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特表2024-502465がんに対するFOR46との併用療法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-19
(54)【発明の名称】がんに対するFOR46との併用療法
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20240112BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20240112BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240112BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20240112BHJP
   A61K 47/69 20170101ALI20240112BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20240112BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240112BHJP
   A61K 9/19 20060101ALI20240112BHJP
   A61K 38/08 20190101ALI20240112BHJP
   A61K 31/537 20060101ALI20240112BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240112BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240112BHJP
   C12N 15/13 20060101ALN20240112BHJP
【FI】
A61K45/00
C07K16/28 ZNA
A61K39/395 T
A61K39/395 L
A61K47/68
A61K47/69
A61K47/22
A61K47/26
A61K9/19
A61K38/08
A61K31/537
A61P35/00
A61P43/00 121
C12N15/13
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541506
(86)(22)【出願日】2022-01-06
(85)【翻訳文提出日】2023-08-16
(86)【国際出願番号】 US2022011497
(87)【国際公開番号】W WO2022150514
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】63/134,896
(32)【優先日】2021-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523255963
【氏名又は名称】フォルティス セラピューティクス, インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】506115514
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
【氏名又は名称原語表記】The Regents of the University of California
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】リウ, ビン
(72)【発明者】
【氏名】ドア, アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】リヒター, ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ネイソフ, マーク
(72)【発明者】
【氏名】ポスト, レナード
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA19
4C076AA29
4C076AA95
4C076BB01
4C076BB11
4C076BB13
4C076BB15
4C076BB16
4C076BB21
4C076BB25
4C076BB29
4C076BB31
4C076CC27
4C076CC41
4C076CC42
4C076DD09Q
4C076DD60Z
4C076DD67
4C076EE41
4C076EE59
4C076GG06
4C076GG47
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA19
4C084BA01
4C084BA16
4C084BA23
4C084MA02
4C084MA21
4C084MA24
4C084MA52
4C084MA56
4C084MA59
4C084MA60
4C084MA63
4C084MA65
4C084MA66
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC75
4C085AA14
4C085AA21
4C085AA26
4C085BB01
4C085BB36
4C085BB41
4C085CC22
4C085CC23
4C085EE03
4C085GG02
4C085GG03
4C085GG04
4C085GG06
4C085GG08
4C085GG10
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB22
4C086MA05
4C086MA21
4C086MA24
4C086MA44
4C086MA52
4C086MA56
4C086MA59
4C086MA60
4C086MA63
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA13
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC75
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA72
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
がんを処置する方法が、本明細書で開示される。一部のそのような方法は、がん細胞の表面におけるCD46発現を増加させる第1の抗がん剤の投与を含む。一部の実施形態は、CD46に結合する第2の抗がん剤の投与を含む。第2の抗がん剤は、CD46結合ドメインとエフェクター剤とを含むイムノコンジュゲートを含み得る。一部の実施形態では、処置を必要とする対象におけるがんを処置する方法であって、がん細胞の表面におけるCD46発現を増加させる第1の抗がん剤を前記対象に投与するステップ;およびCD46に特異的に結合する抗体またはそのCD46結合断片を含む第2の抗がん剤を前記対象に投与するステップを含む方法が、本明細書で開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処置を必要とする対象におけるがんを処置する方法であって、
がん細胞の表面におけるCD46発現を増加させる第1の抗がん剤を前記対象に投与するステップ;および
CD46に特異的に結合する抗体またはそのCD46結合断片を含む第2の抗がん剤を前記対象に投与するステップ
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の抗がん剤が、薬物またはそのプロドラッグ、第1の抗体、ペプチド、タンパク質、前記薬物もしくはそのプロドラッグを含有するリポソーム、放射性核種、ウイルス粒子、またはキレートを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の抗がん剤が、薬物を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記薬物が、抗がん薬物、化学療法剤、微小管阻害剤、DNA損傷剤、またはポリメラーゼ阻害剤を含む、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の抗がん剤が、免疫療法を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の抗がん剤が、ポマリドミドでも、レナリドミドでも、エンザルタミドでもない、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の抗がん剤が、ポマリドミドアナログでも、レナリドミドアナログでも、エンザルタミドアナログでもない、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の抗がん剤が、前記がん細胞の表面に発現されるCD46に結合し、前記がん細胞に内在化される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の抗がん剤が、マクロピノサイトーシスを介して前記がん細胞に内在化される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の抗がん剤が、IgG重鎖の定常領域を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の抗がん剤が、IgG1重鎖の定常領域を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の抗がん剤が、一本鎖可変断片(scFv)、単一ドメイン抗体(sdA)、Fab、またはFab’を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
CD46に特異的に結合する前記抗体またはそのCD46結合断片が、CD46のドメイン1または2に結合する、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の抗がん剤が、配列番号1~126から選択されるアミノ酸配列を含む1つまたは複数の相補性決定領域(CDR)配列を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記1つまたは複数のCDR配列が、配列番号1~3、10~15、64~66、または73~78のいずれかを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の抗がん剤が、3つのCDR:HC CDR1、HC CDR2およびHC CDR3を含む重鎖(HC)可変領域と、3つのCDR:LC CDR1、LC CDR2およびLC CDR3を含む軽鎖(LC)可変領域とを含み、前記HC CDR1、HC CDR2、HC CDR3が、配列番号1、配列番号2および配列番号3のアミノ酸配列をそれぞれ含み、前記LC CDR1、LC CDR2およびLC CDR3が、配列番号64、配列番号65、および配列番号66のアミノ酸配列をそれぞれ含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の抗がん剤が、CD46に特異的に結合する前記抗体とカップリングされているまたはそのCD46結合断片とカップリングされている細胞傷害性エフェクターをさらに含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記細胞傷害性エフェクターが、第2の薬物もしくはそのプロドラッグ、ペプチド、タンパク質、前記薬物もしくはそのプロドラッグを含有するリポソーム、放射性核種、ウイルス粒子、またはキレートを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記細胞傷害性エフェクターが、第2の薬物を含む、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の薬物が、抗がん薬物、化学療法剤、微小管阻害剤、DNA損傷剤、またはポリメラーゼ阻害剤を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第2の薬物が、アウリスタチン、ドラスタチン-10、もしくはメイタンシン、またはその誘導体を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記第2の薬物が、モノメチルアウリスタチンF(MMAF)、アウリスタチンE(AE)、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、バリン-シトルリンMMAE(vcMMAE)、またはバリン-シトルリンMMAF(vcMMAF)を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の薬物が、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記細胞傷害性エフェクターの、CD46に特異的に結合する前記抗体またはそのCD46結合断片に対する比が、約2:1、4:1、6:1、または8:1である、請求項17から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記細胞傷害性エフェクターの、CD46に特異的に結合する前記抗体またはそのCD46結合断片に対する比が、約4:1である、請求項17から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記細胞傷害性エフェクターが、CD46に特異的に結合する前記抗体に、リンカーを介してコンジュゲートされている、請求項17から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記リンカーが、ペプチド、小分子、またはこれらの組合せを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記リンカーが、マレイミドカプロイル-バリン-シトルリン-パラ-アミノベンジルオキシカルボニル(mc-vc-PAB)を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記がんが、卵巣がん、大腸がん、乳がん、肺がん、腎臓がん、膵臓がん、中皮腫、リンパ腫、肝臓がん、尿路上皮がん、胃がん、多形性神経膠芽種、神経膠腫、神経芽腫、または子宮頸がんを含む、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記がんが、前立腺がんでも多発性骨髄腫でもない、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記対象が、哺乳動物である、請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記対象が、ヒトである、請求項1から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記第1の抗がん剤が、第1の医薬組成物の一部として投与される、請求項1から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記第2の抗がん剤が、前記第1の医薬組成物の一部として投与される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第2の抗がん剤が、第2の医薬組成物の一部として投与される、請求項1から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記第1および/または第2の医薬組成物が、約10~30mMヒスチジン緩衝液を含む、請求項33から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記第1および/または第2の医薬組成物が、凍結保護物質を含む、請求項33から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記凍結保護物質が、サッカリド、スクロース、またはトレハロースである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記凍結保護物質が、スクロースまたはトレハロースである、請求項37または38に記載の方法。
【請求項40】
前記第1および/または第2の医薬組成物が、安定化剤を含む、請求項33から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記安定化剤が、前記第1の抗がん剤の変性を防止するか、前記第2の抗がん剤の凝集を防止するか、または両方である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記安定化剤が、ポリソルベートを含む、請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
前記安定化剤が、ポリソルベート80である、請求項40から42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記第1および/または第2の医薬組成物が、約5.0~7.0のpHを含む、請求項33から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記第1の抗がん剤および/または前記第2の抗がん剤が、前記ヒト対象に経口、経鼻、直腸、腹腔内、皮下、経皮、筋肉内または静脈内投与される、請求項1から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記第1の抗がん剤および/または前記第2の抗がん剤が、前記ヒト対象に静脈内注入を介して投与される、請求項1から45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記第1の抗がん剤および/または第2の抗がん剤が、有効量で投与される、請求項1から46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記第2の抗がん剤の前記有効量が、約1.0~5.0mg/kgの用量を含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記用量が、約1.2mg/kgである、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記用量が、約1.8mg/kgである、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記用量が、約2.4mg/kgである、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記用量が、約3.2mg/kgである、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
前記用量が、2~4週間ごとに投与される、請求項48から52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記用量が、約3週間ごとに投与される、請求項48から53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記第1の抗がん剤の前記有効量が、前記第2の抗がん剤に対する前記がん細胞の応答を増加させる、請求項47から54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記がん細胞の表面における前記CD46発現の増加が、対照測定値と比べて、またはベースライン測定値と比べてである、請求項1から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記第1の抗がん剤が、前記がん細胞に対する前記第2の抗がん剤の抗体依存性細胞傷害活性を増強する、請求項1から56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記第1の抗がん剤のまたは前記第2の抗がん剤の前記有効量が、前記第1の抗がん剤と第2の抗がん剤の両方の投与を含まない方法における有効量より少ない、請求項47から57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記第1の抗がん剤の第1の用量が、前記第2の抗がん剤の第1の用量より前に投与される、請求項1から58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
対象におけるがんを処置する方法であって、第1の抗がん剤を前記対象に投与するステップ、および細胞傷害性エフェクターにコンジュゲートされている抗CD46抗体を含む第2の抗がん剤を前記対象に投与するステップを含み、前記第1の抗がん剤と第2の抗がん剤の組合せが、前記対象におけるがんの処置において相乗的であり、前記第1の抗がん剤が、ポマリドミドでも、レナリドミドでも、エンザルタミドでもなく、前記がんが、前立腺がんでも多発性骨髄腫でもない、方法。
【請求項61】
前記第1の抗がん剤が、ポマリドミドアナログでも、レナリドミドアナログでも、エンザルタミドアナログでもない、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記第1の抗がん剤が、薬物またはそのプロドラッグ、第1の抗体、ペプチド、タンパク質、前記薬物もしくはそのプロドラッグを含有するリポソーム、放射性核種、ウイルス粒子、またはキレートを含む、請求項60または61に記載の方法。
【請求項63】
前記第1の抗がん剤が、薬物を含む、請求項60から62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記薬物が、抗がん薬物、化学療法剤、微小管阻害剤、DNA損傷剤、またはポリメラーゼ阻害剤を含む、請求項60から63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記第1の抗がん剤が、免疫療法を含む、請求項60から64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記第2の抗がん剤が、前記がん細胞上に発現されるCD46に結合し、前記がん細胞に内在化される、請求項60から65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記第2の抗がん剤が、マクロピノサイトーシスを介して前記がん細胞に内在化される、請求項60から66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記抗CD46抗体が、IgG重鎖の定常領域を含む、請求項60から67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記抗CD46抗体が、IgG1重鎖の定常領域を含む、請求項60から68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記抗CD46抗体が、CD46のドメイン1または2に結合する、請求項60から69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
