(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-19
(54)【発明の名称】四肢の1つに注入される注射剤の量を制御する能力を有する注入セット、並びに注入装置の滴下速度を検出及び制御するためのシステム
(51)【国際特許分類】
A61M 5/142 20060101AFI20240112BHJP
A61M 5/168 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
A61M5/142 502
A61M5/142 504
A61M5/168 532
A61M5/168 502
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541874
(86)(22)【出願日】2022-01-09
(85)【翻訳文提出日】2023-09-08
(86)【国際出願番号】 US2022011741
(87)【国際公開番号】W WO2022150671
(87)【国際公開日】2022-07-14
(32)【優先日】2021-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523261252
【氏名又は名称】北瑞科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】POLARAY TECHNOLOGY CORP.
【住所又は居所原語表記】6F.-3, No.75, Xin Tai Wu Rd., Sec. 1, Far-East World Center, Xizher, New Taipei City, 221, Taiwan
(71)【出願人】
【識別番号】523261263
【氏名又は名称】蕭 ▲うえい▼成
【氏名又は名称原語表記】SHIAU, Vincent
【住所又は居所原語表記】2F., No. 7, Ln. 80, Sec. 4, Minsheng E. Rd., Songshan Dist. Taipei City, 105, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】蕭 ▲うえい▼成
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD16
4C066DD17
4C066FF04
4C066HH01
4C066QQ45
4C066QQ52
4C066QQ82
4C066QQ92
(57)【要約】
滴下速度を検出及び制御するためのシステムの注入セットが開示される。当該注入セットは、注入装置と調整装置とを含む。調整装置は、注入装置に取り付けられ、注入装置における注射剤の滴下速度を調整する。当該システムの注入セットは、作動ユニット及び少なくとも1つの検出モジュールをさらに含む。作動ユニットは、病院内のスタッフが制御ユニットの操作を介して滴下速度を制御するための当該システムの制御ユニットに結合される。さらに、当該システムの注入セットは、滴下カウントのための少なくとも1つの検出モジュールをさらに含み、それによって、注入セットの滴下速度を制御するときにさらなる情報がスタッフに提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射器本体であり、注射剤を含むように構成されている内部チャンバがその中に形成された注射器本体、
前記注射器本体の側面を注入部材と接続する上部注入管であり、前記注射剤が、前記注入部材から前記上部注入管を介して前記注射器本体の内部チャンバに滴下する、上部注入管、
前記注射器本体の別の側面に接続され、四肢の1つに接続されるように構成された下部注入管、及び
前記注射器本体の側面に接続され、前記注射器本体の内部チャンバに含まれた前記注射剤が前記下部注入管を介して前記四肢の1つに注入されるのを可能にするように構成された空気管、
を含む注入装置と、
前記上部注入管、前記下部注入管、及び前記空気管の少なくとも1つの側面に配置されたベース、及び
前記上部注入管、前記下部注入管、及び前記空気管の前記少なくとも1つの別の側面に配置された可動部材であり、前記ベースと協力して前記上部注入管、前記下部注入管、及び前記空気管の前記少なくとも1つの壁を変形させるように、前記ベースに対して可動である可動部材、
を含む、前記上部注入管、前記下部注入管、及び前記空気管の前記少なくとも1つに取り付けられた調整装置と、
を含む、四肢の1つに注入される注射剤の量を制御する能力を有する注入セット。
【請求項2】
前記調整装置はボタンセットであり、前記ベースは取り付け部材であり、前記可動部材は、前記取り付け部材に対して回転可能な回転ボタンであり、
前記取り付け部材は、前記上部注入管、前記下部注入管、及び前記空気管の前記少なくとも1つに取り付けられるように前記取り付け部材を通って形成されたチャネルを有し、
前記回転ボタンは、
回転可能な様式で前記取り付け部材に取り付けられたボタン本体と、
前記ボタン本体から突出し、前記ボタン本体と共に回転可能な一対のタブであって、前記取り付け部材に対する前記ボタン本体の回転を介して、前記取り付け部材と協力して前記上部注入管、前記下部注入管、及び前記空気管の前記少なくとも1つの壁をねじるように、前記上部注入管、前記下部注入管、及び前記空気管の前記少なくとも1つに係合する一対のタブと、
を含む、請求項1に記載の注入セット。
【請求項3】
前記調整装置はカムセットであり、前記ベースは固定部材であり、前記可動部材は、前記固定部材に対して回転可能な回転カムであり、前記回転カムは、
前記上部注入管、前記下部注入管、及び前記空気管の前記少なくとも1つの側面に配置された軸と、
