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  • 特表-喫煙物品用のフィルタ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-22
(54)【発明の名称】喫煙物品用のフィルタ
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/06 20060101AFI20240115BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20240115BHJP
【FI】
A24D3/06
A24F40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540585
(86)(22)【出願日】2022-01-11
(85)【翻訳文提出日】2023-08-16
(86)【国際出願番号】 EP2022050406
(87)【国際公開番号】W WO2022152679
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】21151303.1
(32)【優先日】2021-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライト, アレク
(72)【発明者】
【氏名】ローガン, アンドリュー ロバート ジョン
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA21
4B045AA45
4B045AB16
4B045BB01
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC06
(57)【要約】
フィルタ本体を備えるエアロゾル発生物品用のフィルタであって、フィルタ本体が、マウスピースとして配置された第1の端部と、蒸気発生物品に取り付けるために配置された第1の端部とは反対側の第2の端部と、を含み、フィルタが、第1の端部と第2の端部との間のフィルタ本体内に位置するキャビティであって、水を含む流体が第2の端部から第1の端部までフィルタ本体を通って流れることを可能にするように構成された、キャビティを更に含み、キャビティが、流体がフィルタ本体を通って流れるときに流体を濾過するように配置されたフィルタ部分を含み、フィルタ部分が、流体がフィルタ本体を通って流れるときに流体から少なくとも一部の水を除去するように配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品用のフィルタであって、
フィルタ本体であって、
マウスピースとして配置された第1の端部と、
蒸気発生物品に取り付けるために配置された前記第1の端部とは反対側の第2の端部と、を含む、フィルタ本体と、
前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記フィルタ本体内に位置するキャビティであって、水を含む流体が前記第2の端部から前記第1の端部まで前記フィルタ本体を通って流れることを可能にするように構成された、キャビティと、
を備え、
前記キャビティが、前記流体が前記フィルタ本体を通って流れるときに前記流体を濾過するように配置されたフィルタ部分を含み、
前記フィルタ部分が、前記流体が前記フィルタ本体を通って流れるときに前記流体から少なくとも一部の前記水を除去するように配置されている、
フィルタ。
【請求項2】
前記フィルタ部分が、前記流体から水を選択的に濾過するように配置された選択的フィルタ媒体を含む、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項3】
前記選択的フィルタ媒体が、吸水媒体を含む、請求項2に記載のフィルタ。
【請求項4】
前記吸水媒体が、シリカを含む、請求項3に記載のフィルタ。
【請求項5】
前記吸水媒体が、モレキュラーシーブを含む、請求項3に記載のフィルタ。
【請求項6】
前記吸水媒体が、親水性スポンジ材料を含む、請求項3に記載のフィルタ。
【請求項7】
前記フィルタの前記第2の端部が、蒸気発生物品に解放可能に取り付け可能である、請求項1から6のいずれか一項に記載のフィルタ。
【請求項8】
蒸気発生物品であって、
蒸気発生装置との接続のために配置された第1の端部と、
請求項1から7のいずれか一項に記載のフィルタであって、前記蒸気発生物品の第2の端部に取り付けられる、フィルタと、
を備える、蒸気発生物品。
【請求項9】
蒸気発生システムであって、
請求項1から7のいずれか一項に記載のフィルタと、
