(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-18
(54)【発明の名称】心房性不整脈を有する対象におけるカルディオバージョンの誘導のためのキットおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/18 20060101AFI20240111BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240111BHJP
A61K 31/167 20060101ALI20240111BHJP
A61K 31/138 20060101ALI20240111BHJP
A61K 31/4458 20060101ALI20240111BHJP
A61P 9/06 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
A61K31/18
A61K45/00
A61K31/167
A61K31/138
A61K31/4458
A61P9/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537307
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-08-21
(86)【国際出願番号】 US2021064213
(87)【国際公開番号】W WO2022133317
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511227266
【氏名又は名称】インカーダ セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100122644
【氏名又は名称】寺地 拓己
(72)【発明者】
【氏名】ベラーディネリ,ルイス
(72)【発明者】
【氏名】シューラー,カルロス
(72)【発明者】
【氏名】グズマン,ミゲル
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084MA13
4C084MA44
4C084MA52
4C084MA55
4C084NA14
4C084ZA36
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC21
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA44
4C086MA52
4C086MA55
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA36
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA21
4C206FA22
4C206GA18
4C206GA31
4C206JA11
4C206KA14
4C206KA15
4C206MA02
4C206MA04
4C206MA33
4C206MA37
4C206MA64
4C206MA72
4C206MA75
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZA36
(57)【要約】
本明細書では、カリウムチャネル阻害剤およびクラスI抗不整脈剤を使用して、心臓の状態、例えば心臓不整脈、例えば心房性不整脈を処置または予防するための方法およびキットが開示される。また、本明細書では、ナトリウムチャネル遮断薬とクラスI抗不整脈剤の静脈内、経口または吸入投与される固定用量の組合せによって心臓の状態を処置するための方法およびキットが開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナトリウムチャネル遮断薬、イブチリドまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む医薬組成物。
【請求項2】
前記ナトリウムチャネル遮断薬がクラスIb抗不整脈剤である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記ナトリウムチャネル遮断薬がリドカインまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記ナトリウムチャネル遮断薬が塩酸リドカインである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記ナトリウムチャネル遮断薬がメキシレチンまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記ナトリウムチャネル遮断薬が塩酸メキシレチンである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記ナトリウムチャネル遮断薬がクラスIc抗不整脈剤である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記ナトリウムチャネル遮断薬がフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記ナトリウムチャネル遮断薬がプロパフェノンまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項10】
吸入可能な乾燥粉末の形態である、請求項1および7~9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記乾燥粉末が超臨界流体による超臨界促進分散(SEDS)により形成される、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記乾燥粉末が超臨界沈殿により形成される、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記乾燥粉末がインプリントリソグラフィーによって形成される、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記乾燥粉末が凍結乾燥粉末である、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項15】
液体溶液の形態である、請求項1および7~9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.0005mg/mL~約5mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.0005mg/mL~約5mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項18】
約1mg/mL~約20mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.001mg/mL~約1mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項19】
約1mg/mL~約20mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.01mg/mL~約0.1mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項20】
約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.001mg/mL~約1mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項21】
約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.01mg/mL~約1mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項22】
約60mg/mL~約90mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.01mg/mL~約1mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項23】
約1mg/mL~約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.001mg/mL~約1mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項24】
約1mg/mL~約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.01mg/mL~約0.1mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項25】
約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.014mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項26】
約75mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.6mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項27】
約1mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.007mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記医薬組成物における前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記イブチリドまたは前記その薬学的に許容される塩との質量/質量比が60:1~240:1である、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記医薬組成物中の前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記イブチリドまたは前記その薬学的に許容される塩との質量/質量比が約120:1である、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項30】
約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項28または29に記載の医薬組成物。
【請求項31】
約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項28または29に記載の医薬組成物。
【請求項32】
約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項28または29に記載の医薬組成物。
【請求項33】
約1mg/mL~約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項28または29に記載の医薬組成物。
【請求項34】
約75mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項28または29に記載の医薬組成物。
【請求項35】
約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項28または29に記載の医薬組成物。
【請求項36】
約1mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項28または29に記載の医薬組成物。
【請求項37】
前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩が酢酸フレカイニドである、請求項8および16~36のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項38】
前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩が塩酸フレカイニドである、請求項8および16~36のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項39】
前記イブチリドまたはその薬学的に許容される塩がフマル酸イブチリドである、請求項1~38のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項40】
前記イブチリドまたはその薬学的に許容される塩がヘミフマル酸イブチリドである、請求項1~38のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項41】
ナトリウムチャネル遮断薬、ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む医薬組成物。
【請求項42】
前記ナトリウムチャネル遮断薬がクラスIb抗不整脈剤である、請求項41に記載の医薬組成物。
【請求項43】
前記ナトリウムチャネル遮断薬がリドカインまたはその薬学的に許容される塩である、請求項41に記載の医薬組成物。
【請求項44】
前記ナトリウムチャネル遮断薬が塩酸リドカインである、請求項41に記載の医薬組成物。
【請求項45】
前記ナトリウムチャネル遮断薬がメキシレチンまたはその薬学的に許容される塩である、請求項41に記載の医薬組成物。
【請求項46】
前記ナトリウムチャネル遮断薬が塩酸メキシレチンである、請求項41に記載の医薬組成物。
【請求項47】
前記ナトリウムチャネル遮断薬がクラスIc抗不整脈剤である、請求項41に記載の医薬組成物。
【請求項48】
前記ナトリウムチャネル遮断薬がフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩である、請求項41に記載の医薬組成物。
【請求項49】
前記ナトリウムチャネル遮断薬がプロパフェノンまたはその薬学的に許容される塩である、請求項41に記載の医薬組成物。
【請求項50】
吸入可能な乾燥粉末の形態である、請求項41および47~49のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項51】
前記乾燥粉末が超臨界流体による超臨界促進分散(SEDS)により形成される、請求項50に記載の医薬組成物。
【請求項52】
前記乾燥粉末が超臨界沈殿により形成される、請求項50に記載の医薬組成物。
【請求項53】
前記乾燥粉末がインプリントリソグラフィーによって形成される、請求項50に記載の医薬組成物。
【請求項54】
前記乾燥粉末が凍結乾燥粉末である、請求項50に記載の医薬組成物。
【請求項55】
液体溶液の形態である、請求項41および47~49のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項56】
約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.0005mg/mL~約5mg/mLのドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項55に記載の医薬組成物。
【請求項57】
約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約5μg/mL~約40μg/mLのドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項55に記載の医薬組成物。
【請求項58】
約60mg/mL~約90mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約5μg/mL~約40μg/mLのドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項55に記載の医薬組成物。
【請求項59】
約1mg/mL~約20mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約5μg/mL~約40μg/mLのドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項55に記載の医薬組成物。
【請求項60】
前記医薬組成物における前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記ドフェチリドまたは前記その薬学的に許容される塩との質量/質量比が60:1~480:1である、請求項48に記載の医薬組成物。
【請求項61】
前記医薬組成物中の前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記ドフェチリドまたは前記その薬学的に許容される塩との質量/質量比が約240:1である、請求項48に記載の医薬組成物。
【請求項62】
約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項60または61に記載の医薬組成物。
【請求項63】
約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項60または61に記載の医薬組成物。
【請求項64】
約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項60または61に記載の医薬組成物。
【請求項65】
約1mg/mL~約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項60または61に記載の医薬組成物。
【請求項66】
約75mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項60または61に記載の医薬組成物。
【請求項67】
前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩が酢酸フレカイニドである、請求項48および56~66のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項68】
前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩が塩酸フレカイニドである、請求項48および56~66のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項69】
ナトリウムチャネル遮断薬、ソタロールまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む医薬組成物。
【請求項70】
前記ナトリウムチャネル遮断薬がクラスIb抗不整脈剤である、請求項69に記載の医薬組成物。
【請求項71】
前記ナトリウムチャネル遮断薬がリドカインまたはその薬学的に許容される塩である、請求項69に記載の医薬組成物。
【請求項72】
前記ナトリウムチャネル遮断薬が塩酸リドカインである、請求項69に記載の医薬組成物。
【請求項73】
前記ナトリウムチャネル遮断薬がメキシレチンまたはその薬学的に許容される塩である、請求項69に記載の医薬組成物。
【請求項74】
前記ナトリウムチャネル遮断薬が塩酸メキシレチンである、請求項69に記載の医薬組成物。
【請求項75】
前記ナトリウムチャネル遮断薬がクラスIc抗不整脈剤である、請求項69に記載の医薬組成物。
【請求項76】
前記ナトリウムチャネル遮断薬がフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩である、請求項69に記載の医薬組成物。
【請求項77】
前記ナトリウムチャネル遮断薬がプロパフェノンまたはその薬学的に許容される塩である、請求項69に記載の医薬組成物。
【請求項78】
吸入可能な乾燥粉末の形態である、請求項69および75~77のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項79】
前記乾燥粉末が超臨界流体による超臨界促進分散(SEDS)により形成される、請求項78に記載の医薬組成物。
【請求項80】
前記乾燥粉末が超臨界沈殿により形成される、請求項78に記載の医薬組成物。
【請求項81】
前記乾燥粉末がインプリントリソグラフィーによって形成される、請求項78に記載の医薬組成物。
【請求項82】
前記乾燥粉末が凍結乾燥粉末である、請求項78に記載の医薬組成物。
【請求項83】
液体溶液の形態である、請求項69および75~77のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項84】
約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.0005mg/mL~約5mg/mLのソタロールまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項83に記載の医薬組成物。
【請求項85】
約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.0005mg/mL~約5mg/mLのソタロールまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項83に記載の医薬組成物。
【請求項86】
約1mg/mL~約20mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.001mg/mL~約1mg/mLのソタロールまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項83に記載の医薬組成物。
【請求項87】
約1mg/mL~約20mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.01mg/mL~約0.1mg/mLのソタロールまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項83に記載の医薬組成物。
【請求項88】
約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.001mg/mL~約1mg/mLのソタロールまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項83に記載の医薬組成物。
【請求項89】
約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.01mg/mL~約0.1mg/mLのソタロールまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項83に記載の医薬組成物。
【請求項90】
約60mg/mL~約90mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.01mg/mL~約0.1mg/mLのソタロールまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項83に記載の医薬組成物。
【請求項91】
前記医薬組成物における前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記ソタロールまたは前記その薬学的に許容される塩との質量/質量比が0.5:1~2:1である、請求項76に記載の医薬組成物。
【請求項92】
前記医薬組成物中の前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記ソタロールまたは前記その薬学的に許容される塩との質量/質量比が約1:1である、請求項76に記載の医薬組成物。
【請求項93】
約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項91または92に記載の医薬組成物。
【請求項94】
約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項91または92に記載の医薬組成物。
【請求項95】
約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項91または92に記載の医薬組成物。
【請求項96】
約1mg/mL~約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項91または92に記載の医薬組成物。
【請求項97】
約75mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項91または92に記載の医薬組成物。
【請求項98】
約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項91または92に記載の医薬組成物。
【請求項99】
約1mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項91または92に記載の医薬組成物。
【請求項100】
前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩が酢酸フレカイニドである、請求項76および83~99のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項101】
前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩が塩酸フレカイニドである、請求項76および83~99のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項102】
前記ソタロールまたはその薬学的に許容される塩が塩酸ソタロールである、請求項69~101のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項103】
請求項1~102に記載の前記医薬組成物の治療有効量を対象に投与するステップを含む、心房性不整脈を患う前記対象を処置する方法。
【請求項104】
心房性不整脈を患う対象を処置する方法であって、前記対象に
(i)第1の量のナトリウムチャネル遮断薬、および
(ii)第2の量のカリウムチャネル遮断薬であり、イブチリドまたはその薬学的に許容される塩、ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩、およびソタロールまたはその薬学的に許容される塩からなる群から選択されるカリウムチャネル遮断薬
を投与するステップを含み、前記投与が、前記対象における前記カリウムチャネル遮断薬のt
maxから約30分以内の間隔で発生する前記対象における前記ナトリウムチャネル遮断薬のt
maxをもたらし、
それにより前記心房性不整脈のカルディオバージョンを誘導する、方法。
【請求項105】
前記対象におけるカリウムチャネル遮断薬の前記t
maxにおいて前記対象のQT
cが約490ms以下である、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記対象における前記カリウムチャネル遮断薬の前記t
maxの約30分前と約30分後の間、前記対象のQT
cが約490ms以下である、請求項104に記載の方法。
【請求項107】
前記ナトリウムチャネル遮断薬がクラスIc抗不整脈剤を含む、請求項104に記載の方法。
【請求項108】
前記ナトリウムチャネル遮断薬がフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項104に記載の方法。
【請求項109】
前記ナトリウムチャネル遮断薬が酢酸フレカイニドを含む、請求項104に記載の方法。
【請求項110】
前記ナトリウムチャネル遮断薬が塩酸フレカイニドを含む、請求項104に記載の方法。
【請求項111】
前記第1の量が、前記対象1キログラムあたり約0.1mg~約2mgである、請求項109に記載の方法。
【請求項112】
前記第1の量が、前記対象1キログラムあたり約0.1mg~約1mgである、請求項109に記載の方法。
【請求項113】
前記第1の量が、前記対象1キログラムあたり約2mgである、請求項109に記載の方法。
【請求項114】
前記第1の量が、前記対象1キログラムあたり約1mgである、請求項109に記載の方法。
【請求項115】
前記第1の量が、前記対象1キログラムあたり約0.5mgである、請求項109に記載の方法。
【請求項116】
前記第1の量が約5mg~約300mgである、請求項109に記載の方法。
【請求項117】
前記第1の量が約5mg~約150mgである、請求項109に記載の方法。
【請求項118】
前記カリウムチャネル遮断薬がイブチリドまたはその薬学的に許容される塩である、請求項104~117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
前記イブチリドまたはその薬学的に許容される塩がフマル酸イブチリドである、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記第2の量が、前記対象1キログラムあたり約0.001mg~約0.25mgである、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記第2の量が、前記対象1キログラムあたり約0.005mg~約0.02mgである、請求項119に記載の方法。
【請求項122】
前記第2の量が、前記対象1キログラムあたり約0.007mgである、請求項119に記載の方法。
【請求項123】
前記第2の量が、前記対象1キログラムあたり約0.014mgである、請求項119に記載の方法。
【請求項124】
前記第2の量が約0.01mg~約15mgである、請求項119に記載の方法。
【請求項125】
前記第2の量が約0.25mg~約1mgである、請求項119に記載の方法。
【請求項126】
前記ナトリウムチャネル遮断薬および前記イブチリドまたはその薬学的に許容される塩が前記対象に同時に投与される、請求項118~125のいずれか一項に記載の方法。
【請求項127】
前記ナトリウムチャネル遮断薬が、固定用量の組合せにおいて前記イブチリドまたはその薬学的に許容されるものと共製剤化される、請求項118~124のいずれか一項に記載の方法。
【請求項128】
前記固定用量の組合せが液体単位剤形である、請求項127に記載の方法。
【請求項129】
前記固定用量の組合せが液体単位剤形であり、前記ナトリウムチャネル遮断薬がフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩である、請求項127に記載の方法。
【請求項130】
前記液体単位剤形における前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記イブチリドまたは前記その薬学的に許容される塩との質量/質量比が60:1~240:1である、請求項127に記載の方法。
【請求項131】
前記液体単位剤形における前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記イブチリドまたは前記その薬学的に許容される塩との質量/質量比が約120:1である、請求項127に記載の方法。
【請求項132】
前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項129~131のいずれか一項に記載の方法。
【請求項133】
前記液体単位剤形が、約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項129~131のいずれか一項に記載の方法。
【請求項134】
前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項129~131のいずれか一項に記載の方法。
【請求項135】
前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項129~131のいずれか一項に記載の方法。
【請求項136】
前記液体単位剤形が、約75mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項129~131のいずれか一項に記載の方法。
【請求項137】
前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.0005mg/mL~約5mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、請求項128に記載の方法。
【請求項138】
前記液体単位剤形が、約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.0005mg/mL~約5mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、請求項128に記載の方法。
【請求項139】
前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約20mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.001mg/mL~約1mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、請求項128に記載の方法。
【請求項140】
前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.001mg/mL~約1mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、請求項128に記載の方法。
【請求項141】
前記液体単位剤形が、約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.014mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、請求項128に記載の方法。
【請求項142】
前記液体単位剤形が、約1mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.007mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、請求項128に記載の方法。
【請求項143】
前記カリウムチャネル遮断薬が、ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩である、請求項104~117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項144】
前記第2の量が、前記対象1キログラムあたり約0.001mg~約0.25mgである、請求項143に記載の方法。
【請求項145】
前記第2の量が、前記対象1キログラムあたり約0.005mg~約0.02mgである、請求項143に記載の方法。
【請求項146】
前記第2の量が約0.01mg~約15mgである、請求項143に記載の方法。
【請求項147】
前記第2の量が約0.25mg~約1mgである、請求項143に記載の方法。
【請求項148】
前記ナトリウムチャネル遮断薬および前記ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩が前記対象に同時に投与される、請求項143~147のいずれか一項に記載の方法。
【請求項149】
前記ナトリウムチャネル遮断薬が、固定用量の組合せにおいて前記ドフェチリドまたはその薬学的に許容されるものと共製剤化される、請求項143~148のいずれか一項に記載の方法。
【請求項150】
前記固定用量の組合せが液体単位剤形である、請求項149に記載の方法。
【請求項151】
前記固定用量の組合せが液体単位剤形であり、前記ナトリウムチャネル遮断薬がドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩である、請求項149に記載の方法。
【請求項152】
前記液体単位剤形における前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記ドフェチリドまたは前記その薬学的に許容される塩との質量/質量比が60:1~240:1である、請求項151に記載の方法。
【請求項153】
前記液体単位剤形における前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記ドフェチリドまたは前記その薬学的に許容される塩との質量/質量比が約240:1である、請求項151に記載の方法。
【請求項154】
前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項152または153のいずれか一項に記載の方法。
【請求項155】
前記液体単位剤形が、約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項152または153のいずれか一項に記載の方法。
【請求項156】
前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項152または153のいずれか一項に記載の方法。
【請求項157】
前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項152または153のいずれか一項に記載の方法。
【請求項158】
前記液体単位剤形が、約75mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項152または153のいずれか一項に記載の方法。
【請求項159】
前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.0005mg/mL~約5mg/mLのドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、請求項150に記載の方法。
【請求項160】
前記液体単位剤形が、約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.0005mg/mL~約5mg/mLのドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、請求項150に記載の方法。
【請求項161】
前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約20mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約5μg/mL~約40μg/mLのドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、請求項150に記載の方法。
【請求項162】
前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約5μg/mL~約40μg/mLのドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、請求項150に記載の方法。
【請求項163】
前記カリウムチャネル遮断薬が、ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩である、請求項104~117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項164】
前記第2の量が、前記対象1キログラムあたり約0.001mg~約0.25mgである、請求項163に記載の方法。
【請求項165】
前記第2の量が、前記対象1キログラムあたり約0.005mg~約0.02mgである、請求項163に記載の方法。
【請求項166】
前記第2の量が約0.01mg~約15mgである、請求項163に記載の方法。
【請求項167】
前記第2の量が約0.25mg~約1mgである、請求項163に記載の方法。
【請求項168】
前記ナトリウムチャネル遮断薬および前記ソタロールまたはその薬学的に許容される塩が前記対象に同時に投与される、請求項163~167のいずれか一項に記載の方法。
【請求項169】
前記ナトリウムチャネル遮断薬が、固定用量の組合せにおいて前記ソタロールまたはその薬学的に許容されるものと共製剤化される、請求項163~168のいずれか一項に記載の方法。
【請求項170】
前記固定用量の組合せが液体単位剤形である、請求項169に記載の方法。
【請求項171】
前記固定用量の組合せが液体単位剤形であり、前記ナトリウムチャネル遮断薬がソタロールまたはその薬学的に許容される塩である、請求項149に記載の方法。
【請求項172】
前記液体単位剤形における前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記ソタロールまたは前記その薬学的に許容される塩との質量/質量比が0.5:1~2:1である、請求項171に記載の方法。
【請求項173】
前記液体単位剤形における前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記ソタロールまたは前記その薬学的に許容される塩との質量/質量比が約1:1である、請求項171に記載の方法。
【請求項174】
前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項172または173のいずれか一項に記載の方法。
【請求項175】
前記液体単位剤形が、約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項172または173のいずれか一項に記載の方法。
【請求項176】
前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項172または173のいずれか一項に記載の方法。
【請求項177】
前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項172または173のいずれか一項に記載の方法。
【請求項178】
前記液体単位剤形が、約75mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、請求項172または173のいずれか一項に記載の方法。
【請求項179】
前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.0005mg/mL~約5mg/mLのソタロールまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、請求項170に記載の方法。
【請求項180】
前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.001mg/mL~約1mg/mLのソタロールまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、請求項170に記載の方法。
【請求項181】
トルサードドポアント(TdP)の発生率が、臨床研究の対照コホートにおけるTdPの発生率と比較して前記臨床研究の複数の実験対象で減少し、
(i)前記複数の実験対象の各対象が、前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬と前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬の両方を投与され、
(ii)前記対照コホートの各対象が、前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬を伴わずに前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬を投与されるか、または前記対照コホートの各対象が、前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬を伴わずに前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬を投与される、請求項104~180のいずれか一項に記載の方法。
【請求項182】
前記複数の実験対象におけるトルサードドポアント(TdP)の前記発生率が、前記対照コホートにおけるTdPの前記発生率と比較して少なくとも約5%減少する、請求項181に記載の方法。
【請求項183】
前記複数の実験対象におけるトルサードドポアント(TdP)の前記発生率が、前記対照コホートにおけるTdPの前記発生率と比較して少なくとも約20%減少する、請求項181に記載の方法。
【請求項184】
前記複数の実験対象におけるトルサードドポアント(TdP)の前記発生率が、前記対照コホートにおけるTdPの前記発生率と比較して少なくとも約35%減少する、請求項181に記載の方法。
【請求項185】
前記複数の実験対象におけるトルサードドポアント(TdP)の前記発生率が、前記対照コホートにおけるTdPの前記発生率と比較して少なくとも約50%減少する、請求項181に記載の方法。
【請求項186】
ノモグラムを超えるQT間隔の発生率が、臨床研究の対照コホートにおけるノモグラムを超えるQT間隔の発生率と比較して前記臨床研究の複数の実験対象で減少し、
(i)前記複数の実験対象の各対象が、前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬と前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬の両方を投与され、
(ii)前記対照コホートの各対象が、前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬を伴わずに前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬を投与されるか、または前記対照コホートの各対象が、前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬を伴わずに前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬を投与される、請求項104~142または181~185のいずれか一項に記載の方法。
【請求項187】
前記複数の実験対象におけるノモグラムを超えるQT間隔の前記発生率が、前記対照コホートにおけるノモグラムを超えるQT間隔の前記発生率と比較して少なくとも約5%減少する、請求項186に記載の方法。
【請求項188】
前記複数の実験対象におけるノモグラムを超えるQT間隔の前記発生率が、前記対照コホートにおけるノモグラムを超えるQT間隔の前記発生率と比較して少なくとも約20%減少する、請求項186に記載の方法。
【請求項189】
前記複数の実験対象におけるノモグラムを超えるQT間隔の前記発生率が、前記対照コホートにおけるノモグラムを超えるQT間隔の前記発生率と比較して少なくとも約35%減少する、請求項186に記載の方法。
【請求項190】
前記複数の実験対象におけるノモグラムを超えるQT間隔の前記発生率が、前記対照コホートにおけるノモグラムを超えるQT間隔の前記発生率と比較して少なくとも約50%減少する、請求項186に記載の方法。
【請求項191】
低血圧の発生率が、臨床研究の対照コホートにおける低血圧の発生率と比較して前記臨床研究の複数の実験対象で減少し、
(i)前記複数の実験対象の各対象が、前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬と前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬の両方を投与され、
