(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-22
(54)【発明の名称】製氷機
(51)【国際特許分類】
F25C 1/142 20180101AFI20240115BHJP
F25C 1/12 20060101ALI20240115BHJP
F25C 1/147 20180101ALI20240115BHJP
【FI】
F25C1/142 Z
F25C1/12 Z
F25C1/147 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542497
(86)(22)【出願日】2022-01-11
(85)【翻訳文提出日】2023-07-31
(86)【国際出願番号】 US2022011929
(87)【国際公開番号】W WO2022155114
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522044777
【氏名又は名称】トゥルー マニュファクチャリング カンパニー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】True Manufacturing Company, Inc.
【住所又は居所原語表記】2001 E Terra Lane, O’Fallon, MO 63366 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002745
【氏名又は名称】弁理士法人河崎特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナット, ケヴィン
(57)【要約】
業務用製氷機は、能動的なドレインバルブではなく受動的なドレインバルブを介してサンプから水をパージする。本製氷機は大きな凍結プレートを用いるが、標準の筐体設置面積内に受動的バルブを収容できる。製氷機の底壁の上面にはドレイン通過溝が形成されている。ドレインバルブは底壁の上方に支持され、ドレインチューブは少なくとも部分的にドレイン通過溝に受け入れられる。ドレインバルブは、弁座を有するバルブ本体と、弁座を通る弁通路を開閉する可動弁部材とを含み得る。バルブ部材は、バルブ部材が閉位置にあるとき、長手方向軸に沿って弁座と半径方向に重なる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製氷機であって、
底部を有する筐体と、
前記筐体内に支持された蒸発器アセンブリであって、前記蒸発器アセンブリは、前記蒸発器アセンブリが氷片を形成するように構成された複数の型を画定する凍結プレートと、蒸発器とを備え、前記蒸発器アセンブリは底部を有する、蒸発器アセンブリと、
分配器であって、前記分配器を通して付与された水を前記凍結プレート上に分配するように構成され、それにより前記水は前記凍結プレート上で氷に形成される、分配器と、
前記凍結プレートの下で前記筐体内に支持され、前記凍結プレートの底部から流れ出る水を集めるように構成されたサンプと、
前記サンプ内の水を汲み上げて分配器に通すように構成されたポンプと、
前記筐体内に支持されたドレインバルブであって、重力によって前記サンプからすべての水を排水するために選択的に開かれるように構成されたドレインバルブとを備え、
前記蒸発器アセンブリの底部が、前記筐体の底部から12インチ未満の高さだけ離間している、
製氷機。
【請求項2】
前記蒸発器アセンブリの底部が、前記筐体の底部から11インチ未満の高さだけ離間している、請求項1に記載の製氷機。
【請求項3】
前記蒸発器アセンブリの底部が、前記筐体の底部から10インチ未満の高さだけ離間している、請求項1に記載の製氷機。
【請求項4】
前記ドレインバルブが、入口チューブ中心軸を有する入口チューブと、出口チューブ中心軸を有する出口チューブとを備え、前記入口チューブ中心軸が、前記出口チューブ中心軸の上方に、約0.1インチ~約0.3インチの包括範囲内の高さだけ垂直に離間している、請求項1に記載の製氷機。
【請求項5】
前記入口チューブ中心軸が、前記出口チューブ中心軸の上方に、0.25インチ未満の高さだけ垂直に離間している、請求項4に記載の製氷機。
【請求項6】
前記筐体の底部に配置された底壁と、前記底壁から上方に延びる少なくとも1つの垂直に延びる支持壁とを備えるサポートをさらに備える、請求項1に記載の製氷機。
【請求項7】
前記底壁が、インボード端部分から前記筐体の外側に隣接するアウトボード端部分まで長手方向に延びるドレイン通過溝を含む、請求項6に記載の製氷機。
【請求項8】
前記アウトボード端部分が、前記インボード端部分よりも下方に垂直方向に離間している、請求項7に記載の製氷機。
【請求項9】
前記ドレイン通過溝内に受け入れられ、前記インボード端部分に隣接する部分から前記アウトボード端部分まで延びるにつれて下方に傾斜するドレインチューブをさらに備える、請求項8に記載の製氷機。
【請求項10】
前記少なくとも1つの垂直に延びる支持壁が、前記サンプを前記筐体内で前記サポート上に取り付けるように構成されたサンプマウントを備え、前記少なくとも1つの垂直に延びる支持壁が、前記サンプマウントの下方に離間されたドレイン通過開口部をさらに備える、請求項6に記載の製氷機。
【請求項11】
前記ドレイン通過開口部が、前記サンプの底部の下方に離間される、請求項10に記載の製氷機。
【請求項12】
前記少なくとも1つの垂直に延びる支持壁が、前記ドレインバルブを前記筐体内で前記サポート上に取り付けるように構成されたドレインバルブマウントをさらに備え、前記サンプマウント及び前記ドレインバルブマウントが、前記サンプ及び前記ドレインバルブを前記少なくとも1つの垂直に延びる支持壁の反対側で前記サポート上に取り付けるように構成されている、請求項11に記載の製氷機。
【請求項13】
前記ドレインバルブが、バルブ通路を画定するバルブ本体を備え、前記バルブ本体は、軸に沿って長手方向に延び、前記軸に対して半径方向内側に向いた環状の弁座を含み、
前記ドレインバルブがバルブ部材をさらに備え、前記バルブ部材は、前記バルブ通路を水が流れるのを許容するように前記バルブ部材が前記バルブ本体に対して位置決めされる開位置と、前記バルブ通路を通る流れを遮断するように前記バルブ部材が前記バルブ本体に係合する閉位置との間で前記バルブ本体に対して移動可能であり、
前記バルブ部材が、前記軸に沿って長手方向に延びる環状シール面を備え、前記環状シール面は、前記バルブ部材が前記閉位置にあるとき、前記軸に沿って前記弁座と半径方向に重なり、シール可能に係合するように構成される、
請求項1に記載の製氷機。
【請求項14】
底部、頂部、及び前記底部から前記頂部まで延びる高さを有する筐体と、
前記筐体内に支持された蒸発器アセンブリであって、前記蒸発器アセンブリは、前記蒸発器アセンブリが氷片を形成するように構成された複数の型を画定する凍結プレートと、蒸発器とを備え、前記蒸発器アセンブリは底部を有し、前記凍結プレートは頂部を有し、前記蒸発器アセンブリは、前記蒸発器アセンブリの前記底部から前記凍結プレートの前記頂部まで延びる高さを有する、蒸発器アセンブリと、
前記凍結プレートの前記頂部に隣接して前記筐体内に支持された分配器であって、前記分配器を通して付与された水を前記凍結プレート上に分配し、それにより前記水が前記型内で氷に形成されるように構成された分配器と、
前記凍結プレートの下方で前記筐体に支持され、前記凍結プレートの底部から流れ出る水を集めるように構成されたサンプと、
前記サンプ内の水を汲み上げて前記分配器に通すように構成されたポンプと、
前記筐体に支持されたドレインバルブであって、重力によって前記サンプから水をすべて排水するように選択的に開かれるように構成されたドレインバルブとを備え、
前記筐体の高さが24インチ未満であり、前記蒸発器アセンブリの前記底部から前記凍結プレートの前記頂部まで延びる高さが10インチ超である、
製氷機。
【請求項15】
前記筐体の高さが23インチ未満であり、前記蒸発器アセンブリの前記底部から前記凍結プレートの前記頂部まで延びる高さが11インチ超である、請求項14に記載の製氷機。
【請求項16】
前記筐体の高さが約22インチであり、前記蒸発器アセンブリの前記底部から前記凍結プレートの前記頂部まで延びる高さが12インチ以上である、請求項14に記載の製氷機。
【請求項17】
ドレイン通過溝が上面に形成された底壁と、
前記底壁の上方に支持された氷形成装置と、
前記氷形成装置によって使用される水を保持するための水溜めであって、前記底壁の上方に支持される水溜めと、
前記壁の上方に支持されるドレインバルブであって、重力によって前記水溜めからすべての水を排水するために選択的に開かれるように構成されるドレインバルブと、
前記底壁に支持され、少なくとも部分的に前記ドレイン通過溝に受け入れられるドレインチューブと
を備える製氷機。
【請求項18】
前記ドレイン通過溝が、インボード端部分から前記製氷機の外側に隣接するアウトボード端部分まで長手方向に延びる、請求項17に記載の製氷機。
【請求項19】
前記アウトボード端部分が、前記インボード端部分よりも下方に垂直方向に離間している、請求項18に記載の製氷機。
【請求項20】
前記ドレインチューブが、前記インボード端部分に隣接する上流端部分から前記アウトボード端部分に隣接する下流端部分まで長手方向に延びるにつれて下方に傾斜する、請求項19に記載の製氷機。
【請求項21】
前記ドレインチューブの前記下流端部分に接続された外部流体連結部をさらに備える、請求項20に記載の製氷機。
【請求項22】
氷を形成するための製氷機であって、
氷形成装置を備える冷凍システムと、
前記氷形成装置に水を供給するための給水システムとを備え、前記給水システムは、
氷に形成される水を保持するように構成された水溜めと、
ドレイン通過部であって、前記水溜め内の水が前記ドレイン通過部を通って排水できるように前記水溜めに流体的に連結され、上流端部分と下流端部分とを有するドレイン通過部と、
前記ドレイン通過部を選択的に開閉するドレインバルブとを備え、
前記ドレインバルブは、前記ドレイン通過部の前記上流端部分と前記下流端部分との間に流体的に連結されるバルブ通路を画定するバルブ本体を備え、前記バルブ本体は、軸に沿って長手方向に延び、前記軸に対して半径方向内側に向いた環状の弁座を含み、
前記ドレインバルブは、バルブ部材をさらに備え、前記バルブ部材は、前記ドレイン通過部の前記上流端部分から前記下流端部分への前記バルブ通路を通る水の流れを許容するように前記バルブ部材が前記バルブ本体に対して位置決めされる開位置と、前記ドレイン通過部の前記上流端部分から前記下流端部分への前記バルブ通路を通る流れを遮断するように前記バルブ部材が前記バルブ本体に係合する閉位置との間で前記バルブ本体に対して移動可能であり、
前記バルブ部材は、前記軸に沿って長手方向に延びる環状シール面を備え、前記環状シール面は、前記バルブ部材が前記閉位置にあるとき、前記軸に沿って前記弁座に半径方向に重なってシール係合するように構成されている、
製氷機。
【請求項23】
前記環状シール面が、少なくとも1mmの前記軸に沿って延びる長さを有し、前記環状シール面が、前記バルブ部材が前記閉位置にあるとき、実質的に全長に沿って前記弁座にシール係合するように構成される、請求項22に記載の製氷機。
【請求項24】
前記シール面が、前記軸に沿って延びるにつれて半径方向内側にテーパしている、請求項23に記載の製氷機。
【請求項25】
前記弁座が、前記軸に沿って延びるにつれて半径方向内側にテーパしている、請求項24に記載の製氷機。
【請求項26】
前記バルブ部材が前記軸に沿って前記開位置から前記閉位置まで閉方向に移動可能であり、前記シール面及び前記弁座のそれぞれが、前記軸に沿って前記閉方向に延びるにつれて半径方向内側にテーパしている、請求項25に記載の製氷機。
【請求項27】
前記シール面が実質的に円錐面である、請求項22に記載の製氷機。
【請求項28】
前記弁座が実質的に円錐面である、請求項27に記載の製氷機。
【請求項29】
前記弁座及び前記シール面がそれぞれ円錐角を有し、前記弁座及び前記シール面の前記円錐角が実質的に同じである、請求項28に記載の製氷機。
【請求項30】
前記シール面が約30°~約70°の包括範囲内の円錐角を有する、請求項27に記載の製氷機。
【請求項31】
弁座及び前記シール面が、実質的に同じ形状であるが、対向する方向に面する表面部分を含む、請求項22に記載の製氷機。
【請求項32】
前記バルブ部材の前記開位置及び閉位置が、前記軸に沿って離間している、請求項22に記載の製氷機。
【請求項33】
前記バルブ部材が前記開位置にあるとき、前記バルブ部材は前記弁座から前記軸に沿って離間している、請求項22に記載の製氷機。
【請求項34】
前記シール面及び前記弁座が、前記ドレインバルブが閉じられたときに、前記軸に沿って延びる環状シール界面で互いにシール可能に係合する、請求項22に記載の製氷機。
【請求項35】
前記シール界面が前記軸に沿って延びる長さを有し、前記長さが少なくとも約1mmである、請求項34に記載の製氷機。
【請求項36】
前記シール界面が実質的に円錐形である、請求項34に記載の製氷機。
【請求項37】
前記バルブ本体が、前記軸に対して横方向に延びる入口チューブ及び出口チューブと、前記軸に沿って延び、前記入口チューブに流体的に連結された外側チャンバと、前記外側チャンバ内で前記軸に沿って延び、前記出口チューブに流体的に連結された内側チャンバとを備える、請求項33に記載の製氷機。
【請求項38】
前記内側チャンバが、前記外側チャンバ内に開口し、前記弁座を画定する自由端部分を有する、請求項37に記載の製氷機。
【請求項39】
前記バルブ通路が、前記入口チューブ内の第1のセグメントと、前記外側チャンバ及び前記内側チャンバの間の第2のセグメントと、前記内側チャンバ内の第3のセグメントと、前記出口チューブ内の第4のセグメントとを含む、請求項37に記載の製氷機。
【請求項40】
前記バルブが、水が前記バルブ通路を通って下流に流れるときに、前記第1、第2、第3及び第4のセグメントを通って連続的に流れるように構成される、請求項39に記載の製氷機。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の援用】
【0001】
本願は、2021年1月13日に出願された米国特許仮出願第17/147,965号の優先権の利益を主張するものであり、この内容全体が、本明細書において参考として援用される。
【技術分野】
【0002】
本開示は、製氷機の下の氷容器に氷を落とすように構成されるタイプの製氷機に関連する。
【背景技術】
【0003】
一般的な製氷機には、一定量の水を保持する水溜めがあり、その水の一部又は全部を製氷機で凍らせて氷にする。キューブ型アイスを作る製氷機では、製氷に使用される水は、製氷中、水溜め(サンプ又はトラフとも呼ばれる)を通り、冷却された凍結プレート上へ循環される。したがって、循環水は比較的低温(ほぼ0℃)で維持される。フレーク状又はナゲット状アイスを製造する製氷機では、水溜め(フロート室とも呼ばれる)は流入する水で満たされ、冷凍されることはない。製氷中、一定量の水が製氷機に供給され、製氷室内で氷に形成される。キューブタイプ製氷機及びフレーク/ナゲットタイプ製氷機の両方において、製氷されていないとき、水溜めに残った水は冷却されない。そのため、水の温度が上昇し、水が停滞する可能性がある。停滞した水が製氷機を汚染するのを防ぐため、キューブタイプ製氷機及びフレーク/ナゲットタイプ製氷機の両方は、製氷されていないときに水溜めから水を排出する機構を備えている。例えば、水溜めから選択的に水を除去できる排出ポンプを使用することが知られている。また、製氷に使用している水に高濃度の水垢や他の汚染物質が形成されるのを防ぐため、製氷中であっても水溜めから定期的に水を排出することが望ましい場合もある。
【発明の概要】
【0004】
ある態様において、製氷機は、製氷機が氷を形成するように構成された複数の型を画定する凍結プレートを含む。凍結プレートは、型の開いた前端部を画定する前部と、型の閉じられた後端部を画定する後部と、高さに沿って離間して配置された上部および下部と、幅に沿って離間して配置された第一の側部と第二の側部とを有する。凍結プレートの上部に隣接する分配器は、分配器を通して付与された水が凍結プレートの幅に沿って凍結プレートの前部に沿って下方に流れるよう向けるように構成される。分配器は、分配器の幅に沿って離間して配置された第一の端部及び第二の端部を含む。底壁は、第一の端部から第二の端部に向かって幅方向に延び、上流側の端部から下流側の端部に向かって概して前方に延びる。分配器は、そこを通って付与された水が、上流側の端部から下流側の端部に向かって概して前方に流れるよう向けるように構成される。堰(weir)は、上流側の端部と下流側の端部との間に離間した場所で底壁から上方に延びる。堰は、水が上流側の端部から下流側の端部へ底壁に沿って流れる際に堰を横切るように構成される。底壁は、堰の直ぐ上流側に、概して前方に向かって上方に傾斜した傾斜面を含む。
【0005】
別の態様において、製氷機は、製氷機が氷を形成するように構成される複数の型を画定する凍結プレートを含む。凍結プレートは、型の開いた前端部を画定する前部と、型の閉じられた後端部を画定する後部と、高さに沿って離間して配置された上部及び下部と、幅に沿って離間して配置された第一の側部と第二の側部とを有する。凍結プレートの上部に隣接する分配器は、分配器を通して付与された水が凍結プレートの幅に沿って凍結プレートの前面に沿って下方に流れるよう向けるように構成される。分配器は、分配器の幅に沿って離間して配置された第一の端部と第二の端部を含む。底壁は、第一の端部から第二の端部に向かって幅方向に延び、上流側の端部から下流側の端部に向かって概して前方に延びる。分配器は、そこを通って付与された水が上流側の端部から下流側の端部に向かって概して前方に流れるよう向けるように構成される。底壁の下流側の端部は、下向きに湾曲する表面張力曲線(surfacetensioncurve)を画定する。下向きに湾曲する表面張力曲線は、表面張力により、分配器を通って付与された水が曲線に付着し、その曲線により凍結プレートの上端部分に向かって下向きに導かれるように構成される。
