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▶ ビーワイディー カンパニー リミテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-22
(54)【発明の名称】電池パック及び車両
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6556 20140101AFI20240115BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240115BHJP
   H01M 10/6554 20140101ALI20240115BHJP
   H01M 10/6568 20140101ALI20240115BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240115BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20240115BHJP
【FI】
H01M10/6556
H01M10/613
H01M10/6554
H01M10/6568
H01M10/625
B60K1/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540653
(86)(22)【出願日】2021-05-13
(85)【翻訳文提出日】2023-08-24
(86)【国際出願番号】 CN2021093712
(87)【国際公開番号】W WO2022147938
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】202110018493.1
(32)【優先日】2021-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】▲馮▼嘉茂
(72)【発明者】
【氏名】▲魯▼志佩
(72)【発明者】
【氏名】徐▲華▼兵
(72)【発明者】
【氏名】李▲華▼▲標▼
【テーマコード(参考)】
3D235
5H031
【Fターム(参考)】
3D235BB36
3D235EE63
5H031KK08
(57)【要約】
電池パック及び車両であり、前記電池パックは、液体冷却板(1)及び電池スタック(3)を含み、前記電池スタック(3)は、少なくとも1つの電池モジュール(31)を含み、前記液体冷却板(1)は、液体冷却板本体(11)、給水口(12)及び出水口(13)を含み、前記液体冷却板本体(11)内に液体冷却回路が設けられ、前記液体冷却回路は、縁部給水流路(111)と、出水合流流路(112)と、縁部給水流路(111)と出水合流流路(112)とを連通する中間流路(113)とを含み、前記給水口(12)は、液体冷却板本体(11)に接続され、縁部給水流路(111)に連通し、前記出水口(13)は、液体冷却板本体(11)に接続され、出水合流流路(112)に連通する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体冷却板及び電池スタックを含み、前記電池スタックは、少なくとも1つの電池モジュールを含み、
前記液体冷却板は、液体冷却板本体、給水口及び出水口を含み、前記液体冷却板本体内に液体冷却回路が設けられ、前記液体冷却回路は、縁部給水流路と、出水合流流路と、前記縁部給水流路と出水合流流路とを連通する中間流路と、を含み、前記給水口は、前記液体冷却板本体に接続され、前記縁部給水流路に連通し、前記出水口は、前記液体冷却板本体に接続され、前記出水合流流路に連通し、
前記縁部給水流路は、前記液体冷却板本体の縁部を1周して前記電池スタックの頂面の縁部を覆い、前記中間流路は、前記縁部給水流路の内側に位置し、前記電池スタックの頂面の中部を覆う、ことを特徴とする電池パック。
【請求項2】
前記中間流路は、複数の分岐流路を含み、各前記分岐流路の入口は、前記縁部給水流路に連通し、各前記分岐流路の出口は、前記出水合流流路に連通し、複数の前記分岐流路の入口は、前記縁部給水流路に沿って間隔を置いて配置され、複数の前記分岐流路の出口は、前記出水合流流路に沿って間隔を置いて配置される、ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記電池モジュールは、車両の前後方向に沿って積み重ねられた複数のセルを含み、複数の前記分岐流路は、車両の前後方向に沿って延在し、
前記給水口は、前記液体冷却板本体の前側に接続され、前記縁部給水流路は、給水口の位置で二分割されて左側縁部給水流路と右側縁部給水流路を形成し、前記左側縁部給水流路及び右側縁部給水流路の後側は、複数の前記分岐流路の入口に連通し、前記出水合流流路は、前記液体冷却板本体の前側に位置し、前記縁部給水流路から分離され、