(ii)前記対照コホートの各対象が、前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬を伴わずに前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬を投与されるか、または前記対照コホートの各対象が、前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬を伴わずに前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬を投与され、
前記低血圧が、前記投与後に、少なくとも5分間持続する70mmHg未満の平均動脈圧(MAP)を含む、請求項104~142または181~190のいずれか一項に記載の方法。
【請求項192】
前記複数の実験対象における前記低血圧の発生率が、前記臨床研究の前記対照コホートにおける前記低血圧の発生率と比較して少なくとも約5%減少する、請求項191に記載の方法。
【請求項193】
前記複数の実験対象における前記低血圧の発生率が、前記臨床研究の前記対照コホートにおける前記低血圧の発生率と比較して少なくとも約20%減少する、請求項191に記載の方法。
【請求項194】
前記複数の実験対象における前記低血圧の発生率が、前記臨床研究の前記対照コホートにおける前記低血圧の発生率と比較して少なくとも約35%減少する、請求項191に記載の方法。
【請求項195】
前記複数の実験対象における前記低血圧の発生率が、前記臨床研究の前記対照コホートにおける前記低血圧の発生率と比較して少なくとも約50%減少する、請求項191に記載の方法。
【請求項196】
臨床研究の対照コホートにおける平均QT
cと比較した、前記臨床研究の前記心房性不整脈を患う複数の実験対象におけるQT
cの増加の平均的な大きさが5%以下であり、
(i)前記複数の実験対象の各対象が、前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬と前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬の両方を投与され、
(ii)前記対照コホートの各対象が、前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬を伴わずに前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬を投与されるか、または前記対照コホートの各対象が、前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬を伴わずに前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬を投与される、請求項104~142または181~192のいずれか一項に記載の方法。
【請求項197】
臨床研究の対照コホートにおける平均QT
cと比較した前記臨床研究の複数の実験対象におけるQT
cの増加の平均的な大きさが約40ms以下であり、
(i)前記複数の実験対象の各対象が、前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬と前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬の両方を投与され、
(ii)前記対照コホートの各対象が、前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬を伴わずに前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬を投与されるか、または前記対照コホートの各対象が、前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬を伴わずに前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬を投与される、請求項104~127または181~196のいずれか一項に記載の方法。
【請求項198】
前記複数の実験対象におけるQT
cの増加の前記平均的な大きさが約20ms以下である、請求項197に記載の方法。
【請求項199】
前記複数の実験対象におけるQT
cの増加の前記平均的な大きさが約10ms以下である、請求項197に記載の方法。
【請求項200】
前記複数の実験対象におけるQT
cの増加の前記平均的な大きさが約6ms以下である、請求項197に記載の方法。
【請求項201】
前記QT
cが、式QT
c=QT+0.154*(1-RR)に従って計算され、RRが2つの連続するR波間の間隔であり、QTが、心電図(ECG)によって測定されるQRS群の開始からその後のT波の終了までの間の時間間隔である、請求項197~200のいずれか一項に記載の方法。
【請求項202】
前記実験対象が健康な対象である、請求項181~201のいずれか一項に記載の方法。
【請求項203】
前記実験対象が前記投与中に心房性不整脈を患う、請求項181~201のいずれか一項に記載の方法。
【請求項204】
前記対照コホートの対象が健康な対象である、請求項181~203のいずれか一項に記載の方法。
【請求項205】
前記対照コホートの対象が、前記投与中に心房性不整脈を患う、請求項181~203のいずれか一項に記載の方法。
【請求項206】
前記ナトリウムチャネル遮断薬および前記カリウムチャネル遮断薬が、前記複数の実験対象に同時に投与される、請求項181~205のいずれか一項に記載の方法。
【請求項207】
前記複数の実験対象における前記ナトリウムチャネル遮断薬のt
maxが、前記対象における前記カリウムチャネル遮断薬のt
maxから約30分以内の間隔で発生する、請求項181~206のいずれか一項に記載の方法。
【請求項208】
前記複数の実験対象における前記ナトリウムチャネル遮断薬のt
maxが、前記対象における前記カリウムチャネル遮断薬のt
maxから約15分以内の間隔で発生する、請求項181~206のいずれか一項に記載の方法。
【請求項209】
前記複数の実験対象における前記ナトリウムチャネル遮断薬のt
maxが、前記対象における前記カリウムチャネル遮断薬のt
maxから約5分以内の間隔で発生する、請求項181~206のいずれか一項に記載の方法。
【請求項210】
前記複数の実験対象における前記ナトリウムチャネル遮断薬のt
maxが、前記対象における前記カリウムチャネル遮断薬のt
maxから約3分以内の間隔で発生する、請求項181~206のいずれか一項に記載の方法。
【請求項211】
前記心房性不整脈が、上室性頻拍、発作性上室性頻拍、心房細動、発作性心房細動、永続性および永久心房細動、心房粗動、発作性心房粗動および孤立性心房細動からなる群から選択される、請求項104~210のいずれか一項に記載の方法。
【請求項212】
前記心房性不整脈が発作性心房細動を含む、請求項104~210のいずれか一項に記載の方法。
【請求項213】
前記心房性不整脈が永続性心房細動を含む、請求項104~210のいずれか一項に記載の方法。
【請求項214】
前記実験対象がヒト対象である、請求項181~213のいずれか一項に記載の方法。
【請求項215】
前記ナトリウムチャネル遮断薬および前記カリウムチャネル遮断薬が静脈内または経口投与される、請求項181~214のいずれか一項に記載の方法。
【請求項216】
前記ナトリウムチャネル遮断薬および前記カリウムチャネル遮断薬が静脈内または経口投与される、請求項181~214のいずれか一項に記載の方法。
【請求項217】
前記ナトリウムチャネル遮断薬および前記カリウムチャネル遮断薬が吸入によって投与される、請求項181~214のいずれか一項に記載の方法。
【請求項218】
前記対象がヒト対象である、請求項104~217のいずれか一項に記載の方法。
【請求項219】
前記対象が、前記ナトリウムチャネル遮断薬による単剤療法に非応答性の発作性心房細動を患う、請求項104~218のいずれか一項に記載の方法。
【請求項220】
前記対象における前記ナトリウムチャネル遮断薬の前記t
maxが、前記対象における前記カリウムチャネル遮断薬の前記t
maxから約15分以内の間隔で発生する、請求項104~219のいずれか一項に記載の方法。
【請求項221】
前記対象における前記ナトリウムチャネル遮断薬の前記t
maxが、前記対象における前記カリウムチャネル遮断薬の前記t
maxから約5分以内の間隔で発生する、請求項104~219のいずれか一項に記載の方法。
【請求項222】
前記対象における前記ナトリウムチャネル遮断薬の前記t
maxが、前記対象における前記カリウムチャネル遮断薬の前記t
maxから約3分以内の間隔で発生する、請求項104~219のいずれか一項に記載の方法。
【請求項223】
前記ナトリウムチャネル遮断薬が、前記カリウムチャネル遮断薬の投与から15分以内の間隔で投与される、請求項104~219のいずれか一項に記載の方法。
【請求項224】
前記ナトリウムチャネル遮断薬が、前記カリウムチャネル遮断薬の投与から5分以内の間隔で投与される、請求項104~219のいずれか一項に記載の方法。
【請求項225】
前記ナトリウムチャネル遮断薬が、前記カリウムチャネル遮断薬の投与から3分以内の間隔で投与される、請求項104~219のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
[0001]本出願は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年12月17日出願の米国仮出願第63/127,089号、および2021年2月25日出願の米国仮出願第63/153,492号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
[0002]心房細動(AF)は、臨床現場で遭遇する最も一般的な持続性心臓不整脈の1つであり、うっ血性心不全または血栓塞栓症などの合併症につながる可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
[0003]いくつかの実施形態では、本開示は、ナトリウムチャネル遮断薬、イブチリドまたはその薬学的に許容される塩および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体を含む医薬組成物を提供する。
【0004】
[0004]いくつかの実施形態では、本開示は、ナトリウムチャネル遮断薬、ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体を含む医薬組成物を提供する。
【0005】
[0005]いくつかの実施形態では、本開示は、ナトリウムチャネル遮断薬、ソタロールまたはその薬学的に許容される塩および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体を含む医薬組成物を提供する。
【0006】
[0006]いくつかの実施形態では、本開示は、心房性不整脈を患う対象を処置する方法であって、前記対象に、
(i)第1の量のナトリウムチャネル遮断薬、および
(ii)第2の量のカリウムチャネル遮断薬であり、イブチリドまたはその薬学的に許容される塩、ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩、およびソタロールまたはその薬学的に許容される塩からなる群から選択されるカリウムチャネル遮断薬
を投与するステップを含み、
前記投与が、前記対象における前記カリウムチャネル遮断薬のtmaxから約30分以内の間隔で発生する前記対象における前記ナトリウムチャネル遮断薬のtmaxをもたらし、
それにより前記心房性不整脈のカルディオバージョンを誘導する方法を提供する。
【0007】
参照による組込み
[0007]本明細書で言及されるすべての刊行物、特許および特許出願は、個々の刊行物、特許または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個々に示されるのと同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】[0008]対象のトルサードドポアント(TdP)リスクの評価に使用することができるQT間隔ノモグラムを示す図である。
【
図3】[0010]イヌ右心房調製物における心房(左列)および心室(右列)の活動電位に対する単独および組合せのフレカイニドおよびイブチリドの効果を示す代表的なトレースを示す図である。
【
図4】[0011]イヌ右心房調製物における心房および心室の有効不応期(ERP)および活動電位持続時間(APD)に対するフレカイニド、イブチリド、およびそれらの組合せの効果を示すチャートである。
【
図5】[0012]イヌ右心房調製物における心房および心室の再分極後不応性(PRR)に対するフレカイニド、イブチリドおよびそれらの組合せの効果を示すチャートを示す図である。
【
図6】[0013]単独および組合せのフレカイニドおよびイブチリドで処置されたイヌの右心房調製物における心房細動(AF)の発生パーセントを示すチャートである。
【
図7】[0014]繰り返し誘導されるAFの自己終結型エピソード、それに続く永続性AFの誘導(>1時間持続する)を示す例示的なECGトレースである。
【
図8】[0015]イヌ右心房調製物におけるACh誘導性AFが、単独および組合せのフレカイニドおよびイブチリドの投与によって終結した実験のパーセントを示すチャートである。
【
図9】[0016]イヌ右心房調製物におけるACh媒介性ERP短縮の効果の鈍化におけるフレカイニド(1.5μM)、イブチリド(20nM)、およびフレカイニドとイブチリドの組合せの効果を示すチャートである。
【
図10】[0017]イヌのLV楔調製物におけるイブチリド(B、50nM)およびフレカイニド(C、1.5μM)および対照(A)の効果を示すトレースを示す図である。
【
図11】[0018]1mg/kg酢酸フレカイニド(処置A、群1)、0.007mg/lgヘミフマル酸イブチリド(処置A、群2)、1mg/kg酢酸フレカイニド+0.007mg/lgヘミフマル酸イブチリド(処置A、群3)、2mg/kg酢酸フレカイニド(処置B、群1)、0.014mg/lgヘミフマル酸イブチリド(処置B、群2)、および2mg/kg酢酸フレカイニド+0.014mg/lgヘミフマル酸イブチリド(処置B、群3)が投与された動物におけるフレカイニドおよびイブチリドの薬物動態プロファイルをまとめたチャートを示す図である。
【
図12】[0019]フレカイニドおよびイブチリドによる化学的心房除細動のin silicoモデル化で使用されるNaチャネル-薬物相互作用のMarkovモデルを示す概略図である。
【
図13】[0020]シミュレート(線)および実験(記号)フレカイニド-Naチャネル相互作用を示すチャートである。
【
図14】[0021]パネルAは、実施例8に記載されるGrandi-Bersヒト心房細胞モデルによって生成されたシミュレート心房細胞活動電位および心房Na電流を示す図であり、パネルBは、心房活動電位の間のシミュレートNa電流を示す図である。
【
図15】[0022]フレカイニド単独またはイブチリド単独による、様々なペーシング周波数でのAPD
90として示される不応期の延長を示す、シミュレート活動電位適応曲線を示す図である。
【
図16】[0023]様々な濃度のフレカイニドとイブチリドの組合せによる、様々なペーシング周波数でのシミュレート活動電位適応曲線を示す図である。
【
図17】[0024]ギャップ結合をシミュレートするために抵抗によって接続された165個の細胞から構成されるシミュレート繊維において観察されたフレカイニド、イブチリド、フレカイニドとイブチリドの組合せの存在下でのΔERPを示す図である。
【
図18】[0025]ギャップ結合をシミュレートするために抵抗によって接続された1500個のGrandi-Bersシミュレート細胞の一次元モデルを使用した心房リエントリーのシミュレート自己持続型モデルを示す図である。
【
図19】[0026]フレカイニドとイブチリドの様々な組合せに曝露されたときの、
図17に示されるリングモデル内の各細胞の経時的なシミュレート活動電位を示す図であり、ここでグレースケールの暗さは電位(ピーク/トラフ=より暗い)を表し、個々の細胞は、経時的にプロットされた垂直に積み上げられた一連の水平線によって表され、各線の垂直軸位置はリング内の細胞の位置を示す。
【
図20】[0027]フレカイニドおよびイブチリドの様々な組合せに曝露されたときのAch(0.015μM)の存在下での340個のGrandi-Bersシミュレート細胞の一次元モデルにおけるシミュレート活動電位を示す図であり、グレースケールの暗さは電位(ピーク/トラフ=より暗い)を表し、個々の細胞は、経時的にプロットされた垂直に積み上げられた一連の水平線によって表され、各線の垂直軸位置はリング内の細胞の位置を示す。
【
図21】[0028]臨床データと比較した改変O’Hara-RudyモデルのシミュレートQT/QTc間隔を示す図である。
【
図22】[0029]単独または組合せのフレカイニドおよびイブチリドの適用によって生じる、シミュレート組織の集団におけるAPD
90の範囲を示す図である。
【
図23】[0030]イブチリド単独(0.02μM)または組合せ(イブチリド0.02μM+フレカイニド2.2μM)による改変O’Hara-RudyモデルのシミュレートQT/QTcを示す図である。
【
図24】[0031]各ペーシングサイクル長(600ms~1200ms)の定常状態におけるAPD
90として測定された速度依存性曲線の測定から構築された、薬物適用ありまたはなし(対照例)の改変O’Hara-RudyモデルからのAPD適応曲線(実線)を示す図である。
【
図25】[0032]元のO’Hara-Rudyヒト心室モデルを使用した、個々の薬物および組合せについて各ペーシングサイクル長(600ms~1200ms)の定常状態におけるAPD
90として測定された逆使用依存性の測定から構築された延長APD適応曲線を示す図である。
【
図26】[0033]臨床データと比較した元のO’Hara-Rudyヒト心室モデルを使用してシミュレートされたQT/QTc間隔を示す図である。
【
図27】[0034]実施例9のパート1で利用されたフレカイニドとNaチャネルの相互作用のモデルで使用された薬物結合バーストレジームを示す図であり、薬物は灰色の状態に結合する。
【
図28】[0035]RyR2 フレカイニド薬物-チャネル相互作用の改変Shannon-Bers Markovモデル定式化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0036]いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のナトリウムチャネル遮断薬(またはクラスI抗不整脈剤)およびカリウムチャネル遮断薬を、固定用量の組合せとして心臓不整脈を患う対象に投与することに関する。いくつかの実施形態では、心臓不整脈は心房性不整脈であり、これは上室性頻拍、発作性上室性頻拍、心房細動、発作性心房細動、永続性心房細動における急性エピソード、心房粗動、発作性心房粗動、または孤立性心房細動を含み得る。いくつかの実施形態では、ナトリウムチャネル遮断薬はフレカイニドであり、カリウムチャネル遮断薬はイブチリドである。いくつかの実施形態では、ナトリウムチャネル遮断薬はフレカイニドであり、カリウムチャネル遮断薬はドフェチリドである。いくつかの実施形態では、ナトリウムチャネル遮断薬はフレカイニドであり、カリウムチャネル遮断薬はソタロールである。いくつかの実施形態では、Mg2+源、例えば硫酸マグネシウムは、ナトリウムチャネル遮断薬およびカリウムチャネル遮断薬と組み合わせて投与される。
【0010】
医薬剤。
[0037]いくつかの実施形態では、心臓不整脈、例えば心房細動を処置する方法は、カリウムチャネル遮断薬などの心房筋細胞の活動電位持続時間(APD)を長くする化合物を投与するステップを含む。本明細書に提供される方法およびキットで使用することができるカリウムチャネル遮断薬の非限定的な例としては、イブチリド、ドフェチリド、ソタロール、セミリチド、メタナンダミド、アナンダミド、アラキドンアミド、A293(2-(ブチルスルホニルアミノ)-N-[(1R)-1-(6-メトキシ-3-ピリジル)プロピル]-ベンズアミド)、ブピバカイン、エチドカイン、ゲニステイン、メピバカイン、フェニトイン、キニジン、R-ロピバカイン、S-ロピバカイン、テトラカイン、アミオダロン、ドロネダロン、E-4031、ベルナカラントおよびその薬学的に許容される塩および溶媒和物が挙げられる。
【0011】
[0038]中でも、イブチリドまたはその薬学的に許容される塩は、本開示の目的に使用することができるカリウムチャネル遮断薬である。イブチリドは、N-(4-(4-(エチル(ヘプチル)アミノ)-1-ヒドロキシブチル)フェニル)メタンスルホンアミドであり、次の構造式を有する:
【0012】
【0013】
[0039]イブチリドは、遅延整流カリウム電流(IKr)を阻害し、緩徐ナトリウム電流(例えば、後期、永続性または持続性ナトリウム電流)の内向き脱分極または非不活性化成分を増強することができるクラスIIIa抗不整脈薬(例えば、カリウムチャネル遮断薬)である。いくつかの実施形態では、イブチリドは、薬学的に許容される塩または溶媒和物、例えば、フマル酸イブチリド(例えば、ヘミフマル酸イブチリド)の形態で使用される。イブチリドは、その2つのエナンチオマーRおよびSのラセミ組合せであり得る。いくつかの実施形態では、イブチリドは、(R)-イブチリドが(S)-イブチリドに対してエナンチオマー過剰である組成物であり得る。いくつかの実施形態では、イブチリドは、(S)-イブチリドが(R)-イブチリドに対してエナンチオマー過剰である組成物であり得る。いくつかの実施形態では、イブチリドは、(S)-イブチリドのエナンチオマー過剰が少なくとも90%、例えば少なくとも90、95、98、99、99.5または99.9パーセントである組成物であり得る。いくつかの実施形態では、イブチリドは、(R)-イブチリドのエナンチオマー過剰が少なくとも90%、例えば少なくとも90、95、98、99、99.5、99.9パーセントである組成物であり得る。
【0014】
[0040]ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩は、クラスIIIa抗不整脈剤の群に属するカリウムチャネル遮断薬であり、本開示の目的のために使用することができる。ドフェチリドは、N-(4-(2-(メチル(4-(メチルスルホンアミド)フェノキシ)エチル)アミノ)エチル)フェニル)メタンスルホンアミドであり、次の構造式を有する:
【0015】
【0016】
[0041]いくつかの実施形態では、ドフェチリドは、薬学的に許容される塩の形態で使用される。ドフェチリドは、その2つのエナンチオマーRおよびSのラセミ組合せであり得る。いくつかの実施形態では、ドフェチリドは、(R)-ドフェチリドが(S)-ドフェチリドに対してエナンチオマー過剰である組成物であり得る。いくつかの実施形態では、ドフェチリドは、(S)-ドフェチリドが(R)-ドフェチリドに対してエナンチオマー過剰である組成物であり得る。いくつかの実施形態では、ドフェチリドは、(S)-ドフェチリドのエナンチオマー過剰が少なくとも90%、例えば少なくとも90、95、98、99、99.5または99.9パーセントである組成物であり得る。いくつかの実施形態では、ドフェチリドは、(R)-ドフェチリドのエナンチオマー過剰が少なくとも90%、例えば少なくとも90、95、98、99、99.5、99.9パーセントである組成物であり得る。
【0017】
[0042]ソタロールまたはその薬学的に許容される塩は、β1-およびβ2-アドレナリン受容体の両方に非選択的に結合するクラスIIIa抗不整脈剤の群に属するカリウムチャネル遮断薬(すなわちIkr遮断薬)である。ソタロールは、N-{4-[1-ヒドロキシ-2-(プロパン-2-イルアミノ)エチル]フェニル}メタンスルホンアミドであり、次の構造式を有する:
【0018】
【0019】
[0043]ソタロールの抗不整脈効果は、主にクラスIII作用、すなわちIkrの阻害によるものであり、これは心房および心室の心筋細胞の活動電位持続時間および有効不応期の延長をもたらす。さらに、そのベータ-アドレナリン受容体遮断活性により、ソタロールは、交感神経駆動および/またはカテコールアミンの増加の状態に伴う不整脈誘導効果も低減することができる。IKr阻害活性とベータ-アドレナリン受容体遮断活性の両方がソタロールの抗不整脈効果に寄与し得るが、カリウム電流の阻害とそれに伴うERPの延長が、この薬物の抗不整脈作用の根底にある主な機序である。
【0020】
[0044]ソタロールは、d,l-ソタロールとしても公知であるその2つのエナンチオマーD-(+)-ソタロールとL-(-)-ソタロールのラセミ組合せであってもよい。ソタロールのL-(-)-エナンチオマーは、ベータ遮断(クラスII)活性とカリウムチャネル遮断(クラスIII)の両方の特性を有する。D-(+)-エナンチオマーは、L-(-)-ソタロールのものと同様のクラスIII特性を有する。しかし、D-(+)-ソタロールのベータ-アドレナリン受容体に対する親和性は、L-(-)-ソタロールの親和性より30~60倍低い。
【0021】
[0045]いくつかの実施形態では、ソタロールは、薬学的に許容される塩または溶媒和物、例えば、塩酸ソタロールの形態で使用される。いくつかの実施形態では、ソタロールは、D-(+)-ソタロールがL-(-)-ソタロールに対してエナンチオマー過剰である組成物であり得る。いくつかの実施形態では、ソタロールは、L-(-)-ソタロールがD-(+)-ソタロールに対してエナンチオマー過剰である組成物であり得る。いくつかの実施形態では、ソタロールは、L-(-)-ソタロールのエナンチオマー過剰が少なくとも90%、例えば少なくとも90、95、98、99、99.5または99.9パーセントである組成物であり得る。いくつかの実施形態では、ソタロールは、D-(+)-ソタロールのエナンチオマー過剰が少なくとも90%、例えば少なくとも90、95、98、99、99.5、99.9パーセントである組成物であり得る。
【0022】
[0046]いくつかの実施形態では、カリウムチャネル遮断薬(例えば、イブチリド)は、心房性不整脈の処置のためにナトリウムチャネル遮断薬と組み合わせて投与される。カリウムチャネル遮断薬は、心房活動電位を延長させ、拡張期間隔(2つの連続する心房拍動間の期間)を短縮し、不活性化からのナトリウムチャネルの回復における対応する遅延を誘導するために使用することができる。結果として、これらの変化は、結合したナトリウムチャネルからのナトリウムチャネル遮断薬(例えば、フレカイニド)の結合解除を遅らせることができる。例えば、フレカイニドは長い結合解除時間(τoff≒20.5秒)を示すことができ、カリウムチャネル遮断薬とナトリウムチャネル遮断薬の両方が投与されると、活性化に利用可能なナトリウムチャネルの割合が低減する可能性がある。このような条件下で、心房筋細胞の興奮性を低減させ、心房性不整脈を終結させることができる。
【0023】
[0047]本開示のナトリウムチャネル遮断薬は、クラスIa、クラスIb、クラスIc、またはクラスId抗不整脈剤、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含み得る。クラスIa抗不整脈剤としては、キニジン、プロカインアミドおよびジソピラミドが挙げられるが、これらに限定されない。クラスIb抗不整脈剤としては、リドカイン、トカイニド、フェニトイン、モリシジンおよびメキシレチンが挙げられるが、これらに限定されない。クラスIc抗不整脈剤としては、フレカイニド、プロパフェノンおよびモリシジンが挙げられるが、これらに限定されない。クラスId抗不整脈剤は、例えばラノラジンであり得る。
【0024】
[0048]リドカイン、またはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸リドカイン)は、クラスIb抗不整脈剤の群に属するナトリウムチャネル遮断薬であり、本開示の目的のために使用することができる。リドカインは、1 2-(ジエチルアミノ)-N-(2,6-ジメチルフェニル)アセトアミドであり、次の構造式を有する:
【0025】
【0026】
[0049]いくつかの実施形態では、リドカインの薬学的に許容される塩が本開示の医薬組成物中に提供される。リドカインの塩は、例えば、マグネシウム塩、酢酸塩、クエン酸塩、硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、リン酸塩、アコニット酸塩、アジピン酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、カプリル酸塩、コール酸塩、ギ酸塩、グルタミン酸塩、乳酸塩、プロピオン酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩またはコハク酸塩であり得る。
【0027】
[0050]メキシレチンまたはその薬学的に許容される塩は、クラスIb抗不整脈剤の群に属するナトリウムチャネル遮断薬であり、本開示の目的のために使用することができる。メキシレチンは、1-(2,6-ジメチルフェノキシ)プロパン-2-アミンであり、次の構造式を有する:
【0028】
【0029】
[0051]いくつかの実施形態では、メキシレチンは、薬学的に許容される塩または溶媒和物、例えば塩酸メキシレチンの形態で使用される。メキシレチンは、その2つのエナンチオマーRおよびSのラセミ組合せであり得る。いくつかの実施形態では、メキシレチンは、(R)-メキシレチンが(S)-メキシレチンに対してエナンチオマー過剰である組成物であり得る。いくつかの実施形態では、メキシレチンは、(S)-メキシレチンが(R)-メキシレチンに対してエナンチオマー過剰である組成物であり得る。いくつかの実施形態では、メキシレチンは、(S)-メキシレチンのエナンチオマー過剰が少なくとも90%、例えば少なくとも90、95、98、99、99.5または99.9パーセントである組成物であり得る。いくつかの実施形態では、メキシレチンは、(R)-メキシレチンのエナンチオマー過剰が少なくとも90%、例えば少なくとも90、95、98、99、99.5、99.9パーセントである組成物であり得る。
【0030】
[0052]フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩は、クラスIc抗不整脈剤の群に属するナトリウムチャネル遮断薬であり、本開示の目的のために使用することができる。フレカイニドは、1-(2-(2-ヒドロキシ-3-(プロピルアミノ)プロポキシ)フェニル)-3-フェニルプロパン-1-オンであり、次の構造式を有する:
【0031】
【0032】
[0053]プロパフェノンまたはその薬学的に許容される塩は、クラスIc抗不整脈剤の群に属するナトリウムチャネル遮断薬であり、本開示の目的のために使用することができる。プロパフェノンは、N-(ピペリジン-2-イルメチル)-2,5-ビス(2,2,2-トリフルオロエトキシ)ベンズアミドであり、次の構造式を有する:
【0033】
【0034】
[0054]いくつかの実施形態では、フレカイニドは、薬学的に許容される塩または溶媒和物、例えば酢酸フレカイニドの形態で使用される。フレカイニドは、その2つのエナンチオマーRおよびSのラセミ組合せであり得る。いくつかの実施形態では、フレカイニドは、(R)-フレカイニドが(S)-フレカイニドに対してエナンチオマー過剰である組成物であり得る。いくつかの実施形態では、フレカイニドは、(S)-フレカイニドが(R)-フレカイニドに対してエナンチオマー過剰である組成物であり得る。いくつかの実施形態では、フレカイニドは、(S)-フレカイニドのエナンチオマー過剰が少なくとも90%、例えば少なくとも90、95、98、99、99.5または99.9パーセントである組成物であり得る。いくつかの実施形態では、フレカイニドは、(R)-フレカイニドのエナンチオマー過剰が少なくとも90%、例えば少なくとも90、95、98、99、99.5、99.9パーセントである組成物であり得る。
【0035】
薬学的に許容される塩。
[0055]本開示は、本明細書に記載の任意の治療用化合物の薬学的に許容される塩の使用を提供する。薬学的に許容される塩は、例えば、酸付加塩および塩基付加塩を含む。酸付加塩を形成するために化合物に付加される酸は、有機酸または無機酸であり得る。塩基付加塩を形成するために化合物に付加される塩基は、有機塩基または無機塩基であり得る。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩は、金属塩である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩は、アンモニウム塩である。
【0036】
[0056]金属塩は、本開示の化合物への無機塩基の付加から生じ得る。無機塩基は、例えば、水酸化物イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはリン酸イオンなどの塩基性対イオンと対をなす金属カチオンからなる。金属は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属または典型金属であり得る。いくつかの実施形態では、金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、セリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、カルシウム、ストロンチウム、コバルト、チタン、アルミニウム、銅、カドミウム、または亜鉛である。
【0037】
[0057]いくつかの実施形態では、金属塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、セリウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、鉄塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、コバルト塩、チタン塩、アルミニウム塩、銅塩、カドミウム塩または亜鉛塩である。
【0038】
[0058]アンモニウム塩は、本開示の化合物へのアンモニアまたは有機アミンの付加から生じ得る。いくつかの実施形態では、有機アミンは、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N-メチルモルホリン、ピペリジン、N-メチルピペリジン、N-エチルピペリジン、ジベンジルアミン、ピペラジン、ピリジン、ピラゾール、イミダゾールまたはピラジンである。
【0039】
[0059]いくつかの実施形態では、アンモニウム塩は、トリエチルアミン塩、トリメチルアミン塩、ジイソプロピルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モルホリン塩、N-メチルモルホリン塩、ピペリジン塩、N-メチルピペリジン塩、N-エチルピペリジン塩、ジベンジルアミン塩、ピペラジン塩、ピリジン塩、ピラゾール塩、ピリダジン塩、ピリミジン塩、イミダゾール塩またはピラジン塩である。
【0040】
[0060]酸付加塩は、本開示の化合物への酸の付加から生じ得る。いくつかの実施形態では、酸は有機である。いくつかの実施形態では、酸は無機である。いくつかの実施形態では、酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、イソニコチン酸、乳酸、サリチル酸、酒石酸、アスコルビン酸、ゲンチジン酸、グルコン酸、グルクロン酸、サッカリン酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸.パントテン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、マンデル酸、桂皮酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、グリコール酸、プロピオン酸、酪酸、フマル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、シュウ酸またはマレイン酸である。
【0041】
[0061]いくつかの実施形態では、塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩、ゲンチジン酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、パントテン酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マンデル酸塩、ケイ皮酸塩、アスパラギン酸塩、ステアリン酸塩、パルミチン酸塩、グリコール酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩またはマレイン酸塩である。
【0042】
併用療法。
[0062]フレカイニドは、クラスIc抗不整脈薬に特徴的な心臓電位依存性ナトリウムチャネル(NaV1.5サブタイプ)の電圧および使用依存性遮断、ならびにチャネルの不活性化した開状態の優先的結合による一過性のピーク内向きナトリウム電流の対応する阻害を示すことができる。フレカイニドのナトリウムチャネル遮断活性の特徴として、結合した薬物のその標的チャネルからの解離速度が遅い(例えば、数秒まで)ことが挙げられる。このため、拡張期にフレカイニドが結合したチャネルの回復が不完全になり、活性化に利用可能なチャネルの集団が少なくなることがある。この特徴により、頻脈性不整脈(例えば、AF)の間などの活動電位の頻度が高い場合に、フレカイニドが筋細胞の興奮性を減少させるのにより効果的になる可能性がある。ピークナトリウム電流の阻害に対するフレカイニドの電圧および周波数依存性効力は、約0.5~2.5μMのマイクロモル範囲であり得、使用依存性遮断は0.5mMという低濃度で起こり得る。一過性のピークナトリウム電流の阻害に加えて、フレカイニドは、ナトリウム電流の遅い不活性化成分(後期または永続性ナトリウム電流とも称される)を3.4μMの効力で阻害することもできる。また、フレカイニドは、心筋小胞体Ca2+放出チャネル(リアノジン受容体RyR2)を約20μMの効力で阻害することができる。
【0043】
[0063]ナトリウムチャネル遮断薬(例えば、フレカイニド)によって引き起こされる心房有効不応期(ERP)の延長は、カリウムチャネル阻害剤(例えば、イブチリド、ドフェチリドまたはソタロール)によって誘導される心房活動電位の延長によって強化される場合がある。心房細動などの不整脈のエピソード中に心房速度が上昇することを考慮すると、ERPはフレカイニドによって特に延長される可能性がある。一部の場合では、ナトリウムチャネル遮断薬(例えば、フレカイニド)によるナトリウムチャネルの阻害は、チャネルの遅延再活性化およびAF中の心房ERPの延長をもたらすことができ、これらの両方は、イブチリドなどのカリウムチャネル遮断薬による心房活動電位(AP)およびERPの延長によってさらに強化され得る。いくつかの実施形態では、ナトリウムチャネル遮断薬と遅延整流カリウムチャネルIKr阻害剤(例えば、フレカイニドおよびイブチリド)の組合せは、全体的に相乗的な電気生理学的効果、例えば、AFを抑制する上で相加的以上の全体的な効果を引き起こすことができる。
【0044】
[0064]フレカイニドおよびイブチリドまたはドフェチリドなどのカリウム遮断薬を含む併用療法は、抗不整脈有効性を高めつつ、単剤療法で使用される成分のそれぞれに関連し得る催不整脈性および血行動態有害事象の両方のリスクを低減することができる。いくつかの実施形態では、最近発症した心房細動の急性処置のためのフレカイニドとカリウムチャネル遮断薬(例えば、イブチリドまたはドフェチリド)の共投与は、カリウムチャネル遮断薬またはフレカイニド単剤療法と比較して心血管有害事象のリスクを低減する。例えば、イブチリド単剤療法と比較して、フレカイニドとイブチリドの共投与は、イブチリド促進性QT延長で観察され得る多形性心室頻拍(VT)であるトルサードドポアント(TdP)のリスクを低減することができる。いくつかの実施形態では、特定の理論に拘束されることを望むことなく、イブチリドは後期INaを増強し、IKrを阻害することができ、それにより心室細胞の活動電位およびQT間隔を延長することができるが、フレカイニドは後期INaに阻害効果を発揮し、イブチリド促進性QT延長を打ち消すことができる。いくつかの実施形態では、フレカイニドは、イブチリド、ドフェチリドまたはソタロール促進性IKr阻害を減衰させる。例えば、フレカイニドは、活動電位のプラトー相における正味の内向き電流を減少させるだけでなく、そうでなければTdPを開始するのに必要な遅延後脱分極(DAD)を誘発し得る内向き電流を減少させ得る。さらに、フレカイニド、ならびにメキシレチン、ラノラジン、テトロドトキシンなどの他のナトリウムチャネル遮断薬は、IKr遮断薬によって引き起こされる心室再分極の逆使用依存性および拍動ごとの変動(すなわちAPDおよびQT間隔)の両方を低減することができる。したがって、この作用により、ナトリウムチャネル遮断薬は、イブチリド、ドフェチリド、E-4031、ソタロールなどのカリウムチャネル遮断薬の「トルサードドポアント誘発」効果を低減することができる(参照:Wu et al.,Circulation 2011)。
【0045】
[0065]イブチリド、ドフェチリドまたはソタロールによるIKrの阻害は、心房性不整脈(例えば心房細動)を終結させるためのフレカイニドの使用に関連する有害事象のリスクも低減することができる。例えば、イブチリド、ソタロールまたはドフェチリドは、ナトリウムチャネル遮断薬によって引き起こされる細胞内カルシウムの減少を減衰させ、フレカイニドに関連する陰性変力効果および低血圧を低減することができる。いくつかの実施形態では、フレカイニドの投与は、1:1のAV伝達を伴う心房粗動(AFL)を誘導し、イブチリドの投与は、フレカイニド促進性心房粗動を洞調律に変換する。
【0046】
[0066]フレカイニドおよびソタロールを含む併用療法は、抗不整脈有効性を高めつつ、単剤療法で使用される成分のそれぞれに関連し得る催不整脈性および血行動態有害事象の両方のリスクを低減することができる。いくつかの実施形態では、最近発症した心房細動の急性処置のためのフレカイニドおよびソタロールの共投与は、ソタロールまたはフレカイニド単剤療法と比較して心血管有害事象のリスクを低減する。例えば、ソタロール単剤療法と比較して、フレカイニドおよびソタロールの共投与は、ソタロール促進性QT延長で観察され得る多形性心室頻拍(VT)であるトルサードドポアント(TdP)のリスクを低減することができる。いくつかの実施形態では、特定の理論に拘束されることを望むことなく、ソタロールがIKrを阻害し、それにより心室細胞の活動電位およびQT間隔を延長できる一方で、フレカイニドはINaに阻害効果を発揮し、ソタロール促進性QT延長を打ち消すことができる。いくつかの実施形態では、フレカイニドは、ソタロール促進性IKr阻害を減衰させる。例えば、フレカイニドは、活動電位のプラトー相における正味の内向き電流を減少させるだけでなく、そうでなければTdPの開始に必要な遅延後脱分極(DAD)を誘発し得る内向き電流を減少させることができる。
【0047】
[0067]カリウムチャネル遮断薬は、半減期の増加または腎クリアランスの減少をもたらすことができる。腎クリアランスは、クレアチニンクリアランスなどの腎障害の標準的な尺度を通じて測定することができる。例えば、重度の腎障害は、20ml/分未満のクレアチニンクリアランスによって特徴付けられる。したがって、カリウムチャネル遮断薬(例えば、イブチリドまたはドフェチリド)の投与量は、対象における測定されたクレアチニンクリアランスに基づいて修正することができる。いくつかの実施形態では、正常なクレアチニンクリアランスは、約80~約140mL/分のクリアランス速度によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、クレアチニンクリアランスは、約80mL/分~約140mL/分である。いくつかの実施形態では、クレアチニンクリアランスは、少なくとも約80mL/分である。いくつかの実施形態では、クレアチニンクリアランスは、最大約140mL/分である。いくつかの実施形態では、クレアチニンクリアランスは、約80mL/分~約85mL/分、約80mL/分~約90mL/分、約80mL/分~約95mL/分、約80mL/分~約100mL/分、約80mL/分~約105mL/分、約80mL/分~約110mL/分、約80mL/分~約115mL/分、約80mL/分~約120mL/分、約80mL/分~約125mL/分、約80mL/分~約130mL/分、約80mL/分~約140mL/分、約85mL/分~約90mL/分、約85mL/分~約95mL/分、約85mL/分~約100mL/分、約85mL/分~約105mL/分、約85mL/分~約110mL/分、約85mL/分~約115mL/分、約85mL/分~約120mL/分、約85mL/分~約125mL/分、約85mL/分~約130mL/分、約85mL/分~約140mL/分、約90mL/分~約95mL/分、約90mL/分~約100mL/分、約90mL/分~約105mL/分、約90mL/分~約110mL/分、約90mL/分~約115mL/分、約90mL/分~約120mL/分、約90mL/分~約125mL/分、約90mL/分~約130mL/分、約90mL/分~約140mL/分、約95mL/分~約100mL/分、約95mL/分~約105mL/分、約95mL/分~約110mL/分、約95mL/分~約115mL/分、約95mL/分~約120mL/分、約95mL/分~約125mL/分、約95mL/分~約130mL/分、約95mL/分~約140mL/分、約100mL/分~約105mL/分、約100mL/分~約110mL/分、約100mL/分~約115mL/分、約100mL/分~約120mL/分、約100mL/分~約125mL/分、約100mL/分~約130mL/分、約100mL/分~約140mL/分、約105mL/分~約110mL/分、約105mL/分~約115mL/分、約105mL/分~約120mL/分、約105mL/分~約125mL/分、約105mL/分~約130mL/分、約105mL/分~約140mL/分、約110mL/分~約115mL/分、約110mL/分~約120mL/分、約110mL/分~約125mL/分、約110mL/分~約130mL/分、約110mL/分~約140mL/分、約115mL/分~約120mL/分、約115mL/分~約125mL/分、約115mL/分~約130mL/分、約115mL/分~約140mL/分、約120mL/分~約125mL/分、約120mL/分~約130mL/分、約120mL/分~約140mL/分、約125mL/分~約130mL/分、約125mL/分~約140mL/分、または約130mL/分~約140mL/分である。
【0048】
[0068]いくつかの実施形態では、カリウムチャネル遮断薬は、QTC延長としても公知のQTC間隔の増加を引き起こし得る。正常なQTC値は、430ms未満である。QTCが430msを超えて上昇した場合、カリウムチャネル遮断薬(例えば、イブチリドまたはドフェチリド)の中止が検討される。QTC延長は、約450ms、460msまたは470msより大きい値であり得る。
【0049】
[0069]いくつかの実施形態では、遮断されたカリウムチャネルは、対象におけるQTC値およびクリアランスの減少を増加させることができ、ここで、対象は、クレアチニンクリアランス値が低下している。
【0050】
