(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-18
(54)【発明の名称】複合集電体、電極シート、二次電池、電池モジュール、電池パック及び電気装置
(51)【国際特許分類】
H01M 4/70 20060101AFI20240111BHJP
H01M 4/66 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
H01M4/70 A
H01M4/66 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023502647
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2023-01-13
(86)【国際出願番号】 CN2021137135
(87)【国際公開番号】W WO2023102903
(87)【国際公開日】2023-06-15
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】李銘領
(72)【発明者】
【氏名】彭佳
(72)【発明者】
【氏名】劉欣
(72)【発明者】
【氏名】黄起森
(72)【発明者】
【氏名】李克強
(72)【発明者】
【氏名】李▲チェン▼
(72)【発明者】
【氏名】劉向輝
【テーマコード(参考)】
5H017
【Fターム(参考)】
5H017AA03
5H017AS02
5H017BB11
5H017CC01
5H017DD06
5H017EE01
5H017EE07
5H017HH03
(57)【要約】
本出願の実施例は、複合集電体、電極シート、二次電池、電池モジュール、電池パック及び電気装置に関する。複合集電体は、支持層と導電層とを含む。支持層は、厚さ方向に沿って互いに対向する2つの第1面を有する。導電層は、2つの第1面に設けられ、導電層は、第1部分と第2部分とを含み、第1部分は、2つの第1面にそれぞれ設けられた第1サブ部分及び第2サブ部分を含み、第2部分は、第3サブ部分及び第4サブ部分を含み、前記第3サブ部分と第1サブ部分は、一体的に設けられ、第4サブ部分と第2サブ部分は、一体的に設けられ、第3サブ部分と第4サブ部分の両方は、支持層から突出しており、かつ第3サブ部分と第4サブ部分は、互いに貼り合わせて一体に溶接される。本出願の実施例は、導電層の構造安定性が優れ、過電流能力が向上し、二次電池の電気性能、安全性能及び加工性能が大幅に向上する複合集電体である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合集電体であって、
厚さ方向に沿って互いに対向する2つの第1面を有する支持層と、
2つの前記第1面に設けられた導電層であって、前記導電層は、第1部分と第2部分とを含み、ここで、
前記第1部分は、2つの前記第1面にそれぞれ設けられた第1サブ部分及び第2サブ部分を含み、前記第2部分は、第3サブ部分と第4サブ部分を含み、前記第3サブ部分と前記第1サブは、一体的に設けられ、前記第4サブ部分と前記第2サブ部分は、一体的に設けられ、前記第3サブ部分と前記第4サブ部分の両方は、第1方向に沿って前記支持層から突出しており、かつ前記第3サブ部分と前記第4部分は、互いに貼り合わせて一体に溶接される導電層と、
を含む、複合集電体。
【請求項2】
前記第3サブ部分、前記支持層の第1方向に沿った端部及び前記第4サブ部分は、互いに貼り合わせて一体に溶接される、請求項1に記載の複合集電体。
【請求項3】
前記端部の第1方向に沿った幅は、1mm~10mmであり、選択可能に、5mm~8mmである、請求項2に記載の複合集電体。
【請求項4】
前記第3サブ部分は、厚さ方向に沿って互いに対向する2つの第2面を含み、前記第1サブ部分は、前記厚さ方向に沿って前記第2面に対して突出している、請求項1~3のいずれか一項に記載の複合集電体。
【請求項5】
前記第3サブ部分は、前記厚さ方向に沿って互いに対向する2つの第2面を含み、
前記第1サブ部分は、前記厚さ方向に沿って互いに対向する2つの第3面を含み、2つの前記第3面のうちの1つは、前記第2面と面一である、請求項1~3のいずれか一項に記載の複合集電体。
【請求項6】
前記第1部分の厚さはAであり、前記第2部分の厚さはBであり、ここで、0.03≦A/B≦1、選択可能に、0.2≦A/B≦1である、請求項1~5のいずれか一項に記載の複合集電体。
【請求項7】
前記第1サブ部分の厚さは、前記第2サブ部分の厚さ以上であり、及び/又は
前記第3サブ部分の厚さは、前記第4サブ部分の厚さ以上である、請求項1~6のいずれか一項に記載の複合集電体。
【請求項8】
前記第2部分は、前記第3サブ部分と前記第4サブ部分との間にある接続層をさらに含み、かつ前記接続層の融点は、前記第3サブ部分の融点よりも低い、請求項1~7のいずれか一項に記載の複合集電体。
【請求項9】
前記接続層は、金属層と有機導電性ポリマー層のうちの少なくとも1種を含み、
選択可能に、前記金属の材質は、スズ、インジウム、ビスマス及びカドミウムのうちの少なくとも1種を含み、
選択可能に、前記有機導電性ポリマー層の材質は、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレン及びポリフェニレンビニレンのうちの少なくとも1種を含む、請求項8に記載の複合集電体。
【請求項10】
前記接続層の厚さは1μm~5μmである、請求項8又は9に記載の複合集電体。
【請求項11】
複合集電体の製造方法であって、
支持層を提供するステップであって、前記支持層は、厚さ方向に沿って互いに対向する2つの第1面を含むステップと、
第1導電シートと第2導電シートを提供し、前記第1導電シートと前記第2導電シートを2つの前記第1面にそれぞれ接続するステップであって、前記第1導電シートは、第1サブ部分と第3サブ部分を含み、前記第2導電シートは、第2サブ部分と第4サブ部分を含み、前記第1サブ部分と前記第2サブ部分は、2つの前記第1面にそれぞれ設けられ、前記第3サブ部分と前記第4部分の両方は、前記支持層から突出しているステップと、
前記第3サブ部分と前記第4サブ部分を互いに貼り合わせて一体に溶接させるステップと、
を含む、複合集電体の製造方法。
【請求項12】
前記厚さ方向に沿って前記第1サブ部分の一部を除去して、前記第1サブ部分の厚さを薄化するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記厚さ方向に沿って前記第3サブ部分の一部を除去して、前記第3サブ部分の厚さを薄化するステップをさらに含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
活物質層と、請求項1~10のいずれか一項に記載の複合集電体又は請求項11~13のいずれか一項に記載の方法によって製造された複合集電体とを含み、前記活物質層は、前記複合集電体の前記第1部分の表面に設けられる電極シート。
【請求項15】
請求項14に記載の電極シートを含む二次電池。
【請求項16】
請求項15に記載の二次電池を含む電池モジュール。
【請求項17】
請求項15に記載の二次電池又は請求項16に記載の電池モジュールを含む電池パック。
【請求項18】
請求項15に記載の二次電池、請求項16に記載の電池モジュール又は請求項17に記載の電池パックを含む電気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池技術分野に関し、特に複合集電体、電極シート、二次電池、電池モジュール、電池パック及び電気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池は、エネルギー密度が高く、出力電力が高く、サイクル寿命が長く、環境汚染が少ないなどの利点を有するため、電気自動車及び消費者向け電子製品に広く適用されている。複合集電体は、二次電池の製造のための重要なコンポーネントとして、二次電池の電気化学的性能に大きな影響を与える。従来の複合集電体と比較して、「金属-絶縁性高分子-金属」サンドイッチ構造の複合集電体は、二次電池の電気化学的性能を効果的に向上させることができるが、既存の複合集電体には、外部金属箔(タブの加工に使用)との接着強度不足による過電流能力低下の問題、製造工程が煩雑である問題などの多くの問題があり、二次電池の電気性能、安全性能及び加工性能に大きな影響を与えるため、新規な複合集電体の開発が急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願は、上記課題に鑑みてなされたものであり、複合集電体、電極シート、二次電池、電池モジュール、電池パック及び電気装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本出願の第1態様の実施例は、支持層と導電層とを含む複合集電体を提供する。支持層は、厚さ方向に沿って互いに対向する2つの第1面を有する。導電層は、2つの第1面に設けられ、導電層は、第1部分及び第2部分を含み、第1部分は、2つの第1面にそれぞれ設けられた第1サブ部分及び第2サブ部分を含み、第2部分は、第3サブ部分及び第4サブ部分を含み、前記第3サブ部分と第1サブ部分は、一体的に設けられ、第4サブ部分と第2サブ部分は、一体的に設けられ、第3サブ部分と第4サブ部分の両方は、支持層から突出しており、かつ第3サブ部分と第4サブ部分は、互いに貼り合わせて一体に溶接される。
【0005】
これにより、本出願の実施例において、第1サブ部分と第3サブ部分は、一体的に設けられ、第2サブ部分と第4サブ部分は、一体的に設けられ、第3サブ部分と第4サブ部分は、互いに貼り合わせて一体に溶接され、即ち、導電層は、一体構造であり、導電層が一体に溶接される設置方式により、1)従来の溶接工程の欠点が回避され、構造的に、外部金属箔が省略され、外部金属箔と導電層との間の溶接不良の問題が回避され、それによって複合集電体の過電流能力が大幅に高まり、二次電池の電気性能が向上し、2)本出願のホットメルト工程により、製造プロセスにおける複合集電体の導電層及び支持層の亀裂、及び工程プロセス(ローリングなど)によるタブの根元の割れさらには亀裂が効果的に回避され、複合集電体の生産歩留まり及び二次電池の安全性能が大幅に向上し、3)複合集電体の加工一致性が向上し、タブ切断工程での上下の2つのワークピースのエッジズレ及びバリの問題が回避され、ダイカット及び巻き取りプロセスにおけるタブの折りが防止され、生産歩留まり及び安全性能が向上する。要するに、本出願の複合集電体は、二次電池の電気性能、安全性能及び生産歩留まりを大幅に向上させることができる。
【0006】
任意の実施形態において、第3サブ部分、支持層の第1方向に沿った端部及び第4サブ部分は、互いに貼り合わせて一体に溶接され、第1方向は、厚さ方向に垂直であり、端部は、第3サブ部分及び第4サブ部分に対して支持及び防護の役割を果たすことができる。
【0007】
後続のローリングなどの工程では、第3サブ部分と第4サブ部分は、部分的に延びる可能性があり、端部は、第3サブ部分と第4サブ部分に対して支持力を提供し、これにより、第3サブ部分と第4サブ部分の割れさらには亀裂などの現像を回避することができる。一方、この実施形態の複合集電体は、タブが切断された後、タブの根元が支持層によって支持されるため、タブの根元の剛性が増し、タブの折れ畳みを防止し、二次電池の製造プロセスにおける安全性を大幅に向上させることができる。
【0008】
任意の実施形態において、端部の第1方向に沿った幅は、1mm~10mmであり、選択可能に、5mm~8mmである。端部が上記幅範囲内にあると、端部、第3サブ部分及び第4サブ部分の間の接続強度をさらに向上させることができ、第3サブ部分及び第4サブ部分に対する支持強度をさらに向上させることができる。
【0009】
任意の実施形態において、第3サブ部分は、厚さ方向に沿って互いに対向する2つの第2面を含み、第1サブ部分は、厚さ方向に沿って第2面に対して突出している。
【0010】
これにより、本出願の実施例における第3サブ部分の厚さが比較的適度であるため、当該複合集電体を使用した二次電池のエネルギー密度を大幅に高めることができ、かつ当該複合集電体を使用した二次電池の過電流能力を確保することができ、かつ二次電池の安全性能を確保することができる。
【0011】
任意の実施形態において、第3サブ部分は、厚さ方向に沿って互いに対向する2つの第2面を含み、第1サブ部分は、厚さ方向に沿って互いに対向する2つの第3面を含み、2つの第3面のうちの1つは、第2面と面一である。
【0012】
これにより、本出願の実施例における第1サブ部分の厚さが小さいため、当該複合集電体を使用した二次電池のエネルギー密度をある程度高めることができる。
【0013】
