(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-22
(54)【発明の名称】回転防止機構付きリニアアクチュエータ
(51)【国際特許分類】
F16H 19/02 20060101AFI20240115BHJP
【FI】
F16H19/02 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023529089
(86)(22)【出願日】2022-01-11
(85)【翻訳文提出日】2023-05-16
(86)【国際出願番号】 CA2022050030
(87)【国際公開番号】W WO2022150907
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506427532
【氏名又は名称】ゲスチョン・ラフォレスト・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】GESTION LAFOREST INC.
【住所又は居所原語表記】3185,lere rue,St-Hubert,Quebec J3Y 8Y6 CANADA
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フォルト、アラン
(72)【発明者】
【氏名】ゴベイユ、アラン
(72)【発明者】
【氏名】ラフォレスト、ピエール
【テーマコード(参考)】
3J062
【Fターム(参考)】
3J062AB21
3J062AC07
3J062CA06
3J062CA33
(57)【要約】
リニアアクチュエータが、細長い第1及び第2のバンドを含み、両バンドは協働して突出と退縮が可能(出没可能)なカラムを形成する。回転可能な第1及び第2のバンドガイド部材は、それぞれ前記第1及び第2のバンドを案内して、両バンドの周回ターン同士を連結係合させる。パワーアクチュエータは、第1及び第2のバンドガイド部材を回転させて、出没可能なカラムを突出・退縮させる。ベース部は、パワーアクチュエータ、第1及び第2のバンド、及び第1及び第2のバンドガイド部材を支持する。回転防止機構は、ベース部に取り付けられた第1の回転防止部材と、第1のバンド及び/または第2のバンドに取り付けられた相補的な第2の回転防止部材とを含み、両回転防止部材が互いに係合してカラム部分のベース部に対する回転を防止する。両回転防止部材の係合はカラムの外周に沿って非点接触的な接触領域において達成される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リニアアクチュエータであって、
細長い第1のバンドと、
細長く、実質的に平坦な第2のバンドであって、前記第1のバンド及び前記第2のバンドは、それぞれの収容部分及びカラム部分を有し、前記第1のバンドと前記第2のバンドのそれぞれの収容部分は互いに離隔され、前記第1のバンドと前記第2のバンドのそれぞれのカラム部分は互いに係合して突出と退縮が可能、すなわち出没可能なカラムを形成し、前記第2のバンドのカラム部分は、長手方向軸を中心に螺旋を形成する、該第2のバンドと、
前記第1のバンドの、螺旋状の延び出しの各周回であるターンを、その前記収容部分からその前記カラム部分へと案内する回転可能な第1のバンドガイド部材と、
前記第2のバンドのターンをその前記収容部分からその前記カラム部分に案内する回転可能な第2のバンドガイド部材と、
前記第1のバンドガイド部材及び第2のバンドガイド部材の回転を引き起こして、前記出没可能なカラムを突出または収容可能とするパワーアクチュエータと、
前記パワーアクチュエータ、前記第1のバンド、前記第2のバンド、前記第1のバンドガイド部材、及び前記第2のバンドガイド部材を支持するベース部と、
前記ベース部に取り付けられた第1の回転防止部材と、前記第1のバンド及び第2のバンドの少なくとも一方に取り付けられた、前記第1の回転防止部材に対して相補的な第2の回転防止部材とを含む回転防止機構であって、前記第1のバンドのカラム部分と前記第2のバンドのカラム部分において、前記第1の回転防止部材及び前記第2の回転防止部材が互いに係合し、前記ベース部に対する前記出没可能なカラムの回転を防止する、該回転防止機構と、を備え、
前記第1の回転防止部材と前記第2の回転防止部材との係合は、前記出没可能なカラムの外周に沿って非点接触的な接触領域において達成される、リニアアクチュエータ。
【請求項2】
請求項1に記載のリニアアクチュエータであって、
前記第1回転防止部材と前記第2の回転防止部材との係合は、前記第1回転防止部材と前記第2の回転防止部材の、前記出没可能なカラムの少なくとも1回の完全なターンにわたる部分での係合を含む、リニアアクチュエータ。
【請求項3】
請求項2に記載のリニアアクチュエータであって、
前記第1回転防止部材及び前記第2の回転防止部材がそれぞれ、前記出没可能なカラムの周方向の各位置において、前記出没可能なカラムの接線方向に互いに当接する第1の衝当部材及び第2の衝当部材を含む、リニアアクチュエータ。
【請求項4】
請求項3に記載のリニアアクチュエータであって、
前記第1回転防止部材及び前記第2の回転防止部材が歯と溝とを有し、前記歯は、
前記ベース部または前記第1のバンド及び前記第2のバンドの少なくとも一方に設けられ、前記溝は、前記ベース部または前記第1のバンド及び前記第2のバンドの他方に設けられ、
前記溝は前記長手方向軸と平行に延び、前記出没可能なカラムが突出または収容されるときに、前記歯は、前記溝内で前記長手方向軸に平行な方向に沿って前記溝に対して相対的に摺動可能であるが、前記歯は前記溝の壁に向けて付勢されることによって前記出没可能なカラムの前記長手方向軸を中心とする回転を阻止する、リニアアクチュエータ。
