(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-18
(54)【発明の名称】QOSルールの導出のための端末デバイス、ネットワークノード、及びその方法
(51)【国際特許分類】
H04L 41/0816 20220101AFI20240111BHJP
【FI】
H04L41/0816
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537425
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(85)【翻訳文提出日】2023-08-21
(86)【国際出願番号】 CN2021140832
(87)【国際公開番号】W WO2022143399
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/142025
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョウ, ゾンミン
(72)【発明者】
【氏名】セドラチェク, イヴォ
(57)【要約】
本開示は、端末デバイスにおける方法(300)を提供する。本方法(300)は、ダウンリンク(DL)パケットを受信すること(310)であって、当該DLパケットは、インターネットプロトコル「IP」セキュリティ(IPSec)保護がされている、ことと、DLパケットに基づいて、IPSecセキュリティアソシエーション(SA)ごとにUL(アップリンク)方向のための反射型QoS(サービス品質)ルールを導出すること(320)と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置における方法(300)であって、
DL(ダウンリンク)パケットを受信すること(310)であって、前記DLパケットは、IPSec(IP(インターネットプロトコル)セキュリティ)保護がされている、ことと、
前記DLパケットに基づいて、IPSec SA(セキュリティアソシエーション)ごとにUL(アップリンク)方向のための反射型QoS(サービス品質)ルールを導出すること(320)と、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法(300)であって、前記DLパケットが、ESP(カプセル化セキュリティペイロード)/UDP(ユーザデータグラムプロトコル)/IPカプセル化、又はESP/IPカプセル化を有する、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法(300)であって、前記反射型QoSルールを導出すること(320)は、前記DLパケット内のSPI(セキュリティパラメータインデックス)と関連付けられたDL IPSec SAに対応するUL IPsec SAがESP/UDP/IPカプセル化を使用する場合に、
前記UL IPsec SAと関連付けられたSPIに基づいて、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタを導出すること(431)を含む、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法(300)であって、更に、
前記UL IPSec SAと関連付けられたSPIに基づいて、ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタを導出すること(432)を含む、方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法(300)であって、前記反射型QoSルールを導出すること(320)は、前記DLパケット内のSPI(セキュリティパラメータインデックス)と関連付けられたDL IPSec SAに対応するUL IPsec SAがESP/IPカプセル化を使用する場合に、
前記UL IPsec SAと関連付けられたSPIに基づいて、ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタを導出すること(441)を含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法(300)であって、更に、
前記UL IPSec SAと関連付けられたSPIに基づいて、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタを導出すること(442)を含む、方法。
【請求項7】
請求項3又は6に記載の方法(300)であって、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのための前記パケットフィルタは、前記UL IPsec SAと関連付けられた前記SPIに設定されたSPIタイプコンポーネントを含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法(300)であって、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのための前記パケットフィルタは、
前記UL IPSec SAの送信元ポートフィールドの値に設定された単一のローカルポートタイプコンポーネントと、
前記UL IPSec SAの宛先ポートフィールドの値に設定された単一のリモートポートタイプコンポーネントと、
を更に含む、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法(300)であって、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのための前記パケットフィルタは、
前記DLパケットの送信元アドレスフィールドの値に設定されたIPリモートアドレスコンポーネントと、
前記DLパケットの宛先アドレスフィールドの値に設定されたIPローカルアドレスコンポーネントと、
UDPの値に設定されたプロトコル識別子又はネクストヘッダタイプコンポーネントと、
を更に含む、方法。
【請求項10】
請求項7に記載の方法(300)であって、前記DLパケットがESP/UDP/IPカプセル化を有する場合、前記ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのための前記パケットフィルタは、
前記DLパケットの宛先ポートフィールドの値に設定された単一のローカルポートタイプコンポーネントと、
前記DLパケットの送信元ポートフィールドの値に設定された単一のリモートポートタイプコンポーネントと、
を更に含む、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法(300)であって、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのための前記パケットフィルタは、
前記DLパケットの送信元アドレスフィールドの値に設定されたIPリモートアドレスコンポーネントと、
前記DLパケットの宛先アドレスフィールドの値に設定されたIPローカルアドレスコンポーネントと、
前記DLパケットのプロトコル識別子フィールド又は最後のネクストヘッダフィールドの値に設定されたプロトコル識別子又はネクストヘッダタイプコンポーネントと、
を更に含む、方法。
【請求項12】
請求項4又は5に記載の方法(300)であって、ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのための前記パケットフィルタは、前記UL IPsec SAと関連付けられた前記SPIに設定されたSPIタイプコンポーネントを含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法(300)であって、ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのための前記パケットフィルタは、
前記DLパケットの送信元アドレスフィールドの値に設定されたIPリモートアドレスコンポーネントと、
前記DLパケットの宛先アドレスフィールドの値に設定されたIPローカルアドレスコンポーネントと、
UDPの値に設定されたプロトコル識別子又はネクストヘッダタイプコンポーネントと、
を更に含む、方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法(300)であって、ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのための前記パケットフィルタは、
前記DLパケットの送信元アドレスフィールドの値に設定されたIPリモートアドレスコンポーネントと、
前記DLパケットの宛先アドレスフィールドの値に設定されたIPローカルアドレスコンポーネントと、
前記DLパケットのプロトコル識別子フィールド又は最後のネクストヘッダフィールドの値に設定されたプロトコル識別子又はネクストヘッダタイプコンポーネントと、
を更に含む、方法。
【請求項15】
請求項2乃至14のいずれか一項に記載の方法(300)であって、前記DLパケットは、UDP又はESPに設定されたプロトコル識別子を有するIPv4(IPバージョン4)パケットであるか、又は前記DLパケットは、UDP又はESPに設定された最後のネクストヘッダを有するIPv6(IPバージョン6)パケットである、方法。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれか一項に記載の方法(300)であって、前記DLパケットは、1に設定されたRQI(反射型QoSインジケータ)を含む、方法。
【請求項17】
請求項1乃至16のいずれか一項に記載の方法(300)であって、IPSec保護が行われ、かつ、ESP/UDP/IPカプセル化を有するULパケットについて、
UL方向のための反射型QoSルールが、前記ULパケットのIPヘッダコンポーネントと一致するIPヘッダコンポーネントと、前記ULパケットのSPIコンポーネントと一致するSPIコンポーネントとを有する場合に、前記ULパケットを、UL方向のための前記反射型QoSルールと関連付けるか、又は
