IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アダスカイ・リミテッドの特許一覧

特表2024-502133長波赤外線能力を持つ車両対インフラストラクチャシステム及び方法
<>
  • 特表-長波赤外線能力を持つ車両対インフラストラクチャシステム及び方法 図1
  • 特表-長波赤外線能力を持つ車両対インフラストラクチャシステム及び方法 図2
  • 特表-長波赤外線能力を持つ車両対インフラストラクチャシステム及び方法 図3
  • 特表-長波赤外線能力を持つ車両対インフラストラクチャシステム及び方法 図4
  • 特表-長波赤外線能力を持つ車両対インフラストラクチャシステム及び方法 図5
  • 特表-長波赤外線能力を持つ車両対インフラストラクチャシステム及び方法 図6
  • 特表-長波赤外線能力を持つ車両対インフラストラクチャシステム及び方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】長波赤外線能力を持つ車両対インフラストラクチャシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20240110BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
H04N23/60
H04N7/18 N
H04N7/18 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541083
(86)(22)【出願日】2021-11-24
(85)【翻訳文提出日】2023-08-07
(86)【国際出願番号】 IB2021060944
(87)【国際公開番号】W WO2022144629
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】17/138,054
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516326117
【氏名又は名称】アダスカイ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ADASKY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【弁理士】
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】クイベダ,オレグ
(72)【発明者】
【氏名】ディション,ヨナタン
(72)【発明者】
【氏名】イヴァノフ,イゴール
【テーマコード(参考)】
5C054
5C122
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CA05
5C054CC02
5C054DA07
5C054FD02
5C054HA26
5C122DA11
5C122DA16
5C122EA22
5C122FA06
5C122FF09
5C122FF23
5C122FH04
5C122FH11
5C122FH12
5C122FH14
5C122GA01
5C122HA13
5C122HA35
5C122HA83
5C122HA88
5C122HB01
5C122HB10
(57)【要約】
車両対インフラストラクチャ(V2I)システムを動作させるためのシステム及び方法。本方法は、赤外線(IR)カメラから画像を受信するステップと、受信した画像内に不均一性ノイズが存在するかどうかを判定するステップと、不均一性ノイズが存在すると判定すると、キャリブレーションを実行するステップと、キャリブレーションを実行した後に、残留する不均一性ノイズがあると判定し、IRカメラがIRカメラに接近している移動物体を検出していないと判定すると、IRに不均一性補正(NUC)を実行するステップと、NUCを実行した後に、IRカメラの視野(FOV)が遮られているかどうかを判定するステップと、赤外線カメラのFOVが遮られていると判定すると、IRカメラを洗浄するステップとを含む。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両対インフラストラクチャ(V2I)システムを動作させる方法であって、
赤外線(IR)カメラから画像を受信するステップと、
受信した前記画像内に不均一性ノイズが存在するかどうかを判定するステップと、
前記不均一性ノイズが存在すると判定すると、キャリブレーションを実行するステップと、
前記キャリブレーションを実行した後に、残留する不均一性ノイズがあると判定し、前記IRカメラが前記IRカメラに接近している移動物体を検出していないと判定すると、前記IRに対して不均一性補正(NUC)を実行するステップと、
前記NUCを実行した後に、前記IRカメラの視野(FOV)が遮られているかどうかを判定するステップと、
前記赤外線カメラの前記FOVが遮られていると判定すると、前記IRカメラを洗浄するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記IRカメラはシャッターを含み、
前記不均一性補正(NUC)の実行中、前記シャッターは前記赤外線(IR)カメラ上で閉じられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記不均一性ノイズが存在するかどうかの判定中に前記シャッターを開いたままにすることをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記キャリブレーションの実行中に前記シャッターを開いたままにすることをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記キャリブレーションは、別の画像による修正又は幾何学的キャリブレーションのうちの1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記IRカメラと前記車両との間の間隔推定中に実行されるシーン距離測定に基づいて幾何学的キャリブレーションを実行するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
受信した前記画像内の各画素について、モデル化されていないオフセット、ゲイン、又はドリフトノイズのうちの1つを補正するための画素ベースの補正を形成することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
受信した前記画像内の前記各画素についての温度ドリフト補正に基づいて前記ドリフトノイズを補正することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ガンマドリフト係数を計算することによって前記ドリフトノイズを補正することと、各画素についての所定のドリフト値と前記計算されたドリフト値との積を減算することとをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
処理回路に処理を実行させるための命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記処理は、
赤外線(IR)カメラから画像を受信するステップと、
受信した前記画像内に不均一性ノイズが存在するかどうかを判定するステップと、
前記不均一性ノイズが存在すると判定すると、キャリブレーションを実行するステップと、
前記キャリブレーションを実行した後に、残留する不均一性ノイズがあると判定し、前記IRカメラが前記IRカメラに接近している移動物体を検出していないと判定すると、前記IRに対して不均一性補正(NUC)を実行するステップと、
前記NUCを実行した後に、前記IRカメラの視野(FOV)が遮られているかどうかを判定するステップと、
前記赤外線カメラの前記FOVが遮られていると判定すると、前記IRカメラを洗浄するステップと、を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
物体を検出するための車両対インフラストラクチャ(V2I)システムであって、
処理回路と、
メモリであって、前記メモリは、前記処理回路によって実行されると、
赤外線(IR)カメラから画像を受信し、
受信した前記画像内に不均一性ノイズが存在するかどうかを判定し、