【請求項5】
請求項4に記載のリニアアクチュエータであって、
前記歯は、前記第1のバンド及び前記第2のバンドの一方に設けられ、前記溝は、前記ベース部に設けられる、リニアアクチュエータ。
【請求項6】
請求項5に記載のリニアアクチュエータであって、
前記溝は、前記出没可能なカラムの一部を周方向に外囲するように設けられる回転防止リングに設けられる、リニアアクチュエータ。
【請求項7】
請求項1に記載のリニアアクチュエータであって、
前記第1のバンドガイド部材及び前記第2のバンドガイド部材を支持するロータをさらに含み、
前記ロータは、前記パワーアクチュエータによって前記ロータを回転可能となるように前記パワーアクチュエータに動作可能に結合され、
前記ロータは、前記第1のバンド及び前記第2のバンドを、前記第1のバンドガイド部材及び前記第2のバンドガイド部材とともに支持する、リニアアクチュエータ。
【請求項8】
リニアアクチュエータで使用するための回転防止リングであって、
前記リニアアクチュエータは、細長く、実質的に平坦なバンドであって、
前記バンドは、カラム部分と、収容部分とを有し、
前記バンドは、前記カラム部分においてターンと別のターンとが互いに係合して、前記リニアアクチュエータの長手方向軸を中心に螺旋をなし、それによって突出と退縮が可能、すなわち出没可能なカラムを形成し、前記出没可能なカラムは前記回転防止リングのなかを通すことが可能であるように適合され、
前記バンドは、前記収容部分において各ターンが互いに係合せず離れるように配置される、該バンドと、
前記バンドの、螺旋状の延び出しの各周回であるターンを、その前記収容部分からその前記カラム部分に案内する回転可能なバンドガイド部材と、
前記カラム部分における前記バンドのターンを別のターンと相互連結させる相互連結部材と、
前記バンドガイド部材を回転させ、前記出没可能なカラムを突出または収容させるパワーアクチュエータと、
前記パワーアクチュエータ、前記バンド、及び前記バンドガイド部材を支持するベース部と、
前記出没可能なカラムから突出する歯と、を備え、
前記回転防止リングはさらに、
前記回転防止リングを前記基部に固定するためのアタッチメントと、
前記回転防止リングの内面に前記回転防止リングと同軸に設けられた溝とを含み、
前記溝は、前記リニアアクチュエータの前記歯と協働して、前記歯が前記溝内で前記長手方向軸に平行な方向に前記ベース部に対して移動可能であるが、前記出没可能なカラムの前記長手方向軸を中心とする回転を阻止するように構成され、
前記歯と前記溝との係合が、前記出没可能なカラムの外周に沿って非点接触的な接触領域において達成される、回転防止リング。
【請求項9】
請求項8に記載の回転防止リングであって、
前記歯と前記溝との係合は、前記出没可能なカラムの少なくとも1回の完全なターンの領域において達成される係合を含む、回転防止リング。
【請求項10】
リニアアクチュエータであって、
細長く、実質的に平坦なバンドであって、
前記バンドは、カラム部分と、収容部分とを有し、
前記バンドは、前記カラム部分において、螺旋状の延び出しの各周回であるターンと別のターンとが互いに係合して、前記リニアアクチュエータの長手方向軸を中心に螺旋をなし、それによって突出と退縮が可能、すなわち出没可能なカラムを形成し、
前記バンドは、前記収容部分において各ターンが互いに係合せず離れるように配置される、該バンドと、
前記バンドの、各周回であるターンを、その前記収容部分からその前記カラム部分に案内する回転可能なバンドガイド部材と、
前記カラム部分における前記バンドのターンを別のターンと相互連結させる相互連結部材と、
前記バンドガイド部材を回転させ、前記出没可能なカラムを突出または収容させるパワーアクチュエータと、
前記パワーアクチュエータ、前記バンド、及び前記バンドガイド部材を支持するベース部と、
前記ベース部に取り付けられた第1の回転防止部材と、前記バンドに取り付けられた、前記第1の回転防止部材に対して相補的な第2の回転防止部材とを含む回転防止機構であって、前記バンドのカラム部分において、前記第1の回転防止部材及び前記第2の回転防止部材が互いに係合し、前記ベース部に対する前記出没可能なカラムの回転を防止する、該回転防止機構と、を備え、
前記第1の回転防止部材と前記第2の回転防止部材との係合は、前記出没可能なカラムの外周に沿って非点接触的な接触領域において達成される、リニアアクチュエータ。
【請求項11】
請求項10に記載のリニアアクチュエータであって、
前記第1回転防止部材と前記第2の回転防止部材との係合は、前記第1回転防止部材と前記第2の回転防止部材の、前記出没可能なカラムの少なくとも1回の完全なターンにわたる部分での係合を含む、リニアアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照データ
本出願は、米国仮特許出願第63/136,310号を基礎とする優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、バンドと別のバンドを噛み合わせ係合させて形成される、突出と退縮が可能(出没可能)なカラム(柱状部)を備えるリニアアクチュエータに関し、特に、前記リニアアクチュエータで用いられる回転防止機構に関する。
【背景技術】
【0003】
載せた物の位置を動かす機械として、平坦なバンドを螺旋状に曲げてなる垂直方向に突出と退縮が可能、すなわち出没可能なカラム(柱状部)を形成し、前記カラムの一端に荷重物が係合されるリニアアクチュエータ等が挙げられる。この種の機械は主として荷重物の昇降に使用されるが、用途はそれだけに限定されない。
【0004】
