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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-18
(54)【発明の名称】自己巻きベルト駆動装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 75/44 20060101AFI20240111BHJP
【FI】
B65H75/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538782
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 US2021064594
(87)【国際公開番号】W WO2022140374
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】63/129,695
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/335,269
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520009699
【氏名又は名称】リフトウェーブ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LIFTWAVE, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セッションズ,ブレイク
(72)【発明者】
【氏名】セップ,トゥーマス
【テーマコード(参考)】
3F068
【Fターム(参考)】
3F068AA01
3F068BA00
3F068FA06
3F068GA07
3F068HA08
(57)【要約】
本開示は、ベルト作動型システム(またはベルト駆動型システム)にベルトを繰り出すか、またはベルト作動型システム(またはベルト駆動型システム)からベルトを引き込むために使用することができるベルト駆動機構を含む。この機構は、ベルトのある部分がベルト作動型システムから引き出されるかまたはベルト作動型システムに供給されるときにベルトのある部分を自動的に巻き取るかまたは巻き出すことができる自己巻き取りスプールを特徴とする。1つ以上のシーブ(例えば、プーリまたはローラ)を有する第2の回転軸(アイドラシャフト)が、ベルトを介してキャプスタンに回転可能に連結され得、巻き取り機構等のベルト駆動機構内で追加の機構を駆動するために利用されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己巻きベルト駆動機構であって、
ベルト作動型システムからベルトを引き込むかまたは前記ベルト作動型システムに前記ベルトを繰り出すよう構成されるキャプスタンと、
前記ベルトを介して前記キャプスタンに連結されたアイドラシャフトとを備え、前記アイドラシャフトは、前記キャプスタンが前記ベルトを引き込む方向に回転すると、引き込み方向に回転するよう構成され、前記キャプスタンが前記ベルトを繰り出す方向に回転すると、繰り出し方向に回転するよう構成され、前記アイドラシャフトは、
前記ベルトの1つ以上の巻回を受け入れるよう構成される第1の端部と、
第1の一方向ロッキング軸受に連結される第2の端部と、
前記第1の一方向ロッキング軸受に連結される第1のギヤとを含み、前記第1の一方向ロッキング軸受は、前記アイドラシャフトが前記引き込み方向に回転すると係合して、前記第1のギヤを、回転する前記アイドラシャフトと共に回転させ、前記第1の一方向ロッキング軸受は、前記アイドラシャフトが前記繰り出し方向に回転すると係合解除されて、前記第1のギヤと前記アイドラシャフトとの間の相対回転を可能にし、前記自己巻きベルト駆動機構はさらに、
前記ベルトのある部分を受けるかまたは繰り出すよう構成されるスプールを備え、前記スプールは、
外側ハブを含み、前記外側ハブは、回転し、前記ベルトの前記ある部分を前記外側ハブの周囲に巻き付けるかまたは前記外側ハブの周囲から巻き出すよう構成され、前記スプールはさらに、
前記外側ハブと摩擦係合する第2のギヤを含み、前記第2のギヤは、前記第1のギヤが前記第2のギヤを駆動するように前記第1のギヤによって駆動されるよう構成され、前記アイドラシャフトが前記引き込み方向に回転するときに、前記外側ハブを、前記ベルトの前記ある部分を巻き取る方向に回転させる、自己巻きベルト駆動機構。
【請求項2】
前記スプールは、第2の一方向ロッキング軸受を介して中心軸に接続される内側ハブを含み、前記第2の一方向ロッキング軸受は、前記外側ハブが、前記ベルトの前記ある部分を巻き取る方向に回転するとき、前記内側ハブが前記中心軸に対して回転することを可能にし、前記第2の一方向ロッキング軸受は、前記外側ハブが、前記ベルトの前記ある部分を巻き出す方向に回転するとき、前記内側ハブと前記中心軸との間の回転を防止し、前記内側ハブは、前記ベルトの前記ある部分を巻き出す方向に回転するときに前記外側ハブが前記内側ハブと前記外側ハブとの間の摩擦力に打ち勝って前記内側ハブに対して回転するように、前記外側ハブと摩擦係合される、請求項1に記載のベルト駆動機構。
【請求項3】
前記第1のギヤは傘歯車であり、前記第2のギヤはリングギヤである、請求項1に記載のベルト駆動機構。
【請求項4】
前記第2のギヤは、前記外側ハブをオーバードライブするよう構成され、前記外側ハブよりも少なくとも1.5%速く回転する、請求項1に記載のベルト駆動機構。
【請求項5】
前記ベルトの第1の端部および第2の端部が両方とも前記ベルト駆動機構内にあるように、前記ベルトは、前記ベルト作動型システムを通過し、前記ベルト駆動機構に戻り、前記ベルトの引き込みおよび繰り出しは、前記ベルト作動型システムを作動させる、請求項1に記載のベルト駆動機構。
【請求項6】
前記ベルト作動型システムは、前記ベルトが前記ベルト作動型システムから引き込まれるかまたは前記ベルト作動型システムに繰り出されるときに伸長または収縮するブロックおよびタックルを備える、請求項5に記載のベルト駆動機構。
【請求項7】
