(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】プロファイルクランプ
(51)【国際特許分類】
F16L 23/08 20060101AFI20240110BHJP
F16B 2/08 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
F16L23/08
F16B2/08 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541709
(86)(22)【出願日】2021-07-27
(85)【翻訳文提出日】2023-07-10
(86)【国際出願番号】 EP2021070978
(87)【国際公開番号】W WO2022161649
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】102021101692.4
(32)【優先日】2021-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591044393
【氏名又は名称】ノルマ ジャーマニー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】ゲリット フォン ブライテンバッハ
(72)【発明者】
【氏名】ベラル アクレミ
(72)【発明者】
【氏名】タチアナ ランボースキーニ
(72)【発明者】
【氏名】マテウス ヤロシュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョルジュ マルケス
【テーマコード(参考)】
3H016
3J022
【Fターム(参考)】
3H016CA04
3J022DA17
3J022EA35
3J022EB13
3J022EC17
3J022EC22
3J022FB07
3J022FB12
3J022GA12
3J022GA14
3J022GB43
3J022GB53
(57)【要約】
本発明は、第1プロファイルクランプ半体および第2プロファイルクランプ半体を有するプロファイルクランプであって、これによって、軸力を加えて2つのフランジ部を互いに接続でき、締め付け装置を形成するために、第1締め付けヘッドが第1クランプ半体の一端に形成され、第2締め付けヘッドが第2クランプ半体の一端に形成され、各締め付けヘッドの反対側に位置する各クランプ半体の端部が、関節接続部によって互いに接続されていることを特徴とするプロファイルクランプに関する。関節接続部は、機械的に加工または形成された平坦なストリップ部によって形成されている。その結果、平坦なストリップ部は、意図された用途に適合した増大した可撓性および/または定められた可撓性を有し、したがって、より容易に取り付けることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プロファイルクランプ部(10)を有し、第2プロファイルクランプ部(11)を有し、任意に、少なくとも1つのさらなるプロファイルクランプ部(50)を有し、これによって、軸力を加えて2つのフランジ部を互いに接続でき、締め付け装置を形成するために、第1締め付けヘッド(12)が前記第1クランプ部(10)の一端に形成され、第2締め付けヘッド(13)が前記第2クランプ部(11)の一端に形成され、各前記締め付けヘッド(12,13)の反対側に位置する各前記クランプ部(10,11)の端部が、関節接続部(14)によって互いにまたは少なくとも1つのさらなるクランプ部(50)に接続され、
前記関節接続部(14)が、前記クランプ部に一体に接続され、所定の可撓性を有する機械的に加工または形成された平坦なストリップ部(15)によって形成されているプロファイルクランプ(1)。
【請求項2】
プロファイルクランプ半体として2つのプロファイルクランプ部を有し、前記第1プロファイルクランプ部(10)が第1プロファイルクランプ半体(10)であり、前記第2プロファイルクランプ部(11)が第2プロファイルクランプ半体(11)であり、前記締め付けヘッド(12,13)の反対側に位置する前記クランプ半体(10,11)の端部が、関節接続部(14)により相互に接続されている請求項1に記載のプロファイルクランプ(1)。
【請求項3】
3つのプロファイルクランプ部を有し、前記第1プロファイルクランプ部(10)が、前記締め付けヘッド(12)の反対側に位置する前記クランプ部(10)の端部において、第1関節接続部(14)によって第3プロファイルクランプ部(50)の第1端部に接続され、前記第2プロファイルクランプ部(11)が、前記締め付けヘッド(13)の反対側に位置する前記クランプ部(11)の端部において、第2関節接続部(14)によって、前記第3プロファイルクランプ部(50)の第2端部に接続されている請求項1に記載のプロファイルクランプ(1)。
