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特表2024-502307スティック処理装置、アイスクリーム製造システム及びアイスクリーム製造方法アイスクリームフリーザー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-18
(54)【発明の名称】スティック処理装置、アイスクリーム製造システム及びアイスクリーム製造方法アイスクリームフリーザー
(51)【国際特許分類】
   A23G 9/22 20060101AFI20240111BHJP
   A23G 9/26 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
A23G9/22
A23G9/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539113
(86)(22)【出願日】2021-11-04
(85)【翻訳文提出日】2023-08-17
(86)【国際出願番号】 EP2021080638
(87)【国際公開番号】W WO2022144121
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】20217349.8
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】スカンダリオーン、キャメロン
(72)【発明者】
【氏名】クボ、エジソン
【テーマコード(参考)】
4B014
【Fターム(参考)】
4B014GB18
4B014GE08
4B014GP08
4B014GP12
4B014GP25
4B014GP27
4B014GT03
4B014GT04
4B014GT20
(57)【要約】
アイスクリームスティック(102)を取り扱うためのスティック処理装置(100)であって、当該装置(100)は、アイスクリームスティック(102)を保持するように配置されたマガジンと、マガジンからアイスクリームスティック(102)を取り出すように配置されたコンベアバンド(106)と、コンベアバンド(106)からアイスクリームスティック(102)を取り出し、アイスクリームスティック(102)を次々に積み重ねるように配置されたスタッカーユニットと、アイスクリームスティック(102)をアイスクリーム塊の内部に位置決めするために、スタッカーユニットからアイスクリームスティック(102)を受け取るように配置されたスティック配置ユニットと、アイスクリームスティック(102)がコンベアバンド(106)によって搬送される間に、アイスクリームスティック(102)に情報(210)を印刷するように構成されたプリンタユニット(108)と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイスクリームのスティック(102)を取り扱うスティック処理装置(100)であって、
アイスクリームスティック(102)を保持するマガジン(104)と、
前記マガジン(104)から前記アイスクリームスティック(102)を取り出すコンベアバンド(106)と、
前記アイスクリームスティック(102)を前記コンベアバンド(106)から取り出し、前記アイスクリームスティック(102)を次々に積み重ねるスタッカーユニット(300)と、
前記アイスクリーム塊(304)内に前記アイスクリームスティック(102)を位置決めするため、前記スタッカーユニット(300)から前記アイスクリームスティック(102)を受け取るスティック配置ユニット(302)と、
前記アイスクリームスティック(102)が前記コンベアバンド(106)によって搬送される間に、前記アイスクリームスティック(102)に情報(210)を印刷するプリンタユニット(108)と、を備える、
スティック処理装置(100)。
【請求項2】
前記アイスクリームスティック(102)が前記コンベアバンド(106)によって搬送される速度(S)を検出するセンサ(120)を備え、
前記プリンタユニット(108)が、前記アイスクリームスティック(102)に前記情報(210)を印刷する際に、前記速度(S)を入力として使用する、
請求項1に記載のスティック処理装置。
【請求項3】
前記コンベアバンド(106)は、それぞれのアイスクリームスティック(102)を保持するスロット(121)を備え、
前記スティック処理装置は、前記スロット(122)内に前記アイスクリームスティックが存在しないことを示すデータ(D)を生成するセンサ(124)をさらに備え、
前記プリンタユニット(108)は、前記アイスクリームスティック(102)に前記情報(210)を印刷する際に、前記データ(D)を入力として使用する、
請求項1又は2に記載のスティック処理装置。
【請求項4】
