(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-18
(54)【発明の名称】アセトアセテート官能基(functions)系のコポリマーを含む化粧用組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/81 20060101AFI20240111BHJP
A61Q 1/04 20060101ALI20240111BHJP
A61Q 1/02 20060101ALI20240111BHJP
A61Q 5/10 20060101ALI20240111BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20240111BHJP
A61K 8/89 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
A61K8/81
A61Q1/04
A61Q1/02
A61Q5/10
A61K8/31
A61K8/89
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538816
(86)(22)【出願日】2021-12-16
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 EP2021086180
(87)【国際公開番号】W WO2022136104
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(32)【優先日】2021-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ローラン・サバティエ
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン・ポルタル
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB432
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC092
4C083AC352
4C083AC792
4C083AC912
4C083AD161
4C083AD162
4C083AD322
4C083BB11
4C083BB21
4C083CC11
4C083CC13
4C083CC36
4C083DD06
4C083EE07
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの脂肪相、並びにモノマーの総質量に対して0質量%~99質量%の、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(A)、1質量%~20質量%の少なくとも1つの式(I)のモノマー(B)、並びにモノマーの総質量に対して0質量%~99質量%の、C1~C4アルキルアクリレート、C1~C4アルキルメタクリレート、シリコーンマクロモノマー及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(C)の重合によって得られる少なくとも1つのコポリマーを含有する組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン物質のため、特に、皮膚、唇、睫毛及び/若しくは眉毛をケア及び/若しくはメーキャップするため、並びに/又はケラチン繊維、好ましくは毛髪をケア、スタイリング及び/若しくは染色するための、「C1」と呼ばれる組成物、とりわけ化粧用組成物であって、
i)少なくとも1つの脂肪相と;
ii)「CP」と呼ばれる少なくとも1つのコポリマーと
を含み、該コポリマーは、
- モノマーの総質量に対して0質量%~99質量%の、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(A);
- モノマーの総質量に対して1質量%~20質量%の、少なくとも1つの式(I)のモノマー(B):
【化1】
[式中、
・ R
aは、水素原子又は直鎖状若しくは分岐状(C
1~C
4)アルキル基を表し;好ましくは、R
aは、メチル基を表し、
・ R
b及びR
cは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は直鎖状若しくは分岐状(C
1~C
4)アルキル基を表し;好ましくは、R
b及びR
cは、水素原子を表し、
・ R
dは、直鎖状又は分岐状(C
1~C
4)アルキル基を表し;好ましくは、R
dは、メチル基を表し、
・ Lは、直鎖状又は分岐状(C
1~C
6)アルキレン又はシクロアルキレン基を表し;特に、Lは、(C
1~C
4)アルキレン基を表し;好ましくは、Lは、エチレンを表す]
であり、好ましくは、アセトアセトキシエチルアクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート及びそれらの混合物から選択される、モノマー(B);並びに
- モノマーの総質量に対して0質量%~99質量%の、C
1~C
4アルキルアクリレート、C
1~C
4アルキルメタクリレート、シリコーンマクロモノマー及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(C)
の重合によって得られ、
「CP」と呼ばれるコポリマーは、少なくとも1つのモノマー(B)を、少なくとも1つのモノマー(A)又は少なくとも1つのモノマー(C)と重合することによって得られることが理解される、組成物。
【請求項2】
前記コポリマーがランダムコポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
「CP」と呼ばれる前記コポリマーが、モノマー(A)を含まない、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記コポリマーCPが、モノマーの総質量に対して5質量%~99質量%の、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(A)、並びにモノマーの総質量に対して0質量%~45質量%の、C1~C4アルキルアクリレート、C1~C4アルキルメタクリレート、シリコーンマクロモノマー及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(C)を含む、請求項1から2及び4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記コポリマーCPが、モノマーの総質量に対して50質量%~99質量%、好ましくは55質量%~95質量%の、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(A)を含む、請求項1から2及び4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記コポリマーCPが、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(A)を、モノマーの総質量に対して50%未満、好ましくはモノマーの総質量に対して0.01%から49.9%の間の量で含む、請求項1から2及び4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記コポリマーCPが、モノマー(A)として、少なくともアクリル酸2-エチルヘキシル及び/又はアクリル酸イソボルニルを含む、請求項1から2及び4から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記コポリマーCPが、モノマー(C)を含まない、請求項1、2及び4から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記コポリマーCPが、モノマー(C)として、C
1~C
4アルキルアクリレート及び/又はC
1~C
4アルキルメタクリレートから選択される、好ましくはC
1~C
4アルキルアクリレートから選択される少なくとも1つのモノマーを含み、より優先的には、モノマー(C)として、少なくともアクリル酸ブチルを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記コポリマーCPが、モノマー(C)として、好ましくは、モノ(メタ)アクリロイルオキシ末端基を有するポリジメチルシロキサンから選択される少なくとも1つのシリコーンマクロモノマーを含む、請求項1から7及び9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
コポリマーCPが、モノマーの総質量に対して0質量%~45質量%の、C
1~C
4アルキルアクリレート、C
1~C
4アルキルメタクリレート、シリコーンマクロモノマー及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(C)、好ましくは、モノマーの総質量に対して0質量%~45質量%の、C
1~C
4アルキルアクリレート、C
1~C
4アルキルメタクリレート、シリコーンマクロモノマー及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(C)、並びに少なくとも1つのモノマー(A)、より優先的には50%~99%の少なくとも1つのモノマー(A)を含む、請求項1、2及び4から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
コポリマーCPが、80質量%~99質量%の、C
1~C
4アルキルアクリレート及びC
1~C
4アルキルメタクリレートから選択される少なくとも1つのモノマー(C)を含み、好ましくは、モノマーの総質量に対して80質量%~99質量%の、C
1~C
4アルキルアクリレート及びC
1~C
4アルキルメタクリレートから選択される少なくとも1つのモノマー(C)を含み、モノマー(A)を含まない、請求項1から3及び9又は10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
コポリマーCPが、モノマーの総質量に対して80質量%~99質量%の、シリコーンマクロモノマー及びC
1~C
4アルキルアクリレート又はC
1~C
4アルキルメタクリレートとのその混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(C)を含み、好ましくは、モノマーの総質量に対して80質量%~99質量%の、シリコーンマクロモノマーから選択される少なくとも1つのモノマー(C)並びにC
1~C
4-アルキルアクリレート及び/若しくはC
1~C
4-アルキルメタクリレートから選択される少なくとも1つのモノマー(C)の混合物を含み;より優先的には、80質量%~99質量%の、シリコーンマクロモノマーから選択される少なくとも1つのモノマー(C)並びにC
1~C
4アルキルアクリレート及び/又はC
1~C
4アルキルメタクリレートから選択される少なくとも1つのモノマー(C)の混合物を含み、モノマー(A)は含まない、請求項1~3、9、10及び12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
コポリマーCPが、モノマーの総質量に対して30質量%超の、シリコーンマクロモノマーから選択される少なくとも1つのモノマー(C)及びC
1~C
4アルキルアクリレート又はC
1~C
4アルキルメタクリレートとのその混合物を含み、好ましくは、CPは、モノマーの総質量に対して30質量%~99質量%の、シリコーンマクロモノマーから選択される少なくとも1つのモノマー(C)及びC
1~C
4アルキルアクリレート又はC
1~C
4アルキルメタクリレートとのその混合物、並びにモノマーの総質量に対してゼロではない量であり50%未満の少なくとも1つのモノマー(A)を含む、請求項1から2、4から7、及び9から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
コポリマーCPが、45質量%超及び49質量%未満の、C
1~C
4アルキルアクリレート、C
1~C
4アルキルメタクリレート、シリコーンマクロモノマー及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(C)を含み、好ましくは、CPは、モノマーの総質量に対して45.01質量%~48.99質量%の、C
1~C
4アルキルアクリレート及びC
1~C
4アルキルメタクリレートから選択される少なくとも1つのモノマー(C)、並びにモノマーの総質量に対して50%~99%の量の少なくとも1つのモノマー(A)を含む、請求項1から3、及び9から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
コポリマーCPが、モノマー(B)、(A)及び(C)以外のモノマー単位を含まない、請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
コポリマーが、
- アクリル酸イソボルニル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比90/10のアクリル酸イソボルニル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソボルニル/アクリル酸2-エチルヘキシル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比60/30/10のアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソボルニル/アクリル酸ブチル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比60/30/10のアクリル酸イソボルニル、アクリル酸ブチル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソボルニル/アクリル酸2-エチルヘキシル/PDMSメタクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比60/25/5/10のアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル、PDMSメタクリレート及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソブチル/アクリル酸tert-ブチル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比25/65/10のアクリル酸イソブチル、アクリル酸tert-ブチル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソブチル/メタクリル酸イソブチル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比30/60/10のアクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソブチル/アクリル酸2-エチルヘキシル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比88/2/10のアクリル酸イソブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸tert-ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸イソボルニル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比33/20/39/8のアクリル酸tert-ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソボルニル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソボルニル/アクリル酸2-エチルヘキシル/PDMSメタクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比25/20/45/10のアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル、PDMSメタクリレート及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソブチル/PDMSメタクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比65/25/10のアクリル酸イソブチル、PDMSメタクリレート及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソボルニル/アクリル酸2-エチルヘキシル/PDMSメタクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比40/12/46/2のアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル、PDMSメタクリレート及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、又は
- アクリル酸イソボルニル/アクリル酸イソブチル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比52/46/2のアクリル酸イソボルニル、アクリル酸イソブチル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート
の共重合によって得られる、請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
組成物の総質量に対して、1質量%~70質量%、好ましくは2質量%~65質量%、より優先的には3質量%~60質量%の前記コポリマーを含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
好ましくは、C
8~C
14炭化水素系油及びその混合物から選択される、特に、イソドデカン、Cetiol UT、Vegelight Silk及びドデカンから選択される少なくとも1つの炭化水素系油を含む、より優先的には、少なくともイソドデカンを含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
組成物の総質量に対して、15質量%~98質量%、とりわけ15質量%~90質量%、好ましくは40質量%~90質量%の炭化水素系油を含む、請求項1から19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
好ましくは不揮発性炭化水素系油から選択される、より優先的には、12~26個の炭素原子を含有する脂肪アルコール、合成エステル及びそれらの混合物から選択される、前記炭化水素系油とは異なる少なくとも1つの不揮発性油を含む、請求項19又は20に記載の組成物。
【請求項22】
好ましくは揮発性油/不揮発性油質量比2以上、好ましくは3以上、より優先的には4以上の、少なくとも1つの揮発性炭化水素系油、及び任意選択で1つ又は複数の不揮発性油を含む請求項1から21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
少なくとも、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、並びに好ましくは少なくとも1つの顔料、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、イソドデカンとは異なる少なくとも1つの不揮発性油、好ましくは2-オクチル-1-デカノール及び好ましくは少なくとも1つの顔料、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル、PDMSメタクリレート及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、並びに好ましくは少なくとも1つの顔料、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、好ましくは、とりわけ2-オクチル-1-デカノール及びイソノニルイソノナノエートから選択される、イソドデカン以外の不揮発性油、並びに好ましくは少なくとも1つの顔料、又は
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸ブチル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、並びに好ましくは少なくとも1つの顔料
を含有する、請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
「R」と呼ばれる少なくとも1つの架橋剤と、任意選択で、a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、b)ケラチン物質、好ましくは皮膚をケアするための活性剤、c)UV遮蔽剤、並びにd)それらの混合物から選択される、「CAA」と呼ばれる少なくとも1つの化粧料活性剤とを含む、請求項1から23のいずれか一項に記載の「C2」と呼ばれる組成物。
【請求項25】
a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、b)ケラチン物質、好ましくは皮膚をケアするための活性剤、c)UV遮蔽剤、並びにd)それらの混合物から選択される、「CAA」と呼ばれる少なくとも1つの化粧料活性剤を含む、請求項1から24のいずれか一項に記載の「C3」と呼ばれる組成物。
【請求項26】
前記架橋剤が、i)(ポリ)アミン化合物、ii)(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化化合物、iii)(ポリ)カルボニル化合物、例えばテレフタルアルデヒド(terephthaldehyde)、iv)(ポリ)アクリレート、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、v) v
a)金属アルコキシド、例えばチタンブトキシド、v
b)遷移金属又はポスト遷移金属、とりわけアルミニウムの(ポリ)(ヒドロキシ)(C
1~C
6)アルキルカルボキシレート、例えば、酢酸アルミニウム又は乳酸アルミニウム、並びにv
c)希土類金属の族に属する金属の塩、特にCe又はYハロゲン化物、例えば、CeCl
3及びYCl
3から選択される金属塩、並びにvi)それらの混合物から選択され、好ましくは、(ポリ)アミノ及び(ポリ)チオール化化合物(前記(ポリ)アミノは、とりわけ、鎖の端部又は側鎖に第1級アミン基を含むキトサン、アミノアルコキシシラン及びポリジメチルシロキサンから選択される)から選択され、更により優先的には、ポリ(D-グルコサミン)、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)、3-アミノエチルトリエトキシシラン(AETES)、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン及び鎖の端部にアミノプロピル末端基を含有するポリジメチルシロキサンから選択され、更により優先的には、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)であり、とりわけ、前記(ポリ)チオール化化合物が、チオール官能基を有するポリジオルガノシロキサン、チオール官能基を有するアミノシリコーン、チオール官能基を有するアルコキシシラン、有機ポリチオール、チオール基で修飾された天然生成物、デンドリマー又はポリエチレンイミン(PEI)由来のアミノチオール及びシリコーンチオールから選択され、(ポリ)チオール化化合物が、好ましくは、メルカプトプロピル基末端ポリジメチルシロキサン及びジメチコン/メルカプトプロピルメチコンコポリマーから選択される、請求項23、24又は25に記載の組成物。
【請求項27】
少なくとも、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)、ポリ(D-グルコサミン)、[4~6%(メルカプトプロピル)メチルシロキサン]ジメチルシロキサンコポリマー及びビス(3-アミノプロピル)-末端ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS-ジNH
2)から選択される架橋剤、並びに好ましくは少なくとも1つの顔料、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、ポリ(D-グルコサミン)、ビス(3-アミノプロピル)-末端ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS-ジNH
2)ビスセテアリルアモジメチコンから選択される架橋剤、任意選択で、イソドデカンとは異なり、好ましくはイソノニルイソノナノエート及び2-オクチル-1-デカノールから選択される少なくとも1つの不揮発性油、並びに好ましくは少なくとも1つの顔料、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル、PDMSメタクリレート及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、ポリ(D-グルコサミン)及びビス-セテアリルアモジメチコンから選択される架橋剤、並びに好ましくは少なくとも1つの顔料、又は
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸ブチル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、ビス-セテアリルアモジメチコン、並びに好ましくは少なくとも1つの顔料
を含むことを特徴とする、請求項1から26のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項28】
- 唇用の有色製品;
- 又は着色されていてもよい皮膚ケア製品、特に、保湿及び/若しくは充填及び/若しくはテンソル特性を有するクリーム若しくは流体;
- 又はヘアケア製品、特に、毛髪染色製品若しくはとりわけ染料を含まないスタイリング製品、例えばラッカー、又はムース若しくはゲルタイプの「スタイリング」製品
のいずれかの形態である、請求項1から27のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
ケラチン物質のため、特に、皮膚、唇、睫毛及び/若しくは眉毛をケア及び/若しくはメーキャップするため、並びに/又はケラチン繊維、好ましくは毛髪をケア、スタイリング及び/若しくは染色するための方法、とりわけ美容法であって、請求項1から23のいずれか一項に記載の組成物C1、任意選択で、特に請求項26に規定の少なくとも1つの架橋剤R、並びに任意選択で、a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、b)ケラチン物質、好ましくは皮膚をケアするための活性剤、c)UV遮蔽剤、及びd)それらの混合物から選択される、少なくとも1つの化粧料活性剤CAAを、前記ケラチン物質に適用する工程で構成される、方法。
【請求項30】
ケラチン物質のため、特に、皮膚、唇、睫毛及び/若しくは眉毛をケア及び/若しくはメーキャップするため、並びに/又はケラチン繊維、好ましくは毛髪をケア、スタイリング及び/若しくは染色するための方法、とりわけ美容法であって、少なくとも、
(a)前記ケラチン物質の表面の全て又は一部を、好ましくは架橋剤を含まず、請求項25に規定の少なくとも1つの化粧料活性剤CAAを任意選択で含有する、請求項1から23のいずれか一項に記載の組成物C1と接触させる工程と;
(b)前記表面の全て又は一部を、前記組成物C1とは異なる、特に請求項26に規定の「R」と呼ばれる少なくとも1つの架橋剤を含む、「CR」と呼ばれる組成物と接触させる工程と
で構成される工程を含み、
工程(a)及び(b)は、同時に又は順次実施することが可能であり、前記方法は、組成物C1並びに/又は組成物CR並びに/又は任意選択で、「CAC」と呼ばれる、C1及びCRとは異なる組成物に含有される、「CAA」と呼ばれる少なくとも1つの化粧料活性剤を任意選択で使用できることが理解され、前記CAAが、a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、b)ケラチン物質、好ましくは皮膚をケアするための活性剤、c)UV遮蔽剤、並びにd)それらの混合物から選択される、方法。
【請求項31】
皮膚、とりわけ唇をメーキャップするための方法であって、請求項1から28のいずれか一項に記載の少なくとも1つの組成物C1又はC2又はC3、及び少なくとも1つの染料を、前記皮膚に適用する工程を含み、とりわけ、前記方法が、i)請求項1から23のいずれか一項に記載の少なくとも1つの組成物C1、及びii)特に請求項26に規定の、架橋剤R若しくは少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRを、前記皮膚に順次適用することで構成される少なくとも2つの連続工程を含み、前記組成物C1及び/若しくは前記組成物CRは、少なくとも1つの染料を含有することが理解され、又は前記方法が、i)少なくとも1つの染料を含有する組成物CAC、ii)請求項1から23のいずれか一項に記載の組成物C1、及びiii)特に請求項26規定の、架橋剤R若しくは少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRを、皮膚に順次適用することで構成される少なくとも3つの連続工程を含み、前記組成物C1及び/若しくは前記組成物CRが、任意選択で、少なくとも1つの染料を含有する、方法。
【請求項32】
皮膚、とりわけ顔又は唇のケア、特に非治療的な美容ケアのための方法であって、請求項1から28のいずれか一項に記載の少なくとも1つの組成物C1、C2又はC3、及び少なくとも1つの保湿化粧料活性剤を、前記皮膚に適用する工程を含み、とりわけ、前記方法が、i)請求項1から23のいずれか一項に記載の組成物C1、及びii)特に請求項26に規定の、架橋剤R若しくは少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRを、前記皮膚に順次適用することで構成される少なくとも2つの連続工程を含み;前記組成物C1及び/若しくは前記組成物CRは、少なくとも1つの保湿化粧料活性剤、特にグリセロール、及び任意選択で少なくとも1つの染料を含有することが理解され、又は前記方法が、i)組成物CAC、ii)請求項1から23のいずれか一項に記載の組成物C1、及びiii)特に請求項26に規定の、架橋剤R若しくは少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRを、皮膚に順次適用することで構成される少なくとも3つの連続工程を含み、前記組成物CAC及び/若しくは組成物C1及び/若しくは組成物CRが、少なくとも1つの保湿化粧料活性剤、特にグリセロール及び任意選択で、少なくとも1つの染料を含有する、方法。
【請求項33】
ケラチン繊維、とりわけヒトケラチン繊維、特に毛髪をスタイリングする方法であって、請求項1から28のいずれか一項に記載の組成物C1、C2又はC3を、前記繊維に適用する工程を含む、方法。
【請求項34】
ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、例えば毛髪及び眉毛を染色するための方法であって、請求項1から28のいずれか一項に記載の組成物C1、C2又はC3、及び少なくとも1つの着色剤を、前記ケラチン繊維に適用する工程を含み、とりわけ、前記方法が、i)請求項1から23のいずれか一項に記載の少なくとも1つの組成物C1、及びii)特に請求項26に規定の、架橋剤R若しくは少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRを、前記繊維に順次適用することで構成される少なくとも2つの連続工程を含み、前記組成物C1及び/若しくは前記組成物CRは、少なくとも1つの染料を含有することが理解され、又は前記方法が、i)少なくとも1つの染料を含有する組成物CAC、ii)請求項1から23のいずれか一項に記載の組成物C1、及びiii)特に請求項26に規定の、架橋剤R若しくは少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRを順次適用することで構成される少なくとも3つの連続工程を含み、前記組成物C1及び/若しくは前記組成物CRが、適切な場合、少なくとも1つの染料を含有する、方法。
【請求項35】
ケラチン物質のため、特に、皮膚、唇、睫毛及び/若しくは眉毛をケア及び/若しくはメーキャップするため、並びに/又はケラチン繊維、好ましくは毛髪をケア、スタイリング及び/若しくは染色するためのキット、とりわけ化粧料キットであって、
- 請求項1から23のいずれか一項に記載の少なくとも1つの組成物C1を含有し、好ましくは架橋剤Rを含まない第1のコンパートメントと;
- 前記第1のコンパートメントとは別の、特に請求項26に規定の少なくとも1つの架橋剤Rを含む第2のコンパートメントと;
- 適切な場合、第1及び第2のコンパートメントとは別の、第1及び/又は第2のコンパートメントに任意選択で含有されるものと同一であっても異なっていてもよい、「CAA」と呼ばれる少なくとも1つの化粧料活性剤を含む第3のコンパートメントと
を備え;
第1及び/又は第2のコンパートメントはまた、同一であっても異なっていてもよい1つ又は複数の化粧料活性剤CAAを含有してもよいこと、並びに前記活性剤CAAは、a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、b)ケラチン物質、好ましくは皮膚をケアするための活性剤、c)UV遮蔽剤、及びd)それらの混合物から選択されることが理解される、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、より特には、ケラチン物質の化粧料分野、とりわけ皮膚及び/又は唇及び/又は睫毛及び/又は眉毛をケア及び/又はメーキャップする化粧料分野、並びにケラチン繊維、好ましくは毛髪をケア、スタイリング及び/又は染色する化粧料分野に関する。したがって、本発明は、最も特には、それらの技術性能に関して、とりわけそれらが使用者にもたらす感覚を得、感じることを可能にする堆積物の持続性の点で興味深い、アセトアセテート単位を含有するコポリマーを含む新規組成物、とりわけ化粧用組成物、並びにまた対応する処置方法、とりわけ美容法を提案することを対象とする。
【背景技術】
【0002】
従来技術
化粧料は、ケラチン物質へのこれらの製品の堆積品質を得るため、特に下記に詳述する期待を満足するために、1つ又は複数のフィルム形成ポリマーの使用を従来必要とする。
【0003】
したがって、皮膚及び/又は唇のメーキャップの分野において、形成された堆積物は、指又は衣服との接触時に移染しないことが、最も特に期待される。
【0004】
それはまた、水、とりわけ、雨若しくはシャワーの間若しくは更には発汗、及びまた皮脂との接触、又は更には食用脂肪、とりわけ、この堆積物が唇で形成された場合、食用油との接触に対して良好な抵抗性を有しなくてはならない。更に、この堆積物は、心地良いか又は更にはつやがなくてはならない。
【0005】
この目的で、ナノメートルサイズのポリマー粒子の分散体が、マスカラ、アイライナー、アイシャドー又はリップスティック等のメーキャップ製品において、より特には、それらの有機及びとりわけ油相中で、フィルム形成剤として使用される。
【0006】
WO2013/103528は、とりわけ毛髪適用のための、モノマーの1つがアセトアセテート官能基を有する、微粒子形態で組織されていないコポリマーを提案している。WO93/24098及びWO95/06454は、爪への適用を目的とする、モノマーの1つがアセトアセテート官能基を有するコポリマーを含有する水性分散体を記載している。WO2014/098052に関して、これは、ポリビニルアルコール樹脂で安定に分散されたスタイリング剤用のアクリル樹脂エマルジョンを提案している。しかしながら、これらの文献の組成物は、経時的に満足のいかないスタイル保持力を有する。
【0007】
更に、ヘアケアの分野では、「毛髪メーキャップ」として公知の新しい範囲の製品が、近年開発されている。これらの製品は、1~3回のシャンプー洗浄後に持続する一時的な毛髪染色を保証する。したがって、これらは、当然のことながら、着色効果が水との接触及び数回のシャンプー洗浄後に持続することを効果的に保証することを条件として、永続的な毛髪染色に対する、消費者にとって特に魅力的な代替法である。この要件はまた、とりわけ、効果的なフィルム形成剤の使用によって満足される。したがって、FR2741530は、この目的で、ケラチン繊維の一時的な染色のために、分散体の連続相に分散した、少なくとも1つの酸性官能基を含むフィルム形成ポリマー粒子及び少なくとも1つの顔料の前記分散体の使用を提案している。この染色方法を介して得られた着色は、それにも関わらず、シャンプー洗浄で容易に除去されるという欠点を有する。
【0008】
更に、FR2907678において、ポリシロキサン/ポリウレアブロックコポリマー及び顔料を含む組成物を使用して毛髪の有色コーティングを実施することが提案されている。しかしながら、そのような組成物により得られたコーティング結果は、常に非常に均質であるとは限らず、毛髪のストランドの分離が常に非常に良好であるとも限らない。
【0009】
また、特許EP1392222から、ポリマー骨格及び少なくとも3つの水素結合を形成することが可能な少なくとも2つの基を含む超分子ポリマーを含む、ケラチン物質をケア及び/又は処置するための化粧用組成物を使用すること、並びに特許EP1435900から、ポリマー骨格及び少なくとも3つの水素結合を形成することが可能な少なくとも2つの基を含む超分子ポリマー、及び界面活性剤又はヘアコンディショニング剤を含む毛髪組成物を使用することが公知の慣例である。しかしながら、これらの2つの組成物の代替法では、経時的な又は水に関するスタイル保持力の性能は不十分なままである。
【0010】
一般に、上記のポリマーは、上述の要件、すなわち、特に毛髪の場合のシャンプー洗浄及び/又はとりわけ唇の場合の脂を含んだ物質への非常に良好な耐水性を全て満足し、更に、使用者にとってつけ心地が良く、光沢又はカバー力(invisibility)品質を調節することが可能であり、毛髪使用の場合、非常に満足のいくスタイル保持力を提供する、ケラチン繊維又は皮膚及び唇のいずれかへの堆積物を得ることが可能ではない。
【0011】
したがって、非粘着性で、するとしてもほとんど移染せず、つやがあり、心地良く、長持ちする堆積物を得ることが可能な、皮膚への適用を目的とした化粧用組成物への必要性がなお存在する。
【0012】
また、水及び脂肪物質、特に皮脂に対して抵抗性である組成物への必要性が存在する。
【0013】
また、輝き及びカバー力並びに/又はボリュームアップ効果をもたらす組成物への必要性が残っている。
【0014】
また、直接染色に匹敵して、色が経時的に持続することを確実にするために水及びシャンプー洗浄への良好な抵抗性を有する、毛髪への適用を目的とする化粧用染料組成物への必要性が存在する。
【0015】
また、耐水スタイリング特性、とりわけカール保持力を有する、毛髪適用を目的とする化粧用組成物、とりわけ非着色組成物への必要性が存在する。
【0016】
本発明は、特に、これらの必要性の全て又はいくつかを満たすことを対象とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】WO2013/103528
【特許文献2】WO93/24098
【特許文献3】WO95/06454
【特許文献4】WO2014/098052
【特許文献5】FR2741530
【特許文献6】FR2907678
【特許文献7】EP1392222
【特許文献8】EP1435900
【特許文献9】EP1247515A2
【特許文献10】U.S.3676440
【特許文献11】EP1572778
【特許文献12】EP682059
【特許文献13】WO96/14346
【特許文献14】WO96/14345
【特許文献15】WO96/12754
【特許文献16】US3676440
【特許文献17】US20110230585
【特許文献18】FR2853533
【特許文献19】EP103759
【特許文献20】FR2761691
【特許文献21】EP1037938
【特許文献22】WO2008/155059
【特許文献23】FR2679771
【特許文献24】EP1184426
【特許文献25】JP-A-09188830
【特許文献26】JP-A-10158450
【特許文献27】JP-A-10158541
【特許文献28】JP-A-07258460
【特許文献29】JP-A-05017710
【特許文献30】WO95/15144
【特許文献31】WO95/01772
【特許文献32】EP714954
【特許文献33】US5624663
【特許文献34】EP669323
【特許文献35】US2463264
【特許文献36】US5237071
【特許文献37】US5166355
【特許文献38】GB2303549
【特許文献39】DE19726184
【特許文献40】EP893119
【特許文献41】EP0832642
【特許文献42】EP1027883
【特許文献43】EP1300137
【特許文献44】DE10162844
【特許文献45】WO93/04665
【特許文献46】DE19855649
【特許文献47】EP0967200
【特許文献48】DE19746654
【特許文献49】DE19755649
【特許文献50】EP1008586
【特許文献51】EP1133980
【特許文献52】EP133981
【特許文献53】WO04/006878
【特許文献54】WO05/058269
【特許文献55】WO06/032741
【特許文献56】GB-A-2206339
【特許文献57】FR2977490
【特許文献58】WO2013/004777
【特許文献59】US2014/0134120
【特許文献60】JP-2003128788
【特許文献61】JP-2000191789
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】J. Mater. Chem.、2007、17、3726~3732
【非特許文献2】J. Am. Chem. Soc.、2005、127(23)、8492~8498頁
【非特許文献3】10.1109/ICBBE.2010.5517542
【非特許文献4】Chemical Engineering Journal、2011、171(3)、1004~1011
【非特許文献5】Minerals Engineering、2012、35、20~26
【非特許文献6】Colloids and Surfaces A: Physicochemical and Engineering Aspects、38(1-3)、229~233
【非特許文献7】Advanced Science, Engineering and Medicine、第5巻、第9号、2013年9月、984~987頁(4)
【非特許文献8】Journal of Chromatography A、第1217巻、第47号、2010年9月19日、7448~7454頁
【非特許文献9】Colloids and Surfaces A: Physiochemical and Engineering Aspects 153、1999、421~427
【非特許文献10】Polymers containing groups of biological activity、C.G. Overbergerら、Polytechnic Institute of Brooklyn
【非特許文献11】http://pac.iupac.org/publications/pac/pdf/1962/pdf/0402x0521.pdf
【非特許文献12】D.A. Tomaliaら、Angew. Chem.(Engl. 29、138~175(1990)
【非特許文献13】N. Ardoin及びD. Astruc、Bull. Soc. Chim. Fr. 132、875~909(1995)
【非特許文献14】B.I. Voit、Acta Polymer、46、87~99(1995)
【非特許文献15】Mercaptan-containing polymers、Advances in Polymer Science、第15巻、974、61~90頁
【非特許文献16】Progress in Organic Coatings、第63巻、第1号、2008年7月、100~109頁
【非特許文献17】Progress in coating 129、21~25(2019)
【非特許文献18】Progress in coating 135、510~516(2019)
【非特許文献19】Progress in the Science and Technology of the Rare Earths、第1巻、Leroy Eyring編、1964、Macmillan Company社出版、F. Gaume-Mahn著、259頁以下
【非特許文献20】Progress in the Science and Technology of the Rare Earths、Leroy Eyring出版、F. Gaume-Mahn著、296頁
【非特許文献21】Synthesis and Properties of Yttrium Hydroxyacetate Sols、S.S. Balabanov、E.M. Gavrishchuk及びD.A. Permin、Inorganic Materials、2012、第48巻、第5号、500~503頁
【非特許文献22】Cosmetics and Toiletries、1990年2月、第105巻、53~64頁
【非特許文献23】Progress in Organic Coatings、X. Heら、129、21~25、(2019) https://doi.org/10.1016/j.porgcoat.2018.12.015
【非特許文献24】Progress in Organic Coatings、Dongdong Xuら、135、510~516(2019)、https://doi.org/10.1016/j.porgcoat.2019.06.026
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0019】
したがって、その態様の第1のものによると、本発明は、ケラチン物質のため、特に、皮膚、唇、睫毛及び/若しくは眉毛をケア及び/若しくはメーキャップするため、並びに/又はケラチン繊維、好ましくは毛髪をケア、スタイリング及び/若しくは着色するための、「C1」と呼ばれる組成物、とりわけ化粧用組成物であって、
i)少なくとも1つの脂肪相と;
ii)「CP」と呼ばれる少なくとも1つのコポリマーと
を含み、このコポリマーは、
- モノマーの総質量に対して、0質量%~99質量%、特に50質量%~99質量%の、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(A);
- モノマーの総質量に対して1質量%~20質量%の、式(I)の少なくとも1つのモノマー(B):
【0020】
【0021】
[式中、
・ Raは、水素原子又は直鎖状若しくは分岐状(C1~C4)アルキル基を表し;好ましくは、Raは、メチル基を表し、
・ Rb及びRcは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は直鎖状若しくは分岐状(C1~C4)アルキル基を表し;好ましくは、Rb及びRcは、水素原子を表し、
・ Rdは、直鎖状又は分岐状(C1~C4)アルキル基を表し;好ましくは、Rdは、メチル基を表し、
・ Lは、直鎖状又は分岐状(C1~C6)アルキレン又はシクロアルキレン基を表し;特に、Lは、(C1~C4)アルキレン基を表し;好ましくは、Lは、エチレンを表す]
であり、好ましくは、アセトアセトキシエチルアクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート及びそれらの混合物から選択される、モノマー(B);並びに
- モノマーの総質量に対して、0質量%~99質量%、特に0質量%~45質量%の、C1~C4アルキルアクリレート、C1~C4アルキルメタクリレート、シリコーンマクロモノマー及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(C)
の重合によって得られ、
「CP」と呼ばれるコポリマーは、少なくとも1つのモノマー(B)を、少なくとも1つのモノマー(A)又は少なくとも1つのモノマー(C)と重合することによって得られることが理解される、組成物に関する。
【0022】
本発明者らの知る限り、上で定義した通りの質量割合で、本発明による、少なくとも1つのモノマー(B)を少なくとも1つのモノマー(A)及び/又は少なくとも1つのモノマー(C)と共に含むコポリマーから化粧用組成物を得ることは、従来技術において記載されたことがない。
