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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-17
(54)【発明の名称】格納式塗布用具を有する化粧用物品
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/00 20060101AFI20240110BHJP
   A45D 34/04 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
A45D34/00 510Z
A45D34/04 515
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561925
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(85)【翻訳文提出日】2023-07-19
(86)【国際出願番号】 FR2021052286
(87)【国際公開番号】W WO2022136764
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】2013875
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521440585
【氏名又は名称】シャネル・パルファム・ボーテ
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】キャステクス,ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】トリアニ,ローラン
(72)【発明者】
【氏名】ヒルシ,アントワーヌ
(72)【発明者】
【氏名】シャペラ,キャロル
(57)【要約】
本発明は、マスカラ等の化粧品を内包するよう適合されたリザーバ(6)を含む、化粧用物品に関する。ガイドチューブ(8)は、上記リザーバ(6)内で長手方向(L)に延在し、上記ガイドチューブ(8)内において長手方向に並進移動できるよう取り付けられる。上記塗布用具は、上記ガイドチューブに対して、格納位置と展開位置とを取ることができる。上記ガイドチューブ(8)は一定の内側断面を有し、塗布用具(11)は一定で、機能的クリアランスを除いて同一の断面を有する。塗布用具(11)は、滑らかな長手方向の第1の部分(14)、及び上記化粧品を保持するよう好適に適合された表面を有する第2の部分(15)を含む。本発明による化粧用物品は、美観に優れ、使いやすく、化粧品を空気から保護し、送達される製品の正確な調量を可能とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体又は半液体化粧品を内包するよう適合されたリザーバ(6);
前記リザーバ(6)内で長手方向(L)に延在するガイドチューブ(8);及び
塗布用具(11)であって、前記塗布用具(11)が完全に又は部分的に前記ガイドチューブ(8)内に収容される格納位置と、前記格納位置において前記ガイドチューブ内に収容された前記塗布用具(11)の一部分が前記ガイドチューブ(8)の一方の端部(13)から出た展開位置との間で、前記ガイドチューブ(8)内において長手方向に並進移動できるよう取り付けられた、塗布用具(11)
を含み、
前記塗布用具(11)は、滑らかな長手方向の第1の部分(14)、及び前記化粧品を保持するよう適合された表面を有する第2の部分(15)を含み、
前記ガイドチューブ(8)は一定の内側断面を有する、化粧用物品であって、
前記塗布用具(11)の前記第1の部分は、一定で、機能的クリアランスを除いて前記ガイドチューブ(8)の前記断面と同一の、断面を有すること、及び
前記ガイドチューブ(8)は、前記端部(13)の付近に、前記リザーバ(6)から前記塗布用具(11)への前記化粧品の通過を可能とする少なくとも1つの開口(16)を含むこと
を特徴とする、化粧用物品。
【請求項2】
前記塗布用具(1)の前記第2の部分(15)は、前記格納位置において、前記開口(16)に完全に又は部分的に対面する、請求項1に記載の化粧用物品。
【請求項3】
前記第2の部分は、表面にパターンを有し、前記パターンは例えば凹部及び/又は隆起部を含む、請求項1又は2に記載の化粧用物品。
【請求項4】
前記塗布用具(11)は金属製である、請求項1~3のいずれか1項に記載の化粧用物品。
【請求項5】
前記塗布用具(11)はプラスチック材料で作製される、請求項1~3のいずれか1項に記載の化粧用物品。
【請求項6】
前記第2の部分の少なくとも前記表面は、多孔質材料、例えばセラミック又は発泡材からなる、請求項1又は2に記載の化粧用物品。
【請求項7】
前記塗布用具(11)は、まっすぐな角柱の全体形状、又は軸対称の円筒形状を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の化粧用物品。
【請求項8】
前記機能的クリアランスは0.2ミクロン~100ミクロンである、請求項1~7のいずれか1項に記載の化粧用物品。
【請求項9】
