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特表2024-502617視覚及び眼の評価のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-22
(54)【発明の名称】視覚及び眼の評価のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/024 20060101AFI20240115BHJP
   A61B 3/18 20060101ALI20240115BHJP
【FI】
A61B3/024
A61B3/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541680
(86)(22)【出願日】2022-01-10
(85)【翻訳文提出日】2023-09-06
(86)【国際出願番号】 US2022011796
(87)【国際公開番号】W WO2022150694
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】63/135,046
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】523259190
【氏名又は名称】アイサイト モバイル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100158920
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 英樹
(72)【発明者】
【氏名】シーツ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】リー,スティーブ
(72)【発明者】
【氏名】モンテメイヤー,エドゥアルド
(72)【発明者】
【氏名】シーツ,アイザック
(72)【発明者】
【氏名】プリンチ,マイケル
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA09
4C316AA13
4C316AA16
4C316AA18
4C316AA20
4C316AA21
4C316AA27
4C316AB16
4C316FB21
4C316FC04
4C316FC14
4C316FZ01
(57)【要約】
眼の健康及び視覚の評価を容易にするシステムと方法が開示されている。このシステムは可搬型のシステムであり、視覚診断検査を行うための少なくとも1つの診断装置と、少なくとも1つの診断装置と通信可能に接続された携帯型のコンピュータと、サーバとを含み、前記装置はVRヘッドセットであり、前記コンピュータは、検査を通じて患者を誘導し、検査データをまとめ、データ接続を介して検査データを送信するのに適用されるハードウェアを有し、前記サーバはデータ接続を介してコンピュータと通信し、前記サーバは、患者に治療を提供できるように、検査データを収集して検査データを医師に提示する。前記少なくとも1つの診断装置は、複数のハンドヘルドの携帯型診断装置を含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬型の視覚及び眼の評価システムであって、
視覚診断検査を行うための少なくとも1つの診断装置と、ここで該1つの診断装置は、VRヘッドセットを含み、
前記少なくとも1つの診断装置に通信可能に接続された携帯型のコンピュータと、ここで該コンピュータは、検査を通して患者を誘導し、検査データをまとめ、データ接続を介して前記検査データを送信するのに適用されるハードウェアを有し、
前記データ接続を介して前記コンピュータと通信するサーバと、ここで前記サーバは、前記VRヘッドセットを通じて前記患者に治療、教育情報及び推奨を提供することができるように、前記検査データを収集し、前記患者の位置から離れた場所にいるアイケア専門家に検査データを提示し、
を含む、システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの診断装置は、複数のハンドヘルドの携帯型診断装置を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの診断装置は、眼圧計と眼底カメラとを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの診断装置は、眼圧計、眼底カメラ、及びコントラスト感度の検査、色覚検査、暗視検査を可能にする装置、眼科用超音波装置(Aスキャン及びBスキャンの両方)、光学式生体計測、角膜トポグラフィー、潜在視力、コントラスト感度、テリーの角膜曲率測定法、波面解析、視力、瞳孔検査、検眼鏡検査、細隙灯検査、視野検査、色覚検査、眼圧測定、蛍光眼底血管造影又はインドシアニングリーン蛍光造影、網膜電図記録法、超音波検査、パチメトリー、光干渉断層撮影、コンピュータ断層撮影、磁気共鳴画像法、及び動作に基づく検査のハードウェアからなる診断装置の群から選択される診断装置を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記携帯型のコンピュータは、前記患者と同じ場所にいる検査助手によって操作される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記VRヘッドセットは、前記患者の眼球運動を監視するカメラ又はセンサを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記検査データを収集してアイケア専門家に検査データを提示することは、人工知能及び/又は機械学習ソフトウェアによる前記検査データの分析を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
可搬型の視覚及び眼の評価システムであって、
視覚診断検査を行うための少なくとも1つの診断装置と、ここで該1つの診断装置は、視野測定検査、視力検査、プリズム要件検査、及び/又は斜位/斜視検査を行うことができるVRヘッドセットを含み、
前記少なくとも1つの診断装置に通信可能に接続された携帯型のコンピュータと、ここで該コンピュータは、検査を通して患者を誘導し、検査データをまとめ、データ接続を介して前記検査データを送信するのに適用されるハードウェアを有し、
前記データ接続を介して前記コンピュータと通信するサーバと、ここで前記サーバは、前記患者に治療、教育情報及び推奨を提供することができるように、前記検査データを収集し、前記患者の位置から離れた場所にいるアイケア専門家に検査データを提示し、