任意の実施形態において、第1部分の厚さはAであり、第2部分の厚さはBであり、ここで、0.03≦A/B≦1、選択可能に、0.2≦A/B≦1である。第1部分と第2部分の厚さ比が上記範囲を満たすことにより、当該複合集電体を使用した二次電池のエネルギー密度を確保し、かつ二次電池の過電流能力を向上させることができる。
【0014】
任意の実施形態において、第1サブ部分の厚さは、第2サブ部分の厚さ以上である。第2サブ部分は、加工プロセスに薄化されなくてもよく、コストを削減し、かつ加工及び成形に役立つことができる。
【0015】
任意の実施形態において、第3サブ部分の厚さは、第4サブ部分の厚さ以上である。第4サブ部分は、加工プロセスに薄化されなくてもよく、コストを削減し、かつ加工及び成形に役立つことができる。
【0016】
任意の実施形態において、第2部分は、第3サブ部分と第4サブ部分との間にある接続層をさらに含み、かつ接続層の融点は、第3サブ部分の融点よりも低い。
【0017】
これにより、接続層の融点は比較的低く、第2部分の加工時に接続層が優先的に溶融し、第3サブ部分と第4サブ部分を一体に接着して貼り合わせることに役立ち、それによって第3サブ部分と第4サブ部分は、一体に溶接される。
【0018】
任意の実施形態において、接続層は、金属層と有機導電性ポリマー層のうちの少なくとも1種を含む。選択可能に、金属は、スズ、インジウム、ビスマス及びカドミウムのうちの少なくとも1種を含む。選択可能に、有機導電性ポリマーは、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレン及びポリフェニレンビニレンのうちの少なくとも1種を含む。接続層に金属が使用される場合、第3サブ部分と第4サブ部分との十分な溶融により役立つ。接続層に有機導電性ポリマーが使用される場合、有機導電性ポリマーは、第3サブ部分と第4サブ部分を接着することができるだけでなく、支持層と融着することもでき、第2部分と支持層との間の接続強度をさらに向上させることができる。
【0019】
任意の実施形態において、接続層の厚さは1μm~5μmである。接続層の厚さが上記範囲内にある場合、第3サブ部分と第4サブ部分との十分な溶融及び結合を支援することに役立ち、即ち第2部分が十分に一体に溶融することに役立つ。
【0020】
任意の実施形態において、支持層は、第1方向に沿って間隔をおいて設けられた少なくとも2つの支持部を含み、隣接する2つの支持部の間には第2部分が設けられ、第1方向は、厚さ方向に垂直である。このような構造の複合集電体は、切断により複数の電極アセンブリの構成部分を構成することができる。
【0021】
本出願の第2態様は、本出願の第1態様のいずれかの実施例における複合集電体と、複合集電体の第1部分の表面に設けられた活物質層とを含む電極シートを提供する。
【0022】
本出願の第3態様は、本出願の第2態様の実施例における電極シートを含む二次電池を提供する。
【0023】
本出願の第4態様は、本出願の第3態様の実施例における二次電池を含む電池モジュールを提供する。
【0024】
本出願の第5態様は、本出願の第3態様の実施例における二次電池又は本出願の第4態様の実施例における電池モジュールを含む電池パックを提供する。
【0025】
本出願の第6態様は、本出願の第3態様の実施例における二次電池、本出願の第4態様の実施例における電池モジュール又は本出願の第5態様で提供される電池パックを含む電気装置を提供する。
【0026】
本出願の第7態様は、厚さ方向に沿って互いに対向する2つの第1面を含む支持層を提供するステップと、第1導電シートと第2導電シートを提供し、第1導電シートと第2導電シートを2つの第1面にそれぞれ接続するステップであって、第1導電シートは、第1サブ部分と第3サブ部分を含み、第2導電シートは、第2サブ部分と第4サブ部分を含み、第1サブ部分と第2サブ部分は、2つの第1面にそれぞれ設けられ、第3サブ部分と第4部分の両方は、支持層から突出しているステップと、第3サブ部分と第4サブ部分を互いに貼り合わせて一体に溶接させるステップと、を含む複合集電体の製造方法を提供する。
【0027】
これにより、本出願の実施例の製造方法によって製造された複合集電体は、トランスファー溶接を必要とせず、タブの直接レーザーダイカットを行うことができ、工程を大幅に簡素化し、タブの過電流能力を高め、機械的な切断プロセスにエッジが平らでバリがないだけでなく、第2部分の導電層が支持層にしっかりと接続されており、冷間プレスプロセスに亀裂などの問題が発生せず、当該複合集電体を使用して製造された二次電池の電気化学的性能が優れる。
【0028】
任意の実施形態において、当該方法は、厚さ方向に沿って第1サブ部分の一部を除去して、第1サブ部分の厚さを薄化するステップをさらに含む。第1サブ部分の厚さが比較的薄いため、二次電池のエネルギー密度をある程度高めることができる。
【0029】
任意の実施形態において、当該方法は、厚さ方向に沿って第3サブ部分の一部を除去して、第3サブ部分の厚さを薄化するステップをさらに含む。第3サブ部分の厚さを薄化することにより、過電流能力を確保する上でエネルギー密度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本出願の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下に本出願の実施例に必要な図面を簡単に紹介するが、明らかに、以下に説明される図面は本出願の幾つかの実施例だけであり、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0031】
【
図1】本出願の幾つかの実施例によって提供される複合集電体の構造概略図である。
【
図2】本出願の別の幾つかの実施例によって提供される複合集電体の構造概略図である。
【
図3】本出願の別の幾つかの実施例によって提供される複合集電体の構造概略図である。
【
図4】本出願の別の幾つかの実施例によって提供される複合集電体の構造概略図である。
【
図5】本出願の幾つかの実施例によって提供される複合集電体の製造プロセスの概略図である。
【
図6】本出願の幾つかの実施例によって提供される複合集電体の製造プロセスの状態概略図である。
【
図7】本出願の幾つかの実施例によって提供される複合集電体の製造プロセスの別の状態概略図である。
【
図8】本出願の別の幾つかの実施例によって提供される複合集電体の製造方法のフローチャートである。
【
図9】本出願の幾つかの実施例によって提供される複合集電体の製造プロセスの別の状態概略図である。
【
図10】本出願の幾つかの実施例によって提供される複合集電体の製造プロセスの別の状態概略図である。
【
図11】本出願の別の幾つかの実施例によって提供される複合集電体の製造方法のフローチャートである。
【
図12】本出願の幾つかの実施例によって提供される複合集電体の製造プロセスの別の状態概略図である。
【
図13】本出願の幾つかの実施例によって提供される複合集電体の製造プロセスの別の状態概略図である。
【
図14】本出願の幾つかの実施例によって提供される電極シートの構造概略図である。
【
図15】
図14に示す電極シートのA?A線に沿った断面構造概略図である。
【
図16】本出願の幾つかの実施例によって提供される二次電池の電極アセンブリの構造概略図である。
【
図17】本出願の幾つかの実施例によって提供される二次電池の分解概略図である。
【
図18】本出願の幾つかの実施例によって提供される電池モジュールの部分構造の概略図である。
【
図19】本出願の幾つかの実施例によって提供される電池パックの分解概略図である。
【
図20】本出願の幾つかの実施例によって提供される電気装置の構造概略図である。
【0032】
図面において、図面は必ずしも実際の縮尺で描かれているわけではない。
【0033】
ここで、図面の各々の各符号は次のとおりである:
X、厚さ方向;Y、第1方向;1、電気装置;10、電池パック;11、下筐体;12、上筐体;20、電池モジュール;30、二次電池;31、トップカバーアッセンブリ;32、ケース;40、電極アセンブリ;50、電極シート;41、セパレーター;60、複合集電体;70、支持層;71、第1面;72、端部;73、支持部;80、導電層;81、第1部分;811、第1サブ部分;8111、第3面;812、第2サブ部分;82、第2部分;821、第3サブ部分;8211、第2面;822、第4サブ部分;823、接続層;90、活物質層;100、保護層。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面を適切に参照して、本出願の複合集電体及びその製造方法、電極シート、二次電池、電池モジュール、電池パック及び電気装置を具体的に開示した実施形態を詳細に説明する。しかし、必要のない詳細な説明は、省略される場合がある。例えば、周知事項の詳細説明、実際の同じ構造の重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを回避し、当業者の理解を容易にするためである。また、図面及び以下の説明は、当業者が本出願を十分に理解するために提供されるものであり、特許請求の範囲に記載された主題を限定することを意図するものではない。
【0035】
本出願で開示される「範囲」は、下限及び上限の形で限定され、所与の範囲は、1つの下限及び1つの上限の選択によって限定され、選択された下限及び上限は、特定の範囲の境界を限定している。このように限定された範囲は、端点値を含んでも含まなくてもよく、かつ任意に組み合わせることができ、即ち、いかなる下限は、いかなる上限と組み合わせて1つの範囲を形成することができる。例えば、特定のパラメータについて60~120及び80~110の範囲がリストされている場合、60~110及び80~120の範囲も予測されることが理解される。また、最小範囲値1及び2がリストされ、及び最大範囲値3、4及び5がリストされている場合、1~3、1~4、1~5、2~3、2~4及び2~5の範囲は、すべて予測され得る。本出願では、特に明記しない限り、数値範囲「a~b」は、aとbの間の任意の実数の組み合わせの省略表現を表し、aとbの両方が実数である。例えば、数値範囲「0~5」は、「0~5」の間の実数がすべて本明細書にリストされていることを意味し、「0~5」は、これらの数値の組み合わせの省略表現だけである。また、あるパラメータが≧2の整数で表現されている場合、これは、そのパラメータが例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12などの整数であることを開示することに相当する。
【0036】
特に明記しない限り、本出願のすべての実施形態及び選択可能な実施形態を互いに組み合わせて、新しい技術案を形成することができる。特に明記しない限り、本出願のすべての技術的特徴及び選択可能な技術的特徴を互いに組み合わせて、新しい技術案を形成することができる。
【0037】
特に明記しない限り、本出願のすべてのステップは、順次に実行されてもよいし、ランダムに実行されてもよく、好ましくは順次実行される。例えば、方法は、ステップ(a)及び(b)を含み、これは、方法が順次実行されるステップ(a)及び(b)を含むことができ、順次実行されるステップ(b)及び(a)も含むことができることを示す。例えば、方法は、ステップ(c)をさらに含むことができることが言及され、これは、ステップ(c)が任意の順序で方法に追加され得ることを示し、例えば、方法は、ステップ(a)、(b)及び(c)を含むことができ、ステップ(a)、(c)及び(b)を含むこともでき、また、ステップ(c)、(a)及び(b)などを含むこともできる。
【0038】
特に明記しない限り、本出願で言及される「包括」及び「包含」は、開放型を表し、閉鎖型であってもよい。例えば、「包括」及び「包含」は、リストされていない他の構成要素も包括又は包含することができ、また、リストされている構成要素のみを包括又は包含することもできることを示す。
【0039】
特に明記しない限り、本出願では、「又は」という用語は、包括的である。例えば、「A又はB」というフレーズは、「A、B、又はAとBの両方」を表す。より具体的には、Aが真(又は存在する)であり、かつBが偽(又は存在しない)であるという条件、Aが偽(又は存在しない)であり、Bが真(又は存在する)であるという条件、又はA及びBの両方が真(又は存在する)であるという条件のいずれか1つは、条件「A又はB」を満たす。
【0040】
「第1」、「第2」などのような関係用語は、1つのエンティティ又は操作と別のエンティティ又は操作を区別するためのものだけであるが、これらのエンティティ又は操作の間にいかなる実際の関係又は順序が存在していることを必ずしも要求又は示唆しないと理解すべきである。