UL方向のための反射型QoSルールが、前記ULパケットの前記IPヘッダコンポーネントと一致するIPヘッダコンポーネントと、前記ULパケットの前記SPIコンポーネントと一致するSPIコンポーネントとを有しない場合に、前記ULパケットを、前記ULパケットの前記IPヘッダコンポーネントと一致するIPヘッダコンポーネントを有し、かつ、SPIコンポーネントを有しない、UL方向のための反射型QoSルールと関連付けること、を更に含む、方法。
【請求項18】
請求項1乃至16のいずれか一項に記載の方法(300)であって、IKE(インターネットキー交換)保護が行われ、かつ、ESP/UDP/IPカプセル化を有するULパケットについて、
前記ULパケットを、前記ULパケットのIPヘッダコンポーネントと一致するIPヘッダコンポーネントを有し、かつ、SPIコンポーネントを有しない、UL方向のための反射型QoSルールと関連付けること、を更に含む、方法。
【請求項19】
端末デバイス(700)であって、通信インタフェース(710)と、プロセッサ(720)と、メモリ(730)とを備え、前記メモリ(730)は、前記プロセッサ(720)が実行可能であり、それによって前記端末デバイス(700)が請求項1乃至18のいずれか一項に記載の方法を実行するように動作する、命令を含む、端末デバイス。
【請求項20】
コンピュータプログラム命令が格納されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラム命令は、端末デバイスのプロセッサによって実行されると前記端末デバイスに、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の方法を実行させる、記憶媒体。
【請求項21】
ネットワークノードにおける方法(500)であって、
端末装置における方法(300)であって、
端末装置を宛先としたDL(ダウンリンク)パケットを受信すること(510)であって、前記DLパケットは、IPSec(IP(インターネットプロトコル)セキュリティ)保護がされており、かつ、ESP(カプセル化セキュリティペイロード)/UDP(ユーザデータグラムプロトコル)/IPカプセル化を有する、ことと、
前記端末装置における前記DLパケットに基づいて、IPSec SA(セキュリティアソシエーション)ごとにアップリンク方向のための反射型QoS(サービス品質)ルールをアクティブ化すること(520)と、
を含む、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法(500)であって、UDPに設定されたプロトコル識別子を有するIPv4(IPバージョン4)パケットであるか、又は前記DLパケットは、UDPに設定された最後のネクストヘッダを有するIPv6(IPバージョン6)パケットである、方法。
【請求項23】
請求項21又は22に記載の方法(500)であって、前記導出することは、前記DLパケット内のSPI(セキュリティパラメータインデックス)と関連付けられたDL IPSec SAに対応するUL IPsec SAと関連付けられたSPIに基づくパケットフィルタの導出を含む、方法。
【請求項24】
請求項21乃至23のいずれか一項に記載の方法(500)であって、前記アクティブ化すること(520)は、前記DLパケット内の反射型QoSインジケータ(RQI)を1に設定することを含む、方法。
【請求項25】
請求項21乃至24のいずれか一項に記載の方法(500)であって、前記ネットワークノードはUPF(ユーザプレーン機能)を実装している、方法。
【請求項26】
ネットワークノード(900)であって、通信インタフェース(910)と、プロセッサ(920)と、メモリ(930)とを備え、前記メモリ(930)は、前記プロセッサ(920)が実行可能であり、それによって前記ネットワークノード(900)が請求項21乃至25のいずれか一項に記載の方法を実行するように動作する、命令を含む、ネットワークノード。
【請求項27】
コンピュータプログラム命令が格納されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラム命令は、ネットワークノードのプロセッサによって実行されると前記ネットワークノードに、請求項21乃至25のいずれか一項に記載の方法を実行させる、記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信技術に関し、より具体的には、サービス品質(QoS)ルールの導出の端末デバイス、ネットワークノード、及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インターネットエンジニアリングタスクフォース(IETF:Internet Engineering Task Force)規格によれば、インターネットプロトコル(IP)セキュリティ(IPsec)保護パケットは、カプセル化セキュリティペイロード(ESP)/IP(Request For Comments(RFC)4304に規定されているIPSec ESPパケットのIPカプセル化、その全体が本明細書で援用される)又はESP/ユーザデータグラムプロトコル(UDP)/IP(RFC 3948に規定されているIPSec ESPパケットのUDPカプセル化、その全体が本明細書で援用される)を使用して、カプセル化されうる:
a) IPSec ESPパケットのIPカプセル化(又はESP/IPカプセル化と呼ばれる):IPSec保護パケットは、
図1の右半分の例に示されるように、ESP/IPを使用してカプセル化される。
b) IPSec ESPパケットのUDPカプセル化(又はESP/UDP/IPカプセル化と呼ばれる):IPsec保護パケットは、ESP/UDP/IPを使用してカプセル化される。
図1の左半分の例に示されるように、それは、以下によって識別される:
‐ UDP送信元ポート及び/又はUDP宛先ポート番号が4500(10進数)の場合
‐ データオクテットフィールドが、IETF RFC 3948で規定されるように、UDPカプセル化ESPヘッダフォーマットで符号化される場合。
【0003】
IETF規格によれば、IPsecクライアント(即ち、ユーザ装置(UE))とIPsecサーバ(即ち、企業サーバ)との間にネットワークアドレス変換器(NATer)がある場合、IPsec保護パケットは、ESP/UDP/IPを使用してカプセル化されなければならない。IPSec保護パケットは、IPsec クライアントとIPsecサーバの間にNATerが存在しない場合でも、ESP/UDP/IPを使用してカプセル化されることも可能である。言い換えれば、NATerが検出された場合には、ESP/UDP/IPカプセル化のみが使用され、又はNATerが検出されない場合には、いずれのカプセル化が使用されるかは実装に依存する。
【0004】
全体が本明細書で援用されるRFC 7296によれば、IPsecセキュリティアソシエーション(SA)は、一般に、ペア(アップリンク(UL)及びダウンリンク(DL))で存在する。IPsecごとにESPセキュリティパラメータインデックス(SPI:Security Parameter Index)がある。ESP SPIは、IPSec SAのペア間のマッチングに使用される。RFC 4301によれば、2つのIPsec対応(IPsec-enabled)システム間の典型的な双方向通信をセキュアにするために、SAのペア(各方向に1つ)が必要とされる。しかしながら、単方向通信の場合、対応するIPsec SAが逆方向には存在しないことがある。
【0005】
IPsec SAの各ペアについて、逆方向のIPsec SAは、以下の表1に示されるように、異なるカプセル化を使用しうる。
【0006】
第5世代(5G)システムでは、UEは、UL QoSルールがユーザプレーンを通じて動的かつ迅速に生成又は更新できるように、DL IPパケットに基づく反射型QoSルールの導出をサポートする。導出されたQoSルールは、QoSフロー識別子(QFI:QoS Flow Identifier)、UL方向のためのパケットフィルタ、及び80(10進数)の優先順位値(precedence value)を含む。
【0007】
図2は、反射型QoSルールの手順を示す。図示されるように、ステップ1において、ユーザプレーン機能(UPF)は、UEを宛先とするDLパケットを受信し、UEにおける反射型QoSルールを生成又は更新する必要がある。UPFは、反射型QoSインジケータ(RQI:Reflective QoS Indicator)を1に設定し、ステップ2で、アクセスネットワーク(AN)を介してDLパケットをQFI及びRQIとともにUEに送信する。ステップ3において、UEは、受信されたDLパケットをチェックし、RQIが1に設定されている場合(この場合にはyes)、UEは、当該DLパケットに基づいて、反射型QoSルールを導出する(新たなルールを生成するか、又は既存のルールを更新する)。特に、導出された反射QoSルールは、DLパケット内のQFIに設定されたQFIと、DLパケットから導出されたUL方向のためのパケットフィルタ(第3世代パートナシッププロジェクト(3GPP(登録商標))技術仕様(TS)23.501、V16.7.0の5.7.5節を参照)と、80(10進数)の優先順位値と、を含みうる。
【0008】
IPプロトコルデータユニット(PDU)セッションタイプの場合、パケットフィルタセットは、少なくとも以下の任意の組合せに基づいてパケットフィルタをサポートするものとする:
‐ 送信元/宛先IPアドレス又はIPバージョン6(IPv6)プレフィックス、
‐ 送信元/宛先ポート番号(ESP/IPカプセル化を有するIPsec保護パケットに含まれない)、
‐ IP/ネクストヘッダタイプの上のプロトコルのプロトコル識別子(ID)、
‐ サービスのタイプ(TOS:Type of Service)(IPバージョン4(IPv4))/トラフィッククラス(IPv6)及びマスク、
‐ フローラベル(IPv6)、
‐ SPI、又は
‐ パケットフィルタの方向。
【発明の概要】
【0009】
