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▶ エアミッド クリティカル ケア プロダクツ インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-19
(54)【発明の名称】データ統合型人工換気システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/00 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
A61M16/00 370Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541361
(86)(22)【出願日】2022-01-10
(85)【翻訳文提出日】2023-08-28
(86)【国際出願番号】 US2022011830
(87)【国際公開番号】W WO2022150710
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】63/135,263
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】522385474
【氏名又は名称】エアミッド クリティカル ケア プロダクツ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AIRMID CRITICAL CARE PRODUCTS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】マグワイア、マイケル ディ.
(57)【要約】
人工換気システムは、少なくとも1つの吸気フィルタおよび少なくとも1つの呼気フィルタを有する変換可能な換気装置回路を含む。変換可能な換気装置回路は、用手換気装置または機械換気装置のいずれとも適合性があり、これらとともに使用されるように構成される。変換可能な換気装置回路は、用手換気用途と機械換気用途とを変換するように構成される。システムは、1つまたは複数のセンサポートを有する患者マニフォールドと、患者マニフォールドの1つまたは複数のセンサポートとインターフェースするように構成される1つまたは複数のセンサを有するデータ取得ユニットとを含む。データ取得ユニットは、変換可能な換気装置回路を通した呼吸ガスの透過に関連する電子データを受信するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工換気用のシステムであって、
少なくとも1つの吸気フィルタおよび少なくとも1つの呼気フィルタを備える変換可能な換気装置回路であって、前記変換可能な換気装置回路は、用手換気装置または機械換気装置のいずれとも適合性があり、それとともに使用されるように構成され、前記変換可能な換気装置回路は、用手換気用途と機械換気用途とを変換するように構成される、前記変換可能な換気装置回路と、
1つまたは複数のセンサポートを備える患者マニフォールドと、
前記患者マニフォールドの前記1つまたは複数のセンサポートとインターフェースするように構成される1つまたは複数のセンサを備えるデータ取得ユニットであって、前記データ取得ユニットは、前記変換可能な換気装置回路を通した呼吸ガスの透過に関連する電子データを受信するように構成される、前記データ取得ユニットと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記患者マニフォールドは、吸気ガスを前記変換可能な換気装置回路に向けまたは休止し、前記変換可能な換気装置回路から呼気ガスを向けまたは休止するように構成される1つまたは複数の弁を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記データ取得ユニットは、患者と物理的に接触する気道補助用具の1つまたは複数のセンサポートとインターフェースする1つまたは複数の追加センサを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つまたは複数の追加センサは、
流量センサと、
圧力センサと、
腐植化センサと、
温度センサと、
酸素、二酸化炭素または窒素のうちの少なくとも1つに関する部分圧力ガスセンサと、
のうちの少なくとも1つを備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
データ処理ユニットをさらに備え、該データ処理ユニットは、
前記データ取得ユニットによって受信される電子データを処理することと、
前記データ取得ユニットによって受信される電子データを記憶することと、
前記データ取得ユニットによって受信される電子データを近隣の装置に電子的に伝送することと、
を行うように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記データ処理ユニットは、前記データ取得ユニットとともに単一のハウジングに収容される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記データ処理ユニットは、近隣の装置のハウジングに収容される、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記近隣の装置は、前記機械換気装置、ベッドサイドモニタ、心臓モニタもしくは除細動器、電子健康記録装置、またはカプノグラフィ装置のうちの1つを備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記変換可能な換気装置回路に適合性がある用手換気装置をさらに備え、前記用手換気装置は、用手換気の1つまたは複数の特性を制御するように構成される1つまたは複数の設定を備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
用手換気の特性は、一回換気量または呼気終末陽圧のうちの少なくとも1つを備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
人工換気用のシステムであって、
少なくとも1つの吸気フィルタおよび少なくとも1つの呼気フィルタを備える変換可能な換気装置回路であって、前記変換可能な換気装置回路は、呼吸ガスの透過を封じ込めるように構成される少なくとも1つの吸気チューブセグメントと少なくとも1つの呼気チューブセグメントとを備え、前記変換可能な換気装置回路は、用手換気装置または機械換気装置のいずれとも適合性があり、それとともに使用されるように構成され、前記変換可能な換気装置回路は、用手換気用途と機械換気用途とを変換するように構成される、前記変換可能な換気装置回路と、
前記変換可能な換気装置回路を通して呼吸ガスの透過に関連する電子データ、および前記人工換気システムの1つまたは複数の識別チップからの電子データを受信するように構成されるデータ取得ユニットと、
データ処理ユニットであって、
前記データ取得ユニットによって受信される電子データを処理することと、
前記データ取得ユニットによって受信される電子データを記憶することと、
前記データ取得ユニットによって受信される電子データを近隣の装置に電子的に伝送することと、
を行うように構成される、前記データ処理ユニットと、
を備える、システム。
【請求項12】
前記変換可能な換気装置回路に適合性がある用手換気装置をさらに備え、前記用手換気装置は、前記変換可能な換気装置回路の前記少なくとも1つの吸気チューブセグメントに通信可能に結合されるように構成される吸気ポートと、前記変換可能な換気装置回路の前記少なくとも1つの呼気チューブセグメントに通信可能に結合するように構成される呼気ポートとを備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記データ取得ユニットは、前記変換可能な換気装置回路の前記少なくとも1つの吸気チューブセグメントまたは前記少なくとも1つの呼気チューブセグメントのうちの少なくとも1つに通信可能に結合されるときに、前記用手換気装置を電子的に検出するように構成される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記変換可能な換気装置回路に適合性がある機械換気装置をさらに備え、前記機械換気装置は、前記変換可能な換気装置回路の前記少なくとも1つの吸気チューブセグメントに通信可能に結合されるように構成される吸気ポートと、前記変換可能な換気装置回路の前記少なくとも1つの呼気チューブセグメントに通信可能に結合するように構成される呼気ポートとを備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記データ取得ユニットは、前記変換可能な換気装置回路の前記少なくとも1つの吸気チューブセグメントまたは前記少なくとも1つの呼気チューブセグメントのうちの少なくとも1つに通信可能に結合されるときに、前記機械換気装置を電子的に検出するように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記変換可能な換気装置回路に適合性がある1つまたは複数の気道補助用具をさらに備え、前記1つまたは複数の気道補助用具はフェイスマスク、声門上器具、または気管内チューブのうちの少なくとも1つを備え、前記データ取得ユニットは、前記変換可能な換気装置回路の患者ポートに通信可能に結合されたときに、前記1つまたは複数の気道補助用具を電子的に検出するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記1つまたは複数の気道補助用具は記憶されたパラメータを備える1つまたは複数の識別チップを備え、前記記憶されたパラメータは気道補助用具のサイズ、形状、製造ロット番号、カフサイズ、カフ形状、または前の患者での使用を示す以前に記録されたデータのうちの少なくとも1つを備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記1つまたは複数の気道補助用具は、カフ圧力を監視するように構成されるとともに前記データ取得ユニットに適合性がある1つまたは複数のカフ圧力チューブを備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記変換可能な換気装置回路の患者ポートを覆って密閉するように構成されるキャップをさらに備え、前記データ取得ユニットは、前記変換可能な換気装置回路の前記患者ポートに通信可能に結合されたとき、前記キャップを電子的に検出するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記変換可能な換気装置回路に適合性がある人工鼻であって、記憶されたパラメータを備える1つまたは複数の識別チップを備える前記人工鼻をさらに備え、前記記憶されたパラメータは人工鼻のサイズ、形状、製造ロット番号、または前の患者での使用を示す以前に記録されたデータのうちの少なくとも1つを備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項21】
前記人工鼻は、前記データ取得ユニットに適合性がある1つまたは複数の圧力センサまたは1つまたは複数の温度センサのうちの少なくとも1つを備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記1つまたは複数の圧力センサまたは前記1つまたは複数の温度センサのうちの前記少なくとも1つは、前記人工鼻の横から出るポートを備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
用手換気中に吸気ポーズ手技を行うシステムであって、前記システムは、
用手換気装置に通信可能に結合される変換可能な換気装置回路であって、能動的呼気弁を備える患者マニフォールドを有する前記変換可能な換気装置回路と、
データ処理ユニットであって、
前記変換可能な換気装置回路に通信可能に結合される前記用手換気装置を使用して、患者への呼吸の吸気相の終わりを判断する手段と、
前記呼吸の吸気相の終わりに、前記変換可能な換気装置回路の前記患者マニフォールドの前記能動的呼気弁を起動する手段と、
指定の長さのポーズが経過したことを判断する手段と、
前記指定の長さのポーズが経過した後、前記変換可能な換気装置回路の前記患者マニフォールドの前記能動的呼気弁を停止する手段、と、
を備える前記データ処理ユニットと、
を備えるシステム。
【請求項24】
前記データ処理ユニットは、
前記呼吸の吸気相の終わりに対応して、前記変換可能な換気装置回路の患者ゾーンセンサを使用して、第1圧力を測定する手段と、
前記指定の長さのポーズが経過した後、前記変換可能な換気装置回路の前記患者ゾーンセンサを使用して、第2圧力を測定する手段と、
前記第1圧力および前記第2圧力に基づいて、駆動圧を計算する手段と、
をさらに備える、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記データ処理ユニットは、
前記呼吸の吸気相中に、前記変換可能な換気装置回路の患者ゾーンセンサを使用して、酸素濃度を測定する手段をさらに備える、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記データ処理ユニットは、
前記呼吸の呼気相の終わりを判断する手段と、
前記呼吸の呼気相の終わりに対応して、前記換気装置回路の患者ゾーンセンサを使用して、酸素濃度を測定する手段と、
をさらに備える、請求項24に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に人工換気の有害な影響から患者を保護する分野に関し、より具体的には医学または獣医学の用途において人工換気中にデータを取得することに関する。
【背景技術】
【0002】
人工換気は、自然の呼吸機能を増大させるため、または、さらにその代わりをするために、外部呼吸サポートを提供するプロセスである。これは、通例、次の逐次プロセスによって実現される。(1)フェイスマスクを介して、または喉笛(または気管)内に直接前進させるチューブ(気管内チューブ)を通して、患者に加圧した呼吸ガスを強制的に送り込むことと、(2)加圧した呼吸ガスに肺を漸進的に膨張させることと、(3)肺の弾性および胸壁抵抗により、膨張した肺を受動的に収縮させるために、強制的膨張を休止すること。能動的な膨張と受動的な収縮をさせることとを交互に行うことが、人工的な吸気および呼気を実現する方法を構成し、それによって人工換気手段を構成する。
【0003】
人工換気装置および方法論は一般に、2つのカテゴリに分けられる。1つのカテゴリは、短期間のサポートの前の人工換気の開始に重点を置く。2つ目のカテゴリは、より長期間の持続的な人工換気のための装置および方法である。
【0004】
人工換気の開始は、直ちにサポートしなければ患者の死を左右する場合、すぐに始めなければならない。これは、例外なく、ユーザ駆動され(例えば、手の操作による)、提供者が迅速に利用することのできる単純な装置を備える用手換気装置を用いて実現される。用手換気を開始するために使用される装置の中で最も有名なものは、バッグ型の用手換気装置であり、施術者が吸気ガスの充填されたバッグを手で絞り、すると、ユーザの手からの圧力下で、患者の鼻と口を覆って気密シールを形成するフェイスマスクを介して吸気ガスが患者に入る。
【0005】
バッグ型の用手換気装置は、いくつかの理由で人工換気を開始するのに広く使われている。まず、緊急で使用することのできるフェイスマスクおよび他の気道補助用具との適合性により、遅滞なく即座に採用することが可能である。次に、用手換気装置は、通例、単純で安価な装置であり、それによって病院外の緊急車両や病院中の多くの場所(例えば、緊急「クラッシュ」カート)に準備ができた状態で経済的に配備することが可能であるので、緊急で必要なときに患者から遠くないところに確保される。最後に、バッグ型の換気装置は、肺の膨張を実現するために必要な抵抗をユーザが触知で評価することができる診断コンポーネントを有し、呼吸障害の原因がまだ定まっていない患者を治療するときに有益であり得る(内部損傷が不明な状態で緊急スタッフが患者を治療しているなど)。
【0006】
用手換気の開始時、患者は早急に回復するか、または持続的なサポートが必要かを予想することができる。早急に回復すると予想される患者にはフェイスマスクを用いて用手換気をし続けるが、持続的なサポートが必要だと予想される患者は気管(または喉笛)に気管内チューブを挿入する高度な技術を要する医療処置を施す。気管内チューブの使用は、肺への確実な気密通路を確保するという利点を有する。したがって、用手換気の開始後、短期的なサポートはフェイスマスクまたは気管内チューブのいずれかによって継続することができる。
【0007】
気管内チューブのいくつかの代替実施形態が存在することに留意するべきである。気管内チューブは、口からの経口アクセスによって気管に直接挿入される。経鼻気管チューブは、経鼻気管チューブが鼻の左右の鼻孔を経由して鼻咽頭を通って気管に直接挿入することが可能なように、通例よりも長い点を除き、気管内チューブと同一である。いくつかの気管内チューブおよび経鼻気管チューブは本発明の範囲に同様に適用できる他の特徴を有し、気管内チューブへのすべての参照は気管内チューブおよび経鼻気管チューブのすべての実施形態を含むと解釈されるものとする。
【0008】
バッグ型の用手換気装置の前述のメリットを相殺するのは、現在のところ、人工換気の安全性に関連する呼吸サイズ、呼吸回数および他の重要な変数を正確に制御する能力がないという事実である。いくつかの研究から、提供者の中には呼吸を手で送達するときに肺を不注意に、根強く過剰に膨張させる者がいて、過膨張を示唆するデータでは、20分程度の深刻な過膨張の後にひどい肺組織傷害を引き起こすほど十分過度になる可能性があることが分かっている。制御の欠如はVILIの主因として示唆されてきたが、用手換気装置は潜在的に有害な換気を定性化および定量化、もしくは定性化または定量化するためのデータを取得する能力もない。そのため、患者ケア中にバッグ型の用手換気装置によって代表される潜在的な患者への害の本質は、測定できず、緩和する能力を超えている。
【0009】
気管内チューブが留置された患者の場合、その後、換気は用手送達される呼吸から、持続的で自動化された手を使わないサポート用に設計された2つ目のカテゴリの装置に移行することができる。フェイスマスク経由で用手換気を受ける患者の場合、一般に、患者が機械換気装置に配置できる前に、気管内挿管を最初に行わなければならない。
【0010】
気管内挿管をうまく完了した後でも、用手換気から機械換気に患者を移行することに関連していくつかの追加ステップが残っている。まず、通例では非常に高価な医療機器である機械換気装置は用手換気装置と同程度に準備ができた状態で配備することができない結果、まず患者のベッドサイドに換気装置を移動する必要がある。次に、個々の患者に適切な呼吸送達設定を確立するには、セットアップおよびプログラミング手順を完了しなければならない。機械換気装置が準備できたら、次に用手換気装置を気管内チューブから切り離すことができ-部屋の大気中の空気媒介病原体に患者が一時的に曝される(および同室の人が患者の呼気ガスに曝される)-、次に機械換気装置をチューブ「回路」を介して気道内チューブに接続する。換気装置回路は、通例、機械換気装置と患者との間の流体接続を提供する2本のチューブを備え、1本のチューブは換気装置から患者への1方向の吸気ガスを提供し、2本目のチューブは患者から換気装置に戻る1方向の呼気ガスを提供する。気管内チューブは1つの流体接続のみを有するため、換気装置回路は、通例、(1)換気装置からの吸入チューブ(または肢)、(2)呼出チューブ(または肢)、および(3)気管内チューブの3つの接続部を有するエルボーまたはワイ(wye)を有する。回路が換気装置と患者の両方に接続されると、機械換気装置を開始することができる。
【0011】
注目すべきは、機械換気を受けている患者が用手換気装置によるサポートに一時的に戻される場合があるということである。換気装置の誤作動が疑われる場合(例えば、停電および圧縮ガス源の喪失、もしくは停電または圧縮ガス源の喪失による)、通例ベッドサイドの近くに用手換気装置の準備ができた状態で保管されているので、機械換気装置が正常に動かなくなり、代わりのものがすぐに利用できないことにより、患者は無呼吸により死亡することはない。加えて、通例病院で使用される機械換気装置は床設置型で、病院内での患者の搬送中に問題となる。機械換気装置が患者のベッドとぴったり同時に動かすことができない場合、換気装置回路にかかる牽引力が換気装置回路を切り離し、またはさらに悪いことに、気管内チューブを偶発的に完全に外れさせる可能性がある(命に関わる合併症)。これらの理由のために、機械換気装置は一般に患者の搬送中での使用には向いておらず、そのため通例は用手換気装置がこの目的で使用される。最後に、用手換気装置は臨床救急中に非常に適している。例えば、機械換気装置を装着した患者に緊急蘇生術が必要な場合、最初の行為の1つは、その後で緊急で用手換気装置を接続するために、機械換気装置回路から患者を切り離すことであろう。したがって、機械換気を受けるほとんどの患者は用手換気と機械換気とのモード変更を受けさせられるが、これは数多く、繰り返され、よくあることである。
【0012】