前記抗CD46抗体が、配列番号1~126から選択される1つまたは複数の相補性決定領域(CDR)配列を含む、請求項60から70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記1つまたは複数のCDR配列が、配列番号1~3、10~15、64~66、または73~78のいずれかを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記抗CD46抗体が、3つのCDR:HC CDR1、HC CDR2およびHC CDR3を含む重鎖(HC)可変領域と、3つのCDR:LC CDR1、LC CDR2およびLC CDR3を含む軽鎖(LC)可変領域とを含み、前記HC CDR1、HC CDR2、HC CDR3が、配列番号1、配列番号2および配列番号3のアミノ酸配列をそれぞれ含み、前記LC CDR1、LC CDR2およびLC CDR3が、配列番号64、配列番号65、および配列番号66のアミノ酸配列をそれぞれ含む、請求項60から72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記細胞傷害性エフェクターが、第2の薬物もしくはそのプロドラッグ、ペプチド、タンパク質、前記薬物もしくはそのプロドラッグを含有するリポソーム、放射性核種、ウイルス粒子、またはキレートを含む、請求項60から73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記細胞傷害性エフェクターが、第2の薬物を含む、請求項60から74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記第2の薬物が、抗がん薬物、化学療法剤、微小管阻害剤、DNA損傷剤、またはポリメラーゼ阻害剤を含む、請求項60から75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記第2の薬物が、アウリスタチン、ドラスタチン-10、もしくはメイタンシン、またはその誘導体を含む、請求項60から75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記第2の薬物が、モノメチルアウリスタチンF(MMAF)、アウリスタチンE(AE)、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、バリン-シトルリンMMAE(vcMMAE)、またはバリン-シトルリンMMAF(vcMMAF)を含む、請求項60から75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記第2の薬物が、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)を含む、請求項60から75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記細胞傷害性エフェクターの前記抗CD46抗体に対する比が、約2:1、4:1、6:1、または8:1である、請求項60から79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記細胞傷害性エフェクターの前記抗CD46抗体に対する比が、約4:1である、請求項60から79のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記細胞傷害性エフェクターが、前記抗CD46抗体にリンカーを介してコンジュゲートされている、請求項60から81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記リンカーが、ペプチド、小分子、またはこれらの組合せを含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記リンカーが、マレイミドカプロイル-バリン-シトルリン-パラ-アミノベンジルオキシカルボニル(mc-vc-PAB)を含む、請求項82または83に記載の方法。
【請求項85】
前記がんが、卵巣がん、大腸がん、乳がん、肺がん、腎臓がん、膵臓がん、中皮腫、リンパ腫、肝臓がん、尿路上皮がん、胃がん、多形性神経膠芽種、神経膠腫、神経芽腫、または子宮頸がんを含む、請求項60から84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記対象が、哺乳動物である、請求項60から85のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記対象が、ヒトである、請求項60から86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
前記第1の抗がん剤が、第1の医薬組成物の一部として投与される、請求項60から87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記第2の抗がん剤が、前記第1の医薬組成物の一部として投与される、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記第2の抗がん剤が、第2の医薬組成物の一部として投与される、請求項60から88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
前記第1および/または第2の医薬組成物が、約10~30mMヒスチジン緩衝液を含む、請求項88から90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
前記第1および/または第2の医薬組成物が、凍結保護物質を含む、請求項88から91のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
前記凍結保護物質が、サッカリド、スクロース、またはトレハロースである、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記凍結保護物質が、スクロースまたはトレハロースである、請求項92または93に記載の方法。
【請求項95】
前記第1および/または第2の医薬組成物が、安定化剤を含む、請求項88から94のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
前記安定化剤が、前記第1の抗がん剤の変性を防止するか、前記第2の抗がん剤の凝集を防止するか、または両方である、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記安定化剤が、ポリソルベートを含む、請求項95または96に記載の方法。
【請求項98】
前記安定化剤が、ポリソルベート80である、請求項95から97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
前記第1および/または第2の医薬組成物が、約5.0~7.0のpHを含む、請求項88から98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
前記第1の抗がん剤および/または前記第2の抗がん剤が、前記ヒト対象に経口、経鼻、直腸、腹腔内、皮下、経皮、筋肉内または静脈内投与される、請求項60から99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記第1の抗がん剤および/または前記第2の抗がん剤が、前記ヒト対象に静脈内注入を介して投与される、請求項60から100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
前記第1の抗がん剤および/または第2の抗がん剤が、有効量で投与される、請求項60から101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記第2の抗がん剤の前記有効量が、約1.0~5.0mg/kgの用量を含む、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記用量が、約1.2mg/kgである、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記用量が、約1.8mg/kgである、請求項103に記載の方法。
【請求項106】
前記用量が、約2.4mg/kgである、請求項103に記載の方法。
【請求項107】
前記用量が、約3.2mg/kgである、請求項103に記載の方法。
【請求項108】
前記用量が、2~4週間ごとに投与される、請求項103から107のいずれか一項に記載の方法。
【請求項109】
前記用量が、約3週間ごとに投与される、請求項103から108のいずれか一項に記載の方法。
【請求項110】
前記第1の抗がん剤の前記有効量が、前記第2の抗がん剤に対する前記がん細胞の応答を増加させる、請求項102から109のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
前記がん細胞上の前記CD46発現の増加が、対照測定値と比べて、またはベースライン測定値と比べてである、請求項60から110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
前記第1の抗がん剤が、前記がん細胞に対する前記第2の抗がん剤の抗体依存性細胞傷害活性を増強する、請求項60から111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
前記第1の抗がん剤のまたは前記第2の抗がん剤の前記有効量が、前記第1の抗がん剤と第2の抗がん剤の両方の投与を含まない方法における有効量より少ない、請求項102から112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
前記第1の抗がん剤の第1の用量が、前記第2の抗がん剤の第1の用量より前に投与される、請求項60から113のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年1月7日に出願した米国仮出願第63/134,896号に基づく利益を主張するものである。
【0002】
配列表
本願は、ASCII形式で電子的に提出した配列表を含み、この配列表は、その全体がこれにより参照により本明細書に組み込まれる。2022年1月6日に作成した前記ASCIIコピーは、39442-710_601_SL.txtという名であり、サイズ135,683バイトである。
【背景技術】
【0003】
背景
がんは、広範囲に及ぶ問題である。新しい治療法および処置レジメンが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
要旨
本開示は、第1の抗がん剤および第2の抗がん剤の投与を含む、がんを処置する方法を提供する。第1および第2の抗がん剤は、がんに対して相乗的に作用することができる。
【0005】
一部の実施形態では、処置を必要とする対象におけるがんを処置する方法であって、がん細胞の表面におけるCD46発現を増加させる第1の抗がん剤を前記対象に投与するステップ;およびCD46に特異的に結合する抗体またはそのCD46結合断片を含む第2の抗がん剤を前記対象に投与するステップを含む方法が、本明細書で開示される。一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤は、薬物またはそのプロドラッグ、第1の抗体、ペプチド、タンパク質、前記薬物もしくはそのプロドラッグを含有するリポソーム、放射性核種、ウイルス粒子、またはキレートを含む。一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤は、薬物を含む。一部の実施形態では、前記薬物は、抗がん薬物、化学療法剤、微小管阻害剤、DNA損傷剤、またはポリメラーゼ阻害剤を含む。一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤は、免疫療法を含む。一部の実施形態では、第1の抗がん剤は、ポマリドミドでも、レナリドミドでも、エンザルタミドでもない。一部の実施形態では、第1の抗がん剤は、ポマリドミドアナログでも、レナリドミドアナログでも、エンザルタミドアナログでもない。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、がん細胞の表面に発現されるCD46に結合し、前記がん細胞に内在化される。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、マクロピノサイトーシスを介してがん細胞に内在化される。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、IgG重鎖の定常領域を含む。一部の実施形態では、第2の抗がん剤は、IgG1重鎖の定常領域を含む。一部の実施形態では、第2の抗がん剤は、一本鎖可変断片(scFv)、単一ドメイン抗体(sdA)、Fab、またはFab’を含む。一部の実施形態では、CD46に特異的に結合する抗体またはそのCD46結合断片は、CD46のドメイン1または2に結合する。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、配列番号1~126から選択されるアミノ酸配列を含む1つまたは複数の相補性決定領域(CDR)配列を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のCDR配列は、配列番号1~3、10~15、64~66、または73~78のいずれかを含む。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、3つのCDR:HC CDR1、HC CDR2およびHC CDR3を含む重鎖(HC)可変領域と、3つのCDR:LC CDR1、LC CDR2およびLC CDR3を含む軽鎖(LC)可変領域とを含み、前記HC CDR1、HC CDR2、HC CDR3は、配列番号1、配列番号2および配列番号3のアミノ酸配列をそれぞれ含み、前記LC CDR1、LC CDR2およびLC CDR3は、配列番号64、配列番号65、および配列番号66のアミノ酸配列をそれぞれ含む。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、CD46に特異的に結合する前記抗体とカップリングされているまたはそのCD46結合断片とカップリングされている細胞傷害性エフェクターをさらに含む。一部の実施形態では、前記細胞傷害性エフェクターは、第2の薬物もしくはそのプロドラッグ、ペプチド、タンパク質、前記薬物もしくはそのプロドラッグを含有するリポソーム、放射性核種、ウイルス粒子、またはキレートを含む。一部の実施形態では、前記細胞傷害性エフェクターは、第2の薬物を含む。一部の実施形態では、前記第2の薬物は、抗がん薬物、化学療法剤、微小管阻害剤、DNA損傷剤、またはポリメラーゼ阻害剤を含む。一部の実施形態では、前記第2の薬物は、アウリスタチン、ドラスタチン-10、もしくはメイタンシン、またはその誘導体を含む。一部の実施形態では、前記第2の薬物は、モノメチルアウリスタチンF(MMAF)、アウリスタチンE(AE)、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、バリン-シトルリンMMAE(vcMMAE)、またはバリン-シトルリンMMAF(vcMMAF)を含む。一部の実施形態では、前記第2の薬物は、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)を含む。一部の実施形態では、前記細胞傷害性(cytotic)エフェクターの、CD46に特異的に結合する前記抗体またはそのCD46結合断片に対する比は、約2:1、4:1、6:1、または8:1である。一部の実施形態では、前記細胞傷害性エフェクターの、CD46に特異的に結合する前記抗体またはそのCD46結合断片に対する比は、約4:1である。一部の実施形態では、前記細胞傷害性エフェクターは、CD46に特異的に結合する前記抗体に、リンカーを介してコンジュゲートされている。一部の実施形態では、前記リンカーは、ペプチド、小分子、またはこれらの組合せを含む。一部の実施形態では、前記リンカーは、マレイミドカプロイル-バリン-シトルリン-パラ-アミノベンジルオキシカルボニル(mc-vc-PAB)を含む。一部の実施形態では、前記がんは、卵巣がん、大腸がん、乳がん、肺がん、腎臓がん、膵臓がん、中皮腫、リンパ腫、肝臓がん、尿路上皮がん、胃がん、多形性神経膠芽種、神経膠腫、神経芽腫、または子宮頸がんを含む。一部の実施形態では、前記がんは、前立腺がんでも多発性骨髄腫でもない。一部の実施形態では、前記対象は、哺乳動物である。一部の実施形態では、前記対象は、ヒトである。一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤は、第1の医薬組成物の一部として投与される。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、前記第1の医薬組成物の一部として投与される。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、第2の医薬組成物の一部として投与される。一部の実施形態では、前記第1および/または第2の医薬組成物は、約10~30mMヒスチジン緩衝液を含む。一部の実施形態では、前記第1および/または第2の医薬組成物は、凍結保護物質を含む。一部の実施形態では、前記凍結保護物質は、サッカリド、スクロース、またはトレハロースである。一部の実施形態では、前記凍結保護物質は、スクロースまたはトレハロースである。一部の実施形態では、前記第1および/または第2の医薬組成物は、安定化剤を含む。一部の実施形態では、前記安定化剤は、前記第1の抗がん剤の変性を防止するか、前記第2の抗がん剤の凝集を防止するか、または両方である。一部の実施形態では、前記安定化剤は、ポリソルベートを含む。一部の実施形態では、前記安定化剤は、ポリソルベート80である。一部の実施形態では、前記第1および/または第2の医薬組成物は、約5.0~7.0のpHを含む。一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤および/または前記第2の抗がん剤は、前記ヒト対象に経口、経鼻、直腸、腹腔内、皮下、経皮、筋肉内または静脈内投与される。一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤および/または前記第2の抗がん剤は、前記ヒト対象に静脈内注入を介して投与される。一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤および/または第2の抗がん剤は、有効量で投与される。一部の実施形態では、第2の抗がん剤の前記有効量は、約1.0~5.0mg/kgの用量を含む。一部の実施形態では、前記用量は、約1.2mg/kgである。一部の実施形態では、前記用量は、約1.8mg/kgである。一部の実施形態では、前記用量は、約2.4mg/kgである。一部の実施形態では、前記用量は、約3.2mg/kgである。一部の実施形態では、前記用量は、2~4週間ごとに投与される。一部の実施形態では、前記用量は、約3週間ごとに投与される。一部の実施形態では、第1の抗がん剤の前記有効量は、第2の抗がん剤に対するがん細胞の応答を増加させる。一部の実施形態では、がん細胞の表面における前記CD46発現の増加は、対照測定値と比べて、またはベースライン測定値と比べてである。一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤は、がん細胞に対する第2の抗がん剤の抗体依存性細胞傷害活性を増強する。一部の実施形態では、第1の抗がん剤のまたは第2の抗がん剤の前記有効量は、第1の抗がん剤と第2の抗がん剤の両方の投与を含まない方法における有効量より少ない。一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤の第1の用量は、前記第2の抗がん剤の第1の用量より前に投与される。
【0006】
一部の実施形態では、対象におけるがんを処置する方法であって、第1の抗がん剤を対象に投与するステップ、および細胞傷害性エフェクターにコンジュゲートされている抗CD46抗体を含む第2の抗がん剤を対象に投与するステップを含み、第1の抗がん剤と第2の抗がん剤の組合せが、対象におけるがんの処置において相乗的であり、第1の抗がん剤が、ポマリドミドでも、レナリドミドでも、エンザルタミドでもなく、がんが、前立腺がんでも多発性骨髄腫でもない、方法が、本明細書で開示される。一部の実施形態では、第1の抗がん剤は、ポマリドミドアナログでも、レナリドミドアナログでも、エンザルタミドアナログでもない。一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤は、薬物またはそのプロドラッグ、第1の抗体、ペプチド、タンパク質、前記薬物もしくはそのプロドラッグを含有するリポソーム、放射性核種、ウイルス粒子、またはキレートを含む。一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤は、薬物を含む。一部の実施形態では、前記薬物は、抗がん薬物、化学療法剤、微小管阻害剤、DNA損傷剤、またはポリメラーゼ阻害剤を含む。一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤は、免疫療法を含む。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、がん細胞上に発現されるCD46に結合し、前記がん細胞に内在化される。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、マクロピノサイトーシスを介してがん細胞に内在化される。一部の実施形態では、前記抗CD46抗体は、IgG重鎖の定常領域を含む。一部の実施形態では、前記抗CD46抗体は、IgG1重鎖の定常領域を含む。一部の実施形態では、抗CD46抗体は、CD46のドメイン1または2に結合する。一部の実施形態では、前記抗CD46抗体は、配列番号1~126から選択される1つまたは複数の相補性決定領域(CDR)配列を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のCDR配列は、配列番号1~3、10~15、64~66、または73~78のいずれかを含む。一部の実施形態では、前記抗CD46抗体は、3つのCDR:HC CDR1、HC CDR2およびHC CDR3を含む重鎖(HC)可変領域と、3つのCDR:LC CDR1、LC CDR2およびLC CDR3を含む軽鎖(LC)可変領域とを含み、前記HC CDR1、HC CDR2、HC CDR3は、配列番号1、配列番号2および配列番号3のアミノ酸配列をそれぞれ含み、前記LC CDR1、LC CDR2およびLC CDR3は、配列番号64、配列番号65、および配列番号66のアミノ酸配列をそれぞれ含む。一部の実施形態では、前記細胞傷害性エフェクターは、第2の薬物もしくはそのプロドラッグ、ペプチド、タンパク質、前記薬物もしくはそのプロドラッグを含有するリポソーム、放射性核種、ウイルス粒子、またはキレートを含む。一部の実施形態では、前記細胞傷害性エフェクターは、第2の薬物を含む。一部の実施形態では、前記第2の薬物は、抗がん薬物、化学療法剤、微小管阻害剤、DNA損傷剤、またはポリメラーゼ阻害剤を含む。一部の実施形態では、前記第2の薬物は、アウリスタチン、ドラスタチン-10、もしくはメイタンシン、またはその誘導体を含む。一部の実施形態では、前記第2の薬物は、モノメチルアウリスタチンF(MMAF)、アウリスタチンE(AE)、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、バリン-シトルリンMMAE(vcMMAE)、またはバリン-シトルリンMMAF(vcMMAF)を含む。一部の実施形態では、前記第2の薬物は、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)を含む。一部の実施形態では、前記細胞傷害性エフェクターの前記抗CD46抗体に対する比は、約2:1、4:1、6:1、または8:1である。一部の実施形態では、前記細胞傷害性エフェクターの前記抗CD46抗体に対する比は、約4:1である。一部の実施形態では、前記細胞傷害性エフェクターは、前記抗CD46抗体にリンカーを介してコンジュゲートされている。一部の実施形態では、前記リンカーは、ペプチド、小分子、またはこれらの組合せを含む。一部の実施形態では、前記リンカーは、マレイミドカプロイル-バリン-シトルリン-パラ-アミノベンジルオキシカルボニル(mc-vc-PAB)を含む。一部の実施形態では、前記がんは、卵巣がん、大腸がん、乳がん、肺がん、腎臓がん、膵臓がん、中皮腫、リンパ腫、肝臓がん、尿路上皮がん、胃がん、多形性神経膠芽種、神経膠腫、神経芽腫、または子宮頸がんを含む。一部の実施形態では、前記対象は、哺乳動物である。一部の実施形態では、前記対象は、ヒトである。一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤は、第1の医薬組成物の一部として投与される。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、前記第1の医薬組成物の一部として投与される。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、第2の医薬組成物の一部として投与される。一部の実施形態では、前記第1および/または第2の医薬組成物は、約10~30mMヒスチジン緩衝液を含む。一部の実施形態では、前記第1および/または第2の医薬組成物は、凍結保護物質を含む。一部の実施形態では、前記凍結保護物質は、サッカリド、スクロース、またはトレハロースである。一部の実施形態では、前記凍結保護物質(ryoprotectant)は、スクロースまたはトレハロースである。一部の実施形態では、前記第1および/または第2の医薬組成物は、安定化剤を含む。一部の実施形態では、前記安定化剤は、前記第1の抗がん剤の変性を防止するか、前記第2の抗がん剤の凝集を防止するか、または両方である。一部の実施形態では、前記安定化剤は、ポリソルベートを含む。一部の実施形態では、前記安定化剤は、ポリソルベート80である。一部の実施形態では、前記第1および/または第2の医薬組成物は、約5.0~7.0のpHを含む。一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤および/または前記第2の抗がん剤は、前記ヒト対象に経口、経鼻、直腸、腹腔内、皮下、経皮、筋肉内または静脈内投与される。一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤および/または前記第2の抗がん剤は、前記ヒト対象に静脈内注入を介して投与される。一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤および/または第2の抗がん剤は、有効量で投与される。一部の実施形態では、第2の抗がん剤の前記有効量は、約1.0~5.0mg/kgの用量を含む。一部の実施形態では、前記用量は、約1.2mg/kgである。一部の実施形態では、前記用量は、約1.8mg/kgである。一部の実施形態では、前記用量は、約2.4mg/kgである。一部の実施形態では、前記用量は、約3.2mg/kgである。一部の実施形態では、前記用量は、2~4週間ごとに投与される。一部の実施形態では、前記用量は、約3週間ごとに投与される。一部の実施形態では、第1の抗がん剤の前記有効量は、第2の抗がん剤に対するがん細胞の応答を増加させる。一部の実施形態では、がん細胞上の前記CD46発現の増加は、対照測定値と比べて、またはベースライン測定値と比べてである。一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤は、がん細胞に対する第2の抗がん剤の抗体依存性細胞傷害活性を増強する。一部の実施形態では、第1の抗がん剤のまたは第2の抗がん剤の前記有効量は、第1の抗がん剤と第2の抗がん剤の両方の投与を含まない方法における有効量より少ない。一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤の第1の用量は、前記第2の抗がん剤の第1の用量より前に投与される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、治療用抗体評価のための凍結組織のFDA標準パネルでの抗CD46抗体の免疫組織化学研究の結果を示す。
