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特表2024-502408高密度スピン軌道磁気ランダムアクセスメモリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-19
(54)【発明の名称】高密度スピン軌道磁気ランダムアクセスメモリ
(51)【国際特許分類】
   H10B 61/00 20230101AFI20240112BHJP
   H10N 50/10 20230101ALI20240112BHJP
   H10N 50/20 20230101ALI20240112BHJP
【FI】
H10B61/00
H10N50/10 Z
H10N50/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535903
(86)(22)【出願日】2022-01-05
(85)【翻訳文提出日】2023-07-10
(86)【国際出願番号】 US2022011202
(87)【国際公開番号】W WO2022150315
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】17/145,126
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522002490
【氏名又は名称】インテグレイテッド シリコン ソリューション,(ケイマン)インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】INTEGRATED SILICON SOLUTION, (CAYMAN) INC.
【住所又は居所原語表記】P.O. Box 309, Ugland House, Grand Cayman, KY1-1104, Cayman Islands
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムスタファ プナルバシュ
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ジェイ. ウォーカー
(72)【発明者】
【氏名】ダフナ ビアリー
【テーマコード(参考)】
4M119
5F092
【Fターム(参考)】
4M119AA05
4M119AA11
4M119BB01
4M119CC05
4M119DD06
4M119DD09
4M119DD24
4M119DD32
4M119DD47
4M119EE05
4M119EE22
4M119EE29
4M119GG01
4M119JJ04
5F092AA03
5F092AA12
5F092AB07
5F092AB08
5F092AC26
5F092AD25
5F092BB22
5F092BB36
5F092BB42
5F092BC03
5F092BC07
5F092BD13
(57)【要約】
垂直トランジスタ構造を有するスピン軌道トルクメモリ装置である。スピン軌道トルクメモリ装置は、スピン軌道トルク層に形成された磁気トンネル接合などの磁気メモリ素子を含む。垂直トランジスタ構造は、選択的に電流をスピン軌道トルク層に供給して、磁気メモリ素子のメモリ状態を切り替える。垂直トランジスタ構造は、スピン軌道トルクによる切り替えに必要な比較的高い電流に対応する一方、ウェハの面積の消費量も少ない。垂直トランジスタ構造は、ゲート誘電体層がゲート構造を半導体ピラーから分離するように、ゲート誘電体層とゲート構造とで囲まれた半導体ピラー構造と、を含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ記録装置であって、
磁気自由層を有する磁気メモリ素子と、
前記磁気メモリ素子の前記磁気自由層に隣接する、導電性のスピン軌道トルク層と、
前記スピン軌道トルク層に電気的に接続され、前記スピン軌道トルク層に選択的に電流を供給するように構成された垂直トランジスタ構造と、
を備える、データ記録装置。
【請求項2】
前記垂直トランジスタ構造は、さらに、
半導体ピラーと、
前記半導体ピラーを囲むゲート誘電体と、
導電性ゲート層であって、前記ゲート誘電体層が前記半導体ピラーから前記導電性ゲート層を分離するように、前記ゲート誘電体層に隣接する、前記導電性ゲート層と、
をさらに備える、請求項1に記載のデータ記録装置。
【請求項3】
前記半導体ピラーは、第1及び第2のドープ端部を有する、請求項2に記載のデータ記録装置。
【請求項4】
前記半導体ピラー構造は、第1および第2のn+ドープ部を有する、請求項2に記載のデータ記録装置。
【請求項5】
前記半導体ピラー構造は、エピタキシャル成長半導体材料を備える、請求項2記載のデータ記録装置。
【請求項6】
前記半導体ピラーが実質的に単結晶の半導体材料を備える、請求項2に記載のデータ記録装置。
