(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-18
(54)【発明の名称】ER型ミスセンス変異を有する患者におけるニーマンピック病C型の治療用アリモクロモル
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4545 20060101AFI20240111BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240111BHJP
A61K 31/445 20060101ALI20240111BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240111BHJP
C12Q 1/6869 20180101ALI20240111BHJP
C12N 15/12 20060101ALN20240111BHJP
【FI】
A61K31/4545
A61P25/00 ZNA
A61K31/445
A61P43/00 121
C12Q1/6869 Z
C12N15/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539080
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(85)【翻訳文提出日】2023-08-08
(86)【国際出願番号】 EP2021087483
(87)【国際公開番号】W WO2022136640
(87)【国際公開日】2022-06-30
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523186818
【氏名又は名称】ゼブラ デンマーク エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ジェンセン,トーマス キェルケゴール
(72)【発明者】
【氏名】イ ダリ,クリスティーン
(72)【発明者】
【氏名】ピーターセン,ニコライ ハブンソー トープ
(72)【発明者】
【氏名】ブラエットラー,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】フライベルク,ラルケ クレメント
【テーマコード(参考)】
4B063
4C086
【Fターム(参考)】
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4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、ニーマンピック病C型(NPC)の改善された治療方法に使用するための、N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド、その立体異性体類及びその酸付加塩類から選択された医薬品有効成分医薬品有効成分に関し、患者は、NPC遺伝子に小胞体(ER)型ミスセンス変異を有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の処置または予防方法に使用するための、N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド、その立体異性体類及びその酸付加塩類から選択された医薬品有効成分医薬品有効成分であって、前記対象は、NPC遺伝子内に小胞体(ER)型ミスセンス変異を有する、医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項2】
前記医薬品有効成分医薬品有効成分は、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド、及びその酸付加塩類である、請求項1に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項3】
前記医薬品有効成分医薬品有効成分は、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩である、請求項1または2に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項4】
前記方法は、アルキルが2~8個の炭素原子を含む1,5-ジデオキシ-1,5-イミノ-D-グルシトールのN-アルキル誘導体、その立体異性体類及びその酸付加塩類から選択されたさらなる医薬品有効成分医薬品有効成分を投与することをさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項5】
前記さらなる医薬品有効成分医薬品有効成分は、N-ブチル-デオキシノジリマイシン(ミグルスタット)である、請求項4に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項6】
対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の処置または予防方法に使用するための、N-ブチル-デオキシノジリマイシン(ミグルスタット)であるさらなる医薬品有効成分医薬品有効成分と併用されている、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩(アリモクロモル)である、医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項7】
前記処置は、予防的、治癒的、または寛解的である、請求項1~6のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項8】
前記NPC遺伝子は、NPC1及びNPC2から選択される、請求項1~7のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項9】
前記NPC遺伝子は、NPC1である、請求項1~8のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項10】
前記ER型ミスセンス変異は、ミスフォールドされ、小胞体(ER)に保定され、その後分解の標的にされるNPCタンパク質の産生をもたらす、請求項1~9のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項11】
前記NPCタンパク質は、NPC1及びNPC2から選択される、請求項1~10のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項12】
前記NPCタンパク質は、NPC1である、請求項1~11のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項13】
前記ER型ミスセンス変異は、単一アミノ酸変化をもたらす、請求項1~12のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項14】
前記ER型ミスセンス変異は、C113R、R389L、G535V、L724P、Q921P、W942C、G1034C、V378A、R404Q、H510P、Q775P、M1142T、N1156S、G1162V、R1186H、L1244P及びI1061Tからなる群から選択される、請求項1~13のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項15】
前記ER型ミスセンス変異は、I1061T、M1142T、N1156S及びR1186Hからなる群から選択される、請求項1~14のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項16】
前記ER型ミスセンス変異は、I1061Tである、請求項1~15のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項17】
前記対象は、I1061T/E1188
*、I1061T/A1151T、I1061T/Q119fs、I1061T/I962fs、T1036M/I1061T、I1061T/V1141G、N968S/R1186H、N1156S/F1199sp2、Q991fs/I1061T、H1016L/I1061T、I1061T/A1192fs、I1061T/N1156S、R1186H/R1186H、P1007A/R1186H、及びI1061T/D508fsからなる群から選択されたNPC1遺伝子型を有する、請求項1~16のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項18】
前記医薬品有効成分医薬品有効成分の投与により、2年間にわたる持続的な利益が得られる、請求項1~17のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項19】
前記医薬品有効成分は、1週間を超えて、例えば2週間を超えて、例えば3週間を超えて、例えば4週間を超えて、
例えば1ヶ月間を超えて、例えば2ヶ月間を超えて、例えば3ヶ月間を超えて、例えば4ヶ月間を超えて、例えば5ヶ月間を超えて、例えば6ヶ月間を超えて、
または例えば1年間を超えて、例えば2年間を超えて、例えば3年間を超えて、例えば4年間を超えて、例えば5年間以上、
投与される、先行請求項のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分。
【請求項20】
前記処置は、前記医薬品有効成分医薬品有効成分による早期処置の開始を含む、請求項1~19のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項21】
前記疾患の経過は変化される、請求項1~20のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項22】
前記対象は約4歳以上である、請求項1~21のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項23】
前記医薬品有効成分医薬品有効成分の投与により、2年間にわたる持続的な利益が得られ、前記持続的な利益は、前記2年間にわたり1を超えない5ドメインNPCCSSスコアの増加を示す前記対象によって特徴付けられる、請求項1~22のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項24】
前記医薬品有効成分は、医薬品有効成分約100mg/日から約1000mg/日((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)で投与される、請求項1~23のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項25】
前記医薬品有効成分は、医薬品有効成分は、約100mg/日、例えば約125mg/日、例えば約150mg/日、例えば約175mg/日、例えば約200mg/日、例えば約225mg/日、例えば約250mg/日、例えば約275mg/日、例えば約300mg/日、例えば約325mg/日、例えば約350mg/日、例えば約375mg/日、例えば約400mg/日、例えば約425mg/日、例えば約450mg/日、例えば約475mg/日、例えば約500mg/日、例えば約525mg/日、例えば約550mg/日、例えば約575mg/日、例えば約600mg/日、例えば約625mg/日、例えば約650mg/日、例えば約675mg/日、または例えば約700mg/日((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)で投与される、請求項1~24のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項26】
前記医薬品有効成分医薬品有効成分は、約150mg/日、例えば約225mg/日、例えば約300mg/日、例えば約450mg/日、または例えば約600mg/日((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)で投与される、請求項1~25のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項27】
前記医薬品有効成分医薬品有効成分は、約25mg、例えば約50mg、例えば約75mg、例えば約100mg、例えば約125mg、例えば約150mg、例えば約175mg、例えば約200mg、例えば約225mg、例えば約250mg、例えば約275mg、または例えば約300mgの用量((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)で投与される、請求項1~26のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項28】
前記医薬品有効成分医薬品有効成分は、約50mg、例えば約75mg、例えば約100mg、例えば約150mg、または例えば約200mg((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)の用量で投与される、請求項1~27のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項29】
前記医薬品有効成分医薬品有効成分は、一週間に少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、または少なくとも7日投与される、請求項1~28のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項30】
前記医薬品有効成分医薬品有効成分は、少なくとも1回、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、または少なくとも5回、毎日投与される、請求項1~29のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項31】
前記医薬品有効成分医薬品有効成分は、毎日3回(t.i.d.)投与される、請求項1~30のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項32】
前記医薬品有効成分医薬品有効成分は、患者の体重によって調整された用量で投与される、請求項1~31のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項33】
前記対象は、約8kg~約15kgの体重を有し、前記医薬品有効成分医薬品有効成分は、約50mg t.i.d.(約150mg/日)((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)の用量で投与される、請求項1~32のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項34】
前記対象は、約8kg~約15kgの体重を有し、前記医薬品有効成分医薬品有効成分は、約75mg t.i.d.(約225mg/日)((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)の用量で投与される、請求項1~33のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項35】
前記対象は、約15kg~約22kgの体重を有し、前記医薬品有効成分医薬品有効成分は、約75mg t.i.d.(225mg/日)((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)の用量で投与される、請求項1~34のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項36】
前記対象は、約22kg~約38kgの体重を有し、前記医薬品有効成分医薬品有効成分(は、約100mg t.i.d.(約300mg/日)(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)の用量で投与される、請求項1~35のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項37】
前記対象は、約38kg~約55kgの体重を有し、前記医薬品有効成分医薬品有効成分は、約150mg t.i.d.(約450mg/日)((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)の用量で投与される、請求項1~36のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項38】
前記対象は、約15kg~約30kgの体重を有し、前記医薬品有効成分医薬品有効成分は、約100mg t.i.d.(300mg/日)((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)の用量で投与される、請求項1~37のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項39】
前記対象は、約30kg~約55kgの体重を有し、前記医薬品有効成分医薬品有効成分は、約150mg t.i.d.(約450mg/日)((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)の用量で投与される、請求項1~38のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項40】
前記対象は、約55kg超の体重を有し、前記医薬品有効成分医薬品有効成分は、約200mg t.i.d.(約600mg/日)((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)の用量で投与される、請求項1~39のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項41】
前記医薬品有効成分医薬品有効成分は、経口で投与される、請求項1~40のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項42】
前記医薬品有効成分医薬品有効成分は、経口投与、例えば、錠剤もしくはカプセルの形態、または経口粉末、例えば、液体への懸濁に適している経口粉末、または経口投与用の懸濁液などの形態でに製剤される、請求項1~41のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項43】
前記医薬品有効成分医薬品有効成分の前記投与は、末梢血単核細胞中の非エステル化コレステロールの蓄積を減少させる、請求項1~42のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項44】
前記医薬品有効成分医薬品有効成分の前記投与は、血清コレスタントリオールの蓄積レベルを低減させる、請求項1~43のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項45】
前記対象は哺乳類である、請求項1~44のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項46】
前記哺乳類はヒトである、請求項45に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項47】
前記医薬品有効成分医薬品有効成分及び前記さらなる医薬品有効成分医薬品有効成分は、時間的に近接して投与される、請求項4から466に記載の使用のための医薬品有効成分。
【請求項48】
前記さらなる医薬品有効成分医薬品有効成分は、前記医薬品有効成分医薬品有効成分の前に投与される、請求項4から47に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項49】
前記医薬品有効成分医薬品有効成分は、前記さらなる医薬品有効成分医薬品有効成分の前に投与される、請求項4から48に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項50】
前記医薬品有効成分医薬品有効成分及び前記さらなる医薬品有効成分医薬品有効成分は、同時または順次に投与される、請求項4から49に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項51】
前記さらなる医薬品有効成分医薬品有効成分は、前記医薬品有効成分医薬品有効成分の初回投与前の少なくとも1年間投与される、請求項1~50のいずれか1項に記載の使用のための医薬品有効成分医薬品有効成分。
【請求項52】
ニーマンピック病C型(NPC)に罹患する対象のアリモクロモルによる処置に対する反応性を予測する方法であって、
a)前記対象が、NPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有するかどうかを決定することと、
b)前記対象が、NPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有すると決定される場合、前記対象が、アリモクロモルによる処置に反応することを予測することと、
を含む、方法。
【請求項53】
ニーマンピック病C型(NPC)に罹患する対象のアリモクロモル及びミグルスタットの併用による処置に対する反応性を予測する方法であって、
a)前記対象が、NPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有するかどうかを決定することと、
b)前記対象が、NPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有すると決定される場合、前記対象が、アリモクロモル及びミグルスタットの併用による処置に反応することを予測することと、
を含む、方法。
【請求項54】
アリモクロモルによる処置に反応性である可能性が高いニーマンピック病C型(NPC)に罹患する対象を同定する方法であって、
a)前記対象が、NPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有するかどうかを決定することと、
b)前記対象が、NPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有すると決定される場合、前記対象を、アリモクロモルによる処置に反応する可能性が高いと同定することと、
を含む、方法。
【請求項55】
アリモクロモル及びミグルスタットの併用による処置に反応性である可能性が高いニーマンピック病C型(NPC)に罹患する,対象を同定する方法であって、
a)前記対象が、NPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有するかどうかを決定することと、
b)前記対象が、NPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有すると決定される場合、前記対象を、アリモクロモル及びミグルスタットの併用による処置に反応する可能性が高いと同定することと、
を含む、方法。
【請求項56】
前記対象は、前記NPC1遺伝子にER型ミスセンス変異を有する、請求項52~55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
NPC遺伝子にER型ミスセンス変異を決定することは、前記対象由来の生体サンプルから単離された核酸を配列決定することを含む、請求項52~56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記対象は、前記NPC遺伝子の前記2つの対立遺伝子のうちの1つに少なくとも1つのER型ミスセンス変異を有すると同定される、請求項52~57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記対象は、前記NPC遺伝子の前記2つの対立遺伝子のそれぞれに少なくとも1つのER型ミスセンス変異を有すると同定される、請求項52~58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
前記対象は、前記NPC遺伝子の複合ヘテロ接合体であると同定される、請求項52~59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
前記方法は、アリモクロモルを投与する1つ以上のステップをさらに含む、請求項52~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記方法は、アリモクロモル及びミグルスタットを投与する1つ以上のステップをさらに含む、請求項52~61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
必要とする対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の処置または予防方法であって、N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド、その立体異性体類及びその酸付加塩類から選択される医薬品有効成分医薬品有効成分の治療的有効量を投与することを含み、前記対象は、NPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有する、方法。
【請求項64】
対象におけるNPCの処置のための薬物の製造のために、N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド、その立体異性体類及びその酸付加塩類から選択された医薬品有効成分医薬品有効成分の使用であって、前記対象は、NPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有する、医薬品有効成分医薬品有効成分の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニーマンピック病C型(NPC)の治療方法に使用するために、N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド、その立体異性体類及びその酸付加塩類から選択された医薬品有効成分に関し、患者はNPC遺伝子に小胞体(ER)型ミスセンス変異を有する。
【背景技術】
【0002】
リソソーム蓄積症(LSD)は、リソソーム区画内の物質の蓄積とその結果としてのリソソーム区画の不安定化によって特徴付けられる、まれな疾患群であり、罹患者に壊滅的な影響を及ぼす。
【0003】
ニーマン・ピック病C型(NPC)は、リソソーム機能が損なわれ、複数の脂質種がリソソーム及びエンドソーム区画に蓄積する、まれな進行性の神経変性疾患である。この脂質の蓄積は、神経変性及び内臓器官の機能不全を引き起す。NPCの臨床症状及び進行は、異質で、神経症状の発症時の年齢に依存し、運動機能、嚥下、及び発話の喪失だけでなく、認知障害を含む。神経症状が幼児期に発症した罹患者は、一般に、若年性または遅発性疾患の患者よりも侵襲性の疾患経過をたどる。
【0004】
