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特表2024-502631マルチオブジェクトスペースデブリ除去のための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-22
(54)【発明の名称】マルチオブジェクトスペースデブリ除去のための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   B64G 1/64 20060101AFI20240115BHJP
   B64G 1/24 20060101ALI20240115BHJP
   B64G 1/66 20060101ALI20240115BHJP
【FI】
B64G1/64 600
B64G1/24 200
B64G1/64 500
B64G1/66 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542490
(86)(22)【出願日】2021-09-30
(85)【翻訳文提出日】2023-07-11
(86)【国際出願番号】 JP2021036087
(87)【国際公開番号】W WO2022153619
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】63/137,905
(32)【優先日】2021-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523263223
【氏名又は名称】株式会社アストロスケールホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140648
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】マイク リンジー
(72)【発明者】
【氏名】岩井 隆
(57)【要約】
本発明の一態様によれば、軌道上の物体とランデブーを行うための方法が提供される。この方法は、タグ及びサービス機をクライアント軌道内に打ち上げることと、タグからサービス機を分離させることと、サービス機をクライアントとドッキングすることと、を含む。本発明の別の態様によれば、軌道上の物体とランデブーを行うためのシステムが提供される。このシステムは、第2の宇宙船をけん引することができるタグを含む第1の宇宙船を備える。第2の宇宙船は、タンブリングしている軌道上クライアント物体とドッキングするように構成されたサービス機である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道上の物体とランデブーを行うための方法であって、
タグ及びサービス機をクライアント軌道内に打ち上げることと、
前記タグから前記サービス機を分離させることと、
前記サービス機をクライアントとドッキングすることと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記クライアントをデタンブリングすることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記タグを前記クライアントとドッキングすることを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記サービス機が保持を維持している間に、前記タグは前記クライアントとドッキングする、請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記サービス機が前記クライアントの保持を維持している間に、前記タグは前記サービス機とドッキングする、請求項1から4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記タグによって前記サービス機及びクライアントを所望の軌道へ移動させることを更に含む、請求項1から5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
再突入シェパードを前記クライアントとドッキングすることを更に含む、請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記再突入シェパードによって、地球を横断する所望の再突入軌跡上に前記クライアントを配置することを更に含む、請求項1から7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記再突入シェパードによって、大気圏再突入中に前記クライアントを誘導及び制御することを更に含む、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記クライアントから前記再突入シェパードを分離することを更に含む、請求項7から9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記クライアントに燃料補給することを更に含む、請求項1から10の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記クライアントを修理することを更に含む、請求項1から11の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記クライアントの前記軌道を変更することを更に含む、請求項1から12の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記クライアントに1つ以上のコンポーネントを連結することを更に含む、請求項1から13の何れか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記サービス機が無指向性アンテナを用いて前記タグへの高帯域幅データリンクを閉じることと、
