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特表2024-502392魚からの外部寄生生物の自己較正型超音波除去
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  • 特表-魚からの外部寄生生物の自己較正型超音波除去 図1
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  • 特表-魚からの外部寄生生物の自己較正型超音波除去 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-19
(54)【発明の名称】魚からの外部寄生生物の自己較正型超音波除去
(51)【国際特許分類】
   A01K 61/13 20170101AFI20240112BHJP
【FI】
A01K61/13
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023522379
(86)(22)【出願日】2021-11-01
(85)【翻訳文提出日】2023-06-22
(86)【国際出願番号】 US2021057576
(87)【国際公開番号】W WO2022139957
(87)【国際公開日】2022-06-30
(31)【優先権主張番号】17/132,874
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516326438
【氏名又は名称】エックス デベロップメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,グレース カルバート
(72)【発明者】
【氏名】ノール,マシュー アーロン
(72)【発明者】
【氏名】レメス,ブライス ジェーソン
(72)【発明者】
【氏名】キンボール,ピーター
【テーマコード(参考)】
2B104
【Fターム(参考)】
2B104AA01
2B104BA13
(57)【要約】
【課題】 魚からシーライスを安全に除去することである。
【解決手段】 シーライスの自己較正型超音波除去のための、コンピュータ記憶媒体上に符号化されたコンピュータプログラムを含む、方法、システム、及び装置。いくつかの実装形態では、方法は、シーライス処理ステーション(102)内に分散されたトランスデューサ(106)によって、第1の超音波信号のセットを生成することと、水を介した第1の超音波信号のセットの伝播に応答して、第2の超音波信号のセットを検出することと、検出された第2の超音波信号のセットに基づいて、シーライス処理ステーションの伝播パラメータを決定することと、シーライス処理ステーション内の魚上のシーライスの画像を取得することと、画像から、シーライス処理ステーション内のシーライスの位置を決定することと、シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することと、を含む。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによって実行される方法であって、
シーライス処理ステーション内に分散された超音波トランスデューサによって、第1の超音波信号のセットを生成することと、
前記超音波トランスデューサによって、前記シーライス処理ステーション内の水を介した前記第1の超音波信号のセットの伝播に応答して、第2の超音波信号のセットを検出することと、
検出された前記第2の超音波信号のセットに基づいて、前記シーライス処理ステーションの伝播パラメータを決定することと、
前記シーライス処理ステーション内の魚上のシーライスの画像を取得することと、
前記画像から、前記シーライス処理ステーション内の前記シーライスの位置を決定することと、
前記超音波トランスデューサによって、かつ前記伝播パラメータと、前記シーライス処理ステーション内の前記シーライスの前記位置とに基づいて、前記シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することは、
前記画像から、前記魚の一部分が特定の超音波トランスデューサと前記シーライスとの間にないと判定することと、
前記画像から、前記魚の前記一部分が前記特定の超音波トランスデューサと前記シーライスとの間にないと判定したことに基づいて、前記特定の超音波トランスデューサを用いて前記第3の超音波信号のセットのうちの超音波信号を生成することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することは、
前記画像から、前記魚の一部分が特定の超音波トランスデューサと前記シーライスとの間にあると判定することと、
前記画像から、前記魚の前記一部分が前記特定の超音波トランスデューサと前記シーライスとの間にないと判定したことに基づいて、前記特定の超音波トランスデューサを用いて超音波信号を生成しないと判定することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記超音波トランスデューサによって、前記シーライス処理ステーション内の水を介した前記第1の超音波信号のセットの伝播に応答して、第2の超音波信号のセットを検出することは、
第2の超音波トランスデューサによって生成された第1の超音波信号の伝播に応答して、第1の超音波トランスデューサによって超音波信号を検出することと、
前記第1の超音波信号が生成された後に第3の超音波トランスデューサによって生成された第2の超音波信号の伝播に応答して、前記第1の超音波トランスデューサによって超音波信号を検出することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
検出された前記第2の超音波信号のセットに基づいて、前記シーライス処理ステーションの伝播パラメータを決定することは、
前記第2の超音波信号のセットのうちの超音波信号の幅、前記第2の超音波信号のセットの検出と前記第1の超音波信号のセットの生成との間の時間オフセット、又は前記第1の超音波信号のセットの反射のうちの少なくとも1つを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
水温センサ、水圧センサ、又は水塩分センサのうちの少なくとも1つからセンサデータを取得することを含み、
前記シーライス処理ステーションの伝播パラメータを決定することは、前記センサデータと、検出された前記第2の超音波信号のセットとに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記超音波トランスデューサによって、かつ前記伝播パラメータと、前記シーライス処理ステーション内の前記シーライスの前記位置とに基づいて、前記シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することは、
前記第3の超音波信号のセットにおける連続波超音波信号の位相を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記超音波トランスデューサによって、かつ前記伝播パラメータと、前記シーライス処理ステーション内の前記シーライスの前記位置とに基づいて、前記シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することは、
前記第3の超音波信号のセットにおけるパルス超音波信号の時間遅延を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
特定の超音波トランスデューサによって生成された超音波信号が自己洗浄基準を満たすと判定することと、
前記特定の超音波トランスデューサによって生成された超音波信号が自己洗浄基準を満たすと判定したことに基づいて、前記超音波トランスデューサによって、前記特定の超音波トランスデューサにエネルギーを集束させる第4の超音波信号のセットを生成することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
システムであって、
1つ以上のコンピュータと、前記1つ以上のコンピュータによって実行されたとき、前記1つ以上のコンピュータに、
シーライス処理ステーション内に分散された超音波トランスデューサによって、第1の超音波信号のセットを生成することと、
前記超音波トランスデューサによって、前記シーライス処理ステーション内の水を介した前記第1の超音波信号のセットの伝播に応答して、第2の超音波信号のセットを検出することと、
検出された前記第2の超音波信号のセットに基づいて、前記シーライス処理ステーションの伝播パラメータを決定することと、