前記軸に偏心的に取り付けられたカム本体であって、前記固定部材に対する前記カム本体の回転を介して、前記上部注入管、前記下部注入管、及び前記空気管の前記少なくとも1つの壁を押圧するカム本体と、
を含む、請求項1に記載の注入セット。
【請求項4】
前記調整装置はカムセットであり、前記ベースは固定カムであり、前記可動部材は、前記固定カムに対して回転可能な回転カムであり、前記回転カムは、
前記上部注入管、前記下部注入管、及び前記空気管の前記少なくとも1つの側面に配置された軸と、
前記軸に偏心的に取り付けられたカム本体であって、前記固定カムに対する回転を介して、前記上部注入管、前記下部注入管、及び前記空気管の前記少なくとも1つの壁を押圧するカム本体と、
を含む、請求項1に記載の注入セット。
【請求項5】
前記調整装置はシリンダセットであり、前記ベースは保持部材であり、前記可動部材はシリンダ装置であり、前記シリンダ装置は、
前記上部注入管、前記下部注入管、及び前記空気管の前記少なくとも1つの側面に配置されたシリンダハウジングと、
前記シリンダハウジングに対して伸縮可能なシリンダヘッドであって、前記シリンダヘッドが前記シリンダハウジングから伸びることを介して、前記上部注入管、前記下部注入管、及び前記空気管の前記少なくとも1つの壁を押圧するシリンダヘッドと、
を含む、請求項1に記載の注入セット。
【請求項6】
前記注射器本体の脇に配置された第1の検出モジュールをさらに含み、前記第1の検出モジュールは、
前記注射器本体の側面に配置された第1の発光ユニットであって、前記第1の発光ユニットは、第1の滴下経路を通る第1の光経路において前記注射器本体に光を発し、前記第1の滴下経路に沿って、前記注射剤は前記注入部材から前記注射器本体の内部チャンバに滴下する、第1の発光ユニットと、
前記注射器本体の別の側面に配置された第1の受光ユニットと、
を含み、
前記第1の滴下経路における前記注射剤の滴下が前記第1の光経路における光を中断しない場合に、前記第1の受光ユニットは、前記第1の発光ユニットから発せられた光を受け、第1の光強度信号を生成し、
前記第1の滴下経路における前記注射剤の滴下が前記第1の光経路における光を中断する場合に、前記第1の受光ユニットは、前記第1の発光ユニットから発せられた光を受けず、第2の光強度信号を生成し、
前記第1の光強度信号、前記第2の光強度信号、又はそれらの組み合わせが、前記第1の滴下経路における前記注射剤の滴下の1カウントとなる、請求項1に記載の注入セット。
【請求項7】
前記注射器本体の脇に配置された第1の検出モジュールをさらに含み、前記第1の検出モジュールは、
前記注射器本体の側面に配置された第1の発光ユニットであって、前記第1の発光ユニットは、第1の滴下経路を通る第1の光経路において前記注射器本体に光を発し、前記第1の滴下経路に沿って、前記注射剤は前記注入部材から前記注射器本体の内部チャンバに滴下する、第1の発光ユニットと、
前記注射器本体の別の側面に配置された第1の受光ユニットと、
前記第1の受光ユニットの脇に配置された第1の補助受光ユニットと、
を含み、
前記第1の滴下経路における前記注射剤の滴下が前記第1の光経路における光を中断しない場合に、前記第1の受光ユニットは、前記第1の発光ユニットから発せられた光を受け、第1の光強度信号を生成し、
前記第1の滴下経路における前記注射剤の滴下が前記第1の光経路における光を中断する場合に、前記第1の受光ユニットは、前記第1の発光ユニットから発せられた光を受けず、第2の光強度信号を生成し、さらに、前記第1の補助受光ユニットが、前記第1の発光ユニットから発せられ且つ前記滴下によって屈折された光を受け、第1の補助光強度信号を生成し、
前記第2の光強度信号及び前記第1の補助光強度信号の同時発生が、前記第1の滴下経路における前記注射剤の滴下の1カウントとなる、請求項1に記載の注入セット。
【請求項8】
前記注射器本体は、主要部分と、前記主要部分に接続された補助部分とを含み、前記内部チャンバは、前記主要部分において形成され、前記補助部分は、その中に形成された液体貯蔵スペースを有し、前記液体貯蔵スペースは、前記内部チャンバ内の前記注射剤が前記液体貯蔵スペース内に滴下されるように、前記内部チャンバと連通され、当該注入セットは、前記補助部分の脇に配置された第2の検出モジュールをさらに含み、前記第2の検出モジュールは、
前記補助部分の側面に配置された第2の発光ユニットであって、前記第2の発光ユニットは、第2の滴下経路を通る第2の光経路において前記補助部分に光を発し、前記第2の滴下経路に沿って、前記注射剤は、前記主要部分の内部チャンバから前記補助部分の液体貯蔵スペースに滴下する、第2の発光ユニットと、
前記補助部分の別の側面に配置された第2の受光ユニットと、
を含み、
前記第2の滴下経路における前記注射剤の滴下が前記第2の光経路における光を中断しない場合に、前記第2の受光ユニットは、前記第2の発光ユニットから発せられた光を受け、第3の光強度信号を生成し、
前記第2の滴下経路における前記注射剤の滴下が前記第2の光経路における光を中断する場合に、前記第2の受光ユニットは、前記第2の発光ユニットから発せられた光を受けず、第4の光強度信号を生成し、
前記第3の光強度信号、前記第4の光強度信号、又はそれらの組み合わせが、前記第2の滴下経路における前記注射剤の滴下の1カウントとなる、請求項1に記載の注入セット。
【請求項9】
前記注射器本体は、主要部分と、前記主要部分に接続された補助部分とを含み、前記内部チャンバは、前記主要部分において形成され、前記補助部分は、その中に形成された液体貯蔵スペースを有し、前記液体貯蔵スペースは、前記内部チャンバ内の前記注射剤が前記液体貯蔵スペース内に滴下されるように、前記内部チャンバと連通され、当該注入セットは、前記補助部分の脇に配置された第2の検出モジュールをさらに含み、前記第2の検出モジュールは、
