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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-18
(54)【発明の名称】エンドエフェクタの制御機構
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20240111BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538856
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2023-06-22
(86)【国際出願番号】 US2021064828
(87)【国際公開番号】W WO2022146819
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】63/131,197
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】デュエル、クリストファー アール.
(72)【発明者】
【氏名】エステベス、ラモン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC09
4C160CC23
4C160NN02
4C160NN09
4C160NN15
(57)【要約】
医療デバイスは、長手方向軸を有する取り付けデバイスと、取り付けデバイスに枢動可能に取り付けられた第1の端部を有する枢動アームと、枢動アームの第2の端部に枢動可能に取り付けられるとともに、第1の構成から第2の構成に動くように構成されたエンドエフェクタと、エンドエフェクタの近位端に取り付けられた長手方向に延在する本体とを含んでいる。長手方向に延在する本体の近位方向への移動は、エンドエフェクタを第1の構成から第2の構成に回転させ、エンドエフェクタは、第1の構成において取り付けデバイスの長手方向軸に対して略平行であり、エンドエフェクタは、第2の構成において、取り付けデバイスの長手方向軸に対して傾いている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療デバイスであって、
長手方向軸を有する取り付けデバイスと、
前記取り付けデバイスに枢動可能に取り付けられた第1の端部を有する枢動アームと、
前記枢動アームの第2の端部に枢動可能に取り付けられるとともに、第1の構成から第2の構成に動くように構成されたエンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタの近位端に取り付けられた長手方向に延在する本体と
を備え、
前記長手方向に延在する本体の近位方向への移動は、前記エンドエフェクタを前記第1の構成から前記第2の構成に回転させるように構成されており、
前記エンドエフェクタは、前記第1の構成において、前記取り付けデバイスの前記長手方向軸に対して略平行であり、前記エンドエフェクタは、前記第2の構成において、前記取り付けデバイスの前記長手方向軸に対して傾いている、医療デバイス。
【請求項2】
前記長手方向に延在する本体の遠位方向への移動は、前記エンドエフェクタを前記遠位方向に移動させるように構成されている、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記長手方向に延在する本体の遠位方向への移動は、前記枢動アームを前記取り付けデバイスの遠位端に対して枢動させるように構成されている、請求項1または2に記載の医療デバイス。
【請求項4】
ロック位置からロック解除位置に移動するように構成されたロック機構をさらに備え、前記ロック機構は、前記ロック機構が前記ロック位置にある場合に前記エンドエフェクタの枢動運動を妨げるように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記ロック機構は、ばねによって前記ロック位置に付勢されている、請求項4に記載の医療デバイス。
【請求項6】
前記ロック機構から前記近位方向に延びるロックワイヤをさらに備え、前記ロック機構は、ばね力に打ち勝つのに十分な前記近位方向の前記ロックワイヤへの力に応答して、前記ロック位置から前記ロック解除位置に移動するように構成されている、請求項4または5に記載の医療デバイス。
【請求項7】
前記ロック機構は、前記枢動アーム上に配置されたロックスロットと、爪とを含む、請求項4、5、または6のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項8】
前記第2の構成において、前記エンドエフェクタと前記長手方向軸とによって画定される角度は、20度以上50度以下である、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記長手方向に延在する本体の前記近位方向への移動は、前記枢動アームの前記第2の端部を前記長手方向軸から半径方向外向きに移動させるように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項10】
取り付け機構は、カテーテルの遠位端に取り付けられるように構成された近位端を有している、請求項1~9のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項11】
前記長手方向に延在する本体は、前記エンドエフェクタから前記カテーテルの近位端まで、前記カテーテルの外面に沿って延在している、請求項10に記載の医療デバイス。
