(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-19
(54)【発明の名称】コンタクトレンズパッケージ及び開封方法
(51)【国際特許分類】
B65D 85/38 20060101AFI20240112BHJP
G02C 13/00 20060101ALI20240112BHJP
A45C 11/04 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
B65D85/38 200
G02C13/00
A45C11/04 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575397
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2022-12-07
(86)【国際出願番号】 IB2021061578
(87)【国際公開番号】W WO2022123525
(87)【国際公開日】2022-06-16
(32)【優先日】2020-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510294139
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 Centurion Parkway, Jacksonville, FL 32256, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ポプウェル・サム・ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】アンセル・スコット・エフ
(72)【発明者】
【氏名】ウォード・ダニエル・グラハム
(72)【発明者】
【氏名】サムズ・スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ハニー・ウィリアム・スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】アクラム・イスマイル
【テーマコード(参考)】
2H006
3B045
3E096
【Fターム(参考)】
2H006DA00
3B045BA09
3B045CA06
3B045CE08
3E096AA01
3E096BA21
3E096BB04
3E096CA06
3E096DA26
3E096DC02
3E096EA02X
3E096FA02
3E096GA07
(57)【要約】
本発明は、改良されたコンタクトレンズパッケージ(100)に関する。パッケージは、着用者によってパッケージを開封すると、パッケージ溶液(130)がコンタクトレンズ(122)から排出され、蓋(112)内に実質的に再捕捉されるように構成されてもよい。レンズパッケージは、ワンタッチ移送を容易にするレンズ支持体(126)、又は開封のためにパッケージを保持すべき場所を着用者に視覚的に示す着色領域も含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトレンズパッケージであって、
コンタクトレンズ及びパッケージ溶液を収容する蓋キャビティを備える蓋
を備え、
前記パッケージは、着用者によって前記パッケージを開封すると、前記パッケージ溶液が前記コンタクトレンズから排出され、前記蓋内に実質的に再捕捉されるように構成されている、コンタクトレンズパッケージ。
【請求項2】
前記パッケージ溶液は、前記蓋キャビティ内に再捕捉される、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項3】
前記パッケージが開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズを前記パッケージ溶液から実質的に出して保持するように構成されたレンズ支持体を更に備える、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項4】
開封中に前記着用者によって保持されるように構成された把持部材を更に備える、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項5】
前記蓋は実質的に剛性である、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項6】
前記蓋キャビティは、前記パッケージが未開封状態又は開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズを凸位置パッケージに収容する、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項7】
前記蓋は開封タブを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項8】
前記レンズ支持体は、前記コンタクトレンズのプロファイルと実質的に一致しないプロファイルを有する、請求項3に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項9】
前記パッケージが開封状態にあるとき、前記レンズ支持体と前記コンタクトレンズとの間の前記湿潤接触面積は、約25mm
2未満、約20mm
2未満、約18mm
2未満、又は約15mm
2未満である、請求項3に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項10】
前記蓋は、少なくとも1つの空気入口ガイドを備えるレンズ対向面を更に備える、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項11】
前記ベースは、開封時に蝶番式に動くように構成されている、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項12】
前記把持部材は、前記パッケージが未開封状態にあるときに開封タブの少なくとも一部を嵌合的に受容するように輪郭形成された陥凹領域を含む、請求項4に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項13】
前記パッケージが未開封状態にあるときにキャビティ内の前記コンタクトレンズの凹面側を支持するように構成された第1の支持部材及び第2の支持部材を備えるレンズ支持体を更に備える、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項14】
前記パッケージは、前記パッケージが開封状態にあるとき、前記コンタクトレンズが前記第1の支持部材の少なくとも一部の上に載置され、前記第2の支持部材が前記レンズから離れる方に移動するように構成されている、請求項13に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項15】
前記第2の支持部材は、開封中に第1の支持部材から離れる方に枢動する、請求項13に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項16】
前記パッケージの正しい向き又は前記パッケージを開封するときに保持すべき箇所を着用者に視覚的に示す着色領域を備える前記把持部材及び開封タブのうちの少なくとも1つを更に備える、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項17】
前記パッケージが開封状態に達すると前記蓋が前記ベースから分離するのを妨げるための終端手段を更に備える、請求項13に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項18】
前記把持部材及び開封タブのうちの少なくとも1つは、実質的に透明な部分を更に含み、前記着色部分及び前記実質的に透明な部分は、ツーショット射出成形プロセスによって形成されている、請求項13に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項19】
前記把持部材及び開封タブのうちの少なくとも1つは触覚特徴部を備える、請求項13に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項20】
前記把持部材及び開封タブのうちの少なくとも1つは、印刷又はエンボス加工された製品情報を備える、請求項13に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項21】
コンタクトレンズパッケージであって、
前記パッケージが未開封状態にあるとき、キャビティ内に収容されたコンタクトレンズの凹面側を支持するように構成された第1の支持部材及び第2の支持部材を備えるレンズ支持体を備え、
前記パッケージは、前記パッケージが開封状態にあるとき、前記コンタクトレンズが前記第1の支持部材の少なくとも一部の上に載置され、前記第2の支持部材が前記レンズから離れる方に移動するように構成されている、コンタクトレンズパッケージ。
【請求項22】
前記第2の支持部材は、開封中に第1の支持部材から離れる方に枢動する、請求項21に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項23】
前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材は一体の構成要素である、請求項21に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項24】
前記第2の支持部材は、前記パッケージのベースの少なくとも一部に固定的に取り付けられている、請求項21に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項25】
前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材は、前記パッケージが未開封状態にあるときに入れ子構成を有する、請求項21に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項26】
前記第2の支持部材は、前記パッケージが未開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズの周縁部が前記第2の支持部材の少なくとも一部の上に載置されるように構成されている、請求項21に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項27】
第1の支持部材は、前記コンタクトレンズのプロファイルと実質的に一致しない第1のプロファイルを有する、請求項21~26のいずれか一項に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項28】
前記第2の支持部材は、前記パッケージのベースと一体である、請求項21~26のいずれか一項に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項29】
前記レンズ支持体の長さに沿って画定された排水経路を更に備える、請求項21に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項30】
蓋と把持部材との間に画定され、前記排水経路を横断する蝶番を更に備え、開封時に、前記パッケージが前記蝶番に沿って曲がり、前記パッケージ溶液が前記排水経路に沿って前記コンタクトレンズから排出される、請求項29に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項31】
前記パッケージが開封状態にあるとき、前記一次レンズ支持体と前記コンタクトレンズとの間の前記湿潤接触面積は、約25mm
2未満、約20mm
2未満、約18mm
2未満、又は約15mm
2未満である、請求項21~26のいずれか一項に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項32】
コンタクトレンズパッケージであって、
コンタクトレンズ及びパッケージ溶液を収容するキャビティと、
前記コンタクトレンズを保持するためのレンズ支持体と、
前記コンタクトレンズの凸面側の上方の前記キャビティ内における少なくとも1つのレンズ対向面と、を備え、前記パッケージが未開封状態にあるとき、前記少なくとも1つのレンズ対向面は、i)前記コンタクトレンズを前記レンズ支持体の上に位置合わせし、ii)前記キャビティの周辺容積への空気の流出を促進し、iii)重力、機械力、又は空気誘発力による著しい光学的損傷から前記コンタクトレンズを保護するように構成されている、
コンタクトレンズパッケージ。
【請求項33】
前記少なくとも1つのレンズ対向面は、開封時に前記コンタクトレンズが前記パッケージに貼り付く発生率を低減するために、前記コンタクトレンズの上方の前記パッケージに入る空気を案内するように更に構成されている、請求項32に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項34】
少なくとも1つのレンズ対向面は、前記コンタクトレンズの凸面側に向かう複数の突起を備える、請求項32に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項35】
前記少なくとも1つのレンズ対向面と前記コンタクトレンズとの間の接触可能な表面積は、前記レンズの凸表面積の少なくとも約3パーセントである、請求項32又は33に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項36】
前記少なくとも1つのレンズ対向面は、空気が前記コンタクトレンズから前記蓋キャビティの周辺容積内に移動することを可能にする少なくとも2つの空気流出チャネルを画定する、請求項32に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項37】
前記少なくとも2つのチャネルの各々は、約1mm~1.5mm又は1.5mm~2mmの幅を有する、請求項36に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項38】
前記少なくとも2つのチャネルの各々は、前記周辺容積に向かって正の勾配を有し、少なくとも約2mmの最小垂直方向立ち上がりを有する、請求項36又は37に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項39】
前記少なくとも2つのチャネルは、前記パッケージが横向きに回転されたときに、前記チャネルのうちの少なくとも1つが、重力に垂直な平面に対して傾斜した前記キャビティの中心付近からの中心軸を有するように、互いに対して位置決めされている、請求項36又は37に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項40】