【請求項4】
前記平坦なストリップ部(15)が、前記クランプ部と比較して、シート厚さ方向に材料厚さが低減されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプロファイルクランプ(1)。
【請求項5】
前記平坦なストリップ部(15)が、前記低減された材料厚さを製造するための、刻印された特徴(21)、切削加工された特徴(21)または圧延された特徴を有する請求項4に記載のプロファイルクランプ(1)。
【請求項6】
前記平坦なストリップ部(15)が、U字形またはV字形の断面を有する少なくとも1つのノッチ(22、23)を有し、これによって、低減された材料厚さが製造された請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のプロファイルクランプ(1)。
【請求項7】
前記平坦なストリップ部(15)が、半径方向外向きまたは半径方向内向きの曲げ形状部(16)を有し、該曲げ形状部(16)が、U字形またはV字形の断面を有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のプロファイルクランプ(1)。
【請求項8】
前記平坦なストリップ部(15)が、半径方向外向きの曲げ形状部(16)を有する請求項7に記載のプロファイルクランプ(1)。
【請求項9】
前記平坦なストリップ部(15)が、半径方向内向きの曲げ形状部を有する請求項7に記載のプロファイルクランプ(1)。
【請求項10】
前記曲げ形状部(16)が、U字形の断面を有する請求項6から請求項9のいずれか1項に記載のプロファイルクランプ(1)。
【請求項11】
前記平坦なストリップ部(15)が、第1平坦部(30)と、第2平坦部(32)と、U字形の形状部(31,34)とを備え、該U字形の形状部(31)が2つの前記平坦部(30,32)を互いに接続し、前記平坦部が、それぞれ2つの前記クランプ半体(10,11)の1つに一体的に形成されている請求項10に記載のプロファイルクランプ(1)。
【請求項12】
前記曲げ形状部(16)が、V字形状の断面を有する請求項6から請求項9のいずれか1項に記載のプロファイルクランプ(1)。
【請求項13】
前記平坦なストリップ部(15)が、第1平坦部(30)と、第2平坦部(32)と、V字形の形状部(33)とを備え、該V字形の形状部(33)が2つの前記平坦部(30,32)を互いに接続し、前記平坦部が、それぞれ2つの前記クランプ半体(10,11)の1つに一体的に形成されている請求項12に記載のプロファイルクランプ(1)。
【請求項14】
前記締め付けヘッド(12,13)の端部側に圧力突起(19)が形成され、該突起は、ねじ要素(18)が締め付けられると互いに接触するようになる請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のプロファイルクランプ(1)。
【請求項15】
前記ねじ要素(18)が、戻り止めナット(20)に締結されている請求項14に記載のプロファイルクランプ(1)。
【請求項16】
前記第1締め付けヘッド(12)が長方形の開口部(17)を有し、それを通して相補的なデザインの長方形の肩部を有するねじ要素(18)が挿入可能である請求項1から請求項15のいずれか1項に記載のプロファイルクランプ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプロファイルクランプに関するものであり、プロファイルクランプは、第1プロファイルクランプ部と第2プロファイルクランプ部、および任意に、少なくとも1つのさらなるプロファイルクランプ部を有し、これによって、軸力を加えて2つのフランジ部を互いに接続でき、締め付け装置を形成するために、第1締め付けヘッドが第1クランプ部の一端に形成され、第2締め付けヘッドが第2クランプ部の一端に形成され、各締め付けヘッドの反対側に位置する各クランプ部の端部が、関節接続部によって互いにまたは少なくとも1つのさらなるクランプ部に接続されている。
【0002】
プロファイルクランプは、工業や自動車工学で使用される信頼性の高い既知の接続部材である。プロファイルクランプは、例えば、軸方向に隣接する2つのチューブまたはホースの端部を液密に接続するために提供され、通常、径方向外側に向けられた接続フランジを有している。クランプは、対応するフランジ上に配置され、クランプを締め付けることにより、径方向および軸方向の保持力が発生する。
【背景技術】
【0003】
