少なくとも第1状態と第2状態とを有し、第1状態では、第1絶縁部材が展開し、第1絶縁部と第2絶縁部が隣接して設置され、第2状態では、第1絶縁部材が折り畳み位置に沿って折り畳まれることで第1絶縁部と第2絶縁部を対向して設置させる。
【0028】
当該技術的手段において、第1絶縁部材には折り畳み位置が設けられており、第1絶縁部材は少なくとも第1状態と第2状態とを有する。すなわち第1絶縁部材は折り畳み位置に応じて展開し又は折り畳むことができ、第1絶縁部材が第1状態で展開し及び第2状態で折り畳むことを実現する。そのうち、折り畳み位置の設置は、第1絶縁部材が他の機器に折り畳まれる時に、折り畳み位置に応じて折り畳むことができ、第1絶縁部と第2絶縁部の長さ寸法を保証し、第1絶縁部材が折り畳まれた後に形成された構造の信頼性を向上させ、さらに第1絶縁部材と第2絶縁部材の組み立て状況を保証し、第1絶縁部材と第2絶縁部材の絶縁効果を向上させる。
【0029】
具体的には、第1絶縁部材は使用過程において、使用ニーズに応じて第1絶縁部材の使用状態を変更することができる。第1状態では、第1絶縁部材が展開し、第1絶縁部と第2絶縁部が隣接して設置され、すなわち第1絶縁部と第2絶縁部が接続され且つ同一平面内にある。この時、第1絶縁部と第2絶縁部全体は「一」型を呈して設置される。第2状態では、第1絶縁部と第2絶縁部は対向して設置され、すなわち第1絶縁部と第2絶縁部全体は「U」型を呈して設置される。第1絶縁部材を少なくとも第1状態と第2状態を有するように設置することにより、組み立てニーズに応じて第1絶縁部材の使用形態を変更することができ、使用の適合性を向上させる。同時に、第1絶縁部材が第2状態にある場合、第1絶縁部材自体の折り曲げによって形成された弾性力により、第1絶縁部材が隣接する2つの歯部における巻線の間の隙間に挿入される場合、第1絶縁部と第2絶縁部をそれぞれ隣接する2群の巻線に密着させることができ、固定支持作用を果たし、単一の絶縁部材だけで相間隔離を行う場合、絶縁脱落が発生しやすい可能性を途絶し、さらに第1絶縁部材の巻線間での絶縁信頼性を向上させる。
【0030】
上記いずれか1つの技術的手段において、さらに、ステータコアの軸方向に沿って、第1絶縁部材の第1端には凸部が設けられ、凸部を把持することによって第1絶縁部材をステータスロット内に進入させる。
【0031】
当該技術的手段において、ステータコアの軸線方向に沿って、第1絶縁部材の第1端に凸部を設置することで、機器工具が第1絶縁部材を把持しやすく、さらに第1絶縁部材をステータスロット内に正確に挿入することを実現する。
【0032】
具体的には、第1絶縁部材が隣接する2つの歯部における巻線の間の隙間に挿入する過程において、機器工具は第1絶縁部材を把持し、且つ第1絶縁部材をステータスロット内に挿入する。したがって、ステータコアの軸線方向に沿って、第1絶縁部材の第1端に凸部を設置することにより、機器工具の第1絶縁部材に対する安定的な把持に有利であり、第1絶縁部材に対する正確な挿入を実現し、さらに装置の自動化能力を向上させる。
【0033】
上記のいずれか1つの技術的手段において、さらに、ステータコアの軸線方向に沿って、ステータコアの長さはL1であり、第1絶縁部材の長さと凸部の長さとの差はL2であり、L2からL1を引いた長さは7mm以上である。
【0034】
当該技術的手段において、ステータコアの軸線方向に沿って、ステータコアの長さをL1と設定し、第1絶縁部材の第1端の凸部を除去する長さをL2と設定し、且つL2とL1との間の長さの差を7mm以上に設定し、第1絶縁部材をステータスロット内に取り付ける時、一方では凸部の少なくとも一部をステータコアから突出させることができ、それによって第1絶縁部材の組み立てと取り外しを容易にし、他方では、また、第1絶縁部材がステータスロット内に設置された部分の寸法を保証することができ、それにより第1絶縁部材がステータスロット内に設置された寸法がステータスロットの寸法以上であるようにさせ、さらに第1絶縁部材の隣接する巻線に対する絶縁効果を保証し、それによってステータスロットの端部巻線間の絶縁の信頼性を補強させる。
【0035】
具体的には、ステータの動作過程において、ステータスロットの端部巻線の高さで決定されたプロセス寸法を考慮し、すなわちステータスロット内の2つずつの隣接する巻線の直線セグメントの絶縁性能を保証すると同時に、端部巻線の間に絶縁破壊現象が発生することを防止し、そのためL2とL1との間の長さの差を7mm以上に設定し、端部巻線の間に絶縁破壊現象が発生することを効果的に回避し、絶縁信頼性を補強させる。
【0036】
上記のいずれか1つの技術的手段において、さらに、第1状態では、凸部は台形を呈し、凸部の上底はL3であり、凸部の下底はL4であり、L4からL3を引いた差は1mm以上である。
【0037】
当該技術的手段において、第1絶縁部材が第1状態にある時、すなわち第1絶縁部材が平面状態にある時、第1絶縁部材の第1端の凸部は台形を呈し、凸部の上底と下底がそれぞれL3とL4であり、且つL4とL3との差が1mm以上であるように設定する。このように、機器工具が第1絶縁部材を把持しやすく、さらに第1絶縁部材をステータスロット内に正確に挿入することを実現する。
【0038】
具体的には、第1絶縁部材が隣接する2つの歯部における巻線の間の隙間に挿入する過程において、すなわち第1絶縁部材がステータスロットに挿入する過程において、機器工具が第1絶縁部材に対して把持作業を行い、且つ第1絶縁部材をステータスロット内に挿入する。従って、第1絶縁部材が第1状態にある時、凸部の上底と下底をそれぞれL3とL4に設定し、且つL4とL3との差を1mm以上に設定する。このように機器工具の第1絶縁部材に対する安定的な把持に有利であり、第1絶縁部材に対する正確な挿入を実現し、さらに機器の自動化能力を向上させる。
【0039】
具体的には、L4とL3との差は1mm以上10mm以下であり、よりさらに、L4とL3との差は2mm以上5mm以下である。
【0040】
上記いずれか1つの技術的手段において、さらに、凸部の高さは2.5mm以上15mm以下である。
【0041】
当該技術的手段において、第1絶縁部材の凸部の高さを一定の範囲内に設定することにより、機器工具の把持作業の操作可能性を向上させることに有利であり、機器工具の把持作業効率をさらに向上させる。
【0042】
具体的には、第1絶縁部材をステータスロットに挿入する過程において、機器工具によって把持作業を行い、第1絶縁部材の凸部の高さを短すぎると設定すれば、機器工具の把持作業の操作可能性に影響を与え、そのため凸部の高さを2.5mm以上15mm以下の間に設定し、この時機器工具の把持効率が最も高く、機器の自動化能力が最も強い。そのうち、凸部の具体的な高さはプロセスによって実際に決定することができる。
【0043】
具体的な応用において、凸部の高さは5mm以上10mm以下である。さらに、凸部の高さは6mm、7mm、8mm又は9mmである。
【0044】
上記いずれか1つの技術的手段において、さらに、ステータコアの軸方向に沿って、第1絶縁部材の第2端には凹部が設けられ、凹部と凸部とが対向して設置されている。
【0045】
当該技術的手段において、ステータコアの軸線方向に沿って、第1絶縁部材の第2端に凹部が設置されている。そのうち、凸部は凹部に対向して設置される。すなわち第1絶縁部材の軸方向の一端は1つの台形の凸部を含み、軸方向の他端は台形の凸部の形状及び寸法と同じである1つの台形の凹部を含む。凸部によって機器工具が第1絶縁部材に対して把持作業を行いやすく、凹部を設置することによって第1絶縁部材がステータスロットに挿入する時に絶縁フレームと衝突干渉が発生することを回避する。それによって第1絶縁部材をステータスロット内に正確に挿入することを実現し、さらに機器の自動化能力を向上させる。
