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特表2024-502136グルホシネート又はその類似体を調製するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】グルホシネート又はその類似体を調製するための方法
(51)【国際特許分類】
   C07F 9/30 20060101AFI20240110BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20240110BHJP
【FI】
C07F9/30
C07B61/00 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541093
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2023-07-05
(86)【国際出願番号】 CN2022106741
(87)【国際公開番号】W WO2023001185
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】202110820719.X
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522225099
【氏名又は名称】リアー ケミカル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LIER CHEMICAL CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】リウ, ヨンジアン
(72)【発明者】
【氏名】シュー, ミン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ, レイ
(72)【発明者】
【氏名】ゼン, ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ケ
【テーマコード(参考)】
4H006
4H050
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H050AA02
4H050BD81
4H050BD84
4H050WA15
4H050WA24
(57)【要約】
本発明は、グルホシネート又はその類似体及び中間体を調製するための方法に関する。この方法は:a)式(II)の化合物、式(III)のアルコール及び式(V)の化合物を反応させるステップ;b)上記の反応の生成物を加水分解して、式(IV)のグルホシネート又はその類似体を得るステップを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(IV)のグルホシネート又はその類似体を調製するためのプロセスであって、
【化1】

前記プロセスは:
a)式(II)の化合物、式(III)のアルコール及び式(V)の化合物を反応させるステップ、
【化2】

b)上記反応から得られた生成物を加水分解にかけて、式(IV)のグルホシネート又はその類似体を得るステップ、
を含み、
ここで、R及びRは、それぞれ独立して、C~C16アルキル、C~C12アリール、C~C10シクロアルキル、C~C12アルカリル及びC~C12アラルキルから選択され、各基は非置換又はC~Cアルキル、C~Cアルコキシ、ジアルキル若しくはジアルキルアミノで置換されており;例えば、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、ヘキシル、フェニル、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、メチルフェニル、エチルフェニル及びプロピルフェニルから選択され、RはC~Cアルキルであり;
Halはハロゲンであり;
Halはハロゲンであり、
PGは水素又はアミノ保護基であり、ここで、PGがアミノ保護基である場合、前記プロセスはアミノ保護基を除去するステップをさらに含み、
Xは-OR又は-NRであり、ここで、Rは、C~C16アルキル、C~C16アリール、C~C16シクロアルキル、C~C16アラルキル又はC~C16アルカリルであり、ここで、これらの基はそれぞれ非置換又はC~Cアルキルで置換されており;Rは水素又はRに定義される通りであることを特徴とする、プロセス。
【請求項2】
が、C~C16アルキル、シクロヘキシル、シクロペンチル又はフェニルであり、ここで、各基は非置換又はC~Cアルキル、C~Cアルコキシ若しくはジアルキルアミノで置換されており;好ましくはフェニル又はC~Cアルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル又はヘキシルであり;より好ましくはC~Cアルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル又はブチルであり;
が、C~Cアルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル又はヘキシルであり;好ましくはC~Cアルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル又はブチルであり;
Hal及びHalがそれぞれ独立して、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
がメチルであり、Rがエチルであり、PGが水素であり、Hal及びHalがそれぞれ独立して塩素であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
式(II)の化合物が、ジクロロメチルホスフィン、ジクロロエチルホスフィン、ジクロロプロピルホスフィン、ジクロロブチルホスフィン、ジクロロシクロヘキシルホスフィン、ジクロロフェニルホスフィン、ジクロロ-4-メトキシフェニルホスフィン又はジクロロ-4-ジメチルアミノフェニルホスフィンであることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
式(III)のアルコールが、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール又はn-ブタノールであり、好ましくはエタノール、n-プロパノール、イソプロパノール又はn-ブタノールであり、より好ましくはn-ブタノール又はエタノールであり、最も好ましくはエタノールであることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
ステップa)が:式(II)の化合物、式(III)のアルコール、式(V)の化合物及び溶媒を一緒に混合すること;又は式(II)の化合物及び式(III)のアルコールを混合し、次いで得られた生成物と式(V)の化合物を混合すること;又は式(II)の化合物及び式(V)の化合物を混合し、次いで得られた生成物と式(III)のアルコールを混合することによって行われることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
ステップa)の全ての反応がマイクロチャンネル反応器で行われる場合、ステップa)の反応が、-30℃~50℃、好ましくは-10℃~30℃、より好ましくは-5℃~30℃の範囲の反応温度で実施され;或いはステップa)の反応がマイクロチャンネル反応器及び管型反応器からなる反応器、又はタンク形反応器で行われる場合、ステップa)の反応が、-30℃~50℃、好ましくは-20℃~10℃、より好ましくは-15℃~5℃の範囲の反応温度で実施されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
式(II)の化合物、式(III)のアルコール及び式(V)の化合物のモル比が、1:(0.1~1.9):(0.1~2)、好ましくは1:(0.5~1.5):(0.5~1)、より好ましくは1:(0.9~1.1):(0.7~1)であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
Halが塩素であり;PGがH、-C(O)-R、-SO-R、-CHC(O)O-R又は-C(O)ORであり、ここで、Rは、C~C16アリール、C~C16アラルキル又はC~C16アルカリルであり、好ましくはC~C12アリール、C~C13アラルキル又はC~C13アルカリルであり、より好ましくはフェニル、トリル、ベンジル又はフェニルエチルであり、最も好ましくはフェニルであり;Rが、C~C16アリール、C~C16アラルキル又はC~C16アルカリルであり、好ましくはC~C12アリール、C~C13アラルキル又はC~C13アルカリルであり、より好ましくはフェニル、トリル、ベンジル又はフェニルエチルであり、最も好ましくはトリルであり;R及びRが、それぞれ独立して、C~C16アルキル、C~C16アリール、C~C16シクロアルキル、C~C16アラルキル又はC~C16アルカリルであり、好ましくはC~Cアルキル、C~C12アリール、C~C10シクロアルキル、C~C12アラルキル又はC~C12アルカリルであり、より好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ベンジル、フェネチル、トリル、エチルフェニル、シクロプロピル、シクロブチル又はシクロペンチルであり、最も好ましくはメチル、エチル、又はプロピル若しくはブチルの全ての異性体であり;Xが-ORであり、ここでRはC~Cアルキル又はC~C10アラルキルであり、好ましくはC~Cアルキル又はC~Cアラルキルであり、より好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル又はベンジルであることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
加水分解が酸加水分解又は塩基加水分解であり、ここで、酸加水分解は、好ましくは無機又は有機酸を用いて実施され、塩基加水分解は、好ましくは無機又は有機塩基を用いて実施され、ここで無機酸は、好ましくは塩酸又は硫酸であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
ステップa)が、溶媒の不在下又は不活性溶媒の存在下で実施され、ここで、不活性溶媒は、好ましくはベンゼン溶媒、アミド溶媒、炭化水素溶媒、ハロ炭化水素溶媒、スルホン若しくはスルホキシド溶媒、エーテル溶媒又はエステル溶媒のうちのいずれか1つ又は2つ以上であり;好ましくは、不活性溶媒が、クロロベンゼン、トリメチルベンゼン、1,4-ジオキサン、1,2-ジクロロエタン、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、石油エーテル、n-ヘプタン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、及び酢酸ブチルのうちのいずれか1つ又は2つ以上から選択されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
塩基が、ステップa)の反応開始時、反応中、及び/又は反応後、好ましくはステップa)の反応後に加えられ、ここで塩基は、好ましくは有機塩基又はアンモニアであり、より好ましくはアンモニアであることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
有機塩基が、有機アミン、例えば、トリエチルアミン、ピリジン又は複素環中の1個若しくは複数の炭素原子に結合した1~3個の置換基を有するピリジン誘導体、或いはピペリジン又は複素環中の1個若しくは複数の炭素原子に結合した1~3個の置換基を有するピペリジン誘導体であることを特徴とする、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
ステップa)が:(i)式(II)の化合物、式(III)のアルコール及び式(V)の化合物を同時に第1の反応器に入れて、溶媒の存在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第2の反応器に入れること;或いは(ii)式(II)の化合物及び式(III)のアルコールを同時に第1の反応器に入れて、溶媒の存在下又は他の溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び式(V)の化合物を第2の反応器に入れ、最後に得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第3の反応器に入れて、互いに反応させること;或いは(iii)式(II)の化合物及び式(V)の化合物を同時に第1の反応器に入れて、溶媒の存在下で又は他の溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び式(III)のアルコールを第2の反応器に入れ、最後に得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第3の反応器に入れて、互いに反応させること;或いは(iv)式(II)の化合物及び式(III)のアルコールを同時に第1の反応器に入れて、溶媒の存在下で又は他の溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物、式(V)の化合物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第2の反応器に入れて、互いに反応させることによって行われることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
