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特表2024-502421電池アセンブリ、その加工方法及び加工装置、電池セル、電池及び電力消費装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-19
(54)【発明の名称】電池アセンブリ、その加工方法及び加工装置、電池セル、電池及び電力消費装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/463 20210101AFI20240112BHJP
   H01M 50/403 20210101ALI20240112BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20240112BHJP
   H01M 50/46 20210101ALI20240112BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20240112BHJP
   H01M 10/0587 20100101ALI20240112BHJP
【FI】
H01M50/463 Z
H01M50/403 A
H01M10/04 W
H01M50/46
H01M10/052
H01M10/0587
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539912
(86)(22)【出願日】2021-07-23
(85)【翻訳文提出日】2023-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2021108057
(87)【国際公開番号】W WO2023000289
(87)【国際公開日】2023-01-26
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】倪 ▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ ▲豐▼▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 盛武
(72)【発明者】
【氏名】唐 ▲鳴▼浩
(72)【発明者】
【氏名】林 文法
(72)【発明者】
【氏名】叶 杰
【テーマコード(参考)】
5H021
5H028
5H029
【Fターム(参考)】
5H021AA06
5H021BB01
5H021BB19
5H021CC17
5H021HH00
5H021HH02
5H021HH06
5H021HH10
5H028AA05
5H028BB05
5H028BB07
5H028BB17
5H028CC10
5H028CC12
5H028HH08
5H029AJ12
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL07
5H029AL11
5H029BJ14
5H029CJ02
5H029CJ07
5H029CJ30
5H029DJ04
5H029HJ12
5H029HJ14
(57)【要約】
本出願は、電極アセンブリ、その加工方法及び加工装置、電池セル、電池並びに電力消費機器を提供する。電極アセンブリは、陰極板と、陽極板と、陰極板と陽極板とを隔離するためのセパレータとを含み、セパレータの一部の領域に閉鎖孔部分が設けられ、閉鎖孔部分は、閉鎖孔部分の一側に位置する陰極板から放出したイオンの少なくとも一部が、閉鎖孔部分の他側に位置する陽極板に吸蔵されるのを阻止するためのものである。セパレータを加熱した後に閉鎖孔部分を形成する方式によって、リチウム析出の発生を減少することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極アセンブリであって、
陰極板と、陽極板と、前記陰極板と前記陽極板とを隔離するためのセパレータとを含み、
前記セパレータの一部の領域に閉鎖孔部分が設けられ、前記閉鎖孔部分は、前記閉鎖孔部分の一側に位置する前記陰極板から放出したイオンの少なくとも一部が、前記閉鎖孔部分の他側に位置する前記陽極板に吸蔵されるのを阻止するためのものである、電極アセンブリ。
【請求項2】
前記閉鎖孔部分は、前記セパレータの前記一部の領域を加熱した後に形成される、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項3】
前記陰極板、前記セパレータと前記陽極板は、捲回されて屈曲領域を形成し、前記閉鎖孔部分の少なくとも一部は、前記屈曲領域内の前記セパレータ上に設置される、請求項1又は2に記載の電極アセンブリ。
【請求項4】
前記閉鎖孔部分の少なくとも一部は、前記陰極板の1番目の屈曲部位と隣接する前記セパレータの屈曲部位に設置され、及び/又は、前記閉鎖孔部分の少なくとも一部は、前記陰極板の2番目の屈曲部位と隣接する前記セパレータの屈曲部位に設置される、請求項3に記載の電極アセンブリ。
【請求項5】
電極アセンブリの加工方法であって、前記電極アセンブリは、陰極板と、陽極板と、セパレータとを含み、前記セパレータは、前記陰極板と前記陽極板とを隔離するためのものであり、前記電極アセンブリは、前記陰極板、前記セパレータと前記陽極板を捲回して形成され、当該方法は、
予め設定される部位に閉鎖孔部分を形成するように、前記セパレータの前記予め設定される部位を加熱することと、
前記陰極板、前記陽極板と前記セパレータを捲回し、前記電極アセンブリを形成することと、を含み、
前記閉鎖孔部分は、捲回後に隣接する前記陰極板と前記陽極板との間に位置し、前記閉鎖孔部分は、前記閉鎖孔部分の一側に位置する前記陰極板から放出したイオンの少なくとも一部が、前記閉鎖孔部分の他側に位置する前記陽極板に吸蔵されるのを阻止するためのものである、電極アセンブリの加工方法。
【請求項6】
前記方法は、前記セパレータの前記予め設定される部位を加熱するステップの前に、
予め設定される捲回後の位置に基づいて前記予め設定される部位の位置情報を確定することであって、前記予め設定される捲回後の位置は、前記閉鎖孔部分の捲回後の前記電極アセンブリにおける位置であり、前記予め設定される捲回後の位置は、隣接する前記陰極板と前記陽極板との間に位置し、前記予め設定される部位の位置情報は、前記閉鎖孔部分の開始位置と終了位置を表すための情報を含むことと、
前記陰極板、前記陽極板と加熱されていない前記セパレータを捲回することと、
前記陰極板、前記セパレータと前記陽極板の捲回データを取得し、前記捲回データと前記予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定することと、
前記セパレータの前記予め設定される部位を加熱する加熱温度を取得することと、をさらに含み、
そして、前記の、前記セパレータの前記予め設定される部位を加熱することは、前記加熱情報と前記加熱温度に基づいて前記セパレータの前記予め設定される部位を加熱することを含む、請求項5に記載の加工方法。
【請求項7】
前記捲回データは、前記セパレータの捲回線速度を含み、
前記予め設定される部位の位置情報は、前記閉鎖孔部分の始点長さと終点長さを含み、且つ、
前記加熱情報は、加熱開始時間と加熱終了時間を含む、請求項6に記載の加工方法。
【請求項8】
前記捲回データは、前記陰極板、前記セパレータと前記陽極板の全体的捲回角度θを含み、
前記予め設定される部位の位置情報は、前記閉鎖孔部分の開始角度θ1と終了角度θ2を含み、且つ、
前記加熱情報は、加熱開始信号と加熱終了信号を含む、請求項6に記載の加工方法。
【請求項9】
前記陰極板、前記セパレータと前記陽極板は、捲回されて屈曲領域を形成し、前記予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、前記屈曲領域内の前記セパレータ上に設置される、請求項6~8のいずれか一項に記載の加工方法。
【請求項10】
前記予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、前記陰極板の1番目の屈曲部位と隣接する前記セパレータの屈曲部位に設置され、及び/又は、前記予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、前記陰極板の2番目の屈曲部位と隣接する前記セパレータの屈曲部位に設置される、請求項9に記載の加工方法。
【請求項11】
前記セパレータの前記予め設定される部位を加熱する加熱温度範囲は、摂氏90度~115度である、請求項6~10のいずれか一項に記載の加工方法。
【請求項12】
電極アセンブリの加工装置であって、前記電極アセンブリは、陰極板と、陽極板と、セパレータとを含み、前記セパレータは、前記陰極板と前記陽極板とを隔離するためのものであり、前記電極アセンブリは、前記陰極板、前記セパレータと前記陽極板を捲回して形成され、前記加工装置は、
前記セパレータの予め設定される部位を加熱して閉鎖孔部分を形成するための加熱機構と、
前記陰極板、前記陽極板と前記セパレータを捲回し、前記電極アセンブリを形成するための捲回機構とを含み、前記加熱機構は、前記捲回機構の上流に位置し、
前記閉鎖孔部分は、捲回後に隣接する前記陰極板と前記陽極板との間に位置し、前記閉鎖孔部分は、前記閉鎖孔部分の一側に位置する前記陰極板から放出したイオンの少なくとも一部が、前記閉鎖孔部分の他側に位置する前記陽極板に吸蔵されるのを阻止するためのものである、電極アセンブリの加工装置。
【請求項13】
予め設定される捲回後の位置に基づいて前記予め設定される部位の位置情報を確定し、且つ加熱情報確定ユニットに送信する位置情報確定ユニットであって、前記予め設定される捲回後の位置は、前記閉鎖孔部分の捲回後の前記電極アセンブリにおける位置であり、前記予め設定される捲回後の位置は、隣接する前記陰極板と前記陽極板との間に位置し、前記予め設定される部位の位置情報は、前記閉鎖孔部分の開始位置と終了位置を表すための情報を含む位置情報確定ユニットと、
前記陰極板、前記陽極板と前記セパレータを捲回するように前記捲回機構を制御するための捲回制御ユニットと、
前記陰極板、前記セパレータと前記陽極板の捲回データを取得し、且つ前記加熱情報確定ユニットに送信するための取得ユニットと、
前記捲回データと前記予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定するための前記加熱情報確定ユニットと、
前記加熱機構の温度を検出し、且つ検出される温度を加熱制御ユニットに送信するための温度センサと、
前記加熱情報と前記検出される温度に基づいて、前記セパレータの前記予め設定される部位を加熱して前記閉鎖孔部分を形成するように前記加熱機構を制御するための前記加熱制御ユニットと、をさらに含む、請求項12に記載の加工装置。
【請求項14】
前記捲回データは、前記セパレータの捲回線速度Vを含み、
前記予め設定される部位の位置情報は、前記閉鎖孔部分の始点長さL1と終点長さL2を含み、且つ、
前記加熱情報は、加熱開始時間T1と加熱終了時間T2を含む、請求項13に記載の加工装置。
【請求項15】
前記捲回データは、前記陰極板、前記セパレータと前記陽極板の全体的捲回角度θを含み、
前記予め設定される部位の位置情報は、前記閉鎖孔部分の加熱開始角度θ1と加熱終了角度θ2を含み、且つ、
前記加熱情報は、加熱開始信号と加熱終了信号を含む、請求項13に記載の加工装置。
【請求項16】
前記陰極板、前記セパレータと前記陽極板は、捲回されて屈曲領域を形成し、前記予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、前記屈曲領域内の前記セパレータ上に設置される、請求項13~15のいずれか一項に記載の加工装置。
【請求項17】
前記予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、前記陰極板の1番目の屈曲部位と隣接する前記セパレータの屈曲部位に設置され、及び/又は、前記予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、前記陰極板の2番目の屈曲部位と隣接する前記セパレータの屈曲部位に設置される、請求項16に記載の加工装置。
【請求項18】
前記加熱機構は、
前記セパレータの表面の前記予め設定される部位を加熱して前記閉鎖孔部分を形成するための加熱部と、
前記セパレータに近接するか、又は前記セパレータから離れるように前記加熱部を駆動するための駆動機構と、を含み、
前記加熱部と前記駆動機構は、前記加熱制御ユニットに通信接続される、請求項11~17のいずれか一項に記載の加工装置。
【請求項19】
前記加熱部は、前記セパレータの一側に設置され、又は
前記加熱部は複数であり、前記セパレータの両側にそれぞれ設置される、請求項18に記載の加工装置。
【請求項20】
前記加熱部は、加熱ローラを含み、前記加熱ローラは、回転可能に設置されて前記駆動機構に接続される、請求項18に記載の加工装置。
【請求項21】
前記加熱機構の加熱温度範囲は、摂氏90度~115度である、請求項12~20のいずれか一項に記載の加工装置。
【請求項22】
電池セルであって、ケースと、カバープレートと、少なくとも1つの請求項1~4のいずれか一項に記載の電極アセンブリとを含み、
前記ケースは収容キャビティと開口を有し、前記電極アセンブリは、前記収容キャビティに収容され、
前記カバープレートは、前記ケースの開口を閉塞するためのものである、電池セル。
【請求項23】
電池であって、筐体と、少なくとも1つの請求項22に記載の電池セルとを含み、前記電池セルは前記筐体内に収容される、電池。
【請求項24】
電力消費装置であって、請求項23に記載の電池から供給される電力を受けるように構成される、電力消費装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池分野に関し、特に電極アセンブリ、その加工方法及び加工装置、電池セル、電池並びに電力消費機器に関する。
【背景技術】
【0002】
再充電可能な電池は、二次電池と呼ばれてもよく、電池が放電された後に充電の方式によって活物質を活性化して使用し続けることができる電池である。再充電可能な電池は、電子機器、例えば、携帯電話、ノートパソコン、電動スクーター、電気自動車、電気飛行機、電気汽船、電動玩具車両、電動玩具汽船、電動玩具飛行機及び電動工具などに広く用いられている。
【0003】
充電電池は、ニッケルカドミウム電池、水素ニッケル電池、リチウムイオン電池及び二次アルカリ亜鉛マンガン電池などを含んでもよい。
【0004】
現在、自動車に多く使用される電池は、一般的に、リチウムイオン電池であり、リチウムイオン電池は充電電池として、体積が小さく、エネルギー密度が高く、パワー密度が高く、サイクル使用の回数が多く、保管時間が長いなどの利点を備える。
【0005】
充電電池は電極アセンブリと電解質溶液を含み、電極アセンブリは、陰極板と、陽極板と、陰極板と陽極板との間に位置する隔離膜とを含む。陰極板は、陰極板と呼ばれてもよく、陰極板の2つの表面は、いずれも陰極活物質層を有し、例えば、陰極活物質層の陰極活物質は、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム又はニッケルコバルトマンガン酸リチウムであってもよく、陽極板は、陽極板と呼ばれてもよく、陽極板の2つの表面は、いずれも陽極活物質層を有し、例えば、陽極活物質層の陽極活物質は、黒鉛又はシリコンであってもよい。
【0006】
リチウム析出は、リチウム電池によく見られる異常現象であり、リチウムイオンの充電効率及びエネルギー密度に影響を与え、リチウム析出が深刻である場合にリチウム結晶を形成することができ、リチウム結晶は、隔離膜を突き刺すことができ、内部短絡の熱暴走を招き、電池の安全に重大な危害を及ぼす。
【0007】
そのため、どのようにリチウム析出を低減させ又は避け、電池の安全性を向上させるかは、業界の1つの難題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本出願の複数の態様は、上記問題点を克服するか又は上記問題点を少なくとも部分的に解決した電極アセンブリ、その加工方法及び加工装置、電池セル、電池並びに電力消費機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本出願の第1の態様は、電極アセンブリを提供し、該電極アセンブリは、陰極板と、陽極板と、陰極板と陽極板とを隔離するためのセパレータとを含み、セパレータの一部の領域に閉鎖孔部分が設けられ、閉鎖孔部分は、閉鎖孔部分の一側に位置する陰極板から放出したイオンの少なくとも一部が、閉鎖孔部分の他側に位置する陽極板に吸蔵されるのを阻止するためのものである。
【0010】
該実施例では、セパレータの一部の領域に閉鎖孔部分を設けることによって、閉鎖孔部分は、陽極板のリチウムが析出しやすい部位に対応し、充電時、陰極板から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極板と隣接する陽極板に吸蔵されることができず、陽極板のリチウムが析出しやすい部位のリチウム析出の発生を減少し、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。セパレータの一部の領域に閉鎖孔部分を形成する方式によって、生産と加工が容易になり、生産効率を向上させることができる。
【0011】
いくつかの実施例では、閉鎖孔部分は、セパレータの一部の領域を加熱した後に形成される。セパレータを加熱することによって、セパレータに閉鎖孔を発生させ、セパレータの内部の隙間を閉塞させ、陰極リチウムイオンの運動通路を阻止し、陽極板のリチウム析出の発生を減少する。セパレータを加熱して閉鎖孔部分を形成する方式は、生産と加工を容易にし、生産効率を向上させることができる。
【0012】
いくつかの実施例では、陰極板、セパレータと陽極板は、捲回されて屈曲領域を形成し、閉鎖孔部分の少なくとも一部は、屈曲領域内のセパレータ上に設置される。
【0013】
該実施例では、充電時、屈曲領域にはリチウム析出の現象が発生しやすく、閉鎖孔部分の少なくとも一部を屈曲領域内のセパレータ上に設置することによって、屈曲領域の陰極板から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極板と隣接する陽極板に吸蔵されることができず、屈曲領域のリチウム析出の発生を低減させ、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。
【0014】
いくつかの実施例では、閉鎖孔部分の少なくとも一部は、陰極板の1番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置され、及び/又は、閉鎖孔部分の少なくとも一部は、陰極板の2番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置される。
【0015】
該実施例では、充電時、陰極の1番目の屈曲部位と陰極の2番目の屈曲部位とが隣接する陽極板には、リチウム析出の現象が発生しやすく、閉鎖孔部分の少なくとも一部を陰極板の1番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置し、及び/又は、閉鎖孔部分の少なくとも一部を陰極板の2番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置することによって、陰極の1番目の屈曲部位と陰極の2番目の屈曲部位の陰極活物質層から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極板と隣接する陽極板が屈曲領域における陽極活物質層に吸蔵されることができず、陰極の1番目の屈曲部位と陰極の2番目の屈曲部位とが隣接する陽極板のリチウム析出の発生を低減させ、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。
【0016】
本出願の第2の態様は、電極アセンブリの加工方法を提供し、電極アセンブリは、陰極板と、陽極板と、セパレータとを含み、セパレータは、陰極板と陽極板とを隔離するためのものであり、電極アセンブリは、陰極板、セパレータと陽極板を捲回して形成され、加工方法は、予め設定される部位に閉鎖孔部分を形成するように、セパレータの予め設定される部位を加熱することと、陰極板、陽極板とセパレータを捲回し、電極アセンブリを形成することとを含み、閉鎖孔部分は、捲回後に隣接する陰極板と陽極板との間に位置し、閉鎖孔部分は、閉鎖孔部分の一側に位置する陰極板から放出したイオンの少なくとも一部が、閉鎖孔部分の他側に位置する陽極板に吸蔵されるのを阻止するためのものである。
【0017】
該実施例では、セパレータの一部の領域に閉鎖孔部分を設けることによって、閉鎖孔部分は、捲回後に陽極板のリチウムが析出しやすい部位に対応し、充電時、陰極板から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極板と隣接する陽極板に吸蔵されることができず、陽極板のリチウムが析出しやすい部位のリチウム析出の発生を減少し、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。セパレータの一部の領域に閉鎖孔部分を形成する方式によって、生産と加工が容易になり、生産効率を向上させることができる。
【0018】
いくつかの実施例では、セパレータの予め設定される部位を加熱するステップの前に、方法は、予め設定される捲回後の位置に基づいて予め設定される部位の位置情報を確定することであって、予め設定される捲回後の位置は、閉鎖孔部分の捲回後の電極アセンブリにおける位置であり、予め設定される捲回後の位置は、隣接する陰極板と陽極板との間に位置し、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の開始位置と終了位置を表すための情報を含むことと、陰極板、陽極板と加熱されていないセパレータを捲回することと、陰極板、セパレータと陽極板の捲回データを取得し、捲回データと予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定することと、前記セパレータの予め設定される部位を加熱する加熱温度を取得することとをさらに含み、そして、セパレータの予め設定される部位を加熱することは、加熱情報と加熱温度に基づいてセパレータの予め設定される部位を加熱することを含む。
【0019】
該実施例では、予め設定される捲回後の位置に基づいて予め設定される部位の位置情報を確定し、捲回データを取得し、そして捲回データと予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定し、さらに加熱情報に基づいてセパレータの予め設定される部位を加熱し、閉鎖孔部分の加工を自動化して実現することができる。閉鎖孔部分の形成は、捲回動作と同期して行われてもよい。
【0020】
いくつかの実施例では、捲回データは、セパレータの捲回線速度を含み、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の始点長さと終点長さを含み、且つ加熱情報は、加熱開始時間と加熱終了時間を含む。
【0021】
該実施例では、閉鎖孔部分の始点長さと終点長さとセパレータの捲回線速度に基づいて加熱開始時間と加熱終了時間を確定し、加熱開始時間と終了時間によって閉鎖孔部分の加熱時間長を確定し、閉鎖孔部分の自動的加熱形成を正確に実現することができる。
【0022】
いくつかの実施例では、捲回データは、陰極板、セパレータと陽極板の全体的捲回角度θを含み、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の開始角度θ1と終了角度θ2を含み、且つ加熱情報は、加熱開始信号と加熱終了信号を含む。
【0023】
該実施例では、閉鎖孔部分の開始角度θ1と終了角度θ2、陰極板、セパレータと陽極板の全体的捲回角度θに基づいて加熱開始信号と加熱終了信号を確定でき、加熱開始信号と加熱終了信号に基づいて閉鎖孔部分の加熱を正確に制御でき、閉鎖孔部分の自動的加熱形成を正確に実現することができる。
【0024】
いくつかの実施例では、陰極板、セパレータと陽極板は、捲回されて屈曲領域を形成し、予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、屈曲領域内のセパレータ上に設置される。
【0025】
該実施例では、充電時、屈曲領域にはリチウム析出の現象が発生しやすく、閉鎖孔部分の少なくとも一部を屈曲領域内のセパレータ上に設置することによって、屈曲領域の陰極板から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極板と隣接する陽極板に吸蔵されることができず、屈曲領域のリチウム析出の発生を低減させ、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。
【0026】
いくつかの実施例では、予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、陰極板の1番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置され、及び/又は、予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、陰極板の2番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置される。
【0027】
該実施例では、陰極の1番目の屈曲部位と陰極の2番目の屈曲部位とが隣接する陽極板には、リチウム析出の現象が発生しやすく、閉鎖孔部分の少なくとも一部を陰極板の1番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置し、及び/又は、閉鎖孔部分の少なくとも一部を陰極板の2番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置することによって、陰極の1番目の屈曲部位と陰極の2番目の屈曲部位の陰極活物質層から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極板と隣接する陽極板が屈曲領域における陽極活物質層に吸蔵されることができず、陰極の1番目の屈曲部位と陰極の2番目の屈曲部位とが隣接する陽極板のリチウム析出の発生を低減させ、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。
【0028】
いくつかの実施例では、セパレータの予め設定される部位を加熱する加熱温度範囲は、摂氏90度~115度である。該実施例では、加熱温度範囲は、摂氏90度~115度であり、高い閉鎖孔効果を実現し、イオンを効果的に阻止することができる。
【0029】