国際公開第2008/102116号は、2つのクランプ半体を有するプロファイルクランプを開示している。クランプ半体のプロファイル加工は、三角形、屋根形または台形が、2つのフランジ部を互いに接続するために使用されるように設計されている。クランプ半体に周方向の力が加わると、2つのフランジ部が互いに接続され、軸方向の力が生じる。プロファイルクランプは、締め付け装置を有し、この締め付け装置は、第1締め付けヘッドと第2締め付けヘッドとによって形成され、これら締め付けヘッドは、それぞれクランプ半体の一方の端部に形成されている。2つの締め付けヘッドは、ねじ要素によって互いに接続されており、したがって、ねじ要素を締め付けることによってプロファイルクランプが締め付けられる。
【0004】
2つのクランプ半体は、多くの場合、ばね鋼材からなる接続部材によって、締め付け装置の径方向反対側において互いに接続される。接続部材は、クランプ半体のそれぞれの端面に溶接されている。接続部材の弾力性により、2つのクランプ半体間の連結が行われ、クランプの取り付け時にクランプ半体を移動させることができ、互いに恒久的に連結されることが保証される。
【0005】
ドイツ特許出願第10 2016 103988号には、先行技術におけるさらなる実施例が記載されており、これは
図1にも示されている。第1クランプ半体10と第2クランプ半体11とは、平坦なストリップ部15の形態の関節接続部14によって関節式に互いに接続されている。平坦なストリップ部15は、一体的に、かつ物質的に均質な方法で、それぞれのクランプ半体10および11に合流する。平坦なストリップ部15には、中央孔26が設けられている。平坦なストリップ部15は可撓性のある設計であり、平坦なストリップ部15を損傷することなく、あるいは過度の力を必要とすることなく、2つのクランプ半体10および11を互いに向かって、および離れるように移動させることができる。戻り止めナット20がねじ要素18に締め付けられると、2つの圧力突起19が互いに接触する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、可能な限り大きな軸力を加えて2つのフランジ部を接続するためのプロファイルクランプを開発することである。さらに、プロファイルクランプの設計を簡素化することであり、その結果、特にプロファイルクランプをより簡単な方法で製造することができ、少数の個別部品で構成できるようにすることである。
【0007】
本発明によれば、その目的は、請求項1に記載のプロファイルクランプによって達成される。さらなる実施形態は、従属請求項の主題を形成し、または以下に説明される。
【0008】
本発明によるプロファイルクランプは、第1プロファイルクランプ部、第2プロファイルクランプ部、および任意で少なくとも1つのさらなるプロファイルクランプ部を有し、これによって、軸力を加えて2つのフランジ部を互いに接続することができる。本発明によるプロファイルクランプは、好ましくは、2つまたは3つのプロファイルクランプ部を有する。締め付け装置を形成するために、第1クランプ部の一端には第1締め付けヘッドが形成され、第2クランプ部の一端には第2締め付けヘッドが形成される。各締め付けヘッドの反対側に位置するクランプ部の端部が、関節接続部によって互いに接続されるか、または、各締め付けヘッドの反対側に位置するクランプ部の端部が、関節接続部によってさらなるクランプ部に接続される。関節接続部は、クランプ部に一体に接続され、所定の可撓性を有する機械的に加工または形成された平坦なストリップ部によって形成されている。
【0009】
第1の実施形態では、本発明によるプロファイルクランプは、2つのプロファイルクランプ部を有し、第1プロファイルクランプ半体および第2プロファイルクランプ半体を有し、これによって、軸力を加えて2つのフランジ部を互いに接続することができる。締め付け装置を形成するために、第1締め付けヘッドが第1クランプ半体の一端に形成され、第2締め付けヘッドが第2クランプ半体の一端に形成され、各締め付けヘッドの反対側に位置するクランプ半体の端部が、関節接続部によって相互に接続されていることを特徴とする、締め付け装置である。関節接続部は、クランプ半体に一体に接続され、所定の可撓性を有する機械的に加工または形成された平坦なストリップ部によって形成され、可撓性は、加工されていない平坦なストリップ部と比較して、機械加工または形成によって増大する。
【0010】
別の第2の実施形態では、本発明によるプロファイルクランプは、3つのプロファイルクランプ部を有する。第1プロファイルクランプ部が、締め付けヘッドの反対側に位置する第1クランプ部の端部において、第1関節接続部によって第3プロファイルクランプ部の第1端部に接続され、第2プロファイルクランプ部が、締め付けヘッドの反対側に位置する第2クランプ部の端部において、第2関節接続部によって第3プロファイルクランプ部の第2端部に接続されている。
【0011】
