(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-18
(54)【発明の名称】締結装置及び線状物取付方法
(51)【国際特許分類】
B65H 75/42 20060101AFI20240111BHJP
A43C 11/16 20060101ALI20240111BHJP
B65H 75/44 20060101ALI20240111BHJP
A44B 99/00 20100101ALI20240111BHJP
【FI】
B65H75/42 E
A43C11/16
B65H75/44
A44B99/00 601Z
A44B99/00 611M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575855
(86)(22)【出願日】2021-07-20
(85)【翻訳文提出日】2022-12-08
(86)【国際出願番号】 CN2021107298
(87)【国際公開番号】W WO2022148001
(87)【国際公開日】2022-07-14
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510299178
【氏名又は名称】陳 金柱
【氏名又は名称原語表記】CHEN,Chin-Chu
【住所又は居所原語表記】No.11-1,Lane 188,Gougye Rd.,Zhonghe Village,Longjing District Taichung,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 金柱
【テーマコード(参考)】
3F068
4F050
【Fターム(参考)】
3F068AA14
3F068BA00
3F068CA03
3F068DA03
3F068FA02
3F068JB01
4F050MA28
(57)【要約】
【課題】本発明は、締結装置、及び、線状物取付方法を提供する。
【解決手段】本発明の締結装置100は、収容空間210及び収容空間210に連通する2つの線状物通し穴220を含む筐体260と、筐体260に取り外し可能に連結され、且つ連続環壁274を含む台座270と、を含有するハウジング200と、収容空間210に収納され、前記2つの線状物通し穴220を貫通した線状物を巻き付けるリール300と、ハウジング200に設けられるノブ500と、を備える。台座270が筐体260に連結されると、連続環壁274は、筐体260の底縁を囲み、且つノブ500をハウジング200に対して回転させて、リール300と連動して線状物を締める。これにより、連続環壁274で筐体260の底縁を囲む構造配置によって、台座270と筐体260をより安定的に組み合わせ、構造の信頼度を高めることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容空間及び前記収容空間に連通する2つの線状物通し穴を含む筐体と、前記筐体に取り外し可能に連結され且つ連続環壁を含む台座と、を含有するハウジングと、
前記収容空間に収納され、且つ2つの前記線状物通し穴を貫通した線状物を巻き付けるリールと、
前記ハウジングに設けられるノブと、
を備え、
前記台座が前記筐体に連結されると、前記連続環壁は、前記筐体の底縁を囲み、且つ前記ノブを前記ハウジングに対して回転させて、前記リールと連動して前記線状物を締めることを特徴とする締結装置。
【請求項2】
前記連続環壁は、均一な高さを有する請求項1に記載の締結装置。
【請求項3】
前記連続環壁は、不均一な高さを有する請求項1に記載の締結装置。
【請求項4】
前記連続環壁は、交互に連結される2つの第1のセグメント及び2つの第2のセグメントを含み、各前記第1のセグメントは各前記第2のセグメントよりも高い請求項3に記載の締結装置。
【請求項5】
前記筐体は、少なくとも1つの嵌合突起を更に含み、前記台座は、少なくとも1つの穴を更に含み、前記少なくとも1つの嵌合突起は、前記少なくとも1つの穴に対応して嵌合する請求項1に記載の締結装置。
【請求項6】
前記筐体は、3つの前記嵌合突起を含み、前記3つの前記嵌合突起のうち2つの前記嵌合突起は、前記筐体の第1の側から半径方向に外向きに突出し、前記3つの前記嵌合突起のうち残り1つの前記嵌合突起は、前記筐体の第2の側から半径方向に外向きに突出する請求項5に記載の締結装置。
【請求項7】