【0023】
別の態様によると、本発明は、ケラチン物質のため、特に、皮膚、唇、睫毛及び/若しくは眉毛をケア及び/若しくはメーキャップするため、並びに/又はケラチン繊維、好ましくは毛髪をケア、スタイリング及び/若しくは染色するための、「C2」と呼ばれる組成物、とりわけ化粧用組成物であって、
i)少なくとも1つの脂肪相と;
ii)先に定義した通りの少なくとも1つのコポリマーCPと;
iii)下記に定義する通りの「R」と呼ばれる少なくとも1つの架橋剤と
を含む、組成物に関する。
【0024】
好ましくは、本発明は、「R」と呼ばれる少なくとも1つの架橋剤と、任意選択で、a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、b)ケラチン物質、好ましくは皮膚をケアするための活性剤、c)UV遮蔽剤、並びにd)それらの混合物から選択される、「CAA」と呼ばれる少なくとも1つの化粧料活性剤とを含む組成物C2に関する。
【0025】
なお別の態様によると、本発明は、ケラチン物質のため、特に、皮膚、唇、睫毛及び/若しくは眉毛をケア及び/若しくはメーキャップするため、並びに/又はケラチン繊維、好ましくは毛髪をケア、スタイリング及び/若しくは染色するための、「C3」と呼ばれる組成物、とりわけ化粧用組成物であって、
i)少なくとも1つの脂肪相と、
ii)先に定義した通りの少なくとも1つのコポリマーCPと、
iii)下記に定義する通りの少なくとも1つの架橋剤Rと、
iv)とりわけ、a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される染料、b)ケラチン物質、好ましくは皮膚をケアするための活性剤、c)UV遮蔽剤、並びにd)それらの混合物から選択される、「CAA」と呼ばれる少なくとも1つの化粧料活性剤と
を含む、組成物に関する。
【0026】
したがって、好ましくは、本発明はまた、a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、b)ケラチン物質、好ましくは皮膚をケアするための活性剤、c)UV遮蔽剤、並びにd)それらの混合物から選択される、「CAA」と呼ばれる少なくとも1つの化粧料活性剤を含む組成物C3に関する。
【0027】
その態様の別のものによると、本発明は、ケラチン物質のため、特に、皮膚、唇、睫毛及び/若しくは眉毛をケア及び/若しくはメーキャップするため、並びに/又はケラチン繊維、好ましくは毛髪をケア、スタイリング及び/若しくは染色するための方法、とりわけ、美容法であって、本発明による組成物C1、C2又はC3、好ましくはC2又はC3を、前記ケラチン物質に適用する工程を含む、方法に関する。
【0028】
したがって、本発明者らは、驚くべきことに、本発明に従うコポリマーCPにより、化粧用組成物C1、C2又はC3、とりわけC2又はC3を得て、外部の攻撃因子、例えば、水、油、とりわけ食用油、汗及び/又は皮脂に対して良好な抵抗性を有し、したがって、経時的に非常に良好な持続力を持つ、皮膚、唇、睫毛及び/又は眉毛をメーキャップするための堆積物をもたらすことが可能であることを見出した。有利には、そのような組成物により得られる堆積物はまた、非常に心地良い。
【0029】
本発明者らはまた、本発明に従う組成物C1、C2又はC3、とりわけ組成物C2又はC3により、外部の攻撃因子、例えば、水、油、とりわけ食用油、汗及び/又は皮脂に対してより抵抗性があり、したがって、経時的に非常に良好な持続力を持つ堆積物を得ることが可能であることを観察した。
【0030】
本発明者らはまた、本発明に従う、より特には、毛髪適用を目的とする化粧用組成物C1、C2又はC3、とりわけC2又はC3により、シャンプー洗浄及び水に対して非常に良好な抵抗性を有する堆積物を得ることが可能であることを観察した。
【0031】
その態様の1つによると、本発明は、ケラチン物質のため、特に、皮膚、唇、睫毛及び/若しくは眉毛をケア及び/若しくはメーキャップするため、並びに/又はケラチン繊維、好ましくは毛髪をケア、スタイリング及び/若しくは染色するための方法、とりわけ美容法であって、本発明による組成物C1、任意選択で、特に本発明による少なくとも1つの架橋剤R、並びに任意選択で、a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、b)ケラチン物質、好ましくは皮膚をケアするための活性剤、c)UV遮蔽剤、及びd)それらの混合物から選択される、少なくとも1つの化粧料活性剤CAAを、前記ケラチン物質に適用する工程で構成される、方法に関する。
【0032】
その態様の別のものによると、本発明は、皮膚、とりわけ唇をメーキャップするための方法であって、本発明による少なくとも1つの組成物C1又はC2又はC3、及び少なくとも1つの染料を、前記皮膚に適用する工程を含み、とりわけ、前記方法が、i)本発明による少なくとも1つの組成物C1、及びii)とりわけ本発明による、架橋剤R若しくは少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRを、前記皮膚に順次適用することで構成される少なくとも2つの連続工程を含み、前記組成物C1及び/若しくは前記組成物CRは、少なくとも1つの染料を含有することが理解され、又は前記方法が、i)少なくとも1つの染料を含有する組成物CAC、ii)本発明による組成物C1、及びiii)特に本発明による、架橋剤R若しくは少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRを、皮膚に順次適用することで構成される少なくとも3つの連続工程を含み、前記組成物C1及び/若しくは前記組成物CRが、少なくとも1つの染料を任意選択で含有する、方法に関する。
【0033】
その態様の別のものによると、本発明は、皮膚、とりわけ顔又は唇のケア、特に非治療的な美容ケアのための方法であって、本発明による少なくとも1つの組成物C1又はC2又はC3、及び少なくとも1つの保湿化粧料活性剤を、前記皮膚に適用する工程を含み、とりわけ、前記方法が、i)本発明による組成物C1、及びii)特に本発明による、架橋剤R若しくは少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRを、前記皮膚に順次適用することで構成される少なくとも2つの連続工程を含み;前記組成物C1及び/若しくは前記組成物CRは、少なくとも1つの保湿化粧料活性剤、特にグリセロール、及び任意選択で少なくとも1つの染料を含有することが理解され、又は前記方法が、i)組成物CAC、ii)本発明による組成物C1、及びiii)特に本発明による、架橋剤R若しくは少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRを、皮膚に順次適用することで構成される少なくとも3つの連続工程を含み、前記組成物CAC及び/若しくは組成物C1及び/若しくは組成物CRが、少なくとも1つの保湿化粧料活性剤、特にグリセロール及び任意選択で染料を含有する、方法に関する。
【0034】
その態様の別のものによると、本発明は、ケラチン繊維、とりわけヒトケラチン繊維、特に毛髪をスタイリングするための方法であって、本発明による組成物C1、C2又はC3を、前記ケラチン繊維に適用する工程を含む、方法に関する。
【0035】
その態様のなお別のものによると、本発明は、ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、例えば、毛髪及び眉毛を染色するための方法であって、本発明による組成物C1、C2又はC3、及び少なくとも1つの着色剤を、前記ケラチン繊維に適用する工程を含み、とりわけ、前記方法が、i)本発明による少なくとも1つの組成物C1、及びii)特に本発明による、架橋剤R若しくは少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRを、前記繊維に順次適用することで構成される少なくとも2つの連続工程を含み、前記組成物C1及び/若しくは前記組成物CRは、少なくとも1つの染料を含有することが理解され、又は前記方法が、i)少なくとも1つの染料を含有する組成物CAC、ii)本発明による組成物C1、及びiii)特に本発明による、架橋剤R若しくは少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRを、順次適用することで構成される少なくとも3つの連続工程を含み、前記組成物C1及び/若しくは前記組成物CRが、適切な場合、少なくとも1つの染料を含有する、方法に関する。
【0036】
その態様のなお別のものによると、本発明はまた、ケラチン物質のため、特に、皮膚、唇、睫毛及び/若しくは眉毛をケア及び/若しくはメーキャップするため、並びに/又はケラチン繊維、好ましくは毛髪をケア、スタイリング及び/若しくは染色するためのキット、とりわけ化粧料キットであって、
- 本発明による少なくとも1つの組成物C1を含有し、好ましくは架橋剤Rを含まない第1のコンパートメントと;
- 前記第1のコンパートメントとは別の、特に本発明による少なくとも1つの架橋剤Rを含む第2のコンパートメントと;
- 適切な場合、第1及び第2のコンパートメントとは別の、第1及び/又は第2のコンパートメントに任意選択で含有されるものと同一であっても異なっていてもよい、「CAA」と呼ばれる少なくとも1つの化粧料活性剤を含有する第3のコンパートメントと
を備え;
第1及び/又は第2のコンパートメントはまた、同一であっても異なっていてもよい1つ又は複数の化粧料活性剤CAAを含有してもよいこと、並びに前記CAAは、a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、b)ケラチン物質、好ましくは皮膚をケアするための活性剤、c)UV遮蔽剤、及びd)それらの混合物から選択されることが理解される、キットを対象とする。
【0037】
その態様のなお別のものによると、本発明はまた、ケラチン物質のため、特に、皮膚、唇、睫毛及び/若しくは眉毛をケア及び/若しくはメーキャップするため、並びに/又はケラチン繊維、好ましくは毛髪をケア、スタイリング及び/若しくは染色するためのキット、とりわけ化粧料キットであって、
- 少なくとも1つの脂肪相、上で定義した通りの少なくとも1つのコポリマーCPを含有し、好ましくは、下記に定義される通りの架橋剤Rを含まない第1のコンパートメントと;
- 前記第1のコンパートメントとは別の、特に本発明における使用に好適な少なくとも1つの架橋剤、特に架橋剤Rを含む第2のコンパートメントと;
- 適切な場合、第1及び第2のコンパートメントとは別の、第1及び/又は第2のコンパートメントに含有されるものと同一であっても異なっていてもよい、「CAA」と呼ばれる少なくとも1つの化粧料活性剤を含有する第3のコンパートメントと
を備え;
第1及び/又は第2のコンパートメントはまた、1つ又は複数の同一の又は異なる化粧料活性剤CAAを含有してもよいこと、並びに前記活性剤CAAは、a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、b)ケラチン物質、好ましくは皮膚をケアするための活性剤、c)UV遮蔽剤、及びd)それらの混合物から選択されることが理解される、キットを対象とする。
【0038】
本発明の目的で、「ケラチン物質」という用語は、とりわけ、唇、皮膚、爪並びにケラチン繊維、特に、睫毛、眉毛及び毛髪、好ましくは、唇及び/又は毛髪を示すと理解される。
【0039】
本発明による組成物は、一般に、ケラチン物質への適用、特に、皮膚、唇及び/又はケラチン繊維への適用に好適であり、したがって、一般に、生理学的に許容される媒体、すなわち、ケラチン物質、特に、皮膚、唇及び/又はケラチン繊維への適用、とりわけ毛髪等のヒトケラチン繊維に適合性である媒体を含む。
【0040】
それは、好ましくは、化粧料として許容される媒体、すなわち、感じのよい色、香り及び感覚を有し、使用者がこの組成物の適用を避けたくなるような、あらゆる受け入れられない不快感、すなわち刺すような痛み又はつっぱり感を生じさせない媒体である。
【0041】
本発明の目的で、「染料」及び「着色剤」という用語は、等価である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
上で特定した通り、本発明による組成物C1は、i)少なくとも1つの脂肪相と、ii)先に定義した通りの少なくとも1つのコポリマーCPとを含有する。
【0043】
コポリマーCP
上で言及した通り、本発明による組成物は、モノマーの総質量に対して、0質量%~99質量%の、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(A);1質量%~20質量%の、上で定義した通りの、好ましくは、アセトアセトキシエチルアクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つの式(I)のモノマー(B);並びに0質量%~99質量%の、C1~C4アルキルアクリレート、C1~C4アルキルメタクリレート、シリコーンマクロモノマー及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(C)の重合によって得られる少なくとも1つのコポリマーCPを含有し、「CP」と呼ばれるコポリマーは、少なくとも1つのモノマー(B)を、少なくとも1つのモノマー(A)及び/又は少なくとも1つのモノマー(C)と重合することによって得られることが理解される。
【0044】
前記コポリマーCPは、統計、交互(ブロック)又はグラジエントコポリマーであってもよい。
【0045】
好ましくは、コポリマーは、統計コポリマーである。
【0046】
本発明の目的で、「統計コポリマー」という用語は、モノマー単位(B)、存在する場合(A)、及び存在する場合(C)の順次分布が、既知の統計則に従う、高分子で形成されたコポリマーを意味する。言い換えると、統計コポリマーでは、種々のモノマーが任意の順序で互いに続く。統計コポリマーはまた、ランダムコポリマーとしても公知である。例えば、モノマーA及びBから形成されたランダムコポリマーの配列は、A-A-B-A-B-B-B-B-A-B-Aに従ってもよい。
【0047】
本発明により考察される「CP」と呼ばれるコポリマーは、特に、モノマー(B)、(A)及び(C)とは異なるモノマー単位を含まない。
【0048】
好ましくは、コポリマーCPは、組成物の総質量に対して、1質量%~70質量%の範囲、好ましくは2質量%~65質量%の範囲、より優先的には3質量%~60質量%の範囲の含有量で本発明による組成物C1、C2又はC3中に存在する。
【0049】
モノマー(A)
上で言及される通り、本発明によるコポリマーCPは、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(A)を含んでもよい。
【0050】
本発明の第1の変形例によると、本発明によるコポリマーCPは、モノマー(A)を含まない。言い換えると、次いで本発明によるコポリマーCPは、上で定義した通りのモノマー(B)及びモノマー(C)からなる。
【0051】
本発明の第2の変形例によると、コポリマーCPは、モノマーの総質量に対して、50質量%~99質量%、好ましくは55質量%~95質量%の、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(A)を含む。
【0052】
2-エチルヘキシルプロパ-2-エノエートとしても公知のアクリル酸2-エチルヘキシルは、実験式C11H20O2及び構造式:
【0053】
【0054】
の化合物である。
【0055】
アクリル酸2-エチルヘキシルとして、とりわけ、アクリル酸2-エチルヘキシルの名称でSigma-Aldrich社によって販売されている製品を挙げることができる。
【0056】
2-エチルヘキシル2-メチルプロパ-2-エノエートとしても公知のメタクリル酸2-エチルヘキシルは、実験式C12H22O2及び構造式:
【0057】
【0058】
の化合物である。
【0059】
メタクリル酸2-エチルヘキシルとして、とりわけ、メタクリル酸2-エチルヘキシルの名称でSigma-Aldrich社によって販売されている製品を挙げることができる。
【0060】
アクリル酸イソボルニルは、実験式C13H20O2及び構造式:
【0061】
【0062】
の化合物である。
【0063】
アクリル酸イソボルニルとして、とりわけ、アクリル酸イソボルニルの名称でSigma-Aldrich社によって販売されている製品を挙げることができる。
【0064】
メタクリル酸イソボルニルは、実験式C14H22O2及び構造式:
【0065】
【0066】
の化合物である。
【0067】
メタクリル酸イソボルニルとして、とりわけ、メタクリル酸イソボルニルの名称でSigma-Aldrich社によって販売されている製品を挙げることができる。
【0068】
好ましくは、モノマー(A)は、少なくともアクリル酸2-エチルヘキシル及び/又はアクリル酸イソボルニルである。
【0069】
本発明の第3の変形例によると、コポリマーCPは、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(A)を、モノマーの総質量に対して50%未満、好ましくは、モノマーの総質量に対して0.01%から49.9%の間の量で含む。
【0070】
モノマー(B)
本発明によると、コポリマーCPは、モノマーの総質量に対して1質量%~20質量%、好ましくは5質量%~15質量%の少なくとも1つの式(I)のモノマー(B):
【0071】
【0072】
[式中、
・ Raは、水素原子又は直鎖状若しくは分岐状(C1~C4)アルキル基を表し;好ましくは、Raは、メチル基を表し、
・ Rb及びRcは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は直鎖状若しくは分岐状(C1~C4)アルキル基を表し;好ましくは、Rb及びRcは、水素原子を表し、
・ Rdは、直鎖状又は分岐状(C1~C4)アルキル基を表し;好ましくは、Rdは、メチル基を表し、
・ Lは、直鎖状又は分岐状(C1~C6)アルキレン又はシクロアルキレン基を表し;好ましくは、Lは、(C1~C4)アルキレン基、特に、エチレンを表す]
を含む。
【0073】
特に、モノマー(B)は、アセトアセトキシエチルアクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート及びそれらの混合物から選択され、好ましくは、モノマー(B)はアセトアセトキシエチルメタクリレートである。
【0074】
アセトアセトキシエチルアクリレートは、実験式C9H12O5及び構造式:
【0075】
【0076】
の化合物である。
【0077】
アセトアセトキシエチルアクリレートとして、とりわけ、ブタン酸、3-オキソ-2-[(1-オキソ-2-プロペン-1-イル)オキシ]エチルエステルの名称でAlfa Chemistry社によって販売されている製品を挙げることができる。
【0078】
アセトアセトキシエチルメタクリレートは、実験式C10H14O5及び構造式:
【0079】
【0080】
の化合物である。
【0081】
アセトアセトキシエチルメタクリレートとして、とりわけ、Eastman(商標)AAEMの名称でEastman社によって販売されている製品を挙げることができる。
【0082】
モノマー(C)
本発明によると、コポリマーは、モノマーの総質量に対して0質量%~99質量%の、C1~C4アルキルアクリレート、C1~C4アルキルメタクリレート、シリコーンマクロモノマー及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(C)を含む。
【0083】
したがって、本発明の変形例によると、本発明によるコポリマーCPは、モノマー(C)を含まない。言い換えると、次いで本発明によるコポリマーCPは、上で定義した通りのモノマー(B)及びモノマー(A)からなる。
【0084】
本発明における使用に好適なC1~C4アルキルアクリレート及びC1~C4アルキルメタクリレートのうち、特に、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert-ブチル及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0085】
好ましくは、モノマー(C)は、特に、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル及びアクリル酸tert-ブチルから選択されるC1~C4アルキルアクリレートである。
【0086】
アクリル酸ブチルは、実験式C7H13O2及び構造式:
【0087】
【0088】
の化合物である。
【0089】
アクリル酸ブチルとして、とりわけ、アクリル酸ブチルの名称でSigma-Aldrich社によって販売されている製品を挙げることができる。
【0090】
好ましい実施形態によると、モノマー(C)は、C1~C4アルキルアクリレート及び/又はC1~C4アルキルメタクリレートから選択される、好ましくはC1~C4アルキルアクリレートから選択される少なくとも1つのモノマーであり、より優先的には、モノマー(C)は、少なくともアクリル酸ブチルである。
【0091】
アクリル酸イソブチルは、実験式C7H12O2及び構造式:
【0092】
【0093】
の化合物である。
【0094】
アクリル酸イソブチルとして、とりわけ、アクリル酸イソブチルの名称でSigma-Aldrich社によって販売されている製品を挙げることができる。
【0095】
アクリル酸tert-ブチルは、実験式C7H12O2及び構造式:
【0096】
【0097】
の化合物である。
【0098】
アクリル酸tert-ブチルとして、とりわけ、アクリル酸tert-ブチルの名称でSigma-Aldrich社によって販売されている製品を挙げることができる。
【0099】
別の好ましい実施形態によると、モノマー(C)は、少なくとも1つのシリコーンマクロモノマーである。
【0100】
「シリコーンマクロモノマー」という用語は、それがモノマーとして役立つことができる末端基を有するシリコーン高分子を意味する。シリコーンマクロモノマーは、最終高分子鎖に単一のモノマー単位を提供する。
【0101】
シリコーンマクロモノマーに関して、それらは、特に、モノアクリロイルオキシ又はモノメタクリロイルオキシ末端基を有するポリジメチルシロキサン、とりわけ式(II)のもの:
【0102】
【0103】
[式中、
- R8は、水素原子又はメチル基、好ましくはメチルを示し;
- R9は、1個から10個の炭素原子を含有し、1つ又は2つの-O-エーテル結合を任意選択で含有する、直鎖状又は分岐状、好ましくは直鎖状、二価炭化水素系基;好ましくはエチレン、プロピレン又はブチレンを示し;
- R10は、1個から10個の炭素原子、とりわけ2個から8個の炭素原子を含有する、直鎖状又は分岐状アルキル基、好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル又はペンチルを示し、
- nは、1~300の範囲、優先的には3~200の範囲の整数を示す]
であってもよい。
【0104】
これらは、とりわけ、ポリジメチルシロキサンメタクリレート、特にMCR-M17の名称でGelest Inc.社によって、又はx-22-2475及びx-22-2426の名称でShin-Etsu社によって販売されている製品であってもよい。
【0105】
本発明における使用に最も特に好適なシリコーンマクロモノマーは、200g.mol-1~100000g.mol-1、より優先的には400g.mol-1~20000g.mol-1の範囲の質量平均分子量(MW)を有する。
【0106】
特に、モノマー(C)は、少なくとも1つのシリコーンマクロモノマーであり、より特には、25℃以下、より特には-100℃から25℃の間、好ましくは-90℃から0℃の間のガラス転移温度Tgを有するシリコーンマクロモノマーから選択される。
【0107】
好ましい実施形態によると、モノマー(C)は、モノ(メタ)アクリロイルオキシ末端基を有する少なくとも1つのポリジメチルシロキサンである。
【0108】
本発明の好ましい実施形態によると、コポリマーCPは、モノマーの総質量に対して、0質量%~45質量%の、C1~C4アルキルアクリレート、C1~C4アルキルメタクリレート、シリコーンマクロモノマー及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(C)、好ましくは、モノマーの総質量に対して0質量%~45質量%の、C1~C4アルキルアクリレート、C1~C4アルキルメタクリレート、シリコーンマクロモノマー及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(C)、並びに先に定義した通りの少なくとも1つのモノマー(A)、より優先的には50%~99%の、先に定義した通りの少なくとも1つのモノマー(A)を含む。
【0109】
本発明の別の好ましい実施形態によると、コポリマーCPは、80質量%~99質量%の、C1~C4アルキルアクリレート及びC1~C4アルキルメタクリレートから選択される少なくとも1つのモノマー(C)を含み、好ましくは、CPは、モノマーの総質量に対して80質量%~99質量%の、C1~C4アルキルアクリレート及びC1~C4アルキルメタクリレートから選択される少なくとも1つのモノマー(C)を含み、先に定義した通りのモノマー(A)は含まない。
【0110】
本発明の別の好ましい実施形態によると、コポリマーCPは、モノマーの総質量に対して80質量%~99質量%の、シリコーンマクロモノマー及びC1~C4アルキルアクリレート又はC1~C4アルキルメタクリレートとのその混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(C)、好ましくは、モノマーの総質量に対して80質量%~99質量%の、シリコーンマクロモノマーから選択される少なくとも1つのモノマー(C)並びにC1~C4-アルキルアクリレート及び/若しくはC1~C4-アルキルメタクリレートから選択される少なくとも1つのモノマー(C)の混合物を含み;より優先的には、コポリマーCPは、モノマーの総質量に対して80質量%~99質量%の、シリコーンマクロモノマーから選択される少なくとも1つのモノマー(C)並びにC1~C4アルキルアクリレート及び/又はC1~C4アルキルメタクリレートから選択される少なくとも1つのモノマー(C)の混合物を含み、モノマー(A)は含まない。
【0111】
本発明の別の特定の実施形態によると、コポリマーCPは、30質量%超の、C1~C4アルキルアクリレート及びC1~C4アルキルメタクリレートから選択される少なくとも1つのモノマー(C)を含み、好ましくは、CPは、モノマーの総質量に対して30.01質量%~99質量%の、C1~C4アルキルアクリレート及びC1~C4アルキルメタクリレートから選択される少なくとも1つのモノマー(C)、並びにモノマーの総質量に対してゼロではない量であり50%未満の先に定義した通りの少なくとも1つのモノマー(A)を含む。この実施形態によると、モノマー(C)は、好ましくは、C4アルキルアクリレート、C4アルキルメタクリレート、又はC1~C3アルキルアクリレート及び/若しくはC1~C3アルキルメタクリレートのC4アルキルアクリレート若しくはC4アルキルメタクリレートとの混合物を示す。
【0112】
本発明の別の特定の実施形態によると、コポリマーCPは、モノマーの総質量に対して30質量%超の、シリコーンマクロモノマー及びC1~C4アルキルアクリレート又はC1~C4アルキルメタクリレートとのその混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(C)を含み、好ましくは、CPは、モノマーの総質量に対して30.01質量%~99質量%の、シリコーンマクロモノマー及びC1~C4アルキルアクリレート又はC1~C4アルキルメタクリレートとのその混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(C)、並びにモノマーの総質量に対してゼロではない量であり50%未満の先に定義した通りの少なくとも1つのモノマー(A)を含む。
【0113】
本発明の別の特定の実施形態によると、コポリマーCPは、45質量%超及び49質量%未満の、C1~C4アルキルアクリレート、C1~C4アルキルメタクリレート、シリコーンマクロモノマー及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(C)を含み、好ましくは、CPは、モノマーの総質量に対して45.01質量%~48.99質量%の、C1~C4アルキルアクリレート及びC1~C4アルキルメタクリレートから選択される少なくとも1つのモノマー(C)、並びにモノマーの総質量に対して50%~99%の量の先に定義した通りの少なくとも1つのモノマー(A)を含む。この実施形態によると、モノマー(C)は、好ましくは、C4アルキルアクリレート、C4アルキルメタクリレート、又はC1~C3アルキルアクリレート及び/若しくはC1~C3アルキルメタクリレートのC4アルキルアクリレート若しくはC4アルキルメタクリレートとの混合物を示す。
【0114】
コポリマーの調製
本発明による組成物C1、C2又はC3中に含まれるコポリマーCPは、少なくとも1つのモノマー(B)の、存在する場合少なくとも1つのモノマー(A)及び/又は存在する場合、先に記載した通りの少なくとも1つのモノマー(C)とのラジカル重合によって調製することができる。一般に60℃以上の沸点を有する有機媒体中で重合されるモノマーの混合物は、重合反応の開始直後から形成されることがあり、又はある特定のモノマーを徐々に又は順次添加することによって重合が進行するにつれて形成されることもある。これらのモノマーの重合は、開始剤の存在下で実施される。
【0115】
コポリマーを調製するのに好適な有機媒体として、特に、イソドデカン、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン又はメチルエチルケトン等の溶媒及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0116】
1つの調製方法によると、合成媒体は、いくつかの溶媒、とりわけ、沸点の異なる2つの溶媒の混合物である。合成媒体が、沸点の異なるいくつかの溶媒、とりわけ2つの溶媒を含有する場合、コポリマーCPの合成の終了時に、任意選択で、合成媒体を構成する最高沸点の溶媒と同一の又は異なるより高沸点の媒体を添加した後、最低沸点を有する溶媒を除去することが可能である。
【0117】
この実施形態によると、合成媒体は、コポリマーのモノマー(B)並びに(A)及び/又は(C)、並びに開始剤が可溶であるように選択される。
【0118】
好ましくは、モノマーは、重合前に、合成媒体の総質量に対して5質量%~45質量%の範囲の含有量で合成溶媒中に存在する。
【0119】
重合されるモノマーは、重合が進行するにつれて、徐々に又は順次のいずれかで、重合反応の開始前に合成媒体に導入することができる。
【0120】
この重合は、とりわけ過酸化物又はアゾタイプの開始剤の存在下で実施される。
【0121】
特に、開始剤は、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、例えば、AkzoNobel社によって販売されているTrigonox 21S、2,5-ジメチル-2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、例えば、AkzoNobel社によって販売されているTrigonox 141、tert-ブチルペルオキシピバレート、例えば、AkzoNobel社によって販売されているTrigonox 25C75、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)及び2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(V50)から選択されうる。好ましくは、開始剤は、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、例えば、AkzoNobel社によって販売されているTrigonox 21Sである。
【0122】
好ましくは、重合は、70℃~110℃の範囲の温度で実施される。
【0123】
本発明の特定の形態によると、コポリマーCPの合成は、沸点の異なる2つの溶媒の混合物、特に、イソドデカン及び酢酸エチルの混合物中で実施される。反応の終了時、より低沸点の溶媒、とりわけ酢酸エチルは、とりわけ蒸留によって除去される。この場合、合成の終了時、組成物C1は、より高沸点溶媒、とりわけイソドデカン中でコポリマーCPを含んで得られる。
【0124】
好ましい実施形態によると、使用されるコポリマーは、5000g.mol-1から1000000g.mol-1の間、より優先的には10000g.mol-1から500000g.mol-1の間、更により優先的には15000g.mol-1から350000g.mol-1の間の質量平均分子質量を有する。
【0125】
本発明に従って使用されるコポリマーCPの非限定的な例示として、とりわけ、
- アクリル酸イソボルニル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比90/10のアクリル酸イソボルニル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソボルニル/アクリル酸2-エチルヘキシル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比60/30/10のアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソボルニル/アクリル酸ブチル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比60/30/10のアクリル酸イソボルニル、アクリル酸ブチル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、又は
- アクリル酸イソボルニル/アクリル酸2-エチルヘキシル/PDMSメタクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比60/25/5/10のアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル、PDMSメタクリレート及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソブチル/アクリル酸tert-ブチル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比25/65/10のアクリル酸イソブチル、アクリル酸tert-ブチル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソブチル/メタクリル酸イソブチル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比30/60/10のアクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソブチル/アクリル酸2-エチルヘキシル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比88/2/10のアクリル酸イソブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸tert-ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸イソボルニル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比33/20/39/8のアクリル酸tert-ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソボルニル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソボルニル/アクリル酸2-エチルヘキシル/PDMSメタクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比25/20/45/10のアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル、PDMSメタクリレート及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソブチル/PDMSメタクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比65/25/10のアクリル酸イソブチル、PDMSメタクリレート及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソボルニル/アクリル酸2-エチルヘキシル/PDMSメタクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比40/12/46/2のアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル、PDMSメタクリレート及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソボルニル/アクリル酸イソブチル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比52/46/2のアクリル酸イソボルニル、アクリル酸イソブチル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート
の共重合によって得られるコポリマーを挙げることができる。
【0126】
本発明による化粧用組成物
上で述べた通り、本発明はまた、ケラチン物質のため、特に、皮膚、唇、睫毛及び/若しくは眉毛をケア及び/若しくはメーキャップするため、並びに/又はケラチン繊維、好ましくは毛髪をケア、スタイリング及び/若しくは染色するための組成物、とりわけ化粧用組成物であって、上で定義した通りのコポリマーCPを含む、組成物を対象とする。
【0127】
上で特定した通り、本発明によるこの組成物は、とりわけ、C1、C2及びC3として既知の組成物のバリアントの形態であってもよい。
【0128】
したがって、組成物C1は、本発明に従う脂肪相及びコポリマーCPに加えて、a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、b)ケラチン物質、好ましくは皮膚をケアするための活性剤、c)UV遮蔽剤、並びにd)それらの混合物から選択される、「CAA」と呼ばれる少なくとも1つの化粧料活性剤を含んでもよい。
【0129】
本発明の特定の形態によると、組成物C1は、本発明に従う脂肪相及びコポリマーCP、任意選択で、a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、b)ケラチン物質、好ましくは皮膚をケアするための活性剤、c)UV遮蔽剤、及びd)それらの混合物から選択される、「CAA」と呼ばれる少なくとも1つの化粧料活性剤、並びに任意選択で、化粧料活性剤CAAとは異なる少なくとも1つの化粧料として許容される化合物からなる。
【0130】
組成物C2は、本発明に従う脂肪相及びコポリマーCPに加えて、下記で定義する通りの「R」と呼ばれる少なくとも1つの架橋剤、及び任意選択で少なくとも1つの化粧料活性剤CAAを含む。
【0131】
本発明の特定の形態によると、組成物C2は、とりわけ下記で定義する通りの「CAA」と呼ばれる化粧料活性剤を含まない。
【0132】
本発明の別の特定の形態によると、組成物C2は、本発明に従う脂肪相及びコポリマーCP、下記で定義する通りの「R」と呼ばれる少なくとも1つの架橋剤、及び任意選択で、化粧料活性剤CAA以外の化粧料として許容される化合物からなる。
【0133】
組成物C3は、本発明に従う脂肪相及びコポリマーCPに加えて、下記で定義する通りの「R」と呼ばれる少なくとも1つの架橋剤、及び少なくとも1つの化粧料活性剤CAAを含む。
【0134】
架橋剤
本発明の目的で、「R」とも呼ばれる「架橋剤」という用語は、本発明による組成物中に含有される(コ)ポリマーCPの少なくとも1つのアセトアセテート官能基と共に、
- 少なくとも1つの共有結合、
- 少なくとも1つのドナー-アクセプター(与格)結合、及び/又は
- 少なくとも1つの配位結合
を確立する、したがって、この(コ)ポリマーを架橋することが可能な化合物を示す。
【0135】
好ましくは、「R」とも呼ばれる「架橋剤」という用語は、本発明による組成物に含有される(コ)ポリマーCPのアセトアセテート官能基との少なくとも1つの共有結合を確立する、したがって、この(コ)ポリマーを架橋することが可能な化合物を指す。
【0136】
本発明の目的で、「架橋剤」及び「クロスリンカー」という用語は、等価であることが理解される。
【0137】
特定の実施形態では、本発明による組成物は、そのような架橋剤Rを含まない。
【0138】
したがって、先に記載した通りの組成物C1は、本発明に従うコポリマーCP及び脂肪相を含み、架橋剤Rを含まない。
【0139】
別の特定の実施形態では、組成物C2及びC3等の本発明による組成物は、組成物C1を、少なくとも1つの架橋剤R又はそのような架橋剤を含有し、組成物「CR」と呼ばれる組成物と混合することによって得られる。
【0140】
前述から明らかである通り、組成物CRは、少なくとも1つの架橋剤を含有する。特に、組成物CRは、コポリマーCPを含有しない。その一方で組成物CRは、脂肪相、水性相を含んでもよく、又は直接若しくは逆エマルジョンの形態であってもよい。組成物CRはまた、a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、b)ケラチン物質、好ましくは皮膚をケアするための活性剤、c)UV遮蔽剤、並びにd)それらの混合物から選択される「CAA」と呼ばれる化粧料活性剤、とりわけ少なくとも1つの着色剤、より特には少なくとも1つの顔料を含んでもよい。
【0141】
より特には、組成物C3は、
- 組成物C1を、少なくとも1つの架橋剤R若しくはそのような架橋剤を含有し、CRと呼ばれる組成物、及び少なくとも1つの化粧料活性剤CAA(前記CAAは、「CAC」と呼ばれる別の組成物を介する並びに/又は組成物C1及び/若しくはCRを介すると考えられる)と混合することによって、又は
- 組成物C2を、少なくとも1つの化粧料活性剤CAA若しくは前記1つの化粧料活性剤CAAを含有する、C2とは異なる組成物CACと混合することによって
のいずれかで得ることができる。
【0142】
組成物CACに関して、それは、a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、b)ケラチン物質、好ましくは皮膚をケアするための活性剤、c)UV遮蔽剤、並びにd)それらの混合物から選択される少なくとも1つの化粧料活性剤を含有する。特に、組成物CACは、コポリマーCPを含有しない。組成物CACはまた、架橋剤Rを含有しない。組成物CACは、代わりに、脂肪相、水性相を含んでもよく、又は直接若しくは逆エマルジョンの形態であってもよい。
【0143】
別の特定の実施形態によると、組成物C3は、本発明による組成物C1を、少なくとも1つの架橋剤Rを含む組成物CRと混合することによって得ることができ、前記組成物C1及び/又はCRは各々また、少なくとも1つの化粧料活性剤CAAをおそらく含有する。
【0144】
本発明による組成物が少なくとも1つの架橋剤を含有する場合、前記架橋剤及び前記コポリマーCPは、好ましくは、5%~40%の範囲の質量比で存在する。
【0145】
より正確には、本発明における使用に好適な架橋剤Rは、アミン、チオール、アルコール、アクリレート及び/若しくはカルボニル官能基、例えば、ケトン及び/若しくはアルデヒド官能基、又はそれらの混合物を含有する化合物から選択されうる。架橋剤Rはまた、金属アルコキシド又は金属塩又は希土類金属誘導体を示してもよい。
【0146】
したがって、特定の実施形態によると、架橋剤Rは、(ポリ)アミノ、(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化、(ポリ)カルボニル、(ポリ)アクリレート化合物、並びにそれらの混合物から選択され、好ましくは、とりわけ下記に詳述される通りの(ポリ)アミノ及び(ポリ)チオール化化合物から選択される。
【0147】
したがって、特定の実施形態によると、架橋剤Rは、(ポリ)アミノ、(ポリ)チオール化及び/若しくは(ポリ)ヒドロキシル化、(ポリ)カルボニル、(ポリ)アクリレート、並びに/又は金属アルコキシド、金属(ポリ)(ヒドロキシ)(C1~C6)アルキルカルボキシレート、希土類金属誘導体、並びにそれらの混合物から選択され、好ましくは、とりわけ下記に詳述される通りの(ポリ)アミノ及び(ポリ)チオール化化合物から選択される。
【0148】
「(ポリ)アミン、(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化、(ポリ)カルボニル並びに(ポリ)アクリレート化合物」という用語は、その化合物が、それぞれ少なくとも1つのアミン、チオール及び/又はヒドロキシル、カルボニル、例えば、ケトン若しくはアルデヒド官能基又はアクリレート官能基を含むことを示す。
【0149】
金属アルコキシド化合物、金属(ポリ)(ヒドロキシ)(C1~C6)アルキルカルボキシレート及び希土類金属誘導体は、下記に定義される。
【0150】
(ポリ)アミン架橋剤
好ましい実施形態によると、架橋剤Rは、(ポリ)アミン化合物から選択される。
【0151】
(ポリ)アミン化合物は、特に、いくつかの第1級及び/若しくは第2級アミン基を有するポリアミン化合物から、又はアミノアルコキシシランから、より特には、アミノアルコキシシラン化合物、ジアミン化合物、トリアミン化合物及びそれらの混合物から選択されうる。
【0152】
(ポリ)アミン化合物は、2~20個の炭素原子を含む化合物、とりわけ非高分子化合物であってもよい。
【0153】
「非高分子化合物」という用語は、モノマー重合反応を介して直接的には得られない化合物を意味する。
【0154】
挙げることができる(ポリ)アミン化合物には、特に、N-メチル-1,3-ジアミノプロパン、N-プロピル-1,3-ジアミノプロパン、N-イソプロピル-1,3-ジアミノプロパン、N-シクロヘキシル-1,3-ジアミノプロパン、2-(3-アミノプロピルアミノ)エタノール、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルアミン、ビス(3-アミノプロピル)アミン、メチルビス(3-アミノプロピル)アミン、N-(3-アミノプロピル)-1,4-ジアミノブタン、N,N-ジメチルジプロピレントリアミン、1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタン、N,N'-ビス(3-アミノプロピル)-1,3-プロパンジアミン、エチレンジアミン、1,3-プロピレンジアミン、1,4-ブチレンジアミン、リジン、シスタミン、キシレンジアミン、トリス(2-アミノエチル)アミン及びスペルミジンが含まれる。
【0155】
アミン化合物はまた、アミノアルコキシシラン、例えば、式R'1Si(OR'2)z(R'3)xのもの[式中、
- R'1は、アミン基NH2又はNHR(Rは、アミノ基又はC1~C4アミノアルキル基で置換されたC1~C4アルキル、アリール又はアリールオキシを表す)から選択される基で置換された直鎖状又は分岐状、飽和又は不飽和、環式又は非環式C1~C6炭化水素系鎖であり;R'1は、ヘテロ原子(O、S、NH)又はカルボニル基(CO)でその鎖が中断されていてもよく、R'1は、炭素原子を介して直接ケイ素原子に結合しており、
- R'2及びR'3は、同一であっても異なっていてもよく、1~6個の炭素原子を含む、直鎖状又は分枝状のアルキル基を表し、
- zは、1~3の範囲の整数を示し、
- xは、0~2の範囲の整数を示し、
z+x=3である]
から選択されうる。
【0156】
特に、R'1は、非環式鎖である。好ましくは、R'1は、アミンNH2又はNHR基(RはC1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル又はC6芳香族基を表す)で置換された直鎖状又は分岐状、飽和又は不飽和C1~C6炭化水素系鎖である。より優先的には、R'1は、アミン基NH2で置換された飽和直鎖状C1~C6炭化水素系鎖である。更により優先的には、R'1は、アミン基NH2で置換された飽和直鎖状C2~C4炭化水素系鎖である。
【0157】
特に、R'2は、1~4個の炭素原子を含むアルキル基を表し;好ましくは、R'2は、1~4個の炭素原子を含む直鎖状アルキル基を表し、より優先的には、R'2は、エチル基を表す。
【0158】
特に、R'3は、1~4個の炭素原子を含むアルキル基を表し、好ましくは、R'3は、1~4個の炭素原子を含む直鎖状アルキル基を表し、より優先的には、R'3は、メチル又はエチル基を表す。
【0159】
好ましくは、zは3に等しい。
【0160】
