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特表2024-502461再使用可能な薬物送達装置のためのハブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-19
(54)【発明の名称】再使用可能な薬物送達装置のためのハブ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/178 20060101AFI20240112BHJP
   A61M 5/00 20060101ALI20240112BHJP
   A61M 5/44 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
A61M5/178 500
A61M5/00 518
A61M5/44 510
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541489
(86)(22)【出願日】2022-01-05
(85)【翻訳文提出日】2023-07-06
(86)【国際出願番号】 US2022011236
(87)【国際公開番号】W WO2022150332
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】63/134,984
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】594197872
【氏名又は名称】イーライ リリー アンド カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100103182
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 真美
(74)【代理人】
【識別番号】100221327
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 亮
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー,アレキサンダー ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ダフィー,ケビン ハリソン
(72)【発明者】
【氏名】エディー,ケイトリン マリー
(72)【発明者】
【氏名】クウォン,デ ザ セカンド
(72)【発明者】
【氏名】シュレスタ,ラビ
(72)【発明者】
【氏名】サカー,レア
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD12
4C066EE14
4C066FF05
4C066JJ07
4C066LL21
4C066QQ79
4C066QQ82
4C066QQ84
4C066QQ85
(57)【要約】
再使用可能な薬物送達装置のための再充電及び薬剤貯蔵ハブが提供される。いくつかの実施形態によれば、ハブは、再使用可能な薬物送達装置の少なくとも一部を受容するようにサイズ決定されたポートを画定するハウジングと、薬物送達装置に取り付けられた充電式電源を充電するように構成されている、ハウジングに配置された充電ステーションと、ポートと位置整合して配置されている薬剤貯蔵チャンバであって、薬剤貯蔵チャンバが、単回使用薬剤カートリッジを貯蔵するように構成されている、薬剤貯蔵チャンバと、を備える。薬物送達装置の少なくとも一部がポートを通して薬剤貯蔵チャンバ内に挿入されると、結合機構が、薬剤カートリッジと解放可能に結合し、薬剤貯蔵チャンバから薬剤カートリッジを引き出すように構成されている。いくつかの実施形態では、ハブは、薬剤貯蔵チャンバの内部温度を制御するように構成されている温度変更装置を更に備え得る。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達装置のための再充電及び薬剤貯蔵ハブであって、
前記薬物送達装置の少なくとも一部を受容するようにサイズ決定されたポートを画定するハウジングと、
前記ハウジングに配置された充電ステーションであって、前記薬物送達装置の少なくとも一部が前記充電ステーションに近接して位置付けられたときに、前記薬物送達装置に取り付けられた充電式電源を充電するように構成されている、充電ステーションと、
前記ポートと位置整合するように構成されている薬剤貯蔵チャンバであって、前記薬剤貯蔵チャンバが、薬剤カートリッジを貯蔵するように構成されている、薬剤貯蔵チャンバと、を備え、
前記薬物送達装置の少なくとも一部が前記ポートを通して前記薬剤貯蔵チャンバ内に挿入され、次いで、前記薬剤貯蔵チャンバから引き出されると、前記薬物送達装置が前記薬剤貯蔵チャンバから前記薬剤カートリッジを引き出すことを可能にするように、前記薬剤貯蔵チャンバが構成されている、再充電及び薬剤貯蔵ハブ。
【請求項2】
前記薬剤カートリッジが、薬剤を保持するバレルと、針と、可動プランジャと、を有する、注射器を備える、請求項1に記載のハブ。
【請求項3】
前記薬剤カートリッジを更に備え、前記薬剤カートリッジが、薬剤を貯蔵している、請求項1又は2に記載のハブ。
【請求項4】
前記薬物送達装置が、近位端及び遠位端を備え、
前記ポートが、前記薬物送達装置の少なくとも前記近位端を受容するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のハブ。
【請求項5】
前記薬剤貯蔵チャンバの内部温度を低下させるように構成されている冷却装置を更に備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のハブ。
【請求項6】
前記薬剤貯蔵チャンバの内部温度を上昇させるように構成されている加熱装置を更に備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のハブ。
【請求項7】
前記薬剤貯蔵チャンバの内部温度の低下させることと上昇させることの両方を行うように構成されている温度変更装置を更に備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のハブ。
【請求項8】
前記薬剤カートリッジが、複数の薬剤カートリッジのうちの第1の薬剤カートリッジであり、
前記薬剤貯蔵チャンバが、前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置されたビン内に画定された複数の薬剤貯蔵チャンバのうちの第1の薬剤貯蔵チャンバであり、
前記複数の薬剤貯蔵チャンバの各薬剤貯蔵チャンバが、前記複数の薬剤カートリッジのうちの1つの薬剤カートリッジを貯蔵するように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のハブ。
【請求項9】
前記ビンが、一度に前記複数の薬剤貯蔵チャンバのうちの1つのみを前記ポートと位置整合させるように可動である、請求項8に記載のハブ。
【請求項10】
前記ビンが、一度に前記複数の薬剤貯蔵チャンバのうちの1つのみを前記ポートと位置整合させるように回転するように構成されている、請求項9に記載のハブ。
【請求項11】
前記ポートが、前記ハウジング内に画定された複数のポートのうちの第1のポートであり、各ポートが、前記薬物送達装置の少なくとも一部を受容するようにサイズ決定されており、
前記薬剤カートリッジが、複数の薬剤カートリッジのうちの第1の薬剤カートリッジであり、
前記薬剤貯蔵チャンバが、複数の薬剤貯蔵チャンバのうちの第1の薬剤貯蔵チャンバであり、各薬剤貯蔵チャンバが、前記複数のポートの別個のポートと位置整合されて配置されており、各薬剤貯蔵チャンバが、前記複数の薬剤カートリッジのうちの1つの薬剤カートリッジを貯蔵するように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のハブ。
【請求項12】
前記薬剤貯蔵チャンバは、前記薬剤カートリッジが使用され、前記薬物送達装置から結合解除された後、前記薬剤カートリッジを貯蔵するように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のハブ。
【請求項13】
前記ハブが、
通信装置と、
コントローラであって、
前記通信装置を介して、前記薬物送達装置に取り付けられているセンサによって記録されるデータを受信し、
前記記録されたデータに基づく情報を、前記通信装置を介してリモートサーバに送信するように構成されている、コントローラと、を更に備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のハブ。
【請求項14】
前記ハブが、
前記ハブのステータスを示すデータを記録するように構成されている1つ以上のセンサと、
通信装置と、
前記通信装置を介して、前記記録されたデータに基づくデータをリモートサーバに送信するように構成されているコントローラと、を更に備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のハブ。
【請求項15】
薬剤を送達及び貯蔵するためのシステムであって、請求項1~14のいずれか一項に記載の再充電及び薬剤貯蔵ハブ並びに薬物送達装置を備える、システム。
【請求項16】
前記薬物送達装置が、薬剤カートリッジと解放可能に結合するように構成されている結合機構を備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記結合機構が、磁気結合機構である、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記薬物送達装置上の前記結合機構が、第1の磁石及び解放スリーブを備え、前記薬剤カートリッジが、前記第1の磁石と結合するように構成されている第2の磁石を備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記結合機構は、ユーザが前記解放スリーブを動かすことによって前記薬剤カートリッジを前記薬物送達装置から結合解除することを可能にするように構成されている、請求項17又は18に記載のシステム。
【請求項20】
前記解放スリーブが、中空円筒形本体と、前記円筒形本体の内部容積内に延在する1つ以上のタブと、を備え、前記ユーザが前記解放スリーブを近位方向に動かすと、前記1つ以上のタブは、前記第1の磁石と前記第2の磁石との間の磁力に打ち勝つ近位方向の力を前記薬剤カートリッジの遠位端に及ぼす、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