前記不均一性ノイズが存在すると判定すると、キャリブレーションを実行し、
前記キャリブレーションを実行した後に、残留する不均一性ノイズがあると判定し、前記IRカメラが前記IRカメラに接近している移動物体を検出していないと判定すると、前記IRに対して不均一性補正(NUC)を実行し、
前記NUCを実行した後に、前記IRカメラの視野(FOV)が遮られているかどうかを判定し、
前記赤外線カメラのFOVが遮られていると判定すると、前記IRカメラを洗浄する、ように前記システムを構成する命令を含む、該メモリと、を備えるシステム。
【請求項12】
前記IRカメラはシャッターを含み、
不均一性補正(NUC)の実行中、前記シャッターは前記赤外線(IR)カメラ上で閉じられる、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記シャッターは、前記不均一性ノイズが存在するかどうかの前記判定の間、開いたままである、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記シャッターは、前記キャリブレーションの実行中、開いたままである、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記キャリブレーションが、別の画像を用いた修正又は幾何学的キャリブレーションのうちの1つを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記幾何学的キャリブレーションは、前記IRカメラと前記車両との間の距離推定中に実行されるシーン距離測定値に基づいて決定される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記システムは、さらに、受信した前記画像内の各画素について、モデル化されていないオフセット、ゲイン、又はドリフトノイズのうちの1つを補正するための画素ベースの補正を形成するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記ドリフトノイズは、受信した前記画像内の前記各画素についての温度ドリフト補正に基づいて補正される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記ドリフトノイズは、ガンマドリフト係数を計算し、各画素についての所定のドリフト値と前記計算されたドリフト値との積を減算することによって補正される、請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年12月30日に出願された米国非仮出願第17/138,054号の利益を主張する。上記関連出願の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は概して、車両通信システムに関し、特に、赤外線カメラを含む車両対インフラストラクチャシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ビークルツーインフラストラクチャ(又は、車両対インフラストラクチャ/Vehicle-to-Infrastructure,V2I)は、車両が道路システムを構成するインフラストラクチャ及び構成要素と情報を共有することを可能にする通信モデルである。構成要素は、交通信号、車線マーカ、街路灯、道路標識、駐車メータ、建物構造などを含み得る。これらの構成要素に搭載されたセンサーからデータがリアルタイムで収集され、道路状況に関する警告、交通渋滞、潜在的な障害物、及び駐車可能性を配信するために、ネットワークを介して車両に送信され得る。他のシステムはまた、交通流を最適化し、車両の燃費を向上させる一方で、道路上の運転者及び歩行者の両方に対する安全を促進するために、インフラストラクチャ及び車両データの両方を使用し得る。
【0004】
典型的には、V2Iシステムで使用されるセンサーは、ビデオカメラ、無線検出及び測距(RADAR)、超音波センサー、及び光検出及び測距(LIDAR)、並びに移動車両の外側の交通物体の良好な視認性を有する固定位置に取り付けられた他の静止センサーを含む。V2Iシステムはまた、車両に搭載されたセンサーによって適切に捕捉することができない情報を追加し得る。例えば、V2Iシステムは交差点にあるポールに取り付けられたRGBカメラを含むことができ、このカメラは交差点に接近する車両及び歩行者のビデオを捕捉し、分析し、コーナーの周りから接近する車両に情報を送信するように適合されている。
【0005】
V2Iシステムは静止しており、車両上に配置されておらず、システムのコストは個々の車両所有者によってではなく、これらのシステムを使用する公衆のメンバーによって共有され得るので、V2Iシステムは、個々の車両上に設置されるV2Vシステムに適用されるサイズ、位置ロケーション、及びコスト制限に限定されることなく、センサー感度の増大、分解能の向上、検出範囲の増大、及び視野の拡大を伴う、視野角及び位置に搭載されるセンサーを有することによって、V2V(車両対車両/Vehicle-to-Vehicle)システム内の車両上に搭載されるセンサーの分析能力を増強し得る。
【0006】
しかしながら、様々な感知モダリティはそれらの視野が限定されており、全天候条件において実行することができない。これらの装置の性能は、悪天候下又は夜間では特に不良である。例えば、明るい昼光下の晴天条件下でさえ、ビデオカメラは、太陽光及び雪反射からのグレアによって役に立たなくなり得る。また、夜間には、ビデオカメラが遠くの物体を識別するために追加のアクティブ照明が必要であり、これは多くの電気エネルギーを消費する。さらに、ビデオカメラは、大雨又は霧の下では役立たない場合がある。
【0007】
レーダは物体の相対速度を識別し得るが、物体の詳細を識別することができない。さらに、超音波センサーは、近くの物体を低分解能で感知することしかできない。加えて、LIDARは物体(又は、オブジェクト)の3次元画像を作成し、深度知覚を与えることが可能であり得るが、範囲は依然として限定され、検出は雨又は霧の状態では不明瞭となり得る。
【0008】
全体的に、説明される様々なシステムは、悪い気象条件下又は夜間にうまく機能しない。
【0009】
さらに、異なるモダリティのイメージャがV2Iアプリケーションの場合のように長期間にわたってインフラストラクチャ上に固定されるとき、生成される画像内にノイズが蓄積し、画像の品質を低下させ、オンボードプロセッサが、経時的に検出される異なる物体を区別することを困難にする可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の議論を考慮すると、上記の欠点を克服する異なるモダリティを使用するV2Iシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示のいくつかの例示的な実施形態の概要を以下に示す。この概要はそのような実施形態の基本的な理解を提供するために読者の便宜のために提供されるものであり、本開示の幅を完全に定義するものではない。この概要は、すべての企図される実施形態の包括的な概観ではなく、すべての実施形態の主要又は重要な要素を識別するものでも、いずれか又はすべての態様の範囲を定めるものでもない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、1つ又は複数の実施形態のいくつかの概念を簡略化された形で提示することである。便宜上、「いくつかの実施形態」又は「特定の実施形態」という用語は、本明細書では本開示の単一の実施形態又は複数の実施形態を指すために使用され得る。
【0012】
本明細書に開示される特定の実施形態は、車両対インフラストラクチャ(V2I)システムを動作させるための方法を含む。本方法は、赤外線(IR)カメラから画像を受信するステップと、受信した画像内に不均一性ノイズが存在するかどうかを判定するステップと、不均一性ノイズが存在すると判定すると、キャリブレーション(又は、較正/校正)を実行するステップと、キャリブレーションを実行した後に、残留する不均一性ノイズがあると判定し、IRカメラがIRカメラに接近している移動物体を検出していないと判定すると、IRに対して不均一性補正(NUC)を実行するステップと、NUCを実行した後に、IRカメラの視野(FOV)が遮られているかどうかを判定するステップと、赤外線カメラのFOVが遮られていると判定すると、IRカメラを洗浄するステップとを含む。