【0006】
別の態様において、製氷機は、製氷機が氷を形成するように構成された複数の型を画定する凍結プレートを含む。凍結プレートは、型の開いた前端部を画定する前部と、型の閉じられた後端部を画定する後部と、高さに沿って離間して配置された上部および下部と、幅に沿って離間して配置された第一の側部と第二の側部とを有する。凍結プレートの上部に隣接する分配器は、分配器を通って付与された水が凍結プレートの幅に沿って凍結プレートの前面に沿って下方に流れるよう向けるように構成される。分配器は、分配器の幅に沿って離間して配置された第一の端部と第二の端部を含む。底壁は、第一の端部から第二の端部に向かって幅方向に延び、上流側の端部から下流側の端部に向かって概して前方に延びる。分配器は、そこを通って与えられた水が上流側の端部から下流側の端部に向かって概して前方に流れるように構成される。張り出した前壁(overhangingfrontwall)は、下流側の端部に隣接する底壁の上に、底壁と張り出した前壁との間に流量制限器(flowrestriction)を画定するように、底壁の上に離間して配置された下端縁マージンを有する。流量制限器は、分配器の第一の端部と第二の端部との間で幅方向に延びる隙間を含み、水が流量制限器を通って底壁の下流側の端部に流れる速度を制限するように構成される。
【0007】
さらに別の態様において、製氷機は、製氷機が氷を形成するように構成された複数の型を画定する凍結プレートを含む。凍結プレートは、高さに沿って離間して配置された上部および下部と、幅に沿って離間して配置された第一の側部および第二の側部とを有する。分配器は、凍結プレートの上部に隣接して、凍結プレートの幅に沿って延びる。分配器は、分配器を通して付与された水が凍結プレートの上部から凍結プレートの幅に沿って下部に流れるよう向けるように構成される。分配器は、第一の分配器ピースと第二の分配器ピースを含む。第二の分配器ピースは、別個のファスナを使用せずに第一の分配器ピースに取外し可能に連結されるように構成され、分配器を形成する。
【0008】
別の態様において、製氷機は、製氷機が氷を形成するように構成された複数の型を画定する凍結プレートを含む。凍結プレートは、高さに沿って離間して配置された上部および下部と、幅に沿って離間して配置された第一の側部および第二の側部とを有する。凍結プレートの上部に隣接する分配器の幅は、凍結プレートの幅全体にわたって延びる。分配器は、入口と出口を有し、入口から出口まで延びる分配器流路を画定する。分配器は、分配器を通して付与された水が分配器流路に沿って流れ、出口から排出するよう向けるように構成され、水は凍結プレートの上部から凍結プレートの幅に沿って下部に流れる。分配器は、第一の分配器ピースと第二の分配器ピースとを含む。第二の分配器ピースは、第一の分配器ピースに取外し可能に連結されて分配器を形成する。第一の分配器ピースは、幅方向に延びる溝を画定する底壁を含み、第二の分配器ピースは、分配器の幅に沿って離間して複数の開口部を画定する概して垂直な堰を含む。堰は、溝の中に受けられた自由な下端縁マージンを有しており、分配器の流路に沿って流れる水は、堰の下端縁マージンと底壁との間の界面を通って流れることが抑制され、複数の開口部を通って堰を横切って流れるように向けられる。
【0009】
別の態様において、製氷機は、複数の型を画定する凍結プレートを含む蒸発器アセンブリを含み、蒸発器アセンブリは、複数の型の中で氷片を形成するように構成される。凍結プレートは、型の開いた前端部を画定する前部と、型の閉じた後端部に沿って延びる後部とを有する。蒸発器ハウジングは、後部を有し、凍結プレートの後部と蒸発器ハウジングの後部との間の閉鎖空間を画定する。冷媒チューブは、閉鎖空間内で受けられる。断熱材は、冷媒チューブの周りの閉鎖空間を実質的に満たす。給水システム(watersystem)が、水が型内で氷に形成されるように、凍結プレートに水を供給するように構成されている。蒸発器ハウジングは、モノリシック材料の単一ピースから形成される分配器ピースを含む。分配器ピースは、断熱材と直接接触しており、底壁を有する。給水システムは、水が凍結プレートに供給されると、底壁に沿って流れるように水を向けるように構成されている。
【0010】
さらに別の態様において、製氷機は、複数の型を画定する凍結プレートを含む蒸発器アセンブリを含み、蒸発器アセンブリは、複数の型の中で氷片を形成するように構成される。凍結プレートは、型の開いた前端部を画定する前部と、型の閉じた後端部に沿って延びる後部と、モノリシック材料の単一ピースから形成され、型の少なくとも1つの上端部を画定する上壁と、上壁に接合され、そこから上方に延びる少なくとも1つのスタッドとを有する。分配器は、分配器を通して付与された水を凍結プレート上に分配し、水が型の中で氷に形成されるように構成される。分配器は、モノリシック材料の単一ピースから形成された分配器ピースを含む。分配器ピースは、水が分配器を通って流れるように分配器が向ける流路の一部を画定する底壁を含む。分配器ピースに対してナットを各スタッドに締め付けることで、分配器を凍結プレートに直接取り付ける。
【0011】
別の態様において、分配器を通して付与された水を受け取り、水が凍結プレート上で氷に形成されるように製氷機の凍結プレートに沿って流れるように向けるための分配器は、
分配器の上流端に隣接する後壁と、後壁から分配器の下流端に隣接する前端部まで前方に延びる底壁と、後壁から後方に突出するチューブとを含む。後壁は、底壁の直上に開口部を有し、この開口部を介してチューブが分配器と流体連通する。底壁は、後壁に向かって下方に傾斜する後部セクションと、前端部に向かって下方に傾斜する前部セクションとを含む。
【0012】
別の態様において、製氷機は筐体(enclosure)を含む。凍結プレートは、筐体の中で受けられる。凍結プレートは、背面壁と、背面壁に対向する前面とを含む。凍結プレートはさらに、背面壁から前方に延びる周壁を含む。周壁は、上壁部、下壁部、第一の側壁部、および第二の側壁部を含む。第一の側壁部および第二の側壁部は、凍結プレートの幅を画定する。凍結プレートはさらに、底壁部分に接続された下端から上壁部分に接続された上端まで延びる複数の高さ方向の仕切板(dividerplate)と、第一の側壁部分に接続された第一の端部から第二の側壁部分に接続された第二の端部まで延びる複数の幅方向の仕切板とを含む。高さ方向の仕切板と幅方向の仕切板とは、周壁の内側に複数の氷型を画定するように相互に連結されている。幅方向の仕切板のそれぞれは、仕切板の直上に複数の氷型を画定し、仕切板の直下に複数の氷型を画定する。幅方向の仕切板のそれぞれは、凍結プレートの背面壁から離れて下方および前方に傾斜しており、各幅方向の仕切板の上面と背面壁との間の夾角(includedangle)は、90°より大きく180°未満である。分配器は、分配器を通して付与された水が、凍結プレートの幅方向に沿って凍結プレートに沿って下方に流れるように向けるように構成されている。凍結プレートは、凍結プレートの背面壁が前方に傾斜するように筐体の中で支持される。
【0013】
別の態様において、製氷機は、底部を有する筐体を備える。蒸発器アセンブリが筐体内に支持される。蒸発器アセンブリは、蒸発器アセンブリが氷片を形成するように構成された複数の型を画定する凍結プレートと、蒸発器とを備える。蒸発器アセンブリは底部を有する。分配器が、分配器を通して付与された水を凍結プレート上に分配するように構成され、それにより水は凍結プレート上で氷に形成される。サンプは、凍結プレートの下で筐体内に支持され、凍結プレートの底部から流れ出る水を集めるように構成される。ポンプが、サンプ内の水を汲み上げて分配器に通すように構成される。ドレインバルブが筐体内に支持される。ドレインバルブは、重力によってサンプからすべての水を排水するために選択的に開かれるように構成される。蒸発器アセンブリの底部は、筐体の底部から12インチ未満の高さだけ離間している。
【0014】
別の態様において、製氷機は、底部、頂部、及び底部から頂部まで延びる高さを有する筐体を備える。蒸発器アセンブリが筐体内に支持される。蒸発器アセンブリは、蒸発器アセンブリが氷片を形成するように構成された複数の型を画定する凍結プレートと、蒸発器とを備える。蒸発器アセンブリは底部を有する。凍結プレートは頂部を有し、蒸発器アセンブリは、蒸発器アセンブリの底部から凍結プレートの頂部まで延びる高さを有する。分配器は、凍結プレートの頂部に隣接して筐体内に支持されている。分配器は、分配器を通して付与された水を凍結プレート上に分配し、水が型内で氷に形成されるように構成されている。サンプは、凍結プレートの下で筐体内に支持され、凍結プレートの底から流れ出る水を集めるように構成されている。ポンプが、サンプ内の水を汲み上げて分配器に通すように構成されている。ドレインバルブが筐体内に支持されている。ドレインバルブは、重力によってサンプからすべての水を排水するように選択的に開かれるように構成されている。筐体の高さは24インチ未満であり、蒸発器アセンブリの底部から凍結プレートの頂部まで延びる高さは10インチ超である。
【0015】
別の態様において、製氷機は底壁を備える。底壁は、底壁の上面に形成されたドレイン通過溝を有する。氷形成装置が底壁の上方に支持される。水溜めは、氷形成装置によって使用される水を保持する。水溜めは底壁の上方に支持される。ドレインバルブが壁の上方に支持される。ドレインバルブは、重力によって水溜めからすべての水を排水するために選択的に開かれるように構成されている。ドレインチューブが底壁に支持され、少なくとも部分的にドレイン通過溝に受け入れられる。
【0016】
別の態様において、氷を形成する製氷機は、氷形成装置と、氷形成装置に水を供給するための給水システムとを備える冷凍システムを備える。給水システムは、氷に形成される水を保持するように構成された水溜めを備える。ドレイン通過部は、水溜め内の水がドレイン通過部を通って排水できるように、水溜めに流体的に連結されている。ドレイン通過部は、上流端部分と下流端部分とを有する。ドレインバルブがドレイン通過部を選択的に開閉する。ドレインバルブは、ドレイン通過部の上流端部分と下流端部分との間に流体的に連結されるバルブ通路を画定するバルブ本体を備える。バルブ本体は、軸に沿って長手方向に延び、軸に対して半径方向内側に向いた環状の弁座を備える。ドレインバルブは、バルブ部材をさらに備え、このバルブ部材は、ドレイン通過部の上流端部分から下流端部分へのバルブ通路を通る水の流れを許容するようにバルブ部材がバルブ本体に対して位置決めされる開位置と、ドレイン通過部の上流端部分から下流端部分へのバルブ通路を通る流れを遮断するようにバルブ部材がバルブ本体に係合する閉位置との間でバルブ本体に対して移動可能である。バルブ部材は、軸に沿って長手方向に延びる環状シール面を備える。環状シール面は、バルブ部材が閉位置にあるとき、軸に沿って弁座に半径方向に重なってシール係合するように構成されている。
【0017】
その他の態様も一部は明らかであり、一部は以下に指摘される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】
図2は、氷容器(icebin)の上に支持される製氷機の斜視図である。
【
図3】
図3は、製氷機のサブアセンブリの斜視図であり、サポート、蒸発器アセンブリ、サンプ(sump)、取付プレート、およびセンサ取付金具が含まれる。
【
図6】
図6は、製氷機の凍結プレートの斜視図である。
【
図13】
図13は、蒸発器アセンブリの背面図であり、蛇行蒸発器チューブを見せるために背壁が省略されている。
【
図14】
図14は、蒸発器アセンブリの、
図11の線14-14で表される平面における断面図である。
【
図15】
図15は、上部の分配器ピースを省いて下部の分配器ピース/上部蒸発器ハウジングピースを見せ、蒸発器アセンブリの残りの部分から関連構成要素を分解した、蒸発器アセンブリの斜視図である。
【
図16】
図16は、
図15に示す蒸発器アセンブリの構成要素を、凍結プレートのスタッドを通る平面で切った垂直断面の拡大図である。
【
図17】
図17は、サポートに取り付けられた蒸発器アセンブリの垂直断面図である。
【
図18】
図18は、蒸発器アセンブリの分配器の斜視図である。
【
図23】
図23は、
図15と同様の垂直断面図であるが、断面は下部の分配器ピースの入口チューブの中心を通る。
【
図24】
図24は、下部の分配器ピースの端部の拡大斜視図である。
【
図28】
図28は、上部の分配器ピースの端部の拡大斜視図である。
【
図29】
図29は、上部の分配器ピースを下部の分配器ピースの前に離した蒸発器アセンブリの斜視図である。
【
図30】
図30は、模式的に示された製氷機の筐体に受けられる
図3のサブアセンブリの垂直断面図であり、断面は、
図3に示されるサポートの垂直側壁の右側壁部の直ぐ内側であり、上部分配器ピースは外されて筐体の外で示されている。
【
図31】
図31は、下部の分配器ピースの細長い溝で受けられる下部の分配器ピースの細長い舌部を通る平面から下方を見た分配器端部の水平方向拡大断面図である。
【
図32】
図32は、区分けされた堰を通る平面で切った分配器の垂直断面図である。
【
図33】
図33は、製氷機の氷レベル検出システムの模式図である。
【
図34】
図34は、一体型サポートおよびTOFセンサを含む製氷機のサブアセンブリの斜視図である。
【
図39】製氷機のキャビネット、蒸発器アセンブリ、サンプ、及びドレイン通過部を含む製氷機のサブアセンブリを通る垂直断面図である。
【
図40】サポート、ドレイン通過部、及びサンプを含む、
図1~39の製氷機のサブアセンブリの斜視図である。
【
図42】
図41の線42-42の平面でとられた断面図である。
【
図43】開位置にあるドレインバルブを示す、製氷機のドレインバルブの断面図である。
【
図44】ドレインバルブが閉位置に示されていることを除いて、
図43と同様のドレインバルブの断面である。
【
図47】製氷機のサポートのみの
図46に類似した拡大断面図であり、ドレイン通過部はそこから取り外されている。
【0019】
図面全体を通して、対応する部品には対応する符号が使われる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1を参照すると、製氷機の一実施形態は、概して符号10で示される。本開示は、個別にまたは組み合わせて使用して、製氷の均一性、氷の採取性能、エネルギー効率、アセンブリ精度、および/または修理またはメンテナンスのためのアクセス性を向上させることができる製氷機10の例示的な特徴を詳しく説明する。本開示の1つの態様は、蒸発器、凍結プレート、および水分配器を含む蒸発器アセンブリに関する。以下でさらに詳細に説明するように、1つ又はそれ以上の実施形態において、蒸発器アセンブリの部品は、単一のユニットに一体化されている。特定の実施形態において、水分配器は、凍結プレートの幅に沿って均一な水流を提供する水分配機能(waterdistributionfeatures)の構成を含む。例示的な実施形態において、水分配器は、修理またはメンテナンスのために分配器の内部にすぐにアクセスできるように構成されている。1つ又はそれ以上の実施形態において、蒸発器アセンブリは、重力および熱を使用して氷を受動的に採取するのにかかる時間を短縮するような向きで製氷機内に凍結プレートを取り付けるように構成されている。製氷機10の他の態様および特徴も、以下に記載する。本開示は、多数の異なる特徴を組み合わせた製氷機を記載しているが、本明細書に開示された特徴のうちの任意の1つ以上を使用する他の製氷機も、本開示の範囲から逸脱しないことが理解されるであろう。
【0021】
本開示では、はじめに製氷機10の概要説明を行い、その後、蒸発器アセンブリの例示的実施形態の詳細説明が提供される。
【0022】
I.冷凍システム
図1を参照して、製氷機10の冷凍システムは、圧縮機12、熱拒絶熱交換器(heatrejectingheatexchanger)14、冷媒の温度および圧力を下げるための冷媒膨張装置18、蒸発器アセンブリ20(広義には、氷形成装置)、および高温ガスバルブ24を含む。図示されるように、熱拒絶熱交換器14は、圧縮機12から排出される圧縮冷媒蒸気を凝縮するための凝縮器を含んでもよい。他の実施形態において、例えば、拒絶熱(heatofrejection)が遷臨界(trans-critical)である二酸化炭素冷媒を利用する冷凍システムでは、熱拒絶熱交換器は、冷媒を凝縮させることなく冷媒からの熱を拒絶することができる。図示された蒸発器アセンブリ20は、以下でさらに詳細に説明されるように、蒸発器21(例えば、蛇行冷媒チューブ)、凍結プレート22、および水分配器25を1つのユニットに統合している。高温ガスバルブ24は、1つ又はそれ以上の実施形態においては、圧縮機15からの暖かい冷媒を蒸発器21に直接向けるために使用され、氷が所望の厚みに達したときに凍結プレート22から氷のキューブを除去または採取する。
【0023】
冷媒膨張装置18は、キャピラリ管、恒温膨張弁、または電子膨張弁を含む任意の適切なタイプのものであり得る。特定の実施形態において、冷媒膨張装置18が恒温膨張弁または電子膨張弁である場合、製氷機10はまた、冷媒膨張装置18を制御するために蒸発器チューブ21の出口に配置される温度センサ26を含んでもよい。冷媒膨張装置18が電子膨張弁である他の実施形態では、製氷機10は、当技術分野で知られているように、冷媒膨張装置19を制御するために蒸発器チューブ21の出口に配置される圧力センサ(図示せず)を含んでもよい。凝縮器冷却を提供するために気体冷却媒体(例えば、空気)を利用する特定の実施形態においては、凝縮器ファン15は、凝縮器14を横切って気体冷却媒体を吹きつけるように配置されてもよい。冷媒ライン28a、28b、28c、28dを介してこれらの構成要素を通ってある形態の冷媒が循環する。
【0024】
II.給水システム