前記台座は、案内溝と、前記連続環壁に連結される底壁と、を含み、前記台座は、3つの前記穴を含み、前記3つの前記穴は、前記連続環壁の前記底壁に近い箇所に半径方向に凹設され、前記案内溝は、前記連続環壁に位置し、且つ前記残り1つの前記嵌合突起に対応する前記穴に位置合わせされる請求項6に記載の締結装置。
【請求項8】
前記筐体は、半径方向に外向きに突出し、且つ前記連続環壁に当接されるフランジを更に含む請求項1に記載の締結装置。
【請求項9】
前記筐体は、前記フランジから軸方向に下向きに延伸する延伸突起部を更に含み、前記台座は、前記連続環壁に位置し且つ前記延伸突起部に位置合わせされる位置合わせ凹みを更に含む請求項8に記載の締結装置。
【請求項10】
線状物を締結装置に連結するための線状物取付方法であって、
収容空間及び前記収容空間に連通する2つの線状物通し穴を含む筐体と、前記筐体に取り外し可能に連結され且つ連続環壁を含み、また前記筐体に連結される際に前記連続環壁が前記筐体の底縁を囲む台座と、を含有するハウジングと、前記収容空間に収納され、且つ2つの前記線状物通し穴を貫通した前記線状物を巻き付けるリールと、ノブと、を備える締結装置を提供する締結装置提供工程と、
前記線状物の第1の端及び第2の端が前記筐体及び前記リールを貫通した後、前記筐体から露出させ、前記第1の端及び前記第2の端を結んでから、前記線状物を前記リールに結合させる線状物取付工程と、
を備えることを特徴とする線状物取付方法。
【請求項11】
前記線状物が前記リールに結合された後、前記台座を前記筐体に連結する請求項10に記載の線状物取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、締結装置及び線状物取付方法に関し、特に、線状物を締めて物品を締め付けることができる締結装置及び線状物取付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活の中で、紐やベルト等の線状物で物品を縛ることが多く、最も一般的な締結手段は、線状物を利用して物品上の穴を行き来し、また結び目で固定し、例えば靴ひもを結ぶこと等である。しかし、このような締結手段は結び目が外力の原因によって緩みやすく、結び目を再び縛らなければならないだけでなく、物品をしっかりと縛ることができないため、多くの不便をもたらす。
【0003】
このような問題を解決するために、ある業者は簡単な線状物締結機構を開発しており、それは、筐体と、制動ユニットと、バネと、を含み、筐体に線状物を通すための線状物通し穴があり、線状物がバネと制動ユニットとの間の作用力によって制動ユニットと筐体との間に挟まれて締結効果を達成し、バネを押して制動ユニットの位置を変えることで引っ張って線状物の長さを変えることができる。
しかし、このような線状物締結機構はバネの復帰力によって締結力を提供し、線状物が依然として振動又は外力の原因によって緩みやすく、且つこのような線状物締結機構は線状物を収納する空間がないため、線状物が露出して危険にもなりやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのため、また、ある業者は線状物を回転させながら締めて固定できる別の留め具を開発しており、その別の留め具は、線状物を留め具の内部に収容することができ、且つ内部部材の機械力の干渉によって線状物の長さを調整するとともに、締めの締め具合を調整することができる。
しかしながら、このような留め具は構造が複雑であり、製造コストを増加させるとともに、組立及びメンテナンスが困難になる問題がある。また、線状物が破断して交換する必要がある場合、(留め具を)分解し、線状物を(交換して)組み立て直す過程も非常に面倒であり、改善する余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によると、収容空間及び収容空間に連通する2つの線状物通し穴を含む筐体と、筐体に取り外し可能に連結され、且つ連続環壁を含む台座と、を含有するハウジングと、収容空間に収納され、且つ前記2つの線状物通し穴を貫通した線状物を巻き付けるリールと、ハウジングに設けられるノブと、を備え、台座が筐体に連結されると、連続環壁は、筐体の底縁を囲み、且つノブをハウジングに対して回転させて、リールと連動して線状物を締める締結装置を提供する。
【0006】
これにより、連続環壁で筐体の底縁を囲む構造配置によって、台座と筐体をより安定的に組み合わせ、構造の信頼度を高めることができる。
