特表 2024-502249 圧入ローラカラー

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-01-18

(54)【発明の名称】圧入ローラカラー

(51)【国際特許分類】

   B62D 55/14 20060101AFI20240111BHJP

   F16C 17/02 20060101ALI20240111BHJP

   F16C 33/10 20060101ALI20240111BHJP

   F16C 33/74 20060101ALI20240111BHJP

   F16C 35/02 20060101ALI20240111BHJP

【ＦＩ】

B62D55/14 A

F16C17/02 Z

F16C33/10 Z

F16C33/74 Z

F16C35/02 C

【審査請求】有

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2023537503

(86)(22)【出願日】2021-12-08

(85)【翻訳文提出日】2023-07-14

(86)【国際出願番号】 US2021062309

(87)【国際公開番号】W WO2022140058

(87)【国際公開日】2022-06-30

(31)【優先権主張番号】17/130,248

(32)【優先日】2020-12-22

(33)【優先権主張国・地域又は機関】US

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】391020193

【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド

【氏名又は名称原語表記】ＣＡＴＥＲＰＩＬＬＡＲ ＩＮＣＯＲＰＯＲＡＴＥＤ

(74)【代理人】

【識別番号】110001243

【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】ウムバッハ、ブライアン ビー．

(72)【発明者】

【氏名】スアンノ、ジェンナロ

(72)【発明者】

【氏名】レッカー、ロジャー エル．

(72)【発明者】

【氏名】マティアン、ダニエル イー．

(72)【発明者】

【氏名】コール ジュニア、デール ティ．

(72)【発明者】

【氏名】ハイゼ、ジョーダン エム．

(72)【発明者】

【氏名】マグナー、スコット エイチ．

【テーマコード（参考）】

3J011

3J117

3J216

【Ｆターム（参考）】

3J011AA02

3J011AA04

3J011BA02

3J011KA02

3J011MA02

3J011PA02

3J011PA03

3J011RA03

3J117AA02

3J117CA04

3J117DA02

3J117DB10

3J216AA05

3J216AA12

3J216AB22

3J216BA30

3J216CA02

3J216CC64

(57)【要約】

【課題】圧入ローラカラーを提供する。
【解決手段】トラックローラシャフト（３００）は、回転軸（２０４）、径方向（２０８）、および回転軸（２０４）の周りに配置された周方向（２０６）を画定する回転面を含む本体を含む。本体はまた、回転軸（２０４）に沿って配置された軸方向近位端（３１０）と、軸方向近位端（３１０）に軸方向に隣接して配置された径方向延長孔（３０６）と、軸方向近位端（３１０）から径方向延長孔（３０６）よりも軸方向にさらに離れて配置されたガイド部材受容ポケット（３０４）とを画定する。

【特許請求の範囲】

【請求項1】

トラックローラカラー（４００）であって、
回転軸（４２０）、径方向（４２２）、回転軸（４２０）の周りに配置された周方向（４２４）を画定する回転凹面（４１８）を含む本体と、
前記回転軸（４２０）に沿って配置された第１軸方向端部（４２６）および前記回転軸（４２０）に沿って配置された第２軸方向端部（４２８）と、
前記第１軸方向端部（４２６）を通って前記第２軸方向端部（４２８）に向かって軸方向に延びて前記回転凹面（４１８）によって形成された開口部（４０２）と、を含み、
前記回転凹面（４１８）は、圧入径（４０６）を画定する圧入部分（４０４）と、前記圧入径（４０６）よりも大きい滑り嵌め径（４３０）を画定する滑り嵌め部分（４１２）と、を含む、トラックローラカラー。

【請求項2】

前記回転凹面（４１８）の前記滑り嵌め部分（４１２）は、前記圧入部分（４０４）から前記第２軸方向端部（４２８）まで軸方向に延びている、請求項１に記載のトラックローラカラー（４００）。

【請求項3】

前記本体は、前記第１軸方向端部（４２６）から前記第２軸方向端部（４２８）に向かって延びるガイド部材受容スロット（４１６）を画定する、請求項１に記載のトラックローラカラー（４００）。