前記レンズ支持体は、前記コンタクトレンズのプロファイルと実質的に一致しないプロファイルを有する、請求項32に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項41】
前記パッケージが開封状態にあるとき、前記レンズ支持体と前記コンタクトレンズとの間の前記湿潤接触面積は、約25mm2未満、約20mm
2未満、約18mm
2未満、又は約15mm
2未満である、請求項32に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項42】
コンタクトレンズパッケージであって、
把持部材及び開封タブを備え、
前記把持部材及び前記開封タブのうちの少なくとも1つは、前記パッケージの正しい向き又は前記パッケージを開封するときに保持すべき箇所を着用者に視覚的に示す着色領域を備える、コンタクトレンズパッケージ。
【請求項43】
前記把持部材及び前記開封タブのうちの前記少なくとも1つは、実質的に透明な部分を更に含み、前記着色部分及び前記実質的に透明な部分は、ツーショット射出成形プロセスによって形成されている、請求項42に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項44】
前記把持部材及び前記開封タブのうちの少なくとも1つは触覚特徴部を備える、請求項42に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項45】
前記把持部材及び前記開封タブのうちの少なくとも1つは、印刷又はエンボス加工された製品情報を備える、請求項42に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項46】
コンタクトレンズパッケージであって、
実質的に平坦な関節接合ベースと、
前記パッケージが未開封状態又は開封状態にあるときに、パッケージ溶液及び凸位置のコンタクトレンズを収容する蓋キャビティを備える実質的に剛性の蓋と、
前記パッケージが開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズを前記パッケージ溶液から実質的に出して支持するように構成されたレンズ支持体と
を備えるコンタクトレンズパッケージ。
【請求項47】
前記パッケージは、着用者によって前記パッケージを開封すると、前記パッケージ溶液が前記コンタクトレンズから排出され、前記蓋内に実質的に再捕捉されるように構成されている、請求項46に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項48】
前記パッケージ溶液は、前記蓋キャビティ内に再捕捉される、請求項46に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項49】
前記パッケージが開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズを前記パッケージ溶液から実質的に出して保持するように構成されたレンズ支持体を更に備える、請求項46に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項50】
開封中に前記着用者によって保持されるように構成された把持部材を更に備える、請求項46に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項51】
前記蓋は実質的に剛性である、請求項46に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項52】
前記蓋キャビティは、前記パッケージが未開封状態又は開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズを凸位置パッケージに収容する、請求項46に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項53】
前記蓋は開封タブを備える、請求項46に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項54】
前記レンズ支持体は、前記コンタクトレンズのプロファイルと実質的に一致しないプロファイルを有する、請求項49に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項55】
前記パッケージが開封状態にあるとき、前記レンズ支持体と前記コンタクトレンズとの間の前記湿潤接触面積は、約25mm2未満、約20mm2未満、約18mm2未満、又は約15mm2未満である、請求項49に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項56】
前記蓋は、少なくとも1つの空気入口ガイドを備えるレンズ対向面を更に備える、請求項46に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項57】
前記ベースは、開封時に蝶番式に動くように構成されている、請求項46に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項58】
前記把持部材は、前記パッケージが未開封状態にあるときに開封タブの少なくとも一部を嵌合的に受容するように輪郭形成された陥凹領域を含む、請求項46に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項59】
前記パッケージが開封状態に達すると前記蓋が前記ベースから分離するのを妨げるための終端手段を更に備える、請求項46に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項60】
請求項1~59のいずれか一項に記載のコンタクトレンズパッケージを開封する方法であって、前記方法は、
前記パッケージの把持部材で前記パッケージを保持することと、
i)前記パッケージを曲げ、前記蓋と前記パッケージのベースとの間のシールを破壊させ、ii)パッケージ溶液を前記コンタクトレンズから排出させ、前記蓋内に再捕捉させ、iii)前記コンタクトレンズをレンズ支持体上で前記着用者に提示させるために、前記パッケージの前記蓋の開封タブを引っ張ることと、
前記コンタクトレンズを前記パッケージから移送することと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
年来、「ワンタッチ」パッケージ、すなわち、コンタクトレンズの着用者がユーザの指のうちの1本のワンタッチでレンズをレンズ保管パッケージから取り出し、次いで、このワンタッチで、レンズを眼に正しく位置決めすることができるパッケージをコンタクトレンズの着用者に提供することが理想的であることは、一般的な認識であった。そのような設計では、(現在一般的なように)眼の上にレンズを配置する前に、レンズを1つの指から別の指へと移送及び操作する必要はない。そのようなワンタッチパッケージを提供することにより、レンズ準備及び挿入プロセスを効率化するだけでなく、また、レンズが眼の上への向き及び挿入のために準備されているときに、レンズを落下させる、又は着用者の他の指上の追加の細菌にレンズを曝露する可能性を減少させることになり、眼に接触するように意図されたレンズの側面にタッチする可能性も低減する。
【0002】
ワンタッチレンズパッケージの設計は、いくつかの異なる課題に直面する。着用者は、理想的には、パッケージからの取り出し中に、レンズを一貫して位置付けて指に付着させることができるべきであり、次いで、レンズは、指から眼の上に一貫して解放される必要がある。(再利用可能及び毎日使い捨ての両方の種類の)コンタクトレンズは各々、それら自体の独自の表面、バルク、及び幾何学的特性を有する。指サイズ及び移送中にコンタクトレンズ着用者がレンズに付与する力も異なることがある。これらの要因は、レンズをパッケージから指に取り、次いで眼の表面上に着けるプロセスに影響を与える可能性がある。他の考慮事項の中でも、レンズ及びパッケージに付着するパッケージ溶液の量の変動がレンズを指上に配置するプロセスに影響を与える可能性があるため、レンズを指に付着させる能力に影響を与える可能性のある任意のパッケージ溶液を着用者が排出することができることが望ましいであろう。また、漏出を回避する制御された方法でパッケージ溶液を排出することが望ましいであろう。また、レンズの再湿潤又は洗浄を可能にするために、開封後にパッケージ溶液が無菌のままであり、かつ着用者にアクセス可能であることも有益であろう。また、着用者は、細菌又は化粧品などの外部製品をコンタクトレンズに移送する可能性に関して懸念する場合があり、当然のことながら、パッケージ自体の製造は、医療及び商業的提供者の団体によって認識された、期待される業界標準に適合するべきである。
【0003】
更に、ワンタッチパッケージは、理想的には、現在のコンタクトレンズパッケージに対して物品のコストの法外な増加をもたらすべきではない。というのも、これにより、着用者集団に対するコストの増加をもたらす可能性があるためである。パッケージは、パッケージから取り出したときにレンズを保持することを困難にするべきではない。加えて、パッケージの構成がレンズを包装するために必要な溶液の体積を維持、又は更に低減するためのものであった場合、これにより、レンズパッケージの生態学的影響を低減するであろう。同様に、パッケージの全て又は一部をリサイクルされた材料から作製する、かつ/又は全体的若しくは部分的にリサイクル可能とすることができる場合、有益であろう。
【0004】
加えて、様々な規制機関によって既に承認されており、かつ理想的には溶液の化学的性質又はレンズ組成物の変化を必要としない材料でパッケージが構成されていた場合、有利であろう。最適には、その上、パッケージの機能は、好ましくは、任意の電子機器又は他の電気的構成要素を、そのような構成要素がパッケージ又はレンズのいずれかの性能に悪影響を及ぼし得る場合には、組み込まない。
【0005】
ワンタッチパッケージの機能を達成することを困難にしており、かつワンタッチパッケージを作り出すための既知の試みに欠けていることが多い、いくつかの望ましい属性がある。これらの属性としては、例えば、以下のものが挙げられる。i)パッケージは、理想的にはレンズを保護するべきであり、すなわち、レンズの完全性を確実にすると同時に、レンズの破砕又は損傷を防止すべきである、ii)レンズパッケージは、レンズの特性を維持するために、保管されたときにレンズの水和を維持するべきである、及びiii)そのパッケージ内のレンズは、好ましくは、所望される場合、パッケージ溶液に浸漬され、また、パッケージから移送する準備ができたときに、そのような溶液を除去するように構成されるべきである、iv)パッケージは、レトルト可能シールを有して、レンズ及び溶液の両方を収容するべきである、v)パッケージは、好ましくは、レンズを着用者に対して所望の凸向きに維持するべきである、vi)レンズは、着用者によって容易に取り出すことができるように正確に位置決めされるべきである、及びvii)パッケージは、パッケージの開封時及びレンズの取り出しの前にパッケージ溶液をレンズから効果的に排出することを可能にして、着用者の指に、次いで眼の上により容易に移送することを可能にするべきである。
【0006】
国際公開第2014/195588号、同第2009/069265号、日本特許第6339322号、及び米国特許出願公開第20200229563号は、凸状のボウルを下にした構成でレンズを提示するパッケージを開示している。しかしながら、レンズ支持体構造は、コンタクトレンズの形状と実質的に一致し、これにより、レンズとレンズ支持体との間に望ましくない接触面積を提供する。これらの参考文献はまた、レンズ及びレンズ支持体からの効果的な溶液排出のためのメカニズムに関して言及していない。
【0007】
米国特許出願公開第20190046353号は、レンズの取り出しをますます容易にするコンタクトレンズ保存容器を開示している。しかしながら、パッケージは、着用者がパッケージ溶液を注ぎ出すことを必要とし、所望の一貫したワンタッチ取り出しを提供することができない。
【0008】
米国特許出願公開第20200229560号は、コンタクトレンズの凹(前方又は前)面を支持するレンズ支持体、又はコンタクトレンズ周縁部を支持し、かつレンズパッケージを開封すると、パッケージ溶液が格子を通って底部チャンバに排出されることを可能にする格子を有し、着用者が溶液に容易にアクセスできない、パッケージを開示している。
【0009】
先行技術の前述の欠陥は、単なる例示であり、網羅的ではない。
【0010】
加えて、従来のブリスターパッケージから逸脱する新規なコンタクトレンズパッケージの導入は、着用者に課題を提示することが多い。新規なフォームファクタ及びモダリティは、直ちに直観的ではない場合がある。これは頻繁に、フラストレーションを引き起こし、及び/又は開封プロセス中にレンズが損傷又は汚染されることにつながる。したがって、新規なコンタクトレンズパッケージ及び開封体験をより直感的にする視覚的又は触覚的な合図をコンタクトレンズパッケージに提供することが有利であろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、一貫したワンタッチレンズ取り出し体験、効果的な溶液管理を提供する、又は前述の課題若しくは欠陥のうちの1つ若しくは組み合わせに対処する、コンタクトレンズパッケージが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書に記載の1つ以上の態様を有するコンタクトレンズパッケージにおいて、前述及び関連する目的の一部又は全てを達成することができることが現在見出されている。例えば、コンタクトレンズパッケージは、コンタクトレンズ及びパッケージ溶液を収容する蓋キャビティを備える蓋を有してもよく、パッケージは、着用者によってパッケージを開封すると、パッケージ溶液がコンタクトレンズから排出され、蓋内に実質的に再捕捉されるように構成される。場合によっては、パッケージ溶液は、蓋キャビティ内に再捕捉されてもよい。コンタクトレンズパッケージは、パッケージが開封状態にあるときにコンタクトレンズをパッケージ溶液から実質的に出して保持するように構成されたレンズ支持体を含むことができ、パッケージは、開封中に着用者によって保持されるように構成された把持部材も含むことができる。いくつかの実施形態では、蓋は実質的に剛性である。別の態様では、蓋キャビティは、パッケージが未開封状態又は開封状態にあるときにコンタクトレンズを凸位置パッケージに収容することができる。蓋は、ハンドル又はリングプルなどの開封タブも含むことができる。いくつかの実施形態では、パッケージのレンズ支持体は、コンタクトレンズのプロファイルと実質的に一致しないプロファイルを有する。パッケージが開封状態にあるとき、レンズ支持体とコンタクトレンズとの間の湿潤接触面積は、約25mm2未満、約20mm2未満、約18mm2未満、又は約15mm2未満であってもよい。蓋は、少なくとも1つの空気入口ガイドを備える1つ以上のレンズ対向面を更に含んでもよい。パッケージの蓋は、いくつかの実施形態では、開封時に蝶番式に動くように構成されてもよい。別の態様では、把持部材は、パッケージが未開封状態にあるときに開封タブの少なくとも一部を嵌合的に受容するように輪郭形成された陥凹領域を含んでもよい。更に、いくつかの実施形態では、パッケージは、パッケージが開封状態に達すると蓋がベースから分離するのを妨げるための終端手段も含むことができる。