【0046】
上記いずれ1つの技術的手段において、さらに、凹部と凸部との中心線が重なっている。
【0047】
当該技術的手段において、第1絶縁部材の凸部と凹部の中心線が重なるように設置することにより、第1絶縁部材を半分折りにした過程において、凸部と凹部が中心線に沿って半分折りにすることができることを実現し、さらに第1絶縁部材全体の真直度を保証し、それにより第1絶縁部材が軸線方向に沿ってステータスロットに挿入する過程における円滑性と正確性を向上させる。
【0048】
上記いずれ1つの技術的手段において、さらに、凹部と凸部とは同一形状である。
【0049】
当該技術的手段において、第1絶縁部材の凸部と凹部の形状を同じに設置し、さらに凸部と凹部の中心線が重なることを保証し、さらに凸部と凹部が中心線に沿って半分折りにすることができることを実現し、それにより第1絶縁部材が軸線方向に沿ってステータスロットに挿入する過程における円滑性と正確性を向上させる。同時に、凸部と凹部の形状が同じであるため、構造がよりシンプルで、生産加工しやすく、生産コストを効果的に低減させる。
【0050】
上記いずれか1つの技術的手段において、さらに、遷移部であって、第1絶縁部と第2絶縁部は遷移部によって接続され、折り畳み位置は遷移部に設けられる遷移部を含む。
【0051】
当該技術的手段において、第1絶縁部材はさらに遷移部を含む。そのうち、遷移部を介して第1絶縁部と第2絶縁部を接続し、すなわち第1絶縁部と第2絶縁部は遷移部を介して一体に接続され、且つ遷移部には折り畳み位置が設けられており、このように、第1絶縁部と第2絶縁部は折り畳み位置に沿って半分折りにすることができ、半分折りにした第1絶縁部の長さが半分折りにした第2絶縁部の長さよりも大きいことを実現し、従来技術における両側の長さが同じである対称構造に比べ、第1絶縁部材の材料使用量を低減することができ、材料コストを低減する。同時に、第1絶縁部と第2絶縁部は折り畳み位置に沿って半分折りにするため、第1絶縁部と第2絶縁部の半分折り接続箇所である遷移部は円弧状遷移部を形成し、すなわち第1絶縁部材が折り畳み位置に沿って半分折りにした遷移部は「U」型を呈し、半分折りにした第1絶縁部材は自体の折り曲げにより、第1絶縁部と第2絶縁部との間に支持弾性力が存在し、第1絶縁部材が隣接する2つの歯部における巻線間の隙間に挿入される時、自体の弾性力により、第1絶縁部と第2絶縁部をそれぞれ2群の隣接する巻線に密着させ、固定作用を補強し、それにより絶縁信頼性を向上させる。
【0052】
上記いずれ1つの技術的手段において、さらに、ステータスロットの数は複数であり、少なくとも一部のステータスロット内に第1絶縁部材が設けられている。
【0053】
当該技術的手段において、第1絶縁部材の数を複数に設定することにより、少なくとも一部のステータスロットにいずれも1つの第1絶縁部材を含むことを実現し、さらにステータスロット内の巻線を物理的隔離することができ、絶縁信頼性を保証する。
【0054】
具体的には、ステータスロットの数を第1絶縁部材の数と同じに設定することができる。このように第1絶縁部材は全てのステータスロット内の巻線を絶縁隔離することができ、モータの運転中の絶縁信頼性を効果的に向上させる。例えば、本技術的手段において、ステータスロットの数が12であり、第1絶縁部材の数が12であるように設定し、すなわちステータスロットの数と第1絶縁部材の数が等しく、各ステータスロットにいずれも1つの第1絶縁部材を含むことを実現し、第1絶縁部材のステータスロット内における絶縁隔離状態を最良にさせ、絶縁信頼性を保証する。
【0055】
当然のことながら、第1絶縁部材の数はステータスロットの数より少なくてもよい。
【0056】
上記いずれか1つの技術的手段において、さらに、第1絶縁部材の厚さは0.25mm以上0.3mm以下である。
【0057】
当該技術的手段において、第1絶縁部材の厚さを0.25mmから0.3mmの間に設定し、すなわち第1絶縁部と第2絶縁部の厚さを0.25mm以上0.3mm以下に設定することで、ステータスロット内の隣接する巻線間の絶縁耐圧要求を保証する。さらに、第1絶縁部材の厚さ範囲を設定し、一方では、隣接する巻線の間に絶縁破壊が発生することを防止することができ、絶縁信頼性を補強させ、他方では、第1絶縁部材の厚さ範囲を設定し、第1絶縁部材を半分折りにする時、半分折りにした後の第1絶縁部材自体の弾性力、すなわち第1絶縁部と第2絶縁部との間の支持弾性力を向上させることができ、さらに第1絶縁部材が隣接する2つの歯部における巻線の間の隙間に挿入する時、自体の弾性力によって2群の隣接する巻線に密着することができ、固定作用を補強し、それにより絶縁の信頼性を向上させる。
【0058】
上記のいずれか1つの技術的手段において、ステータコアは複数の分割コアをさらに含み、複数の分割コアはステータコアの周方向に沿って順次接続される。
【0059】
当該技術的手段において、ステータコアが複数の分割コアを含むように設置する。そのうち、複数の分割コアはステータコアの周方向に沿って順次接続され、このように2つずつ隣接するステータコアの間にステータスロットを限定して形成することができ、さらにステータスロットはステータコアの軸線方向に沿って周方向に配列され、巻線は歯部に巻き付けられ、且つステータスロット内に位置し、同時に、第1絶縁部材は同様にモータの周方向に沿ってレイアウトされ、且つステータスロット内に対応して挿入され、ステータスロット内の巻線を物理的隔離し、絶縁信頼性を実現する。
【0060】
ステータコアは複数の分割コアをさらに含み、巻線を巻き付ける時に、それぞれ各分割コアに巻線を巻き付けることができ、全ての分割コアの巻き付けがいずれも完了した後、複数の分割コアを円に合わせ、このような設置方式はステータの占積率を効果的に向上させる。
【0061】
上記のいずれか1つの技術的手段において、さらに、いずれか1つの分割コアは複数のパンチングシートを含み、複数のパンチングシートはステータコアの軸方向に沿って積層されて分布している。
【0062】
当該技術的手段において、各分割コアは複数のパンチングシートを含み、複数のパンチングシートはステータコアの軸方向に沿って積層して分布し、このように重なり部はパンチングシートの周側縁部に形成され、複数のパンチングシートがコアの軸方向に沿って積層して分布する時、隣接するパンチングシートの間に重なり隙間を画定し、且つステータスロットに形成され、巻線が歯部に巻き付きやすく、且つステータスロット内に位置し、第1絶縁部材が隣接する2つの歯部における巻線間の隙間に挿入する時、ステータスロット内の巻線を効果的に物理的隔離し、絶縁信頼性を保証する。
【0063】
具体的には、パンチングシートは珪素鋼板である。
【0064】
上記いずれ1つの技術的手段において、さらに、同一分割コアにおいて、複数のパンチングシートは重なって設置された第1類のパンチングシートと第2類のパンチングシートを含み、ステータコアの周方向に沿って、第1類のパンチングシートの第1側には重なり部が設けられており、第1類のパンチングシートの第2側には切り欠き部が設けられており、第2類のパンチングシートの第2側には重なり部が設けられており、第2類のパンチングシートの第1側には切欠部が設けられており、ステータコアの軸方向において、隣接する2つの重なり部は切り欠き部の両側に位置し、且つ隙間を囲み、隣接する2つの分割コアにおいて、1つの分割コアの重なり部は他の分割コアの隙間内に挿入される。