各アイスクリームスティック(102)は、第1の端部(202a~c)と第2の端部(204a~c)を備え、
前記プリンタユニット(108)は、前記各アイスクリームスティック(102)の2つの端部(202a~c、204a~c)に異なる印刷を施し、
前記コンベアバンド(106)、前記スタッカーユニット(300)及び前記スティック配置ユニット(302)は、前記アイスクリームスティック(102)のすべての前記第1の端部(202a~c)が同じ方向を向き、それぞれのアイスクリーム塊(304)の内側に配置されるように、前記全てのアイスクリームスティック(102)を搬送し、積み重ね、及び位置する、
請求項1~3のいずれか一項に記載のスティック処理装置。
【請求項5】
前記プリンタユニット(108)は、前記アイスクリームスティック(712)のセットの各アイスクリームスティック(102)に異なる印刷を施す、
請求項1~4のいずれか一項に記載のスティック処理装置。
【請求項6】
前記プリンタユニット(108)は、レーザープリンタである、
請求項1~5のいずれか一項に記載のスティック処理装置。
【請求項7】
前記コンベヤバンド(106)が、それぞれのアイスクリームスティック(102)を保持するスロット(121)を備え、前記各スロット(121)が、第1の壁(602)と、前記第1の壁(602)に対向する第2の壁(604)とを備え、
前記第2の壁(604)は、前記コンベヤバンド(106)の移動方向(DoM)において、前記第1の壁(602)の後方に位置し、前記アイスクリームスティック(102)の長手方向側面(606)を支持する、
請求項1~6のいずれか一項に記載のスティック処理装置。
【請求項8】
アイスクリーム製造システム(700)であって、
アイスクリーム塊(304)を生成するアイスクリームフリーザー(702)と、
前記アイスクリーム塊(204)をアイスクリーム塊の個々のピース(705)に成形するアイスクリーム成形装置(704)と、
前記アイスクリーム塊の個々のピース(705)を受け取り、それらの温度を下げる冷凍装置(706)と、
前記アイスクリーム塊の個々のピース(705)の周囲に包装材料(710)で包装する包装機(708)と、
前記アイスクリーム塊の個々のピース(705)の内部に前記アイスクリームスティック(102)を配置する、請求項1~7のいずれか一項に記載のスティック処理装置(100)と、を備える、
アイスクリーム製造システム(700)。
【請求項9】
アイスクリームを製造する方法(800)であって、
アイスクリーム塊(304)を生成し(802)、
前記アイスクリーム塊(304)をアイスクリーム塊の個々のピース(705)に成形し(804)、
前記アイスクリームスティック(102)を前記アイスクリーム塊の個々のピース(705)の中に配置し(806)、
前記アイスクリーム塊の個々のピース(705)の温度を下げ(808)、
前記アイスクリーム塊の個々のピース(705)に包装材料(710)で包装する、
ことを備え、
前記アイスクリームスティック(102)を前記アイスクリーム塊の個々のピース(705)の中に配置する(806)前に、
スティック処理装置(100)において、前記アイスクリームスティック(102)を、コンベヤバンド(106)で、マガジン(106)から前記アイスクリームスティック(102)用のスタッカーユニット(300)まで搬送し(812)、
前記アイスクリームスティック(102)が前記コンベアバンド(106)上で搬送される間に、前記アイスクリームスティック(102)に情報(210)を印刷する、
ことを備える、アイスクリームを製造する方法(800)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にアイスクリーム製造に関する。より詳細には、スティック処理装置、アイスクリーム製造システム及びアイスクリーム製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、アイスクリーム製造においてアイスクリームスティック処理装置を使用することがよく知られている。例えば、押し出しラインでは、押し出されたアイスクリーム塊に高速でスティックを挿入できるサーボエンジンを備えたプッシャーユニットを備えることが知られている。また、成形されたアイスクリーム製品用のスティック処理装置を有することも知られている。製造のための異なるコンセプトを有し、また異なるタイプのスティック処理装置を有することにより、多種多様なスティック入りアイスクリーム製品を提供できる。
【0003】
スティック付きアイスクリーム製品を他の類似製品と区別する一つの方法は、スティックの形状が異なることである。例えば、砂時計型のスティックを持つことで、消費者が製品を持ちやすくすることができる。
【0004】