【0041】
本出願の上記の発明の概要は、本出願における開示された各実施形態又は各実現形態を説明することを意図していない。以下の説明では、例示的な実施形態をより詳細に説明する。本出願全体を通して様々な箇所で、様々な組み合わせで使用され得る一連の実施例を通じてガイダンスが提供されている。各々の例において、列挙は、代表的なグループに過ぎず、網羅的であると解釈されるべきではない。
【0042】
本発明者は、支持層及び前記支持層の2つの対向する面に位置する導電層からなる「サンドイッチ」型の複合集電体に多くの欠陥があるため、二次電池の電気性能、安全性能及び加工性能が大規模な産業化要求を満たすことができないことを発見した。具体的には、
【0043】
従来技術の複合集電体は、その本体が支持層及び前記支持層の表面に位置する導電層からなり、本体部に集電した電流を外に出力させ、又は二次電池を外部の電流で充電するために、複合集電体の製造工程では、導電層の表面に外部金属箔が接続される必要があり(外部金属箔はタブを加工するために使用される)、かつ外部接続の方式は、溶接接続(業界で「トランスファー溶接」とも呼ばれる)である。しかし、このような溶接の接続方式には多い欠点がある:1)複合集電体の導電層が薄いため、この従来の溶接工程により、外部金属箔と導電層の間の接続強度が不十分になり、仮想溶接の問題が発生し、さらに溶接領域の過電流能力が限定され、二次電池の電気性能に影響を与える。2)溶接強度が不十分であるため、外部金属箔と本体が冷間プレスとダイカットプロセスなどの後続の製造工程で非常に容易に脱落し、複合集電体の生産歩留まり及び二次電池の安全性能を大幅に低下させる。3)タブを加工するために、2つの導電層を外部金属箔に接続する必要があるため、外部金属箔からタブを切断するときに、上層と下層の金属箔を別々に処理し、その結果、切断後の上下のタブのエッジズレ及びバリの問題が発生し、生産歩留まり及び安全性能を低下させる。4)従来のトランスファー溶接工程で製造された複合集電体は、タブが切断された後、タブの根元が支持層によって支持されていないため、タブが容易に折り畳まれ、二次電池の製造中の安全性能を大幅に低下させる。
【0044】
上記の既存の複合集電体の多くの欠点に基づいて、本出願は、二次電池の電気性能、安全性能及び加工性能を大幅に向上させることができる複合集電体を開発した。次に、
図1から
図20を参照して本出願の実施例を詳細に説明する。
【0045】
[複合集電体]
【0046】
図1は本出願の幾つかの実施例によって提供される複合集電体の構造概略図である。
【0047】
図1に示すように、本出願の実施例によって提供される複合集電体60は、支持層70と導電層80とを含む。
【0048】
本出願の実施例の支持層70は、導電層80に対して支持及び保護の役割を果たす。支持層70は、厚さ方向Xに沿って互いに対向する2つの第1面71を有する。
図1に示すX方向は、厚さ方向を示す。
【0049】
支持層70の材料は、高分子材料及び高分子マトリックス複合材料のうちの1種又は複数種を含む。高分子マトリックス複合材料は、高分子材料と添加剤とを含み、添加剤は、無機非金属材料と金属材料のうちの少なくとも1種である。
【0050】
高分子材料は、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレンエチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリアセチレン、シリコーンゴム、ポリオキシメチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレングリコール、ポリサルファーナイトライド、ポリフェニレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピリジン、セルロース、デンプン、タンパク質、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、それらの誘導体、それらの架橋生成物及びそれらの共重合体のうちの少なくとも1種を含む。選択可能に、高分子材料は、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン及びポリフェニレンスルフィドのうちの少なくとも1種である。
【0051】
高分子マトリックス複合材料は、高分子材料と添加剤とを含む。添加剤は、無機非金属材料と金属材料のうちの少なくとも1種である。選択可能に、無機非金属材料は、炭素系材料、アルミナ、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素、ケイ酸塩及び酸化チタンのうちの1種又は複数種を含む。金属材料は、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、鉛、亜鉛、スズ、アンチモン、ビスマス、銀及びルテニウムのうちの1種又は複数種を含む。
【0052】
本出願の実施例における導電層80は、支持層70の2つの第1面71に設けられている。
導電層80は、機械的圧延、接着、蒸着法(vapordeposition)、無電解めっき(Electroless plating)、電気めっき(Electroplating)のうちの少なくとも1種の手段によって支持層70に形成されてもよく、蒸着法又は電気めっき法が選択可能であり、即ち、導電層80は、選択可能に、蒸着層又は電気めっき層であり、このように導電層80と支持層70との間の緊密な結合をよりよく実現し、導電層80に対する支持層70の支持及び保護の役割を効果的に果たすことができる。
【0053】
幾つかの実施例では、導電層80は、導電層80と支持層70との間の接続強度を向上させるために、接着剤によって支持層70に接続され得る。例示的に、接着剤は、ポリプロピレン、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、スチレンブタジエンゴム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリウレタン、ポリエチレンイミン、ポリフッ化ビニリデン、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ポリ酢酸ビニル、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シランカップリング剤、チタン酸エステルカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、アルミネートカップリング剤とボレートカップリング剤から選択される少なくとも1種である。
【0054】
導電層80の材質は、金属を含むことができる。例示的に、複合集電体60が正極複合集電体である場合、導電層80は、正極導電層であり、正極導電層の材質は、アルミニウム又はアルミニウム基合金から選択され、アルミニウム基合金は、アルミニッケル合金、アルミチタン合金又はアルミ銀合金などであってもよい。複合集電体60が負極複合集電体である場合、導電層80は、負極導電層であり、負極導電層の材質は、銅又は銅基合金から選択され、銅基合金は、銅ニッケル合金、銅チタン合金又は銅銀合金などであってもよい。
【0055】
当然、幾つかの実施例では、導電層80を形成するプロセスにおいて、低融点金属又は低融点有機導電性ポリマー層などの加工に有利な他の物質を添加することができる。本明細書では、低融点は、導電層80の主材質に対するものである。例示的に、導電層80の本体材質は、アルミニウムであり、低融点金属とは、融点がアルミニウム金属の融点よりも低い金属を指し、低融点有機導電性ポリマー層の融点は、アルミニウム金属の融点よりも低い。
【0056】
導電層80は、第1部分81と第2部分82とを含む。第1部分81は、2つの第1面71にそれぞれ設けられた第1サブ部分811及び第2サブ部分812を含み、第2部分82は、第3サブ部分821及び第4サブ部分822を含み、第3サブ部分821と第1サブ部分811は、一体的に設けられ、第4サブ部分822と第2サブ部分812は、一体的に設けられ、第3サブ部分821と第4サブ部分822の両方は、支持層70から突出しており、かつ第3サブ部分821と第4サブ部分822は、互いに貼り合わせて一体に溶接される。第3サブ部分821と第4サブ部分822は、一体構造として切断され、切断後のエッジが面一でバリがなく、当該複合集電体60の二次電池の安全性能及び生産歩留まりを高めることができる。
【0057】
第1部分81の第1サブ部分811及び第2サブ部分812の両方は、第1面71に設けられ、活物質層を塗布するために使用される。第2部分82の第3サブ部分821及び第4サブ部分822は、タブとして使用される。
【0058】
第1サブ部分811は、厚さ方向Xに沿って互いに対向する2つの第3面8111を含む。
第3サブ部分821は、厚さ方向Xに沿って互いに対向する2つの第2面8211を含む。第1サブ部分811と第3サブ部分821は、一体的に設けられ、第1サブ部分811の2つの第3面8111のうちの1つは、2つの第2面8211のうちの1つと面一であってもよく、又は、第1サブ部分811は、第2面8211から突出してもよく、又は、第2面8211に対して凹んでもよい。
【0059】
第2サブ部分812は、厚さ方向Xに沿って互いに対向する2つの第4面を含む。第4サブ部分822は、厚さ方向Xに沿って互いに対向する2つの第5面を含む。第2サブ部分812と第4サブ部分822は、一体的に設けられ、第2サブ部分812の2つの第4面のうちの1つは、2つの第5面のうちの1つと面一であってもよく、又は、第2サブ部分812は、第5面から突出してもよく、又は、第5面に対して凹んでもよい。
【0060】
第1サブ部分811と第3サブ部分821は、一体的に設けられ、第2サブ部分812と第4サブ部分822は、一体的に設けられる。第1サブ部分811、第3サブ部分821、第2サブ部分812及び第4サブ部分822が導電層80を形成する場合、同じ厚さの第1サブ部分811と第2サブ部分812を使用することができ、当然、異なる厚さの第1サブ部分811と第2サブ部分812を使用することもできる。同じ厚さの第3サブ部分821と第4サブ部分822を使用することができ、異なる厚さの第3サブ部分821と第4サブ部分822を使用することもできる。
【0061】
本出願の実施例では、第1サブ部分811と第3サブ部分821は、一体的に設けられ、第2サブ部分812と第4サブ部分822は、一体的に設けられ、第3サブ部分821と第4サブ部分822は、互いに貼り合わせて一体に溶接され、即ち、導電層80は、一体構造であり、導電層80が一体に溶接される設置方式により、1)従来の溶接工程の欠点が回避され、構造的に、外部金属箔が省略され、外部金属箔と導電層との間の溶接不良の問題が回避され、それによって複合集電体60の過電流能力が大幅に高まり、二次電池の電気性能が向上され、2)本出願のホットメルト工程により、製造プロセスにおける複合集電体60の導電層80及び支持層70の亀裂、工程プロセス(ローリングなど)によるタブの根元の割れさらには亀裂が効果的に回避され、複合集電体60の生産歩留まり及び二次電池の安全性能が大幅に向上し、3)複合集電体60の加工一致性が向上し、タブ切断工程での上下の2つのワークピースのエッジズレ及びバリの問題が回避され、ダイカット及び巻き取りプロセスにおけるタブの折れ畳みが防止され、生産歩留まり及び安全性能が向上する。要するに、本出願の複合集電体は、二次電池の電気性能、安全性能及び生産歩留まりを大幅に向上させることができる。
【0062】
図1を引き続き参照すると、幾つかの実施形態では、第3サブ部分821、支持層70の第1方向Yに沿った端部72及び第4サブ部分822は、互いに貼り合わせて一体に溶接される。
図1に示すY方向は、第1方向を表し、第1方向Yは、厚さ方向Xに垂直である。
【0063】
第3サブ部分821、端部72及び第4サブ部分822は、一体に溶接され、言い換えば、三者は、互いに接続され、端部72は、第3サブ部分821及び第4サブ部分822に対して支持及び保護の役割を果たすことができる。後続のローリングなどの工程では、第3サブ部分821と第4サブ部分822は、部分的に延びる可能性があり、端部72は、第3サブ部分821と第4サブ部分822に支持力を提供し、これにより、第3サブ部分821と第4サブ部分822の割れさらには亀裂などの現像を回避することができる。この実施例の複合集電体60は、タブ60が切断された後、タブの根元が支持層70によって支持されるため、タブの根元の剛性が増し、タブの折れ畳みを防止し、二次電池の製造プロセスにおける安全性を大幅に向上させることができる。
【0064】