【0065】
当該技術的手段において、複数のパンチングシートは第1類パンチングシートと第2類のパンチングシートを含み、複数の第1類パンチングシートと複数の第2類のパンチングシートはステータコアの軸方向に沿って交互に分布する。そのうち、ステータコアの円周方向に沿って、第1類のパンチングシートの第1側には重なり部が設けられており、第1類のパンチングシートの第2側には切り欠き部が設けられており、同時に、第2類のパンチングシートの第1側には切り欠き部が設けられており、第2類のパンチングシートの第2側には重なり部が設けられている。このように、ステータコアの軸線方向において、切り欠き部の両側において、隣接する2つの重なり部は隙間を囲むことができ、それによって隣接する2つの分割コアのうち、1つの分割コアの重なり部がもう1つの分割コアの隙間に挿入することを実現し、さらにステータの占積率を向上させる。
【0066】
具体的には、第1類のパンチングシートと複数の第2類のパンチングシートがステータコアの軸方向に沿って交互に分布する場合、隣接する2つの第1類のパンチングシートの重なり部は第1側の間に間隔を有し、且つこの2つの第1類のパンチングシートの間の第2類のパンチングシートの切り欠き部に第1側の重なり隙間を直接に限定する。これに対応し、隣接する2つの第2類のパンチングシートの重なり部は第2側の間に間隔を有し、且つこの2つの第2類のパンチングシートの間における第1類のパンチングシートの切り欠き部に第2側の重なり隙間を直接に限定する。このように1つの分割コアの重なり部を他の分割コアの隙間に挿入することにより、ステータの占積率を向上させるという目的を達成することができ、同時に、全ての分割コアの挿設がいずれも完了した後、複数の分割コアを円に合わせ、ステータの占積率をさらに向上させることができ、さらにモータの作業過程においてモータ電力を向上させる。
【0067】
本願の第2の態様は、モータを提供し、本願の第1の態様に記載のステータと、ステータと協働し且つ回転するロータと、を含む。
【0068】
本願にて提供されるモータは、本願の第1の態様に記載のステータを含むため、上記ステータの全ての有益な効果を有し、ここでは説明を繰り返さない。
【0069】
また、モータはさらにロータを含み、ロータはステータの内部に設置され、且つステータと協働して回転を発生し、さらにトルクを出力する。
【0070】
本願の第3の態様は、圧縮機を提供し、本願の第1の態様のステータ、又は本願の第2の態様のモータを含む。
【0071】
本願にて提供される圧縮機は、本願の第1の態様に記載のステータ、又は本願の第2の態様に記載のモータを含むため、同様に上記のステータの全ての有益な効果を有し、ここでは説明を繰り返さない。
【0072】
本願の第4の態様は、車両を提供し、本願の第3の態様の圧縮機を含む。
【0073】
本願にて提供される車両は、本願の第3の態様に記載の圧縮機を含むため、同様に上記圧縮機の全ての有益な効果を有し、ここでは説明を繰り返さない。
【発明の効果】
【0074】
本願の追加の態様及び利点は、以下の説明において明らかになるか、又は本願の実施を通じて理解される。
【図面の簡単な説明】
【0075】
本願の上記及び/又は追加の態様及び利点は、以下の添付図面に関連した実施例の説明から明らかになり、容易に理解されるであろう。
【
図1】本願の1つの実施例におけるステータの構造概略図である。
【
図2】
図1に示す実施例のステータの平面図である。
【
図3】
図1に示す実施例のステータの部分的な構造概略図である。
【
図4】
図1に示す実施例の第1絶縁部材の構造概略図である。
【
図5】
図4に示す実施例の第1絶縁部材の折り畳み状態(第2状態)の概略図である。
【
図6】
図1に示す実施例の第1絶縁部材と第2絶縁部材の組み立て構造概略図である。
【
図7】
図4に示す実施例の第1絶縁部材の展開状態(第1状態)の概略図である。
【
図8】本願の1つの実施例におけるステータコアの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0076】
本願の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解するために、以下は図面及び具体的な実施形態を参照して本願をさらに詳細に説明する。なお、衝突しない場合、本願の実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。
【0077】
本願を十分に理解するために以下の説明において多くの具体的な詳細を説明しているが、本願はまたここで説明された以外の他の形態で実施することができ、したがって、本願の保護範囲は以下に開示された具体的な実施例に限定されない。
【0078】
以下、
図1~
図8を参照しながら本願のいくつかの実施例に記載のステータ100、モータ、圧縮機及び車両について説明する。
【0079】
図1に示すように、本願の1つ目の実施例はステータ100を提供し、ステータコア110と、巻線120と、第1絶縁部材130と、を含む。
【0080】
そのうち、
図1及び
図2に示すように、ステータコア110は複数の歯部を含み、且つ複数の歯部はステータコア110の周方向に沿って分布し、隣接する2つの歯部の間にステータスロットが形成され、巻線120は歯部に巻き付けられ、且つステータスロット内に位置する。また、第1絶縁部材130が隣接する2つの歯部における巻線120の間の隙間に挿設され、且つ少なくとも一部の第1絶縁部材130が隣接する2つの歯部における巻線120の間の隙間に位置するように設置し、このようにステータスロット内の巻線120を効果的に物理的隔離し、絶縁信頼性を保証することができる。
【0081】
具体的には、
図1から
図5に示すように、第1絶縁部材130は第1絶縁部1310及び第2絶縁部1320を含み、そのうち、第1絶縁部1310は第2絶縁部1320に接続され、且つステータコア110の軸線方向に垂直な断面において、第1絶縁部1310の長さは第2絶縁部1320の長さよりも大きく、すなわち第1絶縁部材130は折り畳まれた状態で、半分折りされた第1絶縁部1310の長さは半分折りされた第2絶縁部1320の長さよりも大きく、従来技術における両側の長さが同じである対称構造に比べ、第1絶縁部材130の材料使用量を低減し、材料コストを低減することができる。且つ、同一のステータスロット内において、第1絶縁部1310は一組の巻線120と接触し、第2絶縁部1320は他の群の巻線120と接触し、すなわち第1絶縁部材130は2群の隣接する巻線120に同時に接続され、このように、第1絶縁部材130は自体の折り曲げによって形成された弾性力によって2群の隣接する巻線120に密着し、固定作用を補強し、従来技術において単一絶縁紙のみで相間隔離を行う時に絶縁脱落が発生する問題を効果的に解決し、第1絶縁部材130の絶縁信頼性を保証すると同時に第1絶縁部材130の固定作用を補強させる。
【0082】
より具体的には、
図1及び