前記シーライス処理ステーション内の魚上のシーライスの画像を取得することと、
前記画像から、前記シーライス処理ステーション内の前記シーライスの位置を決定することと、
前記超音波トランスデューサによって、かつ前記伝播パラメータと、前記シーライス処理ステーション内の前記シーライスの前記位置とに基づいて、前記シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することと、を含む動作を行わせるように動作可能な命令を記憶する1つ以上の記憶デバイスと、を備える、システム。
【請求項11】
前記シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することは、
前記画像から、前記魚の一部分が特定の超音波トランスデューサと前記シーライスとの間にないと判定することと、
前記画像から、前記魚の前記一部分が前記特定の超音波トランスデューサと前記シーライスとの間にないと判定したことに基づいて、前記特定の超音波トランスデューサを用いて前記第3の超音波信号のセットのうちの超音波信号を生成することと、を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することは、
前記画像から、前記魚の一部分が特定の超音波トランスデューサと前記シーライスとの間にあると判定することと、
前記画像から、前記魚の前記一部分が前記特定の超音波トランスデューサと前記シーライスとの間にないと判定したことに基づいて、前記特定の超音波トランスデューサを用いて超音波信号を生成しないと判定することと、を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記超音波トランスデューサによって、前記シーライス処理ステーション内の水を介した前記第1の超音波信号のセットの伝播に応答して、第2の超音波信号のセットを検出することは、
第2の超音波トランスデューサによって生成された第1の超音波信号の伝播に応答して、第1の超音波トランスデューサによって超音波信号を検出することと、
前記第1の超音波信号が生成された後に第3の超音波トランスデューサによって生成された第2の超音波信号の伝播に応答して、前記第1の超音波トランスデューサによって超音波信号を検出することと、を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
検出された前記第2の超音波信号のセットに基づいて、前記シーライス処理ステーションの伝播パラメータを決定することは、
前記第2の超音波信号のセットのうちの超音波信号の幅、前記第2の超音波信号のセットの検出と前記第1の超音波信号のセットの生成との間の時間オフセット、又は前記第1の超音波信号のセットの反射のうちの少なくとも1つを決定することを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記動作は、水温センサ、水圧センサ、又は水塩分センサのうちの少なくとも1つからセンサデータを取得することを含み、
前記シーライス処理ステーションの伝播パラメータを決定することは、前記センサデータと、検出された前記第2の超音波信号のセットとに基づく、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記超音波トランスデューサによって、かつ前記伝播パラメータと、前記シーライス処理ステーション内の前記シーライスの前記位置とに基づいて、前記シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することは、
前記第3の超音波信号のセットにおける連続波超音波信号の位相を決定することを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記超音波トランスデューサによって、かつ前記伝播パラメータと、前記シーライス処理ステーション内の前記シーライスの前記位置とに基づいて、前記シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することは、
前記第3の超音波信号のセットにおけるパルス超音波信号の時間遅延を決定することを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
1つ以上のコンピュータによって実行可能な命令を含むソフトウェアを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令が、かかる実行時に、前記1つ以上のコンピュータに、
外部寄生生物処理ステーション内に分散された超音波トランスデューサによって、第1の超音波信号のセットを生成することと、
前記超音波トランスデューサによって、前記外部寄生生物処理ステーション内の水を介した前記第1の超音波信号のセットの伝播に応答して、第2の超音波信号のセットを検出することと、
検出された前記第2の超音波信号のセットに基づいて、前記外部寄生生物処理ステーションの伝播パラメータを決定することと、
前記外部寄生生物処理ステーション内の魚上の外部寄生生物の画像を取得することと、
前記画像から、前記外部寄生生物処理ステーション内の前記外部寄生生物の位置を決定することと、
前記超音波トランスデューサによって、かつ前記伝播パラメータと、前記外部寄生生物処理ステーション内の前記外部寄生生物の前記位置とに基づいて、前記外部寄生生物にエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することと、を含む動作を行わせる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
コンピュータによって実行される方法であって、
シーライス処理ステーション内に分散された超音波トランスデューサによって、第1の超音波信号のセットを生成することと、
前記超音波トランスデューサによって、前記シーライス処理ステーション内の水を介した前記第1の超音波信号のセットの伝播に応答して、第2の超音波信号のセットを検出することと、
検出された前記第2の超音波信号のセットに基づいて、前記シーライス処理ステーションの伝播パラメータを決定することと、
シーライスの以降の処理のために前記伝播パラメータを記憶することと、を含む、方法。
【請求項20】
コンピュータによって実行される方法であって、
シーライス処理ステーション内の魚上のシーライスの画像を取得することと、
前記画像から、前記シーライス処理ステーション内の前記シーライスの位置を決定することと、
前記シーライス処理ステーションの記憶装置から前記シーライス処理ステーションの伝播パラメータにアクセスすることと、
前記シーライス処理ステーションの超音波トランスデューサによって、かつ前記伝播パラメータと、前記シーライス処理ステーション内の前記シーライスの前記位置とに基づいて、前記シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年12月23日に出願された米国特許出願第17/132,874号の優先権の利益を主張するものであり、その全容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書は、水産養殖の文脈において使用される超音波デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
シーライスは、養殖魚にとって重大な問題を引き起こし得る寄生虫である。シーライスが魚に付着すると、それらは魚の天然の粘液を食べ、それが病変を形成させる。このような病変は、養殖魚の市場性を低下させる可能性があり、養殖魚を死に至らしめる可能性さえある。更に、シーライスが養殖場で多すぎる場合、野生集団への影響のために養殖場を閉鎖させる必要が生じ得る。
【0004】
シーライスは、ほんの数ミリメートルの長さであり、魚の皮膚に非常に強く吸い付く可能性があるため、除去するのが非常に困難な場合がある。シーライスが宿主魚の粘液内又は魚鱗の間に自身を包埋する場合、除去は更に困難であり得る。
【発明の概要】
【0005】
概して、本明細書に記載される主題の革新的な態様は、シーライスなどの寄生虫の超音波除去に使用される自己較正型デバイスに関する。シーライスは、超音波信号を使用して魚から除去又は放たれ得る。例えば、超音波信号は、シーライスの下及び周囲に形成されるキャビテーション気泡を生成するために使用されてもよく、水が魚を急速に通り過ぎて魚の自然な動きがシーライスを取り除くことを可能にする。超音波信号は、キャビテーション気泡がなくても、シーライスに沿って横断して、魚からシーライスを一掃することもできる。加えて、超音波信号は、シーライスの甲殻を破壊することができ、その結果、淡水、又はシーライスに対してのみ致死的な別の物質が、シーライスを貫通して死滅させるか、又は繁殖能力を損傷/不能にすることができる。
