(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-19
(54)【発明の名称】関節式調理用具
(51)【国際特許分類】
A47J 43/28 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
A47J43/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541505
(86)(22)【出願日】2022-01-06
(85)【翻訳文提出日】2023-08-04
(86)【国際出願番号】 US2022011380
(87)【国際公開番号】W WO2022150433
(87)【国際公開日】2022-07-14
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523255952
【氏名又は名称】ギブズ, ジェレッド ルシャン
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ギブズ, ジェレッド ルシャン
【テーマコード(参考)】
4B053
【Fターム(参考)】
4B053AA03
4B053BA20
4B053BH02
4B053BH04
4B053BH05
4B053BL01
4B053CE07
(57)【要約】
関節式調理用具は、ハンドルと、ハンドルの遠位部分に固着される関節式ブレードとを含み、関節式ブレードは、ハンドルに対して枢動心棒を中心として回転または枢動するように構成される。用具は、ハンドルに対する関節式ブレードの回転位置を選択的に保定するように構成される、係止アセンブリを含む。係止アセンブリは、関節式ブレードの近位部分において、複数の係止レセプタクルのうちの1つに係合するように構成される、係止突出部を含んでもよい。係止突出部は、ハンドルの遠位部分上に配置される。係止レセプタクルのそれぞれは、関節式ブレードを通る孔、または関節式ブレードの下側表面における凹部を含んでもよい。枢動心棒は、関節式ブレードの近位部分において、枢動レセプタクル内に配置される、枢動ピンを含んでもよい。枢動ピンは、ハンドルの遠位端に固着される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
関節式調理用具であって、
ハンドルと、
前記ハンドルの遠位部分に固着される関節式ブレードであって、前記関節式ブレードは、前記ハンドルに対して枢動心棒を中心として枢動するように構成され、前記関節式ブレードは、2つ以上の係止レセプタクルを含む、関節式ブレードと、
前記ハンドルの前記遠位部分上に配置される係止突出部であって、前記係止突出部は、前記ハンドルに対する前記関節式ブレードの回転位置を選択的に保定するために、前記係止レセプタクルのうちの1つに係合するように構成される、係止突出部と
を備える、関節式調理用具。
【請求項2】
前記関節式ブレードは、前記ハンドルによって形成される軸に対して両方向に、最大180度回転するように構成される、請求項1に記載の関節式調理用具。
【請求項3】
前記枢動心棒は、前記関節式ブレードの近位部分において、枢動レセプタクルを通して配置される枢動ピンによって画定され、前記枢動ピンは、前記ハンドルの前記遠位部分に固着される、請求項1に記載の関節式調理用具。
【請求項4】
前記ハンドルは、保持部分と、シャフトとを備え、前記枢動ピンおよび前記係止突出部は、前記シャフトに固着される、請求項3に記載の関節式調理用具。
【請求項5】
前記保持部分および前記シャフトは、木材、プラスチック、ゴム、ナイロン、金属、またはそれらの任意の組み合わせから形成される、請求項4に記載の関節式調理用具。
【請求項6】
前記枢動ピンは、ピン、柱、リベット、ねじ、またはボルトから形成される、請求項3に記載の関節式調理用具。
【請求項7】
前記係止突出部は、前記ハンドル上の前記枢動ピンを越えて位置付けられる、請求項3に記載の関節式調理用具。
【請求項8】
前記係止レセプタクルは、前記関節式ブレードの近位部分上に位置付けられる、請求項1に記載の関節式調理用具。
【請求項9】
前記係止レセプタクルのそれぞれは、前記関節式ブレードの前記近位部分を通る孔を備える、請求項8に記載の関節式調理用具。
【請求項10】
前記係止突起部は、前記関節式ブレードの前記係止レセプタクルに係合するための拡開された外形を含む、請求項9に記載の関節式調理用具。