選択可能に、端部72の第1方向Yに沿った幅は、1mm~10mmである。例えは、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm又は10mmであってもよく、又は、幅の範囲は、上記のいずれか2つの値からなってもよく、選択可能に、5mm~8mmである。端部72が上記幅範囲内にあると、端部72、第3サブ部分821及び第4サブ部分822の間の接続強度をさらに向上させることができ、第3サブ部分821及び第4サブ部分822に対する支持強度をさらに向上させることができる。幅の測定方法では、まず端部72の厚さをマイクロメータで測定し、端部72の第1部分81に近い限界位置及び第2部分82に近い限界位置を大まかに決定でき、次に限界位置の付近で日本電子IB-19500を使用して複合集電体60の端面を切断し、ツァイスシグマ(ZEISS Sigma)300走査型電子顕微鏡で観察し、支持層70と導電層80の厚さをさらに測定し、限界端面位置を確認して、端面位置が決定された後、端部72部分の幅をスケールで測定する。
図1のCの寸法は、端部72の第1方向Yに沿った幅寸法を概略的に表している。
【0065】
図1を引き続き参照すると、幾つかの実施形態では、第1サブ部分811は、厚さ方向Xに沿って第3サブ部分821の第2面8211に対して突出している。第3サブ部分821の厚さが比較的適度であるため、当該複合集電体60を使用した二次電池のエネルギー密度を大幅に高めることができ、かつ、当該複合電流体60を使用した二次電池の過電流能力を確保することができ、二次電池の安全性能を確保することができる。
【0066】
図2は本出願の別の幾つかの実施例によって提供される複合電流体の構造概略図である。
【0067】
図2に示すように、別の幾つかの実施形態では、第1サブ部分811の2つの第3面8111のうちの1つは、第3サブ部分821の第2面8211と面一である。第1サブ部分811の厚さが小さいため、当該複合集電体60を使用した二次電池のエネルギー密度をある程度高めることができる。
【0068】
幾つかの実施形態では、第2サブ部分812は、厚さ方向Xに沿って第4サブ部分822の第5面に対して突出している。第4サブ部分822の厚さが比較的適度であるため、当該複合集電体60を使用した二次電池のエネルギー密度を大幅に高めることができ、かつ、当該複合電流体60を使用した二次電池の過電流能力を確保することができる。
【0069】
別の幾つかの実施形態では、第2サブ部分812の2つの第4面のうちの1つは、第4サブ部分822の第5面と面一である。第2サブ部分812の厚さが小さいため、当該複合集電体60を使用した二次電池のエネルギー密度をある程度高めることができる。
【0070】
幾つかの実施形態では、第1部分81の厚さがAであり、第2部分82の厚さがBであり、AとBは、0.03≦A/B≦1を満たし、例えば、A/Bは0.03、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9又は1であり、又は、A/B比の範囲は、上記の任意の2つの数値からなってもよく、選択可能に、0.2≦A/B≦1である。第1部分81と第2部分82の厚さ比が上記範囲を満たすことにより、当該複合集電体60を使用した二次電池のエネルギー密度を確保し、かつ二次電池の過電流能力を高めることができる。
【0071】
本明細書では、第1部分81の厚さは、厚さ方向Xに沿った第1部分81の全体の厚さを指す。例示的に、第1部分81は、第1サブ部分811と第2サブ部分812を含み、第1サブ部分811及び第2サブ部分812の厚さ方向Xに沿った厚さの合計はAである。
【0072】
本明細書では、第2部分82の厚さは、厚さ方向Xに沿った第2部分82の全体の厚さを指す。例示的に、第2部分82は、第3サブ部分821と第4サブ部分822を含み、第3サブ部分821及び第4サブ部分822の厚さ方向Xに沿った厚さの合計はBである。又は、第2部分82は、他の部材、例えば接続層をさらに含むと、第3サブ部分821、接続層及び第4サブ部分822の厚さ方向Xに沿った厚さの合計はBである。
【0073】
選択可能に、第1部分81の厚さAは、1μm≦A≦26μmであり、例えば、1μm、3μm、6μm、8μm、9μm、10μm、11μm、12μm、15μm、18μm、20μm、22μm、25μm、26μmであり、又は、厚さ範囲は、上記の任意の2つの数値からなってもよい。
【0074】
選択可能に、第2部分82の厚さBは、5μm≦B≦26μmであり、例えば、5μm、6μm、8μm、9μm、10μm、11μm、12μm、15μm、18μm、20μm、22μm、25μm、26μmであり、又は、厚さ範囲は、上記の任意の2つの数値からなってもよい。
【0075】
幾つかの実施形態では、第1サブ部分811の厚さは、第2サブ部分812の厚さ以上である。第2サブ部分812は、加工中に薄化されなくてもよく、コストを削減し、かつ加工及び成形に役立つことができる。
【0076】
幾つかの実施形態では、第3サブ部分821の厚さは、第4サブ部分822の厚さ以上である。第4サブ部分822は、加工中に薄化されなくてもよく、コストを削減し、かつ加工及び成形に役立つことができる。
【0077】
図3は本出願の別の幾つかの実施例によって提供される複合電流体の構造概略図である。
【0078】
図3に示すように、幾つかの実施形態において、第2部分82は、第3サブ部分821と第4サブ部分822との間にある接続層823をさらに含み、かつ、接続層823の融点は、第3サブ部分821の融点よりも低い。接続層823の融点は比較的低く、第2部分82の加工時に接続層823が優先的に溶融し、第3サブ部分821と第4サブ部分822を一体に接着して貼り合わせることに役立ち、それによって第3サブ部分821と第4サブ部分822が一体に溶接されることを促進する。
【0079】
選択可能に、接続層823の融点は、第4サブ部分822の融点よりも低く、接続層823の融点は、第3サブ部分821及び第4サブ部分822の融点よりも低く、第2サブ部分821を加工するときに、第3サブ部分821と第4サブ部分822が一体に接着されて貼り合わせられることに役立つ。
【0080】
選択可能に、接続層823は、金属層と有機導電性ポリマー層のうちの少なくとも1種を含む。言い換えれば、接続層823は、金属層、有機導電性ポリマー層、又は金属層と有機導電性ポリマー層との複合層である。
【0081】
金属層の材質の例として、金属は、スズ、インジウム、ビスマス及びカドミウムのうちの少なくとも1種を含み、言い換えれば、金属は、例えば、スズ、インジウム、ビスマス又はカドミウムであってもよく、スズインジウム合金、スズビスマス合金、スズカドミウム合金、インジウムビスマス合金、ビスマスカドミウム合金、スズインジウムビスマス合金又はスズビスマスカドミウム合金などであってもよい。接続層823に金属が使用される場合、第3サブ部分821と第4サブ部分822との十分な溶融により役立つ。
【0082】
接続層823が金属層を含む場合、金属層は、1層以上の第1サブ層を含むことができ、例えば、複数層の第1サブ層を使用することができ、各層の第1サブ層は、同じ金属材質を使用することができ、異なる材質を使用することもできる。
【0083】
有機導電性ポリマー層の材質の例として、有機導電性ポリマーは、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレン及びポリフェニレンビニレンのうちの少なくとも1つを含む。接続層823に有機導電性ポリマーが使用される場合、有機導電性ポリマーは、第3サブ部分821と第4サブ部分822を接着するだけでなく、支持層70と融着することができ、第2サブ部分82と支持層70との間の接続強度をさらに向上させることができる。
【0084】
接続層823が有機導電性ポリマー層を含む場合、有機導電性ポリマー層は、1層以上の第2サブ層を含むことができ、例えば、複数層の第2サブ層を使用することができ、各層の第2サブ層は、同じ有機導電性ポリマー材質を使用することができ、異なる有機導電性ポリマー材質を使用することもできる。
【0085】
幾つかの実施形態では、接続層823の厚さは、1μm~5μmであり、例えば、1μm、2μm、3μm、4μm又は5μmであり、又は、厚さ範囲は、上記の任意の2つの数値からなってもよい。接続層823の厚さが上記範囲にある場合、第3サブ部分821と第4サブ部分822との十分な溶融及び結合を支援することに役立ち、即ち第2部分82が十分に一体に溶融することに役立つ。
【0086】
図4は本出願の別の幾つかの実施例によって提供される複合電流体の構造概略図である。
【0087】
図4に示すように、幾つかの実施形態では、支持層70は、第1方向Yに沿って間隔をおいて設けられた少なくとも2つの支持部73を含み、隣接する2つの支持部73の間には第2部分82が設けられている。このような構造の複合集電体60は、切断により複数の電極アセンブリの構成部分を構成することができる。
【0088】
別の幾つかの実施形態では、支持層70は、1つの支持部73を含み、第2部分82は、支持部73の第1方向Yに沿った少なくとも1つの端部72から突出している。例示的に、第2部分82は、支持部73の第1方向Yに沿った1つの端部72、又は支持部73の第1方向Yに沿った2つの端部72から突出している。
【0089】
[複合集電体の製造方法]
【0090】
本出願の実施例は、複合集電体の製造方法をさらに提供する。
【0091】
図5は本出願の幾つかの実施例によって提供される複合集電体の製造プロセスの概略図である。
図6は本出願の幾つかの実施例によって提供される複合集電体の製造プロセスの状態概略図である。
図7は本出願の幾つかの実施例によって提供される複合集電体の製造プロセスの別の状態概略図である。
【0092】
図5から
図7に示すように、当該製造方法は、以下のステップを含む:
【0093】
S100において、厚さ方向に沿って互いに対向する2つの第1面を含む支持層を提供する。
【0094】
S200において、第1導電シートと第2導電シートを提供し、第1導電シートと第2導電シートを接着剤層を介して2つの第1面にそれぞれ接続し、第1導電シートは、第1サブ部分と第3サブ部分を含み、第2導電シートは、第2サブ部分と第4サブ部分を含み、第1サブ部分と第2サブ部分は、2つの第1面にそれぞれ設けられ、第3サブ部分と第4部分の両方は、支持層から突出している。
【0095】
S300において、第3サブ部分と第4サブ部分を互いに貼り合わせて一体に溶接させる。本出願の実施例の製造方法によって製造された複合集電体は、切断過程にエッジが面一であり、当該複合集電体を使用して製造された二次電池の電気化学的性能は優れる。
【0096】
図8は本出願の別の幾つかの実施例によって提供される複合集電体の製造方法のフローチャートである。
図9は本出願の幾つかの実施例によって提供される複合集電体の製造プロセスの別の状態概略図である。
図10は本出願の幾つかの実施例によって提供される複合集電体の製造プロセスの別の状態概略図である。
図9における矢印は薄化方向を示す。
【0097】
図8から
図10に示すように、幾つかの実施形態において、ステップS300の後、以下のステップをさらに含む:
【0098】
S400において、厚さ方向に沿って第1サブ部分の一部を除去して、第1サブ部分の厚さを薄化する。
【0099】
第1サブ部分の厚さを薄化することにより、第1サブ部分の厚さは、比較的薄くなり、二次電池のエネルギー密度をある程度高めることができる。
【0100】
薄化後の第1サブ部分811の2つの第3表面8111のうちの1つは、第3サブ部分821の第2面8211と面一であってもよく、当然、薄化後の第1サブ部分811は、厚さ方向Xに沿って第2面8211に対して突出していてもよい。
【0101】
ステップS400において、第1サブ部分811の薄化プロセスが第3サブ部分821に干渉することを防ぐために、第3サブ部分821の第2面8211に保護層100を設けることができ、第3サブ部分821が保護層100を含むことに加えて、第1サブ部分811を薄化し、次に第1サブ部分811が薄化された後に保護層100を除去し、基本的に第3サブ部分821の厚さに影響を与えない。
【0102】
保護層100の材質は、ポリメチルメタクリレート(PMMA:polymethyl methacrylate)、ポリメタクリルアミド、ポリメチルイソプロペニルケトン、ポリイソブチレン、ポリアルファメチルスチレンのうちの1種又は複数種である。このような保護層100は、第1サブ部分811の薄化後に溶解されて除去され得る。
【0103】
幾つかの実施形態では、ステップS300の後、以下のステップをさらに含む:
【0104】
厚さ方向に沿って第2サブ部分の一部を除去して、第2サブ部分の厚さを薄化する。