【0008】
図2図2は、本明細書に記載されるFOR46イムノコンジュゲートの構造を示す略図である。
【0009】
図3図3は、アナストロゾールでの処置前および処置後に収集された対の乳がん生検標本におけるCD46発現を比較する箱ひげ図である。
【0010】
図4図4は、フルオロウラシルでの処置前および処置後に収集された対の食道がん生検標本におけるCD46発現を比較する箱ひげ図である。
【0011】
図5図5は、イリノテカンでの処置前および処置後に収集された不対の大腸がん生検標本におけるCD46発現を比較する箱ひげ図である。
【0012】
図6図6は、ゾレドロン酸での処置前および処置後に収集された不対の乳がん生検標本におけるCD46発現を比較する箱ひげ図である。
【0013】
図7図7は、シスプラチンでの処置前および処置後に収集された不対の頭頸部扁平上皮癌生検標本におけるCD46発現を比較する箱ひげ図である。
【0014】
図8図8は、アキシチニブでの処置前および処置後に収集された不対の淡明細胞型腎細胞癌生検標本におけるCD46発現を比較する箱ひげ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
CD46補体制御タンパク質、分化抗原群46および膜補因子タンパク質としても公知の、CD46は、阻害性の補体受容体である。CD46の過剰発現は、いくつかのがん、例えば、乳がん、大腸がん、肝臓がん、肺がん、または前立腺がんにおいて観察されている。一部の場合には、CD46の過剰発現が負の予後因子として特徴付けられている。例えば、CD46の過剰発現は、乳がん患者および卵巣がん患者において、より短い無増悪時間およびより短い全生存期間と相関関係が認められている。一部の場合には、CD46は、過剰発現されないが、CD46過剰発現が誘導され得る。がんの処置のための新しい治療法および処置レジメンが必要とされている。CD46発現を増加させる抗がん剤が、本明細書で提供される。がんの処置のためのCD46を標的とする抗体およびイムノコンジュゲートが、本明細書でさらに提供される。
【0016】
本開示は、第1の抗がん剤および第2の抗がん剤の投与を含む、がんを処置する方法を含む。第1および第2の抗がん剤は、がんに対して相乗的に作用することができる。第1の抗がん剤は、がん細胞上のCD46を増加させることができる。第2の抗がん剤は、CD46に結合することができる。
【0017】
一部の実施形態では、処置を必要とする対象におけるがんを処置する方法が、本明細書で開示される。一部の実施形態は、第1の抗がん剤を前記対象に投与することを含む。一部の実施形態では、第1の抗がん剤は、CD46発現を増加させる。一部の実施形態では、CD46発現は、がん細胞上で増加される。一部の実施形態では、CD46発現は、がん細胞の表面で増加される。一部の実施形態は、第2の抗がん剤を前記対象に投与することを含む。一部の実施形態では、第2の抗がん剤は、CD46に特異的に結合する抗体またはそのCD46結合断片を含む。一部の実施形態では、第1の抗がん剤と第2の抗がん剤の組合せは、対象におけるがんの処置において相乗的である。一部の実施形態では、第1の抗がん剤は、ポマリドミドでも、レナリドミドでも、エンザルタミドでもない。一部の実施形態では、がんは、前立腺がんでも多発性骨髄腫でもない。一部の実施形態では、処置を必要とする対象におけるがんを処置する方法であって、がん細胞の表面におけるCD46発現を増加させる第1の抗がん剤を前記対象に投与するステップ;およびCD46に特異的に結合する抗体またはそのCD46結合断片を含む第2の抗がん剤を前記対象に投与するステップを含む方法が、本明細書で開示される。
【0018】
一部の実施形態では、対象におけるがんを処置する方法が、本明細書で開示される。一部の実施形態は、第1の抗がん剤を対象に投与することを含む。一部の実施形態では、第1の抗がん剤は、対象におけるがん細胞上のCD46の発現を増加させる。一部の実施形態は、第2の抗がん剤を対象に投与することを含む。一部の実施形態では、第2の抗がん剤は、抗CD46抗体を含む。一部の実施形態では、抗CD46抗体は、細胞傷害性エフェクターにコンジュゲートされている。一部の実施形態では、第1の抗がん剤と第2の抗がん剤の組合せは、対象におけるがんの処置において相乗的である。一部の実施形態では、第1の抗がん剤は、ポマリドミドでもレナリドミドでもなく、本明細書に記載される別の薬物でもない。一部の実施形態では、がんは、前立腺がんでも多発性骨髄腫でもない。一部の実施形態では、対象におけるがんを処置する方法であって、対象におけるがん細胞上のCD46の発現を増加させる第1の抗がん剤を対象に投与するステップ、および細胞傷害性エフェクターにコンジュゲートされている抗CD46抗体を含む第2の抗がん剤を対象に投与するステップを含み、第1の抗がん剤と第2の抗がん剤の組合せが、対象におけるがんの処置において相乗的であり、第1の抗がん剤が、ポマリドミドでも、レナリドミドでも、エンザルタミドでもなく、がんが、前立腺がんでも多発性骨髄腫でもない、方法が、本明細書で開示される。
CD46発現を増加させる抗がん剤
【0019】
一部の実施形態では、抗がん剤が、本明細書で開示される。抗がん剤は、CD46発現を増加させることができる。抗がん剤を本明細書に記載されるがんを処置する方法において使用することができる。例えば、抗がん剤を、それを必要とする対象に第1の抗がん剤として投与することができる。
【0020】
一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤は、薬物またはそのプロドラッグ、第1の抗体、ペプチド、タンパク質、前記薬物もしくはそのプロドラッグを含有するリポソーム、放射性核種、ウイルス粒子、またはキレートを含む。一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤は、薬物を含む。一部の実施形態では、前記薬物は、抗がん薬物、化学療法剤、微小管阻害剤、DNA損傷剤、またはポリメラーゼ阻害剤を含む。一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤は、免疫療法を含む。
【0021】
抗がん剤の例としては、アベマシクリブ、アビラテロン酢酸エステル、アブラキサン(パクリタキセルのアルブミン安定化ナノ粒子製剤)、ABVD、ABVE、ABVE-PC、AC、アカラブルチニブ、AC-T、アクテムラ(トシリズマブ)、アドセトリス(ブレンツキシマブベドチン)、ADE、Ado-トラスツズマブエムタンシン、アドリアマイシン(ドキソルビシン塩酸塩)、アファチニブジマレイン酸塩、アフィニトール(エベロリムス)、アキンゼオ(ネツピタントおよびパロノセトロン塩酸塩)、アルダラ(イミキモド)、アルデスロイキン、アレセンサ(アレクチニブ)、アレクチニブ、アレムツズマブ、アリムタ(ペメトレキセド二ナトリウム)、アリコパ(コパンリシブ塩酸塩)、注射用アルケラン(メルファラン塩酸塩)、アルケラン錠(メルファラン)、アロキシ(パロノセトロン塩酸塩)、アルペリシブ、アルンブリグ(ブリガチニブ)、アメルズ(アミノレブリン酸塩酸塩)、アミホスチン、アミノレブリン酸塩酸塩、アナストロゾール、アパルタミド、アプレピタント、アラネスプ(ダルベポエチンアルファ)、アレディア(パミドロン酸二ナトリウム)、アリミデックス(アナストロゾール)、アロマシン(エキセメスタン)、アラノン(ネララビン)、三酸化二ヒ素、アーゼラ(オファツムマブ)、Erwinia chrysanthemi由来アスパラギナーゼ、アスパラス(カラスパルガーゼペゴル-mknl)、アテゾリズマブ、アバプリチニブ、アバスチン(ベバシズマブ)、アベルマブ、アキシカブタゲンシロルユーセル、アキシチニブ、アイバキット(アバプリチニブ)、アザシチジン、アゼドラ(ヨーベングアンI 131)、バルベルサ(エルダフィチニブ)、バベンチオ(アベルマブ)、BEACOPP、ベランタマブマホドチン-blmf、ベレオダク(ベリノスタット)、ベリノスタット、ベンダムスチン塩酸塩、ベンデカ(ベンダムスチン塩酸塩)、BEP、ベスポンサ(イノツズマブオゾガマイシン)、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、BiCNU(カルムスチン)、ビニメチニブ、ブレンレプ(ベランタマブマホドチン-blmf)、ブレオマイシン硫酸塩、ブリナツモマブ、ブリンサイト(ブリナツモマブ)、ボルテゾミブ、ボシュリフ(ボスチニブ)、ボスチニブ、ブラフトビ(エンコラフェニブ)、ブレンツキシマブベドチン、ブレクスカブタジェンアウトルーセル、ブリガチニブ、ブルキンサ(ザヌブルチニブ)、BuMel、ブスルファン、ブスルフェクス(ブスルファン)、カバジタキセル、カブリビ(カプラシズマブ-yhdp)、カボメティクス(カボザンチニブ-S-リンゴ酸塩)、カボザンチニブ-S-リンゴ酸塩、CAF、カラスパルガーゼペゴル-mknl、カルケンス(アカラブルチニブ)、キャンパス(アレムツズマブ)、カンプトサール(イリノテカン塩酸塩)、カペシタビン、カプラシズマブ-yhdp、カプマチニブ塩酸塩、CAPOX、カラック(フルオロウラシル--局所)、カルボプラチン、CARBOPLATIN-TAXOL、カルフィルゾミブ、カルムスチン、カルムスチンインプラント、カソデックス(ビカルタミド)、CEM、セミプリマブ-rwlc、セリチニブ、セルビジン(ダウノルビシン塩酸塩)、サーバリックス(組換えHPV二価ワクチン)、セツキシマブ、CEV、クロラムブシル、CHLORAMBUCIL-PREDNISONE、CHOP、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、クロラール(クロファラビン)、CMF、コビメチニブフマル酸塩、コメトリク(カボザンチニブ-S-リンゴ酸塩)、コパンリシブ塩酸塩、COPDAC、コピクトラ(デュベリシブ)、COPP、COPP-ABV、コスメゲン(ダクチノマイシン)、コテリック(コビメチニブフマル酸塩)、クリゾチニブ、CVP、シクロホスファミド、サイラムザ(ラムシルマブ)、シタラビン、ダブラフェニブメシル酸塩、ダカルバジン、ダコゲン(デシタビン)、ダコミチニブ、ダクチノマイシン、ダラツムマブ、ダラツムマブおよびヒアルロニダーゼ-fihj、ダルベポエチンアルファ、ダロルタミド、ダラザレックス(ダラツムマブ)、ダラザレックスファスプロ(ダラツムマブおよびヒアルロニダーゼ-fihj)、ダサチニブ、ダウノルビシン塩酸塩、ダウノルビシン塩酸塩およびシタラビンリポソーム、ダウリスモ(グラスデギブマレイン酸塩)、デシタビン、デシタビンおよびセダズリジン、デフィブロチドナトリウム、デファイテリオ(デフィブロチドナトリウム)、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス、デノスマブ、デキサメタゾン、デクスラゾキサン塩酸塩、ジヌツキシマブ、ドセタキセル、ドキシル(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、ドキソルビシン塩酸塩、ドキソルビシン塩酸塩リポソーム、デュルバルマブ、デュベリシブ、エフデックス(フルオロウラシル--局所)、エリガード(酢酸ロイプロリド)、エリテック(ラスブリカーゼ)、エレンス(エピルビシン塩酸塩)、エロツズマブ、エロキサチン(オキサリプラチン)、エルトロンボパグオラミン、エルゾンリス(タグラクソフスプ-erzs)、エマパルマブ-lzsg、イメンド(アプレピタント)、エムプリシティ(エロツズマブ)、エナシデニブメシル酸塩、エンコラフェニブ、エンホルツマブベドチン-ejfv、エンハーツ(Fam-トラスツズマブデルクステカン-nxki)、エヌトレクチニブ、エンザルタミド、エピルビシン塩酸塩、EPOCH、エポエチンアルファ、エポゲン(エポエチンアルファ)、アービタックス(セツキシマブ)、エルダフィチニブ、エリブリンメシル酸塩、エリベッジ(ビスモデギブ)、アーリーダ(アパルタミド)、エルロチニブ塩酸塩、エルウィナーゼ(Erwinia chrysanthemi由来アスパラギナーゼ)、エチオール(アミホスチン)、エトポフォス(リン酸エトポシド)、エトポシド、リン酸エトポシド、エベロリムス、エビスタ(ラロキシフェン塩酸塩)、エボメラ(メルファラン塩酸塩)、エキセメスタン、5-FU(フルオロウラシル注射液)、5-FU(フルオロウラシル--局所)、Fam-トラスツズマブデルクステカン-nxki、フェアストン(トレミフェン)、ファリーダック(パノビノスタット)、フェソロデックス(フルベストラント)、FEC、フェドラチニブ塩酸塩、フェマーラ(レトロゾール)、フィルグラスチム、フィルマゴン(デガレリクス)、フルダラビンリン酸エステル、フルオロプレックス(フルオロウラシル--局所)、フルオロウラシル注射液、フルオロウラシル--局所、フルタミド、FOLFIRI、FOLFIRI-BEVACIZUMAB、FOLFIRI-CETUXIMAB、FOLFIRINOX、FOLFOX、フォロチン(プララトレキサート)、ホスタマチニブ二ナトリウム、フルフィラ(ペグフィルグラスチム)、FU-LV、フルベストラント、ガミファント(エマパルマブ-lzsg)、ガーダシル(組換えHPV四価ワクチン)、ガーダシル9(組換えHPV九価ワクチン)、ガブレト(プラルセチニブ)、ガジバ(オビヌツズマブ)、ゲフィチニブ、ゲムシタビン塩酸塩、GEMCITABINE-CISPLATIN、GEMCITABINE-OXALIPLATIN、ゲムツズマブオゾガマイシン、ジェムザール(ゲムシタビン塩酸塩)、ジロトリフ(アファチニブジマレイン酸塩)、ギルテリチニブフマル酸塩、グラスデギブマレイン酸塩、グリベック(イマチニブメシル酸塩)、ギリアデルウェハー(カルムスチンインプラント)、グルカルピダーゼ、ゴセレリン酢酸塩、グラニセトロン、グラニセトロン塩酸塩、Granix(フィルグラスチム)、ハラヴェン(エリブリンメシル酸塩)、ヘマンジオル(プロプラノロール塩酸塩)、ハーセプチンハイレクタ(トラスツズマブおよびヒアルロニダーゼ-oysk)、ハーセプチン(トラスツズマブ)、HPV二価ワクチン、組換え型、HPV九価ワクチン、組換え型、HPV四価ワクチン、組換え型、ハイカムチン(トポテカン塩酸塩)、ハイドレア(ヒドロキシ尿素)、ヒドロキシ尿素、ハイパー-CVAD、イブランス(パルボシクリブ)、イブリツモマブチウキセタン、イブルチニブ、ICE、アイクルシグ(ポナチニブ塩酸塩)、イダマイシンPFS(イダルビシン塩酸塩)、イダルビシン塩酸塩、イデラリシブ、Idhifa(エナシデニブメシル酸塩)、イフェックス(イホスファミド)、イホスファミド、IL-2(アルデスロイキン)、イマチニブメシル酸塩、イムブルビカ(イブルチニブ)、イミフィンジ(デュルバルマブ)、イミキモド、イムリジック(タリモジーンラハーパレプベック)、Infugem(ゲムシタビン塩酸塩)、インライタ(アキシチニブ)、イノツズマブオゾガマイシン、インコビ(デシタビンおよびセダズリジン)、インレビック(フェドラチニブ塩酸塩)、インターフェロンアルファ-2b、組換え型、インターロイキン-2(アルデスロイキン)、イントロンA(組換えインターフェロンアルファ-2b)、ヨーベングアンI 131、イピリムマブ、イレッサ(ゲフィチニブ)、イリノテカン塩酸塩、イリノテカン塩酸塩リポソーム、イサツキシマブ-irfc、イストダックス(ロミデプシン)、イボシデニブ、イクサベピロン、イクサゾミブクエン酸エステル、イグゼンプラ(イクサベピロン)、ジャカフィ(ルキソリチニブリン酸塩)、JEB、ジェルミト(マイトマイシン)、ジェブタナ(カバジタキセル)、カドサイラ(Ado-トラスツズマブエムタンシン)、ケピバンス(パリフェルミン)、キイトルーダ(ペムブロリズマブ)、キスカリ(リボシクリブ)、コセルゴ(セルメチニブ硫酸塩)、キムリア(チサゲンレクルユーセル)、カイプロリス(カルフィルゾミブ)、ランレオチド酢酸塩、二トシル酸ラパチニブ、ラロトレクチニブ硫酸塩、レンバチニブメシル酸塩、レンビマ(レンバチニブメシル酸塩)、レトロゾール、ロイコボリンカルシウム、ロイケラン(クロラムブシル)、酢酸ロイプロリド、レブランケラスティック(アミノレブリン酸塩酸塩)、リブタヨ(セミプリマブ-rwlc)、ロムスチン、ロンサーフ(トリフルリジンおよびチピラシル塩酸塩)、ローブレナ(ロルラチニブ)、ロルラチニブ、ルモキシティ(モキセツモマブパスドトクス-tdfk)、リュープロンデポー(酢酸ロイプロリド)、ルルビネクテジン、ラスパテルセプト-aamt、ルタテラ(ルテチウムLu 177-ドータテート)、ルテチウム(Lu 177-ドータテート)、リムパーザ(オラパリブ)、マルキボ(ビンクリスチン硫酸塩リポソーム)、マチュレーン(プロカルバジン塩酸塩)、メクロレタミン塩酸塩、メゲストロール酢酸エステル、メキニスト(トラメチニブ)、メクトビ(ビニメチニブ)、メルファラン、メルファラン塩酸塩、メルカプトプリン、メスナ、メスネックス(メスナ)、メトトレキサートナトリウム、メチルナルトレキソン臭化物、ミドスタウリン、マイトマイシン、ミトキサントロン塩酸塩、モガムリズマブ-kpkc、モンジュビ(タファシタマブ-cxix)、モキセツモマブパスドトクス-tdfk、モゾビル(プレリキサフォル)、MVAC、ムバシ(ベバシズマブ)、ミレラン(ブスルファン)、マイロターグ(ゲムツズマブオゾガマイシン)、ナノ粒子パクリタキセル(パクリタキセルのアルブミン安定化ナノ粒子製剤)、ネシツムマブ、ネララビン、ネラチニブマレイン酸塩、ネルリンクス(ネラチニブマレイン酸塩)、ネツピタントおよびパロノセトロン塩酸塩、ニューラスタ(ペグフィルグラスチム)、ニューポジェン(フィルグラスチム)、ネクサバール(ソラフェニブトシル酸塩)、ニランドロン(ニルタミド)、ニロチニブ、ニルタミド、ニンラーロ(イクサゾミブクエン酸エステル)、ニラパリブトシル酸塩一水和物、ニボルマブ、エヌプレート(ロミプロスチム)、ニュベクオ(ダロルタミド)、ニベプリア(ペグフィルグラスチム)、オビヌツズマブ、オドムゾ(ソニデギブ)、OEPA、オファツムマブ、OFF、オラパリブ、オマセタキシンメペスクシナート、オンキャスパー(ペグアスパルガーゼ)、オンダンセトロン塩酸塩、オニバイド(イリノテカン