【請求項11】
前記係止レセプタクルのそれぞれは、前記関節式ブレードの前記近位部分の下側表面において凹部を備える、請求項8に記載の関節式調理用具。
【請求項12】
前記関節式ブレードは、2~20個の係止レセプタクルを含む、請求項1に記載の関節式調理用具。
【請求項13】
前記関節式ブレードは、金属、ナイロン、木材、プラスチック、ゴム、またはそれらの任意の組み合わせから形成される、請求項1に記載の関節式調理用具。
【請求項14】
前記関節式ブレードは、前記近位部分から、ある角度において延在する表面を有する、遠位部分を含む、請求項1に記載の関節式調理用具。
【請求項15】
前記関節式ブレードの前記遠位部分は、前記関節式ブレードの近位部分から、0度~90度の角度において延在する、請求項14に記載の関節式調理用具。
【請求項16】
前記関節式ブレードは、平坦な矩形形状を有する、請求項1に記載の関節式調理用具。
【請求項17】
前記関節式ブレードの遠位部分は、面取りされた縁を有する、請求項16に記載の関節式調理用具。
【請求項18】
関節式調理用具であって、
ハンドルと、
前記ハンドルの遠位部分に固着される関節式ブレードであって、前記関節式ブレードは、前記ハンドルに対して枢動心棒を中心として枢動するように構成される、関節式ブレードと、
前記ハンドルに対する前記関節式ブレードの回転位置を選択的に保定するように構成される、係止アセンブリと
を備える、関節式調理用具。
【請求項19】
前記係止アセンブリは、前記関節式ブレード上の2つ以上の係止レセプタクルに選択的に係合するように構成される、係止突出部を含み、前記係止突出部は、前記ハンドルの前記遠位部分上に配置される、請求項18に記載の関節式調理用具。
【請求項20】
前記枢動心棒は、前記関節式ブレードの近位部分において、枢動レセプタクルを通して配置される、枢動ピンによって画定され、前記枢動ピンは、前記ハンドルの前記遠位部分に固着される、請求項19に記載の関節式調理用具。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、そのそれぞれが、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2021年7月6日に出願された、米国特許出願第17/368,045号、および2021年1月8日に出願された、米国仮特許出願第63/205,790号の利益および優先権を主張する。
【0002】
(背景)
食物フライ返しおよびヘラ等のある調理用具は、ユーザが、指または手に火傷等の身体上の負傷を被ることなく、食品をひっくり返すまたは裏返す、より安全な方法を適用することを可能にすることによって、調理プロセスにおいて補助する、長い柄の付いた用具である。従来の食物フライ返しは、典型的には、ステンレス鋼等の薄い板金から作製され、これは、必要不可欠な剛直性を提供しながらも、調理表面とその上で調理されている食品との間に挿入されるために十分に薄い。基本的な食物フライ返しは、2つの構成要素、すなわち、ハンドルと、ブレードとを有する。ブレードは、通常、正方形または矩形形状を伴って、平坦である。いくつかの食物フライ返しは、ブレードとハンドルとを相互接続する、シャフトを含む。シャフトは、平坦または丸くあってもよい。ブレードは、略整合された位置において、ハンドルおよび/またはシャフトに固定される。
【0003】
それらの固定された直列設計のため、従来の食物フライ返しは、限定された角度においてのみ、食品と調理表面との間に挿入され、それによって、裏返すおよび/またはひっくり返すプロセスを遂行するために、ユーザの手および手首を用いた、より大きな範囲の動きを要求し得る。食物を裏返すおよびひっくり返すプロセスの反復的性質は、特に、商業用または産業用食物準備設定において、ユーザを、手根管症候群等の関節の病気または負傷を発症する、より大きなリスクに曝し得る。
【0004】
負傷のリスクを低減させ、調理プロセスの間、食品をより有効にひっくり返すおよび裏返すことを可能にする、人間工学的調理用具の必要性が、存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(要約)
