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特表2024-502250ボルトオンフラットアイドラセグメント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-18
(54)【発明の名称】ボルトオンフラットアイドラセグメント
(51)【国際特許分類】
   B62D 55/14 20060101AFI20240111BHJP
【FI】
B62D55/14 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537620
(86)(22)【出願日】2021-11-15
(85)【翻訳文提出日】2023-08-08
(86)【国際出願番号】 US2021059317
(87)【国際公開番号】W WO2022139977
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】17/128,607
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スタイナー、ケビン エル.
(72)【発明者】
【氏名】クラーク、ドノバン スチュアート
(72)【発明者】
【氏名】ビーアマン、ロバート ドナルド
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイスブルッフ、エリック ビー.
(72)【発明者】
【氏名】セブライト、ジェイソン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ ザビエル、マーティン タゴール
(72)【発明者】
【氏名】ノブロック、ダニエル アイ.
(72)【発明者】
【氏名】リケッツ、フィリップ ステフェン
(57)【要約】
【課題】ボルトオンフラットアイドラセグメントを提供する。
【解決手段】アイドラアセンブリ(200)は、回転軸(204)、径方向(206)および周方向(208)を画定する円筒形ハブ(202)を含む。円筒形ハブ(202)の段付き周面(210)は、第1径方向内面(212)と径方向円筒状外面(214)とを有する。取付穴(215)は、径方向円筒状外面(214)内に径方向に延びている。第1アイドラセグメント(300)は、円筒形ハブ(202)に取り付けられ、第1平面チェーンリンク接触面(302)を有する少なくとも部分的に平坦な本体を含む。円筒形ハブ(202)は、第1アイドラセグメント(300)の第2組の冶金特性とは異なる第1組の冶金特性を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイドラセグメント(300)であって、
縦方向(316)と、前記縦方向(316)に垂直な横方向(318)と、前記横方向(318)および前記縦方向(316)に垂直な垂直方向(320)とを画定する少なくとも部分的に平坦な本体であって、第1縦方向端部(322)、第2縦方向端部(324)、第1横方向端部(326)、第2横方向端部(328)、第1垂直端(320)、および第2垂直端(332)をさらに画定する本体を含み、前記少なくとも部分的に平坦な本体は、
前記第1横方向端部(326)から前記第2横方向端部(328)に向かって横方向に延びる第1フラットレール面(302)と、
前記第2横方向端部(328)から前記第1横方向端部(326)に向かって横方向に延びる第2フラットレール面(302a)と、
前記第1フラットレール面(302)を前記第2フラットレール面(302a)に横方向に接続する案内稜(306)とを含む、アイドラセグメント(300)。
【請求項2】
前記案内稜(306)は、前記第1垂直端(330)を画定する凸円弧面(312)または第1平行平坦面(344)を含む、請求項1に記載のアイドラセクション(300)。
【請求項3】
前記第1フラットレール面(302)の下に垂直に配置され、前記第2垂直端(332)を画定する、第1凹円弧面(334)または第2平行平面(344a)をさらに含む、請求項2に記載のアイドラセクション(300)。
【請求項4】
前記第2フラットレール面(302a)の下に垂直に配置され、前記第1凹円弧面と同じく延びる第2凹円弧面(334a)をさらに含む、請求項3に記載のアイドラセクション(300)。