を含む、システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの診断装置は、複数のハンドヘルドの携帯型診断装置を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの診断装置は、眼圧計と眼底カメラとを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの診断装置は、眼圧計、眼底カメラ、及びコントラスト感度の検査、色覚検査、暗視検査を可能にする装置、眼科用超音波装置(Aスキャン及びBスキャンの両方)、光学式生体計測、角膜トポグラフィー、潜在視力、コントラスト感度、テリーの角膜曲率測定法、波面解析、視力、瞳孔検査、検眼鏡検査、細隙灯検査、視野検査、色覚検査、眼圧測定、蛍光眼底血管造影又はインドシアニングリーン蛍光造影、網膜電図記録法、超音波検査、パチメトリー、光干渉断層撮影、コンピュータ断層撮影、磁気共鳴画像法、及び動作に基づく検査のハードウェアからなる診断装置の群から選択される診断装置を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記携帯型のコンピュータは、前記患者と同じ場所にいる検査助手によって操作される、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記VRヘッドセットは、前記患者の眼球運動を監視するカメラ又はセンサを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記検査データを収集してアイケア専門家に検査データを提示することは、人工知能及び/又は機械学習ソフトウェアによる前記検査データの分析を含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
可搬型の視覚及び眼の評価システムであって、
視覚診断検査を行うための少なくとも1つの診断装置と、ここで該1つの診断装置は、視野測定検査、視力検査、プリズム要件検査、及び/又は斜位/斜視検査を行うことができるVRヘッドセットを含み、該VRヘッドセットは、患者の眼球運動を監視するカメラ又はセンサを含み、
前記少なくとも1つの診断装置に通信可能に接続された携帯型のコンピュータと、ここで該コンピュータは、検査を通して患者を誘導し、検査データをまとめ、データ接続を介して前記検査データを送信するのに適用されるハードウェアを有し、
前記データ接続を介して前記コンピュータと通信するサーバと
を含み、
前記少なくとも1つの診断装置は、眼圧計、眼底カメラ、及びコントラスト感度の検査、色覚検査、暗視検査を可能にする装置、眼科用超音波装置(Aスキャン及びBスキャンの両方)、光学式生体計測、角膜トポグラフィー、潜在視力、コントラスト感度、テリーの角膜曲率測定法、波面解析、視力、瞳孔検査、検眼鏡検査、細隙灯検査、視野検査、色覚検査、眼圧測定、蛍光眼底血管造影又はインドシアニングリーン蛍光造影、網膜電図記録法、超音波検査、パチメトリー、光干渉断層撮影、コンピュータ断層撮影、磁気共鳴画像法、及び動作に基づく検査のハードウェアからなる診断装置の群から選択される診断装置を含み、
前記サーバは、前記患者に治療、教育情報及び推奨を提供することができるように、前記検査データを収集し、前記患者の位置から離れた場所にいるアイケア専門家に検査データを提示し、前記検査データを収集してアイケア専門家に検査データを提示することは、人工知能及び/又は機械学習ソフトウェアによる前記検査データの分析を含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アイケア及び視覚ケアに関し、より具体的には、視覚及び眼の健全性を評価するためのシステム及び方法に関する。より具体的には、本開示は、広範な診断を遠隔地にいる患者に対して行うことができるように、VR(仮想現実)ヘッドセットと組み合わせて携帯型のハンドヘルド機器を利用し、これら全てがリモートサーバと通信している携帯型のコンピュータと通信する、そのようなシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アイケア及び視覚ケア業界は、主として診断を受けてケアの選択肢を得るために、患者が検眼医及び眼科医の診療室を訪れるというモデルに基づいている。これは、患者が診療室まで行って入らなければならないことによって生じる不便や混乱を含む非効率をもたらす。診療室施設を保持し、固定された診断装置や機器を購入又はリースすることはまた、多額の費用が掛かる。携帯型のコンピュータ及び/又はスマートフォン機器を利用したモバイル診断を提供するこれまでの試みは、携帯型のコンピュータ及びスマートフォン機器の表示能力に限界があるため、不十分であることが分かっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
眼及び視覚の健全性を評価するための、より簡単で、より迅速で、より低コストのシステムに対するニーズが存在する。そのようなシステムは、複数のハンドヘルドの視覚及び眼の評価機器の十分に持ち運び可能な携帯型のアセンブリ、集合又はキットを含む必要がある。ある場所にいる患者及びその場所にいる技術者と、別の場所にいる遠隔地のアイケア専門家の間で双方向通信を行うために、携帯型のコンピュータと、リモートサーバとを通じて動作可能なそのようなシステムを提供する必要がある。診断検査の結果が、ソフトウェア及び/又は遠隔地のアイケア専門家による評価及び分析のために送信されることができ、更に治療勧告及び教育情報を患者に直接提供することができる、そのようなシステムを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態によるシステムは、視覚診断検査を行うための少なくとも1つの診断装置と、サーバとを含み、前記少なくとも1つの診断装置は、VRヘッドセットと、ラップトップコンピュータ又はパッドなどの現地の技術者によって操作される携帯型のコンピュータとを含み、該携帯型のコンピュータは、前記少なくとも1つの診断装置に通信可能に接続され、前記コンピュータは、検査を通じて患者を誘導し、検査データをまとめ、データ接続を介して前記検査データを送信するのに適用されるハードウェアを有し、前記サーバは、前記データ接続を介して前記コンピュータと通信し、前記サーバは、治療、情報及び/又は推奨が患者に提供されることができるように、前記検査データを収集して、医師などのアイケア専門家に検査データを提示する。前記少なくとも1つの診断装置及び前記コンピュータは、患者のいる場所に持ち運び可能な携帯型のハンドヘルド形態で提供される。前記VRヘッドセットに加えて、前記少なくとも1つの診断装置は、例えば眼底カメラ、眼圧測定、パチメトリー及びBスキャン生体顕微鏡検査、並びに角膜曲率測定のための機器などの追加の携帯型のハンドヘルド装置を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本発明の一実施形態による眼及び視覚評価システムの図である。