【0006】
しかしながら、超音波信号は魚を損傷させる、又は鱗を落とす可能性があるので、本明細書によって記載される改良技術は、特に、魚の代わりにシーライスにエネルギーを集束させることができる。超音波信号は、水温、水圧、水の化学的性質、魚の粘液の濃度、及び排泄物の濃度などの多くの要因に基づいて水中で異なって伝播するため、超音波信号の標的化は困難であり得るので、デバイスによる反復自己較正は、より正確な標的化を可能にし得る。例えば、温度変化だけで、数センチメートル離れた位置に超音波信号を収束させることができ、シーライスはわずか数ミリメートルの長さであり得るため、反復自己較正は、デバイスが、温度変化に伴ってライス除去に最も効果的であり得る特定の位置に収束する異なる超音波信号を決定することを可能にし得る。
【0007】
伝播の変化を考慮するために、シーライス処理ステーションは、シーライスの自己較正型超音波除去を使用する場合がある。シーライス処理ステーションは、シーライス処理ステーション全体に分散された多くの超音波トランスデューサを含み得る。シーライス処理ステーションは、処理の瞬間に超音波信号がシーライス処理ステーション内の水を介してどのように伝播するかを考慮に入れる伝播パラメータを決定するために、自己較正を継続的に実行することができる。シーライス処理ステーションが魚上のシーライスを検出すると、シーライス処理ステーションは、伝播パラメータを使用して、シーライス又はその近くにエネルギーを集束させる超音波信号を生成することができる。したがって、シーライス処理ステーションは、超音波信号を使用して魚からシーライスを安全に除去することができる。
【0008】
本明細書に記載される主題の1つの革新的な態様は、シーライス処理ステーション内に分散された超音波トランスデューサによって、第1の超音波信号のセットを生成することと、超音波トランスデューサによって、シーライス処理ステーション内の水を介した第1の超音波信号のセットの伝播に応答して、第2の超音波信号のセットを検出することと、検出された第2の超音波信号のセットに基づいて、シーライス処理ステーションの伝播パラメータを決定することと、シーライス処理ステーション内の魚上のシーライスの画像を取得することと、画像から、シーライス処理ステーション内のシーライスの位置を決定することと、超音波トランスデューサによって、かつ伝播パラメータと、シーライス処理ステーション内のシーライスの位置とに基づいて、シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することと、を含む方法において具現化される。
【0009】
本明細書に記載される主題の第2の革新的な態様は、シーライス処理ステーション内に分散された超音波トランスデューサによって、第1の超音波信号のセットを生成することと、超音波トランスデューサによって、シーライス処理ステーション内の水を介した第1の超音波信号のセットの伝播に応答して、第2の超音波信号のセットを検出することと、検出された第2の超音波信号のセットに基づいて、シーライス処理ステーションの伝播パラメータを決定することと、シーライスの以降の処理のために伝播パラメータを記憶することと、を含む方法において具現化される。
【0010】
本明細書に記載される主題の第3の革新的な態様は、シーライス処理ステーション内の魚上のシーライスの画像を取得することと、画像から、シーライス処理ステーション内のシーライスの位置を決定することと、シーライス処理ステーションの記憶装置からシーライス処理ステーションの伝播パラメータにアクセスすることと、シーライス処理ステーションの超音波トランスデューサによって、かつ伝播パラメータと、シーライス処理ステーション内のシーライスの位置とに基づいて、シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することと、を含む方法において具現化される。
【0011】
本明細書に記載される主題の第4の革新的な態様は、外部寄生生物処理ステーション内に分散された超音波トランスデューサによって、第1の超音波信号のセットを生成することと、超音波トランスデューサによって、外部寄生生物処理ステーション内の水を介した第1の超音波信号のセットの伝播に応答して、第2の超音波信号のセットを検出することと、検出された第2の超音波信号のセットに基づいて、外部寄生生物処理ステーションの伝播パラメータを決定することと、外部寄生生物処理ステーション内の魚上の外部寄生生物の画像を取得することと、画像から、外部寄生生物処理ステーション内の外部寄生生物の位置を決定することと、超音波トランスデューサによって、かつ伝播パラメータと、外部寄生生物処理ステーション内の外部寄生生物の位置とに基づいて、外部寄生生物にエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することと、を含む方法において具現化される。
【0012】
この態様及び他の態様の他の実装形態は、対応するシステム、装置、及びコンピュータプログラムを含み、コンピュータ記憶デバイス上で符号化された方法のアクションを実行するように構成され得る。1つ以上のコンピュータのシステムは、動作中にシステムにアクションを実行させる、システム上にインストールされたソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせによってそのように構成することができる。1つ以上のコンピュータプログラムは、データ処理装置によって実行されると、装置にアクションを実行させる命令を有することによってそのように構成することができる。
【0013】
上記及び他の実施形態は、各々が、以下の特徴のうちの1つ以上を単独で又は組み合わせて任意選択で含むことができる。例えば、いくつかの態様では、シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することは、画像から、魚の一部分が特定の超音波トランスデューサとシーライスとの間にないと判定することと、画像から、魚の一部分が特定の超音波トランスデューサとシーライスとの間にないと判定したことに基づいて、特定の超音波トランスデューサを用いて第3の超音波信号のセットのうちの超音波信号を生成することと、を含む。特定の態様では、シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することは、画像から、魚の一部分が特定の超音波トランスデューサとシーライスとの間にないと判定することと、画像から、魚の一部分が特定の超音波トランスデューサとシーライスとの間にないと判定したことに基づいて、特定の超音波トランスデューサを用いて超音波信号を生成しないと判定することを含む。
【0014】
いくつかの実装形態では、超音波トランスデューサによって、シーライス処理ステーション内の水を介した第1の超音波信号のセットの伝播に応答して第2の超音波信号のセットを検出することは、第1の超音波トランスデューサによって、第2の超音波トランスデューサによって生成された第1の超音波信号の伝播に応答して超音波信号を検出することと、第1の超音波トランスデューサによって、第1の超音波信号が生成された後に第3の超音波トランスデューサによって生成された第2の超音波信号の伝播に応答して超音波信号を検出することと、を含む。いくつかの態様では、検出された第2の超音波信号のセットに基づいて、シーライス処理ステーションの伝播パラメータを決定することは、第2の超音波信号のセットのうちの超音波信号の幅、第2の超音波信号のセットの検出と第1の超音波信号のセットの生成との間の時間オフセット、又は第1の超音波信号のセットの反射のうちの少なくとも1つを決定することを含む。
【0015】