冷却液は、前記給水口から入った後に二分割されて、それぞれ前記左側縁部給水流路と右側縁部給水流路を流れ、前記左側縁部給水流路及び右側縁部給水流路の後側で合流して、複数の前記分岐流路を流れて前記出水合流流路に流入した後、前記出水口から流出する、ことを特徴とする請求項2に記載の電池パック。
【請求項4】
熱伝導性構造用接着剤、底部構造用接着剤及びトレイをさらに含み、前記液体冷却板、熱伝導性構造用接着剤、電池スタック、底部構造用接着剤及びトレイは、上から下へ順に積層され、
前記トレイは、方形枠と、前記方形枠の前側枠に設けられた前側膨張防止梁と、前記方形枠の後側枠に設けられた後側膨張防止梁とを含み、前記電池スタックの前側端面と前記前側膨張防止梁との間は、セルの膨張を吸収可能な緩衝層によって隔てられ、前記電池スタックの後側端面と前記後側膨張防止梁との間は、セルの膨張を吸収可能な緩衝層によって隔てられる、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項5】
前記熱伝導性構造用接着剤は、前後に配置されたプロセス前段構造用接着剤及びプロセス後段高熱伝導性構造用接着剤を含み、前記プロセス前段構造用接着剤及びプロセス後段高熱伝導性構造用接着剤は、前記電池スタックの頂面と前記液体冷却板本体の底面との間に接着され、前記プロセス前段構造用接着剤の熱伝導率は、前記プロセス後段高熱伝導性構造用接着剤の熱伝導率より小さい、ことを特徴とする請求項4に記載の電池パック。
【請求項6】
前記電池モジュールは、車両の左右方向に沿って積み重ねられた複数のセルを含み、複数の前記分岐流路は、車両の左右方向に沿って延在し、
前記給水口は、前記液体冷却板本体の前側に接続され、前記縁部給水流路は、給水口の位置で二分割されて左側縁部給水流路と右側縁部給水流路を形成し、前記左側縁部給水流路の左部は、左側の複数の前記分岐流路の入口に連通し、前記右側縁部給水流路の右部は、右側の複数の前記分岐流路の入口に連通し、前記出水合流流路は、前記液体冷却板本体の前後方向の中間位置に位置し、前記縁部給水流路から分離され、
冷却液は、前記給水口から入った後に二分割されて、それぞれ前記左側縁部給水流路と右側縁部給水流路を流れ、左右両側の複数の前記分岐流路を流れて前記出水合流流路に流入した後、前記出水口から流出する、ことを特徴とする請求項2に記載の電池パック。
【請求項7】
前記分岐流路は、迂回状であり、前記出水合流流路は、リブ板によって左側出水合流流路と右側出水合流流路に仕切られ、左側の複数の前記分岐流路の出口は、前記左側出水合流流路に連通し、右側の複数の前記分岐流路の出口は、前記右側出水合流流路に連通し、前記左側出水合流流路及び右側出水合流流路は、前記液体冷却板本体の前側で合流した後に前記出水口に連通する、ことを特徴とする請求項6に記載の電池パック。
【請求項8】
熱伝導性構造用接着剤、底部構造用接着剤及びトレイをさらに含み、前記液体冷却板、熱伝導性構造用接着剤、電池スタック、底部構造用接着剤及びトレイは、上から下へ順に積層され、
前記トレイは、方形枠を含み、前記電池スタックの左側端面と前記方形枠の左枠の内壁との間は、セルの膨張を吸収可能な緩衝層によって隔てられ、前記電池スタックの右側端面と前記方形枠の右枠の内壁との間は、セルの膨張を吸収可能な緩衝層によって隔てられる、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の電池パック。
【請求項9】
前記熱伝導性構造用接着剤は、左から右へ順に配置された左側高熱伝導性構造用接着剤、中間低熱伝導性構造用接着剤及び右側高熱伝導性構造用接着剤を含み、前記左側高熱伝導性構造用接着剤、中間低熱伝導性構造用接着剤及び右側高熱伝導性構造用接着剤は、前記電池スタックの頂面と前記液体冷却板本体の底面との間に接着され、前記中間低熱伝導性構造用接着剤の熱伝導率は、前記左側高熱伝導性構造用接着剤及び右側高熱伝導性構造用接着剤の熱伝導率より小さい、ことを特徴とする請求項8に記載の電池パック。
【請求項10】
前記トレイの外面を1周被覆する保温層をさらに含む、ことを特徴とする請求項4、5、8又は9に記載の電池パック。
【請求項11】
前記底部構造用接着剤の接着剤塗布面積は、前記電池スタックの底面の面積以下であり、
前記底部構造用接着剤は、互いに離間された複数の構造用接着片を含む、ことを特徴とする請求項4、5、8又は9に記載の電池パック。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の電池パックを含む、ことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年1月7日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202110018493.1で、出願名称が「電池パック及び車両」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本発明は、新エネルギー車両の技術分野に属し、特に電池パック及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
