IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パル-ケー・ダイナミクス・プライベート・リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-エネルギー効率誘導モータ 図1
  • 特表-エネルギー効率誘導モータ 図2
  • 特表-エネルギー効率誘導モータ 図3
  • 特表-エネルギー効率誘導モータ 図4
  • 特表-エネルギー効率誘導モータ 図5
  • 特表-エネルギー効率誘導モータ 図6
  • 特表-エネルギー効率誘導モータ 図7
  • 特表-エネルギー効率誘導モータ 図8A
  • 特表-エネルギー効率誘導モータ 図8B
  • 特表-エネルギー効率誘導モータ 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-18
(54)【発明の名称】エネルギー効率誘導モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 17/16 20060101AFI20240111BHJP
【FI】
H02K17/16 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541895
(86)(22)【出願日】2021-12-08
(85)【翻訳文提出日】2023-09-08
(86)【国際出願番号】 IN2021051145
(87)【国際公開番号】W WO2022149155
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】202141001079
(32)【優先日】2021-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523261768
【氏名又は名称】パル-ケー・ダイナミクス・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クンジモン・テック・ピーディカイル
【テーマコード(参考)】
5H013
【Fターム(参考)】
5H013PP01
(57)【要約】
本発明は、ステータと、回転磁場(RMF)を生成するためのステータのメイン巻き線(M)と、RMFによりステータのメイン巻き線(M)に対して回転するように配置されたロータとを備えたエネルギー効率誘導モータに関する。ステータは、ロータの回転により1つまたは複数の追加の巻き線(A)内に誘導される交流EMFを生成するための追加の巻き線(A)を備えている。1つまたは複数の追加の巻き線(A)内に作り出される交流EMFは、ステータに結合された電子制御ユニットを通してロータの完全な回転サイクルを通してステータのメイン巻き線(M)に同時にフィードバックされ、ステータのメイン巻き線(M)に連続して供給される得られたAC出力電力を作り出す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータ(102)のメイン巻き線(M)にメインAC電源(106)を提供したとき回転磁場(RMF)(108)を生成するためのメイン巻き線(M)を備えたステータ(102)と、
前記RMF(108)により前記ステータ(102)の前記メイン巻き線(M)に対して回転するように配置されたロータ(104)と、を備えた誘導モータ(100)であって、
前記ステータ(102)はさらに、1つまたは複数の追加の巻き線(A)を含み、前記ロータ(104)の回転が前記ステータ(102)の前記1つまたは複数の追加の巻き線(A)内に交流EMF(110)を誘導し、前記1つまたは複数の追加の巻き線(A)内で作り出された交流EMF(110)が前記ステータ(102)に結合された電子制御ユニット(ECU)(112)を通して前記ロータ(104)の完全な回転サイクルを通して前記ステータ(102)の前記メイン巻き線(M)にフィードバックされ、
前記ECU(112)は、前記メインAC電源(106)のAC電圧および前記1つまたは複数の追加の巻き線(A)内に作り出される前記交流EMF(110)をそれぞれのDC電力に変換するための整流回路(802)であって、得られたDC電力(814)が前記それぞれのDC電力を加えることによって得られる整流回路(802)と、
前記得られたDC電力(814)を得られたAC出力電力(116)に変換するためのインバータ回路(804)と、を備え、
前記ECU(112)は、前記ステータ(102)の前記メイン巻き線(M)に前記得られたAC出力電力(116)を供給するように構成されていることを特徴とする、誘導モータ(100)。
【請求項2】
前記ステータ(102)は複数のステータスロット(206)を備えた積層から作られ、前記複数のステータスロット(206)の各ステータスロットは1つまたは複数のセットの巻き線ワイヤを備え、各セットはメイン巻き線(M)および1つまたは複数の追加の巻き線(A)を含み、前記メイン巻き線(M)は前記ロータを回転させるのに必要な電力が供給され、前記1つまたは複数の追加の巻き線(A)は、前記ロータ(104)の回転により前記1つまたは複数の追加の巻き線(A)内で作り出された前記交流EMF(110)の伝達を可能にする、請求項1に記載の誘導モータ(100)。
【請求項3】
前記ステータ内のステータスロットのサイズは、前記1つまたは複数の追加の巻き線(A)を収納するように構成され、前記サイズは前記巻き線ワイヤの均一な分配を容易にするように構成されている、請求項2に記載の誘導モータ(100)。
【請求項4】
前記メイン巻き線(M)および前記1つまたは複数の追加の巻き線(A)のそれぞれの終端部は、前記ECU(112)に接続されている、請求項2に記載の誘導モータ(100)。
【請求項5】
前記ECU(112)は、前記ECU(112)の動作のために電力を提供するステップダウン変圧器(904)を備えている、請求項1に記載の誘導モータ(100)。
【請求項6】
前記誘導モータ(100)への前記メインAC電源(106)のメイン電力ラインは、前記ECU(112)の前記ステップダウン変圧器(904)および前記ステータ(102)の前記メイン巻き線(M)に接続され、前記メインAC電源(106)の中性ラインは、前記ECU(112)および前記誘導モータ(100)の端子箱に接続されている、請求項5に記載の誘導モータ(100)。
【請求項7】
前記ECU(112)は、前記得られたAC出力電力(116)の電圧および周波数を変えるように構成された可変周波数駆動(VFD)制御モジュール(806)を備えている、請求項1に記載の誘導モータ(100)。
【請求項8】
前記ECU(112)は、前記メインAC電源(106)と前記得られたAC出力電力(116)との周波数を同期させ、前記ステータ(102)の前記メイン巻き線(M)に前記得られたAC出力電力(116)を供給するように構成された周波数同期回路(808)を備えている、請求項1に記載の誘導モータ(100)。
【請求項9】
前記ECU(112)は、切断スイッチ(810)を通して前記ステータ(102)の前記メイン巻き線(M)への前記メインAC電源(106)を切断するように構成され、前記ステータ(102)の前記メイン巻き線(M)は前記得られたAC出力電力(116)のみが連続して供給される、請求項8に記載の誘導モータ(100)。