【0013】
コンタクトレンズパッケージのレンズ支持体は、いくつかの実施形態では、パッケージが未開封状態にあるときにキャビティ内のコンタクトレンズの凹面側を支持するように構成された第1の支持部材及び第2の支持部材を有するレンズ支持体を含んでもよく、パッケージは、パッケージが開封状態にあるとき、コンタクトレンズが第1の支持部材の少なくとも一部の上に載置され、第2の支持部材がレンズから離れる方に移動されるように構成されている。一態様では、第2の支持部材は、開封中に第1の支持部材から離れる方に枢動する。第1の支持部材及び第2の支持部材は、いくつかの実施形態では一体の構成要素である。
【0014】
更に、第2の支持部材は、パッケージのベースの少なくとも一部に固定的に取り付けられてもよい。第1の支持部材及び第2の支持部材は、パッケージが未開封状態にあるときに入れ子構成を更に有してもよい。いくつかの実施形態では、パッケージが未開封状態にあるとき、コンタクトレンズの周縁部は、第2の支持部材の少なくとも一部の上に載置される。更にまた、第1の支持部材は、コンタクトレンズのプロファイルに実質的に一致しない第1のプロファイルを有してもよい。また、別の態様では、第2の支持部材は、パッケージのベースと一体である。排水経路は、場合によっては、レンズ支持体の長さに沿って画定されてもよい。蝶番は、場合によっては、蓋と把持部材との間に画定され、排水経路を横断してもよく、開封時に、パッケージが蝶番に沿って曲がり、パッケージ溶液が排水経路に沿ってコンタクトレンズから排出される。
【0015】
特定の実施形態では、コンタクトレンズパッケージは、コンタクトレンズ及びパッケージ溶液を収容するキャビティと、コンタクトレンズを保持するためのレンズ支持体と、コンタクトレンズの凸面側の上方のキャビティ内の少なくとも1つのレンズ対向面と、を備え、パッケージが未開封状態にあるとき、少なくとも1つのレンズ対向面は、i)コンタクトレンズをレンズ支持体の上に位置合わせし、ii)キャビティの周辺容積への空気の流出を促進し、iii)重力、機械力、又は空気誘発力による著しい光学的損傷からコンタクトレンズを保護するように構成されている。一態様では、少なくとも1つのレンズ対向面は、開封時にコンタクトレンズがパッケージに貼り付く発生率を低減するために、コンタクトレンズの上方のパッケージに入る空気を案内するように更に構成されてもよい。一態様では、レンズ対向面は、コンタクトレンズの凸面側に向かう複数の突起を備えてもよい。少なくとも1つのレンズ対向面とコンタクトレンズとの間の接触可能な表面積は、レンズの凸表面積の少なくとも約3パーセント、及び好ましくは20パーセント超である。レンズ対向面は、空気がコンタクトレンズから蓋キャビティの周辺容積内に移動することを可能にする少なくとも2つの空気流出チャネルを画定ことができる。チャネルは、約1mm~1.5mm又は1.5mm~2mmの幅を有することができる。別の態様では、少なくとも2つのチャネルは、周辺容積に向かって正の勾配を有してもよく、少なくとも約2mmの最小垂直方向立ち上がりを有する。場合によっては、少なくとも2つのチャネルは、パッケージが横向きに回転されたときに、チャネルのうちの少なくとも1つが、重力に垂直な平面に対して傾斜したキャビティの中心付近からの中心軸を有するように、互いに対して位置決めされてもよい。
【0016】
更にまた、コンタクトレンズパッケージは、把持部材及び開封タブを含むことができ、把持部材及び開封タブのうちの少なくとも1つは、パッケージの正しい向き又はパッケージを開封するときに保持すべき箇所を着用者に視覚的に示す着色領域を備える。いくつかの実施形態では、把持部材及び開封タブのうちの少なくとも1つは、実質的に透明な部分を更に含み、着色部分及び実質的に透明な部分は、ツーショット射出成形プロセスによって形成されている。把持部材及び開封タブのうちの少なくとも1つは触覚特徴部を備えてもよく、及び/又は、把持部材及び開封タブのうちの少なくとも1つは、印刷又はエンボス加工された製品情報を備える。
【0017】
特定の実施形態のコンタクトレンズパッケージは、実質的に平坦な関節接合ベースと、パッケージが未開封状態又は開封状態にあるときに、パッケージ溶液及びコンタクトレンズを凸位置に収容する蓋キャビティを備える実質的に剛性の蓋と、パッケージが開封状態にあるときに、コンタクトレンズをパッケージ溶液から実質的に出して保持するように構成されたレンズ支持体とを有することができる。
【0018】
本発明の特定の実施形態のパッケージは、パッケージの把持部材でパッケージを保持することと、i)パッケージを曲げ、蓋とパッケージのベースとの間のシールを破壊させ、ii)パッケージ溶液をコンタクトレンズから排出させ、蓋内に再捕捉させ、iii)コンタクトレンズをレンズ支持体上で着用者に提示させるために、パッケージの蓋の開封タブを引っ張ることと、コンタクトレンズをパッケージから移送することとを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の前述及び他の特徴と利点は、添付の図面に例解されるように、本発明の好ましい実施形態の以下のより具体的な説明から明らかになるであろう。
【
図1A】本発明の例示的な実施形態による、コンタクトレンズパッケージを開封するステップを示す。
【
図1B】本発明の例示的な実施形態による、コンタクトレンズパッケージを開封するステップを示す。
【
図1C】本発明の例示的な実施形態による、コンタクトレンズパッケージを開封するステップを示す。
【
図1D】本発明の例示的な実施形態による、コンタクトレンズパッケージを開封するステップを示す。
【
図1E】本発明の例示的な実施形態による、コンタクトレンズパッケージを開封するステップを示す。
【
図2A】開封プロセスの様々な瞬間における本発明の例示的な実施形態によるコンタクトレンズパッケージの断面図を示す。
【
図2B】開封プロセスの様々な瞬間における本発明の例示的な実施形態によるコンタクトレンズパッケージの断面図を示す。
【
図2C】開封プロセスの様々な瞬間における本発明の例示的な実施形態によるコンタクトレンズパッケージの断面図を示す。
【
図2D】開封プロセスの様々な瞬間における本発明の例示的な実施形態によるコンタクトレンズパッケージの断面図を示す。
【
図3】一実施形態によるコンタクトレンズパッケージの分解等角図を示す。
【
図4】代替の例示的な実施形態によるコンタクトレンズパッケージの分解等角図を示す。
【
図5A】例示的な実施形態のレンズ支持体を、等角図及び上面図でそれぞれ示す。
【
図5B】例示的な実施形態のレンズ支持体を、等角図及び上面図でそれぞれ示す。
【
図6】一実施形態による、蓋の下側及び蓋キャビティの内部の斜視図を示す。
【
図7】様々な向きの蓋のレンズ対向面の代替実施形態を示す。
【
図8】着色領域を含むコンタクトレンズパッケージの例示的な実施形態を示す。
【
図9】着色領域を含むコンタクトレンズパッケージの例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで、参照番号が特定の要素を示す添付図面に示される代表的な実施形態を詳細に参照する。以下の説明は、無数の実施形態を1つの好ましい実施形態に限定することを意図するものではない。対照的に、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、記載された実施形態の趣旨及び範囲内に含まれ得る代替物、修正及び等価物を網羅することが意図されている。
【0021】
「一実施形態(one embodiment)」、「ある実施形態(an embodiment)」、「いくつかの実施形態(some embodiments)」、「例示的な実施形態(an example embodiment)」等の言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、態様、又は特性を含むことができるが、全ての実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含まなくてもよいことを示す。更に、そのような語句は、必ずしも同一の実施形態に言及するものではない。更に、特定の特徴、構造、態様、又は特性がある実施形態に関連して説明される場合、このような特徴、構造、又は特性を他の実施形態と関連して実施することは、明示的に説明されているか否かによらず、当業者の知識の範囲内であると考えられる。
【0022】
本明細書で使用されるとき、以下の用語は、以下の意味を有する。本発明の特定の実施形態の利点は、レンズを反転することなく、指から落下させることなく、又は更なる操作なしに、それらがパッケージから着用者の指への、次いで指から着用者の眼への一貫したワンタッチレンズ移送を容易にすることである。一貫したレンズ移送は、指(又は「ダブ(dab)」)の最初のタッチに対する少なくとも約70%、少なくとも約80%、又は少なくとも約90%の移送の移送率を含む。レンズはまた、望ましくは、折り畳まれる又は反転することなく、指上に「起き上がり」、次いで、眼に配置されたときに眼に移送する。特定の実施形態のパッケージは、指サイズ及びダブ圧力の範囲にわたって所望のワンタッチ移送を提供することができる。温度及び指が湿っている又は乾燥しているかなどの環境条件もまた、移送率に影響を与える可能性があり、より高い温度では、一般にレンズ移送を改善する。
【0023】
レンズ(単数又は複数)又はコンタクトレンズ(単数又は複数)は、眼上に存在する眼科用デバイスを指す。それらは、一般に、半球形状を有し、光学補正、美容増進、UV遮蔽及び可視光若しくはグレア低減、創傷治癒、薬若しくは栄養補助食品の送達を含む治療効果、診断評価若しくはモニタリング、又はそれらの任意の組み合わせを提供することができる。レンズという用語は、一般に水和状態のパッケージで消費者に提供され、それらが角膜に適合することを可能にする比較的低い弾性率を有する、ソフトヒドロゲルコンタクトレンズを含む。本発明のパッケージと共に使用するのに好適なコンタクトレンズは、従来のヒドロゲルコンタクトレンズ及びシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズを含む、全ての水和コンタクトレンズを含む。
【0024】
ヒドロゲルは、平衡状態で水を含有する水和架橋ポリマー系であり、水和状態で少なくとも約25%、又は少なくとも35%の水を含有することができる。ヒドロゲルは、典型的には、酸素透過性かつ生体適合性であり、コンタクトレンズの製造に優秀な材料である。
【0025】
従来のヒドロゲルコンタクトレンズは、シリコーン含有成分を含まず、一般に、シリコーンヒドロゲルよりも高い含水量、低い酸素透過性、弾性率、及び形状記憶を有する。従来のヒドロゲルは、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(「HEMA」)、N-ビニルピロリドン(「NVP」)、又はポリビニルアルコールなどの親水性モノマーを主として含むモノマー混合物から調製される。米国特許第4,495,313号、同第4,889,664号、及び同第5,039,459号は、従来のヒドロゲルの形成物を開示している。従来のヒドロゲルは、イオン性又は非イオン性であり得、ポリマコン(polymacon)、エタフィルコン(etafilcon)、ネルフィルコン(nelfilcon)、オキュフィルコン(ocufilcon)レネフィルコン(lenefilcon)などを含む。これらの従来のヒドロゲル材料の酸素透過性は、典型的には、20~30バーラー未満である。
【0026】
シリコンヒドロゲル配合物としては、バラフィルコン(balafilcon)サムフィルコン(samfilcon)、ロトラフィルコン(lotrafilcon)A及びB、デルフィルコン(delfilcon)、ガリーフィルコン(galyfilcon)、セノフィルコン(senofilcon)A、B及びC、ナラフィルコン(narafilcon)、コムフィルコン(comfilcon)、フォルモフィルコン(formofilcon)、リオフィルコン(riofilcon)、ファンフィルコン(fanfilcon)、ステンフィルコン(stenfilcon)、ソモフィルコン(somofilcon)、カリフィルコン(kalifilcon)などが挙げられる。「シリコーンヒドロゲル」は、少なくとも1つの親水性成分及び少なくとも1つのシリコーン含有成分から作製されるポリマーネットワークを指す。シリコーンヒドロゲルは、60~200、60~150、又は80~130psiの範囲の弾性率、20~60%の範囲の含水量を有することができる。シリコーンヒドロゲルの例としては、アクアフィルコン(acquafilcon)、アスモフィルコン(asmofilcon)、バラフィルコン(balafilcon)、コムフィルコン(comfilcon)、デレフィルコン(delefilcon)、エンフィルコン(enfilcon)、ファンフィルコン(fanfilcon)、フォルモフィルコン(formofilcon)、ガリーフィルコン(galyfilcon)、ロトラフィルコン(lotrafilcon)、ナラフィルコン(narafilcon)、リオフィルコン(riofilcon)、サムフィルコン(samfilcon)、セノフィルコン(senofilcon)、ソモフィルコン(somofilcon)、及びステンフィルコン(stenfilcon)(これらの変形の全てを含む)に加えて、米国特許第4,659,782号、同第4,659,783号、同第5,244,981号、同第5,314,960号、同第5,331,067号、同第5,371,147号、同第5,998,498号、同第6,087,415号、同第5,760,100号、同第5,776,999号、同第5,789,461号、同第5,849,811号、同第5,965,631号、同第6,367,929号、同第6,822,016号、同第6,867,245号、同第6,943,203号、同第7,247,692号、同第7,249,848号、同第7,553,880号、同第7,666,921号、同第7,786,185号、同第7,956,131号、同第8,022,158号、同第8,273,802号、同第8,399,538号、同第8,470,906号、同第8,450,387号、同第8,487,058号、同第8,507,577号、同第8,637,621号、同第8,703,891号、同第8,937,110号、同第8,937,111号、同第8,940,812号、同第9,056,878号、同第9,057,821号、同第9,125,808号、同第9,140,825号、同第9156,934号、同第9,170,349号、同第9,244,196号、同第9,244,197号、同第9,260,544号、同第9,297,928号、同第9,297,929号、並びに国際公開第03/22321号、同第2008/061992号、及び米国特許出願公開第2010/0048847号で調製されるようなシリコーンヒドロゲルが挙げられる。これらの特許は、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。シリコーンヒドロゲルは、従来のコンタクトレンズよりも高い形状記憶を有することができる。