出願の第3の態様は、電極アセンブリの加工装置を提供し、電極アセンブリは、陰極板と、陽極板と、セパレータとを含み、セパレータは、陰極板と陽極板とを隔離するためのものであり、電極アセンブリは、陰極板、セパレータと陽極板を捲回して形成され、加工装置は、セパレータの予め設定される部位を加熱して閉鎖孔部分を形成するための加熱機構と、陰極板、陽極板とセパレータを捲回し、電極アセンブリを形成するための捲回機構とを含み、加熱機構は、捲回機構の上流に位置し、閉鎖孔部分は、捲回後に隣接する陰極板と陽極板との間に位置し、閉鎖孔部分は、閉鎖孔部分の一側に位置する陰極板から放出したイオンの少なくとも一部が、閉鎖孔部分の他側に位置する陽極板に吸蔵されるのを阻止するためのものである。
【0030】
該実施例では、捲回機構の上流に加熱機構を設置することによって、セパレータの表面の予め設定される部位に閉鎖孔部分を形成し、陰極板、セパレータと陽極板は、捲回されて電極アセンブリが形成された後、閉鎖孔部分は、陽極板のリチウムが析出しやすい部位に対応し、閉鎖孔部分は、閉鎖孔部分の一側に位置する陰極板から放出したイオンの少なくとも一部が、閉鎖孔部分の他側に位置する陽極板に吸蔵されることを阻止することができ、充電時、陰極板から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陽極活物質層に吸蔵されることができず、陽極板のリチウムが析出しやすい部位のリチウム析出の発生を減少し、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。
【0031】
いくつかの実施例では、位置情報確定ユニットは、予め設定される捲回後の位置に基づいて予め設定される部位の位置情報を確定し、且つ加熱情報確定ユニットに送信し、予め設定される捲回後の位置は、閉鎖孔部分の捲回後の電極アセンブリにおける位置であり、予め設定される捲回後の位置は、隣接する陰極板と陽極板との間に位置し、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の開始位置と終了位置を表すための情報を含み、捲回制御ユニットは、陰極板、陽極板とセパレータを捲回するように捲回機構を制御するためのものであり、取得ユニットは、陰極板、セパレータと陽極板の捲回データを取得し、且つ加熱情報確定ユニットに送信するためのものであり、加熱情報確定ユニットは、捲回データと予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定するためのものであり、温度センサは、加熱機構の温度を検出し、且つ検出される温度を加熱制御ユニットに送信するためのものであり、加熱制御ユニットは、加熱情報と検出される温度に基づいて、セパレータの予め設定される部位を加熱して閉鎖孔部分を形成するように加熱機構を制御するためのものである。
【0032】
該実施例では、位置情報確定ユニットは、予め設定される捲回後の位置に基づいて予め設定される部位の位置情報を確定し、捲回制御ユニットは、捲回機構を制御し、ユニット取得は、捲回データを取得し、加熱情報確定ユニットは、捲回データと予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定し、温度センサを設置することによって、加熱部の温度を検出することができ、それによって加熱制御ユニットは、加熱機構の温度を正確に制御し、高い閉鎖孔効果を実現することができ、加熱制御ユニットは、加熱情報と検出される温度制御加熱機構に基づいてセパレータの表面の予め設定される部位を加熱して閉鎖孔部分を形成し、閉鎖孔部分の形成を自動化して実現することができる。閉鎖孔部分の形成は、捲回動作と同期して行われてもよく、生産効率を向上させることができる。
【0033】
いくつかの実施例では、捲回データは、セパレータの捲回線速度Vを含み、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の始点長さL1と終点長さL2を含み、且つ加熱情報は、加熱開始時間T1と加熱終了時間T2を含む。
【0034】
該実施例では、閉鎖孔部分の始点長さと終点長さとセパレータの捲回線速度に基づいて加熱開始時間と加熱終了時間を確定し、加熱開始時間と加熱終了時間によって閉鎖孔部分の加熱時間長を確定し、閉鎖孔部分の自動的加熱形成を正確に実現することができる。
【0035】
いくつかの実施例では、捲回データは、陰極板、セパレータと陽極板の全体的捲回角度θを含み、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の加熱開始角度θ1と加熱終了角度θ2を含み、且つ加熱情報は、加熱開始信号と加熱終了信号を含む。
【0036】
該実施例では、閉鎖孔部分の加熱開始角度θ1、加熱終了角度θ2、陰極板、セパレータと陽極板の全体的捲回角度θに基づいて加熱開始信号と加熱終了信号を確定し、加熱開始信号と加熱終了信号に基づいて閉鎖孔部分の加熱形成を正確に制御し、閉鎖孔部分の自動的加熱形成を正確に実現することができる。
【0037】
いくつかの実施例では、陰極板、セパレータと陽極板は、捲回されて屈曲領域を形成し、予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、屈曲領域内のセパレータ上に設置される。
【0038】
該実施例では、充電時、屈曲領域にはリチウム析出の現象が発生しやすく、閉鎖孔部分の少なくとも一部を屈曲領域内のセパレータ上に設置することによって、屈曲領域の陰極板から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極板と隣接する陽極板に吸蔵されることができず、屈曲領域のリチウム析出の発生を低減させ、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。
【0039】
いくつかの実施例では、予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、陰極板の1番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置され、及び/又は、予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、陰極板の2番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置される。
【0040】
該実施例では、充電時、陰極及び/又は陽極の1番目の屈曲部位と2番目の屈曲部位とが隣接する陽極板及び/又は陰極板には、リチウム析出の現象が発生しやすく、閉鎖孔部分の少なくとも一部を陰極板の1番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置し、及び/又は、閉鎖孔部分の少なくとも一部を陰極板の2番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置することによって、陰極の1番目の屈曲部位と陰極の2番目の屈曲部位の陰極活物質層から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極板と隣接する陽極板が屈曲領域における陽極活物質層に吸蔵されることができず、陰極の1番目の屈曲部位と陰極の2番目の屈曲部位とが隣接する陽極板のリチウム析出の発生を低減させ、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。
【0041】
いくつかの実施例では、加熱機構は、セパレータの表面の予め設定される部位を加熱して閉鎖孔部分を形成するための加熱部と、セパレータに近接するか、又はセパレータから離れるように加熱部を駆動するための駆動機構とを含み、加熱部と駆動機構は、加熱制御ユニットに通信接続される。
【0042】
該実施例では、加熱機構を設置することによって、セパレータの表面の予め設定される部位を加熱して閉鎖孔部分を形成し、温度センサは、加熱部の温度を検出するためのものであり、駆動機構は、セパレータに近接するか、又はセパレータから離れるように加熱部を駆動するためのものであり、加熱部と駆動機構は、加熱制御ユニットに通信接続される。加熱制御ユニットによって駆動機構を制御し、セパレータに近接するか又はセパレータから離れるように加熱部を動かすことによって、加熱位置と加熱面積を制御し、閉鎖孔部分をセパレータの表面の予め設定される部位に正確に形成することができる。
【0043】
いくつかの実施例では、加熱部は、セパレータの一側に設置され、又は加熱部は複数であり、それぞれセパレータの両側に設置される。
【0044】
該実施例では、セパレータの一側又は両側に加熱部を設置することによって、セパレータの一側の表面又は両側の表面に閉鎖孔部分を形成することができる。
【0045】
いくつかの実施例では、加熱部は、加熱ローラを含み、加熱ローラは、回転可能に設置されて駆動機構に接続される。
【0046】
該実施例では、加熱部は、加熱ローラの方式を採用してもよく、加熱ローラは、セパレータに接触する時、加熱ローラは、セパレータを加熱して閉鎖孔部分を形成するように、セパレータの表面に沿って転がる。
【0047】
いくつかの実施例では、セパレータの予め設定される部位を加熱する加熱温度範囲は、摂氏90度~115度である。該実施例では、加熱温度範囲は、摂氏90度~115度であり、高い閉鎖孔効果を実現し、イオンに効果的に阻止することができる。
【0048】
本出願の第4の態様は、電池セルを提供し、該電池セルは、ケースと、電解液と、カバープレートと、少なくとも1つの第3の態様の実施例の電極アセンブリとを含み、ケースは収容キャビティと開口を有し、電極アセンブリと電解液は収容キャビティに収容され、カバープレートは、ケースの開口を閉塞するためのものである。
【0049】
本出願の第5の態様は、電池を提供し、筐体と、少なくとも1つの第4の態様の実施例の電池セルとを含み、電池セルは筐体内に収容される。
【0050】
本出願の第6の態様は、電力消費機器を提供し、電力消費装置は、上記第5の態様の実施例の電池から供給される電力を受けるように構成される。
【0051】
以上の説明は、単に本出願の実施例の技術案の概略に過ぎず、本出願の実施例の技術的手段をより明確に理解するために、明細書の内容に基づいて実施することができ、且つ本出願の実施例の上述及び他の目的、特徴及び利点を更に明らかで分かりやすくするために、以下は、本出願の具体的な実施の形態を列挙する。
【0052】
本出願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下は、実施例の記載に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下の記載における図面は本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働をすることなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】本出願の一実施例の電極アセンブリの斜視構造概略図である。
図2図1の電極アセンブリにおける捲回軸線Kに垂直する方向に沿う横断面の構造概略図である。
図3】本出願の一実施例の扁平体形状の電極アセンブリにおける捲回軸線に垂直する横断面の構造概略図である。
図4】本出願の別の実施例の扁平体形状の電極アセンブリにおける捲回軸線に垂直する横断面の構造概略図である。
図5】本出願の別の実施例の扁平体形状の電極アセンブリにおける捲回軸線に垂直する横断面の構造概略図である。
図6】本出願の一実施例の電極アセンブリの加工方法のフローチャートである。
図7】本出願の別の実施例の電極アセンブリの加工方法のフローチャートである。
図8】本出願の別の実施例の別の扁平体形状のセパレータが平面状態に広げられた構造概略図である。
図9】本出願の一実施例の電極アセンブリの加工装置の構造概略図である。
図10】本出願の別の実施例の電極アセンブリの加工装置の構造概略図である。
図11】本出願の別の実施例の電極アセンブリの加工装置の構造概略図である。
図12図11における加熱構造の一実施例の拡大概略図である。
図13】本出願の別の実施例の電極アセンブリの加工装置の構造概略図である。
図14図13における加熱構造の一実施例の拡大概略図である。
図15図13における加熱構造の別の実施例の拡大概略図である。
図16】本出願の別の実施例の電池セルの構造概略図である。
図17】本出願の別の実施例の電池モジュールの構造概略図である。
図18】本出願の別の実施例の電池の構造概略図である。
図19】本出願の別の実施例の電力消費装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本出願の実施例の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、以下、本出願の実施例の図面を結び付けながら、本出願の実施例における技術案を明確に、完全に説明する。説明される実施例は、本出願の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労働をすることなく得られたすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0055】
特に定義がない限り、本文に使用されるすべての技術用語と科学用語は、当業者に一般的に理解される意味と同じである。本文における出願の明細書に使用される用語は、具体的な実施例を説明することを目的とするのみであり、本出願を制限することを意図しない。本出願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」、「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」をカバーすることを意図している。
【0056】
本文において「実施例」と言及する場合、実施例と合わせて説明された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書における各箇所に記載されたこの語句は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本明細書に記載の実施例が他の実施例と組み合わせ得ることを明示的及び暗黙的に理解することができる。
【0057】
本文における「及び/又は」という用語は、単に関連対象を説明する関連関係に過ぎず、3つの関係が存在できることを示し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの三つのケースを表してもよい。また、本文における「/」といる文字は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0058】
本出願の説明において、理解すべきことは、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語によって指示された方位又は位置関係は、図面によって示された方位又は位置関係であり、単に本出願の説明の便宜上及び説明の簡略化のためのものであり、指した装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成して操作しなければならないことを指示又は示唆するものではなく、そのため、本出願に対する制限として理解してはいけない。なお、本出願の明細書及び特許請求の範囲又は上記図面における「第1」、「第2」などの用語は、異なる対象を区別するために用いられ、特定の順序を説明するためのものではなく、1つ又は複数の該特徴を明示的に又は黙示的に含んでもよい。本出願の説明において、特に断りのない限り、「複数」は2つ以上を意味する。
【0059】
なお、本出願の説明において、明確に指定及び限定されていない限り、「取り付ける」、「接続される」、「接続する」という用語は、広義に理解されるべきであり、たとえば、固定接続されることであってもよいし、取り外し可能に接続されることであってもよいし、一体に接続されることであってもよいし、機械的接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接に接続してもよく、中間媒体を介して間接に接続してもよく、2つの素子の内部を連通させてもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて、上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0060】
リチウムイオン電池の体積をより小さく、エネルギー密度をより高くするために、リチウムイオン電池の電極アセンブリにおける陰極板、陽極板及びセパレータを捲回してから押し固めることができる。例えば、図1に示すように、電極アセンブリの斜視構造概略図であり、該電極アセンブリは、陽極板1、陰極板2、第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32を含み、陽極板1、第1のセパレータ31、陰極板2及び第2のセパレータ32は、径方向に沿って内から外に向かって積層された後に捲回軸線Kの周りを捲回して捲回構造を形成し、セパレータは、絶縁膜であり、陽極板1と陰極板2を仕切るためのものであり、陽極板1と陰極板2の短絡を防止し、該電極アセンブリの捲回構造は扁平体形状であり、該電極アセンブリにおける捲回軸線Kに垂直する方向に沿う横断面の構造概略図は、図2に示される通りである。
【0061】
図1図2の組み合わせにおいて、該電極アセンブリは、ストレート領域A、及び該ストレート領域Aの両端に位置する第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2を含む。ストレート領域Aとは、該捲回構造における平行構造を有する領域を指し、即ち、該ストレート領域Aにおける陽極板1、第1のセパレータ31、陰極板2及び第2のセパレータ32は互いにほぼ平行し、即ち、電極アセンブリのストレート領域Aにおける各層の陽極板1、第1のセパレータ31、陰極板2及び第2のセパレータ32の表面はいずれも略平面である。第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2とは、該捲回構造における屈曲構造を有する領域を指し、即ち、該第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2における陽極板1、第1のセパレータ31、陰極板2及び第2のセパレータ32はいずれも屈曲され、即ち、電極アセンブリの屈曲領域200における各層の陽極板1、第1のセパレータ31、陰極板2及び第2のセパレータ32の表面はいずれも曲面であり、該第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2は屈曲方向Lを有し、該屈曲方向Lは、屈曲領域における電極アセンブリの表面に沿ってストレート領域に向かう方向として理解されてもよく、例えば、該屈曲方向Lは、該屈曲領域200において該捲回構造の捲回方向に沿う。
【0062】
陽極板1の表面は陽極活物質からなる陽極活物質層を有し、陰極板2の表面は陰極活物質からなる陰極活物質層を有し、例えば、陰極活物質は、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム又はニッケル・コバルト・マンガン酸リチウムであってもよく、陽極活物質は黒鉛又はシリコンであってもよい。
【0063】
リチウムイオン電池は、充電時、リチウムイオンは、陰極から放出して陽極に吸蔵されるが、いくつかの異常状況が発生する可能性があり、例えば、陽極のリチウム吸蔵空間が不足したり、リチウムイオンが陽極に吸蔵される抵抗が大きすぎたり、陰極からのリチウムイオンの放出が速すぎたりして、放出したリチウムイオンが陽極板の陽極活物質層に等量で吸蔵されることができず、吸蔵される陽極板に吸蔵できないリチウムイオンが陽極の表面でのみ電子が得られ、それにより銀白色の金属リチウム単体を形成することは、リチウム析出の現象である。リチウム析出は、リチウムイオン電池の性能を低下させ、サイクル寿命を大幅に短縮し、さらにリチウムイオン電池の急速充電容量を制限する。それ以外に、リチウムイオン電池はリチウム析出が発生する場合、析出したリチウム金属が非常に活発で、低い温度で電解液と反応することができ、電池自己発熱開始温度(Tonset)の低下と自己発熱速度の増大を引き起こし、電池の安全に重大な危害を及ぼす。さらに、リチウム析出が深刻である場合、放出したリチウムイオンは、陽極板の表面にリチウム結晶を形成することができ、リチウム結晶は、隔離膜を突き破りやすく、隣接する陰極板と陽極板が短絡する危険性があることを引き起こす。
【0064】
これに鑑みて、図3に示されるのが、本出願の一実施例の電極アセンブリの構造概略図である。電極アセンブリは、陰極板2、陽極板1、第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32を含む。第1のセパレータ31、第2のセパレータ32は、陰極板2と陽極板1とを隔離するためのものであり、第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32の一部の領域に閉鎖孔部分が設けられ、閉鎖孔部分は、閉鎖孔部分の一側に位置する陰極板2から放出したイオンの少なくとも一部が、閉鎖孔部分の他側に位置する陽極板1に吸蔵されるのを阻止するためのものである。
【0065】
第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32の一部の領域に閉鎖孔部分を設けることによって、閉鎖孔部分は、陽極板1のリチウムが析出しやすい部位に対応し、充電時、陰極板2から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極板2と隣接する陽極板1に吸蔵されることができず、陽極板1のリチウムが析出しやすい部位のリチウム析出の発生を減少し、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。セパレータの一部の領域に閉鎖孔部分を形成する方式によって、生産と加工が容易になり、生産効率を向上させることができる。隣接する陰極板2と陽極板1とは、電極アセンブリ内に一層の陰極板2と一層の陽極板1が隣接し且つそれらの間に別の層の陰極板2又は別の層の陽極板1が含まれないことを指す。陰極板2と隣接するセパレータは、電極アセンブリ内に一層の陰極板2が一層のセパレータと隣接し且つそれらの間に別の層のセパレータ又は陽極板1が含まれないことを指す。陽極板1と隣接するセパレータは、電極アセンブリ内に一層の陽極板1が一層のセパレータと隣接し且つそれらの間に別の層のセパレータ又は陰極板2が含まれないことを指す。
【0066】
閉鎖孔部分は、セパレータの一部の領域を加熱した後に形成される。セパレータを加熱することによって、セパレータに閉鎖孔を発生させ、セパレータの内部の隙間を閉塞させ、陰極リチウムイオンの運動通路を阻止し、陽極板のリチウム析出の発生を減少する。セパレータを加熱して閉鎖孔部分を形成する方式は、生産と加工を容易にし、生産効率を向上させることができる。
【0067】
図3に示すように、本出願の一実施例では、電極アセンブリは、ストレート領域Aと該ストレート領域の両端を接続する第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2を含み、簡潔に記述するために、本実施例の電極アセンブリは、扁平体捲回構造を例として記述し、例えば、該扁平体捲回構造における第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2とストレート領域Aの構造は、図6に示すように、本出願の一実施例の電極アセンブリのその屈曲領域における予め設定される構造概略図であってもよい。電極アセンブリは、その屈曲領域Aで陰極板2、陽極板1、陰極板2と陽極板1とを隔離するための第1のセパレータ31、第2のセパレータ32を含み、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32は、隣接する陰極板2と陽極板1との間から独立している。本出願の別の実施例では、1枚の陽極板1、1枚のセパレータ31、1枚の陰極板2及び別の1枚のセパレータ32を積層してから捲回するか又は折り畳んでもよく、少なくとも1枚(例えば、2枚以上)の陰極板2、少なくとも1枚(例えば、2枚以上)の陽極板1及び少なくとも2枚の第1のセパレータ31、第2のセパレータ32(例えば4枚又は4枚よりも多く、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の枚数は陰極板2又は陽極板1の枚数の2倍である)を積層してから捲回するか又は折り畳んで、第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2を形成してもよく、電極アセンブリが第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2において複数層の陰極板2、複数層の陽極板1及び複数層の第1のセパレータ31、第2のセパレータ32を有する場合に、第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2は、陰極板2、セパレータ3及び陽極板1が交互に分布する構造を含む。閉鎖孔部分は、2つの第1のセパレータ31、第2のセパレータ32のうちの少なくとも1つのセパレータ上に設置される。このような設置によって、少なくとも1層の隣接する陰極板2と陽極板1との間に閉鎖孔部分が含まれる。
【0068】
電極アセンブリが捲回構造を有する場合、陰極板2及び陽極板1の幅方向は捲回軸線方向に平行するとともに、陰極板2及び陽極板1の幅方向は屈曲方向Lに垂直する方向に平行する。以下、説明を簡略するために、本実施例では、陰極板2及び陽極板1の幅方向、屈曲方向Lに垂直する方向、及び捲回軸線方向をK方向と総称する。
【0069】
発明者は、研究開発の過程において、電極アセンブリがその屈曲領域にリチウム析出の現象がよく発生することを発見し、さらに研究を行った結果、発明者は、該リチウム析出の現象を引き起こす原因が、活物質の脱落によるものであることを発見し、主に陽極活物質が陽極板の表面に塗布され、陰極活物質が陰極板の表面に塗布され、屈曲領域に位置する陰極板と陽極板を屈曲する必要があるため、それぞれの活物質の脱落を引き起こす可能性があり、それを粉落ち現象と称し、特に屈曲領域の最内層の陽極板は、その屈曲程度が最も大きく、活物質の脱落をより引き起こしやすい。活物質の脱落、特に陽極板上の活物質の脱落のため、該陽極板の陽極活物質層のリチウム吸蔵サイトは、その隣接する陰極板の陰極活物質層が提供できるリチウムイオン数よりも少なくなる可能性があるため、リチウム電池の充電時、リチウム析出の現象が発生しやすい。
【0070】
これに鑑みて、図3に示される実施例では、陰極板2、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32と陽極板1は、捲回されて第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2を形成し、閉鎖孔部分の少なくとも一部は、屈曲領域B1とB2内の第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32上に設置される。