【請求項4】

前記本体は、前記本体を通って径方向に延びる横穴（４１４）を画定し、前記横穴（４１４）は、前記回転凹面（４１８）の前記圧入部分（４０４）と前記滑り嵌め部分（４１２）との間に軸方向に配置された周縁（４３２）に軸方向に配置され、前記ガイド部材受容スロット（４１６）は、前記周縁（４３２）を越えて延び、前記横穴（４１４）と連通する、請求項３に記載のトラックローラカラー（４００）。

【請求項5】

前記ガイド部材受容スロット（４１６）は、前記開口部（４０２）の前記回転凹面（４１８）に接する平面に平行に延在する第１平坦面（４３４）と、前記第１平坦面（４３４）に垂直に延在する第２平面（４３６）とによって画定され、
Ｌ字型フランジ（４０８）をさらに含み、前記Ｌ字型フランジ（４０８）は、前記第１軸方向端部（４２６）と前記周縁（４２４）との間に軸方向に配置され、前記本体から径方向外側に延びて前記第１軸方向端部（４２６）に軸方向に向かう自由端部（４３８）で終端し、前記回転凹面（４１８）と前記Ｌ字型フランジ（４０８）の前記自由端部（４）との間に径方向に配置された面シール受容キャビティ（４１０）を少なくとも部分的に形成する、請求項４に記載のトラックローラカラー（４００）。

【請求項6】

トラックローラシャフト（３００）であって、
回転軸（２０４）、径方向（２０６）、および回転軸（２０４）の周りに配置された周方向（２０８）を画定する回転面（３０８）とを含む本体と、
前記回転軸（２０４）に沿って配置された軸方向近位端（３１０）と、
前記軸方向近位端（３１０）に軸方向に隣接して配置された径方向延長孔（３０６ａ）と、
前記径方向延長孔（３０６）よりも軸方向近位端（３１０）から軸方向にさらに離れて配置されたガイド部材受容ポケット（３０４）と、を含む、トラックローラシャフト（３００）。

【請求項7】

前記ガイド部材受容ポケット（３０４）は、第１径方向延長壁（３１２）と、前記第１径方向延長壁（３１２）から軸方向に離間した第２径方向延長壁（３１４）と、前記第１径方向延長壁（３１２）と前記第２径方向延長壁（３１４）との間に軸方向に延びる底壁とを含む、請求項６に記載のトラックローラシャフト（３００）。

【請求項8】

前記ガイド部材受容ポケット（３０４）は、前記第１径方向延長壁（３１２）を前記底壁（３１６）に接続する第１ブレンド（３１８）と、前記底壁（３１６）を前記第２径方向延長壁（３１４）に接続する第２ブレンド（３２０）とをさらに画定する、請求項７に記載のトラックローラシャフト（３００）。

【請求項9】

前記ガイド部材受容スロット（３０４）は、前記回転面（３０８）の接線平面に平行な平面内に矩形の外周（３２２）を画定し、前記底壁（３１６）は平坦であり、前記第１径方向延長壁（３１２）の表面積よりも大きい底壁表面積を画定する、請求項８に記載のトラックローラシャフト（３００）。

【請求項10】

前記回転面（３０８）は、前記ガイド部材受容ポケット（３０４）から軸方向近位端（３１０）まで一定の直径（３０２）を画定する、請求項９に記載のトラックローラシャフト（３００）。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、エンドレストラックドライブを使用した重機の車台に使用されるトラックローラに関する。具体的には、本開示は、より強固なトラックローラアセンブリを提供する圧入ローラカラーに関する。

【背景技術】

【0002】

現在の多くの用途では、トラックローラは、土工産業、建設産業、鉱業産業などでエンドレストラックドライブを使用する装置などの重機の重量を支えている。多くの場合、Ｏリングまたは他のシールは、潤滑油の漏れを防止するために、トラックローラアセンブリの一部として提供される。時間の経過とともに、トラックローラアセンブリにかかる圧力により、Ｏリングやその他のシールが劣化する可能性がある。

【0003】

最終的には、トラックローラアセンブリから潤滑油が漏れ始める可能性がある。その結果、磨耗したトラックローラアセンブリの様々な部品を交換するため、および／またはシールを交換するため、または機械の台車を保守するために、機械の使用はしばしば停止される。機械を使った経済的な取り組みにとって、不必要なコスト増や生産量の減少につながる可能性がある。