特定の態様では、アクションは、水温センサ、水圧センサ、又は水塩分センサのうちの少なくとも1つからセンサデータを取得することを含み、シーライス処理ステーションの伝播パラメータを決定することは、センサデータ及び検出された第2の超音波信号のセットに基づく。いくつかの実装形態では、超音波トランスデューサによって、かつ伝播パラメータと、シーライス処理ステーション内のシーライスの位置とに基づいて、シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することは、第3の超音波信号のセットにおける連続波超音波信号の位相を決定することを含む。いくつかの態様では、超音波トランスデューサによって、かつ伝播パラメータと、シーライス処理ステーション内のシーライスの位置とに基づいて、シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することは、第3の超音波信号のセットにおけるパルス超音波信号の時間遅延を決定することを含む。いくつかの実装形態では、アクションは、特定の超音波トランスデューサによって生成された超音波信号が自己洗浄基準を満たすと判定することを含み、特定の超音波トランスデューサによって生成された超音波信号が自己洗浄基準を満たすと判定したことに基づいて、超音波トランスデューサによって、エネルギーを特定の超音波トランスデューサに集束させる第4の超音波信号のセットを生成することを含む。
【0016】
本明細書で更に説明される上述の態様及び実装形態は、いくつかの利点を提供し得る。例えば、本デバイスは、既存のシーライス除去の解決策よりも魚への損傷が少ない状態で魚からシーライスを除去することができる。別の例では、デバイスは、超音波エネルギーをより効率的にシーライスに向けることによって、使用されるエネルギーの量を低減し得る。更に別の例では、デバイスは、水産養殖環境で飼育される魚の健康を向上させることができる。更に別の例では、デバイスは、より広い範囲の環境条件(例えば、温度、水の化学的性質、ステーションの幾何学的形状など)で動作することができる。
【0017】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面及び以下の明細書に記載される。本発明の他の特徴、態様、及び利点は、明細書、図面、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】シーライス処理システムの一例を示す図である。
図2A】例示的なシーライス処理ステーションを示す図である。
図2B】例示的なシーライス処理ステーションを示す図である。
図3】シーライス処理システムの一例を示す図である。
図4】シーライスの自己較正型超音波除去のためのプロセスの一例を示す流れ図である。
図5】魚の目とえらの周りの敏感な部位を示す図である。
【0019】
様々な図面における同様の参照番号及び名称は、同様の要素を示す。ここで示される構成要素、それらの接続及び関係、並びにそれらの機能は、例示的なものに過ぎず、本明細書で記載及び/又は特許請求される実装形態を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、シーライス処理システム100の一例を示す図である。シーライス処理システム100は、シーライスを処理するものとして様々な例で説明されているが、シーライス処理システム100は、以下で更に説明するように、魚に付着する他の外部寄生生物を処理するために同様に使用されてもよい。システム100は、水槽101と、水槽101に接続されたシーライス処理ステーション102とを含む。ウォータポンプ103は、水槽101の水の循環を助ける。
【0021】
第1の魚109の点線の輪郭は、第1の魚109がシーライス処理ステーション102の内側にあることを示すために使用されている。図2A及び図2Bに、シーライス処理ステーション102及びシーライスのために処理されている魚の代替の図を示す。第2の魚110及び第3の魚111(及びおそらく他の魚)は、水槽101内で泳ぐ。魚109は、水槽101内に配置されてもよく、作業者115によって観察されてもよい。
【0022】
視覚的切り抜き104dは、シーライス処理ステーション102の内部要素を示すために使用される。シーライス処理ステーション102は、カメラ104及び超音波トランスデューサ106a、106b(まとめて106と称される)を含む。図1には2つの超音波トランスデューサ106しか示されていないが、シーライス処理ステーション102は、100個、200個、又はいくつかの他の数の超音波トランスデューサ106を含むことができる。
【0023】
超音波トランスデューサ106は、超音波信号を生成し、超音波信号を検出することができる。例えば、超音波トランスデューサ106は、超音波送受信機、又は超音波信号を放出する超音波送信機と超音波信号を感知する超音波受信機との組み合わせであってもよい。カメラ104は、超音波トランスデューサ106の間に示されている。しかしながら、カメラ104は、水流の方向において超音波トランスデューサ106の前にあってもよく、超音波トランスデューサ106の後にあってもよい。単一のカメラのみが示されているが、シーライス処理ステーション102は、シーライスを検出するために複数のカメラを含んでもよく、ライトを含んでもよい。
【0024】
システム100の制御ユニット112は、シーライス処理ステーション102を含む要素とインターフェースする。制御ユニット112は、超音波キャリブレータ、シーライス検出器、及びシーライス処理コントローラを形成するデジタル電子回路を含むことができる。超音波キャリブレータは、シーライス処理ステーション102の伝播パラメータを決定することができる。例えば、超音波キャリブレータは、1時間ごとに5分間、特定の時期に1日に1回、又は何らかの他の頻度で自己較正を実行し得る。追加的に又は代替的に、シーライス処理ステーション102は、シーライス処理ステーション102内に魚がいないときは常に自己較正を実行することができる。例えば、シーライス処理ステーション102は、カメラ104からの画像上での物体検出によって魚がシーライス処理ステーション102に入ろうとしていることが検出されるまで自己較正を実行し続け、魚がシーライス処理ステーション102内にいる間は自己較正を休止し、魚がシーライス処理ステーション102から出たことをシーライス処理ステーション102が検出すると自己較正を再開することができる。
【0025】
伝播パラメータは、超音波信号がシーライス処理ステーション102内の水中をどのように伝播するかを反映し得る。例えば、伝播パラメータは、超音波トランスデューサ106によって感知される超音波信号のパルス幅、超音波信号が生成されたときと超音波トランスデューサ106によって感知されたときとの間の時間オフセット、シーライス処理ステーション102内の超音波信号の反射、超音波トランスデューサ106によって感知される超音波信号のスペクトル幅、又は位相オフセットのうちの少なくとも1つを指定することができる。
【0026】
シーライス検出器は、カメラ104から画像を取得し、魚上のシーライスを検出することができる。例えば、シーライス検出器は、魚109の尾の片側上のシーライスを検出することができる。シーライス処理コントローラは、伝播パラメータに基づいて、検出されたシーライスにエネルギーを集束させる超音波信号を生成することができる。例えば、シーライス処理コントローラは、超音波トランスデューサ106のうちの異なるものによって生成される異なる超音波信号を決定することができ、信号のエネルギーは、最も高いエネルギーを有する位置がシーライスにあるように収束する。
【0027】
図1の段階A~Cは、システム100の動作の一例を示す。具体的には、段階Aにおいて、魚109がシーライス処理ステーション102に入る前に、超音波キャリブレータは、超音波トランスデューサ106によって超音波信号を生成及び感知し、感知された超音波信号から伝播パラメータを決定する。感知される超音波信号は、直接送信された信号又は反射された信号であり得る。
【0028】
段階Bにおいて、第1の魚109は、シーライス処理ステーション102に泳ぐ。魚109がカメラ104の視野内にあるとき、シーライス検出器は、魚109の画像を受け取り、物体認識を使用して魚109上のシーライスを検出することができる。例えば、シーライス検出器は、カメラ104からの1つ以上の画像に対して画像ベースの物体認識を実行することによって、魚の尾の上のシーライスを検出することができる。
【0029】
段階Cにおいて、シーライス処理コントローラは、超音波トランスデューサ106によって生成されたときに、シーライス処理ステーション102内のシーライスの位置にエネルギーを集束させる超音波信号のセットを決定することができる。例えば、シーライス処理コントローラは、200個の超音波トランスデューサ106のうちの30個でのみ超音波信号を生成することを判定してもよく、超音波信号は互いに異なり、大部分のエネルギーをシーライスの位置に収束させる。
【0030】