前記タグが中間通信中継として作用して、前記タグ上の方向性アンテナによって地上への高帯域幅リンクを可能とすることと、
を更に含む、請求項1から14の何れか一項に記載の方法。
【請求項16】
軌道上の物体とランデブーを行うためのシステムであって、
第2の宇宙船をけん引することができるタグを含む第1の宇宙船を備え、
前記第2の宇宙船は、タンブリングしている軌道上クライアント物体とドッキングするように構成されたサービス機である、システム。
【請求項17】
前記サービス機には無指向性アンテナが搭載され、
前記タグには指向性アンテナが搭載されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記軌道上クライアント物体を所望の軌跡上で誘導するよう構成された再突入シェパードを更に備える、請求項16又は17に記載のシステム。
【請求項19】
前記再突入シェパードは再利用可能である、請求項16から18の何れか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本出願は、2021年1月15日に出願された米国仮特許出願第63/137,905号の優先権を主張する。この出願は援用により全体が本願に含まれる。
【0002】
[0002] 本発明の実施形態は、マルチオブジェクトスペースデブリ除去のための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 経年劣化した衛星及びスペースデブリは地球低軌道に数多く存在し、定期的に打ち上げられる新しい衛星は衝突のリスクを増大させる。
【0004】
[0004] 老朽化した衛星を軌道から外すため及び他のスペースデブリを取り除くために、様々な方法、デバイス、及びシステムが提案されている。例えば以下の特許文献1は、一対の同一平面状マストを含む、衛星を安定化させると共に軌道から外すためのデバイスを提案している。マストは、空力制動帆を形成する少なくとも1つの膜をそれぞれ支持し、非平行軸に沿って衛星に固定され、衛星に固定された端部とは反対側の端部に重力勾配を発生させるための質量を備える。マストは、これらマスト間の二等分線により、二等分線を任意の高度の衛星速度ベクトルと位置合わせするよう適合された固定角を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第10,723,490B2号
【発明の概要】
【0006】
[0007] しかしながら、従来技術の方法及びシステムは、いくつかの条件下では衛星及びデブリを安全かつ経済的に軌道から外すことが不可能であることを含めて、大きな制限がある。
【0007】
[0008] 上述の状況に鑑み、本発明の態様は、より安全な及び/又はより経済的な動作を可能とするマルチオブジェクトスペースデブリ除去のための方法及びシステムを提供する。
【0008】
[0009] 本発明の一態様によれば、軌道上の物体とランデブーを行うための方法が提供される。この方法は、タグ及びサービス機をクライアント軌道内に打ち上げることと、タグからサービス機を分離させることと、サービス機をクライアントとドッキングすることと、を含む。
【0009】
[0010] 本発明の別の態様によれば、軌道上の物体とランデブーを行うためのシステムが提供される。このシステムは、第2の宇宙船をけん引することができるタグを含む第1の宇宙船を備える。第2の宇宙船は、タンブリングしている軌道上クライアント物体とドッキングするように構成されたサービス機である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】[0011] 専用打ち上げ機上でタグをサービス機と共に軌道内へ打ち上げることを示す。
図2】[0011] タグからのサービス機の分離と、軌道から外すことが望ましいクライアントに対するサービス機の接触を示す。
図3】[0011] サービス機がクライアントの保持(hold)を維持している間にタグがサービス機とドッキングすることを示す。
図4】[0011] クライアントに取り付けられたサービス機をタグによって下方の軌道へ持っていくことを示す。
図5】[0011] 再突入シェパード(reentry shepherd)の打ち上げを示す。
図6】[0011] タグに取り付けられたサービス機によって安定状態に保たれたクライアントとの再突入シェパードのドッキングを示す。
図7】[0011] 再突入シェパードに取り付けられたクライアントからの、タグに取り付けられたサービス機の分離を示す。