図2】本発明の一実施形態による眼及び視覚評価システムを使用するためのプロセスのブロック図である。
図3a】本発明の一実施形態によるVRヘッドセット及びコントローラの図である。
図3b】本発明の一実施形態によるVRヘッドセットの斜視図である。
図3c】本発明の一実施形態による視野測定検査の説明図である。
図4】本発明の一実施形態による視覚検査のプロセスを示すブロック図である。
図5】本発明の一実施形態で使用されるシミュレーションされた矯正結果の描写で使用される画像を示す。
図6】本発明の一実施形態による患者教育及び販売のためのプロセスを示すブロック図である。
図7】本発明の一実施形態によるシステム設定、及び検査プロセスのシステム設定、並びに検査プロセスを示すブロック図である。
図8】本発明のいくつかの実施形態による視覚又は眼の検査のプロセスを示すブロック図である。
図9】本発明のいくつかの実施形態による画面表示を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明のシステム及び方法は、柔軟な眼及び視覚の評価オプションを提供する。図1に示されるようにして、評価システム100は、患者102の視覚及び眼の健全性を評価するように設計されている。評価システム100は、ラップトップコンピュータ、パッド又は携帯電話などの携帯型のコンピュータ104を含み、これに複数の診断装置106、108、110、112が同時に又は順次、取り付けられる。図1の実施形態では、診断装置106、108、110、112がコンピュータ104に直接接続されているが、他の実施形態では、診断装置106、108、110、112は中間ハブ又は他の集約装置に接続され、それらが次にコンピュータ104に接続されてもよいことが理解される。図1の実施形態は、コンピュータ104と診断装置106、108、110、112との間の有線接続を示している(例えば、USB又はイーサネットを通じてデータを転送することができる)。一部の実施形態では、コンピュータ104と診断装置106、108、110、112との間の通信を可能にするために、無線接続(Bluetooth接続又はWiFi接続など)が使用されてもよい。
【0007】
システム100は、外部装置と音声及び画像通信が可能なVR(仮想現実)ヘッドセットであることが必要とされる少なくとも1つの診断装置106を含む。図1に示す他の診断装置には、眼圧計108及び眼底カメラ110が含まれる。ブロック112で示されるものとして、本発明のいくつかの実施形態では、追加の又は代わりの診断装置を使用してもよい。本発明のいくつかの実施形態において用いられ得る追加の装置の例としては、限定するものではないが、コントラスト感度の検査、色覚検査、暗視検査を可能にする装置、眼科用超音波装置(Aスキャン及びBスキャンの両方)、光学式生体計測、角膜トポグラフィー、潜在視力、コントラスト感度、テリーの角膜曲率測定法、波面解析、視力、瞳孔検査、検眼鏡検査、細隙灯検査、視野検査、色覚検査、眼圧測定、蛍光眼底血管造影又はインドシアニングリーン蛍光造影、網膜電図記録法、超音波検査、パチメトリー、光干渉断層撮影、コンピュータ断層撮影、磁気共鳴画像法、及び動作に基づく検査のハードウェアなどが挙げられる。例えば視野測定検査などの、検査用の別のハードウェアがまた備えられてもよい。本発明のいくつかの実施形態では、血圧計、体温及び/又は心拍数測定装置、携帯型EEG装置、体重計などの一般的な健康スクリーニング及び/又は診断器具が、視覚検査及び眼の検査の代わりに若しくは視覚検査及び眼の検査に加えて、組み込まれるか又は利用されることができる。本発明の実施形態で使用する診断装置は、術前及び術後評価に使用される装置、並びに日常的な眼及び視覚の評価や診断に使用される装置を含んでもよい。システム100はソフトウェアで制御されるので、VRヘッドセット106のみが必須の構成要素であるため、種々の診断装置106、108、110、112はシステム100の部品として交換可能である。したがって、システム100は、所望に適応できる開放型システムである。同様に、ソフトウェアは、診断検査の方法、結果の分析、患者への治療及び情報の提供などを制御する。
【0008】
VRヘッドセット106は、患者102の視野及び患者の周辺視野が評価される視野測定検査を行うためのハードウェア及び/又はソフトウェアを備えてもよい。患者102がVRヘッドセット106と相互作用することができるように、ワイヤレスコントローラなどの、片手又は両手で使用するコントローラ107が備えられてもよい。VRヘッドセット106はまた、患者の眼及び視覚の視力並びに他の特性を評価するために使用されてもよい。
【0009】
眼圧計108は、眼圧を測定する装置である。
【0010】
眼底カメラ110は、眼の網膜を撮像するために使用される。本発明のいくつかの実施形態では、眼底カメラ110は網膜画像を撮影するために使用され、網膜の健康状態に関連する既に生じている又は進行している状態を診断することができるように、網膜画像はアイケアの専門家(眼科医など)に転送されて評価される。
【0011】
携帯型のコンピュータ104は、最も好ましくは、114で示されるようにWiFi接続などのインターネット又は他のネットワーク接続を備える。それによりそのコンピュータは、例えば120で示されるようなWiFiを通じて通信する機能を備えることもできる1つ以上のサーバ118などの、クラウドベースのサービス116と通信することができる。
【0012】
患者102は、ある状況ではコンピュータ104及び診断装置と直接相互作用してもよいが、最も好ましくは、この相互作用は、コンピュータ104及び診断装置の操作に精通している助手又は技術者122によって促進される。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態では、1つ又は複数のモバイル機器124が、システムのハードウェアの1つ又は複数の要素と組み合わせて又はその代わりに使用されてもよい。例えば、コンピュータ104のデータ収集及び編成機能の一部又は全部を、モバイル機器124を使用して実行してもよい。本発明のいくつかの実施形態では、いくつかの検査を実施するためにモバイル機器124が使用されてもよく、この機能を可能にするようにモバイル機器が変更されてもよい。
【0014】
コンピュータ104及びハンドヘルドの診断装置106、108、110、112を含むハードウェアは、評価システム100を容易に輸送し、セットアップし、再度の輸送のために再パッケージ化されることができるように、小さくて持ち運びが容易な形態にパッケージ化することができる。これは評価システム100を自宅又は他の場所に運ぶことを可能にし、それにより患者又はアイケア介護者が特定の場所にいることを必要とせずに、本発明のいくつかの実施形態による検査及び評価を行うことができる。
【0015】