第1の反応器、第2の反応器及び/又は第3の反応器が、それぞれ独立して、マイクロチャンネル反応器、管型反応器、管状充填反応器、撹拌タンク形反応器又はその任意の組合せから選択され;例えば、第1の反応器、第2の反応器及び/又は第3の反応器が、それぞれ独立して1つ又は複数のマイクロチャンネル連続流反応器からなり;或いはそれぞれ独立して1つ又は複数のマイクロチャンネル連続流反応器及び1つ又は複数の管型反応器からなることを特徴とする、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
ステップa)が:(i)式(II)の化合物及び式(III)のアルコール及び式(V)の化合物を同時に第1のマイクロチャンネル反応器に入れて、溶媒の存在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第2のマイクロチャンネル反応器に入れること;或いは(ii)式(II)の化合物及び式(III)のアルコールを同時に第1のマイクロチャンネル反応器に入れて、溶媒の存在下又溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び式(V)の化合物を第2のマイクロチャンネル反応器に入れ、最後に得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第3のマイクロチャンネル反応器に入れて、互いに反応させること;或いは(iii)式(II)の化合物及び式(V)の化合物を同時に第1のマイクロチャンネル反応器に入れて、溶媒の存在下で又は溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び式(III)のアルコールを第2のマイクロチャンネル反応器に入れ、最後に得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第3のマイクロチャンネル反応器に入れて、互いに反応させること;或いは(iv)式(II)の化合物及び式(III)のアルコールを同時に第1のマイクロチャンネル反応器に入れて、溶媒の存在下で又は溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物、式(V)の化合物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に管型反応器に入れて、互いに反応させることによって行われることを特徴とする、請求項14~15のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項17】
実施形態(i)において、第1のマイクロチャンネル反応器及び/又は第2のマイクロチャンネル反応器の温度がそれぞれ、それぞれ独立して-30℃~50℃、好ましくは-10℃~30℃、より好ましくは-5℃~30℃の範囲であり、上記温度は同じ又は異なり;実施形態(ii)において、第1のマイクロチャンネル反応器、第2のマイクロチャンネル反応器及び/又は第3のマイクロチャンネル反応器の温度がそれぞれ、それぞれ独立して-30℃~50℃、好ましくは-10℃~30℃、より好ましくは-5℃~30℃の範囲であり、上記温度は同じ又は異なり;実施形態(iii)において、第1のマイクロチャンネル反応器、第2のマイクロチャンネル反応器及び/又は第3のマイクロチャンネル反応器の温度がそれぞれ、それぞれ独立して-30℃~50℃、好ましくは-10℃~30℃、より好ましくは-5℃~30℃の範囲であり、上記温度は同じ又は異なり;実施形態(iv)において、第1のマイクロチャンネル反応器の温度が、-30℃~50℃、好ましくは-25℃~5℃、より好ましくは-20℃~-10℃の範囲であり;及び/又は管型反応器の温度が、-30℃~50℃、好ましくは-25℃~10℃、より好ましくは-20℃~5℃であることを特徴とする、請求項16に記載のプロセス。
【請求項18】
ステップa)において、反応器がマイクロチャンネル反応器だけからなる場合、全ての反応器における総滞留時間が、0.1秒~300秒、好ましくは1秒~50秒、より好ましくは10秒~40秒の範囲であり;又は反応器がマイクロチャンネル反応器及び管型反応器からなる場合、全ての反応器における総滞留時間が、1分~20分、好ましくは5分~18分、より好ましくは9分~14分の範囲であることを特徴とする、請求項14~17のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項19】
ステップb)が:ステップa)から得られた反応生成物の温度を30℃~130℃、好ましくは60℃~120℃、より好ましくは90℃~100℃の範囲に入るように1~24時間、好ましくは2~10時間、より好ましくは5~8時間上げること;次いで50℃~120℃、好ましくは80℃~120℃、より好ましくは100℃~110℃の範囲の温度で生成物を酸、好ましくは塩酸で加水分解することにより実施されることを特徴とする、請求項1~18のいずれか一項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、グルホシネート又はその類似体及び中間体を調製するためのプロセスに関する。
【0002】
[発明の背景]
グルホシネートは、1980年代にHoechst AGによって開発された部分的な全身作用を有する高効率、広範囲、低毒性、非選択的(殺菌性)有機リン系除草剤であり、一年生及び多年生の双子葉類及びイネ科雑草の制御に使用することができる。
【0003】
グルホシネートを調製するための既存のプロセスは複雑であり、限られた原料を使用し、したがって、グルホシネート又はその類似体を調製するための新しいプロセスを開発する必要がある。
【0004】
[発明の概要]
本発明は、式(IV)のグルホシネート又はその類似体を調製するためのプロセスであって、プロセスは:
【化1】

a)式(II)の化合物、式(III)のアルコール及び式(V)の化合物を反応させるステップ、
【化2】

b)上記反応から得られた生成物を加水分解にかけて、式(IV)のグルホシネート又はその類似体を得るステップ、
を含み、
ここで、R及びRは、それぞれ独立して、C~C16アルキル、C~C12アリール、C~C10シクロアルキル、C~C12アルカリル及びC~C12アラルキルから選択され、各基は非置換又はC~Cアルキル、C~Cアルコキシ、ジアルキル若しくはジアルキルアミノで置換されており;例えば、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、ヘキシル、フェニル、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、メチルフェニル、エチルフェニル及びプロピルフェニルから選択され、RはC~Cアルキルであり;
Halはハロゲンであり、
Halはハロゲンであり、
PGは水素又はアミノ保護基であり、ここで、PGがアミノ保護基である場合、プロセスはアミノ保護基を除去するステップをさらに含み、
Xは-OR又は-NRであり、ここで、Rは、C~C16アルキル、C~C16アリール、C~C16シクロアルキル、C~C16アラルキル又はC~C16アルカリルであり、ここで、これらの基はそれぞれ非置換又はC~Cアルキルで置換されており;Rは水素又はRに定義される通りである
プロセスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】実施例A1からA3の反応フロー図である。
図2】実施例B1からB3の反応フロー図である。
図3】実施例C1からC2の反応フロー図である。
図4】実施例D1からD14の反応フロー図である。
【0006】
[発明の詳細な説明]
本発明を、以下の段落でより詳細に説明する。明白に反対の指摘がない限り、このように説明された各態様は、任意の1つ又は複数の他の態様と組み合わせることができる。特に、任意の好ましい又は有利な特徴は、任意の1つ又は複数の他の好ましい又は有利な特徴と組み合わせることができる。
【0007】
本発明の文脈において、使用される用語は、文脈上特に指示されない限り、以下の定義に従って説明される。
【0008】
本明細書では、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」及び「前記(said)」は、文脈上特に明白に指示されない限り、対象物の単数形及び複数形の対象物を含む。
【0009】
本明細書では、用語「含む」及び「からなる」は、「含めた」、「有する」又は「含有する」と同じ意味であり、包括的又は非制限的であり、列挙されていない他の構成要素、要素又はプロセスステップを除外するものではない。
【0010】
数値の端点の列挙には、対応する範囲内の全ての数及び分数、並びに列挙された端点が含まれる。
【0011】
特に指示されない限り、本発明を開示しているプロセスに使用される全ての用語(専門用語及び科学用語を含む)は、本発明が関連する当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。
【0012】
定義
本明細書では、用語「マイクロチャンネル反応器」は、反応チャンネルの等価直径が5ミリメートル未満の連続流反応器を指す。
【0013】
本明細書では、用語「管型反応器」は、反応チャンネルが充填剤で充填されておらず、有効径が上記の「マイクロチャンネル反応器」のものよりも大きい連続流反応を指す。
【0014】
本明細書では、用語「管状充填反応器」は、反応チャンネルが充填剤で充填され、等価直径が上記の「マイクロチャンネル反応器」のものよりも大きい連続流反応器を指す。
【0015】
本明細書では、用語「滞留時間」は、反応に関与する反応物を反応器内で同時に混合して反応させ、反応後に反応器から出るまでにかかる時間を指す。滞留時間は以下の方法によって計算することができる:
滞留時間Tは、以下のように計算される:
【数1】

式中:T-滞留時間、秒(複数可);
V-反応器の全容積、mL;
Q-反応物質の総体積流速、mL/分;
-各反応物質の質量流速、g/分;及び
ρ-各反応物質の密度、g/mL。
【0016】
本開示では、反応物にアンモニアガスが含まれる場合、アンモニアガスは、上記の計算方法の反応物として含まれていない。
【0017】
本明細書では、用語「アミノ保護基」は、アミノ基中の窒素原子に結合してアミノ基を反応に関与することから保護することができ、その後の反応において容易に除去することができる基を指す。適切なアミノ保護基としては、以下の保護基が挙げられるが、これらに限定されない:式-C(O)O-R(式中、Rは、例えば、メチル、エチル、tert-ブチル、ベンジル、フェニルエチル、CH=CH-CH-などである)のカルバメート基;式-C(O)-R’(式中、R’は、例えば、メチル、エチル、フェニル、トリフルオロメチルなどである)のアミド基;式-SO-R’’(式中、R’’は、例えば、トリル、フェニル、トリフルオロメチル、2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-イル-、2,3,6-トリメチル-4-メトキシベンゼンなどである)のN-スルホニル誘導体基。
【0018】
式(I)の化合物を調製するためのプロセス
本発明は、式(I)の化合物を調製するためのプロセスであって:
【化3】

式(II)の化合物と式(III)のアルコールを1:2よりも高いモル比で反応させるステップ、
【化4】

を含み、
ここで、R及びRは、それぞれ独立して、C~C16アルキル、C~C12アリール、C~C10シクロアルキル、C~C12アルカリル及びC~C12アラルキルから選択され、各基は非置換又はC~Cアルキル、C~Cアルコキシ、ジアルキル若しくはジアルキルアミノで置換されており;例えば、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、ヘキシル、フェニル、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、メチルフェニル、エチルフェニル及びプロピルフェニルから選択され、RはC~Cアルキルであり;
Halはハロゲンである
プロセスを提供する。
【0019】
好ましい実施形態では、Rは、C~C16アルキル、シクロヘキシル、シクロペンチル、又はフェニルであり、ここで、各基は非置換又はC~Cアルキル、C~Cアルコキシ、若しくはジアルキルアミノで置換されており;好ましくはフェニル又はC~Cアルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル又はヘキシルであり;より好ましくはC~Cアルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、又はブチルであり;最も好ましくはメチルである。
【0020】
別の好ましい実施形態では、Rは、C~Cアルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル又はヘキシルなどであり;好ましくはC~Cアルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、又はブチルであり;より好ましくはエチルである。
【0021】
さらに別の好ましい実施形態では、Halは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、好ましくは塩素である。
【0022】
好ましい実施形態では、式(II)の化合物は、ジクロロメチルホスフィン、ジクロロエチルホスフィン、ジクロロプロピルホスフィン、ジクロロブチルホスフィン、ジクロロシクロヘキシルホスフィン、ジクロロフェニルホスフィン、ジクロロ-4-メトキシフェニルホスフィン又はジクロロ-4-ジメチルアミノフェニルホスフィンである。
【0023】