請求項8に記載の蒸気発生物品と、
前記蒸気発生物品を受容するように構成された蒸気発生装置と、
を備える、蒸気発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾルを形成するためにエアロゾル発生基材が加熱されるエアロゾル発生システムにおいて使用するエアロゾル発生物品に関する。本開示は、特に、自己完結型で低温であり得る携帯用エアロゾル発生装置に適用可能である。そのような装置は、タバコ又は他の好適なエアロゾル基材材料を、燃焼するのではなく、伝導、対流、及び/又は放射によって加熱して、吸入用のエアロゾルを発生させ得る。
【背景技術】
【0002】
(気化器としても知られる)リスク低減装置又はリスク修正装置の人気及び使用は、紙巻きタバコ、葉巻、シガリロ、及びローリングタバコなどの従来のタバコ製品の喫煙を止めようと望む常習的喫煙者を支援するための手助けとして、ここ数年で急速に成長してきた。従来のタバコ製品においてタバコを燃焼するのとは対照的に、エアロゾル化可能物質を加熱又は加温する様々な装置及びシステムが利用可能である。
【0003】
一般に利用可能なリスク低減装置又はリスク修正装置は、基材加熱式エアロゾル発生装置又は加熱非燃焼式(heat-not-burn)装置である。このタイプの装置は、湿った葉タバコ又は他の好適なエアロゾル化可能材料を典型的に含むエアロゾル基材を典型的には150℃~350℃の範囲の温度に加熱することにより、エアロゾル又は蒸気を発生させる。エアロゾル基材を燃やすか又は燃焼するのではなく加熱することにより、ユーザが求める成分を含むが、燃やすこと及び燃焼することによる副生成物を含まないエアロゾルを放出する。
【0004】
そのような装置では、エアロゾル基材は、典型的には、加熱チャンバ内に保持されてヒータにより加熱される消耗品内に含まれる。消耗品は、ある量のエアロゾル発生基材を含み、ある量のエアロゾルを発生することができる。
【0005】
エアロゾル発生装置は携帯用であるため、ユーザが装置を使用する環境条件は異なる場合がある。これにより、消耗品内のエアロゾル基材は、装置が使用されている周囲環境の湿度、並びに消耗品のパケットがユーザにより装置内に挿入するために開封された後の、消耗品が空気にさらされていた時間の長さに応じて、異なる量の水分を取り込むという影響がある。
【0006】
発生したエアロゾル中の湿気は、その比較的高い比熱容量が、不快であってユーザが吸入することが潜在的に危険である高温のエアロゾルをもたらすため、望ましくない。
【0007】
本発明は、エアロゾルの湿度が低減される装置を提供することを目的とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によれば、フィルタ本体を備える蒸気発生物品用のフィルタが提供され、フィルタ本体は、マウスピースとして配置された第1の端部と、蒸気発生物品に取り付けるために配置された第1の端部とは反対側の第2の端部と、を含む。フィルタは、第1の端部と第2の端部との間のフィルタ本体内に位置するキャビティを更に含む。キャビティは、水を含む流体が第2の端部から第1の端部までフィルタ本体を通って流れることを可能にするように構成される。キャビティは、流体がフィルタ本体を通って流れるときに流体を濾過するように配置されたフィルタ部分を含む。フィルタ部分は、流体がフィルタ本体を通って流れるときに流体から少なくとも一部の水を除去するように配置される。
【0009】
いくつかの発展形では、フィルタ部分は、流体から実質的に全ての水を除去するように配置され得る。
【0010】
蒸気発生物品は、その可搬性により様々な場所で使用されるため、フィルタが経験する環境条件を制御することはできず、その結果、フィルタが経験し、フィルタが吸収する水分のレベルは、周囲環境の湿度、及びフィルタがこの環境にさらされた時間の長さに応じて変化する。湿度が高いと、ユーザにとって望ましくない高温の蒸気がもたらされる。環境からフィルタに入る湿度を制御することは可能ではないため、本フィルタは、フィルタ部分を使用して蒸気から湿度を除去する。したがって、フィルタは、蒸気がフィルタを通って流れるときに蒸気から水を除去する効果的な濾過を提供して、全体的なユーザ体験を改善する。
【0011】
いくつかの例では、フィルタ部分は、流体から水を選択的に濾過するように配置された選択的フィルタ媒体を含む。流体から水を選択的に濾過するように配置された選択的フィルタ媒体を提供することにより、流体内の他の成分が水に加えてフィルタによって除去されるのではなくフィルタを通過することを許容されるため、蒸気からより多くの水が除去されることを確実にするのに役立つ。