図2を参照すると、図1の評価システム100の使用の基本プロセス200が示されている。ブロック202に示されるように評価プロセスが開始され、これは患者102の登録プロセスを含んでもよい。このプロセスの間に、モバイルコンピュータ104を使用して、一般的な病歴の詳細並びに視力及び眼の健全性の詳細などの詳細が取得されてもよい。登録及びプロセスの開始に続いて、ブロック204に示されるように、VRヘッドセット診断装置106を使用して検査が行われる。次にブロック206に示されるように、追加の検査が必要かどうかを判断するためのプロセスを進める。追加の検査が必要な場合、ブロック204に示されるように更なる検査が行われる。更なる検査が必要ない場合、ブロック208に示されるように、検査結果が評価されて報告される。これには、クラウドサービス116を通じて(図1に示されるように)、遠隔地のアイケア専門家に報告を提供することが含まれてもよい。個々の診断検査データをアイケアの専門家に送ることに加えて、そのシステムは個々の結果を分析し、過去の値又は集団の値と比較して、アイケアの専門家に診断の見解を提供してもよい。これらの分析は、クラウド又は他のシステム記憶場所に組み込まれた、利用可能なアルゴリズム又は固有の人工知能及び/若しくは機械学習能力並びに他のソフトウェアの結果であってもよい。これらの分析は、診断を容易にして、適切な治療を確保するように設計されている。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態では、単一の診断装置を使用して複数の検査を行ってもよい。例えば、VRヘッドセット106は、視野測定検査を行うため、そしてまた視力検査を行うために使用されてもよい。これはプロセス200において確認され、ブロック206に示される追加検査の評価として、先に実施された検査を再度行うために同じ診断装置を使用すべきか、又は新しい別の検査を実施するために同じ診断装置を使用すべきかの決定を含んでもよい。
【0017】
図3aは、本発明のいくつかの実施形態で使用するためのVRヘッドセット106を示す。VRヘッドセット106は、視覚及び眼の評価プロセスの一部として患者102が通して見ることができる2つのレンズ300a、300bを含む。VRヘッドセット106内には、1つ又は複数の眼球対向カメラ又はセンサ306を備えることができ、向きを含む眼球及び眼球表面の特定の性質の測定を可能にする。視力表302が、視力の評価を支援するために使用されてもよい。片手又は両手で使用するためのハンドヘルドのコントローラ107は、VRヘッドセット106と相互作用する際に患者102によって使用されてもよく、304で示されるような音声コマンドは、特定の機能を容易にするためにVRヘッドセット106によって与えられてもよい。
【0018】
図3bは、VRヘッドセット106のより詳細な図を示す。図3bに見られるのは視線追跡カメラ又はセンサ306であり、それは動きを監視するため、又は固定した位置で安定した視線が維持されることを保証するために、患者の各眼の視線方向を検出するために使用されることができる。VRヘッドセット106内のディスプレイ308は、レンズ310を通して見られる。患者が可能性のある矯正レンズの選択肢の期待できる効果を見ることができるように、VRヘッドセット106内に、見本の矯正レンズをVRヘッドセット106にクリップで留めるか又は他の方法で所定の位置に保持することを可能にする取付箇所を備えることができる。
【0019】
図3cは、VRヘッドセット106を使用して実施される視野測定検査の図を示す。患者は様々な方向に視線を向けることができるため、視野測定は困難なことがある。この機能では、VRヘッドセット106内に設けられた視線追跡センサ306が眼球を追跡する。いくつかの実施形態では、視線追跡センサ306は、赤外線照明器と共に作動することができる。アルゴリズムを使用して、眼球の向き及び眼の虹彩を検出することができる。この向きの情報を組み込むことにより、VRヘッドセット106は、より正確な視野測定を行うことができる。
【0020】
図3cに示されるような視野測定の例では、患者は閉眼312及び開眼314を有している。開いている眼を通して、患者は視線を固視点316に固定する。多数の視覚刺激点318が表示されてもよいし、視覚刺激点318がVRヘッドセット106のディスプレイ308内で動き回ってもよい。検査される患者の視角320は、検査の種類に応じて変えられることができる。患者からの入力は話すことによって行われてもよく、またいくつかの実施形態では、患者がハンドヘルドのコントローラ107などのUI装置によってフィードバックを与えることによってなされてもよい。
【0021】
図4は、本発明のいくつかの実施形態における、VRヘッドセット106を使用するプロセス400のステップを示すフロー図である。ブロック402に示されるように、VRヘッドセット106は、患者の眼の瞳孔に面する眼球対向カメラ306を用いて設定される。ブロック404に示されるように、両眼の中心を判定するために検出が行われることができる。このステップでは、VRヘッドセット106の1つ又は複数の眼球対向カメラ306を使用して、眼の中心位置が互いからどれだけ離れているかを自動的に判定することができる。これは、検査室が眼鏡を研磨する際に必要となる瞳孔間距離を決定するのに有用である。
【0022】
ブロック406に示されるように、各眼のおおよその屈折異常の自動検出は、光を用いて行われることができる。この検査の一実施形態では、筋としての光が各眼において左右に(たとえば左から右に)表示され、この光の反射が1つ又は複数の眼球対向カメラを使用して捕えられる。これにより、人が近視であるか遠視であるか、及びその人の矯正レンズの処方がおおよそどの程度強いか又は強いべきかについての測定を提供することができる。
【0023】
ブロック408に示されるように、視力表を使用して、屈折異常が主観的に検査されることができる。この検査では、視力表を各眼に別々に表示し、視覚刺激に対する患者の主観的な反応に基づいて屈折異常を判定する。アルゴリズムを使用してこれらの刺激の影響を判定し、それによって患者の矯正レンズの処方に度数を加えるべきかどうかを決定することができる。
【0024】
410-416に示されるように、球面度数、円柱度数、乱視軸、及び加入度数検査を実施して、患者の視覚を評価することができる。球体検査410は、患者の近視又は遠視の程度を判定するために使用される。円柱検査412は、患者の乱視の程度を判定するために使用される。乱視軸検査414は、患者の乱視の方向を判定するために使用され、加入度数検査416は、患者が40歳以上の場合に近くの視野をはっきり見るために必要な読書能力を判定するために使用される。
【0025】