【0004】

米国特許出願公開第２０１７／００５０６８７ Ａ１号は、トラックローラの固定シャフトに固定カラーを取り付けることができる孔を含むトラックローラアセンブリ用の固定カラーを開示している。固定カラーは、固定カラーの第１部分が固定カラーの第２部分と異なるユニークな非対称設計を有することができる。この非対称設計は、トラックローラアセンブリ内への異物の侵入を防止するのに役立つ。さらに、非対称設計は、トラックローラが運転中に異物を除去するのを容易にすることができる。
理解できるように、‘６８７特許出願公開は、高負荷等により経時的に発生する可能性のある潤滑油漏れ漏れについては言及されていない。これにより、用途によっては、潤滑油の漏れを防止するためのより堅牢な設計を保証することができる。

【発明の概要】

【0005】

本開示の実施形態に係るトラックローラアセンブリは、回転軸、回転軸の周りに配置された周方向、回転軸に垂直に延びる径方向と、回転軸に沿って配置された第１軸端と、回転軸に沿って配置された第２軸端とを含む回転体を含むトラックローラシェルを含んでもよい。第１リム部分は、第１軸端に近接して配置され、第２リム部分は、第２軸端に近接して配置されてもよい。貫通孔は回転体を通って軸方向に延び、シャフトは貫通孔に配置されていてもよい。圧入カラーは、シャフトを受け入れるように構成された圧入部分を画定するシャフト受容開口部を画定してもよい。

【0006】

本開示の一実施形態に係るトラックローラシャフトは、回転軸、径方向、および回転軸の周りに配置された周方向を画定する回転面を含む本体を含んでもよい。本体は、回転軸に沿って配置された軸方向近位端と、軸方向近位端に軸方向に隣接して配置された径方向延長孔と、軸方向近位端から径方向延長孔よりも軸方向にさらに離れて配置されたガイド部材受容パケットとをさらに画定してもよい。

【0007】

本開示の一実施形態に係るトラックローラカラーは、回転軸、径方向、および回転軸の周りに配置された周方向を画定する回転凹面を含む本体を含んでもよい。本体は、回転軸に沿って配置された第１軸方向端部と、回転軸に沿って配置された第２軸方向端部と、第１軸方向端部を通って第２軸方向端部に向かって軸方向に延びて回転凹面によって形成された開口部とを画定してもよい。回転凹面は、圧入径を画定する圧入部分と、圧入径よりも大きい滑り嵌め径を画定する滑り嵌め部分とを含んでもよい。

【図面の簡単な説明】

【0008】

本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する図面は、本開示のいくつかの実施形態を示し、説明と共に本開示の原理を説明するために使用される。図面において、
図１は、本開示の実施形態に係る圧入ローラリングを用いたトラック式機械（例えば、油圧ショベル）の斜視図である。
図２は、本開示の一実施形態による、圧入ローラカラーを有するトラックローラアセンブリを備える図１の台車アセンブリの側面図である。
図３は、図２の車台アセンブリから分離されたトラックローラアセンブリ、アイドラ、およびトラックチェーンアセンブリを示す斜視図である。キャリアの代わりにトップローラが示されている。
図４は、図３の車台から取り外された、圧入ローラカラーを有するトラックローラアセンブリの斜視断面図である。
図５は、ローラシャフト内にガイド部材およびガイド部材受容パケットが示されていることを除いて、図４と同様の圧入ローラカラーを有するトラックローラアセンブリの斜視断面図である。
図６は、ローラシャフトが取り外され、ダウエルピンが取り外され、アセンブリが回転軸を中心に９０度回転し、ローラカラーの軸方向に延びるガイド部材受容スロットが露出する図５のトラックローラアセンブリを示す図である。

【発明を実施するための形態】

【0009】

以下、本開示の実施形態を詳細に参照し、その例を添付図面に示す。可能な限り、図面において、同一の参照番号を使用して同一または類似の部品を示す。場合によっては、参照番号は本明細書で表され、図面は参照番号の後に文字、例えば１００ａ、１００ｂ、または１００＼’、１００’’などのプライムが続くことを示す。参照番号の直後に英文字またはプライムを使用することは、幾何学的形状が対称平面鏡像を囲む場合によく見られるように、これらのフィーチャが同様の形状および同様の機能を有することを示すことが理解されるべきである。本明細書での説明を容易にするために、文字およびプライムは通常ここに含まれていないが、本明細書に記載されている類似または同一の機能または幾何学的形状を有する特徴の繰り返しを示すために、図面に示すことができる。

