(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-19
(54)【発明の名称】マッサージ機器
(51)【国際特許分類】
A61H 7/00 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
A61H7/00 300A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542481
(86)(22)【出願日】2021-01-11
(85)【翻訳文提出日】2023-08-01
(86)【国際出願番号】 EP2021050379
(87)【国際公開番号】W WO2022148552
(87)【国際公開日】2022-07-14
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523262972
【氏名又は名称】サザーランド,アレキサンダー アダム
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】弁理士法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サザーランド,アレキサンダー アダム
【テーマコード(参考)】
4C100
【Fターム(参考)】
4C100AA02
4C100AA09
4C100AA15
4C100AA32
4C100AA33
4C100AA34
4C100AD11
4C100AD22
4C100BB01
4C100CA01
4C100CA02
4C100DA05
(57)【要約】
マッサージで使用する機器は、拡大された構造的支持要素、少なくとも1つのマッサージ部材、および互いに対して構造的支持要素上に横方向に配置される2つの把持部材を備える。機器は、腕を身体の脇に置いた状態で立っているユーザが、支持構造体がユーザの背後に配置されているときに、2つの把持部材を把持でき、機器を操作してユーザの背中の所定の位置をマッサージできるように構成される。機器は、中立な身体の位置を維持しながら、背中にマッサージの力を及ぼすために身体の任意の区域を過度に酷使する、またはねじることなく、ユーザが痛みおよび/または張りを緩和するため、またはリラックスするために背中を独りでマッサージすることを可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッサージで使用する機器であって、前記機器が、拡大された構造的支持要素を備え、前記構造的支持要素の第1の端部に少なくとも1つのマッサージ部材が配置され、互いに対して前記構造的支持要素上に横方向に配置される、2つの把持部材が前記第1の端部の遠位の第2の端部に配置され、
前記機器が、腕を脇に置いた状態で立っているユーザが、支持構造体が前記ユーザの背後に配置されているときに、前記2つの把持部材を把持でき、前記機器を操作して前記ユーザの背中の特定の位置をマッサージできるように構成され、
前記拡大された構造的支持要素が、壁などの平面に支持されるように構成される、機器。
【請求項2】
前記少なくとも1つのマッサージ部材が前記構造的支持要素上に配置される位置および前記少なくとも2つの把持部材が前記構造的支持要素上に配置される位置が、一緒に平面を画定し、前記マッサージ部材が、前記平面の前側から突出し、前記把持部材が、前記平面の前側から把持されるように構成される、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記拡大された構造的支持要素が、壁などの、平面に当接するように構成された平面背面を有する平面体を備える、請求項2に記載の機器。
【請求項4】
ローラ配置または低摩擦材料が、前記平面の背部側の周りまたは平面背面上の前記拡大された構造的支持上に配置される、請求項2または請求項3に記載の機器。
【請求項5】
前記マッサージ部材が、前記構造的支持要素の内側に配置される、請求項1~4のいずれか一項に記載の機器。
【請求項6】
前記2つの把持部材が前記構造的支持要素上に配置される位置が、第1の軸を画定し、前記少なくとも1つのマッサージ部材が、前記第1の軸に直交し、内側に交差する第2の軸上に配置される、請求項1~5のいずれか一項に記載の機器。
【請求項7】
前記少なくとも1つのマッサージ部材と前記第1の軸との間の距離が、調整可能である、請求項6に記載の機器。
【請求項8】
前記少なくとも1つのマッサージ部材と前記第1の軸との間の距離が、少なくとも15cmである、請求項6または請求項7に記載の機器。
【請求項9】
前記機器が、ユーザが背中の別々の区域を選択的にマッサージできるように、1つのマッサージ部材を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の機器。