【0007】
前記態様の締結装置によると、連続環壁は、均一な高さを有してもよい。
【0008】
前記態様の締結装置によると、連続環壁は、不均一な高さを有してもよい。
【0009】
前記態様の締結装置によると、連続環壁は、交互に連結される2つの第1のセグメント及び2つの第2のセグメントを含んでもよく、各第1のセグメントは各第2のセグメントよりも高い。
【0010】
前記態様の締結装置によると、筐体は、少なくとも1つの嵌合突起を更に含んでもよく、台座は、少なくとも1つの穴を更に含んでもよく、前記少なくとも1つの嵌合突起は、前記少なくとも1つの穴に対応して嵌合する。
【0011】
前記態様の締結装置によると、筐体は、3つの前記嵌合突起含んでもよく、前記3つの前記嵌合突起のうち2つの嵌合突起は、筐体の第1の側から半径方向に外向きに突出し、前記3つの前記嵌合突起のうち残り1つの嵌合突起は、筐体の第2の側から半径方向に外向きに突出する。
【0012】
前記態様の締結装置によると、台座は、案内溝と、連続環壁に連結される底壁と、を含んでもよく、台座は、3つの前記穴含んでもよく、3つの前記穴は、連続環壁の底壁に近い箇所に半径方向に凹設され、案内溝は、連続環壁に位置し、且つ前記残り1つの嵌合突起に対応する穴に位置合わせされる。
【0013】
前記態様の締結装置によると、筐体は、半径方向に外向きに突出し、且つ連続環壁に当接されるフランジを更に含んでもよい。
【0014】
前記態様の締結装置によると、筐体は、フランジから軸方向に下向きに延伸する延伸突起部を更に含んでもよく、台座は、連続環壁に位置し、且つ延伸突起部に位置合わせされる位置合わせ凹みを更に含む。
【0015】
本発明の一態様によると、線状物を締結装置に連結するための線状物取付方法であって、収容空間及び収容空間に連通する2つの線状物通し穴を含む筐体と、筐体に取り外し可能に連結され、且つ連続環壁を含み、また筐体に連結される際に連続環壁が筐体の底縁を囲む台座と、を含有するハウジングと、収容空間に収納され、前記2つの線状物通し穴を貫通した線状物を巻き付けるリールと、ノブと、を備える締結装置を提供する締結装置提供工程と、線状物の第1の端及び第2の端が筐体及びリールを貫通した後、筐体から露出させ、第1の端及び第2の端を結んでから、線状物をリールに結合させる線状物取付工程と、を備える線状物取付方法を提供する。
【0016】
前記態様の線状物取付方法によると、線状物がリールに結合された後、台座を筐体に連結する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1の実施例による締結装置を示す斜視模式図である。
【
図2】
図1の第1の実施例の締結装置を示す分解模式図である。
【
図3】
図1の第1の実施例の締結装置を示す別の分解模式図である。
【
図4】
図1の第1の実施例の締結装置が線状物に結合される一部側面断面模式図である。
【
図5】
図1の第1の実施例の締結装置が線状物に結合される側面断面模式図である。
【
図6】本発明の第2の実施例による締結装置の台座を示す斜視模式図である。
【
図7】
図6の第2の実施例の台座を示す側面図である。
【
図8】
図6の第2の実施例の台座の切断線8-8に沿った側面断面図である。
【
図9】本発明の第3の実施例による締結装置の台座を示す斜視模式図である。
【
図10】
図9の第3の実施例の台座を示す側面図である。
【
図11】
図9の第3の実施例の台座の切断線11-11に沿った側面断面図である。
【
図12】本発明の第4の実施例による締結装置の台座を示す斜視模式図である。
【
図14】
図12の第4の実施例の台座の切断線14-14に沿った側面断面図である。
【
図15】本発明の第5の実施例による締結装置の台座を示す斜視模式図である。
【
図17】
図15の第5の実施例の台座の切断線17-17に沿った側面断面図である。
【
図18】本発明の第6の実施例による締結装置の台座を示す斜視模式図である。
【
図20】
図18の第6の実施例の台座の切断線20-20に沿った側面断面図である。
【
図21】本発明の第7の実施例による締結装置のハウジングを示す分解模式図である。
【
図22】
図21の第7の実施例のハウジングを示す別の分解模式図である。
【
図23】
図21の第7の実施例のハウジングを示す組み合わせ側面断面模式図である。
【