前記リザーバ(6)は、前記リザーバ(6)に内包された前記製品を加圧するためのデバイスを含み、前記加圧デバイスは例えば、弾性デバイスによって押圧されるプランジャ(17)を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の化粧用物品。
【請求項10】
前記塗布用具(11)を前記展開位置に移動させて保持する傾向がある第1の復帰デバイス(22)を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の化粧用物品。
【請求項11】
内部に前記リザーバ(6)が設けられたスリーブ(5)を含み、前記リザーバ(6)は、前記スリーブ(5)内において、収納位置と伸長位置との間で長手方向に並進移動できるよう取り付けられる、請求項1~10のいずれか1項に記載の化粧用物品。
【請求項12】
前記リザーバ(6)と前記スリーブ(5)との間に配置された、前記リザーバ(6)を前記収納位置へと戻す傾向がある第2の復帰デバイス(23)を含み、ここで前記塗布用具が前記展開位置にあるとき、前記リザーバ(6)を、長手方向並進によって前記伸長位置へと移動させることができ、前記塗布用具は前記スリーブに対して当接及び固定されているため、前記塗布用具(11)を前記リザーバ(6)に対して前記格納位置へと移動させる前記リザーバ(6)と前記塗布用具(11)との間の相対運動が引き起こされる、請求項1~11のいずれか1項に記載の化粧用物品。
【請求項13】
前記リザーバが前記伸長位置にあるとき、前記塗布用具は前記格納位置にあり、前記リザーバが前記収納位置にあるとき、前記塗布用具は前記展開位置にある、請求項11に記載の化粧用物品。
【請求項14】
着脱式キャップ(2)を含み、前記化粧用物品上に前記キャップを置くことにより、前記塗布用具(11)が圧迫されて、前記塗布用具(11)が前記格納位置へと移動する、請求項1~13のいずれか1項に記載の化粧用物品。
【請求項15】
前記リザーバ(6)は、前記スリーブ(5)から取り外し可能に取り付けられる、請求項1~14のいずれか1項に記載の化粧用物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品塗布用具、特にマスカラのための塗布用具の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
マスカラ物品、又は「マスカラ」は従来、ケース、マスカラリザーバ、及び塗布用ブラシを備える。塗布用ブラシは、把持部分と、厳密に言うと一般にブラシの形態である塗布用具とを含む。塗布用ブラシは、キャップ又は栓を公知の様式で含んでよく、これはマスカラが塗布されないときはリザーバを密封するよう適合され、塗布用ブラシの把持エリアを形成し得る。
【0003】
従来より、以下のいくつかのタイプの塗布用具が存在する:「ブラシ」タイプのもの、射出成形されたもの、及び付加製造(「付加合成(additive synthesis)」と呼ばれることもある)によって製造されるもの。付加製造は、物質を付加する又は集めることによる製造プロセスを指す。
【0004】
ボトルブラシタイプの塗布用具は、塗布用具のコアを形成する金属撚り線に閉じ込められた繊維によって形成された毛を備えるブラシを含む。射出成形された塗布用具は一般に、単一部品として一体形成され、例えば一般に突起と呼ばれるプラスチック材料製の毛又は歯を含む。付加製造によって製造された塗布用具も一般に単一部品として一体形成され、例えば熱可塑性ポリマーの粉末から、例えばレーザによる粉体融着を実装するプロセスによって形成できる。
【0005】
公知のマスカラ塗布用具の形状及び実施形態にかかわらず、マスカラの塗布の原理は、リザーバに内包された製品(マスカラ)を塗布用具に装填すること、突起に製品が装填された塗布用具を上記リザーバから取り出すこと、及びユーザのまつ毛又はまゆ毛への塗布を実施することからなる。
【0006】
簡潔にするために、本文書の残りの部分ではまつ毛についてのみ述べるが、ユーザのまゆ毛への製品及び塗布用具の使用も除外されない。同様に、女性ユーザについて述べるが、男性ユーザによる使用も除外されない。マスカラ物品の人間工学を改善するために、特許文献1は、「ペン」タイプの格納式構成を有するマスカラの塗布のための物品を開示している。これは:細長いケース;及びマスカラリザーバに浸漬される収納位置と、メーキャップを可能とする伸長位置とを取ることができるように、上記ケースに対して摺動可能に設置された、塗布用具とを備える。この構成の利点は、ブラシが栓に取り付けられ、上記栓がリザーバにねじ込まれ、従ってユーザは栓をゆるめてブラシにアクセスするために両手を使わなければならない、現行の物品と比較して、この構成によりメーキャップのために物品を片手で使用できるようになることである。しかし、収納位置において塗布用具がリザーバの製品に浸漬されることを踏まえると、塗布用具は大量の製品が装填されたケースから出てきて、そのうちの大部分、特に塗布用具のコアの付近にある部分はメーキャップに使用されない。更に、この製品は空気と接触し、これは製品の乾燥を促進し、これにより物品の使用寿命が短くなる。リザーバへのこのような浸漬は、別の問題を提起する。即ち、リザーバへの空気の侵入であり、これもまた乾燥を促進し、リザーバ内の製品の使用寿命を制限する。