【請求項7】
前記垂直トランジスタ構造が書き込みセレクタトランジスタであり、
前記データ記録装置が、前記磁気メモリ素子と電気的に接続される読み取りセレクタトランジスタをさらに備える、請求項1に記載のデータ記録装置。
【請求項8】
前記読み取りセレクタトランジスタは、前記スピン軌道トルク層と反対側の端部で前記磁気メモリ素子と接続される、請求項7に記載のデータ記録装置。
【請求項9】
前記磁気メモリ素子は、磁気トンネル接合素子である、請求項1記載のデータ記録装置。
【請求項10】
前記読み取りトランジスタおよび前記書き込みトランジスタと電気的に接続される導電性ビット線と、
前記書き込みトランジスタおよび前記スピン軌道トルク層と電気的に接続される導電性ソース線層と、をさらに備え、
前記スピン軌道トルク層が前記磁気メモリ素子と電気的に接続される、請求項7に記載のデータ記録装置。
【請求項11】
前記導電性ゲート層と電気的に接続された書き込みワード線回路をさらに備える、請求項10に記載のデータ記録装置。
【請求項12】
前記スピン軌道トルク層が、β相タングステンおよびβ相タンタルのうちの1つまたは複数を備える、請求項1に記載のデータ記録装置。
【請求項13】
データ記録装置であって、
半導体基板と、
前記半導体基板に形成されたソース線と、
前記ソース線に形成され、前記ソース線と電気的に接続された垂直トランジスタ構造と、
前記ソース線と電気的に接続されたスピン軌道トルク層と
前記スピン軌道トルク層に形成された磁気メモリ素子を備える、
データ記録装置。
【請求項14】
前記磁気メモリ素子は、磁気トンネル接合素子である、請求項13に記載のデータ記録装置。
【請求項15】
前記磁気メモリ素子は、磁気自由層を含む磁気トンネル接合素子であり、
前記磁気自由層は、前記スピン軌道トルク層に隣接している、請求項13に記載のデータ記録装置。
【請求項16】
前記磁気スピン軌道トルク層は、β相タングステンおよびβ相タンタルのうちの1つまたは複数を備える、請求項13に記載のデータ記録装置。
【請求項17】
前記垂直トランジスタ構造が、さらに、
上部ドープ領域と下部ドープ領域を有する半導体ピラーと、
前記半導体ピラーの側面に形成されたゲート誘電体層と、
ゲート構造であって、前記ゲート誘電体層が前記ゲート構造を前記半導体ピラーから分離するように形成された、前記ゲート構造と、
を備える、
請求項13に記載のデータ記録装置。
【請求項18】
前記ゲート誘電体は、前記半導体ピラーを取り囲み、
前記ゲート構造は、第1および第2の誘電層の間に位置する導電層をさらに備える、請求項17に記載のデータ記録装置。
【請求項19】
前記ゲート構造の前記導電層と電気的に接続された書き込みワード線回路をさらに備える、請求項18に記載のデータメモリ装置。
【請求項20】
読み取りトランジスタと、
前記垂直トランジスタ構造および前記読み取りトランジスタと電気的に接続された導電性ビット線と
、をさらに備える、請求項19に記載のデータメモリ装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、スピン軌道トルク(SOT)磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)に関し、より詳細には、スピン軌道トルク層に駆動電流を供給するために垂直トランジスタを採用したSOT MRAM構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ランダムアクセスメモリ(RAM)は、現代のデジタル回路アーキテクチャの至るところにある構成要素である。RAMは独立した装置であることもあれば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)など、RAMを使用する装置に内蔵されていることもある。RAMには、揮発性のものと不揮発性のものがある。揮発性RAMは、電源が切れると記憶していた情報を失う。不揮発性RAMは、電源を切っても記憶内容を保持することができる。
【0003】
磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)は、揮発性メモリに匹敵する応答(読み取りと書き込み)時間を有する不揮発性メモリ技術である。MRAMに保存されたデータは時間とともに劣化せず、他のRAM技術と比較して消費電力が非常に小さい。電荷や電流の流れとしてデータを保存する従来のRAM技術とは対照的に、MRAMは磁気記憶要素を使用する。このように、MRAMは、高速、高密度(すなわち、ビットセルサイズが小さい)、低消費電力、時間の経過による論理状態の劣化が極めて少ないなど、MRAMをユニバーサルメモリの候補にするいくつかの望ましい特性を備えている。
【0004】
