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特表2024-502534複数のディスプレイ明度モードのためのシームレスな移行
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-22
(54)【発明の名称】複数のディスプレイ明度モードのためのシームレスな移行
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20240115BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20240115BHJP
   H05B 47/11 20200101ALI20240115BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20240115BHJP
   G09G 5/37 20060101ALI20240115BHJP
【FI】
G09G5/00 550C
H05B45/10
H05B47/11
G09G5/10 B
G09G5/37 100
G09G5/00 510H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528515
(86)(22)【出願日】2020-11-13
(85)【翻訳文提出日】2023-07-07
(86)【国際出願番号】 US2020060413
(87)【国際公開番号】W WO2022103399
(87)【国際公開日】2022-05-19
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェン,チエン-フイ
【テーマコード(参考)】
3K273
5C182
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA07
3K273QA30
3K273RA02
3K273SA05
3K273SA19
3K273SA21
3K273SA24
3K273SA37
3K273SA46
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA40
3K273TA45
3K273UA17
3K273UA22
3K273UA25
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB02
5C182BA06
5C182BA25
5C182BA27
5C182BA28
5C182BA29
5C182BA35
5C182BA37
5C182BA45
5C182BA47
5C182BA57
5C182BA68
5C182BA75
5C182BC22
5C182BC25
5C182BC26
5C182CA01
5C182CA12
5C182CB47
5C182DA18
5C182DA44
(57)【要約】
例示的なデバイスは、第1の明度レベルまたは第2の明度レベルで動作するように構成されたディスプレイコンポーネントを含む。デバイスはまた、動作を行なうように動作可能である1つ以上のプロセッサを含む。動作は、ディスプレイコンポーネントによって、および、ディスプレイコンポーネントが第1の明度レベルで動作している間に、指紋認証トリガーイベントを検出することを含む。動作はさらに、指紋認証トリガーイベントに基づいて、第2の明度レベルで動作するためのグラフィカルユーザインターフェイスの第1の部分を決定することを含む。動作はまた、ディスプレイコンポーネントを第1の明度レベルから第2の明度レベルへ移行させることを含む。動作は加えて、ディスプレイコンポーネントの第2の部分を、(1)第1の明度レベル、または(2)第2の明度レベルのためのグレーレベルへの値オフセット、のうちの1つを第2の部分に適用することに基づいて、表示することを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
ディスプレイコンポーネントを含み、前記ディスプレイコンポーネントは、第1の明度レベルまたは第2の明度レベルで動作するように構成され、前記デバイスはさらに、
動作を行なうように動作可能である1つ以上のプロセッサを含み、前記動作は、
前記ディスプレイコンポーネントによって表示されるグラフィカルユーザインターフェイスを介して、および、前記ディスプレイコンポーネントが前記第1の明度レベルで動作している間に、指紋認証トリガーイベントを検出することと、
前記指紋認証トリガーイベントに基づいて、前記第2の明度レベルで動作するための前記グラフィカルユーザインターフェイスの第1の部分を決定することと、
前記指紋認証トリガーイベントに応答して、前記ディスプレイコンポーネントを前記第1の明度レベルから前記第2の明度レベルへ移行させることと、
前記ディスプレイコンポーネントの第2の部分を、(1)前記第1の明度レベル、または(2)前記第2の明度レベルのためのグレーレベルへの値オフセット、のうちの1つを前記第2の部分に適用することに基づいて、表示することとを含む、デバイス。
【請求項2】
前記動作はさらに、
前記ディスプレイコンポーネントを前記第1の明度レベルから前記第2の明度レベルへ移行させた後で、前記指紋認証トリガーイベントが終了したことを検出することと、
前記指紋認証トリガーイベントが終了したことを検出することに応答して、前記ディスプレイコンポーネントを前記第2の明度レベルから前記第1の明度レベルへ移行させることとを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記動作はさらに、指紋検出が行なわれたと判定することによって、前記指紋認証トリガーイベントが終了したことを検出することを含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記動作はさらに、指紋検出を行なうためのしきい値時間が満了したと判定することによって、前記指紋認証トリガーイベントが終了したことを検出することを含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記動作はさらに、前記第1の明度レベルでの前記ディスプレイコンポーネントの第1の輝度値を決定することを含み、
前記第2の明度レベルのための前記グレーレベルへの値オフセットは、前記第1の輝度値に基づいている、請求項1~4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記動作はさらに、ガンマ値のために、前記第1の明度レベルおよび前記第2の明度レベルに対応する1対のガンマ曲線を決定することを含み、
前記値オフセットは、前記1対のガンマ曲線に基づいて決定される、請求項1~5のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記デバイスは、複数のガンマ値と、複数の対のガンマ曲線とを用いて構成される、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記動作はさらに、前記第2の部分上に仮想層を施すことによって、前記第1の明度レベルを前記第2の部分に適用することを含み、前記仮想層は、所定レベルの透明度を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記動作はさらに、
前記第1の明度レベルでの前記ディスプレイコンポーネントの第1の輝度値を決定することと、
前記第2の明度レベルでの前記ディスプレイコンポーネントの第2の輝度値を決定することとを含み、
前記所定レベルの透明度は、前記第2の輝度値に対する前記第1の輝度値の比に対応する、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記所定レベルの透明度は、一連の可能な値に対応する、請求項8に記載のデバイス。
【請求項11】
前記所定レベルの透明度はユーザによって入力され、
前記動作はさらに、前記ディスプレイコンポーネントを介して、前記ユーザによる好ましいレベルの透明度の前記入力を受信するための透明度調節バーを提供することを含む、請求項8に記載のデバイス。
【請求項12】
前記動作はさらに、前記指紋認証トリガーイベントが終了したことを検出することに応答して、前記仮想層を除去することを含む、請求項8に記載のデバイス。
【請求項13】
前記動作はさらに、
前記ディスプレイコンポーネントの前記第2の部分のために、画素群を決定することと、
前記画素群のために、前記第1の明度レベルでの前記第1の輝度値を決定することとを含む、請求項5または9のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記動作はさらに、前記ディスプレイコンポーネントの前記第2の部分における各画素のために、前記第1の明度レベルでの前記第1の輝度値を決定することを含む、請求項5または9のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記第2の明度レベルは前記第1の明度レベルよりも大きい、請求項1~14のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記第1の明度レベルは0~500ニトに及ぶ、請求項1~15のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項17】
前記動作はさらに、前記デバイスの周りの環境に関連付けられた環境状態測定値に基づいて前記第1の明度レベルを決定することを含む、請求項1~16のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項18】
前記デバイスの周りの前記環境から周囲光測定値を受信するように構成された周囲光センサをさらに含み、
前記環境状態測定値は、前記デバイスの周りの前記環境から前記周囲光センサによって受信された現在の周囲光測定値を含む、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
コンピュータにより実現される方法であって、
ディスプレイコンポーネントによって表示されるグラフィカルユーザインターフェイスを介して、および、前記ディスプレイコンポーネントが第1の明度レベルで動作している間に、指紋認証トリガーイベントを検出するステップを含み、前記ディスプレイコンポーネントは、前記第1の明度レベルまたは第2の明度レベルで動作するように構成され、前記方法はさらに、
前記指紋認証トリガーイベントに基づいて、前記第2の明度レベルで動作するための前記グラフィカルユーザインターフェイスの第1の部分を決定するステップと、
前記指紋認証トリガーイベントに応答して、前記ディスプレイコンポーネントを前記第1の明度レベルから前記第2の明度レベルへ移行させるステップと、
前記ディスプレイコンポーネントの第2の部分を、(1)前記第1の明度レベル、または(2)前記第2の明度レベルのためのグレーレベルへの値オフセット、のうちの1つを前記第2の部分に適用することに基づいて、表示するステップとを含む、方法。
【請求項20】
コンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されると前記コンピューティングデバイスに動作を行なわせるプログラム命令が格納された非一時的コンピュータ読取可能媒体を含む、製造品であって、前記動作は、
ディスプレイコンポーネントによって表示されるグラフィカルユーザインターフェイスを介して、および、前記ディスプレイコンポーネントが第1の明度レベルで動作している間に、指紋認証トリガーイベントを検出することを含み、前記ディスプレイコンポーネントは、前記第1の明度レベルまたは第2の明度レベルで動作するように構成され、前記動作はさらに、