【0105】
第2サブ部分の薄化プロセスは、ステップS400で説明した通りであり、ここでは説明を省略する。ここで、第1サブ部分と第2サブ部分の薄化される厚さは、同じであっても異なってもよい。
【0106】
図11は本出願の別の幾つかの実施例によって提供される複合集電体の製造方法のフローチャートである。
図12は本出願の幾つかの実施例によって提供される複合集電体の製造プロセスの別の状態概略図である。
図13は本出願の幾つかの実施例によって提供される複合集電体の製造プロセスの別の状態概略図である。
図12における矢印は薄化方向を示す。
【0107】
図11から
図13に示すように、幾つかの実施形態において、ステップS300の後、以下のステップをさらに含む:
【0108】
ステップS500において、厚さ方向に沿って第3サブ部分の一部を除去して、第3サブ部分の厚さを薄化する。
【0109】
第3サブ部分821の厚さを薄化することにより、過電流能力を確保する上でエネルギー密度を高めることができる。
【0110】
薄化後の複合集電体において、第1サブ部分811は、厚さ方向Xに沿って第2面8211に対して突出することができる。
【0111】
ステップS500において、第3サブ部分821の薄化プロセスが第1サブ部分811に干渉することを防ぐために、第1サブ部分811の第3面8111に保護層100を設けることができ、第1サブ部分811が保護層100を含むことに加えて、第3サブ部分821を薄化し、次に第3サブ部分821の薄化後に保護層100を除去し、基本的に第1サブ部分811の厚さに影響を与えない。
【0112】
幾つかの実施形態では、ステップS300の後、以下のステップをさらに含む:
【0113】
厚さ方向に沿って第4サブ部分の一部を除去して、第4サブ部分の厚さを薄化する。
【0114】
第4サブ部分の薄化プロセスは、ステップS500で説明した通りであり、ここでは説明を省略する。ここで、第3サブ部分と第4サブ部分の薄化される厚さは、同じであっても異なってもよい。
【0115】
上記の薄化の各ステップは、組み合わせて使用されてもよいし、単独で使用されてもよい。例示的に、ステップS300の後、さらに、ステップS400及びS500を同時に含むことができる。又は、ステップS300の後、ステップS400を含む。又は、ステップS300の後、ステップS500を含む。
【0116】
[電極シート]
【0117】
本出願の実施例は、電極シートをさらに提供する。
【0118】
図14は本出願の幾つかの実施例によって提供される電極シートの構造概略図である。
図15は
図14に示す電極シートのA?A線に沿った断面構造概略図である。
【0119】
図14と
図15に示すように、本出願の実施例における電極シート50は、本出願の上記のいずれかの実施例における複合集電体60と活物質層90を含み、活物質層90は、複合集電体60の第1部分81の表面に設けられる。この構造の電極シート50を使用した二次電池は、電気化学的性能が優れ、特に過電流能力及びエネルギー密度が優れる。当該電極シート50とセパレーターは、巻き取って電極アセンブリを形成する。
【0120】
[正極シート]
【0121】
正極シートは、正極複合集電体と正極活物質層とを含む。
【0122】
正極複合集電体の導電層の本体材質は、アルミニウム又はアルミニウム基合金を含み、その構造形態は、本出願の上記のいずれかの実施形態の複合集電体を採用する。
【0123】
正極活物質層に用いられる正極活物質は、本分野で知られている二次電池に用いられる正極活物質であってもよい。例として、正極活物質は、オリビン構造のリチウム含有リン酸塩、リチウム遷移金属酸化物及びそれらのそれぞれの変性化合物のうちの少なくとも1種を含むことができる。しかし、本出願は、これらの材料に限定されず、正極活物質として使用できる他の従来の材料を使用することもできる。これらの正極活物質は、単独で1種使用されてもよいし、2種以上組み合わせて使用されてもよい。ここで、リチウム遷移金属酸化物の例は、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2など)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO2など)、リチウムマンガン酸化物(LiMnO2、LiMn2O4など)、リチウムニッケルコバルト酸化物、リチウムマンガンコバルト酸化物、リチウムニッケルマンガン酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2(NCM333とも略称できる)、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2(NCM523とも略称できる)、LiNi0.5Co0.25Mn0.25O2(NCM211とも略称できる)、LiNi0.6Co0.2Mn0.2O2(NCM622とも略称できる)、LiNi0.8Co0.1Mn0.1O2(NCM811とも略称できる))、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(LiNi0.85Co0.15Al0.05O2など)及びそれらの変性化合物のうちの少なくとも1種を含むことができるがこれらに限定されない。オリビン構造のリチウム含有リン酸塩の例は、リン酸鉄リチウム(LiFePO4(LFPとも略称できる)など)、リン酸鉄リチウムと炭素の複合材料、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO4など)、リン酸マンガンリチウムと炭素の複合材料、リン酸マンガン鉄リチウム、リン酸鉄マンガンリチウムと炭素の複合材料のうちの少なくとも1種を含むことができるがこれらに限定されない。
【0124】
幾つかの実施形態では、正極活物質層は、選択可能に、接着剤を含む。例として、接着剤は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化ビニリデン-テトラフルオロエチレン-プロピレン三元共重合体、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン三元共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体及びフッ素含有アクリレート樹脂のうちの少なくとも1種を含むことができる。
【0125】
幾つかの実施形態では、正極活物質層は、選択可能に、導電剤を含む。例として、導電剤は、超電導カーボン、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンドット、カーボンナノチューブ、グラフェン及びカーボンナノファイバーのうちの少なくとも1種を含むことができる。
【0126】
幾つかの実施形態では、以下の方式によって正極シートを製造することができる:正極活物質、導電剤、第2接着剤及び任意の他の成分などの正極シートを製造するための上記成分を溶媒(例えばN-メチルピロリドン)に分散させて、正極スラリーを形成し、正極スラリーを正極複合集電体に塗布し、乾燥、冷間プレス等の工程を経った後、正極シートを得ることができる。
【0127】
[負極シート]
【0128】
負極シートは、負極複合集電体と負極活物質層とを含む。
【0129】
負極複合集電体の導電層の本体材質は、銅又は銅基合金を含み、その構造形態は、本出願の上記のいずれかの実施例の複合集電体を採用する。
【0130】
負極活物質層における負極活物質は、本分野で知られている二次電池に用いられる負極活物質を採用することができる。例として、負極活物質は、人造黒鉛、天然黒鉛、ソフトカーボン、ハードカーボン、シリコン系材料、スズ系材料及びチタン酸リチウムなどのうちの少なくとも1種を含むことができる。シリコン系材料は、ケイ素単体、シリコン酸素化合物、シリコン炭素複合体、シリコン窒素複合体及びシリコン合金から選択される少なくとも1種であってもよい。スズ系材料は、スズ単体、スズ酸素化合物及びスズ合金から選択される少なくとも1種であってもよい。しかし、本出願は、これらの材料に限定されず、電池負極活物質として使用できる他の従来の材料を使用することができる。これらの負極活物質は、単独で1種使用されてもよいし、2種以上組み合わせて使用されてもよい。
【0131】
幾つかの実施形態では、負極活物質層は、選択可能に、接着剤を含む。接着剤は、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリアクリル酸ナトリウム(PAAS)、ポリアクリルアミド(PAM)、ポリビニルアルコール(PVA)、アルギン酸ナトリウム(SA)、ポリメタクリル酸(PMAA)及びカルボン酸メチルキトサン(CMCS)のうちから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0132】
幾つかの実施形態において、負極活物質層は、選択可能に、導電剤を含む。導電剤は、超電導カーボン、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンドット、カーボンナノチューブ、グラフェン及びカーボンナノファイバーから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0133】
幾つかの実施形態において、負極活物質層は、選択可能に、増粘剤(カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC?Na)など)などの他の添加剤を含む。
【0134】
幾つかの実施形態では、以下の方式によって負極シートを製造することができる:負極活物質、導電剤、接着剤及び任意の他の成分などの負極シートを製造するための上記成分を溶媒(例えば脱イオン水)に分散させて、負極スラリーを形成し、負極スラリーを負極複合集電体に塗布し、乾燥、冷間プレス等の工程を経った後、負極シートを得ることができる。
【0135】
[電解質]
【0136】
電解質は、正極シートと負極シートの間でイオンの伝導の役割を果たす。本出願の実施例における電解質の種類は、具体的に限定されず、必要に応じて選択され得る。例えば、電解質は、液体、ゲル状又は全固体であってもよい。
【0137】
幾つかの実施形態において、電解質は、電解液を採用する。電解液は、電解質塩と溶媒とを含む。
【0138】
幾つかの実施形態では、電解質塩は、ヘキサフルオロリン酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、過塩素酸リチウム、ヘキサフルオロヒ酸リチウム、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ジフルオロリン酸リチウム、リチウムジフルオロ(オキサレート)ボレート、リチウムビス(オキサレート)ボラート、リチウムジフルオロビス(オキサレート)ホスフェート、および、リチウムテトラフルオロ(オキサレート)ホスフェートから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0139】
幾つかの実施形態では、溶媒は、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチルメチルカーボネート、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸、酪酸メチル、酪酸エチル、1,4-ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホン、メチルエチルスルホン及びジエチルスルホンから選択される少なくとも1種であってもよい。
【0140】
幾つかの実施形態において、電解液は、選択可能に、添加剤をさらに含む。例えば、添加剤は、負極膜形成添加剤、正極膜形成添加剤を含むことができ、電池の過充電性能を向上させる添加剤、電池の高温性能又は低温性能を向上させる添加剤などの電池のある性能を向上させることができる添加剤をさらに含むことができる。
【0141】
[セパレーター]
【0142】
幾つかの実施形態では、二次電池にはセパレーターがさらに含まれる。本出願の実施例では、セパレーターの種類は、特に限定されず、良好な化学的安定性及び機械的安定性を有する任意の公知の多孔質構造のセパレーターを選択することができる。
【0143】
幾つかの実施形態では、セパレーターの材質は、ガラス繊維、不織布、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリフッ化ビニリデンから選択される少なくとも1種であってもよい。セパレーターは、単層膜であってもよいし、多層複合膜であってもよく、特に限定されない。セパレーターが多層複合膜である場合、各層の材料は、同じであっても異なってもよく、特に限定されない。