他のLSDと比較したNPCの典型的な特徴は、蓄積された貯蔵物質が非常に複雑であり、複数の異なるクラスの脂質を含むことである。NPCでは、リソソームにコレステロール及び複数のスフィンゴ脂質(スフィンゴ糖脂質(GSL)を含む)及びスフィンゴシンが蓄積し、リソソームカルシウムが減少する。
【0005】
NPCに特異的な治療法はなく、主に支持療法が利用可能である。これらには、発作、手足の異常な姿勢、及び振戦を制御するための薬物療法が含まれる。日常機能を支援するために、理学療法、言語療法、及び作業療法も行われる。肝臓移植または骨髄移植を行い、コレステロール低下薬を用いることによって、NPCに見られる細胞の変化を適正にする試みがなされてきたが、これまでのところ、神経学的悪化または疾患の進行を遅らせる効果はなかった。
【0006】
NPCの根底にある正確な遺伝子及び分子メカニズムを識別することは困難であった。脂質の細胞内輸送及び代謝に必須のリソソームタンパク質をコードする、NPC1遺伝子(症例の約95%)かNPC2遺伝子(症例の約5%)かいずれかにおける常染色体劣性遺伝の変異は、NPCの主な遺伝的原因であることが確認されている。ただし、NPC患者のNPC1及びNPC2では、ミスセンス変異(70~80%)だけでなくスプライシング、フレームシフト、または未成熟終止変異を含む、多数の異なるクラスの変異が同定されており、これらは本明細書では機能ヌル変異と総称される。
【0007】
いくつかのミスセンス変異がNPCの原因となることが知られている。I1061T変異は、最も一般的に報告されている変異であり、ホモ接合状態では、または機能ヌル対立遺伝子との組み合わせでは、幼児後期または若年早期の発症、及び培養線維芽細胞におけるフィリピン染色の「古典的な」増加を伴う臨床表現型となる。この変異により、NPC1タンパク質になると、ミスフォールドされ、小胞体(ER)に保定され、その後分解の標的となる。NPC遺伝子に見られる他のいくつかの変異は、同様の表現型をもたらすことが報告されており、本明細書ではER型ミスセンス変異と呼ばれる。
【0008】
これらの変異の同定にもかかわらず、NPCにおける一貫した遺伝子型/表現型の関係を確立することは困難であった。さらに、遺伝子型/表現型が異なれば、治療に対する反応も異なり、例えば、ミグルスタットによる治療は、疾患の進行を遅らせるわずかな効果しか示さなかった。
【0009】
したがって、当技術分野では、NPCに対する遺伝子型/患者特異的治療法が緊急に必要とされる。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、NPC患者、具体的にはER型ミスセンス変異を有するNPC患者のサブセットを標的にした治療を提供することにより、これらのニーズに対処する。
【0011】
本発明者らは、驚くべきことに、少なくとも1つのER型ミスセンス変異がNPC遺伝子の2つの対立遺伝子のうちの少なくとも1つにあるNPC対象が、アリモクロモルによる治療に強く反応することを見いだした。
【0012】
本開示の一態様は、対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法に使用するために、N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド、その立体異性体類及びその酸付加塩類、特定の実施形態では、アリモクロモル((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)から選択された医薬品有効成分を提供することであり、対象はNPC遺伝子に小胞体(ER)型ミスセンス変異を有する。
【0013】
本開示のいくつかの態様では、対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法に使用するために、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩(アリモクロモル)である医薬品有効成分が、N-ブチル-デオキシノジリマイシン(ミグルスタット)であるさらなる医薬品有効成分と併用して提供され、対象はNPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有する。
【0014】
特定の実施形態では、NPC遺伝子のER型ミスセンス変異により、NPCタンパク質になると、ミスフォールドされ、小胞体(ER)に保定され、その後分解の標的となる。
【0015】
特定の実施形態では、NPC遺伝子はNPC1であり、NPCタンパク質はNPC1である。
【0016】
また、本開示の一態様は、任意選択でミグルスタットと併用した、アリモクロモルによる治療に対するニーマンピック病C型(NPC)の対象の反応性を予測する方法を提供することであり、
この方法は、
a)対象がNPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有するかどうかを決定することと、
b)対象がNPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有すると決定される場合、任意選択でミグルスタットと併用した、アリモクロモルによる治療に対象が反応することを予測することと、
を含む。
【0017】
いくつかの態様では、任意選択でミグルスタットと併用した、アリモクロモルによる治療に反応性である可能性が高いニーマンピック病C型(NPC)の対象を同定する方法を提供し、
この方法は、
a)対象がNPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有するかどうかを決定することと、
b)対象がNPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有すると決定される場合、対象を、任意選択でミグルスタットと併用した、アリモクロモルによる治療に反応する可能性が高いと同定することと、
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A】アリモクロモルまたはプラセボによる治療後12ヶ月目にベースラインと比較した5ドメインNPCCSSスコアの観察された変化を示す。本試験での対象の全母集団のベースラインと比較した5ドメインNPCCSSスコアにおいて観察された変化。実線は、対象が試験治療を受けていた間に得られたデータに基づいた最小二乗平均推定値±標準誤差を表す。反復測定値の混合モデルは、それぞれベースライン及び層の主効果、ならびに治療と来診との間の相互作用を含んだ。ベースラインからの変化及び絶対推定値は、ベースラインでの対象全体の平均値に相当する。対象の数は時点ごとに提示されている。データについては実施例1でさらに説明する。
【
図1B】アリモクロモルまたはプラセボによる治療後12ヶ月目にベースラインと比較した5ドメインNPCCSSスコアの観察された変化を示す。≧4歳であった対象のベースラインと比較した5ドメインNPCCSSスコアにおいて観察された変化。実線は、対象が試験治療を受けていた間に得られたデータに基づいた最小二乗平均推定値±標準誤差を表す。反復測定値の混合モデルは、それぞれベースライン及び層の主効果、ならびに治療と来診との間の相互作用を含んだ。ベースラインからの変化及び絶対推定値は、ベースラインでの対象全体の平均値に相当する。対象の数は時点ごとに提示されている。データについては実施例1でさらに説明する。
【
図1C】アリモクロモルまたはプラセボによる治療後12ヶ月目にベースラインと比較した5ドメインNPCCSSスコアの観察された変化を示す。ミグルスタットの治療も受けた対象のベースラインと比較した5ドメインNPCCSSスコアにおいて観察された変化。実線は、対象が試験治療を受けていた間に得られたデータに基づいた最小二乗平均推定値±標準誤差を表す。反復測定値の混合モデルは、それぞれベースライン及び層の主効果、ならびに治療と来診との間の相互作用を含んだ。ベースラインからの変化及び絶対推定値は、ベースラインでの対象全体の平均値に相当する。対象の数は時点ごとに提示されている。データについては実施例1でさらに説明する。
【
図1D】アリモクロモルまたはプラセボによる治療後12ヶ月目にベースラインと比較した5ドメインNPCCSSスコアの観察された変化を示す。ミスセンス/ミスセンスかミスセンス/機能ヌルかいずれかのNPC遺伝子型を有する対象(二重機能ヌル変異を有する患者を除く)のベースラインと比較した5ドメインNPCCSSスコアにおいて観察された変化。実線は、対象が試験治療を受けていた間に得られたデータに基づいた最小二乗平均推定値±標準誤差を表す。反復測定値の混合モデルは、それぞれベースライン及び層の主効果、ならびに治療と来診との間の相互作用を含んだ。ベースラインからの変化及び絶対推定値は、ベースラインでの対象全体の平均値に相当する。対象の数は時点ごとに提示されている。データについては実施例1でさらに説明する。
【
図1E】アリモクロモルまたはプラセボによる治療後12ヶ月目にベースラインと比較した5ドメインNPCCSSスコアの観察された変化を示す。本試験のすべての対象におけるベースラインから最後に入手可能なデータまでの5ドメインNPCCSSスコアにおける患者レベルの変化。データについては実施例1でさらに説明する。
【
図2A】アリモクロモルまたはプラセボを投与された対象におけるバイオマーカー解析のグラフを示す。アリモクロモルで治療された患者での0ヶ月目から12ヶ月目までのPBMC中のHSP70における変化。データについては実施例1でさらに説明する。
【
図2B】アリモクロモルまたはプラセボを投与された対象におけるバイオマーカー解析のグラフを示す。12ヶ月目の非エステル化コレステロールレベルにおける変化。エラーバーは標準誤差を示す。データについては実施例1でさらに説明する。
【
図2C】アリモクロモルまたはプラセボを投与された対象におけるバイオマーカー解析のグラフを示す。12ヶ月目の血清コレスタントリオールレベルにおける変化(群間の差:p=0.225)。エラーバーは標準誤差を示す。データについては実施例1でさらに説明する。
【
図3】様々な濃度のアリモクロモルで処理したER型遺伝子型を有するNPC線維芽細胞における相対的なHSP1A1発現を示す。HSP1A1の発現レベルを2日目及び5日目に定量化する。データについは実施例2でさらに説明する。
【
図4】NPC患者由来の線維芽細胞株をアリモクロモルで処理した(50~400μMのアリモクロモル、5日間)際のNPC1タンパク質の定量化を示す。NPC1タンパク質は、チューブリン(GM18453&GM18420)またはポンソー染色(他のすべての細胞株)と比較したウェスタンブロッティングによって定量化された。値は、示されているように、3~5回の独立した実験の平均+標準偏差(SD)を表す。統計解析は、ダネット多重比較検定を用いた二元配置ANOVAによって実行された(p:
*<0.05、
**<0.01、
***<0.001、
****<0.0001)。データについては実施例2でさらに説明する。
【
図5A】P1007A及び機能ヌル対立遺伝子(GM18420)、またはホモ接合体I1061T NPC1(GM18453)を保有するNPC線維芽細胞株からの抽出物のウェスタンブロッティングを示す。PNGaseは、成熟状態に関係なく、NPC1タンパク質からすべてのグリカンを切断し、コントロールとして含まれる。EndoH感受性の未成熟なNPC1は未処理のGM18453抽出物に見られる。データについては実施例2でさらに説明する。
【
図5B】EndoH抵抗性NPC1の定量化。未処理細胞に対してアリモクロモルで処理された細胞として示される。細胞を400μMのアリモクロモルで5日間処理した。3回の独立した実験の平均値、平均±SD。ペアワイズt検定(p:
*<0.05)。データについては実施例2でさらに説明する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
定義
本文脈における「薬学的に許容される誘導体」という用語は、対象に有害ではない塩を示す、薬学的に許容される塩を含む。かかる塩としては、薬学的に許容される塩基または酸付加塩、ならびに薬学的に許容される金属塩、アンモニウム塩、及びアルキル化アンモニウム塩が含まれる。薬学的に許容される誘導体は、生物学的に活性化合物に代謝され得る化合物のエステル及びプロドラッグ、もしくは他の前駆体、または化合物の結晶形態を更に含む。
【0020】
「酸付加塩」という用語は、対象に有害ではない塩類を示す「薬学的に許容される酸付加塩」を含むことを意図したものである。酸付加塩類には、無機酸類及び有機酸類の塩類が含まれる。適切な無機酸類の代表例として、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、硝酸などが挙げられる。適切な有機酸類の代表例として、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、桂皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、シュウ酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモ酸、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などが挙げられる。薬学的に許容される無機または有機酸付加塩類のさらなる例として、J.Pharm.Sci.66,2,(1977)のリストに記載されている薬学的に許容される塩類が挙げられ、これは参照により本明細書に援用されている。
【0021】
本明細書に使用されている化合物の「治療有効量」という用語は、所与の疾患または障害及びその合併症の臨床症状を治癒、緩和、予防、そのリスクの低減、または部分的に阻止するのに十分な量を指す。これを達成するのに十分な量を「治療有効量」と定義する。目的ごとに有効な量は、疾患または損傷の重症度、ならびに対象の体重及び一般的な状態に依存するであろう。適切な投与量の決定は、すべて訓練を受けた医師または獣医師の通常の技能の範囲内である、値のマトリックスを構築し、マトリックス内の異なる点をテストすることによる日常的な実験方法を使用して達成できることが理解されよう。
【0022】
どの化合物についても、治療有効量は動物モデル、通常はラット、マウス、ウサギ、イヌ、またはブタで推定されることができる。動物モデルを使用して、適切な濃度範囲及び投与経路を決定することもできる。このような情報を使用して、ヒトへの投与に有用な用量及び経路を決定することができる。治療/予防有効性及び毒性は、細胞培養物または実験動物で標準薬学的手順により、例えば、ED50(集団の50%に治療上有効な用量)及びLD50(集団の50%致死量)により、決定されることができる。毒性と治療効果と間の用量比は、治療指数であり、それはLD50/ED50の比率として表されることができる。用量は、使用される剤形及び対象の感受性に応じて、この範囲内で変動し得る。
【0023】
「対象」という用語には、NPCを有する、またはNPCを発症するリスクのあるあらゆる生物が含まれる。いくつかの実施形態では、「対象」という用語は、NPCを有する哺乳動物、またはNPCを発症するリスクのある哺乳動物を指す。いくつかの実施形態では、「対象」という用語は、NPCを有するヒト、またはNPCを発症するリスクのあるヒトを指す。「患者」という用語は、同義であることを意味するものであり、特に明示的に示されない限り、「対象」と互換的に使用されることができる。
【0024】
ニーマンピック病C型(NPC)は、身体がコレステロール及びその他の脂肪物質(脂質)を細胞内に輸送できないことによって特徴付けられる、まれな進行性の遺伝障害である。これにより、脳組織を含む身体の様々な組織内にこれらの物質が異常に蓄積する。
【0025】
本明細書で使用される「治療」及び「治療すること」という用語は、状態、疾患または障害と闘う目的のための対象の管理及びケアを指す。この用語は、対象が患っている所与の状態に対するすべての治療法を含むことを意図したものである。治療される対象は、好ましくは、哺乳動物、特に、ヒトである。しかしながら、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ及びブタなどの動物の処置も本発明の範囲内である。処置を受ける対象は様々な年齢の対象であることができる。
【0026】
「治療する」または「治療」への言及には、状態の確立された症状の軽減が含まれることを理解されたい。したがって、状態、障害または状況を「治療する」またはその「治療」には、(1)状態、障害もしくは状況に苦しんでいる、もしくはその素因がある可能性があるが、状態、障害もしくは状況の臨床症状もしくは無症状をまだ経験していない、もしくは呈していない、ヒトにおいて発症する状態、障害もしくは状況の臨床症状の出現を遅らせること、(2)状態、障害もしくは状況を阻害する、すなわち、疾患の発症もしくはその再発、もしくはその少なくとも1つの臨床症状もしくは無症状を(維持療法の場合には)抑止する、軽減する、もしくは遅延させること、または(3)疾患を軽減する、もしくは減弱する、すなわち、状態、障害もしくは状況、もしくはその臨床症状もしくは無症状の少なくとも1つの退縮を引き起こすことが含まれる。
【0027】
「早期治療開始」という用語は、対象におけるNPCの経過において可能な限り早期に、例えば、対象がNPCと診断され次第、またはある所定のカットオフ値を下回る5ドメインNPCCSS、17ドメインNPCCSS、及び/またはASISスコアを対象が示す期間中に、アリモクロモルの投与を開始することを指す。
【0028】
本明細書で使用される場合、「予防すること」、「予防する」、または「から保護する」という用語は、そのような疾患、状態または障害の症状または合併症の発症を減少させる、または排除することを表す。
【0029】
本明細書で使用される、用語「投与する」、「投与すること」、「投与」等は、所望の生物作用部位への組成物の送達を可能にするために使用され得る方法を指す。これらの方法としては、関節内(intraarticular、in the joints)、静脈内、筋肉内、腫瘍内、皮内、腹腔内、皮下、経口、局所、髄腔内、吸入、経皮、直腸等が挙げられるがこれらに限定されない。本明細書に記載の薬剤及び方法とともに使用することができる投与技術は、例えば、Goodman and Gilman,The Pharmacological Basis of Therapeutics,current ed.、Pergamon、及びRemington’s,Pharmaceutical Sciences (current edition),Mack Publishing Co.,Easton,Pa.に見いだされる。
【0030】
さらに、アリモクロモルは他の治療薬と同時投与されることができる。「同時投与」「~と併用して投与される」、「時間的に近接して投与される」という用語、及びそれらの文法上の等価物は、本明細書で用いる場合、単独の対象への2つ以上の治療薬の投与を包含することを意味し、薬剤を、同一のもしくは異なる投与経路によって、または同一のもしくは異なる時点で投与するという処置計画を含むことを意図したものとする。いくつかの実施形態では、アリモクロモルは他の薬剤と同時投与される。これらの用語は、両薬剤及び/またはそれらの代謝産物が当該対象において同時に存在するように、該対象に対して2つ以上の薬剤を投与することを包含する。それらは、別々の組成物における同時投与、別々の組成物における異なる時点での投与、及び/または両方の薬剤が存在する組成物としての投与を含む。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物類及び他の薬剤(複数可)を、単一の組成物として投与する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物類及び他の薬剤(複数可)を、組成物として混合する。
【0031】
特定の投与方法及び投与計画は、症例の詳細(例えば、対象、疾患、関与する病状、特定の治療)を考慮して担当臨床医によって選択される。治療には、数日から数ヶ月、さらには数年の期間にわたる、一日または複数日または毎日より少ない(例えば、毎週または毎月など)の用量が含まれることができる。ただし、当業者であれば、指針としてアリモクロモルを使用してNPCを治療するために承認された組成物の投与量を調べれば、適切な用量及び/または同等の用量を直ちに認識するであろう。
【0032】
本明細書で教示される化合物または対応する医薬組成物は、当業者には理解されるように、選択された投与経路に応じて様々な形態で患者に投与されることができる。本教示の化合物は、例えば、経口、非経口、頬側、舌下、鼻腔、直腸、パッチ、ポンプまたは経皮投与によって投与されることができ、それに応じて医薬組成物を製剤することができる。非経口投与には、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、経上皮、鼻腔、肺内、髄腔内、直腸及び局所の投与方法が含まれる。非経口投与は、選択された期間にわたる連続注入によるものであるができる。
【0033】
本出願の医薬組成物は、その意図される投与経路に適合するように製剤化される。いくつかの実施形態では、該組成物は、ヒトに対する静脈内、皮下、筋肉内、経口、鼻腔内、または局所投与に適した医薬組成物として、従来の手順に従って製剤化される。好ましい実施形態では、本薬学的組成物は、静脈内投与用に製剤化される。
【0034】
「機能ヌル変異」という用語は、機能ヌル変異を有する対立遺伝子から産生される、切断された欠陥のあるタンパク質をもたらす遺伝子の変異を指す。本明細書で使用される場合、機能ヌル変異は、フレームシフト変異、異常なスプライシング変異、または未成熟終止コドン変異のいずれかである。
【0035】
「フレームシフト変異」という用語は、対象のゲノムにおける遺伝子の対立遺伝子の任意の数のヌクレオチドの欠失か挿入かいずれかを指し、ヌクレオチドの数は3で割り切れないことにより、野生型対立遺伝子から生成される転写物と比較して、変異のある対立遺伝子から生成される転写物の読み枠が変化する。
【0036】
「異常なスプライシング変異」という用語は、野生型配列を有する転写物と比較して、変異を含む転写物のスプライシング活性を変化させる変異を指す。
【0037】
「未成熟終止変異」という用語は、未成熟終止コドンの生成をもたらし、その結果、野生型配列と比較して、切断されたタンパク質産物が産生される、一塩基変異を指す。
【0038】
「ミスセンス変異」という用語は、野生型遺伝子によって産生されるタンパク質と比較して、変異を有する遺伝子によって産生されるタンパク質における単一アミノ酸の変化をもたらす、遺伝子における1つまたは複数の塩基置換を指す。
【0039】
「ER型ミスセンス変異」という用語は、野生型遺伝子によって産生されるタンパク質と比較して、変異を有する遺伝子によって産生されるタンパク質における単一アミノ酸の変化をもたらす、遺伝子における1つまたは複数の塩基置換を指す。特定の実施形態では、NPC遺伝子(例えば、NPC1またはNPC2)のER型ミスセンス変異により、ミスフォールドされ、小胞体(ER)に保定され、及び/またはその後分解の標的となるNPCタンパク質(例えば、NPC1またはNPC2)になる。ER型ミスセンス変異の例、及び変異をER型ミスセンス変異としてクラス分類する方法の例は、Shammas et al.,2019及びWang et al.,2020にさらに提供される(ER型ミスセンス変異はShammas et al.,2019及びWang et al.,2020ではそれぞれ「ERブロック」及び「クラスII」と呼ばれる)。
【0040】
「NPC1」という用語は、当該技術分野ではNPC細胞内コレステロールトランスポータ1とも呼ばれる、ニーマンピックC型タンパク質1をコードする遺伝子を指す。「NPC1」という用語は、NPC1遺伝子のタンパク質産物を指す。
【0041】
「NPC2」という用語は、当該技術分野ではNPC細胞内コレステロールトランスポータ1とも呼ばれる、ニーマンピックC型タンパク質2をコードする遺伝子を指す。「NPC2」という用語は、NPC2遺伝子のタンパク質産物を指す。
【0042】
「遺伝子型」という用語は、対象における特定の遺伝子座の両方の対立遺伝子の変異状態を指す。当業者には知られているように、遺伝子型は、本明細書では、第一対立遺伝子の変異の記述(例えば、ミスセンス、機能ヌル、特異的変異の記述)、その後「/」、その後、第二対立遺伝子の変異の記述(例えば、ミスセンス、機能ヌル、特異的変異の記述)によって説明される。
【0043】
「NPC1遺伝子型」という用語は、NPC1遺伝子座における対象の遺伝子型を指す。
【0044】
「NPC2遺伝子型」という用語は、NPC2遺伝子座における対象の遺伝子型を指す。
【0045】
「複合ヘテロ接合体」という用語は、特定の遺伝子座(例えば、NPC1座またはNPC2座などのNPC遺伝子座)に2つの異なる変異の対立遺伝子を有する対象を指す。例えば、「ER型ミスセンス」/「ER型ミスセンス」のNPC遺伝子型を有する対象は、対象が第一NPC対立遺伝子に第一ER型ミスセンス変異を有し、第二NPC対立遺伝子に第二ER型ミスセンス変異を有する場合、複合ヘテロ接合体とみなされ、第一ミスセンス変異及び第二ミスセンス変異は異なる。
【0046】
当業者には理解されるように、本開示ではゲノム及びタンパク質レベルの両方における変異は、Human Genome Variation Society(HGVS)及びHuman genome Organization(HUGO)の命名法の2016年規格に従って標識される。DNA変異には、NPC1cDNAを基準にして番号付けされる。全体を通して1文字のアミノ酸コードが使用され、フレームシフト変異は最初に影響を受けたアミノ酸の後に「fs」とラベル付けされ、スプライス変異は適正に翻訳されたと推定される最後のアミノ酸の後に「sp」で示され、「*」は終止コドンを示す。
【0047】
ヌクレオチドの位置に関して本明細書で使用される変異命名法は、以下に記載されているNPC1cDNA配列内の位置を指す:National Library of Medicine entry NM_000271.5:
CTTCCTGACCGGCGCGCGCAGCCTGCTGCCGCGGTCAGCGCCTGCTCCTGCTCCTCCGCTCCTCCTGCGCGGGGTGCTGAAACAGCCCGGGGAAGTAGAGCCGCCTCCGGGGAGCCCAACCAGCCGAACGCCGCCGGCGTCAGCAGCCTTGCGCGGCCACAGCATGACCGCTCGCGGCCTGGCCCTTGGCCTCCTCCTGCTGCTACTGTGTCCAGCGCAGGTGTTTTCACAGTCCTGTGTTTGGTATGGAGAGTGTGGAATTGCATATGGGGACAAGAGGTACAATTGCGAATATTCTGGCCCACCAAAACCATTGCCAAAGGATGGATATGACTTAGTGCAGGAACTCTGTCCAGGATTCTTCTTTGGCAATGTCAGTCTCTGTTGTGATGTTCGGCAGCTTCAGACACTAAAAGACAACCTGCAGCTGCCTCTACAGTTTCTGTCCAGATGTCCATCCTGTTTTTATAACCTACTGAACCTGTTTTGTGAGCTGACATGTAGCCCTCGACAGAGTCAGTTTTTGAATGTTACAGCTACTGAAGATTATGTTGATCCTGTTACAAACCAGACGAAAACAAATGTGAAAGAGTTACAATACTACGTCGGACAGAGTTTTGCCAATGCAATGTACAATGCCTGCCGGGATGTGGAGGCCCCCTCAAGTAATGACAAGGCCCTGGGACTCCTGTGTGGGAAGGACGCTGACGCCTGTAATGCCACCAACTGGATTGAATACATGTTCAATAAGGACAATGGACAGGCACCTTTTACCATCACTCCTGTGTTTTCAGATTTTCCAGTCCATGGGATGGAGCCCATGAACAATGCCACCAAAGGCTGTGACGAGTCTGTGGATGAGGTCACAGCACCATGTAGCTGCCAAGACTGCTCTATTGTCTGTGGCCCCAAGCCCCAGCCCCCACCTCCTCCTGCTCCCTGGACGATCCTTGGCTTGGACGCCATGTATGTCATCATGTGGATCACCTACATGGCGTTTTTGCTTGTGTTTTTTGGAGCATTTTTTGCAGTGTGGTGCTACAGAAAACGGTATTTTGTCTCCGAGTACACTCCCATCGATAGCAATATAGCTTTTTCTGTTAATGCAAGTGACAAAGGAGAGGCGTCCTGCTGTGACCCTGTCAGCGCAGCATTTGAGGGCTGCTTGAGGCGGCTGTTCACACGCTGGGGGTCTTTCTGCGTCCGAAACCCTGGCTGTGTCATTTTCTTCTCGCTGGTCTTCATTACTGCGTGTTCGTCAGGCCTGGTGTTTGTCCGGGTCACAACCAATCCAGTTGACCTCTGGTCAGCCCCCAGCAGCCAGGCTCGCCTGGAAAAAGAGTACTTTGACCAGCACTTTGGGCCTTTCTTCCGGACGGAGCAGCTCATCATCCGGGCCCCTCTCACTGACAAACACATTTACCAGCCATACCCTTCGGGAGCTGATGTACCCTTTGGACCTCCGCTTGACATACAGATACTGCACCAGGTTCTTGACTTACAAATAGCCATCGAAAACATTACTGCCTCTTATGACAATGAGACTGTGACACTTCAAGACATCTGCTTGGCCCCTCTTTCACCGTATAACACGAACTGCACCATTTTGAGTGTGTTAAATTACTTCCAGAACAGCCATTCCGTGCTGGACCACAAGAAAGGGGACGACTTCTTTGTGTATGCCGATTACCACACGCACTTTCTGTACTGCGTACGGGCTCCTGCCTCTCTGAATGATACAAGTTTGCTCCATGACCCTTGTCTGGGTACGTTTGGTGGACCAGTGTTCCCGTGGCTTGTGTTGGGAGGCTATGATGATCAAAACTACAATAACGCCACTGCCCTTGTGATTACCTTCCCTGTCAATAATTACTATAATGATACAGAGAAGCTCCAGAGGGCCCAGGCCTGGGAAAAAGAGTTTATTAATTTTGTGAAAAACTACAAGAATCCCAATCTGACCATTTCCTTCACTGCTGAACGAAGTATTGAAGATGAACTAAATCGTGAAAGTGACAGTGATGTCTTCACCGTTGTAATTAGCTATGCCATCATGTTTCTATATATTTCCCTAGCCTTGGGGCACATGAAAAGCTGTCGCAGGCTTCTGGTGGATTCGAAGGTCTCACTAGGCATCGCGGGCATCTTGATCGTGCTGAGCTCGGTGGCTTGCTCCTTGGGTGTCTTCAGCTACATTGGGTTGCCCTTGACCCTCATTGTGATTGAAGTCATCCCGTTCCTGGTGCTGGCTGTTGGAGTGGACAACATCTTCATTCTGGTGCAGGCCTACCAGAGAGATGAACGTCTTCAAGGGGAAACCCTGGATCAGCAGCTGGGCAGGGTCCTAGGAGAAGTGGCTCCCAGTATGTTCCTGTCATCCTTTTCTGAGACTGTAGCATTTTTCTTAGGAGCATTGTCCGTGATGCCAGCCGTGCACACCTTCTCTCTCTTTGCGGGATTGGCAGTCTTCATTGACTTTCTTCTGCAGATTACCTGTTTCGTGAGTCTCTTGGGGTTAGACATTAAACGTCAAGAGAAAAATCGGCTAGACATCTTTTGCTGTGTCAGAGGTGCTGAAGATGGAACAAGCGTCCAGGCCTCAGAGAGCTGTTTGTTTCGCTTCTTCAAAAACTCCTATTCTCCACTTCTGCTAAAGGACTGGATGAGACCAATTGTGATAGCAATATTTGTGGGTGTTCTGTCATTCAGCATCGCAGTCCTGAACAAAGTAGATATTGGATTGGATCAGTCTCTTTCGATGCCAGATGACTCCTACATGGTGGATTATTTCAAATCCATCAGTCAGTACCTGCATGCGGGTCCGCCTGTGTACTTTGTCCTGGAGGAAGGGCACGACTACACTTCTTCCAAGGGGCAGAACATGGTGTGCGGCGGCATGGGCTGCAACAATGATTCCCTGGTGCAGCAGATATTTAACGCGGCGCAGCTGGACAACTATACCCGAATAGGCTTCGCCCCCTCGTCCTGGATCGACGATTATTTCGACTGGGTGAAGCCACAGTCGTCTTGCTGTCGAGTGGACAATATCACTGACCAGTTCTGCAATGCTTCAGTGGTTGACCCTGCCTGCGTTCGCTGCAGGCCTCTGACTCCGGAAGGCAAACAGAGGCCTCAGGGGGGAGACTTCATGAGATTCCTGCCCATGTTCCTTTCGGATAACCCTAACCCCAAGTGTGGCAAAGGGGGACATGCTGCCTATAGTTCTGCAGTTAACATCCTCCTTGGCCATGGCACCAGGGTCGGAGCCACGTACTTCATGACCTACCACACCGTGCTGCAGACCTCTGCTGACTTTATTGACGCTCTGAAGAAAGCCCGACTTATAGCCAGTAATGTCACCGAAACCATGGGCATTAACGGCAGTGCCTACCGAGTATTTCCTTACAGTGTGTTTTATGTCTTCTACGAACAGTACCTGACCATCATTGACGACACTATCTTCAACCTCGGTGTGTCCCTGGGCGCGATATTTCTGGTGACCATGGTCCTCCTGGGCTGTGAGCTCTGGTCTGCAGTCATCATGTGTGCCACCATCGCCATGGTCTTGGTCAACATGTTTGGAGTTATGTGGCTCTGGGGCATCAGTCTGAACGCTGTATCCTTGGTCAACCTGGTGATGAGCTGTGGCATCTCCGTGGAGTTCTGCAGCCACATAACCAGAGCGTTCACGGTGAGCATGAAAGGCAGCCGCGTGGAGCGCGCGGAAGAGGCACTTGCCCACATGGGCAGCTCCGTGTTCAGTGGAATCACACTTACAAAATTTGGAGGGATTGTGGTGTTGGCTTTTGCCAAATCTCAAATTTTCCAGATATTCTACTTCAGGATGTATTTGGCCATGGTCTTACTGGGAGCCACTCACGGATTAATATTTCTCCCTGTCTTACTCAGTTACATAGGGCCATCAGTAAATAAAGCCAAAAGTTGTGCCACTGAAGAGCGATACAAAGGAACAGAGCGCGAACGGCTTCTAAATTTCTAGCCCTCTCGCAGGGCATCCTGACTGAACTGTGTCTAAGGGTCGGTCGGTTTACCACTGGACGGGTGCTGCATCGGCAAGGCCAAGTTGAACACCGGATGGTGCCAACCATCGGTTGTTTGGCAGCAGCTTTGAACGTAGCGCCTGTGAACTCAGGAATGCACAGTTGACTTGGGAAGCAGTATTACTAGATCTGGAGGCAACCACAGGACACTAAACTTCTCCCAGCCTCTTCAGGAAAGAAACCTCATTCTTTGGCAAGCAGGAGGTGACACTAGATGGCTGTGAATGTGATCCGCTCACTGACACTCTGTAAAGGCCAATCAATGCACTGTCTGTCTCTCCTTTTAGGAGTAAGCCATCCCACAAGTTCTATACCATATTTTTAGTGACAGTTGAGGTTGTAGATACACTTTATAACATTTTATAGTTTAAAGAGCTTTATTAATGCAATAAATTAACTTTGTACACATTTTTATATAAAAAAACAGCAAGTGATTTCAGAATGTTGTAGGCCTCATTAGAGCTTGGTCTCCAAAAATCTGTTTGAAAAAAGCAACATGTTCTTCACAGTGTTCCCCTAGAAAGGAAGAGATTTAATTGCCAGTTAGATGTGGCATGAAATGAGGGACAAAGAAAGCATCTCGTAGGTGTGTCTACTGGGTTTTAACTTATTTTTCTTTAATAAAATACATTGTTTTCCTAAGTTTTGGGGTTACCCTATCTGCTTTGAGAGACAAATACAAAAGCTAAATGGAAGAGA(配列番号1)。
【0048】
アミノ酸の位置に関して本明細書で使用される変異命名法は、以下に記載されているNPC1タンパク質配列内の位置を指す:National Library of Medicine entry NP_000262.2:
MTARGLALGLLLLLLCPAQVFSQSCVWYGECGIAYGDKRYNCEYSGPPKPLPKDGYDLVQELCPGFFFGNVSLCCDVRQLQTLKDNLQLPLQFLSRCPSCFYNLLNLFCELTCSPRQSQFLNVTATEDYVDPVTNQTKTNVKELQYYVGQSFANAMYNACRDVEAPSSNDKALGLLCGKDADACNATNWIEYMFNKDNGQAPFTITPVFSDFPVHGMEPMNNATKGCDESVDEVTAPCSCQDCSIVCGPKPQPPPPPAPWTILGLDAMYVIMWITYMAFLLVFFGAFFAVWCYRKRYFVSEYTPIDSNIAFSVNASDKGEASCCDPVSAAFEGCLRRLFTRWGSFCVRNPGCVIFFSLVFITACSSGLVFVRVTTNPVDLWSAPSSQARLEKEYFDQHFGPFFRTEQLIIRAPLTDKHIYQPYPSGADVPFGPPLDIQILHQVLDLQIAIENITASYDNETVTLQDICLAPLSPYNTNCTILSVLNYFQNSHSVLDHKKGDDFFVYADYHTHFLYCVRAPASLNDTSLLHDPCLGTFGGPVFPWLVLGGYDDQNYNNATALVITFPVNNYYNDTEKLQRAQAWEKEFINFVKNYKNPNLTISFTAERSIEDELNRESDSDVFTVVISYAIMFLYISLALGHMKSCRRLLVDSKVSLGIAGILIVLSSVACSLGVFSYIGLPLTLIVIEVIPFLVLAVGVDNIFILVQAYQRDERLQGETLDQQLGRVLGEVAPSMFLSSFSETVAFFLGALSVMPAVHTFSLFAGLAVFIDFLLQITCFVSLLGLDIKRQEKNRLDIFCCVRGAEDGTSVQASESCLFRFFKNSYSPLLLKDWMRPIVIAIFVGVLSFSIAVLNKVDIGLDQSLSMPDDSYMVDYFKSISQYLHAGPPVYFVLEEGHDYTSSKGQNMVCGGMGCNNDSLVQQIFNAAQLDNYTRIGFAPSSWIDDYFDWVKPQSSCCRVDNITDQFCNASVVDPACVRCRPLTPEGKQRPQGGDFMRFLPMFLSDNPNPKCGKGGHAAYSSAVNILLGHGTRVGATYFMTYHTVLQTSADFIDALKKARLIASNVTETMGINGSAYRVFPYSVFYVFYEQYLTIIDDTIFNLGVSLGAIFLVTMVLLGCELWSAVIMCATIAMVLVNMFGVMWLWGISLNAVSLVNLVMSCGISVEFCSHITRAFTVSMKGSRVERAEEALAHMGSSVFSGITLTKFGGIVVLAFAKSQIFQIFYFRMYLAMVLLGATHGLIFLPVLLSYIGPSVNKAKSCATEERYKGTERERLLNF(配列番号2)。
【0049】
本明細書で言及される「おおよそ」及び「約」という用語は同義である。いくつかの実施形態では、「おおよそ」及び「約」は、列挙された量、値、または持続時間の±5%、±4.5%、±4%、±3.5%、±3%、±2.5%、±2%、±1.75%、±1.5%、±1.25%、±1%、±0.9%、±0.8%、±0.7%、±0.6%、±0.5%、±0.4%、±0.3%、±0.2%、±0.1%、±0.09%、±0.08%、±0.07%、±0.06%、±0.05%、±0.04%、±0.03%、±0.02%、または±0.01%を指す。いくつかの実施形態では、「おおよそ」及び「約」は、列挙された量、値、または持続時間の±2.5%、±2%、±1.75%、±1.5%、±1.25%、±1%、±0.9%、±0.8%、±0.7%、±0.6%、±0.5%を指す。いくつかの実施形態では、「おおよそ」及び「約」は、列挙された量、値、または持続時間の±1%を指す。いくつかの実施形態では、「おおよそ」及び「約」は、列挙された量、値、または持続時間の±0.5%を指す。いくつかの実施形態では、「おおよそ」及び「約」は、列挙された量、値、または持続時間の±0.1%を指す。
【0050】
治療方法
アリモクロモルは、治療を受けた筋萎縮性側索硬化症患者の脳脊髄液中に存在することによって明らかなように、血液脳関門を通過する経口投与可能な小分子である。本開示は、アリモクロモル単独またはアリモクロモルとミグルスタットとの併用を投与することによって、特異的な臨床サブセットの対象におけるニーマンピック病C型(NPC)を治療する方法に少なくとも部分的に関する。
【0051】
本明細書ではアリモクロモルへの言及には、遊離塩基の形態((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド)(その酸付加塩類を含む)、及びクエン酸塩の形態((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)の両方が含まれ得ることが理解されよう。現在治験で研究されているのはクエン酸塩の形態である。
【0052】
本開示の一態様は、対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法に使用するために、N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド、その立体異性体類及びその酸付加塩類から選択される医薬品有効成分を提供することであり、対象はNPC遺伝子に小胞体(ER)型ミスセンス変異を有する。
【0053】
本開示のいくつかの態様では、対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法に使用するために、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド、及びその酸付加塩類である医薬品有効成分が提供され、対象はNPC遺伝子に小胞体(ER)型ミスセンス変異を有する。
【0054】
本開示のいくつかの態様では、対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法に使用するために、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩(アリモクロモル)である医薬品有効成分が提供され、対象はNPC遺伝子に小胞体(ER)型ミスセンス変異を有する。
【0055】
また本開示の一態様は、必要とする対象でのニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法を提供し、この方法は、N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド、その立体異性体類及びその酸付加塩類から対象に選択される医薬品有効成分の治療有効量を投与することを含み、対象はNPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有する。
【0056】
本開示のいくつかの態様では、対象におけるNPCの治療用の薬物の製造のために、N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド、その立体異性体類及びその酸付加塩類から選択された医薬品有効成分の使用が提供され、対象はNPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有する。
【0057】
いくつかの実施形態では、方法は、アルキルが2~8個の炭素原子を含む1,5-ジデオキシ-1,5-イミノ-D-グルシトールのN-アルキル誘導体、その立体異性体類及びその酸付加塩類から選択されたさらなる医薬品有効成分を投与することをさらに含む。
【0058】
したがって、また本開示の一態様は、対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法に使用するために、N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド、その立体異性体類及びその酸付加塩類から選択される医薬品有効成分を、アルキルが2~8個の炭素原子を含む1,5-ジデオキシ-1,5-イミノ-D-グルシトールのN-アルキル誘導体、その立体異性体類及びその酸付加塩類から選択されるさらなる医薬品有効成分と併用して提供し、対象はNPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有する。
【0059】
いくつかの実施形態では、この方法は、N-ブチル-デオキシノジリマイシン(ミグルスタット)である、さらなる医薬品有効成分を投与することをさらに含む。
【0060】
したがって本開示のいくつかの態様では、対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法に使用するために、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド及びその酸付加塩類である医薬品有効成分を、N-ブチル-デオキシノジリマイシン(ミグルスタット)であるさらなる医薬品有効成分と併用して提供され、対象はNPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有する。
【0061】
したがって本開示のいくつかの態様では、対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法に使用するために、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩(アリモクロモル)である医薬品有効成分を、N-ブチル-デオキシノジリマイシン(ミグルスタット)であるさらなる医薬品有効成分と併用して提供され、対象はNPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有する。
【0062】
本開示の一態様は、対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法に使用するために、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩(アリモクロモル)を、N-ブチル-デオキシノジリマイシン(ミグルスタット)と併用して提供され、対象はNPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有する。
【0063】
いくつかの実施形態では、治療は予防的である。いくつかの実施形態では、治療は治癒的である。いくつかの実施形態では、治療は寛解的である。
【0064】
対象におけるNPCの進行を、臨床医がNPC複合臨床重症度尺度(以降本明細書では「NPCCSS」、Yanjanin et al.を参照)を使用して追跡することができる。最大の「17ドメインNPCCSSスコア」には、9つの大きいドメイン(歩行運動、認知、眼球運動、微細運動、聴覚、記憶、発作、言語、嚥下)と、8つの小さいドメイン(聴性脳幹反応、行動、笑い脱力発作、反射亢進、失禁、ナルコレプシー、精神医学的、呼吸の問題)との臨床徴候及び症状を組み込み、対象のNPCの進行の重症度を表すスコアを決定する(スコアが高いほど、疾患はより進行する/重症になる)。要約された「5ドメインNPCCSSスコア」は臨床医によってうまく使用されており、歩行運動、認知、微細運動、言語及び嚥下という大きいドメインからの臨床徴候及び症状を組み込む(Cortina-Borjaを参照)。
【0065】
NPCの患者母集団に関する対象のサブグループは、NPCCSSスコアの総計を対象の年齢で割ることによって計算される年間重症度増分スコア(以降本明細書では「ASIS」)を使用して解析されることもできることによって、個々の対象における疾患進行速度の尺度が提供されることができる。したがって、得られた値は、年間疾患進行速度の指標となり得る(Cortina-Borja et alを参照)。
【0066】
一実施形態では、NPCの対象は、約0.5から約2の間のASISを有する。
【0067】
本開示のいくつかの実施形態では、対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法に使用するために、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩(アリモクロモル)である医薬品有効成分が提供され、対象はNPC遺伝子に小胞体(ER)型ミスセンス変異を有し、対象は約0.5から約2の間のASISを有する。
【0068】
本開示のいくつかの実施形態では、対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法に使用するために、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩(アリモクロモル)である医薬品有効成分を、N-ブチル-デオキシノジリマイシン(ミグルスタット)であるさらなる医薬品有効成分と併用して提供され、対象はNPC遺伝子に小胞体(ER)型ミスセンス変異を有し、対象は約0.5から約2の間のASISを有する。
【0069】
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする対象におけるNPCの治療または予防方法を提供し、この方法は、本明細書に開示される医薬品有効成分の治療有効量を対象に投与することを含み、対象は約0.5から約2の間のASISを有する。
【0070】
いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする対象におけるNPCの治療または予防方法を提供し、この方法は、本明細書に開示される医薬品有効成分の治療有効量、及び本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分の治療有効量を対象に投与することを含み、対象は約0.5から約2の間のASISを有する。
【0071】
医薬品有効成分(例えば、アリモクロモル)
本開示は、本目的のために、N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド、その立体異性体類及びその酸付加塩類から選択される医薬品有効成分を提供する。
【0072】
いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は、N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドのラセミ体である。
【0073】
いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は、N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドの光学活性立体異性体である。
【0074】
いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は、N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドの鏡像異性体である。
【0075】
いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド、及び(-)-(S)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドからなる群から選択される。
【0076】
いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は、(Z)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド、(E)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド、(Z)-(S)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド、及び(E)-(S)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドからなる群から選択される。
【0077】
いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は、N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドの酸付加塩である。
【0078】
いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は、N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩、及びN-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドマレイン酸塩からなる群から選択される。
【0079】
いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩、(-)-(S)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドマレイン酸塩、及び(-)-(S)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドマレイン酸塩からなる群から選択される。
【0080】
いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は、(Z)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩、(E)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩、(Z)-(S)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩、(E)-(S)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩、(Z)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドマレイン酸塩、(E)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドマレイン酸塩、(Z)-(S)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドマレイン酸塩、及び(E)-(S)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドマレイン酸塩からなる群から選択される。
【0081】
いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は、「BRX-345」または(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩としても知られているアリモクロモルである。アリモクロモル及びその調製は、例えばWO97/16439、WO00/050403及びWO01/79174に開示されている。いくつかの実施形態では、アリモクロモルは、遊離塩基のクエン酸塩製剤、すなわち、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドであり、これは、次の式Iに示されるような構造を有する:
【化1】
【0082】
さらなる医薬品有効成分(例えば、ミグルスタット)
本開示は、本目的のために、アルキルが2~8個の炭素原子を含む1,5-ジデオキシ-1,5-イミノ-D-グルシトールのN-アルキル誘導体、その立体異性体類及びその酸付加塩類から選択されたさらなる医薬品有効成分を含む併用をさらに提供する。
【0083】
いくつかの実施形態では、さらなる医薬品有効成分のアルキル基は、4~6個の炭素原子を含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、さらなる医薬品有効成分のアルキル基はブチルである。いくつかの実施形態では、さらなる医薬品有効成分のアルキル基はヘキシルである。
【0085】
いくつかの実施形態では、さらなる医薬品有効成分は、N-ブチル-デオキシノジリマイシンである。N-ブチル-デオキシノジリマイシンは「OGT918」、N-ブチルモラノリン、1,5-(ブチルイミノ)-1,5-ジデオキシ-D-グルシトール、(2R,3R,4R,5S)-1-ブチル-2-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-3,4,5-トリオールまたはミグルスタットとしても知られている。したがって、いくつかの実施形態では、さらなる医薬品有効成分は、次の式IIの化学構造を有する:
【化2】
【0086】
いくつかの実施形態では、さらなる医薬品有効成分は、N-ブチル-デオキシノジリマイシン(ミグルスタット)の酸付加塩である。
【0087】
いくつかの実施形態では、さらなる医薬品有効成分は、Zavesca(登録商標)またはBrazaves(登録商標)である。
【0088】
いくつかの実施形態では、さらなる医薬品有効成分はミグルスタットである。
【0089】
NPC患者サブグループ
本発明者らは、驚くべきことに、少なくとも1つのER型ミスセンス変異がNPC遺伝子の2つの対立遺伝子のうちの少なくとも1つにある、特異的なサブグループのNPC患者、具体的には対象がアリモクロモルによる治療に強く反応することを見いだした。
【0090】
いくつかの実施形態では、ER型ミスセンス変異により、NPCタンパク質が産生されると、ミスフォールドされ、小胞体(ER)に保定され、その後分解の標的となる。
【0091】
いくつかの実施形態では、ER型ミスセンス変異は、ミスフォールドされるNPCタンパク質の産生をもたらす。いくつかの実施形態では、ER型ミスセンス変異は、小胞体(ER)に保定されるNPCタンパク質の産生をもたらす。いくつかの実施形態では、ER型ミスセンス変異は、分解の標的となるNPCタンパク質の産生をもたらす。いくつかの実施形態では、ER型ミスセンス変異により、NPCタンパク質が産生されると、ミスフォールドされ、小胞体(ER)に保定され、及び/またはその後分解の標的となる。
【0092】
いくつかの実施形態では、NPCタンパク質は、NPC1及びNPC2からなる群より選択される。いくつかの実施形態では、NPCタンパク質はNPC1である。いくつかの実施形態では、NPCタンパク質はNPC2である。
【0093】
特定の実施形態では、NPCタンパク質はNPC1(配列番号2)である。
【0094】
一実施形態では、対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法に使用するために、N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド、その立体異性体類及びその酸付加塩類から選択された医薬品有効成分が提供され、対象はミスホールドされ、小胞体(ER)に保定され、その後分解の標的となるNPCタンパク質を有する。一実施形態では、NPCタンパク質はNPC1である。
【0095】
一実施形態では、対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法に使用するために、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩(アリモクロモル)である医薬品有効成分が提供され、対象は、ミスホールドされ、小胞体(ER)に保定され、その後分解の標的となるNPCタンパク質を有する。一実施形態では、NPCタンパク質はNPC1である。
【0096】
一実施形態では、対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法に使用するために、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩(アリモクロモル)である医薬品有効成分を、N-ブチル-デオキシノジリマイシン(ミグルスタット)であるさらなる医薬品有効成分と併用して提供され、対象は、ミスホールドされ、小胞体(ER)に保定され、その後分解の標的となるNPCタンパク質を有する。一実施形態では、NPCタンパク質はNPC1である。
【0097】
いくつかの実施形態では、NPC遺伝子は、NPC1及びNPC2からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、NPC遺伝子はNPC1である。いくつかの実施形態では、NPC遺伝子はNPC2である。
【0098】
特定の実施形態では、NPC遺伝子はNPC1(配列番号1)である。
【0099】
一実施形態では、対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法に使用するために、N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド、その立体異性体類及びその酸付加塩類から選択された医薬品有効成分が提供され、対象はNPC1遺伝子に小胞体(ER)型ミスセンス変異を有する。
【0100】
一実施形態では、対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法に使用するために、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩(アリモクロモル)である医薬品有効成分が提供され、対象はNPC1遺伝子に小胞体(ER)型ミスセンス変異を有する。
【0101】
一実施形態では、対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法に使用するために、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩(アリモクロモル)である医薬品有効成分を、N-ブチル-デオキシノジリマイシン(ミグルスタット)であるさらなる医薬品有効成分と併用して提供され、対象はNPC1遺伝子にER型ミスセンス変異を有する。
【0102】
いくつかの実施形態では、ER型ミスセンス変異は、単一アミノ酸の変化をもたらす。
【0103】
いくつかの実施形態では、対象はER型ミスセンス変異のホモ接合体である。いくつかの実施形態では、対象はER型ミスセンス変異のヘテロ接合体である。いくつかの実施形態では、対象は、NPC遺伝子の2つの対立遺伝子のそれぞれに少なくとも1つのER型ミスセンス変異を有する。いくつかの実施形態では、対象は、NPC遺伝子の2つの対立遺伝子の1つに少なくとも1つのER型ミスセンス変異を有する。いくつかの実施形態では、対象は、NPC遺伝子の2つの対立遺伝子のうちの1つに少なくとも1つのER型ミスセンス変異を有し、NPC遺伝子のもう1つの対立遺伝子に機能ヌル変異を有する。いくつかの実施形態では、対象は、NPC遺伝子の複合ヘテロ接合体である。
【0104】
I1061T変異は、NPCを引き起こす最も一般的に報告されている変異であり、ホモ接合状態では、または機能ヌル対立遺伝子との組み合わせでは、幼児後期または若年早期の発症、及び培養線維芽細胞におけるフィリピン染色の「古典的な」増加を伴う臨床表現型となる(Imrie et al.2007)。この変異により、NPC1タンパク質になると、ミスフォールドされ、小胞体(ER)に保定され、その後分解の標的となる(Gelsthorpe et al.2008;Schultz et al.2018)。リソソームに適正に輸送された場合にI1061T NPC1の機能が保持されることを考えると(Gelsthorpe et al.2008)、そのようなER変異は、治療により、それらのリフォールディング、成熟、及びリソソームへの局在化が促進される場合、ポジティブな優性様式で作用し得る。
【0105】
一実施形態では、ER型ミスセンス変異は、C113R、R389L、G535V、L724P、Q921P、W942C、G1034C、V378A、R404Q、H510P、Q775P、M1142T、N1156S、G1162V、R1186H、L1244P及びI1061Tからなる群から選択される。
【0106】
一実施形態では、ER型ミスセンス変異は、I1061T、M1142T、N1156S、及びR1186Hからなる群から選択される。
【0107】
いくつかの実施形態では、ER型ミスセンス変異はI1061Tである。いくつかの実施形態では、ER型ミスセンス変異はM1142Tである。いくつかの実施形態では、ER型ミスセンス変異はN1156Sである。いくつかの実施形態では、ER型ミスセンス変異はR1186Hである。
【0108】
いくつかの実施形態では、対象は、I1061T/E1188*、I1061T/A1151T、I1061T/Q119fs、I1061T/I962fs、T1036M/I1061T、I1061T/V1141G、N968S/R1186H、N1156S/F1199sp2、Q991fs/I1061T、H1016L/I1061T、I1061T/A1192fs、I1061T/N1156S、R1186H/R1186H、P1007A/R1186H、及びI1061T/D508fsからなる群から選択されるNPC1遺伝子型を有する。
【0109】
一実施形態では、対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法に使用するために、N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド、その立体異性体類及びその酸付加塩類から選択された医薬品有効成分が提供され、対象は、C113R、R389L、G535V、L724P、Q921P、W942C、G1034C、V378A、R404Q、H510P、Q775P、M1142T、N1156S、G1162V、R1186H、L1244P及びI1061Tからなる群から選択された、
例えば、I1061T、M1142T、N1156S及びR1186Hからなる群から選択された、
例えばI1061T、
例えばM1142T、
例えばN1156S、
例えばR1186Hの、
NPC1遺伝子に小胞体(ER)型ミスセンス変異を有する。
【0110】
一実施形態では、対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法に使用するために、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩(アリモクロモル)である医薬品有効成分が提供され、対象は、C113R、R389L、G535V、L724P、Q921P、W942C、G1034C、V378A、R404Q、H510P、Q775P、M1142T、N1156S、G1162V、R1186H、L1244P及びI1061Tからなる群から選択された、
例えば、I1061T、M1142T、N1156S及びR1186Hからなる群から選択された、
例えばI1061T、
例えばM1142T、
例えばN1156S、
例えばR1186Hの、
NPC1遺伝子に小胞体(ER)型ミスセンス変異を有する。
【0111】
一実施形態では、対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法に使用するために、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩(アリモクロモル)である医薬品有効成分を、N-ブチル-デオキシノジリマイシン(ミグルスタット)であるさらなる医薬品有効成分と併用して提供され、対象は、C113R、R389L、G535V、L724P、Q921P、W942C、G1034C、V378A、R404Q、H510P、Q775P、M1142T、N1156S、G1162V、R1186H、L1244P及びI1061Tからなる群から選択された、
例えば、I1061T、M1142T、N1156S及びR1186Hからなる群から選択された、
例えばI1061T、
例えばM1142T、
例えばN1156S、
例えばR1186Hの、
NPC1遺伝子にER型ミスセンス変異を有する。
【0112】
一実施形態では、対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法に使用するために、N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド、その立体異性体類及びその酸付加塩類から選択された医薬品有効成分が提供され、対象は、I1061T/E1188*、I1061T/A1151T、I1061T/Q119fs、I1061T/I962fs、T1036M/I1061T、I1061T/V1141G、N968S/R1186H、N1156S/F1199sp2、Q991fs/I1061T、H1016L/I1061T、I1061T/A1192fs、I1061T/N1156S、R1186H/R1186H、P1007A/R1186H、及びI1061T/D508fsからなる群から選択されたNPC1遺伝子型を有する。
【0113】
一実施形態では、対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法に使用するために、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩(アリモクロモル)である医薬品有効成分が提供され、対象は、I1061T/E1188*、I1061T/A1151T、I1061T/Q119fs、I1061T/I962fs、T1036M/I1061T、I1061T/V1141G、N968S/R1186H、N1156S/F1199sp2、Q991fs/I1061T、H1016L/I1061T、I1061T/A1192fs、I1061T/N1156S、R1186H/R1186H、P1007A/R1186H、及びI1061T/D508fsからなる群から選択されたNPC1遺伝子型を有する。
【0114】
一実施形態では、対象におけるニーマンピック病C型(NPC)の治療または予防方法に使用するために、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩(アリモクロモル)である医薬品有効成分を、N-ブチル-デオキシノジリマイシン(ミグルスタット)であるさらなる医薬品有効成分と併用して提供され、対象は、I1061T/E1188*、I1061T/A1151T、I1061T/Q119fs、I1061T/I962fs、T1036M/I1061T、I1061T/V1141G、N968S/R1186H、N1156S/F1199sp2、Q991fs/I1061T、H1016L/I1061T、I1061T/A1192fs、I1061T/N1156S、R1186H/R1186H、P1007A/R1186H、及びI1061T/D508fsからなる群から選択されたNPC1遺伝子型を有する。
【0115】
いくつかの実施形態では、NPC遺伝子型(例えば、NPC1遺伝子型及び/またはNPC2遺伝子型)を決定することは、対象由来の生体サンプルから単離された核酸を配列決定することを含む。当業者には理解されるように、NPC遺伝子型(例えば、NPC1遺伝子型及び/またはNPC2遺伝子型)は、当技術分野で知られている任意の遺伝子型同定方法を使用して決定されることができる。
【0116】
いくつかの実施形態では、対象または患者は哺乳動物である。いくつかの実施形態では、対象または患者はヒトである。
【0117】
いくつかの実施形態では、対象または患者は、約1歳以上、例えば約2歳以上、例えば約3歳以上、例えば約4歳以上、例えば約5歳以上、例えば約6歳以上、例えば約7歳以上、例えば約8歳以上、例えば約9歳以上、例えば約10歳以上である。特定の実施形態では、対象または患者は約4歳以上である。
【0118】
いくつかの実施形態では、対象は約1歳である。いくつかの実施形態では、対象は約2歳である。いくつかの実施形態では、対象は約3歳である。いくつかの実施形態では、対象は約4歳である。いくつかの実施形態では、対象は約5歳である。いくつかの実施形態では、対象は約6歳である。いくつかの実施形態では、対象は約7歳である。いくつかの実施形態では、対象は約8歳である。いくつかの実施形態では、対象は約9歳である。いくつかの実施形態では、対象は約10歳である。いくつかの実施形態では、対象は約11歳である。いくつかの実施形態では、対象は約12歳である。いくつかの実施形態では、対象は約13歳である。いくつかの実施形態では、対象は約14歳である。いくつかの実施形態では、対象は約15歳である。いくつかの実施形態では、対象は約16歳である。いくつかの実施形態では、対象は約17歳である。いくつかの実施形態では、対象は約18歳である。いくつかの実施形態では、対象は約19歳である。いくつかの実施形態では、対象は約20歳である。いくつかの実施形態では、対象は約21歳である。いくつかの実施形態では、対象は約22歳である。いくつかの実施形態では、対象は約23歳である。いくつかの実施形態では、対象は約24歳である。いくつかの実施形態では、対象は約25歳である。いくつかの実施形態では、対象は約26歳である。いくつかの実施形態では、対象は約27歳である。いくつかの実施形態では、対象は約28歳である。いくつかの実施形態では、対象は約29歳である。いくつかの実施形態では、対象は約30歳である。
【0119】
いくつかの実施形態では、対象は約0歳から約5歳の間の年齢である。いくつかの実施形態では、対象は約5歳から約10歳の間の年齢である。いくつかの実施形態では、対象は約10歳から約15歳の間の年齢である。いくつかの実施形態では、対象は約15歳から約20歳の間の年齢である。いくつかの実施形態では、対象は約20歳から約30歳の間の年齢である。いくつかの実施形態では、対象は約30歳から約40歳の間の年齢である。いくつかの実施形態では、対象は約40歳から約50歳の間の年齢である。いくつかの実施形態では、対象は約50歳から約60歳の間の年齢である。いくつかの実施形態では、対象は約60歳から約70歳の間の年齢である。いくつかの実施形態では、対象は約70歳から約80歳の間の年齢である。いくつかの実施形態では、対象は約80歳から約90歳の間の年齢である。いくつかの実施形態では、対象は約90歳から約100歳の間の年齢である。いくつかの実施形態では、対象は約100歳から約110歳の間の年齢である。
【0120】
製剤
医薬品有効成分を原料化学物質として投与することは可能であるが、いくつかの実施形態では、それらを医薬製剤の形態で提示することが好ましい。
【0121】
したがって、対象におけるNPCの治療または予防方法に使用するために、本明細書に定義される医薬品有効成分を含む、医薬組成物、すなわち、薬剤的に安全な組成物などの組成物も本明細書では提供され、対象はNPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有する。
【0122】
また、本明細書に定義される医薬品有効成分及び本明細書に定義されるさらなる医薬品有効成分を別々にまたは合わせて含む、医薬組成物、すなわち、薬剤的に安全な組成物などの組成物が本明細書では提供される。
【0123】
一部の実施形態では、本組成物は、薬学的及び/または生理学的に許容される希釈剤、担体及び/または賦形剤をさらに含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、組成物は、錠剤もしくはカプセル、または例えば液体への懸濁に適している粉薬などの散剤、または例えば経口投与用の懸濁剤の形態など、経口投与用に製剤される。
【0125】
いくつかの実施形態では、組成物は、注入用の液体として製剤される。
【0126】
本発明の医薬品有効成分、及び任意選択で、さらなる医薬品有効成分を含有する医薬組成物は、従来の技術によって調製され得る。
【0127】
投与及び用量
本明細書に開示される医薬品有効成分、または本明細書に定義されるものと同じものを含む組成物は、いくつかの実施形態では、それを必要とする対象に薬学的有効量または治療有効量で投与される。
【0128】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、1週間を超えて、例えば2週間を超えて、例えば3週間を超えて、例えば4週間を超えて投与される。
【0129】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、1ヶ月間を超えて、例えば2ヶ月間を超えて、例えば3ヶ月間を超えて、例えば4ヶ月間を超えて、例えば5ヶ月間を超えて、例えば6ヶ月間を超えて投与される。
【0130】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、1年間を超えて、例えば2年間を超えて、例えば3年間を超えて、例えば4年間を超えて、例えば5年間以上、投与される。
【0131】
いくつかの実施形態では、治療は、本明細書に開示される医薬品有効成分による早期治療の開始を含む。換言すれば、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分による治療は、NPCの症状及び/または診断の提示の直後に開始される。
【0132】
一実施形態では、用量は、アリモクロモルクエン酸塩((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)に基づいて計算される。
【0133】
一実施形態では、用量は、アリモクロモル遊離塩基((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリド)に基づいて計算される。
【0134】
いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は、表Aに記載されているように投与される。
【0135】
いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は、表Bに記載されているように投与される。
【0136】
【0137】
用量、アリモクロモル(クエン酸塩)
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約25mg/日~約1000mg/日で投与される。好ましい実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモル((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)である。
【0138】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約200mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約250mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約300mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約350mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約400mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約450mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約500mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約550mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約600mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約650mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約700mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約750mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約800mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約850mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約900mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約950mg/日~約1000mg/日で投与される。好ましい実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモルである。