前記指紋認証トリガーイベントに基づいて、前記第2の明度レベルで動作するための前記グラフィカルユーザインターフェイスの第1の部分を決定することと、
前記指紋認証トリガーイベントに応答して、前記ディスプレイコンポーネントを前記第1の明度レベルから前記第2の明度レベルへ移行させることと、
前記ディスプレイコンポーネントの第2の部分を、(1)前記第1の明度レベル、または(2)前記第2の明度レベルのためのグレーレベルへの値オフセット、のうちの1つを前記第2の部分に適用することに基づいて、表示することとを含む、製造品。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
ディスプレイ明度レベルとは、コンピューティングデバイスのディスプレイスクリーンから発する光の知覚される強度を指し得る。ディスプレイ明度モードとは、一連の明度レベルを指し得る。たとえば、通常モード(normal mode)は0~500カンデラ毎平方メートルからの明度レベルに対応し、高明度モードは800~900カンデラ毎平方メートルからの明度レベルに対応し得る。異なる明度レベルは異なる電力使用量を必要とし、異なるユーザ体験をもたらし得る。時折、コンピューティングデバイスは、ディスプレイスクリーンのための複数の明度モード間を移行し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
概要
本開示は概して、コンピューティングデバイスのディスプレイコンポーネントに関する。ディスプレイコンポーネントは、複数の明度レベルで動作するように構成され得る。1つ以上のトリガーイベントに依存して、コンピューティングデバイスのコントローラが、ディスプレイコンポーネントを第1の明度レベルから第2の明度レベルへ移行させ得る。たとえば、ディスプレイスクリーンを使用して指紋を認証する場合、コンピューティングデバイスは通常モードから高明度モードへ移行し、認証が行なわれた後で、コンピューティングデバイスは通常モードに戻るように移行し得る。指紋を認証する場合、ディスプレイコンポーネントの異なる部分の明度が調節され得る。
【0003】
第1の局面では、デバイスが提供される。デバイスはディスプレイコンポーネントを含む。ディスプレイコンポーネントは、第1の明度レベルまたは第2の明度レベルで動作するように構成される。デバイスはまた、動作を行なうように動作可能である1つ以上のプロセッサを含む。動作は、ディスプレイコンポーネントによって、および、ディスプレイコンポーネントが第1の明度レベルで動作している間に、指紋認証トリガーイベントを検出することを含む。動作はさらに、指紋認証トリガーイベントに基づいて、第2の明度レベルで動作するためのグラフィカルユーザインターフェイスの第1の部分を決定することを含む。動作はまた、ディスプレイコンポーネントを第1の明度レベルから第2の明度レベルへ移行させることを含む。動作は加えて、ディスプレイコンポーネントの第2の部分を、(1)第1の明度レベル、または(2)第2の明度レベルのためのグレー(gray)レベルへの値オフセット、のうちの1つを第2の部分に適用することに基づいて、表示することを含む。
【0004】
第2の局面では、コンピュータにより実現される方法が提供される。方法は、ディスプレイコンポーネントによって表示されるグラフィカルユーザインターフェイスを介して、および、ディスプレイコンポーネントが第1の明度レベルで動作している間に、指紋認証トリガーイベントを検出するステップを含む。ディスプレイコンポーネントは、第1の明度レベルまたは第2の明度レベルで動作するように構成される。方法はまた、指紋認証トリガーイベントに基づいて、第2の明度レベルで動作するためのグラフィカルユーザインターフェイスの第1の部分を決定するステップを含む。第1の部分は、第2の明度レベルで動作されることになっている。方法はさらに、指紋認証トリガーイベントに応答して、ディスプレイコンポーネントを第1の明度レベルから第2の明度レベルへ移行させるステップを含む。方法は加えて、ディスプレイコンポーネントの第2の部分を、(1)第1の明度レベル、または(2)第2の明度レベルのためのグレーレベルへの値オフセット、のうちの1つを第2の部分に適用することに基づいて、表示するステップを含む。
【0005】
第3の局面では、製造品が提供される。製造品は、コンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されるとコンピューティングデバイスに動作を行なわせるプログラム命令が格納された非一時的コンピュータ読取可能媒体を含み得る。動作は、ディスプレイコンポーネントによって、および、ディスプレイコンポーネントが第1の明度レベルで動作している間に、指紋認証トリガーイベントを検出することを含む。動作はさらに、指紋認証トリガーイベントに基づいて、第2の明度レベルで動作するためのグラフィカルユーザインターフェイスの第1の部分を決定することを含む。動作はまた、ディスプレイコンポーネントを第1の明度レベルから第2の明度レベルへ移行させることを含む。動作は加えて、ディスプレイコンポーネントの第2の部分を、(1)第1の明度レベル、または(2)第2の明度レベルのためのグレーレベルへの値オフセット、のうちの1つを第2の部分に適用することに基づいて、表示することを含む。
【0006】
第4の局面では、システムが提供される。システムは、動作は、ディスプレイコンポーネントによって、および、ディスプレイコンポーネントが第1の明度レベルで動作している間に、指紋認証トリガーイベントを検出するための手段と、指紋認証トリガーイベントに基づいて、第2の明度レベルで動作するためのグラフィカルユーザインターフェイスの第1の部分を決定するための手段と、ディスプレイコンポーネントを第1の明度レベルから第2の明度レベルへ移行させるための手段と、ディスプレイコンポーネントの第2の部分を、(1)第1の明度レベル、または(2)第2の明度レベルのためのグレーレベルへの値オフセット、のうちの1つを第2の部分に適用することに基づいて、表示するための手段とを含む。
【0007】
他の局面、実施形態、および実現化例は、必要に応じて添付図面を参照して以下の詳細な説明を読むことによって、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】例示的な実施形態に従ったコンピューティングデバイスを示す図である。
図2】例示的な実施形態に従った、例示的なガンマ曲線を示すグラフを表わす図である。
図3】例示的な実施形態に従った、コンピューティングデバイスと環境との関係を示す図である。
図4】例示的な実施形態に従った、ディスプレイ輝度対グレーレベルを示すグラフおよびテーブルを表わす図である。
図5】例示的な実施形態に従った、例示的なディスプレイ明度移行を示すコンピューティングデバイスを表わす図である。
図6】例示的な実施形態に従った、例示的なディスプレイ明度移行を示すコンピューティングデバイスを表わす図である。
図7】例示的な実施形態に従った方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
例示的な方法、デバイス、およびシステムが本明細書で説明される。「例」および「例示的な」という単語は、「例、事例、または例示として機能する」ことを意味するために本明細書で使用されることが理解されるべきである。「例」または「例示的」であるとして本明細書で説明されるどの実施形態または特徴も、他の実施形態または特徴と比べて好ましいかまたは有利であると解釈されるべきであるとは限らない。本明細書で提示される主題の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行なうことができる。
【0010】
このため、本明細書で説明される例示的な実施形態は、限定的であるよう意図されてはいない。概して本明細書で説明され、図面に示されるような本開示の局面は、すべてが本明細書で考えられる多種多様の異なる構成で配置され、置換され、組合され、分離され、設計され得る。
【0011】
また、文脈が他の意味を示唆する場合を除き、図面の各々に示された特徴は互いに組合されて使用され得る。このため、図示されたすべての特徴が各実施形態にとって必要であるとは限らないと理解した上で、図面は概して、1つ以上の全体的な実施形態の構成要素局面として見られるべきである。
【0012】
I.概観
アンダーディスプレイ指紋センサ(under display fingerprint sensor:UDFPS)とは、コンピューティングデバイスのディスプレイコンポーネントの下に積層される光センサである。このセンサが指紋認証中に働くために、ディスプレイコンポーネントによって放出された光が、認証されるべき指からセンサへ反射される。一般に、ディスプレイコンポーネントは、低明度レベルに対応する通常モードで動作し得る。明度レベルは、カンデラ毎平方メートル値またはニトとして測定され得る。したがって、ディスプレイコンポーネントは、500ニト以下に対応する通常モードで動作し得る。しかしながら、指紋を認証する場合、ディスプレイコンポーネントのための高明度モードが望ましいことがある。たとえば、信号対ノイズ比(signal-to-noise ratio:SNR)要件を満たすには、ディスプレイコンポーネントは900ニト以上で動作される必要があり得る。しかしながら、通常モードから高明度モードへ変わることは、ちらつきなどの光学的欠点も引き起こし得る。
【0013】
通常モードと高明度モードとでは、光学特性が異なり得る。具体的には、通常モードと高明度モードとでは、ディスプレイコンポーネントの輝度および色が異なり得る。ディスプレイコンポーネントが通常モードから高明度モードへ(逆の場合も同様)切り替わると、この光学的差異は光学的欠点としてディスプレイコンポーネント上に現われ得る。従って、光学的欠点は非常に顕著になり、ユーザの体験にとって有害になり得る。さらに、人間の目は低明度設定での輝度および/または色の変化に非常に敏感であるため、ディスプレイコンポーネントの明度が低い場合、および/または、ディスプレイコンポーネントを取り巻く環境の周囲光が低い場合、光学的欠点は特に目立つ。
【0014】
本明細書で説明されるいくつかの手法は、指紋認証が行なわれているディスプレイコンポーネントの部分と指紋認証が行なわれていない部分とに基づいて明度モード移行を動的に調節することによって、これらの問題に対処する。具体的には、コンピューティングデバイスは、ディスプレイコンポーネントを第1の明度レベルから第2の明度レベルへ移行させ、指紋認証が行なわれていない部分に第1の明度レベルを適用し得る。これに代えて、コンピューティングデバイスは、ディスプレイコンポーネントを第1の明度レベルから第2の明度レベルへ移行させ、第2の明度レベルのためのグレーレベルへの値オフセットを適用し得る。また、周囲環境光強度などの他の環境測定値も、明度移行を動的に調節するために利用され得る。
【0015】
本明細書で説明される手法を使用することにより、あらゆる光学的欠点を削減または排除しつつ、複数の明度レベルを利用することができる。本明細書での説明から、他の利点も考えられ、理解されるであろう。
【0016】
II.例示的なデバイス
