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特表2024-502391等差出力と等比出力を有する無段変速伝動装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-19
(54)【発明の名称】等差出力と等比出力を有する無段変速伝動装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 3/085 20060101AFI20240112BHJP
   F16H 3/08 20060101ALI20240112BHJP
   F16H 3/46 20060101ALI20240112BHJP
   F16H 3/72 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
F16H3/085
F16H3/08
F16H3/46
F16H3/72 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579898
(86)(22)【出願日】2022-01-10
(85)【翻訳文提出日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 CN2022070913
(87)【国際公開番号】W WO2023130420
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】202210008283.9
(32)【優先日】2022-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517405840
【氏名又は名称】江▲蘇▼大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】朱 鎮
(72)【発明者】
【氏名】曽 令新
(72)【発明者】
【氏名】蔡 英鳳
(72)【発明者】
【氏名】陳 龍
(72)【発明者】
【氏名】楊 彦朋
(72)【発明者】
【氏名】王 東青
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ 雨林
(72)【発明者】
【氏名】孫 暁東
(72)【発明者】
【氏名】田 翔
(72)【発明者】
【氏名】王 勇
(72)【発明者】
【氏名】曽 ▲発▼林
(72)【発明者】
【氏名】▲盤▼ 朝奉
【テーマコード(参考)】
3J528
【Fターム(参考)】
3J528EB52
3J528EB53
3J528EB62
3J528EB63
3J528EB85
3J528EB96
3J528FB12
3J528FB13
3J528FB14
3J528FB15
3J528FC13
3J528FC24
3J528FC32
3J528FC42
3J528GA14
3J528JA02
3J528JE07
3J528JF01
(57)【要約】
【課題】本発明は、等差出力と等比出力を有する無段変速伝動装置を提供する。
【解決手段】上記の等差出力と等比出力を有する無段変速伝動装置は、入力機構、液圧式の伝動機構、遊星列合流機構、等差出力機構、等比出力機構、クラッチ部品、及びブレーキが含まれ、上記のクラッチ部品は、入力機構の出力端をそれぞれ液圧式の伝動機構の入力端と遊星列合流機構に接続し、上記の液圧式の伝動機構の出力端は、遊星列合流機構に接続され、上記のクラッチ部品は、遊星列合流機構をそれぞれ等差出力機構と等比出力機構に接続し、上記のクラッチ部品は、上記の等比出力機構を等差出力機構に接続し、液圧式の伝動機構の排気量比を調整すること、及び上記のクラッチ部品とブレーキとの接合を選択的に制御するにより、入力機構と等差出力機構又は/及び等比出力機構との間で連続的に変化するギア比を提供する。本発明によれば、異なる作動状態での稼働要件に適応させるように等差と等比の連続的な出力を有することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力機構(1)、液圧式の伝動機構(2)、遊星列合流機構(3)、等差出力機構(4)、等比出力機構(5)、クラッチ部品、及びブレーキB(2-4)が含まれ、前記のクラッチ部品は、前記の入力機構(1)の出力端をそれぞれ液圧式の伝動機構(2)の入力端と遊星列合流機構(3)に接続し、前記の液圧式の伝動機構(2)は、出力端を遊星列合流機構(3)に接続し、前記のクラッチ部品は、前記の遊星列合流機構(3)をそれぞれ等差出力機構(4)と等比出力機構(5)に接続し、前記のクラッチ部品は、前記の等比出力機構(5)を等差出力機構(4)に接続し、
液圧式の伝動機構(2)の排気量比を調整すること、及び前記のクラッチ部品とブレーキB(2-4)との接合を選択的に制御することにより、入力機構(1)と等差出力機構(4)又は/及び等比出力機構(5)との間で連続的に変化するギア比を提供する
ことを特徴とする、等差出力と等比出力を有する無段変速伝動装置。
【請求項2】
前記の遊星列合流機構(3)は、前部遊星歯車機構と後部遊星歯車機構が含まれ、前記の前部遊星歯車機構のリングギアは、後部遊星歯車機構のリングギアに接続され、液圧式の伝動機構(2)の入力端は、前部遊星歯車機構の太陽歯車に接続され、
前記のクラッチ部品は、液圧経路入力クラッチC(1-2)、第1の可変ギア比出力クラッチC(4-3)、第6の可変ギア比出力クラッチC11(5-5)、及び軸継ぎ手機構L(6)が含まれ、前記の液圧経路入力クラッチC(1-2)は、入力機構(1)の出力端を液圧経路入力歯車対i(1-3)に介して液圧式の伝動機構(2)の入力端に選択的に接続するために使用され、前記の第1の可変ギア比出力クラッチC(4-3)は、液圧式の伝動機構(2)の出力端を第1の可変ギア比出力歯車対i(4-2)に介して等差出力機構(4)に選択的に接続するために使用され、前記の第6の可変ギア比出力クラッチC11(5-5)は、液圧式の伝動機構(2)の出力端を第6の可変ギア比出力歯車対i(5-7)に介して等比出力機構(5)に選択的に接続するために使用され、前記の軸継ぎ手機構L(6)は、等差出力機構(4)を等比出力機構(5)に選択的に接続するために使用され、
液圧経路入力クラッチC(1-2)と第1の可変ギア比出力クラッチC(4-3)を接合し、入力機構(1)と等差出力機構(4)との間の連続的な液圧式伝動Hを提供し、液圧経路入力クラッチC(1-2)と第6の可変ギア比出力クラッチC11(5-5)を接合し、入力機構(1)と等比出力機構(5)との間の連続的な液圧式伝動Hを提供し、液圧経路入力クラッチC(1-2)、第6の可変ギア比出力クラッチC11(5-5)、及び軸継ぎ手機構L(6)を接合し、入力機構(1)と等差出力機構(4)及び等比出力機構(5)との間の連続的な液圧式伝動Hを提供する
ことを特徴とする、請求項1に記載の等差出力と等比出力を有する無段変速伝動装置。
【請求項3】
前記のクラッチ部品は、さらに第1の機械経路入力クラッチC(1-5)、第2の機械経路入力クラッチC(1-7)、固定連結クラッチC(3-3)、後部遊星列の液圧動力入力クラッチC(3-8)、第2の可変ギア比出力クラッチC(4-5)、第3の可変ギア比出力クラッチC(4-6)、第4の可変ギア比出力クラッチC(5-2)、及び第5の可変ギア比出力クラッチC10(5-3)が含まれ、
前記の第1の機械経路入力クラッチC(1-5)は、入力機構(1)の出力端を第1の機械経路入力歯車対i(1-4)に介して前部遊星歯車機構の遊星架に選択的に接続するために使用され、前記の第2の機械経路入力クラッチC(1-7)は、入力機構(1)の出力端を第2の機械経路入力歯車対i(1-6)に介して後部遊星歯車機構のリングギアに選択的に接続するために使用され、前記の固定連結クラッチC(3-3)は、後部遊星歯車機構のリングギアを後部遊星歯車機構の遊星架に選択的に接続するために使用され、前記の後部遊星列の液圧動力入力クラッチC(3-8)は、液圧式の伝動機構(2)の出力端を後部遊星歯車機構の太陽歯車に選択的に接続するために使用され、前記の第2の可変ギア比出力クラッチC(4-5)は、前部遊星歯車機構の遊星架を第2の可変ギア比出力歯車対i(4-4)に介して等差出力機構(4)に選択的に接続するために使用され、前記の第3の可変ギア比出力クラッチC(4-6)は、前部遊星歯車機構の遊星架を第3の可変ギア比出力歯車対i(4-7)に介して等差出力機構(4)に選択的に接続するために使用され、前記の第4の可変ギア比出力クラッチC(5-2)は、後部遊星歯車機構の遊星架を第4の可変ギア比出力歯車対i(5-1)に介して等比出力機構(5)に選択的に接続するために使用され、前記の第5の可変ギア比出力クラッチC10(5-3)は、後部遊星歯車機構の遊星架を第5の可変ギア比出力歯車対i(5-4)に介して等比出力機構(5)に選択的に接続するために使用され、