いくつかの実装形態では、段階B及びCは、全てのシーライスが魚109から除去されるか又は放たれるまで繰り返すことができる。例えば、段階B及びCは、魚109がシーライス処理ステーション102内にある間、50ミリ秒ごとに1回繰り返すことができる。別の例では、段階B及びCは、魚109がシーライス処理ステーション102を通過するたびに1回実行されてもよい。いくつかの実装形態では、シーライス検出器が魚上のシーライスをもはや検出しなくなるまで、又は魚にとって安全な最大エネルギー限界に達するまで、シーライスに集束されるエネルギーを増加させることができる。
【0031】
シーライス処理ステーション102におけるシーライス処理が行われた後、第1の魚109は、シーライス処理ステーション102を出て、水槽101内で自由に泳ぐことを再開することができる。システム100による更なる検出は、第2の魚110が水槽101の周りを泳ぎ、シーライス処理ステーション102に入った後に、第2の魚110に関して行うことができる。第2の魚110がシーライス処理ステーション102内に入ると、シーライス処理ステーション102は、第1の魚109に関して上で考察されたのと同様の様式で、第2の魚110をシーライスについて処理することができる。
【0032】
いくつかの実装形態では、シーライス処理システム100はカメラを含まなくてもよい。シーライス処理システム100は、超音波信号が魚全体にわたって超音波エネルギーを提供し得るように穏やかであり得るか、又はシーライス処理システム100は、シーライスが最も一般的に発見される脂肪及び背びれの後ろを常に標的にし得る。例えば、シーライス処理システム100は、超音波トランスデューサ106によって感知された超音波信号の変化に基づいて魚の存在、位置、サイズ、及び向きを検出し、次いで、魚上のシーライスを検出しようとすることなく、脂肪及び背びれにおける所定の量の超音波エネルギーを対象とする伝播パラメータに従って超音波トランスデューサ106を用いて超音波信号を送信することができる。
【0033】
図2A及び図2Bは、例示的なシーライス処理ステーションを示す図である。図2Aは、シーライス処理ステーション102の側面図を示し、図2Bは、シーライス処理ステーション102の断面図を示す。図2Aに示すように、シーライス処理ステーション102は、シーライス処理ステーション102の上部及び底部に沿って分散された超音波トランスデューサ106a~106hを含むことができる。図2Bは、超音波トランスデューサ106b、106f、及び106i~106pが、シーライス処理ステーション102の4つの壁に沿って分散され得ることを示す。しかしながら、シーライス処理ステーション102は、他の形状を有してもよい。例えば、シーライス処理ステーションは、単一の内壁に沿って分散された超音波トランスデューサを有する円筒形であってもよく、又は8つの壁に沿って分散された超音波トランスデューサを有する八角形の形状であってもよい。
【0034】
例えば、図2Bに示されるように魚の左側に位置するシーライスの場合、シーライス処理コントローラは、シーライス検出器からシーライス処理ステーション102内のシーライスのx、y、z座標を受信し、カメラ104からの画像に基づいて魚109の位置を決定し、超音波トランスデューサ106b、106f、及び106kのみによって生成される超音波信号の特定の組み合わせを決定することができる。
【0035】
シーライス処理コントローラは、超音波トランスデューサ106a~106pの各々について記憶された伝播パラメータを取得することと、特に魚が位置するシーライス処理ステーション102内の他の位置に対してシーライスの位置における超音波エネルギーを増加させる、超音波トランスデューサによって生成される超音波信号の組み合わせを計算することとに基づいて、生成する超音波信号を決定することができる。
【0036】
例えば、シーライス処理コントローラは、超音波トランスデューサ106b、106f、及び106kのみで特定の超音波信号を生成することを判定してもよい。この判定は、超音波トランスデューサ106a~106pの全てについての伝播パラメータに従って、特定の超音波信号の組み合わせが、超音波信号の任意の他の組み合わせよりも、魚において安全な量のエネルギーを維持しながら、より多くのエネルギーをシーライスに集束させるように伝播することが予想されると判定することに基づき得る。
【0037】
図1で述べたように、超音波トランスデューサ106a~106pの伝播パラメータは、魚109がシーライス処理ステーション102に入る前の定期的な較正中に決定することができる。例えば、超音波キャリブレータは、超音波トランスデューサ106a~106pの各々について、異なる周波数、パルス持続時間、信号持続時間、及び振幅で超音波信号を反復的に生成し、他のトランスデューサで超音波信号を検出して、超音波信号を送信した超音波トランスデューサの伝播パラメータを決定することができる。伝播パラメータの決定及び伝播パラメータに基づく超音波信号の計算は、図4に関して以下でより詳細に考察される。
【0038】
図2Aは送信する2つの超音波トランスデューサのみを示し、図2Bは送信する3つの超音波トランスデューサのみを示すが、いくつかの他の例では、5、10、15、50、100、300、又は何百もの他の数のトランスデューサが超音波信号を同時に送信してもよい。
【0039】
図3は、シーライス処理システム300の一例を示す図である。システム300は、開放水域環境で示されている。網301及び302は、この実装形態では、魚をシーライス処理ステーション304に導くために使用される。システム300は、網301及び302、シーライス処理ステーション304、魚311(311a、311b及び311cとして3つの段階で示される)、シーライス処理ステーション304に供給する管312、及びシーライス処理ステーション304に安定性を提供する重り314を含む。
【0040】
シーライス処理ステーション304は、図1並びに図2A及び図2Bに示されるシーライス処理ステーション102の別の実装形態である。シーライス処理ステーション304は、同様にカメラ及び超音波トランスデューサを含む。
【0041】
図3は、3段階で示されている。段階Aは、魚311aが管312に入ることに対応する。段階Bは、シーライス処理ステーション304内の魚311bがシーライスのために処理されることに対応する。段階Cは、魚311cが管312を通ってシーライス処理ステーション102を出ることに対応する。
【0042】
図3の段階Aは、網301の囲いから管312に入る魚311aを示す。他の魚は網301内にいる。概して、シーライス処理ステーション304によって処理することができる魚の数に制限はない。
【0043】
図3の段階Bは、シーライス処理ステーション304内の魚311bがシーライスのために処理されていることを示す。魚311bは、異なる位置で、以降の時間に示される魚311aの表現である。シーライス処理ステーション304は、図1の制御ユニット112と同様の制御ユニットを使用して、超音波信号を較正し、シーライスを検出し、シーライスを処理する。
【0044】
図3の段階Cは、管312を通ってシーライス処理ステーション102を出る魚311cを示す。管312から網302に魚を移動させるためにインセンティブを使用することができる。実装形態に応じて、インセンティブは、食物又は水流などの物理的な力を含み得る。
【0045】
いくつかの実装形態では、シーライス処理システム300は、水塊内に浮遊していてもよい。例えば、シーライス処理システム300は、1匹以上の魚を含む水塊内に沈められ得る。水塊内に含まれる1匹以上の魚が、シーライス処理システム300によって処理され得る。
【0046】
図4は、シーライスの自己較正型超音波除去のためのプロセス400の一例を示す流れ図である。簡単に述べると、以下でより詳細に説明するように、プロセス400は、シーライス処理ステーション内に分散されたトランスデューサによって、第1の超音波信号のセットを生成することと、水を介した第1の超音波信号のセットの伝播に応答して第2の超音波信号のセットを検出することと、検出された第2の超音波信号のセットに基づいてシーライス処理ステーションの伝播パラメータを決定することと、シーライス処理ステーション内の魚上のシーライスの画像を取得することと、画像からシーライス処理ステーション内のシーライスの位置を決定することと、シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することと、を含む。
【0047】
プロセス400は、シーライス処理ステーション内に分散されたトランスデューサによって、第1の超音波信号のセットを生成すること(402)を含む。例えば、超音波キャリブレータは、超音波信号を生成するように超音波トランスデューサ106を制御することができる。
【0048】