図8】[0011] 実施形態の主題である、軌道上物体のランデブー、捕獲、及び廃棄のための方法における各ステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0012] 添付図面を参照して本発明を示す実施形態を説明する。各図において、同一の符号で示される構成要素は同一又は同様の構成を有することに留意するべきである。
【0012】
[0013] 本明細書で用いられる場合、デルタVは、宇宙空間内軌道マヌーバ等のマヌーバを実行するために必要である宇宙船質量の単位当たりのインパルスの尺度である。これは速度の単位を有するスカラーである。
【0013】
[0014] マルチオブジェクトスペースデブリ除去ミッションでは、著しい量のデルタVが必要であると共に、タンブリングしている大きい物体とランデブーしこれを捕獲する機能、並びに、地球表面上に位置する人間、動物、傷つきやすい生息環境及び所有物との有害な衝突のリスクを最小限に抑えるため、正確に的を絞った大気圏再突入軌跡を実行する機能が必要である。
【0014】
[0015] ランデブー、捕獲、及び廃棄のために単一のモノリシック宇宙船を利用するソリューションでは、以下で記載するように、これらの要求は相反する。
【0015】
[0016] 高いデルタVを達成するには、大量の燃料貯蔵及び/又は、太陽電気推進等の極めて効率的な推進システム(高い比推力。比推力は、どのくらい効率的に燃料が利用されるかを示す尺度である)が必要となり得る。太陽電池推進では、充分な発電のために太陽ベクトルを追跡するため、ジンバル制御を用いた太陽電池の大きい展開エリアが必要である。
【0016】
[0017] タンブリングしている大きい物体とのランデブー及びその捕獲では、回転の慣性及び衝突のリスクを低減するように、展開されたコンポーネント及び/又は突出しているコンポーネントを最小限に抑えた低質量かつコンパクトな宇宙船が必要となり得る。これにより、使用する燃料を低減しつつ、素早くタンブリングしているデブリ物体に対する速度及び回転を打ち消すことができる機敏な宇宙船が可能となる。また、突出しているコンポーネントの数が少ないと、宇宙船の組み合わせ剛体衝突半径も縮小し、デブリ物体を捕獲する場合に必要となる安全接近角をより広くすることが可能となる。
【0017】
[0018] 地上での大事故のリスクを最小限に抑えるため、正確に的を絞った大気圏再突入軌跡を実行するには、大気圏再突入中にデブリ物体の残存物が地球表面上の無人領域にのみ衝突することが必要となり得る。デブリ物体は軌跡を制御する能力を持たないので、この誘導は別の宇宙船によって実行しなければならず、この宇宙船は結果として、大気中でデブリ物体と共に燃える可能性がある。このような状況では、この誘導宇宙船の再利用性がない場合がある。
【0018】
[0019] 宇宙船の設計において、高いデルタVの達成は必然的に大きい質量及びサイズを伴うが、タンブリングしている大きい物体とランデブーしこれを捕獲する機能は小さい質量及びサイズを必要とする。これら双方の要求はコストを増大させるが、正確に的を絞った大気圏再突入軌跡を実行する宇宙船は大気中でデブリ物体と共に燃える可能性があり、1回の使用当たりのコストは法外に高くなる恐れがある。
【0019】
[0020] 解決すべき問題は、高いデルタVを有すると共に、機敏であり、使い捨てと見なすのに充分なほど安価である単一のモノリシック宇宙船を設計及び構築することが、極めて難しいことである。3つ全ての要件を満たすことは、これまで満足のいく対処が行われていない特有の課題である。
【0020】
[0021] 従って、本発明の一実施形態は、上述した必要な機能を複数の独立した宇宙船に分散させる方法を提供する。これらの宇宙船は、連携してミッションの目的を果たす。具体的には、実施形態は2つ以上の宇宙機(vehicle)を含む分散型アーキテクチャを利用する。
【0021】
[0022] 図1において、タグ1は、(全体的に又は部分的に)専用の打ち上げ機でサービス機3と共に軌道内へ打ち上げられる。
【0022】
[0023] 実施形態において、タグ1は、大きい軌道変化、複数の物体とのランデブー、及び大量のデブリ物体のリオービットのために必要な著しい量のデルタVを提供する。タグ1は、質量が数百キログラムから最大で2~3トンまでであり、相当な質量部分を電気推進用の燃料(キセノン又はクリプトン)に費やすことができる。また、タグ1は、推力増大及び冗長性のための複数のスラスタと、太陽光発電を最大化する(これも推力を増大する)ため数メートルの翼長を有する大きい追跡太陽電池アレイと、を有し得る。タグ1は、ドッキング動作のみで必要となり得る化学推進を含む場合もあり、含まない場合もある。タグ1の比推力の典型的な値は1200s~2000sであり、理想的にはこの範囲の上限値である。タグ1が発生する推力は、太陽光発電及びスラスタ数に応じて60~240mNであり得る。また、タグ1は、タグ単体よりもはるかに大きい質量を構成する複数部分の結合体を制御することができる極めて有能な姿勢/運動量制御システムを有し得る。
【0023】
[0024] 実施形態において、サービス機3は、小型、軽量、機敏であり、クライアントに対してサービスを提供する(燃料補給又は修理)か、デタンブリングを行うか、又は他の形態の移動もしくは姿勢制御を行うため、タンブリングしているデブリ物体及び安定化した運用中の宇宙船の双方とドッキングするように設計されている。
