(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-18
(54)【発明の名称】トイレ装置
(51)【国際特許分類】
E03D 9/00 20060101AFI20240111BHJP
A47K 13/24 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
E03D9/00 B
A47K13/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540897
(86)(22)【出願日】2022-01-03
(85)【翻訳文提出日】2023-07-03
(86)【国際出願番号】 EP2022050009
(87)【国際公開番号】W WO2022148719
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】102021100114.5
(32)【優先日】2021-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523252353
【氏名又は名称】レオ・ジュゼッペ
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】レオ・ジュゼッペ
【テーマコード(参考)】
2D037
2D038
【Fターム(参考)】
2D037AA02
2D037AD16
2D038BB18
2D038BC02
2D038KA03
(57)【要約】
本発明は、空気流(A)をトイレ(2)のトイレ内部空間(22)からトイレ装置(1)へ、及び/又は空気流(B)をトイレ装置(1)からトイレ(2)のトイレ内部空間(22)へ導くように形成された少なくとも1つの空気ガイド(11)と、それぞれの空気流(A、B)を生成するように形成された少なくとも1つの送風機(13)と、イオン化空気、好ましくはオゾンを生成する、かつそれぞれの空気流(A;B)に放出するように形成された少なくとも1つのイオナイザ(15)、好ましくは少なくとも1つのオゾン発生器(15)と、を備えるトイレ装置(1)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレ装置(1)であって、
空気流(A)をトイレ(2)のトイレ内部空間(22)から前記トイレ装置(1)へ、及び/又は空気流(B)を前記トイレ装置(1)から前記トイレ(2)の前記トイレ内部空間(22)へ導くように形成された少なくとも1つの空気ガイド(11)と、
前記それぞれの空気流(A、B)を生成するように形成された少なくとも1つの送風機(13)と、
イオン化空気、好ましくはオゾンを生成する、かつ前記それぞれの空気流(A;B)に放出するように形成された少なくとも1つのイオナイザ(15)、好ましくは少なくとも1つのオゾン発生器(15)と、を備えるトイレ装置。
【請求項2】
前記トイレ装置(1)内に配置され、空気流を導くように前記空気ガイド(11)と接続された装置内部空間(14)であって、
前記イオナイザ(15)が前記装置内部空間(14)に前記イオン化空気を放出するように形成され、
前記送風機(13)が前記装置内部空間(14)を通り抜ける前記それぞれの空気流(A;B)を生成するように形成される、装置内部空間を特徴とする、請求項1に記載のトイレ装置(1)。
【請求項3】
前記空気流(A)を前記トイレ装置(1)から外部へ排出するように形成された少なくとも1つの空気出口(18)、及び/又は
前記空気流(B)を外部から前記トイレ装置(1)に導入するように形成された少なくとも1つの空気入口(18)、
を特徴とする、請求項1又は2に記載のトイレ装置(1)。
【請求項4】
前記空気出口(18)及び/又は前記空気入口(18)が少なくとも1つの、好ましくは交換可能なフィルタ(17)、好ましくは活性炭フィルタ(17)を有することを特徴とする、請求項3に記載のトイレ装置(1)。
【請求項5】
前記空気出口(18)が、イオン化空気を中和するように形成された少なくとも1つの中和器、好ましくは触媒、特に好ましくはオゾン触媒を有することを特徴とする、請求項3又は4に記載のトイレ装置(1)。
【請求項6】
前記トイレ(2)の利用を認識するように形成された少なくとも1つのセンサ(19a)であって、
前記トイレ装置(1)は、前記センサにより認識された前記トイレ(2)の利用に応答して前記送風機(13)及び前記イオナイザ(15)を動作させるように形成されている、少なくとも1つのセンサを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項7】
前記センサ(19a)が運動センサ(19a)として形成され、
前記運動センサ(19a)は、少なくとも前記トイレ内部空間(22)の上方の領域に向けられるように形成されていることを特徴とする、請求項6に記載のトイレ装置(1)。
【請求項8】
少なくとも前記空気ガイド(11)、前記送風機(13)及び前記イオナイザ(15)と、前記センサ(19a)とが別々の、かつ空間的に分離されたユニットとして形成されていることを特徴とする、請求項6又は7に記載のトイレ装置(1)。
【請求項9】
前記センサ(19a)が圧力センサとして形成され、
前記圧力センサは、前記トイレ(2)の便器縁(21)と前記トイレ(2)の便座(23)との間に配置されるように形成されていることを特徴とする、請求項6~8のいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項10】
前記トイレ装置(1)は、前記送風機(13)及び前記イオナイザ(15)の動作を少なくとも1つの予め定められた時点に、及びないし又は少なくとも1つの予め定められた期間の経過後に開始するように形成されていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項11】
前記トイレ装置(1)は、前記送風機(13)及び前記イオナイザ(15)の前記動作を予め定められた期間の経過後に終了するように形成されていることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項12】