【請求項5】
前記少なくとも部分的に平坦な本体は、前記第1凹円弧面と前記第2凹円弧面との間に横方向に介在する溝(304)を画定し、前記溝(304)はさらに前記案内稜(306)の下に垂直に配置され、前記案内稜(306)は、前記案内稜(306)を通って完全に垂直に延びる複数の締結具受け穴(308)を画定する、請求項4に記載のアイドラセグメント(300)。
【請求項6】
アイドラセグメント(300)であって、
周方向(208)、径方向(206)および回転軸(204)を画定する少なくとも部分的な回転体を含み、前記少なくとも部分的な回転体は
軸方向、径方向および周方向に延びる案内稜(306)と、
前記案内稜(306)から軸方向に延びる第1平面接触面(302)と、
前記案内稜(306)から軸方向に延びる第2平面接触面(302a)と、を含み、
前記第1平面接触面(302)は、第1特性を有する第1材料領域(336)を含み、前記少なくとも部分的な回転体の残りの部分は、前記第1特性とは異なる第2特性を有する第2材料領域(338)を含む、アイドラセグメント(300)。
【請求項7】
前記第1特性は第1材料であり、前記第2特性は前記第1材料とは異なる第2材料であるか、前記第1特性はコーティングであり、前記第2特性はコーティングの欠如であるか、または前記第1特性は第1材料硬度であり、前記第2特性は第1材料硬度とは異なる第2材料硬度である、請求項6に記載のアイドラセグメント(300)。
【請求項8】
前記第2平面接触面(302a)は、前記第1平面接触面(302)の前記第1材料領域の第1特性と同じ第3特性を有する第3材料領域(336a)を含む、請求項6に記載のアイドラセグメント(300)。
【請求項9】
前記案内稜(306)は、さらに、径方向外周面(312)と、前記第1平面接触面(302)を前記径方向外周面(312)に接続する第1径方向延長面(340)と、前記第2平面接触面(302a)を前記径方向外周面(312)に接続する第2径方向延長面(342)とを含む、請求項6に記載のアイドラセグメント(300)。
【請求項10】
前記第1平面接触面(302)、前記第1径方向延長面(340)、前記径方向外周面(312)、前記第2径方向延長面(342)および前記第2平面接触面(302a)は、前記第1平面接触面(302)、前記第1径方向延長面(340)、前記径方向外周面(312)、前記第2径方向延長面(342)および第2平面接触面(302a)の全体を包含するように軸方向および周方向に延びる同一の第1材料領域336を共有する、請求項9に記載のアイドラセグメント(300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、土工機械、建設機械、採鉱機械等で使用されるエンドレス車台駆動装置のトラックチェーンアセンブリを案内するためのアイドラに関する。具体的には、本開示は、トラックチェーンアセンブリのリンク上に波形が形成される可能性を低減するアイドラセグメントを用いて組み立てられたアイドラに関する。
【背景技術】
【0002】
土工機械、建築機械、採鉱機械などは、通常、荒れたオフロード地形で使用されることがよくある。これらの機械は、通常、トラックシューを備えたエンドレスドライブを採用しており、このような環境では障害物や不整地などを乗り越えて機械をより良く推進できる。シューを含むトラックチェーンアセンブリは、機械のドライブスプロケット、アイドラおよびサポートローラに支持された一連の相互に接続されたトラックリンク、ピンおよびブッシングによって一緒に保持される。ドライブスプロケットと呼ばれるのは、トラックチェーンアセンブリを駆動したり動力を伝達したりしてアイドラホイールの周りを回転させ、機械の直線運動を引き起こすからである。アイドラホイールは、トラックチェーンアセンブリに案内を提供し、トラックチェーンアセンブリを車台に保持するのを助ける。
【0003】
トラックチェーンアセンブリのリンクの平坦な面に接触するアイドラは通常円形であり、大きな負荷がかかることがよくある。時間の経過とともに、トラックチェーンアセンブリのリンクに円形アイドラとリンクの間の境界面で波形が発生することがある。この波形は、この波形は乗り心地を不均一にし、最終的には不要なメンテナンスや機械のダウンタイムを引き起こす可能性がある。