別の好ましい実施形態では、式(III)の化合物は、メタノールアルコール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール又はn-ブタノールであり、好ましくはエタノール、n-プロパノール、イソプロパノール又はn-ブタノールであり、より好ましくはn-ブタノール又はエタノールであり、最も好ましくはエタノールである。
【0024】
さらに別の好ましい実施形態では、式(II)の化合物と式(III)のアルコールとのモル比は、1:(0.1~1.9)であり、好ましくは1:(0.5~1.5)であり、より好ましくは1:(0.9~1.1)である。例えば、式(II)の化合物と式(III)のアルコールとのモル比は、1:0.2、1:0.3、1:0.4、1:0.5、1:0.6、1:0.7、1:0.8、1:0.9、1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3;1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8又は1:1.9であり、最も好ましくは1:1である。
【0025】
別の好ましい実施形態では、反応は、-35℃~50℃、好ましくは-30℃~30℃、より好ましくは-20℃~0℃、最も好ましくは-10℃~0℃の範囲の温度で実施される。例えば、反応温度は、-35℃、-34℃、-33℃、-32℃、-31℃、-30℃、-29℃、-28℃、-27℃、-26℃、-25℃、-24℃、-23℃、-22℃、-21℃、-20℃、-19℃、-18℃、-17℃、-16℃、-15℃、-14℃、-13℃、-12℃、-11℃、-10℃、-9℃、-8℃、-7℃、-6℃、-5℃、-4℃、-3℃、-2℃、-1℃、0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃又は50℃であってもよい。
【0026】
別の好ましい実施形態では、反応は、マイクロチャンネル反応器、管型反応器、管状充填反応器、撹拌タンク形反応器又はその任意の組合せから選択される連続流反応器で実施される。例えば、反応器は、1つ若しくは複数のマイクロチャンネル連続流反応器からなり、又は反応器は、1つ又は複数のマイクロチャンネル連続流反応器及び1つ若しくは複数の管型反応器からなる。
【0027】
さらに別の好ましい実施形態では、連続流反応器内の温度は、-35℃~50℃、好ましくは-30℃~30℃、より好ましくは-20℃~30℃、最も好ましくは-10℃~30℃の範囲である。例えば、温度は、-35℃、-34℃、-33℃、-32℃、-31℃、-30℃、-29℃、-28℃、-27℃、-26℃、-25℃、-24℃、-23℃、-22℃、-21℃、-20℃、-19℃、-18℃、-17℃、-16℃、-15℃、-14℃、-13℃、-12℃、-11℃、-10℃、-9℃、-8℃、-7℃、-6℃、-5℃、-4℃、-3℃、-2℃、-1℃、0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃又は50℃であってもよい。
【0028】
式(II)の化合物及び式(III)のアルコールの流速は限定されず、デバイスの寸法によって異なる場合がある。
【0029】
さらに好ましい実施形態では、連続流反応器がマイクロチャンネル反応器からなる場合、連続流反応器における式(II)の化合物及び式(III)のアルコールの滞留時間は、0.1秒~300秒、好ましくは1秒~30秒、より好ましくは15秒~28秒の範囲である。例えば、滞留時間は、0.1秒、0.2秒、0.5秒、0.8秒、1秒、1.2秒、1.4秒、1.6秒、1.8秒、2秒、2.5秒、3秒、4秒、5秒、6秒、7秒、8秒、9秒、10秒、11秒、12秒、13秒、14秒、15秒、16秒、17秒、18秒、19秒、20秒、21秒、22秒、23秒、24秒、25秒、26秒、27秒、28秒、29秒、30秒、31秒、35秒、40秒、45秒、50秒、55秒、60秒、65秒、70秒、75秒、80秒、85秒、90秒、95秒、100秒、105秒、110秒、115秒、120秒、125秒、130秒、135秒、140秒、145秒、150秒、155秒、160秒、165秒、170秒、175秒、180秒、185秒、190秒、195秒、200秒、205秒、210秒、215秒、220秒、225秒、230秒、235秒、240秒、245秒、250秒、255秒、260秒、265秒、270秒、275秒、280秒、285秒、290秒、295秒又は300秒であってもよい。
【0030】
別の好ましい実施形態では、反応は、タンク形反応器で実施される。
【0031】
さらに好ましい実施形態では、タンク形反応器は、連続タンク形反応器である。
【0032】
さらに別の好ましい実施形態では、タンク形反応器内の温度は、-35℃~50℃、好ましくは-30℃~30℃、より好ましくは-20℃~30℃、最も好ましくは-18℃~30℃の範囲である。例えば、温度は、-35℃、-34℃、-33℃、-32℃、-31℃、-30℃、-29℃、-28℃、-27℃、-26℃、-25℃、-24℃、-23℃、-22℃、-21℃、-20℃、-19℃、-18℃、-17℃、-16℃、-15℃、-14℃、-13℃、-12℃、-11℃、-10℃、-9℃、-8℃、-7℃、-6℃、-5℃、-4℃、-3℃、-2℃、-1℃、0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃又は50℃であってもよい。
【0033】
式(IV)のグルホシネート又はその類似体を調製するためのプロセス
本発明はさらに、式(IV)のグルホシネート又はその類似体を調製するためのプロセスであって:
【化5】

a)式(II)の化合物、式(III)のアルコール及び式(V)の化合物を反応させるステップ、
【化6】

b)上記反応から得られた生成物を加水分解にかけて、式(IV)のグルホシネート又はその類似体を得るステップ
を含み、
ここで、R、R及びHalは、それぞれ、式(I)の化合物を調製するためのプロセスで定義された通りであり;
Halはハロゲンであり、
PGは水素又はアミノ保護基であり、PGがアミノ保護基である場合、プロセスはアミノ保護基を除去するステップをさらに含み、
Xは-OR又は-NRであり、ここで、Rは、C~C16アルキル、C~C16アリール、C~C16シクロアルキル、C~C16アラルキル又はC~C16アルカリルであり、ここで、基はそれぞれ非置換又はC~Cアルキルで置換されており;Rは水素又はRに定義される通りである
プロセスを提供する。
【0034】
、R及びHalに関して、式(I)の化合物に対する先行のプロセスで定義された全ての基、好ましい基、より好ましい基及び最も好ましい基は、本発明における式(IV)のグルホシネート又はその類似体を調製するためのプロセスに適用される。
【0035】
本発明では、式(II)の化合物、式(III)のアルコール及び式(V)の化合物の供給順序は、3つの物質が反応した場合、本発明の実施形態によって達成された効果に影響を与えない。好ましい実施形態では、ステップa)は:式(II)の化合物、式(III)のアルコール、式(V)の化合物及び溶媒を一緒に混合すること;又は式(II)の化合物及び式(III)のアルコールを混合し、次いで好ましくは他の溶媒を必要としないで、得られた生成物と式(V)の化合物を混合すること;又は式(II)の化合物及び式(V)の化合物を混合し、次いで得られた生成物と式(III)のアルコールを混合することによって行うことができる。
【0036】
さらに好ましい実施形態では、ステップa)の全ての反応がマイクロチャンネル反応器で行われる場合、ステップa)の反応は、-30℃~50℃、好ましくは-10℃~30℃、より好ましくは-5℃~30℃の範囲の反応温度で実施され;或いはステップa)の反応がマイクロチャンネル反応器及び管型反応器からなる反応器、又はタンク形反応器で行われる場合、ステップa)の反応は、-30℃~50℃、好ましくは-20℃~10℃、より好ましくは-15℃~5℃の範囲の反応温度で実施される。例えば、反応温度は-30℃、-29℃、-28℃、-27℃、-26℃、-25℃、-24℃、-23℃、-22℃、-21℃、-20℃、-19℃、-18℃、-17℃、-16℃、-15℃、-14℃、-13℃、-12℃、-11℃、-10℃、-9℃、-8℃、-7℃、-6℃、-5℃、-4℃、-3℃、-2℃、-1℃、0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃又は50℃であってもよい。
【0037】
さらに別の好ましい実施形態では、式(II)の化合物、式(III)のアルコール及び式(V)の化合物のモル比は、1:(0.1~1.9):(0.1~2)、好ましくは1:(0.5~1.5):(0.5~1)、より好ましくは1:(0.9~1.1):(0.7~1)、最も好ましくは1:1:(0.7~0.9)である。例えば、式(II)の化合物、式(III)のアルコール及び式(V)の化合物のモル比は、1:0.1:0.1、1:0.1:0.2、1:0.1:0.3、1:0.1:0.4、1:0.1:0.5、1:0.1:0.6、1:0.1:0.7、1:0.1:0.8、1:0.1:0.9、1:0.1:1、1:0.1:1.1、1:0.1:1.2、1:0.1:1.3、1:0.1:1.4、1:0.1:1.5、1:0.1:1.6、1:0.1:1.7、1:0.1:1.8、1:0.1:1.9、1:0.1:2、1:0.2:0.1、1:0.2:0.2、1:0.2:0.3、1:0.2:0.4、1:0.2:0.5、1:0.2:0.6、1:0.2:0.7、1:0.2:0.8、1:0.2:0.9、1:0.2:1、1:0.2:1.1、1:0.2:1.2、1:0.2:1.3、1:0.2:1.4、1:0.2:1.5、1:0.2:1.6、1:0.2:1.7、1:0.2:1.8、1:0.2:1.9、1:0.2:2、1:0.3:0.1、1:0.3:0.2、1:0.3:0.3、1:0.3:0.4、1:0.3:0.5、1:0.3:0.6、1:0.3:0.7、1:0.3:0.8、1:0.3:0.9、1:0.3:1、1:0.3:1.1、1:0.3:1.2、1:0.3:1.3、1:0.3:1.4、1:0.3:1.5、1:0.3:1.6、1:0.3:1.7、1:0.3:1.8、1:0.3:1.9、1:0.3:2、1:0.4:0.1、1:0.4:0.2、1:0.4:0.3、1:0.4:0.4、1:0.4:0.5、1:0.4:0.6、1:0.4:0.7、1:0.4:0.8、1:0.4:0.9、1:0.4:1、1:0.4:1.1、1:0.4:1.2、1:0.4:1.3、1:0.4:1.4、1:0.4:1.5、1:0.4:1.6、1:0.4:1.7、1:0.4:1.8、1:0.4:1.9、1:0.4:2、1:0.5:0.1、1:0.5:0.2、1:0.5:0.3、1:0.5:0.4、1:0.5:0.5、1:0.5:0.6、1:0.5:0.7、1:0.5:0.8、1:0.5:0.9、1:0.5:1、1:0.5:1.1、1:0.5:1.2、1:0.5:1.3、1:0.5:1.4、1:0.5:1.5、1:0.5:1.6、1:0.5:1.7、1:0.5:1.8、1:0.5:1.9、1:0.5:2、1:0.6:0.1、1:0.6:0.2、1:0.6:0.3、1:0.6:0.4、1:0.6:0.5、1:0.6:0.6、1:0.6:0.7、1:0.6:0.8、1:0.6:0.9、1:0.6:1、1:0.6:1.1、1:0.6:1.2、1:0.6:1.3、1:0.6:1.4、1:0.6:1.5、1:0.6:1.6、1:0.6:1.7、1:0.6:1.8、1:0.6:1.9、1:0.6:2、1:0.7:0.1、1:0.7:0.2、1:0.7:0.3、1:0.7:0.4、1:0.7:0.5、1:0.7:0.6、1:0.7:0.7、1:0.7:0.8、1:0.7:0.9、1:0.7:1、1:0.7:1.1、1:0.7:1.2、1:0.7:1.3、1:0.7:1.4、1:0.7:1.5、1:0.7:1.6、1:0.7:1.7、1:0.7:1.8、1:0.7:1.9、1:0.7:2、1:0.8:0.1、1:0.8:0.2、1:0.8:0.3、1:0.8:0.4、1:0.8:0.5、1:0.8:0.6、1:0.8:0.7、1:0.8:0.8、1:0.8:0.9、1:0.8:1、1:0.8:1.1、1:0.8:1.2、1:0.8:1.3、1:0.8:1.4、1:0.8:1.5、1:0.8:1.6、1:0.8:1.7、1:0.8:1.8、1:0.8:1.9、1:0.8:2、1:0.9:0.1、1:0.9:0.2、1:0.9:0.3、1:0.9:0.4、1:0.9:0.5、1:0.9:0.6、1:0.9:0.7、1:0.9:0.8、1:0.9:0.9、1:0.9:1、1:0.9:1.1、1:0.9:1.2、1:0.9:1.3、1:0.9:1.4、1:0.9:1.5、1:0.9:1.6、1:0.9:1.7、1:0.9:1.8、1:0.9:1.9、1:0.9:2、1:1:0.1、1:1:0.2、1:1:0.3、1:1:0.4、1:1:0.5、1:1:0.6、1:1:0.7、1:1:0.8、1:1:0.9、1:1:1、1:1:1.1、1:1:1.2、1:1:1.3、1:1:1.4、1:1:1.5、1:1:1.6、1:1:1.7、1:1:1.8、1:1:1.9、1:1:2、1:1.1:0.1、1:1.1:0.2、1:1.1:0.3、1:1.1:0.4、1:1.1:0.5、1:1.1:0.6、1:1.1:0.7、1:1.1:0.8、1:1.1:0.9、1:1.1:1、1:1.1:1.1、1:1.1:1.2、1:1.1:1.3、1:1.1:1.4、1:1.1:1.5、1:1.1:1.6、1:1.1:1.7、1:1.1:1.8、1:1.1:1.9、1:1.1:2、1:1.2:0.1、1:1.2:0.2、1:1.2:0.3、1:1.2:0.4、1:1.2:0.5、1:1.2:0.6、1:1.2:0.7、1:1.2:0.8、1