ブロック418に示されるように、プリズム要件の検査が行われる。この検査の一実施形態では、一組の線がVRヘッドセット106を通じて表示され、左眼に表示される画像は右眼に表示される画像とわずかに異なる。この検査は、眼が協調して画像を見ているかどうか、又はずれがあり、それが矯正レンズの処方でプリズム補正を必要とするどうかを判定するために使用される。
【0026】
ブロック420に示されるように、斜位/斜視の検査が行われる。この検査では、眼位異常の大きさが判定されて記録される。これらの検査のいくつかの実施形態では、VRヘッドセット106内の1つ又は複数が対象者の眼に焦点を合わせ、患者にデジタル画面での様々な項目(ドット又はオブジェクト)に焦点を合わせるように求めながら、顔の正中線からの眼の位置が測定されて決定される。
【0027】
ブロック422に示されるように、検査結果は処方推薦にまとめられて医師に送信され、ブロック424に示されるように、その医師は検査結果と処方を検討する。この送信は、図1に示されるように、クラウドサービス116を通じてなどの遠隔送信を介して行われることができ、したがって医師は、検査結果を検討して患者のために正確な矯正レンズの処方を承認する能力を保ちながら、患者及び検査プロセスから遠隔にいることができる。本発明のいくつかの実施形態では、患者は、音声プロンプトを通じて本明細書に記載されるステップを誘導されてもよく、そしてコントローラ107を使用して検査中に選択肢を選択することができる。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態では、VRヘッドセット106は、患者102に対して特定の矯正レンズ又は処置の結果をシミュレーションするために使用されてもよい。図5は、そのような異なる結果が患者102に提示されることができるVRシミュレーション内に表示された画像を示す。最初の画像500では、患者102に標準的な光景が表示される。この例では患者は乱視であるため、最初の画像では、患者固有の視覚の問題により画像要素にある程度のぼやけが見られる。
【0029】
次に、視覚改善シミュレーション画像502を患者に示すことができ、そこではシミュレーションされた矯正が患者に示される。例えば、この画像は、治療(レーシック手術を含む手術など)の効果、又は眼鏡、コンタクト、若しくは眼内レンズ(IOL)などの特定の矯正レンズの効果を示すことができる。いくつかの実施形態では、変更可能な電子IOLの様々な設定の効果をシミュレーションすることができる。
【0030】
患者には、例えば、最初の画像500に続いて視覚改善シミュレーション画像504を追加で再表示することにより、2つの治療又は矯正レンズの違いを示すことができる。例えば、視覚改善シミュレーション画像は、シミュレーションされる治療及び/又はレンズに応じて、焦点の合ったより多くの要素(より大きな被写界深度)を示すか、又は画像のいくつかの視覚要素についてより良好に焦点が合うことを示すことができる。本発明のいくつかの実施形態では、基本的な治療選択肢の期待される効果を、高度な治療選択肢の期待される効果と比較して示してもよい。このようにして、患者は異なるレンズ及び治療法の期待される効果を見ることができ、視覚の期待される改善に照らして選択肢の費用を比較することにより、様々な治療又は矯正レンズの選択肢から情報に基づく選択を行うことができる。
【0031】
VRヘッドセット106からの画像及び音声プロンプトの組み合わせは、このプロセスを通して患者を誘導するために使用されてもよく、このプロセスは、VRヘッドセット106の2D又は3D性能のいずれかを使用した説明の使用を伴ってもよい。説明は、治療及び/又はレンズ選択肢の予想される効果をシミュレーションするVRシーン内に示される静止画を含んでもよい。
【0032】
図6は、本発明のいくつかの実施形態で使用される患者教育及び販売のためのプロセス600を示すフローチャートである。本発明のいくつかの実施形態におけるプロセスを通じて、患者に(a)患者の状態、(b)可能な治療法、(c)基本的な治療選択肢で見込まれる改善、及び(d)より高度な治療選択肢で見込まれる改善を示し、理解を助ける。より高度な治療選択肢は、基本的な治療選択肢よりも高価であることがあり、患者に価格及び治療効果での違いについての情報を提示してもよい。患者には、合理的な範囲でできる限り正確に、様々な選択肢のバランスの取れた見解が提供されるべきである。
【0033】
ブロック602に示されるように、このプロセスは診断結果の評価から始まる。ブロック604に示されるように、可能な治療法を提案するために、評価システム100に備えられるソフトウェアを使用することができる。このステップは、代わりの実施形態では、医師若しくは他のアイケア専門家によって又は医師若しくは他のアイケア専門家と共に実施されてもよい。
【0034】
次にブロック606に示されるように、患者の担当医(又は、例えば、支援する外科医)が治療の選択肢を説明する教育用の録画を患者に見せることができる。診断方法におけるVRシステムの使用は、患者教育のために最新のVRヘッドセットの非常に優れた視聴覚機能を利用する機会も提供する。この教育は、患者の視覚、状態及び治療選択肢に関する教育を患者に提供するために使用されることができる。動的な高解像度の制御された視覚的表現能力により、病気及び加齢による視力低下と、治療選択肢による視力の向上及び回復の両方をシミュレーションすることができる。これらはすべて、患者が自身の治療についてより多くの情報に基づく決断をするのを支援することができ、結果を向上させる。服薬遵守の必須要件が、この優れた教育機能によって補強されてもよい。いくつかの実施形態では、録画ではなく、患者は患者の医師又は他のアイケア専門家とリアルタイムで連絡を取り、それにより治療選択肢について議論して比較するよう患者と医師との間でコミュニケーションが行われる。本発明のいくつかの実施形態では、個々の患者にカスタマイズされた予め録画された説明を見せてもよい。説明は、異なる診断及び異なる可能性のある治療に対して予め録画されてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、患者が次第に悪化する可能性が高い状態であると診断された場合に、可能性が高い治療結果をシミュレーションする画像及び/又は説明と比較して、その状態の進行をシミュレーションする画像及び/又は説明を患者に示してもよい。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態では、臨床結果の分類に応じて、また携帯型システムの診断結果の分類に応じて、メッセージ及び/又は説明が表示されてもよい。
【0037】
ブロック608に示されるように、VRヘッドセット106又は他のディスプレイを通じて、患者に治療法のシミュレーションを見せてもよい。これらの治療法は、提案された治療法(提案されたレンズを含む)の3D効果をVRシミュレーションで患者が体験できるように、3D表示を含めて、VRヘッドセット106での表示用にカスタマイズされてもよい。