図5に示すように、第1絶縁部材130を隣接する2つの歯部における巻線120の間の隙間に挿入する過程において、少なくとも一部の第1絶縁部材130は隣接する2つの歯部における巻線120の間の隙間に位置し、それによってステータスロット内の隣接する巻線120に対して隔離絶縁処理を実現する。さらに、第1絶縁部材130は接続された第1絶縁部1310と第2絶縁部1320とを含み、且つ第1絶縁部材130は半分折りの状態で、半分折りにした第1絶縁部1310の長さは半分折りにした第2絶縁部1320の長さよりも大きいように設置し、それによって第1絶縁部材130は自身の半分折りにより有する弾性力構造を形成することを実現し、このように同一のステータスロット内で、半分折り状態の第1絶縁部材130は2つずつ隣接する巻線120に密着して支持固定することができ、モータ運転時の絶縁信頼性を向上させ、及びステータスロット内の位置固定の安定性を向上させる。従来技術において、第1絶縁部材130の寸法設定が不合理であり又は第1絶縁部材130が破損し、脱落する場合、巻線120の相と相との間の沿面距離が不足になり、さらにモータの負荷運転のリスクが発生することを解決する。且つ、半分折りにした第1絶縁部1310の長さは半分折りにした第2絶縁部1320の長さよりも大きいように設置し、このように材料使用量が少なく、材料コストが低く、造形がシンプルで、生産加工しやすく、生産コストが低い。また、第1絶縁部材130の材料をポリフェニレンサルファイド(PPS)に設定し、絶縁効果が高く、耐高温で、動作環境との互換性が高い。
【0083】
図4及び
図5に示すように、そのため、本願にて提供されるステータ100は第1絶縁部材130を最適化し、すなわち第1絶縁部1310と第2絶縁部1320の長さを最適化し、それに絶縁信頼性が高く、固定性に優れ、自動化生産しやすく且つコストが低いという特徴を有させる。
【0084】
本願の第2実施例はステータ100を提供し、実施例1に基づき、さらに以下のとおりである。
【0085】
図1に示すように、ステータ100はさらに第2絶縁部材140を含む。第2絶縁部材140はステータスロット内に設置され、そのうち、第2絶縁部材140はステータスロットのスロット壁に沿って延伸し、巻線120は第2絶縁部材140を介して歯部に接続される。すなわちステータスロットの内壁に沿って第2絶縁部材140が設けられており、且つ第2絶縁部材140によって巻線120と歯部との接続を実現し、さらに第1絶縁部材130がコアの軸方向に沿って隣接する2つのコアに限定されたステータスロット内に挿入しやすく、それによってステータスロット内の巻線120を物理的隔離することを実現し、第1絶縁部材130の使用過程における絶縁信頼性を向上させる。
【0086】
具体的な応用において、第1絶縁部材130は相間絶縁であり、第2絶縁部材140はスロット絶縁であり、理解されるように、隣接する2つの歯部に異なる相の巻線120が巻回され、相間絶縁すなわち隣接する2つの歯部における異なる相の巻線120の間に設置され、異なる相の巻線120を絶縁するために用いられ、スロット絶縁すなわちステータスロットの内壁面を絶縁し、それにより巻線120はスロット絶縁によって歯部に巻回され、絶縁の役割を果たす。
【0087】
当該実施例において、さらに、
図6に示すように、第2絶縁部材140は突起部1402を含む。そのうち、突起部1402及び第2絶縁部1320を第1絶縁部1310の同一側に設置し、且つ第1絶縁部1310は突起部1402に接続される。
【0088】
そのうち、
図6に示すように、第1絶縁部1310の長さと第2絶縁部1320の長さとの差は突起部1402の高さよりも大きく、すなわち第2絶縁部1320の長さと突起部1402の長さとの和は第1絶縁部1310より小さく、このように、第1絶縁部材130はステータスロット内に取り付けられる時、上記長さの設定により、第2絶縁部1320と突起部1402との干渉を回避し、組み立ての信頼性を保証する。
【0089】
具体的な応用において、ステータ100を組み立てる時、まず第2絶縁部材140をステータスロット内に取り付け、続いて第1絶縁部材130をステータスロット内に挿入し、さらに上記寸法の設定は第1絶縁部材130と第2絶縁部材140との干渉を回避することができる。
【0090】
さらに、第1絶縁部材130の第1絶縁部1310と第2絶縁部1320はそれぞれ第2絶縁部材140の突起部1402の両側に位置し、第1絶縁部1310と第2絶縁部1320の半分折りにした長さが異なるため、すなわち半分折りにした第1絶縁部1310の長さは半分折りにした第2絶縁部1320の長さよりも大きく、このように第1絶縁部1310は突起部1402と接触して接続する時、第2絶縁部1320は突起部1402と接触して接続することができず、このようにステータスロット内の底部において隣接する巻線120の間に第1絶縁部1310、突起部1402の3層の絶縁層が形成され、巻線120間の絶縁信頼性を効果的に向上させる。
【0091】
具体的には、
図1及び
図6に示すように、ステータコア110の軸線方向に垂直な断面において、第1絶縁部1310、第2絶縁部1320、突起部1402の高さがそれぞれH1、H2、H3であり、且つH1とH2との差がH3よりも大きいように設定することにより、一方では、第1絶縁部材130をステータスロットに挿入する過程において、半分折りにした第1絶縁部1310の長さは半分折りにした第2絶縁部1320の長さよりも大きく、且つ第1絶縁部1310の長さと第2絶縁部1320の長さとの差は突起部1402の高さよりも大きいように設定し、このように第1絶縁部材130をステータスロットに挿入する時、第2絶縁部1320と突起部1402との干渉を回避し、それによって組み立ての効率を向上させる。他方では、半分折りにした第1絶縁部1310の長さは半分折りにした第2絶縁部1320の長さよりも大きく、第1絶縁部1310が突起部1402と接触して接続する時、第2絶縁部1320は突起部1402と接触して接続することができず、このようにステータスロット内の底部において隣接する巻線120の間に第1絶縁部1310、突起部1402の3層の絶縁層が形成され、さらに第1絶縁部材130の巻線120間での絶縁信頼性を向上させる。
【0092】
当該実施例において、さらに、
図1及び
図3に示すように、ステータコア110の軸線方向に沿って、絶縁フレーム150がステータコア110の両端に設置される。ここで、巻線120は絶縁フレーム150と第2絶縁部材140とで被覆された歯部に巻き付けられる。このように巻線120の巻回により、ステータ100の作業領域を形成し、且つステータスロット内に位置し、さらに第1絶縁部材130を介して隣接する2つの歯部における巻線120の間の隙間に挿設され、ステータスロット内の巻線120に対する物理的隔離を実現し、モータ作業過程における絶縁信頼性を向上させる。
【0093】
同時に、第1絶縁部材130と第2絶縁部材140はステータスロット内の巻線120を効果的に隔離し、ステータコア110の両端に設置された絶縁フレーム150はさらにステータコア110の端部の巻線120を隔離し、巻線120とステータコア110との接続の信頼性を向上させる。
【0094】
具体的な応用では、絶縁フレーム150は絶縁材料で製造される。
【0095】
本願の3つ目の実施例はステータ100を提供し、実施例1に基づき、さらに以下のとおりである。
【0096】
図4から
図7に示すように、第1絶縁部材130には折り畳み位置が設けられており、第1絶縁部材130は少なくとも第1状態と第2状態とを有する。すなわち第1絶縁部材130は折り畳み位置に応じて展開し又は折り畳むことができ、第1絶縁部材130が第1状態で展開し及び第2状態で折り畳むことを実現する。そのうち、折り畳み位置の設置は、第1絶縁部材130が他の機器に折り畳まれる時に、折り畳み位置に応じて折り畳むことができ、第1絶縁部1310と第2絶縁部1320の長さ寸法を保証し、第1絶縁部材130が折り畳まれた後に形成された構造の信頼性を向上させ、さらに第1絶縁部材130と第2絶縁部材140の組み立て状況を保証し、第1絶縁部材130と第2絶縁部材140の絶縁効果を向上させる。