:1.2:0.9、1:1.2:1、1:1.2:1.1、1:1.2:1.2、1:1.2:1.3、1:1.2:1.4、1:1.2:1.5、1:1.2:1.6、1:1.2:1.7、1:1.2:1.8、1:1.2:1.9、1:1.2:2、1:1.3:0.1、1:1.3:0.2、1:1.3:0.3、1:1.3:0.4、1:1.3:0.5、1:1.3:0.6、1:1.3:0.7、1:1.3:0.8、1:1.3:0.9、1:1.3:1、1:1.3:1.1、1:1.3:1.2、1:1.3:1.3、1:1.3:1.4、1:1.3:1.5、1:1.3:1.6、1:1.3:1.7、1:1.3:1.8、1:1.3:1.9、1:1.3:2、1:1.4:0.1、1:1.4:0.2、1:1.4:0.3、1:1.4:0.4、1:1.4:0.5、1:1.4:0.6、1:1.4:0.7、1:1.4:0.8、1:1.4:0.9、1:1.4:1、1:1.4:1.1、1:1.4:1.2、1:1.4:1.3、1:1.4:1.4、1:1.4:1.5、1:1.4:1.6、1:1.4:1.7、1:1.4:1.8、1:1.4:1.9、1:1.4:2、1:1.5:0.1、1:1.5:0.2、1:1.5:0.3、1:1.5:0.4、1:1.5:0.5、1:1.5:0.6、1:1.5:0.7、1:1.5:0.8、1:1.5:0.9、1:1.5:1、1:1.5:1.1、1:1.5:1.2、1:1.5:1.3、1:1.5:1.4、1:1.5:1.5、1:1.5:1.6、1:1.5:1.7、1:1.5:1.8、1:1.5:1.9、1:1.5:2、1:1.6:0.1、1:1.6:0.2、1:1.6:0.3、1:1.6:0.4、1:1.6:0.5、1:1.6:0.6、1:1.6:0.7、1:1.6:0.8、1:1.6:0.9、1:1.6:1、1:1.6:1.1、1:1.6:1.2、1:1.6:1.3、1:1.6:1.4、1:1.6:1.5、1:1.6:1.6、1:1.6:1.7、1:1.6:1.8、1:1.6:1.9、1:1.6:2、1:1.7:0.1、1:1.7:0.2、1:1.7:0.3、1:1.7:0.4、1:1.7:0.5、1:1.7:0.6、1:1.7:0.7、1:1.7:0.8、1:1.7:0.9、1:1.7:1、1:1.7:1.1、1:1.7:1.2、1:1.7:1.3、1:1.7:1.4、1:1.7:1.5、1:1.7:1.6、1:1.7:1.7、1:1.7:1.8、1:1.7:1.9、1:1.7:2、1:1.8:0.1、1:1.8:0.2、1:1.8:0.3、1:1.8:0.4、1:1.8:0.5、1:1.8:0.6、1:1.8:0.7、1:1.8:0.8、1:1.8:0.9、1:1.8:1、1:1.8:1.1、1:1.8:1.2、1:1.8:1.3、1:1.8:1.4、1:1.8:1.5、1:1.8:1.6、1:1.8:1.7、1:1.8:1.8、1:1.8:1.9、1:1.8:2、1:1.9:0.1、1:1.9:0.2、1:1.9:0.3、1:1.9:0.4、1:1.9:0.5、1:1.9:0.6、1:1.9:0.7、1:1.9:0.8、1:1.9:0.9、1:1.9:1、1:1.9:1.1、1:1.9:1.2、1:1.9:1.3、1:1.9:1.4、1:1.9:1.5、1:1.9:1.6、1:1.9:1.7、1:1.9:1.8、1:1.9:1.9、1:1.9:2、1.1:1.1:1、1.2:1.2:1又は1.3:1.3:1である。
【0038】
別の好ましい実施形態では、Halは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、好ましくは塩素である。
【0039】
さらに好ましい実施形態では、PGは、H、-C(O)-R、-SO-R、-CHC(O)O-R又は-C(O)ORであり、ここで、Rは、C~C16アリール、C~C16アラルキル又はC~C16アルカリルであり、好ましくはC~C12アリール、C~C13アラルキル又はC~C13アルカリルであり、より好ましくはフェニル、トリル、ベンジル又はフェニルエチルであり、最も好ましくはフェニルであり;Rは、C~C16アリール、C~C16アラルキル又はC~C16アルカリルであり、好ましくはC~C12アリール、C~C13アラルキル又はC~C13アルカリルであり、より好ましくはフェニル、トリル、ベンジル又はフェニルエチルであり、最も好ましくはトリルであり;R及びRは、それぞれ独立して、C~C16アルキル、C~C16アリール、C~C16シクロアルキル、C~C16アラルキル又はC~C16アルカリルであり、好ましくはC~Cアルキル、C~C12アリール、C~C10シクロアルキル、C~C12アラルキル又はC~C12アルカリルであり、より好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ベンジル、フェネチル、トリル、エチルフェニル、シクロプロピル、シクロブチル又はシクロペンチルであり、最も好ましくはメチル、エチル、又はプロピル若しくはブチルの異性体である。
【0040】
さらに好ましい実施形態では、Xは-ORであり、ここでRはC~Cアルキル又はC~C10アラルキルであり、好ましくはC~Cアルキル又はC~Cアラルキルであり、より好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル又はベンジルである。
【0041】
別の好ましい実施形態では、Xは-NRであり、ここでRはC~Cアルキル又はC~C10アラルキルであり、好ましくはC~Cアルキル又はC~Cアラルキルであり、より好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル又はベンジルであり、特に好ましくはメチル、プロピル、イソプロピル又はブチルであり;RはH又はRに定義される通りであり、好ましくはH又はメチルである。
【0042】
好ましい実施形態では、加水分解は酸加水分解又は塩基加水分解であり、ここで、酸加水分解は、好ましくは無機又は有機酸を用いて実施され、塩基加水分解は、好ましくは無機又は有機塩基を用いて実施され、ここで無機酸は、好ましくは塩酸又は硫酸である。
【0043】
さらに好ましい実施形態では、ステップa)は、溶媒の不在下又は不活性溶媒の存在下で実施され、ここで、不活性溶媒は、好ましくはベンゼン溶媒、アミド溶媒、炭化水素溶媒、ハロ炭化水素溶媒、スルホン若しくはスルホキシド溶媒、エーテル溶媒又はエステル溶媒のうちのいずれか1つ又は2つ以上であり;好ましくは、不活性溶媒は、クロロベンゼン、トリメチルベンゼン、1,4-ジオキサン、1,2-ジクロロエタン、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、石油エーテル、n-ヘプタン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、及び酢酸ブチルのうちのいずれか1つ又は2つ以上から選択される。
【0044】
好ましい実施形態では、塩基は、ステップa)の反応開始時、反応中、及び/又は反応後、好ましくはステップa)の反応後に加えられ、ここで塩基は、好ましくは有機塩基又はアンモニアであり、より好ましくはアンモニアである。
【0045】
別の好ましい実施形態では、有機塩基は、有機アミン、例えば、トリエチルアミン、ピリジン又は複素環中の1個若しくは複数の炭素原子に結合した1~3個の置換基を有するピリジン誘導体、或いはピペリジン又は複素環中の1個若しくは複数の炭素原子に結合した1~3個の置換基を有するピペリジン誘導体である。
【0046】
さらに別の好ましい実施形態では、ステップa)は:(i)式(II)の化合物、式(III)のアルコール及び式(V)の化合物を同時に第1の反応器に入れて、溶媒の存在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第2の反応器に入れること;或いは(ii)式(II)の化合物及び式(III)のアルコールを同時に第1の反応器に入れて、溶媒の存在下又は他の溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び式(V)の化合物を第2の反応器に入れ、最後に得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第3の反応器に入れて、互いに反応させること;或いは(iii)式(II)の化合物及び式(V)の化合物を同時に第1の反応器に入れて、溶媒の存在下で又は他の溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び式(III)のアルコールを第2の反応器に入れ、最後に得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第3の反応器に入れて、互いに反応させること;或いは(iv)式(II)の化合物及び式(III)のアルコールを同時に第1の反応器に入れて、溶媒の存在下で又は他の溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物、式(V)の化合物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第2の反応器に入れて、互いに反応させることによって行われる。
【0047】
好ましい実施形態では、第1の反応器、第2の反応器及び/又は第3の反応器は、それぞれ独立して1つ又は複数の反応器である。
【0048】
別の好ましい実施形態では、第1の反応器、第2の反応器及び/又は第3の反応器は、それぞれ独立して、マイクロチャンネル反応器、管型反応器、管状充填反応器、撹拌タンク形反応器又はその任意の組合せから選択される。例えば、第1の反応器、第2の反応器及び/又は第3の反応器は、それぞれ独立して1つ又は複数のマイクロチャンネル連続流反応器からなり;或いはそれぞれ独立して1つ又は複数のマイクロチャンネル連続流反応器及び1つ又は複数の管型反応器からなる。
【0049】
さらに好ましい実施形態では、ステップa)は:(i)式(II)の化合物、式(III)のアルコール及び式(V)の化合物を同時に第1のマイクロチャンネル反応器に入れて、溶媒の存在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第2のマイクロチャンネル反応器に入れること;或いは(ii)式(II)の化合物及び式(III)のアルコールを同時に第1のマイクロチャンネル反応器に入れて、溶媒の存在下又溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び式(V)の化合物を第2のマイクロチャンネル反応器に入れ、最後に得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第3のマイクロチャンネル反応器に入れて、互いに反応させること;或いは(iii)式(II)の化合物及び式(V)の化合物を同時に第1のマイクロチャンネル反応器に入れて、溶媒の存在下で又は溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び式(III)のアルコールを第2のマイクロチャンネル反応器に入れ、最後に得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第3のマイクロチャンネル反応器に入れて、互いに反応させること;或いは(iv)式(II)の化合物及び式(III)のアルコールを同時に第1のマイクロチャンネル反応器に入れて、溶媒の存在下で又は溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物、式(V)の化合物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に管型反応器に入れて、互いに反応させることによって行われる。
【0050】
さらに別の好ましい実施形態では、実施形態(i)において、第1のマイクロチャンネル反応器及び/又は第2のマイクロチャンネル反応器の温度はそれぞれ、それぞれ独立して-30℃~50℃、好ましくは-10℃~30℃、より好ましくは-5℃~30℃の範囲であり、上記温度は同じ又は異なる。例えば、反応温度は、-30℃、-29℃、-28℃、-27℃、-26℃、-25℃、-24℃、-23℃、-22℃、-21℃、-20℃、-19℃、-18℃、-17℃、-16℃、-15℃、-14℃、-13℃、-12℃、-11℃、-10℃、-9℃、-8℃、-7℃、-6℃、-5℃、-4℃、-3℃、-2℃、-1℃、0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃又は30℃であってもよい。
【0051】
実施形態(ii)において、第1のマイクロチャンネル反応器、第2のマイクロチャンネル反応器及び/又は第3のマイクロチャンネル反応器の温度はそれぞれ、それぞれ独立して-30℃~50℃、好ましくは-10℃~30℃、より好ましくは-5℃~30℃の範囲であり、上記温度は同じ又は異なる。例えば、反応温度は-30℃、-29℃、-28℃、-27℃、-26℃、-25℃、-24℃、-23℃、-22℃、-21℃、-20℃、-19℃、-18℃、-17℃、-16℃、-15℃、-14℃、-13℃、-12℃、-11℃、-10℃、-9℃、-8℃、-7℃、-6℃、-5℃、-4℃、-3℃、-2℃、-1℃、0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃又は30℃であってもよい。
【0052】
実施形態(iii)において、第1のマイクロチャンネル反応器、第2のマイクロチャンネル反応器及び/又は第3のマイクロチャンネル反応器の温度はそれぞれ、それぞれ独立して-30℃~50℃、好ましくは-10℃~30℃、より好ましくは-5℃~30℃の範囲であり、上記温度は同じ又は異なる。