【0013】
本明細書に開示される特定の実施形態はまた、処理回路に以下の処理を実行させるための命令を自身に記憶する非一時的コンピュータ可読媒体を含み、上記処理は、赤外線(IR)カメラから画像を受信するステップと、受信した画像内に不均一性ノイズが存在するかどうかを判定するステップと、不均一性ノイズが存在すると判定すると、キャリブレーションを実行するステップと、キャリブレーションを実行した後、残留する不均一性ノイズがあると判定し、IRカメラがIRカメラに接近している移動物体を検出していないと判定すると、IRに対して不均一性補正(NUC)を実行するステップと、NUCを実行した後に、IRカメラの視野(FOV)が遮られているかどうかを判定するステップと、赤外線カメラのFOVが遮られていると判定すると、IRカメラを洗浄するステップとを含む。
【0014】
本明細書に開示される特定の実施形態はまた、車両対インフラストラクチャシステムを含む。本システムは処理回路と、メモリとを含み、メモリは、処理回路によって実行されると、赤外線(IR)カメラから画像を受信し、受信した画像内に不均一性ノイズが存在するかどうかを判定し、不均一性ノイズが存在すると判定すると、キャリブレーションを実行し、キャリブレーションを実行した後に、残留する不均一性ノイズがあると判定し、IRカメラがIRカメラに接近している移動物体を検出していないと判定すると、IRに対して不均一性補正(NUC)を実行し、NUCを実行した後に、IRカメラの視野(FOV)が遮られているかどうかを判定し、赤外線カメラのFOVが遮られていると判定すると、IRカメラを洗浄するようにシステムを構成する命令を含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本明細書に開示される主題は、本明細書と共に提出した特許請求の範囲において具体的に指摘しかつ明確に特許請求している。開示された実施形態の前述及び他の目的、特徴、及び利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0016】
図1図1は、本明細書の一実施形態による、赤外線カメラを使用する車両対インフラストラクチャ(V2I)通信システムの概略図である。
【0017】
図2図2は、本明細書の一実施形態による、V2I通信システムで使用される赤外線カメラの分解図である。
【0018】
図3図3は、本明細書の一実施形態による、V2I通信システムで使用される赤外線カメラシステムの詳細な系統図である。
【0019】
図4図4は、本明細書の一実施形態による、V2I通信システムで使用される(処理回路/サーバ)の詳細な系統図である。
【0020】
図5図5は、一実施形態による、図2のICによって実行される処理タスクのパイプラインを示す。
【0021】
図6図6は、本明細書の一実施形態による、V2I通信を動作させる方法のフローチャートである。
【0022】
図7図7は、本明細書の一実施形態による、V2I通信システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書に開示される実施形態は、本明細書における革新的な教示の多くの有利な使用の例にすぎないことに留意することが重要である。一般に、本出願の明細書においてなされる記述は、必ずしも様々な請求される実施形態のいずれをも限定しない。さらに、いくつかの記述はいくつかの発明の特徴に適用され得るが、他のものには適用されない。一般に、特に明記しない限り、単数の要素は、一般性を失うことなく、複数であってもよく、逆もまた同様である。図面において、同様の番号は、いくつかの図を通して同様の部分を指す。
【0024】
開示される様々な実施形態は、長波赤外線カメラを使用して車両対インフラストラクチャ(V2I)システムを動作させるための方法及びシステムを含む。赤外線カメラの使用は、大量のエネルギーを使い果たしセンサーのための光学ノイズを生成するアクティブ照明を必要とすることなく、長距離(最大約250m)からの車両及び歩行者などの移動物体の検出を可能にする。長波赤外線カメラによって生成される画像はまた、他の光源、もや(又は、ヘイズ/haze)、夜間光、雨、雪、霧、又は、光検出及び測距(LIDAR)などの他のタイプの撮像システムの視認性を低下させ得る他の要因に対しても不変である。V2I方法及びシステムはまた、物体検出、追跡、及び距離決定の両方を向上させる画像処理を含み、これは、静止してポール上に固定されたカメラに最適化される。さらに、シャッター機構を使用して、カメラの視野を閉じ、赤外線カメラが使用されていないときに重要なカメラ保守を行うことができる。したがって、シャッターが閉じられ得るときを決定するためのアルゴリズムが開発され得る。
【0025】
図1は、本明細書の一実施形態による、遠赤外線(FIR)デバイス110を使用する車両対インフラストラクチャ(V2I)通信システム100の概略図である。V2I通信システム100は、FIRデバイス110と、インフラストラクチャ120と、端末130と、ネットワーク140と、車両内に配置されたディスプレイ152とを含む。
【0026】
FIRデバイス110は、インフラストラクチャ120上に実装されてもよく、又は固定位置においてそれ自体のマウント上に独立して実装されてもよい。FIRデバイス110は、約15マイクロメートル~1mmの波長で電磁放射の遠赤外スペクトルを検出するように適合され、これはまた、20THz~300GHzの範囲に対応する。
【0027】
インフラストラクチャ120は交通カメラ、道路標識、街路灯、建物、橋、料金所、駐車場、充電ステーション、道路標示、及び他の輸送機器とし得るが、これらに限定されない。
【0028】
ネットワーク140は限定はしないが、ワイヤレス、セルラー又はワイヤードネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロエリアネットワーク(MAN)、インターネット、ワールドワイドウェブ(WWW)、同様のネットワーク、及びそれらの任意の組合せであり得る。ネットワーク140はまた、セルラーネットワーク、たとえば、LTE又は5Gを含み得る。また、ネットワーク140にはサーバ142が接続されている。ディスプレイ152は、車両上のスクリーンであり得る。
【0029】
動作中、インフラストラクチャ120に搭載されたFIRデバイス110は、交差点を横断する歩行者、及び交差点に接近する車両140の画像を連続的に捕捉する。画像に加えて、それ自体であろうと他のセンサーと組み合わせてであろうと、FIRデバイス110はまた、車両及び歩行者の両方に関連する他の情報を捕捉し得る。次に、FIRデバイス110は、処理のためにネットワーク130を介してサーバ142に画像情報を転送する。
【0030】
図2は、本明細書の実施形態による、V2I通信システム100において使用されるFIRデバイス110の例示的分解図である。FIRデバイス110は、シャッター機構(シャッター)210、又は不均一性補正(NUC)機構を囲む中央ハウジング200と、FIRカメラ220と、マウント250とを含む。マウント250はFIRデバイス110の近位端上の背面カバー260上に固定され、前面カバー270は近位端とは反対側のFIRデバイス110の遠位端を囲む。
【0031】
シャッター210はFIRカメラ220を保護するためのものであり、ウィンドウ213と、モータ215とを備えている。モータ215はカメラメンテナンス又はリソース集約的な画像処理を実行するときに、FIRカメラ220の視野(FOV)を覆うようにウィンドウ213を移動させる。また、ウィンドウ213はFIRセンサー220が車両や歩行者などの移動物体を一定期間にわたって検出しなかった場合に、待機状態にあるときにFIRカメラ220を覆ってもよい。
【0032】
シャッター210はまた、電源投入時にNUC動作を行うために自動的に作動されてもよく、又は、シャッター210がFIRカメラ220のFOVを閉じて覆わないときに画質が著しく劣化して補正できない場合に作動されてもよい。例えば、FIRカメラ220によって撮影された画像がノイズを含んでいることが検出されると、シャッター210が作動してNUC動作を行い、キャリブレーションを行うことができる。
【0033】