【請求項10】
前記少なくとも1つのマッサージ部材が、交換可能なマッサージヘッドを備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の機器。
【請求項11】
前記少なくとも1つのマッサージ部材が、振動、熱、または機械的マッサージ機能を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の機器。
【請求項12】
前記2つの把持部材の間の距離が調整可能である、請求項1~11のいずれか一項に記載の機器。
【請求項13】
前記2つの把持部材の間の距離が、40cm~49cmなど、少なくとも35cm、好ましくは少なくとも40cmである、請求項1~12のいずれか一項に記載の機器。
【請求項14】
前記2つの把持部材がクッション性把持面を備える、請求項1~13のいずれか一項に記載の機器。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の機器を使用してマッサージする方法であって、
ユーザの脊椎と腕とが中立位置にあるように、ユーザが前記機器を自身の背後に位置付け、前記2つの把持部材を脇に把持することと、
前記ユーザがユーザの背中中部から背中上部を、壁に支持されている前記機器の前記マッサージ部材に持たせかけることと、
中立の脊椎の位置を維持しながら、前記ユーザがもたれかかることによって背中にかかる圧力を調整すること、および/または最適なマッサージのため前記マッサージ部材と接触する位置を調整することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してマッサージ用の機器の分野に関する。より詳細には、本発明は、独りでできる背中のマッサージ用の機器に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの人が、継続的なまたは反復的なエクササイズまたは運動などによる過度の激しい活動の結果、背中に機械的な痛みまたは張りの症状がある。こうした場合、活性または潜伏性筋筋膜性トリガポイントは、筋肉繊維内および/または背中の筋膜組織にあることが多い。他の場合では、大勢の人が、背中に炎症性痛または張りの症状がある。
【0003】
定期的に背中に痛みまたは張りを持つ人は、症状を緩和または軽減するためマッサージを必要とする。同様に、背中に痛みまたは張りがない人は、単にマッサージを楽しみ、マッサージによりくつろぐ。
【0004】
定期的に背中にマッサージを受けることを必要とするまたは受けたい多くの人が、時間、旅行、都合および/または制約によりマッサージ師を利用できない。そのため、いくつかの背中のマッサージ機器が開発されて、ユーザが自宅または職場で独りで背中をマッサージできるようになった。
【0005】
既知の独りでできる背中のマッサージ器具には、いくつか欠点がある。少なからず、こうした器具のユーザは、不自然な、ねじれたおよび/または非中立的な位置で器具を保持/把持する必要があり、器具によるマッサージ効果が背中にあるようにするため身体の他の区域を必ず痛める、および/または器具が、背中の不連続な区域(筋筋膜性トリガポイントなど)を選択的に狙えない場合がある。
【0006】
本発明は、背中のマッサージ器具における上述の欠点に対する解決策を見出した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ユーザが独りで機械的または炎症性の背中痛あるいは張りを緩和する、および/またはリラックスするために背中をマッサージすることができる改善された背中のマッサージ機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、拡大された構造的支持要素を備える、マッサージに使用する機器が提供される。構造的支持要素の第1の端部に少なくとも1つのマッサージ部材が配置され、互いに対して構造的支持要素上に横方向に配置される、2つの把持部材が第1の端部の遠位の第2の端部に配置される。機器は、腕を身体の脇に置いた状態で立っているユーザが、2つの把持部材を把持でき、支持構造体がユーザの背後に配置されているときに、機器を操作してユーザの背中の所定の位置をマッサージできるように構成される。
【0009】