特定の実施形態によると、アミノアルコキシシランは、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)、3-アミノエチルトリエトキシシラン(AETES)、3-アミノプロピルメチルジエトシキシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-(m-アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、p-アミノフェニルトリメトキシシラン及びN-(2-アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシランから選択される。
【0161】
好ましくは、アミノアルコキシシランは、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)、3-アミノエチルトリエトキシシラン(AETES)、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン及びN-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシランから選択され、より優先的には、アミノアルコキシシランは、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)である。
【0162】
好ましい実施形態によると、(ポリ)アミン化合物は、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)、N-メチル-1,3-ジアミノプロパン、N-プロピル-1,3-ジアミノプロパン、N-イソプロピル-1,3-ジアミノプロパン、N-シクロヘキシル-1,3-ジアミノプロパン、2-(3-アミノプロピルアミノ)エタノール、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルアミン、ビス(3-アミノプロピル)アミン、メチルビス(3-アミノプロピル)アミン、N-(3-アミノプロピル)-1,4-ジアミノブタン、N,N-ジメチルジプロピレントリアミン、1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタン、N,N'-ビス(3-アミノプロピル)-1,3-プロパンジアミン、エチレンジアミン、1,3-プロピレンジアミン、1,4-ブチレンジアミン及びリジンから選択される。
【0163】
優先的には、(ポリ)アミン化合物は、エチレンジアミン、1,3-プロピレンジアミン、1,4-ブチレンジアミン及び3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)から選択され、より優先的には、(ポリ)アミン化合物は、エチレンジアミン又は3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)である。
【0164】
(ポリ)アミン化合物はまた、とりわけ、500g.mol-1~1000000g.mol-1の範囲、好ましくは500g.mol-1~500000g.mol-1の範囲、優先的には500g.mol-1~100000g.mol-1の範囲の質量平均分子質量を有するアミノポリマーから選択されうる。
【0165】
アミンポリマーとして、特に、ポリ(C2~C5アルキレンイミン)、好ましくは、ポリエチレンイミン及びポリプロピレンイミン、とりわけポリ(エチレンイミン)、特に、参照名46,852-3でAldrich Chemical社によって販売されている製品;ポリ(アリルアミン)、特に参照名47,913-6でAldrich Chemical社によって販売されている製品;ポリビニルアミン及びとりわけビニルアミドとのそのコポリマー、特にビニルアミン/ビニルホルムアミドコポリマー、例えば、Lupamin(登録商標)9030の名称でBASF社によって販売されているもの;NH2基を含有するポリアミノ酸、例えばポリリジン、特に、JNC Corporation社(旧Chisso社)によって販売されている製品;アミノデキストラン、特にCarboMer Inc社によって販売されている製品;アミノポリビニルアルコール、特にCarboMer Inc社によって販売されている製品;アクリルアミドプロピルアミン系コポリマー;キトサン、例えば、参照名Kionutrime CSG(登録商標)でKytozyme社によって販売されているポリ(D-グルコサミン);鎖の端部又は側鎖の第1級アミン基、例えば、アミノプロピル末端又は側基を含むポリジメチルシロキサン、例えば、式(III)又は(IV)又は(V)のものを挙げることができる:
【0166】
【0167】
式中、nの値は、ポリジメチルシロキサンの質量平均分子質量が500g.mol-1~55000g.mol-1の範囲になるようなものである。式(III)の化合物の一例として、DMS-A11、DMS-A12、DMS-A15、DMS-A21、DMS-A31、DMS-A32及びDMS-A35の名称でGelest社によって販売されているものを挙げることができる。
【0168】
【0169】
式中、n及びmの値は、ポリジメチルシロキサンの質量平均分子質量が1000g.mol-1~55000g.mol-1の範囲になるようなものである。式(IV)のポリジメチルシロキサンの一例として、AMS-132、AMS-152、AMS-162、AMS-163、AMS-191及びAMS-1203の名称でGelest社によって販売されているものを挙げることができる。
H2NCH2CH2CH2-Si(CH3)2-O-[Si(CH3)2-O]n-Si(CH3)2C4H9 (V)
式中、nの値は、ポリジメチルシロキサンの質量平均分子質量が500~3000g.mol-1の範囲になるようなものである。ポリジメチルシロキサン(V)の例として、MCR-A11及びMCR-A12の名称でGelest社によって販売されている製品を挙げることができる。
【0170】
アミンポリマーとしてまた、式(VI)のアモジメチコン:
【0171】
【0172】
[式中、R、R'及びR''は、同一であっても異なっていてもよく、各々、ヒドロキシル又は(C1~C4)アルキル基を表し;Aは、C3アルキレン基を表し、m及びnは、式(VI)の化合物の質量平均分子量が、5000g.mol-1~500000g.mol-1の範囲になるようなものである]
を挙げることができる。
【0173】
アミンポリマーとしてまた、ポリエーテルアミン、特に、参照名JeffamineでHunstman社から公知のもの;とりわけ、ポリエチレングリコール及び/又はポリプロピレングリコールα,ω-ジアミン(鎖の端部にアミン官能基を有する)、例えば、Jeffamine D-230、D-400、D-2000、D-4000、ED-600、ED-9000、ED-2003の名称で販売されているものを挙げることができる。
【0174】
アミンポリマーとしてまた、α,ω-ジアミンポリテトラヒドロフラン(又はポリテトラメチレングリコール)、α,ω-ジアミンポリブタジエン及びアミン末端ポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマーを挙げることができる。
【0175】
アミンポリマーとしてまた、第1級又は第2級アミン側官能基を有するポリ(メタ)アクリレート又はポリ(メタ)アクリルアミド、例えば、ポリ(3-アミノプロピル)メタクリルアミド、ポリ(2-アミノエチルメタクリレート)を挙げることができる。
【0176】
アミンポリマーとして、好ましくは、キトサン、鎖端又は側鎖に第1級アミン基を含むポリジメチルシロキサンが使用される。
【0177】
好ましくは、ポリアミン化合物は、キトサン、鎖端又は側鎖に第1級アミン基を含むポリジメチルシロキサン、及びAPTESから選択される。
【0178】
したがって、好ましい実施形態によると、本発明による組成物C2又はC3は、(ポリ)アミン化合物から選択される、特に、キトサン、アミノアルコキシシラン、鎖の端部又は側鎖に第1級アミン基を含むポリジメチルシロキサン、アモジメチコン、ポリグルコサミン及びそれらの混合物から選択される架橋剤Rを含む。
【0179】
より優先的には、本発明による組成物C2又はC3は、キトサン、アミノアルコキシシラン及び鎖の端部又は側鎖に第1級アミン基を含むポリジメチルシロキサンから選択される、更により優先的には、ポリ(D-グルコサミン)、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)、3-アミノエチルトリエトキシシラン(AETES)、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン及び鎖の端部に末端アミノプロピル基を含むポリジメチルシロキサンから選択される架橋剤R、更により優先的には3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)を含む。
【0180】
(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化架橋剤
好ましい実施形態によると、架橋剤は、(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化化合物から選択される。
【0181】
(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化化合物は、特に、有機であっても無機であってもよく、好ましくは有機である。
【0182】
本発明の(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化化合物は、脂溶性又は非脂溶性化合物から選択される。
【0183】
「脂溶性化合物」という用語は、25℃でイソドデカンに少なくとも1質量%で可溶性又は混和性である化合物を意味する。
【0184】
好ましい実施形態では、(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化化合物は、ケイ素系であり、すなわち、それは、1つ若しくは複数のヒドロキシル基、又は1つ若しくは複数のチオール基、又は1つ若しくは複数のヒドロキシル基及び1つ若しくは複数のチオール基を含み、それはまた、少なくとも1つのシロキサン鎖を含む。
【0185】
特定の実施形態では、(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化化合物は、無機である。例えば、ポリチオールシリコーン及びポリチオールシリカを挙げることができる。
【0186】
本発明による組成物において使用される(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化化合物は、特に、非高分子(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化化合物から選択されうる。
【0187】
本発明の目的で、「非高分子化合物」という用語は、モノマー重合反応を介して直接的には得られない化合物を意味する。
【0188】
本発明の一実施形態によると、(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化化合物は、有機、非高分子の、下記の式(VII)のもの、及びまた水和物等のその溶媒和物:
(HO)pL(SH)q (VII)
[式中、
- p及びqは、同一であっても異なっていてもよく、整数を表し、和p+qは2以上であること、好ましくは和p+qは端値を含む2から10の間、好ましくは2から5の間であることが理解され;
- Lは、特に、1~500個の炭素及び/又はケイ素原子、より特には2から40個の間の炭素及び/又はケイ素原子、更により特には3から30個の間の炭素及び/又はケイ素原子、好ましくは6から20個の間の炭素原子を含む、飽和若しくは不飽和直鎖状若しくは分岐状、又は飽和若しくは不飽和(ヘテロ)環式、多価(少なくとも二価)基を示し;
Lは、O、S、N、Si及びC(X)、及びそれらの組合せ、例えば、-O-、-O-C(X)-、-N(R)-C(X)-若しくは-Si(Rc)(Rd)-O-(Rは、水素原子若しくは(C1~C6)アルキル基、例えばメチルを表す)から選択される1つ若しくは複数のヘテロ原子若しくは基で、任意選択で中断され及び/若しくは終端しており;並びに/又は
Lは、1つ若しくは複数のハロゲン原子又はRa(Rb)N-及び-(X')a-C(X)-(X")b-Raから選択される基で、任意選択で置換されており;
- X、X'及びX"は、同一であっても異なっていてもよく、酸素若しくは硫黄原子、又は基N(Rb)を表し;
- a及びbは、0又は1に等しく;好ましくは、和a+bは、1に等しく;
- Ra及びRbは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は(C1~C6)アルキル又はアリール(C1~C4)アルキル基、例えばベンジルを表し;好ましくは、Ra及びRbは、水素原子を表し;
- Rc及びRdは、同一であっても異なっていてもよく、(C1~C6)アルキル、アリール(C1~C4)アルキル又は(C1~C6)アルコキシ基を表す]
である。
【0189】
本発明の一実施形態によると、上記式(VII)中、qは0に等しく、pは、2以上の整数であり;好ましくは、pは、2~10、好ましくは2~5の整数である。
【0190】
本発明の特定の実施形態によると、(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化化合物は、ポリヒドロキシル化化合物、とりわけ、2~20個の炭素原子を含むポリヒドロキシル化化合物、特に非高分子ポリヒドロキシル化化合物から選択される。
【0191】
本発明に従って使用される(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化化合物は、ヒドロキシアルコキシシロキサン又はチオアルコキシシロキサン化合物から選択されえ、これらの化合物はまた、1つ又は複数の第1級又は第2級アミン基を含んでもよいことが理解される。
【0192】
本発明に従って使用されるポリヒドロキシル化化合物は、少なくとも2つのヒドロキシル官能基を含む有機化合物である。この化合物は、他の非反応性化学官能基、例えば、エステル、アミド、ケトン又はウレタン官能基を含んでもよい。様々なポリヒドロキシル化化合物の混合物を使用することも可能である。
【0193】
別の変形例によると、本発明に従って使用されるポリヒドロキシル化化合物は、少なくとも2つのヒドロキシル官能基を含む無機化合物である。この化合物は、他の非反応性化学官能基、例えば、エステル、アミド、ケトン又はウレタン官能基を含んでもよい。様々なポリヒドロキシル化化合物の混合物、例えば、有機及び無機ポリヒドロキシル化化合物の混合物を使用することも可能である。
【0194】
別の実施形態によると、チオール化及び/又はヒドロキシル化化合物は、ポリヒドロキシル化、ポリチオール化、並びに高分子ポリヒドロキシル化及びポリチオール化化合物から選択される。
【0195】
本発明の一実施形態によると、ポリヒドロキシル化化合物は、下記の式(VIIa)の非高分子有機化合物:
L(OH)p (VIIa)
[式中、
- pは、2以上、好ましくは2から10の間、好ましくは2から5の間(端値を含む)の整数を示し;
- Lは、先に定義した通りであり;好ましくは、Lは、8から30個の炭素及び/又はケイ素原子、好ましくは10から20個の炭素及び/又はケイ素原子を含む飽和若しくは不飽和直鎖状若しくは分岐状、又は飽和若しくは不飽和(ヘテロ)環式、多価(少なくとも二価)基を示し、Lはまた、1個若しくは複数の酸素原子でおそらく中断されており、並びに/又はアミノ、エーテル、チオエーテル、エステル、チオエステル、ケトン、チオケトン、アミド及びチオアミド官能基から選択される1つ若しくは複数の官能基を含む]
である。
【0196】
ポリヒドロキシル化化合物は、好ましくはジオール化合物である。
【0197】
好ましくは、Lは、C8~C18多価基を示し、これは、とりわけ直鎖状である。
【0198】
優先的には、ポリヒドロキシル化化合物は、脂溶性ポリオール、特に、C8~C18ジオールであり、これは、とりわけ直鎖状である。有利には、C8~C18鎖は、炭化水素系鎖である、すなわち、炭素及び水素から形成される。
【0199】
特に、脂溶性ポリオールは、直鎖状C8~C16、とりわけC10~C14ジオールである。
【0200】
式(VIIa)のポリオールとして、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,16-ヘキサデカンジオール及び1,18-オクタデカンジオールを挙げることができる。
【0201】
好ましくは、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール又は1,14-テトラデカンジオールが使用される。1,12-ドデカンジオールが、優先的には使用される。
【0202】
本発明の特定の実施形態によると、チオール化及び/又はヒドロキシル化化合物は、「ポリメルカプト」化合物としても公知のポリチオール化化合物から選択される。
【0203】
本発明に従って使用されるポリチオール化化合物は、水溶性であっても脂溶性であってもよく、好ましくは脂溶性である。
【0204】
本発明の特定の実施形態によると、チオール化及び/又はヒドロキシル化化合物は、ポリチオール化化合物、とりわけ、2~20個の炭素原子を含むポリチオール化化合物から選択される。
【0205】
好ましい実施形態によると、チオール化及び/又はヒドロキシル化化合物は、チオール化非高分子の、上で定義した式(VII)(式中、pは0であり、qは、2以上の整数であり、好ましくは、pは、2から10の間、好ましくは2から5の間(端値を含む)の整数である)のものである。
【0206】
特に、本発明における使用に好適なポリチオール化化合物は、式(VIIb)の非高分子有機化合物:
L(SH)q (VIIb)
[式中、Lは、上記式(VIIa)で定義した通りであり、qは、2以上、好ましくは2から10の間、好ましくは2から5の間(端値を含む)の整数を表す]
である。
【0207】
本発明における使用に好適なポリチオール化化合物は、好ましくはジチオール化合物である。
【0208】
好ましくは、Lは、C8~C18多価基を示し、これは、とりわけ直鎖状である。優先的には、脂溶性ポリチオールは、とりわけ直鎖状C8~C18ジチオールである。有利には、C8~C18鎖は、炭化水素系鎖である、すなわち、炭素及び水素から形成される。特に、脂溶性ポリチオールは、直鎖状C8~C16、とりわけC10~C14ジチオールである。
【0209】
式(VIIb)のポリチオールとして、1,8-オクタンジチオール、1,10-デカンジチオール、1,12-ドデカンジチオール、1,14-テトラデカンジチオール、1,16-ヘキサデカンジチオール及び1,18-オクタデカンジチオールを挙げることができる。
【0210】
好ましくは、1,10-デカンジチオール、1,12-ドデカンジチオール又は1,14-テトラデカンジチオールが使用される。1,12-ドデカンジチオールが、優先的には使用される。
【0211】
本発明の別の実施形態によると、チオール化及び/又はヒドロキシル化化合物は、チオール化及びヒドロキシル化非高分子の、上で定義した通りの式(VII)(式中、q及びpは、1以上の整数であり;好ましくは、和p+qは、2~10、好ましくは2~5の整数であり、好ましくはq>pである)のものである。
【0212】
本発明のなお別の特定の実施形態によると、チオール化及び/又はヒドロキシル化化合物は、(ポリ)ヒドロキシル化及び(ポリ)チオール化化合物、とりわけ、2~20個の炭素原子を含む(ポリ)ヒドロキシル化及び(ポリ)チオール化化合物、とりわけ非高分子(ポリ)ヒドロキシル化及び(ポリ)チオール化化合物から選択される。
【0213】
本発明の別の特定の実施形態によると、チオール化及び/又はヒドロキシル化化合物は、ヒドロキシル化及び/又はチオール化アルコキシシロキサン、例えば、下記式(VIII)のもの:
R'1-Si(OR'2)z(R'3)x (VIII)
[式中、
・ R'1は、以下の基:
- ヒドロキシル又はチオール、好ましくはチオール、
- アリール、アリールオキシ、アリールチオ又はアリールアミノ(アリール基は、1つ又は複数のヒドロキシル、チオール、ヒドロキシ(C1~C6)アルキル又はチオ(C1~C6)アルキル基、好ましくはチオ(C1~C6)アルキルで置換されている)
から選択される1つ又は複数の基で置換された直鎖状又は分岐状、飽和又は不飽和、環式又は非環式C1~C12炭化水素系鎖であり、
- R'1は、その炭化水素系鎖中、1つ又は複数のヘテロ原子、例えば、O、S、N、カルボニル基(CO)又はそれらの組合せ、例えば、エステル-C(O)-O-若しくはアミド-C(O)-N(H)-で、任意選択で中断されており、R'1は、炭素原子を介して直接ケイ素原子に結合しており、
・ R'2及びR'3は、同一であっても異なっていてもよく、1~6個の炭素原子、好ましくは1~4個の炭素原子を含む、直鎖状又は分枝状のアルキル基、例えばメチルを表し、
・ zは、1~3の範囲の整数を示し、
・ xは、0~2の範囲の整数を示し、z+x=3である]
から選択される。
【0214】
好ましくは、R'2は、1~4個の炭素原子を含むアルキル基を表す。
【0215】
好ましくは、R'2は、1~4個の炭素原子を含む直鎖状アルキル基を表す。
【0216】
好ましくは、R'2は、エチル基を表す。
【0217】
好ましくは、R'3は、1~4個の炭素原子を含むアルキル基を表す。
【0218】
好ましくは、R'3は、1~4個の炭素原子を含む直鎖状アルキル基を表す。
【0219】
好ましくは、R'3は、メチル又はエチル基を表す。
【0220】
好ましくは、R'1は、非環式鎖である。
【0221】
好ましくは、R'1は、1つ又は複数のヒドロキシル又はチオール基、好ましくはチオールで置換された直鎖状又は分岐状、飽和又は不飽和C1~C6炭化水素系鎖である。
【0222】
優先的には、R'1は、ヒドロキシル又はチオール基、好ましくはチオールで置換された飽和直鎖状C1~C6炭化水素系鎖である。
【0223】
より優先的には、R'1は、ヒドロキシル又はチオール基、好ましくはチオールで置換された飽和直鎖状C2~C4炭化水素系鎖である。
【0224】
好ましくは、R'1は、ヒドロキシル又はチオール基、好ましくはチオールで置換された飽和直鎖状C1~C6炭化水素系鎖であり、R'2は、1~4個の炭素原子を含むアルキル基を表す。
【0225】
R'3は、1~4個の炭素原子を含むアルキル基を表す。
【0226】
好ましくは、zは3に等しい。
【0227】
本発明の更により特定の実施形態によると、アルコキシシロキサン(VIII)は、式(VIII')のもの:
(R1O)(R2)(R3)Si-CH2-[N(R4)-L1]p-X-H (VIII')
[式中、
・ pは、0又は1であり;
・ Xは、酸素又は硫黄原子、好ましくは硫黄原子を表し;
・ R1は、(C1~C6)アルキル基を表し;
・ R2及びR3は、同一であっても異なっていてもよく、好ましくは同一であり、
- (C1~C6)アルコキシ基、特にC1~C4;
- (C1~C6)アルキル基
から選択され;
・ R4は、水素原子又は(C1~C6)アルキル基、例えばメチルを表し;
・ L1は、二価、飽和、直鎖状又は分岐状C1~C20炭化水素系基を表す]
から選択される。
【0228】
本発明の更により特定の実施形態によると、アルコキシシロキサン(VIII)は、下記式(VIII'')のもの:
(R'1O)(R'2)(R'3)Si-CH(R4)-CH(R5)-(L2)q-X-H (VIII'')
[式中、
・ qは、0又は1であり;
・ Xは、酸素又は硫黄原子、好ましくは硫黄原子を表し;
・ R'1は、(C1~C6)アルキル基を示し;
・ R'2及びR'3は、同一であっても異なっていてもよく、好ましくは同一であり、
- (C1~C6)アルコキシ基、特にC1~C4;
- (C1~C6)アルキル基
から選択され;
・ R5は、水素原子、又はアミノ、チオール若しくはヒドロキシル基で、任意選択で置換されたC1~C4アルキル基を表し;
・ R4は、水素原子又はC1~C4アルキル基、特にメチルを表し;
・ L2は、ヘテロ原子、例えば-NH-で、任意選択で中断され、1つ又は複数のヒドロキシル、チオール又はアミノ基で、任意選択で置換された二価、直鎖状又は分岐状、飽和C1~C20炭化水素系基を表す]
から選択される。
【0229】
好ましくは、式(VIII)のアルコキシシランは、4-(トリメトキシシリル)-1-ブタノール、3-(トリメトキシシリル)-1-プロパノール、3-(トリエトキシシリル)-1-プロパノール、11-(トリメトキシシリル)-1-ウンデカンチオール、4-(トリメトキシシリル)-2-ブタンチオール、2-(トリエトキシシリル)エタンチオール、3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンチオール、2-(トリメトキシシリル)エタンチオール、3-(トリメトキシシリル)-1-プロパンチオール及び3-(ジメトキシメチルシリル)-1-プロパンチオールから選択される。
【0230】
より優先的には、式(VIII)のアルコキシシランは、2-(トリエトキシシリル)エタンチオール(18236-15-2)及び3-(トリエトキシシリル)-1-プロパンチオール(14814-09-6)から選択される。
【0231】
別の実施形態によると、チオール化合物は、少なくとも2つのチオール基を有する粒子である。それは、例えば、チオール官能基で置換された、とりわけアルキルタイプの基で官能化されたシリカである。
【0232】
この実施形態によると、チオール化合物は、SiliaMetS(登録商標)チオールの名称でSilicycle社によって、又はSP - THIO - SILICAの名称でSuprasciences社によって販売されている粒子を指しうる。
【0233】
チオール化合物は、J. Mater. Chem.、2007、17、3726~3732;J. Am. Chem. Soc.、2005、127(23)、8492~8498頁;10.1109/ICBBE.2010.5517542;Chemical Engineering Journal、2011、171(3)、1004~1011;Minerals Engineering、2012、35、20~26;Colloids and Surfaces A: Physicochemical and Engineering Aspects、38(1-3)、229~233、Advanced Science, Engineering and Medicine、第5巻、第9号、2013年9月、984~987頁(4)に記載の手順に従って調製されたポリチオールシリカから選択されうる。
【0234】
少なくとも2つのチオール基を有する粒子はまた、Asahi Glass社によって販売されているSunsphere(登録商標)粒子等のシリカ粒子を、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトアルキルアルコキシシランと反応させることによって得ることができる。
【0235】
好ましくは、チオール化合物は、刊行物Journal of Chromatography A、第1217巻、第47号、2010年9月19日、7448~7454頁に従って、Asahi Glass社によって販売されているSunsphere(登録商標)シリカ粒子、好ましくは5μm Sunsphere粒子を、3-メルカプトプロピルトリエトキシシランと反応させることによって得られる、少なくとも2つのチオール基を有する粒子である。
【0236】
第2の実施形態によると、ポリチオール化粒子は、Colloids and Surfaces A: Physiochemical and Engineering Aspects 153、1999、421~427に記載されているもの等のチオール基を有するラテックスの形態で存在してもよい。
【0237】
別の実施形態によると、チオール化合物は、少なくとも2つのチオール基を有する化合物でコーティングされた粒子である。
【0238】
本発明による組成物において使用される(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化化合物は、特に、高分子(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化化合物から選択されうる。
【0239】
高分子(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化化合物は、ヒドロキシル及び/又はチオール単位を有するホモポリマー、コポリマー、スター、櫛形、ブラシ及び樹状化合物であってもよい。ポリマーは、多糖又はポリペプチド等の天然由来のものであっても、アクリルポリマー、ポリエステル又はポリグリコール等の合成由来のものであってもよい。ヒドロキシル及びチオール単位は、末端又は側基として存在してもよい。
【0240】
挙げることができる例には、以下の科学論文に記載されるポリマーが含まれる:Polymers containing groups of biological activity、C.G. Overbergerら、Polytechnic Institute of Brooklyn、http://pac.iupac.org/publications/pac/pdf/1962/pdf/0402x0521.pdf;EP1247515A2;U.S.3676440;及びEP1572778。
【0241】
本発明における使用に好適でありうるチオール化及び/又はヒドロキシル化ポリマーは、好ましくは、有機又はケイ素系、より優先的には、式(IX)のもの:
(HO)pPOLY(SH)q (IX)
[式中、
・ p及びqは、同一であっても異なっていてもよく、整数を表し、和p+qは3以上であることが理解され;
・ POLYは、好ましくは、炭素系又はケイ素系であるポリマー基を示し;
POLYは、O、S、N、Si及びC(X)、及びそれらの組合せ、例えば、-O-、-O-C(X)-、-N(R)-C(X)-若しくは-Si(Rc)(Rd)-O-(Rは、水素原子若しくは(C1~C6)アルキル基、例えばメチルを表す)から選択される1つ若しくは複数のヘテロ原子若しくは基で、任意選択で中断されており;並びに/又は
POLYは、1つ若しくは複数のハロゲン原子又はRa(Rb)N-及び-(X')a-C(X)-(X")b-Raから選択される基で、任意選択で置換されており;
- X、X'及びX"は、同一であっても異なっていてもよく、酸素若しくは硫黄原子、又は基N(Rb)を表し;
- a及びbは、0又は1に等しく;好ましくは、和a+bは、1に等しく;
- Ra及びRbは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は(C1~C10)アルキル若しくはアリール(C1~C4)アルキル基、例えばベンジルを表し;好ましくは、Ra及びRbは、水素原子を表し;
- Rc及びRdは、同一であっても異なっていてもよく、(C1~C10)アルキル、アリール(C1~C4)アルキル又は(C1~C10)アルコキシ基を表す]
である。
【0242】
特定の実施形態によると、チオール化及び/又はヒドロキシル化化合物は、「ポリオール」としても公知の(ポリ)ヒドロキシル化ポリマーから選択される。
【0243】
本発明の別の実施形態によると、(ポリ)ヒドロキシル化ポリマーは、式(IX')のもの:
POLY(OH)p (IX')
[式中、
・ pは、2以上の整数を示し、
・ POLYは、炭素系又はケイ素系ポリマー基を示し、POLYはまた、1個若しくは複数のヘテロ原子、例えば、O、N若しくはS、及び/又はアミノ、(チオ)エステル、(チオ)ケトン、(チオ)アミド、(チオ)ウレア及び(チオ)カルバメート官能基から選択される1つ若しくは複数の官能基をおそらく含有し、並びに/又は1つ又は複数の直鎖状若しくは分岐状(C1~C10)アルキル又は直鎖状若しくは分岐状(C1~C10)アルコキシ基でおそらく置換されており、POLYが置換されている場合、置換基がヒドロキシル基を有してもよいことが理解される]
から選択される。
【0244】
式(IX')のもの等のポリオールポリマー化合物の質量平均分子質量は、一般に、500から400000g.mol-1の間、好ましくは500から150000g.mol-1の間である。
【0245】
好ましくは、ポリヒドロキシル化ポリマー(IX')は、(ジ)オールポリマー、とりわけポリオレフィン(ポリ)オール、ポリジ(C1~C6)アルキルシロキサン(ポリ)オール又はポリエステル(ポリ)オールであってもよく;より優先的には、(ポリ)オールはジオールである。
【0246】
ポリオレフィン(ポリ)オールは、ヒドロキシル末端基を有するポリジエン、例えば、FR-A-2782723に記載のものであってもよい。それらは、ポリブタジエン、ポリイソプレン及びポリ(1,3-ペンタジエン)のホモポリマー及びコポリマー由来の(ポリ)オールから選択されうる。それらは、好ましくは、7000g.mol-1未満、好ましくは1000から5000g.mol-1の間の数平均分子量(Mn)を有する。特に、好ましくは、水素化して使用される、Cray Valley社によってブランド名Poly BD R45HTLO、Poly BD R45V及びPoly BD R-20 LMで販売されているヒドロキシル化ポリブタジエン;並びにまた、(ポリ)ヒドロキシル化水素化(1,2-ポリブタジエン)、例えば、Nisso社によって販売されているMn=3100のGI3000、GI2000(Mn=2100)及びGI1000(Mn=1500)が挙げられる。
【0247】
より特には、式(IX')の化合物は、下記式(X)のポリオレフィン(ポリ)オール:
【0248】
【0249】
[式中、
・ ALK4及びALK5は、同一であっても異なっていてもよく、好ましくは異なり、1つ又は複数のヒドロキシル、チオール又はアミノ基で、任意選択で置換された直鎖状又は分岐状(C1~C6)アルキレン基を表し;好ましくは、ALK4は、直鎖状(C1~C6)アルキレン基、例えば、n-ブチレンを表し、ALK5は、分岐状(C3~C6)アルキレン基、例えば、i-ブチレンを表し;
・ Xは、酸素又は硫黄原子又は基N(Ra)(Raは、水素原子又は(C1~C4)アルキル基を表す)を表し;好ましくは、Xは、ヒドロキシル又はチオール基、より優先的にはヒドロキシルを表し;
・ n及びmは、同一であっても異なっていてもよく、整数を表し、n+mは、1以上の整数を表す]
から選択される。
【0250】
式(X)の(ポリ)オールは、特に、ヒドロキシル末端基を有するポリオレフィンから選択されうる。
【0251】
ヒドロキシル末端基を有するポリオレフィンのうち、優先的には、ポリオレフィンホモポリマー又はα,ω-ヒドロキシ末端基を有するコポリマー、例えば、α,ω-ヒドロキシ末端基を有するポリイソブチレン及び式(X')のコポリマー:
【0252】
【0253】
とりわけ、Mitsubishiによってブランド名Polytailで販売されているものを挙げることができる。水素化ポリブタジエンジオールが、好ましくは使用される。
【0254】
式(X)の(ポリ)オールは、特に、ポリジアルキルシロキサン(ジ)オール、特に下記式(XI)のもの:
【0255】
【0256】
[式中、
・ Ra及びRbは、同一であっても異なっていてもよく、好ましくは同一であり、1つ又は複数のヒドロキシル、アミノ又はチオール基で、任意選択で置換された(C1~C6)アルキル;(C1~C6)アルコキシ、例えばメトキシ;アリール、例えばフェニル;アリールオキシ、例えばフェノキシ;アリール(C1~C4)アルキル、例えばベンジル;又はアリール(C1~C4)アルコキシ、例えばベンゾキシ;好ましくは(C1~C4)アルキル、例えばメチル
のうちからの基を表し;
・ nは、1以上整数を表し、より特には、nの値は、シリコーンの質量平均分子質量が500から55000g.mol-1の間になるようなものであり;特に、nは、1~100、好ましくは5~50、優先的には10~30の整数であり;
・ L4及びL5は、同一であっても異なっていてもよく、共有結合、又は1~100個の炭素原子を含み、1個若しくは複数のヘテロ原子、例えば、酸素、硫黄若しくは窒素、特に酸素で、任意選択で中断された飽和若しくは不飽和、直鎖状若しくは分岐状の、任意選択で環式の炭化水素系鎖、より優先的には、(C1~C6)アルキレン、(C1~C6)アルキレンオキシ、オキシ(C1~C6)アルキレン、(C1~C6)アルキレンオキシ(C1~C6)アルキレン、(C1~C6)アルキレンオキシ(C1~C6)アルキレンオキシ又はオキシ(C1~C6)アルキレンオキシ(C1~C6)アルキレン基を表し;
・ Xは、酸素又は硫黄原子、好ましくは酸素を表す]
から選択されうる。
【0257】
優先的には、式(XI)のポリジアルキルシロキサン(ジ)オールは、ポリジメチルシロキサン、とりわけ、下記式(XI')のポリジオール:
【0258】
【0259】
[式中、
・ L4及びL5は、先に定義した通りであり、好ましくは、-R2-、-O-R2-、-R2-O-及び-R2-O-R'2-、好ましくは、R2-O-R'2-(R2及びR'2は同一であっても異なっていてもよく、直鎖状又は分岐状(C2~C6)アルキレン基、例えば、エチレン又はプロピレンを表す)を表し;
・ nは、1から100(端値を含む)の間、好ましくは5から50の間、優先的には10から30の間の整数を表す]
から選択される。
【0260】
使用することができるポリジメチルシロキサンジオールには、KF-6000、KF-6001、KF-6002及びKF-6003の名称でShin-Etsu Chemicalsによって販売されているものが含まれる。
【0261】
好ましくは、下記式(XI'')のポリジメチルシロキサンジオールが使用される:
【0262】
【0263】
また、OH末端官能基を有するポリジメチルシロキサンであるジメチコノールが使用されてもよい。例えば、Xiameter PMX-1502 Fluidの名称でDow Corning社によって販売されている製品を挙げることができる。
【0264】
本発明の特定の形態によると、式(X)の(ポリ)オールは、下記式(XII)のポリヒドロキシル化化合物:
【0265】
【0266】
[式中、
- R1は、同一であっても異なっていてもよく、ヒドロキシル基;1~10個の炭素原子、好ましくは1~4個の炭素原子、とりわけ1~2個の炭素原子を含有するアルキル基、例えばメチル;1~2個の炭素原子を含有するアルコキシ基;又は基-(CH2)s-Si(R4)3(式中、sは、1~4の範囲の整数、例えば2を表し、R4は、1~2個の炭素原子を含有するアルコキシ基を独立して示す)を独立して表してもよく;
- R'2及びR''2は、1~10個の炭素原子、好ましくは1~4個の炭素原子、とりわけ1~2個の炭素原子を含有するアルキル基、例えばメチルを独立して表し;
- aは、0~10の範囲の整数を示し、bは、0~500の範囲の整数を示し、a+b≧4である]
から選択される。
【0267】
式(XII)の化合物のうち、ヒドロキシル末端官能基を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)、例えば、Shin-Etsu社によって、KF-9701若しくはX-21-5841の名称で販売されているもの、又はSigma-Aldrich社によって、参照名481939(Mn約550g.mol-1、約25cSt)、481955(約65cSt)若しくは481963(約750cSt)で販売されているものを挙げることができる。また、Gelest社によって、DMS-S12(16~32cSt)、DMS-S15(45~85cSt)、DMS-S21(90~120cSt)、DMS-S27(700~800cSt)又はDMS-S31(約1000cSt)の名称で販売されているものを挙げることができる。
【0268】
好ましい実施形態によると、本発明の文脈で使用される式(XII)のシリコーンは、式(XII)の化合物(式中、
- R1は、1~10個の炭素原子、好ましくは1~4個の炭素原子、より特には1~2個の炭素原子を含有するアルキル基、例えばメチルを独立して表し;
- R'2及びR''2は、1~10個の炭素原子を含有するアルキル基、好ましくは、1~4個の炭素原子、より特には1~2個の炭素原子を含有するアルキル基、例えばメチルを独立して表し;
- bは、0~10の範囲の整数を示し、aは、0~5の範囲の整数を示し、a+b≧4である)
から選択される。
【0269】
本発明の別の実施形態によると、ポリチオール化合物は、チオール化ポリマー化合物である。
【0270】
本発明に従って使用されるチオール化ポリマーを調製するための方法は、当業者に公知であり;いくつかの方法は、非限定的に本明細書の下記で報告される。
【0271】
本発明に従って使用されるチオール化ポリマーは、チオール又は保護チオール官能基を有するモノマー単位の重合又は重縮合によって、任意選択で、チオール又は保護チオール官能基を含まないモノマー単位の共重合又は共重縮合として、得ることができる。
【0272】
或いは、本発明に従って使用されるチオール化ポリマーは、少なくとも1つの二重結合を有するポリマーへの、硫化水素、その塩、例えば、硫化水素ナトリウム若しくは硫化カリウム、又は或いは炭素-硫黄結合を形成することが可能な基、例えば、チオウレア誘導体若しくはチオサルフェートの添加によって得ることができる。
【0273】
本発明に従って使用されるチオール化ポリマーはまた、ポリマー鎖に存在する脱離基(例えば、ハロゲン、例えば、塩素若しくは臭素、又はスルホン酸エステル、例えば、メシレート若しくはトシレート)の、先に挙げたもの等の少なくとも1個の硫黄原子を含む化合物による求核置換によって得ることができる。
【0274】
本発明に従って使用されるチオール化ポリマーはまた、アミン等の求核基を含むポリマーの、硫黄原子を含む求電子性化合物、例えば、プロシステインとしても公知の2-オキソ-4-チアゾリジンカルボン酸:
- N-アセチルホモシステインチオラクトン:
【0275】
【0276】
- γ-チオブチロラクトン:
【0277】
【0278】
- イミノチオラン:
【0279】
【0280】
に対する反応によって得ることができる。
【0281】
本発明の一実施形態によると、本発明に従って使用されるチオール化ポリマーは、化粧料媒体、特に水性又は水アルコール媒体に可溶であるポリマーである。それらは、より優先的には、アミノポリマー及びそれらのアンモニウム塩から、又はポリヒドロキシル化ポリマーから得られる。
【0282】
本発明の別の実施形態によると、本発明に従って使用されるチオール化ポリマーは、親油性媒体に可溶であるポリマーである。
【0283】
本発明の一実施形態によると、ポリチオール化合物は、式(XIII)の高分子化合物:
POLY(SH)q (XIII)
[式中、
・ qは、2以上の整数を示し、
・ POLYは、炭素系及び/又はケイ素系、好ましくはケイ素系高分子基を示し、POLYはまた、1個若しくは複数のヘテロ原子、例えば、O、N若しくはS、及び/又は(チオ)エステル、(チオ)ケトン、(チオ)アミド、(チオ)ウレア及び(チオ)カルバメート官能基から選択される1つ若しくは複数の官能基をおそらく含有し、並びに/又は1つ又は複数の直鎖状若しくは分岐状(C1~C10)アルキル又は直鎖状若しくは分岐状(C1~C10)アルコキシ基でおそらく置換されており、POLYが置換されている場合、置換基がチオール官能基を有してもよいことが理解される]
である。
【0284】
式(XIII)のもの等のポリチオールポリマー化合物の質量平均分子質量は、一般に、500から400000g.mol-1の間、好ましくは500から150000g.mol-1の間である。
【0285】
本発明の特定の実施形態によると、ポリチオール化合物は、式(XIII')のポリオルガノシロキサン:
【0286】
【0287】
[式中、
・ Ra及びRbは、同一であっても異なっていてもよく、好ましくは同一であり、(C1~C4)アルキル、例えばメチル、(C1~C4)アルコキシ、例えばメトキシ、アリール、例えばフェニル、アリールオキシ、例えばフェノキシ、アリール(C1~C4)アルキル、例えばベンジル、又はアリール(C1~C4)アルコキシ、例えばベンゾキシ、好ましくは(C1~C4)アルキル、例えばメチルのうちからの基を表し、
・ nは、1以上整数を表し、より特には、nの値は、シリコーンの質量平均分子質量が500~55000g.mol-1の範囲になるようなものであり;特に、nは、1~100の範囲、好ましくは5~50の範囲、優先的には10~30の範囲の整数であり;
・ L4及びL5は、式(XII)において先に定義した通りであり、特に、共有結合、又は(C1~C6)アルキレン、(C1~C6)アルキレン-オキシ、オキシ-(C1~C6)アルキレン、(C1~C6)アルキレン-オキシ(C1~C6)アルキレン、(C1~C6)アルキレン-オキシ(C1~C6)アルキレンオキシ若しくはオキシ(C1~C6)アルキレン-オキシ(C1~C6)アルキレン基、好ましくは、(C1~C6)アルキレン、(C1~C6)アルキレン-オキシ、オキシ-(C1~C6)アルキレン又は(C1~C6)アルキレン-オキシ(C1~C6)アルキレン基を表す]
から選択される。
【0288】
優先的には、ポリジメチルシロキサンチオールは、式(XIII'')のもの:
【0289】
【0290】
[式中、
・ L4及びL5は、1~100個の炭素原子を含み、1個又は複数のヘテロ原子、例えば、酸素、硫黄又は窒素、特に酸素で、任意選択で中断された直鎖状又は分岐状の、任意選択で環式の、飽和又は不飽和炭化水素系鎖を表し;好ましくは、L4及びL5は、(C1~C6)アルキレン、(C1~C6)アルキレンオキシ、オキシ(C1~C6)アルキレン又は(C1~C6)アルキレンオキシ(C1~C6)アルキレン基、より優先的には、-R2-、-O-R2-、-R2-O-及び-R2-O-R2-から選択される二価基、好ましくは-R2-O-R2-(R2は、直鎖状又は分岐状、好ましくは直鎖状(C2~C6)アルキレン基、例えばエチレン又はn-プロピレン)を表し;
・ nは、1~100、好ましくは5~50、優先的には10~30の整数を表す]
から選択される。
【0291】
チオール化ポリ(C1~C4)アルキルシロキサンとして、Shin-Etsu社によって参照名X-22-167Bで販売されているメルカプトシロキサン又はチオール化シロキサン(チオール官能基が鎖端にある)、及びShin-Etsu社によって参照名KF-2001で販売されているメルカプトシロキサン(メルカプト官能基はペンダントである)、又はGelest社によってDMS-SM 21の名称で販売されている、式(XIII''')のポリジメチルシロキサン(チオール官能基が、チオ-n-プロピル、80~120基を介して鎖端にある):
【0292】
【0293】
を挙げることができる。
【0294】
優先的には、ポリチオール化化合物は、式(XIV)のもの:
【0295】
【0296】
[式中、
・ Ra、Rb及びRdは、同一であっても異なっていてもよく、好ましくは同一であり、ヒドロキシル若しくはアミノ基で、任意選択で置換された(C1~C6)アルキル、好ましくは、(C1~C4)アルキル、例えばメチル;(C1~C4)アルコキシ、例えばメトキシ、;アリール、例えばフェニル;アリールオキシ、例えば、フェノキシ;アリール(C1~C4)アルキル、例えばベンジル;又はアリール(C1~C4)アルコキシ、例えばベンゾキシ;好ましくは(C1~C4)アルキル、例えばメチルのうちからの基を表し;
Rdはまた、(C1~C4)アルキルアミノ又はアミノ又はチオール基で置換された(C1~C6)アルキル基、好ましくは、(C1~C4)アルキル、例えばメチルを表してもよく;
・ ALKは、1~100個の炭素原子を含み、1個又は複数のヘテロ原子、例えば、酸素、硫黄又は窒素(特にO)、(チオ)カルボニル基C(X)(XはO若しくはS、又はそれらの組合せを表す)、例えば、-O-、-O-C(O)-又は-C(O)-O-で、任意選択で中断された直鎖状又は分岐状の、任意選択で環式の、飽和又は不飽和炭化水素系鎖を表し;好ましくは、ALKは、(C1~C6)アルキレン、より優先的には、(C1~C4)アルキレン基、例えばプロピレンを表し;
・ n及びmは、同一であっても異なっていてもよく、2超の整数を表し、より特には、m及びnの値は、シリコーンの質量平均分子質量が、1000から55000g.mol-1の間であるようなものである]
から選択される。
【0297】
優先的には、式(XIV)のポリジ(C1~C4)アルキルシロキサンは、下記式(XIV'):
【0298】
【0299】
(式中、n及びmの値は、シリコーンの質量平均分子質量が1000から55000g.mol-1の間になるようなものである)
を有する。
【0300】
式(XIV')のシリコーンの例として、Genesee Polymers社によって、GP-367、GP-71-SS、GP-800及びGP-710の名称で販売されているものを挙げることができる。
【0301】
好ましくは、式(XIV')のシリコーンは、Genesee Polymers社によって販売されている化合物GP-367である。
【0302】