フェイスマスクおよび気管内チューブに加えて、人工換気中によく使用され、整備が必要な追加のコンポーネントがある。例えば、人工鼻(heat-moisture exchanger:HME)は体温の呼気水分を捕集する装置である。換気装置と気管内チューブとの間に配置されるとき、HMEは捕集した熱と水分を利用して、各その後の吸気のために新鮮な吸気ガスを調節する。これらの装置は吐き出される患者の分泌物で詰まってきたり、他の形で換気に影響したりしやすい結果、患者のリスクを相殺するために、予防的であるが不経済な対策として頻繁に変換することになる。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、当分野で満たされていないニーズに少なくとも部分的に対処する装置および方法論の相乗作用的な組合せを提供する。本発明の基本的な理解は、以下の概要から確認することができ、より詳細は後に続く詳細な説明および関連図面に記載する。
【0014】
本発明は一般に、互いに適合性を共有する人工換気用の多数のコンポーネントを備え、それによって人工換気のシステムを構成する。例えば、機械換気装置とともに使用される換気回路と非適合性の用手換気装置の代わりに、本発明は、(1)吸気および呼気フィルタを有する変換可能な換気装置回路であって、前記回路は用手換気装置または機械換気装置のいずれとも適合性があり、これらとともに使用することができ、そのため用手換気中の用途から機械換気中の用途に(およびその逆に)変換することのできる換気装置回路になる、変換可能な換気装置回路、(2)変換可能な換気装置回路の1つまたは複数のセンサポートとインターフェースし、それによって現在のデータ統合型変換可能な換気装置回路(data-integrated convertible ventilator circuit:DiCVC)を通過するときに呼吸ガスからデータを取得するように、変換可能な換気装置回路にデータ統合を追加する、1つまたは複数のセンサを有するデータ取得ユニット(data acquisition unit:DAU)、(3)患者と物理的に接触している気道補助用具の1つまたは複数のセンサポートとインターフェースする1つまたは複数の追加センサを備える前述のDAU、(4)DAUから取得したデータを処理、保持および/または電子的に伝送し、DiCVCに接続される(および/または、電気的に、無線で、空圧式で、または他の手段で、別に接続される)1つまたは複数のインターフェースするコンポーネントに直接的および/または間接的にされてもよく、DAUと単一ハウジング内を共有し、個別のハウジングに収納され、または近隣装置(例えば、機械換気装置、ベッドサイドモニタ、除細動器、カプノグラフィ装置、または他の電子医療装置)のハウジング内に収納されてもよい、データ処理ユニット(data processing unit:DPU)、(5)DiCVCに適合性のある用手換気装置であって、前記用手換気装置は好ましくは用手換気の1つまたは複数の属性を制御する1つまたは複数の組み込み設定(一回換気量および/または呼気終末陽圧など)を有し、前記用手換気装置はDiCVCの吸気および呼気肢ポート、もしくは吸気または呼気肢ポートに接続されているとき、DAUおよびDPU、もしくはDAUまたはDPUによって電子的に検出することができる、用手換気装置、(6)DiCVC上のDAUおよびDPU、もしくはDAUまたはDPUと機械換気装置のコンピュータプロセッサおよび論理回路、もしくはコンピュータプロセッサまたは論理回路との間のデータ転送用の1つまたは複数の手段を含み、DiCVCの吸気および呼気肢ポート、もしくは吸気または呼気肢ポートに接続されているとき、DAUおよびDPU、もしくはDAUまたはDPUによって電子的に検出することができる、DiCVCに適合性のある機械換気装置、(7)HME機能がはっきりと弱まっているときにのみHMEの変換の必要性が生じるように、HMEの開通性およびガス流量、もしくは開通性またはガス流量を監視することのできる、DiCVCに適合性を有する人工鼻(HME)、(8)DiCVCに適合性があり、DiCVCの患者ポートに接続されたときにDAUおよびDPU、もしくはDAUまたはDPUによって電子的に検出することのできる1つまたは複数の気道補助用具(例えば、フェイスマスク、声門上器具、または気管内チューブ)、ならびに(9)使用前および/または患者の気管内チューブから一時的に切り離される前にDiCVCが配備されるとき、患者ポートを覆って密閉するために使用することのできるDiCVCキャップであって、前記キャップはDiCVCの患者ポートに接続されたときに、DAUおよびDPU、もしくはDAUまたはDPUによって電子的に検出することができる、DiCVCキャップを提供する。
【0015】
本発明のこれらの適合性コンポーネントは、現在は、基本的に異なる非適合性の装置を利用する、別個で別々の手順である多数のケア相を含んだ人工換気に対する統合的なアプローチを基本的に提供する多数の新規な方法論を可能にする。例えば、前述したように、用手換気は、機械換気を提供する装置と適合性がなく、通例、患者がこれらの異なるモダリティ間を繰り返し行ったり来たりしなければならない装置を用いて提供される。対して、本発明は、本発明のDiCVCコンポーネントに適合性のある用手換気装置を提供し、それ自体が患者と直接インターフェースする気道補助用具に適合性がある。患者が用手換気から機械換気に移行するとき、用手換気装置は切り離されて、DiCVC適合性の機械換気装置に取り替えられるが、DiCVCは気道補助用具に接続されたままで、それによりデータの連続性を提供する。装置およびデータの連続性は、機械換気が用手換気に戻るときにも保たれる。
【0016】
本発明のコンポーネント同士のこの基本的な適合性により、人工換気の期間全体を通して、さらに換気の用手相と機械相との変換中にも、患者気道補助用具に接続されたままのDiCVCとインターフェースするDAUおよびDPUを有することは、VILIに関連する一定のリスクを弱める(または、さらに排除する)相乗作用の多数の要素を提供することはすぐに分かる。まず、DiCVCが用手換気装置を用いた人工換気の開始時(すなわち、「呼吸1」から)直ちにデータ取得をいかに可能にするかは容易に分かる。これはDiCVCが適合性用手換気装置に適合性があり、かつ、これに接続されていることにより、用手換気装置自体がそれ自体の内蔵センサをもつ必要がなくても、用手換気装置により生成されるガスの移動からデータ取得をすることを可能にするからである。用手換気中に取得されたデータはDPUに保管され、用手換気装置をDiCVC適合性機械換気装置に取り替えることにより患者が機械換気に変換する時、「呼吸1」からの人工換気の履歴記録を、今度は、表示および/または冗長データ記憶および/または分析のために、DiCVC適合性機械換気装置にエクスポートすることができる。同様に、データエクスポートは、患者が用手換気に戻らなければならないときに(例えば、病院内で移動するために)、データが患者に常時「追従」するように、DiCVC適合性機械換気装置からDPUへ反対方向に行うことができる。次に別の機械換気装置に切り替えるとき、以前の換気装置の設定を新しい機械換気装置に中継することができ、それによって万が一新たな換気装置の設定が最適値以下であるか、またはさらに有害である場合に、患者を害から保護する。拡大されたデータ利用および連続性のこれらの要素は、(1)どの時点で有害な換気の発生が起こったかを特定する手段となる、人工換気の「呼吸1」から用手換気および機械換気のすべての相中の連続的な記録、ならびに(2)DPUが可変モード(例えば、用手または機械)および/または多数のDiCVC適合性機械換気装置間でも換気装置の設定を維持および/または伝播することができることによって、実質的に同質の人工換気を実現する効率的な手段、の両方を提供する。
【0017】
データの新規取得をもたらす上記説明される方法論は、その後VILIのいくつかの原因を軽減またはさらに排除するために利用される。初期の用手換気中にDiCVCによって取得されるデータは、用手換気自体の安全性に関して提供者に能動的に通知し、これは前に示したように、偶発的に気づかれない過膨張およびその後のVILIのメカニズムについて高い患者リスクを潜在的に表すことが実証されている。DAUによって取得されるセンサデータは、安全性および/またはコンプライアンスの1つまたは複数の新たな測定基準を定式化するために使用することができる。人工換気の1つまたは複数の要素が、DPUによって監視される安全性および/またはコンプライアンスの1つまたは複数の測定基準の許容可能限界を外れて送達されている場合、DPUは潜在的に有害な用手換気が起こっていることを直ちに提供者に警告することができる。このことが提供者にVILIの関連メカニズムへの患者の暴露を軽減する即座の是正処置を行うよう促す。機械換気装置で一度、自動化サポートの設定は同様な分析を受けて、設定が安全性およびコンプライアンスと確実に一致するようにする。その後、患者が異なる機械換気装置でのケアに移行するとき、すでに安全性およびコンプライアンスに合わせられているこれらの設定を、今度は、後続の機械換気装置に自動的に伝達し、それによって有害な換気設定のリスクを一層減らしながら、人工換気を同質にする手段を提供する。
【0018】
本発明は、VAPから患者を保護するための多数の方法論を提供することも分かる。DiCVCは、(1)周囲の大気中の空気媒介病原体の通過により換気される患者が感染するのを防止する、かつ(2)換気される患者内の空気媒介病原体の通過が提供者および近隣の患者、もしくは提供者または近隣の患者に感染するのを防止する、吸気および呼気フィルタを含む。すなわち、DiCVCが気道補助用具に接続されてしまえば、DiCVCは用手換気装置と機械換気装置との変換を実現するのに気道補助用具から切り離す必要はないため、常に濾過が存在していることから、VAPを引き起こす絶対的な患者の暴露の実質的な減少になる。加えて、患者が他の理由で、おそらく安全性および病院のガイドライン、もしくは安全性または病院のガイドラインの不遵守で、切り離される場合、前述したデータ取得はこれらのイベントとともに、患者が切り離され、それによってVAPを引き起こす可能性がある空中感染する病原体に患者が曝された総合的なリスクに影響する時間の長さを記録する。
【0019】
本発明は、気道補助用具から1つまたは複数のパラメータをサンプリングするために、DAUとインターフェースされるセンサのための手段も提供する。DAU圧力センサを気管内チューブまたは気管チューブのカフポートに接続できることは、VAP(膨張不足のカフの有害な影響)および気管虚血または壊死(過膨張のカフの有害な影響)から患者を保護することのできる、安全性およびコンプライアンスの1つまたは複数の測定基準を導く自動能力を提供する。
【0020】
さらなる目的、特徴および利点は、関連図面と合わせて詳細な説明から理解されるようになるだろう。
前述した本発明の利点は、以下の説明を添付の図面と併せて参照することによってよりよく理解することができる。図面は必ずしも縮尺通りではなく、いくつかの構造的要素は構造および機能を強調するために拡大しており、全体的に、本発明の原理を例示することを重視している。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】左から右に、(1)単一ハウジングを共有する連結DAU+DPU、(2)患者マニフォールドを有する変換可能な換気装置回路、および(3)変換可能な換気装置回路に適合性がある典型の用手換気装置を含む、典型の人工換気システムの主要な物理的コンポーネントの側面図である。変換可能な換気装置回路の2つの肢は、例示目的で、同じ垂直面に垂直配列で描かれている。
図2図1と同じコンポーネントの別の側面図を提供するが、DAUおよびDPUは、好ましくは個別のハウジングを備える。変換可能な換気装置回路の2つの肢は、同じ水平面に水平配列で描かれており、前景に描かれている肢のために背景の肢が見えなくなっている。
図3】同じ側面図で図2と同一のコンポーネントを描いており、図示されるDAUおよびDPUはその機能的な位置で変換可能な換気装置回路に設置されている。典型の用手換気装置も、DiCVCとともにその機能的な位置に設置されて示されている。
図4】同じ側面図で図3と同じコンポーネントのほとんどを描いているが、例外は典型の用手換気装置を典型の機械的換気装置に取り替えていることを含む。加えて、DPUは機械換気装置のハウジング内の受け口の好ましくは凹んだ位置に示されている。
図5】1回の呼吸サイクルの吸気相中のガス流を表す構成における典型の変換可能な回路患者マニフォールドを描いている。
図6】1回の呼吸サイクルの吸気ホールド相中の一時的なゼロガス流を表す構成における、図5と同じコンポーネントを描いている。
図7】1回の呼吸サイクルの呼気相中のガス流を表す構成における、図6と同じコンポーネントを描いている。
図8】呼吸サイクルの3つすべての相中のガスのセンサ測定のためのおよその総面積を特に強調して、典型の変換可能な回路患者マニフォールドを描いている。この面積は、1回の呼吸サイクルの吸気ホールド相中の圧力下の全ガス量も表す。
図9】は、呼吸サイクルの3つすべての相中のガスのセンサ測定のための小さな相対面積を特に強調して、変換可能な換気装置回路の全体を示すより大きな縮尺の図8の同一の図である。この面積は、単一の呼吸サイクルの吸気ホールド相中の圧力下の全ガス量も表す。
図10】変換不可能で、機械換気装置とのみ使用されるように設計された典型の換気装置回路を描いており、前記変換不可能な回路は患者マニフォールドがなく、呼吸サイクルの3つすべての相中のガスのセンサ測定のためのおよその総面積を特に示す。この総面積は、1回の呼吸サイクルの吸気ホールド相中の圧力下の全ガス量も表す。
図11】各肢とのコネクタが水平面に配列される実質的に横並びの配列になる変換可能な換気装置回路患者マニフォールドの好適な実施形態の側面図を示しており、前景の吸気肢コネクタのために背景の呼気肢コネクタが見えなくなっている。
図12図11に図示される変換可能な換気装置回路患者マニフォールドの同じ好適な実施形態の底面図を示しており、この図は吸気肢コネクタと呼気肢コネクタの両方を同時に見えるようにすることが可能である。
図13図12に図示される変換可能な換気装置回路患者マニフォールドの同じ好適な実施形態の端面図を示し、吸気ガス流のガス通路が左から上への配列で移行するのに対し、呼気ガス流は下から右への配列で移行する。
図14図11の変換可能な換気装置回路患者マニフォールドを示しており、インライン流量センサの好適な位置とともに、1つまたは複数のセンサがガス通路にアクセスするために設ける1つまたは複数のセンサ取付ポートを詳しく描いている。
図15図12の変換可能な換気装置回路患者マニフォールドを示しており、1つまたは複数のセンサがガス通路にアクセスするために設ける1つまたは複数のセンサ取付ポートを詳しく描いている。
図16図13の変換可能な換気装置回路患者マニフォールドを示しており、インライン流量センサの好適な位置とともに、1つまたは複数のセンサがガス通路にアクセスするために設ける1つまたは複数のセンサ取付ポートを詳しく描いている。
図17a】DAUの側面図を示す。
図17b】DAUの端面図を提供する。
図18図17aおよび図17bのDAUの底面図を示す。
図19】変換可能な換気装置回路患者マニフォールドおよびDAUの好適な実施形態について報告し、変換可能な換気装置回路患者マニフォールドの外面およびDAUの内面は、DAUを図示される面に沿って変換可能な換気装置回路患者ハウジング上に摺動させることによって完了することができる設置プロセスを容易にするように構成される。
図20】設置プロセス完了時の図19の同じコンポーネントの相対的な配置を示す。
図21】設置プロセス完了時の図15の変換可能な換気装置回路患者マニフォールドおよび図18のDAUの底面図を示す。
図22】設置プロセス完了時の図16の変換可能な換気装置回路患者マニフォールドおよび図17bのDAUの端面図を示す。
図23図11の変換可能な換気装置回路患者マニフォールドの好適な実施形態の側面図を示し、電気送信および感知コンポーネントの典型の位置をさらに示す。
図24図17aのDAUの側面図を示し、電気送信および感知コンポーネントの典型の位置をさらに示す。
図25a図24のDAUの側面図を、未設置構成で示す。
図25b図23の変換可能な換気装置回路患者マニフォールドの側面図を、未設置構成で示す。
図26図25aのDAU側面図および図25bの変換可能な換気装置回路患者マニフォールドの側面図を、設置構成で示す。
図27a】インターフェースされるDAU/DPUが回転調節器の回転位置を確認することを可能にする電気コンポーネントおよび感知コンポーネントを含む、換気送達パラメータの回転調節器を有する典型の用手換気装置の端面図を示す。
図27b図27aと同じコンポーネントを側面図で示す。
図28a】典型の用手換気装置を左回りに四分の一回転した後の図27aに図示される典型の用手換気装置の同じ実施形態を示す。
図28b】典型の用手換気装置を左回りに四分の一回転した後の図27bに図示される典型の用手換気装置の同じ実施形態を示す。
図29a】換気装置送達パラメータの回転調節器を示し、換気送達パラメータは250mLの一回換気量設定を表す構成における回転調節器による一回換気量である。
図29b】回転調節器を左回りに回転させて500mLの一回換気量設定を表す構成にしたことを除き、図29aの同じコンポーネントを示す。
図30a】換気送達パラメータの回転調節器について同じ図および構成における代替実施形態を示す。
図30b】換気送達パラメータの回転調節器について同じ図および構成における代替実施形態を示す。
図31a】換気送達パラメータが部分流量制限器となる換気送達パラメータの線形調節器を示す。図31aは全開構成の流量制限器を示す。
図31b】換気送達パラメータが部分流量制限器となる換気送達パラメータの線形調節器を示す。図31bは線形調節器と関連する電気コンポーネントおよび感知コンポーネントとの相対位置を示す。
図32a図31aおよび図32bの同じコンポーネントを示すが、図32aが完全に係合した構成の流量制限器を示す。
図32b図31aおよび図32bの同じコンポーネントを示すが、図32bが線形調節器の相対位置を示す。
図33図3にも見られるコンポーネントを同一の左側面図で示しており、DPU、変換可能な換気装置回路吸気肢コネクタ、および用手換気装置吸気肢コネクタの関連する電気コンポーネントおよび感知コンポーネントをさらに示す。
図34図33の同じコンポーネントを右側面図で示すが、図33で見える変換可能な換気装置回路吸気肢コネクタおよび用手換気装置吸気肢コネクタの代わりに、この図では変換可能な換気装置回路呼気肢コネクタおよび用手換気装置呼気肢コネクタが見えている。
図35】関連する電気コンポーネントおよび感知コンポーネントとともに気道補助用具コネクタを示す。
図36図26および図35の同じコンポーネントを示し、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド気道補助用具受け口に設置された気道補助用具コネクタを示しており、前記気道補助用具コネクタの外面は前記変換可能な換気装置回路患者マニフォールド気道補助用具受け口の内面の内側に嵌まっている。
図37】変換可能な換気装置回路患者マニフォールド気道補助用具受け口に設置された気道補助用具コネクタの代替実施形態であることを除き、図36の同じコンポーネントを示し、前記気道補助用具コネクタの内面は前記変換可能な換気装置回路患者マニフォールド気道補助用具受け口の外面の外側に嵌まっている。
図38a図36の同じコンポーネントを示すが、気道補助用具コネクタは変換可能な換気装置回路患者マニフォールド気道補助用具受け口に部分的に設置されている。
図38b図37の同じコンポーネントを示すが、気道補助用具コネクタは変換可能な換気装置回路患者マニフォールド気道補助用具受け口に部分的に設置されている。
図39】変換可能な換気装置回路患者マニフォールドに設置されたDAUを示しており、前者はフェイスマスクカフを含むフェイスマスクの好適な実施形態としての気道補助用具ともインターフェースされ、前記フェイスカフは、前記DAU上の圧力センサである補助センサに接続されている圧力チューブを有する。フェイスマスクカフは実質的に緩んだ構成で見られる。
図40図39の同じコンポーネントを示すが、フェイスマスクカフは患者の顔にしっかりと当てられていることから実質的に締めた構成で見られる。
図41】変換可能な換気装置回路患者マニフォールドに設置されたDAUを示しており、前者は気管内チューブカフを有する気管内チューブの好適な実施形態としての気道補助用具ともインターフェースされ、前記気管内チューブカフは、前記DAU上の圧力センサである補助センサに接続されている圧力チューブを有する。
図42】変換可能な換気装置回路患者マニフォールドに設置されたDAUを示しており、前者は気管チューブカフを有する気管チューブの好適な実施形態としての気道補助用具ともインターフェースされ、前記気管チューブカフは、前記DAU上の圧力センサである補助センサに接続されている圧力チューブを有する。
図43】人工鼻(HME)と関連する電気コンポーネントおよび感知コンポーネントの側面図を示す。
図44a】垂直軸で約15度回転し、温度および/または湿度プローブのポートを示す、図43のHMEの側面図を示す。
図44b】設置された温度および/または湿度プローブをさらに示す、図44aのHMEの同一の側面図を示す。
図45a】温度および/または加湿プローブの最も下のセンサポートをさらに示す、図44aに図示されるHMEの底面図を示す。
図45b】設置された最も下の温度および/または湿度プローブをさらに示す、図45aの同じコンポーネントおよび図を示す。
図46】HMEの気道補助用具ポートに設置された気道補助用具コネクタをさらに示す、図43の同一の図のHMEを示す。