【0024】
[0025] サービス機3は200~400kgとすることができ、大部分はボディマウント太陽電池パネルであり、更に、典型的に推力がほぼ数ニュートンである最大アジリティのための様々なスラスタアレイを備える。バスサイズは約1立方メートルでなければならないが、サービス機3は、ロボットアーム、磁気捕獲デバイス、又は他の何らかのタイプのインタフェース等、捕獲用デバイスも有し得る。サービス機3の推進は主に化学的なものであるが、サービス機3のいくつかの実施形態は電気推進も有し得る。
【0025】
[0026] サービス機3は、タンブリングしているクライアント5に近付く際、全ての姿勢プロファイルで動作可能であり得る。これにより、地上通信用の指向性アンテナの使用が難しくなるので、無指向性アンテナを用いて任意の向きで地上との通信リンクを閉じることができる。無指向性アンテナの欠点は、利得が低いので達成可能データレートも低いことである。しかしながら、タグ1はタンブリング捕獲を行う必要がないので、より高い帯域幅の通信を可能とする方向性アンテナを有してもよい。タグ1は宇宙空間でサービス機3に比較的近接し得るので、中間通信中継として作用して、サービス機3が無指向性アンテナを用いてタグ1への高帯域幅データリンクを閉じることを可能とし、次いで、タグ1上の高利得アンテナを介して地上への高帯域幅リンクを可能とすることができる。このように、サービス機と地上との通信は、タグ1なしで可能となるよりも高いスループットを達成できる。
【0026】
[0027] タグ1及びサービス機3の打ち上げに使用することができる多くの異なる使い捨て打ち上げ機及び回収可能打ち上げ機が用いられている。現在、米国やその他の国々における政府及び民間の関係者は多様な打ち上げ機を開発しており、各打ち上げ機は特定のミッション向けに最適化されている。
【0027】
[0028] 例えば、アトラスV及びデルタIVロケットは、いくつかの実施形態を打ち上げるために使用できる。バルカンケンタウロスは、一部のデルタIVの技術を含むと共に同様の容量を有すると予想される開発中のアトラスVの後継である。更に、全体的なコストを下げて軽量の宇宙船を打ち上げるため、いくつかの小型の打ち上げ機が開発されているが、それらを使用する広い商業的市場はまだ開拓されていない。
【0028】
[0029] 実施形態において有用である可能性のある他の打ち上げ機には、ファルコン系が含まれる。これは3つの打ち上げ機、すなわちファルコン1、ファルコン9、及びファルコンヘビーから成り、米国企業SpaceXによって開発された。いくつかの実施形態に適切であり得る別の民間開発打ち上げ機は、Virgin Orbit社のランチャーワンであり、300kgのペイロードを500kmの高度の地球低軌道に打ち上げるよう設計されている。
【0029】
[0030] 図2は、タグ1からのサービス機3の分離と、軌道から外すことが望ましいクライアント5に対するサービス機3の接触を示す。
【0030】
[0031] いくつかの実施形態において、クライアント5は、宇宙空間に打ち上げられる前に光学マーカが備え付けられる。光学マーカは、サービス機3の照明デバイスから放射された所定の波長帯の光を反射する。所定の波長帯の光を反射した光学マーカの画像は、サービス機3の画像取得デバイスによって取得される。この画像は画像処理デバイスによって処理される。結果として、サービス機3はターゲット物体の姿勢を推定することができる。
【0031】
[0032] いくつかの実施形態では、クライアント5に捕獲板を取り付けることができる。捕獲板は、捕獲デバイスがサービス機3の接合コンポーネントと接合するクライアント5の部分に取り付けることができる。接合コンポーネントは接着剤を含む。捕獲板をクライアント5に取り付けることで、クライアント5の外面の構造又は材料にかかわらず、サービス機3の接合コンポーネントをクライアント5の捕獲板に容易かつ信頼性高く接合することができる。捕獲板は、クライアント5とサービス機3との接合位置を規定するための案内構造を含み得る。これによって、クライアント5とサービス機3との接合位置の精度を向上させることができる。
【0032】
[0033] いくつかの実施形態では、捕獲アームのセットがサービス機3から延出し、クライアント5に係合するように動作する。捕獲アームのセットは少なくとも1つのサービス機命綱(umbilical)を含み、サービス機命綱の第1の端部はサービス機3に取り付けられ、サービス機命綱の第2の端部はサービス機命綱端部コネクタが装着され、サービス機命綱端部コネクタはクライアント5のクライアント命綱コネクタとの接続を形成するように構成されている。また、捕獲アームのセットはマニピュレータアームも含み、マニピュレータアームの第1の端部はサービス機3に結合され、マニピュレータアームの第2の端部はサービス機命綱の第2の端部に接続されてこれを操作するように構成されている。また、捕獲アームのセットは、マニピュレータアームを制御するように動作するプロセッサも含む。マニピュレータアームは、サービス機命綱の第2の端部を操作して、サービス機命綱端部コネクタとクライアント命綱コネクタとの間の接続を形成する。
【0033】