本発明の第2の態様では、第1の態様の機器を使用してマッサージする方法が提供され、方法は、ユーザの脊椎と腕とが中立位置にあるように、ユーザが機器を自身の背後に位置付け、2つの把持部材を把持することと、ユーザの背中中部から背中上部(または任意で背中)を、壁に支持されている機器のマッサージ部材に持たせかけることと、中立の脊椎の位置を維持しながら、ユーザがもたれかかることによって背中にかかる圧力を調整すること、および/または最適なマッサージのためマッサージ部材と接触する位置を調整することとを含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明の機器および方法は、中立な身体の位置を維持しながら、背中にマッサージの力を及ぼすために身体の任意の区域を過度に酷使する、またはねじることなく、ユーザが痛みおよび/または張りを緩和するため、またはリラックスするために背中を独りでマッサージすることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、マッサージ用の機器の一実施形態の正面図である。
【
図2】
図2は、マッサージ用の機器の一実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、拡大された構造的支持要素を備える、マッサージに使用する機器を対象とする。構造的支持要素の第1の端部には、少なくとも1つのマッサージ部材が配置される。互いに対して構造的支持要素上に横方向に配置される、2つの把持部材が第1の端部の遠位の第2の端部に配置される。機器は、腕を身体の脇に置いた状態で立っているユーザが、2つの把持部材を把持でき、支持構造体がユーザの背中(ユーザの背中上部など)に配置されているときに、機器を操作してユーザの背中の所定の位置をマッサージできるように構成される。
【0013】
好ましくは、少なくとも1つのマッサージ部材(例えば、以下に定義されるような交換可能なマッサージヘッド(複数可)を含まず)の少なくとも一部分(例えば、最大すべて)および/または2つの把持部材のそれぞれの少なくとも一部分(例えば、2つの把持部材)は、拡大された構造的支持部材に固定的に連結される(例えば、一体的に)。より好ましくは、拡大された構造的支持要素は、2つの把持部材および少なくとも1つのマッサージ部材(以下に定義される交換可能なマッサージヘッド(複数可)を含まず)と一体である。
【0014】
拡大された構造的支持要素は、任意の好適な形状であってよい。好ましくは、拡大された構造的支持要素は、マッサージ機器の改善されたバランスのため少なくとも1つの鏡面を有する。より好ましくは、少なくとも1つの鏡面は、第1の端部と第2の端部とを貫通する。例えば、拡大された構造的支持要素は、等脚などの台形形状、長方形または正方形であってよい。
【0015】
好ましくは、拡大された構造的支持要素は、第2の端部で最も幅広であり、第1の端部に向かって狭くなる。より好ましくは、拡大された構造的支持要素の形状は、マッサージ機器の重量およびサイズが使いやすさの改善のため最小化されるように、実質的に三角形である(第2の端部は、三角形上の基部に近接する)。
【0016】
第2の端部は、マッサージ機器の底部に、または底部の近傍に配置されるように理解されてもよく、第1の端部は、マッサージ機器の上部に、または上部の近傍に配置されると理解されてもよい。
【0017】
好ましくは、背後にデバイスを把持するとき、ユーザが、支持されたマッサージ機器および/または中立に立つ少なくとも1つのマッサージ部材に背中をもたれかけることができるように、構造的支持要素は、平面(壁など)に支持されるように構成される。
【0018】
好ましくは、構造的支持要素は、支持されると、例えば、構造的支持要素が、平面に対して旋回できないなど、平面に対して安定するように構成される。より好ましくは、支持されると、構造的支持要素は、例えば、平面を横切って摺動することによるなど、平面に対して一次元でのみ移動することができる。
【0019】
一実施形態では、構造的支持要素は、マッサージ機器と平面との間の少なくとも2つの点の接触で、改善された安定のために、好ましくは少なくとも3つの点の接触で、平面に支持されるように構成される。
【0020】
同じまたはさらなる実施形態では、拡大された構造的支持要素は、好ましくは拡大された構造的支持要素の形状を画定する周辺フレームなど、フレームを備える。フレームは、好ましくは1つまたは複数の足場あるいはロッド部品を備える。より好ましくは、1つまたは複数の足場またはロッドピースは、単一の一体型部品または少なくとも1つの取付手段によって接合された部品の配置であってよい。こうした取付手段は、例えば、接合部、ブラケットおよび/または接着剤を含んでもよい。拡大された構造的支持要素は、例えば、拡大された二等辺三角形状を形成するため、3つの足場部品および3つのコーナー接合部を備え得る。さらなる例では、拡大された構造的支持要素は、少なくとも3つの曲げ/角を有する単一の一体型部品を備え得る。
【0021】