【0071】
いくつかの実施例では、陰極板2、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32と陽極板1は、捲回されて第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2を形成する。予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、陰極板2、陽極板1又は第1のセパレータ31、第2のセパレータ32における少なくとも1つの表面に沿う屈曲領域B1とB2に設置される。すなわち、閉鎖孔部分の少なくとも一部は、2つの第1のセパレータ31、第2のセパレータ32のうちの少なくとも1つのセパレータが屈曲領域B1とB2に位置する部分上に設置される。
【0072】
該実施例では、屈曲領域B1とB2、陰極板2と陽極板1との間に大きいギャップを有し、閉鎖孔部分の少なくとも一部は、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32における少なくとも1つの表面の屈曲領域B1とB2に設置され、すなわち捲回後に屈曲領域B1とB2に閉鎖孔部分を設置し、屈曲領域内の陰極板2と陽極板1の屈曲程度が大きいため、活物質の脱落をより引き起こしやすい。活物質の脱落、特に陽極板1上の活物質の脱落のため、該陽極板1の陽極活物質層のリチウム吸蔵サイトは、その隣接する陰極板2の陰極活物質層が提供できるリチウムイオン数よりも少なくなる可能性があるため、リチウム電池の充電時、リチウム析出の現象が発生しやすい。そのため、閉鎖孔部分の少なくとも一部を第1のセパレータ31、第2のセパレータ32のうちの少なくとも1つの屈曲領域B1とB2に設置することは、リチウム析出の発生を効果的に抑制することができる。
【0073】
本出願の別の実施例では、閉鎖孔部分が屈曲方向Lに沿って延びる両端は、いずれも屈曲領域B1とB2に位置し、すなわち閉鎖孔部分のすべては、いずれも屈曲領域B1とB2に位置する。本実施例において、電極アセンブリは屈曲領域B1とB2に接続されるストレート領域Aをさらに含み、屈曲方向Lとは、屈曲領域B1とB2の曲面に沿って且つストレート領域Aに向かう方向を指し、屈曲方向Lに垂直する方向とは、屈曲方向Lに垂直する方向を指す。
【0074】
本出願の別の実施例では、閉鎖孔部分における屈曲方向Lに沿って延びる一端はストレート領域Aに位置し、他端は屈曲領域B1とB2に位置する。
【0075】
本出願の別の実施例では、屈曲領域のリチウムイオンの阻止性を改善するために、閉鎖孔部分は、屈曲領域B1とB2において大きい面積を可能な限り有し、例えば、閉鎖孔部分が屈曲方向Lに沿って延びる両端は、いずれもストレート領域Aに位置し、すなわち閉鎖孔部分は、屈曲領域に位置するB1とB2のほか、さらにストレート領域Aに延びる。
【0076】
本出願の別の実施例では、閉鎖孔部分における屈曲方向Lに沿って延びる両端はいずれも屈曲領域B1とB2とストレート領域Aとの境界に位置し、又は、閉鎖孔部分における屈曲方向Lに沿って延びる両端はいずれも屈曲領域B1とB2とストレート領域Aとの境界に近付く。
【0077】
本出願の別のいくつかの実施例では、閉鎖孔部分の少なくとも一部は、陰極板2の1番目の屈曲部位21と隣接する第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32の屈曲部位及び/又は2番目の屈曲部位22と隣接する第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32の屈曲部位に設置され、及び/又は、閉鎖孔部分の少なくとも一部は、陽極板1の1番目の屈曲部位11と隣接する第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32の屈曲部位及び/又は2番目の屈曲部位12と隣接する第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32の屈曲部位に設置される。
【0078】
充電時、陰極の1番目の屈曲部位と陰極の2番目の屈曲部位とが隣接する陽極板には、リチウム析出の現象が発生しやすく、閉鎖孔部分の少なくとも一部を陰極板の1番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置し、及び/又は、閉鎖孔部分の少なくとも一部を陰極板の2番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置することによって、陰極の1番目の屈曲部位と陰極の2番目の屈曲部位の陰極活物質層から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極板と隣接する陽極板が屈曲領域における陽極活物質層に吸蔵されることができず、陰極の1番目の屈曲部位と陰極の2番目の屈曲部位とが隣接する陽極板のリチウム析出の発生を低減させ、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。
【0079】
図3に示すように、本出願の一実施例では、閉鎖孔部分の少なくとも一部は、第1のセパレータ31の1番目の屈曲部位311、第1のセパレータ31の2番目の屈曲部位312、第2のセパレータ32の1番目の屈曲部位321、第2のセパレータ32の2番目の屈曲部位322に設置される。すなわち捲回後に形成される第1の閉鎖孔部分7311の少なくとも一部は、第1のセパレータ31の1番目の屈曲部位311に設置され、第2の閉鎖孔部分7312は、第1のセパレータ31の2番目の屈曲部位312に設置され、すなわち第1の閉鎖孔部分7311と第2の閉鎖孔部分7312は、陰極板2の1番目の屈曲部位21と2番目の屈曲部位22と隣接し且つ内側に位置する第1のセパレータ31上に設けられる。第3の閉鎖孔部分7321は、第2のセパレータ32の1番目の屈曲部位321に設置され、第4の閉鎖孔部分7322は、第2のセパレータ32の2番目の屈曲部位322に設置され、すなわち第3の閉鎖孔部分7321と第4の閉鎖孔部分7322は、陰極板2の1番目の屈曲部位21と2番目の屈曲部位22と隣接し且つ外側に位置する第2のセパレータ32上に設けられる。しかしセパレータの所定の屈曲回数は、1回目、2回目に限らず、必要に応じて任意の回数の屈曲範囲を選択することができ、例えば閉鎖孔部分を屈曲領域内の第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32の1~4回目又は1回目~6回目又は1回目~8回目、又は3回目~4回目又は3回目~6回目又は3回目~8回目又は他の回数範囲で屈曲した屈曲部位に設置することができる。
【0080】
図4に示すように、本出願の別の実施例では、閉鎖孔部分の少なくとも一部は、第1のセパレータ31の1番目の屈曲部位311、第1のセパレータ31の2番目の屈曲部位312に設置される。すなわち捲回後に形成される第1の閉鎖孔部分7311、第2の閉鎖孔部分7312の少なくとも一部は、陰極板2の1番目の屈曲部位21と2番目の屈曲部位22と隣接し且つ内側に位置する第1のセパレータ31上に設けられる。
【0081】
図5に示すように、本出願の別の実施例では、閉鎖孔部分の少なくとも一部は、第1のセパレータ31の1番目の屈曲部位311、第1のセパレータ31の2番目の屈曲部位312に設置される。すなわち第1の閉鎖孔部分7311、第2の閉鎖孔部分7312は、陰極板2の1番目の屈曲部位21と2番目の屈曲部位22と隣接し且つ内側に位置する第1のセパレータ31上に設けられる。図5の実施例は、図4の実施例の閉鎖孔部分の屈曲方向Lに延びる両端がいずれも屈曲領域B1とB2に位置する点で図4の実施例と異なり、図5において実施例の閉鎖孔部分における屈曲方向Lに沿って延びる両端は、いずれも屈曲領域B1とB2とストレート領域Aとの境界に位置する。
【0082】
図6に示される本出願の一実施例の電極アセンブリの加工方法のフローチャートであり、電極アセンブリは、陰極板と、陽極板と、セパレータとを含み、セパレータは、陰極板と陽極板とを隔離するためのものであり、電極アセンブリは、陰極板、セパレータと陽極板を捲回して形成される。本実施例の加工方法は、以下を含み、
S05、予め設定される部位に閉鎖孔部分を形成するように、セパレータの予め設定される部位を加熱し、
S06、陰極板、陽極板とセパレータを捲回し、電極アセンブリを形成し、閉鎖孔部分は、捲回後に隣接する陰極板と陽極板との間に位置し、閉鎖孔部分は、閉鎖孔部分の一側に位置する陰極板から放出したイオンの少なくとも一部が、閉鎖孔部分の他側に位置する陽極板に吸蔵されるのを阻止するためのものである。
【0083】
該実施例では、セパレータの一部の領域に閉鎖孔部分を設けることによって、閉鎖孔部分は、捲回後に陽極板のリチウムが析出しやすい部位に対応し、充電時、陰極板から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極板と隣接する陽極板に吸蔵されることができず、陽極板のリチウムが析出しやすい部位のリチウム析出の発生を減少し、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。セパレータの一部の領域に閉鎖孔部分を形成する方式によって、生産と加工が容易になり、生産効率を向上させることができる。
【0084】
図7に示すように、本出願の別の実施例の加工方法において、図6のステップS05、セパレータの予め設定される部位を加熱するステップの前に、以下をさらに含み、
S01は、予め設定される捲回後の位置に基づいて予め設定される部位の位置情報を確定し、予め設定される捲回後の位置は、閉鎖孔部分の捲回後の電極アセンブリにおける位置であり、予め設定される捲回後の位置は、隣接する陰極板と陽極板との間に位置し、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の開始位置と終了位置を表すための情報を含み、
S02は、陰極板、陽極板と加熱されていないセパレータを捲回し、
S03は、陰極板、セパレータと陽極板の捲回データを取得し、捲回データと予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定し、
S04は、前記セパレータの予め設定される部位を加熱する加熱温度を取得し、
そして、ステップS05は、セパレータの予め設定される部位を加熱することは、
加熱情報と加熱温度に基づいてセパレータの予め設定される部位を加熱するS051を含む。
【0085】
いくつかの実施例では、ステップS02は、ステップS01の前に、又は、ステップS01の後に、又はステップS01と同期して行われてもよい。
【0086】
いくつかの実施例では、ステップS04は、ステップS03の前に、又は、ステップS03の後に、又はステップS03と同期して行われてもよい。
【0087】
いくつかの実施例では、ステップS01において、まず予め設定される捲回後の位置に基づいて予め設定される部位の位置情報を確定し、予め設定される捲回後の位置とは、所望の閉鎖孔部分の捲回後の電極アセンブリにおける位置を指し、陽極活物質層のリチウムが析出しやすい部位に対応し、例えば予め設定される捲回後の位置は、捲回後の電極アセンブリの屈曲領域B1、B2であってもよく、又は予め設定される捲回後の位置は、捲回後の電極アセンブリの屈曲領域B1、B2に一部のストレート領域Aを加えるものであってもよく、予め設定される捲回後の位置は、隣接する陰極板2と陽極板1との間にある。
【0088】
いくつかの実施例では、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の開始位置と終了位置を表すための情報を含む。
【0089】
いくつかの実施例では、セパレータの予め設定される部位を加熱する加熱温度範囲は、摂氏90度~115度である。該実施例では、加熱温度範囲は、摂氏90度~115度であり、高い閉鎖孔効果を実現し、イオンを効果的に阻止することができる。
【0090】
【表1】
【0091】
セパレータは貫通する多数の微細孔を有し、電解質イオンが自由に通過することを保証でき、リチウムイオンに対して良好な透過性を有するため、セパレータは、基本的にリチウムイオンの通過を阻止することができない。例えば、セパレータ3は、セパレータベース層を含んでもよく、又はセパレータベース層と、セパレータベース層の表面に位置する機能層を含んでもよい。セパレータベース層は、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン―プロピレン共重合体、ポリブチレンテレフタレートなどの少なくとも1つを含み、機能層は、セラミックスコーティングセパレータであってもよい。いくつかの実施例では、例えば表1に示すように、セパレータ3がポリエチレンを採用する場合、その閉鎖孔温度範囲は、摂氏90度~100であり、セパレータ3がポリプロピレンである場合、その閉鎖孔温度範囲は、摂氏100度~110度であり、セパレータ3のセパレータベース層がポリエチレンを採用し、機能層がセラミックコーティングセパレータを採用する時、その閉鎖孔温度範囲は、摂氏100度~115度である。セパレータ3の材料は、以上の材料に限らず、その閉鎖孔温度は、材料の変化に応じて調整することができる。
【0092】
いくつかの実施例では、表1に示すように、一般的なセパレータの材料と対応する閉鎖孔の加熱温度が示される。PEを例として、いくつかの実施例では、PEの閉鎖孔加熱温度範囲は、90度~100度である。温度が摂氏90度よりも低ければ、閉鎖孔効果が低く、リチウムイオンへの阻止作用が低く、リチウム析出を効果的に抑制することができない。温度が摂氏100度よりも高ければ、セパレータの収縮変形が明らかであり、セパレータの捲回性能に影響を与える。このため、加熱温度を適切な温度範囲に制御する必要がある。
【0093】
該実施例では、図8に示すように、セパレータ31とその上の閉鎖孔部分7311を例として、セパレータ31が平面状態に広げられた概略図に示すように、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分7の加熱始点長さL1と加熱終点長さL2を含んでもよい。セパレータ32とその上の閉鎖孔部分7321の構造は、セパレータ31と閉鎖孔部分7311を参照してもよい。閉鎖孔部分7の加熱始点長さL1は、第1のセパレータ31又は第2のセパレータ32が平面状態に全体的に広げられることを仮定すると、閉鎖孔部分7がセパレータの長さ方向に沿う始点と陰極板2、陽極板1、第1のセパレータ31又は第2のセパレータ32における最も遠い捲回初期端30との間の距離として定義され、いくつかの実施例では、第1のセパレータ31の捲回初期端が最も遠く、閉鎖孔部分7の加熱始点長さL1は、閉鎖孔部分7がセパレータの長さ方向に沿う始点から第1のセパレータ31の捲回初期端30までの距離であり、別のいくつかの実施例では、第2のセパレータ32の捲回初期端が最も遠く、閉鎖孔部分7の加熱始点長さL1は、閉鎖孔部分7がセパレータの長さ方向に沿う始点から第2のセパレータ32の捲回初期端30までの距離である。閉鎖孔部分7の加熱終点長さL2は、捲回される第1のセパレータ31、第2のセパレータ32が同一の平面上に広げられることを仮定すると、閉鎖孔部分7がセパレータの長さ方向に沿う終点と第1のセパレータ31、第2のセパレータ32における最も遠い捲回初期端との間の距離として定義され、いくつかの実施例では、第1のセパレータ31の捲回初期端が最も遠く、閉鎖孔部分7の加熱終点長さL2は、閉鎖孔部分7がセパレータの長さ方向に沿う終点から第1のセパレータ31の捲回初期端30までの距離であり、別のいくつかの実施例では、第2のセパレータ32の捲回初期端が最も遠く、閉鎖孔部分7の加熱終点長さL2は、閉鎖孔部分7がセパレータの長さ方向に沿う終点から第2のセパレータ32の捲回初期端30までの距離である。閉鎖孔部分7は、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の1つの表面又は反対する2つの表面上に設置されてもよく、各表面上の閉鎖孔部分7は、一セグメント又は複数セグメント設置されてもよい。そうすると、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分7が第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の各表面上での各セグメントの位置情報を含んでもよい。
【0094】
該実施例のステップS02において、陰極板2、陽極板1、加熱されていない第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32を捲回することが含まれる。いくつかの実施例では、陰極板2、陽極板1、加熱されていない第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32の開始端を捲回機器に入れ、相応な捲回データを取得する。いくつかの実施例では、図2を結び付けて分かるように、陰極板2の捲回開始端20、陽極板1の捲回開始端10、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の捲回開始端10の位置は、同じでなく、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の捲回開始端30の長さは、陰極板2の捲回開始端20、陽極板1の捲回開始端10の長さよりも長く、すなわち陰極板2、陽極板1を捲回する前に、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32は、既に一部が捲回されている。いくつかの実施例では、陰極板2の捲回開始端20、陽極板1の捲回開始端10の位置は、同じであってもよいし、又は異なっていてもよい。いくつかの実施例では、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の捲回開始端の位置は、同じであってもよいし、又は異なっていてもよい。陰極板2、陽極板1、第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32の捲回開始端の位置は、図2における実施例に限らない。
【0095】
該実施例のステップS03において、セパレータの捲回データを取得し、捲回データと予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定する。
【0096】
いくつかの実施例では、捲回データは、セパレータの捲回線速度Vを含む。捲回線速度Vとは、セパレータが捲回ローラの入口に入る運動速度を指し、捲回線速度Vは、予め設定される速度値であってもよく、いくつかの実施例では、捲回線速度Vは、固定値であってもよい。
【0097】
相応的に、該実施例では、加熱情報は、加熱開始時間T1と加熱終了時間T2を含む。いくつかの実施例では、閉鎖孔部分7が複数セグメントである場合、加熱情報は、各セグメントの閉鎖孔部分7の加熱情報を含む。閉鎖孔部分7がセパレータの2つの異なる表面上に設けられる場合、加熱情報は、各表面上での加熱情報を含む。
【0098】
該実施例では、捲回データと予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定することは、以下の通りであり、セパレータの捲回線速度V、閉鎖孔部分7の加熱始点長さL1と加熱終点長さL2に基づいて加熱開始時間T1と加熱終了時間T2を確定する。
【0099】
具体的な確定方式は、以下の通りであり、加熱開始時間T1は、捲回動作開始からセパレータの加熱開始までの時間であってもよく、いくつかの実施例では、T1=L1/V、すなわち加熱開始時間T1は、加熱情報における閉鎖孔部分7がセパレータの表面における始点長さL1と捲回線速度Vとの比に等しい。加熱終了時間T2は、閉鎖孔部分7の長さ(始点長さL1と終点長さL2との間の差)、セパレータの捲回線速度V及び加熱機構の加熱長さHによるものであり、いくつかの実施例では、T2=T1+(L2-L1-H)/V、すなわち加熱終了時間T2と加熱開始時間T1との間の差は、閉鎖孔部分7の長さから加熱機構の加熱長さHを差し引いた後に捲回線速度Vで除算されるものである。加熱機構の具体的な構造は、後の実施例でさらに説明される。
【0100】
該実施例のステップS04において、前記セパレータの予め設定される部位を加熱する加熱温度を取得する。加熱温度を合理的な範囲に制御し、閉鎖孔効果を確保するように、セパレータの予め設定される部位の加熱温度を監視して制御する必要がある。
【0101】
上記実施例のステップS05において、ステップS05のセパレータの予め設定される部位を加熱することは、加熱情報と加熱温度に基づいてセパレータの予め設定される部位を加熱するS051を含む。
【0102】
上記実施例では、加熱情報が加熱開始時間T1と加熱終了時間T2を含む場合、ステップS041は、予め設定される捲回後の位置の閉鎖孔部分7を形成するように、加熱開始時間T1と加熱終了時間T2に基づいてセパレータを加熱することである。いくつかの実施例では、時間が加熱開始時間T1に到達する場合、加熱機構は、セパレータの表面の予め設定される部位の位置を加熱し、加熱時間が加熱終了時間T2に到達する場合、加熱機構は、セパレータの表面の予め設定される部位の位置で加熱を停止し、被加熱表面の予め設定される部位に一セグメントの閉鎖孔部分7を形成する。閉鎖孔部分7がセパレータの表面上で複数セグメントある場合、加熱情報は、複数組の加熱開始時間T1と加熱終了時間T2を含み、加熱機構は、複数回加熱した後、複数セグメントの閉鎖孔部分7を形成する。
【0103】
別のいくつかの実施例では、ステップS01において、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の開始角度θ1と終了角度θ2を含んでもよい。加熱開始角度θ1は、閉鎖孔部分7の始点が加熱機構に到達する場合に捲回機構が回動した角度に等しい。加熱終了角度θ2は、閉鎖孔部分7の終点が加熱機構に到達する場合に捲回機構が回動した角度に等しい。いくつかの実施例では、閉鎖孔部分7が複数セグメントである場合、予め設定される部位の位置情報は、各セグメントの閉鎖孔部分7の予め設定される部位の位置情報を含む。閉鎖孔部分7がセパレータの2つの異なる表面上に設けられる場合、予め設定される部位情報は、各表面上での予め設定される部位の位置情報を含む。
【0104】
該実施例では、ステップS03において、捲回データは、陰極板、セパレータと陽極板の全体的捲回角度θを含み、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32における最も遠い捲回初期端30が捲回機構に捲回される場合、全体的捲回角度θが0であると定義する。捲回機構の具体的な構造は、後の実施例で説明される。全体的捲回角度θは、陰極板2、陽極板1、第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32を捲回し続けることに伴って絶えず増加する。
【0105】
該実施例では、加熱情報は、加熱開始信号と加熱終了信号を含む。
【0106】
該実施例では、ステップS03において、捲回データと予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定することは、以下の通りであり、全体的捲回角度θ、開始角度θ1及び終了角度θ2に基づいて加熱開始信号と加熱終了信号を確定する。
【0107】
具体的な方式は、以下の通りであり、全体的捲回角度θが加熱開始角度θ1に到達する場合、加熱情報は、加熱開始信号であり、全体的捲回角度θが加熱終了角度θ2に到達する場合、加熱情報は、加熱終了信号である。いくつかの実施例では、閉鎖孔部分が複数セグメントである場合、加熱情報は、各セグメントの閉鎖孔部分の加熱情報を含む。閉鎖孔部分がセパレータの2つの異なる表面上に設けられる場合、加熱情報は、各表面上での加熱情報を含む。
【0108】
該実施例では、加熱情報が加熱開始信号と加熱終了信号を含む場合、ステップS051は、予め設定される捲回後の位置の閉鎖孔部分7を形成するように、加熱温度、加熱開始信号と加熱終了信号に基づいてセパレータを加熱することである。加熱情報が加熱開始信号である場合、加熱機構は、セパレータの表面の予め設定される部位の位置を加熱し、加熱情報が加熱終了信号である場合、加熱機構は、セパレータの表面の予め設定される部位の位置で加熱を停止し、被加熱表面の予め設定される部位に一セグメントの閉鎖孔部分を形成する。閉鎖孔部分がセパレータの表面上で複数セグメントある場合、加熱情報は、複数組の加熱開始信号と加熱終了信号を含み、加熱機構は、複数回加熱した後、セパレータ上に複数セグメントの閉鎖孔部分を形成する。加熱温度に基づいてセパレータの加熱に対してクローズドループ制御を行い、セパレータの加熱温度を予め設定される温度範囲(表1参照)に制御し、閉鎖孔効果を確保する。
【0109】
以上の実施例では、陰極板2、陽極板1、加熱されていない第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32を捲回し、そして捲回データを取得し、さらに予め設定される部位の位置に基づいて閉鎖孔部分の加熱位置を確定することによって、閉鎖孔部分の加熱を自動化して実現することができ、且つ加熱後の閉鎖孔部分を捲回後に予め設定される捲回後の位置に形成し、予め設定される捲回後の位置にイオンを意図的に阻止し、リチウム析出の発生を減少することができる。閉鎖孔部分の形成は、捲回動作と同期して行われてもよく、閉鎖孔部分の加熱を正確に実現することができる。
【0110】
いくつかの実施例では、予め設定される捲回後の位置は、第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32の1つの表面又は2つの表面である。
【0111】
予め設定される捲回後の位置を第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32の1つの表面又は2つの表面とすることによって、いずれも一部のイオンの阻止を実現し、リチウム析出の発生を減少することができる。該予め設定される捲回後の位置は、電極アセンブリの捲回後にリチウムが析出しやすい位置であってもよく、予め設定される捲回後の位置に閉鎖孔部分を形成することによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極活物質層と隣接する陽極活物質層に吸蔵されることができず、陽極板のリチウムが析出しやすい部位のリチウム析出の発生を減少し、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。
【0112】