【0027】
ヒドロゲルレンズは、粘弾性材料である。コンタクトレンズは、レンズがパッケージ又はパッケージ内の任意の気泡のいずれかと相互作用する場合、光学的歪みを形成することがある。光学的歪みの程度、及び歪みが緩和するのに必要な時間の長さは、化学的性質に応じて変化し、かつレンズの幾何学的形状に応じてより低い程度まで変化する。エタフィルコンA又はポリマコンのようなポリヒドロキシエチルメタクリレート系レンズなどの従来のレンズ材料は、シリコーンヒドロゲルと比較して低損失弾性率及びタンデルタを有し、パッケージとの接触の結果として、より少なく、かつより重大でない光学的歪みを形成することができる。(一般にバルク弾性応答を増加させる)シリコーンの組み込み、(一般に粘性応答を増加させる)PVPなどの湿潤剤、又は(レンズ界面での弾性応答を低下させ得る)従来のヒドロゲル材料のコーティングは、レンズの粘弾性特性を変化させることができる。短い又は剛性のある架橋剤及び若しくは硬化剤を有する従来のヒドロゲルコンタクトレンズ及びシリコーンヒドロゲルコンタクトレンズは、短い形状記憶を有し、保管中の変形の影響をより受けにくいことがある。本明細書で使用されるとき、高い又はより高い形状記憶のヒドロゲルは、気泡又はパッケージとの接触から、55℃で5週間の加速エージング後に、少なくとも約0.18の光学的歪みを示す。損失弾性率及びタンデルタを含む粘弾性特性は、動的機械分析を使用して測定することができる。
【0028】
コンタクトレンズは、任意の幾何学的形状又はパワーのものであってもよく、概ね半球形状を有し、使用時に眼に対して静止する凹状後側面と、眼から離れる方向に向き、かつまばたき中に眼瞼と接触する凸状前側面と、を有する。
【0029】
レンズの中心又は頂点は、レンズ光学ゾーンの中心である。光学ゾーンは、光学補正を提供し、約7から約10mmの直径を有することができる。レンズ周辺部又はレンズ縁部は、前側と後側とが接する縁部である。
【0030】
湿潤レンズは、コンタクトレンズ、及びパッケージ溶液の排出後にそれに付着した任意の残留パッケージ溶液である。湿潤接触は、湿潤レンズとレンズ支持体との間の総計した接触面積である。
【0031】
実施形態は、チャンバとも互換的に呼ばれる封止可能なキャビティによって取り囲まれたレンズ支持体を含むことができる。キャビティは、任意の便利な形態を有することができ、パッケージベースと、少なくとも蓋と、を含むことができ、それらの各々は、以下で詳細に説明する。本明細書で使用されるとき、「蓋(the lid)」、「蓋(a lid)」、「ベース(the base)」、及び「ベース(a base)」という語句は、単数形及び複数形の両方を包含する。蓋及びパッケージベースは、互いに封止されて、使用前の輸送及び保管中にコンタクトレンズ、支持体、及びパッケージ溶液を滅菌状態に保持するキャビティを形成する。コンタクトレンズパッケージは、コンタクトレンズ及び溶液と適合性があり、更にレトルト可能かつ生物学的に不活性な材料から作製されている。
【0032】
「フィルム」又は「多層フィルム」は、パッケージを封止するために使用されるフィルムであり、しばしばリッドストックと呼ばれる。従来のコンタクトレンズパッケージで使用される多層フィルムは、ベース、蓋の構成要素、又はその両方として本発明のパッケージに使用することができる。多層フィルムは、ホイル層を含むバリア層、又はコーティング、フィルムをパッケージの残りの部分に封止する封止層を含む複数の層を含み、剥離開始層、ラミネーション層、及び剛性、耐熱性、印刷適性、耐穿刺性、水又は酸素に対するバリア耐性などの他のパッケージ特性を改善する層から選択される追加の層も含むことができる。多層フィルムは、蒸気滅菌可能(レトルト可能)シールを形成する。多層フィルムは、剛性及び耐熱性を高めるためのPET、BON、若しくはOPPフィルム層、又は酸素若しくは水蒸気に対するバリア耐性を改善するためのEVOH若しくはPVdCコーティングを含むことができる。
【0033】
本明細書で使用されるとき、「未開封状態」又は「未開封」は、閉じられており、かつ溶液中にコンタクトレンズを収容する、コンタクトレンズパッケージを指す。
【0034】
本明細書で使用されるとき、「開封状態」又は「開封」は、開封され、コンタクト溶液がレンズから実質的に排出され、及び/又はレンズが溶液から実質的に保持又は持ち上げられた後のコンタクトレンズパッケージを指す。
【0035】
パッケージ溶液は、選択されたレンズ材料及びパッケージと適合性のある任意の生理学的に適合性のある溶液である。パッケージ溶液は、緩衝生理食塩水溶液などの生理的pHを有する緩衝溶液を含む。パッケージ溶液は、緩衝液、pH及び弾力性調整剤、潤滑剤、湿潤剤、栄養補助食品、医薬品、パッケージコーティング成分などを含む既知の成分を含有することができる。
【0036】
パッケージベースは、パッケージの底部を形成することができる。これは、ホイル若しくはプラスチックの平坦なシート、積層フィルム、又はプラスチックを含む、医療デバイスを包装するのに好適な任意の材料から作製することができる。レンズ支持体の底部は、パッケージキャビティ内に面するベース表面上に設けられるか、又はこれによって支持されてもよい。レンズ支持体はまた、ベースと一体であってもよい。レンズ支持体は、ベースの底部が水平であるときにレンズ支持体及びレンズを傾斜位置に保持するために、水平であってもよく、又は傾斜していてもよいパッケージベースの内面の上に載置されてもよい。
【0037】
パッケージ蓋は、一般に、パッケージの上部部分に存在し、ベースを封止して、レンズ支持体、レンズ、及びパッケージ溶液の少なくとも一部分を収容するキャビティを形成する。蓋は、ホイル若しくはプラスチックの成形シート、積層フィルム、又はプラスチックを含む、医療デバイスを包装するのに好適な任意の材料から作製することができる。一方の構造体のためのプラスチック及び他方としてホイル若しくは積層フィルムを含むパッケージ、又は蓋及びベースの外層としてホイル若しくは積層フィルムを含むパッケージは、当該技術分野で既知であり、好適な組み合わせの例である。
【0038】
この説明全体を通して射出成形プロセス及び射出成形に従来適用された材料の使用に対する言及は、例示として理解されるべきである。当業者は、代替成形プロセス、熱成形、3D印刷などを含むがこれらに限定されない、他の製造手段が添付の特許請求の範囲の範囲内で可能であることを理解するであろう。同様に、ヒートシール及びヒートシーリングへの言及は、本明細書に記載の実施形態に対する例示である。接着剤、糊、熱接着、熱、超音波、若しくはレーザー溶接などの溶接、又は機械的トラップなどの使用を含む、パッケージ構成要素を固定する他の手段が当業者には明らかであろう。
【0039】
本発明の特定の態様は、パッケージの外側から加えられる機械的圧力などの重力又は他の力に起因して保管又は輸送中に生じ得る、気泡又はレンズパッケージの内部との相互作用によるコンタクトレンズへの著しい光学的損傷を低減又は防止するのに役立つことができる。本明細書で使用されるとき、著しい光学的損傷は、約0.08μm以上の二乗平均平方根(root-mean-squared、RMS)値を意味する。
【0040】
図を参照すると、
図1A~
図1Eは、本発明の例示的な実施形態による、コンタクトレンズパッケージを開封するステップを示す。開封タブ110、蓋112、及び把持部材106を有する未開封のコンタクトレンズパッケージ100が
図1Aに示されている。この実施形態では、開封タブ110及び蓋112は、一体のプラスチック部品で形成されている。
図1Bに示される第1のステップにおいて、着用者は、把持部材106で未開封のコンタクトレンズパッケージ100を保持し、パッケージ100の蓋112の開封タブ110を引っ張る。必須ではないが、着用者は、一方の手でパッケージ100を把持し、他方の手で開封タブ110を引っ張ることができる。
図1Cに示されるステップで示されるように、開封タブ110を引っ張ることで、パッケージ100を曲げ、パッケージ100の蓋112とベース118との間のシールを破壊させる。この実施形態では、パッケージ100は、この場合はパッケージ100の把持部材106、蓋112、及びレンズ支持体126から構成されるパッケージの上部部分にヒートシールされた多層フィルム又は積層ホイルシールである、ベース118に沿って蝶番式に動くことによって曲がる。
【0041】
パッケージ100が開くと、パッケージ溶液130はコンタクトレンズ122から排出され、蓋112内に、及びこの場合、具体的には蓋キャビティ132、すなわちパッケージが未開封状態にあるときにコンタクトレンズ122及びパッケージ溶液130を収容する蓋112に形成されたキャビティ内に、再捕捉される。パッケージが更に開くと、コンタクトレンズ122は、コンタクトレンズ122をパッケージ溶液130から実質的に出して保持するレンズ支持体126上で、着用者に提示される。この文脈においてレンズを保持することは、レンズを支持体に対して支持的に載置できるようにすることを意味する。これにより、
図1Dによって示されるステップに示されるように、着用者は、パッケージ100からレンズ122を移送することができる。この実施形態では、レンズは、凸向きで着用者に便利に提示され、レンズの凹面側を着用者の眼の表面上に配置する前にレンズの向きを変える必要なしに、レンズの凸面側122aが着用者にアクセス可能であることを意味する。しかしながら、従来のブリスターパッケージの凹向きなどの他の向きが本発明の範囲内で可能であることが理解されよう。レンズ支持体126からのコンタクトレンズの移送は、着用者の指124によって、レンズに直接触れる、若しくは(例えば、米国特許出願公開第20190046353号に記載されているような)アプリケータフィルム又は指に適用された他のカバーによって間接的に実行されてもよく、又は手動若しくは自動アプリケータデバイスなどの別の移送手段によって実行されてもよい。パッケージ100からのコンタクトレンズ112の移送時に、レンズは、
図1Eに示されるステップで示されるように、コンタクトレンズの凸面側122aを指124に接触させ、レンズの凹面側122bを着用者の眼の表面への直接適用のために向けた状態で、指124(又は他の移送手段)上に載置される。
【0042】
ここで
図2A~
図2Dを参照すると、開封プロセスの様々な瞬間における本発明の例示的な実施形態によるコンタクトレンズパッケージの断面図が示されている。
図2Aから始めると、コンタクトレンズパッケージ200が、封止された未開封状態で断面図に示されている。コンタクトレンズ222及びパッケージ溶液230は、パッケージ200のベース206と蓋212との間でキャビティ232内に封止される。パッケージ200は、レンズ222の下にレンズ支持体226を用いてレンズ222の上からレンズ対向面234によって、レンズ222を支える。以下でより詳細に説明されるように、本発明のレンズ対向面は、コンタクトレンズをレンズ支持体の上に位置合わせし、パッケージ溶液中の気泡との相互作用を最小限に抑え、及び/又はコンタクトレンズへの著しい光学的損傷を防止するのに役立つことができる。いくつかの実施形態では、レンズ対向面はまた、開封時にコンタクトレンズがパッケージに貼り付く発生率を低減するために、コンタクトレンズの上のパッケージに入る空気を案内することによって、空気入口ガイドとして機能する。図示される実施形態では、レンズ対向面234は、レンズ222の凸表面に向かって下方に延在する突起234a及び234bによって形成されている。しかしながら、例えば、連続的な内部表面が、本明細書に記載されるレンズ対向面の機能のうちの1つ以上を提供するのに十分な厚さであるか、又は十分にコンタクトレンズの近くに位置決めされるなど、他の構成も可能である。
【0043】
パッケージ200の開封は、
図2Bに示されるように、この実施形態ではハンドル/レバーの形態をとる開封タブ210を引っ張ることによって開始される。開封タブ210が持ち上げられると、蓋212とベース218との間のシールは、ベース218の少なくとも一部を構成するホイルシールに蓋212が封止されている点220で壊れ始める。次いで、パッケージ200に空気が入り、パッケージ溶液230が移動し始める。移動するにつれて、パッケージ溶液230は、ベース218及び蓋が把持部材206に対してとる角度で収容される。パッケージ溶液の表面張力は、ベース218と蓋222との間の空間に留まるその能力に役立つ。ここで、把持部材206及び蓋212は、把持部材206と蓋212との間の間隙によって画定される蝶番240で接し、これらはベース218に各々封止された別個の構成要素である。
図2Cに示されるように、パッケージ200は更に開き、蝶番240の右側ベース218はレンズから離れる方に移動し、溶液をレンズ222から排出させ、レンズ支持体226は、開封時にレンズを凸向きに保持する。蓋とベース218との間のシールは、ベース218及び蓋212がパッケージ溶液230を収容して重力かで212蓋に戻すために協働する際に、パッケージ200の遠位端246に向かって壊れ続ける。蓋及び把持部材は、別の実施形態では、単一の射出成形部品など、単一の一体の構成要素によって形成され得ることが理解されるべきである。このような実施形態では、間隙は存在しなくてもよく、蓋と把持部材との間の薄い又は薄化された境界によって、蝶番又は他の関節接合がもたらされてもよい。同様に、図示される実施形態では、ホイルシールがベース材料として利用されるが、予測可能な方式で関節接合、折り畳み、又は枢動/蝶番式動作するように構成された他の実質的に可撓性の材料又は実質的に剛性の材料が、同じ又は同様の機能性を提供してもよい。