図24】本発明の第8の実施例による線状物取付方法を示すブロックフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。明確に説明するために、実務上の多くの詳細を以下の記述で一括して説明する。しかしながら、これらの実務上の詳細は、本発明を限定するためのものではないことを閲覧者が理解すべきである。即ち、本発明の一部の実施例において、これらの実務上の詳細は必要的なものではない。また、図面を簡略化するために、いくつかの既存の慣用的な構造及び要素は、図面において簡単且つ例示的な方法で示され、且つ重複する要素は、同じ番号又は類似する番号で表される場合がある。
【0019】
なお、本明細書における第1の、第2の、第3の等の用語は、異なる要素又は成分を説明するためのものに過ぎず、要素/成分自体を限定しない。そのため、第1の要素/成分は、第2の要素/成分に変更されてもよい。且つ本明細書における要素/成分/機構/モジュールの組み合わせは、この分野における一般に公知、従来又は既存の組み合わせではなく、要素/成分/機構/モジュール自体が従来技術であるか否かに基づいて、その組み合わせ関係は当業者によって容易に完成されるか否かを判定することができない。
【0020】
<第1の実施例>
本発明の第1の実施例による締結装置100を示す斜視模式図である
図1、
図1の第1の実施例の締結装置100を示す分解模式図である
図2、
図1の第1の実施例の締結装置100を示す別の分解模式図である
図3を参照されたい。締結装置100は、ハウジング200、リール300、及びノブ500を含んでよい。ハウジング200は、収容空間210及び収容空間210に連通する2つの線状物通し穴220を含む筐体260と、台座270と、を含有する。台座270は、筐体260に取り外し可能に連結され、且つ連続環壁274を含む。リール300は、収容空間210に収納され、且つ線状物T1(
図4に示す)は、前記2つの線状物通し穴220を貫通してからリール300に巻き付けられ、ノブ500は、ハウジング200に設けられる。台座270が筐体260に連結されると、連続環壁274は、筐体260の底縁264を囲み、且つ、ノブ500をハウジング200に対して回転させて、リール300と連動して線状物T1を締める。
【0021】
これにより、連続環壁274が筐体260の底縁264を囲む構造配置によって、台座270と筐体260をより安定的に組み合わせ、構造の信頼度を高めることができる。締結装置100の詳細を後文で詳しく説明する。
【0022】
図2~
図3に示すように、筐体260は、複数の内歯230及び下部開口240を更に含んでもよい。内歯230は、収容空間210に面しており、下部開口240は、収容空間210に連通しており、台座270を組み立てることで、リール300が下部開口240を介して収容空間210から離脱することを阻止するように下部開口240を密封することができる。詳細には、連続環壁274は、一体成型されており、成型時に連続環壁274に著しい軸方向切欠きが凹設されておらず、連続環壁274は、均一な高さ又は不均一な高さを有してもよく、連続環壁274は不均一な高さ(即ち、連続環壁274上の各セグメントの高さは異なる)を有しても、この高さは、急激に明らかに低くなる軸方向切欠きではなく、滑らかに変化する。これにより、連続環壁274の高さが滑らかに変化する構造配置によって、台座270は、応力に耐える能力が強く、且つ被覆力が大きく、筐体260と安定的に組み立てることができ、且つ従来の台座が分解と組立の際に軸方向切欠きの角部で大きな力を受けて亀裂や破断が生じる問題を回避可能であり、締結装置100の信頼度を高めることができる。
【0023】
筐体260は、少なくとも1つの嵌合突起261、262、263を更に含んでもよく、台座270は、少なくとも1つの穴271、272、273を更に含んでもよく、前記少なくとも1つの嵌合突起261、262、263は、前記少なくとも1つの穴271、272、273に対応して嵌合する。
第1の実施例において、筐体260は、3つの前記嵌合突起261、262、263を含んでもよく、前記3つの前記嵌合突起261、262、263のうち2つの嵌合突起261、262は、筐体260の第1の側から半径方向に外向きに突出し、前記3つの前記嵌合突起261、262、263のうち残り1つの嵌合突起263は、筐体260の第2の側から半径方向に外向きに突出する。