いくつかの実施例では、陰極板2、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32と陽極板1は、捲回されて第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2を形成し、予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2内の第1のセパレータ31、第2のセパレータ32における少なくとも1つの表面に設置される。屈曲領域内の陰極板2と陽極板1の屈曲程度が大きいため、活物質の脱落をより引き起こしやすい。活物質の脱落、特に陽極板1上の活物質の脱落のため、該陽極板1の陽極活物質層のリチウム吸蔵サイトは、その隣接する陰極板2の陰極活物質層が提供できるリチウムイオン数よりも少なくなる可能性があるため、リチウム電池の充電時、リチウム析出の現象が発生しやすい。そのため、閉鎖孔部分を屈曲領域B1、B2内の第1のセパレータ31、第2のセパレータ32における少なくとも1つの表面に設置することは、リチウム析出の発生を効果的に抑制することができる。
【0113】
図9に示すように、本出願の第3の態様の実施例は、電極アセンブリの加工装置100を提供する。電極アセンブリは、陰極板2、陽極板1、第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32を含み、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32は、陰極板2と陽極板1とを隔離するためのものであり、電極アセンブリは、陰極板2、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32と陽極板1を捲回して形成され、陰極板2は、陰極活物質層を含み、陽極板1は、陽極活物質層を含む。電極アセンブリの構造は、図2図5の実施例に示される電極アセンブリの構造を参照してもよい。本実施例の加工装置100は、加熱機構5と捲回機構4を含む。ここで、加熱機構5は、セパレータの表面の予め設定される部位を加熱して閉鎖孔部分を形成するためのものであり、セパレータは、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32のうちの少なくとも1つを含み、捲回機構4は、陰極板2、陽極板1、第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32を捲回し、電極アセンブリを形成するためのものであり、加熱機構は、捲回機構の上流に位置し、閉鎖孔部分は、捲回後に隣接する陰極板2と陽極板1との間に位置し、閉鎖孔部分は、閉鎖孔部分の一側に位置する陰極板2から放出したイオンの少なくとも一部が、閉鎖孔部分の他側に位置する陽極板1に吸蔵されるのを阻止するためのものである。
【0114】
本実施例の電極アセンブリの加工装置は、セパレータの表面の予め設定される部位を加熱して閉鎖孔部分を形成し、閉鎖孔部分を正確に加熱することができる。予め設定される部位は、陰極活物質層のリチウムが析出しやすい部位に対応し、充電時、陰極活物質層のリチウムが析出しやすい部位から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極活物質層と隣接する陽極活物質層に吸蔵されることができず、陽極板のリチウムが析出しやすい部位のリチウム析出の発生を減少し、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。セパレータを加熱した後に閉鎖孔部分を形成する方式によって、生産と加工を容易にし、生産効率を向上させることができる。
【0115】
図10に示すように、本出願の別の実施例の加工装置110において、位置情報確定ユニット81、捲回制御ユニット82、取得ユニット83、加熱情報確定ユニット84、加熱制御ユニット85と温度センサ86をさらに含む。ここで、位置情報確定ユニット81は、予め設定される捲回後の位置に基づいて予め設定される部位の位置情報を確定し、且つ加熱情報確定ユニット84に送信するためのものであり、予め設定される捲回後の位置は、閉鎖孔部分の捲回後の電極アセンブリにおける位置であり、予め設定される捲回後の位置は、隣接する陰極板2と陽極板1との間に位置し、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の開始位置と終了位置を表すための情報を含む。捲回制御ユニット82は、陰極板2、陽極板1、加熱されていない第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32を捲回するように捲回機構4を制御するためのものであり、取得ユニット83は、陰極板2、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32及び陽極板1の捲回データを取得し、且つ加熱情報確定ユニット84に送信するためのものであり、加熱情報確定ユニット84は、捲回データと予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定するためのものであり、温度センサ86は、加熱機構5の温度を検出し、且つ検出される温度を加熱制御ユニット85に送信するためのものであり、加熱制御ユニット85は、加熱情報と監視される温度に基づいて、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の予め設定される部位を加熱して閉鎖孔部分を形成するように加熱機構5を制御するためのものである。加熱制御ユニット85は、閉鎖孔部分の閉鎖孔効果を確保するように、温度センサ86の検出温度に基づき、加熱機構5の加熱温度を制御し、加熱温度を所定の温度範囲内に制御する。
【0116】
該実施例では、取得ユニット83は、位置センサ、ホールセンサ等を採用してもよい。位置情報確定ユニット81、捲回制御ユニット82、加熱情報確定ユニット84及び加熱制御ユニット85は、電力消費機器におけるコントローラ等の制御演算機能を有する部品であってもよい。また、説明すべきこととして、本実施例における位置情報確定ユニット81、捲回制御ユニット82、加熱情報確定ユニット84及び加熱制御ユニット85は、1つのチップ内に集積されてもよく、捲回制御ユニット82は、1つの独立したチップとして、位置情報確定ユニット81、加熱情報確定ユニット84と加熱制御ユニット85は、1つのチップ内に集積されてもよく、又は、捲回制御ユニット82は、1つの独立したチップとして、位置情報確定ユニット81、加熱情報確定ユニット84と加熱制御ユニット85は、3つの回路モジュールとして、回路基板上にそれぞれ設置されてもよい。
【0117】
いくつかの実施例では、捲回データは、セパレータの捲回線速度Vを含み、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の始点長さL1と終点長さL2を含み、且つ加熱情報は、加熱開始時間T1と加熱終了時間T2を含む。閉鎖孔部分の始点長さL1と終点長さL2の具体的な定義は、図8の実施例を参照してもよい。
【0118】
それに対応し、該実施例では、位置情報確定ユニット81、捲回制御ユニット82、取得ユニット83、加熱情報確定ユニット84、加熱制御ユニット85と温度センサ86の作動方式は、以下の通りであり、
位置情報確定ユニット81は、予め設定される捲回後の位置に基づいて閉鎖孔部分の始点長さL1と終点長さL2を確定し、且つ加熱情報確定ユニットに送信する。予め設定される捲回後の位置に基づいて閉鎖孔部分の加熱始点長さL1と加熱終点長さL2を確定する具体的な方法は、上記方法の請求項における確定方法を参照してもよい。閉鎖孔部分の始点長さL1と終点長さL2は、位置情報確定ユニット81によって予め設定される捲回後の位置に基づいて計算して得られてもよく、又はユーザによって予め設定される閉鎖孔部分の始点長さL1と終点長さL2を位置情報確定ユニット81に入力して得られてもよい。
【0119】
捲回制御ユニット82は、陰極板2、陽極板1、加熱されていない第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32を捲回するように捲回機構4を制御するためのものである。
【0120】
取得ユニット83は、セパレータの捲回線速度Vを取得し、且つ加熱情報確定ユニット84に送信する。
【0121】
加熱情報確定ユニット84は、捲回データと予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定するためのものであり、いくつかの実施例では、加熱情報確定ユニット84がセパレータの捲回線速度V、閉鎖孔部分の加熱始点長さL1と加熱終点長さL2に基づいて加熱開始時間T1と加熱終了時間T2を確定することを含む。
【0122】
温度センサ86は、加熱機構5の温度を検出し、且つ検出される温度を加熱制御ユニット85に送信するためのものであり、
加熱制御ユニット85は、予め設定される捲回後の位置にある閉鎖孔部分を形成するように、加熱開始時間T1、加熱終了時間T2、及び温度センサ86によって検出される温度に基づいてセパレータを加熱する。該実施例では、具体的な方法は、前述方法の請求項に対応する具体的な方法を参照してもよい。
【0123】
別のいくつかの実施例では、捲回データは、陰極板2、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32と陽極板1の全体的捲回角度θを含み、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の加熱開始角度θ1と加熱終了角度θ2を含み、且つ加熱情報は、加熱開始信号と加熱終了信号を含む。
【0124】
それに対応し、該実施例では、位置情報確定ユニット81、捲回制御ユニット82、取得ユニット83、加熱情報確定ユニット84、加熱制御ユニット85、及び温度センサ86の具体的な作動方式は、以下の通りであり、
位置情報確定ユニット81は、予め設定される捲回後の位置に基づいて閉鎖孔部分の加熱開始角度θ1と加熱終了角度θ2を確定し、且つ加熱情報確定ユニットに送信する。予め設定される捲回後の位置に基づいて閉鎖孔部分の加熱開始角度θ1と加熱終了角度θ2を確定する方法は、上記方法の請求項における確定方法を参照してもよい。閉鎖孔部分の加熱開始角度θ1と加熱終了角度θ2は、位置情報確定ユニット81によって予め設定される捲回後の位置に基づいて計算して得られてもよく、又はユーザによって予め設定される閉鎖孔部分の加熱開始角度θ1と加熱終了角度θ2を位置情報確定ユニット81に入力して得られてもよい。
【0125】
捲回制御ユニット82は、陰極板2、陽極板1、加熱されていない第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32を捲回するように捲回機構4を制御するためのものである。
【0126】
取得ユニット83は、陰極板2、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32及び陽極板1の全体的捲回角度θを取得し、且つ加熱情報確定ユニット84に送信する。
【0127】
加熱情報確定ユニット84は、捲回データと予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定するためのものであり、いくつかの実施例では、加熱情報確定ユニット84が陰極板、セパレータ、陽極板の全体的捲回角度θ、加熱開始角度θ1と加熱終了角度θ2に基づいて加熱開始信号と加熱終了信号を確定することを含む。
【0128】
温度センサ86は、加熱機構5の温度を検出し、且つ検出される温度を加熱制御ユニット85に送信するためのものであり、
加熱制御ユニット85は、予め設定される捲回後の位置にある閉鎖孔部分を形成するように、加熱開始信号、加熱終了信号、及び温度センサ86によって検出される温度に基づいてセパレータを加熱する。加熱制御ユニット85は、閉鎖孔部分の閉鎖孔効果を確保するように、温度センサ86の検出温度に基づき、加熱機構5の加熱温度を制御し、加熱温度を所定の温度範囲内に制御する。該実施例では、具体的な方法は、前述方法の請求項に対応する具体的な方法を参照してもよい。
【0129】
いくつかの実施例では、予め設定される捲回後の位置は、第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32の1つの表面又は2つの表面である。
【0130】
予め設定される捲回後の位置を第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32の1つの表面又は2つの表面とすることによって、いずれも一部のイオンの阻止を実現し、リチウム析出の発生を減少することができる。該予め設定される捲回後の位置は、電極アセンブリの捲回後にリチウムが析出しやすい位置であってもよく、予め設定される捲回後の位置に閉鎖孔部分を形成することによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極活物質層と隣接する陽極活物質層に吸蔵されることができず、陽極板のリチウムが析出しやすい部位のリチウム析出の発生を減少し、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。
【0131】
いくつかの実施例では、陰極板2、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32と陽極板1は、捲回されて第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2を形成する。予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、陰極板2、陽極板1又は第1のセパレータ31、第2のセパレータ32における少なくとも1つの表面に沿う屈曲領域B1とB2に設置される。
【0132】
いくつかの実施例では、予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、陰極板2の1番目の屈曲部位21と隣接する第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の屈曲部位及び/又は2番目の屈曲部位22と隣接する第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の屈曲部位に設置され、及び/又は、予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、陽極板1の1番目の屈曲部位11と隣接する第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の屈曲部位及び/又は2番目の屈曲部位12と隣接する第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の屈曲部位に設置される。
【0133】
該実施例では、予め設定される捲回後の位置の設置方式は、前記方法の実施例における設置方式を採用してもよく、具体的には図3図5における実施例を参照してもよい。
【0134】
以下では、図面を結び付けて本実施例の加工装置について具体的に説明する。
【0135】
図11は、一実施例の加工装置111を示す。該加工装置111は、捲回機構4、加熱機構51を含む。捲回機構4は、陽極板1、第1のセパレータ31、陰極板2と第2のセパレータ32を捲回し、電極アセンブリを形成するためのものであり、加熱機構51は、捲回機構の上流に位置し、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の予め設定される部位を加熱して閉鎖孔部分を形成するためのものであり、本実施例では、第1のセパレータ31と第2のセパレータ32にいずれも加熱機構51が設置されるが、それに限らず、第1のセパレータ31又は第2のセパレータ32にのみ加熱機構51が設置されてもよい。
【0136】
いくつかの実施例では、加工装置111は、複数のオーバーローラ6をさらに含み、陽極板1、第1のセパレータ31、陰極板2と第2のセパレータ32にそれぞれ設置され、陽極板1、第1のセパレータ31、陰極板2と第2のセパレータ32をテンショニングするためのものである。
【0137】
いくつかの実施例では、捲回機構4は、ロールピンであり、捲回機構4の捲回方向は、R1の方向である。上記実施例における陰極板、セパレータと陽極板の全体的捲回角度θは、捲回機構4の捲回角度である。
【0138】
図12に示すように、いくつかの実施例では、加熱機構51は、セパレータの表面の予め設定される部位を加熱して閉鎖孔部分を形成するためのものであり、加熱機構51は、セパレータの表面の予め設定される部位を加熱するための加熱部511と、セパレータの表面に押圧するか、又はセパレータの表面から離れるように加熱部を駆動するための駆動機構512とを含み、駆動機構512は、加熱制御ユニット85に通信接続される。
【0139】
いくつかの実施例では、加熱部511は、加熱ローラ5111を含み、加熱ローラ5111の周方向に加熱層5112が設けられ、加熱層5112は、温度センサ86と加熱制御ユニット85に連通し、温度センサ86は、加熱層5112の温度を検出し、且つ加熱制御ユニット85に送信し、加熱制御ユニット85は、温度センサ86によって検出される加熱層5112の実際の温度に基づき、セパレータの閉鎖孔効果を確保するように、加熱層5112の温度を所定の温度範囲内に制御し、加熱ローラ5111は、回転可能に設置されて駆動機構に接続される。加熱部が駆動機構512の駆動でセパレータの表面に近接するとともに、セパレータの表面に沿って転がる場合、セパレータの表面は、加熱されて閉鎖孔部分を形成する。加熱が完了した後に、加熱部511は、駆動機構512の駆動でセパレータの表面から離れ、加熱が終了する。
【0140】
いくつかの実施例では、駆動機構512は、駆動ユニット5122とスイングアーム5121を含み、駆動ユニット5122がスイングアームの一端に接続され、R2の方向の周り揺動運動するようにスイングアーム5121を駆動する。駆動ユニットは、スイングアーム5121の揺動を駆動する任意の機構、例えば電極+ギヤ列、又はモータ+偏心輪等の構造を採用してもよい。スイングアーム5121は、一端が駆動ユニットと回転可能に接続され、他端が加熱ローラ5111と回転可能に接続され、スイングアーム5121は、駆動ユニット5122の駆動で、加熱部511の運動を駆動する。
【0141】
駆動機構512は、2組のスイングアーム5121と加熱部511を含み、セパレータは、2組のスイングアーム5121と加熱部511の中間を通過し、セパレータの2つの表面は、1組のスイングアーム5121と加熱部511にそれぞれ対応する。2組のスイングアーム5121と加熱部511は、1つの駆動ユニット5122によって共同して駆動されてもよく、2つの駆動ユニット5122によってそれぞれ駆動されてもよい。2組のスイングアーム5121と加熱部511との揺動方向は逆であり、すなわち2組のスイングアーム5121は、同時にセパレータに近接するか、又はセパレータから離れる。セパレータの1つの表面を加熱する必要がある場合、加熱する必要がある一側の表面に対応する加熱部511によって加熱され、他側の表面に対応する加熱部511によって加熱されないようにし、加熱時にのみ支持の役割を果たし、他側の昇温の加熱部511を支持し、セパレータの一側の表面を孔閉鎖することができる。セパレータの2つの表面を加熱する必要がある場合、セパレータの両側の表面に対応する加熱部511をいずれも加熱することができ、2つの加熱部511が互いに支持されるとともに、セパレータの2つの表面を加熱し、セパレータの2つの表面を孔閉鎖させる。2つの加熱部の加熱の有無と加熱温度を調節することによって、セパレータの一側の表面と両側の表面の加熱の選択を実現することができる。
【0142】
なお、加熱機構51は、異なるセパレータに対する加熱ニーズを満たすために、第1のセパレータ31、及び/又は第2のセパレータ32のうちの一つ又は複数に設けられてもよい。
【0143】
図13に示すように、本出願の別の実施例の加工装置において、加熱機構52の構造が異なる点で、図11の実施例と異なる。
【0144】
図14に示すように、加熱機構52の一実施形態が示され、加熱機構52は、加熱部522、駆動機構521も含む。ここで加熱機構の加熱部522と駆動機構521は、図27における加熱部511と駆動機構512とは異なる構造を有し、加熱部522のセパレータに向かう側に加熱層が設けられ、加熱部522は、駆動機構521の駆動でセパレータの表面に近接するか、又はセパレータの表面から離れる。しかし加熱部は、回転運動をしない。加熱部522が加熱材の表面に近接する場合、加熱層は、セパレータの表面を加熱して閉鎖孔を形成する。
【0145】
該実施例では、駆動機構521は、シリンダ、オイルシリンダ又はねじナット機構等であってもよい。
【0146】
該実施例では、加熱機構は、ブラケット523をさらに含み、ブラケット523と加熱部522、駆動機構521は、セパレータの両側にそれぞれ設置され、ブラケット523は、セパレータが均一に加熱され、高い閉鎖孔効果を実現するように、他側の加熱部521を支持するためのものである。
【0147】
図15に示すように、加熱機構52は、2組の加熱部522、駆動機構521を含み、2組の加熱部522、駆動機構521は、セパレータの両側にそれぞれ設置され、2つの加熱部522は、同時にセパレータに近接するか、又はセパレータから離れることができる。2つの加熱部521が互いに支持されるとともに、セパレータの2つの表面を加熱し、セパレータの2つの表面を均一に加熱して一致させ、より高い閉鎖孔効果を実現する。2つの加熱部の加熱の有無と加熱温度を調節することによって、セパレータの一側の表面と両側の表面の加熱の選択を実現することができる。
【0148】
なお、加熱機構52は、異なるセパレータに対する加熱ニーズを満たすために、第1のセパレータ31、及び/又は第2のセパレータ32のうちの一つ又は複数に設けられてもよい。
【0149】
図16に示すように、本出願の別の実施例の電池セルの構造概略図である。電池セルは、外枠181及び外枠181内に収容される1つ又は複数の電極アセンブリ182を含み、外枠181はケース1811とカバープレート1812を含み、ケース1811は収容キャビティを有し、且つケース1811は開口を有し、即ち、電極アセンブリ182がケース1811の収容キャビティに収容することができるように、該平面はケース壁を有さず、ケース1811の内外を連通させ、カバープレート1812とケース1811はケース1811の開口において結合され中空室が形成され、電極アセンブリ182は外枠181内に収容された後、外枠181に電解液を充填してシールする。
【0150】
ケース1811は、1つ又は複数の電極アセンブリ182が組み合わせられた後の形状によって確定され、例えば、ケース1811は中空直方体又は中空立方体又は中空円柱体であってもよい。例えば、ケース1811が中空直方体又は立方体である場合、ケース1811のそのうちの1つの平面が開口面であり、即ち、この平面はケース壁を有さず、ケース1811の内外を連通させ、ケース1811が中空円柱体である場合、ケース1811のそのうちの1つの円形側面は開口面であり、即ち、該円形側面はケース壁を有さず、ケース1811の内外を連通させる。
【0151】
本出願の別の実施例では、ケース1811は、導電金属の材料又はプラスチックから製造されてもよく、選択的に、ケース1811は、アルミニウム又はアルミニウム合金から製造される。
【0152】
電極アセンブリ182の構造は、前述した図1図28の実施例に説明された電極アセンブリの関連内容を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0153】
図17に示すように、本出願の別の実施例の電池モジュールの構造概略図であり、電池モジュール19は互いに接続される複数の電池セル191を含み、そのうち、複数の電池セル191の間は直列又は並列又は直並列に接続されてもよく、直並列とは、接続には直列接続と並列接続が同時に含まれることを指し、電池セル191の構造は、図29の対応する実施例に説明された電池セルを参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0154】
図18は、本出願の別の実施例の電池の構造概略図であり、電池は筐体を含み、筐体には複数の電池セルが収容される。電池セルの構造は図29に示す電池セルの構造を参照してもよい。筐体に複数の電池セルを収容する方式は、電池セルを筐体内に直接に取り付け、又は複数の電池セルを電池モジュールとして組み合わせ、そして電池モジュールを電池内に取り付けることを含んでもよい。
【0155】
図18に示すように、いくつかの実施例において、電池は複数の電池モジュール19と筐体を含み、筐体は下筐体20と上筐体30を含み、複数の電池モジュール19の間は直列又は並列又は直並列に接続されてもよく、下筐体20は収容キャビティを有し、且つ下筐体20は開口を有し、接続された複数の電池モジュール19が下筐体20の収容キャビティ内に収容できるようにし、上筐体30と下筐体20は下筐体20の開口において結合され中空室が形成され、上筐体30と下筐体20は結合された後にシールする。
【0156】
本出願の別の実施例において、電池は電力消費装置に単独で給電することができ、該電池は電池パックと呼ばれてもよく、例えば、自動車の給電に用いられる。
【0157】
本出願の別の実施例において、電力消費装置の電力消費の需要に応じて、複数の電池は互いに接続された後に組電池に組み合わせられ、電力消費装置に給電するために用いられる。本出願の別の実施例において、該組電池は1つの筐体に収容されて、パッケージングされてもよい。
【0158】
説明を簡略化させるために、以下の実施例は、電力消費装置は電池を含むことを例として説明する。
【0159】
本出願の一実施例は電力消費装置をさらに提供し、例えば、電力消費装置は自動車、例えば、新エネルギー車であってもよく、電力消費装置は前述した実施例に説明される電池を含み、そのうち、電力消費装置に使用される電池は図31に対応する実施例に説明される電池の通りであってもよく、ここでは説明を省略する。
【0160】
例えば、図19に示すように、本出願の別の実施例の電力消費装置の構造概略図であり、電力消費装置は自動車であってもよく、自動車は燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は純電気自動車、ハイブリッド電気自動車やレンジエクステンダー自動車などであってもよい。自動車は電池2101、コントローラ2102及びモータ2103を含む。電池2101は、自動車の操作電源及び駆動電源として、コントローラ2102とモータ2103に電力を供給するためのものであり、例えば、電池2101は、自動車の起動、ナビゲーション及び走行時の作動電力需要を満たすためのものである。例えば、電池2101は、コントローラ2102に電力を供給し、コントローラ2102は、モータ2103に電力を供給するように電池2101を制御し、モータ2103は、電池2101の電力を受け取って自動車の駆動電源として使用し、燃料油又は天然ガスに代わって又は部分的に代わって自動車に駆動動力を提供する。
【0161】