このようなリニアアクチュエータは、地面に固定されたベース部上に回転可能に搭載された中空の概ね円筒形のロータを備える。モータがロータを選択的に作動させる。第1の水平バンドは、螺旋状に垂直に積み重ねられ、第1のバンドマガジンに収められており、第2の垂直バンドは螺旋状に水平に積み重ねられ、ロータの周りに同軸に位置する第2のバンドマガジンに収められる。各バンドの下端は常にそれぞれのマガジンに位置し、各バンドの上端は、持ち上げられる荷重物の下に係合する耐荷重プラットフォームに固定的に取り付けられている。ロータが回転すると、螺旋状に延び上がる垂直バンドの各周回すなわち各ターンは、水平バンドの垂直方向に連続する2つのターンの間に案内されて螺旋状に配置され、徐々に垂直方向に突出可能なカラムを形成する。より詳細には、カラムによって支持される荷重物の荷重は、交互に配置されている垂直及び水平バンドの連続するターンを介して、水平バンドを支持するロータに伝達され、最後にボールベアリングを介して概ね全体を支持するベース部及び地面に伝達される。
【0005】
このような装置は、水平バンドと垂直バンドを相互連結させる相互連結機構を提供することによって改良された。具体的には、第1のバンドは歯を含み、第2のバンドは開口部を含み、第1のバンドの歯が第2のバンドの開口部に係合して第1及び第2のバンドを相互連結できるようにする構成である。この構成は、カラムを形成するバンドの連続するターンの係合解除を防止するのに役立ち、またこの構成により、リニアアクチュエータを、その長手方向に延びる軸が垂直でない状態で使用できるようになり、例えば、リニアアクチュエータを地面に水平な方向に延びた状態にすることが可能となる。
【0006】
以上の2種類のリニアアクチュエータの構成のいずれにおいても、ロータが、第1及び第2のバンドの周囲を回転し、かつガイドを備えており、このガイドは、第1及び第2のバンドの連続するターンを、垂直カラムの形状にするべく離散的な(間隔をおいた)配置で相互連結するように強制するガイドを担持する。リニアアクチュエータのロータによって運ばれるガイドは、第1ガイド部材と第2ガイド部材とを備え、第1ガイド部材は、第1のバンドマガジンから第1のバンドのターンを垂直カラムとなるようにガイドする、例えばロータのヘリカル溝であり、第2ガイド部材は、第2のバンドマガジンからの第2のバンドのターンを垂直カラムとなるようにガイドする、第2のバンドの外面に摺動可能に接触する部材、例えば挿入パッドである。
【0007】
ロータが、それに担持された第1及び第2のガイド部材とともに回転する間、垂直カラム自体は回転しない。垂直カラムが回転可能であった場合を考えると、第1及び第2のバンドは強制的に相互係合されないので垂直カラムは形成されず、荷重物は持ち上げられないことになる。
【0008】
垂直カラムを形成する第1及び第2のバンドの回転を防止するために、リニアアクチュエータの荷重物支持台、すなわち第1及び第2のバンドの上端が固定され、かつ持ち上げられる荷重物もそれに載せて固定される荷重物支持台を固定し、同時に荷重物が回転しないようにする構成が公知である。例えば、リニアアクチュエータで持ち上げる荷重物が劇場舞台の場合、劇場舞台を垂直レールに沿ってガイドされるように配置し、垂直方向の移動は可能だが、回転はできない構成にすることができる。
【0009】
つまり、バンドが噛み合わせ係合された従来のリニアアクチュエータは、持ち上げられる荷重物を取り付ける必要があり、持ち上げられる荷重物をカラムの回転防止の手段として利用する必要がある。
【0010】
従来技術のリニアアクチュエータのなかには、カラムの回転を防止するために荷重を利用する必要をなくす解決策を提供するものがある。この従来技術のリニアアクチュエータでは、リニアアクチュエータの固定されたベース部にマウントされ、縦方向に間隔をおいて配置された回転防止ローラのリングを有し、第1のバンドに設けられた歯と協働して垂直カラムの回転を防止している。歯は、第2のバンドの開口部を挿通して延び、第2のバンドの連続するターンとターンとを相互連結するとともにカラムの外壁面を越えて突出する。垂直カラムの突出または退縮時にカラムの歯が上下に動くと、歯は回転防止ローラの間の空間内で摺動する。こうして歯は上下方向に自由に動くことが可能である一方、対応するローラに点接触的な接触部分において当接することになる。その結果、リニアアクチュエータによって持ち上げられる荷重物の回転が防止されない構成の場合、またはリニアアクチュエータがその上端で荷重物に固定されていない場合であっても、この突出カラムに関連する回転防止装置により、カラムの回転を防止して、カラムを意図したように形成できる。
【0011】
このようなシステムの問題の1つは、回転防止ローラのリングが、カラムの長手方向に延びる軸に垂直な平面内に設けられ、歯と回転防止ローラとの当接が、点接触的であること、すなわち、1つの歯が、カラムの外周上のある1箇所で1つのローラと接触するか、ごく少数の歯が、カラムの外周上の実質的に1箇所で、ごく少数のローラに接触していることである。カラムを形成するとき、歯とローラの点接触的な接触部分の位置は垂直カラムの外周において移動し、連続して各ローラが回転防止の手段として作用する。歯とローラが接線方向へ当接する場合、カラムの周方向に沿って当接する領域の一様な広がりがなく、常に本質的に点接触的であるため、理想的な形態とは言えない。点接触的な当接部分の垂直カラムの周方向の一様な広がりがないため、カラムに対して望ましくない接線方向及び径方向の機械的応力が発生する不都合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の目的は、従来技術のシステムの不都合を解消するリニアアクチュエータにおける回転防止システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、リニアアクチュエータであって、