【請求項10】
前記ECU(112)は、前記誘導モータ(100)に負荷を加えたとき、電圧ピークと電流ピークとの間の時間差を測定することによって、電圧および電流の位相差を算出するように構成されたマイクロプロセッサ(812)を備えている、請求項1に記載の誘導モータ(100)。
【請求項11】
前記ECU(112)はさらに、
複数のキャパシタを備えたキャパシタバンク(908)であって、前記複数のキャパシタの各キャパシタはその独自の容量値を有し、前記誘導モータ(100)の負荷(118)を平衡化し、前記誘導モータ(100)への電力入力およびメイン電力ラインの力率(PF)を安定化させるキャパシタバンク(908)と、
ON/OFF切換機能が、前記誘導モータ(100)の負荷要件に基づいて、前記誘導モータ(100)に電力を提供するために前記キャパシタバンク(908)から前記複数のキャパシタの1つのキャパシタを選択することを可能にするためのTRIAC(910)と、を備えた、請求項1に記載の誘導モータ(100)。
【請求項12】
制御デバイス(114)は、前記TRIAC(910)の前記ON/OFF切換機能を制御するように構成されている、請求項11に記載の誘導モータ(100)。
【請求項13】
前記制御デバイス(114)は、前記ECU(112)内に配置される、または前記ECU(112)の外部にあり、前記制御デバイス(114)は、マイクロコントローラ(902)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサまたはネットワーク操作演算デバイスの少なくとも1つである、請求項12に記載の誘導モータ(100)。
【請求項14】
前記ECU(112)は、前記誘導モータ(100)への入力電流を制御および測定し、前記入力電流を安定化させるための電流変圧器(CT)コイル(906)を備え、前記CTコイル(906)の出力は前記制御デバイス(114)に接続されている、請求項12に記載の誘導モータ(100)。
【請求項15】
前記キャパシタバンク(908)は、前記誘導モータ(100)が曝される負荷(118)の量に基づいて容量を変える複数のキャパシタを備え、負荷(118)の前記量は前記CTコイル(906)によって測定されるアンペア数の意味で反映される、請求項14に記載の誘導モータ。
【請求項16】
前記ECU(112)は、前記制御デバイス(114)のデジタル出力信号を、その後に前記TRIAC(910)に供給されるアナログ信号に変換するように前記制御デバイス(114)の出力に接続されたデジタルアナログコンバータ(912)を備えている、請求項12に記載の誘導モータ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、エネルギー効率誘導モータに関し、より詳細には、ステータ巻き線で発生されるEMFを収集および操作し、したがって、モータを駆動するための動力要件の重要な部分を補うことによって、同じ容量の従来のモータと比較して、より少ない電流を消費する誘導モータに関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー需要の極端な増加で、様々なセクター、産業またはその他が、持続可能な形のエネルギーを採用し、再生可能なエネルギー源を利用することに目を向けている。これは、エネルギー要件および需要と同等となるように、生成されるエネルギー/動力を管理および保存するエネルギー効率デバイスを提供する必要性に関連付けられている。
【0003】
技術の進化で、電気モータは、エネルギー資源の過剰な使用を要求する、様々な応用例で主な駆動動力として産業で使用されてきた。特に、三相誘導モータなどの誘導モータは、産業および農業セクターで主に使用され、これらのモータは生成されるエネルギーの合計エネルギーの65%を消費する。したがって、現在使用されている標準的モータと比較して、かなりの量のエネルギーを節約する必要がある。また、エネルギー効率モータを設計するために改良した効率を備えたこのようなモータのランニングコストを減らす必要がある。
【0004】
基本的に、モータへの入力電源のタイプ、およびロータのタイプによって、2つのタイプの誘導モータがある。入力電源のタイプに基づいて、誘導モータは、単相誘導モータ、および三相誘導モータとして分類される。モータのタイプに基づいて、誘導モータは、かご形モータおよびスリップリングモータまたは巻取タイプとして分類される。
【0005】
以下は、誘導モータの作動原理の例である。誘導モータのステータ巻き線にAC入力電源が供給される場合、交流流束はAC入力電源によりステータ巻き線の周りに作り出される。この交流流束は、同期速度で回転する。回転している流束は、「回転磁場」(RMF)と呼ばれる。
【0006】
ステータRMFとロータ導体の間の相対速度は、ファラデーの電磁誘導の法則にしたがって、ロータ導体内の誘導emfを生じる。ロータ導体は短絡し、したがって、ロータ電流は誘導emfにより作り出される。その動作機構により、このようなモータは誘導モータと呼ばれる。これは、変圧器で生じる動作と同様であり、したがって、誘導モータはまた回転変圧器と呼ばれる。
【0007】
ロータ内の誘導電流はまた、その周りに交流流束を作り出す。このロータ流束は、ステータ流束に後れを取る。レンツの法則によれば、誘導ロータ電流の方向は、その産生の原因に対向する傾向があるようになっている。ロータ電流の産生の原因が回転しているステータ流束とロータの間の相対速度であるので、ロータはステータRMFに追い付こうとする。したがって、ロータは、相対速度を最小限に抑えるために、ステータ流束と同じ方向に回転する。しかし、ロータは、回転しているステータ流束またはRMFの同期速度に追い付くことに成功しない。これは、単相および三相誘導モータの両方の基本的な作動原理である。
【0008】
三相誘導モータでは、三相供給が、高電流の消費を平衡化するために使用される。したがって、三相供給は、3HP定格以上を備えた誘導モータを運転する必要がある。
【0009】
電気モータ、特に誘導モータのエネルギー効率は、高度に研究された分野である。誘導モータの効率を上げることによって、とても大量のエネルギーを保存することが可能である。誘導モータを設計するための従来の設計アプローチを使用することによって、産業効率基準を達成することが難しい。
【0010】
現在既存の高効率誘導モータでは、設計変更は高品質コアを組み込み、モータの作動効率を向上させるために材料を巻き取ることによって行われる。このような設計変更は、費用効果的でない。近年、かなりの研究および投資が、高品質材料を使用する代わりに、エネルギー節約側で行われており、様々な設計変形形態により電気モータの電流効率を改良するための努力が行われている。
【0011】
多くの場合、かご形誘導モータは固定速度応用例に好ましい。しかし、重要な巻取損失により、最適な効率を備えた電流誘導モータは、市販されていない。アモルファスコアおよび銅ロータバーの使用は、効率を増大させるために実施された他の解決法であるが、このような解決法は、費用の全体的な増加につながり、その産業全体での実施は実現可能ではないことがある。