上記のような特徴があるにもかかわらず、従来のMRAM装置は完全ではない。スピン転移トルク型MRAM(例えば、STT-MRAM)における従来のメモリ素子(例えば、磁気トンネル接合(MTJ))は、共有の読み取り経路および書き込み経路を有する2端子装置である。読み取り経路と書き込み経路が共有されているため、読み取り速度と書き込み信頼性に問題がある。書き込みのためには、切り替えに必要な電流を流すために、MTJのバリア層が十分に薄い(そして、抵抗が比較的低い)ことが必要である。しかし、バリア層が薄いと、書き込み動作の繰り返しによる誘電破壊の影響を受けやすい。また、読み取り電流によってMTJの状態が意図せず反転してしまうことがある。これは『読み取り妨害』と呼ばれる。MTJ技術が物理的なサイズを縮小するにつれて、切り替え電流は減少する傾向にある。しかし、高速読み取り動作では、通常、より多くの読み取り電流が必要となる。したがって、高速MRAM、特に深くスケーリングされたMTJ装置は、読み取り妨害に悩まされる可能性がある。したがって、(MTJ内のトンネル障壁のひずみによる)書き込み耐久性と読み取り信頼性の両方に対する信頼性要件を満たすことは困難である。
【0005】
スピン軌道トルクに基づくMRAM装置は、約200psまでの切り替え速度を示し、L1/L2キャッシュアプリケーションに使用することが可能である。これらの装置のもう一つの重要な点は、読み取りと書き込みの電流経路が分離されているため、耐久性の問題に悩まされないことである。一般に、2端子MRAMでは、読み取り電流は書き込み電流に比べて1桁低い。SOTメモリは、大きな書き込み切り替え電流を排除することで、MgOバリア層への大きなストレスを取り除き、信頼性と耐久性を向上させる。
【0006】
しかし、このような装置には、データ密度の面で欠点がある。第一に、3端子装置であるため、3つのトランジスタが必要である。第二に、このような構造の軌道トルク材料を通る書き込み電流密度は、1-2x108A/cm2と高くなることがある。このため、一般的なスピン軌道トルク層では数百マイクロアンペア(例えば約100~400マイクロアンペア)ほどの切り替え電流が必要になる場合がある。このため、トランジスタのサイズが大きくなり、コストがかさむ。このように、スピン軌道トルク層の断面積を小さくし、トランジスタのサイズを小さくすることは、適切な用途を見つける上で最も重要なことである。
【概要】
【0007】
本発明は、磁気自由層を有する磁気メモリ素子を含むスピン軌道トルクデータ記録装置を提供する。導電性スピン軌道トルク層は、磁気メモリ素子の磁気自由層に隣接している。垂直トランジスタ構造は、スピン軌道トルク層と電気的に接続され、選択的にスピン軌道トルク層に電流を供給するように構成される。
【0008】
垂直トランジスタ構造は、半導体ピラーおよび半導体ピラーを囲むゲート誘電体層を含むことができる。導電性ゲート層は、ゲート誘電体層が半導体ピラーから導電性ゲート層を分離させるように、ゲート誘電体に隣接して形成されることができる。半導体ピラー層は、ともにn+ドープ領域となり得る、第1および第2のドープ端部を有するように形成することができる。半導体ピラー構造は、実質的に単結晶の半導体材料であり得る、エピタキシャル成長半導体材料とすることができる。
【0009】
垂直トランジスタ構造は、書き込みセレクタトランジスタとすることができ、データ記録装置は、さらに、読み取りセレクタトランジスタを含むことができ、これは、スピン軌道トルク層とは反対側の端部で、磁気データ記録素子と電気的に接続される。
【0010】
磁気メモリ素子は、磁気トンネル接合素子とすることができる。スピン軌道トルク層は、β相タングステン(W)および/またはβ相タンタル(Ta)のうちの1つまたは複数で形成することができる。
【0011】
スピン軌道トルクメモリは、他のタイプの磁気メモリに比べて耐久性が向上するという利点がある。これは、バリア層にストレスを与え、バリア層の破壊および寿命や信頼性の低下につながるような大電流を磁気要素メモリに繰り返し流すことなく切り替えを行うことができるからである。しかし、スピン軌道トルク装置における切り替えを駆動するために必要な大電流は、高い書き込み電流を処理するために十分に大きく堅牢な書き込みセレクタトランジスタを必要とする。
【0012】
垂直トランジスタ構造の使用により、有利には、スピン軌道トルクメモリに必要な高電流をスピン軌道トルク層に供給することができる。また、垂直トランジスタは、ウェハの少ない面積を占有しつつ、この大電流を有利に供給することもできる。
【0013】
本発明のこれらおよび他の特徴および利点は、同様の参照数字が全体を通して同様の要素を示す図と組み合わせて選択される、実施形態の以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の性質および利点、ならびに好ましい使用態様をより完全に理解するためには、添付図面(正確な縮尺ではない)とともに読まれる以下の詳細な説明を参照されたい。