すなわち、キャリブレーションが行われているNUC動作中に、シャッター210はモータ215によって「閉」位置に移動させることができ、ここで、FIRセンサー220はシャッター210によって遮断され、その結果、NUC動作が外部の外乱なしに是正措置をとるように行われ得る。
【0034】
あるいは、シャッター210がNUC操作とともに手動で操作されてもよい。
【0035】
前面カバー270は、レンズ280を含む。ワイヤ又はコイルを含み得る除氷ウィンドウヒータ(ヒータ)217も、レンズ280とウィンドウ213との間に存在する。ヒータ217はレンズ280の着氷を防止し、FIRカメラ220の構成要素を保護する。また、一実施形態では、レンズ280がIR範囲の電磁波に対しても透過性である低伝導性材料から作製されてもよく、その結果、別個のヒータ217を必要とすることなく、レンズを加熱するために電流を直接印加し得る。例えば、ゲルマニウムなどの材料を使用してレンズ280を形成し得る。いくつかの実施形態では、レンズ280はまた、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティングを有してもよい。さらに、同様の電気熱伝導特性を有するゲルマニウム及び他の半導体を使用するレンズは材料の導電性を制御するためにドープされてもよい(例えば、N型又はP型半導体)。
【0036】
ヒータ217は、コントローラ132のヒータリレー138を介して、ディベロッパーキット(又は、現像キット)134によって電力供給及び制御される。ヒータ217は、ウィンドウ213の温度感知に基づいて、ヒータリレー138によって電源投入され得る。例えば、ヒータ217は感知された温度が約5C(41f)を下回るときにトリガされてもよく、一旦トリガされると、ヒータ217は温度が約14C(57f)を上回ると加熱を停止してもよい。
【0037】
図3は、一実施形態に従って実施されるFIRカメラ220の例示的なブロック図の側面図である。FIRカメラ220は、光学ユニット310と、集積回路(IC)330に結合されたFIRセンサー320を含む。FIRカメラ220の出力は、FIRセンサー320によって取り込まれ、IC330によって処理された熱画像のビデオストリーム(サーマルビデオストリーム)である。
【0038】
一実施形態では、2つのサーマルビデオストリーム(又は、サーモビデオストリーム/thermal video streams)がFIRカメラ220によって出力される。第一ストリーム304は、FIRカメラ220によってキャプチャされ、画像補正及び強調のためにIC330によって処理されたサーマル画像(又は、熱画像)を含み得る。例示的な実施形態では、第一サーマルビデオストリーム304が8ビットグレースケールビデオストリームであり得る。第一サーマルビデオストリーム304は、ディスプレイ152に供給される。さらなる実施形態では、複数のサーマルビデオストリームがFIRカメラ220によって出力される。出力ストリームは非FIRセンサー(例えば、可視波長、CCD、又はCMOSセンサー)から受信された画像からの結果を含み得る。
【0039】
第二ストリーム305は、FIRセンサー320によって捕捉され、NUC補正のためにIC330によって処理されたサーマル画像を含む。例示的な実施形態では、第二サーマルビデオストリーム305は14ビットのデータストリームである。第二ストリーム305は、コンピュータビジョン処理のためにサーバ142に供給される。具体的には、サーバ142は、AVSならびに他の自律システム及びアプリケーションに関連する様々なコンピュータビジョンアルゴリズムを実行するように構成され得る。アルゴリズムは限定はしないが、道路上の物体、障害物、又は危険物の検出を含み得る。例えば、FIRカメラ220によって出力される処理されたサーマルビデオストリームは車両、歩行者、動物、二輪車、黒氷点(black-ice spots)、ごみ、デブリ、くぼみ(又は、ポットホール/potholes)、ガリーカバー(gully covers)、縁石等の検出に利用し得る。一実施形態では、サーバ142が車載コンピュータ、又は車両(図示せず)にインストールされた専用コンピュータであり得る。いくつかの例示的な実施形態では、コンピュータがクラウドコンピューティングプラットフォーム(図示せず)内で動作可能な仮想又は物理的コンピューティングマシンであり得る。
【0040】
以下で論じるように、いくつかの実施形態によれば、IC330によって実行される処理は道路上の物体、障害物、及び危険物の正確かつ迅速な検出を可能にするように、キャプチャされたサーマル画像の品質を向上させるように構成される。IC330による処理は、日中及び夜間の照明条件の間、ならびにすべての気象条件における物体の受動的検出を保証する。この目的のために、IC330は、1つ又は複数の画像処理タスクを実行するように構成される。そのようなタスクにはNUC、日焼け防止、不良画素置換、近視野補正、時間的ノイズ除去、空間的ノイズ除去、エッジ強調、自動利得制御、局所コントラスト、強調、及び輝度及び極性調整が含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、これらのタスクがFIR画像(フレーム)を処理するためにいくつか又はすべてのタスクが利用され得るパイプライン方式で実行され、したがって、低レイテンシ(又は、待ち時間/遅延時間/latency)処理を保証する。
【0041】
IC330によって実行され得る画像処理は、FIRセンサー320によってキャプチャされたFIR画像のシャッターレス補正である。一実施形態では、FIRカメラ220がシャッター(又はシャッターとして見ることができる任意の可動部分)を含まなくてもよい。IC330によって実行されるシャッターレス補正は、シャッターなしでのフラットフィールド補正の実行を可能にする。すなわち、シャッターレス補正は、均一なFIR画像を可能にする。しかしながら、シャッターレス画像処理がFIR画像の補正を提供できず(例えば、急速な周囲変化がある場合)、FIRカメラ220の静的配置が与えられている場合には、シャッターは、システムがよりリソース集約的な補正を実行することを可能にするためのバックアップとして使用され得る。この場合、シャッターレス補正の方法は、シャッターを開いたままにし、かつFIRカメラ220が画像を記録し続けることを可能にしながら、単純な補正を処理することによって、シャッター呼び出し間の時間を長くし得る。
【0042】
シャッターレスFIRカメラ220は、機械的により信頼性が高く、AVSシステムに要求される安全基準をより良好に満たすことができることを理解されたい。したがって、最小限の処理が必要な、撮影画像にノイズが少なく、また、遮蔽されない場合に、撮像中にシャッターを開いたままにしておき、シャッターを閉じる必要がないように保つ時間は、V2I設定において最適な信頼性及び安全性をもたらし得る(又は、撮像中にシャッターを開いたままにしておくのに必要な時間は撮像された画像がノイズや遮蔽されていない場合には最小限の処理が必要であり、シャッターを閉じたままにしておくことは、V2I設定において最適な信頼性及び安全性をもたらし得る。)しかしながら、シャッターレス補正方法はより計算上の要求が高く、より強力なプロセッサ/アクセラレータを必要とし得るが、シャッターベースの補正は通常、あまり精巧でない光回路、オンチップ、FPGA、検出器回路の一部でさえあり得る小型コントローラによってオンザフライで実行され得る非常に基本的なものである。
【0043】
一実施形態では、光学ユニット310がそれぞれが所定の視野(FOV)を有する1つ又は複数のレンズ要素を含む。例えば、これらのレンズ素子のFOVは、約30~60度の範囲であり得る。一実施形態では、レンズ素子はカルコゲニドである。レンズは、保護ウィンドウ(図3には示していない)によって保護し得る。
【0044】
一実施形態において、FIRカメラ220は、複数の光学ユニット310を含み得る。各光学ユニット110は、独立して使用されてもよく、又は1つ以上の他の光学ユニット310と併せて使用されてもよい。例えば、単一のFIRセンサー320が、2つ以上の光学ユニット310に接続されてもよい。さらに、一実施形態では、複数のFIRセンサー320を単一のIC330に接続し得る。
【0045】