【0007】
従って、先行技術において公知のマスカラ塗布用具では、一般に、メーキャップに必要とされるよりも多く、又はまつ毛に実際に塗布できる量よりも多くの製品が引き出される。その後、引き出された過剰な製品はリザーバに突っ込まれ戻される。これは、塗布用具が使用される毎に繰り返される。更に、先行技術において公知のマスカラ物品では、ユーザが製品を塗布する間、マスカラリザーバは開いたままであり、製品は塗布時間にわたって外気にさらされる。これは製品の早すぎる乾燥を引き起こし得る。従って、マスカラの品質が変化するおそれがあり、これは塊の存在又は製品の流動性の低下をもたらすおそれがある。
【0008】
特許文献2、特許文献3、及び特許文献4は、そのケースに対して収納位置と伸長位置との間で移動可能である塗布用具を含むマスカラ物品を提案することにより、上述の問題に対する部分的な解決策を提供し、この塗布用具は、本体と、塗布用具の本体に対して上記本体の中の格納位置と上記本体の外の伸長位置との間で移動可能となるように設置された突起(毛又は歯)とを備える。これらの特許文献において提供されたいくつかの規定によると、塗布用具をケースから出すときに、これに製品を装填できる。にもかかわらず、これらのデバイスは依然として改善できる。というのは、これらのデバイスは複雑であり、またこれらのデバイスは送達される製品の用量の完全な規則性を保証しないためである。特に、塗布用具にはしばしば、実際に塗布されるより多い用量の化粧品が装填され、これは塗布用具上に出されるが塗布されない製品の保存の問題を提起する。更に、これらは依然として、空気に敏感な、例えば高揮発性のマスカラ処方の送達及び保存に関して改善できる。
【0009】
最後に、美観に優れかつ定性的なマスカラ物品の開発に対する恒常的なニーズが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0065080号
【特許文献2】仏国特許第3039044号
【特許文献3】仏国特許第3039045号
【特許文献4】仏国特許第3039046号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述の問題の全部又は一部に対処するマスカラ物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
従って、本発明は:液体又は半液体化粧品を内包するよう適合されたリザーバ;上記リザーバ内で長手方向に延在するガイドチューブ;及び塗布用具であって、上記塗布用具が完全に又は部分的に上記ガイドチューブ内に収容される格納位置と、上記格納位置において上記ガイドチューブ内に収容された上記塗布用具の一部分が上記ガイドチューブの一方の端部から出た展開位置との間で、上記ガイドチューブ内において長手方向に並進移動できるよう取り付けられた、塗布用具を含む、化粧用物品に関する。
【0013】
上記塗布用具は、滑らかな長手方向の第1の部分、及び上記化粧品を保持するよう適合された表面を有する第2の部分を含む。上記ガイドチューブは一定の内側断面を有し、上記塗布用具の上記第1の部分は、一定で、機能的クリアランスを除いて上記ガイドチューブの上記断面と同一の、断面を有する。
【0014】
上記ガイドチューブは、上記端部の付近に、上記リザーバから上記塗布用具への上記化粧品の通過を可能とする少なくとも1つの開口を含む。
【0015】
本発明において提案される化粧用物品、例えばマスカラ物品は、簡素であり、かつ美観に優れる。上記塗布用具は革新的な形状を有する。製品の保持を可能とするパターンを有する上記塗布用具の上記第2の部分は、例えばユーザのまつ毛への上記化粧品の塗布を可能とする、上記塗布用具の一部分を形成する。また、製品を保持するためのパターンを特徴とする「テクスチャ付き(textured)」領域の使用により、上記塗布用具のこの第2の部分上に装填される製品の量を非常に正確に、そして完璧に反復可能な様式で調整できる。これにより、上記塗布用具がその格納位置からその展開位置へと移行する毎に送達される製品の量を正確に調整できる。上記チューブ内での上記塗布用具の摺動を可能とする小さな機能的クリアランスを除いて、上記塗布用具と上記ガイドチューブとの形状が対応していることにより、上記製品に対する密封が保証される。これは上記製品の空気からの保護も保証し、上記塗布用具の展開時、即ち上記製品が塗布される直前に、上記塗布用具の上記第2の部分上に存在する上記製品のみが空気にさらされる。上記リザーバ内に存在する上記製品は、常に空気から保護され続ける。これにより、従来の化粧用物品に比べて使用寿命をかなり延ばすことができる。
【0016】
上記塗布用具の上記第2の部分は、上記格納位置において、上記開口に完全に又は部分的に対面してよい。
【0017】
上記チューブに存在する上記開口により、上記塗布用具の第2の部分に化粧品を装填できる。上記塗布用具に製品を装填するためのこの構成は、粘性の製品、及び/又は経時変化が粘性の増大をもたらす製品の使用が可能になるという点において特に有利である。実際、上記塗布用具の上記開口に対する長手方向並進移動は、この開口において上記製品内でせん断力を生成し、これにより、上記塗布用具への装填時に上記製品が局所的に流動化される。