ポリチオールシリコーンは、とりわけ、少なくとも2つのチオール基を含有するポリジメチルシロキサン、例えば、https://www.gpcsilicones.com/products/silicone-fluids/mercapto-functional、https://www.shinetsusilicone-global.com/products/type/oil/detail/search/deg07.shtml及び1053_Reactive Silicones_Silanes/Silicones - GelestにおいてGelest社によって販売されている製品SMS-022、SMS-042及びSMS-992である。
【0303】
別の実施形態によると、チオール化化合物は、チオール官能基で置換された、例えばアルキルタイプの基でシリカ官能化された、少なくとも2つのチオール基を有する粒子、又は少なくとも2つのチオール官能基(コーティング)を有する化合物で被覆された粒子であり、前記粒子は、おそらく、球、繊維、ロッド又は非晶質構造である。
【0304】
本発明の特定の実施形態によると、ヒドロキシル化及び/又はチオール化化合物は、高分子化合物、例えば、超分岐ポリマー及びデンドリマーから選択される。
【0305】
「超分岐ポリマー」は、一般に、コアの周りに分岐構造を有する分子構成体である。それらの構造は、一般に対称性を有しない。具体的には、超分岐ポリマーの構成体となる基本単位又はモノマーは、様々な性質のものであってもよく、それらの分布は不規則である。ポリマーの分岐は、様々な性質及び長さのものであってもよい。基本単位又はモノマーの数は、異なる分岐により異なっていてもよい。非対称である一方、超分岐ポリマーは、コアの周りに極度に分岐した構造;連続する世代又は分岐の層;末端鎖の層を有してもよい。
【0306】
超分岐ポリマーは、一般に、1つ又は複数のモノマーABx(A及びBは、一緒に反応することが可能な反応基であり、xは、2以上の整数である)の重縮合に由来するが、他の調製方法を想定することができる。
【0307】
超分岐ポリマーは、その重合度DP=1-b(bは、基Aと反応していないBの非末端官能基のパーセンテージである)によって特徴付けられる。
【0308】
縮合はシステマティックではないため、デンドリマーの合成(本明細書の下記を参照されたい)とは異なり、重合度は100%未満である。超分岐ポリマーの末端基Tは、鎖の端部に特定の官能基を得るように反応させることができる。
【0309】
いくつかの超分岐ポリマーは、それらの末端基によって、共有結合又は別の種類の結合によって、一緒に合わせることができる。架橋されていると言われるそのようなポリマーは、本発明による超分岐ポリマーの定義に含まれる。
【0310】
多数の超分岐ポリマー及びデンドリマーが、既に記載されている。例えば、D.A. Tomaliaら、Angew. Chem.(Engl. 29、138~175(1990);N. Ardoin及びD. Astruc、Bull. Soc. Chim. Fr. 132、875~909(1995);B.I. Voit、Acta Polymer、46、87~99(1995)を参照することができる。
【0311】
そのようなポリマーは、特に、B.I. Voit、Acta Polymer.、46、87~99(1995);EP682059;WO96/14346;WO96/14345;WO96/12754に記載されている。いくつかの超分岐ポリマーは、それらの末端基によって、共有結合又は別の種類の結合によって、一緒に合わせることができる。
【0312】
架橋されていると言われるそのようなポリマーは、本発明による超分岐ポリマーの定義に含まれる。
【0313】
「デンドリマー」は、多官能性中心コアの周りに樹枝状法によって会合しているモノマーからなる高分子である。
【0314】
したがって、デンドリマーは、コア、所定数の分岐の世代(又はくさび)、分子の前記分岐に由来する内部キャビティ及び末端官能基からなるフラクタル(又はフラクタル分子)構造を有する。
【0315】
デンドリマーは、十分定義された化学構造を有する構造的に高度に分岐したポリマー及びオリゴマーである。
【0316】
デンドリマーは、同じ世代の分子のアセンブリの形態であってもよく、アセンブリは、「単分散」と呼ばれ;それらはまた、異なる世代のアセンブリの形態であってもよく、これは、「多分散」と呼ばれる。本発明によるデンドリマーの定義は、単分散デンドリマーアセンブリ及び多分散デンドリマーアセンブリの両方を含む。
【0317】
分岐の世代は構造単位からなり、構造単位は同じ世代の分岐について同一であり、異なる世代の分岐については同一であっても異なっていてもよい。同じ世代の分岐の全ての結合点は、コアから等距離に位置しており、これは、一世代に対応する。
【0318】
分岐の世代は、コアから等比数列的に放射状に拡大する。第n世代デンドリマーの末端基は、末端世代と呼ばれる第n世代の分岐の末端官能基である。
【0319】
上に示したデンドリマーの定義は、対称分岐を有する分子を含み;これはまた、非対称分岐を有する分子、例えば、分岐がリジン基であり、前の世代へのくさびの一世代の分岐がリジンのα及びεアミンで起こり、これにより、種々の分岐のくさびの長さが異なるデンドリマーを含む。
【0320】
「高密度スターポリマー」又は「スターバーストポリマー」又は「ロッド状デンドリマー」としても公知のデンドリマーは、デンドリマーの本定義に含まれる。「アルボロール」及び「カスケード分子」としても公知の分子もまた、本発明によるデンドリマーの定義に含まれる。
【0321】
更に、いくつかのデンドリマーは、「架橋デンドリマー」又は「デンドリマー集合体」として公知の種をもたらすそれらの末端基による、共有結合又は別の種類の結合を介して一緒に合わせられてもよい。そのような種は、本発明によるデンドリマーの定義に含まれる。
【0322】
デンドリマーは、同じ世代の分子のアセンブリの形態であってもよく、アセンブリは、「単分散」と呼ばれ;それらはまた、異なる世代のアセンブリの形態であってもよく、これは、「多分散」と呼ばれる。本発明によるデンドリマーの定義は、単分散デンドリマーアセンブリ及び多分散デンドリマーアセンブリの両方を含む。
【0323】
本発明の別の変形例によると、本発明に従って使用されるチオール化化合物は、非高分子有機化合物を示し、式(XV):
W(SH)n (XV)
[式中、
- nは、2以上、好ましくは2から10の間、好ましくは2から5の間の整数を示し、
- Wは、直鎖状又は分岐状又は(ヘテロ)環式、飽和C2~C80多価(少なくとも二価)基、芳香族基、又はヘテロ芳香族環式基を示し、Wはまた、1個若しくは複数のヘテロ原子、例えば、O、N若しくはS並びに/又はエステル、ケトン、アミド及びウレア官能基から選択される1つ若しくは複数の官能基、好ましくはエステル若しくはケトン官能基をおそらく含有し、並びに/又は1つ若しくは複数の直鎖状若しくは分岐状C1~C10アルキル又は直鎖状若しくは分岐状C1~C10アルコキシ基でおそらく置換されており、基Wが置換されている場合、置換基がチオール官能基を有することが理解される]
によって表すことができる。
【0324】
「環式基」という用語は、炭化水素系若しくはヘテロ環式飽和単環式基、飽和若しくは芳香族多環式基、例えばビフェニル、又は縮合環、例えばナフチル基を意味する。
【0325】
式(XV)の化合物のモル質量は、一般に、90から1500g.mol-1の間である。
【0326】
第1の実施形態によると、式(XV)のチオール単位を有する化合物は、n=2であり、Wが、直鎖状又は分岐状C2~C20、好ましくはC2~C12飽和二価炭化水素系基を示すようなものである。
【0327】
この実施形態によると、チオール単位を有する化合物は、例えば、1,2-エタンジチオール、1,2-プロパンジチオール、1,3-プロパンジチオール、1,4-ブタンジチオール、1,6-ヘキサンジチオール、1,7-ヘプタンジチオール、1,8-オクタンジチオール、1,9-ノナンジチオール、1,10-デカンジチオール、1,12-ドデカンジチオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジチオール、3-メチル-1,5-ペンタンジチオール又は2-メチル-1,8-オクタンジチオールを示す。
【0328】
別の実施形態によると、式(XV)のチオール単位を有する化合物は、n=3であり、Wが、直鎖状又は分岐状C3~C20、好ましくは直鎖状又は分岐状C2~C12飽和三価炭化水素系基を示すようなものである。
【0329】
この他の実施形態によると、チオール単位を有する化合物は、例えば、1,1,1-トリス(メルカプトメチル)エタン、2-エチル-2-メルカプトメチル-1,3-プロパンジチオール及び1,2,3-プロパントリチオールから選択されうる。
【0330】
第3の実施形態によると、式(XV)のチオール単位を有する化合物は、n=2又は3であり、Wが、直鎖状又は分岐状C3~C20、好ましくは直鎖状又は分岐状C2~C12飽和二価又は三価炭化水素系基を示し、前記基が、O及びSから選択される1個又は複数の隣接していないヘテロ原子を含有するようなものである。
【0331】
この第3の実施形態によると、チオール単位を有する化合物は、例えば、C2~C12ビス(メルカプトアルキル)エーテル及びスルフィド、例えば、ビス(2-メルカプトエチル)エーテル、ビス(2-メルカプトエチル)スルフィド、ビス(2-メルカプトエチルチオ-3-メルカプトプロパン)スルフィド、(C1~C5)ビス(2-メルカプト(C1~C3)アルキルチオ)アルカン又は(C1~C5)ビス(2-メルカプト(C1~C3)アルキルチオ)メルカプトアルカン、例えば、ビス(2-メルカプトエチルチオ)メタン、1,2-ビス(2-メルカプトエチルチオ)エタン、1,3-ビス(2-メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2-ビス(2-メルカプトエチルチオ)プロパンチオール、1,2-ビス(2-メルカプトエチル)チオ-3-メルカプトプロパン及び1,2,3-トリス(2-メルカプトエチルチオ)プロパンから選択されうる。
【0332】
好ましくは、この実施形態によると、化合物(XV)は、1,2-ビス(2-メルカプトエチルチオ)プロパンチオール、1,2,3-トリス(2-メルカプトエチルチオ)プロパン及びテトラキス(2-メルカプトエチルチオメチル)メタンから選択される。
【0333】
第4の実施形態によると、式(XV)のチオール単位を有する化合物は、nが2以上の整数を示し、Wが、直鎖状又は分岐状C3~C20、好ましくは直鎖状又は分岐状C2~C12炭化水素系飽和多価(少なくとも二価)基を示し、前記基が、少なくとも1つのエステル官能基を含有するようなものである。
【0334】
この第4の実施形態によると、チオール単位を有する化合物は、ポリオール(グリコール、トリオール、テトラオール、ペンタオール、ヘキサオール)及びC1~C6メルカプトカルボン酸のエステル、例えば、エチレングリコールビス(2-メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(β-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(β-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(β-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブタネート)及びジペンタエリスリトールヘキサ-3-メルカプトプロピオネートから選択されうる。
【0335】
好ましくは、この第4の実施形態によると、チオール単位を有する化合物は、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブタネート)及びジペンタエリスリトールヘキサ-3-メルカプトプロピオネートから選択される。
【0336】
特に好ましくは、チオール単位を有する化合物は、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)である。
【0337】
第5の実施形態によると、式(XV)のチオール単位を有する化合物は、n=4であり、Wが、1個又は複数の隣接していない硫黄原子で中断された分岐状C4~C20、好ましくはC8~C14炭化水素系飽和三価基を示すようなものである。
【0338】
この第5の実施形態によると、チオール単位を有する化合物は、テトラキス(2-メルカプトエチルチオメチル)メタン及びビス(2-メルカプトエチルチオ-3-メルカプトプロパン)スルフィドから選択されうる。
【0339】
第6の実施形態によると、式(XV)のチオール単位を有する化合物は、n=2であり、Wが、1個又は複数の隣接していない硫黄原子を任意選択で含有し、1つ又は複数の直鎖状又は分岐状C1~C10アルキル基で、任意選択で置換された炭化水素系環式二価基を示すようなものである。
【0340】
第6の実施形態によると、チオール単位を有する化合物は、例えば、1,4-シクロヘキサンジチオール、1,4-ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、1,1-シクロヘキサンジチオール、1,2-シクロヘキサンジチオール、1,1-ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン及び2,5-ジメルカプト-1,4-ジチアンから選択されうる。
【0341】
第7の実施形態によると、式(XV)のチオール単位を有する化合物は、n=3であり、Wが、置換イソシアヌレートタイプの環式基を示すようなものである。
【0342】
この第7の実施形態によると、チオール単位を有する化合物は、特許US3676440及びUS20110230585に記載のイソシアヌレートクラスのポリチオール、例えば、トリス((メルカプトプロピオニルオキシ)エチル)イソシアヌレートから選択されうる。
【0343】
この第7の実施形態によると、チオール単位を有する化合物は、好ましくは、トリス((メルカプトプロピオニルオキシ)エチル)イソシアヌレートである。
【0344】
第8の実施形態によると、式(XV)のチオール単位を有する化合物は、n=2又は3又は4であり、Wが、C1~C10アルキル又はC1~C10アルコキシタイプの1つ又は複数の同一又は異なる基で、任意選択で置換された芳香族基を示すようなものであり、基Wが置換されている場合、置換基がチオール官能基を有してもよいことが理解される。
【0345】
この第8の実施形態によると、チオール単位を有する化合物は、例えば、以下の化合物:
1,2-ジメルカプトベンゼン、
1,3-ジメルカプトベンゼン、
1,4-ジメルカプトベンゼン、
1,2-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、
1,3-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、
1,4-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、
1,2-ビス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、
1,3-ビス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、
1,4-ビス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、
1,2-ビス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、
1,3-ビス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、
1,4-ビス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、
1,2,3-トリメルカプトベンゼン、
1,2,4-トリメルカプトベンゼン、
1,3,5-トリメルカプトベンゼン、
1,2,3-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、
1,2,4-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、
1,3,5-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、
1,2,3-トリス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、
1,2,4-トリス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、
1,3,5-トリス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、
1,2,3-トリス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、
1,2,4-トリス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、
1,3,5-トリス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、
1,2,3,4-テトラメルカプトベンゼン、
1,2,3,5-テトラメルカプトベンゼン、
1,2,4,5-テトラメルカプトベンゼン、
1,2,3,4-テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、
1,2,3,5-テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、
1,2,4,5-テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、
1,2,3,4-テトラキス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、
1,2,3,5-テトラキス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、
1,2,4,5-テトラキス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、
1,2,3,4-テトラキス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、
1,2,3,5-テトラキス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、
1,2,4,5-テトラキス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、
2,2'-ジメルカプトビフェニル、
4,4'-ジメルカプトビフェニル、
4,4'-ジメルカプトビベンジル、
2,5-トルエンジチオール、
3,4-トルエンジチオール、
1,4-ナフタレンジチオール、
1,5-ナフタレンジチオール、
2,6-ナフタレンジチオール、
2,7-ナフタレンジチオール、
2,4-ジメチルベンゼン-1,3-ジチオール、
4,5-ジメチルベンゼン-1,3-ジチオール、
9,10-アントラセンジメタンチオール、
1,3-ビス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、
1,4-ビス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、
1,2-ビス(2-メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、
1,3-ビス(2-メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、
1,4-ビス(2-メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、
1,2,3-トリス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、
1,2,4-トリス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、
1,3,5-トリス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、
1,2,3,4-テトラキス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、
1,2,3,5-テトラキス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、
1,2,4,5-テトラキス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、及び
3,4-チオフェンジチオール
から選択されうる。
【0346】
この第8の実施形態によると、化合物(XV)は、1,2,3-トリメルカプトベンゼン、1,2,4-トリメルカプトベンゼン、1,3,5-トリメルカプトベンゼン、1,2,3-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3-トリス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4-トリス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5-トリス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3-トリス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4-トリス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5-トリス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,4-テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,5-テトラメルカプトベンゼン、1,2,4,5-テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,4-テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,5-テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4,5-テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,4-テトラキス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,5-テトラキス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4,5-テトラキス(2-メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,4-テトラキス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,5-テトラキス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4,5-テトラキス(2-メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3-トリス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4-トリス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3,5-トリス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,4-テトラキス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,5-テトラキス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4,5-テトラキス(2-メルカプトエチルチオ)ベンゼン及び3,4-チオフェンジチオールから選択される。
【0347】
第9の実施形態によると、式(XV)のチオール単位を有する化合物は、n=2又は3又は4であり、Wが、任意選択で置換された脂肪酸トリグリセリド又は植物油を示すようなものであり、基Wが置換されている場合、置換基がチオール官能基を有してもよいことが理解される。
【0348】
本発明の別の特定の実施形態によると、チオール化及び/又はヒドロキシル化化合物は、チオール化ヒドロキシル化及び/又はチオール化脂肪酸トリグリセリド誘導体、例えば、式(XVI)のもの:
【0349】
【0350】
[式中、
・ R1、R2及びR3は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はヒドロキシル若しくはチオール基、好ましくはチオール基を表し;
・ ALK1、ALK2及びALK3は、同一であっても異なっていてもよく、1つ又は複数のヒドロキシル又はチオール基、好ましくはチオール基で、任意選択で置換された(C1~C30)アルキレン基を表し;
・ X1、X2及びX3は、同一であっても異なっていてもよく、好ましくは同一であり、基-C(Y)-Y'-又は-Y'-C(Y)-(Y及びY'は、同一であっても異なっていてもよく、好ましくは同一であり、ヘテロ原子、例えば、O、S及びN、好ましくはOを表す)を表す]
から選択される。
【0351】
好ましくは、式(XVI)の化合物は、
・ R1、R2及びR3が、水素原子を表し;
・ ALK1が、好ましくは直鎖状の、(C10~C24)アルキレン、特に(C14~C20)アルキレン基を表し;
・ ALK2が、好ましくは直鎖状の、1つ若しくは複数のチオール基で置換された(C10~C24)アルキレン、特に(C14~C20)アルキレン基を表し;
・ ALK3が、好ましくは直鎖状の、1つ若しくは複数のチオール基、好ましくは2つのチオール基で置換された(C10~C24)アルキレン、特に(C14~C20)アルキレン基を表し;並びに/又は
・ X1、X2及びX3が、同一であり、-C(O)-O-又は-O-C(O)-基を表す
ようなものである。
【0352】
この実施形態によると、チオール単位を有する化合物は、例えば、化学反応によってチオール基で修飾された下記式(XVII)の脂肪酸トリグリセリド又は植物油、例えば、チオール化ダイズ油、並びにヒドロキシル化及びチオール化ダイズ油、とりわけ、Chevron Phillips社製のPolymercaptan(登録商標)製品、例えば、Polymercaptan 407(メルカプトヒドロキシダイズ油)及びPolymercaptan 358(メルカプタン化ダイズ油):
【0353】
【0354】
から選択されうる。
【0355】
より優先的には、式(XVI)のチオール化ヒドロキシル化及び/又はチオール化脂肪酸トリグリセリド誘導体は、上記式(XVII)のもの等である。
【0356】
本発明の特定の実施形態によると、チオール化及び/又はヒドロキシル化化合物は、いくつかのヒドロキシル及び/又はチオール基を含有し、500~1000000g.mol-1の範囲、好ましくは500~500000g.mol-1の範囲、優先的には500~100000g.mol-1の範囲の質量平均分子質量を有するポリヒドロキシル化、ポリチオール化又は(ポリ)ヒドロキシル化及び(ポリ)チオール化化合物から選択される。
【0357】
この変形例によると、nが3以上、3から10の間、より優先的には3から5の間の整数を示す式(XV)の化合物が好ましい。
【0358】
好ましくは、この変形例によると、式(XV)の化合物は、第2の実施形態の化合物から、又は第3の実施形態の化合物から、又は第4の実施形態の化合物、特に、例えば、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(2-メルカプトアセテート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3-メルカプトブタネート)若しくはジペンタエリスリチルヘキサ-3-メルカプトプロピオネートから、又は第5の実施形態の化合物から、又は第7の実施形態の化合物、特に例えば、トリス((メルカプトプロピオニルオキシ)エチル)イソシアヌレートから選択される。
【0359】
特に好ましくは、この変形例によると、式(XV)の化合物は、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(2-メルカプトアセテート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3-メルカプトブタネート)、ジペンタエリスリチルヘキサ-3-メルカプトプロピオネート又はトリス((メルカプトプロピオニルオキシ)エチル)イソシアヌレートから選択される。
【0360】
別の変形例によると、本発明によるチオール単位を有する化合物は、高分子化合物を示し、式(XVIII):
POL(SH)n (XVIII)
[式中、
- nは、5以上、好ましくは5から5000の間、好ましくは5~1000の整数を示し、
- POLは、炭素系又はケイ素系多価(少なくとも五価)高分子基を示し、POLはまた、1個若しくは複数のヘテロ原子、例えば、O、N若しくはS、及び/又はエステル、ケトン、アミド、ウレア及びカルバメート官能基から選択される1つ若しくは複数の官能基を場合により含有し、並びに/又は1つ又は複数の直鎖状若しくは分岐状C1~C10アルキル又は直鎖状若しくは分岐状C1~C10アルコキシ基で場合により置換されており、POLが置換されている場合、置換基がチオール官能基を有してもよいことが理解される]
によって表されうる。
【0361】
式(XVIII)の化合物のモル質量は、一般に、500から400000g.mol-1の間、好ましくは500から150000g.mol-1の間である。
【0362】
特定の実施形態では、POLは、多価ホモポリマー又はコポリマー基を示す。
【0363】
特定の実施形態では、POLは、スター、櫛形、ブラシ又は樹状タイプの高分子基を示す。
【0364】
POL基は、天然由来(例えば、多糖、ペプチド)であっても、合成由来(例えば、アクリルポリマー、ポリエステル、ポリグリコール)であってもよい。
【0365】
チオール官能基(-SH)は、末端及び/又は側基であってもよい。
【0366】
第1の実施形態によると、式(XVIII)のチオール化化合物 は、POLが炭化水素系高分子基を示すようなものである。
【0367】
挙げることができる例には、以下の論文に記載されるポリマーが含まれる:Polymers containing groups of biological activity、C.G. Overbergerら、Polytechnic Institute of Brooklyn、http://pac.iupac.org/publications/pac/pdf/1962/pdf/0402x0521.pdf及びMercaptan-containing polymers、Advances in Polymer Science、第15巻、974、61~90頁。
【0368】
特に、式(XVIII)のチオール単位を有する化合物、例えば、ポリ(ビニルメルカプタン)、ポリ(4-メルカプトスチレン)、ポリ(ビニルベンジルメルカプタン)、ポリ(4-メルカプトスチレン)-コ-ポリ(メタクリル酸メチル)、及びまたアミド官能基を含有するポリマー、例えばポリ(チオール化ヘキサメチレンアジパミド)を挙げることができる。
【0369】
式(XVIII)の化合物はまた、チオール単位を有するタンパク質及びペプチド、例えば、以下の表に提示される構造を示す:
【0370】
【0371】
式(XVIII)のチオール化合物はまた、POLが、デンドリマー又は分岐若しくは超分岐したポリマーと呼ばれる基を示し、チオール基が末端基であるような式(XVIII)の化合物を示す。例として、論文Progress in Organic Coatings、第63巻、第1号、2008年7月、100~109頁に記載のポリマーを挙げることができる。
【0372】
そのようなポリマーの合成の一例として、前記論文に記載の合成を挙げることができ、そこでは、下記のスキームに従ってポリマーBoltorn H40が式(XVIII)のチオールポリマーに変換される:
【0373】
【0374】
得られるチオールポリマー(XVIII)の構造を下記に示す:
【0375】
【0376】
式(XVIII)のチオール単位を有する化合物はまた、特許出願FR2761691に記載の通りのチオール官能基で修飾された超分岐又は樹状ポリマーを示しうる。
【0377】
超分岐ポリマー及びデンドリマーの例として、下記式(XIX)のチオール官能基を含む化合物:
HS-A-C(Y)-X- (XIX)
[式中、
・ Yは、酸素若しくは硫黄原子又は基NR'を表し;
・ Xは、i)酸素原子、又はii)基-N(R')-(式中、R'は、a)水素原子、b)直鎖状又は分岐状、飽和又は不飽和C1~C6アルキル基、c)直鎖状又は分岐状、飽和又は不飽和C1~C6モノヒドロキシアルキル又はポリヒドロキシアルキル基、d)C1~C6アミノアルキル基又はポリアルキレンイミン基から選択される)を表し;好ましくは、Xは、-N(R')-(R'は、水素原子又は(C1~C4)アルキル基、例えばメチルを表す)を表し;
・ Aは、直鎖状、分岐状又は環式、飽和又は不飽和(C1~C12)アルキレン基を表し;この基は、1個若しくは複数のヘテロ原子、例えば、O、S若しくはNで、任意選択で中断されている、及び/又はアミノ(-NH2)、アシルアミノ(-N(H)-C(O)-R)若しくはアミノアシル(RN(H)-C(O)-)(式中、Rは、直鎖状、分岐状若しくは環式、飽和若しくは不飽和C1~C10アルキルを表す)、カルボキシル(-C(O)OH)若しくはエステル(-C(O)-OR)基(式中、Rは、直鎖状、分岐状若しくは環式、飽和若しくは不飽和C1~C10アルキル基を表す)から選択される1つ若しくは複数の基で、任意選択で置換されている]
を挙げることができる。
【0378】
好ましくは、本発明によるチオール化ポリマーは、超分岐ポリマー、とりわけ、先に定義した通りの式(XIX)の基から選択される少なくとも1つの基を含むポリエチレンイミンから選択される。
【0379】
好ましくは、Yは酸素原子を表す。好ましくは、ヘテロ原子は、酸素及び窒素(O及びN)から選択される。
【0380】
好ましくは、Aは、メチレン、エチレン、プロピレン、メチルプロピレン、エチルプロピレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン又はフェニレン基である。
【0381】
有利には、Aは、下記式(a)~(d)のうちの1つに対応する基を表す:
【0382】
【0383】
[式(a)、(b)、(c)及び(d)中:
・ R1、R2、R3、R'1、R'2、R'3及びR'4、R'''1及びR'''2は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子;直鎖状、分岐状又は環式、飽和又は不飽和C1~C6アルキル基;アミノ基(-NH2);カルボン酸基(-COOH);C1~C10アルキルアミノ基;C1~C10アシルアミノ基を表し;
・ R''1、R''2、R''3及びR''4は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和C1~C4アルキル基を表し;矢印は、置換基の位置を示し;
・ kは、整数、優先的には0又は1であり;
【0384】
【0385】
は、位置1-2、又は1-3、又は1-4のフェニレン基の分子の残部への結合点を表し;次いで、基R''1、R''2、R''3及びR''4は、それぞれ、炭素原子3、4、5、6、又は2、4、5若しくは6、又は2、3、5、6に位置することが理解される]。
【0386】
本発明の好ましい実施形態によると、チオール化ポリマーは、
- Aは-CH2-CH(CO2H)-NH-であり、Yは酸素原子を表す;
- Aは-(CH2)2-(CH3CONH)CH-であり、Yは酸素原子を表す;
- Aは-(CH2)3-であり、Yは酸素原子又はNH基を表す
から選択されるような式(XIX)の官能基を含む超分岐ポリマー及びデンドリマーである。
【0387】
特に、Aは、プロピレン基-CH2-CH2-CH2-であり、Yは、酸素原子を表し、次いで、式(XIX)の基は、下記式(XX):
HS-CH2-CH2-CH2-C(O)-X- (XX)
[式中、Xは、式(XIX)で定義した通りであり;好ましくは、Xは、-N(R')-(R'は、水素原子又は(C1~C4)アルキル基、例えばメチルを表す)を表す]
に対応する。
【0388】
優先的には、式(XIX)及び(XX)中、Xは、酸素原子及びNH基から選択される。
【0389】
本発明の好ましい実施形態の1つによると、チオールポリマーは、FR2853533に記載のもの、つまり、チオール官能基を有する式Iのポリ-N-α-及びN-ε-リジン及びオルニチンであり、これは、チオラクトン、例えばチオブチロラクトン(ジヒドロチオフェン-2(3H)-オン)との反応によってポリ-N-α-及びN-ε-リジン及びオルニチンから得ることができる。
【0390】
本発明の好ましい実施形態によると、本発明において有用な超分岐ポリマー及びデンドリマーは、式(XXI):
【0391】
【0392】
[式中、
- pは、p'とは異なり、p及びp'は、0又は1に等しく;
- nは、3又は4であり;
- p'が0に等しい場合、隣接するNHはN-ε重合に関与し;
- pが0に等しい場合、隣接するNHはN-α重合に関与し;
- p又はp'が1に等しい場合、R又はR'は、-B-SH(Bは、1つ若しくは複数のヘテロ原子若しくは基単独若しくは組合せ、例えば:-N(R1)-、-O-、-S(O)r-、-C(O)-、-C(S)-若しくは-C(NR1)-(rは、0、1若しくは2に等しい)で、及び/又は1つ若しくは複数のハロゲン原子若しくはヒドロキシル、アミノ、カルボキシル、(ジ)(C1~C8)アルキルアミノ、(C1~C8)アシルアミノ、(C1~C8)アシルオキシ、(C1~C8)アルキルオキシカルボニルアミノ、(C1~C8)アルキルアミノカルボニルオキシ及び(C1~C8)アルキルアミノカルボニルのうちからの基で置換されていてもよい1つ若しくは複数の5、6若しくは7員アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル若しくはヘテロシクロアルキルで中断されていてもよい飽和又は不飽和、直鎖状又は分岐状C1~C30炭化水素系鎖を表し;
R又はR'がまた、一部にのみ、水素原子、
並びに/又は-C(NH)-及びその塩、
並びに/又は-C(NH)-N(H)-C(NH)-NH2及びその塩
を表してもよいとすると、
- R1は、水素原子又は(C1~C8)アルキル、(C1~C8)アシル、(C1~C8)アルキルオキシカルボニル、(C1~C8)アルキルアミノカルボニル若しくはハロ基を表し;
- Bはまた、任意選択で置換された5、6又は7員アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキル基を表してもよく;
- mは、3~10000の範囲の整数を表す]
に対応する官能基を含む。
【0393】
好ましくは、チオール官能基のグラフト化の程度は、1%以上である。
【0394】
有利には、式(XXI)に対応するポリN-α-及びN-ε-リジン及びオルニチンは、5<m<1000を有する。
【0395】
「チオール官能基のグラフト化の理論的程度」という用語は、式(XXI)の化合物のチオール官能基を有するリジン又はオルニチン単位の理論パーセンテージを表す。
【0396】
挙げることができる超分岐ポリマーの例には、最も特には、超分岐チオール化ポリエチレンイミン、例えば、30×104~50×104g.mol-1の範囲の分子モル質量を有する特許出願EP103759に記載のものが含まれる。
【0397】
これらのポリマーは、当業者にとって従来の方法、例えば、仏国特許出願FR2761691及びEP1037938に記載の方法に従って調製される。
【0398】
本発明の特定の実施形態によると、分岐又は超分岐ポリマー及びデンドリマーは、チオール末端基を有し、例えば、チオグリコール酸等の化合物でエステル化された、文献に記載のBASF社製のBoltorn(商標)樹状ポリチオールである。
【0399】
ポリプロピレンエーテルグリコールビス(β-メルカプトプロピオネート)等のポリマーもまた、本発明に従って使用されうる。それらは、当業者に公知の方法を介して調製される。例えば、ポリプロピレンエーテルグリコール、例えば、Wyandotte Chemical Corp.社によって販売されているPluracol P201及びβ-メルカプトプロピオン酸のエステル化反応による調製方法を挙げることができる。
【0400】
本発明の特定の実施形態によると、ヒドロキシル化及び/又はチオール化ポリマーは、式(XXII)のポリエトキシル化、並びにまた、その光学異性体、その酸又は塩基塩、及びその溶媒和物、例えば水和物:
【0401】
【0402】
[式中、
・ R1、R2及びR3は、同一であっても異なっていてもよく、好ましくは同一であり、ヒドロキシ(C1~C6)アルキル又はチオ(C1~C6)アルキル基、好ましくは、チオ(C1~C6)アルキル基を表し;
・ R4は、水素原子又はヒドロキシル、チオール、アミノ若しくは(C1~C6)アルキルのうちからの基、好ましくは(C1~C4)アルキル、例えばエチルを表し;
・ X1及びX2は、同一であっても異なっていてもよく、好ましくは同一であり、酸素若しくは硫黄原子又はアミノ、好ましくは酸素を表し;
・ m、n及びlは、同一であっても異なっていてもよく、1以上の整数を表す]
である。
【0403】
式(XXII)のチオールポリマー化合物は市販されている。例えば、Bruno Brock社製の製品Thiocure(登録商標)、Thiocure(登録商標)ETTMP 1300(エトキシル化-トリメチロールプロパントリ-3-メルカプトプロピオネート(CAS# 345352-19-4)及びThiocure(登録商標)ETTMP 700(エトキシル化-トリメチロールプロパントリ-3-メルカプトプロピオネート(CAS# 345352-19-4)を挙げることができる。
【0404】
好ましい実施形態によると、架橋剤Rは、特に、非高分子(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化化合物、例えば、ポリヒドロキシル化化合物(脂溶性ポリオール)、ポリチオール化化合物(ジチオール化合物)、ヒドロキシル化及び/又はチオール化アルコキシシロキサン、チオール官能基で置換されたとりわけアルキルタイプの基で官能化されたシリカ、チオール基を有するラテックス、少なくとも2つのチオール官能基を有する化合物でコーティングされた粒子並びに高分子(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化化合物、例えば、ホモポリマー、コポリマー、好ましくは有機又はケイ素系である、ヒドロキシル及び/又はチオール単位を有するスター、櫛形、ブラシ及び樹状化合物から選択される(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化化合物である。
【0405】
好ましくは、高分子(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化化合物は、(ジ)オールポリマー、特に、ポリオレフィン(ポリ)オール、ポリジ(C1~C6)アルキルシロキサン(ポリ)オール、ポリエステル(ポリ)オール、ヒドロキシル化チオール化及び/又はチオール化脂肪酸トリグリセリド誘導体、デンドリマー又はポリエチレンイミン(PEI)由来のアミンチオール、並びにシリコーンチオールから選択される。
【0406】
好ましくは、高分子(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化化合物は、ポリジメチルシロキサンジオール、例えば、ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサン;チオール化ポリ(C1~C4)アルキルシロキサン、例えば、少なくとも2つのチオール基を有するポリジメチルシロキサン;及び化学反応によってチオール基で修飾された脂肪酸トリグリセリド又は植物油から選択される。
【0407】
好ましくは、本発明に従って使用される(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化化合物は、脂溶性ポリオール、ジチオール化合物、ヒドロキシル化及び/又はチオール化アルコキシシロキサン、チオール官能基で置換されたとりわけアルキルタイプの基で官能化されたシリカ、チオール基を有するラテックス、少なくとも2つのチオール官能基を有する化合物でコーティングされた粒子、ポリオレフィン(ポリ)オール、ポリジ(C1~C6)アルキルシロキサン(ポリ)オール、ポリエステル(ポリ)オール、デンドリマー又はポリエチレンイミン(PEI)由来のアミノチオール、シリコーンチオール、ポリジメチルシロキサンジオール、ポリ(C1~C4)アルキルシロキサンチオール並びに化学反応によってチオール基で修飾された脂肪酸トリグリセリド又は植物油から選択される。
【0408】
好ましくは、本発明に従って使用される(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化化合物は、少なくとも2つのチオール基を含むポリジメチルシロキサンから選択される。
【0409】
(ポリ)カルボニル架橋剤
特定の実施形態によると、架橋剤Rは、(ポリ)カルボニル化合物である。
【0410】
特に、(ポリ)カルボニル化合物は、テレフタルアルデヒド、5,5-ジメチル-1,3-シクロヘキサンジオン、フェニルグリオキサール、イソフタルアルデヒド、4-アセチルベンズアルデヒド、4,4-ジホルミルトリフェニルアミン、2-アセチルベンズアルデヒド、3-(2-フロイル)キノリン-2-カルボキサルデヒド3-(2-フロイル)キノリン-2-カルボキサルデヒド、3-アセチルベンズアルデヒド、9-(2-エチルヘキシル)カルバゾール-3,6-ジカルボキサルデヒド、フタルジアルデヒド、1,3-シクロヘキサンジオン、4,4'-ビフェニルジカルボキサルデヒド、ベンゼン-1,3,5-トリカルボキサルデヒド及び酸化イヌリンから選択される。
【0411】
特に、(ポリ)カルボニル化合物は、テレフタルアルデヒド、5,5-ジメチル-1,3-シクロヘキサンジオン、フェニルグリオキサール、イソフタルアルデヒド、4-アセチルベンズアルデヒド、4,4-ジホルミルトリフェニルアミン、2-アセチルベンズアルデヒド、3-(2-フロイル)キノリン-2-カルボキサルデヒド、3-(2-フロイル)キノリン-2-カルボキサルデヒド、3-アセチルベンズアルデヒド、9-(2-エチルヘキシル)カルバゾール-3,6-ジカルボキサルデヒド、フタルジアルデヒド、1,3-シクロヘキサンジオン、4,4'-ビフェニルジカルボキサルデヒド、ベンゼン-1,3,5-トリカルボキサルデヒド、酸化イヌリン及びテレフタルアルデヒド、好ましくはテレフタルアルデヒド(terephthalaledhyde)から選択される。
【0412】
この実施形態によると、(ポリ)カルボニル化合物は、その実施において、例えば、文献Progress in coating 129、21~25(2019)及びProgress in coating 135、510~516(2019)に記載の通りのアミン触媒と会合し;好ましくは、アミノ触媒は、ピペリジン、DMAP(ジメチルアミノピリジン)、DBU(1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン)、DABCO(1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)及びDBN(1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン)から選択され、より優先的には、DBU(1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン)、DABCO(1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)及びDBN(1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン)から選択され、特に、触媒は、DBU(1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン)である。
【0413】
(ポリ)アクリレート架橋剤
特定の実施形態によると、架橋剤Rは、(ポリ)アクリレート化合物である。
【0414】