【0053】
実施形態(iv)において、第1のマイクロチャンネル反応器の温度は、-30℃~50℃、好ましくは-25℃~5℃、より好ましくは-20℃~-10℃の範囲であり;及び/又は管型反応器の温度は、-30℃~50℃、好ましくは-25℃~10℃、より好ましくは-20℃~5℃である。
【0054】
好ましい実施形態では、ステップa)において、反応器がマイクロチャンネル反応器だけからなる場合、全ての反応器における総滞留時間は、0.1秒~300秒、好ましくは1秒~50秒、より好ましくは10秒~40秒の範囲であり;又は反応器がマイクロチャンネル反応器及び管型反応器からなる場合、全ての反応器における総滞留時間は、1分~20分、好ましくは5分~18分、より好ましくは9分~14分の範囲である。例えば、滞留時間は、0.1秒、0.2秒、0.5秒、0.8秒、1秒、1.2秒、1.4秒、1.6秒、1.8秒、2秒、2.5秒、3秒、4秒、5秒、6秒、7秒、8秒、9秒、10秒、11秒、12秒、13秒、14秒、15秒、16秒、17秒、18秒、19秒、20秒、21秒、22秒、23秒、24秒、25秒、26秒、27秒、28秒、29秒、30秒、31秒、35秒、40秒、45秒、50秒、55秒、60秒、65秒、70秒、75秒、80秒、85秒、90秒、95秒、100秒、105秒、110秒、115秒、120秒、125秒、130秒、135秒、140秒、145秒、150秒、155秒、160秒、165秒、170秒、175秒、180秒、185秒、190秒、195秒、200秒、205秒、210秒、215秒、220秒、225秒、230秒、235秒、240秒、245秒、250秒、255秒、260秒、265秒、270秒、275秒、280秒、285秒、290秒、295秒又は300秒であってもよい。
【0055】
さらに好ましい実施形態では、ステップb)は:ステップa)から得られた反応生成物の温度を30℃~130℃、好ましくは60℃~120℃、より好ましくは90℃~100℃の範囲に入るように1~24時間、好ましくは2~10時間、より好ましくは5~8時間上げること;次いで50℃~120℃、好ましくは80℃~120℃、より好ましくは100℃~110℃の範囲の温度で生成物を酸、好ましくは塩酸で加水分解することにより実施される。例えば、ステップa)の反応生成物は、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃、95℃、100℃、105℃、110℃、115℃、120℃、125℃又は130℃の温度で維持してもよい。例えば、ステップa)の反応生成物は、これらの温度で1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間、5時間、5.5時間、6時間、6.5時間、7時間、7.5時間、8時間、8.5時間、9時間、9.5時間、10時間、10.5時間、11時間、11.5時間、12時間、12.5時間、13時間、13.5時間、14時間、14.5時間、15時間、15.5時間、16時間、16.5時間、17時間、17.5時間、18時間、18.5時間、19時間、19.5時間、20時間、20.5時間、21時間、21.5時間、22時間、22.5時間、23時間、23.5時間又は24時間維持してもよい。例えば、加水分解温度は、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃、95℃、100℃、105℃、110℃、115℃又は120℃であってもよい。
【0056】
式(IV)のグルホシネート又はその類似体を調製するためのプロセス
本発明はさらに、式(IV)のグルホシネート又はその類似体を調製するためのプロセスであって:
【化7】

a)式(II)の化合物、式(III)のアルコール及び式(V)の化合物を反応器内に供給して、混合物流を得るステップ、
【化8】

b)混合物流を、-30℃~50℃、好ましくは-10℃~30℃、より好ましくは-5℃~5℃の範囲の温度で反応させるステップ、
c)ステップb)から得られた生成物を加水分解にかけて、化合物(IV)のグルホシネート又はその類似体を得るステップ
を含み、
ここで、R、R及びHalは、式(I)の化合物を調製するためのプロセスで定義された通りであり;
Halはハロゲンであり、
PGは水素又はアミノ保護基であり、PGがアミノ保護基である場合、プロセスはアミノ保護基を除去するステップをさらに含み、
Xは-OR又は-NRであり、ここで、Rは、C~C16アルキル、C~C16アリール、C~C16シクロアルキル、C~C16アラルキル又はC~C16アルカリルであり、ここで、基はそれぞれ非置換又はC~Cアルキルで置換されており;Rは水素又はRに定義される通りである
プロセスを提供する。
【0057】
、R及びHalに関して、式(I)の化合物に対する先行のプロセスで定義された全ての基、好ましい基、より好ましい基及び最も好ましい基は、本発明における式(IV)のグルホシネート又はその類似体を調製するためのプロセスに適用される。
【0058】
本発明では、「式(II)の化合物、式(III)のアルコール及び式(V)の化合物を反応器内に供給すること」は、3つの物質を任意の順序で供給することを包含し、任意の2つの物質の供給を同時に又は時間差で実施することもでき、その全てが本発明の実施形態によって達成された効果に影響を与えない。好ましい実施形態では、ステップa)は:式(II)の化合物、式(III)のアルコール、式(V)の化合物及び溶媒を一緒に混合すること;又は式(II)の化合物及び式(III)のアルコールを混合し、次いで好ましくは他の溶媒を必要としないで、得られた生成物と式(V)の化合物を混合すること;又は式(II)の化合物と式(V)の化合物を混合し、次いで得られた生成物と式(III)のアルコールを混合することによって行うことができる。
【0059】
さらに好ましい実施形態では、ステップa)の全ての反応がマイクロチャンネル反応器で行われる場合、ステップa)の反応は、-30℃~50℃、好ましくは-10℃~30℃、より好ましくは-5℃~30℃の範囲の反応温度で実施され;或いはステップa)の反応がマイクロチャンネル反応器及び管型反応器からなる反応器、又はタンク形反応器で行われる場合、ステップa)の反応は、-30℃~50℃、好ましくは-20℃~10℃、より好ましくは-15℃~5℃の範囲の反応温度で実施される。例えば、反応温度は-30℃、-29℃、-28℃、-27℃、-26℃、-25℃、-24℃、-23℃、-22℃、-21℃、-20℃、-19℃、-18℃、-17℃、-16℃、-15℃、-14℃、-13℃、-12℃、-11℃、-10℃、-9℃、-8℃、-7℃、-6℃、-5℃、-4℃、-3℃、-2℃、-1℃、0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃又は50℃であってもよい。
【0060】
さらに別の好ましい実施形態では、式(II)の化合物、式(III)のアルコール及び式(V)の化合物のモル比は、1:(0.1~1.9):(0.1~2)、好ましくは1:(0.5~1.5):(0.5~1)、より好ましくは1:(0.9~1.1):(0.7~1)、最も好ましくは1:1:(0.7~0.9)である。例えば、式(II)の化合物、式(III)のアルコール及び式(V)の化合物のモル比は、1:0.1:0.1、1:0.1:0.2、1:0.1:0.3、1:0.1:0.4、1:0.1:0.5、1:0.1:0.6、1:0.1:0.7、1:0.1:0.8、1:0.1:0.9、1:0.1:1、1:0.1:1.1、1:0.1:1.2、1:0.1:1.3、1:0.1:1.4、1:0.1:1.5、1:0.1:1.6、1:0.1:1.7、1:0.1:1.8、1:0.1:1.9、1:0.1:2、1:0.2:0.1、1:0.2:0.2、1:0.2:0.3、1:0.2:0.4、1:0.2:0.5、1:0.2:0.6、1:0.2:0.7、1:0.2:0.8、1:0.2:0.9、1:0.2:1、1:0.2:1.1、1:0.2:1.2、1:0.2:1.3、1:0.2:1.4、1:0.2:1.5、1:0.2:1.6、1:0.2:1.7、1:0.2:1.8、1:0.2:1.9、1:0.2:2、1:0.3:0.1、1:0.3:0.2、1:0.3:0.3、1:0.3:0.4、1:0.3:0.5、1:0.3:0.6、1:0.3:0.7、1:0.3:0.8、1:0.3:0.9、1:0.3:1、1:0.3:1.1、1:0.3:1.2、1:0.3:1.3、1:0.3:1.4、1:0.3:1.5、1:0.3:1.6、1:0.3:1.7、1:0.3:1.8、1:0.3:1.9、1:0.3:2、1:0.4:0.1、1:0.4:0.2、1:0.4:0.3、1:0.4:0.4、1:0.4:0.5、1:0.4:0.6、1:0.4:0.7、1:0.4:0.8、1:0.4:0.9、1:0.4:1、1:0.4:1.1、1:0.4:1.2、1:0.4:1.3、1:0.4:1.4、1:0.4:1.5、1:0.4:1.6、1:0.4:1.7、1:0.4:1.8、1:0.4:1.9、1:0.4:2、1:0.5:0.1、1:0.5:0.2、1:0.5:0.3、1:0.5:0.4、1:0.5:0.5、1:0.5:0.6、1:0.5:0.7、1:0.5:0.8、1:0.5:0.9、1:0.5:1、1:0.5:1.1、1:0.5:1.2、1:0.5:1.3、1:0.5:1.4、1:0.5:1.5、1:0.5:1.6、1:0.5:1.7、1:0.5:1.8、1:0.5:1.9、1:0.5:2、1:0.6:0.1、1:0.6:0.2、1:0.6:0.3、1:0.6:0.4、1:0.6:0.5、1:0.6:0.6、1:0.6:0.7、1:0.6:0.8、1:0.6:0.9、1:0.6:1、1:0.6:1.1、1:0.6:1.2、1:0.6:1.3、1:0.6:1.4、1:0.6:1.5、1:0.6:1.6、1:0.6:1.7、1:0.6:1.8、1:0.6:1.9、1:0.6:2、1:0.7:0.1、1:0.7:0.2、1:0.7:0.3、1:0.7:0.4、1:0.7:0.5、1:0.7:0.6、1:0.7:0.7、1:0.7:0.8、1:0.7:0.9、1:0.7:1、1:0.7:1.1、1:0.7:1.2、1:0.7:1.3、1:0.7:1.4、1:0.7:1.5、1:0.7:1.6、1:0.7:1.7、1:0.7:1.8、1:0.7:1.9、1:0.7:2、1:0.8:0.1、1:0.8:0.2、1:0.8:0.3、1:0.8:0.4、1:0.8:0.5、1:0.8:0.6、1:0.8:0.7、1:0.8:0.8、1:0.8:0.9、1:0.8:1、1:0.8:1.1、1:0.8:1.2、1:0.8:1.3、1:0.8:1.4、1:0.8:1.5、1:0.8:1.6、1:0.8:1.7、1:0.8:1.8、1:0.8:1.9、1:0.8:2、1:0.9:0.1、1:0.9:0.2、1:0.9:0.3、1:0.9:0.4、1:0.9:0.5、1:0.9:0.6、1:0.9:0.7、1:0.9:0.8、1:0.9:0.9、1:0.9:1、1:0.9:1.1、1:0.9:1.2、1:0.9:1.3、1:0.9:1.4、1:0.9:1.5、1:0.9:1.6、1:0.9:1.7、1:0.9:1.8、1:0.9:1.9、1:0.9:2、1:1:0.1、1:1:0.2、1:1:0.3、1:1:0.4、1:1:0.5、1:1:0.6、1:1:0.7、1:1:0.8、1:1:0.9、1:1:1、1:1:1.1、1:1:1.2、1:1:1.3、1:1:1.4、1:1:1.5、1:1:1.6、1:1:1.7、1:1:1.8、1:1:1.9、1:1:2、1:1.1:0.1、1:1.1:0.2、1:1.1:0.3、1:1.1:0.4、1:1.1:0.5、1:1.1:0.6、1:1.1:0.7、1:1.1:0.8、1:1.1:0.9、1:1.1:1、1:1.1:1.1、1:1.1:1.2、1:1.1:1.3、1:1.1:1.4、1:1.1:1.5、1:1.1:1.6、1:1.1:1.7、1:1.1:1.8、1:1.1:1.9、1:1.1:2、1:1.2:0.1、1:1.2:0.2、1:1.2:0.3、1:1.2:0.4、1:1.2:0.5、1:1.2:0.6、1:1.2:0.7、1:1.2:0.8、1:1.2:0.9、1:1.2:1、1:1.2:1.1、1:1.2:1.2、1:1.2:1.3、1:1.2:1.4、1:1.2:1.5、1:1.2:1.6、1:1.2:1.7、1:1.2:1.8、1:1.2:1.9、1:1.2:2、1:1.3:0.1、1:1.3:0.2、1:1.3:0.3、1:1.3:0.4、1:1.3:0.5、1:1.3:0.6、1:1.3:0.7、1:1.3:0.8、1:1.3:0.9、1:1.3:1、1:1.3:1.1、1:1.3:1.2、1:1.3:1.3、1:1.3:1.4、1:1.3:1.5、1:1.3:1.6、1:1.3:1.7、1:1.3:1.8、1:1.3:1.9、1:1.3:2、1:1.4:0.1、1:1.4:0.2、1:1.4:0.3、1:1.4:0.4、1:1.4:0.5、1:1.4:0.6、1:1.4:0.7、1:1.4:0.8、1:1.4:0.9、1:1.4:1、1:1.4:1.1、1:1.4:1.2、1:1.4:1.3、1:1.4:1.4、1:1.4:1.5、1:1.4:1.6、1:1.4:1.7、1:1.4:1.8、1:1.4:1.9、1:1.4:2、1:1.5:0.1、1:1.5:0.2、1:1.5:0.3、1:1.5:0.4、1:1.5:0.5、1:1.5:0.6、1:1.5:0.7、1:1.5:0.8、1:1.5:0.9、1:1.5:1、1:1.5:1.1、1:1.5:1.2、1:1.5:1.3、1:1.5:1.4、1:1.5:1.5、1:1.5:1.6、1:1.5:1.7、1:1.5:1.8、1:1.5:1.9、1:1.5:2、1:1.6:0.1、1:1.6:0.2、1:1.6:0.3、1:1.6:0.4、1:1.6:0.5、1:1.6:0.6、1:1.6:0.7、1:1.6:0.8、1:1.6:0.9、1:1.6:1、1:1.6:1.1、1:1.6:1.2、1:1.6:1.3、1:1.6:1.4、1:1.6:1.5、1:1.6:1.6、1:1.6:1.7、1:1.6:1.8、1:1.6:1.9、1:1.6:2、1:1.7:0.1、1:1.7:0.2、1:1.7:0.3、1:1.7:0.4、1:1.7:0.5、1:1.7:0.6、1:1.7:0.7、1:1.7:0.8、1:1.7:0.9、1:1.7:1、1:1.7:1.1、1:1.7:1.2、1:1.7:1.3、1:1.7:1.4、1:1.7:1.5、1:1.7:1.6、1:1.7:1.7、1:1.7:1.8、1:1.7:1.9、1:1.7:2、1:1.8:0.1、1:1.8:0.2、1:1.8:0.3、1:1.8:0.4、1:1.8:0.5、1:1.8:0.6、1:1.8:0.7、1:1.8:0.8、1:1.8:0.9、1:1.8:1、1:1.8:1.1、1:1.8:1.2、1:1.8:1.3、1:1.8:1.4、1:1.8:1.5、1:1.8:1.6、1:1.8:1.7、1:1.8:1.8、1:1.8:1.9、1:1.8:2、1:1.9:0.1、1:1.9:0.2、1:1.9:0.3、1:1.9:0.4、1:1.9:0.5、1:1.9:0.6、1:1.9:0.7、1:1.9:0.8、1:1.9:0.9、1:1.9:1、1:1.9:1.1、1:1.9:1.2、1:1.9:1.3、1:1.9:1.4、1:1.9:1.5、1:1.9:1.6、1:1.9:1.7、1:1.9:1.8、1:1.9:1.9、1:1.9:2、1.1:1.1:1、1.2:1.2:1又は1.3:1.3:1である。