[0034] いくつかの実施形態において、サービス機3は、クライアント5に対する取り付けを行うための様々な構造を含み得る。取り付けハードウェアの剛性システムは、ブラケット、クランプ、ボルト、及びねじを含み得る。非剛性システムは、テザー又は弾性要素の組み合わせを含み得る。取り付けプロセスを容易にするため、クライアント5に「錠前(lock and key)」式の要素を取り付けてもよい。例えば、様々な形態のコネクタをクライアント5に取り付け、次いでタグ1の相補的部分に接続すればよい。
【0034】
[0035] クライアント5は、サイズ及び形状が幅広く変動し得る。クライアント5は、直径が10cm未満の小さいデブリ片であるか、又は重さが数トンの大きい衛星である可能性がある。ほとんどの衛星が運用される地球低軌道(800~2,000km)には、小さすぎて追跡できない数百万のデブリ片が存在する。直径10cmを超える約35,000のスペースデブリ片は個々に追跡されてきた。これまでに約9,000の衛星が地球低軌道に打ち上げられており、そのうち約2,000のみが運用中であるが、残りの大部分は今なお軌道を回っている。軌道内の衛星の約60%は機能しておらず、望ましくないデブリである。
【0035】
[0036] 個々に追跡されたデブリ物体の約24%は老朽化した衛星であり、約18%は使用済みの上段及びミッション関連の物体で、例えば打ち上げアダプタやレンズカバーである。衝突は高速で起こるので、直径わずか1cmのスペースデブリの破片でさえ衛星に害を及ぼす可能性がある。1センチメートルよりも大きいスペースデブリの破片は、既存の衛星及び宇宙船の外壁を貫通し、外壁が追加層で補強されていない場合には壊滅的な障害を引き起こす恐れがあると考えられる。
【0036】
[0037] スペースデブリとの典型的な衝突は10km/sの閉鎖速度で発生し、これは36,000km/時に等しい。物体は、地球低軌道に留まるためには約7km/sの速度に加速される必要がある。宇宙空間内での物体の速度は、物理法則と、物体が周りを回る物質(body)の重力場とによって決定される。地球の周りの多くの異なる軌道で物体を発見することができ、いくつかは他のものとは反対方向に進行している。
【0037】
[0038] 図3は、サービス機3がクライアント5の保持を維持している間にタグ1がサービス機3とドッキングすることを示す。
【0038】
[0039] 宇宙船のドッキングは、2つの宇宙機の連結である。この接続は一時的なものであるか、又は宇宙ステーションモジュール等のための部分的に永続的なものであり得る。ドッキングは具体的には、2つの別個の自由飛行している宇宙機の連結のことである。軌道ランデブーが発生するためには、双方の宇宙船が同一軌道内にある必要があり、軌道内の宇宙船の位置と回転を一致させなければならない。タグ1とサービス機3をドッキングする前に、タグ1及びサービス機3の並進速度及び角速度を概ね等しくしなければならない。
【0039】
[0040] この目的を達成するため、クライアント5の回転を抑制するための回転抑制デバイスを提供できる。回転抑制デバイスは、本体と、本体から外側に延出し、第1の回転軸を中心として回転するように構成されたシャフトと、本体とは反対側のシャフト端部に取り付けられ、シャフトと共に第2の回転軸を中心として回転するように構成された回転部と、回転部に固定され、ターゲットを捕獲するように構成された捕獲部と、本体に提供され、シャフトの回転を抑制するように構成された制動部と、制動部が動作する際に発生する本体の回転を抑制するように構成された本体回転抑制部と、を含み得る。本体回転抑制部は、例えば本体内部に提供されたリアクションホイールとすればよい。この構成によって、捕獲部はクライアント5を捕獲し、捕獲部に固定された回転部と回転部に取り付けられたシャフトはクライアント5と共に回転することができる。次いで、制動部は徐々にシャフトの回転を抑制し、本体回転抑制部は、制動部が動作する際に発生する本体の回転を抑制する。すなわち、捕獲部は例えばクライアント5と一体的に回転し、この回転は制動部によって抑制され、これにより、制動部が動作する際に発生する本体の回転を抑制する(すなわち、本体の位置を維持したまま、クライアント5の角運動量は本体回転抑制部へ移動し、そこで吸収される)。この結果、比較的大きい(大きい角運動量を有する)クライアント5の回転運動を効果的に抑制することができる。
【0040】
[0041] タグ1、サービス機3、及びクライアント5上のドッキング及び係留のシステムは、取り付け部品の設計に応じて無性型又は有性型とすることができる。宇宙船を結合するための初期のシステムは、全て有性型のドッキングシステム設計であった。有性型設計は雌雄型嵌合(gender mating)の一形態であり、連結されるインタフェースの各コンポーネントが独特の設計(例えば「雄」形状又は「雌」形状)を有し、ドッキングプロセスで特定の役割を果たす。この役割を入れ替えることはできず、同一の接続取り付け部を有する2つの宇宙船を連結することはできない。これに対して、無性型ドッキング(及び無性型係留)スキームは、そのように装備された全ての宇宙船上で同一のインタフェースを使用し、これらを用いて宇宙機を接続することができる。
【0041】