プロセス400は、水を介した第1の超音波信号のセットの伝播に応答して第2の超音波信号のセットを検出すること(404)を含む。例えば、超音波キャリブレータは、超音波信号を検出するように超音波トランスデューサ106を制御することができる。
【0049】
いくつかの実装形態では、超音波トランスデューサによって、水を介した第1の超音波信号のセットの伝播に応答して第2の超音波信号のセットを検出することは、第1の超音波トランスデューサによって、第2の超音波トランスデューサによって生成された第1の超音波信号の伝播に応答して超音波信号を検出することと、第1の超音波トランスデューサによって、第1の超音波信号が生成された後に第3の超音波トランスデューサによって生成された第2の超音波信号の伝播に応答して超音波信号を検出することと、を含む。例えば、較正中、超音波キャリブレータは、超音波トランスデューサ106のうちの1つを用いて超音波信号を生成し、超音波トランスデューサ106の全てにおいて超音波信号を検出し、次いで、超音波トランスデューサ106の各々について両方のステップを繰り返すことができる。
【0050】
いくつかの実装形態では、上記で説明したように較正中に超音波信号を順次生成する代わりに、超音波キャリブレータは超音波信号を並行して生成することができる。例えば、超音波キャリブレータは、定在波アプローチを使用し、可変符号化位相シフトを使用して、一度に1つずつ動作する必要なく、どの信号がどのトランスデューサから来ているかを区別することができる。パルス手法を使用する場合、超音波キャリブレータは、各送信機を区別するパルス幅変調又はパルス密度変調などの同様の符号化技法を使用することができ、したがって、受信機はそれらを区別することができる。
【0051】
プロセス400は、検出された第2の超音波信号のセットに基づいて、シーライス処理ステーションの伝播パラメータを決定すること(406)を含む。例えば、超音波キャリブレータは、どの超音波信号が超音波トランスデューサ106で生成されたか、及び超音波トランスデューサ106で検出された結果の超音波信号に基づいて、シーライス処理ステーション102の伝播パラメータを決定することができる。
【0052】
いくつかの実装形態では、検出された第2の超音波信号のセットに基づいて、シーライス処理ステーションの伝播パラメータを決定することは、第2の超音波信号のセットのうちの超音波信号のパルス幅、第2の超音波信号のセットの検出と第1の超音波信号のセットの生成との間の時間オフセット、第1の超音波信号のセットのスペクトル幅、位相オフセット、又は反射のうちの少なくとも1つを決定することを含む。例えば、超音波キャリブレータは、超音波信号が第1のトランスデューサで生成されたときと、超音波信号が第2のトランスデューサにおいて検出されたときとの間のミリ秒を決定し得る。いくつかの実装形態では、伝播パラメータを決定することは、正確なトランスデューサ位置を決定することを含み得る。
【0053】
プロセス400は、シーライス処理ステーション内の魚上のシーライスの画像を取得すること(408)を含む。例えば、シーライス検出器は、カメラ104によって取り込まれた画像を受信することができ、この画像は、シーライス処理ステーション102内の魚109を示す。
【0054】
プロセス400は、画像から、シーライス処理ステーション内のシーライスの位置を決定すること(410)を含む。例えば、シーライス検出器は、物体認識を使用して魚109の尾の上のシーライスを検出することができ、ここで、シーライスは、シーライス処理ステーション102の水含有部分の正確な中央にあると検出される。
【0055】
プロセス400は、シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成すること(412)を含む。例えば、シーライス処理コントローラは、シーライス処理ステーション102内の水の正確な中央にエネルギーを集束させる超音波信号を生成するように超音波トランスデューサ160を制御することができる。
【0056】
いくつかの実装形態では、シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することは、画像から、魚の一部分が特定の超音波トランスデューサとシーライスとの間にないと判定することと、特定の超音波トランスデューサを用いて第3の超音波信号のセットのうちの超音波信号を生成することとを含む。例えば、図2Aに示される視点から、シーライス検出器は、超音波トランスデューサ106kの視線上に直接いる魚109の左側にシーライスがいると判定し、それに応答して、超音波トランスデューサ106kを使用して、シーライスを除去するために使用される超音波信号のセット内の超音波信号のうちの1つを生成することを判定し得る。
【0057】
いくつかの実装形態では、シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することは、画像から、魚の一部分が特定の超音波トランスデューサとシーライスとの間にあると判定することと、画像から、魚の一部分が特定の超音波トランスデューサとシーライスとの間にあると判定したことに基づいて、特定の超音波トランスデューサを用いて超音波信号を生成しないと判定することを含む。例えば、図2Aに示される視点から、シーライス検出器は、超音波トランスデューサ106nの視線から魚109によって遮られた魚109の左側上にシーライスがいると判定し、それに応答して、超音波トランスデューサ106nを使用して、シーライスを除去するために使用される超音波信号のセット内の超音波信号のうちのいずれも生成しないことを判定し得る。
【0058】
いくつかの実装形態では、超音波トランスデューサによって、かつ伝播パラメータと、シーライス処理ステーション内のシーライスの位置とに基づいて、シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することは、第3の超音波信号のセットにおける連続波超音波信号の位相を決定することを含む。例えば、超音波信号は、位相及び周期が変化する連続波であってもよい。
【0059】
いくつかの実装形態では、プロセス400は、超音波トランスデューサによって、かつ伝播パラメータと、シーライス処理ステーション内のシーライスの位置とに基づいて、シーライスにエネルギーを集束させる第3の超音波信号のセットを生成することを含み、第3の超音波信号のセットにおけるパルス超音波信号の時間遅延を決定することを含む。例えば、超音波信号は、異なる時間遅延で送信されるパルスであってもよい。
【0060】
いくつかの実装形態では、プロセス400は、水温センサ、水圧センサ、又は水塩分センサのうちの少なくとも1つからセンサデータを取得することを含み、シーライス処理ステーションの伝播パラメータを決定することは、センサデータ及び検出された第2の超音波信号のセットに基づく。例えば、超音波キャリブレータは、温度計の化学特性によって感知された70°Fの現在の水温を使用して、他の水温の伝播パラメータを決定してもよい。
【0061】
いくつかの実装形態では、プロセス400は、特定の超音波トランスデューサによって生成された超音波信号が自己洗浄基準を満たすと判定することを含み、特定の超音波トランスデューサによって生成された超音波信号が自己洗浄基準を満たすと判定したことに基づいて、超音波トランスデューサによって、エネルギーを特定の超音波トランスデューサに集束させる第4の超音波信号のセットを生成することを含む。例えば、超音波キャリブレータは、特定のトランスデューサによって放出された超音波信号が他のトランスデューサによって通常のものよりも弱いものとして感知されると判定し、それに応答して、特定のトランスデューサ上の汚れ、生物汚損、生長物、又は他の何らかの物質が特定のトランスデューサからの信号に干渉している可能性があると判定し、それによって汚れを除去しようとするためにエネルギーを特定のトランスデューサに向けることができる。別の例では、シーライス検出器は、特定のトランスデューサが画像内で汚れているように見えることを視覚的に決定し、それに応答して、汚れを除去しようとするために特定のトランスデューサにエネルギーを向けることができる。
【0062】
いくつかの実装形態では、プロセス400は、シーライスが魚の特定の部分の近くに位置することを判定することと、それに応じて超音波信号を決定することとを含む。例えば、シーライス処理コントローラは、シーライスが魚の目又はえらから1センチメートル以内にあると判定し、それに応じて、敏感な目又はえらの部位を保護するためにシーライスを除去するための超音波信号を生成しないと判定してもよい。図5は、魚の目及びえらの周りの敏感な部位510を示す図500である。