【請求項12】
取り付け機構は、近位本体と、前記近位本体から遠位に延びる一対の離隔されたアームとを含み、前記一対のアームの各々は、開口部を含み、各開口部は、前記枢動アームを前記取り付け機構に固定する枢動アームピンを受け入れるように構成されており、第1の枢動軸は、前記枢動アームピンを中心に画定されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項13】
第1の突出部が、前記一対のアームからの第1のアームの内面から前記長手方向軸に向かって延び、第2の突出部が、前記一対のアームからの第2のアームから前記長手方向軸に向かって延び、前記枢動アームは、前記第1の突出部および前記第2の突出部に嵌合するように構成された一対の開口部を含み、前記一対の開口部と前記第1の突出部および第2の突出部との接触が、前記枢動アームの最も近位の移動を画定する、請求項12に記載の医療デバイス。
【請求項14】
前記エンドエフェクタは、互いに枢動可能に接続された一対のジョーを含み、作動ワイヤが、前記一対のジョーのうちの少なくとも1つのジョーに動作可能に接続されるとともに、前記長手方向に延在する本体のルーメンを通って前記エンドエフェクタから前記医療デバイスの近位端まで延在しており、前記作動ワイヤの作動は、前記一対のジョーを互いに対して枢動させるように構成されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【請求項15】
前記枢動アームは、前記第2の端部に一対の開口部を含み、各開口部は、前記エンドエフェクタを前記枢動アームに固定するエンドエフェクタピンを受け入れるように構成されており、第2の枢動軸は、前記エンドエフェクタピンを中心に画定されている、請求項1~14のいずれか一項に記載の医療デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、低侵襲(例えば、内視鏡および/または腹腔鏡)医療デバイスおよび関連する使用方法に関する。実施形態では、本開示は、他の態様の中でも、エンドエフェクタ、例えば、ステープラデバイスなどの組織締結デバイスのための1つまたは複数の制御機構、および関連する使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
技術開発により、対象に対してますます複雑な処置を行う能力が、医療システム、デバイス、および方法のユーザに与えられてきた。例えば、対象の胃腸管または体内の他の場所における組織の結合は、困難が生じ得る処置の一種である。対向するジョー構造の間で組織を把持またはクランプし、次いで外科用締結具によって組織を接合する外科用デバイスが知られている。締結具は、外科用ステープルを含み得る。いくつかの処置では、締結具によって接合された組織を切断するために、切断器具が提供されてもよい。これらのシステムの欠点は、例えば、蛇行した経路および/または小さい断面直径を有する経路を介して標的部位にアクセスしなければならないという事実を含み得る。その結果、スコープを使用して組織をステープル留めおよび/または切断するために標的部位に適切にアクセスすることができず、治療時間および/またはコストが増加し、および/または患者に外傷を与える可能性がある(例えば、標的部位にアクセスするためにより侵襲的な処置が必要となる場合など)。本開示は、これらの問題または当技術分野における他の問題の1つまたは複数に対処することができる。しかしながら、本開示の範囲は、特定の問題に対処する能力によってではなく、添付の特許請求の範囲によって規定される。
【発明の概要】
【0003】
一態様によれば、医療デバイスは、長手方向軸を有する取り付けデバイスと、取り付けデバイスに枢動可能に取り付けられた第1の端部を有する枢動アームと、枢動アームの第2の端部に枢動可能に取り付けられるとともに、第1の構成から第2の構成に動くように構成されたエンドエフェクタと、エンドエフェクタの近位端に取り付けられた長手方向に延在する本体とを含み、長手方向に延在する本体の近位方向への移動は、エンドエフェクタを第1の構成から第2の構成に回転させるように構成されており、エンドエフェクタは、第1の構成において、取り付けデバイスの長手方向軸に対して略平行であり、エンドエフェクタは、第2の構成において、取り付けデバイスの長手方向軸に対して傾いている。
【0004】
長手方向に延在する本体の遠位方向への移動は、エンドエフェクタを遠位方向に移動させるように構成されていてよい。
長手方向に延在する本体の遠位方向への移動は、枢動アームを取り付けデバイスの遠位端に対して枢動させるように構成されていてよい。
【0005】
医療デバイスは、ロック位置からロック解除位置に移動するためのロック機構をさらに含んでいてよく、ロック機構は、ロック機構がロック位置にある場合にエンドエフェクタの枢動運動を妨げるように構成されていてよい。
【0006】
ロック機構は、ばねによってロック位置に付勢されていてよい。
医療デバイスは、ロック機構から近位方向に延びるロックワイヤをさらに含んでいてよく、ロック機構は、ばね力に打ち勝つのに十分な近位方向のロックワイヤへの力に応答して、ロック位置からロック解除位置に移動するように構成されていてもよい。
【0007】
ロック機構は、枢動アーム上に配置されたロックスロットと、爪とを含んでいてよい。
第2の構成において、エンドエフェクタと長手方向軸とによって画定される角度は、20度以上50度以下であってよい。