【0061】
別の好ましい実施形態では、Halは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であり、好ましくは塩素である。
【0062】
さらに好ましい実施形態では、PGは、H、-C(O)-R、-SO-R、-CHC(O)O-R又は-C(O)ORであり、ここで、Rは、C~C16アリール、C~C16アラルキル又はC~C16アルカリルであり、好ましくはC~C12アリール、C~C13アラルキル又はC~C13アルカリルであり、より好ましくはフェニル、トリル、ベンジル又はフェニルエチルであり、最も好ましくはフェニルであり;Rは、C~C16アリール、C~C16アラルキル又はC~C16アルカリルであり、好ましくはC~C12アリール、C~C13アラルキル又はC~C13アルカリルであり、より好ましくはフェニル、トリル、ベンジル又はフェニルエチルであり、最も好ましくはトリルであり;R及びRは、それぞれ独立して、C~C16アルキル、C~C16アリール、C~C16シクロアルキル、C~C16アラルキル又はC~C16アルカリルであり、好ましくはC~Cアルキル、C~C12アリール、C~C10シクロアルキル、C~C12アラルキル又はC~C12アルカリルであり、より好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ベンジル、フェネチル、トリル、エチルフェニル、シクロプロピル、シクロブチル又はシクロペンチルであり、最も好ましくはメチル、エチル、又はプロピル若しくはブチルの全ての異性体である。
【0063】
さらに好ましい実施形態では、Xは-ORであり、ここでRはC~Cアルキル又はC~C10アラルキルであり、好ましくはC~Cアルキル又はC~Cアラルキルであり、より好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル又はベンジルである。
【0064】
別の好ましい実施形態では、Xは-NRであり、ここでRはC~Cアルキル又はC~C10アラルキルであり、好ましくはC~Cアルキル又はC~Cアラルキルであり、より好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル又はベンジルであり、特に好ましくはメチル、プロピル、イソプロピル又はブチルであり;RはH又はRに定義される通りであり、好ましくはH又はメチルである。
【0065】
好ましい実施形態では、加水分解は酸加水分解又は塩基加水分解であり、ここで、酸加水分解は、好ましくは無機又は有機酸を用いて実施され、塩基加水分解は、好ましくは無機又は有機塩基を用いて実施され、ここで無機酸は、好ましくは塩酸又は硫酸である。
【0066】
さらに好ましい実施形態では、ステップa)は、溶媒の不在下又は不活性溶媒の存在下で実施され、ここで、不活性溶媒は、好ましくはベンゼン溶媒、アミド溶媒、炭化水素溶媒、ハロ炭化水素溶媒、スルホン若しくはスルホキシド溶媒、エーテル溶媒又はエステル溶媒のうちのいずれか1つ又は2つ以上であり;好ましくは、不活性溶媒は、クロロベンゼン、トリメチルベンゼン、1,4-ジオキサン、1,2-ジクロロエタン、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、石油エーテル、n-ヘプタン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、及び酢酸ブチルのうちのいずれか1つ又は2つ以上から選択される。
【0067】
好ましい実施形態では、塩基は、ステップa)の反応開始時、反応中、及び/又は反応後、好ましくはステップa)の反応後に加えられ、ここで塩基は、好ましくは有機塩基又はアンモニアであり、より好ましくはアンモニアである。
【0068】
別の好ましい実施形態では、有機塩基は、有機アミン、例えば、トリエチルアミン、ピリジン又は複素環中の1個若しくは複数の炭素原子に結合した1~3個の置換基を有するピリジン誘導体、或いはピペリジン又は複素環中の1個若しくは複数の炭素原子に結合した1~3個の置換基を有するピペリジン誘導体である。
【0069】
さらに別の好ましい実施形態では、ステップa)は:(i)式(II)の化合物、式(III)のアルコール及び式(V)の化合物を同時に第1の反応器に入れて、溶媒の存在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第2の反応器に入れること;或いは(ii)式(II)の化合物及び式(III)のアルコールを同時に第1の反応器に入れて、溶媒の存在下又は他の溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び式(V)の化合物を第2の反応器に入れ、最後に得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第3の反応器に入れて、互いに反応させること;或いは(iii)式(II)の化合物及び式(V)の化合物を同時に第1の反応器に入れて、溶媒の存在下で又は他の溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び式(III)のアルコールを第2の反応器に入れ、最後に得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第3の反応器に入れて、互いに反応させること;或いは(iv)式(II)の化合物及び式(III)のアルコールを同時に第1の反応器に入れて、溶媒の存在下で又は他の溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物、式(V)の化合物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第2の反応器に入れて、互いに反応させることによって行われる。
【0070】
好ましい実施形態では、第1の反応器、第2の反応器及び/又は第3の反応器は、それぞれ独立して1つ又は複数の反応器である。
【0071】
別の好ましい実施形態では、第1の反応器、第2の反応器及び/又は第3の反応器は、それぞれ独立して、マイクロチャンネル反応器、管型反応器、管状充填反応器、撹拌タンク形反応器又はその任意の組合せから選択される。例えば、第1の反応器、第2の反応器及び/又は第3の反応器は、それぞれ独立して1つ又は複数のマイクロチャンネル連続流反応器からなり;或いはそれぞれ独立して1つ又は複数のマイクロチャンネル連続流反応器及び1つ又は複数の管型反応器からなる。
【0072】
さらに好ましい実施形態では、ステップa)は:(i)式(II)の化合物、式(III)のアルコール及び式(V)の化合物を同時に第1のマイクロチャンネル反応器に入れて、溶媒の存在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第2のマイクロチャンネル反応器に入れること;或いは(ii)式(II)の化合物及び式(III)のアルコールを同時に第1のマイクロチャンネル反応器に入れて、溶媒の存在下又溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び式(V)の化合物を第2のマイクロチャンネル反応器に入れ、最後に得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第3のマイクロチャンネル反応器に入れて、互いに反応させること;或いは(iii)式(II)の化合物及び式(V)の化合物を同時に第1のマイクロチャンネル反応器に入れて、溶媒の存在下で又は溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び式(III)のアルコールを第2のマイクロチャンネル反応器に入れ、最後に得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第3のマイクロチャンネル反応器に入れて、互いに反応させること;或いは(iv)式(II)の化合物及び式(III)のアルコールを同時に第1のマイクロチャンネル反応器に入れて、溶媒の存在下で又は溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物、式(V)の化合物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に管型反応器に入れて、互いに反応させることによって行われる。
【0073】
さらに別の好ましい実施形態では、実施形態(i)において、第1のマイクロチャンネル反応器及び/又は第2のマイクロチャンネル反応器の温度はそれぞれ、それぞれ独立して-30℃~50℃、好ましくは-10℃~30℃、より好ましくは-5℃~30℃の範囲であり、上記温度は同じ又は異なる。例えば、反応温度は-30℃、-29℃、-28℃、-27℃、-26℃、-25℃、-24℃、-23℃、-22℃、-21℃、-20℃、-19℃、-18℃、-17℃、-16℃、-15℃、-14℃、-13℃、-12℃、-11℃、-10℃、-9℃、-8℃、-7℃、-6℃、-5℃、-4℃、-3℃、-2℃、-1℃、0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃又は30℃であってもよい。
【0074】
実施形態(ii)において、第1のマイクロチャンネル反応器、第2のマイクロチャンネル反応器及び/又は第3のマイクロチャンネル反応器の温度はそれぞれ、それぞれ独立して-30℃~50℃、好ましくは-10℃~30℃、より好ましくは-5℃~30℃の範囲であり、上記温度は同じ又は異なる。例えば、反応温度は-30℃、-29℃、-28℃、-27℃、-26℃、-25℃、-24℃、-23℃、-22℃、-21℃、-20℃、-19℃、-18℃、-17℃、-16℃、-15℃、-14℃、-13℃、-12℃、-11℃、-10℃、-9℃、-8℃、-7℃、-6℃、-5℃、-4℃、-3℃、-2℃、-1℃、0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃又は30℃であってもよい。
【0075】
実施形態(iii)において、第1のマイクロチャンネル反応器、第2のマイクロチャンネル反応器及び/又は第3のマイクロチャンネル反応器の温度はそれぞれ、それぞれ独立して-30℃~50℃、好ましくは-10℃~30℃、より好ましくは-5℃~30℃の範囲であり、上記温度は同じ又は異なる。
【0076】
実施形態(iv)において、第1のマイクロチャンネル反応器の温度は、-30℃~50℃、好ましくは-25℃~5℃、より好ましくは-20℃~-10℃の範囲であり;及び/又は管型反応器の温度は、-30℃~50℃、好ましくは-25℃~10℃、より好ましくは-20℃~5℃である。
【0077】
好ましい実施形態では、ステップa)において、反応器がマイクロチャンネル反応器からなる場合、全ての反応器における総滞留時間は、0.1秒~300秒、好ましくは1秒~30秒、より好ましくは2秒~8秒の範囲である。例えば、滞留時間は、0.1秒、0.2秒、0.5秒、0.8秒、1秒、1.2秒、1.4秒、1.6秒、1.8秒、2秒、2.5秒、3秒、4秒、5秒、6秒、7秒、8秒、9秒、10秒、11秒、12秒、13秒、14秒、15秒、16秒、17秒、18秒、19秒、20秒、21秒、22秒、23秒、24秒、25秒、26秒、27秒、28秒、29秒、30秒、31秒、35秒、40秒、45秒、50秒、55秒、60秒、65秒、70秒、75秒、80秒、85秒、90秒、95秒、100秒、105秒、110秒、115秒、120秒、125秒、130秒、135秒、140秒、145秒、150秒、155秒、160秒、165秒、170秒、175秒、180秒、185秒、190秒、195秒、200秒、205秒、210秒、215秒、220秒、225秒、230秒、235秒、240秒、245秒、250秒、255秒、260秒、265秒、270秒、275秒、280秒、285秒、290秒、295秒又は300秒であってもよい。
