(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】ガスケットをバイポーラプレートに取り付ける方法
(51)【国際特許分類】
H01M 8/0286 20160101AFI20240110BHJP
H01M 8/0273 20160101ALI20240110BHJP
H01M 8/0276 20160101ALI20240110BHJP
H01M 8/028 20160101ALI20240110BHJP
【FI】
H01M8/0286
H01M8/0273
H01M8/0276
H01M8/028
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561915
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-08-14
(86)【国際出願番号】 EP2021086560
(87)【国際公開番号】W WO2022129561
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】102020133959.3
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513199442
【氏名又は名称】ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Robert Bosch GmbH
【住所又は居所原語表記】Wernerstrasse 1, 70469 Stuttgart, Germany
(71)【出願人】
【識別番号】523231369
【氏名又は名称】パワーセル スウェーデン アクチボラグ
(71)【出願人】
【識別番号】523231370
【氏名又は名称】グリナリティ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151987
【氏名又は名称】谷口 信行
(72)【発明者】
【氏名】ハルシュカ クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】マイアー エベルハルト
(72)【発明者】
【氏名】イルディリム アリ リザ
(72)【発明者】
【氏名】ゲルラッハ マルティン
(72)【発明者】
【氏名】リンゲル アントン
(72)【発明者】
【氏名】リング アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】クノール フロリアン アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ミューラー アウデ
(72)【発明者】
【氏名】アンデション イェニー
(72)【発明者】
【氏名】ホルムバーグ マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ムンテ ステファン
(72)【発明者】
【氏名】アンデルシュ シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ジアラス ホルガ-
(72)【発明者】
【氏名】ズッフスラント イェンス-ペーター
【テーマコード(参考)】
5H126
【Fターム(参考)】
5H126AA13
5H126BB06
5H126FF04
5H126HH01
5H126HH02
5H126HH10
(57)【要約】
本発明は、ガスケット(4)をバイポーラプレート(12)に取り付ける方法に関する。本方法は、接合切欠部(8)を有する第2のガスケットフィルム(4b)に、第1のガスケットフィルム(4a)を被着させて位置合わせするステップと、ガスケット(4)が形成されるように、第1のガスケットフィルム(4a)を第2のガスケットフィルム(4b)に接合するステップと、接合切欠部(8)を備えた第2のガスケットフィルム(4b)がバイポーラプレート(12)に当接するように、ガスケット(4)をバイポーラプレート(12)上に載置するステップと、型押し工程を実施するステップであって、当該型押し工程では、型押し工具(20)によって接合切欠部(8)の領域に型押し力が印加され、これにより、型押しされた接着箇所(24)が形成され、第1のガスケットフィルム(4a)が、当該第1のガスケットフィルム(4a)上の接合切欠部(8)内に配置された接着手段(16)を介してバイポーラプレート(12)に接合される、型押し工程を実施するステップとを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスケット(4)をバイポーラプレート(12)に取り付ける方法であって、