当業者であれば理解できるように、ここでのいくつかの実施例は、他の特徴ではなく、他の実施例に含まれるいくつかの特徴を含むが、異なる実施例の特徴の組み合わせは、本出願の範囲に属し且つ異なる実施例を形成することを意味する。例えば、特許請求の範囲において、保護しようとする実施例のいずれか1つは、いずれも任意の組み合わせの方式で使用されることができる。
【0162】
上述の実施例は、本出願の技術案を説明するためのみに用いられ、それを制限するものではない。前述した各実施例を参照して本出願を詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、それは依然として前述した各実施例に記載の技術案を修正し、又はそのうち一部の技術的特徴に対して等価置換を行うことができ、これらの修正又は置換は、相応する技術案の本質が本出願の各実施例の技術案の精神と範囲を逸脱するようにすることはない。
【符号の説明】
【0163】
1 陽極板
1、3 セパレータ
2 陰極板
3 セパレータ
4 捲回機構
5 加熱機構
6 オーバーローラ
7 閉鎖孔部分
10、20 捲回開始端
11、12 屈曲部位
19 電池モジュール
20 下筐体
30 捲回初期端
30 上筐体
31、32 セパレータ
51、52 加熱機構
81 位置情報確定ユニット
82 捲回制御ユニット
83 取得ユニット
84 加熱情報確定ユニット
85 加熱制御ユニット
86 温度センサ
100 加工装置
181 外枠
182 電極アセンブリ
191 電池セル
200 屈曲領域
511,522 加熱部
512、521 駆動機構
523 ブラケット
1811 ケース
1812 カバープレート
2101 電池
2102 コントローラ
2103 モータ
5111 加熱ローラ
5112 加熱層
5121 スイングアーム
5122 駆動ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2023-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極アセンブリであって、
陰極板と、陽極板と、前記陰極板と前記陽極板とを隔離するためのセパレータとを含み、
前記セパレータの一部の領域に閉鎖孔部分が設けられ、前記閉鎖孔部分は、前記閉鎖孔部分の一側に位置する前記陰極板から放出したイオンの少なくとも一部が、前記閉鎖孔部分の他側に位置する前記陽極板に吸蔵されるのを阻止するためのものである、電極アセンブリ。
【請求項2】
前記閉鎖孔部分は、前記セパレータの前記一部の領域を加熱した後に形成される、請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項3】
前記陰極板、前記セパレータと前記陽極板は、捲回されて屈曲領域を形成し、前記閉鎖孔部分の少なくとも一部は、前記屈曲領域内の前記セパレータ上に設置される、請求項1又は2に記載の電極アセンブリ。
【請求項4】
前記閉鎖孔部分の少なくとも一部は、前記陰極板の1番目の屈曲部位と隣接する前記セパレータの屈曲部位に設置され、及び/又は、前記閉鎖孔部分の少なくとも一部は、前記陰極板の2番目の屈曲部位と隣接する前記セパレータの屈曲部位に設置される、請求項3に記載の電極アセンブリ。
【請求項5】
電極アセンブリの加工方法であって、前記電極アセンブリは、陰極板と、陽極板と、セパレータとを含み、前記セパレータは、前記陰極板と前記陽極板とを隔離するためのものであり、前記電極アセンブリは、前記陰極板、前記セパレータと前記陽極板を捲回して形成され、当該方法は、
予め設定される部位に閉鎖孔部分を形成するように、前記セパレータの前記予め設定される部位を加熱することと、
前記陰極板、前記陽極板と前記セパレータを捲回し、前記電極アセンブリを形成することと、を含み、
前記閉鎖孔部分は、捲回後に隣接する前記陰極板と前記陽極板との間に位置し、前記閉鎖孔部分の一側に位置する前記陰極板から放出したイオンの少なくとも一部が、前記閉鎖孔部分の他側に位置する前記陽極板に吸蔵されるのを阻止するためのものである、電極アセンブリの加工方法。
【請求項6】
前記方法は、前記セパレータの前記予め設定される部位を加熱するステップの前に、
予め設定される捲回後の位置に基づいて前記予め設定される部位の位置情報を確定することであって、前記予め設定される捲回後の位置は、前記閉鎖孔部分の捲回後の前記電極アセンブリにおける位置であり、前記予め設定される捲回後の位置は、隣接する前記陰極板と前記陽極板との間に位置し、前記予め設定される部位の位置情報は、前記閉鎖孔部分の開始位置と終了位置を表すための情報を含むことと、
前記陰極板、前記陽極板と加熱されていない前記セパレータを捲回することと、
前記陰極板、前記セパレータと前記陽極板の捲回データを取得し、前記捲回データと前記予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定することと、
前記セパレータの前記予め設定される部位を加熱する加熱温度を取得することと、をさらに含み、
そして、前記の、前記セパレータの前記予め設定される部位を加熱することは、前記加熱情報と前記加熱温度に基づいて前記セパレータの前記予め設定される部位を加熱することを含む、請求項5に記載の加工方法。
【請求項7】
前記捲回データは、前記セパレータの捲回線速度を含み、
前記予め設定される部位の位置情報は、前記閉鎖孔部分の始点長さと終点長さを含み、且つ、
前記加熱情報は、加熱開始時間と加熱終了時間を含む、請求項6に記載の加工方法。
【請求項8】
前記捲回データは、前記陰極板、前記セパレータと前記陽極板の全体的捲回角度θを含み、
前記予め設定される部位の位置情報は、前記閉鎖孔部分の開始角度θ1と終了角度θ2を含み、且つ、
前記加熱情報は、加熱開始信号と加熱終了信号を含む、請求項6に記載の加工方法。
【請求項9】
前記陰極板、前記セパレータと前記陽極板は、捲回されて屈曲領域を形成し、前記予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、前記屈曲領域内の前記セパレータ上に設置される、請求項6~8のいずれか一項に記載の加工方法。
【請求項10】
前記予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、前記陰極板の1番目の屈曲部位と隣接する前記セパレータの屈曲部位に設置され、及び/又は、前記予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、前記陰極板の2番目の屈曲部位と隣接する前記セパレータの屈曲部位に設置される、請求項9に記載の加工方法。
【請求項11】
前記セパレータの前記予め設定される部位を加熱する加熱温度範囲は、摂氏90度~115度である、請求項6~10のいずれか一項に記載の加工方法。
【請求項12】
電極アセンブリの加工装置であって、前記電極アセンブリは、陰極板と、陽極板と、セパレータとを含み、前記セパレータは、前記陰極板と前記陽極板とを隔離するためのものであり、前記電極アセンブリは、前記陰極板、前記セパレータと前記陽極板を捲回して形成され、前記加工装置は、
前記セパレータの予め設定される部位を加熱して閉鎖孔部分を形成するための加熱機構と、
前記陰極板、前記陽極板と前記セパレータを捲回し、前記電極アセンブリを形成するための捲回機構とを含み、前記加熱機構は、前記捲回機構の上流に位置し、
前記閉鎖孔部分は、捲回後に隣接する前記陰極板と前記陽極板との間に位置し、前記閉鎖孔部分は、前記閉鎖孔部分の一側に位置する前記陰極板から放出したイオンの少なくとも一部が、前記閉鎖孔部分の他側に位置する前記陽極板に吸蔵されるのを阻止するためのものである、電極アセンブリの加工装置。
【請求項13】
予め設定される捲回後の位置に基づいて前記予め設定される部位の位置情報を確定し、且つ加熱情報確定ユニットに送信する位置情報確定ユニットであって、前記予め設定される捲回後の位置は、前記閉鎖孔部分の捲回後の前記電極アセンブリにおける位置であり、前記予め設定される捲回後の位置は、隣接する前記陰極板と前記陽極板との間に位置し、前記予め設定される部位の位置情報は、前記閉鎖孔部分の開始位置と終了位置を表すための情報を含む位置情報確定ユニットと、
前記陰極板、前記陽極板と前記セパレータを捲回するように前記捲回機構を制御するための捲回制御ユニットと、
前記陰極板、前記セパレータと前記陽極板の捲回データを取得し、且つ前記加熱情報確定ユニットに送信するための取得ユニットと、
前記捲回データと前記予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定するための前記加熱情報確定ユニットと、
前記加熱機構の温度を検出し、且つ検出される温度を加熱制御ユニットに送信するための温度センサと、
前記加熱情報と前記検出される温度に基づいて、前記セパレータの前記予め設定される部位を加熱して前記閉鎖孔部分を形成するように前記加熱機構を制御するための前記加熱制御ユニットと、をさらに含む、請求項12に記載の加工装置。
【請求項14】
前記捲回データは、前記セパレータの捲回線速度Vを含み、
前記予め設定される部位の位置情報は、前記閉鎖孔部分の始点長さL1と終点長さL2を含み、且つ、
前記加熱情報は、加熱開始時間T1と加熱終了時間T2を含む、請求項13に記載の加工装置。
【請求項15】
前記捲回データは、前記陰極板、前記セパレータと前記陽極板の全体的捲回角度θを含み、
前記予め設定される部位の位置情報は、前記閉鎖孔部分の加熱開始角度θ1と加熱終了角度θ2を含み、且つ、
前記加熱情報は、加熱開始信号と加熱終了信号を含む、請求項13に記載の加工装置。
【請求項16】
前記陰極板、前記セパレータと前記陽極板は、捲回されて屈曲領域を形成し、前記予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、前記屈曲領域内の前記セパレータ上に設置される、請求項13~15のいずれか一項に記載の加工装置。
【請求項17】
前記予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、前記陰極板の1番目の屈曲部位と隣接する前記セパレータの屈曲部位に設置され、及び/又は、前記予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、前記陰極板の2番目の屈曲部位と隣接する前記セパレータの屈曲部位に設置される、請求項16に記載の加工装置。
【請求項18】
前記加熱機構は、
前記セパレータの表面の前記予め設定される部位を加熱して前記閉鎖孔部分を形成するための加熱部と、
前記セパレータに近接するか、又は前記セパレータから離れるように前記加熱部を駆動するための駆動機構と、を含み、
前記加熱部と前記駆動機構は、前記加熱制御ユニットに通信接続される、請求項12~17のいずれか一項に記載の加工装置。
【請求項19】
前記加熱部は、前記セパレータの一側に設置され、又は
前記加熱部は複数であり、前記セパレータの両側にそれぞれ設置される、請求項18に記載の加工装置。
【請求項20】
前記加熱部は、加熱ローラを含み、前記加熱ローラは、回転可能に設置されて前記駆動機構に接続される、請求項18に記載の加工装置。
【請求項21】
前記加熱機構の加熱温度範囲は、摂氏90度~115度である、請求項12~20のいずれか一項に記載の加工装置。
【請求項22】
電池セルであって、ケースと、カバープレートと、少なくとも1つの請求項1~4のいずれか一項に記載の電極アセンブリとを含み、
前記ケースは収容キャビティと開口を有し、前記電極アセンブリは、前記収容キャビティに収容され、
前記カバープレートは、前記ケースの開口を閉塞するためのものである、電池セル。
【請求項23】
電池であって、筐体と、少なくとも1つの請求項22に記載の電池セルとを含み、前記電池セルは前記筐体内に収容される、電池。
【請求項24】
電力消費装置であって、請求項23に記載の電池から供給される電力を受けるように構成される、電力消費装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池分野に関し、特に電極アセンブリ、その加工方法及び加工装置、電池セル、電池並びに電力消費装置に関する。
【背景技術】
【0002】
再充電可能な電池は、二次電池と呼ばれてもよく、電池が放電された後に充電の方式によって活物質を活性化して使用し続けることができる電池である。再充電可能な電池は、電子機器、例えば、携帯電話、ノートパソコン、電動スクーター、電気自動車、電気飛行機、電気汽船、電動玩具車両、電動玩具汽船、電動玩具飛行機及び電動工具などに広く用いられている。
【0003】
充電電池は、ニッケルカドミウム電池、水素ニッケル電池、リチウムイオン電池及び二次アルカリ亜鉛マンガン電池などを含んでもよい。
【0004】
現在、自動車に多く使用される電池は、一般的に、リチウムイオン電池であり、リチウムイオン電池は充電電池として、体積が小さく、エネルギー密度が高く、パワー密度が高く、サイクル使用の回数が多く、保管時間が長いなどの利点を備える。
【0005】
充電電池は電極アセンブリと電解質溶液を含み、電極アセンブリは、陰極板と、陽極板と、陰極板と陽極板との間に位置する隔離膜とを含む。陰極板は、陰極板と呼ばれてもよく、陰極板の2つの表面は、いずれも陰極活物質層を有し、例えば、陰極活物質層の陰極活物質は、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム又はニッケルコバルトマンガン酸リチウムであってもよく、陽極板は、陽極板と呼ばれてもよく、陽極板の2つの表面は、いずれも陽極活物質層を有し、例えば、陽極活物質層の陽極活物質は、黒鉛又はシリコンであってもよい。
【0006】
リチウム析出は、リチウム電池によく見られる異常現象であり、リチウムイオンの充電効率及びエネルギー密度に影響を与え、リチウム析出が深刻である場合にリチウム結晶を形成することができ、リチウム結晶は、隔離膜を突き刺すことができ、内部短絡の熱暴走を招き、電池の安全に重大な危害を及ぼす。
【0007】
そのため、どのようにリチウム析出を低減させ又は避け、電池の安全性を向上させるかは、業界の1つの難題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本出願の複数の態様は、上記問題点を克服するか又は上記問題点を少なくとも部分的に解決した電極アセンブリ、その加工方法及び加工装置、電池セル、電池並びに電力消費装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本出願の第1の態様は、電極アセンブリを提供し、該電極アセンブリは、陰極板と、陽極板と、陰極板と陽極板とを隔離するためのセパレータとを含み、セパレータの一部の領域に閉鎖孔部分が設けられ、閉鎖孔部分は、閉鎖孔部分の一側に位置する陰極板から放出したイオンの少なくとも一部が、閉鎖孔部分の他側に位置する陽極板に吸蔵されるのを阻止するためのものである。
【0010】
該実施例では、セパレータの一部の領域に閉鎖孔部分を設けることによって、閉鎖孔部分は、陽極板のリチウムが析出しやすい部位に対応し、充電時、陰極板から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極板と隣接する陽極板に吸蔵されることができず、陽極板のリチウムが析出しやすい部位のリチウム析出の発生を減少し、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。セパレータの一部の領域に閉鎖孔部分を形成する方式によって、生産と加工が容易になり、生産効率を向上させることができる。
【0011】
いくつかの実施例では、閉鎖孔部分は、セパレータの一部の領域を加熱した後に形成される。セパレータを加熱することによって、セパレータに閉鎖孔を発生させ、セパレータの内部の隙間を閉塞させ、陰極リチウムイオンの運動通路を阻止し、陽極板のリチウム析出の発生を減少する。セパレータを加熱して閉鎖孔部分を形成する方式は、生産と加工を容易にし、生産効率を向上させることができる。
【0012】
いくつかの実施例では、陰極板、セパレータと陽極板は、捲回されて屈曲領域を形成し、閉鎖孔部分の少なくとも一部は、屈曲領域内のセパレータ上に設置される。
【0013】
該実施例では、充電時、屈曲領域にはリチウム析出の現象が発生しやすく、閉鎖孔部分の少なくとも一部を屈曲領域内のセパレータ上に設置することによって、屈曲領域の陰極板から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極板と隣接する陽極板に吸蔵されることができず、屈曲領域のリチウム析出の発生を低減させ、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。
【0014】
いくつかの実施例では、閉鎖孔部分の少なくとも一部は、陰極板の1番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置され、及び/又は、閉鎖孔部分の少なくとも一部は、陰極板の2番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置される。
【0015】
該実施例では、充電時、陰極の1番目の屈曲部位と陰極の2番目の屈曲部位とが隣接する陽極板には、リチウム析出の現象が発生しやすく、閉鎖孔部分の少なくとも一部を陰極板の1番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置し、及び/又は、閉鎖孔部分の少なくとも一部を陰極板の2番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置することによって、陰極の1番目の屈曲部位と陰極の2番目の屈曲部位の陰極活物質層から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極板と隣接する陽極板が屈曲領域における陽極活物質層に吸蔵されることができず、陰極の1番目の屈曲部位と陰極の2番目の屈曲部位とが隣接する陽極板のリチウム析出の発生を低減させ、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。
【0016】
本出願の第2の態様は、電極アセンブリの加工方法を提供し、電極アセンブリは、陰極板と、陽極板と、セパレータとを含み、セパレータは、陰極板と陽極板とを隔離するためのものであり、電極アセンブリは、陰極板、セパレータと陽極板を捲回して形成され、加工方法は、予め設定される部位に閉鎖孔部分を形成するように、セパレータの予め設定される部位を加熱することと、陰極板、陽極板とセパレータを捲回し、電極アセンブリを形成することとを含み、閉鎖孔部分は、捲回後に隣接する陰極板と陽極板との間に位置し、閉鎖孔部分は、閉鎖孔部分の一側に位置する陰極板から放出したイオンの少なくとも一部が、閉鎖孔部分の他側に位置する陽極板に吸蔵されるのを阻止するためのものである。
【0017】
該実施例では、セパレータの一部の領域に閉鎖孔部分を設けることによって、閉鎖孔部分は、捲回後に陽極板のリチウムが析出しやすい部位に対応し、充電時、陰極板から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極板と隣接する陽極板に吸蔵されることができず、陽極板のリチウムが析出しやすい部位のリチウム析出の発生を減少し、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。セパレータの一部の領域に閉鎖孔部分を形成する方式によって、生産と加工が容易になり、生産効率を向上させることができる。
【0018】
いくつかの実施例では、セパレータの予め設定される部位を加熱するステップの前に、方法は、予め設定される捲回後の位置に基づいて予め設定される部位の位置情報を確定することであって、予め設定される捲回後の位置は、閉鎖孔部分の捲回後の電極アセンブリにおける位置であり、予め設定される捲回後の位置は、隣接する陰極板と陽極板との間に位置し、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の開始位置と終了位置を表すための情報を含むことと、陰極板、陽極板と加熱されていないセパレータを捲回することと、陰極板、セパレータと陽極板の捲回データを取得し、捲回データと予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定することと、前記セパレータの予め設定される部位を加熱する加熱温度を取得することとをさらに含み、そして、セパレータの予め設定される部位を加熱することは、加熱情報と加熱温度に基づいてセパレータの予め設定される部位を加熱することを含む。
【0019】
該実施例では、予め設定される捲回後の位置に基づいて予め設定される部位の位置情報を確定し、捲回データを取得し、そして捲回データと予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定し、さらに加熱情報に基づいてセパレータの予め設定される部位を加熱し、閉鎖孔部分の加工を自動化して実現することができる。閉鎖孔部分の形成は、捲回動作と同期して行われてもよい。
【0020】
いくつかの実施例では、捲回データは、セパレータの捲回線速度を含み、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の始点長さと終点長さを含み、且つ加熱情報は、加熱開始時間と加熱終了時間を含む。
【0021】
該実施例では、閉鎖孔部分の始点長さと終点長さとセパレータの捲回線速度に基づいて加熱開始時間と加熱終了時間を確定し、加熱開始時間と終了時間によって閉鎖孔部分の加熱時間長を確定し、閉鎖孔部分の自動的加熱形成を正確に実現することができる。
【0022】
いくつかの実施例では、捲回データは、陰極板、セパレータと陽極板の全体的捲回角度θを含み、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の開始角度θ1と終了角度θ2を含み、且つ加熱情報は、加熱開始信号と加熱終了信号を含む。
【0023】
該実施例では、閉鎖孔部分の開始角度θ1と終了角度θ2、陰極板、セパレータと陽極板の全体的捲回角度θに基づいて加熱開始信号と加熱終了信号を確定でき、加熱開始信号と加熱終了信号に基づいて閉鎖孔部分の加熱を正確に制御でき、閉鎖孔部分の自動的加熱形成を正確に実現することができる。
【0024】
いくつかの実施例では、陰極板、セパレータと陽極板は、捲回されて屈曲領域を形成し、予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、屈曲領域内のセパレータ上に設置される。
【0025】
該実施例では、充電時、屈曲領域にはリチウム析出の現象が発生しやすく、閉鎖孔部分の少なくとも一部を屈曲領域内のセパレータ上に設置することによって、屈曲領域の陰極板から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極板と隣接する陽極板に吸蔵されることができず、屈曲領域のリチウム析出の発生を低減させ、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。
【0026】
いくつかの実施例では、予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、陰極板の1番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置され、及び/又は、予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、陰極板の2番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置される。
【0027】
該実施例では、陰極の1番目の屈曲部位と陰極の2番目の屈曲部位とが隣接する陽極板には、リチウム析出の現象が発生しやすく、閉鎖孔部分の少なくとも一部を陰極板の1番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置し、及び/又は、閉鎖孔部分の少なくとも一部を陰極板の2番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置することによって、陰極の1番目の屈曲部位と陰極の2番目の屈曲部位の陰極活物質層から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極板と隣接する陽極板が屈曲領域における陽極活物質層に吸蔵されることができず、陰極の1番目の屈曲部位と陰極の2番目の屈曲部位とが隣接する陽極板のリチウム析出の発生を低減させ、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。
【0028】
いくつかの実施例では、セパレータの予め設定される部位を加熱する加熱温度範囲は、摂氏90度~115度である。該実施例では、加熱温度範囲は、摂氏90度~115度であり、高い閉鎖孔効果を実現し、イオンを効果的に阻止することができる。
【0029】
出願の第3の態様は、電極アセンブリの加工装置を提供し、電極アセンブリは、陰極板と、陽極板と、セパレータとを含み、セパレータは、陰極板と陽極板とを隔離するためのものであり、電極アセンブリは、陰極板、セパレータと陽極板を捲回して形成され、加工装置は、セパレータの予め設定される部位を加熱して閉鎖孔部分を形成するための加熱機構と、陰極板、陽極板とセパレータを捲回し、電極アセンブリを形成するための捲回機構とを含み、加熱機構は、捲回機構の上流に位置し、閉鎖孔部分は、捲回後に隣接する陰極板と陽極板との間に位置し、閉鎖孔部分は、閉鎖孔部分の一側に位置する陰極板から放出したイオンの少なくとも一部が、閉鎖孔部分の他側に位置する陽極板に吸蔵されるのを阻止するためのものである。
【0030】
該実施例では、捲回機構の上流に加熱機構を設置することによって、セパレータの表面の予め設定される部位に閉鎖孔部分を形成し、陰極板、セパレータと陽極板は、捲回されて電極アセンブリが形成された後、閉鎖孔部分は、陽極板のリチウムが析出しやすい部位に対応し、閉鎖孔部分は、閉鎖孔部分の一側に位置する陰極板から放出したイオンの少なくとも一部が、閉鎖孔部分の他側に位置する陽極板に吸蔵されることを阻止することができ、充電時、陰極板から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陽極活物質層に吸蔵されることができず、陽極板のリチウムが析出しやすい部位のリチウム析出の発生を減少し、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。
【0031】