【0139】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg/日~約950mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg/日~約900mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg/日~約850mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg/日~約800mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg/日~約750mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg/日~約700mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg/日~約650mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg/日~約600mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg/日~約550mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg/日~約500mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg/日~約450mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg/日~約400mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg/日~約350mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg/日~約300mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg/日~約250mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg/日~約200mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg/日~約150mg/日で投与される。好ましい実施形態では、医薬品有効成分は(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩(アリモクロモル)である。
【0140】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約125mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約175mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約200mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約225mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約250mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約275mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約300mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約325mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約350mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約375mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約400mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約425mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約450mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約475mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約500mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約525mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約550mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約575mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約600mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約625mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約650mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約675mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約700mg/日で投与される。好ましい実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモルである。
【0141】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約25mg~約300mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約50mg~約300mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約75mg~約300mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg~約300mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約125mg~約300mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mg~約300mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約175mg~約300mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約200mg~約300mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約225mg~約300mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約250mg~約300mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約275mg~約300mgの用量内で投与される。好ましい実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモルである。
【0142】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約25mg~約275mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約25mg~約250mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約25mg~約225mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約25mg~約200mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約25mg~約175mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約25mg~約150mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約25mg~約125mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約25mg~約100mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約25mg~約75mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約25mg~約50mgの用量内で投与される。好ましい実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモルである。
【0143】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約25mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約50mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約75mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約125mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約175mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約200mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約225mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約250mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約275mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約300mgの用量内で投与される。好ましい実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモルである。
【0144】
いくつかの実施形態では、対象は約8kg~約15kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約50mg t.i.d.(すなわち、約150mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモル(クエン酸塩)である。
【0145】
いくつかの実施形態では、対象は約8kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約50mg t.i.d.(すなわち、約150mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約9kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約50mg t.i.d.(すなわち、約150mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約10kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約50mg t.i.d.(すなわち、約150mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約11kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約50mg t.i.d.(すなわち、約150mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約12kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約50mg t.i.d.(すなわち、約150mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約13kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約50mg t.i.d.(すなわち、約150mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約14kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約50mg t.i.d.(すなわち、約150mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約15kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約50mg t.i.d.(すなわち、約150mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモル(クエン酸塩)である。
【0146】
いくつかの実施形態では、対象は約15kg~約22kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約75mg t.i.d.(すなわち、約225mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモル(クエン酸塩)である。
【0147】
いくつかの実施形態では、対象は約15kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約75mg t.i.d.(すなわち、約225mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約16kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約75mg t.i.d.(すなわち、約225mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約17kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約75mg t.i.d.(すなわち、約225mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約18kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約75mg t.i.d.(すなわち、約225mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約19kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約75mg t.i.d.(すなわち、約225mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約20kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約75mg t.i.d.(すなわち、約225mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約21kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約75mg t.i.d.(すなわち、約225mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約22kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約75mg t.i.d.(すなわち、約225mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモル(クエン酸塩)である。
【0148】
いくつかの実施形態では、対象は約22kg~約38kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg t.i.d.(すなわち、約300mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモル(クエン酸塩)である。
【0149】
いくつかの実施形態では、対象は約22kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg t.i.d.(すなわち、約300mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約23kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg t.i.d.(すなわち、約300mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約24kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg t.i.d.(すなわち、約300mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約25kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg t.i.d.(すなわち、約300mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約26kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg t.i.d.(すなわち、約300mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約27kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg t.i.d.(すなわち、約300mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約28kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg t.i.d.(すなわち、約300mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約29kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg t.i.d.(すなわち、約300mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約30kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg t.i.d.(すなわち、約300mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約31kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg t.i.d.(すなわち、約300mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約32kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg t.i.d.(すなわち、約300mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約33kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg t.i.d.(すなわち、約300mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約34kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg t.i.d.(すなわち、約300mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約35kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg t.i.d.(すなわち、約300mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約36kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg t.i.d.(すなわち、約300mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約37kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg t.i.d.(すなわち、約300mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約38kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg t.i.d.(すなわち、約300mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモル(クエン酸塩)である。
【0150】
いくつかの実施形態では、対象は約38kg~約55kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mg t.i.d.(すなわち、約450mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモル(クエン酸塩)である。
【0151】
いくつかの実施形態では、対象は約38kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mg t.i.d.(すなわち、約450mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約39kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mg t.i.d.(すなわち、約450mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約40kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mg t.i.d.(すなわち、約450mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約41kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mg t.i.d.(すなわち、約450mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約42kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mg t.i.d.(すなわち、約450mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約43kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mg t.i.d.(すなわち、約450mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約44kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mg t.i.d.(すなわち、約450mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約45kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mg t.i.d.(すなわち、約450mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約46kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mg t.i.d.(すなわち、約450mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約47kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mg t.i.d.(すなわち、約450mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約48kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mg t.i.d.(すなわち、約450mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約49kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mg t.i.d.(すなわち、約450mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約50kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mg t.i.d.(すなわち、約450mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約51kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mg t.i.d.(すなわち、約450mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約52kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mg t.i.d.(すなわち、約450mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約53kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mg t.i.d.(すなわち、約450mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約54kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mg t.i.d.(すなわち、約450mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、対象は約55kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mg t.i.d.(すなわち、約450mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモル(クエン酸塩)である。
