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特表2024-502374ノイズ低減イヤーパッド、ノイズ低減イヤーマフ及びヘッドマウントノイズ低減イヤホン
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  • 特表-ノイズ低減イヤーパッド、ノイズ低減イヤーマフ及びヘッドマウントノイズ低減イヤホン 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-18
(54)【発明の名称】ノイズ低減イヤーパッド、ノイズ低減イヤーマフ及びヘッドマウントノイズ低減イヤホン
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/10 20060101AFI20240111BHJP
【FI】
H04R1/10 102
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541880
(86)(22)【出願日】2021-05-18
(85)【翻訳文提出日】2023-07-11
(86)【国際出願番号】 CN2021094424
(87)【国際公開番号】W WO2022241651
(87)【国際公開日】2022-11-24
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】316010757
【氏名又は名称】深▲せん▼市冠旭電子股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】ユ,シン
(72)【発明者】
【氏名】ゴン,ウェイヨン
(72)【発明者】
【氏名】ウ,ハイクアン
【テーマコード(参考)】
5D005
【Fターム(参考)】
5D005BC02
5D005BC03
(57)【要約】
ノイズ低減イヤーパッド(100)、ノイズ低減イヤーマフ及びヘッドマウントノイズ低減イヤホンであって、ノイズ低減イヤーパッド(100)は、イヤーパッド本体(110)とイヤーパッドカバー(120)とを含み、イヤーパッド本体(110)は、空隙の多いフレキシブル材料又は発泡フレキシブル材料で製造され、環状を呈し、且つ接続面(201)に接続され、イヤーパッド本体(110)が接続面(201)と共に開口キャビティ構造を呈するシール防音空間(101)を形成し、イヤーパッドカバー(120)は、少なくともイヤーパッド本体(110)の露出した外面を被覆し、且つ布地で製造された布カバー(121)と、布カバー(121)のイヤーパッド本体(110)に向かう側面に付着し、且つ軟質ゴムで製造されたシール防音フィルム(122)とを含み、シール防音フィルム(122)の敷設領域は、イヤーパッド本体(110)のシール防音空間(101)に背向する外面に対応する。ノイズ低減イヤーパッド(100)は、組み立て過程において1つの組み立てステップのみを必要とし、ノイズ低減イヤーパッド(100)の組み立てステップを減少させ、ノイズ低減イヤーパッド(100)の組み立て効率を向上させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イヤーパッドホルダーの接続面に接続され、空隙の多いフレキシブル材料又は発泡フレキシブル材料で製造されて環状を呈し且つ接続面に接続されるイヤーパッド本体を含み、前記イヤーパッド本体が前記接続面と共に開口キャビティ構造を呈するシール防音空間を形成するノイズ低減イヤーパッドであって、前記ノイズ低減イヤーパッドは、イヤーパッドカバーをさらに含み、前記イヤーパッドカバーは、少なくとも前記イヤーパッド本体の露出した外面を被覆し、布地で製造された布カバーと、前記布カバーの前記イヤーパッド本体に向かう側面に付着され、軟質ゴムで製造されたシール防音フィルムと、を含み、前記シール防音フィルムの敷設領域は、前記イヤーパッド本体の前記シール防音空間に背向する外面に対応することを特徴とするノイズ低減イヤーパッド。
【請求項2】
前記シール防音フィルムの敷設領域は、前記イヤーパッド本体の前記接続面に背向する外面にも対応し、