【0044】
図2Dに示されるように、パッケージ200が開封状態に達するとパッケージ溶液230は、蓋212内に、より具体的には蓋キャビティ232内に、実質的に再捕捉されている。有利には、パッケージ溶液230は、パッケージ溶液の無菌性を維持しながら、開封動作の不可欠な部分としてコンタクトレンズ222から排出されており、これは、着用者がレンズを洗浄及び/又は再水和したい場合に有益である。レンズ222もまた凸向きで着用者に提示され、これにより、ワンタッチ移送を容易にする。蓋キャビティ内への再捕捉が好ましいが、蓋内の再捕捉の代替実施形態が、添付の特許請求の範囲内で可能であることは理解されよう。例えば、同じ又は同様の機能性を達成するために、リザーバ又はダムなどの1つ以上の特徴が蓋に組み込まれてもよい。その開封状態では、パッケージの上部部分がベースから完全に分離しないことが好ましい。上部部分とベースとの間の接続を維持することは、再捕捉されたパッケージ溶液がパッケージからこぼれるのを防止するのに役立つ。接続を維持することによって、蓋はまた、着用者の指で軽く叩くことなどによって、ベースを押し下げて着用者がレンズを移送するのを邪魔しないようにする。開封後にパッケージの上部部分とベースとの間の接続を維持することは、いくつかの実施形態では、開封後、例えば着用者がパッケージから眼にレンズを移送するためにパッケージから一方の手を解放し得る瞬間に、開封された蓋を実質的に水平位置に維持することによって達成され得る。この態様は、パッケージが開封状態に達すると蓋がベースから分離するのを妨げるための終端手段をパッケージに提供することによって達成され得る。好適な終端手段は、蓋及びベースの一方又は両方と一体の材料の領域、プラスチックフレーム、蓋キャビティとベースとの間に形成された復元可能なシールとは別のパッケージの遠位端にある追加のシール、又はプラスチックインサート、プラスチック層、二重層ホイルなどのような補強材を含む。終端手段が蓋の遠位部分とベースとの間の追加のシールであり、可撓性シート材料を備えるとき、シールは、接着剤、糊、熱接合、熱、超音波若しくはレーザー溶接などの溶接、又は機械的トラップなどを含む任意の好適な手段によって作り出されてもよい。
【0045】
一態様では、レンズ支持体は、2つ以上の支持部材を有利に含むことができる。例えば、レンズ支持体226において具体化されるように、レンズ支持体226は、一次支持部材226a及び二次支持部材226bを含み、その各々は、パッケージが未開封状態にあるときにキャビティ232内のコンタクトレンズ222を支持する。
図2Cに示されるように、開封時、コンタクトレンズ222は第1の支持部材226aの上に載置され、第2の支持部材226bはレンズから離れる方に移動される。より具体的には、二次支持部材はベース218から離れる方に蝶番式に動き、パッケージ溶液230は蓋212内に排出される。この例では、一次支持部材は主に、レンズを溶液から出して保持し、効果的なレンズ移送を容易にするように機能するが、二次支持部材は、パッケージが未開封のときにレンズ、特にレンズの凹表面の周辺部分を保護及び支持する。任意選択的であるものの、支持部材を2つの機能的支持部材に分割することは、本明細書では分割支持配置とも呼ばれるが、
図5A及び
図5Bを参照して以下でより詳細に説明されるいくつかの利点を提供することができる。
【0046】
図3は、コンタクトレンズパッケージ100、及び例示的な実施形態の構成要素である蓋112、レンズ支持体126、把持部材106、及びベース118の分解等角図を示す。
図3に示される実施形態では、ベース118は積層ホイルシートで構成される。パッケージ100の上部部分306は、レンズ支持体126、蓋112、及び把持部材106を含み、これらは成形プラスチックで形成され、ヒートシールを介してベース118に取り付けられる。蓋112は、コンタクトレンズ122、レンズ支持体126、及びパッケージ溶液を収容する蓋キャビティの周りのレトルト可能シール114を介してパッケージベースに剥離可能に取り付けられる。蓋112は、ベース118に対して約150°で傾斜した隆起リングプルの形態の開封タブ110を含む。蓋112は、開封タブ110が着用者によって係合されたときに最初に壊れるシール114内の点に沿って位置する空気入口スクープ310を更に含む。スクープ310は、開封タブ110と位置合わせされる。空気入口スクープ310は、面取り部を介して蓋キャビティ132内に傾斜している。別の実施形態では、空気入口スクープは、円形、卵形、三角形、正方形、長方形、又は不規則形を含むがこれらに限定されない任意の形状を有することができる。本発明のパッケージはまた、開封タブ110で内部蓋壁とレンズ支持体との間に少なくとも約2mmの隙間を提供することなどによって、別個の空気入口スクープを省略してもよい。
図3に示される実施形態では、蓋112はまた、閉じ込められた空気がレンズ122から離れて蓋キャビティ132の内側の周辺容積内に向かって移動するための容積を提供するために、レンズ支持体126の中心の上方の蓋112内に位置決めされた窪み又はディンプル329も含む。ディンプルの深さは、パッケージが封止されたとき、蓋内部のディンプルの最下点、又は蓋の内部の任意のレンズ対向面がレンズの頂点に触れないように選択される。
【0047】
把持部材106は、パッケージが封止/未開封のときに、把持部材106に重なる開封タブ110の部分を嵌合的に受容するように輪郭形成された領域320を含む。この配置は、開封タブ110を把持部材106内に効果的に着座させ、これは、追加の横方向安定性を与え、上部部分306とベース118との間のより良い封止を容易にすることができる。比較的平坦及び/又は薄い代替形態と比較して、輪郭形成された面積320を収容するように厚くされた把持部材106は、把持部材106に付加的な構造的剛性を提供し、これは、パッケージが開封されるときに、より大きなてこの力、及びより定義された蝶番又は変曲点を有利に作り出すことができる。レンズ支持体126は、パッケージが未開封のときにレンズの下方で中心に位置する一次支持部材126aと、パッケージが未開封のときにレンズ122の周辺凹面側に支持を提供するためにコンタクトレンズ122の周縁部の下方で一次支持部材を取り囲む二次支持部材126bとを有する分割配置を有する。
【0048】
別の例として、
図4は、コンタクトレンズパッケージ200、及び例示的な実施形態の構成要素である蓋212、レンズ支持体226、把持部材206、及びベース218の分解等角図を示す。ベース218は、積層ホイルシートで構成される。パッケージ200の上部部分406は、レンズ支持体226、蓋212、及び把持部材206を含み、これらは成形プラスチックで形成され、ヒートシール(又は接着剤、超音波溶接などのような代替取り付け手段)を介してベース118に取り付けられる。蓋212は、コンタクトレンズ222、レンズ支持体226、及びパッケージ溶液を収容する蓋キャビティの周りのレトルト可能シール214を介してパッケージベースに剥離可能に取り付けられる。蓋218は、弓状に隆起したハンドルの形態の開封タブ210を含む。蓋218は、開封タブ110が着用者によって係合された状態で最初に壊れるシール114内の点に沿って位置する空気入口スクープ410を更に含む。蓋212は、レンズ支持体226の中心の上方の蓋212内に位置決めされたディンプル429を含む。レンズ支持体226は、パッケージが未開封のときにレンズの下方で中心に位置する一次支持部材226aと、パッケージが未開封のときにレンズ222の周辺凹面側に支持を提供するためにコンタクトレンズ222の周縁部の下方で一次支持部材226aを取り囲む二次支持部材226bとを有する分割配置を有する。
【0049】
図5A及び
図5Bは、例示的な実施形態のレンズ支持体を、等角図及び上面図でそれぞれ示す。レンズ支持体126は、輸送及び保管中に、レンズを好ましい凸向き(パッケージのベースに対してボウルを下にした)及び位置(支持体の上に中心のある)に維持する。レンズ支持体126はまた、開封時に、支持体の間に水を閉じ込めることなくパッケージ溶液がレンズ及び支持体126から排出されることを可能にする開放空間510と、レンズが支持体上に崩壊するか、そこから回転するか、又はこれを横切って並進することの発生率を低減するのに十分な数のレンズとの接触点とを提供する。これにより、支持体126とレンズとの間の接触面積を制限しながら、レンズの頂点をレンズ自身の弾性剛性によって支持する、又はレンズ頂点の沈みを最小限に抑えることができる。溶液排出後の支持体126とレンズとの間の接触及び支持体とレンズとの間に閉じ込められた水が過度に多いことにより、着用者の指とレンズとの間の表面張力よりも大きい、レンズ支持体上及びレンズ支持体の周囲のレンズと水との間の表面張力を生成して、効率的なレンズ移送を妨げる可能性がある。
【0050】
より長い形状記憶を有するポリマーから作製されたレンズについて、レンズ支持体は、保管中のレンズと支持体との間の接触を制限するように設計することができる。そのような接触は、レンズ周縁部の周りに分布させることができる。レンズ光学ゾーン、レンズ支持体、及び蓋内部(任意の空気入口ガイドを含む)間の接触は、一時的であってもよく、又は光学ゾーンと支持体、蓋、若しくは空気入口ガイドとの間に接触がなくてもよい。より短い形状記憶を有する従来のヒドロゲルなどのレンズは、パッケージ接触から歪む傾向がより低く、レンズ中心ゾーン(約9mm、又は約5mmの直径)を含む、周辺の周り及びレンズプロファイル全体にわたって分布した接触点を有することができる。
【0051】
本発明のレンズ支持体は、好ましくは、ダビング中の過剰に大きな圧力から取り出し中にレンズ反転又はレンズへの損傷を引き起こすことなく、ダビング時に、指先及びレンズの両方が互いの形状に一致するように変形することを可能にする。したがって、本パッケージからのレンズの取り出しの態様は、指とレンズとの間の接触面積がレンズ下側のレンズ支持体の接触表面積を上回るように、レンズとレンズ支持体との間の面積と比較して、指とレンズとの間の接触面積の比率を制御することである。これにより、指とレンズとの間の表面張力がレンズとレンズ支持体との間の表面張力を上回ることを確実にする。したがって、レンズは、レンズ移送及び眼上への配置のために、指に付着する。
【0052】
レンズ支持体126は、未開封状態にあるパッケージに関連付けられた構成で示されている。この実施形態では、レンズ支持体126は、内側位置にある、本明細書では一次支持部材とも呼ばれる1つの支持部材126aと、入れ子構成を形成するために一次部材126aを取り囲む、本明細書では二次支持部材とも呼ばれる別の支持部材126bとを有する分割配置を有する。一次支持部材126aは、パッケージが未開封のときにレンズ122の周辺凹面側に支持を提供するために、コンタクトレンズ122のレンズ周縁部の光学ゾーンの外側の領域でコンタクトレンズの凹面側の少なくとも一部の下方に位置決めされる。パッケージが未開封のときのレンズ支持体の機能性を説明するために本明細書で使用されるとき、コンタクトレンズを「支持する(している)」とは、レンズとの密な接触を必要とすることを意味しない。逆に、本発明のパッケージは、好ましくは、パッケージが閉じられているときにコンタクトレンズとの接触を最小限に抑え、レンズは、パッケージ溶液中に浮遊する。理想的には、レンズの光学ゾーンは、自由に浮遊しており、保管中のレンズ支持体との接触は、一時的である、又は存在しない。しかしながら、重力及びパッケージ溶液中の気泡は、レンズとパッケージとの間に望ましくない相互作用を生じる可能性がある。相殺されない場合、これらの相互作用は著しい光学的損傷をもたらす可能性がある。したがって、本発明者らは、レンズに「負荷がかけられた」とき、すなわち重力及び/又は気泡によってパッケージの内部に押しつけられたときに、理想的にはレンズ支持体が溶液中のレンズに支持を提供するべきであることを認識した。
図2Cの例示的な開封方法を参照して説明された方式で、一次支持部材126aは、パッケージが開封状態にあるとき、コンタクトレンズは次支持部材支持体126aの上に載置され、パッケージ溶液がレンズから排出されることに伴い、二次支持部材126bはレンズから離れる方に移動され、これによってレンズを、好ましくは、ただし任意選択的に、着用者によるワンタッチ移送を可能にするために中央支持部材の上に十分に濡らされないままにするように、構成される。
【0053】
この実施形態の一次支持部材126aは、複数の中央支持アーム126a’及び周辺支持アーム126a”を有し、パッケージが開封されたときにレンズがその上に中心合わせされ、最終的にレンズが載置される、中央支持部分を含む。中央支持アーム126a’は、支柱520を介して周辺支持アーム126a”及び二次支持部材126bに対して持ち上げられている。開封時に、コンタクトレンズ周辺部は周辺支持体126a”の上に載置されることになり、レンズは追加で中央支持体支持体126a”の上に載置されてもよい。一次支持部材126aの設計は、レンズプロファイルと実質的に一致しない支持体プロファイルの無数の例のうちの1つを表す。レンズのプロファイルと実質的に一致する既知のレンズ支持体と比較すると、本発明の特定の実施形態における一次支持体の不一致プロファイル(図示される実施形態はそのうちの1つのみを示す)は、とりわけ、一次レンズ支持体とレンズとの間の湿潤接触面積を約20mm2未満、約20mm2未満、約18mm2未満、又は約15mm2未満に低減することによって、レンズ移送を容易にする。更に、一次レンズ支持体は、好ましくは、コンタクトレンズ周縁部を少なくとも1mm超えて延在する遠位端を有する複数の周辺支持体を備え、パッケージが開封されてパッケージ溶液がレンズ及び支持体から離れる方に向けられた後、周辺支持体に沿ってコンタクトレンズ縁部との少なくとも3、3から14、4から14、3から8又は4から8、4から6又は6つの接触点、並びに支持体とレンズとの間の湿潤接触を提供する。
【0054】
一次レンズ支持体126a及び二次レンズ支持体126bは、この実施形態では、一片の成形プラスチックとして形成された一体の構成要素である。一次支持部材126a及び二次支持部材126bは、それぞれ横材550に接合する一次カンチレバー530及び二次カンチレバー540を介して取り付けられる。そして横材550は、パッケージのベースに取り付けられる。横材550は、一次支持部材126aとパッケージベースとの間の単一の取り付け点として機能するが、二次部材126bは、追加のビアヒートシール(図示せず)によって、開封中に枢動するベースの一部に追加で固定的に取り付けられる。その結果、二次支持部材126bは、開封中にベースのその部分と共に枢動し、続いてレンズ及び一次支持部材126aからパッケージ溶液が排出され、その一方で一次支持部材は、パッケージが蝶番式に開く際に、空間内に相対的に固定されたままであるか、又は水平に対してある角度で持ち上がる(