図1は、例示的な実施形態に従ったコンピューティングデバイス100を示す。コンピューティングデバイス100は、ディスプレイコンポーネント110と、ガンマ回路120と、1つ以上の周囲光センサ130と、1つ以上のアンダーディスプレイ指紋センサ140と、1つ以上の他のセンサ150と、ネットワークインターフェイス160と、コントローラ170と、値オフセット回路180と、透明度調節回路190とを含む。いくつかの例では、コンピューティングデバイス100は、デスクトップデバイス、サーバデバイス、またはモバイルデバイスの形を取り得る。コンピューティングデバイス100は、環境と対話するように構成され得る。たとえば、コンピューティングデバイス100は、コンピューティングデバイス100の周りの環境から指紋情報を取得し得る。また、たとえば、コンピューティングデバイス100は、コンピューティングデバイス100の周りの環境に関連付けられた環境状態測定値(たとえば周囲光測定値など)を取得し得る。
【0017】
ディスプレイコンポーネント110は、1つ以上のスクリーン(タッチスクリーンを含む)、陰極線管(cathode ray tube:CRT)、液晶ディスプレイ(liquid crystal display:LCD)、発光ダイオード(light emitting diode:LED)、デジタル光処理(digital light processing:DLP)技術および/または他の同様の技術を使用するディスプレイを介して出力信号をユーザへ提供するように構成され得る。ディスプレイコンポーネント110はまた、スピーカ、スピーカジャック、音声出力ポート、音声出力デバイス、イヤホン、および/または他の同様のデバイスなどを用いて可聴出力を生成するように構成され得る。ディスプレイコンポーネント110はさらに、コンピューティングデバイス100とのタッチおよび/または物理的接触によって検出可能な振動および/または他の出力といった触覚出力を生成できる1つ以上の触覚コンポーネントを用いて構成され得る。
【0018】
例示的な実施形態では、ディスプレイコンポーネント110は、所与の明度レベルで動作するように構成される。明度レベルは、ディスプレイコンポーネントによって行なわれている動作に対応し得る。たとえば、UDFPSが起動されると、ディスプレイコンポーネント110は、800または900ニトに対応する明度レベルで動作し得る。例示的な実施形態では、ディスプレイコンポーネント110は、低い環境光強度を勘案するように2ニトに対応する低明度レベルで動作し得る。いくつかの他の例では、ディスプレイコンポーネント110は、500ニトに対応する通常明度レベルで動作し得る。
【0019】
ある実施形態では、ディスプレイコンポーネント110は、画像を生成するための複数のカラーチャネルを利用するカラーディスプレイであり得る。たとえば、ディスプレイコンポーネント110はとりわけ、赤、緑、および青(red, green, and blue:RGB)カラーチャネル、または、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラック(cyan, magenta, yellow, and black:CMYK)カラーチャネルを利用し得る。以下にさらに説明されるように、ガンマ回路120は、ディスプレイコンポーネント110のカラーチャネルの各々についてのガンマ特性を調節し得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、ディスプレイコンポーネント110は、複数の行および列を定義する画素アレイに配置された複数の画素を含み得る。たとえば、ディスプレイコンポーネント110が1024×600という解像度を有する場合、アレイの各列は600個の画素を含み、アレイの各行は1024個の画素群を含み得る。各群は赤、青、および緑の画素を含み、このため、1行当たり計3072個の画素となる。例示的な実施形態では、ある特定の画素の色は、その画素の上方に配置されるカラーフィルタに依存し得る。
【0021】
例示的な実施形態では、ディスプレイコンポーネント110は、コントローラ170から画像データを受信し、それに応じて当該画像データを表示するためにその画素アレイに信号を送信する。画像データをディスプレイコンポーネント110に送信するために、コントローラ170はまず、デジタル画像を、ディスプレイコンポーネント110によって解釈され得る数値データに変換し得る。たとえば、デジタル画像は、ディスプレイコンポーネント110のそれぞれの画素に対応するさまざまな画像画素を含み得る。デジタル画像の各画像画素は、特定の地点でのデジタル画像の輝度(たとえば明るさまたは暗さ)を表わす数値を有し得る。これらの数値は「グレーレベル」と呼ばれ得る。グレーレベルの数は、数値を表わすために使用されるビットの数に依存し得る。たとえば、ある数値を表わすために8ビットが使用された場合、ディスプレイコンポーネント110は、真っ黒に対応する0という数値と、真っ白に対応する255という数値とを有する、256個のグレーレベルを提供し得る。より具体的な一例として、コントローラ170は、画素群の赤、緑、および青のカラーチャネルの各々についてのグレーレベルに対応する8ビットを有する、24ビットを含むデジタル画像ストリームを、ディスプレイコンポーネント110に提供し得る。
【0022】
場合によっては、ディスプレイコンポーネント110によって表示される画像の輝度特性は、ユーザによって知覚される際に不正確に表わされるかもしれない。そのような不正確さは、人間の目の非線形反応に起因するかもしれず、ユーザの観点から見るとディスプレイコンポーネント110上の色/輝度の不正確な描写を引き起こし得る。そのような不正確さを補償するために、コンピューティングデバイス100は、ガンマ回路120を使用し得る。
【0023】
ガンマ回路120は、ディスプレイコンポーネント110上に画像を表示する際に生じる不正確さを補償し得る回路を含み得る。これを行なうために、ガンマ回路は、1つ以上のガンマ曲線/テーブルを格納するためのメモリを含み得る。各曲線/テーブルにおける値は、入力グレーレベルの範囲にわたるディスプレイコンポーネント110の透過率感度に基づいて決定され得る。
【0024】
例示的な一例として、図2は、さまざまなガンマ曲線を含むグラフ200を表わす。各ガンマ曲線は、ディスプレイ明度値(display brightness value:DBV)バンドに対応し得る。ある特定のDBVバンド(ひいては、ある特定のガンマ曲線)の使用は、ユーザ入力に基づき得る。たとえば、ユーザは、おそらく明度調節バーと対話することによって、ディスプレイコンポーネント110のための最大明度を選択し得る。その最大明度に基づいて、ディスプレイコンポーネント110は、画像を表示する際に生じる不正確さを補償するために、対応するDBVバンド(ひいては、対応するガンマ曲線)を選び得る。
【0025】
グラフ200に示されるように、各ガンマ曲線は、入力グレーレベル(X軸上)とディスプレイコンポーネント110上に表示される可視画像の輝度(y軸上)との関係を含む。これらの関係は非線形である。たとえば、バンド7では、200という入力グレーレベルは、300ニトという輝度値に対応する。従って、入力グレーレベルを調節するためにガンマ曲線を使用することにより、ディスプレイコンポーネント110上に表示される画像は、入力グレーレベルに対する非線形の輝度の関係を呈し得る。しかし、ユーザが見る場合、人間の目の反応により、ユーザは、表示された画像を、輝度と入力グレーレベルとの線形関係を有するとして知覚するようになり得る。このため、ガンマ曲線を使用することにより、ディスプレイコンポーネント110は、入力グレーレベルおよび輝度に関して略線形関係を有するとしてユーザによって知覚され得る画像を生成することができる。
【0026】
図1を再び参照して、周囲光センサ130は、コンピューティングデバイス100の(たとえば、1メートル(m)、5m、または10m以内の)環境から光を受信するように構成され得る。周囲光センサ130は、1つ以上の単一光子アバランシェ検出器(single photon avalanche detector:SPAD)、アバランシェフォトダイオード(avalanche photodiode:APD)、相補型金属酸化膜半導体(complementary metal oxide semiconductor:CMOS)検出器、および/または電荷結合素子(charge-coupled device:CCD)を含み得る。たとえば、周囲光センサ130は、およそ1550ナノメートル(nm)の波長での光を検出するように構成されたインジウムガリウム砒素(indium gallium arsenide:InGaAs)APDを含み得る。他のタイプの周囲光センサ130が可能であり、本明細書で考えられる。
【0027】
いくつかの実施形態では、周囲光センサ130は、1次元アレイまたは2次元アレイ状に配置された複数の光検出器素子を含み得る。たとえば、周囲光センサ130は、単一の列(たとえば線形アレイ状)に配置された16個の検出器素子を含み得る。検出器素子は、主軸に沿って配置されてもよく、または、主軸と少なくとも平行であってもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス100は、1つ以上のアンダーディスプレイ指紋センサ140を含み得る。いくつかの実施形態では、アンダーディスプレイ指紋センサ140は、指の画像を撮ることができる1つ以上の画像取込デバイスを含み得る。アンダーディスプレイ指紋センサ140は、指紋を認証するために利用される。1つ以上の画像取込デバイスによって取込まれた指の画像は、認証目的のために格納された画像と比較される。ディスプレイコンポーネント110からの光は、指からアンダーディスプレイ指紋センサ140へ反射される。ディスプレイから発する光の損失と、低反射からの損失とがあり得る。SNR要件を満たすように指を適切に照らし、また、ディスプレイからの損失および/または反射からの損失を回避するには、高明度レベルが一般に必要である。いくつかの実施形態では、アンダーディスプレイ指紋センサ140は、認証プロセスが完了されるべき時間しきい値を用いて構成される。認証プロセスが時間しきい値内で完了されなかった場合、認証プロセスは失敗する。いくつかの実施形態では、ディスプレイコンポーネント110は、指紋を再認証することを試み得る。そのような反復的な認証プロセスは、電力の大量消費を引き起こすおそれがあり、また、コンピューティングデバイス100のユーザによって知覚可能な光学的欠点を引き起こすおそれがある。