前記補助部分の側面に配置された第2の発光ユニットであって、前記第2の発光ユニットは、第2の滴下経路を通る第2の光経路において前記補助部分に光を発し、前記第2の滴下経路に沿って、前記注射剤は、前記主要部分の内部チャンバから前記補助部分の液体貯蔵スペースに滴下する、第2の発光ユニットと、
前記補助部分の別の側面に配置された第2の受光ユニットと、
前記第2の受光ユニットの脇に配置された第2の補助受光ユニットと
を含み、
前記第2の滴下経路における前記注射剤の滴下が前記第2の光経路における光を中断しない場合に、前記第2の受光ユニットは、前記第2の発光ユニットから発せられた光を受け、第3の光強度信号を生成し、
前記第2の滴下経路における前記注射剤の滴下が前記第2の光経路における光を中断する場合に、前記第2の受光ユニットは、前記第2の発光ユニットから発せられた光を受けず、第4の光強度信号を生成し、さらに、前記第2の補助受光ユニットが、前記第2の発光ユニットから発せられ且つ前記滴下によって屈折された光を受け、第2の補助光強度信号を生成し、
前記第4の光強度信号及び前記第2の補助光強度信号の同時発生が、前記第2の滴下経路における前記注射剤の滴下の1カウントとなる、請求項1に記載の注入セット。
【請求項10】
前記調整装置の可動部材に結合され、前記ベースに対して動くよう前記可動部材を駆動するように構成された作動ユニットをさらに含む、請求項1に記載の注入セット。
【請求項11】
注入装置の滴下速度を検出及び制御するためのシステムであって、請求項1に記載の注入セットを含み、前記注入セットは、
前記注射器本体の側面に配置された第1の発光ユニットであり、前記第1の発光ユニットは、第1の滴下経路を通る第1の光経路において前記注射器本体に光を発し、前記第1の滴下経路に沿って、前記注射剤は前記注入部材から前記注射器本体の内部チャンバに滴下する、第1の発光ユニット、及び
前記注射器本体の別の側面に配置された第1の受光ユニット、
を含む、前記注射器本体の脇に配置され、前記注入部材から前記注射器本体の内部チャンバに滴下する注射剤のカウントを検出するように構成された第1の検出モジュールと、
前記調整装置の可動部材に結合された作動ユニットと、
前記作動ユニット及び前記第1の検出モジュールに結合された制御ユニットであり、前記作動ユニットを制御して、前記注入部材から前記注射器本体の内部チャンバへの前記注射剤の滴下のカウントに基づき、前記ベースに対して動くように前記可動部材を駆動する制御ユニットと、
をさらに含む、システム。
【請求項12】
前記第1の滴下経路における前記注射剤の滴下が前記第1の光経路における光を中断しない場合に、前記第1の受光ユニットは、前記第1の発光ユニットから発せられた光を受け、第1の光強度信号を生成し、
前記第1の滴下経路における前記注射剤の滴下が前記第1の光経路における光を中断する場合に、前記第1の受光ユニットは、前記第1の発光ユニットから発せられた光を受けず、第2の光強度信号を生成し、
前記第1の光強度信号、前記第2の光強度信号、又はそれらの組み合わせが、前記第1の滴下経路における前記注射剤の滴下の1カウントとなる、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の検出モジュールは、前記第1の受光ユニットの脇に配置された第1の補助受光ユニットをさらに含み、
前記第1の滴下経路における前記注射剤の滴下が前記第1の光経路における光を中断する場合に、前記第1の受光ユニットは、前記第1の発光ユニットから発せられた光を受けず、第2の光強度信号を生成し、さらに、前記第1の補助受光ユニットが、前記第1の発光ユニットから発せられ且つ前記滴下によって屈折された光を受け、第1の補助光強度信号を生成し、
前記第2の光強度信号及び前記第1の補助光強度信号の同時発生が、前記第1の滴下経路における前記注射剤の滴下の1カウントとなる、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
注入装置の滴下速度を検出及び制御するためのシステムであって、請求項1に記載の注入セットを含み、前記注射器本体は、主要部分と、前記主要部分に接続された補助部分とを含み、前記内部チャンバは、前記主要部分において形成され、前記補助部分は、その中に形成された液体貯蔵スペースを有し、前記液体貯蔵スペースは、前記内部チャンバ内の前記注射剤が前記液体貯蔵スペース内に滴下されるように、前記内部チャンバと連通され、前記注入セットは、
前記補助部分の側面に配置された第2の発光ユニットであって、前記第2の発光ユニットは、第2の滴下経路を通る第2の光経路において前記補助部分に光を発し、前記第2の滴下経路に沿って、前記注射剤は、前記主要部分の内部チャンバから前記補助部分の液体貯蔵スペースに滴下する、第2の発光ユニットと、
前記補助部分の別の側面に配置された第2の受光ユニットと、
を含む、前記補助部分の脇に配置され、前記主要部分の内部チャンバから前記補助部分の液体貯蔵スペースに滴下する前記注射剤のカウントを検出するように構成された第2の検出モジュールをさらに含む、システム。
【請求項15】
前記第2の滴下経路における前記注射剤の滴下が前記第2の光経路における光を中断しない場合に、前記第2の受光ユニットは、前記第2の発光ユニットから発せられた光を受け、第3の光強度信号を生成し、
前記第2の滴下経路における前記注射剤の滴下が前記第2の光経路における光を中断する場合に、前記第2の受光ユニットは、前記第2の発光ユニットから発せられた光を受けず、第4の光強度信号を生成し、