本発明の一側面によると、関節式調理用具は、ハンドルと、枢動心棒においてハンドルの遠位端に取り付けられる、関節式ブレードと、ハンドルに対する所望の回転位置において関節式ブレードを選択的に保定するように構成される、係止アセンブリとを含む。関節式ブレードは、ユーザの操作性の目的のために、ハンドルに対して右から左に選択的に捩動する、旋回する、回転する、または揺動するように構成される。枢動心棒は、関節式ブレードの近位部分における、枢動レセプタクルと、ハンドルおよび関節式ブレードの枢動レセプタクルに係合する、枢動ピンとから形成されてもよい。係止アセンブリは、関節式ブレードの近位部分において、複数の係止レセプタクルのうちの1つに係合するように構成される、係止突出部を含む。係止突出部は、ハンドルの遠位端から延在する。係止レセプタクルは、関節式ブレードを通して延在する、孔から形成されてもよい。代替として、係止レセプタクルは、関節式ブレードの下側表面における凹部から形成されてもよい。
【0006】
その人間工学的かつ調節可能な設計のため、関節式調理用具は、食物をひっくり返すプロセスにおいてより有効であり、ユーザに対する負傷のリスクを最小限にする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の好ましい特徴、実施形態、および変形例が、当業者が本発明を実施するために十分な情報を提供する、以下の詳細な説明から理解され得る。詳細な説明は、本発明の前述の概要の範囲をいかようにも限定するものとして見なされないものとする。詳細な説明は、以下の通り、いくつかの図面を参照するであろう。
【0008】
【0009】
【
図2】
図2は、関節式調理用具の部分的な分解図である。
【0010】
【0011】
【
図4】
図4は、
図5の線4-4に沿って得られた、関節式調理用具の断面図である。
【0012】
【
図5】
図5は、第1の位置における、関節式ブレードを伴う、関節式調理用具の上面図である。
【0013】
【
図6】
図6は、第2の位置における、関節式ブレードを伴う、関節式調理用具の上面図である。
【0014】
【
図7】
図7は、第3の位置における、関節式ブレードを伴う、関節式調理用具の上面図である。
【0015】
【
図8】
図8は、関節式調理用具の代替実施形態の上面図である。
【0016】
【
図9】
図9は、
図8に示される、関節式調理用具の部分的な分解図である。
【0017】
【0018】
【
図11】
図11は、第1の位置における、関節式ブレードを伴う、
図8に示される、関節式調理用具の上面図である。
【0019】
【
図12】
図12は、第2の位置における、関節式ブレードを伴う、
図8に示される、関節式調理用具の上面図である。
【0020】
【
図13】
図13は、第3の位置における、関節式ブレードを伴う、
図8に示される、関節式調理用具の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(選択された実施形態の詳細な説明)
図1および2は、関節式調理用具の実施形態を図示する。図示される実施形態は、例証的にすぎない。関節式調理用具10は、枢動心棒40において、ハンドル12に接続される、関節式ブレード30を含む。ハンドル12は、用具軸を画定し得る。ハンドル12の近位部分14は、保持部分18を含み、ハンドル12の遠位部分16は、シャフト20を含む。保持部分18およびシャフト20はそれぞれ、木材、プラスチック、ゴム、ナイロン、金属、または任意の他の合成または天然材料から形成されてもよい。一実施形態では、保持部分18およびシャフト20は、別個に形成され、相互に取り付けられる。例えば、保持部分18は、木材から形成されてもよく、シャフト20は、プラスチックから形成されてもよい。代替実施形態では、保持部分18およびシャフト20は、木材、プラスチック、ゴム、ナイロン、または金属等の同一の材料から一体化して形成される。
【0022】
関節式ブレード30は、調理のために加熱された表面に暴露されるもの等、食品に係合するように構成される。関節式ブレード30は、近位部分32と、遠位部分34とを含む。遠位部分34は、略矩形形状または略正方形形状等の任意の形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、遠位部分34は、面取りされた縁36を伴って、平坦である。関節式ブレード30は、金属、ナイロン、木材、プラスチック、またはゴムから形成されてもよい。
【0023】
図3を参照すると、関節式ブレード30の遠位部分34は、角度Aにおいて、近位部分32から延在し得る。角度Aは、0度~90度であってもよい。代替として、遠位部分34は、同一平面内の近位部分32から延在してもよく、すなわち、角度Aは、0度であってもよい。