図2C及び
図2Dを参照して上記で例示的に説明されたとおり)。蝶番動作(又はより一般的な概念では関節接合)とも呼ばれるベースの枢動は、枢動するときに二次カンチレバー540がそれに沿って曲がり、開封時に一次カンチレバー530がそれを横切って相対的に直線的なままとなる、蝶番線を作り出す。
【0055】
一次及び二次カンチレバー530及び540は、レンズキャビティ内のレンズ(
図2A~Dに関連してより一般的に説明されるように)の周りから好ましくは蓋内の再捕捉に向かって排水経路に沿ってパッケージ溶液を向かわせるのに役立つ追加の利点を提供することができる。より具体的には、カンチレバー530及び540は、全体的な排水経路に沿って、レンズから流れ出すパッケージ溶液の一時的な膜を作り出す排出チャネルとして機能することができ、この膜を排出するために重力と共に作用する。このようにして、排出チャネルは、パッケージが開封されてレンズ支持体がパッケージ溶液から出て保持されるときに、レンズの裏とレンズ支持体構造との間のパッケージ溶液の滞留を最小限に抑えるのに役立つ。特定の実施形態では、排出チャネルは、2つの隣接する部材、例えばカンチレバーの間に間隙を備えてもよく、又は単一部材が使用されるとき、単一部材中に分割を備えてもよい。周辺支持部材のないレンズ支持体では、排出チャネル間隙は、レンズ周辺の内側の任意の点で始まることができる。周辺支持部材を有する支持体では、排出チャネル間隙は、周辺部材の内縁、又はレンズ周辺の内側の任意の点のいずれかで始まることができる。
【0056】
別の態様では、この実施形態において、二次支持部材126bは、コンタクトレンズのプロファイルを部分的に反映する、凸状の部分ドームプロファイル570を有する。開封時に二次支持部材126bがレンズから離れる方に移動できるようにする分割配置は、パッケージが開封され、レンズが移送のために提示されたときに二次支持部材がレンズと物理的に接触しないようにする。したがって、そうでなければレンズとレンズ支持体との間に存在するであろう過剰な湿潤面積が回避され得、その一方で、保管、出荷、及び取り扱い中など、パッケージが未開封のとき、ある程度レンズを反映するプロファイルを有することを支持する利点(すなわち、レンズの付加的な支持及び保護)は、二次支持体126bによって維持される。
【0057】
本明細書に図示される実施形態などの分割レンズ支持体配置は、二次支持体126bがキャビティ内のより大きな容積を充填することを含む複数の利点を提供することができ、これにより、レンズを水和させるために必要とされる溶液の量を低減し、空気がパッケージに入るときにレンズと接触してレンズをレンズ支持体に押しつける表面積を増大させることによって開封中にレンズが蓋に貼り付く発生率を低減し、レンズの損傷を低減し、気泡の移動及びレンズの反転を制限する。これらの利点の一部又は全部を達成する際に、単一であるか、二次と一次及び場合により他の構成要素との間で分割されているかにかかわらず、レンズ支持体は、コンタクトレンズの下及びレンズの周縁部の下の空間を可能な限り充填することが好ましいが、任意選択的である。
【0058】
本明細書に図示及び説明されるレンズ支持体の実施形態は、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲内のレンズ支持体の無数の実施形態のうちの1つであることが強調されなければならない。例えば、単一の支持手段(例えば、一次支持体はあるが二次支持体はない)、又は別個の部品として形成された一次及び二次支持部材を有するレンズ支持体がある実施形態を含む、別の実施形態が可能であることは理解されよう。更に、二次支持部材126bは一次支持部材126aと同じ部品として形成されているが、別の実施形態では、二次支持体は別に形成されていてもよく、すなわち別個の部品であってもよく、及び/又はパッケージベースと一体に作製されてもよい。更にまた、例えば二次支持部材を取り囲むのが一次支持部材である、又は支持部材が開封時にレンズから離れる方に移動するか又はレンズから分離する配置が一次レンズ支持体の内側及び外側の両方に着座し得るなど、他の代替設計において、添付の特許請求の範囲内のレンズ支持体の機能性及び利点を達成することが可能である。
【0059】
ここで
図6を参照すると、一実施形態による、蓋112の下側及び蓋キャビティ132の内部の斜視図が示されている。蓋112は、パッケージが未開封のときに蓋キャビティ112内の凸位置でコンタクトレンズの上方に位置決めされるように構成された蓋キャビティ132を含む。蓋112は、複数のレンズ対向面610を含み、これらはこの実施形態では、レンズの凸表面に向かって下方に延在する突起として形成されている。レンズ対向面610は概して、蓋キャビティ132に収容されるコンタクトレンズの凸状レンズ面を反映して形成されている。この場合、レンズ対向面610は、i)コンタクトレンズをレンズ支持体の上に位置合わせし、ii)キャビティの周辺容積への空気の流出を促進し、iii)重力又は空気誘発力による著しい光学的損傷からコンタクトレンズを保護するように機能する。レンズ対向面610は、開封時にコンタクトレンズが蓋に貼り付く発生率を低減ためにコンタクトレンズ上で、空気入口スクープ114によって補助されるように、蓋キャビティに入る空気を案内することによって、空気入口ガイドとしても動作する。
【0060】
上前述のように、重力及びパッケージ溶液中の気泡は、適切に抑制されない場合、光学的損傷をもたらす。本発明のレンズ対向面は、著しい光学的損傷を回避又は低減するために、これらの力によって負荷がかけられたときにレンズを支持するように設計され得る。一態様では、図示された実施形態のレンズ対向面610のようなレンズ対向面は、任意の所望の空気流出チャネルを依然として収容しながら、少なくとも約3パーセント、好ましくは少なくとも約20%のパーセント、又は可能な限り大きい、比較的大きな接触可能な表面積を含む。接触可能な表面積は、レンズに負荷がかけられた、すなわち、重力又は気泡相互作用などだがこれらに限定されない、加えられた力の下で接触して配置されたときのレンズとレンズ対向面との間の接触面積を意味すると理解される。接触可能な表面積は、レンズに負荷がかけられたときに/場合にレンズの領域に加えられた圧力を決定する。面積が大きいほど、圧力が低減される。図示される実施形態では、レンズ対向面614は、およそ225mm2の表面積を有する従来のコンタクトレンズに対して22%の接触可能な表面積を有する。
【0061】
レンズ対向面610はまた、空気、特にパッケージ溶液中の気泡がコンタクトレンズから蓋キャビティ132の周辺容積618に移動することを可能にする複数の空気流出チャネルを画定するように離間している。空気流出チャネルが少なくとも約2mmの垂直方向立ち上がりで周辺容積に向かって正の勾配を有することが有利である。本明細書に記載される例示的な実施形態などの実施形態では、ディンプル329(
図3に示される)によって作り出されたレンズの上方の最小ヘッドスペースは、周辺容積618の存在と組み合わせて、一般に、任意の大きな気泡、例えばレンズ上方に着座しているそれら自体からの直径2mmを超える気泡を生じる。したがって、空気流出チャネルは一般に、パッケージが特定の向きにあるときにより大きな気泡が周辺容積からレンズ周辺の空間に入ることを回避しながら、レンズ面の周りの領域からより小さい気泡が逃げられるようにすることに主に関係する。この目的に向けて、好ましい実施形態は、約1mm~1.5mm、又は好ましくは1.5mm~2mmの幅を各々が有する、少なくとも2つの空気流出チャネルを含む。関連する態様では、空気流出チャネル614は、パッケージが横向きに回転されたときに、チャネル614のうちの少なくとも1つが、重力に垂直な平面に対して傾斜したキャビティの中心付近からの中心軸を有するように、互いに対して有利に位置決めされている。この設計態様は、レンズパッケージがとる向きに関係なく気泡がレンズから逃げることを可能にするために浮力を活用し、こうして、例えば、レンズをレンズ支持体に押し込む気泡から、そうでなければ生じる可能性のある光学的損傷を低減する。この実施形態におけるチャネル614はまた、パッケージが開封されているときに周辺スポーク部材126a”(
図5Bに示される)が蓋とスポークとの間の中断されない経路を許容することを可能にするように、位置決め及びサイズ決めされる。
【0062】
更に
図6を参照すると、取り付け面620の形態の終端手段もまた蓋112の遠位端に記され得る。このヒートシール620は、蓋キャビティ132の外周の周りの表面上のレトルト可能シール114に対する追加のシールとして機能する。このようにして、復元可能なシール114が空気入口スクープ114に隣接して始まり、開封タブ110が係合されると遠位に移動して壊れるとき、蓋110は、ベースから完全に分離する傾向がより少ない。開封時、好ましくは蓋内のパッキング溶液の再捕捉後に、ヒートシール620は、相対的に水平向きに蓋キャビティを保持することができ、これにより、蓋キャビティ132内の溶液がパッケージからこぼれないようにすることが容易になる。
【0063】
レンズ対向面610は一般に、蓋キャビティ132内に収容されるコンタクトレンズの凸状レンズ面を反映して形成され、パッケージが封止さてコンタクトレンズがパッケージ溶液中に浮遊しているときにレンズ頂点の上方に最小ヘッドスペースを作り出すように、その周辺から蓋キャビティ132の内部のディンプル329の最下点に向かって傾斜している。結果として、レンズの頂点(及び光学ゾーン)又はその付近に著しい気泡が存在することはできず、したがって有害な気泡相互作用が最小限に抑えられる。
【0064】
ここで
図7を参照すると、様々な向きの蓋712のレンズ対向面の代替実施形態が示されている。空気流出チャネル714は、パッケージが横向きに回転されたときに、チャネル614のうちの少なくとも1つが、重力に垂直な平面720に対して傾斜したキャビティの中心からの中心軸を有するように、互いに対して有利に位置決めされている。上述のように、この設計態様は、レンズパッケージがとる向きに関係なく気泡がレンズから逃げることを可能にするために浮力を活用し、こうして、例えば、レンズをレンズ支持体に押し込む気泡から、そうでなければ生じる可能性のある光学的損傷を低減する。ここでも、蓋、並びに本明細書で具体的に説明及び図示される他の構成要素は、無数の並べ替えを形成するように混合及び組み合わせられてもよく、例えば、様々なレンズ支持体(分割支持体とは対照的に、一体のものを含む)が採用され得ることが理解されよう。
【0065】
図8及び
図9は、着色領域及び/又は触覚特徴部を含むコンタクトレンズパッケージの例示的な実施形態を示す。
図8において、コンタクトレンズパッケージ800は、把持部材806及び開封タブ810を含む。この実施形態では、蓋812は、ハンドルの形態をとる開封タブ810を含む。蓋は、蓋キャビティ832と共にツーショット射出成形プロセスによって形成された一体成形プラスチック部品で構成され、シール、及び開封タブ810以外の周囲の領域は実質的に透明であり、開封タブ810を蓋の残部、及びこの実施形態では把持部分からも区別するために、開封タブ810は着色されている(例えば、青色、緑色、又は他の任意の色、好ましくは着用者によって容易に区別されることが可能なパントン色)。色は、必要に応じて不透明、半透明、又は完全に光透過性であってもよい。このようにして、着色されたハンドルは、開封のための正しいパッケージの向き、並びに開封タブと係合することによってパッケージが開封されることの着用者に対する視覚表示として機能する。
【0066】
ツーショット射出成形は、当該技術分野で知られており、2k成形又はダブルインジェクションと呼ばれることが多い。このプロセスは、異なるが互換性のある2つの射出成形材料又は異なる色を有する同じ材料を使用して単一の射出成形部品が形成されていることを可能にする。この実施形態では、ポリプロピレンプラスチックが利用されるが、ポリプロピレンホモポリマーなどの小さな部品を射出成形するのに好適な任意の実質的に剛性のプラスチックを含む、他の材料が使用されてもよい。ツーショット成形装置は、1サイクル中に2回の射出を実行するようにプログラムされ得る。最初のサイクルでは、ノズルが金型内にプラスチックを射出する。次に、金型は自動的に回転され、第2のプラスチックが第2のノズルから金型内に射出される。成形装置は、二者の間で分子結合を形成するように2つのプラスチックを共重合させ、一体の部品をもたらす。
【0067】
レンズパッケージ800の把持部材806は、パッケージを開封するため、及び/又は着用者の手とパッケージとの間でより滑りにくい把持をもたらすために着用者の手が正しく置かれていることを触覚フィードバックによって着用者に示すことを含む、複数の機能に役立ち得るディンプルの領域の形態の触覚特徴部820を更に含む。触覚特徴部820は着色されているが、把持部材806の残部は実質的に透明であり、これによって触覚特徴部820を視覚的に区別する。把持特徴部は、前述のツーショット射出プロセスによって形成されてもよい。触覚特徴部の任意の形態又は配置及び形状又は要素が可能である。例えば、いくつかの実施形態では、触覚特徴部は、窪む代わりに隆起していてもよく、任意の形状、ロゴ、又はその他のブランディングであってもよく、又は隆起若しくは陥凹した単語又は数字であってもよい。開封タブ(ハンドル)810には、印刷された製品情報、特にパッケージの内側に収容されたコンタクトレンズの処方情報も提供される。印刷は、デジタルインクジェット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、パッド印刷、レーザー印刷などを含む、プラスチック部品に好適な任意の手段によって実行され得る。
【0068】
図9に示されるように具現化されたコンタクトレンズパッケージ900は、把持部材906及び開封タブ910を含む。この実施形態では、蓋912は、ハンドルの形態をとる開封タブ910を含む。蓋912及び一体型ハンドル910は、一体の実質的に透明な成形プラスチック部品で構成されている。把持部材906は、把持部材906を蓋及びレンズパッケージ800の残部と区別するための色を有する。把持部材906は、パッケージを開封するため、及び/又は着用者の手とパッケージとの間でより滑りにくい把持をもたらすために、手の少なくとも一部の、着用者の手が正しく置かれていることを触覚フィードバックによって着用者に示すことを含む、複数の機能に役立ち得るディンプルの領域の形態の触覚特徴部820を更に含む。この実施形態では、触覚特徴部902は、把持部分のザンブと同じ色を有する。把持部分906は、成形、エンボス加工などによって形成されてもよく、更なる触覚フィードバックを提供することができる、ブランディング930を含む。開封タブ(ハンドル)901には、印刷された製品情報、例えばパッケージの内側に収容されたコンタクトレンズの処方情報も提供される。特許請求の範囲内で、着色された特徴部と触覚特徴部との無数の組み合わせが可能である。