・接合切欠部(8)を有する第2のガスケットフィルム(4b)に、第1のガスケットフィルム(4a)を被着させて位置合わせするステップと、
・前記ガスケット(4)が形成されるように、前記第1のガスケットフィルム(4a)を前記第2のガスケットフィルム(4b)に接合するステップと、
・前記接合切欠部(8)を備えた前記第2のガスケットフィルム(4b)が前記バイポーラプレート(12)に当接するように、前記ガスケット(4)を前記バイポーラプレート(12)上に載置するステップと、
・型押し工程を実施するステップであって、当該型押し工程では、型押し工具(20)によって前記接合切欠部(8)の領域に型押し力が印加され、これにより、型押しされた接着箇所(24)が形成され、前記第1のガスケットフィルム(4a)が、当該第1のガスケットフィルム(4a)上の前記接合切欠部(8)内に配置された接着手段(16)を介して前記バイポーラプレート(12)に接合される、型押し工程を実施するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のガスケットフィルム(4a)を前記第2のガスケットフィルム(4b)に接合する前に、少なくとも前記第1のガスケットフィルム(4a)に接着手段(16)が被着されることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記接着手段(16)は、UV接着剤であり、したがって、前記UV接着剤は、UV源によって硬化させられることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記接着手段(16)は、ホットメルト接着剤であり、したがって、前記ガスケットフィルム(4a,4b)は、ラミネートプロセスによって一緒に接合されることを特徴とする、請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記型押し力は、前記第1のガスケットフィルム(4a)に印加されることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記型押し工程によって前記型押し工具(20)が加熱され、これにより、前記接合切欠部(8)内に配置されたホットメルト接着剤が前記バイポーラプレート(12)に接合されることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
燃料電池スタックのための燃料電池(1)であって、
前記燃料電池(1)は、少なくとも1つのバイポーラプレート(12)と、ガスケット(4)とを有し、
前記ガスケット(4)は、第1のガスケットフィルム(4a)および第2のガスケットフィルム(4b)を含み、
前記第2のガスケットフィルム(4b)は、接合切欠部(8)を有し、前記バイポーラプレート(12)に当接しており、
前記ガスケット(4)は、前記接合切欠部(8)の領域に形成された型押しされた接着箇所(24)を介して、前記接合切欠部(8)内に配置された接着手段(16)によって前記バイポーラプレート(12)に接合されている、
燃料電池(1)。
【請求項8】
前記接着箇所(24)は、所定の幾何学的形状を有し、
前記幾何学的形状の1つの接着箇所辺(q)は、前記バイポーラプレート(1)の横方向の中心軸線(32)に対して平行に延在しており、当該横方向の中心軸線(32)と位置合わせされている
ことを特徴とする、請求項7記載の燃料電池(1)。
【請求項9】
前記接着箇所(24)は、さらに1つの接着箇所辺(l)を有し、
当該接着箇所辺(l)は、長手方向の中心軸線(40)に対して平行に延在しており、当該長手方向の中心軸線(40)と位置合わせされている
ことを特徴とする、請求項8記載の燃料電池(1)。
【請求項10】
請求項7から9までのいずれか1項記載の燃料電池(1)を複数含む、燃料電池スタック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスケットをバイポーラプレートに取り付ける方法と、このような方法に従って製造された燃料電池とに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、例えば、水素および酸素が水、電気エネルギ、および熱に変換される電気化学エネルギ変換器である。燃料電池または燃料電池スタックは、交互に上下に配置された膜電極ユニットとバイポーラプレートとを有する、複数のパーツからなるセルから構成されている。バイポーラプレートは、電極に反応物を供給するため、かつ燃料電池スタックを冷却するために使用される。この目的のために、バイポーラプレートは、電極に沿って反応物含有流体を案内する分配器構造を有する。さらに、分配器構造は、さらなる分配器構造に沿って冷却流体を案内するために機能する。これらの分配器構造は、チャネルとして設計されており、これらのチャネルを通して種々異なる流体を導くことができる。