[0070]いくつかの実施形態では、ナトリウムチャネル遮断薬(例えば、フレカイニド、メキシレチンもしくはプロパフェノン)、カリウムチャネル遮断薬(例えば、イブチリド、ドフェチリドもしくはソタロール)またはナトリウムチャネル遮断薬とカリウムチャネル遮断薬の組合せは、Mg2+源と組み合わせて投与される。Mg2+源には、Mg2+およびアニオン、例えば硫酸イオン、二硫酸イオン、酸化物イオン、水酸化物イオン、重硫酸イオン、亜硫酸イオン、重亜硫酸イオン、リン酸イオン、リン酸一水素イオン、リン酸二水素イオン、メタリン酸イオン、ピロリン酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、グリシン酸イオン、トレオン酸イオン、アスパラギン酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、グルコン酸イオン、デカン酸イオン、カプリル酸イオン、アクリル酸イオン、ギ酸イオン、イソ酪酸イオン、カプロン酸イオン、ヘプタン酸イオン、プロピオン酸イオン、シュウ酸イオン、マロン酸イオン、リンゴ酸イオン、コハク酸イオン、スベリン酸イオン、セバシン酸イオン、ステアリン酸イオン、フマル酸イオン、マレイン酸イオン、ブチン-1,4-ジオエート、ヘキシン-1,6-ジオエート、安息香酸イオン、クロロ安息香酸イオン、メチル安息香酸イオン、ジニトロ安息香酸イオン、ヒドロキシ安息香酸イオン、メトキシ安息香酸イオン、フタル酸イオン、スルホン酸イオン、キシレンスルホン酸イオン、フェニル酢酸イオン、フェニプロピオン酸イオン、フェニル酪酸イオン、クエン酸イオン、乳酸イオン、γ-ヒドロキシブチレート、グリコール酸イオン、酒石酸イオン、メタンスルホン酸イオン、プロパンスルホン酸イオン、ナフタレン1-スルホネート、ナフタレン2-スルホネートおよびマンデル酸イオンを含む塩が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、Mg2+源は、クエン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム、トレオン酸マグネシウム、グリシン酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、またはリンゴ酸マグネシウムである。いくつかの実施形態では、Mg2+源は、硫酸マグネシウムまたはその水和物を含む。いくつかの実施形態では、Mg2+源は、硫酸マグネシウム七水和物を含む。
【0051】
[0071]Mg2+イオンは、L型カルシウムチャネル(ICaL)の阻害剤であり、CaV1.2チャネルの電圧依存性不活性化および刺激脱リン酸化を高めることができる。いくつかの実施形態では、Mg2+は、近位C末端ドメインを含むCaV1.2チャネルに直接作用する。全体として、Mg2+は、基礎条件下でのICaL効果の阻害を促進することができるが(例えば、ICaLの約26%の減少)、cAMPによって刺激された(例えば、ベータ-アドレナリンアゴニストによって刺激された)ICaLのより大きな減少(例えば、約63%)も引き起こすことができる。Mg2+イオンはまた、K+チャネルの内向き整流を誘導し、K+イオンの外向き流出を防ぐことができる。
【0052】
[0072]Mg2+源の投与(例えば、静脈内硫酸マグネシウム)は、イブチリド、ドフェチリドまたはソタロールの投与によって引き起こされるTdPを含むTdPを終結または予防するのに有効であり得る。Mg2+は、(L型カルシウムチャネルを介した)カルシウムの流入を減少させることにより早期後脱分極(EAD)の振幅を減少させ、したがってTdPを開始させ得るEADを抑制することができる。ICaLおよびK+電流の阻害により、Mg2+の投与(例えば、IV硫酸マグネシウム)は心室速度を低下させ、心房細動のカルディオバージョンを誘導することができる。
【0053】
[0073]上述のように、フレカイニドは、後期INaの阻害により、イブチリド、ソタロールまたはドフェチリドの「トルサードドポアント誘発」効果を打ち消すことができる。また、Mg2+とフレカイニドの組合せは、フレカイニドまたはMg2+単剤療法と比較して、イブチリド、ソタロールまたはドフェチリドによって誘導されるTdPの予防に有効であり得る。いくつかの実施形態では、Mg2+源の投与は、フレカイニドおよびイブチリド、ソタロールまたはドフェチリドの組合せの有効性を損なうことなく、イブチリド、ソタロールまたはドフェチリドの投与に伴うTdPのリスクを低減する。イブチリド、ソタロールまたはドフェチリドによる同時のIKr阻害と組み合わせたMg2+によるICaLの弱い阻害は、フレカイニドがAFを心房粗動に変換する場合、AV結節伝導を遅らせる(例えば、1:1AV伝達を防ぐ)こともできる。
【0054】
方法。
[0074]本開示の一態様は、心房性不整脈を患う対象を処置する方法であって、対象に(i)第1の量のナトリウムチャネル遮断薬、および(ii)第2の量のカリウムチャネル遮断薬を投与し、それにより心房性不整脈のカルディオバージョンを誘導することを含む方法を提供する。
【0055】
[0075]いくつかの実施形態では、投与は、対象におけるカリウムチャネル遮断薬のtmaxから約1時間以内、約0.5時間以内、約15分以内、約5分以内、約3分以内、約2分以内、約1分以内、または約30秒以内の間隔で発生する、対象におけるナトリウムチャネル遮断薬のtmaxをもたらす。
【0056】
[0076]いくつかの実施形態では、投与は、対象におけるカリウムチャネル遮断薬のtmaxの約1時間以内、約0.5時間以内、約15分以内、約5分以内、約3分以内、約2分以内、約1分以内、または約30秒以内前に発生する、対象におけるナトリウムチャネル遮断薬のtmaxをもたらす。
【0057】
[0077]いくつかの実施形態では、投与は、対象におけるカリウムチャネル遮断薬のtmax後約1時間以内、約0.5時間以内、約15分以内、約5分以内、約3分以内、約2分以内、約1分以内、または約30秒以内に発生する、対象におけるナトリウムチャネル遮断薬のtmaxをもたらす。
【0058】
[0078]いくつかの実施形態では、対象のQTcは、対象におけるカリウムチャネル遮断薬のtmaxの約1時間前から約1時間後までの間に約490ms、約495ms、約500ms、約505ms、または約510ms以下である。いくつかの実施形態では、対象のQTcは、対象におけるカリウムチャネル遮断薬のtmaxの間に約490ms、約495ms、約500ms、約505ms、または約510ms以下である。
【0059】
[0079]いくつかの実施形態では、カリウムチャネル遮断薬はIKr阻害剤である。いくつかの実施形態では、カリウムチャネル遮断薬は、イブチリドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、カリウムチャネル遮断薬は、ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、カリウムチャネル遮断薬は、ソタロールまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、ナトリウムチャネル遮断薬は、クラスIb抗不整脈剤である。いくつかの実施形態では、ナトリウムチャネル遮断薬は、クラスIc抗不整脈剤である。いくつかの実施形態では、ナトリウムチャネル遮断薬は、フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、ナトリウムチャネル遮断薬は、プロパフェノンまたはその薬学的に許容される塩である。
【0060】
[0080]いくつかの実施形態では、カリウムチャネル遮断は、ベータアドレナリン受容体も遮断する。
[0081]いくつかの実施形態では、ナトリウムチャネル遮断薬は、対象へのカリウムチャネル遮断薬の投与から90分以内、60分以内、30分以内、15分以内、10分以内、5分以内、3分以内、2分以内、1分以内、または30秒以内に対象に投与される。いくつかの実施形態では、ナトリウムチャネル遮断薬は、カリウムチャネル遮断薬の投与と同時に対象に投与される。
【0061】
[0082]いくつかの実施形態では、ナトリウムチャネル遮断薬およびカリウムチャネル遮断薬は、臨床研究において複数の実験対象に投与される。臨床研究は、対照コホートをさらに含むことができ、この対照コホートは、イブチリドを伴わずにナトリウムチャネル遮断薬を投与される対象を含むことができるか、またはナトリウムチャネル遮断薬を伴わずにカリウムチャネル遮断薬を投与される対象を含むことができる。いくつかの実施形態では、臨床研究は対照コホートをさらに含むことができ、この対照コホートは、ドフェチリドを伴わずにナトリウムチャネル遮断薬を投与される対象を含むことができるか、またはナトリウムチャネル遮断薬を伴わずにカリウムチャネル遮断薬を投与される対象を含むことができる。いくつかの実施形態では、臨床研究は対照コホートをさらに含むことができ、この対照コホートは、ソタロールを伴わずにナトリウムチャネル遮断薬を投与される対象を含むことができるか、またはナトリウムチャネル遮断薬を伴わずにカリウムチャネル遮断薬を投与される対象を含むことができる。
【0062】
[0083]いくつかの実施形態では、複数の実験対象の各対象は、第1の量のナトリウムチャネル遮断薬と第2の量のカリウムチャネル遮断薬の両方を投与され、対照コホートの各対象は、第2の量のカリウムチャネル遮断薬を伴わずに第1の量のナトリウムチャネル遮断薬を投与されるか、または対照コホートの各対象は、第1の量のナトリウムチャネル遮断薬を伴わずに第2の量のカリウムチャネル遮断薬を投与される。
【0063】
[0084]いくつかの実施形態では、ナトリウムチャネル遮断薬およびイブチリドまたはその薬学的に許容される塩は、複数の実験対象に同時に投与される。いくつかの実施形態では、ナトリウムチャネル遮断薬およびドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩は、複数の実験対象に同時に投与される。いくつかの実施形態では、ナトリウムチャネル遮断薬およびソタロールまたはその薬学的に許容される塩は、複数の実験対象に同時に投与される。いくつかの実施形態では、ナトリウムチャネル遮断薬は、カリウムチャネル遮断薬の各対象への投与から90分以内、60分以内、30分以内、15分以内、10分以内、5分以内、3分以内、2分以内、1分以内、または30秒以内に複数の実験対象の各対象に投与される。
【0064】
[0085]複数の実験対象は、例えば、少なくとも2人の対象、少なくとも約5人の対象、少なくとも約10人の対象、少なくとも約15人の対象、少なくとも約20人の対象、少なくとも約30人の対象、少なくとも約40人の対象、少なくとも約50人の対象、少なくとも約100人の対象、または少なくとも約150人の対象であり得る。複数の実験対象は、例えば、少なくとも2人の対象、少なくとも約5人の対象、約2~約15人の対象、約2~約20人の対象、約2~約30人の対象、約2~約40人の対象、約2~約50人の対象、約2~約100人の対象、約2~約150人の対象、約2~約300人の対象、約5~約15人の対象、約5~約20人の対象、約5~約30人の対象、約5~約40人の対象、約5~約50人の対象、約5~約100人の対象、約5~約150人の対象、または約5~約300人の対象であってもよい。
【0065】
[0086]対照コホートの対象数は、例えば、少なくとも2人の対象、少なくとも約5人の対象、少なくとも約10人の対象、少なくとも約15人の対象、少なくとも約20人の対象、少なくとも約30人の対象、少なくとも約40人の対象、少なくとも約50人の対象、少なくとも約100人の対象、または少なくとも約150人の対象であってもよい。複数の実験対象は、例えば、少なくとも2人の対象、少なくとも約5人の対象、約2~約15人の対象、約2~約20人の対象、約2~約30人の対象、約2~約40人の対象、約2~約50人の対象、約2~約100人の対象、約2~約150人の対象、約2~約300人の対象、約5~約15人の対象、約5~約20人の対象、約5~約30人の対象、約5~約40人の対象、約5~約50人の対象、約5~約100人の対象、約5~約150人の対象、または約5~約300人の対象であってもよい。
【0066】
[0087]いくつかの実施形態では、実験対象は健康な対象である。いくつかの実施形態では、実験対象は、投与中に心房性不整脈を患う。いくつかの実施形態では、対照コホートの対象は健康な対象である。いくつかの実施形態では、対照コホートの対象は、投与中に心房性不整脈を患う。いくつかの実施形態では、実験対象はヒト対象である。いくつかの実施形態では、実験対象は動物対象である。いくつかの実施形態では、実験対象はブタ対象である。いくつかの実施形態では、実験対象はイヌ対象である。
【0067】
[0088]いくつかの実施形態では、複数の実験対象におけるナトリウムチャネル遮断薬のtmaxは、対象におけるカリウムチャネル遮断薬のtmaxから約1時間以内、約30分以内、約15分以内、約10分以内、約5分以内、約3分以内、約2分以内、約1分以内、または約30秒以内の間隔で発生する。
【0068】
[0089]いくつかの実施形態では、トルサードドポアント(TdP)の発生率は、対照コホートにおけるTdPの発生率と比較して複数の実験対象で減少する。いくつかの実施形態では、TdP(トルサードドポアント)の発生率は、対照コホートにおけるTdPの発生率と比較して、複数の実験対象で少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約35%、または少なくとも約50%減少する。
【0069】
[0090]いくつかの実施形態では、ノモグラムを超えるQT間隔の発生率は、臨床研究の対照コホートにおけるノモグラムを超えるQT間隔の発生率と比較して臨床研究の複数の実験対象で減少する。対象におけるトルサードドポアント(TdP)のリスクは、Chan et al.QJM:An International Journal of medicine,Volume 100,Issue 10,October 2007,Pages 609-615に記載されるQTノモグラムに従って評価することができ、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、対象のQT間隔は、
図1によるノモグラムで心拍数に対してプロットされ、それにより結果として得られる点がノモグラムの線を超える(例えば「ノモグラムを超える」)場合、対象はTdPのリスクにあるとみなされる。いくつかの実施形態では、ノモグラムを超えるQT間隔の発生率は、対照コホートにおけるTdPの発生率と比較して、複数の実験対象において少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約35%、または少なくとも約50%減少する。
【0070】
[0091]いくつかの実施形態では、低血圧の発生率は、臨床研究の対照コホートにおける低血圧の発生率と比較して、臨床研究の複数の実験対象で減少する。いくつかの実施形態では、低血圧は、投与後に少なくとも5分間持続する70mmHg未満の平均動脈圧(MAP)を含む。いくつかの実施形態では、低血圧の発生率は、対照コホートにおけるTdPの発生率と比較して、複数の実験対象において少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約35%、または少なくとも約50%減少する。
【0071】
[0092]いくつかの実施形態では、臨床研究の対照コホートにおける平均QTcと比較して、臨床研究の心房性不整脈を患う複数の実験対象におけるQTcの増加の平均的な大きさは、約1%以下、約2%以下、約3%以下、約4%以下、約5%以下、約10%以下、約15%以下、約20%以下、約30%以下、約40%以下、または約50%以下である。
【0072】
[0093]臨床研究の対照コホートにおける平均QTcと比較した臨床研究の複数の実験対象におけるQTcの増加の平均的な大きさが、約60ms以下、約50ms以下、約40ms以下、約30ms以下、約20ms以下、約10ms以下または約6ms以下である、実施形態25~41のいずれか1つに記載の方法。いくつかの実施形態では、QTcは、Fridericia式に従って計算される。
【0073】
[0094]いくつかの実施形態では、本開示は、細胞をカリウムチャネル遮断薬で処置することを含む、ナトリウムチャネル遮断薬の投与によって引き起こされる細胞における細胞内カルシウムの減少を緩和する方法を提供する。いくつかの実施形態では、カリウムチャネル遮断薬はIKr阻害剤である。いくつかの実施形態では、カリウムチャネル遮断薬は、イブチリドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、カリウムチャネル遮断薬は、ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、カリウムチャネル遮断薬は、ソタロールまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、ナトリウムチャネル遮断薬は、フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、細胞は心房筋細胞である。
【0074】
[0095]いくつかの実施形態では、本開示は、イブチリドまたはその薬学的に許容される塩による処置を受けている心房性不整脈を患う対象におけるイブチリド促進性TdPのリスクを低減する方法であって、治療有効量のフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩をイブチリドと共投与するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、Mg2+源とフレカイニドおよびイブチリドを共投与するステップをさらに含む。
【0075】
[0096]いくつかの実施形態では、本開示は、ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩による処置を受けている心房性不整脈を患う対象におけるドフェチリド促進性TdPのリスクを低減する方法であって、治療有効量のフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩をドフェチリドと共投与するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、Mg2+源とフレカイニドおよびドフェチリドを共投与するステップをさらに含む。
【0076】
[0097]いくつかの実施形態では、本開示は、ソタロールまたはその薬学的に許容される塩による処置を受けている心房性不整脈を患う対象におけるソタロール促進性TdPのリスクを低減する方法であって、治療有効量のフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩をソタロールと共投与するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、Mg2+源とフレカイニドおよびソタロールを共投与するステップをさらに含む。
【0077】
[0098]いくつかの実施形態では、本開示は、イブチリドまたはその薬学的に許容される塩による処置を受けている心房性不整脈を患う対象におけるイブチリド促進性TdPのリスクを低減する方法であって、治療有効量のプロパフェノン、またはその薬学的に許容される塩をイブチリドと共投与するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、Mg2+源とプロパフェノンおよびイブチリドを共投与するステップをさらに含む。
【0078】
[0099]いくつかの実施形態では、本開示は、ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩による処置を受けている心房性不整脈を患う対象におけるドフェチリド促進性TdPのリスクを低減する方法であって、治療有効量のプロパフェノン、またはその薬学的に許容される塩をドフェチリドと共投与するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、Mg2+源とプロパフェノンおよびドフェチリドを共投与するステップをさらに含む。
【0079】
[0100]いくつかの実施形態では、本開示は、ソタロールまたはその薬学的に許容される塩による処置を受けている心房性不整脈を患う対象におけるソタロール促進性TdPのリスクを低減する方法であって、治療有効量のプロパフェノンまたはその薬学的に許容される塩をソタロールと共投与するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、Mg2+源とプロパフェノンおよびソタロールを共投与するステップをさらに含む。
【0080】
[0101]いくつかの実施形態では、ナトリウムチャネル遮断薬の用量およびカリウムチャネル遮断薬の用量を投与することは、カリウムチャネル遮断薬の用量を伴わずにナトリウムチャネル遮断薬の用量を対象に投与することよりも速く、対象における心房性不整脈のカルディオバージョンを誘導する。いくつかの実施形態では、ナトリウムチャネル遮断薬の用量およびカリウムチャネル遮断薬の用量を投与することは、ナトリウムチャネル遮断薬の用量を伴わずにカリウムチャネル遮断薬の用量を対象に投与することよりも速く、対象における心房性不整脈のカルディオバージョンを誘導する。いくつかの実施形態では、カリウムチャネル遮断薬と並行してまたは同時に対象に投与されるナトリウムチャネル遮断薬の治療有効量は、カリウムチャネル遮断薬と組み合わせてまたは連続して投与されない場合に対象に投与されるナトリウムチャネル遮断薬の治療有効量未満である。いくつかの実施形態では、ナトリウムチャネル遮断薬と並行してまたは同時に対象に投与されるカリウムチャネル遮断薬の治療有効量は、ナトリウムチャネル遮断薬と組み合わせて投与されない場合に対象に投与されるカリウムチャネル遮断薬の治療有効量未満である。いくつかの実施形態では、カリウムチャネル遮断薬とナトリウムチャネル遮断薬の両方の投与は、カリウムチャネル遮断薬またはナトリウムチャネル遮断薬の最少治療有効用量を、対応する対象において他の薬剤を伴わずに単独で使用した場合のそれぞれの最少治療有効用量の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%低下させる。
【0081】
[0102]いくつかの実施形態では、カリウムチャネル遮断薬およびナトリウムチャネル遮断薬の投与は、心房筋細胞の活動電位持続時間または有効不応期を延長させることができる。本明細書で使用する場合、「有効不応期」は、心房筋細胞が新たな伝導刺激に応答できず、デノボ活動電位を誘発することができない時間を指してもよい。定量的に、有効不応期は、活動電位の相0、1、2および3の持続時間の総和とみなされてもよい。0、1、2、3、および4がそれぞれの相に対応する例示的な活動電位を
図2に示す。いくつかの実施形態では、カリウムチャネル遮断薬およびナトリウムチャネル遮断薬の投与は、心房筋細胞の有効不応期を少なくとも5%、例えば約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約35%または約40%延長することができる。いくつかの場合では、延長効果は、カリウムチャネル遮断薬およびナトリウムチャネル遮断薬の投与前後の平均として測定される。例えば、投与前後の有効不応期は、少なくとも2、4、6、8、10、12、15、18、20、22、25、28、30、35、40、45、50もしくは60分の期間中、または少なくとも10、20、30、40、50、60、80もしくは100の筋細胞活動電位からなる期間中の平均として定量化することができる。いくつかの実施形態では、投与後平均有効不応期は、投与の約1、2、3、4、5、6、8、10、12、15、18、20、22、25、28、30、35、40、45、50または60分後に測定される。
【0082】
[0103]いくつかの実施形態では、投与は、投与後少なくとも1時間、例えば投与後約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、16、18、20、22、24時間、または例えば投与後約1、2、3、4、5、6もしくは7日間、心房性不整脈の再発を予防することができる。
【0083】
[0104]いくつかの実施形態では、投与は心室性不整脈を誘導しない。本明細書で使用する場合、「心室性不整脈」は、心室細動、持続性多形性心室頻拍、および持続性単形性心室頻拍を含み得る。
【0084】
[0105]いくつかの実施形態では、心房性不整脈を患う対象は、ナトリウムチャネル遮断薬(例えば、フレカイニド)の第1の単位用量を投与される。いくつかの実施形態では、カリウムチャネル遮断薬(例えば、イブチリド、ソタロールまたはドフェチリド)を含む第2の単位用量は、第1の単位用量が対象においてカルディオバージョンを誘導しない場合に投与される。いくつかの実施形態では、第1の単位用量または第2の単位用量は、Mg2+源をさらに含む。
【0085】
[0106]いくつかの実施形態では、ナトリウムチャネル遮断薬の単位用量は、心房性不整脈を患う対象に投与され、カリウムチャネル遮断薬およびMg2+源と並行して投与された場合に対象のカルディオバージョンを誘導する。これらの場合のいくつかでは、ナトリウムチャネル遮断薬の単位用量は、ナトリウムチャネル遮断薬がカリウムチャネル遮断薬およびMg2+源と並行して投与されない場合、対象のカルディオバージョンを誘導しない。
【0086】
[0107]いくつかの実施形態では、主題の方法および組成物は、ナトリウムチャネル遮断薬単剤療法(例えば、フレカイニド単剤療法)に非応答性の不整脈、例えば、心房性不整脈を患う対象の処置に使用される。例えば、平均的な集団では、フレカイニド単剤療法に対する耐性を示す発作性心房細動を患う患者がおよそ30%存在する。いくつかの実施形態では、対象が、例えばカリウムチャネル遮断薬を伴わずにナトリウムチャネル遮断薬単剤療法を投与されたとき、心房性不整脈から正常洞調律へのカルディオバージョンを受けない場合、対象は、ナトリウムチャネル遮断薬単剤療法に非応答性の心房性不整脈を患う(「ナトリウムチャネル遮断薬非応答性」対象)。
【0087】
[0108]いくつかの実施形態では、対象が、例えばカリウムチャネル遮断薬を伴わずにフレカイニド単剤療法を投与されたとき、心房性不整脈から正常洞調律へのカルディオバージョンを受けない場合、対象は、フレカイニド単剤療法に非応答性の心房性不整脈を患う(「フレカイニド非応答性」対象)。例えば、フレカイニドを、ほとんどの患者でそうでなければ治療有効な投与量で、経口、静脈注射によって、または吸入によって単独で投与した場合、対象はフレカイニド処置に非応答性であり得る。例えば、フレカイニド非応答性対象においてカルディオバージョンを誘導しない、そうでなければ治療有効な経口用量は、少なくとも1日あたり約25mg、例えば1日あたり約25mg、例えば1日あたり約50mg、1日あたり75mg、1日あたり100mg、1日あたり125mg、1日あたり150mg、1日あたり175mg、1日あたり200mg、1日あたり225mg、1日あたり250mg、1日あたり275mg、1日あたり300mg、1日あたり325mg、1日あたり350mg、1日あたり375mgおよび1日あたり400mgであってもよい。例えば、カリウムチャネル遮断薬を伴わずにフレカイニド非応答性対象でカルディオバージョンを誘導しない、そうでなければ治療有効なフレカイニドの静脈内用量は、例えば、少なくとも約0.1mg/kg、例えば約0.1mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、1.5mg/kg、2mg/kg、2.5mg/kgまたは3mg/kgであってもよい。いくつかの例では、カリウムチャネル遮断薬を伴わずにフレカイニド非応答性対象でカルディオバージョンを誘導しない、そうでなければ治療有効なフレカイニドの吸入用量は、例えば複数回の吸入にわたって投与される約0.1mg~約100mgであってもよい。
【0088】
[0109]いくつかの実施形態では、カリウムチャネル遮断薬は、Mg2+源と同時に投与される。いくつかの実施形態では、カリウムチャネル遮断薬は、Mg2+源とナトリウムチャネル遮断薬の両方と同時に投与される。いくつかの実施形態では、心臓不整脈、例えば心房性不整脈を患う対象は、ナトリウムチャネル遮断薬、カリウムチャネル遮断薬およびMg2+源を並行して、または同時に投与される。いくつかの実施形態では、第1の単位用量のナトリウムチャネル遮断薬、第2の単位用量のカリウムチャネル遮断薬、および第3の単位用量のMg2+源を含む、心臓不整脈、例えば心房性不整脈を処置するためのキットが本明細書に提供される。
【0089】
定義。
[0110]本明細書で使用する場合、「心臓の状態」は、心臓が異常な機能および/または構造を有する、例えば、心臓が不規則な調律で拍動している、不整脈、心房細動および/または頻脈を経験している、心筋梗塞および/または冠動脈心疾患がある状態を指してもよい。本明細書で使用する場合、「心房性不整脈」は、少なくとも1つの心房に影響を与える不整脈を指してもよく、徐脈は含まない。例えば、心房性不整脈は、少なくとも1つの心房に由来し、影響を及ぼす可能性がある。本明細書で使用する場合、「頻脈」は、心拍動が速すぎる不整脈を指してもよい。例えば、頻脈は、1分あたり100拍を上回る、例えば1分あたり110拍を超える、120拍を超える、または130拍を超える安静時心拍数を伴う場合がある。いくつかの実施形態では、頻脈は、洞頻脈、心房細動、心房粗動、AV結節リエントリー性頻脈、副伝導路媒介頻脈、心房頻拍、多源性心房頻拍、接合部頻拍、心室頻拍、上室頻拍、またはそれらの任意の組合せを含み得る。
【0090】
[0111]本明細書で使用する場合、「心臓不整脈」という語句は、心拍動が不規則である不整脈を指してもよい。本明細書で使用する場合、「心房細動」という用語は、心房の急速かつ不規則な拍動を特徴とする異常な心臓調律を指してもよい。本明細書で使用する場合、「カルディオバージョン」という用語は、異常に速い心拍数(頻脈)または他の心臓不整脈が正常な洞調律に変換されるプロセスを指してもよい。カルディオバージョンは、電気、薬物またはその両方によって達成することができる。
【0091】
[0112]本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が別段明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことができる。したがって、例えば、「抗不整脈剤」への言及は、単一の活性剤だけでなく、2種以上の異なる活性剤の組合せまたは混合物も含むことができる。
【0092】
[0113]本明細書における「一実施形態」、「一変形」または「一態様」への言及は、文脈から別段明らかでない限り、1種または複数のそのような実施形態、変形または態様を含み得る。
【0093】
[0114]本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される溶媒和物」という用語は、抗不整脈医薬剤の生物学的活性および/または特性の1つもしくは複数を保持し、生物学的またはその他の点で望ましくないものではない溶媒和物を指してもよい。薬学的に許容される溶媒和物の例としては、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、エタノールアミン、またはそれらの組合せと組み合わされた抗不整脈医薬剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
[0115]本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、遊離酸および塩基の生物学的活性および特性の1つまたは複数を保持し、生物学的またはその他の点で望ましくないものではない塩を指してもよい。薬学的に許容される塩の例示としては、硫酸塩、二硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-ジオエート、ヘキシン-1,6-ジオエート、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩(phenyipropionates)、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ-ヒドロキシブチレート、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホネート、ナフタレン-2-スルホネートおよびマンデル酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
[0116]参照数値に関連する「約」という用語は、その値からプラスまたはマイナス10%の値の範囲を含むことができる。例えば、量「約10」は、9、10および11の参照数値を含む9~11の量を含む。また、参照数値に関連する「約」という用語は、その値からプラスまたはマイナス10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%の値の範囲を含むことができる。
【0096】
[0117]本明細書で使用する場合、「心臓の冠循環」における本明細書に記載の薬剤の量は、カテーテルまたはカニューレを使用して心臓の冠循環の任意の血管領域(例えば、動脈、冠静脈洞を含む静脈)から血液試料を収集することによって測定することができる。次に、試料中の薬剤の量は、LC-MS/MSなどの分析機器を利用する生物分析技術などの公知の手段によって決定することができる。このように、心臓内の血液中の薬剤の量を任意の特定の時間について測定することができる。
【0097】
[0118]本明細書で使用する場合、「処置する」および「処置」という用語は、洞調律の回復、症状の重症度および/もしくは頻度の低減、症状および/もしくは基礎的原因の除去、症状および/もしくは基礎的原因の発生の可能性の低減、ならびに/または損傷の修復を指してもよい。したがって、本明細書で提供される活性剤で患者を「処置する」ことは、感受性の個体における特定の状態、疾患または障害の予防、ならびに臨床的に症候性の個体の処置を含み得る。
【0098】
[0119]本明細書で使用する場合、「公称量」は、投与される単位用量レセプタクル内に含まれる量を指してもよい。
[0120]本明細書で使用する場合、活性剤の「治療有効量」は、所望の治療結果を達成するのに有効な量を指してもよい。所与の活性剤の治療有効量は、処置される障害または疾患の種類および重症度、ならびに患者の年齢、性別、および体重などの要因に関して変化してもよい。
【0099】
[0121]一実施形態では、本開示の医薬組成物は、経口吸入によって投与される。いくつかの実施形態では、「吸入」(例えば、「経口吸入」または「鼻腔吸入」)は、患者が医薬組成物の吸入を始めたときから開始し、患者が医薬組成物の吸入を停止したときに終了する期間を指す。いくつかの実施形態では、患者は、1回の吸入で1つの単位用量レセプタクルに含まれる医薬剤を投与され、これは、いくつかの場合では、例えば0.1分~15分の期間からの換気呼吸による吸入投与を含んでもよい。いくつかの場合では、抗不整脈医薬剤は、2回以上の吸入にわたって送達される。いくつかの場合では、2回以上の吸入の間の時間は、約0.1~10分である。抗不整脈医薬剤は、60分未満、50分未満、40分未満、30分未満、20分未満、15分未満、10分未満、7分未満、5分未満、3分未満、2分未満、または1分未満で記載された用量で投与される。いくつかの場合では、抗不整脈医薬剤の必要用量の送達は、1、2、3、4、5または6回の吸入で完了する。いくつかの場合では、各吸入は、約0.5、1、1.2、1.5、1.8、2、2.2、2.5、2.8、3、3.2、3.5、3.8、4、4.2、4.5、4.8または5分行われる。いくつかの場合では、各吸入は5分より長く行われる。いくつかの場合では、各吸入は、4.5分まで行われる。いくつかの場合では、各吸入は、少なくとも60回の吸入呼吸、50回の吸入呼吸、40回の吸入呼吸、30回の吸入呼吸、20回の吸入呼吸、10回の吸入呼吸、8回の吸入呼吸、6回の吸入呼吸、4回の吸入呼吸、3回の吸入呼吸、2回の吸入呼吸または1回の吸入呼吸を含む。いくつかの場合では、各吸入は、100回以下の吸入呼吸、90回の吸入呼吸、80回の吸入呼吸、70回の吸入呼吸、60回の吸入呼吸、50回の吸入呼吸、40回の吸入呼吸、30回の吸入呼吸、または20回の吸入呼吸を含む。いくつかの場合では、抗不整脈医薬剤の吸入は、1秒、2秒、3秒、または4秒より長く続く深い肺呼吸で行われる。いくつかの場合では、抗不整脈医薬剤の吸入は、約1秒、2秒、3秒、または4秒続く深い肺呼吸で行われる。
【0100】
[0122]いくつかの実施形態では、抗不整脈医薬剤の吸入送達中に、対象は、2回の吸入の間に休憩を取るか、または取るように指示される。そのような実施形態では、2回の吸入の間の休憩は、約0.1~10分間、例えば0.2~5、1~5、1.5~5、2~5、3~5、4~5、1~1.5、1~2、1~2.5、1~3、1~3.5、1~4、1.5~2、1.5~2.5または1.5~3分間続く。一部の場合では、対象は、2回の吸入の間に約1分間の休憩を取るか、または取るように指示される。一部の場合では、単回用量を送達するための吸入パターンは以下のようになる:約4~4.5分間の第1の吸入、約1分間の休憩、および約4~4.5分間の第2の吸入;約4~4.5分間の第1の吸入、約30秒間の休憩、および約4~4.5分間の第2の吸入;約4~4.5分間の第1の吸入、約1分間の第1の休憩、および約4~4.5分間の第2の吸入;約1分間の第2の休憩、および約4~4.5分間の第3の吸入;または約4~4.5分間の第1の吸入、約30秒間の第1の休憩、および約4~4.5分間の第2の吸入;約30秒間の第2の休憩、および約4~4.5分間の第3の吸入。
【0101】
[0123]いくつかの実施形態では、対象は、ある持続時間の間、換気呼吸によって本開示のエアロゾル化医薬組成物を吸入する、または吸入するように指示される。いくつかの実施形態では、医薬組成物を第1の持続時間(例えば、約3.5分)吸入した後、対象は、上記で規定される休憩と同等の期間(例えば、約1分)などの別の持続時間にわたってエアロゾル化医薬組成物の吸入を停止し、その後別の持続時間にわたって(例えば、約3.5分)エアロゾル化医薬組成物の吸入を再開する。いくつかの実施形態では、対象は、エアロゾル化医薬組成物を3.5分間吸入し、エアロゾル化医薬組成物の吸入を約1分間停止し、次いでエアロゾル化医薬組成物の吸入をその後3.5分間にわたって再開する。
【0102】
[0124]いくつかの実施形態では、対象は、換気呼吸によって本開示のエアロゾル化医薬組成物を吸入する。本明細書で使用する場合、「換気呼吸」は、安静呼吸中の吸入および呼気を指してもよい。例えば、換気呼吸は、1分間に10~14呼吸の速度で呼吸しながらエアロゾル化医薬組成物を吸入することを含んでもよい。
【0103】
[0125]本明細書で使用する場合、「最小有効量」という語句は、有効量を達成するために必要な医薬剤の最小量を意味してもよい。
[0126]本明細書で使用する場合、「質量中央径」または「MMD」は、典型的に、例えば、ある範囲の粒子サイズからなる多分散粒子集団における複数の粒子のメジアン径を指してもよい。本明細書で報告されるMMD値は、文脈が別段示さない限り、レーザー回折(Sympatec Helos、Clausthal-Zellerfeld、ドイツ)によって決定される。例えば、粉末の場合、試料はSympatec RODOS乾燥粉末分散ユニットのフィーダ漏斗に直接添加される。これは手動で、またはVIBRI振動フィーダ要素の先端から機械的に撹拌することによって実現できる。試料は、加圧空気(2~3bar)、および所与の分散圧力のために最大化された真空減圧(吸引)の適用によって一次粒子に分散される。分散された粒子は、分散された粒子の軌道と直角に交差する632.8nmのレーザービームでプローブされる。粒子の集合体から散乱したレーザー光は、逆フーリエレンズアセンブリを使用して光電子増倍管検出器素子の同心円状配列上に結像される。散乱光は、5msのタイムスライスで取得される。粒子径分布は、独自のアルゴリズムを使用して散乱光の空間/強度分布から逆算される。
【0104】
[0127]本明細書で使用する場合、「幾何学的直径」は、文脈が別段示さない限り、顕微鏡検査によって決定される単一の粒子の直径を指してもよい。
[0128]本明細書で使用する場合、「空気力学的質量中央径」または「MMAD」は、典型的に多分散集団における複数の粒子または粒子の空気力学的中央径を指してもよい。「空気力学的直径」は、一般に空気中で粉末と同じ沈降速度を有する単位密度球体の直径であってもよく、したがってエアロゾル化粉末または他の分散粒子もしくは粒子製剤を、その沈降挙動という観点から特徴付けるのに有用な方法である。空気力学的直径は、粒子または粒子の形状、密度、および粒子または粒子の物理的サイズを包含する。本明細書で使用する場合、MMADは、文脈が別段示さない限り、カスケードインパクションによって決定されるエアロゾル化粒子の空気力学的粒子または粒子径分布の中央値を指す。
【0105】
[0129]「薬学的に許容される」成分とは、生物学的またはその他の点で望ましくないものではない成分を意味し、例えば、成分は、顕著な望ましくない生物学的効果を引き起こすことなく、またはそれが含まれる製剤の他の成分のいずれかと有害に相互作用することなく本発明の医薬製剤に組み込まれ、本明細書に記載のように患者に投与することができる。用語「薬学的に許容される」が賦形剤に言及するために使用する場合、成分が毒物学的および製造試験の必要な基準を満たしたこと、または米国食品医薬品局が作成したInactive Ingredient Guideに含まれていることを意味してもよい。
【0106】
[0130]本明細書で提供される治療は、非経口注射、経口もしくは鼻腔投与(例えば、経口もしくは鼻腔吸入)、または鼻腔内噴霧投与を含むか、またはそれに適する場合がある。本明細書で提供される場合、「経口または鼻腔投与」という用語は、経口吸入、鼻腔吸入、または鼻腔内噴霧投与を指してもよい。いくつかの実施形態では、経口吸入による投与の間、医薬剤は、口を通して患者によって吸入され、肺によって吸収される。いくつかの実施形態では、鼻腔吸入による投与の間、医薬剤は、鼻を通して患者によって吸入され、鼻腔粘膜および/または肺によって吸収される。いくつかの実施形態では、鼻腔内噴霧投与の間、医薬剤は、患者の鼻に噴霧され、その後鼻腔粘膜および/または肺によって吸収される。いくつかの実施形態では、鼻腔内噴霧投与の間、医薬剤は患者に受動的に投与され、例えば、患者は噴霧された薬剤を能動的に吸入しない。いくつかの実施形態では、鼻腔内噴霧投与の間、医薬剤は、患者に受動的および能動的に投与され、例えば、薬剤は、鼻腔内噴霧された後、鼻を通して患者によって少なくとも部分的に能動的に吸入される。
【0107】
[0131]本明細書で使用する場合、「非経口注射」は、針または留置カテーテルを使用して行われる投与を指してもよく、これは、例えば心臓内、動脈内、静脈内、筋肉内および皮下投与を含んでもよい。
【0108】
[0132]本明細書で使用する場合、「QT間隔」は、心電図(ECG)によって測定される、QRS群の開始からその後のT波の終了までの間の時間間隔を指してもよい。QT間隔は、年齢、性別および心室速度を含む、疾患病態または薬物関連効果に直接関係しない要因によって対象間で変化し得る。いくつかの実施形態では、QT間隔の測定は、Bazett式QTc=QT/(√RR)に従って心拍数について補正され(QTc)、ここでRRは2つの連続するR波間の間隔であり、QTは上記に定義したQT間隔である。いくつかの実施形態では、QT間隔の測定は、Fridericia式QTc=QT/3√RR)に従って心拍数について補正され(QTc)、ここでRRは2つの連続するR波間の間隔であり、QTは上記で定義されるQT間隔である。いくつかの実施形態では、QT間隔の測定は、Framingham式QTc=QT+0.154*(1-RR)に従って心拍数について補正され(QTc)、ここでRRは2つの連続するR波間の間隔であり、QTは上記で定義されるQT間隔である。いくつかの実施形態では、QT間隔の測定は、Hodges式Hodges[QTc=QT+1.75*(HR-60)に従って心拍数について補正され、ここでHRは1分あたりの拍動での心拍数であり、QTは上記で定義した通りである。いくつかの実施形態では、QT間隔の測定は、van de Water式QTc=QT-0.087(RR-1000)に従って心拍数について補正され(QTc)、ここでRRは2つの連続するR波間の間隔であり、QTは上記で定義されるQT間隔である。いくつかの実施形態では、対象におけるトルサードドポアント(TdP)のリスクは、QTc間隔の延長の大きさに従って評価される。いくつかの実施形態では、対象のQTcが480msecより大きい場合、対象はTdPのリスクがある。
【0109】
投与経路。
経口または鼻腔吸入。
[0133]本開示のいくつかの態様では、医薬剤、例えばカリウムチャネル遮断薬、クラスI抗不整脈剤、またはその両方の組成物または製剤は、吸入によって投与される。医薬製剤は、投与前にエアロゾル化することができるか、またはエアロゾルの形態で使用者に提示することができる。
【0110】
[0134]吸入または鼻腔内噴霧投与経路は、初回通過肝代謝を避けることができ、それゆえ投薬の変動を排除することができる。経口錠剤または丸薬の場合とは異なり、投与は、薬物が胃腸管を通して経口経路で、例えば錠剤、丸薬、溶液または懸濁液として投与される場合に経験される代謝経路とは無関係であるため、患者の代謝率は問題でない可能性がある。
【0111】
[0135]鼻腔粘膜および/または肺からの薬物の迅速な吸収により、作用の迅速な発現、有効性の潜在的な改善、および/または用量の低減が達成され得る。
[0136]肺を通した薬物の迅速な吸収速度は、肺の中枢および末梢領域に浸透するのに十分小さいエアロゾルが肺で利用することができる大きな表面積のために達成され得る。鼻腔送達または鼻腔内噴霧送達の場合、鼻腔粘膜は、比較的透過性の高い上皮層、および高度に血管形成された上皮下層を有することができ、それにより全身循環への吸収のための薬物の直接アクセスをもたらすことができる。結果として、経口または鼻腔投与経路によって送達された薬物の吸収の速度および程度は、IV投与経路と同等の血漿濃度対時間プロファイルを生じることができる。
【0112】
[0137]作用発現の時間は短くてもよい。例えば、患者は、投与開始の20分以内、例えば投与開始の15分以内、10分以内または5分以内に正常洞調律を有することができる。いくつかの実施形態では、患者が不整脈を長く有するほど、患者を正常洞調律に変換するのに時間がかかる可能性があるため、作用の迅速な発現は有利である。
【0113】
[0138]いくつかの実施形態では、本開示の方法は、患者が、アブレーションおよび/または電気的カルディオバージョンなどの他の治療を回避することを可能にする。他の実施形態では、本発明の方法は、電気的カルディオバージョンおよび/またはアブレーション療法の前または後など、他の治療と組み合わせて使用される。
【0114】
[0139]医薬組成物は、エアロゾル化デバイスを使用して投与することができる。エアロゾル化デバイスは、ネブライザー、定量吸入器、液体用量注入デバイス、または乾燥粉末吸入器であってもよい。エアロゾル化デバイスは、ミクロンまたはサブミクロンサイズの穴を通して医薬調製物を押し出し、その後レイリー分裂して微細な液滴にすることを含んでもよい。医薬組成物は、WO99/16420に記載のネブライザーによって、WO99/16422に記載の定量吸入器によって、WO99/16421に記載の液体用量注入装置によって、ならびに米国公開出願第20020017295号および第20040105820号、WO99/16419、WO02/83220、および米国特許第6,546,929号に記載の乾燥粉末吸入器によって送達することができ、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。したがって、吸入器は、粒子または粒子および推進剤を含むキャニスターを含むことができ、吸入器は、キャニスターの内部と連通する定量弁を含む。推進剤は、ヒドロフルオロアルカンであってもよい。