【0015】
図1】スピン軌道トルク磁気ランダムアクセスメモリセルの回路を示す電気図である。
【0016】
図2】実施形態による、スピン軌道トルク磁気ランダムアクセスメモリシステムのメモリ素子の透視模式図である。
【0017】
図3】実施形態に係る垂直トランジスタ構造を示す断面図である。
【0018】
図4図3の4-4線から見た、垂直トランジスタ構造の断面図である。
【0019】
図5】スピン軌道トルク磁気ランダムアクセスメモリ素子と電気的に接続された垂直トランジスタ構造を採用する、スピン軌道トルク磁気ランダムアクセスメモリ構造の透視模式図である。
【0020】
図6】垂直トランジスタを採用するスピン軌道トルク構造の考えられる製造方法を説明するために、製造の様々な中間段階におけるスピン軌道トルクメモリ構造の一部を示す。
図7】垂直トランジスタを採用するスピン軌道トルク構造の考えられる製造方法を説明するために、製造の様々な中間段階におけるスピン軌道トルクメモリ構造の一部を示す。
図8】垂直トランジスタを採用するスピン軌道トルク構造の考えられる製造方法を説明するために、製造の様々な中間段階におけるスピン軌道トルクメモリ構造の一部を示す。
図9】垂直トランジスタを採用するスピン軌道トルク構造の考えられる製造方法を説明するために、製造の様々な中間段階におけるスピン軌道トルクメモリ構造の一部を示す。
図10】垂直トランジスタを採用するスピン軌道トルク構造の考えられる製造方法を説明するために、製造の様々な中間段階におけるスピン軌道トルクメモリ構造の一部を示す。
図11】垂直トランジスタを採用するスピン軌道トルク構造の考えられる製造方法を説明するために、製造の様々な中間段階におけるスピン軌道トルクメモリ構造の一部を示す。
図12】垂直トランジスタを採用するスピン軌道トルク構造の考えられる製造方法を説明するために、製造の様々な中間段階におけるスピン軌道トルクメモリ構造の一部を示す。
図13】垂直トランジスタを採用するスピン軌道トルク構造の考えられる製造方法を説明するために、製造の様々な中間段階におけるスピン軌道トルクメモリ構造の一部を示す。
図14】垂直トランジスタを採用するスピン軌道トルク構造の考えられる製造方法を説明するために、製造の様々な中間段階におけるスピン軌道トルクメモリ構造の一部を示す。
図15】垂直トランジスタを採用するスピン軌道トルク構造の考えられる製造方法を説明するために、製造の様々な中間段階におけるスピン軌道トルクメモリ構造の一部を示す。
【発明の詳細な説明】
【0021】
以下の説明は、この発明を実施するために現在考えられる最良の実施形態についてのものである。この説明は、この発明の一般的な原理を説明する目的でなされたものであり、本明細書で権利主張する発明概念を限定することを意図するものではない。
【0022】
図1は、考えられる一実施形態によるスピン軌道トルクメモリ構造100を示す概略図である。メモリ構造100は、スピン軌道トルクメモリ素子102を含み、スピン軌道トルクメモリ素子102は、磁気トンネル接合素子(MTJ)である得る磁気メモリ素子104と、スピン軌道トルク層106とを含む。最も基本的なレベルでは、MTJは、磁気基準層108、磁気自由層110、および薄い非磁性バリア層112を含むことができ、これらは、本明細書で以下により詳細に説明される。スピン軌道トルク層106は、β相タングステン(W)および/またはβ相タンタル(Ta)などの導電性金属で構成することができる。メモリ素子102は、ソース線SLと電気的に接続可能であり、ビット線BLと選択的に接続可能な3端子素子である。一対のトランジスタ114,116は、後述するように、読み取りモードと書き込みモードとをそれぞれ選択するために使用することができる。トランジスタ114は、書き込みトランジスタであり、ソース線SLとビット線BLとの間のスピン軌道トルク層106に書き込み電流を流すことができるように切り替えられることができる。以下、本明細書において、メモリ素子102の切り替え機構をより詳細に説明する。トランジスタ切り替え装置116は、ビット線とソース線間の磁気メモリ素子104に読み取り電流を流すことができる、読み取りトランジスタである。
【0023】