図1に示すように、従来の熱管理システムを有する電池パックの構造は、高さ方向に、上から順に、シールカバー1a-耐火断熱綿2a-電池モジュール3a-熱伝導性接着剤4a-液体冷却板5a-PU(Polyurethane、ポリウレタン)断熱板6a-トレイ7aである。電池モジュール3aの上面は、耐火断熱綿2aによりシールカバー1aに対する断熱耐火を実現し、耐火断熱綿2aの熱伝導率は、一般的に0.02W/(mK)程度であり、優れた高温耐性を有する。電池モジュール3aと液体冷却板5aとの間に熱伝導性接着剤4aが充填され、熱伝導性接着剤4aは、単一の種類であり、電池モジュール3aの底部に均一に塗布され、熱伝導の機能のみを備え、構造的な強度を備えない。液体冷却板5aは、ハーモニカチューブの構造を有し、合流管の構造は、電池モジュール3aとトレイ7aとの間に一定の空間を残すことが要求される。PU断熱板6aは、液体冷却板5aとトレイ7aとの間に介在し、液体冷却板5aのトレイ7aに対する伝熱損失を低減すると共に液体冷却板5aを支持する役割を果たす。電池モジュール3aは、モジュール側板のフランジ面によりトレイ7aの横梁に固定され、トレイ7aの横梁は、電池モジュール3aのトレイ7aに対する主な伝熱パスである。
【0004】
従来の電池パックの構造では、電池モジュール3aとトレイ7aとはそれほど近接して配置されておらず、大きな断熱距離を残している。したがって、電池モジュール3aの温度場は、外部環境による影響が小さく、異なる電池モジュール3a、又は異なる領域間の熱負荷が相対的にバランスする。
【0005】
しかしながら、従来の電池パックの構造は、以下の(1)~(3)の欠点を有する。
(1)空間がコンパクトではなく、空間利用率が低く、自由体積が大きく、凝縮が発生するリスク点が多い。
(2)熱管理部品が多く、集積度が低く、コストの低減に寄与しない。
(3)異なる電池モジュール、異なる部位の熱負荷の差について考慮されず、電池パックの温度差を制御すること、電池パックの低温性能を向上させること、さらに、よりコンパクトな電池パックを得ることに寄与しない。
【発明の概要】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来の熱管理システムを有する電池パックの構造が電池パックの温度差を制御することに寄与しないという問題に対して、電池パック及び車両を提供することである。
【0007】
上記課題を解決するために、一態様では、本発明の実施例に係る電池パックは、液体冷却板及び電池スタックを含み、前記電池スタックは、少なくとも1つの電池モジュールを含み、
前記液体冷却板は、液体冷却板本体、給水口及び出水口を含み、前記液体冷却板本体内に液体冷却回路が設けられ、前記液体冷却回路は、縁部給水流路と、出水合流流路と、前記縁部給水流路と出水合流流路とを連通する中間流路と、を含み、前記給水口は、前記液体冷却板本体に接続され、前記縁部給水流路に連通し、前記出水口は、前記液体冷却板本体に接続され、前記出水合流流路に連通し、
前記縁部給水流路は、前記液体冷却板本体の縁部を1周して前記電池スタックの頂面の縁部を覆い、前記中間流路は、前記縁部給水流路の内側に位置し前記電池スタックの頂面の中部を覆う。
【0008】
好ましくは、前記中間流路は、複数の分岐流路を含み、各前記分岐流路の入口は、前記縁部給水流路に連通し、各前記分岐流路の出口は、前記出水合流流路に連通し、複数の前記分岐流路の入口は、前記縁部給水流路に沿って間隔を置いて配置され、複数の前記分岐流路の出口は、前記出水合流流路に沿って間隔を置いて配置される。
【0009】
好ましくは、前記電池モジュールは、車両の前後方向に沿って積み重ねられた複数のセルを含み、複数の前記分岐流路は、車両の前後方向に沿って延在し、
前記給水口は、前記液体冷却板本体の前側に接続され、前記縁部給水流路は、給水口の位置で二分割されて左側縁部給水流路と右側縁部給水流路を形成し、前記左側縁部給水流路及び右側縁部給水流路の後側は、複数の前記分岐流路の入口に連通し、前記出水合流流路は、前記液体冷却板本体の前側に位置し、前記縁部給水流路から分離され、
冷却液は、前記給水口から入った後に二分割されて、それぞれ前記左側縁部給水流路と右側縁部給水流路を流れ、かつ前記左側縁部給水流路及び右側縁部給水流路の後側で合流して、複数の前記分岐流路を流れて前記出水合流流路に流入した後、前記出水口から流出する。
【0010】