【0038】
ブロック610では、患者が他の可能性のあるレンズ又は治療の選択肢を見たいかどうかが判断される。患者が他の選択肢の提示を希望する場合、プロセスはブロック606に戻り、そこで他の選択肢が説明されることができる。患者が他の選択肢の提示を望まない場合、プロセスは、選択された治療が申し込まれて請求されることを示すブロック612に進む。
【0039】
図7は、システムの設定及び検査プロセス700を示すブロック図である。プロセスは、ブロック702に示されるように、ユーザ(患者であることもある)が診断装置をコンピュータ104などの中央ユニットに接続する、装置接続から開始してもよい。704に示されるように、装置接続メニューがユーザに表示され、706に示されるように、ユーザは接続タイプのリストから接続タイプを選択することができる。いくつかの実施形態では、その装置及び接続タイプは、中央ユニットによって自動認識されてもよい。
【0040】
708に示されるように、他の装置を接続するかどうかをユーザに尋ねることができる。「はい」の場合、追加装置の接続ができるようにプロセス700はブロック702に戻る。「いいえ」の場合、プロセスはブロック710に進み、そこで検査が行われる。検査中は、ブロック712に示されるように、検査観察メニューがコンピュータ又は他の中央装置104に表示されてもよく、表示の間に検査に関する情報が伝達される。1つ以上の検査が行われた後、714に示されるように結果がまとめられる。その結果及び患者の記録は、716に示されるように検査助手、医師又はその両方によって検討され、その後にブロック718に示されるように検査が完了する。
【0041】
図8は、本発明のいくつかの実施形態による視覚検査又は眼の検査のプロセスを示すブロック図である。プロセス800は、ブロック802でのVR環境の表示から始まる。ブロック804に示されるように、VR環境内にオブジェクトが表示され、ブロック806に示されるように、そのオブジェクトに関するユーザ入力(患者入力など)が受信される。例えば、ユーザは、ユーザがオブジェクトを見ることができるかどうか、そしてオブジェクトに焦点が合っているかどうかについて口頭での情報を与えることができる。ユーザ入力は、本発明のいくつかの実施形態では、ハンドヘルドのコントローラ107を通じて提供されてもよい。ブロック808に示されるように、ユーザフィードバックに対応する眼の特性の値が記録される。ブロック810において、適切な値(適切な量のユーザフィードバックなど)が受信されたかどうかが判断される。より多くの又はより良好な情報が必要な場合、プロセスはブロック804に戻る。適切な値又は値のセットが受信されたら、そのプロセスは、次にユーザからの他のフィードバックを求めてもよい。ブロック812において、検査のすべての要素についてすべての値が受信されて記録されているならば、814に示されるように検査は完了する。追加の値が必要であれば、プロセスはブロック810に戻り、追加の検査がされなければならないときは、ブロック804に戻ることがある。プロセス800は、例えば、視野測定検査、屈折検査、視力検査などの検査で動作する。
【0042】
図9は、システムのユーザによる使用900において、患者、助手又は医師などのユーザに提示されることができる画面表示を示す。これらの表示は、コンピュータ104によって表示されることができる。接続表示902は、診断装置接続の状態を示し、各診断装置について一覧表示された個々の状態を備える。診断表示904は、診断プロセスのライブ出力、診断プロセスでの進捗率、及び診断基準を表示する。結果及び記録表示906は、複数の検査の出力データ、検査に関連する医師の記録、及び患者の診断情報を他のシステムにエクスポートすることを可能にする「エクスポート」ボタンなどの情報を表示する。販売表示908は、各治療選択肢の提供者の情報及び説明と共に、種々の治療選択肢の画像(治療そのものを示すことも、治療のシミュレーション結果を示すこともある)の表示を備えることができる。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態では、コンピュータ104と総称されるモバイル機器、タブレット、又はラップトップコンピュータは、診断装置から情報を受信し、場合によっては上述した分析方法を使用してそれを処理又は結合し、そして診断装置を使用した検査の結果、視覚の測定特性、健全性の他の測定特性、及び分析方法の結果を、技術者及び/又は医師が効率的に調べるためのグラフィカルユーザインターフェースを提供するソフトウェアを実行することができる。このソフトウェアはまた、コンピュータ104で及び/又は後述する接続によるインターネットを通じての両方で、技術者及び/又は医師がサービスを提供するために必要な他のソフトウェアに、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)と呼ばれる安全なソフトウェアベースのインターフェースを提供してもよい。コンピュータ104は、本発明の他の要素とインターフェース接続するための中央ユニットの役割を果たしてもよい。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態では、本発明の診断装置を使用した検査の履歴からなるデータ、又は患者のこれまでの医療記録からのデータは、視覚の特性の測定を改善する目的で本発明の使用中に技術者若しくは助手122に有用な測定基準及び分析結果をもたらすために、又は医師による診断及び/若しくは治療法決定を支援するための有用な測定基準及び分析結果をもたらすために、組み合わされることができる。これらのデータソースは、コンピュータ104又は患者のプライバシーを保護するために安全な通信プロトコルを使用した上述のサーバのいずれかで実行されるソフトウェアで実装される、単純な方程式及び/若しくは又は発見的手法、又は複雑な線形、非線形、及び/若しくは非線形統計モデルを使用して、これらの測定基準及び/又は分析結果をもたらすために組み合わされてもよい。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態では、システム及び方法は、視覚の複数の特性の評価を可能にし、システムは、視覚検査及び評価を容易にするソフトウェアを実行するためのコンピュータ104又はモバイル機器などのハードウェア装置と、仮想現実環境をレンダリングするように構成され、ソフトウェアと通信するように構成されたヘッドマウントディスプレイ106(仮想現実ヘッドセットなどの)とを含む。本発明のいくつかの実施形態では、視覚と眼の健全性の異なる特性の評価を同時に行うことができる。
【0046】