【0012】
特許文献1は、電気駆動システム設計に関する。電気フォークリフト交流電流駆動システムは、かご形誘導モータである。三相巻き線は、ステータの内周面のスロットに配置されている。閉ロータ生成回転磁場誘導は、電流を生成する。電気フォークリフト交流電流駆動システムの三相巻き線空間は、120°電位差により配置されている。かご形ロータであるロータタイプは、ロータ外縁部スロット内に鋳造アルミニウムストリップによって形成される。一定電圧周波数類推制御が逆変換のために正弦パルス幅変調(PWM)およびDC/ACインバータを使用した後、電圧は48Vである。電子モータの基本周波数は、正弦波基準電圧の周波数と同一である。交流電流電子モータによって必要とされる要素が、大きく減らされ、容易に損傷される部分は定期的な交換の必要がなく、保守がほとんど必要ない。直流電流電子モータと比較して、電子モータはより効率的であり、より安定的であり、より丈夫である。
【0013】
特許文献2は、誘導モータ用の改良型エネルギーエコノマイザを保護するモータを開示している。標準的な変更されていないAC誘導モータは、正弦波源からステータ巻き線に結合された正弦波の各サイクルの一部を制御するように動作可能な信号反応波変更器を通して前記源から励起されるそのステータ巻き線を有する。改良型モータ電流復調器は、効率関連パラメータおよび過大なステータ巻き線流入電流に前記電流がゼロから増加する毎に応答して、波変更器を制御するための信号を作り出し、それにより、変化するモータ負荷および電源変更で最適なモータ効率を維持し、信号はまた、前記波変更器を抑制し、それにより、過大な入力電流状態、過大なモータ温度、またはその潜在的に損傷させる組合せ下で前記ステータ巻き線の電気供給を停止するモータ保護回路をも制御する。
【0014】
特許文献3は、電圧および周波数制御AC波変更器に関する。標準的な変更されていないAC誘導モータは、正弦波電力源からステータ巻き線に結合された正弦波の各サイクルの一部を制御するように動作可能な信号反応波変更器を通して前記源から励起されるそのステータ巻き線を有する。モータのロータに結合された比較的小さいAC発生器を備えた負荷検出手段は、モータに対する負荷の増加でステータ巻き線の場密度を増加させ、負荷の減少でステータ巻き線の場密度を減少させるように波変更器を制御するために、モータに対する負荷と共に変化する制御信号を作り出す。
【0015】
特許文献4は、誘導モータを励起するためのエネルギー節約AC電力制御システムを開示している。ここで、低速動作の可変比に対して低い固定比で低電力要件のための合計電力入力を減少させるために、エネルギーの短いバーストを提供するように正弦波電力源の周波数の2倍である繰返し比を有する鋸歯形制御信号の列(シーケンス)によって励起されるゲート電極を備えた制御システムにTRIACを通して接続された正弦波電源を記載している。
【0016】
特許文献5は、直流電流電気モータ用電子通信を開示している。直流電流電子モータは、互いに相互接続された複数のコイル、および特定のrpmの下の強制通信および前記rpmの上の自己通信に応答する複数のゲート制御固体整流器からなるステータを備え、これらの整流器は、前記整流器がこれによって動作されるステータコイル接合点内にまたはそこから電流を選択的に流すためにコイルの接合点に接続されている。これは、モータのロータの極から角度付けして変位され、ロータが回転するときに位置がシフトする複数のステータ極を作り出す。様々なゲート電極の励起を制御するための複数のトリガアセンブリが提供され、前記トリガアセンブリはそれぞれ、ロータが回転するときにピックアップコイルに対して移動される磁気要素の位置によりその共振周波数が変化する周波数選択回路の一部を形成するピックアップコイルを備えている。正弦波発振器は、トリガアセンブリ内で周波数選択回路に結合され、発信器は2つの異なる出力周波数のいずれかを作り出すように動作し、ロータの回転の速度に反応する電子スイッチは、発振器の出力周波数を選択的に変化させる。これらの周波数の1つは、全てのロータ位置でトリガアセンブリ動作、および信頼性のある開始および極めて低速な動作に対する進化したSCRトリガタイミングを含む。他の周波数は、中および高速で作動する最も効率的なモータに対するSCRトリガタイミングを遅くする。
【0017】
特許文献6は、誘導モータ用のエネルギーエコノマイザ制御電流開始および保護を開示している。この文献は、低負荷中にモータに対する電流を減少させるために、ステータ巻き線への電力入力の正弦波の一部の制御用の流入電流パラメータに関連する電圧パルスを生成するように動作可能なサンプル変圧器を記載している。それは、開始動作モード中にモータトルクの最大値を選択するための「手動設定可能手段」にさらに限られる。
【0018】
特許文献7は、使用方法を含む効率最大化モータコントローラが、制御要素を通して電源からの既存モータ負荷用の電流およびメイン電圧の供給を計算および最適化するデジタル信号プロセッサ(DSP)での誘導モータへの電力伝達を有することを開示している。制御要素は、標準TRIAC、電界効果トランジスタ、絶縁ゲート双極トランジスタ、三象限TRIACまたは他の選択制御要素を含むことができる。モータ負荷および他のモータパラメータに対する電流要件のデジタル計算およびモータ制御フィードバックは、全てのモータ使用条件に対してモータ電流最適化を行うために、100万分の数秒で計算される。電流に対するモータ負荷要件およびその電流の供給の計算は、同時であることが効果的である。
【0019】
したがって、同じ容量のあらゆる従来のモータと比較して少ない電流を消費し、モータを駆動するための電力要件の主な部分を補うためにモータによって生成される電力を効率的に収集するエネルギー効率誘導モータの需要が存在する。
【0020】
従来および伝統的なアプローチの制限および欠点は、本願の残りにおよび図面を参照して記載したように、本発明のいくつかの態様で記載したシステムの比較を通して、当業者には明らかになるだろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】中国実用新案第201663527号明細書
【特許文献2】米国特許第4414499号明細書
【特許文献3】米国特許第4382223号明細書
【特許文献4】米国特許第4864212号明細書
【特許文献5】米国特許第4341984号明細書
【特許文献6】米国特許第4636702号明細書
【特許文献7】米国特許第6489742号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の主な目的は、モータを作動させるための電力要件の主な部分を補うために、同じ容量の従来のモータと比較して、より少ない電流を消費し、入力電力要件に関して妥協することなく、あらゆる出力要件に対する三相メインAC電源の代わりに、単相メインAC電源によって作動することができる、エネルギー効率誘導モータを開発することである。
【0023】
本発明の別の目的は、より高い電流効率を保証するのに最も良く適した、オーダーメイドのステータ巻き線設計に結合された排他的に設計された電子モジュールを備えたエネルギー効率誘導モータを開発することである。