前記ベルトの少なくとも1つの端部は、前記ベルト駆動機構内の回路に電気的に接続され、前記回路は、前記ベルトに関連付けられる少なくとも1つの電気的パラメータを測定する、請求項5に記載のベルト駆動機構。
【請求項8】
リブを有する外面を有するエンコーダホイールを備え、前記リブは前記ベルトにおいてノッチと係合し、前記エンコーダホイールの軸は前記エンコーダに接続される、請求項1に記載のベルト駆動機構。
【請求項9】
自己巻きベルト駆動機構であって、
ベルト作動型システムからベルトを引き込むかまたは前記ベルト作動型システムに前記ベルトを繰り出すよう構成されるキャプスタンと、
前記ベルトを介して前記キャプスタンに連結されたアイドラシャフトとを備え、前記アイドラシャフトは、前記キャプスタンが前記ベルトを引き込む方向に回転すると、引き込み方向に回転するよう構成され、前記キャプスタンが前記ベルトを繰り出す方向に回転すると、繰り出し方向に回転するよう構成され、前記アイドラシャフトは、
前記ベルトの1つ以上の巻回を受け入れるよう構成される第1の端部と、
第1の一方向ロッキング軸受に連結される第2の端部と、
前記第1の一方向ロッキング軸受に連結される第1のギヤとを含み、前記第1の一方向ロッキング軸受は、前記アイドラシャフトが前記引き込み方向に回転すると係合して、前記第1のギヤを、回転する前記アイドラシャフトと共に回転させ、前記第1の一方向ロッキング軸受は、前記アイドラシャフトが前記繰り出し方向に回転すると係合解除されて、前記第1のギヤと前記アイドラシャフトとの間の相対回転を可能にし、前記自己巻きベルト駆動機構はさらに、
前記ベルトのある部分を受けるかまたは繰り出すよう構成されるスプールを備え、前記スプールは、
外側ハブを含み、前記外側ハブは、回転し、前記ベルトの前記ある部分を前記外側ハブの周囲に巻き付けるかまたは前記外側ハブの周囲から巻き出すよう構成され、前記スプールはさらに、
第2の一方向ロッキング軸受を介して中心軸に接続される内側ハブを含み、前記第2の一方向ロッキング軸受は、前記外側ハブが、前記ベルトの前記ある部分を巻き取る方向に回転するとき、前記内側ハブが前記中心軸に対して回転することを可能し、前記第2の一方向ロッキング軸受は、前記外側ハブが、前記ベルトの前記ある部分を巻き出す方向に回転するとき、前記内側ハブと前記中心軸との間の回転を防止し、前記内側ハブは、前記ベルトの前記ある部分を巻き出す方向に回転するときに前記外側ハブが前記内側ハブと前記外側ハブとの間の摩擦力に打ち勝って前記内側ハブに対して回転するように、前記外側ハブと摩擦係合される、自己巻きベルト駆動機構。
【請求項10】
前記スプールは、前記外側ハブと摩擦係合する第2のギヤを含み、前記第2のギヤは、前記第1のギヤが前記第2のギヤを駆動するように前記第1のギヤによって駆動されるよう構成され、前記アイドラシャフトが前記引き込み方向に回転するときに、前記外側ハブを、前記ベルトの前記ある部分を巻き取る方向に回転させる、請求項9に記載のベルト駆動機構。
【請求項11】
前記第1のギヤは傘歯車であり、前記第2のギヤはリングギヤである、請求項9に記載のベルト駆動機構。
【請求項12】
前記第2のギヤは、前記外側ハブをオーバードライブするよう構成され、前記外側ハブよりも少なくとも1.5%速く回転する、請求項9に記載のベルト駆動機構。
【請求項13】
前記ベルトの第1の端部および第2の端部が両方とも前記ベルト駆動機構内にあるように、前記ベルトは、前記ベルト作動型システムを通過し、前記ベルト駆動機構に戻り、前記ベルトの引き込みおよび繰り出しは、前記ベルト作動型システムを作動させる、請求項9に記載のベルト駆動機構。
【請求項14】
前記ベルト作動型システムは、前記ベルトが前記ベルト作動型システムから引き込まれるかまたは前記ベルト作動型システムに繰り出されるときに伸長または収縮するブロックおよびタックルを備える、請求項13に記載のベルト駆動機構。
【請求項15】
前記ベルトの少なくとも1つの端部は、前記ベルト駆動機構内の回路に電気的に接続され、前記回路は、前記ベルトに関連付けられる少なくとも1つの電気的パラメータを測定する、請求項13に記載のベルト駆動機構。
【請求項16】
リブを有する外面を有するエンコーダホイールを備え、前記リブは前記ベルトにおいてノッチと係合し、前記エンコーダホイールの軸は前記エンコーダに接続される、請求項9に記載のベルト駆動機構。
【請求項17】
自己巻きベルト駆動機構であって、
ベルト作動型システムからベルトを引き込むかまたは前記ベルト作動型システムに前記ベルトを繰り出すよう構成されるキャプスタンと、
前記ベルトを介して前記キャプスタンに連結されたアイドラシャフトとを備え、前記アイドラシャフトは、前記キャプスタンが前記ベルトを引き込む方向に回転すると、引き込み方向に回転するよう構成され、前記キャプスタンが前記ベルトを繰り出す方向に回転すると、繰り出し方向に回転するよう構成され、前記アイドラシャフトは、
前記ベルトの1つ以上の巻回を受け入れるよう構成される第1の端部と、
第1の一方向ロッキング軸受に連結される第2の端部と、
前記第1の一方向ロッキング軸受に連結される第1のギヤとを含み、前記第1の一方向ロッキング軸受は、前記アイドラシャフトが前記引き込み方向に回転すると係合して、前記第1のギヤを、回転する前記アイドラシャフトと共に回転させ、前記第1の一方向ロッキング軸受は、前記アイドラシャフトが前記繰り出し方向に回転すると係合解除されて、前記第1のギヤと前記アイドラシャフトとの間の相対回転を可能にし、前記自己巻きベルト駆動機構はさらに、
前記ベルトのある部分を受けるかまたは繰り出すよう構成されるスプールを備え、前記スプールは、
外側ハブを含み、前記外側ハブは、回転し、前記ベルトの前記ある部分を前記外側ハブの周囲に巻き付けるかまたは前記外側ハブの周囲から巻き出すよう構成され、前記スプールはさらに、
第2の一方向ロッキング軸受を介して中心軸に接続される内側ハブを含み、前記第2の一方向ロッキング軸受は、前記外側ハブが、前記ベルトの前記ある部分を巻き取る方向に回転するとき、前記内側ハブが前記中心軸に対して回転することを可能し、前記第2の一方向ロッキング軸受は、前記外側ハブが、前記ベルトの前記ある部分を巻き出す方向に回転するとき、前記内側ハブと前記中心軸との間の回転を防止し、前記内側ハブは、前記ベルトの前記ある部分を巻き出す方向に回転するときに前記外側ハブが前記内側ハブと前記外側ハブとの間の摩擦力に打ち勝って前記内側ハブに対して回転するように、前記外側ハブと摩擦係合され、前記スプールはさらに、
