IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カンパニー ジェネラレ デ エスタブリシュメンツ ミシュランの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-18
(54)【発明の名称】性能が長続きするタイヤトレッド
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/00 20060101AFI20240111BHJP
   B60C 11/03 20060101ALI20240111BHJP
   B60C 11/24 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
B60C11/00 D
B60C11/03 300A
B60C11/24 B
B60C11/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537686
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-06-20
(86)【国際出願番号】 JP2020047831
(87)【国際公開番号】W WO2022137316
(87)【国際公開日】2022-06-30
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514326694
【氏名又は名称】コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【弁理士】
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】内田 友丈
(72)【発明者】
【氏名】横川 一隆
(72)【発明者】
【氏名】山本 涼介
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BA03
3D131BC12
3D131BC18
3D131BC19
3D131BC31
3D131EA03V
3D131EA03X
3D131EB11V
3D131EB11X
3D131EB31V
3D131EB31X
3D131EB74V
3D131EB74Z
3D131EC12V
3D131EC12Z
3D131EC24V
3D131EC24X
(57)【要約】
本発明は、接触面を有し、複数の溝の少なくとも一部が法定摩耗限度を示す摩耗指示手段を備えるタイヤ用のトレッドを提供し、トレッドは、少なくとも2つのゴム層を含み、第1のゴム層は、第2のゴム層の半径方向外側に配置され、第1のゴム層の半径方向内側で他のゴム層と結合することが意図された分離層と共に設けられ、第2のゴム層は分離層なしで設けられ、分離層の構成材料は、以下関係
(式2)
を満たし、ここで、G*は、分離層を構成する材料の60℃における弾性率G*、Cは、JIS K 7218、方法Aに準拠して測定した分離層を構成する材料の摩耗量(mm3)である。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転中に地面と接触することが意図された接触面(2)を有するタイヤ用のトレッド(1)であって、前記トレッド(1)は、前記接触面(2)に開いている深さDの複数の溝(3)を備え、複数の接触要素(4)は、前記複数の溝(3)によって境界が定められており、前記複数の接触要素(4)の各々は、前記接触面(2)の一部を構成する上面(41)を有し、前記複数の溝(3)の少なくとも一部は、前記トレッド(1)の法定摩耗限度を示す摩耗指示手段(8)を備え、
前記トレッド(1)は、少なくとも1つの第1のゴム層(5)及び少なくとも1つの第2のゴム層(6)の少なくとも2つのゴム層を備え、前記第1のゴム層(5)は、前記第2のゴム層(6)の半径方向外側に配置され、前記第1のゴム層(5)の半径方向内側で別のゴム層と結合することが意図された分離層(7)と共に設けられ、前記第2のゴム層(6)は、前記分離層(7)なしに設けられ、前記トレッドは、前記分離層(7)を構成する材料が、以下の関係
(式2)
を満たすことで特徴付けされ、ここで、G*は、前記分離層(7)を構成する材料の60℃における弾性率G*、Cは、JIS K 7218、方法Aに準拠して測定した前記分離層(7)を構成する材料の摩耗量(mm3)である、トレッド(1)。
【請求項2】
前記接触要素(4)の各々における、前記摩耗指示手段(8)に相当する高さを超える前記分離層(7)の体積は、20%未満である、請求項1に記載のトレッド(1)。
【請求項3】
前記タイヤの前記上面(41)及び回転軸の両方に垂直な平面における前記接触要素(4)の各々における前記第2のゴム層(6)の半径方向最外側は、前記摩耗指示手段(8)に相当する高さから半径方向外側に少なくとも0.5mmに等しい、請求項1又は2に記載のトレッド(1)。