【0004】
例えば、リンクおよび/またはトラックチェーンアセンブリは、全体として交換または修理が必要な場合がある。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一実施形態によるアイドラアセンブリは、回転軸、径方向および周方向を画定する円筒形ハブを含むことができ、第1径方向内面および径方向円筒状外面を有する段付き周面を含んでもよい。複数の取付穴は、径方向円筒状外面内に径方向に延びてもよい。アイドラアセンブリは、第1平面チェーンリンク接触面を有する少なくとも部分的に平坦な本体を含む第1アイドラセグメントをさらに有してもよい。円筒形ハブは、第1アイドラセグメントの第2組の冶金特性とは異なる第1組の冶金特性を有してもよい。
【0006】
本開示の一実施形態によるアイドラセグメントは、縦方向と、縦方向に垂直な横方向と、横方向および縦方向に垂直な垂直方向とを画定する少なくとも部分的に平坦な本体を含んでもよい。本体は、さらに、第1縦方向端部、第2縦方向端部、第1横方向端部、第2横方向端部、第1垂直端および第2垂直端を画定する第1フラットレール面は、第1横方向端部から第2横方向端部に向かって横方向に延びてもよく、第2フラットレール面は、第2横方向端部から第1横方向端部に向かって横方向に延びてもよい。案内稜は、第1フラットレール面を第2フラットレール面に横方向に接続してもよい。
【0007】
本開示の別の実施形態によるアイドラセグメントは、周方向、径方向および回転軸を画定する少なくとも部分的な回転体を含んでもよい。案内稜は、軸方向、径方向および周方向に延びてもよく、第1平面接触面は、一方の側で案内稜から軸方向に延びてもよく、第2平面接触面は、他方の側で案内稜から軸方向に延びてもよい。第1平面接触面は、第1特性を有する第1材料領域を含み、少なくとも部分的な回転体の残りの部分は、第1特性とは異なる第2特性を有する第2材料領域を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する図面は、本開示のいくつかの実施形態を示し、明細書と共に本開示の原理を説明するために使用される。
図1】本開示の各実施形態による、車台内で平坦なアイドラセグメントを使用することができるブルドーザなどの機械の側面図である。
図2図1の機械の車台に使用可能な平坦なアイドラセグメントを有するアイドラアセンブリの正面図である。
図3図2に示されたものと同様な平坦なアイドラセグメントを有するアイドラアセンブリの斜視図であり、アイドラアセンブリは別個に示されている。
図4】アイドラセグメントのフラットレール面をより明確に示す、図3のアイドラアセンブリの拡大詳細図である。
図5図3のアイドラアセンブリの側面断面図である。
図6図4のフラットアイドラセグメントを単独で示した斜視図である。
図7】下側表面が円弧ではなく平面である以外、図6と同様のフラットアイドラセグメントの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態を詳細に参照し、その例を添付図面に示す。可能な限り、図面において、同一の参照番号を使用して同一または類似の部品を示す。いくつかの場合、参照番号は本明細書で表され、図面は参照番号の後に文字、例えば100a、100b、または100’、100’’などの素数が続くことを示す。参照番号の直後に英文字またはプライムを使用することは、幾何学的形状が対称平面鏡像を囲む場合によく見られるように、これらのフィーチャが同様の形状および同様の機能を有することを示すことが理解されるべきである。本明細書での説明を容易にするために、文字および素数は通常ここに含まれていないが、本明細書に記載されている類似または同一の機能または幾何学的形状を有する特徴の繰り返しを示すために、図面に示すことができる。
【0010】
以下、本開示の各実施形態によるアイドラアセンブリまたはアイドラセグメントを使用することができる車台アセンブリについて説明する。
【0011】
図1は、本開示の原理に従って構成されたアイドラアセンブリ200の実施形態を含むブルドーザの形態のトラック機械100の実施形態を示す。他の用途では、ブルドーザを使用して、様々な土工や建築用途で土や岩石を押すことができる。
【0012】