[0042] 実施形態では、例えばクライアント5に残りの燃料貯蔵がない場合のように、クライアント5が推進手段を含まないことがある。サービス機3は、タグ1との複合体の形成を容易にするようクライアント5の運動を誘導できる。タグ1及びサービス機3はコンピュータ化制御システムを搭載することができる。このシステムは、クライアント5の運動を誘導する際、LIDAR測距センサと赤外線可視光カメラによって収集したデータを使用できる。
【0042】
[0043] 図4は、クライアント5に取り付けられたサービス機3をタグ1によって下方の軌道へ持っていくことを示す。
【0043】
[0044] タグ1が現在の運動方向とは反対方向の推力を発生した場合、タグ1、サービス機3、及びクライアント5は低エネルギ楕円遷移軌道内へ落ちることができる。次いでタグ1は、タグ1、サービス機3、及びクライアント5を対応する低エネルギ円形軌道へ挿入するための推力を発生することができる。これとは逆に、タグ1が現在の運動方向と同じ方向の推力を発生した場合、タグ1、サービス機3、及びクライアント5は高エネルギ楕円遷移軌道内へ上がることができる。次いでタグ1は、タグ1、サービス機3、及びクライアント5を対応する高エネルギ円形軌道へ挿入するための推力を発生することができる。
【0044】
[0045] 実施形態において、ホーマン遷移軌道は、タグ1、サービス機3、及びクライアント5を高軌道又は低軌道内へ移動させる1つの方法を提供することができる。ホーマン遷移軌道は、タグ1、サービス機3、及びクライアント5の現在の軌道及び所望の軌道の双方に対する接線である。軌道の変化を開始するには、高軌道へ移動する場合、楕円ホーマン遷移軌道に沿ってタグ1、サービス機3、及びクライアント5を加速するため運動の方向にタグ1、サービス機3、及びクライアント5を推進し、低軌道への遷移が望ましい場合、タグ1、サービス機3、及びクライアント5を減速させるため運動の方向とは逆方向に推進する。タグ1、サービス機3、及びクライアント5がホーマン遷移軌道と所望の軌道との接点に到達したら、タグ1、サービス機3、及びクライアント5は、これらが所望の軌道内で進むように、加速してその運動を変化させることができる。
【0045】
[0046] 本明細書で用いられる場合、低軌道は、地球の中心から測定した場合に低い高度を有する軌道を意味し、高軌道の意味は、地球の中心から測定した場合に高い高度を有する軌道である。軌道は、多数の分類体系に従って記述及び分類することができる。地球低軌道(LEO:low-Earth orbit)は、2,000km(約1,200マイル)以下の高度を有する、地球を中心とする軌道である。高軌道クラスは、中間円形軌道(ICO:intermediate circular orbit)と呼ばれることがある中間地球軌道を含み、更に上方の静止軌道も含む。静止軌道内の物体は、地球の回転と同じ角速度で移動するので、地球表面から見ると空中の単一ポイントに留まっている。地球高軌道は、対地同期軌道(35,786キロメートル(22,236マイル))よりも全体的に高い高度を有する地心軌道である。
【0046】
[0047] 低高度軌道(約500km未満)内の物体は、大気抵抗によって影響を受ける。大気抵抗は軌道上の物体の運動エネルギを低減させるので、それに応じて物体は大気圏に再突入するまで高度が下がる。このように、大気抵抗は人の介入なしで物体を軌道から移動させる。低軌道内の物体は大気抵抗によって大きく影響を受けるので、結果として減衰(decay)が速い。宇宙物体の減衰寿命は、その高度、太陽活動レベル、及び断面積に対する質量に依存する。面積に対する質量比が大きい物体は、抵抗による影響が小さいので減衰が遅い。高い太陽活動は、地球低軌道において大気密度と大気抵抗を増大させる。比較的低い高度にある軌道上の物体では、大気抵抗が充分に強いので、軌道を上昇させる操作が時々実行されないならば、ミッションの意図した終了の前に再突入を引き起こす可能性がある。平均的には、クライアント5が最初に300km高さの軌道内にある場合、クライアント5はわずか数か月の減衰寿命を有する。クライアント5が500km軌道内にある場合、その寿命は約10年である。クライアント5が1000km高度にある場合、クライアント5に作用する外力の介入なしで、数千年にわたって軌道内に留まることができる。
【0047】
[0048] いくつかの実施形態では、クライアント5を低軌道へ移動させるのではなく、タグ1とサービス機3によって形成された複合体によって、墓場軌道(graveyard orbit)、ジャンク軌道(junk orbit)、又は廃棄軌道(disposal orbit)として知られる高軌道へクライアント5を移動させる。静止軌道及び対地同期軌道内の衛星では、墓場軌道は運用軌道よりも数百キロメートル上方にある。
【0048】
[0049] 図5では、再突入シェパード7が打ち上げられている。
【0049】
[0050] 実施形態において、再突入シェパード7は、ターゲットを絞った大気圏再突入という特定の目的のため、デブリ物体に対して誘導、制御、及び/又は推力を与えるよう設計することができる。従って、再突入シェパード7には化学又は電気推進システムを搭載できる。いくつかの実施形態において、再突入シェパード7は、大気抵抗を増大させるためクライアントに対して使用され得る取り付け部を装備してもよい。抵抗デバイスは、衛星の断面積を拡大して、大気が衛星を減速させると共に衛星の高度を下げることを可能とするが、これらのデバイスは、南太平洋無人地域のような特定の再突入位置を保証しない場合がある。