【0063】
別の例では、シーライス処理コントローラは、シーライスが背びれ上にいることを判定し、それに応じて、魚にとって安全な最大エネルギー限界をシーライスに向けることを判定することができる。例えば、魚の背骨上の硬い皮膚は、より敏感な部分、例えばより穏やかな圧力を必要とし得るえら又は目の近くよりも、超音波トランスデューサからのより強い圧力に耐えることができる。
【0064】
いくつかの実装形態では、プロセス400は、別の魚がシーライスと超音波トランスデューサとの間に位置することを判定することを含む。例えば、シーライス処理コントローラは、カメラ104によって捕捉された画像から、第2の魚が超音波トランスデューサ106kと第1の魚上のシーライスとの間にいると判定し、それに応答して、超音波トランスデューサ106kからの信号が第2の魚によって遮断されると予想されるので、超音波トランスデューサ106kから送信することなくシーライスにエネルギーを集束させる超音波信号のセットを生成することを判定することができる。別の例では、シーライス処理コントローラは、カメラ104によって捕捉された画像から、他の魚が超音波トランスデューサ106kと第1の魚上のシーライスとの間にいないと判定し、それに応答して、超音波トランスデューサ106kによって生成された超音波信号が他の魚によって遮断されると予想されないので、超音波信号が超音波トランスデューサ106kによって生成されてもよいことを判定することができる。
【0065】
いくつかの実装形態では、プロセス400は、別の魚が特定の位置に位置すると判定することと、それに応答して、超音波エネルギーが特定の位置に集束されるサイドローブを生成しない超音波信号を生成することを判定することとを含む。例えば、シーライス処理コントローラは、カメラ104によって捕捉された画像から、第2の魚がシーライス処理ステーション102の角にいると判定し、それに応答して、第1の魚に付着したシーライスにエネルギーを集束させながら、角における超音波エネルギーをエネルギー閾値未満に保つ超音波信号を生成することを判定することができる。
【0066】
いくつかの実装形態では、シーライスの自己較正型超音波除去のための第2のプロセスは、プロセス400と同様に、第1の超音波信号のセットを生成し、第2の超音波信号のセットを検出し、伝播パラメータを決定することができる。次いで、第2のプロセスは、シーライスの以降の処理のために伝播パラメータを記憶することができる。例えば、シーライス処理ステーション102は、段階Aの間に第2のプロセスを実行し、次いで、伝播パラメータを記憶することができる。
【0067】
シーライスの自己較正型超音波除去のための第3のプロセスは、プロセス400と同様に、シーライスの画像を取得し、シーライスの位置を決定することができる。次いで、第3のプロセスは、以前に記憶された伝播パラメータにアクセスすることができる。例えば、シーライス処理ステーション102は、何らかの他のデバイスから決定された伝播パラメータを受信して記憶し、後で記憶装置からの伝播パラメータにアクセスすることができる。第3のプロセスは、同様に、シーライスにエネルギーを集束させる超音波信号のセットを生成することによって継続してもよい。
【0068】
いくつかの実装形態では、シーライスの自己較正型超音波除去のための第4のプロセスは、検出されたシーライスにエネルギーを集束させない場合がある。例えば、プロセス400と同様に、第4のプロセスは、第1の超音波信号のセットを生成し、第2の超音波信号のセットを検出し、伝播パラメータを決定することができる。ただし、第4のプロセスは、シーライスの画像を取得する代わりに、超音波トランスデューサ106によって感知された超音波信号の変化に基づいて魚の存在、位置、サイズ、及び向きを検出し、次いで、魚上のシーライスを検出しようとすることなく、脂肪及び背びれにおける所定の量の超音波エネルギーを対象とする伝播パラメータに従って超音波トランスデューサ106を用いて超音波信号を送信することができる。
【0069】
いくつかの実装形態において、シーライスの検出は、シーライスの特定の種又は段階を含むことができる。例えば、いくつかの種のシーライスには、Lepeophtheirus及びCaligus属の外部寄生性カイアシ類が含まれ得る。分析される魚のタイプは、シーライス検出のプロセスに影響を及ぼし得る。例えば、サケの検出時に、システムは、Lepeophtheirus salmonis(サケにとって特に問題となり得るシーライスの種)の検出のために検出システムを適合させることができる。いくつかの実装形態では、特定の種のシーライスの検出を、他のシーライスの検出から分離することができる。例えば、Lepeophtheirus salmonisの検出は、Caligus curtis及びLepeophtheirus hippoglossiの検出とは別に処理することができる。
【0070】
サケのシーライス除去の文脈において実装形態が上述されたが、自己較正型超音波除去を使用して、他の魚からシーライスを、又は魚から他の外部寄生生物を除去することもできる。例えば、シーライス処理ステーション102は、シートラウト又は糸魚からシーライスを除去することができ、又は、ブリを吸う外部寄生性扁形動物であるブリハダムシを除去し得る。したがって、シーライス処理システム100は外部寄生生物処理システムとも称され、シーライス検出器は外部寄生生物検出器とも称され、シーライス処理コントローラは外部寄生生物処理コントローラとも称され、図4及び第1から第4のプロセスに関して上述したシーライスへの言及は、シーライス以外の外部寄生生物又はより一般的には外部寄生生物への言及に置き換えられ得る。
【0071】
いくつかの実装形態について記載してきた。それにもかかわらず、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正が行われ得ることが理解されるであろう。例えば、上で示されたフローの様々な形態は、ステップが再順序付けされ、追加され、又は除去されて使用され得る。
【0072】
本明細書で説明される主題及び機能的オペレーションの実施形態は、本明細書において開示された構造及びそれらの構造的均等物を含む、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア若しくはファームウェア、ハードウェア、又はそれらのうちの1つ以上の組み合わせにおいて、実行することができる。本発明の実施形態は、1つ以上のコンピュータプログラム製品、例えば、データ処理装置による実行又はデータ処理装置の動作を制御するためにコンピュータ可読媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実装され得る。コンピュータ可読媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイス、機械可読伝播信号に影響を及ぼす組成物、又はそれらのうちの1つ以上の組み合わせであることが可能である。用語「データ処理装置」は、例としてプログラマブルプロセッサ、コンピュータ、又は複数のプロセッサ若しくはコンピュータを含む、データを処理するための全ての装置、デバイス、及び機械を包含する。装置は、ハードウェアに加えて、問題のコンピュータプログラムのための実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、又はそれらのうちの1つ以上の組み合わせを構成するコードを含むことができる。伝播信号は、人工的に生成された信号、例えば、好適な受信機装置への送信のために情報を符号化するために生成された機械生成電気信号、光信号、又は電磁信号である。
【0073】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、又はコードとしても知られる)は、コンパイラ型言語若しくはインタープリタ型言語を含む、任意の形態のプログラミング言語で書かれることができ、スタンドアロンプログラムとして、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン、若しくはコンピューティング環境での使用に好適な他のユニットとして、を含む、任意の形態で展開されることができる。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステム内のファイルに対応する必要はない。プログラムは、他のプログラム若しくはデータ(例えば、マークアップ言語文書に記憶された1つ以上のスクリプト)を保持するファイルの一部分内に、問題のプログラム専用の単一ファイル内に、又は複数の調整されたファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、若しくはコードの一部分を記憶するファイル)内に、記憶されることができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、又は1つのサイトに位置するか若しくは複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開されることができる。