【0024】
本発明の別の目的は、エネルギー効率誘導モータを開発することであり、誘導モータのステータ巻き線は、ロータの完全回転サイクル中にステータ巻き線内で生成される交流EMFによる連続して供給された得られた電力であり、したがって、交流EMF(生成されたEMF)は、モータの連続稼働中の主な供給電力源として働く。
【0025】
本発明の別の目的は、同じ出力要件に対して三相モータと比較して、より低い電気、磁気および熱損失を有する単相誘導モータを設計することである。さらに、磁気および熱損失は、同じ出力電力要件の三相モータと比較して少ない。
【0026】
本発明の別の目的は、産業的に製造することができ、費用効果的なエネルギー効率誘導モータを設計することであり、それによって、広範囲な応用可能性に対して産業および農業セクターに幅広く入手可能である。
【課題を解決するための手段】
【0027】
特許請求の範囲により完全に記載されているように、図面の少なくとも1つに示されたおよび/またはこれに関して記載されたように、同じ容量の従来のモータと比較して、より少ない電流を消費するエネルギー効率誘導モータが開示されている。
【0028】
エネルギー効率誘導モータは、ステータのメイン巻き線にメインAC電源を提供したとき回転磁場(RMF)を生成するためのメイン巻き線を備えたステータと、RMFによりステータのメイン巻き線に対して回転するように配置されたロータとを含む。ステータはさらに、ロータの回転により追加の巻き線内で誘導される交流EMFを生成するための1つまたは複数の追加の巻き線を含む。1つまたは複数の追加の巻き線内で作り出される交流emfはその後、収集され、操作され、ステータに結合された電子制御ユニット(ECU)を通してロータの完全な回転サイクルを通してステータのメイン巻き線に同時にフィードバックされる。ロータの回転中にこのように作り出されたエネルギーは、モータが発生器として部分的に機能するときに、誘導モータのエネルギー要件の主な部分を満たす。
【0029】
1つまたは複数の追加の巻き線内に作り出される交流EMFは、ECUに供給される。ECUは、メインAC電源のAC電圧および1つまたは複数の追加の巻き線内に作り出される交流EMFをそれぞれのDC電力に変換するための整流回路を含む。得られたDC電力は、それぞれのDC電力を加えることによって得られる。
【0030】
得られたDC電力はその後、ECU内にインバータ回路によって得られたAC出力電力に変換される。ECUは、得られたAC出力電力の電圧および周波数を変化させるように構成された可変周波数駆動(VFD)制御モジュールを含む。
【0031】
ECUはまた、メインAC電源の周波数と得られたAC出力電力の周波数を同期させるように構成された周波数同期回路を含む。この段階では、ECUは切断スイッチを介してステータへの直接メインAC電源を切断してもよく、ステータはECUによって得られたAC出力電力のみが連続して供給される。
【0032】
本発明のこれらおよび他の機構および利点は、添付の図に沿って、本発明の以下の詳細な記載を検討することにより理解されてもよく、同様の参照番号は全体を通して同様の部品のことを言う。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の例示的な実施形態による、エネルギー効率誘導モータの様々な構成部品および作動を示す略図である。
図2】本発明の例示的実施形態による、エネルギー効率誘導モータのステータの図である。
図3】本発明の例示的実施形態による、エネルギー効率誘導モータのロータの図である。
図4】本発明の例示的実施形態による、端末を示すエネルギー効率誘導モータのステータ巻き線の図である。
図5】本発明の例示的実施形態による、1セットのステータ巻き線内で生成された電力の図である。
図6】本発明の例示的実施形態による、1セットのステータ巻き線内の流束分配を示す図である。
図7】本発明の例示的実施形態による、エネルギー効率誘導モータの電力ライン分配を示す図である。
図8A】本発明の例示的実施形態による、エネルギー効率誘導モータのステータの追加の巻き線内で生成された電力/エネルギーを収集するための電子制御ユニット(ECU)の略図である。
図8B】本発明の例示的実施形態による、エネルギー効率誘導モータのステータの多数の巻き線内で生成された電力/エネルギーを収集するためのECUの単純化略図である。
図9】本発明の例示的実施形態による、エネルギー効率誘導モータの負荷を駆動するためのトルクを作り出すように供給電力/エネルギーを制御するためのECUの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に記載した実施は、ステータのメイン巻き線にメインAC電源を提供したとき回転磁場(RFM)を発生するためのメイン巻き線を備えたステータと、RMFによるステータのメイン巻き線に対して回転するように配置されたロータとを含む開示されたエネルギー効率誘導モータで見られてもよい。ステータはさらに、ロータの回転により1つまたは複数の追加の巻き線内で誘導される交流EMFを作り出すための1つまたは複数の追加の巻き線を含んでいる。1つまたは複数の追加の巻き線内に作り出される交流emfはその後、収集され、操作され、ステータに結合された電子制御ユニット(ECU)を通してロータの完全回転サイクルを通してステータのメイン巻き線に同時に供給される。ロータの回転中にこのように作り出されるエネルギーは、モータが発生器として部分的に働くときに、誘導モータのエネルギー要件の大部分を満たす。
【0035】
1つまたは複数の追加の巻き線内で作りされる交流EMFは、ECUに供給される。ECUは、メインAC電源のAC電圧、および1つまたは複数の追加の巻き線内で作り出される交流EMFをそれぞれのDC電力に変換するための整流回路を含む。得られたDC電力は、それぞれのDC電力を加えることによって得られる。
【0036】
得られたDC電力はその後、ECU内でインバータ回路によって得られたAC出力電力に変換される。ECUは、得られたAC出力電力の電圧および周波数を変えるように構成された可変周波数駆動(VFD)制御モジュールを含む。
【0037】
ECUはまた、メインAC電源の周波数で得られたAC出力電力の周波数を同期させるように構成された周波数同期回路を含む。この段階で、ECUは、切断スイッチを介してステータへの直接メインAC電源を切断してもよく、ステータはECUによって得られたAC出力電力のみが連続的に供給される。
【0038】
一実施形態によると、ECUは、誘導モータに負荷を加えたとき、電圧ピークと電流ピークの間の時間差を測定することによって電圧および電流における位相差を算出するように構成されたマイクロプロセッサを含む。
【0039】
ECUは、複数のキャパシタを備えたキャパシタバンクを含み、複数のキャパシタの各キャパシタはその独自の容量値を有する。キャパシタバンクは、誘導モータの負荷を平衡化し、誘導モータへの電力入力およびメイン電力ラインの力率(PF)を安定化させる。キャパシタバンクは、誘導モータが曝される負荷の量に基づいて容量を変える複数のキャパシタを備えている。負荷の量は、ECUにおける電流変圧器(CT)コイルによって測定されたアンペア数の意味で反映される。