【0029】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス100は、1つ以上の他のセンサ150を含み得る。他のセンサ150は、コンピューティングデバイス100内の状態、および/または、コンピューティングデバイス100の(たとえば、1m、5m、または10m以内の)環境における状態を測定し、これらの状態に関するデータを提供するように構成され得る。たとえば、他のセンサ150は、以下のもののうちの1つ以上を含み得る:(i)コンピューティングデバイス100に関するデータを取得するためのセンサ、たとえば、コンピューティングデバイス100の温度を測定するための温度計、コンピューティングデバイス100の1つ以上のバッテリの電力を測定するためのバッテリセンサ、および/または、コンピューティングデバイス100の状態を測定するための他のセンサ(それらに限定されない);(ii)他のオブジェクトおよび/またはデバイスを識別するための識別センサ、たとえば、無線周波数識別(Radio Frequency Identification:RFID)リーダ、近接センサ、1次元バーコードリーダ、2次元バーコード(たとえばクイックレスポンス(Quick Response:QR)コード)リーダ、および/または、レーザートラッカー(それらに限定されない)、ここで、識別センサは、読取られるように構成されたRFIDタグ、バーコード、QRコード(登録商標)、ならびに/もしくは、他のデバイスおよび/またはオブジェクトなどの識別子を読取り、少なくとも識別情報を提供するように構成され得る;(iii)コンピューティングデバイス100の位置および/または動きを測定するためのセンサ、たとえば、傾斜センサ、ジャイロスコープ、加速度計、ドップラーセンサ、全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)デバイス、ソナーセンサ、レーダーデバイス、レーザー変位センサ、および/または、コンパス(それらに限定されない);(iv)コンピューティングデバイス100の環境を示すデータを取得するための環境センサ、たとえば、赤外線センサ、光学センサ、バイオセンサ、容量センサ、タッチセンサ、温度センサ、ワイヤレスセンサ、無線センサ、運動センサ、近接センサ、レーダー受信機、マイク、音センサ、超音波センサ、および/または、煙センサ(それらに限定されない);ならびに/もしくは、(v)コンピューティングデバイス100に関して作用する1つ以上の力(たとえば慣性力および/または重力)を測定するための力センサ、たとえば、1つ以上の次元での力、トルク、接地力、摩擦を測定する1つ以上のセンサ、ならびに/もしくは、ゼロモーメントポイント(zero moment point:ZMP)および/またはZMPの位置を識別するZMPセンサ(それらに限定されない)。他のセンサ150の多くの他の例が同様に可能である。
【0030】
周囲光センサ130、アンダーディスプレイ指紋センサ140、および他のセンサ150から集められたデータがコントローラ170に通信され、コントローラ170は、1つ以上のアクションを行なうために当該データを使用し得る。
【0031】
ネットワークインターフェイス160は、ネットワークを介して通信するように構成可能である1つ以上の無線インターフェイスおよび/または有線インターフェイスを含み得る。無線インターフェイスは、1つ以上の無線送信機、受信機、および/または送受信機、たとえば、無線ネットワークを介して通信するように構成可能である、ブルートゥース(登録商標)送受信機、ジグビー(Zigbee)(登録商標)送受信機、Wi-Fi(登録商標)送受信機、WiMAX(登録商標)送受信機、および/または他の同様のタイプの無線送受信機を含み得る。有線インターフェイスは、1つ以上の有線送信機、受信機、および/または送受信機、たとえば、有線ネットワークへのツイストペア線、同軸ケーブル、光ファイバーリンク、または同様の物理的接続を介して通信するように構成可能である、イーサネット(登録商標)送受信機、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bu:USB)送受信機、または同様の送受信機を含み得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、ネットワークインターフェイス160は、信頼でき、安全化され、および/または認証された通信を提供するように構成され得る。本明細書で説明される各通信について、信頼できる通信(たとえば、保証されたメッセージ配信)を容易にするための情報が、おそらくはメッセージヘッダおよび/またはフッタの一部として提供され得る(たとえば、パケット/メッセージ順序付け情報、カプセル化ヘッダおよび/またはフッタ、サイズ/時間情報、ならびに、巡回冗長検査(cyclic redundancy check:CRC)値および/またはパリティチェック値などの送信検証情報)。通信は、データ暗号化規格(Data Encryption Standard:DES)、高度暗号化規格(Advanced Encryption Standard:AES)、リベスト・シャミア・エーデルマン(Rivest-Shamir-Adelman:RSA)アルゴリズム、ディフィー・ヘルマン(Diffie-Hellman)アルゴリズム、セキュア・ソケット・レイヤー(Secure Sockets Layer:SSL)またはトランスポート・レイヤー・セキュリティ(Transport Layer Security:TLS)などのセキュアソケットプロトコル、および/または、デジタル署名アルゴリズム(Digital Signature Algorithm:DSA)(それらに限定されない)といった1つ以上の暗号プロトコルおよび/またはアルゴリズムを使用して安全化され(たとえば、符号化または暗号化され)、ならびに/もしくは、復号化/解読され得る。通信を安全化する(および、その後復号化/解読する)ために、他の暗号プロトコルおよび/またはアルゴリズムが、同様にまたは本明細書で列挙されたものに加えて使用され得る。
【0033】
コントローラ170は、1つ以上のプロセッサ172とメモリ174とを含み得る。プロセッサ172は、1つ以上の汎用プロセッサ、および/または、1つ以上の専用プロセッサ(たとえば、ディスプレイドライバ集積回路(display driver integrated circuit:DDIC)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor:DSP)、テンソル処理装置(tensor processing unit:TPU)、グラフィックス処理装置(graphics processing unit:GPU)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit:ASIC)など)を含み得る。プロセッサ172は、メモリ174に含まれるコンピュータ読取可能命令、および/または、本明細書で説明されるような他の命令を実行するように構成され得る。
【0034】
メモリ174は、プロセッサ172によって読取られ、および/またはアクセスされ得る1つ以上の非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体を含み得る。1つ以上の非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体は、プロセッサ172のうちの少なくとも1つと全体的にまたは部分的に一体化され得る、光学、磁気、有機または他のメモリまたはディスクストレージといった揮発性および/または不揮発性ストレージコンポーネントを含み得る。いくつかの例では、メモリ174は、単一の物理的デバイス(たとえば、1つの光学、磁気、有機または他のメモリまたはディスクストレージユニット)を使用して実現されてもよく、一方、他の例では、メモリ174は、2つ以上の物理的デバイスを使用して実現されてもよい。
【0035】
例示的な実施形態では、プロセッサ172は、動作を行なうようにメモリ174に格納された命令を実行するように構成される。
【0036】
動作は、ディスプレイコンポーネント110によって表示されるグラフィカルユーザインターフェイスを介して、および、ディスプレイコンポーネント110が第1の明度レベル(たとえば通常モード)で動作している間に、指紋認証トリガーイベントを検出することを含み得る。たとえば、ディスプレイコンポーネント110は、500ニトという通常明度モードで動作しているかもしれない。いくつかの実施形態では、指紋認証トリガーイベントは、ユーザと、ディスプレイコンポーネント110によって表示されるグラフィカルユーザインターフェイスとの物理的対話を伴う。
【0037】
動作はまた、指紋認証トリガーイベントに基づいて、第2の明度レベル(たとえば、900ニトという高明度モード)で動作するためのグラフィカルユーザインターフェイスの第1の部分を決定することを含み得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、通常モードまたは高明度モードのための明度値は相対値であってもよい。たとえば、明度値は、ディスプレイコンポーネント110のための可能な全明度のうちのパーセンテージ(たとえば45%または55%)であってもよい。いくつかの実施形態では、明度値は絶対値であってもよい。たとえば、明度値は、カンデラ毎平方メートル値またはニト(たとえば、60ニト、または80ニト)で表わされる値であってもよい。
【0039】
動作はさらに、指紋認証トリガーイベントに応答して、ディスプレイコンポーネント110を第1の明度レベル(たとえば通常明度モード)から第2の明度レベル(高明度モード)へ移行させることを含み得る。たとえば、コントローラ170は、ディスプレイコンポーネント110を500ニトという明度レベルから900ニトという明度レベルへ移行させ得る。
【0040】
動作はまた、ディスプレイコンポーネントの第2の部分を、(1)第1の明度レベル、または(2)第2の明度レベルのためのグレーレベルへの値オフセット、のうちの1つを第2の部分に適用することに基づいて、表示することを含み得る。たとえば、コントローラ170は、指紋検出および/または認証を可能にするように900ニトという高明度レベルで第1の部分を表示しつつ、マスキング層を第2の部分に施すことによって500ニトという通常明度レベルで第2の部分を表示し得る。また、たとえば、コントローラ170は、第2の明度レベルのためのグレーレベルへの値オフセットを適用することによって、第2の部分を表示し得る。
【0041】
値オフセット回路180は、ディスプレイコンポーネント110上の第2の明度レベルのためのグレーレベルを補償し得る回路を含み得る。これを行なうために、値オフセット回路180は、1つ以上のガンマ曲線/テーブルを格納するためのメモリを含み得る。各曲線/テーブルにおける値は、入力グレーレベルの範囲にわたるディスプレイコンポーネント110の透過率感度に基づいて決定され得る。
【0042】
透明度調節回路190は、ディスプレイコンポーネント110上に画像を表示する際に生じる不正確さを補償し得る回路を含み得る。これを行なうために、透明度調節回路190は、1つ以上の透明度パーセンテージを決定し、および/または格納するためのメモリを含み得る。これらのパーセンテージは、通常モードおよび高明度モードのための明度レベルの範囲にわたるディスプレイコンポーネント110のガンマ回路120における値に基づいて決定され得る。
【0043】
図3は、例示的な実施形態に従った、コンピューティングデバイス100と環境300との関係を示す。環境300は、コンピューティングデバイス100を取り巻く環境を表わしていてもよく、指紋ソース322と、指紋認証トリガーイベント310(たとえば、ディスプレイコンポーネント110の近くの指を感知すること)とを含む。
【0044】
指紋認証トリガーイベント310は、コンピューティングデバイス100の外部のイベントを表わし得る。指紋認証トリガーイベント310は、ディスプレイコンポーネント110に作用し得る。いくつかの実施形態では、指紋認証トリガーイベント310は、ユーザが指紋認証プロセスを開始するためにディスプレイコンポーネント110のタッチスクリーンインターフェイスにタッチすることを含み得る。いくつかの実施形態では、指紋認証トリガーイベント310は、指が指紋認証プロセスを開始するためにディスプレイコンポーネント110のタッチスクリーンインターフェイスの上方で空中停止することを含み得る。いくつかの実施形態では、指紋認証トリガーイベント310はディスプレイコンポーネント110に明度変更トリガーイベント320をコントローラ170へ通信させ、コントローラ170はこれに応答して、明度変更トリガーイベント320に基づいてアクション314を行ない得る。いくつかの実施形態では、指紋認証トリガーイベント310はディスプレイコンポーネント110に現在のディスプレイ明度316および現在の輝度318をコントローラ170へ通信させ得る。