【0003】
DE 10 2005 058 370 A1は、2つのバイポーラプレートを有する燃料電池を記載しており、これら2つのバイポーラプレートの間には膜電極ユニットが配置されており、膜電極ユニットとバイポーラプレートとの間にはガス拡散層が配置されている。膜電極ユニットは、支持フレームに配置されている。膜電極ユニットと支持フレームとの間には、超音波溶着接合部が形成されており、この超音波溶着接合部を介して膜電極ユニットが支持フレームに接合されている。
【0004】
また、従来技術から、超音波溶着接合部を介して支持フレームがバイポーラプレートに直接的に接合されることも知られている。同様に、超音波溶着接合部の代わりにレーザによって製造される溶着接合部を使用することもできる。これらの方法は、追加の材料を必要としないという利点を有するが、それでもなお、粗い表面が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102005058370号明細書
【0006】
本発明の目的は、ガスケットをバイポーラプレートに取り付ける方法であって、追加の材料をさほど使用せずにガスケットを簡単かつ経済的にバイポーラプレートに取り付けることができる方法を提供することである。
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1記載の特徴を有する、ガスケットをバイポーラプレートに取り付けるための方法と、そのような方法に従って製造された燃料電池とが提供される。本発明の有利なさらなる実施形態は、それぞれの従属請求項から得られる。
【0008】
発明の開示
ガスケットをバイポーラプレートに取り付ける方法であって、接合切欠部を有する第2のガスケットフィルムに、第1のガスケットフィルムを被着させて位置合わせするステップと、ガスケットが形成されるように、第1のガスケットフィルムを第2のガスケットフィルムに接合するステップと、接合切欠部を備えた第2のガスケットフィルムがバイポーラプレートに当接するように、ガスケットをバイポーラプレート上に載置するステップとを含む、方法が提案される。さらなる方法ステップでは、型押し工程が実施され、当該型押し工程では、型押し工具によって接合切欠部の領域に型押し力が印加され、これにより、型押しされた接着箇所が形成され、第1のガスケットフィルムが、当該第1のガスケットフィルム上の接合切欠部内に配置された接着手段を介してバイポーラプレートに接合される。
【0009】
本発明の意味における接合切欠部とは、接合を可能にする第2のガスケットフィルムを貫通する開口部であると理解される。接着箇所とは、第1のガスケットフィルムがバイポーラプレートに接合されている領域であると理解される。型押し工程により、ガスケットは、接合切欠部の領域でのみバイポーラプレートに接合される。この接合は、簡単な型押し工程によって達成される。さらに、接合切欠部の領域にのみ、接着手段を設ければよい。結果として、ガスケットをバイポーラプレートに取り付けるために、接着手段がほとんど必要なくなる。したがって、ほんのわずかな追加の材料しか必要なくなる。その結果、さらに、このような方法は、簡単かつ経済的に実施可能である。
【0010】
本発明の好ましい実施形態では、第1のガスケットフィルムを第2のガスケットフィルムに接合する前に、少なくとも第1のガスケットフィルムに接着手段が被着される。したがって、第1のガスケットフィルムと第2のガスケットフィルムとは、接着接合を介して互いに接合される。接着手段は、この領域において接合切欠部を貫通してさらに配置されている。ガスケットは、この接着手段を介してバイポーラプレートに接合される。したがって、接着手段を被着させるための追加のステップは必要なくなる。この接着手段は、第1のガスケットフィルムと第2のガスケットフィルムとを接合するために被着されたものであるので、ガスケットをバイポーラプレートに接合するための追加の材料は必要なくなる。したがって、このような方法は、簡単かつ経済的に実施可能である。
【0011】
本発明のさらなる好ましい実施形態では、接着手段は、UV接着剤であり、したがって、UV接着剤は、UV源によって硬化させられる。好ましくは、少なくとも第1のガスケットフィルムは、UV光に対して透過性であり、したがって、UV源を使用して接着手段を硬化させることができる。この方法ステップにより、ガスケットを所定の時点でバイポーラプレートに接合することが可能となり、したがって、位置を修正することが依然として可能である。さらに、UV光を介した硬化により、簡単かつ制御された取り付けが可能となる。
【0012】