塩酸塩リポソーム)、オンタック(デニロイキンジフチトクス)、オヌレグ(アザシチジン)、オプジーボ(ニボルマブ)、OPPA、オシメルチニブメシル酸塩、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリタキセルのアルブミン安定化ナノ粒子製剤、PAD、パドセブ(エンホルツマブベドチン-ejfv)、パルボシクリブ、パリフェルミン、パロノセトロン塩酸塩、パロノセトロン塩酸塩およびネツピタント、パミドロン酸二ナトリウム、パニツムマブ、パノビノスタット、パゾパニブ塩酸塩、PCV、PEB、ペグアスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンアルファ-2b、PEG-イントロン(ペグインターフェロンアルファ-2b)、ペマジール(ペミガチニブ)、ペムブロリズマブ、ペメトレキセド二ナトリウム、ペミガチニブ、パージェタ(ペルツズマブ)、ペルツズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ、およびヒアルロニダーゼ-zzxf、ペキシダルチニブ塩酸塩、フェスゴ(ペルツズマブ、トラスツズマブ、およびヒアルロニダーゼ-zzxf)、ピクレイ(アルペリシブ)、プレリキサフォル、ポラツズマブベドチン-piiq、ポライビー(ポラツズマブベドチン-piiq)、ポナチニブ塩酸塩、ポートラーザ(ネシツムマブ)、ポテリジオ(モガムリズマブ-kpkc)、プララトレキサート、プラルセチニブ、プレドニゾン、プロカルバジン塩酸塩、プロクリット(エポエチンアルファ)、プロロイキン(アルデスロイキン)、プロリア(デノスマブ)、プロマクタ(エルトロンボパグオラミン)、プロプラノロール塩酸塩、プロベンジ(シプロイセル-T)、プリネトール(メルカプトプリン)、プリクサン(メルカプトプリン)、キンロック(リプレチニブ)、二塩化ラジウム223、ラロキシフェン塩酸塩、ラムシルマブ、ラスブリカーゼ、ラブリズマブ-cwvz、レブロジル(ラスパテルセプト-aamt)、R-CHOP、R-CVP、組換えヒトパピローマウイルス(HPV)二価ワクチン、組換えヒトパピローマウイルス(HPV)九価ワクチン、組換えヒトパピローマウイルス(HPV)四価ワクチン、組換えインターフェロンアルファ-2b、レゴラフェニブ、レリストール(メチルナルトレキソン臭化物)、R-EPOCH、レタクリット(エポエチンアルファ)、レットヴィモ(セルペルカチニブ)、リボシクリブ、R-ICE、リプレチニブ、リツキサン(リツキシマブ)、リツキサンハイセラ(リツキシマブおよびヒアルロニダーゼ(ヒト由来))、リツキシマブ、リツキシマブおよびヒアルロニダーゼ(ヒト由来)、ロラピタント塩酸塩、ロミデプシン、ロミプロスチム、ロズリートレク(エヌトレクチニブ)、ルビドマイシン(ダウノルビシン塩酸塩)、ルブラカ(ルカパリブカンシル酸塩)、ルカパリブカンシル酸塩、ルキソリチニブリン酸塩、リダプト(ミドスタウリン)、サシツズマブゴビテカン-hziy、サンキューソ(グラニセトロン)、サークリサ(イサツキシマブ-irfc)、Sclerosol Intrapleural Aerosol(タルク)、セリネクソール、セルペルカチニブ、セルメチニブ硫酸塩、シルツキシマブ、シプロイセル-T、ソマチュリンデポー(ランレオチド酢酸塩)、ソニデギブ、ソラフェニブトシル酸塩、スプリセル(ダサチニブ)、STANFORD V、滅菌タルク末(タルク)、ステリタルク(タルク)、スチバーガ(レゴラフェニブ)、スニチニブリンゴ酸塩、サストール(グラニセトロン)、スーテント(スニチニブリンゴ酸塩)、シラトロン(ペグインターフェロン-2b)、シルバント(シルツキシマブ)、シンリボ(オマセタキシンメペスクシナート)、タブロイド(チオグアニン)、タブレクタ(カプマチニブ塩酸塩)、TAC、タファシタマブ-cxix、タフィンラー(ダブラフェニブメシル酸塩)、タグラクソフスプ-erzs、タグリッソ(オシメルチニブメシル酸塩)、タラゾパリブトシル酸塩、タルク、タリモジーンラハーパレプベック、タルゼンナ(タラゾパリブトシル酸塩)、タモキシフェンクエン酸塩、タルセバ(エルロチニブ塩酸塩)、タルグレチン(ベキサロテン)、タシグナ(ニロチニブ)、タバリッセ(ホスタマチニブ二ナトリウム)、タキソテール(ドセタキセル)、タゼメトスタット臭化水素酸塩、タズベリク(タゼメトスタット臭化水素酸塩)、テカルタス(ブレクスカブタジェンアウトルーセル)、テセントリク(アテゾリズマブ)、テモダール(テモゾロミド)、テモゾロミド、テムシロリムス、チオグアニン、チオテパ、チブソボ(イボシデニブ)、チサゲンレクルユーセル、トシリズマブ、Tolak(フルオロウラシル--局所)、トポテカン塩酸塩、トレミフェン、トーリセル(テムシロリムス)、トテクト(デクスラゾキサン塩酸塩)、TPF、トラベクテジン、トラメチニブ、トラスツズマブ、トラスツズマブおよびヒアルロニダーゼ-oysk、トレアンダ(ベンダムスチン塩酸塩)、トレクサール(メトトレキサートナトリウム)、トリフルリジンおよびチピラシル塩酸塩、トリセノックス(三酸化二ヒ素)、トロデルヴィ(サシツズマブゴビテカン-hziy)、トルキシマ(リツキシマブ)、ツカチニブ、ツキサ(ツカチニブ)、トゥラリオ(ペキシダルチニブ塩酸塩)、タイケルブ(二トシル酸ラパチニブ)、ユルトミリス(ラブリズマブ-cwvz)、Undencyca(ペグフィルグラスチム)、ユニツキシン(ジヌツキシマブ)、三酢酸ウリジン、VAC、バルルビシン、バルスター(バルルビシン)、バンデタニブ、VAMP、バルビ(ロラピタント塩酸塩)、ベクティビックス(パニツムマブ)、VeIP、ベルケイド(ボルテゾミブ)、ベムラフェニブ、ベネクレクスタ(ベネトクラクス)、ベネトクラクス、ベージニオ(アベマシクリブ)、ビダザ(アザシチジン)、ビンブラスチン硫酸塩、ビンクリスチン硫酸塩、ビンクリスチン硫酸塩リポソーム、ビノレルビン酒石酸塩、VIP、ビスモデギブ、ビストガード(三酢酸ウリジン)、ビトラクビ(ラロトレクチニブ硫酸塩)、ビジンプロ(ダコミチニブ)、ボラクサーゼ(グルカルピダーゼ)、ボリノスタット、ヴォトリエント(パゾパニブ塩酸塩)、ビクセオス(ダウノルビシン塩酸塩およびシタラビンリポソーム)、ザーコリ(クリゾチニブ)、ザトメップ(メトトレキサートナトリウム)、ゼローダ(カペシタビン)、XELIRI、XELOX、エクスジバ(デノスマブ)、ゾーフィゴ(二塩化ラジウム223)、ゾスパタ(ギルテリチニブフマル酸塩)、エクスポビオ(セリネクソール)、イクスタンジ(エンザルタミド)、ヤーボイ(イピリムマブ)、イエスカルタ(アキシカブタゲンシロルユーセル)、ヨンデリス(トラベクテジン)、ヨンサ(アビラテロン酢酸エステル)、ザルトラップ(Ziv-アフリベルセプト)、ザヌブルチニブ、ザルキシオ(フィルグラスチム)、ゼジューラ(ニラパリブトシル酸塩一水和物)、ゼルボラフ(ベムラフェニブ)、ゼプゼルカ(ルルビネクテジン)、ゼヴァリン(イブリツモマブチウキセタン)、Ziextenzo(ペグフィルグラスチム)、ザインカード(デクスラゾキサン塩酸塩)、ジラベフ(ベバシズマブ)、Ziv-アフリベルセプト、ゾフラン(オンダンセトロン塩酸塩)、ゾラデックス(ゴセレリン酢酸塩)、ゾレドロン酸、ゾリンザ(ボリノスタット)、ゾメタ(ゾレドロン酸)、ジクララ(イミキモド)、ジデリグ(イデラリシブ)、ジカディア(セリチニブ)、またはザイティガ(アビラテロン酢酸エステル)が挙げられる。これらの各々を試験して、それらがCD46を増加させるかどうかを決定することができ、そしてその後、それらがCD46を増加させる場合にはそれらを第1の抗がん剤として含めることができる。これらの抗がん剤のいずれも、抗CD46抗体または結合断片にコンジュゲートされている第2の抗がん剤として含めることができる。
【0022】
一部の実施形態では、第1の抗がん剤は、ポマリドミドでも、レナリドミドでも、エンザルタミドでもない。一部の実施形態では、第1の抗がん剤は、ポマリドミドではない。一部の実施形態では、第1の抗がん剤は、レナリドミドではない。一部の実施形態では、第1の抗がん剤は、エンザルタミドではない。一部の実施形態では、第1の抗がん剤は、ポマリドミドアナログでも、レナリドミドアナログでも、エンザルタミドアナログでもない。一部の実施形態では、第1の抗がん剤は、ポマリドミドアナログではない。一部の実施形態では、第1の抗がん剤は、レナリドミドアナログではない。一部の実施形態では、第1の抗がん剤は、エンザルタミドアナログではない。
抗CD46抗体および抗体断片
【0023】
一部の実施形態では、CD46に特異的に結合する抗体(本明細書では抗CD46抗体とも呼ばれる)(またはその抗原結合断片)が、本明細書で開示される。本開示は、抗CD46組換え抗体を含むが、抗CD46組換え抗体がどこに記載されていようと抗CD46抗体を含み得る。抗CD46抗体を、本明細書に記載されるがんを処置する方法において使用することができる。例えば、抗CD46抗体を第2の抗がん剤に含めることができる。
【0024】
一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、がん細胞の表面に発現されるCD46に結合し、前記がん細胞に内在化される。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、マクロピノサイトーシスを介してがん細胞に内在化される。
【0025】
一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片もしくはバリアントは、モノクローナル抗体である。一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片もしくはバリアントは、ヒト抗体、マウス抗体、ヒト化抗体、またはキメラ抗体である。一部の実施形態では、抗体は、完全長抗体の機能的断片(例えば、完全長抗体の抗原結合断片)、例えば、一価Fab、二価Fab’2、一本鎖可変断片(scFv)、またはその機能的断片もしくはバリアントを含むか、またはそれからなる。一部の実施形態では、組換え抗体(またはその抗原結合断片)は、免疫グロブリン可変重鎖ドメイン(VH)を含む。一部の実施形態では、組換え抗体(またはその抗原結合断片)は、免疫グロブリン可変軽鎖ドメイン(VL)を含む。一部の実施形態では、組換え抗体(またはその抗原結合断片)は、VHおよびVLを含む。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、scFv、単一ドメイン抗体(sdA)、Fab、またはFab’を含む。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、scFvを含む。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、sdAを含む。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、Fabを含む。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、Fab’を含む。
【0026】
一部の実施形態では、組換え抗体(またはその抗原結合断片)は、Fc領域を含む。一部の実施形態では、組換え抗体(またはその抗原結合断片)は、完全長抗体を含む。一部の実施形態では、組換え抗体(またはその抗原結合断片)は、軽鎖可変領域と軽鎖定常領域とを含む第1の軽鎖、重鎖可変領域と重鎖定常領域とを含む第1の重鎖、軽鎖可変領域と軽鎖定常領域とを含む第2の軽鎖、および重鎖可変領域と重鎖定常領域とを含む第2の重鎖を含む。一部の実施形態では、第1および第2の軽鎖は、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する。一部の実施形態では、第1および第2の軽鎖は、同じエピトープに結合する。一部の実施形態では、第1および第2の重鎖は、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する。一部の実施形態では、第1および第2の重鎖は、同じエピトープに結合する。
【0027】
一部の実施形態では、組換え抗体(またはその抗原結合断片)は、非ヒト(例えば、ウサギまたはマウス)抗体に由来する。一部の事例では、ヒト化形態の非ヒト抗体は、元の抗原特異性を維持するために最小限の非ヒト配列を含有する。一部の場合には、ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリン(アクセプター抗体)であり、このアクセプター抗体のCDRは、所望の特異性、親和性、結合力、結合動態、および/または能力を有する、ラット、ウサギまたはマウスドナーなどの非ヒト免疫グロブリン(ドナー抗体)のCDRの残基により置き換えられている。一部の事例では、ヒト免疫グロブリンの1つまたは複数のフレームワーク領域(FR)残基が、ドナー抗体の対応する非ヒト残基により置き換えられている。
【0028】
一部の実施形態では、CD46に特異的に結合する抗体またはそのCD46結合断片は、CD46のドメイン1または2に結合する。一部の実施形態では、CD46に特異的に結合する抗体またはそのCD46結合断片は、CD46のドメイン1に結合する。一部の実施形態では、CD46に特異的に結合する抗体またはそのCD46結合断片は、CD46のドメイン2に結合する。一部の実施形態では、CD46に特異的に結合する抗体またはそのCD46結合断片は、CD46のドメイン3にも4にも結合もせず、補体カスケードを遮断もしない。一部の実施形態では、CD46に特異的に結合する抗体またはそのCD46結合断片は、WO201640683(PCT/US2015/049492)において開示されている抗CD46抗体または結合断片を含み、これらの参考特許文献の内容は、それら全体が本明細書に組み込まれる。追加の抗CD46抗体または結合断片は、PCT/US2008/076704(WO2009/039192);US10/272,835(US2003/0108966);PCT/NL2001/000636(WO2002/018948);Sherbenou et al, Antibody-drug conjugate targeting CD46 eliminates multiple myeloma cells, J Clin Invest. 2016 Dec 1;126(12):4640-4653;Su, Targeting CD46 for both adenocarcinoma and neuroendocrine prostate cancer, JCI Insight. 2018 Sep 6;3(17):e121497;またはGeuijen, Affinity ranking of antibodies using flow cytometry: application in antibody phage display-based target discovery, J Immunol Methods. 2005 Jul;302(1-2):68-77において見つけることができ、これらの参考文献の全ては、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
相補性決定領域(CDR)
【0029】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、表1で開示される少なくとも1つ、2つもしくは3つの相補性決定領域(CDR)またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含む、免疫グロブリン可変重鎖ドメイン(VH)を含む。
【0030】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、表2で開示される少なくとも1つ、2つもしくは3つの相補性決定領域(CDR)またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含む、免疫グロブリン可変軽鎖ドメイン(VL)を含む。
【0031】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、表1で開示される少なくとも1つ、2つもしくは3つの相補性決定領域(CDR)またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含むVH、および表2で開示される少なくとも1つ、2つもしくは3つの相補性決定領域(CDR)またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含むVLを含む。
【0032】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、配列番号1のCDR1、配列番号2のCDR2、および配列番号3のCDR3を含む、VHを含む。
【0033】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、配列番号64のCDR1、配列番号65のCDR2、および配列番号66のCDR3を含む、VLを含む。
【0034】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、配列番号1のCDR1、配列番号2のCDR2および配列番号3のCDR3を含むVHと、配列番号64のCDR1、配列番号65のCDR2および配列番号66のCDR3を含むVLとを含む。
【0035】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、配列番号10のCDR1、配列番号11のCDR2、および配列番号12のCDR3を含む、VHを含む。
【0036】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、配列番号73のCDR1、配列番号74のCDR2、および配列番号75のCDR3を含む、VLを含む。
【0037】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、配列番号10のCDR1、配列番号11のCDR2および配列番号12のCDR3を含むVHと、配列番号73のCDR1、配列番号74のCDR2および配列番号75のCDR3を含むVLとを含む。
【0038】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、配列番号13のCDR1、配列番号14のCDR2、および配列番号15のCDR3を含む、VHを含む。
【0039】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、配列番号76のCDR1、配列番号77のCDR2、および配列番号78のCDR3を含む、VLを含む。
【0040】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、配列番号13のCDR1、配列番号14のCDR2および配列番号15のCDR3を含むVHと、配列番号76のCDR1、配列番号77のCDR2および配列番号78のCDR3を含むVLとを含む。
表1. 抗CD46抗体のVH CDRアミノ酸配列
【表1-1】
【表1-2】
表2. 抗CD46抗体のVL CDRアミノ酸配列
【表2】
【0041】
一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、表1または表2中の1つまたは複数のCDR配列を含む。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、配列番号1~126から選択される1つまたは複数のCDR配列を含む。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、YS5FL、YS12、またはSB1HGNYからの1つまたは複数のCDR配列を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のCDR配列は、配列番号1~3、10~15、64~66、または73~78のいずれかを含む。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、3つのCDR:HC CDR1、HC CDR2およびHC CDR3を含む重鎖(HC)可変領域と、3つのCDR:LC CDR1、LC CDR2およびLC CDR3を含む軽鎖(LC)可変領域とを含み、前記HC CDR1、HC CDR2、HC CDR3は、配列番号1、配列番号2および配列番号3のアミノ酸配列をそれぞれ含み、前記LC CDR1、LC CDR2およびLC CDR3は、配列番号64、配列番号65、および配列番号66のアミノ酸配列をそれぞれ含む。
【0042】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるCDRは、1つ、2つまたは3つのアミノ酸改変を含む。一部の実施形態では、前記改変は、置換、付加または欠失である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるCDRは、1つ、2つまたは3つの保存的アミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、1つ、2つまたは3つのアミノ酸改変は、ヒトCD46への結合を実質的に改変しない。一部の実施形態では、1つ、2つまたは3つのアミノ酸改変は、ヒトCD46への結合を改変する。一部の実施形態では、VH-CDR3および/またはVL-CDR3は、ヒトCD46への結合、免疫原性または何らかの他の特徴を改変する、アミノ酸置換を含む。一部の実施形態では、アミノ酸置換は、アラニン(A)である。
可変重鎖および可変軽鎖領域
【0043】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、表3で開示されるアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含む、VHを含む。
【0044】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、表4で開示されるアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含むVLを含む。
【0045】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、表3で開示されるアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含むVH、および表4で開示されるアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含むVLを含む。
【0046】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、配列番号127のアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含む、VHを含む。
【0047】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、配列番号148のアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含む、VLを含む。
【0048】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、配列番号127のアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含むVH、および配列番号148のアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含むVLを含む。
【0049】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、配列番号130のアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含む、VHを含む。
【0050】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、配列番号151のアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含む、VLを含む。
【0051】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、配列番号130のアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含むVH、および配列番号151のアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含むVLを含む。
【0052】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、配列番号131のアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含む、VHを含む。
【0053】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、配列番号152のアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含む、VLを含む。
【0054】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、配列番号131のアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含むVH、および配列番号152のアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含むVLを含む。
【0055】
表3および4において抗体について提供されるアミノ酸配列を使用して、非常に多数の抗体形態を調製することができる。そのような形態には、これらに限定されないが、実質的にインタクトな免疫グロブリン(例えば、IgA、IgE、IgGなど)、抗体断片(Fv、Fab、(Fab’)2、(Fab’)3、IgGACH2、ミニボディなど)、一本鎖抗体(例えば、scFv)、ダイアボディ、ユニボディ、アフィボディなどが含まれる。
表3. 抗CD46可変重鎖結合ドメインのアミノ酸配列
【表3-1】
【表3-2】
表4. 抗CD46可変軽鎖結合ドメインのアミノ酸配列
【表4-1】
【表4-2】
重鎖および軽鎖
【0056】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、表5で開示されるアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含む、重鎖を含む。