または、前記シール防音フィルムの敷設領域は、前記布カバーの内側面に対応し、前記シール防音フィルムは、前記シール防音空間に対向するとともに前記接続面に対向する敷設領域に、貫通して設けられる少なくとも一つの気孔が開設されることを特徴とする請求項1に記載のノイズ低減イヤーパッド。
【請求項3】
前記シール防音フィルムの厚さが0.005-0.1mmであることを特徴とする請求項1に記載のノイズ低減イヤーパッド。
【請求項4】
前記シール防音フィルムの前記イヤーパッド本体から離れる側面は、前記布カバー内に位置する介在層を有することを特徴とする請求項1に記載のノイズ低減イヤーパッド。
【請求項5】
前記布カバーは、前記イヤーパッド本体を被覆することを特徴とする請求項1に記載のノイズ低減イヤーパッド。
【請求項6】
イヤーパッドホルダーの接続面に接続され、空隙の多いフレキシブル材料又は発泡フレキシブル材料で製造されて環状を呈し且つ接続面に接続されるイヤーパッド本体を含み、前記イヤーパッド本体が前記接続面と共に開口キャビティ構造を呈するシール防音空間を形成するノイズ低減イヤーパッドであって、前記ノイズ低減イヤーパッドは、イヤーパッドカバーをさらに含み、前記イヤーパッドカバーは、少なくとも前記イヤーパッド本体の露出した外面を被覆し且つ布地で製造された布カバーと、前記布カバー内に設けられ且つ軟質ゴムで製造されたシール防音フィルムとを含み、前記シール防音フィルムの敷設領域は、前記イヤーパッド本体の前記シール防音空間に背向する外面に対応することを特徴とするノイズ低減イヤーパッド。
【請求項7】
前記シール防音フィルムの敷設領域は、前記イヤーパッド本体の前記接続面に背向する外面にも対応し、
または、前記シール防音フィルムの敷設領域は、前記布カバーの内側面に対応し、前記シール防音フィルムは、前記シール防音空間に対向するとともに前記接続面に対向する敷設領域に、貫通して設けられる少なくとも一つの気孔が開設されることを特徴とする請求項6に記載のノイズ低減イヤーパッド。
【請求項8】
前記シール防音フィルムの厚さが0.005-0.1mmであることを特徴とする請求項6に記載のノイズ低減イヤーパッド。
【請求項9】
請求項1-8のいずれか1項に記載のノイズ低減イヤーパッドを備えるノイズ低減イヤーマフ。
【請求項10】
請求項1-8のいずれか1項に記載のノイズ低減イヤーパッドを備えることを特徴とするヘッドマウントノイズ低減イヤホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、イヤホン技術分野に関し、より具体的には、ノイズ低減イヤーパッド、ノイズ低減イヤーマフ及びヘッドマウントノイズ低減イヤホンに関する。
【背景技術】
【0002】
ノイズ低減イヤーパッドは、取付材の接続面に接続され、複数の空隙又は複数の細孔を有するフレキシブル材料で製造された環状のイヤーパッド本体と、イヤーパッド本体を被覆する布カバーと、イヤーパッド本体と布カバーとの間に設けられた防音カバーとを含み、イヤーパッド本体が接続面と共に開口キャビティ構造を有するシール防音空間を形成し、布カバーは、ノイズ低減イヤーパッドが人体の皮膚に接触する際の快適性を向上させるように布地で製造され、防音カバーは、外部の音が布カバー及びイヤーパッド本体を介してシール空間に入ることを低減するために用いられ、皮材又は軟質ゴムで製造され、イヤーパッド本体、布カバー及び防音カバーは、いずれも互いに独立した部品であり、組み立て過程において、布カバー及び防音カバーは、それぞれ独立した組み立てステップを必要とし、即ち、ノイズ低減イヤーパッドの組み立ては、2つの組み立てステップを経る必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願の実施例の目的の1つは、ノイズ低減イヤーパッドの組み立てステップを減少させ、ノイズ低減イヤーパッドの組み立て効率を向上させるノイズ低減イヤーパッド、ノイズ低減イヤーマフ及びヘッドマウントノイズ低減イヤホンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の技術的問題を解決するために、本願の実施例に用いられる技術案は以下の通りである。