好ましくは、拡大された構造的支持要素は、壁などの、平面に当接するように構成された平面体を備える。より好ましくは、平面体は、平面に当接するように構成された平面背面を有する。平面体および/または平面背面を備えるマッサージ機器の実施形態では、少なくとも1つの接触点がマッサージ機器と平面との間に必要であり、第1の接触点は、支持されるとき、平面に対する機器の安定性に影響を及ぼすのに十分広い平面接触区域を有する。
【0022】
好ましくは、少なくとも1つのマッサージ部材が構造的支持要素上に配置される位置および少なくとも2つの把持部材が構造的要素上に配置される位置は、一緒に平面を画定する。
【0023】
任意で、ローラ配置および/または低摩擦材料は、平面の背部側および/または平面背面の周りの拡大された構造的支持上に配置されてもよい。例えば、少なくとも1つのローラボールベアリング配置が、平面の背部側および/または平面背面の周りの拡大された構造的支持上に配置されてもよい。さらなる例では、低運動摩擦係数(pk)を有する1つまたは複数の材料(複数可)は、平面の背部側および/または平面背面の周りの拡大された構造的支持上に配置される。低運動摩擦係数(pk)を有する好適な材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ナイロン、アセタールおよびポリエステルを含む。好ましくは、ローラ配置および/または低摩擦材料は、機器が使用中に支持される平面上の任意の損傷および/または摩滅ならびに破れを最小化するように構成され得る。例えば、平面の背部側および/または平面背面は、機器が使用中に支持される平面上の任意の損傷および/または摩滅ならびに破れを最小化する支援をするクッション性および/または弾力性要素をさらに備え得る。
【0024】
好ましくは、拡大された構造的支持要素は、例えば、45cm~100cmなど、少なくとも20cm、より好ましくは少なくとも30cm、さらにより好ましくは少なくとも35cm、最も好ましくは少なくとも40cmの高さを有する。
【0025】
好ましくは、拡大された構造的支持要素は、例えば、45cm~75cmなど、少なくとも30cm、より好ましくは少なくとも35cm、最も好ましくは少なくとも40cmの幅を有する。
【0026】
拡大された構造的支持要素は、好適な材料(複数可)の任意の1つまたはそれらの組み合わせから形成され得る。好ましくは、拡大された構造的支持要素は、マッサージ機器が丈夫であるように、十分な強度および剛性の1つまたは複数の材料から成る。より好ましくは、拡大された構造的支持要素は、木、金属または硬質/剛性ポリマー/プラスチックの任意の1つまたはそれらの組み合わせから形成される。
【0027】
好ましくは、2つの把持部材は、拡大された構造的支持要素の平面の前側から保持されるように構成される。2つの把持部材は、ユーザがマッサージ機器の重量を支持する、および/または平面に沿ってマッサージ機器の位置を操作することができる任意の適切な配置を備える。例えば、表面は、壁などの、平面であってよい。より好ましくは、2つの把持部材は、拡大された構造的支持要素の前面および/または平面体の前に配置される。例えば、2つの把持部材は、拡大された構造的支持要素の前面および/または平面体の前で窪む、または拡大された構造的支持要素の前面および/または平面体の前の切り抜かれたハンドルであってよい。最も好ましくは、2つの把持部材はそれぞれ、拡大された構造的支持要素の前面および/または平面体の前から離れて突出するハンドルを備える。任意で、2つの把持部材は、拡大された構造的支持要素の前面および/または平面体の前から離れて突出する単一の隣接するハンドルを一緒に備える。
【0028】
好ましくは、ハンドルまたは単一の隣接するハンドルは、ユーザがマッサージ機器をその手で中立の把持位置で把持することができるように構成された把持部を備える。把持部は、好ましくは、直線状であり、および/または直線状の長手方向軸を備える。中立の把持位置は、手および/または手首を身体の脇に置いた状態の位置に実質的に同様の位置でマッサージ機器をユーザの手が把持することを意味すると理解される。より好ましくは、把持部は、75°~90°の鋭角で拡大された構造的支持要素の平面の前側に対して配置される。より好ましくは、把持部は、拡大された構造的支持要素の平面の前側から直交する方向に離れて延在する。
【0029】
好ましくは、ハンドルは平面の前側から平面に垂直な少なくとも8cmの距離だけ、より好ましくは、最大20cmまたは最大16cmなど少なくとも10cm、最も好ましくは、例えば約13cmなど少なくとも12cm離れて延在し、中立位置で把持部を把持するときに、ユーザは、改善されたマッサージ経験を与えるために不自然な、ねじられたおよび/または非中立的な位置に身体を位置付けることなく、背中をマッサージすることができる。