図2は、実施形態によるスピン軌道トルクメモリ素子102の構造および動作を示す拡大透視、模式図である。メモリ素子構造102は、先に説明した磁気メモリ素子104を含み、これは磁気トンネル接合素子とすることができる。例として、MTJ素子104は、磁気基準層108を含むことができ、これはNiFe、CoFeなどの磁性材料、ただしこれらに限定されるわけではない、で構成することができ、図2に示すように層の平面と平行に方向づけできる所定の向きに固定された磁化202を有する。基準層108の磁化202の固定は、合成反強磁性構造204によって促進され得、これは、ルテニウムなどの非磁性結合層210を介して交換結合される一対の磁性層206、208を含み得る。磁性層206、208は、層206、208の磁化が図示のように反対方向に固定されるように、反平行に交換結合され得る。合成反強磁性構造204と基準層108との間の交換結合により、基準層108の磁化202は、所望の方向に確実に固定される。
【0024】
MTJはまた、磁気自由層110の平面と平行にも方向づけできる磁気方向の間を移動することができる磁化204を有する、磁気自由層110を含むことができる。MTJは、磁化212が2つの方向の間で切り替わり、その後その方向で安定した状態を維持できるように、面内磁気異方性を有するように構成することができる。磁気自由層110の磁化212は、2つの状態間の切り替えを容易にするために、静止状態で傾けることができる。
【0025】
2つの安定した磁気状態間の磁化212の切り替えは、スピン軌道トルク層106からのスピン軌道結合によって達成することができる。層106に電流が流れると、スピン軌道トルク層106を通る電子のスピン軌道は、線208で示すように整列し、層106の上方の電子は第1の方向に、層106の下方の電子は反対方向に方向づけられる。層106の上方のスピン配向した電子は、自由層110の磁化212に力を付加し、磁化212を所望の方向に切り替える。スピン軌道トルク層106を通して反対方向の電流を発生させることにより、磁化212を反対方向に切り替えることができる。
【0026】
磁気自由層110の磁化212を切り替えるためにスピン軌道トルク層106を使用することにより、メモリシステムにおける切り替え速度および耐久性が改善される。スピン軌道トルク層を使用しない切り替えでは、層の平面に垂直な方向に、メモリ素子104を直接通って、高いスイッチング電流を印加することが必要である。これは、バリア層112に高い熱応力を与え、バリア層が破壊され、それによってメモリ素子の寿命が短くなる可能性がある。さらに、スピン軌道トルクによる切り替えは、他の切り替え機構と比較して、切り替え速度の改善をもたらす。例えば、スピン軌道トルクに基づくMRAM装置は、約200ピコ秒(ps)までの切り替え速度を示すことができ、L1/L2キャッシュアプリケーションに使用可能となる。
【0027】
スピン軌道トルクMRAMシステムが示す1つの課題は、自由層110の磁化212を思い通りに切り替えるために、スピン軌道トルク層106を通る大量の電流が必要であることである。この大電流は、対応する大きなセレクタトランジスタを必要とする。流通している従来のトランジスタを使用することは、高電流負荷を処理できるようにするために大量のウェハ面積を必要とし、したがって、このような技術を使用するメモリシステムの密度を低下させることになる。
【0028】
実施形態によれば、この課題は、垂直エピタキシャルセレクタトランジスタの使用によって克服することができる。図1の概略図を参照すると、図1に概略的に示されているセレクタトランジスタ114は、従来のトランジスタ構造よりも少ない面積を消費しながら、大電流負荷を扱うことができる垂直トランジスタ構造として構成することができる。また、他のセレクタトランジスタ116も、垂直トランジスタ構造として構成することが可能である。しかし、このトランジスタ116は、トランジスタ114の大電流負荷を扱う必要がないため、トランジスタ116は、垂直トランジスタ構造として構成する必要がない。
【0029】
図3図4は、実施形態によるトランジスタ構造114の断面図を示す。図3は、ワード線構造(WRITE WL)と平行な平面に沿った断面図であり、図4は、図3の4-4線から見た断面図である。セレクタトランジスタ構造114は半導体基板302に形成され、これは好ましくはシリコン基板であるが、他の何らかの半導体材料でもあり得る。半導体基板302は、導電性ソース線層304を形成するためにドープされ得る上部を含む。ソース線層304は、酸化シリコンまたは窒化物のような酸化物で構成され得る誘電体トレンチ分離構造306によって、個々のソース線構造に分割することができる。
【0030】
基板302上のソース線層304の上には、半導体ピラー308が形成されている。半導体ピラーは、好ましくは、シリコンまたはシリコンゲルマニウムのような、エピタキシャル成長半導体である。エピタキシャル成長した半導体材料は、良好な結晶学的特性を有し、電流を流すのに優れた特性を有することが分かっている。このようなエピタキシャル半導体ピラー308を構築するための方法について、本明細書で以下に詳細に説明する。半導体ピラー308は、ピラー308の底部および頂部にドープ領域310、312を有して形成することができる。ドープ部310、312は、注入、アニールなどによってn+ドープすることができ、垂直半導体構造114のソースおよびドレインを提供する。