【0144】
幾つかの実施形態において、正極シート、負極シート及びセパレーターは、巻き取り工程又は積層工程によって電極アセンブリに製造され得る。
【0145】
幾つかの実施形態では、二次電池には外装が含まれてもよい。当該外装は、上記の正極シート、負極シート、セパレーター及び電解質をパッケージングするために使用される。
【0146】
幾つかの実施形態では、二次電池の外装は、硬質プラスチックケース、アルミニウムケース、スチールケースなどのハードケースであってもよい。二次電池の外装は、パウチ型ソフトパッケージなどのソフトパッケージであってもよい。ソフトパッケージの材質は、プラスチックであってもよく、プラスチックとして、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート及びポリブチレンサクシネート等が挙げられる。
【0147】
[二次電池]
【0148】
本出願の実施例は、二次電池をさらに提供する。
【0149】
図16は本出願の幾つかの実施例によって提供される二次電池の電極アセンブリの構造概略図である。
図17は本出願の幾つかの実施例によって提供される二次電池の分解概略図である。
【0150】
図16と
図17に示すように、二次電池30は、トップカバーアセンブリ31、ケース32、ケース32に収容された電極アセンブリ40及び電解質を含む。電極アセンブリ40は、電極シート50とセパレーター41とを含む。電極シート50は、正極シートと負極シートを含む。二次電池30の充放電プロセスにおいて、活性イオンは、正極シートと負極シートとの間で往復して埋め込まれ、脱出される。電解質は、正極シートと負極シートの間でイオンの伝導の役割を果たす。セパレーター41は、正極シートと負極シートとの間に設けられ、主に正極と負極の短絡を防止する役割を果たすとともに、イオンを通過させることができる。具体的には、当該二次電池は、リチウムイオン二次電池、リチウム一次電池、ナトリウムイオン電池、マグネシウムイオン電池などの巻き取り型又は積層型電池であってもよいが、これらに限定されない。
図14は巻き取り型の電極アセンブリを示す。
【0151】
幾つかの実施形態では、正極シートは、本出願の第2態様の実施例の正極シートを含む。本出願の実施例の二次電池30は、本出願の第2態様の電極シートを使用しているため、従来の二次電池と比較して、優れた電気化学的性能を有する。それに応じて、負極シートは、本分野における従来の負極シート、又は本出願の第2態様の実施例の負極シートを使用することができる。
【0152】
幾つかの実施形態では、負極シートは、本出願の第2態様の実施例の負極シートを含む。本出願の実施例の二次電池30は、本出願の第2態様の電極シートを使用しているため、従来の二次電池と比較して、優れた電気化学的性能を有する。それに応じて、正極シートは、本分野における従来の正極シートを使用することができる。
【0153】
幾つかの実施形態では、正極シートは、本出願の第2態様の実施例の正極シートを含む。負極シートは、本出願の第2態様の実施例の負極シートを含む。本出願の実施例の二次電池30は、本出願の第2態様の電極シートを使用しているため、従来の二次電池と比較して、優れた電気化学的性能を有する。
【0154】
本出願では、二次電池30の形状は、特に限定されず、円筒形、方形又は他の形状であってもよい。例えば、
図17は1つの例としての方形構造の二次電池である。
【0155】
幾つかの実施形態では、二次電池30の外装は、ケース32及びトップカバーアセンブリ31を含むことができる。ここで、ケース32は、底板と、底板に連結された側板とを含むことができ、底板と側板は、収容キャビティを形成するように取り囲まれる。ケース32は、収容キャビティと連通する開口部を有し、トップカバーアセンブリ31は、収容キャビティを閉鎖するために開口部を覆うことができる。正極シート、負極シート及びセパレーター41は、巻き取り工程又は積層工程によって電極アセンブリ40を形成することができる。電極アセンブリ40は、収容キャビティ内にパッケージングされる。電解液は、電極アセンブリ40に浸潤される。二次電池30に含まれる電極アセンブリ40の数は、1つまたは複数個であってもよく、当業者は、具体的な実際のニーズに応じて選択することができる。
【0156】
幾つかの実施形態において、二次電池30は、電池モジュールに組み立てられてもよく、電池モジュールに含まれる二次電池の数は、1つまたは複数個であってもよく、具体的な数は、電池モジュールの適用及び容量に応じて当業者によって選択されてもよい。
【0157】
図18は本出願の幾つかの実施例によって提供される電池モジュールの部分構造の概略図である。
【0158】
図18に示すように、電池モジュール20において、複数の二次電池30は、電池モジュール20の長さ方向に沿って順次並んで設けられてもよい。当然、他の任意の方式に従って配置されてもよい。さらに、当該複数の二次電池30を留め具で固定することができる。
【0159】
選択可能に、電池モジュール20は、複数の二次電池30を収容するための収容空間を有するハウジングをさらに含んでもよい。
【0160】
幾つかの実施形態において、上記電池モジュールは、電池パックに組み立てられてもよく、電池パックに含まれる電池モジュールの数は、1つまたは複数個であってもよく、具体的な数は、電池パックの適用及び容量に応じて当業者によって選択されてもよい。
【0161】
図19は本出願の幾つかの実施例によって提供される電池パックの分解概略図である。
【0162】
図19に示すように、電池パック10には、電池筐体と、電池筐体内に設けられた複数の電池モジュール20とが含まれてもよい。電池筐体は、上筐体12と下筐体11とを含み、上筐体12は、下筐体11を覆い、電池モジュール20を収容するための密閉空間を形成することができる。複数の電池モジュール20は、任意の方式に従って電池筐体内に配置されてもよい。
【0163】
また、本出願は、電気装置をさらに提供する。
【0164】
図20は本出願の幾つかの実施例によって提供される電気装置の構造概略図である。
【0165】
図20に示すように、電気装置1は、本出願で提供される二次電池30、電池モジュール又は電池パックのうちの少なくとも1種を含む。二次電池30、電池モジュール、又は電池パックは、電気装置の電源として使用されてもよいし、電気装置のエネルギー貯蔵ユニットとして使用されてもよい。電気装置1は、モバイルデバイス(例えば携帯電話、ノートパソコンなど)、電気自動車(例えば純電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車、電動自転車、電動スクーター、電動ゴルフカート、電動トラックなど)、電気列車、船舶及び人工衛星、エネルギー貯蔵システムなどを含むことができるが、これらに限定されない。
【0166】
電気装置として、使用ニーズに応じて二次電池、電池モジュール又は電池パックを選択することができる。
【0167】
当該電気装置1は、純電気自動車、ハイブリッド電気自動車又はプラグインハイブリッド電気自動車等である。当該電気装置1の二次電池30の高電力及び高エネルギー密度に対するニーズを満たすために、電池パック又は電池モジュールを使用することができる。
【0168】
別の例としての装置は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートパソコンなどであってもよい。当該装置は、通常、薄型化が要求され、二次電池を電源として使用することができる。
【実施例】
【0169】
以下、本出願の実施例を説明する。以下に説明される実施例は、例示的なものであり、本出願を解釈するためのものだけであり、本出願を限定するものとして理解されるべきではない。実施例に具体的な技術又は条件が示されていない場合、本分野内の文献に記載される技術又は条件又は製品仕様書に従って行う。メーカーの表示がない試薬又は器具は、すべて市場から入手できる従来の製品である。
【0170】
実施例1
【0171】
1、正極複合集電体の製造
厚さ4.5μmのPET支持層(融点251℃)を選択し、支持層の表面をクリーニングした。
ポリウレタン接着剤を前記支持層の一面に塗布して、接着剤層を形成するための塗布層(厚さ約2μm)を形成した。
上記塗布層をプレベークした。
プレベークした塗布層上にアルミニウム層を、第1サブ部分と第3サブ部分を含む第1導電シートとして提供し、第1導電シートを支持層と複合集電体の第1積層体に形成させた。
上記第1積層体を高温でプレスし、プレス後に硬化させた。
ポリウレタン接着剤を上記支持層の他方の面に塗布して、接着剤層を形成するための塗布層(厚さ約2μm)を形成した。
プレベークした塗布層上にアルミニウム層を、第2サブ部分と第4サブ部分を含む第2導電シートとして提供し、第2導電シートを支持層と複合集電体の第2積層体に形成させた。
上記第2積層体を高温でプレスし、プレス後に硬化させ、PETとアルミニウム層との間に接着剤層が含まれる複合集電体を形成し、2つのアルミニウム層がそれぞれ第1導電シートと第2導電シートを形成した。
第1導電シートは、第1サブ部分と第3サブ部分を含み、第2導電シートは、第2サブ部分と第4サブ部分を含み、第1サブ部分と第2サブ部分は、2つの第1面にそれぞれ設けられ、第3サブ部分と第4部分の両方は、支持層から突出していた。ここで、第1サブ部分、第2サブ部分、第3サブ部分及び第4サブ部分の厚さは、いずれも5μmであり、第1部分の厚さAは、10μmであり、第2部分の厚さBは、10μmであり、A/B=1であった。
第3サブ部分と第4サブ部分とを互いに貼り合わせて一体に溶接させ、即ち、カスタマイズされた加熱ローラーを使用し、表面温度を675℃に加熱し、第3サブ部分と第4サブ部分に対して60Tの圧力で熱間プレス溶接を行った。
【0172】
2、正極シートの製造
正極活物質LiNi0.8Co0.1Mn0.1O2(NCM811)、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2(NCM523)、導電性カーボンブラック、接着剤ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を重量比82:14:2:2で適切な量のN-メチルピロリドン(NMP)溶媒に十分に攪拌混合し、均一な正極スラリーを形成し、正極スラリーを正極複合集電体の表面に塗布し、乾燥、冷間プレス、タブ切断等の工程を経った後、正極シートを得た。
【0173】
3、負極複合集電体
厚さ6μmの銅箔を使用した。
【0174】
4、負極シートの製造
負極活物質グラファイト、導電性カーボンブラック、増粘剤カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、接着剤スチレンブタジエンゴムエマルジョン(SBR)を重量比96.5:1.0:1.0:1.5で適切な量の脱イオン水に十分に撹拌混合し、均一な負極スラリーを形成し、負極スラリーを負極複合集電体に塗布し、乾燥等の工程を経った後、負極シートを得た。
【0175】
5、セパレーター
PP膜を使用した。
【0176】
6、電解液の調製
体積比3:7のエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)を均一に混合し、有機溶媒を得て、次に1mol/LのLiPF6を上記有機溶媒に均一に溶解した。
【0177】
7、二次電池の製造
正極シート、セパレーター、負極シートを順次積層して設け、次に電池コアに巻き取って包装用ハウジングに入れ、上記電解液を電池コアに注入し、封止、静置、熱間プレス及び冷間プレス、化成等の工程を経て二次電池を得た。
【0178】
実施例2
実施例1との違い点は、熱圧融着ステップの後に以下のステップが追加されたことである:
第3サブ部分と第4サブ部分の外面にPMMA保護層をそれぞれ設けた。即ち、PMMA-アニソール溶液を初期塗料として購入し、塗布機のバックローラーの第3サブ部分及び第4サブ部分に対応する位置にテフロンパッドを貼り付け、パッドの寸法を第3サブ部分と第4サブ部分にちょうど対応するように設計し、PMMA保護層を塗布する時に第3サブ部分と第4サブ部分の位置のみを塗布し、オーブンの温度を80~100℃に設定し、オーブンによるベークを経て、塗布速度が8m/minであり、最終的な保護層の厚さを約30μmにした。
化学エッチングによって第1サブ部分と第2サブ部分の厚さを薄化し、特定の領域で保護層が塗布された複合集電体を、NaOH溶液を含むエッチングタンクに通過させ、溶液温度が60℃であり、移動速度が11m/minであり、PMMA保護層が設けられていない導電層の厚さを薄化し、洗浄及び乾燥後、第1サブ部分の厚さを3μmにし、第2サブ部分の厚さを3μmにした。