【請求項4】
前記分離層(7)は、前記接触要素(4)の何らかの輪郭少なくとも0.2mm離れている、請求項1から3のいずれか一項に記載のトレッド(1)。
【請求項5】
前記トレッド(1)は、1つの第1のゴム層(5)と1つの第2のゴム層(6)とを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のトレッド(1)。
【請求項6】
前記第1のゴム層(5)を構成するゴム組成物は、前記第2のゴム層(6)を構成するゴム組成物と同じである、請求項1から5のいずれか一項に記載のトレッド(1)。
【請求項7】
前記トレッド(1)は、前記摩耗指示手段(8)に相当する高さの半径方向内側に配置されるベースゴム層(9)をさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のトレッド(1)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のトレッドを有するタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ用のトレッドに関し、詳細には、ほぼ摩耗寿命の終了まで、冬期及び非冬期の路面において高い性能を維持することが可能なタイヤ用のトレッドに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、冬期路面での走行性能を有しながら、非冬期路面での高速走行性能を維持できる、いわゆる「オールシーズン」タイヤが普及し始めている。
【0003】
また、氷又は雪に覆われた冬期路面での走行に適した、いわゆるスタッドレスタイヤにおいても、冬期路面での性能を向上させながら、氷又は雪に覆われていない非冬期路面での性能向上が望まれている。
【0004】
冬期路面、特に積雪路面での性能を維持するためには、溝底部に近い部分のトレッドの剛性を低下させることが有効であることが知られている。また、このような方法は、非冬期路面での性能に悪影響を与えることが知られている。
【0005】
欧州公開第0378090号には、単一の部分の延長部を形成する少なくとも2つの分岐を有するフォーク状の外形を有する断面を有する切込みを備えたブロック(起伏要素)を有するタイヤ用トレッドが開示されており、ブロック(起伏要素)の切込みの数は、2つの分岐を有する切込みの深さを発端として少なくとも1.5倍に増大する。
【0006】
特開2006-142843号公報には、半径方向に重ね合わされたキャップゴム層及びベースゴム層を含むブロックを有し、キャップゴム層がアルミナ含有筒状独立気泡発泡体を含み、ベースゴム層が球状独立気泡発泡体を含むタイヤが開示されている。
【0007】
特開2002-079807号公報には、キャップゴム層とベースゴム層を含む少なくとも2つの層によって形成されたトレッドを有するタイヤが開示されており、ベースゴム層は、2%から40%の体積比で混合された最大500μmに等しい平均粒子径を有する中空粒子を含む。
【0008】
特開2007-168651号公報には、キャップゴム層、中間ゴム層及びベースゴム層を含む3層ゴムブロックを備える複数のブロックを有するタイヤが開示され、各ゴム層の100%弾性率は、ベースゴム層で最も高く、次にキャップゴム層、次に中間ゴム層の順である。
【0009】
特開2006-306281号公報には、キャップトレッドと2層のベーストレッドを有するタイヤ用トレッドが開示されており、キャップトレッドのJISA硬度は40から50、外側ベーストレッドのJISA硬度は70から80で厚さが1.5mm以上であり、内側ベーストレッドのJISA硬度は55から70で厚さが0.3mm以上である。
【0010】
特開2001-080314号公報には、互いに硬さが異なるキャップトレッドとベーストレッドとを積層したタイヤが開示されており、キャップトレッドとベーストレッドとの間に、キャップトレッド及びベーストレッドよりも高い硬度を有するトレッド分離層が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州公開第0378090号
【特許文献2】特開2006-142843号公報
【特許文献3】特開2002-079807号公報
【特許文献4】特開2007-168651号公報
【特許文献5】特開2006-306281号公報
【特許文献6】特開2001-080314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、これらの文献に開示された解決策では、二重分岐切込み、球状独立気泡発泡体又は中空粒子を含むトレッド(又はブロック)の底部は、切込みの数の増加により柔らかすぎ、独立気泡発泡体又は中空粒子はタイヤ寿命の初期から悪影響を与え、多層トレッドの解決策は、ほぼ寿命の終わりまでの性能、特に冬期路面上の性能について満足のいくものではない。従って、トレッドのほぼ寿命の終わりまでの性能、特に冬期路面上での性能の改善を提供することが望まれている。