【0115】
[0140]例えば、医薬製剤は液体溶液中にあってもよく、それを必要とする患者の肺気道に投与することができるエアロゾル化医薬を提供するために、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT WO99/16420に開示されるものなどのネブライザーで投与されてもよい。当技術分野で公知のネブライザーは、特許請求された製剤の投与のために容易に利用することができる。呼吸駆動型または呼吸作動型ネブライザー、ならびに開発されたまたは開発される他のタイプの改良を含むものも、本開示の製剤と適合性があり、その範囲内にあるものとして企図される。
【0116】
[0141]いくつかの実施形態では、ネブライザーは、呼吸駆動型または呼吸作動型ネブライザーである。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、手持ち式吸入器デバイス(例えば、AeroEclipse(登録商標)II Breath Actuated Nebulizer(BAN))である。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、圧縮空気源を有する。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、液体医薬をエアロゾルに変換する。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、ミクロンまたはサブミクロンサイズの穴を通して医薬調製物を押し出すことによって液体医薬をエアロゾルに変換する。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、肺に吸入され得るように、液体医薬をエアロゾルに変換する。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、小容量ネブライザーである。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、小容量ジェットネブライザーである。いくつかの実施形態では、エアロゾル化医薬は、デバイスを通して吸入されたときにのみ生成される。いくつかの実施形態では、医薬は、呼吸の間または処置の休憩中にカップ内に収容される。いくつかの実施形態では、医薬は、吸入の準備ができるまでカップ内に収容される。
【0117】
[0142]ネブライザーは、液体医薬製剤にエネルギーを付与して液体をエアロゾル化し、患者の肺系、例えば肺への送達を可能にすることができる。ネブライザーは、液体医薬製剤を収容するリザーバを有する容器などの液体送達システムを含む。液体医薬製剤は、一般に、溶液中にあるかまたは液体媒体中に懸濁された活性剤を含む。
【0118】
[0143]一般にジェットネブライザーと称される主題の方法およびキットで使用できるネブライザーの一種では、圧縮ガスが容器内のオリフィスに強制的に通される。圧縮ガスは、ノズルから液体を強制的に引き出させ、引き出された液体は、流動ガスと混合してエアロゾル液滴を形成することができる。その後、液滴の雲を患者の呼吸器に投与することができる。
【0119】
[0144]一般に振動メッシュネブライザーと称される、主題の方法およびキットで使用できる別の種類のネブライザーでは、機械的エネルギーなどのエネルギーがメッシュを振動させる。メッシュのこの振動は、液体医薬製剤をエアロゾル化し、患者の肺に投与されるエアロゾル雲を生成する。主題の方法およびキットに使用できる別の種類のネブライザーでは、霧化は、ミクロンまたはサブミクロンサイズの穴から押し出し、その後レイリー分裂して微細な液滴にすることを含む。
【0120】
[0145]代替的または追加的に、医薬製剤は液体形態であってもよく、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWO2004/071368、ならびにいずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国公開出願第2004/0011358号および第2004/0035413号に記載のネブライザーを使用してエアロゾル化することができる。ネブライザーの他の例としては、アイルランド、GalwayのAerogen Ltd.から入手可能なAeroneb(登録商標)GoまたはAeroneb(登録商標)Proネブライザー、バージニア州MidlothianのPARI Respiratory Equipment,Inc.から入手可能なPARI eFlowおよび他のPARIネブライザー、ニュージャージー州East BrunswickのLumiscope Company,Incから入手可能なLumiscope(登録商標)Nebulizer 6600または6610、および日本、京都のオムロンヘルスケア株式会社から入手可能なOmron NE-U22が挙げられるが、これらに限定されない。ネブライザーの他の例としては、Medspray(Enschede、オランダ)が製造するデバイスが挙げられる。
【0121】
[0146]Aeroneb(登録商標)Proなどの圧縮ガスを使用せずに液滴を形成するものなどの振動メッシュ型のネブライザーは、投薬効率および一貫性の予想外の改善をもたらすことが見出された。圧縮空気を導入するのではなく、振動する有孔または無孔の膜を使用して微細な液滴を生成することにより、流動特性に実質的に影響を与えることなくエアロゾル化医薬製剤を導入することができる。さらに、この種類のネブライザーを使用する際に生成される液滴は低速で導入され、それにより液滴が望ましくない領域に追いやられる可能性が減少する。押出し/レイリージェット分裂型のネブライザーを使用した場合、生成された液滴はまた低速で導入され、それにより液滴が望ましくない領域に追いやられる可能性が減少することが見出されている。
【0122】
[0147]いくつかの実施形態では、主題の方法およびキットに使用することができるネブライザーは、振動メッシュ型のものである。いくつかの実施形態では、主題の方法およびキットに使用することができるネブライザーは、加圧ジェット型のものである。いくつかの実施形態では、主題の方法およびキットに使用することができるネブライザーは、押出し/レイリー分裂型のものである。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、軽量(最大60g、最大100g、最大200g、最大250g)であり、ほぼ無音である。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、1メートルで35A加重デシベル(dBA)未満の音レベルを有する。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、6mLの投薬カップ容量を有する。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、0.3mL未満の残留体積を有する。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、0.4mL/分の平均流速を生じる。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、0.5mL/分の平均流速を生じる。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、0.6mL/分の平均流速を生じる。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、0.7mL/分の平均流速を生じる。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、0.8mL/分の平均流速を生じる。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、0.9mL/分の平均流速を生じる。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、1.0mL/分の平均流速を生じる。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、1.1mL/分の平均流速を生じる。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、1.2mL/分の平均流速を生じる。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、3.0μmMMADの平均粒子径を生じる。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、3.0μmMMAD~4.0μmMMADの平均粒子径を生じる。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、3.0μmMMADの平均粒子径を生じる。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、3.0μmMMAD~5.0μmMMADの平均粒子径を生じる。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、3.0μmMMADの平均粒子径を生じる。いくつかの実施形態では、ネブライザーは、3.0μmMMAD~6.0μmMMADの平均粒子径を生じる。
【0123】
[0148]主題の方法およびキットで使用できるさらに別の種類のネブライザーでは、超音波を発生させて医薬製剤を直接振動させ、エアロゾル化する。
[0149]代替的にまたは追加的に、本開示は、乾燥粉末吸入器を含むことができる。乾燥粉末エアロゾル化装置の特定の変形は、米国特許第4,069,819号および同第4,995,385号に記載されており、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。カプセルが吸入方向と直交するようにカプセルを受け入れるようにサイズ調整および形成されたチャンバを有する別の有用なデバイスは、米国特許第3,991,761号に記載されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。また、米国特許第3,991,761号に記載されるように、穿刺機構によってカプセルの両端を穿刺することができる。別の変形では、チャンバは、例えば参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第4,338,931号および第5,619,985号に記載されるように、空気がカプセルを通して流れるような態様でカプセルを受け入れることができる。別の変形では、医薬組成物のエアロゾル化は、例えば米国特許第5,458,135号、第5,785,049号および第6,257,233号に記載されるように入口を通って流れる加圧ガス、またはWO00/72904および米国特許第4,114,615号に記載される推進剤によって達成することができ、これらは参照により本明細書に組み込まれる。これらの種類の乾燥粉末吸入器は、一般に能動乾燥粉末吸入器と称される。
【0124】
[0150]他の乾燥粉末吸入器としては、Boehringer Ingelheim(例えば、Respimat吸入器)、Hovione(例えば、FlowCaps吸入器)、Plastiape(例えば、Osmohaler吸入器)およびMicroDoseから入手可能なものを挙げることができる。本発明は、Alexza,mountain View、カリフォルニアから入手可能な凝縮エアロゾルデバイスを利用することもできる。さらに別の有用な吸入器は、WO2008/051621に開示されており、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0125】
[0151]本明細書に開示される医薬製剤はまた、定量吸入器などによるエアロゾル化によって患者の肺に投与することができる。このような製剤の使用は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるWO99/16422に開示されるように、優れた用量再現性および改善された肺沈着をもたらす。当技術分野で公知の定量吸入器(MDI)を、特許請求された医薬組成物の投与のために利用することができる。呼吸駆動型または呼吸作動型MDIおよび加圧式MDI(pMDI)、ならびに開発されたまたは開発される他の種類の改良を含むものも本開示の製剤と適合性があり、したがってその範囲内にあるものとして企図される。
【0126】
[0152]DPI、MDIおよびネブライザーとともに、本発明の1つまたは複数の実施形態の製剤は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWO99/16421に開示される液体用量注入またはLDI技術とともに使用できることが理解される。液体用量注入は、製剤を肺に直接投与することを含む。LDIに関して、製剤は、好ましくは部分的液体換気または全液体換気とともに使用される。さらに、本発明の1つまたは複数の実施形態は、投与前、投与中または投与後に、治療上有益な量の生理学的に許容されるガス(一酸化窒素または酸素など)を医薬マイクロ分散液に導入することをさらに含み得る。
【0127】
[0153]本開示の1つまたは複数の実施形態の医薬組成物は、改善された放出用量効率を有し得る。したがって、様々なエアロゾル化デバイスおよび技術を使用して高用量の医薬組成物を送達することができる。
【0128】
[0154]本発明の粒子の放出用量(ED)は、約30%超、例えば約40%超、約50%超、約60%超または約70%超であってもよい。
鼻腔内噴霧投与。
【0129】
[0155]本開示の別の態様では、本開示は、心臓の状態、例えば心臓不整脈、例えば心房性不整脈を患う対象の処置のための医薬組成物の鼻腔内噴霧投与に関する。鼻腔噴霧デバイスは、エアロゾル形態の医薬製剤を鼻腔に噴霧する目的で使用することができる。鼻腔投与のために有用なデバイスは、定量噴霧器が取り付けられる小型の硬質ボトルであってもよい。いくつかの実施形態では、定量投与は、本明細書に記載の医薬溶液を規定の容積のチャンバに引き込むことによって送達され、このチャンバは、チャンバ内の液体が圧縮されるときに噴霧を形成することによりエアロゾル製剤をエアロゾル化するように寸法決めされた開口部を有する。チャンバは、医薬剤、例えばカリウムチャネル遮断薬、クラスI抗不整脈剤、またはその両方を投与するために圧縮される。いくつかの実施形態では、チャンバはピストン構成である。このようなデバイスは市販されている。あるいは、絞ったときに噴霧を形成することによってエアロゾル製剤をエアロゾル化するように寸法決めされた開口部または開口を有するプラスチック製スクイズボトル。開口は、ボトルの上部に見出すことができ、上部は一般的に、エアロゾル製剤の効率的な投与のために鼻道に部分的に適合するようにテーパー状である。鼻腔吸入器は、測定された用量の薬物を投与するために、定量のエアロゾル製剤を提供することができる。
【0130】
[0156]いくつかの実施形態では、Aptar/Pfeiffer Unitdose送達デバイスが、開示された組成物を送達するために使用される。本開示に従って使用することができる他のデバイスには、Djupesland,Drug Deliv Transl Res.(2013)Feb;3(1)に記載されるものが含まれるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、鼻腔噴霧デバイスは、1回の噴霧につき約50μL、約60μL、約80μL、約100μL、約150μL、約200μL、約300μL、約400μL、約500μL、約600μL、約700μL、約800μLの体積を送達する。いくつかの実施形態では、鼻腔噴霧デバイスは、1回より多くの噴霧、例えば2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回またはさらに多くの噴霧で医薬製剤を送達するように構成される。容器クロージャーの直接製品接触部品は、MGLASまたはNUOVA OMPIによるFIOLAXガラスを使用して製造された容器(ガラスバイアル)、プランジャー(ストッパー)を含んでもよい。
【0131】
[0157]鼻腔噴霧デバイスは、医療従事者と非医療従事者の両方による使用を意図することができる。デバイスは、単回使用、針なし、すぐに使用可能、使い捨てであること、およびそれらの組合せから選択される1つまたは複数の特徴を有してもよい。デバイスは、開示された組成物を、鼻孔あたり1回の噴霧として投与するように構成されてもよい。デバイスは、1つまたは複数の単位用量容器を含んでもよく、各容器は約1回の100μLの噴霧を送達する。他の態様では、デバイスは、約50μL~約800μLの噴霧の量を送達するように改変されてもよく、様々な濃度の溶液を利用することができる。当技術分野で公知の任意の鼻腔噴霧デバイスを使用して、本明細書に記載の鼻腔噴霧剤および組成物を送達することができる。一態様では、鼻腔噴霧デバイスは、Aptar/Pfeiffer Unitdoseデバイスである。本明細書で提供される鼻腔噴霧剤は、鼻腔投与に適切なpHおよび浸透圧を有する保存溶液を含むことができる。同様に、鼻腔噴霧剤は、抗菌保存剤を含まない滅菌溶液として調製することができる。
【0132】
静脈内投与。
[0158]カリウムチャネル遮断薬はまた、静脈内注射を含み得る非経口経路によって投与されてもよい。カリウムチャネル遮断薬の静脈内投与はまた、ナトリウムチャネル遮断薬(例えば、フレカイニド)の投与を伴ってもよい。ナトリウムチャネル遮断薬は、カリウムチャネル遮断薬の静脈内投与の前、後または並行して投与されてもよい。ナトリウムチャネル遮断薬は、吸入、静脈内注射、または経口摂取用の錠剤、丸薬、溶液もしくは懸濁液によって投与されてもよい。ナトリウムチャネル遮断薬の投与と並行したカリウムチャネル遮断薬の静脈内投与は、静脈内注射用に製剤化されたカリウムチャネル遮断薬とナトリウムチャネル遮断薬の固定用量の組合せ(例えば、イブチリドおよびフレカイニド)の投与を含んでもよい。
【0133】
経口投与
[0159]カリウムチャネル遮断薬はまた、経口経路によって投与され得る。経口投与は、丸薬、錠剤、カプセルまたはシロップを含み得るがこれらに限定されない。カリウムチャネル遮断薬の経口投与はまた、ナトリウムチャネル遮断薬(例えば、フレカイニド)の投与を伴うことができる。ナトリウムチャネル遮断薬は、カリウムチャネル遮断薬の静脈内投与の前、後または並行して投与することができる。ナトリウムチャネル遮断薬は、吸入、静脈内注射、または経口摂取用の錠剤、丸薬、溶液もしくは懸濁液によって投与することができる。ナトリウムチャネル遮断薬の投与と並行したカリウムチャネル遮断薬の経口投与は、経口投与用に製剤化されたカリウムチャネル遮断薬とナトリウムチャネル遮断薬の固定用量の組合せ(例えば、イブチリド/ドフェチリドおよびフレカイニド)の投与を含んでもよい。
【0134】
[0160]カリウムチャネル遮断薬およびナトリウムチャネル遮断薬は、錠剤などの単一の経口投与に組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、錠剤は、カリウムチャネル遮断薬とナトリウムチャネル遮断薬を含む。いくつかの実施形態では、錠剤は、イブチリドおよびフレカイニド、フレカイニドおよびドフェチリド、フレカイニドおよびソタロール、メキシレチンおよびソタロール、メキシレチンおよびドフェチリド、またはメキシレチンおよびイブチリドを含む。
【0135】
[0161]経口投与(例えば、錠剤、カプセルなど)は、対象への投与時に薬物の放出および吸収を調整するように製剤化されてもよい。錠剤は、時限放出、制御送達、制御放出、遅延放出、長時間作用、長時間作用放出、改良放出、延長放出、持続作用、持続放出、時限放出、即時放出、長期放出、または徐放のための製剤であり得るがこれらに限定されない。
【0136】
投与レジメン。
[0162]本明細書で提供されるカリウムチャネル遮断薬、例えばクラスIIIa抗不整脈剤は、別の抗不整脈療法、例えば、例えばクラスI抗不整脈剤であり得るナトリウムチャネル遮断薬と共投与されてもよい。例えば、患者は、例えばイブチリドまたはドフェチリドなどのカリウムチャネル遮断薬を自己投与してから数分(例えば、5~15分)以内にナトリウムチャネル遮断薬(例えばフレカイニド)を自己投与することができる。
【0137】
[0163]いくつかの実施形態では、カリウムチャネル遮断薬の投与は、ナトリウムチャネル遮断薬、例えばクラスI抗不整脈剤の投与と並行して行われる。例えば、2種の別個の薬物製剤を同時に送達するように構成されたエアロゾル化デバイスを使用することができる。このようなデバイスでは、例えば、カリウムチャネル遮断薬およびクラスI抗不整脈剤をそれぞれ含む2種の薬物製剤を2つの別個のレセプタクルで受け取ることができ、デバイスは、2種の製剤の両方を含むエアロゾルを形成することができ、これにより対象が2種の薬物を同時に吸入することが保証される。他の例では、2種の薬物、例えば、カリウムチャネル遮断薬およびクラスI抗不整脈剤の両方を含む1つの組合せ医薬組成物が提供される。このような場合、組合せ組成物は、静脈内注射、吸入または鼻腔内噴霧投与によって対象に投与され、それにより2種の活性剤の共投与による治療効果を達成する。
【0138】
[0164]本明細書で提供される方法は、カルディオバージョンの誘導のための抗不整脈剤、例えばクラスI抗不整脈剤の投与を含んでもよい。本明細書で提供される方法は、カルディオバージョンを誘導するための電流の適用をさらに含んでもよい。本明細書で提供されるカルディオバージョンは、薬学的および電気的の両方を含み得る。
【0139】
[0165]医薬組成物は、必要に応じて患者に投与することができる。例えば、方法、キットおよび組成物は、心臓の状態、例えば心臓不整脈、例えば心房性不整脈を経験している対象を処置する際に特に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、対象は、対象が心房性不整脈を経験しているときに本明細書に記載の治療を投与される。いくつかの実施形態では、治療、例えばカリウムチャネル遮断薬とクラスI抗不整脈薬の両方による組合せ吸入療法は、心臓不整脈のエピソードの発症後に対象に投与される。他の場合では、対象は、心臓不整脈のエピソードの間に処置される。
【0140】
[0166]いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療は、必要に応じて1回より多く対象に提供される。例えば、本発明は、最初の吸入後にカルディオバージョンが発生しない場合、フォローアップ吸入を伴ってもよい。いくつかの場合では、最初の吸入から30分以内にカルディオバージョンが発生しない場合、フォローアップ投与量は、最初の投与量より高い、低いまたは同じである。
【0141】
[0167]投薬は、患者がどのように感じるかによって誘導することができる。さらにまたは代替的に、投薬は、ポータブル/モバイルECGデバイスを使用することによって誘導することができる。例えば、Holter monitor、Apple Watch、AliveCor(登録商標)KardiaMobile(登録商標)6L、QardioCore(登録商標)ECG、fitbit(登録商標)charge5またはOura(登録商標)Ringなどのウェアラブルデバイスを使用することにより、投薬を誘導することができる。
【0142】
[0168]開示された方法、キットおよび組成物に適したMg2+源の量は、例えば、約50mg~約3000mgのMg+2カチオン、例えば約50mg~約2000mg、約100mg~約2000mg、約200mg~約2000mg、約300mg~約2000mg、約500mg~約2000mg、50mg~約1000mg、約100mg~約1000mg、約200mg~約1000mg、約300mg~約1000mgまたは約500mg~約1000mgのMg2+カチオンを対象に送達するのに十分であり得る。開示された方法、キットおよび組成物に適したMg2+源の量は、例えば、約50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約300mg、約100mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、約1000mg、約1500mg、または約2000mgのMg2+カチオンを対象に送達するのに十分であり得る。
【0143】
[0169]開示された方法、キットおよび組成物のための硫酸マグネシウムの量は、例えば、約1mg~約10,000mgの硫酸マグネシウム、例えば、約1mg~約8000mg、約1mg~約6000mg、約1mg~約4000mg、約1mg~約2000mg、約1mg~約1000mg、約1mg~約700mg、約1mg~約600mg、約1mg~約500mg、約5mg~約6000mg、約5mg~約4000mg、約5mg~約2000mg、約5mg~約1000mg、約1000mg~約10,000mg、約2000mg~約10,000mg、約3000mg~約10,000mg、約4000mg~約10,000mg、約5000mg~約10,000mg、約5mg~約700mg、約5mg~約600mg、約5mg~約500mg、約20mg~約6000mg、約20mg~約4000mg、約20mg~約2000mg、約20mg~約1000mg、約20mg~約700mg、約20mg~約600mg、約20mg~約500mgの硫酸マグネシウムの範囲であってもよい。開示された方法、キットおよび組成物に適した硫酸マグネシウムの量は、例えば約0.5g、約1g、約1.5g、約2g、約2.5g、約3g、約3.5g、約4g、約5g、約6g、約7g、約8g、約9g、または約10gであってもよい。
【0144】
[0170]開示された方法、キットおよび組成物に適した硫酸マグネシウムの量は、例えば、対象の体重1キログラムあたり約1mg(mg/kg)~約200mg/kg、例えば、約1mg/kg~約150mg/kg、約1mg/kg~約150mg/kg、約10mg/kg~約150mg/kg、約20mg/kg~約150mg/kg、約50mg/kg~約150mg/kg、約100mg/kg~約150mg/kg、約1mg/kg~約100mg/kg、約1mg/kg~約80mg/kg、約1mg/kg~約60mg/kg、約1mg/kg~約40mg/kg、または約1mg/kg~約20mg/kgの範囲であってもよい。開示された方法、キットおよび組成物に適した硫酸マグネシウムの量は、例えば、約1mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約20mg/kg、約30mg/kg、約40mg/kg、約50mg/kg、約75mg/kg、または約100mg/kgであってもよい。
【0145】
[0171]開示された方法、キットおよび組成物に適したイブチリドまたはその薬学的に許容される塩(例えば、フマル酸イブチリド)の量は、例えば、約0.002mg~100mg、例えば、約0.002mg~約50mg、約0.002mg~約25mg、約0.002mg~約15mg、約0.002mg~約10mg、約0.002mg~約5mg、約0.002mg~約2mg、約0.002mg~約1mg、約0.01mg~約50mg、約0.01mg~約25mg、約0.01mg~約15mg、約0.01mg~約5mg、約0.01mg~約2mg、約0.01mg~約1mg、約0.01mg~約0.5mg、約0.05mg~約50mg、約0.05mg~約25mg、約0.05mg~約10mg、約0.05mg~約5mg、約0.05mg~約1mg、約0.05mg~約0.5mg、約0.05mg~約0.1mg、約0.01mg~約0.5mg、約0.25mg~約50mg、約0.25mg~約25mg、約0.25mg~約10mg、約0.25mg~約5mg、約0.25mg~約1mg、約0.25mg~約0.5mg、または約0.25mg~約0.1mgのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩の範囲であってもよい。開示された方法、キットおよび組成物に適したイブチリドまたはその薬学的に許容される塩の量は、例えば約0.002mg、約0.01mg、約0.02mg、約0.05mg、約0.01mg、約0.02mg、約0.03mg、約0.04mg、約0.05mg、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約1.5mgまたは約2mgであってもよい。
【0146】
[0172]開示された方法、キットおよび組成物に適したイブチリドまたはその薬学的に許容される塩(例えば、フマル酸イブチリド)の量は、例えば、対象の体重1キログラムあたり約0.0001mg(mg/kg)~約5mg/kg、例えば、約0.001mg/kg~約0.25mg/kg、約0.005mg/kg~約0.25mg/kg、約0.01mg/kg~約0.25mg/kg、約0.1mg/kg~約0.25mg/kg、約0.001mg/kg~約0.2mg/kg、約0.001mg/kg~約0.1mg/kg、約0.001mg/kg~約0.05mg/kg、約0.001mg/kg~約0.01mg/kg、または約0.001mg/kg~約0.005mg/kgの範囲であってもよい。開示された方法、キットおよび組成物に適したイブチリドまたはその薬学的に許容される塩(例えば、フマル酸イブチリド)の量は、例えば、約0.0001mg/kg、約0.0005mg/kg、約0.001mg/kg、約0.005mg/kg、約0.01、約0.05mg/kg、約0.1mg/kgまたは約0.2mg/kgであってもよい。
【0147】
[0173]開示された方法、キットおよび組成物に適したドフェチリドまたは薬学的に許容される塩の量は、例えば、約0.002mg~100mg、例えば、約0.002mg~約50mg、約0.002mg~約25mg、約0.002mg~約15mg、約0.002mg~約10mg、約0.002mg~約5mg、約0.002mg~約2mg、約0.002mg~約1mg、約0.01mg~約50mg、約0.01mg~約25mg、約0.01mg~約15mg、約0.01mg~約5mg、約0.01mg~約2mg、約0.01mg~約1mg、約0.01mg~約0.5mg、約0.05mg~約50mg、約0.05mg~約25mg、約0.05mg~約10mg、約0.05mg~約5mg、約0.05mg~約1mg、約0.05mg~約0.5mg、約0.05mg~約0.1mg、約0.01mg~約0.5mg、約0.25mg~約50mg、約0.25mg~約25mg、約0.25mg~約10mg、約0.25mg~約5mg、約0.25mg~約1mg、約0.25mg~約0.5mg、または約0.25mg~約0.1mgのドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩の範囲であってもよい。開示された方法、キットおよび組成物に適したドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩の量は、例えば、約0.002mg、約0.01mg、約0.02mg、約0.05mg、約0.01mg、約0.02mg、約0.03mg、約0.04mg、約0.05mg、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約1.5mgまたは約2mgであってもよい。
【0148】
[0174]開示された方法、キットおよび組成物に適したドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩の量は、例えば、対象の体重1キログラムあたり約1μg(μg/kg)~約10μg/kg、例えば、約1μg/kg~約2μg/kg、約1μg/kg~約3μg/kg、約1μg/kg~約4μg/kg、約1μg/kg~約5μg/kg、約1μg/kg~約6μg/kg、約1μg/kg~約7μg/kg、約1μg/kg~約8μg/kg、約1μg/kg~約9μg/kg、約1μg/kg~約10μg/kg、約2μg/kg~約3μg/kg、約2μg/kg~約4μg/kg、約2μg/kg~約5μg/kg、約2μg/kg~約6μg/kg、約2μg/kg~約7μg/kg、約2μg/kg~約8μg/kg、約2μg/kg~約9μg/kg、約2μg/kg~約10μg/kg、約3μg/kg~約4μg/kg、約3μg/kg~約5μg/kg、約3μg/kg~約6μg/kg、約3μg/kg~約7μg/kg、約3μg/kg~約8μg/kg、約3μg/kg~約9μg/kg、約3μg/kg~約10μg/kg、約4μg/kg~約5μg/kg、約4μg/kg~約6μg/kg、約4μg/kg~約7μg/kg、約4μg/kg~約8μg/kg、約4μg/kg~約9μg/kg、約4μg/kg~約10μg/kg、約5μg/kg~約6μg/kg、約5μg/kg~約7μg/kg、約5μg/kg~約8μg/kg、約5μg/kg~約9μg/kg、約5μg/kg~約10μg/kg、約6μg/kg~約7μg/kg、約6μg/kg~約8μg/kg、約6μg/kg~約9μg/kg、約6μg/kg~約10μg/kg、約7μg/kg~約8μg/kg、約7μg/kg~約9μg/kg、約7μg/kg~約10μg/kg、約8μg/kg~約9μg/kg、約8μg/kg~約10μg/kg、または約9μg/kg~約10μg/kgの範囲であってもよい。開示された方法、キットおよび組成物に適したドフェチリドまたは薬学的に許容される塩の量は、例えば約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、約5μg/kg、約6μg/kg、約7g/kg、約8g/kg、約9μg/kg、または約10μg/kgであってもよい。
【0149】
[0175]開示された方法、キットおよび組成物に適したドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩の濃度は、例えば約1μg/mL~約40μg/mLの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、ドフェチリドの濃度は、約1μg/mL~約40μg/mLである。いくつかの実施形態では、ドフェチリドの濃度は、少なくとも約1μg/mLである。いくつかの実施形態では、ドフェチリドの濃度は、最大約40μg/mLである。いくつかの実施形態では、ドフェチリドの濃度は、約1μg/mL~約2μg/mL、約1μg/mL~約3μg/mL、約1μg/mL~約4μg/mL、約1μg/mL~約5μg/mL、約1μg/mL~約10μg/mL、約1μg/mL~約15μg/mL、約1μg/mL~約20μg/mL、約1μg/mL~約25μg/mL、約1μg/mL~約30μg/mL、約1μg/mL~約35μg/mL、約1μg/mL~約40μg/mL、約2μg/mL~約3μg/mL、約2μg/mL~約4μg/mL、約2μg/mL~約5μg/mL、約2μg/mL~約10μg/mL、約2μg/mL~約15μg/mL、約2μg/mL~約20μg/mL、約2μg/mL~約25μg/mL、約2μg/mL~約30μg/mL、約2μg/mL~約35μg/mL、約2μg/mL~約40μg/mL、約3μg/mL~約4μg/mL、約3μg/mL~約5μg/mL、約3μg/mL~約10μg/mL、約3μg/mL~約15μg/mL、約3μg/mL~約20μg/mL、約3μg/mL~約25μg/mL、約3μg/mL~約30μg/mL、約3μg/mL~約35μg/mL、約3μg/mL~約40μg/mL、約4μg/mL~約5μg/mL、約4μg/mL~約10μg/mL、約4μg/mL~約15μg/mL、約4μg/mL~約20μg/mL、約4μg/mL~約25μg/mL、約4μg/mL~約30μg/mL、約4μg/mL~約35μg/mL、約4μg/mL~約40μg/mL、約5μg/mL~約10μg/mL、約5μg/mL~約15μg/mL、約5μg/mL~約20μg/mL、約5μg/mL~約25μg/mL、約5μg/mL~約30μg/mL、約5μg/mL~約35μg/mL、約5μg/mL~約40μg/mL、約10μg/mL~約15μg/mL、約10μg/mL~約20μg/mL、約10μg/mL~約25μg/mL、約10μg/mL~約30μg/mL、約10μg/mL~約35μg/mL、約10μg/mL~約40μg/mL、約15μg/mL~約20μg/mL、約15μg/mL~約25μg/mL、約15μg/mL~約30μg/mL、約15μg/mL~約35μg/mL、約15μg/mL~約40μg/mL、約20μg/mL~約25μg/mL、約20μg/mL~約30μg/mL、約20μg/mL~約35μg/mL、約20μg/mL~約40μg/mL、約25μg/mL~約30μg/mL、約25μg/mL~約35μg/mL、約25μg/mL~約40μg/mL、約30μg/mL~約35μg/mL、約30μg/mL~約40μg/mL、または約35μg/mL~約40μg/mLである。
【0150】
[0176]開示された方法、キットおよび組成物に適したソタロールまたは薬学的に許容される塩の量は、例えば、約0.002mg~200mg、例えば、約0.002mg~約200mgの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも約0.002mgである。いくつかの実施形態では、最大約200mgである。いくつかの実施形態では、約0.002mg~約1mg、約0.002mg~約5mg、約0.002mg~約10mg、約0.002mg~約25mg、約0.002mg~約50mg、約0.002mg~約100mg、約0.002mg~約125mg、約0.002mg~約150mg、約0.002mg~約175mg、約0.002mg~約200mg、約1mg~約5mg、約1mg~約10mg、約1mg~約25mg、約1mg~約50mg、約1mg~約100mg、約1mg~約125mg、約1mg~約150mg、約1mg~約175mg、約1mg~約200mg、約5mg~約10mg、約5mg~約25mg、約5mg~約50mg、約5mg~約100mg、約5mg~約125mg、約5mg~約150mg、約5mg~約175mg、約5mg~約200mg、約10mg~約25mg、約10mg~約50mg、約10mg~約100mg、約10mg~約125mg、約10mg~約150mg、約10mg~約175mg、約10mg~約200mg、約25mg~約50mg、約25mg~約100mg、約25mg~約125mg、約25mg~約150mg、約25mg~約175mg、約25mg~約200mg、約50mg~約100mg、約50mg~約125mg、約50mg~約150mg、約50mg~約175mg、約50mg~約200mg、約100mg~約125mg、約100mg~約150mg、約100mg~約175mg、約100mg~約200mg、約125mg~約150mg、約125mg~約175mg、約125mg~約200mg、約150mg~約175mg、約150mg~約200mg、または約175mg~約200mgである。
【0151】
[0177]開示された方法、キットおよび組成物に適したソタロールまたはその薬学的に許容される塩の量は、例えば、対象の体重1キログラムあたり約1μg(mg/kg)~約10mg/kg、例えば約1mg/kg~約2mg/kg、約1mg/kg~約3mg/kg、約1mg/kg~約4mg/kg、約1mg/kg~約5mg/kg、約1mg/kg~約6mg/kg、約1mg/kg~約7mg/kg、約1mg/kg~約8mg/kg、約1mg/kg~約9mg/kg、約1mg/kg~約10mg/kg、約2mg/kg~約3mg/kg、約2mg/kg~約4mg/kg、約2mg/kg~約5mg/kg、約2mg/kg~約6mg/kg、約2mg/kg~約7mg/kg、約2mg/kg~約8mg/kg、約2mg/kg~約9mg/kg、約2mg/kg~約10mg/kg、約3mg/kg~約4mg/kg、約3mg/kg~約5mg/kg、約3mg/kg~約6mg/kg、約3mg/kg~約7mg/kg、約3mg/kg~約8mg/kg、約3mg/kg~約9mg/kg、約3mg/kg~約10mg/kg、約4mg/kg~約5mg/kg、約4mg/kg~約6mg/kg、約4mg/kg~約7mg/kg、約4mg/kg~約8mg/kg、約4mg/kg~約9mg/kg、約4mg/kg~約10mg/kg、約5mg/kg~約6mg/kg、約5mg/kg~約7mg/kg、約5mg/kg~約8mg/kg、約5mg/kg~約9mg/kg、約5mg/kg~約10mg/kg、約6mg/kg~約7mg/kg、約6mg/kg~約8mg/kg、約6mg/kg~約9mg/kg、約6mg/kg~約10mg/kg、約7mg/kg~約8mg/kg、約7mg/kg~約9mg/kg、約7mg/kg~約10mg/kg、約8mg/kg~約9mg/kg、約8mg/kg~約10mg/kg、または約9mg/kg~約10mg/kgの範囲であってもよい。開示された方法、キットおよび組成物に適したソタロールまたは薬学的に許容される塩の量は、例えば、約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、または約10mg/kgであってもよい。
【0152】
[0178]開示された方法、キットおよび組成物に適したソタロールまたはその薬学的に許容される塩の濃度は、例えば約1mg/mL~約40mg/mLの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、ソタロールの濃度は、少なくとも約1mg/mLである。いくつかの実施形態では、ソタロールの濃度は、最大約40mg/mLである。いくつかの実施形態では、ソタロールの濃度は、約1mg/mL~約2mg/mL、約1mg/mL~約3mg/mL、約1mg/mL~約4mg/mL、約1mg/mL~約5mg/mL、約1mg/mL~約10mg/mL、約1mg/mL~約15mg/mL、約1mg/mL~約20mg/mL、約1mg/mL~約25mg/mL、約1mg/mL~約30mg/mL、約1mg/mL~約35mg/mL、約1mg/mL~約40mg/mL、約2mg/mL~約3mg/mL、約2mg/mL~約4mg/mL、約2mg/mL~約5mg/mL、約2mg/mL~約10mg/mL、約2mg/mL~約15mg/mL、約2mg/mL~約20mg/mL、約2mg/mL~約25mg/mL、約2mg/mL~約30mg/mL、約2mg/mL~約35mg/mL、約2mg/mL~約40mg/mL、約3mg/mL~約4mg/mL、約3mg/mL~約5mg/mL、約3mg/mL~約10mg/mL、約3mg/mL~約15mg/mL、約3mg/mL~約20mg/mL、約3mg/mL~約25mg/mL、約3mg/mL~約30mg/mL、約3mg/mL~約35mg/mL、約3mg/mL~約40mg/mL、約4mg/mL~約5mg/mL、約4mg/mL~約10mg/mL、約4mg/mL~約15mg/mL、約4mg/mL~約20mg/mL、約4mg/mL~約25mg/mL、約4mg/mL~約30mg/mL、約4mg/mL~約35mg/mL、約4mg/mL~約40mg/mL、約5mg/mL~約10mg/mL、約5mg/mL~約15mg/mL、約5mg/mL~約20mg/mL、約5mg/mL~約25mg/mL、約5mg/mL~約30mg/mL、約5mg/mL~約35mg/mL、約5mg/mL~約40mg/mL、約10mg/mL~約15mg/mL、約10mg/mL~約20mg/mL、約10mg/mL~約25mg/mL、約10mg/mL~約30mg/mL、約10mg/mL~約35mg/mL、約10mg/mL~約40mg/mL、約15mg/mL~約20mg/mL、約15mg/mL~約25mg/mL、約15mg/mL~約30mg/mL、約15mg/mL~約35mg/mL、約15mg/mL~約40mg/mL、約20mg/mL~約25mg/mL、約20mg/mL~約30mg/mL、約20mg/mL~約35mg/mL、約20mg/mL~約40mg/mL、約25mg/mL~約30mg/mL、約25mg/mL~約35mg/mL、約25mg/mL~約40mg/mL、約30mg/mL~約35mg/mL、約30mg/mL~約40mg/mL、または約35mg/mL~約40mg/mLである。
【0153】
[0179]開示された方法、キットおよび組成物に適したフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩(例えば、酢酸フレカイニド)の量は、例えば約1mg~400mg、例えば約1mg~300mg、約5mg~約300mg、約5mg~約250mg、約5mg~約200mg、約5mg~約150mg、約5mg~約140mg、約5mg~約120mg、約5mg~約100mg、約5mg~約80mg、約5mg~約60mg、約5mg~約50mg、約5mg~約40mg、約5mg~約30mg、または約5mg~約20mgの範囲であってもよい。開示された方法、キットおよび組成物に適したフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩(例えば、酢酸フレカイニド)の量は、例えば、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約80mg、約100mg、約120mg、約150mg、約200mg、約250mg、または約300mgであってもよい。
【0154】
[0180]開示された方法、キットおよび組成物に適したイブチリドまたはその薬学的に許容される塩(例えば、酢酸イブチリド)の量は、例えば、対象の体重1キログラムあたり約0.01mg(mg/kg)~約3mg/kg、例えば、約0.05mg/kg~約2mg/kg、約0.05mg/kg~約1.5mg/kg、約0.05mg/kg~約1mg/kg、約0.05mg/kg~約0.5mg/kg、約0.05mg/kg~約0.25mg/kg、約0.05mg/kg~約0.1mg/kg、約0.1mg/kg~約2mg/kg、約0.1mg/kg~約1.5mg/kg、約0.1mg/kg~約1mg/kg、約0.1mg/kg~約0.5mg/kg、または約0.1mg/kg~約0.25mg/kgであってもよい。開示された方法、キットおよび組成物に適したイブチリドまたはその薬学的に許容される塩(例えば、酢酸イブチリド)の量は、例えば、約0.01mg/kg、約0.05mg/kg、約0.1mg/kg、約0.2mg/kg、約0.25mg/kg、約0.3mg/kg、約0.4mg/kg、約0.5mg/kg、約0.75mg/kg、約1mg/kg、約1.25mg/kg、約1.5mg/kg、約1.75mg/kg、または約2mg/kgであってもよい。
【0155】