図1をさらに参照すると、図示の製氷機10の給水システムは、水溜め又はサンプ70、水ポンプ62、水ライン63、及び水位センサ64を備えるサンプアセンブリ60を含む。製氷機10の給水システムは、水源(図示せず)からの水でサンプ70を満たすための水供給ライン(図示せず)及び水入口バルブ(図示せず)をさらに含む。図示の給水システムはさらに、ドレイン通過部78(広義には、排出ライン)と、サンプ70から水を排水するためにその上に配置されたドレインバルブ512(例えば、パージバルブ、ドレインバルブ(後述))とを含む。サンプ70は、水が水ポンプ62によって再循環され得るように、凍結プレートから出る水を受け止めるために、凍結プレート22の下方に位置決めされ得る。水ライン63は、水ポンプ62を水分配器25に流体接続する。製氷サイクル中、ポンプ62は、水を汲み上げて、水ライン63及び分配器25に通すように構成される。以下により詳細に考察するように、分配器25は、分配器を通して付与された水を凍結プレート22の前面全体に均等に分配する水分配機能を含む。例示的な実施形態において、水ライン63は、製氷されていないときに水の少なくとも一部が分配器から水ラインを通ってサンプに排水され得るように配置される。
【0025】
例示的な実施形態において、水位センサ64は、遠隔空気圧センサ66を含む。しかし、フロートセンサ、音響センサ、または電気導通センサを含むがこれらに限定されないあらゆるタイプの水位センサが製氷機10で使用されて得ることが理解されるであろう。図示された水位センサ64は、センサをサンプ70(
図4も参照)に連結するように構成される取付金具68を含む。取付金具68は、空気圧チューブ69に流体連通する。空気圧チューブ69は、取付金具68と空気圧センサ66との間の流体連通を提供する。サンプ70内の水は、取付金具68内に空気を捕捉し、サンプ内の水位に応じて変化する量だけ空気を圧縮する。したがって、サンプ70内の水位は、空気圧センサ66によって検出された圧力を用いて決定することができる。遠隔空気圧センサを構成する水位センサの例示的な実施形態のさらなる詳細は、米国特許出願公開第2016/0054043号明細書に記載されており、この明細書は、その全体がここに参照により援用される。
【0026】
図示された実施形態において、サンプアセンブリ60は、さらに、水ポンプ62および水位センサ取付金具68の両方をサンプ70上で作動的に支持するように構成された取付プレート72を含む。取付プレート72の例示的な実施形態が、
図4に示されている。ここにその全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年1月18日付けの「ICEMAKER」と題する同時係属中の米国特許出願第16/746,828号に記載されているように、取付プレート72は、水位センサ64がサンプ内の水の量を検出するように作動する感知位置において、センサ取付金具68をサンプ70上に作動的に取り付けるための一体型センサマウント74を画定してもよい。取付プレート72はまた、サンプから水ライン63および分配器25を通して水を汲み上げるための水ポンプ62をサンプ70上に取り付けるためのポンプマウント76を画定してもよい。センサマウント74およびポンプマウント76のそれぞれは、水位センサ64および水ポンプ62のそれぞれの一方をサンプ70に取外し可能に連結することを容易にするロック機能を含んでいてもよい。
【0027】
III.コントローラ
再び
図1を参照して、製氷機10はまた、コントローラ80を含んでもよい。コントローラ80は、製氷装置20およびサンプ70から離れた場所に配置されてもよく、1つ又はそれ以上の実施形態において、1つ又はそれ以上のオンボードプロセッサを含んでもよい。コントローラ80は、冷凍システムおよび給水システムの様々な構成要素を含む製氷機10の動作を制御するためのプロセッサ82を含んでもよい。コントローラ80のプロセッサ82は、プロセッサに処理を実行させるための命令を表すコードを記憶する非一過性のプロセッサ可読の媒体を含んでもよい。プロセッサ82は、例えば、市販のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、または複数のASICの組み合わせで
あってもよく、これらは、1つ又はそれ以上の特定の機能を達成するように設計されるか、または1つ又はそれ以上の特定のデバイスまたはアプリケーションを可能にするように設計される。特定の実施形態において、コントローラ80は、アナログ回路またはデジタル回路、または複数の回路の組み合わせであってもよい。コントローラ80はまた、コントローラによって回収可能な形態でデータを記憶するための1つ又はそれ以上のメモリ構成要素(図示せず)を含んでもよい。コントローラ80は、1つ又はそれ以上のメモリ構成要素にデータを記憶するか、またはそこからデータを取り出すことができる。
【0028】
様々な実施形態において、コントローラ80はまた、製氷機10の様々な構成要素と通信及び/又はそれらを制御するための入出力(I/O)構成要素(図示せず)を備え得る。特定の実施形態において、例えば、コントローラ80は、水位センサ64、氷が採取された時期を判定するための採取センサ(図示せず)、電力源(図示せず)、氷レベルセンサ(セクションXIで後述)、及び/又は、圧力変換器、温度センサ、音響センサ、その他を含むがこれらに限定されない様々なセンサ及び/又はスイッチから、例えば、1つ又は複数の指示、信号、メッセージ、コマンド、データ、及び/又は任意の他の情報などの入力を受信してもよい。様々な実施形態において、例えばそれらの入力に基づいて、コントローラ80は、例えば圧縮機12、凝縮器ファン15、冷媒膨張装置18、高温ガスバルブ24、水入口バルブ(図示せず)、ドレインバルブ510、及び/又は水ポンプ62を、そのような構成要素に1つ又は複数の指示、信号、メッセージ、コマンド、データ、及び/又は任意の他の情報を送信することによって、制御することができる。
【0029】
IV.筐体/氷容器
図2を参照すると、製氷機10の1つ又はそれ以上の構成要素は、内部空間を画定する製氷機10の筐体29の内部に収納されてもよい。例えば、上述の製氷機10の冷凍システムおよび給水システムの一部または全部を、筐体29の内部空間内に受けることができる。図示された実施形態では、筐体29は、氷貯蔵容器アセンブリ30の上に取り付けられる。氷貯蔵容器アセンブリ30は、製氷機10によって生成された氷が落下する上部開口(図示せず)を有する氷貯蔵容器31を含む。氷は、その後、回収されるまで空洞36内に貯蔵される。氷貯蔵容器31は、空洞36およびそこに貯蔵された氷へのアクセスを提供する開口部38をさらに含む。空洞36、氷穴(図示せず)、および開口部38は、左壁33a、右壁33b、前壁34、背面壁35、および底壁(図示せず)によって形成されている。なお、氷貯蔵容器31の壁面には、氷貯蔵容器31内に貯められた氷の融解を遅らせるために、グラスファイバ断熱材や、例えばポリスチレンやポリウレタン等で構成されたオープンセル発泡体やクローズドセル発泡体等の各種断熱材を用いて断熱してもよい。ドア40は、空洞36へのアクセスを提供するために開くことができる。
【0030】
図示された筐体29は、キャビネット50(広義には固定筐体部分)およびドア52(広義には可動または取り外し可能筐体部分)から構成されている。
図2において、氷貯蔵容器アセンブリ30のドア40は、製氷機ドア52を部分的に目立たなくするように高くなっている。ドア52は、製氷機10の内部空間への選択的なアクセスを提供するために、キャビネット50に対して(例えば、ヒンジ上で)可動である。したがって、技術者は、修理またはメンテナンスのために必要に応じて、ドア52を開いて、出入り口(doorway)(図示せず;広義には、アクセス開口部)を介して製氷機10の内部構成要素にアクセスすることができる。1つまたはそれ以上の他の実施形態において、ドアは、キャビネットからドアアセンブリを取り外すことによってなど、他の方法で開かれてもよい。
【0031】
本開示の範囲内の筐体の例示的実施形態のさらなる詳細は、ここにその全体が参照により本明細書に組み込まれる、本出願譲受人による2020年1月18日付けの「Ice
Maker、IceDispensingAssembly、andMethodofDeployingIceMaker」と題する米国特許出願第16/746,835号に記載されている。
【0032】
V.内部サポート
図3~5を参照すると、図示された製氷機10は、筐体29内で製氷機の複数の構成要素を支持するように構成された一体型サポート110を含む。例えば、図示されたサポート110は、これらの構成要素の配置ずれの可能性を制限するために、サンプ70、取付プレート72、および蒸発器アセンブリ20を非常に正確な位置で支持するように構成されている。本発明者らは、水位を制御入力として使用する製氷機制御戦略では、サンプ内の水位センサの正確な配置が必要であることを認識している。水位センサの位置が所定の位置からわずかでもずれた場合(例えば、ミリメートル又はそれ以下)、制御戦略が乱れてしまう可能性がある。本発明者らはさらに、製氷機内部部品を取り付けるための従来のアセンブリの部品の集合的な寸法公差が、位置ずれを引き起こし得ることを認識している。さらに、本発明者らは、製氷機内の蒸発器アセンブリを正確に位置決めすることにより、重力駆動製氷および氷採取性能を向上させることができることを認識している。
【0033】
図示された実施形態において、サポート110は、ベース112と垂直支持壁114とを含む。図示された垂直支持壁は、第一の側壁部分116、第二の側壁部分118、および第一および第二の側壁部分の間に幅方向に延びる背面壁部分120を含む。大きな開口部122は、側壁部分116、118の前端縁マージンの間に幅方向に延びている。製氷機10が完全に組み立てられていると、この開口部122は、ドア52が開いているときに技術者が開口部を通して垂直壁に支持された構成要素にアクセスできるように、筐体29の前面出入口268(
図30)に隣接して配置される。落下口123(
図35)は、サポートのベース112に形成され、側壁部分116、118の間で幅方向に延び、かつ後壁部分120から前方に延びている。製氷機10から採取された氷は、落下口120を通って、製氷機の下に位置する氷容器30に落下することができる。
【0034】
各側壁部分116、118は、一体型の蒸発器マウント124(広義には、凍結プレートマウント)を含む。蒸発器マウント124は、製氷機10の作動位置で蒸発器アセンブリ20を支持するように構成されている。各側壁部分116、118はさらに、蒸発器マウント124の下方に離間して配置された一体型の取付プレートマウント126を含む。取付プレートマウント126は、取付プレートが水位センサ取付金具68およびポンプ62を製氷機10内の作動位置に取り付けることができるように、取付プレート72を支持するように構成されている。製氷機にサンプ70を取り付けるための一体型サンプマウント128が、各側壁部分116、118の取付プレートマウント126の下に離間して配置されている。
図3~5では、右側の側壁部分116によって画定されたマウント124、126、128のみが示されているが、左側の側壁部分118が、図示された実施形態において、実質的に同一の鏡像マウントを有することが理解されるであろう。
【0035】
マウント124、126、128を画定する側壁部分116、118の少なくとも1つは、モノリシック材料の単一片から形成される。例えば、1つ以上の実施形態において、垂直支持壁114の全体は、単一のモノリシック材料片から形成される。図示された実施形態では、ベース112および垂直支持壁114を含むサポート110全体は、単一のモノリシック材料片から形成される。1つ又はそれ以上の実施形態において、サポート110は、単一の成形片である。図示された実施形態において、モノリシックサポート110は、圧縮成形によって形成される。単一ピースからサポート110を形成することにより、複数の部品を有するサポートアセンブリで発生する公差の累積がなくなり、それにより、サポートに取り付けられる部品の配置の精度が向上する。
【0036】
蒸発器マウント124は、凍結プレート22が前方に傾斜するように、蒸発器アセンブリ20を筐体29内の垂直支持壁114に取り付けるように構成されている。これを達成するために、図示された実施形態の各蒸発器マウント124は、下部接続点130と、下部接続点から前方に離間して配置される上部接続点132とを含む。
図5に示すように、接続点130、132は、垂直支持壁114の背面壁部分120の平面BPに対して前方に角度αで傾斜して向けられる想像線IL1に沿って離間して配置される。使用時には、製氷機10は、背面壁部分120の平面BPが鉛直線垂直軸(plumbverticalaxis)VAに実質的に平行になるように配置される。このように、想像線IL1は、鉛直線垂直軸VAに対して角度αで前方に傾斜している。
【0037】
図示された実施形態において、上側および下側の接続点130、132のそれぞれは、ねじ穴を含む。使用時には、蒸発器20は側壁部分116、118の間に配置され、各ねじ穴を通して、蒸発器アセンブリ20に関連付けられた対応する予備形成されたねじ穴にねじ(図示せず)が配置される。以下に説明するように、予備形成された蒸発器ねじ穴は、蒸発器マウントねじ穴130、132と整列したときに、凍結プレート22が前方に傾斜するように配置される。一体型蒸発器マウントは、1つまたはそれ以上の実施形態において、ねじ穴以外の他のタイプの接続点を含むことができることが理解されるであろう。例えば、ねじ穴130、132のうちの1つまたは両方を、凍結プレートをサポートに適切な位置に位置決めして取り付けるために使用することができる一体型に形成されたスタッドまたは他の構造に、置き換えることが可能であることが明確に考慮されている。
【0038】
各取付プレートマウント126は、概して水平方向に離間した一対のテーパねじ穴134(広義には、接続点)を含む。同様に、各サンプマウント128は、概して水平方向に離間した一対の取付穴136(広義には、接続点)を含む。繰り返して述べると、取付プレートマウント126およびサンプマウント128の穴134、136は、1つ以上の実施形態において、他のタイプの一体型接続点で置き換えることができる。
【0039】
図4に示すように、1つ又はそれ以上の実施形態において、サンプ70は、垂直支持壁114の側壁部分116、118の間の空間内に受けられるように概してサイズ決めされ、配置されている。幅方向に離間して配置されるサンプ70の第一の端部および第二の端部のそれぞれは、離間して配置された位置にある一対の突起138を含む。サンプ70の各端部の突起138は、サンプマウント128のそれぞれの1つによって画定される一対の取付穴136内で受けられるように構成される。突起138は、取付穴136内で受けられることにより、サンプ70をサポート110の高さに沿って正確に特定された位置に位置決めする。さらに、ねじ(図示せず)が各取付穴136を通して挿入され、各突起138にねじ込まれ、サンプ70をサポート110の所定の位置に固定する。
【0040】
サンプ70と同様に、図示された取付プレート72は、幅方向に離間して配置された第一の端部と第二の端部とを含む。取付プレート114の各端部は、サポート110の対応するマウント126のねじ穴134と整列するように構成された一対の予備形成ねじ穴を画定する。ねじ(広義には、機械的ファスナ;図示せず)は、ねじ穴134を通過して、サポートの高さに沿って正確に指定された位置でサポート110に取付プレートを接続するために、取付プレート72に予備形成された穴の中へねじ込まれる。1つ又はそれ以上の実施形態において、取付プレート72をサポート110に接合するために、皿ねじ(countersunkscrew)(例えば、先細りの頭部を有するねじ)が使用される。皿ねじは、テーパ付きねじ穴134内で自然に中心合わせされる。
【0041】
一体型マウント124、126、128を有する一体型サポート110は、蒸発器アセンブリ20、取付プレート72、およびサンプ70が製氷機10内で所定の位置に確実に支持されるように使用され得ることが分かる。サポート110は、それによって、製氷中
の水の分配および氷採取の容易さ/速度などの所望の性能特性のバランスを最適化するように、凍結プレート22を位置決めしてもよい。さらに、サポート110は、センサ64を使用して水位を正確に検出するために、センサマウント74に取り付けられた圧力センサ取付金具68がサンプに対して正確に位置決めされるように、サンプ70に対して取付プレート72を位置決めしてもよい。同様に、サポート110は、ポンプがポンプマウント76に取り付けられたときに、ポンプ62がサンプ70から製氷機10を通して水を汲み上げるために正確に位置決めされるように、取付プレート72をサンプ70に関して位置決めしてもよい。
【0042】
VI.凍結プレート
図6~8を参照して、凍結プレート22の例示的な実施形態を、凍結プレートをサポート110に取り付ける蒸発器アセンブリ20の他の構成要素の説明に移る前に、ここで説明する。凍結プレート22は、製氷機10が氷を中で形成するように構成される複数の型150を画定する。凍結プレート22は、型150の開いた前端部を画定する前部と、型の閉じた後端部を画定する後部と、高さHFに沿って離間して配置された上部および下部と、幅WFに沿って離間して配置された右側部分(広義には、第一の側部)および左側部分(広義には、第二の側部)とを有する。
【0043】
本開示全体を通して、「前」、「背」、「後」、「前方」、「後方」などの用語が蒸発器アセンブリ20の任意の部分に言及して使用される場合、凍結プレート型150の開いた前端部および閉じた後端部の相対的な位置は、空間的な参照の枠組みを提供する。例えば、凍結プレート型150の開いた前端部を画定する凍結プレート22の前部は、前方向FD(
図8)において凍結プレートの後部から離間して配置されており、型の閉じた後端部に沿って延びる凍結プレートの後部は、後ろ方向RDにおいて凍結プレートの前部から離間して配置されている。
【0044】