前記第3の光強度信号、前記第4の光強度信号、又はそれらの組み合わせが、前記第2の滴下経路における前記注射剤の滴下の1カウントとなる、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第2の検出モジュールは、前記第2の受光ユニットの脇に配置された第2の補助受光ユニットをさらに含み、
前記第2の滴下経路における前記注射剤の滴下が前記第2の光経路における光を中断する場合に、前記第2の受光ユニットは、前記第2の発光ユニットから発せられた光を受けず、第4の光強度信号を生成し、さらに、前記第2の補助受光ユニットが、前記第2の発光ユニットから発せられ且つ前記滴下によって屈折された光を受け、第2の補助光強度信号を生成し、
前記第4の光強度信号及び前記第2の補助光強度信号の同時発生が、前記第2の滴下経路における前記注射剤の滴下の1カウントとなる、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、注入セット及びシステムに関し、特に、四肢の1つに注入される注射剤の量を制御する能力を有する注入セット、並びに注入装置の滴下速度を検出及び制御するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
静脈内注入は、患者を治療するために頻繁に使用される投与経路である。一般的に言えば、注入の量を調整するために、注入調整装置が静脈内注入セットに取り付けられる。上述の注入調整装置は、医療スタッフが経験に基づき滴下数を観察し、次に、注入量の調整のために注入調整装置を手動で操作することを要求するため、従来の解決策では、医療スタッフに対する長期的なトレーニングが必要であり、現在の注射剤の滴下速度に基づき患者に対する滴下速度を自動的に調整することはできない。従って、患者の健康に対する責任及び使命に基づき、上述の静脈内注入セットの欠点を改善する必要が確かにある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の欠点を解決するために、本開示は、注射剤の量を自動的に制御する能力を有する注入セット、並びに注入装置の滴下速度を検出及び制御するためのシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一実施形態は、注射剤の量を自動的に制御する能力を有する注入セットを開示する。当該注入セットは、注入装置及び調整装置を含む。注入装置は、注射器本体、上部注入管、下部注入管、及び空気管を含む。注射器本体は、内部チャンバがその中に形成されており、内部チャンバは注射剤を含むように構成される。上部注入管は、注射器本体の側面を注入部材と接続し、注射剤が、注入部材から上部注入管を介して注射器本体の内部チャンバに滴下する。下部注入管は、注射器本体の別の側面に接続され、四肢の1つに接続されるように構成される。空気管は、注射器本体の側面に接続され、注射器本体の内部チャンバに含まれた注射剤が下部注入管を介して四肢の1つに注入されるのを可能にするように構成される。調整装置は、上部注入管、下部注入管、及び空気管の少なくとも1つに取り付けられる。調整装置は、ベースと可動部材とを含む。ベースは、上記の上部注入管、下部注入管、及び空気管の少なくとも1つの側面に配置される。可動部材は、上記の上部注入管、下部注入管、及び空気管の少なくとも1つの別の側面に配置される。可動部材は、ベースと協力して上記の上部注入管、下部注入管、及び空気管の少なくとも1つの壁を変形させるように、ベースに対して可動である。
【0005】
本開示の一実施形態は、注入装置の滴下速度を検出及び制御するためのシステムを開示する。当該システムは、上述の注入セット、作動ユニット、及び制御ユニットを含む。注入セットは、注射器本体の脇に配置され、注入部材から注射器本体の内部チャンバに滴下する注射剤のカウントを検出するように構成された第1の検出モジュールをさらに含む。第1の検出モジュールは、第1の発光ユニット及び第1の受光ユニットを含む。第1の発光ユニットは、注射器本体の側面に配置され、第1の発光ユニットは、第1の滴下経路を通る第1の光経路において注射器本体に光を発し、第1の滴下経路に沿って、注射剤は注入部材から注射器本体の内部チャンバに滴下する。第1の受光ユニットは、注射器本体の別の側面に配置される。作動ユニットは、調整装置の可動部材に結合される。第1の検出モジュールは、注射器本体の脇に配置され、注入部材から注射器本体の内部チャンバに滴下する注射剤のカウントを検出するように構成される。制御ユニットは、作動ユニット及び第1の検出モジュールに結合され、制御ユニットは、作動ユニットを制御して、注入部材から注射器本体の内部チャンバへの注射剤の滴下のカウントに基づき、ベースに対して動くように可動部材を駆動する。
【0006】
本開示の一実施形態は、注入装置の滴下速度を検出及び制御するためのシステムを開示する。当該システムは、上記の注入セットを含み、注射器本体は、主要部分と、主要部分に接続された補助部分とを含み、内部チャンバは、主要部分において形成され、補助部分は、その中に形成された液体貯蔵スペースを有し、液体貯蔵スペースは、内部チャンバ内の注射剤が液体貯蔵スペース内に滴下されるように、内部チャンバと連通している。注入セットは、補助部分の脇に配置され、主要部分の内部チャンバから補助部分の液体貯蔵スペースに滴下する注射剤のカウントを検出するように構成された第2の検出モジュールをさらに含む。第2の検出モジュールは、第2の発光ユニット及び第2の受光ユニットを含む。第2の発光ユニットは、補助部分の側面に配置され、第2の発光ユニットは、第2の滴下経路を通る第2の光経路において補助部分に光を発し、第2の滴下経路に沿って、注射剤は、主要部分の内部チャンバから補助部分の液体貯蔵スペースに滴下する。第2の受光ユニットは、補助部分の別の側面に配置される。