前記トイレ装置(1)が少なくとも1つの操作要素(19b)を有し、前記操作要素(19b)は、人による前記操作要素の操作によって前記送風機(13)及び前記イオナイザ(15)の前記動作を開始及び/又は終了できるように形成されていることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項13】
前記トイレ装置(1)は、好ましくは再充電可能及び/又は取出し可能な電気エネルギー貯蔵器(12a)によって動作するように形成されていることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項14】
前記イオナイザ(15)の動作のための高電圧を生成するように形成された少なくとも1つの高電圧発生器(16)を特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項15】
前記トイレ装置(1)は、前記トイレ(2)に取外し可能に配置されるように形成されていることを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項16】
前記トイレ装置(1)は、便座(23)の隣に前記トイレ内部(22)とは反対側に配置されるように形成されていることを特徴とする、請求項1~15のいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項17】
前記空気ガイド(11)は、少なくとも部分的に、前記トイレ(2)の前記便器縁(21)と前記トイレ(2)の便座(23)との間に配置されるように形成されていることを特徴とする、請求項1~16のいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項18】
前記空気ガイド(11)は、前記トイレ(2)の便器縁(21)を越えて前記トイレ(2)の前記トイレ内部空間(22)内に突出するように形成されていることを特徴とする、請求項1~17のいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項19】
前記空気ガイド(11)の空気ガイド開口(11a)は、前記トイレ(2)の前記トイレ内部空間(22)内へ少なくとも実質的に水平方向を指すように形成されていることを特徴とする、請求項1~18のいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項20】
前記空気ガイド(11)の前記空気ガイド開口(11a)は、前記トイレ(2)の前記トイレ内部空間(22)内へ少なくとも実質的に垂直方向を指すように形成されていることを特徴とする、請求項1~18のいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項21】
前記トイレ(2)の便器縁(21)に前記トイレ装置(1)を少なくとも形状結合的に保持するように形成された少なくとも1つの取付具(11b)を特徴とする、請求項1~20のいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項22】
前記取付具(11b)は、前記空気ガイド(11)によって形成されることを特徴とする、請求項21に記載のトイレ装置(1)。
【請求項23】
前記空気ガイド(11)は、交換可能に形成されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項24】
前記それぞれの空気流(A、B)、好ましくは装置内部空間(14)に芳香剤を付与するように形成された少なくとも1つの香り発生器を特徴とする、請求項1~23のいずれか一項に記載のトイレ装置(1)。
【請求項25】
請求項1~24のいずれか一項に記載の少なくとも1つのトイレ装置(1)を備えるトイレ(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載のトイレ装置、及び請求項25に記載のトイレ装置を備えたトイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日では、利用者である人が座って利用できるトイレの使用が一般的になっている。トイレは、特に便や尿などの身体の排泄物を受けるための衛生装置である。トイレは通常、身体の排泄物を流し込むことができる内部空間を形成する便器若しくは大便器を有する。そのために、人はトイレの便座に座ることができる。通常、身体の排泄物は、水洗によって排水管を通して下水網に排出することができる。
【0003】
身体の排泄物の他にガスも、トイレを利用する人によって放出されるか、若しくは身体の排泄物によって生成される可能性があり、ガスはトイレのすぐ周りにある周囲空気に達して、不快臭を生じる可能性がある。トイレの内部空間、すなわち便器の内部も定期的に洗浄する必要がある。
【0004】
トイレ若しくは便器のトイレ内部空間を自動洗浄するために、いわゆるWCフラッシャの使用が知られ、トイレ縁でトイレ内部空間内に掛着され、それによりWCフラッシャの水洗が作動した場合に、周りが水で洗われ、洗浄剤の一部が水中に放出される。これによって、トイレ内部空間の、洗浄剤を混ぜた水が到達できるところをある程度洗浄することができる。洗浄剤は芳香物質を含むこともでき、これによって、芳香物質を遊離させ、周囲空気に放出することができる。これらはどちらも、水洗が作動するときにいつも自動的に行うことができる。
【0005】
これについて不利であるのは、トイレ内部空間の、洗浄剤を混ぜた水が到達するところにしか洗浄作用が生じることができないということである。これにより、トイレ内部空間の表面の洗浄が不均一になる可能性がある。また、このようにしてトイレ内部空間自体のみを洗浄することができる。
【0006】
さらに、生じる不快臭を洗浄剤の香りによって覆い隠すことしかできず、それ自体は消えずに残るということが不利である。
【0007】
それぞれの場合に、洗浄及び香りの作用が、水洗の水によって溶解若しくは遊離(放出)される洗浄剤の量に左右されるということが不利である。したがって、洗浄剤が減少するにつれて作用も弱まる可能性がある。
【0008】