前記外側ハブと摩擦係合する第2のギヤを含み、前記第2のギヤは、前記第1のギヤが前記第2のギヤを駆動するように前記第1のギヤによって駆動されるよう構成され、前記アイドラシャフトが前記引き込み方向に回転するときに、前記外側ハブを、前記ベルトの前記ある部分を巻き取る方向に回転させる、自己巻きベルト駆動機構。
【請求項18】
前記第1のギヤは傘歯車であり、前記第2のギヤはリングギヤであり、前記リングギヤは、前記外側ハブをオーバードライブするよう構成され、前記外側ハブよりも少なくとも1.5%速く回転する、請求項17に記載のベルト駆動機構。
【請求項19】
リブを有する外面を有するエンコーダホイールを備え、前記リブは前記ベルトにおいてノッチと係合し、前記エンコーダホイールの軸は前記エンコーダに接続される、請求項17に記載のベルト駆動機構。
【請求項20】
前記ベルトの第1の端部および第2の端部が両方とも前記ベルト駆動機構内にあるように、前記ベルトは、前記ベルト作動型システムを通過し、前記ベルト駆動機構に戻り、前記ベルトの引き込みおよび繰り出しは、前記ベルト作動型システムを作動させる、請求項17に記載のベルト駆動機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2020年12月23日提出の米国特許仮出願63/129,695および2021年6月1日に出願された米国実用新案特許出願第17/335,269号に対する優先権を主張し、あらゆる目的のためにそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、概して、自己巻きベルト駆動装置に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
現代のベルトは、多くの望ましい特性を有する。それらは軽量で、メンテナンス性が低く、張力下で高い強度を有することができる。現代のベルトの多くの新しい用途および古い用途が現在適合されている。
【0004】
概要
概して、本開示は、ベルトをベルト作動型システムから引き込むか、またはベルトをベルト作動型システムに繰り出すよう構成されるキャプスタンと、ベルトを介してキャプスタンに連結されたアイドラシャフトとを備える自己巻きベルト駆動機構を含む。アイドラシャフトは、キャプスタンが引き込み方向に回転すると引き込み方向に回転し、キャプスタンが繰り出し方向に回転すると繰り出し方向に回転する。アイドラシャフトは、ベルトの1つ以上の巻回を受け入れるよう構成された第1の端部と、第1の一方向ロッキング軸受に連結された第2の端部と、第1の一方向ロッキング軸受に接続された第1のギヤとを含む。第1の一方向ロッキング軸受は、アイドラシャフトが引き込み方向に回転すると係合し、第1のギヤを、回転するアイドラシャフトと共に回転させる。第1の一方向ロッキング軸受は、アイドラシャフトが繰り出し方向に回転すると係合解除して、第1のギヤとアイドラシャフトとの間の相対運動を可能にする。ベルト駆動機構は、ベルトのある部分を受けるかまたは繰り出すスプールをさらに含み、スプールは、回転してベルトのある部分を外側ハブの周囲に巻き付けるかまたは外側ハブの周囲から巻き出すよう構成される外側ハブと、外側ハブと摩擦係合される第2のギヤとを含む。第2のギヤは、第1のギヤが第2のギヤを駆動するように第1のギヤによって駆動されるよう構成され、アイドラシャフトが引き込み方向に回転するときに、外側ハブを、ベルトのある部分を巻き取る方向に回転させる。
【0005】
実現例は、以下の特徴のうちの1つ以上を任意選択で含むことができる。
いくつかの実現例では、スプールは、第2の一方向ロッキング軸受を介して中心軸に接続された内側ハブを含む。第2の一方向ロッキング軸受は、外側ハブが、ベルトのある部分を巻き取る方向に回転するとき、内側ハブが中心軸に対して回転することを可能にする。第2の一方向ロッキング軸受は、外側ハブが、ベルトのある部分を巻き出す方向に回転するとき、内側ハブと中心軸との間の回転を防止する。内側ハブは、ベルトのある部分を巻き出す方向に回転するときに外側ハブが内側ハブと外側ハブとの間の摩擦力に打ち勝って内側ハブに対して回転するように、外側ハブと摩擦係合され得る。
【0006】
いくつかの実現例では、ベルト駆動機構の第1のギヤは傘歯車であり、第2のギヤはリングギヤである。
【0007】
いくつかの実現例では、第2の歯車は、外側ハブをオーバードライブするよう構成され、外側ハブよりも少なくとも1.5%速く回転する。
【0008】
いくつかの実現例では、ベルトの第1の端部および第2の端部が両方ともベルト駆動機構内にあるように、ベルトは、ベルト作動型システムを通過し、ベルト駆動機構に戻り、ベルトの引き込みおよび繰り出しは、ベルト作動型システムを作動させる。
【0009】
いくつかの実現例では、ベルト作動型システムは、ベルトがベルト作動型システムから引き込まれるかまたはベルト作動型システムに繰り出されるときに伸長または収縮するブロックおよびタックルシステムを含む。
【0010】
いくつかの実現例では、ベルトの少なくとも1つの端部は、ベルト駆動機構内の回路に電気的に接続される。回路は、ベルトに関連付けられる少なくとも1つの電気的パラメータを測定することができる。
【0011】
いくつかの実現例では、ベルト駆動機構は、リブを有する外面を含むエンコーダホイールを含み、リブはベルトにおいてノッチと係合する。エンコーダホイールの軸は、エンコーダに接続することができる。
【0012】