【0152】
いくつかの実施形態では、対象は約55kg超の体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約200mg t.i.d.(すなわち、約600mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモル(クエン酸塩)である。
【0153】
いくつかの実施形態では、対象は約8kg~約15kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約75mg t.i.d.(すなわち、約225mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモル(クエン酸塩)である。
【0154】
いくつかの実施形態では、対象は約15kg~約30kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約100mg t.i.d.(すなわち、約300mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモル(クエン酸塩)である。
【0155】
いくつかの実施形態では、対象は約30kg~約55kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約150mg t.i.d.(すなわち、約450mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモル(クエン酸塩)である。
【0156】
いくつかの実施形態では、対象は約55kg超の体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、約200mg t.i.d.(すなわち、約600mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモル(クエン酸塩)である。
【0157】
用量、アリモクロモル(遊離塩基)
いくつかの実施形態では、活性成分は、アリモクロモル遊離塩基形態(特異的な塩形態ではない)、すなわち、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドであり、用量は遊離塩基形態に基づいて計算される。
【0158】
アリモクロモル遊離塩基形態、すなわち、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドへの言及は、そのあらゆる酸付加塩類を包含する。
【0159】
いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約63mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約73mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約83mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約93mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約103mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約113mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約123mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約133mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約143mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約153mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約163mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約173mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約183mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約193mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約203mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約213mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約223mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約243mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約253mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約263mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約273mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約283mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約293mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約303mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約313mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約323mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約333mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約343mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約353mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約363mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約373mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約383mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約393mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約403mg/日~約423mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約413mg/日~約423mg/日で投与される。
【0160】
いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約413mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約403mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約393mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約383mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約373mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約363mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約353mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約343mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約333mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約323mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約313mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約303mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約293mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約283mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約273mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約263mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約253mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約243mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約233mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約223mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約213mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約203mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約193mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約183mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約173mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約163mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約153mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約143mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約133mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約123mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約113mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約103mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約93mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約83mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約73mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日~約63mg/日で投与される。
【0161】
いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日、約63mg/日、約73mg/日、約83mg/日、約93mg/日、約103mg/日、約113mg/日、約123mg/日、約133mg/日、約134mg/日、約143mg/日、約153mg/日、約163mg/日、約173mg/日、約183mg/日、約193mg/日、約203mg/日、約213mg/日、約223mg/日、約233mg/日、約243mg/日、約253mg/日、約263mg/日、約273mg/日、約283mg/日、約293mg/日、約303mg/日、約313mg/日、約323mg/日、約333mg/日、約343mg/日、約353mg/日、約363mg/日、約373mg/日、約383mg/日、約393mg/日、約403mg/日、約413mg/日、または約423mg/日で投与される。
【0162】
いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約63mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約73mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約83mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約93mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約103mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約113mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約123mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約133mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約134mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約143mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約153mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約163mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約173mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約183mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約193mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約203mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約213mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約223mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約233mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約243mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約253mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約263mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約273mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約283mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約293mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約303mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約313mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約323mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約333mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約343mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約353mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約363mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約373mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約383mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約393mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約403mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約413mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約423mg/日で投与される。
【0163】
いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約372mg/日で投与される。
【0164】
いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約13mg~約143mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約23mg~約143mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約33mg~約143mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約43mg~約143mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mg~約143mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約63mg~約143mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約73mg~約143mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約83mg~約143mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約93mg~約143mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約103mg~約143mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約113mg~約143mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約123mg~約143mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約133mg~約143mgの用量内で投与される。
【0165】
いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約13mg~約133mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約13mg~約123mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約13mg~約113mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約13mg~約103mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約13mg~約93mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約13mg~約83mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約13mg~約73mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約13mg~約63mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約13mg~約53mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約13mg~約43mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約13mg~約33mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約13mg~約23mgの用量内で投与される。
【0166】
いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約13mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約23mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約33mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約43mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約53mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約63mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約73mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約83mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約93mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約103mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約113mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約123mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約133mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約143mgの用量内で投与される。
【0167】
いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約124mgの用量内で投与される。
【0168】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、週に少なくとも1日投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、週に少なくとも2日投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、週に少なくとも3日投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、週に少なくとも4日投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、週に少なくとも5日投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、週に少なくとも6日投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、週に少なくとも7日投与される。
【0169】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、毎日少なくとも1回投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、毎日少なくとも2回投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、毎日少なくとも3回投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、毎日少なくとも4回投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、毎日少なくとも5回投与される。
【0170】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、毎日3回(t.i.d.)投与される。
【0171】
いくつかの実施形態では、アリモクロモルは毎日少なくとも1回投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモルは毎日少なくとも2回投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモルは毎日少なくとも3回投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモルは毎日少なくとも4回投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモルは毎日少なくとも5回投与される。
【0172】
いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、毎日少なくとも1回投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、毎日少なくとも2回投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、毎日少なくとも3回投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、毎日少なくとも4回投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、毎日少なくとも5回投与される。