3GPP仕様(例えば、全体が本明細書において援用される、TS 23.501及びTS 24.501、V17.1.0)は表1のオプション4のみをカバーする。オプション1~3のいずれについても、反射型QoSルールの導出のための既存のメカニズムは機能せず、それ故に、異なるIPSec SAに対して、差別化されたQoS制御を適用することは不可能である。
【0010】
本開示の目的は、反射型QoSルールを導出するための端末デバイス、ネットワークノード、及びその方法を提供することである。
【0011】
本開示の第1の態様によれば、端末デバイスにおける方法が提供される。本方法は、IPSec保護が行われたDLパケットを受信することを含む。本方法は更に、DLパケットに基づいてIPSec SAごとにUL方向のための反射型QoSルールを導出することを含む。
【0012】
一実施形態では、DLパケットは、ESP/UDP/IPカプセル化又はESP/IPカプセル化を有しうる。
【0013】
一実施形態では、反射型QoSルールを導出する動作は、DLパケット内のSPIと関連付けられたDL IPSec SAに対応するUL IPSec SAが、ESP/UDP/IPカプセル化を使用する場合、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに基づいて、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタを導出することを含みうる。
【0014】
一実施形態では、本方法は更に、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに基づいて、ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタを導出することを含みうる。
【0015】
一実施形態では、反射型QoSルールを導出する動作は、DLパケット内のSPIと関連付けられたDL IPSec SAに対応するUL IPSec SAがESP/IPカプセル化を使用する場合、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに基づいて、ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタを導出することを含みうる。
【0016】
一実施形態では、本方法は更に、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに基づいて、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタを導出することを含みうる。
【0017】
一実施形態では、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに設定されたSPIタイプコンポーネントを含みうる。
【0018】
一実施形態では、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、UL IPSec SAの送信元ポートフィールドの値に設定された単一のローカルポートタイプコンポーネントと、UL IPSec SAの宛先ポートフィールドの値に設定された単一のリモートポートタイプコンポーネントとを更に含みうる。
【0019】
一実施形態では、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、DLパケットの送信元アドレスフィールドの値に設定されたIPリモートアドレスコンポーネントと、DLパケットの宛先アドレスフィールドの値に設定されたIPローカルアドレスコンポーネントと、UDPの値に設定されたプロトコル識別子又はネクストヘッダタイプコンポーネントとを更に含みうる。
【0020】
一実施形態では、DLパケットがESP/UDP/IPカプセル化を有する場合、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、DLパケットの宛先ポートフィールドの値に設定された単一のローカルポートタイプコンポーネントと、DLパケットの送信元ポートフィールドの値に設定された単一のリモートポートタイプコンポーネントとを更に含みうる。
【0021】
一実施形態では、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、DLパケットの送信元アドレスフィールドの値に設定されたIPリモートアドレスコンポーネントと、DLパケットの宛先アドレスフィールドの値に設定されたIPローカルアドレスコンポーネントと、DLパケットのプロトコル識別子フィールド又はラストネクストヘッダフィールドの値に設定されたプロトコル識別子又はネクストヘッダタイプコンポーネントとを更に含みうる。
【0022】
一実施形態では、ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに設定されたSPIタイプコンポーネントを含みうる。
【0023】
一実施形態では、ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、DLパケットの送信元アドレスフィールドの値に設定されたIPリモートアドレスコンポーネントと、DLパケットの宛先アドレスフィールドの値に設定されたIPローカルアドレスコンポーネントと、ESPの値に設定されたプロトコル識別子又はネクストヘッダタイプコンポーネントとを更に含みうる。
【0024】
一実施形態では、DLパケットがESP/IPカプセル化を有する場合、ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、DLパケットの送信元アドレスフィールドの値に設定されたIPリモートアドレスコンポーネントと、DLパケットの宛先アドレスフィールドの値に設定されたIPローカルアドレスコンポーネントと、DLパケットのプロトコル識別子フィールド又はラストネクストヘッダフィールドの値に設定されたプロトコル識別子又はネクストヘッダタイプコンポーネントとを更に含みうる。
【0025】
一実施形態では、DLパケットは、UDP又はESPに設定されたプロトコル識別子を有するIPv4パケットでありうるか、又はDLパケットは、UDP又はESPに設定されたラストネクストヘッダを有するIPv6パケットでありうる。
【0026】
一実施形態では、DLパケットは、1に設定されたRQIを含んでもよい。
【0027】
一実施形態では、本方法は更に、IPSec保護がなされ、かつ、ESP/UDP/IPカプセル化を有するULパケットについて、UL方向のための反射型QoSルールが、ULパケットのIPヘッダコンポーネントと一致するIPヘッダコンポーネントと、ULパケットのSPIコンポーネントと一致するSPIコンポーネントとを有する場合には、ULパケットを、UL方向のための反射型QoSルールと関連付けるか、又は、UL方向のための反射型QoSルールが、ULパケットのIPヘッダコンポーネントと一致するIPヘッダコンポーネントと、ULパケットのSPIコンポーネントと一致するSPIコンポーネントとを有する場合には、ULパケットを、ULパケットのIPヘッダコンポーネントと一致し、かつ、SPIコンポーネントを有しないIPヘッダコンポーネントを有する、UL方向のための反射型QoSルールと関連付けることを含みうる。
【0028】
一実施形態では、本方法は更に、インターネットキー交換(IKE)保護がなされ、かつ、ESP/UDP/IPカプセル化を有するULパケットについて、当該ULパケットを、ULパケットのIPヘッダコンポーネントに一致するIPヘッダコンポーネントを有し、かつ、SPIコンポーネントを有しない、UL方向のための反射型QoSルールと関連付けることを含みうる。
【0029】
本開示の第2の態様によれば、端末デバイスが提供される。端末デバイスは、通信インタフェースと、プロセッサと、メモリとを備える。メモリは、プロセッサが実行可能であり、それによって端末デバイスが上記第1の態様による方法を実行するように動作する命令を含む。
【0030】
本開示の第3の態様によれば、コンピュータ読取可能な記憶媒体が提供される。コンピュータ読取可能な記憶媒体は、それに格納されたコンピュータプログラム命令を有する。コンピュータプログラム命令は、端末デバイスのプロセッサによって実行されると当該端末デバイスに、上記第1の態様による方法を実行させる。
【0031】
本開示の第4の態様によれば、ネットワークノードにおける方法が提供される。本方法は、端末デバイスを宛先とするDLパケットであって、IPSec保護がなされ、かつ、ESP/UDP/IPカプセル化を有するDLパケットを受信することを含む。本方法は更に、端末デバイスにおける、DLパケットに基づく、IPSec SAごとのUL方向のための反射型QoSルールの導出をアクティブ化することを含む。
【0032】
一実施形態では、DLパケットは、UDPに設定されたプロトコル識別子を有するIPv4パケットでありうるか、又はDLパケットは、UDPに設定されたラストネクストヘッダを有するIPv6パケットでありうる。
【0033】
一実施形態では、上記導出は、DLパケット内のSPIと関連付けられたDL IPSec SAに対応するUL IPSec SAと関連付けられたSPIに基づくパケットフィルタの導出を含みうる。
【0034】
一実施形態では、アクティブ化する動作は、DLパケット内のRQIを1に設定することを含みうる。
【0035】
一実施形態では、ネットワークノードはUPFを実装しうる。
【0036】
本開示の第5の態様によれば、ネットワークノードが提供される。ネットワークノードは、通信インタフェースと、プロセッサと、メモリとを備える。メモリは、プロセッサが実行可能であり、それによってネットワークノードが上記第4の態様による方法を実行するように動作する命令を含む。
【0037】
本開示の第6の態様によれば、コンピュータ読取可能な記憶媒体が提供される。コンピュータ読取可能な記憶媒体は、それに格納されたコンピュータプログラム命令を有する。コンピュータプログラム命令は、ネットワークノードのプロセッサによって実行されると当該ネットワークノードに、上記第4の態様による方法を実行させる。
【0038】