図47】変換可能な換気装置回路患者マニフォールドに設置されたDAUを示し、HMEは変換可能な換気装置回路患者マニフォールド気道補助用具受け口に設置され、気道補助用具はHME患者気道補助用具受け口に設置され、前記気道補助用具は気管内チューブを備える。図47は、前記DAU上の圧力センサである補助センサに接続されたHME圧力チューブをさらに示す。図47は、温度および/または加湿センサである補助センサに接続されたHME温度および/または加湿プローブをさらに示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、吸気肢11を有する変換可能な換気装置回路10を備える組合せを示し、前記吸気肢は吸気粒子・毒・病原体フィルタ15と換気装置吸気接続部13とを有する。変換可能な換気装置回路10は、呼気病原体フィルタ16と換気装置呼気接続部14とを有する呼気肢12も備える。変換可能な換気装置回路10は、吸気肢11および呼気肢12との流体接続部を有し、患者とインターフェースする気道補助用具への流体接続を提供する気道補助用具受け口23も有する患者マニフォールド20も備える。吸気肢逆止弁24の好適な実施形態は、(1)吸気肢11と気道補助用具受け口23との間、または(2)呼気肢12と気道補助用具受け口23との間の流体接続性を交互に変えるように位置付けられる。吸気肢逆止弁24のこの構成の結果、吸気肢11および呼気肢12内のガス流が実質的に均一な方向になる。具体的には、1回の呼吸の吸気相中、換気装置吸気接続部13に接続される換気装置70によって排出される吸気ガスは吸気粒子・毒・病原体フィルタ15を通って移動し、さらに続いて吸気肢11を通って患者マニフォールド20に向かい、患者吸気肢逆止弁24を通って気道補助用具受け口23に出る。1回の呼吸の呼気相中、気道補助用具受け口23に接続される気道補助用具経由で患者から排出される呼気ガスは、閉鎖した吸気肢逆止弁24によって吸気肢11への進入を防止され、そのため呼気肢12に入って、呼気病原体フィルタ16を通って換気装置呼気接続部14に接続される換気装置70に向かって移動する。
【0023】
吸気粒子・毒・病原体フィルタは、患者を保護する上で極めて重要な役割を果たす。吸気粒子・毒・病原体フィルタ15は、患者が吸い込むことになる吸気ガスに、感染を引き起こす可能性のある病原体および病理学的傷害、もしくは病原体または病理学的傷害の一因となる可能性のある粒子がないことを確実にする。公衆安全および軍事バージョン、もしくは公衆安全または軍事バージョンは、化学物質の吸入から保護するために、危険な環境の使用が予期される場合には、吸入毒性危険物を濾過する能力を含むことができる。
【0024】
同様に、呼気病原体フィルタ16は、治療される患者が伝染性の空気媒介感染症にかかっている場合に、感染している患者が吐き出す空気媒介病原体が周囲の大気に入るのを防止するように、提供者および他の近くの人を保護する。注目すべきは、これらのフィルタの位置は換気装置への接続部のごく近くにあり、用手換気と機械換気との変換中に濾過機能を維持することが可能であるということである。
【0025】
対応する吸気粒子・毒・病原体フィルタ15および呼気粒子病原体フィルタ16とともに、患者マニフォールド20、吸気肢11および呼気肢12を含めた変換可能な換気装置回路10のコンポーネントは、好ましくは生体適合性材料から製造され、内部に輸送される呼吸ガスに拡散する可能性のある有害な浸出性化合物がない。加えて、吸気肢11、呼気肢12および患者マニフォールド20は、好ましくは、加圧された呼吸ガスを含有するとき、膨張に耐えられる材料から構成される。吸気肢11および呼気肢12は、好ましくは、変換可能な換気装置回路が人工換気装置の様々な実施形態および/または使用シナリオで使用するのに本質的に適することが可能な多様な構成に延長、圧縮および/または成形する能力を促進する波形デザイン(または実質的に同等の代わりのもの)からも構成される。このことは、特に、使用時に、通例、理想的な使用で患者の近くに位置付けられる用手換気装置70(図示される)に接続されたときに、吸気肢11および呼気肢12が圧縮される能力と、使用時に、通例、理想的な使用で患者から1~2メートルのところに位置付けられる機械換気装置(図7に図示)に接続されるとき、吸気肢11および呼気肢12が交互に伸長構成と部分的に伸長構成とになる能力とを提供する。図1に図示されるこの図では、吸気肢11および呼気肢12は、この側面図では、同じ垂直面に垂直に配列されて描かれている(すなわち、図1では、呼気肢12は吸気肢11の上に描かれて、両方とも同時に見えるようになっている)。本発明のこの典型バージョンでは、連結DAU+DPU30+40は、DAUおよびDPUが単一ハウジングを共有する単一統合ユニットを備える。この結果、ディスプレイ・音響エミッタ42は、患者マニフォールド20の近くに位置することになる。この図の連結DAU+DPU30+40は患者マニフォールド20に設置する準備ができた位置である。
【0026】
DPU40はデータを処理、分析、記憶および/または伝送することのできる小型装置に典型的なコンポーネントを含み、当該コンポーネントはコンピュータ処理装置および/または論理回路、メモリ、有線/無線通信、ならびに他のインターフェースしているコンポーネント用インターフェースを含むことが理解される。本発明において、DPUは、インターフェースされる排気弁を起動することのできる能動的排気弁コントローラを構成するトリガ能力も含む。DPUは視覚、音響および/または触覚フィードバックをユーザに伝えるための1つまたは複数のコントローラ、蓄電能力(例えば、バッテリ)および後にさらに詳細に説明される他のコンポーネントも内蔵する。最後に、DAUおよびDPUはともに、起こりうる動きのアーチファクトの検出を可能にする1つまたは複数のモーションセンサを内蔵し、この目的で使用される典型のセンサタイプは3軸加速度計およびジャイロセンサ、もしくは3軸加速度計またはジャイロセンサである。
【0027】
図2は、図1に図示されるコンポーネントの同じ組合せの側面図を示すが、本発明のいくつかの属性を好適な構成で示している。吸気肢11および呼気肢(見えない)は同じ水平面にあるものとして描かれており、この図の呼気肢は前景の吸気肢11の背後に隠れている。この本発明の好適な実施形態では、DAU30はDPU40とは別のそれ自体のハウジングが備えられていることがさらに分かる。この好適な構成では、この結果、ディスプレイ・音響エミッタ42は用手換気装置70の近くに配置されて、使用中、接続されている用手換気装置70によって物理的に支えられることができるようになり、それによってDAU30の重量が前の図1に図示される統合型DAU+DPUの重量よりも実質的に少なくなる。
【0028】
図3図2の同じコンポーネントを示すが、DAU30およびDPU40はともに変換可能な換気装置回路10上に設置され、それによってデータ統合型変換可能な換気装置回路(DiCVC)になる。同様に、用手換気装置70がDiCVC10に接続されて示されており、用手換気中にデータを取得するためのシステムを完成させる。DAU30とDPU40との間には有線接続部36も示されており、これは好ましくは高速双方向データ変換が可能な汎用タイプ(例えば、ユニバーサル・シリアル・バス)にすることができる。
【0029】
図4図3に図示されるコンポーネントの同じ組合せを示すが、用手換気装置が機械換気装置80に取り替えられている。図3に図示される構成に対して、この図4では、吸気肢11は、機械換気装置80との使用中に好ましい膨張構成であることが分かる。機械換気装置80の好適な実施形態では、DPU40は、DPU40を収容するように特に設計されたインターフェース受け口87内に位置付けることができ、それによってDPU40が偶発的な接触および転位、もしくは接触または転位から実質的に保護されることが可能であることが分かる。有線接続部36はDAU30とDPU40との間のデータ変換を可能にし、代替実施形態は実質的に同様なデータ変換のために無線手段を備える。機械換気装置80の好適な実施形態は、同様な有線接続部、無線手段(例えば、ブルートゥース(登録商標)およびWiFiプロトコル、もしくはブルートゥースまたはWiFiプロトコル)または他の手段のいずれかによってDPUがデータを変換する能力を含んで、それ自体のプロセッサ装置および論理回路、もしくはプロセッサ装置または論理回路を有する機械換気装置がDAU30によって取得されたデータを利用し、同様にDPU40とデータを変換することができるようにする。DAU30とDPU40との間の有線接続部39の好適な実施形態は、有線接続部39を吸気肢11または呼気肢(見えない)のいずれかに埋め込みまたは密接に付着することを提供する。
【0030】
図1図4に図示される本発明のバージョンは単なる例示であることが意図され、本発明は図示されるコンポーネントに制限されないことは理解されるべきである。例えば、エアゾール化および/または噴霧化した薬剤を送達するため、加温加湿のため、および/または他の目的のための付属品など、1つまたは複数の付属品を回路肢の1つまたは複数に挿入できることは、当分野では一般的である。このような付属品は本発明の範囲に重大に影響しないことは理解されるべきである。加えて、本発明の範囲内にある代替実施形態が可能であることは理解されるべきである。例えば、図1を参照すると、個別の吸気肢11および呼気肢12の代わりに、吸気ガスおよび呼気ガスに個別の通路を維持する単一チューブを備える単一の二重管腔チューブを提供することが可能であろう。このような二重管腔チューブは、代替構成を収容するために、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20への接続部、ならびに換気装置吸気接続部13および換気装置呼気接続部14に簡単な変更を行うと、横並び方式または入れ子式チューブ方式を備えることができるであろう。
【0031】
10番台および20番台のすべての数字を含む変換可能な換気装置回路10および変換可能な換気装置患者マニフォールド20のコンポーネントは、一人患者用に、使用後の使い捨てを容易にするために経済的に製造することが意図される。好適な実施形態は、これらのコンポーネントが、環境的に健全な処分を容易にするための焼却のために、生分解性および適切性、もしくは生分解性または適切性を高めたことを提供する。代替として、名前を挙げたコンポーネントは、様々な患者での使用間の経済的な滅菌に適した耐久性のある材料で製造することができるであろう。対して、30および40番台の数字の付いたコンポーネントは、患者での使用後に変換可能な換気装置回路10から取り出した後、次の患者に使用する前に、耐久性のあるコンポーネントを容易に取り外し、清掃し、後続の変換可能な換気装置回路10に設置することができるように、耐久性のある材料から構成されることが意図される。
【0032】
図5は、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20を図示し、吸気肢21の接続部は呼気肢22の接続部の上に描かれている。患者と物理的に接触することになるいくつかの種類の患者気道補助用具のうちの1つとインターフェースするように設計される、患者気道補助用具受け口23も設けられる。気道補助用具の実施例は、フェイスマスク(患者の顔とフェイスマスクのインターフェース面との間に気密シールが得られる)、患者の喉に挿入される声門上器具(患者の喉の表面と声門上器具のインターフェース面との間に気密シールが得られる)、患者の気管に挿入される気管内チューブ(患者の気管の表面と気管内チューブ上の膨張可能なカフのインターフェース面との間に気密シールが得られる)、または長期的な人工換気を受けることが予期される患者では、首の手術による開口部を通して患者の気道に挿入する気管チューブを含む。
【0033】
図5は1回の呼吸の吸気相に一致する構成における吸気肢逆止弁24の好適な実施形態も示し、典型の逆止弁24は2つの機能を提供する。まず、換気装置からの吸気ガスが吸気肢接続部21によって変換可能な回路患者マニフォールド20に流れるとき、吸気肢逆止弁24は受動的に開いている。この接続性は前記吸気肢接続部21から患者気道補助用具23の接続部までの連続した流体通路を提供し、それによって吸気ガスを変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20を通して患者に向ける手段を提供する。次に、図示される典型バージョンでは、逆止弁24は呼気肢接続部22と、(1)吸気肢接続部21、または(2)患者気道補助用具受け口23のいずれかとの間の流体通路を同時に塞ぐように構成されることが分かる。この構成は、1回の呼吸の吸気相中、ガス流が換気装置から吸気肢接続部21を経由して、開いた逆止弁24を通り、患者気道補助用具受け口23に向かって実質的に一方向であることを確保し、それによって吸気ガスが変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20を通って換気装置から患者まで単一経路を有する手段を実現する。より具体的には、逆止弁の構成は、吸気ガスが吸気肢接続部21と呼気肢接続部22との間に直接流れることによって患者を迂回できないようにする。
【0034】
記載されるコンポーネントのいくつかの代替実施形態は、本発明の範囲に一致する。例えば、逆止弁24は、吸気肢接続部21および呼気肢接続部22からの流れの開通性をそれぞれ制御し、吸気肢接続部21および患者気道補助用具受け口23から同一の一方向の流れパターンを提供するであろう対の能動的一方向弁で代用することができ、吸気肢接続部21を介して流れを規制する前記一方向弁は開いていて、呼気肢接続部22を介して流れを規制する前記一方向弁は閉じている。同様に、図示される逆止弁24は実質的にダックビル・デザインであるが、本発明は説明される用途に実質的に適用可能な実用性を有するドーム、アンブレラおよび/またはクロススリット弁方式を含む代替例も含むことは理解されるべきである。
【0035】
図6は、1回の呼吸の吸気ホールド相に一致する構成の吸気肢逆止弁24の好適な実施形態を示しており、1回の呼吸の完全な送達後、肺に送達されるガス量が、吸気(または肺膨張)相と呼気(または肺収縮)相との間の短い期間の間保たれる。この構成では、典型の逆止弁24は閉じられ、患者気道補助用具受け口23または呼気肢接続部22のいずれかから吸気肢接続部21に向かう逆行性のガス流を塞ぐ。加えて、この好適な実施形態では、能動的静電作動呼気肢弁25aが起動されて強制的に閉じられ、患者気道補助用具受け口23から呼気肢接続部22に向かうガス流を防ぐ。この静電作動呼気肢弁25aは、DAUが患者マニフォールド20に設置されているとき、DAUが静電作動呼気肢弁25を電気的に起動することができる電気接続が提供される(見えない)ように、患者マニフォールド20の外面と通信する電気回路を介して起動される。その結果、図示される構成では、名前を挙げたコンポーネントのどのコンポーネント間にもガス流が許容されず、それによって変換可能な換気装置回路が用手換気装置または機械換気装置のいずれに接続されているかどうかに関係なく、吸気ホールド手技を実現するのに必要な装置を構成する。
【0036】
前述されて図5に図示されるように、記載される名前を挙げたコンポーネントの代替実施形態は、本発明の範囲内にあり、吸気ホールド手技を実現する同一の能力を提供するであろうと理解されるべきである。作動呼気肢弁25aの代替作動メカニズムは、直接的な機械式作動、空圧式作動および/または電磁式もしくは圧電気式作動による代替電気式作動を含む。
【0037】
図7は、1回の呼吸の呼気相に一致する構成における吸気肢逆止弁24の好適な実施形態を示す。図6に図示されるように、典型の逆止弁24は閉じられ、患者気道補助用具受け口23または呼気肢接続部22のいずれかから吸気肢接続部21に向かう逆行性のガス流を塞ぐ。加えて、この実施形態では、能動的静電作動呼気肢弁25aが停止されて、受動的に再び開くことを可能にするとともに、患者気道補助用具受け口23から呼気肢接続部22に向かうガス流を可能にし、それによって患者からの呼気ガスが変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20に入って患者気道補助用具受け口23を通り、停止されおよび特許静電作動呼気肢弁25aを通って呼気肢接続部22を経由して換気装置に向かう、1呼吸サイクルの呼出相の手段を実現する。
【0038】
上記示されるように、記載されるコンポーネントの代替実施形態は、本発明の範囲内に一致し、肺呼気を実現する同一の能力を提供するであろう。作動呼気肢弁25aの代替作動メカニズムは、能動的呼気弁25aが停止されるとき、自由なガス流を提供するように同一に構成することができるであろう。
【0039】
図5図7の実施形態は図1に図示される吸気肢および呼気肢の両方(それぞれ11および12)を備えて説明されているが、説明される機能は実際の呼気肢12が存在せず、呼気肢接続部22に接続されなくても、完全に保たれることも理解されるべきである。この場合、患者から吐き出されるガスは換気装置呼気肢コネクタ14に接続される換気装置に戻らず、代わりに、図1に図示される呼気肢接続部22から周囲の大気にただ放出する。呼気肢が接続されていない場合、患者からの呼気ガスは提供者および近隣の患者、もしくは提供者または近隣の患者に感染させる可能性のある汚染がないように、空気感染病原体フィルタが呼気肢接続部22付近に位置付けられている。したがって、図1を参照すると、本発明の代替実施形態は呼気肢12のない単一肢デザインを含む。さらに、本発明は、施術者が望ましいと見なすときのみ(例えば、機械換気装置とともに使用する前)呼気肢12を追加させる実施形態も提供する。この構成は前述した単一、二重管腔式変換可能な換気装置回路と同様な一定の利点を提供し得る。
【0040】
再び図5図7を参照すると、記載される装置は換気装置によって推進される能動的なガス移動をサポートするが、提供されるコンポーネントは患者が部分的にまたは完全に意識を取り戻した場合に、受動的にも機能することも理解されるべきである。これらの状況において、患者が自発的に呼吸を開始し、それによって患者気道補助用具受け口23の地点に真空が生じる場合、逆止弁24は吸気肢接続部21からガス流が引き寄せられることに応答して受動的に開く。
【0041】
図8は変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20内のデッドスペース領域18を示す。これは、ガス流量、ガス圧、および/または構成ガスの部分圧/混合に関して一定の測定値を得るための重要な変数である。特に、能動的呼気弁25aが作動する吸気ホールド手技中、ゼロガス流が生まれ、ガス流に対する抵抗から生じる交絡圧力なく、正確な圧力測定値を得ることができる。
【0042】
図9図8の同じコンポーネントを拡大図で示しており、変換可能な換気装置回路10が機械換気装置80に接続されている。この図は吸気肢11および呼気肢12内のガスの総量に対する総デッドスペース領域18の主観的な比較を可能にする。
【0043】
図10は、機械換気装置80とのみ適合性がある変換不能な換気装置回路内の匹敵するデッドスペース領域18を示す。このような変換不能な換気装置回路は一方向弁を内蔵していないことが多く、吸気肢および呼気肢の両方を通る一方向性の空気流は換気装置自体の内部に内蔵される内部一方向弁によって制御される。この構成では、回路内の任意の地点で得られる圧力測定値は、変換不能な換気装置回路の両肢に含まれるデッドスペース領域18全体と合わせた肺の合計測定値である。この構成では、デッドスペース領域18は患者の実際の肺容量をはるかに超える。
【0044】
図11は、吸気肢接続部21および呼気肢接続部22(この図では吸気肢接続部21背後の背景にある)の水平方向に同質な(左右)構成を提供する変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20の好適な実施形態を示しており、他の名前を挙げた変換可能なコンポーネントは図7に図示されるものと同一のままである。
【0045】
図12は、図11に図示される変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20の同じ好適な実施形態を底面図から示している。この図では、吸気肢接続部21および呼気肢接続部22の水平方向に同質な構成は、患者気道補助用具受け口23の位置に対して見ることができる。
【0046】
図13は、図11図12に図示される変換可能な換気装置回路患者マニフォールドの同じ好適な実施形態を端面図から示している。この図では、吸気肢接続部21が左にあり、さらにガス通路を上側右に向けていることが分かる。同様に、呼気肢接続部22は右にあり、左下からガス流を受けることが分かる。この図は、吸気/呼気ガス流の上下(垂直方向に同質の)構成がいかに左右(水平方向に同質の)構成に変換できるかを効果的に実証している。
【0047】
図14は、図11の変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20の好適な実施例を示し、1つまたは複数のセンサが下のガス通路へのアクセスを得るための手段を提供する1つまたは複数のセンサポート27aおよび27cの好適な位置も描いている。これらのセンサポートは、ポートにセンサが存在せず空いているときに、ガス漏れを防ぐためにキャップまたは栓をすることができる。センサポート27aおよび27cの好適な実施形態は、ヒトの心臓弁と同様な受動的で多尖クロススリット弁デザインであり、センサが存在しないときには回路内部の圧力で弁が押されて閉じるので漏れを防ぐが、センサの先端が弁の外面に押し当たる時の圧力で撓むので、センサを適切に位置付けることでセンサポートが開き、センサ先端のガス通路への連通可能なアクセスを可能にする。一方向弁の一般的な代替形態は、本発明によって提供されると解釈されるべきであることは理解されるべきである。例えば、ダックビル、ボール、アンブレラ、およびその他一般的な一方向弁のデザインは、本発明で説明される役割を果たすであろう。