【0040】
ECUはさらに、切換(ON/OFF)機能が誘導モータの負荷要件に基づいて誘導モータに電力を提供するようにキャパシタバンクから複数のキャパシタの1つのキャパシタを選択することを可能にするためのTRIACを含む。ECUは、ECU内でTRIACをスイッチオンすることによって、キャパシタバンクから所要の値の容量を追加する。負荷が増加すると、容量の値が増加する。負荷が変化すると、ECUはTRIACを切り換えることによって、キャパシタバンク内の容量値を変える。
【0041】
一実施形態によると、TRIACの切換機能は制御デバイスによって制御される。制御デバイスは、ECU内に配置される、またはECUの外部にある、のいずれかである。制御デバイスは、これに限らないが、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサまたはネットワーク操作演算デバイスを含む。
【0042】
図1は、本発明の例示的実施形態による、エネルギー効率誘導モータの様々な構成部品および動作を示す略図である。図1を参照すると、ステータ102およびロータ104と、メインAC電源106と、ステータ102のメイン巻き線(M)と、ステータ102の1つまたは複数の追加の巻き線(A)と、メイン巻き線(M)内で生成される回転磁場(RMF)108と、1つまたは複数の追加の巻き線(A)内に作り出される交流EMF110と、電子制御ユニット(ECU)112と、制御デバイス114と、誘導モータ100の得られたAC出力電力116および負荷118とを備えた誘導モータ100が示されている。
【0043】
ステータ102は、メイン巻き線(M)および1つまたは複数の追加の巻き線(A)を備えている。メイン巻き線(M)および追加の巻き線(A)のそれぞれの終端部は、ECU112に接続される。
【0044】
ステータ102のメイン巻き線(M)は、電力入力を提供するように、メインAC電源106をメイン巻き線(M)に接続したときRMF108を生成する。
【0045】
ロータ104は、メイン巻き線(M)内に作り出されたRMF108により、ステータ102のメイン巻き線(M)に対して回転するように配置されている。ステータ102の1つまたは複数の追加の巻き線(A)は、ロータ104の回転により1つまたは複数の追加の巻き線(A)内で誘導される交流EMF110を作り出す。メイン巻き線(M)および1つまたは複数の追加の巻き線(A)は、単芯ワイヤまたは多芯ワイヤを含んでいてもよい。
【0046】
1つまたは複数の追加の巻き線(A)内で作り出された交流EMF110はその後、収集され、操作され、ステータ102に結合されたECU112を通してロータ104の完全な回転サイクルを通してステータ102のメイン巻き線(M)に同時にフィードバックされる。ロータ104の回転中にこのように作り出されたエネルギー(交流EMF110)は、誘導モータ100が発生器として部分的に機能するときに、誘導モータ100のエネルギー要件の主な部分を満たす。
【0047】
ステータ(102)およびロータ(104)に関連する構成および動作詳細はさらに、図2図3図4図5図6および図7と併せて記載される。
【0048】
ステータ102の1つまたは複数の追加の巻き線(A)内で作り出された交流EMF110は、ECU112に供給される。ECU112は、メインAC電源106のAC電圧および1つまたは複数の追加の巻き線(A)内で作り出された交流EMF110をそれぞれのDC電力に変換する。得られたDC電力は、それぞれのDC電力を追加することによって得られる。
【0049】
得られたDC電力はその後、ECU112内で回路によって得られたAC出力電力116に変換される。ECU112はその後、ステータ102のメイン巻き線(M)に得られたAC出力電力116を供給する。したがって、ステータ102は、得られたAC出力電力116のみが連続して供給される。
【0050】
制御デバイス114は、ECU112の機能に対して重要である。制御デバイス114は、回転している間にロータ104によって生成された所要のトルク、周波数、および電力(交流EMF110)を提供することによって、ロータ104を回転させ、負荷118を駆動するのに必要な供給電力/エネルギー(RMF108)を制御する。制御デバイス114は、ECU112内に配置される、またはECU112の外部にある、のいずれかである。制御デバイス114は、これに限らないが、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサまたはECU112の外部のネットワーク操作演算デバイスを含み得る。
【0051】
メインAC電源106は、電力をECU112に提供し、その後、その機能を行い、負荷118を駆動するために誘導モータ100に所要の電力またはトルクを提供する。トルクを発達させるのに必要なエネルギーは、メインAC電源106のメイン電力ライン、およびロータ104の回転によりステータ102の1つまたは複数の追加の巻き線(A)内で生成される交流EMF110によって集合的に提供される。
【0052】
ECU112の様々な実施形態はさらに、図8および図9と併せて記載される。以下にさらに詳細に記載するように、ECU112は多数の機能部品および構成部品を含んでもよい。代替形態では、または加えて、多数のECUは誘導モータ100で利用してもよい。
【0053】
図2は、本発明の例示的実施形態による、エネルギー効率誘導モータのステータの図である。図2を参照すると、フレームまたはヨーク202、ステータコア204、ステータスロット206およびステータ巻き線208を含む、ステータ102が示されている。
【0054】
フレームまたはヨーク202は、きめ細かい合金鋳鉄またはアルミニウム合金で作られ、ステータ102の一体部を形成する。フレームまたはヨーク202の主な機能は、誘導モータ100の他の洗練された構成部品または部分に対して保護カバーを提供することである。
【0055】
ステータコア204は、電気グレード鋼のシートからパンチ加工されたステータスロット206を含む積層から作られている。ステータスロット206内に設けられた空間は、1つまたは複数のセットの巻き線ワイヤを含むステータ巻き線208を収納するのに十分である。関連する態様では、ステータスロット206内に設けられた空間は、従来のスロットより大きくてもよい。巻き線ワイヤは、従来のモータで使用されるもののような絶縁ワイヤである。ステータスロット206のサイズは、ステータ巻き線208の均一な分配のために調節および維持されてもよい。
【0056】
ステータスロット206内に設けられた空間は、ロータ104を回転させるために必要な供給電力/エネルギー(RMF108)を運ぶメイン巻き線(M)と、ロータ104が回転している間に、1つまたは複数の追加の巻き線(A)内で誘導される電力(交流EMF110)の伝達のために使用される1つまたは複数の追加の巻き線(A)とを含む1つまたは複数のセットの巻き線ワイヤを収納するように構成されている。ロータ104の回転中に作り出されるエネルギー(交流EMF110)は、誘導モータ100が発生器として部分的に機能するときに、誘導モータ100のエネルギー要件の一部を満たす。