【0007】
要約すると、本開示の注入装置の滴下速度を検出及び制御するためのシステムの注入セットは、調整装置の可動部材に結合され、ベースと協力して上部注入管、下部注入管、及び空気管の少なくとも1つの壁を変形させるように、ベースに対して動くように可動部材を駆動する作動ユニットを含む。そのような様式で、注射剤の滴下速度を、作動モジュールによって自動的に調整することができる。
【0008】
本開示のこれら及び他の目的は、様々な図及び図面において例示されている好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に当業者には明らかになるということが確かである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の第1の実施形態によるシステムを例示した概略図である。
【
図2】本開示の第1の実施形態によるリリース状態及びツイスト状態における調整装置を例示した概略図である。
【
図3】本開示の別の実施形態による調整装置を例示した概略図である。
【
図4】本開示のさらに別の実施形態による調整装置を例示した概略図である。
【
図5】本開示のさらに別の実施形態による調整装置を例示した概略図である。
【
図6】本開示の第1の実施形態による非中断状態における注入装置を例示した概略図である。
【
図7】本開示の第1の実施形態による中断状態における注入装置を例示した概略図である。
【
図8】本開示の第3の実施形態による非中断状態における注入装置の一部を例示した概略図である。
【
図9】本開示の第3の実施形態による中断状態における注入装置の一部を例示した概略図である。
【
図10】本開示の第3の実施形態による、第1の検出モジュールによって生成される第1の処理信号セット、及び第1の補助受光ユニットによって生成される第2の処理信号セットを例示した概略図である。
【
図11】本開示の第3の実施形態による、角度対期間あたりのカウントの第1のプロットを示した図である。
【
図12】本開示の第4の実施形態による非中断状態における注入装置1001´の一部を例示した概略図である。
【
図13】本開示の第4の実施形態による中断状態における注入装置の一部を例示した概略図である。
【
図14】本開示の第4の実施形態による、角度対期間あたりのカウントの第2のプロットを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
当業者が本開示をより良く理解するのを可能にするために、以下に図面を用いた好ましい実施形態が、本開示及び達成されることになる効果を例示するために提供される。図面は簡略化された概略図であるということに留意するべきである。従って、本開示に関連する要素及びそれらの組み合わせの関係のみが、本開示の基本的な枠組み又は実施方法をより明確に説明するために示される。実際の要素及び構成はより複雑であり得る。加えて、便宜上、図面における構成要素の数は実際の構成要素の数と等しくないことがあり、構成要素の形状及び大きさは実際の形状及び大きさに比例して描かれていないことがあり、さらに、その比率は設計上の要求に応じて調整することができる。
【0011】
以下の実施形態における、上、下、左、右、前、又は後ろ等の方向性の用語は、説明される1つ又は複数の図の向きを参照して使用される。そのようなものとして、方向性の用語は、例示目的のために使用され、決して限定的ではない。
【0012】
第1、第2、及び第3等の序数の用語は、様々な要素を記述するために使用することができ、それらの要素は序数の用語の定義によって限定されない。序数の用語は、本明細書において1つの要素を他の要素から区別するために使用され、特許請求の範囲における要素の序数の用語は、主張される順序に従って配置されており、本明細書における順序とは異なることがある。そのようなものとして、以下の説明において記載される第1の要素は、特許請求の範囲において第2の要素であり得る。
【0013】
図1を参照されたい。
図1は、本開示の第1の実施形態によるシステム9000を例示した概略図である。システム9000は、注入セット1000を含む。注入セット1000は注入装置1001を含み、注入装置1001は、注射器本体1、上部注入管2、下部注入管3、及び空気管4を含む。注射器本体1は、その中に形成された内部チャンバ10を有し(内部チャンバ10は
図6において見ることができ)、内部チャンバ10は、注射剤2000を含むように構成されている。
【0014】
上部注入管2は、注入部材3000内の注射剤2000が注入部材3000から上部注入管2を介して注射器本体1の内部チャンバ10に滴下するように、注射器本体1の側面を注入部材3000と接続している。下部注入管3は、注射器本体1の別の側面に接続され、人5000の四肢の1つ4000に接続されるように構成されている。空気管4は、注射器本体1の側面に接続され、注射器本体1の内部チャンバ10に含まれる注射剤2000が下部注入管3を介して四肢の1つ4000に注入されるのを可能にするように構成されている。
【0015】
実際の適用において、注入装置1001は、注入口5を含み得る。注入部材3000は注入バッグであってもよく、注入バッグに含まれる注射剤2000は、静脈内抗生物質、生理食塩水、グルコース溶液等の静脈内輸液であってもよい。
【0016】
さらに、注入セット1000は、上部注入管2、下部注入管3、及び空気管4の少なくとも1つに取り付けられる調整装置Cを含む。調整装置Cは、ベースC0及び可動部材C1を含む。ベースC0は、上記の上部注入管2、下部注入管3、及び空気管4の少なくとも1つの側面に配置される。可動部材C1は、上記の上部注入管2、下部注入管3、及び空気管4の少なくとも1つの別の側面に配置される。可動部材C1は、ベースC0と協力して上記の上部注入管2、下部注入管3、及び空気管4の少なくとも1つの壁を変形させるようにベースC0に対して可動である。