【0013】
従って、ほぼ寿命の終わりまで非冬期路面での性能及び耐久性能を維持しながら、特に冬期路面上での性能の改善を可能にするタイヤ用トレッドが必要とされている。
【0014】
定義
【0015】
「半径方向/配向」は、タイヤの回転軸に垂直な方向/配向である。この方向/配向は、トレッドの厚さ配向に対応する。
【0016】
「軸方向/配向」は、タイヤの回転軸に平行な方向/配向である。
【0017】
「円周方向/配向」は、回転軸を中心とする何らかの円の接線方向にある方向/配向である。この方向/配向は、軸方向/配向と半径方向/配向の両方に対して垂直である。
【0018】
「タイヤ」は、内圧を受けるか否かにかかわらず、全てのタイプの弾性タイヤを意味する。
【0019】
タイヤの「トレッド」は、側面と、2つの主面(その1つはタイヤの回転時に地面と接触することが意図されている)とによって境界が定められた一定量のゴム材料を意味する。
【0020】
「溝」は、2つのゴム面/側壁の間の空間であり、2つのゴム面/側壁は別のゴム面/底面によって連結される通常の回転状態ではそれ自体接触しない。溝は、幅と深さを有する。
【0021】
「サイプ」とも呼ばれる「切込み」は、例えばナイフの刃のような形状を有する薄い刃によって作られたトレッドの表面から半径方向内側に向かって形成された狭い切り欠きである。トレッドの表面における切込みの幅は、溝よりも狭く、例えば2.0mm以下である。この切込みは、溝とは異なり、このような切込みはタイヤ接地面内で、通常の回転状態である場合に部分的に又は完全に閉じられる可能性がある。
【0022】
「タイヤ接地面」は,ETRTO、JATMA、TRAなどのタイヤ標準規格において識別される及び公称圧力及び公称荷重で膨張されるその標準リムに取り付けられるタイヤのフットプリントである。タイヤ接地面の「幅TW」は、タイヤの回転軸に沿ったタイヤ接地面の最大接触幅である。
【0023】
弾性率G*は、60℃における材料の動的せん断複素弾性率である。当業者には周知の動的特性である、G’で表される貯蔵弾性率及びG’’で表される損失弾性率は、生の組成物から成形した試験片又は加硫後の組成物と組み合わせた試験片を用いて、粘性分析器(マイクロアナライザ:Metravib VB4000)によって測定される。使用される試験片は、ASTM D 5992-96(2006年9月に公開された、当初1996年に承認されたバージョン)の図X2.1(円形方式)に記載のものである。試験片の直径「d」は10mm(その結果、試験片は78.5mm2の円形断面を有する)であり、ゴム組成物の各部の厚さ「L」は2mmであり、(ASTM規格の段落X2.4に記載されている規格ISO2856で推奨される比率「d/L」が2であるのに対し)比率「d/L」は5である。試験では、10Hzの周波数において単純な交互正弦波のせん断荷重を受ける加硫ゴム組成物の試験片の応答を測定する。試験中に課される最大せん断応力は0.7MPaである。試験は、ゴム材料のガラス転移温度(Tg)よりも低い温度であるTminから、100℃付近の最高温度Tmaxまで、1分間に1.5℃の割合で温度を変化させることにより行う。試験片は、試験片内の温度の良好な均一性を得るために、試験開始前にTminで約20分間安定させる。得られる結果は、所定の温度における貯蔵弾性率(G’)及び損失弾性率(G’’)である。複素弾性率G*は、貯蔵弾性率及び損失弾性率の絶対値に関して、以下の式により定義される。
(式1)
【0024】
従って、本発明の目的は、タイヤのトレッドを提供することであり、そのようなトレッドは、ほぼ寿命の終わりまで非冬期路面での性能及び耐久性能を維持しながら、特に冬期路面での性能の改善をもたらすことができる。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は、回転中に地面と接触することが意図された接触面を有するタイヤ用のトレッドを提供し、トレッドは、接触面に開いている深さDの複数の溝を備え、複数の接触要素は、複数の溝によって境界が定められており、複数の接触要素の各々は、接触面の一部を構成する上面を有し、複数の溝の少なくとも一部は、トレッドの法定摩耗限度を示す摩耗指示手段を備え、トレッドは、少なくとも1つの第1のゴム層及び少なくとも1つの第2のゴム層の少なくとも2つのゴム層を備え、第1のゴム層は、第2のゴム層の半径方向外側に配置され、第1のゴム層の半径方向内側で別のゴム層と結合することが意図された分離層と共に設けられ、第2のゴム層は、分離層なしに設けられ、トレッドは、分離層を構成する材料が、以下の関係