【0005】
イヤーパッドホルダーの接続面に接続され、空隙の多いフレキシブル材料又は発泡フレキシブル材料で製造されて環状を呈し且つ接続面に接続されるイヤーパッド本体を含み、イヤーパッド本体が前記接続面と共に開口キャビティ構造を呈するシール防音空間を形成するノイズ低減イヤーパッドであって、前記ノイズ低減イヤーパッドは、イヤーパッドカバーをさらに含み、前記イヤーパッドカバーは、少なくとも前記イヤーパッド本体の露出した外面を被覆し、布地で製造される布カバーと、前記布カバーの前記イヤーパッド本体に向かう側面に付着され、軟質ゴムで製造されるシール防音フィルムと、を含み、前記シール防音フィルムの敷設領域は、前記イヤーパッド本体の前記シール防音空間に背向する外面に対応する、ノイズ低減イヤーパッド。
【0006】
好ましくは、前記シール防音フィルムの敷設領域は、さらに前記イヤーパッド本体の前記接続面に背向する外面に対応し、
または、前記シール防音フィルムの敷設領域は、前記布カバーの内側面に対応し、前記シール防音フィルムは、前記シール防音空間に対向するとともに前記接続面に対向する敷設領域に、貫通して設けられる少なくとも一つの気孔が開設される。
【0007】
好ましくは、前記シール防音フィルムの厚さは0.005-0.1mmである。
【0008】
好ましくは、前記シール防音フィルムの前記イヤーパッド本体から離れる側面は、前記布カバー内に位置する介在層を有する。
【0009】
好ましくは、前記布カバーは、前記イヤーパッド本体を被覆する。
【0010】
本願は、イヤーパッドホルダーの接続面に接続され、空隙の多いフレキシブル材料又は発泡フレキシブル材料で製造されて環状を呈し且つ接続面に接続されるイヤーパッド本体を含み、イヤーパッド本体が前記接続面と共に開口キャビティ構造を呈するシール防音空間を形成するノイズ低減イヤーパッドであって、前記ノイズ低減イヤーパッドは、イヤーパッドカバーをさらに含み、前記イヤーパッドカバーは、少なくとも前記イヤーパッド本体の露出した外面を被覆し、且つ布地で製造される布カバーと、前記布カバー内に設けられ、軟質ゴムで製造されるシール防音フィルムと、を含み、前記シール防音フィルムの敷設領域は、前記イヤーパッド本体の前記シール防音空間に背向する外面に対応するノイズ低減イヤーパッドをさらに提供する。
【0011】
好ましくは、前記シール防音フィルムの敷設領域は、さらに前記イヤーパッド本体の前記接続面に背向する外面に対応し、
または、前記シール防音フィルムの敷設領域は、前記布カバーの内側面に対応し、前記シール防音フィルムは、前記シール防音空間に対向するとともに前記接続面に対向する敷設領域に、貫通して設けられる少なくとも一つの気孔が開設される。
【0012】
好ましくは、前記シール防音フィルムの厚さは0.005-0.1mmである。
【0013】
本願は、上記のノイズ低減イヤーパッドを備えるノイズ低減イヤーマフをさらに提供する。
【0014】
本願は、上記のノイズ低減イヤーパッドを備えるヘッドマウントノイズ低減イヤホンをさらに提供する。
【発明の効果】
【0015】
本願の実施例の有益な効果は、組み立て過程において、イヤーパッドカバーをイヤーパッド本体に組み立てた後、ノイズ低減イヤーパッドの組み立てを完成し、つまり、1つの組み立てステップだけでノイズ低減イヤーパッドの組み立てを完成することができ、従来技術に比べて、ノイズ低減イヤーパッドの組み立てステップを減少させ、ノイズ低減イヤーパッドの組み立て効率を向上させ、従来技術に比べて、材料を減少させ、ノイズ低減イヤーパッドの製造コストを低減させることができる。
【0016】