【0018】
上記第2の部分は、その表面に、例えば凹部及び/又は隆起部を含むパターンを有してよい。
【0019】
上記パターン、その形状、その深さの特徴の選択により、上記塗布用具の上記第2の部分の表面に保持される上記製品の量の選択が可能となる。これにより、上記製品の極めて正確な調量が可能となる。上記パターンの選択により、塗布用具に製品を装填する際に生成されるせん断力を調節することも可能となる。最後に、上記パターンは、上記製品を塗布する際の上記塗布用具の特性、特に上記塗布用具のまつ毛(若しくは他の毛)に付着する又はまつ毛(若しくは他の毛)から離れる能力も決定する。
【0020】
上記塗布用具は金属製であってよい。上記塗布用具はプラスチック材料で作製されていててよい。
【0021】
金属製の塗布用具(より一般には物品)は美観に優れ、かつ耐久性があり、システムの完全な密封を可能とする非常に低い製造公差で得ることができる。プラスチック(複合体を含む)材料製の塗布用具は、低コストで得ることができる。
【0022】
上記第2の部分の上記表面は、多孔質材料、例えばセラミック又は発泡材で作製してよい。
【0023】
多孔質材料は、パターンの形成に代わる、上記製品を保持するための妥当な解決策である。
【0024】
特に、上記塗布用具は、まっすぐな角柱の全体形状、又は軸対称の円筒形状を有してよい。
【0025】
上記塗布用具及びそれに対応する上記ガイドチューブの断面の選択は、機能的観点及び審美的観点から重要である。上記塗布用具と上記ガイドチューブとの密封を保証するためには、軸対称の円筒形状(円形断面)が最も単純で最良の構成であるが、上記ガイドチューブ内での上記塗布用具の並進を可能とするいずれのまっすぐな角柱の形状(例えば多角形断面を有する塗布用具)を、本発明において考慮できる。上記機能的クリアランスは0.2ミクロン~100ミクロンであってよい。
【0026】
これにより、上記塗布用具の使用期間全体にわたる、上記塗布用具への製品の規則的な装填が可能となる。
【0027】
上記リザーバは、上記リザーバに内包された上記製品を加圧するためのデバイスを含んでよい。
【0028】
例えば上記加圧デバイスは、弾性デバイスによって押圧されるプランジャを含んでよい。
【0029】
上記化粧用物品は、上記塗布用具を上記展開位置に移動させて保持する傾向がある第1の復帰デバイスを含んでよい。上記第1の復帰デバイスにより、上記物品を、上記製品の塗布を可能とする位置に移動させて保持できる。上記化粧用物品は、内部にリザーバが設けられたスリーブを含んでよく、上記リザーバは、上記スリーブ内において、収納位置と伸長位置との間で長手方向に並進移動できるよう取り付けられる。
【0030】
上記化粧用物品は、上記リザーバと上記スリーブとの間に配置された第2の復帰デバイスを含んでよく、これは上記リザーバを上記収納位置へと戻す傾向がある。上記化粧用物品は、上記リザーバを上記伸長位置へと移動させる際に上記塗布用具を上記スリーブに対して固定されたままとすることにより、上記リザーバに対して上記塗布用具を上記格納位置へと移動させるように、構成できる。
【0031】
一実施形態によると、上記リザーバが上記伸長位置にあるとき、上記塗布用具は上記格納位置にあり、上記リザーバが上記収納位置にあるとき、上記塗布用具は上記展開位置にある。
【0032】
これらの構成により、上記塗布用具と上記リザーバとの間の相対移動が可能となり、これにより、上記塗布用具への製品の装填が可能となる。
【0033】
上記化粧用物品は着脱式キャップを含んでよく、上記化粧用物品上に上記キャップを置くことにより、上記塗布用具が圧迫されて、上記塗布用具が上記格納位置へと移動する。
【0034】
従って、キャップを用いて、非常に単純な上記化粧用物品の構成で、上記塗布用具を圧迫し、上記塗布用具を上記リザーバに対して格納できる。上記キャップは上記デバイスの密封を強化する。
【0035】
上記リザーバは、上記スリーブから取り外し可能に取り付けることができる。
【0036】
従って、上記デバイスは耐久性がある。上記リザーバは、必要に応じて再び充填できる。本発明の他の特殊性及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」で更に明らかとなる。
【0037】
非限定的な例として提供される添付の図面は、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、本発明のある実施形態による化粧用物品を概略三次元図で示す。
図2図2は、保管時の図1の化粧用物品を概略断面図で示す。
図3図3は、使用時の図1、2の化粧用物品を概略断面図で示す。
図4図4は、本発明で使用できる塗布用具の先端部分の一例を、概略三次元図で示す。
図5図5は、2回の連続した塗布の間の塗布用具の再装填時の、図1~3の化粧用物品を、概略断面図で示す。
図6図6は、化粧品を充填できる構成の、図1~3、図5の化粧用物品のリザーバを、概略断面図で示す。
図7図7は、化粧用物品を概略断面図で示す。