(式2)
を満たすことで特徴付けされ、ここで、G*は、分離層を構成する材料の60℃における弾性率G*、Cは、JIS K 7218、方法Aに準拠して測定した分離層を構成する材料の摩耗量(mm3)である。
【0026】
この構成は、特に冬期路面において、ほぼ寿命の終わりまで性能の改善を可能にする。
【0027】
トレッドは、少なくとも1つの第1のゴム層及び少なくとも1つの第2のゴム層の少なくとも2つのゴム層を含み、第1のゴム層は、第2のゴム層の半径方向外側に配置され、第1のゴム層の半径方向内側で別のゴム層と結合することが意図された分離層と共に設けられ、第2のゴム層は、分離層なしで設けられるので、詳細には接触要素の底部において及びトレッドの法定摩耗限度を示す摩耗指示手段を超えて半径方向に延びるように成形されている分離層は、ほぼ寿命の終わりまで雪粒子又は水膜を捕捉する追加の微細エッジ及び体積として機能するリブレット又は微細溝の形態の上面の粗さを連続的に作り出すことを可能にする。従って、冬期路面での性能をほぼ寿命の終わりまで改善することができる。
【0028】
本発明者らは、分離層を構成する材料を、以下の関係
(式2)
ここで、G*は分離層7を構成する材料の60℃における弾性率G*、CはJIS K 7218の方法Aに準拠して測定した分離層を構成する材料の摩耗量mm3である、を満たすようにすることで、分離層が第1のゴム層及び第2のゴム層の両方よりも早く摩耗して、上面の粗さを生成/再生し続けることを見出した。従って、ほぼ寿命が終わるまで、冬期路面上での性能を改善することができる。
【0029】
この値が200より小さい場合、分離層7が第1のゴム層及び第2のゴム層の両方よりも摩耗が遅くなるリスクがあり、上面の接触面積が著しく減少することにつながる。また、この値が1200より大きい場合、分離層の摩耗が早くなりすぎて耐久性能が低下するリスクがある。分離層を構成する材料を以下の関係
(式2)
を満たすように設定することで、冬期路面でほぼ寿命の終わりまで性能を改善することができる。
【0030】
別の好ましい実施形態では、各接触要素における摩耗指示手段に相当する高さを超える分離層の体積は20%未満である。
【0031】
このように、各接触要素における摩耗指示手段に相当する高さを超える分離層の体積が20%を超えると、第1のゴム層又は第2のゴム層との接触面が減少するため、特に冬期において性能が低下するリスクがある。各接触要素における摩耗指示手段に相当する高さを超える分離層の体積を20%未満に設定することで、詳細には冬期路面での性能を維持することができる。
【0032】
各接触要素における摩耗指示手段に相当する高さを超える分離層の体積は、好ましくは18%未満、より好ましくは15%未満である。
【0033】
別の好ましい実施形態では、タイヤの上面及び回転軸の両方に垂直な平面での各接触要素における第2のゴム層の半径方向最外側は、摩耗指示手段に相当する高さから半径方向外側に少なくとも0.5mmに等しい。
【0034】
各接触要素の第2のゴム層のタイヤ上面及び回転軸に垂直な平面での半径方向最外側が、摩耗指示手段から半径方向外側に0.5mm未満である場合、ほぼ寿命の終わりになっても十分な量の粗さを生成できないことになり、ほぼ寿命の終わりまで性能を改善できないリスクがある。この第2のゴム層の半径方向最外側を、タイヤの上面及び回転軸に垂直な平面において、摩耗指示手段から半径方向外側に少なくとも0.5mmに等しくすることにより、ほぼ寿命の終わりまで性能を改善することができる。
【0035】
各接触要素におけるタイヤの上面及び回転軸の両方に垂直な平面での第2のゴム層のこの半径方向最外側は、好ましくは、摩耗指示手段に相当する高さから半径方向外側に少なくとも0.8mmに等しく、より好ましくは、摩耗指示手段に相当する高さから半径方向外側に少なくとも1.0mmに等しい。
【0036】
別の好ましい実施形態では、分離層は、接触要素の何らかの輪郭から少なくとも0.2mm離れている。
【0037】
分離層が接触要素の輪郭から0.2mm未満で離れている場合、回転時の応力集中により分離層が破壊起点となり、耐久性能の低下を招くリスクがある。この分離層を接触要素の輪郭から少なくとも0.2mm離すことで、耐久性能を維持することができる。
【0038】
分離層は、好ましくは接触要素の輪郭から少なくとも0.5mm離れており、より好ましくは接触要素の輪郭から少なくとも0.8m離れており、さらに好ましくは接触要素の輪郭から少なくとも1.0mm離れている。
【0039】
別の好ましい実施形態では、トレッドは、1つの第1のゴム層と1つの第2のゴム層とを備える。
【0040】
この構成によれば、トレッドを、何らかの改変なしで、又は製造プロセスへの最小限の改変で製造することができる。
【0041】