【0048】
図14では、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20上のセンサポート27aおよび27cの位置によって、センサが、1呼吸サイクルの1つまたは複数の相に特有のセンサ情報を提供するために、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20の特定のエリアと通信するように構成することができることも分かる。例えば、吸気肢逆止弁24は、吸気肢接続部21の間近に配置されるセンサポート27aに設置された圧力センサと患者気道補助用具受け口23との間となるであろう。吸気肢逆止弁24が開いている(図5に図示される)能動的吸気中、前述したセンサポート27aに設置された圧力センサは患者気道補助用具受け口23への、そのため患者の肺への連続流体通路を有するガスと接触する。このことは、センサポート27aで測定される圧力が、(1)患者の肺の圧力、および(2)能動的ガス流に対する気道の抵抗の結果として生じる追加圧力、の合計を反映することを意味する。しかし、吸気肢逆止弁24が図14に図示される構成で閉じている吸気ホールド相または呼気相中には、前述したセンサポート27aに設置された圧力センサは患者気道補助用具受け口23内の圧力を反映せず、したがって、患者の肺の圧力から隔離される。これは吸気肢逆止弁24の閉じた構成によるものであり、前述したセンサポート27aに設置した圧力センサと患者気道補助用具受け口23との間のガス通路を遮断するように作用する。このことは、センサポート27aに設置された圧力センサが吸気肢接続部21に接続される換気装置からの所望の圧力測定以外の交絡圧力源がないことを意味する。呼気肢接続部(見えない)の間近のセンサポートに配置される圧力センサの同様な利益が、能動的な呼気中、所望の圧力測定とは別の交絡圧力源をなくす。
【0049】
吸気肢接続部または呼気肢接続部いずれかの間近のセンサポートに配置されるセンサとは対照的に、患者気道補助用具受け口23の間近の1つまたは複数のセンサポート27cに配置されるセンサは、すべての呼吸サイクルを通して常に患者の肺と連続流体通路を有するガスに接触する。例えば、前述したセンサポート27cに設置した酸素センサは、吸気中、患者に投与される酸素の濃度を測定することができ、呼気中または呼気の終わりに患者が吐き出す酸素の濃度を測定することもできる。これは酸素摂取量の診断に非常に役立てることができ、吸気の酸素濃度と呼気中の酸素濃度との差が血液によって吸収された酸素量に比例する(これは肺機能、肺血流量およびヘモグロビンの状態を含む診断要素に関して知らせることができる)。同様に、前述したセンサポート27cに設置した二酸化炭素センサは、吸気中に、患者に投与される二酸化炭素の濃度を測定することができる(実質的にゼロにするべきである)一方で、呼気の終わりには、患者が吐き出す二酸化炭素の濃度を測定することができる。吐き出された二酸化炭素の濃度は、肺機能、肺血流量および他の要素を含む診断要素に関して知らせることもできる。最後に、前述したセンサポート27cに設置された圧力センサは、吸気、吸気ホールド手技および呼気中の圧力を測定することができる。
【0050】
図14は、患者気道補助用具受け口23の間近に設置される多数のセンサポート27cが設けられる好適な実施形態を描いており、この位置では図示されるように合計4つのセンサポート27c(上、下、前景&背景)を意味する。
【0051】
図14は、すべての呼吸相中にいずれの方向でもガス流を測定することのできる流量センサスクリーン28の好適な位置も示す。図面には圧力差ニューモタックの好適な実施形態が描かれており、これは所与の単位時間にセンサを通過するガス量が数学的に求めることができるように、流量センサスクリーン28の近傍の既知の面積も規定する。本発明は、説明されるのと実質的に同じ機能を提供することができるであろう他のタイプの一般的な流量センサを含むことは理解されるべきである。
【0052】
図15は、図12の変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20の好適な実施形態を示し、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20の特定の領域と通信するように構成されるセンサポート27a、27bおよび27cの好適な位置も描いている。この底面図では、吸気肢接続部21の間近のセンサポート27aおよび呼気肢接続部22の間近のセンサポート27bの各位置が分かる。前述したように、このことは、センサポート27aに設置したセンサ(例えば、圧力センサ)が吸気に特有の「クリーンな」交絡のないデータを提供し、ポート27bに設置されたセンサが呼気に特有の同様な交絡のないデータを提供することを可能にする。患者気道補助用具受け口23のごく近くのセンサポート27cの好適な位置も図示される。
【0053】
図16は、図13の変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20の好適な実施形態を示し、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20の特定の領域と通信するように構成されるセンサポート27a、27bおよび27cの好適な位置も描いている。この図は、センサポート27aおよび27bを吸気肢接続部21および呼気肢接続部22のごく近くにそれぞれどのように位置付けることができるかを最も明確に示している。同様に、この図は、4つの典型のセンサポート27cを患者気道補助用具受け口23のごく近くにいかに好適に位置付けることができるかを最も明確に示している。
【0054】
この図16で提供される端面図は、この好適な実施形態では、すべてのセンサポート27a、27bおよび27cがいかに変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20の左右の側からアクセス可能であるかも最も明確に示しており、これらをDAUおよび関連センサの設置に容易に利用できるようにする。
【0055】
図17aはDAU30の一実施形態の側面図を示し、図17bはDAU30の一実施形態の対応する端面図を提供する。図17aでは、前景に単一センサハウジング上部アーム32aを確認することができる。同様に、前景に単一センサハウジング下部アーム32bを確認することができる。図17bでは、両センサハウジング上部アーム32aが見えていて、好ましくは同じ水平面に配向され、両センサハウジング下部アーム32bも同様に見えて、配向される。本発明の範囲内にとどまるあるとき、代替実施形態ではより少ない、または追加のセンサハウジングアームを設けることができるであろう。
【0056】
センサハウジング上部アーム32aの好適な実施形態は、センサハウジング上部アーム32aの一時的な角度変化のための能動的または受動的ないずれかの手段を備えるセンサハウジング上部アームネック33aを含むので、左右のセンサハウジング上部アーム32aは変換可能な換気装置回路患者マニフォールドへの設置中に離して広げることができる。同様に、センサハウジング下部アーム32bはセンサハウジング下部アーム32bの一時的な角度変化のための能動的または受動的ないずれかの手段を備えるセンサハウジング下部アームネック33bを含んで、変換可能な換気装置回路患者マニフォールドとの設置を容易にする。センサハウジング上部アーム32aおよび/またはセンサハウジング下部アーム32bの好適な実施形態は、上部アームハウジングネック33aおよび/または下部アームハウジングネック33bを備えるために使用される材料の特性の変化を備えて、メモリ特徴が上部アームハウジングネック33aおよび/または下部アームハウジングネック33bを、変換可能な換気装置回路患者マニフォールドへのDAU30の設置中に手の力で変化して広げられた角度に順応させるが、さらに変換可能な換気装置回路患者マニフォールド上にセンサハウジング上部アーム32aおよびセンサハウジング下部アーム32bを完全に進ませる時、元の角度に復帰させるようにする。この好適な実施形態では、DAUと変換可能な換気装置回路患者マニフォールドの接合面は、設置が完了してしまえば2つのコンポーネントを一緒に可逆的に固定させる1つまたは複数の特徴を設けるように構成され、それによってDAU上のセンサと変換可能な換気装置回路患者マニフォールド上に位置付けられる対応するセンサポートとの予測可能な一貫性のある相対的位置付けを提供する。使用後、DAU30は、センサハウジング上部アーム32aおよびセンサハウジング下部アーム32bに手で外側に圧力をかけて、DAU30をずらし、変換可能な換気装置回路患者マニフォールドから外すことができるようにすることによって、変換可能な換気装置回路患者マニフォールドから解放することができる。
【0057】
図17aおよび図17bを参照し続けると、センサは、1回の呼吸サイクルの特定のステージを表す特定の位置からデータを取得するために、DAU30の様々な位置に設置することができる。1つまたは複数の吸気ゾーンセンサ37aは、前記吸気ゾーンセンサ37aを吸気ガスと直接インターフェースさせる、変換可能な換気装置回路患者マニフォールドの1つまたは複数の対応するセンサポートに配列するように位置付けることができる。1つまたは複数の呼気ゾーンセンサ37bは、前記呼気ゾーンセンサ37bを呼気ガスと直接インターフェースさせる、変換可能な換気装置回路患者マニフォールドの1つまたは複数の対応するセンサポートに配列するように位置付けることができる。1つまたは複数の患者ゾーンセンサ37cは、前記患者ゾーンセンサ37cを吸気ガスおよび呼気ガスの両方と直接インターフェースさせる、変換可能な換気装置回路患者マニフォールドの1つまたは複数の対応するセンサポートに配列するように位置付けることができる。1つまたは複数の補助センサ37dは、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド上に、気道補助用具、薬剤噴霧器、吸気ガス加湿器、または変換可能な換気装置回路の使用中に利用される他の付属品のコンポーネントを含んでもよい1つまたは複数の付属品との接続性を提供するために必要な接続部を用いて位置付けることができる。
【0058】
本発明は、意図されるニーズおよび提供されることが見込まれる予測ケアレベルに基づき、必要に応じてセンサを取り付けることができる好適な実施形態を含み、センサは圧力測定および構成ガス、もしくは圧力測定または構成ガスの部分的な圧力/混合の測定を含む。例えば、DAUは、当初、基本技能レベルの提供者によって病院外の患者の初期の現場でのケア中では十分な、単一圧力センサおよび二酸化炭素濃度測定用の単一センサとともに取り付けられることができ、その後上級救急救命士が到着して、必要と見なされればケアの精密化を高めるために追加センサを追加する。この手法は、多様な用途で使用するためのDAUの運用上および予算上の柔軟性を最大化する。
【0059】
図18は底面からのDAU30ユニットを示しており、左右のセンサハウジング下部アーム32bに関連した左右のセンサハウジング上部アーム32aの構成をより明確に示している。センサがセンサポートとの流体接続を得ることが可能なセンサ先端34が設けられていることも分かる。例えば、吸気ゾーンセンサ37aおよび呼気ゾーンセンサ37bは、それぞれ変換可能な換気装置回路患者マニフォールド上の吸気肢センサポートおよび呼気肢センサポートとインターフェースするように描かれている。同様に、2つの患者ゾーンセンサ37cは、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド上の患者ゾーンセンサポートとインターフェースするように示されている。変換可能な換気装置回路の外部の付属品との使用が意図される補助センサ37dも図示される。
【0060】
各センサに付着しているのは、センサポートに挿入されたときに気密シールを作るように構成されるセンサ先端34であり、好ましくは好適なセンサポートの一部として前述される一方向弁とインターフェースするように、先細の、略円錐形の外形を含む。補助センサ37d上のセンサ先端の代わりに、好適な実施形態は、前述した変換可能な換気装置回路とともに使用されてもよい付属品と空圧的にまたは電気的に適合性があるように構成される補助ハブ35を利用する。
【0061】
DAU30のこの図は、センサハウジング上部アームネック33aおよびセンサハウジング下部アームネック33bが、各それぞれのアーム間の隙間を広げやすくして、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド上に設置しやすくするようにいかに位置付けることができるかも明確に描いている。
【0062】
図19は、DAU30および変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20の好適な実施形態を示しており、DAU30は内面を有し、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20は外面を有し、DAU30の内面の構成が好ましくは変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20の外面の構成とインターフェースするような形状にされる。DAU30がどのように直線的な摺動運動によって変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20上に実質的に設置することができるかも分かる。
【0063】
図20図14の変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20の側面図を示しており、DAU30が変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20に完全に設置されているところも示している。DAUセンサハウジング上部アーム32aは吸気ゾーンセンサ37aをそれに対応する吸気ゾーンセンサポート(隠れている視界)とインターフェースするように位置付けるが、DAUセンサハウジング下部アーム32bおよび関連の患者ゾーンセンサは患者ゾーンセンサポート(隠れている視界)とインターフェースするように配列されることが分かる。
【0064】
図21は、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20に完全に設置した、図20のDAU30の底面図を示す。DAU30のセンサ間に、それに対応する変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20のセンサポートとの詳細な配列が明確に分かる。例えば、吸気ゾーンセンサ37aは、そのセンサ先端34が吸気ゾーンセンサポート27aに挿入し、吸気ゾーンセンサポート27aとの気密シールを得るように配列され、それによって吸気ゾーンセンサ37aが吸気ガスとの流体接続性を有することを可能にする。同様に、呼気ゾーンセンサ37bは、そのセンサ先端34が呼気ゾーンセンサポート27bに挿入し、呼気ゾーンセンサポート27bとの気密シールを得るように配列され、それによって呼気ゾーンセンサ37bが呼気ガスとの流体接続性を有することを可能にする。患者ゾーンセンサ37cは、そのセンサ先端34がそれに対応する患者ゾーンセンサポート27に挿入し、それとの気密シールを得るように配列され、それによって患者ゾーンセンサ37cが吸気ガスおよび呼気ガスとの常時流体接続性を有することを可能にする。補助センサ37dは、それが前述した変換可能な換気装置回路の様々な付属品とインターフェースすることを可能にする補助ハブに装着される。
【0065】
図22図21の変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20の端面図を示しており、DAU30が変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20に完全に設置されたところも示している。吸気ゾーンセンサ37aは、そのセンサ先端(図式の制約のために符号を付けていない)が吸気ゾーンセンサポート27aに挿入し、吸気ゾーンセンサポート27aとの気密シールを得るように配列され、それによって吸気ゾーンセンサ37aが吸気肢接続部21のすぐ近くの吸気ガスとの流体接続性を有することを可能にする。同様に、呼気ゾーンセンサ37bは、そのセンサ先端(図式の制約のために符号を付けていない)が呼気ゾーンセンサポート27bに挿入し、呼気ゾーンセンサポート27bとの気密シールを得るように配列され、それによって呼気ゾーンセンサ37bが呼気肢接続部22のすぐ近くの呼気ガスとの流体接続性を有することを可能にする。患者ゾーンセンサ37cは、そのセンサ先端(図式の制約のために符号を付けていない)がそれに対応する患者ゾーンセンサポート(図式の制約のために符号を付けていない)に挿入し、患者ゾーンセンサポートとの気密シールを得るように配列され、それによって患者ゾーンセンサ37cが患者気道補助用具受け口23のすぐ近くの吸気ガスおよび呼気ガスとの常時流体接続性を有することを可能にする。
【0066】
図22は、近位流量センサ38aおよび遠位流量センサ38bがそれぞれ、いかに流量センサスクリーン28の両側にある患者ゾーンセンサポート(図式の制約のために符号を付けていない)にそれぞれ挿入して、患者ゾーンセンサポートとの気密シールを得るかも示している。このことは、経時的な流量および累積流量(容量に等しい)を測定するこの方法論の一般的に知られた原則と一致して、流量センサスクリーン28の両側の差圧測定値を数学的に導くことを可能にする。本発明の範囲内にとどまるとき、流量を測定する代替方法論を組み込むことができることは理解されるべきである。
【0067】
図23は、データ取得および電気的にトリガされる機能を支持する追加属性を備える変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20を示す。患者気道補助用具受け口23の拡張は、患者気道補助用具送信用電極リング26aと患者気道補助用具受信用電極リング26bとを含み、その各々が患者気道補助用具受け口23の内面および外面の周りに実質的に円形の伝導性リングを備える。患者気道補助用具送信用電極リング26aは気道補助用具送信用コンジット26cによって気道補助用具外面送信用電極26eと電気的に連続し、その後者は変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20の構造内および構造上、もしくは構造内または構造上に埋め込んでもよい。同様に、患者気道補助用具受信用電極リング26bは気道補助用具受信用コンジット26dによって気道補助用具外面受信用電極26fと電気的に連続し、その後者は変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20の構造内および構造上、もしくは構造内または構造上に埋め込んでもよい。まとめて、これらのコンポーネントは患者気道補助用具外面送信用電極26eから始まる電気インパルスが気道補助用具送信用コンジット26cを経由して、患者気道補助用具送信用電極リング26aに到着するまで続くことを可能にする。患者気道補助用具が患者気道補助用具受け口23に設置されて、前記患者気道補助用具が気道補助用具送信用電極リング26aと患者気道補助用具受信用電極リング26bとの間の電気回路を完成させることができる導電性コンポーネントを含む場合、患者気道補助用具外面送信用電極26eから起こる電気インパルスは、気道補助用具受信用コンジット26dによって、隣接する患者気道補助用具外面受信用電極26fに戻ることができる。
【0068】
この図23には、能動的呼気弁送信用コンジット25bを経由して、能動的呼気肢弁25aと電気的に連続する能動的呼気弁外面送信用電極25dも図示されている。この能動的呼気肢弁25aは、能動的呼気弁受信用コンジット25cを経由して、能動的呼気弁外面受信用電極25eにも電気的に連続している。能動的呼気弁外面送信用電極25dおよび能動的呼気弁外面受信用電極25eが電流を生成することのできる外部装置と接続されている場合、当該電流が能動的呼気弁25aを起動し、それを透過性ガス流に対して閉鎖させる。
【0069】
代替実施形態は、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20の機能を高める電気コンポーネントのこの好適な説明から直観的に導き出すことができる。例えば、患者気道補助用具受け口23が電気送信用および受信用リングに装着されて、気道補助用具送信用電極リング26aと気道補助用具受信用電極リング26bとの間に電気回路を完成させることによって、患者気道補助用具の有無の検出が可能になる場合、データ感知手段が気道補助用具受け口23に気道補助用具が存在するかどうかを記録するメカニズムとして、圧力感知および/または機械式スイッチもしくはトリガを使用できることは容易に分かる。同様に、弁を能動的に閉じる必要があるときに能動的呼気弁25aを電気的に起動する代わりに、能動的呼気弁外面送信用電極25dと実質的に同様に配置される空圧式受け口が能動的呼気弁25aを操作するために空圧インパルスを送信することができるように、空圧式コンジットを代用することによって、能動的呼気弁25aを操作するための空圧式手段が直観的に導き出すことができる。これらおよび他の実質的に同様な代替実施形態は、本発明の範囲と一致する。
【0070】
