(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-19
(54)【発明の名称】不織布材料
(51)【国際特許分類】
D04H 1/559 20120101AFI20240112BHJP
D04H 1/55 20120101ALI20240112BHJP
D04H 1/541 20120101ALI20240112BHJP
D04H 1/485 20120101ALI20240112BHJP
B32B 5/26 20060101ALI20240112BHJP
A43B 23/02 20060101ALI20240112BHJP
D04H 1/49 20120101ALI20240112BHJP
D04H 1/4374 20120101ALI20240112BHJP
D04H 1/542 20120101ALI20240112BHJP
【FI】
D04H1/559
D04H1/55
D04H1/541
D04H1/485
B32B5/26
A43B23/02 101A
D04H1/49
D04H1/4374
D04H1/542
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530036
(86)(22)【出願日】2021-11-17
(85)【翻訳文提出日】2023-05-17
(86)【国際出願番号】 CN2021131066
(87)【国際公開番号】W WO2022105769
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】202011289778.0
(32)【優先日】2020-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512081018
【氏名又は名称】東レ繊維研究所(中国)有限公司
【氏名又は名称原語表記】TORAY FIBERS & TEXTILE RESEARCH LABORATORIES(CHINA)CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】No.58,Xinkainanlu,Jingjijishukaifaqu Nantong,Jiangsu,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】弁理士法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペン,ペン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,トンジュエン
(72)【発明者】
【氏名】梶山 宏史
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ,ドンヂャオ
【テーマコード(参考)】
4F050
4F100
4L047
【Fターム(参考)】
4F050HA26
4F050KA11
4F100AK04
4F100AK41
4F100AK41A
4F100AK41B
4F100AK41C
4F100AL09
4F100AL09C
4F100BA03
4F100DG11A
4F100DG11B
4F100DG12C
4F100DG13C
4F100DG15
4F100GB71
4F100JA04
4F100JK09
4L047AA21
4L047AA27
4L047AB02
4L047BA04
4L047BA09
4L047BA24
4L047BB06
4L047BB09
4L047CA02
4L047CA04
4L047CB01
4L047CB08
(57)【要約】
本発明は不織布材料を公開した。繊維ウェブ(1)、基材織編物(2)、繊維ウェブ(3)を含み、前記繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中に、バインダー繊維を含み、前記基材織編物(2)は少なくともポリエステル系熱可塑性エラストマーからなる糸で構成され、前記糸はモノフィラメント、1本のマルチフィラメント又は1本の紡績糸である。本発明の不織布材料は優れた軽量柔軟性、耐摩性、熱収縮成形性を持ち、バッグ、スーツケース及びアッパー材料の分野に応用できる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維ウェブ(1)、基材織編物(2)、繊維ウェブ(3)を含み、前記繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)はバインダー繊維を含み、前記基材織編物(2)は少なくともポリエステル系熱可塑性エラストマーからなる糸で構成され、前記糸はモノフィラメント、1本のマルチフィラメント又は1本の紡績糸であることを特徴とする不織布材料。
【請求項2】
前記不織布材料はスパンレース加工により形成された複合材料であり、前記繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中の繊維は、基材織編物(2)の隙間を通して、繊維と繊維が絡合していることを特徴とする請求項1に記載の不織布材料。
【請求項3】
前記繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の各々が10~50重量%のバインダー繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載の不織布材料。
【請求項4】
前記糸の繊度は500~1500dtexであることを特徴とする請求項1に記載の不織布材料。
【請求項5】
前記糸はモノフィラメントであることを特徴とする請求項1に記載の不織布材料。
【請求項6】
前記モノフィラメントの乾熱収縮率は15~40%であることを特徴とする請求項5に記載の不織布材料。
【請求項7】
前記モノフィラメントの熱収縮力は50~80cNであることを特徴とする請求項6に記載の不織布材料。
【請求項8】
前記モノフィラメントのショア硬さは40~63Dであることを特徴とする請求項5に記載の不織布材料。
【請求項9】
前記基材織編物(2)は織物であり、前記織物を構成する糸と糸の間隔は0.5~2.0mmであることを特徴とする請求項1に記載の不織布材料。
【請求項10】
前記基材織編物(2)は編物であり、前記編物を構成する隣り合う二つのコイルの間隔は0.5~2.0mmであることを特徴とする請求項1に記載の不織布材料。
【請求項11】
前記バインダー繊維は芯鞘複合型繊維であり、鞘の成分は低融点PE或いはPETであり、芯の成分は高融点PETであることを特徴とする請求項1に記載の不織布材料。
【請求項12】
前記芯鞘複合型繊維の鞘部分の融点は100~130℃であることを特徴とする請求項11に記載の不織布材料。
【請求項13】
前記モノフィラメントは芯鞘複合型モノフィラメントであり、前記芯鞘複合型モノフィラメントの中の鞘層は低融点TPEE、芯層は高熔融点TPEEであることを特徴とする請求項1に記載の不織布材料。
【請求項14】
前記芯鞘複合型繊維の中の鞘/芯成分の断面の面積割合は1:9~5:5であることを特徴とする請求項13に記載の不織布材料。
【請求項15】
前記低融点TPEEの熔融点は130~170℃であり、高熔融点TPEEの熔融点は200~230℃であることを特徴とする請求項13に記載の不織布材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は不織布材料に関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活では、不規則又は特殊形状の織物及び不織布複合材料が沢山存在し、例えば、靴の表面材料や特殊なデザイン形状のケース・バッグなどが挙げられる。しかしながら、これらの特殊形状材料の成形要求は非常に厳しく、当該材料が靴の表面材料として用いられる場合、人の足には一定の弧があるため、靴を作る際に足当たりのよい靴表面材料の製作は非常に難しく、もし足と靴表面の間に隙間があると、人が履いて歩く際に、この隙間のために滑ったりする問題が起こる。
【0003】
現在、靴表面の加工方法の多くは接合方法であるが、接合部分の縫いにより形成した弧が足の表面に完全にフィットすることは難しく、隙間をできるだけ小さくするために、靴紐や舌革などの靴パーツを追加することで、足表面の損傷を防止し、疲労感を減らすようにしている。しかし、これらの方法によっても、弧状の足表面と靴の表面とをフィットさせることができない。また、これらの靴紐や舌革などのパーツは足に一定の不快感を与える。