細長い第1のバンドと、
細長く、実質的に平坦な第2のバンドであって、前記第1のバンド及び前記第2のバンドは、それぞれの収容部分及びカラム部分を有し、前記第1のバンドと前記第2のバンドのそれぞれの収容部分は互いに離隔され、前記第1のバンドと前記第2のバンドのそれぞれのカラム部分は互いに係合して突出と退縮が可能、すなわち出没可能なカラムを形成し、前記第2のバンドのカラム部分は、長手方向軸を中心に螺旋を形成する、該第2のバンドと、
前記第1のバンドの、螺旋状の延び出しの各周回であるターンを、その前記収容部分からその前記カラム部分へと案内する回転可能な第1のバンドガイド部材と、
前記第2のバンドのターンをその前記収容部分からその前記カラム部分に案内する回転可能な第2のバンドガイド部材と、
前記第1のバンドガイド部材及び第2のバンドガイド部材の回転を引き起こして、前記出没可能なカラムを突出または収容可能とするパワーアクチュエータと、
前記パワーアクチュエータ、前記第1のバンド、前記第2のバンド、前記第1のバンドガイド部材、及び前記第2のバンドガイド部材を支持するベース部と、
前記ベース部に取り付けられた第1の回転防止部材と、前記第1のバンド及び第2のバンドの少なくとも一方に取り付けられた、前記第1の回転防止部材に対して相補的な第2の回転防止部材とを含む回転防止機構であって、前記第1のバンドのカラム部分と前記第2のバンドのカラム部分において、前記第1の回転防止部材及び前記第2の回転防止部材が互いに係合し、前記ベース部に対する前記出没可能なカラムの回転を防止する、該回転防止機構と、を備え、
前記第1の回転防止部材と前記第2の回転防止部材との係合は、前記出没可能なカラムの外周に沿って非点接触的な接触領域において達成される、リニアアクチュエータが提供される。
【0014】
一実施形態では、前記第1回転防止部材と前記第2の回転防止部材との係合は、前記第1回転防止部材と前記第2の回転防止部材の、前記出没可能なカラムの少なくとも1回の完全なターンにわたる部分での係合を含む。
【0015】
一実施形態では、前記第1回転防止部材及び前記第2の回転防止部材がそれぞれ、前記出没可能なカラムの周方向の各位置において、前記出没可能なカラムの接線方向に互いに当接する第1の衝当部材及び第2の衝当部材を含む。
【0016】
一実施形態では、前記第1回転防止部材及び前記第2の回転防止部材が歯と溝とを有し、前記歯は、前記ベース部または前記第1のバンド及び前記第2のバンドの少なくとも一方に設けられ、前記溝は、前記ベース部または前記第1のバンド及び前記第2のバンドの他方に設けられ、前記溝は前記長手方向軸と平行に延び、前記出没可能なカラムが突出または収容されるときに、前記歯は、前記溝内で前記長手方向軸に平行な方向に沿って前記溝に対して相対的に摺動可能であるが、前記歯は前記溝の壁に向けて付勢されることによって前記出没可能なカラムの前記長手方向軸を中心とする回転を阻止する。
【0017】
一実施形態では、前記歯は、前記第1のバンド及び前記第2のバンドの一方に設けられ、前記溝は、前記ベース部に設けられる。
【0018】
一実施形態では、前記溝は、前記出没可能なカラムの一部を周方向に外囲するように設けられる回転防止リングに設けられる。
【0019】
一実施形態では、前記第1のバンドガイド部材及び前記第2のバンドガイド部材を支持するロータをさらに含み、前記ロータは、前記パワーアクチュエータによって前記ロータを回転可能となるように前記パワーアクチュエータに動作可能に結合され、前記ロータは、前記第1のバンド及び前記第2のバンドを、前記第1のバンドガイド部材及び前記第2のバンドガイド部材とともに支持する。
【0020】
また、本発明によれば、リニアアクチュエータで使用するための回転防止リングであって、
前記リニアアクチュエータは、細長く、実質的に平坦なバンドであって、
前記バンドは、カラム部分と、収容部分とを有し、
前記バンドは、前記カラム部分においてターンと別のターンとが互いに係合して、前記リニアアクチュエータの長手方向軸を中心に螺旋をなし、それによって突出と退縮が可能、すなわち出没可能なカラムを形成し、前記出没可能なカラムは前記回転防止リングのなかを通すことが可能であるように適合され、
前記バンドは、前記収容部分において各ターンが互いに係合せず離れるように配置される、該バンドと、
前記バンドの、螺旋状の延び出しの各周回であるターンを、その前記収容部分からその前記カラム部分に案内する回転可能なバンドガイド部材と、
前記カラム部分における前記バンドのターンを別のターンと相互連結させる相互連結部材と、
前記バンドガイド部材を回転させ、前記出没可能なカラムを突出または収容させるパワーアクチュエータと、
前記パワーアクチュエータ、前記バンド、及び前記バンドガイド部材を支持するベース部と、
前記出没可能なカラムから突出する歯と、を備え、
前記回転防止リングはさらに、
前記回転防止リングを前記基部に固定するためのアタッチメントと、
前記回転防止リングの内面に前記回転防止リングと同軸に設けられた溝とを含み、
前記溝は、前記リニアアクチュエータの前記歯と協働して、前記歯が前記溝内で前記長手方向軸に平行な方向に前記ベース部に対して移動可能であるが、前記出没可能なカラムの前記長手方向軸を中心とする回転を阻止するように構成され、
前記歯と前記溝との係合が、前記出没可能なカラムの外周に沿って非点接触的な接触領域において達成される、回転防止リングが提供される。
【0021】
さらに本発明によれば、リニアアクチュエータであって、
細長く、実質的に平坦なバンドであって、
前記バンドは、カラム部分と、収容部分とを有し、
前記バンドは、前記カラム部分において、螺旋状の延び出しの各周回であるターンと別のターンとが互いに係合して、前記リニアアクチュエータの長手方向軸を中心に螺旋をなし、それによって突出と退縮が可能、すなわち出没可能なカラムを形成し、