別の好ましい実施形態では、第1のゴム層を構成するゴム組成物は、第2のゴム層を構成するゴム組成物と同一である。
【0042】
この構成によれば、接触要素を構成するゴム組成物が分離層以外で同一であるため、トレッドを効率的に製造することができる。
【0043】
別の好ましい実施形態では、トレッドは、摩耗指示手段に相当する高さの半径方向内側に配置されるベースゴム層をさらに備える。
【0044】
この構成によれば、摩耗指示手段に相当する高さの半径方向内側に配置されるベースゴム層のおかげで、グリップ性能に影響を与えることなく、グリップ性能以外の性能、例えばハンドリング性能又は転がり抵抗を調整することができる。
【0045】
(本発明の有利な効果)
上述した構成によれば、ほぼ寿命の終わりまで非冬期路面での性能及び耐久性能を維持しながら、特に冬期路面での性能の改善をもたらすことができる。
【0046】
本発明の他の特徴及び利点は、非制限的な例として、本発明の実施形態を示す添付図面を参照して以下に行われる説明から生じる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】本発明の第1の実施形態によるトレッドの概略平面図である。
図2】(a)新品状態及び(b)摩耗状態における、図1の線II-IIに沿った概略断面図である。
図3図2(b)においてIIIで示される部分を示す拡大概略図である。
図4図1の線IV-IVに沿った位置に対応する本発明の第2の実施形態によるトレッドの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。
【0049】
本発明の第1の実施形態によるタイヤ用トレッド1は、図1図2及び図3を参照して以下に説明される。図1は、本発明の第1の実施形態によるトレッドの概略平面図である。図2は、(a)新品状態及び(b)摩耗状態における、図1の線II-IIに沿った概略断面図である。図3は、図2(b)においてIIIで示される部分を示す拡大概略図である。
【0050】
トレッド1は、寸法225/45R17を有し、回転時に地面と接触することが意図された接触面2を有するタイヤ用のトレッドを有し、接触面2に開いている深さD(図2に示す)の複数の溝3を備えている。トレッド1は、複数の溝3によって境界が定められる複数の接触要素4を備える。
【0051】
図1に示すように、トレッド1は、複数の接触要素4を有するように設けられており、トレッド1の円周方向と平行な線C-C’で示されるトレッド1の中心に近い各接触要素4には、接触面2の一部を構成する上面41に開いている1つの切込み42が設けられており、切込み42が設けられた接触要素4から軸方向外側にある各接触要素4には、上面41に開いているものが何もない。また、複数の溝3のうちの1つの溝3には、トレッド1の法定摩耗限度を示す摩耗指示手段8が設けられる。
【0052】
図2(a)に示すように、トレッド1は、少なくとも1つの第1のゴム層5と少なくとも1つの第2のゴム層6の2つのゴム層を備え、第1のゴム層5は、第2のゴム層6の半径方向外側に配置され、第1のゴム層5の半径方向内側で他のゴム層と結合することが意図された分離層7と共に設けられ、第2のゴム層6は、分離層なしで設けられる。トレッド1は、ラジアルタイヤ構造の場合、少なくともカーカスとベルトとを含むタイヤの一般に構造的補強材のパッケージであるプライ15の上に設けられている。この第1の実施形態では、トレッド1は、分離層7を備える1つの第1のゴム層5と、1つの第2のゴム層6とを備える。第1のゴム層5を構成する材料と第2のゴム層6を構成する材料とは異なっている。
【0053】
図2(a)に示すように、各接触要素4における摩耗指示手段8に相当する高さを超える分離層7の体積は20%未満であり、各接触要素4における第2のゴム層6のタイヤ上面41及び回転軸の両方に垂直な平面での半径方向最外側は、摩耗指示手段8に相当する高さから少なくとも0.5mm離れている。分離層7は、接触要素4の何らかの輪郭からも少なくとも0.2mm離れている。この第1の実施形態では、摩耗指示手段8に相当する高さを超える各接触要素4における分離層7の体積は13%であり、各接触要素4における第2のゴム層6の、タイヤの上面41及び回転軸の両方に垂直な平面上の半径方向最外側は4.0mmである。
【0054】
図2(b)及び図3に示すように、トレッド1の摩耗状態であり、摩耗指示手段8が示す寿命末期に近い状態では、摩耗した接触面2’の一部を構成する摩耗した接触要素4’の摩耗した上面41’上には第1のゴム層5及び第2のゴム層6の両方が出現する。また、同時に、摩耗した上面41’上の第1のゴム層5と第2のゴム層6との間には、分離層7が第1のゴム層5及び第2のゴム層6の両方よりも速く摩耗することとに起因して、摩耗した接触面2’の下に小さな深さを有するリブレット(rivulet)71が形成される。