[0181]開示された方法、キットおよび組成物に適したドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩の量は、例えば、対象の体重1キログラムあたり約1μg(μg/kg)~約10μg/kg、例えば、約1μg/kg~約2μg/kg、約1μg/kg~約3μg/kg、約1μg/kg~約4μg/kg、約1μg/kg~約5μg/kg、約1μg/kg~約6μg/kg、約1μg/kg~約7μg/kg、約1μg/kg~約8μg/kg、約1μg/kg~約9μg/kg、約1μg/kg~約10μg/kg、約2μg/kg~約3μg/kg、約2μg/kg~約4μg/kg、約2μg/kg~約5μg/kg、約2μg/kg~約6μg/kg、約2μg/kg~約7μg/kg、約2μg/kg~約8μg/kg、約2μg/kg~約9μg/kg、約2μg/kg~約10μg/kg、約3μg/kg~約4μg/kg、約3μg/kg~約5μg/kg、約3μg/kg~約6μg/kg、約3μg/kg~約7μg/kg、約3μg/kg~約8μg/kg、約3μg/kg~約9μg/kg、約3μg/kg~約10μg/kg、約4μg/kg~約5μg/kg、約4μg/kg~約6μg/kg、約4μg/kg~約7μg/kg、約4μg/kg~約8μg/kg、約4μg/kg~約9μg/kg、約4μg/kg~約10μg/kg、約5μg/kg~約6μg/kg、約5μg/kg~約7μg/kg、約5μg/kg~約8μg/kg、約5μg/kg~約9μg/kg、約5μg/kg~約10μg/kg、約6μg/kg~約7μg/kg、約6μg/kg~約8μg/kg、約6μg/kg~約9μg/kg、約6μg/kg~約10μg/kg、約7μg/kg~約8μg/kg、約7μg/kg~約9μg/kg、約7μg/kg~約10μg/kg、約8μg/kg~約9μg/kg、約8μg/kg~約10μg/kg、または約9μg/kg~約10μg/kgであってもよい。開示された方法、キットおよび組成物に適したドフェチリドまたは薬学的に許容される塩の量は、例えば、約1μg/kg、約2μg/kg、約3μg/kg、約4μg/kg、約5μg/kg、約6μg/kg、約7μg/kg、約8μg/kg、約9μg/kg、または約10μg/kgであってもよい。
【0156】
[0182]開示された方法、キットおよび組成物に適したソタロールまたはその薬学的に許容される塩の量は、例えば、対象の体重1キログラムあたり約0.01mg(mg/kg)~約3mg/kg、例えば約0.05mg/kg~約2mg/kg、約0.05mg/kg~約1.5mg/kg、約0.05mg/kg~約1mg/kg、約0.05mg/kg~約0.5mg/kg、約0.05mg/kg~約0.25mg/kg、約0.05mg/kg~約0.1mg/kg、約0.1mg/kg~約2mg/kg、約0.1mg/kg~約1.5mg/kg、約0.1mg/kg~約1mg/kg、約0.1mg/kg~約0.5mg/kg、または約0.1mg/kg~約0.25mg/kgであってもよい。開示された方法、キットおよび組成物に適したソタロールまたはその薬学的に許容される塩の量は、例えば、約0.01mg/kg、約0.05mg/kg、約0.1mg/kg、約0.2mg/kg、約0.25mg/kg、約0.3mg/kg、約0.4mg/kg、約0.5mg/kg、約0.75mg/kg、約1mg/kg、約1.25mg/kg、約1.5mg/kg、約1.75mg/kgまたは約2mg/kgであってもよい。
【0157】
適応症および対象。
[0183]本明細書で提供される方法、組成物およびキットが処置することができる心臓不整脈の例としては、頻脈、上室性頻拍(SVT)、発作性上室性頻拍(PSVT)、心房細動(AF)、発作性心房細動(PAF)、永続性心房細動、永久心房細動、心房粗動、発作性心房粗動、および孤立性心房細動が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法、組成物およびキットは、心房性不整脈、例えば心房細動を患う対象の処置に使用される。心房性不整脈の例としては、例えば、発作性心房細動および永続性心房細動を挙げることができる。
【0158】
[0184]したがって、本開示のいくつかの例による医薬組成物は、広範な患者の処置に使用することができる。本明細書に記載の処置を受けるのに適切な患者は、それを必要とする任意の哺乳動物患者であり、好ましくはそのような哺乳動物はヒトである。対象の例としては、小児患者、成人患者および老年患者が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、組成物は、症状の迅速な解消および正常洞調律の回復のための処置としてのみ意図され、予防薬として解釈されず、例えば患者が良好である場合、薬物は必要ではなく、これにより散発的または間欠的投薬、および必要なときのみ身体障害性症状の低減および洞調律の回復に焦点を合わせることによる治療のベネフィットリスク比および全体的な安全性を増加させることができる。
【0159】
[0185]抗不整脈医薬剤の必要な投与量および投薬頻度は、組成物およびその組成物中の抗不整脈医薬剤の濃度に依存する。いくつかの実施形態では、吸入用量は、その通常の静脈内用量の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%未満である。いくつかの実施形態では、吸入用量は、静脈内用量の約5%~約10%、約10%~約20%、約20%~約30%、約30%~約40%、約50%~約60%、約60%~約70%、約70%~約80%、約80%~約90%または約90%~約95%である。
【0160】
[0186]いくつかの実施形態では、本発明は、経口薬と比較して迅速な作用発現を有する速効性吸入製品を含む。製品は、少なくとも静脈内薬と同程度に迅速であると予想される。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の抗不整脈医薬剤の量は、投与開始から10秒~30分、例えば30秒~20分、1分~10分、2分~8分、または2.5分~5分の範囲の時間で心臓の冠静脈洞でピークに達する。特定の実施形態では、電気生理学的効果は、投与開始から10秒~30分、例えば30秒~20分、1分~10分、2分~8分、または2.5分~5分の範囲の時間で心電図によって観察される。いくつかの実施形態では、不整脈検出アルゴリズムを実装するモニターからの心臓スコアは、投与開始から10秒~30分、例えば30秒~20分、1分~10分、2分~8分、または2.5分~5分の範囲の時間で患者の不整脈状態から正常洞調律への遷移を示す。いくつかの実施形態では、患者のshort form-36生活の質スコアは、投与開始から10秒~30分、例えば30秒~20分、1分~10分、2分~8分、または2.5分~5分の範囲の時間で改善する。特定の実施形態では、患者は、投与開始から30分以内、例えば10分以内に正常洞調律を有する。
【0161】
[0187]医薬剤のピーク濃度は、本開示によるその送達後の時間の早い段階で見ることができる。いくつかの実施形態では、心臓の冠動脈循環におけるカリウムチャネル遮断薬の濃度は、投与後2.5分で約0.001mg/L~約0.1mg/L、約0.001mg/L~約0.09mg/L、約0.001mg/L~約0.08mg/L、約0.001mg/L~約0.07mg/L、約0.001mg/L~約0.06mg/L、約0.001mg/L~約0.05mg/L、約0.001mg/L~約0.04mg/L、約0.001mg/L~約0.03mg/L、約0.001mg/L~約0.02mg/L、約0.001mg/L~約0.01mg/L、約0.001mg/L~約0.009mg/L、約0.001mg/L~約0.008mg/L、約0.001mg/L~約0.007mg/L、約0.001mg/L~約0.006mg/L、約0.001mg/L~約0.005mg/L、約0.001mg/L~約0.004mg/L、約0.001mg/L~約0.003mg/L、約0.001mg/L~約0.002mg/L、約0.002mg/L~約0.1mg/L、約0.005mg/L~約0.1mg/L、約0.01mg/L~約0.1mg/L、約0.02mg/L~約0.1mg/L、約0.03mg/L~約0.1mg/L、約0.04mg/L~約0.1mg/L、約0.05mg/L~約0.1mg/L、約0.06mg/L~約0.1mg/L、約0.07mg/L~約0.1mg/L、約0.08mg/L~約0.1mg/L、約0.09mg/L~約0.1mg/L、約0.01mg/L~約0.1mg/L、約0.01mg/L~約0.09mg/L、約0.01mg/L~約0.08mg/L、約0.01mg/L~約0.07mg/L、約0.01mg/L~約0.06mg/L、約0.01mg/L~約0.05mg/L、約0.01mg/L~約0.04mg/L、約0.01mg/L~約0.03mg/L、約0.01mg/L~約0.02mg/L、約0.03mg/L~約0.09mg/L、約0.05mg/L~約0.09mg/L、または約0.05mg/L~約0.08mg/Lである。いくつかの実施形態では、心臓の冠動脈循環におけるカリウムチャネル遮断薬の濃度は、投与後2.5分で約0.01mg/L~約0.1mg/Lである。
【0162】
[0188]いくつかの実施形態では、心臓の冠動脈循環におけるカリウムチャネル遮断薬のピーク濃度は、約0.001mg/L~約0.1mg/L、例えば、約0.001mg/L~約0.1mg/L、約0.001mg/L~約0.09mg/L、約0.001mg/L~約0.08mg/L、約0.001mg/L~約0.07mg/L、約0.001mg/L~約0.06mg/L、約0.001mg/L~約0.05mg/L、約0.001mg/L~約0.04mg/L、約0.001mg/L~約0.03mg/L、約0.001mg/L~約0.02mg/L、約0.001mg/L~約0.01mg/L、約0.001mg/L~約0.009mg/L、約0.001mg/L~約0.008mg/L、約0.001mg/L~約0.007mg/L、約0.001mg/L~約0.006mg/L、約0.001mg/L~約0.005mg/L、約0.001mg/L~約0.004mg/L、約0.001mg/L~約0.003mg/L、約0.001mg/L~約0.002mg/L、約0.002mg/L~約0.1mg/L、約0.005mg/L~約0.1mg/L、約0.01mg/L~約0.1mg/L、約0.02mg/L~約0.1mg/L、約0.03mg/L~約0.1mg/L、約0.04mg/L~約0.1mg/L、約0.05mg/L~約0.1mg/L、約0.06mg/L~約0.1mg/L、約0.07mg/L~約0.1mg/L、約0.08mg/L~約0.1mg/L、約0.09mg/L~約0.1mg/L、約0.01mg/L~約0.1mg/L、約0.01mg/L~約0.09mg/L、約0.01mg/L~約0.08mg/L、約0.01mg/L~約0.07mg/L、約0.01mg/L~約0.06mg/L、約0.01mg/L~約0.05mg/L、約0.01mg/L~約0.04mg/L、約0.01mg/L~約0.03mg/L、約0.01mg/L~約0.02mg/L、約0.03mg/L~約0.09mg/L、約0.05mg/L~約0.09mg/L、または約0.05mg/L~約0.08mg/Lでピークに達する。いくつかの実施形態では、心臓の冠動脈循環におけるカリウムチャネル遮断薬のピーク濃度は、約0.01mg/L~約0.1mg/Lでピークに達する。
【0163】
製剤およびキット。
[0189]一態様では、本明細書で提供されるのは、心臓の状態、例えば心臓不整脈、例えば心房性不整脈の処置のための医薬組成物である。
【0164】
[0190]医薬組成物は、治療有効量のカリウムチャネル遮断薬を含むことができる。治療有効量のカリウムチャネル遮断薬は、それを必要とする対象に吸入または鼻腔内噴霧投与によって投与される場合、心臓の状態、例えば心臓不整脈、例えば心房性不整脈の処置に有効であり得る。いくつかの実施形態では、治療有効量のカリウムチャネル遮断薬は、それを必要とする対象に吸入または鼻腔内噴霧投与によって投与される場合、カルディオバージョンを誘導し、AV結節伝導を遅らせることによる心房性不整脈の処置に有効である。
【0165】
[0191]いくつかの実施形態では、治療有効量のカリウムチャネル遮断薬、および治療有効量の抗不整脈剤、例えばクラスI抗不整脈剤を含む医薬組成物が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、治療有効量のカリウムチャネル遮断薬および治療有効量のクラスI抗不整脈剤は、それを必要とする対象に吸入または鼻腔内噴霧投与によって投与される場合、カルディオバージョンを誘導し、AV結節伝導を遅らせることによる心房性不整脈の処置に有効である。
【0166】
[0192]カリウムチャネル遮断薬は、液体溶液中にあってもよい。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のカリウムチャネル遮断薬は、イブチリドまたはその薬学的に許容される塩(例えば、フマル酸イブチリド)であり、本明細書に提供される医薬組成物または製剤中のイブチリドまたはその薬学的に許容される塩の濃度は、約0.0005mg/mL~約5mg/mL、例えば約0.0005mg/mL~約2.5mg/mL、約0.0005mg/mL~約2mg/mL、約0.0005mg/mL~約1mg/mL、約0.0005mg/mL~約0.5mg/mL、約0.0005mg/mL~約0.25mg/mL、約0.0005mg/mL~約0.2mg/mL、約0.0005mg/mL~約0.1mg/mL、約0.0005mg/mL~約0.05mg/mL、約0.0005mg/mL~約0.02mg/mL、約0.0005mg/mL~約0.01mg/mL、約0.0005mg/mL~約0.001mg/mL、約0.001mg/mL~約2.5mg/mL、約0.001mg/mL~約2mg/mL、約0.001mg/mL~約1mg/mL、約0.001mg/mL~約0.5mg/mL、約0.001mg/mL~約0.25mg/mL、約0.001mg/mL~約0.2mg/mL、約0.001mg/mL~約0.1mg/mL、約0.001mg/mL~約0.05mg/mL、約0.001mg/mL~約0.02mg/mL、または約0.001mg/mL~約0.01mg/mLである。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のカリウムチャネル遮断薬は、イブチリドまたはその薬学的に許容される塩(例えば、フマル酸イブチリド)であり、本明細書に提供される医薬組成物または製剤中のイブチリドまたはその薬学的に許容される塩の濃度は、約0.001mg/mL、約0.005mg/mL、約0.01mg/mL、約0.02mg/mL、約0.025mg/mL、約0.03mg/mL、約0.04mg/mL、約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.2mg/mL、約0.25mg/mL、約0.3mg/mL、約0.4mg/mL、約0.5mg/mL、約0.75mg/mL、または約1mg/mLである。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のカリウムチャネル遮断薬は、ソタロールまたはその薬学的に許容される塩であり、本明細書に提供される医薬組成物または製剤中のイブチリドまたはその薬学的に許容される塩の濃度は、約0.001mg/mL、約0.005mg/mL、約0.01mg/mL、約0.02mg/mL、約0.025mg/mL、約0.03mg/mL、約0.04mg/mL、約0.05mg/mL、約0.1mg/mL、約0.2mg/mL、約0.25mg/mL、約0.3mg/mL、約0.4mg/mL、約0.5mg/mL、約0.75mg/mL、約1mg/mL、約2mg/mLまたは約5mg/mLである。
【0167】
[0193]ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩は、液体溶液中にあってもよい。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のカリウムチャネル遮断薬は、ドフェチリドである。本明細書で提供される医薬組成物または製剤中のドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩の濃度は、約1μg/mL~約40μg/mLである。いくつかの実施形態では、ドフェチリドの濃度は、少なくとも約1μg/mLである。いくつかの実施形態では、ドフェチリドの濃度は、最大約40μg/mLである。いくつかの実施形態では、ドフェチリドの濃度は、約1μg/mL~約2μg/mL、約1μg/mL~約3μg/mL、約1μg/mL~約4μg/mL、約1μg/mL~約5μg/mL、約1μg/mL~約10μg/mL、約1μg/mL~約15μg/mL、約1μg/mL~約20μg/mL、約1μg/mL~約25μg/mL、約1μg/mL~約30μg/mL、約1μg/mL~約35μg/mL、約1μg/mL~約40μg/mL、約2μg/mL~約3μg/mL、約2μg/mL~約4μg/mL、約2μg/mL~約5μg/mL、約2μg/mL~約10μg/mL、約2μg/mL~約15μg/mL、約2μg/mL~約20μg/mL、約2μg/mL~約25μg/mL、約2μg/mL~約30μg/mL、約2μg/mL~約35μg/mL、約2μg/mL~約40μg/mL、約3μg/mL~約4μg/mL、約3μg/mL~約5μg/mL、約3μg/mL~約10μg/mL、約3μg/mL~約15μg/mL、約3μg/mL~約20μg/mL、約3μg/mL~約25μg/mL、約3μg/mL~約30μg/mL、約3μg/mL~約35μg/mL、約3μg/mL~約40μg/mL、約4μg/mL~約5μg/mL、約4μg/mL~約10μg/mL、約4μg/mL~約15μg/mL、約4μg/mL~約20μg/mL、約4μg/mL~約25μg/mL、約4μg/mL~約30μg/mL、約4μg/mL~約35μg/mL、約4μg/mL~約40μg/mL、約5μg/mL~約10μg/mL、約5μg/mL~約15μg/mL、約5μg/mL~約20μg/mL、約5μg/mL~約25μg/mL、約5μg/mL~約30μg/mL、約5μg/mL~約35μg/mL、約5μg/mL~約40μg/mL、約10μg/mL~約15μg/mL、約10μg/mL~約20μg/mL、約10μg/mL~約25μg/mL、約10μg/mL~約30μg/mL、約10μg/mL~約35μg/mL、約10μg/mL~約40μg/mL、約15μg/mL~約20μg/mL、約15μg/mL~約25μg/mL、約15μg/mL~約30μg/mL、約15μg/mL~約35μg/mL、約15μg/mL~約40μg/mL、約20μg/mL~約25μg/mL、約20μg/mL~約30μg/mL、約20μg/mL~約35μg/mL、約20μg/mL~約40μg/mL、約25μg/mL~約30μg/mL、約25μg/mL~約35μg/mL、約25μg/mL~約40μg/mL、約30μg/mL~約35μg/mL、約30μg/mL~約40μg/mL、または約35μg/mL~約40μg/mLである。
【0168】
[0194]ナトリウムチャネル遮断薬(例えば、フレカイニド)は、液体溶液中にあってもよい。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物または製剤中のナトリウムチャネル遮断薬は、フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩(例えば、酢酸フレカイニド)であり、本明細書で提供される医薬組成物または製剤中のフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩の濃度は、約1mg/mL~約150mg/mL、例えば約1mg/mL~約5mg/mL、約1mg/mL~約100mg/mL、約1mg/mL~約50mg/mL、約1mg/mL~約40mg/mL、約1mg/mL~約30mg/mL、約1mg/mL~約20mg/mL、約1mg/mL~約10mg/mL、約1mg/mL~約5mg/mL、約10mg/mL~約50mg/mL、約10mg/mL~約40mg/mL、約10mg/mL~約30mg/mL、約10mg/mL~約20mg/mL、約20mg/mL~約50mg/mL、約20mg/mL~約40mg/mL、または約20mg/mL~約30mg/mLである。ナトリウムチャネル遮断薬(例えば、フレカイニド)は、液体溶液中にあってもよい。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物または製剤中のナトリウムチャネル遮断薬は、フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩(例えば、酢酸フレカイニド)であり、本明細書で提供される医薬組成物または製剤中のフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩の濃度は、約1mg/ml、約5mg/ml、約10mg/ml、約15mg/ml、約20mg/ml、約25mg/ml、約30mg/ml、約40mg/ml、約50mg/ml、約75mg/ml、約100mg/ml、約125mg/mlまたは約150mg/mlである。
【0169】
[0195]Mg2+源は、液体溶液中にあってもよい。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物または製剤中のMg2+源は硫酸マグネシウムであり、本明細書で提供される医薬組成物または製剤中の硫酸マグネシウムの濃度は、約5mg/mL~約1000mg/mL、例えば約10mg/mL~約100mg/mL、約10mg/mL~約200mg/mL、約10mg/mL~約300mg/mL、約10mg/mL~約400mg/mL、約10mg/mL~約500mg/mL、約100mg/mL~約200mg/mL、約100mg/mL~約300mg/mL、約100mg/mL~約400mg/mL、約100mg/mL~約500mg/mL、約200mg/mL~約300mg/mL、約200mg/mL~約400mg/mL、約200mg/mL~約500mg/mL、約300mg/mL~約400mg/mL、約300mg/mL~約500mg/mL、約400mg/mL~約500mg/mL、約400mg/mL~約600mg/mL、約5mg/mL~約700mg/mL、約10mg/mL~約700mg/mL、約20mg/mL~約700mg/mL、約100mg/mL~約700mg/mL、約400mg/mL~約700mg/mL、約500mg/mL~約700mg/mLである。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物または製剤中のMg2+源は硫酸マグネシウムであり、本明細書で提供される医薬組成物または製剤中の硫酸マグネシウムの濃度は、約5mg/mL、約10mg/mL、約15mg/mL、約20mg/mL、約30mg/mL、約40mg/mL、約50mg/mL、約75mg/mL、約100mg/mL、約200mg/mL、約300mg/mL、約400mg/mL、約500mg/mL、約600mg/mL、約700mg/mL、約800mg/mL、約900mg/mLまたは約1000mg/mLである。
【0170】
[0196]いくつかの実施形態では、イブチリド、ソタロールまたはその薬学的に許容される塩は、フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩とともに共製剤中で共製剤化される。いくつかの実施形態では、共製剤中の酢酸フレカイニドのフマル酸イブチリドに対する質量対質量比は、1~約0.005、1~約0.01、1~約0.02、1~約0.03、1~約0.04、1~約0.05、1~約0.06、1~約0.07、1~約0.08、1~約0.09、1~約0.1、1~約0.2、1~約0.3、1~約0.4、1~約0.5、1.5~約0.005、1.5~約0.01、1.5~約0.02、1.5~約0.03、1.5~約0.04、1.5~約0.05、1.5~約0.06、1.5~約0.07、1.5~約0.08、1.5~約0.09、1.5~約0.1、1.5~約0.2、1.5~約0.3、1.5~約0.4、1.5~約0.5、2~約0.005、2~約0.01、2~約0.02、2~約0.03、2~約0.04、2~約0.05、2~約0.06、2~約0.07、2~約0.08、2~約0.09、2~約0.1、2~約0.2、2~約0.3、2~約0.3、2~約0.4または2~約0.5である。
【0171】
[0197]いくつかの実施形態では、ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩は、フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩とともに共製剤中で共製剤化される。いくつかの実施形態では、共製剤中の酢酸フレカイニドのドフェチリドに対する質量対質量比は、約1,000~約4,000である。いくつかの実施形態では、共製剤中の酢酸フレカイニドのドフェチリドに対する質量対質量比は、少なくとも約1,000である。いくつかの実施形態では、共製剤中の酢酸フレカイニドのドフェチリドに対する質量対質量比は、最大約4,000である。いくつかの実施形態では、共製剤中の酢酸フレカイニドのドフェチリドに対する質量対質量比は、約1,000~約1,250、約1,000~約1,500、約1,000~約2,000、約1,000~約2,500、約1、000~約3,000、約1,000~約3,500、約1,000~約4,000、約1,250~約1,500、約1,250~約2,000、約1,250~約2,500、約1,250~約3,000、約1,250~約3,500、約1,250~約4,000、約1,500~約2,000、約1,500~約2,500、約1,500~約3,000、約1,500~約3,500、約1,500~約4,000、約2,000~約2,500、約2,000~約3,000、約2、000~約3,500、約2,000~約4,000、約2,500~約3,000、約2,500~約3,500、約2,500~約4,000、約3,000~約3,500、約3,000~約4,000、または約3,500~約4,000である。
【0172】
[0198]本開示の別の態様は、経口もしくは鼻腔吸入または鼻腔内噴霧投与による心臓の状態、例えば心臓不整脈、例えば心房性不整脈の処置のための本明細書に記載の医薬組成物の単位用量を提供する。
【0173】
[0199]一態様では、心臓の状態、例えば心臓不整脈、例えば心房性不整脈の処置のための製剤が本明細書に提供される。製剤は、本明細書で提供される医薬組成物、および薬学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤、あるいは意図される投与経路、例えば経口もしくは鼻腔吸入、または鼻腔内噴霧投与に適した任意の他の成分を含むことができる。例えば、医薬組成物は、カリウムチャネル遮断薬および/または抗不整脈医薬剤のニート粒子(例えば、カリウムチャネル遮断薬および/または抗不整脈医薬剤のみを含む粒子)を含んでもよく、カリウムチャネル遮断薬および/またはナトリウムチャネル遮断薬のニート粒子と他の粒子を含んでもよく、ならびに/あるいはカリウムチャネル遮断薬および/またはナトリウムチャネル遮断薬を含む粒子と1種もしくは複数の活性成分および/または1種もしくは複数の薬学的に許容される賦形剤を含んでもよい。薬学的に許容される賦形剤の例としては、脂質、金属イオン、界面活性剤、アミノ酸、炭水化物、緩衝液、塩、ポリマーなど、およびそれらの組合せが挙げられるがこれらに限定されない。
【0174】
[0200]本開示による治療は、経口送達された場合に通常観察される吸収の変動を顕著に低減することができる。鼻孔粘膜または肺による迅速な吸収のために、Tmaxは、吸入後0.5~5分と短くてもよい。
【0175】
[0201]抗不整脈剤は、静脈内、筋肉内、経皮および経口送達などの任意の経路で投与することができる。
[0202]本開示の1つまたは複数の実施形態による医薬製剤は、1種または複数のカリウムチャネル遮断薬およびナトリウムチャネル遮断薬、ならびに任意選択で1種または複数の他の活性成分、ならびに任意選択で1種または複数の薬学的に許容される賦形剤を含み得る。例えば、医薬製剤は、他の成分が添加されていない抗不整脈性医薬剤の粒子(ニート粒子)を含んでもよく、他の粒子とともに抗不整脈性医薬剤のニート粒子を含んでもよく、および/または抗不整脈性医薬剤を含む粒子と1種もしくは複数の活性成分および/または1種もしくは複数の薬学的に許容される賦形剤を含んでもよい。
【0176】
[0203]いくつかの場合では、カリウムチャネル遮断薬は、心臓不整脈の処置のための吸入または非経口注射用溶液または懸濁液のいずれかとして、別の抗不整脈剤(例えば、ナトリウムチャネル遮断薬)と共製剤化される。いくつかの場合では、カリウムチャネル遮断薬および他の抗不整脈剤は、別個の個々の製剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、個々の製剤は、対象に同時に投与される。いくつかの実施形態では、個々の製剤は、投与前に組み合わせられ、任意選択で賦形剤によって希釈される。
【0177】
[0204]カリウムチャネル遮断薬は、抗不整脈療法、例えば、クラスIc抗不整脈薬の投与の前に、またはそれとともに経口もしくは鼻腔投与によって併用投与された場合、現行の市販製品によって満たされていない以下の結果のうちの1つまたは複数を達成することができる:心房性不整脈の迅速なカルディオバージョン、およびカリウムチャネル遮断薬と組み合わせて使用される場合、クラスIc阻害剤の最小治療有効用量の低減によるクラスIc阻害剤の催不整脈効果の回避。
【0178】
[0205]一態様では、吸入または鼻腔内投与による心臓の状態の処置のためのキットも本明細書に提供される。キットは、1種または複数の医薬剤、例えばカリウムチャネル遮断薬、抗不整脈剤、またはその両方、または本明細書に記載されるいくつかの追加の活性剤を含み得る。いくつかの実施形態では、キットは、医薬剤または組成物のための容器を含む。いくつかの実施形態では、上記で考察された医薬剤の単位用量がキットに提供される。いくつかの実施形態では、キットは、医薬剤を収容するための容器/レセプタクルも含む。
【0179】
[0206]いくつかの実施形態では、キットは、カリウムチャネル遮断薬およびクラスI抗不整脈剤を収容するための別個の容器/レセプタクルを含む。いくつかの実施形態では、キットは、医薬組成物のエアロゾルを形成するためのエアロゾル化デバイスを含む。エアロゾル化デバイスは、本明細書で提供される任意のデバイスであってもよく、いくつかの実施形態では、医薬組成物の吸入のために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、キットは、本明細書で提供される鼻腔噴霧デバイスを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、キット中にエアロゾル形態で存在する。いくつかの他の場合では、キットは、カリウムチャネル遮断薬およびクラスI抗不整脈剤を収容するための単一の容器を含み、例えば、カリウムチャネル遮断薬およびクラスI抗不整脈剤は、1つの単一の医薬組成物、例えば、単一の溶液中に存在する。キットは、キットを使用する方法に関する説明書をさらに含むことができる。説明書は、データシート、マニュアル、紙片、キットの1つもしくは複数の容器またはデバイスに印刷された形態で提示することができる。あるいは、説明書は、例えばディスクで、またはキットから利用可能なウェブリンクによってオンラインで利用可能な電子的形態で提供することができる。
【0180】
[0207]炭水化物の例としては、単糖類、二糖類および多糖類が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、デキストロース(無水および一水和物)、ガラクトース、マンニトール、D-マンノース、ソルビトール、ソルボースなどの単糖類;ラクトース、マルトース、スクロース、トレハロースなどの二糖類;ラフィノースなどの三糖類;ならびにデンプン(ヒドロキシエチルデンプン)、シクロデキストリンおよびマルトデキストリンなどの他の炭水化物である。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンなどの炭水化物は、液体溶媒、例えば水に対する医薬剤の溶解速度を安定化または増加させるために使用される。
【0181】
[0208]脂質の非限定的な例としては、リン脂質、糖脂質、ガングリオシドGM1、スフィンゴミエリン、ホスファチジン酸、カルジオリピン;ポリエチレングリコール、キチン、ヒアルロン酸、またはポリビニルピロリドンなどのポリマー鎖を有する脂質;スルホン化単糖類、二糖類および多糖類を有する脂質、パルミチン酸、ステアリン酸およびオレイン酸などの脂肪酸、コレステロール、コレステロールエステルおよびコレステロールヘミスクシネートが挙げられる。
【0182】
[0209]いくつかの実施形態では、リン脂質は、1種または複数のホスファチジルコリンなどの飽和リン脂質を含む。例示的なアシル鎖長は、16:0および18:0(例えば、パルミトイルおよびステアロイル)である。リン脂質含有量は、活性剤の活性、送達様式、および他の要因によって決定されてもよい。
【0183】
[0210]天然源と合成源の両方からのリン脂質を様々な量で使用することができる。リン脂質が存在する場合、量は、典型的に活性剤をリン脂質の少なくとも単一の分子層で被覆するのに十分である。一般に、リン脂質の含有量は、約5wt%~約99.9wt%、例えば約20wt%~約80wt%の範囲である。
【0184】
[0211]一般に、適合性のあるリン脂質は、約40℃を超える、例えば約60℃を超える、または約80℃を超えるゲルから液晶への相転移を有するものを含むことができる。組み込まれたリン脂質は、比較的長鎖(例えば、C16~C22)飽和脂質であってもよい。本発明において有用な例示的なリン脂質としては、ホスホグリセリド、例えばジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジアラキドイルホスファチジルコリン、ジベヘノイルホスファチジルコリン、ジホスファチジルグリセロール、短鎖ホスファチジルコリン、水素化ホスファチジルコリン、E-100-3(Lipoid KG、Ludwigshafen、ドイツから入手可能)、長鎖飽和ホスファチジルエタノールアミン、長鎖飽和ホスファチジルセリン、長鎖飽和ホスファチジルグリセロール、長鎖飽和ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、ホスファチジルイノシトールおよびスフィンゴミエリンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0185】
[0212]金属イオンの例としては、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄などを含む二価カチオンが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、リン脂質が使用される場合、医薬組成物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるWO01/85136およびWO01/85137に開示される多価カチオンも含むことができる。多価カチオンは、医薬組成物がその保存温度(Tm)よりも少なくとも約20℃、例えば少なくとも約40℃大きいTmを示すように、リン脂質の融点(Tm)を高めるのに有効な量で存在してもよい。多価カチオンのリン脂質に対するモル比は、少なくとも約0.05:1、例えば約0.05:2~約2.0:1または約0.25:2~約1.0:1であってもよい。多価カチオン:リン脂質のモル比の例は、約0.50:1である。多価カチオンがカルシウムの場合、塩化カルシウムの形態であってもよい。カルシウムなどの金属イオンがしばしばリン脂質に含まれるが、いずれも必須ではない。
【0186】
[0213]上述のように、医薬組成物は、1種または複数の界面活性剤を含むことができる。例えば、1種または複数の界面活性剤は、1種または複数が組成物の固体粒子または粒子と会合している状態で液相に存在し得る。「会合する」とは、医薬組成物が界面活性剤を組み込み、吸着し、吸収し、それによって被覆され、またはそれによって形成され得ることを意味する。界面活性剤には、フッ素化および非フッ素化化合物、例えば飽和および不飽和脂質、非イオン性洗浄剤、非イオン性ブロックコポリマー、イオン性界面活性剤およびそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。前述の界面活性剤に加えて、適切なフッ素化界面活性剤は、本明細書の教示に適合し、所望の調製物を提供するために使用可能であることが強調されるべきである。
【0187】
[0214]非イオン性洗浄剤の例としては、ソルビタントリオレエート(Span(商標)85)、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、およびポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエートを含むソルビタンエステル、オレイルポリオキシエチレン(2)エーテル、ステアリルポリオキシエチレン(2)エーテル、ラウリルポリオキシエチレン(4)エーテル、グリセロールエステルおよびスクロースエステルが挙げられるが、これらに限定されない。他の適切な非イオン性洗浄剤は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるMcCutcheon’s Emulsifiers and Detergents(McPublishing Co.,Glen Rock,N.J.)を使用して容易に特定することができる。
【0188】
[0215]ブロックコポリマーの例としては、ポロキサマー188(Pluronic(商標)F-68)、ポロキサマー407(Pluronic(商標)F-127)およびポロキサマー338を含むポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンのジブロックおよびトリブロックコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0189】
[0216]イオン性界面活性剤の例としては、スルホコハク酸ナトリウムおよび脂肪酸石鹸が挙げられるが、これらに限定されない。
[0217]アミノ酸の例としては、疎水性アミノ酸が挙げられるがこれらに限定されない。薬学的に許容される賦形剤としてのアミノ酸の使用は、WO95/31479、WO96/32096およびWO96/32149に開示されるように当技術分野で公知であり、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0190】
[0218]緩衝液の例としては、トリスまたはクエン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
[0219]酸の例としては、カルボン酸が挙げられるがこれらに限定されない。
【0191】
[0220]塩の例としては、塩化ナトリウム、カルボン酸の塩(例えば、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、グルコン酸マグネシウム、グルコン酸ナトリウム、塩酸トロメタミンなど)、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、塩化アンモニウムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0192】
[0221]有機固体の例としては、カンファーなどが挙げられるがこれらに限定されない。
[0222]本発明の1つまたは複数の実施形態の医薬組成物は、生体適合性、例えば生分解性ポリマー、コポリマー、またはそれらのブレンドもしくは他の組合せを含むこともできる。この点で、有用なポリマーは、ポリラクチド、ポリラクチド-グリコリド、シクロデキストリン、ポリアクリレート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ無水物、ポリラクタム、ポリビニルピロリドン、多糖類(デキストラン、デンプン、キチン、キトサンなど)、ヒアルロン酸、タンパク質(アルブミン、コラーゲン、ゼラチンなど)を含む。当業者であれば、適切なポリマーを選択することにより、組成物の送達効率および/または分散液の安定性を調整し、抗不整脈医薬剤の有効性を最適化できることを理解する。
【0193】
[0223]溶液の場合、組成物は、塩化ナトリウムなどの1種または複数の浸透圧調整剤を含むことができる。例えば、塩化ナトリウムは、溶液の浸透圧を調整するために溶液に添加することができる。1つまたは複数の実施形態では、水性組成物は、抗不整脈医薬剤、浸透圧調整剤および水から本質的になる。
【0194】
[0224]溶液はまた、緩衝剤またはpH調整剤、典型的には有機酸または塩基から調製される塩を含み得る。代表的な緩衝剤は、クエン酸、乳酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸またはフタル酸の有機酸塩、トリス、トロメタミン塩酸塩、またはリン酸塩緩衝剤を含む。したがって、緩衝剤としては、クエン酸塩、リン酸塩、フタル酸塩および乳酸塩が挙げられる。
【0195】
[0225]上記の薬学的に許容される賦形剤の他に、粒子剛性、生産収率、放出用量および沈着、貯蔵寿命および患者の受容性を改善するために、他の薬学的に許容される賦形剤を医薬組成物に添加することが望ましい場合がある。そのような任意の薬学的に許容される賦形剤としては、着色剤、味覚マスキング剤、緩衝剤、吸湿剤、酸化防止剤および化学的安定剤が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、様々な薬学的に許容される賦形剤が、粒子組成物(例えば、ラテックス粒子)に構造および形態を付与するために使用され得る。この点で、選択的溶媒抽出などの生産後技術を使用して剛性化成分を除去できることが理解される。
【0196】
[0226]本発明の1つまたは複数の実施形態の医薬組成物は、味を欠いてもよい。この点で、味覚マスキング剤が任意選択で組成物中に含まれるが、組成物は多くの場合味覚マスキング剤を含まず、味覚マスキング剤を含まない場合でも味を欠いている。
【0197】
[0227]医薬組成物はまた、薬学的に許容される賦形剤の混合物を含むことができる。例えば、炭水化物とアミノ酸の混合物は、本発明の範囲内である。
[0228]本発明の1つまたは複数の実施形態の組成物は、推進剤(例えば、クロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロアルカン)などの非水性相を含む溶液、乾燥粉末、再構成粉末、懸濁液または分散液などの種々の形態をとることができる。
【0198】
[0229]本発明の溶液は、典型的に透明である。この点で、本発明の抗不整脈医薬剤の多くは、水溶性である。
[0230]いくつかの実施形態では、溶液の等張性は、等張性から生理的等張性までの範囲である。生理的等張性とは、生理的流体の等張性である。
【0199】
[0231]組成物は、3.5~8.0、例えば4.0~7.5または4.5~7.0、または5.0~6.5の範囲のpHを有することができる。
[0232]乾燥粉末の場合、含水量は、約15wt%未満、例えば約10wt%未満、約5wt%未満、約2wt%未満、約1wt%未満、または約0.5wt%未満であり得る。このような粉末は、WO95/24183、WO96/32149、WO99/16419、WO99/16420、およびWO99/16422に記載されており、これらはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0200】
[0233]一変形では、医薬組成物は、吸入可能な乾燥粉末の形態である。そのような乾燥粉末は、例えば、超臨界流体による溶液促進分散(SEDS)によって製造することができ、これは米国特許第5,851,453号、第6,440,337号、第6,576,262号、第7,150,766号、および10,798,955号、ならびに米国特許公開第US20060073087A1号および第US20020073511A1号に記載され、これらはそれぞれ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0201】
[0234]別の変形では、医薬組成物は、米国特許公開第US20180221849A1号、ならびに米国特許第6,620,351号、第7,744,923号および第9,233,348号に記載の技術によって形成される吸入可能な乾燥粉末の形態であり、これらはそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0202】
[0235]別の変形では、医薬組成物は、米国特許第10,842,748号、第9,214,590号、第7,855,046号、第8,128,393号および第9,545,737号に記載のインプリントリソグラフィーによって形成される吸入可能な乾燥粉末の形態であり、これらはそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0203】
[0236]一変形では、医薬組成物は、リン脂質マトリックスに組み込まれた抗不整脈医薬剤を含む。医薬組成物は、活性剤を組み込み、さらにその全体が参照により本明細書に組み込まれる前述のWO99/16419、WO99/16420、WO99/16422、WO01/85136およびWO01/85137に記載される中空および/または多孔質微細構造である粒子の形態であるリン脂質マトリックスを含んでもよい。中空および/または多孔質微細構造は、中空および/または多孔質微細構造の密度、サイズおよび空気力学的品質により、使用者の吸入中に肺深部への輸送が容易になるため、肺への抗不整脈医薬剤の送達に有用である。さらに、リン脂質ベースの中空および/または多孔質微細構造は、粒子間の引力を低減させ、エアロゾル化の際に医薬組成物が脱凝集し易くし、医薬組成物の流動特性を改善することによって加工を容易にする。
【0204】
[0237]一変形では、医薬組成物は、約1.0g/cm3未満、約0.5g/cm3未満、約0.3g/cm3未満、約0.2g/cm3未満、または約0.1g/cm3未満の嵩密度を有する中空および/または多孔質微細構造から構成される。低嵩密度粒子または粒子を提供することにより、単位用量容器に充填できる粉末の最小質量が低減し、担体粒子が不要になる。すなわち、本発明の1つまたは複数の実施形態の粉末の比較的低い密度は、比較的低用量の医薬化合物の再現可能な投与を可能にする。さらに、大きな担体粒子、例えばラクトース粒子は、そのサイズのために咽頭および上気道に影響を与えるため、担体粒子の排除は、咽頭沈着および「ギャグ」効果または咳を潜在的に低減する。
【0205】
[0238]いくつかの態様では、本発明は、凹凸度が高い粒子を含む。例えば、粒子は、2より大きい、例えば3より大きい、または4より大きい凹凸度を有することができ、凹凸度は、2~15、例えば3~10の範囲であり得る。
【0206】
[0239]一変形では、医薬組成物は乾燥粉末形態であり、医薬組成物の単位用量をエアロゾル化するために、エアロゾル化装置の中または近くに挿入することができる単位用量レセプタクル内に収容される。この変形は、乾燥粉末形態がその単位用量レセプタクルに長期間安定に保存され得るという点で有用である。いくつかの例では、本発明の1つまたは複数の実施形態の医薬組成物は、少なくとも2年間安定であり得る。いくつかの変形では、安定性を得るために冷蔵は必要ない。他の変形では、安定した保存を延長するために、例えば2~8℃の低減された温度を使用することができる。多くの変形において、保存安定性は、外部電源でのエアロゾル化を可能にする。
【0207】