図示された実施形態では、凍結プレート22は、凍結プレートの背面を画定する背面壁154を有する皿(pan)152を含む。皿152は、銅などの熱伝導性材料から形成され、任意に、食品安全材料で被覆される1つ又はそれ以上の表面を有することが好適である。当技術分野で知られているように、蒸発器チューブ21は、製氷サイクル中に凍結プレートを冷却し、採取サイクル中に凍結プレートを暖めるために、凍結プレート22の背面壁154に熱伝導するように連結されている。
【0045】
皿152は、さらに、背面壁154から前方に延びる周壁156を含む。周壁156は、上壁部分と、下壁部分と、右側の側壁部分(広義には第一の側壁部分)と、左側の側壁部分(広義には第二の側壁部分)とを含む。周壁156の側壁部分は、凍結プレート22の対向する側部を画定し、周壁部の上壁部分および下壁部分は、凍結プレートの上端部および下端部を画定する。周壁156は、背面壁154または皿152に接合される1つ又はそれ以上の別々のピースから形成されてもよく、または皿全体は、1つ又はそれ以上の実施形態において、単一のモノリシックな材料の部分から形成されてもよい。周壁156は、凍結プレート22を流下する水が凍結プレートの背面を通って漏れないように、背面壁154にシールされることが好適である。
【0046】
複数の高さ方向および幅方向の仕切板160、162が、氷のキューブ型150の格子を形成するために皿に固定されている。例示的な実施形態において、各高さ方向の仕切板160および各幅方向の仕切板162は、モノリシック材料の単一ピースから形成される。各高さ方向の仕切板160は、右側の側方表面(広義には第一の側方表面)と、右側の側方表面に平行に配向した左側の側方表面(広義には第二の側方表面)とを有する。各幅方向仕切板162は、底面と、底面に平行に配向した上面とを有する。高さ方向の仕切板162は、周壁156の底壁部分にシールされて接続される下端から、周壁156の上壁部分にシールされて接続される上端まで延びている。複数の幅方向の仕切板160は、同様に、周壁156の右側壁部分にシールされて接続される第一の端部から、周壁の左側壁部分にシールされて接続される第二の端部まで延びている。
【0047】
概して、高さ方向の仕切板160および幅方向の仕切板162は、周壁156内に複数の氷型150を画定するような方法で相互に連結されている。例えば、図示された実施形態において、高さ方向仕切板160のそれぞれは、垂直方向に離間して前方に開口する複数のスロット164を有し;幅方向仕切板のそれぞれは、水平方向に離間して後方に開口する複数のスロット166を有し;高さ方向仕切板および幅方向仕切板は、格子を形成するためにスロット164、166でインターロックする。各幅方向の仕切板162が、仕切板の直上に複数の型150(例えば、少なくとも3つの型)を画定し、仕切板の直下に複数の型(例えば、少なくとも3つの型)を画定することが好適である。高さ方向の仕切板160それぞれは、同様に、仕切板の一方のすぐ側方に複数の型150(例えば、少なくとも3つの型)を画定し、仕切板の反対側のすぐ側方に複数の型(例えば、少なくとも3つの型)を画定する。
【0048】
仕切板160、162のそれぞれは、前縁部と後縁部とを有する。後縁部は、好適には、凍結プレート皿152の背面壁154にシールされて接合されていてもよい。凍結プレート22が組み立てられたとき、仕切板160、162のいくつか又は全部(例えば、少なくとも幅方向の仕切板)の前縁部は、凍結プレート22の前面FP(
図8)上に実質的に横たわる。1つ又はそれ以上の実施形態において、前面FPは、背面壁154と平行である。
【0049】
凍結プレート22に形成された複数の氷型150は、高さ方向および幅方向の仕切板160、162によって実質的に全体的に画定される周縁を有する内部氷型である。氷型150のその他いくつかは、周縁の一部が凍結プレート皿152の周壁156によって形成される周縁型である。各内部氷型150は、幅方向仕切板162の1つの下面によって実質的に全体的に画定される上端と、幅方向仕切板162の隣接する1つの上面によって実質的に全体的に画定される下端とを有する。さらに、各内部型150は、高さ方向の仕切板162の右側方表面によって実質的に全体的に画定される左側面と、隣接する高さ方向の仕切板の左側方表面によって実質的に全体的に画定される右側面とを有する。
【0050】
図8に示すように、各幅方向仕切板162は、各幅方向仕切板の上面と背面壁との間の夾角βが90°より大きくなるように、凍結プレート22の背面壁154から下方および前方に傾斜している。1つ又はそれ以上の実施形態において、夾角βは、少なくとも100°で、180°未満である。各幅方向仕切板162の上面と前面FPとの間の夾角は、夾角βと実質的に等しいことが分かる。さらに、各幅方向仕切板162の底面と背面壁154との間の夾角(および各幅方向仕切板162の底面と前面FPとの間の夾角も)が、180°からβを引いた値に実質的に等しいことが分かる。皿の周壁156の上端部および下端部は、1つ以上の実施形態において、幅方向仕切板162に対して実質的に平行に配向されている。
【0051】
一連のねじ付きスタッド168が、凍結プレート22周囲の離間した位置で周壁156から外方に延びる。以下でさらに詳細に説明するように、ねじスタッド168は、凍結プレート22を、蒸発器アセンブリ20をサポート110に取り付ける蒸発器ハウジング170に固定するために使用される。スタッド168は、凍結プレートが製氷機10内に設置されたときに凍結プレートの背面壁154および前面FPが前方に傾斜するように、凍結プレート22が蒸発器ハウジング170に、さらにはサポート110に接続されるように、好適な形状と配置を有する。
【0052】
VII.蒸発器ハウジング
図9~14を参照して、蒸発器ハウジング170を次により詳細に説明する。概して、蒸発器ハウジング170は、蒸発器チューブ21および凍結プレート22を支持するように構成されている。以下でさらに詳細に説明するように、水分配器25は、蒸発器ハウジング170に直接組み込まれている(すなわち、その一部を形成している)。蒸発器ハウジング170は、下部ピース172、上部ピース174、および凍結プレート22の周囲に一緒に延びる第一および第二の側部ピース176を含むフレームを含む。下部ピース172、上部ピース174、および対向する側部ピース176のそれぞれは、1つ又はそれ以上の実施形態において、単一ピースのモノリシック材料(例えば、成形プラスチック)から形成されている。下部ピース172、上部ピース174、および対向する側部ピース176の内面は、蒸発器ハウジングの水密シールを補助するためのガスケット(図示せず)を含んでもよい。蒸発器ハウジング170の上部ピース174は、図示された実施形態において、2つのピースによる分配器25の下部ピース(広義には、第一のピース)を形成する。
【0053】
背面壁178は、組み立てられたフレームピース172、174、176、178上に、凍結プレート22の背面壁154と離間した関係で支持されている。
図14に示すように、蒸発器ハウジング170は、凍結プレート22の背面壁154とハウジングの背面壁178との間に閉鎖空間180を画定する。その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2018/0142932号に説明されているように、1つ又はそれ以上の実施形態において、2つの別々の断熱層182、184が閉鎖空間176を満たし、蒸発器チューブ21を完全に断熱する。
【0054】
下部ピース172、上部ピース174、対向する側部ピース176、および/または背面壁178は、スナップ嵌め合い機能、ボルトとナット、などの様々な方法で蒸発器ハウジング170を形成するためにそれらを一緒に組み立てるのを容易にする特徴を有していてもよい。例えば、フレームピース172、174、176のそれぞれは、凍結プレート22の周壁156の対応する壁部分のスタッド168を受けるように配置されたスタッド開口部186を含む。スタッド穴186のいくつかは、
図12に示されている。1つ又はそれ以上の実施形態において、背面壁178は、組み立てられたフレームピース172、174、176に超音波溶接によって接合される。
【0055】
図15および
図16を参照すると、ハウジングピース172、174、176が凍結プレート72にどのように取り付けられるかの一例が、より詳細に示されている。具体的には、上部ハウジングピース174が示されているが、他のハウジングピースが同様の方法で凍結プレートに取り付けられてもよいことが理解されるであろう。上部ハウジングピース174は、スタッド開口部186を画定する前部セクションを含む。図示された実施形態において、各スタッド開口部186は、環状肩部192を含む皿ねじ凹部を含む。上部ピース174は、1つのスタッド168が各スタッド開口部186内に受けられるように、凍結プレート22の上に配置される。図示された実施形態において、ガスケット194が、2つの部分の間の界面をシールするために、凍結プレート22の上部と上部ピース174の下部との間に配置されている。ナット196は、上部ピース174を凍結プレート22に取り付けるために、スタッド168それぞれに締め付けられる。さらに、ハウジング上部ピース174が分配器25の下部ピースを形成するので、スタッドにナット196を締め付けることは、図示された実施形態では、分配器を凍結プレートに直接取り付けることにもなる。各ナット196は、それぞれの皿状凹部186の肩部192に対して締め付けられる(広義には、ナットは、ハウジング上部ピース170または下部分配器ピースに対して直接締め付けられる)。図示された実施形態では、キャップ198は、皿状凹部186の頂部の上に配置されている。好適には、キャップ198の頂部は、分配器25を流れる水に滑らかな表面を提示するために、ピース174の表面と実質的に面一である。
【0056】
VIII.凍結プレートが前傾するような蒸発器アセンブリの取り付け
再び
図9および
図10を参照すると、蒸発器ハウジング170の各側部ピース176は、垂直方向に離間して配置された位置に、予備形成された下側および上側のねじ開口部200、202を含む。上側および下側ねじ開口部200、202は、サポート110のそれぞれの側壁部分116、118のねじ開口部130、132に位置合わせされて配置されるように構成されている。各側部ピース176がスタッド168を介して凍結プレート22に固定されているとき、ねじ開口部200、202は、背面壁部分154および凍結プレート22の前面FPに実質的に平行に配向した想像線IL2に沿って離間して配置されている。
図17を参照すると、ねじ(図示せず)が、整列した下側ねじ開口部130、200および整列した上側ねじ開口部132、202を介して蒸発器アセンブリ20をサポート110に固定するとき、蒸発器ハウジング170の想像線IL2は、サポートの前方に傾斜した想像線IL1と整列している。
【0057】
このように、ねじ開口部130、132、200、202は、サポート110の鉛直線垂直軸VAおよび背面BPの両方に関して、背面壁154および前面FPが前方に傾斜した角度αで配向されるように、サポート110上に凍結プレート22を位置決めする。1つ以上の実施形態において、背面壁154/前面FPと鉛直線垂直軸VA/背面BPとの間の夾角αは、少なくとも約1.5°である。例えば、例示的な実施形態では、夾角αは約2.0°である。したがって、図示された製氷機10は、背面壁154が前方に傾斜するように、凍結プレート22を筐体29内に取り付けるように構成されている。図示された実施形態では、一体型サポート110および蒸発器ハウジング170の側部ピース176が凍結プレート22を傾斜した方向に取り付けるために使用されているが、凍結プレートを取り付ける他の方法が他の実施形態で使用されてもよいことが理解されるであろう。
【0058】
製氷機の分野においては、格子状の仕切板を備えた凍結プレートを、凍結プレートの背面壁が前方に傾斜するように配向させると、製氷機の配水性能に悪影響を及ぼすと考えるのが従来の常識であった。しかし、例えば、後述する水分配機能の1つ以上を使用して達成される水分配器25によって生成される流量分配が高品質であることにより、凍結プレート22が背面壁154を前方に傾斜させて取り付けられているにもかかわらず、水は効果的に型150に分配される。さらに、傾斜した凍結プレート22は、製氷機10が重力を利用して迅速に氷を採取することを可能とする。1つ又はそれ以上の実施形態において、製氷機10は、氷が凍結プレート22の型150から解放される採取サイクルを実行するように構成されており、採取サイクル中に氷に付与される力は実質的に重力のみである。例えば、採取サイクルは、高温冷媒ガスバルブ24を作動させて、高温冷媒ガスを蒸発器チューブ21に戻るよう方向変更し、それによって凍結プレート22を暖めることによって実行される。型150内の氷は、溶融を開始し、傾斜した幅方向の仕切板162を下って、凍結プレートから外れて、氷容器30内に前方へスライドする。氷に付与される力が実質的に重力のみである採取サイクルにおいては、機械的アクチュエータ、加圧エアジェットなどは、氷を凍結プレート22から強制的に押し出すために使用されない。むしろ、わずかに溶けた氷は、重力によって凍結プレート22から落下する。
【0059】
IX.水分配器
ここで、
図9および
図18~19を参照して、分配器25の例示的な実施形態を説明する。上で説明したように、分配器は、蒸発器ハウジング170の上部ピースを形成する下部ピース174を含む。分配器25は、さらに、下部ピース174に取外し可能に係合して分配器を形成する上部ピース210を含む。図示された分配器25は、蒸発器ハウジング170に直接組み込まれた2つのピースによる分配器を含んでいるが、分配器が、他の数のピースから形成され、他の実施形態では他の方法で製氷機に取り付けられ得ることも理解されるであろう。
図9に示すように、分配器25は、凍結プレート22の上面に隣接
して蒸発器アセンブリ20に取り付けられ、凍結プレート22の幅WFに概ね沿って延びる幅WDを有する。分配器25は、凍結プレート22の右側に隣接する右端部(広義には第一の端部)から凍結プレートの左側に隣接する左端部(広義には第二の端部)まで幅方向に延びている。
【0060】
分配器25は、入口212を画定する後側の上流側の端部と、出口214を画定する前側の下流側の端部とを有する。下流側の端部は、凍結プレート22の上面前角部に隣接して幅方向に延び、上流側の端部は、下流側の端部から後方に離間した位置で幅方向に延びている。図示された実施形態において、入口212は、分配器の上流端部分の開口部によって形成され、出口214は、分配器25の露出した下側の前縁によって画定される。使用時には、この縁部は、水が縁部から凍結プレート22の上部に流れ落ちるように配置されている。他の実施形態では、入口および/または出口が他の構成を有し得ることが考えられる。
【0061】
図20に示すように、分配器25は、入口212から出口214に向かって概して前方に延びる分配器流路FPを画定する。分配器25は、概して、水が凍結プレート22の上部から下部へと凍結プレートの幅WFに沿って概して均一に流れるように、分配器流路FPに沿って分配器を通って付与された水を出口214から排出するよう指示するように構成される。以下でさらに詳細に説明されるように、分配器25は、分配器の実質的に全幅に沿って概して均一に分配されるように、分配器流路FPに沿って流れる水を導く多くの水分配機能を含む。
【0062】
下部および上部の各ピース174、210は、分配器25がどのように組み立てられ、凍結プレート22上に水を分配するために使用されるかを説明する前に、ここで詳細に説明される。
【0063】
IX.A.分配器下部ピース
図21~22を参照すると、下部分配器ピース174は、分配器25の右端部分に右端壁216(広義には第一の端壁)を有し、分配器25の左端部分に左端壁218(広義には第二の端壁)を有し、右端壁から左端壁に向かって幅方向に延びる底壁220を有する。
図23を参照すると、上で説明したように、下部分配器ピース174は、凍結プレート22に直接取り付けられている。さらに、図示された実施形態において、下部分配器ピース174は、凍結プレートの背面壁154と蒸発器ハウジング170の背面壁178との間の閉鎖空間180を埋める断熱材184と直接接触している。底壁220の前部セクション222は、上述したように分配器ピース174を凍結プレートに取り付けるために凍結プレート22の概して上方に配置され、底壁の後部セクション224は、断熱材184に直接接触するために閉鎖空間180の概して上方に配置される。
【0064】
図示された実施形態において、後部セクション224は、底壁の後端部分で下方に延びる後部脚226と、後部脚から前方に離間した位置で下方に延びる前部脚228とを含む。前部脚226及び後部脚224のそれぞれは、下部分配器ピース174の左右の端壁216、218の間に幅方向に延びている。後部脚226は、蒸発器ハウジング170の背面壁178とシールして係合している(例えば、後部脚は背面壁に超音波溶接されている)。底壁220は、前部脚226と後部脚228の間に位置する下部凹部230を画定する。下部凹部230は、左右の端壁216、218の間で幅方向に延び、閉鎖空間180の上部を形成する。したがって、断熱材184の一部は、凹部230内で受け止められ、凹部を画定する3つの側面に沿って下部分配器ピースに直接接触する。これは、分配器と蒸発器との間の熱損失と考えられる。
【0065】
図24を参照すると、図示された実施形態における各端壁216、218は、内面に沿
って形成された細長い舌部232を含む。左端壁218のみが
図24に示されているが、右端壁216も実質的に同一の鏡像舌部232を有することが理解されるであろう。細長い舌部232は、概して前後方向に、長手方向に平行に延びている。細長い舌部232は、概して、別個のファスナを使用することなく、下部分配器ピース174を上部分配器ピース210に取外し可能に連結する雄金具を形成するよう構成されている。各細長い舌部232は、前端部と、前端部から長手方向に離間した後端部とを有する。前端部と後端部との間に、各舌部はわずかな窪み234を含む。
【0066】
図19および