本開示は、ベルト作動型システム(またはベルト駆動型システム)にベルトを繰り出すか、またはベルト作動型システム(またはベルト駆動型システム)からベルトを引き込むために使用することができるベルト駆動機構を説明する。この機構は、ベルトがベルト作動型システムから引き出されるかまたはベルト作動型システムに供給されるときにベルトのある部分を自動的に巻き取るかまたは巻き出すことができる自己巻き取りスプールを特徴とする。ベルト駆動型システムは、他の同様のシステムに対して多くの利点を有することができる。例えば、ベルト駆動型リニアアクチュエータは、同様の油圧リニアアクチュエータよりも必要とするメンテナンスが少なく、軽量であり、より多くのサイクルが可能である。多くのベルト駆動機構は、キャプスタンを含み、キャプスタンは、ベルトの1つ以上の巻回または部分的な巻回を受け取り、回転力を提供してベルトを引き込む/取り込む、またはベルトを繰り出すことができる。キャプスタンは、とりわけ、例えば、減速ギヤのセットまたは油圧モータを介して電気モータによって動力供給されることができる。いくつかの実現例では、1つ以上のシーブ(たとえば、プーリまたはローラ)を伴う第2の回転軸(たとえば、アイドラシャフト)を、ベルトを介してキャプスタンに回転結合することができ、以下で説明する巻き取り機構など、ベルト駆動機構内の追加の機構を駆動するために利用することができる。
【0013】
実現例は、以下の利点のうちの1つ以上を含むことができる。ある実現例では、ベルト駆動機構は、摩擦駆動型スプールを含み、それは、ベルト駆動キャプスタンおよびアイドラシャフトから独立してスプールの回転速度を変化させることを可能にする。これは、様々な構成要素の回転速度を管理するために可変ギヤリングまたは他の複雑なシステムを必要とすることなく、張力がベルト駆動機構の動作全体にわたって維持されることを確実にする。一方向ロッキング軸受および摩擦面のシステムは、機械的に単純で、コンパクトであるが、ベルト駆動機構の動作範囲全体にわたって堅牢である自己巻き機構をもたらす。
【0014】
定速巻き取り中、ベルトがスプールに巻き付くにつれ、スプールの有効直径が増加することになる。同様に、スプールの有効直径は、巻き出し中に減少することになる。直径が一定ではないので、スプールの回転速度を変化させてベルトを一定速度で引き込むこと(または繰り出すこと)を続けることができる。以下でより詳細に説明するように、スプールは、摩擦相互作用を介してアイドラシャフトによって駆動することができ、スプールとアイドラシャフトとの間の回転速度の差を可能にする。例えば、アイドラシャフトは、一端に固定された傘歯車またはマイター歯車を有することができ、これはスプールの側部と摩擦係合するリングギヤと係合する。傘歯車とリングギヤとの間のギヤリングは、スプールがベルトを巻き入れる際にスプールの必要な回転よりも速く回転するようにすることができる。リングギヤは、(例えば、ばねを介して)スプールの側部に押し付けられることができ、回転するリングギヤは、スプールを、より遅い速度で摩擦駆動することができる。より遅い速度は、ベルトの張力によって制限され得る。スプールがベルトで満たされ、その有効直径が増加すると、それは、回転するリングギヤによって依然として摩擦駆動されながら、減速することができる。
【0015】
巻き出し中、ベルトによって与えられる張力は、スプールを巻き出すための動力を提供することができる。しかしながら、スプールが巻き出し方向に自由に回転すれば、さらなる問題が生じる可能性がある。例えば、スプールは角運動量を獲得するので、キャプスタンが停止した後も回転し続ける傾向があり得、潜在的にシステムに弛みを招来し、キャプスタンにベルトとの牽引力を失わせる。第2の機構を設けることができ、それは、スプールが巻き出されているときにのみ加えられる回転摩擦をスプールに加え、したがって自由に回転するスプールからの弛みの導入を防止する。一実施形態では、スプールは、ベルトが巻き付く外側ハブと、外側ハブと摩擦係合する内側ハブとを含むことができ、外側ハブは、内側ハブに対して回転するために所定の量の摩擦に打ち勝たなければならない。この実現例では、内側ハブは、一方向ロッキング軸受を介して軸に取り付けることができ、これは、(例えば、スプールがベルトを巻き入れているときに)内側ハブが軸の周りを一方向に回転することを可能にし、(たとえば、スプールが巻き出されているときに)第2の方向における軸に対する内側ハブの運動を防止する。このようにして、巻出し中、内側ハブは静止したままであるが、外側ハブはベルトを介して内側ハブの周りを回転し、内側ハブと外側ハブとの間の摩擦を克服する。
【0016】
本明細書の主題の1つ以上の実現例の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。主題の他の特徴、態様、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0017】
図面の説明
本明細書の実現例または既存の技術における技術的解決策をより明確に説明するために、以下では、実現例または既存の技術を説明するために必要な添付の図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における添付の図面は、単に本明細書のいくつかの実現例を示し、当業者は、依然として、創造的な努力なしにこれらの添付の図面から他の図面を導き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1A】ベルト駆動機構およびベルト作動型機構を含むリニアアクチュエータの側面図を示す。
図1B図1Aのリニアアクチュエータの斜視図を示す。
図2図1Aおよび図1Bのリニアアクチュエータのベルト駆動機構の右側面図である。
図3図1Aおよび図1Bのリニアアクチュエータのベルト駆動機構の左側面図である。
図4図1Aおよび図1Bのリニアアクチュエータのベルト駆動機構のベルトを示す図である。
図5図1Aおよび図1Bのリニアアクチュエータのベルト駆動機構の保持ベルトおよびテンションローラの断面図である。
図6図1Aおよび図1Bのリニアアクチュエータのベルト駆動機構の自己巻き機構の断面図である。
図7A】ベルト駆動機構の代替実現例を示す手動式クレーンを示す。
図7B】ベルト駆動機構の代替実現例を示す手動式クレーンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
様々な図面における同様の参照番号および名称は、同様の要素を示す。
詳細な説明