いくつかの実施例では、位置情報確定ユニットは、予め設定される捲回後の位置に基づいて予め設定される部位の位置情報を確定し、且つ加熱情報確定ユニットに送信し、予め設定される捲回後の位置は、閉鎖孔部分の捲回後の電極アセンブリにおける位置であり、予め設定される捲回後の位置は、隣接する陰極板と陽極板との間に位置し、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の開始位置と終了位置を表すための情報を含み、捲回制御ユニットは、陰極板、陽極板とセパレータを捲回するように捲回機構を制御するためのものであり、取得ユニットは、陰極板、セパレータと陽極板の捲回データを取得し、且つ加熱情報確定ユニットに送信するためのものであり、加熱情報確定ユニットは、捲回データと予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定するためのものであり、温度センサは、加熱機構の温度を検出し、且つ検出される温度を加熱制御ユニットに送信するためのものであり、加熱制御ユニットは、加熱情報と検出される温度に基づいて、セパレータの予め設定される部位を加熱して閉鎖孔部分を形成するように加熱機構を制御するためのものである。
【0032】
該実施例では、位置情報確定ユニットは、予め設定される捲回後の位置に基づいて予め設定される部位の位置情報を確定し、捲回制御ユニットは、捲回機構を制御し、ユニット取得は、捲回データを取得し、加熱情報確定ユニットは、捲回データと予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定し、温度センサを設置することによって、加熱部の温度を検出することができ、それによって加熱制御ユニットは、加熱機構の温度を正確に制御し、高い閉鎖孔効果を実現することができ、加熱制御ユニットは、加熱情報と検出される温度制御加熱機構に基づいてセパレータの表面の予め設定される部位を加熱して閉鎖孔部分を形成し、閉鎖孔部分の形成を自動化して実現することができる。閉鎖孔部分の形成は、捲回動作と同期して行われてもよく、生産効率を向上させることができる。
【0033】
いくつかの実施例では、捲回データは、セパレータの捲回線速度Vを含み、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の始点長さL1と終点長さL2を含み、且つ加熱情報は、加熱開始時間T1と加熱終了時間T2を含む。
【0034】
該実施例では、閉鎖孔部分の始点長さと終点長さとセパレータの捲回線速度に基づいて加熱開始時間と加熱終了時間を確定し、加熱開始時間と加熱終了時間によって閉鎖孔部分の加熱時間長を確定し、閉鎖孔部分の自動的加熱形成を正確に実現することができる。
【0035】
いくつかの実施例では、捲回データは、陰極板、セパレータと陽極板の全体的捲回角度θを含み、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の加熱開始角度θ1と加熱終了角度θ2を含み、且つ加熱情報は、加熱開始信号と加熱終了信号を含む。
【0036】
該実施例では、閉鎖孔部分の加熱開始角度θ1、加熱終了角度θ2、陰極板、セパレータと陽極板の全体的捲回角度θに基づいて加熱開始信号と加熱終了信号を確定し、加熱開始信号と加熱終了信号に基づいて閉鎖孔部分の加熱形成を正確に制御し、閉鎖孔部分の自動的加熱形成を正確に実現することができる。
【0037】
いくつかの実施例では、陰極板、セパレータと陽極板は、捲回されて屈曲領域を形成し、予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、屈曲領域内のセパレータ上に設置される。
【0038】
該実施例では、充電時、屈曲領域にはリチウム析出の現象が発生しやすく、閉鎖孔部分の少なくとも一部を屈曲領域内のセパレータ上に設置することによって、屈曲領域の陰極板から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極板と隣接する陽極板に吸蔵されることができず、屈曲領域のリチウム析出の発生を低減させ、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。
【0039】
いくつかの実施例では、予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、陰極板の1番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置され、及び/又は、予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、陰極板の2番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置される。
【0040】
該実施例では、充電時、陰極及び/又は陽極の1番目の屈曲部位と2番目の屈曲部位とが隣接する陽極板及び/又は陰極板には、リチウム析出の現象が発生しやすく、閉鎖孔部分の少なくとも一部を陰極板の1番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置し、及び/又は、閉鎖孔部分の少なくとも一部を陰極板の2番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置することによって、陰極の1番目の屈曲部位と陰極の2番目の屈曲部位の陰極活物質層から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極板と隣接する陽極板が屈曲領域における陽極活物質層に吸蔵されることができず、陰極の1番目の屈曲部位と陰極の2番目の屈曲部位とが隣接する陽極板のリチウム析出の発生を低減させ、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。
【0041】
いくつかの実施例では、加熱機構は、セパレータの表面の予め設定される部位を加熱して閉鎖孔部分を形成するための加熱部と、セパレータに近接するか、又はセパレータから離れるように加熱部を駆動するための駆動機構とを含み、加熱部と駆動機構は、加熱制御ユニットに通信接続される。
【0042】
該実施例では、加熱機構を設置することによって、セパレータの表面の予め設定される部位を加熱して閉鎖孔部分を形成し、温度センサは、加熱部の温度を検出するためのものであり、駆動機構は、セパレータに近接するか、又はセパレータから離れるように加熱部を駆動するためのものであり、加熱部と駆動機構は、加熱制御ユニットに通信接続される。加熱制御ユニットによって駆動機構を制御し、セパレータに近接するか又はセパレータから離れるように加熱部を動かすことによって、加熱位置と加熱面積を制御し、閉鎖孔部分をセパレータの表面の予め設定される部位に正確に形成することができる。
【0043】
いくつかの実施例では、加熱部は、セパレータの一側に設置され、又は加熱部は複数であり、それぞれセパレータの両側に設置される。
【0044】
該実施例では、セパレータの一側又は両側に加熱部を設置することによって、セパレータの一側の表面又は両側の表面に閉鎖孔部分を形成することができる。
【0045】
いくつかの実施例では、加熱部は、加熱ローラを含み、加熱ローラは、回転可能に設置されて駆動機構に接続される。
【0046】
該実施例では、加熱部は、加熱ローラの方式を採用してもよく、加熱ローラは、セパレータに接触する時、加熱ローラは、セパレータを加熱して閉鎖孔部分を形成するように、セパレータの表面に沿って転がる。
【0047】
いくつかの実施例では、セパレータの予め設定される部位を加熱する加熱温度範囲は、摂氏90度~115度である。該実施例では、加熱温度範囲は、摂氏90度~115度であり、高い閉鎖孔効果を実現し、イオンに効果的に阻止することができる。
【0048】
本出願の第4の態様は、電池セルを提供し、該電池セルは、ケースと、電解液と、カバープレートと、少なくとも1つの第3の態様の実施例の電極アセンブリとを含み、ケースは収容キャビティと開口を有し、電極アセンブリと電解液は収容キャビティに収容され、カバープレートは、ケースの開口を閉塞するためのものである。
【0049】
本出願の第5の態様は、電池を提供し、筐体と、少なくとも1つの第4の態様の実施例の電池セルとを含み、電池セルは筐体内に収容される。
【0050】
本出願の第6の態様は、電力消費装置を提供し、電力消費装置は、上記第5の態様の実施例の電池から供給される電力を受けるように構成される。
【0051】
以上の説明は、単に本出願の実施例の技術案の概略に過ぎず、本出願の実施例の技術的手段をより明確に理解するために、明細書の内容に基づいて実施することができ、且つ本出願の実施例の上述及び他の目的、特徴及び利点を更に明らかで分かりやすくするために、以下は、本出願の具体的な実施の形態を列挙する。
【0052】
本出願の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下は、実施例の記載に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下の記載における図面は本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働をすることなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】本出願の一実施例の電極アセンブリの斜視構造概略図である。
図2図1の電極アセンブリにおける捲回軸線Kに垂直する方向に沿う横断面の構造概略図である。
図3】本出願の一実施例の扁平体形状の電極アセンブリにおける捲回軸線に垂直する横断面の構造概略図である。
図4】本出願の別の実施例の扁平体形状の電極アセンブリにおける捲回軸線に垂直する横断面の構造概略図である。
図5】本出願の別の実施例の扁平体形状の電極アセンブリにおける捲回軸線に垂直する横断面の構造概略図である。
図6】本出願の一実施例の電極アセンブリの加工方法のフローチャートである。
図7】本出願の別の実施例の電極アセンブリの加工方法のフローチャートである。
図8】本出願の別の実施例の別の扁平体形状のセパレータが平面状態に広げられた構造概略図である。
図9】本出願の一実施例の電極アセンブリの加工装置の構造概略図である。
図10】本出願の別の実施例の電極アセンブリの加工装置の構造概略図である。
図11】本出願の別の実施例の電極アセンブリの加工装置の構造概略図である。
図12図11における加熱構造の一実施例の拡大概略図である。
図13】本出願の別の実施例の電極アセンブリの加工装置の構造概略図である。
図14図13における加熱構造の一実施例の拡大概略図である。
図15図13における加熱構造の別の実施例の拡大概略図である。
図16】本出願の別の実施例の電池セルの構造概略図である。
図17】本出願の別の実施例の電池モジュールの構造概略図である。
図18】本出願の別の実施例の電池の構造概略図である。
図19】本出願の別の実施例の電力消費装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本出願の実施例の目的、技術案、及び利点をより明確にするために、以下、本出願の実施例の図面を結び付けながら、本出願の実施例における技術案を明確に、完全に説明する。説明される実施例は、本出願の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労働をすることなく得られたすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0055】
特に定義がない限り、本文に使用されるすべての技術用語と科学用語は、当業者に一般的に理解される意味と同じである。本文における出願の明細書に使用される用語は、具体的な実施例を説明することを目的とするのみであり、本出願を制限することを意図しない。本出願の明細書、特許請求の範囲及び上記図面の説明における「含む」、「有する」という用語及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」をカバーすることを意図している。
【0056】
本文において「実施例」と言及する場合、実施例と合わせて説明された特定の特徴、構造又は特性が本出願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。明細書における各箇所に記載されたこの語句は、必ずしも全てが同じ実施例を指すものではなく、他の実施例と相互排他する独立した又は代替的な実施例でもない。当業者は、本明細書に記載の実施例が他の実施例と組み合わせ得ることを明示的及び暗黙的に理解することができる。
【0057】
本文における「及び/又は」という用語は、単に関連対象を説明する関連関係に過ぎず、3つの関係が存在できることを示し、例えば、A及び/又はBは、単独のA、AとBとの組み合わせ、単独のBの三つのケースを表してもよい。また、本文における「/」といる文字は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0058】
本出願の説明において、理解すべきことは、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語によって指示された方位又は位置関係は、図面によって示された方位又は位置関係であり、単に本出願の説明の便宜上及び説明の簡略化のためのものであり、指した装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成して操作しなければならないことを指示又は示唆するものではなく、そのため、本出願に対する制限として理解してはいけない。なお、本出願の明細書及び特許請求の範囲又は上記図面における「第1」、「第2」などの用語は、異なる対象を区別するために用いられ、特定の順序を説明するためのものではなく、1つ又は複数の該特徴を明示的に又は黙示的に含んでもよい。本出願の説明において、特に断りのない限り、「複数」は2つ以上を意味する。
【0059】
なお、本出願の説明において、明確に指定及び限定されていない限り、「取り付ける」、「接続される」、「接続する」という用語は、広義に理解されるべきであり、たとえば、固定接続されることであってもよいし、取り外し可能に接続されることであってもよいし、一体に接続されることであってもよいし、機械的接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接に接続してもよく、中間媒体を介して間接に接続してもよく、2つの素子の内部を連通させてもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて、上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0060】
リチウムイオン電池の体積をより小さく、エネルギー密度をより高くするために、リチウムイオン電池の電極アセンブリにおける陰極板、陽極板及びセパレータを捲回してから押し固めることができる。例えば、図1に示すように、電極アセンブリの斜視構造概略図であり、該電極アセンブリは、陽極板1、陰極板2、第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32を含み、陽極板1、第1のセパレータ31、陰極板2及び第2のセパレータ32は、径方向に沿って内から外に向かって積層された後に捲回軸線Kの周りを捲回して捲回構造を形成し、セパレータは、絶縁膜であり、陽極板1と陰極板2を仕切るためのものであり、陽極板1と陰極板2の短絡を防止し、該電極アセンブリの捲回構造は扁平体形状であり、該電極アセンブリにおける捲回軸線Kに垂直する方向に沿う横断面の構造概略図は、図2に示される通りである。
【0061】
図1図2の組み合わせにおいて、該電極アセンブリは、ストレート領域A、及び該ストレート領域Aの両端に位置する第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2を含む。ストレート領域Aとは、該捲回構造における平行構造を有する領域を指し、即ち、該ストレート領域Aにおける陽極板1、第1のセパレータ31、陰極板2及び第2のセパレータ32は互いにほぼ平行し、即ち、電極アセンブリのストレート領域Aにおける各層の陽極板1、第1のセパレータ31、陰極板2及び第2のセパレータ32の表面はいずれも略平面である。第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2とは、該捲回構造における屈曲構造を有する領域を指し、即ち、該第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2における陽極板1、第1のセパレータ31、陰極板2及び第2のセパレータ32はいずれも屈曲され、即ち、電極アセンブリの屈曲領域200における各層の陽極板1、第1のセパレータ31、陰極板2及び第2のセパレータ32の表面はいずれも曲面であり、該第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2は屈曲方向Lを有し、該屈曲方向Lは、屈曲領域における電極アセンブリの表面に沿ってストレート領域に向かう方向として理解されてもよく、例えば、該屈曲方向Lは、該屈曲領域200において該捲回構造の捲回方向に沿う。
【0062】
陽極板1の表面は陽極活物質からなる陽極活物質層を有し、陰極板2の表面は陰極活物質からなる陰極活物質層を有し、例えば、陰極活物質は、マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム又はニッケル・コバルト・マンガン酸リチウムであってもよく、陽極活物質は黒鉛又はシリコンであってもよい。
【0063】
リチウムイオン電池は、充電時、リチウムイオンは、陰極から放出して陽極に吸蔵されるが、いくつかの異常状況が発生する可能性があり、例えば、陽極のリチウム吸蔵空間が不足したり、リチウムイオンが陽極に吸蔵される抵抗が大きすぎたり、陰極からのリチウムイオンの放出が速すぎたりして、放出したリチウムイオンが陽極板の陽極活物質層に等量で吸蔵されることができず、吸蔵される陽極板に吸蔵できないリチウムイオンが陽極の表面でのみ電子が得られ、それにより銀白色の金属リチウム単体を形成することは、リチウム析出の現象である。リチウム析出は、リチウムイオン電池の性能を低下させ、サイクル寿命を大幅に短縮し、さらにリチウムイオン電池の急速充電容量を制限する。それ以外に、リチウムイオン電池はリチウム析出が発生する場合、析出したリチウム金属が非常に活発で、低い温度で電解液と反応することができ、電池自己発熱開始温度(Tonset)の低下と自己発熱速度の増大を引き起こし、電池の安全に重大な危害を及ぼす。さらに、リチウム析出が深刻である場合、放出したリチウムイオンは、陽極板の表面にリチウム結晶を形成することができ、リチウム結晶は、隔離膜を突き破りやすく、隣接する陰極板と陽極板が短絡する危険性があることを引き起こす。
【0064】
これに鑑みて、図3に示されるのが、本出願の一実施例の電極アセンブリの構造概略図である。電極アセンブリは、陰極板2、陽極板1、第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32を含む。第1のセパレータ31、第2のセパレータ32は、陰極板2と陽極板1とを隔離するためのものであり、第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32の一部の領域に閉鎖孔部分が設けられ、閉鎖孔部分は、閉鎖孔部分の一側に位置する陰極板2から放出したイオンの少なくとも一部が、閉鎖孔部分の他側に位置する陽極板1に吸蔵されるのを阻止するためのものである。
【0065】
第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32の一部の領域に閉鎖孔部分を設けることによって、閉鎖孔部分は、陽極板1のリチウムが析出しやすい部位に対応し、充電時、陰極板2から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極板2と隣接する陽極板1に吸蔵されることができず、陽極板1のリチウムが析出しやすい部位のリチウム析出の発生を減少し、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。セパレータの一部の領域に閉鎖孔部分を形成する方式によって、生産と加工が容易になり、生産効率を向上させることができる。隣接する陰極板2と陽極板1とは、電極アセンブリ内に一層の陰極板2と一層の陽極板1が隣接し且つそれらの間に別の層の陰極板2又は別の層の陽極板1が含まれないことを指す。陰極板2と隣接するセパレータは、電極アセンブリ内に一層の陰極板2が一層のセパレータと隣接し且つそれらの間に別の層のセパレータ又は陽極板1が含まれないことを指す。陽極板1と隣接するセパレータは、電極アセンブリ内に一層の陽極板1が一層のセパレータと隣接し且つそれらの間に別の層のセパレータ又は陰極板2が含まれないことを指す。
【0066】
閉鎖孔部分は、セパレータの一部の領域を加熱した後に形成される。セパレータを加熱することによって、セパレータに閉鎖孔を発生させ、セパレータの内部の隙間を閉塞させ、陰極リチウムイオンの運動通路を阻止し、陽極板のリチウム析出の発生を減少する。セパレータを加熱して閉鎖孔部分を形成する方式は、生産と加工を容易にし、生産効率を向上させることができる。
【0067】
図3に示すように、本出願の一実施例では、電極アセンブリは、ストレート領域Aと該ストレート領域の両端を接続する第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2を含み、簡潔に記述するために、本実施例の電極アセンブリは、扁平体捲回構造を例として記述し、例えば、該扁平体捲回構造における第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2とストレート領域Aの構造は、図6に示すように、本出願の一実施例の電極アセンブリのその屈曲領域における予め設定される構造概略図であってもよい。電極アセンブリは、そのストレート領域Aで陰極板2、陽極板1、陰極板2と陽極板1とを隔離するための第1のセパレータ31、第2のセパレータ32を含み、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32は、隣接する陰極板2と陽極板1との間から独立している。本出願の別の実施例では、1枚の陽極板1、1枚のセパレータ31、1枚の陰極板2及び別の1枚のセパレータ32を積層してから捲回するか又は折り畳んでもよく、少なくとも1枚(例えば、2枚以上)の陰極板2、少なくとも1枚(例えば、2枚以上)の陽極板1及び少なくとも2枚の第1のセパレータ31、第2のセパレータ32(例えば4枚又は4枚よりも多く、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の枚数は陰極板2又は陽極板1の枚数の2倍である)を積層してから捲回するか又は折り畳んで、第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2を形成してもよく、電極アセンブリが第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2において複数層の陰極板2、複数層の陽極板1及び複数層の第1のセパレータ31、第2のセパレータ32を有する場合に、第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2は、陰極板2、セパレータ3及び陽極板1が交互に分布する構造を含む。閉鎖孔部分は、2つの第1のセパレータ31、第2のセパレータ32のうちの少なくとも1つのセパレータ上に設置される。このような設置によって、少なくとも1層の隣接する陰極板2と陽極板1との間に閉鎖孔部分が含まれる。
【0068】
電極アセンブリが捲回構造を有する場合、陰極板2及び陽極板1の幅方向は捲回軸線方向に平行するとともに、陰極板2及び陽極板1の幅方向は屈曲方向Lに垂直する方向に平行する。以下、説明を簡略するために、本実施例では、陰極板2及び陽極板1の幅方向、屈曲方向Lに垂直する方向、及び捲回軸線方向をK方向と総称する。
【0069】
発明者は、研究開発の過程において、電極アセンブリがその屈曲領域にリチウム析出の現象がよく発生することを発見し、さらに研究を行った結果、発明者は、該リチウム析出の現象を引き起こす原因が、活物質の脱落によるものであることを発見し、主に陽極活物質が陽極板の表面に塗布され、陰極活物質が陰極板の表面に塗布され、屈曲領域に位置する陰極板と陽極板を屈曲する必要があるため、それぞれの活物質の脱落を引き起こす可能性があり、それを粉落ち現象と称し、特に屈曲領域の最内層の陽極板は、その屈曲程度が最も大きく、活物質の脱落をより引き起こしやすい。活物質の脱落、特に陽極板上の活物質の脱落のため、該陽極板の陽極活物質層のリチウム吸蔵サイトは、その隣接する陰極板の陰極活物質層が提供できるリチウムイオン数よりも少なくなる可能性があるため、リチウム電池の充電時、リチウム析出の現象が発生しやすい。
【0070】
これに鑑みて、図3に示される実施例では、陰極板2、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32と陽極板1は、捲回されて第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2を形成し、閉鎖孔部分の少なくとも一部は、屈曲領域B1とB2内の第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32上に設置される。
【0071】
いくつかの実施例では、陰極板2、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32と陽極板1は、捲回されて第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2を形成する。予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、陰極板2、陽極板1又は第1のセパレータ31、第2のセパレータ32における少なくとも1つの表面に沿う屈曲領域B1とB2に設置される。すなわち、閉鎖孔部分の少なくとも一部は、2つの第1のセパレータ31、第2のセパレータ32のうちの少なくとも1つのセパレータが屈曲領域B1とB2に位置する部分上に設置される。
【0072】
該実施例では、屈曲領域B1とB2、陰極板2と陽極板1との間に大きいギャップを有し、閉鎖孔部分の少なくとも一部は、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32における少なくとも1つの表面の屈曲領域B1とB2に設置され、すなわち捲回後に屈曲領域B1とB2に閉鎖孔部分を設置し、屈曲領域内の陰極板2と陽極板1の屈曲程度が大きいため、活物質の脱落をより引き起こしやすい。活物質の脱落、特に陽極板1上の活物質の脱落のため、該陽極板1の陽極活物質層のリチウム吸蔵サイトは、その隣接する陰極板2の陰極活物質層が提供できるリチウムイオン数よりも少なくなる可能性があるため、リチウム電池の充電時、リチウム析出の現象が発生しやすい。そのため、閉鎖孔部分の少なくとも一部を第1のセパレータ31、第2のセパレータ32のうちの少なくとも1つの屈曲領域B1とB2に設置することは、リチウム析出の発生を効果的に抑制することができる。