【0097】
具体的には、
図4、
図5及び
図7に示すように、第1絶縁部材130は使用過程において、使用ニーズに応じて第1絶縁部材130の使用状態を変更することができる。第1状態では、第1絶縁部材130が展開し、第1絶縁部1310と第2絶縁部1320が隣接して設置され、すなわち第1絶縁部1310と第2絶縁部1320が接続され且つ同一平面内にある。この時、第1絶縁部1310と第2絶縁部1320全体は「一」型を呈して設置される。第2状態では、第1絶縁部1310と第2絶縁部1320は対向して設置され、すなわち第1絶縁部1310と第2絶縁部1320全体は「U」型を呈して設置される。第1絶縁部材130を少なくとも第1状態と第2状態を有するように設置することにより、組み立てニーズに応じて第1絶縁部材130の使用形態を変更することができ、使用の適合性を向上させる。同時に、第1絶縁部材130が第2状態にある時、第1絶縁部材130自体の折り曲げによって形成された弾性力により、第1絶縁部材130が隣接する2つの歯部における巻線120の間の隙間に挿入される時、第1絶縁部1310と第2絶縁部1320をそれぞれ隣接する2群の巻線120に密着させることができ、固定支持作用を果たし、単一の絶縁部材のみで相間隔離を行う時、絶縁脱落が発生しやすい可能性を途絶し、さらに第1絶縁部材130の巻線120間での絶縁信頼性を向上させる。
【0098】
当該実施例では、さらに、
図1及び
図4に示すように、ステータコア110の軸線方向に沿って、第1絶縁部材130の第1端に凸部1312を設置することで、機器工具が第1絶縁部材130を把持しやすく、さらに第1絶縁部材130をステータスロット内に正確に挿入することを実現する。
【0099】
具体的には、
図1、
図4及び
図7に示すように、第1絶縁部材130を隣接する2つの歯部における巻線120の間の隙間に挿入する過程において、機器工具は第1絶縁部材130を把持し、且つ第1絶縁部材130をステータスロット内に挿入する。そのため、ステータコア110の軸線方向に沿って、第1絶縁部材130の第1端に凸部1312を設置することにより、機器工具の第1絶縁部材130に対する安定的な把持に有利であり、第1絶縁部材130に対する正確な挿入を実現し、さらに機器の自動化能力を向上させる。そのうち、第1絶縁部材130を具体的に取り付ける時、
図1に示すように、機器によって凸部1312を持ち上げ、第1絶縁部材130を下向きにステータスロット内に挿入する。
【0100】
当該実施例では、さらに、
図1及び
図7に示すように、ステータコア110の軸線方向に沿って、ステータコア110の長さをL1と設定し、第1絶縁部材130の第1端の凸部1312を除去する長さをL2と設定し、且つL2とL1との間の長さの差を7mm以上に設定し、第1絶縁部材130をステータスロット内に取り付ける時、一方では凸部1312の少なくとも一部をステータコア110から突出させることができ、それによって第1絶縁部材130の組み立てと取り外しを容易にし、他方では、また、第1絶縁部材130がステータスロット内に設置された部分の寸法を保証することができ、それにより第1絶縁部材130がステータスロット内に設置された寸法がステータスロットの寸法以上であるようにさせ、さらに第1絶縁部材130の隣接する巻線120に対する絶縁効果を保証し、それによってステータスロットの端部の巻線120間の絶縁の信頼性を補強させる。
【0101】
具体的には、
図1、
図4及び
図7に示すように、ステータ100の動作過程において、ステータスロットの端部の巻線120の高さによって決定されるプロセス寸法を考慮し、すなわちステータスロット内の2つずつの隣接する巻線120の直線セグメントの絶縁性能を保証すると同時に、端部の巻線120の間に絶縁破壊現象が発生することを防止し、そのためL2とL1の間の長さの差を7mm以上に設定し、端部の巻線120の間に絶縁破壊現象が発生することを効果的に回避し、絶縁信頼性を補強させる。
【0102】
当該実施例において、さらに、
図4、
図5及び
図7に示すように、第1絶縁部材130が第1状態にある時、すなわち第1絶縁部材130が平面状態にある時、第1絶縁部材130の第1端の凸部1312は台形を呈し、凸部1312の上底と下底がそれぞれL3とL4であり、且つL4とL3との差が1mm以上であるように設定する。このように、機器工具が第1絶縁部材130を把持しやすく、さらに第1絶縁部材130をステータスロット内に正確に挿入することを実現する。
【0103】
具体的には、
図7に示すように、第1絶縁部材130が隣接する2つの歯部における巻線120の間の隙間に挿入する過程において、すなわち第1絶縁部材130がステータスロットに挿入する過程において、機器工具が第1絶縁部材130に対して把持作業を行い、且つ第1絶縁部材130をステータスロット内に挿入する。従って、第1絶縁部材130が第1状態にある時、凸部1312の上底と下底をそれぞれL3とL4に設定し、且つL3とL4との差を1mm以上に設定する。このように機器工具の第1絶縁部材130に対する安定的な把持に有利であり、第1絶縁部材130に対する正確な挿入を実現し、さらに機器の自動化能力を向上させる。
【0104】
具体的には、L4とL3との差は1mm以上10mm以下であり、よりさらに、L4とL3との差は2mm以上5mm以下である。
【0105】
当該実施例において、さらに、
図4及び
図7に示すように、第1絶縁部材130の凸部1312の高さを一定の範囲内に設定することにより、機器工具の把持作業の操作可能性を向上させることに有利であり、機器工具の把持作業効率をさらに向上させる。
【0106】
具体的には、
図4及び
図7に示すように、第1絶縁部材130をステータスロットに挿入する過程において、機器工具によって把持作業を行い、第1絶縁部材130の凸部1312の高さを短すぎると設定すれば、機器工具の把持作業の操作可能性に影響を与え、そのため凸部1312の高さを2.5mm以上15mm以下の間に設定し、この時機器工具の把持効率が最も高く、機器の自動化能力が最も強い。そのうち、凸部1312の具体的な高さはプロセスによって実際に決定することができる。
【0107】
具体的な応用において、凸部の高さは5mm以上10mm以下である。さらに、凸部の高さは6mm、7mm、8mm又は9mmである。
【0108】
当該実施例において、さらに、
図1、
図3、
図4、
図7に示すように、ステータコア110の軸線方向に沿って、第1絶縁部材130の第2端に凹部1314が設置されている。そのうち、凸部1312は凹部1314に対向して設置される。すなわち第1絶縁部材13の軸方向の一端は1つの台形の凸部1312を含み、軸方向の他端は台形の凸部1312の形状及び寸法と同じである1つの台形の凹部1314を含む。凸部1312によって機器工具が第1絶縁部材130に対して把持作業を行いやすく、凹部1314を設置することによって第1絶縁部材130がステータスロットに挿入する時に絶縁フレーム150と衝突干渉が発生することを回避する。それによって第1絶縁部材130をステータスロット内に正確に挿入することを実現し、さらに機器の自動化能力を向上させる。
【0109】
当該実施例において、さらに、
図1、
図4、
図5及び