【0030】
好ましくは、2つの把持部材が構造的支持要素上に配置される位置は、第1の軸を画定する。
【0031】
2つの把持部材の間の距離は、調整可能であってよい、または固定されてもよい。2つの把持部材が調整可能である実施形態では、2つの把持部材の間の距離は、好ましくは第1の軸に沿って調整可能である。より好ましくは、2つの把持部材は、2つの把持部材の間の中心点の位置が任意の調整の前後で不変であるように、共同して調整される。
【0032】
好ましくは、2つの把持部材の間の距離は、少なくとも30cm、より好ましくは少なくとも35cm、最も好ましくは、少なくとも40cmである。1つの例では、2つの把持部材の間の距離は、32.5cm~80cm、または第2の例では、45cm~70cmである。
【0033】
2つの把持部材は、好適な材料(複数可)の任意の1つまたはそれらの組み合わせから形成され得る。好ましくは、2つの把持部材は、1つまたは複数の丈夫な材料から成る。最も好ましくは、拡大された構造的支持要素は、木、金属または硬質/剛性ポリマー/プラスチックの任意の1つまたはそれらの組み合わせから成る。
【0034】
任意で、2つの把持部材は、クッション性のあるおよび/または詰め物をした把持面を備える。例えば、2つの把持部材の表面は、弾力性発泡材料を含んでもよく、代替で、さらなる例では、表面はジェル状の詰め物を含んでもよい。なおもさらなる例では、把持部材は、把持されたときに、ユーザの手の形状に成形されるように構成される弾力性ポリマー面を備えてもよい。
【0035】
任意で、2つの把持部材は、好ましくは、第2の端部位置および/またはマッサージ機器の底部により、マッサージ機器が床に立位で自身を支持することができるように構成され、2つの把持部材は、床に接触している。床に自立するマッサージ機器は、好ましくは、使用時にアクセスの容易さを改善されてもよく、および/または収納の容易さを改善されてもよい。
【0036】
好ましくは、少なくとも1つのマッサージ部材を使用して、ユーザの背中の所定の位置をマッサージする。より好ましくは、少なくとも1つのマッサージ部材は、ユーザの背中の別々の位置をマッサージするように構成される。例えば、少なくとも1つのマッサージ部材は、ユーザの背中に位置する活性または潜伏性筋筋膜性トリガポイントをマッサージするように構成され得る。
【0037】
一実施形態では、マッサージ部材は、少なくとも1つのマッサージ部材および少なくとも2つの把持部材が、構造的支持要素上に配置される位置によって画定される平面の前側から突出する。
【0038】
好ましくは、マッサージ部材は、構造的支持要素上の内側に配置される。より好ましくは、少なくとも1つのマッサージ部材は、2つの把持部材が構造的支持要素上に配置される位置によって画定される第1の軸に直交し、内側に交差する第2の軸上に配置される。
【0039】
任意で、少なくとも1つのマッサージ部材と第1の軸との間の距離は、調整可能である(または固定され得る)。好ましくは、任意で、少なくとも1つのマッサージ部材と第1の軸との間の距離は、第2の軸に沿って調整可能である。
【0040】
好ましくは、少なくとも1つのマッサージ部材と第1の軸との間の距離は、少なくとも15cm、より好ましくは少なくとも25cm、さらにより好ましくは少なくとも30cm、最も好ましくは少なくとも35cm、好ましくは最大55cmである。例えば、少なくとも1つのマッサージ部材と第1の軸との間の距離は、37.5cm~50cmの範囲であり得る。
【0041】
好ましくは、任意の実施形態では、少なくとも1つのマッサージ部材は、交換可能なマッサージヘッドを備える。
【0042】
任意で、少なくとも1つのマッサージ部材は、振動、熱、または機械的マッサージ機能を備える。例えば、少なくとも1つのマッサージ部材は、機械的指圧マッサージ機および/または化学/電気熱パッドおよび/または電気振動機能を備え得る。
【0043】
一実施形態では、機器は、ユーザが背中の別々の区域を選択的にマッサージできるように、1つのマッサージ部材を備える。任意で、1つのマッサージ部材は、交換可能なマッサージヘッドを備える。
【0044】
任意で、マッサージ用機器は、キットで提供され、キットはさらに、1つまたは複数の交換可能なマッサージヘッドを備える。好ましくは、1つまたは複数の交換可能なマッサージヘッドは、変化する形状、剛性、弾力性のマッサージヘッドおよび/またはそれらの機能を備え得る。例えば、ヘッドは、半球状、拡大した突出、角度付けられた外面、隆起した外面、凹凸外面を有してもよく、あるいは、ヘッドは、複数のボールもしくはベアリング、またはボールまたはベアリングのラックを備えてもよく、あるいはクッション性の面を有してもよい。