図20を参照すると、底壁220は、後方の上流側の端部から前方の下流側の端部に向かって概ね前方に延びている。後壁236は、底壁220の上流側の端部から上方に延びている。後壁236には、入口開口部212が形成されている。図示された実施形態では、入口開口部236は、端壁216、218の間の離間した位置で後壁236の、概して中央に位置する。したがって、広義には、水が分配器25の内部に向けられる際に通る入口開口部212は、分配器の第一の端部と第二の端部との間で幅方向に離間して配置されている。使用中、分配器25は、入口開口部212から底壁220に沿って、概して前方向FDに底壁の上流端部分から下流端部分に向かって流れるよう水を向けるように構成されている。
【0067】
一体型の入口チューブ238は、後壁236から後方に突出し、入口開口部212を介して後壁を通って流体連通する。チューブ238は、後壁236から離れて延びるにつれて、下方および後方に傾斜している。入口チューブ238は、製氷機の水ライン63(
図1)に連結されるように構成されている。したがって、氷が作られているとき、ポンプ62は、サンプ70から水を水ライン63を通して、一体型の入口チューブ238を介して分配器25に汲み上げる。製氷が行われていないとき、分配器25内の残留水は、入口チューブ238を通って、水ライン63を下って、サンプ70内に排水されることができる。
【0068】
図示された実施形態において、底壁220の後部セクション224は、底壁の実質的に幅全体に沿って下方および後方に傾斜する。逆に、底壁220の前部セクション222は、実質的に全体の幅に沿って下方および前方に傾斜する。したがって、前部セクション222は、水がそれに沿って底壁220の下流端部分に向かって前方および下方に流れる流出部(runoffsection)を形成する。傾斜した後部セクション224と傾斜した前部セクション222との間で、底壁は、幅方向溝240を含む中間セクションを含む。幅方向溝は、上部分配器ピースが下部分配器ピース174に連結されたときに、上部分配器ピース210の一部をシールして受けるように構成されている。1つ又はそれ以上の実施形態において、溝240は、幅方向に凸状である(
図33参照)。底壁220の頂部は、幅方向溝240のすぐ上流に位置している。底壁の後部セクション224は、頂点から後壁236に向かって下方に傾斜している。
図23に示すように、底壁220の後部セクション224は、頂点を画定する傾斜面242と、最後部(または最も上流側の)表面部分244(広義には、上流側区分)とを含む。傾斜面242および最後尾の表面部分244は、右端壁216から左端壁218まで幅方向に延びている。傾斜面242は、概して前方に向かって上方に傾斜し、概して後方に向かって下方に傾斜している。最後尾の表面部分244は、傾斜面242よりも緩やかに、概して前方に向かって上方に傾斜している。最後尾の表面部分244は、図示された実施形態の傾斜面よりも緩やかな角度で、最後尾の表面部分が概して後方方向に下向きに傾斜するように、傾斜面242に対して180°未満の角度で配向されている。
【0069】
底壁220は、製氷機10が製氷を停止したときに分配器25から受動的に水を排水するように構成されている。製氷機10が製氷を停止するたびに、分配器25の前部の残留水は、底壁220の傾斜した前部セクション222(流出セクション)に沿って前方に流れ、出口214から凍結プレート22上に排水される。同様に、分配器25の後部の残留水は、傾斜した後方セクション224に沿って後方に流れ、入口開口部212を通って入口チューブ238に排水される。前方に向けられた水は、凍結プレート22に沿って下方に流れ、凍結プレートから落ちてサンプ70に流れ込む。後方に向けられた水は、水ライン63を通ってサンプ70内に下向きに流れる。したがって、分配器25は、製氷機10が製氷していないときに、実質的にすべての残留水をサンプ70に向けるように構成されている。さらに、1つ又は複数の実施形態では、サンプ70は、製氷機10が使用されていないときに、ドレイン通過部78を介して、そこに受けた水の実質的にすべてを排水するように構成される。見られるように、分配器25の底壁220の形状は、製氷が行われていないときに製氷機10の全体的な受動的な排水を容易にする。
【0070】
図21を参照すると、横方向迂回器(lateraldiverter)壁246は、最後尾の表面部分244に沿って底壁220から上方に延びている。横方向迂回器壁246は、後壁236と傾斜面242との間に離間して配置されている。横方向迂回器壁246は、底壁220から、組み立てられた分配器25の上面よりも下に離間して配置された上端部に向かって上方に延びている(
図20参照)。迂回器壁246は、右端壁216から離間した右端部分(広義には第一の端部)から、左端壁216から離間した左端部分(広義には第二の端部)まで幅方向に延びている。横方向迂回器壁246は、入口開口部214の前に配置されている。水が入口開口部を通って分配器25に流入すると、横方向迂回器壁246は、水の少なくとも一部を横方向外側に迂回させるように構成されており、水は横方向迂回器壁の左右の端部の周りに流れるように強制される。
【0071】
図20Aおよび
図23を参照すると、底壁220の下流端の端部は、右端壁216から左端壁218まで幅方向に延びる下向きに湾曲した表面張力曲線247を画定している。下向きに湾曲する表面張力曲線247は、表面張力により、底壁220に沿って流れる水が曲線に付着し、曲線により下方に向けられ、凍結プレート22の上端部分に向かうように構成されている。1つ又はそれ以上の実施形態において、表面張力曲線270は、少なくとも1mmの半径Rによって少なくとも部分的に画定される。特定の実施形態において、表面張力曲線270は、10mm未満の半径によって画定される。1つ又はそれ以上の実施形態において、表面張力曲線270は、1mmから3mmの包含範囲の半径によって画定される。例示的な実施形態では、表面張力曲線270は、1.5mmの半径によって画定される。
【0072】
底壁220はさらに、表面張力曲線274から分配器212の出口214を画定する底縁まで概して下方に延びる滝面(waterfallsurface)249を含む。滝面249は、右端壁216から左端壁218まで幅方向に延びている。滝面249は、概して、表面張力により、分配器25を通って付与された水が滝面に付着し、滝面に沿って下向きに流れて、凍結プレート22の上端部分に到達するように構成されている。1つ又はそれ以上の実施形態において、滝面249は、滝面が前方に傾斜した凍結プレート22の背面壁254(および前面FP)に概して平行に配向するように、製氷機10において前方に傾斜している。
【0073】
IX.B.上部分配器ピース
図25~27を参照すると、上部分配器ピース210は、分配器25の右端部分に右端壁250(広義には第一の端壁)を有し、分配器25の左端部分に左端壁252(広義には第二の端壁)を有する。上部分配器ピース210の幅は、上部分配器ピースが下部分配器ピースの端壁216、218の間に入れ子となる(nest)ように構成されるように、下部分配器ピース174の幅よりもわずかに小さい。
【0074】
図28を参照すると、図示された実施形態における各端壁250、252は、外面に沿
って細長い溝254を含む。
図28には左端壁252のみが示されているが、右端壁250が実質的に同一の鏡像溝254を有することが理解されるであろう。概して、細長い溝254は、細長い舌部232によって形成された雄金具と嵌合して、別個のファスナを使用することなく、上部分配器ピース210を下部分配器ピース174に取外し可能に連結するための相補的な雌金具を形成するように構成されている。細長い溝254は、概して前後方向に長手方向に延び、概して平行である。各細長い溝254の後端部分は、それぞれの細長い舌部174が溝内へ通過することができる開いた(flared)開口部を画定する。各端壁はさらに、溝254の前端部と後端部との間に離間した位置で溝の中へ突出する突起256を画定する。
【0075】
再び
図25~27を参照すると、上部分配器ピース210は、右端壁250から左端壁252まで幅方向に延びる上部壁258を含む。上壁258は、後端縁マージンから概して前方に延びている。前壁260は、上壁の前端部分から自由な下端縁マージンまで概して下方に延びている。2つのハンドル部分262は、図示された実施形態において前壁260から前方に延びている。
【0076】
図26~27に示すように、上部分配器ピース210は、さらに、後端縁マージンと前壁260との間に離間した位置で上壁258から下方に延びる堰264を含む。堰264は、右端壁250から左端壁252まで幅方向に延びており、下部分配器ピース174の幅方向溝240内で受けるように構成された自由な下端縁マージンを有する。
図27に示すように、堰264の下端縁マージンは、幅方向に凸状である。堰264は、分配器25の幅WDに沿って離間して配置された複数の開口部266を画定する。開口部266の下方にある堰264の下部は、水位が開口部の下部に達するまで水を保持するように構成されている。開口部266は、水が分配器25を通って付与される際に、開口部を通過することができるように構成されている。隣接する開口部は、堰264の部分によって分離されており、堰は、水が分配器25の幅WDに沿って(開口部を通って)離間した区分(segment)で横断することを可能にする区分けされた堰を形成するように構成されている。
【0077】
IX.C.2つのピースによる分配器のアセンブリ
図29~30を参照して、分配器25を組み立てるために、上部分配器ピース210は、下部分配器ピース174の端壁216、218の間の空間に幅方向に整列される。次いで、上部ピース210は、下部ピースの細長い舌部232が上部ピースの細長い溝254内で摺動可能に受けられるように、後壁216、218の間の空間内へ後ろ方向RDに移動される。
【0078】
図30に見られるように、蒸発器アセンブリ20は、上部ピース210がキャビネット50の出入口のようなアクセス開口268を介して取り付け/取り外し可能であるように、製氷機筐体29の内部に好適に配置されている。図示された実施形態において、出入口268は、蒸発器アセンブリ20の前方向FDにおいて、蒸発器アセンブリ20の前方から離間して配置されている。さらに、サポート110の前面開口部122は、蒸発器アセンブリ20の前面と出入口268との間に位置している。このように、上部分配器ピース210は、出入口268および開口部122を通って後ろ方向RDにピースを移動することによって取り付けることができる。上部分配器ピース210は、開口部122及び出入口268を通ってピースを前方向FDに移動させることによって取り外される。
【0079】
各舌部232は、上部分配器ピース210が後ろ方向RDで下側分配器ピース174に向かって移動する際に、それぞれの溝254内で摺動可能に受けられるように構成されている。すなわち、舌部232および溝254の平行な長手方向の配向は、上部分配器ピース210を後ろ方向RDに移動させるだけで、トップ分配器ピース210を下部分配器ピ
ース174に連結することを容易にする。このように、舌部232及び溝254によって形成された相補的な金具は、上部分配器ピース210が出入口268から筐体29の内部に内向きに移動することによって係合するように構成されている。さらに、相補的な金具232、254は、上部分配器ピース210を下部分配器ピース174から出入口268に向かって前方向FDに離れるように付勢するだけで係合が解除されるように構成されている。分配器25のメンテナンスまたは修理が必要な場合、技術者は、単にドア52(
図2)を開き、ハンドル262を握り、上部分配器ピース210を、出入口268を通って前方向FDの外側に引っ張るだけである。上部分配器ピース210を交換するために、技術者はピースを出入口268を通して挿入し、溝254の開いた端部を舌部232と位置合わせし、上部ピースを後方に押し出す。次に、舌部232は、溝254内に摺動可能に受けられ、相補的な金具は、それによって、ねじまたはリベットなどのような追加のファスナを使用することなく、上部分配器ピース210を下部分配器ピース174に連結させる。
【0080】
図示された実施形態では、下部分配器ピースの細長い舌部232を雄金具として、上部分配器ピースの細長い溝254を相補的な雌金具として使用するが、1つ又はそれ以上の実施形態では、1つの分配器ピースを別の分配器ピースに取外し可能に連結するために、他の形態または配置の相補的な一体型金具を使用してもよい。例えば、特定の実施形態では、1つ又はそれ以上の雄金具が上側の分配器ピースに形成され、1つ又はそれ以上の相補的な雌金具が下側の分配器ピースに形成され得ることが明らかに考慮されている。取付金具は、分配器の端部以外の代替的または追加的な位置に形成され得ることもさらに考慮される。
【0081】
図31を参照すると、相補的な取付金具の各対は、それぞれの溝254に沿って、それぞれの舌部232を連結位置に保持するように構成された抑止部(detent)を含む。より具体的には、溝254内に形成された突起256は、相補的な取付金具が連結位置にあるときに舌部232の窪み234内で受けられ、抑止部を提供するように構成されている。抑止部は、上部分配器ピース210の下部分配器ピース174からの不注意な外れに抵抗し、舌部232が溝254に沿って連結位置にスライドするときに触覚的なスナップ感を提供する。抑止部は、1つ又はそれ以上の実施形態において他の方法で形成され得ることが理解されるであろう。
【0082】
図20および
図32を参照すると、上部分配器ピース210が分配器ピースを連結するために後ろ方向RDにスライドすると、堰264の下端縁マージンは、底壁220の下流側(前側)セクション222に沿ってスライドする。上部分配器ピース210が連結位置に達すると、堰264の下端縁マージンは溝240内に受けられる。1つ又はそれ以上の実施形態において、堰264を溝240内に配置することは、上部分配器ピース210を下部ピース174との小さい干渉を越えて後方に押すことを必要とする。堰264の下端縁マージンが溝240内に受けられると、堰は、分配器流路FPに沿って流れる水が堰の下端縁マージンと底壁との間の界面を流れることを抑制し、代わりに複数の開口部266を通って堰を横切るように導かれるように、底壁220とシールして係合する。
【0083】
堰264は、前壁260と後壁236との間に離間した位置で、組み立てられた分配器25の中間セクションに沿って幅方向に延びている。分配器25のこの中間セクションにおける上部分配器ピース210と下部分配器ピース174との間の唯一の連結手段は、分配器の左右の端部に設けられた、さねはぎ(tongue-and-groove)接続部である。したがって、図示された実施形態において、分配器25の中間セクションは、下部分配器ピース174に対する上部分配器ピース210の上方移動を制限する第一および第二の端部における連結部を含むが、これらの連結部の間の位置において、分配器の中間セクションに沿って下部分配器ピースに対する上部分配器ピースの上方移動に対する制
限は実質的に存在しない。しかし、堰264の下端縁マージンは凸状であり、対応して溝240は幅方向に凹状であるので(
図32)、使用中に分配器ピース174、210が撓み変形しても、堰と底壁220との間のシールは維持され、水は、堰と底壁との間の界面を通って下向きに流れるのではなく、開口部266を通って流れるように高い信頼性で向けられる。
【0084】
IX.D.分配器を通る水の流れ
図20を参照すると、分配器25は、水が底壁と上壁220、258の間の流路FPに沿って流れ、次に、表面張力曲線247および滝面249に沿って凍結プレート22の上部へ下向きに向けられるように、水が入口212から出口214に流れるよう向けるように構成されている。最初は、水は、入口チューブ238から後壁236の入口開口部212を通って概して前へ流れる。次いで、水は、横方向迂回器壁246にぶつかる。横方向迂回器壁246は、水が横方向迂回器壁の端部と分配器25の端部との間の幅方向の隙間を通って前進し続けるように、水の少なくとも一部を横方向外方に迂回させる。
【0085】
横方向迂回器壁246を流れ過ぎた後、水は、傾斜面242および区分けされた堰264にぶつかる。傾斜面242は、堰264のすぐ上流にあり、分配器25の底壁220に沿って流れる水は、堰を横切る前に傾斜面に沿って上方に流れなければならない。堰264は、開口部266が底壁220の上に離間して配置されるように構成されている(例えば、開口部の下端は、傾斜面242の頂点の上に離間して配置されている)。したがって、図示された実施形態において、水は、堰を横切って開口部266を通って流れることができるようになる前に、傾斜面242に沿って上方に流れ、堰264の高さの一部に沿って上方に流れなければならない。1つ又はそれ以上の実施形態において、堰264は、堰の上流側の分配器25の部分が、水が開口部を通って堰を越えて流出し始める前に、概して開口部266の底縁の高さに対応するレベルまで水を溜め戻す(backfill)ように構成されている。特定の実施形態において、傾斜面242は、分配器25の上流部分が開口部の底縁の高さに対応するレベルまで水で満たされる前に、傾斜面に沿って前方向FDに流れる水の少なくとも一部が開口部266を通って流れるよう向けることができる。水は、堰264を横切って流れた後、底壁220の傾斜した前部流出部222上を下方に落下し、下方及び前方に向かって流れる。
【0086】
示されているように、前部流出部222の後部上端縁は、開口部266の下で、傾斜面242の頂点よりも著しく大きな距離だけ離間して配置されている。したがって、水は、区分けされた堰264から前部流出部222に比較的大きな距離を落下し、これは、衝突時に乱流を生じさせ得て、分配器25内の水の分布を向上させる。1つ又はそれ以上の実施形態において、開口部266の下端縁と前部流出部222の後部上端縁との間の垂直距離は、例えば約12~13mmなどの、例えば少なくとも10mmなどの、例えば少なくとも7mmなどの、少なくとも5mmである。
【0087】