【0173】
いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、約93mg/日~約372mg/日で毎日3回投与される。
【0174】
いくつかの実施形態では、アリモクロモルは週に少なくとも1日投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモルは週に少なくとも2日投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモルは週に少なくとも3日投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモルは週に少なくとも4日投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモルは週に少なくとも5日投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモルは週に少なくとも6日投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモルは週に少なくとも7日投与される。
【0175】
いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、週に少なくとも1日投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、週に少なくとも2日投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、週に少なくとも3日投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、週に少なくとも4日投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、週に少なくとも5日投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、週に少なくとも6日投与される。いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、週に少なくとも7日投与される。
【0176】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、患者の体重によって調整された用量内で投与される。したがって、いくつかの実施形態では、アリモクロモルは、患者の体重によって調整された用量内で投与される。同様に、いくつかの実施形態では、アリモクロモル遊離塩基形態は、患者の体重によって調整された用量内で投与される。
【0177】
いくつかの実施形態では、対象は約8kg~約15kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、アリモクロモル遊離塩基として計算された、約31mg t.i.d.(すなわち、約93mg/日)の用量で投与される。
【0178】
いくつかの実施形態では、対象は約15kg~約22kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、アリモクロモル遊離塩基として計算された、約47mg t.i.d.(すなわち、約141mg/日)の用量で投与される。
【0179】
いくつかの実施形態では、対象は約22kg~約38kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、アリモクロモル遊離塩基として計算された、約62mg t.i.d.(すなわち、約186mg/日)の用量で投与される。
【0180】
いくつかの実施形態では、対象は約38kg~約55kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、アリモクロモル遊離塩基として計算された、約93mg t.i.d.(すなわち、約279mg/日)の用量で投与される。
【0181】
いくつかの実施形態では、対象は約55kg超の体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、アリモクロモル遊離塩基として計算された、約124mg t.i.d.(すなわち、約372mg/日)の用量で投与される。
【0182】
いくつかの実施形態では、対象は約8kg~約15kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、アリモクロモル遊離塩基として計算された、約47mg t.i.d.(すなわち、約141mg/日)の用量で投与される。
【0183】
いくつかの実施形態では、対象は約15kg~約30kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、アリモクロモル遊離塩基として計算された、約62mg t.i.d.(すなわち、約186mg/日)の用量で投与される。
【0184】
いくつかの実施形態では、対象は約30kg~約55kgの体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、アリモクロモル遊離塩基として計算された、約93mg t.i.d.(すなわち、約279mg/日)の用量で投与される。
【0185】
いくつかの実施形態では、対象は約55kg超の体重を有し、本明細書に開示される医薬品有効成分は、アリモクロモル遊離塩基として計算された、約124mg t.i.d.(すなわち、約372mg/日)の用量で投与される。
【0186】
用量、さらなる医薬品有効成分
いくつかの実施形態では、さらなる医薬品有効成分を対象に投与する。好ましい実施形態では、さらなる医薬品有効成分はミグルスタットである。
【0187】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約300mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約350mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約400mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約450mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約500mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約550mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約600mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約650mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約700mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約750mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約800mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約850mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約900mg/日~約1000mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約950mg/日~約1000mg/日で投与される。好ましい実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分はミグルスタットである。
【0188】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約300mg/日~約950mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約300mg/日~約900mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約300mg/日~約850mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約300mg/日~約800mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約300mg/日~約750mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約300mg/日~約700mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約300mg/日~約650mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約300mg/日~約600mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約300mg/日~約550mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約300mg/日~約500mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約300mg/日~約450mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約300mg/日~約400mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約300mg/日~約350mg/日で投与される。好ましい実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分はミグルスタットである。
【0189】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約300mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約325mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約350mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約375mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約400mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約425mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約450mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約475mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約500mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約525mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約550mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約575mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約600mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約625mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約650mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約675mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約700mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約725mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約750mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約775mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約800mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約825mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約850mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約875mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約900mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約925mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約950mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約975mg/日で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約1000mg/日で投与される。好ましい実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分はミグルスタットである。
【0190】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約100mg~約300mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約125mg~約300mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約150mg~約300mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約175mg~約300mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約200mg~約300mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約225mg~約300mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約250mg~約300mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約275mg~約300mgの用量内で投与される。好ましい実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分はミグルスタットである。
【0191】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約100mg~約275mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約100mg~約250mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約100mg~約225mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約100mg~約200mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約100mg~約175mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約100mg~約150mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約100mg~約125mgの用量内で投与される。好ましい実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分はミグルスタットである。
【0192】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約100mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約125mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約150mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約175mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約200mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約225mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約250mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約275mgの用量内で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分は、約300mgの用量内で投与される。好ましい実施形態では、本明細書に開示されるさらなる医薬品有効成分はミグルスタットである。
【0193】
いくつかの実施形態では、ミグルスタットなどのさらなる医薬品有効成分の用量は、体表面積に基づいて12歳未満の対象に対して調整される。
【0194】
同時投与
いくつかの実施形態では、医薬品有効成分及びさらなる医薬品有効成分を同時投与する。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分及びさらなる医薬品有効成分を時間的に近接して投与する。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分の前に、さらなる医薬品有効成分を投与する。いくつかの実施形態では、さらなる医薬品有効成分の前に、医薬品有効成分を投与する。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分及びさらなる医薬品有効成分を同時または順次に投与する。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモル((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)であり、さらなる医薬品有効成分はミグルスタットである。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドであり、さらなる医薬品有効成分はミグルスタットである。
【0195】
いくつかの実施形態では、医薬品有効成分の初回投与前に少なくとも6ヶ月間、さらなる医薬品有効成分を投与する。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分の初回投与前に少なくとも1年間、さらなる医薬品有効成分を投与する。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分の初回投与前に少なくとも2年間、さらなる医薬品有効成分を投与する。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモル((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)であり、さらなる医薬品有効成分はミグルスタットである。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドであり、さらなる医薬品有効成分はミグルスタットである。
【0196】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、経口で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分は、栄養管を介して投与される。
【0197】
治療の効果
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬品有効成分の投与は、一定期間にわたる持続的な利益をもたらす。いくつかの実施形態では、その期間は6ヶ月間である。いくつかの実施形態では、その期間は1年間である。いくつかの実施形態では、その期間は1年6ヶ月間である。いくつかの実施形態では、その期間は2年間である。いくつかの実施形態では、その期間は2年6ヶ月間である。いくつかの実施形態では、その期間は3年間である。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモルである。
【0198】
いくつかの実施形態では、疾患の経過は、本明細書に開示される治療によって緩和される。
【0199】
いくつかの実施形態では、医薬品有効成分の投与により、非エステル化コレステロールの蓄積が減少する。いくつかの実施形態では、非エステル化コレステロールの減少は末梢血単核細胞(PBMC)で起こる。いくつかの態様では、医薬品有効成分の投与は、対象によって示される非エステル化コレステロールのあらゆる増加が約10,000ng/mgタンパク質以下、または約15,000ng/mgタンパク質以下、または約20,000ng/mgタンパク質以下、または約25,000ng/mgタンパク質以下、または約30,000ng/mgタンパク質以下、または約35,000ng/mgタンパク質以下、または約40,000ng/mgタンパク質以下であるように、非エステル化コレステロールを減少させる。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモル((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)である。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドである。
【0200】
いくつかの実施形態では、医薬品有効成分の投与により、血清コレスタントリオールの蓄積レベルが減少する。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分の投与は、少なくとも約2.5ng/mlの減少、または少なくとも約3.0ng/mlの減少、または少なくとも約3.5ng/mlの減少、または少なくとも約4.0ng/mlの減少、または少なくとも約4.5ng/mlの減少、または少なくとも約5.0ng/mlの減少、または少なくとも約5.5ng/mlの減少、または少なくとも約6.0ng/mlの減少、または少なくとも約6.5ng/mlの減少、または少なくとも約7.0ng/mlの減少、または少なくとも約7.5ng/mlの減少、または少なくとも約7.5ng/mlの減少、または少なくとも約8.0ng/mlの減少、または少なくとも約8.5ng/mlの減少、または少なくとも約9.0ng/mlの減少、または少なくとも約9.5ng/mlの減少、または少なくとも約10.0ng/mlの減少があるように、血清コレスタントリオールの蓄積レベルを減少させる。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモル((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)である。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドである。
【0201】
いくつかの実施形態では、医薬品有効成分の投与は、医薬品有効成分を投与される対象が治療の経過にわたり、約0.1、例えば約0.2、例えば約0.3、例えば約0.4、例えば約0.5、例えば約0.6、例えば約0.7、例えば約0.8、例えば約0.9、例えば約1.0、例えば約1.1、例えば約1.2、例えば約1.3、例えば約1.4、例えば約1.5、例えば約1.6、例えば約1.7、例えば約1.8、例えば約1.9、例えば約2.0以下であるNPCCSSスコアの増加を示すように、NPCの経過を緩和する。いくつかの実施形態では、治療の経過は、少なくとも約1ヶ月、例えば約2ヶ月、例えば約3ヶ月、例えば約4ヶ月、例えば約5ヶ月、例えば約6ヶ月、例えば約7ヶ月、例えば約8ヶ月、例えば約9ヶ月、例えば約10ヶ月、例えば約11ヶ月、例えば約12ヶ月、例えば約13ヶ月、例えば約14ヶ月、例えば約15ヶ月、例えば約16ヶ月、例えば約17ヶ月、例えば約18ヶ月、例えば約19ヶ月、例えば約20ヶ月、例えば約21ヶ月、例えば約22ヶ月、例えば約23ヶ月、例えば約24ヶ月の期間であることができる。いくつかの実施形態では、治療の経過は24ヶ月を超える期間であることができる。NPCCSSスコアは、本明細書に記載されるように、5ドメインNPCCSSスコアまたは17ドメインNPCCSSスコアであることができる。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモル((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)である。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドである。
【0202】
いくつかの実施形態では、医薬品有効成分の投与は、2年間にわたる持続的な利益をもたらし、この持続的な利益は、対象が2年間にわたり1以下の5ドメインNPCCSSスコアの増加を示すことによって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモル((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)である。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドである。
【0203】
いくつかの実施形態では、医薬品有効成分による治療により、適正に成熟したNPCタンパク質が増加する。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分による治療により、適正に成熟したNPC1タンパク質が増加する。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分による治療により、適正に成熟したNPC2タンパク質が増加する。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分はアリモクロモル((+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドクエン酸塩)である。いくつかの実施形態では、医薬品有効成分は、(+)-(R)-N-[2-ヒドロキシ-3-(1-ピペリジニル)-プロポキシ]-ピリジン-1-オキシド-3-カルボキシイミドイルクロリドである。