薬物送達装置並びに前記薬物送達装置のための再充電及び薬剤貯蔵ハブを使用する方法であって、前記ハブが、ポート、充電ステーション、前記ポートと位置整合された薬剤貯蔵チャンバ、及び前記薬剤貯蔵チャンバ内に配置された薬剤を貯蔵する薬剤カートリッジを有し、前記方法が、
前記薬物送達装置に取り付けられた充電式電源を充電するために、前記薬物送達装置の少なくとも一部を前記充電ステーションに近接して配置することと、
前記充電ステーションから前記薬物送達装置を取り外すことと、
前記薬物送達装置の少なくとも一部を、前記ポートを通して前記薬剤貯蔵チャンバ内に挿入して、前記薬物送達装置を、前記薬剤貯蔵チャンバ内に貯蔵されている前記薬剤カートリッジと結合することと、
前記薬剤カートリッジを前記薬剤貯蔵チャンバから取り外すために、前記薬剤カートリッジと一旦結合された前記薬物送達装置を前記ポートから取り外すことと、を含む、方法。
【請求項22】
クイックレスポンス(QR)コードが、前記ハブ上に配置され、前記QRコード(登録商標)が、前記薬剤に関する情報を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ハブは、前記ハブ上に配置された音響スピーカ、前記ハブ上に配置された1つ以上の視覚インジケータ、及びモバイル装置への無線送信のうちの少なくとも1つを介して、前記薬剤カートリッジが使用の準備ができているという指標をユーザに提供する、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記ポートがドアで覆われ、ユーザが前記ハブに前記ドアの開放、閉鎖、ロック、又はロック解除を指示し得るように、前記ハブがスマートフォンを介して制御される、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記ハブが、スマートフォンを介して制御され、前記ハブが、前記薬剤貯蔵チャンバの内部温度を貯蔵温度まで冷却するように構成されている温度変更装置を更に備え、前記方法が、前記温度変更装置を使用して前記薬剤貯蔵チャンバの前記内部温度を上昇させるように、前記スマートフォンを介して前記ハブに指示することを更に含む、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記薬剤を投与するために前記薬物送達装置を起動した後、前記薬物送達装置の前記少なくとも一部を、前記ポートを通して前記薬剤貯蔵チャンバ内に再挿入することと、前記薬物送達装置と結合された前記薬剤カートリッジを、廃棄のために前記薬剤貯蔵チャンバ内に解放することと、を更に含む、請求項21~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記薬剤カートリッジが、複数の薬剤カートリッジのうちの第1の薬剤カートリッジであり、前記薬剤貯蔵チャンバが、前記ハブ内に配置されたビン内に画定された複数の薬剤貯蔵チャンバのうちの第1の薬剤貯蔵チャンバであり、前記複数の薬剤貯蔵チャンバの各薬剤貯蔵チャンバが、前記複数の薬剤カートリッジのうちの1つの薬剤カートリッジを貯蔵するように構成されており、前記方法が、
前記第1の薬剤カートリッジを前記第1の薬剤貯蔵チャンバから取り外すため、前記第1の薬剤カートリッジと一旦結合された前記薬物送達装置を前記ポートから取り外すことと、前記ビンを、前記複数の薬剤貯蔵チャンバのうちの別の薬剤貯蔵チャンバを前記ポートと位置整合させるように動かすことと、を更に含む、請求項21~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
モバイル装置と連携して再充電及び薬剤貯蔵ハブシステムを使用する方法であって、
前記ハブシステムを提供することであって、前記ハブシステムが、
充電式電源を有する薬物送達装置と、
ハブと、を備え、前記ハブが、
(i)開位置と閉位置との間で動くこと、及び(ii)ロック構成とロック解除構成との間で切り替わること、のうちの少なくとも一方を行うように構成されているドアを有するポートと、
前記薬物送達装置の少なくとも一部が前記充電ステーションに近接して配置されたときに、前記薬物送達装置の前記充電式電源を充電するように構成されている充電ステーションと、
薬剤貯蔵チャンバと、
前記薬剤貯蔵チャンバ内に配置されている、薬剤を貯蔵する薬剤カートリッジと、を備える、ハブシステムを提供することと、
前記ハブと前記モバイル装置との間に通信リンクを確立することと、
前記モバイル装置から、投与のために前記薬剤カートリッジを準備するための命令を前記ハブに送信することであって、前記命令が、前記ハブに、前記ドアを前記開位置に動かすか、又は、前記ドアを前記ロック解除構成に切り替えさせて、前記薬剤カートリッジへのアクセスを可能にする、送信することと、
前記充電ステーションから前記薬物送達装置を取り外すことと、
前記薬物送達装置を前記ポートに挿入して、前記薬物送達装置を前記薬剤カートリッジと結合することと、
前記薬剤カートリッジを前記薬剤貯蔵チャンバから取り外すために、前記薬剤カートリッジと一旦結合された前記薬物送達装置を前記ポートから取り外すことと、を含む、方法。
【請求項29】
前記薬物送達装置を前記ポート内に挿入し、前記薬剤カートリッジを前記薬物送達装置から結合解除して、前記薬剤カートリッジを前記薬剤貯蔵チャンバ内に置くことによって前記薬剤カートリッジを廃棄することを更に含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ハブが、前記薬剤貯蔵チャンバの内部温度を制御するように構成されている温度変更装置を更に備え、前記方法が、
前記温度変更装置を使用して前記薬剤貯蔵チャンバの前記内部温度を貯蔵温度まで冷却することと、
前記命令の受信に応答して、前記温度変更装置を使用して前記薬剤貯蔵チャンバの前記内部温度を投与温度まで上昇させることと、
前記薬剤貯蔵チャンバの前記内部温度が前記投与温度に達した後にのみ、ユーザに指標を提供することと、を更に含む、請求項28又は29に記載の方法。
【請求項31】
前記指標が、前記ハブ上に配置された少なくとも1つの音響スピーカから生成される1つ以上の可聴音、前記ハブ上に配置された1つ以上の視覚インジケータ、及び前記ハブから前記モバイル装置への1つ以上の無線送信のうちの少なくとも1つを介して発行され得る、請求項28~30のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、再使用可能な薬物送達装置を保持するためのハブに関する。より具体的には、本開示は、再使用可能な薬物送達装置を再充電するための、及び再使用可能な薬物送達装置によって使用されるように構成されている薬剤カートリッジを貯蔵するためのハブに関する。
【背景技術】
【0002】
再使用可能な薬物送達装置は、医療専門家及び自己治療を行う人々によって広く使用されている。このような装置は、使い捨ての単回使用薬剤カートリッジを受容し、そのようなカートリッジ内に貯蔵された薬剤を注射によって患者に投与するように構成され得る。しかしながら、このような再使用可能な薬物送達装置の使用済み薬剤カートリッジを新しいカートリッジと交換するプロセスは、特に手先の器用さが低いユーザにとって、手作業で面倒又は困難な場合がある。更に、再使用可能な薬物送達装置のユーザは、一般に、再使用可能な薬物送達装置によって使用される薬剤カートリッジを貯蔵及び/又は整理する方法を必要としている。いくつかのタイプの薬剤カートリッジは、スポリエーションを防ぐために一定の貯蔵温度で貯蔵し(例えば、華氏32~35で冷蔵し)、その後、投与直前に投与温度まで加温末得(例えば、室温に戻す)必要があり得る。
【発明の概要】
【0003】
本開示の例示的な実施形態によれば、薬物送達装置のための再充電及び薬剤貯蔵ハブであって、薬物送達装置の少なくとも一部を受容するようにサイズ決定されたポートを画定するハウジングと、薬物送達装置の少なくとも一部が充電ステーションに近接して位置付けられたときに、薬物送達装置に取り付けられた充電式電源を充電するように構成されている、ハウジングに配置された充電ステーションと、ポートと位置整合するように構成されている薬剤貯蔵チャンバであって、薬剤貯蔵チャンバが、薬剤カートリッジを貯蔵するように構成されている、薬剤貯蔵チャンバと、を備え、薬物送達装置の少なくとも一部がポートを通して薬剤貯蔵チャンバ内に挿入され、次いで、薬剤貯蔵チャンバから引き出されると、薬物送達装置が薬剤貯蔵チャンバから薬剤カートリッジを引き出すことを可能にするように、薬剤貯蔵チャンバが構成されている、再充電及び薬剤貯蔵ハブが提供される。
【0004】
本開示の別の実施形態によれば、薬物送達装置並びに薬物送達装置のための再充電及び薬剤貯蔵ハブを使用する方法が提供される。ハブは、ポート、充電ステーション、ポートと位置整合された薬剤貯蔵チャンバ、及び薬剤貯蔵チャンバ内に配置された薬剤を貯蔵する薬剤カートリッジを有し得る。本方法は、薬物送達装置に取り付けられた充電式電源を充電するために、薬物送達装置の少なくとも一部を充電ステーションに近接して配置することと、充電ステーションから薬物送達装置を取り外すことと、薬物送達装置の少なくとも一部を、ポートを通して薬剤貯蔵チャンバ内に挿入して、薬物送達装置を、薬剤貯蔵チャンバ内に貯蔵されている薬剤カートリッジと結合することと、薬剤カートリッジを薬剤貯蔵チャンバから取り外すように、薬剤カートリッジと結合されたことを受けて、薬物送達装置をポートから取り外すことと、を含み得る。
【0005】
本開示の更に別の実施形態によれば、モバイル装置と連携して再充電及び薬剤貯蔵ハブシステムを使用する方法が提供される。本方法は、ハブシステムを提供することを含み得、ハブシステムが、充電式電源を有する薬物送達装置と、ハブと、を備え、ハブが、(i)開位置と閉位置との間で動くこと、及び(ii)ロック構成とロック解除構成との間で切り替わること、のうちの少なくとも一方を行うように構成されているドアを有するポートと、薬物送達装置の少なくとも一部が充電ステーションに近接して配置されたときに、薬物送達装置の充電式電源を充電するように構成されている充電ステーションと、薬剤貯蔵チャンバと、薬剤貯蔵チャンバ内に配置されている、薬剤を貯蔵する薬剤カートリッジと、を備える。本方法は、ハブとモバイル装置との間に通信リンクを確立することと、モバイル装置から、投与のために薬剤カートリッジを準備するための命令をハブに送信することであって、当該命令が、ハブに、ドアを開位置に動かすか、又は、ドアをロック解除構成に切り替えさせて、薬剤カートリッジへのアクセスを可能にする、送信することと、薬物送達装置を充電ステーションから取り外すことと、薬物送達装置をポートに挿入して、薬物送達装置を薬剤カートリッジと結合することと、薬剤カートリッジを薬剤貯蔵チャンバから取り外すように、薬剤カートリッジと結合されたことを受けて、薬物送達装置をポートから取り外すことと、を更に含み得る。
