(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-18
(54)【発明の名称】蒸気アブレーション装置及びその加熱制御方法、制御装置、装置及び媒体
(51)【国際特許分類】
A61L 2/07 20060101AFI20240111BHJP
A61L 2/24 20060101ALI20240111BHJP
A61M 11/04 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
A61L2/07
A61L2/24
A61M11/04 300Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539918
(86)(22)【出願日】2021-11-26
(85)【翻訳文提出日】2023-07-05
(86)【国際出願番号】 CN2021133677
(87)【国際公開番号】W WO2022142925
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】202011637660.2
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521106773
【氏名又は名称】杭州▲くん▼博生物科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HANGZHOU BRONCUS MEDICAL CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 801, Floor 8, Building 8, No. 88 Jiangling Road, Xixing Street, Binjiang District, Hangzhou, Zhejiang 310051, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】湯碧翔
(72)【発明者】
【氏名】徐宏
(72)【発明者】
【氏名】黄思源
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA28
4C058BB05
4C058DD01
4C058DD02
4C058DD04
4C058DD06
4C058DD07
4C058DD13
(57)【要約】
本発明は、蒸気アブレーション装置及びその加熱制御方法、制御装置、装置及び媒体を提供し、この加熱制御方法は、前記蒸気発生器内の現在の水位、現在の圧力及び現在の発生器内温度を監視するステップと、前記現在の水位、前記現在の圧力及び前記現在の発生器内温度に基づいて、前記加熱装置を制御するステップと、を含む。本発明は、蒸気発生器の加熱時の要求を正確に、適時的に、効率的に自動的に満たすことができ、また、制御結果は、良好な安定性を有することができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気アブレーション装置の制御装置に適用される加熱制御方法であって、
前記蒸気アブレーション装置は、蒸気発生器及び加熱装置を備え、前記加熱装置は、前記制御装置によって制御され、制御によってオンになったときに前記蒸気発生器に対して加熱を行い、
前記加熱制御方法は、
前記蒸気発生器内の現在の水位、現在の圧力及び現在の発生器内温度を監視するステップと、
前記現在の水位、前記現在の圧力及び前記現在の発生器内温度に基づいて、前記加熱装置を制御するステップと、
を含むことを特徴とする加熱制御方法。
【請求項2】
前記現在の水位、前記現在の圧力及び前記現在の発生器内温度に基づいて、前記加熱装置を制御するステップは、
前記現在の水位及び指定された無水加熱防止水位及び/又は最小正常水位に基づいて、前記加熱装置のオン又はオフを制御するステップと、
前記加熱装置がオンになった後、前記現在の圧力及び前記現在の発生器内温度に基づいて、前記加熱装置の加熱電力を制御するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の加熱制御方法。
【請求項3】
前記現在の水位及び指定された無水加熱防止水位及び/又は最小正常水位に基づいて、前記加熱装置のオン又はオフを制御するステップは、
前記現在の水位が指定された最小正常水位以上であると、前記加熱装置をオンにするステップと、
前記現在の水位が前記最小正常水位よりは低くかつ前記無水加熱防止水位以上であると、前記加熱装置をオフにするステップと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の加熱制御方法。
【請求項4】
前記加熱装置は、複数のヒータを備え、
前記現在の圧力及び前記現在の発生器内温度に基づいて、前記加熱装置の加熱電力を制御するステップは、
前記現在の圧力又は前記現在の発生器内温度が設定された第1の範囲にあるとき、オンになった加熱装置が目標電力で加熱するように制御するステップであって、前記目標電力は、前記加熱装置における全てのヒータがオンになっているときの加熱電力と一致するステップと、
前記現在の圧力または前記現在の発生器内温度が第2の範囲にあるとき、前記現在の発生器内温度、前記現在の圧力および設定された目標パラメータに基づいて、前記加熱装置の加熱電力を調節するステップであって、前記第2の範囲の数値は、前記第1の範囲よりも高く、前記目標パラメータは、目標温度及び目標圧力を含み、前記目標温度または前記目標圧力は、前記第2の範囲にあるステップと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の加熱制御方法。
【請求項5】
前記現在の水位及び指定された無水加熱防止水位及び/又は最小正常水位に基づいて、前記加熱装置のオン又はオフを制御するステップ前に、
前記蒸気アブレーション装置が目標運転状態へ移行することを確定するステップをさらに含み、
前記目標運転状態は、予熱状態、待機状態、アブレーション準備状態のいずれかであることを特徴とする請求項3又は4に記載の加熱制御方法。
【請求項6】
前記蒸気発生器の現在の蒸気温度を監視するステップをさらに含み、
前記蒸気アブレーション装置が目標運転状態へ移行することを確定するステップの前に、
前記現在の水位、現在の蒸気温度及び現在の圧力のうちの少なくとも1つ及び前記蒸気アブレーション装置の現在運転状態に基づいて、前記蒸気アブレーション装置が前記目標運転状態の要求を満たしていることを確定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の加熱制御方法。
【請求項7】
前記目標運転状態が前記予熱状態である場合、
前記蒸気発生器の現在の水位、現在の蒸気温度及び現在の圧力のうちの少なくとも1つ及び前記蒸気アブレーション装置の現在運転状態に基づいて、前記蒸気アブレーション装置が前記目標運転状態の要求を満たしていることを確定するステップは、
前記蒸気アブレーション装置が前記充填状態にあるとき、前記蒸気発生器の現在の水位が予熱の要求を満たしていることを検出するステップを含むことを特徴とする請求項6に記載の加熱制御方法。
【請求項8】
前記蒸気発生器の現在の水位が予熱の要求を満たしていることを検出するステップは、
前記蒸気発生器の現在の水位が最小正常水位よりも高いことを検出ステップを含むことを特徴とする請求項7に記載の加熱制御方法。
【請求項9】
前記目標運転状態が前記待機状態である場合、
前記蒸気発生器の現在の水位、現在の蒸気温度及び現在の圧力のうちの少なくとも1つ及び前記蒸気アブレーション装置の現在運転状態に基づいて、前記蒸気アブレーション装置が前記目標運転状態の要求を満たしていることを確定するステップは、
前記蒸気アブレーション装置が前記予熱状態にあるとき、前記蒸気発生器の現在の水位、現在の蒸気温度がいずれも待機の要求を満たしていることを検出するステップを含むことを特徴とする請求項6に記載の加熱制御方法。
【請求項10】
前記蒸気発生器の現在の水位、現在の蒸気温度がいずれも待機の要求を満たしていることを検出するステップは、
現在の水位が最大正常水位以上でありかつ現在の蒸気温度が設定された消毒温度閾値よりも高いことを検出するステップを含むことを特徴とする請求項9に記載の加熱制御方法。
【請求項11】
前記目標運転状態が前記アブレーション準備状態である場合、
前記蒸気発生器の現在の水位、現在の蒸気温度及び現在の圧力のうちの少なくとも1つ及び前記蒸気アブレーション装置の現在運転状態に基づいて、前記蒸気アブレーション装置が前記目標運転状態の要求を満たしていることを確定するステップは、
前記蒸気アブレーション装置が前記待機状態にあるとき、前記蒸気発生器の現在の水位がアブレーション準備の要求を満たしておりかつ前記蒸気アブレーション装置が消毒処理を完了したことを検出するステップを含むことを特徴とする請求項6に記載の加熱制御方法。
【請求項12】
前記蒸気発生器の現在の水位がアブレーション準備の要求を満たしていることを検出するステップは、
現在の水位が最大正常水位以上であることを検出するステップを含むことを特徴とする請求項11に記載の加熱制御方法。
【請求項13】
前記現在の水位及び指定された無水加熱防止水位及び/又は最小正常水位に基づいて、前記加熱装置のオン又はオフを制御するステップは、
前記現在の水位が前記無水加熱防止水位以上でありかつ前記現在の発生器内温度が設定された熱排出温度閾値よりも高いときに、前記加熱装置をオンにするステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の加熱制御方法。
【請求項14】
前記加熱装置は、複数のヒータを備え、
前記現在の圧力及び前記現在の発生器内温度に基づいて、前記加熱装置の加熱電力を制御するステップは、
オンになった加熱装置が目標電力で加熱するように制御するステップであって、前記目標電力は、前記加熱装置における全てのヒータがオンになっているときの加熱電力と一致するステップと、
前記現在の圧力が設定された熱排出圧力閾値未満でありかつ前記現在の圧力または前記現在の発生器内温度が設定された第1の範囲にあるときに、前記加熱装置が前記目標電力を保持しながら加熱するように制御するステップと、
前記現在の圧力が設定された熱排出圧力閾値未満でありかつ前記現在の圧力または前記現在の発生器内温度が設定された第2の範囲にあるときに、前記現在の発生器内温度、前記現在の圧力および設定された目標パラメータに基づいて、前記加熱装置の加熱電力を調節するステップであって、前記第2の範囲の数値は、前記第1の範囲よりも高く、前記目標発生器内温度又は前記目標圧力は、前記第2の範囲にあるステップと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の加熱制御方法。