【0008】
長手方向に延在する本体の方向への移動は、枢動アームの第2の端部を長手方向軸から半径方向外向きに移動させるように構成されていてよい。
取り付け機構は、カテーテルの遠位端に取り付けられるように構成されていてよい近位端を有している。
【0009】
長手方向に延在する本体は、エンドエフェクタからカテーテルの近位端まで、カテーテルの外面に沿って延在していてよい。
取り付け機構は、近位本体と、近位本体から遠位に延びる一対の離隔されたアームとを含んでいてよく、一対のアームの各々は、開口部を含んでいてよく、各開口部は、枢動アームを取り付け機構に固定する枢動アームピンを受け入れるように構成されていてよく、第1の枢動軸は、枢動アームピンを中心に画定されていてよい。
【0010】
第1の突出部が、一対のアームからの第1のアームの内面から長手方向軸に向かって延びていてよく、第2の突出部が、一対のアームからの第2のアームから長手方向軸に向かって延びていてよく、枢動アームは、第1の突出部および第2の突出部に嵌合するように構成された一対の開口部を含んでいてよく、一対の開口部と第1の突出部および第2の突出部との接触が、枢動アームの最も近位の移動(proximalmost movement)を画定し得る。
【0011】
エンドエフェクタは、互いに枢動可能に接続された一対のジョーを含んでいてよく、作動ワイヤは、一対のジョーのうちの少なくとも1つのジョーに動作可能に接続されてもよく、長手方向に延在する本体のルーメンを通ってエンドエフェクタから医療デバイスの近位端まで延在していてよく、作動ワイヤの作動は、一対のジョーを互いに対して枢動させるように構成されていてよい。
【0012】
枢動アームは、第2の端部に一対の開口部を含んでいてよく、各開口部は、エンドエフェクタを枢動アームに固定するエンドエフェクタピンを受け入れるように構成されていてよく、第2の枢動軸は、エンドエフェクタピンを中心に画定されていてよい。
【0013】
別の態様によれば、医療デバイスは、長手方向軸を有するカテーテルと、カテーテルの遠位端に結合された取り付け機構と、枢動アームの第1の端部において、取り付け機構に枢動可能に接続されるとともに、第1の枢動軸を中心に回転するように構成された枢動アームと、枢動アームの第2の端部に枢動可能に接続されるとともに、第2の枢動軸を中心に回転するように構成されたエンドエフェクタと、近位方向および遠位方向に移動するように構成された長手方向に延在する本体とを含み、長手方向に延在する本体の移動は、第1の軸および第2の軸を中心に枢動アームを枢動させるように構成されている。
【0014】
エンドエフェクタは、エンドエフェクタがカテーテルの長手方向軸に略平行であってよい第1の構成と、エンドエフェクタがカテーテルの長手方向軸に対して傾いていてよい第2の構成との間で移動するように構成され得る。
【0015】
枢動アームの第2の端部およびエンドエフェクタの遠位端は、長手方向に延在する本体が第1の構成にある場合、平行軸に沿って延在するように構成されていてよく、枢動アームの第2の端部およびエンドエフェクタの遠位端は、長手方向に延在する本体が第2の構成にある場合、半径方向に反対方向に延在するように構成されていてよい。
【0016】
さらに別の態様によれば、医療方法は、医療デバイスのエンドエフェクタを患者内の標的部位に前進させることを含み、エンドエフェクタは、取り付けデバイスによってカテーテルの遠位端に取り付けられ、エンドエフェクタは、エンドエフェクタがカテーテルの長手方向軸に平行であるようにインライン配向で配置されており、医療方法は、エンドエフェクタの近位端に接続された長手方向に延在する本体を作動させて、エンドエフェクタをインライン配向からアクティブ配向に移動させることを含み、エンドエフェクタは、アクティブ配向においてカテーテルの長手方向軸に対して傾いており、医療方法は、カテーテルの遠位端から延びる医療ツールを介してエンドエフェクタの第1のジョーと第2のジョーとの間に物体を配置すること、制御機構を作動させて、第1のジョーを第2のジョーに対して枢動させ、組織に対して処置を実行することを含む。
【0017】
方法は、ロックワイヤを近位方向に移動させて、ロック機構を外すこと、エンドエフェクタがアクティブ配向から移動することを可能にすること、エンドエフェクタをアクティブ配向からインライン配向に回転させること、エンドエフェクタを患者から除去することをさらに含んでいてよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、様々な例示的な実施形態を示し、説明と共に、開示される実施形態の原理を説明する役割を果たす。
図1A図1Aは、一実施形態による、エンドエフェクタを含む医療デバイスの遠位端の拡大概略図である。
図1B図1Bは、一実施形態による、医療デバイスの近位端の斜視図である。
図2図2は、一実施形態による、図1Aの医療デバイスの枢動アームおよびエンドエフェクタの斜視図である。
図3図3は、一実施形態による、図2の枢動アームおよびエンドエフェクタの上面図である。