【0204】
治療に対する反応性を予測する方法、または治療に反応する可能性が高い対象を同定する方法
また、本開示の一態様は、アリモクロモルによる治療に対するニーマンピック病C型(NPC)の対象の反応性を予測する方法を提供することであり、この方法は、
a)対象がNPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有するかどうかを決定することと、
b)対象がNPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有すると決定される場合、対象がアリモクロモルによる治療に反応することを予測することと、
を含む。
【0205】
いくつかの態様では、ニーマンピック病C型(NPC)の対象のアリモクロモル及びミグルスタットの併用による治療に対する反応性を予測する方法が提供され、この方法は、
a)対象がNPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有するかどうかを決定することと、
b)対象がNPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有すると決定される場合、対象がアリモクロモル及びミグルスタットの併用による治療に反応することを予測することと、
を含む。
【0206】
いくつかの実施形態では、アリモクロモルによる治療に反応性である可能性が高いニーマンピック病C型(NPC)の対象を同定する方法が提供され、この方法は、
a)対象がNPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有するかどうかを決定することと、
b)対象がNPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有すると決定される場合、対象を、アリモクロモルによる治療に反応する可能性が高いと同定することと、
を含む。
【0207】
いくつかの態様では、アリモクロモル及びミグルスタットの併用による治療に反応性である可能性が高いニーマンピック病C型(NPC)の対象を同定する方法が提供され、この方法は、
a)対象がNPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有するかどうかを決定することと、
b)対象がNPC遺伝子にER型ミスセンス変異を有すると決定される場合、対象を、アリモクロモル及びミグルスタットの併用による治療に反応する可能性が高いと同定することと、
を含む。
【0208】
いくつかの実施形態では、対象はNPC1遺伝子にER型ミスセンス変異を有する。いくつかの実施形態では、対象は、NPC2遺伝子にER型ミスセンス変異を有する。
【0209】
いくつかの実施形態では、NPC遺伝子型(例えば、NPC1遺伝子型及び/またはNPC2遺伝子型)を決定することは、対象由来の生体サンプルから単離された核酸を配列決定することを含む。当業者には理解されるように、NPC遺伝子型(例えば、NPC1遺伝子型及び/またはNPC2遺伝子型)は、DNA配列決定など、当技術分野で知られている任意の遺伝子型同定方法を使用して決定されることができる。
【0210】
いくつかの実施形態では、対象は、ER型ミスセンス変異のホモ接合体であると同定される。いくつかの実施形態では、対象はER型ミスセンス変異のヘテロ接合体であると同定される。いくつかの実施形態では、対象は、NPC遺伝子の2つの対立遺伝子のそれぞれに少なくとも1つのER型ミスセンス変異を有すると同定される。いくつかの実施形態では、対象は、NPC遺伝子の2つの対立遺伝子の1つに少なくとも1つのER型ミスセンス変異を有すると同定される。いくつかの実施形態では、対象は、NPC遺伝子にER型ミスセンス変異の複合ヘテロ接合体であると同定される。
【0211】
一実施形態では、この方法は、アリモクロモルを投与する1つ以上のステップをさらに含む。別の実施形態では、この方法は、アリモクロモル及びミグルスタットを投与する1つまたは複数のステップをさらに含む。
【実施例】
【0212】
実施例1-NPC治療用のアリモクロモルの多国間臨床試験
以下の実施例では、ニーマンピック病C型(NPC)の治療用のアリモクロモルの使用をテストするために実施された、12ヶ月の前向きな無作為割り付けの二重盲検のプラセボ対照の第2/3相多国間臨床試験について説明する。
【0213】
方法
試験参加者:試験に登録された対象のNPC1遺伝子型を表1に示す。治験に登録された患者は、ベースラインでのミグルスタットの使用によって層化された。アリモクロモルまたはプラセボの投与を受ける、両方の層の患者を2:1で無作為に割り付けた。
【表3】
【0214】
試験手順:スクリーニング来院(来院1)には、ベースライン評価、無作為割り付け、及び薬物動態(PK)評価が含まれた。アリモクロモルまたはプラセボの初回投与は、無作為割り付けから1週以内に行われた。安全性評価は、来院2(治療開始から7~14日後)に実施され、その後は盲検期間中3ヶ月ごと(来院3~6)に行われた。安全性を評価し、患者の体重を確認し、治療コンプライアンスを評価する、電話フォローアップを毎月行った。
【0215】
治験期間中、日常的な臨床ケア(ミグルスタットの投与を含む)を維持した。アリモクロモルまたはプラセボを毎日3回投与するために、各参加者を無作為に割り付けた。アリモクロモル(遊離塩基として計算)は、患者の体重に基づいて93~372mg/日、成人(体重>55kg)の推定同等量372mg/日または1日3回124mgまで、経口または栄養管で投与された。
【0216】
12ヶ月の治療フェーズ中、主要評価項目である5ドメインNPCCSSスコア、及び非疾患特異的臨床全般印象-改善尺度(CGI-I)スコアの有効性評価をベースラインと、治療の3、6、9、及び12ヶ月後に実施した。他のすべての有効性及びバイオマーカーの評価をベースラインと、治療の6ヶ月及び12ヶ月後に実施した。
【0217】
アウトカム
主要評価項目:主要評価項目は、本明細書に記載のとおり、Yanjanin et al.によって開発された17ドメインNPCCSSスコアに由来する簡易評価ツールである5ドメインNPCCSSスコアによって評価された、12ヶ月時点のNPC重症度におけるベースラインからの変化であった。完全に妥当性確認された5ドメインNPCCSSスコアは、患者、介護者、及び臨床医にとって臨床的に最も関連すると決定されたドメイン(歩行運動、認知、微細運動技能、言語、及び嚥下)を含む。5ドメインNPCCSSスコアの合計は0~25の範囲であり、スコアが高いほど重篤な臨床機能障害を示す。
【0218】
主要評価項目のサブグループ解析:NPCは異質性疾患であり、2歳から18歳の患者は広範囲の疾患像を示す。<4歳の小児群には、軽度の症状の患者と、アグレッシブな早期致死的疾患の患者とが含まれる。この群が特に異質であるため、試験参加者の母集団で≧4歳の患者のサブグループを事前に定義した。
【0219】
EUでは、ミグルスタットはNPC患者の進行性神経症状の治療に適応される。ただし、すべての患者がミグルスタット治療の候補ではないため、治療の利益を定期的に(例えば、6ヶ月ごとに)評価することが推奨されている。バックグラウンドでミグルスタット治療を受けている患者におけるアリモクロモルの効果を解明するために、ミグルスタットの投与を受けている患者の部分母集団の解析を事前に設定した。全体として、≧4歳の患者のサブグループとミグルスタット治療を受けている患者は、ベースラインの患者背景及び疾患特性に関してより均質であるため、比較により適していると予想された。
【0220】
また、2つの事後サブグループ解析も行った。
【0221】
第一事後解析では、NPC1に二重機能ヌル変異(機能ヌル/機能ヌルのNPC1遺伝子型)を有する対象を除外した。
【0222】
第二事後解析では、年間重症度増分スコア(ASIS)0.5~2.0の対象のみを含んだ。Cortina-Borja et al.は、非常に軽度の患者及び非常に重度の患者を除外する、0.5~2.0の差分ASISカットオフポイントを適用することにより、治験コホートを層化することができると、未治療の場合に臨床スコアが通常の治験期間内で変化するより均質な患者母集団を得ることができることを示唆する。
【0223】
追加の事後解析では、少なくとも1つのER型変異を有する対象のみを含んだ。
【0224】
副次評価項目:副次評価項目は、ベースラインと比較した12ヶ月時点に臨床全般印象-改善尺度(CGI-I)スコア(レスポンダは安定または改善と定義された)のレスポンダ解析であった。他の副次評価項目は、ベースラインに対する12ヶ月目の5ドメインNPCCSSスコアのレスポンダ解析(安定または改善として定義)、5ドメインNPCCSSスコアでの悪化までの時間(ベースラインに対して患者が2ポイント悪化するまでの時間として定義)、6ヵ月時点及び12ヵ月時点に5ドメインNPCCSSスコアが2ポイント悪化した患者の割合、ならびに12ヶ月時点の17ドメインNPCCSSスコア(聴覚ドメインを除く)の変化であった。追加の副次評価項目は、6ヶ月時点及び12ヶ月時点の運動失調の評価及び評点の尺度(SARA)スコアにおけるベースラインからの変化、6ヶ月時点及び12ヶ月時点の9ホールペグテスト(9-HPT)結果における変化、6ヶ月時点及び12ヶ月時点の5ドメイン3レベルEuroQolアンケート若年版(EQ-5D-3L Yプロキシ)によって測定された健康関連の生活の質(HRQoL)における変化、12ヶ月目の個々の5ドメインNPCCSSスコアにおける変化、ならびに治験時点でのベースラインからのNPC臨床データベース(NPC-cdb)スコアの変化を含んだ。NPC-cdbスコアは臨床状態を反映することを目的とし、スコアの増加は患者の能力の低下を示す。スコアは、Stampfer et al.の定義に従って計算された。
【0225】
当業者であれば、SARAスコア、9-HPT、HRQoL及びNPC-cdbが、対象におけるNPCの進行を決定するために使用される、標準化され、広く使用されている臨床解析技法であることが容易に理解されよう。
【0226】
CGI-I:元々CGI-Iは精神疾患を評価するための研究評価ツールとして開発された(Busner and Targum,2007を参照)。これは、ベースラインと比較した現在の来院時の患者の状態の改善(または悪化)に関する臨床医の印象を1(著明改善)から7(著明悪化)の範囲の7ポイント尺度で提供する。本治験では、CGI-Iを臨床検査及び患者問診後に実施した。同じ研究者は、所与の患者の治験全体を通してCGI-I評価を実施するように指示された。
【0227】
SARA:SARAには小脳性運動失調症の神経症状を反映する8項目が含まれ、運動機能の直接的かつ簡単な説明が提供される。8項目の合計スコアは0(正常)から40(どのテスト項目も実行できない)の範囲である(Schmitz-Hubsch et al.を参照)。
【0228】
9-HPT:9-HPTは微細運動の協調、手/目の協調、及び簡単な指示に従う能力を直接かつ簡単に測定するもので、それぞれの手について秒単位で測定される。このテストは4歳未満の子供には適用できない(Poole et al.を参照)。
【0229】
EQ-5D-3L Yプロキシ版:治験参加者のHRQoLはEQ-5D-3L Y代理人アンケートの子供向け版を使用して測定された。アンケートは参加者の代理人として患者の介護者によって記入された。
【0230】
バイオマーカーの定量化:血清中のコレスタントリオール、非エステル化コレステロール、及び末梢血単核細胞(PBMC)中のHSP70レベルを、Mengel et al.に記載されているとおりに測定した。
【0231】
結果
本試験の対象50名は、9ヶ国の14施設から無作為に抽出された(女性26名、男性24名)。34人の患者にはアリモクロモルを投与し、16人にはプラセボを投与した。
【0232】
12ヶ月の無作為割り付け治療を完了した患者の割合は、アリモクロモル群では79.4%、プラセボ群では93.8%であった。アリモクロモル群では、中止の理由に、有害事象(n=3)、同意の撤回(n=1)、急速な疾患進行(早期回避条項、n=2)、及びNPC進行による死亡(n=1)が含まれた。プラセボ群では、てんかんの悪化(疾患進行の一部と考えられる)のため、1人の患者が1日後に休薬した。
【0233】
患者のベースラインの疾患特性及び患者背景を表2に示す。
【表4】
【0234】
すべての対象は、NPC1対立遺伝子の両方に変異があるNPCと診断された。ほとんどの患者(n=39/50)は、日常的な臨床ケアの一環としてミグルスタットを投与されていた。ベースライン平均の5ドメインNPCCSSスコア、17ドメインNPCCSSスコア(聴覚ドメインを除く)、及びNPC-cdbスコアは、アリモクロモル群がプラセボ群よりも高かった(表3を参照)。サブグループのベースライン特性は表3に要約される。
【表5】
【0235】
3人の患者は全員がアリモクロモル群に無作為に割り付けられ、二重機能ヌル変異を有した(表4を参照)。
【表6】
【0236】
NPC1のミスセンス変異の場合、最も一般的な細胞表現型は、タンパク質がリソソームに到達しないなど、ER内のNPC1タンパク質のミスフォールドの保定である。I1061TはそれらのようなER変異の原型であり、インビトロ試験では、アリモクロモルが患者細胞内で適正にプロセシングされたI1061T NPC1の量を増加させることができることが示された(実施例2を参照)。最近の試験では、C113R、R389L、G535V、L724P、Q921P、W942C、G1034C、V378A、R404Q、H510P、Q775P、M1142T、N1156S、G1162V、R1186H、L1244P、及びI1061Tなど、同じ細胞表現型を有するいくつかのさらなる変異が明らかになった(Shammas et al.2019、Wang et al.2020)。これらのうちの2つ、N1156S及びR1186Hもこの試験で見つかった(表5を参照)。ER型サブグループには、アリモクロモル治療群の患者11名、及びプラセボ群の患者4名が含まれた。
【表7】
【0237】
ほとんどのNPC1ミスセンス変異のフォールディング状態に関する知識は限られていることに留意することが重要である。したがって、本明細書に含まれるER変異リストは、NPC1タンパク質に対する細胞のフォールディング及び成熟能力を高める治療に適用が可能な変異の完全なリストを構成するものではない。実際、試験では、NPCのミスセンス変異の大部分には、その病因にミスフォールディング成分があることが示されている。
【0238】
遺伝的に均質なサブグループにおけるアリモクロモルの治療効果を評価する目的で、少なくとも1つの既知のERミスセンス変異を有する患者が同定された。ERサブグループの患者背景特性を表6に示す。
【表8】
【0239】
有効性評価:12ヵ月目の主要評価項目の場合、5ドメインNPCCSSスコアの平均(95%信頼区間[CI])変化は、プラセボの2.14(1.04、3.24)と比較して、アリモクロモルでは0.80(-0.01、1.60)であり、これは、-1.34(95%CI:-2.71、0.02;p=0.0537;
図1Aを参照)のアリモクロモルを支持する治療効果、及び年間疾患進行の63%の相対減少に相当する。5ドメインNPCCSSスコアにおける変化に関する患者レベルのデータを
図1Eに示す。
【0240】
反復測定値の一次マルチレベルモデル化(MMRM)のモデルは、正式な解析を実証するのに十分な患者を含む、事前に設定されたサブグループレベルに適用された。≧4歳の患者(n=44、
図1Bを参照)及びミグルスタットを同時に投与される患者(n=39、
図1C)のサブグループでは、アリモクロモルによる治療の結果、NPCの進行が緩徐になった(p<0.05、表7を参照)。
【表9】
【0241】
5ドメインNPCCSSスコアに基づいて、リスポンダ(安定または改善)の割合は、アリモクロモル群及びプラセボ群でそれぞれ50.0%及び37.5%であった(表6を参照)。12ヶ月時点で、アリモクロモル群対プラセボ群の17ドメインNPCCSSスコア(聴覚ドメインを除く)及びNPC-cdbスコアでのベースラインからの変化での平均差は、数値的にアリモクロモルを支持した(それぞれp=0.5726及びp=0.3785、表6を参照)。大多数の患者(42/50)について、治験研究者は遡及的にベースラインCGI-I評価を完了した。
【0242】
アリモクロモルが試験中に特定のサブセットの対象内で特定の有効性を示したかどうかを決定するために、ASIS及び遺伝子型に基づいた追加の事後解析を実行した。0.5~2.0のベースラインASISを有した患者(n=21)を解析したところ、アリモクロモルを支持する-2.39の治療差でシグナル増強を観察した(表7を参照)。さらに、機能ヌル/機能ヌルのNPC1遺伝子型を有した患者を解析から除外した場合、-1.56の治療効果という劇的なシグナル増強が存在した(表8及び
図1Dを参照)。
【表10】
【0243】
アリモクロモルによる12ヶ月の治療に応じてHSP70レベルの増加が観察された(n=11、ベースラインからの平均[標準偏差]変化1778.98[1835.56]pg/mL、p=0.001、
図2Aを参照)。プラセボ治療患者とアリモクロモル治療患者との両方で、PBMCの非エステル化コレステロールレベルがベースラインから12ヶ月目まで増加した。非エステル化コレステロールの蓄積は、プラセボ治療患者よりもアリモクロモル治療患者の方が数値的に少なかった(平均治療差[標準誤差(SE)]-44.44[25.83]μg/mgタンパク質、p=0.096、
図2Bを参照)。12ヵ月時点にプラセボ群と比較してアリモクロモル群で、血清コレスタントリオールレベルの数値減少を観察した(平均治療差[SE]-5.50[4.46]ng/mL、p=0.225、
図2Cを参照)。
【0244】
さらに、アリモクロモルを支持する治療差は、ER型ミスセンス変異を有する患者の部分母集団では-4.79(95%CI、-7.83、-1.74)、p=0.0053)まで増加し、この遺伝的に定義された群ではシグナル増強が強いことを示した(表9を参照)。
【表11】
【0245】
安全性評価:合計で、アリモクロモル群では患者の88.2%(30/34)、プラセボ群では75.0%(12/16)がTEAEを有した。両方の治療群で最も一般的なTEAEは嘔吐であった(アリモクロモル:8/34、23.5%;プラセボ:4/16、25.0%)。上気道感染症及び体重減少はプラセボよりもアリモクロモルで頻繁に発生したが、上咽頭炎、気道感染症、及びてんかんはアリモクロモルよりもプラセボで報告されることが多かった。重篤なTEAEは、アリモクロモル投与を受けた患者の14.7%(5/34)で発生したのに対し、プラセボ投与を受けた患者の31.3%(5/16)で発生した。治験の中止に至ったものを除き、すべての重篤なTEAEはNPCに関連したものとみなされた。患者1名は、アリモクロモルによる治療ではなく、NPCに関連すると評価された心肺停止が原因で死亡した。アリモクロモル群の患者3名(8.8%)は4つのTEAEを有したため、治験薬を中止した。これらには、蕁麻疹2件及び血管浮腫1件(いずれも重篤で、おそらく治験薬に関連しているとクラス分類された)と、血中クレアチニンレベルが患者のベースライン値の2倍に上昇した1件(治験薬に関連していると評価された)との事象が含まれた。アリモクロモル群の患者6名では、血清クレアチニンレベルが患者のベースライン値の1.5倍を超えて上昇し、これらの患者のうち2名(両名ともアリモクロモル群)では、レベルがベースライン値の2倍を超えた。これらの患者のうち1名では、救済治療による治療中に上昇が起こり、もう1名では、上昇がTEAEとして報告され、患者はプロトコルに従って治験への参加を中止した。腎機能に影響した他のいずれかの兆候を示す患者はいなかった。すべての患者において、クレアチニンレベルはアリモクロモルへの曝露後の最初の測定時に上昇し始め、治験終了前にピークになることが確認された。治験中にバイタルサイン、心電図、またはその他の臨床検査値に著しい変化はなかった。
【0246】
結論
理論に束縛されるものではないが、上記のNPCにおけるアリモクロモルのプラセボ対照第2/3相12ヶ月治験の結果は、テスト対象で観察されたプラセボに対するアリモクロモルの臨床的に有意義な利点を伴ってアリモクロモルの許容性が良かったことを示している。4歳を上回る患者及びミグルスタットによって同時治療された患者では、疾患進行の有意な減少が観察された。さらに、アリモクロモル治療は、機能ヌル/機能ヌルのNPC1遺伝子型を有しなかった対象(すなわち、ミスセンス/ミスセンスかミスセンス/機能ヌルかいずれかのNPC1遺伝子型を有する対象)及びER型サブグループからの患者では、有効性の増加を示した。
【0247】
実施例2-アリモクロモルによって処理された細胞株のインビトロ試験
この実験では、ER輸送に影響するミスセンス変異(GM18453;I1061T/I1061T)及びリソソーム局在(GM18420;P1007A/IVS23+4delA)を有するPBS及びアリモクロモルで処理したヒト線維芽細胞株のウェスタンブロット解析では、NPC1タンパク質バンドに対するEndoH(エンドグリコシダーゼH)脱グリコシル化処理の効果を調べ、3回実施した。
【0248】
材料及び方法
細胞処理
線維芽細胞を、400μMのアリモクロモルかPBS(対照)かいずれかによる処理の1日前(-1日目)に播種した。細胞を0日目から5日目まで連続してアリモクロモルで処理し、3日目に培地を変えて、5日目に回収した。したがって、細胞は5日の連続したアリモクロモル処理を受けた。続いて、プロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤を含むRIPA緩衝液を用いて細胞を溶解させた。BCAアッセイキットを用いてサンプルごとにタンパク質濃度を定量化した。
【0249】
酵素消化
タンパク質(10μgのタンパク質/サンプル)を適切な酵素で処理した(以下の表10及び
図5Aを参照)。ER内の未成熟タンパク質からグリカンを特異的に除去するEndoHとは異なり、ペプチドNグリコシダーゼF(PNGase)はすべてのグリカンを除去するため、消化陽性対照として機能する。
【表12】
【0250】
SDS-PAGE及びウェスタンブロット
タンパク質をSDS-PAGEで分解し、ウェスタンブロット(NPC1&チューブリン)で検出した。
【0251】
画像の定量化及び統計解析
図5A~Bに示すNPC1の成熟形態及び未成熟形態の定量化のために、膜を撮像し、ImageJソフトウェアを使用して、NPC1の未成熟(EndoH感受性)形態及び成熟(EndoH抵抗性)形態のタンパク質バンド(180~250kDa)ならびにチューブリン(50kDa)を定量化した。NPC1バンド(EndoH抵抗性及びEndoH感受性)をチューブリンに対して正規化した。各細胞株内のPBS処理(未処理)対照と比較した、アリモクロモル処理後のEndoH抵抗性NPC1タンパク質の倍率変化を定量化した。データを平均+/-標準偏差として示す。統計的有意性は、細胞株ごとに対応のあるt検定(対照対アリモクロモル)を使用して実施された。
【0252】
図4に示すNPC1タンパク質の存在量を決定するために、膜を撮像し、ImageJソフトウェアを使用して、NPC1のタンパク質バンド(180~250kDa)及びチューブリン(50kDa)を定量化した。NPC1バンドはチューブリンまたはポンソー染色に対して正規化された。各細胞株内のPBS処理(未処理)対照と比較した、アリモクロモル処理後の総NPC1タンパク質の倍率変化を定量化した。データを平均+/-標準偏差として示す。統計的有意性は、細胞株ごとに対応のあるt検定(対照対アリモクロモル)を使用して実施された。各細胞株のNPC1遺伝子型を表11に示す。
【表13】
【0253】
結果及び結論
哺乳類細胞株におけるNPC1 cDNAをコードするタグ付きNPC1変異タンパク質の一過性発現は、ERからの輸送をモデル化するシステムとして、ERに保定されたタンパク質上で特異的に未成熟なグリコシル化構造体を消化するエンドグリコシダーゼH(EndoH)酵素と組み合わせて頻繁に使用される。これらの実験条件では、ほぼすべてのI1061T NPC1タンパク質がEndoHに感受性があり、ERからの出芽が強力に遮断されていることを示しており、この試験で見つかった他のいくつかの変異も同様の表現型を有することが示されている(Shammas et al.2019)。
【0254】
ER型変異(I1061T/I1061T)を有するNPC患者線維芽細胞をアリモクロモルで処理した結果、5日後にリン酸緩衝食塩水(PBS)-処理対照と比較して、HSP70をコードする遺伝子、HSPA1Aの発現が時間及び用量依存的に増加した(
図3を参照)。
【0255】
アリモクロモルによる処理により、NPC1に最も一般的な変異を有する患者線維芽細胞では、PBS処理対照と比較してNPC1タンパク質の総量が増加した(
図4を参照)。
【0256】
アリモクロモルは、ER輸送に影響するミスセンス変異体(I1061T;GM18453)及びリソソーム局在に影響するミスセンス変異体(P1007A;GM18420)を有するNPC線維芽細胞では、PBS処理細胞と比較して、EndoH抵抗性NPC1の量で定量化される、適正に処理されたNPC1タンパク質の量を増加させた(
図5Aを参照)。
【0257】
EndoHは、ER内の未成熟タンパク質からグリカンを特異的に除去することにより、NPC1の未成熟(感受性)形態と成熟(抵抗性)形態との間の分化が可能になる。アリモクロモルによる処理は、ER輸送に影響するミスセンス変異(I1061T;GM18453)及びリソソーム局在に影響するミスセンス変異(P1007A;GM18420)を有するNPC線維芽細胞では、PBS処理細胞と比較して、EndoH抵抗性NPC1の量で定量化される、適正に処理されたNPC1タンパク質の量を増加させた(
図5Bを参照)。
【0258】
GM18453の変異により、NPC1タンパク質になると、ミスフォールドされ、小胞体(ER)に保定され、その後分解の標的となる。重要なことに、HSP70はI1061T NPC1に直接結合し、タンパク質の適正なフォールディング及び成熟を助けることが示されている。これらのデータから明らかなように、ER型ミスセンス変異を有する患者線維芽細胞をアリモクロモルで処理すると、適正に成熟したNPC1タンパク質が明らかに増加することになる。
【0259】
したがって、少なくとも1つのER型変異を有する患者は、リソソーム恒常性及び熱ショックタンパク質(HSP)依存性のリフォールディングに対するアリモクロモルの有益な効果と、ERに保定されたミスフォールドNPC1の成熟との両方から恩恵を受けると予想される。
【0260】
参考文献
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【手続補正書】
【提出日】2023-08-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】追加
【補正の内容】
【配列表】
【国際調査報告】