【請求項15】
前記現在の水位及び指定された無水加熱防止水位に基づいて、前記加熱装置のオンを制御するステップ前に、
前記蒸気アブレーション装置がシャットダウン状態へ移行することを確定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項13又は14に記載の加熱制御方法。
【請求項16】
前記蒸気アブレーション装置は、複数の運転状態を有し、
前記複数の運転状態は、充填状態、予熱状態、待機状態、アブレーション準備状態及びシャットダウン状態を含み、
前記蒸気アブレーション装置は、順に、前記充填状態、前記予熱状態、前記待機状態及び前記アブレーション準備状態へ移行することができることを特徴とする請求項1から4、13、14のいずれか一項に記載の加熱制御方法。
【請求項17】
蒸気アブレーション装置の制御装置に適用される加熱制御装置であって、
前記蒸気アブレーション装置は、蒸気発生器及び加熱装置を備え、前記加熱装置は、前記制御装置によって制御され、制御によってオンになったときに前記蒸気発生器に対して加熱を行い、
前記加熱制御装置は、
前記蒸気発生器内の現在の水位、現在の圧力及び現在の発生器内の温度を監視するための監視モジュールと、
前記現在の水位、前記現在の圧力及び前記現在の発生器内温度に基づいて、前記加熱装置を制御するための加熱制御モジュールと、
備えることを特徴とする加熱制御装置。
【請求項18】
蒸気アブレーション装置であって、
蒸気発生器、加熱装置及び制御装置を備え、
前記加熱装置は、前記制御装置によって制御され、制御によってオンになったときに前記蒸気発生器に対して加熱を行い、
前記制御装置は、請求項1から16のいずれか一項に記載の加熱制御方法を実行するために用いられることを特徴とする蒸気アブレーション装置。
【請求項19】
電子装置であって、
コードを記憶するためのメモリと、
前記メモリにおけるコードを実行して、請求項1から16のいずれか一項に記載の加熱制御方法を実施するためのプロセッサと、
備えることを特徴とする電子装置。
【請求項20】
コンピュータプログラムが記憶されている記憶媒体であって、
プロセッサがこのプログラムを実行することにより、請求項1から16のいずれか一項に記載の加熱制御方法を実施することを特徴とする記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器具の制御分野に関し、特に蒸気アブレーション装置及びその加熱制御方法、制御装置、装置及び媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
蒸気アブレーション法は、高温の水蒸気を生成し、その高温の水蒸気を患者の体内の目標部位に作用させる新技術であり、局所組織炎症反応、損傷修復などに用いることができる。蒸気アブレーション法は、例えば気管支に適用することができるが、これに限定されるものではない。
【0003】
蒸気アブレーション装置には、蒸気発生器が設けられることができ、蒸気アブレーション及びその準備中において、蒸気発生器を加熱する必要があり、従来の関連技術では、蒸気発生器の加熱は、例えば手動で加熱装置をオンまたはオフにするなどの手動操作によって実現される。さらに、手動操作プロセスが低効率であり、また、加熱の効果が操作者の主観的経験及び操作時の反応に依存されて保障されにくい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、手動操作プロセスの低効率や、加熱効果が操作者の主観的経験及び操作時の反応に依存されて保障されにくいなどの問題を解決するために、蒸気アブレーション装置及びその加熱制御方法、制御装置、装置及び媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1面に係る加熱制御方法は、蒸気アブレーション装置の制御装置に適用され、前記蒸気アブレーション装置は、蒸気発生器及び加熱装置を備え、前記加熱装置は、前記制御装置によって制御され、制御によってオンになったときに前記蒸気発生器に対して加熱を行い、
【0006】
前記加熱制御方法は、
【0007】
前記蒸気発生器内の現在の水位、現在の圧力及び現在の発生器内温度を監視するステップと、
【0008】
前記現在の水位、前記現在の圧力及び前記現在の発生器内温度に基づいて、前記加熱装置を制御するステップと、を含む。
【0009】
本発明では、加熱装置の制御に必要な考慮要素として、現在の水位、現在の発生器内温度及び現在の圧力を含み、蒸気発生器の加熱エネルギーが現在の本当の水位、発生器内温度、圧力の情況にマッチングしているため、適時的に、正確に加熱の実際要求を満たすことができる。また、加熱装置に対する制御は、制御装置が自動的に実現し、人工的な制御に依存せず、効率が高く、また、制御結果は、安定的であり、操作者の状態、認知、経験によって変化しない。したがって、本発明は、蒸気発生器の加熱時の要求を正確に、適時的に、効率的に自動的に満たすことができ、また、制御結果は、良好な安定性を有することができる。
【0010】
選択的として、前記現在の水位、前記現在の圧力及び前記現在の発生器内温度に基づいて、前記加熱装置を制御するステップは、
【0011】
前記現在の水位及び指定された無水加熱防止水位及び/又は最小正常水位に基づいて、前記加熱装置のオン又はオフを制御するステップと、
【0012】
前記加熱装置がオンになった後、前記現在の圧力及び前記現在の発生器内温度に基づいて、前記加熱装置の加熱電力を制御するステップと、を含む。
【0013】
この選択的な構成では、加熱によって圧力、発生器内温度に影響されるので、現在の圧力と現在の発生器内温度とに基づいて、加熱電力の閉ループ制御を実現することができ、加熱電力を目標(例えば、さらに選択的な構成に関連する目標圧力と目標発生器内温度)に正確に到達させるに役立つことができる。
【0014】
選択的として、前記現在の水位及び指定された無水加熱防止水位及び/又は最小正常水位に基づいて、前記加熱装置のオン又はオフを制御するステップは、
【0015】
前記現在の水位が指定された最小正常水位以上であると、前記加熱装置をオンにするステップと、
【0016】
前記現在の水位が前記最小正常水位よりは低くかつ前記無水加熱防止水位以上であると、前記加熱装置をオフにするステップと、を含む。
【0017】
この選択的な構成では、最小正常水位よりも低いときに直ちに加熱装置をオフにすることにより、持続的な加熱よって水位が急速に無水加熱防止水位まで低下されて安全上の危険性をもたらすことを回避することができる。
【0018】
選択的として、前記加熱装置は、複数のヒータを備え、
【0019】
前記現在の圧力及び前記現在の発生器内温度に基づいて、前記加熱装置の加熱電力を制御するステップは、
【0020】
前記現在の圧力又は前記現在の発生器内の温度が設定された第1の範囲にあるとき、オンになった加熱装置が目標電力で加熱するように制御するステップであって、前記目標電力は、前記加熱装置における全てのヒータがオンになっているときの加熱電力と一致するステップと、
【0021】
前記現在の圧力または前記現在の発生器内温度が第2の範囲にある場合、前記現在の発生器内温度、前記現在の圧力および設定された目標パラメータに基づいて、前記加熱装置の加熱電力を調節するステップであって、前記第2の範囲の数値は、前記第1の範囲よりも高く、前記目標パラメータは、目標温度及び目標圧力を含み、前記目標温度または前記目標圧力は、前記第2の範囲にあるステップと、を含む。
【0022】
この選択的な構成では、現在の圧力または現在の発生器内温度が比較的小さい値(例えば、第1の範囲)にあるときに、全てのヒータがオンになるように制御して、比較的高い加熱電力(例えば、最大加熱電力)を達成することができ、さらに、できるだけ早く目標パラメータに近い大きな値(例えば、第2の範囲)になるに役立つことができ、この範囲になったとき、目標温度及び目標圧力に基づいて精密な制御を実現することができる。このように、以上のプロセスは、加熱の効率性と正確性とを両立することができる。
【0023】
選択的として、前記現在の水位及び指定された無水加熱防止水位及び/又は最小正常水位に基づいて、前記加熱装置のオン又はオフを制御するステップ前に、
【0024】
蒸気アブレーション装置が目標運転状態へ移行することを確定するステップをさらに含み、前記目標運転状態は、予熱状態、待機状態、アブレーション準備状態のいずれかである。
【0025】
この選択的な構成では、目標運転状態に移行した後に直ちに加熱を開始することを確定することができ、例えば、加熱が必要な予熱状態、待機状態及びアブレーション準備状態で、直ちに加熱をトリガする。対応する運転状態への自動移行を実現し、処理効率を向上させることができる。
【0026】
選択的として、前記加熱制御方法は、蒸気発生器の現在の蒸気温度を監視するステップをさらに含み、
【0027】
蒸気アブレーション装置が目標運転状態へ移行することを確定するステップの前に、
【0028】
前記現在の水位、現在の蒸気温度及び現在の圧力のうちの少なくとも1つ及び前記蒸気アブレーション装置の現在運転状態に基づいて、前記蒸気アブレーション装置が前記目標運転状態の要求を満たしていることを確定するステップをさらに含む。
【0029】
この選択的な構成では、蒸気アブレーション設備の状態の自動変換に依拠を提供し、さらに処理流れの自動回転を実現するに役立つことができ、装置が適時に、正確に相応の状態に移行して対応の処理を行い、全過程の効率を保障することができる。
【0030】
選択的として、前記目標運転状態が前記予熱状態である場合、
【0031】
蒸気発生器の現在の水位、現在の蒸気温度及び現在の圧力のうちの少なくとも1つ及び前記蒸気アブレーション装置の現在運転状態に基づいて、前記蒸気アブレーション装置が前記目標運転状態の要求を満たしていることを確定するステップは、
【0032】
前記蒸気アブレーション装置が前記充填状態にあるとき、前記蒸気発生器の現在の水位が予熱の要求を満たしていることを検出するステップを含む。
【0033】
前記蒸気発生器の現在の水位が予熱の要求を満たしていることを検出するステップは、
【0034】
蒸気発生器の現在の水位が最小正常水位よりも高いことを検出ステップを含む。
【0035】
この選択的な構成では、予熱に必要な水位要求が満たされているかどうかを判定し、運転状態の変化に依拠を提供する。同時に、後続の加熱開始時に比較的十分な水量があることを保証することもできる。