VRヘッドセット106は、(単独で、又はコンピュータ若しくはモバイル機器と組み合わせて)以下のコンピュータ命令のうちの1つ以上を実行するように構成される:VR環境(任意の特性の環境、オブジェクト)を表示すること;ユーザ入力を受信すること;眼の瞳孔に面する1つ又は複数のカメラを通じて眼の動きを追跡すること;ユーザ入力若しくは視線追跡センサ入力又はその両方によって、少なくとも1つのパラメータの値を記録し、そのパラメータは、ユーザの少なくとも1つの眼による少なくとも1つの目的の少なくとも1つの特性の知見を示すこと;少なくとも1つのパラメータの適切な値を得たかどうかを判断すること;及び適切な値が得られるまで、少なくとも1つのパラメータの適切な値を得たかどうかの判断を繰り返すこと。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態では、VRヘッドセット106は、毎回異なる少なくとも1つの新しい特性を有する新しい異なるオブジェクトを作成してもよい。
【0048】
コンピュータ104又はモバイル機器に備えられるソフトウェアは、VRヘッドセット106を含むがこれに限定されない、1つ又は複数の診断装置からのあらゆるすべてのデータを記録することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、コンピュータ又はモバイル機器が、VRヘッドセット106の機能として説明された機能の一部を複製又は取り換えるために使用されてもよい。
【0050】
本発明の様々な実施形態によるシステム及び方法は、様々な異なる評価のために適合されることができる。例えば、本発明のいくつかの実施形態では、可動性、バランス、スキンケア、心臓血管の健全性、及び筋力などに関する患者の評価に使用するための診断装置を用いてもよい。いくつかの実施形態では、評価システム100と相互作用するために、患者のモバイル機器が使用されてもよい。
【0051】
ここでの説明は、ブロック図及び他の添付図面について言及する。ブロック図によって示される実施例の代わりの実施は、1つ又は複数の追加の若しくは代わりの要素、プロセス、及び/又は装置を含んでもよい。加えて又は代わりに、図の例示のブロックの1つ又は複数を組み合わせ、分割し、再配置し、又は省略することができる。図のブロックによって示される構成要素は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、並びに/又はハードウェア、ソフトウェア及び/若しくはファームウェアのいずれかの組み合わせによって実装されてもよい。いくつかの実施例では、ブロックに記述された機能を実行する少なくとも1つの構成要素は、論理回路によって実装される。本明細書で使用される場合、「論理回路」という用語は、1つ又は複数の機械を制御するように及び/又は1つ又は複数の機械の動作を実行する(例えば、所定の構成に従った動作を通じて及び/又は記憶された機械可読命令の実行を通じて)ように構成された少なくとも1つのハードウェア構成要素を含む物理装置として明確に定義される。論理回路の例には、1つ又は複数のプロセッサ、1つ又は複数のコプロセッサ、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、1つ又は複数の制御装置、1つ又は複数のデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ又は複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1つ又は複数のマイクロコントローラユニット(MCU)、1つ又は複数のハードウェアアクセラレータ、1つ又は複数の特殊用途コンピュータチップ、及び1つ又は複数のシステムオンチップ(SoC)デバイスが含まれる。ASIC又はFPGAなどのいくつかの例示の論理回路は、動作(例えば、存在する場合には、本明細書に記載され本開示のフローチャートによって示される1つ以上の動作)を実行するために特別に構成されたハードウェアである。一部の例示の論理回路は、機械可読命令を実行して動作(例えば、存在する場合には、本明細書に記載され本開示のフローチャートによって示される1つ以上の動作)を実行するハードウェアである。いくつかの例示の論理回路は、特別に構成されたハードウェアと、機械可読命令を実行するハードウェアとの組み合わせを含む。
【0052】
ここでの説明は、本明細書で説明される種々の動作と、それらの動作の流れを説明するために本明細書に添付されることができるフローチャートについて言及する。そのブロックは順番で示されているが、ブロックによって示される動作は、いくつかの実施形態では、並行して及び/又は本明細書で説明される順序とは異なる順序で実行されてもよい。また、種々のブロックは、所望の実施に基づいてより少ないブロックに組み合わされてもよく、追加のブロックに分割されてもよく、及び/又は除外されてもよい。このようなフローチャートはいずれも、本明細書に開示される例示の方法を代表するものである。いくつかの実施例では、フローチャートによって示される方法は、ブロック図によって示される装置によって実施されることができる。本明細書に開示される例示の方法の代わりの実施は、追加の又は代わりの動作を含んでもよい。更に、本明細書に開示される方法の代わりの実施の動作は、組み合わされても、分割されても、再配置されても、省略されてもよい。いくつかの実施例では、本明細書に記載される動作は、1つ又は複数の論理回路(例えば、1つ又は複数のプロセッサ)による実行のために媒体(例えば、機械可読媒体)に記憶された機械可読命令(例えば、ソフトウェア及び/又はファームウェア)によって実施される。いくつかの実施例では、本明細書に記載される動作は、1つ又は複数の特別に設計された論理回路(例えば、1つ又は複数のASIC)の1つ又は複数の構成によって実施される。いくつかの実施例では、本明細書で説明する動作は、特別に設計された1つ又は複数の論理回路と、1つ又は複数の論理回路による実行のために媒体(例えば、機械可読媒体)に記憶された機械可読命令との組み合わせによって実施される。
【0053】
本明細書で記載される方法及びシステムは、1つ又は複数のモバイル機器(例えば、デジタルプロセッサ、情報を処理するように設計されたデジタル回路、情報を処理するように設計されたアナログ回路、状態機械、及び/又は情報を電子的に処理するための他の構成)を介して実施されてもよい。1つ又は複数のモバイル機器は、電子記憶媒体に電子的に記憶された命令に応答して、その方法の動作の一部又は全部を実行する1つ又は複数の装置を含むことができる。1つ又は複数のモバイル機器は、その方法の1つ又は複数の動作の実行のために特別に設計された、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを通じて構成された1つ又は複数の装置を含むことができる。
【0054】