【0045】
好ましい実施形態では、少なくとも1つのマッサージ部材が構造的支持要素上に配置される位置および少なくとも2つの把持部材が構造的支持要素上に配置される位置は、一緒に平面を画定し、少なくとも1つのマッサージ部材は、平面の前側から突出する。より好ましくは、少なくとも1つのマッサージ部材は、平面の前側から突出し、把持部材は、平面の前側から把持されるように構成される。
【0046】
第2の好ましい実施形態では、拡大された構造的支持要素を備える、マッサージに使用する機器が提供される。構造的支持要素の第1の端部に単一のマッサージ部材が配置され、互いに対して構造的支持要素上に横方向に配置される、2つの把持部材が第1の端部の遠位の第2の端部に配置される。機器は、腕を身体の脇に置いた状態で立っているユーザが、2つの把持部材を把持でき、支持構造体がユーザの背後に配置されているときに、機器を操作してユーザの背中の所定の位置をマッサージできるように構成される。好ましくは、単一のマッサージ部材が構造的支持要素上に配置される位置および少なくとも2つの把持部材が構造的支持要素上に配置される位置は、一緒に平面を画定する。好ましくは、マッサージ部材は、平面の前側から突出し、把持部材は、平面の前側から把持されるように構成される。好ましくは、拡大された構造的支持要素は、平面背面を有する平面体を備え、拡大された構造的支持要素、平面体、および/または平面背面は、壁などの平面に当接するように構成される。好ましくは、2つの把持部材が構造的支持要素上に配置される位置は、第1の軸を画定し、少なくとも1つのマッサージ部材は、第1の軸に直交し、内側に交差する第2の軸上に配置される。
【0047】
任意で、2つの把持部材の間の距離および少なくとも1つのマッサージ部材と第1の軸との間の距離は、調整可能である。
【0048】
本発明のさらなる態様では、提供された機器を使用してマッサージする方法(例えば、非治療的方法)が提供され、方法は、ユーザの脊椎と腕とが中立位置にあるように、ユーザが機器を自身の背後に位置付け、2つの把持部材を把持することと、ユーザの背中中部から背中上部(および/または任意で腰)を、壁に支持されている機器のマッサージ部材に持たせかけることと、中立の脊椎の位置を維持しながら、ユーザがもたれかかることによって背中にかかる圧力を調整すること、および/または最適なマッサージのためマッサージ部材と接触する位置を調整することとを含む。好ましくは、ユーザが2つの把持部材を把持することにより、壁に沿ってマッサージ機器の位置を操作することによってマッサージ部材との接触位置を調整することができる。
【0049】
ここで、添付図面を参照しながら、制限なくより詳細に本発明を説明する。
【0050】
図1に示すように、マッサージで使用する機器(1)は、拡大された構造的支持要素(3)を備える。活性または潜伏性筋筋膜性トリガポイントなどのユーザの背中の別々の区域をマッサージするように構成された単一のマッサージ部材(7)は、構造的支持要素(3)の第1の端部(5)に配置される。ユーザが、2つの把持部材(11)の間に身体/腰/ウエストを位置付けることができるように互いに対して構造的支持要素(3)上に横方向に配置される、2つの把持部材(11)が第1の端部(5)の遠位の第2の端部(9)に配置される。拡大された構造的支持要素(3)は、略三角形であり、第2の端部(9)は、三角形状の基部に近接する。2つの把持部材(11)が構造的支持要素(3)上に配置される位置は、第1の軸(17)を画定し、単一のマッサージ部材(7)は、第1の軸(17)に直交し、内側に交差する第2の軸(19)上に配置される。機器(1)は、腕を身体の脇に置いた状態で立っているユーザが、2つの把持部材(11)を把持でき、支持構造体(3)がユーザの背後に配置されているときに、機器を操作してユーザの背中の所定の位置をマッサージできるように構成される。拡大された構造的支持要素(3)はさらに、壁などの平面に支持されるように構成される、平面背面(15、図示せず)を有する平面体(13)を備える。
【0051】
図2に示すように、マッサージで使用する機器(1)は、拡大された構造的支持要素(3)を備える。活性または潜伏性筋筋膜性トリガポイントなどのユーザの背中の別々の区域をマッサージするように構成された単一のマッサージ部材(7)は、構造的支持要素(3)の第1の端部(5)に配置される。ユーザが、2つの把持部材(11)の間に身体/腰/ウエストを位置付けることができるように互いに対して構造的支持要素(3)上に横方向に配置される、2つの把持部材(11、2つの把持部材のうちの第2は図示せず)が第1の端部(5)の遠位の第2の端部(9)に配置される。把持部材(11)は、機器(1)を把持するときに、ユーザの快適さを改善するためクッション性の把持面(12)を備える。機器(1)は、腕を身体の脇に置いた状態で立っているユーザが、2つの把持部材(11)を把持でき、拡大された構造的支持要素(3)がユーザの背後に配置されているときに、機器を操作してユーザの背中の所定の位置をマッサージできるように構成される。拡大された構造的支持要素(3)はさらに、壁などの平面に支持されるように構成される、平面背面(15)を有する平面体(13)を備える。