【0006】
他の利点の中でも、開示されているハブの1つの例示的な利点は、薬物送達装置の再充電と、薬物送達装置とともに使用するための薬剤カートリッジの貯蔵の両方を行うように構成されている単一の便利な統合ハブを提供することである。いくつかの実施形態の別の例示的な利点は、ハブが、貯蔵された薬剤カートリッジを貯蔵温度に維持する統合温度変更装置を含み得、それによってユーザが薬剤カートリッジのために別個の低温貯蔵庫を提供することから解放されることである。いくつかの実施形態の別の例示的な利点は、ハブが温度変更装置を使用して、投与直前にカートリッジを投与温度まで加温し得る。いくつかの実施形態では、温度変更装置は、カートリッジがそれ自体で室温まで加温することができる場合よりも早く、カートリッジを投与温度にし得る。いくつかの実施形態の別の例示的な利点は、ハブが、閉じたポートの背後でカートリッジをロックすることによって、貯蔵された薬剤カートリッジを安全に保持することであり、ポートは、ユーザがユーザのモバイル装置から命令を提供するまで開かない場合がある。いくつかの実施形態の更に別の例示的な利点は、ハブが使用済みの薬剤カートリッジを廃棄するための鋭利物容器としての役割を果たし、したがって、ユーザが別個の鋭利物容器を提供する必要性を軽減し得ることである。当業者であれば、他の利点を認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の上述及び他の特徴及び利点、並びにそれらを達成する様式は、本発明の実施形態の以下の説明を添付の図面と併せて参照することによってより明らかになり、またよりよく理解されることとする。
【0008】
図1】いくつかの実施形態による、例示的な薬物送達装置を保持するための例示的なハブ、並びにハブとともに使用される薬物送達装置及びモバイル装置の概念的なブロック図である。
【0009】
図2】薬物送達装置を保持するためのハブの第1の実施形態の斜視図である。
【0010】
図3】第1の実施形態のハブの内部の斜視図である。
【0011】
図4】ハブに挿入されるように構成されている薬剤ビンの第1の実施形態の上面斜視図である。
【0012】
図5】薬剤ビンの第1の実施形態の底面斜視図である。
【0013】
図6】例示的な薬剤カートリッジの側面図である。
【0014】
図7】動作中のハブ及び薬物送達装置の第1の実施形態の例示的な斜視図を描写する。
図8】動作中のハブ及び薬物送達装置の第1の実施形態の例示的な斜視図を描写する。
【0015】
図9】使い切った薬剤カートリッジを邪魔にならない位置に動かし、使用するために新しい薬剤カートリッジを位置付けるためにビンを回転させ得る方法を示す、薬剤ビンの上面図である。
【0016】
図10】薬物送達装置を保持するためのハブの第2の実施形態の斜視図である。
【0017】
図11】薬剤ビンを取り外したハブの第2の実施形態の斜視図である。
【0018】
図12】薬剤カートリッジと取り外し可能に結合するための薬物送達装置内の例示的な結合機構の側面図である。
【0019】
図13】例示的な結合機構の斜視図である。
【0020】
図14】再充電及び薬剤貯蔵ハブを使用するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【0021】
図15】モバイル装置とともに再充電・投薬装置を使用するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【0022】
複数の図全体を通して、対応する参照符号は、対応する部品を示す。本明細書に記載される例示は、本発明の例示的な実施形態を示し、かかる例示は、いかなる態様でも本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書で使用する「ロジック」、「制御ロジック」、「アプリケーション」、「方法」、又は「プロセス」という用語には、1つ以上のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ハードワイヤードロジック、又はそれらの組み合わせで実行されるソフトウェア及び/又はファームウェアが含まれ得る。したがって、実施形態に従って様々なロジックが任意の適切な方式で実装され得、本明細書に開示される実施形態に従ったままとなる。
【0024】
図1は、いくつかの実施形態による、例示的な薬物送達装置150とともに使用するための例示的なハブ100のブロック図を描写する。ハブ100は、ハブ100の構成要素を収容又は支持するハウジング101を含む。ハウジング101は、可動ドア114によって覆われたポート113を画定する。ドア114は、ハウジング101から完全に取り外されるか、又はスライド若しくは揺動して邪魔にならないようにして、薬剤貯蔵チャンバ118へのアクセスを提供し得る。
【0025】
薬剤貯蔵チャンバ118は、薬剤が予め充填されたカートリッジ116を保持又は貯蔵するように構成されている。チャンバ118は、チャンバ118がポート113を通じてアクセスされ得るように、ポート113と位置整合されている。本明細書において使用される場合、「薬剤」又は「薬物」という用語は、限定されないが、インスリン、インスリンリスプロ又はインスリングラルギンなどのインスリン類似体、インスリン誘導体、ダラグルチド又はリラグルチドなどのGLP-1受容体アゴニスト、グルカゴン、グルカゴン類似体、グルカゴン誘導体、胃抑制ポリペプチド(GIP)、GIP類似体、GIP誘導体、オキシントモジュリン類似体、オキシントモジュリン誘導体、治療用抗体及び上記の装置によって送達が可能な任意の治療薬を含む、1つ以上の治療薬を指す。装置で使用されるような薬剤は、1つ以上の賦形剤とともに処方され得る。
【0026】
カートリッジ116は、再使用可能な送達装置150に挿入されるか、又は再使用可能な送達装置150に結合されるように構成され得る。カートリッジ116が装填されるか、又はカートリッジ116と結合されると、再使用可能な送達装置150は、例えば、注射、スプレー、静脈内供給、又は他の機構を介して、カートリッジ116内の薬剤を人に送達するように、患者、介護者、又は医療専門家によって操作され得る。カートリッジ116は、薬剤の貯蔵を使い切ると再使用可能な送達装置から結合解除されるように設計された単回使用カートリッジであり得、結合解除されると、カートリッジ116は廃棄され得る。いくつかの実施形態では、再使用可能な送達装置150は、カートリッジ116内に貯蔵されているすべての薬剤を1回の用量で送達するように構成され得る。他の実施形態では、再使用可能な送達装置150は、カートリッジ116内に貯蔵されている薬剤を複数回の用量にわたって送達するように構成され得る。
【0027】
薬剤貯蔵チャンバ118はまた、温度変更装置112も含み得る。温度変更装置は、カートリッジ116内に貯蔵されている薬剤を貯蔵中に保存するために、薬剤貯蔵チャンバ118の内部温度を下げる(したがって、チャンバ118内に貯蔵されているカートリッジ116の温度を下げる)ように構成されている冷却装置を含み得る。好適な冷却装置の一例は、電気エネルギーを使用して装置の一方の側から他方の側に熱を伝達するペルチェ装置である。代替的に、温度変更装置112は、蒸気圧縮冷却プロセスを使用して、及び/又は冷却剤の循環を使用して、薬剤貯蔵チャンバ118の内部を冷却し得る。温度変更装置112はまた、カートリッジ116内の薬剤を投与するとき、薬剤貯蔵チャンバ118の内部を加熱するように、例えば、カートリッジ116内に貯蔵されている薬剤を室温又は体温まで上昇させるように、構成され得る。例示的な加熱装置は、ペルチェ装置、又は電気加熱コイル又はワイヤを含む。いくつかの実施形態では、単一の構成要素又は単一タイプの構成要素(例えば、ペルチェ装置)を使用して、薬剤貯蔵チャンバの冷却と加熱の両方を行い得る。
【0028】
ハブ100は、充電ステーション102も含む。充電ステーション102は、バッテリ又は壁コンセント(図示せず)などの電力源に結合され得る。薬物送達装置150上の充電接点170が充電ステーション102に接触又は近接して配置されると、充電ステーション102は、装置150上の充電式電源158(例えば、バッテリ又はスーパーキャパシタ)を直接的に又は誘導的に充電するように構成され得る。本明細書において使用される場合、充電ステーション102と薬物送達装置との間の距離が、充電ステーション102が薬物送達装置の充電式電源を誘導的に又は伝導的に充電することを可能にする十分に小さい場合、薬物送達装置は充電ステーション102に「近接」していると考えられ得る。充電ステーション102は、装置150の全部又は一部を受容するように構成されているレセプタクルを備え得るか、又はその中に配置され得る。代替的に、又は加えて、充電ステーション102は、ハブ100の外面の視覚的に識別可能な部分を含み得、及び/又は充電ステーション102は、再使用可能な薬物送達装置150上の対応するレセプタクルに嵌合するように構成されているハブ100の外面からの突出部を含み得る。いくつかの実施形態では、充電ステーション102は、ハブ100の外面から延在し、薬物送達装置150上の対応するポートにプラグ接続されるように構成されているワイヤを備え得る。
【0029】
ハブ100は、内部バス115を介して、ユーザインターフェース106、カートリッジセンサ108、1つ以上の追加のセンサ117、及び/又は通信装置110と通信可能に結合されたコントローラ104を更に含む。コントローラ104は、ハブ100のメモリ(図示せず)に記憶されたソフトウェア及び/又はファームウェアを実行する少なくとも1つのプロセッサを含み得る。ソフトウェア/ファームウェアコードは、コントローラ104のプロセッサによって実行されると、コントローラ104に本明細書に記載の機能を実行させる命令を含む。いくつかの実施形態において、代替的に又は加えて、コントローラ104は、データ信号を受信して、処理し、結果として1つ以上の電気信号の形態の結果を出力する任意の処理回路を含み得る。そのような処理回路は、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ハードワイヤードロジック、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。ユーザインターフェース106は、ハブ100及び/又は再使用可能な薬物送達装置150のステータスなどの情報をハブ100のユーザに伝達するための画面、ライト(例えば、LED)、及び/又はスピーカを備え得る。ユーザインターフェース106はまた、ハブ100のユーザからユーザ入力を受信するためのタッチセンサ式スクリーン、ボタン、スライダ、及び/又はダイヤル/ノブを備え得る。