また、布カバーの布地は極細繊維、編布などであってもよいため、布カバーには選択材料、編みプロセス、製造制御などの差異が存在し、同じロットで製造が完成する同一布類又は異なる布類によって形成された孔の大きさ、疎密度、厚さが異なるなどの特性があり、また、異なる時間に生産されたロット布類の上記特性の差異がより大きく、それにより、布カバーによって形成されたシール防音空間のシール性の差異が大きく、アクティブノイズ低減フィルタ及びアルゴリズムにマッチングできず、作成されたノイズ低減イヤーパッドの効果の差異が大きく、ノイズ低減イヤーパッドのヘッドマウントノイズ低減イヤホンへの応用が制限されるが、本願によれば、シール防音フィルムはシール防音空間の空気圧の各種の相対状態を安定に保持し、シール防音空間内の周波数応答曲線を滑らかにし、変動範囲が小さく、一致性が高く、デバッグノイズ低減機能がより効率的であり、時間が短く、効果がより良くなり、且つ布カバーの選択材料の範囲が任意の布類に拡大し、多様化と個性化のニーズをより良く満たし、ノイズ低減イヤーパッド、ノイズ低減イヤーマフ及びヘッドマウントノイズ低減イヤホンの技術分野の発展を促進することができる。
【0017】
本願の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下、実施例又は例示的な技術の説明に使用する必要がある図面を簡単に説明し、明らかに、以下の説明における図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な労働をせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は本願の実施例1が提供するノイズ低減イヤーパッドの斜視図である。
図2図2は本願の実施例1が提供するノイズ低減イヤーパッドの斜視断面図である。
図3図3図2におけるAの拡大構成概略図。
図4図4は本願の実施例1が提供するノイズ低減イヤーパッドの分解図である。
【符号の説明】
【0019】
100:ノイズ低減イヤーパッド
101:シール防音空間
110:イヤパッド本体
120:イヤーパッドカバー
121:布カバー
122:シール防音フィルム
123:布フィルム混合層
200:イヤーパッドホルダー
201:接続面
【発明を実施するための形態】
【0020】
本願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、図面及び実施例を参照しながら本願をさらに詳細に説明する。なお、ここで説明される具体的な実施例は、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するものではない。
【実施例1】
【0021】
図1-図4を参照すると、本願の実施例はノイズ低減イヤーパッド100を提供する。
【0022】
該ノイズ低減イヤーパッド100はイヤーパッドホルダー200の接続面201に接続され、ノイズ低減イヤーパッド100がノイズ防止イヤーマフに適用される場合、イヤーパッドホルダー200はノイズ防止イヤーマフの接続フレームであり、ノイズ低減イヤーパッド100がヘッドマウントノイズ低減イヤホンに用いられる場合、イヤーパッドホルダー200はヘッドマウントノイズ低減イヤホンのスピーカーカバーである。
【0023】
ノイズ低減イヤーパッド100は、イヤーパッド本体110と、イヤーパッドカバー120とを備える。
【0024】
イヤーパッド本体110は、空隙の多いフレキシブル材料又は発泡フレキシブル材料からなり、環状を呈し、且つ接続面に接続され、空隙の多いフレキシブル材料は、綿、繊維糸等を含むがこれらに限定されず、積み重ねて形成された、圧力により変形する積み重ね材料であり、発泡フレキシブル材料は、スポンジ等を含むがこれらに限定されず、開口型であってもよく、非閉孔型であってもよい。イヤーパッド本体110は、接続面201と共に、開口キャビティ構造を呈するシール防音空間101を形成し、イヤーパッド本体110は、ノイズ低減イヤーパッド100全体を固定的に造形する役割を果たし、即ち、イヤーパッド本体110の造形は、ノイズ低減イヤーパッド100の造形にほぼ相当し、使用過程において、イヤーパッド本体110は、ノイズ低減イヤーパッド100が人体の頭部に当接する時に、人体の頭部と適応的に圧縮変形する。イヤーパッドカバー120は、少なくともイヤーパッド本体110の露出した外面を被覆し、布からなる布カバー121と、布カバー121のイヤーパッド本体110に向かう側面に付着され、軟質ゴムからなるシール防音フィルム122とを含み、シール防音フィルム122の敷設領域は、シール防音空間101に背向するイヤーパッド本体110の外面に対応する。