図4図4は、一実施形態による、図2の枢動アームおよびエンドエフェクタの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示は、例えば、組織を把持、切断、および/またはステープル留めするために標的部位にアクセスし、医療ツールに対するエンドエフェクタの向きを制御するための制御機構を提供するための例示的な医療システムおよび医療ツールを参照して説明される。これは、改善された医療ツール機能性を提供し、および/または医療専門家が標的部位へのアクセスを改善することを支援することができ、これは、組織の切断および/または締結を改善することができる。しかしながら、任意の特定のデバイスおよび/または任意の特定の処置への言及は、便宜のためにのみ提供され、本開示を限定することを意図しないことに留意されたい。当業者は、開示されるデバイスおよび適用方法の基礎をなす概念が、任意の適切な処置、医療または他のものにおいて利用され得ることを認識するであろう。本開示は、以下の説明および添付の図面を参照して理解することができ、同様の要素は同じ参照番号で参照される。
【0020】
説明を容易にするために、開示されるデバイスおよび/またはそれらの構成要素の部分は、近位部分および遠位部分と称される。「近位」という用語は、デバイスのユーザにより近い部分を指すことが意図され、「遠位」という用語は、本明細書では、ユーザからさらに離れた部分を指すために使用されることに留意されたい。同様に、「遠位に延びる」とは、構成要素が遠位方向に延びることを示し、「近位に延びる」とは、構成要素が近位方向に延びることを示す。さらに、本明細書で使用される場合、「約」、「略」、および「実質的に」という用語は、記述または示唆された値の+/-10%以内の値の範囲を示す。加えて、構成要素/表面の幾何学的形状を示す用語は、正確な形状および近似的な形状を指す。
【0021】
本開示の実施形態は、管腔内空間(endo-luminal space)において組織を締結するため、またはそのプロセスを促進するために使用されてもよい。一例によれば、締結デバイスは、切除または切断機構(例えば、一体型ナイフ)およびステープル留め機構(例えば、ステープラ)を含み得る組織ステープル留め装置であってよい。締結デバイスは、内視鏡作業チャネルを通して標的組織部位に送達され得る。代替的に、締結デバイスは、内視鏡の遠位端に取り付けられてもよい。締結デバイスの全部または一部は、金属(ステンレス鋼、チタン、またはコバルトクロムなど)、プラスチック(ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)など)であってよく、または形状記憶金属(ニチノールなど)、形状記憶ポリマー、ポリマー、または材料の任意の組み合わせを含んでいてよい。
【0022】
本明細書では、締結デバイスの向きを制御するための制御機構を有する締結デバイスを参照するが、説明される制御機構は、カテーテル、シース、チューブなどの遠位端で一緒に枢動可能に接続されたジョーまたは他のエンドエフェクタの任意のセットと共に使用することができる。制御機構は、内視鏡の遠位端における1つまたは複数の枢動点を中心とするエンドエフェクタの枢動運動を可能にし、これは、組織の改善された把持を提供することができる。例えば、制御機構は、エンドエフェクタの標的部位への挿入の間、エンドエフェクタが内視鏡の長手方向軸に平行に、または長手方向軸に沿って配置されることを可能にし、エンドエフェクタが標的部位に到達すると、エンドエフェクタが1つまたは複数の枢動点を中心に回転し、組織を把持するように位置を変更することを可能にし得る。このようにして、エンドエフェクタおよび内視鏡は、体内の曲がりくねった経路を進むことができる。
【0023】
図1Aおよび図1Bは、それぞれ、本開示の例による、装置10の遠位部分および近位部分を示す。装置10は、スコープ(例えば、結腸鏡、内視鏡、十二指腸鏡など)と、エンドエフェクタ(例えば、図1Aのエンドエフェクタ100)を含む医療デバイスとを含んでいてよい。スコープは、撮像、標的部位への光の提供、および/または標的部位への器具の導入のために使用されてよく、外科用ステープル留め装置は、スコープを使用するそれらの処置などの低侵襲処置の間、身体組織に係合するとともに、複数の締結具をそこに適用するように構成されている。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタを含むデバイスは、低侵襲外科処置の間、組織閉鎖のための縫合糸を送達するための縫合装置であってもよい。装置10は、縫合糸、クリップ、または他の締結具を適用するために使用され得るが、主に、組織に対する追加の処置、例えば、組織のステープル留めおよび/または切断の実施に備えて、組織を把持するという文脈で説明される。
【0024】
図1Aおよび図1Bに示されるように、装置10の把持またはステープル留めデバイスは、近位端のハンドルアセンブリ30と、遠位端のエンドエフェクタ100と、ハンドルアセンブリ30の遠位端をエンドエフェクタ100の近位端に接続する、長手方向に延在する本体50(例えば、シャフト、カテーテルなど)とを含んでいてよい。長手方向に延在する本体50は、内視鏡または腹腔鏡処置に適した任意の長さに延在していてよい。いくつかの例では、長手方向に延在する本体50は、内視鏡の作業チャネル内に配置されるように構成されていてよい。代替的に、例えば、内視鏡が単一のルーメンのみを含む場合、および/または内視鏡のルーメン(複数可)の直径が小さすぎて長手方向に延在する本体50を受け入れられない場合、長手方向に延在する本体50は、内視鏡の外面に沿って延在してもよい。いくつかの例では、長手方向に延在する本体50およびエンドエフェクタ100は、装置10と共に使用される内視鏡の断面積を減少させるために内視鏡の外面上に配置され、これは、装置10が、蛇行した経路に沿って操作され、標的部位にアクセスすることを可能にし得る。
【0025】