好ましくは、接着手段は、ホットメルト接着剤であり、したがって、ガスケットフィルムは、ラミネートプロセスによって一緒に接合される。ホットメルト接着剤は、熱に曝されると接着状態に変化する接着手段である。このような方法ステップにより、2つのガスケットフィルムを加熱によって簡単に一緒に接合することが可能となる。ラミネートプロセスでは、2つのガスケットフィルムが、好ましくは100~200℃の温度および0.5~5MPaの圧力で接合される。
【0013】
有利なさらなる発展形態では、型押し力は、第1のガスケットフィルムに印加される。これに代えて、型押し力を、バイポーラプレートに印加することも当然可能ではある。しかしながら、第1のガスケットフィルムは、バイポーラプレートよりも柔軟であるので、こうすることで、バイポーラプレートと第1のガスケットフィルムとの間の接合がより簡単に形成される。これにより、バイポーラプレートの分配器構造が損傷することも阻止される。好ましくは、0.5~5MPaの範囲内の型押し力が印加される。
【0014】
有利には、型押し工程によって型押し工具が加熱され、これにより、接合切欠部内に配置されたホットメルト接着剤がバイポーラプレートに接合される。このようにして、バイポーラプレートと第1のガスケットフィルムとの間の接着接合を、型押し工程と同時に達成することができる。これにより、方法ステップの数が削減される。好ましくは、型押し工具は、100~200℃の温度に加熱される。特に好ましくは、温度は、130~170℃である。
【0015】
好ましくは、ホットメルト接着剤は、第1のガスケットフィルムを第2のガスケットフィルムに接合するために被着された接着剤であり、これによっても、ホットメルト接着剤を被着させるための追加の方法ステップまたは追加のホットメルト接着剤が必要なくなる。
【0016】
さらに、燃料電池スタックのための燃料電池が提案される。燃料電池は、少なくとも1つのバイポーラプレートと、ガスケットとを有し、ガスケットは、第1のガスケットフィルムおよび第2のガスケットフィルムを含み、第2のガスケットフィルムは、接合切欠部を有し、バイポーラプレートに当接しており、ガスケットは、接合切欠部の領域に形成された型押しされた接着箇所を介して、接合切欠部内に配置された接着手段によってバイポーラプレートに接合されている。燃料電池は、好ましくは前述した方法に従って製造されている。このような燃料電池は、実質的に、方法に関して説明した利点を示す。特に、このような燃料電池は、ガスケットとバイポーラプレートとが位置的に正確に配置されているので、比較的高い効率を示す。
【0017】
さらなる有利な実施形態では、接着箇所は、所定の幾何学的形状を有し、幾何学的形状の1つの接着箇所辺は、バイポーラプレートの横方向の中心軸線に対して平行に延在しており、当該横方向の中心軸線と位置合わせされている。この文脈では、幾何学的形状とは、接着箇所を通してバイポーラプレートを上から見た結果として生じる二次元の幾何学的形状であると理解される。接着箇所辺とは、幾何学的形状のうちの、1本の線として延在する辺である。横方向の中心軸線とは、バイポーラプレートを横断する軸線であって、かつバイポーラプレートの中心に配置されている軸線である。平行に配置されていることに加えて、この接着箇所辺は、接着箇所の残りの辺よりも横方向の中心軸線のより近傍に位置している。
【0018】
したがって、長手方向に向けられた剥離力は、接着箇所辺全体に対して直交するように作用し、これにより、剥離力は、この接着箇所辺上でより良好に分配されることとなる。これにより、このような接着箇所の耐久性が顕著に改善される。
【0019】
好適な実施形態によれば、接着箇所は、さらに1つの接着箇所辺を有し、当該接着箇所辺は、長手方向の中心軸線に対して平行に延在しており、当該長手方向の中心軸線と位置合わせされている。長手方向の中心軸線は、横方向の中心軸線に対応してバイポーラプレートの長手方向に延在しており、バイポーラプレートの中心に配置されている。原理的には横方向においても剥離力が発生するが、この剥離力は、長手方向の剥離力よりも小さいので、横方向の剥離力に対する接着箇所の耐久性は、長手方向の中心軸線に対して平行に位置合わせされた追加の接着箇所辺によって改善される。この接着箇所辺は、バイポーラプレートの横方向の中心と位置合わせされている。
【0020】
さらに、複数の燃料電池を有する燃料電池スタックが提案される。このような燃料電池スタックは、前述した利点を有する。
【0021】
本発明の実施例を図面に示し、以下の記載においてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明による燃料電池の構造の斜視図である。
【
図2a-2c】
図2a~2cは、ガスケットをバイポーラプレートに取り付けるための方法ステップを示す図である。