【0057】
さらに、ステータ102は、空隙の均一性を保証するために注意深く機械加工された切り込みおよび穴を含む。誘導モータ100のステータ102内で使用されるシャフトおよび軸受は、あらゆる他の従来の誘導モータのようである。適切なサイズのボール軸受は、回転摩擦を減らし、径方向および軸方向負荷を支持するために使用される。ファンは、空気の適当な循環がステータ巻き線208を冷却することを可能にするために設けられている。誘導モータ100内で生成される熱は、より少ない電流消費のため、およびステータ巻き線208、すなわちロータ104を回転させるために必要な供給電力/エネルギー(RMF108)に対応するメイン巻き線(M)、およびロータ104が回転している間に1つまたは複数の追加の巻き線(A)内で生成される電力(交流EMF110)の伝達に対応する1つまたは複数の巻き線(A)の相互に対向する動作により比較的少ない。したがって、冷却ファンのサイズを小さくすることができ、したがって、その点において一部のエネルギーを節約する。軸受は、シャフトの端部に格納され、フレームまたはヨーク202に固定されている。
【0058】
ステータ102に必要とされる極の数および巻き線の数は、同期速度が等式Ns=120f/Pにしたがって、周波数に直接比例し、極の数に反比例し、式中、「Ns」は同期速度であり、「f」は周波数であり、「P」は極の数であるので、誘導モータ100の速度に基づいて決定される。
【0059】
本発明の例示的実施形態によると、ステータ102は、6つの極に必要とされるような合計24のスロットを備え、各極は図1に示すように4つのスロットを有する。各スロットは、1セットの2つの巻き線ワイヤ、ロータ104を回転させるために必要な供給電力/エネルギー(RMF108)に対応するメイン巻き線(M)、およびロータ104が回転している間に、1つまたは複数の追加の巻き線(A)内で生成される電力(交流EMF110)の伝達に対応する1つまたは複数の追加の巻き線(A)を備えている。これらの巻き線のそれぞれの終端部は、ECU112に接続される。
【0060】
図3は、本発明の例示的実施形態による、エネルギー効率誘導モータのロータの図である。図3を参照すると、鋼材積層302、アルミニウムバー304、ロータシャフト306および端部リング308を備えたロータ104が示されている。
【0061】
この特定の実施形態では、ロータ104はかご形タイプロータである。ロータ104は、ロータ104の鋼材積層302を分離するためのアルミニウムバー304を備えた、鋼材積層302のシリンダを含む。いくつかの実施形態では、ロータ104は、ロータシャフト306に平行またはほぼ平行であり、ロータ104の表面近くで、その表面内に埋め込まれた高導電性金属(典型的には、アルミニウムまたは銅)を含んでもよい。ロータ104の両端部で、ロータ導体は、ロータ導体と同様の材料の連続端部リング308によって短絡される。ロータ導体およびその端部リング308はそれに自体で、完全な閉回路を形成する。
【0062】
交流電流がステータ巻き線208を通して流れる場合、RMF108が作り出される。これは、ロータ巻き線内で電流を誘導し、その独自の磁場を作り出す。ステータおよびロータ巻き線によって作り出された磁場の相互作用は、ロータ104上にトルクを作り出す。
【0063】
RMF108は、短絡電流をロータバー内に流し始めさせるロータバー内に電圧を誘導する。これらのロータ電流は、ステータ102のRMF108と相互作用するその自己磁場を生成する。ロータ場は、RMF108である、その対象に対向しようとする。したがって、ロータ104はRMF108についていき始める。ロータ104がRMF108についていくときに、RMF108とロータ104の間の相対動作がこれ以上ないので、ロータ電流はゼロに下がる。したがって、ロータ104がゼロ接線力を経験すると、ロータ104はその時に対して減速する。ロータ104の減速の後に、ロータ104とRMF108の間の相対動作が再確立され、したがって、ロータ電流は再び誘導される。したがって、ロータ104の回転のための接線力は再び回復され、ロータ104はRMF108の後に再び回転し始める。このように、ロータ104は、RMF108の速度または同期速度(Ns)より低い一定速度を維持する。
【0064】
図4は、本発明の例示的実施形態による、端末を示すエネルギー効率誘導モータのステータ巻き線の図である。図4を参照すると、第1のセットの巻き線(M1、M2)の位相Iのモータ巻き線端末(供給電力入力)、第2のセットの巻き線(MM1、MM2)の位相IIのモータ巻き線端末(供給電力入力)、第3のセットの巻き線(MMM1、MMM2)の位相IIIのモータ巻き線端末(供給電力入力)、第1のセットの巻き線(A1、A2)の位相Iのモータ巻き線端末(交流EMF出力)、第2のセットの巻き線(AA1、AA2)の位相IIのモータ巻き線端末(交流EMF出力)、および第3のセットの巻き線(AAA1、AAA2)の位相IIIのモータ巻き線端末(交流EMF出力)を含むステータ巻き線208が示されている。
【0065】
M1およびM2、MM1およびMM2、およびMMM1およびMMM2は、ロータ104を回転させるために必要とされる供給電力/エネルギー(RMF108)に対応するステータ102の各巻き線コイルの2つの端部のことを言う。A1およびA2、AA1およびAA2、およびAAA1およびAAA2は、ロータ104が回転している間に、ステータ102の1つまたは複数の追加の巻き線(A)内で生成される電力である、交流EMF110の伝達に対応する同じセット内のステータ102のそれぞれの巻き線コイルの2つの端部のことを言う。
【0066】
誘導モータ100の内側の巻き線接続は、本発明の例示的実施形態により以下の通りである。
【0067】
それぞれメインAC電源106を担持するM1、MM1およびMMM1は、ECU112に接続されている。M2、MM2およびMMM2は、図4に示すように、スター結線を形成するように共に結合される。
【0068】
それぞれ交流EMF110を担持するA1、AA1およびAAA1は、ECU112に接続されている。A2、AA2およびAAA2は、図4に示すように、スター結線を形成するように共に結合される。
【0069】
図5は、本発明の例示的実施形態による、1セットのステータ巻き線内で生成された電力の図である。図5を参照すると、正弦波の図が示され、Mはロータ104を回転させるためにステータ102のメイン巻き線(M)によって担持される供給電力/エネルギー(RMF108)に対応する正弦波を示し、Aはロータ104の回転によりステータ102の1つまたは複数の追加の巻き線(A)内に生成された交流EMF110に対応する正弦波を示す。
【0070】
図6は、本発明の例示的実施形態による、1セットのステータ巻き線内の流束分配を示す図である。図6を参照すると、ステータ102のメイン巻き線(M)内で作り出された回転磁束M1、およびステータ102の1つまたは複数の追加の巻き線(A)内で作り出された交流流束A1が示されている。
【0071】