本開示の実施形態では、IPSec保護がなされたDLパケットの受信に応じて、DLパケットに基づいて、IPSec SAごとにUL方向のための反射型QoSルールを導出することができ、これにより、DL/ULのためにいずれのカプセル化オプションが使用されるかにかかわらず、差別化されたQoS制御を、異なるIPSec SAに対して適用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
上記及び他の目的、特徴及び利点は、以下の図面を参照した以下の実施形態の説明からより明らかになるであろう:
【0040】
【
図1】
図1は、それぞれ、ESP/UDP/IPカプセル化及びESP/IPカプセル化の例示的なフォーマットを示す概略図である。
【
図2】
図2は、反射型QoSルールの手順を示す概略図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態による端末デバイスにおける方法を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、本開示の実施形態による、UL方向のためのパケットフィルタの導出のプロセスを示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態によるネットワークノードにおける方法を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、本開示の実施形態による端末デバイスのブロック図である。
【
図7】
図7は、本開示の別の実施形態による端末デバイスのブロック図である。
【
図8】
図8は、本開示の実施形態によるネットワークノードのブロック図である。
【
図9】
図9は、本開示の別の実施形態によるネットワークノードのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本明細書で使用される場合、「無線通信ネットワーク」との用語は、NR、LTE-Advanced(LTE-A)、LTE、広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))、高速パケットアクセス(HSPA)等の、任意の適切な通信規格に従うネットワークを指す。更に、無線通信ネットワークにおける端末デバイスとネットワークノードとの間の通信は、Global System for Mobile Communications(GSM(登録商標))、Universal Mobile Telecommunications System(UMTS)、Long Term Evolution(LTE)、及び/又は他の適切な1G(第1世代)、2G(第2世代)、2.5G、2.75G、3G(第3世代)、4G(第4世代)、4.5G、5G(第5世代)通信プロトコル、IEEE 802.11規格等の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)規格、及び/又はWorldwide Interoperability for Microwave Access(WiMax)、Bluetooth(登録商標)、及び/又はZigBee規格等の任意の他の適切な無線通信規格、及び/又は、現在知られている若しくは将来開発される任意の他のプロトコルを含みうるが、それらに限定されない。
【0042】
本開示では、ネットワーク機能(又はNF)は、専用ハードウェア上のネットワーク要素として、専用ハードウェア上で実行されるソフトウェアインスタンスとして、又は適切なプラットフォーム上で(例えばクラウドインフラストラクチャ上で)インスタンス化された仮想化機能として実装されうる。「ネットワークノード」との用語は、ネットワーク機能を実装するように構成された任意の物理ノード又は仮想ノードを指す。
【0043】
「端末デバイス」との用語は、無線通信ネットワークにアクセスし、そこからサービスを受けることが可能な任意のエンドデバイスを指す。限定ではなく例として、端末デバイスは、モバイル端末、ユーザ装置(UE)、又は他の適切なデバイスを指す。UEは、例えば、加入者局(SS:Subscriber Station)、ポータブル加入者局、移動局(MS:Mobile Station)、又はアクセス端末(AT:Access Terminal)でありうる。端末デバイスは、ポータブルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、デジタルカメラ等の画像キャプチャ端末デバイス、ゲーム端末デバイス、音楽ストレージ及び再生機器、携帯電話、セルラ電話、スマートフォン、ボイス・オーバIP(VoIP)電話、無線ローカルループ電話、タブレット、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ウェアラブル端末デバイス、車載型無線端末デバイス、無線エンドポイント、移動局、ラップトップ組み込み機器(LEE)、ラップトップ搭載機器(LME)、USBドングル、スマートデバイス、無線カスタマ構内機器(CPE)等を含みうるが、これらに限定されない。以下の説明では、「端末デバイス」、「端末」、「ユーザ装置」及び「UE」という用語は同義で使用されうる。一例として、端末デバイスは、3GPPのGSM(登録商標)、UMTS、LTE、及び/又は5G規格等の、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって公表された1つ以上の通信規格に従って通信するように構成されたUEを表しうる。本明細書で使用される場合、「ユーザ装置」又は「UE」は、関連するデバイスを所有する、及び/又はそれを操作する人間のユーザの意味で、必ずしも「ユーザ」を有していなくてもよい。いくつかの実施形態では、端末デバイスは、直接的な人間のインタラクション無しで情報を送信及び/又は受信するように構成されうる。例えば、端末デバイスは、内部又は外部イベントによってトリガされた場合に、又は無線通信ネットワークからの要求に応答して、所定のスケジュールでネットワークに情報を送信するように設計されうる。代わりに、UEは、人間のユーザへの販売又は人間のユーザによる動作を意図されているが、最初は特定の人間のユーザと関連付けられていないデバイスを表しうる。
【0044】
端末デバイスは、例えば、サイドリンク通信のための3GPP規格を実装することによって、デバイス・ツー・デバイス(D2D)通信をサポートしてもよく、この場合、D2D通信デバイスと呼ばれうる。
【0045】
更に別の例として、インターネット・オブ・シングス(IOT)シナリオでは、端末デバイスは、監視及び/又は測定を実行し、そのような監視及び/又は測定の結果を別の端末デバイス及び/又はネットワーク機器に送信するマシン又は他のデバイスを表しうる。この場合に端末デバイスは、マシン・ツー・マシン(M2M)デバイスであってもよく、3GPPコンテキストではマシンタイプ通信(MTC)デバイスと呼ばれうる。1つの特定の例として、端末デバイスは、3GPPの狭帯域インターネット・オブ・シングス(NB-IoT)規格を実装するUEでありうる。そのようなマシン又はデバイスの特定の例は、センサ、電力メータ等の計測デバイス、産業機械、又は家庭用若しくは個人用機器(例えば、冷蔵庫、テレビ、時計等の個人用ウェアラブル等)である。他のシナリオでは、端末デバイスは、その動作状態又はその動作に関連付けられた他の機能を監視及び/又は報告する能力を有する車両又は他の機器を表しうる。
【0046】
本明細書で使用される場合、DL送信は、ネットワークノードから端末デバイスへの送信を指し、UL送信は、反対方向の送信を指す。
【0047】
本明細書において、「一実施形態」、「実施形態」、「例示的な実施形態」等への言及は、記載される実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含みうることを示すが、全ての実施形態が当該特定の特徴、構造、又は特性を含む必要はない。更に、そのようなフレーズは、必ずしも同じ実施形態を参照するものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態に関連して説明される場合、明示的に説明されているか否かにかかわらず、他の実施形態に関連してそのような特徴、構造、又は特性に影響を及ぼすことは、当業者の知識の範囲内であると言える。
【0048】
「第1」及び「第2」等の用語は、種々の要素を説明するために本明細書で使用されうるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するためにのみ使用される。例えば、例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。本明細書で使用される場合、「及び/又は」との用語は、関連する列挙された用語のうちの1つ以上の任意の及び全ての組み合わせを含む。
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、例示的な実施形態を限定することを意図したものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、コンテキストが明らかにそれ以外を示さない限り、複数形も含むことが意図される。用語「含む、備える(comprises)」、「含む、備える(comprising)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含む、備える(includes)」、及び/又は「含む、備える(including)」は、本明細書で使用される場合、述べられた特徴、要素、及び/又はコンポーネント等の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、要素、及び/又はコンポーネント、又はそれらの組み合わせの存在又は追加を除外するものではないことを更に理解されたい。
【0049】
以下の説明及び請求項では、別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0050】
図3は、本開示の実施形態による方法300を示すフローチャートである。方法300は、端末デバイス(例えば、UE)によって実行されうる。