図7に示すように、第1絶縁部材130の凸部1312及び凹部1314の中心線が重なるように設置することにより、第1絶縁部材130を半分折りにした過程において、凸部1312と凹部1314が中心線に沿って半分折りにすることができることを実現し、さらに第1絶縁部材130全体の真直度を保証し、それにより第1絶縁部材130が軸線方向に沿ってステータスロットに挿入する過程における円滑性と正確性を向上させる。
【0110】
当該実施例において、さらに、
図1、
図4、
図5及び
図7に示すように、第1絶縁部材130の凸部1312と凹部1314の形状を同じに設定し、さらに凸部1312と凹部1314の中心線が重なることができることを保証し、さらに凸部1312と凹部1314が中心線に沿って半分折りにすることができることを実現し、それにより第1絶縁部材130が軸線方向に沿ってステータスロットに挿入する過程における円滑性と正確性を向上させる。同時に、凸部1312と凹部1314の形状が同じであるため、構造がよりシンプルで、生産加工しやすく、生産コストを効果的に低減させる。
【0111】
当該実施例において、さらに、
図4から
図7に示すように、第1絶縁部材130はさらに遷移部1330を含む。
【0112】
そのうち、
図4及び
図6に示すように、遷移部1330を介して第1絶縁部1310と第2絶縁部1320を接続し、すなわち第1絶縁部1310と第2絶縁部1320は遷移部1330を介して一体に接続され、且つ遷移部1330には折り畳み位置が設けられており、このように、第1絶縁部1310と第2絶縁部1320は折り畳み位置に沿って半分折りにすることができ、それによって半分折りにした第1絶縁部1310の長さが半分折りにした第2絶縁部1320の長さよりも大きいことを実現し、従来技術における両側の長さが同じである対称構造に比べ、第1絶縁部材130の材料使用量を低減し、材料コストを低減することができる。同時に、第1絶縁部1310と第2絶縁部1320は折り畳み位置に沿って半分折りにするため、第1絶縁部1310と第2絶縁部1320の半分折り接続箇所である遷移部1330に円弧状の遷移部1330を形成し、すなわち第1絶縁部材130が折り畳み位置に沿って半分折りにした遷移部1330は「U」型を呈し、半分折りにした第1絶縁部材130は自体の折り曲げにより、第1絶縁部1310と第2絶縁部1320との間に支持弾性力が存在し、第1絶縁部材130が隣接する2つの歯部における巻線120間の隙間に挿入される時、自体の弾性力により、第1絶縁部1310と第2絶縁部1320をそれぞれ2群の隣接する巻線120に密着させることができ、固定作用を補強し、それにより絶縁の信頼性を向上させる。
【0113】
本願の4つ目の実施例はステータ100を提供し、実施例1に基づき、さらに以下のとおりである。
【0114】
第1絶縁部材130の数を複数に設定することにより、少なくとも一部のステータスロットにいずれも1つの第1絶縁部材130を含むことを実現し、さらにステータスロット内の巻線120を物理的隔離することができ、絶縁信頼性を保証する。
【0115】
具体的には、
図1に示すように、ステータスロットの数を第1絶縁部材130の数と同じに設定することができる。このように第1絶縁部材130は全てのステータスロット内の巻線120を絶縁隔離することができ、モータの運転中の絶縁信頼性を効果的に向上させる。例えば、本実施例において、ステータスロットの数が12であり、第1絶縁部材130の数が12であるように設定し、すなわちステータスロットの数と第1絶縁部材130の数が等しく、各ステータスロットにいずれも1つの第1絶縁部材130を含むことを実現し、第1絶縁部材130のステータスロット内における絶縁隔離状態を最良にさせ、絶縁信頼性を保証する。
【0116】
理解されるように、第1絶縁部材130の数はステータスロットの数より少なくてもよい。
【0117】
当該実施例において、さらに、
図1から
図7に示すように、第1絶縁部材130の厚さを0.25mmから0.3mmの間に設定し、すなわち第1絶縁部1310と第2絶縁部1320の厚さを0.25mm以上0.3mm以下に設定することで、ステータスロット内の隣接する巻線120間の絶縁耐圧要求を保証する。さらに、第1絶縁部材130の厚さ範囲を設定し、一方では、隣接する巻線120の間に絶縁破壊が発生することを防止することができ、絶縁信頼性を補強させ、他方では、第1絶縁部材130の厚さ範囲を設定し、第1絶縁部材130を半分折りにする時、半分折りにした後の第1絶縁部材130自体の弾性力、すなわち第1絶縁部1310と第2絶縁部1320との間の支持弾性力を向上させることができ、さらに第1絶縁部材130が隣接する2つの歯部における巻線120間の隙間に挿入する時、自体の弾性力によって2群の隣接する巻線120に密着することができ、固定作用を補強し、それにより絶縁の信頼性を向上させる。
【0118】
本願の5つ目の実施例はステータ100を提供し、実施例1に基づき、さらに以下のとおりである。
【0119】
図1、
図2及び
図3に示すように、ステータコア110は複数の分割コア1102を含むように設置する。そのうち、複数の分割コア1102はステータコア110の周方向に沿って順次接続され、このように2つずつ隣接するステータコア110の間にステータスロットを限定して形成することができ、さらにステータスロットはステータコア110の軸線方向に沿って周方向に配列され、巻線120は歯部に巻き付けられ、且つステータスロット内に位置し、同時に、第1絶縁部材130は同様にモータの周方向に沿ってレイアウトされ、且つステータスロット内に対応して挿入され、ステータスロット内の巻線120を物理的隔離し、絶縁信頼性を実現する。
【0120】
図8に示すように、さらに、ステータコア110は複数の分割コア1102を含み、巻線120を巻き付ける時に、それぞれ各分割コア1102に巻線120を巻き付けることができ、全ての分割コア1102の巻き付けがいずれも完了した後、複数の分割コア1102を円に合わせ、このような設置方式はステータ100の占積率を効果的に向上させる。
【0121】
当該実施例では、さらに、
図1から
図3に示すように、各分割コア1102は複数のパンチングシートを含み、複数のパンチングシートはステータコア110の軸方向に沿って積層して分布し、このように重なり部1104はパンチングシートの周側縁部に形成され、複数のパンチングシートはコアの軸方向に沿って積層して分布する時、隣接するパンチングシートの間に重なり隙間を画定し、且つステータスロットに形成され、巻線120が歯部に巻き付きやすく、且つステータスロット内に位置し、第1絶縁部材130が隣接する2つの歯部における巻線120間の隙間に挿入する時、ステータスロット内の巻線120を効果的に物理的隔離することを実現し、絶縁信頼性を保証する。
【0122】
具体的には、パンチングシートは珪素鋼板である。
【0123】
当該実施例において、さらに、
図1から
図3に示すように、複数のパンチングシートは第1類のパンチングシートと第2類のパンチングシートを含み、複数の第1類のパンチングシートと複数の第2類のパンチングシートはステータコア110の軸方向に沿って交互に分布する。そのうち、ステータコア110の円周方向に沿って、第1類のパンチングシートの第1側には重なり部1104が設けられており、第1類のパンチングシートの第2側には切り欠き部が設けられており、同時に、第2類のパンチングシートの第1側には切り欠き部が設けられており、第2類のパンチングシートの第2側には重なり部1104が設けられている。このように、ステータコア110の軸線方向において、切り欠き部の両側において、隣接する2つの重なり部1104は隙間を囲むことができ、それによって隣接する2つの分割コア1102のうち、1つの分割コア1102の重なり部1104がもう1つの分割コア1102の隙間に挿入することを実現し、さらにステータの占積率を向上させる。