全体として、トイレの利用によって洗浄剤が消費され、取り替えるか、若しくは補充されなければならないということが不利である。これにより、利用者にコストと労力がかかる可能性がある。特に、洗浄剤が無くなった場合、若しくはその間は機能を利用できない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、トイレ装置を提供し、それによりトイレ使用時の不快臭を回避又は少なくとも低減することができ、及びないし又はトイレの洗浄、特に消毒を改善及びないし又は簡素化できるということである。これは、それぞれの場合に、可能な限り簡単に、ロバストに、経済的に、コンパクトに、及びないし又は安価に行うことができるべきである。少なくとも、対応する既知の可能性の代替案が提供されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題は、本発明によれば、請求項1の特徴を有するトイレ装置及び請求項25の特徴を有するトイレによって解決される。有利な発展形態は従属請求項に記載されている。
【0011】
したがって、本発明は、空気流をトイレのトイレ内部空間からトイレ装置へ、及びないし又は空気流をトイレ装置からトイレのトイレ内部空間へ導くように形成された少なくとも1つの空気ガイドと、それぞれの空気流を生成するように形成された少なくとも1つの送風機と、イオン化空気、好ましくはオゾンを生成する、かつそれぞれの空気流に放出するように形成された少なくとも1つのイオナイザ、好ましくは少なくとも1つのオゾン発生器と、を備えるトイレ装置に関する。
【0012】
空気ガイドは、ホース、導管、又はそれに類するものによって実現され、一方の開口端がトイレ内部空間の方に配置され、それにより空気ガイドとトイレ内部空間との間で空気交換を行うことができる。送風機は、例えばベンチレータ又はそれに類するものとして実現することができ、いずれの場合も空気を送るために用いられる。イオナイザは、例えば周囲空気を少なくとも部分的にイオン化するように形成することができる。これは高電圧によって行うことができる。イオン化空気、又は生成されたイオン化空気のラジカルは、臭気の除去及びないし又は消毒のために利用できる化学分解プロセスを引き起こすことができる。その場合、オゾン発生器をイオナイザとして使用することは、上記の空気のイオン化を達成する可能性の1つであり得る。
【0013】
換言すると、本発明によれば、トイレで使用できる装置を提供することができる。その場合、トイレ装置は、トイレと一体化された部品であってもよいし、破壊することなく取り外せるようにトイレに配置できる別個の装置であってもよい。いずれの場合も、トイレ装置は、トイレ装置として機能的に協働する、かつ空間的に分離して配置できる別々の部品からなるシステムであってもよい。このようなトイレ装置の別々の部品を部分的にトイレに組み込むことができ、部分的にトイレと分離して、又はそれぞれを完全に一体化若しくは分離することもできる。
【0014】
いずれの場合も、本発明によるトイレ装置は、空気流をトイレ内部空間からトイレ装置自体へ送るように形成することができ、それにより臭気をトイレ内部空間からトイレ装置内に吸い取ることができる。その場合、トイレ装置内で吸い込まれた空気がイオン化され、及びないし又はイオン化された空気と混合されることによって、吸い込まれた空気から臭気を除去又は少なくとも低減することができる。余分な空気を低減されたか、又は完全に除去された臭気と共にトイレ装置から周囲へ逃すことができる。これによって、トイレの利用時に発生し得る周囲への不快臭を除去又は少なくとも低減することができる。
【0015】
いずれの場合も、本発明によるトイレ装置は、代替的又は追加的に、空気流をトイレ内部空間に運ぶように形成することができる。外部からトイレ装置に流入する空気をトイレ装置内で予めイオン化し、次いで送風機によってトイレ内部空間に吹き込むことができる。この場合、イオン化空気がトイレ内部空間若しくはその表面に到達し、消毒することができる。これによって、トイレ内部空間の可能な限り簡単及びないし又は完全な自動洗浄を達成することができる。
【0016】
本発明によるトイレ装置は、上述の2つの機能のうちの1つだけを実行するように形成することができる。あるいは、本発明によるトイレ装置は、上述の両方の機能を提供するように形成することができ、それによってこのトイレ装置を選択的に自動的に、及びないし又は利用者によって使用することができる。この場合、機能を互いに独立して時間的にずらして、若しくは必要に応じて、又は組み合わせて時間的に相前後して実行することもできる。後者の場合、特に、先ず、特に人によるトイレの利用中、及び場合によってはある程度の時間をおいて臭気除去若しくは臭気低減の機能を、続いて、場合によってはある程度の時間をずらして、消毒若しくは洗浄の機能を使用することができる。
【0017】
いずれの場合も、少なくとも送風機及びイオナイザの動作は、後からさらに詳しく説明されるように、対応する機能、及び例えばセンサ情報の評価、機能の起動などの他の機能を時間の経過に沿って、若しくは各時点で、などに実行できるトイレ装置の制御ユニットによって行うことができる。トイレ装置、特にその電気的及び電子的部品に必要な電力供給は、後からさらに詳しく説明されるように、組み込まれた電気エネルギー貯蔵器によって行うことができる。あるいは、トイレ装置を有線又は無線で、例えば誘導的に電力供給網に接続することもできる。
【0018】
本発明の一態様によれば、トイレ装置は、トイレ装置内に配置され、空気流を導くように空気ガイドと接続された装置内部空間を有し、イオナイザが装置内部空間にイオン化空気を放出するように形成され、送風機が装置内部空間を通り抜けるそれぞれの空気流を生成するように形成される。これによって、トイレ装置内のイオナイザ及び送風機の領域に容積が作り出され、その中でイオナイザによってイオン化空気を生成し、送風機によって送ることができる。特に、イオン化空気とトイレ内部空間から吸い出された空気と臭気との混合を行うことができる容積をトイレ装置内に作り出すことができ、それにより臭気をイオン化空気によって相応に中和することができる。
【0019】