他の区別する方法、スティックにプリントを施すことである。印刷されていない標準的なスティックを持つ製品と比べて製品を目立たせることに加え、この印刷は情報目的で使用されてもよい。例えば、独自の情報をスティックに印刷することで、製品の品質追跡や生産効率の分析が可能になる。収集された情報は、アイスクリーム製造工程をより効率的に制御するために使用できる。
【0005】
現在、アイスクリームスティックを製造し、印刷によってマーキングするためのいくつかの技術が利用可能であり、アイスクリームスティックを製造及び印刷する企業は、アイスクリームスティックをコスト効率よく製造できるように、製造を自動化している。
【0006】
多種多様なスティック状アイスクリーム製品を製造することが可能であるにもかかわらず、アイスクリーム製造業者は、効率的に追跡可能なスティック付きアイスクリーム製品を製造し、固有のアイスクリームユニットを製造工程の異なるステップとより正確に関連付けることを可能にする、さらなる可能性を持つことを望んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、従来技術の上記で特定された制限の1つ以上を少なくとも部分的に克服することである。特に、改善された製品追跡を容易にし、アイスクリーム製造を正確に分析するためのより良い可能性を提供することができるスティック処理装置を提供することが目的である。
【0008】
第1の態様によれば、アイスクリームスティックを処理するためのスティック処理装置が提供され、当該装置は、アイスクリームスティックを保持するように構成されたマガジンと、マガジンからアイスクリームスティックを取り出すように構成されたコンベアバンドと、コンベアバンドからアイスクリームスティックを取り出し、アイスクリームスティックを次々に積み重ねるように構成されたスタッカーユニットと、アイスクリームスティックをスタッカーユニットから受け取り、アイスクリーム塊の内側にアイスクリームスティックを配置するアイスクリームスティック配置ユニットと、アイスクリームスティックがコンベアバンドによって搬送される間に、アイスクリームスティックに情報を印刷するように構成されたプリンタユニットと、を備える。
【0009】
プリンタユニットをスティック処理装置に含める利点は、印刷に関してより汎用性の高い装置が実現されることである。スティックをアイスクリームの塊の中に配置する直前、多くの場合は数分以内にスティックを印刷させることにより、どのスティックがどのアイスクリームの中に配置されているのか、より正確に制御し、追跡することが可能になる。印刷されるデータによっては、製品をより正確に追跡し、より信頼性の高い正確な生産分析を行うことも可能である。
【0010】
さらに、スティックがコンベアバンド上で整列され、方向付けられた後に印刷が行われるため、アイスクリーム塊に挿入される第1の端部と、アイスクリーム塊に挿入されない第2の端部とで異なる印刷を行うことが可能であるという利点もある。
【0011】
スティック処理装置は、アイスクリームスティックがコンベアバンドによって搬送される速度を検出するように構成されたセンサをさらに含んでもよく、プリンタユニットは、アイスクリームスティックに情報を印刷する際に前記速度を入力として使用するように構成される。
【0012】
コンベヤバンドの速度を検出するセンサを備える利点は、速度に応じて印刷を適合させることができることである。速度を知ることで、コンベヤバンドの移動方向に印刷位置を合わせできる。
【0013】
コンベアバンドは、それぞれのアイスクリームスティックを保持するように配置されたスロットを備えてもよく、装置は、スロット内のスティックが存在しないことを示すデータを生成するように構成されたセンサをさらに含んでもよく、プリンタユニットは、アイスクリームスティックに情報を印刷する際に、前記データを入力として使用するように構成される。
【0014】
空きスロット(void slot)、すなわち、スティックが存在しないスロットを検出するセンサの利点は、空きスロットの場合に印刷を回避できることであり、コンベアバンド上に印刷が行われないという効果がある。
【0015】
各アイスクリームスティックは、第1の端部及び第2の端部を備えてもよく、プリンタユニットは、各アイスクリームスティックの2つの端部に異なる印刷を提供するように構成されてもよく、コンベアバンド、スタッカーユニット、及びスティック配置ユニットは、アイスクリームスティックのすべての第1の端部が同じ方向を向き、それぞれのアイスクリーム塊の中に配置されるように、すべてのアイスクリームスティックを搬送し、積み重ね、及び配置するように配置されてもよい。ここで、全ての第1の端部とは、少なくとも10000本のスティックのセット等、スティックのセットの全ての第1の端部を意味する。
【0016】