本開示は、ベルト作動型システム(またはベルト駆動型システム)にベルトを繰り出すか、またはベルト作動型システム(またはベルト駆動型システム)からベルトを引き込むために使用することができるベルト駆動機構を説明する。この機構は、ベルトがベルト作動型システムから引き出されるかまたはベルト作動型システムに供給されるときにベルトのある部分を自動的に巻き取るかまたは巻き出すことができる自己巻き取りスプールを特徴とする。ベルト駆動型システムは、他の同様のシステムに対して多くの利点を有することができる。例えば、ベルト駆動型リニアアクチュエータは、同様の油圧リニアアクチュエータよりも必要とするメンテナンスが少なく、軽量であり、より多くのサイクルが可能である。多くのベルト駆動機構は、キャプスタンを含み、キャプスタンは、ベルトの1つ以上の巻回または部分的な巻回を受け取り、回転力を提供してベルトを引き込む/取り込む、またはベルトを繰り出すことができる。キャプスタンは、とりわけ、例えば、減速ギヤのセットまたは油圧モータを介して電気モータによって動力供給されることができる。いくつかの実現例では、1つ以上のシーブ(たとえば、プーリまたはローラ)を伴う第2の回転軸(たとえば、アイドラシャフト)を、ベルトを介してキャプスタンに回転結合することができ、以下で説明する巻き取り機構など、ベルト駆動機構内の追加の機構を駆動するために利用することができる。
【0020】
当業者が本明細書における技術的解決策をよりよく理解することを助けるために、以下では、本明細書の実現例における添付の図面を参照して、本明細書の実現例における技術的解決策を明確かつ包括的に説明する。明らかに、説明される実現例は、本明細書の実現例のすべてではなく、単にいくつかの実現例である。創造的な努力なしに本明細書の1つ以上の実現例に基づいて当業者によって得られるすべての他の実現例は、本明細書の実現例の保護範囲内に入るものとする。
【0021】
図1Aおよび図1Bは、ベルト作動型機構102に結合されたベルト駆動システム101を含む例示的なリニアアクチュエータ100を示す。図示のように、ベルト駆動機構101を有するリニアアクチュエータは、標準的な油圧シリンダと同様のフォームファクタをとることができる。この例では、ベルト作動型機構102は、間にベルトの複数の自由スパンを伴う1つ以上のブロックおよびタックルを含むことができる。ベルト作動型機構102からベルトを引き出すことにより、ベルトを収縮させることができる。同様に、ベルト作動型機構102にベルトを繰り出すことにより、ベルトを伸長させることができる。図示のように、単純化のために、単一のベルト駆動機構101が適用され、一方向(例えば、収縮方向)のみに動力を印加し、重力または他の力に依存してベルト作動型機構102を伸長させる。いくつかの実現例では、複数のベルト駆動機構101、または異なる構成のベルト作動型機構102が、動力の双方向印加(たとえば、動力式の伸縮)に適応するように提供され得る。加えて、線形アクチュエータとして図示されているが、ベルト作動型機構102は、ベルトを使用して動作するよう構成される任意のシステムであることができる。本開示は、リニアアクチュエータ、回転アクチュエータ、クレーン、ポンプ、コンベヤ、および他のベルト作動型システムなどの多くのベルト作動型機構を企図する。
【0022】
図2は、ベルト駆動機構101の右側面図である。いくつかの構造およびハウジング構成要素は、明確にするために図2に示されていない。モータおよびギヤボックス(例えば、電気モータ)または他のデバイスが、被駆動シャフト202を回転させることができ、これは、ベルト駆動機構200の動作のための動力を提供する。キャプスタン204は、ベルト218の複数の巻回を受け入れるように構成することができ、各巻回は、より多くの摩擦を提供し、キャプスタン204がベルト218に加えることができる張力の量を増加させる。図2に示すように、ベルト218は、キャプスタン204の周りで3回の半巻回を完了し、残りの3回の半巻回はアイドラシャフト206の周りを通過する。アイドラシャフト206とキャプスタン204との間の空間は、摩耗を低減するためにベルト218のねじれ率およびフリート角を最小限に抑えるベルトの複数の自由スパンを生成する。キャプスタン204と回転を共有することができるアイドラシャフト206は、1つ以上の軸受によって支持され得、ベルト218がアイドラシャフト206の周りを通過する際にアイドラシャフト206を回転させる。このようにして、アイドラシャフト206および被駆動シャフト202は、概して同じ方向に回転するが、それらの軸は一致しなくてもよい。傘歯車208は、アイドラシャフトの一端に接続され得る。傘歯車として示されているが、任意の適切な歯車(例えば、平歯車、ねじ歯車、ウォームギヤ、マイター歯車など)を使用することができる。
【0023】
傘歯車208は、スプール212と摩擦係合するリングギヤ210と係合し、その結果、傘歯車208の回転は、スプール212を回転させる摩擦力を与えるリングギヤ210の回転を引き起こす。図示のように、キャプスタン204は、ベルト作動型機構102からベルト218を取り外す引き込み方向に、またはベルト218がベルト作動型機構102に入ることを可能にする繰り出し方向に回転することができる。この例に示されるように、ベルト作動型機構102からベルト218を除去すると、関連付けられるブロックおよびタックルが収縮し、ベルト作動型機構102内のブロック間のベルトのスパンが短縮される。ベルト218を繰り出すこと、またはベルト218をベルト作動型機構102に進入させることは、ベルト作動型機構102を伸長させることができ、またはベルト作動型機構102内のスパンの距離を増加させることができる。
【0024】
いくつかの実現例では、傘歯車208は、一方向ロッキング軸受を介してアイドラシャフト206に接続され、これは、アイドラシャフト206と傘歯車との間の一方向の回転を可能にするが、アイドラシャフト206と傘歯車との間の第2の方向の回転を防止する。例えば、キャプスタン204(および同様にアイドラシャフト206)が引き込み方向に回転してベルト作動型機構102からベルト218を取り込むと、傘歯車内の一方向ロック軸受が係合して、傘歯車をアイドラシャフトと共に回転させることができる。このように、キャプスタン204は、引き込み方向に回転すると、アイドラシャフト206、傘歯車208、リングギヤ210を介してスプールを駆動する。
【0025】