【0030】
カートリッジセンサ108は、薬剤カートリッジ116の存在を識別又は感知するセンサである。カートリッジセンサ108は、薬剤カートリッジ116の存在若しくはカートリッジ116を保持する容器の存在を感知するか、又は、例えばQRコードを読み取ること、色を検出すること、並びに/又は、カートリッジ116の表面上又はカートリッジ116を保持する容器の表面上に配置されたテキスト、数字、及び/若しくは記号を読み取ることなどによって上記カートリッジを識別する視覚センサ又は光学センサを備え得る。代替的に、又は加えて、カートリッジセンサ108は、カートリッジ116(又はカートリッジ116を保持する容器)と一体化、結合、又は関連付けられたRFID及び/又はNFCタグを読み取るRFID又はNFCセンサを備え得る。いくつかの実施形態では、カートリッジセンサ108はまた、カートリッジ116が薬剤貯蔵チャンバ118内に配置されるときに、カートリッジ116の一部によってトリガ又は作動される触覚センサ(例えば、スイッチ)も備え得る。
【0031】
1つ以上の追加のセンサ117は任意選択的であるが、いくつかの実施形態では、ハブ100の周囲の周囲温度、ハブ100の周囲の周囲湿度、ハブ100に入射する光の量、及び/又はハブ100の内部温度を記録、感知、及び/又は測定するように構成されているセンサを含み得る。いくつかの実施形態では、センサ117は、ハブ100が電源にプラグ接続されているか否かを検出し得る。ハブ100が、電力を供給し、電源にプラグ接続されていないときでもハブ100が動作することを可能にするバッテリ(図示せず)を備える実施形態では、センサ117は、上記バッテリ内に残っている充電レベルを検出し得る。いくつかの実施形態では、センサ117はまた、可動ドア114のステータス、例えば、ドアが開いている、閉じている、ロックされている、及び/又はロック解除されているかを検出し得る。
【0032】
通信装置110は、ハブ100と再使用可能な薬物送達装置150との間、及び/又はハブ100とモバイル装置180との間の無線通信を可能にする無線通信装置であり得る。例えば、通信装置110は、モバイル装置180との通信リンク195を確立し得る。好適な無線通信装置の例は、Bluetooth、WiFi、RFID、又はNFC信号を送信及び/又は受信するためのチップパッケージ、回路、及び/又はアンテナを含む。代替的に、又は加えて、通信装置110は、例えばユニバーサルシリアルバス(USB)接続を通じて、前述の装置との有線通信を可能にする有線通信装置であり得る。代替的に、又は加えて、通信装置110は、ネットワーク198並びに通信リンク196及び199を介してサーバ170との通信リンクを確立する長距離セルラ通信インターフェースを備え得る。サーバ170は、例えば、別の建造物、別の都市、又は更には別の国若しくは大陸になど、ハブ100及び/又はモバイル装置180から遠隔して配置され得る。ネットワーク198は、潜在的に1つ以上の中間ノード又はスイッチを介して、ハブ100、モバイル装置180、及び/又はサーバ170の間で情報を中継するように適合された任意のセルラ又はデータネットワークを含み得る。好適なネットワーク170の例は、セルラネットワーク、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、及びインターネットを含む。
【0033】
モバイル装置180は、ユーザのスマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、ラップトップ、ポケットベル、及び/又はデスクトップなどのユーザのモバイル装置又は処理装置を含み得る。モバイル装置180は、制御ロジック184を通じてプログラム可能なコードを実行することができるプロセッサ182を備え得る。モバイル装置180はまた、制御ロジック184を記憶し得るメモリ186を備え得る。ソフトウェア/ファームウェアコードを記憶するメモリ186は、少なくとも1つのプロセッサによってアクセス可能な任意の好適なコンピュータ可読媒体である。メモリは、単一の記憶装置又は複数の記憶装置であり得、少なくとも1つのプロセッサの内部又は外部に配置され得、揮発性及び不揮発性の両方の媒体を含み得る。例示的なメモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気ストレージ装置、光ディスクストレージ、又はデータを記憶するように構成され、かつ少なくとも1つのプロセッサによってアクセス可能な任意の他の好適な媒体を含む。モバイル装置180はまた、ユーザに情報を表示し、及び/又はユーザからの入力を受信する(タッチセンサ式ディスプレイの場合)ためのディスプレイ188と、外部装置と(例えば、通信リンク195を介してハブ100と)通信するための通信装置190と、を含み得る。いくつかの実施形態では、通信装置190はまた、ネットワーク198並びに通信リンク197及び199を介してサーバ170とのデータ通信を確立するためのセルラインターフェース及び/又はデータインターフェースを備え得る。
【0034】
サーバ170は、例示的に、ネットワーク198を介してモバイル装置180及び/又はハブ100からデータを受信して処理するように構成されている任意のコンピューティング装置を含む。サーバ170によって受信されるそのようなデータは、ハブ100及び/又は薬物送達装置150によって収集、測定、及び/又は記録された生データに基づく、又はそこから導出される任意のデータを含み得る。例えば、サーバ170によって受信されるデータは、ハブ100及び/又は薬物送達装置150によって収集、測定、及び/又は記録された生データを含み得る。代替的に、又は加えて、サーバ170によって受信されるデータは、そのような生データを処理する結果としてハブ100及び/又はモバイル装置によって生成又は導出される任意のデータを含み得る。ハブ100及び/又はモバイル装置180からサーバ180に送信され得るデータの例は、例えば、薬物送達装置150によってユーザに送達される用量の時間及び量、ハブ100内に残存する薬物の量、ハブ100内に残っている任意の薬物の有効期限、温度の異常、停電、バッテリ低下状態、又はハブ100によって感知される他の障害状態、ハブ100がその貯蔵薬物を使い切った(又は使い切りそうである)ことの指標、ハブ100内の上記貯蔵薬物を補充するために更なる薬物を求めるユーザからの要求、ユーザの投薬履歴に基づく所定の投薬計画をユーザがどの程度順守しているかの指標などを含み得る。このような情報は、ハブ100からネットワーク198(及び介在するすべての通信リンク)を介してサーバ170に直接送信され得る。代替的に、又は加えて、このような情報は、ハブ100からモバイル装置180、並びにネットワーク198及び介在するすべての通信リンクを介してサーバ170に送信され得る。
【0035】
サーバ170は、上記情報を処理及び/又は記憶し、任意選択的に、モバイル装置180、ハブ100、又は図1に示されていない他の装置に応答、通知、又は命令を送信し得る。サーバ170は、処理回路172、メモリ174、及び通信装置176を含む。処理回路172は、以上に説明された考えられるタイプのプロセッサ及び/又は処理回路のいずれかを含み得る。処理回路172は、サーバ170のメモリ174に記憶されたソフトウェア及び/又はファームウェアを実行し得る。ソフトウェア/ファームウェアコードは、処理回路172によって実行されると、サーバ172に本明細書に記載の機能を実行させる命令を含む。メモリ174はまた、経歴情報及び/又は医療情報(例えば、薬物投与記録、病歴など)などの、ハブ100及び/又は薬物送達装置150の1人以上のユーザに関する情報を記憶するように構成され得る。ハブ100及び/又はモバイル装置180のいずれかから受信された情報又はそれに送信された情報も、メモリ174に記憶され得る。メモリ174は、以上に説明された考えられるタイプのメモリのいずれかを含み得る。通信装置176は、サーバ170がネットワーク198並びに通信リンク196、197、及び/又は199を介してモバイル装置180及び/又はハブ100と通信することを可能にする。上記の一般性を限定することなく、いくつかの実施形態では、サーバ170は、病院システム又は診療所などの医療提供者(HCP)又は医療機関若しくは研究所によって維持される電子健康記録(EHR)システムの全部又は一部を備えるか、それに通信可能に結合されるか、又はそれを実装し得る。このような実施形態では、サーバ170は、HCP及び/又は医療機関が当該ユーザに治療を提供することを支援するために、ユーザによるハブ100及び/又は薬物送達装置150の使用に関する記録(例えば、投薬の時間及び/又は量)を保持する役割を果たし得る。他の実施形態では、サーバ170は、製薬会社、医療機器(例えば、ハブ100及び/又は薬物送達装置150)の製造業者、健康保険支払者、及び/又は臨床試験若しくは研究を実施する健康転帰研究者によって維持され得る。
【0036】