【0051】
ブロック310において、IPSec保護がなされたDLパケット(例えば、DLユーザデータパケット)が受信される。IPSec保護DLパケットは、ESPを示すプロトコル識別子フィールド又はラストネクストヘッダ(last next header)フィールドを有するか、又はUDPを示すプロトコル識別子フィールド又はラストネクストヘッダフィールドを有し、以下の2つの条件を満たす:
‐ UDP送信元ポート及び/又はUDP宛先ポート番号が4500(10進数)の場合
‐ データオクテットフィールドが、IETF RFC 3948で規定されるように、UDPカプセル化ESPヘッダフォーマットで符号化される場合。
【0052】
ここで、DLパケットは、ESP/UDP/IPカプセル化又はESP/IPカプセル化を有する。一例では、DLパケットは、UDP又はESPに設定されたプロトコル識別子を有するIPv4パケットでありうる。別の例では、DLパケットは、UDP又はESPに設定されたラストネクストヘッダを有するIPv6パケットでありうる。DLパケットは、1に設定されたRQIを含んでもよい。
【0053】
ブロック320において、UL方向のための反射型QoSルールが、DLパケットに基づいてIPSec SAごとに導出される。ここで、上述したように、反射型QoSルールは、DLパケット内のQFIに設定されたQFI、UL方向のためのパケットフィルタ、及び80(10進数)の優先順位値を含みうる。導出された反射型QoSルールは、新たに生成された反射型QoSルールとされることが可能であるか、又は既存の反射型QoSルールを更新するために使用可能である。
【0054】
以下では、UL方向のためのパケットフィルタを導出するためのプロセス400を示す
図4を参照して、ブロック320について更に説明する。
【0055】
図4に示されるように、ブロック410において、DLパケット内のSPIと関連付けられたDL IPSec SAに対応するUL IPSec SAが存在するか否かが判定される。存在しない場合(例えば、単方向通信の場合、又はUL IPSec SAを上位レイヤから取得できない場合)、UL方向のためのパケットフィルタは、以下を含むものとして導出されうる:
‐ DLパケットの送信元アドレスフィールドの値に設定されたIP(IPv4又はIPv6)リモートアドレスコンポーネント、
‐ DLパケットの宛先アドレスフィールドの値に設定されたIP(IPv4又はIPv6)ローカルアドレスコンポーネント;
‐ DLパケットのプロトコルフィールド又はラストネクストヘッダフィールドの値に設定されたプロトコル識別子又はネクストヘッダタイプコンポーネント;及び
‐ DLパケットのプロトコルフィールド又はラストネクストヘッダフィールドが、IETF RFC 768で規定されているUDPを示す場合:
-- 受信されたDLパケットの宛先ポートフィールドの値に設定された単一のローカルポートタイプコンポーネント;及び
-- 受信されたDLパケットの送信元ポートフィールドの値に設定された単一のリモートポートタイプコンポーネント。
【0056】
ブロック410において、DLパケット内のSPIと関連付けられたDL IPsec SAに対応するUL IPSec SAが存在する場合、ブロック420において、UL IPSec SAがESP/UDP/IPカプセル化を使用するかESP/IPカプセル化を使用するかが判定される。UL IPSec SAがESP/UDP/IPカプセル化を使用する場合、プロセスはブロック431に進み、又はUL IPSec SAがESP/IPカプセル化を使用する場合、プロセスはブロック441に進む。
【0057】
ブロック431において、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタが、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに基づいて導出される。ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに設定されたSPIタイプコンポーネントを含む。加えて、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、更に以下を含む:
‐ UL IPSec SAの送信元ポートフィールドの値(又は、DLパケットがESP/UDP/IPカプセル化を有する場合にはDLパケットの宛先ポートフィールドの値)に設定された単一のローカルポートタイプコンポーネント、及び
‐ UL IPSec SAの宛先ポートフィールドの値(又は、DLパケットがESP/UDP/IPカプセル化を有する場合にはDLパケットの送信元ポートフィールドの値)に設定された単一のリモートポートタイプコンポーネント。
【0058】
ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、更に以下を含む:
‐ DLパケットの送信元アドレスフィールドの値に設定されたIP(IPv4又はIPv6)リモートアドレスコンポーネント、
‐ DLパケットの宛先アドレスフィールドの値に設定されたIP(IPv4又はIPv6)ローカルアドレスコンポーネント、及び
‐ UDPの値(又は、DLパケットがESP/UDP/IPカプセル化を有する場合には、DLパケットのプロトコル識別子フィールド又はラストネクストヘッダフィールドの値)に設定されたプロトコル識別子又はネクストヘッダタイプコンポーネント。
【0059】
ブロック441において、ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタが、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに基づいて導出される。ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに設定されたSPIタイプコンポーネントを含む。加えて、ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、更に以下を含む:
‐ DLパケットの送信元アドレスフィールドの値に設定されたIP(IPv4又はIPv6)リモートアドレスコンポーネント、
‐ DLパケットの宛先アドレスフィールドの値に設定されたIP(IPv4又はIPv6)ローカルアドレスコンポーネント、及び
‐ ESPの値(又は、DLパケットがESP/IPカプセル化を有する場合には、DLパケットのプロトコル識別子フィールド又はラストネクストヘッダフィールドの値)に設定されたプロトコル識別子又はネクストヘッダタイプコンポーネント。
【0060】
一例では、UL IPSec SAがESP/UDP/IPカプセル化を使用する場合、ブロック432において、ブロック431において導出されたようなESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタに加えて、ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタが、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに基づいて導出されうる。ここで、ブロック432で導出されたパケットフィルタと、ブロック431で導出されたパケットフィルタとは、同じ反射型QoSルールに属してもよいし、異なる反射型QoSルールに属してもよい。ブロック432におけるパケットフィルタの導出の詳細については、ブロック441におけるパケットフィルタの導出を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0061】
一例では、UL IPSec SAがESP/IPカプセル化を使用する場合、ブロック442において、ブロック441において導出されたようなESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタに加えて、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタが、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに基づいて導出されうる。ここで、ブロック442で導出されたパケットフィルタと、ブロック441で導出されたパケットフィルタとは、同じ反射型QoSルールに属してもよいし、異なる反射型QoSルールに属してもよい。ブロック442におけるパケットフィルタの導出の詳細については、ブロック431におけるパケットフィルタの導出を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0062】
端末デバイスは、いくつかの反射型QoSルールを有しうる。端末デバイスは、以下のように、ULユーザデータパケットを反射型QoSルールのうちの1つと関連付けることを試みうる。
【0063】
IPSec保護がなされ、かつ、ESP/UDP/IPカプセル化を有するULパケットについて、当該ULパケットのIPヘッダコンポーネントに一致するIPヘッダコンポーネント(例えば、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、送信元ポート番号、宛先ポート番号、及びプロトコル識別子/ネクストヘッダ)を有する複数の反射型QoSルールが存在する場合、端末デバイスは、当該ULパケットを複数の反射型QoSルールのうちの1つに、以下のように優先度の高い順に関連付けうる。UL方向のための反射型QoSルールが、ULパケットのIPヘッダコンポーネントと一致するIPヘッダコンポーネントと、ULパケットのSPIコンポーネントと一致するSPIコンポーネントとを有する場合、ULパケットは、UL方向のための反射型QoSルールと関連付けられうる。一方で、UL方向のための反射型QoSルールが、ULパケットのIPヘッダコンポーネントと一致するIPヘッダコンポーネントと、ULパケットのSPIコンポーネントと一致するSPIコンポーネントとを有しない場合、ULパケットは、ULパケットのIPヘッダコンポーネントと一致するIPヘッダーコンポネントを有し、かつ、SPIコンポーネントを有しない、UL方向のための反射型QoSルールと関連付けられうる。