好ましくは、前記電池パックは、熱伝導性構造用接着剤、底部構造用接着剤及びトレイをさらに含み、前記液体冷却板、熱伝導性構造用接着剤、電池スタック、底部構造用接着剤及びトレイは、上から順に積層され、
前記トレイは、方形枠と、前記方形枠の前側枠に設けられた前側膨張防止梁と、前記方形枠の後側枠に設けられた後側膨張防止梁とを含み、前記電池スタックの前側端面と前記前側膨張防止梁との間は、セルの膨張を吸収可能な緩衝層によって隔てられ、前記電池スタックの後側端面と前記後側膨張防止梁との間は、セルの膨張を吸収可能な緩衝層によって隔てられる。
【0011】
好ましくは、前記熱伝導性構造用接着剤は、前後に配置されたプロセス前段構造用接着剤及びプロセス後段高熱伝導性構造用接着剤を含み、前記プロセス前段構造用接着剤及びプロセス後段高熱伝導性構造用接着剤は、前記電池スタックの頂面と前記液体冷却板本体の底面との間に接着され、前記プロセス前段構造用接着剤の熱伝導率は、前記プロセス後段高熱伝導性構造用接着剤の熱伝導率より小さい。
【0012】
好ましくは、前記電池モジュールは、車両の左右方向に沿って積み重ねられた複数のセルを含み、複数の前記分岐流路は、車両の左右方向に沿って延在し、
前記給水口は、前記液体冷却板本体の前側に接続され、前記縁部給水流路は、給水口の位置で二分割されて左側縁部給水流路と右側縁部給水流路を形成し、前記左側縁部給水流路の左部は、左側の複数の前記分岐流路の入口に連通し、前記右側縁部給水流路の右部は、右側の複数の前記分岐流路の入口に連通し、前記出水合流流路は、前記液体冷却板本体の前後方向の中間位置に位置し、前記縁部給水流路から分離され、
冷却液は、前記給水口から入った後に二分割されて、それぞれ前記左側縁部給水流路と右側縁部給水流路を流れ、左右両側の複数の前記分岐流路を流れて前記出水合流流路に流入した後、前記出水口から流出する。
【0013】
好ましくは、前記分岐流路は、迂回状であり、前記出水合流流路は、リブ板によって左側出水合流流路と右側出水合流流路に仕切られ、左側の複数の前記分岐流路の出口は、前記左側出水合流流路に連通し、右側の複数の前記分岐流路の出口は、前記右側出水合流流路に連通し、前記左側出水合流流路及び右側出水合流流路は、前記液体冷却板本体の前側で合流した後に前記出水口に連通する。
【0014】
好ましくは、前記電池パックは、熱伝導性構造用接着剤、底部構造用接着剤及びトレイをさらに含み、前記液体冷却板、熱伝導性構造用接着剤、電池スタック、底部構造用接着剤及びトレイは、上から順に積層され、
前記トレイは、方形枠を含み、前記電池スタックの左側端面と前記方形枠の左枠の内壁との間は、セルの膨張を吸収可能な緩衝層によって隔てられ、前記電池スタックの右側端面と前記方形枠の右枠の内壁との間は、セルの膨張を吸収可能な緩衝層によって隔てられる。
【0015】
好ましくは、前記熱伝導性構造用接着剤は、左から順に配置された左側高熱伝導性構造用接着剤、中間低熱伝導性構造用接着剤及び右側高熱伝導性構造用接着剤を含み、前記左側高熱伝導性構造用接着剤、中間低熱伝導性構造用接着剤及び右側高熱伝導性構造用接着剤は、前記電池スタックの頂面と前記液体冷却板本体の底面との間に接着され、前記中間低熱伝導性構造用接着剤の熱伝導率は、前記左側高熱伝導性構造用接着剤及び右側高熱伝導性構造用接着剤の熱伝導率より小さい。
【0016】
好ましくは、前記電池パックは、前記トレイの外面を1周被覆する保温層をさらに含む。
【0017】
好ましくは、前記底部構造用接着剤の接着剤塗布面積は、前記電池スタックの底面の面積以下であり、
前記底部構造用接着剤は、互いに離間された複数の構造用接着片を含む。
【0018】
本発明の実施例に係る電池パックにおいて、前記液体冷却板本体内に液体冷却回路が設けられ、前記液体冷却回路は、縁部給水流路と、出水合流流路と、前記縁部給水流路と出水合流流路とを連通する中間流路と、を含み、前記縁部給水流路は、前記液体冷却板本体の縁部を1周して前記電池スタックの頂面の縁部を覆い、前記中間流路は、前記縁部給水流路の内側に位置し、前記電池スタックの頂面の中部を覆う。このように、冷却液は、液体冷却板の縁部から供給され、まず電池スタックの縁部領域を流れ、中間流路を流れて分流された後に出水合流流路から還流され、液体冷却板の縁部領域は、流速がより高く、加熱能力がより高い。熱損失をバランスさせ、電池パックの温度差を制御するために、低温の作動状況において異なる領域の加熱需要に適合し、電池パックの縁部領域に、より多くの熱量を与えることができる。
【0019】
他の態様では、本発明の実施例に係る車両は、前記電池パックを含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】従来の電池パックの分解図である。
図2】本発明の第1の実施例に係る電池パックの分解図である。
図3】本発明の第1の実施例に係る電池パックの液体冷却板の概略図である。