この配置はブルドーザに関連して示されているが、本明細書で開示されている配置は、車輪ではなく、一般的にトラックシステムを採用している他の様々なタイプの機械において一般的に適用可能である。「機械」という用語は、鉱業、土木、建設などの産業、または当技術分野で知られている他の産業に関連したある種の操作を行う機械を意味することができる。機械は、例えば、掘削機、ホイールローダ、ケーブルショベル、トラックトラクタ、油圧採鉱ショベル、または牽引索などであってもよい。さらに、1つ以上の作業具を機械に接続することができる。このような作業具は、例えば、持ち上げや積み込みなどのさまざまな作業に利用することができる。
【0013】
図1に示すように、機械100は、トラックシステム102が取り付けられた本体104と、機械のオペレータを収容する運転室106とを含むことができる。機械はまた、ブレードまたはバケットなどの作業具(図示せず)を含むことができる。運転室106内には、機械オペレータが掘削、発掘、または任意の他の適切な用途のために作業具110を操作し、関節運動させることを可能にするように適合されていてもよい制御システムが収容されていてもよい。
【0014】
その車台構造は、機械100の運動のためにトラックシステム102を支持する支持構造を含む。トラックシステム102は、車台アセンブリのそれぞれの第1および第2側から離間して隣接する第1および第2トラックローラフレームアセンブリ116を含むことができる。図1には、1つのトラックローラフレームアセンブリ116のみが示されていることを理解されたい。
【0015】
各トラックローラフレームアセンブリ116は、フロント前アイドラホイール120、ドライブスプロケットアセンブリ122、および複数のトラックガイドローラ124を担持する。ドライブスプロケットアセンブリ122は、機械100によって正方向および逆方向に動力を供給される。エンドレストラックチェーンアセンブリ126は、各ドライブスプロケットアセンブリ122、フロントアイドラホイール128、リアアイドラホイールアセンブリ(例えば、200を参照)およびトラックガイドローラ124を取り込んでいる。トラックチェーンアセンブリ126は、相互接続された複数のトラックリンク110およびトラックシュー112を含む。トラックガイドローラ124およびアイドラ120,200は、ドライブスプロケットアセンブリ122によってトラックチェーンアセンブリ126が駆動されると、トラックリンク110を案内する。トラックチェーンアセンブリ126は、任意のトラックチェーン部材、トラックピン保持装置、および/またはトラックチェーンアセンブリを有することができる。ドライブスプロケットアセンブリ122のラグが種々のトラックブッシング(図1に図示せず)と係合するとき、動力源130は、スプロケットアセンブリ122を介してトラックチェーンアセンブリ126を駆動し、本明細書で前述したように、トラックチェーンアセンブリ126の運動を推進するための動力を提供する。
【0016】
動力源130は、ある範囲の出力速度およびトルクで機械100のスプロケットアセンブリ122を駆動することができる。動力源130は、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン、ガス燃料駆動エンジン、または任意の他の適切なエンジンなどのエンジンとすることができる。動力源130はまた例えば、燃料電池、電力貯蔵装置、または当技術分野で既知のまたは今後考案される任意の他の電源などの非燃焼電源であってもよい。
【0017】
図2および図3を参照すると、本開示の一実施形態によるアイドラアセンブリ200の詳細が説明される。
【0018】
アイドラアセンブリ200は、回転軸204、径方向206、および周方向208を画定する円筒形ハブ202を含むことができる。図5に最もよく示すように、円筒形ハブ202は、第1径方向内面212と径方向円筒状外面214とを有する段付き周面210を含むことができる。複数の取付穴215は、径方向円筒状外面214内に径方向に延びることができる。第1アイドラセグメント300は、円筒形ハブ202に取り付けられてもよく、図2および図4に最もよく示すように、第1平面チェーンリンク接触面302を有する少なくとも部分的に平坦な本体を有してもよい。
【0019】