ハブ100に戻ると、いくつかの実施形態では、コントローラ104は、ハブ100のメモリに記憶されたソフトウェア及び/又はファームウェアを実行する少なくとも1つのプロセッサを含む。ソフトウェア/ファームウェアコードは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、ハブ100に本明細書に記載の機能を実行させる命令を含む。少なくとも1つのプロセッサは、例示的に、例えば、貯蔵されているときにカートリッジ116を冷却するように温度変更装置112を操作し、カートリッジ116が使用されようとしていることを示すユーザ入力を受信したときにカートリッジ116を加熱するように温度変更装置112を操作し、ハブ100及び/又は薬物送達装置150のステータスに関する情報(例えば、送達装置150のバッテリ充電量、ハブ100内に貯蔵されている薬剤のタイプ、使用、推奨用量、及び/又は有効期限、1つ以上の医療用貯蔵チャンバ118の内部温度、可動ドア114が開いているか、閉じているか、又はロックされているか、ハブ100がユーザのモバイル装置又は薬物送達装置と適切にペアリングされているかなど)を伝えるようにユーザインターフェースを操作し、及び/又は、ユーザ入力を受信するようにユーザインターフェースを操作する(例えば、ハブ100に、オン又はオフにする、送達装置150及び/又はユーザのモバイル装置とペアリングする、ある用量のためにカートリッジ116のうちの1つを準備する、可動ドア114をロック解除、ロック、開く、又は閉じるなど)ように動作する制御ロジックを含む。ソフトウェア/ファームウェアコードを記憶するメモリは、モバイル装置180のメモリ186に関連して前述したタイプのメモリのいずれかを含む、少なくとも1つのプロセッサによってアクセス可能な任意の好適なコンピュータ可読媒体である。いくつかの実施形態では、コントローラ104は、上述の機能を実行するように構成されている特定用途向け集積回路(ASIC)を含み得る(又は本質的にそれから構成され得る)。
【0037】
再使用可能な薬物送達装置150は、装置150の様々な構成要素を収容又は支持するハウジング151を備え得る。装置150は、操作されると薬剤カートリッジ116と解放可能に結合する結合機構168を備える。装置150は、薬剤カートリッジ116が結合機構168と結合されると、薬剤を薬剤カートリッジ116から患者に送達する駆動機構154も備える。一実施形態では、薬剤カートリッジ116は、薬剤を保持するバレルと、針と、押し下げられると針から薬剤を押し出す可動プランジャと、を有する、注射器を備え得る。このような実施形態では、駆動機構154は、駆動機構154が操作されると、可動プランジャを押して薬剤をカートリッジ116から押し出す可動駆動部材を備え得る。他の実施形態では、薬剤カートリッジは、可動プランジャ又は針を含まない場合がある。このような実施形態では、駆動機構154は、薬剤カートリッジ116から薬剤を引き出し、例えば針、ジェット注射、経口及び/又は静脈内により薬剤を患者に送達するためのポンプを備え得る。駆動機構154は、ユーザによって作動されると、駆動機構154を動作させるトリガボタン152と結合され得る。
【0038】
装置150は、電子パッケージ156、例えば、1つ以上のプリント回路基板(PCB)又は電子回路を更に含み得る。図1では単一の別個のパッケージとして示されているが、いくつかの実施形態では、パッケージ156は、薬物送達装置150全体を通じた複数の場所に分散され得る。パッケージ156は、コントローラ160、1つ以上の装置センサ162、通信装置164、及び/又はユーザインターフェース166を備え得る。パッケージ156はまた、パッケージ156の他の前述の構成要素の一部又はすべてに電力を供給するように構成されている前述の充電式電源158を備え得る。装置150上の充電接点170が充電ステーション102に接触又は近接すると、充電ステーション102は充電式電源158内に電荷を補充し得る。
【0039】
装置センサ162は、再使用可能な薬物送達装置150のステータスを感知、記録、測定、又は検出するように構成されている1つ以上のセンサを備え得る。例えば、装置センサ162は、装置150の電源がオンか若しくはオフか、装置150が薬剤カートリッジ116に結合されているか、装置150がオンか若しくはオフか、投与のために装置150がロックされているか若しくはロック解除されているか、装置150が投与を開始したか、装置150が投与を完了したか、装置150にプログラムされた及び/又は装置150によって送達される投与量、装置内の可動構成要素の位置若しくは動き150(例えば、トリガボタン152、駆動機構154内の可動駆動部材、及び/又は薬剤カートリッジ116内の可動プランジャ)、充電式電源158内に存在する現在の電荷、充電式電源158の充電容量、電源158が現在充電されているか否か、ハブ100に対する装置150の近接性、装置150とユーザの皮膚などの人体組織との間の近接性及び/若しくは接触、装置150の加速度及び/若しくは向き、装置150若しくは薬剤カートリッジ116内の薬剤の現在の外部若しくは内部温度、薬剤カートリッジ116内に貯蔵されている薬剤のタイプ、並びに/又は装置150の現在の地理的位置を感知するように構成され得る。センサ162は、1つ以上の光学センサ、電気センサ、磁気センサ、加速度計、機械的スイッチ、無線アンテナ、及び/又はGPSセンサを含み得る。
【0040】
通信装置164は、通信装置110について上述した装置のいずれかの形態を採り得る。同様に、ユーザインターフェース166は、ユーザインターフェース106について上で説明した装置のいずれかの形態を採り得る。コントローラ160は、装置センサ162、通信装置164、及び/又はユーザインターフェース166のいずれかからデータを受信し、及び/又はその動作を制御するように構成され得る。コントローラ160は、コントローラ104について上で説明した装置のいずれかの形態を採り得る。いくつかの実施形態では、コントローラ160は、センサ162によって感知される前述のタイプのデータのいずれか、又は前述のタイプのデータのいずれかから導出される任意のデータを、通信装置164を介してハブ100に報告するように構成され得る。前述したように、ハブ100は、そのようなデータを、ネットワーク198を介して(及び/又は任意選択的にモバイル装置180を介して)サーバ170に転送し得、又は、センサ162によって感知される前述のタイプの感知されたデータから導出されるか、若しくはそれに基づいて生成されるデータをサーバ170に送信し得る。
【0041】
図2は、再使用可能な薬物送達装置を保持するためのハブの第1の実施形態の斜視図を提供する。ハブ200及び薬物送達装置250は、それぞれハブ100及び薬物送達装置150と同様に構成され得る。この第1の実施形態では、薬物送達装置250は、近位端(図2の下側を指す)及び遠位端(図2の上側を指す)を有する自動注射器の形態を採る1。薬物送達装置250を使用するには、ユーザは薬物送達装置250の近位端を患者の皮膚に押し当て、次にロック要素252を回転させることによって装置をロック解除する。装置のロックが解除された後、ユーザはトリガボタン254を押下することによって、装置をトリガする。薬物送達装置250は、トリガされると、駆動機構を作動させて患者に注射剤を送達する。
【0042】
この実施形態では、ハブ200は、湾曲した側壁215及び上面217を有する円筒として実質的に形状化される。上面217は、可動(又は取り外し可能な)ドア214によって覆われるポート218を画定する。図2では、ドア214が上面217から完全に取り外されて示されているが、いくつかの実施形態では、ドア214は、ヒンジで開閉するか、又はスライドして開閉するように構成され得る。上面217はまた、この実施形態では、薬物送達装置250の近位端を受容するように構成されている浅いレセプタクルの形態を採る充電ステーション219を含む。薬物送達装置250の近位端が充電ステーション219の浅いレセプタクル内に受容されると、ステーション219は、装置250内に取り付けられた充電式電源内に電荷を補充し得る。ポート218及び充電ステーション219の浅いレセプタクルの壁の両方は、薬物送達装置250の近位端の外形をぴったりと受容するように形状化(円形、三角形、長方形など)され得る。
【0043】
ハブ200の上面217は、ボタン224及びスピーカ222を更に含む。ハブ200は、ユーザがボタン224を押したときに、ハブ200及び/又は装置250のステータスを報告するように構成され得る。例えば、ハブ200は、装置250の充電ステータス、ハブ200内に貯蔵されている1つ以上の薬物若しくは薬剤カートリッジの温度、1つ以上の薬剤若しくは薬剤カートリッジの有効期限、ハブ200内に貯蔵されている1つ以上の薬剤のタイプ、1つ以上の薬剤カートリッジを交換するための通知、及び/又は1つ以上の検出された障害状態を報告するように構成され得る。ステータス報告は、スピーカ222を介して可聴式に、又はユーザのモバイル装置に送信される無線信号を通じて送達され得る。この実施形態にはスピーカが組み込まれているが、LED、ディスプレイ、及び/又は触覚インジケータを含む、ユーザに指標又はステータス報告を提供するための他の手段も考えられる。
【0044】
この実施形態では、ハブ200の湾曲した側壁215はヒンジ式ドア220を含む。図3は、ドア220が開いているときのハブ200の内部の斜視図を提供する。ハブ200の内部は、薬剤ビン226を収容するように構成されている中空空間219を画定し得る。ハブ200の床は、ハブに対して中心軸239を中心として回転する回転ターンテーブル232を含み得る。回転ターンテーブル232の上部には、中空空間219内へと延在する突出ガイド230(この実施形態では、十字として形状化される)を配置することができる。下記に更に詳細に説明するように、ガイド230は、薬剤ビン226の下側の対応する溝に嵌合するように構成されている。
【0045】
薬剤ビン226はまた、円筒として実質的に形状化され得る。ビン226の上面は、ビン226内の区画を隔離し無菌状態に維持する取り外し可能な無菌バリア228によってシールされ得る。図4は、無菌バリア228が取り外されたときの薬剤ビン226の上面斜視図を提供する。無菌バリア228の下に、ビン226は、任意の数の貯蔵チャンバ(4つの別個の薬剤貯蔵チャンバ234a、b、c、dとして示される)(本明細書では適宜、集合的に又は個別に薬剤貯蔵チャンバ234と称される)を含む。各薬剤貯蔵チャンバには、チャンバの内部を冷却又は加熱するための前述の温度変更装置112が設けられ得る。各チャンバはまた、薬剤カートリッジ236a、b、c、d(本明細書では適宜、集合的に又は個別に薬剤カートリッジ236と称される)を保持するように構成され得る。各カートリッジ236a、b、c、dは、前述のカートリッジ116と同様に構成され得る。いくつかの実施形態では、ビン226は、その上面に配置されたQRコード238を更に備え得る。例えば、モバイル装置上の、又はハブ200上若しくはハブ200内に設置された好適な光学センサによってスキャンされると、QRコードは、ビン226内に貯蔵されている薬剤のタイプ、そのような薬剤の有効期限、そのような薬剤を製造した製造施設若しくはロット、及び/又はそのような薬剤の理想的な貯蔵又は送達パラメータ(例えば、理想的な貯蔵又は送達温度)に関する情報を提供し得る。
【0046】