さらなる実施形態では、本発明によるプロファイルクランプはさらに4つ以上のクランプ部を具備することができ、第1クランプ部および第2クランプ部を除いたクランプ部は、それぞれ両端が関節接続部によって隣接するクランプ部に接続されている。
【0012】
平坦なストリップ部の材料は、クランプ半体の材料に一体的に、すなわち均質に融合し、その結果、両クランプ半体は一体に、または互いに一体的に接続されている。一実施形態では、締め付けヘッドを含む本発明によるプロファイルクランプは、一片のストリップ材料からなる。
【0013】
平坦なストリップ部の機械加工または形成は、関節接続部の領域における可撓性を高めることにつながる。機械加工または形成をするのに適した加工方法は、例えば、曲げ(ベンディング)、プレス加工(スタンピング)、鍛造(ハンマリング)、圧延(ローリング)、および切削(カッティング)による方法であり、好ましくはフライス(ミリング)、曲げ、圧延または研削(グラインディング)加工である。切断方法に関わる材料の薄肉化または曲げ加工に関わる幾何学的変化によって、所定の剛性を達成することが可能であり、未加工の平坦なストリップ部に比べて、可撓性が増大する。これにより、本発明によるプロファイルクランプの取り付けが、好ましくは機械的な補助なしに、手で行うことができる。
【0014】
一変形例では、可撓性の増大は、例えば、スタンピング、ハンマリング、圧延、または切削による加工方法、特にフライス加工または研削による材料の薄肉化によって達成される。この実施形態では、加工された平坦なストリップ部が、クランプ半体と比較して、周方向に対して横方向に、シート厚さ方向に厚さが低減された材料厚さを有する。平坦なストリップ部は、好ましくは、スタンピング加工された特徴、またはフライス加工された特徴を有し、それによって、低減された材料厚さが生成されている。平坦なストリップ部は、少なくともクランプストリップの周方向における一部の領域において、好ましくは中央に、または平坦なストリップ部の全長にわたって、低減された材料厚さを有する。例えば、平坦なストリップ部は、その全長にわたって低減された材料厚さ有する。一変形例では、材料の薄肉化は、例えば、平坦なストリップ部を圧延またはスタンピング加工することによる材料の伸長によって達成される。この場合、平坦なストリップ部は、薄肉化されていない未加工の材料部分に比べて、薄肉化されるだけでなく、長尺化される。あるいは、平坦なストリップ部には、材料の薄肉化として1つまたは複数のノッチが設けられている。ノッチは、好ましくは、V字形断面またはU字形断面を有する。また、両方の断面形状を組み合わせることも可能である。ノッチはそれぞれ、平坦なストリップ部の材料幅全体にわたって、クランプの周方向に対して横方向に延びている。ノッチは、シート厚さを貫通するのではなく、平坦なストリップ部の上側から材料を削いで薄くする。本実施形態では、平坦なストリップ部の下面は変化せず、ノッチも設けていない。
【0015】
別の変形例では、可撓性の増大は、平坦なストリップ部の形状を変えることによって、例えば、平坦なストリップ部を曲げることによって、達成される。この変形例では、機械的に加工または形成された平坦なストリップ部が、半径方向外向きまたは軸方向内向きの曲げ形状部を有し、この曲げ形状部が、U字形またはV字形の断面を有する。
【0016】
本発明によれば、両方の変形例を組み合わせることも可能であり、それにより、平坦なストリップ部には材料の薄肉化と幾何学的変化が生じる。材料の薄肉化は、U字形またはV字形断面の形状とすることもでき、また、平坦なストリップ部の全長にわたって延在しなくてもよい。特定の材料の薄肉化は、平坦なストリップ部の半径方向内向きまたは外向きの面の両方の方向に導入することができる。
【0017】
本発明によれば、「内向き」は、プロファイルクランプの中心に向けられることを意味すると理解される。本発明によれば、「外向き」は、プロファイルクランプの外側に、中心から離れることを意味すると理解される。「軸方向」とは、長手方向軸に沿って並ぶことであり、長手方向軸が、プロファイルクランプの円の中心を通って接続されるべきチューブの方向に延びていることを意味している。
【0018】
クランプ部またはクランプ半体は、内側に開いた中空形状として設計され、好ましくは、台形、三角形または屋根構造を有する。クランプ部またはクランプ半体の総面積は、各クランプ半体が、台形、三角形または屋根構造から平坦構造に展開されるときに得られる。このようにして形成された総面積は、平坦なストリップ部の幅よりも大きな幅を有する。三角形、台形または屋根の形状を作り出すために、平坦な全領域の端が折り曲げられてクランプ部またはクランプ半体を形成する場合、半径方向から見た図において、平坦なストリップ部にはプロファイル加工はないが、平坦なストリップ部のテーパ部は、クランプ部と平坦なストリップ部の間で、プロファイルクランプの一定の幅が得られるように寸法を設定することができる。