【0024】
図1-4を参照すると、関節式ブレード30の近位部分32は、枢動レセプタクル44と、係止レセプタクル56、57、および58とを含む。枢動レセプタクル44は、関節式ブレード30の近位部分32の中心面積内に位置付けられてもよい。係止レセプタクル56-58は、枢動レセプタクル44から等距離にある位置の範囲内に配列されてもよい。一実施形態では、係止レセプタクル56-58は、枢動レセプタクル44の周囲に、扇形形状パターンで位置付けられる。近位部分32は、2~20個の係止レセプタクル、またはその中の任意の部分的範囲を含んでもよい。図示される実施形態では、近位部分32は、3つの係止レセプタクル56、57、および58を含む。
【0025】
枢動心棒40は、関節式ブレード30を、ハンドル12の遠位部分16に枢動可能に固着し得る。図示される実施形態では、枢動心棒40は、枢動ピン42および枢動レセプタクル44によって画定される。枢動ピン42は、ハンドル12の遠位部分16に固着されてもよい。枢動ピン42は、ピン、柱、リベット、ねじ、ボルト、または隣接する構成要素の回転を可能にするように構成される、任意の他のデバイスから形成されてもよい。枢動ピン42は、ハンドル12に対して関節式ブレード30の回転または枢動を促進する構成において、関節式ブレード30を、ハンドル12の遠位部分16に固着するように、枢動レセプタクル44を通して配置され、それに係合し得る。一実施形態では、関節式ブレード30は、ハンドル12に対して、枢動心棒40を中心として、最大360度回転するように構成される。好ましくは、関節式ブレード30は、ハンドル12によって形成される軸から両方向に、1度~180度、またはその中の任意の部分的範囲を回転するように構成される。より好ましくは、関節式ブレード30の回転の角度は、ハンドル12によって形成される軸から両方向に、1度~135度、またはその中の任意の部分的範囲である。さらにより好ましくは、関節式ブレード30の回転の角度は、ハンドル12によって形成される軸から両方向に、1度~90度、またはその中の任意の部分的範囲である。
【0026】
ハンドル12に対する関節式ブレード30の回転位置は、係止アセンブリによって選択的に設定される。係止アセンブリは、関節式ブレード30内の係止レセプタクル56-58と、ハンドル12の遠位部分16に固着される、係止突出部52とを含む。係止突出部52は、係止レセプタクル56-58のうちの1つに係合し、ハンドル12に対する関節式ブレード30の回転位置を選択的に係止する。一実施形態では、係止突出部52は、ハンドル12の遠位部分16と一体化して形成される。いくつかの実施形態では、係止突出部52は、ハンドル12の遠位部分16上の枢動ピン42を越えて、位置付けられてもよい。
【0027】
一実施形態では、各係止レセプタクル56、57、および58は、
図1-4に図示されるように、関節式ブレード30の近位部分32を通る孔によって画定されてもよい。本実施形態では、係止突出部52は、係止レセプタクル56-58のうちの1つに係合し、ハンドル12に対する回転位置において、関節式ブレード30を係止する。係止突出部52は、係止レセプタクル56-58のうちの1つの側壁に係合してもよい、または係止突起部52の上部53は、関節式ブレード30の上部表面37を越えて延在してもよい。一実施形態では、係止突出部52は、係止レセプタクル56-58にさらに係合するために、拡開された外形54を有してもよい。
【0028】
図5-7は、関節式ブレード30の回転位置の選択的調節を図示する。関節式ブレード30の位置を調節するプロセスは、第1の係止レセプタクル56-58から係止突出部52を解放することと、枢動心棒40を中心として、ハンドル12に対して、関節式ブレード30を回転させることと、第2の係止レセプタクル56-58を係止突出部52と係合し、関節式ブレード30を新しい位置に固着することとを含んでもよい。
【0029】
図5に示される第1の位置から、
図6に示される第2の位置まで、関節式ブレード30を調節するために、係止突出部52は、関節式ブレード30の遠位部分34または近位部分32上に、上向きの力を印加することによって、第1の係止レセプタクル57から解放され、関節式ブレード30をシャフト20からさらに分離し得る。具体的には、関節式ブレード30の近位部分32は、(