【0124】
具体的には、複数の第1類のパンチングシートと複数の第2類のパンチングシートがステータコア110の軸方向に沿って交互に分布する時、隣接する2つの第1類のパンチングシートの重なり部1104は第1側の間に間隔を有し、且つこの2つの第1類のパンチングシートの間における第2類のパンチングシートの切り欠き部に第1側の重なり隙間を直接に限定する。これに対応し、隣接する2つの第2類のパンチングシートの重なり部1104は第2側の間に間隔を有し、且つこの2つの第2類のパンチングシートの間における第1類のパンチングシートの切り欠き部に第2側の重なり隙間を直接に限定する。このように1つの分割コア1102の重なり部1104を他の分割コア1102の隙間に挿入することにより、ステータの占積率を向上させるという目的を達成することができ、同時に、全ての分割コア1102の挿設がいずれも完了した後、複数の分割コア1102を円に合わせ、ステータの占積率をさらに向上させることができ、さらにモータの作業過程においてモータ電力を向上させる。
【0125】
具体的な実施例において、上記切り欠き部はブランキング方式によって形成される。すなわち、第1類のパンチングシートの第2側から一部の材料を切り欠いて切り欠き部を形成してもよく、第2類のパンチングシートの第1側から一部の材料を切り欠いて切り欠き部を形成してもよい。
【0126】
本願の6つ目の実施例はモータを提供し、実施例1から実施例5のいずれか1つの実施例に記載のステータ100と、ステータ100と協働し且つ回転するロータと、を含む。
【0127】
本願にて提供されるモータは、実施例1から実施例5のいずれか1つの実施例に記載のステータ100を含むため、上記のステータ100の全部の有益な効果を有し、すなわち第1絶縁部1310及び第2絶縁部1320の長さを最適化し、それに絶縁信頼性が高く、固定性に優れ、自動化生産しやすく且つコストが低いという特徴を有させ、従来技術における両側の長さが同じである対称構造に比べ、第1絶縁部材130の材料使用量を低減し、材料コストを低減することができる。さらに従来技術において、第1絶縁部材130の寸法設定が不合理であり又は第1絶縁部材130が破損し、脱落する場合、巻線120の相と相との間の沿面距離が不足になり、さらにモータの負荷運転のリスクが発生し、及び第1絶縁部材130の構造が複雑であり、加工コストが高いという問題を解決する。ここでは具体的な説明を省略する。
【0128】
また、モータはさらにロータを含み、ロータはステータ100の内部に設置され、且つステータと協働して回転を発生し、さらにトルクを出力する。
【0129】
本願の7つ目の実施例は圧縮機を提供し、実施例6に記載のモータを含む。
【0130】
本願にて提供される圧縮機は、実施例6に記載のモータを含むため、同様に上記ステータ100の全部の有益な効果を有し、すなわち第1絶縁部1310及び第2絶縁部1320の長さを最適化し、それに絶縁信頼性が高く、固定性に優れ、自動化生産しやすく且つコストが低いという特徴を有させ、従来技術における両側の長さが同じである対称構造に比べ、第1絶縁部材130の材料使用量を低減し、材料コストを低減することができる。さらに従来技術において、第1絶縁部材130の寸法設定が不合理であり又は第1絶縁部材130が破損し、脱落する場合、巻線120の相と相との間の沿面距離が不足になり、さらにモータの負荷運転のリスクが発生し、及び第1絶縁部材130の構造が複雑であり、加工コストが高いという問題を解決する。ここでは具体的な説明を省略する。
【0131】
本願の8つ目の実施例は車両を提供し、実施例7に記載の圧縮機を含む。
【0132】
本願にて提供される車両は、実施例7に記載の圧縮機を含むため、同様に上記圧縮機の全ての有益な効果を有し、ここでは説明を繰り返さない。
【0133】
具体的な実施例
図1から
図7に示すように、本願の1つの具体的な実施例はステータ100を提供し、ステータ100はステータコア110と、巻線120と、第1絶縁部材130と、第2絶縁部材140と、絶縁フレーム150と、を含む。
【0134】
具体的には、
図1から
図3に示すように、モータのステータスロット数Q=12を実施例として、第1絶縁部材130はコアの軸方向に沿って隣接する2つのコアに限定されたステータスロット内に挿入され、ステータスロットの内壁に沿って第2絶縁部材140が設けられており、ステータコア110の軸方向端面の両側に絶縁フレーム150が配置されており、ステータスロット内に絶縁フレーム150に巻き付けられる巻線120が配置されており、第1絶縁部材130はモータの周方向に沿ってレイアウトされ、ステータスロット内の巻線120を物理的隔離し、それにより第1絶縁部材130の絶縁信頼性を保証する。
【0135】
具体的には、
図4から
図6に示すように、第1絶縁部材130の半分折りにした一側は他側の長さよりも大きく、すなわち、第1絶縁部材130は第1絶縁部1310と第2絶縁部1320を含み、第1絶縁部材130の第1絶縁部1310と第2絶縁部1320はそれぞれ第2絶縁部材140の突起部1402の両側に位置し、第1絶縁部1310と第2絶縁部1320との半分折り接続箇所に円弧状の遷移部1330を形成し、第1絶縁部1310と第2絶縁部1320の外側は巻線120に密着する。従来技術における両側の長さが同じである対称構造に比べ、第1絶縁部材130の材料使用量を低減し、材料コストを低減することができる。
【0136】
具体的な応用において、第1絶縁部材130は相間絶縁であり、第2絶縁部材140はスロット絶縁であり、理解されるように、隣接する2つの歯部に異なる相の巻線120が巻回され、相間絶縁すなわち隣接する2つの歯部における異なる相の巻線120の間に設置され、異なる相の巻線120を絶縁するために用いられ、スロット絶縁すなわちステータスロットの内壁面を絶縁し、それにより巻線120はスロット絶縁によって歯部に巻回され、絶縁の役割を果たす。
【0137】
且つ、同一のステータスロット内において、第1絶縁部1310は一組の巻線120と接触し、第2絶縁部1320は他の群の巻線120と接触し、すなわち第1絶縁部材130は2群の隣接する巻線120に同時に接続され、このように、第1絶縁部材130は自体の折り曲げによって形成された弾性力によって2群の隣接する巻線120に密着し、固定作用を補強し、従来技術において単一絶縁紙のみで相間隔離を行う時に絶縁脱落が発生する問題を効果的に解決し、第1絶縁部材130の絶縁信頼性を保証すると同時に第1絶縁部材130の固定作用を補強させる。且つ、半分折りにした第1絶縁部1310の長さは半分折りにした第2絶縁部1320の長さよりも大きく、このように材料使用量が少なく、材料コストが低く、造形がシンプルで、生産加工しやすく、生産コストが低い。
【0138】
具体的には、
図7に示すように、第1絶縁部材130の軸方向の一端は1つの台形の凸部1312を含み、軸方向の他端は台形の凸部1312の形状及び寸法と同じである1つの台形の凹部1314を含み、台形の凸部1312は台形の凹部1314の中心線と重なり、第1絶縁部材130は機器によって凸部1312を固定し、凹部1314を軸方向に沿ってステータスロットに挿入する。
【0139】
具体的には、
図1及び