【0019】
関節接続部は、軸方向外向き、または軸方向内向きの曲げ形状部を有する平坦なストリップ部から形成され、その形状部はU字形またはV字形のいずれかの形状を有している。平坦なストリップ部にはプロファイル加工がなく、クランプ部の周方向に対して横方向に平坦である。平坦なストリップ部の曲げ加工は、平坦なストリップ部の横方向の軸を中心として行われる。平坦なストリップ部の長手方向の側面は、互いに対して曲げられることはなく、このため、後者は、軸方向に平坦であると言及されている。
【0020】
平坦なストリップ部は、周方向に延びた領域を有する部分である。本発明によるプロファイルクランプの1つの変形例では、平坦なストリップ部は、プロファイルクランプ半体の総面積に対して、横方向のエッジの切り込みによって形成されるテーパ部を有している。
【0021】
幾何学的変化を有する平坦なストリップ部の一実施形態では、平坦なストリップ部は、半径方向外向きの曲げ形状部を有する。半径方向外向きの曲げ形状部は、U字形の断面またはV字形の断面を有する。半径方向外向きの曲げ形状とは、平坦なストリップ部が、曲げられていない領域よりも曲げ形状部の領域において長手方向の軸からより大きく離れた位置にあることを意味する。
【0022】
幾何学的変化を有する平坦なストリップ部のさらなる実施形態では、平坦なストリップ部は、半径方向内向きの曲げ形状部を有する。半径方向内向きの曲げ形状部は、U字形の断面またはV字形の断面を有する。半径方向内向きの曲げ形状とは、平坦なストリップ部が、曲げられていない領域よりも曲げ形状部の領域において長手方向の軸からより小さく離れた位置にあることを意味する。
【0023】
幾何学的変化を有する平坦なストリップ部の好ましい実施形態では、曲げ形状部が、U字形の断面を有し、好ましくは、対称的なU字形の断面の形状部を有する。一変形例では、平坦なストリップ部は、3つの部分から形成することができる。その場合、平坦なストリップ部は、第1平坦部と、第2平坦部と、U字形に曲げられた形状部とを備え、U字形の形状部が、2つの平坦部を互いに接続する。2つの平坦部は、それぞれ2つのクランプ半体の1つに一体的に形成されている。
【0024】
幾何学的変化を有する平坦なストリップ部のさらに好ましい実施形態では、曲げ形状部が、V字形の断面を備え、好ましくは対称的なV字形の断面の形状部である。1つの変形例では、平坦なストリップ部は、3つの部分から形成することができる。そして、平坦なストリップ部は、第1平坦部と、第2平坦部と、V字型の曲げ形状部とを備え、V字型の形状部は、2つの平坦部を互いに接続する。2つの平坦部は、それぞれ2つのクランプ半体の1つに一体的に形成されている。
【0025】
3つの部分を備える実施形態の場合、平坦なストリップ部は、好ましくは以下のように設計される:第1平坦部は、第1クランプ半体に一体的に形成される。第1クランプ半体の反対側に位置する端部において、第1平坦部は、プロファイルクランプの長手方向軸の内向きまたは外向きに延びるU字型の形状部またはV字型の形状部に合流する。第1平坦部の反対側に位置する端部において、曲げ形状部は、第2平坦部に合流する。その反対側に位置する端部においては、第2平坦部は第2クランプ半体に一体的に形成されている。
【0026】
平坦なストリップ部は、各クランプ半体が互いに対して実質的に閉じ、その結果、2つの締め付けヘッドが互いに向かい合うようにプレストレスを加えることができる。これにより、例えば、ねじ要素で締め付け装置を閉じる際、2つの締め付けヘッドを簡単な方法で把持することができるため、取り付けが容易になる。
【0027】
2つの締め付けヘッドは、ねじ要素によって互いに接続されており、したがって、プロファイルクランプは、ねじ要素を締め付けることによって締め付けられる。締め付けは、例えば、ねじ要素上のナット、好ましくは戻り止めナットによって達成される。圧力突起を有する設計の場合、ナットを締め付けると、2つの圧力突起が互いに接触する。最終状態での締め付け力は、クランプの寸法によってかなり正確に定められる。クランプの設計が適切であれば、締め付け力が低すぎたり高すぎたりすることによるエラーは発生しない。
【0028】
本発明によるプロファイルクランプの一実施形態では、第1締め付けヘッドは、長方形の開口部を有し、この開口部を通して、相補的なデザインの長方形の肩部を有するねじ要素が挿入可能である。これにより、ねじ要素が第1締め付けヘッドに挿入されたときに、ねじ要素の回転を防止することができる。ねじ要素は、第2締め付けヘッドの背面側にあるナットにねじ込むことができ、ナットをねじ要素にねじ込むことで締め付け装置を閉じることができる。ねじ要素は、好ましくは、戻り止めナットに締結されている。
【0029】