図3-4に示される)関節式ブレード30の下側表面38を、係止突出部52の上部53の上方に設置するために持ち上げられ、それによって、関節式ブレード30が、枢動心棒40を中心として回転することを可能にし得る。関節式ブレード30は、次いで、その中で係止突出部52が、係止レセプタクル56と整合される、
図6に示される第2の位置に回転されてもよい。上向きの力は、次いで、関節式ブレード30の下側表面38を、係止突起部52の上部53の下方に位置付けることによって、係止レセプタクル56を係止突起部52と係合するために、関節式ブレード30から除去されてもよい。このように、係止アセンブリは、その中で関節式ブレード30が、ハンドル12によって形成される軸の右側に、角度Bだけ回転される、
図6に示されるような第2の位置において、関節式ブレード30を選択的に固着し得る。
【0030】
同様に、関節式ブレード30は、関節式ブレード30上に上向きの力を印加し、係止突出部52の上部53の上方に、関節式ブレード30の下側表面38を持ち上げ、それによって、係止突出部52を係止レセプタクル56から解放することによって、
図7に示される、第3の位置に設置されてもよい。関節式ブレード30は、次いで、その中で係止突出部52が、係止レセプタクル58と整合される、
図7に示される第3の位置に回転されてもよい。上向きの力は、次いで、関節式ブレード30の下側表面38を、係止突起部52の上部53の下方に位置付けることによって、係止レセプタクル58を係止突起部52と係合するために、関節式ブレード30から除去されてもよい。このように、係止アセンブリは、その中で関節式ブレード30が、ハンドル12によって形成される軸の左側に、角度Cだけ回転される、
図7に示される第3の位置において、関節式ブレード30を選択的に固着し得る。
【0031】
ここで
図8-10を参照すると、関節式調理用具60は、代替係止アセンブリを含む。関節式調理用具60の係止アセンブリは、関節式ブレード30の下側表面38における凹部(例えば、中空部、窪み、または陥凹部)によって形成される、係止レセプタクル62、63、および64を含んでもよい。本凹部は、関節式ブレード30の回転位置を固着するために、係止突出部52の上部53に係合するように構成される。本実施形態では、係止突出部52の上部53は、全ての回転位置において、関節式ブレード30の下側表面38の後方に留まったままである。係止レセプタクル62-64の上方の関節式ブレード30の上部表面37は、湾曲される、または平坦であってもよい。係止レセプタクル62-64は、関節式ブレード30の近位部分32上の枢動レセプタクル44から等距離にある位置の範囲内に配列されてもよい。例えば、係止レセプタクル62-64は、枢動心棒40の周囲に、扇形形状パターンで位置付けられてもよい。近位部分32は、2~20個の係止レセプタクル、またはその中の任意の部分的範囲を含んでもよい。図示される実施形態では、近位部分32は、3つの係止レセプタクル62、63、および64を含む。別様に説明される場合を除いて、関節式調理用具60は、関節式調理用具10と関連して示され、説明される、同一の特徴および特性を含む。
【0032】
図11-13は、ハンドル12に対する、関節式調理用具60の関節式ブレード30の回転位置の選択的調節を図示する。本調節プロセスは、第1の係止レセプタクル62-64から係止突出部52を解放することと、枢動心棒40を中心として、ハンドル12に対して、関節式ブレード30を回転させることと、第2の係止レセプタクル62-64を係止突出部52と係合し、関節式ブレード30を新しい位置に固着することとを含んでもよい。
【0033】
図11に示される第1の位置から、
図12に示される第2の位置まで、関節式ブレード30を調節するために、係止突出部52は、関節式ブレード30の遠位部分34または近位部分32上に、上向きの力を印加することによって、第1の係止レセプタクル63から解放され、関節式ブレード30をシャフト20からさらに分離し得る。具体的には、関節式ブレード30の近位部分32は、係止突出部52の上部53と係止レセプタクル63との間の接触を中断するために持ち上げられてもよい。いくつかの実施形態では、本ステップは、関節式ブレード30の下側表面38から、係止突起部52の上部53を分離するために、近位部分32を含んでもよい。このように、関節式ブレード30は、その中で係止突出部52が、係止レセプタクル62と整合される、