例示的な実施形態では、複数の光学ユニット310及び/又は複数のFIRセンサー320をタンデムで使用して、単一の光学ユニット310又はFIRセンサー320が別様に提供し得るよりも高い最終解像度を有する結果として生じる画像を捕捉及び作成することができる。一例として、2つのVGA(640ピクセル×480ピクセル)サイズのFIRセンサー320を使用して、単一の1280ピクセル×480ピクセルのFIR画像をキャプチャし得る。IC330は、2つの隣接する画像を自動的に一緒にステッチするように構成されてもよく、本明細書で論じられる補正のすべてを最終的な合成画像に適用してもよい。代替的に、まず各個々の画像を補正して、次いで、一緒にステッチしてもよい。さらなる実施形態では、画像がステッチされずに、ディスプレイ又はコンピュータに出力されるときに水平方向又は垂直方向に連結される。さらなる実施形態では、複数の光学ユニット310又はFIRセンサー320がステレオビジョン用途のために、又はシーンの複数の視野角を提供するために使用され得る。
【0046】
さらに別の実施形態では、FIRカメラ220によって複数の画像ストリームが受信され処理される。そのような実施形態は異なる撮像モダリティ、例えば、可視スペクトル画像とのFIR画像の融合、様々な焦点距離を有するFIR画像の融合などを含む、複数のビデオストリームの融合である出力ストリームを作成することを含み得る。任意の数の入力ストリームを受信し、処理して、融合出力ストリームを生成し得る。
【0047】
FIRセンサー320は、非冷却FIRセンサーであり得る。すなわち、センサー320は、波長7.0~14.0μmのFIRスペクトルで動作する。一例では、FIRセンサー220が第一バス301を介してIC230に結合され、キャプチャされたFIR画像及びメタデータを入力する。一実施形態では、接合部温度センサー(温度センサー)340がFIRセンサー320の筐体内に含まれ、その中の接合部温度を測定する。
【0048】
制御バス302はまた、FIRセンサー320とIC330との間に接続される。バス302上では、センサー320の状態に関連する信号、クロック、同期化、及び他のデジタル制御信号が転送される。一実施形態では、バス302が例えば、FIRセンサー320における現在の周囲温度を示すアナログ信号を搬送し得る。あるいは、アナログ信号が制御バス302の一部でなくてもよい。
【0049】
IC330は、メモリ、処理回路、ならびに様々な回路、エンジン、及び本明細書に記載のタスクの実行を可能にするエンジンを含む。IC330の詳細なブロック図を図4に示す。IC330は、チップセット、システムオンチップ(SoC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は任意の他のタイプのデジタル及び/又はアナログハードウェア構成要素として実現され得る。
【0050】
IC330、したがってFIRカメラ220は4つの異なるモード、すなわち、キャリブレーション、パワーオンテスト、機能、及びスタンバイで動作する。キャリブレーションモードはラボで実行され、IC330が前回のキャリブレーションポイントに基づいてキャリブレーション処理を実行する。処理中、FIRカメラ220は、所定の温度で安定化され、FPGA及び周囲温度の両方がFIRセンサー320から周期的に読み出されて、温度安定性を決定する。
【0051】
パワーオンテストモードでは、FIRカメラ220がその起動(又は、パワーアップ/power-up)中に、IC330の様々な回路が適切に動作するかどうかチェックされる。これは、例えば、メモリ、ロジックモニタ、デジタル及びアナログコンポーネントのための内部セルフテストを実行することを含む。機能モードでは、IC330が画像処理タスクを実行し、外部システム及び構成要素(例えば、センサー及びコンピュータ)と通信する。スタンバイモードでは、画像処理は行われず、外部システム及び構成要素との通信のみが行われる。スタンバイモードは、車両が動いていないときに作動され得る。
【0052】
FIRセンサー320及びIC330は、熱コア325内に封入される。熱コア325は、FIRカメラ220のための均一な温度を保証するために利用される。熱コアの温度キャリブレーションは、キャリブレーションモード中に実行される。別の実施形態では、熱コアはまた、FIRデバイス110の構成要素を熱、低温から保護するために、中央ハウジング200、前面カバー270、及び背面カバー260内に配置されることができ、構成要素を防水するように作製され得る。
【0053】
図4は、一実施形態に従って設計されたIC330の例示的なブロック図を示す。IC330は、本明細書で説明する様々な画像処理タスクを実行するように構成された、処理回路410と、残留残差不均一性ノイズ補正プロセッサ(residual non-uniformity noise correction processor/RNUNCP)420と、本明細書で説明する様々な画像処理タスクを実行するように構成された画像強調プロセッサ(IEP)430とを含む。IC330はさらに、メモリ440と、温度センサー460とを備える。
【0054】
IC330は、マルチメディアリンク402を介して、サーバ142及びディスプレイ152などの外部要素とインターフェースする。例示的な実施形態では、メディアリンクがギガビットマルチメディアシリアルリンク(GMSL)である。上述のように、一実施形態ではIC230をFIR画像の2つの熱ビデオストリームを出力するように構成することができ、第一ストリーム(304)はRNUNCP420及びIEP430によって処理され、ディスプレイ152に入力され、第二ストリーム(305)はRNUNCP420によって処理され、ディスプレイ152に入力される。両方のサーマルビデオストリームは、マルチメディアリンク402を介して出力される。さらなる実施形態では、単一の熱ビデオストリームがサーバ142に出力される。例えば、特定の自律車両システムはディスプレイを含まないことがあり、したがって、サーマルビデオストリームからサーバ142への入力のみを必要とする。
【0055】
いくつかの任意の実施形態では、IC330がIEP430を含まない。そのような実施形態では、補正はRNUNCP420によって実行され、出力はサーバ142に供給される。IEP430を備えないFIRカメラ220の構成は、ディスプレイが必要とされない場合がある自律車両システムにおいて利用し得る。
【0056】
一実施形態では、メモリ440がキャリブレーションテーブルを記憶するように構成される。キャリブレーションテーブルは、少なくとも、カメラ製造中にラボで計算された各画素(又は、ピクセル)についての様々なキャリブレーション値を含む。キャリブレーション値はFIRセンサーの不規則性を克服し、広範囲の周囲温度に対してIR放射に対する画素の応答を統一する目的で、2つの温度点(T1、T2)から計算されたゲイン及びオフセットを含み得る。キャリブレーションテーブルはまた、キャリブレーションプロセス中の各温度点における各画素について決定されたドリフト値を含む。一実施形態では、テーブルはまた、FIRカメラ220を設定するための様々なパラメータの値を記憶する。
【0057】
メモリ440は、処理回路410、RNUNCP420、及びIEP430によって実行されるコンピュータ可読命令をさらに記憶し得る。コンピュータ可読命令は、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語などと呼ばれるかどうかにかかわらず、任意のタイプの命令を意味すると広く解釈されるべきである。命令は(たとえば、ソースコードフォーマット、バイナリコードフォーマット、実行可能コードフォーマット、又は任意の他の適切なコードフォーマットの)コードを含み得る。命令は処理回路410、RNUNCP420及び/又はIEP430によって実行されると、これらのプロセッサに、本明細書で説明する様々な実施形態及びタスクを実行させる。メモリ440は揮発性(たとえば、RAMなど)、不揮発性(たとえば、ROM、フラッシュメモリなど)、又はそれらの組合せであり得る。
【0058】
オプションの構成では、カメラIC330が動き検出ユニット(MDU)450を含む。MDU450は、FIRカメラ220(したがって車両)が動いているかどうかを決定するために利用される1つ又は複数の加速度計を含む。MDU450が利用されないとき、動き検出は、撮像された画像に基づく。動き指示は、RNUNCP420及びIEP430に提供される。温度センサー460は、FIRカメラ220の筐体内の周囲温度を測定する。
【0059】