【0004】
例えば、中国特許文献CN107090175Aにより、射出成形靴表面材料及びその製造方法が開示され、これは射出成形方法によって不規則形状の靴表面材料を加工する特許である。但し、射出成形技術を採用しているため、得られた靴表面材料の通気性及び柔軟性・耐久性はいずれも劣っている。
【0005】
材料の成形性及び通気性柔軟性などの問題を解決するために、研究者は熱収縮性織物又は不織布を開発し、縫製した後、人足の金型に装入し、材料の熱収縮性により加熱成形し、足の表面にフィットする靴材料を作ることができるが、一部の熱収縮性織物は熱収縮率が高くないので、成形性には一定の制約が存在する。また、高収縮性不織布複合材料は、同方向配列性のため、繊維間の絡み合いが強固ではなく、材料の耐摩耗性に大きな欠陥が存在している。
【0006】
また、中国特許文献CN207711502Uにより、網状不織布が開示され、該不織布は熱収縮性を持っているが、材料自体は熱収縮率の制限を受けているため、良好な熱成形性を有しておらず、且つ、不織布複合材料自体に繊維同士の絡み合いが良くないため、材料の耐摩耗性が悪く、使用寿命が短い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は軽量柔軟、耐摩耗性、熱収縮成形性に優れた不織布材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の技術的解决方案は下記の通りであり、
本発明の不織布材料は、繊維ウェブ(1)、基材織編物(2)、繊維ウェブ(3)を含み、前記繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中には、バインダー繊維を含み、前記基材織編物(2)は少なくともポリエステルのハードセグメントとポリエーテルのソフトセグメントを含有するブロック共重合体(ポリエステル系熱可塑性エラストマー)からなる糸で構成され、前記糸はモノフィラメント、1本のマルチフィラメント又は1本の紡績糸である。
【発明の効果】
【0009】
発明の効果:本発明の不織布材料は、軽量柔軟、耐摩耗性・熱収縮成形性に優れた特徴があり、ケース・バッグ、特殊形状のパッド及びアッパー材料などの分野に応用できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の不織布材料は、繊維ウェブ(1)、基材織編物(2)、繊維ウェブ(3)を含み、前記繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中には、バインダー繊維を含み、前記基材織編物(2)は少なくともポリエステル系熱可塑性エラストマーからなる糸で構成され、前記糸はモノフィラメント、1本のマルチフィラメント又は1本の紡績糸である。不織布材料の表面層としての繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)は、使用の過程で人体の皮膚と直接的に接触する可能性があるため、当該2層の繊維ウェブは軽量柔軟の風合いを持たなければならない。この繊維ウェブにとってはニードルパンチでウェブを形成してもよいし、スパンレースでウェブを形成してもよいが、材料の軽量柔軟性を考えれば、スパンレースでウェブを形成することが好ましい。繊維ウェブ(1)及び繊維ウェブ(3)のどちらを表層又は裏層とするか、本発明では特に限定されていない。不織布材料の耐久性及び耐摩耗性を高めるために、繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)にはバインダー繊維を含み、加熱成形時にバインダー繊維が溶融されて、繊維同士間の絡合力が強くなり、繊維間の絡み合いがより強固になり、破孔、毛羽立ち等の問題が発生しなく、不織布材料の強度及び耐摩耗性がさらに向上できた。
【0011】
本発明において、基材織編物(2)は少なくともポリエステル系熱可塑性エラストマーからなる糸で構成され、前記糸はモノフィラメント、1本のマルチフィラメント又は1本の紡績糸である。ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPEEと略称する)とは、ポリエステルの長鎖セグメントに柔軟性の高分子鎖セグメント材料をはめ込んだポリマーを指し、主な成分は熱可塑性ポリエステルエラストマーであり、該熱可塑性ポリエステルエラストマーはポリエステルの一般的な特性を持ちながら、優れた弾性及び熱収縮性を持っている。現在、ポリエステル系熱可塑性エラストマーの代表的な製品としては、東レ-デュポン社が開発したハイトレル(Hytrel)樹脂材料などである。ポリエステル系熱可塑性エラストマーからなるモノフィラメント、1本のマルチフィラメント又は1本の紡績糸で構成された不織布材料は、優れた熱収縮成形性能を有している。複本数の紡績糸を採用する場合、加撚された複本数の紡績糸は毛羽が比較的多く、耐摩耗性が比較的悪く、且つ使用時、不織布材料は摩耗が発生しやすいため、撚りが外れ、性能が急激に低下することになる。材料の使用性と耐久性を考えれば、本発明の不織布材料において、糸はモノフィラメントであることが好ましい。モノフィラメントで得られた材料は、軽量で手触りが良く、耐摩耗性に優れたなどの特性を有し、特に耐摩耗性に対する要求がより厳しいのアッパー材料の分野に好適である。
【0012】
本発明の不織布材料は、スパンレース加工方法により形成された複合材料であり、前記繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中の繊維は、基材織物(2)の隙間を介して相互に絡み合わせる。不織布の複合方法として、主にニードルパンチ法、化学接着剤法、サーマルボンド法、スパンレース法の4つがある。ニードルパンチ法においては、歯付け針の突刺し動作により、材料を複合・補強・成形させ、ニードルパンチ法の場合、上下層の繊維ウェブを十分に絡み合わせることができ、剥離強度が高くなるが、針の突刺し動作が繰り返すため、中間基材織物への損傷は避けられなくて、不織布材料の強力さなどの性能が急激に低下になる。化学接着剤法で得られた不織布材料は堅牢度が低くて、且つ化学成分は人体にも影響を与える。サーマルボンド法おいては、多くの繊維を溶融させることで繊維同士を結合させ、この加工方法の場合、材料の通気度が急激に低下になり、使用性能に影響する。スパンレース法において、高圧水流により、上下層の繊維ウェブの中の繊維を基材織物の隙間を介して相互に絡み合わせ、中間基材織物をほとんど損傷せず、且つ不織布材料の繊維は柔軟な絡み合い構造で、手触りが柔らかく、風合いが優れる。したがって、本発明の不織布材料は、スパンレース加工により得られた複合材料が好ましい。
【0013】
本発明のバインダー繊維は不織布材料の耐摩耗性を高めることができるため、繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中には、10~50重量%のバインダー繊維を含有することが好ましい。バインダー繊維は繊維ウェブ間で接着固定の役割を果たし、材料中繊維同士の絡み合い性及び耐摩耗性を高めることができる。バインダー繊維の含有量が低すぎれば、繊維同士間の絡み合い力が弱くなり、表層又は裏層としての繊維ウェブの耐摩耗性が悪くなる。バインダー繊維の含有量が高すぎれば、繊維同士間の絡み合いが十分になり、表層又は裏層としての繊維ウェブのモジュラス・耐摩耗性が向上するが、繊維間の絡み合程度が十分すぎるため、不織布複合材料全体の手触り硬さが大幅に増加し、使用する時に、不快感をもたらし、さらにヒリヒリ感が生じることがある。さらに、繊維ウェブが硬すぎると、全体の不織布複合材料は成形が難しくなり、特に複雑な形状を加工する場合、全体の不織布複合材料の硬度が大きすぎると、製品の成形が難しくなる。全体の不織布複合材料の強度、耐久性と成形性とのバランスを考えれば、繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中には、30~50重量%のバインダー繊維を含有することがより好ましい。
【0014】