【0073】
本出願の別の実施例では、閉鎖孔部分が屈曲方向Lに沿って延びる両端は、いずれも屈曲領域B1とB2に位置し、すなわち閉鎖孔部分のすべては、いずれも屈曲領域B1とB2に位置する。本実施例において、電極アセンブリは屈曲領域B1とB2に接続されるストレート領域Aをさらに含み、屈曲方向Lとは、屈曲領域B1とB2の曲面に沿って且つストレート領域Aに向かう方向を指し、屈曲方向Lに垂直する方向とは、屈曲方向Lに垂直する方向を指す。
【0074】
本出願の別の実施例では、閉鎖孔部分における屈曲方向Lに沿って延びる一端はストレート領域Aに位置し、他端は屈曲領域B1とB2に位置する。
【0075】
本出願の別の実施例では、屈曲領域のリチウムイオンの阻止性を改善するために、閉鎖孔部分は、屈曲領域B1とB2において大きい面積を可能な限り有し、例えば、閉鎖孔部分が屈曲方向Lに沿って延びる両端は、いずれもストレート領域Aに位置し、すなわち閉鎖孔部分は、屈曲領域に位置するB1とB2のほか、さらにストレート領域Aに延びる。
【0076】
本出願の別の実施例では、閉鎖孔部分における屈曲方向Lに沿って延びる両端はいずれも屈曲領域B1とB2とストレート領域Aとの境界に位置し、又は、閉鎖孔部分における屈曲方向Lに沿って延びる両端はいずれも屈曲領域B1とB2とストレート領域Aとの境界に近付く。
【0077】
本出願の別のいくつかの実施例では、閉鎖孔部分の少なくとも一部は、陰極板2の1番目の屈曲部位21と隣接する第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32の屈曲部位及び/又は2番目の屈曲部位22と隣接する第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32の屈曲部位に設置され、及び/又は、閉鎖孔部分の少なくとも一部は、陽極板1の1番目の屈曲部位11と隣接する第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32の屈曲部位及び/又は2番目の屈曲部位12と隣接する第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32の屈曲部位に設置される。
【0078】
充電時、陰極の1番目の屈曲部位と陰極の2番目の屈曲部位とが隣接する陽極板には、リチウム析出の現象が発生しやすく、閉鎖孔部分の少なくとも一部を陰極板の1番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置し、及び/又は、閉鎖孔部分の少なくとも一部を陰極板の2番目の屈曲部位と隣接するセパレータの屈曲部位に設置することによって、陰極の1番目の屈曲部位と陰極の2番目の屈曲部位の陰極活物質層から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極板と隣接する陽極板が屈曲領域における陽極活物質層に吸蔵されることができず、陰極の1番目の屈曲部位と陰極の2番目の屈曲部位とが隣接する陽極板のリチウム析出の発生を低減させ、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。
【0079】
図3に示すように、本出願の一実施例では、閉鎖孔部分の少なくとも一部は、第1のセパレータ31の1番目の屈曲部位311、第1のセパレータ31の2番目の屈曲部位312、第2のセパレータ32の1番目の屈曲部位321、第2のセパレータ32の2番目の屈曲部位322に設置される。すなわち捲回後に形成される第1の閉鎖孔部分7311の少なくとも一部は、第1のセパレータ31の1番目の屈曲部位311に設置され、第2の閉鎖孔部分7312は、第1のセパレータ31の2番目の屈曲部位312に設置され、すなわち第1の閉鎖孔部分7311と第2の閉鎖孔部分7312は、陰極板2の1番目の屈曲部位21と2番目の屈曲部位22と隣接し且つ内側に位置する第1のセパレータ31上に設けられる。第3の閉鎖孔部分7321は、第2のセパレータ32の1番目の屈曲部位321に設置され、第4の閉鎖孔部分7322は、第2のセパレータ32の2番目の屈曲部位322に設置され、すなわち第3の閉鎖孔部分7321と第4の閉鎖孔部分7322は、陰極板2の1番目の屈曲部位21と2番目の屈曲部位22と隣接し且つ外側に位置する第2のセパレータ32上に設けられる。しかしセパレータの所定の屈曲回数は、1回目、2回目に限らず、必要に応じて任意の回数の屈曲範囲を選択することができ、例えば閉鎖孔部分を屈曲領域内の第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32の1~4回目又は1回目~6回目又は1回目~8回目、又は3回目~4回目又は3回目~6回目又は3回目~8回目又は他の回数範囲で屈曲した屈曲部位に設置することができる。
【0080】
図4に示すように、本出願の別の実施例では、閉鎖孔部分の少なくとも一部は、第1のセパレータ31の1番目の屈曲部位311、第1のセパレータ31の2番目の屈曲部位312に設置される。すなわち捲回後に形成される第1の閉鎖孔部分7311、第2の閉鎖孔部分7312の少なくとも一部は、陰極板2の1番目の屈曲部位21と2番目の屈曲部位22と隣接し且つ内側に位置する第1のセパレータ31上に設けられる。
【0081】
図5に示すように、本出願の別の実施例では、閉鎖孔部分の少なくとも一部は、第1のセパレータ31の1番目の屈曲部位311、第1のセパレータ31の2番目の屈曲部位312に設置される。すなわち第1の閉鎖孔部分7311、第2の閉鎖孔部分7312は、陰極板2の1番目の屈曲部位21と2番目の屈曲部位22と隣接し且つ内側に位置する第1のセパレータ31上に設けられる。図5の実施例は、図4の実施例の閉鎖孔部分の屈曲方向Lに延びる両端がいずれも屈曲領域B1とB2に位置する点で図4の実施例と異なり、図5において実施例の閉鎖孔部分における屈曲方向Lに沿って延びる両端は、いずれも屈曲領域B1とB2とストレート領域Aとの境界に位置する。
【0082】
図6に示される本出願の一実施例の電極アセンブリの加工方法のフローチャートであり、電極アセンブリは、陰極板と、陽極板と、セパレータとを含み、セパレータは、陰極板と陽極板とを隔離するためのものであり、電極アセンブリは、陰極板、セパレータと陽極板を捲回して形成される。本実施例の加工方法は、以下を含み、
S05、予め設定される部位に閉鎖孔部分を形成するように、セパレータの予め設定される部位を加熱し、
S06、陰極板、陽極板とセパレータを捲回し、電極アセンブリを形成し、閉鎖孔部分は、捲回後に隣接する陰極板と陽極板との間に位置し、閉鎖孔部分は、閉鎖孔部分の一側に位置する陰極板から放出したイオンの少なくとも一部が、閉鎖孔部分の他側に位置する陽極板に吸蔵されるのを阻止するためのものである。
【0083】
該実施例では、セパレータの一部の領域に閉鎖孔部分を設けることによって、閉鎖孔部分は、捲回後に陽極板のリチウムが析出しやすい部位に対応し、充電時、陰極板から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極板と隣接する陽極板に吸蔵されることができず、陽極板のリチウムが析出しやすい部位のリチウム析出の発生を減少し、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。セパレータの一部の領域に閉鎖孔部分を形成する方式によって、生産と加工が容易になり、生産効率を向上させることができる。
【0084】
図7に示すように、本出願の別の実施例の加工方法において、図6のステップS05、セパレータの予め設定される部位を加熱するステップの前に、以下をさらに含み、
S01は、予め設定される捲回後の位置に基づいて予め設定される部位の位置情報を確定し、予め設定される捲回後の位置は、閉鎖孔部分の捲回後の電極アセンブリにおける位置であり、予め設定される捲回後の位置は、隣接する陰極板と陽極板との間に位置し、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の開始位置と終了位置を表すための情報を含み、
S02は、陰極板、陽極板と加熱されていないセパレータを捲回し、
S03は、陰極板、セパレータと陽極板の捲回データを取得し、捲回データと予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定し、
S04は、前記セパレータの予め設定される部位を加熱する加熱温度を取得し、
そして、ステップS05は、セパレータの予め設定される部位を加熱することは、
加熱情報と加熱温度に基づいてセパレータの予め設定される部位を加熱するS051を含む。
【0085】
いくつかの実施例では、ステップS02は、ステップS01の前に、又は、ステップS01の後に、又はステップS01と同期して行われてもよい。
【0086】
いくつかの実施例では、ステップS04は、ステップS03の前に、又は、ステップS03の後に、又はステップS03と同期して行われてもよい。
【0087】
いくつかの実施例では、ステップS01において、まず予め設定される捲回後の位置に基づいて予め設定される部位の位置情報を確定し、予め設定される捲回後の位置とは、所望の閉鎖孔部分の捲回後の電極アセンブリにおける位置を指し、陽極活物質層のリチウムが析出しやすい部位に対応し、例えば予め設定される捲回後の位置は、捲回後の電極アセンブリの屈曲領域B1、B2であってもよく、又は予め設定される捲回後の位置は、捲回後の電極アセンブリの屈曲領域B1、B2に一部のストレート領域Aを加えるものであってもよく、予め設定される捲回後の位置は、隣接する陰極板2と陽極板1との間にある。
【0088】
いくつかの実施例では、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の開始位置と終了位置を表すための情報を含む。
【0089】
いくつかの実施例では、セパレータの予め設定される部位を加熱する加熱温度範囲は、摂氏90度~115度である。該実施例では、加熱温度範囲は、摂氏90度~115度であり、高い閉鎖孔効果を実現し、イオンを効果的に阻止することができる。
【0090】
【表1】
【0091】
セパレータは貫通する多数の微細孔を有し、電解質イオンが自由に通過することを保証でき、リチウムイオンに対して良好な透過性を有するため、セパレータは、基本的にリチウムイオンの通過を阻止することができない。例えば、セパレータ3は、セパレータベース層を含んでもよく、又はセパレータベース層と、セパレータベース層の表面に位置する機能層を含んでもよい。セパレータベース層は、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレンープロピレン共重合体、ポリブチレンテレフタレートなどの少なくとも1つを含み、機能層は、セラミックスコーティングセパレータであってもよい。いくつかの実施例では、例えば表1に示すように、セパレータ3がポリエチレンを採用する場合、その閉鎖孔温度範囲は、摂氏90度~100であり、セパレータ3がポリプロピレンである場合、その閉鎖孔温度範囲は、摂氏100度~110度であり、セパレータ3のセパレータベース層がポリエチレンを採用し、機能層がセラミックコーティングセパレータを採用する時、その閉鎖孔温度範囲は、摂氏100度~115度である。セパレータ3の材料は、以上の材料に限らず、その閉鎖孔温度は、材料の変化に応じて調整することができる。
【0092】
いくつかの実施例では、表1に示すように、一般的なセパレータの材料と対応する閉鎖孔の加熱温度が示される。PEを例として、いくつかの実施例では、PEの閉鎖孔加熱温度範囲は、90度~100度である。温度が摂氏90度よりも低ければ、閉鎖孔効果が低く、リチウムイオンへの阻止作用が低く、リチウム析出を効果的に抑制することができない。温度が摂氏100度よりも高ければ、セパレータの収縮変形が明らかであり、セパレータの捲回性能に影響を与える。このため、加熱温度を適切な温度範囲に制御する必要がある。
【0093】
該実施例では、図8に示すように、セパレータ31とその上の閉鎖孔部分7311を例として、セパレータ31が平面状態に広げられた概略図に示すように、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分7311、7321の加熱始点長さL1と加熱終点長さL2を含んでもよい。セパレータ32とその上の閉鎖孔部分7311、7321の構造は、セパレータ31と閉鎖孔部分7311を参照してもよい。閉鎖孔部分7311、7321の加熱始点長さL1は、第1のセパレータ31又は第2のセパレータ32が平面状態に全体的に広げられることを仮定すると、閉鎖孔部分7がセパレータの長さ方向に沿う始点と陰極板2、陽極板1、第1のセパレータ31又は第2のセパレータ32における最も遠い捲回初期端30との間の距離として定義され、いくつかの実施例では、第1のセパレータ31の捲回初期端が最も遠く、閉鎖孔部分7311、7321の加熱始点長さL1は、閉鎖孔部分7311、7321がセパレータの長さ方向に沿う始点から第1のセパレータ31の捲回初期端30までの距離であり、別のいくつかの実施例では、第2のセパレータ32の捲回初期端が最も遠く、閉鎖孔部分7311、7321の加熱始点長さL1は、閉鎖孔部分7311、7321がセパレータの長さ方向に沿う始点から第2のセパレータ32の捲回初期端30までの距離である。閉鎖孔部分7311、7321の加熱終点長さL2は、捲回される第1のセパレータ31、第2のセパレータ32が同一の平面上に広げられることを仮定すると、閉鎖孔部分7311、7321がセパレータの長さ方向に沿う終点と第1のセパレータ31、第2のセパレータ32における最も遠い捲回初期端との間の距離として定義され、いくつかの実施例では、第1のセパレータ31の捲回初期端が最も遠く、閉鎖孔部分7311、7321の加熱終点長さL2は、閉鎖孔部分7311、7321がセパレータの長さ方向に沿う終点から第1のセパレータ31の捲回初期端30までの距離であり、別のいくつかの実施例では、第2のセパレータ32の捲回初期端が最も遠く、閉鎖孔部分7311、7321の加熱終点長さL2は、閉鎖孔部分7311、7321がセパレータの長さ方向に沿う終点から第2のセパレータ32の捲回初期端30までの距離である。閉鎖孔部分7311、7321は、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の1つの表面又は反対する2つの表面上に設置されてもよく、各表面上の閉鎖孔部分7311、7321は、一セグメント又は複数セグメント設置されてもよい。そうすると、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分7311、7321が第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の各表面上での各セグメントの位置情報を含んでもよい。
【0094】
該実施例のステップS02において、陰極板2、陽極板1、加熱されていない第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32を捲回することが含まれる。いくつかの実施例では、陰極板2、陽極板1、加熱されていない第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32の開始端を捲回機器に入れ、相応な捲回データを取得する。いくつかの実施例では、図2を結び付けて分かるように、陰極板2の捲回開始端20、陽極板1の捲回開始端30、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の捲回開始端10の位置は、同じでなく、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の捲回開始端30の長さは、陰極板2の捲回開始端20、陽極板1の捲回開始端10の長さよりも長く、すなわち陰極板2、陽極板1を捲回する前に、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32は、既に一部が捲回されている。いくつかの実施例では、陰極板2の捲回開始端20、陽極板1の捲回開始端10の位置は、同じであってもよいし、又は異なっていてもよい。いくつかの実施例では、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の捲回開始端の位置は、同じであってもよいし、又は異なっていてもよい。陰極板2、陽極板1、第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32の捲回開始端の位置は、図2における実施例に限らない。
【0095】
該実施例のステップS03において、セパレータの捲回データを取得し、捲回データと予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定する。
【0096】
いくつかの実施例では、捲回データは、セパレータの捲回線速度Vを含む。捲回線速度Vとは、セパレータが加熱ローラの入口に入る運動速度を指し、捲回線速度Vは、予め設定される速度値であってもよく、いくつかの実施例では、捲回線速度Vは、固定値であってもよい。
【0097】
相応的に、該実施例では、加熱情報は、加熱開始時間T1と加熱終了時間T2を含む。いくつかの実施例では、閉鎖孔部分7311、7321が複数セグメントである場合、加熱情報は、各セグメントの閉鎖孔部分7311、7321の加熱情報を含む。閉鎖孔部分7311、7321がセパレータの2つの異なる表面上に設けられる場合、加熱情報は、各表面上での加熱情報を含む。
【0098】
該実施例では、捲回データと予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定することは、以下の通りであり、セパレータの捲回線速度V、閉鎖孔部分7311、7321の加熱始点長さL1と加熱終点長さL2に基づいて加熱開始時間T1と加熱終了時間T2を確定する。
【0099】
具体的な確定方式は、以下の通りであり、加熱開始時間T1は、捲回動作開始からセパレータの加熱開始までの時間であってもよく、いくつかの実施例では、T1=L1/V、すなわち加熱開始時間T1は、加熱情報における閉鎖孔部分7311、7321がセパレータの表面における始点長さL1と捲回線速度Vとの比に等しい。加熱終了時間T2は、閉鎖孔部分7311、7321の長さ(始点長さL1と終点長さL2との間の差)、セパレータの捲回線速度V及び加熱機構の加熱長さHによるものであり、いくつかの実施例では、T2=T1+(L2-L1-H)/V、すなわち加熱終了時間T2と加熱開始時間T1との間の差は、閉鎖孔部分7311、7321の長さから加熱機構の加熱長さHを差し引いた後に捲回線速度Vで除算されるものである。加熱機構の具体的な構造は、後の実施例でさらに説明される。
【0100】
該実施例のステップS04において、前記セパレータの予め設定される部位を加熱する加熱温度を取得する。加熱温度を合理的な範囲に制御し、閉鎖孔効果を確保するように、セパレータの予め設定される部位の加熱温度を監視して制御する必要がある。
【0101】
上記実施例のステップS05において、ステップS05のセパレータの予め設定される部位を加熱することは、加熱情報と加熱温度に基づいてセパレータの予め設定される部位を加熱するS051を含む。
【0102】
上記実施例では、加熱情報が加熱開始時間T1と加熱終了時間T2を含む場合、ステップS041は、予め設定される捲回後の位置の閉鎖孔部分7311、7321を形成するように、加熱開始時間T1と加熱終了時間T2に基づいてセパレータを加熱することである。いくつかの実施例では、時間が加熱開始時間T1に到達する場合、加熱機構は、セパレータの表面の予め設定される部位の位置を加熱し、加熱時間が加熱終了時間T2に到達する場合、加熱機構は、セパレータの表面の予め設定される部位の位置で加熱を停止し、被加熱表面の予め設定される部位に一セグメントの閉鎖孔部分7311、7321を形成する。閉鎖孔部分7311、7321がセパレータの表面上で複数セグメントある場合、加熱情報は、複数組の加熱開始時間T1と加熱終了時間T2を含み、加熱機構は、複数回加熱した後、複数セグメントの閉鎖孔部分7311、7321を形成する。
【0103】
別のいくつかの実施例では、ステップS01において、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の開始角度θ1と終了角度θ2を含んでもよい。加熱開始角度θ1は、閉鎖孔部分7311、7321の始点が加熱機構に到達する場合に捲回機構が回動した角度に等しい。加熱終了角度θ2は、閉鎖孔部分7311、7321の終点が加熱機構に到達する場合に捲回機構が回動した角度に等しい。いくつかの実施例では、閉鎖孔部分7311、7321が複数セグメントである場合、予め設定される部位の位置情報は、各セグメントの閉鎖孔部分7の予め設定される部位の位置情報を含む。閉鎖孔部分7311、7321がセパレータの2つの異なる表面上に設けられる場合、予め設定される部位情報は、各表面上での予め設定される部位の位置情報を含む。
【0104】
該実施例では、ステップS03において、捲回データは、陰極板、セパレータと陽極板の全体的捲回角度θを含み、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32における最も遠い捲回初期端30が捲回機構に捲回される場合、全体的捲回角度θが0であると定義する。捲回機構の具体的な構造は、後の実施例で説明される。全体的捲回角度θは、陰極板2、陽極板1、第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32を捲回し続けることに伴って絶えず増加する。
【0105】
該実施例では、加熱情報は、加熱開始信号と加熱終了信号を含む。
【0106】
該実施例では、ステップS03において、捲回データと予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定することは、以下の通りであり、全体的捲回角度θ、開始角度θ1及び終了角度θ2に基づいて加熱開始信号と加熱終了信号を確定する。
【0107】
具体的な方式は、以下の通りであり、全体的捲回角度θが加熱開始角度θ1に到達する場合、加熱情報は、加熱開始信号であり、全体的捲回角度θが加熱終了角度θ2に到達する場合、加熱情報は、加熱終了信号である。いくつかの実施例では、閉鎖孔部分が複数セグメントである場合、加熱情報は、各セグメントの閉鎖孔部分の加熱情報を含む。閉鎖孔部分がセパレータの2つの異なる表面上に設けられる場合、加熱情報は、各表面上での加熱情報を含む。
【0108】
該実施例では、加熱情報が加熱開始信号と加熱終了信号を含む場合、ステップS051は、予め設定される捲回後の位置の閉鎖孔部分7311、7321を形成するように、加熱温度、加熱開始信号と加熱終了信号に基づいてセパレータを加熱することである。加熱情報が加熱開始信号である場合、加熱機構は、セパレータの表面の予め設定される部位の位置を加熱し、加熱情報が加熱終了信号である場合、加熱機構は、セパレータの表面の予め設定される部位の位置で加熱を停止し、被加熱表面の予め設定される部位に一セグメントの閉鎖孔部分を形成する。閉鎖孔部分がセパレータの表面上で複数セグメントある場合、加熱情報は、複数組の加熱開始信号と加熱終了信号を含み、加熱機構は、複数回加熱した後、セパレータ上に複数セグメントの閉鎖孔部分を形成する。加熱温度に基づいてセパレータの加熱に対してクローズドループ制御を行い、セパレータの加熱温度を予め設定される温度範囲(表1参照)に制御し、閉鎖孔効果を確保する。
【0109】
以上の実施例では、陰極板2、陽極板1、加熱されていない第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32を捲回し、そして捲回データを取得し、さらに予め設定される部位の位置に基づいて閉鎖孔部分の加熱位置を確定することによって、閉鎖孔部分の加熱を自動化して実現することができ、且つ加熱後の閉鎖孔部分を捲回後に予め設定される捲回後の位置に形成し、予め設定される捲回後の位置にイオンを意図的に阻止し、リチウム析出の発生を減少することができる。閉鎖孔部分の形成は、捲回動作と同期して行われてもよく、閉鎖孔部分の加熱を正確に実現することができる。
【0110】
いくつかの実施例では、予め設定される捲回後の位置は、第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32の1つの表面又は2つの表面である。
【0111】
予め設定される捲回後の位置を第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32の1つの表面又は2つの表面とすることによって、いずれも一部のイオンの阻止を実現し、リチウム析出の発生を減少することができる。該予め設定される捲回後の位置は、電極アセンブリの捲回後にリチウムが析出しやすい位置であってもよく、予め設定される捲回後の位置に閉鎖孔部分を形成することによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極活物質層と隣接する陽極活物質層に吸蔵されることができず、陽極板のリチウムが析出しやすい部位のリチウム析出の発生を減少し、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。
【0112】
いくつかの実施例では、陰極板2、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32と陽極板1は、捲回されて第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2を形成し、予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2内の第1のセパレータ31、第2のセパレータ32における少なくとも1つの表面に設置される。屈曲領域内の陰極板2と陽極板1の屈曲程度が大きいため、活物質の脱落をより引き起こしやすい。活物質の脱落、特に陽極板1上の活物質の脱落のため、該陽極板1の陽極活物質層のリチウム吸蔵サイトは、その隣接する陰極板2の陰極活物質層が提供できるリチウムイオン数よりも少なくなる可能性があるため、リチウム電池の充電時、リチウム析出の現象が発生しやすい。そのため、閉鎖孔部分を屈曲領域B1、B2内の第1のセパレータ31、第2のセパレータ32における少なくとも1つの表面に設置することは、リチウム析出の発生を効果的に抑制することができる。
【0113】