台座270は、案内溝275と、連続環壁274に連結される底壁276と、を含んでもよく、台座270は、3つの前記穴271、272、273を含んでもよく、前記3つの前記穴271、272、273は、連続環壁274の底壁276に近い箇所に半径方向に凹設され、案内溝275は、連続環壁274に位置し、且つ前記残り1つの嵌合突起263に対応する穴273に位置合わせされる。
言い換えると、嵌合突起261、262、263がそれぞれ穴271、272、273に嵌合される構造関係によって、台座270を筐体260に組み合わせることができ、組み合わせ過程で、まず嵌合突起261、262を穴271、272に挿入し、その後、嵌合突起263を案内溝275の案内にしたがって穴273に挿入することができる。
他の実施例において、嵌合突起及び穴の数は必要に応じて変更することができ、また必ずしも案内溝を設ける必要はなく、本発明はこれに限定されない。
【0024】
図2及び
図3とともに、
図1の第1の実施例の締結装置100が線状物T1に結合される一部側面断面模式図である
図4、
図1の第1の実施例の締結装置100が線状物T1に結合される側面断面模式図である
図5を参照されたく、
図4では、台座270は省略される。リール300は、ディスク構造であってもよく、且つ軸心柱(図示せず)、第1の開口321、第2の開口(図示せず)及び底部穴315を含み、第1の開口321、第2の開口は、底部穴315に連通する。線状物T1の第1の端及び第2の端は、それぞれ第1の開口321及び第2の開口を貫通してリール300に結合することができ、且つ線状物T1が軸心柱に巻き付けられる。詳細には、線状物T1の第1の端は、第1の開口321及び底部穴315を貫通した後、下部開口240から露出することができ、線状物T1の第2の端は、第2の開口及び底部穴315を貫通した後、下部開口240から露出することができ、使用者が結ぶことができ、このように、線状物T1を第1の開口321及び第2の開口から脱離できないようにすることができ、その後、台座270を筐体260に組み立てればよい。
【0025】
ノブ500は、回転カバー530及び内部ディスク510を含んでもよく、内部ディスク510は、回転カバー530に結合される。締結装置100は、ノブ500及びリール300に結合される制動ユニット400と、筐体260に設けられるラチェット800と、ラチェット800上に位置し且つ内部ディスク510に套設されるバネ700と、を更に含んでもよく、これによりノブ500は回転する際に制動ユニット400を駆動し、リール300と連動して回転し、線状物T1を締める。
【0026】
より詳細には、ラチェット800は、複数の下部斜め歯810と、複数の上部斜め歯820と、複数のラチェット歯830と、を含み、下部斜め歯810及び上部斜め歯820は、いずれもラチェット800の外面に位置し、下部斜め歯810は、内歯230に対応するように上部斜め歯820の下方に位置し、且つラチェット歯830は、ラチェット800の内面に位置する。
【0027】
制動ユニット400は、ラチェット800内に位置し、且つ制動リング410と、内歯車450と、複数の係合歯460と、3つのラチェット爪470と、を含む。内歯車450は、制動リング410内に位置し、制動リング410に対して軸方向に変位でき、且つネジ穴451を含む。係合歯460は、内歯車450上に位置し、且つ噛み合い歯330に分離可能に噛み合い、3つのラチェット爪470は、制動リング410上に設けられ、且つラチェット歯830に対応する。
【0028】
ノブ500は、回転カバー530の内壁に位置し且つ上部斜め歯820に対応する案内傾斜ブロック520を更に含んでもよく、内部ディスク510は、スタッドボルト511及び係合アーム512を更に含んでもよく、スタッドボルト511は、ネジ穴451に対応して螺合し、係合アーム512は、制動リング410の係合突起411に選択的に結合される。
【0029】
この構造配置によって、回転カバー530が締め方向に回転する場合、ラチェット爪470とラチェット歯830は繰り返し分離し、リール300が線状物T1を締めることを可能にする。逆に、回転カバー530が押圧されずに緩め方向に回転する場合、内歯車450は、スタッドボルト511によって駆動されて制動リング410に対して上昇し、この場合、内歯車450は、噛み合い歯330から分離し、リール300は、拘束されずに自由に回転して線状物T1を緩めることができる。回転カバー530は、緩め方向に回転するとともに押圧されると、上部斜め歯820は、案内傾斜ブロック520によって案内され、ラチェット800を繰り返し上昇させて下部斜め歯810を内歯230から繰り返し分離し、更に線状物T1を段階的に緩める。