【0017】
そのような様式で、ベースC0に対する可動部材C1の移動によって、上記の上部注入管2、下部注入管3、及び空気管4の少なくとも1つの壁が変形し、これによって、注入セット1000が、人5000の四肢の1つ4000に注入される注射剤2000の量を調整及び制御するのを可能にしている。
【0018】
図1から
図5を参照されたい。
図2は、本開示の第1の実施形態によるリリース状態S1及びツイスト状態S2における調整装置Cを例示した概略図である。
図3は、本開示の別の実施形態による調整装置Cを例示した概略図である。
図4は、本開示のさらに別の実施形態による調整装置Cを例示した概略図である。
図5は、本開示のさらに別の実施形態による調整装置Cを例示した概略図である。
図2から
図5は、調整装置Cを例示するための機構の4つの実施形態を示しており、そのいずれも、上記の上部注入管2、下部注入管3、及び空気管4の少なくとも1つに適応することができるということに留意されたい。さらに、これらの実施形態において示されている同一の構成要素は、同一の構造及び機能を有しており、さらなる説明は、簡略化するために省略されている。
【0019】
図2において示されているように、調整装置Cはボタンセット6であり、ベースは取り付け部材60であり、可動部材は、取り付け部材60に対して回転可能な回転ボタン61である。取り付け部材60には、チャネル600がそこを通って形成されて、上部注入管2に取り付けられる。回転ボタン61は、ボタン本体610と一対のタブ611とを含む。ボタン本体610は、回転可能な様式で取り付け部材60に取り付けられている。一対のタブ611は、ボタン本体610から突出し、ボタン本体610と共に回転可能である。一対のタブ611は、取り付け部材60に対するボタン本体610の回転を介して、取り付け部材60と協力して上部注入管2の壁をねじるように上部注入管2と係合する。
【0020】
図1及び
図2において示されているように、注入セット1000は、作動ユニットCをさらに含んでもよく、システム9000は、制御ユニットFをさらに含んでもよい。本開示において、作動ユニットCは、ボタン本体610及び制御ユニットFに結合されるステッピングモータ又はサーボモータであり得る。制御ユニットFは、作動ユニットCを制御してボタン本体610を回転させるための制御信号を生成するように構成される。ボタン本体610が回転すると、ボタン本体610は、上部注入管2の断面を変えるように、一対のタブ611と上部注入管2の壁との係合により上部注入管2の壁をねじることになる。
【0021】
本開示において、制御ユニットFは、サーバ、デスクトップコンピュータ等であってもよく、制御信号を生成するように操作するために病院スタッフに提供される。そのような様式において、病院スタッフは、制御ユニットFの操作を介して、注入セット1000の注入装置1001の滴下速度を制御することができる。
【0022】
図3において示されているように、調整装置Cはカムセット6´であり、ベースは固定部材60´であり、可動部材は、固定部材60´に対して回転可能な回転カム61´である。回転カム61´は、軸610´とカム本体611´とを含む。軸610´は、上部注入管2の側面に配置される。カム本体611´は、軸610´に偏心的に取り付けられる。カム本体611´は、上部注入管2の断面を変えるように、固定部材60´に対するカム本体611´の回転を介して上部注入管2の壁を押圧する。
【0023】
図4において示されているように、調整装置Cはカムセット6´´であり、
図4において示されているカムセット6´´と
図3において示されているカムセット6´との大きな違いは、カムセット6´´のベースが、固定部材ではなく、固定カム62であるということである。
【0024】
図5において示されているように、調整装置Cはシリンダセット6´´´であり、ベースは保持部材60´´であり、可動部材はシリンダ装置61´´である。シリンダ装置61´´は、シリンダハウジング610´´とシリンダヘッド611´´とを含む。シリンダハウジング610´´は、上部注入管2の側面に配置される。シリンダヘッド611´´は、シリンダハウジング610´´に対して伸縮可能である。シリンダヘッド611´´は、上部注入管2の断面を変えるように、シリンダヘッド611´´がシリンダハウジング610´´から伸びることを介して上部注入管2の壁を押圧する。
【0025】
図1、
図6、及び
図7を参照されたい。
図6は、本開示の第1の実施形態による非中断状態における注入装置1001の一部を例示した概略図である。
図7は、本開示の第1の実施形態による中断状態における注入装置1001の一部を例示した概略図である。
図1、
図6、及び
図7において示されているように、注入セット1000は、第1の検出モジュール7をさらに含む。第1の検出モジュール7は、注射器本体1の脇に配置され、第1の発光ユニット70及び第1の受光ユニット71を含む。第1の発光ユニット70は、注射器本体1の側面に配置され、第1の発光ユニット70は、第1の滴下経路D1を通る第1の光経路L1において注射器本体1に光73を発し、第1の滴下経路D1に沿って、注射剤2000は、注入部材3000から注射器本体1の内部チャンバ10に滴下する。第1の受光ユニット71は、注射器本体1の別の側面に配置される。本開示において、第1の検出モジュール7は赤外線センサモジュールであり得るが、本開示はこれに限定されない。
【0026】