【0036】
選択的として、前記目標運転状態が前記待機状態である場合、
【0037】
蒸気発生器の現在の水位、現在の蒸気温度及び現在の圧力のうちの少なくとも1つ及び前記蒸気アブレーション装置の現在運転状態に基づいて、前記蒸気アブレーション装置が前記目標運転状態の要求を満たしていることを確定するステップは、
【0038】
前記蒸気アブレーション装置が前記予熱状態にあるとき、前記蒸気発生器の現在の水位、現在の蒸気温度がいずれも待機の要求を満たしていることを検出するステップを含む。
【0039】
選択的として、前記蒸気発生器の現在の水位、現在の蒸気温度がいずれも待機の要求を満たしていることを検出するステップは、
【0040】
現在の水位が最大正常水位以上でありかつ現在の蒸気温度が設定された消毒温度閾値よりも高いことを検出するステップを含む。
【0041】
この選択的な構成では、待機に必要な水位と蒸気との要求が満たされているかどうかを判定し、運転状態の変化に依拠を提供する。同時に、後続の待機時に十分な水量(すなわち、最大正常水位より高い水量)及び消毒温度を保障することができ、この水量に基づいて、後続のプロセスでの必要な圧力の水蒸気及び水蒸気の供給能力を保障するに役立つことができ、この消毒温度に基づいて、待機時に消毒を実現するに役立つことができる。
【0042】
選択的として、前記目標運転状態が前記アブレーション準備状態である場合、
【0043】
蒸気発生器の現在の水位、現在の蒸気温度及び現在の圧力のうちの少なくとも1つ及び前記蒸気アブレーション装置の現在運転状態に基づいて、前記蒸気アブレーション装置が前記目標運転状態の要求を満たしていることを確定するステップは、
【0044】
前記蒸気アブレーション装置が前記待機状態にあるとき、前記蒸気発生器の現在の水位がアブレーション準備の要求を満たしておりかつ前記蒸気アブレーション装置が消毒処理を完了したことを検出するステップを含む。
【0045】
選択的として、前記蒸気発生器の現在の水位がアブレーション準備の要求を満たしていることを検出するステップは、
【0046】
現在の水位が最大正常水位以上であることを検出するステップを含む。
【0047】
この選択的な構成では、蒸気アブレーションに必要な水位と消毒状況とが満足されているかどうかを判定し、運転状態の変化に依拠を提供する。同時に、後続のアブレーション時に十分な水量(すなわち、最大正常水位よりも高い水量)及び安全性を保障することができる。
【0048】
選択的として、前記現在の水位及び指定された無水加熱防止水位及び/又は最小正常水位に基づいて、前記加熱装置のオン又はオフを制御するステップは、
【0049】
前記現在の水位が前記無水加熱防止水位以上でありかつ前記現在の発生器内温度が設定された熱排出温度閾値よりも高いときに、前記加熱装置をオンにするステップを含む。
【0050】
選択的として、前記加熱装置は、複数のヒータを備え、
【0051】
前記現在の圧力及び前記現在の発生器内温度に基づいて、前記加熱装置の加熱電力を制御するステップは、
【0052】
オンになった加熱装置が目標電力で加熱するように制御するステップであって、前記目標電力は、前記加熱装置における全てのヒータがオンになっているときの加熱電力と一致するステップと、
【0053】
前記現在の圧力が設定された熱排出圧力閾値未満でありかつ前記現在の圧力または前記現在の発生器内温度が設定された第1の範囲にあるときに、前記加熱装置が前記目標電力を保持しながら加熱するように制御するステップと、
【0054】
前記現在の圧力が設定された熱排出圧力閾値未満でありかつ前記現在の圧力または前記現在の発生器内温度が設定された第2の範囲にあるときに、前記現在の発生器内温度、前記現在の圧力および設定された目標パラメータに基づいて、前記加熱装置の加熱電力を調節するステップであって、前記第2の範囲の数値は、前記第1の範囲よりも高く、前記目標発生器内温度又は前記目標圧力は、前記第2の範囲にあるステップと、を含む。
【0055】
選択的として、前記現在の水位及び指定された無水加熱防止水位に基づいて、前記加熱装置のオンを制御するステップ前に、
【0056】
蒸気アブレーション装置がシャットダウン状態へ移行することを確定するステップをさらに含む。
【0057】
この選択的な構成では、シャットダウン時に加熱を実現することができ、シャットダウン時の熱排出(加熱の方式で蒸気発生器内の水を排出すること)に対する要求を満たすことができ、さらに、シャットダウン時に蒸気発生器内の水の迅速な排出を実現することができる。同時に、無水加熱防止水位の判定により、水位が低すぎてリスクをもたらすことを回避することができる。
【0058】
選択的として、蒸気アブレーション装置は、複数の運転状態を有し、前記複数の運転状態は、充填状態、予熱状態、待機状態、アブレーション準備状態及びシャットダウン状態を含み、
【0059】
前記充填状態とは、予熱無しで前記蒸気発生器に水を充填している状態を意味し、
【0060】
前記予熱状態とは、前記蒸気発生器内の雰囲気を予熱する状態を意味し、
【0061】
前記待機状態とは、前記蒸気発生器が蒸気アブレーション要求を満たした状態を意味し、
【0062】
前記アブレーション準備状態とは、前記蒸気発生器が常に蒸気アブレーション要求を満たしていることを保持する状態を意味する。
【0063】
この選択的な構成では、状態の具体的な定義及び実現によって、蒸気発生器が蒸気の形成原理に基づいて、アブレーションに必要な蒸気を形成して保持し、蒸気アブレーションの要求を満たすことができることを保障し、そして、自動化的に全過程を徐々に実現するために基礎を提供する。
【0064】
本発明の第2面に係る加熱制御装置は、前記蒸気アブレーション装置の制御装置に適用され、前記蒸気アブレーション装置は、蒸気発生器及び加熱装置を備え、前記加熱装置は、前記制御装置によって制御され、制御によってオンになったときに前記蒸気発生器に対して加熱を行い、
【0065】
前記加熱制御装置は、
【0066】
前記蒸気発生器内の現在の水位、現在の圧力及び現在の発生器内の温度を監視するための監視モジュールと、
【0067】
前記現在の水位、前記現在の圧力及び前記現在の発生器内温度に基づいて、前記加熱装置を制御するための加熱制御モジュールと、備える。
【0068】
本発明の第3面に係る蒸気アブレーション装置は、蒸気発生器、加熱装置及び制御装置を備え、前記加熱装置は、前記制御装置によって制御され、制御によってオンになったときに前記蒸気発生器に対して加熱を行い、前記制御装置は、上記の第1面の選択的な構成に係る加熱制御方法を実施する。
【0069】
本発明の第4面に係る電子装置は、
【0070】
コードを記憶するためのメモリと、
【0071】
前記メモリにおけるコードを実行して、上記の第1面の選択的な構成に係る加熱制御方法を実施するためのプロセッサと、備える。
【0072】
発明の第5面に係る記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶しており、プロセッサがこのプログラムを実行することにより、上記の第1面の選択的な構成に係る加熱制御方法を実施する。
【発明の効果】
【0073】
以下、本発明の実施形態または先行技術における技術的構成をより明確に説明するために、実施形態または先行技術の説明において使用する必要がある図面を簡単に説明する。以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施形態にすぎず、当業者にとしては、創造的労働無しでこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【
図1】本発明の一実施例における蒸気アブレーション装置の構造概略図の一である。
【0075】
【
図2】本発明の一実施例における蒸気アブレーション装置の構造概略図の二である。
【0076】
【
図3】本発明の一実施例における蒸気アブレーション装置の構造概略図の三である。
【0077】
【
図4】本発明の一実施例における蒸気アブレーション装置の加熱制御方法のフローチャートである。
【0078】
【
図5】本発明の一実施例におけるステップS22のフローチャートである。
【0079】
【
図6】本発明の一実施例におけるステップS221及びステップS223のフローチャートである。
【0080】
【
図7】本発明の一実施例におけるステップS221、ステップS222及びステップS223のフローチャートである。
【0081】
【
図8】本発明の一実施例におけるステップS221及びステップS224のフローチャートである。
【0082】
【
図9】本発明の一実施例におけるステップS221、ステップS224及びステップS222のフローチャートである。
【0083】
【
図10】本発明の一実施例における蒸気アブレーション装置の加熱制御装置のブロック図の一である。
【0084】
【
図11】本発明の一実施例における蒸気アブレーション装置の加熱制御装置のブロック図の二である。
【0085】
【
図12】本発明の一実施例における電子装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0086】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例の技術的構成を明瞭かつ完全に説明する。もちろん、説明される実施例は本発明の一部実施例にすぎ、本発明の全部の実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的努力無しで得られる他の全ての実施例も本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【0087】
本発明の明細書、請求範囲及び図面における用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」など(存在の場合)は、類似の構成要素を区別するためのものであり、その順番や前後を特定するためのものではない。なお、このように使用されるデータは、本明細書に記載された本発明の実施例が本明細書に図示または説明されたもの以外の順序で実施できるように、適切な場合に交換可能である。また、用語「含む」、「有する」及びそれらのいずれの変更は、非排他的な包含をカバーするためのことであり、例えば、一連のステップまたはユニットを含むプロセス、方法、システム、製品または装置は、明確に列挙されたこれらのプロセス、方法、製品または装置に限定されることではなく、明確に列挙されされていない、または、これらのプロセス、方法、製品、または装置に固有の他のステップまたはユニットも含むことができる。