本発明の繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)におけるバインダー繊維の含有量は、同じであってもいいし、異なっていてもいい。また、繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の目付も同じであってもいいし、異なっていてもいい。繊維ウェブに対する高耐摩耗性が要求される場合は、バインダー繊維の含有量を適切に増やすようにし、不織布複合材料の全体に対する柔らかい手触りが要求される場合は、繊維ウェブ中にバインダー繊維の含有量を適切に減らすようにする。また、加工性ならびに不織布材料の快適性及び通気性の確保を考慮すれば、前記繊維ウェブの目付は20~100g/m2であることが好ましく、繊維ウェブに対する高耐摩耗性が要求される場合は、繊維ウェブの目付を適切に高めるようにし、繊維ウェブへに対する高耐摩耗性が要求されない場合は、繊維ウェブの目付を適切に減らすようにする。
【0015】
前記繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)には、バインダー繊維のほか、他の繊維をさらに含有する。ここの他の繊維とは、レギュラーナイロン・ポリエステル・レーヨン・アクリル・綿などの通常の繊維であってもよいし、遠赤外線繊維・捲縮繊維などの機能性繊維であってもよいし、中空・三角・五角・扁平・多葉型断面繊維などの吸湿排汗性に優れた異形断面繊維であってもよい。
【0016】
前記糸の繊度は500~1500dtexであることが好ましく、TPEEからなる糸の強力は特に際立っていなくて、糸の繊度が細すぎると、モノフィラメント、1本のマルチフィラメント又は1本の紡績糸の強力は必然的に低下し、同じな製織密度の条件下で、中間基材織編物の強力も低くなることで、不織布複合材料の強力が弱くなる。糸の繊度が大きすぎると、繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)を複合加工する際に、基材織編物を構成するモノフィラメント、1本のマルチフィラメント又は1本の紡績糸は衝撃による損傷を非常に受けやすく、基材織編物の強力が低下になる。また、モノフィラメント、1本のマルチフィラメント又は1本の紡績糸を加工する際、繊度が大きすぎると、紡糸過程において冷却定型の時間が相応的に長くなり、繊維が十分に結晶化する時間を確保する必要があり、これだと加工の効率が大幅に低下する。同時に繊度が大きすぎると、基材織編物の剛性も必然的に増加し、不織布複合材料の手触りが悪くなり、快適度が低下する。
【0017】
前記モノフィラメントの乾熱収縮率は15~40%であることが好ましく、ここでのモノフィラメントの乾熱収縮率は、材料の熱成形能力を反映する重要な指標である。本発明の不織布材料が靴表面材料、ケース・バッグ材料に応用される場合、不織布材料を金型に入れ、加熱により材料を収縮させ、材料が完全に縮んで金型の形になった後、金型を取り出し、予想な複雑形状の靴表面材料が得られる。最適な加熱成形性を有する不織布材料を得るために、材料を構成するモノフィラメントの乾熱収縮率は15~40%であることが好ましい。モノフィラメントの熱収縮率が低すぎれば、このモノフィラメントからなる基材織編物の熱収縮率も低くなり、さらに繊維ウェブと複合すると、得られる不織布複合材料の収縮率がさらに低下し、これによって得られる材料は収縮性が不足のため、予想な形に熱収縮できなくなる。モノフィラメントの熱収縮率が大きすぎれば、モノフィラメントからなる基材織編物の熱収縮率も大きくなり、繊維ウェブと結合すると、得られる不織布複合材料の収縮率も大きくなるとともに、材料は極めて収縮しやすくなるため、使用する時、材料の安定性が急激に低下し、材料の寸法は日常生活における環境温度の変化によって変化する可能性があり、これによって使用性能が失われる。材料を収縮成形する際、靴などの他の装飾系材料に損傷を与えないために、熱収縮成形の条件温度は150度である。
【0018】
前記モノフィラメントの加熱収縮力は50~80cNであり、ここでのモノフィラメントの加熱収縮力は、材料の熱成形能力を反映する重要な指標である。本発明の不織布材料を使用する際に、材料を不規則の形状に形成させ、材料の異なる部位の収縮程度が異なるため、モノフィラメントの加熱収縮力が低すぎれば、得られる基材織編物の加熱収縮力も低くなり、さらに繊維ウェブと複合すると、材料の収縮力がさらに低下してしまう。材料の収縮力が不足になると、材料はわずかな阻害にあった時に、十分な収縮ができなくなり、これによって材料の成形が不十分になる可能性があり、材料が成形性の要求に達することができない。モノフィラメントの加熱収縮力が高すぎれば、得られる基材織編物の収縮力も大きくなり、繊維ウェブと結合すると、材料の収縮力も比較的に大きくなり、これによって材料は簡単に収縮が発生するため、材料寸法の安定性が悪いなどの問題を引き起こし、使用性能が低下する。
【0019】
前記モノフィラメントのショア硬さは40~63Dである。高分子材料分野において硬さは物質の弾性と吸収エネルギー、耐衝撃穿刺能力を表す重要な計量方式である。硬さは相対硬さと絶対硬さに分けられて、一般的に相対硬さで表現し、通常よく使われるのは、ショア硬さ、ロックウェル硬さ及びブリネル硬さという3種類である。高分子材料の分野において、ショア硬さはよく使われている。モノフィラメントの硬さが低すぎれば、得られる不織布材料は比較的に柔らかく、材料全体はゴムと同じように粘着する現象が発生し、この場合はモノフィラメントまたは1本のマルチフィラメントが糸枠から簡単に巻き戻しにくくなり、製織加工が難しくなり、材料が軟らかくなりすぎると、強力の低下になる;一方、モノフィラメントの硬さが高すぎれば、得られる不織布材料は硬くて脆くなり、加工使用時に断裂しやすくなり、材料が硬すぎると、熱収縮性能も制約される。
【0020】
本発明の基材織編物(2)は、織物であってもいいし、編物であってもよい。基材織編物が織物である場合、前記織物を構成する2つの隣接する糸の間隔距離は0.5~2.0mmであることが好ましい。基材織編物が編物である場合、前記編物を構成するループの間隔は0.5~2.0mmであることが好ましい。糸の間隔距離とは、基材織物における経方向又は緯方向は相互に平行し、その隣接する2本の糸の距離をさす。2本の糸の間隔距離が小さすぎれば、縦糸と緯糸との交織は緊密すぎて、得られる基材織物の中間内部隙間は小さすぎ、そして、上下2層の繊維ウェブを複合すると、中間基材織物層の隙間が小さすぎ、又は孔がないことから、上下層の繊維が隙間を介して絡み合うことはできなくなり、これによって上下層に層状化の状態及び剥がれやすい現象が発生し、同時に得られる不織布材料の通気性は大幅に低くなる。2本の糸の間隔距離が大きすぎれば、縦糸と緯糸の交織は緩すぎ、即ち基材織物の経糸と緯糸の交織密度は低くなり、基材の強力及び耐摩耗性は必然的に低下し、さらに糸の移動空間は大きくなり、フィラメントや糸がずれる状況が発生しやすくなり、これによって目付の分布が不均一となり、強力が不均一になるという問題をもたらす。不織布材料に優れた強度と耐摩耗性を保有させるとともに、不織布材料の複合加工効果を保証するため、前記織物を構成する2本の隣接する糸の間隔距離は0.6~1.5mmであることが好ましい。また、材料が収縮した後、形状の均一性及び優れた熱収縮性を保持できることを考慮し、本発明の中間基材織編物は織物であることが好ましく、且つ当該織物を構成する経糸と緯糸ともポリエステル系熱可塑性エラストマーからなる糸であることが好ましい。
【0021】
前記バインダー繊維は芯鞘複合型短繊維であり、鞘成分は低融点ポリエチレン又はポリエステルであり、芯成分は高融点ポリエステルである。一般的に、バインダー繊維は2種類があり、それぞれ芯鞘複合型構造の短繊維及び全溶融型熱接着繊維である。全溶融型熱接着繊維にとって、ウェブ形成性が普通であり、かつ、加熱溶融により得られる不織布材料が非常に硬くなり、使用時に快適感が影響される。芯鞘複合型構造の短繊維にとって、ウェブ形成性がよくて、加熱後に、鞘成分のみが溶融されて他の繊維と接着するので、不織布材料における繊維の絡み合い能力が強いとともに、不織布材料の手触りも硬くならない。芯鞘複合型短繊維の鞘成分が安定性、低融点、易溶融、熱分解しにくいなどの特徴を持つことが要求されるため、本発明のバインダー繊維の鞘成分は低融点のポリエチレン又はポリエステルであることが好ましい。鞘成分の低融点とは、鞘成分が芯成分より融点も低いことであり、かつ、加工容易性を考慮すれば、鞘成分と芯成分は所定の融点差を有し、鞘成分の融点は100~180度であることが好ましい。鞘成分が溶融した後に、芯成分が主な役割を果たし、芯成分はナイロンであってもよいし、ポリエステルなどの材質であってもよく、繊維の紡糸性と経済性実用性を考慮すると、芯成分はポリエステルであることが好ましい。