図20Aを参照すると、組み立てられた分配器25において、上部分配器ピース210の前壁260は、底壁220から張り出す、張り出した前壁を形成する。前壁260の下端縁マージンは、底壁220の前方/下方に傾斜した前部流出部222の上に離間して配置され、流出部と張り出した前壁との間に流量制限器270が画定される。流量制限器270は、分配器25の第一の端部と第二の端部との間で幅方向に延びる隙間(例えば、連続的な隙間)を含む。概して、流量制限器270は、水が流量制限器を通って出口214に向かって流れる速度を制限するように構成されている。1つ又はそれ以上の実施形態において、流量制限器270は、流出部222から前壁260の下部まで垂直に延びる高さが、例えば2~3mm程度などの、例えば5mm未満などの、例えば7mm未満などの、10mm未満である。
【0088】
前部セクション222に沿って前方に流れる水は、流量制限器270に達し、流量制限器は、水の流れを停止させるか、または遅くする。1つ以上の実施形態において、張り出した前壁260は、一種の逆の堰として機能する。流量制限器270は、水が分配器25の前側部分をわずかに溜め戻し始める地点まで水の流れを遅くする。これは、流量制限器270の背後に水の小さな貯水池を作成する。計量された量の水が、この溜め戻した貯水池から、分配器25の実質的に全幅WDに沿って、流量制限器270を通って連続的に流れる。
【0089】
表面張力曲線247、およびより広義には底壁220の下流側の端部は、張り出した前壁260および流量制限器270の前方に盛り上がっている。水が流量制限器270を通って流れた後(例えば、計量された後)、水は、概して前方に流れるように、下向きに湾曲した表面張力曲線247に付着する。表面張力曲線247は、水を下向きに滝面249に向ける。水は、滝面249に付着し、それに沿って下向きに流れる。最終的に、水は、滝面249の出口縁214から凍結プレート22の上端部分に排出される。
【0090】
横方向迂回器壁246、傾斜面242、区分けされた堰264、流量制限器270、表面張力曲線247、および滝面249のうちの1つ又はそれ以上のような水分配機能によって、水は、分配器25の幅WDに沿って実質的に均一な流量で排出口214から排出される。このように、分配器25は、分配器を通って付与された水が、製氷サイクルの間、凍結プレート22の前面に沿って、凍結プレートの幅WFに沿って概ね均一に下向きに流れるように向ける。さらに、分配器25は、水が下向きに流れる際に、水が凍結プレート22の前部の表面に概して付着するように、水の流れの動態(dynamics)を制御する。このように、分配器25は、氷が凍結プレート22の高さHFおよび幅WFに沿って概して均一な速度で形成されることを可能にする。
【0091】
X.使用
再び
図1を参照すると、使用中、製氷機10は製氷サイクルと採取サイクルを交互に繰り返す。各製氷サイクル中、冷凍システムは、凍結プレート22を冷却するように作動される。同時に、ポンプ62は、水をサンプ70から水ライン63を通して、さらに分配器25を通して送る。分配器25は、凍結プレート22の上部に沿って水を分配し、水は凍結プレート22の高さHF及び幅WFに沿って概ね均一な速度で型150内で氷に凍結する。氷が採取に適した厚さに達すると、ポンプ62が止められ、高温ガスバルブ24は、高温の冷媒ガスを蒸発器チューブ21に転送する。高温ガスは凍結プレート22を暖め、氷を融解させる。溶け始めた氷は、前方に傾斜した凍結プレート22から容器30内に重力によって落下する。採取が完了すると、ポンプ62を再起動して新しい製氷サイクルを開始することができる。しかし、追加の氷が必要でない場合は、ドレインバルブ510が開かれる。分配器25内の残留水は、上述のようにサンプ70に排水され、サンプからの水はドレイン通過部78を通って排水される。ドレインバルブ510は、水位センサ64がサンプ70が空になったことを検出すると閉じられてもよい。分配器25の修理やメンテナンスが必要な場合、技術者は、上述したように、筐体のドア52を開けて上部ピース210を引き抜くだけでよい。上部分配器ピース210を取り外して交換する際には、ファスナは使用されない。
【0092】
XI.氷レベル検出
ここで、
図33~34を参照すると、図示された製氷機10は、製氷機が使用されている間、容器30内の氷のレベルを検出するように構成された氷レベルセンサ310を含む。氷レベル検出のための様々な用途が知られている、または当業者には知られるようになるであろう。例えば、氷レベルセンサは氷容器が氷でいっぱいであることを示すときに製氷機を停止することが知られている。
【0093】
1つ又はそれ以上の実施形態において、氷レベルセンサ310はTOFセンサを含む。概して、好適なTOFセンサ310は、光源314、光子検出器316、およびオンボード制御および測定プロセッサ318を含むセンサボード312(例えば、プリント回路基板)を含んでもよい。例示的なTOFセンサボードは、STMicroelectronics,Inc.からFlightSense(登録商標)の名称で販売されている。本開示の範囲内のTOF型センサの特定の非限定的な実施形態は、米国特許出願公開第2017/035136号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。広義に述べると、光源314は、第一の時点に、ターゲットに向かって光パルスを放射するように構成されている。光子検出器316は、第二の時点に、TOFセンサ310に戻る光パルス信号の目標反射光子を検出するように構成されている。制御および測定プロセッサ318は、光源を指示して光パルスを放射させ、第一の時点と第二の時点との間の経過時間(TOF)を決定するように構成されている。1つ又はそれ以上の実施形態において、制御および測定プロセッサ318は、決定された経過時間に基づいて、TOFセンサとターゲットとの間の距離を決定し、決定された距離を代表する信号をセンサボード312に出力させるようにさらに構成されている。特定の実施形態において、製氷機コントローラ80は、センサボード312から測定信号を受信し、測定信号を使用して製氷機を制御するように構成される。
【0094】
図示された実施形態において、TOFセンサ310のターゲットは、氷容器30の内部内の最上段の表面である。すなわち、TOFセンサ310は、製氷機10の下部を通る光パルスを氷容器30の下部に向けるように構成されている。光パルスは、氷が存在しない場合には氷容器30の底面から、氷が存在する場合には氷容器内で受けた氷の上面から反射する。光子の飛行時間(TOF)に基づいて、制御および測定プロセッサ318は、光子が移動した距離を決定し、これは、氷容器30内に存在する氷のレベル(広義には、嵩または量)を示し、例えば、決定された距離は、氷容器内の氷の量に反比例する。TOFセンサ310は、容器内の氷のレベルの迅速で非常に正確な指示を提供することができる。さらに、容量式センサ、超音波センサ、赤外線センサ、または機械式センサを利用する従来の氷レベル検出システムと比較して、TOFセンサ310が、氷容器の典型的な暗い不規則な形状の状態において、はるかに高い測定精度および応答性を提供することがわかっている。
【0095】
図34~37を参照すると、1つ又はそれ以上の実施形態において、一体型サポート110は、TOFセンサ統合のために構成され、配置されている。例えば、図示された実施形態において、サポート110の底壁112は、TOFセンサ310が光パルスを放射し、反射光子を受信するように構成されているセンサ開口部320を画定する。1つ又はそれ以上の実施形態において、センサ開口部320は、垂直支持壁114の後側に位置している。センサ開口部320が、底壁112の上面から下面まで、底壁112の厚さ全体を通って延びることが好適である。したがって、センサ開口部320は、センサ開口部の周囲に周方向に延び、底壁の厚さに沿って高さ方向に延びる底壁112の内周面322によって画定される。図示された実施形態において、センサ開口部320の外周面は、一般に円形である;しかし、1つ又はそれ以上の実施形態において、他の形状のセンサ開口部が使用されてもよい。
【0096】
図示された実施形態において、サポート110の垂直に延びる支持壁114は、TOFセンサ310をサポートに取り付けるように構成された一体型に形成されたセンサマウント324(
図36)を含む。図示されたセンサマウント324は、垂直に延びる支持壁114の側壁部分116に形成された一対の一体型接続点326を含む。1つ又はそれ以上の実施形態において、各接続点326は、一体型のねじ穴を含む。図示された実施形態において、各接続点326は、側壁部分116の主側表面から横方向に突出したボスと、ボス内に形成されたねじ穴とを含む。TOFセンサ310は、ねじ穴を介して垂直に延びる
支持壁114に連結するように構成された取付ブラケット330を含む。以下でさらに詳細に説明されるように、取付ブラケット330は、光源314がセンサ開口部320を介して光パルスを氷容器30の下部に向かって放射することができるように、また、光子検出器316がセンサ開口部を介して氷容器から反射された光子を検出することができるように、TOFセンサボード312を取り付ける。
【0097】
上記セクションVで提供された垂直に延びる支持壁114の記載から当業者には明らかなように、垂直に延びる支持壁は、製氷機10の食品安全側を非食品安全側から分離することができる。示された実施形態では、センサ開口部320は、製氷機10の非食品安全側(例えば、垂直に延びる支持壁114の後方)に位置し、これにより、TOFセンサ310を、採取中に落下する氷の壁から離れて、製氷機の非食品安全側に取り付けることができる。ドレイン通過部及び特定の電気及び冷凍システム構成要素もまた、1つ又は複数の実施形態において、製氷機10の非食品安全側に配置される。対照的に、氷落下開口部123及び氷形成装置20は、製氷機10によって製造され、ビン30に採取された氷が、非食品安全側に含まれる可能性のある非食品安全機器によって汚染されることがないように、食品安全側に配置される。
【0098】
製氷機10および氷容器30の食品安全側のセンサ開口部320を介した汚染を防止するために、図示されたTOFセンサ310は、センサ開口部を密封するためにサポート110の底壁112とシールして係合している。より具体的には、図示されたTOFセンサ310は、センサ筐体332と、センサ筐体と底壁112との間でシールして圧縮するガスケット334と、を含む。
【0099】
図示された実施形態において、筐体332は、ベースピース336と、ベースピースに、例えばねじのような取り外し可能なファスナを介して、ベースピースに取外し可能に固定される取付ブラケット330のカバー部分338とを含む。ベースピース336は、筐体332の下部壁を画定し、取付ブラケット330のカバー部分338は、筐体の上部壁を画定する。1つ又はそれ以上の実施形態において、カバー部分338は、カバー部分とベースピースとの間に内部チャンバ340(
図37)を画定するようにベースピース336に接続されている。TOFセンサボード312は、筐体332の内部チャンバ340内で作動的に受けられる。1つ又はそれ以上の実施形態において、内部チャンバ340は、内部チャンバ内で受けられたTOFセンサボード312を保護するために、周囲環境からシールされてもよい。例えば、圧縮可能なガスケット(図示せず)をベースピースとカバー部分との間に圧縮して、その間の界面をシールしてもよい。
【0100】
図示された実施形態において、センサ筐体332の下部壁は、窓開口部342を画定する。窓ガラス344が、窓開口部342の反対側で下部壁に取り付けられている。窓ガラス344は、TOFセンサボード312の光源314によって放射される光パルスを透過させる性質であり、したがって、同様に、氷および/または氷容器から光子検出器316に反射される光子も透過させる性質であることが好ましい。
【0101】
図37を参照して、図示された実施形態では、窓開口部342は、下部壁に形成された環状窓枠346によって画定される。窓枠は、下部壁から上方に突出する内側環状突起348と、下部壁から下方に突出する外側環状突起350とを含む。内側環状突起348は、窓ガラス344を支持する環状肩部352を画定する。好適には、窓ガラスは、窓ガラスが窓開口部342をシールするように、環状肩部352とシールして係合する。1つ又はそれ以上の実施形態において、窓ガラス344と窓枠346との間のシールは、窓ガラスを窓枠に接着する接着剤(図示せず)によって形成される。特定の実施形態では、窓ガラスは、窓ガラスが環状肩部に対して環状ガスケット(図示せず)を圧縮して窓ガラスと窓枠との間のシールを形成するように窓枠に固定されてもよい。窓ガラス322とベースピース336の下部壁との間にシールを提供することにより、センサ筐体がセンサ開口部320をシールすることが可能になることは明らかであろう。
【0102】
図33を参照すると、センサ筐体332のベースピース336は、窓ガラス344からの正確な垂直方向の間隔距離VSDでセンサボード312を内部チャンバ340に取り付けるように構成された一体型のボードマウント354を含む。例えば、図示されたボードマウント354は、光源314が窓ガラス344の上面から垂直方向に0.0mm以上、0.5mm以下(例えば、0.05mm~0.45mm)の間隔距離VSDで離れているようにボード312を取り付けるように構成されている。垂直方向の間隔距離VSDの大きさは、部品間の関係をより良く図示するために、
図33の概略図では誇張されている。しかし、
図37は、窓ガラス344とセンサボード312の相対的な位置を正しい縮尺で描いている。
【0103】
望ましい間隔距離VSDでボードを確実に取り付けるための任意の適切なボードマウントが、本開示の範囲から逸脱することなく使用され得る。
図38を参照すると、1つ又はそれ以上の実施形態において、ボードマウント354は、ベース336の下部壁から上方に延びる、またはカバーの上壁から下方に延びる、少なくとも1つの一体型の取付ボス356(広義には、少なくとも1つまたは複数の一体型の接続点)を含んでもよい。図示された実施形態では、ボードマウント354は、ベースピース336の下部壁から上方に延びる3つの間隔をあけて配置された取付ボス356を含む。好適には、各取付ボス356は、センサボード312をセンサ筐体332に固定するために、センサボード312のそれぞれのファスナ開口部を通って延びる取り外し可能なファスナ357(例えば、ねじなどの、ねじ付きファスナ)を受けるように構成されている。取付ボス336は、窓枠肩部352の高さに相対的に規定される高さを有しており、これにより、センサボード312が適切な間隔距離VSDで確かに取り付けられることが分かる。(1つ又はそれ以上の実施形態において、ベースピース336は、適切な間隔距離VSDを確保するために非常に厳しい公差で製造された射出成形プラスチック部品であり得る。)
【0104】
図37を参照すると、ガスケット334は、センサ筐体332の下部とサポート110の底壁112とに概ね対応する形状(例えば、逆さシルクハット形状)を有している。例えば、図示されたガスケット334は、窓枠346の外側環状突起350の周りに周方向に延びるように構成されたチューブセクション360を含む。チューブセクション360は、垂直なチューブ軸VTAを有し、垂直なチューブ軸に沿って下端部分から上端部分まで延びている。チューブセクション360の内周面は、その全周について外側環状突起350の外周面と適合的に係合するように構成されている。チューブセクション360の外周面は、その全周について製氷機サポート110の底壁112の内周面322と適合的に係合するように構成されている。1つ又はそれ以上の実施形態において、チューブセクション360は、外側環状突起350の外周面と底壁112の内周面322との間で(垂直なチューブ軸VTAに関して)放射方向に圧縮されている。
【0105】
図示されたガスケット334は、さらに、チューブセクション360の上端部分から放射方向外側に延びるフランジセクション362を含む。フランジセクション362の上面は、ベースピース336の下部壁の下面に適合的に係合し、フランジセクション362の下面は、センサ開口部320に隣接する底壁112の上面に適合的に係合する。フランジセクション362は、ベースピース336の下部壁とサポート110の底壁112との間で軸方向に(垂直チューブ軸VTAに関して)圧縮されている。図示された製氷機10は、TOFセンサ310が作動するセンサ開口部310をシールするために、逆さシルクハット形状を有するTOFセンサガスケット334を利用しているが、センサ開口部をシールするための他の構成も、本開示の範囲から逸脱することなく可能であることが理解されるであろう。
【0106】
図34を参照して、図示された実施形態では、取付ブラケット330は、ベースピース336の下部壁が軸方向に(垂直チューブ軸VTAに関して)製氷機サポート110の底壁部112に対してフランジセクション362を圧縮するように、センサ筐体332を支持する。取付ブラケット330は、センサマウント324の近傍で垂直に延びる支持壁114の側壁部分116に沿って延びるように構成された、概して垂直に前後に延びる取付フランジ部分372を含む。取付フランジ部分372は、取付ブラケットを垂直に延びる支持壁114に取り付けるために、垂直に延びる支持壁114の接続点326に、それぞれの取り外し可能なファスナがその穴を通って延びて再調節可能に固定されるように構成された第一および第二のねじ孔374を有する。概して垂直で横方向に延びる連結ウェブ部分(connectingwebportion)376は、垂直に延びる支持壁114の後壁部分120に沿って、取付フランジに対して横方向(例えば、垂直方向)に相対的な角度で延びている。概して水平なカバー部分338は、連結ウェブ部分376の下端に連結されており、ベースピース336の上面を越えて後方に延びている。上で説明したように、ベースピースは、カバー部分338に固定されて、センサ筐体332を形成する。
【0107】