処理回路410は、IC230の様々な要素を制御するように構成される。回路410はFIRセンサー320に電源を投入し、初期キャリブレーションテーブルをアップロードし、そのようなテーブル内のパラメータの値に基づいてFIRセンサー320ならびにRNUNCP420及びIEP430を設定するようにさらに構成される。一実施形態では、回路410が温度センサー460によって測定された温度を周期的にサンプリングし、測定された温度範囲のキャリブレーション値を含むキャリブレーションテーブルのセットをメモリ440からアップロードする。高速実行を可能にするために、いくつかのテーブルをバックグラウンドで(すなわち、FIR画像の処理中に)アップロードし得る。処理回路410はシャッターモータドライバ(ドライバ)412及びウィンドウヒータリレー(リレー)414をさらに含み、これらは両方ともFIRデバイス110の構成要素を制御する。例えば、シャッター210のモータ215は、処理回路410のモータドライバ412によって電力供給され、制御され得る。
【0060】
一実施形態では、RNUNCP420が画素ベースの補正を実行するように構成される。画素ベースの補正は、各画素について、モデル化されていないオフセット、ゲイン、ドリフト、ノイズ、又はエラーを補正する。一実施形態では、画素のオフセット及びゲインが温度センサー460によって測定されたそれぞれの温度に一致するキャリブレーションテーブル内のそれぞれの値に基づいて補正される。この補正はセンサーの不規則性を補償し、広範囲の周囲温度に対するIR放射に対する画素の応答を統一する。
【0061】
撮像中にシャッターが使用される場合にシャッター呼び出し間の期間を延長するドリフト補正は、画素の各々にドリフト補正を追加することを含む。具体的には、各画素についての補正が各画素について別々にロードされたキャリブレーションテーブルから提供された所定のドリフト値を減算し、FIRセンサーによって生成されたフレームから計算されたガンマ値を乗算した結果である。所定のドリフト値は、FIRセンサー320における現在の測定温度に基づいてテーブルから選択される。
【0062】
いくつかの実施形態によれば、ドリフト補正は、FIRセンサー320に出力される(又は、FIRセンサー320から出力される)画像内の画素の各々についての温度ドリフト補正に基づく。これはFIRカメラ220全体の温度値と、FIRセンサー320及びIC330個々の温度値が、動作中にシフトする場合に必要であり得る。
【0063】
ドリフト補正は、FIRカメラ220のキャリブレーション段階で記録されたドリフトパターンを用いてドリフト係数γを推定することに基づいてもよい。一実施形態では、ドリフト係数γの推定が各入力画像に基づいて小さな増分更新で反復的に実行され、その結果、例えば、周囲温度シフトに起因する任意の残留ノイズ又は新しいノイズが各後続の画像で検出され、除去される。
【0064】
入力画像の周囲ドリフトは、推定ドリフト係数γを用いて補正される。ドリフト補正画像(Iout)は、以下のように表すことができる:
ここで、I_inは入力画像(FIRセンサー320によって生成される)であり、γはドリフト係数であり、これは全ての画素について同じであり、「D」は画素ごとに固有のドリフトパターンであり、「O」はオフセット利得パターンであり、「G」は画素ごとに固有のシーン利得パターン値であり、D、O、及びG値はFIRセンサー320の初期キャリブレーション中に決定される。
【0065】
いくつかの構成では利得及びオフセットがドリフト補正の前に補正され、その場合、そのような値はドリフト係数γを推定するために必要とされない。したがって、ドリフト補正計算のより一般化されたバージョンは2点補正された入力画像(I2pt)、ドリフト係数、及びキャリブレーションからのドリフトパターンを使用し、以下の式として表すことができる:
式(2)において、D^はドリフトパターン(D)の値をゲインパターン(G)で割ったものである。
【0066】
補正に使用されるドリフト係数γは、初期キャリブレーションからのドリフトパターンと、ハイパスフィルタが適用された後の入力画像内のドリフトの結果として生じるパターンとから導出される。
【0067】
ドリフト係数の一般化された式はドリフトパターンとハイパスフィルタを適用した後の入力画像画素値との積と、ドリフトパターンとハイパスフィルタを適用した後のドリフトパターンとの積との商であり、次式で表される:
ここで、H_1及びH_2は、シーンのクリーン画像とドリフトパターンとの間の相関を最小化するように設計された前処理演算子である。一般性を失うことなく、これらの演算子は、ハイパスフィルタリング及びマスキングを含み得る。一般性を失うことなく、そのような演算の例はH_1=アイデンティティマップ(identity map)であり、H_2=ハイパスフィルタであり得る。
【0068】
式3(Eq.3)において、γは、2内積の比として求められるスカラー値である。したがって、これは、この段階におけるすべての画素に対して1つの値である。一実施形態では、スカラー値が画像の異なるセグメント上で式3を使用し、結果を補間することによって、画素ごとに(ゆっくり変化する)値に変換し得る。そのような実施形態の例を以下に説明する。ドリフト補正においてγを適用することによって、画像処理のためにFIRカメラをシャッターリングする頻度を減少させることができ、その一方でFIRカメラをより長期間保持し、それによって、V2I設定におけるFIRカメラの信頼性及び安全性能を改善する。
【0069】
一実施形態では、FIRカメラ110の位置が固定されるV2I用途の場合、静止画像のみがノイズ補正に使用され得る。これは、複数のクリーン画像を使用してモデルをトレーニングすることによって、固定パターンノイズパターンから実際のシーン画像を分離することを可能にする深層学習モデルを使用することによって実装され得る。ここで、ノイズ補正中に行われる関連するシャッター呼び出しは、FIRカメラ110の明瞭な視野を必要とする重要なタスクが実行される間、カメラシャッターを防止することによって「安全」又は「スマート」にし得る。例えば、高速接近車両を追跡するとき、シャッターは開いたままであるべきであり、固定パターンノイズ補正は、車両がFIRカメラ110の視野を通過するまでスキップ又は遅延され得る。
【0070】
シーン内の物体の実際の温度測定を提供する必要がある場合、FIRカメラ110は、グレーレベル画素値を温度に変換するように適合され得る。これを行うために、FIRカメラ110は製造中に、又はシーンでキャリブレーション手順を受けることができる。代替として、又は外部キャリブレーションの補足として、1つ又は複数の黒体、又は基準物体を、より正確な温度基準として使用し得る。黒体は、シーン内の固定位置に設置されてもよく、又はレンズの前の検出器窓に取り付けられてもよく、又はレンズと検出器との間に取り付けられてもよく、その結果、黒体放射が検出器画素によって受信される。これらの画素は可視画像領域内にあってもよく、又は隠れていてもよい(すなわち、シーン、又は黒体放射に露出された冗長画素(ただし、出力画像には示されていない))。
【0071】
以下で詳細に説明するように、RNCP420は、複数のエンジンを実装して、補正及び他の画像強調タスクを実行する。一実施形態ではシーンベースの補正が「日焼け効果」を被る画素を補正することも含む。このような効果はFIRカメラを直射日光に曝露することによって引き起こされ、これにより、曝露された画素は過剰曝露による深い飽和状態(deep saturation)になる。この効果の結果は、露光時間に応じて数分又は数週間持続し得る固定パターンノイズに類似する太陽のゴーストフットプリント(ghost footprint)によって特徴付けられる。開示される実施形態によれば、日焼け補正はまた、数秒(例えば、2-5秒)で画像からゴーストフットプリントを除去する。
【0072】
少なくとも、RNUNCP420は、画素ピクセルベースの補正、列ノイズ抑制(column noise suppression)、及び近距離場補正(near field correction)を実行するように実装される。一実施形態では、RNUNCP420が物体の正確な検出を可能にする高品質のサーマルビデオストリームを提供するために、追加の画像処理タスクを実行するように構成し得る。画像処理タスクは図5に示すように、様々なエンジンによってパイプライン方式で実行される。