図8図8は、使用時の図7の化粧用物品を概略断面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、本発明の一実施形態による化粧用物品を概略三次元図で示す。図示されている実施形態によると、上記物品はペンの形状に似た細長形状を有する。従って、上記物品は本体1を含み、その一方の端部にはキャップ2が取り付けられているか、又は当接している。上記本体は栓4で密封された筒3を外側に含み、筒3及び栓4はスリーブ5を形成する。上記物品は、長手方向Lと呼ばれる一般的な伸長の方向に延在する。
【0040】
図2は、保管時の図1の化粧用物品を概略断面図で示す。上記化粧用物品は、化粧品を内包するよう適合されたリザーバ6を含む。上記化粧品、例えばマスカラは、液体、又はペースト状を含む半液体の形態であってよい。上記化粧品は、液体又はペーストに含まれる固体粒子、例えばフレーク、繊維等を含んでよい。リザーバ6は円筒形の全体形状を有する。リザーバ6は長手方向Lに延在する。リザーバ6は、上記化粧品を受容するよう適合された内容積7を提供する。
【0041】
リザーバ6は、上記化粧用物品の本体1のスリーブ5の中に設けられる。
【0042】
リザーバ6は、ガイドチューブ8と長手方向に交差する。特にガイドチューブ8は、上記リザーバに対してセンタリングでき、従って上記リザーバの、より一般には上記化粧用物品の、長手方向中心軸上に位置決めできる。図示されている例では、ガイドチューブ8はリザーバ6の内容積7の全長にわたって延在する。
【0043】
ガイドチューブ8は、一定の(即ち長手方向Lに垂直な平面に沿うと考えられる)断面を有する。これは円形であってよいが、いずれの他の一定の断面特にいずれの楕円形又は多角形の断面も考えられる。リザーバ6の一方の端部は、一方でリザーバ6の内壁と、他方でガイドチューブ8の外壁と共に密封を形成するエンドピース9によって密封される。従って、リザーバ6の内容積7は、リザーバ6のこの端部においてきつく閉鎖される。エンドピース9は、これに接続された仕上げドーム10を担持してよい。仕上げドーム10は審美的機能を有する。これは、以下で説明されるように、デバイスの密封にも寄与する。
【0044】
上記化粧用物品は塗布用具11も含む。塗布用具11は、ユーザが化粧品を例えば自身のまつ毛に塗布できるようにする、上記物品の一部分に相当する。
【0045】
塗布用具11は、ガイドチューブ8内で長手方向に並進移動できるように取り付けられる。任意に、上記塗布用具は、上記塗布用具が軸対称の円筒形の全体形状を有する場合に、ガイドチューブ内で回転移動することもできる。
【0046】
特に上記化粧用物品は、塗布用具11が格納位置と展開位置とを取ることができるように構成される。従って、格納位置と展開位置との間、及びその逆において、塗布用具11及びリザーバ6は相対並進移動又は相対並進移動と回転移動との組み合わせを有する。
【0047】
上記塗布用具は、図2に格納位置、図3に展開位置で示されている。
【0048】
格納位置では、塗布用具11は、ガイドチューブ8に完全に又は部分的に収容される。ここで図示されている実施形態では、格納位置にある塗布用具11は、ガイドチューブ8に収容された先端12を有する。展開位置では、塗布用具11は、格納位置にあるときよりも多くの部分がガイドチューブ5から出ている。換言すると、格納位置ではガイドチューブに収容される塗布用具の一部分が、塗布用具11の展開位置ではガイドチューブ8の一方の端部13から出る。
【0049】
ガイドチューブ8内での塗布用具11の並進を可能とするために、塗布用具11は、若干のクリアランスを除いて、ガイドチューブ8の内側断面に対応する断面を有する。従って塗布用具11は、まっすぐな角柱又は軸対称の円筒形状を有する。
【0050】
塗布用具11とガイドチューブ8の内壁との間のクリアランスは極めて小さく、これは、ガイドチューブ8に塗布用具11がきつく嵌まるのを回避することだけを意図したものである。製造公差もまた、ガイドチューブ8と上記塗布用具との間の化粧品の流れを回避できるような密封を保証するために十分な程度に小さい。従って、この公差は有利には0.2μm~0.1μmである。従って化粧品は、ガイドチューブ8と塗布用具11との間で広がる又は漏れることはできない。
【0051】
有利には、塗布用具11は単一部品として作製される。特に、塗布用具11は金属、例えばステンレス鋼、アルミニウム、又はアルミニウム合金で作製できる。あるいは、塗布用具11はプラスチック材料、特に強化プラスチック材料若しくは複合材料、又はセラミック若しくは発泡材といった多孔質材料で作製できる。
【0052】
塗布用具11は、滑らかな長手方向の第1の部分14と、上記化粧品を保持するよう適合された表面を含む第2の部分15とを含む。この目的のために、第2の部分15にわたってパターンが設けられ、このパターンは第2の部分15の表面にわずかな凹部を形成し、この凹部には液体が充填され、液体はその中に保持される。この保持は化粧品の表面張力によって得られる。
【0053】
塗布用具11の表面に形成されるパターンは、塗布用具全体の外皮上に作製される。従って、塗布用具11は、機能的クリアランスを除いて、ガイドチューブ8の(内側の)全体形状に対応する全体形状を有する。従って、パターンを有さない塗布用具の第1の部分が、塗布用具とリザーバとの間での製品の流れに対する密封を保証する一方で、パターンを含む第2の部分は、塗布用具11とリザーバ8との間での相対並進(及び必要に応じて相対回転)を妨げない。