前記バンドは、前記収容部分において各ターンが互いに係合せず離れるように配置される、該バンドと、
前記バンドの、各周回であるターンを、その前記収容部分からその前記カラム部分に案内する回転可能なバンドガイド部材と、
前記カラム部分における前記バンドのターンを別のターンと相互連結させる相互連結部材と、
前記バンドガイド部材を回転させ、前記出没可能なカラムを突出または収容させるパワーアクチュエータと、
前記パワーアクチュエータ、前記バンド、及び前記バンドガイド部材を支持するベース部と、
前記ベース部に取り付けられた第1の回転防止部材と、前記バンドに取り付けられた、前記第1の回転防止部材に対して相補的な第2の回転防止部材とを含む回転防止機構であって、前記バンドのカラム部分において、前記第1の回転防止部材及び前記第2の回転防止部材が互いに係合し、前記ベース部に対する前記出没可能なカラムの回転を防止する、該回転防止機構と、を備え、
前記第1の回転防止部材と前記第2の回転防止部材との係合は、前記出没可能なカラムの外周に沿って非点接触的な接触領域において達成される、リニアアクチュエータが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明による回転防止装置を備えたリニアアクチュエータの正面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すリニアアクチュエータを示す一部切欠き透視図であり、ベース部、ロータ、第2のバンド及び回転防止装置の一部が内部要素を示すため一部切欠きされて示されており、垂直カラムの大部分が収容状態である第1の位置にある場合を示す図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すリニアアクチュエータを示す一部切欠き透視図であり、ベース部、ロータ、第2のバンド及び回転防止装置の一部が、内部要素を示すため一部切欠きされて示されており、垂直カラムが、
図2の位置の状態から部分的に延び上がる突出状態にある場合を示す図である。
【
図4】
図4は、
図1のリニアアクチュエータのケーシングを拡大して示す一部切欠き上側斜視図であり、回転防止リングと、回転防止リングをケーシングに取り付けるための取り付けプレートとともに示す図である。
【
図5】
図5は、
図4の要素を分解図として示す下側斜視図である。
【
図6】
図6は、
図1のリニアアクチュエータの回転防止リングを、突出カラムを形成している第1及び第2のバンドの延び出し形態の1~2回の周回(ターン)とともに、拡大して示す一部切欠き斜視図である。
【
図7】
図7は、
図1のリニアアクチュエータの回転防止装置を、突出カラムを形成している第1のバンドの1~2回のターンとともに拡大して示す一部切欠き斜視図である(
図8と併せて回転防止装置に対する第1のバンドの上下動を表している)。
【
図8】
図8は、
図1のリニアアクチュエータの回転防止装置を、突出カラムを形成している第1のバンドの1~2回のターンとともに拡大して示す一部切欠き斜視図である(
図7と併せて回転防止装置に対する第1のバンドの上下動を表している)。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1~
図3は、長手方向に延びる軸Aに沿って荷重物(図示せず)を変位させるために使用される本発明によるリニアアクチュエータ10を示す。大部分の用途において、軸Aは垂直であり、リニアアクチュエータ10は荷重物を垂直に昇降させるために使用されるが、以下に説明するように、リニアアクチュエータ10を形成する複数のバンドが相互連結されているため、軸Aは非垂直であってもよい。簡略化のため、以下の説明では、軸Aが垂直であると仮定することがあるが、この軸の方向は限定的ではないことを理解されたい。
【0024】
リニアアクチュエータ10は地面に配置され、固定されたベース部14の上に回転可能に担持された中空のロータ12を含む。ベース部14は、平坦なベースプレート16と、ベースプレート16から直立した中央ポスト18とを含む。高耐荷重ベアリング20、22により、ロータ12は中央ポスト18によって回転可能に担持される。
【0025】
ベース部14は、ベースプレート16に固定され、そこから直立して延びるケーシング32を含む。具体的には、
図4及び
図5に示すように、ケーシング32は、4つの間隔をおいて配置された側壁32a、32b、32c、及び32dを含み、これらの側壁は上壁32eを担持し、上壁32eには、ケーシング中央円形開口部32fが形成されている。ケーシング32は、ベースプレート16の上方でロータ12から間隔をおいて延びるとともに、ロータ12を部分的に外囲する。ケーシング32は、図に示すものとは異なる形態を有してもよく、例えば、間隔をおいて配置された側壁32a、32b、32c、32dの代わりに連続的に延びる完全な周壁を有するものでもよく、また当業者に明らかなように他の種々の変更を含み得る。
【0026】
リニアアクチュエータ10は、パワーアクチュエータを含む。パワーアクチュエータは、制御盤26を備えたモータ24を含み、モータ24及びロータ12にそれぞれが取り付けられた一対の相互に結合されたギアホイール28、30によって、ロータ12を選択的に回転させる。ベース部14は、ケーシング32によって担持されたモータ支持体31を含み、モータ支持体31はモータ24を担持する。
【0027】
リニアアクチュエータ10は、第1のバンド34及び第2のバンド38によって、バンドの連結による延び上がりとバンドの収容による退縮が可能なカラム(柱状部)、すなわち出没可能なカラム33を形成し、カラムにおいては、第1のバンド34が、第2のバンド38の連続するターンを相互連結させ、第2のバンド38のあるターンから次のターンに荷重を伝達するために用いられる。