【0022】
前記芯鞘複合型短繊維の鞘成分の融点は100~130度であることが好ましく、鞘成分の融点が低すぎれば、不織布材料が高温下で変形しやすく、損壊になる。鞘成分の融点が高すぎれば、熱接着繊維の溶融が不十分となり、繊維同士の絡み合い効果が得られなくて、材料の耐摩耗性と耐久性能が低下になる。
【0023】
糸の滑りやすい問題を解決するために、基材織編物を構成するモノフィラメントは芯鞘複合型モノフィラメントであることが好ましく、その中、鞘成分は低融点ポリエステル系熱可塑性エラストマー(低融点TPFEと略称する) であるが好ましく、芯成分は高融点ポリエステル系熱可塑性エラストマー(高融点TPFEと略称する)であることが好ましい。不織布複合材料を熱セットする場合、鞘成分の低融点TPEEが溶融されて固着点を形成し、材料を使用する場合、糸滑りにより性能低下などの問題が起こらなくなる。
【0024】
前記芯鞘複合型モノフィラメントにおいて、鞘成分と芯成分の断面積の割合は1:9~5:5であり、ここでの断面積とは、芯鞘複合型モノフィラメント中の鞘層の断面積と芯層の断面積である。鞘成分と芯成分の断面積割合が小さすぎれば、即ち鞘成分の含有量が少ない場合、溶融後の固着効果が不十分となり、モノフィラメントとモノフィラメントとの接触点では有効的な固着が形成できなくなるので、モノフィラメントまたは糸条が滑りやすくなり、得られる不織布材料は使用中に摩擦延伸などの力の作用を受けてしまい、この時、基材層の単糸間の固着が強固でなければ、モノフィラメント又は糸条の滑りが簡単に発生し、破損や弱部となってから、不織布材料が性能低下、さらに損傷となる。鞘成分と芯成分の断面積が大きすぎれば、即ち鞘成分の含有量が多い場合、得られる不織布材料を加熱後に、鞘成分が溶融されて、繊維の繊度が明らかに減少し、加熱溶融後の不織布材料は強度低下、力学性能低下となり、使用する場合、耐久性が悪くて損傷が発生しやすい。前記鞘成分と芯成分の断面積割合は3:7~5:5であることが好ましい。
【0025】
前記低融点TPEEの融点温度は130~170度であることが好ましく、高融点TPEEの融点温度は200~230度であることが好ましい。芯鞘構造により溶融固着の達成と希望する場合、鞘成分の融点温度は芯成分より低く、且つ使用中に材料劣化を防止するため鞘成分の熱安定性を保証する必要があるので、鞘成分の低融点TPEEの融点温度は130度以上であるが好ましく、また、材料の加工性能を保証するため鞘成分の低融点TPEEの溶融温度は芯成分より低く且つ所定の温度差を有する必要があるので、鞘成分の低融点TPEEの融点温度は170度以下であることが好ましい。一方、芯成分の溶融温度は必ず鞘成分より高いため、芯成分の高融点TPEEの融点は200度以上であることが好ましく、また、材料の柔軟性と熱収縮性を保証するため芯成分の分子量及びポリエーテルソフトセグメントの分布量を所定の範囲内にコントロールする。融点が高すぎれば、分子量の上昇、ポリエーテルソフトセグメントの分布量の減少は材料の風合いと熱収縮性に影響を与えるので、芯成分の融点は230度以下であることが好ましい。
【0026】
本発明の不織布材料は優れた弾性回復率を有し、10%伸長条件の下での弾性率は90~100%であることが好ましく。不織布複合材料は使用される場合、必然的に一定の作用力の衝撃を受け、その時、一般的に、一定程度の材料変形が発生することにより、エネルギーを吸収し、足などの怪我を防止する。不織布複合材料の弾性回復率が低すぎれば、変形した材料が回復しにくく、不織布複合材料が永久変形となり、使用価値がなくなる。したがって、本発明の不織布複合材料が10%伸長条件の下での弾性率は95~100%であることが更に好ましい。
【0027】
本発明の不織布材料は優れた通気性を有し、材料の通気度は50~200cm 3/cm2/sであることが好ましく。材料の通気度が不足する場合、材料を使用する時に不快感が生じやすく、不織布複合材料の通気度が低下すぎれば、材料の目付と密度も相応的に増加してから、材料の軽薄の特徴はなくなってしまう。一方、材料の通気度が大きすぎれば、不織布複合材料の通気性は良好であるが、通気度が大きいと、必然的に材料の目付と厚みが下降し、同じな条件で、目付と厚みが低い場合、材料の強度・耐久性・耐摩耗性は劣ってしまう。したがって、使用寿命及び快適性を考慮すると、本発明の複合材料の通気度は80~180cm3/cm2/sであることが更に好ましい。
【0028】
不織布複合材料の優れた成形性を保証するために、180℃の条件で、本発明の不織布材料の少なくとも一方向の乾熱収縮率は15~40%であることが好ましい。不織布複合材料の成形を高温条件の下で行う必要があるため、基材織編物層と繊維ウェブ層における各成分の融点、及び材料が十分に収縮できることを考慮すると、本発明の材料の成形加工温度は180℃であることが好ましい。この条件で、不織布複合材料の少なくとも一方向の乾熱収縮率が低すぎれば、材料の成形性は影響を受け、収縮率不足のため、比較的複雑な形状に対して良好な成形性に達することが出来ない。不織布複合材料の少なくとも一方向の乾熱収縮率が高すぎれば、加熱の時に材料が収縮しすぎてしまい、目付が急激に増加し、手触りの度合いが悪くなる。必要に応じて、本発明の熱収縮は、経緯方向のいずれかであってもよいし、経緯方向の両方であってもよい。成形性及び製品の使用風合いを考慮すると、本発明の不織布材料は、180℃の条件で、少なくとも一方向の乾熱収縮率は20~30%であることが更に好ましい。
【実施例】
【0029】
下記の実施例を通じて、本発明を更に説明するが、本発明の保護範囲は実施例に限定されるものではなく、実施例における各物性パラメータは下記の方法によって測定している。
【0030】
(繊度)
GB/T 14343の基準に準じて、モノフィラメントの繊度を測定する。所定の試験条件で、既知長さのサンプルの質量を測定してから、その線密度を計算する。本発明のモノフィラメントは、一般的に、100m長さのモノフィラメントを取り、それから線密度を計算し、ランダム的にサンプリングして3回に測定し、平均値を取る。
【0031】
(バインダー繊維の重量比)
少量の繊維ウェブ(1)または繊維ウェブ(3)のサンプル(中間基材織編物を含まない)を取って、赤外線テストを行い、構成成分を確認し、各成分の融解エンタルピーの標準値を測定する。また、少量の繊維ウェブ(1)または繊維ウェブ(3)のサンプルを取って、DSCテストを行い、各成分の融解エンタルピーの測定値を取得してから、融解エンタルピーの測定値と融解エンタルピーの標準値の比率により、繊維層における各成分の重量比を計算する。
【0032】
(モノフィラメントの乾熱収縮率)
サイズが30cm×30cmの不織布材料をサンプルとして採取し、不織布材料の中の繊維ウェブ層を剥離し、その後ケガキ針で中間織編物層のモノフィラメントを取り出し、その長さL0を測定し、またモノフィラメントをオーブンに入れ、150度の条件で、15分間処理し、再びその熱収縮後の長さL1を測定し、下記の計算式を用いてモノフィラメントの乾熱収縮率を計算し、ランダム的にサンプリングして3回に測定し、平均値を取る。
モノフィラメント乾熱収縮率=(L0-L1)/L0×100%。
【0033】
(モノフィラメントの加熱収縮力)
不織布材料のサンプルを採取し、不織布材料の中の繊維ウェブ層を剥離し、その後ケガキ針で中間織編物層のモノフィラメントを取り出し、KE-2S-PC型フィラメント熱応力試験機を用いて、モノフィラメントの熱応力を試験し、試験温度範囲は20~150度で、全試験過程における最大収縮力をモノフィラメントの加熱収縮力とし、ランダム的にサンプリングして3回に測定し、平均値を取る。
【0034】
(芯鞘複合型モノフィラメントにおける鞘成分と芯成分の断面積割合)
不織布材料のサンプルを採取し、不織布材料の中の繊維ウェブ層を剥離した後、ケガキ針で中間織編物層のモノフィラメントを取り出し、モノフィラメントを1mm程度の長さに切断した後、走査電子顕微鏡(SEM)でサンプルの断面写真を撮り、撮影倍率を200倍とし、面積計算ソフトウェアを通じて、モノフィラメントの鞘層と芯層の断面面積をそれぞれに測定し、鞘層と芯層の断面面積割合を計算し、ランダム的にサンプリングして5回に測定し、平均値を取る。
【0035】
(織物の間隔距離)