【0045】
たとえば、明度変更トリガーイベント320を受信すると、コントローラ170は、ディスプレイコンポーネント110を第1の明度レベル(たとえば500ニト)から第2の明度レベル(たとえば900ニト)へ移行させ得る。一般に、低明度モードから高明度モードへの急な移行は、光学的欠点を引き起こすおそれがある。たとえば、ユーザが夜にスクリーンを見る場合、明度レベルを900ニトへ変更することは、スクリーンが非常に明るく見えるようにする。たとえば、周囲光センサ130がコンピューティングデバイス100の周りの環境から周囲光測定値を受信し、通常モードのための明度レベルが2ニトに設定され得る。1つの解決策は、指紋感知エリアを900ニトで維持し、一方、スクリーンの残りの部分を2ニト(夜の低環境照明状態に対応)で表示することであり得る。しかしながら、そのような構成は屈曲を生じさせる。そのため、知覚される屈曲、ちらつき、または他の光学的欠点を削減および/または排除するように、ディスプレイコンポーネント110を第1の明度レベルから第2の明度レベルへ滑らかに移行させることが望ましい。
【0046】
いくつかの実施形態では、現在のディスプレイ明度316および現在の輝度318を受信すると、コントローラ170は、ディスプレイコンポーネント110に、ディスプレイコンポーネントの第2の部分を、(1)第1の明度レベル、または(2)第2の明度レベルのためのグレーレベルへの値オフセット、のうちの1つを第2の部分に適用することに基づいて、表示させ得る。たとえば、コントローラ170は、ディスプレイコンポーネント110に、ディスプレイコンポーネントの第2の部分を、第1の部分(すなわち、指紋認証部分)を第2のまたは高明度レベルで維持しつつ、マスキング層を第1の明度レベルで第2の部分に施すことによって、表示させ得る。また、たとえば、コントローラ170は、ディスプレイコンポーネント110に、ディスプレイコンポーネントの第2の部分を、第2の明度レベルのためのグレーレベルへの値オフセットを第2の部分に適用することによって、表示させ得る。いくつかの実施形態では、グレーレベルへの値オフセットは、本明細書で説明されるようなグレーレベルと輝度値との関係に基づいている。いくつかの実施形態では、値オフセットは、コントローラ170によって受信された現在のディスプレイ明度316および現在の輝度318の値に基づいている。
【0047】
たとえば、人間の目は低明度設定での輝度および/または色の変化に非常に敏感であるため、ディスプレイコンポーネント110の明度が低い場合、および/または、コンピューティングデバイス100を取り巻く環境の周囲光が低い場合、視覚的ちらつきが特に目立つ。特に、周囲光が40ルクスよりも低く、ディスプレイ明度が30%よりも低い場合、視覚的ちらつきは非常に顕著になり、ユーザ体験にとって有害になり得る。周囲光が40ルクス~60ルクスまで増加し、および/または、ディスプレイ明度が30%~60%まで増加するにつれて、ユーザがちらつき効果に若干気づくだけであり得るため、ちらつきは幾分許容可能になる。いったん周囲光が60ルクスを上回って増加し、および/または、ディスプレイ明度が60%を上回って増加すると、ユーザがちらつき効果にまったく気づかなくなり得るため、ちらつきは問題ではなくなり、許容可能になる。したがって、ディスプレイコンポーネント110の現在の周囲光および現在のディスプレイ明度は、通常動作モードのためのグレーレベルおよび輝度値設定に影響を及ぼし得る。
【0048】
また、たとえば、ディスプレイコンポーネント110を第1の明度レベルから第2の明度レベルへ移行させた後で、および、表示された第1の部分および第2の部分への調節を行なった後で、コントローラ170は、明度変更通知324を指紋センサ140へ通信し得る。指紋センサ140は、環境300に光学的に結合され得る。すなわち、コンピューティングデバイス100内の指紋センサ140の配置は、指紋センサ140が、環境300の視野から指紋ソース322での指の画像を取込むことを可能にし得る。
【0049】
指紋センサ140は、明度変更通知324の受信に応答して、指紋ソース322での指の画像を取込み得る。たとえば、指紋ソース322は、認証されるべき指を含み、指紋センサ140は、環境300における指から反射された光を受信し得る。上述のように、第2の明度レベルはSNR要件に準拠する。画像を取込むと、指紋センサ140は指紋を認証することを試み、結果を指紋認証312としてコントローラ170へ通信し得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、指紋認証トリガーイベント310は、コントローラ170に内部クロックを開始させ得る。内部クロックは、指紋認証312が完了されるべき許容時間しきい値を決定し得る。指紋認証が時間しきい値内で完了されると、コントローラ170は内部クロックを停止し得る。しかしながら、指紋認証が時間しきい値内で完了されなかった場合、内部クロックは停止し、コントローラ170は指紋センサ140に認証プロセスを終了するよう命じ得る。たとえば、指紋の画像解像度がSNR要件を満たさない場合、指紋認証は時間しきい値内で完了されないかもしれない。1つ以上の追加のおよび/または代替的な要因により、指紋認証が時間しきい値内で完了されないようになるかもしれない。たとえば、これらの1つ以上の要因は、周囲光の強度、コンピューティングデバイス100からの指紋ソース322の距離、および/または、指紋ソース322からの指紋が格納された指紋と一致しないことを含み得る。
【0051】
認証プロセスが終了すると、コントローラ170はディスプレイコンポーネント110を第2の明度レベルから第1の明度レベルへ移行させ得る。また、たとえば、コントローラ170がマスキング層を施す場合、認証プロセスが終了すると、コントローラ170はマスキング層を除去し得る。いくつかの実施形態では、コントローラ170がグレーレベルへの値オフセットを適用する場合、認証プロセスが終了すると、コントローラ170は、通常モードまたは第1の明度レベルでの輝度値に戻り得る。
【0052】
図3は要素の特定の配置を示しているが、他の配置が可能である。それに加えて、またはそれに代えて、コンピューティングデバイス100および環境300のいくつかの要素が組合され、および/または再配置されてもよい。
【0053】
III.例示的なディスプレイ明度移行
図4は、例示的な実施形態に従った、ディスプレイ輝度対グレーレベルを示すグラフ400およびテーブル405、410を表わす。すなわち、図5のグラフ400およびテーブル405、410は、ディスプレイコンポーネント110の明度レベルを調節するためにコントローラ170によって利用され得るグラフおよびテーブルの一例として提供される。
【0054】
グラフ400の横軸は0~280という範囲のグレーレベルを表示し、対応する輝度が縦軸に沿って表示される。グラフ400は2本の曲線を含む。通常曲線415は通常モードにおける輝度対グレーレベルを表示し、ディスプレイ輝度値は0~500ニトに及ぶ。高明度(High Brightness:HB)曲線410は高明度モード(the high brightness mode:HBM)における輝度対グレーレベルを表示し、ディスプレイ輝度値は0~900ニトに及ぶ。
【0055】
いくつかの実施形態では、通常曲線415およびHB曲線420は、コンピューティングデバイス100のために予め定められ得る。たとえば、通常曲線415およびHB曲線420は、以下の式にそれぞれ対応し得る(γ=2.2である):
【0056】
【数1】
【0057】
いくつかの実施形態では、式1および式2はディスプレイドライバ集積回路(DDIC)へとプログラムされ得る。いくつかの実施形態では、γの複数の値に対応する曲線がDDICへとプログラムされ得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、コントローラ170は、ディスプレイコンポーネント110が、99ニトという第1の明度/輝度値425で表示されるようにし得る。たとえば、99ニトという第1の明度/輝度値425は、通常曲線415については120というグレーレベルに、HB曲線420については90というグレーレベルに対応するように示される。コントローラ170はまた、これらの値をテーブル405および415から検索し得る。また、たとえば、コントローラ170は、通常モードおよびHBモードのためのそれぞれのグレーレベルに対応してグレーレベルを120から90へ変更することによって、ディスプレイコンポーネント110のためのグレーレベルへの第1の値オフセット430を適用し得る。
【0059】
さらに別の一例として、コントローラ170は、ディスプレイコンポーネント110が、190ニトという第2の明度/輝度値435で表示されるようにし得る。たとえば、190ニトという第2の明度/輝度値435は、通常曲線415については160というグレーレベルに、HB曲線420については120というグレーレベルに対応するように示される。コントローラ170はまた、これらの値をテーブル405および415から検索し得る。また、たとえば、コントローラ170は、通常モードおよびHBモードのためのそれぞれのグレーレベルに対応してグレーレベルを160から120へ変更することによって、ディスプレイコンポーネント110のためのグレーレベルへの第2の値オフセット440を適用し得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、ルックアップテーブルがメモリ174に格納されてもよく、この場合、ルックアップテーブルは、γの異なる値のために、異なる明度レベルに対応する輝度値とグレーレベルとの関係を表わす。たとえば、テーブル405およびテーブル410は、通常曲線415およびHB曲線420に基づいたルックアップテーブルをそれぞれ示す。テーブル405に示されるように、通常モードにおける120というグレーレベル値は、99ニトという輝度値に対応する。また、たとえば、通常モードにおける160というグレーレベル値は、190ニトという輝度値に対応する。
【0061】
同様に、テーブル410は、HBモードにおける90というグレーレベル値が、99ニトという輝度値に対応することを示す。また、たとえば、HBモードにおける120というグレーレベル値は、190ニトという輝度値に対応する。いくつかの実施形態では、テーブル405およびテーブル410などのルックアップテーブルは、メモリ174に格納され得る。いくつかの実施形態では、γの複数の値に対応するルックアップテーブルが、メモリ174に格納され得る。コントローラ170は、グラフ400などのグラフを利用することによって、ならびに/もしくは、テーブル405およびテーブル410などのルックアップテーブルを利用することによって、ディスプレイコンポーネント110の輝度および/またはグレーレベルを直接調節することができる。
【0062】
IV.例示的なディスプレイ明度移行:値オフセット
図5は、例示的な実施形態に従った、例示的なディスプレイ明度移行を示すコンピューティングデバイス100を表わす。認証前段階500、認証段階505、および認証後段階510という3つの段階が、コンピューティングデバイス100のために示されている。認証前段階500では、コンピューティングデバイス100のディスプレイコンポーネント110は、ロックされたスクリーンを表示し得る。認証段階505は、ディスプレイコンポーネント110をロック解除するためのプロセスに対応し、認証後段階510では、コンピューティングデバイス100のディスプレイコンポーネント110は、ロック解除されたスクリーンを表示し得る。