【0088】
以下、本発明の技術的構成について具体的な実施例を用いて詳細に説明する。以下のいくつかの具体的な実施形態は、互いに組み合わせることができ、同じまたは類似の概念またはプロセスについては、いくつかの実施形態に対する説明は省略する。
【0089】
図1から
図3を参照すると、本発明の実施例に係る蒸気アブレーション装置11は、蒸気発生器111及び加熱装置114を備え、前記加熱装置114は、制御装置112によって制御され、制御によってオンになったときには蒸気発生器111に対して加熱を行う。
【0090】
加熱装置114は、蒸気発生器111内の雰囲気に対して加熱可能な任意の装置であることができる。具体的な態様では、加熱装置114は、蒸気発生器111(例えば、蒸気発生器111内)に固定的に設けられてもよく、および/または、熱伝導性材質を介して蒸気発生器に接続されてもよい。加熱が可能であれば、加熱装置をどのように取り付けるか、どのような加熱装置を配置しても、本発明の実施例の範囲から逸脱しない。加熱装置114は、蒸気発生器の底部位置に設けられてもよい。
【0091】
一例として、
図3を参照すると、加熱装置114は、少なくとも2つのヒータ1141を含むことができ、異なるヒータ1141は、同じものであってもよく、異なるものであってもよく、例えば、ヒータ1141は、加熱棒であってもよく、加熱コイルであってもよい。少なくとも2つのヒータ1141は、少なくとも1つの加熱棒と少なくとも1つの加熱コイルとを含むことができる。加熱棒の加熱力(例えば、最大加熱電力)は、加熱コイルより高いことができ、また、必要に応じて、対応するヒータを選択して加熱を行うことができる。
【0092】
ここでの蒸気発生器111は、供給された水から蒸気を発生することができる任意の装置または装置の組み合わせであることができ、例えば、水と水蒸気とを収容する蒸気発生容器を含むことができる。
【0093】
一実施形態では、蒸気アブレーション装置2は、蒸気発生器111の吸水口と水源との間に接続され、制御装置112によって制御可能に構成されたポンプ113をさらに含むことができる。
【0094】
ここでの水源は、水を収容可能な任意の装置または装置の組み合わせであることができ、蒸気アブレーション装置とは独立して蒸気アブレーション装置に外接されてもよく、蒸気アブレーション装置の一部として蒸気アブレーション装置に搭載されてもよい。
【0095】
ここでのポンプ113は、水源と蒸気発生器111との間で液体駆動力を形成して、水源からの水が蒸気発生器111の任意の装置または装置の組み合わせに流入するようにすることができる。ポンプ113のタイプは、必要に応じて任意に変更することができ、一部の例では、制御装置112とポンプ113とは、ポンプ113の開閉のみを制御可能に構成されることができ、他の例では、制御装置112とポンプ113は、ポンプ113の開閉に加えて、ポンプ113の駆動力の大きさも制御可能に構成されることができる。
【0096】
ポンプ113と水源との間、ポンプ113と蒸気発生器111との間には、弁部材、温度監視装置、プラズマ水監視装置などの他の装置が設けられてもよい。
【0097】
ここでの水源は、水を収容可能な任意の装置または装置の組み合わせであることができ、
図1に示す例では、蒸気アブレーション装置とは独立して蒸気アブレーション装置に外接されるものであり、他の例では、蒸気アブレーション装置の一部として蒸気アブレーション装置に搭載されることができる。
【0098】
ここでの制御装置112は、データ処理能力と通信能力とを有する任意の装置であることができ、ここでのプログラムおよび/またはハードウェアは、後述する給水制御方法に基づいて任意に構成することができ、さらに、加熱制御方法(
図4~
図9を参照)の処理プロセスは、プログラムに基づいてのみ実現することができ、すなわち、制御装置112は、後述する加熱制御方法を実行するために用いられ、各プログラムモジュールを備えた加熱制御装置(
図10を参照)を形成することができ、具体例としては、制御装置112は、例えば
図12に示す電子装置を形成することができる。別の例では、ステップの少なくとも一部は、回路の動作によって実現されてもよい。
【0099】
加熱装置114(及び
図2に示すポンプ113、水位監視装置115、器内温度監視装置116、圧力監視装置117、気温監視装置118等)は、有線又は無線によって制御装置112と通信可能に接続されることができ、その通信可能な接続は、直接通信接続や間接通信接続を含み、制御装置112との間でデータ交換を実現することができれば、本発明の実施形態の範囲から逸脱しない。
【0100】
また、
図1から
図3に示す例では、制御装置112は、蒸気アブレーション装置11の一部であり、他の例では、制御装置112は、蒸気アブレーション装置11とは独立した装置であることができ、例えば、蒸気アブレーション装置11と通信可能なマスターコンピュータであることができる。
【0101】
その一実施形態では、
図2を参照すると、蒸気アブレーション装置11は、水位監視装置115、器内温度監視装置116、圧力監視装置117、気温監視装置118、加熱装置114のうちの少なくとも1つを含むことができる。制御装置による現在の水位、現在の発生器内温度、現在の圧力、現在の蒸気温度に対する監視は、水位監視装置115、器内温度監視装置116、圧力監視装置117、気温監視装置118によって実現されることができる。
【0102】
水位監視装置115は、蒸気発生器111内の水位を監視可能な任意の装置であることができ、例えば、水位監視容器を有し、水位監視容器は、蒸気発生器111に接続され、水位監視容器は、蒸気発生器111内の水位と整合性(同一または比例)を保持することができ、同時に、水位監視容器内に水位センサ(例えば、フロートスイッチを使用可能)を設け、単一のフロートスイッチを例として、単一のフロートスイッチは、水位が対応する1つまたは2つの水位に到達したかどうかを監視し、対応する信号を制御装置にフィードバックすることができる。同時に、水位監視容器の給水端は、ポンプ113を介して水源に接続することができ、例えば、ポンプ113からの水は、それぞれ蒸気発生器と水位監視容器とに流入することができる。また、本発明の実施例も、他の水位監視装置、水位センサを用いる手段を排除せず、いずれの手段も本発明の実施例の範囲を逸脱しない。
【0103】
対応的に、後述するように、現在の水位に対する監視として、現在の水位が対応する指定水位(例えば、無水加熱防止水位、最小正常水位、最大正常水位、トップ水位など)を超過又は未満であるかを監視することもできるし、具体的な水位の数値を監視することもできる。
【0104】
器内温度監視装置116は、蒸気発生器111内の温度の監視が可能な任意の装置であることができ、例えば、蒸気発生器111の底部に設けられた熱電対を含むことができ、この熱電対は、水の温度、又は、水温以外のものを測定することができる。対応的に、後述するように、現在の発生器内温度に対する監視として、発生器内温度の具体的な数値を監視することもできるし、発生器内温度が対応する指定温度に到達したかどうかを監視することもできる。
【0105】
圧力監視装置117は、蒸気発生器111内のガス圧力を監視可能な任意の装置であることができ、例えば、蒸気発生器111内に設けられてもよいし、蒸気発生器外に設けられてもよく、例えば、圧力監視装置は、配管を介して蒸気発生器に接続されてもよいし、蒸気発生器の任意の排気可能な出口や配管に設けられてもよい。対応的に、後述するように、現在の圧力に対する監視として、圧力の具体的な数値を監視することもできるし、圧力が対応する指定圧力に到達しているかどうかを監視することもできる。
【0106】
気温監視装置118は、蒸気発生器111内の蒸気温度を監視可能な任意の装置であることができ、例えば、蒸気発生器111内に設けられてもよいし、蒸気発生器外に設けられてもよく、例えば、気温監視装置は、配管を介して蒸気発生器に接続されてもよいし、蒸気発生器の任意の排気可能な出口や配管に設けられてもよく、ここで、測定される蒸気温度は、例えば蒸気発生器と蒸気アブレーションハンドルとの間を流れる蒸気の温度でもよいし、蒸気発生器から凝縮装置へ戻る蒸気の温度でもよいし、蒸気アブレーションハンドルにおける蒸気の温度でもよい。後述するように、現在の蒸気温度に対する監視として、蒸気温度の具体的な数値を監視してもよいし、蒸気温度が対応する指定蒸気温度に到達したかどうかを監視してもよい。ここでの蒸気温度は、発生器内温度と同じ対象の温度であってもよいし、異なる対象の温度でもよい。
【0107】
また、蒸気アブレーション装置は、蒸気アブレーションハンドル、凝縮装置などを含むこともできる。
【0108】
蒸気アブレーションハンドルは、対応する管路及び弁部材を介して蒸気発生器に接続されることができ、蒸気発生器の蒸気は、蒸気アブレーションハンドルへ輸送され、蒸気アブレーションハンドルを通過して治療が必要な部位まで輸送されることができ、蒸気アブレーションハンドルは、対応する弁部材やスイッチが開放されると蒸気を送出させ、対応する弁部材やスイッチが遮断されると蒸気を送出させない。
【0109】
凝縮装置も、対応する管路及び弁部材を介して蒸気発生器に接続されることができ、蒸気発生器の蒸気は、凝縮装置に回収されることができる。また、蒸気アブレーションハンドルと凝縮装置とは、3つのポートを有する弁部材(例えば、三方弁)を介して蒸気発生器に接続されることができ、各通路には、制御通路の開通/遮断を制御するための弁部材(例えば、電磁弁)が設けられることができ、それらの弁部材は、いずれも制御装置によって制御され、蒸気発生器による蒸気は、制御装置の制御によって蒸気アブレーションハンドルの出口または凝縮装置へ選択的に進入することができ、蒸気発生器をアブレーションハンドルの出口及び凝縮装置に接続するか(すなわち、蒸気をアブレーションハンドルの出口及び凝縮装置へ送出するか)を選択することもできる。
【0110】
一部の例では、蒸気アブレーションハンドルには、蒸気アブレーションハンドル内の蒸気の排出を制御するためのボタンスイッチが設けられことができる。蒸気の排出が必要な場合、ユーザーはボタンスイッチを押圧して、蒸気を蒸気アブレーションハンドルの出口から吐出させ、蒸気の排出が不要な場合、ボタンスイッチの押圧を解除すると、蒸気のアブレーションハンドルの出口からの吐出が切断される。別の例では、ボタンスイッチまたは対応する弁部材は、自動制御されることができ、例えば、対応する蒸気アブレーション時間を満たすように、ユーザがヒューマン・マシン・インタラクション装置を介して対応する情報を入力し、制御装置がその情報に基づいて蒸気アブレーション時間を確定することにより、対応するスイッチおよび/または弁部材を自動制御して、蒸気の吐出及び遮断を制御することができる。