【0010】

以下、本開示の様々な実施形態に係るトラックローラアセンブリ、トラックローラカラー、およびトラックローラシャフトについて説明する。いくつかの実施形態では、トラックローラシェルは、（例えば、一体構造を有する）中実体である。他の実施形態では、トラッカーローラシェルは、トラックローラシェルなどを形成するために一緒に組み立てられる２つ以上のトラックローラ部材に分割される。

【0011】

いくつかの実施形態では、トラック式作業機械のローラのための圧入カラーが開示される。圧入カラーは、ローラピンの切り欠き部分（孔）に位置合わせされた２つの軸方向切り欠き部分を含む。カラーとローラピンの切り欠き部分は、ダウエルピンを受け入れ、ローラピン（ローラシャフトとも呼ばれる）の保持／エンドギャップ制御を容易にする。圧入カラーは、ローラピンのガイドスロットに係合するガイドブロックをさらに含む。ガイドブロックは、ボルト孔の正しい向きを維持して、ローラをローラフレームに取り付けることができるようにするのに役立つ。

【0012】

本開示の他の実施形態では、トラックローラアセンブリ、トラックローラシャフト、およびトラックローラカラーの他の構成は、本明細書で具体的に示され、説明される構成よりも可能性が高い。

【0013】

図１は、本開示の原理に従って構成されたトラックローラアセンブリ２００の実施形態を含む掘削機の形態のトラック式機械２０の実施形態を示す。他の用途では、バケットを使用して作業現場から材料を除去するために掘削機を使用することができる。

【0014】

より具体的には、図１は、本開示のいくつかの実施形態に係る、トラックアセンブリ２４を有する車台システム２２を含む機械２０を示す。機械２０は油圧ショベルとして示されているが、機械２０は、トラック台車システム２２を含む任意の他のタイプであってもよいことが理解されるべきである。本明細書で使用されるように、「機械」という用語は、土工、建築、造園、林業、採鉱、農業などの特定の産業に関連する物理的運動を伴う駆動動作を行う移動機械を意味する。

【0015】

この配置は、掘削機に関連して示されているが、本明細書で開示されている配置は、車輪ではなく、一般的にトラックシステムを採用している種々の他のタイプの機械に汎用性を有する。「機械」という用語は、鉱業、土木、建設などの産業、または当技術分野で知られている他の産業に関連したある種の操作を行う機械を意味することができる。例えば、機械は、油圧式採鉱ショベル、ホイールローダ、ケーブルショベル、トラックトラクタ、ブルドーザーまたはドラグライン等であってもよい。さらに、１つ以上の工具を機械に接続することができる。この工具は、持ち上げや積み込みなど、さまざまな作業で使用できる。

【0016】

台車システム２２は、機械２０を支持し、地面、道路、および他のタイプの地形に沿って機械２０を移動するように構成され得る。図２および図３に示すように、台車システム２２のトラックアセンブリ２４は、トラックローラフレーム２６と、トラックローラフレーム２６に接続された種々のガイド部品と、ガイド部品に係合するエンドレストラック２８とを含むことができる。ガイド部品は、トラック２８をガイドすることができ、駆動スプロケット３０、アイドラ３２、ローラ２００、トラックガイド３６、およびキャリア３８を含むが、他の部品も使用することができる

【0017】

トラック２８は、それに固定された複数のシュー４２を有するリンクアセンブリ４０を含むことができる。リンクアセンブリ４０は、トラック２８の可撓性骨格を形成することができ、シュー４２は、様々なタイプの地形上で牽引力を提供することができる。リンクアセンブリ４０は、駆動スプロケット３０、機械の重荷重を支持するローラ３４、アイドラ３２、およびキャリア３８の周りにエンドレスチェーン状に延びることができる。
図３に示すように、トラックシュー４２はリンクアセンブリ４０の周囲に固定され得る。例えば、横方向に間隔をおいて配置された一対のリンク４４のそれぞれに１つのシュー４２を取り付けることができる。トラックシュー４２は、様々な方法（例えば、図３に示すように、溶接、締結等）でリンク４４に接続することができる。