図示の例では、ベルト218は、ベルト218の両端がベルト駆動機構101内に位置するよう、ベルト作動型機構102を通過する。ベルト218の第1の端部は、ベルト218に関連付けられる電気的パラメータ(例えば、ベルト218内の支持構造の連続性、抵抗、キャパシタンス、反射率測定など)を監視するために使用することができる電気コネクタ216に接続することができる。ベルト218の第2の端部はスプール212に取り付けることができ、スプールは巻き取りおよび巻き出しでき、ベルト作動型機構102からベルト218の一部が引き出されるときに、引き出されたベルト218の一部を取り込むことができる。いくつかの実現例では、ベルト駆動型システム内のベルト218は、内部配線もしくは回路を含むことができ、または負荷の下で変化する電気的特性を有するように構築することができる。例えば、ベルトは、しばしば、全体にわたって導電性補強構造を有する。この例では、ベルト駆動システムは、導電性補強構造の1つ以上の端部間のインピーダンスまたは抵抗を測定し、したがって、それらが破損し、したがってベルト218の構造的完全性を損なったかどうかを判定する、連続性チェックを実行することができる。別の例では、ベルト218の内部導電性材料と駆動機構のハウジングとの間の連続性を測定することができる。ベルト218の内部導電性材料とハウジングとの間の連続性は、ベルト218の一部が摩耗または損傷し、ベルト218が交換または修理されるべきであることを示すことができる。いくつかの実現例では、ベルト218は、様々な負荷の下で様々な電気的特性を有する材料を含む。例えば、ベルト218の張力が増加するにつれて、その抵抗またはインピーダンスも増加し得る。ベルト218の一方または両方の端部における電気的接続は、ベルト218の状態(例えば、張力、温度、構成など)を決定するために使用され得る1つ以上の電気的特性の測定を可能にするために提供され得る。
【0026】
図3は、ベルト駆動機構101の左側面図である。さまざまな構造的構成要素は、簡潔さのために図示されていない。スプール213は、内側ハブ302に取り付けられている。いくつかの実現例では、内側ハブ302とスプール213は、内側ハブ302とスプール213との間の摩擦力が克服された場合にスプール213が内側ハブ302の周りを回転することができるように摩擦係合される。いくつかの実現例では、スプール213は、内側ハブ302の摩耗面にばね付勢される。内側ハブ302は、傘歯車208を参照して上述した一方向ロッキング軸受と同様であっても異なっていてもよい一方向ロッキング軸受を介して、固定された軸に取り付けられてもよい。スプール213が、リングギヤ210によって駆動され、巻き取り方向に回転すると、内側ハブはスプール213と共に回転することができ、摩擦を最小限にし、スプールがベルト218に巻き付くことを可能にする。繰り出し動作中、キャプスタン204が繰り出し方向に回転しているとき、傘歯車208は、アイドラシャフト206とは独立して自由に回転し、スプール212の巻き出し方向の回転を可能にする。スプール212が巻き出し方向に著しい角運動量を蓄積する場合、キャプスタンが回転を停止した後にベルト218を繰り出し続けるかもしれず、したがってシステムに緩みを導入し、ベルト駆動機構101の制御の喪失または他の問題を引き起こす可能性がある。キャプスタン204が停止するときにスプール213が停止することを確実にするために、内側ハブ302およびその関連付けられた一方向軸受は中心軸にロックされ、内側ハブ302の回転を防止する。繰り出し中、スプールは内側ハブ302の周りで回転213し、ベルト218の張力がスプール213と内側ハブ302との間の摩擦に打ち勝つ。
【0027】
図3には、ベルト218の一端をベルト駆動機構101に固定するアンカー304も示されている。アンカーは、ベルト218の高張力端に位置し、ベルト駆動機構101内のベルト218のための固定された基準点を提供する。ベルト218は、アンカー304から張力センサ306を越えてベルト作動型機構102に入る。ベルト駆動機構101およびベルト作動型機構102を通るベルトの経路のより詳細な説明は、図4に関して以下で論じられる。
【0028】
引き続き図3を参照すると、いくつかの実現例では、ベルト駆動機構101はエンコーダホイール326を含む。エンコーダホイール326は、ベルト218がエンコーダホイール326を横切って摺動しないことを確実にするように、ベルト218のノッチまたは溝と嵌合するよう構成される隆起または突起をその外面に有することができる。エンコーダホイール326はエンコーダに取り付けることができ、エンコーダホイール326の正確な位置指示、したがってベルト218の正確な位置指示を提供することができる。ベルト作動型機構102は、ベルト位置に直接関係する位置を有することができる。例えば、ベルト作動型機構102がリニアアクチュエータの一部である場合、アクチュエータが伸縮した距離はエンコーダ位置から直接判断することができる。
【0029】
張力センサ306は、図3に示すように、ベルト218の向きを変えるシーブを有することができる。張力センサ306上のシーブがベルト218の向きを変えると、ベルト218の張力に比例する反力がシーブに発生する。シーブは、反力に対してばね付勢される平行移動構成要素(例えば、ピストンまたはシリンダ)に固定されることができる。この構成では、ベルト218の張力が増加するにつれて、反力は増加し、ばねを圧縮し、シーブを平行移動させる(図3に提供される図では上向き)であろう。平行移動構成要素上の位置インジケータにより、ベルト218の張力に比例する、シーブおよび平行移動構成要素の平行移動を測定することができる。位置インジケータは、電子的(例えば、1つ以上のホール効果センサもしくはひずみゲージ)または機械的(例えば、塗装もしくは彫り刻まれた位置インジケータ)であり得る。張力センサ306は、自動安全動作(例えば、緊急繰り出し)のために、または予想される摩耗を計算し、ベルト218またはベルト駆動装置の耐用年数を判断するために、使用することができる。
【0030】