図6に示すように、第1絶縁部1310と第2絶縁部1320の高さの差は第2絶縁部材140のスロット内への突起高さすなわち突起部1402の高さよりも大きく、ステータスロット内の底部に第1絶縁部材130、第1絶縁部1310及び第2絶縁部材140のスロット内への突起部1402によって形成された3層の絶縁が巻線120を隔離することを保証することができ、これはモータのステータスロットの底部の巻線120の間隔が近いため、3層の絶縁は相間絶縁の信頼性をさらに向上させることができるからであり、同時に第1絶縁部材130がステータスロットに挿入する時に第2絶縁部1320と第2絶縁部材140内の突起部1402が干渉することを回避することができ、第2絶縁部1320と第1絶縁部1310は2層の絶縁間隔を構成し、絶縁信頼性を保証すると同時に、自体の折り曲げによって形成された弾性力によって隣接する巻線120に密着することができ、固定作用を果たし、単一絶縁紙のみで相間隔離を行う時に絶縁脱落が発生する可能性を途絶し、同時に第1絶縁部材130の一側は他側より長く、両側の長さが同じである対称構造に比べ、第1絶縁部材130の材料の使用量を低減し、材料コストを低減することができる。
【0140】
具体的な応用において、ステータ100を組み立てる時、まず第2絶縁部材140をステータスロット内に取り付け、続いて第1絶縁部材130をステータスロット内に挿入し、さらに上記寸法の設定は第1絶縁部材130と第2絶縁部材140との干渉を回避することができる。
【0141】
具体的には、
図1及び
図7に示すように、ステータコア110の軸方向長さはL1であり、凸部1312を含まない第1絶縁部材130の軸方向長さはL2であり、L2≧L1+7mmを満たし、ここで7mmは端部の巻線120の高さを考慮して決定されたプロセス寸法であり、すなわち第1絶縁部材130をステータスロット内に取り付ける時、凸部1312の少なくとも一部をステータコア110から突出させることができ、第1絶縁部材130の組み立てと取り外しに有利であり、同時に、さらに第1絶縁部材130がステータスロット内に設置された部分の寸法を保証することができ、それにより第1絶縁部材130がステータスロット内に設置された寸法がステータスロットの寸法以上であるようにさせ、さらに第1絶縁部材130の隣接する巻線120に対する絶縁効果を保証し、このようにステータスロット内の2群の巻線120の直線セグメントの絶縁性能を保証すると同時に、端部の隣接する巻線120間に絶縁破壊が発生することを防止し、絶縁信頼性を向上させる。
【0142】
具体的には、
図1及び
図7に示すように、台形の凸部1312の高さは3mm以上であり、具体的な応用において、凸部の高さは5mm以上10mm以下である。さらに、凸部の高さは6mm、7mm、8mm又は9mmである。第1絶縁部材130の凸部1312の台形上底の長さは凸部1312の台形下底より1mm短く、機器工具が把持によって第1絶縁部材130を軸方向に沿ってステータスロット内に挿入することに有利であることで、機器の自動化能力及び簡易性を向上させ、凸部1312が短すぎると機器の操作可能性に影響を与え、凸部1312の台形高さ3mmはプロセスに基づいて実際に決定され、凹部1314は第1絶縁部材130が挿入される時に絶縁フレーム150との衝突干渉を回避することができる。
【0143】
また、第1絶縁部材130の数はモータのステータスロットの数を超えず、具体的には、本実施例におけるステータスロットの数は12であり、第1絶縁部材130の数は12であり、第1絶縁部材130の数とステータスロットの数が等しい場合、各ステータスロット内にいずれも1つの第1絶縁部材130を含み、この時各ステータスロット内の相間巻線120の絶縁効果が高い。
【0144】
また、第1絶縁部材130の片側の厚さが0.25mm以上0.3mm以下であり、ステータスロット内の相巻線120の間の絶縁耐圧要求を保証することができる。
【0145】
また、第1絶縁部材130の材料はポリフェニレンサルファイド(PPS)であり、絶縁効果が高く、耐高温で、動作環境との互換性が高い。
【0146】
以上、本願の具体的な実施例が提供するステータ100において、ステータコア110は複数の歯部を含み、且つ複数の歯部はステータコア110の周方向に沿って分布し、隣接する2つの歯部の間にステータスロットが形成され、巻線120は歯部に巻き付けられ、且つステータスロット内に位置する。また、第1絶縁部材130が隣接する2つの歯部における巻線120の間の隙間に挿設され、且つ少なくとも一部の第1絶縁部材130が隣接する2つの歯部における巻線120の間の隙間に位置するように設置し、このようにステータスロット内の巻線120を物理的隔離し、絶縁信頼性を保証することができ。第1絶縁部材130の半分折りにした一側は他側の長さよりも大きく、すなわち第1絶縁部材130は第1絶縁部1310と第2絶縁部1320を含み、第1絶縁部材130の第1絶縁部1310と第2絶縁部1320はそれぞれ第2絶縁部材140の突起部1402の両側に位置し、第1絶縁部1310と第2絶縁部1320との半分折り接続箇所に円弧状の遷移部1330を形成し、第1絶縁部1310と第2絶縁部1320の外側は巻線120に密着し、折り畳み状態で第1絶縁部材130に対する最適化により、すなわち第1絶縁部1310及び第2絶縁部1320の長さを最適化することにより、それに絶縁信頼性が高く、固定性に優れ、自動化生産しやすく且つコストが低いという特徴を有させる。
【0147】
本願において、用語「複数」とは、特に明記しない限り、2つ又は2つ以上を意味する。用語「取り付け」、「連結」、「接続」、「固定」等は、いずれも広い意味で理解されるべきであり、例えば、「接続」は固定接続されることであってもよく、取り外し可能に接続されることであってもよく、又は一体接続されることであってもよい。「連結」は直接連結してもよく、中間媒体を介して間接的に連結してもよい。当業者にとって、上記用語の本願における具体的な意味を具体的な状況に応じて理解することができる。
【0148】
本明細書の説明において、「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「具体的な実施例」等の用語の説明は、その実施例又は例に関連して説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が、本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記の用語の例示的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例を対象とするものではない。さらに、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、いずれかの1つ又は複数の実施例又は例において適切な方法で組み合わせられる。
【0149】
以上の記載は本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を限定するものではなく、当業者にとって、本願は様々な修正及び変更が可能である。本願の精神と原則内で行われる任意の修正、同等の置換、及び改善等は、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0150】
ここで、
図1から
図8で符号と部品名称との対応関係は、次のとおりである。
100…ステータ、110…ステータコア、1102…分割コア、1104…重なり部、120…巻線、130…第1絶縁部材、1310…第1絶縁部、1320…第2絶縁部、1312…凸部、1314…凹部、1330…遷移部、140…第2絶縁部材、1402…突起部、150…絶縁フレーム。
【国際調査報告】