第1の端部がすべて同じ方向を向くようにスティックを処理することの利点は、アイスクリームが包装される前に、製品の品質を追跡するために印刷の一部が見える可能性があることである。この可能性があることによって、アイスクリーム製造者にさらなる可能性を提供する。
【0017】
異なるプリントとは、第1のプリントが第1の端部に設けられ、第2のプリントが第2の端部に設けられてもよく、第1の端部にのみ、又は第2の端部にのみプリントが設けられていてもよいと解釈すべきである。
【0018】
プリンタユニットは、アイスクリームスティックのセットの各アイスクリームスティックに異なる印刷を施すように構成されてもよい。
【0019】
各アイスクリームスティックに異なるプリントを施すことで、トレーサビリティが向上する。例えば、アイスクリーム製品が製造現場から出荷された後、後の段階で品質問題が見つかった場合、そのアイスクリーム製品がどこで、いつ、どの機械で製造されたのか特定するため、スティックに印刷された印字が使用されてもよい。この情報が手元にあれば、品質問題に迅速に対処できる。さらに、アイスクリーム製品が消費に安全でないことが判明した場合、スティック上の印刷を識別目的に使用することができ、食品の安全性を向上させることができる。
【0020】
プリンタユニットは、レーザープリンタであってもよい。
【0021】
コンベヤバンドは、それぞれのアイスクリームスティックを保持するように配置されるスロットを含んでもよく、各スロットは、第1の壁と、第1の壁に対向する第2の壁とを含んでもよく、第2の壁は、コンベヤバンドの移動方向に対して、第1の壁の後方にあり、アイスクリームスティックの長手方向の側面を支持するように配置されてもよい。
【0022】
長手方向の側面を支持する第2の壁を有する利点は、スティックの位置が揃うことである。スティックが適切に位置合わせされることで、プリントの位置精度を高めることができるという効果がある。
【0023】
第2の態様によれば、アイスクリーム塊を製造するように構成されたアイスクリームフリーザーと、アイスクリーム塊をアイスクリーム塊の個々のピースに成形するように構成されたアイスクリーム成形装置と、アイスクリーム塊の個々のピースを受け取り、その温度を低下させるように構成された冷凍装置と、アイスクリーム塊の個々のピースの周囲に包装材料を巻き付けるように構成された包装機と、アイスクリーム塊の個々のピースの内部にアイスクリームスティックを配置するように構成された、第1の態様によるスティック処理装置と、を備えるアイスクリーム製造システムが提供される。
【0024】
第1の態様について示したのと同じ特徴及び利点が、第2の態様についても実現され得る。
【0025】
第3の態様によれば、アイスクリーム塊を製造し、アイスクリーム塊をアイスクリーム塊の個々のピースに成形し、スティック処理装置を用いてアイスクリームスティックをアイスクリーム塊の個々のピースの内部に配置し、アイスクリーム塊の個々のピースの温度を低下させ、アイスクリーム塊の個々のピースの周囲にパッケージ材料で包装する、ことを含む、アイスクリーム製造方法が提供される。本方法は、アイスクリームスティックをアイスクリーム塊の個々のピースの内部に位置決めする前に、スティック処理装置において、アイスクリームスティックをマガジンからアイスクリームスティック用のスタッカーユニットまでコンベアバンド上で搬送し、アイスクリームスティックがコンベアバンド上を搬送される間に、アイスクリームスティックに情報を印刷すること、を含む。
【0026】
第1及び第2の態様について示したのと同じ特徴及び利点が、第3の態様についても実現され得る。
【0027】
本発明のさらに他の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、添付の概略図面を参照しながら例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1A】スティック処理装置の一部を示す図である。
図1B図1Aに示した部品をマガジンなしで示す図である。
図2A】上から見たアイスクリームスティックの3つの例を示す図である。
図2B図2Aに示した3本のスティックの斜視図を示す図である。
図3】3つの異なる実施形態によるスティック処理装置を示す図である。
図4】3つの異なる実施形態によるスティック処理装置を示す図である。
図5】3つの異なる実施形態によるスティック処理装置を示す図である。
図6】コンベアバンドを詳細に示す図である。
図7】アイスクリーム製造システムを示す図である。
図8】アイスクリームの製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1Aは、一例として、スティック処理装置100を示す。この特定の例では、アイスクリームスティック102はマガジン104内に保持される。マガジン104から、スティック102はコンベヤバンド106によってピックアップされる。コンベアバンド106上で搬送される間に、アイスクリームスティック102は、プリンタユニット108を使用して印刷される。スティック102はアイスクリームのスティックに一般的に使用されるタイプのものであり、典型的には木製である。