図4は、ベルト駆動機構101のベルト218およびベルト作動型機構102を示す。図2図4を参照すると、ベルト218の第1の端部402は、電気コネクタ(例えば、図2を参照して説明したベルトコネクタ206)に接続され、ベルト駆動機構101内の回路基板または他のデバイスに取り付けられることができる。次いで、ベルト218は、高摩擦アンカー屈曲部404を形成するアンカーを通過することができ、ベルト218の第1の端部402が張力下にないこと、およびベルト218がアンカー屈曲部404の周囲に固定されることを確実にする。次いで、ベルト218は、張力センサ(例えば、図3に関して説明した張力センサ306)上を通過し、張力センサ屈曲部406を形成することができる。
【0031】
次いで、ベルト218は、ベルト作動型機構入口408においてベルト218作動型機構に入る。図示される例は、ベルト作動型機構内においていくつかの自由スパンを伴うブロックおよびタックルシステムを通過するベルト218を描写する。ベルト218は、次いで、ベルト作動型機構戻り部410を介してベルト駆動機構に戻り、そこでキャプスタンおよびアイドラシャフトの周りを通過し、キャプスタン軸412およびアイドラ軸414の両方の周囲に1つ以上の屈曲を生じさせる。キャプスタン軸412およびアイドラ軸414の周りの最終的な巻回に続いて、ベルト218はスプール巻き416に入り、そこでベルト駆動機構の動作に従って巻き取られるかまたは巻き出される。第2の端部418は、ベルト218を終端させ、スプールに固定することができる。
【0032】
図5は、弛み除去装置として使用することができる保持ベルトおよびテンションローラを含むベルト駆動機構101の断面図を示す。いくつかのベルト駆動型システムでは、システムにおける弛みを最小限にすることが望ましい。言い換えれば、ベルト218またはベルト218の一部が常に張力下に保たれることが好ましい。2つのシャフトを有し、一方が動力供給され、一方がベルト218によって駆動される(例えば、キャプスタンおよびアイドラシャフト)システムでは、ベルト218に確実な(positive)張力を確保するためのシステムを提供することができる。ベルトまたはローラなどの第1の保持装置は、ベルト218をキャプスタンの一部分に対して押し付けることができ、ベルト張力にかかわらず、キャプスタンとベルト218との間の牽引を確実にする。第2の保持装置は、アイドラシャフト上のベルト218に圧力をかけ、アイドラシャフトとの確実な接触を確保することができる。このようにして、弛みの場合に、キャプスタンは、第1の保持装置と第2の保持装置との間から弛みを引き抜くことができ、したがって、アイドラギヤがキャプスタンとともに回転してシステムからあらゆる残りの弛みを確実に除去する。
【0033】
ベルト駆動機構における弛んだ主ベルト218は、動作中に問題を生じさせる可能性がある。例えば、弛んだベルト218は、1つ以上のシーブから離れるか、またはそれ自体の上に折り畳まれて、ベルト駆動機構を閉塞および詰まらせる可能性がある。加えて、弛んだ、または緩いベルト218は、キャプスタンとベルト218との間の摩擦または牽引の量を低減させ、キャプスタンがベルト218を移動できなくし得る。この場合では、確実な(positive)摩擦が保証されないので、アイドラシャフトはキャプスタンと一致せずに回転し得る。
【0034】
依然として図5を参照すると、保持ベルト502は、ベルト駆動機構の主ベルト218とは別個のベルトであることができ、所定の張力下にあり、キャプスタン204上の主ベルト218の1つ以上の巻回に力をかけるように位置決めされることができる。いくつかの実現例では、保持ベルト502は、キャプスタン204上の主ベルト218の最下張力巻回に圧力をかける。この圧力は、主ベルト218が弛緩状態にあるときでさえ、主ベルト218とキャプスタン204との間の確実な接触、したがって確実な(positive)牽引を保証する。保持ベルト502に加えて、テンションローラ504が、アイドラシャフト206上のベルト218の1つ以上の巻回に圧力を加えるように位置付けられることができ、テンションローラ504におけるベルト218とアイドラシャフトとの間の確実な接触を確実にする。主ベルト218が緩んでいるか、または弛みが存在する状況において、保持ベルト502がキャプスタン204の一部分に対して牽引を保証するので、キャプスタン204が確実に回転し、キャプスタン204とテンションローラ504との間のスパンから弛みを引き抜くことができる。キャプスタン204とテンションローラ504との間のスパンから弛みが除去されると、アイドラシャフト206は、主ベルト218を介して回転し始め、したがって、システムの残りの部分から弛みを引き抜くことができる。
【0035】
図6は、自己巻き機構600を含む、図1に示されるベルト駆動機構101の一部の断面図を示す。アイドラシャフト206は、アイドラ軸414を中心に引き込み方向または繰り出し方向に回転可能であり、キャプスタンを介してベルト218によって駆動される。アイドラシャフト206には、一方向軸受604Aを介して傘歯車208が接続されている。一方向軸受604Aは、アイドラシャフトが傘歯車208に対して繰り出し方向に回転するとき、傘歯車208とアイドラシャフト206との間において、回転を可能にする。一方向軸受604Aは、引き込み方向において、アイドラシャフト206と傘歯車208との間において、回転を禁止する。傘歯車208として図示されているが、任意の好適な歯車タイプまたは一方向ロッキング機構を使用することができる。傘歯車208は、スプール212と摩擦接触するリングギヤ210と係合する。ばね608Aは、リングギヤ210とスプール212との間の確実な係合を保証する。スプール212は、内側ハブ302と摩擦係合する。内側ハブ302およびスプール212は、ばね608Bによってともに押圧され得る。摩耗面(例えば、ブレーキパッドまたは摩擦ディスク)を、スプール212と内側ハブ302との間に設けることができ、内側ハブ302とスプール212との間の所望のレベルの摩擦が達成されることを保証することができる。内側ハブ302は、一方向ロッキング軸受604Bを介してハブ軸606に取り付けることができる。一方向ロッキング軸受604Bは、(スプール軸610上の矢印によって示されるように)巻き取り方向におけるハブ軸606の周りの内側ハブ302の回転を可能にするが、繰り出し方向におけるハブ軸606の周りの内側ハブ302の回転を禁止する。
【0036】