【0074】
本明細書に記載されるプロセス及び論理フローは、入力データに対して動作し、出力を生成することによって機能を実施するために、1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラマブルプロセッサによって実施されることができる。プロセス及び論理フローはまた、専用論理回路、例えば、FPGA(field programmable gate array)(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(application specific integrated circuit)(特定用途向け集積回路)によって実施されることができ、装置はまた、専用論理回路、例えば、FPGA又はASICとして実装されることができる。
【0075】
コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサは、例として、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方、並びに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサを含む。概して、プロセッサは、読み出し専用メモリ若しくはランダムアクセスメモリ又はその両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの必須要素は、命令を実施するためのプロセッサ、並びに命令及びデータを記憶するための1つ以上のメモリデバイスである。概して、コンピュータはまた、データを記憶するための1つ以上の大容量記憶デバイス、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、又は光ディスクを含むか、又は1つ以上の大容量記憶デバイスからデータを受信するか若しくは1つ以上の大容量記憶デバイスにデータを転送するか、又はその両方を行うように動作可能に結合される。しかしながら、コンピュータは、そのようなデバイスを有する必要はない。更に、コンピュータは、別のデバイス、例えば、ほんの数例を挙げると、タブレットコンピュータ、モバイル電話、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、モバイルオーディオプレーヤ、全地球測位システム(Global Positioning System、GPS)受信機に組み込まれることができる。コンピュータプログラム命令及びデータを記憶するのに好適なコンピュータ可読媒体は、例として、半導体メモリデバイス、例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイスを含む、全ての形態の不揮発性メモリ、媒体、及びメモリデバイスと、磁気ディスク、例えば、内蔵ハードディスク又はリムーバブルディスクと、光磁気ディスクと、CD-ROM及びDVD-ROMディスクと、を含む。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補完され得るか、又は専用論理回路に組み込まれることができる。
【0076】
ユーザとの対話を提供するために、本発明の実施形態は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイデバイス、例えば、CRT(cathode ray tube)(陰極線管)又はLCD(liquid crystal display)(液晶ディスプレイ)モニタ、並びにキーボード及びポインティングデバイス、例えば、ユーザがコンピュータに入力を提供することができるマウス若しくはトラックボールを有するコンピュータ上に実装され得る。他の種類のデバイスが、ユーザとの相互作用を提供するために同様に使用され得、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックであり得、ユーザからの入力は、音響、音声、又は触覚入力を含む、任意の形態で受信され得る。
【0077】
本発明の実施形態は、例えば、データサーバとしてバックエンドコンポーネントを含むか若しくはミドルウェアコンポーネント、例えば、アプリケーションサーバを含む、又はフロントエンドコンポーネント、例えば、グラフィカルユーザインターフェース、若しくはユーザが開示された技法の実装形態と対話し得るウェブブラウザ、又は1つ以上のそのようなバックエンドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネント、若しくはフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含む、コンピューティングシステムで実装されることができる。システムのコンポーネントは、デジタルデータ通信の任意の形態又は媒体、例えば、通信ネットワークによって相互接続することができる。通信ネットワークの実施例は、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)及びワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)、例えばインターネットを含む。
【0078】
コンピューティングシステムは、クライアント及びサーバを含むことができる。クライアント及びサーバは概して互いに離れており、典型的には通信ネットワークを介して対話する。クライアント及びサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。
【0079】
本明細書は、多くの詳細を含むが、これらは、本発明の範囲又は特許請求され得るものの範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、むしろ、本発明の特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈において本明細書に記載されるある特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて実行することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴は、複数の実施形態で別個に、又は任意の好適な部分的組み合わせで実行することもできる。更に、特徴は、ある特定の組み合わせで作用するものとして上記で説明され、かつ最初にそのように特許請求されることさえあり得るが、特許請求された組み合わせからの1つ以上の特徴は、場合によっては、組み合わせから削除され得、特許請求された組み合わせは、部分組み合わせ又は部分組み合わせの変形に向けられ得る。
【0080】
同様に、動作は特定の順序で図面に描写されているが、これは、所望の結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序で若しくは連続的な順序で実行されること、又は全ての例示された動作が実行されることを必要とすると理解されるべきではない。ある特定の状況では、マルチタスキング及び並列処理が有利であり得る。更に、上で説明された実施形態における様々なシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態においてかかる分離を必要とすると理解されるべきではなく、説明されたプログラムコンポーネント及びシステムは、概して、単一のソフトウェア製品にともに一体化され得るか、又は複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。
【0081】
本発明の特定の実施形態が説明されてきた。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。例えば、特許請求の範囲内に記載されたステップは、異なる順序で実施することができ、それでも所望の結果を達成することができる。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
【国際調査報告】