【0031】
半導体ピラー308は、ゲート誘電体層314とゲート構造316に囲まれており、ゲート誘電体層314がピラー308を囲み、半導体ピラー314をゲート構造316から分離させるようになっている。ゲート構造は、上部および下部誘電体層318と、上部および下部誘電体層318の間に位置する導電性ゲート線層320とを含み得る。上部および下部誘電体層318は、酸化物または窒化物で構成することができ、導電性ゲート層320は、例えば、高ドープシリコンなどの高ドープ半導体材料で構成することができる。導電性リード322を上端(ソース線層304の反対側)に形成して、半導体ピラー308とビット線(BL)の間の電気的接続を提供することができる。
【0032】
半導体ピラー308は、円柱形であり得るが、他の形状を有することもできる。例えば、半導体ピラーは、上方から見たときに細長い楕円形または楕円形を有し得るし、図3および図4の上方から見たときに矩形の角柱として形成され得る。図3および図4に示すように、半導体ピラー308の底部は、斜め状の底部を有し得る。これは、本明細書で以下にさらに説明するように、ピラー308の形成中に有利であり得る。半導体ピラー308は、ゲート誘電体層314およびゲート構造316とともに、底部310および上部312がソースおよびドレイン領域である垂直CMOSセレクタトランジスタ構造を形成する。ゲート電圧が導電性ゲート層320からゲート誘電体層に印加されると、ピラー308は導電性となり、ソース線層304とビット線層BLとの間に電流を流すことができる。逆に、ゲート電圧を除去すると、半導体ピラー308は電気絶縁性となり、ソース線層304とビット線BLとの間に電流が流れるのを防ぐことができる。
【0033】
図5は、上述のような垂直トランジスタ構造114を採用するスピン軌道トルクMRAM構造の透視概略図である。図5に見られるように、ビット線BLは、読み取りセレクタトランジスタ116と接続されており、この読み取りセレクタトランジスタ116は、ビット線BLを磁気トンネル接合素子(MTJ)であってもよい磁気メモリ素子104に接続する。また、ビット線BLには、垂直セレクタトランジスタ114が接続されている。垂直セレクタトランジスタ114は、ビット線BLとソース線層304とを選択的に接続する、書き込みワード線セレクタである。
【0034】
読み取りモードでは、読み取りトランジスタ116は開き、トランジスタ114は閉じている。読み取りトランジスタ116は、読み取りトランジスタ116にゲート電圧を供給する読み取りワード線WLからの信号によって制御される。ビット線BLとソース線SLとの間のメモリ素子に電圧を印加することにより、メモリ素子104の記憶状態を読み出すことができる。
【0035】
書き込みモード時には、書き込みセレクタトランジスタ114は開いており、それにより、基板に形成されたソース線層304を介してビット線BLとソース線SLが接続される。書き込みセレクタトランジスタは、書き込みワード線(WRITE WL)により印加されるゲート電圧により制御される。これにより、スピン軌道トルク層106に電流が流れる。前述したように、スピン軌道トルク層106に電流が流れると、電子は層106の上部と下部で反対方向にスピン分極するようになる。この電子スピンの分極により、メモリ素子104の自由層の磁化が、スピン軌道トルク層106を流れる電流の方向に依存する所望の方向に設定される。
【0036】
垂直半導体構造114は、従来のトランジスタ構造よりも高い電流負荷を有利に扱うことができ、基板302のわずかな面積を消費しながらそれを行うことができる。これらの利点は、半導体ピラーが基板上のエピタキシャル成長によって形成される場合に、さらに強化される。図6図16は、垂直トランジスタ構造を有するスピン軌道トルクMRAM構造の製造方法を説明するための、製造の種々の中間段階におけるスピン軌道トルクMRAMシステムの一部を示す図である。特に図6を参照すると、半導体基板602が提供される。基板602は、シリコンウェハであってもよく、またはシリコンゲルマニウムのような他のタイプの半導体材料であってもよい。基板602の上部604は、高濃度ドープソース層を形成するためにドープ(例えば、n+ドープ)され得る。ドーピングは、イオン注入またはドープされた半導体材料のインサイチュ堆積によって行うことができる。任意選択で、誘電体トレンチ分離構造606を形成して、ドープされた上部604を個々のソース層に分離することができる。トレンチ分離構造606は、エッチングでトレンチを形成し、酸化シリコンまたは窒化シリコンのような誘電体材料を堆積させることによって形成することができる。化学機械研磨処理を実行して、ウェハドープソース領域604およびトレンチ分離構造606の上面を平坦化することができる。