円筒形ハブ202は、第1アイドラセグメントの第2組の冶金特性とは異なる第1組の冶金特性を有することができる。
【0020】
より具体的には、円筒形ハブ202の第1組の冶金特性と、第1アイドラセグメント300の第2組の冶金特性との間には、材料成分、硬度、コーティング、または材料成分、硬度またはコーティングの分布のうちの少なくとも1つを含む差が存在する可能性がある。
【0021】
本開示のいくつかの実施形態では、第1アイドラセグメント300は、円筒形ハブ202とは異なる材料組成を有する。例えば、第1アイドラセグメント300は鋼製であり、円筒形ハブ202は鉄、ねずみ鋳鉄等であってもよい。あるいは、第1アイドラセグメントは、少なくとも部分的に、円筒形ハブよりも高い硬度に硬化されていてもよい。あるいは、第1平面チェーンリンク接触面にコーティングを適用して、硬度を増加させ、および/または摩耗を減少させることができる。円筒形ハブは、このコーティングを省略することができる。これらの違いの任意の組み合わせを使用することができる。
【0022】
図5に示された幾何学的形状に焦点を当てると、段付き周面210はスプライン216を形成し得る一方、第1アイドラセグメント300はスプライン受け溝304を画定し得ることが理解される。円筒形ハブ202のスプライン216が第1アイドラセグメント300のスプライン受け溝304内に配置されると、使用中のトラックチェーンアセンブリのリンクによって加えられる横方向荷重が、締結具218(例えば、ボルト、キャップ付きねじ等)だけでは耐えられないように、軸方向支持が提供される。これらの横方向荷重は、機械100の使用中にトラックチェーンアセンブリが横方向に移動するときにトラックチェーンアセンブリのリンクの内側に接触することができる案内稜306を介して第1アイドラセグメント300に伝達され得る。
【0023】
図4および図6に最もよく示すように、複数の取付穴308は、第1アイドラセグメント300を通って径方向に延び(例えば、図示のように案内稜306を通っているが、必ずしもそうではない)、円筒形ハブの複数の取付穴215と周方向および軸方向に整列されている。これにより、締結具218が第1アイドラセグメント300を円筒形ハブ202に強固に取り付けることができる。
【0024】
図3図5を参照すると、円筒形ハブの第1径方向内面212は、第1アイドラセグメント300の第1平面チェーンリンク接触面302とは異なる凸円弧面とすることができる。しかしながら、本開示の他の実施形態では、第1径方向内面212は、例えば図7に示されるアイドラセグメントの平坦な下側表面と協働する平坦または平面の表面であってもよいことが予想される。この場合、径方向内面は、そのような複数のアイドラセグメントと協働するように周囲にファセットされる。
【0025】
同様に、円筒形ハブ202の段付き周面210は、第2径方向内面212a(図5参照)を含み、第1アイドラセグメント300は、第1平面チェーンリンク接触面302と同一平面内(すなわち、同じ幾何学的平面、図6も参照)にある第2平面チェーンリンク接触面302aを含むことができる。本開示の他の実施形態では、そうでない場合がある。円筒形ハブ202の第2径方向内面212aは、第1径方向内面212と同じ長さの凸状円弧面(すなわち、案内稜によって切断されなければ連続する)とすることができる。他の実施形態では、2つの面212および212aは同一平面内にあってもよい。さらに、本開示の他の実施形態では、2つの面212、212aは、図7に示されるアイドラセグメントと協働するように、ファセットされ、互いに周方向に同期されていてもよい。
【0026】
図2および図3を一緒に見ることによって最もよく理解されるように、第1アイドラセグメント300と同じ構成の複数のアイドラセグメントは、回転軸204の周りに円形のアレイとして提供されてもよい。これらのセグメントにかかる周方向荷重は、周方向に隣接するセグメントによって分担され、締結具218の過負荷を防止するのに役立つように、これらの周方向端部は互いに隣接することができる。同様に、第1および第2径方向内面212、212は、アイドラセグメントに所望の支持を提供するように、径方向円筒状外面214と同心とすることができる。本開示の他の実施形態では、そうでない場合がある。
【0027】