多くの条件下での氷レベルの高精度な測定を提供することに加えて、図示されたTOFセンサ310は、有利なことに、製氷機の寿命にわたって氷レベルの測定精度を維持するためにTOFセンサの定期的な整備を容易にする。製氷機10を整備する1つの例示的な方法において、TOFセンサ310にアクセスするために、キャビネット29のアクセスパネルが取り外される。その後、取付ブラケット330を接続点326に接続する取り外し可能なファスナが取り外される(例えば、ねじが外される)。次に、ユーザは、TOFセンサ310を製氷機10からユニットとして取り外すことができる。例えば、1つ又はそれ以上の実施形態において、ユーザは、筐体332および取付ブラケット330を一緒に持ち上げて、センサ開口部320からセンサ310を取り外す。場合によっては、ガスケット334は、筐体332と共に取り外されてもよく、他の場合には、ガスケットは、開口部320内に残っていてもよい。いずれの場合も、接続点326から取り外し可能なファスナを取り外した後、TOFセンサ310を製氷機10の底壁112から分離して、センサ開口部320を露出させる。
【0108】
TOFセンサ310が取り外されると、ユーザは、様々な整備またはメンテナンス作業を実行することができる。例えば、1つ又はそれ以上の実施形態において、ユーザは、TOFセンサのソフトウェアまたはファームウェアを更新したり、保存されたデータをTOFセンサから取得したり、その他の制御またはデータ処理作業を実行したりするプロセッサをTOFセンサ310に接続してもよい。例示的な実施形態において、ユーザは、TOFセンサ310が製氷機から取り外されたときに、窓ガラス344の外表面を清掃する。窓ガラス344を清掃することは、製氷機の使用中に窓ガラス上に形成されるかもしれない破片および水垢(scale)(例えば、鉱物堆積物)を除去することを含む。窓ガラスを清潔に維持することは、TOFセンサ310の長期的な精度を確保するために重要であるかもしれない。例えば、破片や水垢は、TOF測定に利用される光子に対する窓ガラス344の透明度を曇らせる可能性がある。このように、破片や水垢を定期的に除去することは、TOFセンサ310が意図された通りに安定して機能することを確かにする。
【0109】
窓ガラス344が清掃された後、および/または別のTOFセンサ整備作業が実行された後、センサ310をユニットとして再設置することができる。センサ筐体332及びブラケット330は、センサ開口部320を覆うようにユニットとして位置決めされる。加えて、製氷機10内でセンサ310を再設置するステップは、好適に、センサ筐体332とサポート110の底壁112との間のシールを再確立する。例えば、TOFセンサ310は、ガスケット334が底壁112と筐体332との間で圧縮されるように再設置される。TOFセンサを再設置した後、取り外し可能なファスナを取付ブラケット330の孔374を通して挿入し、垂直支持壁114の接続点326に固定する。
【0110】
TOFセンサ310が動作不能になることがもしもあれば、既存のユニットが上記で記載されている再設置と同様の方法で、新しいTOFセンサを設置することも可能である。
【0111】
したがって、サポート110及びTOFセンサ310は、製氷機10からTOFセンサを定期的に取り外すことを容易にするように構成されていることが分かる。定期的な取り外しにより、必要に応じてTOFセンサ310を維持、更新、及び/又は交換し、氷レベル感知測定の精度を維持することができる。さらに、製氷機10は、TOFセンサが作動位置に配置されたときに、製氷機の食品安全側のシールが確実に保持されるように、TOFセンサ310の取り外し及び再設置/交換を容易にする。さらに、TOFセンサ310は、製氷機10の非食品安全側に取り付けられているため、使用中は氷の採取の邪魔にならない。
【0112】
XII.重力ドレイン
通常、製氷機製造業者は、ポンプが製氷機サンプから水を排出するように製氷機を設計・製造する。例えば、分配器を通して水をサンプから再循環させる同じポンプを、水をサンプから排水するために汲み上げることができる排出通路に選択的に(例えば、排出バルブを介して)連結することもできる。ドレインポンプは、サンプより上方に取り付けられる場合、サンプのレベルより上方又はサンプのレベルにある通路を介して排水を排出するように動作する。これとは対照的に、重力ドレインは、ドレイン通過部をサンプの下に位置決めする必要がある。この点を考慮し、製造業者は受動的重力ドレインの代わりに能動的排水ポンプを利用するようにしている。
【0113】
受動的重力ドレインの通路は、機能するためにサンプの下に配置する必要がある。しかしながら、業務用製氷機では、製氷機キャビネットの底部を通してドレイン通過部を開けることはできない。製氷機キャビネットの底部は氷容器又は分配器ユニットの上に直接支持される必要があるからである。したがって、受動的重力ドレインを備えた業務用(底部が平坦)製氷機は、(i)サンプの下に位置し、(ii)サンプから製氷機の側面に位置する出口に水を導くことができるドレイン通過部を備えなければならない。このため、適切なドレイン通過部に必要な垂直方向の隙間を確保するために、サンプを製氷機の底部よりも高い位置に取り付ける必要がある。
【0114】
しかしながら、一般的な業務用製氷機の業界標準の全高は約22インチである。重力ドレインが機能するためには、製氷機は、22インチの高さ内に、上から順に、(a)水分配器、(b)水分配器の下の凍結プレート、(c)凍結プレートの下のサンプ、及び(d)サンプの下のドレイン通過部を備える必要がある。したがって、ポンプ排出システムの代わりに重力ドレインを利用すると、凍結プレートの利用可能な高さが制限されることが分かる。さらに、製氷機製造業者は通常、凍結プレートのサイズを小さくすることは、製氷機の氷の生産効率を低下させるという前提に立ち、望ましくないと考えてきた。そのため、製氷機製造業者は、標準的な高さの業務用製氷機で重力ドレインを利用してこなかった。
【0115】
しかしながら、本発明者らは、ポンプ排出機構がサンプから水をすべて除去することができないことを認識している。本発明者らはさらに、製氷機が製氷していないときに残留水が停滞しやすいことを認識している。さらに、停滞は、細菌又は他の有害な生物学的因子の形成につながる可能性がある。
【0116】
そこで、
図39を参照すると、本発明者らは、重力ドレインと、能動的排出ポンプを有する従来の業務用製氷機と比較して、凍結プレート22のサイズを実質的に縮小することなく、また製氷機の氷生産速度を実質的に低下させることなく、製氷機の標準的な高さ内に重力ドレインを収容することを容易にするいくつかの補完的な特徴とを含む、約22インチの全高H0(製氷機キャビネット29の上部から底部までの高さ)を有する製氷機10を着想した。これらの補完的な特徴は、標準的な高さの製氷機10に関連して記載されているが、他の高さの製氷機も、本開示の範囲から逸脱することなく、特徴の1つ又は複数を利用できることが理解されるであろう。
【0117】
上で説明したように、凍結プレート22は、その後壁154に沿った高さHFを有する。示された蒸発器アセンブリ20はまた、蒸発器アセンブリが凍結プレートの頂部から蒸発器アセンブリの底部まで延びる高さH1を有するように、凍結プレート22の底部の下にスペーサ450を含み、高さH1は示された実施形態ではスペーサによって決定される。したがって、一実施形態では、凍結プレート22の底部は、蒸発器アセンブリ20の底部よりも上方に垂直方向に間隔を空けている。これは、図示の製氷機10に要求される氷生産速度が、その既存の設置面積内で、凍結プレートが全高H1に沿って延びた場合に製氷機が満たすことができる速度よりも低いためである。示された製氷機10の用途では、要求される氷生産量が少ないので、示された製氷機は、比較的高いエネルギー効率で要求される量の氷を生産するように構成される。当業者であれば、製造効率のために、製氷機製造業者は、基本的に同一の給水システム及びキャビネットを有するが、異なるレベルの氷生産ニーズを満たす異なるサイズの冷凍システム構成要素(例えば、異なる高さの凍結プレート)を利用する複数のモデルの製氷機を製造することを理解するであろう。
【0118】
図39Aを参照すると、より高い速度で氷を生産するように構成された製氷機10’の別の実施形態が示されている。製氷機10と比較して、製氷機10’は、同じキャビネットサイズを有し、凍結プレートの頂部から蒸発器アセンブリの底部まで延びる同じ高さH1を有する蒸発器アセンブリ20’を有する。製氷機10’が製氷機10と異なるのは、製氷機10’が、より高い速度で氷を生産するように構成された冷凍システム及び凍結プレート22’を含んでいる点のみである。したがって、製氷機10’は、より高さのある凍結プレート22’を備え、下部スペーサを欠く蒸発器アセンブリ20’を含む。凍結プレート22’は、蒸発器アセンブリ20’のほぼ底部まで延びる高さHF’を有する。したがって、
図39Aにおいて、凍結プレートの高さHF’は、高さH1よりわずかに小さいだけである。
【0119】
図39及び39Aのそれぞれにおいて、蒸発器アセンブリ20、20’は、ほぼ同じ高さH1を有し、蒸発器アセンブリ20、20’の底部から製氷機10、10’の底部まで延びるほぼ同じ高さH3を有する。1つ又は複数の実施形態において、高さH1は、約9インチ~約16インチ(例えば、約10インチ~約15インチ、約11インチ~約15インチ、約12インチ~約13インチ)の包括範囲内にある。特定の実施形態において、高さH3は、4インチ超(例えば、5インチ超、6インチ超)。1つ又は複数の実施形態において、高さH3は、約4インチ~約11インチ(例えば、約4インチ~約10インチ、約5インチ~約9インチ、例えば、約6インチ~約8インチ)の包括範囲内にある。高さH1のこの範囲は、ポンプを介して製氷用の水を放出する典型的な製氷機で利用される対応する高さの範囲とほぼ同等であるが、高さH3は、従来のポンプ放出式製氷機における典型的な対応する高さよりも大きいことを、当業者は理解するであろう。このことと、ドレイン通過部78のための利用可能なスペースを最大化する追加の特徴との組み合わせにより、製氷機の標準的な高さのキャビネット29内での重力式ドレインの使用が容易になる。
【0120】
本開示の範囲内の1つ又は複数の実施形態において、製氷機筐体の高さH0は24インチ未満であり、蒸発器アセンブリの高さH1は10インチ超ことが分かる。例えば、特定の実施形態において、筐体の高さH0は23インチ未満であり、蒸発器アセンブリの高さH1は11インチ超。例示的な実施形態において、筐体の高さH0は約22インチであり、蒸発器アセンブリの高さH1は12インチ以上である。
【0121】
重力ドレインの使用を可能にする1つの特徴は、蒸発器アセンブリ20の頂部に水分配器25を一体化することであり、既に上で長きにわたり考察した。これにより、凍結プレート22の高さに直接影響を与えることなく、水分配器25及び蒸発器21のサブアセンブリの全高が、従来の製氷機の対応するサブアセンブリと比較して低減される。したがって、高さの低減は、凍結プレート22の高さの低減によって達成される代わりに、凍結プレートの頂部と分配器25の頂部との間の氷形成装置20の高さH2を低減することによって達成される。例えば、1つ又は複数の実施形態において、高さH2は、5インチ以下(例えば、約4インチ以下、3インチ以下、又は約2.5インチに等しい)である。したがって、分配器25を蒸発器アセンブリ20に一体化することにより、凍結プレート22を製氷機10の頂部により近い位置に取り付けることが可能になり、その結果、製氷機10の底部から凍結プレート22の底部までの高さH3が大きくなる。
【0122】
重力ドレインに対応する別の特徴は、一体型サポート110である。上で説明したように、サポート110は、分配器25、凍結プレート22、及びサンプ60を、垂直方向に延びる支持壁114という一片の材料のみとの関係において正確に規定される垂直方向に間隔をあけた位置で確実に支持する。すべての主要構成要素が、垂直に延びる壁114を画定する同じ材料片に支持されるため、積層される部品によって垂直スペースが消費されることはない。さらに、上で説明したように、1つ又は複数の実施形態において、サポート110は、非常に精密な圧縮成形プロセスで形成される。したがって、1つ又は複数の実施形態において、壁114に支持される構成要素のそれぞれの垂直位置のばらつきの許容誤差は非常に小さくすることができる。
【0123】
上で説明したように、特定の実施形態において、凍結プレート22の底部は、筐体の底部から12インチ未満の高さH3(例えば、11インチ未満の高さ、10インチ未満の高さ)だけ離間している。したがって、図示の実施形態におけるサンプ60及び重力ドレインに許容される空間は、やはりいくらか制限される。限られた利用可能な高さ内に収まることを可能にするドレイン通過部78の追加の特徴について、次に記載する。以下でさらに詳細に説明するように、図示のサポート110は、正確な高さでドレイン通過部78を支持し、ドレイン通過部78が、製氷機の底部のすぐ隣に位置する製氷機10の背面側(広義には、側壁)の出口開口部410を通って開くことを可能にするようにも構成される。さらに、以下でも詳細に説明するように、本発明者らは、信頼性の高い重力式の排水を可能にし、その入口端と出口端との間の高さがごくわずかで済む、新規で堅牢な製氷機ドレインバルブ512を考案した。
【0124】
図40~42を参照すると、図示の実施形態において、ドレイン通過部78は、サンプ60の底部のドレイン開口部414(
図41)から垂直方向に延びる支持壁114を通って後方に延びる第1の上流チューブセクション412(
図42)を備える。サンプ60は、ドレイン通過部78が開いているときに、サンプ内の水が重力によってすべてドレイン開口部414から排水されるように構成されている。例えば、サンプ60の底部は、水が重力によってドレイン開口部414に流れ込むように誘導する流域を形成することができる。
【0125】
図42を参照すると、垂直に延びる支持壁114は、サンプの底部の下方に間隔をあけて設けられたドレイン通過部開口部416を画定している。第1のチューブセクション412は、垂直方向に延びる支持壁114を横切って(例えば、後壁部120を横切って)ドレイン開口部414に接続された上流端部に隣接する部分から、ドレイン通過部開口部416を通って後方に延びている。したがって、第1のチューブセクション412の上流端部は、図示の実施形態では、製氷機10の食品安全側に位置し、第1のチューブセクションの下流端部は、製氷機の非食品安全側に位置する。好適には、製氷機10の非食品安全側からの汚染物がドレイン通過開口部を通って食品安全側に通過するのを防止するために、開口部416において、第1のチューブセクション412の外側と垂直に延びる支持壁114との間にシールが形成される。例えば、ガスケット(図示せず)を、第1のチューブセクションと垂直に延びる支持壁114との間の界面において第1のチューブセクション412の周囲に配置することができる。
【0126】
図42をさらに参照すると、図示の実施形態において、ドレイン通過開口部416の中心は、製氷機10の底部から高さH4だけ離間している。1つ又は複数の実施形態において、高さH4は、約0.5インチ~約4インチ(例えば、約0.5インチ~約3インチ、約0.5インチ~約2インチ、約0.5インチ~約1.5インチ)の包括範囲内にある。ドレイン通過開口部416は、サンプマウント128(上述、
図5参照)の下方に離間して配置されていることが分かる。1つ又は複数の実施形態において、ドレイン通過開口部416の中心は、サンプ60の底部の下方に高さH5だけ離間している。好適には、高さH5は、約1.0インチ~約4.0インチ(例えば、約1.5インチ~約3.0インチ、約2インチ~約2.5インチ)の包括範囲内にある。ドレイン通過開口部416は、約0.5インチ~約2.0インチ(例えば、約0.5インチ~約1.5インチ、約0.5インチ~約1.0インチ)の包括範囲の断面寸法CD1(例えば、直径)を有し得る。したがって、ドレイン通過開口部416の底部と製氷機10の底部との間の高さH4’は、約0.5インチ~約4インチ(例えば、約0.5インチ~約2.5インチ、約0.5インチ~約1.5インチ、約0.5インチ~約1.0インチ)の包括範囲にあり得、ドレイン通過開口部の底部とサンプ60の底部との間の高さH5’は、約1.5インチ~約4.5インチ(例えば、約2.0インチ~約3.5インチ、約2.5インチ~約3.0インチ)の包括範囲にあり得る。
【0127】
図40及び41を参照すると、図示の実施形態において、製氷機10の非食品安全側に位置するドレイン通過部78の第2のチューブセクション420は、後壁部120の後側に沿って横方向に延び、第1のチューブセクションの下流端をドレインバルブ512(以下でさらに詳細に記載する)に接続する。ドレイン通過部78の第3のチューブセクション422は、ドレインバルブ512の出口から第2のチューブセクション520のスパンに沿って横方向に戻って、ドレイン通過部78の第4の、下流側のチューブセクション424まで延びている。支持壁114は、製氷機10の非食品安全側においてキャビネット29内でサポート110にドレインバルブ512を取り付けるように構成された一体的なドレインバルブマウント(例えば、ねじ穴などの一体的に形成された接続点)を備える。したがって、サンプマウント及びドレインバルブマウントは、サンプ60及びドレインバルブ512を、少なくとも1つの垂直に延びる支持壁114の反対側でサポート110に取り付けるように構成される。第4のチューブセクション424は、第3のチューブセクションの下流側端部に接続される上流側のインボード側端部と、キャビネット29の後壁を貫通するドレイン開口部410(
図39)のドレイン連結部426で終端する下流側のアウトボード側端部とを有する。
図39~42及び46において、チューブセクション412、420、422、424のそれぞれの周囲の断熱材は、他の特徴をより明確に示すために省略されている。さらに、図面全体を通して、他の構成要素をより明確に示すために断熱パネルが省略されている。
【0128】
図43及び44を参照すると、本開示の範囲に包含される1つ又は複数の実施形態において、ドレインバルブ512は、全体的に514で示されるバルブ本体と、全体的に516で示されるバルブ部材とを備える。バルブ部材は、開位置(
図3)と閉位置(