[0240]本明細書に開示される医薬組成物は、空隙、孔、欠陥、中空、空間、間質空間、開口部、穿孔または穴を示すか、画定するか、または含む構造マトリックスを含み得ることが理解される。穿孔された微細構造の絶対的な形状(形態とは対照的)は、一般に重要ではなく、所望の特性を提供する任意の全体的な構成が本発明の範囲内であるとして企図される。したがって、いくつかの実施形態は、ほぼ球形の形状を含む。しかし、崩壊した、変形した、または破砕した粒子も適合性がある。
【0208】
[0241]一変形では、抗不整脈医薬剤は、離散粒子を形成するマトリックスに組み込まれ、医薬組成物は複数の離散粒子を含む。離散粒子は、効果的に投与されるようにおよび/または必要な場所で利用できるようにサイズ調整されてもよい。例えば、エアロゾル化可能な医薬組成物の場合、粒子は、使用者の吸入中に粒子がエアロゾル化され、使用者の呼吸器に送達されることを可能にするサイズのものである。
【0209】
[0242]マトリックス材料は、疎水性または部分的に疎水性の材料を含んでもよい。例えば、マトリックス材料は、リン脂質などの脂質、および/またはロイシンもしくはトリロイシンなどの疎水性アミノ酸を含んでもよい。リン脂質マトリックスの例は、WO99/16419、WO99/16420、WO99/16422、WO01/85136、およびWO01/85137、ならびに米国特許第5,874,064号、第5,855,913号、第5,985,309号、第6,503,480号、および第7,473,433号、ならびに米国公開出願第20040156792号に記載されており、これらはすべて参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。疎水性アミノ酸マトリックスの例は、米国特許第6,372,258号、第6,358,530号、および第7,473,433号に記載されており、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0210】
[0243]リン脂質がマトリックス材料として利用される場合、医薬組成物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWO01/85136およびWO01/85137に開示される多価カチオンを含むこともできる。
【0211】
[0244]別の実施形態によれば、抗不整脈性医薬剤を含む組成物の放出速度は制御される。1つまたは複数の実施形態によれば、本発明の組成物は、抗不整脈性医薬剤の即時放出をもたらす。あるいは、本発明の他の実施形態の組成物は、抗不整脈医薬剤の望ましい放出速度をもたらすために、マトリックス材料に組み込まれた活性剤と組み込まれていない活性剤の非均質混合物として提供され得る。この実施形態によれば、本発明の1つまたは複数の実施形態のエマルジョンベースの製造プロセスを使用して製剤化された抗不整脈医薬剤は、呼吸器に投与される場合に即時放出用途で有用である。迅速な放出は、以下によって促進される:(a)低密度多孔質粉末の高い比表面積、(b)そこに組み込まれる薬物結晶の小さなサイズ、および(c)粒子の低い表面エネルギー。
【0212】
[0245]あるいは、活性剤の長期放出が行われるように粒子マトリックスを操作することが望ましい場合がある。これは、活性剤が肺から急速に除去される場合、または持続放出が望まれる場合に特に望ましい可能性がある。例えば、リン脂質分子の相挙動の性質は、その化学構造の性質および/または噴霧乾燥供給原料における調製方法および乾燥条件および利用される他の組成成分による影響を受ける。小型単層小胞(SUV)または多層小胞(MLV)内で可溶化された活性剤の噴霧乾燥の場合、活性剤は複数の二重層内にカプセル化され、長時間にわたって放出される。
【0213】
[0246]対照的に、本明細書の教示に従い、エマルジョン液滴および分散または溶解した活性剤から構成される供給原料を噴霧乾燥すると、長距離秩序が少ないリン脂質マトリックスが得られ、それにより迅速な放出が促進される。特定の理論に束縛されることなく、これは、活性剤がリン脂質に決して形式的にカプセル化されないという事実、およびリン脂質が最初に単層(リポソームの場合のように二重層ではない)としてエマルジョン液滴の表面上に存在するという事実に部分的に起因すると考えられる。本発明の1つまたは複数の実施形態のエマルジョンベースの製造プロセスによって調製される噴霧乾燥粒子は、しばしば高度の無秩序を有する。また、噴霧乾燥粒子は、典型的に低い表面エネルギーを有し、ここで噴霧乾燥DSPC粒子について20mN/mという低さの値が観察されている(逆ガスクロマトグラフィーによって決定される)。噴霧乾燥リン脂質粒子を用いて行われた小角X線散乱(SAXS)研究でも、脂質の高度の無秩序が示され、散乱ピークは不鮮明であり、長さスケールは、一部の場合のみでいくつかの最近傍を超える程度である。
【0214】
[0247]ゲルから液晶への高い相転移温度を有するマトリックスは、活性剤の持続放出を達成するのにそれ自体では十分ではないことに留意されたい。二重層構造に十分な秩序を有することも、持続放出を達成するために重要である。迅速な放出を促進するために、高多孔質(高表面積)で、薬物物質とリン脂質の間の相互作用が最小限であるエマルジョン系を使用することができる。医薬組成物形成プロセスは、二重層構造を壊すために他の組成成分(例えば、Pluronic F-68などの小型ポリマー、炭水化物、塩、ヒドロトロープ)を添加することも含む。
【0215】
[0248]持続放出を達成するために、特に活性剤がその中にカプセル化される場合、二重層形態のリン脂質の組込みを使用することができる。この場合、リン脂質のTmを増加させると、二価の対イオンまたはコレステロールの組込みによって利益をもたらすことができる。同様に、イオン対(負に帯電した活性物質+ステアリルアミン、正に帯電した活性物質+ホスファチジルグリセロール)の形成により、リン脂質と薬物物質の間の相互作用を高めると、溶解速度を低下させ易い。活性物質が両親媒性である場合、界面活性剤/界面活性剤相互作用も活性物質の溶解を遅らせることができる。
【0216】
[0249]長鎖飽和ホスファチジルコリンに二価の対イオン(例えば、カルシウムイオンまたはマグネシウムイオン)を添加すると、双性イオン性頭部の負に帯電したリン酸部分と正に帯電した金属イオンとの間の相互作用が生じる。これにより、水和水の置換、およびリン脂質の脂質頭部とアシル鎖のパッキングの縮合が生じる。さらに、これによりリン脂質のTmが上昇する。頭部の水和の減少は、水と接触する噴霧乾燥リン脂質粒子の広がり特性に大きな影響を与える可能性がある。完全に水和したホスファチジルコリン分子は、水相を通した分子拡散により、非常にゆっくり分散結晶へと拡散する。プロセスは、水に対するリン脂質の溶解度が非常に低い(DPPCでは約10-10mol/L)ため、極めて遅い。この現象を克服する先行技術の試みとしては、リン脂質の存在下で結晶をホモジナイズすることが挙げられる。この場合、ホモジナイズされた結晶の高いせん断度と曲率半径により、結晶へのリン脂質の被覆が容易になる。対照的に、本発明の1つまたは複数の実施形態による「乾燥」リン脂質粉末は、水性相と接触させると急速に広がり、それにより高いエネルギーを加える必要なく分散結晶を被覆することができる。
【0217】
[0250]例えば、再構成すると、空気/水界面における噴霧乾燥DSPC/Ca混合物の表面張力は、測定できる限り速く平衡値(約20mN/m)まで減少する。一方、DSPCのリポソームは、数時間で表面張力(約50mN/m)はほとんど低下せず、この低減は、リン脂質中に遊離脂肪酸などの加水分解生成物が存在するためであると考えられる。単一尾部の脂肪酸は、疎水性の親化合物よりもはるかに速く空気/水界面へ拡散することができる。したがって、ホスファチジルコリンにカルシウムイオンを添加することで、結晶性薬物の迅速なカプセル化を、より迅速により低い印加エネルギーで促進することができる。
【0218】
[0251]別の変形では、医薬組成物は、ナノ結晶を水中パーフルオロカーボンエマルジョンと共噴霧乾燥することによって達成される低密度粒子を含む。ナノ結晶は、沈殿によって形成することができ、例えば、約45μm~約80μmのサイズに及んでもよい。パーフルオロカーボンの例としては、パーフルオロヘキサン、パーフルオロオクチルブロミド、パーフルオロオクチルエタン、パーフルオロデカリン、パーフルオロブチルエタンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0219】
[0252]本明細書の教示に従い、粒子は、「乾燥」状態で提供され得る。すなわち、1つまたは複数の実施形態では、粒子は、粉末が周囲温度または低減された温度での保存中に化学的および物理的に安定を保ち、分散性を保つことができる含水量を有する。この点で、一次粒子のサイズ、含有量、純度および空気力学的粒子径分布には、ほとんどまたは全く変化がない。
【0220】
[0253]したがって、粒子の含水量は、典型的に約10wt%未満、例えば約6wt%未満、約3wt%未満、または約1wt%未満である。含水量は、少なくとも部分的に組成によって決定され、利用するプロセス条件、例えば、入口温度、供給濃度、ポンプ速度および発泡剤の種類、濃度、およびポスト乾燥によって制御される。結合水が低減すると、リン脂質ベースの粉末の分散性および流動性が顕著に改善し、粉末状の肺サーファクタントまたはリン脂質中に分散された活性剤を含む粒子組成物の効率の高い送達の可能性につながる。分散性の改善により、簡潔な受動的DPIデバイスを使用して、これらの粉末を効果的に送達することができる。
【0221】
[0254]医薬組成物のさらに別の変形は、接触点での滞留時間を延長するか、または粘膜を通る浸透を強化する荷電種を含むことができるか、またはそれによって部分的もしくは完全に被覆され得る粒子組成物を含む。例えば、アニオン電荷は粘膜付着を促進することが公知である一方、カチオン電荷は、形成された粒子を遺伝物質などの負に帯電した生物活性剤と会合させるために使用することができる。電荷は、ポリアクリル酸、ポリリジン、ポリ乳酸およびキトサンなどのポリアニオン性またはポリカチオン性材料の会合または組込みによって付与することができる。
【0222】
[0255]いくつかの変形では、医薬組成物は、約20μm未満、例えば約10μm未満、約7μm未満、または約5μm未満の質量中央径を有する粒子を含む。粒子は、約1μm~約6μm、例えば約1.5μm~約5μm、または約2μm~約4μmの範囲の空気動力学的質量中央径を有することができる。粒子が大きすぎると、粒子の比較的高い割合が肺に到達することができない。粒子が小さすぎると、粒子の比較的高い割合が吐き出される可能性がある。
【0223】
[0256]医薬組成物の単位用量は、容器に入れられてもよい。容器の例としては、金属、ポリマー(例えば、プラスチック、エラストマー)、ガラスなどから作製されるシリンジ、カプセル、ブローフィルシール、ブリスター、バイアル、アンプルまたは容器クロージャーシステムが挙げられるがこれらに限定されない。例えば、バイアルは、クロロブチルゴムシリコン化ストッパー、および着色プラスチックカバーを備えた剥ぎ取り型アルミニウムキャップを有する無色のI型ホウケイ酸ガラスISO 6R 10mLバイアルであってもよい。
【0224】
[0257]容器は、エアロゾル化デバイスに挿入することができる。容器は、医薬組成物を収容し、医薬組成物を使用可能な状態で提供するのに適した形状、サイズおよび材料のものであってもよい。例えば、カプセルまたはブリスターは、医薬組成物と有害に反応しない材料を含む壁を含んでもよい。さらに、壁は、医薬組成物をエアロゾル化させるためにカプセルを開封することを可能にする材料を含んでもよい。一変形では、壁は、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリエチレングリコール配合HPMC、ヒドロキシプロピルセルロース、寒天、アルミホイルなどの1種または複数を含む。一変形では、カプセルは、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第4,247,066号に記載されるように、伸縮自在に隣接するセクションを含んでもよい。カプセルのサイズは、医薬組成物の用量を適切に収容するように選択することができる。サイズは、一般にサイズ5~サイズ000の範囲であり、それぞれ外径が約4.91mm~9.97mmの範囲、高さが約11.10mm~約26.14mmの範囲、体積が約0.13mL~約1.37mLの範囲である。適切なカプセルは、例えば、日本、奈良県のShionogi Qualicaps Co.およびGreenwood、S.C.のCapsugelから市販されている。充填後、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第4,846,876号および第6,357,490号、ならびにWO00/07572号に記載されるように、上部を下部の上に配置してカプセルの形状を形成し、カプセル内に粉末を収容する。上部を下部の上に配置した後、カプセルは任意選択でバンドを付されてもよい。
【0225】
[0258]溶液の場合、単位用量における組成物の量は、典型的に約0.5ml~約15ml、例えば約2ml~約15ml、約3ml~約10ml、約4ml~約8ml、または約5ml~約6mlの範囲である。
【0226】
[0259]本発明の組成物は、当業者に公知かつ利用可能な様々な方法および技術のいずれかによって作製することができる。
[0260]例えば、抗不整脈性医薬剤の溶液は、以下の手順を使用して作製することができる。典型的に、製造機器は使用前に滅菌される。溶媒、例えば注射用水の最終体積の一部、例えば70%を適切な容器に添加することができる。その後、抗不整脈性医薬剤を添加することができる。抗不整脈性医薬剤は、溶解するまで混合することができる。追加の溶媒を添加して、最終バッチ体積を構成することができる。バッチは、例えば0.2μmフィルターを通して滅菌された受入容器に濾過することができる。充填部品は、滅菌した後、バッチをバイアルに、例えば10mlバイアルに充填する際に使用することができる。
【0227】
[0261]一例として、上述の滅菌は以下を含むことができる。5リットルの1型ガラスボトルおよび蓋をオートクレーブバッグに入れ、オートクレーブを使用して高温で、例えば121℃で15分間滅菌することができる。同様に、バイアルを適切なラックに入れ、オートクレーブバッグに挿入し、オートクレーブを使用して高温で、例えば121℃で15分間滅菌することができる。また同様に、ストッパーをオートクレーブバッグに入れ、オートクレーブを使用して高温で、例えば121℃で15分間滅菌することができる。滅菌前に、滅菌フィルターをチューブに、例えば7mm×13mmシリコンチューブの2mmの長さに取り付けることができる。充填ラインをオートクレーブバッグに入れ、オートクレーブを使用して高温で、例えば121℃で15分間滅菌することによって調製することができる。
【0228】
[0262]上述の濾過は、層流作業領域への濾過を含むことができる。受入ボトルおよびフィルターは、層流作業領域に設置することができる。
[0263]上述の充填は、層流保護下で行うこともできる。充填ラインは、開封して受入ボトルに配置することができる。滅菌されたバイアルおよびストッパーは、層流保護下で開封することができる。各バイアルは、例えば、5gの目標充填量まで充填し、ストッパーをかけることができる。フリップオフカラーを各バイアルに適用してもよい。密封されたバイアルは、バイアルの漏れ、正確なオーバーシール、および亀裂について検査されてもよい。
【0229】
[0264]乾燥粉末の場合、組成物は、噴霧乾燥、凍結乾燥、粉砕(例えば、湿式粉砕、乾式粉砕)などによって形成することができる。
[0265]一例として、抗不整脈薬は、抗不整脈薬を凍結乾燥させて保存用粉末を形成することによって調製することができる。次に、粉末を使用前に再構成する。この技術は、抗不整脈薬が溶液中で不安定な場合に使用することができる。
【0230】
[0266]いくつかの実施形態では、凍結乾燥粉末は、抗不整脈医薬剤が約1mg/mL~約150mg/mL、例えば1mg/mL~5mg/mL、1mg/ml~10mg/mL、1mg/ml~15mg/mL、1mg/mL~20mg/mL、1mg/mL~25mg/mL、1mg/mL~30mg/mL、1mg/mL~35mg/mL、1mg/mL~40mg/mL、1mg/mL~45mg/mL、1mg/mL~50mg/mL、1mg/mL~55mg/mL、5mg/ml~10mg/mL、5mg/ml~15mg/mL、5mg/mL~20mg/mL、5mg/mL~25mg/mL、5mg/mL~30mg/mL、5mg/mL~35mg/mL、5mg/mL~40mg/mL、5mg/mL~45mg/mL、5mg/mL~50mg/mL、5mg/mL~55mg/mL、5mg/mL~60mg/mL;10mg/ml~15mg/mL、10mg/mL~20mg/mL、10mg/mL~25mg/mL、10mg/mL~30mg/mL、10mg/mL~35mg/mL、10mg/mL~40mg/mL、10mg/mL~45mg/mL、10mg/mL~50mg/mL、10mg/mL~55mg/mL、10mg/mL~60mg/mL、15mg/mL~20mg/mL、15mg/mL~25mg/mL、15mg/mL~30mg/mL、15mg/mL~35mg/mL、15mg/mL~40mg/mL、15mg/mL~45mg/mL、15mg/mL~50mg/mL、15mg/mL~55mg/mL、15mg/mL~60mg/mL、20mg/mL~25mg/mL、20mg/mL~30mg/mL、20mg/mL~35mg/mL、20mg/mL~40mg/mL、20mg/mL~45mg/mL、20mg/mL~50mg/mL、20mg/mL~55mg/mL、20mg/mL~60mg/mL、25mg/mL~30mg/mL、25mg/mL~35mg/mL、25mg/mL~40mg/mL、25mg/mL~45mg/mL、25mg/mL~50mg/mL、25mg/mL~55mg/mL、25mg/mL~60mg/mL、30mg/mL~35mg/mL、30mg/mL~40mg/mL、30mg/mL~45mg/mL、30mg/mL~50mg/mL、30mg/mL~55mg/mL、30mg/mL~60mg/mL、30mg/mL~150mg/mL、35mg/mL~40mg/mL、35mg/mL~45mg/mL、35mg/mL~50mg/mL、35mg/mL~55mg/mL、35mg/mL~60mg/mL、40mg/mL~45mg/mL、40mg/mL~50mg/mL、40mg/mL~55mg/mL、40mg/mL~60mg/mL、45mg/mL~50mg/mL、45mg/mL~55mg/mL、45mg/mL~60mg/mL、50mg/mL~55mg/mL、50mg/mL~60mg/mL、55mg/mL~60mg/mL、55mg/mL~65mg/mL、55mg/mL~70mg/mL、55mg/mL~75mg/mL、60mg/mL~65mg/mL、60mg/mL~70mg/mL、60mg/mL~75mg/mL、60mg/mL~80mg/mL、70mg/mL~75mg/mL、70mg/mL~80mg/mL、75mg/mL~80mg/mL、75mg/mL~85mg/mL、75mg/mL~90mg/mL、80mg/mL~85mg/mL、80mg/mL~90mg/mL、85mg/mL~90mg/mL、90mg/mL~100mg/mL、90mg/mL~110mg/mL、100mg/mL~110mg/mL、100mg/mL~120mg/mL、110mg/mL~120mg/mL、120mg/mL~130mg/mL、120mg/mL~140mg/mL、130mg/mL~140mg/mL、130mg/mL~150mg/mL、140mg/mL~150mg/mL、または145mg/mL~150mg/mLの濃度で存在するように適切な溶媒中で再構成することができる。
【0231】
[0267]凍結乾燥される溶液の溶媒は、水を含んでもよい。溶液は、賦形剤不含であってもよい。例えば、溶液は、凍結保護物質不含であってもよい。
[0268]1つまたは複数の実施形態では、薬物物質の適切な量(例えば、最終溶液1リットルあたり120g)を、例えば窒素バブリング下で注射用水の理論総量の約75%に溶解させることができる。溶解時間を記録し、外観を評価することができる。
【0232】
[0269]次に、WFIによる最終体積までの希釈を行ってもよい。最終体積を確認してもよい。密度、pH、エンドトキシン、バイオバーデンおよびUVによる含有量は、滅菌濾過の前と後の両方で測定することができる。凍結乾燥粉末の含水量は、典型的に約7wt%未満、例えば約5wt%未満、約4wt%未満、約3wt%未満、約2wt%未満、または約1wt%未満である。
【0233】
[0270]粉末は、25℃および1.0気圧で、約60秒未満、例えば約30秒未満、約15秒未満、または約10秒未満の手動撹拌によって水で再構成することができる。粉末は、典型的に再構成を容易にする大きな比表面積を有する。比表面積は、典型的に約5m2/g~約20m2/g、例えば約8m2/g~15m2/g、または約10m2/g~12m2/gの範囲である。水で再構成すると、抗不整脈医薬剤溶液は、典型的に約2.5~約7、例えば約3~約6の範囲のpHを有する。
【0234】
[0271]噴霧乾燥において、噴霧乾燥される調製物または供給原料は、選択された噴霧乾燥装置を使用して霧化され得る任意の溶液、粗懸濁液、スラリー、コロイド分散液、またはペーストであり得る。不溶性薬剤の場合、供給原料は、上記の懸濁液を含んでもよい。あるいは、希釈溶液および/または1種もしくは複数の溶媒が供給原料に利用されてもよい。1つまたは複数の実施形態では、供給原料は、エマルジョン、逆エマルジョン、マイクロエマルジョン、多重エマルジョン、粒子分散、またはスラリーなどのコロイド系を含む。
【0235】
[0272]本発明の1つまたは複数の実施形態において有用な医薬組成物は、代替的に凍結乾燥によって形成され得る。凍結乾燥は、冷凍後に組成物から水を昇華させる冷凍乾燥プロセスである。水溶液中で比較的不安定な生物製剤および医薬は、高温に曝露することなく乾燥させ、その後安定性の問題が少ない乾燥状態で保存することができるため、凍結乾燥プロセスがしばしば使用される。本発明の1つまたは複数の実施形態に関して、このような技術は、生理学的活性を損なうことなく、ペプチド、タンパク質、遺伝物質ならびに他の天然および合成高分子を医薬組成物中に組み込むことに特に適合性がある。微細な泡状構造を含む凍結乾燥ケーキは、当技術分野で公知の技術を使用して微細化し、所望のサイズの粒子を提供することができる。
【0236】
[0273]いくつかの実施形態では、カリウムチャネル遮断薬およびナトリウムチャネル遮断薬は、担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、保存剤または賦形剤などの他の化学成分を含み得る単一の液体溶液として非経口注射によって投与することができる。非経口注射は、ボーラス注射または連続注入のために製剤化することができる。医薬組成物は、油性または水性ビヒクル中の滅菌懸濁液、溶液またはエマルジョンとして非経口注射に適した形態であってもよく、懸濁化剤、安定化剤または分散剤などの製剤化剤を含むことができる。非経口投与のための医薬製剤は、水溶性形態の活性化合物の水溶液を含む。例えば、本明細書に記載の組成物は、液体形態で提供することができ、0.01~1%のポリソルベート-80などの洗浄剤、またはマンニトール、ソルビトールもしくはトレハロースなどの炭水化物添加剤を伴ってまたは伴わずに、様々なpH(5~8)の食塩水ベースの水溶液で製剤化されてもよい。一般的に使用される保存剤としては、クロロブタノール、m-クレゾール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェノール、メチルパラベンまたはプロピルパラベンが挙げられる。一般的に使用される緩衝剤としては、ヒスチジン、酢酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩またはクエン酸塩が挙げられる。一般的に使用される等張性調整剤としては、塩化ナトリウム、マンニトールおよびグリセリンが挙げられる。輸液は、0~10%のデキストロースを含んでもよい。活性化合物の懸濁液は、油性注射用懸濁液として調製することができる。適切な親油性溶媒またはビヒクルとしては、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステルまたはリポソームが挙げられる。水性注射用懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールまたはデキストランなどの懸濁液の粘度を増加させる物質を含むことができる。懸濁液はまた、高濃度溶液の調製を可能にするために、化合物の溶解度を高める適切な安定剤または薬剤、例えば、シクロデキストリンまたは有機溶媒を含むことができる。有機溶媒は、アルコール、例えばC1~C4直鎖アルキル、C3~C4分岐アルキル、エタノール、エチレングリコール、グリセリン、2-ヒドロキシプロパノール、プロピレングリコール、マルチトール、ソルビトール、キシリトール;置換または非置換アリールおよびベンジルアルコールを含んでもよい。あるいは、活性成分は、使用前に適切なビヒクル、例えば滅菌パイロジェンフリー水で構成するための粉末形態であり得る。
【0237】
[0274]薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,Pa.:Mack Publishing Company,1995);Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975;Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.、Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980;およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams&Wilkins 1999)に見出すことができ、これらはそれぞれ、参照によりその全体が組み込まれる。
【0238】
[0275]本発明の1つまたは複数の実施形態による医薬組成物は、所望により抗不整脈医薬剤と1種または複数の追加の活性剤との組合せを含むことができる。追加の活性剤の例には、肺を通して送達され得る薬剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0239】
[0276]追加の活性剤は、例えば、催眠剤および鎮静剤、精神的活力剤、トランキライザー、呼吸器系薬、抗痙攣剤、筋弛緩剤、抗パーキンソン剤(ドーパミンアンタゴニスト)、鎮痛剤、抗炎症剤、抗不安薬(不安緩解薬)、食欲抑制薬、抗偏頭痛剤、筋収縮薬、追加の抗感染薬(抗ウイルス薬、抗真菌薬、ワクチン)、抗関節炎薬、抗マラリア薬、制吐薬、抗てんかん薬、サイトカイン、成長因子、抗がん剤、抗血栓剤、抗高血圧剤、循環器系薬、抗不整脈薬、抗酸化剤、抗喘息剤、避妊剤を含むホルモン剤、交感神経模倣薬、利尿剤、脂質調節剤、抗アンドロゲン剤、抗寄生虫剤、抗凝固剤、新生物、抗新生物薬、低血糖剤、栄養剤およびサプリメント、成長サプリメント、抗腸炎剤、ワクチン、抗体、診断剤および造影剤を含んでもよい。追加の活性剤は、吸入により投与される場合、局所的または全身的に作用することができる。
【0240】
[0277]追加の活性剤は、低分子、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、多糖類、ステロイド、生理学的効果を引き出すことができるタンパク質、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、脂肪、電解質などを含むがこれらに限定されない多数の構造クラスのうちの1つに該当し得る。
【0241】
[0278]本発明における使用に適した追加の活性剤の例としては、カルシトニン、アンホテリシンB、エリスロポエチン(EPO)、第VIII因子、第IX因子、セレダーゼ、セレザイム、シクロスポリン、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、トロンボポエチン(TPO)、アルファ-1プロテイナーゼ阻害剤、エルカトニン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GMCSF)、成長ホルモン、ヒト成長ホルモン(HGH)、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、ヘパリン、低分子量ヘパリン(LMWH)、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン-1受容体、インターロイキン-2、インターロイキン-1受容体アンタゴニスト、インターロイキン-3、インターロイキン-4、インターロイキン-6、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、第IX因子、インスリン、プロインスリン、インスリン類似体(例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,922,675号に記載されるモノアシル化インスリン)、アミリン、C-ペプチド、ソマトスタチン、オクトレオチドを含むソマトスタチン類似体、バソプレシン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、インスリン様成長因子(IGF)、インスリントロピン、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、神経成長因子(NGF)、組織成長因子、ケラチノサイト成長因子(KGF)、グリア成長因子(GGF)、腫瘍壊死因子(TNF)、内皮成長因子、副甲状腺ホルモン(PTH)、グルカゴン様ペプチドチモシンアルファ1、IIb/IIa阻害剤、アルファ-1アンチトリプシン、ホスホジエステラーゼ(PDE)化合物、VLA-4阻害剤、ビスホスホネート、呼吸器合胞体ウイルス抗体、嚢胞性線維症膜貫通調節因子(CFFR)遺伝子、デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)、殺菌性/透過性増強タンパク質(BPI)、抗CMV抗体、13-シスレチノイン酸、オレアンドマイシン、トロレアンドマイシン、ロキシスロマイシン、クラリスロマイシン、ダベルシン、アジスロマイシン、フルリスロマイシン、ジリスロマイシン、ジョサマイシン、スピロマイシン、ミデカマイシン、ロイコマイシン、ミオカマイシン、ロキタマイシン、アンダジスロマイシンおよびスウィンホリドA(swinolide A);フルオロキノロン、例えばシプロフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、トロバフロキサシン、アラトロフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、エノキサシン、グレパフロキサシン、ガチフロキサシン、ロメフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、ペフロキサシン、アミフロキサシン、フレロキサシン、トスフロキサシン、プルリフロキサシン、イルロキサシン、パズフロキサシン、クリナフロキサシンおよびシタフロキサシン、テイコプラニン、ラモプラニン、ミデプラニン、コリスチン、ダプトマイシン、グラミシジン、コリスチメタート、ポリミキシン、例えばポリミキシンB、カプレオマイシン、バシトラシン、ペネム;ペニシリナーゼ感受性薬剤、例えばペニシリンG、ペニシリンV、ペニシリナーゼ耐性薬剤、例えばメチシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フロキサシリン、ナフシリンを含むペニシリン;グラム陰性微生物活性剤、例えばアンピシリン、アモキシシリンおよびヘタシリン、シリンおよびガランピシリン;抗緑膿菌性ペニシリン、例えばカルベニシリン、チカルシリン、アズロシリン、メズロシリンおよびピペラシリン;セファロスポリン、例えばセフポドキシム、セフプロジル、セフチブテン(ceftbuten)、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セファロチン、セファピリン、セファレキシン、セフラジン、セフォキシチン、セファマンドール、セファゾリン、セファロリジン、セファクロル、セファドロキシル、セファログリシン、セフロキシム、セフォラニド、セフォタキシム、セファトリジン、セファセトリル、セフェピム、セフィキシム、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォテタン、セフィンタゾール、セフタジジム、ロラカルベフおよびモキサラクタム、モノバクタム、例えばアズトレオナム;ならびにカルバペネム、例えばイミペネム、メロペネム、ペンタミジンイセチオン酸塩(isethiouate)、リドカイン、メタプロテレノール硫酸塩、ベクロメタゾンジプロピオネート(beclomethasone diprepionate)、トリアムシノロンアセトアミド、ブデソニドアセトニド、フルチカゾン、臭化イプラトロピウム、フルニソリド、クロモリンナトリウム、エルゴタミン酒石酸塩、ならびに適用可能な場合は上記の類似体、アゴニスト、アンタゴニスト、阻害剤および薬学的に許容される塩の形態のうちの1種または複数が挙げられるが、これらに限定されない。ペプチドおよびタンパク質に関して、本発明は、合成、ネイティブ、グリコシル化、非グリコシル化、ペグ化形態、ならびにそれらの生物学的に活性な断片、誘導体および類似体を包含することが意図される。
【0242】
[0279]本発明で使用するための追加の活性剤は、裸の核酸分子、ベクター、関連ウイルス粒子、プラスミドDNAもしくはRNA、または細胞のトランスフェクションもしくは形質転換に適した、例えばアンチセンスを含む遺伝子療法に適したタイプの他の核酸構築物として核酸をさらに含み得る。さらに、活性剤は、ワクチンとして使用するのに適した弱毒生ウイルスまたは死滅ウイルスを含み得る。他の有用な薬物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPhysician’s Desk Reference(最新版)内に列挙されるものを含む。
【0243】
[0280]活性剤の組合せが使用される場合、薬剤は、単一種の医薬組成物中で組み合わせて、または別種の医薬組成物で個々に提供されてもよい。
【実施例】
【0244】
[0281]以下の実施例は、本発明のいくつかの実施形態をさらに説明するために提供されるが、本発明の範囲を限定することを意図せず、当業者に公知の他の手順、方法または技術が代替的に使用され得ることが、それらの例示的性質によって理解される。
【0245】
実施例1:発作性心房細動のブタモデルにおけるイブチリドの静脈内投与。
麻酔およびモニタリング。
[0282]正常なヨークシャーブタにテラゾール(4.7mg/kg、筋肉内)で予備麻酔し、その後アルファ-クロラロース(80mg/kgのIVボーラス、続いて24mg/kg/時間の連続IV注入)を使用してさらに麻酔する。ブタに挿管し、12呼吸/分の一定速度および拍動当たり400mlの一回換気量で換気する。イブチリドおよびフレカイニドの血漿レベルの測定のための血液試料は、薬力学的測定が行われるのと同じ時点で採取する。収縮期、拡張期および平均動脈圧(MAP)、肺動脈圧(PAP)、LV圧およびECG(例えば、心拍数)を連続的にモニタリングする。特定の時点(0、2、5、10、15、30、60分)で、心房心電図を使用した肺動脈楔入圧(PWP)、LV収縮力(LV dp/dt)、ECG間隔(例えば、QRS、PR、QT)および心房脱分極持続時間(Pa)を測定する。
【0246】
心房細動の正常洞調律への変換および薬物動態分析。
[0283]心臓カテーテルを蛍光透視制御下で位置決めする。LVに位置決めされたデカポーラ電極カテーテルから電位図を記録する。平均動脈圧(MAP)を、大腿動脈シースから連続的に記録する。LV血圧を、ピッグテールカテーテルから連続的にモニタリングする。右心耳を介して心膜腔にカテーテルを導入し、心膜内アセチルコリンを送達する。右心房カテーテル電極に電気刺激を送達することにより、160拍/分の心房ペーシングを達成する。電位図は、心房および心室部位からモニタリングする。
【0247】
[0284]心膜カテーテルから送達されるアセチルコリンボーラスの102.5mM溶液1mLと、それに続く生理食塩水フラッシュ(2mL)によってAFを誘導する。AChの心膜内投与の1分後に、178msのサイクル長でバーストペーシングを行う。AF開始後、生理食塩水20mlで洗浄を行う。AFの持続時間は、フマル酸イブチリドのIV用量を投与する時点である、AFの誘導から2分後に開始して比較する。フマル酸イブチリドを0.1mg/kg体重、1.0mg/kg体重、または5.0mg/kg体重で右頸静脈に静脈内投与する。血液試料を、頸静脈カテーテルから部分的に排気された管に収集する。血液試料は、フマル酸イブチリドの投与前ならびに投与の0、2、5、10、15および30分後に収集する。AFの各発生を誘導する間に、120分のウォッシュアウト期間を設けた。HPLC/MS-MSを使用してすべての血液試料におけるイブチリドの血漿濃度を評価し、薬物動態学的および薬力学的パラメータを決定する。
【0248】
[0285]各AFの平均心室速度は、IV送達(滅菌水またはフマル酸イブチリド溶液)と正常洞調律へのAFの変換との間に各30秒実施した心室速度の6回の測定の平均によって得る。収縮力(LV dP/dt)とMAPは、AFの誘導前およびAF終結後に、160拍/分の心房ペーシング中に記録する。
【0249】
実施例2:発作性心房細動のブタモデルにおけるIVイブチリドおよびIVフレカイニドの固定用量の組合せマトリックス研究。
[0286]正常なブタに麻酔し、血行動態およびECGパラメータをモニタリングし、実施例1のようにAFを誘導する。表1に記載の酢酸フレカイニドおよびフマル酸イブチリドの複数の静脈内投与型固定用量の組合せを投与し、その効果を、実施例1に概説した手順に従い誘導されたAFの終結について評価する。
【0250】
【0251】
実施例3:永続性心房細動のブタモデルにおけるIVイブチリドおよびIVフレカイニドの固定用量の組合せマトリックス研究。
[0287]正常なヨークシャーブタに単腔心房ペースメーカーを植え込む。180/分の洞調律検出速度で42Hzのバースト心房ペーシングを10日間行い、そこでECG測定により永続性AFの発生を確認する。ブタに麻酔し、血行動態およびECGパラメータを実施例1と同様にモニタリングする。表1のFDCを右頸静脈に静脈内投与する。血液試料は、頸静脈カテーテルから部分的に排気された管に収集する。血液試料は、フマル酸イブチリド投与前ならびに投与の0、2、5、10、15および30分後に収集する。各用量投与の間に120分のウォッシュアウト期間を設けた。HPLC/MS-MSを使用してすべての血液試料中のイブチリドの血漿濃度を評価し、薬物動態学的および薬力学的パラメータを実施例1と同様に決定する。
【0252】
実施例4:発作性心房細動のブタモデルにおけるドフェチリドの経口投与。
麻酔およびモニタリング。
[0288]正常なヨークシャーブタにテラゾールで予備麻酔し、その後アルファ-クロラロースを使用してさらに麻酔する。ブタに挿管し、12呼吸/分の一定速度および拍動当たり400mlの一回換気量で換気する。ドフェチリドおよびフレカイニドの血漿レベルの測定のための血液試料は、薬力学的測定が行われるのと同じ時点で採取する。収縮期、拡張期および平均動脈圧(MAP)、肺動脈圧(PAP)、LV圧およびECG(例えば、心拍数)を連続的にモニタリングする。特定の時点(0、2、5、10、15、30、60分)で、心房心電図を使用した肺動脈楔入圧(PWP)、LV収縮力(LV dp/dt)、ECG間隔(例えば、QRS、PR、QT)および心房脱分極持続時間(Pa)を測定する。
【0253】
心房細動の正常洞調律への変換および薬物動態分析。
[0289]心房細動を正常洞調律に変換し、実施例1に記載したものと同様に薬物動態分析を実施する。
【0254】
実施例5:ブタモデルにおける発作性心房細動の処置における経口錠剤の固定用量の組合せマトリックス研究。
[0290]この研究では、カリウムチャネル遮断薬およびナトリウムチャネル遮断薬を含む錠剤の経口投与により、ブタモデルにおける発作性心房細動の処置を評価する。処置群を分け、組合せ薬物錠剤の効果を確認する:1)対照処置、2)ドフェチリド、3)ソタロール、4)フレカイニド、5)ドフェチリド+フレカイニド、6)ソタロール+フレカイニド、7)イブチリドおよび8)イブチリド+フレカイニド。
【0255】
[0291]正常なブタに麻酔し、血行動態およびECGパラメータをモニタリングし、実施例1に記載したものと同様にAFを誘導する。酢酸フレカイニドとの組合せでのドフェチリドまたはソタロールから構成される経口投与型錠剤を投与し、その効果を、実施例1に概説した手順に従って誘導されたAFの終結について評価する。
【0256】
実施例6.ブタモデルにおける永続性心房細動の処置における経口錠剤の固定用量の組合せマトリックス研究。
[0292]正常なヨークシャーブタに単腔心房ペースメーカーを植え込む。180/分の洞調律検出速度で42Hzのバースト心房ペーシングを10日間行い、ECG測定により永続性AFの発生を確認する。ブタに麻酔して、血行動態およびECGパラメータを実施例1と同様にモニタリングする。
【0257】
[0293]この研究では、カリウムチャネル遮断薬およびナトリウムチャネル遮断薬を含む錠剤の経口投与により、ブタモデルにおける発作性心房細動の処置を評価する。処置群を分け、組合せ薬物錠剤の効果を確認する:1)対照処置、2)ドフェチリド、3)ソタロール、4)フレカイニド、5)ドフェチリド+フレカイニドおよび6)ソタロール+フレカイニド。
【0258】
[0294]正常なブタに麻酔し、血行動態およびECGパラメータをモニタリングし、実施例1に記載したものと同様にAFを誘導する。酢酸フレカイニドとの組合せでのイブチリド、ドフェチリドまたはソタロールから構成される経口投与型錠剤を投与し、その効果を、実施例1に概説した手順に従って誘導されたAFの終結について評価する。
【0259】
[0295]血液試料を、頸静脈カテーテルから部分的に排気された管に収集する。血液試料は、ドフェチリド投与前ならびに投与の0、2、5、10、15および30分後に収集する。各用量投与の間にウォッシュアウト期間を設けた。HPLC/MS-MSを使用してすべての血液試料中のドフェチリドの血漿濃度を評価し、薬物動態学的および薬力学的パラメータを実施例1のように決定する。
【0260】
実施例7:イヌの単離された冠灌流モデルでのACh媒介性AFの予防におけるフレカイニドおよびイブチリドの効果。
[0296]AFのイヌの単離された冠灌流モデルにおいて、単独および組合せのフレカイニドおよびイブチリドの心房および心室の電気生理学的パラメータに対する効果、ならびにACh媒介性AFの誘導を予防する効果、ならびにいったん誘導されたAFを終結させる効果を検討するための研究を行った。
【0261】
方法。
[0297]実験は、右心室の縁を伴う右心房からなる単離されたイヌの動脈灌流調製物を使用して行った。心臓はおよそ1歳のビーグルのものであり、実験前に氷冷心停止液でおよそ40分間保存した。
【0262】
電気生理学的記録。
[0298]実験中、浮遊ガラス微小電極(10~25MΩ DC抵抗)を使用して、心房および心室から膜貫通活動電位(AP)記録(サンプリングレート41kHz)を得た。擬似心電図(ECG)は、心房冠灌流調製物の対向端から1.0~1.2cmで、調製物を浸すタイロード溶液中に配置したAg/AgClハーフセルからなる2つの電極を使用して記録した(
図1)。有効不応期(ERP)は、500msのペーシングサイクル長(CL)で10回の基本拍動ごとに早期刺激を送達することによって測定した。興奮の拡張期閾値(DTE)は、安定した1:1活性化が達成されるまで、0.1mAから開始して0.01mAステップで刺激強度を増加させることによって決定した。再分極後不応性(PRR)は、ERPが心室でAPD90を、心房でAPD70を超えたときに認められた。心室のERPはAPD90と一致し、心房のERPは一般にAPD70と一致する。イブチリドを伴うまたは伴わないフレカイニドの抗心房細動(AF)能を、アセチルコリン(ACh、0.5μM)媒介性AFモデルで試験した。AFは、1回の早期刺激および/または急速ペーシングのバースト(CL=50~100msを3~10秒間)により誘導した。
【0263】
[0299]別の実験シリーズ(シリーズII)では、単独および組合せのフレカイニドおよびイブチリドの効果を、バーストペーシングによる誘導後のAFの終結におけるそれらの効果について調査した。心室電気活動を、早期後脱分極(EAD)およびトルサードドポアント(TdP)の発生についてモニタリングした。
【0264】
溶液。
[0300]ストック溶液は、試験品の乾燥粉末を蒸留水ビヒクルに溶解することによって作製した。溶液を冷蔵庫で保存し、実験日に使用した。ストック溶液の希釈は、実験の直前に行った。タイロード溶液の組成(mM単位):NaCl 129、KCl 4、NaH2PO4 0.9、NaHCO3 20、CaCl2 1.8、MgSO4 0.5、グルコース5.5、インスリン 1単位/リットル、95%O2および5%CO2、pH=7.4で緩衝化。
【0265】
実験シリーズI。
[0301]電気生理学的測定は、表2に規定される各濃度の薬物で少なくとも20分間灌流した後、右心室の縁を伴う単離されたイヌの動脈灌流右心房で実施した。電気生理学的測定は、500msのCLで測定した。
【0266】
【0267】
[0302]
図3は、心房(
図3、左列)および心室(
図3、右列)の活動電位(B、ステップ2)に対するフレカイニド(表2、A、ステップ2)、イブチリド(A、ステップ5)、およびフレカイニドとイブチリドの組合せの効果を示す代表的なトレースを示す(CL=500ms)。
【0268】
[0303]
図4は、心房および心室の有効不応期(ERP)ならびに活動電位持続時間(APD)に対するフレカイニド、イブチリド、およびそれらの組合せの効果を示すチャートを示す。心房についてはAPD70が示され、心室についてはAPD90が示される(ERPは、一般にAPDのこれらのレベルに対応する)。ペーシングCL=500ms。
【0269】
[0304]
図5は、心房および心室の再分極後不応性(PRR)に対するフレカイニド(表2、A、ステップ2)、イブチリド(A、ステップ5)、およびフレカイニドとイブチリドの組合せの効果を示すチャートを示す。心房では、PRR=ERPマイナスAPD70である。心室では、PRR=ERPマイナスAPD90である。CL=500ms。
【0270】
[0305]
図6は、イブチリド(表2、A、ステップ6)、フレカイニド(A、ステップ3)およびイブチリドとフレカイニドの組合せ(B、ステップ3)で処置したイヌ右心房調製物におけるACh媒介性AFの発生パーセントを示すチャートである。フレカイニド(1.5μM)、イブチリド(20nM)、またはこれらの薬剤の組合せの存在下で、ACh(0.5μM)を冠灌流液に添加した。AFの誘導は、まず1回の早期拍動で試験し、永続性AFが誘導されない場合は急速ペーシングを適用した。
【0271】
[0306]各調製物において、AFが永続性になる前に、複数の自己終結型AFのエピソードが存在した。自己終結型AFは、20秒以内に終結したAFとして定義された(自己終結型AFのほとんどの場合、1~2秒以内に終結した)。
図7は、繰り返し誘導されたAFの自己終結型エピソード、それに続く永続性AFの誘導(>1時間続く)を示す例示的なECGトレースを示す。
【0272】
実験シリーズII.