本発明の別の態様によれば、トイレ装置は、空気流をトイレ装置から外部へ排出するように形成された少なくとも1つの空気出口、及びないし又は空気流を外部からトイレ装置に導入するように形成された少なくとも1つの空気入口を有する。換言すると、トイレ装置若しくはその装置内部空間は、トイレ内部空間から空気ガイドを介してトイレ装置を通り抜け、空気出口を介してトイレ装置の外側へ、及びないし又はトイレ装置の外側からこれを通り抜けて、かつ空気ガイドを介してトイレ内部空間への空気流を生成することができるよう空気を導くように、若しくは空気を通すように周囲と接続されている。これによって、トイレ装置と周囲との間で相応の空気交換を達成することができる。
【0020】
本発明の別の態様によれば、空気出口及びないし又は空気入口は、少なくとも1つの、好ましくは交換可能なフィルタ、好ましくは活性炭フィルタを有する。これによって、トイレ内部空間から吸い込まれた空気の相応の濾過を、空気が周囲に排出される前に達成することができる。これによって、特に活性炭フィルタにより追加の臭気低減作用を達成することができる。追加的又は代替的に、周囲空気が周囲からトイレ装置に吸い込まれる場合に周囲空気の相応の濾過を行うことができる。これによって、塵埃などの粒子がトイレ装置の内部に入らないようにするために、これらを濾過することができる、そうでなければそこに配置されたコンポーネント、特に電子部品が汚れる、妨害される、及びないし又はその冷却作用が低下する可能性があり、そのことがコンポーネント、特に電子部品の寿命を低下させる可能性がある。
【0021】
本発明の別の態様によれば、空気出口は、イオン化空気を中和するように形成された少なくとも1つの中和器、好ましくは触媒、特に好ましくはオゾン触媒を有する。このようにすることで、トイレ内部空間から吸い込まれた空気を、これがイオン化空気若しくはオゾンと混合された後、空気出口を通って周囲へ出て行く前に中和器、触媒、若しくはオゾン触媒を通過させて導くことができ、それにより余分なイオン化空気が中和器若しくは触媒によって、あるいは余分なオゾンがオゾン触媒によって分解され、それによりトイレ装置の周囲から遠ざけられる。これによって、イオン化空気若しくはオゾンの臭気が利用者に不快に感じられる可能性があるイオン化空気若しくはオゾンがトイレ装置の周囲に到達できることを回避することができる。イオン化空気若しくはオゾンは健康に有害、及び環境に有害でもあり得る。
【0022】
本発明の別の態様によれば、トイレ装置は、トイレの利用を認識するように形成された少なくとも1つのセンサを有し、トイレ装置は、センサにより認識されたトイレの利用に応答して送風機及びイオナイザを動作させるように形成されている。これによって、上述の2つの機能のうちの少なくとも1つ、又は両方の機能が相前後して自動的に実行されることがトイレ装置により認識され得る。このことは、利用者としての人がそれぞれの機能を自分で指示しなければならない負担を軽減することができる。特に、これによって、それぞれの機能を指示することを利用者が忘れる可能性があることを防ぐことができる。
【0023】
いずれの場合も、トイレ自体及びないし又はその周囲の変化がセンサによって検出され、これがセンサ自体又は本発明によるトイレ装置の制御ユニットによって認識できることにより、センサはトイレの(間近の)利用を認識することができる。次に例示的に詳しく説明されるように、これを例えば運動センサ、温度センサ、圧力センサ、光電センサ、輝度センサ又はそれに類するものによって行うことができ、これらは機能原理に応じて利用者の存在を認識することができる。
【0024】
本発明の別の態様によれば、センサは運動センサとして形成され、運動センサは、少なくともトイレ内部空間の上方の領域に向けられるように形成されている。したがって、このような運動センサは、トイレに向かう、若しくは便座に座る人の動きを認識し、ここからトイレの間近の利用を結論付けることができる。これは、特に、臭気を即座に吸い取る、除去する、若しくは低減することができるようにするため、臭気を低減する機能を起動することができる。その場合、運動センサを、対応する領域がセンサによって検出できるようにトイレ装置に配置及び位置合わせすることができる。特に、運動センサを、そのセンサ検出領域が跳ね上げられたトイレ蓋によって覆われ得ないように、配置及び位置合わせすることができる。
【0025】
本発明の別の態様によれば、少なくとも空気ガイド、送風機及びイオナイザと、センサとが別々の、かつ空間的に分離されたユニットとして形成されている。換言すれば、トイレ装置を2つの別々の、かつ空間的に分離されたユニットのシステムとして実現することもでき、これらのユニットは機能的に協働することから、合わせて1つの装置とみなすことができる。このために、2つのユニットをデータ伝送及びないし又はエネルギー伝送するように互いに接続することができ、これは有線又は無線で実現することができる。いずれの場合も、これによって特に、センサを特に運動センサとして、もう1つのユニットから独立して配置することを可能にでき、それによりセンサの設計自由度が高まり、特にセンサ検出が有利にできるようになる。これによって、特に運動センサとしては、例えば便器の上方の運動センサのセンサ検出領域が、例えば跳ね上げられたトイレ蓋によって覆い隠され得ることを回避することができる。
【0026】
本発明の別の態様によれば、センサが圧力センサとして形成され、圧力センサは、トイレの便器縁とトイレの便座との間に配置されるように形成されている。換言すれば、このようにすることで利用者の体重による便座への荷重をセンサ検出することができ、それにより代替的又は追加的に、このようにすることでトイレの利用を認識することができる。圧力センサを力センサとみなすこともできる。場合によっては、圧力センサと便器縁及びないし又は便座との間に、例えばゴム要素などの弾性変形可能な要素を配置することができ、それにより便器縁と圧力センサとの間、及びないし又は、便座と圧力センサとの間に垂直方向の接触を作成し、それにより力若しくは圧力を効果的に伝達し、特に接触しない間隙を回避することができる。これにより、圧力センサが有利に若しくは確実に機能できるようになる。
【0027】