【0031】
図示されるように、コンベヤバンド106は、スティック102がコンベヤバンド106によってピックアップされた後に上方に移動できるように傾斜させてもよい。この利点は、重力を利用してスティック102をマガジン104からコンベヤバンド106に供給できることである。マガジン104がスティック102を保持しているとき、コンベヤバンド106はスティック102を密着させて通過させ、スティック102がコンベヤバンド106のそれぞれのスロットに落下すると、それらを1本ずつ拾い上げる。重力はまた、スティック102がコンベアバンド106上で整列することを提供する。
【0032】
図1Aに示す例では、入口110をマガジン106の上端に設ける。入口110をこのように配置することにより、作業者は、スティック102がマガジン104内に正しく配置されていることを容易に検査することができ、マガジン104からコンベヤバンド106へのスムーズな移送を達成することができる。マガジン104の出口112をマガジン104の下端に設けることができ、スティック102を確実にコンベヤバンド106上に落下できるように、コンベヤバンド106を出口112の下に設けることができる。出口112には、スティック102が一本ずつ送り出されるようにするための供給装置(図示せず)を設けてもよい。
【0033】
プリンタユニット108は、コンベヤバンド106によって移送されるスティック102が印刷され得るように、コンベヤバンド106の上方に配置されるプリンタヘッド114を備える。プリンタヘッド114は、プリンタビーム作業ゾーン116に設けられたスティック上に印刷することができる。このゾーンは、1つのスティックのみに限定してもよいし、スティックの一部分のみに限定してもよいし、スティック102を含む領域及びコンベヤバンド106の先行領域及び後続領域をカバーしてもよい。また、ゾーン116は、複数のスティックを同時に印刷できるように、複数のスティックをカバーしてもよい。図1Aに示す例では、プリンタユニット108はレーザープリンタである。したがって、プリンタヘッド114に加えて、レーザユニット118を備えてもよい。レーザーユニット118は、木製のアイスクリームスティックに印刷するのに適した市販のレーザーユニットであってもよい。
【0034】
図1Bは、図1Aに図示したのと同じスティック処理装置100を示すが、説明のためにマガジン104が取り外されている。マガジン104が取り外された状態では、コンベアバンド106と、コンベアバンド106上に置かれたスティック102が容易に見える。
【0035】
プリンタヘッド114による印刷は、コンベアバンド106の移動中に行うことができるので、コンベアバンド106の速度Sは、プリンタユニット108が速度Sに従ってプリンタ設定を適応させることができるように、プリンタユニット108への入力として提供することができる。このような適応は、例えば、スティック102の移動方向DoMにおける印刷位置を調整することを含んでもよい。速度Sは、例えば、コンベアバンド106の駆動輪に接続されたセンサ120を使用する等、様々な方法で測定できる。
【0036】
スティック102を所定の位置に保持するために、コンベヤバンド106にスロット121を設ける。コンベヤバンド106上には、空きスロット122、すなわちスティックが存在しないスロットが設けられてもよい。空きスロット122の理由は様々であろう。例えば、マガジン104が空になり、スティック102がマガジン104からコンベヤバンド106に適切に送り出されなかったことが考えられる。空きスロット122の別の理由としては、該当のスロットがマガジン104を通過する際に、コンベヤバンド106のスロットにスティックが落ちなかったことが考えられる。
【0037】
印刷がコンベアベルト106のスロットに存在するスティックと位置合わせされることを保証するために、スティック102が存在しないスロット122を検出するためのセンサ124を使用してもよい。このセンサ124は、スロット121にスティック102が設けられているかどうかを示すデータDを生成してもよい。このデータDが手元にあれば、プリンタユニット108は、空のスロット122がプリンタヘッド114を通過するときに印刷が行われないように、印刷を適合できる。この機能を有することにより、汎用性の高い装置が提供され、コンベアバンド106上で印刷が行われることを回避できる。スロット122を検出するためのセンサ124は、個別のセンサであってもよいし、多くの市販のレーザープリンタで利用されているビルトインのプリント・トリガセンサ(built-in print-trigger sensor)であってもよい。