【0073】
不良画素補正(BPC)エンジン501は、不良画素マップで設計された画素をマスクするように構成される。そのような画素は、FIRセンサーの製造によって要求される基本的な品質要件を満たさない。マップ内の不良画素は、製造によって、又はラボにおいてFIRセンサー上で実行される試験中に識別し得る。不良画素マップはメモリ440に保存される。
【0074】
画素ベース補正(PBC)エンジン503は上述のように、各画素についてオフセット、ゲイン、及びドリフト値の補正を実行するように構成される。列ノイズ抑制(CNS)エンジン504は、FIRセンサーによるFIR撮像における固定パターン列ノイズを抑制する。不良画素補正(BPC)エンジン505はその最も近い隣接画素の事前定義された数(例えば、8)の画素に基づいて最適補間を使用して各不良画素を近似することによって不良画素を補正しようと試みる。
【0075】
近距離場補正(NFC)エンジン506は、カメラケース及びレンズの反射などの様々な物理的効果によって、シーン画像に重畳された望ましくないパターンを補正するように構成される。このようなパターンは、キャリブレーションモード中にモデル化される。動作モード中、NFCエンジン306はパターンと入力画像との間の最良適合を識別し、それに応じて画像からパターンを減算する。NFCエンジン506は、2つのそのようなパターンを独立して、又は線形結合として取り扱う。必要なパターン画像及びパラメータは、電源投入時に処理回路410によって提供され、必要に応じて更新される。
【0076】
hフリップエンジン508は、受信されたセンサー画像の水平フリップを実施するように構成される。一実施形態では、エンジン508がさらに、最小値と最大値との間で画素値をクリップするようにさらに構成される。これらの値はあらかじめ設定されている。
【0077】
時間ノイズ除去(time denoise)エンジン509は、赤外線ビデオの時間ノイズ除去処理を実行するように構成される。FIRセンサー320から取得されたビデオは、ホワイトノイズ、ごま塩ノイズ(salt and pepper noise)(時折ちらつく)及び行/列ノイズのような様々なタイプの時間的ノイズを含む。一実施形態では、エンジン509が適応閾値を有するIIRフィルタと、フリッカ防止機構とによって実現される。時間ノイズ除去エンジン309は、フレーム毎の画素値の変化を推定ノイズ分散と比較して、そのような値がノイズによって引き起こされるのか、又は風景の何らかの実際の変化によって引き起こされるのかどうかを決定する。比較に基づいて、信号対雑音比が決定される。
【0078】
空間ノイズ除去エンジン510は、空間ノイズをノイズ除去するように構成される。このようなノイズは、内部電子ノイズ、画素ゲイン及びオフセットの誤差、及び温度変動によって引き起こされるドリフトに起因する。一実施形態では、エンジン510がさらに、各ノイズのある画素を、隣接する画素の加重平均で置き換えることができる。一実施形態では、所定のグレーレベル閾値により近いグレーレベルを有する画素のみが置換される。
【0079】
特定の構成では、処理の一部として、記載されたエンジンの一部のみが必要とされることに留意されたい。様々なパラメータ、マップ、及びキャリブレーション値は、メモリ440に記憶された様々なエンジン及びプロセスを動作させるために必要ではなく、単に簡略化のために本明細書では示されていない。
【0080】
例示的な実施形態では、空間ノイズ除去エンジン510の出力がサーバ142(図1)及びIEP 430に供給される14ビットグレースケールビデオストリームである。
【0081】
図4に戻ると、IEP430は、14ビットストリームを処理して、人間が見ることができるエンハンストサーマルビデオストリームを生成する。一実施形態では、IEP430が14ビットストリームを、スクリーン上に効率的に表示し得る高品質の8ビットストリームに変換する。
【0082】
一実施形態では、IEP430が、画像強調処理を実行するように構成された、図5に示すエンジンを含む。第一エンジンは、エッジ保存及びノイズ低減フィルタに利用されるバイラテラルフィルタ511である。自動利得制御(AGC)エンジン512は、グレーレベル範囲からのエンプティビン(又は、空ビン/empty bins)の影響を低減するように構成される。すなわち、エンジン512は、本質的に情報を失うことなく、画像内の最低階調と最高階調との間の距離を最小に低減するように構成される。ダイナミックレンジの縮小は、画像ヒストグラムを可能な限り伸張することを可能にする。
【0083】
局所的コントラスト強調(LCE)エンジン513は、コントラスト制限付き適応ヒストグラム均等化(CLAHE)のためのプロセスを実行するように構成される。画像処理において、コントラスト制限付き適応ヒストグラム均等化は、画像の局所コントラストを改善するために使用される技術である。適応ヒストグラム均等化は、その局所(近傍)グレースケール分布に基づいて各画素のマッピングを見つけるために実行される。
【0084】
一実施形態では、LCEエンジン513が画像を重なり合うブロックに分割して、ブロッキング効果をさらに低減するように構成される。場合によっては、グレースケール分布が高度に局所化されるとき、完全なヒストグラム均等化によって非常に低コントラストの画像を変換することは望ましくないことがある。そのような場合、マッピング曲線は高い勾配を有するセグメントを含む可能性があり、これは、2つの非常に近いグレースケールが著しく異なるグレースケールにマッピングされ得ることを意味する。これは、ヒストグラム均等化によって許容されるコントラストを制限することによって解決される。
【0085】
最後の画像処理エンハンスメントエンジンは、極性輝度(Polarity-and-Brightness/PB)エンジン514である。一実施形態では、エンジン514がホワイトホットピクセルとブラックホットピクセルとの間で変化し、所定のオフセットによって画像の画素の輝度を調整するように構成される。
【0086】
なお、図5に示す各種エンジンの処理は、FIRセンサー320が入力する赤外線画像に対して行われる。結果の画像は、やはり赤外線画像(本明細書では「FIR画像」と呼ぶ)である。したがって、処理は画像の性質を変化させず(例えば、赤外線から可視スペクトル画像へ)、むしろ赤外線画像の品質を改善する。
【0087】
再び図4を参照すると、一実施形態では、処理回路410がシングルコア又はマルチコアCPUとし得る。RNUNCP420及びIEP430の各々は、1つ又は複数のハードウェア論理構成要素及び回路として実現され得る。例えば、限定ではなく、使用し得る例示的なタイプのハードウェア論理構成要素は、FPGA、ASIC、ASSP、SOC、汎用マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、GPUなど、又は情報の計算又は他の操作を実行し得る任意の他のハードウェア論理構成要素を含む。
【0088】
図6は、本明細書の一実施形態による、V2I通信システムを動作させる方法の例示的なフローチャート600である。一実施形態では、本方法が特定の実行可能コード又はソフトウェアを実行するようにプログラムされたIC330内の処理回路410によって実行され得る。
【0089】
S610において、シャッター210が開いた状態で、FIRカメラ220によって撮影された画像に不均一性ノイズがあるかどうかが検出される。不均一性ノイズは、FIRセンサー320におけるセンサー均等化の欠如によって引き起こされるノイズである。不均一性ノイズは、ポール上に固定される固定FIRデバイス110のせいでV2Iシステムに存在する可能性があり、したがって、動きベースのノイズ抑圧アルゴリズムから恩恵を受けることができない。例えば、温度変化、埃、及び風による微小な位置変化は、ノイズを導入する可能性がある。S620においてノイズが検出された場合、方法はS630に進み、FIRカメラ220上で標準キャリブレーションを実行し得る。
【0090】
ここで、S630における標準キャリブレーションは最初に、ビデオ画像、固有キャリブレーションを受信することを含み得、キャリブレーションはIC330において内部的に、FIR修正又はLIDARなどを用いた追加の画像モダリティを用いた修正、又はネットワーク140を介して実行される外部キャリブレーションを含み得る。キャリブレーションエンジン(図示せず)は、アイドル状態、処理状態、完了状態、処理エラー状態、又は処理タイムアウト状態を含む複数の状態を報告し得る。また、キャリブレーションエンジンは、処理実行時間、又は画像データに対する任意のヒューリスティックに従って、処理するフレームを選択し得る。