図6において示されているように、第1の滴下経路D1における注射剤2000の滴下9が第1の光経路L1における光73を中断しない場合、光73は滴下9によって屈折されず、光73は第1の光経路L1内を通るため、第1の受光ユニット71は、第1の発光ユニット70から発せられた光73を受け、これに応じて第1の光強度信号を生成する。
図7において示されているように、第1の滴下経路D1における注射剤2000の滴下9が第1の光経路L1における光73を中断する場合、光73は滴下9によって第1の光経路L1から屈折されるため、第1の受光ユニット71は、第1の発光ユニット70から発せられた光73を受けず、これに応じて第2の光強度信号を生成する。
【0027】
さらに、制御ユニットFが、滴下9のカウントを与えるために第1の光強度信号及び/又は第2の光強度信号を処理するように、第1の検出モジュール7は制御ユニットFに結合される。例えば、制御ユニットFは、受信した第1の光強度信号又は第2の光強度信号に従って滴下9の1カウントを与える。或いは、制御ユニットFは、第1の光強度信号と第2の光強度信号との組み合わせに従っても滴下9の1カウントを与える。言い換えると、第1の光強度信号、第2の光強度信号、又はそれらの組み合わせは、第1の滴下経路D1における注射剤2000の滴下9の1カウントとなる。
【0028】
図6及び
図7において示されているように、注射器本体1は、主要部分11と、主要部分11に接続された補助部分12とを含む。内部チャンバ10が主要部分11において形成され、第1の検出モジュール7が主要部分11の脇に配置されている。補助部分12は、その中に液体貯蔵スペース13が形成されている。内部チャンバ10内の注射剤2000が液体貯蔵スペース13内に滴下されるように、液体貯蔵スペース13は内部チャンバ10と連通している。
【0029】
注射器本体1の主要部分11の脇に第1の検出モジュール7が配置された注入セット1000が本明細書において一実施形態として例示されているが、本開示はこれに限定されないということに留意されたい。例えば、第2の実施形態において、注入セット1000は、補助部分12の脇に配置された第2の検出モジュール8を含む。第2の検出モジュール8は、第2の発光ユニット80と第2の受光ユニット81とを含む。第2の発光ユニット80は、補助部分12の側面に配置される。第2の発光ユニット80は、第2の滴下経路D2を通る第2の光経路L2において補助部分12に光83を発し、第2の滴下経路D2に沿って、注入剤は、主要部分11の内部チャンバ10から補助部分12の液体貯蔵スペース13に滴下する。第2の受光ユニット81は、補助部分12の別の側面に配置される。
【0030】
図6において示されているように、第2の滴下経路D2における注射剤2000の滴下9´が第2の光経路L2における光83を中断しない場合、光83は滴下9´によって屈折されず、光83は第2の光経路L2内を通るため、第2の受光ユニット81は、第2の発光ユニット80から発せられた光83を受け、これに応じて第3の光強度信号を生成する。
図7において示されているように、第2の滴下経路D2における注射剤2000の滴下9´が第2の光経路L2における光83を中断する場合、光83は滴下9´によって第2の光経路L2から屈折されるため、第2の受光ユニット81は、第2の発光ユニット80から発せられた光83を受けず、これに応じて第4の光強度信号を生成する。
【0031】
同様に、制御ユニットFが、滴下9´のカウントを与えるために第3の光強度信号及び/又は第4の光強度信号を処理するように、第2の検出モジュール8は制御ユニットFに結合される。例えば、制御ユニットFは、受信した第3の光強度信号又は第4の光強度信号に従って滴下9´の1カウントを与える。或いは、制御ユニットFは、第3の光強度信号と第4の光強度信号との組み合わせに従っても滴下9´の1カウントを与える。言い換えると、第3の光強度信号、第4の光強度信号、又はそれらの組み合わせは、第2の滴下経路D2における注射剤2000の滴下9´の1カウントとなる。
【0032】
要約すると、注入セット1000の滴下速度は、回転ボタン61の回転、回転カム61´の回転、又はシリンダヘッド611´´の伸縮の様式で調整装置Cによって制御することができる。さらに、注入セット1000は、注射器本体1の主要部分11への滴下9のカウント及び/又は注射器本体1の補助部分12への滴下9´のカウントを検出するための第1検出モジュール7等の検出モジュールと、作動モジュールE及び第1の検出モジュール7及び/又は第2の検出モジュール8に結合された制御ユニットFとを含む。そのような様式で、システム9000の制御ユニットFは、作動モジュールEを作動させて、注射器本体1の主要部分11への滴下9のカウント及び/又は注射器本体1の補助部分12への滴下9´のカウントに基づき、回転ボタン61の回転、回転カム61´の回転、又はシリンダヘッド611´´の伸縮の様式で調整装置Cを駆動するように作動モジュールEを制御することができる。
【0033】
図8及び
図9を参照されたい。
図8は、本開示の第3の実施形態による非中断状態における注入装置1001´の一部を例示した概略図である。
図9は、本開示の第3の実施形態による中断状態における注入装置1001´の一部を例示した概略図である。注入装置1001´と注入装置1001との大きな違いは、第1の検出モジュール7´が第1の補助受光ユニット72をさらに含み、第1の補助受光ユニット72が第1の受光ユニット71の脇に配置されていることである。
【0034】
図10も参照されたい。
図10は、本開示の第3の実施形態による、第1の検出モジュール7´によって生成された第1の処理信号セットA、及び第1の補助受光ユニット72によって生成された第2の処理信号セットBを例示した概略図である。
図8及び