サンプルをバックライトの光源に置き、目盛り付き拡大鏡を用いて、基材織物の中の2本隣接する糸の間隔距離を測定し、それぞれに30カ所の2本隣接する糸の間隔距離を測定し、その平均値を取る。
【0036】
(編物の間隔距離)
サンプルをバックライトの光源に置き、目盛付き拡大鏡を用いて、基材編物の中の隣接する2つのループの間隔距離を測定し、それぞれに30カ所の隣接する2つのループの間隔距離を測定し、その平均値を取る。
【0037】
(融点)
示差走査熱量測定(DSC)を用いて、基材織編物及び繊維層における各成分の融点を測定し、試験サンプルを室温から100℃まで昇温速度2℃/minにて昇温し、10分間保持した後室温まで降温する。その後、昇温速度2℃/minにて300度まで昇温し、昇温カーブの中の吸熱ピーク値を材料各成分の融点として記録する。
【0038】
(目付)
サンプルの採取寸法:200mm×200mm、サンプルの採取位置:サンプル幅方向の左・真ん中・右の各3箇所、それぞれに3枚を取り、20±2℃×65±4%の実験室で24 時間調湿した後、電子天秤でこれら3枚のサンプルの目付をそれぞれに測定し、得られた平均値をサンプルの目付とする。
【0039】
(弾性率)
引張試験機を用いて弾性率試験を行い、試験の手順は下記の通りである。サンプルのサイズは30cm×5cmであり、サンプルを延伸し、チャック間距離は200mmで、10%まで延伸した後、原点に戻す。サンプルを再度延伸し、センサで力があった時の伸びをL0(mm)として記録し、弾性率の計算式は下記の通り:弾性率=100%×(20-L0)/20。そして、ランダム的にサンプリングして3回に測定し、平均値を取る。
【0040】
(通気度)
通気性試験機TEXTEST FX3300を用いて測定を行い、試験面積は38cm2で、試験圧力差は125Paである。試験サンプルを試験機のヘッドに圧着し、試験機から持続的に発生した気流をサンプルに通過させ、そしてサンプルの両面に一定の圧力差が発生し、システムにはサンプルが単位時間内に不織布材料の単位面積を通った気体の体積を自動的に計算し、ランダム的にサンプリングして3回に測定し、平均値を取る。
【0041】
(不織布材料の乾熱収縮率)
サンプルを20cm×20cmのサイズにカットし、経緯方向の長さを測定して、L経、L緯に記し、その後、材料をオーブンに入れ、150℃の条件で15分間加工し、取り出した後、再び経緯方向の長さを測定して、L経1、L緯1に記し、下記の計算式で材料の経緯方向の乾熱収縮率を計算し、ランダム的にサンプリングして3回に測定し、平均値を取る。
経方向収縮率=1-(100%×(L経1/L経)、
緯方向収縮率=1-(100%×(L緯1/L緯)。
【0042】
(外観手触り風合い)
ランダム的に5人を選び、材料の外観・手触り・風合いについて、以下のように評価を行う。優:外観は均一で、手触りは非常に柔らかく、風合いは良い;良好:外観が均一で、手触りが柔らかく、風合いが良い;一般:外観の均一性は一般で、手触りが柔らかく、風合いが良い;悪い:手触りが悪く、風合いが悪い。
【0043】
(硬さ)
基材織編物におけるモノフィラメントまたは糸条を抽出し、1~5 mmの長さにカットし、その後、溶融して固化した後、ショア硬度計を用いて、ASTM D2240の基準に準じて、硬さを測定し、ランダム的にサンプリングして5回に測定し、平均値を硬さとする。
【0044】
(耐摩耗性)
不織布のサンプルを採取し、直径13cmの円形にカットし、テーバー摩耗試験機を用いて、材料の耐摩耗性試験を行い、材料に完全に穴が開いた時、実験を停止し、この時まですでに摩擦した回数を材料の耐摩耗性データとして記録し、ランダム的にサンプリングして3回に測定し、平均値を取る。
【0045】
実施例1
融点110度のポリエステルを鞘層とし、融点260度のポリエステルを芯層とした芯鞘複合型短繊維50重量%とレギュラーポリエステル繊維50重量%を原料とし、混綿、開綿、カード、ウェブ形成を行い、それぞれ繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)を得た。融点150度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを鞘層とし、融点220度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを芯層として、溶融紡糸を行い、繊度が700dtex、硬さが63D、乾熱収縮率が30%、加熱収縮力が65cN、鞘の成分と芯の成分の断面積割合が4:6のポリエステル系熱可塑性エラストマーからなる芯鞘複合型モノフィラメントを得、次いで、得られたモノフィラメントを経糸と緯糸として、整経、綜絖通し筬通し、製織を行い、得られた織物を基材織編物(2)とし、基材織物を構成する隣接の2本のモノフィラメントの間隔距離は1.5mmであり、得られた繊維ウェブ(1)、基材織編物(2)、繊維ウェブ(3)を順次に積層した後、スパンレース法によって、繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中の繊維を基材織物の隙間を介して互いに絡み合わせ、一体化して成形し、最終的に本発明の不織布材料を得た。該不織布材料の各物性については、表1を参照する。
【0046】
実施例2
融点110度のポリエステルを鞘層とし、融点260度のポリエステルを芯層とした芯鞘複合型短繊維50重量%とレギュラーポリエステル繊維50重量%を原料とし、混綿、開綿、カード、ウェブ形成を行い、それぞれ繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)を得た。ポリエステル系熱可塑性エラストマーを溶融紡糸し、繊度が700dtex、硬さが63D、乾熱収縮率が30%、加熱収縮力が65cNのポリエステル系熱可塑性エラストマーから形成されたモノフィラメントを得、次いで、得られたモノフィラメントを経糸と緯糸として、整経、綜絖通し筬通し、製織を行い、得られた織物を基材織編物(2)とし、基材織物を構成する隣接の2本のモノフィラメントの間隔距離は1.5mmであり、得られた繊維ウェブ(1)、基材織編物(2)、繊維ウェブ(3)を順次に積層した後、スパンレース法によって、繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中の繊維を基材織物の隙間を介して互いに絡み合わせ、一体化して成形し、最終的に本発明の不織布材料を得た。該不織布材料の各物性については、表1を参照する。
【0047】
実施例3
融点100度のポリエチレンを鞘層とし、融点260度のポリエステルを芯層とした芯鞘複合型短繊維55重量%と扁平断面のポリエステル繊維45重量%を原料とし、混綿、開綿、カード、ウェブ形成を行い、それぞれ繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)を得た。融点150度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを鞘層とし、融点220度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを芯層として、溶融紡糸を行い、繊度が1000dtex、硬さが63D、乾熱収縮率が30%、加熱収縮力が65cN、鞘の成分と芯の成分の断面積割合が4:6のポリエステル系熱可塑性エラストマーから形成された芯鞘複合型モノフィラメントを得、次いで、得られたモノフィラメントを経糸と緯糸として、整経、綜絖通し筬通し、製織を行い、得られた織物を基材織編物(2)とし、基材織物を構成する隣接の2本のモノフィラメントの間隔距離は1.5mmであり、得られた繊維ウェブ(1)、基材織編物(2)、繊維ウェブ(3)を順次に積層した後、スパンレース法によって、繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中の繊維を基材織物の隙間を介して互いに絡み合わせ、一体化して成形し、最終的に本発明の不織布材料を得た。該不織布材料の各物性については、表1を参照する。
【0048】
実施例4