締め付け装置によって高い締め付け力を加えるために、締め付けヘッドの端部側に圧力突起が任意に形成され、この突起は、ねじ要素が締め付けられたときに互いに接触可能となる。その結果、特に、クランプ部への移行部における締め付けヘッドの曲がりが回避され、締め付けヘッドが互いに平行を保ち、それによって締め付けヘッドのクランプ性が向上する。それにより、締め付け装置によって加えることができる締め付け力を増大させることができ、増大した締め付け力は、締め付けヘッドにおけるより大きな周方向の力をもたらし、この力は、平坦なストリップ部によって本発明による関節接続部によって伝達される。
【0030】
フランジ部は、任意に、くぼみを有することができる。くぼみは、プロファイルクランプの曲げ形状部がフランジ上のくぼみに係合するという点で、プロファイルクランプを回転方向にフランジ上に位置決めすることを可能にする。したがって、プロファイルクランプは、2つの締め付けヘッドの接続要素が締め付けられるとき、すなわち、例えば、ねじ要素が締め付けられるとき、フランジ上で周方向に回転することはできないか、または非常に限られた範囲でのみ回転することができる。曲げ形状部がフランジ上のくぼみに係合するため、フランジに対するプロファイルクランプの移動が防止される。
【0031】
一実施形態では、平坦なストリップ部に孔が開けられる。好ましくは、孔は、材料が薄くなった平坦なストリップ部に作られる。孔は、円形、角形または楕円形であってもよい。孔によって、フランジ上のプロファイルクランプの回転方向における位置決めが、孔に割り当てられたフランジ上の突起が孔に係合することで定義され得る。孔が円周方向に細長い、例えば楕円形である場合、孔は突起とともに、例えば、プロファイルクランプの位置を調整するための一定のねじれ範囲を提供する。さらに、プロファイルクランプは、2つの締め付けヘッドの接続要素が締め付けられるとき、すなわち、例えば、ねじ要素が締め付けられるときに、フランジ上で周方向に回転できないか、または非常に限られた範囲でのみ回転できるという利点が得られる。
【0032】
特に、孔は、主方向に例えば3mm~8mmの寸法を有するように構成され、主方向に直交する副方向はより小さく設計され、例えば2mm~4mmの寸法を有するようにする。フランジ、特に接続される2つのフランジ部の一方に設けられた対応する突起は、孔の寸法に合わせることができる。
【0033】
平坦なストリップ部は、可撓性であるため、2つの各クランプ半体または隣接するクランプ部を互いに向かって、および互いから離れる方向に移動させることが可能である。U字型またはV字型の形状部を有する平坦なストリップ部としての関節接続部の実施形態の結果として、曲げ剛性が低減され、したがって、各クランプ半体またはクランプ部が、平坦なストリップ部の好ましくは弾性変形によって、塑性変形せずに、互いに相対的に開いたり閉じたりすることが可能となり、平坦なストリップ部が損傷することはない。曲げ形状部の効果により、平坦なストリップ部は、意図された用途に適合した増大した可撓性および/または定められた可撓性を有し、したがって、より容易に装着することができる。
【0034】
これまで使用されてきた接続要素、例えばクランプ半体の端部が鉤状になったリングの形態と比較すると、U字形またはV字形の形状部または所定の薄肉部を有する一体的に形成された関節接続部によって、非常に大きな周方向の力をクランプ部に加えることができるため、フランジ部を高い軸方向の力によって互いに接続することが可能となる。さらに、クランプ部、締め付けヘッド、および関節接続部が、さらなる接続工程を実施する必要なく、平坦なストリップ材料からなる単一の部品から製造できるため、プロファイルクランプの製造が簡素化される。この平坦なストリップ材料は、中間の平坦なストリップ部とU/V字型の形状部または薄肉化により関節接続部を形成した2つのクランプ半体に対応するパンチ曲げ作業、または中間の平坦なストリップ部とU/V字型の形状部または薄肉化により関節接続部を形成した3つのクランプ部に対応するパンチ曲げ作業により製造される。本発明によるプロファイルクランプは、簡単で迅速な取り付けを提供し、かつ高いクランプ力に適した設計になっている。
【0035】
本発明によるプロファイルクランプは、様々な用途に使用することができる。本発明によるプロファイルクランプは、好ましくは、自動車のターボチャージャの分野において使用される。例えば、タービンハウジングとターボチャージャの中央ハウジングとの間の接続は、本発明によるプロファイルクランプで固定することができる。
【0036】
本発明のさらなる特徴、詳細および利点は、特許請求の範囲の文言および図面を参照した例示的な実施形態の以下の説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】先行技術によるプロファイルクランプを示す。