液圧経路入力クラッチC(1-2)、第2の機械経路入力クラッチC(1-7)、及び第2の可変ギア比出力クラッチC(4-5)を接合し、入力機構(1)と等差出力機構(4)との間の連続的な液圧機械式伝動HMを提供し、
液圧経路入力クラッチC(1-2)、第2の機械経路入力クラッチC(1-7)、及び第3の可変ギア比出力クラッチC(4-6)を接合し、入力機構(1)と等差出力機構(4)との間の連続的な液圧機械式伝動HMを提供し、
液圧経路入力クラッチC(1-2)、第2の機械経路入力クラッチC(1-7)、後部遊星列の液圧動力入力クラッチC(3-8)、及び第4の可変ギア比出力クラッチC(5-2)を接合し、入力機構(1)と等差出力機構(4)との間の連続的な液圧機械式伝動HMを提供し、
液圧経路入力クラッチC(1-2)、第1の機械経路入力クラッチC(1-5)、固定連結クラッチC(3-3)、及び第4の可変ギア比出力クラッチC(5-2)を接合し、入力機構(1)と等差出力機構(4)との間の連続的な液圧機械式伝動HMを提供し、
液圧経路入力クラッチC(1-2)、第2の機械経路入力クラッチC(1-7)、後部遊星列の液圧動力入力クラッチC(3-8)、及び第5の可変ギア比出力クラッチC10(5-3)を接合し、入力機構(1)と等差出力機構(4)との間の連続的な液圧機械式伝動HMを提供し、
液圧経路入力クラッチC(1-2)、第1の機械経路入力クラッチC(1-5)、固定連結クラッチC(3-3)、及び第5の可変ギア比出力クラッチC10(5-3)を接合し、入力機構(1)と等差出力機構(4)との間の連続的な液圧機械式伝動HMを提供し、
液圧経路入力クラッチC(1-2)、第1の機械経路入力クラッチC(1-5)、後部遊星列の液圧動力入力クラッチC(3-8)、第4の可変ギア比出力クラッチC(5-2)、及び軸継ぎ手機構L(6)を接合し、入力機構(1)と等差出力機構(4)及び等比出力機構(5)との間の連続的な液圧機械式伝動HMを提供し、
液圧経路入力クラッチC(1-2)、第1の機械経路入力クラッチC(1-5)、後部遊星列の液圧動力入力クラッチC(3-8)、第5の可変ギア比出力クラッチC10(5-3)、及び軸継ぎ手機構L(6)を接合し、入力機構(1)と等差出力機構(4)及び等比出力機構(5)との間の連続的な液圧機械式伝動HMを提供する
ことを特徴とする、請求項2に記載の等差出力と等比出力を有する無段変速伝動装置。
【請求項4】
【数10】
であると、液圧式の伝動機構(2)の排気量比を調整すること、及び前記のクラッチ部品を選択的に制御することにより、前記の液圧式伝動Hと液圧機械式伝動HMとの間には2段式の等差無段スイッチが形成され、ここで、kは、前部遊星歯車機構における遊星歯車の特性パラメーターであることを特徴とする、請求項3に記載の等差出力と等比出力を有する無段変速伝動装置。
【請求項5】
【数11】
であると、液圧式の伝動機構(2)の排気量比を調整すること、及び前記のクラッチ部品を選択的に制御することにより、前記の液圧式伝動Hと液圧機械式伝動HMとの間には2段式の等差無段スイッチが形成され、ここで、kは、前部遊星歯車機構における遊星歯車の特性パラメーターであることを特徴とする、請求項3に記載の等差出力と等比出力を有する無段変速伝動装置。
【請求項6】
【数12】
であるとき、液圧式の伝動機構(2)の排気量比を調整すること、及び前記のクラッチ部品を選択的に制御することにより、前記の液圧式伝動H、液圧機械式伝動HM、液圧機械式伝動HM、液圧機械式伝動HM、及び液圧機械式伝動HMの間には4段式の等比無段スイッチが形成され、ここで、kは、前部遊星歯車機構における遊星歯車の特性パラメーターであり、kは、後部遊星歯車機構における遊星歯車の特性パラメーターであることを特徴とする、請求項3に記載の等差出力と等比出力を有する無段変速伝動装置。
【請求項7】
前記のブレーキB(2-4)は、前部遊星歯車機構の太陽歯車を固定部に選択的に接続するために使用され、
前記のクラッチ部品とブレーキB(2-4)との接合を選択的に制御することにより、入力機構(1)と等差出力機構(4)又は等比出力機構(5)との間の多種ギア比の機械式伝動を提供することを特徴とする、請求項3に記載の等差出力と等比出力を有する無段変速伝動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両伝動の技術分野に関し、特に等差出力と等比出力を有する無段変速伝動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
農業の近代化が精力的に進められる中で、農業機械は、ますます発展しており、トラクタに代表される農業用動力機械は、一般に移行状態や作業状態への対応が必要であり、その作業環境が複雑で負荷が変化しやすく、総合的な性能要求がますます高くなっている。
【0003】
現在、トラクタの一般的な伝動方式は、静水圧式伝動と機械式伝動があり、静水圧式伝動は、フレキシブルドライブであり、伝動が安定しているが、効率が低く、液圧素子の出力によって制限され、大型トラクタには適していない。機械式伝動は、高い伝動効率を達成できるが、さまざまな運転状態や作業状態の要件を満たすには、より多くのギアが必要であり、構造が複雑になり、操作が難しくなり、車両の燃費の経済性が悪くなる。液圧機械の複合伝動は、液圧伝動装置の出力密度が高く、機械式伝動装置の効率が高いという利点があり、排気量比の変動範囲を合理的に調整することにより、液圧機械式無段変速を実現でき、動力を途切れさせないシフトが実現され得、一般的により広い速度調整範囲に達することができるため、農業機械や軍用車両に徐々に適用されている。
【発明の概要】
【0004】
従来技術の不足について、本発明は、等差出力と等比出力を有する無段変速伝動装置を提供し、該装置は、無段伝動の零速出力を実現するために等比式の出力に車両の始動状態用の液圧セクションを追加し、液圧モーターの前後進ストロークを調整することにより、液圧セクションの後進機能を実現し、伝動装置に後進機構を設ける必要がなくなる。
【0005】
本発明は、以下の技術的手段により上記の技術目的を達成する。
【0006】
本発明の等差出力と等比出力を有する無段変速伝動装置は、入力機構、液圧式の伝動機構、遊星列合流機構、等差出力機構、等比出力機構、クラッチ部品、及びブレーキBが含まれ、上記のクラッチ部品は、上記の入力機構の出力端をそれぞれ液圧式の伝動機構の入力端と遊星列合流機構に接続し、上記の液圧式の伝動機構の出力端は、遊星列合流機構に接続され、上記のクラッチ部品は、上記の遊星列合流機構をそれぞれ等差出力機構と等比出力機構に接続し、上記のクラッチ部品は、上記の等比出力機構を等差出力機構に接続し、
液圧式の伝動機構の排気量比を調整すること、及び上記のクラッチ部品とブレーキBとの接合を選択的に制御することにより、入力機構と等差出力機構又は/及び等比出力機構との間で連続的に変化するギア比を提供する。
【0007】
さらに、上記の遊星列合流機構は、前部遊星歯車機構と後部遊星歯車機構が含まれ、上記の前部遊星歯車機構のリングギアは、後部遊星歯車機構のリングギアに接続され、液圧式の伝動機構の入力端は、前部遊星歯車機構の太陽歯車に接続され、
上記のクラッチ部品は、液圧経路入力クラッチC、第1の可変ギア比出力クラッチC、第6の可変ギア比出力クラッチC11、及び軸継ぎ手機構Lが含まれ、上記の液圧経路入力クラッチCは、選択的に接続するために使用され入力機構の出力端を介して液圧経路入力歯車対iと液圧式の伝動機構の入力端に接続され、上記の第1の可変ギア比出力クラッチCは、液圧式の伝動機構の出力端を第1の可変ギア比出力歯車対iを介して等差出力機構に選択的に接続するために使用され、上記の第6の可変ギア比出力クラッチC11は、液圧式の伝動機構の出力端を第6の可変ギア比出力歯車対iを介して等比出力機構に選択的に接続するために使用され、上記の軸継ぎ手機構Lは、等差出力機構を等比出力機構に選択的に接続するために使用され、