【0055】
分離層7を構成する材料は、第1のゴム層5を構成する材料及び第2のゴム層6を構成する材料のいずれとも異なり、以下の関係を満たすように設計されている。
(式2)
ここで、G*は分離層7を構成する材料の60℃における弾性率G*、CはJIS K 7218の方法Aに準拠して測定した分離層7を構成する材料の摩耗量mm3であり、この第1の実施形態では、分離層7のこの値は、357であり、G*は1.29、Cが0.0053である。
【0056】
トレッド1は、少なくとも2つのゴム層、すなわち少なくとも1つの第1のゴム層5及び少なくとも1つの第2のゴム層6を含み、第1のゴム層5は、第2のゴム層6の半径方向外側に配置され、第1のゴム層5の半径方向内側で別のゴム層と結合することが意図された分離層7と共に設けられ、第2のゴム層6は分離層なしで設けられるので、詳細には接触要素4の底部において半径方向に延びるように成形され、トレッド1の法定摩耗限度を示す摩耗指示手段8の上にある分離層7は、ほぼ寿命が終わるまで雪粒子又は水膜を捕捉する追加の微細エッジ及び体積としての機能を果たす、リブレット71又は微細溝の形態の粗さを上面41に連続的に形成することを可能にする。従って、ほぼ寿命が終わるまで、冬期路面上での性能を改善することができる。
【0057】
本発明者らは、分離層7を構成する材料を、以下の関係
(式2)
ここで、G*は分離層7を構成する材料の60℃における弾性率G*、CはJIS K 7218の方法Aに準拠して測定した分離層7を構成する材料の摩耗量mm3である、を満たすようにすることで、分離層7が第1のゴム層5及び第2のゴム層6の両方よりも早く摩耗して、上面41の粗さを生成/再生し続けることを見出した。従って、ほぼ寿命が終わるまで、冬期路面上での性能を改善することができる。
【0058】
この値が200より小さい場合、分離層7が第1のゴム層5及び第2のゴム層6の両方よりも摩耗が遅くなるリスクがあり、上面41の接触面積が著しく減少することにつながる。また、この値が1200より大きい場合、分離層7の摩耗が早くなりすぎて耐久性能が低下するリスクがある。分離層7を構成する材料を以下の関係
(式2)
を満たすように設定することで、冬期路面でほぼ寿命の終わりまで性能を改善することができる。
【0059】
各接触要素4における摩耗指示手段8に相当する高さを超える分離層7の体積が20%未満であるため、詳細には冬期路面での性能を維持することができる。
【0060】
この各接触要素4における分離層7の摩耗指示手段8に相当する高さを超える体積が20%を超える場合、第1のゴム層5又は第2のゴム層6との接触面が減少することにより、詳細には冬期において性能が低下するリスクがある。
【0061】
また、各接触要素4における摩耗指示手段8に相当する高さを超える分離層7の体積は、好ましくは18%未満、より好ましくは15%未満である。
【0062】
各接触要素4における、第2のゴム層6の上面41及びタイヤの回転軸の両方に垂直な平面における半径方向最外側は、摩耗指示手段8に相当する高さから半径方向外側に少なくとも0.5mmに等しいので、ほぼ寿命の終わりまで性能を改善することができる。
【0063】
各接触要素4における、第2のゴム層6の上面41とタイヤ回転軸との両方に垂直な平面におけるこの半径方向最外側が、摩耗指示手段8に相当する高さから半径方向外側に0.5mm未満である場合、ほぼ寿命の終わりで十分な量の粗さが生成されないリスクがあり、ほぼ寿命の終わりまでの性能を改善することができない。
【0064】
この各接触要素4における第2のゴム層6の上面41とタイヤ回転軸との両方に垂直な平面における半径方向最外側は、好ましくは摩耗指示手段8に相当する高さから半径方向外側に少なくとも0.8mmに等しく、より好ましくは摩耗指示手段8に相当する高さから半径方向外側に少なくとも1.0mmに等しい。
【0065】
分離層7は、接触要素4の何らかの輪郭から少なくとも0.2mm離れているので、耐久性能を維持することができる。
【0066】
分離層7が接触要素4の輪郭から0.2mm未満で離れている場合、回転時の応力集中により分離層7が破壊起点となり、耐久性能の低下を招くリスクがある。
【0067】
分離層7は、好ましくは接触要素4の何らかの輪郭から少なくとも0.5mm離れており、より好ましくは接触要素4の何らかの輪郭から少なくとも0.8mm離れており、さらに好ましくは接触要素4の何らかの輪郭から少なくとも1.0mm離れている。
【0068】
トレッド1は、1つの第1のゴム層5及び1つの第2のゴム層6を備えるので、トレッド1は、何らかの改変なしで、又は製造工程への最小限の改変で製造することができる。
【0069】