【0025】
使用過程において、まず、イヤーパッド本体110が空隙の多いフレキシブル材料又は発泡フレキシブル材料で製造され、布カバー121が布地で製造され、シール防音フィルム122が軟質ゴムで製造されるため、ノイズ低減イヤーパッド100が人体頭部に当接し、ノイズ低減イヤーパッド100の人体頭部と接触する部分が適応的に変形し、シール防音空間101を外部空間から隔離し、密閉空間を形成し、次に、ノイズ低減イヤーパッド100がイヤーパッドカバー120を介して人体頭部に接触し、布地が糸で製織され、糸と糸との間にマイクロ隙間が存在して良好な通気性を有するため、この構造に基づいて、使用者は使用時に良好な快適性を有し、最後に、ノイズ低減イヤーパッド100が人体頭部に当接した後、イヤーパッド本体110のシール防音空間101と背向する外面だけで音がシール防音空間101に伝播することを許容するため、シール防音フィルム122の敷設領域がイヤーパッド本体110のシール防音空間101と背向する外面に対応するだけで、音がイヤーパッド本体110のシール防音空間101と背向する外面を介してシール防音空間101内に伝播することを制限し、ノイズ低減イヤーパッド100のノイズ低減作用を実現する。
【0026】
この構造設計に基づいて、組み立て過程において、イヤーパッドカバー120をイヤーパッド本体110に組み立てた後、ノイズ低減イヤーパッド100の組み立てが完了し、つまり、1つの組み立てステップだけでノイズ低減イヤーパッド100の組み立てが完了し、従来技術に比べて、ノイズ低減イヤーパッド100の組み立てステップが減少し、ノイズ低減イヤーパッド100の組み立て効率が向上する。
【0027】
また、布カバー121の布地は極細繊維、編布などであってもよいため、布カバー121には選択材料、編みプロセス、製造制御などの差異が存在し、同じロットで製造が完了する同一布類又は異なる布類によって形成された孔の大きさ、疎密度、厚さが異なるなどの特性があり、また、異なる時間に生産されたロット布類の上記特性の差異がより大きく、それにより、布カバー121によって形成されたシール防音空間101の密封性の差異が大きく、アクティブノイズ低減フィルタ及びアルゴリズムにマッチングできず、作成されたノイズ低減イヤーパッド100の効果の差異が大きく、ノイズ低減イヤーパッド100のヘッドマウントノイズ低減イヤホンへの応用が制限されるが、本願によれば、シール防音フィルム122はシール防音空間101の空気圧の各種の相対状態を安定に保持し、シール防音空間101内の周波数応答曲線を滑らかにし、変動範囲が小さく、一致性が高く、デバッグノイズ低減機能がより効率的であり、時間が短く、効果がよく、且つ布カバー121の選択材料の範囲が任意の布類に拡大し、多様化と個性化のニーズをよりよく満たし、ノイズ低減イヤーパッド100、ノイズ低減イヤーマフ及びヘッドマウントノイズ低減イヤホンの技術分野の発展を促進する。
【0028】
なお、ノイズ低減イヤーパッド100をヘッドマウントノイズ低減イヤホンに適用する場合、シール防音フィルム122の敷設領域は、音がシール防音空間101からイヤーパッド本体110に伝達されることを制限しないため、イヤーパッド本体110が占める空間は、ヘッドマウントノイズ低減イヤホンが音を再生する際の音場空間にもなり、ヘッドマウントノイズ低減イヤホンのステレオ効果の向上に有利である。
【0029】
なお、従来のノイズ低減イヤーパッド100において、イヤーパッド本体110、布カバー121及び防音カバーはいずれも互いに独立した部材であり、使用過程において、防音カバーに裂け目が発生し、防音カバーの材料特性に基づいて、裂け目の両側に位置ずれが発生しやすく、裂け目の長さを迅速に拡大させ、裂け目の長さが大きすぎると、防音カバーに大きな漏れ音口を形成させ、漏れ音口が音の伝播を許容し、防音カバーの防音効果を低下させる。防音カバーを使用中に割れにくくするために、防音カバーが防音作用を実現したキャビティにおいて、防音カバーの厚さを増加させる必要があり、防音カバーの厚さは、通常、布カバー121の厚さよりも大きく、これは、使用材料が増加し、さらに、ノイズ低減イヤーパッド100の製造コストが増加することをもたらす。