図24は、データ取得および能動的呼気弁の電気的にトリガされる機能を容易にする追加コンポーネントを備えるDAU30を示す。データ取得ユニット電気バス31は、能動的呼気弁送信用電極39aおよび能動的呼気弁受信用電極39bとの電気的接続性を有し、それぞれが、DAU30が変換可能な換気装置回路患者マニフォールド上のその機能的位置に設置されたときに、変換可能な換気装置回路患者マニフォールドの外面に接触するように、DAU30の外面に配置される。データ取得ユニット電気バス31は、気道補助用具送信用電極39cおよび気道補助用具受信用電極39dとの電気的接続性も有し、それぞれが、DAU30が変換可能な換気装置回路患者マニフォールド上のその機能的位置に設置されたときに、変換可能な換気装置回路患者マニフォールドの外面に接触するように、DAU30の外面に配置される。データ取得ユニット電気バス31と、吸気ゾーンセンサ37a、呼気ゾーンセンサ(この図では隠れている)、患者ゾーンセンサ37cおよび補助センサ37dを含む、DAUに付着されるセンサとの間の電気的接続性を提供する電気バスコンジット39eも図示される。電気バスコンジット39eは、好適な実施形態ではDAU30の構造内に埋め込むことができるであろう。加えて、前述したように、吸気ゾーンセンサ37a、呼気ゾーンセンサ(この図では隠れている)、患者ゾーンセンサ37cおよび補助センサ37dを含む、センサの各々は、好ましくは、特定の臨床用途には必要ないかもしれない1つまたは複数のセンサを省くものを含め、様々なユーザ構成が可能なように、DAU30から取り外し可能である。提供される器具の結果として、吸気ゾーンセンサ37a、呼気ゾーンセンサ(この図では隠れている)、患者ゾーンセンサ37cおよび補助センサ37dはすべてデータ取得ユニット電気バス31と電気的連続性を有し、また有線接続部36を介して、DAU30と通信可能なDPUまたは任意の他の連携装置との電気的連続性を有することが分かる。
【0071】
図25aは図24に見られる同じコンポーネントを示すのに対し、図25bは図23に見られる同じコンポーネントを示す。DAU30上での、図25aに見える能動的呼気弁送信用電極39aと能動的呼気弁受信用電極39bとの相対的な位置付けが、図25bに見える変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20上での、能動的呼気弁外面送信用電極25dと能動的呼気弁外面受信用電極25eとの相対的位置付けにどのように対応するかに留意するべきである。同様に、DAU30上での、図25aに見える気道補助用具送信用電極39cと気道補助用具受信用電極39dとの相対的な位置付けが、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20上での、患者気道補助用具送信用電極26eと患者気道補助用具外面受信用電極26fとの相対的位置付けにどのように対応するかにも留意するべきである。
【0072】
図26図25aおよび図25bに見られる同じコンポーネントを示すが、DAU30は変換可能な換気装置回路患者マニフォールドに完全に設置された構成で見える。以前の図25aおよび図25bで見られた電気構造(図式の制約のために符号を付けていない)は、ここではDAU30の電気コンポーネントと変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20との電気的接触を可能にする物理的な接触状態であることが見て取れる。
【0073】
図27aは、ネック73と、1つまたは複数の換気装置パラメータの調整を可能にする用手換気装置パラメータ調節器74とを有する典型の用手換気装置70の端面図を示す。図27aに見える実施形態では、用手換気装置パラメータ調節器74は、多数のパラメータ設定ストップ74aを用いて、一回換気量(または呼吸サイズ)の調整を可能にするが、本発明の範囲内にとどまるとき、1つまたは複数の個別の換気パラメータが制御されてもよいことは理解されるべきである。図27aは、ユーザが用手換気装置70を握り、ネック73を持っておく能力を容易にするネック把持グリップ73eも示す。図27aは、用手換気装置70からの出力流が吸気肢接続部71を介して接続される吸気肢に入ることを提供する吸気肢接続部71も示す。呼気肢接続部72を介して接続される患者呼気肢からの呼気ガスの流れは、ネック73内に内蔵することのできる1つまたは複数の呼気ベント72cを経由して開放大気に排気され、前記呼気ベント72cは呼気終末陽圧弁の候補位置も表す。
【0074】
図27aに図示される実施形態では、ユーザが片手で用手換気装置のネック把持グリップ73eを握りながら、反対の手でパラメータ調整器74を回転させることが可能である。このような調整を行うとき、ネック73上に収容され、および/またはネック73と連続している73番のコンポーネント、ならびに吸気肢接続部71および呼気肢接続部72は、パラメータセレクタ74が手で回転されているときにその回転向きに対して静止したままとなる。
【0075】
図27bは図27aの同じコンポーネントを、この図からより見えやすい本発明の追加属性とともに、上面図で示す。吸気肢接続部71は、ネック信号送信用コンジット73aおよび用手換気装置パラメータ送信用電極73cと電気的に連続している吸気肢信号送信リング71aを有する。呼気肢接続部72は、同様に、ネック信号送信用コンジット73aおよび用手換気装置パラメータ送信用電極73cと同じく電気的に連続している呼気肢信号送信リング72aを有する。用手換気装置パラメータ受信用電極73dは、吸気肢信号受信用リング71bおよび呼気肢信号受信用肢72bと同時に連続している、ネック信号受信用コンジット73bと電気的に連続していることが分かる。
【0076】
提供されるコンポーネントは、パラメータ送信用電極73cとパラメータ受信用電極73dとの間に電気的接続性が存在するかどうかに応じて、電気信号が送信用リング(71aおよび72a、もしくは71aまたは72a)の1つから受信用リング(71bおよび72b、もしくは71bまたは72b)の1つに潜在的に送信される手段となる。例えば、電気信号が用手換気装置パラメータ送信用電極73cから用手換気装置パラメータ受信用電極73dに伝播することができる場合、当該電気信号は、それが吸気肢信号送信リング71aおよび/または呼気肢信号送信リング72aのいずれかから起こるのであれば、前記電気信号が吸気肢信号受信用リング71bおよび/または呼気肢信号受信用リングに伝播することが分かる。同様に、電気信号が用手換気装置パラメータ送信用電極73cから用手換気装置パラメータ受信用電極73dに伝播することができない場合、電気信号が吸気肢信号送信リング71aおよび/または呼気肢信号送信リング72aのいずれかから起こるのであれば、前記電気信号が吸気肢信号受信用リング71bおよび/または呼気肢信号受信用肢72bに伝播しないことが分かる。
【0077】
図27aおよび図27bの両図では、調節器設定電極74bは、用手換気装置パラメータ送信用電極73cと用手換気装置パラメータ受信用電極73dとの間の電気的接続性を提供するであろう構成で示されている。この調節器設定電極74bは、用手換気装置パラメータ送信用電極73cと用手換気装置パラメータ受信用電極73dとの間に渡す電気信号を変更する微分作用を及ぼすことのできる1つまたは複数の属性を含み、それによって前記信号の変更が感知手段となることを可能にする。例えば、微分作用は、調節器設定電極74bが用手換気装置パラメータ送信用電極73cと用手換気装置パラメータ受信用電極73dとの間で電気信号が変化するように既知の負荷抵抗を及ぼすときに生じさせることができるであろう。送信される信号が微分作用による変更後に戻るとき、戻り信号の結果の特性を処理装置、論理回路または他の手段によって読み出して、使用中の所与の時間にどのパラメータ設定ストップ74aが稼働しているかを確かめることができる。調節器設定電極74bは、半導体メモリ装置を備えることによっても微分作用を提供できるであろう、または用手換気装置パラメータ送信用電極73cは、調節器設定電極74bが後で用手換気装置パラメータ受信用電極73dによって受信されるデジタルデータを反映し、それによって微分作用を与えることになる、無線周波数質問インパルスを伝播することができるであろう。
【0078】
図28aおよび図28bは、それぞれ図27aおよび図27bの同じコンポーネントの端面側面図を提供する。この図では、調節器設定電極74bと用手換気装置パラメータ受信用電極73dとの空間的な関係がよりよく理解することができ、パラメータ調整器74が回転されると、調節器設定電極74bはそれ以上用手換気装置パラメータ受信用電極73dと、また用手換気装置パラメータ受信用電極73dの背後の背景の、用手換気装置パラメータ送信用電極73cと接触しなくなるように回転移動される。
【0079】
図29aは、多数の調節器設定電極74bがパラメータ調整器74に設置されている実施形態を示し、各調節器設定電極74bが1つのパラメータ設定ストップ74aに対応する。各調節器設定電極74bの位置は、パラメータ調整器74の中心とそれに対応するパラメータ設定ストップ74aとの間に特定の距離を有することが分かり、どの2つの調節器設定電極74bもパラメータ調整器74とそれに対応するパラメータ設定ストップ74aとの間が同じ距離ではない。図29aでは、パラメータ調整器74が示され、250ミリリットルのパラメータ設定ストップ74aが12時の位置で示されている。
【0080】
図29bでは、図29aに図示される同じコンポーネントが代替構成で見えており、パラメータ調整器74は、500ミリリットルのパラメータ設定ストップ74aが12時の位置で示されるように左回りに回転されている。
【0081】
図29aおよび図29bに図示される実施形態では、パラメータ設定ストップ74aおよび調節器設定電極74bと数が等しい用手換気装置送信用電極73cのバンクがあり、同じ数の用手換気装置受信用電極73dは、任意の所与のパラメータ設定ストップ74aについて、1つの調節器設定電極74bが1つの用手換気装置パラメータ送信用電極73cと用手換気装置パラメータ受信用電極73dとの間に電気的連続性を提供するような位置にある。この構成は、各調節器設定電極74bが、用手換気装置パラメータ送信用電極73cと用手換気装置パラメータ受信用電極73dからのその通過の間にそれに誘導され得る電気信号の変更に関して、同一であることを可能にする。このことは、個々の用手換気装置パラメータ送信用電極73cおよび用手換気装置パラメータ受信用電極73d、もしくは用手換気装置パラメータ送信用電極73cまたは用手換気装置パラメータ受信用電極73dが微分効果を及ぼすことを可能にして、処理装置、論理回路または他の手段が使用中の所与の時間でどのパラメータ設定ストップ74aが稼働しているかを確かめることを可能にする。この機能をさらに明確にすると、図29aは、用手換気装置パラメータ送信用電極73cおよび用手換気装置パラメータ受信用電極73dのアレイの一番下から5つ上の調節器設定電極74bを示しており、この図では、250ミリリットルの一回換気量の設定に対応する。対して、図29bは500ミリリットルの一回換気量の設定が選択されるように左回りの方向へのパラメータ調整器74の調整後の同じコンポーネントを示しており、その結果、調節器設定電極74bは用手換気装置パラメータ送信用電極73cおよび用手換気装置パラメータ受信用電極73dのアレイ間の一番上から5つ下の回路を完成している。
【0082】
図30aおよび図30bは、図29aおよび図29bに図示されるコンポーネントの代替実施形態を示す。この実施形態では、1つの用手換気装置パラメータ送信用電極73cおよび用手換気装置パラメータ受信用電極73dが示されている。加えて、各パラメータ設定ストップ74aについて1つの調節器設定電極74bがまだ存在しているが、この構成の各1つの調節器設定電極74bは、パラメータ調整器74の回転構成がこれらのコンポーネントを回転面で空間的に配列することを可能にするとき、各調節器設定電極74bが1つの用手換気装置パラメータ送信用電極73cおよび用手換気装置パラメータ受信用電極73dとの電気的接触を可能にするように位置付けられるように、パラメータ調整器74の中心とパラメータ調整器74の外縁に向かう点との間が同一の距離を有することが分かる。この構成は各調節器設定電極74bが微分作用を与えることを可能にし、処理装置、論理回路または他の手段が使用中の所与の時間でどのパラメータ設定ストップ74aが稼働しているかを確かめることを可能にする。
【0083】
本発明のこれらの説明に基づいて、同様に、処理装置、論理回路または他のデータ処理手段が回転パラメータ調整器の位置を確かめることを可能にする1つまたは複数の代替実施形態が容易に提供できることは理解されるべきである。用手換気装置送信用および受信用電極は、調節器設定電極と同じ役割を果たす磁化要素によって作動させることのできる磁気スイッチで代用することができる。回転パラメータ調整器と電気加減抵抗器、電位差計、エンコーダまたは他の同様な汎用装置間の直接的な機械的接続は、本発明の基礎を形成する同一の能力を提供する。回転パラメータ調整器の位置を確かめることを可能にする微分作用を判断するために、すべての電気コンポーネントを流量および動作圧力、もしくは流量または動作圧力の変化を利用する空圧式にすることも可能である。
【0084】
用手換気装置パラメータ調整器の1つまたは複数の代替実施形態は、また、回転作用の代わりに線形作用で構成されてもよい。図31aはネック流出コンジット73fの流出特性を変更するように機能し得るネック流出調整器73hの端面図を示しており、ネック流出調整器73hは、ネック流出コンジット73f内で漸進的に前進する時、ユーザが流出を遅らせて、呼吸送達のために割り当てられる時間量を長くする、および/またはネック流出調整器73hの両側の圧力間に勾配を作ることができるように、1つまたは複数の穿孔を備える可撓性材料を備える。図31aで分かるように、ネック流出調整器73hはネック流出コンジット73hから実質的に後退した位置にある。
【0085】
図31bは図31aに記載される同じコンポーネントの側面図を示し、ネック流出調整器73hを収納するネック流出調整器溝73gをさらに示す。ネック流出調整器73hは線形パラメータ調整器74に構造的に接続されているので、パラメータ調整器74の線形転位はネック流出調整器73hをネック流出調整器溝73g内で移動させるようになることがさらに分かる。
【0086】
図31bは4つの典型のパラメータ設定ストップ74aと、各パラメータ設定ストップ74aについて、用手換気装置設定送信用電極73cおよび用手換気装置設定受信用電極73dも示している。前述したように、各用手換気装置設定送信用電極73cおよび用手換気装置設定受信用電極73d、もしくは用手換気装置設定送信用電極73cまたは用手換気装置設定受信用電極73dが微分作用を取り出すことが可能で、これが処理装置、論理回路または他の手段が使用中の所与の時間でどのパラメータ設定ストップ74aが稼働しているかを確かめることを可能にする。図示される実施形態では、各用手換気装置設定送信用電極73cはネック信号送信用コンジット73aと電気的に連続し、ネック信号送信用コンジット73aはそれ自体が吸気肢信号送信リング71aおよび呼気肢信号送信リング(この図では見えない)の両方に連続している。図示される構成では、調節器設定電極74aはパラメータ調整器74に構造的に接続されているので、パラメータ調整器74が図示される位置にあるとき、調節器設定電極74aは最も右の用手換気装置設定送信用電極73cと用手換気装置設定受信用電極73dとの間に電気的連続性を提供する。
【0087】
図32aおよび図32bは、図31aおよび図31bの同じコンポーネントおよび図を示す。(図32bに見えるいくつかのコンポーネントは、図面を明確にするために符号を付けていない。符号については図31bを参照)。パラメータ調整器74は、ネック流出調整器73hをネック流出コンジット73f内の位置にさせる位置であり、その結果ネック流出の部分的な妨げになっていることが分かる。調節器設定電極74bは、図31bに図示されるものとは異なる、異なる用手換気装置設定送信用電極73bと用手換気装置設定受信用電極73dとの間の電気的連続性を提供して、それによって処理装置、論理回路または他の手段が前述した微分作用に基づいてどのパラメータ設定ストップ74aが稼働しているかを確かめることを可能にすることも確認することができる。
【0088】
処理装置、論理回路または他の手段となる図示されるコンポーネントが、線形作用を用いてパラメータ設定調整器によって調整される用手換気装置パラメータ設定を確かめるために、ネック流出以外のパラメータを調整するために利用できることは理解されるべきである。例えば、線形作用を用いるパラメータ設定調整器は、ユーザが一回換気量、呼気終末陽圧、および/または再膨張に必要な時間を調整する用手換気装置に位置付けられるネック流入装置を調整するために使用することができる。
【0089】
図33は、吸気肢11に接続されている吸気肢接続部71を有する用手換気装置70の側面図を示す。用手換気装置70は呼気肢に接続されている呼気肢接続部も有するが、これらのコンポーネントはこの図では背景にある。吸気肢11の上部に装着されているのは、DPUハウジング41とディスプレイ・音響エミッタ42とを有するDPU40である。DPUハウジング41は吸気肢送信信号リング11aとインターフェースする吸気肢送信用電極44aを内蔵する。DPUハウジング41は吸気肢受信用信号リング11bとインターフェースする吸気肢受信用電極44bも内蔵する。吸気肢11の吸気肢送信信号リング11aは、用手換気装置70の吸気肢接続部71の吸気肢送信用リング71aと電気的に接触していることが分かる。図27bに関して前述したように、用手換気装置吸気肢送信リング71aで起こる送信用信号は、調節器設定電極74bとインターフェースすることができ、これがさらに用手換気装置吸気肢受信用リング71bによって受信される。DPU40は、述べたように、用手換気装置吸気肢送信信号リング71aおよび用手換気装置吸気肢受信用信号リング71bの両方とインターフェースされるため、これらのコンポーネントはDPU40が使用中の所与の時間で用手換気装置70のどのパラメータ設定ストップ74aが稼働しているかを確かめることを可能にする。
【0090】
図34は、図33に図示された用手換気装置70の反対側の側面図を示す。この図では、呼気肢送信信号リング12aおよび呼気肢受信用信号リング12bを有する呼気肢12が見えている。DPUハウジング41は呼気肢送信信号リング12aとインターフェースする呼気肢送信用電極45aを内蔵する。DPUハウジング41は呼気肢受信用信号リング12bとインターフェースする呼気肢受信用電極45bも内蔵する。呼気肢12の呼気肢送信信号リング12aは、用手換気装置70の呼気肢接続部72の呼気肢送信用リング72aと電気的に接触していることが分かる。図27bに関して前述したように、用手換気装置呼気肢送信リング72aで起こる送信用信号は、調節器設定電極74bとインターフェースすることができ、これがさらに用手換気装置呼気肢受信用リング72bによって受信される。DPU40は、述べたように、用手換気装置呼気肢送信信号リング72aおよび用手換気装置呼気肢受信用信号リング72bの両方とインターフェースされるため、これらのコンポーネントはDPU40が使用中の所与の時間で用手換気装置70のどのパラメータ設定ストップ74aが稼働しているかを確かめることを可能にする。
【0091】
図35は、フェイスマスク、声門上器具、気管内チューブまたは気管チューブなどの気道補助用具を換気装置に接続することのできる手段となる気道補助用具コネクタ68を示す。図示される実施形態では、気道補助用具は、受信用装置の内面が気道補助用具コネクタ68の外面とインターフェースするように、受信用装置のコネクタに挿入される設計である。図35に図示される実施形態の外面は気道補助用具送信信号リング69aを含み、これは気道補助用具信号送信コンジット69cと電気的に連続しており、これは処理装置、論理回路または他の手段が、気道補助用具コネクタ68が物理的に装着されている特定の気道補助用具の1つまたは複数の属性に固有であるようにプログラミングされ、および/またはその他構成されるように選択され得る1つまたは複数の特定の識別要素を確かめることを可能にすることのできる微分作用を取り出すことのできる気道補助用具識別チップ69eとインターフェースする。気道補助用具識別チップ69eは気道補助用具信号受信用コンジット69dと電気的に連続し、該気道補助用具信号受信用コンジット69dはそれ自体が気道補助用具受信用信号リング69bに電気的に連続している。
【0092】
図36は、前述されて図26に図示される変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20およびDAU30のコンポーネントを組み合わせた、前述されて図36に図示される気道補助用具コネクタ68を示す。図25aおよび図25bを参照すると、気道補助用具送信用電極39cを有するDAU30が変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20の気道補助用具外面送信用電極26eとの電気接続を確立し、図23に図示されるように、前記気道補助用具外面送信用電極26eが患者気道補助用具送信用電極リング26aと電気的に連続していることは前述した。図36に図示されるように、患者気道補助用具送信用電極リング26aは、それが変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20の気道補助用具受け口23に適切に設置されると、気道補助用具コネクタ68の気道補助用具信号送信リング69aとの電気接続を確立することができるので、DAU30から起こる電気インパルスは、最終的には、気道補助用具送信用電極リング26aに伝播することができる。前述されて図35に図示されるように、これはDAUが信号を気道補助用具識別チップ69eに送信することを可能にする接続性を確立する。
【0093】