【0012】
好ましくは、選択的フィルタ媒体は、吸水媒体を含む。吸水媒体は、流体がフィルタ部分を通過するときに流体からより多くの水を除去するのに役立つ。この場合、発生した蒸気である流体からより多くの水を除去することにより、発生した蒸気の湿度を低減する。これにより、ユーザが吸入するのにより冷たい蒸気が提供され、使用中のユーザ体験をより快適にする。
【0013】
吸水媒体には、任意の適切な選択的吸水材料、例えばシリカ、少なくとも1つのモレキュラーシーブ、又は少なくとも1つの親水性スポンジ材料が含まれ得る。これらは、単独で、又は互いに組み合わせて使用されてもよい。もちろん、任意の他の適切な吸水性材料が、単独で、又は任意の他の吸水性材料と組み合わせて使用されてもよい。
【0014】
好ましくは、フィルタの第2の端部は、蒸気発生物品に解放可能に取り付け可能である。したがって、フィルタは、ユーザが物品の使用を望むときに蒸気発生物品に取り付けられ、ユーザが物品内の基材を消費したときに物品から除去されてもよい。このように、フィルタは、再使用可能なフィルタであり、複数の蒸気発生物品と共に使用され得る。
【0015】
通常、蒸気発生装置は、基材を収容する消耗品と、消耗品に取り付けられたフィルタと、を備える。いったん基材がユーザによって消費されると、消耗品はもはや使用可能でないため、蒸気発生装置は廃棄される。フィルタは消耗品に取り付けられているため、フィルタもまた、同時に廃棄される。その結果、フィルタは、通常、廃棄するには高価ではない単純な技術で構成されている。
【0016】
蒸気発生物品(消耗品とも呼ばれる)に解放可能に取り付けられ得るフィルタを提供することにより、フィルタは、毎回廃棄される代わりに、その後の蒸気発生物品で再使用することができる。例えば、フィルタは20~100回使用することができ得るため、フィルタを交換して廃棄する必要が生じる前に、20~100個の異なる蒸気発生物品と共にフィルタを使用することができる。
【0017】
これにより、より複雑で高価な技術をフィルタ内で使用することができ、特に、より効率的で効果的な濾過技術をフィルタ内で使用することができるという効果がある。一例として、蒸気発生物品を20~100個使用するごとにのみ交換する必要がある再使用可能なフィルタを使用することは、フィルタ内の技術のコストが、1回限りの使い捨てフィルタの20~100倍になり得ることを意味する。このように、フィルタの第2の端部が蒸気発生物品に解放可能に取り付け可能なフィルタを有することにより、蒸気から効率的で効果的に水を除去するための選択的フィルタ媒体を含む再使用可能なフィルタを提供する。有利には、フィルタは、以前はコストのために実現不可能であった技術を使用して、蒸気から水を除去することができる技術を備えることができる。
【0018】
別の態様によれば、蒸気発生装置との接続のために配置された第1の端部と、蒸気発生物品の第2の端部に取り付けられるフィルタと、を備える、蒸気発生物品が提供される。フィルタは、上述したフィルタのいずれかによるフィルタである。
【0019】
別の態様によれば、上述したフィルタのいずれかによるフィルタと、上述した蒸気発生物品による蒸気発生物品と、蒸気発生物品を受容するように構成された蒸気発生装置と、を備える、蒸気発生システムが提供される。
【0020】
ここで、本発明の実施形態について、添付図面を参照して単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】エアロゾル発生物品の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1を参照すると、エアロゾルを発生するために、細長い消耗品1の形態の例示的なエアロゾル発生物品1が、エアロゾル発生装置2内に配置されて示されている。
【0023】
エアロゾル発生物品1は、棒状部分11と、フィルタ14と、を備える。
【0024】
棒状部分11は、棒状部分11の長さの一部にわたって延びるエアロゾル発生基材12を備える。エアロゾル発生基材12は、エアロゾル発生装置2の加熱チャンバ内にあり、且つ加熱チャンバの開口部から最も遠いエアロゾル発生物品1の端部に配置される。エアロゾル発生基材12は、加熱されるとエアロゾルを発生する材料である。エアロゾル発生基材12は、例えば、タバコ又はニコチンを含み得る。エアロゾルは、フィルタ14を通って流れる空気によって、エアロゾル発生物品1から引き出される。
【0025】
エアロゾル発生装置2は、加熱チャンバ21とヒータ22とを備える。
【0026】