PMMA保護層を除去し、エッチングされた複合集電体をアセトンを含む溶解タンクに通過させ、アセトンの温度が50℃であり、移動速度が10m/minであり、表面のPMMA層を除去することができた。
本実施例の第1サブ部分の厚さは3μmであり、第2サブ部分の厚さは3μmであり、第3サブ部分の厚さは5μmであり、第4サブ部分の厚さは5μmであった。第1部分の厚さAは6μmであり、第2部分の厚さBは10μmであり、A/B=0.6であった。
【0179】
実施例3
実施例1との違い点は、熱圧融着ステップの後に以下のステップが追加されたことである:
第3サブ部分と第4サブ部分にPMMA保護層をそれぞれ設けた。即ち、PMMA-アニソール溶液を初期塗料として購入し、塗布機のバックローラーの第3サブ部分及び第4サブ部分に対応する位置にテフロンパッドを貼り付け、パッドの寸法を第3サブ部分と第4サブ部分にちょうど対応するように設計し、PMMA保護層を塗布する時に第3サブ部分と第4サブ部分の位置のみを塗布し、オーブン温度を80~100℃に設定し、オーブンによるベークを経て、塗布速度が8m/minであり、最終的な保護層の厚さを約30μmにした。
化学エッチングによって第1サブ部分と第2サブ部分の厚さを薄化し、特定の領域で保護層が塗布された複合集電体を、NaOH溶液を含むエッチングタンクに通過させ、溶液温度が60℃であり、移動速度が9m/minであり、PMMA保護層が設けられていない導電層の厚さを薄化し、洗浄及び乾燥後、第1サブ部分の厚さを1μmにし、第2サブ部分の厚さを1μmにした。
PMMA保護層を除去し、エッチングされた複合集電体をアセトンを含む溶解タンクに通過させ、アセトンの温度が50℃であり、移動速度が10m/minであり、表面のPMMA層を除去することができた。
本実施例の第1サブ部分の厚さは1μmであり、第2サブ部分の厚さは1μmであり、第3サブ部分の厚さは5μmであり、第4サブ部分の厚さは5μmであった。第1部分の厚さAは2μmであり、第2部分の厚さBは10μmであり、A/B=0.2であった。
【0180】
実施例4
実施例1との違い点は、熱圧融着ステップの後に以下のステップが追加されたことである:
第3サブ部分と第4サブ部分にPMMA保護層をそれぞれ設けた。即ち、PMMA-アニソール溶液を初期塗料として購入し、塗布機のバックローラーの第3サブ部分及び第4サブ部分に対応する位置にテフロンパッドを貼り付け、パッドの寸法を第3サブ部分と第4サブ部分にちょうど対応するように設計し、PMMA保護層を塗布する時に第3サブ部分と第4サブ部分の位置のみを塗布し、オーブンの温度を80~100℃に設定し、オーブンによるベークを経て、塗布速度が8m/minであり、最終的な保護層の厚さを約30μmにした。
化学エッチングによって第1サブ部分と第2サブ部分の厚さを薄化し、特定の領域で保護層が塗布された複合集電体を、NaOH溶液を含むエッチングタンクに通過させ、溶液温度が63℃であり、移動速度が9m/minであり、PMMA保護層が設けられていない導電層の厚さを薄化し、洗浄及び乾燥後、第1サブ部分の厚さを0.75μmにし、第2サブ部分の厚さを0.75μmにした。
PMMA保護層を除去し、エッチングされた複合集電体をアセトンを含む溶解タンクに通過させ、アセトンの温度が50℃であり、移動速度が10m/minであり、表面のPMMA層を除去することができた。
本実施例の第1サブ部分の厚さは0.75μmであり、第2サブ部分の厚さは0.75μmであり、第3サブ部分の厚さは10μmであり、第4サブ部分の厚さは5μmであった。第1部分の厚さAは5μmであり、第2部分の厚さBは10μmであり、A/B=0.15であった。
【0181】
実施例5
実施例1との違い点は、熱圧融着ステップの後に以下のステップが追加されたことである:
第3サブ部分と第4サブ部分にPMMA保護層をそれぞれ設けた。即ち、PMMA-アニソール溶液を初期塗料として購入し、塗布機のバックローラーの第3サブ部分及び第4サブ部分に対応する位置にテフロンパッドを貼り付け、パッドの寸法を第3サブ部分と第4サブ部分にちょうど対応するように設計し、PMMA保護層を塗布する時に第3サブ部分と第4サブ部分の位置のみを塗布し、オーブンの温度を80~100℃に設定し、オーブンによるベークを経て、塗布速度が8m/minであり、最終的な保護層の厚さを約30μmにした。
化学エッチングによって第1サブ部分と第2サブ部分の厚さを薄化し、特定の領域で保護層が塗布された複合集電体を、NaOH溶液を含むエッチングタンクに通過させ、溶液温度が65℃であり、移動速度が8m/minであり、PMMA保護層が設けられていない導電層の厚さを薄化し、洗浄及び乾燥後、第1サブ部分の厚さが0.5μmであり、第2サブ部分の厚さが0.5μmであった。
PMMA保護層を除去し、エッチングされた複合集電体をアセトンを含む溶解タンクに通過させ、アセトンの温度が50℃であり、移動速度が10m/minであり、表面のPMMA層を除去することができた。
本実施例の第1サブ部分の厚さは0.5μmであり、第2サブ部分の厚さは0.5μmであり、第3サブ部分の厚さは5μmであり、第4サブ部分の厚さは5μmであった。第1部分の厚さAは1μmであり、第2部分の厚さBは10μmであり、A/B=0.1であった。
【0182】
実施例6
実施例1との違い点は、熱圧融着ステップの後に以下のステップが追加されたことである:
第3サブ部分と第4サブ部分にPMMA保護層をそれぞれ設けた。即ちPMMA-アニソール溶液を初期塗料として購入し、塗布機のバックローラーの第3サブ部分及び第4サブ部分に対応する位置にテフロンパッドを貼り付け、パッドの寸法を第3サブ部分と第4サブ部分にちょうど対応するように設計し、PMMA保護層を塗布する時に第3サブ部分と第4サブ部分の位置のみを塗布し、オーブンの温度を80~100℃に設定し、オーブンによるベークを経て、塗布速度が8m/minであり、最終的な保護層の厚さを約30μmにした。
化学エッチングによって第1サブ部分の厚さを薄化し、特定の領域で保護層が塗布された複合集電体を、NaOH溶液を含むエッチングタンクに通過させ、溶液温度が60℃であり、移動速度が11m/minであり、PMMA保護層が設けられていない導電層の厚さを薄化し、洗浄及び乾燥後、第1サブ部分の厚さが3μmであった。
PMMA保護層を除去し、エッチングされた複合集電体をアセトンを含む溶解タンクに通過させ、アセトンの温度が50℃であり、移動速度が10m/minであり、表面のPMMA層を除去することができた。
本実施例の第1サブ部分の厚さは3μmであり、第2サブ部分の厚さは5μmであり、第3サブ部分の厚さは5μmであり、第4サブ部分の厚さは5μmであった。第1部分の厚さAは8μmであり、第2部分の厚さBは10μmであり、A/B=0.8であった。
【0183】
実施例7
実施例1との違い点は、熱圧融着ステップの後に以下のステップが追加されたことである:
第2サブ部分と第4サブ部分にPMMA保護層を設け、PMMA-アニソール溶液を初期塗料として購入し、塗布機を使用して第2サブ部分及び第4サブ部分をそれぞれ塗布し、オーブンの温度を80~100℃に設定し、塗布速度が8m/minであり、最終的な保護層の厚さを約30μmにした。
化学エッチングによって第1サブ部分と第3サブ部分の厚さを薄化し、特定の領域で保護層が塗布された複合集電体を、NaOH溶液を含むエッチングタンクに通過させ、溶液温度が60℃であり、移動速度が11m/minであり、PMMA保護層が設けられていない導電層の厚さを薄化し、洗浄及び乾燥後、第1サブ部分と第3サブ部分の厚さを3μmにした。
PMMA保護層を除去し、エッチングされた複合集電体をアセトンを含む溶解タンクに通過させ、アセトンの温度が50℃であり、移動速度が10m/minであり、表面のPMMA層を除去することができた。
本実施例の第1サブ部分の厚さは3μmであり、第2サブ部分の厚さは5μmであり、第3サブ部分の厚さは3μmであり、第4サブ部分の厚さは5μmであった。第1部分の厚さAは8μmであり、第2部分の厚さBは8μmであり、A/B=1であった。
【0184】
実施例8
実施例1との違い点は、熱圧融着ステップの後に以下のステップが追加されたことである:
化学エッチングによって第1サブ部分、第2サブ部分、第3サブ部分及び第4サブ部分の厚さを直接薄化し、特定の領域で保護層が塗布された複合集電体を、NaOH溶液を含むエッチングタンクに通過させ、溶液温度が60℃であり、移動速度が11m/minであり、非保護領域の導電層の厚さを薄化し、洗浄及び乾燥を行い、第1サブ部分の厚さを3μmにし、第2サブ部分の厚さを3μmにし、第3サブ部分の厚さを3μmにし、第4サブ部分の厚さを3μmにした。
PMMA保護層を除去し、エッチングされた複合集電体をアセトンを含む溶解タンクに通過させ、アセトンの温度が50℃であり、移動速度が10m/minであり、表面のPMMA層を除去することができた。
本実施例の第1サブ部分の厚さは3μmであり、第2サブ部分の厚さは3μmであり、第3サブ部分の厚さは3μmであり、第4サブ部分の厚さは3μmであった。第1部分の厚さAは6μmであり、第2部分の厚さBは6μmであり、A/B=1であった。
【0185】
実施例9
実施例1との違い点は、熱圧融着ステップの後に以下のステップが追加されたことである:
第1サブ部分、第2サブ部分及び第4サブ部分にPMMA保護層をそれぞれ設けた。
化学エッチングによって第3サブ部分の厚さを薄化し、特定の領域で保護層が塗布された複合集電体を、NaOH溶液を含むエッチングタンクに通過させ、溶液温度が60℃であり、移動速度が11m/minであり、非保護領域の導電層の厚さを薄化し、洗浄及び乾燥を行い、第3サブ部分の厚さを3μmにした。
PMMA保護層を除去し、エッチングされた複合集電体をアセトンを含む溶解タンクに通過させ、アセトンの温度が50℃であり、移動速度が10m/minであり、表面のPMMA層を除去することができた。
本実施例の第1サブ部分の厚さは5μmであり、第2サブ部分の厚さは5μmであり、第3サブ部分の厚さは3μmであり、第4サブ部分の厚さは5μmであった。第1部分の厚さAは10μmであり、第2部分の厚さBは8μmであり、A/B=1.1であった。
【0186】
実施例10
実施例1との違い点は、熱圧融着ステップの後に以下のステップが追加されたことである:
第1導電シートと第2導電シートとの間に接続層(スズ層)を形成した。即ち、スズ粉末を購入し、1μmのふるいにかけ、1μmを超える粒子径の粉末を除去し、スズ粉末とPVDFの重量比98:2でNMPに加えて均一に攪拌し、次にスズ粒子を含むスラリーを第3サブ部分の第4サブ部分に面する表面に塗布し、オーブンの温度を80~100℃にして乾燥し、スズ層の厚さを1μmにした。
第3サブ部分、スズ層及び第4サブ部分は、互いに貼り合わせて一体に溶接され、溶接温度は300°Cであり、圧力は30Tであった。
第1サブ部分にPMMA保護層を設け、PMMA-アニソール溶液を初期塗料として購入し、塗布機のバックローラーの第1サブ部分に対応する位置にテフロンパッドを貼り付け、パッドの寸法を第1サブ部分にちょうど対応するように設計し、PMMA保護層を塗布する時に第1サブ部分の位置のみを塗布し、オーブンの温度を80~100℃に設定し、オーブンによるベークを経て、塗布速度が8m/minであり、最終的な保護層の厚さを約30μmにした。
化学エッチングによって第3サブ部分の厚さを薄化し、特定の領域で保護層が塗布された複合集電体を、NaOH溶液を含むエッチングタンクに通過させ、溶液温度が60℃であり、移動速度が12m/minであり、PMMA保護層が設けられていない導電層の厚さを薄化し、洗浄及び乾燥後、第3サブ部分の厚さを4μmにした。
PMMA保護層を除去し、エッチングされた複合集電体をアセトンを含む溶解タンクに通過させ、アセトンの温度が50℃であり、移動速度が10m/minであり、表面のPMMA層を除去することができた。
本実施例の第1サブ部分の厚さは5μmであり、第2サブ部分の厚さは5μmであり、第3サブ部分の厚さは4μmであり、第4サブ部分の厚さは5μmであり、スズ層の厚さは1μmであった。第1部分の厚さAは10μmであり、第2部分の厚さBは10μmであり、A/B=1であった。
【0187】
実施例11
実施例1との違い点は、熱圧融着ステップの後に以下のステップが追加されたことである:
第1導電シートと第2導電シートとの間に接続層(スズ層)を形成した。即ち、スズ粉末を購入し、2μmのふるいにかけ、スズ粉末とPVDFの重量比98:2でNMPに加えて均一に攪拌し、次にスズ粒子を含むスラリーを第3サブ部分の第4サブ部分に面する表面に塗布し、オーブンの温度を80~100℃にして乾燥し、スズ層の厚さを2μmにした。