回転磁束M1は、誘導モータ100のロータシャフト306を駆動するためのトルクを作り出すために、ステータ102のメイン巻き線(M)内で作り出される。交流流束A1は、ステータ102の1つまたは複数の追加の巻き線(A)内に交流EMF110を作り出す/生成する。回転磁束M1および交流流束A1は、位相内にあり、相互に反対の方向である。これらの流束は、120°離れて分配されている。
【0072】
図7は、本発明の例示的実施形態による、エネルギー効率誘導モータの電力ライン分配を示す図である。図7を参照すると、電力入力としてのメインAC電源106、生成された電力出力としてのECU112および交流EMF110が示されている。
【0073】
図7に示すように、一回転が誘導モータ100の一全回転を示す2つの等しいセグメント/セクターに分割されると想定される。ロータ104が回転し始めている間、メインAC電源106(入力電力)からの電力を引き、電力出力として交流EMF110を同時に生成する/作り出す。
【0074】
図8Aは、本発明の例示的実施形態による、エネルギー効率誘導モータのステータの追加の巻き線内で作り出された電力/エネルギーを収集するためのECUの略図である。図8Aを参照して、整流回路802、インバータ回路804、可変周波数駆動(VFD)制御モジュール806、周波数同期回路808、切断スイッチ810およびマイクロプロセッサ812を含むECU112が示されている。
【0075】
整流回路802は、メインAC電源106のAC電圧およびステータ102の追加の巻き線(A)内に作り出される交流EMF110をそれぞれのDC電力に変換するための1つまたは複数の整流器を含む。得られたDC電力814は、インバータ回路804にその後供給される、それぞれのDC電力を追加することによって得られる。
【0076】
インバータ回路804は、得られたDC電力814を得られたAC出力電力116に変換するための1つまたは複数のインバータを含む。
【0077】
VFD制御モジュール806は、得られたAC出力電力116の電圧および周波数を変化させるように構成されている。
【0078】
周波数同期回路808は、メインAC電源106の周波数と得られたAC出力電力116の周波数を同期させるように構成されている。得られたAC出力電力116はその後、ECU112からステータ102のメイン巻き線(M)に供給される。
【0079】
この段階では、切断スイッチ810は、ステータ102のメイン巻き線(M)へのメインAC電源106を切断するように構成され、その後、ステータ102のメイン巻き線(M)は、得られたAC出力電力116のみが連続して供給される。
【0080】
マイクロプロセッサ812は、誘導モータ100に負荷をかけたとき、電圧ピークと電流ピークの間の時間差を測定することによって電圧および電流の位相差を算出するように構成されている。
【0081】
図8Bは、本発明の例示的実施形態による、エネルギー効率誘導モータのステータの多数の巻き線内で生成された電力/エネルギーを収集するためのECUの単純化略図である。図8Bを参照すると、駆動回路816、周波数制御回路818およびスイッチ820を含むECU112が示されている。
【0082】
駆動回路816は、メインAC電源106のAC電圧およびステータ102の多数の追加の巻き線(A)1-n内に作り出される交流EMF110をそれぞれのDC電力に変換するための整流器1-nを含む。多数の追加の巻き線(A)の各追加の巻き線内で作り出された交流EMF110は、それぞれのDC電力への変換のために駆動回路816の対応する整流器に供給される。例えば、整流器1は、追加の巻き線1内で作り出された交流EMF110をそれぞれのDC電力に変換し、整流器2は、追加の巻き線2内で作り出された交流EMF110をそれぞれのDC電力に変換し、整流器nは追加の巻き線n内で作り出された交流EMF110をそれぞれのDC電力に変換するなどである。
【0083】
得られたDC電力814は、得られたAC出力電力116を作り出すために周波数制御回路818にその後供給される、それぞれのDC電力を追加することによって得られる。
【0084】
周波数制御回路818は、メインAC電源106の周波数で得られたAC出力電力116の周波数を同期するように構成されている。得られたAC出力電力116はその後、ECU112からステータ102のメイン巻き線(M)に供給される。この段階で、スイッチ820は、ステータ102のメイン巻き線(M)へのメインAC電源106を切断するように構成され、その後、ステータ102のメイン巻き線(M)は得られたAC出力電力116のみが連続して供給される。
【0085】
図9は、本発明の例示的実施形態による、エネルギー効率誘導モータの負荷を駆動するためのトルクを作り出すように供給電力/エネルギーを制御するためのECUの略図である。図9を参照すると、マイクロコントローラ902、ステップダウン変圧器904、電流変圧器(CT)コイル906、キャパシタバンク(C3、C4、C5)908、TRIAC(TR1、TR2、TR3、TR4、TR5、TR6)910、デジタルアナログコンバータ912、およびディスプレイ914を含むECU112が示されている。
【0086】
マイクロコントローラ902は、ECU112の機能に対して重要である。マイクロコントローラ902は、ロータ104を回転させる、および負荷118を駆動するために回転している間にロータ104によって生成されたトルク、周波数、および電力(交流EMF110)を制御するために必要な供給電力/エネルギー(RMF110)を制御する。ブリッジ整流器(図示せず)は、マイクロコントローラ902の動作のためにマイクロコントローラ902へのAC供給電圧をDC電圧に変換するために使用される。
【0087】
ステップダウン変圧器904は、ECU112の動作に専用である電力を提供する。誘導モータ100へのメインAC電源106のメイン電力ライン(位相)は、ECU112のステップダウン変圧器904と、ステータ巻き線208に接続され、メインAC電源106の中性ラインは、ECU112と、誘導モータ100の端子箱に接続されている。
【0088】
電力感知コンバータのCTコイル906は、入力電流を測定し、電流を安定化させる。CTコイル906の出力は、マイクロコントローラ902に接続されている。電流感知変圧器の入力は、電流を感知するためにライン/入力電圧に接続され、電流感知コンバータの出力はマイクロコントローラ902に接続されている。
【0089】
キャパシタバンク908は複数のキャパシタ(C3、C4、C5)を含み、複数のキャパシタ(C3、C4、C5)の各キャパシタはその独自の容量値を有する。キャパシタバンク908は、誘導モータ100の負荷118を平衡化し、誘導モータ100への電力入力およびメイン電力ラインの力率(PF)を安定化させるために使用される。
【0090】
TRIAC910は、切換(ON/OFF)機能が誘導モータ100の負荷要件に基づいて誘導モータ100に電力を提供するようにキャパシタバンク908から複数のキャパシタ(C3、C4、C5)の1つのキャパシタを選択することを可能にする。TRIACの切換機能は、この場合、マイクロコントローラ902である制御デバイス114によって制御される。誘導モータ100が異なる負荷で稼働している間に、負荷要件に基づいて、TRIAC910はキャパシタバンク908から所要の容量を選択する。TRIAC910の切換は、誘導モータ100への負荷118および入力電流を制御する。