【0064】
インターネットキー交換(IKE)保護がなされ、かつ、ESP/UDP/IPカプセル化を有するULパケットについて、当該ULパケットは、ULパケットのIPヘッダコンポーネントに一致するIPヘッダコンポーネントを有し、かつ、SPIコンポーネントを有しない、UL方向のための反射型QoSルールと関連付けられうる。
【0065】
IPSec保護もIKE保護もなされていないULパケットについて、当該ULパケットは、当該ULパケットのIPヘッダコンポーネントと一致するIPヘッダコンポーネントを有し、かつ、SPIコンポーネントを有しない、UL方向のための反射型QoSルールと関連付けられうる。
【0066】
図5は、本開示の一実施形態による方法500を示すフローチャートである。方法500は、ネットワークノード(例えば、UPFを実装するネットワークノード)によって実行されうる。
【0067】
ブロック510において、端末デバイスを宛先とするDLパケットが受信される。DLパケットは、IPSec保護がなされ、かつ、ESP/UDP/IPカプセル化を有する。例えば、DLパケットは、UDPに設定されたプロトコル識別子を有するIPv4パケットでありうるか、又はDLパケットは、UDPに設定されたラストネクストヘッダを有するIPv6パケットでありうる。
【0068】
ブロック520において、端末デバイスにおけるDLパケットに基づくIPSec SAごとのUL方向のための反射型QoSルールの導出は、例えば、DLパケット内のRQIを1に設定することによってアクティブ化される。ここで、上記導出は、DLパケット内のSPIと関連付けられたDL IPSec SAに対応するUL IPSec SAと関連付けられたSPIに基づくパケットフィルタの導出を含みうる。更なる詳細については、上述の方法300及びプロセス400を参照することができる。
【0069】
一例では、反射型QoSルールの導出は、新たな反射型QoSルールを生成すること、又は既存の反射型QoSルールを更新することを含みうる。
【0070】
上述の方法300に対応して、端末デバイスが提供される。
図6は、本開示の実施形態による端末デバイス600のブロック図である。
【0071】
図6に示されるように、端末デバイス600は、DLパケットを受信するように構成された受信ユニット610を備え、当該DLパケットはIPSec保護がされている。端末デバイス600は、DLパケットに基づいて、IPSec SAごとにUL方向のための反射型QoSルールを導出するように構成された導出ユニット620を更に備える。
【0072】
一実施形態では、DLパケットは、ESP/UDP/IPカプセル化又はESP/IPカプセル化を有しうる。
【0073】
一実施形態では、導出ユニット620は、DLパケット内のSPIと関連付けられたDL IPSec SAに対応するUL IPSec SAが、ESP/UDP/IPカプセル化を使用する場合、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに基づいて、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタを導出するように構成されうる。
【0074】
一実施形態では、導出ユニット620は更に、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに基づいて、ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタを導出するように構成されうる。
【0075】
一実施形態では、導出ユニット620は、DLパケット内のSPIと関連付けられたDL IPSec SAに対応するUL IPSec SAが、ESP/IPカプセル化を使用する場合、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに基づいて、ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタを導出するように構成されうる。
【0076】
一実施形態では、導出ユニット620は更に、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに基づいて、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタを導出するように構成されうる。
【0077】
一実施形態では、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに設定されたSPIタイプコンポーネントを含みうる。
【0078】
一実施形態では、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、UL IPSec SAの送信元ポートフィールドの値に設定された単一のローカルポートタイプコンポーネントと、UL IPSec SAの宛先ポートフィールドの値に設定された単一のリモートポートタイプコンポーネントとを更に含みうる。
【0079】
一実施形態では、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、DLパケットの送信元アドレスフィールドの値に設定されたIPリモートアドレスコンポーネントと、DLパケットの宛先アドレスフィールドの値に設定されたIPローカルアドレスコンポーネントと、UDPの値に設定されたプロトコル識別子又はネクストヘッダタイプコンポーネントとを更に含みうる。
【0080】
一実施形態では、DLパケットがESP/UDP/IPカプセル化を有する場合、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、DLパケットの宛先ポートフィールドの値に設定された単一のローカルポートタイプコンポーネントと、DLパケットの送信元ポートフィールドの値に設定された単一のリモートポートタイプコンポーネントとを更に含みうる。
【0081】
一実施形態では、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、DLパケットの送信元アドレスフィールドの値に設定されたIPリモートアドレスコンポーネントと、DLパケットの宛先アドレスフィールドの値に設定されたIPローカルアドレスコンポーネントと、DLパケットのプロトコル識別子フィールド又はラストネクストヘッダフィールドの値に設定されたプロトコル識別子又はネクストヘッダタイプコンポーネントとを更に含みうる。
【0082】
一実施形態では、ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに設定されたSPIタイプコンポーネントを含みうる。
【0083】
一実施形態では、ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、DLパケットの送信元アドレスフィールドの値に設定されたIPリモートアドレスコンポーネントと、DLパケットの宛先アドレスフィールドの値に設定されたIPローカルアドレスコンポーネントと、ESPの値に設定されたプロトコル識別子又はネクストヘッダタイプコンポーネントとを更に含みうる。
【0084】
一実施形態では、DLパケットがESP/IPカプセル化を有する場合、ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、DLパケットの送信元アドレスフィールドの値に設定されたIPリモートアドレスコンポーネントと、DLパケットの宛先アドレスフィールドの値に設定されたIPローカルアドレスコンポーネントと、DLパケットのプロトコル識別子フィールド又はラストネクストヘッダフィールドの値に設定されたプロトコル識別子又はネクストヘッダタイプコンポーネントとを更に含みうる。
【0085】
一実施形態では、DLパケットは、UDP又はESPに設定されたプロトコル識別子を有するIPv4パケットでありうるか、又はDLパケットは、UDP又はESPに設定されたラストネクストヘッダを有するIPv6パケットでありうる。
【0086】
一実施形態では、DLパケットは、1に設定されたRQIを含んでもよい。
【0087】
一実施形態では、端末デバイス600は、IPSec保護がなされ、かつ、ESP/UDP/IPカプセル化を有するULパケットについて、UL方向のための反射型QoSルールが、ULパケットのIPヘッダコンポーネントと一致するIPヘッダコンポーネントと、ULパケットのSPIコンポーネントと一致するSPIコンポーネントとを有する場合には、ULパケットを、UL方向のための反射型QoSルールと関連付けるか、又は、UL方向のための反射型QoSルールが、ULパケットのIPヘッダコンポーネントと一致するIPヘッダコンポーネントと、ULパケットのSPIコンポーネントと一致するSPIコンポーネントとを有する場合には、ULパケットを、ULパケットのIPヘッダコンポーネントと一致し、かつ、SPIコンポーネントを有しないIPヘッダコンポーネントを有する、UL方向のための反射型QoSルールと関連付けるように構成された、関連付けユニットを更に備えうる。
【0088】
一実施形態では、端末デバイス600は、IKE保護がなされ、ESP/UDP/IPカプセル化を有するULパケットについて、当該ULパケットを、当該ULパケットのIPヘッダコンポーネントと一致するIPヘッダコンポーネントを有し、かつ、SPIコンポーネントを有しない、UL方向のための反射型QoSルールと関連付けるように構成された関連付けユニットを更に含みうる。
【0089】
ユニット610及び620は、純ハードウェアソリューションとして、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとして、例えば、プロセッサ又はマイクロプロセッサと、ソフトウェアを格納するための適切なソフトウェア及びメモリと、上記で説明され、例えば
図3に示された動作を実行するように構成された、プログラマブルロジックデバイス(PLD)又は(1つ以上の)他の電子コンポーネント又は処理回路と、のうちの1つ以上によって実装されうる。