図12に示される第2の位置に、枢動心棒40を中心として回転されることを可能にする。上向きの力は、次いで、係止レセプタクル62を係止突起部52の上部53と係合するために、関節式ブレード30から除去されてもよい。このように、関節式調理用具60の係止アセンブリは、その中で関節式ブレード30が、ハンドル12によって形成される軸の右側に、角度Dだけ回転される、
図12に示される第2の位置において、関節式ブレード30を選択的に固着し得る。
【0034】
同様に、関節式調理用具60の関節式ブレード30は、関節式ブレード30上に、上向きの力を印加し、係止突出部52の上部53を係止レセプタクル62から解放することによって、
図13に示される第3の位置に設置されてもよい。関節式ブレード30は、次いで、その中で係止突出部52が、係止レセプタクル64と整合される、
図13に示される第3の位置に回転されてもよい。上向きの力は、次いで、係止レセプタクル64を係止突起部52の上部53と係合するために、関節式ブレード30から除去されてもよい。このように、関節式調理用具60の係止アセンブリは、その中で関節式ブレード30が、ハンドル12によって形成される軸の左側に、角度Eだけ回転される、
図13に示される第3の位置において、関節式ブレード30を選択的に固着し得る。
【0035】
関節式調理用具10および60は、平坦または略平坦な表面上に位置付けられる、食物を持ち上げる、または裏返すために使用されてもよい。関節式ブレード30は、遠位部分34上の食品の重量が、係止アセンブリを解放しないように構成されてもよい。加えて、関節式ブレード30は、持ち上げるまたは裏返すプロセスにおいて、関節式ブレード30の遠位部分34に印加される、標準的または典型的な力が、係止アセンブリを解放しないように構成されてもよい。換言すると、関節式ブレード30を係止突出部52の上部53の上方に持ち上げるために要求される上向きの力は、調理プロセスにおいて、遠位部分34に印加される典型的な力よりも大きい。このように、関節式調理用具10および60の使用は、各用具における係止アセンブリを解放せず、それによって、ハンドル12に対する関節式ブレード30の回転位置が、使用の間、維持されることを確実にする。
【0036】
一実施形態では、関節式ブレード30は、ハンドル12に対する関節式ブレード30の回転位置を維持するために、および/または関節式調理用具の使用の間、係止突起部52の係止レセプタクルとの係合を維持するために、ハンドル12の遠位端に向かって付勢される。本実施形態では、本付勢は、締結具を用いてハンドル12に固着される、金属ばね等のばねによって作成され得る。
【0037】
関節式ブレード30の種々の回転位置は、フライパン、鉄板、焼き網、または任意の他の加熱される平坦な表面に関与する、調理プロセスにおいて等、食物をひっくり返す際の使用の容易性のために、0~360度(または2方向において0~180度)の範囲の角度を作成する。従来的な食物フライ返しは、ハンドルと直列に、ブレードと固定され、これは、ユーザに、裏返すまたはひっくり返すプロセスにおいて、より多くの身体調節を行うことを要求する。本明細書に開示される関節式調理用具は、従来的な食物フライ返しと比較して、反復的に食物をひっくり返すまたは裏返すプロセスにおいて、より人間工学的に正しい使用を提供する。
【0038】
別様に説明または図示される場合を除いて、本デバイス内の構成要素のそれぞれは、アルミニウム、鋼鉄、別の金属、プラスチック、または任意の他の耐久性天然または合成材料から形成されてもよい。本開示に説明される各デバイスは、個々のデバイスの実施形態のそれぞれの説明される構成要素、特徴、および/または機能の任意の組み合わせを含んでもよい。本開示に説明される各方法は、任意の順序での説明されたステップの任意の組み合わせを含んでもよく、ある説明されたステップの不在、および別個の実施形態において使用されるステップの組み合わせも含む。本明細書に開示される数値の範囲はいずれも、その中の任意の部分的範囲を含む。複数は、2つ以上を意味する。
【0039】
好ましい実施形態が、説明されているが、実施形態が、例証的にすぎないこと、ならびに本発明の範囲が、同等物、すなわち、本明細書の精査から当業者に自然に想起される、多くの変形例および修正例の完全な範囲と照応されるとき、添付の請求項によって単独で定義されるべきであることを理解されたい。
【国際調査報告】