【0063】
認証前段階500では、ディスプレイコンポーネント110は、通常モードに対応する第1の明度レベルで動作され得る。たとえば、第1の明度レベルは500ニトであり得る。通常モードのための設定に基づいて、コントローラ170は、ディスプレイコンポーネント110のためのグレーレベルを120となるように構成し、輝度値を99ニトとなるように構成し得る。たとえば、コントローラ170はこれらの値を、図4のテーブル405などのルックアップテーブルから検索し得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、第1の明度レベルは周囲光強度に依存し得る。また、たとえば、第1の明度レベルは、表示されている画像に基づいて変わり得る。いくつかの実施形態では、第1の明度レベルは、個々の画素レベルで、および/または、画素群レベルで変わり得る。
【0065】
認証前段階500では、コントローラ170は、指紋センサエリアに対応する第1の部分515で指紋認証トリガーイベントが生じていることを検出し得る。いくつかの実施形態では、コントローラ170は、指が感知されるディスプレイコンポーネント110の部分を、第1の部分515として識別し得る。たとえば、指紋センサ140はディスプレイコンポーネント110の下に位置付けられてもよく、指が感知される場所に基づいて、コントローラ170は、対応する指紋センサが認証プロセスのために起動されることを可能にするように、第1の部分515を識別し得る。いくつかの実施形態では、コントローラ170は、第1の部分515の外側のディスプレイコンポーネント110の部分を、第2の部分520として識別し得る。いくつかの実施形態では、第2の部分520は、第1の部分515に近接する(たとえば、第1の部分515を取り巻く)部分であり得る。通常モードのための設定に基づいて、第1の部分515および第2の部分520でのグレーレベルは120であり、輝度値は99ニトであり得る。
【0066】
本明細書で説明されるように、SNR要件を満たすために、認証段階505では、コントローラ170は、たとえば800ニトまたは900ニトといった高明度レベルでディスプレイコンポーネント110を動作させなければならない。したがって、認証段階505では、コントローラ170は、ディスプレイコンポーネント110を、第1の明度レベル(たとえば500ニトでの通常モード)から第2の明度レベル(たとえば900ニトでのHBモード)へ移行させる。たとえば、HBモードのための設定に基づいて、コントローラ170は、ディスプレイコンポーネント110のためのグレーレベルを120となるように構成し、輝度値を190ニトとなるように構成し得る。たとえば、コントローラ170はこれらの値を、図4のテーブル410などのルックアップテーブルから検索し得る。しかしながら、そのような移行は、表示された画像において屈曲および/またはちらつきなどの光学的欠点をもたらし得る。また、たとえば、低明度設定から高明度設定への急な移行は、コンピューティングデバイス100のユーザにとって望ましくない場合がある。
【0067】
したがって、コントローラ170は、第2の部分520で第2の明度レベルのためのグレーレベルへの値オフセットを適用する。たとえば、指紋認証を行なうために必要とされる高明度設定に準拠するために、コントローラ170は第1の部分515を、120というグレーレベルおよび190ニトという対応する輝度値で維持する。しかしながら、第2の部分520については、コントローラ170は値オフセットを適用する。値オフセットを決定する際、コントローラ170は、第1の明度レベルでのディスプレイコンポーネント110の第1の輝度値を決定し、第1の輝度値に基づいて第2の明度レベルのためのグレーレベルへの値オフセットを計算する。
【0068】
たとえば、値オフセットを決定する際、コントローラ170は、通常モードのための入力グレーレベルが120であると識別する。コントローラ170は、図4に示されたグラフ400および/またはテーブル405に表わされた関係を利用して、通常モードにおいて対応する輝度値が99ニトであると判定し得る。次に、コントローラ170は、グラフ400および/またはテーブル410に表わされた関係を利用して、HBモードにおいて99ニトという輝度値に対応するグレーレベルが90であると判定し得る。その結果、コントローラ170は、120から90へのグレーレベルへの値オフセット(たとえば、第1の値オフセット430)を適用し、第2の部分520のためのグレーレベルを90となるように構成し得る。
【0069】
別の例として、500ニトという明度設定では、通常モードは、160というグレーレベルおよび190ニトという対応する輝度値に対応し得る。したがって、高明度設定へ移行する場合、コントローラ170は、グラフ400に表わされた関係を利用して、ディスプレイコンポーネント110を、320ニトという輝度値となるように構成し得る。しかしながら、光学的欠点を回避するために、および認証プロセスを可能にするために、コントローラ170は第1の部分515を、160というグレーレベルおよび320ニトという対応する輝度値で維持し得る。しかしながら、第2の部分520については、コントローラ170は値オフセットを適用する。値オフセットを決定する際、コントローラ170は、通常モードのための入力グレーレベルが160であると識別する。コントローラ170は、図4に示されたグラフ400および/またはテーブル405に表わされた関係を利用して、通常モードにおいて対応する輝度値が190ニトであると判定し得る。次に、コントローラ170は、グラフ400および/またはテーブル410に表わされた関係を利用して、HBモードにおいて190ニトという輝度値に対応するグレーレベルが120であると判定し得る。その結果、コントローラ170は、160から120へのグレーレベルへの値オフセット(たとえば、第2の値オフセット440)を適用し、第2の部分520のためのグレーレベルを120となるように構成し得る。
【0070】
本明細書で説明されるように、グラフ400およびテーブル405、410は、γ=2.2という値に基づいている。しかしながら、通常モードおよびHBモードのための異なる対のガンマ曲線が、γの異なる値のために取得されてもよく、特定の1対のガンマ曲線に基づいて、対応する値オフセットが決定されてもよい。また、たとえば、グレーレベルおよび輝度値は、異なるDBVバンドのためのガンマ曲線に対応していてもよく、特定のDBVバンドに基づいて、対応する値オフセットが決定されてもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、コントローラ170は、ディスプレイコンポーネント110を第1の明度レベルから第2の明度レベルへ移行させた後で、指紋認証トリガーイベントが終了したこと、および/または、指紋認証トリガーイベントを行なうためのしきい値時間が満了したことを検出し得る。したがって、コントローラ170は、指紋認証トリガーイベントが終了したことを検出することに応答して、ディスプレイコンポーネント110を第2の明度レベルから第1の明度レベルへ移行させ得る。
【0072】
たとえば、認証後段階510では、コントローラ170は、ロック解除されたスクリーンを表示し得る。また、たとえば、コントローラ170は、グレーレベルおよび輝度値を、認証前段階500における設定にリセットし得る。
【0073】
V.例示的なディスプレイ明度移行:マスキング層
図6は、例示的な実施形態に従った、例示的なディスプレイ明度移行を示すコンピューティングデバイスを表わす。認証前段階600、認証段階605、および認証後段階610という3つの段階が、コンピューティングデバイス100のために示されている。認証前段階600では、コンピューティングデバイス100のディスプレイコンポーネント110は、ロックされたスクリーンを表示し得る。認証段階605は、ディスプレイコンポーネント110をロック解除するためのプロセスに対応し、認証後段階610では、コンピューティングデバイス100のディスプレイコンポーネント110は、ロック解除されたスクリーンを表示し得る。
【0074】
認証前段階600では、ディスプレイコンポーネント110は、通常モードに対応する第1の明度レベルで動作され得る。たとえば、第1の明度レベルは500ニトであり得る。いくつかの実施形態では、第1の明度レベルは周囲光強度に依存し得る。また、たとえば、第1の明度レベルは、表示されている画像に基づいて変わり得る。いくつかの実施形態では、第1の明度レベルは、個々の画素レベルで、および/または、画素群レベルで変わり得る。通常モードのための設定に基づいて、コントローラ170は、ディスプレイコンポーネント110のためのグレーレベルを120となるように構成し、輝度値を99ニトとなるように構成し得る。たとえば、コントローラ170はこれらの値を、図4のテーブル405などのルックアップテーブルから検索し得る。
【0075】
認証前段階600では、コントローラ170は、指紋センサエリアに対応する第1の部分615で指紋認証トリガーイベントが生じていることを検出し得る。いくつかの実施形態では、コントローラ170は、指が感知されるディスプレイコンポーネント110の部分を、第1の部分615として識別し得る。たとえば、指紋センサ140はディスプレイコンポーネント110の下に位置付けられてもよく、指が感知される場所に基づいて、コントローラ170は、対応する指紋センサが認証プロセスのために起動されることを可能にするように、第1の部分615を識別し得る。いくつかの実施形態では、コントローラ170は、第1の部分615の外側のディスプレイコンポーネント110の部分を、第2の部分620として識別し得る。いくつかの実施形態では、第2の部分620は、第1の部分615に近接する(たとえば、第1の部分615を取り巻く)部分であり得る。通常モードのための設定に基づいて、第1の部分615および第2の部分620でのグレーレベルは120であり、輝度値は99ニトであり得る。
【0076】
本明細書で説明されるように、SNR要件を満たすために、認証段階605では、コントローラ170は、たとえば800ニトまたは900ニトといった高明度レベルでディスプレイコンポーネント110を動作させなければならない。したがって、認証段階605では、コントローラ170は、ディスプレイコンポーネント110を、第1の明度レベル(たとえば500ニトでの通常モード)から第2の明度レベル(たとえば900ニトでのHBモード)へ移行させる。たとえば、HBモードのための設定に基づいて、コントローラ170は、ディスプレイコンポーネント110のためのグレーレベルを120となるように構成し、輝度値を190ニトとなるように構成し得る。たとえば、コントローラ170はこれらの値を、図4のテーブル410などのルックアップテーブルから検索し得る。しかしながら、そのような移行は、表示された画像において屈曲および/またはちらつきなどの光学的欠点をもたらし得る。また、たとえば、低明度設定から高明度設定への急な移行は、コンピューティングデバイス100のユーザにとって望ましくない場合がある。
【0077】
したがって、コントローラ170は、仮想層であるマスキング層625を、ディスプレイコンポーネント110の第2の部分620に施す。たとえば、指紋認証を行なうために必要とされる高明度設定に準拠するために、コントローラ170は第1の部分615を、120というグレーレベルおよび190ニトという対応する輝度値で維持する。しかしながら、第2の部分520については、コントローラ170はマスキング層625を施す。コントローラ170は、マスキング層625を、第1の明度レベルのための設定に対応するように構成し得る。たとえば、通常モードのための設定に基づいて、マスキング層625のためのグレーレベルは120に設定され、輝度値は99ニトに設定され得る。なお、マスキング層625は第1の部分615に施されない。