いずれの場合も、トイレの利用の認識は、人圧力センサに荷重をかけるためには人がすでに便座に座っていなければならないため、トイレの周囲若しくは便座の上方の領域に位置合わせされている運動センサによるよりも時間的に後に行うことができる。しかし、このようにすることで、運動センサの場合に起こり得るような、トイレの周りの、又はトイレ内部空間の上方の領域における人の動きを、そうではないのにトイレの利用として誤って認識するということがあり得ないため、トイレの利用を確実かつ直接認識することができる。
【0028】
本発明の別の態様によれば、トイレ装置は、送風機及びイオナイザの動作を少なくとも1つの予め定められた時点に、及びないし又は少なくとも1つの予め定められた期間の経過後に開始するように形成されている。このようにすることで、特にイオン化空気による洗浄の機能を時間制御して使用することができる。一方では、定期的な洗浄を確保するために、洗浄を予め定められた時点に自動的に行うことができる。追加的又は代替的に、トイレの利用後にいつも洗浄を行うこともでき、これは、トイレの利用の終了後の予め定められた期間後に自動的に行うことができる。トイレの利用終了は、上述したように、トイレの利用開始と同様にセンサにより認識することができる。運動センサを使用する場合、トイレの利用の終了は、人の不在によって認識できる。圧力センサを使用する場合、圧力センサの荷重の解除がトイレの利用の終了を示すことができる。これによって、いずれの場合もトイレを利用するたびに洗浄が自動的に行われることを確保することができる。
【0029】
本発明の別の態様によれば、トイレ装置は、送風機及びイオナイザの動作を予め定められた期間の経過後に終了するように形成されている。これによって、送風機及びイオナイザの動作を自動的に再び終了できることを確保することができる。予め定められた期間は、一方ではそれぞれの機能の相応の作用を確保するため、他方ではトイレ装置の動作継続時間と電力消費を可能な限り低く抑えるために、適切に選択することができる。
【0030】
本発明の別の態様によれば、トイレ装置は、少なくとも1つの操作要素を有し、操作要素は、人による操作要素の操作によって送風機及びイオナイザの動作を開始及び/又は終了できるように形成されている。これは、トイレ装置のそれぞれの機能若しくは両方の機能を自分で起動すること、及びないし又は停止する追加的又は代替的可能性を利用者としての人に提供することができる。このような制御要素は、押しボタン、トグルスイッチ、キーボード、タッチセンサ、又はそれに類するものとして形成され得る。
【0031】
本発明の別の態様によれば、トイレ装置は、好ましくは再充電可能及びないし又は取外し可能な電気エネルギー貯蔵器によって動作するように形成されている。このような電気エネルギー貯蔵器をバッテリとして実現することができ、これは特に、充電された状態でトイレ装置に設置することができ、放電された状態で、利用者によってトイレ装置から、特にフラップ又はそれに類するものを開くことによって取り外すことができる。このような電気エネルギー貯蔵器を再充電可能に形成することもでき、トイレ装置に固定配置することもでき、そこに、例えば充電ケーブルを接続することによって再び充電される。しかし、再充電可能な電気エネルギー貯蔵器を上述のバッテリと同様に、充電のためにトイレ装置から取り外し、続いて充電して再び設置することができる。
【0032】
本発明の別の態様によれば、トイレ装置は、イオナイザの動作のための高電圧を生成するように形成された少なくとも1つの高電圧発生器を有する。これによって、イオナイザを動作させるために必要な高電圧をトイレ装置自体の側で提供することができる。
【0033】
本発明の別の態様によれば、トイレ装置は、トイレに取外し可能に配置されるように形成されている。換言すると、トイレ装置は、上述したように、一体型又は多数個構成で、トイレ自体とは独立して製造及び組立てができる装置を形成し、続いて、装置若しくはシステムとして規定どおりにトイレに配置することができ、トイレから再び取り外すことができる。したがって、トイレ装置は、トイレ自体の部品ではない独立した装置をなす。このようにすることで、トイレ装置は、トイレに後付けすることができ、及びないし又は洗浄、修理、電気エネルギー貯蔵器の充電などのために破壊することなしに取り外すことができる。
【0034】
本発明の別の態様によれば、トイレ装置は、便座の隣にトイレ内部とは反対側に配置されるように形成されている。これにより、それぞれの機能若しくは両方の機能を規定どおりに、好ましくは可能な限り効果的に実行できるようにするために、トイレ装置をトイレの内部空間の近くに配置することが可能になる。このようにすることで、トイレ装置は、少なくとも部分的に、トイレの利用者としての人の視界から隠れた状態にもでき、それによりトイレ装置が見えても利用者の邪魔になることがあまりないか、又は全くないようにすることができる。
【0035】
本発明の別の態様によれば、空気ガイドは、少なくとも部分的に、トイレの便器縁とトイレの便座との間に配置されるように形成されている。このようにすることで、空気ガイドは、通常、便器の縁の上面と便座の下面との間に垂直方向に形成される隙間を水平方向に少なくとも部分的に通り抜けることができ、いずれにしても存在するこの隙間を利用することができる。これによって、空気ガイドをトイレの利用者から少なくとも部分的に視覚的に隠した状態にすることもできる。さらに、便座はトイレ装置の空気ガイドから自由な状態を保つことができ、人が便座に座る際に邪魔にならない。さらに、このようにすることで、空気ガイド若しくはその空気ガイド開口をトイレ内部空間の近くに、及びないし又はトイレ内部空間に向かって配置することができる。
【0036】
本発明の別の態様によれば、空気ガイドは、トイレの便器縁を越えてトイレのトイレ内部空間内に突出するように形成されている。これは、後からさらに詳しく説明されるように、水平方向と垂直方向の両方で行うことができる。これによって、いずれの場合も、空気ガイド若しくはその空気ガイド開口を、それぞれの機能若しくは両方の機能を可能な限り効果的に実行できるように、トイレ内部空間内まで通すことができる。
【0037】