加熱チャンバ21は、エアロゾル発生物品1又はエアロゾル発生物品1の棒状部分11が受容され得る内部中空を有する管状構造である。具体的には、加熱チャンバは、第1の端部212と第2の端部213との間に延びる側壁を含む。第1の端部212は、棒状部分11の挿入を可能にするために、開口しているか、又は使用時に開放可能である。第2の端部213は、空気がエアロゾル発生物品を通って流れるための空気入口を提供するために、図1Aに示されるように開口していてもよい。代替的に、第2の端部213は、加熱チャンバ21の加熱効率を高めるために閉鎖され得る。
【0027】
加熱チャンバ21は、セラミック又は金属から形成され得る。例えば、加熱チャンバ21は、金属薄板を曲げ加工又はプレス加工することによって形成され得る。ヒータ22は、加熱チャンバ21の側壁を通って加熱チャンバ21の内部中空内に熱を送達するのに好適な任意のヒータであり得る。例えば、ヒータは電力で駆動する抵抗性トラックの形態であり得る。代替的に、燃料燃焼などの化学反応によって熱が提供されるヒータなどの、他のタイプのヒータも使用され得る。加熱チャンバは更に、真空管、断熱繊維及び/又はエアロゲルなどの断熱材によって取り囲まれ得る。
【0028】
使用時、ヒータ22は、エアロゾル発生物品1を燃焼することなく、エアロゾル発生基材12にエアロゾルを放出させるのに十分な温度まで加熱チャンバ21を加熱するように配置される。特に、ヒータ22は、エアロゾル発生基材12を150℃~350℃の最高温度、より好ましくは200℃~350℃の温度に加熱するように構成される。
【0029】
ヒータ22は、図1Aには加熱チャンバ21の外側に示されているが、いくつかの実施形態では、ヒータ22は、加熱チャンバ21の内側に配置され得る。
【0030】
エアロゾル発生物品1は、エアロゾル冷却領域15を更に含む。エアロゾル冷却領域15は、エアロゾル発生物品1の長さの一部にわたって延び、エアロゾル発生物品1の中空管状部分を構成する。この中空管状部分により、(エアロゾル発生基材12を加熱することによって発生した)エアロゾルが、中空管状部分の側部から漏れることなくエアロゾル発生物品1を通過することを可能にする。エアロゾル冷却領域15は、加熱領域と呼ばれ得る、ヒータ22によって加熱されているエアロゾル発生物品1の一部とオーバーラップしないため、エアロゾル冷却領域15内でエアロゾルが加熱され続けることはない。
【0031】
上記のように、エアロゾル基材15は、加熱チャンバ21内にあり、且つ開口部212から最も遠いエアロゾル発生物品1の端部に配置される。フィルタ14は、開口部212の最も近くにある他の端部に配置される。エアロゾル冷却領域15は、エアロゾル発生基材12とフィルタ14との間にエアロゾル発生物品1の長さに沿って延びる。これにより、使用時、発生したエアロゾルが、ユーザによる吸入前に冷却され得ることを確実にする。
【0032】
ここで、フィルタ14の更なる詳細を説明する。
【0033】
フィルタ14は、マウスピースの形態の第1の端部102と、エアロゾル発生物品1の棒状部分11に取り付けるための、第1の端部102とは反対側の第2の端部104と、を有するフィルタ本体114を含む。フィルタ14は、第1の端部と第2の端部との間のフィルタ本体114内に位置するキャビティ106を更に含む。キャビティ106は、水を含む流体がフィルタ本体114を通って第2の端部104から第1の端部102まで流れることを可能にする。キャビティ106は、流体がフィルタ本体114を通って流れるときに流体を濾過するフィルタ部分108を含む。特に、フィルタ部分108は、流体がフィルタ本体114を通って流れるときに流体から少なくとも一部の水を除去する。この文脈における流体は、エアロゾル発生物品1によって発生したエアロゾル又は蒸気を指すことに留意すべきである。
【0034】
フィルタ14は、通常、任意の適切なプラスチック材料から作製され、エアロゾル発生物品1は、通常、紙から作製される。
【0035】
蒸気がフィルタ本体114を通過するときに蒸気から水をより効率的に除去するために、フィルタ部分は、流体内の他の液体よりも優先して流体から水を選択的に吸収する選択的吸水媒体を含む。例えば、シリカ、モレキュラーシーブ、又は親水性スポンジ材料である、任意の適切な選択的吸水媒体を使用することができる。
【0036】
使用時、ユーザがフィルタのマウスピース端102上で引き込み、蒸気がフィルタ14を通って吸入されると、選択的吸水媒体は、吸入された蒸気から水を除去し、吸入された蒸気の湿度を低減する。水は比較的高い比熱容量を有するため、高い湿度を有する蒸気は非常に高温になり、これが、ユーザが吸入するには危険で不快なものになり得る。このように、フィルタ内の湿度を低減することにより、吸入された蒸気の温度を下げるのに役立ち、これにより、より安全なエアロゾル発生物品1を提供すると共に、ユーザの全体的な感覚体験を改善する。