【0052】
本発明を好ましい実施形態を参照して説明してきた。しかし、変形および修正が、本発明の範囲を逸脱することなく、同業者によってもたらされ得ることが理解されよう。
【0053】
本発明のさらない態様および/または実施形態を以下の条項において説明する。
条項1
マッサージで使用する機器であって、拡大された構造的支持要素を備え、構造的支持要素の第1の端部に少なくとも1つのマッサージ部材が配置され、互いに対して構造的支持要素上に横方向に配置される、2つの把持部材が第1の端部の遠位の第2の端部に配置され、
腕を身体の脇に置いた状態で立っているユーザが、支持構造体がユーザの背後に配置されているときに、2つの把持部材を把持でき、機器を操作してユーザの背中の所定の位置をマッサージできるように構成される、機器。
【0054】
条項2
構造的支持要素は、壁などの平面に支持されるように構成される、条項1に記載の機器。
【0055】
条項3
少なくとも1つのマッサージ部材が構造的支持要素上に配置される位置および少なくとも2つの把持部材が構造的支持要素上に配置される位置は、一緒に平面を画定し、マッサージ部材は、平面の前側から突出し、把持部材は、平面の前側から把持されるように構成される、条項1または条項2に定義される機器。
【0056】
条項4
拡大された構造的支持要素は、壁などの、平面に当接するように構成された平面背面を有する平面体を備える、条項3に記載の機器。
【0057】
条項5
ローラ配置または低摩擦材料は、平面の背部側の周りまたは平面背面上の拡大された構造的支持上に配置される、条項3または条項4に定義される機器。
【0058】
条項6
マッサージ部材は、構造的支持要素の内側に配置される、条項1~条項5のいずれか1つに定義される機器。
【0059】
条項7
2つの把持部材が構造的支持要素上に配置される位置は、第1の軸を画定し、少なくとも1つのマッサージ部材は、第1の軸に直交し、内側に交差する第2の軸上に配置される、条項1~条項6のいずれか1つに定義される機器。
【0060】
条項8
少なくとも1つのマッサージ部材と第1の軸との間の距離は、調整可能である、条項7に記載の機器。
【0061】
条項9
少なくとも1つのマッサージ部材と第1の軸との間の距離は、少なくとも15cmである、条項7または条項8に定義される機器。
【0062】
条項10
機器は、ユーザが背中の別々の区域を選択的にマッサージできるように、1つのマッサージ部材を備える、条項1~条項9のいずれか1つに定義される機器。
【0063】
条項11
少なくとも1つのマッサージ部材は、交換可能なマッサージヘッドを備える、条項1~条項10のいずれか1つに定義される機器。
【0064】
条項12
少なくとも1つのマッサージ部材は、振動、熱、または機械的マッサージ機能を備える、条項1~条項11のいずれか1つに定義される機器。
【0065】
条項13
2つの把持部材の間の距離は調整可能である、条項1~条項12のいずれか1つに定義される機器。
【0066】
条項14
2つの把持部材の間の距離は、40cm~49cmなど、少なくとも35cm、好ましくは少なくとも40cmである、条項1~条項13のいずれか1つに定義される機器。
【0067】
条項15
2つの把持部材はクッション性把持面を備える、条項1~条項14のいずれか1つに定義される機器。
【0068】
条項16
条項1~条項15のいずれか1つに記載の機器を使用してマッサージする方法であって、
ユーザの脊椎と腕とが中立位置にあるように、ユーザが機器を自身の背後に位置付け、2つの把持部材を脇に把持することと、
ユーザがユーザの背中中部から背中上部を、壁に支持されている機器のマッサージ部材に持たせかけることと、
中立の脊椎の位置を維持しながら、ユーザがもたれかかることによって背中にかかる圧力を調整すること、および/または最適なマッサージのためマッサージ部材と接触する位置を調整することと、を含む、方法。
【0069】
上記条項により定義された実施形態はそれぞれ、文脈が許す場合、上述の本発明の態様による、マッサージで使用する機器に、および/または、機器を使用するマッサージの方法に、組み込まれ得る。
【国際調査報告】