【0078】
さらに好ましい実施形態では、ステップb)は:ステップa)から得られた反応生成物の温度を30℃~130℃、好ましくは60℃~120℃、より好ましくは90℃~100℃の範囲に入るように1~24時間、好ましくは2~10時間、より好ましくは5~8時間上げること;次いで50℃~120℃、好ましくは80℃~120℃、より好ましくは100℃~110℃の範囲の温度で生成物を酸、好ましくは塩酸で加水分解することにより実施される。例えば、ステップa)の反応生成物は、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃、95℃、100℃、105℃、110℃、115℃、120℃、125℃又は130℃の温度で維持してもよい。例えば、ステップa)の反応生成物は、これらの温度で1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間、5時間、5.5時間、6時間、6.5時間、7時間、7.5時間、8時間、8.5時間、9時間、9.5時間、10時間、10.5時間、11時間、11.5時間、12時間、12.5時間、13時間、13.5時間、14時間、14.5時間、15時間、15.5時間、16時間、16.5時間、17時間、17.5時間、18時間、18.5時間、19時間、19.5時間、20時間、20.5時間、21時間、21.5時間、22時間、22.5時間、23時間、23.5時間又は24時間維持してもよい。例えば、加水分解温度は、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃、95℃、100℃、105℃、110℃、115℃又は120℃であってもよい。
【0079】
本発明のプロセスでは、式(IV)のグルホシネート又はその類似体は、L-立体配置又はD-立体配置、又はL-及びD-立体配置の混合物であってもよい。
【0080】
[実施例]
本発明をさらに詳細に説明及び例示するために以下の実施例を参照する。実施例は、当業者が本発明をより良く理解し実施するのを助けることを意図しているが、本発明の範囲を限定するものではない。
【0081】
以下の実施例における反応液の絶対収率は、液体クロマトグラフィーから得られた反応液中のL-グルホシネートの質量パーセントから全て計算された。
【0082】
以下の反応は、全ての実施例で行われた。
【化9】
【0083】
実施例A1からA3:L-グルホシネート塩酸塩の調製(マイクロチャンネルにより供給)
10wt.%の濃度のメチルジクロロホスフィン(以下「MDP」と呼ぶ)のクロロベンゼン溶液及び10wt.%の濃度のH3のクロロベンゼン/エタノール溶液をそれぞれ調製した。
【0084】
反応プロセスの概略図を図1に示した。上記MDP溶液を、マイクロチャンネル反応器に以下の表1に示した流速で通過させ、温度を、表1のT1に示した温度まで下げた。次いでMDP溶液及びH3溶液は同時に別のマイクロチャンネル反応器に入れ、温度T2で反応させ、滞留時間はtである。前のマイクロチャンネル反応器からアンモニアガスと一緒に出てくる原料流を後続のマイクロチャンネル反応器に入れ(反応温度はT3である);その後、マイクロチャンネル反応器から流れ出てくる反応液の温度を90℃まで上げ、温度を8時間保持し、次いで100℃の温度で反応液を塩酸で加水分解し、それによってL-グルホシネート塩酸塩を得た。
【0085】
【表1】
【0086】
実施例B1からB3:L-グルホシネート塩酸塩の調製(マイクロチャンネルにより供給)
【化10】

実施例B1からB3で行われた反応は、上記反応を含んでいた。
【0087】
10wt.%の濃度のMDPのクロロベンゼン溶液、10wt.%の濃度のH3のクロロベンゼン溶液、及び10wt.%の濃度のエタノールのクロロベンゼン溶液をそれぞれ調製した。
【0088】
反応プロセスの概略図を図2に示した。上記MDP溶液を、マイクロチャンネル反応器に以下の表2に示した流速で通過させ、温度を、表中のT1に示した温度まで下げた。次いでMDP溶液及びエタノール溶液を同時に別のマイクロチャンネル反応器に入れ、温度T1で反応させ、反応条件は以下の表2に示し、滞留時間はt1であり、MCPが生成した。得られたMCP反応液及び上記H3溶液を、以下の表2に列挙した流速で、別のセットの直列に接続された2つのマイクロチャンネル反応器(反応温度はT2である)の第1のマイクロチャンネル反応器に入れ、滞留時間はt2であり;第1のマイクロチャンネル反応器からアンモニアガスと一緒に出てくる原料流を第2のマイクロチャンネル反応器に入れ(反応温度はT3である)、反応条件は以下の表に示した。その後、マイクロチャンネル反応器から流れ出てくる反応液の温度を90℃まで上げ、温度を8時間保持し、次いで100℃の温度で反応液を塩酸で加水分解し、それによってL-グルホシネート塩酸塩を得た。その後、マイクロチャンネル反応器から流れ出てくる反応液の温度を90℃まで上げ、温度を8時間保持し、次いで100℃の温度で反応液を塩酸で加水分解し、それによってL-グルホシネート塩酸塩を得た。
【0089】
【表2】
【0090】
実施例C1からC2:L-グルホシネート塩酸塩の調製(マイクロチャンネルにより供給)
10wt.%の濃度のMDPのクロロベンゼン溶液、10wt.%の濃度のH3のクロロベンゼン溶液、及び10wt.%の濃度のエタノールのクロロベンゼン溶液をそれぞれ調製した。
【0091】
反応プロセスの概略図を図3に示した。上記MDP溶液を、マイクロチャンネル反応器に以下の表3に示した流速で通過させた後、そのMDP溶液及びH3溶液を同時に別のマイクロチャンネル反応器に入れ、温度T1で反応させ、反応条件は以下の表3に示し、滞留時間はt1であった。得られた反応液及び上記エタノール溶液を、以下の表3に列挙した流速で、別のセットの直列に接続された2つのマイクロチャンネル反応器(反応温度はT2である)の第1のマイクロチャンネル反応器に入れ、滞留時間はt2であり;第1のマイクロチャンネル反応器からアンモニアガスと一緒に出てくる原料流を第2のマイクロチャンネル反応器に入れた。その後、マイクロチャンネル反応器から流れ出てくる反応液の温度を90℃まで上げ、温度を8時間保持し、次いで100℃の温度で反応液を塩酸で加水分解し、それによってL-グルホシネート塩酸塩を得た。
【0092】
【表3】
【0093】
実施例D1からD14:L-グルホシネート塩酸塩の調製(マイクロチャンネル及び管型反応器により供給)
以下の表4に示した濃度のMDPのクロロベンゼン溶液、H3のクロロベンゼン溶液、及びエタノールのクロロベンゼン溶液をそれぞれ調製した。
【0094】
反応プロセスの概略図を図4に示した。上記MDP溶液及びエタノール溶液を、マイクロチャンネル反応器に以下の表4に示した流速で通過させることによってそれぞれ予冷した後、それらを同時に別のマイクロチャンネル反応器に入れて、互いに反応させ(温度T1で)、滞留時間はt1であり;得られた反応液を、以下の表4に示した流速で(温度T2で)管型反応器に通過させて、上記H3溶液及びアンモニアガスと反応させ、滞留時間はt2であり;その後、管型反応器から流れ出てくる反応液の温度を90℃まで上げ、温度を8時間保持し、次いで100℃の温度で反応液を塩酸で加水分解し、それによってL-グルホシネート塩酸塩を得た。
【0095】
【表4】
【0096】
実施例D11において、同じモル数のトリエチルアミンを使用してアンモニアガスと置き換えることを除いて、実施例D11の反応は、上記表4中の実施例D5のものと同じ方法で行われ、ここで、反応物の流速、反応物の当量比、反応物の濃度比、反応温度、滞留時間及び収率を表5に示した。
【0097】
【表5】
【0098】
実施例D12からD14において、表6に列挙したアルコールを使用してエタノールと置き換えることを除いて、実施例D12からD14の反応は、上記表4の実施例D5のものと同じ方法で行われ、ここで、H3の流速、反応物の当量比、反応温度、滞留時間及び収率を以下の表6に示した。
【0099】
【表6】
【0100】
実施例E:L-グルホシネート塩酸塩の調製(タンク形反応器)
10wt.%の濃度のMDPのクロロベンゼン溶液155g、10wt.%の濃度のH3のクロロベンゼン溶液200g、及び10wt.%の濃度のエタノールのクロロベンゼン溶液61.12gをそれぞれ調製した。
【0101】
上記エタノール溶液61.12gをタンク形反応器に加え、-15℃に冷却し、上記DMP溶液155gをゆっくり1滴ずつ加え、加えた後、反応液を5分間撹拌した。次いで、上記H3溶液200g及びトリエチルアミン32.2gを1滴ずつ加え、加えた後、得られた混合物を90℃に加熱して、転位反応を約2時間行った。その後、得られた混合物を減圧下で脱溶媒和し、濃塩酸で加水分解させて、L-グルホシネート塩酸塩を得た。生成物の反応液の絶対収率は65.4%であった。
【0102】
上記の説明は、限定されているのではなく、例示である。上記で開示された実施形態の変更及び変形は、当業者には明らかであり、実際に本開示に含まれる範囲内にある。したがって、本開示の法的保護の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲の研究を通してのみ決定することができる。
【0103】
説明及び記述するために、実施形態の上記説明を提供している。これは本開示を列挙又は限定することを意図したものではない。特定の実施形態の個々の要素又は特徴は、一般に、特定の実施形態に限定されず、適用可能な場合には交換可能であり、特に図示又は説明されていなくても、選択された実施形態で使用することができる。これらは様々に変化することもできる。このような変更は、本開示から逸脱するものと考えるべきではなく、このような修正は全て本開示の範囲内に含まれるものとする。
【0104】
例示的な実施形態は、本開示が詳細なものとなり、その範囲が当業者に完全に伝えられるようにするために提供されるものである。本開示の実施形態を完全に理解するために、多くの具体的な詳細、例えば、特定の構成要素、デバイス、及び方法の例が記載されている。特定の詳細を適用する必要がなく、例示的な実施形態は多くの異なる形態で具体化することができ、それらのいずれも本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことは、当業者には明らかであろう。いくつかの例示的な実施形態では、よく知られているプロセス、よく知られているデバイス構造、及びよく知られている技術は、詳細に説明されていない。
【0105】
本明細書で使用されている用語は、特定の例示的な実施形態を記載することのみを目的としており、限定することを意図したものではない。用語「含む」、「含めた」及び「有する」は、包括的であり、したがって特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素及び/又はその組合せの存在又は追加を排除するものではない。実行シーケンスとして明白に識別されない限り、本明細書に記載されたプロセスステップ、手順、及び操作は、説明又は例示された特定のシーケンスで実行することを必ずしも必要とするものとして解釈してはならない。追加又は代替のステップを使用できることも理解されたい。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-07-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(IV)のグルホシネート又はその類似体を調製するためのプロセスであって、
【化1】
前記プロセスは:
a)式(II)の化合物、式(III)のアルコール及び式(V)の化合物を反応させるステップ、
【化2】
b)上記反応から得られた生成物を加水分解にかけて、式(IV)のグルホシネート又はその類似体を得るステップ、
を含み、
ここで、R及びRは、それぞれ独立して、C~C16アルキル、C~C12アリール、C~C10シクロアルキル、C~C12アルカリル及びC~C12アラルキルから選択され、各基は非置換又はC~Cアルキル、C~Cアルコキシ、ジアルキル若しくはジアルキルアミノで置換されており;例えば、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、ヘキシル、フェニル、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、メチルフェニル、エチルフェニル及びプロピルフェニルから選択され、RはC~Cアルキルであり;
Halはハロゲンであり;
Halはハロゲンであり、
PGは水素又はアミノ保護基であり、ここで、PGがアミノ保護基である場合、前記プロセスはアミノ保護基を除去するステップをさらに含み、
Xは-OR又は-NRであり、ここで、Rは、C~C16アルキル、C~C16アリール、C~C16シクロアルキル、C~C16アラルキル又はC~C16アルカリルであり、ここで、これらの基はそれぞれ非置換又はC~Cアルキルで置換されており;Rは水素又はRに定義される通りであることを特徴とする、プロセス。
【請求項2】
が、C~C16アルキル、シクロヘキシル、シクロペンチル又はフェニルであり、ここで、各基は非置換又はC~Cアルキル、C~Cアルコキシ若しくはジアルキルアミノで置換されており;好ましくはフェニル又はC~Cアルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル又はヘキシルであり;より好ましくはC~Cアルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル又はブチルであり;
が、C~Cアルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル又はヘキシルであり;好ましくはC~Cアルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル又はブチルであり;