図9に示すように、本出願の第3の態様の実施例は、電極アセンブリの加工装置100を提供する。電極アセンブリは、陰極板2、陽極板1、第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32を含み、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32は、陰極板2と陽極板1とを隔離するためのものであり、電極アセンブリは、陰極板2、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32と陽極板1を捲回して形成され、陰極板2は、陰極活物質層を含み、陽極板1は、陽極活物質層を含む。電極アセンブリの構造は、図2図5の実施例に示される電極アセンブリの構造を参照してもよい。本実施例の加工装置100は、加熱機構5と捲回機構4を含む。ここで、加熱機構5は、セパレータの表面の予め設定される部位を加熱して閉鎖孔部分を形成するためのものであり、セパレータは、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32のうちの少なくとも1つを含み、捲回機構4は、陰極板2、陽極板1、第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32を捲回し、電極アセンブリを形成するためのものであり、加熱機構は、捲回機構の上流に位置し、閉鎖孔部分は、捲回後に隣接する陰極板2と陽極板1との間に位置し、閉鎖孔部分は、閉鎖孔部分の一側に位置する陰極板2から放出したイオンの少なくとも一部が、閉鎖孔部分の他側に位置する陽極板1に吸蔵されるのを阻止するためのものである。
【0114】
本実施例の電極アセンブリの加工装置は、セパレータの表面の予め設定される部位を加熱して閉鎖孔部分を形成し、閉鎖孔部分を正確に加熱することができる。予め設定される部位は、陰極活物質層のリチウムが析出しやすい部位に対応し、充電時、陰極活物質層のリチウムが析出しやすい部位から放出したイオンの少なくとも一部は、閉鎖孔部分によって阻止されることによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極活物質層と隣接する陽極活物質層に吸蔵されることができず、陽極板のリチウムが析出しやすい部位のリチウム析出の発生を減少し、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。セパレータを加熱した後に閉鎖孔部分を形成する方式によって、生産と加工を容易にし、生産効率を向上させることができる。
【0115】
図10に示すように、本出願の別の実施例の加工装置110において、位置情報確定ユニット81、捲回制御ユニット82、取得ユニット83、加熱情報確定ユニット84、加熱制御ユニット85と温度センサ86をさらに含む。ここで、位置情報確定ユニット81は、予め設定される捲回後の位置に基づいて予め設定される部位の位置情報を確定し、且つ加熱情報確定ユニット84に送信するためのものであり、予め設定される捲回後の位置は、閉鎖孔部分の捲回後の電極アセンブリにおける位置であり、予め設定される捲回後の位置は、隣接する陰極板2と陽極板1との間に位置し、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の開始位置と終了位置を表すための情報を含む。捲回制御ユニット82は、陰極板2、陽極板1、加熱されていない第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32を捲回するように捲回機構4を制御するためのものであり、取得ユニット83は、陰極板2、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32及び陽極板1の捲回データを取得し、且つ加熱情報確定ユニット84に送信するためのものであり、加熱情報確定ユニット84は、捲回データと予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定するためのものであり、温度センサ86は、加熱機構5の温度を検出し、且つ検出される温度を加熱制御ユニット85に送信するためのものであり、加熱制御ユニット85は、加熱情報と監視される温度に基づいて、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の予め設定される部位を加熱して閉鎖孔部分を形成するように加熱機構5を制御するためのものである。加熱制御ユニット85は、閉鎖孔部分の閉鎖孔効果を確保するように、温度センサ86の検出温度に基づき、加熱機構5の加熱温度を制御し、加熱温度を所定の温度範囲内に制御する。
【0116】
該実施例では、取得ユニット83は、位置センサ、ホールセンサ等を採用してもよい。位置情報確定ユニット81、捲回制御ユニット82、加熱情報確定ユニット84及び加熱制御ユニット85は、電力消費装置におけるコントローラ等の制御演算機能を有する部品であってもよい。また、説明すべきこととして、本実施例における位置情報確定ユニット81、捲回制御ユニット82、加熱情報確定ユニット84及び加熱制御ユニット85は、1つのチップ内に集積されてもよく、捲回制御ユニット82は、1つの独立したチップとして、位置情報確定ユニット81、加熱情報確定ユニット84と加熱制御ユニット85は、1つのチップ内に集積されてもよく、又は、捲回制御ユニット82は、1つの独立したチップとして、位置情報確定ユニット81、加熱情報確定ユニット84と加熱制御ユニット85は、3つの回路モジュールとして、回路基板上にそれぞれ設置されてもよい。
【0117】
いくつかの実施例では、捲回データは、セパレータの捲回線速度Vを含み、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の始点長さL1と終点長さL2を含み、且つ加熱情報は、加熱開始時間T1と加熱終了時間T2を含む。閉鎖孔部分の始点長さL1と終点長さL2の具体的な定義は、図8の実施例を参照してもよい。
【0118】
それに対応し、該実施例では、位置情報確定ユニット81、捲回制御ユニット82、取得ユニット83、加熱情報確定ユニット84、加熱制御ユニット85と温度センサ86の作動方式は、以下の通りであり、
位置情報確定ユニット81は、予め設定される捲回後の位置に基づいて閉鎖孔部分の始点長さL1と終点長さL2を確定し、且つ加熱情報確定ユニットに送信する。予め設定される捲回後の位置に基づいて閉鎖孔部分の加熱始点長さL1と加熱終点長さL2を確定する具体的な方法は、上記方法の請求項における確定方法を参照してもよい。閉鎖孔部分の始点長さL1と終点長さL2は、位置情報確定ユニット81によって予め設定される捲回後の位置に基づいて計算して得られてもよく、又はユーザによって予め設定される閉鎖孔部分の始点長さL1と終点長さL2を位置情報確定ユニット81に入力して得られてもよい。
【0119】
捲回制御ユニット82は、陰極板2、陽極板1、加熱されていない第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32を捲回するように捲回機構4を制御するためのものである。
【0120】
取得ユニット83は、セパレータの捲回線速度Vを取得し、且つ加熱情報確定ユニット84に送信する。
【0121】
加熱情報確定ユニット84は、捲回データと予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定するためのものであり、いくつかの実施例では、加熱情報確定ユニット84がセパレータの捲回線速度V、閉鎖孔部分の加熱始点長さL1と加熱終点長さL2に基づいて加熱開始時間T1と加熱終了時間T2を確定することを含む。
【0122】
温度センサ86は、加熱機構5の温度を検出し、且つ検出される温度を加熱制御ユニット85に送信するためのものであり、
加熱制御ユニット85は、予め設定される捲回後の位置にある閉鎖孔部分を形成するように、加熱開始時間T1、加熱終了時間T2、及び温度センサ86によって検出される温度に基づいてセパレータを加熱する。該実施例では、具体的な方法は、前述方法の請求項に対応する具体的な方法を参照してもよい。
【0123】
別のいくつかの実施例では、捲回データは、陰極板2、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32と陽極板1の全体的捲回角度θを含み、予め設定される部位の位置情報は、閉鎖孔部分の加熱開始角度θ1と加熱終了角度θ2を含み、且つ加熱情報は、加熱開始信号と加熱終了信号を含む。
【0124】
それに対応し、該実施例では、位置情報確定ユニット81、捲回制御ユニット82、取得ユニット83、加熱情報確定ユニット84、加熱制御ユニット85、及び温度センサ86の具体的な作動方式は、以下の通りであり、
位置情報確定ユニット81は、予め設定される捲回後の位置に基づいて閉鎖孔部分の加熱開始角度θ1と加熱終了角度θ2を確定し、且つ加熱情報確定ユニットに送信する。予め設定される捲回後の位置に基づいて閉鎖孔部分の加熱開始角度θ1と加熱終了角度θ2を確定する方法は、上記方法の請求項における確定方法を参照してもよい。閉鎖孔部分の加熱開始角度θ1と加熱終了角度θ2は、位置情報確定ユニット81によって予め設定される捲回後の位置に基づいて計算して得られてもよく、又はユーザによって予め設定される閉鎖孔部分の加熱開始角度θ1と加熱終了角度θ2を位置情報確定ユニット81に入力して得られてもよい。
【0125】
捲回制御ユニット82は、陰極板2、陽極板1、加熱されていない第1のセパレータ31、及び第2のセパレータ32を捲回するように捲回機構4を制御するためのものである。
【0126】
取得ユニット83は、陰極板2、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32及び陽極板1の全体的捲回角度θを取得し、且つ加熱情報確定ユニット84に送信する。
【0127】
加熱情報確定ユニット84は、捲回データと予め設定される部位の位置情報に基づいて加熱情報を確定するためのものであり、いくつかの実施例では、加熱情報確定ユニット84が陰極板、セパレータ、陽極板の全体的捲回角度θ、加熱開始角度θ1と加熱終了角度θ2に基づいて加熱開始信号と加熱終了信号を確定することを含む。
【0128】
温度センサ86は、加熱機構5の温度を検出し、且つ検出される温度を加熱制御ユニット85に送信するためのものであり、
加熱制御ユニット85は、予め設定される捲回後の位置にある閉鎖孔部分を形成するように、加熱開始信号、加熱終了信号、及び温度センサ86によって検出される温度に基づいてセパレータを加熱する。加熱制御ユニット85は、閉鎖孔部分の閉鎖孔効果を確保するように、温度センサ86の検出温度に基づき、加熱機構5の加熱温度を制御し、加熱温度を所定の温度範囲内に制御する。該実施例では、具体的な方法は、前述方法の請求項に対応する具体的な方法を参照してもよい。
【0129】
いくつかの実施例では、予め設定される捲回後の位置は、第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32の1つの表面又は2つの表面である。
【0130】
予め設定される捲回後の位置を第1のセパレータ31及び/又は第2のセパレータ32の1つの表面又は2つの表面とすることによって、いずれも一部のイオンの阻止を実現し、リチウム析出の発生を減少することができる。該予め設定される捲回後の位置は、電極アセンブリの捲回後にリチウムが析出しやすい位置であってもよく、予め設定される捲回後の位置に閉鎖孔部分を形成することによって、閉鎖孔部分によって阻止されるイオンは、陰極活物質層と隣接する陽極活物質層に吸蔵されることができず、陽極板のリチウムが析出しやすい部位のリチウム析出の発生を減少し、電池セルの安全性能を向上させ、電池セルの耐用年数を向上させることができる。
【0131】
いくつかの実施例では、陰極板2、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32と陽極板1は、捲回されて第1の屈曲領域B1、第2の屈曲領域B2を形成する。予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、陰極板2、陽極板1又は第1のセパレータ31、第2のセパレータ32における少なくとも1つの表面に沿う屈曲領域B1とB2に設置される。
【0132】
いくつかの実施例では、予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、陰極板2の1番目の屈曲部位21と隣接する第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の屈曲部位及び/又は2番目の屈曲部位22と隣接する第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の屈曲部位に設置され、及び/又は、予め設定される捲回後の位置の少なくとも一部は、陽極板1の1番目の屈曲部位11と隣接する第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の屈曲部位及び/又は2番目の屈曲部位12と隣接する第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の屈曲部位に設置される。
【0133】
該実施例では、予め設定される捲回後の位置の設置方式は、前記方法の実施例における設置方式を採用してもよく、具体的には図3図5における実施例を参照してもよい。
【0134】
以下では、図面を結び付けて本実施例の加工装置について具体的に説明する。
【0135】
図11は、一実施例の加工装置111を示す。該加工装置111は、捲回機構4、加熱機構51を含む。捲回機構4は、陽極板1、第1のセパレータ31、陰極板2と第2のセパレータ32を捲回し、電極アセンブリを形成するためのものであり、加熱機構51は、捲回機構の上流に位置し、第1のセパレータ31、第2のセパレータ32の予め設定される部位を加熱して閉鎖孔部分を形成するためのものであり、本実施例では、第1のセパレータ31と第2のセパレータ32にいずれも加熱機構51が設置されるが、それに限らず、第1のセパレータ31又は第2のセパレータ32にのみ加熱機構51が設置されてもよい。
【0136】
いくつかの実施例では、加工装置111は、複数のオーバーローラ6をさらに含み、陽極板1、第1のセパレータ31、陰極板2と第2のセパレータ32にそれぞれ設置され、陽極板1、第1のセパレータ31、陰極板2と第2のセパレータ32をテンショニングするためのものである。
【0137】
いくつかの実施例では、捲回機構4は、ロールピンであり、捲回機構4の捲回方向は、R1の方向である。上記実施例における陰極板、セパレータと陽極板の全体的捲回角度θは、捲回機構4の捲回角度である。
【0138】
図12に示すように、いくつかの実施例では、加熱機構51は、セパレータの表面の予め設定される部位を加熱して閉鎖孔部分を形成するためのものであり、加熱機構51は、セパレータの表面の予め設定される部位を加熱するための加熱部511と、セパレータの表面に押圧するか、又はセパレータの表面から離れるように加熱部を駆動するための駆動機構512とを含み、駆動機構512は、加熱制御ユニット85に通信接続される。
【0139】
いくつかの実施例では、加熱部511は、加熱ローラ5111を含み、加熱ローラ5111の周方向に加熱層5112が設けられ、加熱層5112は、温度センサ86と加熱制御ユニット85に連通し、温度センサ86は、加熱層5112の温度を検出し、且つ加熱制御ユニット85に送信し、加熱制御ユニット85は、温度センサ86によって検出される加熱層5112の実際の温度に基づき、セパレータの閉鎖孔効果を確保するように、加熱層5112の温度を所定の温度範囲内に制御し、加熱ローラ5111は、回転可能に設置されて駆動機構に接続される。加熱部が駆動機構512の駆動でセパレータの表面に近接するとともに、セパレータの表面に沿って転がる場合、セパレータの表面は、加熱されて閉鎖孔部分を形成する。加熱が完了した後に、加熱部511は、駆動機構512の駆動でセパレータの表面から離れ、加熱が終了する。
【0140】
いくつかの実施例では、駆動機構512は、駆動ユニット5122とスイングアーム5121を含み、駆動ユニット5122がスイングアームの一端に接続され、R2の方向の周り揺動運動するようにスイングアーム5121を駆動する。駆動ユニットは、スイングアーム5121の揺動を駆動する任意の機構、例えば電極+ギヤ列、又はモータ+偏心輪等の構造を採用してもよい。スイングアーム5121は、一端が駆動ユニットと回転可能に接続され、他端が加熱ローラ5111と回転可能に接続され、スイングアーム5121は、駆動ユニット5122の駆動で、加熱部511の運動を駆動する。
【0141】
駆動機構512は、2組のスイングアーム5121と加熱部511を含み、セパレータは、2組のスイングアーム5121と加熱部511の中間を通過し、セパレータの2つの表面は、1組のスイングアーム5121と加熱部511にそれぞれ対応する。2組のスイングアーム5121と加熱部511は、1つの駆動ユニット5122によって共同して駆動されてもよく、2つの駆動ユニット5122によってそれぞれ駆動されてもよい。2組のスイングアーム5121と加熱部511との揺動方向は逆であり、すなわち2組のスイングアーム5121は、同時にセパレータに近接するか、又はセパレータから離れる。セパレータの1つの表面を加熱する必要がある場合、加熱する必要がある一側の表面に対応する加熱部511によって加熱され、他側の表面に対応する加熱部511によって加熱されないようにし、加熱時にのみ支持の役割を果たし、他側の昇温の加熱部511を支持し、セパレータの一側の表面を孔閉鎖することができる。セパレータの2つの表面を加熱する必要がある場合、セパレータの両側の表面に対応する加熱部511をいずれも加熱することができ、2つの加熱部511が互いに支持されるとともに、セパレータの2つの表面を加熱し、セパレータの2つの表面を孔閉鎖させる。2つの加熱部の加熱の有無と加熱温度を調節することによって、セパレータの一側の表面と両側の表面の加熱の選択を実現することができる。
【0142】
なお、加熱機構51は、異なるセパレータに対する加熱ニーズを満たすために、第1のセパレータ31、及び/又は第2のセパレータ32のうちの一つ又は複数に設けられてもよい。
【0143】
図13に示すように、本出願の別の実施例の加工装置において、加熱機構52の構造が異なる点で、図11の実施例と異なる。
【0144】
図14に示すように、加熱機構52の一実施形態が示され、加熱機構52は、加熱部522、駆動機構521も含む。ここで加熱機構の加熱部522と駆動機構521は、図12における加熱部511と駆動機構512とは異なる構造を有し、加熱部522のセパレータに向かう側に加熱層が設けられ、加熱部522は、駆動機構521の駆動でセパレータの表面に近接するか、又はセパレータの表面から離れる。しかし加熱部は、回転運動をしない。加熱部522がセパレータの表面に近接する場合、加熱層は、セパレータの表面を加熱して閉鎖孔を形成する。
【0145】
該実施例では、駆動機構521は、シリンダ、オイルシリンダ又はねじナット機構等であってもよい。
【0146】
該実施例では、加熱機構は、ブラケット523をさらに含み、ブラケット523と加熱部522、駆動機構521は、セパレータの両側にそれぞれ設置され、ブラケット523は、セパレータが均一に加熱され、高い閉鎖孔効果を実現するように、他側の加熱部522を支持するためのものである。
【0147】
図15に示すように、加熱機構52は、2組の加熱部522、駆動機構521を含み、2組の加熱部522、駆動機構521は、セパレータの両側にそれぞれ設置され、2つの加熱部522は、同時にセパレータに近接するか、又はセパレータから離れることができる。2つの加熱部522が互いに支持されるとともに、セパレータの2つの表面を加熱し、セパレータの2つの表面を均一に加熱して一致させ、より高い閉鎖孔効果を実現する。2つの加熱部の加熱の有無と加熱温度を調節することによって、セパレータの一側の表面と両側の表面の加熱の選択を実現することができる。
【0148】
なお、加熱機構52は、異なるセパレータに対する加熱ニーズを満たすために、第1のセパレータ31、及び/又は第2のセパレータ32のうちの一つ又は複数に設けられてもよい。
【0149】
図16に示すように、本出願の別の実施例の電池セルの構造概略図である。電池セルは、外枠181及び外枠181内に収容される1つ又は複数の電極アセンブリ182を含み、外枠181はケース1811とカバープレート1812を含み、ケース1811は収容キャビティを有し、且つケース1811は開口を有し、即ち、電極アセンブリ182がケース1811の収容キャビティに収容することができるように、該平面はケース壁を有さず、ケース1811の内外を連通させ、カバープレート1812とケース1811はケース1811の開口において結合され中空室が形成され、電極アセンブリ182は外枠181内に収容された後、外枠181に電解液を充填してシールする。
【0150】
ケース1811は、1つ又は複数の電極アセンブリ182が組み合わせられた後の形状によって確定され、例えば、ケース1811は中空直方体又は中空立方体又は中空円柱体であってもよい。例えば、ケース1811が中空直方体又は立方体である場合、ケース1811のそのうちの1つの平面が開口面であり、即ち、この平面はケース壁を有さず、ケース1811の内外を連通させ、ケース1811が中空円柱体である場合、ケース1811のそのうちの1つの円形側面は開口面であり、即ち、該円形側面はケース壁を有さず、ケース1811の内外を連通させる。
【0151】
本出願の別の実施例では、ケース1811は、導電金属の材料又はプラスチックから製造されてもよく、選択的に、ケース1811は、アルミニウム又はアルミニウム合金から製造される。
【0152】
電極アセンブリ182の構造は、前述した図1図18の実施例に説明された電極アセンブリの関連内容を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0153】
図17に示すように、本出願の別の実施例の電池モジュールの構造概略図であり、電池モジュール19は互いに接続される複数の電池セル191を含み、そのうち、複数の電池セル191の間は直列又は並列又は直並列に接続されてもよく、直並列とは、接続には直列接続と並列接続が同時に含まれることを指し、電池セル191の構造は、図16の対応する実施例に説明された電池セルを参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0154】
図18は、本出願の別の実施例の電池の構造概略図であり、電池は筐体を含み、筐体には複数の電池セルが収容される。電池セルの構造は図16に示す電池セルの構造を参照してもよい。筐体に複数の電池セルを収容する方式は、電池セルを筐体内に直接に取り付け、又は複数の電池セルを電池モジュールとして組み合わせ、そして電池モジュールを電池内に取り付けることを含んでもよい。
【0155】
図18に示すように、いくつかの実施例において、電池は複数の電池モジュール19と筐体を含み、筐体は下筐体20と上筐体30を含み、複数の電池モジュール19の間は直列又は並列又は直並列に接続されてもよく、下筐体20は収容キャビティを有し、且つ下筐体20は開口を有し、接続された複数の電池モジュール19が下筐体20の収容キャビティ内に収容できるようにし、上筐体30と下筐体20は下筐体20の開口において結合され中空室が形成され、上筐体30と下筐体20は結合された後にシールする。
【0156】
本出願の別の実施例において、電池は電力消費装置に単独で給電することができ、該電池は電池パックと呼ばれてもよく、例えば、自動車の給電に用いられる。
【0157】
本出願の別の実施例において、電力消費装置の電力消費の需要に応じて、複数の電池は互いに接続された後に組電池に組み合わせられ、電力消費装置に給電するために用いられる。本出願の別の実施例において、該組電池は1つの筐体に収容されて、パッケージングされてもよい。
【0158】
説明を簡略化させるために、以下の実施例は、電力消費装置は電池を含むことを例として説明する。
【0159】
本出願の一実施例は電力消費装置をさらに提供し、例えば、電力消費装置は自動車、例えば、新エネルギー車であってもよく、電力消費装置は前述した実施例に説明される電池を含み、そのうち、電力消費装置に使用される電池は図18に対応する実施例に説明される電池の通りであってもよく、ここでは説明を省略する。
【0160】
例えば、図19に示すように、本出願の別の実施例の電力消費装置の構造概略図であり、電力消費装置は自動車であってもよく、自動車は燃料油自動車、ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は純電気自動車、ハイブリッド電気自動車やレンジエクステンダー自動車などであってもよい。自動車は電池2101、コントローラ2102及びモータ2103を含む。電池2101は、自動車の操作電源及び駆動電源として、コントローラ2102とモータ2103に電力を供給するためのものであり、例えば、電池2101は、自動車の起動、ナビゲーション及び走行時の作動電力需要を満たすためのものである。例えば、電池2101は、コントローラ2102に電力を供給し、コントローラ2102は、モータ2103に電力を供給するように電池2101を制御し、モータ2103は、電池2101の電力を受け取って自動車の駆動電源として使用し、燃料油又は天然ガスに代わって又は部分的に代わって自動車に駆動動力を提供する。
【0161】
当業者であれば理解できるように、ここでのいくつかの実施例は、他の特徴ではなく、他の実施例に含まれるいくつかの特徴を含むが、異なる実施例の特徴の組み合わせは、本出願の範囲に属し且つ異なる実施例を形成することを意味する。例えば、特許請求の範囲において、保護しようとする実施例のいずれか1つは、いずれも任意の組み合わせの方式で使用されることができる。
【0162】
上述の実施例は、本出願の技術案を説明するためのみに用いられ、それを制限するものではない。前述した各実施例を参照して本出願を詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、それは依然として前述した各実施例に記載の技術案を修正し、又はそのうち一部の技術的特徴に対して等価置換を行うことができ、これらの修正又は置換は、相応する技術案の本質が本出願の各実施例の技術案の精神と範囲を逸脱するようにすることはない。
【符号の説明】
【0163】
1 陽極板
1、3 セパレータ
2 陰極板
3 セパレータ
4 捲回機構
5 加熱機構
6 オーバーローラ
7 閉鎖孔部分
10、20 捲回開始端
11、12 屈曲部位
19 電池モジュール
20 下筐体
30 捲回初期端
30 上筐体
31、32 セパレータ
51、52 加熱機構
81 位置情報確定ユニット
82 捲回制御ユニット
83 取得ユニット
84 加熱情報確定ユニット
85 加熱制御ユニット
86 温度センサ
100 加工装置
181 外枠
182 電極アセンブリ
191 電池セル
200 屈曲領域
511,522 加熱部
512、521 駆動機構
523 ブラケット
1811 ケース
1812 カバープレート
2101 電池
2102 コントローラ
2103 モータ
5111 加熱ローラ
5112 加熱層
5121 スイングアーム
5122 駆動ユニット
【国際調査報告】