より特には、(ポリ)アクリレート化合物は、1,3-ブタンジオールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレート、グリセリル1,3-ジグリセロレートジアクリレート、グリセリルプロポキシレート(1PO/OH)トリアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールエトキシレートジアクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレート(1PO/OH)ジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ポリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシレート(1EO/OH)メチルエーテルジアクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシレートトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、トリス[2-(アクリロイルオキシ)エチル]イソシアヌレート、N,N'-メチレンビス(アクリルアミド)、トリメチロールプロパントリアクリレート、メチレンビス(アクリルアミド)又はこれらの化合物の混合物から選択されうる。
【0415】
より特には、(ポリ)アクリレート化合物は、トリメチロールプロパントリアクリレートである。
【0416】
この実施形態によると、(ポリ)アクリレート化合物は、その実施において、例えば、文献Progress in coating 129、21~25(2019)及びProgress in coating 135、510~516(2019)に記載の通りの少なくとも1つのアミン触媒と会合し;好ましくは、アミノ触媒は、ピペリジン、DMAP(ジメチルアミノピリジン)、DBU(1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン)、DABCO(1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)及びDBN(1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン)から選択され、より優先的にはDBU(1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン)、DABCO(1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)及びDBN(1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン)から選択され、好ましくは、触媒は、DBU(1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン)である。
【0417】
金属塩架橋剤:
別の特定の実施形態によると、架橋剤Rは、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、例えば、マグネシウム塩、遷移金属塩、ポスト遷移金属塩、例えば、アルミニウム又はスズ塩、メタロイド塩、例えば、ホウ素塩、それらの水和物及びそれらの混合物から選択される金属塩である。
【0418】
好ましくは、金属塩は、ポスト遷移金属塩、例えば、アルミニウム塩、その水和物及びそれらの混合物から選択される。
【0419】
「金属塩」という用語は、とりわけ、金属、特に、遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイド、アルカリ金属又はアルカリ土類金属に対する酸の作用から得られる塩を意味する。
【0420】
金属塩は、水和物の形態であってもよい。
【0421】
金属塩は、有機であっても無機であってもよい。
【0422】
「有機金属塩」という用語は、とりわけ、金属、特に、遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイド、アルカリ金属又はアルカリ土類金属に対する有機酸の作用から得られる塩、好ましくは金属に対するカルボン酸の作用から得られる塩を意味する。
【0423】
好ましくは、金属塩は、有機金属塩、その水和物及びそれらの混合物から選択される。
【0424】
「無機金属塩」という用語は、とりわけ、金属、特に、遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイド、アルカリ金属又はアルカリ土類金属に対する無機酸の作用から得られる塩を意味する。
【0425】
「無機酸」という用語は、カルボン酸は別として、炭素原子を一切含まない酸を意味する。
【0426】
本発明の特定の実施形態によると、無機金属塩は、ハロゲン化物、例えば、塩化物、フッ化物、ヨウ化物及び臭化物、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、それらの水和物及びそれらの混合物から選択されうる。
【0427】
金属(ポリ)(ヒドロキシ)(C1~C6)アルキルカルボキシレート架橋剤
より特定の実施形態によると、架橋剤Rは、カルボン酸由来の有機金属塩である。
【0428】
より特には、架橋剤Rは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属及びポスト遷移金属、例えばアルミニウムの金属(ポリ)(ヒドロキシ)(C1~C6)アルキルカルボキシレートから選択される有機金属塩である。
【0429】
金属(ポリ)(ヒドロキシ)(C1~C6)アルキルカルボキシレートは、(C1~C6)アルキル基が、1つ又は複数のヒドロキシル基及び1つ又は複数のカルボキシル又はカルボキシレート基で、任意選択で置換されていることを意味することが理解される。好ましくは、金属(ポリ)(ヒドロキシ)(C1~C6)アルキルカルボキシレートは、Ra-C(O)-OM(Mは、遷移金属、例えばチタン(Ti)、又はその他にポスト遷移金属、例えばアルミニウム(Al)を表し、Raは、少なくとも1つのヒドロキシル基で、任意選択で置換された直鎖状又は分岐状(C1~C6)アルキル基を表す。
【0430】
本発明の好ましい実施形態によると、金属塩は、好ましくは、クエン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、グリシネート及び酒石酸塩、それらの水和物及びそれらの混合物、より優先的には、酢酸塩、乳酸塩又はそれらの混合物、例えば、酢酸アルミニウム又は乳酸アルミニウムから選択される有機物である。
【0431】
好ましい実施形態によると、金属塩は、塩基性酢酸アルミニウム、シュウ酸アルミニウム、水和又は非水和クエン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム及びグリシン酸アルミニウム、並びにそれらの混合物から選択される。
【0432】
更により好ましい実施形態によると、金属塩は、塩基性酢酸アルミニウムである。
【0433】
金属アルコキシド架橋剤
別の特定の実施形態によると、架橋剤Rは、下記式(XXIIIa)、(XXIIIb)、(XXIIIc)及び(XXIVd)の金属アルコキシド、並びにそれらの混合物:
M-(OR1)n (XXIIIa)
R-M-(OR1)n-1 (XXIIIb)
(R1O)n-1-M-R''-M'-(OR1')n'-1 (XXIIIc)
R-M(R')-(OR1)n-2 (XXIIId)
[式(XXIIIa)、(XXIIIb)、(XXIIIc)及び(XXIIId)中:
- M及びM'は、同一であっても異なっていてもよく、アルカリ土類金属、遷移金属、ランタニド族の金属、ポスト遷移金属、例えば、アルミニウム又はスズ、及びメタロイド、例えばホウ素;好ましくは、遷移金属、例えばTi及びポスト遷移金属、例えばアルミニウムから選択される元素を表し;
- n及びn'はそれぞれ、M及びM'によって表される元素の原子価を表し;
- R1及びR'1は、同一であっても異なっていてもよく、1~30個の炭素原子、好ましくは1~6個の炭素原子を含有する直鎖状若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和炭化水素系基を表し、前記炭化水素系基は、O、N、S及びP、とりわけO若しくはNから選択される1~20個のヘテロ原子で、任意選択で中断されており;並びに/又は前記炭化水素系基は、1つ若しくは複数のヒドロキシル若しくはカルボニル基で、任意選択で置換されており;
- R及びR'は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、又はO、N、S及び/若しくはP、とりわけO若しくはNから選択される1~20個のヘテロ原子で、任意選択で中断された、1~30個の炭素原子、好ましくは2~20個の炭素原子を含有する直鎖状、分岐状若しくは環式、飽和若しくは不飽和炭化水素系基を表し、並びに/又は前記炭化水素系基は、1つ若しくは複数のヒドロキシル若しくはカルボニル基で、任意選択で置換されており;
- R''は、-O-、-NR2-、-S-、又はO、N、S及びP、とりわけO又はNから選択される1~20個のヘテロ原子で、任意選択で中断された、1~30個の炭素原子、好ましくは2~20個の炭素原子を含有する直鎖状、環式若しくは分岐状、飽和若しくは不飽和二価炭化水素系基(R2は、1~30個の炭素原子、好ましくは2~20個の炭素原子を含有する直鎖状、環式又は分岐状、飽和又は不飽和炭化水素系基を表す)を表し;
好ましくは、M及びM'は、同一であっても異なっていてもよく、遷移金属、例えば、チタン若しくはジルコニウム、又はアルカリ土類金属、例えばマグネシウムから選択され、より優先的には遷移金属、例えばチタン又はジルコニウム、更により優先的にはチタンから選択される原子を表す]
から選択される化合物である。
【0434】
好ましくは、有機金属化合物は、先に定義した通りの式(XXIIIa)のアルコキシドから選択される。
【0435】
好ましい実施形態によると、有機金属化合物は、式(XXIIIa)のアルコキシド(式中、
- Mは、遷移金属、ランタニド族の金属、ポスト遷移金属、例えば、アルミニウム、スズ、メタロイド、例えばホウ素、又はアルカリ土類金属、例えばマグネシウム若しくはカルシウムから選択される原子を表し;
- nは、Mによって表される原子の原子価を表し;
- R1は、1~30個の炭素原子、好ましくは1~6個の炭素原子を含有する直鎖状又は分岐状、飽和炭化水素系基を表す)
から選択される。
【0436】
より好ましい実施形態によると、有機金属化合物は、式(XXIIIa)のアルコキシド:(式中、
- Mは、遷移金属、例えば、ジルコニウム又はチタン、ランタニド族の金属、ポスト遷移金属、例えば、アルミニウム、スズ、メタロイド、例えばホウ素、及びアルカリ土類金属、例えばマグネシウムから選択される原子を表し、好ましくは、Mは、チタン原子を表し;
- nは、Mによって表される原子の原子価、とりわけ、1、2、3又は4、特に4を表し;
- R1は、メチル、エチル、2-エチルヘキシル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル又はt-ブチル基を表す)
から選択される。
【0437】
更により好ましい実施形態によると、有機金属化合物は、ジルコニウムエトキシド(Zr(OC2H5)4)、ジルコニウムプロポキシド(Zr(OCH2CH2CH3)4)、ジルコニウムイソプロポキシド(Zr(OCH(CH3)2)4)、ジルコニウムブトキシドZr(OCH2CH2CH2CH3)4、ジルコニウムtert-ブトキシド(Zr(OC(CH3)3)4)、チタンエトキシド(Ti(OC2H5)4)、チタンプロポキシド(Ti(OCH2CH2CH3)4)、チタンイソプロポキシド(Ti(OCH(CH3)2)4)、チタンブトキシド(Ti(OCH2CH2CH2CH3)4)、チタンtert-ブトキシド(Ti(OC(CH3)3)4)、チタン2-エチルヘキシルオキシド(Ti(OCH2CH(C2H5)(CH2)3CH3)4)及びそれらの混合物から選択される。
【0438】
特に好ましくは、有機金属化合物は、ジルコニウムプロポキシド(Zr(OCH2CH2CH3)4)、チタンプロポキシド(Ti(OCH2CH2CH3)4)、チタンブトキシド(Ti(OCH2CH2CH2CH3)4)及びそれらの混合物から選択される。
【0439】
より優先的には、架橋剤Rは、式(XXIIIa)の化合物(式中、Mは、遷移金属から選択される原子、とりわけチタンを表す)、例えばチタンブトキシドである。
【0440】
希土類金属の族に属する金属で構成される架橋剤
別の特定の実施形態によると、架橋剤Rは、希土類金属の族に属する金属M''の化合物、とりわけ、希土類金属の族に属する金属の塩である。
【0441】
「希土類金属の族に属する金属の塩」という用語は、とりわけ希土類金属の族に属する金属に対する酸の作用に由来する塩を意味する。
【0442】
希土類金属の族に属する金属の化合物は、水和物の形態であってもよい。
【0443】
希土類金属の族に属する金属の化合物は、有機物であっても鉱物であってもよい。それらは、塩形態であってもなくてもよい。
【0444】
「希土類金属族に属する金属の有機塩」という用語は、とりわけ希土類金属の族に属する金属に対する有機酸(とりわけカルボン酸)の作用に由来する塩を意味する。
【0445】
「希土類金属の族に属する無機金属の鉱物塩」という用語は、とりわけ希土類金属の族に属する金属に対する鉱酸の作用に由来する塩を意味する。
【0446】
「無機酸」という用語は、カルボン酸は別として、炭素原子を一切含まない酸を意味する。
【0447】
希土類金属の族に属する金属M''の例として、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムを挙げることができる。好ましくは、希土類金属の族に属する金属は、セリウム、イットリウム、イッテルビウム、ランタン及びユーロピウムから選択され;より優先的には、希土類金属の族に属する金属M''は、セリウム及びイットリウムから選択される。
【0448】
好ましくは、希土類金属の族に属する金属M''は、セリウム、イットリウム、イッテルビウム、ランタン及びユーロピウム、並びにそれらの混合物から選択される。より優先的には、希土類金属の族に属する金属は、セリウム及びイットリウム、並びにそれらの混合物から選択される。
【0449】
好ましくは、希土類金属の族に属する金属M''は、酸化状態+IIIにある。
【0450】
本発明によると、希土類金属の族に属する金属の化合物は、希土類金属塩及び希土類金属錯体から選択される。
【0451】
「希土類金属錯体」という用語は、金属M''と1つ又は複数のリガンドとの組合せを指す。
【0452】
本明細書の下記の文中で、「リガンド」という用語は、イオン結合及び/又は配位結合を介して金属M''と結合する基を有するイオン又は分子を指す。同じリガンドが、イオン結合及び/又は配位結合を介して結合するいくつかの基を有してもよい。
【0453】
希土類金属塩又は錯体の定義は、Progress in the Science and Technology of the Rare Earths、第1巻、Leroy Eyring編、1964、Macmillan Company社出版、F. Gaume-Mahn著、259頁以下に見出すことができる。
【0454】
本発明による希土類金属塩及び錯体は、それらが、希土類金属の族に属する少なくとも1個の金属原子M''を含有すること、及び前記原子が、+IIIの酸化状態にあることを特徴とする。
【0455】
次いで、希土類金属の族に属する金属M''は、その電子殻を介して、M''とのイオン結合を形成するn1アニオン性基と及び/又はM''と配位結合を形成するn2基と会合しうる。配位結合を形成する基は、例えば、ドナー二重結合(doublet)を有する基、例えばカルボニル又はアミンである。
【0456】
n2=0の場合、希土類金属の族に属する金属の化合物は塩を形成し、この場合、希土類金属の族に属する金属M''は3つのアニオン性基と会合する。
【0457】
n2>0の場合、希土類金属の族に属する金属の化合物は錯体を形成し、この場合、アニオン性基n1の数は0~3の範囲でありうる。
【0458】
希土類金属の族に属する金属M''は、1つ若しくは複数のアニオン性基及び/又は配位結合を形成する1つ若しくは複数の基と会合する。
【0459】
希土類金属の族に属する金属M''と会合して対応する希土類金属錯体を形成するリガンドは、下記に記載する通りである。
【0460】
a)典型的には、リガンドは、単原子であってもなくてもよいモノアニオン性イオン、例えば、ニトレート、ヒドロキシル(OH-)又はハロゲン化物(典型的には塩化物又は臭化物)であってもよい。例として、次いで得られる希土類金属化合物は、M''Cl3、M''(OH)3又はM''(NO3)3、特にCeNO3、YNO3、LaNO3、CeCl3、YCl3、LaCl3、より優先的には、希土類金属ハロゲン化物、とりわけCe及びYハロゲン化物、例えばCeCl3及びYCl3でありうる。
【0461】
b)リガンドは、ジアニオン性又はトリアニオン性イオン、例えば、ホスフェート又はサルフェートであってもよい。例として、希土類金属化合物、例えば、M''PO4又はM''2(SO4)3、特にCePO4、YPO4、LaPO4、Ce2(SO4)3、Y2(SO4)3及びLa2(SO4)3を挙げることができる。
【0462】
c)リガンドは、配位結合を形成する1つ又は複数の基及びイオン結合を形成する官能基を含有してもよい。
【0463】
したがって、リガンドは、モノカルボキシレート又はポリカルボキシレート分子、例えば、アセテート又はスクシネートであってもよい。この場合、カルボキシレート官能基は、カルボン酸基のヒドロキシルによってアニオン性基として作用し、カルボニル官能基の酸素の孤立電子対によって配位結合を形成する基として作用すると考えられる。したがって、得られる希土類金属化合物は、M''(R-(COO)n)3/nでありうる。1つ又は複数のカルボキシレートを有することに加えて、リガンドは、他の官能基、例えばヒドロキシル又はアミンを含んでもよい。したがって、リガンドは、全体として、又は部分的に、ヒドロキシカルボン酸又はアミノカルボン酸を構成しうる。追加の官能基を有するモノカルボン酸又はポリカルボン酸化合物として、酒石酸、クエン酸、グリコール酸又はエチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)イオンを挙げることができる。
【0464】
リガンドは、非局在アニオン電荷、例えばアセチルアセトネートを有してもよい。次いで、希土類金属化合物は、M''(アセチルアセトネート)3又はM''(アセチルアセトネート)3・7H2O(式中、各アセトネートは、一方はアニオン性基として作用し、他方は配位結合する基として作用するその2つのカルボニル官能基を介して金属M''に結合している)となる。
【0465】
リガンドはまた、芳香族タイプ、例えば、フェノール、シクロペンタジエン(Progress in the Science and Technology of the Rare Earths、Leroy Eyring出版、F. Gaume-Mahn著、296頁)又はピリジンであってもよい。
【0466】
d)希土類金属化合物は、配位結合を形成する1つ又は複数のリガンド、及びイオン結合を形成する1つ又は複数のリガンドを含んでもよい。したがって、希土類金属化合物は、イットリウムジヒドロキシアセテートY((OH)2アセテート)でありうる(Synthesis and Properties of Yttrium Hydroxyacetate Sols、S.S. Balabanov、E.M. Gavrishchuk及びD.A. Permin、Inorganic Materials、2012、第48巻、第5号、500~503頁)。
【0467】
e)希土類金属化合物は、カチオンM'''の1つが希土類金属カチオン以外のカチオン、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属又はカチオン性有機カチオン、とりわけ第4級アミン(又はアンモニウム)、例えばモノ/ジ/トリ/テトラ(C1~C4)アルキルアンモニウム、又はモノ/ジ(C1~C4)アルキルイミダゾリウム、(C1~C4)アルキルピリジニウムを表す混合塩であってもよく;より特には、混合塩希土類金属化合物は、Li,Ce(SO4)2である。
【0468】
希土類金属の族に属する化合物が、多くの場合高度に吸湿性であり、水和物の形態、例えばCeCl3・7H2O、YCl3・6H2O、LaCl3・7H2O又はCe(アセトネート)3・xH2Oであってもよい。
【0469】
本発明の特定の実施形態によると、希土類金属の族に属する化合物は、有機酸、例えば、クエン酸、乳酸、グリコール酸、グルコン酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、メシル酸及びメト硫酸、とりわけ、グルコン酸の塩、それらの水和物、及びそれらの混合物から選択される。
【0470】
好ましい実施形態によると、希土類金属の族に属する金属の塩は、鉱物塩である。
【0471】
好ましくは、希土類金属の族に属する金属の鉱物塩は、ハロゲン化物、例えば、塩化物、フッ化物、ヨウ化物及び臭化物、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩及び過塩素酸塩、それらの水和物、並びにそれらの混合物から選択される。
【0472】
より優先的には、希土類金属の族に属する金属の鉱物塩は、ハロゲン化物、例えば、塩化物、フッ化物、ヨウ化物及び臭化物及び硝酸塩、それらの水和物、並びにそれらの混合物から選択される。
【0473】
更により優先的には、希土類金属の族に属する金属の鉱物塩は、塩化物及び硝酸塩、それらの水和物、並びにそれらの混合物から選択される。
【0474】
特定の好ましい実施形態によると、希土類金属の族に属する化合物は、Ce(NO3)3、Y(NO3)3、La(NO3)3、CeCl3、YCl3及びLaCl3、並びにそれらの混合物から選択される。
【0475】
更により好ましい実施形態によると、希土類金属の族に属する化合物は、CeCl3及びYCl3、並びにそれらの混合物から選択される。
【0476】
好ましい実施形態によると、架橋剤は、(ポリ)アミノ、(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化、(ポリ)カルボニル及び(ポリ)アクリレート化合物、並びにそれらの混合物から選択され、好ましくは、(ポリ)アミノ及び(ポリ)チオール化化合物から選択され、とりわけ、前記(ポリ)アミノは、キトサン、アミノアルコキシシラン及び鎖の端部又は側鎖に第1級アミン基を含むポリジメチルシロキサンから選択され、更により優先的には、ポリ(D-グルコサミン)、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)、3-アミノエチルトリエトキシシラン(AETES)、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン及び鎖の端部にアミノプロピル末端基を含むポリジメチルシロキサン、更により優先的には、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)から選択され、とりわけ、前記(ポリ)チオール化化合物は、チオール官能基を有するポリジオルガノシロキサン、チオール官能基を有するアミノシリコーン、チオール官能基を有するアルコキシシラン、有機ポリチオール、チオール基で修飾された天然生成物、デンドリマー又はポリエチレンイミン(PEI)由来のアミノチオール、及びシリコーンチオールから選択され、(ポリ)チオール化化合物は、好ましくは、末端がメルカプトプロピル基のポリジメチルシロキサン及びジメチコン/メルカプトプロピルメチコンコポリマーから選択される。
【0477】
好ましい実施形態によると、架橋剤は、i)(ポリ)アミン化合物、ii)(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化化合物、iii)(ポリ)カルボニル化合物、例えばテレフタルアルデヒド(terephthaldehyde)、iv)(ポリ)アクリレート、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、v) va)金属アルコキシド、例えばチタンブトキシド、vb)とりわけ遷移金属又はポスト遷移金属、とりわけアルミニウムの金属(ポリ)(ヒドロキシ)(C1~C6)アルキルカルボキシレート、例えば、酢酸アルミニウム又は乳酸アルミニウム、及びvc)希土類金属の族に属する金属の塩、特にCe又はYハロゲン化物、例えば、CeCl3及びYCl3から選択される金属塩、並びにvi)それらの混合物から選択され、好ましくは、(ポリ)アミノ及び(ポリ)チオール化化合物(前記(ポリ)アミノは、とりわけ、鎖の端部又は側鎖に第1級アミン基を含むキトサン、アミノアルコキシシラン及びポリジメチルシロキサンである)から選択され、更により優先的には、ポリ(D-グルコサミン)、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)、3-アミノエチルトリエトキシシラン(AETES)、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン及び鎖の端部にアミノプロピル末端基を含有するポリジメチルシロキサンから選択され、更により優先的には、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)であり、とりわけ、前記(ポリ)チオール化化合物は、チオール官能基を有するポリジオルガノシロキサン、チオール官能基を有するアミノシリコーン、チオール官能基を有するアルコキシシラン、有機ポリチオール、チオール基で修飾された天然生成物、デンドリマー又はポリエチレンイミン(PEI)由来のアミノチオール及びシリコーンチオールから選択され、(ポリ)チオール化化合物は、好ましくは、メルカプトプロピル基末端ポリジメチルシロキサン及びジメチコン/メルカプトプロピルメチコンコポリマーから選択される。
【0478】
混合物はvi)は、同じタイプの化合物の混合物、例えば、異なる構造の(ポリ)アミンi)の混合物又は異なる構造の(ポリ)チオールii)の混合物を指しうる。混合物vi)はまた、異なるタイプの化合物の混合物、例えば、1つ又は複数のポリアミンi)と1つ又は複数の(ポリ)チオールii)とからなる混合物を指しうる。
【0479】
別の特定の実施形態によると、架橋剤Rは、va)遷移金属、とりわけチタンの(C1~C6)アルコキシド、例えば、チタンブトキシド、及びvb)遷移金属、とりわけアルミニウムの(ポリ)(ヒドロキシ)(C1~C6)アルキルカルボキシレート、例えば、酢酸アルミニウム又は乳酸アルミニウムから選択される化合物である。
【0480】
別の特定の実施形態によると、架橋剤Rは、好ましくは、金属Mが遷移金属、とりわけチタンである、上で定義した通りの式(XXIIIa)の金属アルコキシドから選択される化合物、例えばチタンブトキシドである。
【0481】
別の特定の実施形態によると、架橋剤Rは、iii)(ポリ)カルボニルから選択される化合物、例えば、テレフタルアルデヒド又はトリメチロールプロパントリアクリレートである。
【0482】
脂肪相
本発明による組成物C1、C2又はC3は、脂肪相、とりわけ炭化水素系油を含む脂肪相、好ましくはイソドデカンを含有する。
【0483】
好ましい実施形態によると、炭化水素系油、好ましくはイソドデカンは、本発明による組成物の脂肪相の全ての成分に対して優勢に前記脂肪相中に存在する。
【0484】
組成物CR及びCACはまた、本発明における使用に好適な脂肪相を含有してもよい。
【0485】
炭化水素系油
先に述べた通り、本発明による組成物C1、C2若しくはC3、又は本発明における使用に好適なCR若しくはCACは、少なくとも1つの炭化水素系油、特に揮発性油を含んでもよい。
【0486】
「油」という用語は、室温(20℃)及び大気圧(760mmHg)で液体である、水不混和性の非水性化合物を意味する。
【0487】
「炭化水素系油」という用語は、炭素及び水素原子、並びに場合により酸素及び窒素原子から本質的に形成されるか、又は更にはこれらからなり、ケイ素又はフッ素原子を一切含有しない油を意味する。これは、アルコール、エステル、エーテル、カルボン酸、アミン及び/又はアミド基を含有してもよい。
【0488】
特に、本発明に従う組成物は、
- C8~C14炭化水素系油、とりわけ:
分岐状C8~C14アルカン、例えばC8~C14イソアルカン(イソパラフィンとしても公知)、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタンとしても公知)、イソデカン、ドデカン及び例えば商品名Isopar又はPermethylで販売されている油、
直鎖状アルカン、例えば、Sasol社によってそれぞれ参照名Parafol 12-97及びParafol 14-97で販売されているn-ドデカン(C12)及びn-テトラデカン(C14)、及びまたそれらの混合物、ウンデカン-トリデカン混合物、Cognis社による特許出願WO2008/155059の実施例1及び実施例2において得られるn-ウンデカン(C11)及びn-トリデカン(C13)の混合物、及びそれらの混合物、並びに
短鎖エステル(合計で3個~8個の炭素原子を含有する)、例えば、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル及び酢酸n-ブチル、
- 植物由来の炭化水素系油、例えば、グリセロールの脂肪酸エステルで構成されたトリグリセリド(その脂肪酸は、C4~C24の範囲の鎖長を有してもよく、これらの鎖は、場合により直鎖状又は分岐状、飽和又は不飽和である);これらの油は、とりわけヘプタン酸若しくはオクタン酸トリグリセリド又はコムギ胚芽油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ゴマ油、コーン油、アプリコット油、ヒマシ油、シア油、アボカド油、オリーブ油、ダイズ油、スイートアーモンド油、パーム油、ナタネ油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカデミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、マロー油、ブラックカラント油、月見草油、キビ油、オオムギ油、キノア油、ライムギ油、ベニバナ油、ククイナッツ油、パッションフラワー油又はジャコウバラ油;シアバター;又はその他にカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えば、Stearinerie Dubois社によって販売されているもの、
- 10~40個の炭素原子を含有する合成エーテル、
- 鉱物又は合成由来の直鎖状又は分岐状炭化水素、特に、ワセリン、ポリデセン、水添ポリイソブテン、特に、Parleam(登録商標)、スクワラン及び流動パラフィン、並びにそれらの混合物、
- 合成エステル、例えば、式R1COOR2の油(式中、R1は、1~40個の炭素原子を含有する直鎖状又は分岐状脂肪酸残基を表し、R2は、とりわけ、1~40個の炭素原子を含有する分岐状炭化水素系鎖を表し、但し、R1及びR2の炭素原子の数の和は、10以上である)、例えば、ピュアセリンオイル(オクタン酸セトステアリル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、安息香酸C12~C15アルキル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、ラウリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸若しくはリシノール酸アルコール若しくは多価アルコール、例えば、ジオクタン酸プロピレングリコール;ヒドロキシル化エステル、例えば、乳酸イソステアリル、リンゴ酸ジイソステアリル及び乳酸2-オクチルドデシル;ポリオールエステル並びにペンタエリトリトールエステル、
- 12~26個の炭素原子を含有する分岐状及び/又は不飽和炭素系鎖を有する、室温で液体である脂肪アルコール、例えば、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノール及び2-ウンデシルペンタデカノール
から選択される少なくとも1つの炭化水素系油を含んでもよい。
【0489】
好ましくは、本発明による組成物中に存在する炭化水素系油は、炭素及び水素原子のみからなる無極性である。
【0490】
好ましくは、炭化水素系油は、C8~C14炭化水素系油及びそれらの混合物から選択され、より優先的には、炭化水素系油は、イソドデカン、Cetiol UT、Vegelight Silk及びドデカンから選択され、更により優先的には、炭化水素系油は、イソドデカンを少なくとも含むか、又はイソドデカンである。
【0491】
好ましい実施形態によると、本発明による組成物C1、C2及び/又はC3は、好ましくはC8~C14炭化水素系油及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つの炭化水素系油を含み、より優先的には、イソドデカン、Cetiol UT、Vegelight Silk及びドデカンから少なくとも選択され、更により優先的には、少なくともイソドデカンである。
【0492】
好ましい実施形態によると、本発明による組成物C1、C2及び/又はC3は、少なくとも1つの揮発性炭化水素系油を含む。
【0493】
好ましい実施形態によると、本発明による組成物C1、C2及び/又はC3は、好ましくは揮発性油/不揮発性油質量比2以上、好ましくは3以上、より優先的には4以上の、少なくとも1つの揮発性炭化水素系油及び任意選択で1つ又は複数の不揮発性油を含む。
【0494】
特定の実施形態によると、本発明による組成物C1、C2及び/又はC3は、イソドデカンを含む脂肪相、とりわけ脂肪相の全ての成分に対して大部分のイソドデカンを含む前記脂肪相、例えば、イソドデカン/オクチルドデカノール混合物又はイソドデカン/イソノニルイソノナノエート混合物を含有する。
【0495】
好ましくは、本発明による組成物は、組成物の総質量に対して、15質量%~98質量%、とりわけ15質量%~90質量%、好ましくは40質量%~90質量%、又は更には40質量%~85質量%の炭化水素系油を含む。
【0496】
炭化水素系油とは異なる不揮発性油
好ましい実施形態によると、本発明による組成物C1、C2又はC3はまた、上記の前記炭化水素系油とは異なる少なくとも1つの不揮発性油を含んでもよい。
【0497】
したがって、本発明による組成物は、1つ若しくは複数のフルオロ若しくは非フルオロシリコーン油又はそれらの混合物を含んでもよい。特に、それは、
- 直鎖状又は分岐状炭化水素、特に、ポリデセン又は水添ポリイソブテン、特にParleam;
- 12~26個の炭素原子を含有する脂肪アルコール、例えば、オクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール、又はオレイルアルコール;
- 部分的に炭化水素系及び/又はシリコーン系のフルオロ油、
- シリコーン油、例えば、不揮発性の直鎖状又は環式の、室温で液体又はペースト状であるポリメチルシロキサン(PDMS)、例えば、シクロメチコン、ジメチコン、任意選択でフェニル基を含む、例えば、フェニルトリメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルメチルジメチルトリシロキサン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、ポリメチルフェニルシロキサン;
- 並びにそれらの混合物
から選択されうる。
【0498】
「シリコーン油」という用語は、少なくとも1個のケイ素原子、及びとりわけ少なくとも1つのSi-O基を含む油を意味する。
【0499】
「フルオロ油」という用語は、少なくとも1個のフッ素原子を含む油を意味する。
【0500】
これらの油は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~60質量%、なおより良好には0.1質量%~50質量%の範囲の含有量で存在してもよい。
【0501】
好ましくは、前記炭化水素系油とは異なる不揮発性油は、不揮発性炭化水素系油から選択され、より優先的には、12~26個の炭素原子を含有する脂肪アルコール、合成エステル及びそれらの混合物から選択される。
【0502】
本発明による組成物は、有利には、組成物の総質量に対して、好ましくは、0.01質量%~60質量%の範囲の前記炭化水素系油とは異なる少なくとも1つの不揮発性油、好ましくは0.1質量%~50質量%の前記炭化水素油とは異なる不揮発性油を含む。
【0503】
他の油
特定の実施形態によると、本発明による組成物C1、C2又はC3はまた、上で挙げた油とは異なる少なくとも1つの油を含んでもよい。
【0504】
したがって、本発明による組成物は、上で挙げた油とは異なる炭化水素系、シリコーン、フルオロ若しくは非フルオロ油、又はそれらの混合物を含んでもよい。
【0505】
油は、揮発性であっても、不揮発性であってもよい。
【0506】
それらは、動物、植物、鉱物又は合成由来のものであってもよい。
【0507】
油は、任意選択に、例えばヒドロキシル又は酸基の形態で、酸素、窒素、硫黄及び/又はリン原子を含んでもよい。
【0508】
水性相
特定の実施形態によると、本発明による組成物C1、C2及び/又はC3はまた、水性相を含んでもよい。
【0509】
特定の実施形態によると、少なくとも1つの架橋剤及び/又は本発明による少なくとも1つの化粧料活性剤を含有するCACを含有する組成物CRはまた、水性相を含んでもよく及び/又は水性相からなってもよい。
【0510】
本発明による組成物C1、C2若しくはC3、又は本発明における使用に好適な組成物CR若しくはCACの水性相は、水及び任意選択で1つ又は複数の水混和性溶媒を含む。
【0511】
本発明における使用に好適な水は、フローラルウォーター、例えば、コーンフラワーウォーター及び/又はミネラルウォーター、例えば、Vittel水、Lucas水若しくはLa Roche Posay水、温泉水及び/又は湧き水であってもよい。
【0512】
本発明において、「水混和性溶媒」という用語は、室温において液体であり、且つ水混和性(25℃及び大気圧において50質量%超の水との混和性)である化合物を示す。
【0513】
本発明の組成物において使用することができる水混和性溶媒はまた、揮発性であってもよい。
【0514】
本発明による組成物において使用することができる水混和性溶媒の中でも、とりわけ、エタノール及びイソプロパノール等の、1~5個の炭素原子を含有する低級モノアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール及びジプロピレングリコール等の、2~8個の炭素原子を含有するグリコール、C3及びC4ケトン、並びにC2~C4アルデヒドを挙げることができる。
【0515】
変形実施形態によると、本発明による組成物の水性相は、少なくとも1つのC2~C32ポリオールを含んでもよい。
【0516】
本発明の目的で、「ポリオール」という用語は、少なくとも2つの遊離ヒドロキシル基を含む任意の有機分子を意味すると理解されるべきである。
【0517】
好ましくは、本発明に従うポリオールは、室温において液体形態で存在する。
【0518】
本発明における使用に好適なポリオールは、アルキル鎖に少なくとも2つの-OH官能基、特に少なくとも3つの-OH官能基、より特には少なくとも4つの-OH官能基を有する、直鎖状、分岐状又は環式、飽和又は不飽和アルキルタイプの化合物であってもよい。
【0519】
本発明による組成物の配合に有利に好適なポリオールは、とりわけ2~32個の炭素原子、好ましくは3~16個の炭素原子を含有するものである。
【0520】
有利には、ポリオールは、例えば、エチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ペンタン-1,2-ジオール、カプリリルグリコール(オクタン-1,2-ジオール)、ブチレングリコール、イソプレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセロール、ポリグリセロール、例えばグリセロールオリゴマー、例としてはジグリセロール及びポリエチレングリコール、並びにそれらの混合物から選択されうる。
【0521】
好ましくは、本発明による組成物は、無水組成物である。
【0522】
「無水組成物」という用語は、2質量%未満の水、又は更には0.5%未満の水を含有する組成物を意味し、とりわけ水を含まない。適切な場合、そのような少量の水は、とりわけ組成物の残りの量を含有しうるその成分によって導入されてもよい。
【0523】
本発明の特定の形態によると、本発明による組成物C1、C2及び/若しくはC3、又は組成物CR若しくはCACは、少なくとも1つの水混和性溶媒、好ましくは、少なくとも1つの、1~6個の炭素原子を含有する低級モノアルコール、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール、ペンタノール若しくはヘキサノール、及び/又は2~8個の炭素原子を含有する少なくとも1つのグリコール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール若しくはジプロピレングリコール、及び/又は少なくとも1つのC3~C4ケトン、及び/又は少なくとも1つのC2~C4アルデヒド、より優先的には、先に定義した通りの1~6個の炭素原子を含有する少なくとも1つの低級モノアルコール、更により優先的には、エタノール及びn-ブタノールから選択される少なくとも1つの低級モノアルコール、更により優先的にはエタノールを含んでもよい。
【0524】
本発明の別の特定の形態によると、本発明による組成物C1、C2及び/若しくはC3、又は組成物CR若しくはCACは、無水物であり(すなわち、それらは5質量%未満、特に2質量%未満、又は更には0.5質量%未満の水を含有する)、1~6個の炭素原子を含有する少なくとも1つの低級モノアルコール、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール、ペンタノール若しくはヘキサノール、及び/又は2~8個の炭素原子を含有する少なくとも1つのグリコール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール若しくはジプロピレングリコール、及び/又は少なくとも1つのC3~C4ケトン、及び/又は少なくとも1つのC2~C4アルデヒド、好ましくは、先に定義した通りの1~6個の炭素原子を含有する少なくとも1つの低級モノアルコール、より優先的には、エタノール及びn-ブタノールから選択される少なくとも1つの低級モノアルコール、更により優先的にはエタノールを含む。
【0525】
化粧料活性剤
本発明による組成物、とりわけC1若しくはC2、又は本発明における使用に好適な組成物、例えばCRは、
a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、
b)ケラチン物質、好ましくは皮膚をケアするための活性剤、
c)UV-遮蔽剤、並びに
d)それらの混合物
から選択される、「CAA」と呼ばれる1つ又は複数の化粧料活性剤を含んでもよい。
【0526】
組成物C1中に任意選択で存在する化粧料活性剤CAAは、コポリマーCP及び/又は異なる組成物CACを導入されてもよい。
【0527】
組成物C2中に任意選択で存在する化粧料活性剤CAAは、架橋剤R及び/又は組成物CR及び/又は組成物C1及び/又は組成物CACを導入されてもよい。
【0528】
本発明による組成物C3又は本発明における使用に好適な組成物CACは、a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、b)ケラチン物質、好ましくは皮膚をケアするための活性剤、c)UV遮蔽剤、並びにd)それらの混合物から選択される、1つ又は複数の化粧料活性剤CAAを含む。
【0529】
組成物C3中に存在する化粧料活性剤CAAは、この組成物を調製するために適合されたプロトコルに応じた様々な方法でそれに導入されてもよい。
【0530】
したがってそれらは、組成物C3の成分の少なくとも1つ、例えば、組成物C1中の(コ)ポリマー、及び/又は架橋剤R若しくは少なくともこの架橋剤を含有する異なる組成物CR、及び/又は組成物CACを導入されてもよい。
【0531】
組成物C3が組成物C1から得られる変形例において、それらは、この組成物C1中に存在してもよく、及び/又は組成物CACを組み込まれてもよい。組成物C3が組成物C2から得られる変形例において、そのようなCAAは、この組成物C2中に存在してもよく、及び/又は組成物CACと共に使用されてもよい。
【0532】
言うまでもなく、これらの変形例の各々において、1つ又は複数の同一又は異なるCAAは、C3を調製するために検討される組成物中に存在してもよい。
【0533】
同様に、同じ化粧料活性剤CAAは、組成物C1及び/又は組成物C2及び/又は組成物CR及び/又は別の組成物CAC中に存在してもよく、いくつかの異なる化粧料活性剤が使用される場合、それらは、完全に又は部分的に、C1及び/又はC2及び/又はCR及び/又は別の組成物CACのいずれかに導入されてもよいことが理解される。
【0534】
いくつかの化粧料活性剤が組成物C3中に存在する場合、それらは、組成物C1及び/又は組成物C2及び/又は組成物CR及び/又は別の組成物CAC中に同時に存在してもよい。
【0535】
別の変形例によると、いくつかの化粧料活性剤が組成物C3中に存在する場合、それらの各々は、組成物C1及び/又は組成物C2及び/又は組成物CR及び/又は別の組成物CAC中に別々に存在してもよい。
【0536】
特定の実施形態によると、少なくとも1つの化粧料活性剤は、染料から選択され、好ましくは、顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される。
【0537】
言うまでもなく、当業者は、この若しくはこれらの任意選択の化粧料活性剤CAA、及び/又はその量を、本発明による対応する組成物の有利な性質が、想定される添加により有害な影響を受けない、又は実質的に受けないように選択することに注意するであろう。
【0538】
染料
本発明による組成物、例えばC1若しくはC2、又は本発明における使用に好適な組成物、例えばCRはまた、少なくとも1つの微粒子又は非微粒子、水溶性又は水不溶性染料を、好ましくは、検討される組成物の総質量に対して、少なくとも0.01質量%の割合で含んでもよい。
【0539】
本発明による組成物C3、又は本発明における使用に好適な組成物、例えばCACはまた、微粒子又は非微粒子、水溶性又は水不溶性染料を、好ましくは、検討される組成物の総質量に対して、少なくとも0.01質量%の割合で含んでもよい。
【0540】
明らかな理由から、この量は、所望の色効果の強度及び検討中の染料により得られる色の強度に関して大幅に変化しやすく、その調整は明らかに、当業者の能力の範囲内である。
【0541】
好ましくは、本発明による組成物C3は、顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つの染料を含む。
【0542】
好ましくは、本発明における使用に好適な組成物CACは、顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つの染料、好ましくは少なくとも1つの顔料を含む。
【0543】
本発明による組成物C1、C2又はCRが、少なくとも1つの化粧料活性剤CAAを含む場合、前記化粧料活性剤は、好ましくは、顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つの染料、より優先的には少なくとも1つの顔料を含む。
【0544】
好ましくは、本発明による組成物C3は、少なくとも1つの顔料を含む。
【0545】
顔料
本発明の目的で、「顔料」という用語は、ケラチン物質に色を付与することが可能な任意の化合物を意味する。これらの化合物は、0.05質量%未満、好ましくは0.01質量%未満の、25℃及び大気圧(760mmHg)における水溶解度を有する。
【0546】
本発明による組成物C1若しくはC2、又は本発明における使用に好適な組成物CRは、少なくとも1つの化粧料活性剤CAAを含んでもよく、前記化粧料活性剤は、好ましくは、1つ又は複数の顔料を含む。
【0547】
本発明による組成物C3、又は本発明における使用に好適な組成物CACは、少なくとも1つの化粧料活性剤CAAを含み、前記化粧料活性剤は、好ましくは、1つ又は複数の顔料を含む。
【0548】
本発明における使用に好適な顔料として、とりわけ、当技術分野で公知の有機及び/又は鉱物顔料、とりわけ、Kirk-Othmer's Encyclopedia of Chemical Technology及びUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistryに記載のものを挙げることができる。
【0549】
これらの顔料は、合成であっても天然であってもよい。
【0550】
これらの顔料は、顔料粉末又はペースト形態であってもよい。これらは、コーティングされていてもされていなくてもよい。
【0551】
これらの顔料は、例えば、鉱物顔料、有機顔料、レーキ、特別な効果を有する顔料、例えば、真珠光沢剤又はグリッターフレーク、及びそれらの混合物から選択されうる。
【0552】
本発明における使用に好適な顔料は、鉱物顔料から選択されうる。
【0553】
「鉱物顔料」という用語は、Ullmann's encyclopediaの無機顔料の章における定義を満足する任意の顔料を意味する。