【0037】
フィルタ14は、第2の端部104において、第1のエアロゾル発生物品1の1つの棒状部分11から取り外すことができ、且つ第2の端部104を介して第2のエアロゾル発生物品1の別の棒状部分11に再び取り付けることができるため、再使用可能なフィルタ14である。特に、フィルタ14は、任意の適切な一時的取り付け機構を使用して、棒状部分11内に又は棒状部分11上に差し込むことができる。したがって、フィルタ14は、解放可能に取り付け可能であり、且つ複数のエアロゾル発生物と共に使用することができると考えることができる。言い換えれば、フィルタ14は、半使い捨てであると言うことができる。
【0038】
このように、フィルタ14が棒状部分11に取り付けられると、蒸気発生物品1が形成される。特に、蒸気発生物品1は、第1の端部と第2の端部とを含み、フィルタ14は、蒸気発生物品1の第2の端部に取り付けられる。蒸気発生物品1の第1の端部は、蒸気発生装置2と接続するために使用され得る。この場合、蒸気発生システムは、蒸気発生物品1と、蒸気発生物品1を受容する蒸気発生装置2とを備えて形成される。
【0039】
エアロゾル発生装置は、「加熱式タバコ装置」、「加熱非燃焼式タバコ装置」、「タバコ製品気化用装置」などと等しく呼ばれ得る電子タバコであり、これらの効果を実現するのに好適な装置として解釈されることを理解すべきである。本明細書中に開示する特徴は、任意のエアロゾル発生媒体を気化させるよう設計される装置に等しく適用可能である。
【0040】
エアロゾル発生基材12は、タバコを、例えば乾燥した又は硬化した形態で含み得、場合により、風味付けのための、又はより滑らかな若しくはより満足感のある体験をもたらす、追加の成分を有する。いくつかの例では、タバコなどのエアロゾル発生基材12は、気化剤で処理され得る。気化剤は、エアロゾル発生基材12からの蒸気の発生を改善することができる。気化剤は、例えば、グリセロールなどのポリオール又はプロピレングリコールなどのグリコールを含み得る。場合により、エアロゾル発生基材12は、タバコを又は更にはニコチンを含まなくてもよく、代わりに、風味付け、揮発性、滑らかさの改善及び/又は他の満足感を与える効果を提供するための天然成分又は人工由来の成分を含み得る。
【0041】
エアロゾル発生基材12は、細断された、ペレット状の、粉末状の、粒状の、ストリップ又はシート形態、任意選択的にこれらの組み合わせの固体又はペーストタイプの材料として提供され得る。同様に、エアロゾル発生基材12は、液体又はゲルであり得る。実際、いくつかの例では、固体部分と液体/ゲル部分との両方が含まれる場合がある。実際、いくつかの例では、固体部分と液体/ゲル部分との両方が含まれる場合がある。いくつかの例では、基材12は、固体ブロックであり得るか、又は包装体13内に詰められた疎な材料であり得る。好ましくは、基材は、タバコ粉末とエアロゾル形成剤とを含むランダムに配向されたタバコストランドを含む。適切なエアロゾルフォーマには、ポリオール(ソルビトール、グリセロール及びプロピレングリコール又はトリエチレングリコールなどのグリコール類等)、非ポリオール(一価アルコール、乳酸等の酸類、グリセロール誘導体、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテート、クエン酸トリエチル等のエステル、グリセリン又は植物性グリセリン等)が含まれる。いくつかの実施形態では、エアロゾル発生剤は、グリセロール、プロピレングリコール、又はグリセロールとプロピレングリコールとの混合物であってもよい。
【0042】
エアロゾル発生基材12は、通常、加熱されるとガス又はガス中の固体及び/若しくは液体浮遊物を生成するが、本明細書では、用語「蒸気」及び「エアロゾル」は一般に交換可能に用いられ、且つ一般に、エアロゾル発生基材12が加熱されて任意のサイズの粒子又は液滴の懸濁液を生成する場合に生成される物質を指すことを理解されたい。
【0043】
本明細書で使用する場合、「流体」という用語は、液体、ペースト、ゲル、粉末などを含むがこれらに限定されない流動可能なタイプの非固形材料を総称して説明するものとして解釈されるものとする。それに応じて、「流動化された材料」は、本質的に流体である材料として、又は流体として振る舞うように改質された材料として解釈されるものとする。流動化は、粉末化、溶媒への溶解、ゲル化、増粘化、減粘化などを含んでもよいが、これらに限定されない。
図1
【国際調査報告】