【0069】
本明細書に開示される視覚的及び触覚的な合図は、形態及び開封方法において従来のコンタクトレンズパッケージから著しく脱する、本発明の新規なコンタクトレンズパッケージにとって特に重要であり得る。従来のパッケージでは、コンタクトレンズは、凹状のボウルを上向きにした位置でコンタクトレンズを受容するためのボウルを有する、成形プラスチックベース内に着座する。本明細書の図によって説明及び図示される本発明の特定の実施形態の態様は、これらの慣例を、例えば、レンズを凸向きに提示することによって、底部の代わりにパッケージの上部にレンズキャビティを配置することによって、平坦なホイルの代わりに実質的に剛性の側を開封すること、及び/又はパッケージ溶液を蓋に再捕捉することによって、1つ又は複数の方法の組み合わせに向ける。視覚又は触覚特徴部の追加は、着用者にとってより直観的な開封体験を造り出すことができる。
【0070】
前述の説明は、説明の目的で、説明された実施形態の完全な理解を提供するために特定の用語体系を使用した。しかしながら、記載された実施形態を実施するために、特定の詳細の多くが必要とされないことは、当業者には明らかであろう。したがって、本明細書に記載の特定の実施形態の前述の説明は、例示及び説明の目的で提示される。それらは、網羅的であること、及び開示した正確な形態に本開示を制限することを目的とするものではない。上記の教示を考慮して多くの修正及び変更が可能であることは、当業者には明らかであろう。
【0071】
「発明の概要」及び「要約」のセクションは、本発明者によって想到されるような、本発明の1つ以上であるが全てではない例示的な実施形態を示し得るが、本発明及び添付の「特許請求の範囲」をいかようにも限定することを意図するものではない。
【0072】
特定の実施形態の前述の説明により、本発明の一般的な性質が完全に明らかになり、他者が、当業者の知識を適用することによって、過度の試行錯誤をすることなく、本発明の一般的な概念を逸脱することなく、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に修正及び/又は適合させることができる。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書で提示した教示及び指導に基づいて、開示の実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書の表現法又は用語法は、説明を目的とするものであって、限定するものではないことを理解されたく、それ故、本明細書の用語法又は表現法は、教示及び指導の観点から当業者によって解釈されるべきである。
【0073】
本発明のパッケージは、既知の材料及びプロセスを使用して製造することができる。パッケージ材料は、バージン、リサイクル、又はそれらの組み合わせであってもよい。パッケージキャビティ内の容積は、選択された設計に応じて変化することができる。
【0074】
本明細書に記載される全ての特徴を全てのパッケージに組み込む必要があるわけではなく、当業者は、本明細書の教示を使用して、これらの特徴を組み合わせて、多種多様な改善されたコンタクトレンズパッケージを提供することができる。要約すると、本発明のコンタクトレンズパッケージは、本明細書に記載されるような多種多様な組み合わせで組み合わされて、所望の改善された、かつ/又はワンタッチのパッケージを提供することができる、いくつかの新規の機能を組み込んでいる。本発明の広がり及び範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、下記の「特許請求の範囲」及びこれらの等価物に従ってのみ規定されるべきである。
【0075】
〔実施の態様〕
(1) コンタクトレンズパッケージであって、
コンタクトレンズ及びパッケージ溶液を収容する蓋キャビティを備える蓋
を備え、
前記パッケージは、着用者によって前記パッケージを開封すると、前記パッケージ溶液が前記コンタクトレンズから排出され、前記蓋内に実質的に再捕捉されるように構成されている、コンタクトレンズパッケージ。
(2) 前記パッケージ溶液は、前記蓋キャビティ内に再捕捉される、実施態様1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(3) 前記パッケージが開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズを前記パッケージ溶液から実質的に出して保持するように構成されたレンズ支持体を更に備える、実施態様1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(4) 開封中に前記着用者によって保持されるように構成された把持部材を更に備える、実施態様1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(5) 前記蓋は実質的に剛性である、実施態様1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【0076】
(6) 前記蓋キャビティは、前記パッケージが未開封状態又は開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズを凸位置パッケージに収容する、実施態様1から5のいずれかに記載のコンタクトレンズパッケージ。
(7) 前記蓋は開封タブを備える、実施態様1から5のいずれかに記載のコンタクトレンズパッケージ。
(8) 前記レンズ支持体は、前記コンタクトレンズのプロファイルと実質的に一致しないプロファイルを有する、実施態様3に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(9) 前記パッケージが開封状態にあるとき、前記レンズ支持体と前記コンタクトレンズとの間の前記湿潤接触面積は、約25mm2未満、約20mm2未満、約18mm2未満、又は約15mm2未満である、実施態様3に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(10) 前記蓋は、少なくとも1つの空気入口ガイドを備えるレンズ対向面を更に備える、実施態様1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【0077】
(11) 前記ベースは、開封時に蝶番式に動くように構成されている、実施態様1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(12) 前記把持部材は、前記パッケージが未開封状態にあるときに開封タブの少なくとも一部を嵌合的に受容するように輪郭形成された陥凹領域を含む、実施態様4に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(13) 前記パッケージが未開封状態にあるときにキャビティ内の前記コンタクトレンズの凹面側を支持するように構成された第1の支持部材及び第2の支持部材を備えるレンズ支持体を更に備える、実施態様1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(14) 前記パッケージは、前記パッケージが開封状態にあるとき、前記コンタクトレンズが前記第1の支持部材の少なくとも一部の上に載置され、前記第2の支持部材が前記レンズから離れる方に移動するように構成されている、実施態様13に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(15) 前記第2の支持部材は、開封中に第1の支持部材から離れる方に枢動する、実施態様13に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【0078】
(16) 前記パッケージの正しい向き又は前記パッケージを開封するときに保持すべき箇所を着用者に視覚的に示す着色領域を備える前記把持部材及び開封タブのうちの少なくとも1つを更に備える、実施態様1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(17) 前記パッケージが開封状態に達すると前記蓋が前記ベースから分離するのを妨げるための終端手段を更に備える、実施態様13に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(18) 前記把持部材及び開封タブのうちの少なくとも1つは、実質的に透明な部分を更に含み、前記着色部分及び前記実質的に透明な部分は、ツーショット射出成形プロセスによって形成されている、実施態様13に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(19) 前記把持部材及び開封タブのうちの少なくとも1つは触覚特徴部を備える、実施態様13に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(20) 前記把持部材及び開封タブのうちの少なくとも1つは、印刷又はエンボス加工された製品情報を備える、実施態様13に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【0079】
(21) コンタクトレンズパッケージであって、
前記パッケージが未開封状態にあるとき、キャビティ内に収容されたコンタクトレンズの凹面側を支持するように構成された第1の支持部材及び第2の支持部材を備えるレンズ支持体を備え、
前記パッケージは、前記パッケージが開封状態にあるとき、前記コンタクトレンズが前記第1の支持部材の少なくとも一部の上に載置され、前記第2の支持部材が前記レンズから離れる方に移動するように構成されている、コンタクトレンズパッケージ。
(22) 前記第2の支持部材は、開封中に第1の支持部材から離れる方に枢動する、実施態様21に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(23) 前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材は一体の構成要素である、実施態様21に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(24) 前記第2の支持部材は、前記パッケージのベースの少なくとも一部に固定的に取り付けられている、実施態様21に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(25) 前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材は、前記パッケージが未開封状態にあるときに入れ子構成を有する、実施態様21に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【0080】
(26) 前記第2の支持部材は、前記パッケージが未開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズの周縁部が前記第2の支持部材の少なくとも一部の上に載置されるように構成されている、実施態様21に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(27) 第1の支持部材は、前記コンタクトレンズのプロファイルと実質的に一致しない第1のプロファイルを有する、実施態様21~26のいずれかに記載のコンタクトレンズパッケージ。
(28) 前記第2の支持部材は、前記パッケージのベースと一体である、実施態様21~26のいずれかに記載のコンタクトレンズパッケージ。
(29) 前記レンズ支持体の長さに沿って画定された排水経路を更に備える、実施態様21に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(30) 蓋と把持部材との間に画定され、前記排水経路を横断する蝶番を更に備え、開封時に、前記パッケージが前記蝶番に沿って曲がり、前記パッケージ溶液が前記排水経路に沿って前記コンタクトレンズから排出される、実施態様29に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【0081】
(31) 前記パッケージが開封状態にあるとき、前記一次レンズ支持体と前記コンタクトレンズとの間の前記湿潤接触面積は、約25mm2未満、約20mm2未満、約18mm2未満、又は約15mm2未満である、実施態様21~26のいずれかに記載のコンタクトレンズパッケージ。
(32) コンタクトレンズパッケージであって、
コンタクトレンズ及びパッケージ溶液を収容するキャビティと、
前記コンタクトレンズを保持するためのレンズ支持体と、
前記コンタクトレンズの凸面側の上方の前記キャビティ内における少なくとも1つのレンズ対向面と、を備え、前記パッケージが未開封状態にあるとき、前記少なくとも1つのレンズ対向面は、i)前記コンタクトレンズを前記レンズ支持体の上に位置合わせし、ii)前記キャビティの周辺容積への空気の流出を促進し、iii)重力、機械力、又は空気誘発力による著しい光学的損傷から前記コンタクトレンズを保護するように構成されている、
コンタクトレンズパッケージ。
(33) 前記少なくとも1つのレンズ対向面は、開封時に前記コンタクトレンズが前記パッケージに貼り付く発生率を低減するために、前記コンタクトレンズの上方の前記パッケージに入る空気を案内するように更に構成されている、実施態様32に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(34) 少なくとも1つのレンズ対向面は、前記コンタクトレンズの凸面側に向かう複数の突起を備える、実施態様32に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(35) 前記少なくとも1つのレンズ対向面と前記コンタクトレンズとの間の接触可能な表面積は、前記レンズの凸表面積の少なくとも約3パーセントである、実施態様32又は33に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【0082】