【0057】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、表6で開示されるアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含む、軽鎖を含む。
【0058】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、表5で開示されるアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含む重鎖、および表6で開示されるアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含む軽鎖を含む。
【0059】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、配列番号169のアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含む、重鎖を含む。
【0060】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、配列番号170のアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含む、軽鎖を含む。
【0061】
一部の実施形態では、CD46結合組換え抗体は、配列番号169のアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含む重鎖、および配列番号170のアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含む軽鎖を含む。
表5. 抗CD46重鎖のアミノ酸配列
【表5-1】
【表5-2】
表6. 抗CD46軽鎖のアミノ酸配列
【表6】
【0062】
一部の実施形態では、本明細書で開示される抗CD46抗体は、免疫グロブリン定常領域(例えば、Fc領域)を含む。例示的なFc領域は、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4の重鎖定常領域、より特に、ヒトIgG1またはIgG4の重鎖定常領域から選択され得る。一部の実施形態では、免疫グロブリン定常領域(例えば、Fc領域)は、Fc受容体結合、抗体グリコシル化、システイン残基の数、エフェクター細胞機能または補体機能のうちの1つまたは複数を増加または減少させるように変更される、例えば、変異される。一部の実施形態では、第2の抗がん剤は、IgG重鎖の定常領域を含む。一部の実施形態では、第2の抗がん剤は、IgG1重鎖の定常領域を含む。
追加の抗体配列
【0063】
一部の実施形態では、本明細書で企図される抗体は、PCT/US2008/076704(WO2009/039192)に記載されている抗体3051.1、Gl2FC3、M6c42b、4F3YW、M40pr146、UA20、UA8、5851141、5851141.1、5851156、3076、3051、M49R、RCI-14、1179 4、1179 3、T511-4B.1、T51I-4B.2、RCI-11、RCI-20、CI-11A、CI-14A、S95-2の、および/またはmPA7抗体の、3つのVH CDRおよび/または3つのVL CDRを含む抗体を含むまたは除外する。これらの抗体のVHおよびVL鎖の、ならびにこれらのドメインを含むCDRの、アミノ酸配列は、PCT/US2008/076704に示されており、これらのドメインのアミノ酸配列は、下記の表7に複写されている。表7で示される配列は、scFv抗体に含まれ得る(例えば、VLおよびVH領域は、GGGGSGGGGSGGGGSリンカー(配列番号194)によって結合されていることがある)が、CDR(またはVHおよび/またはVLドメイン)を含む他の抗体形態も含まれ得るまたは除外され得ることは分かるであろう。
【0064】
一部の実施形態では、抗CD46抗体または抗体断片は、表7で開示されるアミノ酸配列またはそれと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の配列同一性を有する配列)を含む。
表7. 追加の抗体
【表7-1】
【表7-2】
【表7-3】
エフェクター剤
【0065】
一部の実施形態では、エフェクター剤(またはそのプロドラッグ)に結合されている抗CD46抗体を含むイムノコンジュゲートが、本明細書で開示される。一部の実施形態では、第2の抗がん剤は、CD46に特異的に結合する抗体とカップリングされているまたはそのCD46結合断片とカップリングされている細胞傷害性エフェクターを含む。エフェクター剤またはそのプロドラッグを、本明細書に記載されるがんを処置する方法において使用することができる。例えば、エフェクター剤またはそのプロドラッグを、第2の抗がん剤に含めることができる。一部の実施形態では、エフェクター剤は、薬物(もしくはそのプロドラッグ)、小分子、タンパク質、ペプチド、抗体、リガンド、受容体、細胞傷害剤、細胞増殖抑制剤、リポソーム、ナノ粒子、放射性核種、サイトカイン、ケモカイン、毒素、検出可能な標識、ウイルス粒子、またはキレートである。
【0066】
一部の実施形態では、エフェクター剤は、薬物(またはそのプロドラッグ)である。一部の実施形態では、エフェクター剤は、抗がん剤(またはそのプロドラッグ)である。一部の実施形態では、エフェクター剤は、化学療法剤(またはそのプロドラッグ)である。一部の実施形態では、エフェクター剤は、微小管阻害剤(もしくはそのプロドラッグ)、DNA損傷剤(もしくはそのプロドラッグ)、またはポリメラーゼ阻害剤(もしくはそのプロドラッグ)である。
【0067】
一部の実施形態では、エフェクター剤は、微小管阻害剤(またはそのプロドラッグ)である。一部の実施形態では、微小管阻害剤は、アウリスタチン(もしくはその誘導体)、ドラスタチン-10(もしくはその誘導体)、もしくはメイタンシン(もしくはその誘導体)である。一部の実施形態では、微小管阻害剤は、モノメチルアウリスタチンF(MMAF)、アウリスタチンE(AE)、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、バリン-シトルリンMMAE(vcMMAE)、またはバリン-シトルリンMMAF(vcMMAF)である。一部の実施形態では、微小管阻害剤は、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)である。
【0068】
一部の実施形態では、エフェクター剤は、式Aの化合物を含むか、またはそれからなる:
【化1】
【0069】
ある特定の実施形態では、エフェクターは、検出可能な標識を含む。好適な検出可能な標識としては、これらに限定されないが、放射線不透過性標識、ナノ粒子、PET標識、MRI標識、放射性標識などが挙げられる。放射性核種の中で、および本発明の様々な実施形態において有用な、ガンマ放射体、陽電子放射体、X線放射体および蛍光放射体は、局在定位、診断および/もしくはステージ分類、ならびに/または治療に好適であるが、ベータおよびアルファ放射体ならびに電子および中性子捕獲剤、例えばホウ素およびウランも、治療に使用することができる。
【0070】
一部の実施形態では、第2の抗がん剤の細胞傷害性エフェクターは、第2の薬物もしくはそのプロドラッグ、ペプチド、タンパク質、前記薬物もしくはそのプロドラッグを含有するリポソーム、放射性核種、ウイルス粒子、またはキレートを含む。一部の実施形態では、前記細胞傷害性エフェクターは、第2の薬物を含む。一部の実施形態では、前記第2の薬物は、抗がん薬物、化学療法剤、微小管阻害剤、DNA損傷剤、またはポリメラーゼ阻害剤を含む。一部の実施形態では、前記第2の薬物は、アウリスタチン、ドラスタチン-10、もしくはメイタンシン、またはその誘導体を含む。一部の実施形態では、前記第2の薬物は、モノメチルアウリスタチンF(MMAF)、アウリスタチンE(AE)、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、バリン-シトルリンMMAE(vcMMAE)、またはバリン-シトルリンMMAF(vcMMAF)を含む。一部の実施形態では、前記第2の薬物は、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)を含む。
イムノコンジュゲート
【0071】
一態様では、抗CD46抗体とエフェクター剤とを含むイムノコンジュゲートが、本明細書で提供される。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、これらのイムノコンジュゲートを利用する。イムノコンジュゲートを、本明細書に記載されるがんを処置する方法において使用することができる。例えば、イムノコンジュゲートを、それを必要とする対象に第2の第1の抗がん剤として投与することができる。
【0072】
一部の実施形態では、イムノコンジュゲートは、本明細書に記載される抗CD46抗体(またはその抗原結合断片)を含む。一部の実施形態では、イムノコンジュゲートは、YS5FL抗体(またはその抗原結合断片)を含む。
【0073】
一部の実施形態では、エフェクター剤は、抗CD46抗体にコンジュゲートされている。一部の実施形態では、エフェクター剤は、抗CD46抗体にリンカーを介して結合されている。一部の実施形態では、リンカーは、ペプチドリンカー、小分子リンカー、またはペプチドおよび小分子を含むリンカーである。例示的なペプチドリンカーとしては、これらに限定されないが、グリシンを含むペプチドリンカー、セリンを含むペプチドリンカー、またはグリシンおよびセリンを含むペプチドリンカーが挙げられる。
【0074】
一部の実施形態では、リンカーは、切断可能である。一部の実施形態では、リンカーは、細胞への内在化時にのみ切断される。一部の実施形態では、切断可能なリンカーは、がん細胞への内在化時にのみ切断可能である。一部の実施形態では、リンカーの切断可能な部分は、ペプチド(例えば、ジペプチド、例えばValCit)である。一部の実施形態では、切断可能なリンカーは、カテプシンにより切断可能である。一部の実施形態では、リンカーは、マレイミドを含む。一部の実施形態では、リンカーは、カプロン酸を含む。一部の実施形態では、リンカーは、マレイミドおよびカプロン酸を含む。一部の実施形態では、リンカーは、マレイミド、カプロン酸、および切断可能なジペプチドを含む。
【0075】
一部の実施形態では、リンカーは、マレイミドカプロイル-バリン-シトルリン-パラ-アミノベンジルオキシカルボニル(mc-vc-PAB)を含むか、またはそれからなる。
【0076】
一部の実施形態では、リンカーは、式Bの化合物を含むか、またはそれからなる:
【化2】
【0077】
一部の実施形態では、前記細胞傷害性エフェクターは、CD46に特異的に結合する前記抗体に、リンカーを介してコンジュゲートされている。一部の実施形態では、前記リンカーは、ペプチド、小分子、またはこれらの組合せを含む。一部の実施形態では、前記リンカーは、マレイミドカプロイル-バリン-シトルリン-パラ-アミノベンジルオキシカルボニル(mc-vc-PAB)を含む。
【0078】
一部の実施形態は、ペプチドリンカーを含む。ペプチドリンカーの一部の非限定的な例としては、GGGGS GGGGS GGGGS(配列番号194)、GGGGS GGGGS(配列番号195)、GGGGS(配列番号196)、GS GGGGS GGGGS GGS GGGGS(配列番号197)、SGGGGS(配列番号198)、GGGS(配列番号199)、VPGV(配列番号200)、VPGVG(配列番号201)、GVPGVG(配列番号202)、GVG VP GVG(配列番号203)、VP GVG VP GVG(配列番号204)、GGSSRSS(配列番号205)、またはGGSSRSSSSGGGGSGGGG(配列番号206)が挙げられる。ペプチドリンカーは、グリシンまたはセリンを多く含み得る。ペプチドリンカーの一部の非限定的な例としては、GS、GGS、GGGS(配列番号199)、またはGGGGS(配列番号196)が挙げられる。
【0079】
アミノ酸リンカーは、例えば、1個より多くのアミノ酸、5個より多くのアミノ酸、10個より多くのアミノ酸、50個より多くのアミノ酸、または100個より多くのアミノ酸を含み得る。ペプチドリンカーは、例えば、1~100個のアミノ酸、3個のアミノ酸~75個のアミノ酸、5個のアミノ酸~50個のアミノ酸、または10個のアミノ酸~25個のアミノ酸を含み得る。
【0080】
一部の実施形態では、エフェクター剤は、抗CD46抗体の軽鎖に結合されている。一部の実施形態では、エフェクター剤は、抗CD46抗体の軽鎖定常領域に結合されている。一部の実施形態では、エフェクター剤は、抗CD46抗体の重鎖に結合されている。一部の実施形態では、エフェクター剤は、抗CD46抗体の重鎖定常領域に結合されている。
【0081】
一部の実施形態では、エフェクター部分は、抗CD46抗体のシステイン残基に結合されている。一部の実施形態では、抗CD46抗体は、エフェクター部分へのコンジュゲーションの前に、1~4つの鎖間ジスルフィド結合が還元されるが鎖内ジスルフィド結合は還元されないように部分的に還元される。部分的還元は、対のシステイン残基を露出させ、それによって、それらは、mc-vc-PAB-MMAEなどの付加物へのコンジュゲーションに利用可能になる。一部の実施形態では、YS5FLについての次の鎖間システイン対が露出される:第1の重鎖のC219と第1の軽鎖のC214、第2の重鎖のC219と第2の軽鎖のC214、第1の重鎖のC225と第2の軽鎖のC225、および第1の重鎖のC228と第2の軽鎖のC228。一部の実施形態では、mc-vc-PAB-MMAEなどのエフェクターは、YS5FL上の0、1、2、3または4対のシステイン残基にコンジュゲートされる。
【0082】
一部の実施形態では、エフェクター剤の抗CD46抗体に対する比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1または8:1である。一部の実施形態では、エフェクター剤の抗CD46抗体に対する比は、2:1、4:1、6:1、または8:1である。一部の実施形態では、前記細胞傷害性エフェクターの、CD46に特異的に結合する前記抗体またはそのCD46結合断片に対する比は、約2:1、4:1、6:1、または8:1である。一部の実施形態では、エフェクター剤の抗CD46抗体に対する比は、約4:1である。一部の実施形態では、エフェクター剤の抗CD46抗体に対する平均比は、約3.7:1である。一部の実施形態では、イムノコンジュゲートが、2つまたはそれより多くのエフェクター剤を含む場合、各エフェクター剤は、同じである。一部の実施形態では、イムノコンジュゲートが、2つまたはそれより多くのエフェクター剤を含む場合、少なくとも2つのエフェクター剤は、異なる。一部の実施形態では、エフェクター剤の抗CD46抗体に対する比は、約4:1であり、各エフェクター剤は、同じである。一部の実施形態では、前記細胞傷害性エフェクターの、CD46に特異的に結合する前記抗体またはそのCD46結合断片に対する比は、約4:1である。
例示的なイムノコンジュゲート
【0083】
本明細書で提供される例示的なイムノコンジュゲートは、マレイミドカプロイル-バリン-シトルリン-パラ-アミノベンジルオキシカルボニル(mc-vc-PAB)を介してモノメチルアウリスタチンE(MMAE)に連結されている抗CD46 YS5FL抗体を含む。一部の実施形態では、MMAEのYSFL抗体に対する比は、約4:1である。
【0084】
一部の実施形態では、イムノコンジュゲートは、下記の式Cの抗体コンジュゲートを含み、抗体部分は配列番号169の重鎖および配列番号170の軽鎖を含む。このイムノコンジュゲートは、本明細書ではFOR46とも呼ばれ、mc-vc-PABリンカーを介してMMAEに結合されているYS5FL抗体を含む。
【化3】
【0085】
一部の実施形態では、本明細書に記載される抗CD46イムノコンジュゲートは、免疫グロブリンのジスルフィド結合の還元または部分的還元を含むプロセスによって製造される。一部の実施形態では、本明細書に記載される抗CD46イムノコンジュゲートは、免疫グロブリンの鎖間ジスルフィド結合の還元または部分的還元を含むプロセスによって製造される。一部の実施形態では、還元剤は、ジチオトレイトール(DTT)またはトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)である。一部の実施形態では、マレイミド反応性基を含む、エフェクター-リンカー複合体が、免疫グロブリンの対の還元システインにコンジュゲートされている。一部の実施形態では、エフェクター-リンカー複合体は、mc-vc-PAB-MMAEである。
【0086】
一部の実施形態では、エフェクター-リンカー複合体は、YS5FL重鎖(配列番号169)のC219、C225もしくはC228、またはYS5FL軽鎖(配列番号170)のC214、またはこれらの任意の組合せにおいてコンジュゲートされている。一部の実施形態では、エフェクター-リンカー複合体は、YS5FL重鎖のC219およびYS5FL軽鎖のC214にコンジュゲートされている。一部の実施形態では、抗CD46イムノコンジュゲートは、2つのYS5FL重鎖および2つのYS5FL軽鎖を含み、エフェクター-リンカー複合体は、YS5FLの第1の重鎖のC219、第1のYS5FL軽鎖のC214、YS5FLの第2の重鎖のC219、および第2のYS5FL軽鎖のC214にコンジュゲートされている。一部の実施形態では、抗CD46イムノコンジュゲートは、2つのYS5FL重鎖を含み、エフェクター-リンカー複合体は、第1のYS5FL重鎖のC225、および第2のYS5FL重鎖のC225にコンジュゲートされている。一部の実施形態では、抗CD46イムノコンジュゲートは、2つのYS5FL重鎖を含み、エフェクター-リンカー複合体は、第1のYS5FL重鎖のC228、および第2のYS5FL重鎖のC228にコンジュゲートされている。一部の実施形態では、イムノコンジュゲートは、2つ、4つ、6つまたは8つのエフェクターを含み、エフェクターは、次のシステイン対のいずれか1つ、2つ、3つまたは4つにコンジュゲートされている:HC1のC219とLC1のC214、HC2のC219とLC2のC214、HC1のC225とHC2のC225、およびHC1のC228とHC2のC228。
標的細胞へのイムノコンジュゲートの結合および標的細胞に対する活性
【0087】
一部の実施形態では、本明細書に記載される抗CD46抗体またはイムノコンジュゲートは、標的細胞(例えば、がん細胞)の表面に発現されるCD46に結合し、その細胞によって内在化される。一部の実施形態では、抗体またはイムノコンジュゲートは、マクロピノサイトーシスを介して標的細胞に内在化される。一部の実施形態では、抗体またはイムノコンジュゲートは、内在化時に細胞のリソソームに標的化される。一部の実施形態では、抗体またはイムノコンジュゲートは、架橋せずに細胞への内在化を誘導する。
【0088】
一部の実施形態では、本明細書に記載される抗CD46抗体またはイムノコンジュゲートは、内在化時に標的細胞(例えば、がん細胞)の死滅を媒介する。一部の実施形態では、抗CD46抗体またはイムノコンジュゲートは、内在化時に標的細胞(例えば、がん細胞)のアポトーシスを誘導する。一部の実施形態では、抗CD46抗体またはイムノコンジュゲートは、内在化時に標的細胞(例えば、がん細胞)の細胞分裂を阻害する。一部の実施形態では、抗CD46抗体またはイムノコンジュゲートは、内在化時にがん細胞の細胞分裂を選択的に阻害し、内在化時に非がん細胞の細胞分裂を阻害しない。
抗体またはその抗原結合断片の産生
【0089】
一部の実施形態では、抗体(およびその抗原結合断片)は、抗体の合成に有用であることが当技術分野において公知の任意の方法を使用して、特に、化学合成により、または組換え発現技法により、産生される。
【0090】
一部の実施形態では、抗体(またはその抗原結合断片)は、組換え発現される。一部の実施形態では、抗体(またはその抗原結合断片)をコードする核酸は、化学合成されたオリゴヌクレオチドから組み立てられる。一部の実施形態では、抗体をコードする核酸分子は、好適な供給源(例えば、抗体cDNAライブラリー、または免疫グロブリンを発現する任意の組織もしくは細胞から生成されたcDNAライブラリー)から、配列の3’および5’末端とハイブリダイズ可能な合成プライマーを使用するPCR増幅によって、または特定の遺伝子配列に特異的なオリゴヌクレオチドプローブを使用するクローニングによって生成される。
【0091】
一部の実施形態では、抗体(またはその抗原結合断片)は、マウスなどの動物を、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体を生成するように免疫化することによって、作製される。
【0092】
一部の実施形態では、抗体のヌクレオチド配列を含む発現ベクター、または抗体のヌクレオチド配列が、従来の技法(例えば、電気穿孔、リポソームトランスフェクション、およびリン酸カルシウム沈殿)によって宿主細胞に移入され、次いで、トランスフェクト細胞が、従来の技法によって抗体を産生するように培養される。一部の実施形態では、抗体の発現は、構成的プロモーター、誘導性プロモーター、または組織特異的プロモーターによって制御される。
【0093】
様々な宿主-発現ベクターシステムを利用して、本明細書に記載される抗体(またはその抗原結合断片)を発現させることができる。これらのシステムには、これらに限定されないが、抗体もしくはその結合断片コード配列を含有する、組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNAもしくはコスミドDNA発現ベクターで形質転換された細菌(例えば、E.coliおよびB.subtilis)などの微生物;抗体もしくはその結合断片コード配列を含有する組換え酵母発現ベクターで形質転換された酵母(例えば、Saccharomyces Pichia);抗体もしくはその結合断片コード配列を含有する組換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)に感染した昆虫細胞システム;抗体もしくはその結合断片コード配列を含有する、組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)およびタバコモザイクウイルス(TMV))に感染した、もしくは組換えプラスミド発現ベクター(Tiプラスミド)で形質転換された、植物細胞システム;または哺乳動物細胞のゲノムに由来するプロモーター(例えば、メタロチオネインプロモーター)もしくは哺乳動物ウイルスに由来するプロモーター(例えば、アデノウイルス後期プロモーター;ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター)を含有する組換え発現構築物を保有する哺乳動物細胞システム(例えば、COS、CHO、BH、293、293T、3T3細胞)が、含まれる。
【0094】
組換えタンパク質の長期、高収率産生のために、安定した発現が好ましいだろう。一部の実施形態では、抗体を安定的に発現する細胞系が作製される。次いで、外来性DNAの導入後に、操作された細胞が1~2日間、強化培地で成長させられ、次いで、選択培地に切り替えられる。組換えプラスミド中の選択可能なマーカーが、選択に対する耐性を付与するために使用され得る。
【0095】
一部の実施形態では、抗体の精製のための当技術分野において公知の任意の方法、例えば、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、特に、プロテインAクロマトグラフィー後の特定の抗原に対する親和性による親和性クロマトグラフィー、およびサイジングカラムクロマトグラフィー)、遠心分離、較差溶解度による方法、またはタンパク質の精製のための任意の他の標準的な技法による方法を、使用することができる。
発現ベクター
【0096】