本発明の別の態様によれば、空気ガイドの空気ガイド開口は、トイレのトイレ内部空間内へ少なくとも実質的に水平方向を指すように形成されている。これによって、それぞれの空気流は、可能な限り水平方向にトイレ空間の表面全体に作用することができ、それにより臭気がトイレ内部空間を上へ、及びないし又はトイレ縁を越えて出て行くことができるより前に、これを可能な限り完全に吸い取ることができる。同様に、トイレ空間内への空気流は、可能な限り均一にトイレ空間に到達することができ、特に水平方向からのイオン化空気は、可能な限り表面全体に、かつ均一にトイレ内部空間に沈み込み、これに到達するか若しくはこれを満たし、そのことが洗浄作用を向上させることができる。
【0038】
本発明の別の態様によれば、空気ガイドの空気ガイド開口は、トイレのトイレ内部空間内へ少なくとも実質的に垂直方向を指すように形成されている。これによって、内部から、若しくはトイレ内部空間の下方の領域から臭気を可能な限り吸い取るための空気流を生成することができ、このことが、そこに発生する、若しくは存在する臭気の吸い取りを容易にできるようにする。トイレ内部空間を、トイレ内部空間内に向いた空気流のイオン化空気で下から満たすこともでき、そのことが洗浄作用を向上させることができる。
【0039】
本発明の別の態様によれば、トイレ装置は、トイレの便器縁にトイレ装置を少なくとも形状結合的に保持するように形成された少なくとも1つの取付具を有する。このことは、便器縁へのトイレ装置の簡単な、特に取外し可能な組付けを可能にすることができる。これは、例えば、便器縁を部分的に掴む、若しくは後方から係合することができる少なくとも1つのフック状に形成された取付具を介して行うことができる。これによって、少なくとも1つの形状結合的な保持と、場合によっては追加的に、相応に寸法設定されている場合、トイレの便器縁へのトイレ装置の力結合的な保持を達成することができ、追加的な力結合的保持は、便器縁に沿ってトイレ装置が移動することを防ぐか、又は少なくとも困難にすることができる。いずれの場合も、取付具は、後からさらに詳しく説明されるように、空気ガイドに加えて別個の要素として形成することができるか、又は取付具は、空気ガイド自体によって形成することができる。
【0040】
本発明の別の態様によれば、取付具は空気ガイドによって形成される。このために、空気ガイドを特にフックのように形成することができ、特に部分的に便器縁の上面と便座の下面との間に水平方向に沿って通すことができ、その場合、空気ガイドの空気ガイド開口が便器の内部空間、すなわちトイレ内部空間内に垂直方向を指すことができる。これによって、取付具の機能と、それぞれの空気流若しくは両方の空気流を導く機能の両方を空気ガイドが担うことができ、それによりトイレ装置の部品点数を少なく抑えることができる。これは、トイレ装置の製造コスト、組立てコスト、重量及びないし又は設置スペースを削減する効果をもたらすことができる。
【0041】
本発明の別の態様によれば、空気ガイドは交換可能に形成される。換言すれば、空気ガイドは、同じ空気ガイドと交換するために、トイレ設備の他の部品、特にトイレ装置のハウジングから破壊することなしに取り外すことができる。これにより、例えば損傷や汚れが発生した場合、又は衛生上の理由から定期的に空気ガイドの交換を可能にすることができる。このようにすることで、上述したように様々に形成することができる異なった空気ガイドをトイレ装置に使用することもできる。これによって、適切な空気ガイドを選択することにより、トイレ装置をそれぞれのトイレに適合させることができる。
【0042】
本発明の別の態様によれば、トイレ装置は、それぞれの空気流、好ましくは装置内部空間に芳香剤を付与するように形成された少なくとも1つの香り発生器を有する。このような空気発生器(Lufterzeuger)は、特に送風機の空気流によって到達することができる、特に液体、ペースト状、又は固体の形態の相応の芳香剤の、特にトイレ装置内の貯蔵器若しくは貯蔵空間であり得る。これによって、トイレの周囲に芳香剤を散布するために、芳香剤の香り粒子をそれぞれの空気流によってそれぞれの流れ方向に運ぶことができる。これを特に臭気低減機能と組み合わせることができ、それにより、トイレの周囲空気を心地よい香りにし、これにより特に残っている不快な臭気を包み込むことができる。
【0043】
本発明は、上述のような少なくとも1つのトイレ装置を備えたトイレにも関する。このようなトイレは、本発明によるトイレ装置を固定かつ一体化した部品として有することができるか、又は本発明によるトイレ装置を破壊することなしに取外し可能に備えることもできる。いずれの場合も、本発明によるトイレ装置の上述の特性及び利点は、このようにしてトイレに適用及び利用することができる。
【0044】
以下に、本発明の3つの実施例及び他の利点について、以下の図と関連付けて単に概略的に示し、かつ詳しく説明する。ここで:
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】第1の実施例による本発明によるトイレ装置の概略斜視図を示す。
【
図2】ハウジングの一部の内部が見える
図1の図である。
【
図3】開いたハウジングを反対側から見た
図1の図を示す。
【
図4】第2の実施例による本発明によるトイレ装置の概略斜視図を示す。
【
図5】
図1~
図3の第1の実施例による本発明によるトイレ装置を備えた本発明によるトイレの概略斜視図を示す。
【
図6】第3の実施例による本発明によるトイレ装置を備えた本発明によるトイレの概略斜視図を示す。
【
図7】
図4の第2の実施例による本発明によるトイレ装置を備えた本発明によるトイレの概略斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
上記の図はデカルト座標で見ることとする。奥行きX又は長さXと呼ぶこともできる縦方向Xが延びる。幅Yと呼ぶこともできる横方向Yは、縦方向Xに対して垂直に延びる。高さZと呼ぶこともできる、重力の方向に相当する垂直方向Zは、縦方向Xと横方向Yの両方に対して垂直に延びる。縦方向横方向Yは一緒に、水平面X、Yと呼ぶこともできる水平線X、Yを形成する。
【0047】
図1は、第1の実施例による本発明によるトイレ装置1の概略斜視図を示す。
図2は、ハウジング10の一部の内部が見える
図1の図を示す。
図3は、開いたハウジング10を反対側から見た
図1の図を示す。
【0048】