【0030】
本願の実施例において、シール防音フィルム122に裂け目が発生したとしても、シール防音フィルム122が布カバー121のイヤーパッド本体110に向かう側面に付着し、シール防音フィルム122の裂け目の両側が布カバー121の制限で位置ずれすることがなく、且つ布カバー121もシール防音フィルム122の裂け目の長さの拡大を制限し、シール防音フィルム122に音漏れ口が形成されないため、本願の構造設計に基づいて、シール防音フィルム122が防音作用を実現したキャビティにおいて、シール防音フィルム122の厚さを増加させる必要がなく、シール防音フィルム122の厚さが布カバー121の厚さよりも小さくなり、従来技術に比べて、使用材料を減少させ、ノイズ低減イヤーパッド100の製造コストを低減させる。
【0031】
具体的には、本願の実施例において、シール防音フィルム122の厚さは0.005-0.1mmである。
【0032】
図2-図4を参照すると、本願の実施例において、シール防音フィルム122の敷設領域は、さらに、イヤーパッド本体110の接続面201に背向する外面に対応する。
【0033】
使用過程において、即ち、ノイズ低減イヤーパッド100を人体の頭部に押し付けた後、ノイズ低減イヤーパッド100の人体の頭部に近い部分が変形することにより、イヤーパッド本体110のシール防音空間101に対向し且つ近接する人体頭部側面が外へ反転する確率が存在するため、イヤーパッド本体110のシール防音空間101に対向し且つ近接する人体頭部側面が外へ反転する場合、例えば、シール防音フィルム122の敷設領域がイヤーパッド本体110のシール防音空間101に背向する外面のみに対応し、シール防音空間101外の音がイヤーパッド本体110の外へ反転する側面を介してシール防音空間101内に伝播し、ノイズ低減イヤーパッド100のノイズ低減効果に影響を与える。この構造設計に基づいて、シール防音フィルム122の敷設領域がさらにイヤーパッド本体110の接続面201に背向する外面に対応するため、イヤーパッド本体110のシール防音空間101に対向し且つ近接する人体頭部側面が外へ反転しても、シール防音フィルム122は依然として、音がイヤーパッド本体110を介してシール防音空間101内に伝播することを制限できる。
【0034】
さらに、図2-図4を参照すると、本願の実施例において、シール防音フィルム122の敷設領域は、布カバー121の内側面に対応し、シール防音フィルム122は、シール防音空間101に対向するとともに接続面201に対向する敷設領域に、少なくとも1つの貫通して設けられた気孔が開設されている。これに基づいて、まず、イヤーパッド120を生産して製造する過程において、まずどの領域にシール防音フィルム122を設置する必要があるかを区別せずに、そしてシール防音フィルムに気孔を開けてもよく、このように、生産効率を向上させることに有利であり、次に、シール防音フィルム122で囲まれて形成された空間が密閉空間となり、バルーンに類似する構造を形成することにより、イヤーパッド本体110が使用過程において人体頭部を適応的に変形させることができなくなり、気孔の設置により、シール防音フィルム122で囲まれて形成された空間が密閉空間となることを回避し、このように、ノイズ低減イヤーパッド100が圧力を受けて変形する時、シール防音フィルム122内の気体が気孔を介して排出され、ノイズ低減イヤーパッド100の変形が回復する時、外部の気体が気孔を介してシール防音フィルム122で囲まれて形成された空間に入り、ノイズ低減イヤーパッド100の正常な使用を保証する。
【0035】
本願の実施例において、気孔は4つ設けられ、且つ環状アレイに設置される。
【0036】