Hal及びHalがそれぞれ独立して、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素であることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
がメチルであり、Rがエチルであり、PGが水素であり、Hal及びHalがそれぞれ独立して塩素であることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
式(II)の化合物が、ジクロロメチルホスフィン、ジクロロエチルホスフィン、ジクロロプロピルホスフィン、ジクロロブチルホスフィン、ジクロロシクロヘキシルホスフィン、ジクロロフェニルホスフィン、ジクロロ-4-メトキシフェニルホスフィン又はジクロロ-4-ジメチルアミノフェニルホスフィンであることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
式(III)のアルコールが、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール又はn-ブタノールであり、好ましくはエタノール、n-プロパノール、イソプロパノール又はn-ブタノールであり、より好ましくはn-ブタノール又はエタノールであり、最も好ましくはエタノールであることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
ステップa)が:式(II)の化合物、式(III)のアルコール、式(V)の化合物及び溶媒を一緒に混合すること;又は式(II)の化合物及び式(III)のアルコールを混合し、次いで得られた生成物と式(V)の化合物を混合すること;又は式(II)の化合物及び式(V)の化合物を混合し、次いで得られた生成物と式(III)のアルコールを混合することによって行われることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
ステップa)の全ての反応がマイクロチャンネル反応器で行われる場合、ステップa)の反応が、-30℃~50℃、好ましくは-10℃~30℃、より好ましくは-5℃~30℃の範囲の反応温度で実施され;或いはステップa)の反応がマイクロチャンネル反応器及び管型反応器からなる反応器、又はタンク形反応器で行われる場合、ステップa)の反応が、-30℃~50℃、好ましくは-20℃~10℃、より好ましくは-15℃~5℃の範囲の反応温度で実施されることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
式(II)の化合物、式(III)のアルコール及び式(V)の化合物のモル比が、1:(0.1~1.9):(0.1~2)、好ましくは1:(0.5~1.5):(0.5~1)、より好ましくは1:(0.9~1.1):(0.7~1)であることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
Halが塩素であり;PGがH、-C(O)-R、-SO-R、-CHC(O)O-R又は-C(O)ORであり、ここで、Rは、C~C16アリール、C~C16アラルキル又はC~C16アルカリルであり、好ましくはC~C12アリール、C~C13アラルキル又はC~C13アルカリルであり、より好ましくはフェニル、トリル、ベンジル又はフェニルエチルであり、最も好ましくはフェニルであり;Rが、C~C16アリール、C~C16アラルキル又はC~C16アルカリルであり、好ましくはC~C12アリール、C~C13アラルキル又はC~C13アルカリルであり、より好ましくはフェニル、トリル、ベンジル又はフェニルエチルであり、最も好ましくはトリルであり;R及びRが、それぞれ独立して、C~C16アルキル、C~C16アリール、C~C16シクロアルキル、C~C16アラルキル又はC~C16アルカリルであり、好ましくはC~Cアルキル、C~C12アリール、C~C10シクロアルキル、C~C12アラルキル又はC~C12アルカリルであり、より好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ベンジル、フェネチル、トリル、エチルフェニル、シクロプロピル、シクロブチル又はシクロペンチルであり、最も好ましくはメチル、エチル、又はプロピル若しくはブチルの全ての異性体であり;Xが-ORであり、ここでRはC~Cアルキル又はC~C10アラルキルであり、好ましくはC~Cアルキル又はC~Cアラルキルであり、より好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル又はベンジルであることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
加水分解が酸加水分解又は塩基加水分解であり、ここで、酸加水分解は、好ましくは無機又は有機酸を用いて実施され、塩基加水分解は、好ましくは無機又は有機塩基を用いて実施され、ここで無機酸は、好ましくは塩酸又は硫酸であることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
ステップa)が、溶媒の不在下又は不活性溶媒の存在下で実施され、ここで、不活性溶媒は、好ましくはベンゼン溶媒、アミド溶媒、炭化水素溶媒、ハロ炭化水素溶媒、スルホン若しくはスルホキシド溶媒、エーテル溶媒又はエステル溶媒のうちのいずれか1つ又は2つ以上であり;好ましくは、不活性溶媒が、クロロベンゼン、トリメチルベンゼン、1,4-ジオキサン、1,2-ジクロロエタン、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、石油エーテル、n-ヘプタン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、及び酢酸ブチルのうちのいずれか1つ又は2つ以上から選択されることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
塩基が、ステップa)の反応開始時、反応中、及び/又は反応後、好ましくはステップa)の反応後に加えられ、ここで塩基は、好ましくは有機塩基又はアンモニアであり、より好ましくはアンモニアであることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
有機塩基が、有機アミン、例えば、トリエチルアミン、ピリジン又は複素環中の1個若しくは複数の炭素原子に結合した1~3個の置換基を有するピリジン誘導体、或いはピペリジン又は複素環中の1個若しくは複数の炭素原子に結合した1~3個の置換基を有するピペリジン誘導体であることを特徴とする、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
ステップa)が:(i)式(II)の化合物、式(III)のアルコール及び式(V)の化合物を同時に第1の反応器に入れて、溶媒の存在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第2の反応器に入れること;或いは(ii)式(II)の化合物及び式(III)のアルコールを同時に第1の反応器に入れて、溶媒の存在下又は他の溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び式(V)の化合物を第2の反応器に入れ、最後に得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第3の反応器に入れて、互いに反応させること;或いは(iii)式(II)の化合物及び式(V)の化合物を同時に第1の反応器に入れて、溶媒の存在下で又は他の溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び式(III)のアルコールを第2の反応器に入れ、最後に得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第3の反応器に入れて、互いに反応させること;或いは(iv)式(II)の化合物及び式(III)のアルコールを同時に第1の反応器に入れて、溶媒の存在下で又は他の溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物、式(V)の化合物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第2の反応器に入れて、互いに反応させることによって行われることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
第1の反応器、第2の反応器及び/又は第3の反応器が、それぞれ独立して、マイクロチャンネル反応器、管型反応器、管状充填反応器、撹拌タンク形反応器又はその任意の組合せから選択され;例えば、第1の反応器、第2の反応器及び/又は第3の反応器が、それぞれ独立して1つ又は複数のマイクロチャンネル連続流反応器からなり;或いはそれぞれ独立して1つ又は複数のマイクロチャンネル連続流反応器及び1つ又は複数の管型反応器からなることを特徴とする、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
ステップa)が:(i)式(II)の化合物及び式(III)のアルコール及び式(V)の化合物を同時に第1のマイクロチャンネル反応器に入れて、溶媒の存在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第2のマイクロチャンネル反応器に入れること;或いは(ii)式(II)の化合物及び式(III)のアルコールを同時に第1のマイクロチャンネル反応器に入れて、溶媒の存在下又溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び式(V)の化合物を第2のマイクロチャンネル反応器に入れ、最後に得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第3のマイクロチャンネル反応器に入れて、互いに反応させること;或いは(iii)式(II)の化合物及び式(V)の化合物を同時に第1のマイクロチャンネル反応器に入れて、溶媒の存在下で又は溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物及び式(III)のアルコールを第2のマイクロチャンネル反応器に入れ、最後に得られた生成物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に第3のマイクロチャンネル反応器に入れて、互いに反応させること;或いは(iv)式(II)の化合物及び式(III)のアルコールを同時に第1のマイクロチャンネル反応器に入れて、溶媒の存在下で又は溶媒の不在下で互いに反応させ、次いで得られた生成物、式(V)の化合物及び塩基、好ましくはアンモニアガスを一緒に管型反応器に入れて、互いに反応させることによって行われることを特徴とする、請求項14に記載のプロセス。
【請求項17】
実施形態(i)において、第1のマイクロチャンネル反応器及び/又は第2のマイクロチャンネル反応器の温度がそれぞれ、それぞれ独立して-30℃~50℃、好ましくは-10℃~30℃、より好ましくは-5℃~30℃の範囲であり、上記温度は同じ又は異なり;実施形態(ii)において、第1のマイクロチャンネル反応器、第2のマイクロチャンネル反応器及び/又は第3のマイクロチャンネル反応器の温度がそれぞれ、それぞれ独立して-30℃~50℃、好ましくは-10℃~30℃、より好ましくは-5℃~30℃の範囲であり、上記温度は同じ又は異なり;実施形態(iii)において、第1のマイクロチャンネル反応器、第2のマイクロチャンネル反応器及び/又は第3のマイクロチャンネル反応器の温度がそれぞれ、それぞれ独立して-30℃~50℃、好ましくは-10℃~30℃、より好ましくは-5℃~30℃の範囲であり、上記温度は同じ又は異なり;実施形態(iv)において、第1のマイクロチャンネル反応器の温度が、-30℃~50℃、好ましくは-25℃~5℃、より好ましくは-20℃~-10℃の範囲であり;及び/又は管型反応器の温度が、-30℃~50℃、好ましくは-25℃~10℃、より好ましくは-20℃~5℃であることを特徴とする、請求項16に記載のプロセス。
【請求項18】
ステップa)において、反応器がマイクロチャンネル反応器だけからなる場合、全ての反応器における総滞留時間が、0.1秒~300秒、好ましくは1秒~50秒、より好ましくは10秒~40秒の範囲であり;又は反応器がマイクロチャンネル反応器及び管型反応器からなる場合、全ての反応器における総滞留時間が、1分~20分、好ましくは5分~18分、より好ましくは9分~14分の範囲であることを特徴とする、請求項14に記載のプロセス。
【請求項19】
ステップb)が:ステップa)から得られた反応生成物の温度を30℃~130℃、好ましくは60℃~120℃、より好ましくは90℃~100℃の範囲に入るように1~24時間、好ましくは2~10時間、より好ましくは5~8時間上げること;次いで50℃~120℃、好ましくは80℃~120℃、より好ましくは100℃~110℃の範囲の温度で生成物を酸、好ましくは塩酸で加水分解することにより実施されることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のプロセス。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項3】
がメチルであり、Rがエチルであり、PGが水素であり、Hal及びHalがそれぞれ独立して塩素であることを特徴とする、請求項に記載のプロセス。
【国際調査報告】