【0054】
製品の保持のためのパターンの作製に代えて、上記第2の部分を多孔質材料で作製するか、又は上記第2の部分の表面を多孔質材料で被覆してもよい。
【0055】
一部のセラミック又は一部の発泡材(天然、プラスチック、金属等)を、この目的のために用いてよい。
【0056】
図4は、本発明において使用できる塗布用具11の先端部分の一例を概略三次元図で示す。図4は、第2の部分15の一例を示し、第2の部分15は塗布用具11の先端12の付近に作製され、その後に表面が滑らかな第1の部分14が続く。
【0057】
図4の例では、上記第2の部分はパターン、即ち隆起部を有する。他の形状のパターン、更には必要に応じて複数の異なるパターンを、第2の部分15の表面に形成してよい。
【0058】
特に、第2の部分15の表面の状態は、この第2の部分にわたって上記塗布用具にローレット加工を施すことによって得ることができる。
【0059】
ガイドチューブ8は、その端部13の付近に開口16を含む。開口16は、ガイドチューブ8の壁に形成された穴である。従って開口16により、リザーバ6に内包された化粧品をガイドチューブ8の内側へと通過させることができる。開口16は細長形状を有してよい。特に、開口16は塗布用具の第2の部分15の長さに近い又は等しい長さ(長手方向Lの寸法)を有してよい。
【0060】
開口16により、第2の部分15への化粧品の装填が可能となる。この装填は、第2の部分15が開口16に対面するときに実施される。複数の開口16をガイドチューブ8の周囲に分布させて、塗布用具11の第2の部分15の周囲における化粧品の分散を改善できる。
【0061】
化粧用物品の配向にかかわらず塗布用具に化粧品を装填できるようにするために、化粧品はリザーバ6の中で加圧され、これにより化粧品が開口16を通して吐出されやすくなる。
【0062】
この加圧は様々な手段によって達成してよい。本明細書中で例示される好ましい加圧デバイスは、リザーバ6内で長手方向に並進移動できるプランジャ17を含む。プランジャ17は、弾性デバイスによってリザーバ6の端部の方向に押圧される。第1の圧縮ばね18、特に巻きばねを、弾性デバイスとして使用してよい。あるいは、圧縮ガス弾性デバイスを使用してよい。他のいずれの好適な弾性デバイスも考慮してよい。
【0063】
マスカラ物品のあらゆる配向において塗布用具への装填が可能となる他に、プランジャ(又はいずれの同様の加圧デバイス)は、リザーバの内容積7を、リザーバ内に存在する製品の量に恒久的に適合させることもできる。従って、製品は、製品を劣化させる可能性がある空気に決して触れない。
【0064】
第2の部分15は、塗布用具が(図2に示されている)格納位置にあるとき、開口16に完全に又は部分的に対面できる。これにより、第2の部分15への化粧品の装填が可能となる。上記第2の部分の全体が格納位置で開口16に対面しない場合、塗布用具は、格納位置から展開位置への移行、及び/又は展開位置から格納位置への移行時に、第2の部分15の全体が開口16の反対側にスクロールするように構成される。
【0065】
塗布用具11とガイドチューブ8との間の相対移動はまた、化粧品にせん断力を生成し、上記せん断力は、化粧品を局所的に流動化して、塗布用具11に化粧品をより容易に装填できるようにする。
【0066】
図3は、塗布用具11が展開位置にある状態の、図2の化粧用物品を示す。図示されている実施形態では、格納位置から展開位置への移行は以下のように行われる。
【0067】
キャップ2を上記化粧用物品から取り外す。この目的のために、キャップ2は本体1から分離される。特に、キャップ2はねじキャップ又はクリップ式キャップであってよい。上記キャップは、磁気システムによって所定の位置に保持してよい。上記キャップは、スリーブ5又はリザーバ6に接続されてよい。
【0068】
キャップ2は、キャップ2が本体1上の定位置にあるときに仕上げドーム10の中央オリフィスへと挿入される、中央ピン19を含んでよい。これは化粧用物品に対する完全な密封を保証する。更に、中央ピン19は塗布用具11の端部12を圧迫し、これにより塗布用具11が格納位置に維持される。キャップ2は内側リング20も含んでよく、これは仕上げドーム10上で支承され、弾性手段、例えば第2の圧縮ばね21によって仕上げドーム10に対して押し付けられている。内側リング20及びその弾性手段は、デバイスの密封を完璧なものすることができ、キャップ2の取り外しを容易にし、また、キャップが適切に閉鎖されていない(そして例えばロックされている)場合に、キャップを押し戻すことによって、キャップの不適切な閉鎖についてユーザに警告を与えることができる。
【0069】