例えば、長手方向に延在する本体50を作業チャネル内にバックロードすることによって、長手方向に延在する本体50を内視鏡の作業チャネルまたは別のデバイスのチャネル内に挿入することを容易にするために、長手方向に延在する本体50は、ハンドルアセンブリ30から取り外し可能であってよい。いくつかの例では、長手方向に延在する本体50は、可撓性であってよく、操縦可能であってよく、および/またはその軸を中心に回転可能であってよい。長手方向に延在する本体50は、ハンドルアセンブリ30を介してエンドエフェクタ100を作動させるか、または装置10の任意の他の部分を作動させるために、作動ワイヤ(例えば、作動ワイヤ52)を内部に配置するためのルーメン(または複数のルーメン)を含んでいてよい。長手方向に延在する本体50は、複数の作動ワイヤまたは単一の作動ワイヤを受け入れるように構成されていてよい。いくつかの例では、長手方向に延在する本体50は、エンドエフェクタ100に固定して結合されていてよく、他の例では、長手方向に延在する本体50は、エンドエフェクタ100に取り外し可能または解放可能に結合されていてもよい。別段の記載がない限り、本明細書に説明される任意のワイヤまたは作動デバイスは、長手方向に延在する本体50のルーメンを通って、ハンドルアセンブリ30からエンドエフェクタ100まで延在していてよい。代替的または追加的に、これらの作動ワイヤまたはデバイスのうちの1つまたは複数(例えば、ワイヤ119a)は、ハンドルアセンブリ30からエンドエフェクタ100まで、長手方向に延在する本体50の外側を(例えば、長手方向に延在する本体50に隣接して)延在してもよい。
【0026】
装置10の長手方向に延在する本体50は、内視鏡のカテーテル60の中に挿入されるか、または取り付けられてよく、エンドエフェクタ100は、図1Aに示され、本明細書でさらに説明されるように、カテーテル60と相対的に配置されてもよい。カテーテル60は、スコープ(例えば、結腸鏡、内視鏡、十二指腸鏡など)の中心シャフトであってよい。カテーテル60は、医療ツール、撮像ケーブル、および/または照明ケーブルが延在することのできる、1つまたは複数の中心ルーメンを含んでいてよい。撮像ケーブルおよび照明ケーブルは、カテーテル60の遠位端において、それぞれ、撮像デバイスおよび発光デバイスに接続し、かつ制御することができる。把持ツールなどの医療ツール、または装置10自体は、カテーテル60の1つまたは複数のルーメンに挿入され、カテーテル60の1つまたは複数のルーメンを通って延在していてよく、カテーテル60の最遠位端の遠位に延在してもよい。1つまたは複数の医療ツールは、標的部位で組織を把持するために、および/または標的部位で組織に医療処置を行うために使用することができる。これらのツールは、装置10と共に使用され得る。
【0027】
内視鏡ハンドルは、医療ツール、撮像デバイス、および発光デバイスを制御するために、ノブおよび/またはボタンを含むアクチュエータを含んでいてよい。内視鏡ハンドルまたはカテーテル60の近位端におけるポートまたは他の開口部は、カテーテル60の1つまたは複数のルーメンへのアクセスを提供することができ、医療ツールまたは他のデバイスがこれらのルーメン内に導入されることを可能にすることができる。装置10のハンドルアセンブリ30は、内視鏡ハンドルと併せてユーザによって操作されてもよく、および/または内視鏡ハンドルと相対的に配置されていてもよい。
【0028】
装置10のハンドルアセンブリ30は、ハンドル32および本体34を含んでいてよい。ハンドル32は、固定部分32aおよびアクチュエータ部分32bを含んでいてよい。ハンドル32の固定部分32aは、本体34に固定して結合されていてよい。アクチュエータ部分32bは、ユーザの指をその中に配置するための円形または楕円形部分またはリングを含んでいてよく、それは、ユーザがハンドルアセンブリ30を保持することを補助することができる。いくつかの例では、ハンドル32のアクチュエータ部分32bは、アクチュエータであってもよく、アクチュエータは、本体34に枢動可能に結合され、ハンドル32の固定部分32aに対して移動可能であってよい。いくつかの例では、ハンドル32のアクチュエータ部分32bは、本明細書で説明されるように、調節可能なカプラ36を介して、作動ワイヤ52などの作動ワイヤの近位部分に結合され得る。他の例において、ハンドル32のアクチュエータ部分32bは、エンドエフェクタ100などからのステープルの展開の作動など、装置10の任意の他の機構を制御するように構成されていてもよい。作動ワイヤ52は、遠位方向に押され、近位方向に引っ張られるのに十分な剛性を有し得ることが理解されるであろう。
【0029】
いくつかの例では、ハンドルアセンブリ30は、枢動点38bでハウジング34に枢動可能に結合された可動カバー38を含み得る。図1Bでは、カバー38は開位置で示されており、本体34の内部を露出させている。カバー38は、本体34の近位部分に結合されていてよく、閉じられた構成で配置される場合、例えば、カバー38の最遠位端38aが本体34の表面34aに隣接して配置される場合に、ハンドルアセンブリ30の内部の構成要素を覆うことができる。カバー38は、スナップフィット機構などの、カバー38の遠位部分およびハンドルアセンブリ30の遠位部分における結合機構を介して、本体34の内部の構成要素を覆うように(例えば、閉じられた構成で)配置することができる。閉じられた構成にある場合、カバー38は、本体34と協働して一対のスロット(図示せず)を形成し得る。カバー38の遠位部分が本体34の遠位部分から連結解除されている場合、ユーザは、ハンドルアセンブリ30の内部の構成要素にアクセスするために、枢動点38bでカバー38を回転または枢動させることができる。