液圧経路入力クラッチCと第1の可変ギア比出力クラッチCを接合し、入力機構と等差出力機構との間の連続的な液圧式伝動Hを提供し、液圧経路入力クラッチCと第6の可変ギア比出力クラッチC11を接合し、入力機構と等比出力機構との間の連続的な液圧式伝動Hを提供し、液圧経路入力クラッチC、第6の可変ギア比出力クラッチC11、及び軸継ぎ手機構Lを接合し、入力機構と等差出力機構と等比出力機構との間の連続的な液圧式伝動Hを提供する。
【0008】
さらに、上記のクラッチ部品は、さらに第1の機械経路入力クラッチC、第2の機械経路入力クラッチC、固定連結クラッチC、後部遊星列の液圧動力入力クラッチC、第2の可変ギア比出力クラッチC、第3の可変ギア比出力クラッチC、第4の可変ギア比出力クラッチC、及び第5の可変ギア比出力クラッチC10が含まれ、
上記の第1の機械経路入力クラッチCは、入力機構の出力端を第1の機械経路入力歯車対iを介して前部遊星歯車機構の遊星架に選択的に接続するために使用され、上記の第2の機械経路入力クラッチCは、入力機構の出力端を第2の機械経路入力歯車対iを介して後部遊星歯車機構のリングギアに選択的に接続するために使用され、上記の固定連結クラッチCは、後部遊星歯車機構のリングギアを後部遊星歯車機構の遊星架に選択的に接続するために使用され、上記の後部遊星列の液圧動力入力クラッチCは、液圧式の伝動機構の出力端を後部遊星歯車機構の太陽歯車に選択的に接続するために使用され、上記の第2の可変ギア比出力クラッチCは、前部遊星歯車機構の遊星架を第2の可変ギア比出力歯車対iを介して等差出力機構に選択的に接続するために使用され、上記の第3の可変ギア比出力クラッチCは、前部遊星歯車機構の遊星架を第3の可変ギア比出力歯車対iを介して等差出力機構に選択的に接続するために使用され、上記の第4の可変ギア比出力クラッチCは、後部遊星歯車機構の遊星架を第4の可変ギア比出力歯車対iに介して等比出力機構に選択的に接続するために使用され、上記の第5の可変ギア比出力クラッチC10は、後部遊星歯車機構の遊星架を第5の可変ギア比出力歯車対iを介して等比出力機構に選択的に接続するために使用され、
液圧経路入力クラッチC、第2の機械経路入力クラッチC、及び第2の可変ギア比出力クラッチCを接合し、入力機構と等差出力機構との間の連続的な液圧機械式伝動HMを提供し、
液圧経路入力クラッチC、第2の機械経路入力クラッチC、及び第3の可変ギア比出力クラッチCを接合し、入力機構と等差出力機構との間の連続的な液圧機械式伝動HMを提供し、
液圧経路入力クラッチC、第2の機械経路入力クラッチC、後部遊星列の液圧動力入力クラッチC、及び第4の可変ギア比出力クラッチCを接合し、入力機構と等差出力機構との間の連続的な液圧機械式伝動HMを提供し、
液圧経路入力クラッチC、第1の機械経路入力クラッチC、固定連結クラッチC、及び第4の可変ギア比出力クラッチCを接合し、入力機構と等差出力機構との間の連続的な液圧機械式伝動HMを提供し、
液圧経路入力クラッチC、第2の機械経路入力クラッチC、後部遊星列の液圧動力入力クラッチC、及び第5の可変ギア比出力クラッチC10を接合し、入力機構と等差出力機構との間の連続的な液圧機械式伝動HMを提供し、
液圧経路入力クラッチC、第1の機械経路入力クラッチC、固定連結クラッチC、及び第5の可変ギア比出力クラッチC10を接合し、入力機構と等差出力機構との間の連続的な液圧機械式伝動HMを提供し、
液圧経路入力クラッチC、第1の機械経路入力クラッチC、後部遊星列の液圧動力入力クラッチC、第4の可変ギア比出力クラッチC、及び軸継ぎ手機構Lを接合し、入力機構と等差出力機構と等比出力機構との間の連続的な液圧機械式伝動HMを提供し、
液圧経路入力クラッチC、第1の機械経路入力クラッチC、後部遊星列の液圧動力入力クラッチC、第5の可変ギア比出力クラッチC10、及び軸継ぎ手機構Lを接合し、入力機構と等差出力機構と等比出力機構との間の連続的な液圧機械式伝動HMを提供する。
【0009】
さらに、
【数1】
であると、液圧式の伝動機構の排気量比を調整すること、及び上記のクラッチ部品を選択的に制御することにより、上記の液圧式伝動Hと液圧機械式伝動HMとの間には2段式の等差無段スイッチが形成され、ここで、kは、前部遊星歯車機構における遊星歯車の特性パラメーターである。
【0010】
さらに、
【数2】
であると、液圧式の伝動機構の排気量比を調整すること、及び上記のクラッチ部品を選択的に制御することにより、上記の液圧式伝動Hと液圧機械式伝動HMとの間には2段式の等差無段スイッチが形成され、ここで、kは、前部遊星歯車機構における遊星歯車の特性パラメーターである。
【0011】
さらに、
【数3】
であると、液圧式の伝動機構の排気量比を調整すること、及び上記のクラッチ部品を選択的に制御することにより、上記の液圧式伝動H、液圧機械式伝動HM、液圧機械式伝動HM、液圧機械式伝動HM、及び液圧機械式伝動HMの間には、4段式の等比無段スイッチが形成され、ここで、kは、前部遊星歯車機構における遊星歯車の特性パラメーターであり、kは、後部遊星歯車機構における遊星歯車の特性パラメーターである。
【0012】
さらに、上記のブレーキBは、前部遊星歯車機構の太陽歯車を固定部に選択的に接続するために使用され、上記のクラッチ部品とブレーキBとの接合を選択的に制御することにより、入力機構と等差出力機構又は等比出力機構との間の複数のギア比の機械式伝動を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の有益な効果は、次の通りである。
【0014】
1.本発明による等差出力と等比出力を有する無段変速伝動装置は、クラッチ部品とブレーキとの接合及び分離を制御することにより、機械式伝動、液圧式伝動、及び液圧機械複合伝動の複数の伝動モードを実現することができ、農業動力機械の異なる作動状態でのニーズを満たすことができ、優れた始動、無段の速度調整、及び高効率の伝動という特徴がある。
【0015】
2.本発明による等差出力と等比出力を有する無段変速伝動装置は、構造がコンパクトで、2つの合流遊星列と固定軸歯車列との組み合わせのみで、モードが選択可能な等差の2段式出力及び等比の4段式出力を形成し、メカニズムを簡素化し、等差の連続的な出力と等比の連続的な出力では、いずれも液圧セクションによって零速の始動状態と後進状態を実現でき、軸継ぎ手機構を選択的に使用することにより、等差と等比の連続的な混合動力出力を実現し、広い速度調整範囲を実現する。
【0016】
3.本発明による等差出力と等比出力を有する無段変速伝動装置は、液圧式の伝動機構にブレーキが設けられており、液圧システムに油漏れ、素子破損、又は他の問題が発生した場合、ブレーキを接合することにより液圧経路を制動し、変速システム全体は、複数のギアを有し、さらに後進ギアが含まれる機械式の段階的変速伝動装置になる。
【0017】
4.本発明による等差出力と等比出力を有する無段変速伝動装置は、前部PTOと後部PTOの2つの動力出力軸を提供し、ここで、前部PTOは、エンジンに直接接続され、エンジンの動力を直接出力し、エンジンが始動した後、動力出力軸は、作業機械に動力を供給し、後部PTOは、液圧動力の出力軸に接続され、液圧のフレキシブルドライブを統合し、モーターの前後進ストロークを調整することにより回転方向の変更を実現できる。
【0018】
5.本発明による等差出力と等比出力を有する無段変速伝動装置は、無段伝動の零速出力を実現するために等比式の出力に車両の始動状態用の液圧セクションを追加し、液圧モーターの前後進ストロークを調整することにより、液圧セクションの後進機能を実現し、伝動装置に後進機構を設ける必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】は、本発明による等差出力と等比出力を有する無段変速伝動装置の概略図である。