【0028】
詳細には、第1のバンド34は、螺旋状に積層され、ロータ12の下部12aの内部に形成された環状空間である第1のバンドマガジン36に収容される収容部分34aを有する。第1のバンドの収容部分34aは、
図2~3に示すように、ロータ12の底壁12dに載置される(ロータ12が回転する間にその上を摺動する)か、ロータ12の底壁12dの上に懸吊される。第2のバンド38は、水平方向に螺旋状に積層された収容部分38aを有し、ロータ12とケーシング32との間で、ロータ12の環状の上壁部12bの径方向外側に形成された環状空間である第2のバンドマガジン40に収容される。第2のバンドの収容部分38aは、ロータ12の水平支持壁部12cに載置され、ロータ12が回転する間にその上を摺動する。ロータ12の上壁部12bには開口部12eが形成され、第2のバンド38はこの開口部12eを通って上壁部12bの径方向内側にある空間へと延びている。
【0029】
第1のバンド34及び第2のバンド38は、以下に詳述するように、出没可能なカラム33を形成するカラム部分34b、38bを有する。カラム33が徐々に突出または退縮すると、第1のバンド及び第2のバンドのそれぞれのカラム部分34b、38bの長さは、それらの収容部分34a、38aの長さの変化と逆比例して変化する。
【0030】
第1及び第2のバンド34、38の各々の上端は、変位させるべき荷重物に係合する荷重物係合部材42に固定的に取り付けられる。リニアアクチュエータ10が、軸Aが垂直となるように地面に配置されている場合(通常の場合)、変位させるべき荷重物はリニアアクチュエータ10によって昇降され、結果として荷重物係合部材42はこの荷重の重量を支えることになる。プラットフォームまたは他の中間構造(図示せず)が、荷重物係合部材42と荷重物との間で荷重物係合部材42に固定される場合もある。
【0031】
ロータ12は、ロータ12の内の壁部46に形成された螺旋状の溝44の形態である第1のバンドガイド部材を含む。ロータ12はまた、ロータ12によって担持される第2のバンド用の挿入パッド48の形態の第2のバンドガイド部材を含む。ロータ12がカラム33を突出させるべくモータ24によって第1の方向に回転されると、第2のバンド38の各ターンは、第2のバンド用の挿入パッド48によって第2のバンドマガジン40から、ロータの開口部12eを通ってカラム33をなすように案内される。カラムにおいては第2のバンド38は、その連続するターンの各々の上側縁部が上方に隣接するターンの下側縁部に重なるように、螺旋状に配置される。同時に、第1のバンド34の各ターンは、第1のバンドマガジン36から螺旋状の溝44を通ってカラム33をなすように案内され、カラム33では、第1のバンド34の外周に設けられた歯50が、第2のバンド38の、2つのターンが重なり合う領域である上下の縁にそれぞれ設けられた開口部52、54に係合して、第2のバンド38のカラム部分38bの連続する各2ターンを相互連結する。このようにして、カラム33の壁が、カラム部分38bの第2のバンド38によって形成され、第1のバンド34の歯50は、相互連結部材として第2のバンド38の開口部52、54と協働し、この相互連結部材は、第2のバンド38のカラム部分38bの連続するターンを総合連結させ、第2のバンド38の連続するターンにそれぞれ荷重を伝達するために使用される(
図6参照)。
【0032】
リニアアクチュエータ10によって変位した荷重物(例えば、軸Aが垂直である場合に上側に支持される物品)の荷重は、より詳細には、荷重物係合部材42に伝達され、次に第1及び第2のバンドのカラム部分34b、38bのそれぞれの連続するターンを通して伝達され、次に第1のバンド34が螺旋状の溝44に載置されているロータ12へ伝達され、ベアリング20、22を介してベース部14へ伝達され、最後にベースプレート16が載置されている地面へと、順次伝達される。
【0033】
またモータ24は、ロータ12を第1の方向とは反対の第2の方向に回転させて、カラム33を退縮させることができる。このとき、第1及び第2のバンドガイド部材(螺旋状の溝44、挿入パッド48)は、第1及び第2のバンド34、38のターンを、カラム33から徐々に離れさせ、それぞれ第1及び第2のバンドマガジン36、40に案内する。
【0034】
以上の説明は、従来の構造のリニアアクチュエータの標準的な動作に関するものである。
【0035】
本発明によれば、
図1~
図8に示すように、カラム33が変位する荷重物がこの回転を阻止する手段の一部として用いられなくても、すなわち荷重物係合部材42が回転を防止されていなくても、カラム33の回転を防止する回転防止機構が提供される。
【0036】
リニアアクチュエータ10の回転防止機構は、ベース部14(より詳細にはケーシング32)に取り付けられた第1の回転防止部材60と、後述のように第1の回転防止部材と協働する第1のバンドの歯50の突出端の形態の第2の回転防止部材とからなる。
【0037】
第1の回転防止部材60は、下部に環状の肩部80を有するリング62を含み、肩部80はケーシング32の円形開口部32fに嵌合され、ケーシング32の上壁32eの上に載置される。肩部80の下に位置するリング62の下壁部83の周縁には凹部82が形成され、この凹部82は、円形開口部32f内でケーシング上壁32eから径方向内方に突出するタブ84に係合される。
【0038】
環状の溝86は、肩部80の下方でリング62の下壁部83に形成されている。溝86は、リング62が肩部80とともに上壁32eに載置されるとき、ケーシング上壁32eの下方に位置する。一対の取り付けプレート88、90が、ケーシング上壁32eの下方で溝86に係合され、このときケーシング上壁32eがリングの肩部80と取り付けプレート88、90の間に挟まれ、ボルト92によって取り付けプレート88、90はケーシング上壁32eに固定される。