【0090】
図7は、本開示の別の実施形態による端末デバイス700のブロック図である。
【0091】
端末デバイス700は、通信インタフェース710と、プロセッサ720と、メモリ730とを備える。メモリ730は、プロセッサ720によって実行可能であり、それによって端末デバイス700が、例えば、
図3に関連して前述した手順の動作を実行するように動作する、命令を含む。特に、メモリ730は、プロセッサ720によって実行可能な命令であって、それによって端末デバイス700が、IPSec保護がされたDLパケットを受信し、当該DLパケットに基づいて、IPSec SAごとにUL方向のための反射型QoSルールを導出するように動作する、命令を含む。
【0092】
一実施形態では、DLパケットは、ESP/UDP/IPカプセル化又はESP/IPカプセル化を有しうる。
【0093】
一実施形態では、反射型QoSルールを導出する動作は、DLパケット内のSPIと関連付けられたDL IPSec SAに対応するUL IPSec SAが、ESP/UDP/IPカプセル化を使用する場合、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに基づいて、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタを導出することを含みうる。
【0094】
一実施形態では、メモリ730は、プロセッサ720によって実行可能な命令であって、それによって端末デバイス700が、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに基づいて、ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタを導出するように動作する、命令を更に含みうる。
【0095】
一実施形態では、反射型QoSルールを導出する動作は、DLパケット内のSPIと関連付けられたDL IPSec SAに対応するUL IPSec SAがESP/IPカプセル化を使用する場合、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに基づいて、ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタを導出することを含みうる。
【0096】
一実施形態では、メモリ730は、プロセッサ720によって実行可能な命令であって、それによって端末デバイス700が、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに基づいて、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタを導出するように動作する、命令を更に含みうる。
【0097】
一実施形態では、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに設定されたSPIタイプコンポーネントを含みうる。
【0098】
一実施形態では、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、UL IPSec SAの送信元ポートフィールドの値に設定された単一のローカルポートタイプコンポーネントと、UL IPSec SAの宛先ポートフィールドの値に設定された単一のリモートポートタイプコンポーネントとを更に含みうる。
【0099】
一実施形態では、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、DLパケットの送信元アドレスフィールドの値に設定されたIPリモートアドレスコンポーネントと、DLパケットの宛先アドレスフィールドの値に設定されたIPローカルアドレスコンポーネントと、UDPの値に設定されたプロトコル識別子又はネクストヘッダタイプコンポーネントとを更に含みうる。
【0100】
一実施形態では、DLパケットがESP/UDP/IPカプセル化を有する場合、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、DLパケットの宛先ポートフィールドの値に設定された単一のローカルポートタイプコンポーネントと、DLパケットの送信元ポートフィールドの値に設定された単一のリモートポートタイプコンポーネントとを更に含みうる。
【0101】
一実施形態では、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、DLパケットの送信元アドレスフィールドの値に設定されたIPリモートアドレスコンポーネントと、DLパケットの宛先アドレスフィールドの値に設定されたIPローカルアドレスコンポーネントと、DLパケットのプロトコル識別子フィールド又はラストネクストヘッダフィールドの値に設定されたプロトコル識別子又はネクストヘッダタイプコンポーネントとを更に含みうる。
【0102】
一実施形態では、ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、UL IPSec SAと関連付けられたSPIに設定されたSPIタイプコンポーネントを含みうる。
【0103】
一実施形態では、ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、DLパケットの送信元アドレスフィールドの値に設定されたIPリモートアドレスコンポーネントと、DLパケットの宛先アドレスフィールドの値に設定されたIPローカルアドレスコンポーネントと、ESPの値に設定されたプロトコル識別子又はネクストヘッダタイプコンポーネントとを更に含みうる。
【0104】
一実施形態では、DLパケットがESP/IPカプセル化を有する場合、ESP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタは、DLパケットの送信元アドレスフィールドの値に設定されたIPリモートアドレスコンポーネントと、DLパケットの宛先アドレスフィールドの値に設定されたIPローカルアドレスコンポーネントと、DLパケットのプロトコル識別子フィールド又はラストネクストヘッダフィールドの値に設定されたプロトコル識別子又はネクストヘッダタイプコンポーネントとを更に含みうる。
【0105】
一実施形態では、DLパケットは、UDP又はESPに設定されたプロトコル識別子を有するIPv4パケットでありうるか、又はDLパケットは、UDP又はESPに設定されたラストネクストヘッダを有するIPv6パケットでありうる。
【0106】
一実施形態では、DLパケットは、1に設定されたRQIを含んでもよい。
【0107】
一実施形態では、メモリ730は、プロセッサ720によって実行可能な命令であって、それによって端末デバイス700が、IPSec保護がなされ、かつ、ESP/UDP/IPカプセル化を有するULパケットについて、UL方向のための反射型QoSルールが、ULパケットのIPヘッダコンポーネントと一致するIPヘッダコンポーネントと、ULパケットのSPIコンポーネントと一致するSPIコンポーネントとを有する場合には、ULパケットを、UL方向のための反射型QoSルールと関連付けるか、又は、UL方向のための反射型QoSルールが、ULパケットのIPヘッダコンポーネントと一致するIPヘッダコンポーネントと、ULパケットのSPIコンポーネントと一致するSPIコンポーネントとを有する場合には、ULパケットを、ULパケットのIPヘッダコンポーネントと一致し、かつ、SPIコンポーネントを有しないIPヘッダコンポーネントを有する、UL方向のための反射型QoSルールと関連付けるように動作する、命令を更に含みうる。
【0108】
一実施形態では、一実施形態では、メモリ730は、プロセッサ720によって実行可能な命令であって、それによって端末デバイス700が、IKE保護がなされ、ESP/UDP/IPカプセル化を有するULパケットについて、当該ULパケットを、当該ULパケットのIPヘッダコンポーネントと一致するIPヘッダコンポーネントを有し、かつ、SPIコンポーネントを有しない、UL方向のための反射型QoSルールと関連付けるように動作する、命令を更に含みうる。
【0109】
上述の方法500に対応して、ネットワークノードが提供される。
図8は、本開示の一実施形態によるネットワークノード800のブロック図である。
【0110】
図8に示されるように、ネットワークノード800は、端末デバイスに宛てられたDLパケットであって、IPSec保護が行われ、かつ、ESP/UDP/IPカプセル化を有するDLパケットを受信するように構成された受信ユニット810を備える。ネットワークノード800は、端末デバイスにおける、DLパケットに基づく、IPSec SAごとのUL方向のための反射型QoSルールの導出をアクティブ化するように構成されたアクティブ化ユニット820を更に備える。
【0111】
一実施形態では、DLパケットは、UDPに設定されたプロトコル識別子を有するIPv4パケットでありうるか、又はDLパケットは、UDPに設定されたラストネクストヘッダを有するIPv6パケットでありうる。
【0112】
一実施形態では、上記導出は、DLパケット内のSPIと関連付けられたDL IPSec SAに対応するUL IPSec SAと関連付けられたSPIに基づくパケットフィルタの導出を含みうる。
【0113】
一実施形態では、アクティブ化ユニット820は、DLパケット内のRQIを1に設定するように構成されうる。
【0114】
一実施形態では、ネットワークノードはUPFを実装しうる。
【0115】
図9は、本開示の別の実施形態によるネットワークノード900のブロック図である。
【0116】
ネットワークノード900は、通信インタフェース910と、プロセッサ920と、メモリ930とを備える。メモリ930は、プロセッサ920によって実行可能であり、それによってネットワークノード900が、例えば、