【0030】
ハンドルアセンブリ30は、作動ワイヤ52などの作動ワイヤの一部を受け入れるように構成され得る、1つまたは複数の調節可能なカプラ36,39を含んでいてよい。調整可能なカプラ36,39のうちの任意のものは、作動ワイヤ52を締め付け、作動ワイヤ52を調整可能なカプラ36,39に固定して結合するために移動可能な万力であってもよい。いくつかの例では、調節可能なカプラ36,39は、カプラ36,39を調節し、作動ワイヤ52をカプラ36,39に結合またはカプラ36,39から結合解除するか、作動ワイヤ52の張力を調節するために、ねじを介して移動可能であってよい。カプラ36,39は、本明細書で説明される追加のワイヤの移動において使用されてもよい。
【0031】
調節可能なカプラ39は、長手方向アクチュエータ31に結合されていてよく、本体34に沿って長手方向アクチュエータ31を並進させることによって長手方向に移動可能であってよい。長手方向アクチュエータ31は、ハウジング34内に部分的に配置されていてよく、カバー38が閉じられた構成においてハンドルアセンブリ30の内部の構成要素を覆って配置された場合に形成される2つのスロット内で長手方向に摺動可能であってよい。長手方向アクチュエータ31は、一対の対向する円形または楕円形の部分またはリングを含んでいてよく、各円形部分は、ユーザが1つまたは複数の指をその中に配置するための開口を画定する。いくつかの例では、長手方向アクチュエータ31は、調節可能なカプラ39を介して、または本体34内の異なるカプラを介してなど、作動ワイヤ52に結合されていてよく、エンドエフェクタ100からのステープル展開を制御するように構成されていてもよい。他の例では、長手方向アクチュエータ31は、作動ワイヤ52などの近位/遠位移動など、装置10の任意の他の機構を制御するように構成されていてよい。代替的に、2つのアクチュエータが使用されてもよく、第1のアクチュエータは、切断デバイスを作動させるためのものであり、第2のアクチュエータは、ステープル留めデバイスを作動させるためのものであってよい。ハンドルアセンブリ30は、エンドエフェクタ100の作動デバイスの一例に過ぎず、エンドエフェクタ100を作動させるのに適した任意の他のハンドルアセンブリが使用されてもよい。
【0032】
エンドエフェクタ100は、取り付けデバイス110を介してカテーテル60の遠位端に結合され得る、例えば、ステープラデバイス(図4にも示される)のアンビル120と本体130となどの一対のジョーを含んでいてよい。例えば、取り付けデバイス110は、長手方向に延在する本体50の遠位端に接続されてよく、エンドエフェクタ100の近位端を、接着剤、レーザ溶接などを介して長手方向に延在する本体50に取り付けてもよい。取り付けデバイス110の近位端と長手方向に延在する本体50の遠位端との間の取り付けは、本明細書に説明されるように、エンドエフェクタ100が1つまたは複数の軸を中心に枢動し、および/または遠位方向および近位方向に移動し得るように、遠位方向および近位方向の力を受けるのに十分であってよい。アクチュエータおよび/またはジョーのうちの1つ(例えば、アンビル120)の遠位端は、作動ワイヤ52の遠位端に取り付けられてもよい。このようにして、エンドエフェクタ100のアンビル120および/または本体130は、長手方向アクチュエータ31を介して作動させることができる。
【0033】
図1および図2を参照すると、枢動アーム111は、1つまたは複数のピン111a(ピン111aは、枢動軸を画定し得る)を介してエンドエフェクタ100に枢動可能に取り付けられていてよい(1つのピン111aのみが図に示されているが、例えば、可動域を増やすために、複数のピン111が含まれ得ることが企図される)。1つまたは複数の突出部132は、エンドエフェクタ100の側面から(例えば、本体130の側面から)延びていてよく、突出部132内のピンホール(図示せず)を通してピン111aを受け入れ、それによって、ピン111aを突出部132に対して固定することができる。ピン111aは、枢動アーム111およびエンドエフェクタ100の枢動軸を画定する。ピン111aは、枢動アーム111(図2)の遠位端の開口部(図示せず)に受け入れられてもよく、それにより、枢動アーム111を、枢動軸を中心として突出部132に固定することができ、エンドエフェクタ100が枢動アーム111に対して枢動することを可能にし得る。
【0034】
枢動アーム111は、近位端に開口部(図示せず)を含んでいてもよい。開口部は、取り付け機構110の遠位端に接続され得る。例えば、1つまたは複数のピン112a,112b(ピン112a,112bは、枢動軸を画定し得る)は、枢動アーム111の近位端の開口部を、取り付け機構110の遠位端の対応する開口部に接続することができる。ピン112a,112bは、枢動アーム111を、枢動軸を介して取り付け機構110に取り付けまたは固定し得る。ピン112a,112bが枢動軸を画定するので、枢動アーム111は、取り付け機構110に対して枢動することができる。
【0035】