図2】は、液圧式伝動Hのパワーフロー図である。
図3】は、機械液圧式伝動HMのパワーフロー図である。
図4】は、液圧式伝動Hのパワーフロー図である。
図5】は、機械液圧式伝動HMのパワーフロー図である。
図6】は、液圧式伝動Hのパワーフロー図である。
図7】は、機械液圧式伝動HMのパワーフロー図である。
図8】は、機械液圧式伝動HMのパワーフロー図である。
図9】は、機械液圧式伝動HMのパワーフロー図である。
図10】は、機械液圧式伝動HMのパワーフロー図である。
図11】は、機械液圧式伝動HMのパワーフロー図である。
図12】は、機械液圧式伝動HMのパワーフロー図である。
図13】は、等差式の速度調整特性の曲線図である。
図14】は、等比式の速度調整特性の曲線図である。
図15】は、等差等比の混合出力の速度調整特性の曲線図である。
図16】は、機械ギアの速度の図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面及び具体的な実施例を参照して本発明をさらに説明するが、本発明の保護範囲は、これらに限定されない。
【0021】
以下、本発明の実施例を詳細に説明し、前記の実施例が図面に示されるが、同じ符号または類似的符号は、常に、同じモジュール又は類似的モジュール、或いは、同じ機能又は類似的機能を有するモジュールを表す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は例示的なものであり、本発明を解釈するためだけに用いられ、本発明を限定するものと理解されてはならない。
【0022】
本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚み」、「上」、「下」、「軸方向」、「半径方向」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本発明を便利にまたは簡単に説明するために使用されるものであり、指定された装置又は部品が特定の方位にあり、特定の方位において構造され操作されると指示又は暗示するものではないので、本発明に対する限定と理解してはいけない。なお、「第1の」、「第2の」という用語は、説明のみを目的として使用され、相対的な重要性を示したり暗示したり、示された技術的特徴の数を暗黙的に示したりするものでない。従って、「第1の」、「第2の」の特徴は、1つ又は複数のこの特徴を明確又は曖昧に含んでもよい。本発明の説明において、特に具体的に限定されない限り、「複数」は、2つ又は2つ以上を意図する。
【0023】
本発明において、「取り付け」、「結び」、「接続」、「固定」という用語は、特に明記および限定されない限り、広い意味で理解されるべきであることを説明したい。これは、機械的接続または電気的接続であり、直接接続または中間媒体を介して間接的に接続され、2つのコンポーネントの内部通信である可能性があります。当業者が本発明における前記の用語の特定の意味は、特定の状況下で理解することができる。
【0024】
図1に示されるように、本発明による等差出力と等比出力を有する無段変速伝動装置は、入力機構1、液圧式の伝動機構2、遊星列合流機構3、等差出力機構4、等比出力機構5、軸継ぎ手機構6、クラッチ部品、及びブレーキB 2-4が含まれ、
上記の入力機構1は、入力軸1-1、液圧経路入力クラッチC1-2、液圧経路入力歯車対i1-3、第1の機械経路入力歯車対i1-4、第1の機械経路入力クラッチC1-5、第2の機械経路入力歯車対i1-6、及び第2の機械経路入力クラッチC1-7が含まれ、上記の入力軸1-1は、前部動力出力軸の前部PTOであり、上記の入力軸1-1の末端には、作業のための動力取出し装置が接続され得、上記の液圧経路入力クラッチC1-2は、入力機構1の出力端を液圧経路入力歯車対i1-3を介して液圧式の伝動機構2の入力端に選択的に接続するために使用され、上記の第1の機械経路入力クラッチC1-5は、入力機構1の出力端を第1の機械経路入力歯車対i1-4を介して前部遊星歯車機構の遊星架に選択的に接続するために使用され、上記の第2の機械経路入力クラッチC1-7は、入力機構1の出力端を第2の機械経路入力歯車対i1-6を介して後部遊星歯車機構のリングギアに選択的に接続するために使用され、エンジンの動力がオーディナリ歯車対を介して分路を実現し、液圧経路入力クラッチC1-2を接合し、エンジンの動力が液圧経路入力歯車対i1-3を介して液圧式の伝動機構2に伝達され、第1の機械経路入力クラッチC1-5又は第2の機械経路入力クラッチC1-7を接合することにより、エンジンの動力が対応的に第1の機械経路入力歯車対i1-4又は第2の機械経路入力歯車対i1-6に介して遊星列合流機構3に伝達される。
【0025】
液圧式の伝動機構2は、液圧動力の入力軸2-1、可変ポンプ2-2、定量モーター2-3、ブレーキB 2-4、及び液圧動力の出力軸2-5が含まれ、液圧動力の入力軸2-1は、可変ポンプ2-2に接続され、上記の可変ポンプ2-2は、定量モーター2-3を駆動するために使用され、定量モーター2-3は、液圧動力の出力軸2-5に接続され、液圧動力の出力軸2-5は、前部遊星列の太陽歯車3-7に接続され、ブレーキB 2-4は、前部遊星列の太陽歯車3-7を固定部に選択的に接続するために使用される。
【0026】
上記の遊星列合流機構3は、前部遊星列のリングギア3-1、後部遊星列のリングギア3-2、固定連結クラッチC3-3、前部遊星列の遊星架3-4、後部遊星列の遊星架3-5、後部遊星列の太陽歯車3-6、前部遊星列の太陽歯車3-7、及び後部遊星列の液圧動力入力クラッチC3-8が含まれ、上記の遊星列合流機構3は、前部遊星歯車機構と後部遊星歯車機構の両方から構成され、上記の前部遊星列のリングギア3-1、前部遊星列の遊星架3-4、及び前部遊星列の太陽歯車3-7は、前部遊星歯車機構を構成し、上記の後部遊星列のリングギア3-2、後部遊星列の遊星架3-5、及び後部遊星列の太陽歯車3-6は、後部遊星歯車機構を構成し、ここで、前部遊星列のリングギア3-1は、後部遊星列のリングギア3-2に接続され、上記の固定連結クラッチC 3-3は、後部遊星列のリングギア3-2を後部遊星列の遊星架3-5に選択的に接続するために使用され、上記の後部遊星列の液圧動力入力クラッチC 3-8は、液圧式の伝動機構2の液圧動力の出力軸2-5を後部遊星列の太陽歯車3-6に選択的に接続するために使用され、
等差出力機構4は、等差出力軸4-1、第1の可変ギア比出力歯車対i4-2、第1の可変ギア比出力クラッチC4-3、第2の可変ギア比出力歯車対i4-4、第2の可変ギア比出力クラッチC4-5、第3の可変ギア比出力クラッチC4-6、及び第3の可変ギア比出力歯車対i4-7が含まれ、上記の第1の可変ギア比出力クラッチC4-3は、液圧動力の出力軸2-5を第1の可変ギア比出力歯車対i4-2を介して等差出力軸4-1に選択的に接続するために使用され、上記の第2の可変ギア比出力クラッチC4-5は、前部遊星列の遊星架3-4を第2の可変ギア比出力歯車対i4-4を介して等差出力軸4-1に選択的に接続するために使用され、上記の第3の可変ギア比出力クラッチC4-6は、前部遊星列の遊星架3-4を第3の可変ギア比出力歯車対i4-7を介して等差出力軸4-1に選択的に接続するために使用され、等差出力機構4は、オーディナリ歯車列の出力機構であり、第1の可変ギア比出力クラッチC4-3を接合し、動力が第1の可変ギア比出力歯車対i4-2を介して等差出力軸4-1に伝達され、第2の可変ギア比出力クラッチC4-5を接合し、合流した動力が第2の可変ギア比出力歯車対i4-4を介して等差出力軸4-1に伝達され、第3の可変ギア比出力クラッチC4-6を接合し、合流した動力が第3の可変ギア比出力歯車対i4-7に介して等差出力軸4-1に伝達される。
【0027】