キャップ2を化粧用物品から取り外すと、塗布用具11は展開位置に押し込まれる。実際、化粧用物品は、塗布用具を展開位置に移動させて保持する傾向がある第1の復帰デバイス22を含む。キャップ2を取り外すと、第1の復帰デバイス22は、塗布用具の先端12を支承することによる塗布用具の格納位置での保持を、もはや実施しない。第1の復帰デバイス22は圧縮ばねを含んでよく、これは塗布用具11と本体1との間、この場合は塗布用具11と栓4との間に配置される。リザーバ6がスリーブ5内に設けられているため、第1の復帰デバイス22は、塗布用具11をガイドチューブの端部13から出す傾向がある。従って、第1の復帰手段の解放により、塗布用具は展開位置へと移動される。
【0070】
リザーバ6は、スリーブ5内で、長手方向に並進移動できるよう、及び必要に応じて回転移動できるよう、取り付けられる。上記リザーバは、スリーブ5に対して収納位置及び伸長位置を取ることができる。従って、伸長位置と収納位置との間、及びその逆において、リザーバ6及びスリーブ5は相対並進移動又は相対並進移動と回転移動との組み合わせを有する。収納位置及び伸長位置の両方において、リザーバ6はその一部がスリーブ5内に設けられているが、上記リザーバは、収納位置にあるときよりも伸長位置にあるときに、より多くの部分がスリーブ5から出た状態となる。
【0071】
図3は、格納位置にある上記リザーバを示す。以下で詳述される図5は、伸長位置にあるリザーバ6を示す。
【0072】
図示されている実施形態では、上記化粧用物品は第2の復帰デバイス23を含み、これは上記リザーバを収納位置へと戻す傾向がある。この目的のために、圧縮ばねを含んでよい第2の復帰デバイス23は、リザーバ6とスリーブ5との間(より詳細にはスリーブ5のエンドピース24とリザーバ6の止め具25との間)に配置される。
【0073】
図5は、伸長位置にあるリザーバ6を示す。この位置では、第2の復帰デバイス23は圧縮される。例えば上記リザーバは、ユーザがリザーバ6に長手方向Lに印加する牽引の影響により、伸長位置へと移動される。
【0074】
リザーバ6が伸長位置へと移動される際、第1の復帰デバイス22が解放されて塗布用具が当接するため、塗布用具11はスリーブ5に対して固定されたままとなる。従って、リザーバ6のその伸長位置への移動は、リザーバ6と塗布用具11との間の相対移動を生成し、これにより塗布用具11はリザーバ6に対して格納位置へと移動される。従って、リザーバ6を伸長位置へと移動させると、ガイドチューブ8(これはリザーバ6に対して固定される)の開口をこの第2の部分15の反対側に移動させることよって、上記塗布用具の第2の部分15への化粧品の再装填が可能となる。これにより、化粧品の塗布の1回のシーケンスの途中(例えばユーザの各目のまつ毛のメーキャップの間)に、キャップ2を元に戻す必要なしに、塗布用具への再装填が容易にできるようになる。
【0075】
図示されている例では、塗布用具11及びリザーバ6はそれぞれ、各復帰デバイスの作用を受け、これにより、キャップ2の不在下、及び化粧用物品に印加される外部応力の不在下において、塗布用具11はその展開位置を取り、リザーバはその収納位置を取る。塗布用具の移動及びリザーバの移動は、各復帰デバイスによって印加される付勢力とは反対の力をこれらに印加することによって実施される。
【0076】
塗布用具を格納位置から展開位置へ及びその逆へ移行させるため、並びに/又はリザーバを収納位置から伸長位置へ及びその逆へ移行させるための、他の構成、特に他の機構も考慮してよい。例えば、特にラックタイプのギヤ機構を首尾よく使用してよい。従って本発明の一部の構成によると、キャップ2は任意である。
【0077】
有利には、リザーバ6はスリーブ5から取り外し可能である。リザーバ6をスリーブ5から取り出して満杯のリザーバに交換できるため、リザーバ6は交換可能な、消耗品でさえある要素を構成する。あるいは、リザーバ6をスリーブ5から取り出して再び充填することもできる。これら2つの可能性を組み合わせることもでき、即ち、リザーバを取り出して満杯のリザーバに取り替え、その一方で空のリザーバを後の使用のための充填ラインに送ることができる。
【0078】
リザーバ6の取り外しは、エンドピース24をスリーブ5から取り外すことにより、第2の復帰デバイス23のばね及びリザーバ6の止め具25を解放することによって実施される。図6は、化粧品を再装填できる構成の、図1~3、図5の化粧用物品のリザーバを、概略断面図で示す。
【0079】
図6の構成では、プランジャ17はリザーバの底部に押し戻され、これによって利用可能な内容積7の全てを解放する。プランジャ17は、プランジャ支持体26上に存在するロックシステムによって、この位置で固定できる。
【0080】
充填スティック27をガイドチューブ8の中に配置する。上記充填スティックは、ガイドチューブ8から密封を形成するよう構成される。にもかかわらず、充填スティック27はガイドチューブ8の開口16の高さまでしか延在せず、この開口を遮断しない。続いてリザーバを、仕上げドーム10の中央オリフィス、従ってガイドチューブ8の端部13を介して充填できる。リザーバの充填中の化粧品の流れは図6に点線状の矢印で示されている。
【0081】
図7は、保管時の本発明の第2の実施形態による化粧用物品を概略断面図で示す。図8は、使用時の図7の化粧用物品を概略断面図で示す。
【0082】
図7、8の実施形態は、塗布用具11はリザーバ6に対して相対移動によって格納可能であるものの、本体1に対して固定されているという点において、図1~6の実施形態とは本質的に異なっている。