図2および図3を参照すると、枢動アーム111は、枢動アーム111の上部支持体および下部支持体に配置された凹部114a,114bを含む。凹部114a,114bは、各々、部分的に円形状をなしているが、これに限定されるものではない。凹部114a,114bは、取り付け機構110上の突出部118a,118bと協働して、枢動アーム111のための近位方向における停止機構を提供することができる。本明細書に記載されるように、枢動アーム111は、凹部114a,114bが突出部118a,118bに接触して、枢動アーム111の近位方向へのさらなる回転を妨げるまで、ピン112a,112bを中心に回転することができる。
【0036】
枢動アーム111は、枢動アーム111の最上面として図2に描写される向きで示される、枢動アーム111の表面の開口部116を含んでいてもよいが、この向きは、カテーテル60およびエンドエフェクタ100が使用中に操作されるにつれて変化し得ることを理解されたい。開口部116は、枢動アーム111がカテーテル60の長手方向軸A(図1図3)に対して傾斜している場合に、枢動アーム111の位置を維持するためのロック機構119、例えば、爪(pawl)を受け入れ、それと協働することができる。ロック機構119は、エンドエフェクタ100の本体130に枢動可能に取り付けられるか、またはエンドエフェクタ100の突出アーム132に枢動可能に取り付けられてよい(図4)。ロック機構119は、ロック機構119を閉位置に、例えば開口部116に向かって、付勢または推し進めるばね(図示せず)または他の付勢部材を含んでいてよい。枢動アーム111が、ピン111aおよび112a,112bによって画定される枢動軸を中心として回転すると、ロック機構119および開口部116が位置合わせされる場合に、ロック機構119が開口部116、例えば、ロックスロットの中に付勢され得る。ロック機構119は、ロック機構119が開口部116内に配置され、開口部116にロックされる場合、エンドエフェクタ100および/または枢動アーム111の回転運動を妨げてもよい。
【0037】
ワイヤ119aは、ロック機構119に取り付けられてよく、近位方向に引っ張られて、ばね力に打ち勝ち、ロック機構119を開口部116から外し、それによって、エンドエフェクタ100および/または枢動アーム111の回転運動を可能にすることができる。ユーザは、ワイヤ119aを遠位方向に移動させて、ロック機構119を開口部116の中に移動させ、ピン111aおよび112a,112bによって画定される回転軸を中心とする枢動アーム111および/またはエンドエフェクタ100の相対移動をロックすることができることも理解されるであろう。枢動アーム111は、ユーザが枢動アーム111をカテーテル60の長手方向軸Aに対して複数の角度でロックすることを可能にするために、複数の開口部116を含んでいてもよいことが理解されるであろう。例えば、枢動アーム111は、2つ、3つ、またはそれ以上の開口部116を含んでいてもよく、各開口部116の位置は、長手方向軸Aに対するエンドエフェクタ100の角度を画定する。例えば、エンドエフェクタ100と長手方向軸Aとによって形成される角度は、0度~90度、約20度~約50度、または約45度であってよい。
【0038】
図2に示されるように、取り付けデバイス110は、近位端に開口を画定する本体110cと、本体110cの遠位端から延びてU字形の開口部を形成する壁110a,110bとを含んでいてよい。取り付けデバイス110の開口を画定する本体110cの内壁は、内視鏡のカテーテル60の外面の直径よりも大きい直径を有することができる。このようにして、取り付けデバイス110は、カテーテル60の遠位端上にスライドすることができ、接着剤、レーザ溶接、ねじ山などを介して取り外し可能にまたは恒久的に取り付けられ得る。さらに、カテーテル60に取り付けられた、またはカテーテル60から延びる医療ツール、撮像デバイス、および/または発光デバイスは、取り付けデバイス110の開口を介して標的部位にアクセスすることができる。代替的に、取り付けデバイス110の近位端の外壁は、カテーテル60の内壁よりも小さい直径を有していてよく、その結果、取り付けデバイス110は、カテーテル60のルーメンの中にスライドするとともに、接着剤、レーザ溶接、ねじ山などを使用してカテーテル60に取り外し可能にまたは恒久的に取り付けられるように構成されることが理解されよう。
【0039】
本明細書に説明されるように、突出部118a,118bは、取り付けデバイス110の壁110a,110bの内面から長手方向軸A(図2)に向かって延びている。いくつかの態様では、突出部118a,118bは、枢動アーム111がカテーテル60の長手方向軸Aに対する所定の最大回転角度(例えば、約90度)に達すると、枢動アーム111の回転運動を妨げることができる。
【0040】
枢動アーム111およびエンドエフェクタ100は、枢動アーム111および/またはエンドエフェクタ130の少なくとも一部がカテーテル60の最遠位端の遠位に延びるとともに、各々が長手方向軸Aと略平行である第1の位置(例えば、インライン(in-line)位置)(図3)から、第2の位置に移動することができる。第2の位置(例えば、傾斜した位置)(図1)は、ピン111aおよび/または112a,112bによって画定される軸を中心に枢動アーム111および/またはエンドエフェクタ130を回転させることによって、枢動アーム111および/またはエンドエフェクタ130の少なくとも一部が近位方向に移動される場合に達成され得る。
【0041】