次に、ここで、図5および図6を参照して、本明細書で説明されているようなアイドラアセンブリ200を組み立てるために、または代替部品として使用することができるアイドラセグメントについて説明する。
図6から始めると、そのようなアイドラセグメント300は、縦方向316と、縦方向316に垂直な横方向318と、横方向318および縦方向に垂直な垂直方向320とを画定する少なくとも部分的に平坦な本体を含むことができる。本体はさらに、第1縦方向端部322、第2縦方向端部324、第1横方向端部326、第2横方向端部328、第1垂直端330および第2垂直端332を画定することができる。
【0028】
第1フラットレール面(例えば302を参照)は、第1横方向端部326から第2横方向端部328に向かって横方向に延びることができ、一方、第2フラットレール面(例えば302aを参照)は、第2横方向端部328から第1横方向端部326に向かって横方向に延びる。案内稜(例えば306を参照)は、第1フラットレール面を第2フラットレール面に接続するように横方向に延びることができる。
【0029】
案内稜は、第1垂直端330を画定する凸円弧面を含むことができる(例えば、312を参照)。いくつかの実施形態では、第1凹円弧面334は、第1フラットレール面の下に垂直に配置されてもよく(例えば、302を参照)、第2垂直端332を画定してもよい。代替的に、第1平行平坦面344(図7参照)は第1平坦レール面の下に垂直に配置されてもよい。
【0030】
同様に、第2凹円弧面は、第2平面レール面の下に垂直に配置されてもよく(例えば、302aを参照)、第2凹円弧面は、第1凹円弧面と同じ長さである。つまり、案内稜によって破断されなければ、これらは同じ円筒面を形成することにある。代替的に、別の平行平坦面344a(図7参照)を、対応するものと同一平面上にある第2フラットレール面(344参照)の下に垂直に配置することができる。
【0031】
図5において、少なくとも部分的に平坦な本体は、第1凹円弧面334と第2凹円弧面334a(または対応する平行平坦面334,334a)との間に横方向に介在する溝(例えば304参照)を画定する。溝はまた、案内稜の下に垂直に配置されてもよく、案内稜(例えば306を参照)は、案内稜を通って完全に垂直に延びる複数の締結具受け穴(例えば308を参照)を画定してもよい。本開示の他の実施形態では、そうでない場合がある。
【0032】
アイドラアセンブリ200と共に使用するために本開示の別の実施形態に従って構築された別のアイドラセグメント300の特徴は以下のとおりである。
【0033】
図5および図6を参照すると、アイドラセグメント300は、少なくとも部分的な回転体を含むことができる。このように呼ばれるのは、CAD(コンピュータ支援製図)を用いて幾何学的形状を回転させたり、回転軸を中心に身体を加工したりすることで、本体の少なくとも一部を構築することができるからである。したがって、この本体は、周方向(例えば、組み立て時に208と同じであってもよい)、径方向(例えば、206を参照)、および回転軸(例えば、204を参照)を画定することができる。
【0034】
案内稜(例えば、306を参照)は、アイドラセグメント300の周方向端部(例えば、322および324を参照)まで軸方向、径方向および周方向に延びることができる。第1平面接触面(例えば、302を参照)は、案内稜からアイドラセグメント(300)の軸方向端部まで軸方向に延在することができ(例えば、326を参照)、第2平面接触面(例えば、302aを参照)は、案内稜から反対の軸方向端部まで軸方向に延びることができる(例えば、328を参照)。
【0035】
本開示のいくつかの実施形態では、第1平面接触表面(例えば302参照)は、第1特性を有する第1材料領域336(図6参照)を含み、少なくとも部分的な回転体の残りの部分は、第1特性とは異なる第2特性を有する第2材料領域338を含む。
【0036】
例えば、第1特性は第1材料であってもよく、第2特性は第1特性とは異なる第2材料であってもよい。または、第1プロパティはコーティングであり、第2プロパティはコーティングの欠如である。または、第1特性は第1材料硬度であり、第2特性は第1材料硬度とは異なる第2材料硬度であるなどである。
【0037】