【0554】
本発明において有用な鉱物顔料の中でも、マンガンバイオレット、群青、水和クロム、フェリックブルー及び酸化又は二酸化チタン、ジルコニウム又はセリウム、並びにまた酸化亜鉛、鉄又はクロムを挙げることができる。
【0555】
それらはまた、例えば、セリサイト/茶色酸化鉄/二酸化チタン/シリカタイプの構造でありうる構造を有する顔料であってもよい。そのような顔料は、例えば、参照名Coverleaf NS又はJSでChemicals and Catalysts社によって販売されており、30の領域にコントラスト比を有する。それらはまた、例えば、酸化鉄を含有するシリカミクロスフェアタイプのものでありうる構造を有する顔料であってもよい。この構造を有する顔料の例は、Miyoshi社によって参照名PC Ball PC-LL-100 Pで販売されている製品であり、この顔料は、黄色酸化鉄を含有するシリカミクロスフェアで構成されている。
【0556】
有利には、顔料は、酸化鉄及び/又は二酸化チタンであってもよい。
【0557】
本発明における使用に好適な顔料は、有機顔料から選択されうる。
【0558】
「有機顔料」という用語は、Ullmann's encyclopaediaの有機顔料の章における定義を満足する任意の顔料を意味する。
【0559】
本発明において有用な有機顔料の中でも、ニトロソ、ニトロ、アゾ、キサンテン、ピレン、キノリン、アントラキノン、トリフェニルメタン、フルオラン、フタロシアニン、金属錯体、イソインドリノン、イソインドリン、キナクリドン、ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、インジゴ、チオインジゴ、ジオキサジン、トリフェニルメタン及びキノフタロン化合物を挙げることができる。
【0560】
特に、白色又は有色有機顔料は、カーマイン、カーボンブラック、アニリンブラック、アゾイエロー、キナクリドン、フタロシアニンブルー、カラーインデックス(Color Index)において参照名CI 42090、69800、69825、74100、74160で分類される青色顔料、カラーインデックスにおいて参照名CI 11680、11710、19140、20040、21100、21108、47000、47005で分類される黄色顔料、カラーインデックスにおいて参照名CI 61565、61570、74260で分類される緑色顔料、カラーインデックスにおいて参照名CI 11725、45370、71105で分類されるオレンジ色顔料、カラーインデックスにおいて参照名CI 12085、12120、12370、12420、12490、14700、15525、15580、15620、15630、15800、15850、15865、15880、26100、45380、45410、58000、73360、73915、75470で分類される赤色顔料、特許FR2679771に記載の通りのインドール又はフェノール誘導体の酸化重合によって得られる顔料から選択されうる。
【0561】
また挙げることができる例には、有機顔料の顔料ペースト、例えば、Hoechst社によって、名称:
- Cosmenyl Yellow 10G:Yellow 3顔料(CI 11710);
- Cosmenyl Yellow G:Yellow 1顔料(CI 11680);
- Cosmenyl Orange GR:Orange 43顔料(CI 71105);
- Cosmenyl Red R:Red 4顔料(CI 12085);
- Cosmenyl Carmine FB:Red 5顔料(CI 12490);
- Cosmenyl Violet RL:Violet 23顔料(CI 51319);
- Cosmenyl Blue A2R:Blue 15.1顔料(CI 74160);
- Cosmenyl Green GG:Green 7顔料(CI 74260);
- Cosmenyl Black R:Black 7顔料(CI 77266)
で販売されている製品が含まれる。
【0562】
本発明に従う顔料はまた、特許EP1184426に記載の通りの複合顔料の形態であってもよい。これらの複合顔料は、とりわけ、鉱物コア、有機顔料をコアに付着させる少なくとも1つのバインダー、及びコアを少なくとも部分的に被覆する少なくとも1つの有機顔料を含む粒子で構成されてもよい。
【0563】
有機顔料はまた、レーキであってもよい。「レーキ」という用語は、不溶性粒子上に吸着される染料を指し、このようにして得られたアセンブリは使用中に不溶性のままである。
【0564】
染料が吸着される鉱物基材は、例えば、アルミナ、シリカ、ホウケイ酸カルシウムナトリウム又はホウケイ酸カルシウムアルミニウム、及びアルミニウムである。
【0565】
有機基材上に吸着される染料の中でも、カルミン酸を挙げることができる。また、以下の名称で公知の染料も挙げることができる:D&C Red 21(CI 45380)、D&C Orange 5(CI 45370)、D&C Red 27(CI 45410)、D&C Orange 10(CI 45425)、D&C Red 3(CI 45430)、D&C Red 4(CI 15510)、D&C Red 33(CI 17200)、D&C Yellow 5(CI 19140)、D&C Yellow 6(CI 15985)、D&C Green(CI 61570)、D&C Yellow 10(CI 77002)、D&C Green 3(CI 42053)、D&C Blue 1(CI 42090)、FDC Red 4、D&C Red 6、D&C Red 22、D&C Red 28、D&C Red 30、D&C Orange 4、D&C Yellow 8、D&C Green 5、D&C Red 17、D&C Green 6、D&C Yellow 11、D&C Purple 2、スーダンレッド、カロテン(β-カロテン、リコピン)、キサントフィル(カプサンチン、カプソルビン、ルテイン)、パーム油、スーダンブラウン、キノリンイエロー、アナットー、クルクミン、ベタニン(ビート)、カルミン、銅クロロフィリン、メチレンブルー、アントシアニン(エノシアニン、ブラックキャロット、ハイビスカス、エルダーベリー)、カラメル、リボフラビン、ビートジュース及びカラメル。
【0566】
挙げることができるレーキの例は、D&C Red 7(CI 15850:1)の名称で公知の製品である。
【0567】
顔料はまた、特別な効果を有する顔料であってもよい。「特別な効果を有する顔料」という用語は、一般に、不均一であり、観察条件(光、温度、観察角度等)の関数として変化する有色の外見(特定の色調、特定の彩度及び特定の輝度レベルを特徴とする)を作り出す顔料を意味する。それらはそれによって、標準的な均一、不透明、半透明、又は透明の色調を付与する有色顔料とは異なる。
【0568】
特別な効果を有するいくつかのタイプの顔料が存在する:蛍光又はフォトクロミック顔料等の低屈折率のもの、及び真珠光沢剤、干渉顔料又はグリッターフレーク等のより高屈折率のものである。
【0569】
「真珠光沢剤」という用語は、とりわけ、ある特定の軟体動物によってその殻中で生成されるか、或いは合成される、任意の形状の虹色又は非虹色の有色粒子を意味すると理解されるべきであり、これらは、光学干渉を介して色彩効果を有する。
【0570】
挙げることができる特別な効果を有する顔料の例には、真珠光沢顔料、例えばチタン又はオキシ塩化ビスマスでコーティングされたマイカ、有色真珠光沢顔料、例えばチタン及び酸化鉄で被覆されたマイカ、酸化鉄で被覆されたマイカ、チタン及びとりわけフェリックブルー又は酸化クロムで被覆されたマイカ、チタン及び先に定義した通りの有機顔料で被覆されたマイカ、並びにまたオキシ塩化ビスマスに基づく真珠光沢顔料が含まれる。それらはまた、金属酸化物及び/又は有機染料の少なくとも2つの連続層が表面に重ねられたマイカ粒子であってもよい。
【0571】
挙げることができる真珠光沢顔料には、BASF社によって販売されている真珠光沢剤Cellini(マイカ-TiO2-レーキ)、Eckartによって販売されているPrestige(マイカ-TiO2)、Eckart社によって販売されているPrestige Bronze(マイカ-Fe2O3)及びMerck社によって販売されているColorona(マイカ-TiO2-Fe2O3)が含まれる。
【0572】
また、とりわけBASF社によってBrilliant gold 212G(Timica)、Gold 222C(Cloisonne)、Sparkle gold(Timica)、Gold 4504(Chromalite)及びMonarch gold 233X(Cloisonne)の名称で販売されている金色に着色された真珠光沢剤;とりわけMerck社によってBronze fine(17384)(Colorona)及びBronze(17353)(Colorona)の名称で、及びBASF社によってSuper bronze(Cloisonne)の名称で販売されているブロンズ真珠光沢剤;とりわけBASF社によってOrange 363C(Cloisonne)及びOrange MCR 101(Cosmica)の名称で、及びMerck社によってPassion orange(Colorona)及びMatte orange(17449)(Microna)の名称で販売されているオレンジ色真珠光沢剤;とりわけBASF社によってNu-antique copper 340XB(Cloisonne)及びBrown CL4509(Chromalite)の名称で販売されている茶色真珠光沢剤;とりわけBASF社によってCopper 340A(Timica)の名称で販売されている銅の色合いを有する真珠光沢剤;とりわけMerck社によってSienna fine(17386)(Colorona)の名称で販売されている赤の色合いを有する真珠光沢剤;とりわけBASF社によってYellow(4502)(Chromalite)の名称で販売されている黄の色合いを有する真珠光沢剤;とりわけBASF社によってSunstone G012(Gemtone)の名称で販売されている金の色合いを有する赤色真珠光沢剤;とりわけBASF社によってTan opale G005(Gemtone)の名称で販売されているピンク色真珠光沢剤;とりわけBASF社によってNu antique bronze 240 AB(Timica)の名称で販売されている金の色合いを有する黒色真珠光沢剤;とりわけMerck社によってMatte blue(17433)(Microna)の名称で販売されている青色真珠光沢剤;とりわけMerck社によってXirona Silverの名称で販売されている銀のような色合いを有する白色真珠光沢剤、及びとりわけMerck社によってIndian summer(Xirona)の名称で販売されている金色-緑色でピンク色-オレンジ色の真珠光沢剤、並びにそれらの混合物を挙げることができる。
【0573】
真珠光沢剤の更なる例として、酸化チタンでコーティングされたホウケイ酸塩の基材を含む粒子を挙げることができる。
【0574】
酸化チタンでコーティングされたガラス基材を含む粒子は、とりわけMetashine MC1080RYの名称でToyal社によって販売されている。
【0575】
最後に、また挙げることができる真珠光沢剤の例には、ポリエチレンテレフタレートのグリッターフレーク、とりわけMeadowbrook Inventions社によってSilver 1P 0.004X0.004(銀色のグリッターフレーク)の名称で販売されているものが含まれる。合成基材に基づく多層顔料、例えば、アルミナ、シリカ、ホウケイ酸カルシウムナトリウム、ホウケイ酸カルシウムアルミニウム、及びアルミニウムを想定することも可能である。
【0576】
有利には、本発明による真珠光沢剤は、二酸化チタン又は酸化鉄、及びまたオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカである。
【0577】
特別な効果を有する顔料はまた、反射性粒子から、すなわちとりわけ、それらが作製されているもののサイズ、構造、とりわけ層の厚さ、並びにそれらの物理的及び化学的性質、並びに表面状態が、それらが入射光を反射できるようにする粒子から選択されうる。この反射は、適切な場合、それが作製されることになる支持体に適用されたときに、肉眼で視認可能なハイライトポイント、すなわちきらめきを放つことでその周囲との対比をなすより明るい点を、組成物又は混合物の表面に作り出すのに十分な強度を有することができる。
【0578】
反射性粒子は、それらが組み合わせられる着色剤によって生じる着色効果を大幅には変更しないように、より特には、色収率の点でこの効果を最適化するように、選択されうる。それらは、より特には、黄、ピンク、赤、ブロンズ、オレンジ、茶、金及び/又は銅の色又は色合いを有することができる。
【0579】
これらの粒子は、様々な形態であってもよく、とりわけ小平板状又は球体状の形態、特に球状の形態にあってよい。
【0580】
反射性粒子は、それがどのような形態であれ、多層構造を有しても有しなくてもよく、多層構造の場合には、例えば、とりわけ反射性物質の、均一な厚さの少なくとも1つの層を有してもよい。
【0581】
反射性粒子が多層構造を有しない場合、粒子は、例えば金属酸化物、とりわけ、合成によって得られる酸化チタン又は鉄で構成されうる。
【0582】
反射性粒子が多層構造で有する場合、粒子は、例えば天然又は合成の基材、とりわけ、少なくとも1つの金属又は金属性材料の、反射性材料の少なくとも1つの層で少なくとも部分的にコーティングされた合成基材を含みうる。基材は、1つ又は複数の有機及び/又は鉱物材料で作製されてもよい。
【0583】
より特には、反射性粒子の基材は、ガラス、セラミック、グラファイト、金属酸化物、アルミナ、シリカ、ケイ酸塩、とりわけアルミノシリケート及びホウケイ酸塩、及び合成マイカ、並びにそれらの混合物から選択されえ、この列挙は限定ではない。
【0584】
反射性材料は、金属又は金属性材料の層を含んでもよい。
【0585】
挙げることができるこれらの粒子の例示には、Starbrite 1200 EAC(登録商標)の名称でSiberline社によって販売されているもの及びMetalure(登録商標)でEckart社によって販売されているもの等のアルミニウム粒子、並びに金属層でコーティングされたガラス粒子、とりわけJP-A-09188830、JP-A-10158450、JP-A-10158541、JP-A-07258460及びJP-A-05017710に記載のものが含まれる。
【0586】
再び、金属の層でコーティングされた鉱物性基材を含む反射性粒子の一例としてまた、銀でコーティングされたホウケイ酸塩の基材を含む粒子を挙げることができる。
【0587】
小平板状の形態にある、銀でコーティングされたガラス基材を有する粒子は、Microglass Metashine REFSX 2025 PSの名称でToyal社によって販売されている。ニッケル/クロム/モリブデン合金でコーティングされたガラス基材を有する粒子は、Crystal Star GF 550及びGF 2525の名称でこの同じ会社によって販売されている。
【0588】
また、銀、アルミニウム、鉄、クロム、ニッケル、モリブデン、金、銅、亜鉛、スズ、マグネシウム、鋼、ブロンズ又はチタン等の金属性基材を含む粒子を使用することもでき、前記基材は、少なくとも1つの金属酸化物、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化セリウム、酸化クロム、酸化ケイ素及びそれらの混合物の、少なくとも1つの層でコーティングされている。
【0589】
挙げることができる例には、Visionaireの名称でEckart社によって販売されている、SiO2でコーティングされたアルミニウム粉末、ブロンズ粉末又は銅粉末が含まれる。
【0590】
また、基材、例えば液晶に付着していない干渉顔料(Wacker製Helicones HC)又は干渉ホログラフィックグリッターフレーク(Spectratek社製Geometric Pigments又はSpectra f/x)を挙げることができる。特別な効果の顔料はまた、蛍光顔料(日光で蛍光を発する物質又は紫外線で蛍光を発する物質のいずれにせよ)、リン光顔料、フォトクロミック顔料、サーモクロミック顔料及び例えばQuantum Dots Corporation社によって販売されている量子ドットを含む。
【0591】
本発明において使用することができる様々な顔料により、広範囲の色、及びまた特定の光学効果、例えば、金属効果又は干渉効果を得ることが可能になる。
【0592】
本発明による組成物に使用される顔料のサイズは、一般に、10nmから200μmの間、好ましくは20nmから80μmの間、より優先的には30nmから50μmの間である。
【0593】
顔料は、分散剤によって組成物中に分散していてもよい。
【0594】
分散剤は、分散した粒子をそれらが凝集又は凝結することから保護するように働く。この分散剤は、界面活性剤、オリゴマー、ポリマー又はそれらのいくつかの混合物であってもよく、分散する粒子の表面と強い親和性を有する1つ又は複数の官能基を有する。特に、それらは、顔料の表面に物理的又は化学的に付着することができる。これらの分散剤はまた、連続媒体と適合性又はそれに可溶性の少なくとも1つの官能基を含有する。特に、特に12-ヒドロキシステアリン酸、並びにC8~C20脂肪酸及びポリオール例えばグリセロール又はジグリセロールのエステル、例えば、およそ750g/molの分子質量を有するポリ(12-ヒドロキシステアリン酸)ステアレート、例えばSolsperse 21000の名称でAvecia社によって販売されている製品、参照名Dehymyls PGPHでHenkel社によって販売されているポリグリセリル-2ジポリヒドロキシステアレート(CTFA名)、又はポリヒドロキシステアリン酸、例えば参照名Arlacel P100でUniqema社によって販売されている製品、並びにそれらの混合物が使用される。
【0595】
本発明の組成物において使用することができる他の分散剤として、重縮合脂肪酸の第4級アンモニウム誘導体、例えばAvecia社によって販売されているSolsperse 17000、及びポリジメチルシロキサン/オキシプロピレン混合物、例えば、Dow Corning社によって参照名DC2-5185及びDC2-5225 Cで販売されているものを挙げることができる。
【0596】
組成物において使用される顔料は、有機剤で表面処理されていてもよい。
【0597】
したがって、本発明の文脈で有用な事前に表面処理された顔料は、本発明に従う組成物に分散される前に、有機剤で化学的、電子的、電気化学的、機械化学的又は機械的性質の表面処理に完全に又は部分的に供された顔料、例えば、とりわけCosmetics and Toiletries、1990年2月、第105巻、53~64頁に記載のものである。これらの有機剤は、ワックス、例えば、カルナウバワックス及びビーズワックス;脂肪酸、脂肪アルコール及びその誘導体、例えば、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ステアリルアルコール、ヒドロキシステアリルアルコール、ラウリン酸及びその誘導体、アニオン性界面活性剤;脂肪酸のナトリウム、カリウム、マグネシウム、鉄、チタン、亜鉛又はアルミニウム塩、例えばステアリン酸又はラウリン酸アルミニウム、ジミリスチン酸アルミニウム及び水添牛脂グルタメートのアルミニウム塩;金属アルコキシド;ポリエチレン;(メタ)アクリルポリマー、例えばポリメタクリル酸メチル;アクリレート単位を含有するポリマー及びコポリマー;アルカノールアミン;シリコーン化合物、例えばシリコーン、とりわけポリジメチルシロキサン;フルオロ有機化合物、例えばパーフルオロアルキルエーテル、パーフルオロアルキルホスフェート、ヘキサフルオロプロピレンポリオキシド、パーフルオロポリエーテル;フルオロシリコーン化合物、例えばパーフルオロアルキルシラン;アミノ酸;N-アシルアミノ酸又はその塩;レシチン、イソプロピルトリイソステアリルチタネート、イソステアリルセバケート;並びにそれらの混合物から選択されうる。
【0598】
先に列挙した化合物において挙げた「アルキル」という用語は、とりわけ、1~30個の炭素原子を含有する、好ましくは5~16個の炭素原子を含有するアルキル基を示す。
【0599】
組成物において有用な表面処理された顔料はまた、これらの化合物の混合物で処理されていてもよく、及び/又はいくつかの表面処理を受けていてもよい。
【0600】
本発明の文脈において有用な表面処理された顔料は、当業者に周知の表面処理技術に従って調製されうる、又はそのままで市販されうる。
【0601】
好ましくは、顔料の表面処理は、以下の処理から選択される:
- PEG-シリコーン処理、例えばLCW社によって販売されているAQ表面処理;
- メチコン処理、例えばLCW社によって販売されているSI表面処理;
- ジメチコン処理、例えば、LCW社によって販売されているCovasil 3.05表面処理;
- ジメチコン/トリメチルシロキシシリケート処理、例えばLCW社によって販売されているCovasil 4.05表面処理;
- ミリスチン酸マグネシウム処理、例えば、LCW社によって販売されているMM表面処理;
- ジミリスチン酸アルミニウム処理、例えば、Miyoshi社によって販売されているMI表面処理;
- パーフルオロポリメチルイソプロピルエーテル処理、例えば、LCW社によって販売されているFHC表面処理;
- セバシン酸イソステアリル処理、例えば、Miyoshi社によって販売されているHS表面処理;
- パーフルオロアルキルホスフェート処理、例えば、Daito社によって販売されているPF表面処理;
- アクリレート/ジメチコンコポリマー及びパーフルオロアルキルホスフェート処理、例えば、Daito社によって販売されているFSA表面処理;
- ポリメチルヒドロゲノシロキサン/パーフルオロアルキルホスフェート処理、例えば、Daito社によって販売されているFS01表面処理;
- アクリレート/ジメチコンコポリマー処理、例えば、Daito社によって販売されているASC表面処理;
- イソプロピルチタントリイソステアレート処理、例えば、Daito社によって販売されているITT表面処理;
- アクリレートコポリマー処理、例えば、Daito社によって販売されているAPD表面処理;
- パーフルオロアルキルホスフェート/イソプロピルチタントリイソステアレート処理、例えば、Daito社によって販売されているPF+ITT表面処理。
【0602】
本発明の特定の実施形態によると、分散剤は、染料組成物中にサブミクロンサイズの微粒子形態で有機又は鉱物顔料と共に存在する。
【0603】
「サブミクロン」という用語は、微粒子化法によって微粒子化された粒径を有し、マイクロメートル(μm)未満の平均粒径を有する顔料を指し;特に、平均粒径は、0.1~0.9μm、好ましくは0.2~0.6μmである。
【0604】
一実施形態によると、分散剤及び顔料は、1:4~4:1、特に1.5/3.5~3.5:1又はなおより良好には1.75:3~3:1の分散剤/顔料質量比で存在する。
【0605】
したがって、分散剤は、シリコーン骨格、例えば、シリコーンポリエーテル及び先に記載したアルコキシシラン以外のアミノシリコーンタイプの分散剤を有してもよい。中でも挙げることができる好適な分散剤は、
- アミノシリコーン、すなわち、1つ又は複数のアミノ基を含むシリコーン、例えば、名称及び参照名:BYK LPX 21879でBYK社によって販売されているもの、GP-4、GP-6、GP-344、GP-851、GP-965、GP-967及びGP-988-1でGenesee Polymers社によって販売されているもの、
- シリコーンアクリレート、例えば、名称及び参照名Tego(登録商標)RC 902、Tego(登録商標)RC 922、Tego(登録商標)RC 1041及びTego(登録商標)RC 1043でEvonik社によって販売されているもの、
- カルボキシル基を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)シリコーン、例えば、名称及び参照名X-22162及びX-22370でShin-Etsu社によって販売されているもの、エポキシシリコーン、例えば、名称及び参照名GP-29、GP-32、GP-502、GP-504、GP-514、GP-607、GP-682及びGP-695でGenesee Polymers社によって、又はTego(登録商標)RC 1401、Tego(登録商標)RC 1403及びTego(登録商標)RC 1412でEvonik社によって販売されているもの
である。
【0606】
特定の実施形態によると、分散剤は、先に記載のアルコキシシラン以外のアミノシリコーンタイプのものであり、カチオン性である。
【0607】
好ましくは、顔料は、鉱物、混合鉱物-有機又は有機顔料から選択される。
【0608】
本発明の特定の変形例によると、本発明による顔料は、有機顔料、優先的には、シリコーン化合物から選択される有機剤で表面処理された有機顔料である。
【0609】
本発明の別の実施形態によると、本発明による顔料は、鉱物顔料である。
【0610】
本発明による組成物C1若しくはC2、又は本発明における使用に好適な組成物CRは、少なくとも1つの化粧料活性剤CAAを含んでもよく、前記化粧料活性剤は、好ましくは、1つ又は複数の直接染料を含む。
【0611】
本発明による組成物C3、又は本発明における使用に好適な組成物CACは、少なくとも1つの化粧料活性剤CAAを含み、前記化粧料活性剤は、好ましくは、1つ又は複数の直接染料を含む。
【0612】
「直接染料」という用語は、酸化染料以外の天然及び/又は合成染料を意味する。これらは、繊維の表面上に拡がる染料である。それらは、イオン性又は非イオン性、好ましくは、カチオン性又は非イオン性であってもよい。
【0613】
本発明における使用に好適な直接染料の中でも、単独又は混合物の形態の、アゾ直接染料;(ポリ)メチン染料、例えば、シアニン、ヘミシアニン及びスチリル;カルボニル染料;アジン染料;ニトロ(ヘテロ)アリール染料;トリ(ヘテロ)アリールメタン染料;ポルフィリン染料;フタロシアニン染料及び天然直接染料を挙げることができる。
【0614】
直接染料は、好ましくは、カチオン性直接染料である。下記式(A)及び(B)のヒドラゾノカチオン性染料及び下記式(C)及び(D)のアゾカチオン性染料を挙げることができる:
Het+-N(Ra)-N=C(Rb)-Ar, Q- (B)
Het+-N=N-Ar, Q- (C)
Ar+-N=N-AR'', Q- (D)
[式中、
- Het+は、優先的には少なくとも1つの(C1~C8)アルキル基、例えばメチルで、任意選択で置換された、優先的には環内カチオン電荷を有するカチオン性ヘテロアリール基、例えばイミダゾリウム、インドリウム、又はピリジニウムを表し;
- Ar+は、環外カチオン電荷、優先的にはアンモニウム、特にトリ(C1~C8)アルキルアンモニウム、例えばトリメチルアンモニウムを有する、アリール基、例えばフェニル又はナフチルを表し;
- Arは、優先的には1つ若しくは複数の電子供与基、例えば、任意選択で置換された(C1~C8)アルキル、任意選択で置換された(C1~C8)アルコキシ、アルキル基上でヒドロキシル基で、任意選択で置換された(ジ)(C1~C8)(アルキル)アミノ、アリール(C1~C8)アルキルアミノ、及び任意選択で置換されたN-(C1~C8)アルキル-N-アリール(C1~C8)アルキルアミノで、任意選択で置換されたアリール基、とりわけフェニルを表し、或いは、Arは、ジュロリジン基を表し;
- Ar''は、任意選択で置換された(ヘテロ)アリール基、例えば、優先的には1つ又は複数の(C1~C8)アルキル基、ヒドロキシル基、(ジ)(C1~C8)(アルキル)アミノ基、(C1~C8)アルコキシ基、又はフェニル基で、任意選択で置換されたフェニル又はピラゾリルを表し、
- Ra及びRbは、同じであっても異なっていてもよく、水素原子又は優先的にはヒドロキシル基で、任意選択で置換された(C1~C8)アルキル基を表し;
又はその他に、Het+の置換基を有する置換基Ra及び/又はAr形態の置換基を有するRbは、それらを有する原子と一緒に、(ヘテロ)シクロアルキルを形成し;特に、Ra及びRbは、水素原子、又はヒドロキシル基で、任意選択で置換された(C1~C4)アルキルを表し;
- Q-は、有機又は鉱物アニオン性対イオン、例えば、ハロゲン化物又はアルキルサルフェートを表す]。
【0615】
特に、先に定義した通りの式(A)~(D)の環内カチオン電荷を有するアゾ及びヒドラゾノ直接染料、より特には、特許出願WO95/15144、WO95/01772及びEP714954に記載の環内カチオン電荷を有するカチオン性直接染料、優先的には、式(E)及び(F)の以下の直接染料を挙げることができる:
【0616】
【0617】
[式中、
- R1は、(C1~C4)アルキル基、例えばメチルを表し;
- R2及びR3は同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は(C1~C4)アルキル基、例えばメチルを表し;
- R4は、水素原子、又は電子供与基、例えば任意選択で置換された(C1~C8)アルキル、任意選択で置換された(C1~C8)アルコキシ、若しくはアルキル基上でヒドロキシル基で、任意選択で置換された(ジ)(C1~C8)(アルキル)アミノを表し、特に、R4は水素原子であり;
- Zは、CH基又は窒素原子、優先的にはCHを表し;
- Q-は、先に定義した通りのアニオン性対イオン、特にハロゲン化物、例えば、塩化物又はアルキルサルフェート、例えば、メチルサルフェート又はメシルである]。
【0618】
特に、式(E)及び(F)の染料は、Basic Red 51、Basic Yellow 87及びBasic Orange 31又はそれらの誘導体から選択され、Q-は先に定義した通りのアニオン性対イオン、特にハロゲン化物、例えば、塩化物又はアルキルサルフェート、例えば、メチルサルフェート又はメシルである。
【0619】
直接染料は、アニオン性直接染料から選択されうる。本発明のアニオン性直接染料は、アルカリ性物質へのその親和性のために「酸」直接染料と一般に呼ばれる。
【0620】
「アニオン性直接染料」という用語は、その構造に少なくとも1つのCO2R'置換基又はSO3R'置換基(R'は、水素原子、又は金属若しくはアミンに由来するカチオン、又はアンモニウムイオンである)を含む任意の直接染料を意味する。
【0621】
アニオン性直接染料は、直接ニトロ酸染料、アゾ酸染料、アジン酸染料、トリアリールメタン酸染料、インドアミン酸染料、アントラキノン酸染料、インジゴイド染料及び天然酸染料から選択されうる。
【0622】
本発明における使用に好適な直接アニオン性染料として、下記式(G)、(G')、(H)、(H')、(J)、(J')、(K)、(K')、(L)、(M)、(N)及び(O)の染料を挙げることができる:
a)下記式(G)及び(G')のアニオン性アゾ染料:
【0623】
【0624】
[式中、R7、R8、R9、R10、R'7、R'8、R'9及びR'10は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は
- アルキル;
- アルコキシ、アルキルチオ;
- ヒドロキシル、メルカプト;
- ニトロ、ニトロソ;
- R°-C(X)-X'-、R°-X'-C(X)-、R°-X'-C(X)-X''-[R°は、水素原子、又はアルキル基若しくはアリール基を表し;X、X'及びX''は、同一であっても異なっていてもよく、酸素原子若しくは硫黄原子、又はNR(Rは、水素原子又はアルキル基を表す)を表す];
- (O)2S(O-)-, M+(M+は、水素原子又はカチオン性対イオンを表す);
- (O)CO--, M+(M+は先に定義した通りである);
- R''-S(O)2-[R''は、水素原子、又はアルキル、アリール、(ジ)(アルキル)アミノ若しくはアリール(アルキル)アミノ基、優先的にはフェニルアミノ又はフェニル基を表す];
- R'''-S(O)2-X'-(R'''は、任意選択で置換されたアルキル又はアリール基を表し、X'は先に定義した通りである);
- (ジ)(アルキル)アミノ;
- i)ニトロ;ii)ニトロソ;iii)(O)2S(O-)-, M+、及びiv)アルコキシ(M+は先に定義した通りである)から選択される1つ又は複数の基で、任意選択で置換されたアリール(アルキル)アミノ;
- 任意選択で置換されたヘテロアリール;優先的にはベンゾチアゾリル基;
- シクロアルキル、とりわけシクロヘキシル;
- Ar-N=N-[Arは、任意選択で置換されたアリール基;優先的には、1つ又は複数のアルキル、(O)2S(O-)-, M+又はフェニルアミノ基で、任意選択で置換されたフェニルを表す];
- 或いは2つの連続した基R7とR8、又はR8とR9、又はR9とR10は一緒に、縮合ベンゾ基A'を形成し;R'7とR'8、又はR'8とR'9、又はR'9とR'10は、一緒に、縮合ベンゾ基B'を形成し;A'及びB'は、ニトロ;ニトロソ;(O)2S(O-)-, M+;ヒドロキシル;メルカプト;(ジ)(アルキル)アミノ;R°-C(X)-X'-、R°-X'-C(X)-、R°-X'-C(X)-X''-から選択される1つ又は複数の基で、任意選択で置換されており;
任意選択で置換されたAr-N=N-及びアリール(アルキル)アミノ(M+、R°、X、X'、X''及びArは、先に定義した通りである)
から選択される基を表し;
また、式中、
- Wは、シグマ結合σ、酸素原子若しくは硫黄原子、又は二価基-NR-(Rは先に定義した通りである)、又はメチレン-C(Ra)(Rb)-(Ra及びRbは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はアリール基を表す)を表し、或いはRa及びRbは、それらを有する炭素原子と一緒にスピロシクロアルキルを形成し;優先的には、Wは、硫黄原子を表し、又はRa及びRbは、一緒にシクロヘキシルを形成し;
式(G)及び(G')は、環A、A'、B、B'又はC上に少なくとも1つのスルホン酸基(O)2S(O-)-, M+又は1つのカルボキシレート基(O)CO--, M+;優先的には、スルホン酸ナトリウムを含むことが理解される]。
【0625】
式(G)の染料の例としては、Acid Red 1、Acid Red 4、Acid Red 13、Acid Red 14、Acid Red 18、Acid Red 27、Acid Red 28、Acid Red 32、Acid Red 33、Acid Red 35、Acid Red 37、Acid Red 40、Acid Red 41、Acid Red 42、Acid Red 44、Pigment Red 57、Acid Red 68、Acid Red 73、Acid Red 135、Acid Red 138、Acid Red 184、Food Red 1、Food Red 13、Acid Orange 6、Acid Orange 7、Acid Orange 10、Acid Orange 19、Acid Orange 20、Acid Orange 24、Yellow 6、Acid Yellow 9、Acid Yellow 36、Acid Yellow 199、Food Yellow 3;Acid Violet 7、Acid Violet 14、Acid Blue 113、Acid Blue 117、Acid Black 1、Acid Brown 4、Acid Brown 20、Acid Black 26、Acid Black 52、Food Black 1、Food Black 2;Food Yellow 3又はSunset Yellowを挙げることができ;式(G')の染料の例としては、Acid Red 111、Acid Red 134、Acid Yellow 38を挙げることができる。
【0626】
b)下記式(H)及び(H')のピラゾロンアニオン性アゾ染料:
【0627】
【0628】
[式中、
- R11、R12及びR13は、同一であっても異なっていてもよく、水素若しくはハロゲン原子、アルキル基又は-(O)2S(O-), M+(M+は、先に定義した通りである)を表し、
- R14は、水素原子、アルキル基又は基-C(O)O-, M+(M+は先に定義した通りである)を表し;
- R15は、水素原子を表し;
- R16は、オキソ基を表し、この場合、R'16は存在しないか、或いはR15とR16は一緒に、二重結合を形成し;
- R17及びR18は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、又は
- (O)2S(O-)-, M+(M+は、先に定義した通りである);
- Ar-O-S(O)2-(Arは、任意選択で置換されたアリール基、優先的には、1つ又は複数のアルキル基で、任意選択で置換されたフェニルを表す)
から選択される基を表し;
- R19及びR20は一緒に、二重結合、又は任意選択で置換されたベンゾ基D'のいずれかを形成し;
- R'16、R'19及びR'20は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、又はアルキル若しくはヒドロキシル基を表し;
- R21は、水素原子、又はアルキル若しくはアルコキシ基を表し;
- Ra及びRbは、同一であっても異なっていてもよく、先に定義したものであり、優先的にはRaは水素原子を表し、Rbはアリール基を表し;
- Yは、ヒドロキシル基又はオキソ基のいずれかを表し;
【0629】
【0630】
は、Yがオゾ基である場合、単結合を表し;Yがヒドロキシル基を表す場合、二重結合を表し;
式(H)及び(H')は、環D又はE上に少なくとも1つのスルホン酸基(O)2S(O-)-, M+又は1つのカルボキシレート基-C(O)O-, M+;優先的には、スルホン酸ナトリウムを含むことが理解される]。
【0631】
式(H)の染料の例としては、Acid Red 195、Acid Yellow 23、Acid Yellow 27、Acid Yellow 76を挙げることができ、式(H')の染料の例として、Acid Yellow 17を挙げることができる。
【0632】
c)下記式(J)及び(J')のアントラキノン染料:
【0633】
【0634】
(式中、R22、R23、R24、R25、R26及びR27は、同一であっても異なっていてもよく、水素若しくはハロゲン原子、又は
- アルキル;
- ヒドロキシル、メルカプト;
- アルコキシ、アルキルチオ;
- 任意選択で置換された、優先的には、アルキル及び(O)2S(O-)-, M+(M+は先に定義した通りである)から選択される1つ又は複数の基で置換されたアリールオキシ又はアリールチオ;
- アルキル及び(O)2S(O-)-, M+(M+は、先に定義した通りである)から選択される1つ又は複数の基で、任意選択で置換されているアリール(アルキル)アミノ;
- (ジ)(アルキル)アミノ;
- (ジ)(ヒドロキシアルキル)アミノ;
- (O)2S(O-)-, M+(M+は、先に定義した通りである)
から選択される基を表し;
また、式中、
- Z'は、水素原子又は基NR28R29を表し、R28及びR29は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、又は
- アルキル;
- ポリヒドロキシアルキル、例えばヒドロキシエチル;
- 1つ又は複数の基、特にi)アルキル、例えばメチル、n-ドデシル、n-ブチル;ii)、(O)2S(O-)-, M+(M+は、先に定義した通りである)、iii)R°-C(X)-X'-、R°-X'-C(X)-、R°-X'-C(X)-X''-(R°、X、X'及びX''は、先に定義したであり、優先的には、R°は、アルキル基を表す)で、任意選択で置換されているアリール;
- シクロアルキル;とりわけシクロヘキシル
から選択される基を表し;
Zは、ヒドロキシル及びNR'28R'29(R'28及びR'29は、同一であっても異なっていてもよく、先に定義した通りのR28及びR29と同じ原子又は基を表す)から選択される基を表し;
式(J)及び(J')は、少なくとも1つのスルホン酸基(O)2S(O-)-, M+又は1つのカルボキシレート基-C(O)O-, M+;優先的には、スルホン酸ナトリウムを含むことが理解される]。
【0635】
式(J)の染料の例としては、Acid Blue 25、Acid Blue 43、Acid Blue 62、Acid Blue 78、Acid Blue 129、Acid Blue 138、Acid Blue 140、Acid Blue 251、Acid Green 25、Acid Green 41、Acid Violet 42、Acid Violet 43、Mordant Red 3;EXT Violet No. 2を挙げることができ;式(J')の染料の例として、Acid Black 48を挙げることができる。
【0636】
d)下記式(K)及び(K')のニトロ染料:
【0637】
【0638】
[式中、R30、R31及びR32は、同一であっても異なっていてもよく、水素若しくはハロゲン原子、又は
- アルキル;
- 1つ又は複数のヒドロキシル基で、任意選択で置換されたアルコキシ、1つ又は複数のヒドロキシル基で、任意選択で置換されたアルキルチオ;
- ヒドロキシル、メルカプト;
- ニトロ、ニトロソ;
- ポリハロアルキル;
- R°-C(X)-X'-、R°-X'-C(X)-、R°-X'-C(X)-X''-(R°、X、X'及びX''は先に定義した通りである);
- (O)2S(O-)-, M+(M+は、先に定義した通りである);
- (O)CO--, M+(M+は先に定義した通りである);
- (ジ)(アルキル)アミノ;
- (ジ)(ヒドロキシアルキル)アミノ;
- ヘテロシクロアルキル、例えば、ピペリジノ、ピペラジノ又はモルホリノ
から選択される基を表し;特に、R30、R31及びR32は水素原子を表し;
また、式中、
- Rc及びRdは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はアルキル基を表し;
- Wは先に定義した通りであり;Wは、特に、-NH-基を表し;
- ALKは、直鎖状又は分岐状二価C1~C6アルキレン基を表し;特に、ALKは、-CH2-CH2-基を表し;
- nは、1又は2であり;
- pは、端値を含む1から5の間の整数を表し;
- qは、端値を含む1から4の間の整数を表し;
- uは、0又は1であり;
- nが1である場合、Jは、ニトロ又はニトロソ基;特にニトロを表し;
- nが2である場合、Jは、酸素若しくは硫黄原子、又は二価基-S(O)m-(mは、整数1又は2を表し;優先的には、Jは、-SO2-基を表し;
- M'は、水素原子又はカチオン性対イオンを表し;
【0639】
【0640】
は、存在してもしなくてもよく、先に定義した通りの1つ又は複数の基R30で、任意選択で置換されたベンゾ基を表し;
式(K)及び(K')は、少なくとも1つのスルホン酸基(O)2S(O-)-, M+又は1つのカルボキシレート基-C(O)O-, M+;優先的には、スルホン酸ナトリウムを含むことが理解される]。
【0641】
式(K)の染料の例としては、Acid Brown 13及びAcid Orange 3を挙げることができ;式(K')の染料の例としては、Acid Yellow 1、2,4-ジニトロ-1-ナフトール-7-スルホン酸、2-ピペリジノ-5-ニトロベンゼンスルホン酸、2-(4'-N,N-(2''-ヒドロキシエチル)アミノ-2'-ニトロ)アニリンエタンスルホン酸、4-β-ヒドロキシエチルアミノ-3-ニトロンベンゼンスルホン酸のナトリウム塩;EXT D&C Yellow 7を挙げることができる。
【0642】
e)下記式(L)のトリアリールメタン染料:
【0643】
【0644】
[式中、
- R33、R34、R35及びR36は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、又はアルキル、任意選択で置換されたアリール及び任意選択で置換されたアリールアルキルから選択される基;特に、基(O)mS(O-)-, M+(M+及びmは先に定義した通りである)で、任意選択で置換されたアルキル及びベンジル基を表し;
- R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43及びR44は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、又は
- アルキル;
- アルコキシ、アルキルチオ;
- (ジ)(アルキル)アミノ;
- ヒドロキシル、メルカプト;
- ニトロ、ニトロソ;
- R°-C(X)-X'-、R°-X'-C(X)-、R°-X'-C(X)-X''-[R°は、水素原子、又はアルキル若しくはアリール基を表し;X、X'及びX''は、同一であっても異なっていてもよく、酸素若しくは硫黄原子、又はNR(Rは、水素原子又はアルキル基を表す)を表す];
- (O)2S(O-)-, M+(M+は、水素原子又はカチオン性対イオンを表す);
- (O)CO--, M+(M+は先に定義した通りである)
から選択される基を表し;
- 或いは、2つの連続した基R41とR42、又はR42とR43、又はR43とR44は一緒に、縮合ベンゾ基:I'(I'は、ニトロ;ニトロソ;(O)2S(O-)-, M+;ヒドロキシル;メルカプト;(ジ)(アルキル)アミノ;R°-C(X)-X'-;R°-X'-C(X)-及びR°-X'-C(X)-X''-(M+、R°、X、X'及びX''は先に定義した通りである)から選択される1つ又は複数の基で、任意選択で置換されている)を形成し;
特に、R37~R40は、水素原子を表し、R41~R44は、同一であっても異なっていてもよく、ヒドロキシル基又は(O)2S(O-)-, M+を表し;R43とR44が一緒にベンゾ基を形成する場合、これは、優先的には、(O)2S(O-)-基で置換されており;
環G、H、I又はI'は、少なくとも1つのスルホン酸基(O)2S(O-)-又は1つのカルボキシレート基-C(O)O-;優先的には、スルホネートを含むことが理解される。
【0645】
式(L)の染料の例としては、Acid Blue 1、Acid Blue 3、Acid Blue 7、Acid Blue 9、Acid Violet 49、Acid Green 3、Acid Green 5、Acid Green 50を挙げることができる。
【0646】
f)式(M)のキサンテン系染料:
【0647】
【0648】
[式中、R45、R46、R47及びR48は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はハロゲン原子を表し、R49、R50、R51及びR52は、同一であっても異なっていてもよく、水素若しくはハロゲン原子、又は
- アルキル;
- アルコキシ、アルキルチオ;
- ヒドロキシル、メルカプト;
- ニトロ、ニトロソ;
- (O)2S(O-)-, M+(M+は、水素原子又はカチオン性対イオンを表す);
- (O)CO--, M+(M+は先に定義した通りである)
から選択される基を表し;
特に、R53、R54、R55及びR48は、水素又はハロゲン原子を表し;
また、式中、
- Gは、酸素若しくは硫黄原子、又は基NRe(Reは、先に定義した通りである)を表し;特に、Gは、酸素原子を表し;
- Lは、アルコキシドO-, M+;チオアルコキシS-, M+又は基NRf(Rfは、水素原子又はアルキル基を表し、M+は上で定義した通りであり;M+は、特にナトリウム又はカリウムである)を表し;
- L'は、酸素若しくは硫黄原子又はアンモニウム基:N+RfRg(Rf及びRgは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、又は任意選択で置換されたアルキル若しくはアリール基を表す)を表し;L'は、特に、酸素原子、又は1つ若しくは複数のアルキル若しくは(O)mS(O-)-, M+基(m及びM+は先に定義した通りである)で、任意選択で置換されたフェニルアミノ基を表し;
- Q及びQ'は、同一であっても異なっていてもよく、酸素又は硫黄原子を表し;特に、Q及びQ'は、酸素原子を表し;
- M+は、先に定義した通りである]。
【0649】
式(M)の染料の例としては、Acid Yellow 73、Acid Red 51、Acid Red 52、Acid Red 87、Acid Red 92、Acid Red 95、Acid Violet 9を挙げることができる。
【0650】
g)式(N)のインドール系染料:
【0651】
【0652】
(式中、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59及びR60は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は
- アルキル;
- アルコキシ、アルキルチオ;
- ヒドロキシル、メルカプト;
- ニトロ、ニトロソ;
- R°-C(X)-X'-、R°-X'-C(X)-、R°-X'-C(X)-X''-[R°は、水素原子、又はアルキル若しくはアリール基を表し;X、X'及びX''は、同一であっても異なっていてもよく、酸素若しくは硫黄原子、又はNR(Rは、水素原子又はアルキル基を表す)を表す];
- (O)2S(O-)-, M+(M+は、水素原子又はカチオン性対イオンを表す);
- (O)CO--, M+(M+は先に定義した通りである)