本発明によるトイレ装置1はハウジング10を有し、導管11と呼ぶこともできる空気ガイド11が水平線X、Y上でハウジングから離れる方向に直線的に延びる。空気ガイド11は、水平方向Zに比較的フラットに形成された矩形の横断面を有する。空気ガイド11は、トイレ装置1を様々なタイプ又は形式のトイレ2に適合させることができるように、あるいは必要に応じて空気ガイド11を新品と取り替えることができるようにするために交換可能であり得る。空気ガイド11は、ハウジング10とは反対側の空気ガイド開口11aで終わっている。空気ガイド11は、空気ガイド開口11aとは反対側で、トイレ装置1の機械的、電気的及び電子的部品が配置されたハウジング10の内部の装置内部空間14で終わっている。
【0049】
ハウジング10はさらに、空気入口18若しくは空気出口18を介して周囲に接続され、空気入口/空気出口18は、ハウジング10の上面にわたって、かつ2つの側面の約半分にわたって平らに延びる。空気入口/空気出口18は、活性炭フィルタ17の形態の交換可能なフィルタ17を有し、それを通して周囲と装置内部空間14との間で両流れ方向に空気を交換することができる。代替的又は追加的に、空気出口18は、イオン化空気を中和するための中和装置を有することもでき、これは、好ましくは触媒として、特に好ましくはオゾン触媒として実現することができる。
【0050】
ハウジング10には、さらに、空気ガイド開口11aの方を向いて、運動センサ19aの形態のセンサ19aが配置され、ハウジング10の側方には、押しボタン19bの形態の操作要素19bが配置されている、特に
図1及び
図3を参照。
【0051】
装置内部空間14には、ベンチレータ13の形態の送風機13が配置され、これは回転方向に応じて、空気を空気ガイド開口11aを介して空気ガイド11を通して装置内部空間14に送る若しくは吸引することができる空気流Aを生成することができる。そこから、空気は、貯蔵内部空間14内が相応に正圧であることによって空気入口/空気出口18を介して活性炭フィルタ17を通って、あるいは中和装置、触媒若しくはオゾン触媒を通ってトイレ装置1の周囲に出て行くことができる。送風機13が逆方向に回転すると空気流Bを生成することができ、この空気流は装置内部空間14からの空気を空気ガイド11を通して空気ガイド開口11aを介して吐出することができる。貯蔵内部空間14内が相応に負圧であることによって、空気をトイレ装置1の周囲から空気入口/空気出口18を介して活性炭フィルタ17を通して装置内部空間14に吸い込むことができる。したがって、送風機13の動作に応じて、若しくは回転方向に応じてトイレ装置1を吸引方向に通り抜ける空気流A、又はトイレ装置1を吐出方向に通り抜ける空気流Bを生成することができる。
【0052】
装置内部空間14には、さらに高電圧発生器16によって電力を供給できるイオナイザ15が配置されている。イオナイザ15は、装置内部空間14内にある空気から高電圧によってイオン化空気若しくはイオン化空気のラジカルを形成することができ、これらは化学分解プロセスを引き起こすことができる。イオン化空気若しくはイオン化空気のラジカルは、後からさらに詳しく説明されるように、臭気を除去するため、及びないし又は消毒のために利用することができる。イオナイザ15としてオゾン発生器15を用いることができ、オゾンをイオン化空気又はイオン化空気のラジカルとして生成することができる。これは、イオナイザ15の1つの可能性を示し得る。
【0053】
高電圧発生器16は回路基板(図示せず)上に配置され、回路基板は制御ユニット12も有し、制御ユニットは、トイレ装置1若しくはその電気的及び電子的コンポーネントを動作させることができる。これらに属するのは、送風機13、イオナイザ15、高電圧発生器16、及びセンサ19aと操作要素19bである。制御ユニット12及び電気的電子的コンポーネントの電力供給は、組み込まれた蓄電池12aの形態の再充電可能な電気エネルギー貯蔵器12aによって行われる。
【0054】
図4は、第2の実施例による本発明によるトイレ装置1の概略斜視図を示す。
図4の第2の実施例によるトイレ装置1は、この場合、空気ガイド11がフック状に形成され、これによって取付具11bを形成するという点で
図1~
図3の第1の実施例のトイレ装置1とは異なる。この場合、空気ガイド開口11aは垂直方向Zに下向きになる。その一方で、空気ガイド11の領域には垂直方向Zで空気ガイド11の下方に、かつ下に向けて配置された圧力センサ(図示せず)が使用され、それにより空気ガイド11が便座23によって便器縁21に押し付けられ、これを圧力若しくは力として圧力センサによってセンサ検出することができる。これは、第1実施例のトイレ装置1の運動センサ19aに関して上述した反応を引き起こすことができる。
【0055】
図5は、
図1~
図3の第1の実施例による本発明によるトイレ装置1を備えた本発明によるトイレ2の概略斜視図を示す。
【0056】
トイレ2は、床4の上方に垂直方向Zに自由に吊り下がるように壁3に固定的に取り付けられる衛生装置を表す。トイレ2は、大便器20と呼ぶこともできる便器縁20を有する。便器20内には、水洗(図示せず)によって水で洗い流すことができる便器内部空間22が形成される。水洗の水は、排水管(図示せず)を介して壁3を通り抜けて下水道網に排出することができる。トイレ2は、利用者である人によって、特に便や尿などの身体の排泄物を放出するために使用することができ、これらを水洗の水で排出することができる。このために、利用者は、便器縁21の上方に折り畳み可能に配置された便座23の上に垂直方向Zに上から座ることができる。
【0057】
第1の実施例による本発明によるトイレ装置1は、規定どおりに使用した場合に壁3と便座23との間に配置され、便器縁21の上面と便座23の下面との間に空気ガイド11が延び、空気ガイド開口11aが便器縁21と便座23を越えて水平方向にトイレ内部空間22内に延びるようになっている。運動センサ19aは、トイレの内部空間22の上方の領域に向けられている。
【0058】