図6に焦点を当てると、第2平面接触面は、第1平面接触面の第1材料領域の第1特性と同じ第3特性を有する第3材料領域336aを含むことができる。
【0038】
図5において、案内稜(例えば、306を参照)は、さらに、径方向外周面(例えば、312を参照))と、第1平面接触面(例えば、302を参照)を径方向外周面に接続する第1径方向延長面340(平面であっても円錐であってもよい)と、第2平面接触面(例えば、302aを参照)を径方向外周面(例えば、312を参照)に接続する第2径方向延長面342(平面であっても円錐であってもよい)とを含むことができる。
【0039】
本開示のいくつかの実施形態では、第1平面接触面、第1径方向延長面、径方向外周面、第2径方向延長面および第2平面接触面は、第1平面接触面、第1径方向延長面、径方向外周面、第2径方向延長面および第2平面接触面の全体を包含するように、軸方向および周方向に延びる同じ第1材料領域336を共有することができる。
【0040】
前述の特徴のいずれも、本開示の様々な実施形態において本明細書で具体的に説明される構成またはサイズとは異なるものとすることができる。
【0041】
多くの実施形態では、アイドラセグメントおよび/またはハブは、鉄、ねずみ鋳鉄、鋼、または他の適切な材料を用いて鋳造されてもよい。任意のタイプの機械加工、鍛造などの他の製造プロセスを使用することができる。たとえば、アイドラセグメントの製造には、鋼または「強靭鋼」を使用できる。アイドラセグメントは、コーティング、熱処理等を施すこともできる。様々な用途に適した特性を提供する。
【産業上の利用可能性】
【0042】
実際に、本明細書に記載されたいずれかの実施形態によるアイドラアセンブリ、アイドラセグメント、および車台アセンブリは、OEM(相手先ブランド製造業者)またはアフターマーケット環境において、販売、購入、製造、またはその他の方法で入手することができる。
【0043】
アイドラセグメントの各実施形態は、隣接するセグメント間で荷重を分担することを容易にし、それによって、任意の単一セグメントまたはその締結具等によって負担される荷重を低減することができる。さらに、アイドラセグメントの幅は、異なるトラックチェーンアセンブリに適合する汎用性を提供するために変更可能である。
【0044】
本明細書で使用されるように、冠詞「1つ(a)」および「1つ(an)」は、1つまたは複数の項目を含むことが意図されており、「1つまたは複数」と交換して使用することができる。1つの項目のみを使用することが意図されている場合は、用語「1」または類似の用語を使用する。さらに、本明細書で使用されるように、「有する(has)」、「有する(have)」、「有する(having)」、「有する(with)」などの用語は、無制限の用語であることを意図している。さらに、「に基づいて」という語句は、特に明記しない限り、「少なくとも部分的に基づく」ということを意味することを意図している。
【0045】
当業者にとって明らかなように、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本明細書で説明された装置および組み立て方法の実施形態に様々な修正および変更を加えることができる。本明細書に開示された様々な実施形態の仕様および実践を考慮することによって、本開示の他の実施形態は当業者にとって明らかである。例えば、いくつかの機器は、本明細書に記載されたものとは異なる構成および機能を有してもよく、いずれかの方法のある特定のステップは、省略されてもよく、既に具体的に言及されたものとは異なる順序で実行されてもよく、場合によっては同時にまたはサブステップで実行されてもよい。さらに、様々な実施形態の特定の態様またはフィーチャは、さらなる実施形態を作成するために変更または修正されてもよく、様々な実施形態のフィーチャおよび態様は、さらにさらなる実施形態を提供するために、他の実施形態の他のフィーチャまたは態様に追加され、またはそれらの代わりになってもよい。
【0046】
したがって、本明細書および実施形態は単なる例示的なものとみなされ、本開示の真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって示される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】