第3サブ部分、スズ層及び第4サブ部分は、互いに貼り合わせて一体に溶接され、溶接温度は300°Cであり、圧力は30Tであった。
第1サブ部分にPMMA保護層を設け、PMMA-アニソール溶液を初期塗料として購入し、塗布機のバックローラーの第1サブ部分に対応する位置にテフロンパッドを貼り付け、パッドの寸法を第1サブ部分にちょうど対応するように設計し、PMMA保護層を塗布する時に第1サブ部分の位置のみを塗布し、オーブンの温度を80~100℃に設定し、オーブンによるベークを経て、塗布速度が8m/minであり、最終的な保護層の厚さを約が30μmにした。
化学エッチングによって第3サブ部分の厚さを薄化し、特定の領域で保護層が塗布された複合集電体を、NaOH溶液を含むエッチングタンクに通過させ、溶液温度が60℃であり、移動速度が11m/minであり、PMMA保護層が設けられていない導電層の厚さを薄化し、洗浄及び乾燥後、第3サブ部分の厚さを3μmにした。
PMMA保護層を除去し、エッチングされた複合集電体をアセトンを含む溶解タンクに通過させ、アセトンの温度が50℃であり、移動速度が10m/minであり、表面のPMMA層を除去することができた。
本実施例の第1サブ部分の厚さは5μmであり、第2サブ部分の厚さは5μmであり、第3サブ部分の厚さは3μmであり、第4サブ部分の厚さは5μmであり、スズ層の厚さは2μmであった。第1部分の厚さAは10μmであり、第2部分の厚さBは10μmであり、A/B=1であった。
【0188】
実施例12
実施例1との違い点は、熱圧融着ステップの後に以下のステップが追加されたことである:
第1導電シートと第2導電シートとの間に接続層(スズ層)を形成した。即ち、スズ粉末を購入し、5μmのふるいにかけ、5μmを超える粒子径の粉末を除去し、スズ粉末とPVDFの重量比98:2でNMPに加えて均一に攪拌し、次にスズ粒子を含むスラリーを第3サブ部分の第4サブ部分に面する表面に塗布し、オーブンの温度を80~100℃にして乾燥し、スズ層の厚さを5μmにした。
第3サブ部分、スズ層及び第4サブ部分は、互いに貼り合わせて一体に溶接され、溶接温度は310℃であり、圧力は35Tであった。
第1サブ部分と第2サブ部分にPMMA保護層を設け、PMMA-アニソール溶液を期塗料として購入し、パッドの寸法を第1サブ部分と第2サブ部分にちょうど対応するように設計し、PMMA保護層を塗布する時に第1サブ部分と第2サブ部分の位置のみを塗布し、オーブンの温度を80~100℃に設定し、オーブンによるベークを経て、塗布速度が8m/minであり、最終的な保護層の厚さを約30μmにした。
化学エッチングによって第3サブ部分と第4サブ部分の厚さを薄化し、特定の領域で保護層が塗布された複合集電体を、NaOH溶液を含むエッチングタンクに通過させ、溶液温度が60℃であり、移動速度が10m/minであり、PMMA保護層が設けられていない導電層の厚さを薄化し、洗浄及び乾燥後、第3サブ部分の厚さを2.5μmにし、第4サブ部分の厚さを2.5μmにした。
PMMA保護層を除去し、エッチングされた複合集電体をアセトンを含む溶解タンクに通過させ、アセトンの温度が50℃であり、移動速度が10m/minであり、表面のPMMA層を除去することができた。
本実施例の第1サブ部分の厚さは5μmであり、第2サブ部分の厚さは5μmであり、第3サブ部分の厚さは2.5μmであり、第4サブ部分の厚さは2.5μmであり、スズ層の厚さは5μmであった。第1部分の厚さAは10μmであり、第2部分の厚さBは10μmであり、A/B=1であった。
【0189】
実施例13
実施例1との違い点は、熱圧融着ステップの後に以下のステップが追加されたことである:
第1導電シートと第1導電シートとの間に接続層(ポリアニリン層)を形成した。即ち、導電性ポリアニリンの粉末を購入し、研磨し粒子を微細化して、2μmのふるいにかけ、2μmを超える粒子径の粉末を除去し、NMPにポリアニリン粒子とPVDFの重量比99:1で加え、NMP溶液中で100℃に加熱し、真空中で均一に撹拌し、次にポリアニリン含有スラリーを、第3部分の第4サブ部分に面する表面に塗布し、温度80~100℃のオーブンで乾燥させ、ポリアニリン層の厚さを2μmにした。
第3サブ部分、ポリアニリン層及び第4サブ部分は、互いに貼り合わせて一体に溶接され、溶接温度は370℃であり、圧力は35Tであった。
第1サブ部分にPMMA保護層を設け、PMMA-アニソール溶液を初期塗料として購入し、パッドの寸法を第1サブ部分にちょうど対応するように設計し、PMMA保護層を塗布する時に第1サブ部分の位置のみを塗布し、オーブンの温度を80~100℃に設定し、オーブンによるベークを経て、塗布速度が8m/minであり、最終的な保護層の厚さを約30μmにした。
化学エッチングによって第3サブ部分の厚さを薄化し、特定の領域で保護層が塗布された複合集電体を、NaOH溶液を含むエッチングタンクに通過させ、溶液温度が60℃であり、移動速度が11m/minであり、PMMA保護層が設けられていない導電層の厚さを薄化し、洗浄及び乾燥後、第3サブ部分の厚さを3μmにした。
PMMA保護層を除去し、エッチングされた複合集電体をアセトンを含む溶解タンクに通過させ、アセトンの温度が50℃であり、移動速度が10m/minであり、表面のPMMA層を除去することができた。
本実施例の第1サブ部分の厚さは5μmであり、第2サブ部分の厚さは5μmであり、第3サブ部分の厚さは3μmであり、第4サブ部分の厚さは5μmであり、ポリアニリン層の厚さは2μmであった。第1部分の厚さAは10μmであり、第2部分の厚さBは10μmであり、A/B=1であった。
【0190】
実施例14
【0191】
1、負極複合集電体の製造
厚さ4.5μmのPP支持層(融点189℃)を選択し、支持層の表面をクリーニングした。
ポリウレタン接着剤を前記支持層の一面に塗布して、接着層を形成するための塗布層(厚さ2um)を形成した。
前記塗布層をプレベークした。
プレベークした塗布層上に銅層を、第1サブ部分と第3サブ部分を含む第1導電シートとして提供し、第3サブ部分にスズ層を塗布し、スズ層の厚さが2μmであり、第3サブ部分と第4サブ部分とを互いに貼り合わせて一体に溶接させ、カスタマイズされた加熱ローラーにより、第3サブ部分と第4サブ部分のみに対して熱圧融着を行い、圧力が35Tであり、温度が300℃であり、複合集電体を形成するための第1積層体を形成した。
上記第1積層体を高温でプレスし、プレス後に硬化させ、PETと銅層との間に接着剤層が含まれる複合集電体を形成し、2つの銅層がそれぞれ第1導電シートと第2導電シートを形成した。
第1導電シートは、第1サブ部分と第3サブ部分を含み、第2導電シートは、第2サブ部分と第4サブ部分を含み、第1サブ部分と第2サブ部分は、2つの第1面にそれぞれ設けられ、第3サブ部分と第4部分の両方は、支持層から突出し、ここで、第1サブ部分、第2サブ部分、第3サブ部分及び第4サブ部分の厚さがすべて5μmであり、Sn接続層の厚さが2μmであり、第1部分の厚さAが10μmであり、第2部分の厚さBが12μm、A/B=0.83であった。
【0192】
2、負極シートの製造
負極活物質グラファイト、導電性カーボンブラック、増粘剤カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、接着剤スチレンブタジエンゴムエマルジョン(SBR)を適切な量の脱イオン水に重量比96.5:1.0:1.0:1.5で十分に撹拌混合し、均一な負極スラリーを形成し、負極スラリーを負極複合集電体に塗布し、乾燥等の工程を経った後、負極シートを得た。
【0193】
3、正極複合集電体
厚さ13μmのアルミ箔を使用した。
【0194】
4、正極シートの製造
正極活物質LiNi0.8Co0.1Mn0.1O2(NCM811)、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2(NCM523)、導電性カーボンブラック、接着剤ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を適切な量のN-メチルピロリドン(NMP)溶媒に重量比82:14:2:2で十分に攪拌混合し、均一な正極スラリーを形成し、正極スラリーを正極複合集電体に塗布し、乾燥等の工程を経った後、正極シートを得た。
【0195】
5、セパレーター
PP膜を使用した。
【0196】
6、電解液の調製
体積比3:7のエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)を均一に混合し、有機溶媒を得て、次に1mol/LのLiPF6を上記有機溶媒に均一に溶解した。
【0197】
7、二次電池の製造
正極シート、セパレーター、負極シートを順次積層して設け、次に電池コアに巻き取って包装用ハウジングに入れ、上記電解液を電池コアに注入し、封止、静置、熱間プレス及び冷間プレス、化成等の工程を経て二次電池を得た。
【0198】
比較例1
厚さ4.5μmのPP膜を支持層として選択し、上下面に厚さ0.5μmのアルミ箔を導電層として設け、タブを切断するように、トランスファー溶接工程によって導電層のエッジに外部アルミ箔を溶接した。
【0199】
性能テスト方法
【0200】
1、二次電池の体積エネルギー密度テスト
常温で、作製した二次電池を1C倍率の電流で初回充電し、充電が定電流・定電圧充電であり、終了電圧が4.2Vであり、カットオフ電流が0.05Cであり、1C倍率の電流で放電し、放電終止電圧が2.8Vであり、二次電池を初回サイクルさせたときの放電容量Cb及び放電プラットフォーム電圧Uを記録した。
電池の長さ(L)、幅(W)及び高さ(H)を最小目盛り1mmのソフト定規又はスチール定規で測定すると、二次電池の体積エネルギー密度を次の式で計算した:
体積エネルギー密度=Cb*U/(L*W*H)。
【0201】
2、直流電流放電内部抵抗DCR検出:
テスト条件は、常温条件で、作製した二次電池をSOC50%、4C倍率(定電流がIとして記される)で30s放電し、放電前後の電圧をΔVに下げ、DCR=ΔV/Iとすることであった。
【0202】
【0203】
表1から分かるように、比較例1において、導電層のエッジと外部アルミニウム箔がトランスファー溶接工程によって溶接され、溶接領域に上下両層の独立したアルミニウム箔があり、かつ溶接領域に溶接があり、この溶接方式により、溶接強度がある程度限定され、かつ溶接領域のタブの厚さが増し、過電流能力を高めることができたが、二次電池の過電流能力及びエネルギー密度が比較的低かった。比較例1と比較して、実施例5において、ホットメルト接続が採用されており、二次電池の過電流能力とエネルギー密度が大幅に向上した。
【0204】
実施例1~実施例5では、第1部分の厚さが薄くなるにつれて、A/B値が徐々に小さくなり、二次電池のエネルギー密度が徐々に上がたが、同時に直流放電内部抵抗も徐々に増大した。
表1から分かるように、A/Bが0.2~1であった場合、二次電池のエネルギー密度及びDCRが優れていた。A/B<0.2の場合、DCRは大幅に増大した。
【0205】
実施例6~実施例9において、第2部分の異なる領域の厚さを差別化して設計することにより、二次電池のエネルギー密度及び過電流能力を調整することができ、二次電池は、異なる適用シーンに適応することができる。
【0206】
実施例10~実施例13において、第3サブ部分と第4サブ部分との間に金属接続層又は導電性ポリマー接続層を追加することにより、熱間プレス溶接の温度を下げ、加工難易度を下げることができ、特に、熱間プレス溶接の温度を例えば400℃以下まで下げることができ、かつ実施例10~実施例12の二次電池は、実施例1の直接熱間プレス溶接に近いエネルギー密度及び過電流能力を維持することができる。このことから、金属接続層は、複合集電体の加工に有利であり、かつ基本的に二次電池のエネルギー密度及び過電流能力に悪影響を与えないことが分かった。
【0207】
実施例14の二次電池のエネルギー密度及び過電流能力は、優れており、このことから、本出願の実施例の複合集電体は、正極複合集電体の製造に適用しているだけでなく、負極複合集電体にも適用しており、普遍性を有することが分かった。
【0208】
好ましい実施例を参照して本出願を説明したが、本出願の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、その一部を等価物で置き換えることができる。特に、各実施例に記載された各技術的特徴は、構成上の矛盾がない限り、任意の方式で組み合わせることができる。
本出願は、本明細書に開示された特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲内のすべての技術案を含むものである。
【国際調査報告】