[0307]永続性AFの終結に対する単独および組合せのフレカイニドおよびイブチリドの効果を、表3に規定する実験群のイヌ右心房で調査した。永続性AFをACh(0.5μM)の存在下で誘導し、試験薬物をAFの5~8分目にACh(0.5μM)を含む冠灌流液に添加した。
【0273】
【0274】
[0308]
図8は、フレカイニド(表3、A、ステップ3)、イブチリド(B、ステップ3)、またはフレカイニドとイブチリドの組合せ(C、ステップ3)の投与によってACh誘導永続性AFが終結した調製物のパーセントを示すチャートである。フレカイニド(1.5μM)とイブチリド(20nM)の組合せは、薬物の組合せに曝露してから9~17分後に全例で永続性AFを終結させた(2例中2例)。フレカイニド単独は有効性がなく(2例中0例)、イブチリドは3例中1例の試験試料で永続性AFを終結させた。
図9は、ACh媒介性ERP短縮(C、ステップ3)の効果の鈍化におけるフレカイニド(1.5μM)、イブチリド(20nM)、およびフレカイニドとイブチリドの組合せの効果を示すチャートである。
【0275】
実験シリーズIII。
[0309]EADの発生に対して調製物を感作するために、3mMのKClタイロード溶液に浸し、2500msecのCLでペーシングしたイヌ左心室楔調製物を使用して一連の実験を行った。薬物は、表4に規定する順序および濃度で投与した。
【0276】
【0277】
[0310]イヌ左心室(LV)楔調製物を、右心房調製物を得るために使用したのと同じ心臓から切除した。イブチリドがこの条件下でEADおよび/またはTdPを誘導できなかった場合、調製物はATX-II(10~20nM)に曝露して後期ナトリウムチャネル電流を増加させ、それにより心不全の設定で遭遇する条件を模倣することによってさらに感作した。
【0278】
[0311]結果のトレースが
図10に示され、上から下へ、各パネルはM(心筋中央部)およびEpi(心外膜)の活動電位(AP)記録、ならびに対応するECG(BCL=2000msec)を示す。パネルA:対照。パネルB:イブチリド(50nM)を40分間灌流した後に得られた記録。パネルC:灌流液にフレカイニド(1.5μM、30分)を添加した後に得られた記録。MAPの下に出現する数字はAPD90値を示し、ECG記録上の数字はQT間隔の値を示す。イブチリドは、再分極を著しく延長した(QT間隔およびTpeak-Tendが劇的に延長された)。フレカイニドの添加は、イブチリドの効果を部分的に逆転させた。
【0279】
実施例8:ブタにおける単回用量薬物動態および薬力学研究。
[0312]研究対象(シンクレアブタ)に個々に、またはフレカイニド-イブチリドの組合せとして静脈内注射によって投与した場合の試験品(フレカイニドまたはイブチリド)の比較薬物動態/薬力学(PK/PD)応答を決定するための研究を実施した。
【0280】
[0313]酢酸フレカイニドは、静脈内注射用90nM酢酸緩衝溶液(pH5.2)として与えた。ヘミフマル酸イブチリドは、静脈内注射用90nM酢酸緩衝溶液(pH5.2)として与えた。
【0281】
[0314]研究では、研究開始時の体重が13.5~16kgの3~5カ月齢の雄のシンクレアブタ9頭を使用した。
[0315]動物を研究に移した後、すべての動物を、以下に記載される研究設計に従って処置群に無作為に割り当てた。この研究は、処置「A」と処置「B」の間に最低1週間のウォッシュアウトを含むクロスオーバー設計として設計された。試験品(抗不整脈剤であるフレカイニドおよびイブチリド)は、低用量レジメン(「A」)、次いでより高用量レジメン(「B」)で静脈内(IV)注入により個々または組合せ用量として投与された。心電図(EKG)は、「A」と「B」の両方の処置で注入前および用量完了から30分以内に実施した。注入は鎮静下で実施し、注入後に採血の間麻酔を維持した。以下の表5に従って採血した:「A」と「B」の両方の処置で、注入前、注入途中、ならびに注入完了後0、2、4、6、8、10、15、30、45、60および120分。
【0282】
【0283】
試験品およびビヒクル製剤。
[0316]研究で使用した製剤を表6に規定する。
【0284】
【0285】
試験品およびビヒクル投与:静脈内注入。
[0317]すべての動物に、ACL-2010、Procedures for Injections,Blood Withdrawal,and Dermal Dosing in Swineに従い、試験品の静脈内(IV)注入(10分間でおよそ10mL/kg)および採血のために麻酔を行った。ブタは、獣医師の指示に従い目標用量の半分(ミダゾラム0.26mg/kgおよびケタミン12.67mg/kg)を投与した1頭を除き、ミダゾラム0.5mg/kgおよびケタミン25mg/kg(実用量は、それぞれ0.5215~0.519mg/kgおよび24.83~25.33mg/kgの範囲)の目標用量で鎮静させた。動物は、注入および採血の間、フェイスマスク吸入によりイソフルラン(導入は5%、維持は約0.5~3%)で麻酔した。すべての麻酔およびバイタルパラメータのモニタリングは、ACL-2011に準拠して実施した。動物の体重および投与した製剤の体積を表7に要約する。
【0286】
【0287】
臨床的観察および生存。
[0318]すべての動物が試験完了まで生存した。動物は、TXP-1532、Pharmacologic and Toxicological Observations of Experimental Animalsに従い、投与中、投与前および投与後から最終採血まで麻酔下にある間に、ACL-1974 Receipt,Quarantine and Husbandry of Swineに従い1日2回連続的に臨床観察を受けた。異常な臨床観察として、麻酔下で呼吸を停止したイブチリド処置群の2頭が含まれた。当該動物のうち1頭は高用量処置(「B」)時であり、獣医スタッフの指示の下で挿管して酸素を供給した。もう1頭は低用量処置(A)時であり、追加の支援を必要とすることなく通常の呼吸に戻った。これらの異常事象は、いずれも麻酔によるものと判断された。
【0288】
体重。
[0319]平均群体重を表8に示す。
【0289】
【0290】
心電図(EKG)。
[0320]すべての動物に、EMKAシステムを使用して心電図(EKG)を行った。EKGは、TLE-2125、Physiological Data Collection for Large Animals Using the emka PACK4g Acquisition Systemに従い、投薬前(各用量投与の前の任意の時間)および各注入の完了30分以内に収集した。ECG波形は、検証済みのecgAUTOシステム(v3.5.5、emka TECHNOLOGIES、パリ、フランス)を使用して、心拍数(HR)ならびにPR、QRSおよびQT/QTc間隔を定量的に評価した。
【0291】
QTcB(Bazett)=QT/RR(1/2)
QTcF(Fridericia)=QT/RR(1/3)
QTcV(Van de Water)=QT-0.087(RR-1000)
ここで、RR=ミリ秒で測定される連続拍動の間の時間である。
【0292】
[0321]この研究では、HRはベースラインで変動した(フレカイニド群1の処置A/Bでは一貫した平均値、イブチリド群2の処置Bでは変動、組合せ群3の処置Bでは強い低減)。注入後、処置AまたはBのいずれかによる全群がHRの低減を経験した。PR間隔の延長は、薬理作用により直接的に、かつHRの減少により間接的に促進され、注入後のすべての群/処置で認められた。QT/QTcは、イブチリドの処置A/Bで増加した。QT/QTcVの増加は組合せ群でより小さく、これはフレカイニドの逆効果によるものと判断された。
【0293】
[0322]処置Aおよび処置Bについて、ベースライン正規化された注入後の生理学的パラメータを表9および表10にそれぞれ示す。
【0294】
【0295】
【0296】
生物分析。
[0323]血液試料を収集し、上述の時点でK3EDTA採血管に入れた。管を遠心分離し、血漿を分離させ、適切にラベル付けされたバイアルにアリコートした。試料は、分析用に移すまで-70~-90℃で保存した。試験品のCmaxは、注入の終了時またはその付近で観察された。さらに、試験品は、低用量と高用量(処置AおよびB)の間で用量応答を維持した。試験品の血漿中濃度は、120分の収集時点で定量下限を上回った。
【0297】
[0324]
図11は、1mg/kg酢酸フレカイニド(処置A、群1)、0.007mg/lgヘミフマル酸イブチリド(処置A、群2)、1mg/kg酢酸フレカイニド+0.007mg/lgヘミフマル酸イブチリド(処置A、群3)、2mg/kg酢酸フレカイニド(処置B、群1)、0.014mg/lgヘミフマル酸イブチリド(処置B、群2)、および2mg/kg酢酸フレカイニド+0.014mg/lgヘミフマル酸イブチリド(処置B、群3)を投与された動物におけるフレカイニドおよびイブチリドの薬物動態プロファイルを要約するチャートを示す。
【0298】
[0325]個々の動物血漿中のフレカイニドおよびイブチリドの定量値を、それぞれ表11および表12に示す。以下の試料を再抽出し、再分析した:
処置A:試料ID 2003、3001、3002 - すべての時点(39個の試料)
処置B:試料ID 1002、1003 - 0分および50%用量(4個の試料)
[0326]反復分析を二重で行い、元々分析されていない第2の試料アリコートを使用した。再分析は、以下のような基準に基づいて報告される:初回と再分析試料の平均の結果が20%一致の範囲内であれば、元の値を維持する。初回と再分析試料の平均が20%一致の範囲外にある場合、再分析試料の平均が報告される。
【0299】
【0300】
【0301】
概要。
[0327]試験品(抗不整脈剤であるフレカイニドおよびイブチリド)の静脈内投与を、低用量(それぞれ1mg/kg、0.007mg/kg、または両方)および高用量(それぞれ2mg/kg、0.014mg/kg、または両方)レジメンで評価し、心電図と循環血液量を関連付けることによって短期薬理応答を評価した。心電図は、両処置とも注入前および投薬完了から30分以内に実施した。血液は、生物分析のために、両処置群とも注入前、注入途中、ならびに注入完了後0、2、4、6、8、10、15、30、45、60および120分で収集した。
【0302】
[0328]すべての動物が試験完了まで生存し、決定的な試験品の臨床観察はなかった。試験品のCmaxは、注入の終了時またはその付近で観察された。さらに、試験品は、低用量と高用量(処置AおよびB)の間で用量応答を維持した。試験品の血漿中濃度は、120分の収集時点で定量下限を上回った。
【0303】
実施例9:フレカイニドおよびイブチリドによる化学的心房除細動のin silicoモデル化。
[0329]心房細動を終結させるために、ナトリウムおよびカリウムチャネル遮断薬の特殊な組合せを利用することができるかどうか決定するために、in silico研究を実施した。包括的なモデル化およびシミュレーション手法を適用して、化学的除細動のために組み合わせて使用されるフレカイニドとイブチリドの潜在的な有効性を決定した。また、シミュレートされた安全性試験により、この薬物の組合せの心室電気生理に対する潜在的な安全性薬理学的影響の分析を行った。
【0304】
パート1 - 心房電気生理に対するフレカイニドおよびイブチリドの効果。
[0330]Naチャネル(
図12)とフレカイニドとの間の相互作用を説明するために、実験的に得られた速度定数から数値的最適化によって計算フレームワークを定式化した。
図12は、Naチャネル-薬物相互作用のMarkovモデルを示す。薬物フリーは8つの状態を含む(黒色の上段)。灰色の線は、D+で表示される薬物結合状態からの出入りを示す。一部の矢印は、明瞭化のために省略した。
【0305】
[0331]モデルは、周波数および使用依存性遮断、持続性遮断、ならびに時間および電圧依存性回復を含む特徴をシミュレートした(
図13)。
図13は、シミュレート(線)および実験(記号)フレカイニド-Naチャネル相互作用を示す。パネルAは、定常状態のチャネルの利用可能性を示し、ここで電流は、10μMフレカイニドを用いて-10mVで測定された。パネルBは、示された薬物用量による、5Hzで-100mVから-10mVまでの25msの300パルスからの使用依存性遮断(UDB)の用量依存性を示す。遮断は、最初のパルスに正規化された最後のパルスのピーク電流である。パネルCは、10μMのフレカイニドで-100mVからのパルス(25Hzで-10mVまで25ms)後のUDBからの回復を示す。パネルDはUDBの周波数依存性を示し、プロトコルは、10μMのフレカイニドを用いるパネルBのものと同じである。パネルEは、持続性遮断(TB)の用量依存性を示す。-100mVから-10mVまでの1回の脱分極パルスを誘発した。遮断は、薬物フリー状態に正規化されたピーク電流の割合である。
【0306】
[0332]同様の手法を使用して、I
Kr遮断薬であるイブチリドをモデル化した。濃度応答関係を使用して、濃度依存的にI
Krチャネルのピークコンダクタンス。野生型薬物フリーNa
+およびフレカイニドモデルは、Moreno,J.D.,et al.,Sci Transl med,2011.3(98):p.98ra83に以前に記載されたように使用された。Naチャネルと薬物の相互作用のモデル、およびhERG(Yang,P.C.,et al.,Circ Res,2020.126(8):p.947-964)と薬物の相互作用のモデルをGrandi-Bers心房ヒト細胞モデルに組み込んだ。一例が
図14に示され、パネルAは、Grandi-Bersヒト心房細胞モデルによって発生したシミュレート心房細胞活動電位および心房Na電流を示し、パネルBは、心房APの間のシミュレートNa電流を示す。
シミュレート心房筋細胞におけるフレカイニドおよびイブチリドの効果の予測(APD
90)。
【0307】
[0333]心房筋細胞でモデル化した場合、シミュレーションでは、フレカイニド単独が心房活動電位の興奮性の速度依存性低減を示す一方、イブチリド単独は活動電位持続時間の逆使用依存性延長を示すと予測された(
図15)。
図15は、フレカイニド単独またはイブチリド単独による、様々なペーシング周波数でのAPD
90として示される不応期の延長を示すシミュレート活動電位適応曲線を示す。細胞は、各サイクル長で1000拍ペーシングされ、最後のAPD
90が記録された。
【0308】
[0334]心房筋細胞においてフレカイニドとイブチリドを一緒にモデル化した場合、組合せ効果は非相加的であり、APD
90によって示される有効不応期への影響だけでなく、
図16に示すAPD適応曲線の傾きの変化によって示される活動電位の形態の両方に変化をもたらした。
【0309】
[0335]シミュレーションでは、フレカイニドがイブチリドによって誘導される活動電位持続時間の逆使用依存性延長を低減することが予測された。さらに、シミュレーションでは、不応期の>20msの延長および逆使用依存性曲線の平坦化について、イブチリドの濃度が低い(心室の安全性にとって重要である)3つの可能性のある理想的な薬物の組合せが提案された。これらの組合せは、
図16に星印で示される。組み合わされたフレカイニドとイブチリドは、逆使用依存性を低減させながら活動電位持続時間を効果的に延長させた。事実上、この結果は、心拍数が迅速である心房細動中に、薬物が不応期を拡張して不整脈を終結させるのに適していることを示した。結果として得られた予測される好ましい薬物濃度は、1.0μM flec+0.01μM ibu、1.5μM flec+0.005μM ibu、および2.0μM flec+0.005μM ibuを含んでいた。
【0310】
シミュレート心房組織におけるフレカイニドおよびイブチリドの効果の予測。
[0336]フレカイニドとイブチリドが一緒になって、結合組織における有効不応期に対して相乗効果を発揮する可能性を探ったところ、薬物の組合せに由来する相乗効果が示された。
図17は、ギャップ結合をシミュレートする抵抗によって接続された165個の細胞から構成されるシミュレート繊維で観察されたΔERPを示す。不応期は、薬物適用単独(左側バー)または組合せ(右側バー)によって1D繊維で記録された。
【0311】
[0337]ギャップ結合をシミュレートする抵抗によって接続された1500個のGrandi-Bersシミュレート細胞の一次元モデルを使用して心房リエントリーの代表物を構築することにより、心房リエントリーのシミュレート自己持続モデルも開発した。最初の細胞に刺激を与え、繊維に沿って伝搬を誘導した。その後、細胞の中央の電圧が>-40になった時点で一次元組織モデルの両端を接続し、リングの周囲を連続的に伝播させて一方向性のリエントリーを誘導した。リエントリー性心房性不整脈をシミュレートするために使用したモデルの概略図を
図18に示す。波長(CV=56cm/s×CL=400ms)は22.5cmに設定した。シミュレートされた1500個のGrandi-Bers細胞は、自己持続性リエントリー活動を可能にするためにリング状に接続した。
【0312】
[0338]
図19は、フレカイニドとイブチリドの薬物組合せに曝露したときのリングモデルにおけるシミュレート活動電位を示し、グレースケールの暗さは電位(ピーク/トラフ=より暗い)を表し、個々の細胞は、経時的にプロットされた垂直方向に積み重なった一連の水平線によって表され、各線の垂直軸の位置は、リング内の細胞位置を示す。調査したフレカイニドとイブチリドの薬物組合せは、20秒以内に洞調律リエントリーを終結させた。低用量のイブチリドと組み合わされたより高用量のフレカイニドは、リエントリーを素早く終結させた。
【0313】
[0339]心房リエントリーはまた、急速な速度(>150BPM)で自己持続性リエントリー調律を可能にするために、Ach(0.015μM)の存在下で340個のGrandi-Bersシミュレート細胞の一次元モデルを使用してシミュレートされた。CLが166msに低減するため、これらの場合、波長は5cmに設定された。
図20に描写される得られた活動電位に示されるように、最低用量のフレカイニドおよびイブチリドは150秒前にリエントリーを終結させなかったが、低用量のイブチリドと組み合わされたより高用量のフレカイニドは、リエントリーを迅速に抑制した。
【0314】
パート2:フレカイニドおよびイブチリドのシミュレート心室電気生理に対する効果の予測(安全薬理学)。
[0340]主要パラメータを追跡することにより、単独または組合せのフレカイニドおよびイブチリドの催不整脈促進効果について、O’Hara-Rudyヒト計算心室筋細胞で安全薬理計算スクリーニングを実施した。薬物の非存在下かつ単独または組合せのフレカイニドおよびイブチリドの存在下で各パラメータを追跡した。野生型薬物フリーNa+およびフレカイニドおよびイブチリドモデルを、Moreno,J.D.,et al.,Sci Transl med,2011.3(98):p.98ra83に以前記載されたように組み込み、改変を加えたO’Hara-Rudyヒト心室細胞モデルに組み込んだ。
【0315】
改変ORdモデル。
[0341]ベースラインのO’Hara-Rudyモデルは、Krogh-Madsen,T.,et al.,Front.Physiol.、2017.8:p.1059の通りに改変された。臨床延長QTデータを使用し、細胞内カルシウムおよびナトリウム濃度に関する生理学的な境界を有する最適化されたO’Hara-Rudyモデルは、改善されたトルサードドポアントリスクの予測力を示す。最適化されたモデルは、既知の不整脈誘導性および非不整脈誘導性イオンチャネル遮断薬に対して試験され、リスク評価の改善および元のO’Hara-Rudyモデルで生じた偽陽性結果の低減をもたらすことが示された(以下の付録に示される)。表13は、最適化されたO’Hara-Rudyモデルにおける改変イオン電流コンダクタンスを示す。
【0316】
【0317】
[0342]表14は、最適化されたO’Hara-Rudyモデルで試験された電流阻害に対する薬物のIC50値の範囲を示す。また、フレカイニドIKrは、0.4μMのEC50を割り当てられた。
【0318】
【0319】
[0343]最適化されたO’Hara-Rudyモデルは、人間の心臓のサイズを近似する4cmのシミュレーションにおいて、フレカイニドの心拍数補正QT間隔に対する臨床的に報告された効果を正確に再現する。
図21は、臨床データと比較した改変ORdシミュレートQT/QTc間隔を示す(Hellestrand,K.,et al.(1982),Pacing and Clinical Electrophysiology,5:180-184.)。ケーブルの長さは、シミュレーションでは4cmに設定した。ケーブルは、様々なサイクル長で50拍ペーシングした。
【0320】
[0344]
図22は、単独の、または薬物親和性が実験的に報告された範囲内で無作為に変化する組合せ(パート1において心房細動を排除するために理想的であると予測された組合せ用量)でのフレカイニドおよびイブチリドの適用によって生じる、シミュレート組織の集団におけるAPD
90の範囲を示す。各場合について、I
Krに対するフレカイニドのIC
50を1.5~3.9μM、I
NaLに対して3.4~44μM、さらに後期I
Na電流範囲をピークI
Naの0.1%~0.2%の範囲内で無作為に変化させることにより、300デルを生成した。細胞は、1Hzで500拍ペーシングした。最後の拍動をAPD
90のために記録した。平均して、フレカイニドはAPD延長を引き起こすと予測された。低用量のイブチリドは、平均してより大きなAPD延長を示した一方、実験設定で予測された用量の薬物の組合せは、様々な出力を示した。
【0321】
[0345]次に、I
KrについてIC
50=3.9μM、I
NaLについてIC
50=3.4μMの最適化されたORdモデルを使用して、QT間隔に対する薬物の組合せの効果をシミュレートした。
図23は、イブチリド単独(0.02μM)または組合せ(イブチリド0.02μM+フレカイニド2.2μM)による、改変ORdモデルによってシミュレートされたQT/QTcを示す。
【0322】
[0346]改変OrdモデルのAPD適応曲線に後期Na遮断を追加する効果を予測して、hERG遮断に起因する逆使用依存性を排除する可能性を決定した。モデルの予測は、安全性を改善するために、化学的心房除細動中の追加の補助療法として後期Na電流遮断薬の追加を考慮することができることを示す。
図24は、各ペーシングサイクル長(600ms~1200ms)の定常状態でAPD
90として測定された速度依存性曲線の測定から構築された、薬物適用を伴うまたは伴わない(対照例)のAPD適応曲線(実線)を示す。10%刻みで10%から100%遮断までの追加の後期Na
+遮断を伴う曲線を破線で示す。
【0323】
付録。
[0347]
図25は、個々の薬物および組合せについて、各ペーシングサイクル長(600ms~1200ms)の定常状態で元のO’Hara-Rudyヒト心室モデルを使用してAPD
90として測定された逆使用依存性の測定から構築された延長APD適応曲線を示す。
【0324】
[0348]
図26は、臨床データ(Hellestrand 1982)と比較した元のO’Hara-Rudyヒト心室モデルを使用してシミュレートされたQT/QTc間隔を示す。ケーブルの長さは、シミュレーションで4cmに設定した。ケーブルは、様々なサイクル長で50拍ペーシングした。
【0325】
方法。
[0349]フレカイニドモデルは、Moreno,J.D.,et al.Sci Transl med,2011.3(98):p.98ra83.、およびYang,P.C.,et al.,J Physiol,2016.594(3):p.567-93に以前に記載されたように使用され、薬物結合バーストレジメン(
図27に示されるグレー状態への薬物結合)を含んでいた。上部(通常モード)状態の速度定数は、Moreno,J.D.,et al.からのものである。フレカイニドの荷電形態のバースト状態親和性は、後期I
Naの持続性遮断の親和性が-100mVでのKdに等しいと仮定することによって見出された値に初期設定した。その後、Kd
0の値を算出し、最適化の初期値として使用した。例えば、WTに対するTB I
Na,Lの親和性は約3.4μMである。最適化されたKd
0、バーストは0.92μMであった。遷移速度を表15に示す。
【0326】
【0327】
【0328】
IKr、ItoまたはICaL遮断のシミュレーション。
[0350]IKr、ItoまたはICaL電流に対するフレカイニドの阻害効果をシミュレートするために、各独立チャネルのピークコンダクタンスであるGXを、以下のようにHill係数1(n=1)の濃度応答関係を使用して濃度依存的に減少させた:
【0329】
【0330】
ここで、GX,maxは各心室筋細胞モデルから得られた公称コンダクタンス値であり、IC50は、標的膜貫通電流または細胞内オルガネラの50%阻害をもたらす薬物の濃度である。表16は、電流阻害に関する薬物のIC50値を示す。
【0331】
【0332】
フレカイニドはIK1を増加させる。
[0351]Gk1は、以下のように計算した:
【0333】
【0334】
ここで、フレカイニドIk1EC50=0.4μMである。
イブチリドGKr。
GKrは、以下のように計算した:
【0335】
【0336】
ここで、イブチリドIC
50=0.018μMである。
RyR2-フレカイニド薬物-チャネル相互作用。
[0352]RyR2のShannon-Bers Markovモデル定式化(Shannon,T.R.,et al.,Biophys J,2004.87(5):p.3351-71)を、開口状態Oへの、およびそこからの遷移k
on=D*[Drug]およびk
off=D*IC
50,Drugによって薬物結合状態DOを含むように改変し、これらはそれぞれ、薬物が受容体に拡散してチャネルに結合するまたはそこから解離することを表す。
図28は、このMarkovモデルを表す図である。フレカイニドの拡散速度は、5500M
-1ms
-1と推定された。
【0337】
実施形態
[0353]実施形態1.ナトリウムチャネル遮断薬、カリウムチャネル遮断薬、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む医薬組成物。
【0338】
[0354]実施形態2.前記カリウムチャネル遮断薬が、イブチリド、ドフェチリド、ソタロール、メタナンダミド、アナンダミド、アンバシリド、アラキドンアミド、A293(2-(ブチルスルホニルアミノ)-N-[(1R)-1-(6-メトキシ-3-ピリジル)プロピル]-ベンズアミド)、ブピバカイン、エチドカイン、ゲニステイン、メピバカイン、フェニトイン、キニジン、R-ロピバカイン、セマチリド、S-ロピバカイン、テトラカイン、アミオダロン、ドロンダロン、E-4031、ベルナカラントまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態1に記載の医薬組成物。
【0339】
[0355]実施形態3.前記カリウムチャネル遮断薬がクラスIIIa抗不整脈剤である、実施形態1に記載の医薬組成物。
[0356]実施形態4.前記クラスIIIa抗不整脈剤が、アンバシリド、アミオダロン、ドロネダロン、ドフェチリド、イブチリド、ソタロールもしくはベルナカラントまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態3に記載の医薬組成物。
【0340】
[0357]実施形態5.前記カリウムチャネル遮断薬がソタロールまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態1に記載の医薬組成物。
[0358]実施形態6.前記カリウムチャネル遮断薬が塩酸ソタロールである、実施形態1に記載の医薬組成物。
【0341】
[0359]実施形態7.前記カリウムチャネル遮断薬がドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態1に記載の医薬組成物。
[0360]実施形態8.前記カリウムチャネル遮断薬がイブチリドまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態1に記載の医薬組成物。
【0342】
[0361]実施形態9.前記カリウムチャネル遮断薬がヘミフマル酸イブチリドである、実施形態1に記載の医薬組成物。
[0362]実施形態10.前記ナトリウムチャネル遮断薬がクラスIa抗不整脈剤である、実施形態1~9のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0343】
[0363]実施形態11.前記クラスIa抗不整脈剤が、キニジン、プロカインアミドもしくはジソピラミドまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態10に記載の医薬組成物。
【0344】
[0364]実施形態12.前記ナトリウムチャネル遮断薬がクラスIb抗不整脈剤である、実施形態1~9のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0365]実施形態13.前記クラスIb抗不整脈剤が、リドカイン、トカイニド、フェニトイン、モリシジンもしくはメキシレチンまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態12に記載の医薬組成物。
【0345】
[0366]実施形態14.前記ナトリウムチャネル遮断薬が、リドカインまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態1~9のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0367]実施形態15.前記ナトリウムチャネル遮断薬が塩酸リドカインである、実施形態1~9のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0346】
[0368]実施形態16.前記ナトリウムチャネル遮断薬がメキシレチンまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態1~9のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0369]実施形態17.前記ナトリウムチャネル遮断薬が塩酸メキシレチンである、実施形態1~9のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0347】
[0370]実施形態18.前記ナトリウムチャネル遮断薬がクラスIc抗不整脈剤である、実施形態1~9のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0371]実施形態19.前記クラスIc抗不整脈剤が、フレカイニドもしくはプロパフェノンまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態18に記載の医薬組成物。
【0348】
[0372]実施形態20.前記ナトリウムチャネル遮断薬がフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態1~9のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0373]実施形態21.前記ナトリウムチャネル遮断薬が酢酸フレカイニドである、実施形態1~9のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0349】
[0374]実施形態22.前記ナトリウムチャネル遮断薬がプロパフェノンまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態1~9のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0375]実施形態23.前記ナトリウムチャネル遮断薬が塩酸プロパフェノンである、実施形態1~9のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0350】
[0376]実施形態24.Mg2+源をさらに含む、実施形態1に記載の医薬組成物。
[0377]実施形態25.前記Mg2+源が、クエン酸マグネシウム、フマル酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム、トレオン酸マグネシウム、グリシン酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウムもしくはリンゴ酸マグネシウム、またはその水和物を含む、実施形態24に記載の医薬組成物。
【0351】
[0378]実施形態26.前記Mg2+源が硫酸マグネシウムまたはその水和物を含む、実施形態24に記載の医薬組成物。
[0379]実施形態27.前記Mg2+源が硫酸マグネシウム七水和物を含む、実施形態24に記載の医薬組成物。
【0352】
[0380]実施形態28.液体溶液の形態である、実施形態24に記載の医薬組成物。
[0381]実施形態29.吸入可能な乾燥粉末の形態である、実施形態1のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0353】
[0382]実施形態30.前記乾燥粉末が噴霧乾燥粉末である、実施形態29に記載の医薬組成物。
[0383]実施形態31.前記乾燥粉末が超臨界流体による超臨界促進分散(SEDS)により形成される、実施形態29に記載の医薬組成物。
【0354】
[0384]実施形態32.前記乾燥粉末が超臨界沈殿によって形成される、実施形態29に記載の医薬組成物。
[0385]実施形態33.前記乾燥粉末がインプリントリソグラフィーによって形成される、実施形態29に記載の医薬組成物。
【0355】
[0386]実施形態34.前記乾燥粉末が凍結乾燥によって形成される、実施形態29に記載の医薬組成物。
[0387]実施形態35.液体溶液の形態である、実施形態1に記載の医薬組成物。
【0356】
[0388]実施形態36.前記ナトリウムチャネル遮断薬がフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩であり、前記カリウムチャネル遮断薬がイブチリドまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態1、29または35のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0357】
[0389]実施形態37.前記医薬組成物中の前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記イブチリドまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が60:1~240:1である、実施形態36に記載の医薬組成物。
【0358】
[0390]実施形態38.前記医薬組成物中の前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記イブチリドまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約120:1である、実施形態36に記載の医薬組成物。
【0359】
[0391]実施形態39.約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態35~38のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0392]実施形態40.約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態35~38のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0360】
[0393]実施形態41.約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態35~38のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0394]実施形態42.約1mg/mL~約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態35~38のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0361】
[0395]実施形態43.約75mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態35~38のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0396]実施形態44.約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態35~38のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0362】
[0397]実施形態45.約1mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態35~38のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0398]実施形態46.約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.0005mg/mL~約5mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態35に記載の医薬組成物。
【0363】
[0399]実施形態47.約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.0005mg/mL~約5mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態35に記載の医薬組成物。
【0364】
[0400]実施形態48.約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.001mg/mL~約1mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態35に記載の医薬組成物。
【0365】
[0401]実施形態49.約1mg/mL~約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.001mg/mL~約1mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態35に記載の医薬組成物。
【0366】
[0402]実施形態50.約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.0005mg/mL~約5mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩、および約5mg/mL~約700mg/mLの硫酸マグネシウムまたはその水和物を含む、実施形態28に記載の医薬組成物。
【0367】
[0403]実施形態51.約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.01mg/mL~約1mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩、および約20mg/mL~約700mg/mLの硫酸マグネシウムまたはその水和物を含む、実施形態28に記載の医薬組成物。
【0368】
[0404]実施形態52.約1mg/mL~約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.01mg/mL~約1mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩、および約20mg/mL~約700mg/mLの硫酸マグネシウムまたはその水和物を含む、実施形態28に記載の医薬組成物。
【0369】
[0405]実施形態53.約75mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.6mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態28に記載の医薬組成物。
【0370】
[0406]実施形態54.約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.014mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態28に記載の医薬組成物。
【0371】
[0407]実施形態55.約1mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.007mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態28に記載の医薬組成物。
【0372】
[0408]実施形態56.前記イブチリドまたはその薬学的に許容される塩がヘミフマル酸イブチリドである、実施形態36~38および46~55のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0373】
[0409]実施形態57.前記ナトリウムチャネル遮断薬がフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩であり、前記カリウムチャネル遮断薬がドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態1、29または35のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0374】
[0410]実施形態58.前記医薬組成物中の前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が60:1~480:1である、実施形態36に記載の医薬組成物。
【0375】
[0411]実施形態59.前記医薬組成物中の前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約240:1である、実施形態36に記載の医薬組成物。
【0376】
[0412]実施形態60.約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態57~59のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0413]実施形態61.約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態57~59のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0377】
[0414]実施形態62.約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態57~59のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0415]実施形態63.約1mg/mL~約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態57~59のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0378】
[0416]実施形態64.約75mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態57~59のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0417]実施形態65.約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態57~59のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0379】
[0418]実施形態66.約1mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態57~59のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0419]実施形態67.約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.0005mg/mL~約5mg/mLのドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態35に記載の医薬組成物。
【0380】
[0420]実施形態68.約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.001mg/mL~約1mg/mLのドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態35に記載の医薬組成物。
【0381】
[0421]実施形態69.約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.0005mg/mL~約5mg/mLのドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩、および約5mg/mL~約700mg/mLの硫酸マグネシウムまたはその水和物を含む、実施形態35に記載の医薬組成物。
【0382】
[0422]実施形態70.約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.01mg/mL~約1mg/mLのドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩、および約20mg/mL~約700mg/mLの硫酸マグネシウムまたはその水和物を含む、実施形態35に記載の医薬組成物。
【0383】
[0423]実施形態71.前記ナトリウムチャネル遮断薬がフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩であり、前記カリウムチャネル遮断薬がソタロールまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態1、29または35のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0384】
[0424]実施形態72.前記医薬組成物中の前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記ソタロールまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が0.5:1~2:1である、実施形態36に記載の医薬組成物。
【0385】
[0425]実施形態73.前記医薬組成物中の前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記ソタロールまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約1:1である、実施形態36に記載の医薬組成物。
【0386】
[0426]実施形態74.約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態71~73のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0427]実施形態75.約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態71~73のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0387】
[0428]実施形態76.約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態71~73のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0429]実施形態77.約1mg/mL~約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態71~73のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0388】
[0430]実施形態78.約75mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態71~73のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0431]実施形態79.約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態71~73のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0389】
[0432]実施形態80.約1mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態71~73のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0433]実施形態81.約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.0005mg/mL~約5mg/mLのソタロールまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態35に記載の医薬組成物。
【0390】
[0434]実施形態82.約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、および約0.01mg/mL~約1mg/mLのソタロールまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態35に記載の医薬組成物。
【0391】
[0435]実施形態83.約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.0005mg/mL~約5mg/mLのソタロールまたはその薬学的に許容される塩、および約5mg/mL~約700mg/mLの硫酸マグネシウムまたはその水和物を含む、実施形態28に記載の医薬組成物。
【0392】
[0436]実施形態84.約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.01mg/mL~約1mg/mLのソタロールまたはその薬学的に許容される塩、および約20mg/mL~約700mg/mLの硫酸マグネシウムまたはその水和物を含む、実施形態28に記載の医薬組成物。
【0393】
[0437]実施形態85.前記ソタロールまたはその薬学的に許容される塩が塩酸ソタロールである、実施形態71~84のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0438]実施形態86.前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩が酢酸フレカイニドである、実施形態36~84のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0394】
[0439]実施形態87.前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩が塩酸フレカイニドである、実施形態36~84のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0440]実施形態88.対象に治療有効量の実施形態1~87のいずれか1つに記載の前記医薬組成物を投与するステップを含む、心房性不整脈を患う前記対象を処置する方法。
【0395】
[0441]実施形態89.心房性不整脈を患う対象を処置する方法であって、前記対象に
(i)第1の量のナトリウムチャネル遮断薬、および
(ii)第2の量のカリウムチャネル遮断薬
を投与するステップを含み、前記投与が、前記対象における前記カリウムチャネル遮断薬のtmaxから約30分以内の間隔で発生する前記対象における前記ナトリウムチャネル遮断薬のtmaxをもたらし、
それにより前記心房性不整脈のカルディオバージョンを誘導する、方法。
【0396】
[0442]実施形態90.トルサードドポアント(TdP)の発生率が、臨床研究の対照コホートにおけるTdPの発生率と比較して前記臨床研究の複数の実験対象で減少し、
(i)前記複数の実験対象の各対象が、前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬と前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬の両方を投与され、
(ii)前記対照コホートの各対象が、前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬を伴わずに前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬を投与されるか、または前記対照コホートの各対象が、前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬を伴わずに前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬もしくはその薬学的に許容されるものを投与される、実施形態89に記載の方法。
【0397】
[0443]実施形態91.前記複数の実験対象におけるトルサードドポアント(TdP)の前記発生率が、前記対照コホートにおけるTdPの前記発生率と比較して少なくとも約5%減少する、実施形態90に記載の方法。
【0398】
[0444]実施形態92.前記複数の実験対象におけるトルサードドポアント(TdP)の前記発生率が、前記対照コホートにおけるTdPの前記発生率と比較して少なくとも約20%減少する、実施形態90に記載の方法。
【0399】
[0445]実施形態93.前記複数の実験対象におけるトルサードドポアント(TdP)の前記発生率が、前記対照コホートにおけるTdPの前記発生率と比較して少なくとも約35%減少する、実施形態90に記載の方法。
【0400】
[0446]実施形態94.前記複数の実験対象におけるトルサードドポアント(TdP)の前記発生率が、前記対照コホートにおけるTdPの前記発生率と比較して少なくとも約50%減少する、実施形態90に記載の方法。
【0401】
[0447]実施形態95.ノモグラムを超えるQT間隔の発生率が、臨床研究の対照コホートにおけるノモグラムを超えるQT間隔の発生率と比較して前記臨床研究の複数の実験対象で減少し、
(i)前記複数の実験対象の各対象が、前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬と前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬の両方を投与され、
(ii)前記対照コホートの各対象が、前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬を伴わずに前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬を投与されるか、または前記対照コホートの各対象が、前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬を伴わずに前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬を投与される、実施形態89~94のいずれか1つに記載の方法。
【0402】
[0448]実施形態96.前記複数の実験対象におけるノモグラムを超えるQT間隔の前記発生率が、前記対照コホートにおけるノモグラムを超えるQT間隔の前記発生率と比較して少なくとも約5%減少する、実施形態95に記載の方法。
【0403】
[0449]実施形態97.前記複数の実験対象におけるノモグラムを超えるQT間隔の前記発生率が、前記対照コホートにおけるノモグラムを超えるQT間隔の前記発生率と比較して少なくとも約20%減少する、実施形態95に記載の方法。
【0404】
[0450]実施形態98.前記複数の実験対象におけるノモグラムを超えるQT間隔の前記発生率が、前記対照コホートにおけるノモグラムを超えるQT間隔の前記発生率と比較して少なくとも約35%減少する、実施形態95に記載の方法。
【0405】
[0451]実施形態99.前記複数の実験対象におけるノモグラムを超えるQT間隔の前記発生率が、前記対照コホートにおけるノモグラムを超えるQT間隔の前記発生率と比較して少なくとも約50%減少する、実施形態95に記載の方法。
【0406】
[0452]実施形態100.低血圧の発生率が、臨床研究の対照コホートにおける低血圧の発生率と比較して前記臨床研究の複数の実験対象で減少し、
(i)前記複数の実験対象の各対象が、前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬と前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬の両方を投与され、
(ii)前記対照コホートの各対象が、前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬を伴わずに前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬を投与されるか、または前記対照コホートの各対象が、前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬を伴わずに前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬を投与され、
前記低血圧が、前記投与後に、少なくとも5分間持続する70mmHg未満の平均動脈圧(MAP)を含む、実施形態89~99のいずれか1つに記載の方法。
【0407】
[0453]実施形態101.前記複数の実験対象における前記低血圧の発生率が、前記臨床研究の前記対照コホートにおける前記低血圧の発生率と比較して少なくとも約5%減少する、実施形態100に記載の方法。
【0408】
[0454]実施形態102.前記複数の実験対象における前記低血圧の発生率が、前記臨床研究の前記対照コホートにおける前記低血圧の発生率と比較して少なくとも約20%減少する、実施形態100に記載の方法。
【0409】
[0455]実施形態103.前記複数の実験対象における前記低血圧の発生率が、前記臨床研究の前記対照コホートにおける前記低血圧の発生率と比較して少なくとも約35%減少する、実施形態100に記載の方法。
【0410】
[0456]実施形態104.前記複数の実験対象における前記低血圧の発生率が、前記臨床研究の前記対照コホートにおける前記低血圧の発生率と比較して少なくとも約50%減少する、実施形態100に記載の方法。
【0411】
[0457]実施形態105.臨床研究の対照コホートにおける平均QTcと比較した、前記臨床研究の前記心房性不整脈を患う複数の実験対象におけるQTcの増加の平均的な大きさが5%以下であり、
(i)前記複数の実験対象の各対象が、前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬と前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬の両方を投与され、
(ii)前記対照コホートの各対象が、前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬を伴わずに前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬を投与されるか、または前記対照コホートの各対象が、前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬を伴わずに前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬を投与される、実施形態89~104のいずれか1つに記載の方法。
【0412】
[0458]実施形態106.臨床研究の対照コホートにおける平均QTcと比較した前記臨床研究の複数の実験対象におけるQTcの増加の平均的な大きさが約40ms以下であり、
(i)前記複数の実験対象の各対象が、前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬と前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬の両方を投与され、