【0091】
ロータ104が回転し始める間に、ロータ104はメインAC電源106から電力を引き、ステータ102の1つまたは複数の追加の巻き線(A)内で交流EMF110を同時に誘導する。電流消費は、CTコイル906によって測定され、この電流はECU112に提供される。電流はその後、負荷118に基づいてTRIAC910を活性化させるようにプログラミングされたマイクロコントローラ902の上を通過され、その後、トルク要件に適合するようにその中に提供された異なる定格を有するキャパシタバンク908内で複数のキャパシタ(C3、C4、C5)から特定のキャパシタを選択および接続するようにTRIAC910を起動させる。例えば、1HPモータでは、選択される容量の値は15から20μfである。
【0092】
デジタルアナログコンバータ912は、マイクロコントローラ902の出力が接続される、中に設けられた集積回路(IC)である。デジタルアナログコンバータ912は、マイクロコントローラ902のデジタル出力信号をアナログ信号に変換し、その後、TRIAC910に与えられる。したがって、TRIAC910は誘導モータ100の負荷118を制御する。
【0093】
例示的なシナリオによると、TRIAC910は、CTコイル906によって測定されるアンペア数の意味で反映された、誘導モータ100が曝される負荷118の量に基づいて容量を変えるキャパシタを有するキャパシタバンク908から、キャパシタ、例えばC3を選択する。
【0094】
シナリオによると、誘導モータ100が電源を入れられると、接続はECU112内に提供されたTRIAC1を切り換える手段によりキャパシタC3に対して行われ、誘導モータ100は回転し始め、ステータ102内に設けられた1つまたは複数の追加の巻き線(A)内に交流EMF110を同時に生成する。負荷118が増加すると、TRIAC2はキャパシタC4を起動させる。負荷がさらに増加する場合、TRIAC3はキャパシタC5などを起動させる。このように、誘導モータ100の負荷118が平衡化される。
【0095】
ECU112内に設けられたディスプレイ914は、異なる負荷での誘導モータ100の電圧、電流、周波数および電力消費を示している。
【0096】
様々な他の実施形態では、ECU112はまた、過負荷保護、短絡保護および過熱トリッピング配置を備えている。
【0097】
本発明は、他の従来のACモータと比較して性能におけるその信頼性による幅広い産業応用可能性を有するエネルギー効率誘導モータを提供する点で有利である。エネルギー効率誘導モータは、大きな範囲で電気の消費を減少させ、農業セクター、機関車セクター、および誘導モータを幅広く使用する他の産業において金銭的利益を提供する。
【0098】
本発明のエネルギー効率誘導モータは、より高い電流効率を保証するために、オーダーメイドのステータ巻き線設計に結合された専用に設計された電子モジュールを実施することによって、より少ない電流を消費する。
【0099】
本発明は、モータを駆動するための電力要件の一部がモータを稼働させている間に満たされるように、モータが回転している間に明白なEMF(交流EMF)を生成することが可能な、ステータ内に設けられた巻き線の実施により、同じ容量の従来のモータと比較して、より少ない電流を消費するエネルギー効率誘導モータを提供する。開示される発明はまた、入力電力要件に関して妥協することなく、三相誘導モータの代わりに単相誘導モータを使用することを可能にする。
【0100】
さらに、開示した発明を使用して構築された単相誘導モータは、同じ出力要件に対する三相誘導モータと比較して、より低い電気、磁気および熱損失を有する。また、磁気および熱損失は、同じ出力電力要件の三相誘導モータと比較してより少ない。
【0101】
当業者は、上で認識された利点および本明細書に記載された他の利点が単に例示的ものであり、本発明の様々な実施形態の利点の全ての完全な表現であることを意味していないことが分かるだろう。
【0102】
本発明は、ハードウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアの組合せで実現してもよい。本発明は、少なくとも1つのコンピュータシステム内で集中して、または分配して実現されてもよく、異なる要素がいくつかの相互接続されたコンピュータシステムにわたって広がってもよい。本明細書に記載した方法を行うようになっているコンピュータシステムまたは他の装置/デバイスを適合させてもよい。ハードウェアおよびソフトウェアの組合せは、コンピュータシステム上にロードされ実行される場合に、本明細書に記載した方法を行うようにコンピュータシステムを制御してもよいコンピュータプログラムを備えた汎用コンピュータシステムであってもよい。本発明は、他の機能も行う集積回路の一部を備えたハードウェア内で実現されてもよい。本発明はまた、媒体レンダリングデバイスの一部を形成するファームウェアとして実現されてもよい。
【0103】
本発明はまた、本明細書に記載された方法の実施を可能にする全ての特性を含み、コンピュータシステム上でロードおよび/または実行される場合に、これらの方法を行うように構成されてもよいコンピュータプログラム製品に埋め込まれていてもよい。コンピュータプログラムは、本内容では、情報処理能力を備えたシステムに特定の機能を直接行わせることを意図した1セットの命令のあらゆる言語、コードまたは表記、またはa)別の言語、コードまたは表記への変換、b)異なる材料の形での複製のいずれかまたは両方の後のあらゆる表現を意味する。
【0104】
本発明は特定の実施形態を参照して記載されているが、当業者は、様々な変更を行ってもよく、等価物を本発明の範囲から逸脱することなく代わりに使用してもよいことが分かるだろう。加えて、その範囲から逸脱することなく本発明の教示に特定の状況または材料を適合させるために多くの変形を行ってもよい。したがって、本発明は開示した特定の実施形態に限るものではないが、本発明は添付の特許請求の範囲内にある全ての実施形態を含むことを意図している。
【符号の説明】
【0105】
100 誘導モータ
102 ステータ
104 ロータ
106 メインAC電源
108 回転磁場
110 交流EMF
112 電子制御ユニット
114 制御デバイス
116 AC出力電力
118 負荷
202 フレームまたはヨーク
204 ステータコア
206 ステータスロット
208 ステータ巻き線
302 鋼材積層
304 アルミニウムバー
306 ロータシャフト
308 端部リング
802 整流回路
804 インバータ回路
806 可変周波数駆動制御モジュール
808 周波数同期回路
810 切断スイッチ
812 マイクロプロセッサ
816 駆動回路
818 周波数制御回路
820 スイッチ
902 マイクロコントローラ
904 ステップダウン変圧器
906 電流変圧器(CT)コイル
908 キャパシタバンク
910 TRIAC
912 デジタルアナログコンバータ
914 ディスプレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
【国際調査報告】