【0039】
リング62は、カラム33がぴったりと収まる直径に構成され、リング62の内壁94には、軸Aに平行な多数の直線状の溝70が形成される。第1のバンド34には、外側縁部から第2のバンド38の重なる縁部を越えて突出する歯50が設けられているが、溝70の各々は1つの歯50、または軸Aに平行に整列している数個の歯50がぴったりと収まり長手方向に摺動可能に係合するような深さと幅を有するように構成される。
【0040】
使用中、多数の歯50は、カラム33が延び上がり突出または退縮する間、それぞれ対応する1つの溝70に摺動可能に係合する。より詳細には、
図7及び
図8に示すように、歯50は、軸Aに平行な方向に溝70内で摺動して、第1のバンド34を軸Aに平行に移動させるように強制する。実際、こうして溝70に係合する間、歯50は、リング62の溝70の側壁にカラムの接線方向に当接し、カラム33の回転を防止する。リング62は、ケーシング32に取り付けられ、特に凹部82内のタブ84が係合していることによって、回転が防止される。したがって、歯50は、第1のバンド34と第2のバンド38の相互連結係合を可能にすることに加えて、第1の回転防止部材60と協働して軸Aを中心とするカラム33の回転を防止する第2の回転防止部材としても機能する。
【0041】
一実施形態(図示せず)では、第1のバンドは、第2のバンドの外側に配置され、歯が内側に突出するように構成してもよい。このような実施形態では、第2のバンドの内側に配置された回転防止装置が、その外面に設けられた溝内に内側に突出する歯を受容することになる。
【0042】
別の実施形態(図示せず)では、カラムは、第1の実施形態の第2のバンドに類似する単一のバンドで形成されるが、前記第2のバンドと異なり単一のバンドの上側または下側縁部の一方に歯が設けられ、他方の縁部には、歯に対応する開口部が設けられる。この実施形態では、カラム部におけるバンドのターンを相互連結させる相互連結部材は、例えば、バンド自身の開口部に係合するバンドの歯となり得る。また、歯がカラムの内側または外側のいずれに延びるかにかかわらず、その歯が係合する溝を有する回転防止装置が、カラムの回転を防止するために使用され得る。
【0043】
別の実施形態(図示せず)では、第1及び第2のバンドのいずれか一方に、相互連結する歯とは異なる複数の回転防止ピンが設けられる。これらの回転防止ピンが回転防止装置と係合するように構成される。
【0044】
さらに、2つのバンド間に相互連結のための歯がないリニアアクチュエータ(図示せず)を提供することも可能である。その場合、2つのバンドは相互に載置される。各載置は従来技術として知られている。このような実施形態では、歯またはピンは、回転防止を目的としてのみバンドの一方に設けられ、相互連結機能はない。
【0045】
全ての実施形態において、本発明によれば、回転防止装置と歯またはピンが協働して、非点接触的な接触領域における係合を達成する回転防止機構を形成する。平面的なリング状の回転防止ローラのセットを用いて、ローラとローラの間で歯がローラのリングの周方向に沿って点接触的に係合する従来技術と異なり、本発明は、回転防止装置の複数の溝に複数の歯が係合する、非点接触的な接触による係合を可能にする。
【0046】
図面に示す実施形態では、回転防止リング62の長さは、第1のバンド34の少なくとも1ターン全体が歯50を溝70に係合させ、この際、歯50の溝70への回転防止ための接線方向の当接点がカラム33の周縁部の全周に分布してカラム33の機械的応力を低減させるために、十分な長さである。図面に示すように、リング62に係合する歯50を有するバンドのターンの数を2以上とすることも可能である。
【0047】
また、リング62の長手方向の長さは、リング62内にカラム33がぴったりと係合することにより、カラム33の撓みを含むカラムに加わる径方向の力に抵抗するのを助ける長さである。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リニアアクチュエータであって、
細長い第1のバンドと、
細長く、実質的に平坦な第2のバンドであって、前記第1のバンド及び前記第2のバンドは、それぞれの収容部分及びカラム部分を有し、前記第1のバンドと前記第2のバンドのそれぞれの収容部分は互いに離隔され、前記第1のバンドと前記第2のバンドのそれぞれのカラム部分は互いに係合して突出と退縮が可能、すなわち出没可能なカラムを形成し、前記第2のバンドのカラム部分は、長手方向軸を中心に螺旋を形成する、該第2のバンドと、
前記第1のバンドの、螺旋状の延び出しの各周回であるターンを、その前記収容部分からその前記カラム部分へと案内する回転可能な第1のバンドガイド部材と、
前記第2のバンドのターンをその前記収容部分からその前記カラム部分に案内する回転可能な第2のバンドガイド部材と、
前記第1のバンドガイド部材及び第2のバンドガイド部材の回転を引き起こして、前記出没可能なカラムを突出または収容可能とするパワーアクチュエータと、
前記パワーアクチュエータ、前記第1のバンド、前記第2のバンド、前記第1のバンドガイド部材、及び前記第2のバンドガイド部材を支持するベース部と、
前記ベース部に取り付けられた第1の回転防止部材と、前記第1のバンド及び第2のバンドの少なくとも一方に取り付けられた、前記第1の回転防止部材に対して相補的な第2の回転防止部材とを含む回転防止機構であって、前記第1のバンドのカラム部分と前記第2のバンドのカラム部分において、前記第1の回転防止部材及び前記第2の回転防止部材が互いに係合し、前記ベース部に対する前記出没可能なカラムの回転を防止する、該回転防止機構と、を備え、