ベクターは、真核生物源または原核生物源のどちらかに由来する任意の好適なベクターを含み得る。一部の場合には、ベクターは、細菌(例えば、E.coli)、昆虫、酵母(例えば、Pichia pastoris)、藻類、または哺乳動物源から得られる。例示的な細菌ベクターとしては、pACYC177、pASK75、pBADベクターシリーズ、pBADMベクターシリーズ、pETベクターシリーズ、pETMベクターシリーズ、pGEXベクターシリーズ、pHAT、pHAT2、pMal-c2、pMal-p2、pQEベクターシリーズ、pRSET A、pRSET B、pRSET C、pTrcHis2シリーズ、pZA31-Luc、pZE21-MCS-1、pFLAG ATS、pFLAG CTS、pFLAG MAC、pFLAG Shift-12c、pTAC-MAT-1、pFLAG CTC、またはpTAC-MAT-2が挙げられる。
【0097】
例示的な昆虫ベクターとしては、pFastBac1、pFastBac DUAL、pFastBac ET、pFastBac HTa、pFastBac HTb、pFastBac HTc、pFastBac M30a、pFastBact M30b、pFastBac、M30c、pVL1392、pVL1393、pVL1393 M10、pVL1393 M11、pVL1393 M12、FLAGベクター、例えば、pPolh-FLAG1もしくはpPolh-MAT 2、またはMATベクター、例えば、pPolh-MAT1もしくはpPolh-MAT2が挙げられる。
【0098】
一部の場合には、酵母ベクターには、Gateway(登録商標)pDEST(商標)14ベクター、Gateway(登録商標)pDEST(商標)15ベクター、Gateway(登録商標)pDEST(商標)17ベクター、Gateway(登録商標)pDEST(商標)24ベクター、Gateway(登録商標)pYES-DEST52ベクター、pBAD-DEST49 Gateway(登録商標)デスティネーションベクター、pAO815 Pichiaベクター、pFLD1 Pichi pastorisベクター、pGAPZA、B、およびC Pichia pastorisベクター、pPIC3.5K Pichiaベクター、pPIC6 A、B、およびC Pichiaベクター、pPIC9K Pichiaベクター、pTEF1/Zeo、pYES2酵母ベクター、pYES2/CT酵母ベクター、pYES2/NT A、B、およびC酵母ベクター、またはpYES3/CT酵母ベクターが含まれる。
【0099】
例示的な藻類ベクターとしては、pChlamy-4ベクターまたはMCSベクターが挙げられる。
【0100】
哺乳動物ベクターの例には、一過性発現ベクターまたは安定的発現ベクターが含まれる。哺乳動物一過性発現ベクターとしては、pRK5、p3xFLAG-CMV 8、pFLAG-Myc-CMV 19、pFLAG-Myc-CMV 23、pFLAG-CMV 2、pFLAG-CMV 6a、b、c、pFLAG-CMV 5.1、pFLAG-CMV 5a、b、c、p3xFLAG-CMV 7.1、pFLAG-CMV 20、p3xFLAG-Myc-CMV 24、pCMV-FLAG-MAT1、pCMV-FLAG-MAT2、pBICEP-CMV 3、またはpBICEP-CMV 4を挙げることができる。哺乳動物安定的発現ベクターとしては、pFLAG-CMV 3、p3xFLAG-CMV 9、p3xFLAG-CMV 13、pFLAG-Myc-CMV 21、p3xFLAG-Myc-CMV 25、pFLAG-CMV 4、p3xFLAG-CMV 10、p3xFLAG-CMV 14、pFLAG-Myc-CMV 22、p3xFLAG-Myc-CMV 26、pBICEP-CMV 1、またはpBICEP-CMV 2を挙げることができる。
【0101】
一部の事例では、無細胞系は、細胞からの細胞質成分および/または核成分の混合物であり、in vitro核酸合成に使用される。一部の場合には、無細胞系は、原核細胞成分または真核細胞成分のどちらかを利用する。時には、核酸合成は、例えば、Drosophila細胞、Xenopus卵またはHeLa細胞に基づく無細胞系において達成される。例示的な無細胞系としては、これらに限定されないが、E.coli S30 Extract system、E.coli T7 S30 system、またはPURExpress(登録商標)が挙げられる。
宿主細胞
【0102】
宿主細胞は、天然由来の細胞または遺伝子改変細胞などの任意の好適な細胞であり得る。一部の事例では、宿主細胞は、生産宿主細胞である。一部の事例では、宿主細胞は、真核細胞である。他の事例では、宿主細胞は、原核細胞である。一部の場合には、真核細胞は、真菌(例えば、酵母細胞)、動物細胞または植物細胞を含む。一部の場合には、原核細胞は、細菌細胞である。細菌細胞の例としては、グラム陽性菌またはグラム陰性菌が挙げられる。時には、グラム陰性菌は、嫌気性であり、桿菌様であり、または両方である。
【0103】
一部の事例では、グラム陽性菌は、Actinobacteria、FirmicutesまたはTenericutesを含む。一部の場合には、グラム陰性菌は、Aquificae、Deinococcus-Thermus、Fibrobacteres-Chlorobi/Bacteroidetes(FCB群)、Fusobacteria、Gemmatimonadetes、Nitrospirae、Planctomycetes-Verrucomicrobia/Chlamydiae(PVC群)、Proteobacteria、SpirochaetesまたはSynergistetesを含む。他の細菌は、Acidobacteria、Chloroflexi、Chrysiogenetes、Cyanobacteria、Deferribacteres、Dictyoglomi、ThermodesulfobacteriaまたはThermotogaeであり得る。細菌細胞は、Escherichia coli、Clostridium botulinum、またはColi bacilliであり得る。
【0104】
例示的な原核生物宿主細胞としては、これらに限定されないが、BL21、Mach1(商標)、DH10B(商標)、TOP10、DH5α、DH10Bac(商標)、OmniMax(商標)、MegaX(商標)、DH12S(商標)、INV110、TOP10F’、INVαF、TOP10/P3、ccdB Survival、PIR1、PIR2、Stbl2(商標)、Stbl3(商標)、またはStbl4(商標)が挙げられる。
【0105】
一部の事例では、動物細胞は、脊椎動物からの細胞または無脊椎動物からの細胞を含む。一部の場合には、動物細胞は、海洋無脊椎動物、魚類、昆虫、両生類、爬虫類または哺乳類からの細胞を含む。一部の場合には、真菌細胞は、ビール酵母、パン酵母またはワイン酵母などの、酵母細胞を含む。
【0106】
真菌は、子嚢菌、例えば、酵母、カビ、糸状菌、担子菌類、または接合菌を含む。一部の事例では、酵母は、AscomycotaまたはBasidiomycotaを含む。一部の場合には、Ascomycotaは、Saccharomycotina(真性酵母、例えば、Saccharomyces cerevisiae(パン酵母))またはTaphrinomycotina(例えば、Schizosaccharomycetes(分裂酵母))を含む。一部の場合には、Basidiomycotaは、Agaricomycotina(例えば、Tremellomycetes)またはPucciniomycotina(例えば、Microbotryomycetes)を含む。
【0107】
例示的な酵母または糸状菌には、例えば、次の属が含まれる:Saccharomyces、Schizosaccharomyces、Candida、Pichia、Hansenula、Kluyveromyces、Zygosaccharomyces、Yarrowia、Trichosporon、Rhodosporidi、Aspergillus、Fusarium、またはTrichoderma。例示的な酵母または糸状菌には、例えば、次の種が含まれる:Saccharomyces cerevisiae、Schizosaccharomyces pombe、Candida utilis、Candida boidini、Candida albicans、Candida tropicalis、Candida stellatoidea、Candida glabrata、Candida krusei、Candida parapsilosis、Candida guilliermondii、Candida viswanathii、Candida lusitaniae、Rhodotorula mucilaginosa、Pichia metanolica、Pichia angusta、Pichia pastoris、Pichia anomala、Hansenula polymorpha、Kluyveromyces lactis、Zygosaccharomyces rouxii、Yarrowia lipolytica、Trichosporon pullulans、Rhodosporidium toru-Aspergillus niger、Aspergillus nidulans、Aspergillus awamori、Aspergillus oryzae、Trichoderma reesei、Yarrowia lipolytica、Brettanomyces bruxellensis、Candida stellata、Schizosaccharomyces pombe、Torulaspora delbrueckii、Zygosaccharomyces bailii、Cryptococcus neoformans、Cryptococcus gattii、またはSaccharomyces boulardii。
【0108】
例示的な酵母宿主細胞としては、これらに限定されないが、Pichia pastoris酵母株、例えば、GS115、KM71H、SMD1168、SMD1168H、およびX-33;ならびにSaccharomyces cerevisiae酵母株、例えば、INVSc1が挙げられる。
【0109】
一部の事例では、追加の動物細胞は、軟体動物、節足動物、環形動物または海綿動物から得られる細胞を含む。一部の場合には、追加の動物細胞は、例えば、霊長類、類人猿、ウマ科動物、ウシ亜科動物、ブタ、イヌ科動物、ネコ科動物または齧歯動物からの、哺乳動物細胞である。一部の場合には、齧歯動物は、マウス、ラット、ハムスター、スナネズミ、ハムスター、チンチラ、ファンシーラット、またはモルモットを含む。
【0110】
例示的な哺乳動物宿主細胞としては、これらに限定されないが、293A細胞系、293FT細胞系、293F細胞、293H細胞、CHO DG44細胞、CHO-S細胞、CHO-K1細胞、FUT8 KO CHOK1、Expi293F(商標)細胞、Flp-In(商標)T-REx(商標)293細胞系、Flp-In(商標)-293細胞系、Flp-In(商標)-3T3細胞系、Flp-In(商標)-BHK細胞系、Flp-In(商標)-CHO細胞系、Flp-In(商標)-CV-1細胞系、Flp-In(商標)-Jurkat細胞系、FreeStyle(商標)293-F細胞、FreeStyle(商標)CHO-S細胞、GripTite(商標)293 MSR細胞系、GS-CHO細胞系、HepaRG(商標)細胞、T-REx(商標)Jurkat細胞系、Per.C6細胞、T-REx(商標)-293細胞系、T-REx(商標)-CHO細胞系、およびT-REx(商標)-HeLa細胞系が挙げられる。
【0111】
一部の事例では、哺乳動物宿主細胞は、安定な細胞系であるか、またはそれ自体のゲノムに目的の遺伝物質が組み込まれた細胞系であって、何世代もの細胞分裂後にその遺伝物質の産物を発現する能力がある細胞系である。一部の場合には、哺乳動物宿主細胞は、一過性の細胞系であるか、またはそれ自体のゲノムに目的の遺伝物質が組み込まれた細胞系であって、何世代もの細胞分裂後にその遺伝物質の産物を発現する能力がない細胞系である。
【0112】
例示的な昆虫宿主細胞としては、これらに限定されないが、Drosophila S2細胞、Sf9細胞、Sf21細胞、High Five(商標)細胞、およびexpresSF+(登録商標)細胞が挙げられる。
【0113】
一部の事例では、植物細胞は、藻類からの細胞を含む。例示的な昆虫細胞としては、これらに限定されないが、Chlamydomonas reinhardtii 137cまたはSynechococcus elongatus PPC 7942からの株が挙げられる。
治療方法
【0114】
一部の実施形態では、処置を必要とする対象におけるがんを処置する方法が、本明細書で開示される。一部の実施形態は、第1の抗がん剤を前記対象に投与することを含む。一部の実施形態では、第1の抗がん剤は、がん細胞上のCD46発現を増加させる。一部の実施形態では、第1の抗がん剤は、第2の抗がん剤の有効性を増強する。一部の実施形態は、第2の抗がん剤を前記対象に投与することを含む。一部の実施形態では、第2の抗がん剤は、CD46に特異的に結合する抗体またはそのCD46結合断片を含む。一部の実施形態では、第2の抗がん剤は、細胞傷害性エフェクターにコンジュゲートされている抗CD46抗体を含む。一部の実施形態では、第1の抗がん剤と第2の抗がん剤の組合せは、対象におけるがんの処置において相乗的である。
【0115】
一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤の第1の用量は、前記第2の抗がん剤の第1の用量より前に投与される。例えば、第1の抗がん剤は、CD46発現を増加させ得、そしてその後、CD46発現がより高度になったときに第2の抗がん剤が投与され得る。
【0116】
一部の実施形態では、がんは、第1の抗がん剤への曝露時にCD46発現が誘導されないがん細胞を含む。一部の実施形態では、がんは、第1の抗がん剤への曝露時に増加されるCD46発現が少ないがん細胞を含む。一部の実施形態では、がんは、第1の抗がん剤への曝露時に増加されるCD46発現が平均的であるがん細胞を含む。一部の実施形態では、がんは、第1の抗がん剤へのさらなる曝露時に増加されるCD46発現が多いがん細胞を含む。その後、第2の抗がん剤が投与されると、第2の抗がん剤は、CD46に結合し得る。
【0117】
一部の実施形態では、がんは、乳がんを含む。一部の実施形態では、がんは、Maciejczyk, CD46 Expression is an unfavorable prognostic factor in breast cancer cases, Appl Immunohistochem Mol Morphol. 2011 Dec;19(6):540-6に記載さているがんを含み、この参考文献の内容は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、がんは、卵巣がんを含む。一部の実施形態では、がんは、Surowiak, CD46 expression is indicative of shorter revival-free survival for ovarian cancer patients, Anticancer Res. Nov-Dec 2006;26(6C):4943-8に記載されているがんを含み、この参考文献の内容は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、がんは、腎がんを含む。一部の実施形態では、がんは、Blok, A Possible Role of CD46 for the Protection In Vivo of Human Renal Tumor Cells from Complement-Mediated Damage, Lab Invest. 2000 Mar;80(3):335-44に記載されているがんを含み、この参考文献の内容は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、がんは、子宮頸がんを含む。一部の実施形態では、がんは、大腸がんを含む。一部の実施形態では、がんは、腺癌を含む。一部の実施形態では、がんは、神経内分泌がんを含む。
【0118】
一部の実施形態では、前記がんは、卵巣がん、大腸がん、乳がん、肺がん、前立腺がん、腎臓がん、膵臓がん、中皮腫、リンパ腫、肝臓がん、尿路上皮がん、胃がん、多発性骨髄腫、多形性神経膠芽種、神経膠腫、神経芽腫、または子宮頸がんを含む。一部の実施形態では、前記がんは、前立腺がんでも多発性骨髄腫でもない。一部の実施形態では、前記がんは、卵巣がん、大腸がん、乳がん、肺がん、腎臓がん、膵臓がん、中皮腫、リンパ腫、肝臓がん、尿路上皮がん、胃がん、多形性神経膠芽種、神経膠腫、神経芽腫、または子宮頸がんを含む。
【0119】
一部の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。一部の実施形態では、がんは、再発性多発性骨髄腫である。一部の実施形態では、がんは、寛解型の多発性骨髄腫である。一部の実施形態では、がんは、再発性または寛解型の多発性骨髄腫である。一部の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫ではない。一部の実施形態では、がんは、再発性多発性骨髄腫ではない。一部の実施形態では、がんは、寛解型の多発性骨髄腫ではない。一部の実施形態では、がんは、再発性多発性骨髄腫でも寛解型の多発性骨髄腫でもない。
【0120】
一部の実施形態では、がんは、前立腺がんである。一部の実施形態では、がんは、去勢抵抗性前立腺がんである。一部の実施形態では、がんは、転移性前立腺がんである。一部の実施形態では、がんは、前立腺がんではない。一部の実施形態では、がんは、去勢抵抗性前立腺がんではない。一部の実施形態では、がんは、転移性前立腺がんではない。
【0121】
一部の実施形態では、がんは、転移性がんを含む。一部の実施形態では、がんは、限局性がんを含む。一部の実施形態では、がんは、良性がんを含む。
【0122】
一態様では、がん細胞におけるCD46発現を増加させる第1の抗がん剤、および第2の抗がん剤(例えば、本明細書に記載される抗CD46抗体またはイムノコンジュゲート)を投与することによって、がん処置する方法が、本明細書で提供される。
【0123】
一態様では、がん細胞におけるCD46発現を増加させる第1の抗がん剤、および第2の抗がん剤(例えば、本明細書に記載される抗CD46抗体またはイムノコンジュゲート)が、医薬としての使用のために、本明細書で提供される。一態様では、がん細胞におけるCD46発現を増加させる第1の抗がん剤、および第2の抗がん剤(例えば、本明細書に記載される抗CD46抗体またはイムノコンジュゲート)が、疾患を処置する際に使用するために、特に、がんの処置における使用のために、本明細書で提供される。一態様では、がん細胞におけるCD46発現を増加させる第1の抗がん剤、および第2の抗がん剤(例えば、本明細書に記載される抗CD46抗体またはイムノコンジュゲート)が、がんを処置する方法における使用のために、本明細書で提供される。一態様では、がん細胞におけるCD46発現を増加させる第1の抗がん剤、および第2の抗がん剤(例えば、本明細書に記載される抗CD46抗体またはイムノコンジュゲート)が、それを必要とする個体における疾患の処置における使用のために、本明細書で提供される。一態様では、がん細胞におけるCD46発現を増加させる第1の抗がん剤、および第2の抗がん剤(例えば、本明細書に記載される抗CD46抗体またはイムノコンジュゲート)が、本明細書に記載される第1および第2の抗がん剤の治療有効量を個体に投与するステップを含むがんを有する個体を処置する方法における使用のために、本明細書で提供される。一態様では、がん細胞におけるCD46発現を増加させる第1の抗がん剤、および第2の抗がん剤(例えば、本明細書に記載される抗CD46抗体またはイムノコンジュゲート)が、それを必要とする個体における疾患の処置のための医薬の製造または調製に関して、本明細書で提供される。一態様では、医薬は、がんを有する個体に医薬の治療有効量を投与するステップを含むがんを処置する方法における使用のためのものである。
【0124】
一部の実施形態では、前記対象は、哺乳動物である。一部の実施形態では、前記対象は、ヒトである。一部の実施形態では、前記対象は、非哺乳動物である。一部の実施形態では、前記対象は、霊長類である。一部の実施形態では、前記対象は、非ヒト霊長類である。
【0125】
一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤は、第1の医薬組成物の一部として投与される。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、前記第1の医薬組成物の一部として投与される。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、第2の医薬組成物の一部として投与される。
追加の治療方法
【0126】
一部の実施形態では、がんを有する対象を処置する方法であって、がんを放射線に曝露するステップ、および続いて、CD46に特異的に結合する抗体またはそのCD46結合断片を含む抗がん剤で対象を処置するステップを含む方法が、本明細書で開示される。一部の実施形態では、がんを有する対象を処置する方法であって、がんを放射線に曝露するステップ、がんにおけるCD46発現が増加したことを決定するステップ、および次いで、CD46に特異的に結合する抗体またはそのCD46結合断片を含む抗がん剤で対象を処置するステップを含む方法が、本明細書で開示される。
【0127】