図5に関連して前述した手順の動作を実行するように動作する、命令を含む。特に、メモリ930は、プロセッサ920によって実行可能な命令であって、それによってネットワークノード900が、端末デバイスを宛先とするDLパケットであって、IPSec保護がされ、かつ、ESP/UDP/IPカプセル化を有するDLパケットを受信し、端末デバイスにおけるDLパケットに基づくIPSec SAごとのUL方向のための反射型QoSルールの導出をアクティブ化するように動作する。
【0117】
一実施形態では、DLパケットは、UDPに設定されたプロトコル識別子を有するIPv4パケットでありうるか、又はDLパケットは、UDPに設定されたラストネクストヘッダを有するIPv6パケットでありうる。
【0118】
一実施形態では、上記導出は、DLパケット内のSPIと関連付けられたDL IPSec SAに対応するUL IPSec SAと関連付けられたSPIに基づくパケットフィルタの導出を含みうる。
【0119】
ある実施形態では、アクティブ化する動作は、DLパケット内のRQIを1に設定することを含みうる。
【0120】
一実施形態では、ネットワークノードはUPFを実装しうる。
【0121】
本開示は更に、不揮発性メモリ又は揮発性メモリ(例えば、非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、及びハードドライブ)の形態の、少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラムを含む。コンピュータプログラムは、プロセッサ720によって実行されると端末デバイス700に、例えば、
図3に関連して前述した手順のアクションを実行させるコード/コンピュータ読取可能命令、又は、プロセッサ920によって実行されるとネットワークノード900に、例えば、
図5に関連して前述した手順のアクションを実行させるコード/コンピュータ読取可能命令を含む。
【0122】
コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラムモジュール内に構造化されたコンピュータプログラムコードとして構成されてもよい。コンピュータプログラムモジュールは、基本的に、
図3又は
図5に示されるフローのアクションを実行しうる。
【0123】
プロセッサは、単一のCPU(中央演算処理装置)でありうるが、2つ以上の処理ユニットを備えてもよい。例えば、プロセッサは、汎用マイクロプロセッサ、命令セットプロセッサ及び/又は関連するチップセット及び/又は特定用途向け集積回路(ASIC)等の専用マイクロプロセッサを含みうる。プロセッサは、キャッシュ目的のためのボードメモリを備えてもよい。コンピュータプログラムは、プロセッサに結合されたコンピュータプログラム製品によって担持されうる。コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラムが格納される非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体を含みうる。例えば、コンピュータプログラム製品は、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、又はEEPROMであってもよく、上記のコンピュータプログラムモジュールは、代替の実施形態ではメモリの形態で種々のコンピュータプログラム製品に分散されうる。
【0124】
本開示について、その実施形態を参照して上述してきた。当業者であれば、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の変形、変更及び追加を行うことが可能であることを理解されたい。したがって、本開示の範囲は、上記の特定の実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲によってのみ定められる。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置における方法(300)であって、
DL(ダウンリンク)パケットを受信すること(310)であって、前記DLパケットは、IPSec(IP(インターネットプロトコル)セキュリティ)保護がされている、ことと、
前記DLパケットに基づいて、IPSec SA(セキュリティアソシエーション)ごとにUL(アップリンク)方向のための反射型QoS(サービス品質)ルールを導出すること(320)と、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法(300)であって、前記DLパケットが、ESP(カプセル化セキュリティペイロード)/UDP(ユーザデータグラムプロトコル)/IPカプセル化、又はESP/IPカプセル化を有する、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法(300)であって、前記反射型QoSルールを導出すること(320)は、前記DLパケット内のSPI(セキュリティパラメータインデックス)と関連付けられたDL IPSec SAに対応するUL IPsec SAがESP/UDP/IPカプセル化を使用する場合に、
前記UL IPsec SAと関連付けられたSPIに基づいて、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのためのパケットフィルタを導出すること(431)を含む、方法。
【請求項4】
請求項
3に記載の方法(300)であって、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのための前記パケットフィルタは、前記UL IPsec SAと関連付けられた前記SPIに設定されたSPIタイプコンポーネントを含む、方法。
【請求項5】
請求項
4に記載の方法(300)であって、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのための前記パケットフィルタは、
前記UL IPSec SAの送信元ポートフィールドの値に設定された単一のローカルポートタイプコンポーネントと、
前記UL IPSec SAの宛先ポートフィールドの値に設定された単一のリモートポートタイプコンポーネントと、
を更に含む、方法。
【請求項6】
請求項
5に記載の方法(300)であって、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのための前記パケットフィルタは、
前記DLパケットの送信元アドレスフィールドの値に設定されたIPリモートアドレスコンポーネントと、
前記DLパケットの宛先アドレスフィールドの値に設定されたIPローカルアドレスコンポーネントと、
UDPの値に設定されたプロトコル識別子又はネクストヘッダタイプコンポーネントと、
を更に含む、方法。
【請求項7】
請求項
4に記載の方法(300)であって、前記DLパケットがESP/UDP/IPカプセル化を有する場合、前記ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのための前記パケットフィルタは、
前記DLパケットの宛先ポートフィールドの値に設定された単一のローカルポートタイプコンポーネントと、
前記DLパケットの送信元ポートフィールドの値に設定された単一のリモートポートタイプコンポーネントと、
を更に含む、方法。
【請求項8】
請求項
7に記載の方法(300)であって、ESP/UDP/IPカプセル化を伴うUL IPSec保護パケットのための前記パケットフィルタは、
前記DLパケットの送信元アドレスフィールドの値に設定されたIPリモートアドレスコンポーネントと、
前記DLパケットの宛先アドレスフィールドの値に設定されたIPローカルアドレスコンポーネントと、
前記DLパケットのプロトコル識別子フィールド又は最後のネクストヘッダフィールドの値に設定されたプロトコル識別子又はネクストヘッダタイプコンポーネントと、
を更に含む、方法。
【請求項9】
請求項2乃至
8のいずれか一項に記載の方法(300)であって、前記DLパケットは、UDP又はESPに設定されたプロトコル識別子を有するIPv4(IPバージョン4)パケットであるか、又は前記DLパケットは、UDP又はESPに設定された最後のネクストヘッダを有するIPv6(IPバージョン6)パケットである、方法。
【請求項10】
請求項1乃至
9のいずれか一項に記載の方法(300)であって、前記DLパケットは、1に設定されたRQI(反射型QoSインジケータ)を含む、方法。
【請求項11】
請求項1乃至
10のいずれか一項に記載の方法(300)であって、IPSec保護が行われ、かつ、ESP/UDP/IPカプセル化を有するULパケットについて、
UL方向のための反射型QoSルールが、前記ULパケットのIPヘッダコンポーネントと一致するIPヘッダコンポーネントと、前記ULパケットのSPIコンポーネントと一致するSPIコンポーネントとを有する場合に、前記ULパケットを、UL方向のための前記反射型QoSルールと関連付けるか、又は
UL方向のための反射型QoSルールが、前記ULパケットの前記IPヘッダコンポーネントと一致するIPヘッダコンポーネントと、前記ULパケットの前記SPIコンポーネントと一致するSPIコンポーネントとを有しない場合に、前記ULパケットを、前記ULパケットの前記IPヘッダコンポーネントと一致するIPヘッダコンポーネントを有し、かつ、SPIコンポーネントを有しない、UL方向のための反射型QoSルールと関連付けること、を更に含む、方法。
【請求項12】
請求項1乃至
11のいずれか一項に記載の方法(300)であって、IKE(インターネットキー交換)保護が行われ、かつ、ESP/UDP/IPカプセル化を有するULパケットについて、
前記ULパケットを、前記ULパケットのIPヘッダコンポーネントと一致するIPヘッダコンポーネントを有し、かつ、SPIコンポーネントを有しない、UL方向のための反射型QoSルールと関連付けること、を更に含む、方法。
【請求項13】
端末デバイス(700)であって、通信インタフェース(710)と、プロセッサ(720)と、メモリ(730)とを備え、前記メモリ(730)は、前記プロセッサ(720)が実行可能であり、それによって前記端末デバイス(700)が請求項1乃至
12のいずれか一項に記載の方法を実行するように動作する、命令を含む、端末デバイス。
【国際調査報告】