【0111】
一実施形態では、蒸気アブレーション装置は、複数の運転状態を有することができる。
【0112】
その運転状態において、異なる運転状態は、それぞれ蒸気アブレーション過程における異なる作業過程に対応し、対応する運転状態では、それに対応する作業過程を実現することができる。
【0113】
複数の運転状態は、充填状態、予熱状態、待機状態、アブレーション準備状態、シャットダウン状態のうちの少なくとも1つを含み、一部の例では、充填状態、予熱状態、待機状態、アブレーション準備状態、シャットダウン状態を全て含むことができ、他の例では、そのうちの一部の運転状態のみを含むことができる。前記蒸気アブレーション装置は、順に、前記充填状態、前記予熱状態、前記待機状態及び前記アブレーション準備状態へ移行することもできるし、他の状態から前記充填状態、前記予熱状態、前記待機状態、前記アブレーション準備状態へ移行することもできる。
【0114】
前記充填状態とは、予熱無しで前記蒸気発生器に水を充填している状態を意味し、具体的には、蒸気アブレーション装置が起動時の自己診断した後(または蒸気アブレーションを実施した後、さらにまたは、その他の任意の状態の後)に予熱無しで蒸気発生器に水を充填して、蒸気発生器の水位が少なくとも最小正常水位に達した状態を意味する。
【0115】
前記予熱状態とは、前記蒸気発生器内の雰囲気を予熱する状態を意味し、具体的には、充填状態の後(または蒸気アブレーションを実施した後、さらにまたは、他の任意の状態の後)に蒸気発生器内の雰囲気を予熱して、蒸気発生器内の蒸気が消毒に必要な温度と蒸気アブレーションに必要な温度とを超えた状態を意味する。
【0116】
また、充填状態及び予熱状態にある場合、蒸気発生装置は、制御によって、凝縮装置に連通されてもよく、凝縮装置に連通されなくてもよい。
【0117】
前記待機状態とは、前記蒸気発生器が蒸気アブレーション要求を満たした状態を意味し、具体的には、前記予熱状態の後(または蒸気アブレーションを実施した後、さらにまたは、他の任意の状態の後)に前記蒸気アブレーション装置を消毒して、前記蒸気発生器が蒸気アブレーション要求を満たした状態を意味する。
【0118】
また、消毒処理中の少なくとも一部時間の間、蒸気発生器は、制御によって、蒸気アブレーションハンドルと連通して、蒸気(消毒温度閾値より高い蒸気)を消毒ハンドルへ輸送して消毒を行い、設定された消毒時間が終了すると、消毒処理が完了したと確定する。消毒後、蒸気発生器は、制御によって凝縮装置と連通され、さらに蒸気が絶えず発生して再回収される。
【0119】
前記アブレーション準備状態とは、前記蒸気発生器が常に蒸気アブレーション要求を満たしていることを保持する状態を意味し、具体的には、前記待機状態の後(または蒸気アブレーションを実施した後)、前記蒸気発生器が常に蒸気アブレーション要求を満たしていることを保持する状態を意味する。
【0120】
また、蒸気アブレーション装置がアブレーション準備状態にある場合、蒸気発生器は、制御によって凝縮装置と連通され、さらに蒸気が絶えず発生して再回収され、この過程を繰り返すと、蒸気アブレーションに必要な蒸気が保持され、蒸気アブレーションハンドルからの排出が必要な場合、蒸気を蒸気アブレーションハンドルから排出させ、このとき蒸気は凝縮装置に戻らない。
【0121】
ここで、蒸気アブレーション要求は、例えば、消毒処理が完了し、現在の水位が最大正常水位を超過していること、また、例えば、前回の蒸気アブレーション(蒸気を吐出すると理解できる)までの間隔時間が時間閾値を超えていること、現在の蒸気温度が一定閾値を超えていること、現在の圧力が一定閾値を超過していることなどを含むことができる。
【0122】
シャットダウン状態とは、蒸気アブレーション装置がその内部の水および/または蒸気を排出し、装置のシャットダウンを完了した状態を意味する。一部の例では、手動または自動でトリガしてシャットダウン状態となることができる。
【0123】
予熱状態、待機状態、アブレーション準備状態、シャットダウン状態にある場合、制御装置は、加熱装置を制御して蒸気発生器を加熱することができる。その加熱過程は、後述する加熱制御方法を参照して理解することができる。
【0124】
以上の構成において、状態の具体的な定義及び実現によって、蒸気発生器が蒸気の形成原理に基づいて、アブレーションに必要な蒸気を形成して保持し、蒸気アブレーションの要求を満たすことができることを保障し、そして、自動化的に全過程を徐々に実現するために基礎を提供する。充填状態、予熱状態、待機状態、アブレーション準備状態の切り替えは、対応する状態での処理プロセスに基づいて自動的にトリガされることができる。
【0125】
複数の運転状態は、起動時の自己診断状態、シャットダウン状態などをさらに含むことができる。
【0126】
起動時の自己診断状態とは、起動時に蒸気アブレーション装置のソフト/ハードウェアを自己診断する状態を意味し、一部の例では、起動時の自己診断が完了した後、蒸気アブレーション装置は、自動的に充填状態に移行することができる。
【0127】
複数の運転状態は、他の状態と同時に実現可能な監視状態をさらに含むことができ、監視状態では、蒸気アブレーション装置に様々な事前定義されたエラーが発生しているかどうかを監視することができる。
【0128】
複数の運転状態は、蒸気アブレーション装置のソフト/ハードウェアを設定する設定状態をさらに含むことができ、設定状態では、関係者がヒューマン・マシン・インタラクション装置またはデータ伝送媒体を介して蒸気アブレーション装置のソフト/ハードウェアを設定することができる。
【0129】
一部の例では、上記での運転状態は、対応する状態の状態情報(例えば、特定の文字または文字の組み合わせ)を利用して特徴付けることができる。具体的には、蒸気アブレーション装置の現在の運転状態を記述する値として理解できる特定の値または特定の位置の値(蒸気アブレーション装置の現在の運転状態を記述する値として理解できる)を対応する状態情報として設定することにより、蒸気アブレーション装置の現在の運転状態を確定(切り替えまたは保持)することができ、例えば、蒸気アブレーション装置の現在の運転状態を記述する値を待機状態の状態情報として設定することにより、現在待機状態へ移行することまたは待機状態にあることを表すことができる。
【0130】
本発明の実施形態に係る指定水位は、無水加熱防止水位、最小正常水位、最大正常水位、トップ水位のうちの少なくとも1つを含むことができ、前記無水加熱防止水位は、前記最小正常水位より低く、前記最小正常水位、は前記最大正常水位より低く、前記最大正常水位は、前記トップ水位より低い。
【0131】
そのうちで、無水加熱防止水位、最小正常水位、最大正常水位の寄与は、下記の通りである。
【0132】
無水加熱防止水位は、「無水加熱防止」の基本的な要求を体現することができ、蒸気発生器を加熱する時に無水加熱防止要求を満たすかどうかの判定に根拠を提供し、それに基づいて実現される加熱制御は、制御結果が加熱時の無水加熱防止要求を満たすことができるようにするのに寄与することができる。
【0133】
最小正常水位と最大正常水位とは、正常に蒸気アブレーション及びその準備作業を行う際の水使用要求を体現することができ、それに基づいて実現される加熱制御は、制御結果が実際の要求を満たすことができるようにするのに寄与することができる。
【0134】
図4を参照すると、本発明の実施例に係る蒸気アブレーション装置の加熱制御方法は、下記のようなステップS21~S22を含む。
【0135】
ステップS21では、前記蒸気発生器内の現在の水位、現在の圧力及び現在の発生器内温度を監視する。
【0136】
ステップS22では、前記現在水位、前記現在圧力及び前記現在発生器内温度に基づいて、前記加熱装置を制御する。
【0137】
以上の手順、すなわちステップS21~ステップS22を繰り返し、異なる運転状態では、前記ステップS21、ステップS22をそれぞれ実施することができる。
【0138】
以上の構成では、加熱装置の制御に必要な考慮要素として、現在の水位、現在の発生器内温度及び現在の圧力を含み、蒸気発生器の加熱エネルギーが現在の真実な水位、発生器内温度、圧力の情況にマッチングしているため、適時的に、正確に加熱の実際要求を満たすことができる。また、加熱装置に対する制御は、制御装置が自動的に実現し、人工的な制御に依存せず、効率が高く、また、制御結果は、安定的であり、操作者の状態、認知、経験によって変化しない。したがって、本発明は、蒸気発生器の加熱時の要求を正確に、適時的に、効率的に自動的に満たすことができ、また、制御結果は、良好な安定性を有することができる。
【0139】
一実施形態では、
図5を参照すると、ステップS22は、下記のようなステップ221~S222を含む。
【0140】
ステップ221では、前記現在の水位及び指定された無水加熱防止水位及び/又は最小正常水位に基づいて、前記加熱装置のオン又はオフを制御する。
【0141】
ステップS222では、前記加熱装置がオンになった後、前記現在の圧力及び前記現在の発生器内温度に基づいて、前記加熱装置の加熱電力を制御する。
【0142】
この選択的な構成では、加熱によって圧力、発生器内温度に影響されるので、現在の圧力と現在の発生器内温度とに基づいて、加熱電力の閉ループ制御(closed-loop control)を実現することができ、加熱電力を目標(例えば、さらに選択的な構成に関連する目標圧力と目標発生器内温度)に正確に到達させるに役立つことができる。
【0143】
ここで、現在の圧力と現在の発生器内温度とに基づいて実施される制御は、任意の論理に基づいて実現されることができる。同時に、加熱の目的は、運転状態の異なりにより異なることができる。実施される加熱制御も異なることができる。例えば、予熱状態、待機状態、アブレーション準備状態などの目標運転状態では、1種の加熱制御プロセスを採用することができ、シャットダウン状態では、別種の加熱制御プロセスを採用することができる。
【0144】
一実施形態では、
図6及び
図7を参照すると、
図6及び
図7は、目標運転状態における具体的な加熱プロセスを概略的に示す。
【0145】
図6を参照すると、ステップS221は、下記のようなステップS2211~S2214を含む。
【0146】
ステップS2211では、前記現在の水位が無水加熱防止水位より低いかどうかを判定する。
【0147】
ステップS2212では、前記現在の水位が最小正常水位より低いかどうかを判定する。