【0038】
図2A及び図2Bは、スティック102の3つの例を示す。図2Aは、上方から見た例を示し、図2Bは、斜視図の例を示す。スティック102は、第1の端部202a~c及び第2の端部204a~cを備える。第1の端部202a~cはアイスクリーム塊の内側に配置され、第2の端部204a~cはアイスクリーム塊の外側に配置され、アイスクリーム塊の外側にあることの効果として、消費者のためのグリップとして機能する。
【0039】
図示されているように、第1の端部と第2の端部の大きさは異なっていてもよい。異なるアイスクリーム製品では、スティックの多くの部分又は少ない部分がアイスクリーム塊に挿入されてもよい。アイスクリーム塊に挿入されるスティックの量は制御できるため、どのような印刷情報をアイスクリーム塊の内部に有し、どのような印刷をアイスクリーム塊の外部に有するかを決定してもよい。したがって、第1の印刷206a~c、すなわち、第1の端部202a~cへの印刷は、アイスクリーム塊が消費された後に消費者に見えるようにされる情報を備えてもよく、第2の印刷208a~cは、アイスクリーム製品が包装を解かれるとすぐに消費者に見える情報を備えてもよい。第1及び第2の印刷206a~c、208a~cを合わせて、本明細書では、情報210と呼ぶ。
【0040】
図3は、図1A及び図1Bに示されたスティック処理装置100と、コンベヤバンド106からスティック102を取り出し、これらを次々に積み重ねるように作られたスタッカーユニット300を共に示している。積み重ねられたスティック102は、スティック102をアイスクリーム塊304内に配置されるように構成されたスティック配置ユニット302によって受け取られる。図3に示すように、この位置決めは、スティック102をアイスクリーム塊304に押し込むことによって行なわれ、このアイスクリーム塊は、後にピースに切断され、アイスクリーム製品にさらに加工される押出アイスクリーム塊であってもよい。
【0041】
上述したように、スティック配置ユニット302は、スティック102の第1の端部202a~cがアイスクリーム塊304の内部に配置されるように構成されてもよい。
【0042】
スティック102は、スティックスタックホルダ306を介して、スタッカーユニット300からスティック配置ユニット302に搬送されてもよい。図示されているように、スティックスタックホルダー306は、スタッカーユニット300からスティック配置ユニット302へスティックのスタックを案内する多数の円弧状ロッドであってもよい。多用途性を提供するために、スタックホルダ306は、いわゆるフレキシブルアーク(flexible arc)であってもよく、すなわち、スタックホルダ306は、例えば、設置及び調整が容易になるように固定されていない。第1の端部202a~cがアイスクリーム塊304に挿入されることを保証するために、スティック102は、第1の端部202a~cが同じ方向を向いた状態でスティック処理装置100全体で取り扱われてもよい。
【0043】
図4もまた、図1A及び図1Bに図示されたスティック処理装置100を示すが、図3とは異なり、スティック配置ユニット302は押出ホイールであり、図3に図示されたようなプッシャーユニットではない。図示されているように、スティック配置ユニット302を押出ホイールとして具現化させる場合にも、図3と同じスティック積み重ねホルダ306、すなわち、いわゆるフレキシブルアークを使用することができる。
【0044】
図5は、スティック処理装置100のさらに他の例を示す。図3に図示した例と同様に、スティック配置ユニット302はプッシャーユニットであり、すなわちスティック配置ユニット302は、スティック102をアイスクリーム塊304内に押し込むように構成される。図3及び図4に示された例とは異なり、この例では、スティック積み重ねホルダ306は、固定スティック積み重ねホルダである。
【0045】
このように、スティック配置ユニット302は、アイスクリームスティック102をアイスクリーム塊304内部に位置決めするために、スタッカーユニット300からアイスクリームスティック102を受け取る。この位置決めには、スティックをアイスクリームに押し込むこと(図3及び図5)、又はスティックの周りにアイスクリームを成形すること(図4)が含まれてもよい。スティックスタッカー300及び異なるスティック配置ユニット302は、それ自体、市販のユニットであってもよい。
【0046】
図3図4及び図5に示された実施例に加えて、スティック処理装置100は、そのような例が図示されていなくても、マルチレーンシステムに使用されてもよい。
【0047】
図6は、コンベヤバンド106の一部をさらに詳細に示している。図1に示されるように、スロット121はスティック102を保持してもよく、空きスロットとも呼ばれるスティックのないスロット122が存在してもよい。