等比出力機構5は、第4の可変ギア比出力歯車対i5-1、第4の可変ギア比出力クラッチC5-2、第5の可変ギア比出力クラッチC10 5-3、第5の可変ギア比出力歯車対i5-4、第6の可変ギア比出力クラッチC11 5-5、等比出力軸5-6、及び第6の可変ギア比出力歯車対i5-7が含まれ、上記の第4の可変ギア比出力クラッチC5-2は、後部遊星列の遊星架3-5を第4の可変ギア比出力歯車対i5-1を介して等比出力軸5-6に選択的に接続するために使用され、上記の第5の可変ギア比出力クラッチC10 5-3は、後部遊星列の遊星架3-5を第5の可変ギア比出力歯車対i5-4を介して等比出力軸5-6に選択的に接続するために使用され、上記の第6の可変ギア比出力クラッチC11 5-5は、液圧動力の出力軸2-5を第6の可変ギア比出力歯車対i5-7を介して等比出力軸5-6に選択的に接続するために使用され、等比出力機構5は、オーディナリ歯車列の出力機構であり、第4の可変ギア比出力クラッチC5-2を接合し、合流した動力が第4の可変ギア比出力歯車対i5-1を介して等比出力軸5-6に伝達され、第5の可変ギア比出力クラッチC10 5-3を接合し、合流した動力が第5の可変ギア比出力歯車対i5-4を介して等比出力軸5-6に伝達され、第6の可変ギア比出力クラッチC11 5-5を接合し、動力が第6の可変ギア比出力歯車対i5-7を介して等比出力軸5-6に伝達される。軸継ぎ手機構6は、等差出力軸4-1を等比出力軸5-6に選択的に接続するために使用され、等差と等比の連続的な混合出力を実現することにより、変速装置の速度調整範囲が拡大される。
【0028】
対応するクラッチ部品及びブレーキを選択的に接合することにより、残りのクラッチ部品は、ブレーキと分離し、液圧式の伝動機構2の排気量比を選択的に調整することにより、入力機構1と等差出力軸4-1及び/又は等比出力軸5-6との間の液圧式伝動H、機械式伝動M、及び液圧機械式伝動HMという複数の伝動の切り替えを提供することができ、各伝動モードのアクチュエータの接合状態を以下の表1に示す。
【表1】
【0029】
図2は、液圧式伝動Hのパワーフロー図であり、液圧経路入力クラッチC1-2と第1の可変ギア比出力クラッチC4-3のみを接合し、エンジンの動力が液圧経路入力歯車対i1-3に介して液圧動力の入力軸2-1に伝達され、液圧動力の入力軸2-1は、可変ポンプ2-2に接続され、可変ポンプ2-2は、定量モーター2-3を駆動し、可変ポンプ2-2の排気量比を調整することにより無段変速を実現し、定量モーター2-3出力の動力が第1の可変ギア比出力歯車対i4-2に介して等差出力軸4-1から出力される。
【0030】
図3は、機械液圧式伝動HMのパワーフロー図であり、液圧経路入力クラッチC1-2、第2の機械経路入力クラッチC1-7、及び第2の可変ギア比出力クラッチC4-5のみを接合し、エンジンの動力が入力軸1-1を介して2つの分路に分かれ、一つの分路が液圧経路入力歯車対i1-3を介して液圧動力の入力軸2-1に伝達され、液圧動力の入力軸2-1は、可変ポンプ2-2に接続され、可変ポンプ2-2は、定量モーター2-3を駆動し、可変ポンプ2-2の排気量比を調整することにより無段変速を実現し、定量モーター2-3は、動力を前部遊星列の太陽歯車3-7に出力し、もう一つの分路が第2の機械経路入力歯車対i1-6に介して前部遊星列のリングギア3-1に伝達され、この時点で2つの分路の動力が前部遊星列の遊星架3-4で合流し、第2の可変ギア比出力歯車対i4-4に介して等差出力軸4-1から出力される。
【0031】
図4は、液圧式伝動Hのパワーフロー図であり、液圧経路入力クラッチC1-2、第6の可変ギア比出力クラッチC11 5-5、及び軸継ぎ手機構L6のみを接合し、エンジンの動力が液圧経路入力歯車対i1-3を介して液圧動力の入力軸2-1に伝達され、液圧動力の入力軸2-1は、可変ポンプ2-2に接続され、可変ポンプ2-2は、定量モーター2-3を駆動し、可変ポンプ2-2の排気量比を調整することにより無段変速を実現し、定量モーター2-3は、動力を液圧動力の出力軸2-5に伝達し、この時点で動力が第6の可変ギア比出力歯車対i5-7に介して軸継ぎ手機構L6を通して等差出力軸4-1と等比出力軸5-6から出力される。
【0032】
図5は、機械液圧式伝動HMのパワーフロー図であり、液圧経路入力クラッチC1-2、第2の機械経路入力クラッチC1-7、及び第3の可変ギア比出力クラッチC4-6のみを接合し、エンジンの動力が入力軸1-1に介して2つの分路に分かれ、一つの分路が液圧経路入力歯車対i1-3を介して液圧動力の入力軸2-1に伝達され、液圧動力の入力軸2-1は、可変ポンプ2-2に接続され、可変ポンプ2-2は、定量モーター2-3を駆動し、可変ポンプ2-2の排気量比を調整することにより無段変速を実現し、定量モーター2-3は、動力を前部遊星列の太陽歯車3-7に出力し、もう一つの分路が第2の機械経路入力歯車対i1-6に介して前部遊星列のリングギア3-1に伝達され、この時点で2つの分路の動力が前部遊星列の遊星架3-4で合流し、第3の可変ギア比出力歯車対i4-7に介して等差出力軸4-1から出力される。
【0033】
図6は、液圧式伝動Hのパワーフロー図であり、液圧経路入力クラッチC1-2と第6の可変ギア比出力クラッチC11 5-5のみを接合し、エンジンの動力が液圧経路入力歯車対i1-3に介して液圧動力の入力軸2-1に伝達され、液圧動力の入力軸2-1は、可変ポンプ2-2に接続され、可変ポンプ2-2は、定量モーター2-3を駆動し、可変ポンプ2-2の排気量比を調整することにより無段変速を実現し、定量モーター2-3は、動力を液圧動力の出力軸2-5に伝達し、この時点で動力が第6の可変ギア比出力歯車対i5-7に介して等比出力軸5-6から出力される。
【0034】
図7は、機械液圧式伝動HMのパワーフロー図であり、液圧経路入力クラッチC1-2、第2の機械経路入力クラッチC1-7、後部遊星列の液圧動力入力クラッチC3-8、及び第4の可変ギア比出力クラッチC5-2のみを接合し、エンジンの動力が入力軸1-1を介して2つの分路に分かれ、一つの分路が液圧経路入力歯車対i1-3を介して液圧動力の入力軸2-1に伝達され、液圧動力の入力軸2-1は、可変ポンプ2-2に接続され、可変ポンプ2-2は、定量モーター2-3を駆動し、可変ポンプ2-2の排気量比を調整することにより無段変速を実現し、定量モーター2-3は、動力を後部遊星列の太陽歯車3-6に出力し、もう一つの分路が第2の機械経路入力歯車対i1-6を介して後部遊星列のリングギア3-2に伝達され、この時点で2つの分路の動力が後部遊星列の遊星架3-5で合流し、動力が第4の可変ギア比出力歯車対i5-1を介して等比出力軸5-6から出力される。
【0035】
図8は、機械液圧式伝動HMのパワーフロー図であり、液圧経路入力クラッチC1-2、第1の機械経路入力クラッチC1-5、固定連結クラッチC3-3、及び第4の可変ギア比出力クラッチC5-2のみを接合し、エンジンの動力が入力軸1-1を介して2つの分路に分かれ、一つの分路が液圧経路入力歯車対i1-3を介して液圧動力の入力軸2-1に伝達され、液圧動力の入力軸2-1は、可変ポンプ2-2に接続され、可変ポンプ2-2は、定量モーター2-3を駆動し、可変ポンプ2-2の排気量比を調整することにより無段変速を実現し、定量モーター2-3は、動力を前部遊星列の太陽歯車3-7に出力し、もう一つの分路が第1の機械経路入力歯車対i1-4を介して前部遊星列の遊星架3-4に伝達され、この時点で2つの分路の動力が前部遊星列のリングギア3-1で合流し、固定連結クラッチC4 3-3が接合するため、後部遊星列は、一体に固定連結され、動力が第4の可変ギア比出力歯車対i5-1を介して等比出力軸5-6から出力される。
【0036】
図9は、機械液圧式伝動HMのパワーフロー図であり、液圧経路入力クラッチC1-2、第2の機械経路入力クラッチC1-7、後部遊星列の液圧動力入力クラッチC3-8、及び第5の可変ギア比出力クラッチC10 5-3のみを接合し、エンジンの動力が入力軸1-1を介して2つの分路に分かれ、一つの分路が液圧経路入力歯車対i1-3を介して液圧動力の入力軸2-1に伝達され、液圧動力の入力軸2-1は、可変ポンプ2-2に接続され、可変ポンプ2-2は、定量モーター2-3を駆動し、可変ポンプ2-2の排気量比を調整することにより無段変速を実現し、定量モーター2-3は、動力を後部遊星列の太陽歯車3-6に出力し、もう一つの分路が第2の機械経路入力歯車対i1-6を介して後部遊星列のリングギア3-2に伝達され、この時点で2つの分路の動力が後部遊星列の遊星架3-5で合流し、動力が第5の可変ギア比出力歯車対i5-4に介して等比出力軸5-6から出力される。
【0037】