【
図3】種々異なる実施形態の接着箇所を備えた燃料電池を示す図である。
【0023】
図1は、本発明による燃料電池1の構造の斜視図を示す。燃料電池1は、少なくとも1つの第1のガスケットフィルム4aと、少なくとも1つの第2のガスケットフィルム4bとを有する。第1のガスケットフィルム4aと第2のガスケットフィルム4bとは、一緒に燃料電池1のガスケット4を形成しており、図面に示されているように直接的に互いに上下に積層されている。第1のガスケットフィルム4aとは対照的に、第2のガスケットフィルム4bは、4つの接合切欠部8を有し、これら4つの接合切欠部8は、第2のガスケットフィルム4bに対称に配置されている。この実施例では、これらの接合切欠部8は、丸形の孔として設計されている。燃料電池1は、バイポーラプレート12をさらに有し、このバイポーラプレート12上にガスケット4が載置される。公知のように、バイポーラプレート12は、図示されていない電極に沿って反応物を案内するための分配構造を有する。
【0024】
図2は、ガスケット4をバイポーラプレート12に取り付けるための方法ステップを示す。この図面には、接合切欠部8の領域を通る断面が示されている。部分
図2aは、第1のガスケットフィルム4aと第2のガスケットフィルム4bとの間に接着手段16が配置されており、この接着手段16を介して2つのガスケットフィルム4a,4bが互いに接合されていることを示す。この実施形態では、接着手段16は、ホットメルト接着剤であり、このホットメルト接着剤を介して2つのガスケットフィルム4a,4bがラミネートプロセスによって互いに接合される。接合切欠部8が設けられているので、この領域では2つのガスケットフィルム4a,4bの接合は生じていない。部分
図2aは、ガスケット4がバイポーラプレート12上に載置される前のステップを示す。
【0025】
部分
図2bには、型押し工具20によって型押し工程が実施されるステップが示されている。このステップでは、第2のガスケットフィルム4bがバイポーラプレート12に直接的に当接している。型押し工具20は、接合切欠部8の領域に配置されており、第1のガスケットフィルム4aに型押し力を印加する。結果として、第1のガスケットフィルム4aに配置された接着手段16がバイポーラプレート12に接触させられる。この実施形態では、型押し工具20が加熱され、これにより、ホットメルト接着剤として構成された接着手段16を介して第1のガスケットフィルム4aがバイポーラプレート12に接合される。
【0026】
型押し工程により、型押しされた接着箇所24が形成され、この接着箇所24は、実質的に接合切欠部8の形状と、型押し工具20の形状とによって画定されている。部分
図2cは、型押し工具20が除去された後の燃料電池1の対応する部分を示す。ここでは、型押し工具20によって第1のガスケットフィルム4aに凹部28が形成されたことが見て取れる。この凹部28は、第2のガスケットフィルム4bの接合切欠部8内へと延在している。これにより、2つのガスケットフィルム4a,4bの間の機械的な接合がさらに改善される。
【0027】
図3は、このようにして製造された燃料電池1の上面図を示す。この図面では、
図1に示されている丸形の接合切欠部8とは別に、接合切欠部8に関する4つのさらなる実施例が破線で示されている。このようにして製造された接合切欠部8により、接着箇所24の対応する幾何学的形状が生成される。
【0028】
右上隅に三角形として示されている接着箇所24は、燃料電池1の横方向の中心軸線32に対して平行に形成された接着箇所辺qを有する。さらに、この接着箇所辺qは、横方向の中心軸線32に面しており、それにより、長手方向で燃料電池1の縁部36に向けられた剥離力が接着箇所辺qに印加されることとなり、これにより、接着箇所24の耐久性が改善される。右下の接着箇所24および左下の接着箇所24は、これらの利点を同様に有するさらなる可能な幾何学的構成を示す。
【0029】
左上隅には、長方形として形成された接着箇所24が示されている。この長方形として形成された接着箇所24は、前述した接着箇所辺qに加えてさらなる接着箇所辺lを有し、この接着箇所辺lは、長手方向の中心軸線40に対して平行に配置されており、さらに長手方向の中心軸線40に面している。これにより、横方向に作用する剥離力に対する接着箇所24の耐久性がさらに改善される。
【符号の説明】
【0030】
1 燃料電池
4 ガスケット
4a 第1のガスケットフィルム
4b 第2のガスケットフィルム
8 接合切欠部
12 バイポーラプレート
16 接着手段
20 型押し工具
24 接着箇所
28 凹部
32 横方向の中心軸線
36 縁部
40 長手方向の中心軸線
q 接着箇所辺
l 接着箇所辺
【国際調査報告】