【0050】
[0051] 再突入シェパード7の質量は、数百kgから2~3トンまでの範囲内であり得る。例えば約3トンのデブリ物体では、8トンのデブリ物体よりも小さい再突入シェパード7が必要となる。再突入シェパード7の設計は、Rocket Lab社のフォトン又はソユーズのフレガート等、打ち上げ機のキックステージに基づくと想定される。典型的な打ち上げ機の最終段は、大量のインパルスを迅速に与えなければならないので、再突入燃焼に役立つ大きい推力(数百ニュートン)を有する。最終操作は通常、成功するために約180kmから50kmへ近地点を低下させなければならないので、最終再突入プロセスでは2回以上の燃焼は不可能である。通常、これらの高度に近地点があると、空気力学的外乱に起因して制御が失われるが、すぐに大気圏再突入は行われないのでミッションは失敗する。大きい推力によって、単一の燃焼が近地点を充分に変化させる程度のインパルスを確実に与えることを支援する。
【0051】
[0052] 再突入シェパード7は通常、タグとサービス機との間の質量を有する。再突入シェパード7はサービス機3のアジリティを必要とせず、タグ1の長寿命と燃料効率も必要としない。再突入シェパード7は大きいインパルスと推力のみを必要とする。再突入シェパード7は打ち上げ機の拡張キックステージであると考えられる。いくつかの実施形態では、3つ全ての宇宙機、すなわちタグ1、サービス機3、及び再突入シェパード7を共に打ち上げることができるが、他の実施形態では、それらは全て別々に打ち上げられる。アーキテクチャは柔軟である。また、クライアント5を高い高度から低い高度へ下げる最適な時を待って、タグとサービス機の数か月後に再突入シェパード7を打ち上げてもよい。複数の宇宙船を同時に展開することは手間がかかるので、これにより、開発、展開、及び動作の時間軸においてある程度の柔軟性を可能とする。また、様々に構成できるアーキテクチャによって、打ち上げ機の選択における柔軟性も得られる。
【0052】
[0053] 図6は、タグ1に取り付けられたサービス機3によって安定状態に保たれたクライアント5との再突入シェパード7のドッキングを示す。
【0053】
[0054] クライアント5は、磁力、機械力、又は他の力によって安定状態に保つことができる。サービス機3は例えば、ドッキング成功後の保持を容易にするため永久磁石を含み得る。極低温に冷却された超電導線を用いて、サービス機3で磁力を発生させることができる。クライアント5は、地球磁場を用いてクライアント5の向きを調整するよう意図された内蔵磁石を有し得る。この内蔵磁石は、クライアント5を引き付けるかもしくは反発させるために、又はクライアント5の軌道をシフトさせるために、サービス機3によって利用できる。また、サービス機3に、ロボットアーム又はクライアント5を保持するための他の機械的手段を搭載してもよい。
【0054】
[0055] サービス機3とクライアント5とのドッキングは難しい場合があるが、サービス機3が制御を取った後、以降のドッキング動作は簡単になる。サービス機3は、クライアント5の小さい部分を把持し、再突入シェパード7のような別の宇宙船がその同じインタフェースに接近して把持するために大きいエリアを残すことができる。これは、図6で示されているように、サービス機3のロボットアームを延ばして接近中の別の宇宙船をよけることで達成され得る。この動作において、サービス機3は、サービス機3のロボットアーム又はエンドエフェクタ上に位置決めされたレトロリフレクタ又はLEDによって再突入シェパード7に光学的誘導を提供することも可能である。クライアント5はドッキングを支援する光学基準を持たない場合があるので、サービス機3が再突入シェパード7にこの誘導を提供する能力は大きな利点である。
【0055】
[0056] 図7は、再突入シェパード7に取り付けられたクライアント5からの、タグ1に取り付けられたサービス機3の分離を示す。タグ1及びサービス機3は、次のクライアント物体の方向に加速する。再突入シェパード7は、抵抗を用いて、クライアント5の軌道が直接再突入燃焼に充分なほど低くなるまでこの軌道を低下させる。
【0056】
[0057] 理想的な場合、クライアント5は大気圏を通過する間に完全に蒸発する。クライアント5の高度が低下する際、地球大気中のガスの摩擦による熱がクライアント5を焼き尽くす(burn up)。おおよその経験則では、クライアント5の周囲のケルビン単位の気温はメートル毎秒の突入速度に等しい。従って、7800m/sの軌道再突入速度では、温度は7800Kの高さとなり得る。しかしながら実施形態では、クライアント5のいくつかの部分は、この高温にも耐えて地球表面に到達し、地上の人間と所有物を損傷するリスクを生じ得る。
【0057】