次に、装置10の操作方法について説明する。装置10は、自然孔(例えば、口または肛門)を介して、または切開もしくは他の医学的に誘発された開口部を介して、身体に導入され得る。エンドエフェクタ100は、例えば、カテーテル60および/または長手方向に延在する本体50を遠位に押すことによって、体内の標的部位に前進させられ得る。エンドエフェクタ100は、閉じられた構成、例えば、エンドエフェクタ100がカテーテル60の長手方向軸Aと平行である構成において、カテーテル60とともに前進させられることができ、これにより、エンドエフェクタ100およびカテーテル60が、より狭い外形を有し、したがって、体内の1つまたは複数の蛇行した経路をより容易に移動することが可能になる。
【0042】
エンドエフェクタ100が体内の標的部位に到達すると、長手方向軸Aに対するエンドエフェクタ100の角度が調整され得る。例えば、ユーザは、長手方向に延在する本体50を近位方向に移動させてもよく、これにより、エンドエフェクタ100は、ピン111aによって画定される枢動軸を中心に回転させられ、および/または枢動アーム111は、ピン112a,112bによって画定される枢動軸を中心に回転させられ得る。ユーザが長手方向に延在する本体50を近位方向に移動させると、エンドエフェクタ100の遠位端は、エンドエフェクタ100の中間部分が長手方向軸A(図1)に沿って配置されるように、長手方向軸Aに向かって移動してもよく、および/または長手方向軸Aを横切ってもよい。エンドエフェクタ100が回転すると、枢動アーム111の遠位端は、半径方向外向きに、例えば、長手方向軸Aから離れて、近位方向に移動してもよい。エンドエフェクタ100がインライン位置(第1の位置)から作業位置(第2の位置)に回転されると、ロック機構119は、開口部116の中へ推し進められ、または付勢されて、エンドエフェクタ100を所望の作業位置にロックすることができる。代替的また追加的に、ユーザは、ワイヤ119aを遠位方向に移動させてもよく、これにより、ロック機構119が開口部116内に移動してもよい。操作はロック機構119を用いて行われるものとして説明されているが、エンドエフェクタ100のアンビル120および本体130を作動させる前の位置でエンドエフェクタ100をロックする必要はないことが理解されるであろう。
【0043】
ロック機構119が開口部116の中へ移動させられると、ユーザは、作動ワイヤ52を近位方向および遠位方向に移動させ、アンビル120を本体130に対して枢動させ、組織を把持し、組織をステープル留めし、および/または標的部位において組織に他の医療処置を行うことができる。ユーザは、カテーテル60に関連付けられた任意のツール、撮像デバイス、および/または発光デバイスも使用することができる。医療処置中に、ユーザは、長手方向軸Aに対するエンドエフェクタ100の角度を変更することができる。いくつかの例では、長手方向軸Aに対するエンドエフェクタ100の角度を変更することは、ユーザがワイヤ119aを近位に移動させて、ロック機構119を開口部116から外すことを必要とし得る。ロック機構119が開口部116から移動させられると、ユーザは、長手方向に延在する本体50を近位および遠位に移動させ、長手方向軸Aに対するエンドエフェクタ100の角度を変化させることができる。所望の角度が達成されると、エンドエフェクタ100の位置は、本明細書に説明されるように、ワイヤ119aを遠位に押すこと、および/または付勢部材がロック機構119を1つまたは複数の開口部116内に移動させることによってロックされ得る。
【0044】
医療処置が行われると、装置10は、身体から取り外され得る。ワイヤ119aを近位方向に移動させることができ、それによって、ロック機構119を開口部116から移動させることができる。次いで、ユーザは、エンドエフェクタ100および枢動アーム111がインライン配向に近づくように、長手方向に延在する本体50を遠位方向に押すことができる。エンドエフェクタ100および枢動アーム111がインライン配向を達成すると、装置10は、カテーテル60を近位に引っ張ることによって、身体から取り外すことができる。いくつかの例では、ユーザは、エンドエフェクタ100および枢動アーム111がインライン配向を維持することを確実にするために、装置10の取り外し中に長手方向に延在する本体50に遠位方向の力を加えてもよい。代替的に、ロック機構(ロック機構119など)は、取り外し中に、エンドエフェクタ100および枢動アーム111のインライン位置を維持してもよい。
【0045】
例示的な医療システムを説明してきたが、これらの締結システムにおける要素の特定の配置は限定されるものではないことが理解されるであろう。さらに、締結システムのサイズ、形状、および/または材料は限定されない。本明細書に記載されるように、スコープの長手方向軸に対するエンドエフェクタの位置を制御するための制御機構が含まれる。様々な医療処置の実行は、ユーザがエンドエフェクタをインライン配向で挿入し、それによってデバイスのサイズを低減し、エンドエフェクタを操作位置に移動させて、エンドエフェクタを使用して1つまたは複数の医療操作を実行することを可能にすることによって改善することができる。
【0046】
本開示の範囲から逸脱することなく、開示されたデバイスに対して様々な修正および変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。本開示の他の実施形態は、本明細書の検討および本明細書に開示された本発明の実施から当業者には明らかであろう。本明細書および実施例は例示としてのみ考慮され、本発明の真の範囲および技術思想は以下の特許請求の範囲によって示されることが意図されている。
図1A
図1B
図2
図3
図4
【国際調査報告】