【0018】

図４および図５を参照して、本開示の一実施形態に従って構成されたトラックローラアセンブリ２００について説明する。トラックローラアセンブリ２００は、回転軸２０４と、回転軸２０４の周りに配置された周方向２０６と、回転軸２０４に垂直に延びる径方向２０８と、回転軸２０４に沿って配置された第１軸端２０９と、回転軸２０４に沿って配置された第２軸端２１０とを画定する回転体（このように呼ばれるのは、ＣＡＤ（コンピュータ支援製図）においてモデル化されるか、または回転体の幾何学的形状（例えば、旋盤等を用いて）によって少なくとも部分的に製造されるため）を含むトラックシェル２０２を含んでもよい（図３で最もよく見られる）。第１リム部分２１２は、第１軸端２０９に接近して配置されてもよく、第２リム部分２１４は、第２軸方向端部２１０接近して配置されてもよい（図３で最もよく見られる）。これは、本開示の他の実施形態では、このような場合ではないかもしれない。

【0019】

さらに、図４および図５において、貫通孔２１６は、トラックローラシェル２０２の回転体を通って軸方向に延びてもよい（本開示の他の実施形態ではそうでない場合がある）。図示するように、トラックローラシャフト３００は貫通孔２１６内に配置されてもよく、圧入カラー４００は、軸３００を強固に受け入れて保持するように構成された圧入部分４０４（図６も参照）を画定する軸受け開口部４０２を画定することができる。シャフト３００は、トラックローラシェル２０２の軸回りの回転を可能にするように設計されており、一方、カラー４００は、トラックローラアセンブリ２００を台車に取り付けるように設計されている。

【0020】

より具体的には、シャフト３００は、円筒径３０２を画定する円筒形本体を含むことができ、一方、カラー４００のシャフト受容開口部４０２の圧入部分４０４は、円筒径３０２よりも小さい内径４０６（図６参照）を画定することができる（したがって、締まりばめを生じる可能性がある）。本開示の様々な実施形態では、シャフトは、段付き円筒体、円錐体などを有してもよい。

【0021】

図４に示すように、トラックローラシェル２０２の回転体は、第１リム部分２１２から径方向内側に配置された第１面シール受容キャビティ２１８を画定することができ、圧入カラー４００は、第１面シール受容キャビティ２１８と連通する第２面シール受容キャビティ４１０を画定するＬ字状フランジ４０８を含むことができる。面シール２２０（例えば、金属間面シール、デュオコーン面シール等）は、第１面シール受容キャビティ２１８および第２面シール受容キャビティ４１０内に配置され得る。このような構成により、トラックローラシェル２０２の回転が可能となり、トラックローラシャフト３００およびカラー４００は、潤滑油に封入されたまま静止して、トラックローラシェル２０２の低摩擦回転を補助することができる。

【0022】

さらに、この目的を達成するために、軸受け部材２２２をトラックローラシェル２０２とシャフト３００との間に径方向に配置し（径方向軸受け部分２２２ａを参照）、圧入カラー４００とトラックローラシェル２０２との間に軸方向に配置してもよい（スラストリング部分２２２ｂを参照）。

【0023】

図６を参照すると、圧入カラー４００のシャフト受容開口部４０２の圧入部分４０４は軸受け部材２２２に軸方向に隣接して配置され、シャフト受容開口部４０２は径方向に拡大して、圧入部分４０４から軸方向に離れて（例えば、本明細書でより詳細に説明するように、軸の軸方向端部に向かって）延びる滑り嵌め部分４１２を形成してもよい。

【0024】

また、圧入カラー４００は、シャフト受容開口部４０２の滑り嵌め部分４１２を通って径方向に延びる貫通穴４１４と、圧入カラー４００のシャフト受容開口部４０２の圧入部分４０４に連通する軸方向に延びるスロット４１６（スロットの最大寸法が軸方向に沿っているためそう呼ばれる）とを画成してもよい。

【0025】

図５および図６を参照すると、シャフト３００は、圧入カラー４００の軸方向に延びるスロット４１６と連通するガイド部材受容キャビティ３０４を画定することができる。ガイド部材２２４は、軸方向に延びるスロット４１６およびガイド部材受容キャビティ３０４内に配置されてもよい。