【0148】
前記現在の水位が指定された最小正常水位以上であると、ステップS2213を実行する。ステップS2213では、前記加熱装置をオンにする。
【0149】
現在の水位が最小正常水位よりは低くかつ無水加熱防止水位以上であると、ステップS2214を実行する。ステップS2214では、加熱装置をオフにする。
【0150】
最小正常水位よりも低いときに直ちに加熱装置をオフにすることにより、持続的な加熱よって水位が急速に無水加熱防止水位まで低下されて安全上の危険性をもたらすことを回避することができる。
【0151】
図7を参照すると、ステップS222は、具体的に次のようなステップS2221~S2223を含む。
【0152】
ステップS2221では、前記現在の圧力又は現在の発生器内温度が設定された第1の範囲であるかどうかを判定する。
【0153】
前記現在の圧力又は前記現在の発生器内温度が設定された第1の範囲にあるとき、ステップS2222を実行する。ステップS2222では、オンになった加熱装置が目標電力で加熱するように制御する。
【0154】
現在の圧力または現在の発生器内温度が第1の範囲でない(例えば、第2の範囲にある)とき、ステップS2223を実行する。ステップS2223では、現在の発生器内温度、現在の圧力および設定された目標パラメータに基づいて、加熱装置の加熱電力を調節する。目標パラメータは、目標温度及び目標圧力を含む。
【0155】
前記目標電力は、前記加熱装置における全てのヒータがオンになったときの加熱電力に一致し、全てのヒータがオンになった場合、各ヒータは、最大電力を保持しながら加熱することもでき、最大電力でない電力で加熱することもでき、このときの加熱電力は、変化してもよく、不変でもよく、いかなる可能性があっても、上記の構成の範囲を逸脱しない。
【0156】
目標パラメータに基づく加熱電力の調節は、例えばPID制御を用いて実現することができ、PIDは、具体的に比例-積分-微分(Proportion Integration Differentiation)制御器と理解することができる。PIDによって形成されたフィードバック回路は、システムの安定性(すなわち、制御結果の安定性)を維持することができる。
【0157】
前記第2の範囲の数値は、前記第1の範囲よりも高く、前記目標温度又は前記目標圧力は、前記第2の範囲にある。ここでの第1の範囲は、例えば、ある数値(この数値は、目標温度未満)よりも小さい間隔範囲であることができ、第2の範囲は、例えば、ある数値(この数値は、目標温度以下)以上の間隔範囲であることができるが、上記の例に限定されるものではない。
【0158】
この選択的な構成では、現在の圧力または現在の発生器内温度が比較的小さい値(例えば、第1の範囲)にあるときに、全てのヒータがオンになるように制御して、比較的高い加熱電力(例えば、最大加熱電力)を達成することができ、さらに、できるだけ早く目標パラメータに近い大きな値(例えば、第2の範囲)になるに役立つことができ、この範囲になったとき、目標温度及び目標圧力に基づいて精密な制御を実現することができる。このように、以上のプロセスは、加熱の効率性と正確性とを両立することができる。
【0159】
一実施形態では、
図6、
図7に示したプロセスは、目標運転状態に適用されるので、ステップS221の前に、次のようなステップS223をさらに含むことができる。
【0160】
ステップS223では、蒸気アブレーション装置が目標運転状態へ移行することを確定する。
【0161】
この選択的な構成では、目標運転状態に移行した後に直ちに加熱を開始することを確定することができ、例えば、加熱が必要な予熱状態、待機状態及びアブレーション準備状態で、直ちに加熱をトリガする。対応する運転状態への自動移行を実現し、処理効率を向上させることができる。
【0162】
さらなる態様では、ステップS223の前に、次のようなステップをさらに含むことができる。
【0163】
このステップでは、前記現在の水位、現在の蒸気温度及び現在の圧力のうちの少なくとも1つ及び前記蒸気アブレーション装置の現在運転状態に基づいて、前記蒸気アブレーション装置が前記目標運転状態の要求を満たしていることを確定する。
【0164】
この選択的な構成では、蒸気アブレーション装置の状態の自動変換に依拠を提供し、さらに処理流れの自動回転を実現するに役立つことができ、装置が適時に、正確に相応の状態に移行して対応の処理を行い、全過程の効率を保障することができる。
【0165】
前記目標運転状態が前記予熱状態である場合、ステップS223のプロセスは、次の通りである。
【0166】
ステップS223において、例えば、蒸気アブレーション装置の現在の運転状態を記述する値を予熱状態の状態情報として設定し、別の例では、ステップS223において、例えば充填状態のときに、対応する判定を完了し、例えば、充填状態のときに、現在の水位が最小正常水位(または最大正常水位)よりも高いことを検出するプロセスを、ステップS223を実行したとみなすことができる。
【0167】
これにより、ステップS223の前の「蒸気発生器の現在の水位、現在の蒸気温度及び現在の圧力のうちの少なくとも1つ及び前記蒸気アブレーション装置の現在運転状態に基づいて、前記蒸気アブレーション装置が前記目標運転状態の要求を満たしていることを確定する」ステップは、具体的に次のようなことを含む。
【0168】
前記蒸気アブレーション装置が前記充填状態にあるとき、前記蒸気発生器の現在の水位が予熱の要求を満たしていることが検出され、具体的には、蒸気発生器の現在の水位が最小正常水位以上であることが検出される。さらに、蒸気発生器の現在の水位が最小正常水位または最大正常水位よりも高いことが検出されたときに、ステップS222を実行することができる。
【0169】
この選択的な構成では、予熱に必要な水位要求が満たされているかどうかを判定し、運転状態の変化に依拠を提供する。同時に、後続の加熱開始時に比較的十分な水量があることを保証することもできる。
【0170】
前記目標運転状態が前記待機状態である場合、ステップS223のプロセスは、次の通りである。
【0171】
ステップS223において、例えば、蒸気アブレーション装置の現在の運転状態を記述する値を待機状態の状態情報として設定し、別の例では、ステップS223において、例えば、予熱状態のときに、対応する判定のプロセスを完了することができる(この判定は、例えば、蒸気発生器の現在の水位、現在の蒸気温度がいずれも待機の要求を満たしているかの判定である)。
【0172】
これにより、ステップS223の前の「蒸気発生器の現在の水位、現在の蒸気温度及び現在の圧力のうちの少なくとも1つ及び前記蒸気アブレーション装置の現在運転状態に基づいて、前記蒸気アブレーション装置が前記目標運転状態の要求を満たしていることを確定する」ステップは、具体的に次のようなことを含む。
【0173】
前記蒸気アブレーション装置が前記予熱状態にあるとき、前記蒸気発生器の現在の水位、現在の蒸気温度がいずれも待機の要求を満たしていることが検出される。具体的には、現在の水位が最大正常水位以上でありかつ現在の蒸気温度が設定された消毒温度閾値よりも高いことが検出される。さらに、蒸気発生器の現在の水位が最大正常水位よりも高くかつ現在の蒸気温度が消毒温度閾値よりも高いことが検出されたときに、ステップS223を実行することができる。
【0174】
この選択的な構成では、待機に必要な水位と蒸気との要求が満たされているかどうかを判定し、運転状態の変化に依拠を提供する。同時に、後続の待機時に十分な水量(すなわち、最大正常水位より高い水量)及び消毒温度を保障することができ、この水量に基づいて、後続のプロセスでの必要な圧力の水蒸気及び水蒸気の供給能力を保障するに役立つことができ、この消毒温度に基づいて、待機時に消毒を実現するに役立つことができる。
【0175】
前記目標運転状態が前記アブレーション準備状態である場合、ステップS223のプロセスは、次の通りである。
【0176】
ステップS223において、例えば、蒸気アブレーション装置の現在の運転状態を記述する値をアブレーション準備状態の状態情報として設定し、別の例では、ステップS223において、例えば、待機状態のときに、対応する判定のプロセス(例えば、蒸気発生器の現在の水位がアブレーション準備の要求を満たしているか、蒸気アブレーション装置が消毒処理を完了したかの判定)を完了することができる。
【0177】
これにより、ステップS223の前の「蒸気発生器の現在の水位、現在の蒸気温度及び現在の圧力のうちの少なくとも1つ及び前記蒸気アブレーション装置の現在運転状態に基づいて、前記蒸気アブレーション装置が前記目標運転状態の要求を満たしていることを確定する」ステップは、具体的に次のようなことを含む。
【0178】
前記蒸気アブレーション装置が前記待機状態にあるとき、前記蒸気発生器の現在の水位がアブレーション準備の要求を満たしておりかつ前記蒸気アブレーション装置が消毒処理を完了したことが検出される。具体的には、現在の水位が最大正常水位以上でありかつ蒸気アブレーション装置が消毒処理を完了したことが検出される。さらに、蒸気発生器の現在の水位が最大正常水位よりも高くかつ消毒が完了されたことが検出されたとき、ステップS223を実行することができる。
【0179】
この選択的な構成では、蒸気アブレーションに必要な水位と消毒状況とが満足されているかどうかを判定し、運転状態の変化に依拠を提供する。同時に、後続のアブレーション時に十分な水量(すなわち、最大正常水位よりも高い水量)及び安全性を保障することができる。
【0180】
一実施形態では、
図8及び
図9を参照すると、
図8及び
図9は、シャットダウン状態における具体的な加熱プロセスを模式的に示している。
【0181】
図8を参照すると、ステップS221は、次のようなステップS2215~S2217を含む。
【0182】
ステップS2215では、現在の水位が無水加熱防止水位よりも低いかどうかを判定する。
【0183】
ステップS2216では、前記現在の蒸気温度が設定された熱排出温度閾値よりも高いかどうかを判定する。
【0184】
前記現在の水位が前記無水加熱防止水位以上でありかつ前記現在の発生器内温度が設定された熱排出温度閾値よりも高いときに、ステップS2217を実行する。ステップS2217では、前記加熱装置をオンにする。
【0185】
この選択的な構成では、シャットダウン時に加熱を実現することができ、シャットダウン時の熱排出(加熱の方式で蒸気発生器内の水を排出すること)に対する要求を満たすことができ、さらに、シャットダウン時に蒸気発生器内の水の迅速な排出を実現することができる。同時に、無水加熱防止水位の判定により、水位が低すぎてリスクをもたらすことを回避することができる。