1つ又は複数のサーバ、1つ又は複数のクライアントコンピューティングプラットフォーム、及びいずれかの他の記載されたサードパーティは、1つ又は複数の電子通信リンクを介して通信可能にリンクされることができる。例えば、そのような電子通信リンクは、少なくとも部分的に、インターネット及び/又は他のネットワークなどのネットワークを介して確立されてもよい。これは限定を意図するものではなく、本開示の範囲には、1つ又は複数のサーバ、1つ又は複数のクライアントコンピューティングプラットフォーム、及びいずれかの他の記載されたサードパーティが、他の何らかの通信媒体を介して動作可能にリンクされることができる実施が含まれることが理解される。
【0055】
所定のクライアントコンピューティングプラットフォームは、コンピュータプログラムモジュールを実行するように構成された1つ又は複数のプロセッサを含むことができる。そのコンピュータプログラムモジュールは、所定のクライアントコンピューティングプラットフォームに関連するユーザが、説明されたシステム及び方法とインターフェース接続することを可能にするように、及び/又は本明細書において1つ又は複数のクライアントコンピューティングプラットフォームに属すると考えられる他の機能を提供するように構成されることができる。限定でない例として、所定のクライアントコンピューティングプラットフォームは、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、タブレットコンピューティングプラットフォーム、スマートフォン、及び/又は他のコンピューティングプラットフォームのうちの1つ以上を含むことができる。
【0056】
1つ又は複数のサーバは、電子記憶装置と、1つ又は複数のプロセッサ及び/又は他のコンポーネントとを含んでもよい。1つ又は複数のサーバは、ネットワーク及び/又は他のコンピューティングプラットフォームとの情報交換を可能にするための通信回線又はポートを含んでもよい。1つ又は複数のサーバの例示は、限定を意図するものではない。1つ又は複数のサーバは、本明細書において1つ又は複数のサーバに属すると考えられる機能を提供するために一緒に動作する複数のハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアコンポーネントを含んでもよい。例えば、1つ又は複数のサーバは、1つ又は複数のサーバとして一緒に動作するクラウドの複数のコンピューティングプラットフォームによって実装されてもよい。
【0057】
本発明の実施形態で使用される電子記憶媒体は、情報を電子的に記憶する非一時的な記憶媒体を含んでもよい。電子記憶媒体は、1つ又は複数のサーバと一体的に備えられる(すなわち、実質的に取り外しできない)システムストレージ及び/若しくは例えばポート(例えば、USBポート、ファイヤーワイヤーポートなど)を介して1つ又は複数のサーバに取外し可能に接続可能なリムーバブル記憶装置、又はドライブ(例えば、ディスクドライブなど)の一方又は両方を含むことができる。電子記憶装置は、光学的に読み取り可能な記憶媒体(例えば、光ディスクなど)、磁気的に読み取り可能な記憶媒体(例えば、磁気テープ、磁気ハードドライブ、フロッピードライブなど)、電気ベースの記憶媒体(例えば、EEPROM、RAMなど)、ソリッドステート記憶媒体(例えば、フラッシュドライブなど)、及び/又は他の電子的に読み取り可能な記憶媒体のうちの1つ以上を含むことができる。電子記憶装置は、1つ又は複数の仮想ストレージリソース(例えば、クラウドストレージ、仮想プライベートネットワーク、及び/又は他の仮想ストレージリソース)を含んでもよい。電子記憶装置は、ソフトウェアアルゴリズム、1つ又は複数のプロセッサによって判定された情報、1つ又は複数のサーバから受信された情報、1つ又は複数のクライアントコンピューティングプラットフォームから受信された情報、データベース、及び/又は1つ又は複数のサーバが本明細書で説明されるように機能することを可能にする他の情報を記憶することができる。
【0058】
1つ又は複数のプロセッサは、1つ又は複数のサーバでの情報処理能力を提供するように構成されてもよい。このような1つ又は複数のプロセッサは、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するように設計されたデジタル回路、情報を処理するように設計されたアナログ回路、状態機械、及び/又は情報を電子的に処理するための他の構成のうちの1つ又は複数を含んでもよい。1つ又は複数のプロセッサは単一体として機能してもよいが、他の実施では、1つ又は複数のプロセッサは複数の処理ユニットを含んでもよい。これらの処理ユニットは、同じ装置内に物理的に配置されてもよいし、1つ又は複数のプロセッサは、連携して動作する複数の装置の処理機能を示してもよい。1つ又は複数のプロセッサは、ソフトウェア;ハードウェア;ファームウェア;ソフトウェア、ハードウェア、及び/又はファームウェアのいずれかの組み合わせ;及び/又は1つ又は複数のプロセッサで処理能力を構成するための他の構成によって、アプリケーション、又はモジュールのために命令を実行するように構成されてもよい。本明細書で使用される場合、「モジュール」という用語は、モジュールに属すると考えられる機能を実行するいずれかのコンポーネント又はコンポーネントのセットを指す場合がある。これは、プロセッサ可読命令の実行中の1つ又は複数の物理プロセッサ、プロセッサ可読命令、回路、ハードウェア、記憶媒体、又はいずれかの他のコンポーネントを含むことがある。本明細書で説明される種々のメッセージ送受信とデータ転送は、APIで行われることができる。
【0059】
本技術は、現在最も実用的で好ましい実施と考えられているものに基づいて例示の目的で詳細に記載されたが、このような詳細はその目的のためだけのものであり、本技術は開示された実施に限定されるものではなく、逆に添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内での変更及び均等な構成に及ぶことが意図されていることが理解される。上述した特定の要素に対する均等物及び代替物は、当業者にとって明らかであり得、したがって本発明の真の範囲及び定義は、以下の特許請求の範囲に定められる通りである。
【符号の説明】
【0060】
100 評価システム
102 患者
104 コンピュータ、中央装置
106 VRヘッドセット
107 コントローラ
108 眼圧計
110 眼底カメラ
112 診断装置
116 クラウドベースのサービス
118 サーバ
122 助手又は技術者
124 モバイル機器
300a、300b レンズ
302 視力表
304 音声コマンド
306 視線追跡カメラ又はセンサ、眼球対向カメラ
308 ディスプレイ
310 レンズ
316 固視点
318 視覚刺激点
902 接続表示
904 診断表示
906 結果及び記録表示
908 販売表示
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】