【
図2】一実施形態における本発明によるプロファイルクランプを示す。
【
図3】さらなる実施形態における本発明によるプロファイルクランプを示す。
【
図4】フランジ部を有するさらなる実施形態における本発明によるプロファイルクランプを示す。
【
図6】さらなる実施形態における本発明によるプロファイルクランプを示す。
【
図7】さらなる実施形態における本発明によるプロファイルクランプを示す。
【
図8】さらなる実施形態における本発明によるプロファイルクランプを示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、上述した先行技術によるプロファイルクランプ1を示している。
【0039】
図2aは、第1の実施形態における本発明によるプロファイルクランプ1の斜視図である。プロファイルクランプ1は、第1クランプ半体10と第2クランプ半体11とを有し、クランプ半体10および11は、関節接続部14によって互いに関節式に接続されている。締め付けヘッド12および13は、クランプ半体10および11に一体的に形成されている。締め付けヘッド12および13は、クランプ半体10および11に、関節接続部14とは反対側において一体的に形成されている。締め付けヘッド12および13には貫通孔が形成されており、第1締め付けヘッド12には開口部17が形成され、第2締め付けヘッド13には開口部25が形成されている。第1および第2締め付けヘッド12、13の自由端の各々には、圧力突起19が設けられている。クランプ半体10および11の互いに対する改善されたクランプ状況を達成するために、ねじ要素にナット(どちらも図示せず)を締め付けることによって、2つの圧力突起19を互いに接触させることができる。
【0040】
関節接続部14は、曲げ形状部16を有する平坦なストリップ部15として設計されている。曲げ形状部16は、軸方向外側に向けられ、U字形断面を有する。
図2bは、関節接続部14の領域における
図2aのプロファイルクランプの拡大された詳細を示す図である。平坦なストリップ部15は、第1平坦部30によって第2クランプ半体11に一体的に形成されている。第1クランプ半体10と反対側に位置する端部27において、第1平坦部30は、プロファイルクランプ1の長手軸線Lの方向に外側に延びるU字形の形状部31に合流する。第1平坦部30と反対側に位置する端部28において、U字形の形状部31は、第2平坦部32に合流する。その反対側に位置する端部においては、第2平坦部32が第1クランプ半体10に一体的に形成されている。
図2cは、
図2bの関節接続部14の形状を概略的に示している。
【0041】
図3aは、第2の実施形態における本発明によるプロファイルクランプ1の斜視図である。関節接続部14は、半径方向外側に向けられ、V字形断面を有する曲げ形状部16を有する平坦なストリップ部15として設計されている。
図3bは、関節接続部14の領域における
図3aのプロファイルクランプの拡大された詳細を示す図である。平坦なストリップ部15は、第1平坦部30によって第2クランプ半体11に一体的に形成されている。第1クランプ半体10と反対側に位置する端部27において、第1平坦部30が、半径方向外側に延びるV字形の形状部33に合流する。第1平坦部30と反対側に位置する端部28において、V字形の形状部33は、第2平坦部32に合流する。その反対側に位置する端部において、第2平坦部32は、第1クランプ半体10に一体的に形成されている。
【0042】
図4aは、第3の実施形態における本発明によるプロファイルクランプ1の斜視図である。関節接続部14は、半径方向内側に向けられ、V字形の断面を有する曲げ形状部16を有する平坦なストリップ部15として設計されている。プロファイルクランプ1の内部に配置されるのは、接続される2本のチューブのフランジ部29であり、これらはクランプ半体10、11によって取り囲まれている。関節接続部14の領域において、フランジは、くぼみ35を有する。このくぼみ35は、フランジ部29の凹部として構成され、そこにV字形の形状部16が係合し、したがってフランジ部に対する円周方向へのプロファイルクランプの移動を防止する。
図4bは、関節接続部14の領域における
図4aのプロファイルクランプの拡大された詳細を示す図である。平坦なストリップ部15は、第1平坦部30によって第1クランプ半体10に一体的に形成されている。第1クランプ半体10と反対側に位置する端部27においては、第1平坦部30は、半径方向内側に延びるV字形の形状部34に合流する。第1平坦部30と反対側に位置する端部28において、V字形の形状部33は、第2平坦部32に合流する。その反対側に位置する端部においては、第2平坦部32が第2クランプ半体11に一体的に形成されている。
【0043】
図5は、