【0026】

シャフト３００はまた、圧入カラー４００の貫通穴４１４と径方向および軸方向に位置合わせされた横穴３０６を画定することができる。横穴３０６および貫通穴４１４にダウエルピン２２６を設けることができる。

【0027】

組み立て中では、シャフトはカラー内に挿入され、ガイド部材は軸方向に延びるスロットに位置合わせされる。これにより、ガイド部材はキーのように動作し、スロットはキースロットのように動作する。これにより、シャフトがカラーに圧入されたときに、シャフトの横穴がカラーの貫通穴に確実に位置合わせされ、ダウエルピンを挿入してアセンブリを高荷重下で一緒に保持することができ、使用中のＯリングまたは他のシールを損傷する危険性を低減することができる。また、この位置合わせ機能は、ボルト孔が垂直方向に向くことを確実にして、トラック ローラ アセンブリをローラフレームに取り付けることを可能にする。

【0028】

次に、本開示の実施形態に従って、先に述べたトラックローラアセンブリ２００の一部または代替部品として提供され得るトラックローラシャフト３００について説明する。

【0029】

図５に示されるように、トラックローラシャフト３００は、回転軸（２０４と一致することができる）、径方向（２０６と一致することができる）、および回転軸の周りに配置された周方向（２０８と一致することができる）を画定する回転面３０８（本明細書に記載の回転体と同じ理由で、円錐面、円筒面などのいわゆる回転面）を含む本体を含むことができる。本体は、回転軸に沿って配置された軸方向近位端３１０と、軸方向近位端３１０に軸方向に隣接して配置された径方向延長孔３０６ａとを画定することができる。

【0030】

また、ガイド部材受容ポケット（例えば３０４参照）は、径方向延長孔３０６ａよりも軸方向近位端３１０から軸方向にさらに離れて配置されている。

【0031】

より具体的には、ガイド部材受容パケット（例えば３０４）は、第１径方向延長壁３１２と、第１径方向延長壁３１２から軸方向に離間した第２径方向延長壁３１４と、第１径方向延長壁３１２と第２径方向延長壁３１４との間に軸方向に延びる底壁３１６とを含む。第１ブレンド３１８（例えば半径）は、第１径方向延長壁３１２を底壁３１６に接続し、第２ブレンド３２０は底壁３１６を第２径方向延長壁３１４に接続することができる。

【0032】

図５に示すように、図６から推測されるように、ガイド部材受容パケットは、回転面３０８の接線平面に平行な平面内に矩形の外周３２２（ガイド部材２２４と相補的に形成されている）を画定することができる。さらに、底壁３１６は、平坦であってもよく、第１径方向延長壁３１２または第２径方向延長壁３１４の表面積よりも大きい底壁表面積を有してもよい。

【0033】

いくつかの実施形態では、回転面３０８は、ガイド部材受容ポケット（例えば３０４）から軸方向近位端３１０まで一定の直径（例えば３０２）を画定することができる。

【0034】

次に、本開示の実施形態に従って、トラックローラアセンブリ２００の一部または代替部品として提供されることができるトラックローラカラー４００について説明する。

【0035】

図６において、トラックローラカラーは、回転軸４２０、径方向４２２、および回転軸４２０の周りに配置された周方向４２４を画定する回転凹面４１８を含む本体を含んでもよい。本体はまた、回転軸４２０に沿って配置された第１軸方向端部４２６と、回転軸４２０に沿って配置された第２軸方向端部４２８とを有してもよい。開口部（例えば、４０２参照）は、第１軸方向端部４２６を通って第２軸方向端部４２８に向かって軸方向に延びて回転凹面４１８によって形成されてもよい。

【0036】

本明細書で前述したように、回転凹面４１８は、圧入径を画定する圧入部分４０４（例えば４０６参照）と、圧入径よりも大きい滑り嵌め径４３０を画定する滑り嵌め部分４１２（例えば４０６参照）とを含んでもよい。回転凹面４１８の滑り嵌め部分４１２は、圧入部分４０４から第２軸方向端部４２８まで軸方向に延びていてもよいが、必ずしもそうではない。

【0037】

図６を続けて参照すると、トラックローラカラー４００の本体は、第１軸方向端部４２６から第２軸方向端部４２８に向かって延びるガイド部材受容スロット（例えば、４１６参照）を画定することができる。