自己巻き機構は、2つの機能を果たす。これは、ベルト駆動機構(例えば、図2を参照して示され、説明されるベルト駆動機構101)の引き込み動作中にベルト218がスプールに巻き付けられるときにベルト218に張力が維持されることを保証する。自己巻き機構はまた、繰り出し動作中にベルト218において張力を維持する。
【0037】
引き込み動作中、ベルト駆動機構は、ベルト作動型機構(例えば、図1のベルト作動型機構102)からベルト218を引き込む。アイドラシャフト206はアイドラ軸414を中心に回転し、一方向ロッキング軸受604Aと係合し、これにより傘歯車208がアイドラシャフト206と共に回転する。引き込み方向は、アイドラ軸414上の矢印によって示される通りである。
【0038】
傘歯車208が回転すると、リングギヤ210が駆動され、スプール212にねじり力を加え、スプール軸610を中心にスプール212を巻き取り方向に回転させる。巻き取り方向は、スプール軸610上の矢印によって示される通りである。スプール212が巻き入れるベルト218の量が増加するにつれ、スプール212の有効直径は、ベルト218が重なるにつれて増加する。ベルト駆動機構の引き込み速度を一定にするためには、スプール212を遅くする必要がある。言い換えると、スプール212の回転速度は、スプール212が空のときの方がスプール212が満杯のときよりも速くなければならない。スプール212のこの可変速度要件を補償するために、リングギヤ210は、スプール212に直接取り付けられるのではなく、スプール212の側部に沿って回転して摩擦力を付与する。傘歯車208とリングギヤ210との間のギヤリングは、リングギヤがスプール212の全動作範囲にわたってスプール212をオーバードライブする(例えば、より速く回転する)ように選択することができる。いくつかの実現例では、リングギヤ210は、スプール212が空のときは1.5%だけスプールをオーバードライブし、スプール212が満杯のときは15%だけスプールをオーバードライブする。オーバードライブされたリングギヤ210は、スプール212が引き込み動作を通してベルト218に張力を加えることを確実にする。
【0039】
引き込み動作中、スプール212が巻き取り方向に回転しているとき、内側ハブ302はハブ軸606を中心に自由に回転する。スプール212および内側ハブ302は共に回転する。
【0040】
繰り出し動作中、張力は依然としてベルト218において維持されなければならない。繰り出し中、アイドラシャフト206は繰り出し方向(アイドラ軸414上の示される矢印と反対)に回転し、一方向軸受604Aは係合解除し、アイドラシャフト206および傘歯車208の独立した回転を可能にする。これにより、アイドラシャフト206およびスプール212は、スプール212からのベルト218の繰り出しに必要な異なる速度で回転することが可能になる。一方向軸受604Bは係合し、内側ハブ302の巻き出し方向(スプール軸610上の示される矢印と反対)への回転を阻止する。ベルト218の張力は、内側ハブ302の周囲でスプール212を引っ張り、内側ハブ302とスプール212との間の摩擦を克服する。スプールは、繰り出し方向に回転するために摩擦に打ち勝たなければならないので、それは、繰り出し動作中にベルト218に張力が維持されることを確実にする。いくつかの実現例では、一方向軸受604Aが係合解除されると、リングギヤ210および傘歯車208は、スプール212とともに回転する。
【0041】
図7Aおよび図7Bは、ベルト駆動機構の代替実現例を示す手動式クレーンを示す。クレーン700は、ベルト作動型機構702を形成するブーム704およびロードブロック706を含むことができる。この実現例では、ベルト作動型リフト機構702はリフト装置である。自己巻きベルト駆動機構701を用いてクレーン700を動作させることができる。この実現例では、ベルト駆動機構701は、ハンドクランク708によって手動で操作される。この実現例では、キャプスタンおよびハンドクランクハンドルの直径、ならびに選択肢的に、ブーム704(図示せず)内に収納される1つ以上のブロックおよびタックルシステムに基づいて、機械的利点をユーザに提供することができる。図7Bは、ベルト駆動機構701の拡大図を示し、簡素化のために様々な構造部品が取り除かれている。ベルト駆動機構101と同様に、キャプスタン710、ベルト712、スプール714、およびアイドラシャフト716が示されている。
【0042】
いくつかの実現例では、複数のベルト駆動機構101、または異なる構成のベルト作動型機構102が、動力の双方向印加(たとえば、動力式の伸縮)に適応するように提供され得る。例えば、ブロックおよびタックルシステムの対を互いに結合し、互いに反対に動作するよう構成することができる(例えば、一方のベルトが繰り出され、他方のベルトが引き込まれる)。リニアアクチュエータの動力式の伸長および収縮の両方を提供する。
【0043】
全体にわたって矩形断面を有するものとして図示されているが、ベルト218は、任意の好適な形状であり得る。例えば、ベルト218は、正方形、三角形、台形、またはこれらの任意の組み合わせの断面を有することができる。いくつかの実現例では、ベルト218のある部分は台形の断面を有し得るが、別の部分は三角形であり得る。本開示はこれに限定されない。加えて、ベルト218は、任意の好適な材料、例えば、編組鋼、ケブラー(登録商標)、ゴム、皮革、またはそれらの組み合わせから構築されることができる。
【0044】
巻き機構は、角度を付けられたアイドラシャフトと、ベルト駆動機構の側部に固定されるスプールととともに図示されているが、いくつかの実現例では、スプールは、ベルト駆動機構の上または下方にあり得る。いくつかの実現例では、アイドラシャフトは、ベルト駆動機構の後部から突出し、ベルト駆動機構から離れたスプールを回転させることができる。
【0045】
前述の説明は、1つ以上の特定の実現例の文脈で提供されている。本開示の範囲から逸脱することなく、開示された実現例の様々な修正、変更、および置換を行うことができる。したがって、本開示は、説明または図示される実現例のみに限定されることを意図されず、本明細書で開示される原理および特徴と整合する最も広い範囲を与えられるべきである。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
【国際調査報告】