融点110度のポリエステルを鞘層とし、融点260度のポリエステルを芯層とした芯鞘複合型短繊維10重量%とレギュラーポリエステル繊維90重量%を原料とし、混綿、開綿、カード、ウェブ形成を行って、それぞれ繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)を得た。融点150度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを鞘層とし、融点220度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを芯層として、溶融紡糸を行い、繊度が700dtex、硬さが63D、乾熱収縮率が30%、加熱収縮力が65cN、鞘の成分と芯の成分の断面積割合が4:6のポリエステル系熱可塑性エラストマーから形成された芯鞘複合型モノフィラメントを得、次いで、得られたモノフィラメントを経糸と緯糸として、整経、綜絖通し筬通し、製織を行い、得られた織物を基材織編物(2)とし、基材織物を構成する隣接の2本のモノフィラメントの間隔距離は1.5mmであり、得られた繊維ウェブ(1)、基材織編物(2)、繊維ウェブ(3)を順次に積層した後、スパンレース法によって、繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中の繊維を基材織物の隙間を介して互いに絡み合わせ、一体化して成形し、最終的に本発明の不織布材料を得た。該不織布材料の各物性については、表1を参照する。
【0049】
実施例5
融点110度のポリエステルを鞘層とし、融点260度のポリエステルを芯層とした芯鞘複合型短繊維50重量%とレギュラーポリエステル繊維50重量%を原料とし、混綿、開綿、カード、ウェブ形成を行って、それぞれ繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)を得た。融点150度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを鞘層とし、融点220度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを芯層として、溶融紡糸を行い、繊度が700dtex、硬さが30D、乾熱収縮率が50%、加熱収縮力が100cN、鞘の成分と芯の成分の断面積割合が4:6のポリエステル系熱可塑性エラストマーから形成された芯鞘複合型モノフィラメントを得、次いで、得られたモノフィラメントを経糸と緯糸として、整経、綜絖通し筬通し、製織を行い、経糸と緯糸が交織された織物を基材織編物(2)とし、基材織物を構成する隣接の2本のモノフィラメントの間隔距離は1.5mmであり、得られた繊維ウェブ(1)、基材織編物(2)、繊維ウェブ(3)を順次に積層した後、スパンレース法によって、繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中の繊維を基材織物の隙間を介して互いに絡み合わせ、一体化して成形し、最終的に本発明の不織布材料を得た。該不織布材料の各物性については、表1を参照する。
【0050】
実施例6
融点100度のポリエチレンを鞘層とし、融点260度のポリエステルを芯層とした芯鞘複合型短繊維55重量%と扁平断面のポリエステル繊維45重量%を原料とし、混綿、開綿、カード、ウェブ形成を行い、それぞれ繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)を得た。融点150度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを鞘層とし、融点220度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを芯層として、溶融紡糸を行い、繊度が1000dtex、硬さが63D、乾熱収縮率が30%、加熱収縮力が65cN、鞘の成分と芯の成分の断面積割合が4:6のポリエステル系熱可塑性エラストマーから形成された芯鞘複合型モノフィラメントを得、次いで、得られたモノフィラメントを経糸と緯糸として、整経、綜絖通し筬通し、製織を行い、得られた織物を基材織編物(2)とし、基材織物を構成する隣接の2本のモノフィラメントの間隔は1.5mmであり、得られた繊維ウェブ(1)、基材織編物(2)、繊維ウェブ(3)を順次に積層した後、ニードルパンチ法によって、繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中の繊維を基材織物の隙間を介して、互いに絡み合わせ、一体化して成形し、最終的に本発明の不織布材料を得た。該不織布材料の各物性については、表1を参照する。
【0051】
実施例7
融点110度のポリエステルを鞘層とし、融点260度のポリエステルを芯層とした芯鞘複合型短繊維50重量%とレギュラーポリエステル繊維50重量%を原料とし、混綿、開綿、カード、ウェブ形成を行い、それぞれ繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)を得た。融点150度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを鞘層とし、融点220度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを芯層として、溶融紡糸を行い、繊度が700dtex、硬さが63D、乾熱収縮率が30%、加熱収縮力が65cN、鞘の成分と芯の成分の断面積割合が0.5:9.5のポリエステル系熱可塑性エラストマーから形成された芯鞘複合型モノフィラメントを得、次いで、得られたモノフィラメントを経糸と緯糸として、整経、綜絖通し筬通し、製織を行い、得られた織物を基材織編物(2)とし、基材織物を構成する隣接の2本のモノフィラメントの間隔距離は1.5mmであり、得られた繊維ウェブ(1)、基材織編物(2)、繊維ウェブ(3)を順次に積層した後、スパンレース法によって、繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中の繊維を基材織物の隙間を介して、互いに絡み合わせ、一体化して成形し、最終的に本発明の不織布材料を得た。該不織布材料の各物性については、表1を参照する。
【0052】
実施例8
融点110度のポリエステルを鞘層とし、融点260度のポリエステルを芯層とした芯鞘複合型短繊維50重量%とレギュラーポリエステル繊維50重量%を原料とし、混綿、開綿、カード、ウェブ形成を行い、それぞれ繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)を得た。融点170度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを鞘層とし、融点230度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを芯層として、溶融紡糸を行い、繊度が500dtex、硬さが63D、乾熱収縮率が30%、加熱収縮力が65cN、鞘の成分と芯の成分の断面積割合が4:6のポリエステル系熱可塑性エラストマーから形成された芯鞘複合型モノフィラメントを得、次いで、得られたモノフィラメントを経糸と緯糸として、整経、綜絖通し筬通し、製織を行い、得られた織物を基材織編物(2)とし、基材織物を構成する隣接の2本のモノフィラメントの間隔距離は0.5mmであり、得られた繊維ウェブ(1)、基材織編物(2)、繊維ウェブ(3)を順次に積層した後、スパンレース法によって、繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中の繊維を基材織物の隙間を介して、互いに絡み合わせ、一体化して成形し、最終的に本発明の不織布材料を得た。該不織布材料の各物性については、表2を参照する。
【0053】
実施例9
融点110度のポリエステルを鞘層とし、融点260度のポリエステルを芯層とした芯鞘複合型短繊維50重量%とレギュラーポリエステル繊維50重量%を原料とし、混綿、開綿、カード、ウェブ形成を行い、それぞれ繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)を得た。融点170度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを鞘層とし、融点230度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを芯層として、溶融紡糸を行い、繊度が500dtex、硬さが63D、乾熱収縮率が30%、加熱収縮力が65cN、鞘の成分と芯の成分の断面積割合が4:6のポリエステル系熱可塑性エラストマーから形成された芯鞘複合型モノフィラメントを得、次いで、得られたモノフィラメントを経糸と緯糸として、整経、綜絖通し筬通し、製織を行い、得られた織物を基材織編物(2)とし、基材織物を構成する隣接の2本のモノフィラメントの間隔距離は0.3mmであり、得られた繊維ウェブ(1)、基材織編物(2)、繊維ウェブ(3)を順次に積層した後、スパンレース法によって、繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中の繊維を基材織物の隙間を介して互いに絡み合わせ、一体化して成形し、最終的に本発明の不織布材料を得た。該不織布材料の各物性については、表2を参照する。