【0038】

また、横穴（例えば、４１４参照）は、本体を通って径方向に延びることができ、横穴は、回転凹面４１８の圧入部分４０４と滑り嵌め部分４１２との間に軸方向に配置された周縁４３２に軸方向に配置される。ガイド部材受容スロット（例えば４１６）は、周縁４３２を通って延在し、横穴（例えば４１４）と連通することができる。

【0039】

ガイド部材受容スロット（例えば、４１６）は、回転凹面４１８に接する平面に平行に延在する第１平坦面４３４と、第１平坦面４３４に垂直に延在する第２平坦面４３６とによって画定され得る。Ｌ字型フランジ４０８は、第１軸方向端部４２６と周縁４３２との間に軸方向に配置可能であり、第１軸方向端部４２６に向かって軸方向の自由端部４３８で終端する本体から径方向外方に延在可能である。フランジは、少なくとも部分的に、回転凹面４１８とＬ字型フランジ４０８の自由端４３８との間に径方向に配置された面シール受容キャビティ（例えば、４１０）を形成することができる。

【0040】

本明細書で使用されるように、物品「１つ（ａ）」および「１つ（ａｎ）」は、１つまたは複数の項目を含むことが意図されており、「１つまたは複数」と交換して使用することができる。１つの項目のみを使用することが意図されている場合は、用語「一（ｏｎｅ）」または類似の用語を使用する。また、本明細書で使用される場合、「有する（ｈａｓ）」、「有する（ｈａｖｅ）」、「有する（ｈａｖｉｎｇ）」、「有する（ｗｉｔｈ）」などの用語は、無制限の用語であることを意図しているさらに、「に基づいて」という語句は、特に明記しない限り、「少なくとも部分的に基づく」ということを意味することを意図している。

【0041】

前述の特徴のいずれも、本明細書に記載されているものまたは図面に示されているものとは異なるように変化させることができる。

【0042】

多くの実施形態では、トラックローラアセンブリの部品は、鉄、ねずみ鋳鉄、鋼、または他の適切な材料を用いて鋳造することができる。これらの部品は、任意のタイプの機械加工、鍛造など、他の材料や他の製造プロセスを使用して製造できる。また、本明細書に記載された任意の特徴の構成、およびその寸法および／またはその寸法の比率は、予想されるアプリケーションに応じて変化することができる。

【産業上の利用可能性】

【0043】

実際に、本明細書に記載された実施形態のいずれかに係るトラックローラアセンブリ、トラックローラカラー、およびトラックローラシャフトは、ＯＥＭ（相手先ブランド製造業者）またはアフターマーケットの状況で販売、購入、製造、またはその他の方法で入手することができる。
トラックローラアセンブリ、トラックローラカラー、またはトラックローラシャフトの様々な実施形態は、シール損傷および関連する潤滑損失の可能性を低減するより強固な接続を提供することによって、アセンブリまたはその様々な部品の摩耗寿命を延長することができる。これは、メンテナンスの頻度を減らすことができ、本明細書に記載の機械を使用する経済的努力の利益を増加するという利点がもたらされる。

【0044】

当業者にとって明らかなように、本開示の範囲または精神から逸脱することなく、本明細書で説明された装置および組み立て方法の実施形態に様々な修正および変更を加えることができる。本明細書に開示された様々な実施形態の仕様および実践を考慮することによって、本開示の他の実施形態は当業者にとって明らかである。例えば、いくつかの機器は、本明細書に記載されたものとは異なる構成および機能を有してもよく、いずれかの方法のある特定のステップは、省略されてもよく、既に具体的に言及されたものとは異なる順序で実行されてもよく、場合によっては同時にまたはサブステップで実行されてもよい。さらに、様々な実施形態の特定の態様またはフィーチャは、さらなる実施形態を作成するために変更または修正されてもよく、様々な実施形態のフィーチャおよび態様は、さらにさらなる実施形態を提供するために、他の実施形態の他のフィーチャまたは態様に追加され、またはそれらの代わりになってもよい。

【0045】

したがって、明細書および実施例は例示としてのみ考慮され、本発明の真の範囲および精神は以下の特許請求の範囲およびその均等物によって示されることが意図される。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【国際調査報告】