【0083】
従って、この実施形態に関しては全体として、以下で詳述する相違点を除いて、図1~6の実施形態の説明を参照できる。
【0084】
従って、上述の実施形態と同様に、上記物品は本体1を含み、その一方の端部にはキャップが取り付けられているか、又は当接している。キャップは任意であり、図7には示されていない。
【0085】
本体1は、図示されている実施形態では主リング28を含み、その上には栓4が固定されており、上記主リング28及び栓4は共に、スリーブ5を形成する筒3を形成する。
【0086】
上記物品は長手方向Lに延在する。
【0087】
上記化粧用物品はリザーバ6を含み、リザーバ6は、化粧品を内包するよう適合された、円筒形の全体形状を有する内容積7を形成する。
【0088】
リザーバ6の一方の端部はエンドピース9によって密封され、これはリザーバ6の内壁との密封を形成する。上記エンドピースは、以下で説明されるようにデバイスの密封に寄与する。
【0089】
リザーバ6は、ガイドチューブ8と長手方向に交差する。特にガイドチューブ8は、リザーバ6の先端部分にわたって延在する。上記化粧用物品は塗布用具11も含む。
【0090】
塗布用具11は、ガイドチューブ8に対して長手方向に並進移動できるよう取り付けられる。本実施形態では、塗布用具11は、本体1に対して固定されるよう取り付けられる。図示されている例では、塗布用具11は、2つの部分、即ち本体1へと長手方向Lに延伸する第1の塗布用具部分29、及び第1の塗布用具部分29の延長部分に固定された第2の塗布用具部分30とで形成される。第2の塗布用具部分30は、栓4の反対側の本体11の端部を超えて延在する。第1の塗布用具部分29及び第2の塗布用具部分30は、同じ材料、典型的には同じ金属、又は異なる材料で作製してよい。このような2つの部分からなる構成により、リザーバへの化粧品の再装填を容易にするために、塗布用具を2つに分けることを可能とする。(図1~6の実施形態の塗布用具11と同様の)第2の塗布用具部分30は、滑らかな長手方向の第1の部分14と、上記化粧品を保持するよう適合された表面を含む第2の部分15とを含む。
【0091】
リザーバ8自体は、上記本体に対して並進移動できるよう取り付けられる。より具体的には、図示されている例では、リザーバ6は、本体1に対して、並進移動と回転移動との組み合わせで移動できる。当然のことながら、回転と組み合わされていない純粋な並進移動も考慮できる。化粧用物品のユーザにとっての自然な行為に相当するこの移動の組み合わせは、本体に(ここでは栓4の内面上に)形成されたらせん状傾斜31を用いてガイドできる。従ってこの実施形態では、リザーバ6及びガイドチューブ8も、塗布用具11の周りで回転移動できる。
【0092】
従ってリザーバ6は、リザーバの一部分が本体に収容されない、本体1に対する伸長位置と、上記伸長位置にあるときよりもリザーバの多くの部分が本体に収容される、本体内での収納位置とを取ることができる。
【0093】
上記化粧用物品は、(図7に示されているように)上記リザーバが伸長位置にあるときに塗布用具11が格納位置を取るように構成される。この格納位置では、上記塗布用具は、上記塗布用具がリザーバ6及び本体1の容積に完全に(ただし場合によっては先端12を除いて)含まれるという点において、上記化粧用物品に格納される。特に、上記塗布用具の先端12は、リザーバ6のエンドピース9による良好な密封を保証するインサート32を備えてよい。
【0094】
リザーバ6が本体1内での格納位置に移動されると、上記塗布用具は図8に示されている展開位置を取り、この展開位置では、上記塗布用具は、塗布用具11の第2の部分15に存在する化粧品の塗布を可能とする位置において、ガイドチューブ8及びリザーバ6から部分的に出る。
【0095】
塗布用具11の第2の部分15への化粧品の装填は、ガイドチューブ8の壁に形成された1つ以上の開口16を介して、図1~6の実施形態と同様に行われる。1つ以上の開口16の位置及び形状に応じて、この装填は、塗布用具が格納位置にあるときに、及び/又は上記リザーバが収納位置へと移動されることによって上記塗布用具が展開位置に配置されたときに塗布用具11の第2の部分15が開口16の反対側を通過する際に、実施してよい。
【0096】
例えば圧縮ばね等の弾性デバイスによって押圧されるプランジャ17を含む、上述のものと同様の、化粧品を加圧するためのデバイスを使用してよい。
【0097】
このようにして開発された本発明により、美観に優れかつ使用が容易な、好ましくはマスカラの送達のための化粧用物品を得ることができる。上記化粧用物品内に内包される製品は、上記化粧用物品のリザーバ内において、空気から特に良好に保護される。パターンを含む表面を有する部分を有する、断面が一定の、例えば金属製の塗布用具の使用により、塗布用具に送達される製品の量の非常に正確な調量が得られる。塗布用具のこの部分への装填方法は、塗布用具とリザーバとの間の相対移動中に製品中でせん断応力が生成されるため、粘性の製品やペースト状の製品にも対応する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】