【0186】
具体的な実施の形態では、
図8を参照すると、ステップS222は、次のようなステップS2224~S2228を含む。
【0187】
ステップS2224では、オンになった加熱装置が目標電力で加熱するように制御する。
【0188】
ステップS2225では、前記現在の圧力が設定された熱排出圧力閾値よりも低いかどうかを判定する。
【0189】
ステップS2226では、現在の圧力または現在の発生器内温度が設定された第1の範囲にあるかどうかを判定する。
【0190】
前記現在の圧力が設定された熱排出圧力閾値未満でありかつ前記現在の圧力または前記現在の発生器内温度が設定された第1の範囲にあるときに、ステップS2227を実行する。ステップS2227では、前記加熱装置が前記目標電力を保持しながら加熱するように制御する。
【0191】
前記現在の圧力が設定された熱排出圧力閾値未満でありかつ前記現在の圧力または前記現在の発生器内温度が設定された第2の範囲にあるときに、ステップS2228を実行する。ステップS2228では、前記現在の発生器内温度、前記現在の圧力および設定された目標パラメータに基づいて、前記加熱装置の加熱電力を調節する。前記第2の範囲の数値は、前記第1の範囲よりも高く、前記目標発生器内温度又は前記目標圧力は、前記第2の範囲にある。
【0192】
以上の第1の範囲、第2の範囲、目標パラメータの制御プロセスに基づいて、ステップS2223の関連記述を参照して理解することができ、同時に、ステップS2228で採用される第1の範囲、第2の範囲、目標パラメータは、ステップS2223と同じでもよく、異なっていてもよい。
【0193】
以上の構成では、現在の圧力または現在の発生器内温度が比較的小さい値(例えば、第1の範囲)にあるときに、全てのヒータがオンになるように制御して、比較的高い加熱電力(例えば、最大加熱電力)を達成することができ、さらに、できるだけ早く目標パラメータに近い大きな値(例えば、第2の範囲)になるに役立つことができ、この範囲になったとき、目標温度及び目標圧力に基づいて精密な制御を実現することができる。このように、以上のプロセスは、加熱の効率性と正確性とを両立することができる。
【0194】
一実施形態では、
図8、
図9に示すプロセスは、シャットダウン状態に適用されるため、ステップS221の前に、次のようなステップS224をさらに含むことができる。
【0195】
ステップS224では、蒸気アブレーション装置がシャットダウン状態へ移行することを確定する。
【0196】
以上の構成では、シャットダウン状態へ移行して熱排出要求を満たしている(すなわち、ステップS2215、S2216での判定を満たしている)ことを確定した後加熱を開始し、熱排出プロセスの自動移行を実現し、処理効率を向上させることができる。
【0197】
ステップS224において、例えば、蒸気アブレーション装置の現在運転状態を記述する値をシャットダウン状態の状態情報として設定し、別の例では、ステップS224において、例えば、他の状態のときに、対応する判定のプロセスを完了し、例えば、電源投入時の自己診断のときに回復不可のエラーを検出した場合に、蒸気アブレーション装置のシャットダウンをトリガし、さらに、回復不可のエラーを検出したプロセスを、ステップS224を実行したとみなすことができる。
【0198】
また、各運転状態にある場合には、運転状態での作動状態をさらに定義することにより、上述した各処理プロセスの実現を保障することができる。
【0199】
以上、最小正常水位、最大正常水位、無水加熱防止水位などの指定水位に基づいて制御する全てのプロセスは、指定水位と現在水位とを直接比較する処理方式に限らず、現在水位と指定水位との差分値、比値などに基づいて計算する処理方式も排除せず、一定時間内の現在水位の平均値を計算する処理方式も排除せず、温度、圧力に基づく制御も同様である。いずれの変化も本発明の実施例の範囲から逸脱しない。
【0200】
図10を参照すると、本発明の実施形態に係る蒸気アブレーション装置の加熱制御装置300は、監視モジュール301及び加熱制御モジュール302を備える。
【0201】
監視モジュール301は、蒸気発生器内の現在の水位、現在の圧力、現在の発生器内温度を監視するために用いられる。
【0202】
加熱制御モジュール302は、現在の水位、現在の圧力、現在の発生器内温度に基づいて、加熱装置を制御するために用いられる。
【0203】
選択的として、加熱制御モジュール302は、具体的に下記のように動作する。
【0204】
加熱制御モジュール302は、前記現在の水位及び指定された無水加熱防止水位及び/又は最小正常水位に基づいて、前記加熱装置のオン又はオフを制御する。
【0205】
加熱制御モジュール302は、前記加熱装置がオンになった後、前記現在の圧力及び前記現在の発生器内温度に基づいて、前記加熱装置の加熱電力を制御する。
【0206】
選択的として、加熱制御モジュール302は、具体的に下記のように動作する。
【0207】
加熱制御モジュール302は、前記現在の水位が指定された最小正常水位以上であると、前記加熱装置をオンにする。
【0208】
加熱制御モジュール302は、前記現在の水位が前記最小正常水位より低くかつ前記無水加熱防止水位以上であると、前記加熱装置をオフにする。
【0209】
選択的として、加熱制御モジュール302は、具体的に下記のように動作する。
【0210】
加熱制御モジュール302は、前記現在の圧力又は前記現在の発生器内温度が設定された第1の範囲にあるとき、オンになった加熱装置が目標電力で加熱するように制御する。前記目標電力は、前記加熱装置における全てのヒータがオンにされているときの加熱電力と一致する。
【0211】
加熱制御モジュール302は、前記現在の圧力または前記現在の発生器内温度が第2の範囲にあるとき、前記現在の発生器内温度、前記現在の圧力および設定された目標パラメータに基づいて、前記加熱装置の加熱電力を調節する。前記第2の範囲の数値は、前記第1の範囲よりも高く、前記目標パラメータは、目標温度及び目標圧力を含み、前記目標温度または前記目標圧力は、前記第2の範囲にある。
【0212】
選択的として、
図11を参照すると、加熱制御装置300は、状態確定モジュール303をさらに含む。
【0213】
状態確定モジュール303は、蒸気アブレーション装置が目標運転状態へ移行することを確定するために用いられる。前記目標運転状態は、予熱状態、待機状態、アブレーション準備状態のいずれかである。
【0214】
選択的として、監視モジュール301は、蒸気発生器の現在の蒸気温度を監視するためにも用いられる。
【0215】
選択的として、
図11を参照すると、加熱制御装置300は、要求充足モジュール304をさらに含む。
【0216】
前記要求充足モジュール304は、現在の水位、現在の蒸気温度及び現在の圧力のうちの少なくとも1つ及び現在の蒸気アブレーション装置の運転状態に基づいて、前記蒸気アブレーション装置が目標運転状態の要求を満たしていることを確定するために用いられる。
【0217】
前記目標運転状態が前記予熱状態であると、要求充足モジュール304は下記のように動作する。
【0218】
前記要求充足モジュール304は、具体的に次のように動作する。
【0219】
前記要求充足モジュール304により、前記蒸気アブレーション装置が充填状態にあるとき、前記蒸気発生器の現在の水位が予熱の要求を満たしていることが検出される。
【0220】
選択的として、前記要求充足モジュール304は、具体的に次のように動作する。
【0221】
前記要求充足モジュール304により、現在の水位が指定された最小正常水位よりも高いことが検出される。
【0222】
選択的として、前記目標運転状態が前記待機状態であると、要求充足モジュール304は下記のように動作する。
【0223】
前記要求充足モジュール304は、具体的に次のように動作する。
【0224】
前記要求充足モジュール304により、前記蒸気アブレーション装置が前記予熱状態にあるとき、前記蒸気発生器の現在の水位、現在の蒸気温度がいずれも待機の要求を満たしていることが検出される。
【0225】
選択的として、前記要求充足モジュール304は、具体的に次のように動作する。
【0226】
前記要求充足モジュール304により、現在の水位が最大正常水位以上でありかつ現在の蒸気温度が設定された消毒温度閾値よりも高いことが検出される。
【0227】
選択的として、前記目標運転状態が前記アブレーション準備状態であると、要求充足モジュール304は下記のように動作する。
【0228】
前記要求充足モジュール304は、具体的に次のように動作する。
【0229】
前記要求充足モジュール304により、前記蒸気アブレーション装置が前記待機状態にあるとき、前記蒸気発生器の現在の水位が蒸気アブレーションの要求を満たしておりかつ前記蒸気アブレーション装置が消毒処理を完了したことが検出される。
【0230】
選択的として、前記要求充足モジュール304は、具体的に次のように動作する。
【0231】
前記要求充足モジュール304により、現在の水位が指定された最大正常水位以上であることが検出される。
【0232】
選択的として、前記加熱制御モジュール302は、具体的に次のように動作する。
【0233】
前記加熱制御モジュール302により、前記現在の水位が前記無水加熱防止水位以上でありかつ前記現在の発生器内温度が設定された熱排出温度閾値よりも高いときに、前記加熱装置がオンになる。
【0234】
選択的として、前記加熱制御モジュール302は、具体的に次のように動作する。
【0235】
前記加熱制御モジュール302により、オンになった加熱装置が目標電力で加熱するように制御される。前記目標電力は、前記加熱装置における全てのヒータがオンにされているときの加熱電力と一致する。
【0236】
前記加熱制御モジュール302により、前記現在の圧力が設定された熱排出圧力閾値未満でありかつ前記現在の圧力または前記現在の発生器内温度が設定された第1の範囲にあるときに、前記加熱装置が前記目標電力を保持しながら加熱するように制御される。
【0237】
前記加熱制御モジュール302により、前記現在の圧力が設定された熱排出圧力閾値未満でありかつ前記現在の圧力または前記現在の発生器内温度が設定された第2の範囲にあるときに、前記現在の発生器内温度、前記現在の圧力および設定された目標パラメータに基づいて、前記加熱装置の加熱電力が調節される。前記第2の範囲の数値は、前記第1の範囲よりも高く、前記目標発生器内温度又は前記目標圧力は、前記第2の範囲にある。
【0238】
選択的として、前記加熱制御装置300は、状態確定モジュール303をさらに含む。