図4)との間でバルブ本体514に対して移動可能である。図示のバルブ512は、バルブ部材516を開位置と閉位置との間で選択的に移動させるように構成されたバルブポジショナ518(広義にはアクチュエータ)をさらに備える。1つ又は複数の実施形態において、バルブポジショナ518は、バルブポジショナを用いてバルブ512の動作を制御するコントローラ80(
図1)に接続されている。図示された実施形態では、バルブポジショナ518は、バルブ部材516を開位置と閉位置との間で軸VVAに沿って移動させるように構成されたリニアアクチュエータを備える。例えば、ポジショナ518は、バルブ部材516を軸VVAに沿って開位置に向かって開方向ODに移動させるように構成されており、ポジショナは、バルブ部材を軸に沿って閉位置に向かって閉方向CDに移動させるように構成されている。開位置(
図3)では、水がバルブ本体を通って第1及び第2のチューブセクション412、420(広義には、ドレイン通過部78の上流端部分)から第3及び第4のチューブセクション422、424(広義には、ドレイン通過部の下流端部分)へ流れることを許容するように、バルブ部材516はバルブ本体514に対して位置決めされる。閉位置(
図4)では、水がバルブ110を通ってドレイン通過部78の第2のチューブセクション420から第3のチューブセクション422へ(広義には、上流端部分から下流端部分へ)流れるのを防止するように、バルブ部材516がバルブ本体514に係合する。図示の実施形態では、ばね519がバルブ部材516に動作可能に接続され、バルブ部材を閉位置に向けて閉方向CDに付勢する。
【0129】
バルブ本体514は、ドレイン通過部78の上流端部分と下流端部分との間に流体的に連結されたバルブ通路520を画定する。図示の実施形態では、バルブ本体514は、軸VVAに対して横方向に延びる入口チューブ522及び出口チューブ524を含む。入口チューブ522は、バルブ通路520の上流セクションを画定し、バルブ512をドレイン通過部78の上流端部分に流体連結するように構成されている。出口チューブ524は、バルブ通路520の下流セクションを画定し、バルブ512をドレイン通過部78の下流端部分に流体連結するように構成されている。図示されたバルブ本体516は、軸VVAに沿って概ね長手方向に延びる外側円筒形チャンバ526及び内側円筒形チャンバ528をさらに備える。内側チャンバ528は、外側チャンバ526内に位置し、出口チューブ524の上流端に流体接続されている。外側チャンバ526は、内側チャンバ528から間隔をあけて配置され、内側チャンバ528の周囲に円周方向に延び、入口チューブ522の下流端に流体連結されている。
【0130】
入口チューブ522は、中心軸ITAと、内半径ITRと、その出口端、例えば入口チューブが円筒形チャンバ528に開口する開口部の底縁522Aとを有する。底縁522Aは、半径ITRだけ中心軸ITAから離間している。同様に、出口チューブ524は、中心軸OTAと、半径OTRと、その出口端の底縁524Aとを有する。底縁524Aも同様に、中心軸OTAから半径OTRだけ離間している。図示された実施形態では、上流の底縁522Aは、下流の底縁524Aの上に高さH6だけ離間している。したがって、バルブ512が開いているとき、サンプ60からの水は、入口チューブ522からバルブ通路520を通って流れ、外側チャンバ526を満たすことができる。外側チャンバ526内の水は、内側チャンバ526の上縁を越えて流れ、その後、出口チューブ524を通ってバルブ512から出る。1つ又は複数の実施形態において、高さH6は、約0.1インチ~約0.3インチ(例えば、約0.15インチ~約0.25インチ、例えば、約0.2インチ)の包括範囲内にある。図示の実施形態では、半径ITR、OTRは実質的に同じである。したがって、中心軸ITA、OTAは、約0.1インチ~約0.3インチ(例えば、約0.15インチ~約0.25インチ、例えば、約0.2インチ)の包括範囲内の高さH6’だけ離間している。当業者であれば、高さH6、H6’が従来の吐出バルブにおける対応する高さよりも低いことを認識するであろう。比較的短い高さH6、H6’は、ドレイン通過部78の必要な高さを最小にすることによって、製氷機の氷生産速度を損なうことなく、標準高さの製氷機10における受動重力ドレインの使用を部分的に可能にする。ドレインバルブは、本開示の範囲から逸脱することなく、1つ又は複数の実施形態において他の構成のバルブ本体を有することができることが理解されよう。
【0131】
図示された実施形態では、内側チャンバ528の自由(頂)端部分は、環状の弁座530を画定する。弁座530は、半径方向内側に面し、軸VVAに沿って長手方向に延びる。弁座530は、軸VVAに沿って延びる寸法(例えば、高さ)L1(
図3)を有する。1つ又は複数の実施形態において、環状弁座530の寸法L1は、約1mm~約10mm、例えば約1.5mm~約5mm、例えば約3mmの包括範囲内にある。好適には、弁座530は、軸VVAに沿って延びるにつれて(例えば、閉方向CDに軸に沿って延びるにつれて)、半径方向内側にテーパしている。図示された弁座530は、実質的に弁座の全寸法L1に沿って半径方向内側にテーパしている。1つ又は複数の実施形態において、弁座530は、軸VVAを中心とする実質的に円錐形の表面である。図示された弁座530は、円錐角αを有する。1つ又は複数の実施形態において、弁座530の円錐角αは、約30°~約70°、例えば約45°の包括範囲内にある。
【0132】
バルブ部材516は、一般に、閉位置(
図4)において弁座530にシール係合して、外側チャンバ526内の水が内側チャンバ528内に流入するのを阻止するように構成される。それにより、閉じたバルブ512は、ドレイン通過部78の上流端部分から下流端部分へのバルブ通路520を通る流れを遮断する。このように、バルブ部材516は、バルブ部材が閉位置にあるとき、ドレイン通過部78を閉鎖し、サンプ60内に水を保持するように構成される。好適には、バルブ部材516は、バルブ部材が閉位置にあるときに弁座530に対して弾力的に圧縮される弾力的に変形可能な材料から少なくとも部分的に形成され得る。
【0133】
図示された実施形態では、バルブ部材516は、軸VVAに沿って長手方向に延びる環状シール面532を備える。環状シール面532は、バルブ部材516が閉位置にあるとき、軸VVAに沿って弁座530と半径方向に重なり、シール係合するように構成されている。言い換えると、弁座530とシール面532は、バルブ512の閉位置において軸VVAに沿って長手方向に延びるシール界面で互いに係合するように構成されている。シール面532と弁座530との間のシール係合は、バルブを閉じる。
【0134】
好適には、シール面532は、弁座530の形状に実質的に対応する形状を有する(例えば、弁座及びシール面は、実質的に同じ形状であるが、対向する方向を向く表面部分を含む)。したがって、図示されたシール面532は、半径方向外側に面し、軸VVAに沿って延びる寸法L2(
図43)を有する。1つ又は複数の実施形態において、シール面532の寸法L2は、約1mm~約10mm、例えば、約3mm~約7mm、例えば、約5mmの包括範囲内にある。1つ又は複数の実施形態において、寸法L2は、寸法L1よりも約1mm大きい。好適には、シール面532は、軸VVAに沿って延びるにつれて(例えば、閉方向CDに軸に沿って延びるにつれて)、半径方向内側にテーパしている。図示されたシール面532は、シール面の実質的に全寸法L2に沿って半径方向内側にテーパしている。1つ又は複数の実施形態において、シール面532は、軸VVAを中心とする実質的に円錐形の面である。図示されたシール面532は、好適には、弁座530の円錐角αと実質的に同じである円錐角βを有する。したがって、1つ又は複数の実施形態において、バルブ部材シール面532の円錐角βは、約30°~約70°の包括範囲内にある。
【0135】
図示された実施形態では、環状シール面532は、軸VVAに沿って連続的に延びる実質的に円錐形のシール界面に沿って、弁座530に半径方向に重なり、シール可能に係合するように構成されている。特定の実施形態において、閉位置において、シール面532及び弁座530は、寸法L1にほぼ等しい軸VVAに沿った長さ、例えば、約1mm~約10mm、例えば、約1.5mm~約5mmの包括範囲内、例えば約3mmの長さの軸に沿った長さを有する連続したシール界面で互いに係合するように構成される。例えば、シール面532及び弁座530は、円錐シール面の実質的に全寸法L2に沿って互いに係合するように構成され得る。特定の実施形態では、シール面532及び弁座530は、円錐弁座の実質的に全寸法L1に沿って互いに係合するように構成され得る。図示の実施形態では、バルブ本体514とバルブ部材516との間の流体シールは、軸VVAに沿って長手方向に延びる表面530、532によってのみ形成される。しかしながら、1つ又は複数の実施形態において、シール界面の一部は、半径方向平面に延びる表面によって画定され得ることが理解されるであろう。例えば、バルブ部材516は、半径方向平面に延びる弁座530の上向きエッジにシール係合する、半径方向平面に延びる下向き面を有するフランジを含むように変更され得ることが企図される。さらに、弁座530及びバルブ部材シール面532は、図示の実施形態では実質的に円錐形であるが、1つ又は複数の実施形態では、面の一方又は両方は他の環状形状を有し得る。
【0136】
使用中、コントローラ80は、バルブ部材516をバルブ本体514に対して開閉方向OD、CDに移動させることによって、ドレインバルブ512を開閉するようにバルブポジショナ518に指示する。同時に、ばね519はバルブ部材516を閉方向CDに付勢する。したがって、ポジショナ518は、バルブ512を開くためにばねの力に打ち勝たなければならない。
【0137】
バルブ部材516と弁座530は運転中に硬水と接触することが多く、そのため弁座とバルブ部材シール面532の両方に水垢が形成されることがある。平面シール界面を画定する平坦なシール面を有する従来の製氷機の排出バルブと比較して、ドレインバルブ512は、高水垢環境においてより良好に機能することが判明している。従来の製氷機の平坦なシール面に水垢が蓄積すると、すぐにシール効果がなくなるのに対し、ドレインバルブ512は、時間の経過とともに弁座530及びシール面532に水垢が蓄積しても、シールを維持することが判明している。
【0138】
バルブ512は、バルブ部材とバルブ本体との間のシール面がバルブ軸に垂直な平面内に延びるいくつかの従来のバルブと一緒に試験された。具体的には、各タイプのバルブを装着した製氷機を、650ppmを超える溶存固形分を有する非常に硬い水で作動させた。従来のバルブを備えた製氷機は、約250~300時間の運転で故障し、その時点で従来のバルブは、バルブ部材とバルブ本体の間の平面界面から2~5cc/secの漏出率を示した。比較すると、バルブ512を備えた製氷機は、0.5cc/secの最小漏出率が観察されるまでに1250時間を超えて作動した。
【0139】
硬水環境におけるより堅牢な動作に加え、バルブ512は従来の排出バルブよりもエネルギー効率が高い。その理由の1つは、バルブ本体514とバルブ部材516との間の流体シールを維持するために必要なばね圧が少なくて済むことである。その結果、ばね519の力に抗してバルブ512を開くためにポジショナ518に要求されるエネルギーが少なくて済む。1つ又は複数の実施形態において、バルブ512は、ポジショナ518がバルブを開くために8.5ワット未満(例えば、約7.5ワット~約8.2ワットの包括範囲内)を使用するように構成される。対照的に、閉位置に弁座を維持するためにはより大きなばね圧が必要であるため、従来の排出バルブはバルブを開くために9.0ワット以上を必要とする。
【0140】
図45~47を参照すると、図示の製氷機サポート110は、ドレイン通過部78の高さを最小にし、それによって、サンプ60が製氷機10の底部の上方に取り付けられる高さを最小にするように構成されたドレイン通過溝610をさらに備える。ドレイン通過溝610は、製氷機10の外部に隣接する前端部分(広義には、インボード端部分)から後端部分(広義には、アウトボード端部分)まで長手方向に延びている。
図47に示すように、ドレイン通過溝610は底部を有し、後端部分におけるドレイン通過溝の底部は、前端部分におけるドレイン通過溝の底部よりも下方に高さH7だけ垂直方向に離間している。1つ又は複数の実施形態において、高さH7は、0.25インチ以上であり、例えば、約0.25インチ~約0.75インチの包括範囲、例えば、約0.35インチ~約0.55インチ又は約0.4インチ~約0.5インチの包括範囲内である。このように、ドレイン通過溝610の底部は、ドレイン通過溝が前端部分から後端部分に延びるにつれて下方に傾斜する。例えば、ドレイン通過溝610は、約1°~約10°の包括範囲(例えば、約1°~約5°の包括範囲、約2°~約4°の包括範囲、例えば約3°)の傾斜角度δで下方に傾斜することができる。特定の実施形態では、その後方(アウトボード)端部部分におけるドレイン通過溝610の底部は、製氷機10の底部を画定する底壁112の底部から、1.0インチ未満、例えば、0.9インチ未満、0.75インチ未満、又は約0.05インチ~約0.1インチの包括範囲(例えば、約0.1インチ~約0.75インチの包括範囲)の高さH8だけ離間している。
【0141】
図46を参照すると、ドレイン通過溝は、ドレイン連結部426を製氷機キャビネット29の外側垂直壁(この場合、後壁)の非常に低い位置に位置決めすることを可能にする。図示の実施形態では、第4のドレインチューブセクション424は、ドレインチューブが溝610の前端部分に隣接する部分から後端部分に延びるにつれて下方に傾斜するように、ドレイン通過溝610に受け入れられるドレインチューブを備える。ドレイン通過溝610と同様に、1つ又は複数の実施形態において、第4のドレインチューブセクション424を構成するドレインチューブの軸DTAは、約1°~約10°の包括範囲(例えば、約1°~約5°の包括範囲、約2°~約4°の包括範囲、例えば、約3°)の傾斜角度δ’で下方及び後方に傾斜する。さらに、その前端部分における第4のドレインチューブセクション424の内周の底部は、その後端部分における第4のドレインチューブセクションの内周の底部よりも上方に、0.25インチ以上、例えば、約0.25インチ~約0.75インチの包括範囲、例えば、約0.35インチ~約0.55インチの包括範囲、又は約0.4インチ~約0.5インチの包括範囲の高さH9だけ離間している。さらに、ドレイン通過部78の下流端の底部を画定する、その後端における第4のドレインチューブセクション424の内周の底部は、製氷機10の底部よりも上方に、1.2インチ未満、例えば、1.1インチ未満、1.0インチ未満、又は約0.2インチ~約1.2インチの包括範囲の高さH10だけ離間している。
【0142】
したがって、図示された標準高さの製氷機10は、重力ドレインを含むにもかかわらず、ポンプを介して水を排出する同等の従来の製氷機と比較して、製氷機の氷生産能力を低下させないことが分かる。図示の実施形態では、この偉業は、特に、(i)分配器25を蒸発器20と一体化すること、(ii)製氷機10の主要構成要素を単一のモノリシック支持壁110に取り付けること、(iii)ドレインバルブ512を、その入口522と出口522との間にわずかな高さH6しか必要としないように構成すること、及び(iv)製氷機の底壁112に傾斜した溝610を形成して、ドレインチューブ624が製氷機の底部にすぐ隣接する開口部410を通って開くようにすること、によって達成される。本開示の範囲内の製氷機は、本開示の範囲から逸脱することなく、特徴(i)~(iv)を1つも含まない場合もあれば、それらのすべて、いずれか1つ、又は2つ以上の任意の組み合わせを含む場合もある。
【0143】
重力式ドレインは、排出ポンプを有する従来の製氷機と比較して、製氷機10の性能の特定の側面を高めると考えられる。例えば、製氷水が高濃度の溶存固形物を生成するのを防止するために、製氷機サンプから一部又はすべての水を定期的に排水することが知られている。通常、この操作は、採取サイクル中又はその直前に行われる。しかしながら、排出バルブが開いた後でも、ポンプを作動させると、給水通路に既に存在する水の一部が、水分配器を通って凍結プレートに付与される。採取サイクルの間、これは、採取される氷に沿って暖かい水を流し、氷の早期融解を引き起こす可能性があるため、望ましくない。排出操作は、採取開始前に行うこともできるが、そうすると、凍結サイクルの期間が長くなり、製氷機の非効率的な動作の原因となる。対照的に、図示の製氷機を使用してサンプ60から水を排水する例示的な方法では、コントローラ80は、コントローラが高温ガスバルブ24を開いて採取サイクルを開始した後に、ドレインバルブ512を開く。ドレインバルブ512を開くと、サンプ内の水が重力によって排水されるが、分配器25を通る流れは生じず、凍結プレート22に追加の水を与えることもない。したがって、非効率をもたらしたり、氷の品質に悪影響を与えたりすることなく、排出動作を行うことができる。製氷機の構成及び用途に応じて、排出動作は、サンプ60から所定の量の水を重力によって定期的に排水し(例えば、ドレインバルブを所定の時間開いたままに維持することによって)、及び/又はサンプからすべての水を重力によって排水する(例えば、ドレインバルブを閉じる前にサンプが空になったことを示す信号を圧力センサ82から受信するまでドレインバルブを開いたままに維持することによって)ことができる。
【0144】
本発明の要素またはその好ましい実施形態(複数可)を導入する場合、各要素は、1つまたは複数存在することを意味すると意図されている。用語「から成る」、「含む」、および「有する」は、包括的であることが意図されており、記載された要素以外に追加の要素が存在してもよいことを意味する。
【0145】
上記に鑑みると、本発明のいくつかの目的が達成され、他の有利な結果が得られることが明らかであろう。
【0146】
本発明の範囲から逸脱することなく、上記の製品および方法において様々な変更が可能であるため、上記の説明に含まれるすべての事項は、例示的なものとして解釈されるべきであり、限定的な意味ではない。
【国際調査報告】