(36) 前記少なくとも1つのレンズ対向面は、空気が前記コンタクトレンズから前記蓋キャビティの周辺容積内に移動することを可能にする少なくとも2つの空気流出チャネルを画定する、実施態様32に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(37) 前記少なくとも2つのチャネルの各々は、約1mm~1.5mm又は1.5mm~2mmの幅を有する、実施態様36に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(38) 前記少なくとも2つのチャネルの各々は、前記周辺容積に向かって正の勾配を有し、少なくとも約2mmの最小垂直方向立ち上がりを有する、実施態様36又は37に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(39) 前記少なくとも2つのチャネルは、前記パッケージが横向きに回転されたときに、前記チャネルのうちの少なくとも1つが、重力に垂直な平面に対して傾斜した前記キャビティの中心付近からの中心軸を有するように、互いに対して位置決めされている、実施態様36又は37に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(40) 前記レンズ支持体は、前記コンタクトレンズのプロファイルと実質的に一致しないプロファイルを有する、実施態様32に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【0083】
(41) 前記パッケージが開封状態にあるとき、前記レンズ支持体と前記コンタクトレンズとの間の前記湿潤接触面積は、約25mm2未満、約20mm2未満、約18mm2未満、又は約15mm2未満である、実施態様32に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(42) コンタクトレンズパッケージであって、
把持部材及び開封タブを備え、
前記把持部材及び前記開封タブのうちの少なくとも1つは、前記パッケージの正しい向き又は前記パッケージを開封するときに保持すべき箇所を着用者に視覚的に示す着色領域を備える、コンタクトレンズパッケージ。
(43) 前記把持部材及び前記開封タブのうちの前記少なくとも1つは、実質的に透明な部分を更に含み、前記着色部分及び前記実質的に透明な部分は、ツーショット射出成形プロセスによって形成されている、実施態様42に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(44) 前記把持部材及び前記開封タブのうちの少なくとも1つは触覚特徴部を備える、実施態様42に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(45) 前記把持部材及び前記開封タブのうちの少なくとも1つは、印刷又はエンボス加工された製品情報を備える、実施態様42に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【0084】
(46) コンタクトレンズパッケージであって、
実質的に平坦な関節接合ベースと、
前記パッケージが未開封状態又は開封状態にあるときに、パッケージ溶液及び凸位置のコンタクトレンズを収容する蓋キャビティを備える実質的に剛性の蓋と、
前記パッケージが開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズを前記パッケージ溶液から実質的に出して支持するように構成されたレンズ支持体と
を備えるコンタクトレンズパッケージ。
(47) 前記パッケージは、着用者によって前記パッケージを開封すると、前記パッケージ溶液が前記コンタクトレンズから排出され、前記蓋内に実質的に再捕捉されるように構成されている、実施態様46に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(48) 前記パッケージ溶液は、前記蓋キャビティ内に再捕捉される、実施態様46に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(49) 前記パッケージが開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズを前記パッケージ溶液から実質的に出して保持するように構成されたレンズ支持体を更に備える、実施態様46に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(50) 開封中に前記着用者によって保持されるように構成された把持部材を更に備える、実施態様46に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【0085】
(51) 前記蓋は実質的に剛性である、実施態様46に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(52) 前記蓋キャビティは、前記パッケージが未開封状態又は開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズを凸位置パッケージに収容する、実施態様46に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(53) 前記蓋は開封タブを備える、実施態様46に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(54) 前記レンズ支持体は、前記コンタクトレンズのプロファイルと実質的に一致しないプロファイルを有する、実施態様49に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(55) 前記パッケージが開封状態にあるとき、前記レンズ支持体と前記コンタクトレンズとの間の前記湿潤接触面積は、約25mm2未満、約20mm2未満、約18mm2未満、又は約15mm2未満である、実施態様49に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【0086】
(56) 前記蓋は、少なくとも1つの空気入口ガイドを備えるレンズ対向面を更に備える、実施態様46に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(57) 前記ベースは、開封時に蝶番式に動くように構成されている、実施態様46に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(58) 前記把持部材は、前記パッケージが未開封状態にあるときに開封タブの少なくとも一部を嵌合的に受容するように輪郭形成された陥凹領域を含む、実施態様46に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(59) 前記パッケージが開封状態に達すると前記蓋が前記ベースから分離するのを妨げるための終端手段を更に備える、実施態様46に記載のコンタクトレンズパッケージ。
(60) 実施態様1~59のいずれかに記載のコンタクトレンズパッケージを開封する方法であって、前記方法は、
前記パッケージの把持部材で前記パッケージを保持することと、
i)前記パッケージを曲げ、前記蓋と前記パッケージのベースとの間のシールを破壊させ、ii)パッケージ溶液を前記コンタクトレンズから排出させ、前記蓋内に再捕捉させ、iii)前記コンタクトレンズをレンズ支持体上で前記着用者に提示させるために、前記パッケージの前記蓋の開封タブを引っ張ることと、
前記コンタクトレンズを前記パッケージから移送することと
を含む方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトレンズパッケージであって、
コンタクトレンズ及びパッケージ溶液を収容する蓋キャビティを備える蓋
を備え、
前記パッケージは、着用者によって前記パッケージを開封すると、前記パッケージ溶液が前記コンタクトレンズから排出され、前記蓋内に実質的に再捕捉されるように構成されている、コンタクトレンズパッケージ。
【請求項2】
前記パッケージ溶液は、前記蓋キャビティ内に再捕捉される、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項3】
前記パッケージが開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズを前記パッケージ溶液から実質的に出して保持するように構成されたレンズ支持体を更に備える、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項4】
開封中に前記着用者によって保持されるように構成された把持部材を更に備える、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項5】
前記蓋は実質的に剛性である、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項6】
前記蓋キャビティは、前記パッケージが未開封状態又は開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズを凸位置パッケージに収容する、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項7】
前記蓋は開封タブを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項8】
前記レンズ支持体は、前記コンタクトレンズのプロファイルと実質的に一致しないプロファイルを有する、請求項3に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項9】
前記パッケージが開封状態にあるとき、前記レンズ支持体と前記コンタクトレンズとの間の前記湿潤接触面積は、約25mm
2未満、約20mm
2未満、約18mm
2未満、又は約15mm
2未満である、請求項3に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項10】
前記蓋は、少なくとも1つの空気入口ガイドを備えるレンズ対向面を更に備える、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項11】
前記ベースは、開封時に蝶番式に動くように構成されている、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項12】
前記把持部材は、前記パッケージが未開封状態にあるときに開封タブの少なくとも一部を嵌合的に受容するように輪郭形成された陥凹領域を含む、請求項4に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項13】
前記パッケージが未開封状態にあるときにキャビティ内の前記コンタクトレンズの凹面側を支持するように構成された第1の支持部材及び第2の支持部材を備えるレンズ支持体を更に備える、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項14】
前記パッケージは、前記パッケージが開封状態にあるとき、前記コンタクトレンズが前記第1の支持部材の少なくとも一部の上に載置され、前記第2の支持部材が前記レンズから離れる方に移動するように構成されている、請求項13に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項15】
前記第2の支持部材は、開封中に第1の支持部材から離れる方に枢動する、請求項13に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項16】
前記パッケージの正しい向き又は前記パッケージを開封するときに保持すべき箇所を着用者に視覚的に示す着色領域を備える前記把持部材及び開封タブのうちの少なくとも1つを更に備える、請求項1に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項17】
前記パッケージが開封状態に達すると前記蓋が前記ベースから分離するのを妨げるための終端手段を更に備える、請求項13に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項18】
コンタクトレンズパッケージであって、
前記パッケージが未開封状態にあるとき、キャビティ内に収容されたコンタクトレンズの凹面側を支持するように構成された第1の支持部材及び第2の支持部材を備えるレンズ支持体を備え、
前記パッケージは、前記パッケージが開封状態にあるとき、前記コンタクトレンズが前記第1の支持部材の少なくとも一部の上に載置され、前記第2の支持部材が前記レンズから離れる方に移動するように構成されている、コンタクトレンズパッケージ。
【請求項19】
前記第2の支持部材は、開封中に第1の支持部材から離れる方に枢動する、請求項
18に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項20】
前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材は一体の構成要素である、請求項
18に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項21】
前記第2の支持部材は、前記パッケージのベースの少なくとも一部に固定的に取り付けられている、請求項
18に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項22】
前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材は、前記パッケージが未開封状態にあるときに入れ子構成を有する、請求項
18に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項23】
前記第2の支持部材は、前記パッケージが未開封状態にあるときに、前記コンタクトレンズの周縁部が前記第2の支持部材の少なくとも一部の上に載置されるように構成されている、請求項
18に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項24】
前記レンズ支持体の長さに沿って画定された排水経路を更に備える、請求項
18に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【請求項25】
蓋と把持部材との間に画定され、前記排水経路を横断する蝶番を更に備え、開封時に、前記パッケージが前記蝶番に沿って曲がり、前記パッケージ溶液が前記排水経路に沿って前記コンタクトレンズから排出される、請求項
24に記載のコンタクトレンズパッケージ。
【国際調査報告】