図10において示されているように、第1の滴下路D1における注射剤2000の滴下9が第1の光経路L1における光73を中断しない場合、光73は滴下9によって屈折されず、光73は第1の光経路L1内を通るため、第1の受光ユニット71は、第1の発光ユニット70から発せられた光73を受け、これに応じて第1の光強度信号a1を生成する。一方、第1の補助受光ユニット72は光73を受けず、これに応じて第2の補助光強度信号b2を生成する。
【0035】
図9及び
図10において示されているように、第1の滴下路D1における注射剤2000の滴下9が第1の光経路L1における光73を中断する場合、光73は滴下9によって第1の光経路L1から屈折されるため、第1の受光ユニット71は、第1の発光ユニット70から発せられた光73を受けず、これに応じて第2の光強度信号a2を生成する。一方、第1の補助受光ユニット72は、滴下9によって屈折された光73を受け、これに応じて第1の補助光強度信号b1を生成する。
【0036】
さらに、制御ユニットFが、滴下9のカウントを与えるために第1の処理信号セットA及び第2の処理信号セットBを処理するように、第1の検出モジュール7´は制御ユニットFに結合される。例えば、第1の処理信号セットAの第2の光強度信号a2、及び第2の処理信号セットBの第1の補助光強度信号b1の同時発生が、第1の滴下経路D1における注射剤2000の滴下9の1カウントとなる。
【0037】
さらに、
図11を参照すると、
図11は、本開示の第3の実施形態による角度対期間あたりのカウントの第1のプロットDW1である。上述したように、本開示は、注射剤2000の滴下速度を制御するために調整装置Cを利用し、本開示は、さらに、第1の検出モジュール7´を利用して、第1の滴下経路D1における注射剤2000の滴下9のカウントを監視する。その結果、
図11において示されているようなプロットを構築することができ、このプロットは、制御ユニットFの操作を介して注入セット1000の注入装置1001´の滴下速度を制御する際にさらなる情報を病院内のスタッフに提供するように、可動部材C1が回転する角度対第1の滴下経路D1における注射剤2000の滴下9のカウントを例示している。
【0038】
図12及び
図13を参照されたい。
図12は、本開示の第4の実施形態による非中断状態における注入装置1001´の一部を例示した概略図である。
図13は、本開示の第4の実施形態による中断状態における注入装置1001´の一部を例示した概略図である。注入装置1001´と注入装置1001との大きな違いは、第2の検出モジュール8´が第2の補助受光ユニット82をさらに含み、第2の補助受光ユニット82が第2の受光ユニット81の脇に配置されていることである。
【0039】
図12において示されているように、第2の滴下経路D2における注射剤2000の滴下9´が第2の光経路L2における光83を中断しない場合、光83は滴下9´によって屈折されず、光83は第2の光経路L2内を通るため、第2の受光ユニット81は、第2の発光ユニット80から発せられた光83を受け、これに応じて第3の光強度信号を生成する。一方、第2の補助受光ユニット82は光83を受けず、これに応じて第4の補助光強度信号を生成する。
【0040】
図13において示されているように、第2の滴下経路D2における注射剤2000の滴下9´が第2の光経路L2における光83を中断する場合、光83は滴下9´によって第2の光経路L2から屈折されるため、第2の受光ユニット81は、第2の発光ユニット80から発せられた光83を受けず、これに応じて第4の光強度信号を生成する。一方、第2の補助受光ユニット82は、滴下9´によって屈折された光83を受け、これに応じて第3の補助光強度信号を生成する。
【0041】
さらに、制御ユニットFが、滴下9´のカウントを与えるために、第3の光強度信号及び第4の光強度信号を含む第3の処理信号セットと第2の処理信号セットとを処理するように、第2の検出ユニット8´は制御ユニットFに結合される。例えば、第3の処理信号セットの第4の光強度信号及び第4の処理信号セットの第2の補助光強度信号の同時発生が、第2の滴下経路D2における注射剤2000の滴下9´の1カウントとなる。
【0042】
さらに、
図14を参照すると、
図14は、本開示の第4の実施形態による角度対期間あたりのカウントの第2のプロットDW2である。上述したように、本開示は、注射剤2000の滴下速度を制御するために調整装置Cを利用し、本開示は、さらに、第2の滴下経路D2における注射剤2000の滴下9´のカウントを監視するために第2の検出モジュール8´を利用する。その結果、
図14において示されているようなプロットを構築することができ、このプロットは、制御ユニットFの操作を介して注入セット1000の注入装置1001´´の滴下速度を制御する際にさらなる情報を病院内のスタッフに提供するように、可動部材C1が回転する角度対第2の滴下経路D2における注射剤2000の滴下9´のカウントを例示している。
【0043】
従来技術と比較して、本開示の注入装置の滴下速度を検出及び制御するためのシステムの注入セットは作動ユニットを含み、作動ユニットは、調整装置の可動部材に結合され、ベースと協力して上部注入管、下部注入管、及び空気管の少なくとも1つの壁を変形させるように、ベースに対して動くように可動部材を駆動する。そのような様式で、注射剤の滴下速度を、作動モジュールによって自動的に調整することができる。
【0044】
当業者は、本発明の教示を保ったまま、装置及び方法の多数の修正及び変更が行われてもよいということを容易に認めることになる。従って、上記の開示は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものとして解釈されるべきである。
【国際調査報告】