図5は、薬剤ビン226の底面斜視図を提供する。図からわかるように、薬剤ビン226の下面は、この実施形態では十字の形状を採る凹状ガイド240を中に画定されて含む。ビン226がハブ200内の回転ターンテーブル232の上部に位置付けられると、突出ガイド230は凹状ガイド240に嵌合し、ターンテーブル232に対するビン226の回転運動を阻止する。ビン226がそのように位置付けられると、薬剤貯蔵チャンバ234a、b、c、dのうちの1つがポート218と位置整合することになる。ターンテーブル232を回転させることによって、ビン226をその中心軸239を中心として回転させて、薬剤貯蔵チャンバ234の別のものをポート218と位置整合させて位置付け得る。
【0047】
図6は、薬剤貯蔵チャンバ234内に貯蔵された例示的な薬剤カートリッジ236の側面図を提供する。カートリッジ236は、近位端276及び遠位端274を有するバレル270を備え得る。バレル270の遠位端は可動プランジャ272でシールされ得、一方、バレル270の近位端は人の皮膚を貫通するように構成されている中空カニューレ278で蓋をされ得る。薬剤は、可動プランジャ272とカニューレ278との間のバレル270内に貯蔵され得る。可動プランジャが、例えば、薬物送達装置250内の駆動機構によってカニューレ278に向かって押されると、プランジャの動きによって薬剤がカニューレ278から押し出され得る。
【0048】
図14は、薬物送達装置250及びハブ200を使用するための例示的なプロセス1400を示すフローチャートを描写する。ステップ1402において、薬物送達装置(例えば、再使用可能な薬物送達装置250)及び再充電及び薬剤貯蔵ハブ(例えば、ハブ200)が提供される。先で考察されるように、ハブは、ポート(例えば、ポート218)、充電ステーション(例えば、ステーション219)、ポートと位置整合された薬剤貯蔵チャンバ(例えば、チャンバ234)、及び薬剤貯蔵チャンバ内に配置された薬剤カートリッジ(例えば、単回使用薬剤カートリッジ236)の)を有する。
【0049】
ステップ1402において、薬物送達装置の少なくとも一部が充電ステーションと接触して配置されて、薬物送達装置に取り付けられた充電式電源が充電される。
【0050】
ステップ1404において、ユーザは、例えば、充電ステーション219から薬物送達装置250を取り上げることによって、充電ステーションから薬物送達装置を取り外し得る。
【0051】
ステップ1408において、ユーザが、薬物送達装置の少なくとも一部を、ポートを通して薬剤貯蔵チャンバ内に挿入して、薬物送達装置を、薬剤貯蔵チャンバ内に貯蔵されている薬剤カートリッジと結合する。例えば、図7に示すように、ユーザは、装置250の近位端をポート218を通して薬剤貯蔵チャンバ234a内に、すなわち、装置250を矢印251の方向で下方に押すことによって、挿入し得る。装置250の下方への動きにより、装置250内の結合機構(例えば、結合機構168)が、薬剤カートリッジ236(例えば、カートリッジ236a)と解放可能に結合される。例えば、結合機構168は、装置250によって下方に押されると屈曲し、装置250内のフランジ、隆起部、くぼみ、又は他の特徴の周りの所定の位置にスナップバックして薬剤カートリッジ236を装置250に取り外し可能に結合する可撓性部材(例えば、フィン、隆起部、ゲート)を備え得る。別の例として、結合機構168は、カートリッジf236に取り付けられた磁性又は金属のリング、フィン、又は他の構造要素と磁気的に結合して、薬剤カートリッジ236を装置250の内部に解放可能に結合する磁石を備え得る。
【0052】
ステップ1410において、薬剤カートリッジが薬物送達装置と結合された後、ユーザは、薬剤カートリッジ236aを薬剤貯蔵チャンバ234aから取り外すように、(例えば、矢印252の方向に引くことによって;図8を参照)ポート218から薬物送達装置250を取り外し得る。この時点で、装置250は、結合された薬剤カートリッジ236a内で薬剤を送達する準備が整っている。
【0053】
ステップ1412において、ユーザは、装置250を患者の身体に接触させ、起動ボタンを作動させることによって装置250を起動して、薬剤カートリッジ内の薬剤を投与し得る。
【0054】
カートリッジ236a内の薬剤を使い切ると、ユーザは、再び、装置250の近位端をポート218を通して薬剤貯蔵チャンバ234a内へと押し得る。結合機構168は、カートリッジ236aを貯蔵チャンバ234a内に解放する。例えば、図12及び13に関連して下記に更に詳細に考察されるように、ユーザは解放スリーブをスライドさせてカートリッジを解放し得る。代替的に、又は加えて、ユーザは、装置250の本体上のボタンを押すか又はスイッチを作動させて、カートリッジ236aに保持しているスナップフィット部材又は磁性部材を解放し得る。次いで、ユーザは、再使用可能な薬物送達装置250を充電ステーション219に戻して、装置を再充電し得る。
【0055】
前述の操作の後、ユーザは、ターンテーブル232をハブに対して、矢印253の方向(図9を参照)などの任意の方向に回転させ得る。これにより、ビン226がその中心軸239を中心として回転し、使い切ったカートリッジ236aがポート218との位置整合から外れ、次のカートリッジ236bが動いてポート218と位置整合される。この時点で、新しいカートリッジ236bが、別の用量のために薬物送達装置250に装填される準備ができる。このようにして、すべてのカートリッジ236a、b、c、dは、薬剤貯蔵チャンバ234a、b、c、dに装填、排出、及び交換され得る。4つのカートリッジ236a、b、c、dをすべて使い切ると、ビン226全体をハブ200から取り外され得る。その後、ビン226全体は、廃棄され得、新しいカートリッジを保持する新しいビンが、ハブ200に挿入され得る。このようにして、ビン226は、新しいカートリッジ236のための容器として、また使用済みカートリッジ236のための使い捨て鋭利物容器としての役割も果たし得る。
【0056】
図10は、再使用可能な薬物送達装置を保持するためのハブの第2の実施形態の斜視図を提供する。ハブ300及び薬物送達装置350は、それぞれハブ100及び薬物送達装置150と同様に構成され得る。この第2の実施形態では、薬物送達装置350も、近位端(図10の下側を指す)及び遠位端(図10の上側を指す)を有する自動注射器の形態を採り得る。薬物送達装置350の近位端が患者の皮膚に押し付けられると、薬物送達装置350がトリガされて、作動して患者に注射剤を送達し得る。
【0057】
この実施形態では、ハブ300は、上面317を有する実質的に矩形のブロックとして形状化される。上面317は、複数のポート(本実施形態では4つであるが、より多い又はより少ないポートを有する実施形態も考えられる)318a、b、c、d(本明細書では適宜、集合的に又は個別にポート318と称される)を画定する。各ポートは、可動又は取り外し可能なドア(図示せず)によって覆われ得る。各ポートは、取り外し可能なビン320内の別個の薬剤貯蔵チャンバ334a、b、c、dへのアクセスを提供する。ポート218及びハブ200の充電ステーション219のレセプタクルと同様に、各ポート318a、b、c、dは、薬物送達装置350の近位端の形状をぴったりと受容するように形状化及び/又は構成され得る。ハブ300はまた、矩形ブロックの一方の側から延在する丸い横方向の突出部321を含む。丸い突出部321の上面は、ハブ300の上面317上の充電ステーション319を含み、この実施形態では、装置の近位端の形状を有することができる。
【0058】
ハブ300は、取り外し可能なビン320を更に含む。図11は、ビン320が取り外されたハブ300の斜視図を示す。図示のように、ビン320はまた、ハブ300の上面317の下にスライドするように構成されているより小さい矩形ブロックの形態を採り得る。ビン320は、複数(この実施形態では4つ)の薬剤貯蔵チャンバ334a、b、c、d(適宜、集合的に又は個別に薬剤貯蔵チャンバ334と称される)を画定する。各貯蔵チャンバ334a、b、c、dには、チャンバの内部を冷却又は加熱するための上で考察される温度変更装置が設けられ得る。各チャンバはまた、薬剤カートリッジ336a、b、c、d(適宜、集合的に又は個別に薬剤カートリッジ336と称される)を保持するように構成され得る。各カートリッジ336a、b、c、dは、前述のカートリッジ116及び/又はカートリッジ236と同様に構成され得る。図示されていないが、ビン320はまた、上で考察されるQRコード238と同様のQRコードを含み得る。
【0059】
図12は、結合機構を介して結合された薬剤カートリッジ236を備えた薬物送達装置350の側面図を提供する。一実施形態では、結合機構は磁気結合機構を含む。例えば、結合機構は、薬剤カートリッジ236の可動プランジャ272の遠位面に取り付けられた第1の磁石402と、再使用可能な薬物送達装置350のプランジャロッド404の近位面に取り付けられた第2の磁石406と、解放スリーブ400(図13で下記に更に詳細に説明する)と、を備え得る。薬剤カートリッジが結合機構に結合されるとき、第1の磁石402及び第2の磁石406は、薬物送達装置350の中心長手方向軸413に沿って配置され得る。再使用可能な薬物送達装置350の近位端が薬剤貯蔵チャンバ234内に挿入されると、第1の磁石402を含む薬剤カートリッジ236の遠位端は、第1の磁石402及び第2の磁石406の引力が、薬剤カートリッジ236を再使用可能な薬物送達装置350内の所定の位置に保持するのに十分強くなるまで、再使用可能な薬物送達装置350の内部で遠位方向に動く。薬剤カートリッジ236と結合した後、ユーザが再使用可能な薬物送達装置350から薬剤を送達し始めると、ユーザは駆動機構154をトリガし、駆動機構154は、プランジャロッド404及び可動プランジャ272をカニューレ278に向かって近位方向に動かし、カニューレ278から薬剤が押し出される。
【0060】