【0037】
図7を参照すると、一連の層が堆積されてゲート構造702を形成している。ゲート構造702は、第1および第2の誘電体ゲート誘電体層704、706の間に位置する導電性ゲート層708を含む。導電性ゲート層708は、高濃度ドープシリコンなどの高濃度ドープ半導体であってもよく、またはある他のタイプの導電性材料であってもよい。第1および第2の誘電体層704、708は、酸化シリコンまたは窒化シリコンのような酸化物または窒化物であってもよい。
【0038】
図8を参照すると、層704、708、706に開口802が形成され、基板602のドープソース層604で停止する。開口は、シリコンピラー構造を規定するような形状を有するように構成することができ、所望に応じて丸い楕円形、長方形等とすることができる。開口802は、マスキングおよびエッチング処理によって形成することができる。次に、ゲート誘電体層804が堆積され、次いで、保護層806が堆積される。ゲート誘電体層は、酸化シリコンまたは窒化シリコンのような材料とすることができ、(まだ形成されていない)半導体ピラーと導電性ゲート層708との間に所望の間隔を提供するよう、開口802の側部で厚さを有するように堆積される。保護層は、ゲート誘電体層804とのエッチング選択性を有するように選択された材料とすることができ、ゲート誘電体層804を実質的にそのまま残すエッチング化学によって保護層806を除去することができる。ゲート誘電体層804および保護層806は、原子層堆積(ALD)、化学気相成長(CVD)等のコンフォーマル堆積処理によって堆積させることができる。
【0039】
次に図9を参照すると、イオンミリングなどの異方性材料除去処理を実行して、層804、806の水平方向に配置された部分を優先的に除去し、開口802の底を開いてその下のソース線層604を露出させる。この材料除去処理により、開口802の内側にゲート誘電体層804および保護層806が残る。保護層806は、この材料除去処理(例えば、イオンミリング)中にゲート誘電体層804を保護する。
【0040】
次に図10を参照すると、開口802の内側にゲート誘電体層804を残して保護層806を除去するために選択的エッチングが行われる。この選択的エッチングは反応性イオンエッチングであり、ゲート誘電体層804を大幅に除去せずに保護層806を除去するように選択される化学品を使用して実行することができる。
【0041】
図11を参照すると、ドープされたソース線層604の一部を除去するために、さらなるエッチング工程を実施することができる。このエッチングは、図11に示すように、露出したソース層604上に斜めの表面1102を形成する方法で実施することができる。これは、後のエピタキシャル半導体堆積の間に良好な結晶成長を促進することが分かっている。
【0042】
次に図12を参照すると、開口802に半導体材料が成長する。半導体1202は、シリコン、シリコンゲルマニウム等であり、好ましくは選択的エピタキシャル成長を用いて成長させることができる。半導体材料1202をエピタキシャル成長させることにより、半導体材料1202に良好な結晶性が得られる。上述のように、開口802の底のソース線層604の斜め形状は、エピタキシャル成長した半導体材料1202における優れた結晶特性をさらに促進する。その結果、半導体材料1202は単結晶またはほぼ単結晶の構造を有することができ、完成したトランジスタ構造において低抵抗となり、スピン軌道トルクMRAMシステムにおける切り替え電流の駆動に必要な高い電流負荷にトランジスタが対応できる。図12に見られるように、半導体材料の堆積または成長により、半導体材料の一部を開口802の外に延びた状態にすることができる。あるいは、半導体材料1202が開口の上部に達する前に半導体成長を終了させることができ、この後、後に分かるように、ドープされた半導体材料の堆積が続くことができる。
【0043】
次に図13を参照すると、化学機械研磨処理を実行して、開口802からはみ出した半導体材料1202を除去して平坦化し、図13に示すような半導体ピラー1202を残すことができる。さらに、半導体ピラー1202の上部および下部をドープして、上部および下部ドープ半導体領域1302、1304を形成することができる。下部ドープ部1304は、ソース線層604からのドーパント原子を半導体材料の下側部分1304に拡散させるために、アニーリングによってドープすることができる。半導体ピラー1202の上側部分1302は、イオン注入によってドープすることができる。あるいは、開口802の上部に到達する前に半導体材料1202のエピタキシャル成長を終了させ、その後、ドープされた半導体材料のインサイチュ堆積を行うことによって、半導体材料1202の上部1302をドープすることもできる。ドープ領域1302、1304は、n+ドープされ得る。ドープ領域1302、1304は、半導体チャネルのソースおよびドレインを形成する。半導体ピラー1202およびドープされたソースおよびドレイン領域1302、1304を形成した後、半導体ピラー1202の上端は、ビット線回路BLと接続することができる。