【0030】
<第2の実施例>
本発明の第2の実施例による締結装置の台座270aを示す斜視模式図である
図6、
図6の第2の実施例の台座270aを示す側面図である
図7、
図6の第2の実施例の台座270aの切断線8-8に沿った側面断面模式図である
図8を参照されたい。
図6~
図8では、台座270aのみを示し、締結装置のそのほかの部材を示さない。締結装置は、実際に、ノブと、制動ユニットと、リールと、筐体と、を更に含んでもよい。ノブは、筐体に覆設されてもよく、制動ユニット及びリールは、筐体内に設けられてもよく、制動ユニットは、ノブに結合され、且つ筐体上の内歯に干渉するラチェット爪を含み、リールは、制動ユニットに噛み合ってもよく、ノブを引っ張るか又は回転することで、制動ユニットをリールから分離させ、これにより、リールの自由な回転を可能にし、この部分の詳細及び構造については詳しい説明を省略する。台座270aは、筐体と組み合わせるためのものであり、且つ不均一な高さを有し、連続環壁271aは、交互に連結される2つの第1のセグメント2711a及び2つの第2のセグメント2712aを含んでもよく、各第1のセグメント2711aは、各第2のセグメント2712aより高い。特に注意すべき点として、第2の実施例では、第1のセグメント2711a及び第2のセグメント2712aは実際の境界がなく、ただ説明を容易にするためにそれを第1のセグメント2711a及び第2のセグメント2712aに区別し、本発明をそれに限定するものではない。
【0031】
第1のセグメント2711aの高さH2は、第2のセグメント2712aの高さH1よりも高く、且つ各第1のセグメント2711aが各第2のセグメント2712aに連結されて、何ら隙間のない連続した一体の壁面を形成する。また、各第1のセグメント2711a及び各第2のセグメント2712aは、いずれも中間部が高い円弧状構造であり、且つ両端の高さをやや低くしてもよく、即ち、第2のセグメント2712aと第1のセグメント2711aとの境界部の高さは、高さH1より低くなり、連続環壁271aを波状構造にする。
【0032】
<第3の実施例>
本発明の第3の実施例による締結装置の台座270bを示す斜視模式図である
図9、
図9の第3の実施例の台座270bを示す側面図である
図10、
図9の第3の実施例の台座270bの切断線11-11に沿った側面断面図である
図11を参照されたい。台座270bの連続環壁271bは均一な高さを有し、つまり、連続環壁271bは各セグメントの高さが同じである。
【0033】
<第4の実施例>
本発明の第4の実施例による締結装置の台座270cを示す斜視模式図である
図12、
図12の第4の実施例の台座270cを示す側面図である
図13、
図12の第4の実施例の台座270cの切断線14-14に沿った側面断面図である
図14を参照されたい。台座270cの連続環壁271cは、2つのセグメント2711cを有する。2つのセグメント2711cは、対称的に連結され、且つ各セグメント2711cは、円弧状構造で、両側縁部より高い中間部を有し、且つ2つのセグメント2711cは両側縁部で互いに連結される。
【0034】
<第5の実施例>
本発明の第5の実施例による締結装置の台座270dを示す斜視模式図である
図15、
図15の第5の実施例の台座270dを示す側面図である
図16、
図15の第5の実施例の台座270dの切断線17-17に沿った側面断面図である
図17を参照されたい。台座270dは、台座270aと類似しており、連続環壁271dは、中間部が高い円弧状構造である2つの第1のセグメント2711dと、各部の高さが同じである2つの第2のセグメント2712dと、を含む。
【0035】
<第6の実施例>
本発明の第6の実施例による締結装置の台座270eを示す斜視模式図である
図18、
図18の第6の実施例の台座270eを示す側面図である
図19、
図18の第6の実施例の台座270eの切断線20-20に沿った側面断面図である
図20を参照されたい。台座270eは、台座270cと類似しており、連続環壁271eは、2つのセグメント2711eを有するが、各セグメント2711eは、円弧状構造で、且つ両側縁部よりも低い中間部を有し、且つ2つのセグメント2711eは、両側縁部で互いに連結される。
【0036】
<第7の実施例>