一部の実施形態では、処置を必要とする対象におけるがんを処置する方法が、本明細書で開示される。一部の実施形態は、第1の抗がん剤を前記対象に投与することを含む。一部の実施形態では、第1の抗がん剤は、がん細胞上のCD46発現を増加させる。一部の実施形態では、第1の抗がん剤は、第2の抗がん剤の有効性を増強する。一部の実施形態は、第2の抗がん剤を前記対象に投与することを含む。一部の実施形態では、第2の抗がん剤は、CD46に特異的に結合する抗体またはそのCD46結合断片を含む。一部の実施形態では、第2の抗がん剤は、細胞傷害性エフェクターにコンジュゲートされている抗CD46抗体を含む。一部の実施形態では、第1の抗がん剤と第2の抗がん剤の組合せは、対象におけるがんの処置において相乗的である。一部の実施形態では、第1の抗がん剤は、アナストロゾール、テモゾロミド、レゴラフェニブ、ゲムシタビン、カペシタビン、トラスツズマブ、タモキシフェン、ドセタキセル、シスプラチン、ドキソルビシン、ロイコボリン、カバジタキセル、デュルバルマブ、オキサリプラチン、フルオロウラシル、イリノテカン、オキサリプラチン、カルボプラチン、ベバシズマブ、セツキシマブ、プレドニゾン、イホスファミド、アフリベルセプト、ペムブロリズマブ、またはパクリタキセルである。一部の実施形態では、がんは、乳がんであり、第1の抗がん剤は、アナストロゾールである。一部の実施形態では、がんは、神経膠芽腫であり、第1の抗がん剤は、テモゾロミドである。一部の実施形態では、がんは、大腸がんであり、第1の抗がん剤は、レゴラフェニブである。一部の実施形態では、がんは、卵巣がんであり、第1の抗がん剤は、ゲムシタビンである。一部の実施形態では、がんは、膵臓がんであり、第1の抗がん剤は、ゲムシタビンである。一部の実施形態では、がんは、膵臓がんであり、第1の抗がん剤は、カペシタビンである。一部の実施形態では、がんは、乳がんであり、第1の抗がん剤は、トラスツズマブである。一部の実施形態では、がんは、乳がんであり、第1の抗がん剤は、タモキシフェンである。一部の実施形態では、がんは、乳房あり、第1の抗がん剤は、ドセタキセルである。一部の実施形態では、がんは、膀胱がんであり、第1の抗がん剤は、シスプラチンである。一部の実施形態では、がんは、肉腫であり、第1の抗がん剤は、ドキソルビシンである。一部の実施形態では、がんは、胆道がんであり、第1の抗がん剤は、シスプラチンである。一部の実施形態では、がんは、膵臓がんであり、第1の抗がん剤は、シスプラチンである。一部の実施形態では、がんは、乳がんであり、第1の抗がん剤は、ドキソルビシンである。一部の実施形態では、がんは、膵臓がんであり、第1の抗がん剤は、ゲムシタビンである。一部の実施形態では、がんは、膵臓がんであり、第1の抗がん剤は、ロイコボリンである。一部の実施形態では、がんは、前立腺がんであり、第1の抗がん剤は、カバジタキセルである。一部の実施形態では、がんは、大腸がんであり、第1の抗がん剤は、カペシタビンである。一部の実施形態では、がんは、小細胞肺がんであり、第1の抗がん剤は、デュルバルマブである。一部の実施形態では、がんは、胃がんであり、第1の抗がん剤は、オキサリプラチンである。一部の実施形態では、がんは、膵臓がんであり、第1の抗がん剤は、フルオロウラシルである。一部の実施形態では、がんは、大腸がんであり、第1の抗がん剤は、イリノテカンである。一部の実施形態では、がんは、膵臓がんであり、第1の抗がん剤は、オキサリプラチンである。一部の実施形態では、がんは、子宮内膜がんであり、第1の抗がん剤は、カルボプラチンである。一部の実施形態では、がんは、神経膠芽腫がんであり、第1の抗がん剤は、ベバシズマブである。一部の実施形態では、がんは、神経膠芽腫がんであり、第1の抗がん剤は、ベバシズマブである。一部の実施形態では、がんは、大腸がんであり、第1の抗がん剤は、セツキシマブである。一部の実施形態では、がんは、前立腺がんであり、第1の抗がん剤は、プレドニゾンである。一部の実施形態では、がんは、肉腫であり、第1の抗がん剤は、イホスファミドである。一部の実施形態では、がんは、子宮内膜がんであり、第1の抗がん剤は、パクリタキセルである。一部の実施形態では、がんは、乳がんであり、第1の抗がん剤は、ゲムシタビンである。一部の実施形態では、がんは、食道がんであり、第1の抗がん剤は、パクリタキセルである。一部の実施形態では、がんは、乳がんであり、第1の抗がん剤は、ゾレドロン酸である。一部の実施形態では、がんは、乳がんであり、第1の抗がん剤は、デノスマブである。一部の実施形態では、がんは、乳がんであり、第1の抗がん剤は、ベバシズマブである。一部の実施形態では、がんは、乳がんであり、第1の抗がん剤は、メチルプレドニゾロンである。一部の実施形態では、がんは、大腸がんであり、第1の抗がん剤は、パニツムマブである。一部の実施形態では、がんは、大腸がんであり、第1の抗がん剤は、ロイコボリンである。一部の実施形態では、がんは、大腸がんであり、第1の抗がん剤は、カルボプラチンである。一部の実施形態では、がんは、大腸がんであり、第1の抗がん剤は、ペムブロリズマブである。一部の実施形態では、がんは、大腸がんであり、第1の抗がん剤は、ペグフィルグラスチムである。一部の実施形態では、がんは、大腸がんであり、第1の抗がん剤は、メトホルミンである。一部の実施形態では、がんは、子宮内膜がんであり、第1の抗がん剤は、シスプラチンである。一部の実施形態では、がんは、神経膠芽腫がんであり、第1の抗がん剤は、テモゾロミドである。一部の実施形態では、がんは、頭頸部扁平上皮癌であり、第1の抗がん剤は、セツキシマブである。一部の実施形態では、がんは、頭頸部扁平上皮癌であり、第1の抗がん剤は、シスプラチンである。一部の実施形態では、がんは、肉腫であり、第1の抗がん剤は、エトポシドである。一部の実施形態では、がんは、前立腺がんであり、第1の抗がん剤は、アビラテロンである。一部の実施形態では、がんは、肉腫であり、第1の抗がん剤は、ドキソルビシンリポソームである。一部の実施形態では、がんは、食道がんであり、第1の抗がん剤は、トラスツズマブである。一部の実施形態では、がんは、大腸がんであり、第1の抗がん剤は、マイトマイシンである。一部の実施形態では、がんは、肉腫であり、第1の抗がん剤は、シスプラチンである。一部の実施形態では、がんは、内分泌腫瘍であり、第1の抗がん剤は、カルボプラチンである。一部の実施形態では、がんは、乳がんであり、第1の抗がん剤は、内分泌療法である。一部の実施形態では、がんは、大腸がんであり、第1の抗がん剤は、アフリベルセプトである。一部の実施形態では、がんは、頭頸部扁平上皮癌であり、第1の抗がん剤は、ペムブロリズマブである。
【0128】
一部の実施形態では、CD46に特異的に結合する抗体またはそのCD46結合断片を含む抗がん剤で、それを必要とする対象を処置する方法であって、対象が、以前にフルオロウラシルでの処置も、ロイプロリドでの処置も、ドキソルビシンでの処置も、ペメトレキセドでの処置も、オキサリプラチンでの処置も、ビカルタミドでの処置も、ゲムシタビンでの処置も、オシメルチニブでの処置も、オラパリブでの処置も、ロイコボリンでの処置も、トラスツズマブ(trastazumab)での処置も、エリブリンでの処置も、シスプラチンでの処置も、ベバシズマブでの処置も、パルボシクリブでの処置も、パクリタキセルでの処置も、ペムブロリズマブでの処置も、フルベストラントでの処置も、アテゾリズマブでの処置も、デキサメタゾンでの処置も受けたことがない、方法が、本明細書で開示される。一部の実施形態では、がんを有する対象は、CD46発現を低減させる薬剤で処置される前に、CD46に特異的に結合する抗体またはそのCD46結合断片を含む抗がん剤で処置される。一部の実施形態では、食道がんを有する対象は、フルオロウラシルで処置される前に、CD46に特異的に結合する抗体またはそのCD46結合断片を含む抗がん剤で処置される。一部の実施形態では、非小細胞肺がんを有する対象は、ペメトレキセドで処置される前に、CD46に特異的に結合する抗体またはそのCD46結合断片を含む抗がん剤で処置される。一部の実施形態では、非淡明細胞型腎癌を有する対象は、アキシチニブで処置される前に、CD46に特異的に結合する抗体またはそのCD46結合断片を含む抗がん剤で処置される。
【0129】
一部の実施形態では、がんを有する対象を処置する方法であって、第1の抗がん剤で対象を処置するステップ、CD46発現ががんにおいて増加したことを決定するステップ、および次いで、CD46に特異的に結合する抗体またはそのCD46結合断片を含む第2の抗がん剤で対象を処置するステップを含む方法が、本明細書で開示される。一部の実施形態では、CD46発現ががんにおいて増加したことを決定するステップは、第1の抗がん剤での処置前に収集された生検標本におけるCD46発現レベルを、第1の抗がん剤での処置後に収集された生検標本におけるCD46発現レベルと比較することを含む。一部の実施形態では、処置前生検標本は、処置後生検標本の約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12週間前に収集される。一部の実施形態では、処置前生検標本は、処置後生検標本の約1、2、3、4、5または6カ月前に収集される。一部の実施形態では、がんは、多発性骨髄腫、再発性多発性骨髄腫、または寛解型多発性骨髄腫を含む。一部の実施形態では、がんは、前立腺がん、去勢抵抗性前立腺がん、および/または転移性前立腺がんを含む。一部の場合には、がんは、卵巣がん、大腸がん、乳がん、肺がん、前立腺がん、腎臓がん、膵臓がん、中皮腫、リンパ腫、肝臓がん、尿路上皮がん、胃がん、多発性骨髄腫、多形性神経膠芽種、神経膠腫、神経芽腫、または子宮頸がんを含む。一部の実施形態では、第1の抗がん剤は、アビラテロン、アルペリシブ、アナストロゾール、アテゾリズマブ、ベバシズマブ、ビカルタミド、カバジタキセル、カペシタビン、カルボプラチン、セツキシマブ、シスプラチン、シクロホスファミド、デキサメタゾン、ドセタキセル、ドキソルビシン、ドキソルビシン、リポソーム、デュルバルマブ、エンザルタミド、エリブリン、エキセメスタン、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲムシタビン、イホスファミド、イピリムマブ、イリノテカン、レトロゾール、ロイコボリン、ロイプロリド、ニボルマブ、オラパリブ、オシメルチニブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、タンパク質結合型パクリタキセル、パルボシクリブ、パニツムマブ、ペムブロリズマブ、ペメトレキセド、プレドニゾン、レゴラフェニブ、タモキシフェン、テモゾロミド、またはトラスツズマブである。
投薬および投与
【0130】
治療方法における使用のために、がん細胞上のCD46を増加させる第1の抗がん剤、および第2の抗がん剤(例えば、本明細書に記載される抗CD46抗体またはイムノコンジュゲート)を、適正な医療行為に合致するやり方で製剤化、投薬および投与することができる。これに関連して考慮する因子としては、処置される特定の障害、処置される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与スケジューリング、および医療施術者に公知の他の因子が挙げられる。
【0131】
一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤および/または前記第2の抗がん剤は、前記ヒト対象に経口、経鼻、直腸、腹腔内、皮下、経皮、筋肉内または静脈内投与される。一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤は、前記ヒト対象に経口、経鼻、直腸、腹腔内、皮下、経皮、筋肉内または静脈内投与される。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、前記ヒト対象に経口、経鼻、直腸、腹腔内、皮下、経皮、筋肉内または静脈内投与される。一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤および/または前記第2の抗がん剤は、前記ヒト対象に静脈内注入を介して投与される。一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤は、前記ヒト対象に静脈内注入を介して投与される。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、前記ヒト対象に静脈内注入を介して投与される。
【0132】
一部の実施形態では、第1の抗がん剤は、ヒト対象に、7日ごとに、14日ごとに、18日ごとに、21日ごとに、または30日ごとに投与される。一部の実施形態では、第2の抗がん剤は、ヒト対象に、7日ごとに、14日ごとに、18日ごとに、21日ごとに、または30日ごとに投与される。一部の実施形態では、第2の抗がん剤は、ヒト対象に21日ごとに投与される。
【0133】
一部の実施形態では、第1または第2の抗がん剤は、ヒト対象に約1.0~5.0mg/kgの用量で投与される。一部の実施形態では、抗体またはイムノコンジュゲートは、ヒト対象に約1.0~5.0mg/kgの用量で投与される。一部の実施形態では、抗体またはイムノコンジュゲートは、約1.0~4.5mg/kg、1.0~4.0mg/kg、1.0~3.5mg/kg、1.0~3.0mg/kg、1.0~2.5mg/kg、1.5~4.5mg/kg、1.5~4.0mg/kg、1.5~3.5mg/kg、1.5~3.0mg/kg、1.5~2.5mg/kg、1.5~2.0mg/kg、1.8~4.5、1.8~4.0、1.8~3.5、1.8~3.0、1.8~2.5、または1.8~2.0の用量で投与される。一部の実施形態では、抗体またはイムノコンジュゲートは、ヒト対象に、約1.5~2.5mg/kgの用量で投与される。一部の実施形態では、第1または第2の抗がん剤は、第1および第2の抗がん剤の相乗効果に起因して、前述の用量より少ない用量で対象に投与される。
【0134】
一部の実施形態では、第2の抗がん剤(例えば、抗体またはイムノコンジュゲート)は、ヒト対象に約1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8 1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9または4.0mg/kgの用量で投与される。一部の実施形態では、抗体またはイムノコンジュゲートは、ヒト対象に約1.8、2.4または3.2mg/kgの用量で投与される。一部の実施形態では、抗体またはイムノコンジュゲートは、ヒト対象に約1.8mg/kgの用量で投与される。一部の実施形態では、抗体またはイムノコンジュゲートは、ヒト対象に約2.4mg/kgの用量で投与される。一部の実施形態では、抗体またはイムノコンジュゲートは、ヒト対象に約3.2mg/kgの用量で投与される。一部の実施形態では、抗体またはイムノコンジュゲートは、ヒト対象に用量1.5mg/kgで投与される。一部の実施形態では、抗体またはイムノコンジュゲートは、ヒト対象に用量2.5mg/kgで投与される。一部の実施形態では、抗体またはイムノコンジュゲートは、ヒト対象に用量3.0mg/kgで投与される。
【0135】
一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤および/または第2の抗がん剤は、有効量で投与される。一部の実施形態では、前記第1の抗がんは、有効量で投与される。一部の実施形態では、前記第2の抗がん剤は、有効量で投与される。一部の実施形態では、第2の抗がん剤の前記有効量は、約1.0~5.0mg/kgの用量を含む。一部の実施形態では、前記用量は、約1.2mg/kgである。一部の実施形態では、前記用量は、約1.8mg/kgである。一部の実施形態では、前記用量は、約2.4mg/kgである。一部の実施形態では、前記用量は、約3.2mg/kgである。一部の実施形態では、前記用量は、2~4週間ごとに投与される。一部の実施形態では、前記用量は、約3週間ごとに投与される。
【0136】
一部の実施形態では、第1の抗がん剤の前記有効量は、第2の抗がん剤に対するがん細胞の応答を増加させる。一部の実施形態では、がん細胞の表面における前記CD46発現の増加は、対照測定値と比べて、またはベースライン測定値と比べてである。一部の実施形態では、がん細胞の表面における前記CD46発現の増加は、対照測定値と比べてである。一部の実施形態では、対照測定値は、平均測定値、例えば、対象の集団からのがん試料における平均CD46発現レベルを含む。一部の実施形態では、がん細胞の表面における前記CD46発現の増加は、ベースライン測定値と比べてである。一部の実施形態では、ベースライン測定値は、平均測定値、例えば、対象の集団からのがん試料における平均CD46発現レベルを含む。一部の実施形態では、ベースライン測定値は、処置される対象における、しかし処置前(例えば、第1または第2の抗がん剤の投与の前)の、ベースライン測定値を含む。
【0137】
一部の実施形態では、前記第1の抗がん剤は、がん細胞に対する第2の抗がん剤の抗体依存性細胞傷害活性を増強する。一部の実施形態では、第1の抗がん剤のまたは第2の抗がん剤の前記有効量は、第1の抗がん剤と第2の抗がん剤の両方の投与を含まない方法における有効量より少ない。一部の実施形態では、第1の抗がん剤の前記有効量は、第1の抗がん剤と第2の抗がん剤の両方の投与を含まない方法における有効量より少ない。一部の実施形態では、第2の抗がん剤の前記有効量は、第1の抗がん剤と第2の抗がん剤の両方の投与を含まない方法における有効量より少ない。
医薬組成物および製剤
【0138】
さらなる態様では、本発明は、本明細書に記載される抗CD46抗体もしくはイムノコンジュゲートを含む医薬組成物、またはがん細胞上のCD46を増加させる抗がん剤もしくはCD46結合ドメインを含む抗がん剤の有効性を別様に増大させる抗がん剤を含む医薬組成物、例えば、上記治療方法のいずれかにおける使用のための医薬組成物を提供する。一実施形態では、医薬組成物は、本明細書で提供されるがん細胞上のCD46を増加させる第1の抗がん剤、抗CD46抗体またはその結合断片を含む第2の抗がん剤、および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む。一実施形態では、第1の医薬組成物は、本明細書で提供されるがん細胞上のCD46を増加させる抗がん剤、および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む。一実施形態では、第2の医薬組成物は、本明細書で提供される抗CD46抗体またはイムノコンジュゲート、および少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含む。そのような医薬組成物の調製は、本明細書に参照により組み込まれるRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990によって例示されているので、本開示に鑑みて当業者には公知であろう。
【0139】
一部の実施形態は、医薬組成物(例えば、前記第1の抗がん剤もしくは前記第2の抗がん剤、または両方を含む)を記載する。医薬組成物への言及は、第1の医薬組成物または第2の医薬組成物を含み得る。
【0140】
一部の実施形態では、医薬組成物は、緩衝液を含む。一部の実施形態では、緩衝液は、ヒスチジンを含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、約10~40mM、10~30mM、または10~20mMヒスチジン緩衝液を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、約10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、35mM、または40mMヒスチジン緩衝液を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、約20mMヒスチジン緩衝液を含む。一部の実施形態では、前記第1および/または第2の医薬組成物は、約10~30mMヒスチジン緩衝液を含む。一部の実施形態では、前記第1の医薬組成物は、約10~30mMヒスチジン緩衝液を含む。一部の実施形態では、前記第2の医薬組成物は、約10~30mMヒスチジン緩衝液を含む。
【0141】
一部の実施形態では、医薬組成物は、凍結保護物質を含む。一部の実施形態では、前記第1および/または第2の医薬組成物は、凍結保護物質を含む。一部の実施形態では、前記第1の医薬組成物は、凍結保護物質を含む。一部の実施形態では、前記第2の医薬組成物は、凍結保護物質を含む。一部の実施形態では、凍結保護物質は、サッカリドを含む。一部の実施形態では、前記凍結保護物質は、サッカリド、スクロース、またはトレハロースである。一部の実施形態では、凍結保護物質は、スクロースまたはトレハロースを含む。一部の実施形態では、凍結保護物質は、スクロースを含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、約4%~12%、4%~11%、4%~10%、4%~9%、4%~8%、5%~12%、5%~11%、5%~10%、5%~9%、5%~8%、6%~12%、6%~11%、6%~10%、6%~9%、6%~8%、7%~12%、7%~11%、7%~10%、7%~9%、または7%~8%スクロースを含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、約8%スクロースを含む。
【0142】
一部の実施形態では、医薬組成物は、安定化剤を含む。一部の実施形態では、前記第1および/または第2の医薬組成物は、安定化剤を含む。一部の実施形態では、前記第1の医薬組成物は、安定化剤を含む。一部の実施形態では、前記第2の医薬組成物は、安定化剤を含む。一部の実施形態では、安定化剤は、前記組換え抗体の変性を防止するか、前記イムノコンジュゲートの凝集を防止するか、または両方である。一部の実施形態では、前記安定化剤は、前記第1の抗がん剤の変性を防止するか、前記第2の抗がん剤の凝集を防止するか、または両方である。一部の実施形態では、安定化剤は、ポリソルベートである。一部の実施形態では、安定化剤は、ポリソルベート20である。一部の実施形態では、安定化剤は、ポリソルベート80である。一部の実施形態では、医薬組成物は、約0.001%~0.1%、0.001%~0.05%、0.001%~0.04%、0.001%~0.03%、0.001%~0.02%、または0.001%~0.01%のポリソルベート(例えば、ポリソルベート80)を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、約0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、または0.1%のポリソルベート(例えば、ポリソルベート80)を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、約0.01%のポリソルベート(例えば、ポリソルベート80)を含む。
【0143】
一部の実施形態では、医薬組成物は、約5.0~7.0のpHを有する。一部の実施形態では、前記第1および/または第2の医薬組成物は、約5.0~7.0のpHを含む。一部の実施形態では、前記第1の医薬組成物は、約5.0~7.0のpHを含む。一部の実施形態では、前記第2の医薬組成物は、約5.0~7.0のpHを含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、約5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、または7.5のpHを有する。一部の実施形態では、医薬組成物は、約6.0のpHを有する。
【0144】
一部の実施形態では、医薬組成物は、第2の抗がん剤(例えば、本明細書に記載される抗CD46抗体またはイムノコンジュゲート)を、約5.0mg/ml~15.0mg/ml、5.0mg/ml~14.0mg/ml、5.0mg/ml~13.0mg/ml、5.0mg/ml~12.0mg/ml、5.0mg/ml~11.0mg/ml、5.0mg/ml~10.0mg/ml、6.0mg/ml~15.0mg/ml、7.0mg/ml~15.0mg/ml、8.0mg/ml~15.0mg/ml、9.0mg/ml~15.0mg/ml、または10.0mg/ml~15.0mg/mlの濃度で含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される抗CD46抗体またはイムノコンジュゲートを、約5.0mg/ml、6.0mg/ml、7.0mg/ml、8.0mg/ml、9.0mg/ml、10.0mg/ml、11.0mg/ml、12.0mg/ml、13.0mg/ml、14.0mg/ml、または15.0mg/mlの濃度で含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される抗CD46抗体またはイムノコンジュゲートを、約5.0mg/ml±1.0mg/mL、6.0mg/ml±1.0mg/mL、7.0mg/ml±1.0mg/mL、8.0mg/ml±1.0mg/mL、9.0mg/ml±1.0mg/mL、10.0mg/ml±1.0mg/mL、11.0mg/ml±1.0mg/mL、12.0mg/ml±1.0mg/mL、13.0mg/ml±1.0mg/mL、14.0mg/ml±1.0mg/mL、または15.0mg/ml±1.0mg/mLの濃度で含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される抗CD46抗体またはイムノコンジュゲートを約10.0mg/ml±1.0mg/mLの濃度で含む。
例示的な製剤
【0145】
本明細書に記載される抗CD46抗体またはイムノコンジュゲートの例示的な製剤は、大体、約10.0mg/ml±1.0mg/mLの濃度の本明細書に記載される抗CD46抗体またはイムノコンジュゲート、約20mMヒスチジン緩衝液、約8.0%スクロース、約0.01%ポリソルベート80、pH6.0を含む。抗CD46抗体またはイムノコンジュゲートは、第1の抗がん剤と一緒に製剤化されることもあり、または第1の抗がん剤と別々に投与されることもある。
製造物品
【0146】
本発明の別の態様では、上記のがんの処置に有用な材料を含有する製造物品が提供される。製造物品は、容器と、その容器上のまたはその容器に付随するラベルまたは添付文書とを含む。好適な容器としては、例えば、ビン、バイアル、注射器、IV注射用溶液バッグなどが挙げられる。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成され得る。容器は、単独である組成物を保持するか、または状態の処置に有効な別の組成物と組み合わせられた組成物を保持し、無菌取出口を有し得る(例えば、容器は、皮下注射針により穴を空けることが可能なストッパーを有する静脈内注射用溶液バッグまたはバイアルであり得る)。
【0147】