図2aの線A-A´に沿った第1クランプ半体10を通る断面を示す。クランプ半体が台形状のプロファイルを有することが分かる。台形状のプロファイルは、脚40および42と基底部41とによって形成されている。ここで、基底部41は、2つの脚40、42を互いに接続している。
【0044】
図6aは、さらなる実施形態における本発明によるプロファイルクランプ1の斜視図である。関節接続部14は、薄肉化材料21を有する平坦なストリップ部15として設計されている。
図6bは、関節接続部14の領域における
図6aのプロファイルクランプの拡大された詳細を示す。平坦なストリップ部15は、クランプ半体に対して材料厚さが薄い。破線22は、クランプ半体の材料厚さを示しており、薄肉化材料21の説明をするためだけのものである。図示の形態では、薄肉化材料は、平坦なストリップ部15の全長にわたって延びている。あるいは、薄肉化材料は、U字形またはV字形の断面の形状で、平坦なストリップ部の全長にわたって延在しなくてもよい。特定の薄肉化材料が、平坦なストリップ部の半径方向内向きまたは半径方向外向きの両方の方向に導入することができる。
図6cは、薄肉化材料を有する平坦なストリップ部15の代替実施形態を示している。
図6cの平坦なストリップ部は、互いに隣接して配置された2つの薄肉化材料、V字形断面を有するノッチ22とU字形断面を有するノッチ23とを有する。ノッチはそれぞれ、平坦なストリップ部の全材料幅にわたって、クランプの周方向に対して横方向の溝として具現化されている。
【0045】
図7aは、さらなる実施形態における本発明によるプロファイルクランプ1の斜視図である。
図6に示すプロファイルクランプの場合にも、関節接続部14は、同じく、薄肉化材料21を有する平坦なストリップ部15として設計されている。
図7bは、関節接続部14の領域における
図7aのプロファイルクランプの拡大された詳細を示す。平坦なストリップ部15は、クランプ半体よりも材料厚さが薄い、薄肉化材料21の形態で設けられている。破線21’は、クランプ半体の材料厚さを示しており、薄肉化材料21を説明するためだけのものである。平坦なストリップ部15の長さLも、ローラによる材料の薄肉化によって延長されている。したがって、
図7aおよび7bの平坦なストリップ部15の材料は、
図6aおよび6bの薄肉化材料のストリップ部よりも長くなっている。
【0046】
図8は、3つのクランプ部を有するさらなる実施形態における本発明によるプロファイルクランプ1を示す斜視図である。プロファイルクランプ1は、第1プロファイルクランプ部10と、第2プロファイルクランプ部11と、第3プロファイルクランプ部50とを有する。第1クランプ部10は、第1関節接続部14aによって、第3クランプ部50の第1端部51において、第3クランプ部50に関節接続される。第2クランプ部11は、第2関節接続部14bによって、第3クランプ部50の第2端部52において、第3クランプ部50と関節接続される。締め付けヘッド12および13が、第3クランプ部50の反対側に位置するクランプ半体10、11に一体的に形成されている。締め付けヘッド12および13には貫通孔が形成されており、第1締め付けヘッド12には開口部17が形成され、第2締め付けヘッド13には開口部25が形成されている。第1および第2締め付けヘッド12、13の自由端の各々には、圧力突起19が設けられている。2つの圧力突起19は、クランプ半体10および11の互いに対する改善されたクランプ状況を達成するために、ねじ要素18に戻り止めナット20を締め付けることによって互いに接触させることができる。2つの関節接続部14a、14bは、テーパ部21を有する材料で平坦なストリップ部15として設計されている。
【0047】
本発明は、上述した実施形態の1つに限定されるものではなく、様々な方法で変更することが可能である。設計の詳細、空間的配置および方法ステップを含む、請求項、説明および図面から明らかになるすべての特徴および利点は、それ自体または多種多様な組み合わせで、本発明に不可欠となり得る。
【符号の説明】
【0048】
1 プロファイルクランプ
10 第1クランプ半体
11 第2クランプ半体
12 第1締め付けヘッド
13 第2締め付けヘッド
14 関節接続部
15 平坦なストリップ部
16 曲げ形状部
17 開口部
18 ねじ要素
19 圧力突起
20 戻り止めナット
21 薄肉化材料
22 ノッチ、V字型
23 ノッチ、U字型
24 エッジ、下側
25 開口部
27 第1平坦部の端部
28 第2平坦部の端部
29 フランジ部
30 第1平坦部
31 U字形の形状部
32 第2平坦部
33 V字形の形状部
34 U字形の形状部
35 くぼみ
40 脚
41 基底部
42 脚
50 プロファイルクランプ部(クランプ部)
51 第1端部
52 第2端部
【国際調査報告】