本発明の第7の実施例による締結装置のハウジング200fを示す分解模式図である
図21、
図21の第7の実施例のハウジング200fを示す別の分解模式図である
図22、
図21の第7の実施例のハウジング200fを示す組み合わせ側面断面模式図である
図23を参照されたい。ハウジング200fは、台座270fと、台座270fに設けられる筐体260fと、を含んでもよく、筐体260fは、半径方向に外向きに突出するフランジ264fを含んでもよく、且つフランジ264fは、連続環壁271fに当接される。筐体260fは、フランジ264fから軸方向に下向きに延伸する延伸突起部265fを更に含んでもよい。台座270fは、連続環壁271f上に位置し、且つ延伸突起部265fに位置合わせる位置合わせ凹み272fを更に含んでもよい。
【0037】
<第8の実施例>
図1~
図6とともに、本発明の第8の実施例による線状物取付方法100gを示すブロックフローチャートである
図24を参照されたい。線状物取付方法100gは、線状物T1を締結装置100に連結するために用いられ、締結装置提供工程S01と、線状物取付工程S02と、を含む。
【0038】
締結装置提供工程S01では、締結装置100を提供し、締結装置100は、ハウジング200と、リール300と、ノブ500と、を備え、ハウジング200は、筐体260と、台座270と、を含み、筐体260は、収容空間210と、収容空間210に連通する2つの線状物通し穴220と、を含み、台座270は、筐体260に取り外し可能に連結され、且つ連続環壁274を含み、台座270が筐体260に連結されると、連続環壁274は、筐体260の底縁264を囲み、リール300は、収容空間210に収納され、前記2つの線状物通し穴220は、線状物T1を通してリール300に巻き付けるために用いられる。
【0039】
線状物取付工程S02では、線状物T1の第1の端及び第2の端が筐体260及びリール300を貫通した後、筐体260から露出し、第1の端及び第2の端を結んでから、線状物T1をリール300に結合させることができる。使用者は、台座270を組み立てる前に、リール300の第1の開口321及び第2の開口をそれぞれ2つの線状物通し穴220に位置合わせ、線状物T1の第1の端を着用物上の複数の穴から通してから線状物通し穴220及び第1の開口321へ貫通し、及び線状物T1の第2の端を着用物上の複数の穴から通してから別の線状物通し穴220及び第2の開口へ貫通し、最後に、結び目を作ることで線状物T1をリール300から離脱できないようにする。
【0040】
最後に、線状物T1がリール300に結合された後、台座270を筐体260に連結して、線状物T1の取付を完成させることができる。
【0041】
本発明は、実施例で上記のように開示されたが、当該実施例は本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、様々な変更及び修正を行うことができ、したがって本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって定義されるものに準ずるものとする。
【符号の説明】
【0042】
100 締結装置
100g 線状物取付方法
200、200f ハウジング
210 収容空間
220 線状物通し穴
230 内歯
240 下部開口
260、260f 筐体
261、262、263 嵌合突起
264 底縁
264f フランジ
265f 延伸突起部
270、270a、270b、270c、270d、270e、270f 台座
271、272、273 穴
271a、271b、271c、271d、271e、271f、274 連続環壁
2711a、2711d 第1のセグメント
2711c、2711e セグメント
2712a、2712d 第2のセグメント
272f 位置合わせ凹み
275 案内溝
276 底壁
300 リール
315 底部穴
321 第1の開口
330 噛み合い歯
400 制動ユニット
410 制動リング
411 係合突起
450 内歯車
451 ネジ穴
460 係合歯
470 ラチェット爪
500 ノブ
510 内部ディスク
511 スタッドボルト
512 係合アーム
520 案内傾斜ブロック
530 回転カバー
700 バネ
800 ラチェット
810 下部斜め歯
820 上部斜め歯
830 ラチェット歯
H1、H2 高さ
S01 締結装置提供工程
S02 線状物取付工程
T1 線状物
【国際調査報告】