ラベルまたは添付文書は、選ばれた状態を処置するために組成物が使用されることを示す。さらに、製造物品は、(a)本発明の二重特異性抗体を含む組成物がその中に収容されている第1の容器;および(b)さらなる細胞傷害剤またはその他の治療剤を含む組成物がその中に収容されている第2の容器を含み得る。本発明のこの実施形態における製造物品は、特定の状態を処置するために組成物を使用することができることを示す添付文書をさらに含み得る。
【0148】
あるいは、または加えて、製造物品は、注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝食塩水、リンゲル液およびデキストロース溶液などの、薬学的に許容される緩衝液を含む、第2の(または第3の)容器をさらに含み得る。製造物品は、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針および注射器をはじめとする、商業的観点および使用者の観点から望ましい他の材料をさらに含み得る。
定義
【0149】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術および科学用語は、請求項記載の主題が属する技術分野の当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。上述の概要および下記の詳細な説明の両方が、例示的かつ説明的なものに過ぎず、請求項記載のいずれの主題も制限しないことを、理解されたい。本明細書で使用される節の見出しは、構成を目的としたものに過ぎず、記載される主題を限定するものと見なすべきでない。本願では、単数形の使用は、別段の具体的な記述がない限り複数形を含む。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈による別段の明白な指図がない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。本願では、「または」の使用は、別段の記述がない限り、「および/または」を意味する。さらに、用語「含む(including)」ならびに他の形、例えば、「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含む(included)」の使用は、限定する使用ではない。
【0150】
本明細書で使用される場合、範囲および量は、「約」特定の値または範囲として表され得る。約には正確な量も含まれる。したがって、「約5μL」は、「約5μL」を意味し、「5μL」も意味する。一般に、用語「約」は、実験誤差の範囲内であると予想される量を含む。
【0151】
用語「抗体」および「免疫グロブリン」は、本明細書では同義で使用され、最も広い意味で使用され、完全に組み立てられた抗体、抗原に結合することができる抗体断片、例えば、Fab、F(ab’)2、Fv、一本鎖抗体(scFv)、ダイアボディ、抗体キメラ、ハイブリッド抗体、二重特異性抗体などを包含する。
【0152】
用語「モノクローナル抗体」および「mAb」は、本明細書では同義で使用され、抗体の実質的に均一な集団から得られる抗体を指し、すなわち、この集団の個々の抗体は、少量で存在し得る可能性のある天然に存在する変異を除いて同一である。
【0153】
用語「ネイティブ抗体」および「ネイティブ免疫グロブリン」は、2つの同一の軽(L)鎖および2つの同一の重(H)鎖で構成されている、約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。各軽鎖は、1つの共有結合性ジスルフィド結合により重鎖に連結されているが、ジスルフィド連結の数は、重鎖間でその免疫グロブリンアイソタイプによって異なる。各重鎖および軽鎖は、規則的な間隔で配置された鎖間ジスルフィド架橋も有する。各重鎖は、少なくとも一方の末端に可変ドメイン(VH)を有し、それに続いていくつかの定常ドメインを有する。各軽鎖は、一方の末端に可変ドメイン(VL)、およびその他方の末端に定常ドメインを有し、軽鎖の定常ドメインは、重鎖の第1の定常ドメインと整列しており、軽鎖可変ドメインは、重鎖の可変ドメインと整列している。特定のアミノ酸残基が軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインの間の境界部を形成すると考えられている。
【0154】
用語「超可変領域」は、本明細書で使用される場合、抗原結合に関与する抗体のアミノ酸残基を指す。超可変領域は、「相補性決定領域」または「CDR」からのアミノ酸残基(すなわち、軽鎖可変ドメインにおける残基24~34(L1)、50~56(L2)、および89~97(L3)、ならびに重鎖可変ドメインにおける31~35(H1)、50~65(H2)、および95~102(H3);Kabat et al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91-3242(本明細書では「Kabat et al」と呼ばれる)および/または「超可変ループ」からの残基(すなわち、軽鎖可変ドメインにおける残基26~32(L1)、50~52(L2)、および91~96(L3)、ならびに重鎖可変ドメインにおける(H1)、53~55(H2)、および96~101(13);Chothia and Lesk, (1987) J. Mol. Biol., 196:901-917)を含む。「フレームワーク」または「FR」残基は、本明細書で考えられる場合、超可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。
【0155】
一部の事例では、抗体のCDRは、(i)Kabat番号付けシステム Kabat et al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest Fifth Edition, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91-3242;または(ii)本明細書では「Chothia CDR」と呼ばれることになるChothia番号付けスキーム(例えば、Chothia and Lesk, 1987, J. Mol. Biol., 196:901-917;Al-Lazikani et al., 1997, J. Mol. Biol., 273 :927-948;Chothia et al., 1992, J. Mol. Biol., 227:799-817;Tramontano A et al., 1990, J. Mol. Biol. 215(1): 175-82;および米国特許第7,709,226号を参照されたい);または(iii)例えば、Lefranc, M.-P., 1999, The Immunologist, 7: 132-136およびLefranc, M.-P. et al, 1999, Nucleic Acids Res., 27:209-212に記載されているような、ImMunoGeneTics(IMGT)番号付けシステム(「IMGT CDR」);または(iv)MacCallum et al, 1996, J. Mol. Biol., 262:732-745に従って決定される。例えば、Martin, A., "Protein Sequence and Structure Analysis of Antibody Variable Domains," in Antibody Engineering, Kontermann and Diibel, eds., Chapter 31, pp. 422-439, Springer- Verlag, Berlin (2001)も参照されたい。
【0156】
Kabat番号付けシステムに関して、抗体重鎖分子内のCDRは、典型的には、アミノ酸31~35位(必要に応じて、35の後に1個または2個の追加のアミノ酸(Kabat番号付けスキームでは35Aおよび35Bと呼ばれる)を含み得る)(CDR1)、アミノ酸50~65位(CDR2)、およびアミノ酸95~102位(CDR3)に存在する。Kabat番号付けシステムを使用すると、抗体軽鎖分子内のCDRは、通常は、アミノ酸24~34位(CDR1)、アミノ酸50~56位(CDR2)、およびアミノ酸89~97位(CDR3)に存在する。当業者に周知であるように、Kabat番号付けシステムを使用すると、抗体可変ドメインの実際の線状アミノ酸配列は、FRおよび/またはCDRの短縮または延長に起因してより少ないアミノ酸または追加のアミノ酸を含有することがあり、それ故、アミノ酸のKabat番号は、その線状アミノ酸番号と必ずしも同じではない。
【0157】
本明細書で使用される場合、用語「抗原結合部位」は、抗原決定基に特異的に結合する抗原結合分子の一部を指す。より詳細には、用語「抗原結合部位」は、抗原の一部もしくは全てに特異的に結合するおよびそれに相補的であるエリアを含む、抗体の一部を指す。抗原が大きい場合、抗原結合分子は、抗原の特定の部分にのみ結合し得、この部分は、エピトープと呼ばれる。抗原結合部位は、例えば、1つまたは複数の可変ドメイン(可変領域とも呼ばれる)によって提供され得る。好ましくは、抗原結合部位は、抗体軽鎖可変領域(VL)および抗体重鎖可変領域(VH)を含む。
【0158】
「特異的結合」とは、結合が、抗原に選択的であること、および望ましくないまたは非特異的な相互作用と区別され得ることを、意味する。特異的抗原に結合する抗原結合分子の能力を、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、または当業者によく知られている他の技法、例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)技法(BIAcore機器で分析される)(Liljeblad et al., Glyco J 17, 323-329 (2000))および旧来の結合アッセイ(Heeley, Endocr Res 28, 217-229 (2002))、のどちらかによって、測定することができる。一実施形態では、無関係のタンパク質への抗体結合分子の結合の程度は、例えばSPRにより測定して、抗原への抗原結合分子の結合の約10%未満である。ある特定の実施形態では、抗原に結合する分子は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、または≦0.001nM(例えば、10~7Mまたはそれ未満、例えば、10~7Mから10~13M、例えば、10~9Mから10~13M)の解離定数(Kd)を有する。
【0159】
それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に依存して、免疫グロブリンを異なるクラスに割り当てることができる。ヒト免疫グロブリンの5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、IgMおよびIgYがあり、これらのうちのいくつかを、さらにサブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2に、分けることができる。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常領域は、アルファ、デルタ、イプシロン、ガンマおよびミューとそれぞれ呼ばれる。免疫グロブリンの異なるクラスのサブユニット構造および三次元配置は、周知である。異なるアイソタイプは、異なるエフェクター機能を有する。例えば、ヒトIgG1およびIgG3アイソタイプは、ADCC(抗体依存性細胞介在性細胞傷害)活性を有する。任意の脊椎動物種から抗体(免疫グロブリン)の軽鎖を、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)およびラムダ(λ)と呼ばれる2つの明確に別個のタイプの一方に割り当てることができる。
【0160】
用語「キメラ抗体」は、本明細書で使用される場合、重鎖および/または軽鎖の一部分が特定の供給源(例えば、タンパク質)または種に由来し、その一方で、重鎖および/または軽鎖の残部が、異なる供給源(例えば、タンパク質)または種に由来する、抗体を指す。
【0161】
用語「組換えヒト抗体」は、本明細書で使用される場合、組換え手段により調製、発現、作出または単離される、あらゆるヒト抗体、例えば、ヒト免疫グロブリン遺伝子についてトランスジェニックである、NSOもしくはCHO細胞などの宿主細胞から、または動物(例えば、マウス)から、単離された抗体、あるいは宿主細胞にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを使用して発現された抗体、を含むように意図されている。そのような組換えヒト抗体は、再編成された形態の可変および定常領域を有する。一部の場合には、組換えヒト抗体は、in vivo体細胞超変異を受けたものである。したがって、組換え抗体のVHおよびVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖細胞系列VHおよびVL配列に由来し、それに関連するがin vivoでヒト抗体生殖細胞系列レパートリー内に天然に存在し得ない配列である。
【0162】
用語「価」は、本明細書で使用される場合、抗原結合分子中の指定数の結合部位の存在を示す。したがって、用語「二価」、「四価」、および「六価」は、抗原結合分子中の2つの結合部位、4つの結合部位、および6つの結合部位の存在をそれぞれ示す。本発明による二重特異性抗体は、少なくとも「二価」であり、「三価」または「多価」(例えば、「四価」もしくは「六価」)であることもある。特定の態様では、本発明の抗体は、2つまたはそれより多くの結合部位を有し、二重特異性である。つまり、抗体は、2つより多くの結合部位がある(すなわち、抗体が三価または四価である)場合でも、二重特異性であることがある。特に、本発明は、それらが特異的に結合する抗原ごとに1つの結合部位を有する、二重特異性二価抗体に関する。
【0163】
用語「単一特異性」抗体は、本明細書で使用される場合、同じ抗原の同じエピトープに各々が結合する1つまたは複数の結合部位を有する、抗体を示す。
【0164】
用語「個体」、「対象」および「患者」は、本明細書では同義で使用され、任意の哺乳動物を指す。一部の実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。一部の実施形態では、哺乳動物は、非ヒトである。いずれの用語も、医療従事者(例えば、医師、正看護師、診療看護師、医師助手、用務員またはホスピス職員)の監視(例えば、恒常的または断続的)を特徴とする状況を必要とせず、前記状況に限定もされない。
【0165】
本明細書で使用される場合、配列に関して、用語「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、配列をアラインメントし、最大の配列同一性パーセントを達成するために必要に応じてギャップを導入した後に、特定の配列中のアミノ酸残基と同一である、候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージであって、いかなる保存的置換も配列同一性の一部と見なさない前記パーセンテージと定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定することを目的とするアラインメントは、当技術分野における技能の範囲内である様々な方法で、例えば、EMBOSS MATCHER、EMBOSS WATER、EMBOSS STRETCHER、EMBOSS NEEDLE、EMBOSS LALIGN、BLAST、BLAST-2、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの、公開されているコンピュータソフトウェアを使用して、達成することができる。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大のアライメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アライメントを測定するための適切なパラメーターを決定することができる。
【0166】
用語「がん」および「腫瘍」は、本明細書では同義で使用され、あらゆるタイプの発がんプロセスおよび/またはがん性増殖を包含する。実施形態では、がんは、原発腫瘍はもちろん、転移組織または悪性形質転換細胞、組織もしくは臓器も含む。実施形態では、がんは、がんのあらゆる組織病態およびステージ、例えば、侵襲性/重症度のステージを包含する。実施形態では、がんは、再発したおよび/または耐性のがんを含む。
【0167】
本明細書で使用される場合、「処置(treatment)」(およびその文法的変化形、例えば「処置(treat)」または「処置(treating)」)は、処置を受ける個体の自然経過を変える目的での臨床的介入を指し、予防のために行われることもあり、または臨床病理検査の過程で行われることもある。処置の望ましい効果としては、これらに限定されないが、疾患の発生または再発の防止、症候の緩和、疾患の任意の直接的または間接的病理学的帰結の軽減、転移の防止、疾患進行速度の低下、病状の改善または緩和、および寛解または予後改善が挙げられる。一部の実施形態では、本発明の分子は、疾患の発症を遅延させるために、または疾患の進行を緩徐化するために使用される。
【実施例
【0168】
これらの実施例は、例証を目的として提供されるものに過ぎず、本願で提供される請求項の範囲を限定するために提供されるものではない。
(実施例1)
組織染色
【0169】
CD46エピトープの組織特異性を免疫組織化学検査により決定した。データを図1に示す。この図中、影付けは、陽性染色のレベルを示し、胎盤栄養膜細胞が最も強い。影付けのないものにおけるシグナルは、弱いかまたは検出不能であるかのどちらかである。
(実施例2)
FOR46イムノコンジュゲートの調製
【0170】
mc-vc-PABリンカーを介してMMAEエフェクターにコンジュゲートされているYS5FLの構造を図2に示す。精製YS5FL mAb(10mg/ml)をリン酸ナトリウム緩衝液で6.8のpHに調整し、次いで、TCEP(2:1のTCEP/mAb比)で2時間、22℃で処理する。還元したmAbを、9%ジメチルアセトアミド中で15分間、mc-vc-PAB-MMAEと反応させる(6の薬物/mAb比)。mAbを、1時間、もう一度還元し、60分間、もう一度コンジュゲートし、1M酢酸でpHを5.0に低下させることにより反応をクエンチし、その結果、疎水性相互作用クロマトグラフィーにより判定して薬物の抗体に対する比が約3.7である、FOR46イムノコンジュゲートを得る。
(実施例3)
FOR46医薬品および抗がん剤との組合せ
【0171】
FOR46イムノコンジュゲートを、それをヒトに投与するために医薬品に製剤化した。製剤は、10.0±1.0mg/mLのFOR46原薬、20mMのL-ヒスチジン緩衝液、8.0%(w/v)スクロース、および0.01%(w/v)ポリソルベート80、pH6.0を含有する。製剤が、適切な安定性(抗体の変性の防止および凝集の防止)、緩衝、および-20℃での保管のための凍結保護を提供することを見極めた。1カ月間、5℃での保管後、製剤は、>90%の結合効力および細胞ベースの活性を保持し、>90%単量体であり、<15μg/mLの残留MMAEを有し、目視可能な粒子が本質的になかった。
【0172】
このように製剤化したFOR46医薬品を、記載のCD46発現を増加させる第1の抗がん剤とともに投与することができる。
(実施例4)
FOR46および抗がん剤でのがんの臨床的処置
【0173】
CD46発現を増加させる第1の抗がん剤と組合せでのFOR46の投薬および有効性を決定するために臨床試験を行うことになる。組み合わせた薬物での処置を、本明細書に記載の様々ながんを有するヒト対象に施すことになる。FOR46と第1の抗がん剤の組合せで処置されるヒト対象の群において、最大の改善が予想される。
【0174】
様々な用量を評定することになる。単独でのFOR46または単独での第1の抗がん剤よりも、第1の抗がん剤との組合せでのFOR46のほうが、より低い用量に効果があり得ると予想される。
(実施例5)
放射線照射、続いてのFOR46によるがんの処置
【0175】
転移性去勢抵抗性前立腺がんを有する患者を放射線療法、続いてのFOR46での処置によって処置した。不完全奏効を、表8に示すように少なくとも102週間(3週間処置34サイクル)維持した。
表8. 放射線療法後の持続的FOR46奏効。転移性去勢抵抗性前立腺がんを有する対象における血清PSA(mg/ml)レベルおよび腫瘍寸法(RECIST)。放射線処置は、SCRとC1の間に行った。FOR46を1.2mg/kg(調整体重)でサイクル1~16にわたって投与した。サイクル17で、FOR46投薬量を2.1mg/kgに増加させた。N/N:不完全奏効、非進行性疾患;SD:安定疾患。
【表8】
(実施例6)
抗がん剤はCD46発現を増加させる
方法
【0176】
エクソーム捕捉に基づくプロトコールを使用するホルマリン固定・パラフィン包埋(FFPE)腫瘍試料からのRNAシークエンシングにより、遺伝子発現を決定した。手短に述べると、全核酸をFFPE固形腫瘍試料から抽出した。RNA試料をDNAseで処理し、逆転写した。ヒトエクソームを標的とする特注プローブセットでcDNAを捕捉した。捕捉されたcDNAからライブラリーを調製し、Illuminaプラットフォームでシークエンシングした。Kallistoを使用して配列リードをGRCh37にアラインメントし、正規化して遺伝子発現を定量化した。具体的には、分位正規化を使用して転写物計数値をGC含量および長さについて補正し、サイズ係数法によってシークエンシング深度について調整した。次いで、エクソームパネルによりカバーされるタンパク質コード転写因子の正規化計数値を合算して遺伝子レベルの計数値を得た。その後の発現解析は、log2変換計数値で行った。Fernandes et al, Real-world Evidence of Diagnostic Testing and Treatment Patterns in U.S. Breast Cancer Patients with Implications of Treatment Biomarkers fro RNA-sequencing Data, Clin Breast Cancer. 2021 Aug;21(4):e340-e361。
対の生検標本での結果
【0177】
表9に示されているように、10の異なるがん型を代表する76の治療設定での治療の前および後に対象から収集した対の生検標本においてCD46発現を比較した。CD46発現が対象19名中15名(79%)からの対の生検標本において増加した図3に示されているように、CD46発現は、アナストロゾールでの乳がんの処置後に実質的に増加した。対照的に、CD46発現が対象13名中10名(77%)からの対の生検標本において減少した図4に示されているように、CD46発現は、フルオロウラシルでの食道がんの処置後に実質的に減少した。
不対の生検標本での結果
【0178】
図10に示されているように、生検後に治療を受けたことが既知の対象から収集した処置前生検標本と、生検を行ったときに既に処置を受けていた対象から収集した処置後生検標本との間で、CD46発現を比較した。CD46発現は、図5に示されているようにイリノテカンでの大腸がんの処置後のほうが、図6に示されているようにゾレドロン酸での乳がんの処置後のほうが、および図7に示されているようにシスプラチンでの頭頸部扁平上皮癌の処置後のほうが、有意に高かった。対照的に、CD46発現は、図8に示されているようにアキシチニブでの淡明細胞型腎細胞癌の処置後のほうが有意に低かった。
表9. がん治療後のCD46発現の変化-対の生検標本
【表9-1】
【表9-2】
【表9-3】


【表10-1】
【表10-2】
【表10-3】
【表10-4】
【表10-5】
【表10-6】
【表10-7】
【表10-8】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【配列表】
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【国際調査報告】