図25aおよび図25bを参照すると、気道補助用具受信用電極39dを有するDAU30が変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20の気道補助用具外面受信用電極26fとの電気接続を確立し、また、図23に図示されるように、前記気道補助用具受信用電極リング26bと電気接続を確立することは前述した。図36に図示されるように、患者気道補助用具受信用電極リング26bは、それが変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20の気道補助用具受け口23に適切に設置されると、気道補助用具コネクタ68の気道補助用具信号受信用外皮69bとの電気接続を確立することができるので、前に気道補助用具識別チップ69eに伝播されたDAU30から起こる電気インパルスは、気道補助用具受信用信号リング69b、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド気道補助用具受信用コンジット26d(図23に図示される)によってDAU30に伝え戻されることができ、該変換可能な換気装置回路患者マニフォールド気道補助用具受信用コンジット26dはDAU30の気道補助用具受信用電極39dと接触している変換可能な換気装置回路患者マニフォールド気道補助用具外面受信用電極26fと電気的に連続している。
【0094】
図37図36のすべてのコンポーネントを同じ側面図で示しており、気道補助用具コネクタ68は、気道補助用具の気道補助用具コネクタ68が変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20の気道補助用具受け口23の外側に嵌める代替実施形態で示されている。変換可能な換気装置回路患者マニフォールド気道補助用具受け口23は患者気道補助用具送信用電極リング26aを有し、これは、気道補助用具コネクタ68が変換可能な換気装置回路患者マニフォールド気道補助用具受け口23に適切に設置されると、気道補助用具送信信号リング69aとの電気接続を形成することができる。同様に、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド気道補助用具受け口23は患者気道補助用具受信用電極リング26bを有し、これは、気道補助用具コネクタ68が変換可能な換気装置回路患者マニフォールド気道補助用具受け口23に適切に設置されると、気道補助用具受信用信号リング69bとの電気接続を形成することができる。患者気道補助用具コネクタ68のこの代替実施形態は、前述した同じ電気的接続性を提供し、DAU30が前述されて図35に図示される気道補助用具識別チップ69eとインターフェースすることができる。
【0095】
図38aは、図36に図示される実施形態の気道補助用具コネクタ68を示す。図38bは、図37に図示される実施形態の気道補助用具コネクタ68を示す。図38aおよび図38bの両図では、気道補助用具コネクタ68が変換可能な換気装置回路患者マニフォールド気道補助用具受け口23に不完全に設置されているので、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド気道補助用具受け口23と患者気道補助用具コネクタ68との間に気密シールが維持されて、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20と気道補助用具(例えば、フェイスマスク、声門上器具、気管内チューブ、気管チューブ)との間の継続的なガス移動を提供することが分かる。しかし、図38aおよび図38bの両図では、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド気道補助用具受け口23への気道補助用具コネクタ68の不完全な設置により、変換可能な換気装置回路患者気道補助用具送信用電極リング26aと気道補助用具送信信号リング69aとの間の電気的な接続性が失われることが分かる。同様に、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド気道補助用具受け口23への気道補助用具コネクタ68の不完全な設置により、変換可能な換気装置回路患者気道補助用具受信用電極リング26bと患者気道補助用具受信用信号リング69bとの間の電気的な接続性が失われる。
【0096】
図39は、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20に設置されたDAU30と、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド気道補助用具受け口23に設置される患者気道補助用具コネクタ68を有する患者気道補助用具、この場合はフェイスマスク61とを示す。フェイスマスク61は空気(または他の流体)で膨張されるフェイスマスクカフ61aを有し、これは、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20と患者の鼻および口との間に換気ガスが実質的に流れることができるように気密シールを実現するために、患者の顔の輪郭に適合することが意図される。フェイスマスク61はフェイスマスクカフ膨張/収縮弁61bをさらに有し、これはフェイスマスクカフ61aの圧力を調整するために使用することのできる汎用注入器に適合性がある。フェイスマスク61は2つの端部を有するフェイスマスクカフ圧力チューブ61cをさらに有し、これは、一端から反対側の端部まで内部圧力を最適に伝播することができるように、可撓性であるが低コンプライアンスであることが好ましい。フェイスマスクカフ圧力チューブ61cの一端はフェイスマスクカフ61aの内部に連通し、他端は圧力センサを備えるDAU補助センサ37dに接続する。本発明のコンポーネントのこの組合せは、DAU30がフェイスマスクカフ61aの圧力の測定値を監視し送信することを可能にする。
【0097】
図39を参照し続けると、可撓性フェイスマスクカフ61aが部分的に膨張した状態である結果、フェイスマスクカフ61aの表面が実質的に弛んでいることが分かる。
図40は、前に図39で図示した本発明のコンポーネントの同一の組合せを示す。フェイスマスク61は患者の顔に押し当てられて、フェイスマスクカフ61aが実質的にピンと張った状態に密着させられていることが分かる。フェイスマスクカフ61aの密着のために、フェイスマスクカフ61a内部の圧力は増し、フェイスマスクカフ圧力チューブ61c内の圧力の上昇を生じさせ、その後それを、圧力センサを備えるDAU補助センサ37dによって感知することができる。
【0098】
図41は、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20に設置されたDAU30と、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20に設置される患者気道補助用具コネクタ68を有する患者気道補助用具、この場合は気管内チューブ63とを示す。気管内チューブは空気(または他の流体)で膨張される気管内チューブカフ63aを有し、これは、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20と患者の気管との間に換気ガスが実質的に流れることができるように気密シールを実現するために、患者の気管の輪郭に適合することが意図される。気管内チューブ63は気管内チューブカフ膨張/収縮弁63bをさらに有し、これは気管内チューブカフ63aの圧力を調整するために使用することのできる汎用注入器に適合性がある。気管内チューブ63は2つの端部を有する気管内チューブカフ圧力チューブ63cをさらに有し、これは、一端から反対側の端部まで内部圧力を最適に伝播することができるように、可撓性であるが低コンプライアンスであることが好ましい。気管内チューブカフ圧力チューブ63cの一端は気管内チューブカフ63aの内部に連通し、他端は圧力センサを備えるDAU補助センサ37dに接続する。本発明のコンポーネントのこの組合せは、DAU30が気管内チューブカフ63aの圧力の測定値を監視し送信することを可能にする。
【0099】
図42は、前に図41で図示されて符号を付けられた同じコンポーネントを示すが、気管内チューブの代わりに気管チューブ64が示されている。気管チューブ64は、前述したようにDAUが設置されている変換可能な換気装置回路患者マニフォールドに接続される。気管チューブ64は、気管内チューブについて前述され、図41に図示されるように、変換可能な換気装置回路患者マニフォールドに接続される。気管チューブは空気(または他の流体)で膨張される気管チューブカフ64aを有し、これは、変換可能な換気装置回路患者マニフォールドと患者の気管との間に換気ガスが実質的に流れることができるように気密シールを実現するために、患者の気管の輪郭に適合することが意図される。気管チューブ64は気管チューブカフ膨張/収縮弁64bをさらに有し、これは気管チューブカフ64aの圧力を調整するために使用することのできる汎用注入器に適合性がある。気管チューブ64は2つの端部を有する気管チューブカフ圧力チューブ64cをさらに有し、これは、一端から反対側の端部まで内部圧力を最適に伝播することができるように、可撓性であるが低コンプライアンスであることが好ましい。気管チューブカフ圧力チューブ64cの一端は気管チューブカフ64aの内部に連通し、他端は圧力センサを備えるDAU補助センサ37dに接続する。本発明のコンポーネントのこの組合せは、DAU30が気管チューブカフ64aの圧力の測定値を監視し送信することを可能にする。
【0100】
図43は、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド気道補助用具受け口(図36のアイテム23)と気道補助用具コネクタ(図36のアイテム68)との間に挿入される中間コンポーネントとなるように設計される人工鼻(HME)65の側面図を示す。HME変換可能な換気装置患者マニフォールドコネクタ65lは、変換可能な換気装置患者マニフォールド受け口(図36のアイテム23)と気道補助用具コネクタ(図36のアイテム68)との接続について前述され図36に図示されるように、HME変換可能な換気装置患者マニフォールドコネクタ65lが変換可能な換気装置患者マニフォールド受け口(図36のアイテム23)に正確に挿入することができるように、気道補助用具コネクタ(図36のアイテム68)と形状およびサイズが同一な輪郭にされる。
【0101】
図43は、双方向のガス流に透過性であるが、各呼息中に患者が吐き出す温められた水分を捕集して、1回の呼吸サイクルの次の吸入中に新鮮な吸気ガスを予め加温加湿ことができるようにした熱水分再捕集要素65nを有するHME65も示す。熱水分再捕集要素65nの位置はガス通路内に配置して、熱水分非捕集ゾーン65oが熱水分再捕集要素65nとHME変換可能な換気装置患者マニフォールドコネクタ65lとの間になり、この領域でいずれかの方向に通過する呼吸ガスは実質的に加温および加湿、もしくは加温または加湿されないようにする。対して、熱水分再捕集ゾーン65pは熱水分再捕集要素65nとHME気道補助用具コネクタ65mとの間に位置付けて、この領域でいずれかの方向に通過する呼吸ガスが患者から再捕集された熱および加湿に実質的に曝されるようにする。
【0102】
図43は、変換可能な換気装置患者マニフォールド受け口(図36のアイテム23)と形状およびサイズが同一な輪郭にされて、変換可能な換気装置患者マニフォールド受け口(図36のアイテム23)と気道補助用具コネクタ(図36のアイテム68)との間の接続について、前述されて図36に図示されたように、気道補助用具コネクタ(図36のアイテム68)がHME気道補助用具受け口65mに正確に接続することができるようにされる気道補助用具受け口65mを有するHME65を示している。
【0103】
図43は、HME信号送信コンジット65cと電気的に連続しているHME信号送信リング65aを有するHME65をさらに示し、該HME信号送信コンジット65cはHME識別チップ65eと電気的接続性がある。HME送信信号コンジット65cはHME識別チップ65eから続いて、HME気道補助用具送信信号リレーリング65fと接続する。HME65は、HME受信用信号コンジット65dを経由してHME受信用信号リング65bと電気的に連続しているHME気道補助用具受信用信号リレーリング65gをさらに有する。
【0104】
図43は、HME65が2つの端部を有するHME圧力チューブ65hも有することを示しており、これは、一端から反対側の端部まで内部圧力を最適に伝播することができるように、可撓性であるが低コンプライアンスであることが好ましい。HME圧力チューブ65hの一端は熱水分再捕集ゾーン65pと連通し、反対側の端部は、圧力センサを備えるDAU補助センサ(図39のアイテム37d)に接続することのできるHME圧力チューブ補助センサコネクタ65iを形成する。
【0105】
HME圧力チューブコネクタ65iの好適な実施形態は、HME65がDAU補助センサ(図39に図示されるアイテム37d)に接続されずに利用されるときに、ガス漏れを防ぐためにキャップまたは栓をすることができる。
【0106】
図44aは、前述されて図43に図示されるHME65の好適な実施形態を示すが、水平面で約15度回転させた側面図を示し、再捕集ゾーンの温度および/または湿度プローブポート65jおよびその真上の非再捕集ゾーン温度および/または湿度プローブポート65kを見せている。再捕集ゾーン温度および/または湿度プローブポート65jおよび非再捕集ゾーン温度および/または湿度プローブポート65kの好適な実施形態は、ヒトの心臓弁と同様な受動的で多尖クロススリット弁デザインを含み、温度および/または湿度プローブが存在しないときに漏れを防ぐために、回路内部の圧力が弁を押して閉鎖するが、温度および/または湿度プローブの先端が各弁の外面に接触する時の圧力で撓んで、温度および/または湿度センサの適切な位置付けが再捕集ゾーン温度および/または湿度プローブポート65jおよび非再捕集ゾーン温度および/または湿度プローブポート65kを開かせ、温度および/または湿度プローブのガス通路への連通可能なアクセスを可能にするようにする。一方向弁の一般的な代替形態は、本発明によって提供されると解釈されるべきであることは理解されるべきである。例えば、ダックビル、ボール、アンブレラ、およびその他一般的な一方向弁のデザインは、本発明で説明される役割を果たすであろう。
【0107】
図44bは、前述されて図44aに図示されるHME65の好適な実施形態を示し、再捕集ゾーン温度および/または湿度プローブポート65jに設置された再捕集ゾーン温度および/または湿度プローブ66aをさらに示す。同様に、非再捕集ゾーン温度および/または湿度プローブ66bが非再捕集ゾーン温度および/または湿度プローブポート65kに設置されて示されている。どちらの温度および/または湿度プローブも、温度および/または湿度プローブ接続ケーブル66cに電気的に接続され、該ケーブルはそれ自体がDAUとの接続が可能である温度および/または湿度プローブ接続ケーブルコネクタ66dにつながっていて、それにより温度および/または湿度データを後でDPUによって処理するためにDAUによって取得することができる。
【0108】
図44aおよび図44bに記載される好適な実施形態の代替例は、提供される詳細な説明から容易に導き出される。例えば、HME65の代替例は、単一の再捕集ゾーン温度および/または湿度プローブ66aとともに使用することが意図される再捕集ゾーン温度および/または湿度プローブ65jのみを有してもよい。加えて、再捕集ゾーンと非再捕集ゾーンのポートおよびプローブの相対的な位置付けは、本発明の範囲から逸脱することなく、説明される特定の描写から変更してもよい。
【0109】
図45aは図44aのコンポーネントを底面図で示しており、HME圧力チューブ65hと再捕集ゾーン温度および/または湿度プローブポート65jとの相対的な位置付けを示し、前景に見える後者は、この図の直近の背景にある非再捕集ゾーン温度および/または湿度プローブポートを見えなくしている。この図では、HME圧力チューブ補助センサコネクタ65iも見えている。
【0110】
図45bは、図44aの同じコンポーネントを同一の図で示しており、再捕集ゾーン温度および/または湿度プローブポート65jに設置された再捕集ゾーン温度および/または湿度プローブ66aも示す。この図では、温度および/または湿度プローブ接続ケーブル66cと温度および/または湿度プローブ接続ケーブルコネクタ66dも見えている。
【0111】
図46は、HME気道補助用具受け口65mに設置された気道補助用具コネクタ68を追加して、図43の同じコンポーネントを示している。前述したように、HME気道補助用具受け口65mは変換可能な換気装置患者マニフォールド受け口(図36のアイテム23)と形状およびサイズが同一な輪郭にされて、変換可能な換気装置患者マニフォールド受け口(図36のアイテム23)と気道補助用具コネクタ68との間の接続について、前述されて図36に図示されたように、気道補助用具コネクタ68が正確に接続することができるようにされる。これにより、HME65は変換可能な換気装置回路患者マニフォールド受け口(図36のアイテム23)と気道補助用具コネクタ68との間の中間コンポーネントとして挿入することができる。
【0112】
図46は、HME65と気道補助用具コネクタ68との間のすべての電気コンポーネントおよびセンサコンポーネントの連続性をさらに示す。HME信号送信リング65aは、HME識別チップ65eと電気的な連続性があるHME信号送信コンジット65cと電気的に連続しており、これが、気道補助用具送信信号リング69aと電気的に接触しているHME気道補助用具送信信号リレーリング65fとの電気的連続性をさらに提供することが分かる。電気的な連続性は気道補助用具送信信号リング69aから気道補助用具識別チップ69eまで続き、これがさらに気道補助用具受信用信号コンジット69dを経由して気道補助用具受信用信号リング69bに接続される。気道補助用具受信用信号リング69bはHME受信用信号リレーリング65gとの電気的継続性を有し、これはHME受信用信号コンジット65dを経由してHME受信用信号リング65bとの電気的連続性を有する。
【0113】
図47は、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20に設置されたDAU30を示す。変換可能な換気装置患者マニフォールド20はHME65に接続される。HME65は気管内チューブ64の気道補助用具コネクタ68に接続される。本発明が提供するコンポーネントのこの組合せは、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20、HME65および気管内チューブ64間のガス流を可能にする。前段で説明され、図46に図示される電気接続部を参照すると、本発明が提供するコンポーネントのこの組合せの累積的な結果は、(1)DAU30、(2)変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20、(3)HME65、および(4)気管内チューブ63の気道補助用具コネクタ68間の送受信信号両方の電気的な連続性の結果も可能にする。
【0114】
図47は、DAU補助センサ37dに接続されるHME圧力チューブ65hおよびHME圧力チューブコネクタ65iも示す。同様に、HME温度および/または湿度ケーブル66cも示されており、これはHME温度および/または湿度ケーブル接続部66dを介してDAU補助センサ37dに接続される。HME温度および/または湿度ケーブル接続部66dの好適な実施形態は、HME温度および/または湿度ケーブル接続部66dがDAU補助センサ37dのようにDAU30に直接接続することができるように、DAU補助センサ37dのサイズおよび輪郭に成形し、それによってDAU30がHME温度および/または湿度ケーブル接続部66dと電気的継続性を有するために、DAU補助センサ37dを中間コンポーネントとして取り付ける必要性をなくすことである。
【0115】
気管内チューブに関して図47に図示される接続部は典型であり、本発明の代替気道補助用具(例えば、フェイスマスク、声門上器具、経鼻気管チューブ、または気道チューブ)を利用する場合には、本発明で提供される同一の接続部が設けられる。
【0116】
電気接続部が記載されるところでは、本発明の教唆内にとどまるとき、データ変換の代替手段を提供することができる。例えば、DAUと変換可能な換気装置回路患者マニフォールドとの間、および/またはDPUと用手換気装置との間、および/またはDPUと機械換気装置との間でのデータ変換に同じ手段を提供するために、電気接点および/またはコンジットの代わりに、光ファイバを代用することができる。用手換気装置で使用される回転および/または線形調節器の相対位置を判断するために、磁気および/または光学センサ、および/または圧力および/または圧電スイッチ、またはその組合せのすべてを使用することができるであろう。
【0117】
したがって、説明されるコンポーネントおよび機能は、1つまたは複数のコンポーネントの組合せを利用して、前述した当分野の未解決の課題の1つまたは複数を部分的にまたは完全に対処するために、多数の新たな方法論の手段を提供する。
【0118】
図1を参照すると、本発明は、吸気肢11、呼気肢12および患者マニフォールド20を有する換気装置回路10と適合性があって、これに接続される用手換気装置70を操作する方法を提供し、患者マニフォールド20はそれ自体がディスプレイ・音響エミッタ42を有する連結DAU/DPU30+42と適合性があり、用手換気70は片手または両手で用手換気装置70を逐次的に絞り(当該行為が1回の呼吸サイクルの吸気相に相当する)、次いで、用手換気装置70を持ち続けながら再び膨らませるのに十分に、用手換気装置70を握っていた手を放す(当該行為が1回の呼吸サイクルの呼気相に相当する)ことによって操作される。