図13は、再使用可能な薬物送達装置350内のプランジャロッド404の近位端、薬剤カートリッジ236の遠位端、及び解放スリーブ400の詳細図を提供する。解放スリーブ400は、薬物送達装置350の外面の周りを包み込む中空円筒形本体401を備える。解放スリーブ400は、円筒形本体401の内面から本体401の内部容積内へ半径方向内向きに突出する2つの解放タブ411a及び411b(適宜、個別に又は集合的にタブ411と称される)を更に備える。タブ411a及び411bは、再使用可能な薬物送達装置350のハウジング101内に画定される軸方向に延在する溝410a及び410b(適宜、個別に又は集合的に溝410と称される)内に受容される。薬剤カートリッジ236を再使用可能な薬物送達装置350から結合解除するために、ユーザは、解放スリーブ400の円筒形本体401を把持し、解放スリーブ400を矢印412の方向(すなわち、近位方向)に押し得る。解放スリーブ400が近位方向に動くと、タブ411が溝410内で近位方向に動き、薬剤カートリッジ236の遠位端274に近位方向の力を及ぼす。この近位の力は、第1の磁石402と第2の磁石406をともに保持する磁力に打ち勝ち、したがって、薬剤カートリッジ236を解放する。薬物送達装置350内での薬剤カートリッジ236の安定した結合を確保すること、及び磁石402及び406の位置整合を確保することを支援するために、ガイド部材408を使用して、再使用可能な薬物送達装置350の使用中に薬剤カートリッジ236が過度に動かないようにし得る。図13に示されるように、ガイド部材408は、薬物送達装置350の内周内に堅固に嵌合するようにサイズ決定された2つの弓形状のタブの形態を採り得る。しかしながら、ガイド部材408は、薬物送達装置350の内面に画定された案内スロット内に受容されるフランジ、Oリング、又は複数のフィンなどの他の形態を採り得る。必要に応じて、2つ以上のガイド部材408を使用して、安定性を改善し、再使用可能な薬物送達装置350と結合されている間の薬剤カートリッジ236の望ましくない動きを低減し得る。ガイド部材408は、薬剤カートリッジ236又は薬物送達装置ハウジング101の一部を形成し得る。
【0061】
一例では、再充電及び薬剤貯蔵ハブを使用するための例示的な方法が提供される。ハブは、ポート、充電ステーション、ポート内に位置整合された薬剤貯蔵チャンバ、及び薬剤貯蔵チャンバ内に配置された薬剤を貯蔵する単回使用薬剤カートリッジから構成される。ユーザは、再使用可能な薬物送達装置の少なくとも一部を充電ステーションと接触させて配置することによって、再使用可能な薬物送達装置に取り付けられた充電式電源を再充電し得る。ユーザが薬剤を投与する準備ができると、ユーザは薬物送達装置を充電ステーションから取り外し、薬物送達装置の少なくとも一部を、ポートを通して薬剤貯蔵チャンバに挿入して、薬剤カートリッジを充電ステーションに結合し、薬物送達装置を薬剤貯蔵チャンバから取り外して、薬剤を投与し得る。ハブは、例えばハブ上に配置されたクイックレスポンス(QR)コードなどの製品識別システムを含み得、ユーザはコードをスキャンして薬剤に関する情報を受信することができる。代替的に、ハブはまた、QRコードをスキャンするように構成されているセンサ(例えば、カートリッジセンサ108)を含み得る。ハブはまた、ハブ上に配置された音響スピーカ、ハブ上に配置された1つ以上の視覚インジケータ、及びモバイル装置への無線送信のうちの少なくとも1つを介して、ユーザに命令を発行するか又は指標を提供し得、視覚インジケータは、1つ以上のLED、ライトリング、ライトパネル、及びディスプレイのいずれか1つ、又はそれらの組み合わせを含み得る。スマートフォンがハブに接続され得、この場合、ユーザはコマンドを発行してハブにポートのドアの開放、閉鎖、ロック、若しくはロック解除を指示し、又は、温度変更装置に貯蔵チャンバの内部温度を一定に保つように指示し、その後、ハブに、貯蔵チャンバ内の温度を管理温度まで増加させるように指示することができる。
【0062】
一実施形態では、この方法は、使用済みの薬剤カートリッジを、薬剤カートリッジが取り外された薬剤貯蔵チャンバに戻すことを更に含み得る。そうするために、使用は、薬物送達装置を、ポートを通して、薬剤カートリッジが得られた薬剤貯蔵チャンバ内に挿入し、薬剤カートリッジを薬物送達装置から結合解除し得る。いくつかの実施形態では、ハブは複数の単回使用薬剤カートリッジから構成され得、この場合、薬剤貯蔵チャンバは複数の薬剤貯蔵チャンバのうちの1つであり、各薬剤貯蔵チャンバが、複数の使い捨て薬剤カートリッジのうちの1つの単回使用薬剤カートリッジを保持するように構成されている。いくつかの実施形態では、複数の薬剤貯蔵チャンバは、可動ビン内に画定され得る。このような実施形態では、本方法は、薬物送達装置が単回使用薬剤カートリッジのうちの1つを取り外し及び/又は使用した後、ビンを動かして、複数の貯蔵チャンバのうちの別の貯蔵チャンバをポートと位置整合させることを更に含み得る。
【0063】
図15は、モバイル装置とともに再充電及び薬剤貯蔵ハブを使用するための例示的なプロセス1500を描写するフローチャートである。プロセスはステップ1502から始まり、ハブシステムが提供される。ハブシステムは、充電式電源を有する薬物送達装置(例えば装置150、250、350)及びハブ(例えば、ハブ100、200、300)を備える。ハブは、ポート、充電ステーション、薬剤貯蔵チャンバ、及び薬剤カートリッジを備え得る。ポートは、開位置と閉位置との間で動くか、又はロック構成とロック解除構成との間で切り替わるように構成されているドアを有し得る。充電ステーションは、薬物送達装置の少なくとも一部が充電ステーションと接触して配置されると、再使用可能な薬物送達装置上の充電式電源を(直接又は誘導的に)充電するように構成される。薬剤貯蔵チャンバは、ポートと位置整合されるように設計されている。薬剤カートリッジは、薬剤貯蔵チャンバ内に配置される。
【0064】
ステップ1504において、プロセス1500は、ハブとモバイル装置(例えば、装置180)との間に通信リンクを確立する。先で考察されるように、モバイル装置は、以下の装置、すなわち、スマートフォン、ラップトップ、ポケットベル、スマートウォッチ、タブレット、デスクトップ、又は伝送を受信し、その後、応答送信を送信することができる任意の装置のいずれかであり得るが、これらに限定されない。通信リンクは無線又は有線であり得、以下の通信プロトコル又は技術、すなわち、Bluetooth、RFID、NFC、光ファイバ通信、ユニバーサルシリアルバス(USB)通信、Wi-Fiなどの無線ネットワーク、セルラネットワーク、又は赤外線(IR)のいずれかによって実現され得るが、これらに限定されない。
【0065】
ステップ1506において、通信リンクが確立されると、モバイル装置は、投与のために薬剤を準備するための命令をハブに送信し得る。命令は、モバイル装置でのユーザ入力に基づいて、及び/又は薬剤投与のための事前にプログラムされたスケジュールに基づいて、モバイル装置から発行され得る。
【0066】
ステップ1508において、投与のために薬剤を準備するための命令の受信に応答して、ハブは,その後、ポートへのドアを開くか又はロック解除して、薬剤カートリッジへのアクセスを可能にし得る。ハブは、薬剤の投与の準備ができているという1つ以上の指標をユーザに発行し得るが、必須ではない。指標は、ハブ上に配置された少なくとも1つの音響スピーカによって生成される1つ以上の可聴音、1つ以上の視覚インジケータ、及びモバイル装置への無線送信のうちのいずれか1つ又はそれらの組み合わせを介して発行され得る。視覚インジケータは、1つ以上のLED、ライトリング、ライトパネル、及び/又はディスプレイのいずれか1つ又はそれらの任意の組み合わせを更に含み得る。この指標は、ステップ1508においてポートがロック解除又は開かれる前又は後に発行され得る。
【0067】
次いで、ステップ1510において、ユーザは、薬物送達装置を充電ステーションから取り外し得る。充電ステーションから取り外されると、ステップ1512において、ユーザは薬物送達装置をポートに挿入して、薬物送達装置を薬剤カートリッジと結合し得る。薬物送達装置と薬剤カートリッジとの結合後、ステップ1514において、ユーザは,次いで、薬剤貯蔵チャンバから薬剤カートリッジを取り外すように、薬物送達装置を取り外し得る。ポートから取り外されると、ユーザは薬物送達装置を起動して薬剤を投与し得る。プロセス1500は、薬物送達装置をポートに挿入し、使用済みの薬剤カートリッジを薬物送達装置から結合解除して、使用済みのカートリッジを薬剤貯蔵チャンバ内に置くことによって薬剤カートリッジを廃棄することを更に含み得る。例えば、ユーザは、解放スリーブ400(図12~13に描写される)を近位方向に動かして、薬剤カートリッジを薬物送達装置から結合解除し得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、ハブは、薬剤貯蔵チャンバの内部温度を制御するように構成されている温度変更装置を更に備え得る。温度変更装置は、例えば、薬剤貯蔵チャンバの内部温度を貯蔵温度(例えば、華氏30~34度)まで冷却することによって、薬剤貯蔵チャンバの内部温度を調節し得る。このような実施形態では、投与のために薬剤を準備する命令(ステップ1506)に応答して、ハブは、温度変更装置を使用して薬剤貯蔵チャンバの内部温度を投与温度(例えば、室温)まで上昇させ得る。任意選択的に、貯蔵チャンバの内部温度が投与温度に達すると、ハブは、例えばスピーカ222又はユーザインターフェース106を使用して、前述の指標方法を使用した1つ以上の指標を発行して、薬剤カートリッジが投与の準備ができていることをユーザに知らせ得る。
【0069】
用語「第1の」、「第2の」、「第3の」などは、本明細書において使用されているか、特許請求の範囲において使用されているかにかかわらず、類似する要素を区別するために提供され、必ずしも順番又は時系列的順序を記載するためのものではない。そのように使用される用語は、適切な環境下で入れ替え可能であり(特に明確に開示されていない限り)、本明細書に記載の開示の実施形態は、本明細書に記載又は図示されているもの以外の他の順序及び/又は構成で動作可能であることを理解されたい。
【0070】
本発明は例示的な設計を有するものとして記載されてきたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正することができる。それゆえ、本出願は、本発明の一般的原理を用いた本発明の任意の変形、使用、又は適応を包含することが意図される。更に、本出願は、本発明が関係する技術分野における既知の又は慣習的な実施内にある、本開示からのかかる逸脱を包含することが意図されている。
【0071】
以下の態様を含むがこれらに限定されない様々な態様が、この開示に記載されている。
【0072】