【0054】
実施例10
融点110度のポリエステルを鞘層とし、融点260度のポリエステルを芯層とした芯鞘複合型短繊維50重量%とレギュラーポリエステル繊維50重量%を原料都市、混綿、開綿、カード、ウェブ形成を行って、それぞれ繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)を得た。融点150度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを鞘層とし、融点220度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを芯層として、溶融紡糸を行い、繊度が200dtex、硬さが63D、乾熱収縮率が30%、加熱収縮力が65cN、鞘の成分と芯の成分の断面積割合が4:6のポリエステル系熱可塑性エラストマーから形成された芯鞘複合型モノフィラメントを得、次いで、得られたモノフィラメントを経糸と緯糸として、整経、綜絖通し筬通し、製織を行い、得られた織物を基材織編物(2)とし、基材織物を構成する隣接の2本のモノフィラメントの間隔距離は1.5mmであり、得られた繊維ウェブ(1)、基材織編物(2)、繊維ウェブ(3)を順次に積層した後、スパンレース法によって、繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中の繊維を基材織物の隙間を介して互いに絡み合わせ、一体化して成形し、最終的に本発明の不織布材料を得た。該不織布材料の各物性については、表2を参照する。
【0055】
実施例11
融点100度のポリエチレンを鞘層とし、融点260度のポリエステルを芯層とした芯鞘複合型短繊維55重量%と扁平断面のポリエステル繊維45重量%を原料とし、混綿、開綿、カード、ウェブ形成を行い、それぞれ繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)を得た。融点150度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを鞘層とし、融点220度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを芯層として、溶融紡糸を行い、繊度が1000dtex、硬さが63D、乾熱収縮率が30%、加熱収縮力が65cN、鞘の成分と芯の成分の断面積割合が4:6のポリエステル系熱可塑性エラストマーから形成された芯鞘複合型モノフィラメントを得、次いで、得られたモノフィラメントを経糸と緯糸として、整経、綜絖通し筬通し、製織を行い、得られた織物を基材織編物(2)とし、基材織物を構成する隣接の2本のモノフィラメントの間隔距離は2.5mmであり、得られた繊維ウェブ(1)、基材織編物(2)、繊維ウェブ(3)を順次に積層した後、スパンレース法によって、繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中の繊維を基材織物の隙間を介して互いに絡み合わせ、一体化して成形し、最終的に本発明の不織布材料を得た。該不織布材料の各物性については、表1を参照する。
【0056】
実施例12
融点130度のポリエステルを鞘層とし、融点260度のポリエステルを芯層とした芯鞘複合型短繊維30重量%とレギュラーポリエステル繊維70重量%を原料とし、混綿、開綿、カード、ウェブ形成を行い、それぞれ繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)を得た。融点150度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを鞘層とし、融点220度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを芯層として、溶融紡糸を行い、繊度が700dtex、硬さが72D、乾熱収縮率が15%、加熱収縮力が50cN、鞘の成分と芯の成分の断面積割合が1:9のポリエステル系熱可塑性エラストマーから形成された芯鞘複合型モノフィラメントを得、次いで得られたモノフィラメントを経糸と緯糸として、整経、綜絖通し筬通し、製織を行い、得られた織物を基材織編物(2)とし、基材織物を構成する隣接の2本のモノフィラメントの間隔距離は1.5mmであり、得られた繊維ウェブ(1)、基材織編物(2)、繊維ウェブ(3)を順次に積層した後、ニードルパンチ法によって、繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中の繊維を基材織物の隙間を介して互いに絡み合わせ、一体化して成形し、最終的に本発明の不織布材料を得た。該不織布材料の各物性については、表2を参照する。
【0057】
実施例13
融点130度のポリエステルを鞘層とし、融点260度のポリエステルを芯層とした芯鞘複合型短繊維30重量%とレギュラーポリエステル繊維70重量%を原料とし、混綿、開綿、カード、ウェブ形成を行い、それぞれ繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)を得た。融点150度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを鞘層とし、融点220度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを芯層として、溶融紡糸を行い、繊度が700dtex/24f、硬さが72D、乾熱収縮率が15%、加熱収縮力が50cN、鞘の成分と芯の成分の断面積割合が1:9のポリエステル系熱可塑性エラストマーから形成された芯鞘複合型マルチフィラメントを得、次いで、加撚、整経、綜絖通し筬通により得られたマルチフィラメントを経糸とし、繊度が700dtex/24fのレギュラーポリエステルマルチフィラメントを緯糸とし、製織を行い、得られた織物を基材織編物(2)とし、基材織物を構成する隣接の2本のマルチフィラメントの間隔距離は1.5mmであり、得られた繊維ウェブ(1)、基材織編物(2)、繊維ウェブ(3)を順次に積層した後、ニードルパンチ法によって、繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中の繊維を基材織物の隙間を介して互いに絡み合わせ、一体化して成形し、最終的に本発明の不織布材料を得た。該不織布材料の各物性については、表2を参照する。
【0058】
実施例14
融点110度のポリエステルを鞘層とし、融点260度のポリエステルを芯層とした芯鞘複合型短繊維50重量%とレギュラーポリエステル繊維50重量%を原料とし、混綿、開綿、カード、ウェブ形成を行い、繊維ウェブ(1)を得た。融点110度のポリエステルを鞘層とし、融点260度のポリエステルを芯層とした芯鞘複合型短繊維30重量%とレギュラーポリエステル繊維70重量%を原料とし、混綿、開綿、カード、ウェブ形成を行い、それぞれ繊維ウェブ(3)を得た;融点150度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを鞘層とし、融点220度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを芯層として、溶融紡糸を行い、繊度が700dtex、硬さが63D、乾熱収縮率が30%、加熱収縮力が65cN、鞘の成分と芯の成分の断面積割合が5:5のポリエステル系熱可塑性エラストマーから形成された芯鞘複合型モノフィラメントを得、次いで、得られたモノフィラメントを整経してから、トリコット編み機により得られた編み物を基材織編物(2)とし、基材織物を構成する隣接の2本のモノフィラメントの間隔距離は1.5mmであり、得られた繊維ウェブ(1)、基材織編物(2)、繊維ウェブ(3)を順次に積層した後、スパンレース法によって、繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中の繊維を基材織物の隙間を介して互いに絡み合わせ、一体化して成形し、最終的に本発明の不織布材料を得た。該不織布材料の各物性については、表2を参照する。