図3を参照すると、本願の実施例において、シール防音フィルム122のイヤーパッド本体110から離れる側面は、布カバー121内に位置する介在層を有し、即ち、介在層は布カバー121に混入され、シール防音フィルム122のイヤーパッド本体110から離れる部分は布カバー121に介在され、介在層は布カバー121内の糸と糸との間に存在する僅かな隙間にあり、布カバー121内の糸は、シール防音フィルム122を布カバー121に強固に付着させることができ、他の接着剤などの接着材料を必要とせずに付着を実現する。
【0037】
なお、該イヤーパッドカバー120は、生産製造過程において、まず、布カバー121の内側面を用い、そして溶融状態のゴムを布カバー121の内側面に被覆し、重力の作用により、溶融状態のゴムの下側が布カバー121内に浸透し、溶融状態のゴムが凝固した後、シール防音フィルム122を形成し、布カバー121に付着してもよく、シール防音フィルム122を布カバー121に直接ホットプレスし、ホットプレスによりシール防音フィルム122に一定の溶融特性を発生させ、圧力の作用により、シール防音フィルム122の一部が布カバー121内に浸透してもよい。
【0038】
なお、図3に示すように、介在層と布カバー121とが互いに重なる部分は布フィルム混合層123である。
【実施例2】
【0039】
本実施例と実施例1との相違点は、シール防音フィルム122が布カバー121内に設けられ、即ち、シール防音フィルム122全体が布カバー121内に設けられることである。
【0040】
本実施例が奏する技術的効果は、実施例1が奏する技術的効果を含み、ここでは説明を省略する。
【0041】
また、シール防音フィルム122全体は、布カバー121内の糸と糸との間に存在する僅かな隙間にあり、布カバー121内の糸は、シール防音フィルム122を布カバー121に強固に固定することができ、他の接着剤などの接着材料を必要とせずに付着を実現する。
【0042】
該イヤーパッドカバー120は、生産製造過程において、まず布カバー121の内側面を用い、そして溶融状態のゴムを布カバー121の内側面に敷設し、重力の作用により、溶融状態のゴムの下側が布カバー121内に浸透し、溶融状態のゴムが凝固した後にシール防音フィルム122を形成する。
【0043】
本願の実施例において、シール防音フィルム122の敷設領域は、さらに、イヤーパッド本体110の接続面201に背向する外面に対応する。
【0044】
さらに、本願の実施例において、シール防音フィルム122は、シール防音空間101に対向するとともに接続面201に対向する敷設領域に、少なくとも1つの貫通して設けられた気孔が開設されている。
【0045】
本願の実施例において、シール防音フィルム122の厚さは0.005-0.1mmである。
【0046】
なお、本実施例において実施例1と同じ構成について、本実施例が奏する技術的効果は実施例1が奏する技術的効果と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【実施例3】
【0047】
本願は、ノイズ低減イヤーマフをさらに提供し、該ノイズ低減イヤーマフは、ノイズ低減イヤーパッド100を含み、該ノイズ低減イヤーパッド100の具体的な構造は、上記実施例を参照し、このノイズ低減イヤーマフは、上記全ての実施例の全ての技術案を採用しているため、上記実施例の技術案による全ての有益な効果を同様に有し、ここで一々説明しない。
【実施例4】
【0048】
本願は、ヘッドマウントノイズ低減イヤホンをさらに提供し、該ヘッドマウントノイズ低減イヤホンは、ノイズ低減イヤーパッド100を含み、該ノイズ低減イヤーパッド100の具体的な構造は、上記実施例を参照し、このヘッドマウントノイズ低減イヤホンは、上記全ての実施例の全ての技術案を採用しているため、上記実施例の技術案による全ての有益な効果を同様に有し、ここで一々説明しない。
【0049】
以上は、本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を限定するものではなく、本願の趣旨及び原則内で行われたいかなる修正、同等置換又は改良などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】