(ii)前記対照コホートの各対象が、前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬を伴わずに前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬を投与されるか、または前記対照コホートの各対象が、前記第1の量の前記ナトリウムチャネル遮断薬を伴わずに前記第2の量の前記カリウムチャネル遮断薬を投与される、実施形態89~105のいずれか1つに記載の方法。
【0413】
[0459]実施形態107.前記複数の実験対象におけるQTcの増加の前記平均的な大きさが約20ms以下である、実施形態106に記載の方法。
[0460]実施形態108.前記複数の実験対象におけるQTcの増加の前記平均的な大きさが約10ms以下である、実施形態106に記載の方法。
【0414】
[0461]実施形態109.前記複数の実験対象におけるQTcの増加の前記平均的な大きさが約6ms以下である、実施形態106に記載の方法。
[0462]実施形態110.前記QTcが、式QTc=QT+0.154*(1-RR)に従って計算され、RRが2つの連続するR波間の間隔であり、QTが、心電図(ECG)によって測定されるQRS群の開始からその後のT波の終了までの間の時間間隔である、実施形態105~109のいずれか1つに記載の方法。
【0415】
[0463]実施形態111.前記実験対象が健康な対象である、実施形態90~110のいずれか1つに記載の方法。
[0464]実施形態112.前記実験対象が前記投与中に心房性不整脈を患う、実施形態90~110のいずれか1つに記載の方法。
【0416】
[0465]実施形態113.前記対照コホートの対象が健康な対象である、実施形態90~112のいずれか1つに記載の方法。
[0466]実施形態114.前記対照コホートの対象が、前記投与中に心房性不整脈を患う、実施形態90~112のいずれか1つに記載の方法。
【0417】
[0467]実施形態115.前記ナトリウムチャネル遮断薬および前記カリウムチャネル遮断薬が、前記複数の実験対象に同時に投与される、実施形態90~114のいずれか1つに記載の方法。
【0418】
[0468]実施形態116.前記複数の実験対象における前記ナトリウムチャネル遮断薬のtmaxが、前記対象における前記カリウムチャネル遮断薬のtmaxから約30分以内の間隔で発生する、実施形態90~115のいずれか1つに記載の方法。
【0419】
[0469]実施形態117.前記複数の実験対象における前記ナトリウムチャネル遮断薬のtmaxが、前記対象における前記カリウムチャネル遮断薬のtmaxから約15分以内の間隔で発生する、実施形態90~115のいずれか1つに記載の方法。
【0420】
[0470]実施形態118.前記複数の実験対象における前記ナトリウムチャネル遮断薬のtmaxが、前記対象における前記カリウムチャネル遮断薬のtmaxから約5分以内の間隔で発生する、実施形態90~115のいずれか1つに記載の方法。
【0421】
[0471]実施形態119.前記複数の実験対象における前記ナトリウムチャネル遮断薬のtmaxが、前記対象における前記カリウムチャネル遮断薬のtmaxから約3分以内の間隔で発生する、実施形態90~115のいずれか1つに記載の方法。
【0422】
[0472]実施形態120.前記心房性不整脈が、上室性頻拍、発作性上室性頻拍、心房細動、発作性心房細動、永続性および永久心房細動、心房粗動、発作性心房粗動および孤立性心房細動からなる群から選択される、実施形態89~119のいずれか1つに記載の方法。
【0423】
[0473]実施形態121.前記心房性不整脈が発作性心房細動を含む、実施形態89~119のいずれか1つに記載の方法。
[0474]実施形態122.前記心房性不整脈が永続性心房細動を含む、実施形態89~119のいずれか1つに記載の方法。
【0424】
[0475]実施形態123.前記実験対象がヒト対象である、実施形態90~119のいずれか1つに記載の方法。
[0476]実施形態124.前記ナトリウムチャネル遮断薬および前記カリウムチャネル遮断薬が静脈内投与される、実施形態90~123のいずれか1つに記載の方法。
【0425】
[0477]実施形態125.前記ナトリウムチャネル遮断薬および前記カリウムチャネル遮断薬が経口投与される、実施形態90~123のいずれか1つに記載の方法。
[0478]実施形態126.前記ナトリウムチャネル遮断薬および前記カリウムチャネル遮断薬が経口吸入によって投与される、実施形態90~123のいずれか1つに記載の方法。
【0426】
[0479]実施形態127.前記対象がヒト対象である、実施形態89~124のいずれか1つに記載の方法。
[0480]実施形態128.前記対象が、前記ナトリウムチャネル遮断薬による単剤療法に非応答性の発作性心房細動を患う、実施形態89~124のいずれか1つに記載の方法。
【0427】
[0481]実施形態129.前記対象における前記ナトリウムチャネル遮断薬の前記tmaxが、前記対象における前記カリウムチャネル遮断薬の前記tmaxから約15分以内の間隔で発生する、実施形態89~128のいずれか1つに記載の方法。
【0428】
[0482]実施形態130.前記対象における前記ナトリウムチャネル遮断薬の前記tmaxが、前記対象における前記カリウムチャネル遮断薬の前記tmaxから約5分以内の間隔で発生する、実施形態89~128のいずれか1つに記載の方法。
【0429】
[0483]実施形態131.前記対象における前記ナトリウムチャネル遮断薬の前記tmaxが、前記対象における前記カリウムチャネル遮断薬の前記tmaxから約3分以内の間隔で発生する、実施形態89~128のいずれか1つに記載の方法。
【0430】
[0484]実施形態132.前記ナトリウムチャネル遮断薬が、前記カリウムチャネル遮断薬の投与から15分以内の間隔で投与される、実施形態89~128のいずれか1つに記載の方法。
【0431】
[0485]実施形態133.前記ナトリウムチャネル遮断薬が、前記カリウムチャネル遮断薬の投与から5分以内の間隔で投与される、実施形態89~128のいずれか1つに記載の方法。
【0432】
[0486]実施形態134.前記ナトリウムチャネル遮断薬が、前記カリウムチャネル遮断薬の投与から3分以内の間隔で投与される、実施形態89~128のいずれか1つに記載の方法。
【0433】
[0487]実施形態135.前記ナトリウムチャネル遮断薬がクラスIc抗不整脈剤を含む、実施形態89~134のいずれか1つに記載の方法。
[0488]実施形態136.前記ナトリウムチャネル遮断薬がフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態89~134のいずれか1つに記載の方法。
【0434】
[0489]実施形態137.前記ナトリウムチャネル遮断薬が酢酸フレカイニドを含む、実施形態89~134のいずれか1つに記載の方法。
[0490]実施形態138.前記ナトリウムチャネル遮断薬が塩酸フレカイニドを含む、実施形態89~134のいずれか1つに記載の方法。
【0435】
[0491]実施形態139.前記第1の量が、前記対象1キログラムあたり約0.1mg~約2mgである、実施形態136~138のいずれか1つに記載の方法。
[0492]実施形態140.前記第1の量が、前記対象1キログラムあたり約0.1mg~約1mgである、実施形態136~138のいずれか1つに記載の方法。
【0436】
[0493]実施形態141.前記第1の量が、前記対象1キログラムあたり約0.5mgである、実施形態136~138のいずれか1つに記載の方法。
[0494]実施形態142.前記第1の量が約5mg~約300mgである、実施形態136~138のいずれか1つに記載の方法。
【0437】
[0495]実施形態143.前記第1の量が約5mg~約150mgである、実施形態136~138のいずれか1つに記載の方法。
[0496]実施形態144.前記カリウムチャネル遮断薬が、イブチリド、ドフェチリド、ソタロール、メタナンダミド、アナンダミド、アンバシリド、アラキドンアミド、A293(2-(ブチルスルホニルアミノ)-N-[(1R)-1-(6-メトキシ-3-ピリジル)プロピル]-ベンズアミド)、ブピバカイン、エチドカイン、ゲニステイン、メピバカイン、フェニトイン、キニジン、R-ロピバカイン、セマチリド、S-ロピバカイン、テトラカイン、アミオダロン、ドロンダロン、E-4031、ベルナカラントまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態89~143のいずれか1つに記載の方法。
【0438】
[0497]実施形態145.前記カリウムチャネル遮断薬がイブチリドまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態89~143のいずれか1つに記載の方法。
[0498]実施形態146.前記イブチリドまたはその薬学的に許容される塩がヘミフマル酸イブチリドである、実施形態89~143のいずれか1つに記載の方法。
【0439】
[0499]実施形態147.前記第2の量が、前記対象1キログラムあたり約0.001mg~約0.25mgである、実施形態145または実施形態146に記載の方法。
[0500]実施形態148.前記第2の量が、前記対象1キログラムあたり約0.005mg~約0.02mgである、実施形態145または実施形態146に記載の方法。
【0440】
[0501]実施形態149.前記第2の量が約0.01mg~約15mgである、実施形態145または実施形態146に記載の方法。
[0502]実施形態150.前記第2の量が約0.25mg~約1mgである、実施形態145または実施形態146に記載の方法。
【0441】
[0503]実施形態151.前記カリウムチャネル遮断薬がドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態89~143のいずれか1つに記載の方法。
[0504]実施形態152.前記カリウムチャネル遮断薬がソタロールまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態89~143のいずれか1つに記載の方法。
【0442】
[0505]実施形態153.前記カリウムチャネル遮断薬が塩酸ソタオロール(sotaolol)である、実施形態89~143のいずれか1つに記載の方法。
[0506]実施形態154.前記ナトリウムチャネル遮断薬および前記カリウム遮断薬が前記対象に同時に投与される、実施形態89~153のいずれか1つに記載の方法。
【0443】
[0507]実施形態155.前記ナトリウムチャネル遮断薬がフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含み、前記カリウムチャネル遮断薬がイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態89~134のいずれか1つに記載の方法。
【0444】
[0508]実施形態156.前記ナトリウムチャネル遮断薬が、固定用量の組合せにおいて前記カリウムチャネル遮断薬と共製剤化される、実施形態155に記載の方法。
[0509]実施形態157.前記固定用量の組合せが液体単位剤形である、実施形態156に記載の方法。
【0445】
[0510]実施形態158.前記液体単位剤形における前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記イブチリドまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が60:1~240:1である、実施形態157に記載の方法。
【0446】
[0511]実施形態159.前記液体単位剤形における前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記イブチリドまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約120:1である、実施形態157に記載の方法。
【0447】
[0512]実施形態160.前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態157~159のいずれか1つに記載の方法。
【0448】
[0513]実施形態161.前記液体単位剤形が、約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態157~159のいずれか1つに記載の方法。
【0449】
[0514]実施形態162.前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態157~159のいずれか1つに記載の方法。
【0450】
[0515]実施形態163.前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態157~159のいずれか1つに記載の方法。
【0451】
[0516]実施形態164.前記液体単位剤形が、約75mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態157~159のいずれか1つに記載の方法。
【0452】
[0517]実施形態165.前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.0005mg/mL~約5mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、実施形態157に記載の方法。
【0453】
[0518]実施形態166.前記液体単位剤形が、約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.0005mg/mL~約5mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、実施形態157に記載の方法。
【0454】
[0519]実施形態167.前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.001mg/mL~約1mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、実施形態157に記載の方法。
【0455】
[0520]実施形態168.前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.001mg/mL~約1mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、実施形態157に記載の方法。
【0456】
[0521]実施形態169.前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩が酢酸フレカイニドであり、前記イブチリドまたはその薬学的に許容される塩がヘミフマル酸イブチリドである、実施形態155~168のいずれか1つに記載の方法。
【0457】
[0522]実施形態170.前記ナトリウムチャネル遮断薬がフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含み、前記カリウムチャネル遮断薬がドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態89~134のいずれか1つに記載の方法。
【0458】
[0523]実施形態171.前記ナトリウムチャネル遮断薬が、固定用量の組合せにおいて前記カリウムチャネル遮断薬と共製剤化される、実施形態170に記載の方法。
[0524]実施形態172.前記固定用量の組合せが液体単位剤形である、実施形態171に記載の方法。
【0459】
[0525]実施形態173.前記液体単位剤形における前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が60:1~480:1である、172に記載の方法。
【0460】
[0526]実施形態174.前記液体単位剤形における前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約240:1である、172に記載の方法。
【0461】
[0527]実施形態175.前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態172~174のいずれか1つに記載の方法。
【0462】
[0528]実施形態176.前記液体単位剤形が、約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態172~174のいずれか1つに記載の方法。
【0463】
[0529]実施形態177.前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態172~174のいずれか1つに記載の方法。
【0464】
[0530]実施形態178.前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態172~174のいずれか1つに記載の方法。
【0465】
[0531]実施形態179.前記液体単位剤形が、約75mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態172~174のいずれか1つに記載の方法。
【0466】
[0532]実施形態180.前記液体単位剤形が、約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態172~174のいずれか1つに記載の方法。
[0533]実施形態181.前記液体単位剤形が、約1mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態172~174のいずれか1つに記載の方法。
【0467】
[0534]実施形態182.前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.0005mg/mL~約5mg/mLのドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、実施形態172に記載の方法。
【0468】
[0535]実施形態183.前記液体単位剤形が、約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.0005mg/mL~約5mg/mLのドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、実施形態172に記載の方法。
【0469】
[0536]実施形態184.前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.001mg/mL~約1mg/mLのドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、実施形態172に記載の方法。
【0470】
[0537]実施形態185.前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.001mg/mL~約1mg/mLのドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、実施形態172に記載の方法。
【0471】
[0538]実施形態186.前記ナトリウムチャネル遮断薬がフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含み、前記カリウムチャネル遮断薬がソタロールまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態89~134のいずれか1つに記載の方法。
【0472】
[0539]実施形態187.前記ナトリウムチャネル遮断薬が、固定用量の組合せにおいて前記カリウムチャネル遮断薬と共製剤化される、実施形態186に記載の方法。
[0540]実施形態188.前記固定用量の組合せが液体単位剤形である、実施形態187に記載の方法。
【0473】
[0541]実施形態189.前記液体単位剤形における前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記ソタロールまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が0.5:1~2:1である、実施形態188に記載の方法。
【0474】
[0542]実施形態190.前記液体単位剤形における前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記ソタロールまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約1:1である、実施形態188に記載の方法。
【0475】
[0543]実施形態191.前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態188~190のいずれか1つに記載の方法。
【0476】
[0544]実施形態192.前記液体単位剤形が、約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態188~190のいずれか1つに記載の方法。
【0477】
[0545]実施形態193.前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態188~190のいずれか1つに記載の方法。
【0478】
[0546]実施形態194.前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態188~190のいずれか1つに記載の方法。
【0479】
[0547]実施形態195.前記液体単位剤形が、約75mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態188~190のいずれか1つに記載の方法。
【0480】
[0548]実施形態196.前記液体単位剤形が、約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態188~190のいずれか1つに記載の方法。
[0549]実施形態197.前記液体単位剤形が、約1mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態188~190のいずれか1つに記載の方法。
【0481】
[0550]実施形態198.前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.0005mg/mL~約5mg/mLのソタロールまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、実施形態188に記載の方法。
【0482】
[0551]実施形態199.前記液体単位剤形が、約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.0005mg/mL~約5mg/mLのソタロールまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、実施形態188に記載の方法。
【0483】
[0552]実施形態200.前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.001mg/mL~約1mg/mLのソタロールまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、実施形態188に記載の方法。
【0484】
[0553]実施形態201.前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.001mg/mL~約1mg/mLのソタロールまたはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、実施形態188に記載の方法。
【0485】
[0554]実施形態202.前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩が酢酸フレカイニドであり、前記ソタロールまたはその薬学的に許容される塩が塩酸ソタロールである、実施形態198~201のいずれか1つに記載の方法。
【0486】
[0555]実施形態203.前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩が酢酸フレカイニドである、実施形態155~202のいずれか1つに記載の方法。
[0556]実施形態204.第3の量のMg2+源を投与するステップをさらに含む、実施形態89~202のいずれか1つに記載の方法。
【0487】
[0557]実施形態205.前記Mg2+源が、前記ナトリウムチャネル遮断薬の投与から0.5時間以内の間隔で投与される、実施形態204に記載の方法。
[0558]実施形態206.前記Mg2+源が、前記カリウムチャネル遮断薬の投与から0.5時間以内の間隔で投与される、実施形態204に記載の方法。
【0488】
[0559]実施形態207.前記第3の量が、前記対象1キログラムあたり約0.2mg~約20mgのMg2+カチオンを投与するのに十分な量である、実施形態204~206のいずれか1つに記載の方法。
【0489】
[0560]実施形態208.前記第3の量が、前記対象に約0.2g~約1gのMg2+カチオンを投与するのに十分な量である、実施形態204~206のいずれか1つに記載の方法。
【0490】
[0561]実施形態209.前記Mg2+源が、クエン酸マグネシウム、フマル酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム、トレオン酸マグネシウム、グリシン酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウムもしくはリンゴ酸マグネシウム、またはこれらの水和物を含む、実施形態204~208のいずれか1つに記載の方法。
【0491】
[0562]実施形態210.前記Mg2+源が硫酸マグネシウムまたはその水和物を含む、実施形態204~208のいずれか1つに記載の方法。
[0563]実施形態211.前記Mg2+源が硫酸マグネシウム七水和物を含む、実施形態204~208のいずれか1つに記載の方法。
【0492】
[0564]実施形態212.前記第3の量が、前記対象1キログラムあたり約1mg~約100mgである、実施形態210または実施形態211に記載の方法。
[0565]実施形態213.前記第3の量が約1g~約10gである、実施形態210または実施形態211に記載の方法。
【0493】
[0566]実施形態214.前記ナトリウムチャネル遮断薬がフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含み、前記カリウムチャネル遮断薬がイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態89~134のいずれか1つに記載の方法。
【0494】
[0567]実施形態215.第3の量のMg2+源を投与するステップをさらに含む、実施形態214に記載の方法。
[0568]実施形態216.前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、前記イブチリドまたはその薬学的に許容される塩、および前記Mg2+源が固定用量の組合せにおいて共製剤化される、実施形態215に記載の方法。
【0495】
[0569]実施形態217.前記固定用量の組合せが液体単位剤形である、実施形態216に記載の方法。
[0570]実施形態218.前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.0005mg/mL~約5mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩、約1mg/mL~約140mg/mLのMg2+カチオン、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、実施形態217に記載の方法。
【0496】
[0571]実施形態219.前記Mg2+源が硫酸マグネシウムまたはその水和物を含む、実施形態217に記載の方法。
[0572]実施形態220.前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.0005mg/mL~約5mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩、約5mg/mL~約700mg/mLの硫酸マグネシウムまたはその水和物、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、実施形態219に記載の方法。
【0497】
[0573]実施形態221.前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.001mg/mL~約1mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩、約20mg/mL~約700mg/mLの硫酸マグネシウムまたはその水和物、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、実施形態219に記載の方法。
【0498】
[0574]実施形態222.前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.0005mg/mL~約5mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩、約5mg/mL~約700mg/mLの硫酸マグネシウムまたはその水和物、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、実施形態219に記載の方法。
【0499】
[0575]実施形態223.前記液体単位剤形が、約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩、約0.001mg/mL~約1mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩、約20mg/mL~約700mg/mLの硫酸マグネシウムまたはその水和物、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、実施形態219に記載の方法。
【0500】
[0576]実施形態224.前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩が酢酸フレカイニドである、実施形態214~223のいずれか1つに記載の方法。
[0577]実施形態225.前記液体単位剤形が静脈内投与される、実施形態157~213または217~224のいずれか1つに記載の方法。
【0501】
[0578]実施形態226.前記対象における前記カリウムチャネル遮断薬の前記tmaxにおいて前記対象のQTcが約490ms以下である、実施形態89~225のいずれか1つに記載の方法。
【0502】
[0579]実施形態227.前記対象における前記カリウムチャネル遮断薬の前記tmaxの約30分前と約30分後の間、前記対象のQTcが約490ms以下である、実施形態89~225のいずれか1つに記載の方法。
【0503】
[0580]実施形態228.(i)第1の容器に包装された第1の単位剤形であって、前記第1の単位剤形がナトリウムチャネル遮断薬および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、第1の単位剤形、および
(ii)第2の容器に包装された第2の単位剤形であって、前記第2の単位剤形がカリウムチャネル遮断薬またはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、第2の単位剤形
を含み、前記第1の単位剤形または前記第2の単位剤形がMg2+源をさらに含む、キット。
【0504】
[0581]実施形態229.前記カリウムチャネル遮断薬がソタロールまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態228に記載のキット。
[0582]実施形態230.前記カリウムチャネル遮断薬がドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態228に記載のキット。
【0505】
[0583]実施形態231.前記カリウムチャネル遮断薬がイブチリドまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態228に記載のキット。
[0584]実施形態232.前記Mg2+源が、クエン酸マグネシウム、フマル酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム、トレオン酸マグネシウム、グリシン酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウムもしくはリンゴ酸マグネシウム、またはその水和物を含む、実施形態228に記載のキット。
【0506】
[0585]実施形態233.前記ナトリウムチャネル遮断薬がクラスIc抗不整脈剤である、実施形態228に記載のキット。
[0586]実施形態234.前記ナトリウムチャネル遮断薬がフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態228に記載のキット。
【0507】
[0587]実施形態235.前記第1の単位剤形または前記第2の単位剤形が凍結乾燥粉末である、実施形態231~234のいずれか1つに記載のキット。
[0588]実施形態236.前記第1の単位剤形または前記第2の単位剤形が液体溶液である、実施形態231~234のいずれか1つに記載のキット。
【0508】
[0589]実施形態237.前記Mg2+源が硫酸マグネシウムまたはその水和物である、実施形態236に記載のキット。
[0590]実施形態238.前記第1の単位剤形または前記第2の単位剤形が、約1mg/mL~約150mg/mLのMg2+カチオンを含む、実施形態237に記載のキット。
【0509】
[0591]実施形態239.前記第1の単位剤形または前記第2の単位剤形が、約5mg/mL~約700mg/mLの硫酸マグネシウムまたはその水和物を含む、実施形態237に記載のキット。
【0510】
[0592]実施形態240.前記第1の単位剤形または前記第2の単位剤形が、約20mg/mL~約700mg/mLの硫酸マグネシウムまたはその水和物を含む、実施形態237に記載のキット。
【0511】
[0593]実施形態241.前記第1の単位剤形が、約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態236~240のいずれか1つに記載のキット。
【0512】
[0594]実施形態242.前記第1の単位剤形が、約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態236~240のいずれか1つに記載のキット。
【0513】
[0595]実施形態243.前記第2の単位剤形が、約0.0005mg/mL~約5mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態236~242のいずれか1つに記載のキット。
【0514】
[0596]実施形態244.前記第2の単位剤形が、約0.001mg/mL~約1mg/mLのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態236~242のいずれか1つに記載のキット。
【0515】
[0597]実施形態245.前記第1の単位剤形が、約5mg~約300mgのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態231~244のいずれか1つに記載のキット。
【0516】
[0598]実施形態246.前記第1の単位剤形が、約5mg~約150mgのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態231~245のいずれか1つに記載のキット。
【0517】
[0599]実施形態247.前記第2の単位剤形が、約0.001mg~約0.25mgのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態231~245のいずれか1つに記載のキット。
【0518】
[0600]実施形態248.前記第2の単位剤形が、約0.005mg~約0.02mgのイブチリドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態231~245のいずれか1つに記載のキット。
【0519】
[0601]実施形態249.第1の単位剤形または前記第2の単位剤形が、約0.2g~約2gのMg2+カチオンを含む、実施形態231~248のいずれか1つに記載のキット。
【0520】
[0602]実施形態250.第1の単位剤形または前記第2の単位剤形が、約1g~約10gの硫酸マグネシウムまたはその水和物を含む、実施形態231~247のいずれか1つに記載のキット。
【0521】
[0603]実施形態251.前記第1の単位剤形および前記第2の単位剤形が、それぞれ静脈内投与のために製剤化される、実施形態231~249のいずれか1つに記載のキット。
【0522】
[0604]実施形態252.前記ナトリウムチャネル遮断薬が酢酸フレカイニドである、実施形態231~251のいずれか1つに記載のキット。
[0605]実施形態253.前記ナトリウムチャネル遮断薬が塩酸フレカイニドである、実施形態231~251のいずれか1つに記載のキット。
【0523】
[0606]実施形態254.前記イブチリドがフマル酸イブチリドである、実施形態231~253のいずれか1つに記載のキット。
[0607]実施形態255.前記Mg2+源が硫酸マグネシウム七水和物である、実施形態228~254のいずれか1つに記載のキット。
【0524】
[0608]実施形態256.前記第1の容器および前記第2の容器が、それぞれ独立してポリマーバッグ、ガラスバイアルまたは事前充填シリンジである、実施形態228~255のいずれか1つに記載のキット。
【0525】
[0609]実施形態257.実施形態228~256のいずれか1つに記載の前記第1の単位剤形および前記第2の単位剤形を対象に投与するステップを含む、それを必要とする前記対象を処置するための方法。
【0526】
[0610]実施形態258.前記投与するステップが、前記第2の単位剤形の投与から約0.5時間以内の間隔で前記第1の単位剤形を前記対象に投与することを含む、実施形態257に記載の方法。
【0527】
[0611]実施形態259.前記投与するステップが、前記第2の単位剤形の投与から約15分以内の間隔で前記第1の単位剤形を前記対象に投与することを含む、実施形態257に記載の方法。
【0528】
[0612]実施形態260.前記投与するステップが、前記第2の単位剤形の投与から約5分以内の間隔で前記第1の単位剤形を前記対象に投与することを含む、実施形態257に記載の方法。
【0529】
[0613]実施形態261.前記投与するステップが、前記第1の単位剤形および前記第2の単位剤形を前記対象に同時に投与することを含む、実施形態257に記載の方法。
[0614]実施形態262.前記投与するステップが、前記第1の単位剤形および前記第2の単位剤形を組み合わせて組合せ剤形を提供すること、および前記組合せ剤形を前記対象に投与することを含む、実施形態257に記載の方法。
【0530】
[0615]実施形態263.前記対象が心房性不整脈を患う、実施形態257に記載の方法。
[0616]実施形態264.前記投与が前記心房性不整脈のカルディオバージョンをもたらす、実施形態263に記載の方法。
【0531】
[0617]実施形態265.ナトリウムチャネル遮断薬およびカリウムチャネル遮断薬、ならびに1種または複数の薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む医薬組成物。
【0532】
[0618]実施形態266.前記ナトリウムチャネル遮断薬がフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態265に記載の医薬組成物。
[0619]実施形態267.前記カリウムチャネル遮断薬がイブチリドまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態266に記載の医薬組成物。
【0533】
[0620]実施形態268.前記医薬組成物中の前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記イブチリドまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約60:1~約240:1である、実施形態266に記載の医薬組成物。
【0534】
[0621]実施形態269.前記医薬組成物中の前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記イブチリドまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約120:1である、実施形態266に記載の医薬組成物。
【0535】
[0622]実施形態270.前記イブチリドまたはその薬学的に許容される塩がヘミフマル酸イブチリドである、実施形態267~269のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0623]実施形態271.前記カリウムチャネル遮断薬がソタロールまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態266に記載の医薬組成物。
【0536】
[0624]実施形態272.前記医薬組成物中の前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記ソタロールまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約0.5:1~約2:1である、実施形態266に記載の医薬組成物。
【0537】
[0625]実施形態273.前記医薬組成物中の前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記ソタロールまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約1:1である、実施形態266に記載の医薬組成物。
【0538】
[0626]実施形態274.前記ソタロールまたはその薬学的に許容される塩が塩酸ソタロールである、実施形態271~273のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0627]実施形態275.前記カリウムチャネル遮断薬がドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態266に記載の医薬組成物。
【0539】
[0628]実施形態276.前記医薬組成物中の前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約60:1~約480:1である、実施形態266に記載の医薬組成物。
【0540】
[0629]実施形態277.前記医薬組成物中の前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩と前記ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約240:1である、実施形態266に記載の医薬組成物。
【0541】
[0630]実施形態278.吸入可能な乾燥粉末の形態である、実施形態268~277のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0631]実施形態279.前記乾燥粉末が噴霧乾燥粉末である、実施形態268~277のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0542】
[0632]実施形態280.前記乾燥粉末が超臨界流体による超臨界促進分散(SEDS)により形成される、実施形態268~277のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0633]実施形態281.前記乾燥粉末が超臨界沈殿によって形成される、実施形態268~277のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0543】
[0634]実施形態282.前記乾燥粉末がインプリントリソグラフィーによって形成される、実施形態268~277のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0635]実施形態283.前記乾燥粉末が凍結乾燥によって形成される、実施形態268~277のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0544】
[0636]実施形態284.液体溶液の形態である、実施形態268~277のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0637]実施形態285.約1mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態284に記載の医薬組成物。
【0545】
[0638]実施形態286.約50mg/mL~約100mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態284に記載の医薬組成物。
[0639]実施形態287.約1mg/mL~約30mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態284に記載の医薬組成物。
【0546】
[0640]実施形態288.約1mg/mL~約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態284に記載の医薬組成物。
[0641]実施形態289.約75mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態284に記載の医薬組成物。
【0547】
[0642]実施形態290.約2mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態284に記載の医薬組成物。
[0643]実施形態291.約1mg/mLのフレカイニドまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態284に記載の医薬組成物。
【0548】
[0644]実施形態292.前記ナトリウムチャネル遮断薬がプロパフェノンまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態265に記載の医薬組成物。
[0645]実施形態293.前記カリウムチャネル遮断薬がイブチリドまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態292に記載の医薬組成物。
【0549】
[0646]実施形態294.前記医薬組成物中の前記プロパフェノンまたはその薬学的に許容される塩と前記イブチリドまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約120:1~約480:1である、実施形態293に記載の医薬組成物。
【0550】
[0647]実施形態295.前記医薬組成物中の前記プロパフェノンまたはその薬学的に許容される塩と前記イブチリドまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約240:1である、実施形態293に記載の医薬組成物。
【0551】
[0648]実施形態296.前記イブチリドまたはその薬学的に許容される塩がヘミフマル酸イブチリドである、実施形態293~295のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0649]実施形態297.前記カリウムチャネル遮断薬がソタロールまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態292に記載の医薬組成物。
【0552】
[0650]実施形態298.前記医薬組成物中の前記プロパフェノンまたはその薬学的に許容される塩と前記ソタロールまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約1:1~約4:1である、実施形態297に記載の医薬組成物。
【0553】
[0651]実施形態299.前記医薬組成物中の前記プロパフェノンまたはその薬学的に許容される塩と前記ソタロールまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約2:1である、実施形態297に記載の医薬組成物。
【0554】
[0652]実施形態300.前記ソタロールまたはその薬学的に許容される塩が塩酸ソタロールである、実施形態297~299のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0653]実施形態301.前記カリウムチャネル遮断薬がドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態292に記載の医薬組成物。
【0555】
[0654]実施形態302.前記医薬組成物中の前記プロパフェノンまたはその薬学的に許容される塩と前記ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約120:1~約900:1である、実施形態301に記載の医薬組成物。
【0556】
[0655]実施形態303.前記医薬組成物中の前記プロパフェノンまたはその薬学的に許容される塩と前記ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約480:1である、実施形態301に記載の医薬組成物。
【0557】
[0656]実施形態304.吸入可能な乾燥粉末の形態である、実施形態292~303のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0657]実施形態305.前記乾燥粉末が噴霧乾燥粉末である、実施形態292~303のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0558】
[0658]実施形態306.前記乾燥粉末が超臨界流体による超臨界促進分散(SEDS)により形成される、実施形態292~303のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0659]実施形態307.前記乾燥粉末が超臨界沈殿によって形成される、実施形態292~303のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0559】
[0660]実施形態308.前記乾燥粉末がインプリントリソグラフィーによって形成される、実施形態292~303のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0661]実施形態309.前記乾燥粉末が凍結乾燥によって形成される、実施形態292~303のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0560】
[0662]実施形態310.液体溶液の形態である、実施形態292~303のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0663]実施形態311.約1mg/mL~約100mg/mLのプロパフェノンまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態310に記載の医薬組成物。
【0561】
[0664]実施形態312.約50mg/mL~約100mg/mLのプロパフェノンまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態310に記載の医薬組成物。
[0665]実施形態313.約1mg/mL~約30mg/mLのプロパフェノンまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態310に記載の医薬組成物。
【0562】
[0666]実施形態314.約1mg/mL~約2mg/mLのプロパフェノンまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態310に記載の医薬組成物。
[0667]実施形態315.約75mg/mLのプロパフェノンまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態310に記載の医薬組成物。
【0563】
[0668]実施形態316.約2mg/mLのプロパフェノンまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態310に記載の医薬組成物。
[0669]実施形態317.約1mg/mLのプロパフェノンまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態310に記載の医薬組成物。
【0564】
[0670]実施形態318.前記ナトリウムチャネル遮断薬がメキシレチンまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態265に記載の医薬組成物。
[0671]実施形態319.前記カリウムチャネル遮断薬がイブチリドまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態318に記載の医薬組成物。
【0565】
[0672]実施形態320.前記医薬組成物中の前記メキシレチンまたはその薬学的に許容される塩と前記イブチリドまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約120:1~約480:1である、実施形態319に記載の医薬組成物。
【0566】
[0673]実施形態321.前記医薬組成物中の前記メキシレチンまたはその薬学的に許容される塩と前記イブチリドまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約240:1である、実施形態319に記載の医薬組成物。
【0567】
[0674]実施形態322.前記イブチリドまたはその薬学的に許容される塩がヘミフマル酸イブチリドである、実施形態319~321のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0675]実施形態323.前記カリウムチャネル遮断薬がソタロールまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態318に記載の医薬組成物。
【0568】
[0676]実施形態324.前記医薬組成物中の前記メキシレチンまたはその薬学的に許容される塩と前記ソタロールまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約1:1~約4:1である、実施形態323に記載の医薬組成物。
【0569】
[0677]実施形態325.前記医薬組成物中の前記メキシレチンまたはその薬学的に許容される塩と前記ソタロールまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約2:1である、実施形態323に記載の医薬組成物。
【0570】
[0678]実施形態326.前記ソタロールまたはその薬学的に許容される塩が塩酸ソタロールである、実施形態323~325のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0679]実施形態327.前記カリウムチャネル遮断薬がドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩である、実施形態318に記載の医薬組成物。
【0571】
[0680]実施形態328.前記医薬組成物中の前記メキシレチンまたはその薬学的に許容される塩と前記ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約120:1~約900:1である、実施形態327に記載の医薬組成物。
【0572】
[0681]実施形態329.前記医薬組成物中の前記メキシレチンまたはその薬学的に許容される塩と前記ドフェチリドまたはその薬学的に許容される塩との質量/質量比が約480:1である、実施形態327に記載の医薬組成物。
【0573】
[0682]実施形態330.吸入可能な乾燥粉末の形態である、実施形態318~329のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0683]実施形態331.前記乾燥粉末が噴霧乾燥粉末である、実施形態318~329のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0574】
[0684]実施形態332.前記乾燥粉末が超臨界流体による超臨界促進分散(SEDS)により形成される、実施形態318~329いずれか1つに記載の医薬組成物。
[0685]実施形態333.前記乾燥粉末が超臨界沈殿によって形成される、実施形態318~329のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0575】
[0686]実施形態334.前記乾燥粉末がインプリントリソグラフィーによって形成される、実施形態318~329のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0687]実施形態335.前記乾燥粉末が凍結乾燥によって形成される、実施形態318~329のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0576】
[0688]実施形態336.液体溶液の形態である、実施形態318~329のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0689]実施形態337.約1mg/mL~約100mg/mLのメキシレチンまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態336に記載の医薬組成物。
【0577】
[0690]実施形態338.約50mg/mL~約100mg/mLのメキシレチンまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態336に記載の医薬組成物。
[0691]実施形態339.約1mg/mL~約30mg/mLのメキシレチンまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態336に記載の医薬組成物。
【0578】
[0692]実施形態340.約1mg/mL~約2mg/mLのメキシレチンまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態336に記載の医薬組成物。
[0693]実施形態341.約75mg/mLのメキシレチンまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態336に記載の医薬組成物。
【0579】
[0694]実施形態342.約2mg/mLのメキシレチンまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態336に記載の医薬組成物。
[0695]実施形態343.約1mg/mLのメキシレチンまたはその薬学的に許容される塩を含む、実施形態336に記載の医薬組成物。
【0580】
[0696]実施形態344.前記フレカイニドまたはその薬学的に許容される塩が酢酸フレカイニドである、実施形態265~291のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0697]実施形態345.前記プロパフェノンまたはその薬学的に許容される塩が塩酸プロパフェノンである、実施形態292~317のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0581】
[0698]実施形態346.前記メキシレチンまたはその薬学的に許容される塩が塩酸メキシレチンである、実施形態318~343のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[0699]実施形態347.対象に、治療有効量の実施形態265~346のいずれか1つに記載の前記医薬組成物を投与するステップを含む、心房性不整脈を患う前記対象を処置する方法。
【国際調査報告】