1.薬物送達装置のための再充電及び薬剤貯蔵ハブであって、薬物送達装置の少なくとも一部を受容するようにサイズ決定されたポートを画定するハウジングと、薬物送達装置の少なくとも一部が充電ステーションに近接して位置付けられたときに、薬物送達装置に取り付けられた充電式電源を充電するように構成されている、ハウジングに配置された充電ステーションと、ポートと位置整合するように構成されている薬剤貯蔵チャンバであって、薬剤貯蔵チャンバが、薬剤カートリッジを貯蔵するように構成されている、薬剤貯蔵チャンバと、を備え、薬物送達装置の少なくとも一部がポートを通して薬剤貯蔵チャンバ内に挿入され、次いで、薬剤貯蔵チャンバから引き出されると、薬物送達装置が薬剤貯蔵チャンバから薬剤カートリッジを引き出すことを可能にするように、薬剤貯蔵チャンバが構成されている、再充電及び薬剤貯蔵ハブ。
【0073】
2.薬剤カートリッジが、薬剤を保持するバレルと、針と、可動プランジャと、を有する、注射器を備える、態様1に記載のハブ。
【0074】
3.薬剤カートリッジを更に備え、薬剤カートリッジが、薬剤を貯蔵している、態様1又は2に記載のハブ。
【0075】
4.薬物送達装置が、近位端及び遠位端を備え、ポートが、薬物送達装置の少なくとも近位端を受容するように構成されている、態様1~3のいずれかに記載のハブ。
【0076】
5.薬剤貯蔵チャンバの内部温度を低下させるように構成されている冷却装置を更に備える、態様1~4のいずれかに記載のハブ。
【0077】
6.薬剤貯蔵チャンバの内部温度を上昇させるように構成されている加熱装置を更に備える、態様1~4のいずれかに記載のハブ。
【0078】
7.薬剤貯蔵チャンバの内部温度の低下させることと上昇させることの両方を行うように構成されている温度変更装置を更に備える、態様1~4のいずれかに記載のハブ。
【0079】
8.薬剤カートリッジが、複数の薬剤カートリッジのうちの第1の薬剤カートリッジであり、薬剤貯蔵チャンバが、ハウジング内に少なくとも部分的に配置されたビン内に画定された複数の薬剤貯蔵チャンバのうちの第1の薬剤貯蔵チャンバであり、複数の薬剤貯蔵チャンバの各薬剤貯蔵チャンバが、複数の薬剤カートリッジのうちの1つの薬剤カートリッジを貯蔵するように構成されている、態様1~7のいずれかに記載のハブ。
【0080】
9.ビンが、一度に複数の薬剤貯蔵チャンバのうちの1つのみを上記ポートと位置整合させるように可動である、態様8に記載のハブ。
【0081】
10.ビンが、一度に複数の薬剤貯蔵チャンバのうちの1つのみを上記ポートと位置整合させるように回転するように構成されている、態様9に記載のハブ。
【0082】
11.ポートが、ハウジング内に画定された複数のポートのうちの第1のポートであり、各ポートが、薬物送達装置の少なくとも一部を受容するようにサイズ決定されており、薬剤カートリッジが、複数の薬剤カートリッジのうちの第1の薬剤カートリッジであり、薬剤貯蔵チャンバが、複数の薬剤貯蔵チャンバのうちの第1の薬剤貯蔵チャンバであり、各薬剤貯蔵チャンバが、複数のポートの別個のポートと位置整合されて配置されており、各薬剤貯蔵チャンバが、複数の薬剤カートリッジのうちの1つの薬剤カートリッジを貯蔵するように構成されている、態様1~7のいずれかに記載のハブ。
【0083】
12.薬剤貯蔵チャンバが、薬剤カートリッジが使用され、薬物送達装置から結合解除された後、薬剤カートリッジを貯蔵するように構成されている、態様1~11のいずれかに記載のハブ。
【0084】
13.ハブが、通信装置と、通信装置を介して、薬物送達装置に取り付けられているセンサによって記録されるデータを受信し、当該記録されたデータに基づく情報を、通信装置を介してリモートサーバに送信するように構成されているコントローラと、を更に備える、態様1~12のいずれかに記載のハブ。
【0085】
14.ハブが、ハブのステータスを示すデータを記録するように構成されている1つ以上のセンサと、通信装置と、通信装置を介して、上記記録されたデータに基づくデータをリモートサーバに送信するように構成されているコントローラと、を更に備える、態様1~12のいずれかに記載のハブ。
【0086】
15.薬剤を送達及び貯蔵するためのシステムであって、態様1~14のいずれかに記載の再充電及び薬剤貯蔵ハブ及び薬物送達装置を備える、システム。
【0087】
16.薬物送達装置が、薬剤カートリッジと解放可能に結合するように構成されている結合機構を備える、態様15に記載のシステム。
【0088】
17.結合機構が、磁気結合機構である、態様16に記載のシステム。
【0089】
18.薬物送達装置上の結合機構が第1の磁石及び解放スリーブを備え、薬剤カートリッジが、第1の磁石と結合するように構成されている第2の磁石を備える、態様17に記載のシステム。
【0090】
19.結合機構が、ユーザが、解放スリーブを動かすことによって薬剤カートリッジを薬物送達装置から結合解除することを可能にするように構成されている、態様17又は18に記載のシステム。
【0091】
20.解放スリーブが、中空円筒形本体と、円筒形本体の内部容積内に延在する1つ以上のタブと、を備え、ユーザが解放スリーブを近位方向に動かすと、1つ以上のタブが、第1の磁石と第2の磁石との間の磁力に打ち勝つ近位方向の力を薬剤カートリッジの遠位端に及ぼす、態様19に記載のシステム。
【0092】
21.薬物送達装置並びに薬物送達装置のための再充電及び薬剤貯蔵ハブを使用する方法であって、ハブが、ポート、充電ステーション、ポートと位置整合された薬剤貯蔵チャンバ、及び薬剤貯蔵チャンバ内に配置された薬剤を貯蔵する薬剤カートリッジを有し、方法が、薬物送達装置に取り付けられた充電式電源を充電するために、薬物送達装置の少なくとも一部を充電ステーションに近接して配置することと、充電ステーションから薬物送達装置を取り外すことと、薬物送達装置の少なくとも一部を、ポートを通して薬剤貯蔵チャンバ内に挿入して、薬物送達装置を、薬剤貯蔵チャンバ内に貯蔵されている薬剤カートリッジと結合することと、薬剤カートリッジを薬剤貯蔵チャンバから取り外すために、薬剤カートリッジと一旦結合された薬物送達装置をポートから取り外すことと、を含む、方法。
【0093】
22.クイックレスポンス(QR)コードが、ハブ上に配置され、QRコードが、薬剤に関する情報を含む、態様21に記載の方法。
【0094】
23.ハブが、ハブ上に配置された音響スピーカ、ハブ上に配置された1つ以上の視覚インジケータ、及びモバイル装置への無線送信のうちの少なくとも1つを介して、薬剤カートリッジが使用の準備ができているという指標をユーザに提供する、態様21又は22に記載の方法。
【0095】
24.ポートがドアで覆われ、ユーザがハブにドアの開放、閉鎖、ロック、又はロック解除を指示し得るように、ハブがスマートフォンを介して制御される、態様21~23のいずれかに記載の方法。
【0096】
25.ハブが、スマートフォンを介して制御され、ハブが、薬剤貯蔵チャンバの内部温度を貯蔵温度まで冷却するように構成されている温度変更装置を更に備え、方法が、温度変更装置を使用して薬剤貯蔵チャンバの内部温度を上昇させるように、スマートフォンを介してハブに指示することを更に含む、態様21~23のいずれかに記載の方法。
【0097】
26.薬剤を投与するために薬物送達装置を起動した後、薬物送達装置の少なくとも一部を、ポートを通して薬剤貯蔵チャンバ内に再挿入することと、薬物送達装置と結合された薬剤カートリッジを、廃棄のために薬剤貯蔵チャンバ内に解放することと、を更に含む、態様21~25のいずれかに記載の方法。
【0098】
27.薬剤カートリッジが、複数の薬剤カートリッジのうちの第1の薬剤カートリッジであり、薬剤貯蔵チャンバが、ハブ内に配置されたビン内に画定された複数の薬剤貯蔵チャンバのうちの第1の薬剤貯蔵チャンバであり、複数の薬剤貯蔵チャンバの各薬剤貯蔵チャンバが、複数の薬剤カートリッジのうちの1つの薬剤カートリッジを貯蔵するように構成されており、方法が、第1の薬剤カートリッジを第1の薬剤貯蔵チャンバから取り外すために、第1の薬剤カートリッジと一旦結合された薬物送達装置をポートから取り外すことと、ビンを、複数の薬剤貯蔵チャンバのうちの別の薬剤貯蔵チャンバをポートと位置整合させるように動かすことと、を更に含む、態様21~26のいずれかに記載の方法。
【0099】
28.モバイル装置と連携して再充電及び薬剤貯蔵ハブシステムを使用する方法であって、ハブシステムを提供することであって、ハブシステムが、充電式電源を有する薬物送達装置と、ハブと、を備え、ハブが、(i)開位置と閉位置との間で動くこと、及び(ii)ロック構成とロック解除構成との間で切り替わること、のうちの少なくとも一方を行うように構成されているドアと、薬物送達装置の少なくとも一部が充電ステーションに近接して配置されたときに、薬物送達装置の充電式電源を充電するように構成されている充電ステーションと、薬剤貯蔵チャンバと、薬剤貯蔵チャンバ内に配置されている、薬剤を貯蔵する薬剤カートリッジと、を備える、ハブシステムを提供することと、ハブとモバイル装置との間に通信リンクを確立することと、モバイル装置から、投与のために薬剤カートリッジを準備するための命令をハブに送信することであって、当該命令が、ハブに、ドアを開位置に動かすか、又は、ドアをロック解除構成に切り替えさせて、薬剤カートリッジへのアクセスを可能にする、送信することと、薬物送達装置を充電ステーションから取り外すことと、薬物送達装置をポートに挿入して、薬物送達装置を薬剤カートリッジと結合することと、薬剤カートリッジを薬剤貯蔵チャンバから取り外すように、薬剤カートリッジと結合されたことを受けて、薬物送達装置をポートから取り外すことと、を含む、方法。
【0100】
29.薬物送達装置をポート内に挿入し、薬剤カートリッジを薬物送達装置から結合解除して、薬剤カートリッジを薬剤貯蔵チャンバ内に置くことによって薬剤カートリッジを廃棄することを更に含む、態様28に記載の方法。
【0101】
30.ハブが、薬剤貯蔵チャンバの内部温度を制御するように構成されている温度変更装置を更に備え、方法が、温度変更装置を使用して薬剤貯蔵チャンバの内部温度を貯蔵温度まで冷却することと、命令の受信に応答して、温度変更装置を使用して薬剤貯蔵チャンバの内部温度を投与温度まで上昇させることと、薬剤貯蔵チャンバの内部温度が投与温度に達した後にのみ、ユーザに指標を提供することと、を更に含む、態様28又は29に記載の方法。
【0102】
31.指標が、ハブ上に配置された少なくとも1つの音響スピーカから生成される1つ以上の可聴音、ハブ上に配置された1つ以上の視覚インジケータ、及びハブからモバイル装置への1つ以上の無線送信のうちの少なくとも1つを介して発行され得る、態様28~30のいずれかに記載の方法。
図1
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【国際調査報告】