図10は、機械液圧式伝動HMのパワーフロー図であり、液圧経路入力クラッチC1-2、第1の機械経路入力クラッチC1-5、固定連結クラッチC3-3、及び第5の可変ギア比出力クラッチC10 5-3のみを接合し、エンジンの動力が入力軸1-1を介して2つの分路に分かれ、一つの分路が液圧経路入力歯車対i1-3を介して液圧動力の入力軸2-1に伝達され、液圧動力の入力軸2-1は、可変ポンプ2-2に接続され、可変ポンプ2-2は、定量モーター2-3を駆動し、可変ポンプ2-2の排気量比を調整することにより無段変速を実現し、定量モーター2-3は、動力を前部遊星列の太陽歯車3-7に出力し、もう一つの分路が第1の機械経路入力歯車対i1-4を介して前部遊星列の遊星架3-4に伝達され、この時点で2つの分路の動力が前部遊星列のリングギア3-1で合流し、固定連結クラッチC4 3-3が接合するため、後部遊星列は、一体に固定連結され、動力が第5の可変ギア比出力歯車対i5-4を介して等比出力軸5-6から出力される。
【0038】
図11は、機械液圧式伝動HMのパワーフロー図であり、液圧経路入力クラッチC1-2、第1の機械経路入力クラッチC1-5、後部遊星列の液圧動力入力クラッチC3-8、第4の可変ギア比出力クラッチC5-2、及び軸継ぎ手機構L6のみを接合し、エンジンの動力が入力軸1-1を介して2つの分路に分かれ、一つの分路が液圧経路入力歯車対i1-3を介して液圧動力の入力軸2-1に伝達され、液圧動力の入力軸2-1は、可変ポンプ2-2に接続され、可変ポンプ2-2は、定量モーター2-3を駆動し、可変ポンプ2-2の排気量比を調整することにより無段変速を実現し、定量モーター2-3は、動力を前部遊星列の太陽歯車3-7に出力し、もう一つの分路が第1の機械経路入力歯車対i1-4を介して前部遊星列の遊星架3-4に伝達され、2つの分路の動力が合流してから前部遊星列のリングギア3-1を介して後部遊星列のリングギア3-2に出力され、この時点で後部遊星列の液圧動力入力クラッチC5 3-8が接合するため、液圧経路の動力が後部遊星列の太陽歯車3-6に伝達され、2つの分路の動力が後部遊星列の遊星架3-5で合流し、第4の可変ギア比出力歯車対i5-1を介して軸継ぎ手機構L6を通して等差出力軸4-1及び等比出力軸5-6から出力される。
【0039】
図12は、機械液圧式伝動HMのパワーフロー図であり、液圧経路入力クラッチC1-2、第1の機械経路入力クラッチC1-5、後部遊星列の液圧動力入力クラッチC3-8、第4の可変ギア比出力クラッチC10 5-3、及び軸継ぎ手機構L6のみを接合し、エンジンの動力が入力軸1-1に介して2つの分路に分かれ、一つの分路が液圧経路入力歯車対i1-3を介して液圧動力の入力軸2-1に伝達され、液圧動力の入力軸2-1は、可変ポンプ2-2に接続され、可変ポンプ2-2は、定量モーター2-3を駆動し、可変ポンプ2-2の排気量比を調整することにより無段変速を実現し、定量モーター2-3は、動力を前部遊星列の太陽歯車3-7に出力し、もう一つの分路が第1の機械経路入力歯車対i1-4に介して前部遊星列の遊星架3-4に伝達され、2つの分路の動力が合流してから前部遊星列のリングギア3-1を介して後部遊星列のリングギア3-2に出力され、この時点で後部遊星列の液圧動力入力クラッチC5 3-8が接合するため、液圧経路の動力が後部遊星列の太陽歯車3-6に伝達され、2つの分路の動力が後部遊星列の遊星架3-5で合流し、第5の可変ギア比出力歯車対i5-4を介して軸継ぎ手機構L6を通して等差出力軸4-1及び等比出力軸5-6から出力される。
【0040】
液圧機械無段変速の段数によれば、2段、3段、4段などに分けることができ、連続する段数が多いほど、機構や操作が複雑になるが、液圧出力の拡大倍数が多いほど、伝動効率が高くなる。
【0041】
液圧セクションと液圧機械セクションの速度調整範囲は、いずれも排気量比に関係があり、二方可変ポンプの排気量比の調整範囲は、[-1、1]であり、排気量比が-1から1に変化することを前進ストローク、排気量比が1から-1に変化することを後進ストロークと呼ぶ。排気量比が-1又は1である場合、各セクションのセクションヘッド又はセクションエンドに対応する。前進ストロークと後進ストロークを交互に切り替えることにより、各セクションに対応する小規模な無段の速度調整の区間が接続され、全体的な無段の速度調整が実現され、速度調整範囲が広がる。
【0042】
等差の連続的な無段変速は、一般的に液圧セクションと液圧機械セクションで構成され、各セクションの開始時と終了時の出力速度の差が等しく、セクションの間が互いに接続されている必要がない。例えば、合計i個のセクション(i>=2)が等差の連続的なセクションを形成する場合、まず連続性の要件を満たす必要があり、すなわち、第1のセクションのセクションエンドの出力速度と第2のセクションのセクションヘッドの出力速度が等しくなり、同様に第(i-1)のセクションエンドと第iのセクションのセクションヘッドの出力速度が等しくなる。次に、等差の要件を満たし、すなわち、各セクションのセクションエンドとセクションヘッドの出力速度の差が等しくなることにより、等差式の連続的な無段変速を実現する。
【0043】
等比式の連続的な出力は、一般的に複数の液圧機械セクションで構成され、液圧セクションがないため、セクションヘッドの出力速度が0になることはない。この場合、各セクションの開始速度に対する終了速度の比は一定の公比である必要があり、セクションの間は互いに接続され、例えば、合計i個のセクション(i>=2)は等比の連続的なセクションを形成する場合、まず連続性の要件を満たす必要があり、すなわち、第1のセクションのセクションエンドの出力速度と第2のセクションのセクションヘッドの出力速度が等しくなり、同様に第(i-1)のセクションのセクションエンドと第iのセクションのセクションヘッドの出力速度が等しくなる。次に、等比の要件を満たし、すなわち、各セクションのセクションエンドとセクションヘッドの出力速度の比が等しくなることにより、等比式の連続的な無段変速を実現する。
【0044】
適切な液圧セクションと液圧機械セクションをそれぞれ選択して4段式の等比の連続的な出力と2つのモードの2段式の等差の連続的な出力を形成する。なお、4段式の等比の連続的な出力では、液圧セクションが零速前進と後進ギアのみに使用され、等比式の連続的な出力の全段数に含まれず、混合出力のセクションは、軸継ぎ手機構が接合する時に提供される液圧機械セクションサイトであり、以下の表2に示すように、等差及び等比の混合出力における実際の状況に応じて選択することができる。
【表2】
【0045】
【数4】
であると、液圧式の伝動機構2の排気量比を調整すること、及び上記のクラッチ部品を選択的に制御することにより、上記の液圧式伝動Hと液圧機械式伝動HMとの間には2段式の等差無段スイッチが形成され、ここで、kは、前部遊星歯車機構における遊星歯車の特性パラメーターである。2段式の等差モードIで出力する場合、単なる液圧式伝動Hのセクションは、零速で始動し、出力の回転数は、可変ポンプの排気量比eの増加に伴って直線的に増加し、排気量比eが0から1に変化すると、液圧式伝動Hの出力の回転数が零速から正の最大値に達し、排気量比が0から-1に変化することである後進状態で、液圧式伝動Hが負の最大値に達し、この時点で同期して機械液圧式伝動HMに切り替えることができ、可変ポンプの排気量比eが-1から1に変化するにつれて、出力の回転数は、負に増加し続ける。
【0046】
【数5】
であると、液圧式の伝動機構2の排気量比を調整すること、及び上記のクラッチ部品を選択的に制御することにより、上記の液圧式伝動Hと液圧機械式伝動HMとの間には2段式の等差無段スイッチが形成され、ここで、kは、前部遊星歯車機構における遊星歯車の特性パラメーターであり、2段式の等差モードIIで出力する場合、単なる液圧式伝動Hは、零速で始動し、出力の回転数は、可変ポンプの排気量比eの低下に伴って直線的に増加し、0から-1に変化すると、液圧式伝動Hの出力の回転数が零速から正の最大値に達し、この時点で同期して液圧機械式伝動HMに切り替えることができ、可変ポンプの排気量比eが-1から1に変化するにつれて、出力の回転数は、正に増加し続け、排気量比が0から1に変化することである後進状態で、Hのセクションは、負の最大値に達する。