【0059】
比較例1
融点110度のポリエステルを鞘層とし、融点260度のポリエステルを芯層とした芯鞘複合型短繊維50重量%とレギュラーポリエステル繊維50重量%を原料とし、混綿、開綿、カード、ウェブ形成を行い、それぞれ繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)を得た。繊度が700dtexのレギュラーポリエステル繊維モノフィラメントを整経、綜絖通し筬通し、製織を行い、得られた織物を基材織編物(2)とし、基材織物を構成する隣接の2本のモノフィラメントの間隔距離は1.5mmであり、得られた繊維ウェブ(1)、基材織編物(2)、繊維ウェブ(3)を順次に積層した後、スパンレース法によって、繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中の繊維を基材織物の隙間を介して互いに絡み合わせ、一体化して成形し、最終的に不織布材料を得た。該不織布材料の各物性については、表3を参照する。
【0060】
比較例2
融点150度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを鞘層とし、融点220度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを芯層として、溶融紡糸を行い、繊度が700dtex、硬さが63D、乾熱収縮率が30%、加熱収縮力が65cN、鞘の成分と芯の成分の断面積割合が4:6のポリエステル系熱可塑性エラストマーから形成された芯鞘複合型モノフィラメントを得、次いで、得られたモノフィラメントを整経、綜絖通し筬通し、製織を行い、経糸と緯糸が交織された織物を得、隣接の2本のモノフィラメントの間隔距離は1.5mmである。該材料の各物性については、表3を参照する。
【0061】
比較例3
100重量%の普通のポリエステル繊維を原料とし、混綿、開綿、カード、ウェブ形成を行い、それぞれ繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)を得た。融点150度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを鞘層とし、融点220度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを芯層として、溶融紡糸を行い、繊度が700dtex、硬さが63D、乾熱収縮率が30%、加熱収縮力が65cN、鞘の成分と芯の成分の断面積割合が4:6のポリエステル系熱可塑性エラストマーから形成された芯鞘複合型モノフィラメントを得、次いで、得られたモノフィラメントを経糸と緯糸として、整経、綜絖通し筬通し、製織を行い、得られた織物を基材織編物(2)とし、基材織物を構成する隣接の2本のモノフィラメントの間隔距離は1.5mmであり、得られた繊維ウェブ(1)、基材織編物(2)、繊維ウェブ(3)を順次に積層した後、スパンレース法によって、繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中の繊維を基材織物の隙間を介して互いに絡み合わせ、一体化して成形し、最終的に不織布材料を得た。該不織布材料の各物性については、表3を参照する。
【0062】
比較例4
融点110度のポリエステルを鞘層とし、融点260度のポリエステルを芯層とした芯鞘複合型短繊維50重量%とレギュラーポリエステル繊維50重量%を原料とし、混綿、開綿、カード、ウェブ形成を行い、それぞれ繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)を得た。融点150度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを鞘層とし、融点220度のポリエステル系熱可塑性エラストマーを芯層として、溶融紡糸を行い、次いで長繊維を切断し、紡績法により紡績糸を形成し、4本の紡績糸に撚りをかけ、繊度が700dtex、硬さが63D、乾熱収縮率が30%、加熱収縮力が65cN、鞘の成分と芯の成分の断面積割合が4:6のポリエステル系熱可塑性エラストマーから形成された芯鞘複合型複本数の紡績糸を得、次いで、得られた複本数の紡績糸を経糸と緯糸として、整経、綜絖通し筬通し、製織を行い、得られた織物を基材織編物(2)とし、基材織物を構成する隣接の2本の紡績糸の間隔距離は1.5mmであり、得られた繊維ウェブ(1)、基材織編物(2)、繊維ウェブ(3)を順次に積層した後、スパンレース法によって、繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)の中の繊維を基材織物の隙間を介して互いに絡み合わせ、一体化して成形し、最終的に不織布材料を得た。該不織布材料の各物性については、表3を参照する。
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
上表によれば、
(1)実施例1と実施例2によれば、同じ条件下で、前者の基材織物を構成するモノフィラメントは芯鞘複合型ポリエステル系熱可塑性エラストマーからなるものであり、後者の基材織物を構成するモノフィラメントは通常構造のポリエステル系熱可塑性エラストマーからなるものであり、前者の不織布材料は後者より外観が均一で、手触りが柔らかく、風合いが良好であることがわかった。
(2)実施例1と実施例4によれば、同じ条件下で、前者の繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(3)におけるバインダー繊維の含有量はより好ましい範囲内であり、前者の不織布材料は後者より耐摩耗性が高いことがわかった。
(3)実施例1と実施例5によれば、同じ条件下で、前者のモノフィラメントの乾熱収縮率、加熱収縮力及び硬さとも好ましい範囲内であり、前者の不織布材料は後者より風合いが良好で、耐摩耗性が高いことがわかった。
(4)実施例3と実施例6によれば、同じ条件下で、前者の不織布材料はスパンレースにより得られた複合材料で、後者の不織布材料はニードルパンチにより得られた複合材料であり、前者の不織布材料は後者より手触り風合いが良好で、耐摩耗性が高いことがわかった。
(5)実施例1と実施例7によれば、同じ条件下で、前者の基材織物における芯鞘複合型モノフィラメントの鞘成分と芯成分の断面積の比例は好ましい範囲内であり、前者の不織布材料は後者より耐摩耗性が高いことがわかった。
(6)実施例8と実施例9によれば、同じ条件下で、前者の織物を構成する2本の隣接する糸の間隔距離は好ましい範囲内であり、前者の不織布材料は後者より通気度が高く、即ち不織布材料の通気性は後者より優れていることがわかった。
(7)実施例3と実施例11によれば、同じ条件下で、後者の織物を構成する2本の隣接する糸の間隔距離は大きければ、後者の不織布材料は前者より耐摩耗性が低いことがわかった。
(8)実施例1と実施例10によれば、同じ条件下で、前者の糸の繊度は好ましい範囲内であり、前者の不織布材料は後者より耐摩耗性が高いことがわかった。
(9)実施例12と実施例13によれば、同じ条件下で、前者の基材織物を構成する糸はモノフィラメントであり、後者の基材織物を構成する糸は1本複数の紡績糸であり、前者の不織布材料は後者より耐摩耗性が高いことがわかった。
(10)実施例1と比較例1によれば、同じ条件下で、比較例1に基材織物はレギュラーポリエステルモノフィラメントから構成されたものであり、得られた材料の外観の均一性はまあまあで、熱収縮性がなく、ストレッチ性も悪いことがわかった。
(11)実施例1と比較例2によれば、同じ条件下で、比較例2に基材織物の上下に繊維ウェブがなく、得られた材料の手触りが悪いことがわかった。
(12)実施例1と比較例3によれば、同じ条件下で、比較例3に繊維ウェブ(1)と繊維ウェブ(2)とも100重量%のレギュラーポリエステル繊維から構成され、バインダー繊維を含有せず、得られた材料の外観の均一性がまあまあで、耐摩耗性が低いことがわかった。
(13)実施例1と比較例4によれば、同じ条件下で、比較例4に中間基材織物は複本数の紡績糸から構成され、得られた材料の耐摩耗性が低いことがわかった。
【国際調査報告】