第1のゴム層5並びに分離層7、及び第2のゴム層6を備えるトレッド1を、雪粒子又は水膜を捕捉する追加の微細エッジ及び体積として十分な機能を果たすために、摩耗した上面41’上にリブレット71又は微細溝の体積を有するように製造するには、分離層7の形状をトレッド1のグリーン(未硬化)状態ですでに半径方向に波形にすることが好ましい。これはまた、摩耗した上面41’に早過ぎて又は遅過ぎて現れる第2のゴム層6の高さを制御するのに役立つ。
【0070】
この第1の実施形態では、第2のゴム層6は、接触要素4内に1つの半径方向のピークのみを有するように配置される。第2のゴム層6は、円周方向だけでなく軸方向にも、接触要素4内に複数の半径方向ピークを有するように配置することができる。
【0071】
本発明の第2の実施形態によるトレッド21は、図4を参照して以下に説明される。図4は、図1の線IV-IVに沿った位置に対応する本発明の第2の実施形態によるトレッドの概略断面図である。この第2の実施形態の構成は、図4に示す配置以外は第1の実施形態と同様であるため、図4を参照して説明することにする。
【0072】
図4に示すように、トレッド21は、回転時に地面と接触することが意図された接触面22と、深さDの複数の溝23とを備える。トレッド21は、複数の溝23によって境界が定められる接触要素24を備える。
【0073】
図4に示すように、接触要素24は、接触面22の一部を構成する上面241に開き、半径方向内側に延びる1つの切込み42を有する。切込み42は、摩耗指示手段28のレベルまでの高さに相当する深さを有する。
【0074】
図4に示すように、トレッド21は、少なくとも2つのゴム層、すなわち2つの第1のゴム層25及び1つの第2のゴム層26を備え、第1のゴム層25の両方は、第2のゴム層6の半径方向外側に配置され、各々は、第1のゴム層25の半径方向内側で他のゴム層と結合することが意図された分離層27と共に設けられ、第2のゴム層26は、分離層なしで設けられる。トレッド21は、摩耗指示手段28に相当する高さの半径方向内側で、第のゴム層26とプライ15との間に配置されるベースゴム層9をさらに備える。この第2の実施形態において、第1のゴム層25を構成するゴム組成物は、第2のゴム層26を構成するゴム組成物と同じである。
【0075】
トレッド21は、分離層27が、切込み42の輪郭を含む接触要素24の何らかの輪郭から少なくとも0.2mm離れているように構成されている。
【0076】
第1のゴム層25を構成するゴム組成物及び第2のゴム層26を構成するゴム組成物が同一であるため、接触要素24を構成するゴム組成物が分離層27以外で同一なので、トレッド21を効率的に製造することができる。
【0077】
トレッド21は、摩耗指示手段28に相当する高さの半径方向内側に配置されるベースゴム層9をさらに備えるので、摩耗指示手段28に相当する高さの半径方向内側に配置されるベースゴム層9のおかげで、グリップ性能に影響を与えることなく、グリップ性能以外の性能、例えばハンドリング性能又は転がり抵抗を調整することができる。
【0078】
本発明は、記載され示された実施例に限定されるものではなく、その枠組みを離れることなく、そこに様々な変更を加えることができる。
【実施例1】
【0079】
本発明の効果を確認するために、本発明を適用した実施例のトレッドの1つのタイプと、参考例のトレッドの他のタイプを準備した。
【0080】
実施例は、上記第1の実施形態の構造を適用した上記第2の実施形態に記載のトレッドであり、各接触要素は1つの切込みを備え、1つの第1のゴム層並びに分離層、及び1つの第2のゴム層を有する。参考例は、1つの切込みを備える接触要素を有し、分離層を有しない1つの第1のゴム層及び1つの第2のゴム層を有するタイヤである。第1のゴム層を構成する材料は実施例と参考例で同じであり、第2のゴム層を構成する材料も実施例と参考例で同じである。実施例と参考例の両方の内部構造は、上記以外は典型的なラジアルタイヤの構造と同じであった。実施例及び参考例の両方は、バフ研磨を施した後、1万km走行させ、トレッド深さが2.0mm残存しているタイヤの摩耗状態を再現した。
【0081】
冬期性能試験:
【0082】
-雪上制動:
【0083】
2,500ccの前輪駆動車の4輪全てに、準備した摩耗したテストタイヤを装着した。直線路の圧雪路で、ABS(アンチロックブレーキシステム)による制動を時速50kmで行い、時速5kmまでの距離を測定した。
【0084】
結果を表1に示す。この表1において、結果は、参考例を100とする指数で表され、数値が大きいほど性能が良いことを示す。
【0085】
非冬期性能試験:
【0086】
-ぬれた路面制動
【0087】
2,500ccの前輪駆動車の4輪に、準備した摩耗した試験タイヤを装着した。直線路の深さ1mmのぬれた路面で、ABS(アンチロックブレーキシステム)による制動を時速100kmで行い、時速10kmまでの距離を測定した。
【0088】