【0119】
引き続き図1を参照すると、本発明の好適な実施形態は、1つまたは複数の調節器によって設定される1つまたは複数の調整可能な換気パラメータを有する用手換気装置70を含み、前記調節器は回転、線形またはその他のタイプである。これは、用手換気中に1つまたは複数の換気送達パラメータに対する実質的な制御を実現するために、1つまたは複数の調整可能な換気パラメータに依拠する本発明の使用のためのさらなる方法論を追加し、当該方法論は、(1)1つまたは複数の換気パラメータを所望および規定、もしくは所望または規定の設定に調整するステップと、次いで、(2)1つまたは複数の調整可能な換気パラメータの制約内で前述した用手換気を送達するために、1つまたは複数の調整可能な換気パラメータがその設計に従って機能することを提供する用手換気装置70のメカニズムに依拠することと、を備える。
【0120】
さらに図1を参照すると、本発明の好適な実施形態は、吸気粒子・毒・病原体フィルタ15を有する吸気肢11を含む換気装置回路10も含む。これは、用手換気中に保護されなければ危険となるであろう粒子、毒および/または病原体から患者を保護する本発明のさらなる方法論を提供し、(1)吸気粒子・毒・病原体フィルタ15を有する吸気肢11を含む前述した換気装置回路10の好適な実施形態を提供するステップと、(2)1回の呼吸サイクルの吸気相を実現するために前述したように用手換気装置70を圧縮することであって、用手換気装置70によって噴出される吸気ガスは必ず換気装置吸気接続部を通って、その後吸気粒子・毒・病原体フィルタ15を通過するステップとを備え、それによって患者に送達される吸気ガスは粒子、毒および/または病原体が実質的にない。
【0121】
再び図1を参照すると、本発明の好適な実施形態は、呼気病原体フィルタ16を有する呼気肢12を含む換気装置回路10も含む。これは、用手換気を受ける患者内に存在する場合、用手換気の呼気相中に周囲の環境に吐き出されるとき、提供者ならびに/または他の近くの患者および/もしくは人への危険となる可能性がある病原体から前記提供者ならびに/または他の近くの患者および/もしくは人を保護するという、本発明のさらなる方法論を提供する。方法論は、(1)呼気病原体フィルタ16を有する呼気肢12を含む換気装置回路10を含む前述した発明の好適な実施形態を提供するステップと、(2)前述した呼吸の送達後に、患者に受動的に息を吐かせる用手換気装置70を握っている手を放すステップであって、患者から吐き出されるガスは、周囲の大気に排気される前に、呼気肢12を通って、必ず呼気病原体フィルタ16および換気装置呼気接続部14を通過する、ステップとを備える。
【0122】
本発明の好適な実施形態は換気装置回路10も含み、吸気肢11および呼気肢12は、吸気肢11および呼気肢12が好ましくは用手換気装置70との使用中に図3に図示される圧縮または後退位置にすることができる方法論を可能にするが、機械換気装置(図4のアイテム80)との使用中には、吸気肢11および呼気肢12が図4に図示される膨張または伸長位置に変化する能力を提供する波形チュービングまたは同様なチュービング設計から構成される。これは、図3に図示される換気装置回路10が変換可能な換気装置回路であり、変換可能な換気装置回路10が図3に図示される用手換気装置70との使用のための圧縮構成と、機械換気装置(図4のアイテム80)との使用のための伸長構成とを変更可能に修正することができる方法を構成し、前記方法論は換気装置回路10の長さに沿った2点間を両手で手動牽引をすることによって実現され、変換可能な換気装置回路10を膨張させることになる。同様に、これは、図4に図示される換気装置回路10が変換可能な換気装置回路であり、変換可能な換気装置回路10が図4に図示される機械換気装置80との使用のための伸長構成と、用手換気装置(図3のアイテム70)との使用のための圧縮構成とを変更可能に修正することができる方法を構成し、前記方法論は換気装置回路10の長さに沿った2点間を両手で手動圧縮することによって実現され、変換可能な換気装置回路10を圧縮させることになる。
【0123】
実質的な伸長構成と実質的な圧縮構成との間で変換可能な換気装置回路の変換を実現する方法論は、用手換気と機械換気との変換が起こらなくても、前記変換可能な換気装置回路の構成を最適化するために使用することもできる。例えば、床置き機械換気装置内での使用に一般的に最適であり得る、完全に引き伸ばされた変換可能な換気装置回路は、患者からより短い距離のところに物理的に配置されるポータブル機械換気装置に患者を変更する必要がある場合に、部分的におよび完全に、もしくは部分的にまたは完全に圧縮することができる。同様に、一般に用手換気中の使用に最適であり得る、完全に圧縮された変換可能な換気装置回路は、現場の緊急状態から狭い通路を通って救出するなど、提供者が患者と並んで歩くことができず、代わりに患者の前または後の位置を維持しなければならない状況で、患者を移動しようとする場合、部分的におよび完全に、もしくは部分的にまたは完全に引き伸ばすことができる。
【0124】
図2を参照すると、本発明は、用手換気装置70の吸気肢接続部71と接続する吸気肢11の部分を備える換気装置吸気接続部13に物理的に接続することのできる個別DPUハウジング41を提供することによって、用手換気中にDPU40の重量を支持するための方法論を提供する。個別に、または追加で、DPUハウジング41は、用手換気装置70の呼気肢接続部(図1のアイテム72)と接続する換気装置呼気接続部(図1のアイテム14)にも物理的に接続されてもよい。用手換気を送達しながら用手換気装置70を持っている間、ユーザはDPU40および変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20の水準より上にある変換可能な換気装置回路10の部分も持って、その重量を支える。この方法論はDPU40の重量を最小化することを可能にし、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20に接続される患者の気道にかかる力を最小化することに寄与する。
【0125】
図1図2および図3を参照すると、本発明は適合性がある用手換気装置70、DAU30およびDPU40とともに使用するために患者マニフォールド20を有する変換可能な換気装置回路(図2のアイテム10)を準備する方法論を提供し、(1)図1に図示されるすべてのコンポーネントを提供するステップと、(2)使用前にコンポーネントを潜在的な汚染から隔離しておくことのできる包装を取り除くステップと、(3)図1を参照して、換気装置吸気接続部13を吸気肢接続部71に接続するステップと、(4)換気装置呼気接続部14を呼気肢接続部72に接続するステップと、(5)DPU(図2のアイテム40)を換気装置吸気接続部13および換気装置呼気接続部14に接続するステップと、(6)ステップ1~6の完了時に、本発明が図3に図示される構成になるように、DAU(図2のアイテム30)を変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20上に摺動するステップと、を備える。
【0126】
前述した好適な実施形態の代わりに連結DAU+DPU(図1のアイテム30+40)を使用する場合、前述した方法論のステップ5は省略してもよく、ステップ6は同時にDAU+DPU(図1のアイテム30+40)の設置となる。
【0127】
図3を参照すると、組合せのコンポーネントを前述したように準備したら、方法論は、DPU40に電源を入れて、ディスプレイ・音響エミッタ42によってユーザに伝えられる視覚的および音響、もしくは視覚的および/または音響の指示に従うさらなるステップを備える。電源オンプロセス中、DAU30およびDPU40、もしくはDAU30またはDPU40は一連の自己点検を行って、内部コンポーネントの適切な機能を確認し、また、DAU30に取り付けられているセンサとの機能的な電子接続性を試験することができる。
【0128】
図3および図21を参照すると、方法論は、DAU(図21の30)に取り付けられているセンサの存在を確認するプロセスの一部として、DPU(図3の40)と対話するようユーザに要求するさらなるステップを備えてもよい。例えば、DPU(図3の40)は、(1)例えば圧力センサである、吸気ゾーンセンサ37aの存在、(2)例えばこれも圧力センサである、呼気ゾーンセンサ37b、(3)例えばこれも圧力センサである、患者ゾーンセンサ37c、(4)例えば二酸化炭素濃度センサである、患者ゾーンセンサ37c、および(5)これも圧力センサまたは他のセンサであってもよい、1つまたは複数の補助センサ37dの存在、を感知していることをユーザに知らせてもよい。図22を参照すると、方法論は、DPU(図3の40)が、(6)近位流量センサ37a、および(7)変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20の流量センサスクリーン28と連動して、流量センサを備える組合せを形成する遠位流量センサ38bを感知していることもユーザに知らせるさらなるステップを備えてもよい。
【0129】
センサが配置されているが、DAUによって能動的に感知されているとDPUが確認するセンサの中にない場合、方法論は、例示的なトラブルシューティング手順を提供し、該手順は、(1)未検知のセンサをDAU(図21および図22、もしくは図21または図22の30)から取り外すことと、(2)未検出のセンサをDAU(図21および図22、もしくは図21または図22の30)に設置し直すことと、(3)前述したように、DAUが設置し直したセンサを今度は検出するかどうかを判断することと、(4)検出されなければ、未検出のセンサを1つまたは複数の代わりのセンサと変換することと、を備える。
【0130】
前述されて、図33および図34に図示されるように、本発明は、1つまたは複数の換気パラメータの1つまたは複数の調節器を有する用手換気装置70の好適な実施形態を提供し、前記用手換気装置70は、(1)DPU、(2)変換可能な換気装置回路吸気および呼気肢接続部、および(3)用手換気装置の好適な実施形態、間の前述した接続性を介して、DPU40とインターフェースされる能力を有する。図27aおよび図27bを参照すると、本発明は、信号がDPUから用手換気装置の調節器設定電極74bに送られ、調節器設定電極74bがDPUに用手換気装置のどのタイプおよびサイズ、もしくはどのタイプまたはサイズが物理的に接続されているかを確かめさせることを可能にする、好適な方法論ステップを備える。これは1つまたは複数の一般的な方法論により実現することができ、該方法論は、調節器設定電極74bがDPUから送られる信号を、特定のタイプおよびサイズ、もしくは特定のタイプまたはサイズの用手換気装置に挿入される調節器設定電極74bに特有の1つまたは複数の方法で変更することを含む。方法論は、さらに、DPUが用手換気装置の存在を能動的に検出していることをユーザに知らせるステップを含むことができ、ユーザは用手換気装置のタイプおよびサイズ、もしくはタイプまたはサイズの存在を確認する。
【0131】
用手換気装置がDPUによって検出されない場合、および/またはDPUが実際に接続されているもの以外のタイプおよび/またはサイズの用手換気装置を検出している場合、次に、方法論は、(1)前述したステップの逆に用手換気装置を取り外すことと、(2)用手換気装置を前述したようにDPUに設置し直すことと、(3)DPUが設置し直した用手換気装置を検出する能力を取得したかどうかを判断することと、(4)取得していない場合、未検出の用手換気装置を代わりの用手換気装置に変換することと、を備えるトラブルシューティング手順を提供する。DPUが用手換気装置の存在を検出しているが、検出されている用手換気装置のタイプおよび/またはサイズが能動的に接続されているものではない場合、DPUは、ユーザが接続されている用手換気装置の正しいタイプおよび/またはサイズを手入力することができるオーバーライド機能を提供してもよい。
【0132】
方法論は、さらに、ユーザが用手換気装置の好適な実施形態の1つまたは複数の換気パラメータ調節器の適切な機能を確認する使用前のプロセスを提供してもよい。図29aおよび図29bを参照すると、DPUは回転パラメータ調整器74の現行のパラメータ設定ストップ74aを確認するようユーザを促し、次いで、回転パラメータ調整器74を新たなパラメータ設定ストップ74aに調整するようユーザを促し、その後、回転パラメータ調節器の適切なDPU検出を確認する手段として、DPUが新たなパラメータ設定ストップ74aを確認するようユーザに促してもよい。
【0133】
用手換気装置の回転パラメータ調整器がDPUによって適切に検出されていない場合、方法論はトラブルシューティング手順を提供し、該手順は、(1)用手換気装置の適切なタイプ/サイズが存在するかどうかを確認することをDPUから再び促すことと、存在する場合、(2)用手換気装置を取り外すことと、(3)DPUに用手換気装置を設置し直すことと、(4)今度はDPUが回転パラメータ調整器の設定を適切に確認できるかどうかを判断するために、前述したステップを繰り返すことと、確認できない場合、(5)回転調整器の各パラメータ設定ストップについて、ユーザが正しい設定をDPUに手入力することのできるオーバーライド機能を提供することと、を備える。
【0134】
DPUが回転調節器の設定を正しく検出していることを確認すること、および適切に検出されない場合のトラブルシューティング手順について今述べた方法論は、前述されて図31a、図31b、図32aおよび図32bに図示される線形調節器システム、または用手換気装置に設置されて、DAUおよびDPU、もしくはDAUまたはDPUに装備されてもよい他の手動調節器に全体的に適用可能である。
【0135】
前述されて図41図43に図示されるように、本発明は、前述されて図35図37に図示されて、気道補助用具が(1)DAU、(2)変換可能な換気装置回路患者マニフォールド、および(3)気道補助用具の好適な実施形態、間の前述した接続性を介して、DAUとインターフェースされる能力を有することを可能にする、改良をすべて有する気道補助用具の多数の好適な実施形態を提供する。図35を参照すると、気道補助用具コネクタ68は気道補助用具識別チップ69eを含み、用手換気装置とともに使用するためにシステムを準備する方法論の追加ステップとして、信号をDPU(図3の40)からDAU(図3の30)に有線接続部(図3の36)を介して送信され、そこから、気道補助用具識別チップ(図35の69e)に送信され、気道補助用具識別チップ69eはDPUが気道補助用具のどのタイプおよびサイズ、もしくはどのタイプまたはサイズが物理的に接続されているかを確かめることを可能にする。これは1つまたは複数の方法論により実現することができ、該方法論は、気道補助用具識別チップ69eがDPUから送られる信号を、特定のタイプおよびサイズ、もしくは特定のタイプまたはサイズの気道補助用具に挿入される気道補助用具識別チップ69eに特有の1つまたは複数の方法で変更することを含む。例えば、気道補助用具がフェイスマスクの場合、その特定のタイプおよびサイズ(例えば、成人または小児または乳児)をDPUによって確かめることができるであろう。準備中の追加ステップは、さらに、DPUが特定のタイプおよびサイズの気道補助用具の存在を能動的に検出していることをユーザに知らせるステップを含むことができ、ユーザは接続されている気道補助用具のタイプおよびサイズ、もしくはタイプまたはサイズの存在を確認する。
【0136】
気道補助用具がDPUによって検出されない場合、および/またはDPUが実際に接続されているもの以外のタイプおよび/またはサイズの気道補助用具を検出している場合、次に、方法論は、(1)気道補助用具を取り外すことと、(2)気道補助用具を設置し直すことと、(3)設置し直した気道補助用具を正しく検出する能力をDPUが取得したかどうかを判断することと、(4)取得していない場合、未検出または誤って検出された気道補助用具を代わりの気道補助用具に変換することと、を備えるトラブルシューティング手順を提供する。DPUが気道補助用具の存在を検出しているが、検出されている気道補助用具のタイプおよび/またはサイズが実際に接続されているものではない場合、DPUは、ユーザが接続されている気道補助用具の正しいタイプおよび/またはサイズを手入力することができるオーバーライド機能を提供してもよい。
【0137】
用手換気装置とともに使用するためにシステムを準備する方法論は、予期される使用の一定の状況に特に適し得るさらなるステップを提供してもよい。例えば、DPUは使用前およびセットアップ手順を行うユーザに、自己を識別する情報(名前、ユーザ番号および/または他の手段のいずれかによる)を入力することを要求するステップを含んでもよい。方法論は、ユーザに、使用前に接続される換気装置回路、用手換気装置および/または気道補助用具の1つまたは複数のロット番号をDPUに入力することを要求するステップを含んでもよい。本明細書の詳細な説明に基づいて、本発明の意図される範囲内にとどまるとき、用手換気装置とともに使用するために換気装置回路を準備する一部として、1つまたは複数の追加ステップを当業者によって確かめることができる。
【0138】
用手換気装置とともに使用するためにシステムを準備する方法論は、使用し始めるときに、システムが適切なバッテリチャージを有していることを確実にするために、DPUが電源に接続されるさらなるステップを提供してもよい。
【0139】
特定の患者での使用のために急いで使用し始める時、方法論は、DPUが一定の基本的な患者背景を入力するようユーザに要求するステップを提供する。例えば、DPUは患者の大まかな身長と、患者が男性か女性かを入力するよう要求してもよい。代わりに、DPUは、電子健康記録、患者データチップまたは他の手段など、インターフェースされるデバイスからこの情報を得てもよい。
【0140】
特定の患者で使用するために急いで使用し始める時、方法論は、ユーザがDPUによって取得、記憶、保管および/または送信されるデータを、患者の個人識別情報を利用しなくても、特定の患者にリンクさせることを可能にする管理番号または他の手段をDPUが割り当てるステップを提供する。例えば、DPUが割り当てる管理番号は、ユーザが後で管理番号を秘密患者記録に入力して、秘密患者記録へのアクセス権を有する使用権者が記憶、保管および/または送信されたDPUデータを特定の患者に合致させることを可能にするために、DPUによってユーザに提供することができる。
【0141】
前述したように、本発明は、用手換気装置および機械換気装置の両方と適合性がある換気装置回路を提供する。したがって、本発明を用手換気装置とともに使用するために前述した方法論に加えて、本発明は、換気装置回路を用手換気装置の代わりに機械換気装置に接続して準備するために、概ね同じである、換気装置回路を機械換気装置とともに使用するための対応する方法論を提供する。
【0142】
例えば、図4を参照すると、本発明は、患者マニフォールド20、DAU30およびDPU40を有する換気装置回路10を機械換気装置80と接続する方法を備える。方法は、換気装置回路吸気肢11および呼気肢12を用手換気装置に接続するための、前述されて図1に図示されるステップを含み、これは換気装置回路10を機械換気装置(図4の80)に接続するのと同一である。
【0143】
図4は、インターフェース受け口87を有する典型の機械換気装置80も示す。さらなる方法論ステップは、DPU40をインターフェース受け口87内に配置して、ある電子装置から別の装置に電荷を提供するための1つまたは複数の汎用方法論を利用して、DPU40が機械換気装置受け口87から取り外した時に操作するのに十分なバッテリ電力を有することを確実にする電荷も取得しながら、DPUが2つの電子装置間でのデータ変換のための1つまたは複数の汎用方法論を利用して機械換気装置間でデータを転送することを可能にすることを備える。
【0144】
さらに図4を参照して、有線接続部36はDAU30とDPU40との間のデータ変換を提供する。さらなる方法ステップは、前記機械換気装置80内に内蔵されている1つまたは複数のセンサから取得されるセンサデータを取り代えるおよび補充する、もしくは取り代えるまたは補充するために、前記機械換気装置80によってDAU30からのデータを利用することを備える。例えば、図22を参照すると、機械換気装置は、変換可能な換気装置回路患者マニフォールド20とインターフェースされる1つまたは複数のセンサから取得された、DAU30からのデータを利用して、前記センサが前記機械換気装置内に内部に内蔵されている1つまたは複数のセンサと比較して患者のより近くにあることと、機械換気装置内に内蔵されている1つまたは複数のセンサによる測定の前に吸気肢および/または呼気肢に含有されるサンプリングされた呼吸ガスの総量が多くなることに起因する減衰、誤差および/またはアーチファクトを受けることに基づいて、補足的なおよび/または向上した精度を提供することもできる。
【0145】
本発明は、DPUが用手換気中に1回の呼吸サイクルの吸気相の終わりを判断するための方法も備え、該方法は、(1)吸気中にガス流量測定値を測定して処理することのできるDPU(図3の40)を提供することと、(2)前記DPU(図3の40)とインターフェースされるDAU(図3の30)を提供することであって、前記DAUは近位流量センサ(図22の38a)および遠位流量センサ(図22の38b)ともインターフェースされ、近位流量センサ(図22の38a)および遠位流量センサ(図22の38b)からのデータをDPUがガス流量を計算するために使用し、DPUはガス流が患者に向かう方向に正であるかどうかを判断し、当該方向性の流れは1回の呼吸サイクルの吸気相の識別に特異的である、DAUを提供することと、(3)前述した流量測定値がゼロに達するとき、吸気相が終了したとDPUが判断することと、を備える。