【0044】
図14は、図13の線14-14から見た拡大断面図である。図14に示すように、誘電層1402は、ソース線層604の端部1404から延びるように基板602に形成することができる。誘電層1402の上に、ソース線層604の一部と重なるように、スピン軌道トルク層1406を形成することができる。スピン軌道トルク層1406は、β相タングステン(W)またはβ相タンタル(Ta)などの導電性金属で形成することができる。磁気メモリ素子1408は、スピン軌道トルク層1406に形成される。磁気メモリ素子1408は、先に説明したようなMTJメモリ素子であり、磁気自由層1410、非磁性バリア層1412および磁気基準層1414を含むことができ、磁気自由層はスピン軌道トルク層1406に隣接している。
【0045】
先に説明した半導体ピラー構造1202、ゲート誘電体804およびゲート構造702は、図1を参照して先に説明したような書き込みセレクタトランジスタ114を形成する。ゲート構造702は、書き込みワード線(WRITE WL)回路と接続することができる。図示のように、書き込みセレクタトランジスタ114は、ビット線回路BLと電気的に接続され、ソース線層604を介してスピン軌道トルク層1406と電気的に接続される。また、図1を参照して先に説明した概略図と同様に、読み取りトランジスタ116も、ビット線回路BLと、磁気メモリ素子1408の端部と接続される。
【0046】
書き込み動作中、WRITE WL回路によって印加される電圧は、書き込みトランジスタ114を開き、破線1416で示されるように、スピン軌道トルク層1406を介してビット線BLとソース線回路SLの間に電流が流れることを可能にする。書き込み状態では、読み取りセレクタトランジスタはオフ状態に切り替えられる。先に述べたように、電流の流れは、スピン軌道トルク層1406の上面および下面における電子のスピン分極をもたらす。このスピン分極を利用して、メモリ素子1408の自由層1410にスピン軌道トルクを加え、磁気自由層1410の磁化を所望の向きに選択的に設定することができる。磁気自由層1410の磁化の向きは、スピン軌道トルク層1406を通る電流の流れの方向に応じて、2方向のうちの1方向に切り替えることができる。先に述べたように、自由層1410の磁化を一方向に設定すると、磁気メモリ素子1408が高抵抗状態になり、反対方向に設定すると、磁気メモリ素子1410が低抵抗状態となる。このようにして、メモリ素子は、その抵抗状態に応じて、確実にデータのビットを記録する。
【0047】
読み取りモードでは、書き込みセレクタトランジスタ114がオフ状態に切り替えられ、読み取りセレクタトランジスタ116がオン状態に切り替えられ、ビット線BLとメモリ素子1408との間の電気的接続が可能になる。読み取りセレクタトランジスタ116は、読み取りセレクタトランジスタ116に選択的にゲート電圧を印加できる読み取りワード線回路(READ WL)により制御される。読み取りセレクタトランジスタ116のスイッチが入れられると、ビット線BLとソース線SLとの間の磁気メモリ素子1408に電圧を印加することができ、これを用いて、磁気メモリ素子の抵抗状態を決定することができる。
【0048】
図15は、代替実施形態によるスピン軌道トルクMRAMを示す図である。図15の実施形態は、スピン軌道トルク層1406がソース線層604に重なるのではなくソース層604に接することを除いて、上述したものと同様である。これは、ソース線層604にエッチングして導電性スピン軌道トルク層を堆積し、その後、化学機械研磨工程を行って、セレクタトランジスタ114および磁気メモリ素子1408を形成する前に構造を平坦化することによって達成することができる。本実施形態では、書き込み動作中、電流は、矢印1502で示すように、ソース線層604からスピン軌道トルク層へ、そしてソース線回路SLへ流れる。
【0049】
以上、様々な実施形態について説明したが、これらは例示としてのみ提示されたものであり、限定するものではないことを理解されたい。本発明の範囲に入る他の実施形態も、当業者には明らかになるであろう。したがって、本発明の広さおよび範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれかによって限定されるべきではなく、以下の請求項およびその等価物にのみ基づいて定義されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】