【0239】
前記状態確定モジュール303は、蒸気アブレーション装置がシャットダウン状態へ移行することを確定するために用いられる。
【0240】
【0241】
プロセッサ41と、
【0242】
前記プロセッサ41が実行可能な命令を記憶するためのメモリ42と、を備える。
【0243】
前記プロセッサ41が実行可能な命令を実行することにより、上述した方法が実施される。
【0244】
プロセッサ41は、バス43を介してメモリ42と通信可能である。
【0245】
本発明の実施形態は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体を提供し、このコンピュータプログラムがプロセッサによって実行されることにより、上記した方法が実施される。
【0246】
当業者であれば、上述した各方法の実施形態を実施するための全てまたは一部のステップは、プログラム命令に関連するハードウェアによって達成することができることを理解することができる。前述のプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されることができる。このプログラムが実行されるときに、上述した各方法の実施形態に含まっているステップが実行される。前述の記憶媒体は、ROM、RAM、磁気ディスクまたは光ディスクなどの、プログラムコードを記憶することができる様々な媒体を含む。
【0247】
最後に、以上の各実施形態は、本発明の技術的構成を説明するためにのみ使用され、それを限定するのではなく、上記各実施形態を参照しながら本発明を詳細に説明したが、当業者は、上記各実施形態に記載の技術的構成を変更したり、その一部または全ての技術的特徴を均等に置き換えたりすることができ、これらの変更または置換は、それぞれの技術的構成の本質を、本発明の各実施形態の技術的思想から逸脱させるものではない。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気アブレーション装置の制御装置に適用される加熱制御方法であって、
前記蒸気アブレーション装置は、蒸気発生器及び加熱装置を備え、前記加熱装置は、前記制御装置によって制御され、制御によってオンになったときに前記蒸気発生器に対して加熱を行い、
前記加熱制御方法は、
前記蒸気アブレーション装置が目標運転状態へ移行することを確定するステップと、
前記蒸気発生器内の現在の水位、現在の圧力及び現在の発生器内温度を監視するステップと、
前記現在の水位、前記現在の圧力及び前記現在の発生器内温度に基づいて、前記加熱装置を制御するステップと、
を含
み、
前記目標運転状態は、予熱状態、待機状態、アブレーション準備状態のいずれかであることを特徴とする加熱制御方法。
【請求項2】
前記現在の水位、前記現在の圧力及び前記現在の発生器内温度に基づいて、前記加熱装置を制御するステップは、
前記現在の水位及び指定された無水加熱防止水位及び/又は最小正常水位に基づいて、前記加熱装置のオン又はオフを制御するステップと、
前記加熱装置がオンになった後、前記現在の圧力及び前記現在の発生器内温度に基づいて、前記加熱装置の加熱電力を制御するステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の加熱制御方法。
【請求項3】
前記現在の水位及び指定された無水加熱防止水位及び/又は最小正常水位に基づいて、前記加熱装置のオン又はオフを制御するステップは、
前記現在の水位が指定された最小正常水位以上であると、前記加熱装置をオンにするステップと、
前記現在の水位が前記最小正常水位よりは低くかつ前記無水加熱防止水位以上であると、前記加熱装置をオフにするステップと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の加熱制御方法。
【請求項4】
前記加熱装置は、複数のヒータを備え、
前記現在の圧力及び前記現在の発生器内温度に基づいて、前記加熱装置の加熱電力を制御するステップは、
前記現在の圧力又は前記現在の発生器内温度が設定された第1の範囲にあるとき、オンになった加熱装置が目標電力で加熱するように制御するステップであって、前記目標電力は、前記加熱装置における全てのヒータがオンになっているときの加熱電力と一致するステップと、
前記現在の圧力または前記現在の発生器内温度が第2の範囲にあるとき、前記現在の発生器内温度、前記現在の圧力および設定された目標パラメータに基づいて、前記加熱装置の加熱電力を調節するステップであって、前記第2の範囲の数値は、前記第1の範囲よりも高く、前記目標パラメータは、目標温度及び目標圧力を含み、前記目標温度または前記目標圧力は、前記第2の範囲にあるステップと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の加熱制御方法。
【請求項5】
前記蒸気発生器の現在の蒸気温度を監視するステップをさらに含み、
前記蒸気アブレーション装置が目標運転状態へ移行することを確定するステップの前に、
前記現在の水位、現在の蒸気温度及び現在の圧力のうちの少なくとも1つ及び前記蒸気アブレーション装置の現在運転状態に基づいて、前記蒸気アブレーション装置が前記目標運転状態の要求を満たしていることを確定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項
1に記載の加熱制御方法。
【請求項6】
前記目標運転状態が前記予熱状態である場合、
前記蒸気発生器の現在の水位、現在の蒸気温度及び現在の圧力のうちの少なくとも1つ及び前記蒸気アブレーション装置の現在運転状態に基づいて、前記蒸気アブレーション装置が前記目標運転状態の要求を満たしていることを確定するステップは、
前記蒸気アブレーション装置が前記充填状態にあるとき、前記蒸気発生器の現在の水位が予熱の要求を満たしていることを検出するステップを含むことを特徴とする請求項
5に記載の加熱制御方法。
【請求項7】
前記蒸気発生器の現在の水位が予熱の要求を満たしていることを検出するステップは、
前記蒸気発生器の現在の水位が最小正常水位よりも高いことを検出ステップを含むことを特徴とする請求項
6に記載の加熱制御方法。
【請求項8】
前記目標運転状態が前記待機状態である場合、
前記蒸気発生器の現在の水位、現在の蒸気温度及び現在の圧力のうちの少なくとも1つ及び前記蒸気アブレーション装置の現在運転状態に基づいて、前記蒸気アブレーション装置が前記目標運転状態の要求を満たしていることを確定するステップは、
前記蒸気アブレーション装置が前記予熱状態にあるとき、前記蒸気発生器の現在の水位、現在の蒸気温度がいずれも待機の要求を満たしていることを検出するステップを含むことを特徴とする請求項
5に記載の加熱制御方法。
【請求項9】
前記蒸気発生器の現在の水位、現在の蒸気温度がいずれも待機の要求を満たしていることを検出するステップは、
現在の水位が最大正常水位以上でありかつ現在の蒸気温度が設定された消毒温度閾値よりも高いことを検出するステップを含むことを特徴とする請求項
8に記載の加熱制御方法。
【請求項10】
前記目標運転状態が前記アブレーション準備状態である場合、
前記蒸気発生器の現在の水位、現在の蒸気温度及び現在の圧力のうちの少なくとも1つ及び前記蒸気アブレーション装置の現在運転状態に基づいて、前記蒸気アブレーション装置が前記目標運転状態の要求を満たしていることを確定するステップは、
前記蒸気アブレーション装置が前記待機状態にあるとき、前記蒸気発生器の現在の水位がアブレーション準備の要求を満たしておりかつ前記蒸気アブレーション装置が消毒処理を完了したことを検出するステップを含むことを特徴とする請求項
5に記載の加熱制御方法。
【請求項11】
前記蒸気発生器の現在の水位がアブレーション準備の要求を満たしていることを検出するステップは、
現在の水位が最大正常水位以上であることを検出するステップを含むことを特徴とする請求項
10に記載の加熱制御方法。
【請求項12】
前記現在の水位及び指定された無水加熱防止水位及び/又は最小正常水位に基づいて、前記加熱装置のオン又はオフを制御するステップは、
前記現在の水位が前記無水加熱防止水位以上でありかつ前記現在の発生器内温度が設定された熱排出温度閾値よりも高いときに、前記加熱装置をオンにするステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の加熱制御方法。
【請求項13】
前記加熱装置は、複数のヒータを備え、
前記現在の圧力及び前記現在の発生器内温度に基づいて、前記加熱装置の加熱電力を制御するステップは、
オンになった加熱装置が目標電力で加熱するように制御するステップであって、前記目標電力は、前記加熱装置における全てのヒータがオンになっているときの加熱電力と一致するステップと、
前記現在の圧力が設定された熱排出圧力閾値未満でありかつ前記現在の圧力または前記現在の発生器内温度が設定された第1の範囲にあるときに、前記加熱装置が前記目標電力を保持しながら加熱するように制御するステップと、
前記現在の圧力が設定された熱排出圧力閾値未満でありかつ前記現在の圧力または前記現在の発生器内温度が設定された第2の範囲にあるときに、前記現在の発生器内温度、前記現在の圧力および設定された目標パラメータに基づいて、前記加熱装置の加熱電力を調節するステップであって、前記第2の範囲の数値は、前記第1の範囲よりも高く、前記目標発生器内温度又は前記目標圧力は、前記第2の範囲にあるステップと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の加熱制御方法。
【請求項14】
前記蒸気アブレーション装置は、複数の運転状態を有し、
前記複数の運転状態は、充填状態、予熱状態、待機状態、アブレーション準備状態及びシャットダウン状態を含み、
前記蒸気アブレーション装置は、順に、前記充填状態、前記予熱状態、前記待機状態及び前記アブレーション準備状態へ移行することができることを特徴とする請求項1から4、
12、
13のいずれか一項に記載の加熱制御方法。
【請求項15】
蒸気アブレーション装置の制御装置に適用される加熱制御装置であって、
前記蒸気アブレーション装置は、蒸気発生器及び加熱装置を備え、前記加熱装置は、前記制御装置によって制御され、制御によってオンになったときに前記蒸気発生器に対して加熱を行い、
前記加熱制御装置は、
前記蒸気発生器内の現在の水位、現在の圧力及び現在の発生器内の温度を監視するための監視モジュールと、
前記現在の水位、前記現在の圧力及び前記現在の発生器内温度に基づいて、前記加熱装置を制御するための加熱制御モジュールと、
備えることを特徴とする加熱制御装置。
【国際調査報告】