から選択される基を表し;
また、式中、
- Gは、酸素若しくは硫黄原子、又はNRe基(Reは、先に定義した通りである)を表し;特に、Gは、酸素原子を表し;
- Ri及びRhは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はアルキル基を表し;
式(N)は、少なくとも1つのスルホン酸基(O)2S(O-)-, M+又は1つのカルボキシレート基-C(O)O-, M+;優先的には、スルホン酸ナトリウムを含むことが理解される)。
【0653】
式(N)の染料の例としては、Acid Blue 74を挙げることができる。
【0654】
h)下記式(O)のキノリン系染料:
【0655】
【0656】
[式中、
- R61は、水素若しくはハロゲン原子又はアルキル基を表し、
- R62、R63及びR64は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は(O)2S(O-)-, M+基(M+は、水素原子又はカチオン性対イオンを表す)を表し;
或いは、R61とR62、又はR61とR64は一緒に、1つ又は複数の基(O)2S(O-)-, M+(M+は、水素原子又はカチオン性対イオンを表す)で、任意選択で置換されているベンゾ基を形成し、
式(XVII)は、少なくとも1つのスルホン酸基(O)2S(O-)-, M+、優先的にはスルホン酸ナトリウムを含むことが理解される]。
【0657】
式(O)の染料の例としては、Acid Yellow 2、Acid Yellow 3及びAcid Yellow 5を挙げることができる。
【0658】
本発明に従って使用することができる天然直接染料の中でも、ローソン、ジュグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテクアルデヒド、インジゴ、イサチン、クルクミン、スピヌロシン、アピゲニジン及びオルセインを挙げることができる。また、これらの天然染料を含有する抽出物又は浸出液、とりわけヘナ系湿布剤若しくは抽出物を使用することもできる。
【0659】
好ましくは、直接染料は、アニオン性直接染料から選択される。
【0660】
染料、好ましくは顔料は、それらを含有する組成物の総質量に対して、0.01質量%~30質量%、好ましくは0.02質量%~20質量%、より特には0.05質量%~15質量%の範囲の濃度で存在してもよい。
【0661】
直接染料は、組成物の総質量に対して0.001質量%~10質量%、好ましくは、それらを含有する組成物の総質量に対して0.005質量%~5質量%の範囲の濃度で存在してもよい。
【0662】
好ましくは、化粧料活性剤CAA、特に染料、より特には顔料は、組成物C3を調製するために検討中の組成物C1に導入される。
【0663】
ケア活性剤
組成物C1、C2又は本発明における使用に好適な組成物CRは、化粧料活性剤として、好ましくは、検討中の組成物の総質量に対して少なくとも0.01質量%の量の少なくとも1つのケア活性剤を含んでもよい。
【0664】
本発明の特定の形態によると、本発明による組成物C3又は本発明における使用に好適な組成物CACは、化粧料活性剤として、好ましくは、検討中の組成物の総質量に対して少なくとも0.01質量%の量の少なくとも1つのケア活性剤を含む。
【0665】
特に、ケア活性剤は、少なくとも1つの親水性活性剤及び/又は1つの親油性活性剤、好ましくは親水性ケア活性剤であってもよい。
【0666】
「親水性活性剤」という用語は、水素結合を形成することが可能な水溶性又は水分散性活性剤を意味する。
【0667】
化粧料ケア活性剤は、とりわけ、
- ビタミン及びその誘導体、とりわけ、そのエステル、特にトコフェロール(ビタミンE)及びそのエステル(例えば、酢酸トコフェリル)、アスコルビン酸(ビタミンC)及びその誘導体;
- 保水剤、特に、ウレア、ヒドロキシウレア、グリセロール、ポリグリセロール、グリセリルグルコシド、ジグリセリルグルコシド、ポリグリセリルグルコシド及びキシリチルグルコシド、特にグリセロール;
- C-グリコシド化合物;
- 酸化防止化合物;
- 老化防止活性剤、特に、ヒアルロン酸化合物、とりわけヒアルロン酸ナトリウム、レチノール及びその誘導体、サリチル酸化合物、特に5-n-オクタノイルサリチル酸(カプリロイルサリチル酸)、カフェイン、アデノシン、C-β-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン及び(3-ヒドロキシ-2-ペンチルシクロペンチル)酢酸のナトリウム塩;
- アラントイン、ペンテノール及びタンパク質加水分解物から選択されるスキンケア剤;
- 有毒剤、特にポリフェノール、とりわけエスシン、ラスカス、ジオスミン、ヘスペリジン、レスベラトロール、並びに
- それらの混合物
から選択されうる。
【0668】
好ましくは、少なくとも1つのケア活性剤は、少なくとも1つのスキンケア活性剤を含む。
【0669】
好ましくは、少なくとも1つのケア活性剤は、少なくとも1つの保湿剤(保水剤とも呼ばれる)を含み、好ましくは、少なくともグリセロールを含む。
【0670】
本発明の特定の形態によると、本発明による組成物C1、C2又は本発明における使用に好適な組成物CRは、化粧料活性剤として、少なくとも1つのケア活性剤、好ましくは、少なくとも1つの保湿剤(保水剤とも呼ばれる)を含んでもよい。
【0671】
本発明の特定の形態によると、本発明による組成物C3又は本発明における使用に好適な組成物CACは、化粧料活性剤として、少なくとも1つのケア活性剤、好ましくは、少なくとも1つの保湿剤(保水剤とも呼ばれる)を含む。
【0672】
好ましくは、ケア活性剤は保湿剤であり、特にグリセリン(グリセロール)である。
【0673】
ケア活性剤は、特に、組成物の総質量に対して0.01質量%~30質量%量、好ましくは0.02質量%~25質量%の範囲の含有量で、検討中の組成物中に存在してもよい。
【0674】
好ましくは、ケア活性剤、特にグリセロールは、組成物C1に導入される。
【0675】
UV遮蔽剤
本発明による組成物C1若しくはC2、又は本発明における使用に好適な組成物CRは、化粧料活性剤として、少なくとも1つのUV遮蔽剤を含んでもよい。
【0676】
本発明による組成物C3又は本発明における使用に好適な組成物CACは、化粧料活性剤として、少なくとも1つのUV遮蔽剤を含む。
【0677】
UV遮蔽剤は、化粧料において通常使用されるUV遮蔽剤である。それは、化粧品として認可されたUV遮蔽剤のリストを規定している(EC)規則No.1223/2009のAnnex VIに含有されるポジティブリストから選択されうる。
【0678】
本発明における使用に好適なUV遮蔽剤は、様々な性質のものであってもよい。
【0679】
それらは、親油性、親水性又は不溶性有機剤であってもよい。
【0680】
「親油性UV遮蔽剤」という用語は、液体脂肪相に分子形態で完全に溶解しうる、又は液体脂肪相にコロイド形態で(例えば、ミセル形態で)溶解しうる、任意の化粧用又は皮膚用遮蔽剤を意味する。
【0681】
「親水性UV遮蔽剤」という用語は、液体水性相に分子形態で完全に溶解しうる、又は液体水性相にコロイド形態で(例えばミセル形態で)溶解しうる、任意の化粧用又は皮膚用遮蔽剤を意味する。
【0682】
「不溶性UV遮蔽剤」という用語は、親油性UV遮蔽剤又は親水性UV遮蔽剤のいずれかとして定義されず、水性相又は液体脂肪相中の粒子の形態にある任意の化粧用又は皮膚用遮蔽剤を意味する。
【0683】
本発明による組成物のUV遮蔽剤は、UVA及び/又はUVB光防護をもたらすことができる。
【0684】
好ましい実施形態によると、好ましくは化粧用組成物である本発明による組成物は、少なくとも1つの有機及び/又は鉱物UV遮蔽剤(日光のUV照射を遮蔽するため)を含んでもよい。
【0685】
特に、本発明による組成物C1若しくはC2、又は本発明における使用に好適な組成物CRは、化粧料活性剤として、親水性有機UV遮蔽剤、親油性有機UV遮蔽剤、不溶性有機UV遮蔽剤、鉱物遮蔽剤及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのUV遮蔽剤を含んでもよい。
【0686】
特に、本発明による組成物C3、又は本発明における使用に好適な組成物CACは、化粧料活性剤として、親水性有機UV遮蔽剤、親油性有機UV遮蔽剤、不溶性有機UV遮蔽剤、鉱物遮蔽剤及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのUV遮蔽剤を含んでもよい。
【0687】
特に、これら組成物は、ビス-レゾルシニルトリアジン誘導体、ジベンジルメタン誘導体、ベンジリデンカンファー誘導体、及びそれらの混合物から選択される1つ又は複数のUV遮蔽剤を含んでもよい。
【0688】
有機UV遮蔽剤はまた、アントラニル酸誘導体;ケイ皮酸誘導体;サリチル酸誘導体;ベンゾフェノン誘導体;フェニルベンゾトリアゾール誘導体;ベンザルマロン酸誘導体、とりわけ特許US5624663で挙げられているもの;フェニルベンズイミダゾール誘導体;イミダゾリン;4,4-ジアリルブタジエン誘導体;特許EP669323及びUS2463264に記載の通りのビス-ベンザゾリル誘導体;p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体;特許出願US5237071、US5166355、GB2303549、DE19726184及びEP893119に記載の通りのメチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体;ベンズオキサゾール誘導体、例えば、特許出願EP0832642、EP1027883、EP1300137及びDE10162844に記載のもの;遮蔽ポリマー及び遮蔽シリコーン、例えば、とりわけ特許出願WO93/04665に記載のもの;α-アルキルスチレン系ダイマー、例えば、特許出願DE19855649に記載のもの;4,4-ジアリルブタジエン、例えば、特許出願EP0967200、DE19746654、DE19755649、EP1008586、EP1133980及びEP133981に記載のもの;他のメロシアニン誘導体、例えば、特許出願WO04/006878、WO05/058269及びWO06/032741に記載のもの、並びにそれらの混合物から選択されうる。
【0689】
特定の実施形態によると、本発明による組成物中の有機UV遮蔽剤の濃度は、組成物の総質量に対して、1質量%~50質量%、好ましくは1質量%~40質量%の範囲、なおより良好には、例えば5質量%~35質量%の範囲である。
【0690】
本発明による組成物はまた、一般に、顔料である鉱物UV遮蔽剤を含んでもよい。顔料は、コーティングされていてもされていなくてもよい。
【0691】
コーティングされた顔料は、例えば、Cosmetics & Toiletries、1990年2月、105巻、53~64頁に記載の化合物、例えば、アミノ酸、ビーズワックス、脂肪酸、脂肪アルコール、アニオン性界面活性剤、レシチン、脂肪酸のナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄若しくはアルミニウム塩、金属アルコキシド(チタン若しくはアルミニウムのアルコキシド)、ポリエチレン、シリコーン、タンパク質(コラーゲン、エラスチン)、アルカノールアミン、酸化ケイ素、金属酸化物、又はヘキサメタリン酸ナトリウム等の、1つ又は複数の化学的、電子的、機械化学的及び/又は機械的な性質の表面処理を受けた顔料である。
【0692】
公知のように、シリコーンは、好適に官能化されたシランの重合及び/又は重縮合によって得られる、様々な分子量の直鎖状又は環状、分岐状又は架橋構造の有機ケイ素ポリマー又はオリゴマーであり、ケイ素原子が酸素原子を介して互いに連結し(シロキサン結合)、任意選択で置換された炭化水素系基が前記ケイ素原子に炭素原子を介して直接結合している主単位の繰り返しから本質的になる。
【0693】
「シリコーン」という用語はまた、その調製に必要とされるシラン、特にアルキルシランを包含する。
【0694】
本発明に好適な顔料のコーティングに使用されるシリコーンは、好ましくは、アルキルシラン、ポリジアルキルシロキサン及びポリアルキルヒドロゲノシロキサンを含有する群から選択される。更により優先的には、シリコーンは、オクチルトリメチルシラン、ポリジメチルシロキサン及びポリメチルヒドロゲノシロキサンを含有する群から選ばれる。
【0695】
言うまでもなく、金属酸化物顔料は、シリコーンで処理される前に、他の表面剤、特に、酸化セリウム、アルミナ、シリカ、アルミニウム化合物、若しくはケイ素化合物、又はそれらの混合物で処理されていてもよい。
【0696】
したがって、鉱物UV遮蔽剤は、コーティングされた又はコーティングされていない顔料から、特に、コーティングされた酸化チタン顔料、シリコーン処理された酸化チタン、コーティングされていない酸化チタン顔料、コーティングされていない酸化亜鉛顔料、コーティングされた酸化亜鉛顔料、コーティングされていない酸化セリウム顔料、コーティングされていない酸化鉄顔料、コーティングされた酸化鉄顔料、及びそれらの混合物から選択されてもよい。
【0697】
また、金属酸化物の混合物、特に、Ikeda社によってSunveil Aの名称で販売されている、シリカでコーティングされた二酸化チタン及び二酸化セリウムの等質量混合物、並びにまたアルミナ、シリカ及びシリコーンでコーティングされた二酸化チタン及び二酸化亜鉛の混合物、例えばKemira社によって販売されている製品M 261、又はアルミナ、シリカ及びグリセロールでコーティングされた二酸化チタン及び二酸化亜鉛の混合物、例えばKemira社によって販売されている製品M 211を含む二酸化チタン及び二酸化セリウムの混合物を挙げることができる。
【0698】
顔料は、それらの天然形態又は顔料ペーストの形態、すなわち、例えばGB-A-2206339に記載の通りの分散剤との混合物として、本発明による組成物中に導入されてもよい。
【0699】
特定の実施形態によると、本発明による組成物は、鉱物UV遮蔽剤を含まない。
【0700】
特定の実施形態によると、本発明による組成物中に存在する鉱物UV遮蔽剤の量は、組成物の総質量に対する0.01質量%~20質量%の範囲であってもよい。それは、例えば、組成物の総質量に対して1質量%~15質量%の範囲である。
【0701】
特定の実施形態によると、本発明による組成物はまた、1つ又は複数の有機UV遮蔽剤及び1つ又は複数の鉱物UV遮蔽剤を含む。
【0702】
特定の実施形態によると、本発明による組成物は、特許FR2977490、特許出願WO2013/004777、又は特許出願US20140134120に記載の通りのUV遮蔽剤の組合せを含む。
【0703】
好ましくは、水溶性UV遮蔽剤は、組成物C3を調製するために検討中の場合、組成物C1及び/又は少なくとも1つの架橋剤を含有する組成物CRと混合することによって、本発明による組成物中、特に組成物C3中に導入される。
【0704】
好ましくは、脂溶性UV遮蔽剤は、異なる組成物CACを介して本発明による組成物中、特に組成物C3中に導入される。
【0705】
別の好ましい様式によると、鉱物又は不溶性UV遮蔽剤が、組成物C1中に存在する。
【0706】
充填剤
本発明による組成物はまた、組成物の総質量に対して、とりわけ0.01質量%から30質量%の範囲、好ましくはその総質量に対して0.01質量%から20質量%の範囲の含有量で1つ又は複数の充填剤を含んでもよい。
【0707】
「充填剤」という用語は、組成物が製造される温度に関わらず、組成物の媒体に不溶である、任意の形状の無色又は白色の鉱物又は合成粒子を意味する。
【0708】
これらの充填剤は、とりわけ、組成物のレオロジー又はテクスチャーを改変するのに役立ちうる。
【0709】
これらの充填剤の例示として、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ポリ-β-アラニン粉末及びポリエチレン粉末、テトラフルオロエチレンポリマー(Teflon(登録商標))の粉末、ラウロイルリジン、デンプン、窒化ホウ素、ポリ塩化ビニリデン/アクリロニトリルのもの等の中空ポリマーミクロスフェア、例えばExpancel(登録商標)(Nobel Industrie社)、アクリル酸コポリマー、シリコーン樹脂ミクロビーズ(例えば、Toshiba社製のTospearls(登録商標))、ポリオルガノシロキサンエラストマー粒子、沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、ポリウレタン粉末、複合フィラー、中空シリカミクロスフェア、並びにガラス又はセラミックマイクロカプセルを挙げることができる。また、特許出願JP-2003128788及びJP-2000191789に記載の通りの、中空球部分の形態である粒子も使用することができる。
【0710】
他の活性剤
好ましい実施形態によると、本発明による組成物C1若しくはC2若しくはC3、又は本発明における使用に好適な組成物CR若しくはCACは、少なくとも1つの追加の化粧料活性剤を含む。
【0711】
本発明による組成物はまた、化粧料において一般に使用される成分、例えば、増粘剤、ゲル化剤、微量元素、軟化剤、捕捉剤、芳香剤、塩基性化若しくは酸性化剤、分散剤、保存剤、界面活性剤、脱毛中和剤、フケ防止剤、推進剤、極性添加剤、本発明のコポリマーCPとは異なるフィルム形成ポリマー、又はそれらの混合物を含有してもよい。
【0712】
言うまでもなく、当業者は、この若しくはこれらの任意選択の追加化合物、及び/又はその量を、本発明による組成物の有利な性質が、想定される添加により有害な影響を受けない、又は実質的に受けないように選択することに注意するであろう。
【0713】
組成物C1の非限定的な例示として、少なくとも、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、並びに好ましくは少なくとも1つの顔料、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、イソドデカンとは異なる少なくとも1つの不揮発性油、好ましくは2-オクチル-1-デカノール及び好ましくは少なくとも1つの顔料、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル、PDMSメタクリレート及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、並びに好ましくは少なくとも1つの顔料、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、好ましくは、とりわけ2-オクチル-1-デカノール及びイソノニルイソノナノエートから選択されるイソドデカンとは異なる不揮発性油、並びに好ましくは少なくとも1つの顔料、又は
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸ブチル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、並びに好ましくは少なくとも1つの顔料
を含む組成物を挙げることができる。
【0714】
組成物C2又はC3の非限定的な例示として、少なくとも、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)、ポリ(D-グルコサミン)、[4~6%(メルカプトプロピル)メチルシロキサン]ジメチルシロキサンコポリマー及びビス(3-アミノプロピル)-末端ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS-ジNH2)から選択される架橋剤、並びに好ましくは少なくとも1つの顔料、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、ポリ(D-グルコサミン)、ビス(3-アミノプロピル)-末端ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS-ジNH2)ビスセテアリルアモジメチコンから選択される架橋剤、任意選択で、イソドデカンとは異なり、好ましくはイソノニルイソノナノエート及び2-オクチル-1-デカノールから選択される少なくとも1つの不揮発性油、並びに好ましくは少なくとも1つの顔料、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル、PDMSメタクリレート及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、ポリ(D-グルコサミン)及びビス-セテアリルアモジメチコンから選択される架橋剤、並びに好ましくは少なくとも1つの顔料、又は
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸ブチル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、ビス-セテアリルアモジメチコン、並びに好ましくは少なくとも1つの顔料
を含む組成物を挙げることができる。
【0715】
組成物
本発明に従う組成物C1、C2又はC3は、メーキャップ製品、特に皮膚のための有色メーキャップ製品、特に、任意選択でケア特性を有するファンデーション、ブラッシャー、フェースパウダー、アイシャドー、コンシーラー、アイライナー;リップメーキャップ製品、例えば、任意選択でケア特性を有するリップスティック、リップグロス又はリップペンシル;特にケーキマスカラの形態の、外皮、例えば、爪若しくは睫毛のため、又は眉毛及び毛髪のためのメーキャップ製品、又は身体の皮膚に一時的にタトゥーを入れるための製品の形態であってもよい。
【0716】
特定の実施形態によると、本発明による組成物C1、C2又はC3は、
- 唇用の有色製品;
- 又は着色されていてもよい皮膚ケア製品、特に、保湿及び/若しくは充填及び/若しくはテンソル特性を有するクリーム若しくは流体;
- 又は毛髪ケア製品、特に、毛髪染色製品若しくはとりわけ染料を含まないスタイリング製品、例えばラッカー、又はムース若しくはゲルタイプの「スタイリング」製品
のいずれかの形態である。
【0717】
特に、本発明による組成物は、パッチの形態ではない。
【0718】
本発明による組成物を適用するための方法
本発明による組成物C1、C2及びC3は、標的ケラチン物質にそのまま直接適用されてもよく、又は更には、このケラチン物質の表面に直接形成されてもよい。
【0719】
本発明によると、したがって、「1ジェスチャー適用方式」、「2ジェスチャー適用方式」及び「3ジェスチャー適用方式」として公知の3つの適用法は、区別される。
【0720】
「1ジェスチャー適用法」という用語は、本発明に従う単一組成物、つまり上記の通りの少なくとも1つの脂肪相、少なくとも1つのコポリマーCP及び少なくとも1つの架橋剤Rを含む、本発明による組成物C1又は本発明による組成物C2若しくはC3の、標的ケラチン物質への直接適用を意味する。
【0721】
「2ジェスチャー適用法」という用語は、少なくとも1つが本発明による2つの異なる組成物の、標的ケラチン物質への連続適用を意味する。したがって、この2ジェスチャー適用法は、先に定義した通りの、α)少なくとも1つの化粧料活性剤CAAを任意選択で含有する組成物C1、並びにβ)少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CR及び任意選択で、少なくとも1つの化粧料活性剤CAAから選択される第2の組成物の、標的ケラチン物質への順次適用を包含し、CAAは、好ましくは染料である。
【0722】
この適用法によると、工程α)の後に、好ましくは、工程β)が続く。
【0723】
「3ジェスチャー適用法」という用語は、先に定義した通りの、α)1つ又は複数の化粧料活性剤を含む組成物CAC、β)組成物C1及びγ)少なくとも1つの架橋剤Rを含む組成物CRの、標的ケラチン物質への順次適用を意味する。
【0724】
この適用法によると、工程γ)は、好ましくは、前記方法の最後の工程を構成し、より優先的には、工程α)の後に工程β)が続き、それ自体の後に工程γ)が続く。
【0725】
2又は3ジェスチャー適用法において、組成物C1は、従来「ベースコート」と呼ばれ、それに重ねられる組成物、一般に組成物CRは、「トップコート」と呼ばれる。
【0726】
これらの3つの適用法を下記に詳述及び例示する。
【0727】
「1ジェスチャー」適用法
一実施形態によると、単一組成物C1が、ケラチン物質に適用される。
【0728】
別の実施形態によると、単一組成物C2又はC3が、ケラチン物質に適用される。
【0729】
この実施形態によると、組成物C1は、ケラチン物質への適用前に、少なくとも1つの架橋剤R又は組成物CRと、及び任意選択で少なくとも1つの化粧料活性剤CAA又は異なる組成物CACと混合される。
【0730】
有利には、系は、ケラチン物質、例えば、皮膚又は毛髪への適用が可能であるのに十分長く、流体のままである。
【0731】
特定の実施形態によると、組成物C2は、例えば、組成物C1及び架橋剤Rを混合することによって、又は組成物C1及び少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRを混合することによって、ケラチン物質への適用直前に調製される。
【0732】
特定の実施形態によると、得られた組成物C2又はC3は、乾燥ケラチン物質に適用される。
【0733】
特定の実施形態によると、ケラチン物質は、得られた組成物C2又はC3の適用後に乾燥させてもよい。
【0734】
組成物の適用後、永続性の非粘着性堆積物が有利には得られる。得られた堆積物はまた、食用油、水及びシャンプー洗浄に対して抵抗性である。
【0735】
「2ジェスチャー」適用法
特定の実施形態によると、本発明による組成物は、「2ジェスチャー」適用法に従って実施されてもよい。
【0736】
そのような実施形態によると、i)本発明による組成物C1、及びii)架橋剤R又は少なくとも1つの架橋剤Rを含む組成物CR(CR及びRは上記の通りである)が、ケラチン物質に順次適用される。
【0737】
好ましくは、工程ii)が、工程i)の後に続く。
【0738】
特定の一実施形態によると、組成物は、乾燥ケラチン物質に適用される。
【0739】
別の特定の実施形態によると、ケラチン物質は、組成物の適用後、特に各組成物の適用後に、乾燥させてもよい。
【0740】
2つの組成物の適用後、永続性の非粘着性堆積物が有利には得られる。得られた堆積物はまた、食用油、水及びシャンプー洗浄に対して抵抗性である。
【0741】
「3ジェスチャー」適用法
特定の実施形態によると、本発明による組成物は、「3ジェスチャー」適用法に従って実施されてもよい。
【0742】
この実施形態によると、i)少なくとも1つの化粧料活性剤CAA、とりわけ少なくとも1つの染料、好ましくは少なくとも1つの顔料を含有する組成物CAC、ii)先に定義した通りの少なくとも1つのコポリマーCPを含む組成物C1、及びiii)架橋剤R又は少なくとも1つの架橋剤Rを含む組成物CR(CR及びRは上で定義した通りであり、組成物CACとは異なる)が、ケラチン物質に順次適用される。
【0743】
好ましくは、工程iii)は、工程ii)の後に続く。
【0744】
そのような実施形態によると、好ましくは、少なくとも1つの化粧料活性剤CAA、とりわけ少なくとも1つの染料、好ましくは少なくとも1つの顔料を含む組成物CACが、ケラチン物質に適用される。
【0745】
連続して、上で定義した通り、少なくとも1つのコポリマーCP及び少なくとも1つの脂肪相、好ましくはイソドデカンを含む、上に定義した通りの組成物C1が組成物CACに適用される。
【0746】
連続して、上で定義した通りであり、前記組成物CACとは異なる少なくとも1つの架橋剤Rを含む組成物CRが、組成物CAC及びC1に適用される。
【0747】
特定の実施形態によると、組成物CAC、C1及びCRは、ケラチン物質への適用直前に調製される。
【0748】
特定の一実施形態によると、組成物は、乾燥ケラチン物質に適用される。
【0749】
特定の実施形態によると、ケラチン物質は、組成物の適用後、特に各組成物の適用後に、乾燥させてもよい。
【0750】
したがって、組成物C1、C2、C3、並びに任意選択で組成物CAC及びCRは、すすがれていてもすすがれていなくてもよい乾燥又は湿潤ケラチン繊維、並びにまた、全てのタイプの明色又は暗色の、天然又は染色した、パーマをかけた、脱色した若しくは矯正した繊維に適用されてもよい。
【0751】
本発明の特定の実施形態によると、繊維は、組成物C1、C2、C3の1つ並びに任意選択で組成物CAC及び/又はCRの適用前に洗浄される。繊維への適用は、任意の従来の手段を介して、特に、櫛、細かいブラシ、粗いブラシ、スポンジを使用して、又は指で実施することができる。
【0752】
一実施形態によると、組成物C1、C2、C3並びに任意選択で、組成物CAC及びCRは、1分から10時間の間、特に1分から1時間の間の放置時間でケラチン繊維に適用される。
【0753】
組成物C1、C2又はC3、並びに任意選択で1つ又は複数の組成物CAC及び/又はCRの適用後、ケラチン繊維は、任意選択ですすいでもよい。
【0754】
次いで、ケラチン繊維は、例えば30℃以上の温度で、任意選択で乾燥又は自然乾燥される。
【0755】
特定の実施形態によると、繊維は、40℃以上の温度で乾燥させることができる。特定の実施形態によると、繊維は、40℃超及び100℃未満の温度で乾燥させてもよい。
【0756】
好ましくは、繊維が乾燥される場合、繊維は、熱の供給に加えて、気流を用いて乾燥される。乾燥中、とかす、ブラシをかける、又は指をすべらせる等の機械的作用が、房に対して行われてもよい。この操作は、自然に又は他の方法で繊維が乾燥してから、同様に実施されてもよい。
【0757】
乾燥工程は、フード、ヘアドライヤー、クリマゾン(climazone)等の乾燥デバイスを用いて実施することができる。
【0758】
乾燥工程がフード又はヘアドライヤーを用いて実施される場合、乾燥温度は、40から110℃の間、好ましくは50から90℃の間である。
【0759】
乾燥工程後、例えば矯正アイロンを用いた形成工程が実施されてもよく;形成工程の温度は、110から220℃の間、好ましくは140から200℃の間である。
【0760】
乾燥工程後、最終のすすぎ及び/又はシャンプー洗浄が、任意選択で実施されてもよい。
【0761】
このタイプの適用により、有利には、食用油又は皮脂等の脂を含んだ物質、並びにまた水及びシャンプー洗浄に抵抗性の永続性の非粘着性堆積物を得ることが可能になる。
【0762】
更に、3ジェスチャー適用により、有利には、美容性(cosmeticity)を改善し、ケラチン物質に輝き及びボリュームをもたらすことが可能になる。
【0763】
より特には、その態様の1つによると、本発明は、ケラチン物質のため、特に、皮膚、唇、睫毛及び/若しくは眉毛をケア及び/若しくはメーキャップするため、並びに/又はケラチン繊維、好ましくは毛髪をケア、スタイリング及び/若しくは染色するための方法、とりわけ美容法であって、本発明による組成物C1を前記ケラチン物質に適用する工程を含み、前記組成物が、先に定義した通りの少なくとも1つのコポリマーCP、少なくとも1つの脂肪相i)、並びに任意選択で、a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、b)ケラチン物質、好ましくは皮膚をケアするための活性剤、c)UV遮蔽剤、及びd)それらの混合物から選択される、「CAA」と呼ばれる少なくとも1つの化粧料活性剤を含有する、方法に関する。
【0764】
その態様の別のものによると、本発明は、ケラチン物質のため、特に、皮膚、唇、睫毛及び/若しくは眉毛をケア及び/若しくはメーキャップするため、並びに/又はケラチン繊維、好ましくは毛髪をケア、スタイリング及び/若しくは染色するための方法、とりわけ美容法であって、本発明による組成物C2又はC3を前記ケラチン物質に適用する工程を含み、前記組成物が、少なくとも1つのコポリマーCP、少なくとも1つの架橋剤R、及び先に合定義した通りの少なくとも1つの脂肪相、並びに任意選択で、先に定義した通りの少なくとも1つの化粧料活性剤CAA、特に少なくとも1つの染料及びとりわけ少なくとも1つの顔料を含有する、方法に関する。
【0765】
別の態様によると、本発明は、ケラチン物質のため、特に、皮膚、唇、睫毛及び/若しくは眉毛をケア及び/若しくはメーキャップするため、並びに/又はケラチン繊維、好ましくは毛髪をケア、スタイリング及び/若しくは染色するための方法、とりわけ美容法であって、少なくとも、
(a)前記ケラチン物質の表面の全て又は一部を、好ましくは架橋剤を含まず、先に定義した通りの少なくとも1つの化粧料活性剤CAAを任意選択で含有する、本発明による組成物C1と接触させる工程と;
(b)前記表面の全て又は一部を、前記組成物C1とは異なり、少なくとも1つの架橋剤、特に上で定義した通りの架橋剤Rを含み、好ましくは先に定義した通りのコポリマーCPを含まない、組成物CRと接触させる工程と
で構成される工程を含み;工程(a)及び(b)は、同時に又は順次実施されるすることが可能であり、前記方法は、組成物C1並びに/又は組成物CR並びに/又は任意選択でC1及びCRとは異なる組成物に含有される、「CAA」と呼ばれる少なくとも1つの化粧料活性剤を任意選択で使用してもよいことが理解され、前記CAAは、a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、b)ケラチン物質、好ましくは皮膚をケアするための活性剤、c)UV遮蔽剤、並びにd)それらの混合物から選択される、方法に関する。
【0766】
美容処置方法
その態様の別のものによると、本発明は、皮膚、とりわけ、唇、睫毛又は眉毛をメーキャップするための方法であって、とりわけ先に定義した通りの、とりわけ少なくとも1つの染料、より特には少なくとも1つの顔料を含有する組成物C3を、皮膚、又は前記唇若しくは睫毛若しくは眉毛に適用する工程を含む、方法に関する。
【0767】
その態様の別のものによると、本発明は、皮膚、とりわけ、唇、睫毛又は眉毛をメーキャップするための方法であって、少なくとも、
- 上で定義した通りの組成物C1、
- 架橋剤R又は少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CR
の連続適用を含み、前記組成物C1又は組成物CRは、先に定義した通りの少なくとも1つの染料、好ましくは、少なくとも1つの顔料を含有することが理解される、方法に関する。好ましくは、組成物C1は、架橋剤R又は少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRの前に適用される。
【0768】
その態様の別のものによると、本発明は、皮膚、とりわけ、唇、睫毛又は眉毛をメーキャップするための方法であって、i)少なくとも1つの染料CAAを含有する組成物CAC、ii)組成物C1、iii)架橋剤R又は少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRを順次適用することで構成される少なくとも3つの連続工程を含み、前記方法が、染料、とりわけ顔料を示される少なくとも1つの化粧料活性剤CAAを使用することが理解される、方法に関する。
【0769】
好ましくは、組成物C1は、架橋剤R又は少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRの前に適用される。
【0770】
好ましくは、前記メーキャップ方法は、少なくとも、
- 少なくとも1つの染料CAA、とりわけ少なくとも1つの顔料及び任意選択で先に定義した通りの少なくとも1つのケア活性剤を含有する組成物CACを、皮膚、とりわけ、唇、睫毛又は眉毛に適用すること、
- 皮膚、睫毛又は眉毛に適用された前記組成物CACと接触して、組成物C1を適用すること、
- 前記組成物CACと接触して適用された前記組成物C1と接触して、架橋剤R又は少なくとも1つの架橋剤を含む組成物CRを適用すること
で構成される工程を含む。
【0771】
その態様の別のものによると、本発明は、皮膚、とりわけ、顔又は唇のケア、とりわけ、非治療的美容ケアのための方法であって、本発明によるによる少なくとも1つの組成物C1、C2又はC3を皮膚に適用する工程を含む、方法に関する。
【0772】
その態様の別のものによると、本発明は、皮膚、とりわけ、顔又は唇のケア、とりわけ、非治療的美容ケアのための方法であって、とりわけ少なくとも1つの保湿化粧料活性剤、特にグリセロール、及び任意選択で、先に定義した通りの少なくとも1つの染料をとりわけ含有する組成物C3を皮膚に適用する工程を含む、方法に関する。
【0773】
その態様の別のものによると、本発明は、皮膚、とりわけ、顔又は唇のケア、とりわけ、非治療的美容ケアのための方法であって、
- 上で定義した通りの組成物C1、及び
- 架橋剤R又は少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CR
の連続的適用を含み、前記組成物C1及び/又は前記組成物CRが、少なくとも1つの保湿化粧料活性剤、例えばグリセロール及び任意選択で少なくとも1つの染料を含有することが理解される、方法に関する。
【0774】
好ましくは、組成物C1は、架橋剤R又は少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRの前に適用される。
【0775】
その態様のなお別のものによると、本発明は、皮膚、とりわけ、顔又は唇のケア、とりわけ、非治療的美容ケアのための方法であって、少なくとも、
- 少なくとも1つの化粧料活性剤CAAを含有する組成物CAC、
- 組成物C1、
- 架橋剤R又は少なくとも1つの架橋剤Rを含む組成物CR
の連続適用を含み、前記方法が、ケア活性剤、とりわけ保湿活性剤、特にグリセロール及び任意選択で先に定義した通りの少なくとも1つの染料を示す少なくとも1つの化粧料活性剤CAAを使用することが理解される、方法に関する。
【0776】
好ましくは、組成物C1は、架橋剤R又は少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRの前に適用される。
【0777】
好ましくは、前記方法は、
- 少なくとも1つの化粧料活性剤CAAを含有する組成物CAC、とりわけ少なくとも1つのケア活性剤、好ましくは少なくとも1つの保湿活性剤、例えばグリセロール、及び任意選択で、先に定義した通りの少なくとも1つの染料を前記皮膚に適用すること、
- 皮膚に適用された前記組成物CACと接触して、組成物C1を適用すること、
- 前記組成物CACと接触して適用された前記組成物C1と接触して、架橋剤R又は少なくとも1つの架橋剤Rを含む組成物CRを適用すること
で構成される少なくとも3つの連続工程を含む。
【0778】
その態様の別のものによると、本発明は、ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、例えば毛髪を染色するための方法であって、本発明による組成物C1、C2又はC3を前記ケラチン繊維に適用する工程を含み、前記組成物C1、C2又はC3が、とりわけ先に定義した通りの少なくとも1つの染料を含有する、方法に関する。
【0779】
その態様の別のものによると、本発明は、ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、例えば毛髪を染色するための方法であって、本発明による組成物C3を前記ケラチン繊維に適用する工程を含み、前記組成物C3が、とりわけ先に定義した通りの少なくとも1つの着色剤を含有する、方法に関する。
【0780】
その態様の別のものによると、本発明は、ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、例えば毛髪を染色するための方法であって、少なくとも、
- 上で定義した通りの組成物C1、及び
- 架橋剤R又は少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CR
の連続適用を含み、前記組成物C1又は組成物CRは、先に定義した通りの少なくとも1つの染料、好ましくは、少なくとも1つの顔料を含有することが理解される、方法に関する。
【0781】
好ましくは、組成物C1は、架橋剤R又は少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRの前に適用される。
【0782】
その態様の別のものによると、本発明は、ケラチン繊維、好ましくは、ヒトケラチン繊維、例えば毛髪を染色するための方法であって、i)少なくとも1つの染料CAAを含有する組成物CAC、ii)組成物C1、iii)架橋剤R又は少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRを順次適用することで構成される少なくとも3つの連続工程を含み、前記方法は、染料、とりわけ顔料を示す少なくとも1つの化粧料活性剤CAAを使用することが理解される、方法に関する。
【0783】
好ましくは、組成物C1は、架橋剤R又は少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRの前に適用される。
【0784】
好ましくは、前記染色する方法は、少なくとも、
- 少なくとも1つの染料CAA、とりわけ少なくとも1つの顔料及び任意選択で、先に定義した通りの少なくとも1つのケア活性剤を含有する組成物CACを、前記ケラチン繊維に適用すること、
- ケラチン繊維に適用された前記組成物CACと接触して、組成物C1を適用すること、
- 前記組成物CACと接触して適用された前記組成物C1と接触して、架橋剤R又は少なくとも1つの架橋剤を含む組成物CRを適用すること
で構成される工程を含む。
【0785】
その態様の別のものによると、本発明は、ケラチン繊維、とりわけヒトケラチン繊維、特に毛髪をスタイリングするための方法であって、本発明による先に定義した通りの組成物C1、C2又はC3を、ケラチン繊維に適用する工程を含む、方法に関する。
【0786】
その態様の別のものによると、本発明は、ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、例えば毛髪をスタイリングするための方法であって、本発明による組成物C3を前記ケラチン繊維に適用する工程を含み、前記組成物C3が、少なくとも1つの化粧料剤CAA、とりわけ先に定義した通りの染料を任意選択で含有する、方法に関する。
【0787】
その態様の別のものによると、本発明は、ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、例えば毛髪をスタイリングするための方法であって、少なくとも、
- 先に定義した通りの組成物C1、
- 架橋剤R又は少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CR
の連続適用を含み、前記組成物C1又は組成物CRは、少なくとも1つの化粧料活性剤CAA、とりわけ先に定義した通りの染料、好ましくは、少なくとも1つの顔料を含有することが理解される、方法に関する。好ましくは、組成物C1は、架橋剤R又は少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRの前に適用される。
【0788】
その態様の別のものによると、本発明は、ケラチン繊維、好ましくはヒトケラチン繊維、例えば毛髪をスタイリングするための方法であって、i)少なくとも1つの化粧料活性剤CAAを含有する組成物CAC、ii)組成物C1、iii)架橋剤R又は少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRを順次適用することで構成される少なくとも3つの連続工程を含む、方法に関する。
【0789】
好ましくは、組成物C1は、架橋剤R又は少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRの前に適用される。
【0790】
特に、前記スタイリングする方法は、少なくとも、
- 少なくとも1つの化粧料活性剤CAA、とりわけ少なくとも1つの染料、とりわけ少なくとも1つの顔料及び任意選択で、先に定義した通りの少なくとも1つのケア活性剤を含有する組成物CACを前記ケラチン繊維に適用すること、
- ケラチン繊維に適用された前記組成物CACと接触して、組成物C1を適用すること、及び
- 前記組成物CACと接触して適用された前記組成物C1と接触して、架橋剤R又は少なくとも1つの架橋剤Rを含む組成物CRを適用すること
で構成される工程を含む。
【0791】
キット
その態様のなお別のものによると、本発明はまた、ケラチン物質のため、特に、皮膚及び/若しくは唇、睫毛若しくは眉毛をケア及び/若しくはメーキャップするため、並びに/又はケラチン繊維、好ましくは毛髪をケア、スタイリング及び/若しくは染色するためのキット、とりわけ化粧料キットであって、
- 上で定義した通りの少なくとも1つの脂肪相、及び少なくとも1つのコポリマーCP、任意選択で、上で定義した通りの少なくとも1つの化粧料活性剤CAAを含有し、好ましくは架橋剤Rを含まない第1のコンパートメントと;
- 第1のものとは別の、特に上で定義した通りの少なくとも1つの架橋剤Rを含有し、好ましくはコポリマーCPを含まない第2のコンパートメントと;
- 任意選択で、第1及び第2のコンパートメントとは別の、第1及び第2のコンパートメントに場合により含有されるものと同一であっても異なっていてもよい、上で定義した通りの少なくとも1つの化粧料活性剤CAAを含有する第3のコンパートメントと
を備え;
第1及び/又は第2のコンパートメントはまた、1つ又は複数の同一の又は異なる化粧料活性剤CAAを含有してもよいこと、並びに前記化粧料活性剤CAAは、a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、b)ケラチン物質、好ましくは皮膚をケアするための活性剤、特に保湿剤、例えばグリセロール、c)UV遮蔽剤、及びd)それらの混合物から選択されることが理解される、キットを対象とする。
【0792】
特許請求の範囲を含む説明全般にわたって、「を含む」という用語は、特段の指定がない限り、「少なくとも1つを含む」と同義であると理解されるべきである。
【0793】
「…から…の間」、「…~…を含む」、「…~…で形成された」及び「…~…の範囲」という表現は、特段の指定がない限り、端値を含むと理解されるべきである。
【0794】
本発明は、下記に提示される実施例によって、より詳細に例証される。別段示されない限り、示される量は質量パーセンテージとして表される。
【実施例】
【0795】
方法及び測定
1. スタイリング適用:スタイリング評価プロトコル
スタイリング評価プロトコルを下記に詳述する:
90%白色毛髪ストランドを含有する天然毛髪の1gの房を、ブラシに巻きつける。
【0796】
イソドデカン又はそれぞれ50/50イソドデカン/エタノール混合物中10%でポリマーを含有する2gの溶液を、房上に噴霧する。適用の前及び後に房を秤量する。約0.5gのポリマー含有溶液を、房に効果的に堆積させる。
【0797】
適用直後及び室温での保存後24時間後に房を測定する。
【0798】
それぞれ、イソドデカンのみ又は50/50イソドデカン/エタノール混合物のみが噴霧された房を比較する。
【0799】
2. 毛髪染色適用
毛髪染色評価プロトコルを下記に詳述する:
評価は、各々90%白色毛髪ストランドを含有する天然毛髪の房に対する、1、2又は3工程の3つの異なるプロトコルに従って行う。
【0800】
a)1工程プロトコル
組成物を、適用直前に調製する。
【0801】
組成物を、毛髪1グラム当たり0.5gの配合物の浴比で乾燥毛髪に適用する。
【0802】
ヘアドライヤーを用いて房を乾燥させる。
【0803】
シャンプー洗浄に対する抵抗性に関する評価を、組成物の適用24時間後に実施する。
【0804】
次いで、シャンプー洗浄に対する抵抗性を、視覚的に、及び/又はMinolta CM-3610dタイプの分光光度計により各房の比色データを測定することによって、評価してもよい。
【0805】
b)2工程プロトコル
「ベースコート」と呼ぶ第1の組成物を、毛髪1グラム当たり0.5gの組成物の浴比で乾燥毛髪に適用する。
【0806】
ヘアドライヤーを用いて房を乾燥させる。
【0807】
「ベースコート」の適用3時間後、「トップコート」と呼ぶ第2の組成物を、毛髪1グラム当たり0.5gの組成物の浴比で乾燥毛髪に適用する。
【0808】
ヘアドライヤーを用いて房を再度乾燥させる。
【0809】
房はまた、房の長さ全体にわたって均一に10回適用することによって180℃の温度の矯正アイロンを用いて矯正してもよい。
【0810】
シャンプー洗浄に対する抵抗性に関する評価を、「トップコート」の適用24時間後に実施する。
【0811】
次いで、シャンプー洗浄に対する抵抗性を、視覚的に、及び/又はMinolta CM-3610dタイプの分光光度計を用いて各房の比色データを測定することによって、評価してもよい。
【0812】
c)3工程プロトコル
化粧料媒体、例えば、水又はイソドデカン中、顔料を含む組成物を、乾燥毛髪に適用する。
【0813】
ヘアドライヤーを用いて房を乾燥させる。
【0814】
乾燥直後、「ベースコート」と呼ぶ組成物を、毛髪1グラム当たり0.5gの組成物の浴比で適用する。
【0815】
ヘアドライヤーを用いて房を再度乾燥させる。