図4】本発明の第1の実施例に係る電池パックの熱伝導性構造用接着剤分布を示す図である。
図5】本発明の第1の実施例に係る電池パックの熱伝導性構造用接着剤の概略図である。
図6】本発明の第2の実施例に係る電池パックの液体冷却板の概略図である。
図7】本発明の第2の実施例に係る電池パックの熱伝導性構造用接着剤分布を示す図である。
図8】本発明の第2の実施例に係る電池パックの熱伝導性構造用接着剤の概略図である。
図9】本発明の実施例に係る電池パックの底部構造用接着剤の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の解決しようとする技術的課題、技術手段及び有益な効果をより明瞭にするために、以下、図面及び実施例を参照しながら、本発明をさらに詳細に説明する。なお、ここに記載する具体的な実施例は、本発明を解釈するものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0022】
第1の実施例
図2図5に示すように、本発明の第1の実施例に係る電池パックは、上から順に積層された液体冷却板1、熱伝導性構造用接着剤2、電池スタック3、底部構造用接着剤4及びトレイ5を含み、上記電池スタック3は、少なくとも1つの電池モジュール31を含み、上記電池モジュール31は、車両の前後方向に沿って積み重ねられた複数のセル311を含む。
【0023】
上記液体冷却板1は、好ましくは、プレスろう付け液体冷却板である。
【0024】
上記液体冷却板1は、液体冷却板本体11、給水口12及び出水口13を含み、上記液体冷却板本体11内に液体冷却回路が設けられ、上記液体冷却回路は、縁部給水流路111と、出水合流流路112と、上記縁部給水流路111と出水合流流路112とを連通する中間流路113と、を含み、上記給水口12は、上記液体冷却板本体11に接続され、上記縁部給水流路111に連通し、上記出水口13は、上記液体冷却板本体11に接続され、上記出水合流流路112に連通する。
【0025】
上記縁部給水流路111は、上記液体冷却板本体1の縁部を1周して上記電池スタック3の頂面の縁部を覆い、上記中間流路113は、上記縁部給水流路111の内側に位置して上記電池スタック3の頂面の中部を覆う。
【0026】
上記中間流路113は、複数の分岐流路1131を含み、各上記分岐流路1131の入口11311は、上記縁部給水流路111に連通し、各上記分岐流路1131の出口11312は、上記出水合流流路112に連通し、複数の上記分岐流路1131の入口11312は、上記縁部給水流路111に沿って間隔を置いて配置され、複数の上記分岐流路1131の出口11312は、上記出水合流流路112に沿って間隔を置いて配置される。
【0027】
上記電池モジュール31の数及び各電池モジュール31におけるセル311の数は、電圧、電流需要に応じて設定される。好ましくは、1つの電池モジュール31のみを用いることにより、複数の電池モジュール31の間の装着空間を低減して、より多くの電池セル311を積み重ねてるため、電池パックの単位体積当たりのエネルギー密度を向上させ、車両の航続距離を増加させることができる。
【0028】
上記セル311は、方形薄板セル、即ち、ブレード電池を用いる。ブレード電池は、長さが幅より遥かに大きく、厚さが幅より遥かに小さい。ブレード電池は、電池パック内の空間を最大限に搾取することができ、ブレード電池のスタック構造の強度が大きいため、トレイ5の底部の補強梁構造を省略し、電池パックの単位体積あたりのエネルギー密度をさらに向上させ、車両の航続距離を増加させることができる。
【0029】
本実施例において、車両の前後、左右方向は、図3図4の方向によって示される。
【0030】
本実施例において、上記分岐流路1131は、車両の前後方向に沿って延在し、即ち上記電池セル311に垂直である。好ましくは、複数の分岐流路1131の間隔が同じであることにより、電池パックの温度バランスが向上する。
【0031】
上記給水口12は、上記液体冷却板本体1の前側に接続され、上記縁部給水流路111は、給水口12の位置で二分割されて左側縁部給水流路1111と右側縁部給水流路1112を形成し、上記左側縁部給水流路1111及び右側縁部給水流路1112の後側は、複数の上記分岐流路1131の入口11311に連通し、上記出水合流流路112は、上記液体冷却板本体1の前側に位置して上記縁部給水流路111から分離される。即ち、上記縁部給水流路111及び上記出水合流流路112は、上記液体冷却板本体1の同じ側に位置するが、互いに直接連通するのではなく、複数の上記分岐流路1131を介して連通する。
【0032】