【0078】
いくつかの実施形態では、コントローラ170は、マスキング層625を、所定レベルの透明度を有するように構成し得る。たとえば、透明度は、以下のように決定され得る:
【0079】
【数2】
【0080】
たとえば、通常モードのための第1の明度レベルでの輝度が500ニトであり、HBモードのための第2の明度レベルでの輝度が900ニトである場合、式3は、以下のようにマスキング層625のための透明度を取得するために利用され得る:
【0081】
【数3】
【0082】
さまざまな輝度値に対応する透明度パーセンテージは予め定められてもよく、コンピューティングデバイス100は、透明度パーセンテージに対応するマスキング層を用いて予め構成されてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ170は、コンピューティングデバイス100のユーザが透明度のレベルを調節するために使用できるユーザフレンドリーな対話型透明度調節バーを表示し得る。たとえば、式4でのように、透明度パーセンテージが55.6%であると決定された場合、透明度調節バーが、たとえば50~60%といったパーセンテージの範囲にわたって透明度を調節するために提供され得る。マスキング層625は第1の部分615に施されないため、透明度の変化は、指紋認証プロセスのために必要とされる高明度設定に影響を及ぼさない。
【0083】
いくつかの実施形態では、コントローラ170は、ディスプレイコンポーネント110を第1の明度レベルから第2の明度レベルへ移行させた後で、指紋認証トリガーイベントが終了したこと、および/または、指紋認証トリガーイベントを行なうためのしきい値時間が満了したことを検出し得る。したがって、コントローラ170は、指紋認証トリガーイベントが終了したことを検出することに応答して、ディスプレイコンポーネント110を第2の明度レベルから第1の明度レベルへ移行させ得る。
【0084】
たとえば、認証後段階610では、コントローラ170は、ロック解除されたスクリーンを表示し得る。また、たとえば、コントローラ170はマスキング層625を除去し、グレーレベルおよび輝度値を、認証前段階600における設定にリセットし得る。
【0085】
一般に、マスキング層625を施すことは光学的欠点を排除し、また、輝度値およびグレーレベルが調節されないために消費電力が削減される。しかしながら、いくつかの実施形態では、ディスプレイコンポーネント110は1つ以上の追加の仮想層を含むかもしれず、それはマスキング層625を施すことを面倒にするかもしれない。
【0086】
また、たとえば、マスキング層625を施すことは、DDICおよびディスプレイパネルの制限を克服する。一般に、DDICおよびディスプレイパネルの制限は費用がかかり、また、ディスプレイ製造業者によって構成される。したがって、マスキング層625は、UDFPSを有するあらゆるコンピューティングデバイス100に施され得る。マスキング層625の検出は、認証段階605中に利用される画像コンテンツおよび電力(たとえば、ELVDD、ELVSS出力電圧)をチェックすることによって可能になり得る。
【0087】
本明細書で説明されるように、第1の明度レベルのための第1の輝度値は、画素レベルで構成され得る。いくつかの実施形態では、第1の明度レベルのための第1の輝度値は、画素群のために構成され得る。たとえば、画像は、異なるグレーレベルを有する異なる領域を含むかもしれず、第1の明度レベルのための第1の輝度値は、そのような異なるグレーレベルに依存し得る。一般に、第1の部分515(第1の部分615)および/または第2の部分520(第2の部分620)のためのグレーレベルおよび輝度値、値オフセットなどは、画素群に基づいて構成され得る。しかしながら、簡潔にするために、本明細書での説明は、第1の部分515(第1の部分615)および/または第2の部分520(第2の部分620)がそれぞれ単一のグレーレベルおよび輝度値に対応すると仮定する。
【0088】
VI.例示的な方法
図7は、例示的な実施形態に従った方法700を示す。方法700は、さまざまなブロックまたはステップを含み得る。ブロックまたはステップは、個々にまたは組合されて行なわれ得る。ブロックまたはステップは、任意の順序で、ならびに/もしくは、連続して、または並行して行なわれ得る。また、ブロックまたはステップは省略されてもよく、または方法700に追加されてもよい。
【0089】
方法700のブロックは、図1および図3を参照して図示され説明されるようなコンピューティングデバイス100のさまざまな要素によって行なわれ得る。さらに、方法700は、図2および図4に関して図示され説明されたグラフ200および/または400、ならびに/もしくは、テーブル405および/または410に表わされた関係を利用し得る。
【0090】
ブロック710は、ディスプレイコンポーネントによって表示されるグラフィカルユーザインターフェイスを介して、および、ディスプレイコンポーネントが第1の明度レベルで動作している間に、指紋認証トリガーイベントを検出するステップを含む。指紋認証トリガーイベントは、ユーザとディスプレイコンポーネントとの物理的対話を伴い得る。この物理的対話は、ディスプレイコンポーネント上のユーザタッチを伴い得る。
【0091】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、第1の明度レベルまたは第2の明度レベルで動作するように構成される。たとえば、第1の明度レベルは500ニトであってもよく、第2の明度レベルは900ニトであってもよい。他の明度レベルも、本明細書で説明される方法で使用されてもよい。たとえば、周囲光状態に基づいて、第1の明度レベルは2ニトであってもよい。
【0092】
ブロック720は、指紋認証トリガーイベントに基づいて、第2の明度レベルで動作するためのグラフィカルユーザインターフェイスの第1の部分を決定するステップを含む。
【0093】
ブロック730は、指紋認証トリガーイベントに応答して、ディスプレイコンポーネントを第1の明度レベルから第2の明度レベルへ移行させるステップを含む。
【0094】
ブロック740は、ディスプレイコンポーネントの第2の部分を、(1)第1の明度レベル、または(2)第2の明度レベルのためのグレーレベルへの値オフセット、のうちの1つを第2の部分に適用することに基づいて、表示するステップを含む。
【0095】
ディスプレイコンポーネントを第1の明度レベルから第2の明度レベルへ移行させた後で、いくつかの実施形態は、指紋認証トリガーイベントが終了したことを検出するステップを含む。指紋認証トリガーイベントが終了したことを検出するステップに応答して、これらの実施形態は、ディスプレイコンポーネントを第2の明度レベルから第1の明度レベルへ移行させるステップを含む。これらの実施形態のうちのいくつかは、指紋検出が行なわれたと判定することによって、指紋認証トリガーイベントが終了したことを検出するステップを含む。これらの実施形態のうちのいくつかは、指紋検出を行なうためのしきい値時間が満了したと判定することによって、指紋認証トリガーイベントが終了したことを検出するステップを含む。
【0096】
いくつかの実施形態は、第1の明度レベルでのディスプレイコンポーネントの第1の輝度値を決定するステップを含む。第2の明度レベルのためのグレーレベルへの値オフセットは、第1の輝度値に基づき得る。
【0097】
いくつかの実施形態は、ガンマ値のために、第1の明度レベルおよび第2の明度レベルに対応する1対のガンマ曲線を決定するステップを含む。値オフセットは、1対のガンマ曲線に基づいて決定され得る。いくつかの実施形態では、デバイスは、複数のガンマ値と、複数の対のガンマ曲線とを用いて構成され得る。
【0098】
いくつかの実施形態は、第2の部分上に仮想層を施すことによって、第1の明度レベルを第2の部分に適用するステップを含む。仮想層は、所定レベルの透明度を有し得る。これらの実施形態のうちのいくつかは、第1の明度レベルでのディスプレイコンポーネントの第1の輝度値を決定するステップを含む。次に、これらの実施形態は、第2の明度レベルでのディスプレイコンポーネントの第2の輝度値を決定するステップを含む。所定レベルの透明度は、第2の輝度値に対する第1の輝度値の比に対応し得る。いくつかの実施形態では、所定レベルの透明度は、一連の可能な値に対応し得る。これらの実施形態のうちのいくつかでは、所定レベルの透明度はユーザによって入力されてもよく、いくつかの実施形態は、ディスプレイコンポーネントを介して、ユーザによる好ましいレベルの透明度の入力を受信するための透明度調節バーを提供するステップを含む。指紋認証トリガーイベントが終了したことを検出するステップに応答して、いくつかの実施形態は、仮想層を除去するステップを含む。
【0099】
いくつかの実施形態は、ディスプレイコンポーネントの第2の部分のために、画素群を決定するステップを含む。また、これらの実施形態は、画素群のために、第1の明度レベルでの第1の輝度値を決定するステップを含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、第2の明度レベルは第1の明度レベルよりも大きい。いくつかの実施形態では、第1の明度レベルは0~500ニトに及ぶ。いくつかの実施形態では、第2の明度レベルは600~900ニトに及ぶ。
【0101】
いくつかの実施形態は、デバイスの周りの環境に関連付けられた環境状態測定値に基づいて第1の明度レベルを決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、周囲光センサが、デバイスの周りの環境から周囲光測定値を受信するように構成される。環境状態測定値は、デバイスの周りの環境から周囲光センサによって受信された現在の周囲光測定値を含む。
【0102】
図面に示される特定の構成は、限定的であるとして見られるべきでない。他の実施形態は、所与の図面に示される各要素をより多くまたはより少なく含み得るということが理解されるべきである。また、図示された要素のうちのいくつかは組合されてもよく、または省略されてもよい。さらに、例示的な実施形態は、図面に示されていない要素を含んでいてもよい。
【0103】
情報の処理を表わすステップまたはブロックは、本明細書で説明される方法または手法の特定の論理機能を行なうように構成され得る回路に対応し得る。これに代えて、またはこれに加えて、情報の処理を表わすステップまたはブロックは、(関連データを含む)プログラムコードのモジュール、セグメント、または部分に対応し得る。プログラムコードは、方法または手法において特定の論理機能またはアクションを実現するためにプロセッサによって実行可能な1つ以上の命令を含み得る。プログラムコードおよび/または関連データは、ディスク、ハードドライブ、または他の記憶媒体を含むストレージデバイスといった任意のタイプのコンピュータ読取可能媒体上に格納され得る。
【0104】