【0146】
同様に、本発明は、DPUが用手換気中に1回の呼吸サイクルの呼気相の終わりを判断するための方法を備え、該方法は、(1)呼気中にガス流量測定値を測定して処理することのできるDPU(図3の40)を提供することと、(2)前記DPU(図3の40)とインターフェースされるDAU(図3の30)を提供することであって、前記DAUは近位流量センサ(図22の38a)および遠位流量センサ(図22の38b)ともインターフェースされ、近位流量センサ(図22の38a)および遠位流量センサ(図22の38b)からのデータをDPUがガス流量を計算するために使用し、DPUはガス流が患者からの方向に負であるかどうかを判断し、当該方向性の流れは1回の呼吸サイクルの呼気相の識別に特異的である、DAUを提供することと、(3)流量センサからの流量測定値がゼロに達し、次の呼吸サイクルの吸気相の開始時に正の流れが最初に検出される時点の直前までゼロのままであるとき、呼気相が終了したとDPUが判断することと、を備える。
【0147】
本発明によって提供される別の方法論は、用手換気中に吸気ポーズ手技を行う能力であり、(1)それ自体が前述したようにDAU(図3の30)によってトリガされることのできる能動的呼気弁(図6の25A)を有する患者マニフォールド(図3の20)を有する換気装置回路(図3の10)を提供することと、(2)前述したように用手換気中に1回の吸気サイクルの吸気相の終わりを検出する能力を有するDPU(図3の40)を提供することと、(3)前記換気装置回路(図3の10)に適合性があり、これにインターフェースされる用手換気装置(図3の70)を提供することと、(4)前記用手換気装置(図3の70)を利用して、前述したように呼吸を送達することと、(5)DPUが前述したように1回の呼吸サイクルの吸気相の終わりを判断した時に、DPU(図3の40)によって能動的呼気弁(図6の25a)を起動することと、(6)ガス流が1つまたは複数の患者ゾーンセンサ(図22の37c)のすぐの領域で安定することのできる指定の長さのポーズが経過することと、(7)指定されたポーズの終了時、DPU(図3の40)が能動的呼気弁(図6の25a)を停止することを可能にし、それによって1回の呼吸サイクルの呼気相を開始させることと、を備える。
【0148】
本発明は、用手換気中に駆動圧を測定する新規能力を提供する追加の方法論を提供し、該方法論は、(1)前述したようにDAU(図3の30)によってトリガされることのできる能動的呼気弁(図6の25a)をそれ自体が有する患者マニフォールド(図3の20)を有する換気装置回路(図3の10)を提供することと、(2)前述したように用手換気中の1回の吸気サイクルの吸気相の終わりを検出する能力を有するDPU(図3の40)を提供することと、(3)圧力センサである患者ゾーンセンサ(図22の37c)を有する変換可能な換気装置回路患者マニフォールド(図22の20)を提供することと、(4)呼気相の終わりに圧力センサである患者ゾーンセンサ(図22の37c)から圧力を測定するDPU(図3の40)を提供して、この圧力測定値が呼気終末圧の測定値となるようにすることと、(5)吸気ポーズ手技の終わりに圧力センサである患者ゾーンセンサ(図22の37c)から圧力を測定するDPU(図3のアイテム40)を提供して、この圧力測定値がプラトー圧の測定値になるようにすることと、(6)プラトー圧マイナス呼気終末圧を計算するDPU(図3の40)を提供して、これが用手換気中に得られる駆動圧の測定値になるようにすることと、を備える。
【0149】
本発明は、用手換気中に呼気終末二酸化炭素濃度を測定する新規の方法論を提供し、該方法論は、(1)患者マニフォールド(図3の20)を有する換気装置回路(図3の10)を提供することであって、前記換気装置回路患者マニフォールドはカプノグラフィセンサである患者ゾーンセンサ(図22の37c)を有する、換気装置回路を提供することと、(2)カプノグラフィセンサである患者ゾーンセンサ(図22の37c)から二酸化炭素濃度を測定するDPU(図3の40)を提供することであって、前記測定は前述したように用手換気中に1回の呼吸サイクルの呼気相の終わりに行う、DPUを提供することと、を備える。
【0150】
吸気酸素濃度を測定する追加の方法論が本発明によって提供され、該方法論は、(1)患者マニフォールド(図3の20)を有する換気装置回路(図3の10)を提供することであって、前記換気装置回路患者マニフォールドは酸素センサである患者ゾーンセンサ(図22の37c)を有する、換気装置回路を提供することと、(2)前記換気装置回路(図3の10)に適合性があり、これにインターフェースされる用手換気装置(図3の70)を提供することと、(3)前記用手換気装置(図3の70)を利用して、前述したように呼吸を送達することと、(4)用手換気装置から生成される1回の呼吸サイクルの吸気相中に、酸素センサである患者ゾーンセンサ(図22の37c)から酸素濃度を測定するDPU(図3の40)を提供することと、を備える。
【0151】
呼気終末酸素濃度を測定する方法論も本発明によって提供され、該方法論は、(1)患者マニフォールド(図3の20)を有する換気装置回路(図3の10)を提供することであって、前記換気装置回路患者マニフォールドは酸素センサである患者ゾーンセンサ(図22の37c)を有する、換気装置回路を提供することと、(2)前記換気装置回路(図3の10)に適合性があり、これにインターフェースされる用手換気装置(図3の70)を提供することと、(3)前記用手換気装置(図3の70)を利用して、前述したように呼吸を送達することと、(4)前述したように1回の呼吸サイクルの呼気相の終わりを判断することのできるDPU(図3の40)を提供することと、(5)酸素センサである患者ゾーンセンサ(図22の37c)から酸素濃度を測定するDPUを提供することであって、前記測定は用手換気中の1回の呼吸サイクルの呼気相の終わりに行われる、DPUを提供することと、を備える。
【0152】
本発明は、機械換気中のプラトー圧を向上した精度で測定する方法論を提供し、該方法論は、(1)前述したようにDAU(図4の30)によってトリガされることのできる能動的呼気弁(図6の25a)をそれ自体が有する患者マニフォールド(図4の20)を有する換気装置回路(図4の10)を提供することと、(2)前述したように機械換気中に1回の吸気サイクルの吸気相の終わりを検出する能力を有するDPU(図4の40)、またはDPUの代わりに、1回の吸気サイクルの吸気相の終わりを検出するために、前記DPUと電子的にインターフェースされる機械換気装置の内部能力を提供することと、(3)圧力センサである患者ゾーンセンサ(図22の37c)を提供することと、(4)呼気相の終わりに圧力センサである患者ゾーンセンサ(図22の37c)から圧力を測定することもできる前記DPU(図3の40)を提供して、この圧力測定値が呼気終末圧になるようにすること、またはDPUの代わりに、呼気相の終わりに圧力センサである患者ゾーンセンサ(図22の37c)から圧力を測定するために、前記DPUと電子的にインターフェースされる機械換気装置の内部能力を提供することと、(5)圧力センサである患者ゾーンセンサ(図22の37c)から圧力を測定することができる前記DPU(図3の40)を提供し、前記圧力測定を吸気ポーズ手技の終わりに行って、この圧力測定値がプラトー圧の測定値になるようにすることと、またはDPUの代わりに、吸気ポーズ手技の終わりに圧力センサである患者ゾーンセンサ(図22の37c)から圧力を測定するために、前記DPUと電子的にインターフェースされる機械換気装置の内部能力を提供して、この圧力測定値がプラトー圧の測定値になるようにする、提供することとを備え、圧力センサである患者ゾーンセンサ(図22の37c)から測定されるプラトー圧が換気装置回路患者マニフォールド(図9の20)のデッドスペース領域(図9の18)に制限されるガスの合計の圧力を測定しているようにし、この前記デッドスペース領域が患者マニフォールドをもたない従来の換気装置回路の匹敵するデッドスペース領域(図10の18)よりも実質的に小さく、このデッドスペース領域(図10の18)は、吸気肢(図10の11)および呼気肢(図10の12)を含む換気装置回路の全体に含有されるガスと比較してより大きな合計であり、前記吸気肢(図10の11)および呼気肢(図10の12)に含有されるガスの圧縮性がプラトー圧測定値を実質的に減少および/または減衰させるので、この減少および/または減衰は機械換気装置(図10の80)の内部に配置される内部センサによって測定されるプラトー圧に誤差を導入する。
【0153】
前述の技術は、デジタルおよび/もしくはアナログ電子回路、またはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアもしくはこれらの組合せに実装することができる。実装は、コンピュータプログラム製品として、すなわち、データ処理装置、例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータおよび/または多数のコンピュータによって実行するため、またはこれらの動作を制御するために、機械可読記憶装置に有形に具現されるコンピュータプログラムとすることができる。コンピュータプログラムは、ソースコード、コンパイル済みコード、解釈されたコードおよび/またはマシンコードを含む、コンピュータまたはプログラミング言語の任意の形態で書き込むことができ、コンピュータプログラムは、スタンドアロン型プログラムとしてまたはサブルーチン、要素、またはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットを含む、任意の形態で展開することができる。コンピュータプログラムは、1台のコンピュータまたは1つまたは複数のサイトの複数のコンピュータで実行するように展開することができる。コンピュータプログラムはクラウドコンピューティング環境(例えば、Amazon(登録商標)AWS、Microsoft(登録商標)Azure、IBM(登録商標))で展開することができる。
【0154】
方法ステップは、入力データに対して操作することにより、および/または出力データを生成することにより、本発明の機能を行うコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプロセッサによって行うことができる。方法ステップは、特殊目的論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、FPAA(フィールドプログラマブルアナログアレイ)、CPLD(コンプレックスプログラマブルロジックデバイス)、PSoC(プログラマブルシステムオンチップ)、ASIP(特定用途向け命令セットプロセッサ)、またはASIC(特定用途向け集積回路)、または同様なもの、によって行うこともでき、器具をこれらとして実施することができる。サブルーチンは記憶されたコンピュータプログラムおよび/またはプロセッサの部分、および/または1つまたは複数の機能を実装する特殊回路部を参照することができる。
【0155】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として、本明細書に説明される方法を行うために実行可能な命令で特別にプログラミングされた特殊目的マイクロプロセッサ、および任意の種類のデジタルまたはアナログコンピュータの任意の1つまたは複数のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは読み出し専用メモリもしくはランダムアクセスメモリまたはその両方から命令およびデータを受信する。コンピュータの基本要素は、命令を実行するためのプロセッサと、命令およびデータ、もしくは命令またはデータを記憶するための1つまたは複数のメモリ装置である。キャッシュなどのメモリ装置はデータを一時的に記憶するために使用することができる。メモリ装置は長期的なデータ記憶のためにも使用することができる。一般に、コンピュータは、データを記憶するための1つまたは複数の大容量記憶装置、例えば、磁気、光磁気ディスク、または光ディスクも含み、および/またはこれらからデータを受信し、もしくはこれらにデータを転送するために動作可能に連結される。コンピュータは、ネットワークから命令および/またはデータを受信するため、ならびに/またはネットワークに命令および/またはデータを転送するために、通信ネットワークに動作可能に連結することもできる。コンピュータプログラム命令およびデータを具現するのに適したコンピュータ可読記憶媒体は、例として半導体メモリデバイス、例えば、DRAM、SRAM、EPROM、EEPROMおよびフラッシュメモリディバイス、磁気ディスク、例えば、内部ハードディスクまたはリムーバルディスク、光磁気ディスク、ならびに光ディスク、例えば、CD、DVD、HD-DVD、ブルーレイディスクなどの揮発性および不揮発性メモリのすべての形態を含む。プロセッサおよびメモリは、特殊目的論理回路によって補足され、および/またはこれに組み込まれることができる。
【0156】
ユーザとの対話を提供するために、前述した技術は、ユーザに対して情報を表示するために、ディスプレイ装置、例えば、CRT(陰極線管)、プラズマまたはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ、モバイルデバイスのディスプレイまたはスクリーン、ホログラム装置および/またはプロジェクタ、ユーザがコンピュータに入力を提供する(ユーザインターフェース要素と対話する)ことのできるキーボードおよびポインティングデバイス、例えば、マウス、トラックボール、タッチパッドまたはモーションセンサと通信するコンピューティングデバイス上に実装することができる。ユーザとの対話を提供するために、他の種類の装置も同様に使用することができ、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは任意の形態の知覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックにすることができ、ユーザからの入力は音響、音声および/または触覚入力を含め、任意の形態で受信することができる。
【0157】
前述した技術は、バックエンドコンポーネントを含む分散型コンピューティングシステムに実装することができる。バックエンドコンポーネントは、例えば、データサーバ、ミドルウェアコンポーネント、および/またはアプリケーションサーバとすることができる。前述した技術は、フロントエンドコンポーネントを含む分散型コンピューティングシステムに実装することができる。フロントエンドコンポーネントは、例えば、グラフィカルユーザインターフェースを有するクライアントコンピュータ、ユーザが例示的な実装と対話することのできるウェブブラウザ、および/または送信機用の他のグラフィカルユーザインターフェースとすることができる。前述した技術は、当該バックエンド、ミドルウェア、またはフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含む分散型コンピューティングシステムに実装することができる。
【0158】
コンピューティングシステムのコンポーネントは伝送媒体によって相互接続することができ、これはデジタルまたはアナログデータ通信の任意の形態または媒体(例えば、通信ネットワーク)を含むことができる。伝送媒体は、任意の構成の1つまたは複数のパケットベースのネットワークおよび/または1つまたは複数の回路ベースのネットワークを含むことができる。パケットベースのネットワークは、例えば、インターネット、キャリアインターネットプロトコル(IP)ネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、キャンパスエリアネットワーク(CAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ホームエリアネットワーク(HAN))、プライベートIPネットワーク、IP構内変換機(IPBX)、ワイヤレスネットワーク(例えば、無線アクセスネットワーク(RAN)、ブルートゥース、近距離無線通信(NFC)ネットワーク、Wi-Fi、WiMAX、汎用パケット無線サービス(GORS)ネットワーク、HiperLAN)、および/または他のパケットベースのネットワークを含むことができる。回路ベースのネットワークは、例えば、公衆変換電話網(PSTN)、レガシー構内変換機(PBX)、ワイヤレスネットワーク(例えば、RAN、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)ネットワーク)、および/または他の回路ベースのネットワークを含むことができる。
【0159】
伝送媒体による情報転送は、1つまたは複数の通信プロトコルに基づくことができる。通信プロトコルは、例えば、イーサーネットプロトコル、インターネットプロトコル(IP)、ボイスオーバーIP(VOIP)、ピア・ツー・ピア(P2P)プロトコル、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、セッション確立プロトコル(SIP)、H.323、メディア・ゲートウェイ・コントロール・プロトコル(MGCP)、No.7信号方式(SS7)、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)プロトコル、プッシュ・ツー・トーク(PTT)プロトコル、PTTオーバーセルラー(POC)プロトコル、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)、3GPPロングタームエボリューション(LTE)および/または他の通信プロトコルを含むことができる。
【0160】
コンピューティングシステムの機器は、例えば、コンピュータ、ブラウザ機器を備えるコンピュータ、電話、IP電話、モバイル端末、(例えば、携帯電話、携帯情報端末(PDA)デバイス、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータ、電子メール機器)、および/または他の通信機器を含むことができる。ブラウザ機器は、例えば、ワールドワイドウェブブラウザ(例えば、グーグル社(Google, Inc.)のChrome(商標)、マイクロソフト(登録商標)社(Microsoft Corporation)から入手できるInternet Explorer(登録商標)、および/またはモジラ社(Mozilla Corporation)から入手できるMozilla(登録商標)Firefox)を備えるコンピュータ(例えば、デスクトップコンピュータおよびラップトップコンピュータ、もしくはデスクトップコンピュータまたはラップトップコンピュータ)を含む。モバイルコンピューティング機器は、例えば、リサーチ・イン・モーション社(Research in Motion)のBlackberry(登録商標)、アップル社(Apple Corporation)のiPhone(登録商標)、および/またはAndroid(登録商標)ベースの機器を含む。IP電話は、例えば、シスコ・システムズ社(Cisco Systems, Inc.)から入手できるCisco(登録商標)Unified IP Phone7985Gおよび/またはCisco(登録商標)Unified Wireless Phone 7920を含む。
【0161】
前述した技術は、教師あり学習および機械学習アルゴリズム、もしくは教師あり学習または機械学習アルゴリズムを使用して実装することができる。教師あり学習は、例題の入力出力ペアに基づいて入力を出力にマッピングする機能を学習する機械学習タスクである。これはトレーニング用の例題のセットからなるラベル付けしたトレーニングデータから関数を推測する。各例題は、入力オブジェクトと望ましい出力値からなるペアである。教師あり学習アルゴリズムまたは機械学習アルゴリズムは、トレーニングデータを分析して、推測される関数を生成し、これを新たな例題をマッピングするために使用することができる。
【0162】
各々のcomprise(備える)、include(含む)および/またはこの複数形はオープンエンドであり、列挙される部品を含むとともに、列挙されていない追加の部品を含むことができる。and/or(および/または)はオープンエンドであり、列挙される部品の1つまたは複数および列挙される部品の組合せを含む。
【0163】
当業者は、主題がこれの精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現されてもよいことは認識するであろう。そのため、前述の実施形態はすべての点において、本明細書に記載される主題の制限ではなく例示と考えるべきである。
図1
図2
図3
図4
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図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図17A
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図25A
図25B
図26
図27A
図27B
図28A
図28B
図29A
図29B
図30A
図30B
図31A
図31B
図32A
図32B
図33
図34
図35
図36
図37
図38A
図38B
図39
図40
図41
図42
図43
図44A
図44B
図45A
図45B
図46
図47
【国際調査報告】