同様に結果を表1に示す。この表1において、結果は、参考例を100とする指数で表され、数値が大きいほど性能が良いことを示す。
【0089】
(表1)
【0090】
表1から分かるように、実施例は、先行技術に開示されたトレッドでは達成できない、ほぼ寿命の終わりでの冬期性能の改善により、冬期性能と非冬期性能との間のより良い妥協を示す。
【0091】
視覚的観察:
【0092】
上記実施例のトレッド構造を用い、G*2.5/C値の異なる分離層の構成材料を変更して、本発明を適用した他の2つのタイプのトレッドと1つのタイプの比較例のトレッドを作製した。上記のような摩耗した試験タイヤを準備した直後に、よく訓練された技術者が、雪粒子又は水膜を捕捉するのに十分な追加の微細エッジ及び体積としての機能を果たすリブレット又は微細溝があるか否か、及び分離層に亀裂があるか否かの上面の状態を観察した。
【0093】
結果を表2に示す。技術者は、リブレット又は微細溝が、雪粒子又は水膜を捕捉するため余分な微細エッジ及び体積として十分に機能するように形成される場合は「OK」、そうでなければ「NO」と確認した。
【0094】
(表2)
【0095】
表2から分かるように、実施例は、分離層にクラックを発生させることなく、雪粒子又は水膜を捕捉するための余分な微細エッジ及び体積としての十分な機能を果たすリブレット又は微細溝を形成し、ほぼ寿命の終わりまで性能を改善することが分かった。
【符号の説明】
【0096】
1、21 トレッド
15 プライ
2、22 接触面
3、23 溝
4、24 接触要素
41、241 上面
42 切込み
5、25 第1のゴム層
6、26 第2のゴム層
7、27 分離層
71 リブレット
8、28 摩耗指示手段
9 ベースゴム層
図1
図2(a)】
図2(b)】
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-10-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転中に地面と接触することが意図された接触面(2)を有するタイヤ用のトレッド(1)であって、前記トレッド(1)は、前記接触面(2)に開いている深さDの複数の溝(3)を備え、複数の接触要素(4)は、前記複数の溝(3)によって境界が定められており、前記複数の接触要素(4)の各々は、前記接触面(2)の一部を構成する上面(41)を有し、前記複数の溝(3)の少なくとも一部は、前記トレッド(1)の法定摩耗限度を示す摩耗指示手段(8)を備え、
前記トレッド(1)は、少なくとも1つの第1のゴム層(5)及び少なくとも1つの第2のゴム層(6)の少なくとも2つのゴム層を備え、前記第1のゴム層(5)は、前記第2のゴム層(6)の半径方向外側に配置され、前記第1のゴム層(5)の半径方向内側で別のゴム層と結合することが意図された分離層(7)と共に設けられ、前記第2のゴム層(6)は、前記分離層(7)なしに設けられ、前記トレッドは、前記分離層(7)を構成する材料が、以下の関係
(式2)
を満たすことで特徴付けされ、ここで、G*は、前記分離層(7)を構成する材料の60℃における弾性率G* (MPa)、Cは、JIS K 7218、方法Aに準拠して測定した前記分離層(7)を構成する材料の摩耗量(mm3)である、トレッド(1)。
【請求項2】
前記接触要素(4)の各々における、前記摩耗指示手段(8)に相当する高さを超える前記分離層(7)の体積は、20%未満である、請求項1に記載のトレッド(1)。
【請求項3】
前記タイヤの前記上面(41)及び回転軸の両方に垂直な平面における前記接触要素(4)の各々における前記第2のゴム層(6)の半径方向最外側は、前記摩耗指示手段(8)に相当する高さから半径方向外側に少なくとも0.5mmに等しい、請求項1又は2に記載のトレッド(1)。
【請求項4】
前記分離層(7)は、前記接触要素(4)の何らかの輪郭少なくとも0.2mm離れている、請求項1から3のいずれか一項に記載のトレッド(1)。
【請求項5】
前記トレッド(1)は、1つのみの第1のゴム層(5)と1つのみの第2のゴム層(6)とを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のトレッド(1)。
【請求項6】
前記第1のゴム層(5)を構成するゴム組成物は、前記第2のゴム層(6)を構成するゴム組成物と同じである、請求項1から5のいずれか一項に記載のトレッド(1)。
【請求項7】
前記トレッド(1)は、前記摩耗指示手段(8)に相当する高さの半径方向内側に配置されるベースゴム層(9)をさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のトレッド(1)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のトレッドを有するタイヤ。
【国際調査報告】