コンピュータ読取可能媒体はまた、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(random access memory:RAM)といった、データを短期間格納するコンピュータ読取可能媒体などの非一時的コンピュータ読取可能媒体を含み得る。コンピュータ読取可能媒体はまた、プログラムコードおよび/またはデータをより長い期間格納する非一時的コンピュータ読取可能媒体を含み得る。このため、コンピュータ読取可能媒体は、たとえば読出専用メモリ(read only memory:ROM)、光学または磁気ディスク、コンパクトディスク読出専用メモリ(compact-disc read only memory:CD-ROM)といった、二次または永続的長期ストレージを含み得る。コンピュータ読取可能媒体はまた、あらゆる他の揮発性または不揮発性記憶システムであってもよい。コンピュータ読取可能媒体は、たとえばコンピュータ読取可能記憶媒体、または有形のストレージデバイスと考えられ得る。
【0105】
さまざまな例および実施形態が開示されてきたが、他の例および実施形態が当業者には明らかであろう。さまざまな開示された例および実施形態は、例示のためのものであり、限定的であるよう意図されてはおらず、真の範囲は請求項によって示される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-10-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
ディスプレイコンポーネントを含み、前記ディスプレイコンポーネントは、第1の明度レベルまたは第2の明度レベルで動作するように構成され、前記デバイスはさらに、
動作を行なうように動作可能である1つ以上のプロセッサを含み、前記動作は、
前記ディスプレイコンポーネントによって表示されるグラフィカルユーザインターフェイスを介して、および、前記ディスプレイコンポーネントが前記第1の明度レベルで動作している間に、指紋認証トリガーイベントを検出することと、
前記指紋認証トリガーイベントに基づいて、前記第2の明度レベルで動作するための前記グラフィカルユーザインターフェイスの第1の部分を決定することと、
前記指紋認証トリガーイベントに応答して、前記ディスプレイコンポーネントを前記第1の明度レベルから前記第2の明度レベルへ移行させることと、
前記ディスプレイコンポーネントの第2の部分を、(1)前記第1の明度レベル、または(2)前記第2の明度レベルのためのグレーレベルへの値オフセット、のうちの1つを前記第2の部分に適用することに基づいて、表示することとを含む、デバイス。
【請求項2】
前記動作はさらに、
前記ディスプレイコンポーネントを前記第1の明度レベルから前記第2の明度レベルへ移行させた後で、前記指紋認証トリガーイベントが終了したことを検出することと、
前記指紋認証トリガーイベントが終了したことを検出することに応答して、前記ディスプレイコンポーネントを前記第2の明度レベルから前記第1の明度レベルへ移行させることとを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記動作はさらに、指紋検出が行なわれたと判定することによって、前記指紋認証トリガーイベントが終了したことを検出することを含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記動作はさらに、指紋検出を行なうためのしきい値時間が満了したと判定することによって、前記指紋認証トリガーイベントが終了したことを検出することを含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記動作はさらに、前記第1の明度レベルでの前記ディスプレイコンポーネントの第1の輝度値を決定することを含み、
前記第2の明度レベルのための前記グレーレベルへの値オフセットは、前記第1の輝度値に基づいている、請求項1~4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記動作はさらに、ガンマ値のために、前記第1の明度レベルおよび前記第2の明度レベルに対応する1対のガンマ曲線を決定することを含み、
前記値オフセットは、前記1対のガンマ曲線に基づいて決定される、請求項1~5のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記デバイスは、複数のガンマ値と、複数の対のガンマ曲線とを用いて構成される、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記動作はさらに、前記第2の部分上に仮想層を施すことによって、前記第1の明度レベルを前記第2の部分に適用することを含み、前記仮想層は、所定レベルの透明度を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記動作はさらに、
前記第1の明度レベルでの前記ディスプレイコンポーネントの第1の輝度値を決定することと、
前記第2の明度レベルでの前記ディスプレイコンポーネントの第2の輝度値を決定することとを含み、
前記所定レベルの透明度は、前記第2の輝度値に対する前記第1の輝度値の比に対応する、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記所定レベルの透明度は、一連の可能な値に対応する、請求項8に記載のデバイス。
【請求項11】
前記所定レベルの透明度はユーザによって入力され、
前記動作はさらに、前記ディスプレイコンポーネントを介して、前記ユーザによる好ましいレベルの透明度の前記入力を受信するための透明度調節バーを提供することを含む、請求項8に記載のデバイス。
【請求項12】
前記動作はさらに、前記指紋認証トリガーイベントが終了したことを検出することに応答して、前記仮想層を除去することを含む、請求項8に記載のデバイス。
【請求項13】
前記動作はさらに、
前記ディスプレイコンポーネントの前記第2の部分のために、画素群を決定することと、
前記画素群のために、前記第1の明度レベルでの前記第1の輝度値を決定することとを含む、請求項5または9のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記動作はさらに、前記ディスプレイコンポーネントの前記第2の部分における各画素のために、前記第1の明度レベルでの前記第1の輝度値を決定することを含む、請求項5または9のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記第2の明度レベルは前記第1の明度レベルよりも大きい、請求項1~14のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記第1の明度レベルは0~500ニトに及ぶ、請求項1~15のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項17】
前記動作はさらに、前記デバイスの周りの環境に関連付けられた環境状態測定値に基づいて前記第1の明度レベルを決定することを含む、請求項1~16のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項18】
前記デバイスの周りの前記環境から周囲光測定値を受信するように構成された周囲光センサをさらに含み、
前記環境状態測定値は、前記デバイスの周りの前記環境から前記周囲光センサによって受信された現在の周囲光測定値を含む、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
コンピュータにより実現される方法であって、
ディスプレイコンポーネントによって表示されるグラフィカルユーザインターフェイスを介して、および、前記ディスプレイコンポーネントが第1の明度レベルで動作している間に、指紋認証トリガーイベントを検出するステップを含み、前記ディスプレイコンポーネントは、前記第1の明度レベルまたは第2の明度レベルで動作するように構成され、前記方法はさらに、
前記指紋認証トリガーイベントに基づいて、前記第2の明度レベルで動作するための前記グラフィカルユーザインターフェイスの第1の部分を決定するステップと、
前記指紋認証トリガーイベントに応答して、前記ディスプレイコンポーネントを前記第1の明度レベルから前記第2の明度レベルへ移行させるステップと、
前記ディスプレイコンポーネントの第2の部分を、(1)前記第1の明度レベル、または(2)前記第2の明度レベルのためのグレーレベルへの値オフセット、のうちの1つを前記第2の部分に適用することに基づいて、表示するステップとを含む、方法。
【請求項20】
プログラムであって、コンピューティングデバイスの1つ以上のプロセッサによって実行されると前記コンピューティングデバイスに請求項19に記載の方法を行なわせる命令を有したプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
III.例示的なディスプレイ明度移行
図4は、例示的な実施形態に従った、ディスプレイ輝度対グレーレベルを示すグラフ400およびテーブル405、410を表わす。すなわち、図のグラフ400およびテーブル405、410は、ディスプレイコンポーネント110の明度レベルを調節するためにコントローラ170によって利用され得るグラフおよびテーブルの一例として提供される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
いくつかの実施形態では、コントローラ170は、ディスプレイコンポーネント110が、99ニトという第1の明度/輝度値425で表示されるようにし得る。たとえば、99ニトという第1の明度/輝度値425は、通常曲線415については120というグレーレベルに、HB曲線420については90というグレーレベルに対応するように示される。コントローラ170はまた、これらの値をテーブル405および41から検索し得る。また、たとえば、コントローラ170は、通常モードおよびHBモードのためのそれぞれのグレーレベルに対応してグレーレベルを120から90へ変更することによって、ディスプレイコンポーネント110のためのグレーレベルへの第1の値オフセット430を適用し得る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
さらに別の一例として、コントローラ170は、ディスプレイコンポーネント110が、190ニトという第2の明度/輝度値435で表示されるようにし得る。たとえば、190ニトという第2の明度/輝度値435は、通常曲線415については160というグレーレベルに、HB曲線420については120というグレーレベルに対応するように示される。コントローラ170はまた、これらの値をテーブル405および41から検索し得る。また、たとえば、コントローラ170は、通常モードおよびHBモードのためのそれぞれのグレーレベルに対応してグレーレベルを160から120へ変更することによって、ディスプレイコンポーネント110のためのグレーレベルへの第2の値オフセット440を適用し得る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0077】
したがって、コントローラ170は、仮想層であるマスキング層625を、ディスプレイコンポーネント110の第2の部分620に施す。たとえば、指紋認証を行なうために必要とされる高明度設定に準拠するために、コントローラ170は第1の部分615を、120というグレーレベルおよび190ニトという対応する輝度値で維持する。しかしながら、第2の部分20については、コントローラ170はマスキング層625を施す。コントローラ170は、マスキング層625を、第1の明度レベルのための設定に対応するように構成し得る。たとえば、通常モードのための設定に基づいて、マスキング層625のためのグレーレベルは120に設定され、輝度値は99ニトに設定され得る。なお、マスキング層625は第1の部分615に施されない。
【国際調査報告】