【0816】
「ベースコート」の適用3時間後、「トップコート」と呼ぶ組成物を、毛髪1グラム当たり0.5gの組成物の浴比で適用する。
【0817】
ヘアドライヤーを用いて房を更にもう一度乾燥させる。
【0818】
シャンプー洗浄に対する抵抗性に関する評価を、「トップコート」の適用24時間後に実施する。
【0819】
次いで、シャンプー洗浄に対する抵抗性を、視覚的に、及び/又はMinolta CM-3610dタイプの分光光度計(Illuminant D65)を用いて各房の比色データを測定することによって、評価してもよい。
【0820】
染色した毛髪の房をとかし、35℃の水の細流で湿潤させ、次いで、指の間を5回通し、2本の指の間で絞って乾燥させる。次いで、標準のシャンプー(Garnier Ultra Doux(登録商標))を、房1グラム当たり0.4gのシャンプーの割合で房に均一に適用し、毛髪の房を、その長さに沿って優しく揉む。根本から先端まで10回の動作を実施する。シャンプーに含浸した房を、35℃の水の細流下、各房を指の間を通して(15回)すすぎ、次いで、次のシャンプー洗浄前に2本の指の間で絞って乾燥させる。所望回数のシャンプー洗浄を実施したら、毛髪の房をとかし、次いで、ヘアドライヤーを用いて乾燥させる。
【0821】
3. 比色評価
これらの評価を、Minolta CM-3610d分光高度計(Illuminant D65)を使用して、比色データL*、a*及びb*を測定することによって、分光比色計によって実施した。
【0822】
このL*a*b*系において、L*は、明度を表し、a*は、緑/赤色軸を表し、b*は、青/黄色軸を表す。Lの値が高いほど、色はより明るい、又は強度がより低い。逆に、Lの値が低いほど、色はより暗い、又は強度がより高い。a*の値が高いほど、色調は赤く、b*の値が高いほど、色調は黄色である。
【0823】
この系によって、一方で、本発明による組成物により得られる毛髪の顕色が許容されるかどうか、及び他方、後続の、すなわち、シャンプー洗浄前の毛髪の染色が、連続したシャンプー洗浄によって影響を受けるかどうかを評価する。したがって、顕色、又は繊維を染色する能力は、染色したケラチン繊維、及び染色前の同じケラチン繊維の房の間での着色の変化によって評価する。
【0824】
毛髪の顕色(ΔE)、又は繊維を染色する能力は、以下の式に従って、染色したケラチン繊維、及び染色前の同じ繊維の房の間での着色の変化によって評価する:
【0825】
【0826】
この式において、L*、a*及びb*は、ケラチン繊維を乾燥させた後に測定した値を表し、L0*、a0*及びb0*は、ケラチン繊維を染色する前に測定した値を表し、これらは、少なくとも90%の白色毛髪ストランドを含有する天然の灰色(NG)毛髪である。
【0827】
顕色ΔΕの値が高いほど、繊維がより染色され、染色の効果がより高い。
【0828】
色の持続性、又はシャンプー洗浄等の外部の攻撃因子に対するケラチン繊維の色の抵抗性を、前記繊維の攻撃、この場合連続したシャンプー洗浄の前及び後の顕色の差ΔEによって評価する。変動が小さいほど、着色はより持続する。
【0829】
4. 皮膚適用
1ジェスチャープロトコル
1工程適用の場合、本発明によるアセトアセテート官能基を有するポリマーCP、及びアミン化合物又はチオール化合物であってもよい架橋剤Rを含有する組成物を、Speed Mixer(3500rpmで2分)を使用して調製する。この組成物を、フィルムスプレッダー(湿潤厚さ100μm)を使用して、バイオスキンタイプの生体外支持体(弾性の皮膚をシミュレーションした支持体)に適用する。堆積物を24時間静置して乾燥させる。
【0830】
2ジェスチャープロトコル
2段階適用の場合、アセトアセテート官能基を有するポリマーを含有する「ベースコート」タイプの組成物を、Speed Mixer(3500rpmで2分)を使用して調製する。この「ベースコート」を、フィルムスプレッダー(湿潤厚さ100μm)を使用して、バイオスキンタイプの生体外支持体(弾性の皮膚をシミュレーションした支持体)に適用する。堆積物を24時間放置して乾燥させる。
【0831】
次いで、アミン化合物を含有する「トップコート」タイプの組成物を適用する。乾燥の24時間後、得られた堆積物を、下記のポイント5~7に従って評価する。
【0832】
5. オリーブ油又は水への抵抗性
0.5mLのオリーブ油又は水を堆積物に適用する。5分後、オリーブ油又は水を、生綿で15回拭うことによって除去する。このようにして、オリーブ油又は水とのその接触から生じた堆積物の分解を観察する。
【0833】
抵抗性は、以下の尺度に従って評価する:
+++:堆積物の攻撃はなく、堆積物は元の状態のままである、
++:わずかな移染があるが、堆積物は元の状態のままである、
+:堆積物はわずかに変化し、いくらかの移染が観察される。
【0834】
6. 支持体への接着の試験
一片の接着テープ(3M社製のScotch(登録商標)Magic(商標)810;w=19mm、L=5cm)を堆積物に適用する。約1070gの質量を、接着テープの上に30秒間、置く。次いで、接着テープを取り外し、オブジェクトスライドに適用して接着テープへの残留堆積物の量を観察する。このようにして、支持体へのフィルムの接着を評価する。
【0835】
支持体への堆積物の接着は、以下の尺度に従って評価する:
+++:堆積物の移染はなく、堆積物は元の状態のままである、
++:わずかな移染があるが、堆積物は元の状態のままである、
+:堆積物の移染。
【0836】
7. 断片化試験
堆積物を有するBioskin(登録商標)プレートを、手動で10回引き延ばす。
【0837】
次いで、堆積物の断片化(又はひび割れ)の程度を観察して、それが粘着性であるかどうかを決定する。
【0838】
フィルムの断片化は、以下の尺度に従って評価する:
+++:断片化はなく、堆積物は無傷である、
++:断片化が観察されるが、堆積物に穴は形成されていない、
+:堆積物に穴を伴う断片化が観察される。
【0839】
(実施例A)
コポリマー1:アクリル酸イソボルニル/アセトアセトキシエチルメタクリレート(90/10) の調製
135gのアクリル酸イソボルニルモノマー、30gのアセトアセトキシエチルメタクリレート、100gのイソドデカン/酢酸エチル(70/30)溶媒、及び100gのイソドデカン単独を、1Lのパイロットリアクターに導入する。
【0840】
媒体を、アルゴンで脱気し、次いで、撹拌(100rpm)しながら90℃に加熱する。
【0841】
反応媒体が90℃の温度に達したら、200gのイソドデカン、135gのアクリル酸イソボルニルモノマー及び3gのTrigonox 21S開始剤で構成される338gの混合物を、1時間かけて注ぎ入れる。
【0842】
反応媒体を、90℃で7時間維持する。翌日、反応媒体を2×200mLの冷イソドデカンでストリッピングする。
【0843】
反応の結果、イソドデカン中43%ポリマーの乾燥抽出物が得られる。
【0844】
このポリマーを、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって特徴決定する。結果を、下記の表に詳述する。
【0845】
【0846】
(実施例B)
コポリマー2:アクリル酸イソボルニル/アクリル酸2-エチルヘキシル/アセトアセトキシエチルメタクリレート(60/30/10)の調製
90gのアクリル酸イソボルニルモノマー、45gのアクリル酸2-エチルヘキシル、30gのアセトアセトキシエチルメタクリレート、100gのイソドデカン/酢酸エチル(70/30)溶媒、及び100gのイソドデカン単独を、1Lのパイロットリアクターに導入する。
【0847】
媒体を、アルゴンで脱気し、次いで、撹拌(100rpm)しながら90℃に加熱する。
【0848】
反応媒体が90℃の温度に達したら、200gのイソドデカン、90gのアクリル酸イソボルニル、45gのアクリル酸2-エチルヘキシル及び3gのTrigonox 21S開始剤で構成される338gの混合物を、1時間かけて注ぎ入れる。
【0849】
反応媒体を、90℃で7時間維持する。翌日、反応媒体を2×200mLの冷イソドデカンでストリッピングして、残留モノマーを除去する。
【0850】
反応の結果、イソドデカン中43%ポリマーの乾燥抽出物が得られる。
【0851】
このポリマーを、GPCによって特徴決定する。結果を、下記の表に詳述する。
【0852】
【0853】
(実施例C)
コポリマー3:アクリル酸イソボルニル/アクリル酸ブチル/アセトアセトキシエチルメタクリレート(60/30/10)の調製
90gのアクリル酸イソボルニル、45gのアクリル酸ブチル、30gのアセトアセトキシエチルメタクリレート、100gのイソドデカン/酢酸エチル(70/30)溶媒、及び100gのイソドデカン単独を、1Lのパイロットリアクターに導入する。
【0854】
媒体を、アルゴンで脱気し、次いで、撹拌(100rpm)しながら90℃に加熱する。
【0855】
反応媒体が90℃の温度に達したら、200gのイソドデカン、90gのアクリル酸イソボルニル、45gのアクリル酸ブチル及び3gのTrigonox 21S開始剤で構成される338gの混合物を、1時間かけて注ぎ入れる。
【0856】
反応媒体を、90℃で7時間維持する。翌日、反応媒体を2×200mLの冷イソドデカンでストリッピングして、残留モノマーを除去する。
【0857】
反応の結果、イソドデカン中43%ポリマーの乾燥抽出物が得られる。
【0858】
(実施例D)
コポリマー4:アクリル酸イソボルニル/アクリル酸2-エチルヘキシル/PDMSメタクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレート(60/25/5/10)の調製
90gのアクリル酸イソボルニル、37.5gのアクリル酸2-エチルヘキシル、7.5gのPDMSメタクリレート、30gのアセトアセトキシエチルメタクリレート、100gのイソドデカン/酢酸エチル(70/30)溶媒、及び100gのイソドデカン単独を、1Lのパイロットリアクターに導入する。
【0859】
媒体を、アルゴンで脱気し、次いで、撹拌(100rpm)しながら90℃に加熱する。
【0860】
反応媒体が90℃の温度に達したら、200gのイソドデカン、90gのアクリル酸イソボルニル、37.5gのアクリル酸2-エチルヘキシル、7.5gのPDMSメタクリレート及び3gのTrigonox 21S開始剤からなる338gの混合物を、1時間かけて注ぎ入れる。
【0861】
反応媒体を、90℃で7時間維持する。翌日、反応媒体を2×200mLの冷イソドデカンでストリッピングして、残留モノマーを除去する。
【0862】
反応の結果、イソドデカン中43%ポリマーの乾燥抽出物が得られる。
【0863】
(実施例E)
コポリマー5:アクリル酸イソブチル/アクリル酸tert-ブチル/アセトアセトキシエチルメタクリレート(25/65/10)の調製
62.5gのアクリル酸イソブチル、162.5gのアクリル酸tert-ブチル、25gのアセトアセトキシエチルメタクリレート、2.5gのTrigonox T21Sラジカル開始剤及び360gのイソドデカン/酢酸エチル(50/50)溶媒を、1Lのパイロットリアクターに導入する。媒体を、アルゴンで脱気し、次いで、撹拌しながら90℃に加熱する。反応媒体を、90℃で7時間維持する。次いで、300mlのイソドデカンでのストリッピングを実施して、残留モノマーを除去する。
【0864】
反応の結果、イソドデカン中48%ポリマーの乾燥抽出物が得られる。
【0865】
(実施例F)
コポリマー6:アクリル酸イソブチル/メタクリル酸イソブチル/アセトアセトキシエチルメタクリレート(30/60/10)の調製
75gのアクリル酸イソブチル、150gのメタクリル酸イソブチル、25gのアセトアセトキシエチルメタクリレート、2.5gのTrigonox T21Sラジカル開始剤及び360gのイソドデカン/酢酸エチル(50/50)溶媒を、1Lのパイロットリアクターに導入する。媒体を、アルゴンで脱気し、次いで、撹拌しながら90℃に加熱する。反応媒体を、90℃で7時間維持する。次いで、300mlのイソドデカンでのストリッピングを実施して、残留モノマーを除去する。
【0866】
反応の結果、イソドデカン中49%ポリマーの乾燥抽出物が得られる。
【0867】
(実施例1~2)
1工程での毛髪への適用のための本発明による組成物
上記の実施例Bにおいて調製した通り、コポリマー2を含む本発明による実施例1及び2の組成物を、下記の表に示す含有量から調製する。含有量は、組成物の総質量に対する質量パーセンテージとして表現する。
【0868】
【0869】
シャンプー洗浄に対する毛髪着色の顕色及び抵抗性の試験を、「方法及び測定」の節において上記ポイント2及び3に詳述した1工程プロトコルに従って、実施例1及び2の組成物を用いて実施する。
【0870】
下記表は、シャンプー洗浄の回数を詳述し、測定した比色値を報告する。
【0871】
【0872】
実施例1及び2の本発明の組成物を用いたケラチン繊維の処理により、前記繊維を強く、非常に顕著な顕色の色彩で染色することが可能であることが、上記表から分かる。
【0873】
更に、本発明による試験組成物により、比色パラメーターの有意な変動が観察も測定もされなかったため、実施例1及び2の組成物について数回の連続した洗浄後でさえ、着色に抵抗性が付与される。
【0874】
また、染色による着色(とりわけ、赤色の)が、本発明による実施例1及び2の組成物の適用直後に得られた着色と、数回の連続した洗浄後との間で変化しなかったことも目視により観察された。この観察は、ΔE値の小さな変動によって確認される。
【0875】
更に、また、ケラチン繊維が本発明による実施例1及び2の組成物の適用後に、ボリュームに関して個別化されるようであり、これは、数回のシャンプー洗浄後でさえそうであることも観察された。有利には、感覚もまた、非常に感じがよい。
【0876】
(実施例3~8及び3a)
2工程での毛髪への適用のための本発明による組成物
上記の実施例A、B及びDにおいて調製した通り、コポリマー1、2又は4を含む本発明による実施例3~8の組成物を、それぞれ、下記表に示す含有量から調製する。含有量は、検討中の組成物の総質量に対する質量パーセンテージとして表現する。
【0877】
【0878】
上記の実施例Eにおいて調製した通り、コポリマー5を含む本発明による実施例3aの組成物を、下記のTable 6a(表7)に示す含有量から調製する。含有量は、検討中の組成物の総質量に対する質量パーセンテージとして表現する。
【0879】
【0880】
顕色及びシャンプー洗浄抵抗性試験を、「方法及び測定」の節において上記でポイント2及び3に詳述した2工程プロトコルに従って、本発明による実施例3~8の組成物の「ベースコート」及び「トップコート」の組合せについて実施する。
【0881】
顕色試験を、「方法及び測定」の節において上記でポイント2及び3に詳述した2工程プロトコルに従って、本発明による実施例3aの組成物の「ベースコート」及び「トップコート」の組合せについて実施する。
【0882】
下記表は、シャンプー洗浄の回数を詳述し、測定した比色値を報告する。
【0883】
【0884】
【0885】
実施例3~8及び3aの本発明の組成物を用いたケラチン繊維の処理により、前記繊維を強く、非常に顕著な顕色の色彩で染色することが可能であることが、上記の表から分かる。
【0886】
更に、本発明による試験組成物により、比色パラメーターの有意な変動が観察も測定もされなかったため、実施例3及び7の組成物について数回の連続した洗浄後でさえ、着色に抵抗性が付与される。
【0887】
また、染色による着色(とりわけ、黄色及び赤色の)が、本発明による実施例3及び7の組成物の適用直後に得られた着色と、10回の連続したシャンプー洗浄後との間で変化しなかったことも目視により観察された。この観察は、ΔE値の小さな変動によって確認される。
【0888】
更に、また、ケラチン繊維が本発明による実施例3~8の組成物の適用後に、ボリュームに関して個別化されるようであり、これは、数回のシャンプー洗浄後でさえそうであることも観察された。有利には、感覚もまた、非常に感じがよい。
【0889】
(実施例9~10)
3工程での毛髪への適用のための本発明による組成物
上記の実施例Bにおいて調製した通り、コポリマー2を含む本発明による実施例9及び10の組成物を、下記表に示す含有量から調製する。含有量は、検討中の組成物の総質量に対する質量パーセンテージとして表現する。
【0890】
【0891】
顕色及びシャンプー洗浄抵抗性試験を、「方法及び測定」の節において上記でポイント2及び3に詳述した3工程プロトコルに従って、本発明による実施例9及び10の「ベースコート」、「トップコート」及び「顔料」の組合せについて実施する。
【0892】
下記表は、シャンプー洗浄の回数を詳述し、測定した比色値を報告する。
【0893】
【0894】
実施例9及び10の本発明の組成物を用いたケラチン繊維の処理により、前記繊維を強く、非常に顕著な顕色の色彩で染色することが可能であることが、上記の表から分かる。
【0895】
更に、本発明による試験組成物により、比色パラメーターの有意な変動が観察も測定もされなかったため、実施例9及び10の組成物について3回の連続したシャンプー洗浄後でさえ、着色に抵抗性が付与される。
【0896】
また、染色による着色(とりわけ、黄色の)が、本発明による実施例9及び10の組成物の適用直後に得られた着色と、3回の連続したシャンプー洗浄後との間で変化しないことも目視により観察された。この観察は、ΔE値の小さな変動によって確認される。
【0897】
更に、また、ケラチン繊維が本発明による実施例9及び10の組成物の適用後に、ボリュームに関して個別化されるようであり、これは、数回のシャンプー洗浄後でさえそうであることも観察された。有利には、感覚もまた、非常に感じがよい。
【0898】
(実施例11~18)
皮膚への適用のための本発明による組成物
上記の実施例A、B、C及びDにおいて調製した通り、コポリマー1、2、3又は4を含む本発明による実施例11~18の組成物を、それぞれ、下記表に示す含有量から調製する。含有量は、検討中の組成物の総質量に対する質量パーセンテージとして表現する。
【0899】
【0900】
本発明による実施例11~18の各々について、上記の「方法及び測定」の節のポイント4~7に従って評価を実施する。これらの評価を、「ベースコート」及び次いで「トップコート」組成物の連続定積物に対して実施し、下記表に報告する。
【0901】
【0902】
耐水性
本発明による実施例11~18の「ベースコート」タイプの組成物及び次いで「トップコート」タイプの組成物を用いて作製された堆積物は、有利には、非常に良好な耐水性を有する。
【0903】
したがって、毎日の化学的攻撃に抵抗性の堆積物が、有利には、本発明による組成物により得られる。
【0904】
耐油性
本発明による実施例11~18の「ベースコート」タイプの組成物及び次いで「トップコート」タイプの組成物を用いて作製された堆積物はまた、有利には、非常に良好な耐水性を有する。
【0905】
したがって、毎日の化学的攻撃に抵抗性の堆積物が、有利には、本発明による組成物により得られる。
【0906】
支持体への接着
実施例11~18による、「ベースコート」タイプの組成物上への「トップコート」タイプの組成物の連続適用により、とりわけ最終化粧品の支持体への接着を大幅に改善することが可能になる。実施例17及び18の組成物は、支持体への良好な接着を有し、実施例11~16の組成物は、支持体への非常に良好な接着を有する。
【0907】
断片化
実施例11~18による「ベースコート」タイプの組成物上への「トップコート」タイプの組成物の連続適用は、得られた堆積物の粘着を大幅に改善する。
【0908】
実施例12~15、16及び17の組成物は、非常に良好な粘着を示す。
【0909】
(実施例19、19a及び19b)
毛髪スタイリング適用のための本発明による組成物
上記の実施例Bにおいて調製した通り、コポリマー2を含む本発明による実施例19の組成物を、下記表に示す含有量から調製する。含有量は、検討中の組成物の総質量に対する質量パーセンテージとして表現する。
【0910】
【0911】
本発明による実施例19について、上記の「方法及び測定」の節のポイント1に従って評価を行う。試験は、房をイソドデカンのみで処理することからなる比較例に対して、ポイント1のスタイリング適用プロトコルに従って実施した。
【0912】
適用後及び適用24時間後に測定した房の長さを、下記表に報告する。
【0913】
【0914】
実施例19の組成物により、毛髪繊維の再構成(corporization)が可能である。この組成物によるケラチン繊維の処理後に得られるカールは、非常に際立っており、カール高さ、すなわち処理後の房の長さは、30%~70%低減する一方、イソドデカンにより得られるカールは、カール半径が非常に小さくあまり際立っていない。本発明による実施例19の組成物により、イソドデカンにより処理した房とは異なり、24時間後でさえ非常に際立ったカール効果を維持することが可能になる。カール効果の顕著な維持はまた、実施例19の組成物により処理した房についても観察され、24時間後にカールした房の高さの変化は一切認められなかった。
【0915】
それぞれ、上記の実施例Eにおいて調製した通りコポリマー5、又は上記の実施例Fにおいて調製した通りコポリマー6を含む本発明による実施例19a及び19bの組成物を、下記表に示す含有量から調製する。含有量は、検討中の組成物の総質量に対する質量パーセンテージとして表現する。
【0916】
【0917】
本発明による実施例19a及び19bについて、上記の「方法及び測定」の節のポイント1にしたがって評価を行う。試験は、房を50/50イソドデカン/エタノール混合物のみで処理することからなる比較例に対して、ポイント1のスタイリング適用プロトコルに従って実施した。
【0918】
適用後及び適用24時間後に測定した房の長さを、下記表に報告する。
【0919】
【0920】
実施例19a及び19bの組成物により、毛髪繊維の再構成が可能である。これらの組成物によるケラチン繊維の処理後に得られるカールは、非常に際立っており、カール高さ、すなわち処理後の房の長さは、30%~70%低減する一方、イソドデカン/エタノール混合物により得られるカールは、カール半径が非常に小さくあまり際立っていない。本発明による実施例19a及び19bの組成物により、50/50イソドデカン/エタノール混合物により処理した房とは異なり、24時間後でさえ非常に際立ったカール効果を維持することが可能になる。カール効果の顕著な維持が観察され、24時間後にカールした房の高さの変化は一切認められなかった。
【0921】
(実施例20~24、20a及び20b)
皮膚への1工程適用のための本発明による組成物
上記の実施例Bにおいて調製した通り、コポリマー2を含む本発明による実施例20~24の組成物を、下記のTable 14(表18)に示す含有量から調製する。含有量は、組成物の総質量に対する質量パーセンテージとして表現する。
【0922】
上記の実施例Eにおいて調製した通り、コポリマー5を含む本発明による実施例20及び20bの組成物を、下記のTable 14a(表19)に示す含有量から調製する。含有量は、組成物の総質量に対する質量パーセンテージとして表現する。
【0923】
実施例23及び24について、架橋は、当業者に公知の従来の方法に従って塩基(DBU)の存在下で実施する(例えば、Progress in Organic Coatings, X. Heら、129、21~25、(2019) https://doi.org/10.1016/j.porgcoat.2018.12.015、同書、Dongdong Xuら、135、510~516(2019)、https://doi.org/10.1016/j.porgcoat.2019.06.026を参照されたい)。
【0924】
【0925】
【0926】
本発明による実施例20~24、20a及び20bの各々について、上記の「方法及び測定」の節のポイント4~7に従って評価を実施する。これらの評価を、本発明による組成物の堆積物に対して実施し、下記表に報告する。
【0927】
【0928】
【0929】
耐水性
本発明による実施例20~24、20a及び20bの組成物を用いて作製した堆積物は、有利には、非常に良好な耐水性を有する。
【0930】
したがって、毎日の化学的攻撃に抵抗性の堆積物が、有利には、本発明による組成物により得られる。
【0931】
耐油性
本発明による実施例20~24の組成物を用いて作製した堆積物は、有利には、非常に良好な耐油性を有する。本発明による実施例の組成物20a及び20bを用いて作製した堆積物は、有利には、非常に良好な耐油性を有する。
【0932】
したがって、毎日の化学的攻撃に抵抗性の堆積物が、有利には、本発明による組成物、とりわけ組成物20a及び20bにより得られる。
【0933】
支持体への接着
本発明による実施例20、23及び24の組成物は、支持体への良好な接着を示し、本発明による実施例20b、21及び22の組成物は、支持体への非常に良好な接着を示す。
【0934】
断片化
本発明による実施例20の組成物は良好な粘着を示し、本発明による組成物20bは中程度の粘着を示し、本発明による実施例21~24の組成物は非常に良好な粘着を示す。
【0935】
(実施例25)
2工程での毛髪への適用のための本発明による組成物
上記の実施例Bにおいて調製した通り、コポリマー2を含む本発明による実施例25の組成物を、下記表に示す含有量から調製する。含有量は、検討中の組成物の総質量に対する質量パーセンテージとして表現する。
【0936】
【0937】
染色後、顕色は満足のいくものである。ケラチン繊維の処理後に得られる色は、審美的で、強く、色彩的である。
【0938】
また、染色による着色(とりわけ、赤色の)が、本発明による実施例25の組成物の適用直後に得られた着色と、5回の連続したシャンプー洗浄後との間で変化しないことも目視により観察された。
【0939】
更に、また、ケラチン繊維が本発明による実施例25の組成物の適用後に、ボリュームに関して個別化されるようであり、これは、数回のシャンプー洗浄後でさえそうであることも観察された。有利には、感覚もまた、非常に感じがよい。
【0940】
(実施例26)
2工程での皮膚への適用のための本発明による組成物
上記の実施例Eにおいて調製した通り、コポリマー5を含む本発明による実施例26の組成物を、下記表に示す含有量から調製する。含有量は、検討中の組成物の総質量に対する質量パーセンテージとして表現する。
【0941】
【0942】
本発明による実施例26について、上記の「方法及び測定」の節のポイント4~7に従って評価を行う。これらの評価を、本発明による組成物26の堆積物に対して実施し、下記表に報告する。
【0943】
【0944】
耐水性
本発明による実施例26の組成物を用いて作製した堆積物は、有利には、非常に良好な耐水性を有する。
【0945】
したがって、毎日の化学的攻撃に抵抗性の堆積物が、有利には、本発明による組成物により得られる。
【0946】
耐油性
本発明による実施例26の組成物を用いて作製した堆積物は、有利には、非常に良好な耐油性を有する。
【0947】
したがって、毎日の化学的攻撃に抵抗性の堆積物が、有利には、本発明による組成物により得られる。
【0948】
支持体への接着
本発明による実施例26の組成物を用いて作製した堆積物は、支持体への非常に良好な接着を示す。
【0949】
断片化
本発明による実施例26の組成物を用いて作製した堆積物は、良好な接着を示す。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
「C1」と呼ばれる組成物であって、
i)少なくとも1つの脂肪相と;
ii)「CP」と呼ばれる少なくとも1つのコポリマーと
を含み、該コポリマーは、
- モノマーの総質量に対して0質量%~99質量%の、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(A);
- モノマーの総質量に対して1質量%~20質量%の、少なくとも1つの式(I)のモノマー(B):
【化1】
[式中、
・ R
aは、水素原子又は直鎖状若しくは分岐状(C
1~C
4)アルキル基を表
し、
・ R
b及びR
cは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は直鎖状若しくは分岐状(C
1~C
4)アルキル基を表
し、
・ R
dは、直鎖状又は分岐状(C
1~C
4)アルキル基を表
し、
・ Lは、直鎖状又は分岐状(C
1~C
6)アルキレン又はシクロアルキレン基を表
す]
であり、
並びに、
- モノマーの総質量に対して0質量%~99質量%の、C
1~C
4アルキルアクリレート、C
1~C
4アルキルメタクリレート、シリコーンマクロモノマー及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(C)
の重合によって得られ、
「CP」と呼ばれるコポリマーは、少なくとも1つのモノマー(B)を、少なくとも1つのモノマー(A)又は少なくとも1つのモノマー(C)と重合することによって得られることが理解される、組成物。
【請求項2】
「CP」と呼ばれる前記コポリマーが、モノマー(A)を含まない、請求項
1に記載の組成物。
【請求項3】
前記コポリマーCPが、モノマーの総質量に対して5質量%~99質量%の、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(A)、並びにモノマーの総質量に対して0質量%~45質量%の、C1~C4アルキルアクリレート、C1~C4アルキルメタクリレート、シリコーンマクロモノマー及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(C)を含む、請求項
1に記載の組成物。
【請求項4】
前記コポリマーCPが、モノマーの総質量に対して50質量%~99質量
%の、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(A)を含む、請求項
1に記載の組成物。
【請求項5】
前記コポリマーCPが、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソボルニル及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(A)を、モノマーの総質量に対して50%未
満含む、請求項
1に記載の組成物。
【請求項6】
前記コポリマーCPが、モノマー(C)を含まない、請求項
1に記載の組成物。
【請求項7】
前記コポリマーCPが、モノマー(C)として、C
1~C
4アルキルアクリレート及び/又はC
1~C
4アルキルメタクリレートから選択され
る少なくとも1つのモノマーを
含む、請求項
1に記載の組成物。
【請求項8】
前記コポリマーCPが、モノマー(C)として
、少なくとも1つのシリコーンマクロモノマーを含む、請求項
1に記載の組成物。
【請求項9】
コポリマーCPが、モノマーの総質量に対して0質量%~45質量%の、C
1~C
4アルキルアクリレート、C
1~C
4アルキルメタクリレート、シリコーンマクロモノマー及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(C)
、並びに少なくとも1つのモノマー(A
)を含む、請求項
1に記載の組成物。
【請求項10】
コポリマーCPが、80質量%~99質量%の、C
1~C
4アルキルアクリレート及びC
1~C
4アルキルメタクリレートから選択される少なくとも1つのモノマー(C)を含み
、モノマー(A)を含まない、請求項
1に記載の組成物。
【請求項11】
コポリマーCPが、モノマーの総質量に対して80質量%~99質量%の、シリコーンマクロモノマー及びC
1~C
4アルキルアクリレート又はC
1~C
4アルキルメタクリレートとのその混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(C)を含み
、モノマー(A)は含まない、請求項
1に記載の組成物。
【請求項12】
コポリマーCPが、モノマーの総質量に対して30質量%超の、シリコーンマクロモノマーから選択される少なくとも1つのモノマー(C)及びC
1~C
4アルキルアクリレート又はC
1~C
4アルキルメタクリレートとのその混合
物、並びにモノマーの総質量に対してゼロではない量であり50%未満の少なくとも1つのモノマー(A)を含む、請求項
1に記載の組成物。
【請求項13】
コポリマーCPが、45質量%超及び49質量%未満の、C
1~C
4アルキルアクリレート、C
1~C
4アルキルメタクリレート、シリコーンマクロモノマー及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマー(C
)、並びにモノマーの総質量に対して50%~99%の量の少なくとも1つのモノマー(A)を含む、請求項
1に記載の組成物。
【請求項14】
コポリマーが、
- アクリル酸イソボルニル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比90/10のアクリル酸イソボルニル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソボルニル/アクリル酸2-エチルヘキシル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比60/30/10のアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソボルニル/アクリル酸ブチル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比60/30/10のアクリル酸イソボルニル、アクリル酸ブチル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソボルニル/アクリル酸2-エチルヘキシル/PDMSメタクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比60/25/5/10のアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル、PDMSメタクリレート及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソブチル/アクリル酸tert-ブチル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比25/65/10のアクリル酸イソブチル、アクリル酸tert-ブチル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソブチル/メタクリル酸イソブチル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比30/60/10のアクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソブチル/アクリル酸2-エチルヘキシル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比88/2/10のアクリル酸イソブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸tert-ブチル/アクリル酸エチル/アクリル酸イソボルニル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比33/20/39/8のアクリル酸tert-ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソボルニル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソボルニル/アクリル酸2-エチルヘキシル/PDMSメタクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比25/20/45/10のアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル、PDMSメタクリレート及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソブチル/PDMSメタクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比65/25/10のアクリル酸イソブチル、PDMSメタクリレート及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、
- アクリル酸イソボルニル/アクリル酸2-エチルヘキシル/PDMSメタクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比40/12/46/2のアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル、PDMSメタクリレート及びアセトアセトキシエチルメタクリレート、又は
- アクリル酸イソボルニル/アクリル酸イソブチル/アセトアセトキシエチルメタクリレート質量比52/46/2のアクリル酸イソボルニル、アクリル酸イソブチル及びアセトアセトキシエチルメタクリレート
の共重合によって得られる、請求項
1に記載の組成物。
【請求項15】
組成物の総質量に対して、1質量%~70質量
%の前記コポリマーを含む、請求項
1に記載の組成物。
【請求項16】
少なくとも1つの炭化水素系油を含む
、請求項
1に記載の組成物。
【請求項17】
組成物の総質量に対して、15質量%~98質量
%の炭化水素系油を含む、請求項
1に記載の組成物。
【請求項18】
前記炭化水素系油とは異なる少なくとも1つの不揮発性油を含む、請求項
16に記載の組成物。
【請求項19】
少なくとも1つの揮発性炭化水素系油、及び任意選択で1つ又は複数の不揮発性油を含む請求項
1に記載の組成物。
【請求項20】
少なくとも、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマ
ー、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、イソドデカンとは異なる少なくとも1つの不揮発性
油、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル、PDMSメタクリレート及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマ
ー、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマ
ー、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸ブチル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマ
ー、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、並びに少なくとも1つの顔料、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、イソドデカンとは異なる少なくとも1つの不揮発性油、並びに少なくとも1つの顔料、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル、PDMSメタクリレート及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、並びに少なくとも1つの顔料、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、並びに少なくとも1つの顔料、又は
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸ブチル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、並びに少なくとも1つの顔料
を含有する、請求項
1に記載の組成物。
【請求項21】
「R」と呼ばれる少なくとも1つの架橋剤と、任意選択で、a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、b)ケラチン物質
をケアするための活性剤、c)UV遮蔽剤、並びにd)それらの混合物から選択される、「CAA」と呼ばれる少なくとも1つの化粧料活性剤とを含む、請求項
1に記載の「C2」と呼ばれる組成物
又は
a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、b)ケラチン物質をケアするための活性剤、c)UV遮蔽剤、並びにd)それらの混合物から選択される、「CAA」と呼ばれる少なくとも1つの化粧料活性剤を含む、請求項1に記載の「C3」と呼ばれる組成物。
【請求項22】
前記架橋剤が、i)(ポリ)アミン化合物、ii)(ポリ)チオール化及び/又は(ポリ)ヒドロキシル化化合物、iii)(ポリ)カルボニル化合
物、iv)(ポリ)アクリレー
ト、v) v
a)金属アルコキシ
ド、v
b)遷移金属又はポスト遷移金属
の(ポリ)(ヒドロキシ)(C
1~C
6)アルキルカルボキシレー
ト、並びにv
c)希土類金属の族に属する金属の
塩から選択される金属塩
、並びにvi)それらの混合物から選択さ
れる、請求項
21に記載の組成物。
【請求項23】
少なくとも、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)、ポリ(D-グルコサミン)、[4~6%(メルカプトプロピル)メチルシロキサン]ジメチルシロキサンコポリマー及びビス(3-アミノプロピル)-末端ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS-ジNH
2)から選択される架橋
剤、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、ポリ(D-グルコサミン)、ビス(3-アミノプロピル)-末端ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS-ジNH
2)ビスセテアリルアモジメチコンから選択される架橋剤、任意選択で、イソドデカンとは異なる少なくとも1つの不揮発性
油、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル、PDMSメタクリレート及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、ポリ(D-グルコサミン)及びビス-セテアリルアモジメチコンから選択される架橋
剤、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸ブチル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、ビス-セテアリルアモジメチコ
ン、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)、ポリ(D-グルコサミン)、[4~6%(メルカプトプロピル)メチルシロキサン]ジメチルシロキサンコポリマー及びビス(3-アミノプロピル)-末端ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS-ジNH
2
)から選択される架橋剤、並びに少なくとも1つの顔料、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、ポリ(D-グルコサミン)、ビス(3-アミノプロピル)-末端ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS-ジNH
2
)ビスセテアリルアモジメチコンから選択される架橋剤、任意選択で、イソドデカンとは異なる少なくとも1つの不揮発性油、並びに少なくとも1つの顔料、
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸2-エチルヘキシル、PDMSメタクリレート及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、ポリ(D-グルコサミン)及びビス-セテアリルアモジメチコンから選択される架橋剤、並びに少なくとも1つの顔料、又は
- イソドデカン中、少なくともアクリル酸イソボルニル、アクリル酸ブチル及びアセトアセトキシエチルメタクリレートモノマーを共重合することによって得られるコポリマー、ビス-セテアリルアモジメチコン、並びに少なくとも1つの顔料
を含むことを特徴とする、請求項
1に記載の組成物。
【請求項24】
- 唇用の有色製品;
- 又は着色されていてもよい皮膚ケア製
品;
- 又はヘアケア製
品
のいずれかの形態である、請求項
1に記載の組成物。
【請求項25】
ケラチン物質のため
の方
法であって、請求項
1に記載の組成物C1、任意選択
で、少なくとも1つの架橋剤R、並びに任意選択で、a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、b)ケラチン物
質をケアするための活性剤、c)UV遮蔽剤、及びd)それらの混合物から選択される、少なくとも1つの化粧料活性剤CAAを、前記ケラチン物質に適用する工程で構成される、方法。
【請求項26】
ケラチン物質のた
めの方
法であって、少なくとも、
(a)前記ケラチン物質の表面の全て又は一部を
、請求項
21に規定の少なくとも1つの化粧料活性剤CAAを任意選択で含有する、請求項
1に記載の組成物C1と接触させる工程と;
(b)前記表面の全て又は一部を、前記組成物C1とは異なる
、「R」と呼ばれる少なくとも1つの架橋剤を含む、「CR」と呼ばれる組成物と接触させる工程と
で構成される工程を含み、
工程(a)及び(b)は、同時に又は順次実施することが可能であり、前記方法は、組成物C1並びに/又は組成物CR並びに/又は任意選択で、「CAC」と呼ばれる、C1及びCRとは異なる組成物に含有される、「CAA」と呼ばれる少なくとも1つの化粧料活性剤を任意選択で使用できることが理解され、前記CAAが、a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、b)ケラチン物質をケアするための活性剤、c)UV遮蔽剤、並びにd)それらの混合物から選択される、方法。
【請求項27】
皮
膚をメーキャップするための方法であって、請求項
1又は21に記載の少なくとも1つの組成物C1又はC2又はC3、及び少なくとも1つの染料を、前記皮膚に適用する工程を含み
、前記方法が、i)請求項
1に記載の少なくとも1つの組成物C1、及びii
)架橋剤R若しくは少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRを、前記皮膚に順次適用することで構成される少なくとも2つの連続工程を含み、前記組成物C1及び/若しくは前記組成物CRは、少なくとも1つの染料を含有することが理解され、又は前記方法が、i)少なくとも1つの染料を含有する組成物CAC、ii)請求項
1に記載の組成物C1、及びiii
)架橋剤R若しくは少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRを、皮膚に順次適用することで構成される少なくとも3つの連続工程を含み、前記組成物C1及び/若しくは前記組成物CRが、任意選択で、少なくとも1つの染料を含有する、方法。
【請求項28】
ケラチン繊
維を染色するための方法であって、請求項
1又は21に記載の組成物C1
、C2又はC3、及び少なくとも1つの着色剤を、前記ケラチン繊維に適用する工程を含み
、前記方法が、i)請求項
1に記載の少なくとも1つの組成物C1、及び
ii)架橋剤R若しくは少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRを、前記繊維に順次適用することで構成される少なくとも2つの連続工程を含み、前記組成物C1及び/若しくは前記組成物CRは、少なくとも1つの染料を含有することが理解され、又は前記方法が、i)少なくとも1つの染料を含有する組成物CAC、ii)請求項
1に記載の組成物C1、及びiii
)架橋剤R若しくは少なくとも1つの架橋剤Rを含有する組成物CRを順次適用することで構成される少なくとも3つの連続工程を含み、前記組成物C1及び/若しくは前記組成物CRが、適切な場合、少なくとも1つの染料を含有する、方法。
【請求項29】
ケラチン物質のた
めのキッ
トであって、
- 請求項
1に記載の少なくとも1つの組成物C1を含有
する第1のコンパートメント
と;
- 前記第1のコンパートメントとは別
の、少なくとも1つの架橋剤Rを含む第2のコンパートメントと;
- 適切な場合、第1及び第2のコンパートメントとは別の、第1及び/又は第2のコンパートメントに任意選択で含有されるものと同一であっても異なっていてもよい、「CAA」と呼ばれる少なくとも1つの化粧料活性剤を含む第3のコンパートメントと
を備え;
第1及び/又は第2のコンパートメントはまた、同一であっても異なっていてもよい1つ又は複数の化粧料活性剤CAAを含有してもよいこと、並びに前記活性剤CAAは、a)顔料、直接染料及びそれらの混合物から選択される着色剤、b)ケラチン物
質をケアするための活性剤、c)UV遮蔽剤、及びd)それらの混合物から選択されることが理解される、キット。
【国際調査報告】