【0091】
加えて、キャリブレーションは、FIRが整列され、FOVが正しいことを検証するために、設置、検出、及び間隔(又は、距離/範囲/range)推定中に実行されるシーン距離測定に基づくジオメトリキャリブレーションを含み得る。
【0092】
そして、S640において、ノイズが残っているか否かを判定する。ノイズが除去されている場合、処理はS680に進む。さもなければ、処理はS650に進み、FIRカメラ220によって検出された動体が存在するか否かが判定される。そうである場合、シャッター110はFIR撮像が継続できるように開いたままであり、したがって、追加の補正中にシャッターが閉じられたときに、車両又は歩行者などの物体が互いに向かって移動する危険な場合を防止する。さもなければ、FIRカメラ220に接近している移動体がFIRカメラ220によって検出されない場合、処理はS670に進む。
【0093】
S670において、シャッターが閉じられるか又はFIRカメラ220の視野内に配置されて、NUC動作が実行され得る。ここで、シャッター110はFIR内のすべての検出器要素に対して均一な温度源を提示し、その結果、FIRは、オフセット補正を実行し得る。このようにして、標準キャリブレーションと比較して、より均一な画像が得られる。別の実施形態では、NUCはまた、FIR撮像の開始時に行われてもよい。
【0094】
閉シャッターNUCが終了すると、処理はS680に進み、シャッターを再び開ける。ここでは、FIRカメラ220の視野が汚れなどによって遮られているかどうかが判定される。そうである場合、視野を清掃するために追加の洗浄が行われてもよく、又はFIR220カメラが正しく機能していないことをユーザに警告するために、S590においてネットワークを介してレポートが生成されてもよく、その結果、FIRは手動で保守点検されてもよい。S690の後、処理は終了する。
【0095】
図7は、一実施形態によるサーバ142の例示的な概略図である。システム142は、メモリ620、記憶装置730、及びネットワークインターフェース740に結合された処理回路710を含む。一実施形態では、サーバ142の構成要素がバス750を介して通信可能に接続され得る。
【0096】
処理回路710は、1つ又は複数のハードウェア論理構成要素及び回路として実現され得る。例えば、限定ではなく、使用し得る例示的なタイプのハードウェア論理構成要素は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準製品(ASSP)、システムオンチップシステム(SOC)、汎用マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)など、又は情報の計算又は他の操作を実行し得る任意の他のハードウェア論理構成要素を含む。
【0097】
メモリ720は揮発性(たとえば、RAMなど)、不揮発性(たとえば、ROM、フラッシュメモリなど)、又はそれらの組合せであり得る。一構成では、本明細書で開示される1つ又は複数の実施形態を実装するためのコンピュータ可読命令が記憶装置730に記憶され得る。
【0098】
別の実施形態では、メモリ720がソフトウェアを記憶するように構成される。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語などと呼ばれるかどうかにかかわらず、任意のタイプの命令を意味すると広く解釈されたい。命令は(たとえば、ソースコードフォーマット、バイナリコードフォーマット、実行可能コードフォーマット、又は任意の他の適切なコードフォーマットの)コードを含み得る。命令は処理回路410によって実行されると、処理回路410に、本明細書で説明する様々なプロセスを実行させる。
【0099】
記憶装置730は磁気記憶装置、光記憶装置などであってもよく、例えば、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、又は所望の情報を記憶するために使用され得る任意の他の媒体として実現されてもよい。
【0100】
ネットワークインターフェース740は例えば、データの受信、データの送信などを目的として、サーバ142がIC230と通信することを可能にする。さらに、ネットワークインターフェース740は、サーバ142が車両データを収集する目的でディスプレイ152と通信することを可能にする。
【0101】
本明細書に記載される実施形態は、図7に示される特定のアーキテクチャに限定されず、開示される実施形態の範囲から逸脱することなく、他のアーキテクチャが等しく使用され得ることを理解されたい。
【0102】
本明細書に開示される様々な実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組合せとして実装し得る。さらに、ソフトウェアは、好ましくは部分、又は特定のデバイス及び/又はデバイスの組合せからなるプログラム記憶ユニット又はコンピュータ可読媒体上で有形に具現化されるアプリケーションプログラムとして実装される。アプリケーションプログラムは、任意の適切なアーキテクチャを備えるマシンにアップロードされ、マシンによって実行され得る。好ましくは、マシンが1つ又は複数の中央処理装置(「CPU」)、メモリ、及び入力/出力インターフェースなどのハードウェアを有するコンピュータプラットフォーム上で実装される。コンピュータプラットフォームは、オペレーティングシステム及びマイクロ命令コードを含むこともできる。本明細書で説明される様々なプロセス及び機能は、そのようなコンピュータ又はプロセッサが明示的に示されているかどうかにかかわらず、CPUによって実行され得る、マイクロ命令コードの一部又はアプリケーションプログラムの一部、又はそれらの任意の組合せのいずれかであり得る。加えて、様々な他の周辺ユニットが、追加のデータ記憶ユニット及び印刷ユニットなどのコンピュータプラットフォームに接続され得る。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体は、一時的な伝播信号を除いて、任意のコンピュータ可読媒体である。
【0103】
本明細書に列挙されるすべての例及び条件付き言語は開示された実施形態の原理、及び当技術分野を促進するために本発明者によって貢献された概念を読者が理解するのを助けるための教育目的のためのものであり、そのような具体的に列挙された例及び条件に限定されないと解釈されるべきである。さらに、開示された実施形態の原理、態様、及び実施形態、ならびにそれらの特定の例を列挙する本明細書におけるすべての記述は、それらの構造的及び機能的等価物の両方を包含することが意図される。さらに、そのような等価物は現在知られている等価物及び将来開発される等価物、すなわち、構造にかかわらず同じ機能を実行する開発された任意の要素の両方を含むことが意図される。
【0104】
「第一」、「第二」などの名称を使用する本明細書における要素へのいかなる言及も、それらの要素の量又は順序を一般に限定しないことを理解されたい。むしろ、これらの呼称は一般に、2つ以上の要素又は要素のインスタンスを区別する便利な方法として本明細書で使用される。したがって、第一及び第二要素への言及は、2つの要素のみがそこで使用され得ること、又は第一要素が何らかの方法で第二要素に先行しなければならないことを意味しない。また、特に明記しない限り、要素のセットは、1つ又は複数の要素を含む。
【0105】
本明細書で使用される場合、句「のうちの少なくとも1つ」の後に、列挙された項目のいずれかが個別に利用され得ることを意味する項目のリストが続くか、又は列挙された項目のうちの2つ以上の任意の組合せが利用され得る。例えば、システムが「A、B、及びCの少なくとも1つ」を含むと記載されている場合、システムは、A単独、B単独、C単独、2A、2B、2C、3A、A及びBの組み合わせ、B及びCの組み合わせ、A、B及びCの組み合わせ、2A及びCの組み合わせ、A、3B、及び2Cの組み合わせ、及び同様のものを含み得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】