流量は、液体冷却板1の縁部領域に優先的に分配され、液体冷却板1の主回路は、縁部領域から給水され、即ち、冷却液は、上記給水口12から入った後に二分割されて、それぞれ上記左側縁部給水流路1111と右側縁部給水流路1112を流れ、かつ上記左側縁部給水流路1111及び右側縁部給水流路1112の後側で合流して、複数の上記分岐流路1131を流れて上記出水合流流路112に流入した後、上記出水口13から流出する。上記縁部給水流路111が上記液体冷却板本体1の縁部を1周して上記電池スタック3の頂面の縁部を覆うため、液体冷却板1は、電池スタック3の縁部領域を優先的に加熱(又は冷却)することができる。
【0033】
図3において、分岐流路1131の数は、6本であるが、電池スタックのサイズに応じて他の数設けてもよい。
【0034】
上記トレイ5は、方形枠51と、上記方形枠51の前側枠に設けられた前側膨張防止梁52と、上記方形枠51の後側枠に設けられた後側膨張防止梁53とを含み、上記電池スタック3の前側端面と上記前側膨張防止梁52との間は、セルの膨張を吸収可能な緩衝層によって隔てられ、上記電池スタック3の後側端面と上記後側膨張防止梁53との間は、セルの膨張を吸収可能な緩衝層によって隔てられる。緩衝層は、例えば、エアロゲル又はプラスチックパッキンであってもよい。緩衝層は、セルの膨張を吸収することができるとともに、電池スタック3とトレイ5との間の熱伝導を部分的に低減することができる。
【0035】
前側膨張防止梁52と後側膨張防止梁53は、それぞれ電池スタック3の首尾の2つのセル311の大きな表面から緩衝層(図示せず)によって隔てられ、電池パックの膨張を抑制する役割を果たす。トレイ5の主な質量は、方形枠51に集中し、セル311は、トレイ5を介して環境に対して熱損失が発生し、電池パックの温度を向上させるとともに、トレイ5の方形枠51の温度を向上させる必要があり、特に前側膨張防止梁52及び後側膨張防止梁53が存在するため、より多くの熱量を吸収する必要がある。以上の分析により、前側膨張防止梁52及び後側膨張防止梁53のセル311は、熱損失がより大きく、温度がより低く、温度差をバランスさせるために、前後両側のセル311に、より多くの熱量を与える必要がある。
【0036】
図4及び図5に示すように、上記熱伝導性構造用接着剤2は、前後に配置されたプロセス前段構造用接着剤21及びプロセス後段高熱伝導性構造用接着剤22を含み、上記プロセス前段構造用接着剤21及び後段高熱伝導構造用接着剤22は、上記電池スタック3の頂面と上記液体冷却板本体11の底面との間に接着され、上記プロセス前段構造用接着剤21の熱伝導率は、上記プロセス後段高熱伝導性構造用接着剤22の熱伝導率より小さい。即ち、プロセス前段構造用接着剤21は、熱を伝導しないか又は熱伝導率が低い。
【0037】
図4に示すように、電池スタック3の左右両側は、液体冷却回路の優先的な流れ領域であり、加熱能力が高い。電池セル311における2本目以降は、液体冷却回路の還流部分であり、水温及び流速が低く、加熱能力が低く、液体冷却回路の前部での過剰な熱交換を避けるために、液体冷却回路の前部に対応して黒い構造用接着剤(プロセス前段構造用接着剤21)を上記電池スタック3の頂面に塗布し、液体冷却回路の後部の熱交換能力を向上させるために、高熱伝導率の熱伝導性構造用接着剤(プロセス後段高熱伝導性構造用接着剤22)を液体冷却回路の後段に塗布する。異なる熱伝導率の熱伝導性構造用接着剤を領域に応じて塗布し、縁部領域と中心領域に異なる接着剤を塗布し、熱管理の需要に応じて制御して、電池パックの温度差を制御することに役立つ。
【0038】
また、上記電池パックは、上記トレイ5の外面を1周被覆する保温層6をさらに含む。具体的には、上記保温層6は、上記トレイ5の方形枠51の外面を被覆する。外部の保温層6を用いることにより、既存の内部保温層をトレイ5の外部に集積し、トレイ5の温度を向上させることで、電池スタック3の縁部領域の温度を向上させる。保温層6の厚さ及び具体的な固定領域は、車両全体の空間及び保温需要に応じて定められる。
【0039】
また、上記底部構造用接着剤4の接着剤塗布面積は、上記電池スタック3の底面の面積以下である。即ち、セル311とトレイ5に構造用接着剤を局所的に塗布する固定方式において、底部構造用接着剤4の接着剤塗布面積を減少させることにより、セル311のトレイに対する熱交換を減少させるため、セル311の温度を向上させることができる。
【0040】
例えば、図9に示すように、上記底部構造用接着剤4は、互いに離間された複数の構造用接着片41を含む。構造用接着片41の形状、数、面積及び配置方式は、必要に応じて調整することができる。
【0041】
本発明の第1の実施例に係る電池パックによれば、冷却液は、液体冷却板1の縁部から供給され、まず電池スタック3の縁部領域を流れ、中間流路113を流れて分流された後に出水合流流路112から還流され、液体冷却板1の縁部領域は、流速がより高く、加熱能力がより高い。熱損失をバランスさせ、電池パックの温度差を制御するために、低温の作動状況において異なる領域の加熱需要に適合し、電池パックの縁部領域に、より多くの熱量を与えることができる。