【0047】
等差の連続的な最大出力は、トルクが定常で、速度の変化が均一で、主に車両のステアリング機構に使用され、等差モードIは、等差モードIIよりも広い負の速度調整区間があり、等差モードIIは、等差モードIよりも広い正の速度調整区間があり、応用中で実際のニーズに応じて適切な等差モードを選択することができる。
【0048】
【数6】
であると、液圧式の伝動機構2の排気量比を調整すること、及び上記のクラッチ部品を選択的に制御することにより、上記の液圧式伝動H、液圧機械式伝動HM、液圧機械式伝動HM、液圧機械式伝動HM、及び液圧機械式伝動HMの間には、4段式の等比無段スイッチが形成され、ここで、kは、前部遊星歯車機構における遊星歯車の特性パラメーターであり、kは、後部遊星歯車機構における遊星歯車の特性パラメーターである。等比の4段で出力する場合、単なる液圧式伝動Hのセクションにより零速で始動し、可変ポンプの排気量比eが0から-1に変化するにつれて、出力の回転数が0から正の最大値に増加し、この時点で同期して液圧機械式伝動HMの1段に切り替えることができ、可変ポンプの排気量比eが-1から1に変化するにつれて、セクションヘッドの出力の回転数拡大公比倍得到セクションエンド出力の回転数、この時点で同期して液圧機械式伝動HMの2段に切り替えることができ、可変ポンプの排気量比eが1から-1に変化するにつれて、セクションヘッドの出力の回転数を公比倍で拡大してセクションエンドの出力の回転数を得て、この時点で同期して液圧機械式伝動HMの3段に切り替えることができ、可変ポンプの排気量比eが-1から1に変化するにつれて、セクションヘッドの出力の回転数を公比倍で拡大してセクションエンドの出力の回転数を得て、この時点で同期して液圧機械式伝動HMの4段に切り替えることができ、可変ポンプの排気量比eが1から-1に変化するにつれて、セクションヘッドの出力の回転数を公比倍で拡大してセクションエンドの出力の回転数を得る。後進状態は、単なる液圧Hのセクションで実現し、可変ポンプの排気量比eが0から1に変化するにつれて、出力の回転数が0から負の最大値に変化する。
【0049】
等比の連続的な最大出力は、一般的に定常であるため、低速のセクションのトルクが大きく、高速のセクションのトルクが小さく、可変速駆動に寄与し、車両の伝動機構に適用される。
【0050】
軸継ぎ手機構Lが接合すると、等差等比の混合出力を実現することができ、例えば、始動状態は、等比式の単なる液圧式伝動Hにより零速で始動して、HM、HM、HM、及びHMのセクションに1つずつ接続されることにより、正の等比出力を実現し、後進状態は、等差モード、すなわち単なる液圧式伝動Hの負のハーフセクションにより液圧機械式伝動HMに接続され、ここで、変速装置の速度調整範囲は、効果的に向上され、速度調整中では、実際のニーズに応じて液圧機械式伝動HMとHMである混合出力のセクションに切り替えることもできる。
【0051】
本発明の伝動装置は、液圧速度調整システムの故障の緊急事態に使用される12個の機械ギアを得ることができ、ここで、M、M、M、Mの4個の機械ギアは、等差の端から出力され、M、M、M、M、M、M10、M11、M12の8個の機械ギアは、等比の端から出力され、軸継ぎ手機構を接合すると、両端に同時に出力でき、12個の機械ギアには前進ギアと後進ギアの両方があり、一般的な有段式機械式変速機の可変速駆動に対するニーズを満たすことができる。その素子の接合状態と回転数の関係を表3に示す。
【表3】
【0052】
第1の機械経路入力クラッチC1-5と第2の可変ギア比出力クラッチC4-5を接合し、エンジンの動力が入力軸1-1から入力され、第1の機械経路入力歯車対i1-4及び第2の可変ギア比出力歯車対i4-4を介して等差出力軸4-1に出力され、機械ギアMを実現し、
第1の機械経路入力クラッチC1-5と第3の可変ギア比出力クラッチC4-6を接合し、エンジンの動力が入力軸1-1から入力され、第1の機械経路入力歯車対i1-4及び第3の可変ギア比出力歯車対i4-7を介して等差出力軸4-1に出力され、機械ギアMを実現し、
第1の機械経路入力クラッチC1-5、固定連結クラッチC3-3、第4の可変ギア比出力クラッチC5-2、及びブレーキB 2-4を接合し、エンジンの動力が入力軸1-1から入力され、第1の機械経路入力歯車対i1-4を介して前部遊星列の遊星架3-4に伝達され、この時点で前部遊星列の太陽歯車3-7がブレーキB 2-4に制動されるため、動力が前部遊星列のリングギア3-1によって後部遊星列のリングギア3-2に出力され、この時点で固定連結クラッチC4 3-3が接合するため、後部遊星列は、一体に固定連結され、動力が第4の可変ギア比出力歯車対i5-1に介して等比出力軸5-6から出力され、機械ギアMを実現し、
第1の機械経路入力クラッチC1-5、固定連結クラッチC3-3、第5の可変ギア比出力クラッチC10 5-3、及びブレーキB 2-4を接合し、エンジンの動力が入力軸1-1から入力され、第1の機械経路入力歯車対i1-4を介して前部遊星列の遊星架3-4に伝達され、この時点で前部遊星列の太陽歯車3-7がブレーキB 2-4に制動されるため、動力が前部遊星列のリングギア3-1によって後部遊星列のリングギア3-2に出力され、この時点で固定連結クラッチC4 3-3が接合するため、後部遊星列は、一体に固定連結され、動力が第5の可変ギア比出力歯車対i5-4を介して等比出力軸5-6から出力され、機械ギアMを実現し、
第1の機械経路入力クラッチC1-5、後部遊星列の液圧動力入力クラッチC3-8、第4の可変ギア比出力クラッチC5-4、及びブレーキB 2-4を接合し、エンジンの動力が入力軸1-1から入力され、第1の機械経路入力歯車対i1-4を介して前部遊星列の遊星架3-4に伝達され、この時点で前部遊星列の太陽歯車3-7がブレーキB 2-4に制動されるため、動力が前部遊星列のリングギア3-1によって後部遊星列のリングギア3-2に出力され、後部遊星列の液圧動力入力クラッチC3-8が接合するため、後部遊星列の太陽歯車3-6も制動され、動力が第4の可変ギア比出力歯車対i5-1を介して等比出力軸5-6から出力され、機械ギアMを実現し、
第1の機械経路入力クラッチC1-5、後部遊星列の液圧動力入力クラッチC3-8、第5の可変ギア比出力クラッチC10 5-3、及びブレーキB 2-4を接合し、エンジンの動力が入力軸1-1から入力され、第1の機械経路入力歯車対i1-4を介して前部遊星列の遊星架3-4に伝達され、この時点で前部遊星列の太陽歯車3-7がブレーキB 2-4に制動されるため、動力が前部遊星列のリングギア3-1によって後部遊星列のリングギア3-2に出力され、後部遊星列の液圧動力入力クラッチC3-8が接合するため、後部遊星列の太陽歯車3-6も制動され、動力が第5の可変ギア比出力歯車対i5-4を介して等比出力軸5-6から出力され、機械ギアMを実現し、
第2の機械経路入力クラッチC1-7、第2の可変ギア比出力クラッチC4-5、及びブレーキB 2-4を接合し、エンジンの動力が入力軸1-1から入力され、第2の機械経路入力歯車対i1-6を介して前部遊星列のリングギア3-1に入力され、この時点で前部遊星列の太陽歯車3-7が制動されるため、動力が前部遊星列の遊星架3-4によって第2の可変ギア比出力歯車対i4-4を介して等差出力軸4-1に出力され、機械ギアMを実現し、
第2の機械経路入力クラッチC1-7、第3の可変ギア比出力クラッチC4-6、及びブレーキB 2-4を接合し、エンジンの動力が入力軸1-1から入力され、第2の機械経路入力歯車対i1-6を介して前部遊星列のリングギア3-1に入力され、この時点で前部遊星列の太陽歯車3-7が制動されるため、動力が前部遊星列の遊星架3-4によって第3の可変ギア比出力歯車対i4-7を介して等差出力軸4-1に出力され、機械ギアMを実現し、
第2の機械経路入力クラッチC1-7、後部遊星列の液圧動力入力クラッチC3-8、第4の可変ギア比出力クラッチC5-2、及びブレーキB 2-4を接合し、エンジンの動力が入力軸1-1から入力され、第2の機械経路入力歯車対i1-6を介して後部遊星列のリングギア3-2に入力され、この時点でブレーキB 2-4は、後部遊星列の太陽歯車3-6を制動し、動力が後部遊星列の遊星架3-5によって第4の可変ギア比出力歯車対i5-1を介して等比出力軸5-6から出力され、機械ギアMを実現し、