【0048】
スティック102の形状に整列した印刷を提供するために、コンベアバンド106は、スティック102の整列が可能になるように配置する。図1A及び図1Bに示されるように、コンベヤバンド106は傾斜しており、これにより、整列を達成するために重力を利用する。図6に示されるように、これは、各スロット121が第1の壁602及び第2の壁604を備え、第2の壁604が、コンベヤバンド106の移動方向DoMにおいて、第1の壁602の後方にあることによって行ってもよい。スティック102の長手方向側面606は、重力の作用により、第2の壁604上に落下し、第2の壁602によって支持される。支持の効果として、スティック102も整列され、スティック102上の印刷の位置が改善された精度で行われ得るという利点がある。
【0049】
図7は、アイスクリーム製造システム700を概略的に示す。要するに、クリーム、砂糖及び他の成分に基づいて、アイスクリームフリーザー702を使用することにより、アイスクリーム塊304を製造する。アイスクリーム塊304は、その後、アイスクリーム成形装置704において、アイスクリーム塊の個々のピース705に成形され得る。上述したように、これは、異なる方法、例えば、押出成形又は型を使用することによって製造されてもよく、これは、スティックを型に入れ、その後、アイスクリーム塊で型を充填することを意味する。スティック処理装置100を使用することによって、個々のピース705は、スティック102によって提供されてもよい。上述したように、スティック処理装置100は、多数の異なる方法で個々のピース705にスティックを配置してもよく、また、例えば、押出成形を使用する場合、アイスクリーム塊304が個々のピース705に分割される前に行われてもよい。個々のピース705にスティック102を配置することに加えて、スティック102が印刷される。
【0050】
スティック102が提供された後、個々のピース705は、冷凍装置706、例えば、冷凍トンネル内に配置されてもよい。最後に、包装機708において、個々のピース705は、出荷準備が整ったアイスクリーム製品が形成されるように、包装材料710で包装する。
【0051】
異なるアイスクリーム製品を追跡できるようにするために、これは食品安全の観点及び品質の観点から有益であり、プリンタユニット108は、アイスクリームスティック712のセットの各アイスクリームスティック102に異なる印刷を提供するように構成され得る。例えば、一意のコードを各スティックに提供することができる。アイスクリームスティック712のセットは、特定の目的のために製造されたバッチであってもよいが、異なるサイト間で情報が共有されることを条件として、異なるサイトで製造されたアイスクリーム製品を含んでもよい。
【0052】
図8は、アイスクリームを製造する方法800を示すフローチャートである。第1のステップ802において、アイスクリーム塊304を生成する。第2のステップ804において、アイスクリーム塊304をアイスクリーム塊の個々のピースに705に成形する。第3のステップ806において、スティック処理装置100を用いて、アイスクリームスティック102をアイスクリーム塊の個々のピース705の中に配置する。第4のステップ808において、アイスクリーム塊の個々のピースの705の温度を下げる。第5のステップ810において、アイスクリーム塊の個々のピース705を包装材料710で包装する。
【0053】
第3のステップ806は、スティック処理装置100内で、アイスクリームスティック102をマガジン104からスタッカーユニット300までコンベヤバンド106上で搬送する第1のサブステップ812と、アイスクリームスティック102がコンベヤバンド106によって搬送されている際に、情報210をアイスクリームスティック102に印刷する第2のサブステップ814を備えてもよい。
【0054】
上述したように、アイスクリーム製品は様々な方法で製造することができ、特定の順序で説明したが、他の順序で異なるステップを実行してもよい。例えば、押出成形を使用する場合、第3のステップ806は、第2のステップ804の前に実行されてもよく、すなわち、アイスクリーム塊の個々のピース705が成形される前に、スティック102がアイスクリーム塊304に配置されてもよい。しかし、第4及び第5のステップ808、810は、第3のステップ806の後に行われることが最も多い。
【0055】
以上の説明から、本発明の様々な実施形態を説明し示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲に定義される主題の範囲内で他の方法で具体化してもよい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】