【0042】
また、図1に示す従来技術に対して、シールカバー、耐火断熱綿を取り除き、部品の数を減少し、部品がより扁平で規則的であり、空間利用率を向上させ、コストの低減に役立つ。
【0043】
また、熱管理効果において、冷却液は、液体冷却板の縁部から供給され、まず電池スタックの縁部領域を流れ、中間流路を流れて分流された後に出水合流流路から還流され、液体冷却板の縁部領域は、流速がより高く、加熱能力がより高く、電池パックの縁部及び中部の異なる領域の熱負荷の差が区別され、電池の温度差を管理し、電池の低温性能を向上させることに役立つ。
【0044】
また、設計性において、液体冷却板の液体冷却回路配置及び熱伝導性構造用接着剤の異なる配置により、本願の電池パックは、より柔軟な温度調整手段を有し、電池の温度差を好適に制御することができる。
【0045】
第2の実施例
図6図8に示すように、本発明の第2の実施例に係る電池パックと第1の実施例とを比較すると、上記電池モジュール31は、車両の左右方向に沿って積み重ねられた複数のセル311を含むという点で相違する。
【0046】
本実施例において、車両の前後、左右方向は、図6図7の方向によって示される。
【0047】
本実施例において、複数の上記分岐流路1131は、車両の左右方向に沿って延在する。即ち、上記分岐流路1131は、上記電池セル311に垂直である。好ましくは、複数の分岐流路1131の間隔が同じであることにより、電池パックの温度バランスが向上する。
【0048】
上記給水口12は、上記液体冷却板本体11の前側に接続され、上記縁部給水流路111は、給水口12の位置で二分割されて左側縁部給水流路1111と右側縁部給水流路1112を形成し、上記左側縁部給水流路1111の左部は、左側の複数の上記分岐流路1131の入口11311に連通し、上記右側縁部給水流路1112の右部は、右側の複数の上記分岐流路1131の入口11311に連通し、上記出水合流流路112は、上記液体冷却板本体11の前後方向の中間位置に位置し、上記縁部給水流路111から分離される。即ち、上記縁部給水流路111及び上記出水合流流路112は、互いに直接に連通するのではなく、複数の上記分岐流路1131を介して連通する。
【0049】
流量は、液体冷却板1の縁部領域に優先的に分配され、液体冷却板1の主回路は、縁部領域から給水され、冷却液は、上記給水口12から入った後に二分割されて、それぞれ上記左側縁部給水流路1111と右側縁部給水流路1112を流れ、左右両側の複数の上記分岐流路1131を流れて上記出水合流流路12に流入した後、上記出水口13から流出する。
【0050】
上記分岐流路1131は、迂回状、例えば、Z字状、W字状及びS字状等である。迂回状の上記分岐流路1131は、セル311の温度が均一であることを保証するとともに、冷却液が中間領域から還流することを保証することができる。
【0051】
図6に示すように、左側と右側にそれぞれ5本の上記分岐流路1131があるが、異なる需要に応じて、他の数の分岐流路1131を設けてもよい。また、いくつかの実施例において、左側と右側の上記分岐流路1131も完全に対称である必要がなく、形状と数が異なってもよい。
【0052】
図6に示すように、上記出水合流流路112は、リブ板14によって左側出水合流流路1121と右側出水合流流路1122に仕切られ、左側の複数の上記分岐流路1131の出口11312は、上記左側出水合流流路1121に連通し、右側の複数の上記分岐流路1131の出口11312は、上記右側出水合流流路1122に連通し、上記左側出水合流流路1121及び右側出水合流流路1122は、上記液体冷却板本体1の前側で合流した後に上記出水口13に連通する。
【0053】
プレスろう付け液体冷却板に対して、プレスろう付け液体冷却板の溶接表面は、液体冷却回路を分割することにより、縁部給水流路111と、出水合流流路112と、上記縁部給水流路111と出水合流流路112とを連通する中間流路113とを形成する。リブ板14は、溶接面の一部である。
【0054】
第2の実施例において、上記トレイ5は、方形枠51を含み、上記電池スタック3の左側端面と上記方形枠51の左枠の内壁との間は、セルの膨張を吸収可能な緩衝層によって隔てられ、上記電池スタック3の右側端面と上記方形枠51の右枠の内壁との間は、セルの膨張を吸収可能な緩衝層によって隔てられる。緩衝層は、例えば、エアロゲル又はプラスチックパッキンであってもよい。緩衝層は、セルの膨張を吸収することができるとともに、電池スタック3とトレイ5との間の熱伝導を部分的に低減することができる。即ち、第2の実施例において、トレイ5の左右両側枠が膨張防止梁として機能し、電池の膨張を抑制する役割を果たす。トレイ5の主な質量は、同様に方形枠51に集中し、セル311は、トレイ5を介して環境に対して熱損失が発生し、電池パックの温度を向上させるとともに、トレイ5の方形枠51の温度を向上させる必要がある。