トイレ2の利用者である人が便座23に座ると、このことが運動センサ19aによりセンサ検出され、制御ユニット12に伝送される。これによって、制御ユニット12は、利用者によるトイレ2の利用の開始を認識し、トイレ装置1に第1の機能を実行させることができる。この場合、送風機13は、空気流Aを生成する回転方向に制御ユニット12により制御される。このようにすることで、トイレ2を利用した場合に利用者によって発生する可能性のある臭気を送風機13の空気流Aによってトイレ内部空間22から空気ガイド開口11aを介して空気ガイド11を通して装置内部空間14に吸い込むことができる。そこで、イオナイザ15のイオン化空気が空気流Aと混ざり合うことができ、それにより臭気がイオン化空気によって低減され、場合によっては完全に除去することができる。次いで、処理された空気は、活性炭フィルタ17を通って空気出口18を介して周囲に達することができ、活性炭フィルタ17は、残る臭気を低減し、場合によっては完全に除去することができる。これによって、トイレ2の周囲空気を可能な限り完全に無臭に保つことができる。追加的又は代替的に触媒が空気出口18に設けられる場合、周囲をイオン化空気なしに保つために、出て行く空気から余分なイオン化空気を除去することができる。場合によって装置内部14に設けられる香り発生器(図示せず)は、周囲に放出される空気に追加的に香りを添加することができ、それによりトイレ2の周囲空気に心地よい香りを的確に提供することができる。
【0059】
次に運動センサ19aによりトイレ2の利用者の不在状態が認識された場合、制御ユニット12は、これに反応して、利用者によるトイレ2の利用が終了したと認識できるため、送風機13及びイオナイザ15の動作を終わらせることができる。あるいは、制御ユニット12は、これに反応して、送風機13及びイオナイザ15の動作を終了する前に、予め定められた期間にわたってトイレ装置1の臭気低減機能をなお利用し、これによって臭気を大幅に低減するために、この期間の間待つこともできる。これにより、強い臭気であっても、不快臭を可能な限り完全に除去することができる。いずれの場合も、これによってトイレ装置1の側で自動的に臭気低減機能を実行し、終了もすることができる。
【0060】
この理由から、利用者は場合によっては、追加的に周防作用素19bを操作し、これによってトイレ装置1の臭気低減機能をオン及びオフするか、あるいはオンにし、かつこれによって同時に、予め定められた期間の後に自動的に終了させることができる。これによって、トイレ装置1の臭気低減機能を利用者側でも起動及び終了することができる。
【0061】
追加的に、制御ユニットの側で送風機13の回転方向を逆にしてトイレ装置1を動作させることができ、それにより空気流Bを生成することができる。これによって、イオナイザ15のイオン化空気が送風機13によって空気ガイド11を通って空気ガイド開口11aを介してトイレ内部空間12に吹き込まれることにより、トイレ装置1の洗浄機能を実行することができる。したがって、イオン化空気を含む空気流Bは、トイレ内部空間22の表面に到達して消毒することができる。
【0062】
例えば、トイレ装置1の臭気低減機能が実行されて完了した後に毎回、制御ユニット12によって自動的にトイレ装置1の洗浄機能を実行することができる。これは、便器2を利用するたびにトイレ内部空間22の自動洗浄を可能にすることができる。追加的又は代替的に、利用者によるトイレ2の利用とは無関係に、トイレ内部空間22の自動洗浄を実行するため、及びそれによりトイレ2を洗浄された、若しくは消毒された状態に保つために、トイレ装置1の洗浄機能を制御ユニット12の側で、規則的な時間間隔で、及びないし又は、繰り返す時点に自動的に実行することができる。追加的又は代替的に、必要な場合に利用者によって操作要素19bを操作することによってトイレ装置1の洗浄機能を起動させることもできる。いずれの場合も、トイレ装置1の洗浄機能を実行するための送風機13及びイオナイザ15の作動は、トイレ内部空間22の成功裏の洗浄を可能にできるための予め定められた期間継続することができる。
【0063】
図6は、第3の例示的な実施形態による本発明によるトイレ装置1を備えた本発明によるトイレ2の概略斜視図を示す。第3の実施例によるトイレ装置1は、この場合、トイレ装置1が、空間的に互いに分離して配置された2つの別々のユニットによって形成されるという点で、
図1~
図3及び
図5の第1の実施例によるトイレ装置1とは異なる。この場合、運動センサ19aは、別個のハウジング(図示せず)内に収容され、トイレ装置1の残りの部分の上方に、かつ横方向Yで側方に離間して壁3に配置されている。それによりトイレ蓋(図示せず)を有するトイレ2であっても便座23の上方の領域を、上述したように妨げられずに、若しくは覆い隠されずに光学的に検出することができるようになっている。これによって、上述したように、第1実施例によるトイレ装置1を、トイレ蓋を有するトイレ2の場合も上述のように使用することができる。
【0064】
図7は、
図4の第2の実施例による本発明によるトイレ装置1を備えた本発明によるトイレ2の概略斜視図を示す。この場合、トイレ装置1は、フック状の取付具11bが垂直方向Zで上から便器縁21の上に掛着されていることにより、便器縁21の側方に配置されている。これによって、トイレ装置1は、便器縁21に形状結合的に保持される。この場合、空気ガイド11も同様に、便器縁21の上面と便座23の下面との間に延びる。その場合、空気ガイド開口11aは、垂直方向Zで下向きにトイレ内部空間22内に延び、それにより臭気をそこから吸い出すことができ、及びないし又はイオン化空気をそこに吹き込むことができる。
【符号の説明】
【0065】
符号の説明(明細書の一部)
A 空気ガイド11への空気流
B 空気ガイド11からの空気流
X 縦方向;奥行き;長さ
Y 横方向;幅
Z 垂直方向;高さ
X、Y 水平線;水平面
1 トイレ装置
10 ハウジング
11 空気ガイド;導管
11a 空気ガイド開口
11b 取付具
12 制御ユニット
12a 再充電可能な電気エネルギー貯蔵器;蓄電池
13 送風機;ベンチレータ
14 装置内部空間
15 イオナイザ;オゾン発生器
16 高電圧発生器
17 フィルタ;活性炭フィルタ
18 空気入口/出口
19a センサ;運動センサ
19b 操作要素;押しボタン
2 トイレ
20 便器;大便器
21 便器縁
22 トイレ内部空間
23 便座
3 壁
4 床
【国際調査報告】