第2の機械経路入力クラッチC1-7、後部遊星列の液圧動力入力クラッチC3-8、第5の可変ギア比出力クラッチC10 5-3、及びブレーキB 2-4を接合し、エンジンの動力が入力軸1-1から入力され、第2の機械経路入力歯車対i1-6を介して後部遊星列のリングギア3-2に入力され、この時点でブレーキB 2-4は、後部遊星列の太陽歯車3-6を制動し、動力が後部遊星列の遊星架3-5によって第5の可変ギア比出力歯車対i5-4に介して等比出力軸5-6から出力され、機械ギアM10を実現し、
第2の機械経路入力クラッチC1-7、固定連結クラッチC3-3、及び第4の可変ギア比出力クラッチC5-2を接合し、エンジンの動力が入力軸1-1から入力され、第2の機械経路入力歯車対i1-6を介して後部遊星列のリングギア3-2に入力され、この時点で固定連結クラッチC4 3-3が接合するため、後部遊星列は、一体に固定連結され、動力が第4の可変ギア比出力歯車対i5-1に介して等比出力軸5-6から出力され、機械ギアM11を実現し、
第2の機械経路入力クラッチC1-7、固定連結クラッチC3-3、及び第5の可変ギア比出力クラッチC10 5-3を接合し、エンジンの動力が入力軸1-1から入力され、第2の機械経路入力歯車対i1-6を介して後部遊星列のリングギア3-2に入力され、この時点で固定連結クラッチC3-3が接合するため、後部遊星列は、一体に固定連結され、動力が第5の可変ギア比出力歯車対i5-4に介して等比出力軸5-6から出力され、機械ギアM12を実現する。
【実施例1】
【0053】
【数7】
ここで、Δnは、液圧式伝動Hと液圧機械セクションHMとの回転数差であり、又は液圧式伝動Hと液圧機械セクションHMとの回転数差であり、
【数8】
【0054】
図13は、2段式の等差速度調整特性の曲線図であり、ここで、液圧式伝動Hと後進液圧機械セクションHMは、2段式の等差モードIの出力を構成し、液圧式伝動Hと前進液圧機械セクションHMは、2段式の等差モードIIの出力を構成し、2つのモードの公差Δnは、共に0.5である。
【0055】
2段式の等差モードIにより出力すると、単なる液圧式伝動Hのセクションは、零速で始動し、出力の回転数は、可変ポンプの排気量比eの増加に伴って直線的に増加し、e=1であると、液圧式伝動Hは、正の最大値0.25nに達し、排気量比が0から-1に変化することである後進状態で、液圧式伝動Hは、負の最大値-0.25nに達し、この時点で同期して液圧機械式伝動HMに切り替えることができ、可変ポンプの排気量比eが[-1、1]から変化し、出力の回転数が-0.25nから-0.75nに変化し、ここで、M(0, -0.5n)は、液圧機械式伝動HMのセクションの機械点である。
【0056】
2段式の等差モードIIにより出力すると、単なる液圧式伝動Hは、零速で始動し、出力の回転数は、可変ポンプの排気量比eの低下に伴って直線的に増加し、e=-1であると、液圧式伝動Hは、正の最大値0.25nに達し、この時点で同期して液圧機械式伝動HMに切り替えることができ、可変ポンプの排気量比eが[-1、1]から変化し、出力の回転数が0.25nから0.75nに変化し、ここで、M(0, 0.5n)は、液圧機械式伝動HMのセクションの機械点であり、排気量比が0から1に変化することである後進状態で、液圧式伝動Hは、負の最大値-0.25nに達する。
【0057】
図14は、等比式速度調整特性の曲線図であり、単なる液圧式伝動Hにより零速で始動し、可変ポンプの排気量比eが0から-1に変化するにつれて、出力の回転数が0から0.25nに変化し、この時点で同期して液圧機械式伝動HMに切り替えることができ、可変ポンプの排気量比eが-1から1に変化するにつれて、出力の回転数が0.25nから0.5nに変化し、この時点で同期して液圧機械式伝動HMに切り替えることができ、可変ポンプの排気量比eが1から-1に変化するにつれて、出力の回転数が0.5nから1nに変化し、この時点で同期して液圧機械式伝動HMに切り替えることができ、可変ポンプの排気量比eが-1から1に変化するにつれて、出力の回転数がnから2nに変化し、この時点で同期して液圧機械式伝動HMに切り替えることができ、可変ポンプの排気量比eが1から-1に変化するにつれて、出力の回転数が2nから4nに変化し、後進状態も単なる液圧式伝動Hのセクションによって実現し、可変ポンプの排気量比eが0から1に変化するにつれて、出力の回転数が0から-0.25nに変化することにより、出力の回転数[-0.25,4]nの速度調整範囲を実現し、ここで、
【数9】
は、機械点である。
【0058】
図15は、等差等比の混合出力速度調整特性の曲線図であり、軸継ぎ手機構L6を接合すると、等差等比の混合出力を実現することができ、例えば、始動状態では、等比式の単なる液圧式伝動Hによって零速で始動することができ、HM、HM、HM、及びHMに1つずつ接続され、正の等比出力を実現し、後進状態では、等差モード、すなわち単なる液圧式伝動Hの負のハーフセクションによってHMに接続され、この時点で変速装置は、[-0.75,4]nの速度調整範囲を実現でき、速度調整区間が拡大され、速度調整中で実際のニーズによって液圧機械式伝動HMとHMである混合出力のセクションに切り替えることができる。
【0059】
図16は、機械ギアの速度の図であり、液圧経路が故障すると、12個の固定機械ギアの出力が純粋に機械的に実現され、ここで、M、M、M、Mの4個の機械ギアに介して等差出力軸4-1に出力され、M、M、M、M、M、M10、M11、M12の8個の機械ギアに介して等比出力軸5-6から出力され、軸継ぎ手機構L6を接合すると、両端に同時に出力でき、12個の固定ギアの中で10個の前進ギアと2個の後進ギアが含まれ、一般的な有段式機械式変速機の可変速駆動に対するニーズを満たすことができる。
【0060】
本明細書は様々な実施例に従って説明されているが、各実施例が独立した実施形態のみを含むわけではなく、説明書のこのような記載方式がはっきりしたためだけであるので、当業者は明細書を全体にみなしなければいけなく、各実施例の実施形態を適切に組み合わせて、当業者が理解できる他の実施形態にしてもいい。
【0061】
上記の一連の詳細な説明は、本発明の実行可能な実施例の特定の説明にすぎず、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の技術的精神から逸脱しない変更は、すべて本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0062】
1 入力機構
1-1 入力軸
1-2 液圧経路入力クラッチC
1-3 液圧経路入力歯車対i
1-4 第1の機械経路入力歯車対i
1-5 第1の機械経路入力クラッチC
1-6 第2の機械経路入力歯車対i
1-7 第2の機械経路入力クラッチC
2 液圧式の伝動機構
2-1 液圧動力の入力軸
2-2 可変ポンプ
2-3 定量モーター
2-4 ブレーキB
2-5 液圧動力の出力軸
3 遊星列合流機構
3-1 前部遊星列のリングギア
3-2 後部遊星列のリングギア
3-3 固定連結クラッチC
3-4 前部遊星列の遊星架
3-5 後部遊星列の遊星架
3-6 後部遊星列の太陽歯車
3-7 前部遊星列の太陽歯車
3-8 後部遊星列の液圧動力入力クラッチC
4 等差出力機構
4-1 等差出力軸
4-2 第1の可変ギア比出力歯車対i
4-3 第1の可変ギア比出力クラッチC
4-4 第2の可変ギア比出力歯車対i
4-5 第2の可変ギア比出力クラッチC
4-6 第3の可変ギア比出力クラッチC
4-7 第3の可変ギア比出力歯車対i
5 等比出力機構
5-1 第4の可変ギア比出力歯車対i
5-2 第4の可変ギア比出力クラッチC
5-3 第5の可変ギア比出力クラッチC10
5-4 第5の可変ギア比出力歯車対i
5-5 第6の可変ギア比出力クラッチC11
5-6 等比出力軸
5-7 第6の可変ギア比出力歯車対i
6 軸継ぎ手機構L
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】