【0055】
第1の実施例と比較すると、第2の実施例において、トレイ5の方形枠51の高さが第1の実施例より著しく高く、より多くの熱量が必要であるという点で相違する。左右両側のセル311は、熱損失がより大きく、温度がより低く、温度差をバランスさせるために、左右両側のセル311に、より多くの熱量を与える必要がある。
【0056】
図7及び図8に示すように、上記熱伝導性構造用接着剤2は、左から順に配置された左側高熱伝導性構造用接着剤23、中間低熱伝導性構造用接着剤24及び右側高熱伝導性構造用接着剤25を含み、上記左側高熱伝導性構造用接着剤23、中間低熱伝導性構造用接着剤24及び右側高熱伝導構造用接着剤25は、上記電池スタック3の頂面と上記液体冷却板本体11の底面との間に接着され、上記中間低熱伝導性構造用接着剤24の熱伝導率は、上記左側高熱伝導性構造用接着剤23及び右側高熱伝導性構造用接着剤25の熱伝導率より小さい。好ましくは、左側高熱伝導性構造用接着剤23及び右側高熱伝導構造25の熱伝導率は同じであり、塗布形状、面積が一致する。
【0057】
即ち、第2の実施例において、電池スタック3の左右の縁部領域に高熱伝導率の熱伝導性構造用接着剤(左側高熱伝導性構造用接着剤23及び右側高熱伝導性構造用接着剤25)を塗布し、残りの領域に低熱伝導率の熱伝導性構造用接着剤(中間低熱伝導性構造用接着剤24)を塗布する。第1の実施例と比較すると、主に液体冷却回路の設計及び熱損失という点で相違し、液体冷却回路は、縁部領域に沿って流れる過程に分流し、加熱能力が第1の実施例よりやや弱い。しかしながら、第2の実施例における熱伝導性構造用接着剤2の配置により、電池パックの縁部の熱損失が第1の実施例に対して大きいため、縁部領域の熱交換を向上させる必要があり、即ち、より高い熱伝導率の熱伝導性構造用接着剤を縁部に塗布する。
【0058】
本発明の第2の実施例に係る電池パックによれば、冷却液は、液体冷却板1の縁部から供給され、まず電池スタック3の縁部領域を流れ、中間流路113を流れて分流された後に出水合流流路112から還流され、液体冷却板1の縁部領域は、流速がより高く、加熱能力がより高い。熱損失をバランスさせ、電池パックの温度差を制御するために、低温の作動状況において異なる領域の加熱需要に適合し、電池パックの縁部領域に、より多くの熱量を与えることができる。
【0059】
また、図1に示す従来技術に対して、シールカバー、耐火断熱綿を取り除き、部品の数を減少し、部品がより扁平で規則的であり、空間利用率を向上させ、コストの低減に役立つ。
【0060】
また、熱管理効果において、冷却液は、液体冷却板の縁部から供給され、まず電池スタックの縁部領域を流れ、中間流路を流れて分流された後に出水合流流路から還流され、液体冷却板の縁部領域は、流速がより高く、加熱能力がより高く、電池パックの縁部及び中部の異なる領域の熱負荷の差が区別され、電池の温度差を管理し、電池の低温性能を向上させることに役立つ。
【0061】
また、設計性において、液体冷却板の液体冷却回路配置及び熱伝導性構造用接着剤の異なる配置により、本願の電池パックは、より柔軟な温度調整手段を有し、電池の温度差を好適に制御することができる。
【0062】
また、本発明の一実施例に係る車両は、上記実施例の電池パックを含む。
【0063】
車両は、ハイブリッド車両であってもよく、電気自動車であってもよい。
【0064】
以上は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の構想及び原則内に行われた全ての修正、等価置換及び改善などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0065】
1 液体冷却板
11 液体冷却板本体
111 縁部給水流路
1111 左側縁部給水流路
1112 右側縁部給水流路
112 出水合流流路
1121 左側出水合流流路
1122 右側出水合流流路
113 中間流路
1131 分岐流路
11311 入口
11312 出口
12 給水口
13 出水口
14 リブ板
2 熱伝導性構造用接着剤
21 プロセス前段構造用接着剤
22 プロセス後段高熱伝導性構造用接着剤
23 左側高熱伝導性構造用接着剤
24 中間低熱伝導性構造用接着剤
25 右側高熱伝導性構造用接着剤
3 電池スタック
31 電池モジュール
311 セル
4 底部構造用接着剤
41 構造用接着片
5 トレイ
51 方形枠
52 前側膨張防止梁
53 後側膨張防止梁
6 保温層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】