[0058] クライアント5のいくつかのコンポーネント(特に、チタン等の耐熱材料で作製された部分)は、大気圏再突入を耐え抜き、地上に落下する可能性がある。その場合、再突入シェパード7が、地球の無人地域上での再突入を引き起こす位置へクライアント5を連れて行くことが望ましい。実施形態において、再突入シェパード7は、地球表面上の人間又は所有物に対する大事故の可能性を低くするため、特定の大気圏突入ポイントを目標にすることができる。クライアント5が操作機能を有し、寿命の終了時に燃料が残っている場合、クライアント5を広い海域上で再突入するよう位置決めすることができる。クライアント5が操作機能を持たず、燃料が残っていない場合、再突入中に必要なクライアント5の誘導及び制御を与えるため、直接大気圏突入を必要とする各クライアント5に新しい再突入シェパードを使用しなければならない。
【0058】
[0059] クライアント5が地球を横断する所望の再突入軌跡上に配置された後に誘導及び制御を必要としない場合、再突入シェパード7は再利用可能であり得る。いくつかの実施形態において、再突入シェパード7は遠地点で再突入燃焼を与え、次いでクライアント5から切り離され、近地点に到達する前に素早く高度を上げることができる。この操作プロセスは、軌道周期のほんの一部の時間で済むこと、及び自動化することが必要であり得る。再突入シェパード7はこの操作に化学推進を用いることができ、最も可能性が高いのは少なくとも400Nの推力を有する二元推進剤(biprop)である。再突入シェパード7がクライアント5から切り離される場合、確実に太平洋内のターゲット再突入軌道に的中するため再突入燃焼には高い精度が必要となる。回収後、再突入シェパード7はおそらく低軌道に留まり、次のクライアントを待つ。再突入シェパード7は、タグ1によって異なる高度に運ばれる可能性がある。
【0059】
[0060] タグ1及びサービス機3は、複数のクライアントのため複数回にわたって再利用されるよう設計されており、一部のクライアントは直接大気圏再突入を必要としない場合があるので、再突入シェパード7と共に又は再突入シェパード7なしで使用され得る。これらの極めて有能なプラットフォーム双方のこの再利用性は、1つの物体当たりの廃棄コストの削減に役立つ。
【0060】
[0061] 図8は、一実施形態の主題である、軌道上物体のランデブー、捕獲、及び廃棄のために有用な、宇宙船を設計するコンピュータ実施方法におけるステップを示すフローチャートである。実施形態では、この方法の多くの変形が可能であり、実際、ステップの順序は実施形態ごとに変更される可能性がある。
【0061】
[0062] 一実施形態は、宇宙船のパラメータを計算するコンピュータ実施方法である。この方法は、1つ以上のデバイスを介して1つ以上のターゲットクライアントの属性を入力すること(101)と、1つ以上のプロセッサで、以前規定したランキングに従って1つ以上のタグ及び/又は1つ以上のサービス機の所望の性質を計算すること(103)と、を含む。デバイスは、マウス、キーボード、又は様々なメモリタイプ等、様々なコンピュータハードウェアとすることができる。
【0062】
[0063] 所望の性質は、タグ及び/又はサービス機の予測性能に関連した様々な設計及び航空パラメータとすることができる。このため、所望の性質の出力は、使用材料、コンポーネント及びアセンブリのサイズ、コンポーネント及びアセンブリの形状を含む、タグ及びサービス機の製造プロセスに関する有用な情報を提供できる。また、実施形態から出力された所望の性質に応じて再突入シェパードを構築することができる。
【0063】
[0064] 所望の性質は、様々なスプレッドシート及び様々な文章処理プログラム、並びにコンピュータ支援設計において使用できる様々なファイルフォーマットを含む、様々なデータフォーマットで出力することができる。
【0064】
[0065] 以前規定したランキングは、クライアントに関する受信データに応じて、そのクライアントとのランデブー及びその廃棄に関連するミッションの目的に応じた異なる量の重みを、異なる設計及び航空パラメータに加えることができる。以前規定したランキングは、キーボード、マウス、又はメモリ等のI/Oデバイスを介して入力することができる。
【0065】
[0066] 他の実施形態は、タグ、サービス機、及び再突入シェパードのうち1つ以上の燃料の目標重量を計算すること(105)を含み得る。他の実施形態は、タグ、サービス機、再突入シェパード、及びクライアントのうち1つ以上の打ち上げ、ランデブー、及び廃棄のうち1つ以上の目標時間を計算すること(107)を含み得る。
【0066】
[0067] また、以前規定したランキングに従って再突入シェパードの所望の性質を計算する(109)ため、実施形態を実施するために有用なプロセッサ等のコンピュータハードウェアを搭載することができる。実施形態では、1つ以上の再突入シェパードの所望の性質を同時に計算する必要はない場合がある。言い換えると、ステップ109はステップ101及び103と同時に実行される可能性があり、又は、ステップ109は後で実行され、次いでステップ111及びステップ113が実行される可能性がある。
【0067】
[0068] 上述の実施形態は、本発明の理解を容易にする目的で与えられ、本発明の解釈を限定することは意図していない。実施形態の各要素とそれらの配置、材料、条件、形状、サイズ等は、説明した例に限定されず、適宜変更され得る。更に、実施形態に記載した構成要素は、部分的に置き換えること又は組み合わせることが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】