前記第1の回転防止部材と前記第2の回転防止部材との
相互の係合は、
常に、前記出没可能なカラムの外周に沿って
少なくとも1回の完全なターンにわたる接触領域において達成される、リニアアクチュエータ。
【請求項2】
請求項
1に記載のリニアアクチュエータであって、
前記第1回転防止部材及び前記第2の回転防止部材がそれぞれ、前記出没可能なカラムの周方向の各位置において、前記出没可能なカラムの接線方向に互いに当接する第1の衝当部材及び第2の衝当部材を含む、リニアアクチュエータ。
【請求項3】
請求項
2に記載のリニアアクチュエータであって、
前記第1回転防止部材及び前記第2の回転防止部材が歯と溝とを有し、前記歯は、
前記ベース部または前記第1のバンド及び前記第2のバンドの少なくとも一方に設けられ、前記溝は、前記ベース部または前記第1のバンド及び前記第2のバンドの他方に設けられ、
前記溝は前記長手方向軸と平行に延び、前記出没可能なカラムが突出または収容されるときに、前記歯は、前記溝内で前記長手方向軸に平行な方向に沿って前記溝に対して相対的に摺動可能であるが、前記歯は前記溝の壁に向けて付勢されることによって前記出没可能なカラムの前記長手方向軸を中心とする回転を阻止する、リニアアクチュエータ。
【請求項4】
請求項
3に記載のリニアアクチュエータであって、
前記歯は、前記第1のバンド及び前記第2のバンドの一方に設けられ、前記溝は、前記ベース部に設けられる、リニアアクチュエータ。
【請求項5】
請求項
4に記載のリニアアクチュエータであって、
前記溝は、前記出没可能なカラムの一部を周方向に外囲するように設けられる回転防止リングに設けられる、リニアアクチュエータ。
【請求項6】
請求項1に記載のリニアアクチュエータであって、
前記第1のバンドガイド部材及び前記第2のバンドガイド部材を支持するロータをさらに含み、
前記ロータは、前記パワーアクチュエータによって前記ロータを回転可能となるように前記パワーアクチュエータに動作可能に結合され、
前記ロータは、前記第1のバンド及び前記第2のバンドを、前記第1のバンドガイド部材及び前記第2のバンドガイド部材とともに支持する、リニアアクチュエータ。
【請求項7】
リニアアクチュエータで使用するための回転防止リングであって、
前記リニアアクチュエータは、細長く、実質的に平坦なバンドであって、
前記バンドは、カラム部分と、収容部分とを有し、
前記バンドは、前記カラム部分においてターンと別のターンとが互いに係合して、前記リニアアクチュエータの長手方向軸を中心に螺旋をなし、それによって突出と退縮が可能、すなわち出没可能なカラムを形成し、前記出没可能なカラムは前記回転防止リングのなかを通すことが可能であるように適合され、
前記バンドは、前記収容部分において各ターンが互いに係合せず離れるように配置される、該バンドと、
前記バンドの、螺旋状の延び出しの各周回であるターンを、その前記収容部分からその前記カラム部分に案内する回転可能なバンドガイド部材と、
前記カラム部分における前記バンドのターンを別のターンと相互連結させる相互連結部材と、
前記バンドガイド部材を回転させ、前記出没可能なカラムを突出または収容させるパワーアクチュエータと、
前記パワーアクチュエータ、前記バンド、及び前記バンドガイド部材を支持するベース部と、
前記出没可能なカラムから突出する歯と、を備え、
前記回転防止リングはさらに、
前記回転防止リングを前記基部に固定するためのアタッチメントと、
前記回転防止リングの内面に前記回転防止リングと同軸に設けられた溝とを含み、
前記溝は、前記リニアアクチュエータの前記歯と協働して、前記歯が前記溝内で前記長手方向軸に平行な方向に前記ベース部に対して移動可能であるが、前記出没可能なカラムの前記長手方向軸を中心とする回転を阻止するように構成され、
前記歯と前記溝との係合が、前記出没可能なカラムの外周に沿って非点接触的な接触領域において達成される、回転防止リング。
【請求項8】
請求項
7に記載の回転防止リングであって、
前記歯と前記溝との係合は、前記出没可能なカラムの少なくとも1回の完全なターンの領域において達成される係合を含む、回転防止リング。
【請求項9】
リニアアクチュエータであって、
細長く、実質的に平坦なバンドであって、
前記バンドは、カラム部分と、収容部分とを有し、
前記バンドは、前記カラム部分において、螺旋状の延び出しの各周回であるターンと別のターンとが互いに係合して、前記リニアアクチュエータの長手方向軸を中心に螺旋をなし、それによって突出と退縮が可能、すなわち出没可能なカラムを形成し、
前記バンドは、前記収容部分において各ターンが互いに係合せず離れるように配置される、該バンドと、
前記バンドの、各周回であるターンを、その前記収容部分からその前記カラム部分に案内する回転可能なバンドガイド部材と、
前記カラム部分における前記バンドのターンを別のターンと相互連結させる相互連結部材と、
前記バンドガイド部材を回転させ、前記出没可能なカラムを突出または収容させるパワーアクチュエータと、
前記パワーアクチュエータ、前記バンド、及び前記バンドガイド部材を支持するベース部と、
前記ベース部に取り付けられた第1の回転防止部材と、前記バンドに取り付けられた、前記第1の回転防止部材に対して相補的な第2の回転防止部材とを含む回転防止機構であって、前記バンドのカラム部分において、前記第1の回転防止部材及び前記第2の回転防止部材が互いに係合し、前記ベース部に対する前記出没可能なカラムの回転を防止する、該回転防止機構と、を備え、
前記第1の回転防止部材と前記第2の回転防止部材との
相互の係合は、
常に、前記出没可能なカラムの外周に沿って
少なくとも1回の完全なターンにわたる接触領域において達成される、リニアアクチュエータ。
【国際調査報告】